JPWO2017203587A1 - バイオマスのガス化装置 - Google Patents

バイオマスのガス化装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017203587A1
JPWO2017203587A1 JP2017519000A JP2017519000A JPWO2017203587A1 JP WO2017203587 A1 JPWO2017203587 A1 JP WO2017203587A1 JP 2017519000 A JP2017519000 A JP 2017519000A JP 2017519000 A JP2017519000 A JP 2017519000A JP WO2017203587 A1 JPWO2017203587 A1 JP WO2017203587A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomass
pyrolysis gas
pyrolysis
pyrolyzer
reformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017519000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6412261B2 (ja
Inventor
堂脇 直城
直城 堂脇
潤一 池田
潤一 池田
大輔 人見
大輔 人見
忠秀 齋藤
忠秀 齋藤
康輔 須田
康輔 須田
恒 上内
恒 上内
亀山 光男
光男 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AB ENERGY CO., LTD.
JAPAN BLUE ENERGY CO., LTD.
Original Assignee
AB ENERGY CO., LTD.
JAPAN BLUE ENERGY CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AB ENERGY CO., LTD., JAPAN BLUE ENERGY CO., LTD. filed Critical AB ENERGY CO., LTD.
Publication of JPWO2017203587A1 publication Critical patent/JPWO2017203587A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6412261B2 publication Critical patent/JP6412261B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10JPRODUCTION OF PRODUCER GAS, WATER-GAS, SYNTHESIS GAS FROM SOLID CARBONACEOUS MATERIAL, OR MIXTURES CONTAINING THESE GASES; CARBURETTING AIR OR OTHER GASES
    • C10J3/00Production of combustible gases containing carbon monoxide from solid carbonaceous fuels
    • C10J3/46Gasification of granular or pulverulent flues in suspension
    • C10J3/54Gasification of granular or pulverulent fuels by the Winkler technique, i.e. by fluidisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10JPRODUCTION OF PRODUCER GAS, WATER-GAS, SYNTHESIS GAS FROM SOLID CARBONACEOUS MATERIAL, OR MIXTURES CONTAINING THESE GASES; CARBURETTING AIR OR OTHER GASES
    • C10J3/00Production of combustible gases containing carbon monoxide from solid carbonaceous fuels
    • C10J3/46Gasification of granular or pulverulent flues in suspension
    • C10J3/54Gasification of granular or pulverulent fuels by the Winkler technique, i.e. by fluidisation
    • C10J3/56Apparatus; Plants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10KPURIFYING OR MODIFYING THE CHEMICAL COMPOSITION OF COMBUSTIBLE GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE
    • C10K3/00Modifying the chemical composition of combustible gases containing carbon monoxide to produce an improved fuel, e.g. one of different calorific value, which may be free from carbon monoxide
    • C10K3/02Modifying the chemical composition of combustible gases containing carbon monoxide to produce an improved fuel, e.g. one of different calorific value, which may be free from carbon monoxide by catalytic treatment

Abstract

本発明は、バイオマス熱分解温度及び熱分解ガス改質温度を最適化し、タールによる問題を軽減し得る、バイオマスから水素含有ガスを製造する装置を提供する。本発明は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器と熱分解ガス導入管とを備え、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器が、更にヒートキャリアの導入口及び排出口を備え、該ヒートキャリアの熱により、バイオマス熱分解及び熱分解ガス改質を実行するバイオマスのガス化装置に関し、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とが並列に備えられ、熱分解ガス導入管が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側において、夫々の内部に形成されるヒートキャリア層の上面より下方の容器側面に備えられており、かつ、該熱分解ガス導入管が水平に備えられている。

Description

本発明は、バイオマスのガス化装置に関し、更に詳しくは、バイオマスを熱分解するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスをスチームと混合して改質する熱分解ガス改質器とを備えるバイオマスのガス化装置に関する。
2011年3月11日に発生した東日本大震災に端を発し、その後、安全性等の観点から多数の原子力発電設備の操業が停止している。それに伴って、電力供給不足が懸念されており、原子力発電の代替として、太陽光発電、風力発電、地熱発電、水力発電、潮力発電、バイオマス発電等の再生可能エネルギーによる発電設備が注目されている。
このような状況下、日本国政府は「第四次エネルギー基本計画」を2014年4月11日に閣議決定し、主に再生可能エネルギーの導入を加速すること、及び、燃料電池技術等による分散型エネルギーシステムの普及を拡大することが、決定された。また、2016年3月22日に取りまとめられた「水素・燃料電池戦略ロードマップ改訂版」においては、再生可能エネルギー由来の水素の利活用に関し、技術面及び経済面の課題について検討を行うことが盛り込まれた。
再生可能エネルギーのうち、太陽光発電、風力発電及び潮力発電は、一時的な電力供給源として期待されてはいるものの、発電量が安定しないことから、安定した電力供給設備としては期待できない。また、水力発電及び潮力発電は、小規模設備であればある程度の需要が見込まれるが、大規模設備を建設するためには設置場所が限定されるという問題がある。
一方、木材、下水汚泥、家畜排せつ物等のバイオマスは日本国内に均一に存在する。とりわけ、東日本大震災の影響による家屋の倒壊、森林崩壊等により、建設系木質廃材、森林の倒木、不要林地残材、間伐材等の木質系バイオマスが大量に発生している。これらの木質系バイオマスを再生可能エネルギーとして有効利用することが期待されている。
木質系バイオマスのガス化装置には、例えば、竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層を降下するバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えるバイオマスガス化装置において、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る振動篩と、振動篩からの粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置を有するバイオマスのガス化装置が提案されている(特許文献1)。該ガス化装置によれば、充填移動層内において均一な高温ガスの上昇流を形成でき、かつ充填移動層での圧力損失を低くすることができ、安定したガス化を維持することができる。しかし、供給されたバイオマスが均一に熱分解されるという保証はない。また、上記のように粒度分布調整バイオマスを得る必要があり、そのための装置を設けなければならず、コスト高に繋がる。
原料バイオマスを間接加熱して熱分解し、タール分を含む熱分解ガスとチャーを発生させる外熱式ロータリーキルン形式の熱分解部と、該熱分解部から抽出されるタール分を含む熱分解ガスおよびチャーに対し、酸化ガスが導入されて、タール分を熱分解させるとともに、チャーをガス化させるガス化部とを備えるバイオマスガス化装置が提案されている(特許文献2)。該装置は、バイオマスを熱分解したのち、その熱分解ガスに含まれるタール及びチャーを酸化ガスで燃焼させて除去するものである。しかし、該設備は複雑であるばかりではなく、運転操作も煩雑となる。また、タールを燃焼させる際に、燃料ガスの一部も燃焼して損失してしまうことが懸念される。その他の装置として、例えば、下水汚泥や木質バイオマスなどを炭化する炭化装置を備え、その炭化装置から発生した炭化物をガス化する高温ガス化部と、炭化物生成時に揮発したタールを含む可燃性熱分解ガスの改質を行うガス改質部とからなる2段式のガス化炉を備えた熱分解ガス化システムが提案されている(特許文献3)。該熱分解ガス化システムは、炭化装置、2段ガス化炉を備えるので複雑であるばかりではなく、運転操作も煩雑となる。また、タールを燃焼させる際に、燃料ガスの一部も燃焼して損失してしまうことが懸念される。
木質系バイオマス等の有機物質のガス化方法として、熱担持媒体(ヒートキャリア)を使用する方法が開示されている。例えば、有機物質および物質混合物から高い発熱量を有する生成物ガスを製造する方法であり、循環する熱担持媒体が、加熱帯域、反応帯域、熱分解帯域および分離工程を通過し、引き続き加熱帯域に戻り、その際、有機物質または物質混合物を熱分解帯域中で加熱した熱担持媒体と接触することにより固体の炭素含有残留物および揮発性相として熱分解ガスに分離し、熱分解帯域を通過後、固体の炭素含有残留物を分離工程で熱担持媒体から分離し、熱分解ガスを反応媒体としての水蒸気と混合し、反応帯域中で加熱した熱担持媒体に含まれる熱の一部を交換することにより高い発熱量を有する生成物ガスが生じるように更に加熱する、有機物質および物質混合物から高い発熱量を有する生成物ガスを製造する方法において、水蒸気を熱分解帯域で熱分解ガスと混合し、全部の固体の炭素含有残留物を別の燃焼装置に供給し、ここで燃焼し、この燃焼装置の熱い排ガスを、加熱帯域に存在する熱担持媒体の堆積を通過させ、その際、大部分の顕熱を熱担持媒体に与える、有機物質および物質混合物から高い発熱量を有する生成物ガスを製造する方法が提案されている(特許文献4)。該方法においては、熱分解反応器を出た直後に熱分解コークス及び熱担持媒体からなる混合物を分離し、得た熱分解コークスを燃焼装置で燃焼して、これにより発生した顕熱を利用して、加熱帯域内で熱担持媒体を加熱するものであり、これにより、低いコストで発熱量の高い生成物ガスを得ようとするものである。また、熱分解帯域を備える熱分解器と、反応帯域を備えるガス改質器とを別個独立して備えることを基本としており、それにより、直列接続型と並列接続型のいずれも構成し得ることを特徴としているものである。また、加熱帯域の予熱器における熱担持媒体(ヒートキャリア)の加熱効率を維持して、生成ガスの品質の安定化を図ることを目的として、上記方法における予熱器を工夫したシステムが提案されている(特許文献5)。しかし、これらの熱担持媒体(ヒートキャリア)を使用した方法及びシステムにおいても、熱分解時に発生するタールによるトラブルを十分には回避することができなかった。
特開2011−231193号公報 特開2007−177106号公報 特開2011−68893号公報 特表2003−510403号公報 特開2011−144329号公報
本発明は、バイオマスの熱分解温度及び発生した熱分解ガスの改質温度を最適化することにより、熱分解ガスの発生量を増大させ、かつ、最終製品である水素含有ガスの生産量を増大させ得るばかりではなく、タール及び煤塵の発生量を低減せしめ得るバイオマスのガス化装置を提供する。加えて、発生したタールを効果的にガス化し、かつ、ガス化されずに残存したタール及び煤塵を効率的に回収して、それにより、タール及び煤塵による装置トラブルを著しく軽減し得るバイオマスのガス化装置を提供するものである。
熱担持媒体(ヒートキャリア)の持つ熱を利用して、バイオマスを熱分解し、かつ、発生した熱分解ガスを改質する、従来の方法においては、バイオマスがヒートキャリア層に包み込まれて加熱されることから、バイオマスを比較的均一に熱分解することはできるが、熱分解時に発生したタール及び煤塵等による操業上のトラブルを回避することができなかった。従来の方法では、ヒートキャリアが、予め所定温度に加熱されて熱分解ガス改質器に導入され、ここで、該ヒートキャリアが、バイオマス熱分解器から導入された熱分解ガス、及びスチームと接触されて、熱分解ガスはスチーム改質されて製品として取り出される。一方、ヒートキャリアは、配管内を通って下降し、バイオマス熱分解器に導入されてバイオマスの熱分解を生じさせる。バイオマスの熱分解により発生したガスは、配管内を上昇して熱分解ガス改質器に導入される。しかし、該熱分解ガスはタール及び煤塵等を含有していることから、これらタール及び煤塵等が熱分解ガス改質器への導入配管の内壁及びバルブ等に付着し、時には、該熱分解ガスと向流接触するヒートキャリアをも固着させて配管内に詰まらせてしまうと言う問題を引き起こした。該問題を解決するために、導入配管の直径を大きくすることが考えられる。しかし、該手段では、単に閉塞に至るまでの時間を延長することはできても、本質的な解決手段にはなり得なかった。また、ヒートキャリアの配管内での閉塞問題を解決するために、熱分解ガスが上昇する配管とヒートキャリアが下降する配管とを別々にする手段が考えられるが、この手段によっても、熱分解ガスが上昇する配管内壁及びバルブ等へのタール及び煤塵等の付着による閉塞トラブル等を回避できなかった。加えて、このように別々の配管を設置する方法では、装置及び操作が著しく複雑になってしまう。
また、熱担持媒体(ヒートキャリア)の持つ熱を利用して、バイオマスを熱分解し、かつ、発生したガスを改質する、従来の方法においては、熱分解ガス改質器とバイオマス熱分解器とが上下に直列に接続されている故に、それぞれの反応器、即ち、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内部の温度を別個にコントロールすることが不可能であった。例えば、バイオマスの熱分解温度が低下した際に、熱分解温度を上昇させようとしても、熱分解ガス改質器内部温度を維持する必要性のために、バイオマス熱分解器内部温度が上げられないという不具合があり、逆に、バイオマスの熱分解温度が上昇した際に、バイオマス熱分解器内部の温度を低下させようとしても、同様に、熱分解ガス改質器の温度を維持する必要性のために、バイオマス熱分解器内部温度を低下させることができないという不具合があった。従って、バイオマスの熱分解温度及び発生した熱分解ガスの改質温度を、継続して最適化することが容易ではなく、結果として、熱分解ガスの発生量及び最終製品の水素含有ガスの生産量が低下してしまうという問題があった。また、それに伴い、タール及び煤塵等の発生量が増加するという問題も発生した。本来であれば、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とは別個に温度コントロールできることが望ましい。
特許文献4には、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とを、熱担持媒体(ヒートキャリア)の流れに対して並列に配置する方法が提案されている。該方法によれば、バイオマス熱分解器の温度と熱分解ガス改質器の温度とを、別個にコントロールし得るので、上記問題を解決し得る。該方法においては、バイオマス熱分解器で発生した熱分解ガスは、バイオマス熱分解器の上部から配管により熱分解ガス改質器に導入されていた。かかる熱分解ガスの導入方法では、熱分解ガスが上昇及び下降して通過する該配管の内壁及びバルブ等に、タール及び煤塵等が付着して、それによる閉塞トラブルを回避できない、という不具合が発生していた。
バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とを別個に温度コントロールすることができれば、バイオマスの熱分解温度及び熱分解ガスの改質温度を、夫々最適な値にすることができる故に、バイオマスを熱分解する際に発生するタール及び煤塵等の量を効果的に低減することができると共に、熱分解ガスを効率的に発生せしめることができ、かつ、発生した熱分解ガスを最適条件で効率的に改質することができる。従って、配管内壁及びバルブ等へのタール及び煤塵等の付着を著しく低減することができると共に、改質ガスの生産量をも大幅に増加せしめることが可能となる。しかし、上記の特許文献4に記載のような装置構成では、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との温度を、夫々別個にコントロールすることができるものの、バイオマス熱分解器から熱分解ガス改質器へ熱分解ガスを導入する熱分解ガス導入管において、その内壁及びバルブ等へのタール及び煤塵等の付着が生じてしまい、結局、熱分解ガス導入管の閉塞トラブルが発生してしまう。
そこで、本発明者らは、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の夫々の内部温度を別個にコントロールして、バイオマスの熱分解温度及び熱分解ガスの改質温度を、夫々適切な値にすることにより、熱分解ガスの発生量を増大させ、かつ、最終製品である水素含有ガスの生産量を増大させるばかりではなく、タール及び煤塵等の発生量を低減せしめ、それに加えて、バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを熱分解ガス改質器へと導入する熱分解ガス導入管の内壁及びバルブ等に、タール及び煤塵等が付着して、該熱分解ガス導入管が閉塞することを回避するためには、ガス化装置を如何なる構成にするべきかに関して、種々の検討を試みた。
その結果、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とを、複数の粒状物及び/又は塊状物[熱担持媒体(ヒートキャリア)]の流れに対して並列に配置し、かつ、熱分解ガス導入管を、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との両側において、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内に形成される、ヒートキャリア層の上面より下方のバイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の側面に設置し、かつ、該熱分解ガス導入管を水平配管にすることにより、上記問題を解決し得ることを見出した。即ち、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とを、ヒートキャリアの流れに対して並列に配置することにより、夫々別個に、内部温度をコントロールすることができ、かつ、熱分解ガス導入管のガス取り入れ口(ガス入口)とガス導入口(ガス出口)とをヒートキャリア層中に設けることにより、該熱分解ガス導入管内に、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器中のヒートキャリアを導入せしめて、そして、熱分解ガスが、熱分解ガス導入管内に保有された該ヒートキャリア層を通過することにより、タール及び煤塵等が効率的に除去されると共に、タールが効果的に熱分解されることを見出したのである。加えて、驚くべきことに、該熱分解ガス導入管内に侵入したヒートキャリアは、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内のヒートキャリアの上から下への移動に伴って、逐次入れ替わり、それにより、熱分解ガス導入管内においてヒートキャリアがタール等により固着して閉塞することなく、著しく効率的にタール及び煤塵等が除去され、かつ、タールが熱分解され、好ましくは改質されることを見出したのである。そして、好ましくは、熱分解ガス導入管の内部底面を、上方に向かって突出させておけば、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内を夫々流れるヒートキャリアが、熱分解ガス導入管を通して、他方の容器に流れ込むことを、より効果的に防止し得るばかりではなく、熱分解ガス導入管内のヒートキャリアが効果的に入れ替わり、より効率的にタール及び煤塵等を除去することができることを見出したのである。
即ち、本発明は、
(1)バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備えるバイオマス熱分解器と、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備える熱分解ガス改質器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、かつ、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器が、夫々更に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口及び排出口を備え、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化装置において、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器とが、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに対して並列に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器の両側において、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器の側面に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管が、重力方向に対して略水平に備えられていることを特徴とするバイオマスのガス化装置である。
好ましい態様として、
(2)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有している、上記(1)記載のバイオマスのガス化装置、
(3)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(1)記載のバイオマスのガス化装置、
(4)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、5〜45度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(1)記載のバイオマスのガス化装置、
(5)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、10〜30度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(1)記載のバイオマスのガス化装置、
(6)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、15〜25度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(1)記載のバイオマスのガス化装置、
(7)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が、略円形又は略多角形である、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(8)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が略四角形である、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(9)上記熱分解ガス導入管が、1〜3本備えられている、上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(10)上記熱分解ガス導入管が、1又は2本備えられている、上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(11)上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(12)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器及びその近傍、熱分解ガス改質器及びその近傍、並びに、熱分解ガス導入管より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられる、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(13)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に備えられる、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(14)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1〜3個備えられる、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(15)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1個備えられる、上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(16)複数の粒状物及び/又は塊状物を予め加熱するための予熱器が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上部に更に備えられる、上記(1)〜(15)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(17)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上方に備えられる、上記(1)〜(16)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(18)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の頂部に備えられる、上記(1)〜(16)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(19)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の下方に備えられる、上記(1)〜(18)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(20)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の底部に備えられる、上記(1)〜(18)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(21)上記の粒状物及び/又は塊状物が、金属ボール及びセラミックボールより成る群から選ばれる、上記(1)〜(20)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(22)金属ボールが、ステンレス鋼製である、上記(21)記載のバイオマスのガス化装置、
(23)セラミックボールが、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ジルコニア及び窒化ケイ素のより成る群から選ばれる一以上の材質から成る、上記(21)記載のバイオマスのガス化装置、
(24)上記バイオマス熱分解器の気相温度が400〜700℃である、上記(1)〜(23)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(25)上記バイオマス熱分解器の気相温度が500〜700℃である、上記(1)〜(23)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(26)上記バイオマス熱分解器の気相温度が550〜650℃である、上記(1)〜(23)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(27)上記熱分解ガス改質器の気相温度が700〜1,000℃である、上記(1)〜(26)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(28)上記熱分解ガス改質器の気相温度が850〜950℃である、上記(1)〜(26)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(29)上記熱分解ガス改質器の気相温度が880〜930℃である、上記(1)〜(26)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(30)上記バイオマスが、植物系バイオマス、生物系バイオマス、生活雑排出物及び食品廃棄物より成る群から選ばれるバイオマス資源である、上記(1)〜(29)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置
を挙げることができる。
また、本発明は、上記(1)記載のバイオマスのガス化装置を使用したバイオマスのガス化方法である。即ち、本発明は、
(31)バイオマスを、非酸化性ガス雰囲気下又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気下において加熱するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスを、スチームの存在下に加熱する熱分解ガス改質器とを備え、かつ、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器に投入せしめて、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化方法において、上記複数の粒状物及び/又は塊状物が、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに対して並列に備えられている上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器とに別個に投入され、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスが、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器の両側において、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器の側面に備えられ、かつ、重力方向に対して略水平に備えられた熱分解ガス導入管を通って、上記熱分解ガス改質器に導入されて改質されるバイオマスのガス化方法である。
好ましい態様として、
(32)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有している、上記(31)記載のバイオマスのガス化方法、
(33)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(31)記載のバイオマスのガス化方法、
(34)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、5〜45度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(31)記載のバイオマスのガス化方法、
(35)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、10〜30度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(31)記載のバイオマスのガス化方法、
(36)上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、15〜25度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(31)記載のバイオマスのガス化方法、
(37)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が、略円形又は略多角形である、上記(31)〜(36)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(38)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が略四角形である、上記(31)〜(36)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(39)上記熱分解ガス導入管が、1〜3本備えられている、上記(31)〜(38)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(40)上記熱分解ガス導入管が、1又は2本備えられている、上記(31)〜(36)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(41)上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、上記(31)〜(40)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(42)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器及びその近傍、熱分解ガス改質器及びその近傍、並びに、熱分解ガス導入管より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられる、上記(31)〜(41)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(43)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に備えられる、上記(31)〜(41)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(44)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1〜3個備えられる、上記(31)〜(41)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(45)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1個備えられる、上記(31)〜(41)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(46)複数の粒状物及び/又は塊状物を予め加熱するための予熱器が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上部に更に備えられる、上記(31)〜(45)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(47)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上方に備えられる、上記(31)〜(46)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(48)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の頂部に備えられる、上記(31)〜(46)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(49)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の下方に備えられる、上記(31)〜(48)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(50)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の底部に備えられる、上記(31)〜(48)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(51)上記の粒状物及び/又は塊状物が、金属ボール及びセラミックボールより成る群から選ばれる、上記(31)〜(50)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(52)金属ボールが、ステンレス鋼製である、上記(51)記載のバイオマスのガス化方法、
(53)セラミックボールが、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ジルコニア及び窒化ケイ素のより成る群から選ばれる一以上の材質から成る、上記(51)記載のバイオマスのガス化方法、
(54)上記バイオマス熱分解器の気相温度が400〜700℃である、上記(31)〜(53)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(55)上記バイオマス熱分解器の気相温度が500〜700℃である、上記(31)〜(53)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(56)上記バイオマス熱分解器の気相温度が550〜650℃である、上記(31)〜(53)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(57)上記熱分解ガス改質器の気相温度が700〜1,000℃である、上記(31)〜(56)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(58)上記熱分解ガス改質器の気相温度が850〜950℃である、上記(31)〜(56)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(59)上記熱分解ガス改質器の気相温度が880〜930℃である、上記(31)〜(56)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(60)上記バイオマスが、植物系バイオマス、生物系バイオマス、生活雑排出物及び食品廃棄物より成る群から選ばれるバイオマス資源である、上記(31)〜(59)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
を挙げることができる。
本発明者らは、上記第一の装置構成と同じく、バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを熱分解ガス改質器に導入するための熱分解ガス導入管、即ち、熱分解ガス導入管のガス取り入れ口(ガス入口)を、バイオマス熱分解器側において、バイオマス熱分解器内に形成される、ヒートキャリア層の上面より下方のバイオマス熱分解器の側面、即ち、ヒートキャリア層中に設置しておけば、バイオマス熱分解器にのみ、複数の粒状物及び/又は塊状物[熱担持媒体(ヒートキャリア)]を導入してバイオマスを熱分解し、発生した熱分解ガスを、従来の熱交換器型の熱分解ガス改質器に導入して、該熱分解ガスの改質を実行しても、上記と同様の効果が得られるのではないかとの考えに思い至った。そこで、本発明者らは、かかる装置構成について、更に種々検討を重ねたところ、該装置構成であっても、上記第一の装置構成に劣ることなく、本発明の課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明は、
(61)バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備えるバイオマス熱分解器と、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備える熱分解ガス改質器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、かつ、上記バイオマス熱分解器が、更に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口及び排出口を備え、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、一方、上記熱分解ガス改質器が、更に、その外側に予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体の流路を備え、該熱媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化装置において、上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器側において、上記バイオマス熱分解器内に形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器の側面に備えられていることを特徴とするバイオマスのガス化装置である。
好ましい態様として、
(62)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間の上記バイオマス熱分解器側において、重力方向に対して略水平に備えられており、次いで、上記熱分解ガス改質器側に向かって、上方に立ち上がった構造を有している、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置、
(63)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有している、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置、
(64)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置、
(65)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、5〜45度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置、
(66)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、10〜30度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置、
(67)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、15〜25度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置、
(68)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が、略円形又は略多角形である、上記(61)〜(67)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(69)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が略四角形である、上記(61)〜(67)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(70)上記熱分解ガス導入管が、1〜3本備えられている、上記(61)〜(69)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(71)上記熱分解ガス導入管が、1又は2本備えられている、上記(61)〜(69)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(72)上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、上記(61)〜(71)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(73)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器及びその近傍、熱分解ガス改質器及びその近傍、並びに、熱分解ガス導入管より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられる、上記(61)〜(72)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(74)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に備えられる、上記(61)〜(72)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(75)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1〜3個備えられる、上記(61)〜(72)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(76)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1個備えられる、上記(61)〜(72)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(77)複数の粒状物及び/又は塊状物を予め加熱するための予熱器が、バイオマス熱分解器の上部に更に備えられる、上記(61)〜(76)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(78)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器の上方に備えられる、上記(61)〜(77)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(79)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器の頂部に備えられる、上記(61)〜(77)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(80)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器の下方に備えられる、上記(61)〜(79)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(81)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器の底部に備えられる、上記(61)〜(79)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(82)上記の粒状物及び/又は塊状物が、金属ボール及びセラミックボールより成る群から選ばれる、上記(61)〜(81)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(83)金属ボールが、ステンレス鋼製である、上記(82)記載のバイオマスのガス化装置、
(84)セラミックボールが、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ジルコニア及び窒化ケイ素のより成る群から選ばれる一以上の材質から成る、上記(82)記載のバイオマスのガス化装置、
(85)上記の予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体が高温熱風である、上記(61)〜(84)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(86)上記バイオマス熱分解器の気相温度が400〜700℃である、上記(61)〜(85)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(87)上記バイオマス熱分解器の気相温度が500〜700℃である、上記(61)〜(85)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(88)上記バイオマス熱分解器の気相温度が550〜650℃である、上記(61)〜(85)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(89)上記熱分解ガス改質器の気相温度が700〜1,000℃である、上記(61)〜(88)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(90)上記熱分解ガス改質器の気相温度が850〜950℃である、上記(61)〜(88)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(91)上記熱分解ガス改質器の気相温度が880〜930℃である、上記(61)〜(88)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置、
(92)上記バイオマスが、植物系バイオマス、生物系バイオマス、生活雑排出物及び食品廃棄物より成る群から選ばれるバイオマス資源である、上記(61)〜(91)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置
を挙げることができる。
また、本発明は、上記(61)記載のバイオマスのガス化装置を使用したバイオマスのガス化方法である。即ち、本発明は、
(93)バイオマスを、非酸化性ガス雰囲気下又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気下において加熱するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスを、スチームの存在下に加熱する熱分解ガス改質器とを備え、かつ、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を、上記バイオマス熱分解器に投入せしめて、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、一方、予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体を、上記熱分解ガス改質器の外側に備えられた熱媒体の流路に通して、該ガス状又は液体状熱媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化方法において、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスが、上記バイオマス熱分解器内に形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器の側面に備えられた熱分解ガス導入管を通って、上記熱分解ガス改質器に導入されて改質されるバイオマスのガス化方法である。
好ましい態様として、
(94)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間の上記バイオマス熱分解器側において、重力方向に対して略水平に備えられており、次いで、上記熱分解ガス改質器側に向かって、上方に立ち上がった構造を有している、上記(93)記載のバイオマスのガス化方法、
(95)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有している、上記(93)記載のバイオマスのガス化方法、
(96)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(93)記載のバイオマスのガス化方法、
(97)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、5〜45度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(93)記載のバイオマスのガス化方法、
(98)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、10〜30度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(93)記載のバイオマスのガス化方法、
(99)上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間において重力方向に対して略水平に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと、15〜25度の傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、上記(93)記載のバイオマスのガス化方法、
(100)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が、略円形又は略多角形である、上記(93)〜(99)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(101)上記熱分解ガス導入管の長手方向(熱分解ガスの流れ方向)に垂直な断面の外形が略四角形である、上記(93)〜(99)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(102)上記熱分解ガス導入管が、1〜3本備えられている、上記(93)〜(101)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(103)上記熱分解ガス導入管が、1又は2本備えられている、上記(93)〜(101)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(104)上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、上記(93)〜(101)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(105)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器及びその近傍、熱分解ガス改質器及びその近傍、並びに、熱分解ガス導入管より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられる、上記(93)〜(104)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(106)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に備えられる、上記(93)〜(104)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(107)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1〜3個備えられる、上記(93)〜(104)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(108)スチーム吹込み口が、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、夫々、1個備えられる、上記(93)〜(104)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(109)複数の粒状物及び/又は塊状物を予め加熱するための予熱器が、バイオマス熱分解器の上部に更に備えられる、上記(93)〜(108)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(110)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器の上方に備えられる、上記(93)〜(109)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(111)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が、バイオマス熱分解器の頂部に備えられる、上記(93)〜(109)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(112)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器の下方に備えられる、上記(93)〜(111)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(113)上記の複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が、バイオマス熱分解器の底部に備えられる、上記(93)〜(111)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(114)上記の粒状物及び/又は塊状物が、金属ボール及びセラミックボールより成る群から選ばれる、上記(93)〜(113)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(115)金属ボールが、ステンレス鋼製である、上記(114)記載のバイオマスのガス化方法、
(116)セラミックボールが、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ジルコニア及び窒化ケイ素のより成る群から選ばれる一以上の材質から成る、上記(114)記載のバイオマスのガス化方法、
(117)上記の予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体が高温熱風である、上記(93)〜(116)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(118)上記バイオマス熱分解器の気相温度が400〜700℃である、上記(93)〜(117)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(119)上記バイオマス熱分解器の気相温度が500〜700℃である、上記(93)〜(117)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(120)上記バイオマス熱分解器の気相温度が550〜650℃である、上記(93)〜(117)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(121)上記熱分解ガス改質器の気相温度が700〜1,000℃である、上記(93)〜(120)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(122)上記熱分解ガス改質器の気相温度が850〜950℃である、上記(93)〜(120)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(123)上記熱分解ガス改質器の気相温度が880〜930℃である、上記(93)〜(120)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法、
(124)上記バイオマスが、植物系バイオマス、生物系バイオマス、生活雑排出物及び食品廃棄物より成る群から選ばれるバイオマス資源である、上記(93)〜(123)のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化方法
を挙げることができる。
本発明の装置においては、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とを、別個に温度コントロールすることができることから、バイオマスの熱分解温度及び発生した熱分解ガスの改質温度を、いずれも容易かつ長期間に亘って最適化することができる。それにより、熱分解ガスの発生量を増大させることができ、かつ、最終製品である水素含有ガスの生産量をも増大させることができるばかりではなく、バイオマスの熱分解により発生するタール及び煤塵の量を極力低減させることができる。加えて、バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを、熱分解ガス改質器へと導入する熱分解ガス導入管のガス取り入れ口(ガス入口)が、バイオマス熱分解器のヒートキャリア層中に設けられており、かつ、熱分解ガス導入管のガス導入口(ガス出口)が、熱分解ガス改質器のヒートキャリア層中に設けられていることから、該熱分解ガス導入管中へヒートキャリアが流入して、ヒートキャリアが熱分解ガス導入管中に保有される。更に、該熱分解ガス導入管が重力方向に対して略水平に備えられていることから、該熱分解ガス導入管中のヒートキャリアと、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器中を上から下へと移動しているヒートキャリアとの入れ替わりが生ずると共に、バイオマス熱分解器から熱分解ガス導入管中に流入したヒートキャリアが、熱分解ガス改質器中に混入することを回避し得、一方、熱分解ガス改質器から熱分解ガス導入管中に流入したヒートキャリアが、バイオマス熱分解器に混入することを回避し得る。従って、バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスが、該熱分解ガス導入管を通って、熱分解ガス改質器へと導入されるに際して、熱分解ガス中に含まれるタール及び煤塵が該ヒートキャリアに効率的に捕捉され、タールは効果的にガス化され、また、残ったタール及び煤塵は、該ヒートキャリアに付着したまま、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の底部から抜き出されて回収され得る。従って、タール及び煤塵による装置トラブルを著しく軽減し得ると共に、発生したタールのガス化率を最大化して、高熱効率及び低コストで、バイオマスから水素含有ガスを製造し得るのである。
図1は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との両方に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を投入する第一の装置構成を備える、本発明のバイオマスのガス化装置の一実施態様を示した概略図である。 図2は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との両方に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を投入する第一の装置構成を備える、本発明のバイオマスのガス化装置の別の一実施態様を示した概略図である。 図3は、バイオマス熱分解器のみに、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を投入する第二の装置構成を備える、本発明のバイオマスのガス化装置の一実施態様を示した概略図である。 図4は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との間に備えられる熱分解ガス導入管のいくつかの異なる実施態様を示した概略図である。 図5は比較例において使用した従来のバイオマスのガス化装置の概略図である。
本発明のガス化装置(第一の装置構成)は、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備えるバイオマス熱分解器と、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備える熱分解ガス改質器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、かつ、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器が、夫々更に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物、即ち、熱担持媒体(ヒートキャリア)の導入口及び排出口を備える。そして、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器に導入されて、該複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質が実行される。ここで、本発明のガス化装置においては、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とが、複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに対して並列に備えられている。このように、従来のバイオマスのガス化装置のように、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とが、複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに対して、上下直列に備えられているのではなく、並列に備えられていることから、複数の粒状物及び/又は塊状物を、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とに夫々別個に導入することができて、夫々の温度を別個にコントロールすることができるのである。
本発明のガス化装置においては、熱分解ガス導入管は、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側において、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内に夫々形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物層、即ち、ヒートキャリア層の上面より下方のバイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の側面に備えられている。即ち、バイオマス熱分解器側において、バイオマス熱分解器中に形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物から成る層中に熱分解ガス導入管のガス取り入れ口(ガス入口)が備えられ、かつ、熱分解ガス改質器側において、熱分解ガス改質器中に形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物から成る層中に、熱分解ガス導入管のガス導入口(ガス出口)が備えられる。そして、該熱分解ガス導入管を通過して、バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスが、熱分解ガス改質器へと導入されるのである。このように、熱分解ガス導入管の熱分解ガスの取り入れ口が、複数の粒状物及び/又は塊状物から成る層中に設けられていることから、バイオマス熱分解器中に存在する複数の粒状物及び/又は塊状物の一部が、該熱分解ガス導入管の内部へと侵入することができ、かつ、熱分解ガス導入管の熱分解ガス改質器へのガス導入口が、複数の粒状物及び/又は塊状物から成る層中に設けられていることから、熱分解ガス改質器中に存在する複数の粒状物及び/又は塊状物の一部が、該熱分解ガス導入管の内部へと侵入することができて、該熱分解ガス導入管が、その内部に複数の粒状物及び/又は塊状物を保有し得るのである。加えて、熱分解ガス導入管は、重力方向に対して略水平に備えられていることから、複数の粒状物及び/又は塊状物が、熱分解ガス導入管内部に侵入し易くなり、かつ、熱分解ガス導入管内部に保有された複数の粒状物及び/又は塊状物は、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器中を、上から下へと重力により移動する複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに伴って、上から下へと移動している複数の粒状物及び/又は塊状物と、連続的に徐々に入れ替わることができる。そして、それにより、熱分解ガス導入管内部に保有された複数の粒状物及び/又は塊状物は、新しい状態を保ち得るのである。更には、バイオマス熱分解器から熱分解ガス導入管中に流入した複数の粒状物及び/又は塊状物が、熱分解ガス改質器中に混入し、一方、熱分解ガス改質器から熱分解ガス導入管中に流入した複数の粒状物及び/又は塊状物が、バイオマス熱分解器中に混入することを回避し得る。このように、熱分解ガス導入管内部に複数の粒状物及び/又は塊状物が保有されていることから、そこを通過して熱分解ガス改質器へと導入される熱分解ガス中に含まれるタール及び煤塵等は、該複数の粒状物及び/又は塊状物と接触されて捕捉されるのである。そして、捕捉されたタールの一部分又は大部分は、ここで、複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により熱分解されてガス化され、好ましくは、更に改質される。また、ガス化されずに残存したタール及び煤塵等は、複数の粒状物及び/又は塊状物に付着したまま、バイオマス熱分解器底部及び熱分解ガス改質器底部から排出される。これにより、効果的にタール及び煤塵等を熱分解ガスから除去することが可能となるのである。
本発明のガス化装置においては、熱分解ガス導入管の内部底面は、上方に向かって突出した構造を有していることが好ましい。このように、熱分解ガス導入管の内部底面が上方に向かって突出した構造を有していることにより、バイオマス熱分解器から熱分解ガス導入管へと侵入した複数の粒状物及び/又は塊状物と、熱分解ガス改質器から熱分解ガス導入管へと侵入した複数の粒状物及び/又は塊状物との混ざり合い、即ち、バイオマス熱分解器から熱分解ガス導入管中に流入した複数の粒状物及び/又は塊状物が、熱分解ガス改質器中に混入し、一方、熱分解ガス改質器から熱分解ガス導入管中に流入した複数の粒状物及び/又は塊状物が、バイオマス熱分解器に混入することをより効果的に防止することができる。より好ましくは、熱分解ガス導入管の内部底面は、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部に向かって傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している。上記傾斜の角度(θ)は、好ましくは5〜45度、より好ましくは10〜30度、更に好ましくは15〜25度である。該傾斜の角度(θ)は、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側において同一であっても、また、夫々異なっていてもよい。このような傾斜を備えることにより、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両方から熱分解ガス導入管へと侵入した複数の粒状物及び/又は塊状物が、両者が合流する箇所において停滞することを防止して、複数の粒状物及び/又は塊状物の熱分解ガス導入管内での入れ替わりを促進するのである。上記熱分解ガス導入管において、その長手方向に垂直な断面、即ち、熱分解ガスの流れ方向に対して垂直な断面の外形は、好ましくは略円形又は略多角形であり、より好ましくは略四角形である。該熱分解ガス導入管の内径は、複数の粒状物及び/又は塊状物が熱分解ガス導入管内に容易に流入しかつ流出し得るものであれば特に制限はない。また、該熱分解ガス導入管は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との間に、好ましくは1〜3本、より好ましくは1又は2本備えられている。
本発明のガス化装置において、スチーム吹込み口は、好ましくは、バイオマス熱分解器及びその近傍、熱分解ガス改質器及びその近傍、並びに、熱分解ガス導入管より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられる。より好ましくは、スチーム吹込み口は、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管の全てに備えられる。これにより、バイオマスの熱分解及び熱分解ガスの改質をより良好に達成することができる。スチーム吹込み口の個数に特に制限はないが、バイオマス熱分解器又はその近傍、熱分解ガス改質器又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管に、好ましくは、夫々、1〜3個、より好ましくは、夫々、1個備えられる。
本発明のガス化装置においては、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上部に、複数の粒状物及び/又は塊状物を予め加熱するための予熱器が備えられる。これにより、該複数の粒状物及び/又は塊状物が所定の温度に加熱される。該予熱器は、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上部に1器設けて、そこで全ての粒状物及び/又は塊状物を所定の温度に加熱して、該同一の温度に加熱された粒状物及び/又は塊状物を、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とに別個に導入することができる。また、予熱器を、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の夫々の上部に1器ずつ、即ち、合計2器設けて、夫々の予熱器で、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の夫々の温度に適合するように別々の温度に加熱して、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とに別個に導入することもできる。上記いずれの構成においても、十分に効果を達成することができる。前者の構成を採れば、装置コストを削減することができ、また、バイオマス熱分解器へのスチーム導入量によりバイオマス熱分解温度をコントロールする際には、導入したスチームにより、より効果的に熱分解及び改質を実行することが可能となる。一方、後者の形態を採れば、温度コントロールを容易に実施することができると共に、粒状物及び/又は塊状物の加熱に必要なエネルギーの削減が可能となる。
また、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の上方(上部)、好ましくは頂部に、複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が備えられ、一方、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の下方(下部)、好ましくは底部に、複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が備えられる。複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口及び排出口は、例えば、配管の上下に1個ずつ合計2個のバルブを備えた、いわゆる2段式バルブ方式が使用される。但し、該導入及び抜出し方式は、一例であり、この方式に限定されるものではない。
複数の粒状物及び/又は塊状物、即ち、熱担持媒体(ヒートキャリア)は、好ましくは、金属及びセラミックより成る群から選ばれる一以上の材質から成る。金属としては、好ましくは、鉄、ステンレス鋼、ニッケル合金鋼、及び、チタン合金鋼より成る群から選ばれ、より好ましくは、ステンレス鋼が選ばれる。また、セラミックとしては、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド、ジルコニア及び窒化ケイ素のより成る群から選ばれ、より好ましくは、アルミナが選ばれる。複数の粒状物及び/又は塊状物の形状は、好ましくは球状(ボール)であるが、必ずしも真球である必要はなく、断面形状が楕円形又は長円形である球状物であってもよい。球状物の直径(最大径)は、好ましくは3〜25mm、より好ましくは8〜15mmである。上記上限を超えては、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内部での流動性、即ち、自由落下性を損なうことがあり、これにより、球状物がバイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内部で静止して閉塞の原因となることがある。一方、上記下限未満では、とりわけ、バイオマス熱分解器においては、球状物に付着したタール及び煤塵等により球状物自体が固着することがあり、閉塞の原因となることがある。例えば、球状物の直径が3mm未満では、球状物に付着したタール及び煤塵等の影響により、球状物が、とりわけ、バイオマス熱分解器の内壁に付着して成長し、最悪の場合には、バイオマス熱分解器を閉塞させてしまうことが懸念される。また、タールが付着した球状物が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の底部のバルブから抜き出される際、3mm未満の球状物は軽く、そのうえタールが付着しているために自然落下せずにバルブ内部に固着して閉塞を助長することがある。
本発明のバイオマスとは、いわゆるバイオマス資源を言う。ここで、バイオマス資源とは、植物系バイオマス、例えば、林業から廃棄される間伐材、製材廃材、剪定枝、林地残材、未利用樹等、農業から廃棄される野菜残渣及び果樹残渣等の農作物、稲藁、麦藁及び籾殻等、その他海洋植物、建設系廃木材等;生物系バイオマス、例えば、家畜排せつ物及び下水汚泥に代表される生物系排せつ物;並びに塵芥等の生活雑排出物及び食品廃棄物等を言う。本発明の装置は、好ましくは植物系バイオマス及び生物系バイオマスのガス化に適している。
以下、本発明のバイオマスのガス化装置を添付図面に基づいて説明する。図1は、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との両方に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、熱担持媒体(ヒートキャリア)を投入する第一の装置構成を備える、本発明のバイオマスのガス化装置の一実施態様を示した概略図である。該バイオマスのガス化装置においては、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)とが、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、ヒートキャリアの流れに対して並列に備えられている。そして、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)を予め加熱するための予熱器(1)が1器、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の上部に備えられている。また、熱分解ガス導入管(9)が、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との間1本に備えられており、これにより、バイオマス熱分解器(3)において発生した熱分解ガスが、熱分解ガス改質器(2)へと導入される。ここで、熱分解ガス導入管(9)は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の両側において、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内に夫々形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)層の上面(13)より下方のバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の側面に備えられている。即ち、熱分解ガス導入管(9)のバイオマス熱分解器(3)側ガス取り入れ口(ガス入口)(9−3)及び熱分解ガス改質器(2)側ガス導入口(ガス出口)(9−2)のいずれもが、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)層中に設けられている。また、熱分解ガス導入管(9)が、重力方向に対して略水平に備えられている。また、熱分解ガス導入管(9)の内部底面は、上方に向かって突出した構造を有していることが好ましい。但し、該内部底面は平らな構造であってもよい。
複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、ヒートキャリアは、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)に導入される前に、予熱器(1)において予め加熱される。ヒートキャリア(7)は、好ましくは1,000〜1,100℃、より好ましくは1,050〜1,100℃に加熱される。上記下限未満では、バイオマスの熱分解により発生したガスを、熱分解ガス改質器(2)において十分に改質することができないことがある。一方、上記上限を超えては、余分な熱を与えるばかりで著しい効果の増大は期待できず、却ってコスト高を招くばかりである。また、設備の熱効率低下の原因にもなる。
予熱器(1)において上記所定温度に加熱されたヒートキャリア(7)は、次いで、ヒートキャリア(7)の流れに対して並列に配置されたバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)に夫々別個に導入される。バイオマス熱分解器(3)においては、ヒートキャリア(7)は、別途、バイオマス供給口(4)からバイオマス熱分解器(3)に供給されたバイオマスと接触される。ここで、バイオマス供給口(4)は、バイオマス熱分解器(3)自体に設けられていても良いが、図1に示すように、バイオマス熱分解器(3)近傍、例えば、ヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)への給配配管に設けることもできる。また、バイオマス熱分解器(3)には、非酸化性ガス、例えば、窒素、及び、任意的にスチームが、夫々、非酸化性ガス供給口(12)及びスチーム吹込み口(11)から供給されて、非酸化性ガス雰囲気又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気に保たれている。そして、ヒートキャリア(7)とバイオマスとの接触により、バイオマスが加熱されて熱分解し、熱分解ガスが生成する。バイオマス熱分解器(3)を非酸化性ガス雰囲気にすることにより、バイオマスの燃焼を阻止して、バイオマスを効率よく熱分解させることができる。生成した熱分解ガスは、熱分解ガス導入管(9)を通過して、熱分解ガス改質器(2)に導入される。この際、生成した熱分解ガスに含まれるタール及び煤塵等は、熱分解ガス導入管(9)内に保有されるヒートキャリア(7)により捕捉され、タールの一部又は大部分はヒートキャリア(7)により加熱されてガス化され、残存したタール及び煤塵等は、ヒートキャリア(7)に付着したまま、バイオマス熱分解器(3)又は熱分解ガス改質器(2)底部から排出される。バイオマス熱分解器(3)の気相温度は、上限が、好ましくは700℃、より好ましくは650℃あり、下限が、好ましくは400℃、より好ましくは500℃、更に好ましくは550℃である。上記下限未満では、バイオマスの熱分解が進まないことがある。上記上限を超えては、重質なタールを発生させる。このような重質タールは、スチームにより十分に改質することができないことから、タールによる装置トラブルの原因となることがある。ここで、バイオマス熱分解器(3)の気相温度とは、バイオマス熱分解器(3)内に投入される、予め加熱されたヒートキャリア(7)、原料であるバイオマス及び非酸化性ガスと、任意的に吹き込まれるスチームとが混合されて生ずる温度、並びに、ヒートキャリア(7)層の輻射熱等から総合的に生ずるバイオマス熱分解器(3)内部の気相温度を言う。該バイオマス熱分解器(3)の気相温度は、ヒートキャリア(7)の供給速度及び抜出し速度、バイオマス熱分解器(3)内におけるヒートキャリア層の体積及びその占有率、バイオマスの供給量、非酸化性ガス及び/又はスチームの供給量等により適宜コントロールすることができる。通常、バイオマスの供給量からヒートキャリア(7)の供給速度及び抜出し速度を決定し、次いで、バイオマス熱分解器(3)内におけるヒートキャリア層の体積及びその占有率を徐々に変更しながら、非酸化性ガス及び/又はスチームの供給量を適宜変更することにより、バイオマス熱分解器(3)の気相温度を所定温度にコントロールすることができる。
熱分解ガス改質器(2)には、バイオマス熱分解器(3)においてバイオマスを熱分解することにより生成した熱分解ガスが、熱分解ガス導入管(9)を通って導入される。導入された熱分解ガスは、スチームの存在下にヒートキャリア(7)と接触されて加熱される。これにより、熱分解ガスとスチームとが反応して、熱分解ガスを水素に富むガスへと改質することができる。ここで、ガス改質に使用されるスチームは、バイオマス熱分解器(3)及びその近傍、熱分解ガス改質器(2)及びその近傍、並びに、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との間の熱分解ガス導入管(9)より成る群から選ばれる一つ以上の位置に備えられるスチーム吹込み口(11、11、11)から導入される。好ましくは、バイオマス熱分解器(3)又はその近傍、熱分解ガス改質器(2)又はその近傍、並びに、熱分解ガス導入管(9)に備えられるスチーム吹込み口(11、11、11)の全てから導入される。熱分解ガス改質器(2)における気相温度は、上限が、好ましくは1,000℃、より好ましくは950℃、更に好ましくは930℃であり、下限が、好ましくは700℃、より好ましくは850℃、更に好ましくは880℃である。上記下限未満では、改質反応が進まないことがある。一方、上記上限を超えても、著しい効果の増大は期待できず、ヒートキャリアの加熱に要する熱量が増大して、コスト高を招く。熱分解ガス改質器(2)における気相温度が、上記のより好ましい下限値である850℃以上において、スチームによる一酸化炭素の改質が顕著となり、更に好ましい下限値である880℃以上において、スチームによるメタンの改質が顕著になる。従って、一酸化炭素及びメタンの両方を効率的に改質するためには、熱分解ガス改質器(2)における気相温度が880℃以上であることが更に好ましい。熱分解ガス改質器(2)における気相温度のより好ましい上限は950℃であり、該温度以下で十分に熱分解ガスを改質し得るが、燃料使用量の削減を図るためには930℃以下であることが更に好ましい。ここで、熱分解ガス改質器(2)の気相温度とは、熱分解ガス改質器(2)内に投入される、予め加熱されたヒートキャリア(7)、熱分解ガス及びスチームが混合されて生ずる温度、並びに、ヒートキャリア(7)層の輻射熱等から総合的に生ずる熱分解ガス改質器(2)内部の気相温度を言う。熱分解ガス改質器(2)の気相温度は、ヒートキャリア(7)の供給温度、ヒートキャリア(7)の供給速度及び抜出し速度、熱分解ガス改質器(2)内におけるヒートキャリア層の体積及びその占有率、バイオマス熱分解器(3)から供給される熱分解ガスの量、スチームの供給量等により適宜コントロールすることができる。通常、ヒートキャリア(7)の供給速度及び抜出し速度、熱分解ガス改質器(2)内におけるヒートキャリア層の体積及びその占有率を一定にしておき、ヒートキャリア(7)の供給温度を所望の気相温度より好ましくは100〜400℃、より好ましくは150〜200℃高くして供給し、スチームの供給量を適宜変更することにより、バイオマス熱分解器(3)の気相温度を所定温度にコントロールすることができる。
上記のバイオマス熱分解器(3)におけるバイオマスの熱分解、及び、熱分解ガス改質器(2)における熱分解ガスの改質に必要な熱の殆どは、上記の温度に予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、熱担持媒体(ヒートキャリア)の持つ熱により供給される。ヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)への導入、並びに、ヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)からの抜出しは、例えば、配管の上下に1個ずつ合計2個のバルブを備えた、いわゆる2段式バルブ方式(図示せず)を使用して行われる。該2段式バルブ方式の操作を簡単に説明すると、上下2個のバルブを閉じておき、まず、上のバルブを開いてヒートキャリア(7)を配管内部に落下させ、下のバルブと上のバルブとの間にヒートキャリア(7)を充填する。次いで、上のバルブを閉じ、下のバルブを開くことによって、2個のバルブの間に充填されたヒートキャリア(7)をバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)へ導入し、又は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)から抜き出す。このようなバルブ操作を繰り返すことによって、ヒートキャリア(7)はバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)にほぼ連続的に導入され、かつ、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)からほぼ連続的に抜出される。該導入及び抜出し方式は、一例であり、この方式に限定されるものではない。ヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)への導入及びヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)からの抜出し速度を制御することにより、バイオマス熱分解器(3)においてヒートキャリア層を形成せしめると共に、その層の厚さを適切な値に制御し、かつ、バイオマス熱分解器(3)の温度を上記所定温度に制御することができる。熱分解ガス改質器(2)も同様である。このように、熱分解ガス改質器(2)とバイオマス熱分解器(3)とを並列に配置することにより、熱分解ガス改質器(2)とバイオマス熱分解器(3)の内部温度を個別にコントロールすることが可能になる。これにより、熱分解ガス改質器(2)における改質反応を適正温度で進行させることが可能になると共に、バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマスの熱分解を適正温度で実行させることが可能となるのである。更には、熱効率を改善することが可能となる。また、熱分解ガス改質器(2)とバイオマス熱分解器(3)とを、ヒートキャリアの流れに対して並列に配置し、かつ、夫々の容器(2,3)を好ましくは竪型に配置して、ヒートキャリアを重力により自然落下させることにより、ヒートキャリアを移動させるための動力を必要とせず、エネルギー節約型の効率的なガス化装置にすることができる。
ここで、ヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)からの抜出し速度が速過ぎると、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の温度が高くなり、一方、抜出し速度が遅過ぎると、ヒートキャリアが放熱して、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の温度が低くなる。ヒートキャリア(7)のバイオマス熱分解器(3)への供給速度及び抜出し速度は、原料であるバイオマスの供給量及びその種類、並びに、バイオマスの水分及び灰分量等に依存するが、通常、バイオマスの供給量に対して決定される。通常、乾燥原料、即ち、乾燥バイオマスのバイオマス熱分解器(3)への供給速度の5〜60質量倍に設定される。好ましくは、乾燥バイオマスのバイオマス熱分解器(3)への供給速度の5〜30質量倍に設定され、より好ましくは10〜20質量倍に設定される。上記下限未満では、バイオマスを熱分解するために必要な熱量を供給できない。一方、上記上限を超えては、ヒートキャリア(7)の供給量が過剰になるばかりであり、そのためバイオマス熱分解器(3)を必要以上に大きくしなければならず、また、ヒートキャリア(7)の加熱に余分な熱量を必要とする。また、ヒートキャリア(7)の熱分解ガス改質器(2)への供給速度及び抜出し速度は、供給される熱分解ガスの量及びその温度、スチームの温度及びその供給量等に依存してコントロールされる。但し、予めバイオマスの供給量に対して決定しておき、操作段階において、随時、上記因子の変動等に基づいてコントロールすることが好ましい。通常、乾燥原料、即ち、乾燥バイオマスのバイオマス熱分解器(3)への供給速度の5〜30質量倍に設定される。好ましくは、乾燥バイオマスのバイオマス熱分解器(3)への供給速度の5〜15質量倍に設定され、より好ましくは10〜15質量倍に設定される。上記下限未満では、熱分解ガスを改質するために必要な熱量を供給できない。一方、上記上限を超えては、ヒートキャリア(7)の供給量が過剰になるばかりであり、そのため熱分解ガス改質器(2)を必要以上に大きくしなければならず、また、ヒートキャリア(7)の加熱に余分な熱量を必要とする。
バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)中の圧力の上限は、好ましくは104.33kPa、より好ましくは102.33kPaであり、下限は、好ましくは100.33kPa、より好ましくは101.23kPaである。上記上限を超えては、生成した熱分解ガスが、バイオマス供給口(4)から逆流してバイオマス熱分解器(3)の外部へと漏れることがある。一方、上記下限未満では、生成した熱分解ガスが、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)、熱分解ガス導入管(9)におけるヒートキャリア(7)の層内部に均一分散して通過せず、熱分解ガス及び同伴するタール等が十分にガス化及び改質されないことがある。
上記のようにスチーム吹込み口(11、11、11)は、好ましくは、バイオマス熱分解器(3)、熱分解ガス改質器(2)底部、及び、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との間の熱分解ガス導入管(9)に設置される。バイオマス熱分解器(3)に設置するに際しては、とりわけ、バイオマス熱分解器(3)の上部に設置することが好ましい。これにより、バイオマス熱分解器(3)中に導入したスチームとヒートキャリア(7)との接触を、より効果的に実行することができ、かつ、該スチームと、バイオマスの熱分解により発生したガスとの接触時間をより長くとることができるばかりではなく、ヒートキャリア(7)との接触時間をも長くとることができる。そして、結果として、熱分解ガス、及びヒートキャリアに付着したタール等のガス化及び改質を効率的に実施することができる。図1においては、スチーム吹込み口は、熱分解ガス改質器(2)の下部(11)、バイオマス熱分解器(3)の上部(11)、及び、熱分解ガス導入管(9)(11)に、夫々、1個、合計3個設置されているが、これに限定されるものではない。スチーム吹込み口は、夫々の箇所に、複数個設置することもできる。供給するスチームの温度は、特に限定されないが、好ましくは130〜200℃、より好ましくは約160℃である。また、好ましくは500〜600℃の過熱蒸気を使用することもできる。例えば、より好ましい約160℃のスチームを供給するに際して、スチームの供給量は、原料であるバイオマスの供給量とほぼ等量が供給されることが好ましい。ただし、スチームの量は原料の水分量によって増減するので、上記に限定されるものではない。
バイオマス供給口(4)は、バイオマス熱分解器(3)に、効果的にバイオマスを供給し得る位置に設置されていればよい。好ましくは、バイオマス熱分解器(3)の上方、即ち、予熱器(1)からバイオマス熱分解器(3)にヒートキャリア(7)を落下させる配管に設置されることが望ましい。これにより、バイオマスとヒートキャリア(7)との混合を効率よく行うことができ、バイオマス熱分解器(3)内部での接触時間を適切に確保することができて、バイオマスを十分に熱分解することができる。図1においては、バイオマス供給口(4)は、1個記載されているが、これに限定されることはない。バイオマス供給口(4)は、好ましくは1個以上、より好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個、更により好ましくは1又は2個設置することができる。バイオマス供給口(4)を複数設置することにより、性状の異なるバイオマスを、夫々の供給口から、同時に供給することもできる。
バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマスの滞留時間は、好ましくは5〜60分間、より好ましくは10〜40分間、更に好ましくは15〜35分間である。上記下限未満では、バイオマスに均一に熱が伝わらず、均一な熱分解が行なわれないことから熱分解ガスの発生量が低減する。一方、上記上限を超えても、著しい効果の増大は認められず、却って、設備コストの増加を招く。ここで、バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマスの滞留時間は、ヒートキャリア(7)の移動速度とバイオマス供給量とから適切に調節され得る。また、熱分解ガス改質器(2)におけるガスの滞留時間は、好ましくは1〜10秒、より好ましくは2〜5秒である。熱分解ガス改質器(2)におけるガスの滞留時間は、ヒートキャリア(7)の移動速度及び充填量、スチーム供給量並びに予定される熱分解ガス量とから設定し得る。従来のように、熱分解ガス改質器とバイオマス熱分解器とを、上下直列に接続すると、夫々の容器における滞留時間、即ち、バイオマス熱分解器におけるバイオマス熱分解のための滞留時間及び熱分解ガス中のタールの分解のための滞留時間、並びに、熱分解ガス改質器における熱分解ガスとスチームとの改質反応に必要な滞留時間を、夫々個別にコントロールすることが不可能であった。しかし、本発明のように、熱分解ガス改質器(2)とバイオマス熱分解器(3)とを、並列に配置することにより、夫々の容器における滞留時間を夫々独立してコントロールすることができることから、新たなエネルギーを消費することなく、夫々の容器(2,3)内部の温度を夫々独立してコントロールすることが可能になった。
上記のようにして、バイオマス熱分解器(3)を通過したヒートキャリア(7)は、バイオマスの熱分解残渣(チャー)、及び、ヒートキャリア(7)に付着した熱分解されないで残った微量のタール及び煤塵等と一緒に、バイオマス熱分解器(3)の底部から排出される。排出されたヒートキャリア(7)を含む排出物の処理は、図1に示すように排出物処理装置(5)においてチャーを分離する等の従来公知の方法によって実施される。例えば、上記の特許文献4及び5に記載されている方法及び装置を採用することができる。一方、熱分解ガス改質器(2)を通過したヒートキャリア(7)は、ヒートキャリア(7)に付着した微量のタール及び煤塵等と一緒に、熱分解ガス改質器(2)の底部から排出される。排出されたヒートキャリア(7)を含む排出物の処理は、バイオマス熱分解器(3)の底部から排出されたヒートキャリア(7)と混合され又は混合されずして、従来公知の方法によって実施される。例えば、上記と同様に特許文献4及び5に記載されている方法及び装置を採用することができる。このようにして処理されたヒートキャリア(7)は、再度、予熱器(1)に戻されてバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)に供給される。
図2は、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との両方に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、熱担持媒体(ヒートキャリア)を投入する第一の装置構成を備える、本発明のバイオマスのガス化装置の別の一実施態様を示した概略図である。該バイオマスのガス化装置においては、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)を予め加熱するための予熱器(1、1)が、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の上部に夫々1器ずつ備えられている。その他の装置構成は、図1に示したバイオマスのガス化装置と同一である。
複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、ヒートキャリアは、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)に導入される前に、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の夫々の上部に備えられた予熱器(1)及び(1)において、予め別々に加熱される。バイオマス熱分解器(3)の上部に備えられた予熱器(1)において、ヒートキャリア(7)は、好ましくは700〜800℃、より好ましくは750〜800℃に加熱される。上記下限未満では、バイオマスを、バイオマス熱分解器(3)において十分に熱分解することができないことがある。上記上限を超えても、上記の図1の説明において既に述べたように、バイオマス熱分解器(3)に吹き込むスチーム量等を変化させて、適正温度にコントロールしてバイオマスの熱分解を効率的に実施することができる。しかし、予熱器(1)を2器にした場合には、ヒートキャリア(7)の温度を上記上限以下とすることにより、より熱効率を高めることが好ましい。一方、熱分解ガス改質器(2)の上部に備えられた予熱器(1)においては、ヒートキャリア(7)は、好ましくは1,000〜1,100℃、より好ましくは1,050〜1,100℃に加熱される。上記下限未満では、バイオマスの熱分解により発生したガスを、熱分解ガス改質器(2)において十分に改質することができないことがある。また、上記上限を超えては、余分な熱を与えるばかりで著しい効果の増大は期待できず、却ってコスト高を招くばかりである。また、設備の熱効率低下の原因にもなる。
図4は、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との間に備えられた熱分解ガス導入管(9)のいくつかの異なる実施態様(I,II,III,IV,V,VI,VII,VIII,IX,X)を示した概略図である。図4は、熱分解ガス導入管(9)の長手方向の断面(熱分解ガスの流れ方向に沿う断面)を示したものである。また、図4中、(g)は熱分解ガスの流れ方向を模式的に示したものである。図4において、向かって右側がバイオマス熱分解器(3)であり(図4中、と表示している。)、左側が熱分解ガス改質器(2)である(図4中、と表示している。)。また、熱分解ガス導入管(9)内のヒートキャリア(7)のみを着色して模式的に示しており、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内のヒートキャリア(7)は表示していない。また、図4には示していないが、熱分解ガス導入管(9)は、その内部底面が、上方に向かって突出していない、平面のものであっても構わない。図4に示された全ての熱分解ガス導入管(9)は、本発明のバイオマスの熱分解装置、例えば、図1及び図2に示したバイオマスの熱分解装置に使用し得るものである。即ち、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の両側において、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内に夫々形成される、ヒートキャリア(7)層の上面(13)より下方のバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の側面に備えられており、かつ、該熱分解ガス導入管(9)が、重力方向に対して略水平に備えられ、かつ、熱分解ガス導入管(9)の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有しているものである。図4の(I)及び(VI)に示した熱分解ガス導入管(9)は、その内部底面が上方に向かって突出しているものであり、その突出部分の高さ(h)は、熱分解ガス導入管(9)のガス取り入れ口(ガス入口)及びガス導入口(ガス出口)の垂直方向の幅(高さ)(h,h)より低い。従って、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の双方から侵入したヒートキャリア(7)は、その突出部分の上方で合流することになる。しかし、ヒートキャリア(7)は、粒状物及び/又は塊状物であることから、水や油のような液体とは異なり、容易に混ざり合うものではない。従って、バイオマス熱分解器(3)から熱分解ガス導入管(9)内に侵入したヒートキャリア(7)が熱分解ガス改質器(2)内部に侵入することはない。また、その逆に、熱分解ガス改質器(2)から熱分解ガス導入管(9)内に侵入したヒートキャリア(7)がバイオマス熱分解器(3)内部に侵入することもない。但し、相当の長期間に亘って、バイオマスの熱分解装置の操業を継続すると稀には混入することが予想される。それを確実に回避するためには、熱分解ガス導入管(9)を、図4の(II)、(III)及び(IV)並びに(VII)、(VIII)及び(IX)に示した構造にすることが好ましい。即ち、熱分解ガス導入管(9)の内部底面の突出部分の高さ(h)が、熱分解ガス導入管(9)のガス取り入れ口及び導入口の垂直方向の幅(高さ)(h,h)と同一である構造(II,VII)、又はそれより高い構造(III,IV,VIII,IX)である。より好ましくは、上記の突出部分の高さ(h)が、熱分解ガス導入管(9)のガス取り入れ口及び導入口の垂直方向の幅(高さ)(h,h)より高い構造(III,IV,VIII,IX)である。このような構造を採用すれば、ヒートキャリア(7)の混合をより確実に防止することができる。また、図4の(I)及び(II)のように突出部分が、熱分解ガス導入管(9)の底面から垂直に伸びるような構造である場合には、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の双方から侵入したヒートキャリア(7)同士が合流する箇所、又は、ヒートキャリア(7)が突出部分に接触する箇所において、夫々から侵入したヒートキャリア(7)が停滞することがある。従って、この停滞を回避するために、図4の(III)、(IV)、(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)のように突出部分が、傾斜角度(θ)を有する構造とすることが好ましい。より好ましくは、図4の(VII)、(VIII)及び(IX)の構造である。例えば、図4の(III)のように2段階で傾斜角度(θ)を備える構造は、同一の傾斜角度(θ)を有する図4の(VIII)の構造と比較して、上記の停滞を回避する作用に劣ることがある。従って、図4の左列に示されているような段階的に突出する形状の突出部においては、その段階の数を増やすことがより好ましい。該傾斜角度(θ)は、好ましくは5〜45度、より好ましくは10〜30度、更に好ましくは15〜25度である。また、図4の(IV)及び(IX)に示す熱分解ガス導入管(9)のように、その構造は基本的には水平配管であるが、(IV)のように配管の内部上面に凹部を設けたり、また、(IX)のように配管の内部上面に傾斜を設けた凹部を設けた構造とすることもできる。また、熱分解ガス導入管(9)のガス取り入れ口及びガス導入口の垂直方向の幅(高さ)(h,h)は、互いに同一であっても異なっていてもよい。傾斜角度(θ)も、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側において、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、図4の(V)及び(X)に示したように、熱分解ガス導入管(9)の上部に空間部(ガス溜まり)を設けない構造とすることも可能である。この場合には、バイオマス熱分解器(3)において発生したガスは、熱分解ガス導入管(9)の内部に存在するヒートキャリア(7)層の空隙を通過して、熱分解ガス改質器(2)へと導入されることになる。該構造の熱分解ガス導入管(9)においても、本発明のバイオマスのガス化装置の連続操業を十分に達成することができる。但し、相当長時間の連続操業を行うためには、安全性の観点から、上部に空間部(ガス溜まり)を設けた熱分解ガス導入管(9)、例えば、図4の(I)、(II)、(III)、(IV)、(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)を使用することが好ましい。図4に示された熱分解ガス導入管(9)は例示であって、これに限定されるものではない。また、熱分解ガス導入管(9)の長手方向に垂直な断面(熱分解ガスの流れ方向に対して垂直な断面)の外形は、上記の通りであり、好ましくは略円形又は略多角形であり、より好ましくは略四角形である。また、該熱分解ガス導入管の内径、即ち、ガス取り入れ口の垂直方向の幅(高さ)(h)及びガス導入口の垂直方向の幅(高さ)(h)は、ヒートキャリア(7)が熱分解ガス導入管内に容易に流入しかつ流出し得るものであれば特に制限はなく、好ましくは、ヒートキャリア(7)の寸法(最大径)の8〜50倍、より好ましくは10〜40倍、更に好ましくは10〜30倍である。
また、本発明のガス化装置(第二の装置構成)は、バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備えるバイオマス熱分解器と、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備える熱分解ガス改質器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、かつ、上記バイオマス熱分解器が、更に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物、即ち、熱担持媒体(ヒートキャリア)の導入口及び排出口を備え、また、上記熱分解ガス改質器が、更に、その外側に予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体の流路を備える。そして、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物が、バイオマス熱分解器に導入されて、該複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解が実行され、一方、予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体が、熱分解ガス改質器の外側に備えられたガス状又は液体状熱媒体の流路に導入されて、該熱媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質が実行される。このように、本発明のガス化装置においては、バイオマス熱分解器内でのバイオマスの熱分解と、熱分解ガス改質器内での熱分解ガスの改質とが、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物と、予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体とで、夫々別個に実行されることから、夫々の温度を別個にコントロールすることができる。
本発明のガス化装置においては、熱分解ガス導入管は、バイオマス熱分解器側において、バイオマス熱分解器内に形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物層、即ち、ヒートキャリア層の上面より下方のバイオマス熱分解器側面に備えられている。即ち、バイオマス熱分解器側において、バイオマス熱分解器中に形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物から成る層中に熱分解ガス導入管のガス取り入れ口(ガス入口)が備えられる。そして、該熱分解ガス導入管を通過して、バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスが、熱分解ガス改質器へと導入されるのである。このように、熱分解ガス導入管の熱分解ガスの取り入れ口が、複数の粒状物及び/又は塊状物から成る層中に設けられていることから、バイオマス熱分解器中に存在する複数の粒状物及び/又は塊状物の一部が、該熱分解ガス導入管の内部へと侵入することができて、該熱分解ガス導入管が、その内部に複数の粒状物及び/又は塊状物を保有し得るのである。
加えて、上記熱分解ガス導入管は、好ましくは、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との間のバイオマス熱分解器側において、重力方向に対して略水平に備えられており、次いで、熱分解ガス改質器側に向かって、上方に立ち上がった構造を有している。このように、熱分解ガス導入管が、バイオマス熱分解器側において、重力方向に対して略水平に備えられていることから、複数の粒状物及び/又は塊状物が、熱分解ガス導入管内部に侵入し易くなり、かつ、熱分解ガス導入管内部に保有された複数の粒状物及び/又は塊状物は、バイオマス熱分解器中を、上から下へと重力により移動する複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに伴って、上から下へと移動している複数の粒状物及び/又は塊状物と、連続的に徐々に入れ替わることができる。そして、それにより、熱分解ガス導入管内部に保有された複数の粒状物及び/又は塊状物は、新しい状態を保ち得るのである。一方、熱分解ガス導入管は、上記の水平配管の下流、即ち、熱分解ガス改質器側において、熱分解ガス改質器側に向かって、上方に立ち上がった構造を有していることから、バイオマス熱分解器から熱分解ガス導入管中に流入した複数の粒状物及び/又は塊状物が、熱分解ガス改質器中に混入することを回避し得る。このように、熱分解ガス導入管内部に複数の粒状物及び/又は塊状物が保有されていることから、そこを通過して熱分解ガス改質器へと導入される熱分解ガス中に含まれるタール及び煤塵等は、該複数の粒状物及び/又は塊状物と接触されて捕捉されるのである。そして、捕捉されたタールの一部分又は大部分は、ここで、複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により熱分解されてガス化され、好ましくは、更に改質される。また、ガス化されずに残存したタール及び煤塵等は、複数の粒状物及び/又は塊状物に付着したまま、バイオマス熱分解器底部から排出される。これにより、効果的にタール及び煤塵等を熱分解ガスから除去することが可能となるのである。
上記熱分解ガス導入管は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との間の熱分解ガス改質器側において、バイオマス熱分解器側から伸びる水平配管が、熱分解ガス改質器に向かって、上方に立ち上がった構造を有していればよい。該立ち上がり角度に特に制限はなく、0度(水平)を超え90度以下である。例えば、略直角に上方に立ち上がり、熱分解ガス改質器の底部に接続するような形態でもよく、また、水平から僅かに立ち上がって、熱分解ガス改質器の側面又は底部に接続されていてもよい。該立ち上がりの角度は、好ましくは水平から5度以上、より好ましくは水平から10度以上、更に好ましくは水平から15度以上である。ここで、該立ち上がりの角度が大きいとき、例えば、水平から45度を超えるときには、該立ち上がり部の水平配管底部に、バイオマス熱分解器側から熱分解ガス改質器側に向かって、好ましくは5〜45度、より好ましくは10〜30度、更に好ましくは15〜25度の傾斜角度(θ)を持つ突出部を備えることが好ましい。これにより、熱分解ガス導入管内に侵入している、複数の粒状物及び/又は塊状物の入れ替わりを促進し、かつ、立ち上がり部での複数の粒状物及び/又は塊状物の停滞を回避することができる。該熱分解ガス導入管において、その長手方向に垂直な断面、即ち、熱分解ガスの流れ方向に対して垂直な断面の外形は、好ましくは略円形又は略多角形であり、より好ましくは略円形である。また、該熱分解ガス導入管は、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器との間に、好ましくは1〜3本、より好ましくは1又は2本備えられている。また、本発明のガス化装置(第二の装置構成)においても、熱分解ガス導入管として、上記の第一の装置構成において使用する熱分解ガス導入管、即ち、重力方向に略水平に備えられ、かつ、内部底面が上方に向かって突出している熱分解ガス導入管を使用することもできる。例えば、図4に示された熱分解ガス導入管(II,III,IV,VII,VIII,IX)を使用することができる。好ましくは、図4に示された熱分解ガス導入管(III,IV,VIII,IX)を使用することができる。該熱分解ガス導入管は、水平かつ内部底面が上方に向かって突出していることから、バイオマス熱分解器から侵入した複数の粒状物及び/又は塊状物が熱分解ガス改質器に侵入することを効果的に回避することができる。但し、長期間操業においては、複数の粒状物及び/又は塊状物が熱分解ガス改質器に侵入することがあるため、熱分解ガス導入管の突出部より熱分解ガス改質器側の該導入管底部、又は、熱分解ガス改質器内部に、複数の粒状物及び/又は塊状物のたまり部(捕集部)を設けて、必要なら定期的にたまった粒状物及び/又は塊状物を抜き出すことが好ましい。
本発明のガス化装置においては、バイオマス熱分解器の上部に、複数の粒状物及び/又は塊状物を予め加熱するための予熱器が備えられる。これにより、該複数の粒状物及び/又は塊状物が所定の温度に加熱される。また、バイオマス熱分解器の上方(上部)、好ましくは頂部に、複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口が備えられ、一方、バイオマス熱分解器の下方(下部)、好ましくは底部に、複数の粒状物及び/又は塊状物の排出口が備えられる。複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口及び排出口は、例えば、配管の上下に1個ずつ合計2個のバルブを備えた、いわゆる2段式バルブ方式が使用される。但し、該導入及び抜出し方式は、一例であり、この方式に限定されるものではない。また、上記のたまり部(捕集部)においても同様の方式により抜き出すことができる。一方、熱分解ガス改質器は、その外側に予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体の流路を備えている。該熱分解ガス改質器は、通常の熱交換器型の熱分解ガス改質器であってよく、多重管式又は二重管式のいずれであってもよい。
図3は、バイオマス熱分解器のみに、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を投入する第二の装置構成を備える、本発明のバイオマスのガス化装置の一実施態様を示した概略図である。該バイオマスのガス化装置においては、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、ヒートキャリアの持つ熱によりバイオマスの熱分解を実行するバイオマス熱分解器(3)と、予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行する熱交換器型の熱分解ガス改質器(2)とが備えられている。そして、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)を予め加熱するための予熱器(1)が、バイオマス熱分解器(3)の上部に備えられている。また、熱分解ガス導入管(9)が、バイオマス熱分解器(3)と熱分解ガス改質器(2)との間1本に備えられており、これにより、バイオマス熱分解器(3)において発生した熱分解ガスが、熱分解ガス改質器(2)へと導入される。ここで、熱分解ガス導入管(9)は、バイオマス熱分解器(3)側において、バイオマス熱分解器(3)内に形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)層の上面(13)より下方のバイオマス熱分解器(3)の側面に備えられている。即ち、熱分解ガス導入管(9)のバイオマス熱分解器(3)側ガス取り入れ口(ガス入口)(9−3)が、複数の粒状物及び/又は塊状物(7)層中に設けられている。一方、熱分解ガス改質器(2)側においては、熱分解ガス導入管(9)は、熱分解ガス改質器(2)の底部に接続されている。また、熱分解ガス導入管(9)は、バイオマス熱分解器(3)側において重力方向に対して略水平に備えられており、その下流側において熱分解ガス改質器(2)に向かって略垂直に立ち上がっている。また、該立ち上がり部分の水平配管の底部には、バイオマス熱分解器(3)側から熱分解ガス改質器(2)側に向かって、水平配管の底部から略25度の傾斜角度(θ)を有する突出部が備えられている。
複数の粒状物及び/又は塊状物(7)、即ち、ヒートキャリアは、バイオマス熱分解器(3)に導入される前に、バイオマス熱分解器(3)の上部に備えられた予熱器(1)において、予め加熱される。バイオマス熱分解器(3)の上部に備えられた予熱器(1)において、ヒートキャリア(7)は、好ましくは700〜800℃、より好ましくは750〜800℃に加熱される。上記下限未満では、バイオマスを、バイオマス熱分解器(3)において十分に熱分解することができないことがある。上記上限を超えても、上記の図1の説明において既に述べたように、バイオマス熱分解器(3)に吹き込むスチーム量等を変化させて、適正温度にコントロールしてバイオマスの熱分解を効率的に実施することができる。しかし、ヒートキャリア(7)の温度を上記上限以下とすることにより、より熱効率を高めることが好ましい。
図3において、熱分解ガス改質器(2)は、いわゆる熱交換器型の熱分解ガス改質器である。熱分解ガス導入管(9)より導入された熱分解ガスは、スチーム吹込み口(11)から更に導入されたスチームと混合されて、熱交換器型の熱分解ガス改質器(2)の外套を通過する熱媒体、例えば、高温熱風と熱交換されて改質される。熱交換器型の熱分解ガス改質器(2)内における気相温度、圧力等の条件は、図1で示した装置と同様である。ここで、熱交換器型の熱分解ガス改質器(2)の気相温度とは、熱分解ガス改質器(2)内上部の改質ガス排出口(8)近傍の気相温度を言う。該気相温度は、バイオマス熱分解器(3)から供給される熱分解ガスの量に対して、スチーム吹込み口(11、11)から導入されるスチーム供給量、並びに、熱分解ガス改質器(2)の外套を通過する熱媒体の温度及び流量を適宜変更することにより、コントロールすることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1において使用したバイオマス原料、並びに、該バイオマス原料の熱分解及びガス改質に使用したガス化装置は、下記の通りである。
バイオマス原料としては、建設系廃木材を使用した。該廃木材を粉砕して使用した。粉砕後の廃木材の大きさは、おが粉程度の寸法であり、最大寸法が2〜6mm程度のものであった。該廃木材の性状を表1に示す。
Figure 2017203587
表1の各値に関して、
水分は、JIS Z 7302-3:2009に準拠し、
灰分は、JIS Z 7302-4:2009に準拠し、
揮発分は、JIS M 8812−7:2006に準拠し、かつ、
高位発熱量は、JIS Z 7302-2:1999に準拠して測定したものである。
また、元素組成のうち、炭素(C)、水素(H)及び窒素(N)は、いずれもJIS Z 7302-8:2002に準拠し、
硫黄(S)は、JIS Z 7302‐7:2002に準拠し、かつ、
塩素(Cl)は、JIS Z 7302‐6:1999に準拠して測定したものである。
また、酸素(O)は、100質量%から、C、H、N、S、Cl及び灰分の各質量%を差し引いて求めたものである。
ここで、灰分、揮発分、固定炭素及び元素組成は、いずれも乾燥基準で算出したものである。また、水分は、バイオマス原料の受け入れ時のものである。
バイオマス原料の熱分解及び発生した熱分解ガスの改質に使用したガス化装置としては、図1に示したものを使用した。該ガス化装置は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)を、ヒートキャリア(7)の流れに対して並列に配置した装置構成を有するものであった。バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の上部に予熱器(1)を1器備えており、該予熱器(1)において、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の両者に供給するヒートキャリア(7)を、一括して予め加熱するものであった。バイオマス熱分解器(3)の内径は約180mmであり、高さは約1,000mmであり、内容積は約25リットルであった。また、熱分解ガス改質器(2)の内径は約180mmであり、高さは約2,350mmであり、内容積は約60リットルであった。また、熱分解ガス導入管(9)としては、図4の(VIII)に示す構造のものを使用した。ここで、突出部の傾斜の角度(θ)は、両側共に25度であった。熱分解ガス導入管(9)は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の両側において、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内に夫々形成される、ヒートキャリア(7)層の上面(13)より下方のバイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の側面に備えられていた。また、熱分解ガス導入管(9)は、重力方向に対して略水平に備えられていた。該熱分解ガス導入管(9)の長さは約500mmであり、長手方向に垂直な断面、即ち、熱分解ガスの流れ方向に対して垂直な断面の外形は、一辺180mmの略正方形であり、熱分解ガス導入管のガス取り入れ口の垂直方向の幅(高さ)(h)及びガス導入口の垂直方向の幅(高さ)(h)は、いずれも150mmであった。ヒートキャリア(7)としては、直径(最大径)10〜12mmの略球形のアルミナ製ボールを使用した。
バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)、並びに、予熱器(1)内部に、ヒートキャリア(7)を予め夫々の容器の70%程度の高さまで充填し、次いで、該ヒートキャリア(7)を、予熱器(1)において略500℃の温度に加熱した。次いで、該ヒートキャリア(7)を、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の頂部から夫々30キログラム/時間の量で別個に導入し、かつ、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の底部から夫々別個に適量を抜出し、ヒートキャリア(7)の循環を開始した。該ヒートキャリア(7)の循環により、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内部の気相温度及び容器自体の温度が徐々に上昇した。このようなヒートキャリア(7)の循環を継続しながら、同時に、予熱器(1)内部のヒートキャリア(7)温度を1,050℃まで徐々に昇温した。ヒートキャリア(7)が該温度に達した後、更に、循環を継続して、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内部の気相温度を徐々に上昇させ、バイオマス熱分解器(3)の気相温度が600℃を超えるころから、バイオマス供給口(4)、非酸化性ガス供給口(12)及びスチーム吹込み口(11)からバイオマス熱分解器(3)に、夫々、バイオマス原料、窒素ガス及びスチームを導入し、バイオマス熱分解器(3)の温度が600℃になるようにコントロールした。一方、熱分解ガス改質器(2)の気相温度は、950℃になるように、更に、スチーム吹込み口(11)からスチームを導入してコントロールした。このとき、ヒートキャリア(7)は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)において、いずれも層状に堆積しており、その堆積量は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の夫々の内容積の約60体積%であった。バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)からのヒートキャリア(7)の抜出し量は、いずれも供給量と同一であり、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)において、夫々30キログラム/時間であった。また、抜出し時のヒートキャリア(7)の温度は、いずれも400℃であった。但し。バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)からのヒートキャリア(7)の抜出し量は、それぞれの温度状況に応じて個別にコントロールすることも可能である。
上記の操作において、バイオマス原料としての建設系廃木材を、定量フィーダーを使用して、バイオマス供給口(4)からバイオマス熱分解器(3)に、徐々に供給量を増やしつつ、最終的に約4キログラム/時間(乾燥基準)になるように連続的に導入した。バイオマス熱分解器(3)の温度は、バイオマス原料の導入に伴って徐々に低下したが、同時に、窒素ガス及び過熱蒸気を、その供給量を調節しながらバイオマス熱分解器(3)に導入することによって、バイオマス熱分解器(3)の温度を600℃に保持した。また、バイオマス熱分解器(3)内の圧力を101.3kPaに保持した。ここで、窒素ガスは、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられた非酸化性ガス供給口(12)から、最終的に60リットル/時間の一定量で導入された。また、スチームとしては、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)が使用され、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマス原料の滞留時間は、約1時間であった。これにより、バイオマス熱分解器(3)において熱分解により生じたガスが5.2キログラム/時間で得られた。また、チャーが0.8キログラム/時間で熱分解残渣(チャー)排出口(6)から排出された。
バイオマス熱分解器(3)において得られた熱分解ガスは、続いて、バイオマス熱分解器(3)下部から熱分解ガス導入管(9)を通過して、上記温度に保持された熱分解ガス改質器(2)に導入された。熱分解ガスの導入当初は、バイオマス熱分解器(3)内の温度は不安定となるが、熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、更に、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)を、その量を調節しながら導入することにより、温度950℃になるように調節した。この時、熱分解ガス改質器(2)は、圧力101.3kPaに保持されていた。熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)からの過熱蒸気は、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。
上記操作により、バイオマス熱分解器(3)が温度600℃及び圧力101.3kPaに保持され、かつ、熱分解ガス改質器(2)が温度950℃及び圧力101.3kPaに保持された。これにより、温度950℃の改質ガスが7.2キログラム/時間の量で改質ガス出口(8)から得られた。
得られた改質ガスをゴム製バッグに捕集し、ガスクロマトグラフィー[島津製作所製GC−14A(商標)]によりガス組成を測定した。表2には、得られた改質ガスの組成を示した。また、該操業を3日間連続して実施することができた。該操業期間中、トラブル、とりわけ、タールに起因するトラブルのない良好な連続運転を維持することができた。また、操業期間中、熱分解ガス導入管(9)内でヒートキャリア(7)がタール等により閉塞するというトラブルを生ずることもなく、バイオマス熱分解器(3)から熱分解ガス改質器(2)への熱分解ガスのスムーズな導入が維持された。また、熱分解ガス改質器(2)出口(8)から取り出された改質ガス中のタール量は、約0.5g/m−normalであった。
Figure 2017203587
(実施例2)
実施例2において使用したバイオマス原料、及び、該バイオマス原料の熱分解及びガス改質に使用したガス化装置は、下記の通りである。
バイオマス原料としては、パームヤシ廃材を使用した。該廃材を粗粉砕して使用した。パームヤシ廃材は、太さ約1〜2mm、長さ約3〜30mmの柔らかいひも状の木片が何本も重なった形態を有しており、換言すれば、木綿糸がほつれたような形態であった。それを粗粉砕すると、糸玉(ファイバーボール)のような形状となり、その最大寸法は0〜30mm程度であった。該廃材の性状を表3に示す。
Figure 2017203587
表3の各値に関して、
水分は、JIS Z 7302-3:2009に準拠し、
灰分は、JIS Z 7302-4:2009に準拠し、
揮発分は、JIS M 8812−7:2006に準拠し、かつ、
高位発熱量は、JIS Z 7302-2:1999に準拠して測定したものである。
また、元素組成のうち、炭素(C)、水素(H)及び窒素(N)は、いずれもJIS Z 7302-8:2002に準拠し、
硫黄(S)は、JIS Z 7302‐7:2002に準拠し、かつ、
塩素(Cl)は、JIS Z 7302‐6:1999に準拠して測定したものである。
また、酸素(O)は、100質量%から、C、H、N、S、Cl及び灰分の各質量%を差し引いて求めたものである。
ここで、灰分、揮発分、固定炭素及び元素組成は、いずれも乾燥基準で算出したものである。また、水分は、バイオマス原料の受け入れ時のものである。
バイオマス原料の熱分解及びガス改質に使用したガス化装置は、実施例1で使用したものと同一であり、図1に示したものを使用した。
実施例1と同一の条件及び操作方法により、熱分解ガス改質器(2)及びバイオマス熱分解器(3)の温度を、夫々、950℃及び600℃にした。また、抜出し時のヒートキャリア(7)の温度は、いずれも400℃であった。
熱分解ガス改質器(2)及びバイオマス熱分解器(3)の温度を、上記所定値にコントロールする操作において、バイオマス原料としてのパームヤシ廃材を、定量フィーダーを使用して、バイオマス供給口(4)からバイオマス熱分解器(3)に、徐々に供給量を増やしつつ、最終的に約5キログラム/時間(乾燥基準)になるように連続的に導入した。バイオマス熱分解器(3)の温度は、バイオマス原料の導入に伴って徐々に低下したが、同時に、窒素ガス及び過熱蒸気を、その供給量を調節しながらバイオマス熱分解器(3)に導入することによって、バイオマス熱分解器(3)の温度を600℃に保持した。また、バイオマス熱分解器(3)内の圧力を101.3kPaに保持した。ここで、窒素ガスは、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられた非酸化性ガス供給口(12)から、最終的に6リットル/時間の一定量で導入された。また、スチームとしては、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)が使用され、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマス原料の滞留時間は、約1時間であった。これにより、バイオマス熱分解器(3)において熱分解により生じたガスが6.1キログラム/時間で得られた。また、チャーが0.9キログラム/時間で熱分解残渣(チャー)排出口(6)から排出された。
バイオマス熱分解器(3)において得られた熱分解ガスは、続いて、バイオマス熱分解器(3)下部から熱分解ガス導入管(9)を通過して、温度950℃及び圧力101.3kPaに保持された熱分解ガス改質器(2)に導入された。熱分解ガスの導入当初は、バイオマス熱分解器(3)内の温度は不安定となるが、熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、更に、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)を、その量を調節しながら導入することにより、温度950℃になるように調節した。この時、熱分解ガス改質器(2)は、圧力101.3kPaに保持されていた。熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)からの過熱蒸気は、最終的に3キログラム/時間の一定量で導入された。
上記操作により、バイオマス熱分解器(3)が温度600℃及び圧力101.3kPaに保持され、かつ、熱分解ガス改質器(2)が温度950℃及び圧力101.3kPaに保持された。これにより、温度950℃の改質ガスが9.1キログラム/時間の量で改質ガス出口(8)から得られた。
得られた改質ガスをゴム製バッグに捕集し、ガスクロマトグラフィー[島津製作所製GC−14A(商標)]によりガス組成を測定した。表4に得られた改質ガスの組成を示した。また、該操業を3日間連続して実施することができた。該操業期間中、トラブル、とりわけ、タールに起因するトラブルのない良好な連続運転を維持することができた。また、操業期間中、熱分解ガス導入管(9)内でヒートキャリア(7)がタール等により閉塞するというトラブルを生ずることもなく、バイオマス熱分解器(3)から熱分解ガス改質器(2)への熱分解ガスのスムーズな導入が維持された。また、熱分解ガス改質器(2)出口(8)から取り出された改質ガス中のタール量は、約0.5g/m−normalであった。
Figure 2017203587
(実施例3)
使用したバイオマス原料は、実施例1において使用したものと同一である。また、バイオマス原料の熱分解及びガス改質に使用したガス化装置は、図2に示したものを使用した。使用した装置は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)を、ヒートキャリア(7)の流れに対して並列に配置した装置構成であった。バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の上部に夫々1器ずつ予熱器(1,1)を備えており、該予熱器(1,1)において、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)に供給するヒートキャリア(7)を、夫々別個に予め加熱するものである。その他、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の寸法及び容量、熱分解ガス導入管(9)の形状及び寸法、かつ、熱分解ガス導入管(9)が重力方向に対して略水平に備えられていること、並びに、ヒートキャリア(7)の材質及び寸法、その他は、実施例1と同一であった。
バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)、並びに、予熱器(1,1)内部に、ヒートキャリア(7)を予め夫々の容器の70%程度の高さまで充填し、次いで、該ヒートキャリア(7)を、予熱器(1,1)において、夫々、略500℃の温度に予め加熱した。次いで、夫々のヒートキャリア(7)を、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の頂部から夫々30キログラム/時間の量で別個に導入し、かつ、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の底部から夫々別個に適量を抜出し、ヒートキャリア(7)の循環を開始した。該ヒートキャリア(7)の循環により、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内部の気相温度及び容器自体の温度が徐々に上昇した。このようなヒートキャリア(7)の循環を継続しながら、同時に、予熱器(1)内部のヒートキャリア(7)温度を800℃まで徐々に昇温し、一方、予熱器(1)内部のヒートキャリア(7)温度を1,050℃まで徐々に昇温した。夫々のヒートキャリア(7)が上記温度に達した後、更に、循環を継続して、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)内部の気相温度を徐々に上昇させ、バイオマス熱分解器(3)の気相温度が600℃を超えるころから、バイオマス供給口(4)、非酸化性ガス供給口(12)及びスチーム吹込み口(11)からバイオマス熱分解器(3)に、夫々、バイオマス原料、窒素ガス及びスチームを導入し、バイオマス熱分解器(3)の温度が600℃になるようにコントロールした。一方、熱分解ガス改質器(2)の気相温度は、950℃になるように、更に、スチーム吹込み口(11)からスチームを導入してコントロールした。このとき、ヒートキャリア(7)は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)において、いずれも層状に堆積しており、その堆積量は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の夫々の内容積の約60体積%であった。バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)からのヒートキャリア(7)の抜出し量は、いずれも供給量と同一であり、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)において、夫々30キログラム/時間であった。また、抜出し時のヒートキャリア(7)の温度は、いずれも400℃であった。
上記の操作において、バイオマス原料としての建設系廃木材を、定量フィーダーを使用して、バイオマス供給口(4)からバイオマス熱分解器(3)に、徐々に供給量を増やしつつ、最終的に約4キログラム/時間(乾燥基準)になるように連続的に導入した。バイオマス熱分解器(3)の温度は、バイオマス原料の導入に伴って徐々に低下したが、同時に、窒素ガス及び過熱蒸気を、その供給量を調節しながらバイオマス熱分解器(3)に導入することによって、バイオマス熱分解器(3)の温度を600℃に保持した。また、バイオマス熱分解器(3)内の圧力を101.3kPaに保持した。ここで、窒素ガスは、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられた非酸化性ガス供給口(12)から、最終的に60リットル/時間の一定量で導入された。また、スチームとしては、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)が使用され、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマス原料の滞留時間は、約1時間であった。これにより、バイオマス熱分解器(3)において熱分解により生じたガスが5.2キログラム/時間で得られた。また、チャーが0.8キログラム/時間で熱分解残渣(チャー)排出口(6)から排出された。
バイオマス熱分解器(3)において得られた熱分解ガスは、続いて、バイオマス熱分解器(3)下部から熱分解ガス導入管(9)を通過して、上記温度に保持された熱分解ガス改質器(2)に導入された。熱分解ガスの導入当初は、熱分解ガス改質器(2)内の温度は不安定となるが、熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、更に、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)を、その量を調節しながら導入することにより、温度950℃になるように調節した。この時、熱分解ガス改質器(2)は、圧力101.3kPaに保持されていた。熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)からの過熱蒸気は、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。
上記操作により、バイオマス熱分解器(3)が温度600℃及び圧力101.3kPaに保持され、かつ、熱分解ガス改質器(2)が温度950℃及び圧力101.3kPaに保持された。これにより、温度950℃の改質ガスが7.2キログラム/時間の量で改質ガス出口(8)から得られた。
得られた改質ガスをゴム製バッグに捕集し、ガスクロマトグラフィー[島津製作所製GC−14A(商標)]によりガス組成を測定した。表5に得られた改質ガスの組成を示した。また、該操業を3日間連続して実施することができた。該操業期間中、トラブル、とりわけ、タールに起因するトラブルのない良好な連続運転を維持することができた。また、操業期間中、熱分解ガス導入管(9)内でヒートキャリア(7)がタール等により閉塞するというトラブルを生ずることもなく、バイオマス熱分解器(3)から熱分解ガス改質器(2)への熱分解ガスのスムーズな導入が維持された。また、熱分解ガス改質器(2)出口(8)から取り出された改質ガス中のタール量は、約0.5g/m−normalであった。
Figure 2017203587
(実施例4)
使用したバイオマス原料は、実施例1において使用したものと同一である。また、バイオマス原料の熱分解及びガス改質に使用したガス化装置は、図3に示したものを使用した。使用した装置は、バイオマス熱分解器(3)において、ヒートキャリア(7)の持つ熱によりバイオマスを熱分解し、かつ、熱交換器型の熱分解ガス改質器(2)において、バイオマスの熱分解により発生したガスを、ガス状熱媒体、即ち、高温熱風により改質するものであった。また、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の寸法及び容量、並びに、ヒートキャリア(7)の材質及び寸法は、実施例1と同一である。熱分解ガス導入管(9)は、バイオマス熱分解器(3)側において、バイオマス熱分解器(3)内に形成されるヒートキャリア(7)層の上面(13)より下方のバイオマス熱分解器(3)の側面に備えられていた。一方、熱分解ガス改質器(2)側において熱分解ガス導入管(9)は、熱分解ガス改質器(2)の底部に接続されていた。熱分解ガス導入管(9)は、バイオマス熱分解器(3)側において重力方向に対して略水平に備えられており、その下流側において熱分解ガス改質器(2)の底部に向かって略垂直に立ち上がっていた。また、該立ち上がり部分の水平配管の底部には、バイオマス熱分解器(3)側から熱分解ガス改質器(2)側に向かって、水平配管の底部から略25度の傾斜角度(θ)を有する突出部が備えられていた。該熱分解ガス導入管(9)の長さは約1,000mm(水平部分:約500mm、立ち上がり部分:約500mm)であり、長手方向に垂直な断面、即ち、熱分解ガスの流れ方向に対して垂直な断面の外形は、一辺180mmの略正方形であった。
バイオマス熱分解器(3)及び予熱器(1)内部に、ヒートキャリア(7)を予め夫々の容器の70%程度の高さまで充填し、次いで、該ヒートキャリア(7)を、予熱器(1)において500℃の温度に加熱した。次いで、該ヒートキャリア(7)を、バイオマス熱分解器(3)の頂部から30キログラム/時間の量で導入し、かつ、バイオマス熱分解器(3)の底部から適量を抜出し、ヒートキャリア(7)の循環を開始した。該ヒートキャリア(7)の循環により、バイオマス熱分解器(3)内部の気相温度及び容器自体の温度が徐々に上昇した。このようなヒートキャリア(7)の循環を継続しながら、同時に、予熱器(1)内部のヒートキャリア(7)温度を800℃まで徐々に昇温した。ヒートキャリア(7)が該温度に達した後、更に、循環を継続して、バイオマス熱分解器(3)内部の気相温度を徐々に上昇させ、バイオマス熱分解器(3)の気相温度が600℃を超えるころから、バイオマス供給口(4)、非酸化性ガス供給口(12)及びスチーム吹込み口(11)からバイオマス熱分解器(3)に、夫々、バイオマス原料、窒素ガス及びスチームを導入し、バイオマス熱分解器(3)の温度が600℃になるようにコントロールした。一方、熱分解ガス改質器(2)には、その熱媒体入口(10)から1,200℃の高温熱風を約2m/時間の量で吹き込みながら、熱分解ガス改質器(2)の気相温度が、950℃になるように、更に、スチーム吹込み口(11)からスチームを導入してコントロールした。このとき、ヒートキャリア(7)は、バイオマス熱分解器(3)において、層状に堆積しており、その堆積量は、バイオマス熱分解器(3)の内容積の約60体積%であった。バイオマス熱分解器(3)からのヒートキャリア(7)の抜出し量は、供給量と同一であり、バイオマス熱分解器(3)において、30キログラム/時間であった。また、抜出し時のヒートキャリア(7)の温度は、400℃であった。
上記の操作において、バイオマス原料としての建設系廃木材を、定量フィーダーを使用して、バイオマス供給口(4)からバイオマス熱分解器(3)に、徐々に供給量を増やしつつ、最終的に約4キログラム/時間(乾燥基準)になるように連続的に導入した。バイオマス熱分解器(3)の温度は、バイオマス原料の導入に伴って徐々に低下したが、同時に、窒素ガス及び過熱蒸気を、その供給量を調節しながらバイオマス熱分解器(3)に導入することによって、バイオマス熱分解器(3)の温度を600℃に保持した。また、バイオマス熱分解器(3)内の圧力を101.3kPaに保持した。ここで、窒素ガスは、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられた非酸化性ガス供給口(12)から、最終的に60リットル/時間の一定量で導入された。また、スチームとしては、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)が使用され、バイオマス熱分解器(3)の上部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。バイオマス熱分解器(3)におけるバイオマス原料の滞留時間は、約1時間であった。これにより、バイオマス熱分解器(3)において熱分解により生じたガスが5.1キログラム/時間で得られた。また、チャーが0.9キログラム/時間で熱分解残渣(チャー)排出口(6)から排出された。
バイオマス熱分解器(3)において得られた熱分解ガスは、続いて、バイオマス熱分解器(3)下部から熱分解ガス導入管(9)を通過して、熱交換器型の熱分解ガス改質器(2)に導入された。該熱分解ガス改質器(2)においては、予め約1,200℃に加熱された高温熱風が、高温熱風入口(10)から熱分解ガス改質器(2)の外側に備えられている熱媒体流路に導入され、熱分解ガス改質器(2)内部を流れる熱分解ガスと熱交換された後、約700℃で高温熱風出口(10)から排出された。熱分解ガスの導入当初は、熱分解ガス改質器(2)内の温度は不安定となるが、高温熱風の量を調節しながら徐々増やし、かつ、熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)から、更に、過熱蒸気(160℃、0.6MPa)を、その量を調節しながら導入することにより、熱分解ガス改質器(2)内の温度が950℃になるように調節した。この時、熱分解ガス改質器(2)は、圧力101.3kPaに保持されていた。熱分解ガス改質器(2)下部に設けられたスチーム吹込み口(11)からの過熱蒸気は、最終的に2キログラム/時間の一定量で導入された。
上記操作により、バイオマス熱分解器(3)が温度600℃及び圧力101.3kPaに保持され、かつ、熱分解ガス改質器(2)が温度950℃及び圧力101.3kPaに保持された。これにより、温度900℃の改質ガスが7.1キログラム/時間の量で改質ガス出口(8)から得られた。
得られた改質ガスをゴム製バッグに捕集し、ガスクロマトグラフィー[島津製作所製GC−14A(商標)]によりガス組成を測定した。表6に得られた改質ガスの組成を示した。また、該操業を3日間連続して実施することができた。該操業期間中、トラブル、とりわけ、タールに起因するトラブルのない良好な連続運転を維持することができた。また、操業期間中、熱分解ガス導入管(9)内でヒートキャリア(7)がタール等により閉塞するというトラブルを生ずることもなく、バイオマス熱分解器(3)から熱分解ガス改質器(2)への熱分解ガスのスムーズな導入が維持された。また、熱分解ガス改質器(2)出口(8)から取り出された改質ガス中のタール量は、約0.8g/m−normalであった。
Figure 2017203587
(比較例1)
バイオマス原料の熱分解及び発生した熱分解ガスの改質に使用したガス化装置としては、特許文献5の図1に記載のものを使用した。即ち、熱分解領域(200)の上部に改質領域(300)が上下に直列に備えられている装置である。換言すれば、バイオマス熱分解器と熱分解ガス改質器とが、上下に直列に接続されている装置である。比較例においては、実機の約10分の1の実験用小型装置を使用した。使用したガス化装置は図5に示した通りである。ガス化炉(A)本体の材質はインコネルである。ガス化炉(A)は内径100mm及び高さ650mmの円筒状であり、ガス化炉(A)底部から300mmが熱分解領域(200)であり、頂部から300mmが改質領域(300)である。熱分解領域(200)には、熱媒体としてアルミナボール(D)(直径は5〜15mm)を使用した。改質領域(300)の上部にはニッケル触媒(E)が充填されている。上記の熱分解領域(200)と改質領域(300)との間にスチーム導入口(400)が設けられている。また、該熱分解領域(200)と改質領域(300)のガス化炉外壁には、夫々、温度制御可能な電気加熱器(B)及び(C)が設置されている。
原料としては、実施例1と同じ建設系廃木材を使用した。原料を、気流搬送により原料供給配管(100)から、ガス化炉(A)の熱分解領域(200)に30〜40秒間隔で0.11グラム毎断続的に導入した。ガス化炉(A)の熱分解領域(200)は、電気加熱器(B)を使用して熱媒体としてのアルミナボールを加熱することにより、550℃の温度に制御された。また、熱分解領域(200)は、その底部(600)からヘリウムガスが0.50リットル/分で導入されて、0.103MPaの圧力に保持された。該廃木材は熱分解されて、発生したガスは、同一の圧力に保持されたガス化炉(A)の改質領域(300)に導入され、スチームと混合された。
ガス化炉(A)の改質領域(300)の温度は1,000℃であり、改質領域(300)の出口部(500)におけるガス温度は947℃であった。改質領域(300)の温度は、電気加熱器(C)により一定に制御された。得られた改質ガスの組成は、表7に示す通りである。また、改質領域(300)の出口側の改質ガス中のタール量は、約5g/m−normalであった。該装置においては、操業を3日間連続して実施することができたが、2日目を過ぎるあたりから、熱分解領域(200)内の圧力が多少上昇し始めた。操業終了後、アルミナボール(D)層を点検したところタールの沈積が認められた。従って、長期間の連続操業には問題があると推察される。
Figure 2017203587
実施例1及び2は、バイオマス原料を変えたものである。いずれのバイオマス原料であっても、操業期間中、タールに起因するトラブルのない良好な連続運転を継続することができ、熱分解ガス導入管(9)内でヒートキャリア(7)がタール等により閉塞するというトラブルを生ずることもなく、バイオマス熱分解器(3)から熱分解ガス改質器(2)への熱分解ガスのスムーズな導入が維持された。加えて、得られた改質ガス中のタール量は、極めて少ないものであった。実施例3は、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)の上部に夫々別個に予熱器(1,1)を設置して、ヒートキャリア(7)を、夫々異なる温度に加熱して、バイオマス熱分解器(3)及び熱分解ガス改質器(2)に供給するガス化装置を使用したものである。実施例1及び2と同様に良好な操業を確保することができ、かつ、得られた改質ガス中のタール量は、極めて少ないものであった。実施例4は、熱分解ガス改質器(2)として、高温熱風で加熱する熱交換器型の改質器を使用したものである。実施例1〜3と同様に良好な操業を確保することができた。また、得られた改質ガス中のタール量は、僅かに増加したものの、装置のスムーズな操業を阻害するものではなかった。比較例1は、従来の装置を使用したものである。アルミナボール(D)層へのタールの沈積が認められ、長期間の連続操業には問題があることが分かった。加えて、実施例1〜4と比較例1との結果から、いずれにおいても、改質ガス組成はほぼ等しく、本発明のガス化装置を使用すれば、従来の縦型直列2段ガス化炉と同程度にガス化処理ができることが分かった。また、改質ガス中のタール量では、本発明の装置において著しく低下しており、バイオマスのガス化装置として有用であることが示された。
本発明のバイオマスのガス化装置によれば、バイオマスの熱分解温度及び発生した熱分解ガスの改質温度を最適化することにより、熱分解ガスの発生量を増大させ、かつ、最終製品である水素含有ガスの生産量を増大させ得るばかりではなく、タール及び煤塵の発生量を低減せしめ得る。加えて、発生したタールを効果的にガス化し、かつ、ガス化されずに残存したタール及び煤塵を効率的に回収して、それにより、タール及び煤塵による装置トラブルを著しく軽減し得る。従って、本発明のガス化装置は、今後、バイオマスのガス化に大いに利用されることが期待される。加えて、水素製造事業及び発電事業への利用も期待される。
1,1、1 予熱器
2 熱分解ガス改質器
3 バイオマス熱分解器
4 バイオマス供給口
5 排出物処理装置
6 熱分解残渣(チャー)排出口
7 複数の粒状物及び/又は塊状物[熱担持媒体(ヒートキャリア)]
8 改質ガス排出口
9 熱分解ガス導入管
9−2 熱分解ガス導入管の熱分解ガス改質器側ガス導入口(ガス出口)
9−3 熱分解ガス導入管のバイオマス熱分解器側ガス取り入れ口(ガス入口)
10、10 熱媒体入口、出口
11、11、11 スチーム吹込み口
12 非酸化性ガス供給口
13 バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器内に夫々形成される、複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面
g 熱分解ガスの流れ方向
h 熱分解ガス導入管内部底面の突出部分の高さ
熱分解ガス導入管のガス取り入れ口の垂直方向の幅(高さ)
熱分解ガス導入管のガス導入口の垂直方向の幅(高さ)
θ 熱分解ガス導入管の内部底面突出部の傾斜角度
A ガス化炉
B 電気加熱器
C 電気加熱器
D アルミナボール(熱媒体)
E ニッケル触媒
100 原料供給配管
200 熱分解領域
300 改質領域
400 スチーム導入口
500 改質ガス出口
600 ヘリウム導入口

Claims (12)

  1. バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備えるバイオマス熱分解器と、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備える熱分解ガス改質器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、かつ、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器が、夫々更に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口及び排出口を備え、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化装置において、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器とが、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに対して並列に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器の両側において、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器の側面に備えられており、かつ、上記熱分解ガス導入管が、重力方向に対して略水平に備えられていることを特徴とするバイオマスのガス化装置。
  2. 上記熱分解ガス導入管の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有している、請求項1記載のバイオマスのガス化装置。
  3. 上記熱分解ガス導入管の内部底面が、バイオマス熱分解器及び熱分解ガス改質器の両側から中央部へと傾斜を備えて上方に向かって突出した構造を有している、請求項1記載のバイオマスのガス化装置。
  4. 上記熱分解ガス導入管の長手方向に垂直な断面の外形が略四角形である、請求項1〜3のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置。
  5. 上記熱分解ガス導入管が、1又は2本備えられている、請求項1〜4のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置。
  6. 上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、請求項1〜5のいずれか一つに記載のバイオマスのガス化装置。
  7. バイオマス供給口、並びに、非酸化性ガス供給口及び/又はスチーム吹込み口を備えるバイオマス熱分解器と、スチーム吹込み口及び改質ガス排出口を備える熱分解ガス改質器と、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスを上記熱分解ガス改質器へと導入する、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間に備えられた熱分解ガス導入管とを備え、かつ、上記バイオマス熱分解器が、更に、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物の導入口及び排出口を備え、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解を実行し、一方、上記熱分解ガス改質器が、更に、その外側に予め加熱されたガス状又は液体状熱媒体の流路を備え、該熱媒体の持つ熱により、バイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化装置において、上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器側において、上記バイオマス熱分解器内に形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器の側面に備えられていることを特徴とするバイオマスのガス化装置。
  8. 上記熱分解ガス導入管が、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器との間の上記バイオマス熱分解器側において、重力方向に対して略水平に備えられており、次いで、上記熱分解ガス改質器側に向かって、上方に立ち上がった構造を有している、請求項7記載のバイオマスのガス化装置。
  9. 上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、請求項7又は8記載のバイオマスのガス化装置。
  10. バイオマスを、非酸化性ガス雰囲気下又は非酸化性ガスとスチームとの混合ガス雰囲気下において加熱するバイオマス熱分解器と、上記バイオマス熱分解器において発生したガスを、スチームの存在下に加熱する熱分解ガス改質器とを備え、かつ、予め加熱された複数の粒状物及び/又は塊状物を、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器に投入せしめて、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の持つ熱により、バイオマスの熱分解及びバイオマスの熱分解により発生した熱分解ガスの改質を実行するバイオマスのガス化方法において、上記複数の粒状物及び/又は塊状物が、上記複数の粒状物及び/又は塊状物の流れに対して並列に備えられている上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器とに別個に投入され、上記バイオマス熱分解器において発生した熱分解ガスが、上記バイオマス熱分解器と上記熱分解ガス改質器の両側において、上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器内に夫々形成される、上記複数の粒状物及び/又は塊状物層の上面より下方の上記バイオマス熱分解器及び上記熱分解ガス改質器の側面に備えられ、かつ、重力方向に対して略水平に備えられた熱分解ガス導入管を通って、上記熱分解ガス改質器に導入されて改質されるバイオマスのガス化方法。
  11. 上記熱分解ガス導入管の内部底面が、上方に向かって突出した構造を有している、請求項10記載のバイオマスのガス化方法。
  12. 上記熱分解ガス導入管が、その内部に上記複数の粒状物及び/又は塊状物を保有している、請求項10又は11記載のバイオマスのガス化方法。
JP2017519000A 2016-05-23 2016-05-23 バイオマスのガス化装置 Active JP6412261B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/065229 WO2017203587A1 (ja) 2016-05-23 2016-05-23 バイオマスのガス化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017203587A1 true JPWO2017203587A1 (ja) 2018-06-07
JP6412261B2 JP6412261B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=60411695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017519000A Active JP6412261B2 (ja) 2016-05-23 2016-05-23 バイオマスのガス化装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6412261B2 (ja)
TW (1) TW201741446A (ja)
WO (1) WO2017203587A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6899102B2 (ja) * 2017-09-29 2021-07-07 株式会社ジャパンブルーエナジー バイオマスのガス化装置
JP7140341B2 (ja) * 2018-07-06 2022-09-21 株式会社翼エンジニアリングサービス バイオマスを原料とする水素製造方法
GB2583097B (en) * 2019-04-15 2023-08-16 Big Atom Ltd Pyrolysis apparatus and method
EP4098942A1 (fr) * 2021-05-29 2022-12-07 François Hustache Procédé de traitement des déchets organiques par pyrolyse

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003510403A (ja) * 1999-09-24 2003-03-18 ドクトーア ミューレン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシヤフト 有機物質および物質混合物をガス化する方法
JP2007016061A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 固体燃料のガス化方法及び該方法を用いたガス化装置
JP2008088434A (ja) * 2007-10-29 2008-04-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd バイオマスガス化炉
JP2010121049A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Jfe Engineering Corp 有機物原料のガス化装置及び方法
US20130153826A1 (en) * 2011-07-21 2013-06-20 Antonin Paquet Use of char particles in the production of synthesis gas and in hydrocarbon reforming

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4636048B2 (ja) * 2007-04-10 2011-02-23 株式会社Ihi ガス化ガスからのタール除去方法及び装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003510403A (ja) * 1999-09-24 2003-03-18 ドクトーア ミューレン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシヤフト 有機物質および物質混合物をガス化する方法
JP2007016061A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 固体燃料のガス化方法及び該方法を用いたガス化装置
JP2008088434A (ja) * 2007-10-29 2008-04-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd バイオマスガス化炉
JP2010121049A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Jfe Engineering Corp 有機物原料のガス化装置及び方法
US20130153826A1 (en) * 2011-07-21 2013-06-20 Antonin Paquet Use of char particles in the production of synthesis gas and in hydrocarbon reforming

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017203587A1 (ja) 2017-11-30
JP6412261B2 (ja) 2018-10-24
TW201741446A (zh) 2017-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5756231B2 (ja) バイオマスのガス化装置
JP6899102B2 (ja) バイオマスのガス化装置
US6941879B2 (en) Process and gas generator for generating fuel gas
CN101781583B (zh) 煤热解气化高值利用的方法及其装置
JP6412261B2 (ja) バイオマスのガス化装置
GB2539518A (en) A gasification system
CN106987281A (zh) 粉煤热解气化一体化反应器和处理粉煤的方法
CN105885950B (zh) 一种固体废弃物三床联用热解气化和焦油裂解一体化系统
CN106318417A (zh) 用于制造生物甲烷和生态甲烷的方法和系统
CN105874038A (zh) 用于热解含碳材料的设备
CN100543116C (zh) 制备无焦油产品气的贫氧流化燃烧下吸式气化方法及装置
CN205740917U (zh) 一种固体废弃物三床联用热解气化和焦油裂解一体化系统
JP2023085579A (ja) バイオマスのガス化装置
JP2023085580A (ja) バイオマスのガス化装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6412261

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350