JPWO2017200089A1 - 移植用の肝臓の灌流装置、および、当該装置を用いた肝臓摘出方法および肝臓移植方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記装置は、下記(A)〜(D)を備え、
(A)下記のカニューレ(i)〜(iv):
(i)前記移植用の肝臓の門脈に接続される灌流液流入用カニューレ
(ii)前記移植用の肝臓の肝動脈に接続される灌流液流入用カニューレ
(iii)前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈に接続される灌流液流出用カニューレ
(iv)前記移植用の肝臓の肝下部下大静脈に接続される灌流液流出用カニューレ
(B)灌流液を含む1または複数の灌流液容器、
(C)1または複数のポンプ、および、
(D)配管
ここで、前記(A)〜(D)は、前記移植用の肝臓を灌流する際に、前記1または複数のポンプの少なくともいずれかにより、前記1または複数の灌流液容器の少なくともいずれかに含まれる灌流液が、前記配管を介して、前記灌流液流入用カニューレ(i)および/または(ii)から前記移植用の肝臓へ流入し、前記移植用の肝臓内の灌流液が、前記灌流液流出用カニューレ(iii)および/または(iv)から流出するように構成されることを特徴とする、装置に関する。
装置。
本発明の一実施形態である、移植用の肝臓9の灌流装置1の設計例である図1を参照しながら、本発明に係る装置を説明する。
(i)移植用の肝臓9の門脈に接続される灌流液流入用カニューレ32
(ii)移植用の肝臓9の肝動脈に接続される灌流液流入用カニューレ32
(iii)移植用の肝臓9の肝上部下大静脈に接続される灌流液流出用カニューレ42
(iv)移植用の肝臓9の肝下部下大静脈に接続される灌流液流出用カニューレ42
(B)灌流液を含む1または複数の灌流液リザーバー20(灌流液容器)
(C)1または複数のポンプ33,43
および、
(D)配管31,41
そして、移植用の肝臓9を灌流する際に、ポンプ33,43の少なくともいずれかにより、灌流液リザーバー20の少なくともいずれかに含まれる灌流液が、配管31,41を介して、2つの灌流液流入用カニューレ32の一方または両方から移植用の肝臓9へ流入し、移植用の肝臓9内の灌流液が、灌流液流出用カニューレ42の一方または両方から流出するように構成される。
次に、本発明の灌流装置1を用いた肝臓移植の流れについて、以下に説明する。
まず、本発明の灌流装置1を用いたドナー肝臓の摘出の流れについて、図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明の灌流装置1を用いてドナーから移植用の肝臓9を摘出する工程の流れを示したフローチャートである。本発明の灌流装置1を用いて、ドナーから移植用の肝臓9を摘出する場合には、例えば、以下のステップ(1)〜(4)のように実施することができる。
続いて、本発明の灌流装置1を用いたドナー肝臓のレシピエントへの移植の流れについて、図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明の灌流装置1を用いてレシピエントへ移植用の肝臓9を移植する工程の流れを示したフローチャートである。本発明の灌流装置1を用いて、移植用の肝臓9をレシピエントに移植する際に用いる場合には、例えば、以下のステップ(5)〜(7)のように実施することができる。
本発明の灌流装置1は、移植用の肝臓9の少なくとも一部を液体に浸漬させることができる容器(すなわち、バイオリアクター用の容器)を備えてもよい。移植用の肝臓9を液体に浸漬させることにより、移植用の肝臓9の乾燥を防ぐとともに、浸漬させる液体の温度を制御することにより、移植用の肝臓を最適な温度に維持することができる。移植用の肝臓を浸漬させる液体は、例えば灌流液と同様の組成の液体であってよく、生理食塩水であってもよい。また、本願明細書において、肝臓9を浸漬させるための「液体」には、液状のもの、ゲル状またはゾル状のもの、寒天状のもの、等も含む。
以下において、本発明を、実験の実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
以下の実験は、摘出したラット肝臓を、本発明の方法を用いて別個体へ異所的に移植し、生体における肝機能を評価することを目的としている。実施例1では、本発明を用いたラット肝臓の他家異所性移植の詳細な手順について説明する。
レシピエント動物:系統wister 性別♂
以下に、ドナー肝の摘出、移植用肝臓の準備、および移植用肝臓のレシピエントへの移植の各工程を、詳述する。
以下の手順により、ドナー動物から移植用の肝臓を摘出した。(1)あらかじめ生食(生理食塩水)を氷上で冷やしておく。(2)吸入麻酔器を用いてドナーラットに麻酔をかける(Isoflurane 3% 400ml/min)。(3)ドナーラットの腹部の毛を剃り、開腹する。(4)正中線の結合膜を切断し、左横隔膜静脈を結紮する。(5)肝下部下大静脈、右腎静脈を単離する。(6)総肝動脈から大動脈にかけて剥離し、大動脈にループをかける。(7)陰茎静脈よりヘパリン40unit注射したのち、腹部大動脈にカニュレーションを行う。(8)胸部大動脈を鉗子で遮断し、胸部大静脈を半切した後に冷生食でフラッシュする。(9)肝下部下大静脈を左腎静脈より下で切開し、肝右側背部結合組織を切断する。(10)右副腎静脈を結紮し、切離し右腎静脈直上で大静脈を切断する。(11)固有肝動脈以外の分岐2か所大動脈の分岐1か所を結紮し大動脈のループを結紮する。(12)胆管にステント挿入し、胴体側から切離する。(13)幽門静脈、脾静脈の順に結紮し、切離し脾静脈直下で門脈を切断する。(14)胃、食道周辺の結合膜を切断し、肝臓を単離後、肝−食道間血管叢を結紮切離する。(15)周囲組織より横隔膜ごと胸腔側の肝上部下大静脈を単離する。(16)大動脈を切離し、肝臓を単離後、冷生食中で保存する。
以下の手順により、摘出した移植用の肝臓をレシピエントへ移植するための準備を行った。(1)移植用肝臓の灌流用の灌流液(L−15+RBC:500ml)を準備する。 (2)移植用肝臓の門脈に挿入された門脈カニューレに移植灌流用チューブ(門脈用)を接続する。 (3)横隔膜を肝上部下大静脈(SHIVC)の周囲で切離する。 (4)肝下部下大静脈(IHIVC)を結紮部位近傍で切離し、灌流液のOutカニューレ(肝上部下大静脈用カニューレおよび肝下部下大静脈用カニューレ)を挿入し、結紮固定する。(5)肝動脈に、肝動脈用カニューレを介して移植灌流用チューブ(動脈用)を接続し、結紮固定する。(6)門脈に挿入したカニューレおよび肝動脈に挿入したカニューレから灌流液を流入させ、肝上部下大静脈に挿入したカニューレおよび肝下部下大静脈に挿入したカニューレから灌流液を流出させることにより、灌流を行う。なお、灌流は1つ以上のカニューレを移植用肝臓へ挿入した段階から開始してもよく、全てのカニューレを挿入してから開始してもよい。また、各カニューレの挿入および灌流は、ドナーからの肝臓摘出工程と並行して行われてもよい。
以下の手順により、灌流を行っている移植用の肝臓をレシピエントへ移植した。(1)吸入麻酔器を用いてレシピエントラットに麻酔をかける(Isoflurane 3% 200ml/min)。(2)Isoflurane 2%に設定し、レシピエントラットの腹部の毛を剃る。(3)レシピエントラットの皮膚、腹膜を切開、開腹する。(4)右腎周囲を露出させ視野を確保する。
本発明の装置および方法を用いて移植用の肝臓を摘出および灌流する場合の、温度制御による障害抑制効果、および、灌流液への赤血球の添加による障害抑制効果について実験を行った。
ペントバルビタールにより麻酔をかけた150‐200gのWisterラットの門脈、肝上部下大静脈にカニュレーションを行い、本発明の方法を用いて肝臓を灌流しながら摘出した。培養容器に肝臓を設置し培養液中に浮遊させた状態で灌流を継続した。4時間おきに培養液のサンプリングを行い遠心分離により上清を回収後、解析用サンプルとして4℃下に保存した。培養終了後回収した解析用サンプルをWakoトランスアミナーゼCIIテストワコーを用いて555nmの吸光度を測定した。
≪実験方法と結果≫
本発明の装置および方法を用いて灌流を行った肝臓が生体内での十分な機能性を維持していることを確認するために、22℃の温度条件下において赤血球濃度を5.0x10^11cells/Lに設定した灌流液を用いて灌流を行った移植用の肝臓を、レシピエントの生体に異所的に移植した。controlとして、UW液を用いて24時間の単純冷却保存を行った肝臓、および、赤血球を添加しないL−15培地を用いて22℃の温度条件下において灌流を行った肝臓のそれぞれをレシピエントへ移植した。
本発明の装置および方法が、心停止ドナー(DCDドナー)から提供される肝臓にも利用可能であることを示すために、本発明の装置および方法を用いて、重度の温虚血障害を受けた肝臓の生体外培養を行った。
心停止させたLuciferase発現ラットから肝臓を摘出し、心停止から90分の温阻血後、本発明の装置および方法を用いて100分間の生体外灌流(蘇生処置)を行った。なお、22℃の温度条件下において赤血球濃度を5.0x10^11cells/Lに設定した灌流液(L−15培地)を用いて100分間の生体外灌流を行った。図10には、摘出された肝臓におけるATPの相対強度(Relative intensity)が示されている。図10の上段には、肝臓のATP濃度を0〜5の数値範囲を示す相対強度に変換した図が示されている。図10の下段には、肝臓の所定の各部の相対強度の平均値が示されている。
実施例4に記載の方法で生体外灌流(蘇生処理)を行った虚血肝臓をレシピエントへ移植し、移植後の経過を観察した。
実施例4に記載の方法により、心停止から90分の温阻血後、22℃の温度条件下において赤血球濃度を5.0x10^11cells/Lに設定した灌流液(L−15培地)を用いて100分間の生体外培養を行った肝臓をレシピエントの生体に移植した。controlとして、UW液を用いて単純冷却保存を行った肝臓、および、赤血球を含まない灌流液(L−15培地)を用いて蘇生処置を行った肝臓を、それぞれレシピエントへ移植した。また、実施例3と同様に、移植から1週間後に、臓器の生着が認められた個体に対して、レシピエント本来の肝臓9を部分肝切除するとともに門脈血の切り替えを行った。
本発明の装置および方法を用いて移植用の肝臓を摘出および灌流する場合の、ブタ肝臓の生着の可否について実験を行った。
実験の具体的な手順は、実施例1に示すラットについての実験手順とほぼ同様である。実施例6におけるブタでの実験と、実施例1におけるラットでの実験との手順の相違点については、以下の通りである。まず、ドナー肝臓の摘出後、レシピエントへの移植に至るまで、実施例1においては肝下部下大静脈と肝上部下大静脈の双方に灌流液のOutカニューレが接続されていた。しかしながら、実験例6においては、肝下部下大静脈にはカニューレは接続されず、肝上部下大静脈のみにOutカニューレが接続された。また、実施例1においてはドナー肝臓の設置場所にガーゼを配置したが、実施例6ではガーゼを配置せず、レシピエントの腹腔内に直接ドナー肝臓を配置した。また、実施例1においては、右腎を摘出したが、実施例6においては腎臓の摘出は行わない。このため、実施例1においてはドナーの肝下部下大静脈をレシピエントの右腎静脈と端端吻合したが、実施例6においてはドナーの肝下部下大静脈をレシピエントの右腎静脈と端側吻合した。その他の手順については、同様である。
9 肝臓
10 バイオリアクター領域
20 灌流液リザーバー
21 温度調節機構
22 ガス交換機構
30 灌流液流入経路
31 配管
32 灌流液流入量カニューレ
33 ポンプ
34 温度調節ユニット
35 脱気ユニット
36 圧力計
37 流量計
40 灌流液流出経路
41 配管
42 灌流液流出用カニューレ
43 ポンプ
44 圧力計
45 流量計
Claims (24)
- ドナーから移植用の肝臓を摘出する際に用いるための、または、移植用の肝臓をレシピエントに移植する際に用いるための、移植用の肝臓の灌流装置であって、
前記装置は、下記(A)〜(D)を備え、
(A)下記のカニューレ(i)〜(iv):
(i)前記移植用の肝臓の門脈に接続される灌流液流入用カニューレ
(ii)前記移植用の肝臓の肝動脈に接続される灌流液流入用カニューレ
(iii)前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈に接続される灌流液流出用カニューレ
(iv)前記移植用の肝臓の肝下部下大静脈に接続される灌流液流出用カニューレ
(B)灌流液を含む1または複数の灌流液容器、
(C)1または複数のポンプ、および、
(D)配管
ここで、前記(A)〜(D)は、前記移植用の肝臓を灌流する際に、前記1または複数のポンプの少なくともいずれかにより、前記1または複数の灌流液容器の少なくともいずれかに含まれる灌流液が、前記配管を介して、前記灌流液流入用カニューレ(i)および/または(ii)から前記移植用の肝臓へ流入し、前記移植用の肝臓内の灌流液が、前記灌流液流出用カニューレ(iii)および/または(iv)から流出するように構成されることを特徴とする、
装置。 - 請求項1に記載の灌流装置であって、
前記移植用の肝臓を灌流する際に、前記灌流液流入用カニューレ(i)および/または(ii)と、前記移植用の肝臓と、前記灌流液流出用カニューレ(iii)および/または(iv)と、前記灌流液容器との間で、前記配管を介した灌流回路が形成されることを特徴とする、
装置。 - 請求項1または請求項2に記載の灌流装置であって、
前記装置を、ドナーから移植用の肝臓を摘出する際に用いる場合には、以下のステップ(1)〜(4):
(1)ドナーの肝動脈および門脈のいずれか一方を切開または切断して、切開部位または切断部位に第1の灌流液流入用カニューレを接続し、かつ、ドナーの肝上部下大静脈および肝下部下大静脈のいずれか一方を切開または切断して、切開部位または部位に第1の灌流液流出用カニューレを接続するステップ、
(2)前記第1の灌流液流入用カニューレから灌流液を流入させ、かつ、前記第1の灌流液流出用カニューレから灌流液を流出させることによる、前記移植用の肝臓の灌流液による灌流を開始するステップ、
(3)ステップ(1)で切開または切断を行わなかった肝動脈および門脈の他方を切開または切断して、切開部位または切断部位に第2の灌流液流入用カニューレを接続し、かつ、ステップ(1)で切開または切断を行わなかった肝上部下大静脈および肝下部下大静脈の他方を切開または切断して、切開部位または部位に第2の灌流液流出用カニューレを接続するステップ、および、
(4)前記第1および第2の灌流液流入用カニューレから灌流液を流入させ、かつ、前記第1および第2の灌流液流出用カニューレから灌流液を流出させることによる、前記移植用の肝臓の灌流液による灌流を維持しながら、ドナーから肝臓を摘出するステップ、
を含む用法で用いられることを特徴とする、
装置。 - 請求項1または請求項2に記載の灌流装置であって、
前記装置を、移植用の肝臓をレシピエントに移植する際に用いる場合には、以下のステップ(5)〜(7):
(5)門脈に灌流液流入用カニューレ(i)が接続されており、肝動脈に灌流液流入用カニューレ(ii)が接続されており、肝上部下大静脈に灌流液流出用カニューレ(iii)が接続されており、肝下部下大静脈に灌流液流出用カニューレ(iv)が接続されており、前記灌流液流入用カニューレ(i)および(ii)から灌流液が流入され、かつ、前記灌流液流出用カニューレ(iii)および(iv)から灌流液が流出されている状態の、移植用の肝臓を準備するステップ、
(6)前記移植用の肝臓の門脈および肝動脈のいずれか一方の灌流液流入用カニューレ、および、前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈および肝下部下大静脈のいずれか一方の灌流液流出用カニューレを除去し、前記移植用の肝臓の灌流液による灌流を維持しながら、灌流液流入用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合し、灌流液流出用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合するステップ、および、
(7)前記移植用の肝臓の門脈または肝動脈の他方から未除去の灌流液流入用カニューレを除去し、かつ、前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈または肝下部下大静脈の他方から未除去の灌流液流出用カニューレを除去し、灌流液流入用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合し、灌流液流出用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合するステップ、
を含む用法で用いられることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の灌流装置であって、
前記移植用の肝臓の少なくとも一部を液体に浸漬させることができる容器をさらに備えることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の灌流装置であって、
前記配管の少なくとも一部が伸縮性のある素材または構造を有することを特徴とする、装置。 - 請求項6に記載の灌流装置であって、
前記伸縮性のある構造が、蛇腹構造であることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の灌流装置であって、
前記配管において、灌流液の流量を測定するための流量計、および、灌流液の流圧を測定するための圧力計が設けられ、
前記ポンプは動作制御機構を有し、
前記移植用の肝臓を灌流する際に、前記流量計および/または前記圧力計の測定値に応じて前記ポンプの動作制御機構が作動することにより、灌流中の灌流液の流速および/または流圧が所定の範囲内に保たれることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の灌流装置であって、
前記灌流液容器と、前記灌流液流入用カニューレ(i)または(ii)とを接続する前記配管において、灌流液中の気泡を除去するための脱気ユニットが設置されることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の灌流装置であって、
前記灌流液容器が、灌流液の温度を調節するための温度調節機構、および/または、灌流液中の溶存酸素、溶存二酸化炭素および/または溶存窒素の量を調節するためのガス交換機構を備えることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の灌流装置であって、
前記灌流液容器と、前記灌流液流入用カニューレ(i)または(ii)とを接続する前記配管において、灌流液の温度を調節するための温度調節ユニットが設置されることを特徴とする、
装置。 - 請求項10または請求項11に記載の灌流装置であって、
前記移植用の肝臓を灌流する際に、前記灌流液容器の温度調節機構、および/または、前記配管に設置された温度調節ユニットによって、前記移植用の肝臓に流入する灌流液の温度が20〜25℃の範囲に制御されることを特徴とする、
装置。 - 請求項1ないし請求項12に記載の灌流装置であって、
前記移植用の肝臓を灌流する際に、前記灌流液が、酸素運搬体を含むことを特徴とする、
装置。 - 請求項13に記載の灌流装置であって、
前記酸素運搬体が赤血球であることを特徴とする、
装置。 - ドナーから移植用の肝臓を摘出する方法であって、
(1)ドナーの肝動脈および門脈のいずれか一方を切開または切断して、切開部位または切断部位に第1の灌流液流入用カニューレを接続し、かつ、ドナーの肝上部下大静脈および肝下部下大静脈のいずれか一方を切開または切断して、切開部位または切断部位に第1の灌流液流出用カニューレを接続するステップ、
(2)前記第1の灌流液流入用カニューレから灌流液を流入させ、かつ、前記第1の灌流液流出用カニューレから灌流液を流出させることによる、前記移植用の肝臓の灌流液による灌流を開始するステップ、
(3)ステップ(1)で切開または切断を行わなかった肝動脈および門脈の他方を切開または切断して、切開部位または切断部位に第2の灌流液流入用カニューレを接続し、ステップ(1)で切開または切断を行わなかった肝上部下大静脈および肝下部下大静脈の他方を切開または切断して、切開部位または切断部位に第2の灌流液流出用カニューレを接続するステップ、および、
(4)前記第1および第2の灌流液流入用カニューレから灌流液を流入させ、かつ、前記第1および第2の灌流液流出用カニューレから灌流液を流出させることによる、前記移植用の肝臓の灌流液による灌流を維持しながら、ドナーから肝臓を摘出するステップ、
を含むことを特徴とする、
方法。 - 請求項15に記載の方法であって、
前記ステップ(1)〜(4)を、ドナーの肝臓が20〜25℃の範囲内におかれた状態で実施することを特徴とする、
方法。 - 請求項15または請求項16に記載の方法であって、
前記ステップ(1)〜(4)において用いられる灌流液が、酸素運搬体を含むことを特徴とする、
方法。 - 請求項17に記載の方法であって、
前記酸素運搬体が赤血球であることを特徴とする、
方法。 - 移植用の肝臓をレシピエントに移植する方法であって、
(5)門脈に第1の灌流液流入用カニューレが接続されており、肝動脈に第2の灌流液流入用カニューレが接続されており、肝上部下大静脈に第1の灌流液流出用カニューレが接続されており、肝下部下大静脈に第2の灌流液流出用カニューレが接続されており、前記第1および第2の灌流液流入用カニューレから灌流液が流入され、かつ、前記第1および第2の灌流液流出用カニューレから灌流液が流出されている状態の、移植用の肝臓を準備するステップ、および、
(6)前記移植用の肝臓の門脈および肝動脈のいずれか一方の灌流液流入用カニューレ、および、前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈および肝下部下大静脈のいずれか一方の灌流液流出用カニューレを除去し、前記移植用の肝臓の灌流液による灌流を維持しながら、灌流液流入用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合し、灌流液流出用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合するステップ、
を含むことを特徴とする、
方法。 - 請求項19に記載方法であって、
(7)前記移植用の肝臓の門脈および肝動脈の他方から未除去の灌流液流入用カニューレを除去し、前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈および肝下部下大静脈の他方から未除去の灌流液流出用カニューレを除去し、灌流液流入用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合し、灌流液流出用カニューレが除去された前記血管と、レシピエント側の対応する血管とを吻合するステップ、
をさらに含むことを特徴とする、
方法。 - 請求項19に記載方法であって、
(8)前記移植用の肝臓の門脈および肝動脈の他方から未除去の灌流液流入用カニューレを除去し、前記移植用の肝臓の肝上部下大静脈および肝下部下大静脈の他方から未除去の灌流液流出用カニューレを除去し、灌流液流入用カニューレが除去された前記血管を、結紮、または、レシピエント側の対応する血管とを吻合し、灌流液流出用カニューレが除去された前記血管を、結紮、または、レシピエント側の対応する血管とを吻合するステップ、
をさらに含むことを特徴とする、
方法。 - 請求項19ないし請求項21のいずれかに記載の方法であって、
各ステップを、前記移植用肝臓が20〜25℃の範囲内におかれた状態で実施することを特徴とする、
方法。 - 請求項19ないし請求項22のいずれかに記載の方法であって、
各ステップにおいて用いられる灌流液が、酸素運搬体を含むことを特徴とする、
方法。 - 請求項23に記載の方法であって、
前記酸素運搬体が赤血球であることを特徴とする、
方法。
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