JPWO2016186132A1 - ブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及び/又はユーティパディーバック病の防除用組成物 - Google Patents

ブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及び/又はユーティパディーバック病の防除用組成物 Download PDF

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Abstract

アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物が提供される。

Description

本発明はブドウエスカ病の防除用組成物、該防除用組成物を施用するブドウエスカ病の防除方法、ブドウエスカ病に感染したブドウの同定方法及びブドウエスカ病防除剤の探索方法に関する。
また、本発明はブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物、該防除用組成物を施用するブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除方法にも関する。
ブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病(以下、単に本病害ともいう)は、主に欧州で発生する病害で、欧州ではブドウの樹幹病の主要3病害として知られている。
3病害の中では、エスカ病の発生面積が最も大きく、特に問題視されている一方、最近ではブラックデッドアーム病の被害面積が急速に拡大して問題となっている。
ブドウエスカ病は、Phaeomoniella chlamydospora又はPhaeoacremonium aleophilumによる初期感染後、感染部位から木材腐朽菌の一種であるFomitiporia punctata、F. mediterranea又はStereum hirsutumが樹幹内部に侵入すると考えられている。病原菌による侵入部位の腐敗、維管束の変色やスポンジ化等が徐々に進むにつれ、水分や養分の枝葉への供給が滞るようになり、やがて、葉の変色や枝枯れ、結実不良などの病徴が発現し、ブドウ生産に著しい被害が生じる。ブドウエスカ病は、特に樹齢10年以上のある程度生長した樹に多く発病が見られる点で、一般的な病害とは異なっている。樹齢10年以上のブドウ樹は良質な味のブドウが取れることから農家への経済的被害も大きな物となる。本病害に有効な薬剤として亜ヒ酸ナトリウムが使用されてきたが、人畜毒性及び環境毒性問題のために大多数の国では使用が禁じられ、現在は有効な対処法が無い。
ブドウエスカ病の病徴は樹幹内部の病原菌侵入部位の腐敗が徐々に進行してから発現することが多い。また、ブドウは、冬の間に数本の枝のみを残して他の枝が全て切り落とされるため、当該残された枝付近の樹幹がブドウエスカ病に感染していれば翌年のブドウに枝枯れや葉の変色等の病徴が観察されるが、当該残った枝付近の樹幹がブドウエスカ病に感染していない場合には翌年のブドウに病徴が現れないことがある。そのため、ブドウエスカ病に感染しているブドウを同定するには、長期間、具体的には少なくとも3年間の追跡調査が必要であった。
ブドウブラックデッドアーム病は今世紀になって被害が目立つようになった新しい病害であり、Botryosphaeria parvにより発病し、感染初期はべと病のような黄色がかったオレンジ色の病斑が見られ、その後壊死に至る。そのため、ブドウ生産に甚大な影響が生じる。
ブドウユーティパディーパック病は、Eutypa lataにより発病する。Eutypa lataの菌糸生育速度は遅いが、感染後はエスカ病と同様、ブドウの生育が徐々に衰え、生産に著しい被害が生じる。剪定後の枝断面の殺菌剤処理や被害樹の焼却による防除が行われているものの、効果は限定的なものに留まっている。
特許文献1には、殺菌性無機化合物、両性界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤を含有する植物病害防除剤が、植物病害、具体的にはキュウリうどんこ病に対して防除効果を示すことが記載されているが、ブドウエスカ病に関する記載はなく、示唆も一切ない。
特許文献2には、式MXで表される化合物(Mはアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを表し、Xは炭酸イオン、炭酸水素イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、リン酸イオン又はピロリン酸イオンを表す)を有効成分として含む、植物の果実糖度上昇剤が植物果実の糖度を顕著に上昇させること等を開示しているが、本病害の防除剤及び防除方法に関する記載は一切ない。
特許文献3には、植物病原菌のミトコンドリア呼吸鎖b/c1複合体阻害剤を使用してブドウエスカ病を防除する方法が開示されているが、本発明の防除剤に関する記載は一切無い。また、ブドウエスカ病に対する防除効果は、生育時期を4つに分け、それぞれの時期毎に、徒長枝の発病度を調査することにより評価しているが、本発明の評価方法の記載はない。
特許文献4には、炭酸水素カリウムと、ボスカリド、ピリメタニル、メトラフェノン、シプロジニル、及びフルジオキシニルから選択される活性成分とを含む組成物が記載されているが、本病害に対する防除効果は全く実証されていない。
特開平11−35404号公報 国際公開公報WO2013/141381 国際公開公報WO2007/110354 国際公開公報WO2015/044039
ブドウエスカ病は、複数の病原菌による複合病害であると考えられており、病原菌が存在する樹幹内部へは物理的に防除剤が到達しにくいことから、防除が非常に困難な病害である。そこで、ブドウエスカ病に対して病徴発現抑制効果を有する防除剤の開発が望まれている。
また、ブドウエスカ病と同じ樹幹病害である、ブドウブラックデッドアーム病やユーティパディーバック病は、エスカ病と同時に発生することもあり、これらの病害に対しても有効な防除剤の開発が望まれている。
また、ブドウエスカ病に感染しているブドウを同定する方法の確立が望まれている。
さらには、ブドウエスカ病の防除剤を効率良く選抜し、開発するために、防除剤の効果を正確に評価できる試験方法の確立が望まれている。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を含む組成物が、ブドウエスカ病に対し高い防除効果を有することを見出した。さらに、ブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の成長度合(増加率)が一貫して低いことを見出し、その知見から、ブドウエスカ病に感染しているブドウを同定できること、及び試験対象の薬剤を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の成長度合と無施用のブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の成長度合とを比較することで、試験対象の薬剤のブドウエスカ病に対する防除効果を評価できることを明らかにし、本発明を完成させた。
また、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を含む組成物が、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害に対し高い防除効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種からなるアルカリ金属塩を有効成分として含むことを特徴とするブドウエスカ病防除用組成物(ブドウエスカ病防除剤ともいう)及び、該防除用組成物をブドウに施用することを特徴とするブドウエスカ病の防除方法に関する。また、試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率とブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病感染樹であるかどうかを判断することを特徴とするブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法に関する。また、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率と試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断することを特徴とするブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法に関する。さらには、試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率と無施用のブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断することを特徴とするブドウエスカ病防除剤の探索方法に関する。
また、本発明は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種からなるアルカリ金属塩を有効成分として含むことを特徴とするブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物及び、該防除用組成物をブドウに施用することを特徴とするブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除方法に関する。
本発明の防除用組成物及び防除方法は、環境や作業者に対する安全性が高く、ブドウエスカ病の病徴発現を抑制することができる。また、本発明の同定方法は、従来よりも短期間のうちにブドウエスカ病に感染しているブドウを同定することができる。さらに、本発明の探索方法は、簡便な方法でブドウエスカ病に対して有効な薬剤を見つけ出すことができる。
また、本発明の防除用組成物及び防除方法は、環境や作業者に対する安全性が高く、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴発現を抑制することができる。
本明細書及び特許請求の範囲において、ブドウエスカ病を「防除」するとは、ブドウエスカ病の病徴発現を抑制することをいう。
本明細書及び特許請求の範囲において、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害を「防除」するとは、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴発現を抑制することをいう。
本発明の防除用組成物は、ブドウエスカ病の病徴発現を抑制することができる。すなわち、本発明の防除用組成物は、ブドウエスカ病に感染しているブドウがブドウエスカ病の病徴を発現すること、及び/又はブドウエスカ病に感染していないブドウがブドウエスカ病に感染して病徴を発現することを抑制することができる。したがって、本発明の防除用組成物は、ブドウエスカ病の病徴発現抑制剤としても用いることができる。ブドウエスカ病の病徴としては、葉の変色、葉の枯れ、結実不良などが挙げられる。
本発明の防除用組成物は、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴発現を抑制することができる。すなわち、本発明の防除用組成物は、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害に感染しているブドウがブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴を発現すること、及び/又はブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害に感染していないブドウがブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害に感染して病徴を発現することを抑制することができる。したがって、本発明の防除用組成物は、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴発現抑制剤としても用いることができる。ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴としては、葉の変色、葉の枯れ、結実不良などが挙げられる。
本発明の防除用組成物及び防除方法は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種からなるアルカリ金属塩を有効成分として含有することを特徴とする。アルカリ金属としては、カリウム又はナトリウムが好ましく、カリウムがより好ましい。
アルカリ金属塩としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウムが好ましく、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムがより好ましく、炭酸水素カリウムが特に好ましい。
アルカリ金属塩は、それぞれ単独で用いても良く、混合して用いても良いが、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムをそれぞれ単独で用いるのが好ましい。
アルカリ金属塩は、防除用組成物中に50質量%以上含まれていることが好ましく、60質量%以上含まれていることがより好ましく、70質量%〜95質量%含まれていることがさらにより好ましく、75質量%〜90質量%含まれていることがさらにより好ましく、75質量%〜85質量%含まれていることがさらにより好ましく、80質量%〜85質量%含まれていることがさらにより好ましい。また、本発明の防除剤は、防除用組成物中に100質量%含まれていてもよい。
本発明の防除用組成物は、植物油及び/又は界面活性剤を更に含有することが好ましい。
植物油としては、ダイズ油、ヒマワリ油、オリーブ油、カポック油、ヒマシ油、シュロ油、椿油、ヤシ油、胡麻油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、菜種油、亜麻仁油、きり油等が挙げられ、ダイズ油及びヒマワリ油が好ましく、ダイズ油がより好ましい。
植物油はそれぞれ単独で用いても良く、混合して用いても良い。植物油の含有量は、本発明の組成物全量に対して、0.001〜50質量%であることが好ましく、0.01〜40質量%であることがより好ましく、0.1〜30質量%であることがさらにより好ましく、1〜25質量%であることがさらにより好ましく、1〜20質量%であることがさらにより好ましく、1〜10質量%であることがさらにより好ましく、1〜5質量%であることがさらにより好ましい。また、植物油としてダイズ油を用いる場合には、ダイズ油の含有量は、本発明の組成物全量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。植物油としてヒマワリ油を用いる場合には、ヒマワリ油の含有量は、本発明の組成物全量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
本発明の組成物における、アルカリ金属塩と植物油との混合比は通常、質量比で1:1000〜1000:1であることが好ましく、1:100〜100:1であることがより好ましく、1:10〜50:1であることがさらにより好ましく、1:1〜40:1であることがさらにより好ましく、3:1〜30:1であることがさらにより好ましく、10:1〜30:1であることがさらにより好ましく、15:1〜25:1であることがさらにより好ましい。
界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、界面活性剤は、非イオン系界面活性剤を含むことが好ましく、非イオン系界面活性剤のみからなることがより好ましい。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル(具体的には、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビトールモノラウレート等)、グリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル(具体的には、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート等)、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜18)エステル(具体的には、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレエート、プロピレングリコールモノパルミテート等)、ショ糖脂肪酸(C8〜18)エステル(具体的には、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル等)、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル(具体的には、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノオレエート、脂肪酸ポリグリセライド等)、有機酸モノグリセライド(具体的には、酢酸モノグリセライド、乳酸モノグリセライド、クエン酸モノグリセライド、ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリセライド等)、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン(C8~18)アルキルエーテル(具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(具体的には、ポリオキシエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレングリコールモノオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル(具体的には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル(具体的には、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(具体的には、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリル等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等、ポリオキシエチレンアルキルアミン(具体的には、ポリオキシエチレンココアミン等)が挙げられる。中でも、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル、ポリオキシエチレン(C8〜18)アルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル及びポリオキシエチレンアルキルアミン(具体的には、ポリオキシエチレンココアミン等)が好ましく、より具体的には、ジグリセリンモノオレエート(例えば、ポエムDO-100V(商品名、理研ビタミン(株)製)、NIKOL DGMO-90V(商品名、日本サーファクタント工業(株))等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(例えば、リケマールB-205(商品名、理研ビタミン(株)製)、ペグノールTH-8(商品名、東邦化学(株)製)、Synperonic L11(商品名、CRODA製)等)及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例えば、ソルボンT-20(商品名、東邦化学(株)製)、Tween20(商品名、CRODA製)、Tween21(商品名、CRODA製)等)、ポリオキシエチレンココアミン(例えば、ソルポール7643(商品名、東邦化学(株)製)、Genamin C020(商品名、CLARIANT製))が好ましい。これらの中でも、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル、ポリオキシエチレン(C8〜18)アルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアミン(具体的には、ポリオキシエチレンココアミン等)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ジグリセリンモノオレエート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンココアミンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪族アミン、アルキルアミン塩(具体的には、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等)、第4級アンモニウム塩(具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等)等が挙げられ、Genamin C100(商品名、CLARIANT製)等)が好ましい。
陰イオン系界面活性剤としては、例えば脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテルリン酸エステル又はその塩等が挙げられる。
界面活性剤としては1種類の界面活性剤を単独で用いても良く、2種類以上の界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の含有量は、本発明の組成物全量に対して、0.001〜50質量%であることが好ましく、0.01〜40質量%であることがより好ましく、0.1〜30質量%であることがさらにより好ましく、1〜20質量%であることがさらにより好ましく、5〜15質量%であることがさらにより好ましく、10〜15質量%であることがさらにより好ましい。
本発明の組成物における、アルカリ金属塩と界面活性剤との混合比は通常、質量比で1:1000〜1000:1であることが好ましく、1:100〜100:1であることがより好ましく、1:10〜50:1であることがさらにより好ましく、1:5〜30:1であることがさらにより好ましく、1:1〜30:1であることがさらにより好ましく、1:1〜15:1であることがさらにより好ましく、2:1〜10:1であることがさらにより好ましく、4:1〜8:1であることがさらにより好ましい。
また、本発明の組成物は、担体、吸油剤等の補助剤を、必要により含有していても良い。
担体としては、例えば珪藻土、消石灰、タルク、ホワイトカーボン、ベントナイト、デンプン、ラクトースやフルクトースなどの糖類、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、クエン酸第二鉄、乳酸、酒石酸、リン酸、酢酸カリウム、ピロリン酸四カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウム、酒石酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、メタリン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸三カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、クエン酸鉄アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ピロリン酸第一鉄、乳酸鉄、硫酸銅、などが挙げられる。
担体は、1種類の担体を単独で用いても良く、2種類以上の担体を組み合わせて用いてもよい。担体の含有量に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で用いることができる。例えば、担体は、本発明の組成物全量に対して、0〜10質量%又は0.1〜10質量%であってもよい。
吸油剤としては、例えば二酸化ケイ素、澱粉加水分解物、カオリン、クレー、珪藻土、ケイ酸カルシウム、酸性白土、カーボンブラック、パーライト(真珠石)加工物、超微粒子無水酸化アルミ、超微粒子酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、シリカ・アルミナ合成フィラー、含水マグネシウムケイ酸塩などが挙げられる。
吸油剤は、1種類の吸油剤を単独で用いても良く、2種類以上の吸油剤を組み合わせて用いてもよい。吸油剤の含有量に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で用いることができる。例えば、吸油剤は、本発明の組成物全量に対して、0〜50質量%、0.1〜50質量%、0.1〜30質量%、0.1〜20質量%又は0.1〜10質量%であってもよい。
本発明の防除用組成物は、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤などの形態であってもよい。
有効成分であるアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩は、植物油及び界面活性剤にほとんど溶解しないため、当該組成物が植物油及び/又は界面活性剤を含む場合には、有効成分が保存中に沈降しやすく、再分散も容易ではない等、取り扱いに困難を伴う場合があるが、該組成物に含有されるアルカリ金属塩の粒径を調整することにより取り扱いにくさを改善できる。好ましい粒径の範囲は篩目開き0.038mm(400mesh/Tyler)〜2.0mm(9mesh/Tyler)、より好ましい粒径の範囲は0.045mm(325mesh/Tyler)〜1.7mm(10mesh/Tyler)である。
アルカリ金属塩として炭酸水素カリウム又は炭酸カリウムを用いる場合には、好ましい粒径の範囲は、篩目開き0.075mm(200mesh/Tyler)〜2.0mm(9mesh/Tyler)、より好ましい粒径の範囲は0.09mm(170mesh/Tyler)〜1.7mm(10mesh/Tyler)であり、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを用いる場合には、好ましい粒径の範囲は、篩目開き0.038mm(400mesh/Tyler)〜2.0mm(9mesh/Tyler)、より好ましい粒径の範囲は0.045mm(325mesh/Tyler)〜1.7mm(10mesh/Tyler)、さらにより好ましい粒径の範囲は0.045mm(325mesh/Tyler)〜0.15mm(100mesh/Tyler)である。
また、本発明の組成物は、当該組成物を水溶性フィルムで包装してなる包装体の形態、例えば水溶性パック剤等としてもよく、それにより、取り扱い難さを大幅に改善することができる。水溶性パック剤の質量は、施用量に応じて適宜変更可能であるが、通常10〜10000g、好ましくは100〜5000gである。
水溶性パック剤で用いる水溶性フィルムの素材としては、アルカリ性の有効成分の影響を受けず、水に投入したときに、速やかに、例えば、投入直後〜1時間程度で溶解するものであれば良く、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、変性ポリビニルアルコール、水溶性ビニロン、水溶性デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ペクチン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、デンプンなどが挙げられる。好ましくはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールであり、より好ましくはポリビニルアルコールである。
前記水溶性フィルムの膜厚は、ブドウエスカ病防除用組成物中の植物油が保存中に染み出さない程度の厚みがあれば良く、10〜100μmであることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。
本発明の組成物の施用にあたっては、他の農薬、例えば殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物生長調整剤等をさらに併せて処理することもできる。
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名又は日本植物防疫協会試験コード)としては、例えば、下記の化合物群から適宜選択することができる。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)のようなアニリノピリミジン系化合物;
5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンのようなトリアゾロピリミジン系化合物;
フルアジナム(fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、マイクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ファーコナゾールシス(furconazole-cis)、プロクロラズ(prochloraz)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアホール(flutriafol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、シメコナゾール(simeconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、アザコナゾール(azaconazole)、トリチコナゾール(triticonazole)、イマザリル(imazalil)、イプフェントリフルコナゾール(ipfentrifluconazole)、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(fthalide)、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、カーベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリアゾール(fuberiazole)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル−M(metalaxyl-M;別名メフェノキサム(mefenoxam))、オキサジキシル(oxadixyl)、オフレース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル−M(benalaxyl-M、別名キララキシル(kiralaxyl、chiralaxyl))、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラム(cyprofuram)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ボスカリド(boscalid)、ビキサフェン(bixafen)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、セダキサン(sedaxane)、ピラジフルミド(pyraziflumid)のようなアニリド系化合物;
ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルファミド系化合物;
水酸化第二銅(cupric hydroxide)、有機銅(oxine copper)、無水硫酸銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、8-ヒドロキシキノリン銅、ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩(II)(別名DBEDC)のような銅系化合物;
ホセチルアルミニウム(fosetyl-Al)、トルクロホスメチル(tolclofos-Methyl)、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)のような有機リン系化合物;
キャプタン(captan)、キャプタホル(captafol)、フォルペット(folpet)のようなフタルイミド系化合物;
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、ベノダニル(benodanil)のようなベンズアニリド系化合物;
ペンチオピラド(penthiopyrad)、ペンフルフェン(penflufen)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、シルチオファム(silthiopham)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェンフラム(fenfuram)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)のようなアミド系化合物;
フルオピラム(fluopyram)、ゾキサミド(zoxamide)のようなベンズアミド系化合物;
イソフェタミド(isofetamid)のようなチオフェンアミド系化合物;
トリホリン(triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリソキサゾール(pyrisoxazole)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(fenarimol)、ヌアリモール(nuarimol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(fenpropidin)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)のようなモルホリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、ピリモルフ(pyrimorph)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ−イソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、バリフェナレート(valifenalate)、マンジプロパミド(mandipropamid)のようなカルボン酸アミド系化合物;
ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、エネストロブリン(Enestroburin)、ピラオキシストロビン(Pyraoxystrobin)、ピラメトストロビン(Pyrametostrobin)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、エノキサストロビン(enoxastrobin)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)、マンデストロビン(mandestrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
フェナミドン(fenamidone)のようなイミダゾリノン系化合物;
フェンヘキサミド(fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
ジチアノン(dithianon)のようなアントラキノン系化合物;
メプチルジノキャップ(meptyldinocap)のようなクロトン酸系化合物;
バリダマイシン(validamycin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)のような抗生物質;
イミノクタジン(iminoctadine)、ドディン(dodine)のようなグアニジン系化合物;
テブフロキン(tebufloquin)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キノフメリン(quinofumelin)のようなキノリン系化合物;
フルチアニル(flutianil)のようなチアゾリジン系化合物;
プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)、トルプロカルブ(tolprocarb)のようなカーバメート系化合物;
アミスルブロム(amisulbrom)、シアゾファミド(cyazofamiid)のようなスルホンアミド系化合物;
メトラフェノン(metrafenone)、ピリオフェノン(pyriofenone)のようなアリルフェニルケトン系化合物;
硫黄(Sulfur)、石灰硫黄剤のような硫黄系化合物;
その他の化合物として、ピリベンカルブ(pyribencarb)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロメジン(diclomezine)、クロルピクリン(chloropicrin)、ダゾメット(dazomet)、メタムナトリウム塩(metam-sodium)、ニコビフェン(nicobifen)、ジクロシメット(diclocymet)、プロキンアジド(proquinazid)、マンジプロパミド(mandipropamid)、フルオピコリド(fluopicolide)、カルプロパミド(carpropamid)、フェリムゾン(ferimzone)、スピロキサミン(spiroxamine)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、アメトクトラジン(ametoctradin)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)、ジピメチトロン(dipymetitrone)、ピラジフルミド(pyraziflumid)、SB-4303、BAF-1107、SYJ-247など;
Bacillus amyloliqefaciens strain QST713、Bacillus amyloliqefaciens strain FZB24、Bacillus amyloliqefaciens strain MBI600、Bacillus amyloliqefaciens strain D747、Pseudomonas fluorescens、Bacillus subtilis、Trichoderma atroviride SKT-1のような微生物殺菌剤;及び
ティーツリー油(Tea tree oil)のような植物抽出物。
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤、すなわち殺害虫剤の有効成分化合物(一般名又は日本植物防疫協会試験コード)としては、例えば、下記の化合物群から適宜選択することができる。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
プロフェノホス(profenofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、EPN((RS)-(O-ethyl O-4-nitrophenyl phenylphosphonothioate))、ダイアジノン(diazinon)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、アセフェート(acephate)、プロチオホス(prothiofos)、ホスチアゼート(fosthiazate)、カズサホス(cadusafos)、ジスルホトン(disulfoton)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos)、エチオン(ethion)、エトリムホス(etrimfos)、キナルホス(quinalphos)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジメトエート(dimethoate)、スルプロホス(sulprofos)、チオメトン(thiometon)、バミドチオン(vamidothion)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロパホス(propaphos)、ホサロン(phosalone)、ホルモチオン(formothion)、マラチオン(malathion)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、シアノホス(cyanophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、メチダチオン(methidathion)、フェントエート(phenthoate)、オキシデプロホス(oxydeprofos、別名ESP)、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、フェンチオン(fenthion)、ヘプテノホス(heptenophos)、メトキシクロル(methoxychlor)、パラチオン(parathion)、ホスホカルブ(phosphocarb)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、モノクロトホス(monocrotophos)、メタミドホス(methamidophos)、イミシアホス(imicyafos)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、テルブホス(terbufos)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホスメット(phosmet)、ホレート(phorate)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(carbaryl)、プロポキスル(propoxur)、アルジカルブ(aldicarb)、カルボフラン(carbofuran)、チオジカルブ(thiodicarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカルブ(pirimicarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メトルカルブ(metolcarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC(3,5-xylyl methylcarbamate)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、シュウ酸水素チオシクラム(thiocyclam oxalate)、チオシクラム塩酸塩(thiocyclam hydrochloride)、ベンスルタップ(bensultap)、チオスルタップ(thiosultap)、モノスルタップ(monosultap;別名チオスルタップモノナトリウム(thiosultap-monosodium)、ビスルタップ(bisultap;別名チオスルタップジナトリウム(thiosultap-disodium)、ポリチアラン(polythialan)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、エンドスルファン(endosulfan)、ジエノクロル(dienochlor)、ディルドリン(dieldrin)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、シヘキサチン(cyhexatin)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(fenvalerate)、ペルメトリン(permethrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、ゼータ-シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、シータ-シペルメトリン(theta-cypermethrin)、ベータ-シペルメトリン(beta-cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ガンマ-シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、カッパ-テフルトリン(kappa-tefluthrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルトリン(beta-cyfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ピレスリン(pyrethrins)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、テトラメスリン(tetramethrin)、レスメスリン(resmethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ビフェントリン(bifenthrin)、カッパ-ビフェントリン(kappa-bifenthrin)、アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、トラロメスリン(tralomethrin)、プロフルトリン(profluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、ヘプタフルトリン(heptafluthrin)、フェノトリン(phenothrin)、フルメトリン(flumethrin)、モムフルオロトリン(momfluorothrin)、シラフルオフェン(silafluofen)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、フルアズロン(fluazuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ジオフェノラン(diofenolan)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フィプロニル(fipronil)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、エチピロール(ethiprole)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ピフルブミド(pyflubumide)、フルフィプロール(flufiprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)、ニジノテフラン(nidinotefuran)、ジノテフラン(dinotefuran)、ニチアジン(nithiazine)のようなネオニコチノイド系化合物;
テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)のようなヒドラジン系化合物;
ピリダリル(pyridalyl)、フロニカミド(flonicamid)のようなピリジン系化合物;
スピロディクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat)のような環状ケトエノール系化合物;
フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ピリミノストロビン(pyriminostrobin)のようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(flufenerim)、ピリミジフェン(pyrimidifen)のようなピリミジナミン系化合物;
マラチオン(malathion)のような有機硫黄化合物;
フルフェノクスロン(flufenoxuron)のような尿素系化合物;
シロマジン(cyromazine)のようなトリアジン系化合物;
ヒドラメチルノン(hydramethylnon)のようなヒドラゾン系化合物;
フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、テトラニリプロール(tetraniliprole)、ブロフラニリド(broflanilide)のようなジアミド系化合物;
ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、クロロメチウロン(chloromethiuron)のようなチオウレア系化合物;
アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、クロロメブホルム(chloromebuform)のようなホルムアミジン系化合物;
また、その他の化合物として、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、トリアザメート(triazamate)、ピメトロジン(pymetrozine)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、インドキサカルブ(indoxacarb)、アセキノシル(acequinocyl)、エトキサゾール(etoxazole)、1,3−ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、プロパルギット(propargite)、クロフェンテジン(clofentezine)、メタフルミゾン(metaflumizone)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、フェナザキン(fenazaquin)、アミドフルメト(amidoflumet)、スルフルラミド(sulfluramid)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、メタアルデヒド(metaldehyde)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、フルエンスルホン(fluensulfone)、ベルブチン(verbutin)、ジクロロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、フルヘキサホン(fluhexafon)、チオキサザフェン(tioxazafen)、アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン(flometoquin)、フルピラジフロン(flupyradifurone)のような化合物など。
また、本発明の組成物は下記化合物と組み合わせて施用してもよい。
Bacillus thuringiensis aizawai、Bacillus thuringiensis kurstaki、Bacillus thuringiensis israelensis、Bacillus thuringiensis japonensis、Bacillus thuringiensis tenebrionis又はBacillus thuringiensisが生成する結晶タンパク毒素、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤などのような微生物農薬;
アベルメクチン(avermectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin Benzoate)、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、スピノサド(spinosad)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、スピネトラム(spinetoram)のような抗生物質及び半合成抗生物質;
アザディラクチン(azadirachtin)、ロテノン(rotenone)、リアノジン(ryanodine)のような天然物;
ディート(deet)のような忌避剤;
パラフィン油、鉱物油(mineral oil)のような物理的防除剤。
本発明の組成物をブドウに施用することを特徴とするブドウエスカ病の防除方法も本発明に含まれる。また、本発明の組成物をブドウに施用することを特徴とするブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除方法も本発明に含まれる。本発明の組成物はブドウ樹のバンチゾーン(bunch zone)に存在する茎葉及び樹幹、又はブドウ樹周囲の土壌に施用できる。バンチゾーンとは、ブドウの上部の着果箇所を中心とした範囲のことを指し、ブドウ果実、葉、シュート(茎)が密集している部分である。施用量は、栽培形態、使用方法、製剤形態等の違いによって異なり、一概に規定できないが、バンチゾーンの茎葉及び樹幹施用の場合、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を、0.01〜1000kg/haとなる量で施用することが好ましく、0.1〜100kg/haとなる量で施用することがより好ましい。土壌に施用する場合は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を、0.01〜1000kg/haとなる量で施用することが好ましく、0.1〜100kg/haとなる量で施用することがより好ましく、1〜100kg/haとなる量で施用することがさらにより好ましく、2〜50kg/haとなる量で施用することがさらにより好ましく、5〜25kg/haとなる量で施用することが特に好ましい。施用時期は特に限定されないが、剪定時期の前後や最適収穫日の前後が挙げられ、最適収穫日の前後が好ましく、収穫前8週間〜収穫後8週間の期間がより好ましく、収穫前4週間〜収穫後4週間の期間が特に好ましい。
本発明の組成物を希釈して用いる場合は、水などの希釈剤を用いて、例えば1〜500倍、好ましくは3〜300倍、より好ましくは5〜200倍、さらにより好ましくは20〜100倍に希釈して用いることができる。
施用回数に特に制限はなく、少なくとも1回施用することが好ましく、少なくとも1年に1回施用することがより好ましく、1年に1〜10回施用することがさらにより好ましく、1年に1〜5回施用することがより好ましく、1年に2〜5回施用することがさらにより好ましく、3〜5回施用することがさらにより好ましい。
本発明の組成物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)等により行うことができる。
本発明の他の態様は、試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法である。
試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染している場合、樹幹周囲長の増加率が、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率よりも小さくなる。これにより、試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断することができる。
従って、上記同定方法は、好ましくは、試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較し、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率に対する試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率の比が1よりも小さい場合に当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染していると判断する工程(第1判断工程)を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法である。
試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染していると判断するには、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率に対する試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率の比が、0.9以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらにより好ましい。下限値に特に制限はなく、例えば0以上、0.1以上、0.3以上、又は0.5以上であってよい。
ブドウの樹幹周囲長の増加率(%)は、ある時点におけるブドウの樹幹周囲長Aと、その時点から一定の期間(C年)経過後のブドウの樹幹周囲長Bを測定し、式「(((B−A)/A)/C)×100」により1年あたりの樹幹周囲長の増加率として求めることができる。
前記一定の期間に特に制限はないが、短い方が好ましく、例えば3年未満、好ましくは2年以下、より好ましくは1.5年以下、さらに好ましくは1年とすることができる。期間の下限も特に制限はないが、6ヶ月以上とすることができる。
ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率は、1本のブドウの樹幹周囲長の増加率であってもよく、複数のブドウの樹幹周囲長の増加率の平均値であってもよい。複数のブドウの樹幹周囲長の増加率の平均値であることが好ましい。
樹幹周囲長の測定部位に特に制限はないが、地面から所定の高さ(例えば、地面から約5〜10cm)付近の樹幹周囲長を測定することが好ましい。また、接ぎ木されたブドウの場合は、接ぎ木部分から例えば5〜20cm程度離れた、樹幹表面が比較的スムースな部分の樹幹周囲長を測定することが好ましい。挿し木の場合は地面から所定の高さ(例えば5〜20cm)の部分の樹幹周囲長を測定することができる。
また、試験対象となるブドウとブドウエスカ病に感染していないブドウとは、品種、土壌条件、樹齢等の条件を同等のものとすることが好ましい。
本発明の方法は、葉のない冬であっても試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断することができる。
本発明の上記同定方法は、上記第1判断工程によりブドウエスカ病に感染していると判断したブドウにブドウエスカ病防除剤を施用する工程、及び、ブドウエスカ病防除剤施用後の前記ブドウの樹幹周囲長の増加率と当該ブドウエスカ病防除剤施用前の前記ブドウの樹幹周囲長の増加率を比較し、当該ブドウエスカ病防除剤施用前の前記ブドウの樹幹周囲長の増加率に対するブドウエスカ病防除剤施用後の前記ブドウの樹幹周囲長の増加率の比が1.1以上である場合に当該ブドウがブドウエスカ病に感染していると判断する第2判断工程を更に有することが好ましい。第2判断工程を有することにより、試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかをより確実に決定することができる。
当該ブドウエスカ病防除剤施用前の前記ブドウの樹幹周囲長の増加率に対するブドウエスカ病防除剤施用後の前記ブドウの樹幹周囲長の増加率の比は、1.2以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましく、1.4以上であることがさらにより好ましい。上限値に特に制限はなく、例えば3.0以下、2.0以下、1.8以下、又は1.6以下であってもよい。
ブドウエスカ病防除剤としては、上記本発明のブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物又は本発明のブドウエスカ病防除用組成物を用いてもよく、従来知られている他のブドウエスカ病防除剤を用いてもよい。なかでも、本発明のブドウエスカ病防除用組成物を用いることが好ましい。
本発明の同定方法を用いることにより、ブドウエスカ病に感染しているブドウを容易に見出すことができる。
本発明の方法を用いてブドウエスカ病に感染しているブドウを同定した後、従来知られている他のブドウエスカ病防除剤や本発明のブドウエスカ病防除用組成物を用いて、当該同定したブドウのブドウエスカ病の病徴発現を抑制することができる。また、当該同定したブドウの抜き取り及び植え替えを行うことができる。
従来、ブドウエスカ病に感染しているかどうかは、通常、発病樹率、徒長枝の発病度、徒長枝の伸長量、収穫量等の経年変化を調査することにより行われてきた。しかしながら、上記の通り、ブドウは休眠期に一部の主枝以外は全て剪定されてしまうため、当該残った主枝付近の樹幹がブドウエスカ病に感染していない場合には翌年のブドウにブドウエスカ病の病徴が現れないことがある。そのため、個々のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを正確に評価するには、長期間、具体的には少なくとも3年間の追跡調査が必要である。
一方、本発明は、ブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率が感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率に比べて一貫して低いことを見出し、試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病に感染していていないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することにより、試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているか否かを3年よりも短期間で評価することができる。より具体的には2年程度、好ましくは1〜2年程度で評価することができる。
本発明の他の態様は、ブドウエスカ病防除剤を施用していない試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法である。
試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染している場合、樹幹周囲長の増加率が、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率よりも小さくなる。これにより、試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断することができる。
従って、上記同定方法は、好ましくは、ブドウエスカ病防除剤を施用していない試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較し、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率に対する試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率の比が0.9以下である場合に当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染していると判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法である。
試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染していると判断するには、ブドウエスカ病防除剤を施用した前記ブドウの樹幹周囲長の増加率に対するブドウエスカ病防除剤を施用していない前記ブドウの樹幹周囲長の増加率の比が、0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.65以下であることがさらにより好ましい。下限値に特に制限はなく、例えば0.1以上、0.2以上、0.3以上、又は0.4以上であってもよい。
ブドウの樹幹周囲長の増加率(%)は、ある時点におけるブドウの樹幹周囲長Aと、その時点から一定の期間(C年)経過後のブドウの樹幹周囲長Bを測定し、式「(((B−A)/A)/C)×100」により1年あたりの樹幹周囲長の増加率として求めることができる。
前記一定の期間に特に制限はないが、短い方が好ましく、例えば3年未満、好ましくは2年以下、より好ましくは1.5年以下、さらに好ましくは1年とすることができる。期間の下限も特に制限はないが、6ヶ月以上とすることができる。
ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率は、1本のブドウの樹幹周囲長の増加率であってもよく、複数のブドウの樹幹周囲長の増加率の平均値であってもよい。複数のブドウの樹幹周囲長の増加率の平均値であることが好ましい。
ブドウエスカ病防除剤としては、上記本発明のブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物又は本発明のブドウエスカ病防除用組成物を用いてもよく、従来知られている他のブドウエスカ病防除剤を用いてもよい。なかでも、本発明のブドウエスカ病防除用組成物を用いることが好ましい。
本発明の方法によれば、試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているか否かを従来よりも短期間で評価することができる。また、葉のない冬であっても、試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断することができる。
本発明の他の態様は、試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率と、試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、前記試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病防除剤の探索方法である。
試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除作用を有する場合、当該化合物又は組成物を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率が、試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率よりも大きくなる。これにより、試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断することができる。
従って、上記探索方法は、好ましくは、試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率と、試験対象の化合物又は組成物を施用していない(無処理の)ブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較して、試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率に対する試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率の比が1よりも大きい場合に前記試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であると判断する工程を有する、ブドウエスカ病防除剤の探索方法である。
本発明によれば、従来よりも短期間で、より具体的には2年程度、好ましくは1〜2年程度で、試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除作用を有するブドウエスカ病防除剤であるか否かを評価することができる。
試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率に対する試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウ(A)の樹幹周囲長の増加率の比は、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.3以上であることがさらにより好ましく、1.4以上であることがさらにより好ましい。上限値に特に制限はなく、例えば3.0以下、2.0以下、1.8以下、又は1.6以下であってもよい。
ブドウの樹幹周囲長の増加率(%)は、ある時点におけるブドウの樹幹周囲長Aと、その時点から一定の期間(C年)経過後のブドウの樹幹周囲長Bを測定し、式「(((B−A)/A)/C)×100」により1年あたりの樹幹周囲長の増加率として求めることができる。
前記一定の期間に特に制限はないが、短い方が好ましく、例えば3年未満、好ましくは2年以下、より好ましくは1.5年以下、さらに好ましくは1年とすることができる。期間の下限も特に制限はないが、6ヶ月以上とすることができる。
試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率は、1本のブドウの樹幹周囲長の増加率であってもよく、複数のブドウの樹幹周囲長の増加率の平均値であってもよい。複数のブドウの樹幹周囲長の増加率の平均値であることが好ましい。
ブドウエスカ病防除作用としては、例えば、ブドウエスカ病の病原菌に対して殺菌効果及び/又は静菌効果を有する作用、ブドウエスカ病に特有の病徴発現を抑制することのできる作用、及び/又は、ブドウエスカ病を発病したブドウの割合を減少させることのできる作用が挙げられる。これらの中でも、ブドウエスカ病の病徴発現を抑制することのできる作用であることが好ましい。
本発明の方法によれば、葉のない冬であっても試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断することができる。
本発明の同定方法及び探索方法において、樹幹周囲長の増加率の評価と、徒長枝数、徒長枝伸長量等の他の増加率の指標とを組み合わせることができる。これにより、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定及びブドウエスカ病防除剤の探索をより正確に行うことができる。
本発明の望ましい態様を以下に記載する。
〔1〕 アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とするブドウエスカ病防除用組成物。
〔2〕 アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである〔1〕に記載のブドウエスカ病防除用組成物。
〔3〕 界面活性剤をさらに含む、〔1〕又は〔2〕に記載のブドウエスカ病防除用組成物。
〔4〕 界面活性剤が、非イオン系界面活性剤を含む、〔3〕に記載のブドウエスカ病防除用組成物。
〔5〕 非イオン系界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル、ポリオキシエチレン(C8〜18)アルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群から選択された少なくとも1種である、〔4〕に記載のブドウエスカ病防除用組成物。
〔6〕 植物油をさらに含む、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のブドウエスカ病防除用組成物。
〔7〕 植物油が、ダイズ油又はヒマワリ油である〔6〕に記載のブドウエスカ病防除用組成物。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のブドウエスカ病防除用組成物を水溶性フィルムで包装した包装体。
〔9〕 水溶性フィルムの素材が、ポリビニルアルコールである〔8〕に記載の包装体。
〔10〕 〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のブドウエスカ病防除用組成物ブドウに施用することを特徴とする、ブドウエスカ病の防除方法。
〔11〕 〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のブドウエスカ病防除用組成物を、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択される少なくとも1種が、0.01kg/ha〜1000kg/haの範囲となる量でブドウに施用する、〔10〕に記載のブドウエスカ病の防除方法。
〔12〕 試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法。
〔13〕 ブドウエスカ病防除剤を施用していない試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法。
〔14〕 前記ブドウエスカ病防除剤が、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のブドウエスカ病防除用組成物である、〔13〕に記載の同定方法。
〔15〕 試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率と、試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、前記試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病防除剤の探索方法。
〔16〕 ブドウエスカ病を防除するための、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種の使用。
〔17〕 アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである〔16〕に記載の使用。
〔18〕 ブドウエスカ病を防除するための、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を含有する組成物の使用。
〔19〕 アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである〔18〕に記載の使用。
〔1’〕 アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物。
〔2’〕 前記病害がブドウエスカ病である、〔1’〕に記載の組成物。
〔3’〕 アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである〔1’〕又は〔2’〕に記載の組成物。
〔4’〕 界面活性剤をさらに含む、〔1’〕〜〔3’〕のいずれかに記載の組成物。
〔5’〕 界面活性剤が、非イオン系界面活性剤を含む、〔4’〕に記載の組成物。
〔6’〕 非イオン系界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル、ポリオキシエチレン(C8〜18)アルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群から選択された少なくとも1種である、〔5’〕に記載の組成物。
〔7’〕 植物油をさらに含む、〔1’〕〜〔6’〕のいずれかに記載の組成物。
〔8’〕 植物油が、ダイズ油又はヒマワリ油である〔7’〕に記載の組成物。
〔9’〕 〔1’〕〜〔8’〕のいずれかに記載の組成物を水溶性フィルムで包装した包装体。
〔10’〕 水溶性フィルムの素材が、ポリビニルアルコールである〔9’〕に記載の包装体。
〔11’〕 〔1’〕〜〔8’〕のいずれかに記載の組成物をブドウに施用することを特徴とする、ブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除方法。
〔12’〕 前記病害がブドウエスカ病である、〔11’〕に記載の防除方法。
〔13’〕 〔1’〕〜〔8’〕のいずれかに記載の組成物を、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択される少なくとも1種が、0.01kg/ha〜1000kg/haの範囲となる量でブドウに施用する、〔11’〕又は〔12’〕に記載の防除方法。
〔14’〕 試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法。
〔15’〕 ブドウエスカ病防除剤を施用していない試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法。
〔16’〕 前記ブドウエスカ病防除剤が、〔1’〕〜〔8’〕のいずれかに記載の組成物である、〔15’〕に記載の同定方法。
〔17’〕 試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率と、試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、前記試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病防除剤の探索方法。
〔18’〕 ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害を防除するための、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種の使用。
〔19’〕 前記病害がブドウエスカ病である、〔18’〕に記載の使用。
〔20’〕 アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである〔18’〕又は〔19’〕に記載の使用。
〔21’〕 ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害を防除するための、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を含有する組成物の使用。
〔22’〕 前記病害がブドウエスカ病である、〔21’〕に記載の使用。
〔23’〕 アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである〔21’〕又は〔22’〕に記載の使用。
次に本発明に係わる試験例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
<実施例1>
(1)炭酸水素カリウム(粒径;篩目開き0.125〜1.7mm(115〜10mesh/Tyler)) 83質量%
(2)ダイズ油 4質量%
(3)ポエムDO-100V(商品名、ジグリセリンモノオレエート) 4質量%
(3)リケマールB-205(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 4質量%
(3)ソルボンT-20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート) 4質量%
(3)ソルポール7643(商品名、ポリオキシエチレンココアミン) 1質量%
遠心粉砕機にて粉砕した炭酸水素カリウムに、残りの成分すべてを60℃に加温してから混合し、本発明の組成物を得た。
<実施例2>
(1)炭酸カリウム(粒径;篩目開き0.09〜1.0mm(170〜16mesh/Tyler)) 77質量%
(2)ヒマワリ油 18質量%
(2)ダイズ油 2質量%
(3)リケマールB-205(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 0.5質量%
(3)ソルボンT-20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート) 2質量%
(3)ソルポール7643(商品名、ポリオキシエチレンココアミン) 0.5質量%
遠心粉砕機にて粉砕した炭酸カリウムに、残りの成分すべてを60℃に加温してから混合し、本発明の組成物を得た。
<実施例3>
(1)炭酸水素ナトリウム(粒径;篩目開き0.045〜0.15mm(325〜100mesh/Tyler)) 90質量%
(2)ダイズ油 3.5質量%
(3)ポエムDO-100V(商品名、ジグリセリンモノオレエート) 3.5質量%
(3)リケマールB-205(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 1質量%
(3)ソルボンT-20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート) 1質量%
(3)ソルポール7643(商品名、ポリオキシエチレンココアミン) 1質量%
遠心粉砕機にて粉砕した炭酸水素ナトリウムに、残りの成分すべてを60℃に加温してから混合し、本発明の防除用組成物を得た。
<実施例4>
実施例1で得られた本発明の防除用組成物20gをクラレ水溶性ポバールフィルムVF-HP#4000製袋(商品名、ポリビニルアルコール製、膜厚約40μm、縦6cm、横7cm、(株)クラレ社製)に充填し、開口部をヒートシールし、水溶性パック剤を得た。
<実施例5>
実施例1で得られた本発明の防除用組成物20gを水溶性フィルムハイセロンS-660製袋(商品名、ポリビニルアルコール製、膜厚約50μm、縦6cm、横7cm、日本合成化学工業社製)に充填し、開口部をヒートシールし、水溶性パック剤を得た。
<実施例6>
実施例1で得られた本発明の防除用組成物1000gをMonoDose M-8534製袋(商品名、ポリビニルアルコール製、膜厚約50μm、縦18cm、横21cm、Monosol社製)に充填し、開口部をヒートシールし、水溶性パック剤を得た。
<実施例7>
(1)炭酸水素カリウム(粒径;篩目開き0.125〜1.7mm(115〜10mesh/Tyler)) 83.2質量%
(2)ダイズ油 4.2質量%
(3)ポエムDO-100V(商品名、ジグリセリンモノオレエート) 4.2質量%
(3)リケマールB-205(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 4.2質量%
(3)ソルボンT-20(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート) 4.2質量%
遠心粉砕機にて粉砕した炭酸水素カリウムに、残りの成分すべてを60℃に加温してから混合し、本発明の組成物を得た。
<試験例1>
試験圃場:エスカ病汚染圃場(フランス国)
供試品種:ワイン用ブドウ(カベルネ・フラン、1978年定植)
試験規模:1区500〜550樹(反復なし)
試験薬剤:実施例2の炭酸カリウム組成物
処理方法:毎年、最適収穫日(10月上旬〜中旬)の前後、すなわち収穫1、2週間前と収穫1週間後(計3回)に、散布水量は600L/ha、有効成分の投下薬量は10 kg/haとなるように水で60倍に希釈調整した薬液を動力噴霧機にてバンチゾーンの茎葉及び樹幹を中心に散布処理を行った。
調査方法:処理前(2012年)、処理開始1年後(2013年)及び2年後(2014年)に、発病樹率と発病割合を調査した。
発病樹率:下記式により算出した。
発病樹率=(ブドウエスカ病により葉の変色が観察されたブドウ樹の数/調査樹数)×100
発病割合:各ブドウ樹における樹上部の葉全体に占めるブドウエスカ病により変色した葉の割合を、0:樹上部の葉の変色がない状態〜100:全ての葉が変色している状態として評価し、その平均値を発病割合とした。
その結果を表1に示す。
Figure 2016186132
表内の数字は各区調査樹(500〜550樹)の平均値
無処理区は発病樹率及び発病割合がいずれも増加傾向であったのに対し、本発明の炭酸カリウム組成物処理区では発病樹率及び発病割合がいずれも減少傾向であり、病徴発現抑制効果が認められた。
<試験例2>
試験圃場:エスカ病汚染圃場(フランス国)
供試品種:ワイン用ブドウ(カベルネ・ソービニヨン、2002年定植)
試験規模:処理区40樹、無処理区39樹(反復なし)
試験薬剤:実施例2の炭酸カリウム組成物
処理方法:試験例1と同じ
調査方法:地面から約10cmの樹幹が最も細い部分の樹幹周囲長を毎年第1回目の散布前に測定し、処理前からの増加率を算出した。なお、ここでは2年間での増加率を求めた。また、求めた2年間での増加率から、1年あたりの増加率を算出した。
2年間での増加率=(処理してから2年後の樹幹周囲長―処理前の樹幹周囲長)/処理前の幹周囲長×100
Figure 2016186132
健全樹:試験期間中(2年間)、1度もエスカ病の病徴(本病害特有の葉変色の症状)が発現しなかったブドウ
感染樹:試験期間中(2年間)、葉にエスカ病の病徴が1度以上発現したブドウ
本発明の炭酸カリウム組成物処理区では、試験例1と同様の病徴発現抑制効果が認められた。さらに、本発明の処理区と無処理区の樹幹周囲長の増加率を比較すると、健全樹では、両区の間で樹幹周囲長の増加率にほとんど差が無かったのに対し、感染樹では、炭酸カリウム組成物処理区の方が無処理区よりも樹幹周囲長の増加率が明らかに大きかった。
<試験例3>
試験圃場:エスカ病汚染圃場(フランス国)
供試品種:ワイン用ブドウ(カベルネ・ソービニヨン、2002年定植)
試験規模:1区166樹/処理区、34樹/無処理区(反復なし)
試験薬剤:実施例1の炭酸水素カリウム組成物
処理方法:試験例1と同じ(処理前調査を2013年に行った)
調査方法:試験例2と同じ(但し、増加率は、1年間での増加率である。)
Figure 2016186132
健全樹:試験期間中(1年間)、1度もエスカ病の病徴が発現しなかったブドウ
感染樹:試験期間中(1年間)、葉に病徴が1度以上発現したブドウ
本発明の炭酸水素カリウム組成物処理区では、試験例1と同様の病徴発現抑制効果が認められた。さらに、本発明の処理区と無処理区の樹幹周囲長の増加率を比較すると、健全樹では、両区の間で樹幹周囲長の増加率にほとんど差が無かったのに対し、感染樹では、炭酸水素カリウム組成物処理区の方が無処理区よりも樹幹周囲長の増加率が明らかに大きかった。
さらに、試験例3のブドウについて、調査期間を1年延長し、2013年〜2015年にかけて、処理区及び無処理区のそれぞれで葉の発病割合と樹幹周囲長との相関関係を調べた。その結果、下記表4に示す通り、無処理区においては、葉の発病割合が高いほど樹幹周囲長が小さくなる相関性が認められたが、処理区においては、葉の発病割合に関わり無く樹幹周囲長は増加し続けた。
Figure 2016186132
調査対象全樹の葉の発病割合をX軸に、樹幹周囲長をY軸に年別でプロットし、そこから得られた近似直線から傾きを求めた。
試験例2及び試験例3の結果から、感染樹は健全樹より樹幹周囲長の増加率が小さく、病徴発現の有無と樹幹周囲長の増加率との間に相関があることが判った。従って、樹幹周囲長の増加率が、ブドウエスカ病に感染しているブドウを同定するための指標として利用できることが明らかとなった。
また、健全樹での樹幹周囲長の増加率は、処理区と無処理区とでほとんど差がなく、発病樹率及び発病割合を低減させることのできる(試験例1)ブドウエスカ病防除用組成物が、健全樹の樹幹周囲長の増加率にほとんど影響を与えないことが判った。一方、感染樹では本発明の組成物の施用により樹幹周囲長の増加が認められ、ブドウエスカ病防除用組成物が感染樹の樹幹周囲長の増加率に大きな影響を与えることが判った。以上の点から、樹幹周囲長の増加率が、新規エスカ病防除剤を探索するための指標として利用できることが明らかとなった。
<試験例4>
ブドウエスカ病原菌菌糸伸長阻害効果試験
供試菌:Phaeomoniella chlamydospora、Phaeoacremonium aleophilum、Fomitiporia mediterranea
供試薬剤:実施例1の炭酸水素カリウム含有組成物又は実施例7の炭酸水素カリウム含有組成物
実施例1の炭酸水素カリウム含有組成物又は実施例7の炭酸水素カリウム含有組成物を所定濃度(質量/体積基準のppm)で含むPDA培地に、前培養して得た菌叢(直径4mm)を移植し、室温(20〜25℃)にて3日間培養後、生育した菌叢直径を測定し、下記の式に基づき菌糸伸長阻害率(%)を求めた。
菌糸伸長阻害率(%)=(1−a/b)×100
a:処理区の菌叢直径、b:無処理区の菌叢直径
その結果を表5及び表6に示す。
Figure 2016186132
Figure 2016186132
<試験例5>
ブドウブラックデッドアーム病菌菌糸伸長阻害効果試験
供試菌:Botryosphaeria parv
供試薬剤:実施例1の炭酸水素カリウム含有組成物
実施例1の炭酸水素カリウム含有組成物所定濃度(質量/体積基準のppm)で含むPDA培地に、前培養して得た菌叢(直径4mm)を移植し、室温(20〜25℃)にて3日間培養後、生育した菌叢直径を測定し、下記式に基づき菌糸伸長阻害率(%)を求めた。
菌糸伸長阻害率(%)=(1−a/b)×100
a:処理区の菌叢直径、b:無処理区の菌叢直径
その結果を表7に示す。
Figure 2016186132
<試験例6>
ブドウユーティパディーバック病菌菌糸伸長阻害効果試験
供試菌:Eutypa lata
供試薬剤:実施例1の炭酸水素カリウム含有組成物又は実施例7の炭酸水素カリウム含有組成物
実施例1の炭酸水素カリウム含有組成物又は実施例7の炭酸水素カリウム含有組成物を所定濃度(質量/体積基準のppm)で含むPDA培地に、前培養して得た菌叢(直径4mm)を移植し、室温(20〜25℃)にて3日間培養後、生育した菌叢直径を測定し、下記式に基づき菌糸伸長阻害率(%)を求めた。
菌糸伸長阻害率(%)=(1−a/b)×100
a:処理区の菌叢直径、b:無処理区の菌叢直径
その結果を表8に示す。
Figure 2016186132
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2015−101136号の明細書及び/又は特許請求の範囲に記載される内容を包含する。また、本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
本発明の防除用組成物及び防除方法は、環境や作業者に対する安全性が高く、ブドウエスカ病の病徴発現を抑制することができる。また、本発明の同定方法は、従来よりも短期間のうちにブドウエスカ病に感染しているブドウを同定することができる。さらに、本発明の探索方法は、簡便な方法でブドウエスカ病に対して有効な薬剤を見つけ出すことができる。また、本発明の防除用組成物及び防除方法は、環境や作業者に対する安全性が高く、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の病徴発現を抑制することができる。従って、本発明の防除用組成物及び防除方法は、産業上極めて有用である。

Claims (17)

  1. アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択された少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする、ブドウエスカ病、ブドウブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除用組成物。
  2. 前記病害がブドウエスカ病である、請求項1に記載の組成物。
  3. アルカリ金属が、カリウム又はナトリウムである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 界面活性剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 界面活性剤が、非イオン系界面活性剤を含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 非イオン系界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜18)エステル、ポリオキシエチレン(C8〜18)アルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C8〜18)エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアミンからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項5に記載の組成物。
  7. 植物油をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 植物油が、ダイズ油又はヒマワリ油である請求項7に記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を水溶性フィルムで包装した包装体。
  10. 水溶性フィルムの素材が、ポリビニルアルコールである請求項9に記載の包装体。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物をブドウに施用することを特徴とする、ブドウエスカ病、ブラックデッドアーム病及びユーティパディーバック病から選択される少なくとも1種の病害の防除方法。
  12. 前記病害がブドウエスカ病である、請求項11に記載の防除方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択される少なくとも1種が0.01kg/ha〜1000kg/haの範囲となる量でブドウに施用する、請求項11又は12に記載の防除方法。
  14. 試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病に感染していないブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法。
  15. ブドウエスカ病防除剤を施用していない試験対象のブドウの樹幹周囲長の増加率と、ブドウエスカ病防除剤を施用したブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、当該試験対象のブドウがブドウエスカ病に感染しているかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病に感染しているブドウの同定方法。
  16. 前記ブドウエスカ病防除剤が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物である、請求項15に記載の同定方法。
  17. 試験対象の化合物又は組成物を施用したブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率と、試験対象の化合物又は組成物を施用していないブドウエスカ病に感染しているブドウの樹幹周囲長の増加率とを比較することによって、前記試験対象の化合物又は組成物がブドウエスカ病防除剤であるかどうかを判断する工程を有する、ブドウエスカ病防除剤の探索方法。
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