以下に図面を参照して、本発明にかかる無線通信システム、端末、基地局および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる無線通信システム)
図1Aは、実施の形態1にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示した無線通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。図1A,図1Bに示すように、実施の形態1にかかる無線通信システム100は、基地局110と、端末120と、を含む。
端末120は、基地局110へ無線信号を送信する。また、端末120は、基地局110へ同一のデータを連続して送信することが可能である。同一のデータの連続した送信は、基地局110において同一のデータを復調可能な複数の無線信号の送信である。したがって、この複数の無線信号は、互いに同一のデータを復調可能な無線信号であれば、互いに異なる無線信号であってもよい。
基地局110は、送信部111と、特定部112と、受信部113と、を備える。送信部111は、下りの制御チャネルを送信する。また、送信部111は、送信した制御チャネルの無線リソースのうちの端末120に割り当てた無線リソースの数を特定部112へ通知する。
特定部112は、送信部111から通知された無線リソースの数に基づいて、端末120が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を特定する。たとえば、特定部112は、無線リソースの数と、同一のデータを連続して送信する回数と、の所定の対応関係を記憶する。
この対応関係は、一例としては、無線リソースの数が多いほど、同一のデータを連続して送信する回数が多くなる関係とすることができる。特定部112は、記憶する対応関係に基づいて、通知された無線リソースの数に対応する回数を特定する。そして、特定部112は、特定した回数を受信部113へ通知する。
受信部113は、特定部112から通知された回数に基づいて、端末120によって連続される同一のデータを受信する。
端末120は、受信部121と、調整部122と、送信部123と、を備える。受信部121は、基地局110から送信された制御チャネルを受信する。そして、受信部121は、受信した制御チャネルを調整部122へ出力する。
調整部122は、受信部121から出力された制御チャネルの無線リソースのうちの端末120(自端末)に割り当てられた無線リソースの数を判定する。そして、調整部122は、判定した無線リソースの数に基づいて、端末120が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する。
たとえば、調整部122は、基地局110が記憶する所定の対応関係と同一の対応関係を記憶する。そして、調整部122は、記憶する対応情報および判定した無線リソースの数に基づいて、端末120が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する。また、調整部122は、調整した回数を送信部123へ通知する。
送信部123は、調整部122から通知された回数だけ、基地局110へ同一のデータを連続して送信する。
このように、実施の形態1によれば、上り通信で端末120が同一のデータを連続して送信する回数を、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けることができる。これにより、上り通信で端末120が同一のデータを連続して送信する回数を可変としつつ、該回数の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
<変形例1>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数に代えて、端末120が基地局110へデータを送信してから該データを再送するまでの時間を、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けてもよい。これにより、該時間を可変としつつ、基地局110から端末120への該時間の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
<変形例2>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数として、該回数の切り替えパターンを、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けてもよい。これにより、該切り替えパターンを可変としつつ、基地局110から端末120への該切り替えパターンの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
<変形例3>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数に代えて、端末120が同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数を、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けてもよい。これにより、該プロセスの数を可変としつつ、基地局110から端末120への該プロセスの数の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態2)
(実施の形態2にかかる無線通信システム)
図2Aは、実施の形態2にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図2Aに示すように、実施の形態2にかかる無線通信システム200は、eNB210と、UE220と、を含むセルラ通信システムである。eNB210およびUE220は、たとえばLTE(Long Term Evolution)による無線通信が可能である。セル211は、eNB210との間で無線通信が可能な領域である。UE220は、セル211に位置しており、eNB210との間で無線通信が可能なUE(User Equipment:ユーザ端末)である。
図1A,図1Bに示した無線通信システム100は、たとえば図2Aに示す無線通信システム200により実現することができる。図1A,図1Bに示した基地局110は、たとえば図2Aに示すeNB210により実現することができる。図1A,図1Bに示した端末120は、たとえば図2Aに示すUE220により実現することができる。
(LTEの上りリンクにおけるTTIバンドリング)
図2Bは、LTEの上りリンクにおけるTTIバンドリングの一例を示す図である。図2Bにおいて、横軸は時間(サブフレーム)を示している。
ULグラント241(Up Link grant)は、eNB210からUE220へ送信されるスケジューリング情報であって、UE220の上り通信に対してeNB210が割り当てた無線リソースを示す情報である。
UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム230から4[ms]後のサブフレーム231〜234(4個のTTI)において、同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、たとえばPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共有チャネル)によって送信される(PUSCH coding)。
また、サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、受信側で同一のデータを復号可能なパケットであれば、互いに異なるパケットであってもよい。たとえば、サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、HARQのRV(Redundancy Version:反復バージョン)のように、それぞれ特徴が異なる各パケットとしてもよい(RV=0,2,3,1)。この特徴は、一例としてはデータブロックの伝送開始位置とすることができる。
応答信号242は、サブフレーム234から4[ms]後のサブフレーム235においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム231〜234で送信されたパケットに対する応答信号である。図2Bに示す例では、応答信号242は、サブフレーム231〜234で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム231からRTT243が経過したサブフレーム236〜239において、サブフレーム231〜234と同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。RTT243は、UE220がデータを送信してから該データを再送するまでの時間である。RTT243は、図2Bに示す例では16[ms]のRTT(Round Trip Time:ラウンドトリップタイム)である。
(アグリゲーションレベル)
図3は、アグリゲーションレベルの一例を示す図である。図3に示すテーブル300は、たとえば3GPP(3rd Generation Partnership Project)のTS36.211のセクション6.8.1で規定されている内容である。テーブル300は、4種類(0〜3)のPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)フォーマット(PDCCH format)を示している。
PDCCHフォーマットのそれぞれは、CCEs数(Number of CCEs)と、リソースエレメントグループ数(Number of resource−element groups)と、PDCCHビット数(Number of PDCCH bits)と、を含む。
CCEs数は、PDCCH(ULグラント)の送信リソース割り当て数であって、アグリゲーションレベルと呼ばれる。CCE(Control Channel Element:制御チャネル要素)は、たとえば36シンボルのリソース単位である。
eNB210は、UE220の受信状態に応じてCCEs数(アグリゲーションレベル)を選択することで符号化率を制御する。UE220の受信状態は、一例としてはUE220がeNB210へ報告するCQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)である。たとえば、eNB210は、UE220の受信状態が悪いほど多くのCCEs数(高いアグリゲーションレベル)を選択する。図3に示す例では、アグリゲーションレベルは1、2、4、8の4通りである。
(アグリゲーションレベルを用いたTTIバンドルサイズの制御)
図4は、アグリゲーションレベルを用いたTTIバンドルサイズの制御の一例を示す図である。eNB210は、たとえばLTEのRel−8と同様に、リンクアダプテーション(Link adaptation)により、ULグラントのアグリゲーションレベルを決定して、PDCCH410(ULグラント)のUE220への送信401を行う。図4に示す例では、PDCCH410のアグリゲーションレベルは8である。すなわち、PDCCH410のCCEのうちの8つのCCEがUE220に割り当てられている。
UE220は、PDCCH410のブラインド検出を行う。すなわち、UE220は、PDCCH410のすべてのCCEに対して復号処理を行う。そして、UE220は、正しく復号できたCCEの数によってアグリゲーションレベルを判定することができる。
UE220は、eNB210との間のTTIバンドリングが有効である場合に、判定したアグリゲーションレベルに相当するサイズをTTIバンドルサイズ(TTIバンドル数)とするTTIバンドリングによるデータ群420の送信402を行う。
データ群420は、UE220がTTIバンドリングによって連続して送信する同一のデータ群である。データ群420の各数字はRVパラメータである。eNB210は、UE220から受信したデータ群420に対する応答信号(ACK/NACK)のUE220への送信403を行う。
たとえば後述のLTEのAlt.6.3においては、TTIバンドリングのTTIバンドルサイズを可変にすることが検討されている。このために、たとえば、アグリゲーションレベルにTTIバンドルサイズを対応付けることができる。これにより、TTIバンドルサイズの直接的な通知が不要になり、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態2にかかるeNB)
図5Aは、実施の形態2にかかるeNBの一例を示す図である。図5Bは、図5Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図5A,図5Bに示すように、実施の形態2にかかるeNB210は、受信アンテナ501と、受信機502と、L1受信部503と、データ判定部504と、を備える。また、eNB210は、L2処理部505と、AL/バンドルサイズ設定部506と、PDCCH生成部507と、L1送信部508と、送信機509と、送信アンテナ510と、を備える。
受信機502は、受信アンテナ501を介して、UE220から無線送信された信号を受信する。そして、受信機502は、受信した信号をL1受信部503へ出力する。L1受信部503は、受信機502から出力された信号のL1(物理層)の受信処理を行う。そして、L1受信部503は、L1の受信処理によって得られたデータを、データ判定部504およびL2処理部505へ出力する。
データ判定部504は、L1受信部503から出力されたデータの誤り検出を行う。そして、データ判定部504は、誤り検出の結果(たとえば誤りの有無)をL2処理部505およびPDCCH生成部507へ出力する。
L2処理部505は、L1受信部503から出力されたデータのL2(MAC層:Media Access Control layer)の受信処理を行う。また、L2処理部505は、データ判定部504から出力された誤り検出の結果に基づく再送制御を行ってもよい。たとえば、L2処理部505は、誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部508へ出力する。
また、L2処理部505は、UE220からeNB210への上り通信に対する無線リソースの割り当てを行い、割り当て結果を示すULグラント(UL grant)をPDCCH生成部507へ出力する。
また、L2処理部505は、UE220の受信状態を示す情報をAL/バンドルサイズ設定部506へ出力する。UE220の受信状態を示す情報は、たとえばL1受信部503から出力されたデータに含まれる、UE220からのCQIである。また、L2処理部505は、eNB210からUE220への下りデータをL1送信部508へ出力する。
AL/バンドルサイズ設定部506は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、UE220のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/バンドルサイズ設定部506は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/バンドルサイズ設定部506は、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズを設定する。そして、AL/バンドルサイズ設定部506は、設定したTTIバンドルサイズをPDCCH生成部507へ通知する。
たとえば、AL/バンドルサイズ設定部506は、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/バンドルサイズ設定部506は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズをPDCCH生成部507へ通知する。
PDCCH生成部507は、eNB210からUE220への下りの制御信号であるPDCCHを生成する。そして、PDCCH生成部507は、生成したPDCCHをL1送信部508へ出力する。また、PDCCH生成部507は、L2処理部505から出力されたULグラントをPDCCHに格納する。また、PDCCH生成部507は、PDCCHにおいてUE220に割り当てるCCEの数を、AL/バンドルサイズ設定部506から通知されたアグリゲーションレベルに応じて決定する。
また、PDCCH生成部507は、AL/バンドルサイズ設定部506から通知されたTTIバンドルサイズ分のデータの誤り検出の結果をデータ判定部504から取得する。そして、PDCCH生成部507は、取得した誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部508へ出力する。
L1送信部508は、L2処理部505およびPDCCH生成部507から出力された各データのL1の送信処理を行う。そして、L1送信部508は、L1の送信処理に応じた信号(送信信号)を送信機509へ出力する。送信機509は、送信アンテナ510を介して、L1送信部508から出力された信号をUE220へ無線送信する。
また、eNB210は、AL/バンドルサイズ設定部506から通知されたTTIバンドルサイズに基づいて、UE220から同一のデータが送信される回数を認識することでUE220からのデータを受信する。このTTIバンドルサイズに基づく受信処理は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
図1A,図1Bに示した送信部111は、たとえばPDCCH生成部507、L1送信部508、送信機509および送信アンテナ510により実現することができる。たとえば図1A,図1Bに示した特定部112は、たとえばAL/バンドルサイズ設定部506により実現することができる。図1A,図1Bに示した受信部113は、受信アンテナ501、受信機502およびL1受信部503により実現することができる。
図5Cは、eNBのハードウェア構成の一例を示す図である。図5A,図5Bに示したeNB210は、たとえば図5Cに示す通信装置530により実現することができる。通信装置530は、CPU531と、メモリ532と、無線通信インタフェース533と、有線通信インタフェース534と、を備える。CPU531、メモリ532、無線通信インタフェース533および有線通信インタフェース534は、バス539によって接続される。
CPU531(Central Processing Unit)は、通信装置530の全体の制御を司る。メモリ532には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU531のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置530を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU531によって実行される。
無線通信インタフェース533は、無線によって通信装置530の外部(たとえばUE220)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース533は、CPU531によって制御される。
有線通信インタフェース534は、有線によって通信装置530の外部(たとえば上位装置)との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース534は、CPU531によって制御される。
図5A,図5Bに示した受信アンテナ501、受信機502、送信機509および送信アンテナ510は、たとえば無線通信インタフェース533により実現することができる。図5A,図5Bに示したL1受信部503、データ判定部504、L2処理部505、AL/バンドルサイズ設定部506、PDCCH生成部507およびL1送信部508は、たとえばCPU531およびメモリ532により実現することができる。
(実施の形態2にかかるUE)
図6Aは、実施の形態2にかかるUEの一例を示す図である。図6Bは、図6Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図6A,図6Bに示すように、実施の形態2にかかるUE220は、受信アンテナ601と、受信機602と、L1受信部603と、ACK判定部604と、PDCCH検出部605と、PDCCH判定部606と、バンドルサイズ設定部607と、を備える。また、UE220は、L2処理部608と、PUSCH設定部609と、L1送信部610と、送信機611と、送信アンテナ612と、を備える。
受信機602は、受信アンテナ601を介して、eNB210から無線送信された信号を受信する。そして、受信機602は、受信した信号をL1受信部603へ出力する。L1受信部603は、受信機602から出力された信号のL1(物理層)の受信処理を行う。そして、L1受信部603は、L1の受信処理によって得られたデータを、ACK判定部604、PDCCH検出部605およびL2処理部608へ出力する。
ACK判定部604は、L1受信部603から出力されたデータのACK判定を行う。そして、ACK判定部604は、ACK判定の結果をL2処理部608へ出力する。
PDCCH検出部605は、L1受信部603から出力されたデータに含まれるPDCCHを検出する。たとえば、PDCCH検出部605は、L1受信部603から出力されたデータに含まれるPDCCHのすべてのCCEに対して復号処理を行うブラインド検出を行う。そして、PDCCH検出部605は、ブラインド検出によって正しく復号できたPDCCHをPDCCH判定部606へ出力する。
PDCCH判定部606は、PDCCH検出部605から出力されたPDCCHの数に基づくアグリゲーションレベルをバンドルサイズ設定部607へ通知する。また、PDCCH判定部606は、PDCCH検出部605から出力されたPDCCHに格納されたULグラントをPUSCH設定部609へ出力する。
バンドルサイズ設定部607は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズをPUSCH設定部609へ通知する。たとえば、バンドルサイズ設定部607は、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。バンドルサイズ設定部607は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズをL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
L2処理部608は、L1受信部603から出力されたデータのL2の受信処理を行う。また、L2処理部608は、ACK判定部604から出力されたACK判定の結果に基づく再送制御を行ってもよい。たとえば、L2処理部608は、誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部610へ出力する。
また、L2処理部608は、UE220の受信状態を示す情報をL1送信部610へ出力する。UE220の受信状態を示す情報は、たとえばL1受信部603から出力されたデータやACK判定部604から出力されたACK判定の結果に基づくCQIである。また、L2処理部608は、UE220からeNB210への上りデータをPUSCH設定部609へ出力する。
PUSCH設定部609は、L2処理部608から出力される上りデータを含むPUSCHを設定する。そして、PUSCH設定部609は、設定したPUSCHをL1送信部610へ出力する。また、PUSCH設定部609は、PDCCH判定部606から出力されたULグラントが示す無線リソースにPUSCHを割り当てる。また、PUSCH設定部609は、バンドルサイズ設定部607から通知されたTTIバンドルサイズの回数だけ同一の上りデータを連続して送信するようにPUSCHを設定する。
L1送信部610は、L2処理部608およびPUSCH設定部609から出力された各データのL1の送信処理を行う。そして、L1送信部610は、L1の送信処理に応じた信号(送信信号)を送信機611へ出力する。送信機611は、送信アンテナ612を介して、L1送信部610から出力された信号をeNB210へ無線送信する。
図1A,図1Bに示した受信部121は、たとえば受信アンテナ601、受信機602およびL1受信部603により実現することができる。図1A,図1Bに示した調整部122は、たとえばPDCCH検出部605、PDCCH判定部606およびバンドルサイズ設定部607により実現することができる。図1A,図1Bに示した送信部123は、たとえばPUSCH設定部609、L1送信部610、送信機611および送信アンテナ612により実現することができる。
図6Cは、UEのハードウェア構成の一例を示す図である。図6A,図6Bに示したUE220は、たとえば図6Cに示す通信装置630により実現することができる。通信装置630は、CPU631と、メモリ632と、ユーザインタフェース633と、無線通信インタフェース634と、を備える。CPU631、メモリ632、ユーザインタフェース633および無線通信インタフェース634は、バス639によって接続される。
CPU631は、通信装置630の全体の制御を司る。メモリ632には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAMである。メインメモリは、CPU631のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置630を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU631によって実行される。
ユーザインタフェース633は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース633は、CPU631によって制御される。
無線通信インタフェース634は、無線によって通信装置630の外部(たとえばeNB210)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース634は、CPU631によって制御される。
図6A,図6Bに示した受信アンテナ601、受信機602、送信機611および送信アンテナ612は、たとえば無線通信インタフェース634により実現することができる。図6A,図6Bに示したL1受信部603、ACK判定部604、PDCCH検出部605、PDCCH判定部606、バンドルサイズ設定部607およびL2処理部608は、たとえばCPU631およびメモリ632により実現することができる。また、図6A,図6Bに示したPUSCH設定部609およびL1送信部610は、たとえばCPU631およびメモリ632により実現することができる。
(実施の形態2にかかるeNBによる処理)
図7は、実施の形態2にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるeNB210は、たとえば図7に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS701)。ステップS701による設定は、たとえばUE220との間のRLC(Radio Link Control)層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する(ステップS702)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。つぎに、eNB210は、ステップS702によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS703)。
つぎに、eNB210は、UE220からTTIバンドリングによって送信されるデータCHを受信する(ステップS704)。ステップS704において、eNB210は、たとえば、ステップS703によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、ステップS704によるデータCHの受信を開始してからTTIバンドルサイズ分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS705)。TTIバンドルサイズは、ステップS702によって設定したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズである。TTIバンドルサイズ分の時間が経過していない場合(ステップS705:No)は、eNB210は、ステップS704へ戻る。
ステップS705において、TTIバンドルサイズ分の時間が経過した場合(ステップS705:Yes)は、eNB210は、UE220に対する応答信号をUE220へ送信し(ステップS706)、一連の処理を終了する。ステップS706において送信される応答信号は、ステップS704によって受信したデータCHの誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)である。
(実施の形態2にかかるUEによる処理)
図8は、実施の形態2にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるUE220は、たとえば図8に示す各ステップを実行する。まず、UE220は、eNB210との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS801)。ステップS801による設定は、たとえばeNB210との間のRLC層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、UE220は、eNB210から送信されるPDCCHのブラインド検出を行い、自局向けのPDCCHを1つ以上検出したか否かを判断する(ステップS802)。自局向けのPDCCHを検出していない場合(ステップS802:No)は、UE220は、一連の処理を終了する。
ステップS802において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS802:Yes)は、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたTTIバンドルサイズを設定する(ステップS803)。
つぎに、UE220は、ステップS803によって設定したTTIバンドルサイズにより、eNB210へのデータCHを送信する(ステップS804)。ステップS804において、UE220は、たとえば、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。つぎに、UE220は、ステップS804によって送信したデータCHに対する応答信号を受信し(ステップS805)、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズ)
アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズは、一例としては、アグリゲーションレベルと同じ値のTTIバンドルサイズとすることができる。たとえば、アグリゲーションレベルが2である場合は、eNB210およびUE220は、TTIバンドルサイズとして2TTIを用いる。
または、アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズは、アグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値のTTIバンドルサイズとすることができる。すなわち、TTIバンドルサイズ=Nx×アグリゲーションレベルとすることができる。一例として、所定値Nx=2とし、アグリゲーションレベルが4である場合は、TTIバンドルサイズを2×4=8とすることができる。
所定値Nxは、たとえばeNB210およびUE220があらかじめ記憶しておくことができる。または、所定値Nxは、たとえばeNB210とUE220との間の上位レイヤ(たとえばRLC層)の通信によって共有することができる。
また、所定値Nxは、eNB210とUE220との間の無線通信環境に応じて動的に変更してもよい。たとえば、eNB210は、UE220からeNB210への上り通信の通信品質を示す値と、eNB210からUE220への下り通信の通信品質を示す値と、の相違(たとえば比または差)を所定値Nxとすることができる。
上り通信の通信品質を示す値には、たとえばUE220からの無線信号に基づいてeNB210が測定したCQIを用いることができる。下り通信の通信品質を示す値には、たとえばeNB210からの無線信号に基づいてUE220が測定したCQIであって、UE220がeNB210へ送信するCQIを用いることができる。
TTIバンドルサイズをアグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値とする場合について説明したが、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの関係はこれに限らない。たとえば、TTIバンドルサイズをアグリゲーションレベルに対して所定値Nxを加算、減算、除算等の各種の演算を行った値としてもよい。
また、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す対応テーブルをeNB210およびUE220が記憶しておいてもよい。この場合は、eNB210およびUE220は、アグリゲーションレベルおよび対応テーブルに基づいてTTIバンドルサイズを選択する。また、アグリゲーションレベルに加えて送信パワーに関連する係数等も考慮してTTIバンドルサイズを選択してもよい。
このように、eNB210およびUE220は、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの同一の対応関係(たとえばNxや対応テーブル)を記憶する。これにより、eNB210からUE220へTTIバンドルサイズを直接的に通知しなくても、eNB210が設定するアグリゲーションレベルに応じてTTIバンドルサイズを制御することができる。
(PDCCHの順序入れ替えに基づくTTIバンドルサイズの通知)
図9Aは、PDCCHおよびCRCの順序入れ替えの一例を示す図である。図9Aに示すPDCCH900は、eNB210がUE220へ送信するPDCCHである。PDCCH本体910は、PDCCH900の本体部分である。CRC920は、PDCCH本体910に付加された冗長部分である。すなわち、CRC920は、PDCCH本体910に基づいて算出されたCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)である。
順序入れ替え状態901は、順序入れ替えなしのPDCCH900の状態である。順序入れ替えは、データ列の並びを逆順にする処理である。順序入れ替え状態902は、PDCCH本体910の順序入れ替えを行ったPDCCH900の状態である。順序入れ替え状態903は、CRC920の順序入れ替えを行ったPDCCH900の状態である。
eNB210は、順序入れ替え状態901〜903のいずれかを選択してPDCCH900をUE220へ送信する。また、eNB210は、順序入れ替え状態901〜903とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知する。
これに対して、UE220は、ブラインド検出において、順序入れ替え状態901〜903のそれぞれに対応するCRC処理を行い、順序入れ替え状態901〜903のうちの誤りなしとなる順序入れ替え状態を特定する。そして、UE220は、特定した順序入れ替え状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせに応じたTTIバンドルサイズを用いてeNB210へデータCHを送信する。
この場合は、eNB210およびUE220は、たとえば、順序入れ替え状態901〜903およびアグリゲーションレベルの組み合わせとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す対応情報を共有しておく。
これにより、順序入れ替え状態901〜903とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知することが可能になり、より柔軟にTTIバンドルサイズを制御することが可能になる。たとえば、アグリゲーションレベルが4通りであり、順序入れ替え状態が3通り(順序入れ替え状態901〜903)である場合は、4×3=12通りのTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
さらに、たとえば、PDCCH本体910およびCRC920の両方の順序入れ替えを行う状態を用いてもよい。これにより、順序入れ替え状態が4通りとなり、さらに柔軟なTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
(PDCCHのビット反転に基づくTTIバンドルサイズの通知)
図9Bは、PDCCHのビット反転の一例を示す図である。図9Bにおいて、図9Aに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
ビット反転状態904は、ビット反転なしのPDCCH900の状態である。ビット反転状態905は、PDCCH本体910のビット反転を行ったPDCCH900の状態である。ビット反転状態906は、CRC920のビット反転を行ったPDCCH900の状態である。
eNB210は、ビット反転状態904〜906のいずれかを選択してPDCCH900をUE220へ送信してもよい。また、eNB210は、ビット反転状態904〜906とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知する。
これに対して、UE220は、ブラインド検出において、ビット反転状態904〜906のそれぞれに対応するCRC処理を行い、ビット反転状態904〜906のうちの誤りなしとなるビット反転状態を特定する。そして、UE220は、特定したビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせに応じたTTIバンドルサイズを用いてeNB210へデータCHを送信する。
この場合は、eNB210およびUE220は、たとえば、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す情報を共有しておく。
これにより、ビット反転状態904〜906とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知することが可能になり、より柔軟にTTIバンドルサイズを制御することが可能になる。たとえば、アグリゲーションレベルが4通りであり、ビット反転状態が3通り(ビット反転状態904〜906)である場合は、4×3=12通りのTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
さらに、たとえば、PDCCH本体910およびCRC920の両方のビット反転を行う状態を用いてもよい。これにより、ビット反転状態が4通りとなり、さらに柔軟なTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
(PDCCHの順序入れ替えおよびビット反転に基づくTTIバンドルサイズの通知)
また、eNB210は、順序入れ替え状態901〜903およびビット反転状態904〜906の組み合わせのいずれかを選択してPDCCH900をUE220へ送信してもよい。また、eNB210は、順序入れ替え状態901〜903、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知する。
これに対して、UE220は、ブラインド検出において、順序入れ替え状態901〜903およびビット反転状態904〜906の組み合わせのそれぞれに対応するCRC処理を行い、誤りなしとなる順序入れ替え状態およびビット反転状態を特定する。そして、UE220は、特定した順序入れ替え状態、ビット反転状態組およびアグリゲーションレベルの組み合わせに応じたTTIバンドルサイズを用いてeNB210へデータCHを送信する。
この場合は、eNB210およびUE220は、たとえば、順序入れ替え状態901〜903、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す対応情報を共有しておく。
これにより、順序入れ替え状態901〜903、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知することが可能になり、より柔軟にTTIバンドルサイズを制御することが可能になる。たとえば、アグリゲーションレベルが4通りであり、順序入れ替え状態およびビット反転状態がそれぞれ3通りである場合は、4×3×3=36通りのTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
図10は、UEのeNBへの初期アクセスの一例を示すシーケンス図である。図10においては、UE220がeNB210へ初期アクセスする場合について説明する。UE220のeNB210への初期アクセスにはRACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル)が用いられる。
まず、UE220が、message1として、ランダムアクセス信号(RACH preamble)をeNB210へ無線送信する(ステップS1001)。以降、eNB210およびUE220は、LTEにおいて規定された下りリンクの物理チャネルおよび上りリンクの物理チャネルなどの無線リソースを使用して接続を行う。
たとえば、eNB210が、message2として、RACH responseを無線送信する(ステップS1002)。これに対して、UE220が、RACH message3をeNB210へ無線送信する(ステップS1003)。RACH message3にはたとえばPUSCHが用いられる。
これに対して、eNB210が、RACH message4をUE220へ無線送信する(ステップS1004)。これらの各ステップにより、eNB210は、ステップS1001によって受信したランダムアクセス信号とUE220とを結びつけ、UE220との間の無線通信を開始する。
実施の形態2にかかるTTIバンドルサイズの制御は、ステップS1003のRACH message3のTTIバンドリング数の制御に適用することも可能である。
このように、実施の形態2によれば、上り通信のTTIバンドルサイズを、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、TTIバンドルサイズを可変としつつ、TTIバンドルサイズの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態3においては、TTIバンドルサイズに代えてRTTを可変とする。
(RTTの変更)
図11は、RTTの変更の一例を示す図である。図11において、図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11に示す例においては、RTT243が12[ms]であり、図2Bに示した例(16[ms])より短くなっている。
たとえば後述のLTEのAlt.1においては、RTTを現在の16[ms]から12[ms]に短縮することが検討されている。これに対して、実施の形態3にかかる無線通信システム200においては、RTTを可変とする。このために、たとえば、アグリゲーションレベルにRTTを対応付けることができる。これにより、TTIバンドルサイズの直接的な通知が不要になり、シグナリング量の増加を抑えることができる。
UE220は、ブラインド検出により判定したアグリゲーションレベルに応じたRTTによってデータ再送を行う。一例としては、アグリゲーションレベル(AL)=1に応じたRTTは8TTI、アグリゲーションレベル(AL)=2に応じたRTTは12TTIなどとすることができる。
(実施の形態3にかかるeNB)
図12Aは、実施の形態3にかかるeNBの一例を示す図である。図12Bは、図12Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図12A,図12Bにおいて、図5A,図5Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図12A,図12Bに示すように、実施の形態3にかかるeNB210は、図5A,図5Bに示したAL/バンドルサイズ設定部506に代えてAL/RTT設定部1201を備える。AL/RTT設定部1201は、たとえば図5Cに示したCPU531により実現することができる。
AL/RTT設定部1201は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、AL/RTT設定部1201のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/RTT設定部1201は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/RTT設定部1201は、設定したアグリゲーションレベルに対応するUE220のRTTを設定する。たとえば、AL/RTT設定部1201は、アグリゲーションレベルとRTTとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/RTT設定部1201は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するUE220のRTTを設定する。
eNB210は、AL/RTT設定部1201によって設定されたRTTに基づいて、UE220からの再送データを受信する。このRTTに基づく再送データの受信は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
(実施の形態3にかかるUE)
図13Aは、実施の形態3にかかるUEの一例を示す図である。図13Bは、図13Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図13A,図13Bにおいて、図6A,図6Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13A,図13Bに示すように、実施の形態3にかかるUE220は、図6A,図6Bに示したバンドルサイズ設定部607に代えてRTT設定部1301を備える。RTT設定部1301は、たとえば図6Cに示したCPU631により実現することができる。
RTT設定部1301は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するRTTをPUSCH設定部609へ通知する。たとえば、RTT設定部1301は、アグリゲーションレベルとRTTとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。RTT設定部1301は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するRTTをL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
PUSCH設定部609は、UE220からeNB210への再送データについて、RTT設定部1301から通知されたRTTに対応する時間リソース(サブフレーム)に割り当てるようにPUSCHを設定する。
(実施の形態3にかかるeNBによる処理)
図14は、実施の形態3にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるeNB210は、たとえば図14に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS1401)。ステップS1401による設定は、たとえばUE220との間のRLC層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルと、UE220のRTTを設定する(ステップS1402)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。また、eNB210は、設定したアグリゲーションに応じたRTTを設定する。つぎに、eNB210は、ステップS1402によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS1403)。
つぎに、eNB210は、UE220からTTIバンドリングによって送信されるデータCHを受信する(ステップS1404)。たとえば、eNB210は、ステップS1403によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、ステップS1404によるデータCHの受信を開始してからTTIバンドルサイズ分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1405)。TTIバンドルサイズは、たとえば固定のTTI(たとえば4TTI)である。TTIバンドルサイズ分の時間が経過していない場合(ステップS1405:No)は、eNB210は、ステップS1404へ戻る。
ステップS1405において、TTIバンドルサイズ分の時間が経過した場合(ステップS1405:Yes)は、eNB210は、ステップS1404によって受信したデータCHに対してACKを送信するか否かを判断する(ステップS1406)。ステップS1406の判断は、たとえばステップS1404によって受信したTTIバンドルサイズ分のデータCHによってデータが正しく復号できたか否かによって行うことができる。
ステップS1406において、ACKではなくNACKを送信する場合(ステップS1406:No)は、eNB210は、ステップS1402によって設定したRTTに基づく再送設定を行い(ステップS1407)、ステップS1404へ戻る。ACKを送信する場合(ステップS1406:Yes)は、eNB210は、一連の処理を終了する。
(実施の形態3にかかるUEによる処理)
図15は、実施の形態3にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるUE220は、たとえば図15に示す各ステップを実行する。図15に示すステップS1501,S1502は、図8に示したステップS801,S802と同様である。
ステップS1502において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS1502:Yes)は、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたRTTを設定する(ステップS1503)。
つぎに、UE220は、所定のTTIバンドルサイズにより、eNB210へのデータCHを送信する(ステップS1504)。たとえば、UE220は、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。所定のTTIバンドルサイズは、たとえば固定のTTIバンドルサイズ(たとえば4TTI)である。
つぎに、UE220は、ステップS1504によって送信したデータCHに対する応答信号を受信する(ステップS1505)。つぎに、UE220は、ステップS1505によって受信した応答信号がACKか否かを判断する(ステップS1506)。応答信号がACKでない場合(ステップS1506:No)は、UE220は、ステップS1503によって設定したRTTに基づく再送設定を行い(ステップS1507)、ステップS1504へ戻ることで再送を行う。応答信号がACKである場合(ステップS1506:Yes)は、UE220は、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたRTT)
アグリゲーションレベルに応じたRTTは、実施の形態2において説明したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズと同様に決定することができる。たとえば、アグリゲーションレベルに応じたRTTは、アグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値のRTTとすることができる。すなわち、RTT=Nx×アグリゲーションレベルとすることができる。
(PDCCHの順序入れ替え等に基づくRTTの通知)
また、eNB210は、図9A,図9Bに示したPDCCHの順序入れ替え状態やビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりRTTをUE220へ通知してもよい。
このように、実施の形態3によれば、上り通信のRTTを、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、RTTを可変としつつ、RTTの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
また、実施の形態3において、TTIバンドリングは行わない構成としてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態4においては、TTIバンドルサイズを可変とするために、TTIバンドリングパターンを可変とする。TTIバンドリングパターンは、たとえばUE220からのデータの新規送信、1回目の再送、2回目の再送…の各TTIバンドルサイズを示す、TTIバンドルサイズの切り替えパターンである。
(TTIバンドリングパターンの変更)
図16は、TTIバンドリングパターンの変更の一例を示す図である。図16において、図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図16に示す例においては、UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム1601から4[ms]後のサブフレーム1602〜1609(8個のTTI)において、同一のデータを示すパケットを連続して8回送信するTTIバンドリングを行う。
応答信号242は、サブフレーム1609から4[ms]後のサブフレーム1610においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム1602〜1609で送信されたパケットに対する応答信号である。図16に示す例では、応答信号242は、サブフレーム1602〜1609で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム1611〜1614において、サブフレーム1602〜1609と同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム1611〜1614は、サブフレーム1610からRTT243が経過したサブフレームである。
このように、実施の形態4においては、UE220からのデータの新規送信、1回目の再送、2回目の再送…の各TTIバンドルサイズを示すTTIバンドリングパターンを可変とする。UE220は、ブラインド検出により判定したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンによってTTIバンドリングを行う。一例としては、アグリゲーションレベル(AL)=1に応じたTTIバンドリングパターンはパターン1、アグリゲーションレベル(AL)=2に応じたTTIバンドリングパターンはパターン2などとすることができる。
また、TTIバンドリングパターンは、一例としては[4,4,4,4,…]、[8,4,4,4,…]、[8,8,4,4,…]などとすることができる。たとえば[8,4,4,4,…]は、新規送信はTTIバンドルサイズ=8、1回目、2回目、3回目…の再送はTTIバンドルサイズ=4であることを示す。
たとえば後述のLTEのAlt.6.1においては、新規送信と再送で異なるTTIバンドルサイズを用いることが検討されている。実施の形態4に示したTTIバンドリングパターンの変更は、新規送信と再送で異なるTTIバンドルサイズを用いる場合の新規送信や再送のTTIバンドルサイズの変更に適用することもできる。
(実施の形態4にかかるeNB)
図17Aは、実施の形態4にかかるeNBの一例を示す図である。図17Bは、図17Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図17A,図17Bにおいて、図5A,図5Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17A,図17Bに示すように、実施の形態4にかかるeNB210は、図5A,図5Bに示したAL/バンドルサイズ設定部506に代えてAL/パターン設定部1701を備える。AL/パターン設定部1701は、たとえば図5Cに示したCPU531により実現することができる。
AL/パターン設定部1701は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、UE220のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/パターン設定部1701は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/パターン設定部1701は、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンを設定する。そして、AL/パターン設定部1701は、設定したTTIバンドリングパターンをPDCCH生成部507へ通知する。
たとえば、AL/パターン設定部1701は、アグリゲーションレベルとTTIバンドリングパターンとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/パターン設定部1701は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンを設定する。
PDCCH生成部507は、AL/パターン設定部1701から通知されたTTIバンドリングパターンに基づくTTIバンドルサイズ分のデータの誤り検出の結果をデータ判定部504から取得する。
また、eNB210は、AL/パターン設定部1701によって設定されたTTIバンドリングパターンに基づいて、UE220からの再送データを受信する。このTTIバンドリングパターンに基づく再送データの受信は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
(実施の形態4にかかるUE)
図18Aは、実施の形態4にかかるUEの一例を示す図である。図18Bは、図18Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図18A,図18Bにおいて図6A,図6Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図18A,図18Bに示すように、実施の形態4にかかるUE220は、図6A,図6Bに示したバンドルサイズ設定部607に代えてパターン設定部1801を備える。パターン設定部1801は、たとえば図6Cに示したCPU631により実現することができる。パターン設定部1801は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンをPUSCH設定部609へ通知する。
たとえば、パターン設定部1801は、アグリゲーションレベルとTTIバンドリングパターンとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。パターン設定部1801は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンをL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
PUSCH設定部609は、パターン設定部1801から通知されたTTIバンドリングパターンに基づくTTIバンドルサイズの回数だけ同一の上りデータを連続して送信するようにPUSCHを設定する。
(実施の形態4にかかるeNBによる処理)
図19は、実施の形態4にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかるeNB210は、たとえば図19に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS1901)。ステップS1901による設定は、たとえばUE220との間のRLC層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルと、UE220のTTIバンドリングパターンを設定する(ステップS1902)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。また、eNB210は、設定したアグリゲーションに応じたTTIバンドリングパターンを設定する。つぎに、eNB210は、ステップS1902によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS1903)。
つぎに、eNB210は、UE220からTTIバンドリングによって送信されるデータCHを受信する(ステップS1904)。ステップS1904において、eNB210は、たとえば、ステップS1903によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、ステップS1904によるデータCHの受信を開始してからTTIバンドルサイズ分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1905)。TTIバンドルサイズは、たとえばステップS1902によって設定したTTIバンドリングパターンに応じたTTIバンドルサイズである。TTIバンドルサイズ分の時間が経過していない場合(ステップS1905:No)は、eNB210は、ステップS1904へ戻る。
ステップS1905において、TTIバンドルサイズ分の時間が経過した場合(ステップS1905:Yes)は、eNB210は、ステップS1904によって受信したデータCHに対してACKを送信するか否かを判断する(ステップS1906)。ステップS1906の判断は、たとえばステップS1904によって受信したTTIバンドルサイズ分のデータCHによってデータが正しく復号できたか否かによって行うことができる。
ステップS1906において、ACKではなくNACKを送信する場合(ステップS1906:No)は、eNB210は、ステップS1907へ移行する。すなわち、eNB210は、ステップS1902によって設定したTTIバンドリングパターンに基づく再送設定を行い(ステップS1907)、ステップS1904へ戻る。ACKを送信する場合(ステップS1906:Yes)は、eNB210は、一連の処理を終了する。
(実施の形態4にかかるUEによる処理)
図20は、実施の形態4にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかるUE220は、たとえば図20に示す各ステップを実行する。図20に示すステップS2001,S2002は、図8に示したステップS801,S802と同様である。
ステップS2002において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS2002:Yes)は、UE220は、ステップS2003へ移行する。すなわち、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたTTIバンドリングパターンによるTTIバンドルサイズを設定する(ステップS2003)。
つぎに、UE220は、ステップS2003によって設定したTTIバンドルサイズにより、eNB210へのデータCHを送信する(ステップS2004)。ステップS2004において、UE220は、たとえば、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。
つぎに、UE220は、ステップS2004によって送信したデータCHに対する応答信号を受信する(ステップS2005)。つぎに、UE220は、ステップS2005によって受信した応答信号がACKか否かを判断する(ステップS2006)。応答信号がACKでない場合(ステップS2006:No)は、UE220は、アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンに基づく再送設定を行い(ステップS2007)、ステップS2003へ戻る。応答信号がACKである場合(ステップS2006:Yes)は、UE220は、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターン)
アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンは、実施の形態2において説明したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズと同様に決定することができる。たとえば、アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンは、アグリゲーションレベルと同じ値のTTIバンドリングパターンとすることができる。
(PDCCHの順序入れ替え等に基づくTTIバンドリングパターンの通知)
また、eNB210は、図9A,図9Bに示したPDCCHの順序入れ替え状態やビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドリングパターンをUE220へ通知してもよい。
このように、実施の形態4によれば、上り通信のTTIバンドリングパターンを、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、TTIバンドリングパターンを可変としつつ、TTIバンドリングパターンの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態5においては、TTIバンドルサイズに代えてHARQプロセス数を可変とする。
(HARQプロセス数の変更)
図21は、HARQプロセス数の変更の一例を示す図である。図21において、図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図21に示す例では、UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム2101から4[ms]後のサブフレーム2102において上りのデータを送信するHARQプロセス#0(新規送信)を行う。また、UE220は、サブフレーム2102のつぎのサブフレーム2103において、サブフレーム2102のHARQプロセス#0と同一のデータを送信するHARQプロセス#1(新規送信)を行う。
応答信号242は、サブフレーム2102,2103から4[ms]後のサブフレーム2104,2105においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム2102,2103で送信されたパケットに対する応答信号である。図21に示す例では、応答信号242は、サブフレーム2102,2103で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム2106,2107において、サブフレーム2102,2103と同一のデータを示すパケットを連続して2回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム2106,2107は、サブフレーム2104,2105からRTT(図21に示す例では4[ms])が経過したサブフレームである。
実施の形態5においては、UE220のHARQプロセス数(図21に示す例では2)を可変とする。UE220は、ブラインド検出により判定したアグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数によって上りデータを送信する。一例としては、アグリゲーションレベル(AL)=1に応じたHARQプロセス数は1、アグリゲーションレベル(AL)=2に応じたHARQプロセス数は2などとすることができる。
たとえば後述のLTEのAlt.6.2においては、同一信号を複数のHARQプロセスで送信することが検討されている。これに対して、実施の形態5にかかる無線通信システム200においては、HARQプロセス数を可変とする。HARQプロセス数は、eNB210へ同一のデータを送信するUE220のHARQプロセスの数である。
このために、たとえば、アグリゲーションレベルにHARQプロセス数を対応付けることができる。これにより、HARQプロセス数の直接的な通知が不要になり、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態5にかかるeNB)
図22Aは、実施の形態5にかかるeNBの一例を示す図である。図22Bは、図22Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図22A,図22Bにおいて、図5A,図5Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図22A,図22Bに示すように、実施の形態5にかかるeNB210は、図5A,図5Bに示したAL/バンドルサイズ設定部506に代えてAL/プロセス数設定部2201を備える。AL/プロセス数設定部2201は、たとえば図5Cに示したCPU531により実現することができる。
AL/プロセス数設定部2201は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、UE220のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/プロセス数設定部2201は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/プロセス数設定部2201は、設定したアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数を設定する。そして、AL/プロセス数設定部2201は、設定したHARQプロセス数をPDCCH生成部507へ通知する。
たとえば、AL/プロセス数設定部2201は、アグリゲーションレベルとHARQプロセス数との所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/プロセス数設定部2201は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数を設定する。
PDCCH生成部507は、AL/プロセス数設定部2201から通知されたHARQプロセス数分のデータの誤り検出の結果をデータ判定部504から取得する。そして、PDCCH生成部507は、取得した誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部508へ出力する。
また、eNB210は、AL/プロセス数設定部2201によって設定されたHARQプロセス数に基づいて、UE220からの各HARQプロセスによるデータを受信する。このHARQプロセス数に基づくデータの受信は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
(実施の形態5にかかるUE)
図23Aは、実施の形態5にかかるUEの一例を示す図である。図23Bは、図23Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図23A,図23Bにおいて、図6A,図6Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図23A,図23Bに示すように、実施の形態5にかかるUE220は、図6A,図6Bに示したバンドルサイズ設定部607に代えてプロセス数設定部2301を備える。プロセス数設定部2301は、たとえば図6Cに示したCPU631により実現することができる。
プロセス数設定部2301は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数をPUSCH設定部609へ通知する。たとえば、プロセス数設定部2301は、アグリゲーションレベルとHARQプロセス数との所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。プロセス数設定部2301は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数をL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
PUSCH設定部609は、プロセス数設定部2301から通知されたHARQプロセス数に基づいて、各HARQプロセスによる送信データを割り当てるようにPUSCHを設定する。
(実施の形態5にかかるeNBによる処理)
図24は、実施の形態5にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態5にかかるeNB210は、たとえば図24に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルと、HARQプロセス数と、を設定する(ステップS2401)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。また、eNB210は、設定したアグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数を設定する。
つぎに、eNB210は、ステップS2401によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS2402)。つぎに、eNB210は、UE220からHARQプロセスによって送信されるデータCHを受信する(ステップS2403)。ステップS2403において、eNB210は、たとえば、ステップS2402によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、UE220に対する応答信号を送信する(ステップS2404)。ステップS2404において送信される応答信号は、ステップS2403によって受信したデータCHの誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)である。
つぎに、eNB210は、ステップS2403によるデータCHの受信を開始してから、ステップS2401によって設定したHARQプロセス数分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS2405)。HARQプロセス数分の時間が経過していない場合(ステップS2405:No)は、eNB210は、ステップS2403へ戻る。
ステップS2405において、HARQプロセス数分の時間が経過した場合(ステップS2405:Yes)は、eNB210は、ステップS2403によって受信したデータCHに対してACKを送信するか否かを判断する(ステップS2406)。ステップS2406の判断は、たとえばステップS2403によって受信したHARQプロセス数分のデータCHによってデータが正しく復号できたか否かによって行うことができる。
ステップS2406において、ACKではなくNACKを送信する場合(ステップS2406:No)は、eNB210は、ステップS2401によって設定したHARQプロセス数分の再送設定を行い(ステップS2407)、ステップS2403へ戻る。ACKを送信する場合(ステップS2406:Yes)は、eNB210は、一連の処理を終了する。
(実施の形態5にかかるUEによる処理)
図25は、実施の形態5にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態5にかかるUE220は、たとえば図25に示す各ステップを実行する。図25に示すステップS2501は、図8に示したステップS802と同様である。
ステップS2501において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS2501:Yes)は、UE220は、ステップS2502へ移行する。すなわち、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたHARQプロセス数によりeNB210へのデータCHを送信する(ステップS2502)。ステップS2502において、UE220は、たとえば、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。
つぎに、UE220は、ステップS2502によって送信したデータCHに対する応答信号を受信する(ステップS2503)。つぎに、UE220は、ステップS2503によって受信した応答信号がACKか否かを判断する(ステップS2504)。応答信号がACKでない場合(ステップS2504:No)は、UE220は、再送設定を行い(ステップS2505)、ステップS2502へ戻る。応答信号がACKである場合(ステップS2504:Yes)は、UE220は、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターン)
アグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数は、実施の形態2において説明したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズと同様に決定することができる。たとえば、アグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数は、アグリゲーションレベルと同じ値のHARQプロセス数とすることができる。
また、アグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数は、アグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値のHARQプロセス数としてもよい。すなわち、HARQプロセス数=Nx×アグリゲーションレベルとすることができる。
(PDCCHの順序入れ替え等に基づくHARQプロセス数の通知)
また、eNB210は、図9A,図9Bに示したPDCCHの順序入れ替え状態やビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりHARQプロセス数をUE220へ通知してもよい。
このように、実施の形態5によれば、上り通信のHARQプロセス数を、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、HARQプロセス数を可変としつつ、HARQプロセス数の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
また、実施の形態5において、TTIバンドリングは行わない構成としてもよい。
以上説明したように、無線通信システム、端末、基地局および処理方法によれば、上り通信に関する端末のパラメータを、下りの制御チャネルにおいて端末に割り当てられた無線リソースの数に対応付けることができる。これにより、該パラメータを可変としつつ、基地局から端末への該パラメータの通知を不要にし、シグナリング量の増加を抑えることができる。
一例として、LTE標準化のカバレッジ拡張(Coverage enhancements)技術が検討された。たとえば、Rel−11 SIとして、LTEシステムが単独でネットワークを構築する際に、カバレッジ特性を制限する原因となる物理チャネルを調査する検討が行われた(3GPP TR36.824 V11.0.0)。また、AOTF(Acousto−Optic Tunable Filter:音響光学可変波長フィルタ)のRel−12 WIとして、ULVoIP等のカバレッジ拡張技術が検討された(3GPP RP−130833)。
これらの検討された内容は、主に以下のAlt.1、Alt.6.1、Alt.6.2およびAlt.6.3に分類される。Alt.1は、RTTを16[ms]から12[ms]に削減するという内容である。これにより、許容される遅延時間内で、より多数の再送パケットを合成でき、ゲインが増大する。Alt.6.1は、新規送信時と再送時でTTIバンドルサイズを変えるという内容である。これにより、新規送信時のTTIバンドルサイズを大きくすることで、ゲインが増大する。
Alt.6.2は、複数のHARQプロセスを使って1個のトランスポートブロック(transportblock)を送信するという内容である。これにより、許容される遅延時間内で、より多数の再送パケットを合成でき、ゲインが増大する。Alt.6.3は、制御信号に従ってTTIバンドルサイズを可変にするという内容である。これにより、より柔軟にゲインを調整することができる。
たとえば、従来、上位レイヤ(たとえばRLC層)の制御信号により、TTIバンドリングの有効/無効が切り替えられるため、設定の変更に時間がかかり、無線チャネル品質に追従した制御が困難であった。
このため、従来、たとえば、TTIバンドリングの有効時に無線チャネル品質が急激によくなった場合に、過剰なゲインのために時間周波数リソースを浪費してしまう場合があった。一方、TTIバンドリングの無効時に無線チャネル品質が急激に悪くなった場合に、十分なゲインを得られずに受信特性が劣化してしまう場合があった。また、RTTやHARQプロセス数についても同様に、無線チャネル品質に応じて柔軟な調整ができなかったため、通信を効率よく行うことができなかった。
これに対して、TTIバンドルサイズなどを可変にすることが考えられるが、そのためにはシグナリングを要する。たとえばPDCCHに新たなビットを定義することが考えられるが、シグナリング量が増大してしまう。また、新たなPDCCHフォーマットやスペシャルタイプを定義することになるため、使用に対する影響が大きい。また、たとえばRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)によってTTIバンドルサイズを変更することも考えられるが、変更に時間がかかる。
これに対して、上述した各実施の形態によれば、ULグラント(PDCCH)のアグリゲーションレベルをTTIバンドルサイズと対応付けることができる。ここで、上りリンクと下りリンクの各通信品質には相関がある。特に、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)においては、上りリンクと下りリンクの各通信品質の相関が高い。また、FDD(Frequency Division Duplex:周波数分割複信)においても上りリンクと下りリンクの各通信品質には相関がある。
したがって、アグリゲーションレベルをTTIバンドルサイズと対応付けることで、TTIバンドルサイズを直接的に通知しなくても、適切なTTIバンドルサイズの制御を行うことが可能になる。このため、TTIバンドルサイズを可変としつつ、シグナリング量の増加を抑えることができる。
以下に図面を参照して、本発明にかかる無線通信システム、端末、基地局および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる無線通信システム)
図1Aは、実施の形態1にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示した無線通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。図1A,図1Bに示すように、実施の形態1にかかる無線通信システム100は、基地局110と、端末120と、を含む。
端末120は、基地局110へ無線信号を送信する。また、端末120は、基地局110へ同一のデータを連続して送信することが可能である。同一のデータの連続した送信は、基地局110において同一のデータを復調可能な複数の無線信号の送信である。したがって、この複数の無線信号は、互いに同一のデータを復調可能な無線信号であれば、互いに異なる無線信号であってもよい。
基地局110は、送信部111と、特定部112と、受信部113と、を備える。送信部111は、下りの制御チャネルを送信する。また、送信部111は、送信した制御チャネルの無線リソースのうちの端末120に割り当てた無線リソースの数を特定部112へ通知する。
特定部112は、送信部111から通知された無線リソースの数に基づいて、端末120が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を特定する。たとえば、特定部112は、無線リソースの数と、同一のデータを連続して送信する回数と、の所定の対応関係を記憶する。
この対応関係は、一例としては、無線リソースの数が多いほど、同一のデータを連続して送信する回数が多くなる関係とすることができる。特定部112は、記憶する対応関係に基づいて、通知された無線リソースの数に対応する回数を特定する。そして、特定部112は、特定した回数を受信部113へ通知する。
受信部113は、特定部112から通知された回数に基づいて、端末120によって連続される同一のデータを受信する。
端末120は、受信部121と、調整部122と、送信部123と、を備える。受信部121は、基地局110から送信された制御チャネルを受信する。そして、受信部121は、受信した制御チャネルを調整部122へ出力する。
調整部122は、受信部121から出力された制御チャネルの無線リソースのうちの端末120(自端末)に割り当てられた無線リソースの数を判定する。そして、調整部122は、判定した無線リソースの数に基づいて、端末120が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する。
たとえば、調整部122は、基地局110が記憶する所定の対応関係と同一の対応関係を記憶する。そして、調整部122は、記憶する対応情報および判定した無線リソースの数に基づいて、端末120が基地局110へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する。また、調整部122は、調整した回数を送信部123へ通知する。
送信部123は、調整部122から通知された回数だけ、基地局110へ同一のデータを連続して送信する。
このように、実施の形態1によれば、上り通信で端末120が同一のデータを連続して送信する回数を、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けることができる。これにより、上り通信で端末120が同一のデータを連続して送信する回数を可変としつつ、該回数の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
<変形例1>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数に代えて、端末120が基地局110へデータを送信してから該データを再送するまでの時間を、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けてもよい。これにより、該時間を可変としつつ、基地局110から端末120への該時間の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
<変形例2>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数として、該回数の切り替えパターンを、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けてもよい。これにより、該切り替えパターンを可変としつつ、基地局110から端末120への該切り替えパターンの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
<変形例3>
また、端末120が同一のデータを連続して送信する回数に代えて、端末120が同一のデータを連続して送信する処理を同一のデータについて行うプロセスの数を、下りの制御チャネルにおいて端末120に割り当てられた無線リソースの数に対応付けてもよい。これにより、該プロセスの数を可変としつつ、基地局110から端末120への該プロセスの数の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態2)
(実施の形態2にかかる無線通信システム)
図2Aは、実施の形態2にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図2Aに示すように、実施の形態2にかかる無線通信システム200は、eNB210と、UE220と、を含むセルラ通信システムである。eNB210およびUE220は、たとえばLTE(Long Term Evolution)による無線通信が可能である。セル211は、eNB210との間で無線通信が可能な領域である。UE220は、セル211に位置しており、eNB210との間で無線通信が可能なUE(User Equipment:ユーザ端末)である。
図1A,図1Bに示した無線通信システム100は、たとえば図2Aに示す無線通信システム200により実現することができる。図1A,図1Bに示した基地局110は、たとえば図2Aに示すeNB210により実現することができる。図1A,図1Bに示した端末120は、たとえば図2Aに示すUE220により実現することができる。
(LTEの上りリンクにおけるTTIバンドリング)
図2Bは、LTEの上りリンクにおけるTTIバンドリングの一例を示す図である。図2Bにおいて、横軸は時間(サブフレーム)を示している。
ULグラント241(Up Link grant)は、eNB210からUE220へ送信されるスケジューリング情報であって、UE220の上り通信に対してeNB210が割り当てた無線リソースを示す情報である。
UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム230から4[ms]後のサブフレーム231〜234(4個のTTI)において、同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、たとえばPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共有チャネル)によって送信される(PUSCH coding)。
また、サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、受信側で同一のデータを復号可能なパケットであれば、互いに異なるパケットであってもよい。たとえば、サブフレーム231〜234において送信される4個のパケットは、HARQのRV(Redundancy Version:反復バージョン)のように、それぞれ特徴が異なる各パケットとしてもよい(RV=0,2,3,1)。この特徴は、一例としてはデータブロックの伝送開始位置とすることができる。
応答信号242は、サブフレーム234から4[ms]後のサブフレーム235においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム231〜234で送信されたパケットに対する応答信号である。図2Bに示す例では、応答信号242は、サブフレーム231〜234で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム231からRTT243が経過したサブフレーム236〜239において、サブフレーム231〜234と同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。RTT243は、UE220がデータを送信してから該データを再送するまでの時間である。RTT243は、図2Bに示す例では16[ms]のRTT(Round Trip Time:ラウンドトリップタイム)である。
(アグリゲーションレベル)
図3は、アグリゲーションレベルの一例を示す図である。図3に示すテーブル300は、たとえば3GPP(3rd Generation Partnership Project)のTS36.211のセクション6.8.1で規定されている内容である。テーブル300は、4種類(0〜3)のPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)フォーマット(PDCCH format)を示している。
PDCCHフォーマットのそれぞれは、CCEs数(Number of CCEs)と、リソースエレメントグループ数(Number of resource−element groups)と、PDCCHビット数(Number of PDCCH bits)と、を含む。
CCEs数は、PDCCH(ULグラント)の送信リソース割り当て数であって、アグリゲーションレベルと呼ばれる。CCE(Control Channel Element:制御チャネル要素)は、たとえば36シンボルのリソース単位である。
eNB210は、UE220の受信状態に応じてCCEs数(アグリゲーションレベル)を選択することで符号化率を制御する。UE220の受信状態は、一例としてはUE220がeNB210へ報告するCQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)である。たとえば、eNB210は、UE220の受信状態が悪いほど多くのCCEs数(高いアグリゲーションレベル)を選択する。図3に示す例では、アグリゲーションレベルは1、2、4、8の4通りである。
(アグリゲーションレベルを用いたTTIバンドルサイズの制御)
図4は、アグリゲーションレベルを用いたTTIバンドルサイズの制御の一例を示す図である。eNB210は、たとえばLTEのRel−8と同様に、リンクアダプテーション(Link adaptation)により、ULグラントのアグリゲーションレベルを決定して、PDCCH410(ULグラント)のUE220への送信401を行う。図4に示す例では、PDCCH410のアグリゲーションレベルは8である。すなわち、PDCCH410のCCEのうちの8つのCCEがUE220に割り当てられている。
UE220は、PDCCH410のブラインド検出を行う。すなわち、UE220は、PDCCH410のすべてのCCEに対して復号処理を行う。そして、UE220は、正しく復号できたCCEの数によってアグリゲーションレベルを判定することができる。
UE220は、eNB210との間のTTIバンドリングが有効である場合に、判定したアグリゲーションレベルに相当するサイズをTTIバンドルサイズ(TTIバンドル数)とするTTIバンドリングによるデータ群420の送信402を行う。
データ群420は、UE220がTTIバンドリングによって連続して送信する同一のデータ群である。データ群420の各数字はRVパラメータである。eNB210は、UE220から受信したデータ群420に対する応答信号(ACK/NACK)のUE220への送信403を行う。
たとえば後述のLTEのAlt.6.3においては、TTIバンドリングのTTIバンドルサイズを可変にすることが検討されている。このために、たとえば、アグリゲーションレベルにTTIバンドルサイズを対応付けることができる。これにより、TTIバンドルサイズの直接的な通知が不要になり、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態2にかかるeNB)
図5Aは、実施の形態2にかかるeNBの一例を示す図である。図5Bは、図5Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図5A,図5Bに示すように、実施の形態2にかかるeNB210は、受信アンテナ501と、受信機502と、L1受信部503と、データ判定部504と、を備える。また、eNB210は、L2処理部505と、AL/バンドルサイズ設定部506と、PDCCH生成部507と、L1送信部508と、送信機509と、送信アンテナ510と、を備える。
受信機502は、受信アンテナ501を介して、UE220から無線送信された信号を受信する。そして、受信機502は、受信した信号をL1受信部503へ出力する。L1受信部503は、受信機502から出力された信号のL1(物理層)の受信処理を行う。そして、L1受信部503は、L1の受信処理によって得られたデータを、データ判定部504およびL2処理部505へ出力する。
データ判定部504は、L1受信部503から出力されたデータの誤り検出を行う。そして、データ判定部504は、誤り検出の結果(たとえば誤りの有無)をL2処理部505およびPDCCH生成部507へ出力する。
L2処理部505は、L1受信部503から出力されたデータのL2(MAC層:Media Access Control layer)の受信処理を行う。また、L2処理部505は、データ判定部504から出力された誤り検出の結果に基づく再送制御を行ってもよい。たとえば、L2処理部505は、誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部508へ出力する。
また、L2処理部505は、UE220からeNB210への上り通信に対する無線リソースの割り当てを行い、割り当て結果を示すULグラント(UL grant)をPDCCH生成部507へ出力する。
また、L2処理部505は、UE220の受信状態を示す情報をAL/バンドルサイズ設定部506へ出力する。UE220の受信状態を示す情報は、たとえばL1受信部503から出力されたデータに含まれる、UE220からのCQIである。また、L2処理部505は、eNB210からUE220への下りデータをL1送信部508へ出力する。
AL/バンドルサイズ設定部506は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、UE220のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/バンドルサイズ設定部506は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/バンドルサイズ設定部506は、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズを設定する。そして、AL/バンドルサイズ設定部506は、設定したTTIバンドルサイズをPDCCH生成部507へ通知する。
たとえば、AL/バンドルサイズ設定部506は、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/バンドルサイズ設定部506は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズをPDCCH生成部507へ通知する。
PDCCH生成部507は、eNB210からUE220への下りの制御信号であるPDCCHを生成する。そして、PDCCH生成部507は、生成したPDCCHをL1送信部508へ出力する。また、PDCCH生成部507は、L2処理部505から出力されたULグラントをPDCCHに格納する。また、PDCCH生成部507は、PDCCHにおいてUE220に割り当てるCCEの数を、AL/バンドルサイズ設定部506から通知されたアグリゲーションレベルに応じて決定する。
また、PDCCH生成部507は、AL/バンドルサイズ設定部506から通知されたTTIバンドルサイズ分のデータの誤り検出の結果をデータ判定部504から取得する。そして、PDCCH生成部507は、取得した誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部508へ出力する。
L1送信部508は、L2処理部505およびPDCCH生成部507から出力された各データのL1の送信処理を行う。そして、L1送信部508は、L1の送信処理に応じた信号(送信信号)を送信機509へ出力する。送信機509は、送信アンテナ510を介して、L1送信部508から出力された信号をUE220へ無線送信する。
また、eNB210は、AL/バンドルサイズ設定部506から通知されたTTIバンドルサイズに基づいて、UE220から同一のデータが送信される回数を認識することでUE220からのデータを受信する。このTTIバンドルサイズに基づく受信処理は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
図1A,図1Bに示した送信部111は、たとえばPDCCH生成部507、L1送信部508、送信機509および送信アンテナ510により実現することができる。たとえば図1A,図1Bに示した特定部112は、たとえばAL/バンドルサイズ設定部506により実現することができる。図1A,図1Bに示した受信部113は、受信アンテナ501、受信機502およびL1受信部503により実現することができる。
図5Cは、eNBのハードウェア構成の一例を示す図である。図5A,図5Bに示したeNB210は、たとえば図5Cに示す通信装置530により実現することができる。通信装置530は、CPU531と、メモリ532と、無線通信インタフェース533と、有線通信インタフェース534と、を備える。CPU531、メモリ532、無線通信インタフェース533および有線通信インタフェース534は、バス539によって接続される。
CPU531(Central Processing Unit)は、通信装置530の全体の制御を司る。メモリ532には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU531のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置530を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU531によって実行される。
無線通信インタフェース533は、無線によって通信装置530の外部(たとえばUE220)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース533は、CPU531によって制御される。
有線通信インタフェース534は、有線によって通信装置530の外部(たとえば上位装置)との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース534は、CPU531によって制御される。
図5A,図5Bに示した受信アンテナ501、受信機502、送信機509および送信アンテナ510は、たとえば無線通信インタフェース533により実現することができる。図5A,図5Bに示したL1受信部503、データ判定部504、L2処理部505、AL/バンドルサイズ設定部506、PDCCH生成部507およびL1送信部508は、たとえばCPU531およびメモリ532により実現することができる。
(実施の形態2にかかるUE)
図6Aは、実施の形態2にかかるUEの一例を示す図である。図6Bは、図6Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図6A,図6Bに示すように、実施の形態2にかかるUE220は、受信アンテナ601と、受信機602と、L1受信部603と、ACK判定部604と、PDCCH検出部605と、PDCCH判定部606と、バンドルサイズ設定部607と、を備える。また、UE220は、L2処理部608と、PUSCH設定部609と、L1送信部610と、送信機611と、送信アンテナ612と、を備える。
受信機602は、受信アンテナ601を介して、eNB210から無線送信された信号を受信する。そして、受信機602は、受信した信号をL1受信部603へ出力する。L1受信部603は、受信機602から出力された信号のL1(物理層)の受信処理を行う。そして、L1受信部603は、L1の受信処理によって得られたデータを、ACK判定部604、PDCCH検出部605およびL2処理部608へ出力する。
ACK判定部604は、L1受信部603から出力されたデータのACK判定を行う。そして、ACK判定部604は、ACK判定の結果をL2処理部608へ出力する。
PDCCH検出部605は、L1受信部603から出力されたデータに含まれるPDCCHを検出する。たとえば、PDCCH検出部605は、L1受信部603から出力されたデータに含まれるPDCCHのすべてのCCEに対して復号処理を行うブラインド検出を行う。そして、PDCCH検出部605は、ブラインド検出によって正しく復号できたPDCCHをPDCCH判定部606へ出力する。
PDCCH判定部606は、PDCCH検出部605から出力されたPDCCHの数に基づくアグリゲーションレベルをバンドルサイズ設定部607へ通知する。また、PDCCH判定部606は、PDCCH検出部605から出力されたPDCCHに格納されたULグラントをPUSCH設定部609へ出力する。
バンドルサイズ設定部607は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズをPUSCH設定部609へ通知する。たとえば、バンドルサイズ設定部607は、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。バンドルサイズ設定部607は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドルサイズをL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
L2処理部608は、L1受信部603から出力されたデータのL2の受信処理を行う。また、L2処理部608は、ACK判定部604から出力されたACK判定の結果に基づく再送制御を行ってもよい。たとえば、L2処理部608は、誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部610へ出力する。
また、L2処理部608は、UE220の受信状態を示す情報をL1送信部610へ出力する。UE220の受信状態を示す情報は、たとえばL1受信部603から出力されたデータやACK判定部604から出力されたACK判定の結果に基づくCQIである。また、L2処理部608は、UE220からeNB210への上りデータをPUSCH設定部609へ出力する。
PUSCH設定部609は、L2処理部608から出力される上りデータを含むPUSCHを設定する。そして、PUSCH設定部609は、設定したPUSCHをL1送信部610へ出力する。また、PUSCH設定部609は、PDCCH判定部606から出力されたULグラントが示す無線リソースにPUSCHを割り当てる。また、PUSCH設定部609は、バンドルサイズ設定部607から通知されたTTIバンドルサイズの回数だけ同一の上りデータを連続して送信するようにPUSCHを設定する。
L1送信部610は、L2処理部608およびPUSCH設定部609から出力された各データのL1の送信処理を行う。そして、L1送信部610は、L1の送信処理に応じた信号(送信信号)を送信機611へ出力する。送信機611は、送信アンテナ612を介して、L1送信部610から出力された信号をeNB210へ無線送信する。
図1A,図1Bに示した受信部121は、たとえば受信アンテナ601、受信機602およびL1受信部603により実現することができる。図1A,図1Bに示した調整部122は、たとえばPDCCH検出部605、PDCCH判定部606およびバンドルサイズ設定部607により実現することができる。図1A,図1Bに示した送信部123は、たとえばPUSCH設定部609、L1送信部610、送信機611および送信アンテナ612により実現することができる。
図6Cは、UEのハードウェア構成の一例を示す図である。図6A,図6Bに示したUE220は、たとえば図6Cに示す通信装置630により実現することができる。通信装置630は、CPU631と、メモリ632と、ユーザインタフェース633と、無線通信インタフェース634と、を備える。CPU631、メモリ632、ユーザインタフェース633および無線通信インタフェース634は、バス639によって接続される。
CPU631は、通信装置630の全体の制御を司る。メモリ632には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAMである。メインメモリは、CPU631のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置630を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU631によって実行される。
ユーザインタフェース633は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース633は、CPU631によって制御される。
無線通信インタフェース634は、無線によって通信装置630の外部(たとえばeNB210)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース634は、CPU631によって制御される。
図6A,図6Bに示した受信アンテナ601、受信機602、送信機611および送信アンテナ612は、たとえば無線通信インタフェース634により実現することができる。図6A,図6Bに示したL1受信部603、ACK判定部604、PDCCH検出部605、PDCCH判定部606、バンドルサイズ設定部607およびL2処理部608は、たとえばCPU631およびメモリ632により実現することができる。また、図6A,図6Bに示したPUSCH設定部609およびL1送信部610は、たとえばCPU631およびメモリ632により実現することができる。
(実施の形態2にかかるeNBによる処理)
図7は、実施の形態2にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるeNB210は、たとえば図7に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS701)。ステップS701による設定は、たとえばUE220との間のRLC(Radio Link Control)層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する(ステップS702)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。つぎに、eNB210は、ステップS702によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS703)。
つぎに、eNB210は、UE220からTTIバンドリングによって送信されるデータCHを受信する(ステップS704)。ステップS704において、eNB210は、たとえば、ステップS703によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、ステップS704によるデータCHの受信を開始してからTTIバンドルサイズ分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS705)。TTIバンドルサイズは、ステップS702によって設定したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズである。TTIバンドルサイズ分の時間が経過していない場合(ステップS705:No)は、eNB210は、ステップS704へ戻る。
ステップS705において、TTIバンドルサイズ分の時間が経過した場合(ステップS705:Yes)は、eNB210は、UE220に対する応答信号をUE220へ送信し(ステップS706)、一連の処理を終了する。ステップS706において送信される応答信号は、ステップS704によって受信したデータCHの誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)である。
(実施の形態2にかかるUEによる処理)
図8は、実施の形態2にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるUE220は、たとえば図8に示す各ステップを実行する。まず、UE220は、eNB210との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS801)。ステップS801による設定は、たとえばeNB210との間のRLC層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、UE220は、eNB210から送信されるPDCCHのブラインド検出を行い、自局向けのPDCCHを1つ以上検出したか否かを判断する(ステップS802)。自局向けのPDCCHを検出していない場合(ステップS802:No)は、UE220は、一連の処理を終了する。
ステップS802において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS802:Yes)は、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたTTIバンドルサイズを設定する(ステップS803)。
つぎに、UE220は、ステップS803によって設定したTTIバンドルサイズにより、eNB210へのデータCHを送信する(ステップS804)。ステップS804において、UE220は、たとえば、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。つぎに、UE220は、ステップS804によって送信したデータCHに対する応答信号を受信し(ステップS805)、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズ)
アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズは、一例としては、アグリゲーションレベルと同じ値のTTIバンドルサイズとすることができる。たとえば、アグリゲーションレベルが2である場合は、eNB210およびUE220は、TTIバンドルサイズとして2TTIを用いる。
または、アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズは、アグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値のTTIバンドルサイズとすることができる。すなわち、TTIバンドルサイズ=Nx×アグリゲーションレベルとすることができる。一例として、所定値Nx=2とし、アグリゲーションレベルが4である場合は、TTIバンドルサイズを2×4=8とすることができる。
所定値Nxは、たとえばeNB210およびUE220があらかじめ記憶しておくことができる。または、所定値Nxは、たとえばeNB210とUE220との間の上位レイヤ(たとえばRLC層)の通信によって共有することができる。
また、所定値Nxは、eNB210とUE220との間の無線通信環境に応じて動的に変更してもよい。たとえば、eNB210は、UE220からeNB210への上り通信の通信品質を示す値と、eNB210からUE220への下り通信の通信品質を示す値と、の相違(たとえば比または差)を所定値Nxとすることができる。
上り通信の通信品質を示す値には、たとえばUE220からの無線信号に基づいてeNB210が測定したCQIを用いることができる。下り通信の通信品質を示す値には、たとえばeNB210からの無線信号に基づいてUE220が測定したCQIであって、UE220がeNB210へ送信するCQIを用いることができる。
TTIバンドルサイズをアグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値とする場合について説明したが、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの関係はこれに限らない。たとえば、TTIバンドルサイズをアグリゲーションレベルに対して所定値Nxを加算、減算、除算等の各種の演算を行った値としてもよい。
また、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す対応テーブルをeNB210およびUE220が記憶しておいてもよい。この場合は、eNB210およびUE220は、アグリゲーションレベルおよび対応テーブルに基づいてTTIバンドルサイズを選択する。また、アグリゲーションレベルに加えて送信パワーに関連する係数等も考慮してTTIバンドルサイズを選択してもよい。
このように、eNB210およびUE220は、アグリゲーションレベルとTTIバンドルサイズとの同一の対応関係(たとえばNxや対応テーブル)を記憶する。これにより、eNB210からUE220へTTIバンドルサイズを直接的に通知しなくても、eNB210が設定するアグリゲーションレベルに応じてTTIバンドルサイズを制御することができる。
(PDCCHの順序入れ替えに基づくTTIバンドルサイズの通知)
図9Aは、PDCCHおよびCRCの順序入れ替えの一例を示す図である。図9Aに示すPDCCH900は、eNB210がUE220へ送信するPDCCHである。PDCCH本体910は、PDCCH900の本体部分である。CRC920は、PDCCH本体910に付加された冗長部分である。すなわち、CRC920は、PDCCH本体910に基づいて算出されたCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)である。
順序入れ替え状態901は、順序入れ替えなしのPDCCH900の状態である。順序入れ替えは、データ列の並びを逆順にする処理である。順序入れ替え状態902は、PDCCH本体910の順序入れ替えを行ったPDCCH900の状態である。順序入れ替え状態903は、CRC920の順序入れ替えを行ったPDCCH900の状態である。
eNB210は、順序入れ替え状態901〜903のいずれかを選択してPDCCH900をUE220へ送信する。また、eNB210は、順序入れ替え状態901〜903とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知する。
これに対して、UE220は、ブラインド検出において、順序入れ替え状態901〜903のそれぞれに対応するCRC処理を行い、順序入れ替え状態901〜903のうちの誤りなしとなる順序入れ替え状態を特定する。そして、UE220は、特定した順序入れ替え状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせに応じたTTIバンドルサイズを用いてeNB210へデータCHを送信する。
この場合は、eNB210およびUE220は、たとえば、順序入れ替え状態901〜903およびアグリゲーションレベルの組み合わせとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す対応情報を共有しておく。
これにより、順序入れ替え状態901〜903とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知することが可能になり、より柔軟にTTIバンドルサイズを制御することが可能になる。たとえば、アグリゲーションレベルが4通りであり、順序入れ替え状態が3通り(順序入れ替え状態901〜903)である場合は、4×3=12通りのTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
さらに、たとえば、PDCCH本体910およびCRC920の両方の順序入れ替えを行う状態を用いてもよい。これにより、順序入れ替え状態が4通りとなり、さらに柔軟なTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
(PDCCHのビット反転に基づくTTIバンドルサイズの通知)
図9Bは、PDCCHのビット反転の一例を示す図である。図9Bにおいて、図9Aに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
ビット反転状態904は、ビット反転なしのPDCCH900の状態である。ビット反転状態905は、PDCCH本体910のビット反転を行ったPDCCH900の状態である。ビット反転状態906は、CRC920のビット反転を行ったPDCCH900の状態である。
eNB210は、ビット反転状態904〜906のいずれかを選択してPDCCH900をUE220へ送信してもよい。また、eNB210は、ビット反転状態904〜906とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知する。
これに対して、UE220は、ブラインド検出において、ビット反転状態904〜906のそれぞれに対応するCRC処理を行い、ビット反転状態904〜906のうちの誤りなしとなるビット反転状態を特定する。そして、UE220は、特定したビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせに応じたTTIバンドルサイズを用いてeNB210へデータCHを送信する。
この場合は、eNB210およびUE220は、たとえば、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す情報を共有しておく。
これにより、ビット反転状態904〜906とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知することが可能になり、より柔軟にTTIバンドルサイズを制御することが可能になる。たとえば、アグリゲーションレベルが4通りであり、ビット反転状態が3通り(ビット反転状態904〜906)である場合は、4×3=12通りのTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
さらに、たとえば、PDCCH本体910およびCRC920の両方のビット反転を行う状態を用いてもよい。これにより、ビット反転状態が4通りとなり、さらに柔軟なTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
(PDCCHの順序入れ替えおよびビット反転に基づくTTIバンドルサイズの通知)
また、eNB210は、順序入れ替え状態901〜903およびビット反転状態904〜906の組み合わせのいずれかを選択してPDCCH900をUE220へ送信してもよい。また、eNB210は、順序入れ替え状態901〜903、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知する。
これに対して、UE220は、ブラインド検出において、順序入れ替え状態901〜903およびビット反転状態904〜906の組み合わせのそれぞれに対応するCRC処理を行い、誤りなしとなる順序入れ替え状態およびビット反転状態を特定する。そして、UE220は、特定した順序入れ替え状態、ビット反転状態組およびアグリゲーションレベルの組み合わせに応じたTTIバンドルサイズを用いてeNB210へデータCHを送信する。
この場合は、eNB210およびUE220は、たとえば、順序入れ替え状態901〜903、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせとTTIバンドルサイズとの対応関係を示す対応情報を共有しておく。
これにより、順序入れ替え状態901〜903、ビット反転状態904〜906およびアグリゲーションレベルの組み合わせによりTTIバンドルサイズをUE220へ通知することが可能になり、より柔軟にTTIバンドルサイズを制御することが可能になる。たとえば、アグリゲーションレベルが4通りであり、順序入れ替え状態およびビット反転状態がそれぞれ3通りである場合は、4×3×3=36通りのTTIバンドルサイズの制御が可能になる。
図10は、UEのeNBへの初期アクセスの一例を示すシーケンス図である。図10においては、UE220がeNB210へ初期アクセスする場合について説明する。UE220のeNB210への初期アクセスにはRACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル)が用いられる。
まず、UE220が、message1として、ランダムアクセス信号(RACH preamble)をeNB210へ無線送信する(ステップS1001)。以降、eNB210およびUE220は、LTEにおいて規定された下りリンクの物理チャネルおよび上りリンクの物理チャネルなどの無線リソースを使用して接続を行う。
たとえば、eNB210が、message2として、RACH responseを無線送信する(ステップS1002)。これに対して、UE220が、RACH message3をeNB210へ無線送信する(ステップS1003)。RACH message3にはたとえばPUSCHが用いられる。
これに対して、eNB210が、RACH message4をUE220へ無線送信する(ステップS1004)。これらの各ステップにより、eNB210は、ステップS1001によって受信したランダムアクセス信号とUE220とを結びつけ、UE220との間の無線通信を開始する。
実施の形態2にかかるTTIバンドルサイズの制御は、ステップS1003のRACH message3のTTIバンドリング数の制御に適用することも可能である。
このように、実施の形態2によれば、上り通信のTTIバンドルサイズを、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、TTIバンドルサイズを可変としつつ、TTIバンドルサイズの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態3においては、TTIバンドルサイズに代えてRTTを可変とする。
(RTTの変更)
図11は、RTTの変更の一例を示す図である。図11において、図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11に示す例においては、RTT243が12[ms]であり、図2Bに示した例(16[ms])より短くなっている。
たとえば後述のLTEのAlt.1においては、RTTを現在の16[ms]から12[ms]に短縮することが検討されている。これに対して、実施の形態3にかかる無線通信システム200においては、RTTを可変とする。このために、たとえば、アグリゲーションレベルにRTTを対応付けることができる。これにより、TTIバンドルサイズの直接的な通知が不要になり、シグナリング量の増加を抑えることができる。
UE220は、ブラインド検出により判定したアグリゲーションレベルに応じたRTTによってデータ再送を行う。一例としては、アグリゲーションレベル(AL)=1に応じたRTTは8TTI、アグリゲーションレベル(AL)=2に応じたRTTは12TTIなどとすることができる。
(実施の形態3にかかるeNB)
図12Aは、実施の形態3にかかるeNBの一例を示す図である。図12Bは、図12Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図12A,図12Bにおいて、図5A,図5Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図12A,図12Bに示すように、実施の形態3にかかるeNB210は、図5A,図5Bに示したAL/バンドルサイズ設定部506に代えてAL/RTT設定部1201を備える。AL/RTT設定部1201は、たとえば図5Cに示したCPU531により実現することができる。
AL/RTT設定部1201は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、AL/RTT設定部1201のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/RTT設定部1201は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/RTT設定部1201は、設定したアグリゲーションレベルに対応するUE220のRTTを設定する。たとえば、AL/RTT設定部1201は、アグリゲーションレベルとRTTとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/RTT設定部1201は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するUE220のRTTを設定する。
eNB210は、AL/RTT設定部1201によって設定されたRTTに基づいて、UE220からの再送データを受信する。このRTTに基づく再送データの受信は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
(実施の形態3にかかるUE)
図13Aは、実施の形態3にかかるUEの一例を示す図である。図13Bは、図13Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図13A,図13Bにおいて、図6A,図6Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図13A,図13Bに示すように、実施の形態3にかかるUE220は、図6A,図6Bに示したバンドルサイズ設定部607に代えてRTT設定部1301を備える。RTT設定部1301は、たとえば図6Cに示したCPU631により実現することができる。
RTT設定部1301は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するRTTをPUSCH設定部609へ通知する。たとえば、RTT設定部1301は、アグリゲーションレベルとRTTとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。RTT設定部1301は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するRTTをL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
PUSCH設定部609は、UE220からeNB210への再送データについて、RTT設定部1301から通知されたRTTに対応する時間リソース(サブフレーム)に割り当てるようにPUSCHを設定する。
(実施の形態3にかかるeNBによる処理)
図14は、実施の形態3にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるeNB210は、たとえば図14に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS1401)。ステップS1401による設定は、たとえばUE220との間のRLC層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルと、UE220のRTTを設定する(ステップS1402)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。また、eNB210は、設定したアグリゲーションに応じたRTTを設定する。つぎに、eNB210は、ステップS1402によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS1403)。
つぎに、eNB210は、UE220からTTIバンドリングによって送信されるデータCHを受信する(ステップS1404)。たとえば、eNB210は、ステップS1403によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、ステップS1404によるデータCHの受信を開始してからTTIバンドルサイズ分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1405)。TTIバンドルサイズは、たとえば固定のTTI(たとえば4TTI)である。TTIバンドルサイズ分の時間が経過していない場合(ステップS1405:No)は、eNB210は、ステップS1404へ戻る。
ステップS1405において、TTIバンドルサイズ分の時間が経過した場合(ステップS1405:Yes)は、eNB210は、ステップS1404によって受信したデータCHに対してACKを送信するか否かを判断する(ステップS1406)。ステップS1406の判断は、たとえばステップS1404によって受信したTTIバンドルサイズ分のデータCHによってデータが正しく復号できたか否かによって行うことができる。
ステップS1406において、ACKではなくNACKを送信する場合(ステップS1406:No)は、eNB210は、ステップS1402によって設定したRTTに基づく再送設定を行い(ステップS1407)、ステップS1404へ戻る。ACKを送信する場合(ステップS1406:Yes)は、eNB210は、一連の処理を終了する。
(実施の形態3にかかるUEによる処理)
図15は、実施の形態3にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるUE220は、たとえば図15に示す各ステップを実行する。図15に示すステップS1501,S1502は、図8に示したステップS801,S802と同様である。
ステップS1502において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS1502:Yes)は、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたRTTを設定する(ステップS1503)。
つぎに、UE220は、所定のTTIバンドルサイズにより、eNB210へのデータCHを送信する(ステップS1504)。たとえば、UE220は、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。所定のTTIバンドルサイズは、たとえば固定のTTIバンドルサイズ(たとえば4TTI)である。
つぎに、UE220は、ステップS1504によって送信したデータCHに対する応答信号を受信する(ステップS1505)。つぎに、UE220は、ステップS1505によって受信した応答信号がACKか否かを判断する(ステップS1506)。応答信号がACKでない場合(ステップS1506:No)は、UE220は、ステップS1503によって設定したRTTに基づく再送設定を行い(ステップS1507)、ステップS1504へ戻ることで再送を行う。応答信号がACKである場合(ステップS1506:Yes)は、UE220は、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたRTT)
アグリゲーションレベルに応じたRTTは、実施の形態2において説明したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズと同様に決定することができる。たとえば、アグリゲーションレベルに応じたRTTは、アグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値のRTTとすることができる。すなわち、RTT=Nx×アグリゲーションレベルとすることができる。
(PDCCHの順序入れ替え等に基づくRTTの通知)
また、eNB210は、図9A,図9Bに示したPDCCHの順序入れ替え状態やビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりRTTをUE220へ通知してもよい。
このように、実施の形態3によれば、上り通信のRTTを、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、RTTを可変としつつ、RTTの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
また、実施の形態3において、TTIバンドリングは行わない構成としてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態4においては、TTIバンドルサイズを可変とするために、TTIバンドリングパターンを可変とする。TTIバンドリングパターンは、たとえばUE220からのデータの新規送信、1回目の再送、2回目の再送…の各TTIバンドルサイズを示す、TTIバンドルサイズの切り替えパターンである。
(TTIバンドリングパターンの変更)
図16は、TTIバンドリングパターンの変更の一例を示す図である。図16において、図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図16に示す例においては、UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム1601から4[ms]後のサブフレーム1602〜1609(8個のTTI)において、同一のデータを示すパケットを連続して8回送信するTTIバンドリングを行う。
応答信号242は、サブフレーム1609から4[ms]後のサブフレーム1610においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム1602〜1609で送信されたパケットに対する応答信号である。図16に示す例では、応答信号242は、サブフレーム1602〜1609で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム1611〜1614において、サブフレーム1602〜1609と同一のデータを示すパケットを連続して4回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム1611〜1614は、サブフレーム1610からRTT243が経過したサブフレームである。
このように、実施の形態4においては、UE220からのデータの新規送信、1回目の再送、2回目の再送…の各TTIバンドルサイズを示すTTIバンドリングパターンを可変とする。UE220は、ブラインド検出により判定したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンによってTTIバンドリングを行う。一例としては、アグリゲーションレベル(AL)=1に応じたTTIバンドリングパターンはパターン1、アグリゲーションレベル(AL)=2に応じたTTIバンドリングパターンはパターン2などとすることができる。
また、TTIバンドリングパターンは、一例としては[4,4,4,4,…]、[8,4,4,4,…]、[8,8,4,4,…]などとすることができる。たとえば[8,4,4,4,…]は、新規送信はTTIバンドルサイズ=8、1回目、2回目、3回目…の再送はTTIバンドルサイズ=4であることを示す。
たとえば後述のLTEのAlt.6.1においては、新規送信と再送で異なるTTIバンドルサイズを用いることが検討されている。実施の形態4に示したTTIバンドリングパターンの変更は、新規送信と再送で異なるTTIバンドルサイズを用いる場合の新規送信や再送のTTIバンドルサイズの変更に適用することもできる。
(実施の形態4にかかるeNB)
図17Aは、実施の形態4にかかるeNBの一例を示す図である。図17Bは、図17Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図17A,図17Bにおいて、図5A,図5Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図17A,図17Bに示すように、実施の形態4にかかるeNB210は、図5A,図5Bに示したAL/バンドルサイズ設定部506に代えてAL/パターン設定部1701を備える。AL/パターン設定部1701は、たとえば図5Cに示したCPU531により実現することができる。
AL/パターン設定部1701は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、UE220のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/パターン設定部1701は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/パターン設定部1701は、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンを設定する。そして、AL/パターン設定部1701は、設定したTTIバンドリングパターンをPDCCH生成部507へ通知する。
たとえば、AL/パターン設定部1701は、アグリゲーションレベルとTTIバンドリングパターンとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/パターン設定部1701は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンを設定する。
PDCCH生成部507は、AL/パターン設定部1701から通知されたTTIバンドリングパターンに基づくTTIバンドルサイズ分のデータの誤り検出の結果をデータ判定部504から取得する。
また、eNB210は、AL/パターン設定部1701によって設定されたTTIバンドリングパターンに基づいて、UE220からの再送データを受信する。このTTIバンドリングパターンに基づく再送データの受信は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
(実施の形態4にかかるUE)
図18Aは、実施の形態4にかかるUEの一例を示す図である。図18Bは、図18Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図18A,図18Bにおいて図6A,図6Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図18A,図18Bに示すように、実施の形態4にかかるUE220は、図6A,図6Bに示したバンドルサイズ設定部607に代えてパターン設定部1801を備える。パターン設定部1801は、たとえば図6Cに示したCPU631により実現することができる。パターン設定部1801は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンをPUSCH設定部609へ通知する。
たとえば、パターン設定部1801は、アグリゲーションレベルとTTIバンドリングパターンとの所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。パターン設定部1801は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するTTIバンドリングパターンをL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
PUSCH設定部609は、パターン設定部1801から通知されたTTIバンドリングパターンに基づくTTIバンドルサイズの回数だけ同一の上りデータを連続して送信するようにPUSCHを設定する。
(実施の形態4にかかるeNBによる処理)
図19は、実施の形態4にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかるeNB210は、たとえば図19に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、UE220との間のTTIバンドリングを設定(有効化)する(ステップS1901)。ステップS1901による設定は、たとえばUE220との間のRLC層の通信に基づいて行うことができる。
つぎに、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルと、UE220のTTIバンドリングパターンを設定する(ステップS1902)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。また、eNB210は、設定したアグリゲーションに応じたTTIバンドリングパターンを設定する。つぎに、eNB210は、ステップS1902によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS1903)。
つぎに、eNB210は、UE220からTTIバンドリングによって送信されるデータCHを受信する(ステップS1904)。ステップS1904において、eNB210は、たとえば、ステップS1903によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、ステップS1904によるデータCHの受信を開始してからTTIバンドルサイズ分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1905)。TTIバンドルサイズは、たとえばステップS1902によって設定したTTIバンドリングパターンに応じたTTIバンドルサイズである。TTIバンドルサイズ分の時間が経過していない場合(ステップS1905:No)は、eNB210は、ステップS1904へ戻る。
ステップS1905において、TTIバンドルサイズ分の時間が経過した場合(ステップS1905:Yes)は、eNB210は、ステップS1904によって受信したデータCHに対してACKを送信するか否かを判断する(ステップS1906)。ステップS1906の判断は、たとえばステップS1904によって受信したTTIバンドルサイズ分のデータCHによってデータが正しく復号できたか否かによって行うことができる。
ステップS1906において、ACKではなくNACKを送信する場合(ステップS1906:No)は、eNB210は、ステップS1907へ移行する。すなわち、eNB210は、ステップS1902によって設定したTTIバンドリングパターンに基づく再送設定を行い(ステップS1907)、ステップS1904へ戻る。ACKを送信する場合(ステップS1906:Yes)は、eNB210は、一連の処理を終了する。
(実施の形態4にかかるUEによる処理)
図20は、実施の形態4にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかるUE220は、たとえば図20に示す各ステップを実行する。図20に示すステップS2001,S2002は、図8に示したステップS801,S802と同様である。
ステップS2002において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS2002:Yes)は、UE220は、ステップS2003へ移行する。すなわち、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたTTIバンドリングパターンによるTTIバンドルサイズを設定する(ステップS2003)。
つぎに、UE220は、ステップS2003によって設定したTTIバンドルサイズにより、eNB210へのデータCHを送信する(ステップS2004)。ステップS2004において、UE220は、たとえば、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。
つぎに、UE220は、ステップS2004によって送信したデータCHに対する応答信号を受信する(ステップS2005)。つぎに、UE220は、ステップS2005によって受信した応答信号がACKか否かを判断する(ステップS2006)。応答信号がACKでない場合(ステップS2006:No)は、UE220は、アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンに基づく再送設定を行い(ステップS2007)、ステップS2003へ戻る。応答信号がACKである場合(ステップS2006:Yes)は、UE220は、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターン)
アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンは、実施の形態2において説明したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズと同様に決定することができる。たとえば、アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターンは、アグリゲーションレベルと同じ値のTTIバンドリングパターンとすることができる。
(PDCCHの順序入れ替え等に基づくTTIバンドリングパターンの通知)
また、eNB210は、図9A,図9Bに示したPDCCHの順序入れ替え状態やビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりTTIバンドリングパターンをUE220へ通知してもよい。
このように、実施の形態4によれば、上り通信のTTIバンドリングパターンを、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、TTIバンドリングパターンを可変としつつ、TTIバンドリングパターンの直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態5においては、TTIバンドルサイズに代えてHARQプロセス数を可変とする。
(HARQプロセス数の変更)
図21は、HARQプロセス数の変更の一例を示す図である。図21において、図2Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図21に示す例では、UE220は、ULグラント241を受信したサブフレーム2101から4[ms]後のサブフレーム2102において上りのデータを送信するHARQプロセス#0(新規送信)を行う。また、UE220は、サブフレーム2102のつぎのサブフレーム2103において、サブフレーム2102のHARQプロセス#0と同一のデータを送信するHARQプロセス#1(新規送信)を行う。
応答信号242は、サブフレーム2102,2103から4[ms]後のサブフレーム2104,2105においてeNB210からUE220へ送信される、サブフレーム2102,2103で送信されたパケットに対する応答信号である。図21に示す例では、応答信号242は、サブフレーム2102,2103で送信されたパケットが示すデータを正常に受信(復号)できなかったことを示すNACK(否定信号)である。
UE220は、応答信号242(NACK)を受信したため、サブフレーム2106,2107において、サブフレーム2102,2103と同一のデータを示すパケットを連続して2回送信するTTIバンドリングを行う。サブフレーム2106,2107は、サブフレーム2104,2105からRTT(図21に示す例では4[ms])が経過したサブフレームである。
実施の形態5においては、UE220のHARQプロセス数(図21に示す例では2)を可変とする。UE220は、ブラインド検出により判定したアグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数によって上りデータを送信する。一例としては、アグリゲーションレベル(AL)=1に応じたHARQプロセス数は1、アグリゲーションレベル(AL)=2に応じたHARQプロセス数は2などとすることができる。
たとえば後述のLTEのAlt.6.2においては、同一信号を複数のHARQプロセスで送信することが検討されている。これに対して、実施の形態5にかかる無線通信システム200においては、HARQプロセス数を可変とする。HARQプロセス数は、eNB210へ同一のデータを送信するUE220のHARQプロセスの数である。
このために、たとえば、アグリゲーションレベルにHARQプロセス数を対応付けることができる。これにより、HARQプロセス数の直接的な通知が不要になり、シグナリング量の増加を抑えることができる。
(実施の形態5にかかるeNB)
図22Aは、実施の形態5にかかるeNBの一例を示す図である。図22Bは、図22Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。図22A,図22Bにおいて、図5A,図5Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図22A,図22Bに示すように、実施の形態5にかかるeNB210は、図5A,図5Bに示したAL/バンドルサイズ設定部506に代えてAL/プロセス数設定部2201を備える。AL/プロセス数設定部2201は、たとえば図5Cに示したCPU531により実現することができる。
AL/プロセス数設定部2201は、L2処理部505から出力されたUE220の受信状態を示す情報に基づいて、UE220のアグリゲーションレベルを設定する。そして、AL/プロセス数設定部2201は、設定したアグリゲーションレベルをPDCCH生成部507へ通知する。
また、AL/プロセス数設定部2201は、設定したアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数を設定する。そして、AL/プロセス数設定部2201は、設定したHARQプロセス数をPDCCH生成部507へ通知する。
たとえば、AL/プロセス数設定部2201は、アグリゲーションレベルとHARQプロセス数との所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、UE220が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。AL/プロセス数設定部2201は、記憶した対応情報に基づいて、設定したアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数を設定する。
PDCCH生成部507は、AL/プロセス数設定部2201から通知されたHARQプロセス数分のデータの誤り検出の結果をデータ判定部504から取得する。そして、PDCCH生成部507は、取得した誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)をL1送信部508へ出力する。
また、eNB210は、AL/プロセス数設定部2201によって設定されたHARQプロセス数に基づいて、UE220からの各HARQプロセスによるデータを受信する。このHARQプロセス数に基づくデータの受信は、L1受信部503およびPDCCH生成部507(L1)により行ってもよいし、L2処理部505により行ってもよい。
(実施の形態5にかかるUE)
図23Aは、実施の形態5にかかるUEの一例を示す図である。図23Bは、図23Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。図23A,図23Bにおいて、図6A,図6Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図23A,図23Bに示すように、実施の形態5にかかるUE220は、図6A,図6Bに示したバンドルサイズ設定部607に代えてプロセス数設定部2301を備える。プロセス数設定部2301は、たとえば図6Cに示したCPU631により実現することができる。
プロセス数設定部2301は、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数をPUSCH設定部609へ通知する。たとえば、プロセス数設定部2301は、アグリゲーションレベルとHARQプロセス数との所定の対応関係を示す対応情報を記憶する。この対応情報は、eNB210が記憶する対応情報と同一の対応関係を示す情報である。プロセス数設定部2301は、記憶した対応情報に基づいて、PDCCH判定部606から通知されたアグリゲーションレベルに対応するHARQプロセス数をL2処理部608およびPUSCH設定部609へ通知する。
PUSCH設定部609は、プロセス数設定部2301から通知されたHARQプロセス数に基づいて、各HARQプロセスによる送信データを割り当てるようにPUSCHを設定する。
(実施の形態5にかかるeNBによる処理)
図24は、実施の形態5にかかるeNBによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態5にかかるeNB210は、たとえば図24に示す各ステップを実行する。まず、eNB210は、eNB210からUE220へのPDCCHのアグリゲーションレベルと、HARQプロセス数と、を設定する(ステップS2401)。たとえば、eNB210は、UE220から報告されたCQIに基づいてPDCCHのアグリゲーションレベルを設定する。また、eNB210は、設定したアグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数を設定する。
つぎに、eNB210は、ステップS2401によって設定したアグリゲーションレベルによってUE220へのPDCCHを送信する(ステップS2402)。つぎに、eNB210は、UE220からHARQプロセスによって送信されるデータCHを受信する(ステップS2403)。ステップS2403において、eNB210は、たとえば、ステップS2402によって送信したPDCCHに格納したULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを受信する。UE220からのデータCHは、たとえばPUSCHである。
つぎに、eNB210は、UE220に対する応答信号を送信する(ステップS2404)。ステップS2404において送信される応答信号は、ステップS2403によって受信したデータCHの誤り検出の結果に応じた応答信号(ACK/NACK)である。
つぎに、eNB210は、ステップS2403によるデータCHの受信を開始してから、ステップS2401によって設定したHARQプロセス数分の時間が経過したか否かを判断する(ステップS2405)。HARQプロセス数分の時間が経過していない場合(ステップS2405:No)は、eNB210は、ステップS2403へ戻る。
ステップS2405において、HARQプロセス数分の時間が経過した場合(ステップS2405:Yes)は、eNB210は、ステップS2403によって受信したデータCHに対してACKを送信するか否かを判断する(ステップS2406)。ステップS2406の判断は、たとえばステップS2403によって受信したHARQプロセス数分のデータCHによってデータが正しく復号できたか否かによって行うことができる。
ステップS2406において、ACKではなくNACKを送信する場合(ステップS2406:No)は、eNB210は、ステップS2401によって設定したHARQプロセス数分の再送設定を行い(ステップS2407)、ステップS2403へ戻る。ACKを送信する場合(ステップS2406:Yes)は、eNB210は、一連の処理を終了する。
(実施の形態5にかかるUEによる処理)
図25は、実施の形態5にかかるUEによる処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態5にかかるUE220は、たとえば図25に示す各ステップを実行する。図25に示すステップS2501は、図8に示したステップS802と同様である。
ステップS2501において、自局向けのPDCCHを検出した場合(ステップS2501:Yes)は、UE220は、ステップS2502へ移行する。すなわち、UE220は、検出した自局向けのPDCCHの数(アグリゲーションレベル)に応じたHARQプロセス数によりeNB210へのデータCHを送信する(ステップS2502)。ステップS2502において、UE220は、たとえば、検出した自局向けのPDCCHに格納されたULグラントが示す無線リソースにおいてデータCHを送信する。
つぎに、UE220は、ステップS2502によって送信したデータCHに対する応答信号を受信する(ステップS2503)。つぎに、UE220は、ステップS2503によって受信した応答信号がACKか否かを判断する(ステップS2504)。応答信号がACKでない場合(ステップS2504:No)は、UE220は、再送設定を行い(ステップS2505)、ステップS2502へ戻る。応答信号がACKである場合(ステップS2504:Yes)は、UE220は、一連の処理を終了する。
(アグリゲーションレベルに応じたTTIバンドリングパターン)
アグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数は、実施の形態2において説明したアグリゲーションレベルに応じたTTIバンドルサイズと同様に決定することができる。たとえば、アグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数は、アグリゲーションレベルと同じ値のHARQプロセス数とすることができる。
また、アグリゲーションレベルに応じたHARQプロセス数は、アグリゲーションレベルに対して所定値Nxを乗じた値のHARQプロセス数としてもよい。すなわち、HARQプロセス数=Nx×アグリゲーションレベルとすることができる。
(PDCCHの順序入れ替え等に基づくHARQプロセス数の通知)
また、eNB210は、図9A,図9Bに示したPDCCHの順序入れ替え状態やビット反転状態とアグリゲーションレベルとの組み合わせによりHARQプロセス数をUE220へ通知してもよい。
このように、実施の形態5によれば、上り通信のHARQプロセス数を、PDCCHにおいてUE220に割り当てられたCCEの数に対応付けることができる。これにより、HARQプロセス数を可変としつつ、HARQプロセス数の直接的な通知を不要にすることができる。このため、シグナリング量の増加を抑えることができる。
また、実施の形態5において、TTIバンドリングは行わない構成としてもよい。
以上説明したように、無線通信システム、端末、基地局および処理方法によれば、上り通信に関する端末のパラメータを、下りの制御チャネルにおいて端末に割り当てられた無線リソースの数に対応付けることができる。これにより、該パラメータを可変としつつ、基地局から端末への該パラメータの通知を不要にし、シグナリング量の増加を抑えることができる。
一例として、LTE標準化のカバレッジ拡張(Coverage enhancements)技術が検討された。たとえば、Rel−11 SIとして、LTEシステムが単独でネットワークを構築する際に、カバレッジ特性を制限する原因となる物理チャネルを調査する検討が行われた(3GPP TR36.824 V11.0.0)。また、AOTF(Acousto−Optic Tunable Filter:音響光学可変波長フィルタ)のRel−12 WIとして、ULVoIP等のカバレッジ拡張技術が検討された(3GPP RP−130833)。
これらの検討された内容は、主に以下のAlt.1、Alt.6.1、Alt.6.2およびAlt.6.3に分類される。Alt.1は、RTTを16[ms]から12[ms]に削減するという内容である。これにより、許容される遅延時間内で、より多数の再送パケットを合成でき、ゲインが増大する。Alt.6.1は、新規送信時と再送時でTTIバンドルサイズを変えるという内容である。これにより、新規送信時のTTIバンドルサイズを大きくすることで、ゲインが増大する。
Alt.6.2は、複数のHARQプロセスを使って1個のトランスポートブロック(transportblock)を送信するという内容である。これにより、許容される遅延時間内で、より多数の再送パケットを合成でき、ゲインが増大する。Alt.6.3は、制御信号に従ってTTIバンドルサイズを可変にするという内容である。これにより、より柔軟にゲインを調整することができる。
たとえば、従来、上位レイヤ(たとえばRLC層)の制御信号により、TTIバンドリングの有効/無効が切り替えられるため、設定の変更に時間がかかり、無線チャネル品質に追従した制御が困難であった。
このため、従来、たとえば、TTIバンドリングの有効時に無線チャネル品質が急激によくなった場合に、過剰なゲインのために時間周波数リソースを浪費してしまう場合があった。一方、TTIバンドリングの無効時に無線チャネル品質が急激に悪くなった場合に、十分なゲインを得られずに受信特性が劣化してしまう場合があった。また、RTTやHARQプロセス数についても同様に、無線チャネル品質に応じて柔軟な調整ができなかったため、通信を効率よく行うことができなかった。
これに対して、TTIバンドルサイズなどを可変にすることが考えられるが、そのためにはシグナリングを要する。たとえばPDCCHに新たなビットを定義することが考えられるが、シグナリング量が増大してしまう。また、新たなPDCCHフォーマットやスペシャルタイプを定義することになるため、使用に対する影響が大きい。また、たとえばRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)によってTTIバンドルサイズを変更することも考えられるが、変更に時間がかかる。
これに対して、上述した各実施の形態によれば、ULグラント(PDCCH)のアグリゲーションレベルをTTIバンドルサイズと対応付けることができる。ここで、上りリンクと下りリンクの各通信品質には相関がある。特に、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)においては、上りリンクと下りリンクの各通信品質の相関が高い。また、FDD(Frequency Division Duplex:周波数分割複信)においても上りリンクと下りリンクの各通信品質には相関がある。
したがって、アグリゲーションレベルをTTIバンドルサイズと対応付けることで、TTIバンドルサイズを直接的に通知しなくても、適切なTTIバンドルサイズの制御を行うことが可能になる。このため、TTIバンドルサイズを可変としつつ、シグナリング量の増加を抑えることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)基地局から受信した制御チャネルの無線リソースのうちの自端末に割り当てられた無線リソースの数に基づいて、前記基地局へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する端末と、
送信した前記制御チャネルの無線リソースのうちの前記端末に割り当てた無線リソースの数に基づいて前記回数を特定し、特定した前記回数に基づいて、前記端末によって連続して送信される同一のデータを受信する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記2)前記端末は、前記無線リソースの数と前記回数との所定の対応関係を記憶し、前記対応関係に基づいて前記回数を調整し、
前記基地局は、前記対応関係を記憶し、前記対応関係に基づいて前記回数を特定する、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記対応関係は、前記無線リソースの数が多いほど前記回数が多くなる関係であることを特徴とする付記2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記基地局は、前記基地局から前記端末への無線通信の品質を示す値と、前記端末から前記基地局への無線通信の品質を示す値と、の相違に基づいて前記対応関係を変更し、変更した前記対応関係を前記端末へ通知することを特徴とする付記2または3に記載の無線通信システム。
(付記5)前記対応関係は、前記無線リソースの数と前記回数の切り替えパターンとの対応関係であることを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記6)前記端末は、前記割り当てられた無線リソースに格納されたデータ列に対する前記基地局による順序入れ替えの状態と前記割り当てられた無線リソースの数との組み合わせに基づいて前記回数を調整し、
前記基地局は、前記割り当てた無線リソースに格納したデータ列に対する自局による順序入れ替えの状態と前記割り当てた無線リソースの数との組み合わせに基づいて前記回数を特定する、
ことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記7)前記端末は、前記順序入れ替えの状態および前記無線リソースの数の組み合わせと前記回数との所定の対応関係を記憶し、前記対応関係に基づいて前記回数を調整し、
前記基地局は、前記対応関係を記憶し、前記対応関係に基づいて前記回数を特定する、
ことを特徴とする付記6に記載の無線通信システム。
(付記8)前記端末は、前記割り当てられた無線リソースに格納されたデータ列に対する前記基地局によるビット反転の状態と前記割り当てられた無線リソースの数との組み合わせに基づいて前記回数を調整し、
前記基地局は、前記割り当てた無線リソースに格納されたデータ列に対する自局によるビット反転の状態と前記割り当てた無線リソースの数との組み合わせに基づいて前記回数を特定する、
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記9)前記端末は、前記ビット反転の状態および前記無線リソースの数の組み合わせと前記回数との所定の対応関係を記憶し、前記対応関係に基づいて前記回数を調整し、
前記基地局は、前記対応関係を記憶し、前記対応関係に基づいて前記回数を特定する、
ことを特徴とする付記8に記載の無線通信システム。
(付記10)前記基地局は、前記基地局から前記端末への無線通信の品質を示す値に基づいて、前記制御チャネルの無線リソースのうちの前記端末に割り当てる無線リソースの数を調整することを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記11)前記回数は、TTI(Transmission Time Interval:送信時間間隔)バンドリングにおけるTTIバンドル数であることを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記12)前記制御チャネルはPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)であり、
前記無線リソースはCCE(Control Channel Element:制御チャネル要素)であり、
前記同一のデータはPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共有チャネル)である、
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記13)前記同一のデータはRACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル)のmessage3であることを特徴とする付記1〜12のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記14)基地局から送信された制御チャネルを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記制御チャネルの無線リソースのうちの自端末に割り当てられた無線リソースの数に基づいて、前記基地局へ同一のデータを連続して送信する回数を調整する調整部と、
前記調整部によって調整された前記回数、前記基地局へ同一のデータを連続して送信する送信部と、
を備えることを特徴とする端末。
(付記15)制御チャネルを送信する送信部と、
前記送信部によって送信された前記制御チャネルの無線リソースのうちの端末に割り当てた無線リソースの数に基づいて、前記端末が自局へ同一のデータを送信する回数を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記回数に基づいて、前記端末によって連続して送信される同一のデータを受信する受信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記16)端末における処理方法であって、
基地局から送信された制御チャネルを受信し、
受信した前記制御チャネルの無線リソースのうちの自端末に割り当てられた無線リソースの数に基づいて、前記基地局へ同一のデータを連続して送信する回数を調整し、
調整した前記回数、前記基地局へ同一のデータを連続して送信する、
ことを特徴とする処理方法。
(付記17)基地局における処理方法であって、
制御チャネルを送信し、
送信した前記制御チャネルの無線リソースのうちの端末に割り当てた無線リソースの数に基づいて、前記端末が自局へ同一のデータを送信する回数を特定し、
特定した前記回数に基づいて、前記端末によって連続して送信される同一のデータを受信する、
ことを特徴とする処理方法。
(付記18)基地局から受信した制御チャネルの無線リソースのうちの自端末に割り当てられた無線リソースの数に基づいて、前記基地局へデータを送信してから前記データを再送するまでの時間を調整する端末と、
送信した前記制御チャネルの無線リソースのうちの前記端末に割り当てた無線リソースの数に基づいて前記時間を特定し、特定した前記時間に基づいて、前記端末によって連続して送信される同一のデータを受信する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記19)基地局から受信した制御チャネルの無線リソースのうちの自端末に割り当てられた無線リソースの数に基づいて、前記基地局へ同一のデータを送信するプロセスの数を調整する端末と、
送信した前記制御チャネルの無線リソースのうちの前記端末に割り当てた無線リソースの数に基づいて前記プロセスの数を特定し、特定した前記プロセスの数に基づいて、前記端末によって送信される同一のデータを受信する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記20)前記プロセスはHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)のプロセスであることを特徴とする付記19に記載の無線通信システム。