以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
<装置構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像投射照明装置の構成の一例を示す図である。図1(a)は映像投射照明装置の断面図、図1(b)は、出射側から見た映像投射照明装置の平面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る映像投射照明装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光源の構成の一例を示す図である。図3(a)は、出射側から見た光源の平面図、図3(b)は、光源の断面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る映像投射照明装置の使用状況を例示する図である。図4(a)は、後述する映像再生モードにおける使用状況を示す図である。図4(b)は、後述する照明モードにおける使用状況を示す図である。
映像投射照明装置1は、図1(a)に示すように、光源基板51、光源5、配光制御部6、映像投射部7、カメラ(撮像部)8、環境センサ9、筐体10等を備えている。また、映像投射照明装置1は、例えば図2に示すように、電源107、環境センシング部100、操作入力部101、データ格納部102、映像受信部103、制御部110、周辺照明部21、中央照明部22等を備えている。また、制御部110は、図2に示すように、照明映像管理部106、照明制御部104、映像制御部105を備えている。
光源基板51は、例えば金属基板、セラミック基板等の放熱性に優れた材質で構成されている。光源基板51の第1の主面51aには、例えば図1(a)に示すように、光源5、光源5と接続された回路パターン(図示は省略)等が設けられている。なお、光源基板51の第2の主面51bにも、回路パターンが形成されてもよい。この場合、光源基板51の第1の主面51a及び第2の主面51bを貫通するスルーホール(図示は省略)を介して第1の主面51aの回路パターンと第2の主面51bの回路パターンとが接続されてもよい。光源5には、回路パターンを介して、電源107から電力が供給される。
光源5は、例えば図1(b)に示すように、出射側から見て平面視で円環状に複数配置されている。例えば、複数の光源5は、内周及び外周のそれぞれの周方向に沿って複数配置された二重構造となっている。図1(b)では、光源5は、内周及び外周のいずれも円環状に配置されている。しかし、これ以外にも、光源5は、例えば楕円環状、矩形環状等の形状に配置されてもよい。また、内周側と外周側とで、光源5の配置の形状が異なっていてもよい。
光源5は、例えば図3に示すように、基体5a、LED(Light Emitting Diode)チップ5c、封止体5dを備えている。基体5aは、例えば、図3に示すように、出射側からの平面視で矩形、断面視でU字型で構成されている。基体5aは、図3(b)に示すように、開口部5bを有し、LEDチップ5は、基体5aの開口部5b内に配置されている。封止体5は、LEDチップ5cを覆い、基体5aの開口部5b内の空間を埋めるように設けられている。
基体5aは、例えば、金属、セラミック等の放熱性に優れた材質で構成されている。封止体5dは、例えば透明な樹脂等で構成されている。図3(a)では、平面視における基体5aの形状が矩形であるが、これ以外にも、例えば矩形を除いた多角形、円形、楕円形等の任意の形状であっても構わない。
光源5は、例えば、白色光を発するLEDチップ5cで構成されている。あるいは、光源5は、例えば、青色光を発するLEDチップ5cと、青色光を受けて励起され、緑色から赤色にかけたスペクトル特性を有する光を放出する蛍光体とで構成されてもよい。この場合、青色光と蛍光体から放出される光とが重なることにより、光源5から、白色光が出射される。蛍光体は、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体等で構成される。蛍光体は、例えば、封止体5dと混ぜられている。
また、光源5には、出射された光の配光調整、光の取り出し効率を改善するためのレンズやリフレクタ等の光学部品が設けられてもよい。透光性を有する材質で構成された凸レンズ、金属蒸着により構成されたミラー、あるいは全反射を利用したリフレクタ等が、光学部品の例として挙げられる。凸レンズは、例えば、光源5を構成する封止体5dにより構成されてもよいし、光源5の出射側に別途設けられてもよい。また、ミラーは、例えば、光源5の開口部5b内の壁面が金属蒸着されることにより構成されてもよい。また、リフレクタは、光源5の開口部5b内の壁面等に設けられた反射板により構成されてもよい。
図3(a)では、光源5ごとに1つのLEDチップ5cが設けられているが、それぞれの光源5に複数のLEDチップ5cが設けられてもよい。このように、光源5内でLEDチップ5cが複数に分けて配置されることにより、LEDチップ5cの放熱性が改善され、光量を増大させた光源5が提供される。
また、複数のLEDチップ5cを有する光源5では、光源5の発光面の中心を基準にして、複数のLEDチップ5cが、例えば矩形状、同心円状等、対称になるよう配置されていることが望ましい。複数のLEDチップ5cが配置された領域をまとめて光源5の発光領域とみなすことができ、複数のLEDチップ5cが対称に配置されることにより、光源5の光学部品の設計が容易となる。
また、図3(a)では、LEDチップ5cの形状は平面視において矩形であるが、これ以外にも、例えば矩形を除いた多角形、円形、楕円形等の任意の形状であっても構わない。また、図1(b)では、複数の光源5が内周と外周とに分かれて同心円状に2列並んで配置されているが、光源5の配置は、このような形態に限定されるものではない。例えば、光源5が1列分だけ配置されてもよいし、3列分以上配置されてもよい。
光源5が1列分だけ配置されている場合には、例えば、周辺照明光11の光束を出射する光源5と中央照明光12を出射する光源5とが交互に配置されていることが望ましい。具体的には、後述する配光制御部6は、図1(a)に示す後述の周辺照明配光制御部6aと中央照明配光制御部6bとが交互に設けられていることが望ましい。この場合には、光源5の個数が抑えられるため、消費電力を抑えた映像投射照明装置1が提供される。また、小型化され、取り回しが容易な映像投射照明装置1が提供される。一方、3列以上に分かれて光源5が設けられた場合には、列ごとに、あるいは光源5ごとに配向制御を異ならせるよう配光制御部6の形状が調整されてもよい。このように、光源5の個数が増えることにより、十分な光量が得られつつ、光源5から出射された光の配光制御の自由度を向上させた映像投射照明装置1が提供される。
また、図1(b)では、光源5は、出射側からの平面視において同心円状に配置されているが、これ以外にも、矩形状等の多角形状、楕円形状等、周辺照明光11、中央照明光12により照明される領域、あるいは映像が投射される領域の状況に応じて任意に変更されても構わない。
また、光源5は、密に配置されていることが好ましい。ここで、「密に配置されている」とは、例えば図4(a)、(b)に示す映像周辺領域(第2の領域)11aにおいて、隣り合う光源5から出射された周辺照明光11の端部が重なり合うように、光源5が配置されていることをいう。また、中央照明光12についても同様に、「密に配置されている」とは、図4(a)、(b)に示す映像周辺領域11aにおいて、隣り合う光源5から出射された中央照明光12の端部が重なり合うように、光源5が配置されていることをいう。このように、光源5が密に配置されていれば、それぞれの光源5から出射された周辺照明光11の照度分布が少しずつ重なり合うため、照度ムラが抑えられ、映像周辺領域11aにおいて滑らかな照度分布が得られる。中央照明光12についても同様に、光源5が密に配置されていれば、それぞれの光源5から出射された中央照明光12の照度分布が少しずつ重なり合うため、照度ムラが抑えられ、映像投射領域12aにおいて滑らかな照度分布が得られる。
また、光源5が複数列に分かれて配置された場合には、隣り合う列の光源5が、列に直交する方向に並ばないように配置されていることが望ましい。具体的には、隣り合う列の光源5は、隣り合って配置されるのではなく、列に沿って交互に配置されることが望ましい。これにより、隣り合う列の光源5から出射された照明光が重なり合う領域では、列に沿って、主に一方の列の光源5から出射された照明光により照明される領域と、主に他方の列の光源5から出射された照明光により照明される領域とが交互に現れる。したがって、隣り合う列の光源5から出射された照明光が重なり合う領域において、一方の列に配置された光源5から出射された照明光による照度分布の照度ムラと、隣り合う列の光源5から出射された照明光による照度分布の照度ムラとが打ち消されるので高品質な照明光が提供される。
例えば、図1(b)では、内周の光源5及び外周の光源5は、径方向、すなわち光源基板51の中心から延びる直線方向には、内周又は外周のいずれかの光源5のみが配置されるようになっている。また、周方向には、内周の光源5と外周の光源5とが交互に配置されるようになっている。これにより、映像周辺領域11aと映像投射領域12aとの境界の領域では、主に周辺照明光11により照明される領域と、主に中央照明光12により照明される領域とが交互に現れる。したがって、周辺照明光11による照度分布の照度ムラと、中央照明光12による照度分布の照度ムラとが打ち消されるので高品質な照明光が提供される。
配光制御部6は、図1(a)に示すように、出射側である第1の主面51a側で光源基板51と対向して配置されている。配向制御部6は、外周側の光源5の配光を制御する周辺照明配向制御部6aと、内周側の光源5の配光を制御する中央照明配光制御部6bとを備えている。配光制御部6は、図1(a)に示すように、周辺照明配向制御部6aと、中央照明配向制御部6bとが一体化されて構成されている。配向制御部6は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Poly Methyl Methacrylate)、ポリカーボネ―ト(PC:polycarbonate)等の透光性を有する樹脂等で構成されている。配向制御部6は、例えば、射出成型により、複数の光源に対応する周辺照明配向制御部6aと、中央照明配向制御部6bとが一体で成型される。これにより、組み立てが容易で製造コストを低減させた配向制御部6が提供される。
外周の光源5及び周辺照明配光制御部6aは、図2に示す周辺照明部21を構成する。また、内周の光源5及び中央照明配向制御部6bは、図2に示す中央照明部22を構成する。周辺照明部21の周辺照明配向制御部6aは、例えば図1(a)に示すように、光源5と対向する面、すなわち光の入射面6cは平坦にされ、光源5と反対側の面、すなわち光束の出射面6dは、光束の出射方向に突出した凸レンズで構成されている。周辺照明配光制御部6aは、光源5から出射された光束の発散を抑制するとともに、後述する映像投射領域(第1の領域)12aと重ならないよう、光源5から出射された光束を出射方向より外側に配向させるよう構成されている。
以下で、周辺照明配光制御部6aについて詳しく説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係る周辺照明部の断面図である。外周の光源5から出射された光束は、配光制御部6の周辺照明配光制御部6aによりその発散角度が抑制される。
例えば図5では、周辺照明配光制御部6aは、その光軸が光源5の光軸に対して映像投射部7とは反対側に位置するように配置されている。このため、周面照明光11は、映像投射領域12aの外側に向けて出射される。具体的には、図5の矢印で示すように、光源5から出射された光束は、映像投射照明装置1の正面に対して外側、すなわち、映像投射領域12aの外側の映像周辺領域11aに向けて出射される。
このように、周辺照明光11が外側に向けて出射される原理を以下で説明する。図6は、周辺照明配向制御部による配光制御の原理を説明する図である。図6(a)は、光源の光軸と周辺照明配光制御部の光軸とが一致する場合において、光源の配光を変換する様子を示す図である。図6(b)は、光源の光軸と周辺照明配光制御部の光軸とが異なる場合において、光源の配光を変換する様子を示す図である。図6(c)は、図6(a)の光学系における配光分布を示す図である。図6(d)は、図6(b)の光学系における配光分布を示す図である。なお、図6(a)〜(d)では、ランバート発光する直径2Rの光源である場合について示している。
光源1500の光軸とレンズ1600の光軸を合わせて、レンズ1600の焦点位置fに光源1500が配置されると、例えば図6(a)に示すように、光軸中心の光束は図示で光軸方向である水平方向(太い矢印の方向)に直進する。光源1500の端部(例えば、座標r=R)からの出射光束は、図示で下向きにθ0の方向に進行する。なお、光源1500の他方の端部(例えば座標、r=−R)からの出射光束は、図示で上向きにθ0の方向に進行する。
光源1500の中心を座標r=Rとなるようにレンズ1600の軸からずらして配備すると、図6(b)に示すように、光軸中心の光束は下向きにθ0の方向(太い矢印の方向)に進行する。光源1500の端点(座標r=2R)からの出射光束は、図示で下向きに2θ0の方向に進行する。なお、光源1500の他方の端点(座標r=0)からの出射光束は、図示で水平方向(0°の方向)に進行する。
ランバート発光している光源1500の配光分布(光度)Iは、図6(c)、図6(d)の破線で示すように、Iはcosθに従い、正面方向(θ=0°)でもっとも強度が強く、水平方向(θ=±90°)で0となる。
図6(a)に示すように、光源1500とレンズ1600の光軸を合わせて、レンズ1600の焦点位置fに光源1500を配置すると、図6(c)に示すように、ランバート発光していた光源1500の配光分布は、レンズ1600により、上向きにθ0から下向きにθ0(±θ0)の間の配光分布に変換される。
図6(b)に示すように、光源1500の中心が座標r=Rとなるようにレンズ1600の軸からずらして配置すると、図6(d)のように、ランバート発光していた光源1500の配光分布は、レンズ1600により、角度0°から下向きに2θ0までの間の配光分布に変換される。
レンズ1600の焦点距離をfとすると、θ0は、tanθ0=R/fの条件を満たす。また、光源1500の発光面積が同一である場合、レンズ1600を透過した後の光束の発散角度は、レンズ1600の焦点距離が長いほど狭く、レンズ1600の焦点距離が短いほど広くなる。すなわち、光源1500の位置が光軸方向に沿ってレンズ1600側にずれると、レンズ1600を透過した後の光束の配光分布は広がり、光軸に対する角度が大きくなるにつれて光量は減衰する。
このように、レンズの屈折を用いれば、光源5から出射された光束が発散する角度と、出射する方向とを制御することができる。本実施の形態では、図1(a)に示すように、光源5の光軸に対して、配光制御部6における周辺照明配光制御部6aの光軸が、映像投射装置1の外側にずれているので、光源5からの光束を外側に向かって出射させる。なお、周辺照明配光制御部6aには、球面レンズが用いられてもよいし、所望の配光分布に応じて、例えば、非球面レンズや自由曲面レンズ等が用いられてもよい。
このように、周辺照明部21は、映像投射領域12aを照明せず、図4(a)、(b)に示すように、映像投射領域12aを取り囲む映像周辺領域(第2の領域)11aを照明する周辺照明光11を出射する。
これに対して、中央照明部22の中央照明配向制御部6bは、例えば図1(a)に示すように、入射面6c及び出射面6dが平坦に構成されている。したがって、図1(a)に示す中央配光制御部6bは、周辺配向制御部6aのような、光源5から出射された光の配向を変更する機能を備えていない。すなわち、中央照明配向制御部6bは、入射面6cへの入射角と同じ角度で中央照明光12を出射する。よって、中央照明部22から出射された中央照明光12は、ランバート発光し映像投射領域12aを照明する。なお、以下では、周辺照明光11と中央照明光12とを合わせて「照明光」と称する場合がある。また、周辺照明部21と中央照明部22とを合わせて「照明部」と称する場合がある。
なお、配光制御効果が弱い領域や端面等を通過する光は、不要な迷光となり照明光と重なって明瞭な輝線や影を発生させる場合がある。このため、配光制御部6において、このような配光制御効果が弱い領域や端面等には、光源5から出射された光束を拡散させる拡散加工が施されたり、光束を遮光する遮光面が設けられてもよい。これにより、迷光の発生が抑えられるので、高品質な周辺照明光11及び中央照明光12が提供される。
なお、周辺照明部21及び中央照明部22が複数設けられ、照明部ごとに配光制御が異なっていてもよい。また、周辺照明部21及び中央照明部22は、例えば床、壁、天井等の広い範囲にわたって照明できるように構成されてもよいし、これらの任意の領域を選択して照明するように構成されてもよい。また、図1(a)では、周辺照明部21が中央照明部22の外側に配置された例が示されているが、周辺照明部21及び中央照明部22の配置はこのような場合に限られない。例えば、中央照明部22が周辺照明部21の外側に配置されてもよい。
図7及び図8は、周辺照明光及び中央照明光の照射距離と照度分布との関係を示す図である。図7では、外周の光源5が周辺照明部21を構成し、内周の光源5が中央照明部22を構成する場合における照射距離と照度分布との関係が示されている。これに対して、図8では、内周の光源5が周辺照明部21を構成し、外周の光源5が中央照明部22を構成する場合における照射距離と照度分布との関係が示されている。すなわち、図8では、中央照明部22が周辺照明部21の外側に配置された場合における、周辺照明光及び中央照明光の照射距離と照度分布との関係が示されている。なお、図7、8では、配光制御部6の中央照明配光制御部6bは、出射側に突出しており、中央照明配光制御部6bにより中央照明光12の配光が制御されている。
図7(a)は、光源基板51から光源5の光軸方向に距離L0、L1(L0<L1)離れた位置における周辺照明光11及び中央照明光12の照明範囲を示している。図7(b)は、光源基板51から光源5の光軸方向に距離L0、L1離れた位置における周辺照明光11及び中央照明光12の照度分布を示している。図7(b)では、距離L0の位置で周辺照明光11が照明する領域が照明領域A1として示され、距離L1の位置で周辺照明光11が照明する領域が照明領域A2として示されている。また、図7(b)では、距離L0の位置で中央照明光12が照明する領域が照明領域B1で示され、距離L1の位置での中央照明光12が照明する領域が照明領域B2で示されている。
図7(a)によれば、周辺照明部21が、中央照明部22の外側、すなわち中央照明部22に対して映像投射部7とは反対側に配置されているため、照明領域A1及びB1が、距離L0からL1に変化しても照明領域A2及びB2は交差しない。この場合、図7(b)に示すように、照射距離に影響されない照度分布形状が得られる。なお、照明領域A2、B2におけるそれぞれの照明光の照度は、図7(b)に示すように、照明領域A1、B1における照度よりも低い。
この構成により、照明距離があらかじめ決められていない場合でも、使用者は照明分布の形状に影響されずに、映像投射照明装置1と投射先、照明先との距離を任意に定めることができる。
図8(a)は、光源基板51から光源5の光軸方向に距離L0、L1(L0<L1)離れた位置における周辺照明光11及び中央照明光12の照明範囲を示している。図8(b)は、光源基板51から光源5の光軸方向に距離L0、L1離れた位置における周辺照明光11及び中央照明光12の照度分布を示している。図8(b)では、距離L0の位置で周辺照明光11が照明する領域が照明領域B11として示され、距離L1の位置で周辺照明光11が照明する領域が照明領域B12として示されている。また、図8(b)では、距離L0の位置で中央照明光12が照明する領域が照明領域A11で示され、距離L1の位置での中央照明光12が照明する領域が照明領域A12で示されている。また、図8(a)では、周辺照明配光制御部6aが内側に配置され、中央照明配光制御部6bが外側に設けられている。
図8(a)によれば、周辺照明部21が、中央照明部22の内側、すなわち中央照明部22と映像投射部7との間に配置されているため、照明領域A11及びB11、照明領域A12及びB12は、それぞれ交差している。また、照明光が交差する領域では、図8(b)に示すように、それ以外の領域と比較して照度が増加している。また、光源基板51から光源5の光軸方向の距離がL0からL1に変わると、距離L0における照度分布形状と比較して、照度が高くなる位置が変化する。
このように、周辺照明部21と中央照明部22との位置が入れ替わると、照度分布の形状が照明距離によって影響を受けるため、所望の照度分布の形状が得られるよう、想定する照明距離に応じて配光制御部6の形状を適宜変更すればよい。例えば、中央照明光12がさらに内側を照明するよう、中央照明配光制御部6bの形状を変更する。あるいは、周辺照明光11がさらに外側を照明するよう、周辺照明配光制御部6aの形状を変更する。また、周辺照明配光制御部6aの形状の変更と、中央照明配光制御部6bの形状を変更とが組み合わされてもよい。これにより、図8に示すように、周辺照明部21を中央照明部22の内側にも配置できる。
図7、8では、各光源5からの光束の境界を明瞭にして説明しているが、各光源5からの光束を接続してなめらかな照度分布を得るために、各光束の境界が光束の中心から周囲に向かって減衰する配光であってもよい。その場合であっても、光束同士が交差する角度を小さくしておけば、照明距離の影響を抑えた照度分布形状が得られる。
映像投射部7は、制御部から出力された映像信号に応じて映像を投射する。映像投射部7は、映像投射用の照明系と投射系を内部に備えている。投射系は、映像信号に応じた映像光4を映像投射領域12aに向かって出射することにより映像を投射する。照明系は、後述する照明補正光の光束を出射する。
映像投射部7の照明系の光源には、例えばLEDや半導体レーザ等が用いられる。投射系における映像変調には、例えば、DMD(Degital Mirror Device)や、LCD(Liquid Crystal Display)等が用いられる。また、必要に応じて、映像投射用の照明系には、例えば、偏光変換素子、導光体等のインテグレータレンズ、マルチレンズ等が備えられてもよい。
また、別の映像投射方法として、レーザ光源と2軸MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーとを組み合わせてレーザ走査することにより、映像が投射されてもよい。
カメラ8は、映像投射領域12a及びその周辺領域の対象物を撮影し、対象物の撮像画像を生成する。そして、カメラ8は、生成した撮像画像を、例えば、制御部110へ出力する。カメラ8により生成された撮像画像は、例えば、映像周辺領域11aを照明する周辺照明光11、映像投射領域12aに投射された映像の輝度等の輝度情報を取得するために用いられる。また、撮像画像は、照明光の照度等の各種設定の変更に関する操作、後述する映像再生モードや照明モードへの切り替えに関する操作、映像投射照明装置1に関するその他の操作等に関する操作信号を取得するためにも用いられる。なお、操作信号の取得方法については後述する。
そして、制御部110は、カメラ8から出力された撮像画像に基づいて映像投射照明装置1の操作に関する操作信号を取得する。例えば、制御部110は、複数の撮像画像から使用者の手や指、指示するための棒等の対象物の動作を検出し、検出した動作を解析することにより操作信号を取得する。詳しくは、制御部110は、例えばデータ格納部102にあらかじめ格納された、対象物の形状を抽出するためのパターンを読み出し、パターンマッチングにより対象物の形状や位置を抽出する。制御部110は、このような処理をそれぞれの撮像画像に対し実施することにより、使用者の手や指等の動作を検出する。そして、制御部110は、取得した操作信号に基づいて、映像投射照明装置1の各部を制御する。
カメラ8の画角は、映像投射部7による映像投射画角よりも広く、例えば、映像投射領域12aの全域を撮影することが可能となるよう設定される。また、カメラ8の画角は、例えば図4に示す、周辺照明光11で照明される映像周辺領域11aのさらに外側の領域が撮影されるように設定されていることが望ましい。
カメラ8は、映像投射照明装置1と映像投射領域12aとの間の任意の位置でフォーカス可能な光学性能を有することが望ましい。また、カメラ8は、オートフォーカス機能を有していてもよい。この構成によれば、映像の投射可能範囲の全域において、例えば照明光、投射先(映像投射領域12a)の色や材質等により影響を受けた投射映像の輝度等の情報を取得することが可能となる。具体的には、ある位置において、想定している映像信号の色や明るさと、カメラ8が撮影した画像から得られた投射先の色や明るさとを比較することにより、投射先の光学的な特徴量を抽出することができる。この特徴量を、例えば制御部110等で解析、演算することにより、意図した映像が表示されるように投射映像を補正することが可能となる。このように、映像投射照明装置1では、投射映像が自動で調整される。
映像投射照明装置1は、カメラ8以外にも、例えばTOF(Time Of Flight)法により測定した使用者の手や指等の距離に基づいて操作信号を取得してもよい。また、映像投射照明装置1は、リモートコントローラ、タッチパネル、入力ボタン等から操作信号を取得してもよい。また、映像投射照明装置1は、図示しないマイクから入力された音声情報に基づいて操作信号を取得してもよい。
環境センサ9は、映像投射照明装置1の周辺環境、例えば、明るさ、周囲の色等の環境情報を取得する。環境センサ9は、取得した環境情報を、例えば図2に示す環境センシング部100へ出力する。取得された環境情報は、例えば、投射映像を補正するための映像補正パラメータを算出する場合等に用いられる。なお、映像補正パラメータについては後述する。なお、環境センサ9は、例えば、制御部110と接続され、取得した環境情報を制御部110へ出力してもよい。この場合、制御部110において、前述の映像補正パラメータの算出等がなされる。
筐体10は、その内部に図1、図2に示す各部を収容する。筐体10の形状は、例えば図1に示すような、内部が空洞で、周辺照明光11、中央照明光12、映像光4の出射側が開口された円錐台や円筒であってもよいし、例えば出射側が開口された四角錐台や六角錐台等の角錐台であってもよい。
電源107は、映像投射照明装置1の各部へ電力を供給する。電源107は、例えばコンセントを介して電力を取得してもよいし、例えばバッテリーで構成されてもよい。
環境センシング部100は、環境センサ9が取得した環境情報に基づいて投射映像を補正する。例えば、環境センシング部100は、環境情報に含まれる周囲の明るさや色等の情報に基づいて、環境光による投射映像の明るさや色への影響が抑えられるよう、投射映像の輝度や色等を補正する映像補正機能を備えている。具体的には、環境センシング部100は、環境センサ9が取得した環境情報に基づいて、所望の明るさや色となるように映像を補正する映像補正パラメータを算出する。もしくは、環境センシング部100は、環境情報に基づいた所定の映像補正パラメータを図2に示すデータ格納部102から読み出してもよい。環境センシング部100は、算出した、あるいは読み出した映像補正パラメータを制御部110へ出力する。
なお、環境センシング部100は、後述する制御部110内に設けられていてもよい。この場合、環境センサ9は制御部110と接続され、取得された環境情報が、環境センサ9から制御部110へ出力される。
また、操作入力部101は、例えば、リモートコントローラから送信された操作信号の受信部、タッチパネル、入力ボタン等により構成される。例えば、タッチパネル、入力ボタン等には、使用者からの操作信号が直接入力される。また、操作入力部101は、例えば、カメラ8及び制御部110により構成される。カメラ8及び制御部110は、対象物の動作に基づいて操作信号を取得し、取得した操作信号に基づいて、映像投射照明装置1の各部が制御される。
データ格納部102は、例えば不揮発性メモリで構成され、映像投射照明装置1に関する各種データを格納する。データ格納部102は、例えば、映像投射照明装置1を動作させるプログラム、各種設定情報、周辺照明光11、中央照明光12、映像光4等に関する各種パラメータ、映像補正パラメータ等を格納する。データ格納部102に格納されるパラメータは、例えば、出荷作業時に設定された、周辺照明光11の明るさと電流と関係を示すデータや、周辺照明光11や中央照明光12を自動調光するための環境情報と照明光の明るさとの関係を示すデータ等で構成される。
映像受信部103は、例えば、図示しない外部装置と接続され、外部装置から、映像投射部12aへ投射する映像に関する映像信号を受信する。ここでいう映像信号は、例えば、スマートフォンと連携したコンテンツ、外部メモリに保存されたコンテンツ、インターネットから取得可能なコンテンツ等も含まれる。映像受信部103は、外部装置と有線で接続されてもよいし、例えば近距離無線等により外部装置と無線で接続されてもよい。また、映像受信部103は、例えば、SDカード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の外部メモリのデータ読み出し部を備え、これら外部メモリに保存された映像信号を読み出すようにしてもよい。映像受信部103は、受信し、あるいは読み出した映像信号を制御部110へ出力する。また、映像受信部103は、映像信号をデータ格納部102へ出力し、データ格納部102に格納させてもよい。
制御部110は、図2に示すように、照明映像管理部106、照明制御部104、映像制御部105を備えている。
制御部110は、例えば、周辺照明部21、中央照明部22、映像投射部7等を制御する。照明映像管理部106は、例えば、環境センシング部100、操作入力部101、映像受信部103から出力された各種情報、データ格納部102から読み出したパラメータ等に基づいて所定の照明制御信号及び映像制御信号を生成する。また、照明映像管理部106は、生成した照明制御信号を照明制御部104へ出力し、生成した映像制御信号を映像制御信号105へ出力する。
照明制御部104は、照明映像管理部106から出力された照明制御信号に基づいて、周辺照明部21及び中央照明部22の発光のON/OFFの切り替えや、発光強度や発光色等の設定を行う。
映像制御部105は、照明映像管理部106から出力された映像制御信号及び映像受信部103から出力された映像信号に基づいて、映像投射部7による映像投射のON/OFFの切り替えや、映像光4の変調等を行う。例えば、映像制御部105は、環境センシング部100から出力される映像補正パラメータに基づいて投射映像の輝度や色等を補正する。このように、周囲の環境に応じて投射映像の輝度や色が補正されるので、環境光が異なる状況下であっても所望の映像を投射することが可能な映像投射照明装置1が提供される。
また、制御部110は、環境センサ9から出力された環境情報に基づいて映像補正パラメータを算出する。例えば、照明映像管理部106は、環境情報に基づいて映像補正パラメータを算出する。あるいは、照明映像管理部106は、環境情報に基づいた映像補正パラメータをデータ格納部102から読み出してもよい。
また、制御部110は、映像投射照明装置1の動作モードを、後述するメニュー表示モード、照明モード、映像再生モードに切り替える。ここで、それぞれの動作モードについて説明する。
[メニュー表示モード]
まず、メニュー表示モードとは、使用者によるメニューの選択を受け付けるモードである。メニュー表示モードでは、例えば、映像投射領域12aに、動作モードを選択させるメニュー映像が投影され、映像周辺領域11aが、周辺照明光11により照明される。なお、メニュー表示モードでは、メニュー映像が投射されていればよく、映像周辺領域11aが、周辺照明光11により照明されていなくてもよい。また、中央照明部22は、映像投射領域12aを照明しない。
メニュー表示モードでは、制御部110は、例えば、データ格納部102から、メニュー映像に関する画像データを読み出し、読み出した画像データ等に基づいた映像制御信号を生成する。また、制御部110は、例えば、周辺照明部21から周辺照明光11を出射させ、中央照明部22から中央照明光12を出射させないような照明制御信号を生成する。そして、映像投射部7は、生成された映像制御信号に基づいてメニュー映像に係る映像光4を出射する。また、周辺照明部21は、生成された照明制御信号に基づいて周辺照明光11を出射し、中央照明部22は、生成された照明制御信号に基づいて中央照明光12を出射しない。
なお、メニュー映像には、照明モード、映像再生モードを選択に関する映像だけでなく、例えば、映像投射照明装置1の各種設定に関する映像等が含まれていてもよい。
[照明モード]
次に、照明モード(第2のモード)について説明する。照明モードとは、操作入力部101が受け付けた操作信号に基づいて周辺照明部21による周辺照明光11の出射と、中央照明部22による中央照明光12の出射とを同時に行うモードである。なお、照明モードでは、映像投射部7は映像投射を行わない。
照明モードでは、制御部110は、例えば、周辺照明部21から周辺照明光11を出射させ、中央照明部22から中央照明光12を出射させる照明制御信号を生成する。また、制御部110は、例えば、映像投射部7から映像光4を出射させないような映像制御信号を生成する。そして、周辺照明部21及び中央照明部22は、生成された照明制御信号に基づいて周辺照明光11及び中央照明光12をそれぞれ出射する。また、映像投射部7は、生成された映像制御信号に基づいて映像光4を出射しない。
[映像再生モード]
次に、映像再生モード(第1のモード)について説明する。映像再生モードとは、操作入力部101が受け付けた操作信号に基づいて、周辺照明部21による周辺照明光11の出射と、映像投射部7による映像の投射と、を同時に行うモードである。なお、映像再生モードでは、中央照明部22は、中央照明光12の出射を行わない。
映像再生モードでは、制御部110は、例えば、周辺照明部21から周辺照明光11を出射させ、中央照明部22から中央照明光12を出射させないような照明制御信号を生成する。また、制御部110は、例えば、映像投射部7から所定の映像に関する映像光4を出射させる映像制御信号を生成する。そして、周辺照明部21は、生成された照明制御信号に基づいて周辺照明光11を出射する。また、映像投射部7は、生成された映像制御信号に基づいて映像光4を出射する。また、中央照明部22は、生成された照明制御信号に基づいて中央照明光12を出射しない。
<映像投射照明装置の使用方法>
次に、映像投射照明装置の使用方法について説明する。図9は、本発明の実施の形態1に係る映像投射照明装置の使用方法の一例を示すフローチャート図である。映像投射照明装置1では、例えば図9に示すように、ステップS10〜S90におけるそれぞれの処理が実行される。
まず、ステップS10では、使用者は、電源107を操作して、映像投射照明装置1の電源を投入する。そして、環境センサ9は、映像投射照明装置1の周辺環境の環境情報を取得する。そして、環境センサ9は、取得した環境情報を、例えば制御部110へ出力する。
ステップS20では、制御部110(例えば、照明映像管理部106)は、環境センサ9から出力された環境情報に基づいた映像補正パラメータをデータ格納部102から読み出す。
ステップS30では、照明映像管理部106は、読み出した映像補正パラメータに基づいて、周辺照明光11を出射させる照明制御信号を生成する。そして、照明映像管理部106は、生成した照明制御信号を照明制御部104へ出力する。照明制御部104は、出力された照明制御信号に基づいて周辺照明部21から周辺照明光11を出射させる。これにより、周辺照明部21がONされる。
ステップS40では、映像投射部7は、映像投射領域12aへメニュー映像を投射する。例えば、照明映像管理部106は、データ格納部102から、メニュー映像に関する画像データを読み出し、読み出した画像データ等に基づいた映像制御信号を生成する。照明映像管理部106は、生成した映像制御信号を映像制御部105へ出力する。そして、映像制御部105は、出力された映像制御信号に基づいて映像投射部7からメニュー映像に関する映像光4を出射させる。これにより、映像投射照明装置1は、メニュー表示モードに設定される。
また、メニュー表示モードにおいて、制御部110(例えば、照明映像管理部106)は、カメラ8により生成された撮像画像に基づいて周辺照明光11の照度情報、メニュー映像の輝度情報等を取得する。また、環境センサ9は、メニュー映像の投射後も新たな環境情報を取得してもよい。そして、照明映像管理部106は、メニュー映像の投射後も、輝度情報や新たな環境情報に基づいて新たな照明制御信号や映像制御信号を生成し、周辺照明光11の照度、メニュー映像の輝度等を調整する。ここまでのステップS10〜S40により、電源投入後のスタンバイ処理が完了する。なお、メニュー表示モードに設定されると、映像投射照明装置1は、使用者からの操作信号の入力待ち状態となる。この間、例えば、カメラ8が映像投射領域12a付近の対象物の撮影を行うこと等により、使用者からの操作信号の検出が行われる。
ステップS50では、制御部110は、検出された操作信号の判定を行う。制御部110が、例えば、照明モードへ切り替える操作信号を検出した場合には、図9に示すように、ステップS60の処理が実施される。これに対して、制御部110が、例えば、映像再生モードへ切り替える操作信号を検出した場合には、図9に示すように、ステップS70の処理が実施される。また、制御部110が、これら以外の操作信号を検出した場合には、図9に示すように、ステップS40において操作信号の検出が再度行われる。
ステップS60では、制御部110(例えば、照明映像管理部106)は、中央照明光12を出射させる照明制御信号を生成する。そして、照明映像管理部106は、生成した照明制御信号を照明制御部104へ出力する。照明制御部104は、出力された照明制御信号に基づいて中央照明部22から中央照明光12を出射させる。これにより、中央照明部22がONされる。したがって、周辺照明部21及び中央照明部22の両方がONされ、動作モードが、メニュー表示モードから照明モードへと切り替えられる。また、照明モードへの切り替え後も、制御部110は、輝度情報や新たな環境情報に基づいて、周辺照明光11、中央照明光12の照度等を調整する。また、ステップS60では、動作モードが照明モードへと切り替えられた後も、操作信号の検出が引き続き行われる。
ステップS70では、制御部110(例えば、照明映像管理部106)は、映像光4を出射させる映像制御信号を生成する。このとき、制御部110は、例えば、投射する映像を選択するコンテンツ選択映像から使用者にコンテンツを選択させ、選択されたコンテンツ等に基づいて映像制御信号を生成してもよい。そして、照明映像管理部106は、生成した照明制御信号を映像制御部105へ出力する。映像制御部105は、出力された映像制御信号に基づいて映像投射部7から映像光4を出射させる。これにより、映像が投射され、動作モードが、メニュー表示モードから映像再生モードへと切り替えられる。また、映像再生モードへの切り替え後も、制御部110は、輝度情報や新たな環境情報に基づいて、周辺照明光11の照度、映像光4の輝度等を調整する。また、ステップS70においても、動作モードが映像再生モードへと切り替えられた後も、操作信号の検出が引き続き行われる。
次に、照明モードと映像再生モードとを相互に切り替える場合について説明する。ステップS80では、制御部110は、照明モード中に検出された操作信号の判定を行う。制御部110は、照明モード中に、映像再生モードへ切り替える操作信号を検出した場合には、図9に示すように、ステップS70の処理が行われる。
動作モードが照明モードから映像再生モードへと切り替えられる場合には、ステップS70では、制御部110(例えば、照明映像管理部106)は、中央照明光12の出射を停止させた後、映像投射部7から所定の映像を投射させる。照明映像管理部106は、例えば、中央照明光11の出射を停止する照明制御信号を生成する。照明制御部104は、生成された照明制御信号に基づいて中央照明部22から中央照明光12の出射を停止させる。これにより、中央照明部22がOFFされる。そして、制御部110は、前述した映像光4を出射させる処理等を実施する。
ステップS80において、制御部110は、照明モードを終了させる操作信号を検出したと判断した場合には、中央照明光12の出射を停止させる処理を行う。このように、中央部22がOFFされると、図9に示すように、照明モードが終了する。また、制御部110がこれら以外の操作信号を検出したと判断した場合には、図9に示すように、照明モードが継続される。
ステップS90では、制御部110は、映像再生モード中に検出された操作信号の判定を行う。制御部110は、映像再生モード中に、照明モードへ切り替える操作信号を検出した場合には、図9に示すように、ステップS60の処理が行われる。
動作モードが映像再生モードから照明モードへと切り替えられる場合には、ステップS90では、制御部110(例えば、照明映像管理部106)は、映像光4の出射を停止させた後、中央照明光12を出射させる。照明映像管理部106は、例えば、映像光4の出射を停止する映像制御信号を生成する。映像制御部105は、生成された映像制御信号に基づいて映像投射部7から映像光4の出射を停止させる。これにより、映像投射がOFFされる。そして、制御部110は、前述した中央照明光12を出射させる処理等を実施する。
ステップS90において、制御部110は、映像再生モードを終了させる操作信号を検出したと判断した場合には、映像光4の出射を停止させる処理を行う。このように、映像投射がOFFされると、図9に示すように、映像再生モードが終了する。また、制御部110がこれら以外の操作信号を検出したと判断した場合には、図9に示すように、映像再生モードが継続される。
また、図9には図示しないが、照明モード又は映像再生モード時に、例えば、使用者の手や指等の対象物がカメラ8の前を横切る等、制御部110が所定の操作信号を検出した場合には、動作モードがメニュー表示モードに切り替えられるようにしてもよい。このようにすれば、任意のタイミングでメニュー映像を表示させてメニュー表示モードへ切り替えられる。メニュー表示モードへ戻るには、カメラ8以外の操作入力部101の機能を用いてもよいし、操作入力部101が、使用者の動作を検知できるものであればよい。また、図9に示すフローチャートは、映像投射照明装置の使用方法の一例であって、状況に応じて各種の変形が加えられてもよい。
<本実施の形態による効果>
本実施の形態によれば、映像投射照明装置1は、映像投射領域12aに映像を投射する映像投射部7と、映像投射領域12を取り囲む映像周辺領域11aを照明する周辺照明部21とを備えている。
この構成によれば、投射映像14と周辺照明光11とが重ならないので、投射映像14の画質劣化を抑えつつ投射映像14の周辺を照明する映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、映像投射領域12aを照明する中央照明部22を備えている。この構成によれば、周辺照明光11と中央照明光12とを同時に出射させることができるので、照明光の照度をより向上させた映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、周辺照明部21及び中央照明部22には配光制御部6が設けられている。この構成によれば、周辺照明光11及び中央照明光12の光束が配光制御されるので、周辺照明光11及び中央照明光12の出射方向の精度をより向上させた映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、制御部110は、環境センサ9が取得した環境情報に基づいて周辺照明光11の照度を調整する。この構成によれば、周辺照明光11を周辺環境に合わせることができるので、汎用性を向上させた映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、制御部110は、環境センサ9が取得した環境情報に基づいて投射映像14の輝度を調整する。この構成によれば、投射映像14を周辺環境に合わせて補正することができるので、汎用性を向上させた映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、光源基板51が放熱性に優れた材質により構成されている。一般的に、光源5の温度が上昇すると発光効率が下がってしまうが、放熱性に優れた光源基板51を用いれば、光源5の温度上昇が抑えられるので、高効率な映像投射照明装置1が提供される。また、これにより、連続使用時間を延ばすことができ、汎用性に優れた映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、使用者からの操作信号を受け付ける操作入力部101を備え、操作信号に基づいて、映像投射モードと照明モードとが切り替えられる。この構成によれば、投射映像14と中央照明光12とが切り替えられるので、使用環境を拡大させ、汎用性を向上させた映像投射照明装置1が提供される。
また、本実施の形態によれば、カメラ8が生成した撮像画像に基づいて操作信号が検出される。この構成によれば、使用者は、装置本体に触れることなく映像投射照明装置1を操作することが可能となるので、取り回しに優れた映像投射照明装置1が提供される。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。本実施の形態では、映像投射領域12aの形状と周辺照明光11に照明された映像周辺領域11aの形状との組み合わせについて説明する。図10は、本発明の実施の形態2に係る映像投射領域の形状と映像周辺領域の形状との組み合わせの例を示す図である。なお、図10では、映像周辺領域11a及び映像投射領域12aの境界が明瞭に示されているが、必要に応じて境界をぼかして、映像周辺領域11aと映像投射領域12aとの間で照度がなめらかに変化するよう、周辺照明光11が配光制御されてもよい。例えば、周辺照明光11は、照度が映像投影領域12aに向かってなめらかに減衰するよう配光制御されてもよい。また、映像周辺領域11aの外側は輪郭や境界が形成されていなくてもよい。例えば、周辺照明光11が、壁や天井まで広範囲の領域を照明するよう配光制御されてもよい。また、図10では、投射映像14の表示範囲が点線の矩形で示されている。図10に示すように、投射映像14と映像周辺領域11aとが重ならないので、高いコントラストで映像を表示しながら明るい鑑賞環境を提供することができる。これにより、映像を鑑賞中でも、使用者は、自由に活動することができる。
図10(a)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域11aの内側の輪郭が平面視で円形の組み合わせが示されている。図10(b)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で楕円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で円形の組み合わせが示されている。図10(c)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で矩形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で円形の組み合わせが示されている。図10(d)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で楕円形の組み合わせが示されている。図10(e)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で楕円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で楕円形の組み合わせが示されている。図10(f)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で矩形形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で楕円形の組み合わせが示されている。図10(g)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で矩形の組み合わせが示されている。図10(h)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で楕円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で矩形の組み合わせが示されている。図10(i)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で矩形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で矩形の組み合わせが示されている。
まず、映像周辺領域11aの外側の輪郭について説明する。図10(a)、図10(d)、図10(g)に示すように、映像周辺領域11aの外側の輪郭が円形である場合、映像投射照明装置1は、円形状に照明光を出射する一般的な照明器具と同様の印象を使用者に与えることができる。
また、図10(b)、図10(e)、図10(h)に示すように、映像周辺領域11aの外側の輪郭が楕円形である場合、投射映像14及び映像周辺領域11が図示で横方向に拡がった形状となっているので、使用者に一般的な照明器具と類似の印象を与えながら、投射映像の形状と周辺照明光11の形状とのバランスを取ることができる。
また、図10(c)、図10(f)、図10(i)に示すように、映像周辺領域11aの外側の輪郭が矩形である場合、例えば、映像投射照明装置1を複数台連携させると、隣り合う映像周辺領域11aの境界が過不足なく組み合わされる。これにより、複数の映像投射照明装置1が、より大きな照明装置、または映像投射装置として機能する。なお、映像周辺領域11aの境界付近では、周辺照明光11の照度分布を、外側に向かってなめらかに減衰させ、隣り合う映像周辺領域11aを重ね合わされてもよい。これにより、隣り合う映像周辺領域11aの境界が目立たなくなる。
次に、映像周辺領域11aの内側の輪郭について説明する。図10(a)、図10(b)、図10(c)に示すように、映像周辺領域11aの内側の輪郭が円形である場合、映像投射領域12aの輪郭の形状が対称性を有するので、映像投射照明装置1の向きに関わらず、使用者に違和感を与えることなく映像を投射することが可能となる。
また、図10(d)、図10(e)、図10(f)に示すように、映像周辺領域11aの内側の輪郭が楕円形である場合、矩形の投射映像14と映像周辺領域11aとの間で、アスペクト比のバランスを取ることが可能になる。例えば、投射映像14のアスペクト比が16:9である場合、映像投射領域12aの横方向と縦方向との比が16:9とすれば、投射映像14と映像投射領域12aの境界との距離の変化が小さく、使用者に投射映像14と周辺照明11とのバランスが取れている印象を与えることができる。
また、図10(g)、図10(h)、図10(i)に示すように、映像周辺領域11aの内側の輪郭が矩形である場合、映像投射領域12aに矩形の投射映像14が表示された場合に、投射映像14と周辺照明11とのバランスをとることができる。特に、図10(i)に示すように、投射映像14及び映像周辺領域11aの内側の輪郭がともに矩形である場合には、投射映像14と映像周辺領域11aとの間の領域がいわゆる額縁となるようなデザインが提供される。また、投射映像領域12aの全域に投射映像14が表示されれば、映像投射領域12aの全域で高いコントラストの映像が投影されつつ、その周辺を隙間なく照明することが可能となる。
周辺照明光11の明るさは、映像光4の明るさと同等でもよい。このような照明方法であれば、使用者が鑑賞する映像の輝度と、映像周辺領域11aの照度、すなわち背景視野の照度との差を抑えることできる。これにより、投射映像14を長時間視聴することによる疲労が低減される。
また、手元での作業性を考慮して映像投射照明装置1が使用される場合、映像周辺領域11a付近における周辺照明光11の照度は、例えば300ルクス以上であることが望ましい。
また、投射映像14と映像周辺領域11aの内側の境界との間隔を小さくすることにより、一体感のあるデザインが提供されてもよい。あるいは、投射映像14と映像周辺領域11aの内側の境界との間隔を大きくして、投射映像14を際立たせるようなデザインが提供されてもよい。
また、映像周辺領域11aの内側の境界から外側の境界までの幅は、広くてもよいし、狭くてもよい。映像周辺領域11aの幅が広ければ、一般的な照明器具のような印象を持つ周辺照明光11が提供される。一方、映像周辺領域11aの幅が狭ければ、光源5からの光束の出射量が一定であっても、幅が広い場合よりも、映像周辺領域11aの照度を高めることができる。これにより、消費電力を抑えながら照度を向上させることができる。
次に、映像周辺領域11aの内側の輪郭と外側の輪郭とを異ならせる方法について説明する。ここでは、図10(g)の場合を例に挙げて、映像周辺領域11aの内側の輪郭を矩形、映像周辺領域11aの外側の輪郭を円形にする方法を説明する。図11は、本発明の実施の形態2に係る周辺照明部及び中央照明部の構成の一例を示す図である。図11(a)は、周辺照明部21及び中央照明部22の構成の一例を示す平面図である。図11(b)は、周辺照明部21及び中央照明部22の構成の一例を示す断面図である。図11(c)は、周辺照明部21における配光制御の様子を示す図である。
周辺照明部21を構成する複数の光源5は、例えば図11(a)に示すように、出射側から見た平面視で、外周に矩形状に配置されている。周辺照明部21の配光制御部6である周辺照明配光制御部6aは、例えば図11(b)に示すように、映像投射部7から離れるごとに曲率が小さくなるように構成されている。すなわち、周辺照明配光制御部6aは、映像投射部7側ではレンズ効果が強く、映像投射部7とは反対側ではレンズ効果が弱くなるように構成されている。これにより、映像投射部7側(映像投射照明装置1の中央側)の周辺照明配光制御部6aを通過する光束は、例えば図11(c)に示すように、配光制御の影響を大きく受けるため、発散が抑えられる。これに対して、映像投射部7側とは反対側(映像投射照明装置1の外側)の周辺照明配光制御部6aを通過する光束は、例えば図11(c)に示すように、配光制御の影響が小さいため、映像投射部7側の光束よりも発散する。したがって、映像周辺領域11aの内側の輪郭は、光源5の配置に従い矩形状に近い形状となる。これに対して、映像周辺領域11aの外側の輪郭は、光源5が持つ配光分布に近い形状となる。すなわち、映像周辺領域11aの外側の輪郭は、円形に近い形状となる。
この構成によれば、1列分の光源5を用いて、映像周辺領域11aの内側の輪郭の形状と外側の輪郭の形状とを異ならせて照明することが可能な周辺照明部21が提供される。また、この構成によれば、光源5の配置形状によらず、映像周辺領域11aの外側の輪郭の形状を円形に近い形状にすることが可能となる。
また、中央照明部22については、例えば図11(b)に示すように、配光制御部6の中央照明配光制御部6bが、内周の光源5の光束の発散を抑制するよう、レンズ効果を有するように構成されてもよい。図11では、映像周辺領域11aの内側の輪郭と外側の輪郭とを異ならせる方法の一例が示されているが、例えば、周辺照明配光制御部6a及び中央照明配光制御部6bの曲率や、光源5と周辺照明配光制御部6a及び中央照明配光制御部6bとの位置関係等を適宜変更することにより、所望の照度分布形状が得られる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜2と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。本実施の形態では、投射映像14と周辺照明光11とを連携させて映像制御を行う場合について説明する。図12は、本発明の実施の形態3に係る投射映像と周辺照明光との組み合わせの例を示す図である。投射映像14は、例えば図12に示すように、映像投射領域12a及び映像周辺領域11aにわたって投射される。これにより、投射映像14の周縁部が映像周辺領域11aと重なるので、投射映像14と周辺照明光11とが連携して映像制御が行われる。
なお、図12においても、映像周辺領域11a及び映像投射領域12aの境界が明瞭に示されているが、必要に応じて境界をぼかして、映像周辺領域11aと映像投射領域12aとの間で照度がなめらかに変化するよう、周辺照明光11が配光制御されてもよい。例えば、周辺照明光11は、映像投影領域12aに向かってなめらかに減衰するよう配光制御されてもよい。また、映像周辺領域11aの外側は輪郭や境界が形成されていなくてもよい。例えば、周辺照明光11が、壁や天井まで広範囲の領域を照明するよう配光制御されてもよい。また、図12では、投射映像14は、横長の矩形で示されているが、例えば、円形、楕円形等であってもよい。
図12(a)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域11aの内側の輪郭が平面視で円形の組み合わせが示されている。図12(b)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で楕円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で円形の組み合わせが示されている。図12(c)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で矩形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域11aの内側の輪郭が平面視で円形の組み合わせが示されている。図12(d)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で楕円形の組み合わせが示されている。図12(e)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で楕円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で楕円形の組み合わせが示されている。図12(f)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で矩形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で楕円形の組み合わせが示されている。図12(g)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で矩形の組み合わせが示されている。図12(h)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で楕円形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で矩形の組み合わせが示されている。図12(i)には、映像周辺領域11aの外側の輪郭が平面視で矩形、映像投射領域12aの輪郭、すなわち映像周辺領域の内側の輪郭が平面視で矩形の組み合わせが示されている。
これらの構成によれば、映像投射領域12aの内部では投射映像のコントラストは劣化せず、映像周辺領域11aでは投射映像14の周縁部と周辺照明光11とが重なるため、照明光と投射映像との連携制御により、照明と映像とを一体化させることが可能な映像投射装置10が提供される。
まず、図12(a)、図12(b)、図12(c)に示すように、映像周辺領域11aの内側の輪郭が円形である場合、円形の映像投射領域12aでは、投射映像14のコントラストが高い状態で維持される。したがって、この場合には、例えば円形の映像が投射されることが好ましい。これにより、投射映像14と周辺照明光11とが重なるリング状の領域の幅が、全周にわたってほぼ一定となるので、高コントラストの領域と低コントラストの領域とのバランスをほぼ一定にすることが可能となる。したがって、投射映像14と周辺照明光11とが重なっている領域では、映像制御によって周辺照明光11と投射映像14とを一体化させた表現が可能となる。
また、図12(d)、図12(e)、図12(f)に示すように、映像周辺領域11aの内側の輪郭が楕円形である場合、矩形の投射映像14のアスペクト比と、投射映像14と周辺照明光11とが重なる領域のアスペクト比とのバランスを取ることが可能になる。例えば、投射映像14のアスペクト比が16:9である場合、映像投射領域12aの横方向と縦方向との比が16:9とすれば、投射映像14の周囲と映像投射領域12aの境界との距離の変化が小さく、使用者に高コントラストの領域と、低コントラストの領域とのバランスが取れている印象を与えることができる。
また、図12(g)、図12(h)、図12(i)に示すように、映像周辺領域11aの内側の輪郭が矩形である場合、矩形の投射映像14が表示された場合に、周辺照明光11と重なる領域、すなわち映像を制御する領域の幅が全周にわたってほぼ一定にすることが可能となる。このため、投射映像14の形状と周辺照明光11の形状とのバランスが取れたデザインが提供される。
次に、投射映像14と周辺照明光11とを連携させて映像制御を行う場合のその他の例として、投射映像14と映像周辺領域11aとの境界付近に、補助照明光が出射される場合について説明する。図13は、本発明の実施の形態3における補助照明光の形態の一例を示す図である。図13(a)は、周辺照明光11、映像光4、補助照明光15の関係を示す図である。図13(b)は、周辺照明光11、映像光4、補助照明光15それぞれの照度分布を示す図である。図13(c)は、周辺照明光11、映像光4、補助照明光15を重ね合わせた照度分布を示す図である。なお、図13(a)では、映像光4、補助照明光15が破線で示され、周辺照明光11が実線で示されている。また、図13(b)では、映像光4、補助照明光15による照度分布が破線で示され、斜線部分が映像光4による照度分布であり、それ以外は補助照明光15による照度分布である。図13(b)では、周辺照明光11の照度分布が実線で示されている。なお、投射先の光学特性、使用者の視聴方向によっては、照度分布の形状が輝度分布の形状と読み替えられてもよい。
補助照明光15は、映像投射領域12aに投射された映像の輝度と、映像周辺領域11aの照度とを調整するものである。映像投射部7は、例えば、図13(a)に示すように、任意の映像光4と照明補正光15とを合わせた光束を出射する。例えば、映像投射部7は、図13(b)に示すように、周辺照明光11の照度が内側(投射映像14側)に向かって減衰する領域に対し、その減衰を打ち消すような照明補正光15を映像光4とともに出射する。そうすると、図13(c)に示すように、映像光4から周辺照明光11へ向かってほぼ一様な照度分布が得られる。
本実施の形態によれば、映像光4と周辺照明光11との照度差が抑えられるので、周辺照明光11と投射映像14とが一体化され、周辺照明光11の中に映像が投射されているかような映像表現が可能となる。
図14は、本発明の実施の形態3に係る補助照明光を用いた映像制御に関するその他の例等を示す図である。図14(a)では、周辺照明光11と映像光4とが離れており、補助照明光15が周辺照明光11から映像光4へ向かって滑らかに減衰させる場合における、それぞれの照度分布が示されている。図14(b)では、図14(a)における周辺照明光11、映像光4、補助照明光15を重ね合わせた照度分布が示されている。
このような照度分布によれば、図14(b)に示すように、周辺照明光11と照明補正光15とが重ね合わされたときの照度分布が、中央に向かって略指数関数的に減衰している。一般的に、人の目による明るさの感じ方は対数に従うため、図14(b)に示すように、照度が指数関数的に減衰していれば、照度は滑らかに減少しているように感じられる。そのため、自然に滑らかに減少する照度分布の周辺照明光11と、その内部に任意の映像を高コントラストで投射することが可能となる。
図14(c)では、周辺照明光11と映像光4とが離れており、映像光4が周囲に向かって(周辺照明光11に向かって)滑らかに減衰し、補助照明光15が周辺照明光11から映像光4へ向かって滑らかに減衰する場合における、それぞれの照度分布が示されている。図14(d)では、図14(c)における周辺照明光11、映像光4、補助照明光15を重ね合わせた照度分布が示されている。
このような照度分布によれば、周辺照明光11が中央に向かって一度暗くなり、その暗くなった領域から映像が中央に向かってフェードインしていくような映像が提供される。
図14(e)では、周辺照明光11と映像光4とが投射映像14の周縁部で重なり、映像光4が周辺照明光4へ向かって滑らかに減衰し、補助照明光15が映像光4の中央側へ向けて滑らかに減衰する場合における、それぞれの照度分布が示されている。図14(f)では、図14(e)における周辺照明光11、映像光4、補助照明光15を重ね合わせた照度分布が示されている。
このような照度分布によれば、周辺照明光11が中央に向かって滑らかに暗くなりながら、その周辺照明光11に映像が溶け込むように映像が暗くなった領域から映像が中央に向かってフェードインしてくるような映像が提供される。
図14(g)では、周辺照明光11と映像光4とが投射映像14の周縁部で重なり、これらが重なる領域において映像光4が強くなっている場合における、それぞれの照度分布が示されている。なお、図14(g)では、補助照明光15は出射されていない。図14(h)では、図14(g)における周辺照明光11、映像光4を重ね合わせた照度分布が示されている。
このような照度分布によれば、周辺照明光11と重なる領域の映像が強調されるので、周辺照明光11によるコントラスト低下や色味のズレが抑えられる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜3と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。本実施の形態では、周辺照明光の配光制御の例について説明する。図15は、本発明の実施の形態4に係る映像投射照明装置の一例を示す図である。図15(a)は、映像投射照明装置の斜視図、図15(b)は、映像投射照明装置の断面図である。なお、図15(b)では、光源405付近の断面形状が示されており、光源405と映像投射部7との位置関係が示されている。なお、図15(b)では、図1(b)に示す中央照明部6は省略されている。
映像投射照明装置401は、筐体410を備えている。筐体410は、例えば、図15(a)に示すような六角錐台等の角錐台状に構成されている。なお、筐体410は、例えば、円筒、円錐台状に構成されてもよい。筐体410の側壁451には、光源405が設けられている。具体的には、光源405は、例えば図15(a)、(b)に示すように、筐体410の外側の面に配置されている。したがって、光源405の光束は筐体410の外側に向けて出射される。筐体410の側壁451は、例えば、図1に示す光源基板51と同様の材質で構成されてもよい。この場合、側壁451は、光源405の光源基板としても機能する。また、図15の例では、光源405には配光制御部は設けられておらず、複数の光源405が周辺照明部421を構成している。
光源405は、図1などで示す光源5と同様、例えば、ランバート発光するLED等で構成される。ランバート発光する光源は、出射面の法線方向に最も強く発光し、発光面に平行な方向に最も弱く発光するという性質がある。この性質を利用すれば、光源5の発光面の角度の調整により、映像投射領域12aに周辺照明光11を出射させないようにすることが可能である。例えば、図15(b)に示すように、光源405の発光面の角度が、映像投射部7による映像光4の照射角と平行になるよう調整されていれば、映像光4と周辺照明光411とが重ならないような配光分布が実現される。
この構成によれば、周辺照明部421は、投射映像の周辺のみならず、映像投射照明装置401周辺の壁や天井等を広範囲にわたって照明することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜4と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。本実施の形態では、図1に示す配光制御部6の変形例について説明する。図16は、本発明の実施の形態5に係る配光制御部の変形例を示す断面図である。図16(a)には、入射面に凹部が設けられた周辺照明配光制御部が示されている。この構成では、周辺照明配光制御部506aには、入射面6cに凹部516aが設けられている。凹部516aは、平面視で周辺照明配光制御部506aの凸部517aの範囲内に収まるように設けられている。また、凹部516aは、光源5の出射面を取り囲むように構成されている。また、周辺照明配光制御部506aは、光源5の出射面が凹部516aの内部に配置されるように設けられている。また、凹部516aは、例えば、その中心軸が光源5の光軸と一致するように設けられている。また、凹部516aは、その中心軸が凸部517aの中心軸より内側、すなわち映像投射部7側となるように設けられている。
この構成によれば、周辺照明配光制御部506aへ入射する出射光束は、凹部516aにおいて凸部517a側へ屈折するので、周辺照明配光制御部506aは、凹部516aが設けられていない場合と比較してより多くの光束が集光され、高効率な配光制御が可能になる。また、光源5の出射面が凹部516a内に設けられているので、出射面の面方向に出射される光束が配光制御されるので、高効率な配光制御が可能になる。
また、凹部516aは、光源5の出射面の面方向の光束が凸部517aに入射されるように構成されていることが望ましい。この構成によれば、面方向の光束も配光制御され周辺照明光として用いられるので、より高効率な配光制御が可能になる。
また、周辺照明配光制御部506aには、入射側における凹部516a以外の領域、あるいは出射側における凸部517a以外の領域に、迷光を防ぐための拡散面や遮光面が設けられてもよい。これにより、周辺照明光11において、輝線や影の発生が抑えられ、高品質な周辺照明光11が提供される。
図16(b)には、多重反射を利用した周辺照明配光制御部が示されている。図16(b)の周辺照明配光制御部506bは、図1(a)に示す周辺照明配光制御部6aと比較して曲率が大きくなるよう構成されている。このため、光源5から出射された光束の一部は、凸部517b内の壁面で2回の全反射を起こし、光源5の出射方向とは反対方向に出射される。例えば、光源5の出射面と垂直方向に出射される光束は、凸部517b内における全反射により、光源5の出射方向とは反対方向に出射される。
この構成によれば、光源5からの光束は、全反射により光源5の後方に向かって出射されるので、映像の投射方向とは異なる方向にある天井や壁、あるいは器具内部等が照明される。また、この構成によれば、光源5の配置を変更することなく、強く発光させたい方向に光束が出射される。また、これにより、光束の向きを変更するための部品点数が削減される。また、この構成によれば、全反射により公報に出射される光束や、凸部517bで透過、屈折して映像投射側に出射される光束も存在するので、多彩な配光分布が実現される。
図16(c)には、全反射を利用した周辺照明配光制御部が示されている。図16(c)の周辺照明配光制御部506cは、例えば透明材質で構成されている。周辺照明配光制御部506cでは、光源5から出射された光束の一部が壁面517cで全反射し、壁面518cから外側へ出射される。例えば、光源5の出射面と垂直方向に出射される光束は壁面517cにおいて反射し、壁面518cから外側へ出射される。
この構成によれば、屈折を利用した方式よりも出射方向を大きく変化させることができるので、より広範囲に周辺照明光11が出射される。また、光源5から出射された光束は壁面517cにおいて全反射するので、一般的に一部の光が吸収される反射フィルムを利用するより高効率に配光制御が行われる。
図16(d)には、反射を利用した周辺照明配光制御部のその他の例が示されている。周辺照明配光制御部506dは、反射面を有する構造体で構成されている。周辺照明配光制御部506dは、例えば、不透明で剛性が高い金属製や樹脂等で構成されている。また、周辺照明配光制御部506dは、例えば図16(d)に示すように、反射体518dと、反射体518dを支持する支持体517dとで構成されてもよい。反射体518dは、例えば、ミラーのような鏡面反射を行う金属、誘電多層膜等で構成されてもよい。具体的には、反射体518dは、例えば、金属蒸着により支持体517dに形成されてもよいし、支持体517dに反射フィルムが貼付されて形成されてもよい。また、反射体518dは、必要に応じて拡散性を持つ粗面や、散乱反射させる反射面を有していてもよい。光束の出射方向を曲げる角度は、屈折よりも反射の方が大きく変えられる。光源5からの光束の出射方向を大きく変更する場合には、例えば図16(c)、(d)に示すように、配光制御部6に反射を利用すると効果的である。
また、周辺照明配光制御部506dは、透過性の樹脂と組み合わせて構成されてもよい。この構成によれば、光源5から出射された光束が透過性の樹脂で構成された部分においても配光制御されるので、多彩な配光分布が実現される。また、周辺照明配光制御部506dは、反射体518dを有する部分と透明な部分とが一体で成型されてもよい。この構成によれば、周辺照明配光制御部506dの組み立て性が改善される。
図16(d)では、断面形状が放物面であって、その中心軸が光源5の発光面の中心を通り、光源5が放物面の焦点付近に位置している例が示されている。この構成によれば、一点鎖線で示す放物面の中心軸と略平行な方向に、光束が出射されるので、出射方向の設計が容易となる。
また、出射光束の発散角は、光源5の発光面が大きくなると広がる。また、出射光束の発散角は、放物面の焦点距離が短くなると広がる。光源5を焦点位置からずらすと、広い角度に向かってなめらかに減衰する、配光分布の裾に広がりがある配光分布が実現される。
図16(e)は、プリズムを利用した周辺照明配光制御部が示されている。周辺照明配光制御部506eは、第1の周辺照明配光制御部506fと、第2の周辺照明配光制御部506gとを備えている。第1の周辺照明配光制御部506fは、図16(e)に示すように、入射側に凹部516f、出射側に凸部517fを備えている。第1の周辺照明配光制御部506fは、光源5から出射された光束の発散を収束させる。凹部516f及び凸部517fは、これらの中心軸が光源5の光軸とほぼ一致するように設けられている。したがって、光束は、凸部517fから中心軸に対してほぼ対称に出射される。
第2の周辺照明配光制御部506gは、プリズム517g等で構成されている。プリズム517gは、図16(e)に示すように、第1の周辺照明配光制御部506fの凸部517fと対向して設けられている。プリズム517gは、例えば図16(e)に示すように、光源5等の中心軸方向の長さが、内側(映像投射部7側)で短く、外側(映像投射部7とは反対側)で長くなるように構成されている。プリズム517gは、凸部517fから出射された光束を屈折させて出射方向を変更する。例えば、外側のプリズム517gは、図16(e)に示すように、内側のプリズム517gと比較してより外側に光束の出射方向を変更する。プリズム517gは、凸部517gから出射した光束の存在範囲を覆うように配置されていることが望ましい。
なお、周辺照明配光制御部506eは、透過後の光束の出射方向を任意に変更してもよいし、光軸方向のまま出射方向を変更しなくてもよい。配光手段を透過後の出射方向を映像投射装置1の外側に変更するためには、光源5の近傍に設けられた凸部517fの中心軸を外側にずらせばよい。一方、配光制御部6を透過後の出射光束が光軸方向のまま変更しない場合には、凸部517fが対称性を有していればよい。
また、凸部517f透過後の光束は発散が抑えられているので、第1の周辺照明配光制御部506fと第2の周辺照明配光制御部506gとが離れていても、サイズを大きくすることなくプリズム517gを構成することができる。この構成によれば、レンズで光束の発散を抑え、プリズム517gでは出射方向を変更するように機能を分割できるため、配光制御に関する設計自由度が向上する。
なお、第1の周辺照明配光制御部506fと第2の周辺照明配光制御部506gとの順序が入れ替わってもよい。言い換えれば、プリズム517gは、出射側ではなく、光源5側に設けられてもよい。プリズム517gが光源側に設けられれば、光束の出射方向がより大きくなる。
また、第2の周辺照明配光制御部506gは、プリズム517gに代えてレンズで構成されてもよい。レンズが使用された場合には、第1の周辺照明配光制御部506fを透過後、光束の発散角度が自由に調整されるようになるので、配光を広げる、もしくは発散を抑えることが可能となる。
第1の周辺照明配光制御部506f及び第2の周辺照明配光制御部506gは、例えば、可動式の筺体部品等で互いに連結され、これらの相対配置が調整されるように構成されてもよい。これらの相対配置が調整されることにより、配光分布が自由に変更され、使用者による出射光束の発散角度の変更が可能になる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜5と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。本実施の形態では、拡散カバーを用いた配光制御について説明する。図17は、本発明の実施の形態6に係る拡散カバーを用いた配光制御の一例を示す断面図である。図17では、映像投射照明装置601の左側が拡大して示されている。なお、図17では、周辺照明部に図16(d)に示す周辺照明配光制御部506dが用いられた場合について示されているが、周辺照明配光制御部が、例えば図16(a)〜(c)、図16(e)等に示す構成を有していてもよい。
拡散カバー650は、図17に示すように、周辺照明部621の出射側に設けられている。具体的には、拡散カバーは、周辺照明部621の出射側及び映像投射照明装置601の側面側から周辺照明部621及び中央照明部622を覆うように設けられている。拡散カバー650は、例えば図1に示す筐体10に嵌め込むように設けられてもよい。
拡散カバー650は、周辺照明光611、中央照明光612を拡散させる。拡散カバー650は、例えば、微細粒子を有する材質で構成されてもよいし、透明な材質に粗面が設けられて構成されてもよい。また、拡散カバー650は透過性を有していてもよい。拡散カバー650は、微細粒子や粗面等により、出射された光束をあらゆる方向に拡散する配光制御を行う。また、拡散カバー650が透過性を有する場合には、拡散カバー650に入射した光束は、光源5側にはほとんど出射されない。
外周に配置された光源5からの光束は、周辺照明配光制御部506dで反射され、側面側の拡散カバー650を照明する。照明された側面側の拡散カバー650は、入射した光束を拡散させて透過することで、二次光源として発光する。光束の拡散が強ければ、拡散カバー650は、cos則に従った配光分布で発光し、周辺照明光611を出射する。すなわち、この場合、拡散カバー650からの透過光は、ランバート発光する面光源に近い光学特性を示す。
また、内周に配置された光源5からの光束は、映像投射照明装置601の映像投射側に位置する拡散カバー650を照明する。内周の光源5が発光すると、映像投射側の拡散カバー650が二次光源として発光し、映像投射領域12aに向かって中央照明光612を出射する。
この構成によれば、映像投射装置601に対して中央側には周辺照明光611が出射されることなく、周辺が照明される周辺照明光611が提供される。言い換えれば、映像投射領域12aが周辺照明光611に照明されることなく、壁や天井等の広範囲が照明される映像投射照明装置601が提供される。
投射映像14と周辺照明光11とが重ならないようにするためには、側面の拡散カバー650から延在する接平面が、投射映像14と交差しないように、拡散カバー650の側面の角度が調整されていればよい。
次に、側面側と映像投射側とで拡散性能を異ならせた拡散カバーを用いた配光制御について説明する。図18は、本発明の実施の形態6において側面側と映像投射側とで拡散性能を異ならせた拡散カバーを用いた配向制御の一例を示す図である。図18では、配光制御部6の周辺照明配光制御部606a、中央照明配光制御部606bは、出射側に突出している。
図18に示す例では、周辺照明配光制御部606a、中央照明配光制御部606bからの出射光束は、いずれも映像投射側の拡散カバー650を照明し、側面の拡散カバー650を照明しないように構成されている。
拡散カバー650は、例えば、映像投射側よりも映像投射照明装置601の側面側のほうが拡散性能が高くなるよう構成されている。すなわち、側面側の拡散カバー650は、映像投射側よりも、微細粒子がより多く混ぜられているか、より強い粗面が設けられている。拡散カバー650の拡散性能が高くなると、拡散カバーから出射される光束の配光分布はランバート発光に近くなってしまうため、拡散カバー650において実質的な配光制御ができなくなる。ところが、図18に示すように、外周及び内周いずれの光源5からの出射光束も、映像投射側の拡散カバー650に出射されるよう配光制御部6が構成されていれば、拡散性能が低いため、光束の拡散は抑えられ、出射光束は周辺照明光や中央照明光に利用することができる。
また、拡散カバー650は、映像投射側の拡散性能を低くする代わりに、映像投射側が取り除かれた構成であってもよい。ここでは、側面側と映像投射側とで拡散性能を異ならせる場合について説明したが、所望の配光分布が得られるよう、拡散カバー650の拡散性能が領域ごとに異なっていてもよい。また、拡散カバー650が、拡散性能に応じて所定の領域で透明にされた構成であってもよいし、取り除かれた構成であってもよい。
この構成によれば、側面の拡散カバー650は、拡散性能が高くなっているので、映像投射照明装置601の内部構造を見せないデザインが提供される。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜6と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。本実施の形態では、光源の変形例について説明する。図19は、本発明の実施の形態7に係る光源の変形例の一例を示す断面図である。本実施の形態では、図19に示すように、光源5と配光制御部6との間に導光体752が配置されている。導光体752は、光源5から出射された光束を配光制御部6へ案内する。導光体752は、例えば、外周の光源5と周辺照明配光制御部6aとの間に配置され、外周の光源5から出射された光束を周辺照明配光制御部6aへ案内する。また、図示は省略しているが、導光体752は、例えば、内周の光源5と中央照明配光制御部6bとの間に配置されてもよい。導光体752は、例えば、筒状、四角柱、多角柱、円柱等の柱状に構成される。
この構成によれば、光源5と配光制御部6との距離に関わらず、光源5から出射された光束が確実に配光制御部6へ案内されるので、高効率の周辺照明光11や中央照明光12が提供される。
また、導光体752は、入射面752aの形状と出射面752bの形状とが異なっていてもよい。例えば、入射面752の形状は光源5の発光面の形状とほぼ同一の形状とし、出射面752bの形状は配光制御部6の形状に合わせた所定の形状とすることが望ましい。配光制御部6が、例えば、レンズのような結像系の構造を有する場合、レンズの焦点距離に配置された光源5から出射される光束の発光形状が、配光制御された後の配光分布の形状と同様になる。このため、導光体752がこのように構成されていれば、導光体752の出射面752bによる配光制御が可能となる。また、導光体752の出射面752bの面積が、入射面752aの面積よりも大きければ、全反射を利用して光束が、配光制御部6へ効率よく案内され、高効率の照明光が提供される。また、導光体752の出射面752bの面積が、入射面752aの面積よりも小さければ、側面で反射が繰り返されるごとに光束の発散が抑えられるので、平行光に近い光束が出射される。
また、導光体752は、例えば、透明性を有する材質で構成されてもよいし、側面が反射面を有するように構成されてもよい。透明性の材質が用いられる場合には、例えば、導光体752に拡散性能を調整する微細粒子が混ぜられてもよいし、配光制御部6と対向する出射面に、粗面が設けられてもよい。これにより、光源5から出射された光束は、導光体752の内部で反射を繰り返しつつ散乱されるので、導光体752の内部で光束は混ぜられる。これにより、光源5の発光面において発生する光束の照度分布のムラが解消される。また、これにより、導光体752の出射面752bから出射される光束の照度が均一にされ、高品質の周辺照明光11や中央照明光12が提供される。
次に、光源のその他の変形例について説明する。図20は、本発明の実施の形態7に係る光源のその他の変形例を示す図である。図20に示す光源805は、例えば半導体レーザ853と蛍光体854とを備えている。光源805は、半導体レーザ853から出射された半導体レーザにより蛍光体854が励起されることにより光束を出射する。半導体レーザ853を用いれば、レーザの発光領域が小さく絞られ、蛍光体854を小さく構成することができる。これにより、蛍光体854の小さな領域を発光させて微小な発光点を作ることができる。発光点が小さければ、配光制御部6による配光制御が容易になるため、配光制御部6を構成する光学系等の小型化や、より効果的な配光制御が可能となる。
図21は、本発明の実施の形態7に係る光源のその他の変形例を示す図である。光源のその他の変形例を示す図である。ここでは、光源において、光束の発光強度、色等を二次元的に制御する場合について説明する。図21(a)は、光源905と配光制御部6との位置関係を示す断面図である。図21(b)は、光源905の二次元変調発光面955の一例を示す図である。図21(a)に示す光源905は、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)で構成されている。光源905の出射側には、例えば図21(a)、(b)に示すように、光源905から出射された光束の形状、発光強度、色等を二次元的に制御する二次元変調部955が設けられている。二次元変調部955は、光源905から出射された光束の形状、発光強度、色等を制御する。図21(b)では、二次元変調部955は、光束が矢印状に出射されるよう構成された場合ついて示されているが、その構成を変更するこころにより、光束の形状等を任意に調整することが可能である。なお、光源部分には、前述した光源905と二次元変調部955との組み合わせ以外にも、光源905と液晶表示素子(図示は省略)とが組み合わされてもよい。
この構成によれば、光源905においても光束の発光強度、色等が制御されるので、配光制御部6から出射された後の配光分布が動的に制御される。これにより、照明光の配光分布を詳細に制御することができる。
図22は、本発明の実施の形態7に係る光源のその他の変形例を示す図である。ここでは、光源が円環状に構成された場合について説明する。図22(a)は、光源1005と配光制御部6との位置関係を示す断面図である。図22(b)は、光源部分と配光制御部6と分離して示す図である。図22に示す光源1005は、円環状に構成されている。また、光源1005は、例えばOLEDで構成されている。光源1005は、例えば、図22(a)に示すように、外周と内周とに分かれて配置されている。外周の光源1005は、例えば周辺照明部11を構成し、内周の光源1005は、例えば中央照明部12を構成する。これらの光源1005は、円環状に発光する。配光制御部6の周辺照明配光制御部6a及び中央照明配光制御部6bは、例えば図22(b)に示すように、光源1005の形状に合わせて円環状に構成されている。
なお、図22(b)では、外周及び内周の2周分の光源1005が設けられた場合について例示されているが、光源1005は、例えば、最低限の構成である1周分のみ設けられてもよいし、より細かい配光制御を可能にするため3周分以上設けられてもよい。光源1005には、例えば、拡散面と多数の微小な光源とが組み合わされた光源ユニットが用いられてもよい。
この構成によれば、周方向の配光分布が連続的な形状となるため、滑らかで高品質な配光分布を持った周辺照明光11、中央照明光12が提供される。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜7と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。前述の実施の形態では、カメラ8を用いて、使用者からの操作信号を検出する方法について説明した。これまでは、撮像画像に基づいて、カメラ8から見た指や手等の対象物の方向が検出されていた。検出された方向により対象物の2次元の位置情報が取得され、取得された位置情報に基づいて操作信号が検出されていた。ところが、2次元の位置情報だけでは、より複雑な操作信号を検出することが困難である。詳しくは、カメラレンズの瞳位置から見た使用者の指がある方向を特定したに過ぎず、三次元空間における対象物の位置特定には任意性が残る。そこで、本実施の形態では、3次元の位置情報の取得方法について説明する。
図23は、本発明の実施の形態8に係る3次元の位置情報の取得方法の一例を示す図である。本実施の形態では、例えば、光源5A、5B(一部の光源)等といった複数の光源5を順次発光させるような照明制御が行われる。カメラ8は、個々の光源5(5A、5B等が発光すると、対象物及び対象物の陰影を撮影する。このように、カメラ8は、複数の光源5に対応する複数の撮像画像が生成する。それぞれの撮像画像から、カメラ8から見た対象物の方向が特定された後に、対象物の陰影が抽出される。抽出された陰影は、点灯された光源5からの照明光により発生するため、照明光の出射位置と、対象物とを結んだ延長線上に現れる。これにより、カメラ8から見た対象物の方向(第1の方向)と、照明光の出射位置から見た対象物の方向が検出される。そして、これら2方向の交点を算出することにより、対象物の3次元の位置情報が取得される。この構成によれば、対象物の3次元の位置情報が取得されるので、操作信号のバリエーションを増やすことができる。
また、それぞれの光源5を順次照明させることにより、カメラ8は、それぞれの光源5に対応させた撮像画像を生成してもよい。これにより、照明光の出射位置から見た対象物の方向が複数検出されるので、3次元の位置情報の検出精度を向上させることができる。
ここでは、対象物として使用者の指や手等を例示して3次元の位置情報を取得する方法を説明した。しかし、位置情報を取得する対象物はこれらに限定されず、例えば棒状の物体等であってもよい。
なお、光源5は、例えば、人の目にちらつきを感じさせないよう高速で切り替えられることが望ましい。例えば、光源5が、180Hz以上の周波数で切り替えられれば、人の目に見えにくいとされているため、それ以上の周波数で光源5が切り替えられることが望ましい。
また、例えば、対象物の位置検出用に、赤外光等の不可視領域の波長帯域を有する不可視光を出射する光源(以下では、不可視光源とも称する)が別途設けられてもよい。不可視光は、投射映像14と重なるように出射されても、投射映像14のコントラストを低下させることはない。この構成によれば、点灯させる周期によらず人の目にちらつきを感じさせずに、不可視光源を順次点灯させることが可能となる。また、照明光を出射する光源5と不可視光源を出射する光源とが同時に用いられるので、照明光に影響を与えることなく対象物の3次元の位置情報が取得される。
また、不可視光源は、より広範囲の領域を照明するよう構成されてもよい。これにより、3次元の位置情報の取得範囲が広げられる。
また、不可視光源の出力が弱い場合には、不可視光源に対応する配光制御部が別途設けられてもよい。不可視光の発散が抑制され、照射エネルギー密度を高めて影を際立たせることができ、3次元の位置情報の検出精度が向上する。
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9について説明する。なお、以下では、前述の実施の形態1〜8と重複する箇所については、原則としてその説明を省略する。前述の実施の形態では、円環状に配置された光源から出射された光束を、例えば、円環の径方向に配光制御する場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、光源から出射された光束を円環の周方向に配光制御する場合について説明する。図24は、本発明の実施の形態9に係る配光制御部の構成の例を示す図である。図24(a)は、出射側から見た配光制御部の平面図である。図24(b)は、配光制御部の構成の例を示す図であり、図示左側は拡大平面図、図示右側は拡大断面図である。図24(c)は、配光制御部のその他の構成の例を示す図であり、図示左側は拡大平面図、図示右側は拡大断面図である。
配光制御部1106は、例えば、図24(a)に示すように、光源5ごとに設けられている。それぞれの配向制御部1106は、例えば、図24(a)、(b)に示すように、平面視でほぼ矩形状に構成されている。
この構成によれば、配光制御部1106は、光源5から出射される光束の発散を矩形状に制御することが可能となる。これにより、配光制御部1106は、光源5から出射される光束を円環の周方向に制御することが可能な映像投射照明装置1101が提供される。
また、配光制御部1106は、例えば、非球面レンズで構成され、球面収差が抑えられた光学機能を備えていてもよい。また、配光制御部1106は、自由曲面レンズで構成され、球面収差だけでなく、光束の配光分布が周方向と径方向に調整されるように構成されていてもよい。
また、映像投射照明装置1101の光源5は、個別にON/OFFが切り替えられるように構成されていてもよい。例えば、制御部110が、光源5のON/OFFを個別に制御する。これにより、照明光で照明された領域と、照明光で照明されない領域とを組み合わせた、より複雑な配光制御を行うことが可能な映像投射照明装置1101が提供される。
また、例えば、図24(c)に示すように、光源5と配光制御部1106との間に、光源5から出射された光束の形状を調整する光束調整部材1156が設けられていてもよい。光束調整部材1156は、遮光性、あるいは反射性を有する材質で構成されている。光束調整部材1156は、図24(c)に示すように、光源5と対向する領域に開口部1156aが形成されており、光源5からの光束は、開口部1156aで光束の形状が調整され、配光制御部1106へ出射される。
この構成によれば、光束調整部材1156により光源5から出射される光束の形状が調整されるので、光源5の発光面の形状によらずに所望の配光分布が得られる。また、配光制御部1106における配光制御が高精度に行われる。
また、図24(c)に示すように、光源5と光束調整部材1156との間に、保護板1157が設けられてもよい。保護板1157により、例えば、光束調整部材1156の損傷を防止できる。また、保護板1157は、例えば絶縁性を有する材質で構成されてもよい。これにより、光源5や光束調整部材1156からの感電を防止できる。なお、光束調整部材1156及び保護板1157の順序は、相互に入れ替わっていてもよい。
また、光束調整部材1156及び保護板1157は、一体で構成されてもよい。これにより、光束調整部材1156及び保護板1157の製造コストが低減される。
また、光束調整部材1156は、例えば、印刷により保護板1157に形成されてもよい。これにより、一般的な機械加工よりも高精度に光束調整部材1156が形成されるので、緻密な配光制御が可能になる。
また、図24(a)では、光源5が2列分配置された例が示されているが、必要最低限の構成として1列分だけ配置されてもよいし、例えば3列分以上設けられていてもよい。また、光源5の配置は、平面視で同心円状(円環状)に限らず、例えば、矩形やそのほかの形状であってもよい。
図25は、本発明の実施の形態9に係る複数の映像投射照明装置を並べて使用した場合における照度分布の一例を示す図である。図24(a)の映像投射装置1101が複数並べて配置されると、複数の映像光4A、映像光4Bを連結させて一つの大きな映像が提供される。
このとき、映像光4Aを出射する一方の映像表示照明装置1101の周辺照明光は1111Aである。周辺照明光1111Aは、図25に示すように、映像光4Aには重なっていないが、他方の映像投射照明装置1101が出射する映像光4Bと重なってしまう。
そこで、映像光4Aを出射する一方の映像表示照明装置1101は、例えば、他方の映像投射照明装置1101の映像周辺領域11B及び映像投射領域12Bと重なる領域に周辺照明光1111Aを照明する光源5をOFFさせて、周辺照明光1111Aが、映像光4B及び周辺照明光1111Bと重ならないようにする。これと同様に、映像光4Bを出射する他方の映像表示照明装置1101は、例えば、一方の映像投射照明装置1101の映像周辺領域11A及び映像投射領域12Aと重なる領域に周辺照明光1111Bを照明する光源5をOFFさせて、周辺照明光1111Bが、映像光4A及び周辺照明光1111Aと重ならないようにする。このような光源5のON/OFFの切り替えは、例えば制御部110が行う。
この構成によれば、周辺照明光1111A、1111Bが周方向に分割制御されるので、複数の映像投射照明装置1101から出射される複数の映像光4A、4Bを組み合わせて、より大きな一つの投射映像が提供される。また、この構成によれば、複数の映像投射照明装置1101の周辺照明光1111A、1111Bにより、大きな一つの投射映像を取り囲む、より大きな一つの周辺照明光が提供される。また、高コントラストでより大きな投射映像及びより広範囲にわたる周辺照明光が同時に提供される。
なお、ここでは、2つの映像投射照明装置1101を用いた場合について説明したが、さらに多くの映像投射照明装置1101が用いられてもよい。この構成によれば、さらに大きな一つの投射映像が投射される。また、さらに大きな一つの投射映像を取り囲む、さらに大きな一つの周辺照明光が提供される。
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。なお、図面に記載した各部材や相対的なサイズは、本発明を分かりやすく説明するため簡素化・理想化しており、実装上はより複雑な形状となる場合がある。