JPWO2017183389A1 - インクジェットヘッド、ヘッドモジュール及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室内部に圧力変化を生じさせることにより、前記複数のノズルからインクを射出させる複数の圧力発生手段を有するヘッドチップと、
前記複数の圧力室に供給するインクを貯留する共通インク室と、
前記共通インク室の外側に設けられ、前記インクジェットヘッドの熱を放熱可能な放熱部を有する外装フレームと、
前記外装フレームの外側に設けられた筐体に取り付けられた、前記圧力発生手段を駆動する駆動部と、
前記ヘッドチップの温度を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された温度に基づいて駆動し、前記外装フレームを加熱する第1ヒーターと、を備え、
前記ヘッドチップから前記放熱部までの熱抵抗をRa(℃/W)、前記駆動部から前記放熱部までの熱抵抗をRb(℃/W)、及び前記第1ヒーターから前記放熱部までの熱抵抗をRc(℃/W)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
式(1):Rc<Rb<Ra
前記共通インク室を加熱する第2ヒーターを備えることを特徴とする。
前記インクジェットヘッドの側面に、当該側面から突起する複数の凸部を有することを特徴とする。
前記放熱部は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されていることを特徴とする。
前記ヘッドチップは、シリコン基板を有することを特徴とする。
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを取り付ける取付部材を有するヘッドモジュールであって、
前記取付部材に、前記インクジェットヘッドの2つ以上が、前記インクジェットヘッドの前記放熱部が接触するように取り付けられており、
前記取付部材が、金属によって形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載のヘッドモジュールと、
前記検知手段によって検知された温度に基づいて、前記第1ヒーターの駆動を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置100は、プラテン101、搬送ローラー102、及びラインヘッド103,104,105,106等を備える(図1)。
また、以下の説明では、図1に示すとおり、記録媒体Rの搬送方向を前後方向、記録媒体Rの搬送面において当該搬送方向に直交する幅方向を左右方向とし、前後方向及び左右方向に垂直な方向を上下方向(インクの射出方向)として説明する。
ラインヘッド103,104,105,106は、記録媒体Rの搬送方向(前後方向)の上流側から下流側にかけて、搬送方向に直交する幅方向(左右方向)に並列して設けられている。そして、ラインヘッド103,104,105,106の内部には、ヘッドモジュール200が設けられており、そのヘッドモジュール200には、インクジェットヘッド10が少なくとも一つ設けられている。
ヘッドモジュール200は、開口部を有する取付部材201に、複数のインクジェットヘッド10が、当該開口部からヘッドチップ20が露出するように取り付けられている(図2)。また、取付部材201に、インクジェットヘッド10の放熱部51が接触するように取り付けられている。また、複数のインクジェットヘッド10は、左右方向に2列平行となるように設けられており、全体として千鳥格子状の配置となる位置関係で取り付けられている。なお、インクジェットヘッド10の放熱部51は、取付部材201の上面側に接触しているため、図2では、放熱部51を破線で示している。
そして、例えば、ラインヘッド103,104,105,106には、それぞれに対して、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)のインクを射出するインクジェットヘッド10が備えられたヘッドモジュール200が備えられている。
金属としては、一般に高熱伝導率であるので種類は特に問わないが、例えば、42アロイ、ニッケル、コバール、インバー、ステンレス、銅、アルミニウム及びアルミニウム合金等を用いることができる。
インクジェットヘッド10は、ヘッドチップ20、保持部30、共通インク室40、外装フレーム50、筐体60、カバー部材70及び温度の検知手段としての温度検知部80等を備える(図3〜11参照)。
なお、図10及び図11では、ヘッドチップ20、外装フレーム50及び筐体60の位置関係を説明するため、それら以外の接続部材21、キャップ部22及び共通インク室40等の構成部品は省略して記載している。
そして、第一接着用基板2の上面には、圧力室基板3が積層され、接合されている。
圧力室層3aは、第一接着用基板2の上面に積層され、接合されている。また、圧力室層3aは、シリコン製の基板から構成されている。この圧力室層3aには、ノズルnから射出されるインクを貯留する圧力室3cが、当該圧力室層3aを貫通するように形成されている。
圧力室3cは、貫通孔2a及びノズルnの上方に設けられ、これら貫通孔2a及びノズルnと連通している。
振動板3bは、圧力室3cの開口を覆うように圧力室層3aの上面に積層され、接合されている。すなわち、振動板3bは、圧力室3cの上壁部を構成している。また、振動板3bの表面には、例えば、酸化膜が形成されている。
そして、振動板3bの上面には、第二接着用基板4が積層され、接合されている。
そして、第二接着用基板4の上面には、配線基板6が積層され、接合されている。
また、インターポーザ6aには、第二接着用基板4の貫通孔4bと連通するインレット6iが、当該インターポーザ6aを上下方向に貫通するように形成されている。
放熱部51,51は、ネジ等によって、ヘッドモジュール200の取付部材201に接触するように固定されており、これによって、インクジェットヘッド10がヘッドモジュール200に取付固定されている(図2)。そして、インクジェットヘッド10の熱が、放熱部51からヘッドモジュール200の取付部材201に放熱できるようになっている。
放熱部51は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されていることが、高熱伝導率であり、かつ耐食性に優れているという観点から好ましい。
なお、放熱部51は、少なくとも高熱伝導率の材料で形成されていればよく、仮に耐食性の低いものを用いる際には、表面にパリレン膜、クロムめっき、フッ素樹脂等のコーティングを行って用いることとすればよい。
また、放熱部51は、外装フレーム50に設けられていることとしたが、外装フレーム50と一体成形されていてもよいし、外装フレーム50に対して接着剤等によって接着されていてもよい。
なお、第1ヒーター52と第2ヒーター41とはつながっており、同時に加熱されることとしたが、この構成に限られず、第1ヒーター52と第2ヒーター41とをそれぞれ別々に独立して設け、それぞれのヒーターを別々に制御する構成としてもよい。
また、筐体60と外装フレーム50とは別体で形成されており、それらが接着剤等によって接着されている構成としてもよいが、筐体60と外装フレーム50とが一体部品として形成された構成としてもよい。
駆動部61は、シリコン製の集積回路であり、ヘッドチップ20の前後方向の端部から、外装フレーム50と筐体60の間を通って上部に向かって引き出された接続部材21が接続されている。駆動部61は、ヘッドチップ20から遠い位置に設けられているため、駆動部61から発生した熱がヘッドチップ20へ影響を及ぼしづらいようになっている。
また、前側及び後側の駆動部61,61に接続された前側及び後側の接続部材21は、筐体60の中央部付近に集められ、最終的に、ヘッドチップの外部に設置された制御部300(図12参照)に接続されている。
インクジェット記録装置100は、当該装置を構成する各部を制御するための制御手段としての制御部300を備えている(図12)。
Memory)302、ROM(Read Only Memory)303等を備えて構成される。
ROM303には、各種処理プログラムが記憶されており、CPU301は、ROM303に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM302に展開し、展開したプログラムに従ってインクジェット記録装置100の各部の動作を制御する。
また、制御部300は、圧電素子5の駆動部61を駆動してヘッドチップ20内部の圧電素子5に電気を供給し、圧電素子5が変位して圧力室3cを加圧することによって、ノズルnからインクを射出する。
本実施形態のインクジェットヘッド10は、ヘッドチップ20から放熱部51までの熱抵抗をRa(℃/W)、駆動部61から放熱部51までの熱抵抗をRb(℃/W)、及び第1ヒーター52から放熱部51までの熱抵抗をRc(℃/W)としたとき、下記式(1)の関係を満たしている。
式(1):Rc<Rb<Ra
これにより、例えば、ヘッドチップ20の温度が上述した基準温度よりも高くなっているためインクジェットヘッド10の熱を逃がしたい場合には、第1ヒーター52をオフにして、外装フレーム50を通して放熱部51から熱を効率的に逃がすことができる。また、一方で、例えば、ヘッドチップ20の温度が上述した基準温度よりも低くなっているためインクジェットヘッド10の熱を逃がしたくない場合には、第1ヒーター52をオンにして外装フレーム50をあたためて、放熱部51から熱を逃げにくくすることができる。その場合には、第2ヒーター41もオンとなっているため、共通インク室40内のインクが温められ、そのインクがヘッドチップ20に入ることによって、ヘッドチップ20も温められる。
伝熱部材の熱抵抗R(℃/W)は、伝熱部材の長さL(m)、伝熱部材の熱伝導率λ(W/(m・K))、伝熱部材の断面積A(m2)としたとき、R=L/λAと表すことができる。そのため、所定の2点間の熱抵抗値Rは、図13に示すような回路モデルによって、直列回路と並列回路による合成抵抗として算出することができる。
また、同様に、外装フレーム50は、前後方向に2つに分離しているので、前側及び後側の外装フレーム50を並列回路とみなしている。また、以下の説明では、S2aとS2bを合わせてS2ともいう(図13)。
また、S1、S2及びS3のそれぞれからE1までの間において、途中で同一の領域に熱が伝わって、最終的にE1(放熱部)まで到達しているため、その途中の同一領域の位置をM3と表している。
ここで、R4の算出では、ヘッドチップ20が複数個(例えば、n個)の基板の積層体であることから、図13に示すようにそれぞれの基板の熱抵抗を並列回路とみなして、下記式(2)により各基板の抵抗の逆数の和として算出している。なお、基板の熱抵抗は、上述したR=L/λAを用いて算出しており、カッコ内の数字は下から何層目の基板であるかを表している。
式(2):R4=(1/R4(1))+(1/R4(2))+・・・+(1/R4(n))
なお、Ra、Rb及びRcの熱抵抗値の比較は、M3〜E1間の経路が同じであるため、S3〜M3間の熱抵抗、S1〜M3間の熱抵抗及びS2〜M3間の熱抵抗値の比較によって求めればよい。
本実施形態のインクジェットヘッド10には、インクジェットヘッド10の熱を放熱可能な放熱部51が設けられているが、さらに放熱効果を高めるために、インクジェットヘッド10の側面部に、当該側面から突起する複数の凸部63を有してもよい。また、表面積を増やして放熱効果を高める観点から、図14に示すように、上下方向に沿った複数の凸部63を前後方向に多数並べたヒートシンク形状とすることが好ましい。
このように、インクジェットヘッド10の放熱性を向上させることで、ヘッドモジュール200の取付部材201を、例えば金属よりも熱伝導性の劣る樹脂製の基板を用いることも可能となる。
なお、このような凸部63を有するインクジェットヘッド10する場合は、熱抵抗の計算において、凸部63を設けた部分の対流による熱抵抗を含める必要がある。この場合、想定される使用環境の条件下での必要な熱抵抗を算出し、ヒートシンク形状の必要表面積を求めて、その表面積を有する形状となるように設計すればよい。
以上説明したように、本実施形態のインクジェットヘッド10は、インクジェットヘッド10の熱を放熱可能な放熱部51を有する外装フレーム50と、筐体60に取り付けられた圧電素子5を駆動する駆動部61と、外装フレーム50を加熱する第1ヒーター52と、ヘッドチップ20の温度を検知する温度検知部80と、検知された温度に基づいて、第1ヒーター52の駆動を制御する制御部300と、を備え、ヘッドチップ20から放熱部51までの熱抵抗をRa(℃/W)、駆動部61から放熱部51までの熱抵抗をRb(℃/W)、及び第1ヒーター52から放熱部51までの熱抵抗をRc(℃/W)としたとき、Rc<Rb<Raの関係を満たしている。これにより、ヘッドチップ20の温度を高精度に制御することができ、印刷時において、常に印字ムラが生じないインクの射出速度の範囲内とすることができる。
以上で説明した本発明の実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。すなわち、本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
5 圧電素子(圧力発生手段)
3c 圧力室
10 インクジェットヘッド
20 ヘッドチップ
40 共通インク室
41 第2ヒーター
43 伝熱板
50 外装フレーム
51 放熱部
52 第1ヒーター
60 筐体
61 駆動部
63 凸部
80 温度検知部(検知手段)
100 インクジェット記録装置
200 ヘッドモジュール
201 取付部材
300 制御部(制御手段)
Claims (7)
- インクジェット記録装置のヘッドモジュールに搭載されるインクジェットヘッドであって、
複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室内部に圧力変化を生じさせることにより、前記複数のノズルからインクを射出させる複数の圧力発生手段を有するヘッドチップと、
前記複数の圧力室に供給するインクを貯留する共通インク室と、
前記共通インク室の外側に設けられ、前記インクジェットヘッドの熱を放熱可能な放熱部を有する外装フレームと、
前記外装フレームの外側に設けられた筐体に取り付けられた、前記圧力発生手段を駆動する駆動部と、
前記ヘッドチップの温度を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された温度に基づいて駆動し、前記外装フレームを加熱する第1ヒーターと、を備え、
前記ヘッドチップから前記放熱部までの熱抵抗をRa(℃/W)、前記駆動部から前記放熱部までの熱抵抗をRb(℃/W)、及び前記第1ヒーターから前記放熱部までの熱抵抗をRc(℃/W)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェットヘッド。
式(1):Rc<Rb<Ra - 前記共通インク室を加熱する第2ヒーターを備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記インクジェットヘッドの側面に、当該側面から突起する複数の凸部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッド。
- 前記放熱部は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
- 前記ヘッドチップは、シリコン基板を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
- 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドを取り付ける取付部材を有するヘッドモジュールであって、
前記取付部材に、前記インクジェットヘッドの2つ以上が、前記インクジェットヘッドの前記放熱部が接触するように取り付けられており、
前記取付部材が、金属によって形成されていることを特徴とするヘッドモジュール。 - 請求項6に記載のヘッドモジュールと、
前記検知手段によって検知された温度に基づいて、前記第1ヒーターの駆動を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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