JPWO2015166835A1 - アンテナ装置および通信端末装置 - Google Patents

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Abstract

基材層(21)は、第1主面上に第1主面側導体パターン(11)、第2主面上に第2主面側導体パターン(12)を備える。第2主面側導体パターン(12)は第1主面側導体パターン(11)よりも薄い。第1主面側導体パターン(11)は、コイル用導体パターン(13)、第1のキャパシタ用導体パターン(14)、第2のキャパシタ用導体パターン(15)を備える。第2主面側導体パターン(12)は、第3のキャパシタ用導体パターン(16)、第4のキャパシタ用導体パターン(17)を備える。第1のキャパシタ用導体パターン(14)および第3のキャパシタ用導体パターン(16)、第2のキャパシタ用導体パターン(15)および第4のキャパシタ用導体パターン(17)で2つのコンデンサを形成し、コイル用導体パターン(13)と併せてアンテナ装置(101)を構成する。

Description

本発明は、HF帯やUHF帯の通信システムに用いられるアンテナ装置および通信端末装置に関する。
従来の非接触型ICカードは、カード基板の周縁部にループ状に形成された導体パターンからなるコイルとカード基板上に搭載されたコンデンサとにより構成した共振回路を備え、その共振回路が共振することによって発生する電圧によって非接触ICカード内の他の回路に電力が供給され、その回路が動作するものである。特許文献1には、基材の両面に導体パターンを形成することでコンデンサを設けた非接触型ICカードが示されている。
特開平11−353440号公報
特許文献1にはコイルを形成するループ状の導体パターンやコンデンサを形成する導体パターンの厚みについての記載はない。近年は携帯通信端末や非接触ICカードの薄型化の要望が強くなっており、薄型化に対応するために基材の両面に形成する導体パターンを単純に薄型化すると、特に線路長が長いコイルの導体パターンで導体損失が大きくなってアンテナ特性が劣化するという問題が生じる。
本発明の目的は、アンテナの特性を劣化させることなくアンテナ全体を薄型化できるようにしたアンテナ装置およびそれを備えた通信端末装置を提供することにある。
(1)本発明のアンテナ装置は、
第1主面および第2主面を有し絶縁体からなる基材層と、前記基材層の第1主面上に形成された第1主面側導体パターンと、前記基材層の第2主面上に形成された第2主面側導体パターンとを備えるアンテナ装置において、
前記第2主面側導体パターンは、前記第1主面側導体パターンよりも薄く、
前記第1主面側導体パターンは、ループ状またはスパイラル状のコイル用導体パターン、前記コイル用導体パターンの第1端に接続された第1のキャパシタ用導体パターン、および前記コイル用導体パターンの第2端に接続された第2のキャパシタ用導体パターンを備え、
前記第2主面側導体パターンは、前記基材層を挟んで前記第1のキャパシタ用導体パターンに対向する第3のキャパシタ用導体パターン、および前記基材層を挟んで前記第2のキャパシタ用導体パターンに対向する第4のキャパシタ用導体パターンを備えたことを特徴とする。
上記構成により、コイル用導体パターンが形成される第1主面側導体パターンが、第2主面側導体パターンよりも厚く形成されていることから、コイル用導体パターンの導体損失が抑えられ、アンテナ特性の劣化を防ぐことができる。また、第2主面側導体パターン12が第1主面側導体パターン11よりも薄く形成されていることで、アンテナ装置を薄型化できる。
(2)前記第3のキャパシタ用導体パターンと前記第4のキャパシタ用導体パターンとの間を接続する接続用導体パターンを備えることが好ましい。この構成により、例えばチップコンデンサとコイルとを層間接続導体で接続してLC共振回路を構成する場合とは異なり、コンデンサとコイル間の接続にビアなどの層間接続導体を設けることなくLC共振回路を形成することができるため、製造コストの削減ができる。また、接触不良などの問題が発生する可能性が低減される。
(3)前記第3のキャパシタ用導体パターンまたは前記第4のキャパシタ用導体パターンは、複数の導体片と、それらを連結する線状の連結導体パターンとにより構成されていることが好ましい。この構成により、連結導体パターンが導体片の幅よりも細いため、1つの平面導体パターンの場合と比べて導体片同士の切り離しが容易であり、切り離しの際に導体片が破損したり変形したりすることによる容量の変動が生じ難くなる。さらに、一度に複数の導体片を切り離すこともできるため、容量の調整がしやすい。また、第2主面側導体パターンの一部である複数の導体片および連結導体パターンは第1主面側導体パターンよりも薄く形成されている。そのため、導体片同士の切り離しが容易となるうえ、導体片同士を切り離す場合に発生する塵などが減少し、塵などに起因する容量の変化や短絡が発生する可能性が低い。
(4)前記連結導体パターンは、前記コイル用導体パターン、前記第1のキャパシタ用導体パターン、および前記第2のキャパシタ用導体パターンと平面視で重なる位置を避けるように配置されていることが好ましい。この構成により、導体片を切り離す際には第1主面側導体パターン(前記コイル用導体パターン、前記第1のキャパシタ用導体パターン、および前記第2のキャパシタ用導体パターン)を傷つけることなく前記連結導体パターンのみがパンチングやトリミングなどにより取り除かれる。したがって、パンチングなどにより導体片を切り離す際に、基材層を挟んで対向するキャパシタ用導電パターン間に短絡が発生する可能性が低くすることができる。
(5)前記コイル用導体パターンと電磁界結合する給電コイルを備えることが好ましい。この構成により、RFICとアンテナ装置とを直接接続する必要がなくなるため、コイル用導体パターンの近傍であれば給電コイルを比較的自由な位置に配置することができる。
(6)前記給電コイルは、前記第1のキャパシタ用導体パターン、前記第2のキャパシタ用導体パターン、前記第3のキャパシタ用導体パターン、および前記第4のキャパシタ用導体パターンとは平面視で重ならない位置に配置されていることが好ましい。この構成により、コイル用導体パターンと給電コイルとの電磁界結合の結合度をより高めることができる。
(7)本発明の通信端末装置は、筐体と、筐体内部に設置されたアンテナ装置と、を備え、前記アンテナ装置は、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の構成であることを特徴とする。
(8)上記(7)において、アンテナ装置のコイル用導体パターンと対向して配置される面状導体を備えることが好ましい。この構成により、面状導体はアンテナ装置の放射部として作用し、実効的な開口が大きくなる。したがって、アンテナ装置のみの場合と比較してアンテナの利得が向上し、アンテナ特性が改善される。
(9)上記(8)において、アンテナ装置の第1のキャパシタ用導体パターン、第2のキャパシタ用導体パターン、第3のキャパシタ用導体パターン、および第4のキャパシタ用導体パターンは、前記コイル用導体パターンの巻回軸から面状導体の外縁までの距離が最短となる外縁端の位置と巻回軸とを結ぶ線に平面視で重ならないよう配置されていることが好ましい。この構成により、効率よく磁束を集中させてコイル用導体パターンと面状導体間における電磁界結合の結合度を高めることができる。
本発明によれば、アンテナの特性を劣化させることなくアンテナ全体を薄型化したアンテナ装置およびそれを備えた通信端末装置を構成できる。
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101の平面図であり、図1(B)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101の正面図である。 図2(A)はアンテナ装置101に備える第1主面側導体パターン11の平面図であり、図2(B)はアンテナ装置101に備える第2主面側導体パターン12の平面図である。 図3(A)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置102Aの平面図であり、図3(B)は、アンテナ装置102Bの平面図であり、図3(C)はアンテナ装置102Cの平面図である。 図4は、第3の実施形態に係るアンテナ装置103の平面図である。 図5(A)は第4の実施形態に係るアンテナ装置104Aの平面図であり、図5(B)は図5(A)におけるA−A断面図である。 図6(A)はアンテナ装置104Bの平面図であり、図6(B)は図6(A)におけるB−B断面図である。 図7は、第5の実施形態に係るアンテナ装置105の平面図である。 図8(A)は、第5の実施形態に係る通信端末装置の主要部の平面図である。図8(B)は、第5の実施形態に係る通信端末装置の主要部の正面図である。 図9は、第6の実施形態に係るアンテナ装置106の平面図である。 図10(A)は、第6の実施形態に係る通信端末装置の主要部の平面図である。図10(B)は、第6の実施形態に係る通信端末装置の主要部の正面図である。 図11は、第7の実施形態に係るアンテナ装置107の平面図である。 図12(A)は、第8の実施形態に係る通信端末装置201Aの断面図である。図12(B)は、第8の実施形態に係る別の通信端末装置201Bの断面図である。 図13(A)は、第9の実施形態に係る通信端末装置の主要部の平面図である。図13(B)は、第9の実施形態に係る通信端末装置の主要部の正面図である。 図14(A)は、第9の実施形態に係る別の通信端末装置の主要部の平面図である。図14(B)は、第9の実施形態に係る別の通信端末装置の主要部の正面図である。 図15(A)は、第10の実施形態に係る通信端末装置202の平面図である。図15(B)は、第10の実施形態に係る通信端末装置202の断面図である。 図16は、第11の実施形態に係る通信端末装置203の分解平面図である。 図17は、面状導体とアンテナ装置との位置関係についての説明図である。
以降、図を参照していくつかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
以降に示す幾つかの実施形態のアンテナ装置は、スマートフォンやタブレット端末などに代表される通信端末に設けられたHF帯(13.56MHz帯など)高周波信号を送受するためのアンテナ装置である。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101の平面図であり、図1(B)はその正面図である。図2(A)はアンテナ装置101に備える第1主面側導体パターン11の平面図であり、図2(B)はアンテナ装置101に備える第2主面側導体パターン12の平面図である。
アンテナ装置101は第1主面および第2主面を有する絶縁体の基材層21を備えている。基材層21の第1主面には第1主面側導体パターン11が形成されていて、基材層21の第2主面には第2主面側導体パターン12が形成されている。第2主面側導体パターン12は第1主面側導体パターン11よりも薄い。図1(B)において、各部の厚みは誇張して図示している。以降の各実施形態における正面図についても同様である。第1主面側導体パターン11は、ループ状またはスパイラル状のコイル用導体パターン13、第1のキャパシタ用導体パターン14、および第2のキャパシタ用導体パターン15で構成されている。コイル用導体パターン13の第1端には、第1のキャパシタ用導体パターン14が接続されており、コイル用導体パターン13の第2端には、第2のキャパシタ用導体パターン15が接続されている。コイル用導体パターン13は放射素子として作用する。第2主面側導体パターン12は、第3のキャパシタ用導体パターン16、第4のキャパシタ用導体パターン17で構成されている。第3のキャパシタ用導体パターン16と第4のキャパシタ用導体パターン17との間は接続用導体パターン20で接続されている。
第1のキャパシタ用導体パターン14および第3のキャパシタ用導体パターン16は、基材層21を挟んで対向することにより第1キャパシタを構成し、第2のキャパシタ用導体パターン15および第4のキャパシタ用導体パターン17は、基材層21を挟んで対向することにより第2キャパシタを構成している。上記2つのキャパシタは、第3のキャパシタ用導体パターン16と第4のキャパシタ用導体パターン17との間を接続する接続用導体パターン20により電気的に接続されている。上記2つのコンデンサとコイル用導体パターン13とで、閉ループを形成し、LC共振回路を構成している。アンテナ装置101に対する給電方法については後に詳述する。
本実施形態において、基材層21を挟んで対向するキャパシタ用導体パターン同士(14と16、または15と17)の形状および大きさは平面視でほぼ同一であるが、本実施形態の構成に限られるものではなく、任意に変更可能である。例えば、一方のキャパシタ用導体パターン(14または15)の大きさを、基材層21を挟んで対向する他方のキャパシタ用導体パターン(16または17)よりも大きくし、平面視で覆うように重なる位置に配置する構成がある。この構成により、第1主面側導体パターンと第2主面側導体パターンの形成位置にずれが生じたとしても、上記第1キャパシタおよび上記第2キャパシタは正常に構成され、共振周波数のばらつきを小さくすることができる。このほかに、例えば、図1における第3のキャパシタ用導体パターン16の縦方向の幅が第1のキャパシタ用導体パターン14よりも太く、第1のキャパシタ用導体パターン14およびコイル用導体パターン13の何本かと基材層21を挟んで対向する構成がある。逆に、例えば、図1における第4のキャパシタ用導体パターン17の縦方向の幅が第2のキャパシタ用導体パターン15よりも太く、第2のキャパシタ用導体パターン15およびコイル用導体パターン13の何本かと基材層21を挟んで対向する構成などもある。
本実施形態において、キャパシタ用導体パターン(14,15,16,17)はいずれも矩形であるが、本実施形態の形状に限られるものではなく、任意に変更可能である。例えば、基材層21を挟んで対向するキャパシタ用導体パターン(14,16)を、図1におけるアンテナ装置101のように上辺だけに形成するのではなく、左辺にも形成してL字形とする構成などがある。
基材層21は例えばPET(polyethylene-terephthalate)フィルム、第1主面側導体パターンおよび第2主面側導体パターンは例えばアルミニウム(Al)箔である。よって、アンテナ装置101は、図1(B)において上から順にAl−PET−Al(第2主面側導体パターン12−基材層21−第1主面側導体パターン11)の構造となる。また、各層の厚みについては、例えば図1(B)において上から順に10μm−40μm−30μm(第2主面側導体パターン12−基材層21−第1主面側導体パターン11)である。コイル用導体パターン13の導体損失を抑えるため、第1主面側導体パターン11は第2主面側導体パターン12よりも厚く形成されている。
上記アンテナ装置101は例えば次のような工程で製造される。
(1)先ず、厚さ40μmのPETフィルムの第1主面に10μmのAl箔、第2主面に30μmのAl箔、をそれぞれラミネートしたフィルムを用意する。
(2)上記ラミネートフィルムの第1主面に第1主面側導体パターン形成用のエッチングレジスト膜を印刷し、乾燥させる。
(3)上記ラミネートフィルムの第2主面に第2主面側導体パターン形成用のエッチングレジスト膜を印刷し、乾燥させる。
(4)上記ラミネートフィルムをエッチングすることで、第1主面側導体パターンおよび第2主面側導体パターンを形成する。その後、エッチングレジスト膜を除去する。
なお、フォトレジスト膜にマスクパターンを重ねて露光し、現像、ベークによりエッチングレジスト膜をパターンニングしてもよい。また、第1主面側導体パターンおよび第2主面側導体パターンはフィルム(基材層)に直接形成する必要はなく、接着層を介して、第1主面側導体パターンおよび第2主面側導体をフィルム(基材層)上に形成してもよい。また、第1主面側導体パターンおよび第2主面側導体パターンはともにAl箔である必要はない。例えば一方の導体パターンがAl箔とし、他方の導体パターンがCu箔とするなど、第1主面側導体パターンおよび第2主面側導体パターンは異なる材料であってもよい。
本実施形態によれば次のような効果を奏する。
コイル用導体パターン13が形成される第1主面側導体パターン11は、第2主面側導体パターン12よりも厚く形成されていることから、コイル用導体パターン13の導体損失が抑えられ、アンテナ特性の劣化を防ぐことができる。
アンテナ装置101はコイル用導体パターン13の巻回軸方向に向かって第1キャパシタおよび第2キャパシタを形成した構成である。ほぼ第3のキャパシタ用導体パターン16および第4のキャパシタ用導体パターン17のみで形成される第2主面側導体パターンは、第1主面側導体パターン11とは異なり、線幅が広く、且つ線路長は極めて短い。また、キャパシタ用導体パターン16,17に流れる電流は、パターンの長手方向よりも基材層21の厚み方向に変位電流として流れる。そのため、第2主面側導体パターン12は、第1主面側導体パターン11よりも薄く形成されていても、キャパシタ用導体パターン16,17での導体損失は殆ど生じない。したがって、第2主面側導体パターン12を第1主面側導体パターン11よりも薄く形成することで、アンテナ特性を劣化させることなくアンテナ装置を薄型化できる。
アンテナ装置101は、コイルとコンデンサ間の接続にビアなどの層間接続導体が不要であるため、製造コストが削減できる。また、接触不良などの問題が発生する可能性が低減される。
《第2の実施形態》
図3(A)は第2の実施形態に係るアンテナ装置102Aの平面図であり、図3(B)はアンテナ装置102Bの平面図であり、図3(C)はアンテナ装置102Cの平面図である。
図3(A)に示すアンテナ装置102Aでは、第4のキャパシタ用導体パターン17が図1などに示すような1つの平面導体パターンではなく、複数の導体片18と導体片同士を連結する線状の連結導体パターン19とで形成されている。この連結導体パターン19は、導体片18の幅よりも細いため、1つの平面導体パターンの場合と比べて導体片同士の切り離しが容易であり、切り離しの際に導体片18が破損したり変形したりすることによる容量の変動が生じ難くなる。また、一度に複数の導体片18を切り離すこともできるため、容量の調整がしやすい。
第2主面側導体パターンの一部である複数の導体片18および連結導体パターン19は第1主面側導体パターンよりも薄く形成されている。そのため、導体片同士の切り離しが容易となるうえ、導体片同士を切り離す場合に発生する塵などが減少し、塵などに起因する容量の変化や短絡が発生する可能性が低い。
図3(B)に示すアンテナ装置102Bおよび図3(C)に示すアンテナ装置102Cでは、連結導体パターン19が第1主面側導体パターン(コイル用導体パターン13、第1のキャパシタ用導体パターン14、第2のキャパシタ用導体パターン15)と平面視で重なる位置を避ける(迂回する)ように配置されている。本実施形態によれば、導体片18を切り離す際には第1主面側導体パターン(コイル用導体パターン13、第1のキャパシタ用導体パターン14、第2のキャパシタ用導体パターン15)を傷つけることなく連結導体パターン19のみがパンチングやトリミングなどにより取り除かれる。したがって、基材層21を挟んで対向するキャパシタ用導電パターン間に短絡が発生する可能性が低い。
パンチングやトリミングなどの方法は、以下のとおりである。製造時におけるアンテナ装置の共振周波数は、所望の共振周波数より低く設定しておき、予めコンデンサを構成する導体片18の単位数量あたりの静電容量を調べておく。アンテナ装置を実装後に共振周波数の測定を行い、測定値と所望の共振周波数との関係から、切り離す導体片18の数を算出する。平面視で第1主面側導体パターンと重なっていない部分の連結導体パターン19にレーザートリミングなどで切り込みを入れることより導体片18を電気的に切り離し、所望の共振周波数に調整する。連結導体パターン19に切れ込みを入れる位置を調整することにより、少ない回数のトリミングにより複数の導体片18を切り離すことができる。例えば、図3(C)に示すアンテナ装置102Cにおいて、図中の右から2個目と3個目の導体片18を連結している連結導体パターン19に切れ込みを入れることで、一度に2個の導体片18を一度に切り離すことができる。なお、本実施形態においては接続用導体パターン20のより近い位置にある連結導体パターン19に切れ込みを入れることで、より多くの導体片18を一度に切り離すことができる。
なお、図3(A)(B)(C)では第4のキャパシタ用導体パターン17が6つの導体片18を備えている例を示しているが、導体片18の数は6つに限らず複数であればよい。また、キャパシタ用導体パターンを複数の導体片18と連結導体パターン19とで形成する構成は、図3(A)(B)(C)に示された第4のキャパシタ用導体パターン17に限らず、第3のキャパシタ用導体パターン16に適用してもよい。また、第3のキャパシタ用導体パターン16および第4のキャパシタ用導体パターン17の両方に適用してもよい。また、本実施形態では、第2主面側導体パターンに複数の導体片18および連結導体パターン19を形成した例を示したが、第1主面側導体パターンに複数の導体片および連結導体パターンを形成してもよい。さらに、連結導体パターン19および接続用導体パターン20の位置や接続経路について本実施形態の実施例に限られるものではない。
《第3の実施形態》
図4は、第3の実施形態に係るアンテナ装置103の平面図である。第3の実施形態に係るアンテナ装置103は、誘電率の高い素材(誘電体)でできた基材層22を備えており、それ以外は第2の実施形態に係るアンテナ装置102Bと同じ構成である。基材層22は、例えばPPE樹脂ベースに高誘電率無機フィラーを充填させたシートである。
基材層を誘電体とすることにより、第1のキャパシタ用導体パターン14および第3のキャパシタ用導体パターン16が基材層22を挟んで対向することにより構成された第1キャパシタの容量を大きくすることができる。同様に、第2のキャパシタ用導体パターン15および第4のキャパシタ用導体パターン17が基材層22を挟んで対向することにより構成された第2キャパシタの容量も大きくすることができる。また、基材層22に誘電率の異なる様々な素材を用いることで容量の調整を幅広く行うことができる。
《第4の実施形態》
図5(A)は第4の実施形態に係るアンテナ装置104Aの平面図であり、図5(B)は図5(A)におけるA−A断面図である。図5(B)において、各部の厚みは誇張して図示している。以降の各実施形態における断面図についても同様である。第4の実施形態に係るアンテナ装置104Aは、磁性体である基材層23を備えており、それ以外は第2の実施形態に係るアンテナ装置102Bと同じ構成である。本実施形態によれば、コイル用導体パターン13の開口部を通る磁束の集磁効果を高めることができ、アンテナ特性が向上する。また、コイル用導体パターン13と電磁界結合する給電コイルとの結合度を高めることもできる。磁性体である基材層23と給電コイルとの間に、コイル用導体パターン13を配置することにより、電磁界結合するコイル用導体パターン13と給電コイルとの結合が強まる。コイル用導体パターンと給電コイルとの電磁界結合については後に詳述する。なお、ここでいう「電磁界結合」とは、電界結合または磁界結合の少なくとも一方が生じる状態を意味し、電界結合および磁界結合の両方が生じる状態も含まれる(本明細書における「電磁界結合」も同様の意味とする)。
図6(A)はアンテナ装置104Bの平面図であり、図6(B)は図6(A)におけるB−B断面図である。アンテナ装置104Bは、第3の実施形態に係るアンテナ装置103に対して、その第1主面側に第1主面側導体パターン11と同じ厚みの磁性体シート24Aを貼付している。また、第2主面側に第2主面側導体パターン12と同じ厚みの磁性体シート24Bを貼付している。磁性体シート24Aは、第1主面側導体パターン11と重ならず、かつコイル用導体パターン13と近接する位置に貼付する。また、磁性体シート24Bは、第2主面側導体パターンと重ならない位置に貼付する。本実施形態によれば、コイル用導体パターン13の開口部を通る磁束の集磁効果を高めることができるとともにアンテナ装置を薄型化できる。
図6(A)(B)の例では、磁性体シート24A,24Bを基材層22に貼付したが、それぞれの導体パターン上に直接貼付してもよい。
《第5の実施形態》
図7は、第5の実施形態に係るアンテナ装置105の平面図である。アンテナ装置105の基材層22には、RFIC31が実装されている。アンテナ装置105の第1のキャパシタ用導体パターン14と第2のキャパシタ用導体パターン15との間はこのRFIC31が給電用接続導体32を介して接続されている。アンテナ装置105はLC回路であり、RFIC31と併せてLC並列共振回路を構成している。
RFIC31は、アンテナ装置にではなく回路基板や通信端末装置などに設置してもよい。図8(A)は、第5の実施形態に係る通信端末装置の主要部の平面図である。図8(B)は、その正面図である。この通信端末装置は、アンテナ装置103、RFIC31、および回路基板35を備えている。アンテナ装置103およびRFIC31は回路基板35に設置されており、第1のキャパシタ用導体パターン14と第2のキャパシタ用導体パターン15との間にRFIC31が給電用接続導体32を介して接続されている。アンテナ装置103とRFIC31とでLC並列共振回路を構成している。アンテナ装置103は第3の実施形態で示したアンテナ装置103と同じものである。なお、回路基板35とコイル用導体パターン13との間には磁性体シートが配置される構成でもよい。回路基板35とコイル用導体パターン13との間に磁性体シートを配置することにより、回路基板35上の電子部品や配線パターン等との間の不要な結合を抑制できる。
アンテナ装置105は、その基材層22の第1主面および第2主面のうち、どちらの面を回路基板35に対面させて設置してもよい。但し、図8(A)(B)に示したようなLC並列共振回路を構成する場合には、第1のキャパシタ用導体パターン14および第2のキャパシタ用導体パターン15とRFIC31とを接続する給電用接続導体32の接続点が第1主面側となる。したがって、この場合には第1主面を回路基板35と設置する面とした方が回路基板35上の配線が容易となる。なお、図8(A)(B)の例では、回路基板35の形状は矩形であるが、本実施形態の形状に限られるものではなく、任意に変更可能である。
《第6の実施形態》
図9は、第6の実施形態に係るアンテナ装置106の平面図である。アンテナ装置106は、閉ループであるLC共振回路のほかに基材層22の上に給電コイル34、整合用キャパシタ33、およびRFIC31を備える。給電コイル34、整合用キャパシタ33、およびRFIC31は、給電用接続導体32で接続されている。給電コイル34をアンテナ装置106のコイル用導体パターン13の近傍に配置することにより、給電コイル34を例えば1次側コイルとし、コイル用導体パターン13を2次側コイルとして、これら2つのコイルが電磁界結合される。
給電コイル34は、図7などに示すアンテナ装置105のようにRFIC31とアンテナ装置とを直接接続する必要がないため、コイル用導体パターン13の近傍であれば比較的自由な位置に配置することができる。また、コイル用導体パターン13の開口部と給電コイル34の開口部を近接させることにより、電磁界結合の結合度を高めることができる。ただし、給電コイル34の近傍にキャパシタ用導体パターン(16,18など)が存在する場合には、キャパシタ用導体パターン近傍の磁束が減少したり、キャパシタ用導体パターンを避けるようにその表面に沿って磁束が広がったりするため、電磁界結合の結合度は小さくなる。したがって、給電コイル34をキャパシタ用導体パターンと平面視で重ならない位置(図9中のZ1)に配置することが好ましい。
図10(A)は、第6の実施形態に係る通信端末装置の主要部の平面図である。図10(B)は、その正面図である。この通信端末装置は、アンテナ装置103、RFIC31、整合用キャパシタ33、給電コイル34、および回路基板35を備えている。アンテナ装置103、RFIC31、整合用キャパシタ33、および給電コイル34はいずれも回路基板35に実装されている。給電コイル34、整合用キャパシタ33、およびRFIC31は、給電用接続導体32で接続されている。コイル用導体パターン13は、給電コイル34と電磁界結合される。なお、図10(A)(B)の例では、回路基板35の形状は矩形であるが、本実施形態の形状に限られるものではなく、任意に変更可能である。なお、回路基板35とコイル用導体パターン13との間には磁性体シートが配置される構成でもよい。
アンテナ装置103は、そのコイル用導体パターン13に対してRFIC31と直接接続する必要がないため、基材層22の第1主面および第2主面のうち、どちらの面を回路基板35に設置してもよい。但し、給電コイル34を回路基板35に実装する場合には、コイル用導体パターン13が形成されている第1主面を回路基板35に対する設置面とした方が電磁界結合の結合度を高めるには有利である。
また、給電コイル34は、回路基板35のアンテナ装置を設置している面、または回路基板35のアンテナ装置を設置している面と異なる面、のいずれに設置してもよい。図10(A)(B)の例のように、給電コイル34とアンテナ装置103を回路基板35の同じ面に設置する場合には、回路基板35上に設置する回路素子の点数が増加するため、配置位置の制限をうける可能性はある。しかし、給電コイル34とコイル用導体パターン13との距離が近接するため電磁界結合の結合度を高めることができる。逆に、給電コイル34とアンテナ装置をそれぞれ回路基板35の異なる面に設置する場合には、給電コイル34とコイル用導体パターン13との距離が遠くなるため電磁界結合の結合度が下がる。しかし、回路基板35上に設置する回路素子の点数が減少するため、配置位置の制限をうける可能性は低い。
上記給電コイル34は、次のような構成のチップコイルである。例えば、給電コイル34は、絶縁体層が積層された樹脂多層部材や焼結されたセラミック(フェライトを含む)多層部材等で構成されている。また、給電コイル34内部に配置される絶縁体層は少なくとも一部が磁性体であることが好ましい。給電コイル34内部に磁性体が配置されることにより、コイルから生じる磁束が多くなり、給電コイル34とコイル用導体パターン13との結合が強まる。複数の層のうち所定の2つの層に、面方向に互いに平行に延伸する複数の線条導体パターンが形成されていて、複数の層に上記線条導体の端部同士を接続する層間接続導体(ビア導体)が形成されている。これにより、横向きの角筒に沿ったヘリカル状のコイルが積層体内に形成されている。積層体の下面にはコイルの両端に導通する2つの端子が形成されている。
給電コイル34を回路基板に実装することにより、給電コイル34のコイル巻回軸は回路基板の面方向にあり、コイル用導体パターン13と鎖交する向きとなる。したがって、チップコイルとコイル用導体パターン13とが電磁界結合する。
《第7の実施形態》
図11は、第7の実施形態に係るアンテナ装置107の平面図である。アンテナ装置107の構成はアンテナ装置105とほぼ同様であるが、第3のキャパシタ用導体パターン16と連結導体パターン19(第4のキャパシタ用導体パターン)との間を電気的に接続する接続用導体パターン(図3(B)に示した20)がアンテナ装置107にはない。アンテナ装置107は、基材層22にRFIC31を備える。第3のキャパシタ用導体パターン16と連結導体パターン19(第4のキャパシタ用導体パターン)との間にこのRFIC31が給電用接続導体32を介して接続されている。したがって、アンテナ装置107は、第1キャパシタおよび第2キャパシタの間にRFIC31が直列に接続されてLC直列共振回路を構成している。なお、RFIC31を回路基板に備えてLC直列共振回路を構成する場合には、第3のキャパシタ用導体パターン16および連結導体パターン19とRFIC31とを接続する給電用接続導体32の接続点が第2主面側となる。したがって、この場合にアンテナ装置107は、その基材層22の第2主面を回路基板に対する設置面とした方が回路基板上の配線が容易となる。
《第8の実施形態》
図12(A)は、第8の実施形態に係る通信端末装置201Aの断面図である。通信端末装置201Aは、筐体37と筐体37の内部に収めた回路基板35およびアンテナ装置103を備える。アンテナ装置103は筐体37内側の壁面に設置されており、回路基板35はアンテナ装置103に対向配置している。アンテナ装置103は第3の実施形態で示したアンテナ装置103と同じものである。アンテナ装置103と対向する回路基板35の面には回路素子を実装するため、アンテナ装置103と回路基板35との間には、上記回路素子が実装できる程度の間隙が存在する。回路基板35には回路素子であるRFIC31が実装されている。RFIC31は、給電用接続導体32を介してアンテナ装置103に接続される。回路基板35とアンテナ装置103の間隙を電気的に接続する給電用接続導体32は、例えばスプリングピンなどである。図12(A)に示した構成では、アンテナ装置103を筐体37内側の壁面に設置したことにより、アンテナ装置を回路基板35に実装する場合と比較して、回路基板35に実装する回路素子の点数が減少するため、回路素子およびアンテナ装置の配置についての自由度は高い。なお、回路基板35とコイル用導体パターン13との間には磁性体シートが配置される構成でもよい。
図12(B)は、第8の実施形態に係る別の通信端末装置201Bの断面図である。通信端末装置201Bは、通信端末装置201Aと同様に、筐体37と筐体37の内部に収めた回路基板35およびアンテナ装置103を備える。アンテナ装置103は筐体37内側の壁面に設置されており、回路基板35はアンテナ装置103に対向配置している。アンテナ装置103と対向する回路基板35の面には、回路素子を実装するため、アンテナ装置103と回路基板35との間には上記回路素子が実装できる程度の間隙が存在する。回路基板35には、回路素子である、RFIC31、整合用キャパシタ33、および給電コイル34が実装されており、給電コイル34はアンテナ装置107のコイル用導体パターン13と電磁界結合する。給電コイル34は、RFIC31とアンテナ装置とを直接接続する必要がないため、コイル用導体パターンの近傍であれば比較的自由な位置に配置することができる。
なお、回路基板35とコイル用導体パターン13との間には磁性体シートが配置される構成でもよい。回路基板35とコイル用導体パターン13との間に磁性体シートを配置することにより、回路基板35上の電子部品や配線パターン等との間の不要な結合を抑制できる。回路基板35とコイル用導体パターン13との間に磁性体シートが配置される場合、磁性体シートは、給電コイル34とコイル用導体パターン13とが対向する領域を避けて配置してもよい。このように、磁性体シートが給電コイル34とコイル用導体パターン13とが対向する領域を避けて配置することにより、磁性体シートによって給電コイル34とコイル用導体パターン13との結合の阻害を防ぐ。
《第9の実施形態》
図13(A)は、第9の実施形態に係る通信端末装置の主要部の平面図である。図13(B)は、その正面図である。この通信端末装置は、アンテナ装置103および回路基板36を備えている。アンテナ装置103は回路基板36に実装されており、回路基板36はグランドパターンである面状導体41を内部に備えた多層基板である。なお、図8などに示したように、図示してはいないがRFICも回路基板36に設置されている。RFICは、給電用接続導体を介してアンテナ装置103と直接接続されており、LC並列共振回路を構成している。
この構成により、アンテナ装置103のコイル用導体パターンと面状導体41とが対向して配置され、コイル用導体パターン13と面状導体41とは電磁界結合される。つまり、面状導体41はアンテナ装置103の放射部として作用し、実効的な開口が大きくなることから、アンテナ装置103のみの場合と比較してアンテナの利得が向上し、アンテナ特性が改善される。
図14(A)は、第9の実施形態に係る別の通信端末装置の主要部の平面図である。図14(B)は、その正面図である。この通信端末装置は、アンテナ装置103、給電コイル34、および回路基板36を備えている。アンテナ装置103および給電コイル34は回路基板36に実装されており、回路基板36は導電性を有する面状導体41を内部に備えた多層基板である。なお、図示してはいないが、図10などに示したように、RFICおよび整合用キャパシタも給電コイル34と同様に回路基板36に設置されている。給電コイル34、整合用キャパシタ、およびRFICは、給電用接続導体で接続されている。アンテナ装置103のコイル用導体パターンは給電コイル34と電磁界結合する。
この構成により、給電コイル34はアンテナ装置103のコイル用導体パターン13の近傍に対向して配置され、給電コイル34とコイル用導体パターン13とが電磁界結合される。また、アンテナ装置103のコイル用導体パターンと面状導体41とが対向して配置され、コイル用導体パターン13と面状導体41とは電磁界結合される。面状導体41はアンテナ装置103の放射部として作用し、実効的な開口が大きくなることから、アンテナ装置103のみの場合と比較してアンテナの利得が向上し、アンテナ特性が改善される。
給電コイル34、コイル用導体パターン13、および面状導体41は相互に電磁界結合される。コイル用導体パターン13を介して相手側通信端末との通信が行われる場合、電磁界結合の関係は少なくとも以下の1つである。
・相手側通信端末⇔コイル用導体パターン13⇔給電コイル34
・相手側通信端末⇔コイル用導体パターン13⇔面状導体41⇔給電コイル34
・相手側通信端末⇔面状導体41⇔コイル用導体パターン13⇔給電コイル34
面状導体41の外縁端は縁端効果により磁束が集中しやすいため、コイル用導体パターン13の開口部および給電コイル34の開口部と面状導体41の外縁端を平面視で近接させることにより、効率よく磁束を集中させてコイル用導体パターン13と面状導体41間における電磁界結合の結合度を高めることができる。但し、面状導体41の外縁端や給電コイル34の近傍にキャパシタ用導体パターン(14,15,16,17)が存在する場合には、キャパシタ用導体パターン近傍の磁束が減少したり、キャパシタ用導体パターンを避けるようにその表面に沿って磁束が広がったりするため、電磁界結合の結合度は小さくなる。そこで、以下の(1)〜(3)のいずれか構成を満たすことが好ましい。この構成により効率よく電磁界結合させることができる。
(1)アンテナ装置のキャパシタ用導体パターンが、コイル用導体パターン13の巻回軸(後に示す図17中の46)から面状導体41の外縁までの距離が最短となる外縁端(図17中の47)の位置と巻回軸とを結ぶ線(図17中の48)に平面視で重ならないよう配置されていること。
(2)アンテナ装置のキャパシタ用導体パターンが、平面視で面状導体41の外縁端(および給電コイル34)に重ならない位置に配置されていること。
(3)アンテナ装置のキャパシタ用導体パターンが、平面視で面状導体41の外縁端(および給電コイル34)の近傍に沿うような位置に配置されていないこと。
なお、図13(A)や図14(A)に示したように、本実施形態において、面状導体41(および回路基板36)の縦方向の幅とアンテナ装置103の幅とはほぼ同じ長さであるが、本実施形態の構成に限られるものではなく、任意に変更可能である。図17は、面状導体とアンテナ装置との位置関係についての説明図である。この例では、面状導体41の縦および横方向の幅がアンテナ装置の幅よりも充分広い。それ以外は図13に示す通信端末装置とほぼ同じである。この場合でも、効率よく電磁界結合させるためには上記(1)〜(3)のいずれかの構成を満たすことが好ましい。
面状導体41が、回路基板36のグランド電極である場合、面状導体41にアンテナ装置103の導体パターンが接触すると、所期のアンテナ特性が得られない。したがって、本実施形態のようにアンテナ装置103と面状導体41との間に絶縁体の平板を挟んだ構成や、アンテナ装置103と面状導体41との間に間隙を設けたりして、アンテナ装置103と面状導体41とが接触しないようにすることが望ましい。
本実施形態において、回路基板36は、グランドパターンである面状導体41を内部に備えた多層基板であるが、本実施形態の構成に限られるものではなく、任意に変更可能である。例えば、アンテナ装置と設置する範囲のみ絶縁体の平板を挟んだ構成や、回路基板のアンテナ装置を設置している面と異なる面に面状導体を備えた構成などがある。また、本実施形態において、面状導体41の形状は回路基板36と同じ矩形であるが、本実施形態の形状に限られるものではなく、任意に変更可能である。なお、回路基板36とコイル用導体パターン13との間には磁性体シートが配置される構成でもよい。回路基板36とコイル用導体パターン13との間に磁性体シートを配置することにより、回路基板36上の電子部品や配線パターン、面状導体41等との間の、通信に寄与しない不要な結合を抑制できる。
《第10の実施形態》
図15(A)は、第10の実施形態に係る通信端末装置202の平面図である。図15(B)は、第10の実施形態に係る通信端末装置202の断面図である。この例では、通信端末装置の上部筐体38が金属製であり、面状導体として作用する。通信端末装置202は、上部筐体38、アンテナ装置103、定在波型アンテナの放射素子61,62、ディスプレイ用ガラス39および回路基板35などを備える。
図15(A)(B)に示すように、上部筐体38および定在波型アンテナの放射素子61,62は、通信端末装置202の筐体の一部を構成している。定在波型アンテナの放射素子61,62は導電性を有し、UHF帯またはSHF帯で定在波を生じる放射素子であり、給電回路に接続されている(図示省略)。
アンテナ装置103は上部筐体38内側の壁面に接着層49を挟んで(介して)設置されており、回路基板35はこのアンテナ装置103に対向して配置されている。上部筐体38には、図15(A)の分解平面図のY軸方向に延伸するスリット40,42が形成されており、アンテナ装置103のコイル用導体パターン13の形状に合わせた開口部44が設けられている。また、開口部44からスリット42に向かってさらにスリット43が設けられている。本実施形態において開口部44内にはデバイス63が配置されている。
この構成とすることで、コイル用導体パターン13の開口部を通る磁束の集磁効果を高めることができるとともに、面状導体の垂直方向の磁束がとらえやすくなるため、アンテナの利得が向上し、アンテナ特性が改善される。
本実施形態に示すように、デバイス63を備えるために筐体に設けられた開口部を利用することができる。デバイス63は例えば、カメラやフラッシュ、スピーカー、イヤホンジャック、カードスロット、USBなどの端子、電池カバー、ボタン、センサなどのデバイスである。なお、本実施形態では、開口部44内にデバイス63が配置される例を示したが、開口部44およびスリット40,42,43が樹脂で覆われる構成であってもよい。
さらに、図15(B)に示すように、本実施形態では、基材層22の第2主面(回路基板35と対向するアンテナ装置103の主面)に磁性体シート45が配置されている。そのため、磁性体シート45の高い透磁率の作用により、コイル用導体パターン13は少ないターン数で所定のインダクタンスが得ることができる。また、磁性体シート45の集磁効果により、通信相手側のコイルアンテナとの磁界結合を高めることができる。また、磁性体シート45を回路基板35との間に配置することにより、回路基板35側の磁気シールド効果も得られる。なお、磁性体シート45によって給電コイル34とコイル用導体パターン13との結合の阻害を防ぐため、本実施形態の磁性体シート45は、図15(B)に示すように、給電コイル34とコイル用導体パターン13とが対向する領域を避けて配置している。
また、筐体または筐体開口部の周囲に磁性体シートを配置してもよい。このことにより、コイル用導体パターン13の開口部を通る磁束の集磁効果を高めることができ、アンテナ特性が向上する。また、コイル用導体パターン13と電磁界結合する給電コイル34との結合度を高めることもできる。
また、通信端末装置202は、スリット40,42を挟んで、定在波型アンテナの放射素子61、上部筐体38および定在波型アンテナの放射素子62の順でX軸方向に配置された構造である。つまり、通信端末装置202はHF帯を通信周波数とするアンテナ装置103だけでなく、セルラー通信やWi−Fi(登録商標)用などのUHF帯またはSHF帯で定在波を生じる定在波型アンテナの放射素子をさらに備えるため、周波数帯の異なる複数のシステムで兼用することができる。
《第11の実施形態》
図16は、第11の実施形態に係る通信端末装置203の分解平面図である。上部筐体51の内部には回路基板53A,53B,53C、給電コイル54、バッテリーパック55、カメラモジュール57Aなどが実装されている。回路基板53AにはUHF帯アンテナ56Aなどが搭載されている。また、回路基板53BにはUHF帯アンテナ56Bなどが搭載され、回路基板53CにはUHF帯アンテナ56Bなどが搭載されている。回路基板53A,53B,53Cそれぞれはケーブル58A,58B,58Cを介して接続されている。
下部筐体52にはアンテナ装置103およびカメラモジュール用開口57Bが設けられている。アンテナ装置103のコイル用導体パターン13は、回路基板53Bに搭載されている給電コイル54と電磁界結合する。給電コイル54はRFICと電気的に接続されている。下部筐体52は樹脂製であるが、その内面に金属膜による面状導体を形成してもよい。
《その他の実施形態》
以上の各実施形態は例示であって、本発明はこれらの実施形態に限るものではない。アンテナ装置の各導体パターンおよび基材層に例示した材料とは異なる材質を使用してもよく、これらの厚みを適宜変更してもよい。また、通信端末装置の金属製の筐体を面状導体として利用することに限らない。例えば、シールドケース、シールド板、LCDパネル等を面状導体として利用してもよい。
1…基材
2…コイル
3…コンデンサ
4…ICチップ
11…第1主面側導体パターン
12…第2主面側導体パターン
13…コイル用導体パターン
14…第1のキャパシタ用導体パターン
15…第2のキャパシタ用導体パターン
16…第3のキャパシタ用導体パターン
17…第4のキャパシタ用導体パターン
18…導体片
19…連結導体パターン
20…接続用導体パターン
21…基材層(絶縁体)
22…基材層(誘電体)
23…基材層(磁性体)
24A,24B…磁性体シート
31…RFIC
32…給電用接続導体
33…整合用キャパシタ
34…給電コイル
35,36…回路基板
37…筐体
38…上部筐体
39…ディスプレイ用ガラス
41…面状導体
40,42,43…スリット
44…開口部
45…磁性体シート
46…コイル用導体パターンの巻回軸
47…コイル用導体パターンの巻回軸から面状導体の外縁までの距離が最短となる外縁端の位置
48…コイル用導体パターンの巻回軸から面状導体の外縁までの距離が最短となる外縁端の位置と巻回軸とを結ぶ線
49…接着層
51…上部筐体
52…下部筐体
53A,53B,53C…回路基板
54…給電コイル
55…バッテリーパック
56A,56B…UHF帯アンテナ
57A…カメラモジュール
57B…カメラモジュール用開口
58A,58B,58C…ケーブル
61,62…定在波型アンテナの放射素子
63…デバイス
101…アンテナ装置
102A,102B,102C…アンテナ装置
103…アンテナ装置
104A,104B…アンテナ装置
105〜107…アンテナ装置
201A,201B…通信端末装置
202,203…通信端末装置

Claims (9)

  1. 第1主面および第2主面を有し絶縁体からなる基材層と、前記基材層の第1主面上に形成された第1主面側導体パターンと、前記基材層の第2主面上に形成された第2主面側導体パターンとを備えるアンテナ装置において、
    前記第2主面側導体パターンは、前記第1主面側導体パターンよりも薄く、
    前記第1主面側導体パターンは、ループ状またはスパイラル状のコイル用導体パターン、前記コイル用導体パターンの第1端に接続された第1のキャパシタ用導体パターン、および前記コイル用導体パターンの第2端に接続された第2のキャパシタ用導体パターンを備え、
    前記第2主面側導体パターンは、前記基材層を挟んで前記第1のキャパシタ用導体パターンに対向する第3のキャパシタ用導体パターン、および前記基材層を挟んで前記第2のキャパシタ用導体パターンに対向する第4のキャパシタ用導体パターンを備えたことを特徴とする、アンテナ装置。
  2. 前記第3のキャパシタ用導体パターンと前記第4のキャパシタ用導体パターンとの間を接続する接続用導体パターンを備える、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第3のキャパシタ用導体パターンまたは前記第4のキャパシタ用導体パターンは、複数の導体片と、それらを連結する線状の連結導体パターンとにより構成されている、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記連結導体パターンは、前記コイル用導体パターン、前記第1のキャパシタ用導体パターン、および前記第2のキャパシタ用導体パターンと平面視で重なる位置を避けるように配置されている、請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記コイル用導体パターンと電磁界結合する給電コイルを備える、請求項2〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記給電コイルは、前記第1のキャパシタ用導体パターン、前記第2のキャパシタ用導体パターン、前記第3のキャパシタ用導体パターン、および前記第4のキャパシタ用導体パターンとは平面視で重ならない位置に配置されている、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 筐体と、筐体内部に設置されたアンテナ装置と、を備えた通信端末装置において、
    前記アンテナ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載のアンテナ装置である、通信端末装置。
  8. 前記アンテナ装置のコイル用導体パターンと対向して配置される面状導体を備えた、請求項7に記載の通信端末装置。
  9. 前記アンテナ装置の第1のキャパシタ用導体パターン、第2のキャパシタ用導体パターン、第3のキャパシタ用導体パターン、および第4のキャパシタ用導体パターンは、前記コイル用導体パターンの巻回軸から面状導体の外縁までの距離が最短となる外縁端の位置と巻回軸とを結ぶ線に平面視で重ならないよう配置されている、請求項8に記載の通信端末装置。
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