JPWO2018021536A1 - 往復作動体用移動装置 - Google Patents

往復作動体用移動装置 Download PDF

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Abstract

複数の前進用巻取器22a、22bを介して巻き取り巻き戻し自在に保持される複数の正巻用線状体51a、51bを備え、各正巻用線状体51a、51bが往復作動体71と各前進用巻取器22a、22bとにわたって索取りされ、複数の後退用巻取器23a、23bを介して巻き取り巻き戻し自在に保持される複数の逆巻用線状体52a、52bを備え、各逆巻用線状体52a、52bが往復作動体71と各後退用巻取器23a、23bとにわたって索取りされ、これによって重量の大きい往復作動体、横長の長大な往復作動体、重量が大きくて長大な往復作動体を円滑で軽快かつ安定して前進後退させ、かつ、高速移動を可能にする。

Description

本発明は、人及び/又は物の搬送、移送、移動などに供することのできる機械的な技術の分野に属し、更に詳細に述べると、往復作動体(移動体)を往復動させる装置の改良に関する。本発明に係るこの往復作動体用移動装置は、往復作動体用牽引装置、往復作動体用送り装置と称することができ、又は、単に移動装置、牽引装置、送り装置、搬送装置と称することもある。
原料、資材、部品、組立品、完成品、包装品の如き各種の搬送対象物を出発点から目的点まで搬送することは、多くの技術分野で広く行われている。例えば、ごく一般的なライン生産方式では、工場建屋内の加工ラインや組立ラインに対応して搬送対象物(材料や部品など)を供給するための装置が設置される。この装置は、建屋内に設けられた走行路に沿って搬送用の移動体が走行するように構成されている。
この種の装置としては、今まで、ベルトコンベア式搬送装置、ねじ式搬送装置、シリンダ式搬送装置、タイミングベルト式搬送装置、作業ロボットの如き多くの装置が開発され、実用化されている。
この装置がベルトコンベア式搬送装置である場合、低価格で長距離搬送に適応する反面、搬送物の位置決め精度が低く、他の装置に比べて搬送速度が遅く、更にベルトコンベアは搬送距離に比例する長大な設置スペースを必要とする。また、ねじ式搬送装置は、研磨ボールねじの使用で搬送精度が高まる上に、中高速での搬送が可能である。しかし、高価な研磨ボールねじを用いると、コストプッシュ要因となるため装置が高価になる。ねじ式搬送装置は、また、省スペース型でない上に、搬送距離が短いため、ベルトコンベアのような長距離搬送が困難である。シリンダ式搬送装置もねじ式送り装置と同様、長距離搬送の困難性や高価格の問題であり、省スペースに必要なコンパクト化が達成されない。シリンダ式搬送装置は、搬送ストロークの任意変更が困難であることが実用性を低めている。一方、タイミングベルト式搬送装置は、研磨ボールねじを用いるねじ式送り装置よりも低額であるが、高い位置決め精度を得るために高精度品を用いると、ベルトコンベアに比べて高額となる。しかも、タイミングベルトは、ねじ式搬送装置やシリンダ式搬送装置よりも長い搬送距離を設定できるが、製作上の制約があったりベルトの弛みが生じたりするために、ベルトコンベアの搬送距離を確保するのが困難である。即ち、タイミングベルト式搬送装置は、ベルトコンベアのように長大化しないが、それに応じて搬送距離が短くなる。作業ロボットは、精度が格段に高く高機能であるが、極めて高額である上に、長距離間の連続搬送には適さない。
上記従来装置の課題を解決することができる技術が下記の特許文献1乃至8に開示されている。これら文献の技術は、移動体の往復動方式であり、巻き取り巻き戻し自在な線状体で移動体を往動方向(前進方向)に牽引したり、復動方向(後退方向)に牽引したりすることができる。この技術において、移動体往動側の線状体や移動体復動側の線状体が移動体に連結されていると、位置決め精度、長距離搬送、遠隔搬送、制御性、高精密送り、高速送り、低価格、簡潔構成、省スペース、軽量化、発塵対策、事故発生に対する安全対策などを満足させることができる。
しかし、特許文献1乃至8に開示された各装置も下記(1)乃至(6)で指摘される共通の技術課題を有する。
(1)上記特許文献の技術は、前進用巻取器と正巻用線状体とで移動体(往復作動体)を前進させたり、後退用巻取器と逆巻用線状体とで移動体を後退させたりする。これは、一本のみの正巻用線状体と一本のみの逆巻用線状体で移動体を前進後退させる。これらの文献の技術のように、一本のみの線状体で移動体を動かす方式であると、重量化した移動体に適応することができない。その理由は、一本のみの線状体に負荷がかかりすぎて線状体に伸びや断線が起こる虞があり、従って不測の事故を起こす傾向があることである。
(2)上記の欠点を回避するために、線状体の強度を高めることが考えられる。その典型的な例は、直径の大きな線状体を採用することである。しかし、直径の大きな線状体を採用すると、線状体の耐屈曲寿命を確保するために巻取器直径を大きくしなければならない。巻取器直径を大きくすることは、技術的に容易に達成することができるが、それに伴って次のような問題が発生する。
(3)この種の線状体は、複数の素線が撚り合わされたワイヤから成っているのが一般的である。しかし、巻取器の直径は、線状体の素線直径の500倍程度に設定しなければならない。例えば、線状体の素線直径を2mmφに設定すると、巻取器の直径は、1000mm=1mとなる。従って、線状体の直径を大きくすると、巻取器直径の大型化を招き、また巻取器回転軸の大径化と高強度化とを必要とし、これに伴って、他の関連部品の大径化と高強度化が要求される。更に、線状体を索取りする際にプーリの如き周辺部品も大型化せざるを得なくなる。このように、大きな重量の移動体に適用するために、線状体の直径を大きくすると、それに伴って装置構成部品全体に影響が及び、移動装置の大幅なコストアップを招く。
(4)巻取器(高速回転体)の直径を上記のように大きくすると、回転中の巻取器に不正振動(回転振れ)が発生しやすくなる。例えば、回転中の不釣り合いによる遠心力が原因で巻取器の回転軸に撓みが生じると、この撓みが回転軸の振れ回り現象を引き起こす。特に注目すべきことは、このような状況下で巻取器の回転にみられる「回転軸の危険速度」である。即ち、回転軸の回転数が回転軸の曲げ固有振動数と一致すると、撓みが急激に大きくなって危険な状態となる。従って、巻取器の直径を大きくすると、巻取器の回転速度は、抑制しなければ成らない。換言すると、高度の安全対策を講じないかぎり、作業能率を高めるための巻取器の高速回転を求めることができない。
(5)一方、この種の移動装置の移動体として、棒状、柱状、枠状の如き横長構造物を採用したいという要望がある。このような横長構造物から成る移動体を用いる場合、一本のみの正巻用線状体や一本のみの逆巻用線状体を移動体の中心部(全長を二等分する箇所)に正確に接続することが必要である。更に、運転時には、巻取器を介して巻き取られる正巻用線状体や逆巻用線状体によって移動体を前進させたり後退させたりする。このような運転では、特に、左右のバランスを維持しながら移動体を移動させなければならないが、そのバランスが崩れて移動体が右傾、左傾のように傾くと、移動体の移動不能を招く。一本のみの線状体で移動体の中心部に移動力(牽引力)を加えるという既成の方式では、移動体は左右のバランスを崩し易い。その理由は、移動体の移動抵抗のアンバランス、移動荷重の変動、線状体の揺動や振動など、バランスを崩す要因が多く存在するからである。このバランス崩壊を防止するために、例えば、移動体の移動領域の両側にバランス保持用のガイド手段を設け、そのガイド手段で移動体の左右両側部を保持することが考えられる。しかし、移動体の移動距離は、50乃至100mにも及ぶことがあるので、バランス維持のために高額の設備費が必要となる。このバランス維持対策を講じることができない婆には、移動装置の実現自体が拒まれる。
(6)この種の移動装置においては、移動体を目標位置に正確に停止させることが重要である。これは、特に、生産ラインを用いて所要の物品(部品、部材)を供給する場合に、重要になる。しかし、単一の巻取器を介して正巻用線状体や逆巻用線状体を巻き取り巻き戻し制御する従来の移動装置は、線状体の巻き取り巻き戻し速度を減速しつつ移動体の速度を制御する場合、正巻用線状体又は逆巻用線状体に弛みが生じる傾向があるので、移動体が目標位置から若干ずれて停止することがある。従って、移動体を目標位置に常に正確に停止させるような改良が望まれている。
特開2006−017292号公報 特開2007−127138号公報 特開2009−204134号公報 特開2011−002004号公報 特開2011−038548号公報 特開2012−002297号公報 再表2013−137139号公報 特開2015−164821号公報
本発明は、上記の課題に鑑み、次の目的を有する往復作動体用移動装置を提供するものである。第1の目的は、重量(質量)の大きい往復作動体、横長の長大な往復作動体、重量が大きくて長大な往復作動体の如き往復作動体を円滑で軽快かつ安定して前進後退させ、かつ、高速移動を可能にすることである。第2の目的は、正巻用線状体、逆巻用線状体、巻取器を含む主要な構成部分を大型化することなく、往復作動体用移動装置の簡潔化とコンパクト化をはかることである。第3の目的は、各部分が故障し難く、往復作動体用移動装置の長寿命をはかることである。第4の目的は、汎用性の高い往復作動体用移動装置を低コストで提供することである。第5の目的は、機能性の高い往復作動体用移動装置を低コストで提供することである。
本発明は、所期の目的を達成するため、次の12の課題解決手段(11)乃至(22)である往復作動体用移動装置を提供するものである。
(11)前進方向の力を受けたときに移動領域内を前進したり後退方向の力を受けたときに移動領域内を後退したりする往復動自在な往復作動体を備え、
巻き取られる線状体を介して往復作動体に前進方向の力を付与したり巻き戻される線状体を介して往復作動体の後退を許容したりするための正逆回転自在な複数の前進用巻取器と、
巻き取られる線状体を介して往復作動体に後退方向の力を付与したり巻き戻される線状体を介して往復作動体の前進を許容したりするための正逆回転自在な複数の後退用巻取器と、
前記複数の前進用巻取器を介して巻き取り巻き戻し自在に保持される複数の正巻用線状体と、
複数の後退用巻取器を介して巻き取り巻き戻し自在に保持される複数の逆巻用線状体を備え、
複数の前進用巻取器による前進方向の力が往復作動体に伝わるように、各正巻用線状体が往復作動体と複数の前進用巻取器とにわたって索取りされており、
複数の後退用巻取器による後退方向の力が往復作動体に伝わるように、各逆巻用線状体が往復作動体と複数の後退用巻取器とにわたって索取りされており、
巻き取り回転時の各前進用巻取器と巻き戻し回転時の各後退用巻取器とが互いに同期かつ同調してそれぞれの巻き取り方向や巻き戻し方向へ回転し、且つ、巻き戻し回転時の各前進用巻取器と巻き取り回転時の各後退用巻取器とが互いに同期かつ同調してそれぞれの巻き戻し方向や巻き取り方向へ回転し、
それぞれの前進用巻取器による各正巻用線状体の巻き取り量とそれぞれの後退用巻取器による各逆巻用線状体の巻き戻し量とが互いに等しく、且つ、それぞれの前進用巻取器による各正巻用線状体の巻き戻し量とそれぞれの後退用巻取器による各逆巻用線状体の巻き取り量とが互いに等しいこと
を特徴とする往復作動体用移動装置。
(12) すべての前進用巻取器が同一軸線上で一列に並んでいる上記(11)項に記載された往復作動体用移動装置。
(13) すべての後退用巻取器が同一軸線上で一列に並んでいる上記(11)項に記載された往復作動体用移動装置。
(14) すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが同一軸線上で一列に並んでいる上記(11)項に記載された往復作動体用移動装置。
(15) すべての前進用巻取器が一体化されて構成されている上記(11)項、上記(12)項、上記(14)項のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
(16) すべての後退用巻取器が一体化されて構成されている上記(11)項、上記(13)項、上記(14)項のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
(17) すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが一体化されて構成されている上記(11)項又は上記(14)項に記載された往復作動体用移動装置。
(18) すべての前進用巻取器が一体化されて構成され、且つ、すべての後退用巻取器が一体化されて構成されており、かつ、一体化された前進用巻取器と一体化された後退用巻取器とが互いに別体である上記(11)項又は上記(14)項に記載された往復作動体用移動装置。
(19) 往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された一方側にすべての前進用巻取器が配置されており、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された他方側にすべての後退用巻取器が他側に配置されている上記(11)項又は上記(18)項に記載された往復作動体用移動装置。
(20) 正巻用線状体と逆巻用線状体とを一連に構成してなる複数の両用線状体を備え、且つ、両用線状体を巻き取ったり巻き戻したりするための前進用巻取器と後退用巻取器とを一体に構成してなる巻取器集合体を具備し、更に、両用線状体の中間部が巻取器集合体に巻き付けられ、且つ、両用線状体の一端部が正巻用線状体の端部として往復作動体に繋がれ、かつ、両用線状体の他端部が逆巻用線状体の端部として往復作動体に繋がれている上記(11)項、上記(14)項、上記(17)項、上記(19)項のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
(21) 往復作動体の左右方向の寸法が、往復作動体の前後方向の寸法より大きい上記(11)項乃至上記(20)項のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
(22) 往復作動体の移動領域が、地上、地下、水上、水中、空中のうちのいずれか一つに設定されており、その移動領域を往復作動体が往復移動するものである上記(11)項ないし上記(21)項のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
本発明に係る往復作動体用移動装置は、下記の効果(31)乃至(38)を有する。
(31) 往復作動体の前進を複数の前進用巻取器と複数の正巻用線状体とで行い、かつ、往復作動体の後退を複数の後退用巻取器と複数の逆巻用線状体とで行う。このような移動方式であると、単数の前進用巻取器と単数の正巻用線状体とで往復作動体を前進させたり、また、単数の後退用巻取器と単数の逆巻用線状体とで往復作動体を後退させたりするものに比し、より強力な牽引力を往復作動体を作用させてこれを移動させることができる。従って、重量(質量)の大きい往復作動体の高速移動でも、その強力な牽引力を介して円滑で軽快かつ安定して往復作動体を前進後退させることができる。
(32) 上記の移動方式とすると、更に、横方向(左右方向)の寸法が大きい往復作動体や、横長の長大な往復作動体や、重量が大きくて長大な往復作動体も、バランスを損なうことなく安定して前進後退させることができる。その理由は、例えば、横長往復作動体の左側部と右側部にそれぞれ連結された2本の各正巻用線状体を前進用巻取器で同期かつ同調して巻き取ることにより、左右両側部を含む往復作動体(全体)がほぼ正確な姿勢を保持して等速移動するからである。同様に、横方向の寸法が大きい往復作動体や横長往復作動体の左側部と右側部に連結された2本の各逆巻用線状体を後退用巻取器で同期かつ同調して巻き取る場合も、往復作動体はバランスを損なうことなく横長状態を維持しながら全体が高速移動かつ等速移動する。
(33) 複数の正巻用線状体と複数の逆巻用線状体とを備えていると、往復作動体が重量の大きくても、線状体の直径を大きくする必要がないので、巻取器の直径も大きくする必要がない。従って、正巻用線状体、逆巻用線状体、巻取器を含む主要な構成部分が大型化することなく、往復作動体用移動装置の簡潔化とコンパクト化をはかることができる。特に、すべての前進用巻取器が同一軸線上で一列に並んでいるもの、すべての後退用巻取器が同一軸線上で一列に並んでいるもの、すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが同一軸線上で一列に並んでいる構成、すべての前進用巻取器が一体化されて構成されている構成、すべての後退用巻取器が一体化されている構成、すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが一体化されている構成は、往復作動体用移動装置の簡潔化とコンパクト化とをより顕著にすることができる。
(34) 往復作動体用移動装置は、往復作動体、複数の前進用巻取器、複数の後退用巻取器、複数の正巻用線状体、複数の逆巻用線状体を主体に構成されていて、既述の安定機能を有する。更に詳細に述べると、前進用巻取器、後退用巻取器、正巻用線状体、逆巻用線状体が複数あることによって各部分に加わる負荷が分散され、それぞれの要素に無理な荷重が作用しないので、各部分が故障し難い。従って、往復作動体用移動装置の長寿命をはかることができる。
(35) 往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された一方側にすべての前進用巻取器が配置されており、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された他方側にすべての後退用巻取器が他側に配置されている往復作動体用移動装置は、各巻取器が一箇所にまとまるので、これらを集中管理したり集中監視したりするのが容易となる。
(36) 往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された一方側にすべての前進用巻取器が配置されており、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された他方側にすべての後退用巻取器が他側に配置されている往復作動体用移動装置は、各前進用巻取器と各後退用巻取器とが分離配置状態になるので、一箇所に巻取器用の大きな設置スペースを要することがなく、また、線状体の巻き取り巻き戻し速度を減速しつつ往復作動体の速度をコントロールする際に、正巻用線状体や逆巻用線状体に弛みが発生するのを抑制又は防止できるので、往復作動体を目標位置に正確に停止させることができる。これによって、性能の高い往復作動体用移動装置を低コストで提供することができる。
(37) 正巻用線状体と逆巻用線状体とが両用線状体で構成されていたり、この両用線状体を巻き取ったり巻き戻したりするための前進用巻取器と後退用巻取器とが巻取器集合体で構成されていたりする往復作動体用移動装置は、装置の構成が簡潔となるだけでなく、巻取器集合体における軸方向の領域を有効に活用して複数の両用線状体を効率よく巻き取ったり巻き戻したりすることができる。
(38) 往復作動体、複数の前進用巻取器、複数の後退用巻取器、複数の正巻用線状体、複数の逆巻用線状体を主体に構成される往復作動体用移動装置は、既述のように往復作動体を安定して前進後退させることができる。これは、往復作動体の移動領域が地上、地下、水上、水中、空中などいずれに設定されていても、当該往復作動体を安定移動させることを可能とする。従って、汎用性の高い往復作動体用移動装置を低コストで提供することができる。
本発明装置の第一実施形態の概略を示す平面図(A)、一部切り欠き状態の側面図(B)、本発明装置におけるプーリユニットの概略示す正面図(C)、右側面図(D)、背面図(E)、右側面図(F)である。 本発明装置における正巻用線状体や逆巻用線状体の巻き取り方式の幾つかの例の概要を前進用巻取器や後退用巻取器と共に略示した説明図(A)乃至(E)である。 本発明装置における正巻用線状体や逆巻用線状体の巻き取り方式を前進用巻取器と後退用巻取器で示した正面図(A)乃至(C)である。 本発明装置の第二実施形態の概要を略示した斜視図である。 本発明装置の第二実施形態の要部の構成を略示した斜視図である。 本発明装置の第三実施形態を略示した平面図である。 本発明装置の第四実施形態の概要を略示した斜視図である。 本発明装置の第四実施形態の要部の構成を略示した斜視図である。 本発明装置の第五実施形態を略示した平面図(A)と側面図(B)である。 本発明装置の第六実施形態を略示した平面図(A)と本発明装置の第七実施形態を略示した平面図(B)である。 本発明装置の第八実施形態を略示した平面図(A)と本発明装置の第九実施形態を略示した平面図(B)とこの両実施形態での二つの変形例を略示した側面図(C)(D)である。 本発明装置において採用される線状体巻取機構の断面図である。
先ず、本発明に用いられる往復作動体(移動体)を説明すると、これは、目的の作業や仕事ために移動するものをいう。代表的な往復作動体を数例あげると、搬送用台車や車両がある。その他の往復作動体としては、測定器械、検査機械、分析機械、散布機械、配給機械、撹拌機械、収集機械、採取機械、集塵機械、撮影機械、報知機械、監視機械、照明機械、加熱機械の如き機械類をあげることができ、また、これらの機械を装備又は搭載したものもがある。
次に、本発明に用いられる往復作動体の移動領域について述べると、これは、地上、地下、水上、水中、空中のうちのいずれか一つ又は二つ以上に設定される。往復作動体の移動領域が地上の場合、地面、各種の舗装面、各種の床面、各種の地上軌道面が移動領域となる。これは、高架軌道も含む。往復作動体の移動領域が地下の場合、トンネル内部や地下道が異動領域となる。地上や地下を移動領域とするときの往復作動体のタイプは、主に台車や車両である。往復作動体の移動領域が水上(液面上)の場合は、自然地、人工地、プール、大型水槽やその他の水域における水面(液面)が移動領域に該当し、往復作動体の移動領域が水中(液中)の場合は、上記各水域での水中(液中)が移動領域に該当する。往復作動体の移動領域が水中の場合の正巻用線状体や逆巻用線状体は、地上から水中にわたるように索取りされる。水上(液面上)を移動領域とする場合の往復作動体のタイプは、主に水上で浮力を生じるものが用いられる。これには船体のようなものも含まれる。水中(液中)を移動領域とするときの往復作動体のタイプは、例えば、潜水艇のようなものであるが、これに限定されるものでない。往復作動体の移動領域が空中の場合、正巻用線状体や逆巻用線状体は、地上から空中にわたるような索取りがなされる。空中を移動領域とするときの往復作動体は、例えば、マルチコプター式無人航空機(ドローン)の如き飛翔体や気球の如き空中浮揚体も含まれる。
本発明における正巻用線状体や逆巻用線状体という用語は、この両線状体を相対関係で区別しているにすぎない。「正巻用」や「逆巻用」の語は、絶対的な意味合いをあらわしているものではない。従って、「正巻用線状体」を「逆巻用線状体」に変更した場合は、「逆巻用線状体」が「正巻用線状体」となる。
本発明に係る往復作動体用移動装置において、逆巻用線状体と正巻用線状体とは対(2本)をなし、複数対の線状体を備えている。逆巻用線状体と正巻用線状体とが二対であると、線状体の数が4本となり、逆巻用線状体と正巻用線状体とが三対であると、線状体の数が6本となる。従って、線状体の数は、最少でも4本である。更に述べると、逆巻用線状体と正巻用線状体とが二対のときは、二つの前進用巻取器と二つの後退用巻取器とを要し、逆巻用線状体と正巻用線状体とが三対のときは3つの前進用巻取器と3つの後退用巻取器とを要する。従って、線状体の数も、最少四つである。
1対の正巻用線状体と逆巻用線状体に注目するとき、一連の長い線状体を分断するのではなく、一本の長い線状体の一端部から中間部までを正巻用線状体とし、他端部から中間部までを逆巻用線状体として使い分けることがある。これは、正巻用線状体と逆巻用線状体とが一連の長い線状体に共存していることになる。正巻用線状体と逆巻用線状体とを兼備するこの一連の線状体を「両用線状体」と称する。一方で、前進用巻取器と後退用巻取器とも対をなしている。この場合、一つの前進用巻取器が一本又は複数本の線状体に対応し、また、一つの後退用巻取器も一本又は複数本の線状体に対応している。対をなす前進用巻取器と後退用巻取器が互いに別体であることもあるが、多くの場合、前進用巻取器と後退用巻取器とは、同軸状に隣接して一体化されて「巻取器集合体」となっている。この他に、複数の前進用巻取器が同軸状に隣接して一体化された「巻取器集合体(前進用)」や、複数の後退用巻取器が同軸状に隣接して一体化された「巻取器集合体(後退用)」があり、また、すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが同軸状に隣接して一体化された「巻取器集合体(全巻取器集合体)」もある。このような「巻取器集合体」については、「共通巻取器」、「共用巻取器」又は「兼用巻取器」と称することもできる。更に、本発明の実施形態における「プーリユニット」と「プーリホルダ」に関して、「プーリユニット」を「プーリユニットセット」又は「プーリユニット機構」と称し、「プーリホルダ」を「プーリユニット」と称することもある。
前進用巻取器や後退用巻取器の各種実施形態を述べると、下記(1)乃至(13)の通りとなる。(1)すべての前進用巻取器が同一軸線上で一列に並ぶ。(2)すべての後退用巻取器が同一軸線上で一列に並ぶ。(3)すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが同一軸線上で一列に並ぶ。(4)すべての前進用巻取器が一体化されている。(5)すべての後退用巻取器が一体化されている。(6)すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが一体化されている。(7)一体化されたすべての前進用巻取器と一体化されたすべての後退用巻取器とが互いに別体である。(8)すべての前進用巻取器は上記のように一体化されるが、各後退用巻取器は、個々に独立した別体のものである。(9)逆に、すべての後退用巻取器は上記のように一体化されるが、各前進用巻取器は、個々に独立した別体である。(10)すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが、個々に独立した別体である。(11)すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択されたいずれか一方側に配置される。(12)往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された一方側にすべての前進用巻取器が配置され、かつ、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された他方側にすべての後退用巻取器が配置される。(13)個々に独立している各前進用巻取器が往復作動体移動領域の周辺に分散して配置され、かつ、個々に独立している各後退用巻取器も往復作動体移動領域の周辺に分散して配置される。
本発明に係る往復作動体用移動装置を図1の(A)乃至(F)に例示された実施形態で説明する。
図1に例示された往復作動体用移動装置において、各構成要素は、金属、合成樹脂、複合材の如き機械的特性の優れた材料から成っている。このうち、正巻用線状体や逆巻用線状体については可撓性を有する材質のものが選択される。具体的一例をあげると、正巻用線状体や逆巻用線状体は、多数の素線が撚り合わされた金属製ワイヤから成っている。正巻用線状体や逆巻用線状体がアラミッド繊維の如き材料から作製された抗張力体から成っていてもよい。
図1の実施形態において、軸用支持体(取付台)11には巻取器集合体21Xが正逆回転自在に装備されている。巻取器集合体21Xは、複数の前進用巻取器22a、22bと複数の後退用巻取器23a、23bとを含み、これら各巻取器22a、22b、23a、23bは、一体化されている。換言すると、巻取器集合体21Xの区分された各部がそれぞれ巻取器22a、22b、23a、23bとなっている。巻取器集合体21Xは、これが正回転したり逆回転したりしたときに所定のピッチで軸方向に移動(軸方向に往復動)する。正巻用線状体51a、51b、逆巻用線状体52a、52bは、該各巻取器22a、22b、23a、23bの周面に整列巻きされる。
図1に例示された往復作動体71は、横長の構造物から成っており、その一例は、浮力を有する。往復作動体71は、プールPL内の水面上(液面上)を移動領域とするものであり、図1(A)においてF1方向やF2方向に往復動する。正逆回転自在な巻取器集合体21Xを装備した軸用支持体11は、プールPLの前側の縁の中央部に設置されている。プールPLの前側の縁にはシーブ、ガイドローラ、滑車とも称されるプーリP01乃至P08が配置されており、プールPLの後側の縁にも同様のプーリP09、P10が配置されている。各プーリP01乃至P08は、周知のプーリユニットに回転自在に装備されて上記の場所に設置される。具体的な一例においては一つのプーリユニットに二つのプーリが装備されたものが上記の場所に設置される。更に、各プーリP09乃至P10も、周知のプーリユニットに回転自在に装備されて上記の場所に設置される。具体的な一例においては、一つのプーリユニットに一つのプーリが装備されたものが上記の場所に設置される。
図1(C)(D)(E)(F)に略示された各プーリユニットPU01乃至PU04において、各プーリP01乃至P08は、垂直軸を軸心にして自由に水平回転するタイプのものである。このうちで、図1(C)のプーリユニットPU01は、ユニット基体UB1に設けられた垂直な軸SVに2つのプーリP01、P03が自由回転するように取り付けられている。両プーリP01、P03の相対関係について述べると、一方のプーリP01が相対的に下位あり、他方のプーリP03が相対的に上位にある。図1(D)(E)(F)の各プーリユニットPU02、PU03、PU04もこれと同様に、上下関係を保持した各二つのプーリP02、P04、P05、P07、P06、P08が、ユニット基体UB1に設けられた垂直な軸SVにそれぞれ自由回転するように取り付けられている。
本発明装置の平面図である図1(A)を参照すると、この図には、プーリユニットPU01乃至PU04を省略した状態で各プーリP01乃至P08が示されている。図1(A)の状態は、更に、本来なら隠れて見えることのない下位の各プーリP01、P03、P05、P07が、説明の便宜上、それぞれ故意に図示されている。
図1(A)(B)に示された二つの各プーリユニットPU05、PU06において、これらに装備されている二つの各プーリP09、P10は、水平軸を軸心にして自由に垂直回転するタイプのものである。このうちで一方のプーリP09は、プーリホルダPHに設けられた水平な軸SHに自由回転するように取り付け保持されている。プーリホルダPHには、また、その背面の直交方向に突出するねじ軸(ボルト)SBが当該背面部に取り付けられている。プーリP09やねじ軸SBを有するこのプーリホルダPHは、アングル形状のユニット基体UB2の水平な底板部BP上に、前後移動自在なるように配置されている。プーリホルダPHのねじ軸SBは、ユニット基体UB2の垂直な背板部BBを貫通してユニット基体UB2外へ突出しており、このねじ軸SBの貫通端部には、背板部BBの外面側にある雌ねじ(ナット)SNがねじ込まれている。
上述の各プーリユニットPU01乃至PU06は、巻取器集合体21X、正巻用線状体51a、51b、逆巻用線状体52a、52bと協働して往復作動体71を所定どおりに往復作動させるものである。正逆回転自在な巻取器集合体21Xを装備した軸用支持体11は、既述のようにプールPLの前側の縁の中央部に設置されている。巻取器集合体21Xの前側で左右に隣接する二つのプーリユニットPU01、PU01も、プールPLの前側縁中央部に設置されている。その一方、他の二つのプーリユニットPU03、PU04は、プールPLの前側縁右側部と前側縁左側部にそれぞれ設置されている。更に、残る二つのプーリユニットPU05、PU06は、プールPLの後側縁右側部と後側縁左側部にそれぞれ設置されている。
図1の巻取器集合体21Xは、複数の前進用巻取器22a、22bと複数の後退用巻取器23a、23bとが一体化されたものであるが、複数の前進用巻取器22a、22bと複数の後退用巻取器23a、23bとを具備するものである。この巻取器集合体21Xにおいては、前進用巻取器22aが正巻用線状体51aと対応し、前進用巻取器22bが正巻用線状体51bと対応し、後退用巻取器23aが逆巻用線状体52aと対応し、更に、後退用巻取器23bは逆巻用線状体52bと対応するが、各巻取器22a、22b、23a、23bの境界部分は固定的なものでなく、巻取器集合体21Xの正逆回転に伴って軸方向に変位する。
図1における正巻用線状体51a、51bや逆巻用線状体52a、52bを説明すると、正巻用線状体51aと逆巻用線状体52aとが対をなし、正巻用線状体51bと逆巻用線状体52bとが対をなしている。また、図1に示すように、一連の長い両用線状体51Rが対をなす正巻用線状体51aと逆巻用線状体52aとを構成し8、かつ、一連の長い両用線状体51Sが対をなす正巻用線状体51bと逆巻用線状体52bとを構成している。
図1における両用線状体51R、51S(正巻用線状体51a、51bや逆巻用線状体52a、52b)について説明すると、これらの線条体の中間部が数回から数十回の範囲内で巻取器集合体21Xの外周面に巻き付けられる。具体的な一例においては、両用線状体51R、51Sは、10乃至15回程度、巻取器集合体21Xの外周面に巻き付けられる。この場合、一方の両用線状体51Rの巻付部と他方の両用線状体51Sの巻付部とは巻取器集合体21Xの外周面上で軸方向に隣接する。更に述べると、通常、この双方の巻付部の隣接部間には隣接間隔(線状体が巻き付いていない部分)が介在する。この巻付部相互の隣接間隔について両用線状体の巻き付け回数を基準にして述べると、巻き付け回数は、2乃至5回分程度の範囲内である。
巻取器集合体21Xの外周面に中間部が巻き付けられた両用線状体51R、51S(正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52b)は、これに関連する各部との関係でつぎのように索取りされる。巻取器集合体21Xの前進用巻取器22aから巻き戻された正巻用線状体51aは、各プーリP01、P05、P09を経由した後、往復作動体71の一側端部にある固定部EF1に固定される。巻取器集合体21Xの前進用巻取器22aから巻き戻された正巻用線状体51bは、各プーリP02、P06、P10を経由した後、往復作動体71の他側端部にある固定部EF2に固定される。巻取器集合体21Xの後退用巻取器23aから巻き戻された逆巻用線状体52aは、各プーリP03、P07を経由した後、往復作動体71の一側端部にある固定部EB1に固定される。更に、巻取器集合体21Xの後退用巻取器23bから巻き戻された逆巻用線状体52bは、各プーリP04、P08を経由した後、往復作動体71の他側端部にある固定部EB2に固定される。
図1において、軸用支持体11に装備されている原動機(例えば、サーボモータ)34の正回転が伝動手段(カップリング81)を介して巻取器集合体21Xの回転軸26に伝えられると、巻取器集合体21Xが正回転する。この巻取器集合体21Xの正回転は、前進用巻取器22a、22bにとっては正回転であるが、後退用巻取器23a、23bにとっては逆回転である。従って、前進用巻取器22a、22bが正巻用線状体51a、51bを巻き取る方向に回転し、これと同時に後退用巻取器23a、23bが逆巻用線状体52a、52bを巻き戻す方向に回転する。このようにして正巻用線状体51a、51bが巻き取られながら逆巻用線状体52a、52bが巻き戻されるとき、その巻き取られる正巻用線状体51a、51bの牽引力によって、往復作動体71が図1(A)のF1方向に前進往動する。これに対し、原動機34の逆回転が伝動手段(カップリング81)を介して巻取器集合体21Xの回転軸26に伝えられると、巻取器集合体21Xが逆回転する。この巻取器集合体21Xの逆回転は、前進用巻取器22a、22bにとっては逆回転であるが、後退用巻取器23a、23bにとっては正回転である。従って、前進用巻取器22a、22bが正巻用線状体51a、51bを巻き戻す方向に回転し、これと同時に後退用巻取器23a、23bが逆巻用線状体52a、52bを巻き取る方向に回転する。このようにして正巻用線状体51a、51bが巻き戻されながら逆巻用線状体52a、52bが巻き取られると、その巻き取られる逆巻用線状体52a、52bの牽引力によって、往復作動体71が図1(A)のF2方向に後退復動する。
図2(A)乃至(E)に例示されたそれぞれの巻取器集合体21Xは、複数の前進用巻取器22a、22bと複数の後退用巻取器23a、23bとを有しており、かつ、該各巻取器22a、22b、23a、23bに線状体が施されている。以下、この各例の巻取器集合体21Xを具体的に説明する。
図2(A)の巻取器集合体21Xは、前進用巻取器22a、22bに2本の正巻用線状体51a、51bが巻き取り巻き戻し自在に施されており、かつ、後退用巻取器23a、23bに2本の逆巻用線状体52a、52bが巻き取り巻き戻し自在に施されている。図2(B)の巻取器集合体21Xは、前進用巻取器22a、22b、22c、22dに4本の正巻用線状体51a、51b、51c、51dが巻き取り巻き戻し自在に施されており、かつ、後退用巻取器23a、23b、23c、23dに4本の逆巻用線状体52a、52b、52c、52dが巻き取り巻き戻し自在に施されている。図2(C)の巻取器集合体21Xは、前進用巻取器22a、22b、22c、22d、22e、22fに6本の正巻用線状体51a、51b、51c、51d、51e、51fが巻き取り巻き戻し自在に施されており、かつ、後退用巻取器23a、23b、23c、23d、23e、23fに6本の逆巻用線状体52a、52b、52c、52d、52e、52fが巻き取り巻き戻し自在に施されている。
図2(A)乃至(C)の各巻取器集合体21Xは、例示にすぎないが、各線状体51a乃至51f、52a乃至52fは、固定部(取付部)X1乃至X6で各巻取器22a乃至22fに固定される。このような線状体固定手段としては、ビス止めその他の周知の固定手段が用いられる。線状体をこのように巻取器に固定することも一例にすぎない。この場合の固定部X1乃至X6は、正巻用線状体51a乃至51fと逆巻用線状体52a乃至52fとの境界部である。
巻取器集合体21Xの他例として、各線状体51a乃至51f、52a乃至52fがそれぞれの巻取器22a乃至22fに固定されない形態もある。その形態の具体例を図2(D)(E)を参照して以下に説明する。
図2(D)の形態では、両用線状体51Rが一つの正巻用線状体51aと一つの逆巻用線状体52aとを構成している。換言すると、一連の正巻用線状体51aと逆巻用線状体52aとで両用線状体51Rが構成されている。両用線状体51Sも同様に、一つの正巻用線状体51bと一つの逆巻用線状体52bとを構成している。図2(D)の巻取器集合体21Xは、一方の両用線状体51Rを巻き取ったり巻き戻したりするための前進用巻取器22aと後退用巻取器23a及び他方の両用線状体51Sを巻き取ったり巻き戻したりするための前進用巻取器22bと後退用巻取器23bを構成している。これは前例と同様、各巻取器22a、22b、23a、23bが一つの巻取器集合体21Xとしてまとめて一体化され、その各部が各巻取器22a、22b、23a、23bとして活用される。図2(D)の形態では、両用線状体51Rの中間部や両用線状体51Sの中間部が巻取器集合体21Xの外周面にそれぞれ巻き付けられる。この巻き付けで巻取器集合体21Xの外周面に生じたコイル状の巻付部分C01、C02は、その隣接部間に間隔を介在させて巻取器集合体21Xの軸方向に隣接する。もちろん、両用線状体51R、51Sの巻付部分C01、C02は、巻取器集合体21Xに対しては固定されない。更に、図2(D)の形態では、両用線状体51R、51Sの各一端部は、正巻用線状体51a、51bの端部として往復作動体71に繋がれて固定され、かつ、両用線状体51R、51Sの各他端部も、逆巻用線状体52a、52bの端部として往復作動体71に繋がれて固定される。
図2(E)の形態も、基本的には図2(D)の形態と変わらないが、この形態では、正巻用線状体51cと逆巻用線状体52cとを構成する両用線状体51Tが、上記二つの両用線状体51R、51Sと共に用いられる。この3つの両用線状体51R、51S、51Tも、これらの中間部が巻取器集合体21Xの外周面に巻き付けられる。この巻き付けで巻取器集合体21Xの外周面に形成されたコイル状巻付部分C01、C02、C03は、その隣接部間に間隔を介在させて巻取器集合体21Xの軸方向に隣接する。もちろん両用線状体51R、51S、51Tの巻付部分C01、C02、C03も、巻取器集合体21Xには固定されていない。図2(E)の形態でも、両用線状体51R、51S、51Tの各一端部は、正巻用線状体51a、51b、51cの端部として往復作動体71に繋がれて固定され、両用線状体51R、51S、51Tの各他端部も、逆巻用線状体52a、52b、52cの端部として往復作動体71に繋がれて固定される。
上述のように、図2(D)(E)の形態では、両用線状体51R、51Sが巻取器集合体21Xに固定されていない。この線状体を巻取器集合体21Xに固定しないことは、図2(A)(C)(E)の形態でも同様である。
図2(D)の両用線状体51R、51Sにおいて、巻取器集合体21Xが正回転すると、正巻用線状体51a、51bが巻き取られると同時に逆巻用線状体52a、52bが巻き戻され、また、巻取器集合体21Xが逆回転すると、逆巻用線状体52a、52bが巻き取られると同時に正巻用線状体51a、51bが巻き戻される。正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52bがこのように巻き取られたり巻き戻されたりすることによって、往復移動体71は、前進往動したり後退復動したりする。図2(E)の両用線状体51R、51S、51Tも同様に、巻取器集合体21Xが正回転したり逆回転したりすると、正巻用線状体51a、51b、51cや逆巻用線状体52b、52b、52cが巻き取られたり巻き戻されたりするので、往復移動体71は、同様に、前進往動したり後退復動したりするものである。
図2(D)の両用線状体51R、51Sにおいて、正巻用線状体51aと逆巻用線状体52aとは、その巻き取りや巻き戻しに伴って長さが相対的に変化する。例えば、正巻用線状体51aが巻き戻されながら逆巻用線状体52aが巻き取られると、正巻用線状体51aが長くなりながら逆巻用線状体52aが短くなり、逆に、正巻用線状体51aが巻き取られながら逆巻用線状体52aが巻き戻されると、正巻用線状体51aが短くなりながら逆巻用線状体52aが長くなる。同様に、正巻用線状体51bと逆巻用線状体52bとを巻き取ったり巻き戻したりすると、この両者の長さが相対的に変化する。更に、図2(E)の両用線状体51R、51S、51Tについても上記と同様、正巻用線状体51aと逆巻用線状体52aとの長さ、正巻用線状体51bと逆巻用線状体52bとの長さ、正巻用線状体51cと逆巻用線状体52cとの長さは、これらの巻き取り巻き戻しにおいて相対的に変化する。
図2(A)(D)(E)のような一条巻きの態様でそれぞれの線状体51a、51b、51c、52a、52b、52cを各巻取器22a、22b、23a、23b、23cに整列巻きする場合、巻取器集合体21Xの外周面には図3(A)に示されるような一条の螺旋溝53が形成されており、各線状体は、その螺旋溝53内に嵌まり込むように巻取器集合体21Xの外周面に巻き付けられる。図2(B)の2条巻きの態様で各線状体51a、51b、51c、51d、52a、52b、52c、52dを各巻取器22a、22b、23a、23bに整列巻きする場合には、巻取器集合体21Xの外周面には図3(B)に示すような2条の螺旋溝53、54が形成され、各線状体はその螺旋溝53、54内に嵌まり込むように巻取器集合体21Xの外周面に巻き付けられる。また、図2(C)の3条巻きの態様で各線状体51a、51b、51c、51d、51e、51f、52a、52b、52c、52d、52e、52fを各巻取器22a、22b、22c、22d、22e、22f、23a、23b、23c、23d、23e、23fに整列巻きする場合には、巻取器集合体21Xの外周面には、図3(B)に示される3条の態様で螺旋溝53、54、55が形成され、各線状体はその螺旋溝53、54、55内に嵌まり込むように巻取器集合体21Xの外周面に巻き付けられる。
図1の実施形態で採用される線状体巻取機構(軸用支持体11、巻取器集合体21X、原動機34、伝動系を含む機構)としては、特許文献1乃至特許文献3に開示されている機構を用いることができる。ちなみに、図1の実施形態は、特許文献1又は特許文献2に記載されているものに相当する。
図1の正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52bは、図4、図5に示される態様で巻取器集合体21X(22a、22b、23a、23b)に巻き取られたり巻き戻されたりすることができる。以下これについて説明する。
図4、図5の正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52bは、図1の態様と同様に、一連の長い線状体からなり、この長い線状体(以下長尺線状体という)の各部が正巻用線状体51a、51bや逆巻用線状体52a、52bとして使い分けられる。
図4、図5において、長尺線状体を巻取器集合体21Xに巻き付ける場合の一例を述べると、先ず、図4の固定部X7で示すように、当該長尺線状体の一端部を適当な固定具で巻取器集合体21Xの一端部に固定する。次いで、当該長尺線状体を巻取器集合体21Xの外周面に巻き付ける。この巻き付けが巻取器集合体21Xの他端部に至ったとき、図4の固定部X8で示すように、当該長尺線状体の他端部を適当な固定具で巻取器集合体21Xの他端部に固定する。
図4、図5の実施形態において、長尺線状体を上記のごとく巻取器集合体21Xに巻き付けるとき、図4、図5で示す2つの長いループ状弛緩部RA1、RB1を形成する。長尺線状体の両ループ状弛緩部RA1、RB1は、図1の形態と同様に、往復作動体71の一側端部及び他側端部に固定される。具体的には、図4、図5における往復作動体71の一側端部や他側端部にある固定部EF1、EB1、EF2、EB2に固定される。このよにして往復作動体71に繋がれた長尺線状体は、その各部が、往復作動体71を境にして正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52bとなる。
図4、図5の往復作動体71は、代表的な例としては、図1に示すように、プールPL内に配置される。この場合の巻取器集合体21Xは、例えば、図1に示すように、プールPLの前縁中央部に設置される。更に、正巻用線状体51a、51bや逆巻用線状体52a、52bも、図1の例と同様に、複数のプーリP01乃至P10を介して索取りされる。即ち、正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52bは、図5に示すように、プール周辺の要所に配置されたプーリユニットの各プーリP01乃至P10に掛け回されて所定どおりに索取りされる。
図4、図5に示された要部構成を有する往復作動体用移動装置において、説明を省略した他の事項は、図1乃至図3を参照して述べた事項と実質的に同一かそれに準ずるものである。従って、図4、図5に示された要部構成を有する往復作動体用移動装置に関するその他の事項に関する説明は、図1乃至図3を参照して述べた事項を参照することで省略する。
図4、図5の形態のものにおいて、巻取器集合体21Xを正回転させたり逆回転させたりしたときの正巻用線状体51a、51b及び逆巻用線状体52a、52bは、巻取器集合体21Xに巻き取られたり巻取器集合体21Xから巻き戻されたりする。また、これに伴って、往復作動体71が前進(進行)したり後退(復帰)したりする。更に述べると、各線状体51a、51b、52a、52bは、巻取器集合体21Xに含まれる各巻取器22a、22b、23a、23bにおいて巻き取られたり巻き戻されたりする。この場合の巻取器集合体21Xにおける各巻取器22a、22b、23a、23bの巻き取りエリア、巻き戻しエリアは、確定的でなく、各線状体51a、51b、52a、52bの巻き取り量変化や巻き戻し量の変化に伴って相対的に変位する。ちなみに、図4、図5の形態において、巻取器集合体21Xを反時計方向に回転させて正巻用線状体51a、51bを最大限巻き戻したときは、これと同期して逆巻用線状体52a、52bを巻取器集合体21Xの有効巻き取り領域(巻き取り可能な外周面全域)にわたって全面的に巻き取ることができる。図4、図5の形態において、上記とは逆に巻取器集合体21Xを時計方向に回転させて逆巻用線状体52a、52bを最大限巻き戻すと、これと同期して正巻用線状体51a、51bを巻取器集合体21Xの有効巻き取り領域にわたって全面的に巻き取ることができる。図4、図5の形態は、このように、巻き取りに貢献しない部分を生じさせることなく、巻取器集合体21Xのほぼ外周面全域で線状体を連続的に巻き取ることができるので、各線状体51a、51b、52a、52bに対し、大きな有効巻き取りストロークを確保することができる。
次に、図6の形態を説明すると、この形態は、前記の例に、1対の正巻用線状体51cと逆巻用線状体52cとが増設され、かつ、巻取器集合体21Xには、前進用巻取器22cと後退用巻取器23cとが増設されている。更に、プーリP11を有するプーリユニットPU07も増設されている。このような図6の巻取器集合体21Xは、例えば、図2(E)のようなタイプのものである。図6の形態の正巻用線状体51c及び逆巻用線状体52cは、往復移動体71の中央部にある固定部EF3、EB3に固定して接続されている。
図6の形態においても、複数の前進用巻取器22a乃至22c及び複数の後退用巻取器23a乃至23cを含む巻取器集合体21Xを正逆回転させることによって、往復移動体71を同図の矢印F1方向に前進(往動)させたり、同図の矢印F2方向に後退(復動)させたりする。
図6の形態においても、図4、図5を参照して述べたように変形することができる。これについては、図7、図8を参照して説明する。
図7、図8の正巻用線状体51a、51b、51c及び逆巻用線状体52a、52b、52cも、前例と同様に、一連の長い線状体から成っており、その長い線状体(以下長尺線状体という)の各部が正巻用線状体51a、51b、51cや逆巻用線状体52a、52b、52cとして使い分けられる。
図7、図8の形態において、長尺線状体を巻取器集合体21X(22a、22b、22c、23a、23b、23c)に巻き付ける際に、先ず、当該長尺線状体の一端部を適当な固定具で図7の固定部X7(巻取器集合体21Xの一端部)に固定し、次いで、当該長尺線状体を巻取器集合体21Xの外周面に巻き付ける。この巻き付けが巻取器集合体21Xの他端部に至ったとき、当該長尺線状体の他端部を適当な固定具で図7の固定部X8(巻取器集合体21Xの他端部)に固定する。
図7、図8の形態において、長尺線状体を上記のように、巻取器集合体21Xに巻き付けるときも、図7、図8で示すような3つの長いループ状弛緩部RA1、RB1、RC1を形成する。長尺線状体の各ループ状弛緩部RA1、RB1、RC1は、前記の例と同様に、往復作動体71の一側端部及び他側端部に固定される。具体的には、図7、図8における往復作動体71の一側端部及び他側端部にある固定部EF1、EB1、EF2、EB2、EF3、EB3に固定される。このようにして往復作動体71に繋がれた長尺線状体は、その各部が、往復作動体71を境にして正巻用線状体51a、51b、51cや逆巻用線状体52a、52b、52cとなる。
図7、図8の形態において、往復作動体71がプールPL内に配置されたり、巻取器集合体21XがプールPLの前縁中央部に設置されたりすることは、図1の実施形態と実質的に変わらない。正巻用線状体51a、51b、51c及び逆巻用線状体52a、52b、52cは、図6の例と同様に、複数のプーリP01乃至P11を介して索取りされる。即ち、正巻用線状体51a、51b、51c及び逆巻用線状体52a、52b、52cは、図8に示すように、プール周辺の要所に配置されたプーリユニットの各プーリP01乃至P11に掛け回されて所定どおりに索取りされる。
図7、図8に示された要部構成を有する往復作動体用移動装置において、説明を省略した他の事項は、図1乃至図3などを参照して述べた事項と実質的に同一かそれに準ずる。従って、図7、図8に示された要部構成を有する往復作動体用移動装置に関する他の事項の説明は、図1乃至図3を参照して述べた事項を参照することで省略する。
図7、図8の形態において、巻取器集合体21Xを正回転させたり逆回転させたりしたときの正巻用線状体51a、51b、51cや逆巻用線状体52a、52b、52cも、巻取器集合体21Xに巻き取られたり巻取器集合体21Xから巻き戻されたりし、これに伴い、往復作動体71が前進(進行)や後退(復帰)をする。更に、各線状体51a、51b、51c、52a、52b、52cも、巻取器集合体21Xに含まれる各巻取器22a、22b、22c、23a、23b、23cに巻き取られたり巻き戻されたりする。この場合の巻取器集合体21Xにおける各巻取器22a、22b、22c、23a、23b、23cの巻き取りエリア、巻き戻しエリアも、前例と同様に、確定的でなく、各線状体51a、51b、51c、52a、52b、52cの巻き取り量の変化や巻き戻し量の変化にともない相対的に変位する。ちなみに、図7、図8の形態において、巻取器集合体21Xを反時計方向に回転させて正巻用線状体51a、51b、51cを最大限巻き戻すと、これと同期して逆巻用線状体52a、52b、52cを巻取器集合体21Xの有効巻き取り領域(巻き取り可能な外周面全域)にわたって全面的に巻き取ることができる。図7、図8の形態において、上記とは逆に、巻取器集合体21Xを時計方向に回転させて逆巻用線状体52a、52b、51cを最大限巻き戻すと、これと同期して正巻用線状体51a、51b、51cを巻取器集合体21Xの有効巻き取り領域にわたって全面的に巻き取ることができる。図7、図8の実施形態のものも、前例と同様に、巻き取りに貢献しない部分を生じさせることなく、巻取器集合体21Xのほぼ外周面全域で線状体を連続的に巻き取ることができるので、各線状体51a、51b、51c、52a、52b、52cに対し、大きな有効巻き取りストロークを確保することができる。
次に、図9の形態を説明すると、この形態は、横幅寸法の比較的小さな往復移動体71を往復移動させる。具体的にいうと、3対の前進用巻取器22a乃至22c及び後退用巻取器23a乃至23cを有する巻取器集合体21Xによって、その往復移動体71を往復移動させる。従って、図9の形態で用いられる巻取器集合体21Xも、例えば、図2(E)のようなタイプのものとすることができる。
図9のプーリユニットPU00において、3つのプーリP12乃至P14を備えたプーリホルダPHは、プーリ軸PXがプーリP12乃至P14と共に回転すると、その回転力を利用して正巻用線状体51a乃至51c及び逆巻用線状体52a乃至52cの弛みを取り除き、該各線状体51a乃至51c、52a乃至52cを常に適切な張り締め状態(緊張状態)に保持することができる。その張り締め機構TMは、プーリ軸PXの回転に伴って作動する軸XX、マグネットギアMG、カムC、アームAM、引張ばねSP、ローラR、ワンウエイクラッチW、ねじ軸RX、ナットNなどの部品又は部材から成っており、張り締め機構TMの動作は、図9を参照して述べると、下記(1)乃至(8)の通りである。
(1)前記線状体を巻き取ったり巻き戻したりする本発明装置の駆動に伴ってプーリ軸PXが回転する。
(2)張り締め機構TMにおいては、プーリ軸PXの回転にともない、軸XXがマグネットギアMGを介して回転する。
(3)軸XXに連結しているカムCが回転する。
(4)アームAMの場合、偏心量を「e」とするカムCの回転で揺動回転するものである。即ち、アームAMは、引張ばねSPを介して常にカムCと接触しているので、このカム回転にともない揺動する。
(5)アームAMの揺動によってローラRが左右に微少量回転する。
(6)ローラRに内蔵されたワンウエイクラッチWを介して、図5(B)中、右回転のときのみナットNを回転させる。
(7)ナットNの回転によって、ねじ軸RXがプーリユニットPU00上のプーリホルダPHを図5(A)の矢印F1方向へ引いて線状体51a乃至51c、52a乃至52cにテンンションを加える。
(8)引張ばねSPは、線状体の適正張力に見合う特性を有するので、各線状体51a乃至51c、52a乃至52cは適正な張力を常に維持される。
次に、図10(A)(B)に示された往復作動体用移動装置の実施形態を説明する。
図10(A)(B)に示された実施形態は、各線状体を巻き取ったり巻き戻したりするための巻取器集合体21Xがそれぞれ分離独立している。このうち、図10(A)では、互いに分離した右側の巻取器集合体21Xと左側の巻取器集合体21Xとが備えられており、図10(B)では、互いに分離した右側の巻取器集合体21Xと左側の巻取器集合体21Xと中央の巻取器集合体21Xとが備えられている。図10(A)(B)の実施形態において説明を省略した事項は、前例のものと実質的に同一かそれに準ずるものであるので、各前例を参照することによってその内容を理解することができる。
図10(A)(B)に示された実施形態においては、複数の各巻取器集合体21Xが同期かつ同調するような運転状態し、それによって、往復作動体71を前例と同様に操作することができる。
本発明装置の上記以外の実施形態を図11(A)乃至(D)に基づいて説明する。
図11(A)の実施形態のものは、1対の前進用巻取器22aと後退用巻取器23a及び他の1対の前進用巻取器22b、後退用巻取器23bが、前後又は左右に相対してそれぞれ配置され、この各巻取器22a、23a、22b、23bを介して往復作動体71が前進後退できるように構成されている。図11(B)の実施形態では、前進用と後退用とを1対とする3対の各巻取器22a、23a、22b、23b、22c、23cを介して往復作動体71が前進後退できるように構成されている。この場合における各巻取器22a、23a、22b、23b及び各巻取器22a、23a、22b、23b、22c、23cは、図11(C)(D)に示すような構成を有する。即ち、図11(C)の形態では、一方の線状体51a、51b、51cが各巻取器22a、22b、22cを介して直接的に巻き取り巻き戻しされ、他方の線状体52a、521b、52cが各巻取器23a、23b、23cを直接的に巻き取り巻き戻しされる。また、図11(D)の形態では、一方の線状体51a、51b、51cが他方の各巻取器23a、23b、23cを経由して一方の各巻取器22a、22b、22cで巻き取り巻き戻しされ、かつ、他方の線状体52a、52b、52cが一方の各巻取器22a、22b、22cを経由して他方の各巻取器23a、23b、23cで巻き取り巻き戻しされる。図11(D)では、この状況を理解しやすくするために、一方の線状体が、仮想線で示すように、故意にずらして示されている。図11の実施形態において説明を省略した事項は、前例のものと実質的に同一かそれに準ずるものであるので、各前例を参照することでその内容を理解することができる。
図11に略示された各実施形態の場合も、各巻取器22a、23a、22b、23b、22c、23cを互いに同期かつ同調させて稼働させることにより、往復作動体71を前例と同様に前進させたり後退させたりすることができる。
図12は本発明に用いることができる線状体巻取機構の要部を示すものである。この図12の線状体巻取機構は、特許文献3に開示された公知のものである。従って、図12の線状体巻取機構の詳細は、特許文献3を参照することとし、図12ではその概要示すのみにとどめる。
図12において正逆回転自在な原動機34が回転すると、その回転がカップリング81を介して、巻取器集合体21Xの回転軸26に伝わる。この回転軸26に対して平行となるように設けられたねじ軸SSSは、ベルト伝動手段BMMを介して回転軸26の回転が伝わる。一方で、巻取器集合体21Xを保持しているホルダー枠FWFにはねじ孔(雌ねじ)SHAが設けられていてねじ孔SHAとねじ軸SSSとがねじ嵌合状態にある。
図12において、巻取器集合体21Xによる線状体51a、51b、51cの巻き取り巻き戻しを行うために原動機34を回転させると、それに伴って回転軸26が回転し、またねじ軸SSSが回転する。ねじ軸SSSとホルダー枠FWFのねじ孔SHAとがねじ嵌合状態にあるので、ホルダー枠FWFに保持された巻取器集合体21Xは、該ホルダー枠FWFと共に回転軸26の軸線方向に移動する。このようにして巻取器集合体21Xが回転軸26の軸線方向に移動するので、各線状体を巻取器集合体21Xに含まれる各巻取器の外周面に安定して整列巻きすることができる。各巻取器の外周面に対する各線状体の整列巻きについては、例えば、線状体を巻取器集合体21Xの軸線方向に案内移動させるための線状体用トラバーサーや線状体用シフターなどを介して行うこともできる。
本発明装置における典型的な実施形態では、往復作動体71の左右方向(横方向)の寸法が、往復作動体71の前後方向(縦方向)の寸法より大きい。もちろん、往復作動体71の幅員(左右方向の寸法)は、例えば、50cmのような細幅のものでもよいが、往復作動体71の幅員が50mを越えるものや100mを越えることもある。従って、本発明装置における往復作動体71の幅員は、50cm乃至200mの範囲とすることができる。
本発明に係る往復作動体用移動装置は、往復移動する往復作動体を介して多種多様の作業が簡潔かつ合理的に行え、従って、移動を要する各種の分野において利用することできる。
11 軸用支持体
21X 巻取器集合体
21Y 巻取器集合体
21Z 巻取器集合体
22a 前進用巻取器
22b 前進用巻取器
22c 前進用巻取器
22d 前進用巻取器
22e 前進用巻取器
22f 前進用巻取器
23a 後退用巻取器
23b 後退用巻取器
23c 後退用巻取器
23d 後退用巻取器
23e 後退用巻取器
23f 後退用巻取器
26 回転軸
34 原動機
51a 正巻用線状体
51b 正巻用線状体
51c 正巻用線状体
51d 正巻用線状体
51e 正巻用線状体
51f 正巻用線状体
52a 逆巻用線状体
52a 逆巻用線状体
52b 逆巻用線状体
52c 逆巻用線状体
52d 逆巻用線状体
52e 逆巻用線状体
52f 逆巻用線状体
52a 逆巻用線状体
51R 両用線状体
51S 両用線状体
51T 両用線状体
71 往復作動体
81 カップリング
X1 線状体の固定部
X2 線状体の固定部
X3 線状体の固定部
X4 線状体の固定部
X5 線状体の固定部
X6 線状体の固定部
P01 プーリ
P02 プーリ
P03 プーリ
P04 プーリ
P05 プーリ
P06 プーリ
P07 プーリ
P08 プーリ
P09 プーリ
P10 プーリ
P12 プーリ
P13 プーリ
P14 プーリ
PU00 プーリユニット
PU01 プーリユニット
PU02 プーリユニット
PU03 プーリユニット
PU04 プーリユニット
PU05 プーリユニット
PU06 プーリユニット
PU07 プーリユニット

Claims (13)

  1. 前進方向の力を受けると移動領域内を前進し、後退方向の力を受けると、移動領域内を後退する往復動自在な往復作動体を備え、
    巻き取られる線状体を介して前記往復作動体に前進方向の力を付与したり巻き戻される線状体を介して往復作動体の後退を許容したりするために正逆回転自在な複数の前進用巻取器と、
    巻き取られる線状体を介して往復作動体に後退方向の力を付与したり巻き戻される線状体を介して往復作動体の前進を許容したりするために正逆回転自在な複数の後退用巻取器と、
    前記複数の前進用巻取器を介して巻き取り巻き戻し自在に保持される複数の正巻用線状体と
    前記複数の後退用巻取器を介して巻き取り巻き戻し自在に保持される複数の逆巻用線状体を備え、
    前記複数の前進用巻取器による前進方向の力が往復作動体に伝わるように、前記各正巻用線状体が往復作動体と複数の前進用巻取器とにわたって索取りされ、
    前記複数の後退用巻取器による後退方向の力が往復作動体に伝わるように、該各逆巻用線状体が往復作動体と複数の後退用巻取器とにわたって索取りされ、
    巻き取り回転時の各前進用巻取器と巻き戻し回転時の各後退用巻取器とが互いに同期かつ同調してそれぞれの巻き取り方向や巻き戻し方向へ回転し、また、巻き戻し回転時の各前進用巻取器と巻き取り回転時の各後退用巻取器とが互いに同期かつ同調してそれぞれの巻き戻し方向や巻き取り方向へ回転し、
    それぞれの前進用巻取器による各正巻用線状体の巻き取り量とそれぞれの後退用巻取器による各逆巻用線状体の巻き戻し量とが互いに等しく、それぞれの前進用巻取器による各正巻用線状体の巻き戻し量とそれぞれの後退用巻取器による各逆巻用線状体の巻き取り量とが互いに等しいこと
    を特徴とする往復作動体用移動装置。
  2. すべての前進用巻取器が同一軸線上で一列に並んでいる請求項1に記載された往復作動体用移動装置。
  3. すべての後退用巻取器が同一軸線上で一列に並んでいる請求項1に記載された往復作動体用移動装置。
  4. すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが同一軸線上で一列に並んでいる請求項1に記載された往復作動体用移動装置。
  5. すべての前進用巻取器が一体化されている請求項1、請求項2、請求項4のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
  6. すべての後退用巻取器が一体化されている請求項1、請求項3、請求項4のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
  7. すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが一体化されている請求項1又は請求項4に記載された往復作動体用移動装置。
  8. すべての前進用巻取器が一体化されて構成され、且つ、すべての後退用巻取器が一体化されており、かつ、一体化された前進用巻取器と一体化された後退用巻取器とが互いに別体である請求項1又は請求項4に記載された往復作動体用移動装置。
  9. すべての前進用巻取器とすべての後退用巻取器とが、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択されたいずれか一方側に配置されている請求項1、請求項4、請求項7、請求項8のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
  10. 往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された一方側にすべての前進用巻取器が配置されており、往復作動体移動領域の往動開始側と復動開始側とのうちから選択された他方側にすべての後退用巻取器が他側に配置されている請求項1又は請求項8に記載された往復作動体用移動装置。
  11. 正巻用線状体と逆巻用線状体とを一連に形成されている複数の両用線状体を備え、前記両用線状体を巻き取ったり巻き戻したりするための前進用巻取器と後退用巻取器とを一体化されている巻取器集合体を備え、更に、前記両用線状体の中間部が巻取器集合体に巻き付けられているとともに、両用線状体の一端部が正巻用線状体の端部として往復作動体に繋がれ、かつ、両用線状体の他端部が逆巻用線状体の端部として往復作動体に繋がれている請求項1、請求項4、請求項7、請求項9のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
  12. 往復作動体の左右方向の寸法が往復作動体の前後方向の寸法よりも大きい請求項1ないし請求項11のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
  13. 往復作動体の移動領域が、地上、地下、水上、水中、空中のうちのいずれか一つに設定されており、その移動領域を往復作動体が往復移動するものである請求項1乃至請求項12のいずれかに記載された往復作動体用移動装置。
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