本実施形態における通信システムは、基地局装置(送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)および端末装置(端末、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE)を備える。
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
図1は、本実施形態に係る通信システムの例を示す図である。図1に示すように、本実施形態における通信システムは、基地局装置1A、1B、端末装置2A、2B、2Cを備える。また、カバレッジ1−1は、基地局装置1Aが端末装置と接続可能な範囲(通信エリア)である。またカバレッジ1−2は、基地局装置1Bが端末装置と接続可能な範囲(通信エリア)である。以下では、端末装置2A、2Bを端末装置2とも記載する。
図1において、基地局装置1Aが端末装置2Aと端末装置2Bとを空間多重する場合や、端末装置2が基地局装置1Bからセル間干渉を受ける場合、端末装置2における受信信号は、自端末装置(第1の端末装置とも称する)宛の所望信号と、干渉となる端末装置(第2の端末装置とも称する)宛の信号とが含まれる。具体的には、端末装置2Aにおける受信信号は、基地局装置1Aから送信された自端末装置宛の所望信号と端末装置2B宛の信号および基地局装置1Bから送信された端末装置2C宛の信号である干渉信号とが含まれる。また、端末装置2Bにおける受信信号は、基地局装置1Aから送信された自端末装置宛の所望信号と端末装置2A宛の信号および基地局装置1Bから送信された端末装置2C宛の信号である干渉信号とが含まれる。
このように、本実施形態では、基地局装置が複数の端末装置を空間多重することによって、端末装置がユーザ間干渉を受ける場合や他の基地局装置からセル間干渉を受ける場合であればよく、図1の通信システムに限定されない。また、ユーザ間干渉とセル間干渉は同時に受ける必要はなく、ユーザ間干渉のみを受ける場合やセル間干渉のみを受ける場合のどちらも本発明に含まれる。
図1において、端末装置2から基地局装置1Aへの上りリンクの無線通信では、以下の上りリンク物理チャネルが用いられる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)
・PRACH(Physical Random Access Channel)
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる。ここで、上りリンク制御情報は、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するACK(a positive acknowledgement)またはNACK(a negative acknowledgement)(ACK/NACK)を含む。下りリンクデータに対するACK/NACKを、HARQ−ACK、HARQフィードバックとも称する。
また、上りリンク制御情報は、下りリンクに対するチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)を含む。また、上りリンク制御情報は、上りリンク共用チャネル(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)のリソースを要求するために用いられるスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)を含む。前記チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI、好適なプレコーダを指定するプレコーディング行列指標PMI、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQIなどが該当する。
前記チャネル品質指標CQIは(以下、CQI値)、所定の帯域(詳細は後述)における好適な変調方式(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMなど)、符号化率(code rate)とすることができる。CQI値は、前記変更方式や符号化率により定められたインデックス(CQI Index)とすることができる。前記CQI値は、予め当該システムで定めたものをすることができる。
なお、前記ランク指標、前記プレコーディング品質指標は、予めシステムで定めたものとすることができる。前記ランク指標や前記プレコーディング行列指標は、空間多重数やプレコーディング行列情報により定められたインデックスとすることができる。なお、前記ランク指標、前記プレコーディング行列指標、前記チャネル品質指標CQIの値をCSI値と総称する。
PUSCHは、上りリンクデータ(上りリンクトランスポートブロック、UL-SCH)を送信するために用いられる。また、PUSCHは、上りリンクデータと共に、ACK/NACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられても良い。また、PUSCHは、上りリンク制御情報のみを送信するために用いられても良い。
また、PUSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。RRCメッセージは、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層において処理される情報/信号である。また、PUSCHは、MAC CE(Control Element)を送信するために用いられる。ここで、MAC CEは、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層において処理(送信)される情報/信号である。
例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、PUSCHを経由して報告されても良い。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられても良い。
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる。
また、上りリンクの無線通信では、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。ここで、上りリンク参照信号には、DMRS(Demodulation Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)が含まれる。
DMRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連する。例えば、基地局装置1Aは、PUSCHまたはPUCCHの伝搬路補正を行なうためにDMRSを使用する。SRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連しない。例えば、基地局装置1Aは、上りリンクのチャネル状態を測定するためにSRSを使用する。
図1において、基地局装置1Aから端末装置2への下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・PBCH(Physical Broadcast Channel: 報知チャネル)
・PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel: 制御フォーマット指示チャネル)
・PHICH(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel: HARQ指示チャネル)
・PDCCH(Physical Downlink Control Channel: 下りリンク制御チャネル)
・EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel: 拡張下りリンク制御チャネル)
・PDSCH(Physical Downlink Shared Channel: 下りリンク共有チャネル)
PBCHは、端末装置2で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB、Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。PCFICHは、PDCCHの送信に用いられる領域(例えば、OFDMシンボルの数)を指示する情報を送信するために用いられる。
PHICHは、基地局装置1Aが受信した上りリンクデータ(トランスポートブロック、コードワード)に対するACK/NACKを送信するために用いられる。すなわち、PHICHは、上りリンクデータに対するACK/NACKを示すHARQインディケータ(HARQフィードバック)を送信するために用いられる。また、ACK/NACKは、HARQ−ACKとも呼称する。端末装置2は、受信したACK/NACKを上位レイヤに通知する。ACK/NACKは、正しく受信されたことを示すACK、正しく受信しなかったことを示すNACK、対応するデータがなかったことを示すDTXである。また、上りリンクデータに対するPHICHが存在しない場合、端末装置2はACKを上位レイヤに通知する。
PDCCHおよびEPDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。ここで、下りリンク制御情報の送信に対して、複数のDCIフォーマットが定義される。すなわち、下りリンク制御情報に対するフィールドがDCIフォーマットに定義され、情報ビットへマップされる。
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPDSCH(1つの下りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット1Aが定義される。
例えば、下りリンクに対するDCIフォーマットには、PDSCHのリソース割り当てに関する情報、PDSCHに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)に関する情報、PUCCHに対するTPCコマンドなどの下りリンク制御情報が含まれる。ここで、下りリンクに対するDCIフォーマットを、下りリンクグラント(または、下りリンクアサインメント)とも称する。
また、例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットとして、1つのセルにおける1つのPUSCH(1つの上りリンクトランスポートブロックの送信)のスケジューリングに使用されるDCIフォーマット0が定義される。
例えば、上りリンクに対するDCIフォーマットには、PUSCHのリソース割り当てに関する情報、PUSCHに対するMCSに関する情報、PUSCHに対するTPCコマンドなど上りリンク制御情報が含まれる。上りリンクに対するDCIフォーマットを、上りリンクグラント(または、上りリンクアサインメント)とも称する。
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、下りリンクのチャネル状態情報(CSI: Channel State Information。受信品質情報とも称する。)を要求(CSI request)するために用いることができる。チャネル状態情報は、好適な空間多重数を指定するランク指標RI(Rank Indicator)、好適なプレコーダを指定するプレコーディング行列指標PMI(Precoding Matrix Indicator)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標CQI(Channel Quality Indicator)などが該当する。
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
例えば、チャネル状態情報報告は、不定期なチャネル状態情報(Aperiodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、不定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。基地局装置1A、1Bは、前記定期的なチャネル状態情報報告または前記不定期的なチャネル状態情報報告のいずれかを設定することができる。また、基地局装置1A、1Bは、前記定期的なチャネル状態情報報告および前記不定期的なチャネル状態情報報告の両方を設定することもできる。
また、上りリンクに対するDCIフォーマットは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告の種類を示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告の種類は、広帯域CSI(例えばWideband CQI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CQI)などがある。
また、前記上りリンクに対するDCIフォーマットにおいて、前記定期的なチャネル状態情報報告または前記不定期的なチャネル状態情報報告と前記チャネル状態情報報告の種類を含めたモード設定のために用いることができる。例えば、不定期的なチャネル状態情報報告かつ広帯域CSIを報告するモード、不定期的なチャネル状態情報報告かつ狭帯域CSIを報告するモード、不定期的なチャネル状態情報報告かつ広帯域CSIおよび狭帯域CSIを報告するモード、定期的なチャネル状態情報報告かつ広帯域CSIを報告するモード、定期的なチャネル状態情報報告かつ狭帯域CSIを報告するモード、定期的なチャネル状態情報報告かつ広帯域CSIおよび狭帯域CSIを報告するモードなどがある。
端末装置2は、下りリンクアサインメントを用いてPDSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPDSCHで下りリンクデータを受信する。また、端末装置2は、上りリンクグラントを用いてPUSCHのリソースがスケジュールされた場合、スケジュールされたPUSCHで上りリンクデータおよび/または上りリンク制御情報を送信する。
PDSCHは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。また、PDSCHは、システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションブロックタイプ1メッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
また、PDSCHは、システムインフォメーションメッセージを送信するために用いられる。システムインフォメーションメッセージは、システムインフォメーションブロックタイプ1以外のシステムインフォメーションブロックXを含む。システムインフォメーションメッセージは、セルスペシフィック(セル固有)な情報である。
また、PDSCHは、RRCメッセージを送信するために用いられる。ここで、基地局装置1Aから送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置2に対して共通であっても良い。また、基地局装置1Aから送信されるRRCメッセージは、ある端末装置2に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であっても良い。すなわち、ユーザ装置スペシフィック(ユーザ装置固有)な情報は、ある端末装置2に対して専用のメッセージを使用して送信される。また、PDSCHは、MAC CEを送信するために用いられる。
ここで、RRCメッセージおよび/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。
また、PDSCHは、下りリンクのチャネル状態情報を要求するために用いることができる。また、PDSCHは、端末装置が基地局装置にフィードバックするチャネル状態情報報告(CSI feedback report)をマップする上りリンクリソースを送信するために用いることができる。例えば、チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報(Periodic CSI)を報告する上りリンクリソースを示す設定のために用いることができる。チャネル状態情報報告は、定期的にチャネル状態情報を報告するモード設定(CSI report mode)のために用いることができる。
下りリンクのチャネル状態情報報告の種類は広帯域CSI(例えば、Wideband CSI)と狭帯域CSI(例えば、Subband CSI)がある。広帯域CSIは、セルのシステム帯域に対して1つのチャネル状態情報を算出する。狭帯域CSIは、システム帯域を所定の単位に区分し、その区分に対して1つのチャネル状態情報を算出する。
また、下りリンクの無線通信では、下りリンク物理信号として同期信号(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
同期信号は、端末装置2が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取るために用いられる。また、下りリンク参照信号は、端末装置2が、下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、端末装置2が、下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。
ここで、下りリンク参照信号には、CRS(Cell-specific Reference Signal: セル固有参照信号)、PDSCHに関連するURS(UE-specific Reference Signal: 端末固有参照信号)、EPDCCHに関連するDMRS(Demodulation Reference Signal)、NZP CSI−RS(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)、ZP CSI−RS(Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)が含まれる。
CRSは、サブフレームの全帯域で送信され、PBCH/PDCCH/PHICH/PCFICH/PDSCHの復調を行なうために用いられる。PDSCHに関連するURSは、URSが関連するPDSCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信され、URSが関連するPDSCHの復調を行なうために用いられる。
EPDCCHに関連するDMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。DMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの復調を行なうために用いられる。
NZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。例えば、端末装置2は、NZP CSI−RSを用いて信号の測定(チャネルの測定)を行なう。ZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1Aによって設定される。基地局装置1Aは、ZP CSI−RSをゼロ出力で送信する。例えば、端末装置2は、NZP CSI−RSが対応するリソースにおいて干渉の測定を行なう。
ZP CSI−RSのリソースは、基地局装置1A、が設定する。基地局装置1Bは、ZP CSI−RSをゼロ出力で送信する。つまり、基地局装置1Aは、ZP CSI−RSを送信しない。基地局装置1Bは、ZP CSI−RSの設定したリソースにおいて、PDSCHおよびEPDCCHを送信しない。例えば、あるセルにおいてNZP CSI−RSが対応するリソースにおいて、端末装置2Cは、干渉を測定することができる。
MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network) RSは、PMCHの送信に用いられるサブフレームの全帯域で送信される。MBSFN RSは、PMCHの復調を行なうために用いられる。PMCHは、MBSFN RSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。
ここで、下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
また、BCH、UL−SCHおよびDL−SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。また、MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(Transport Block: TB)、または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理などが行なわれる。
端末装置は、ユーザ間干渉やセル間干渉を除去または抑圧する機能を備えることができる。このような技術は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)でNAICS(Network Assisted Interference Cancellation and Suppression)として検討されている。NAICSでは、基地局装置は、端末装置が干渉信号のハンドリング、除去または抑圧のために用いるNAICSアシスト情報(第1の支援情報とも呼ぶ)を送信する。端末装置はNAICSアシスト情報を受信し、NAICSアシスト情報に基づいて、干渉信号の除去または抑圧するためのパラメータを検出し、前記パラメータを用いて干渉信号を除去または抑圧する。NAICSアシスト情報には、セルID、CRSアンテナポート数、MBSFNサブフレームパターン、PB、仮想セルID(virtual cell ID)、スクランブリングアイデンティティ(nSCID)、PA、送信モード、QCL情報(quasi co-location information)、ZP/NZP CSI−RS構成、PDSCHスタート位置(PDSCH starting position)、TDD UL/DL 構成、プリコーディング行列指標/ランク指標、変調方式、リソース割当て情報の一部または全てが含まれる。
なお、PAは、CRSが配置されていないOFDMシンボルにおけるPDSCHとCRSの電力比である。PBは、CRSが配置されているOFDMシンボルにおけるPDSCHとCRSが配置されていないOFDMシンボルにおけるPDSCHの電力比を表す。QCL情報は、所定のアンテナポート、所定の信号、または所定のチャネルに対するQCLに関する情報である。2つのアンテナポートにおいて、一方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルの長区間特性が、もう一方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルから推測できる場合、それらのアンテナポートはQCLであると呼称される。長区間特性は、遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得および/または平均遅延を含む。すなわち、2つのアンテナポートがQCLである場合、端末装置はそれらのアンテナポートにおける長区間特性が同じであると見なすことができる。
なお、上記のNAICSアシスト情報に含まれるパラメータの各々は、1つの値(候補)が設定されても良いし、複数の値(候補)が設定されても良い。複数の値が設定される場合は、端末装置は、そのパラメータについては、干渉となる基地局装置が設定する可能性のある値が示されていると解釈し、複数の値から干渉信号に設定されているパラメータを検出する。また、上記NAICSアシスト情報は、他の基地局装置の情報を示す場合もあるし、自らの基地局装置の情報を示す場合もある。
なお、上記のNAICSアシスト情報は、端末装置に対するPDSCHを復調する時に、他の端末装置に対するPDSCHからの干渉をハンドリング、除去または抑圧のために、その端末装置によって用いられる。そのため、NAICSアシスト情報は、PDSCH干渉アシスト情報またはPDSCHアシスト情報とも呼称される。NAICSアシスト情報は、他の端末装置に対するPDSCHのリソースエレメントに対するマッピングに関する情報を少なくとも含む。NAICSアシスト情報は、様々な測定を行なう時に用いられても良い。測定は、RRM(Radio Resource Management)測定、RLM(Radio Link Monitoring)測定、CSI(Channel State Information)測定を含む。
端末装置は、設定されたNAICSアシスト情報に基づいて、PDSCH干渉を検出(特定)し、検出されたPDSCH干渉を低減する。NAICSアシスト情報は、更新頻度が比較的長い準静的な制御情報を含め、更新頻度が比較的短い動的な制御情報を含めないようにしても良い。準静的な制御情報は、セルID、CRSアンテナポート数、MBSFNサブフレームパターン、PB、仮想セルID(virtual cell ID)、スクランブリングアイデンティティ(nSCID)、PA、送信モード、QCL情報(quasi co-location information)、ZP/NZP CSI−RS構成、PDSCHスタート位置(PDSCH starting position)、TDD UL/DL 構成などを含む。動的な制御情報は、プリコーディング行列指標/ランク指標、変調方式、リソース割当て情報などを含む。また、既に説明したように、NAICSアシスト情報に含まれるパラメータの各々は、複数の値(候補)が設定されても良い。そのため、NAICSアシスト情報は、複数のPDSCH干渉の候補を示すための情報と見なすことができる。端末装置は、NAICSアシスト情報に基づいて認識できるPDSCH干渉の候補に対して、順に検出を試みるブラインド検出を行なうことができる。
これにより、端末装置は、NAICSアシスト情報から検出したパラメータに基づいて、他の端末装置に対するPDSCHによる干渉を低減できるため、自端末装置宛の信号を精度よく得ることができる。また、NAICSアシスト情報は複数の候補を示すため、基地局装置のスケジューリングに与える影響は低くすることができる。なお、端末装置は、アシスト情報として受信しなかったパラメータをブラインド検出すると呼称されても良い。干渉信号の除去または抑圧は、線形検出、非線形検出を行なうことができる。線形検出は、自端末装置宛の所望信号のチャネルと他端末装置宛の干渉信号のチャネルを考慮して検出することができる。このような線形検出はELMMSE−IRC(Enhanced Linear Minimum Mean Square Error-Interference Rejection Combining)とも呼ばれる。また、非線形検出としては、干渉キャンセラや最尤検出をすることができる。
基地局装置は、NAICSアシスト情報を、NAICSアシスト情報リストとしてリスト化して送信することができる。NAICSアシスト情報リストには少なくとも1つのNAICSアシスト情報を含めることができる。また、NAICSアシスト情報リストは、隣接セルNAICS情報(第1の干渉情報とも呼ぶ)として送信することができる。なお、NAICSアシスト情報リストは、PDSCHアシスト情報リストと呼称しても良い。また、隣接セルNAICS情報は、隣接セルPDSCH情報と呼称しても良い。
端末装置は、他の基地局装置から送信されるCRSが干渉となる場合に、基地局装置から上位層の信号で送信されるCRSアシスト情報(第2の支援情報とも呼ぶ)を用いて、他基地局装置のCRSから受ける干渉を軽減することができる。CRSアシスト情報は、他の基地局装置の情報であり、セルID、CRSのアンテナポート数、MBSFNサブフレーム設定リストを含む。
また、CRSアシスト情報は、CRSアシスト情報リストによってリスト化されて送信される。CRSアシスト情報リストには、少なくとも1つのCRSアシスト情報が含まれる。また、CRSアシスト情報リストは、隣接セルCRS情報(第2の干渉情報とも呼ぶ)として送信される。
なお、CRSアシスト情報は、端末装置に対するPDSCHを復調する時に、他セル(隣接セル)のCRSからの干渉をハンドリング、除去または抑圧のために、その端末装置によって用いられる。CRSアシスト情報は、様々な測定を行なう時に用いられても良い。測定は、RRM(Radio Resource Management)測定、RLM(Radio Link Monitoring)測定、CSI(Channel State Information)測定を含む。
なお、NAICSアシスト情報は、端末装置が、PDSCH干渉のみならず、CRS干渉やその他のチャネルの干渉をハンドリングする場合にも用いることができる。
図2は、本実施形態における基地局装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。図2に示すように、基地局装置1Aは、上位層処理部101、制御部102、送信部103、受信部104と送受信アンテナ105を含んで構成される。また、上位層処理部101は、無線リソース制御部1011、スケジューリング部1012を含んで構成される。また、送信部103は、符号化部1031、変調部1032、下りリンク参照信号生成部1033、多重部1034、無線送信部1035を含んで構成される。また、受信部104は、無線受信部1041、多重分離部1042、復調部1043、復号部1044を含んで構成される。
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部101は、送信部103および受信部104の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部102に出力する。
上位層処理部101は、端末装置の機能(UE capability)等、端末装置に関する情報を端末装置から受信する。言い換えると、端末装置は、自身の機能を基地局装置に上位層の信号で送信する。
なお、以下の説明において、端末装置に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、または、その端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。なお、以下の説明において、所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。
例えば、端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートしない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しない。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知しても良い。
端末装置の機能には、NAICSをサポートしているかどうかを示すパラメータを含めることができる。NAICSに複数の機能がある場合、端末装置は、各々の機能についてサポートしているかどうかを個別のパラメータで基地局装置に送信することができる。例えば、NAICSとしてPDSCH干渉ハンドリングとCRS干渉ハンドリングの2つの機能が含まれている場合、端末装置は、PDSCH干渉ハンドリングをサポートしているかどうかを示す信号、CRS干渉ハンドリングをサポートしているかどうかを示す信号を基地局装置に送信することができる。具体的には、端末装置がCRS干渉ハンドリングおよびPDSCH干渉ハンドリングをサポートする場合、その端末装置はCRS干渉ハンドリングをサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)およびPDSCH干渉ハンドリングをサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。また、端末装置がCRS干渉ハンドリングをサポートし、PDSCH干渉ハンドリングをサポートしない場合、その端末装置はCRS干渉ハンドリングをサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信し、PDSCH干渉ハンドリングをサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しない。
また、PDSCH干渉ハンドリングをサポートしている端末装置は、必ずCRS干渉ハンドリングをサポートするようにしても良い。すなわち、端末装置は、PDSCH干渉ハンドリングをサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する場合、CRS干渉ハンドリングをサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)も送信する。
また、所定のリリースにおける端末装置は、CRS干渉ハンドリングのサポートが必須(Mandatory)であるが、PDSCH干渉ハンドリングのサポートが任意(Optional)であっても良い。また、所定のリリースにおける端末装置は、CRS干渉ハンドリングのサポートおよびPDSCH干渉ハンドリングのサポートが必須(Mandatory)であっても良い。
なお、端末装置がPDSCH干渉ハンドリングをサポートしている場合、PDSCH干渉とCRS干渉の両方をハンドリングする機能を有することを表しても良い。つまり、基地局装置は、端末装置からPDSCH干渉ハンドリングをサポートする旨の報告を受信した場合、CRS干渉ハンドリングのサポートの有無に関わらず、端末装置がCRS干渉ハンドリングの機能を有していると判断することができる。また、端末装置は、PDSCH干渉ハンドリングをサポートしている場合、必ずCRS干渉ハンドリングをサポートしているとして、基地局装置に報告しても良い。
なお、CRS干渉ハンドリングの機能には、NAICSとは独立に基地局装置に送信する第1のCRS干渉ハンドリングと、NAICSの機能の一部の機能としてのCRS干渉ハンドリングである第2のCRS干渉ハンドリングがあっても良い。端末装置は、第1のCRS干渉ハンドリングをサポートしているかどうかおよび第2のCRS干渉ハンドリングをサポートしているかどうかの両方を、基地局装置に送信することができる。
上位層処理部101は、NAICSアシスト情報を設定するか否か、CRSアシスト情報を設定するか否かを判断する。基地局装置は、上記端末装置の機能からNAICS/CRSアシスト情報を設定するか否かを判断することができる。
無線リソース制御部1011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ、MAC CEなどを生成、または上位ノードから取得する。無線リソース制御部1011は、下りリンクデータを送信部103に出力し、他の情報を制御部102に出力する。また、無線リソース制御部1011は、端末装置2の各種設定情報の管理をする。この設定情報には、干渉となる端末装置の設定情報を含めることができる。もしくは、自端末装置の設定情報から干渉となる端末装置の設定情報が取得できるようになっている。また、干渉となる基地局装置の設定情報を含めることができる。
基地局装置は、NAICSおよび/またはCRS干渉除去を行なう能力を持つ端末装置に対して、NAICSアシスト情報および/またはCRSアシスト情報を送信することができる。
端末装置がキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation: CA)をサポートしている場合、基地局装置は、プライマリセル(Primary Cell: PCell)および/またはセカンダリセル(Secondary Cell: SCell)に対するNAICSアシスト情報および/またはCRSアシスト情報を設定することができる。本実施形態の説明において、NAICSアシスト情報および/またはCRSアシスト情報は、単にアシスト情報とも呼称される。
この場合、基地局装置はセル毎に設定するアシスト情報を異なるようにすることができる。例えば、基地局装置は、PCellではCRSアシスト情報もしくはNAICSアシスト情報のどちらかを設定し、SCellではNAICSアシスト情報のみを設定することができる。また、例えば、基地局装置は、PCellではCRSアシスト情報およびNAICSアシスト情報を設定し、SCellではNAICSアシスト情報のみを設定することができる。すなわち、SCellではCRSアシスト情報を設定することができないようにしても良い。
また、基地局装置は、PCellに対するCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)とSCellに対するCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)を個別に設定することができる。また、PCellに対するCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)とSCellに対するCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)には異なる情報(パラメータ、設定)を含めることができる。例えば、PCellに対するCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)は第1のCRS干渉ハンドリングのためのアシスト情報とし、SCellに対するCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)は第2のCRS干渉ハンドリングのためのアシスト情報とすることができる。また、基地局装置は、PCellのためのCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)およびSCellのためのCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)を、第2のCRS干渉ハンドリングのためのアシスト情報(第2のPDSCH干渉ハンドリングのためのアシスト情報)とすることができる。この場合、基地局装置は、PCellのためのCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)とSCellのためのCRSアシスト情報(NAICSアシスト情報)において、オプションとなる情報(パラメータ、設定)をそれぞれ異なるように設定(規定、定義)することができる。なお、オプションとなる情報とは、必ずしも設定する必要のない情報、または、基地局装置が設定するかどうかを決定できる情報を表す。
また、基地局装置は、CRSアシスト情報および/またはNAICSアシスト情報を設定するセル数を制限することができる。CRSアシスト情報および/またはNAICSアシスト情報を設定するセル数を制限することは、端末装置が求める干渉のパラメータが制限されるため、端末装置の演算量を削減することができる。基地局装置は、CRSアシスト情報および/またはNAICSアシスト情報の設定を1セルに制限することができる。例えば、CRSアシスト情報および/またはNAICSアシスト情報は、PCellもしくはSCellのうち、どれか1つのセルのみに設定される。基地局装置は、CRSアシスト情報および/またはNAICSアシスト情報の設定を各セルで制限することができる。また、例えば、基地局装置は、PCellおよび1つのSCellの最大2セルまで設定することができる。
また、基地局装置は、NAICSアシスト情報に、物理セルID、CRSアンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成はマンダトリー(必須)の情報(パラメータ)として必ず含めて送信し、他の情報については、オプションの情報とすることができる。具体的には、オプションとなる情報は、PB、仮想セルID(virtual cell ID)、スクランブリングアイデンティティ(nSCID)、PA、送信モード、QCL情報(quasi co-location information)、ZP/NZP CSI−RS構成、PDSCHスタート位置(PDSCH starting position)、TDD UL/DL 構成、プリコーディング行列指標/ランク指標、変調方式、リソース割当て情報の一部または全てを含む。
NAICSアシスト情報において、物理セルID、CRSアンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成のみが含まれている場合、もしくは、オプションとなる情報が全て設定されていなかった場合、端末装置はPDSCH干渉を想定しない。つまり、端末装置は、CRS干渉のみを想定し、ハンドリング、除去または抑圧する。
また、基地局装置は、端末装置から報告された端末装置の機能が、CRS干渉ハンドリングの場合、物理セルID、CRSアンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成のみをNAICSアシスト情報として送信する、もしくは、オプションとなる情報は全て設定せずにNAICSアシスト情報を送信する。
スケジューリング部1012は、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)を割り当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)の符号化率および変調方式(あるいはMCS)および送信電力などを決定する。スケジューリング部1012は、決定した情報を制御部102に出力する。
スケジューリング部1012は、スケジューリング結果に基づき、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)のスケジューリングに用いられる情報を生成する。スケジューリング部1012は、生成した情報を制御部102に出力する。本実施形態では、一例として、スケジューリング部1012は、端末装置2Aおよび端末装置2Bを同じリソースにスケジューリングする。なお、本実施形態では簡単のため、同じリソースとしたが、異なるリソースにスケジューリングしても良い。なお、基地局装置1Bと協調してスケジューリングすることもできる。
制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、送信部103および受信部104の制御を行なう制御信号を生成する。制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、下りリンク制御情報を生成し、送信部103に出力する。
送信部103は、制御部102から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および、下りリンクデータを、符号化および変調し、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ105を介して端末装置2に信号を送信する。
符号化部1031は、上位層処理部101から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行なう、または無線リソース制御部1011が決定した符号化方式を用いて符号化を行なう。変調部1032は、符号化部1031から入力された符号化ビットをBPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(quadrature amplitude modulation)、64QAM、256QAM等の予め定められた、または無線リソース制御部1011が決定した変調方式で変調する。
下りリンク参照信号生成部1033は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(PCI、セルID)などを基に予め定められた規則で求まる、端末装置2が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。
多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とを多重する。つまり、多重部1034は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号と下りリンク制御情報とをリソースエレメントに配置する。
無線送信部1035は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成し、OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加してベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、搬送周波数にアップコンバートし、電力増幅し、送受信アンテナ105に出力して送信する。
受信部104は、制御部102から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ105を介して端末装置2から受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
無線受信部1041は、送受信アンテナ105を介して受信された上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
無線受信部1041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1041は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行ない、周波数領域の信号を抽出し多重分離部1042に出力する。
多重分離部1042は、無線受信部1041から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号などの信号に分離する。なお、この分離は、予め基地局装置1Aが無線リソース制御部1011で決定し、各端末装置2に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割り当て情報に基づいて行なわれる。
また、多重分離部1042は、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部1042は、上りリンク参照信号を分離する。
復調部1043は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた、または自装置が端末装置2各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
復号部1044は、復調されたPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、または自装置が端末装置2に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行ない、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号部1044は、上位層処理部101から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、復調された符号化ビットを用いて復号を行なう。
図3は、本実施形態における端末装置2の構成を示す概略ブロック図である。図3に示すように、端末装置2は、上位層処理部201、制御部202、送信部203、受信部204、チャネル状態情報生成部205と送受信アンテナ206を含んで構成される。また、上位層処理部201は、無線リソース制御部2011、スケジューリング情報解釈部2012を含んで構成される。また、送信部203は、符号化部2031、変調部2032、上りリンク参照信号生成部2033、多重部2034、無線送信部2035を含んで構成される。また、受信部204は、無線受信部2041、多重分離部2042、信号検出部2043を含んで構成される。
上位層処理部201は、ユーザの操作等によって生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、送信部203に出力する。また、上位層処理部201は、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
上位層処理部201は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能を示す情報を、送信部203に出力する。
無線リソース制御部2011は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。また、無線リソース制御部2011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部203に出力する。
無線リソース制御部2011は、基地局装置から送信されたCSIフィードバックに関する設定情報を取得し、制御部202に出力する。
スケジューリング情報解釈部2012は、受信部204を介して受信した下りリンク制御情報を解釈し、スケジューリング情報を判定する。また、スケジューリング情報解釈部2012は、スケジューリング情報に基づき、受信部204、および送信部203の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部202に出力する。
制御部202は、上位層処理部201から入力された情報に基づいて、受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203の制御を行なう制御信号を生成する。制御部202は、生成した制御信号を受信部204、チャネル状態情報生成部205および送信部203に出力して受信部204、および送信部203の制御を行なう。
制御部202は、チャネル状態情報生成部205が生成したCSIを基地局装置に送信するように送信部203を制御する。
受信部204は、制御部202から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ206を介して基地局装置1Aから受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部201に出力する。受信部204は、受信信号に含まれる、基地局装置1Aに対応する参照信号(第1の参照信号とも呼ぶ)と、基地局装置1Aから設定された干渉情報に基づく参照信号(第2の参照信号とも呼ぶ)を受信し、チャネル状態情報生成部205に出力する。
無線受信部2041は、送受信アンテナ206を介して受信した下りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
また、無線受信部2041は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換を行ない、周波数領域の信号を抽出する。
多重分離部2042は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。また、多重分離部2042は、チャネル測定から得られた所望信号のチャネルの推定値に基づいて、PHICH、PDCCH、およびEPDCCHのチャネルの補償を行ない、下りリンク制御情報を検出し、制御部202に出力する。また、制御部202は、PDSCHおよび所望信号のチャネル推定値を信号検出部2043に出力する。
信号検出部2043は、PDSCH、チャネル推定値を用いて、信号検出し、上位層処理部201に出力する。上位層で、NAICSが設定されている場合、干渉信号の除去または抑圧を行なって、信号検出する。干渉信号の除去または抑圧としては、例えば、干渉信号のチャネル推定値を考慮する線形検出や、干渉信号のチャネル推定値や変調方式を考慮する干渉キャンセルまたは最尤検出を行なう。
信号検出部2043は、上位層でNAICSアシスト情報が設定されている場合、干渉チャネルの推定および/または干渉信号の復調に必要なパラメータを検出する。NAICSアシスト情報で複数の値が設定されているパラメータについては、複数の値を候補とし、干渉信号に設定されている値をブラインド検出する。また、NAICSアシスト情報で設定されていないパラメータは、システムで設定される可能性のある値を候補とし、干渉信号に設定されている値をブラインド検出しても良い。信号検出部2043は、検出したパラメータを用いてPDSCH/CRS干渉を除去または抑圧する。
信号検出部2043は、NAICSアシスト情報で、物理セルID、CRSアンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成のみが設定されている場合、PDSCH干渉を想定せずに干渉信号の除去または抑圧を行なう。もしくは、端末装置は、CRS干渉のみをハンドリング、除去または抑圧する。
送信部203は、制御部202から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、上位層処理部201から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成した上りリンク参照信号を多重し、送受信アンテナ206を介して基地局装置1Aに送信する。
符号化部2031は、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報を畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行なう。また、符号化部2031は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づきターボ符号化を行なう。
変調部2032は、符号化部2031から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。
上りリンク参照信号生成部2033は、基地局装置1Aを識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称される)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値などを基に、予め定められた規則(式)で求まる系列を生成する。
多重部2034は、制御部202から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)する。また、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する。つまり、多重部2034は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎にリソースエレメントに配置する。
無線送信部2035は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMA方式の変調を行ない、SC−FDMAシンボルを生成し、生成されたSC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、送受信アンテナ206に出力して送信する。
本発明の基地局装置は、端末装置と通信する基地局装置であって、少なくとも下りリンク共有チャネルからの干渉を低減するために前記端末装置に用いられる第1の支援情報を、前記端末装置に設定する上位層を備え、前記第1の支援情報は、物理セル識別子、セル固有参照信号アンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成は必ず含み、その他の情報は任意に設定する。
また、本発明の基地局装置において、端末装置から、端末装置の機能に関する情報を受信し、前記端末装置の機能として、セル固有干渉ハンドリングがサポートされ、下りリンク共有チャネル干渉ハンドリングがサポートされない場合、前記第1の支援情報として、物理セル識別子、セル固有参照信号アンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成のみを送信する。
また、本発明の端末装置は、基地局装置と通信する端末装置であって、少なくとも下りリンク共有チャネルからの干渉を低減するために前記端末装置に用いられる第1の支援情報を、前記基地局装置から設定される端末装置であって、前記第1の支援情報として、物理セル識別子、セル固有参照信号アンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成のみが設定されている場合、下りリンク共有チャネルからの干渉は想定せず、セル固有参照信号による干渉を想定する端末装置。
また、本発明の通信方法は、端末装置と通信する基地局装置における通信方法であって、少なくとも下りリンク共有チャネルからの干渉を低減するために前記端末装置に用いられる第1の支援情報を、前記端末装置に設定するステップを有し、前記第1の支援情報は、物理セル識別子、セル固有参照信号アンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成は必ず含み、その他の情報は任意に設定する。
また、本発明の通信方法は、基地局装置と通信する端末装置における通信方法であって、少なくとも下りリンク共有チャネルからの干渉を低減するために前記端末装置に用いられる第1の支援情報を、前記基地局装置から受信する受信ステップと、前記第1の支援情報として、物理セル識別子、セル固有参照信号アンテナポート数、MBSFNサブフレーム構成のみが設定されている場合、下りリンク共有チャネルからの干渉は想定せず、セル固有参照信号による干渉を想定するステップと、を有する。
なお、本発明に係る基地局装置および端末装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであっても良い。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における端末装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現しても良い。受信装置の各機能ブロックは個別にチップ化しても良いし、一部、または全部を集積してチップ化しても良い。各機能ブロックを集積回路化した場合に、それらを制御する集積回路制御部が付加される。
また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本願発明の端末装置は、移動局装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、例えば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用出来ることは言うまでもない。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も請求の範囲に含まれる。