将来の無線通信システム(例えば、5G、NR)は、様々な無線通信サービスを、それぞれ異なる要求条件(例えば、超高速、大容量、超低遅延など)を満たすように実現することが期待されている。
例えば、5Gでは、eMBB(enhanced Mobile Broad Band)、IoT(Internet of Things)、MTC(Machine Type Communication)、M2M(Machine To Machine)、URLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)などと呼ばれる無線通信サービスの提供が検討されている。なお、M2Mは、通信する機器によって、D2D(Device To Device)、V2V(Vehicle To Vehicle)などと呼ばれてもよい。上記の多様な通信に対する要求を満たすために、新しい通信アクセス方式(New RAT(Radio Access Technology))を設計することが検討されている。
さらに、NRでは、高周波数を含め、広い周波数帯域をサポートすることが想定される。具体的には、6GHz以上の周波数帯において、連続する800MHz幅、又は、2GHz幅等の周波数バンドが考えられる。このような広い周波数帯域を、複数のオペレータ、又は、単一のオペレータで使う場合が考えられる。
なお、LTEでは、キャリア帯域幅は6つのパターン(1.4、 3、 5、 10、 15、 20MHz)が規定されており、LTE−Aにおいて複数のコンポーネントキャリアを束ねるCA技術による広帯域化が追加サポートされている。このような広帯域化の背景には、LTEとの後方互換性(Backward compatibility)が考慮されている。例えば、20MHzよりも広いキャリア帯域幅を規定してしまうとその広帯域キャリアにはレガシー端末(LTE UE)が接続できなくなってしまうという問題を解消している。
キャリア帯域幅の制約は、上述の後方互換性によるものの他に、ユーザ端末の備えるA/D及び/又はD/Aのコスト及び消費電力、ベースバンドの処理速度、FFTのサイズの内の少なくとも1つに起因する場合もある。
このような制約の一方で、ユーザ端末においては、デバイスの進化に伴って、より広いキャリア帯域幅をサポートする機能(送受信の能力)が備えられる可能性も考えられる。ただし、このような機能の拡充は、コストとのトレードオフの関係がある。
なお、上記NRにおいて想定される広い周波数帯域において、様々な送受信能力を有するユーザ端末をどのように運用するかといった点について、以下のLTE−likeな方法が考えられる。
この方法では、所定の帯域幅をシステム帯域幅として規定し、それより広い帯域幅が利用可能な周波数帯ではバンド内(intra-band)の複数キャリア間CAによる広帯域化を行う。例えば、800MHz幅のバンドに100MHz毎のCCを複数置いて運用することが考えられる。このような方法では、共通制御信号などによる負荷をCC間で分散させることが可能となる。
例えば、図1では、200MHzの利用可能な周波数帯を有するユーザ端末には、100MHzのCCが2つ割り当てられる。また、400MHzの利用可能な周波数帯を有するユーザ端末には、100MHzのCCが4つ割り当てられる。
しかしながら、このような方法では、例えば、400MHzより広帯域をサポートして送受信可能なユーザ端末が提供された場合、前述の後方互換性の観点から400MHz CCを追加規定することが難しい。そのため、LTE−Aのような方法で広帯域に対応するためにCAのCCの数が増えていくこととなり、ユーザ端末内のスケジューリング処理(いずれのCCで信号を送信するかなど)、及び/又は、CCごとの測定結果報告(measurement report)及びCSI(Channel State Information)報告に係る処理が増加し、複雑化する問題が生じる。
また、50MHzまでの CCしか対応しないユーザ端末が存在する場合、50MHz単位でCCを区切らないとそのユーザ端末はネットワークにアクセスすることができない。このため、SS(同期信号)/PBCH等のオーバーヘッド、上記測定結果報告及びCSI報告に係る処理負荷が増加する。さらに、実際の運用にあたっては、CC毎にCA可能な組み合わせペアの性能規定・テスト規定を作る必要がある。
本発明者等は、このような点から、ユーザ端末の送受信能力、特に、下りリンク(DL)信号の割り当て候補の帯域であるDL候補帯域、及び、上りリンク(UL)信号の割り当て候補の帯域であるUL候補帯域に着目し、これらの帯域の少なくとも一方を、システム帯域上の所望位置に、ユーザ端末固有に設定することに着想した。このような着想は、上述のキャリアアグリゲーションとは全く異なった発想である。
なお、DL候補帯域は、下りリンク(DL)信号の割り当て候補を含んだ帯域(PDSCH、PDCCH)であり、この帯域幅は、ユーザ端末のUE能力(UE capability)を示す指標の一つである。DL候補帯域は、共通サーチスペースに割り当てられる信号(共通制御信号)、例えば、RACHやページング等が割り当てられる帯域を含んでもよい。データの送信にあたっては、下りリンク制御信号によって指定されたDL候補帯域内のリソースが用いられる。また、上記DL候補帯域は、DL信号を観測するという観点から、観測帯域(モニタリング帯域)と称してもよい。
また、UL候補帯域は、上りリンク(UL)信号の割り当て候補を含んだ帯域であり、この帯域幅は、ユーザ端末のUE能力を示す指標の一つである。データの送信にあたっては、上りリンク制御信号で指定されたUL候補帯域内のリソースが用いられる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、初期接続・共通制御チャネル送受信を行う所定の帯域幅のみが規定されており、接続後はネットワークがUE能力に応じてUE個別にDL候補帯域及び/又はUL候補帯域を設定する。本実施形態は、UE固有のキャリア動作であるともいえる。
具体的には、図2に示されるように、例えば800MHz幅のような広帯域のバンドで初期接続用のSS(同期信号)、PBCH等がネットワークから送信される。ユーザ端末はこれらの信号を受信し、受信した情報に基づいてネットワークにアクセスする。アクセス後は、UE能力に応じて800MHz内の任意の100MHz、200MHz、400MHzのいずれかを、DL候補帯域及び/又はUL候補帯域として設定する。
このような実施形態によれば、UE能力に応じて柔軟に、DL候補帯域及び/又はUL候補帯域を設定することができ、前方互換性(Forward compatibility)を有する。
次に、上記実施形態における、各種態様を以下に簡潔に説明し、その後、各態様を詳細に説明する。
(態様1)
態様1では、ユーザ端末はDL候補帯域及び/又はUL候補帯域に関する情報をUE能力情報としてネットワークに報告する。ネットワークは、DL候補帯域及びUL候補帯域の内、報告された情報に基づいて、DL候補帯域及び/又はUL候補帯域の設定をユーザ端末に指示する。これにより、ユーザ端末は、CC単位の制御を複数行うことなく、さらに、システム帯域幅を意識することなく、ユーザ端末個別の帯域でネットワークとの通信を行うことができる。このようなシステム帯域幅を意識しない動作、すなわち設定されたDL候補帯域及び/又はUL候補帯域の内に閉じた動作とすることで、将来デバイスの進化に応じて処理単位となる帯域幅が広げられるようになった場合にも対応が可能となる。
(態様2)
態様2では、ユーザ端末は、SSを所定の周波数ラスタ上でサーチし、SSを検出したラスタに対応するリソース上でPBCHを受信する。その後、初期アクセスに必要なシステム情報の受信やランダムアクセス処理、RRM測定(Radio Resource Management measurement)のうち少なくとも一つを、ユーザ端末は、当該リソース(上記SS/PBCHと同一リソース)上で行う。
態様2によれば、SS、PBCHの送受信を行うリソースが限定され、さらに、SIB、RACH、メジャメントRSの内の少なくとも一つを上記リソースで送受することができる。これにより、処理毎にRF再調整(RF retuning)を行う必要が無くなり、RF再調整回数を少なくすることができる。また、並列処理するRF数を削減することもできる。したがって、ユーザ端末の安定した動作が提供できる。
(態様3)
態様3では、ネットワークの指示にしたがって、ユーザ端末が、共通制御信号(共通サーチスペースに割り当てられる信号)の検出(受信)及びランダムアクセス処理の内の少なくとも一方を行うリソースを、ユーザ端末個別又はユーザ端末を含むグループ毎に設定する。
態様3によれば、特定のリソースに広帯域内の全ユーザ端末の共通制御信号及び/又はRACHが集中してしまうことを防止し、負荷分散が可能となる。
(態様4)
態様4では、ユーザ端末がRRM測定を行うためのリソースを、DL候補帯域内、及び/又は、DL候補帯域外に1つ以上設定されている。ユーザ端末は、設定された1つ以上のリソースにおける測定をメジャメントギャップ(measurement gap)あり/なしに実施できるかをUE能力としてネットワークに報告する。ここで、メジャメントギャップとは、測定のためにデータの送受信を停止することを意味する。
メジャメントギャップが不要のユーザ端末に対しては、測定の指示した際にデータの送信を停止する必要が無いため、これに応じたスケジューリングが可能となる。一方、メジャメントギャップが必要なユーザ端末に対してはデータ送信の停止を前提としたスケジューリングを行うことができ、いずれのユーザ端末に対しても適切なスケジューリングを行うことができる。また、一旦設定されたDL候補帯域外にユーザ端末にとって好ましいリソースがある場合、DL候補帯域を設定し直す(切り替える)ことができる。
(態様1の詳細)
次に、態様1のUE固有キャリア(UE specific carrier)の設定、認識方法の詳細を図面を参照して説明する。
<UE能力情報の報告>
ユーザ端末は、DL候補帯域の最大帯域幅、及び/又は、UL候補帯域の最大帯域幅に関する情報をUE能力情報としてネットワークに報告する。上述のように、ネットワークは、UE能力に基づいて、DL候補帯域及び/又はUL候補帯域を設定するための帯域情報をユーザ端末に通知する。ユーザ端末は、帯域情報に従って、DL候補帯域及び/又はUL候補帯域を設定する。
ここで、帯域情報は、候補帯域(DL候補帯域及び/又はUL候補帯域)の帯域幅及び/又は位置を含んでもよい。また、ユーザ端末からUE能力情報で報告される最大帯域幅と、ネットワークから帯域情報で通知される帯域幅は同じでなくともよい。また、ネットワークからユーザ端末に通知される「位置」は、システム帯域上の位置を示す情報であればよい。
また、帯域情報が帯域幅のみの場合には、ユーザ端末は、予め通知又は設定されているラスタに従って、候補帯域を設定する。帯域情報が位置のみの場合には、ユーザ端末は、予め通知又は設定されている帯域幅に従って、候補帯域を設定する。
ユーザ端末は、DL候補帯域及びUL候補帯域のそれぞれの最大帯域幅をセットで1UE能力情報としてネットワークに報告してもよく、個別のUE能力情報として報告してもよい。また、ユーザ端末は最大の候補帯域幅のみを報告してもよいし、動的に切り替え可能な複数の帯域幅(ダイナミックに何MHz幅の動作で複数切り替えられる)のセットを報告してもよい。例えば、動的に切り替えることにより、通信状態のよいリソースを適宜選択することで(UEのトラフィックに応じて動作帯域を動的に切り替えることで)、省電力化を図ることができる。また、最大のレートで、最大の帯域幅で受け取らなくてもよいように設定することでも省電力化を図ることができる。
<帯域情報の通知>
ネットワークは帯域情報を以下のいずれかの方法で通知する。
(通知1) 上位レイヤシグナリングでUE個別に一つの帯域情報を通知する。
(通知2) 上位レイヤシグナリングで複数の候補帯域幅を設定し、L1/L2シグナリング(DCI又はMAC)で候補の中で切り替える(上記ダイナミックな切り替え)。
(通知3) システム情報として複数の候補帯域を報知し、上位レイヤシグナリングまたはL1/L2シグナリングで候補の中の一つを通知する。例えば、システム帯域が800MHzだったら、一番左の100MHzか、隣の200MHzか、それともその隣の400MHzかといったものを通知する。
また、上記帯域情報における、候補帯域の位置の通知を、以下のいずれかの方法で行うことができる。
(通知4) バンド内のSSラスタ番号+SSラスタ上のPRBとUE固有キャリア中心(自分がSSを検出した場所を基準とすることができる)PRBとの間の相対オフセット+観測帯域内PRB数(幅)を用いる(図3参照)。
例えば、800MHzなど帯域幅が広い場合は別の場所でSSが送信されていることが考えられ、各SSのラスタ番号が設定されていれば、このラスタ番号からのオフセットを通知すれば良い。図3に示されるように、ラスタ#0で初期アクセスが完了し、この後のラスタ#2で通信を行う場合、このオフセットをPRB数で通知するとビット数が多くなってしまう。通知4によれば、PRB数の場合よりもビット数を削減することができる。
また、PRB数の代わりにPRB グループ数、又は、所定パターンのインデックスによる通知でもよい。
(通知5) ランダムアクセスを行ったリソース内の所定のPRBを基準としたUE固有キャリア中心PRBとの間の相対オフセット+観測帯域内PRB数を用いる(図4参照)。通知5によれば、ランダムアクセスのリソースを定期的にかえることができる。なお、ランダムアクセスの帯域はシステム情報として通知される。
<UL候補帯域幅>
≪PUSCH,SRS≫
UL候補帯域における、PUSCH,SRSについて説明する。PUSCH,SRSについては、UE能力情報として報告されたUEの最大送信可能帯域幅に基づいて、ネットワークはULリソース割当を行う。この際、上位レイヤシグナリングでUL割り当て候補リソースを通知されてもよい。
なお、使用されるULリソースは、PDCCHのULグラントで通知されてもよい。ただし、システム帯域が広い帯域の場合、ULリソースを指定するULグラントのビット数が足りなくなる可能性がある。このため、UL候補帯域幅は、ULグラントで利用可能なビット数に基づいて設定されることが好ましい。
PUSCH,SRSの具体的な割り当て例は以下のものが考えられる。
(例1) DLとは違う周波数リソース(FDD like)でもよく(図5)、同一リソース上で(一部)重複する形(TDD)でもよい(図6A、図6B)。ただし、上位レイヤシグナリングをしない場合(もしくは明示的に指示された場合)には、DL候補帯域と同じ帯域であってもよい。
(例2) DLリソース中心からのオフセットでUL割当候補リソース中心を通知してもよく、SS/PBCHリソースやRACHリソース中心からのオフセットで通知してもよい。
(例3) RACHリソース等との括り付けを仕様上定義する(例えば中心を揃える)ことで、リソース位置の中心を別途通知しなくてもよい(UL最大帯域幅のみ通知)。
≪PUCCH≫
次に、UL候補帯域におけるPUCCHについて説明する。例えば、スケジューリングリクエスト、CSIは対応するDLが無いなかで行われることになるので、どこのリソースを使って送るのかは予めルールを決めておくことが好ましい。
SR, CSIについては、以下の送信方法を適用することができる。
(例1) SS/PBCH等の共通制御信号をモニタリングしている周波数リソース上の所定のリソースで送信する。
(例2) 上位レイヤシグナリングで設定される周波数リソース上(DL候補帯域リソースとは別又は同一)のリソースで送信する。
(例3) PBCH、SIB等の報知(ブロードキャスト)で設定される周波数リソース上の所定のリソースで送信する。
HARQ−ACK/NACKについては、以下の送信方法を適用することができる。DL割当が行われた周波数リソース上の所定のリソースで送信(self contained構成)、又は、DL受信後の同じ周波数リソース上で最後のシンボルを使ってフィードバックする。
(態様2の詳細)
次に、態様2のUE固有キャリアへの接続方法、キャンプ方法の詳細を図面を参照して説明する。
ユーザ端末はSSを所定の周波数ラスタ上でサーチし、SSを検出したラスタに対応するリソース上でPBCHを受信する。その後、初期アクセスに必要なシステム情報(SIB)の受信、ランダムアクセス処理、RRM測定の送受信のうち少なくとも一つを当該リソース上で行う。なお、SS検出後のランダムアクセス処理などは、図7に示される既存のランダムアクセス手順に沿って行うことができる。
SIBの受信、ランダムアクセス処理、及び、RRM測定は、広帯域の任意の周波数で行われることが可能である。即ち、SSのサーチやPBCHの受信で用いられた周波数帯域に限定されなくてもよい。その一方で、初期アクセスが完了した後、ユーザ端末がアイドルモードなどでキャンプし続ける場合、SIBの受信、ランダムアクセス処理、及び、RRM測定が行われる周波数帯域と、SS/PBCHの周波数帯域とが異なっていると、これらの周波数帯域間で周波数をリチューニングすることが多くなり、ユーザ端末に負荷がかかる。上記態様2によれば、このようなリチューニングの回数を削減しユーザ端末の負担を低減することができる。
具体的には、SIBやRACH(PRACH、RAR等)、測定RSなどをSS/PBCHと同じ所定のリソース上に限定して送受信することで、端末の処理を当該リソース上での処理とデータ送受信用の広帯域リソース上での処理の2つにフォーカスすることができる(少なくともコネクテッドモード時)。また、アイドルモード時にはさらにSS/PBCH、SIB、RACH、測定RS等をモニタリングするリソースのみにフォーカスした省電力動作も可能となる。
また、SS/PBCH、SIB、RACH、測定RS等をモニタリングするリソースがDL候補帯域内のリソースに含まれるようにしてもよく、重複しないリソースに設定してもよい。このような構成について以下に説明する。
<UE構成例1>
SS/PBCH、SIB、RACH、測定RS等をモニタリングするリソースがDL候補帯域内のリソースと重複しないリソースに設定される場合の構成が図8Aに示される。この場合、ベースバンドの通信系列に係る構成は、図8Bに示されるようになる。
図8Bに示されるように、200MHz帯域用のベースバンド通信系列と、5MHz帯域用のベースバンド通信系列とが個別に設けられる。それぞれのベースバンド通信系列には、周波数変換部、A/Dコンバータ、BB(ベースバンド)処理部が備えられる。
200MHz帯域用のベースバンド通信系列は、アイドルモード時にはオフとなり、5MHz帯域用のベースバンド通信系列で対象となる動作以外の全ての動作において機能する。具体的には、少なくとも、DL制御/データのモニタリング、CSI測定などのコネクテッドモード時の動作で機能する。
5MHz帯域用のベースバンド通信系列は、常にオン状態となり、SS/PBCHのモニタリング時に機能することに加えて、初期アクセスに必要なシステム情報(SIB)の受信、ランダムアクセス処理、RRM測定の送受信のうち少なくとも一つの動作において機能する。
<UE構成例2>
SS/PBCH、SIB、RACH、測定RS等をモニタリングするリソースがDL候補帯域内のリソースと重複するソースに設定される場合の構成が図9Aに示される。この場合、ベースバンドの通信系列に係る構成は、図9Bに示されるようになる。
SS/PBCH、SIB、RACH、測定RS等をモニタリングする帯域がDL候補帯域の帯域(200MHz幅)に含まれているため、図9Bに示されるように、周波数変換部は、200MHz帯域用のみを備えることで済む。ただし、A/Dコンバータ及びBB処理部は、200MHz帯域用のベースバンド通信系列と、5MHz帯域用のベースバンド通信系列とに個別に設ける必要がある。
200MHz帯域用のA/Dコンバータ及びBB処理部は、アイドルモード時にはオフとなり、5MHz帯域用のA/Dコンバータ及びBB処理部で対象となる動作以外の全ての動作において機能する。具体的には、少なくとも、DL制御/データのモニタリング、CSI測定などのコネクテッドモード時の動作で機能する。
5MHz帯域用のA/Dコンバータ及びBB処理部は、アイドルモード時にオン、コネクテッドモード時にはオフとなり、SS/PBCHのモニタリング時に機能することに加えて、初期アクセスに必要なシステム情報(SIB)の受信、ランダムアクセス処理、RRM測定の送受信のうち少なくとも一つの動作において機能する。
UE構成例2は、UE構成例1に比べて簡易な構成とすることができる。UE構成例2においては、コネクテッドモードの時にのみ、200MHz帯域用のA/Dコンバータ及びBB処理部をオンにすればよいので、UE構成例1に比べて消費電力を抑えることができる。
SIBの受信、ランダムアクセス処理、及び、RRM測定は、広帯域の任意の周波数で行われるように、共通制御信号受信用帯域を任意に設定することが可能であるが(図8A、図9A)、態様2においては、システム情報(SIB)の受信、ランダムアクセス処理、RRM測定の送受信のうち少なくとも一つを、SSを検出した共通制御信号受信用帯域で行うように設定する。これにより、周波数リチューニングの回数を抑え、ユーザ端末に係る負担を低減できる。なお、上述のUE構成例1、2の場合で説明したように、アイドルモード時には、共通制御信号受信用帯域を1つにすることも効果的である。
(態様3の詳細)
次に、態様3の共通制御信号(RACH、ページング等)の負荷分散方法の詳細を図面を参照して説明する。
システム帯域が広帯域となるため、共通制御信号受信用帯域の候補が複数あることが好ましい。例えば、最初に検出したSSの帯域にその後の共通制御信号受信用帯域を規定した場合、システムとしての柔軟性が損なわれる虞もある。例えば、SS/PBCHなどを送るリソースを限定すると(1つの帯域、リソースに限定すると)、オーバーヘッドは減るが、共通制御信号もその帯域(リソース)に限定すると負荷(例えばRACHやページング)はこの帯域に集中する。特に、RACHやページングは、ユーザ端末数に比例して増加するため、限定された帯域への負荷も増加する。
このため、最初に検出したSSが含まれる共通制御信号受信用帯域とは異なった、共通制御信号受信用帯域に受信動作(モニタリング動作)を移すことが考えられる。例えば、ネットワークから共通制御用候補帯域を設定できるようにしてもよい。また、SSラスタが設定されている場合、このインデックスを用いて共通制御信号受信用帯域を指定することが考えられる。
具体的には、ネットワークはユーザ端末が共通制御信号(共通サーチスペース)のモニタリング及びランダムアクセスのうち少なくとも一方を行う帯域(リソース)をUE個別またはUEグループ毎に設定する。
ユーザ端末が最初にSSを検出したリソース以外のリソースを共通制御信号モニタリングやランダムアクセス等に用いることができるようにすることで、広帯域内の一部のリソースにRACHやPaging等が集中することを防げる。
ユーザ端末はSS/PBCH、共通制御信号、RACH、測定RSのうち少なくとも一つを含むリソースが、ネットワークによって設定されたDL候補帯域に含まれると想定してもよい(図10)。
ユーザ端末は、SS/PBCH、共通制御信号、RACH、測定RSのうち少なくとも一つの送受信を、DL観測帯域内のどのリソースで行うのか、ネットワークから設定されてもよい。また、ユーザ端末が自律的にDL候補帯域内でSSをサーチし直してもよい。あるいは、DL候補帯域の外に、ユーザ端末がSSを検出したリソース以外のリソースを共通制御信号、RACHのうち少なくとも一つを送受信するために設定してもよい。
<共通制御信号の分散処理例>
ここで、共通制御信号の分散処理例を図10を参照して説明する。図10では、システム帯域に3つの共通制御用候補帯域が設定されている。
UE#1、#2は、SSラスタ#0でSSをサーチし、NRセルを検出する(ステップ1)。初期接続の完了後、例えば、上記態様1に従ってDL候補帯域がUE#1、#2に設定される(ステップ2)。図10に示されるように、UE#1にはSSラスタ#0を含んだ200MHz帯域が設定される。また、UE#2にはSSラスタ#2を含んだ300MHz帯域が設定される。
ここで、UE#2については、ネットワークからの指示にしたがって、SSラスタ#2が共通制御信号受信用帯域として設定される(ステップ3)。具体的には、UE#2は、SSラスタ#2で、SS/PBCH、共通制御信号、RACH、測定RSのうち少なくとも一つの送受信を行う。これにより、SSラスタ#0にRACHやPaging等の処理が集中することを防止できる。
なお、UE#1は、上記態様2のUE構成例2の場合と同様に構成され、動作することができる。一方、UE#2は、UE構成例1と同様の構成を備えることが好ましい。
(態様4の詳細)
次に、態様4のDL候補帯域切り替えのための測定(measurement)の詳細を図面を参照して説明する。
上述の態様1、3で設定された候補帯域(DL候補帯域及び/又はUL候補帯域)が、ユーザ端末にとって常に好ましい帯域であるとは限らない。例えば、周りのセル環境(どのユーザにどのリソースを割り当てているかなどの状況)で干渉の度合いがリソースごとに変化することが考えられる。ユーザ端末にとって好ましい帯域を探すために、複数ポイントでの測定を行うことが好ましい。
このため、DL候補帯域内及び/又は前記DL候補帯域外に複数のメジャメント用リソースを設定する。複数のメジャメント用リソースの設定は、ネットワークから指示するようにしてもよい。もしくは、ユーザ端末自身が行うようにしてもよい。また、複数のメジャメント用リソース(帯域)の内、ネットワークからどのメジャメント用リソースで測定をするのかを指示してもよい。
ユーザ端末は、上記メジャメント用リソースを用いた測定を行うにあたって、メジャメントギャップの要否を判断し、この判断結果をUE能力情報としてネットワークに報告する。
1つ以上のメジャメント用リソース(帯域)は、上位レイヤシグナリングを用いてユーザ端末毎に通知され、これをユーザ端末で設定してもよい。もしくは、報知信号で複数のメジャメント用リソースを報知してもよい。また、いずれのメジャメント用リソース(帯域)で測定をするのかを指示するにあたっては、上位レイヤシグナリングあるいはL1/L2シグナリングで指示してもよい。
<コネクテッドモード時のRRM測定>
態様2のUE構成例1と同様の構成を有するユーザ端末は、メジャメント用リソースを用いた測定を行うにあたって、メジャメントギャップが不要であることをUE能力情報としてネットワークに報告する。例えば、態様2のUE構成例1の場合、200M帯域用のベースバンド通信系列と、5M帯域用のベースバンド通信系列がそれぞれ備えられているため、200MHz幅動作と別に5MHz幅動作を並列で動かす(同時に2つの帯域を見る)ことができる。このため,200MHz幅処理を止めずに(Gapなしで)5MHz幅の観測リソースを動かして広帯域内のRRM測定を行うことができる。
一方、態様2のUE構成例2の場合、基本的に1つの帯域(200MHz帯域幅もしくは5MHz帯域幅)だけをモニタリングするため、Gapを伴った測定を行うことになる。このため、UE構成例2と同様の構成を有するユーザ端末は、メジャメントギャップが必要であることをUE能力情報としてネットワークに報告する。
また、ユーザ端末は、メジャメントギャップ無しに測定可能な帯域幅を、UE能力情報として報告してもよい。
このように、メジャメントギャップの要否がユーザ端末からネットワークに通知されることで、ユーザ端末の構成(例えば、態様2のUE構成例1又は2)に応じたスケジューリングが可能となる。例えば、メジャメントギャップが必要なユーザ端末に対して、メジャメントギャップ時にデータを送信しても、ユーザ端末側では受信することができない。ネットワーク側では、このような状況を避けるようにスケジューリングを行うことが可能となり、スケジューリングの効率が高められる。
また、DL候補帯域内及び/又はDL候補帯域外の測定帯域(メジャメント用リソース)について、周波数位置だけではなく、測定帯域幅(使用するリソース数)がネットワークから設定できるように(configurableに)してもよい。
RRM測定では、各セルからの参照信号受信品質(RSRP)を測定するリソースと干渉を含む総受信電力(RSSI)を測定するリソースとを別々に設定してもよい。また、他セルからの干渉を図るリソースのみを複数設定してもよい。
RSRPは広帯域内のどこで測定しても、測定帯域幅が十分大きければフェージングの影響を平滑化できるため大きくは変わらない。一方、RSSIはリソース毎に各セルが今収容しているユーザ端末に対応する信号をどのリソースに割り当てているか次第で変わる。このため、例えば隣のセルのあるユーザ端末が広帯域の一部リソースに設定されており、ここで多くのトラフィックを発生させている場合、周辺セルのアクティブなユーザ端末は広帯域内の別リソースに設定することで通信効率を向上させることができる。
<モードに応じた測定帯域幅(使用するリソース数)>
測定帯域幅については、上記アイドル/コネクテッドモードの観点から、これらのモードに基づいて設定することが考えられる。
アイドルモード時の測定RSとコネクテッドモード時の測定RSが共通の場合、測定帯域幅だけが、これらのモードで変わるように設定してもよい(図11A、図11B)。ここでは、ユーザ端末が、UE構成例2と同様の構成を有することができ、簡易な構成とすることができる。ただし、メジャメントギャップが必要になるため、上述のUE能力情報の通知を行う必要がある。なお、RSとしては、LTEのCRSのような参照信号を適用することができる。
アイドルモード時の測定RSとコネクテッドモード時の測定RSが異なる場合、各測定リソースは別々に設定するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末は、UE構成例1と同様の構成を有することができ、上述のように200MHz幅動作と別に5MHz幅動作を並列で動かす(同時に2つの帯域を見る)ことができる。このため、メジャメントギャップを生じすることなく、5MHz帯域幅のリソースを動かして、いわゆるイントラバンドの中のメジャメントができる。
コネクテッドモード用の測定リソース、特にRSSI測定で用いられるリソースは、共通制御信号が配置されるリソースを避けて設定されてもよい。これにより、周辺セルのデータ信号による混雑度合いを測ることができる。
また、アイドルモード時のRSと、コネクテッドモード時のRSが別の場合、例えば、アイドルモード時のCRSとコネクテッドモード時のCSI−RSとを個別に設定してもよい。コネクテッドモード時のRSSIの測定は、CSI−RSのロード度合いを測定することであり、共通制御信号のリソースを含めてしまうと、常に一定の量の信号が含まれてしまうので、データの干渉の具合が正確に測定できない虞がある。
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図12は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New RAT:New Radio Access Technology)などと呼ばれても良い。
また、無線通信システム1では、上記実施形態(態様1−4)で説明されたNRにおけるUE specific carrier operationがサポートされる。この際、CAに基づいた広帯域システムと併存するようサポートされても、上述の実施形態(態様1−4の少なくとも一つ)に対応するNR単独でサポートされてもよい。
図12に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間及び/又はセル内で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、2個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。TDDのセル、FDDのセルは、それぞれ、TDDキャリア(フレーム構成タイプ2)、FDDキャリア(フレーム構成タイプ1)等と呼ばれてもよい。
また、各セル(キャリア)では、単一のニューメロロジーが適用されてもよいし、複数の異なるニューメロロジーが適用されてもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz、30〜70GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。また、ユーザ端末20は、他のユーザ端末20との間で端末間通信(D2D)を行うことができる。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるDL共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel、DLデータチャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、L1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
L1/L2制御チャネルは、DL制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。EPDCCHは、PDSCHと周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。PHICH、PDCCH、EPDCCHの少なくとも一つにより、PUSCHに対するHARQの再送指示情報(ACK/NACK)を伝送できる。
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるUL共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel、ULデータチャネル等ともいう)、UL制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。DL信号の再送制御情報(A/N)やチャネル状態情報(CSI)などの少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルを伝送できる。
無線基地局11、12とユーザ端末20との間では、UE specific carrier operation(上記実施形態の態様1−4の少なくとも一つ)がNRにおいてサポートされている。
<無線基地局>
図13は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されてもよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、UL信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅されたUL信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力されたUL信号に含まれるULデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
また、送受信部103は、UE能力情報を受信し、これをベースバンド信号処理部104に送る。また、送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から送られる帯域情報をユーザ端末20に送信する。
図14は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図14は、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図14に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305とを備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、例えば、送信信号生成部302によるDL信号の生成や、マッピング部303によるDL信号のマッピング、受信信号処理部304によるUL信号の受信処理(例えば、復調など)、測定部305による測定を制御する。
例えば、制御部301は、上記実施形態における態様1−4の少なくとも一つがサポートされるように制御を行う。
制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(DLデータ、スケジューリング情報、ショートTTI設定情報を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(例えば、ULデータ信号、UL制御信号、UCI、ショートTTIサポート情報など)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。具体的には、受信信号処理部304は、ユーザ端末20に設定されたニューメロロジーに基づいて、UL信号の受信処理を行う。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力してもよい。また、受信信号処理部304は、DL信号のA/Nに対して受信処理を行い、ACK又はNACKを制御部301に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、UL参照信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))及び/又は受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))に基づいて、ULのチャネル品質を測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
<ユーザ端末>
図15は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅されたDL信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。DLデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、ULデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。UCI(例えば、DLの再送制御情報、チャネル状態情報など)についても、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、DFT処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。
ベースバンド信号処理部204は、例えば、上記UE構成例1、2のように、複数の帯域幅用信号系を備えてもよい。
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
また、送受信部203は、帯域情報を受信し、これをベースバンド信号処理部204に送る。また、送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から送られるUE能力情報を無線基地局11、12に送信する。ここで、帯域情報は、下りリンク(DL)信号の割り当て候補の帯域であるDL候補帯域、及び/又は、上りリンク(UL)信号の割り当て候補の帯域であるUL候補帯域を示す。
また、送受信部203は、同期信号を検出した周波数ラスタに対応する周波数リソースにおいてブロードキャスト信号を受信する。
送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。また、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
図16は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図16においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図16に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、例えば、送信信号生成部402によるUL信号の生成や、マッピング部403によるUL信号のマッピング、受信信号処理部404によるDL信号の受信処理、測定部405による測定を制御する。
また、制御部401は、上記実施形態における態様1−4の少なくとも一つがサポートされるように制御を行う。具体的には、帯域情報に基づいて、DL候補帯域及び/又はUL候補帯域をユーザ端末固有に設定する。また、ユーザ端末がサポートするDL候補帯域及び/又はUL候補帯域用の帯域幅を示す能力情報を送信する。
また、制御部401は、同期信号を検出した周波数ラスタに対応する周波数リソースにおいて、システム情報の受信、ランダムアクセス処理、RRM(Radio Resource Management)測定の少なくとも一つを制御する。
また、制御部401は、共通制御信号の受信及び/又はランダムアクセス信号の送信に用いる周波数リソースを、ユーザ端末個別に又は前記ユーザ端末を含むグループ毎に設定する。
また、制御部401は、RRM(Radio Resource Management)測定に利用可能な少なくとも一つの周波数リソースを、前記DL候補帯域内及び/又は前記DL候補帯域外に設定する。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号、UCI、ショートTTIサポート情報を含む)を生成(例えば、符号化、レートマッチング、パンクチャ、変調など)して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成されたUL信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(DLデータ信号、スケジューリング情報、DL制御信号、DL参照信号、ショートTTI設定情報)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによる上位レイヤ制御情報、物理レイヤ制御情報(L1/L2制御情報)などを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
測定部405は、無線基地局10からの参照信号(例えば、CSI−RS)に基づいて、チャネル状態を測定し、測定結果を制御部401に出力する。なお、チャネル状態の測定は、CC毎に行われてもよい。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図17は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年9月29日出願の特願2016−192335に基づく。この内容は、全てここに含めておく。