将来の無線通信システムの無線アクセス方式(5G RAT)では、幅広い周波数帯や、要求条件が異なる多様なサービスに対応するため、複数のニューメロロジーが導入されること(マルチニューメロロジー等ともいう)が想定される。ここで、ニューメロロジーとは、周波数及び/又は時間方向における通信パラメータ(無線パラメータ)のセットである。当該通信パラメータのセットには、例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、CP長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、フィルタリング処理、ウィンドウイング処理の少なくとも一つが含まれてもよい。
「ニューメロロジーが異なる」とは、例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、CP長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成の少なくとも一つがニューメロロジー間で異なることを示すが、これに限られない。マルチニューメロロジーをサポートする将来の無線通信システムでは、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末を収容可能に構成される。
図1は、マルチニューメロロジーをサポートする無線通信システムの一例を示す図である。なお、図1では、シンボル長及びサブキャリア間隔が異なるニューメロロジー#1及び#2を例示するが、上述の通り、ニューメロロジーの種類はこれに限られない。また、図1では、ユーザ端末(UE:User Equipment)#1及び#2を示すが、ユーザ端末数は2に限られない。
例えば、図1では、相対的に狭いサブキャリア間隔(例えば、15kHz)を有するニューメロロジー#2を適用するユーザ端末#2と、相対的に広いサブキャリア間隔(例えば、30〜60kHz)を有するニューメロロジー#1を適用するユーザ端末#1が示される。ニューメロロジー#2のサブキャリア間隔は、既存のLTEシステムのサブキャリア間隔と同一の15kHzであってもよい。ニューメロロジー#1のサブキャリア間隔は、ニューメロロジー#2のサブキャリア間隔のN(N>1)倍であってもよい。
また、サブキャリア間隔とシンボル長とは互いに逆数の関係にある。このため、ニューメロロジー#1のサブキャリア間隔をニューメロロジー#2のサブキャリア間隔のN倍とする場合、ニューメロロジー#1のシンボル長は、ニューメロロジー#2のシンボル長の1/N倍となる。また、ニューメロロジー#1とニューメロロジー#2とでは、サブキャリア及びシンボルにより構成されるリソース要素(RE:Resource Element)の構成も異なってもよい。
サブキャリア間隔が広くなると、ユーザ端末の移動時のドップラー・シフトによるチャネル間干渉や、ユーザ端末の受信機の位相雑音による伝送品質劣化を効果的に防止できる。特に、数十GHzなどの高周波数帯においては、サブキャリア間隔を広げることにより、伝送品質の劣化を効果的に防止できる。このため、ニューメロロジー#2と比べてサブキャリア間隔が広いニューメロロジー#1は、高周波数帯の通信に適する。また、サブキャリア間隔を広げることにより、高速移動に対する耐性も強くなるので、ニューメロロジー#2と比べてサブキャリア間隔が広いニューメロロジー#1は、高速移動に適する。
また、シンボル長が短くなると、所定数(例えば、14又は12)のシンボルで構成されるTTI長も短くなるため、遅延削減(latency Reduction)に有効である。IoT(Internet of Things)、MTC:Machine Type Communication、M2M(Machine To Machine)、URLLC(Ultra-reliable and low latency communication)などでは、データ量が小さいが遅延削減が要求される。このような遅延についての要求条件が厳しいサービスには、ニューメロロジー#2と比べてシンボル長が短いニューメロロジー#1が適する。なお、既存のLTEシステムよりも短いTTI(例えば、1ms未満のTTI)は、短縮TTI、ショートTTI等と呼ばれてもよい。
一方、MBB(Mobile Broad Band)など高い周波数利用効率や高速通信が要求されるサービスでは、ニューメロロジー#1と比べてサブキャリア間隔が狭いニューメロロジー#2が適する。ニューメロロジー#2は、大量のアンテナ素子を利用する大規模MIMO(Massive Multiple-Input and Multiple-output)にも好適である。
なお、図示しないが、各ニューメロロジーのTTIを構成するシンボル数は、既存のLTEシステムと同様であってもよいし(例えば、通常CPの場合14、拡張CPの場合12)、異なっていてもよい。また、各ニューメロロジーのリソースの割り当て単位(リソースユニット)は、既存のLTEシステムのリソースブロックペア(例えば、12サブキャリア×14シンボル、PRB(Physical Resource Block)ペア)と同一であってもよいし、異なっていてもよい。既存のLTEシステムとは異なるリソースユニットは、拡張RB(eRB:enhanced RB)等と呼ばれてもよい。
また、各ニューメロロジーのシンボルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルであってもよいし、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルであってもよい。
また、図示しないが、ニューメロロジーの他の例として、サブキャリア間隔を既存のLTEシステムの1/N倍にし、シンボル長をN倍にする構成も考えられる。この構成によれば、シンボルの全体長が増加するため、シンボルの全体長に占めるCP長の比率が一定である場合でも、CP長を長くすることができる。これにより、通信路におけるフェージングに対して、より強い(ロバストな)無線通信が可能となる。
また、ユーザ端末が用いるニューメロロジーは、RRC(Radio Resource Control)シグナリングや報知情報などの上位レイヤシグナリングなどにより準静的に設定されてもよいし、L1/L2制御チャネルにより動的に変更されてもよい。
このように、将来の無線通信システムにおいて、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末を収容可能とする場合、ニューメロロジー毎に専用リソース(例えば、周波数リソース及び/又は時間リソース)を設定することが想定される。
図2は、ニューメロロジー毎の専用リソースの設定例を示す図である。図2では、ニューメロロジー#1及び#2の専用リソースがそれぞれ異なる周波数リソース(例えば、キャリア、セル、コンポーネントキャリア(CC)、リソースブロック(PRB:Physical Resource Block))に設定される。
図2に示すように、ニューメロロジー毎に専用リソースを設定する場合、各ニューメロロジーの専用リソース間でガード用のリソース(周波数及び/又は時間)を設ける必要があるため、ガード損が生じることが想定される。また、あるニューメロロジーの専用リソースは混雑しているのに、他のニューメロロジーの専用リソースは空いているなど、ニューメロロジー毎の専用リソースの利用状況が異なることも想定される。
このように、ニューメロロジー毎に専用リソースを設定する場合、無線リソースの利用効率が低下する恐れがある。したがって、ニューメロロジー毎の専用リソースを設けずに、同一キャリア(CC、セル)に、異なるニューメロロジーのユーザ端末を多重することが望まれる。
同一キャリア内に異なるニューメロロジーが設定される複数のユーザ端末を多重する場合において、当該複数のユーザ端末のUL参照信号(例えば、SRS又は/及びDMRS)をどのように多重するかが問題となる。具体的には、ULにおける周波数スケジューリングを行うためには、無線基地局が各ユーザ端末のULのチャネル品質をキャリア(CC、セル)全体で測定できることが望ましいが、同一のキャリア内の重複する周波数リソースにニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末が多重される場合、当該複数のユーザ端末がそれぞれどのようにUL参照信号を送信するかが問題となる。
そこで、本発明者らは、同一キャリア内にニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末を多重する場合における、UL参照信号の送信方法を検討し、本発明に至った。具体的には、本発明者らは、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末間で、特定のシンボルのニューメロロジーを揃えてUL参照信号を送信すること(第1の態様)、或いは、異なるニューメロロジーのままUL参照信号を送信すること(第2の態様)を着想した。
以下、本実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、UL参照信号は、ULのチャネル品質の測定及び/又はULのチャネル推定に用いられる信号であればよい。UL参照信号は、例えば、DM−RS、SRSの少なくとも一つであってもよい。以下では、一例として、SRSを適用する場合を説明する。
また、以下では、サブキャリア間隔及びシンボル長が異なる複数のニューメロロジーを例示するが、ニューメロロジーの種類はこれに限られない。また、本実施の形態の無線フレーム内では、同一又は異なるニューメロロジーのUL参照信号と、異なるニューメロロジーのUL信号及び/又はDL信号が多重される。より具体的には、無線フレーム内においては、UL参照信号は、ULデータだけでなく、UCI(Uplink Control Information)と多重されてもよいし、DLデータ及び/又はDCI(Downlink Control Information)と多重されてもよい。
図3及び4を参照し、本実施の形態に係るSRSの送信例を説明する。なお、図3及び4では、サブキャリア間隔(Δf)が15kHzであるニューメロロジー#1と、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2とが示されるが、ニューメロロジーの種類はこれに限られない。サブキャリア間隔とシンボル長とは互いに逆数の関係にあるため、ニューメロロジー#2のシンボル長は、ニューメロロジー#1のシンボル長(例えば、1ms)の1/4倍となる。
図3及び4において、ユーザ端末#1及び#2は、それぞれ、異なるニューメロロジー#1及び#2を用いて、ULデータを送信する。なお、図3及び4に示すように、ニューメロロジー#1のサブキャリア間隔及びシンボル長を既存のLTEシステムと同一とすることにより、既存のLTEシステムとの後方互換性を保つことができる。
図3は、第1の態様に係るSRSの送信例を示す図である。図3に示すように、第1の態様では、ユーザ端末#1及び#2は、特定の期間(例えば、シンボル)におけるニューメロロジーを揃えて、当該特定の期間にSRSを送信する。例えば、図3では、ユーザ端末#2は、特定の期間におけるニューメロロジーをニューメロロジー#2からニューメロロジー#1に切り替えて、当該特定の期間においてニューメロロジー#1を用いてSRSを送信する。
図4は、第2の態様に係るSRSの送信例を示す図である。図4において、第2の態様では、ユーザ端末#1及び#2は、特定の期間(例えば、シンボル)におけるニューメロロジーを揃えずに、当該特定の期間にSRSを送信する。例えば、図4では、ユーザ端末#1は、特定の期間におけてニューメロロジー#1を用いてSRSを送信し、ユーザ端末#2は、当該特定の期間においてニューメロロジー#2を用いてSRSを送信する。
図3及び4に示すように、特定の期間におけるニューメロロジーを揃えて(第1の態様)、或いは、揃えずに(第2の態様)、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末のSRSを多重することにより、同一のキャリア内にニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末を適切に収容することが可能となる。以下、第1及び第2の態様に係るSRSの送信方法を詳細に説明する。
(第1の態様)
第1の態様では、特定の期間において、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末が、同一のニューメロロジーを用いて、SRSを送信する。
具体的には、ユーザ端末は、後述するSRSに関する情報(以下、SRS情報という)を受信し、当該SRS情報に基づいて、特定の期間におけるSRSの送信を制御する。例えば、ユーザ端末は、ネットワーク(例えば、無線基地局(eNB:eNodeB))から指示されるSRS用のニューメロロジーが、ULデータ用のニューメロロジーとは異なる場合、特定の期間におけるニューメロロジーをSRS用のニューメロロジーに切り替えて、SRSを送信してもよい。
図5は、第1の態様に係るニューメロロジーの切り替え例を示す図である。図5では、SRS用のニューメロロジーとして、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1がユーザ端末に指示されるものとする。
図5において、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2を用いてULデータを送信するユーザ端末#2は、特定の期間におけるニューメロロジーをニューメロロジー#2からニューメロロジー#1に切り替えて、ニューメロロジー#1を用いてSRSを送信してもよい。
例えば、図5では、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2から、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1への切り替えにより、SRS送信用のシンボル長が、ULデータ送信用のシンボル長の4倍となる。この結果、SRS送信用のTTI長も、ULデータ送信用のTTI長の4倍となる。したがって、特定の期間におけるニューメロロジーの切り替えは、TTI長の切り替え(図5では、短縮TTIから通常TTIへの切り替え)と言い換えることもできる。
また、図5に示すように、ユーザ端末#2は、特定の期間においてSRSを送信する場合、当該特定の期間の直前及び/又は直後の所定期間(例えば、所定数のシンボル)において送信及び/又は受信を停止して、ニューメロロジーを切り替えてもよい。
一方、ユーザ端末#2は、当該特定の期間においてSRSを送信しない場合、ニューメロロジーの切り替えを行わなくともよい。この場合、ユーザ端末#2は、当該特定の期間の直前及び/又は直後の所定期間における送信及び/又は受信を停止しなくともよい。
なお、上記特定の期間は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)、報知情報(例えば、MIB:Master Information Block、又は、SIB:System Information Block)、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information))の少なくとも一つにより設定されてもよい。また、上記特定の期間においてSRSを送信するか否かは、上位レイヤシグナリング又は報知情報により設定(例えば、周期的SRS)されてもよいし、物理レイヤシグナリングにより指示(例えば、非周期的SRS)されてもよい。
<SRS情報>
次に、第1の態様において、特定の期間におけるSRSの送信制御に用いられるSRS情報について詳述する。SRSに関するSRS情報は、物理レイヤシグナリング、上位レイヤシグナリング、報知情報の少なくとも一つにより、ネットワーク(例えば、無線基地局)からユーザ端末にシグナリング(通知)される。
ここで、SRS情報は、SRS用のニューメロロジーを示すニューメロロジー情報、SRSの送信帯域幅を示す帯域幅情報、当該SRSの送信に用いられる巡回シフト(CS:Cyclic Shift)系列(位相回転量)を示すCS系列情報、当該SRSの送信に用いられる特定の期間を示す特定期間情報、当該SRSの送信に用いられるComb(櫛の歯形状のサブキャリア)を示すComb情報の少なくとも一つを含んでもよい。
図6は、第1の態様に係るニューメロロジー情報の一例を示す図である。ニューメロロジー情報は、SRSの送信に用いる周波数方向及び/又は時間方向における通信パラメータ(例えば、サブキャリア間隔、シンボル長、CP長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成の少なくとも一つ)を示す。
ニューメロロジー情報は、(1)上位レイヤシグナリング又は報知情報により候補値が通知され、物理レイヤシグナリングにより候補値の一つが指定されてもよいし、或いは、(2)上位レイヤシグナリング又は報知情報により設定されてもよいし、或いは、(3)物理レイヤシグナリングにより指定されてもよい。
図6Aでは、SRSのサブキャリア間隔を示すニューメロロジー情報の一例が示される。図6Aに示すように、ニューメロロジー情報は、既存のLTEシステムにおけるサブキャリア間隔15kHzのN倍(N≧1)のサブキャリア間隔を示すビット値であってもよい。
例えば、図6Aでは、4種類のサブキャリア間隔(15kHz、30kHz、60kHz、120kHz)をそれぞれ示す4種類のビット値が上位レイヤシグナリング又は報知情報により設定され、SRS用に選択されたサブキャリア間隔を示すビット値が物理レイヤシグナリングにより指定されるものとするが、これに限られない。SRS用のサブキャリア間隔は、上位レイヤシグナリング、報知情報、物理レイヤシグナリングのいずれかにより、指定されてもよい。
また、シンボル長とサブキャリア間隔とは逆数の関係にあるため、SRSのサブキャリア間隔を示すことで、シンボル長のシグナリングを省略してもよい。例えば、サブキャリア間隔15kHzのシンボル長を定める(例えば、1msとする)ことで、他のサブキャリア間隔(30kHz、60kHz、120kHz)のシンボル長を導出できる。なお、図示しないが、ニューメロロジー情報によりSRSのシンボル長を示すことで、サブキャリア間隔のシグナリングを省略してもよい。
図6Bでは、SRSのCP長を示すニューメロロジー情報の一例が示される。図6Bに示すように、ニューメロロジー情報は、SRSのCP長を示すビット値であってもよい。例えば、図6Bでは、4種類のCP長(0.1μs、0.5μs、1.0μs、5.0μs)をそれぞれ示す4種類のビット値が上位レイヤシグナリングにより設定され、SRS用に選択されたCP長を示すビット値が物理レイヤシグナリングにより指定されるものとするが、これに限られない。SRS用のCP長は、上位レイヤシグナリング、報知情報、物理レイヤシグナリングのいずれかにより、指定されてもよい。
図7は、第1の態様に係る帯域幅情報及びCS系列情報の一例を示す図である。図7Aに示すように、帯域幅情報は、SRSの送信帯域幅を示すビット値であってもよい。SRSの送信帯域幅は、システム帯域幅の少なくとも一部であればよい。図7Aでは、4種類の送信帯域幅(bw0〜bw3)をそれぞれ示す4種類のビット値が上位レイヤシグナリングにより設定され、SRS用に選択された送信帯域幅を示すビット値が物理レイヤシグナリングにより指定されるものとするが、これに限られない。SRS用の送信帯域幅は、上位レイヤシグナリング、報知情報、物理レイヤシグナリングのいずれかにより、指定されてもよい。
図7Bに示すように、CS系列情報は、SRSの送信に用いるCS系列を示すビット値であってもよい。図7Bでは、8種類の送信帯域幅(Cs0〜Cs7)をそれぞれ示す8種類のビット値が上位レイヤシグナリングにより設定され、SRS用に選択されたCS系列を示すビット値が物理レイヤシグナリングにより指定されるものとするが、これに限られない。SRS用のCS系列は、上位レイヤシグナリング、報知情報、物理レイヤシグナリングのいずれかにより、指定されてもよい。SRSにCSを適用することにより、同一の時間及び周波数リソースに複数のユーザ端末のSRSを多重することが可能となる。
図8は、第1の態様に係る特定期間情報の一例を示す図である。特定期間情報は、SRSの送信に用いられる特定の期間(例えば、サブフレーム、TTI、シンボルなど)を示す。図8Aでは、各シンボルがシンボル番号により一意に特定される場合が示される。図8Aにおいて、特定期間情報は、特定のシンボルのシンボル番号そのもの(例えば、図8Aでは、「30」、「36」)を示してもよい。
或いは、特定期間情報は、特定のシンボルのシンボル番号の導出(derive)(算出)に用いられる情報(以下、導出情報という)であってもよい。当該導出情報は、上記シンボル番号を除算する場合の「商(除数)」及び/又は「余り」であってもよい。例えば、図8Aでは、シンボル番号「30」及び「36」の導出情報として、除数「6」と余り「0」が特定期間情報により示されてもよい。或いは、導出情報として除数「6」だけが特定期間情報により示され、余り「0」は予め仕様により定められていてもよい。
一方、図8Bでは、各シンボルがサブフレーム番号(TTI番号)及びシンボル番号により一意に特定される場合が示される。図8Bでは、一例として、サブフレーム(TTI)内に6個のシンボルが設けられ、シンボル番号#1〜#6が付される場合が示されるが、サブフレーム内のシンボル数、シンボル番号の付与例は図8Bに示すものに限られない。
図8Bにおいて、特定期間情報は、シンボル番号のみ(例えば、図8Bでは、「6」)であってもよいし、サブフレーム番号及びシンボル番号であってもよい。
以上のような特定期間情報は、上位レイヤシグナリング、報知情報、物理レイヤシグナリングの少なくとも一つによりシグナリングされる。また、以上のような特定期間情報は、ニューメロロジー毎にシグナリングされてもよいし、基準となるニューメロロジー(例えば、SRS用のニューメロロジー#1)に対してのみシグナリングされてもよい。
図9は、第1の態様に係る特定期間情報の他の例を示す図である。図9A及び9Bでは、基準となるニューメロロジーに対してのみ上記特定期間情報がシグナリングされる場合に、他のニューメロロジーのユーザ端末が上記特定の期間を導出する方法が示される。
図9Aでは、一例として、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1と、サブキャリア間隔が30kHzであるニューメロロジー#3とが、同一キャリア内に多重される場合が示される。この場合、ニューメロロジー#3のシンボル長は、ニューメロロジー#1のシンボル長の1/2倍となるため、ニューメロロジー#1の1シンボル内に、ニューメロロジー#3の2シンボルが含まれることになる。
図9Aでは、特定期間情報により、ニューメロロジー#1のシンボル番号「6」が指定される。この場合、ニューメロロジー#3を用いるユーザ端末は、図9Bに示すサブキャリア間隔(ニューメロロジー)とシンボル番号との関連付け情報を用いて、SRSの送信に用いる特定の期間を導出してもよい。例えば、ニューメロロジー#3のサブキャリア間隔は30kHzであるため、図9Bのサブキャリア間隔30kHzに関連付けられたシンボル番号2X−1、2Xに基づいて、シンボル番号11、12のサブフレームを上記特定の期間として導出してもよい。
なお、図9では、各シンボルがサブフレーム番号及びシンボル番号により一意に特定される場合(図8B)を例示したが、各シンボルがシンボル番号により一意に特定される場合(図8A)においても、ニューメロロジー#3のサブフレーム番号が、図9Bと同様の関連付けを用いて導出されてもよい。
また、図8及び図9におけるサブフレームとシンボルの関係は、無線フレームとサブフレームの関係に読み替えられてもよい。この場合、特定期間情報は、特定のサブフレームのサブフレーム番号そのものを示す情報であってもよいし、当該サブフレーム番号を導出する情報であってもよい。
<ユーザ端末の動作>
次に、第1の態様におけるユーザ端末の動作について詳細に説明する。図10は、第1の態様に係るユーザ端末の動作例を示すフローチャートである。図10では、ユーザ端末に対しては、サブキャリア間隔60kHzであるニューメロロジー#2が上位レイヤシグナリング又は報知情報により設定されているものとする。また、当該ユーザ端末には、図8及び9で説明したように、SRSの送信に用いられる特定の期間が設定(及び/又は指定)されているものとする。
図10のステップST11において、ユーザ端末は、ニューメロロジー#1を示すニューメロロジー情報を、ネットワークから受信する。例えば、ユーザ端末は、当該ニューメロロジー情報として、サブキャリア間隔15kHzを示すビット値「00」を物理レイヤシグナリングにより受信してもよい(図6A参照)。
ステップST12において、ユーザ端末は、特定の期間においてSRSを送信するか否かを判定する。例えば、ユーザ端末は、当該特定の期間においてSRSを送信するか否かを物理レイヤシグナリングにより指定されてもよい。特定の期間においてSRSを送信しない場合(ステップST12:NO)、本動作は終了する。
特定の期間においてSRSを送信する場合(ステップST12:YES)、ステップST13において、ユーザ端末は、ステップST11で受信したニューメロロジー情報が、当該ユーザ端末に設定されているニューメロロジー#2とは異なるニューメロロジーを示すか否かを判定する。
ステップST11で受信したニューメロロジー情報がユーザ端末に設定されているニューメロロジー#2を示す場合(ステップST13:NO)、ステップST14において、ユーザ端末は、特定の期間において、ニューメロロジー#2を用いて、SRSを送信し、本動作を終了する。
一方、ステップST11で受信したニューメロロジー情報がユーザ端末に設定されているニューメロロジー#2とは異なるニューメロロジー#1を示す場合(ステップST13:YES)、ステップST15において、ユーザ端末は、特定の期間におけるニューメロロジーを、ニューメロロジー#2からニューメロロジー#1に切り替える(図5参照)。
ステップST16において、ユーザ端末は、切り替えらえたニューメロロジー#1を用いて、特定の期間において、SRSを送信する。特定の期間におけるSRSの送信を終了すると、ステップST17において、ユーザ端末は、ニューメロロジーをSRS用のニューメロロジー#1から、当該ユーザ端末に設定されているニューメロロジー#2に再度切り替える。
図11は、第1の態様に係るニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末の多重例を示す図である。図11では、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1のユーザ端末#1と、サブキャリア間隔が30kHzであるニューメロロジー#3のユーザ端末#3と、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2のユーザ端末#2とが、同一キャリア内で多重される場合が示される。
図11では、ニューメロロジー#1〜#3が設定されるユーザ端末#1〜#3に対しては、それぞれ、SRSの送信に用いられる特定の期間が設けられ(図8及び9参照)、当該SRS用のニューメロロジーとして、ニューメロロジー#1を示すニューメロロジー情報が通知されるものとする。
図11の特定の期間においてニューメロロジー#1を用いて送信されるユーザ端末#1〜#3のSRSは、符号分割多重(例えば、異なるCS系列)、Comb、周波数分割多重、時間分割多重、後述する間引き送信の少なくとも一つにより、多重されてもよい。このように、特定の期間におけるニューメロロジーを揃えてユーザ端末#1〜#3のSRSを送信する場合、より多くの多重方法を用いることができるため、特定の期間内でより多くのSRSを多重可能となる。
なお、図11に示すように、特定の期間においてニューメロロジーを切り替えてSRSを送信する場合には、当該特定の期間の前後の所定期間において、ユーザ端末は、送信及び/又は受信を中断して、ニューメロロジーを切り替えてもよい。また、特定の期間においてSRSを送信しない場合には、ニューメロロジーを切り替えなくともよい。この場合、特定の期間の前後の送信及び/又は受信の中断期間は設けられなくともよい。
<SRSの送信電力>
第1の態様において、特定の期間内に送信されるSRSの送信電力について説明する。ユーザ端末は、ユーザ端末の最大送信電力、上位レイヤシグナリングにより設定される所定のオフセット、SRSの送信帯域幅、目標受信電力に係るパラメータ、フラクショナルTPCの重み係数、パスロス、TPCコマンドによる補正値の少なくとも一つに基づいて、SRSの送信電力を決定してもよい。例えば、ユーザ端末は、下記式(1)に基づいて、SRSの送信電力を決定してもよい。
ここで、P
CMAX,c(i)は、ユーザ端末の最大送信電力である。P
SRS_OFFSET,c(m)は、上位レイヤシグナリングにより設定される所定のオフセットである。M
SRS,c(i)は、ユーザ端末に割り当てられたSRS用の帯域幅(例えば、リソースブロック数)である。P
0_PUSCH,c(j)は、目標受信電力(目標受信SNR:Signal to Noise Ratio)に係るパラメータ(例えば、送信電力オフセットに関するパラメータ)(以下、目標受信電力パラメータという)である。α
c(j)は、フラクショナルTPCの重み係数である。PL
cは、パスロス(伝搬損失)である。f
c(i)は、TPCコマンドによる補正値である。
なお、上記PCMAX,c(i)、MPUSCH,c(i)、P0_PUSCH,c(j)、αc(j)、PLc、ΔTF,c(i)、fc(i)は、それぞれ、セルc、サブフレームi、所定の添え字jを除いて、単に、PCMAX、MPUSCH、P0_PUSCH、α、PL、ΔTF、fと表記されてもよい。
<無線フレームの構成>
次に、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末が多重された無線フレームの構成例を説明する。図12は、第1の態様に係る無線フレームの構成例を示す図である。図12では、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1のユーザ端末#1と、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2のユーザ端末#2と、サブキャリア間隔が30kHzであるニューメロロジー#3のユーザ端末#3及び#4とが、同一キャリア内で多重される場合が示される。
図12では、ユーザ端末#1〜#4のULデータ(及び/又はDLデータ)は、各ニューメロロジー(サブキャリア間隔)に対応するサブフレーム長(TTI長)で、周波数分割多重される。一方、ユーザ端末#1〜#4のSRSは、特定の期間において、同一のニューメロロジーで、符号分割多重(例えば、CS)、Comb、周波数分割多重、時間分割多重、後述する間引き送信の少なくとも一つにより多重される。
図12において、ユーザ端末#1は、ULデータ送信(及び/又はDLデータ受信)とSRSの送信との双方にニューメロロジー#1を用いるため、SRSの送信期間の前後の所定期間において送信及び/又は受信を中断しない。
一方、ユーザ端末#2〜#4は、それぞれ、ニューメロロジー#2〜#4を用いてULデータ送信(及び/又はDLデータ受信)を行う一方、ニューメロロジー#1を用いてSRSを送信する。このため、SRSの送信期間の前後の所定期間において送信及び/又は受信を中断し、ニューメロロジーを切り替える。
なお、図12において、ユーザ端末#3は、2番目のSRSの送信期間では、SRSの送信を行わない。このため、ユーザ端末#3は、2番目のSRSの送信期間の前の所定期間において送信及び/又は受信を中断しない。
(第2の態様)
第2の態様では、複数のユーザ端末が、当該複数のユーザ端末にそれぞれ設定された異なるニューメロロジーを用いて、特定の期間内でSRSを送信する。
具体的には、各ユーザ端末は、SRS情報を受信し、当該SRS情報に基づいて、特定の期間におけるSRSの送信を制御する。第2の態様において、SRS情報は、上記帯域幅情報と、CS系列情報と、Comb情報と、特定期間情報と、の少なくとも一つを含んでもよい。第2の態様では、ユーザ端末に設定されたニューメロロジーを切り替えずに、特定の期間内でSRSが送信されるため、SRS情報は、ニューメロロジー情報を含まなくともよい。
以下、第2の態様におけるSRS情報は、ニューメロロジー情報を含まなくともよい点を除いて第1の態様と同様であるため、説明を省略する。また、SRSの送信電力についても第1の態様と同様に制御されるため、第2の態様では、説明を省略する。
<ユーザ端末の動作>
第2の態様におけるユーザ端末の動作について詳細に説明する。第2の態様において、各ユーザ端末は、特定の期間内においてSRS及び/又はULデータを送信する。
図13及び14は、第2の態様に係るユーザ端末の動作の一例を示す図である。図13及び14では、ユーザ端末に対しては、サブキャリア間隔60kHzであるニューメロロジー#2が上位レイヤシグナリング又は報知情報により設定されているものとする。また、当該ユーザ端末には、図8及び9で説明したように、SRSの送信に用いられる特定の期間が設定(及び/又は指定)されているものとする。
図13及び14に示すように、ニューメロロジー#2が設定されたユーザ端末は、特定の期間内の少なくとも一つのサブフレーム(TTI)において、ニューメロロジー#2を用いて、ULデータ及び/又はSRSを送信する。具体的には、当該ユーザ端末は、特定の期間内の少なくとも一つのサブフレームでSRSだけを送信してもよいし、SRS及びULデータを送信してもよいし、ULデータだけを送信してもよい。
例えば、図13では、ユーザ端末は、特定の期間内の全サブフレームで、ULデータ及び/又はSRSを送信する。一方、図14では、ユーザ端末は、特定の期間内の一部で、ULデータ及び/又はSRSを送信する。図14において、ユーザ端末がULデータ及び/又はSRSを送信しないサブフレームでは、他のユーザ端末のULデータ及び/又はSRSが送信されてもよい。
図15は、第2の態様に係るニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末の多重例を示す図である。図15では、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1のユーザ端末#1と、サブキャリア間隔が30kHzであるニューメロロジー#3のユーザ端末#3と、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2のユーザ端末#2とが、同一キャリア内で多重される場合が示される。
図15では、ニューメロロジー#1〜#3が設定されるユーザ端末#1〜#3に対しては、それぞれ、SRSの送信に用いられる特定の期間が設けられ(図8及び9参照)、当該特定の期間においてそれぞれ異なるニューメロロジー#1〜#3を用いてユーザ端末#1〜#3のSRSが送信される。
図15の特定の期間において異なるニューメロロジー#1〜#3を用いて送信されるユーザ端末#1〜#3のSRSは、周波数分割多重、時間分割多重、後述する間引き送信の少なくとも一つにより、多重されてもよい。このように、特定期間におけるニューメロロジーを揃えずに、ユーザ端末#1〜#3のSRSを送信する場合、ニューメロロジーの切り替えや、送信及び/又は受信の中断期間が必要ないので、ユーザ端末の制御を簡易化することができる。
<無線フレームの構成>
次に、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末が多重された無線フレームの構成例を説明する。図16及び17は、第2の態様に係る無線フレームの構成例を示す図である。図16及び17では、サブキャリア間隔が15kHzであるニューメロロジー#1のユーザ端末#1と、サブキャリア間隔が60kHzであるニューメロロジー#2のユーザ端末#2と、サブキャリア間隔が30kHzであるニューメロロジー#3のユーザ端末#3及び#4とが、同一キャリア内で多重される場合が示される。
図16及び17では、ユーザ端末#1〜#4のULデータ(及び/又はDLデータ)は、各ニューメロロジー(サブキャリア間隔)に対応するサブフレーム長(TTI長)で、周波数分割多重される。ユーザ端末#1〜#4のSRSも、特定の期間において、ユーザ端末#1〜#4のULデータ(及び/又はDLデータ)と同一のニューメロロジーで多重される。図16及び17では、特定の期間においてニューメロロジーは切り替えられないので、特定の期間の前及び/又は後の所定期間における送信及び/又は受信の中断期間を設けなくともよい。
具体的には、ユーザ端末#1〜#4のSRSは、異なるニューメロロジー間では、時分割多重、周波数分割多重、間引き送信、Combの少なくとも一つにより、多重されてもよい。一方、同じニューメロロジーのSRS間(ここでは、ユーザ端末#3及び#4のSRS)では、符号分割多重(例えば、CS系列)により多重されてもよい。
(第3の態様)
第3の態様では、SRSの構成について説明する。第1の態様又は第2の態様で説明したSRS送信において、SRSは、(1)各サブフレームの最終シンボルで送信されてもよいし、(2)ネットワーク(例えば、無線基地局)によって指定される特定のシンボルで送信されてもよいし、(3)リソースブロック(例えば、PRB)内の所定のリソース(例えば、所定のリソース要素(RE:Resource Element))で送信されてもよい。
図18は、第3の態様に係るSRS構成の一例を示す図である。図18では、(2)ネットワークによって指定される特定のシンボルでSRSが送信される場合が示される。図18に示すように、特定のシンボルでSRSが送信される場合、キャリア(システム帯域)全体を用いてSRSが送信されてもよいし、一部の帯域を用いてSRSが送信されてもよい。また、特定のシンボルは、各サブフレームの任意のシンボルであってもよいし、任意のサブフレームの任意のシンボルであってもよい。
図19は、第3の態様に係るSRS構成の他の例を示す図である。図19では、(3)PRB内の所定REでSRSが送信される場合が示される。当該所定REは、予め仕様で定められていてもよいし、上位レイヤシグナリング、報知情報、物理レイヤシグナリングの少なくとも一つでシグナリングされる上述のSRS情報に基づいて特定されてもよい。
(第4の態様)
第4の態様では、上述したSRS送信におけるSRSの物理リソース配置方法の一例について説明する。第4の態様で説明するSRSの物理リソース配置(SRS間引き送信)は、第1の態様又は第2の態様で説明したSRS送信(例えば、SRSの多重等)に適用することができる。なお、本実施の形態のSRS配置方法は、第4の態様で説明するものに限られない。
ユーザ端末は、所定タイミング(例えば、あるサブフレーム)でSRSを送信する場合、SRSを周波数方向に分散して配置することができる。この場合、ユーザ端末は、無線基地局(ネットワーク)から通知される情報に基づいてSRSの物理リソース配置を制御する。無線基地局から通知される情報(SRS配置情報とも呼ぶ)は、SRSを割当てるリソース(例えば、リソースブロック(RB))の周波数間隔(NRB)、SRSを割当てるRBの周波数インデックス(kRB)、SRS送信周波数の開始位置(SRSの割当てを行う最小のRB番号)の少なくとも一つを指す。
無線基地局は、SRSの送信RBの周波数間隔(NRB)を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報等)を用いてユーザ端末に通知する。無線基地局は、周波数間隔(NRB)を所定値(例えば、1、2、3、4のいずれか)から選択してユーザ端末に通知してもよい。
また、無線基地局は、SRSの送信RBの周波数インデックス(kRB)を、下り制御チャネル(PDCCH及び/又はEPDCCH)、及び/又は下り共有チャネル(PDSCH)を用いてユーザ端末に通知する。あるいは、無線基地局は、上位レイヤシグナリングを用いて(又は下り制御情報と上位レイヤシグナリングを組み合わせて)、周波数インデックス(kRB)をユーザ端末に通知してもよい。
ユーザ端末は、無線基地局から通知されるSRS配置情報に基づいてSRSをマッピングする物理リソース配置を決定し、SRSの送信を制御する(図20参照)。図20は、ユーザ端末がSRSを分散して所定の物理リソースに配置して送信する場合(SRS間引き送信)の一例を示している。
ユーザ端末は、SRS送信に利用するRB番号(k)を以下の式(2)を利用して決定することができる。なお、図20では、無線基地局からSRS配置情報として、NRB=4、kRB=0が通知されたユーザ端末のSRS物理リソース配置の一例を示している。
式(2)
k=k0+n・NRB+kRB(n=0、1、・・・)
式(2)において、k0はSRS送信周波数の開始位置に相当し、無線基地局からユーザ端末に上位レイヤシグナリング等で通知される。なお、SRSを送信するRB番号の決定方法は式(2)に限られない。例えば、SRS送信周波数の開始位置(k0)とSRSの送信RBの周波数間隔(NRB)を用いて(kRBは用いずに)決定してもよい。
ユーザ端末は、SRSを送信するタイミング(例えば、サブフレーム)毎にSRS物理リソース配置を変更してもよい。例えば、ユーザ端末は、無線基地局から上位レイヤシグナリング及び/又は下り制御チャネル(例えば、DCI)で通知されるホッピング指示に基づいて、SRS送信にホッピングを適用する(図21参照)。
ユーザ端末は、SRS送信に利用するRB番号(k)を以下の式(3)で決定することができる。図21Aでは、無線基地局からSRS配置情報として、NRB=4、kRB=0が通知されたユーザ端末のSRS物理リソース配置の一例を示している。
式(3)
k=k0+n・NRB+kRB+Phop(m)(n=0、1、・・・)
m=iSRS(mod NRB)
iSRS:SRSを送信する時間インデックス
ユーザ端末は、無線基地局から通知されるホッピング指示に関する情報(図21B参照)と上記式(3)を利用して各SRS送信におけるSRSリソース配置を決定する。
あるいは、ユーザ端末は、予め定義されたホッピングパターンの計算式に基づいて、無線基地局からの指示によらず(ユーザ端末が自律的に)SRS送信に利用するRB番号を決定する構成としてもよい。この場合、SRS送信タイミング毎にSRS物理リソース配置位置が周波数方向にシフトするように制御する。例えば、ユーザ端末が適用するホッピングパターンの計算式を、Phop(m)=Phop(m−1)+1とすることができる。
上述したように、ユーザ端末が所定リソース(例えば、所定RB)を利用してSRS送信を行う場合、当該所定RBで送信されるSRSのチャネル推定結果(チャネル利得)に基づいて、SRSが配置されない他のRBのチャネル状態の推定を行ってもよい。例えば、無線基地局は、ユーザ端末がSRSを配置する複数の所定RBのチャネル推定結果を利用して、SRSが送信されない他のRBのチャネル状態を推定する(図22参照)。図22は、無線基地局が線形補間を利用してSRSが送信されていない他のRBのチャネル状態を推定する場合の一例を示している。
この場合、ユーザ端末は、無線基地局が、SRS送信物理リソースのチャネル状態を用いてSRSが送信されていない物理リソースのチャネル状態を推定し、全送信周波数領域のULチャネル状態を推定できる、と想定して動作することができる。
また、無線基地局は、ユーザ端末から送信される複数回(例えば、複数サブフレーム)のSRS受信電力を用いて推定したチャネル利得に基づいて、SRSが送信されない物理リソースのチャネル利得を推定してもよい(図23A、23B参照)。図23Bは、無線基地局がユーザ端末から受信したSRSのうち、直近2回分(例えば、m=0、3に相当する2サブフレーム分)の受信電力により推定したチャネル利得を用いて、SRSが送信されない物理リソースのチャネル利得を推定する場合を示している。
このように、ユーザ端末から送信される複数回のSRS送信を考慮してチャネル状態を推定することにより、SRSのリソース配置を周波数方向に分散する場合であってもSRSを配置しないリソースのチャネル推定精度を向上することができる。また、ホッピングが適用された複数回のSRS送信に基づいてチャネル推定を行うことにより、線形補間を行う場合の精度を向上し、チャネル推定精度を効果的に向上することができる。
ユーザ端末は、無線基地局からSRS配置情報を受信した場合、SRSの物理リソース配置を所定タイミングで変更してSRS送信を制御する。例えば、ユーザ端末は、SRS配置情報を物理レイヤ制御情報(下り制御情報)及び/又はRRCシグナリングで受信した場合、受信後のSRS送信からSRS配置リソースを変更する。
あるいは、ユーザ端末は、SRS配置情報を物理レイヤ制御情報及び/又はRRCシグナリングで受信した場合、すぐにSRS配置を変更せずに、予め設定されたタイマーの満了以降のSRS送信においてSRS配置を変更(更新)してもよい。この場合、ユーザ端末は、無線基地局からSRS配置情報が通知されない限り、既に設定されているリソースを用いてSRSの送信を制御する。
図24は、ユーザ端末が所定の物理リソースを利用してSRSの送信を制御する場合の動作の一例を示している。
まず、ユーザ端末は、無線基地局からSRSの送信RBの周波数間隔、SRSの送信RBの周波数インデックス(SRSの割当て開始位置でもよい)に関する情報を受信する(ST21、ST22)。SRS送信にホッピングを適用する場合、ユーザ端末は無線基地局からホッピングパターンに関する情報を受信してもよい(ST23)。なお、ユーザ端末側で自律的にホッピングパターンを決定する場合には、ホッピングパターンに関する情報を無線基地局からユーザ端末に通知しなくてもよい。
ユーザ端末は、無線基地局から受信したSRS配置情報に基づいてSRSを配置する物理リソース(例えば、RB番号)を決定する(ST24)。例えば、ユーザ端末は、上述した式(3)を用いて各SRSの送信タイミング(例えば、SRS送信サブフレーム)におけるSRS配置位置を決定する。
ユーザ端末は、予め設定したタイマーが満了した場合に、ST24の決定に基づいてSRS物理リソース配置を変更(更新)する(ST25)。そして、その後更新した物理リソース配置を利用してSRS送信を行う(ST26)。無線基地局は、ユーザ端末から送信されたSRSに基づいてチャネル推定を行う。この際、無線基地局は、上記図23、図24に示したように、線形補間によりSRSが配置されない周波数領域のULチャネル状態を推定してもよい(ST27)。
図25、図26は、SRSの間引き送信により生じた空きリソースの利用方法の一例を示している。上述したように、ユーザ端末がSRSを周波数方向に分散して配置すること(SRS間引き送信)により、当該ユーザ端末のSRS送信に利用されない空き物理リソースが発生する。この場合、当該空き物理リソースを用いて、他のユーザ端末がUL信号(例えば、SRS及び/又はULデータ等)を送信してもよい(図25参照)。
図25は、SRS送信サブフレームにおいて、各ユーザ端末が周波数方向に分散してSRSの送信(SRS間引き送信)を行い、隣接するリソースに異なるユーザ端末のSRSをマッピングする場合を示している。SRS間引き送信により生じたリソースを利用して他のユーザ端末のSRS及び/又はULデータを送信することができるため、周波数の利用効率を向上することができる。
また、ユーザ端末は、SRS間引き送信により生じる空き物理リソースを用いて、空間多重における複数レイヤのSRS及び/又はULデータを送信してもよい(図26参照)。図26では、SRS送信サブフレームにおいて、各ユーザ端末がSRS間引き送信を行い、隣接するリソースに同じユーザ端末のレイヤが異なるSRS及び/又はULデータ、あるいは異なるユーザ端末のSRS及び/又はULデータをマッピングする場合を示している。この場合、無線基地局は、間引き送信されたSRSを利用してチャネル推定を行うことにより、UL MIMO伝送に必要となる各レイヤのチャネル品質状態を基地局が測定することができる。
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図27は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New Rat)などと呼ばれても良い。
図27に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。なお、ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、2個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。TDDのセル、FDDのセルは、それぞれ、TDDキャリア(フレーム構成タイプ2)、FDDキャリア(フレーム構成タイプ1)等と呼ばれてもよい。
また、各セル(キャリア)では、ロングTTI又はショートTTIのいずれか一方が適用されてもよいし、ロングTTI又はショートTTIの双方が適用されてもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz、30〜70GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。また、ユーザ端末20は、他のユーザ端末20との間で端末間通信(D2D)を行うことができる。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。また、端末間通信に用いられるサイドリンク(SL)にSC−FDMAを適用できる。
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるDLデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel、DL共有チャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、L1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
L1/L2制御チャネルは、DL制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。EPDCCHは、PDSCHと周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。PHICH、PDCCH、EPDCCHの少なくとも一つにより、PUSCHに対するHARQの再送指示情報(ACK/NACK)を伝送できる。
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるULデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel、UL共有チャネル等ともいう)、UL制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。再送指示情報(ACK/NACK)やチャネル状態情報(CSI)などの少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルを伝送できる。
無線通信システム1では、SLチャネルとして、SLデータを伝送するSLデータチャネル(PSSSCH:Physical Sidelink Shared Channel、SL共有チャネル等ともいう)、SL制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)などが用いられる。
<無線基地局>
図28は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されてもよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、UL信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅されたUL信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力されたUL信号に含まれるULデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
また、送受信部103は、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末20に対してDL信号(DLデータ信号、DL制御信号、DL参照信号を含む)を送信し、当該複数のユーザ端末20からのUL信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号(例えば、SRS、DMRS)を含む)を受信する。また、送受信部103は、UL参照信号に関する情報(例えば、SRSに関するSRS情報(図6〜9参照))を送信する。
図29は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図29は、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図29に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305とを備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、例えば、送信信号生成部302によるDL信号の生成や、マッピング部303によるDL信号のマッピング、受信信号処理部304によるUL信号の受信処理(例えば、復調など)、測定部305による測定を制御する。
具体的には、制御部301は、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末20のスケジューリングを行う。例えば、制御部301は、当該複数のユーザ端末20のDL信号及び/又はUL信号を周波数分割多重、時分割多重、符号分割多重、空間多重、電力多重の少なくとも一つにより多重してもよい。当該複数のユーザ端末20のスケジューリングは、測定部305で測定されるチャネル品質に基づいて行われ、当該チャネル品質は、当該複数のユーザ端末20からのUL参照信号に基づいて測定されてもよい。
また、制御部301は、特定の期間において、ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末20のUL参照信号を多重してもよい。具体的には、特定の期間におけるニューメロロジーを揃える場合、制御部301は、当該複数のユーザ端末20のUL参照信号を、周波数分割多重、時分割多重、符号分割多重(例えば、CS系列)、Comb、間引き送信の少なくとも一つにより多重してもよい(第1の態様、図12)。
一方、特定の期間におけるニューメロロジーを揃えない場合、制御部301は、異なるニューメロロジーの複数のユーザ端末20のUL参照信号を、周波数分割多重、時分割多重、Comb、間引き送信の少なくとも一つにより多重し、同一のニューメロロジーの複数のユーザ端末20のUL参照信号を符号分割多重(例えば、CS系列)により多重してもよい(第1の態様、図16、図17)。
また、制御部401は、上記特定の期間において多重されるUL参照信号に関する情報(例えば、上記SRS情報(図6〜9参照))の生成及び送信を制御する。
制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(DLデータ、スケジューリング情報、上記UL参照信号に関する情報を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。具体的には、受信信号処理部304は、ユーザ端末20に設定されたニューメロロジーに基づいて、UL信号の受信処理を行う。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力してもよい。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
測定部305は、例えば、UL参照信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))及び/又は受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))に基づいて、ULのチャネル品質を測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
<ユーザ端末>
図30は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅されたDL信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。DL(SL)データは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、ULデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。UCI(例えば、DLの再送制御情報、チャネル状態情報など)についても、チャネル符号化、レートマッチング、パンクチャ、DFT処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
また、送受信部203は、ユーザ端末20に設定されたニューメロロジーのDL信号(DLデータ信号、DL制御信号、DL参照信号を含む)を受信し、当該ニューメロロジーのUL信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号を含む)を送信する。また、送受信部203は、UL参照信号に関する情報(例えば、SRSに関するSRS情報(図6〜9参照))を受信する。
送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。また、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
図31は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図31においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図31に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、例えば、送信信号生成部402によるUL信号の生成や、マッピング部403によるUL(SL)信号のマッピング、受信信号処理部404によるDL信号の受信処理、測定部405による測定を制御する。
具体的には、制御部401は、UL参照信号に関する情報に基づいて、特定の期間におけるUL参照信号の送信を制御する。ここで、UL参照信号に関する情報は、当該UL参照信号の送信に用いるニューメロロジーを示すニューメロロジー情報と、当該UL参照信号の送信帯域幅を示す帯域幅情報と、当該UL参照信号の送信に用いる巡回シフト(CS)系列を示すCS系列情報と、上記特定の期間を示す特定期間情報と、の少なくとも一つを含んでもよい。
また、制御部401は、上記特定の期間において、異なるニューメロロジーが設定された複数のユーザ端末20のUL参照信号を、同一のニューメロロジーを用いて送信するように制御してもよい(第1の態様、図3、5、10及び11参照)。例えば、制御部401は、特定の期間の前及び/又は後の所定期間における送信及び/又は受信を中断して、当該特定の期間におけるニューメロロジーを切り替えてもよい。また、制御部401は、上記切り替えを、ユーザ端末20に設定されるニューメロロジーが、上記ニューメロロジー情報が示すニューメロロジーと異なる場合に行ってもよい。また、制御部401は、特定の期間においてUL参照信号を送信しない場合、上記切り替えを行わなくともよい。
或いは、制御部401は、上記特定の期間において、異なるニューメロロジーが設定された複数のユーザ端末20のUL参照信号を、それぞれ、当該異なるニューメロロジーを用いて送信するように制御してもよい(第2の態様、図4、13−15)。この場合、制御部401は、特定の期間内の少なくとも一つのサブフレーム(TTI)において、UL参照信号だけを送信するよう制御してもよいし、UL参照信号及びULデータを送信するよう制御してもよいし、ULデータだけを送信するよう制御してもよい。
また、制御部401は、SRSの構成を制御してもよい(第3の態様)。また、制御部401は、SRSの間引き送信を制御してもよい(第4の態様)。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号を含む)を生成(例えば、符号化、レートマッチング、パンクチャ、変調など)して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成されたUL信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(DLデータ信号、スケジューリング情報、DL制御信号、DL参照信号、UL参照信号に関する情報)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによる上位レイヤ制御情報、L1/L2制御情報などを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
測定部405は、無線基地局10からの参照信号(例えば、CSI−RS)に基づいて、チャネル状態を測定し、測定結果を制御部401に出力する。なお、チャネル状態の測定は、CC毎に行われてもよい。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ハードウェア構成>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図32は、本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリングやリンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年5月27日出願の特願2016−106837に基づく。この内容は、全てここに含めておく。