以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明者らは、LTE Rel.13以降の無線通信システム(たとえば5G)における無線フレーム構成において、同期信号もしくは報知チャネルなどの所定のDL信号、または、ランダムアクセスプリアンブルもしくはスケジューリング要求信号などの所定のUL信号送信のためのULリソースが割り当てられた時間区間(サブフレーム)において、DL、ULまたはSLのデータチャネル、制御チャネルまたは参照信号(RS:Reference Signal)をスケジューリング可能とする構成を見出した。
(第1の態様)
第1の態様では、所定のDL信号が所定の周期で送受信される場合に、当該所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)において、DL、ULまたはSLのデータチャネル、制御チャネルまたは参照信号(RS)をスケジューリング可能とする構成について説明する。所定のDL信号とは、たとえば同期信号、報知チャネル、システム情報、スケジューリング制御情報を送信するためのDL制御チャネル、または品質測定用参照信号など、物理レイヤシグナリングで非周期的にスケジューリングされるDL信号、たとえばデータおよびその復調に用いる参照信号、そして非周期CSI−RS(Channel State Information RS)以外のDL信号を指す。
図1は、所定の周期で送受信される所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)の一例を示す図である。所定のDL信号は、時間区間(サブフレーム)内のどのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルに含まれていてもよい。図1Aは所定のDL信号が時間区間(サブフレーム)の前方OFDMシンボルに含まれる例であり、図1Bは所定のDL信号が時間区間(サブフレーム)の中央OFDMシンボルに含まれる例であり、図1Cは所定のDL信号が時間区間(サブフレーム)の後方OFDMシンボルに含まれる例である。
既存のLTEシステム(LTE Rel.8−12)では、1サブフレームは1[ms]長であり、スケジューリングの最小時間単位であるTTI(Transmission Time Interval)は1サブフレームである。一方、リーン無線フレーム内のサブフレームは、1[ms]長よりも短くすることができる。この場合、リーン無線フレーム内のサブフレームを、短縮TTI(short TTI)または短縮サブフレームなどと呼んでもよい。あるいは、リーン無線フレーム内のサブフレームは、既存のLTEシステムのサブフレームと同様に、1[ms]長とすることができる。この場合、リーン無線フレーム内のサブフレームを、通常TTI(normal TTI)またはロングTTI(long TTI)などと呼んでもよい。
本実施の形態では、図1Aから図1Cに示す時間区間(サブフレーム)において、所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素以外の無線リソースを、DLのデータ通信、ULのデータ通信、またはユーザ端末間で信号を送受信する端末間通信(D2D:Device to Device)におけるサイドリンク(SL:Sidelink)データ受信もしくはデータ送信に柔軟に利用可能とする。本明細書において、単にDL通信と記した場合、SL受信を含んでもよい。同様に、単にUL通信と記した場合、SL送信を含んでもよい。また、本明細書においてDLのデータ通信またはDLデータと記した場合、物理レイヤシグナリングで非周期的にスケジューリングされる下りリンク信号、たとえばDLデータおよびその復調用の参照信号や、非周期CSI−RSを指すものとする。また、本明細書においてULのデータ通信またはULデータと記した場合、物理レイヤシグナリングで非周期的にスケジューリングされる上りリンク信号、たとえばULデータおよびその復調用の参照信号や、非周期サウンディング参照信号(SRS:Sounding RS)を指すものとする。
図2は、図1に示した時間区間(サブフレーム)において、所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素以外の無線リソースを、DL通信またはUL通信に利用する一例を示す図である。図2A、図2Dは所定のDL信号が時間区間(サブフレーム)の前方OFDMシンボルに含まれる例であり、図2B、図2Eは所定のDL信号が時間区間(サブフレーム)の中央OFDMシンボルに含まれる例であり、図2C、図2Fは所定のDL信号が時間区間(サブフレーム)の後方OFDMシンボルに含まれる例である。
図2Aから図2Cは、基地局(または、SLの場合、所定のDL信号を送信するSL端末)がHalf-duplex運用である例を示している。所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)でDL通信を行う場合には、基地局は、当該所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素を除き、DLデータをマッピングできる。一方、所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)でUL通信を行う場合には、基地局(または、SLの場合、SL送信端末)は、当該所定のDL信号を含むOFDMシンボルおよびギャップ区間またはガード区間が設けられたOFDMシンボルでは、同じキャリアのすべてのサブキャリアにULデータをマッピングしない。ギャップ区間またはガード区間は、所定のDL信号が割り当てられたOFDMシンボルの前後のOFDMシンボルに設けられる。
なお、ULデータを送信するユーザ端末は、当該所定のDL信号周辺でULデータをマッピングしないリソースを考慮してデータの符号化を行ってもよいし(レートマッチ)、当該所定のDL信号周辺でULデータをマッピングしないリソースを考慮せずにデータの符号化を行い、データがマッピングできないリソース分の符号語ビットを間引いてもよい(パンクチャ)。レートマッチを行う場合、ULデータがマッピングできないことによる性能劣化を回避することができる。パンクチャを行う場合、当該所定のDL信号を含むサブフレームと含まないサブフレームとで符号化制御を共通化することができ、端末の制御負担を軽減できる。
図2Dから図2Fは、基地局(または、SLの場合、所定のDL信号を送信するSL端末)がFull-duplex運用である例を示している。所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)でDL通信を行う場合には、基地局は、当該所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素を除きDLデータをマッピングできる。一方、所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)でUL通信を行う場合には、基地局は、当該DL信号が含まれるOFDMシンボルにおいても、ガード区間を除いて、ULデータをマッピングすることができる。ガード区間は、所定のDL信号の隣接サブキャリアに設けられ、たとえば1もしくは複数のサブキャリアまたは1もしくは複数のリソースブロックで構成される。
なお、ULデータを送信するユーザ端末は、当該所定のDL信号周辺でULデータをマッピングしないリソースを考慮してデータの符号化を行ってもよいし(レートマッチ)、当該所定のDL信号周辺でULデータをマッピングしないリソースを考慮せずにデータの符号化を行い、データがマッピングできないリソース分の符号語ビットを間引いてもよい(パンクチャ)。レートマッチを行う場合、ULデータがマッピングできないことによる性能劣化を回避することができる。パンクチャを行う場合、符号化制御を当該所定のDL信号を含むサブフレームとそうでないサブフレームとで共通化することができ、端末の制御負担を軽減できる。
本実施の形態における無線通信システムでは、図3Aに示すように、所定のDL信号が所定の周期で送信される。ユーザ端末は、この所定のDL信号に基づいて通信開始に必要な情報を得たり、伝送品質を測定したりできる。ユーザ端末は、無線パラメータまたは基地局の指示などに基づいて、図3Bに示すようなデータ通信に用いる時間区間長(たとえばサブフレーム長)およびそのタイミングを把握する。当該無線パラメータとして、データ通信に用いるサブキャリア間隔が含まれていてもよい。無線パラメータは、サブキャリア間隔が15[kHz]の場合には1[ms]または0.5[ms]、30[kHz]の場合には0.5[ms]または0.25[ms]としてもよい。
時間区間(サブフレーム)の長さおよび開始タイミング(すなわち隣接時間区間同士の境界)は、所定のDL信号の送受信周期とは独立に設けられていてもよい。時間区間(サブフレーム)は、RRC(Radio Resource Control)、MAC(Medium Access Control)または物理レイヤシグナリングによって変更可能であってもよい。図4Aは、時間区間を時間区間aから時間区間bへと変更した一例を示す図である。たとえば、時間区間aはロングTTI、時間区間bは短縮TTIであってもよい。
時間区間(サブフレーム)は、システム帯域内で、DLデータまたはULデータがスケジューリングされる部分帯域(サブバンド)またはスケジューリング制御情報がマッピングされる部分帯域(サブバンド)ごとに異なっていてもよい。図4Bは、システム帯域内の部分帯域(サブバンド)ごとに、時間区間が、時間区間aと時間区間bとで異なる一例を示す図である。たとえば、時間区間aはロングTTI、時間区間bは短縮TTIであってもよい。
時間区間(サブフレーム)は、DL通信向けの時間区間(サブフレーム)と、UL通信向けの時間区間(サブフレーム)とで異なっていてもよい。図4Cは、DL通信向け時間区間とUL通信向け時間区間とが異なる一例を示す図である。図4Cに示す例では、UL通信向け時間区間が、DL通信向け時間区間の約2倍の長さである。
ユーザ端末は、時間区間(サブフレーム)に所定のDL信号が含まれるか否かにかかわらず、当該時間区間にDLデータまたはULデータがスケジューリングされた場合には、当該時間区間にスケジューリングされた信号の送受信を行う。
ユーザ端末は、時間区間(サブフレーム)にDLデータがスケジューリングされた場合には、所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素を除き、信号がマッピングされているものとして受信を行う。すなわち、ギャップ区間またはガード区間を設けず、DLデータをマッピングする。
ユーザ端末は、時間区間(サブフレーム)にULデータがスケジューリングされた場合には、所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素ならびにその周囲の一部のリソース要素を除き、信号をマッピングして送信を行う。すなわち、ギャップ区間および/またはガード区間を設けて、ULデータをマッピングする。
所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)におけるULデータのマッピングルールは、基地局(または、SLの場合、所定のDL信号を送信するSL端末)がHalf-duplex運用かFull-duplex運用かに応じて異なっていてもよい。基地局がHalf-duplex運用の場合には、所定のDL信号が含まれるOFDMシンボルでは、同じキャリア(所定のDL信号が送信されるキャリア)のすべてのサブキャリアにULデータをマッピングしないルールとしてもよい(図2Aから図2C参照)。基地局がFull-duplex運用の場合には、所定のDL信号が含まれるOFDMシンボルにおいても、当該所定のDL信号の隣接サブキャリアを除いて、ULデータをマッピングするルールとしてもよい(図2Dから図2F参照)。
各時間区間(サブフレーム)において、DLデータまたはULデータのどちらがスケジューリングされるかは、上位レイヤまたは物理レイヤシグナリングによって、ユーザ端末に通知されてもよい。
基地局がHalf-duplex運用かFull-duplex運用かは、別途上位レイヤシグナリングなどによってユーザ端末に通知されてもよい。特に通知がない場合、ユーザ端末は、基地局がHalf-duplex運用であると想定してULデータをマッピングしてもよい。
ユーザ端末は、基地局がHalf-duplex運用と想定され、かつ、所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)においてULデータをマッピングする場合、すなわち図2Aから図2Cに示す場合には、当該時間区間に含まれる所定のDL信号を受信することができる。この場合、当該所定のDL信号を受信することで、下りリンクの同期保持や品質測定を実施することができるため、高い接続品質を維持することができる。
ユーザ端末は、基地局がFull-duplex運用と想定され、かつ、所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)においてULデータをマッピングする場合、すなわち図2Dから図2Fに示す場合には、当該時間区間に含まれる所定のDL信号の受信をスキップしてもよい。この場合、ユーザ端末は当該所定のDL信号がマッピングされたOFDMシンボルにおいて、当該所定のDL信号の受信とULデータの送信を同時に行わなくてよいため、実装負担を軽減し、コストの増加を抑制できる。ユーザ端末は、基地局がFull-duplex運用と想定される場合には、常に当該所定のDL信号の受信をスキップしてもよいし、別途物理レイヤまたは上位レイヤシグナリングにおける基地局からの指示に基づき、当該所定のDL信号がマッピングされたOFDMシンボルにULデータをマッピングして当該所定のDL信号の受信をスキップするか、当該所定のDL信号がマッピングされたOFDMシンボルにULデータをマッピングせずに当該所定のDL信号の受信を行うかを判断してもよい。
第1の態様によれば、所定のDL信号が所定の周期で送受信される場合に、当該所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)における無線リソースをDLのデータ通信、ULのデータ通信またはSLのデータ通信に柔軟に利用できる。したがって、所定のDL信号を含む時間区間(サブフレーム)を、DL、ULまたはSLを含む任意の伝送方向でのデータ通信に利用可能となる。
(第2の態様)
第2の態様では、所定のUL信号送信のためのULリソースを含む時間区間(サブフレーム)において、DL、ULまたはSLのデータチャネル、制御チャネルまたは参照信号(RS)をスケジューリング可能とする構成について説明する。所定のUL信号とは、たとえばランダムアクセスプリアンブル、スケジューリング要求信号(SR:Scheduling Request)、CSIフィードバック、HARQ−ACK(Hybrid Automatic Repeat Request Acknowledge)フィードバック、サウンディング参照信号(SRS)、ビーム測定用参照信号(UL BRS(UL Beam-specific RS)またはBRRS(beam-refinement RS))など、物理レイヤシグナリングで非周期的にスケジューリングされるUL信号、たとえばデータおよびその復調に用いる参照信号、そして非周期SRS(Sounding RS)以外のUL信号を指す。
図5は、所定のUL信号送信のためのULリソースを含む時間区間(サブフレーム)の一例を示す図である。所定のULリソースは、時間区間(サブフレーム)内のどのOFDMシンボルに含まれていてもよい。図5Aは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の前方OFDMシンボルに含まれる例であり、図5Bは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の中央OFDMシンボルに含まれる例であり、図5Cは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の後方OFDMシンボルに含まれる例である。
本実施の形態では、図5Aから図5Cに示す時間区間(サブフレーム)において、所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素以外の無線リソースを、DLのデータ通信、ULのデータ通信、SLのデータ通信または非周期的な参照信号の送受信に柔軟に利用可能とする。
図6は、図5に示した時間区間(サブフレーム)において、所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素以外の無線リソースを、DL通信またはUL通信に利用する一例を示す図である。図6A、図6Dは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の前方OFDMシンボルに含まれる例であり、図6B、図6Eは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の中央OFDMシンボルに含まれる例であり、図6C、図6Fは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の後方OFDMシンボルに含まれる例である。
図6Aから図6Cは、基地局(または、SLの場合、所定のULリソースで受信を行うSL端末)がHalf-duplex運用である例を示している。所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)でUL通信を行う場合には、当該所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素を除きULデータをマッピングすることができる。一方、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)でDL通信を行う場合には、基地局(または、SLの場合、所定のULリソースで受信を行うSL端末)は、当該所定のULリソースを含むOFDMシンボルおよびギャップ区間またはガード区間が設けられたOFDMシンボルでは、同じキャリア(所定のULリソースを含む時間区間でDL通信を行うよう設定されたキャリア)のすべてのサブキャリアにDLデータをマッピングしない。ギャップ区間またはガード区間は、所定のULリソースが割り当てられたOFDMシンボルの前後のOFDMシンボルに設けられる。
なお、DLデータを受信するユーザ端末は、当該所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)では、DLデータが当該ULリソースを考慮してレートマッチされているものと想定して復号を行ってもよいし、パンクチャされているものと想定して復号を行ってもよい。レートマッチがされている場合、DLデータがマッピングできないことによる性能劣化を回避することができる。パンクチャがされている場合、符号化制御を当該所定のULリソースを含むサブフレームとそうでないサブフレームとで共通化することができ、端末の制御負担を軽減できる。
図6Dから図6Fは、基地局(または、SLの場合、所定のULリソースで受信を行うSL端末)がFull-duplex運用である例を示している。所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)でUL通信を行う場合には、当該所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素を除きULデータをマッピングすることができる。一方、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)でDL通信を行う場合には、基地局は、当該ULリソースが含まれるOFDMシンボルにおいても、ガード区間を除いて、DLデータをマッピングすることができる。ガード区間は、所定のULリソースの隣接サブキャリアに設けられ、たとえば1もしくは複数のサブキャリアまたは1もしくは複数のリソースブロックで構成される。
なお、DLデータを受信するユーザ端末は、当該所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)では、DLデータが当該ULリソースを考慮してレートマッチされているものと想定して復号を行ってもよいし、パンクチャされているものと想定して復号を行ってもよい。レートマッチがされている場合、DLデータがマッピングできないことによる性能劣化を回避することができる。パンクチャがされている場合、当該所定のULリソースを含むサブフレームと含まないサブフレームとで符号化制御を共通化することができ、端末の制御負担を軽減できる。
本実施の形態において、図7Aに示すように、ユーザ端末には、所定のULリソースが所定のUL信号送信向けに設定される。所定のUL信号とは、たとえばランダムアクセスプリアンブル、スケジューリング要求信号(SR)、CSIフィードバック、HARQ−ACKフィードバック、サウンディング参照信号(SRS)またはビーム測定用参照信号(UL BRS、またはBRRS)など、物理レイヤシグナリングで非周期的にスケジューリングされるUL信号、たとえばデータおよびその復調に用いる参照信号、そして非周期SRS、以外のUL信号を指す。
ユーザ端末は、無線パラメータまたは基地局の指示などに基づいて、図7Bに示すようなデータ通信に用いる時間区間長(たとえばサブフレーム長)およびそのタイミングを把握する。当該無線パラメータとして、データ通信に用いるサブキャリア間隔が含まれていてもよい。無線パラメータは、サブキャリア間隔が15[kHz]の場合には1[ms]または0.5[ms]、30[kHz]の場合には0.5[ms]または0.25[ms]としてもよい。
時間区間(サブフレーム)の長さおよび開始タイミング(すなわち隣接時間区間同士の境界)は、所定のUL信号送信向けのULリソースの設定周期とは独立に設けられていてもよい。時間区間(サブフレーム)は、RRC、MACまたは物理レイヤシグナリングによって変更可能であってもよい。図8Aは、時間区間を時間区間aから時間区間bへと変更した一例を示す図である。たとえば、時間区間aはロングTTI、時間区間bは短縮TTIであってもよい。
時間区間(サブフレーム)は、システム帯域内で、DLデータまたはULデータがスケジューリングされる部分帯域(サブバンド)またはスケジューリング制御情報がマッピングされる部分帯域(サブバンド)ごとに異なっていてもよい。図8Bは、システム帯域内の部分帯域(サブバンド)ごとに、時間区間が、時間区間aと時間区間bとで異なる一例を示す図である。たとえば、時間区間aはロングTTI、時間区間bは短縮TTIであってもよい。
時間区間(サブフレーム)は、DL通信向けの時間区間(サブフレーム)と、UL通信向けの時間区間(サブフレーム)とで異なっていてもよい。図8Cは、DL通信向け時間区間とUL通信向け時間区間とが異なる一例を示す図である。図8Cに示す例では、UL通信向け時間区間が、DL通信向け時間区間の約2倍の長さである。
所定のUL信号送信向けのULリソースは、RRC、MACまたは物理レイヤシグナリングによって変更可能であってもよい。図9Aは、所定のUL信号向けのULリソースが一部の時間区間(サブフレーム)で変更されて増加した例を示す図である。
所定のULリソースで送信されるUL信号は、所定の条件が満たされた場合に送信される信号であってもよい。図9Bは、所定の条件が満たされないため、所定のULリソースでUL信号が送信されない例を示す図である。なお、UL信号が送信されない場合でも、所定のULリソースは確保されている。すなわち、当該所定のULリソースには、送信の有無に関わらず、DLデータまたはULデータはマッピングされない。
図9Bに示す例における所定の条件について説明する。所定のUL信号がランダムアクセスプリアンブルの送信リソースである場合には、UL非同期の場合(すなわちtimeAlignmentTimerが満了しているとき)、送信したいULデータがあるがスケジューリング要求信号リソースがない場合、または、基地局から物理レイヤシグナリングで指示された場合などを所定の条件としてもよい。所定のUL信号がスケジューリング要求信号の送信リソースである場合には、送信したいULデータがある場合などを所定の条件としてもよい。所定のUL信号がHARQ−ACKフィードバックの送信リソースである場合には、DLデータに対するHARQ−ACKフィードバック情報がある場合などを所定の条件としてもよい。所定のUL信号がCSIフィードバックの送信リソースである場合には、CSI−RSなどのDL参照信号に基づき測定したCSI報告情報がある場合などを所定の条件としてもよい。所定のUL信号がサウンディング参照信号またはビーム測定用参照信号(BRSまたはBRRS)である場合には、基地局から送信を指示された場合などを所定の条件としてもよい。
ユーザ端末は、時間区間(サブフレーム)に所定のULリソースが含まれるか否かにかかわらず、当該時間区間にDLデータまたはULデータがスケジューリングされた場合には、その時間区間にスケジューリングされた信号の送受信を行う。
ユーザ端末は、時間区間(サブフレーム)にULデータがスケジューリングされた場合には、所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素を除き、スケジューリングされたULデータをマッピングして送信を行う。
ユーザ端末は、時間区間(サブフレーム)にDLデータがスケジューリングされた場合には、所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素ならびにその周囲の一部のリソース要素を除き、スケジューリングされたDLデータがマッピングされているものとして、受信を行う。
所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)におけるDLデータのマッピングルールおよびその送受信動作は、基地局(または、SLの場合、所定のULリソースで受信を行うSL端末)がHalf-duplex運用かFull-duplex運用かに応じて異なっていてもよい。基地局(または、SLの場合、所定のULリソースで受信を行うSL端末)がHalf-duplex運用の場合には、所定のULリソースが含まれるOFDMシンボルでは、同じキャリアのすべてのサブキャリアにDLデータがマッピングされないものとして受信するルールまたは動作としてもよい(図6Aから図6C参照)。基地局(または、SLの場合、所定のULリソースで受信を行うSL端末)がFull-duplex運用の場合には、所定のULリソースが含まれるOFDMシンボルにおいても、当該所定のULリソースの隣接サブキャリアを除いて、DLデータがマッピングされているものとして受信するルールまたは動作としてもよい(図6Dから図6F参照)。
各時間区間(サブフレーム)において、DLデータまたはULデータのどちらがスケジューリングされるかは、上位レイヤまたは物理レイヤシグナリングによって、基地局からユーザ端末に通知されてもよい。
基地局がHalf-duplex運用かFull-duplex運用かは、別途上位レイヤシグナリングなどによってユーザ端末に通知されてもよい。特に通知がない場合、ユーザ端末は、基地局がHalf-duplex運用であると想定してDLデータを受信してもよい。
ユーザ端末は、基地局がHalf-duplex運用と想定され、かつ、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)においてDLデータがマッピングされていると想定して受信を行う場合、すなわち図6Aから図6Cに示す場合には、当該時間区間に含まれる所定のULリソースで送信を行うことができる。この場合、任意の伝送方向でデータ通信を行いつつも前記所定のULリソースで送信できるため、UL通信に起因する遅延を低減することができる。
ユーザ端末は、基地局がFull-duplex運用と想定され、かつ、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)においてDLデータがマッピングされていると想定して受信を行う場合、すなわち図6Dから図6Fに示す場合には、当該時間区間に含まれる所定のULリソースでの送信をドロップ、または、所定のULリソースが設定されたOFDMシンボルに含まれる一部のDLデータの受信をスキップしてもよい。図10Aから図10Cは、UL信号の送信をドロップする一例を示す図である。図10Dから図10Fは、DL信号の受信をスキップする一例を示す図である。図10A、図10Dは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の前方OFDMシンボルに含まれる例であり、図10B、図10Eは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の中央OFDMシンボルに含まれる例であり、図10C、図10Fは所定のULリソースが時間区間(サブフレーム)の後方OFDMシンボルに含まれる例である。
図10Aから図10Cに示すように、ユーザ端末は、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)でDLデータ受信がスケジューリングされた場合に、当該ULリソースでの送信を行わない(ドロップ)構成としてもよい。この場合、DLデータの受信品質を確保し、DLデータの誤り率増大を抑制できる。
図10Dから図10Fに示すように、ユーザ端末は、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)でDLデータ受信がスケジューリングされた場合、当該所定のULリソースでのUL信号の送信を行うために、当該所定のULリソースを含むOFDMシンボルおよびその隣接OFDMシンボルではDL信号の受信を行わない(スキップ)構成としてもよい。この場合、所定のULリソースでのUL送信を遅延させずに済むため、UL遅延を低減できる。
第2の態様によれば、所定のULリソースが所定のUL信号送信向けにユーザ端末に設定される場合に、当該所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)における無線リソースを、DLのデータ通信、ULのデータ通信またはSLのデータ通信に柔軟に利用できる。したがって、所定のULリソースを含む時間区間(サブフレーム)を、DL、ULまたはSLを含む任意の伝送方向でのデータ通信に利用可能となる。
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各態様に係る無線通信方法のいずれかまたは組み合わせを用いて通信が行われる。
図11は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(たとえば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)および/またはデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
図11に示す無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1および各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11および無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1およびスモールセルC2を、CAまたはDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(たとえば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCAまたはDCを適用してもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(たとえば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(たとえば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(または、2つの無線基地局12間)は、有線接続(たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インタフェースなど)または無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11および各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、たとえば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11および12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア−周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末ごとに1つまたは連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上りおよび下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(たとえば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
(無線基地局)
図12は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インタフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インタフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(たとえば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナごとにプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路または送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部および受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤおよびPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インタフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インタフェース106は、所定のインタフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インタフェース106は、基地局間インタフェース(たとえば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インタフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
なお、送受信部103は、ユーザ端末に送信するDL信号(たとえば、下り制御情報、下りデータ等)を送信する。送受信部103は、下り制御情報にUL伝送(たとえば、ULデータのスケジューリング)、またはDL伝送(たとえば、DLデータのスケジューリング)のいずれかを指定する情報を含めてユーザ端末に送信することができる。
図13は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図13では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図13に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路または制御装置から構成することができる。
制御部301は、たとえば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCHおよび/またはEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(たとえば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号(たとえば、送達確認情報など)や下りデータ信号の生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(たとえば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))や、CRS、CSI−RS、DMRSなどの下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCHおよび/またはPUSCHで送信される上り制御信号(たとえば、送達確認情報)、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブルや、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
制御部301は、サブフレームごとおよび/またはサブフレーム内でUL伝送とDL伝送を動的に切り替えて通信を制御することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路または信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、たとえば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメントおよび上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路またはマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(たとえば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、たとえば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路または信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。たとえば、HARQ−ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ−ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路または測定装置から構成することができる。
測定部305は、たとえば、受信した信号の受信電力(たとえば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(たとえば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
(ユーザ端末)
図14は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路または送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部および受信部から構成されてもよい。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(たとえば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
なお、送受信部203は、DL信号の受信とUL信号の送信を行う。たとえば、送受信部203は、無線基地局から送信される下り制御情報を受信する。また、送受信部203は、下り制御情報に基づいて、サブフレームごとおよび/またはサブフレーム内でUL伝送とDL伝送を動的に切り替えて送受信を行う。送受信部203は、所定のDL信号が含まれるサブフレームにおいてULデータがスケジューリングされた場合には、所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素ならびにその周囲の一部のリソース要素を除き、UL信号をマッピングして送信を行う。送受信部203は、所定のULリソースが含まれるサブフレームにおいてDLデータがスケジューリングされた場合には、所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素ならびにその周囲の一部のリソース要素を除き、DL信号がマッピングされているものとして受信を行う。
図15は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図15においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図15に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、判定部405と、を少なくとも備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路または制御装置から構成することができる。
制御部401は、たとえば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、判定部405による信号の測定を制御する。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)および下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(たとえば、送達確認情報など)や上りデータ信号の生成を制御する。
制御部401は、下り制御情報に基づいて、サブフレームごとおよび/またはサブフレーム内でUL伝送とDL伝送を動的に切り替えて通信を制御する。たとえば、制御部401は、所定のDL信号が含まれるサブフレームにおいてULデータがスケジューリングされた場合には、所定のDL信号がマッピングされる無線リソース要素ならびにその周囲の一部のリソース要素を除き、UL信号をマッピングして送信を行うよう制御する(図2参照)。制御部401は、所定のULリソースが含まれるサブフレームにおいてDLデータがスケジューリングされた場合には、所定のULリソースがマッピングされる無線リソース要素ならびにその周囲の一部のリソース要素を除き、DL信号がマッピングされているものとして受信を行うよう制御する(図6参照)。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路または信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、たとえば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。たとえば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路またはマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、DL信号(たとえば、無線基地局から送信された下り制御信号、PDSCHで送信された下りデータ信号等)に対して、受信処理(たとえば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、判定部405に出力する。受信信号処理部404は、たとえば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路または信号処理装置、並びに、測定器、測定回路または測定装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
判定部405は、受信信号処理部404の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うと共に、判定結果を制御部401に出力する。複数CC(たとえば、6個以上のCC)から下り信号(PDSCH)が送信される場合には、各CCについてそれぞれ再送制御判定(ACK/NACK)を行い制御部401に出力することができる。判定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される判定回路または判定装置から構成することができる。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的および/または論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的および/または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的および/または間接的に(たとえば、有線および/または無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
たとえば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図16は、本発明の一実施形態に係る無線基地局およびユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10およびユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10およびユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
たとえば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、またはその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局10およびユーザ端末20における各機能は、たとえば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002およびストレージ1003におけるデータの読み出しおよび/または書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、たとえば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。たとえば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003および/または通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。たとえば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、たとえば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、たとえば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線および/または無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、たとえばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。たとえば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インタフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(たとえば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005および出力装置1006は、一体となった構成(たとえば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10およびユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。たとえば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語および/または本明細書の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。たとえば、チャネルおよび/またはシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つまたは複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つまたは複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロットおよびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロットおよびシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。たとえば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(たとえば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
ここで、TTIは、たとえば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。たとえば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリングやリンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、またはロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、またはショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレームまたは1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。たとえば、1REは、1サブキャリアおよび1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロットおよびシンボルなどの構造は例示に過ぎない。たとえば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。たとえば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。たとえば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)および情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネルおよび情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。たとえば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、および/または下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(たとえば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新または追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。たとえば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(たとえば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、たとえば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、たとえば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(たとえば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(たとえば、当該所定の情報の通知を行わないことによってまたは別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)または偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(たとえば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。たとえば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)および/または無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および/または無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」および「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つまたは複数(たとえば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(たとえば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」および「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアントまたはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。たとえば、無線基地局およびユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。たとえば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(たとえば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)またはこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。たとえば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステムおよび/またはこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。たとえば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(たとえば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(たとえば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(たとえば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(たとえば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブルおよび/またはプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域および光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
本明細書または特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年6月10日出願の特願2016−116668に基づく。この内容は、全てここに含めておく。