JPWO2015147204A1 - 血管新生増殖因子を阻害する医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示において「血管新生疾患」とは、血管新生を伴う疾患であって、一又は複数の実施形態において、網膜脈絡膜血管新生疾患、又はがんである。
本開示において「網膜脈絡膜血管新生疾患」は、一又は複数の実施形態において、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜静脈閉塞症、又は糖尿病性網膜症である。
本開示に係る医薬組成物の有効成分は、一又は複数の実施形態において、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)遺伝子の発現を抑制可能な低分子化合物である。VEGF遺伝子の発現を抑制可能な、一又は複数の実施形態において、正常なスプライシングの阻害を含む。
本開示に係る医薬組成物の有効成分は、一又は複数の実施形態において、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物である。細胞からのタンパク質の産生とは、一又は複数の実施形態において、細胞からのタンパク質の分泌である。
「細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物」の具体例は後述する。
本開示において、遺伝子の発現の抑制、及び、タンパク質産生の低減とは、一又は複数の実施形態において、インビトロ及びインビボの少なくとも一方における公知のアッセイ系において、前記低分子化合物を加えた場合の遺伝子の転写若しくは翻訳又はタンパク質の産生を、前記低分子化合物を加えないコントロールと比べて、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下とすることをいう。
さらに、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示に係る血管新生疾患のための医薬組成物を製造における、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物の使用に関する。
〔a1〕 血管新生疾患のための医薬組成物であって、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物を有効成分とする、医薬組成物。
〔a2〕 細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物を有効成分とする、血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療のための医薬組成物。
〔a3〕 血管新生疾患が、網膜脈絡膜血管新生疾患及びがんを含む、〔a1〕又は〔a2〕に記載の医薬組成物。
〔a4〕 網膜脈絡膜血管新生疾患が、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜静脈閉塞症及び糖尿病性網膜症からなる群から選択される、〔a1〕から〔a3〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔a5〕 前記低分子化合物が、複数のリン酸化酵素のリン酸化活性を阻害可能な低分子化合物である、〔a1〕から〔a4〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔a6〕 〔a1〕から〔a5〕のいずれかに記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療の方法。
〔a7〕 血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療方法における〔a1〕から〔a5〕のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
〔a8〕 血管新生疾患の治療における、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物の使用。
〔a9〕 血管新生疾患の医薬組成物の製造における、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物の使用。
〔a10〕 細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、血管新生疾患の改善、進行抑制、及び/又は、治療の方法。
本開示において「細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物」は、一又は複数の実施形態において、下記一般式(I)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩である。
R1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、又は置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキル基であり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基(−NO2)、置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキルオキシ基、又は置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキル基であり、
Xは、NH又はOであり、
Zは、単環の6員若しくは5員の含窒素複素環、又は、6員若しくは5員の含窒素複素環と6員若しくは5員の脂肪族環、芳香環、若しくは複素環とが縮合した二環の含窒素複素環であり、
R3は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基、置換若しくは無置換のベンジル若しくはヘテロアリールメチル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、
波線の結合は、シス型若しくはトランス型又はシス型とトランス型の混合物を示す。]
本開示において「炭素数1〜6のアルキルオキシ基」の「炭素数1〜6のアルキル基」の部分は、一又は複数の実施形態において、前記定義の「炭素数1〜6のアルキル基」が挙げられる。
本開示において、アリール基、並びにヘテロアリールメチル基及びヘテロアリール基における「アリール基」は、一又は複数の実施形態において、フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数10個以下のアリール基が挙げられる。
式(I)におけるR2は、一又は複数の実施形態において、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、若しくは置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキルオキシ基であり、又は、水素原子、ニトロ基、若しくは置換若しくは無置換の炭素数1―3のアルキルオキシ基であり、又は、ニトロ基若しくはメトキシ基である。
式(I)におけるZは、一又は複数の実施形態において、式(I)に示される3つの炭素原子及び2つに窒素原子とともに、単環の6員若しくは5員の含窒素複素環、又は、6員若しくは5員の含窒素複素環と6員若しくは5員の脂肪族環、芳香環、若しくは複素環とが縮合した二環の含窒素複素環を形成することを示す。
式(I)におけるR3は、一又は複数の実施形態において、環Zの1個〜4個の置換基、又は、1個の置換基を示す。R3は、複数の場合、それぞれ独立して同一又は異なる。
式(I)におけるR3は、一又は複数の実施形態において、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基、置換若しくは無置換のベンジル基、置換若しくは無置換のアリール基であり、又は、ハロゲンで置換されたフェニル基若しくはトリフルオロメチル基である。
式(II)において、R4は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基、置換若しくは無置換のベンジル若しくはヘテロアリールメチル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、
式(III)において、Z’は、単環の6員若しくは5員の含窒素複素環であり、R5は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基であり、
式(II)及び(III)において、波線の結合は、シス型若しくはトランス型又はシス型とトランス型の任意の割合の混合を示す。]
式(II)において、R4は、一又は複数の実施形態において、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基、置換若しくは無置換のベンジル基、置換若しくは無置換のアリール基であり、又は、置換若しくは無置換のアリール基であり、1又は複数のハロゲンで置換されたフェニル基である。
式(III)においてZ’は、一又は複数の実施形態において、式(III)に示される1個のN原子と1個のC原子とともに単環の6員若しくは5員の含窒素複素環を形成することを示す。式(III)においてZ’は、一又は複数の実施形態において、5員の含窒素複素環、又は、5員の含窒素複素芳香環、又は、N原子2個とS原子1個を含む5員の複素芳香環である。
R5は、一又は複数の実施形態において、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、若しくは置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基であり、又は、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基であり、又は、トリフルオロメチル基である。
〔b1〕 下記一般式(I)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩。
〔b2〕 下記一般式(II)又は(III)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩。
〔b3〕
また、上記一般式(I)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩は、一又は複数の実施形態において、血管新生疾患のための医薬組成物の有効成分となりうる。したがって、本開示は、一態様において、上記一般式(I)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩を有効成分とする、血管新生疾患のための医薬組成物に関する。本態様の医薬組成物は、一又は複数の実施形態において、血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療のための医薬組成物である。本態様の医薬組成物の使用方法、及び本態様の医薬組成物を用いた血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療方法は、上述の同様とすることができる。
また、上記一般式(I)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩は、一又は複数の実施形態において、さらに、複数のリン酸化酵素のリン酸化活性を阻害可能である。
〔c1〕 上記〔b1〕から〔b3〕のいずれかに記載の化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩を有効成分とする、血管新生疾患のための医薬組成物。
〔c2〕 上記〔b1〕から〔b3〕のいずれかに記載の化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩を有効成分とする、血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療のための医薬組成物。
〔c3〕 血管新生疾患が、網膜脈絡膜血管新生疾患及びがんを含む、〔c1〕又は〔c2〕に記載の医薬組成物。
〔c4〕 網膜脈絡膜血管新生疾患が、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜静脈閉塞症及び糖尿病性網膜症からなる群から選択される、〔c1〕から〔c3〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔c5〕 上記〔b1〕から〔b3〕のいずれかに記載の化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩が、複数のリン酸化酵素のリン酸化活性を阻害可能な低分子化合物である、〔c1〕から〔c4〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔c6〕 〔c1〕から〔c5〕のいずれかに記載の医薬組成物、又は、上記〔b1〕から〔b3〕のいずれかに記載の化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩を対象に投与することを含む、血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療の方法。
〔c7〕 血管新生疾患の予防、改善、進行抑制、及び/又は、治療方法における、〔c1〕から〔c5〕のいずれかに記載の医薬組成物、又は、上記〔b1〕から〔b3〕のいずれかに記載の化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩の使用。
〔c8〕 血管新生疾患の医薬組成物の製造における、上記〔b1〕から〔b3〕のいずれかに記載の化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩の使用。
得られた3-[2-(3,4-ジクロロフェニル)ヒドラジノ]-3-オキソプロピオン酸メチル(methyl 3-[2-(3,4-dichlorophenyl)hydrazino]-3-oxopropionate)(111 mg,0.397 mmol)のテトラヒドロフラン(2.0 mL)溶液に対して、室温にて、水(0.5 mL)と水酸化リチウム一水和物(lithium hydroxide monohydrate)(20 mg, 0.48 mmol、商用品)を加えた。この反応混合物を室温にて1時間撹拌した後、減圧することで溶媒を留去した。得られた固体に対して、アセトニトリル(4.0 mL)、バニリン(vanillin)(60.2 mg, 0.396 mmol、商用品)、酢酸アンモニウム(ammonium acetate)(32.0 mg, 0.415 mmol、商用品)、酢酸(acetic acid)(20 mL, 0.35 mmol、商用品)を加えた。混合物を90 °Cにて48時間加熱撹拌した後、生じた橙色沈殿物をろ取し、ジエチルエーテル(3 mL)、酢酸エチル(3 mL)、水(3 mL)、酢酸エチル(3 mL)、ジエチルエーテル(3 mL)で順次洗浄し、これを減圧下で乾燥することで1-(3,4-ジクロロフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデン)ピラゾリジン-3,5-ジオン(1-(3,4-dichlorophenyl)-4-(4-hydroxy-3-methoxybenzylidene)pyrazolidine-3,5-dione)(91.3 mg,0.241 mmol,60.8%)を橙色固体として得た。
融点 260 °C (decomp.); 1H NMR (DMSO- d6, 400 MHz) δ 3.82-3.87 (br, 3H), 6.82-6.90 (br, 1H),7.59-7.81 (m, 3H), 7.88-7.99 (br, 1H), 8.00-8.09 (br, 1H), 8.58-8.71 (br, 1H), 10.40-11.40 (br, 1H); ; HRMS (ESI-) m/z 369.0111 ([M-H]-, C17H11Cl2N2O4 - requires 377.0101).
次に、得られた白色固体の一部(36.0 g)にアセトニトリル(800 mL)、バニリン(vanillin)(21.3 g, 140 mmol、商用品)、酢酸アンモニウム(ammonium acetate)(10.5g, 136 mmol、商用品)、酢酸(acetic acid)(6.3 mL, 110 mmol、商用品)を加え、90 °Cに加熱した。この反応混合物を1時間撹拌した後、生じた黄色沈殿物をろ取した。得られた固体を水(500 mL)と酢酸エチル(1 L)に溶解させた後、有機層を分離・濃縮した。得られた粗生成物を10分割し、それぞれをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage(商品名) ZIP sphere cartridge [silica] 120 g、塩化メチレン/メタノール=97/3)で精製することで、6-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジリデン)-5-イミノ-2-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-7H-[1,3,4]チアジアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-オン(6-(4-hydroxy-3-methoxybenzylidene)-5- imino-2-(trifluoromethyl)-5,6-dihydro-7H-[1,3,4]thiadiazolo[3,2-a]pyrimidin-7-one)(12.0 g,32.4 mmol,35.3%)を黄色固体として得た。
融点 224-225 °C; 1H NMR (DMSO- d6, 500 MHz) δ 3.84 (s, 3H), 7.01 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H); 19F NMR (DMSO- d6, 376 MHz) δ -58.8- -58.5 (br); HRMS (ESI-) m/z 369.0274 ([M-H]-, C14H8F3N4O3S- requires 369.0275).
下記式で表される化合物3は、市販のものを使用した(InterBioScreen社製)。
ヒト網膜色素上皮細胞ARPE-19細胞株に合成した化合物1〜3及び下記参考化合物を投与し、3日後の培養液を用いて血管内皮細胞増殖因子(VEGF)のELISAを行った。実験の詳細は下記のとおりである。その結果を図1に示す。
網膜色素上皮細胞株ARPE-19を用いた。Ham's F-12/DMEMに10%Fetal Bovine Serumおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシン混合液を加えた培養液で、ARPE-19を培養した。24well plateに1.0×104cell/well播種し、翌日培養液を1% Fetal Bovine Serumへ交換した。24時間後化合物 10μMおよびTGF-β 1nMを加えた培養液(1% Fetal Bovine Serum含有)へ交換した。24時間毎に同様の培養液に交換し、化合物投与から72時間後に培養液を回収し、ELISA kit(R&D systems) を用いてVEGFタンパク量の測定を行った。吸光度の測定にはARVO X 5 マルチプレートリーダーを用いた。
図1に示すとおり、化合物1〜3においてVEGFタンパク質の減少が確認された。また、化合物2を投与した場合、とりわけ顕著なVEGFタンパク質の減少が確認された。
脈絡膜血管新生(CNV)のモデルマウスに合成した化合物1〜3及び上記参考化合物を硝子体注射により投与し、CNV抑制を評価した。実験の詳細は下記のとおりである。その結果を図2に示す。
6〜8週齢のc57B/6Jマウス(日本SLC)にケタミン100mg/kgおよびキシラジン10mg/kgを腹腔内注射し、麻酔を行った後、トロピカミド5mg/ml+フェニレフリン5mg/ml点眼液(サンドールP)にて散瞳した。532nmアルゴンレーザー(100mW, 0.1s, 75μm)を用い、眼底の任意の4か所にレーザー照射し、新生血管を作成した。なおレーザー照射直後に化合物20pmolを眼内注射し、感染防止および角膜乾燥防止のため、角膜表面にはオフロキサシン(タリビット)眼軟膏を塗布した。
レーザー照射7日後、ケタミン100mg/kgおよびキシラジン10mg/kgを腹腔内注射し、麻酔を行った後、開胸し左室からFITC-dextran (50mg/ml; ライフテクノロジーズ)を灌流した。灌流後、眼球摘出し、4%パラホルムアルデヒドにて固定した。固定後、角膜、水晶体、網膜を除去し、強脈絡膜をフラットマウントにした。蛍光顕微鏡(BZ-9000; キーエンス)にて、 CNVを撮影し、面積を測定した。
化合物2について、投与濃度を変えて(0.2μM、2μM、20μM)上記実験2と同様の実験を行いCNV抑制にて評価した。その結果を図3に示す。
〔眼軟膏の調製〕
次の組成の眼軟膏を製造した。
100g中
組成:化合物2:10g
流動パラフィン:60g
白色ワセリン:30g
〔実験条件〕
硝子体注射に代えて眼軟膏を1日3回7μL塗布した以外は、上記実験例2と同様の実験を行い、CNV抑制にて評価した。また、コントロールとして基剤のみの眼軟膏を用い同様の実験を行った。それらの結果を図4に示す。図4AはCNV面積を示すグラフであり、図4Bは強脈絡膜の蛍光顕微鏡画像の一例である。図4A及びBに示すように、化合物2においてCNV形成の減少が確認された。
Claims (10)
- 血管新生疾患のための医薬組成物であって、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物を有効成分とする、医薬組成物。
- 血管新生疾患が、網膜脈絡膜血管新生疾患及びがんを含む、請求項1記載の医薬組成物。
- 網膜脈絡膜血管新生疾患が、加齢黄斑変性症、緑内障、網膜静脈閉塞症及び糖尿病性網膜症を含む、請求項2記載の医薬組成物。
- 前記低分子化合物が、複数のリン酸化酵素のリン酸化活性を阻害可能な低分子化合物である、請求項1から3のいずれかに記載の医薬組成物。
- 血管新生疾患のための医薬組成物であって、下記一般式(I)で表される化合物若しくはそのプロドラッグ又はそれらの製薬上許容される塩を有効成分とする、医薬組成物。
R1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、又は置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキル基であり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基(−NO2)、置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキルオキシ基、又は置換若しくは無置換の炭素数1―6のアルキル基であり、
Xは、NH又はOであり、
Zは、単環の6員若しくは5員の含窒素複素環、又は、6員若しくは5員の含窒素複素環と6員若しくは5員の脂肪族環、芳香環、若しくは複素環とが縮合した二環の含窒素複素環であり、
R3は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基、置換若しくは無置換のベンジル若しくはヘテロアリールメチル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、
波線の結合は、シス型若しくはトランス型又はシス型とトランス型の任意の割合の混合を示す。] - 前記低分子化合物の上記一般式(I)が、下記式(II)又は(III)で表される化合物である、請求項5に記載の医薬組成物。
式(II)において、R4は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基、置換若しくは無置換のベンジル若しくはヘテロアリールメチル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、
式(III)において、Z’は、単環の6員若しくは5員の含窒素複素環であり、R5は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは無置換の炭素数1―4のアルキル基であり、
式(II)及び(III)において、波線の結合は、シス型若しくはトランス型又はシス型とトランス型の任意の割合の混合を示す。] - 上記一般式(I)で表される化合物が、
- 血管新生疾患の治療における、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物の使用。
- 血管新生疾患の医薬組成物の製造における、細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物の使用。
- 細胞内におけるVEGF遺伝子の発現を抑制可能な、或いは、細胞からのVEGFタンパク質の産生を低減可能な低分子化合物を有効成分とする医薬組成物を対象に投与することを含む、血管新生疾患の改善、進行抑制、及び/又は、治療の方法。
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