JPWO2015140869A1 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
スクロール圧縮機は、密閉容器20内に、電動機部8,9と、電動機部8,9に連結された圧縮機構部1,2,3と、潤滑油の油溜め19とを有し、圧縮機構部1,2,3にて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、冷媒は、少なくともHFO−1123を含む混合冷媒であり、密閉容器20内で摺れ合う関係の摺動部を構成している2つの部品のうち、少なくとも一方の部品の摺動面は、鉄系金属又はアルミ系金属が直接露出しない構成となっている。
Description
この発明は、主に冷凍機、空気調和機、給湯機に搭載されるスクロール圧縮機に関するものである。
発明者らは、近年の地球温暖化への対策として、いわゆる地球温暖化係数(GWP)が小さい冷媒を使用するスクロール圧縮機を検討している。その中で、地球温暖化係数が0であるHFO−1123を用いることが有望であることがわかってきた。
従来、R1270(プロピレン)を冷媒として挙げている文献もあるが(例えば特許文献1)、それは炭化水素の一例として他の二重結合を有さない炭化水素と並列して記載されており、組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素又は炭化水素の例示として挙げられたものではない。さらに、R1270は地球温暖化係数が3であり、更なる改善が求められていた。
従来、R1270(プロピレン)を冷媒として挙げている文献もあるが(例えば特許文献1)、それは炭化水素の一例として他の二重結合を有さない炭化水素と並列して記載されており、組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素又は炭化水素の例示として挙げられたものではない。さらに、R1270は地球温暖化係数が3であり、更なる改善が求められていた。
上記のように、HFO−1123は、地球温暖化係数が0であるため、地球温暖化対策の面からは、好適な冷媒である。一方で、組成中に炭素の二重結合を有するHFO−1123は、二重結合のない組成に比べて安定性が低下するため、不均化反応(自己分解反応)が発生する場合がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は、HFO−1123を使用し且つ不均化反応の発生を抑制した信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
この発明に係るスクロール圧縮機は、密閉容器内に、電動機部と、前記電動機部に連結された圧縮機構部と、潤滑油の油溜めとを有し、前記圧縮機構部にて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、前記冷媒は、少なくともHFO−1123を含む混合冷媒であり、前記密閉容器内で摺れ合う関係の摺動部を構成している2つの部品のうち、少なくとも一方の部品の摺動面は、鉄系金属又はアルミ系金属が直接露出しない構成となっている。
この発明に係るスクロール圧縮機は、HFO−1123を含む混合冷媒を使用しているため、環境負荷を軽減することができる。さらに、HFO−1123を含む混合冷媒を使用しているため、HFO−1123を単独で使用する場合と比較して、不均化反応が発生するおそれが抑制されている。しかも、摺動部にて金属同士が摺動しないようになっているので、摺動部での温度上昇が抑制されており、不均化反応が発生するおそれが更に抑制されている。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。このスクロール圧縮機は、固定スクロール1、揺動スクロール2、固定スクロール1を固定配置するフレーム3、フレーム3の中心に位置する主軸受4、揺動スクロール2の中心に位置する揺動軸受5を有する。また、揺動スクロール2を軸方向に支持するスラスト軸受となるスラストプレート6、揺動スクロール2の自転を防止し揺動運動を与えるオルダムリング7、電動機(電動機部)を構成する電動機ロータ8及び電動機ステータ9を備える。
さらに、電動機によって回転駆動される主軸10と、揺動スクロール2を公転運動させるために揺動スクロール2を支持するスライダ11と、スライダ11が主軸10から偏芯するように主軸10の上部に設置されたスライダ装着軸である偏芯スライダ軸10aを有する。また、偏芯スライダ軸10aの近傍にあり、フレーム3の中心に位置する主軸受4と主軸10を円滑に回転運動させるためのスリーブ12、および、主軸10の偏芯スライダ軸10aによって揺動運動を行う揺動スクロール2と主軸10との回転中心のアンバランスを相殺するためのバランサ13,14を備える。
主軸10の軸方向下部にはサブフレーム15があり、サブフレーム15の中央に形成された軸受収容部15aにボールベアリング16の外輪を圧入固定している。また、サブフレーム15には、容積型のオイルポンプ18が備わっており、オイルポンプ18に回転力を伝達するポンプ軸10bが主軸10に一体的に成形されている。主軸10の中央にはポンプ軸10b下端から主軸10の上端まで貫通する油穴10cが設けられており、下端側で油穴10cはオイルポンプ18と連通している。
図1は、この発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。このスクロール圧縮機は、固定スクロール1、揺動スクロール2、固定スクロール1を固定配置するフレーム3、フレーム3の中心に位置する主軸受4、揺動スクロール2の中心に位置する揺動軸受5を有する。また、揺動スクロール2を軸方向に支持するスラスト軸受となるスラストプレート6、揺動スクロール2の自転を防止し揺動運動を与えるオルダムリング7、電動機(電動機部)を構成する電動機ロータ8及び電動機ステータ9を備える。
さらに、電動機によって回転駆動される主軸10と、揺動スクロール2を公転運動させるために揺動スクロール2を支持するスライダ11と、スライダ11が主軸10から偏芯するように主軸10の上部に設置されたスライダ装着軸である偏芯スライダ軸10aを有する。また、偏芯スライダ軸10aの近傍にあり、フレーム3の中心に位置する主軸受4と主軸10を円滑に回転運動させるためのスリーブ12、および、主軸10の偏芯スライダ軸10aによって揺動運動を行う揺動スクロール2と主軸10との回転中心のアンバランスを相殺するためのバランサ13,14を備える。
主軸10の軸方向下部にはサブフレーム15があり、サブフレーム15の中央に形成された軸受収容部15aにボールベアリング16の外輪を圧入固定している。また、サブフレーム15には、容積型のオイルポンプ18が備わっており、オイルポンプ18に回転力を伝達するポンプ軸10bが主軸10に一体的に成形されている。主軸10の中央にはポンプ軸10b下端から主軸10の上端まで貫通する油穴10cが設けられており、下端側で油穴10cはオイルポンプ18と連通している。
上記の各要素を収容する密閉容器20は、密閉容器胴部20a、密閉容器下部20b、及び密閉容器上部20cの3つの部分から構成されている。密閉容器胴部20aの上段には、固定スクロール1、揺動スクロール2、フレーム3等から構成される圧縮機構部が配置され、また冷媒を容器内に取り込む吸入管21が設けられている。密閉容器上部20cの下段には、電動機ロータ8および電動機ステータ9が配置されている。密閉容器下部20bには油溜め19が形成されており、密閉容器上部20cには圧縮した冷媒を容器外に吐き出す吐出管22が設けられている。
図2は、図1に記載の揺動スクロール2とスラストプレート6とで構成される摺動部を説明するための斜視図である。スラストプレート6は、揺動スクロール2を軸方向に支持するスラスト軸受となっている。揺動スクロール2とスラストプレート6とは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。すなわち、揺動スクロール2の背面(渦巻形状のある面と反対の面)にスラスト軸受部2hが形成され、それがスラストプレート6の摺動面6aと潤滑油を介して密着して、スラスト軸受を構成している。
揺動スクロール2は、鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成し、スラスト軸受部2hを含む揺動スクロール2の表面に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、DLC−Si(ダイヤモンドライクカーボン−シリコン)、CrN(窒化クロム)、TiN(窒化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)、WCC(タングステンカーバイドコーティング)、VC(バナジウムカーバイド)などのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理を施している。
また、スラストプレート6は、鉄系金属あるいはアルミ系金属で形成されている。しかしながら、摺動面6aを含むスラストプレート6の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
揺動スクロール2は、鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成し、スラスト軸受部2hを含む揺動スクロール2の表面に、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、DLC−Si(ダイヤモンドライクカーボン−シリコン)、CrN(窒化クロム)、TiN(窒化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)、WCC(タングステンカーバイドコーティング)、VC(バナジウムカーバイド)などのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理を施している。
また、スラストプレート6は、鉄系金属あるいはアルミ系金属で形成されている。しかしながら、摺動面6aを含むスラストプレート6の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
図3は、図1に記載の揺動スクロール2と固定スクロール1とで構成される摺動部を説明するための拡大図である。揺動スクロール2の渦巻形状を構成しているラップ部2aと、固定スクロール1の渦巻形状を構成しているラップ部1aとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。すなわち、揺動スクロール2の鏡板2bに概略垂直に渦巻形状に形成されたラップ部2aと、固定スクロール1の鏡板1bに概略垂直に渦巻形状に形成されたラップ部1aとが、潤滑油を介して密着して圧縮室23を構成している。
揺動スクロール2のラップ部2aは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、ラップ部2aの側面2dを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、固定スクロール1のラップ部1aは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、ラップ部1aの側面1dを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
揺動スクロール2のラップ部2aは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、ラップ部2aの側面2dを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、固定スクロール1のラップ部1aは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、ラップ部1aの側面1dを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
図4は、図1に記載の揺動スクロール2とシール25、及び固定スクロール1とシール24で構成される摺動部を説明するための拡大図である。
揺動スクロール2のラップ部2aと、固定スクロール1のラップ部1aとが潤滑油を介して密着している。圧縮室23を構成する際に、各ラップ部1a,2aの先端面からの冷媒漏れを低減するために、それらの先端面に渦巻形状に沿って設けた溝にシール24,25を配設している。固定スクロール1のラップ部1aの先端面にはシール24が設けられており、そのシール24部分と揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2a側の歯底面2eとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、揺動スクロール2のラップ部2aの先端面にはシール25が設けられており、そのシール25部分と固定スクロール1の鏡板1bのラップ部1a側の歯底面1eとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。これらのシール24,25は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマ)、セラミックなどの非金属材料で形成されている。
一方、固定スクロール1の歯底面1eは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、固定スクロール1の歯底面1eを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。また、揺動スクロール2の歯底面2eは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2の歯底面2eを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
揺動スクロール2のラップ部2aと、固定スクロール1のラップ部1aとが潤滑油を介して密着している。圧縮室23を構成する際に、各ラップ部1a,2aの先端面からの冷媒漏れを低減するために、それらの先端面に渦巻形状に沿って設けた溝にシール24,25を配設している。固定スクロール1のラップ部1aの先端面にはシール24が設けられており、そのシール24部分と揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2a側の歯底面2eとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、揺動スクロール2のラップ部2aの先端面にはシール25が設けられており、そのシール25部分と固定スクロール1の鏡板1bのラップ部1a側の歯底面1eとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。これらのシール24,25は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマ)、セラミックなどの非金属材料で形成されている。
一方、固定スクロール1の歯底面1eは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、固定スクロール1の歯底面1eを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。また、揺動スクロール2の歯底面2eは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2の歯底面2eを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
図5は、図1に記載の揺動スクロール2とオルダムリング7、及びオルダムリング7とフレーム3で構成される摺動部を説明するための斜視図である。
揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面に設けたオルダム溝2fと、オルダムリング7のキーである上側凸部7aとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、フレーム3の主軸受4の近傍に設けたオルダム溝3fとオルダムリング7のキーである下側凸部7bとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。すなわち、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面には、揺動スクロール2の自転を防止し揺動スクロール2に揺動運動を与えるために、オルダムリング7の上側凸部7aを収容してそれを摺動させるオルダム溝2fを備えている。
オルダム溝2fは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2のオルダム溝2fを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、固定スクロール1と締結されるフレーム3にオルダム溝3fを設け、そこにオルダムリング7の下側凸部7bを収容することによって、揺動スクロール2は固定スクロール1と揺動運動することができるようになっている。
フレーム3のオルダム溝3fは、フレーム3と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、フレーム3のオルダム溝3fを含むフレーム3の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。オルダムリング7の各凸部7a,7bは、オルダムリング7と同材料の焼結などの鉄系金属あるいはアルミ系の合金属の高剛性で、且つ、軽量な材料で形成されている。しかしながら、オルダムリング7の各凸部7a,7bを含むオルダムリング7の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面に設けたオルダム溝2fと、オルダムリング7のキーである上側凸部7aとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、フレーム3の主軸受4の近傍に設けたオルダム溝3fとオルダムリング7のキーである下側凸部7bとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。すなわち、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面には、揺動スクロール2の自転を防止し揺動スクロール2に揺動運動を与えるために、オルダムリング7の上側凸部7aを収容してそれを摺動させるオルダム溝2fを備えている。
オルダム溝2fは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2のオルダム溝2fを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、固定スクロール1と締結されるフレーム3にオルダム溝3fを設け、そこにオルダムリング7の下側凸部7bを収容することによって、揺動スクロール2は固定スクロール1と揺動運動することができるようになっている。
フレーム3のオルダム溝3fは、フレーム3と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、フレーム3のオルダム溝3fを含むフレーム3の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。オルダムリング7の各凸部7a,7bは、オルダムリング7と同材料の焼結などの鉄系金属あるいはアルミ系の合金属の高剛性で、且つ、軽量な材料で形成されている。しかしながら、オルダムリング7の各凸部7a,7bを含むオルダムリング7の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
図6は、図1に記載の揺動スクロール2とスライダ11、及びスライダ11と主軸10で構成される摺動部を説明するための斜視図である。
揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面中央に設けられた揺動軸受5の内周と、主軸10の回転中心から偏芯して揺動軸を駆動するスライダ11の外周とは摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、スライダ11を装着する偏芯スライダ軸10aと、スライダ11の内側のスライド面11aとは摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。すなわち、揺動軸受5の内側には、スライダ11が収容され、揺動軸受5の内周とスライダ11の外周とが潤滑油を介して密着し、揺動軸受部を構成している。スライダ11の内側には、主軸10の偏芯スライダ軸10aが挿入される。スライダ11の内側のスライド面11aと潤滑油を介して密着するのは、偏芯スライダ軸10aの平面部のほぼ中央にある第1ピポッド部10dであり、第1ピポッド部10dは平面部から概略円弧形状あるいは概略球形状で突出した部分である。
揺動軸受5の内周面には、PTFE、POM(ポリアセタール)、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。スライダ11は、焼結または合金工具鋼などの高硬度な鉄系金属で形成されている。しかしながら、スライダ11の外周面またはスライド面11aを含むスライダ11の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、第1ピポッド部10dは、主軸10と同材料の鋳鉄または機械構造用合金鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、第1ピポッド部10dを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面中央に設けられた揺動軸受5の内周と、主軸10の回転中心から偏芯して揺動軸を駆動するスライダ11の外周とは摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、スライダ11を装着する偏芯スライダ軸10aと、スライダ11の内側のスライド面11aとは摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。すなわち、揺動軸受5の内側には、スライダ11が収容され、揺動軸受5の内周とスライダ11の外周とが潤滑油を介して密着し、揺動軸受部を構成している。スライダ11の内側には、主軸10の偏芯スライダ軸10aが挿入される。スライダ11の内側のスライド面11aと潤滑油を介して密着するのは、偏芯スライダ軸10aの平面部のほぼ中央にある第1ピポッド部10dであり、第1ピポッド部10dは平面部から概略円弧形状あるいは概略球形状で突出した部分である。
揺動軸受5の内周面には、PTFE、POM(ポリアセタール)、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。スライダ11は、焼結または合金工具鋼などの高硬度な鉄系金属で形成されている。しかしながら、スライダ11の外周面またはスライド面11aを含むスライダ11の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、第1ピポッド部10dは、主軸10と同材料の鋳鉄または機械構造用合金鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、第1ピポッド部10dを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
図7は、図1に記載のフレーム3とスリーブ12、及びスリーブ12と主軸10で構成される摺動部を説明するための斜視図である。
フレーム3の中央に設けられた主軸受4の内周とスリーブ12の外周とは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、スリーブ12の内周面12aと主軸10の第2ピポッド部10eとは、摺動関係にあり摺動部を構成している。すなわち、主軸受4の内側にスリーブ12が収容され、主軸受4の内周とスリーブ12の外周が潤滑油を介して密着して主軸受部を構成している。また、スリーブ12の内側には主軸10が挿入され、スリーブ12の内側の内周面12aと主軸10の第2ピポッド部10eとが潤滑油を介して密着している。第2ピポッド部10eは円筒面から概略円弧形状あるいは球形状で突出した形状を有している。
主軸受4の内周面には、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。スリーブ12は、焼結または合金工具鋼などの高硬度な鉄系金属で形成されている。しかしながら、スリーブ12の外周または内周面12aを含むスリーブ12の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。また、主軸10の第2ピポッド部10eは、主軸10と同材料の鋳鉄または機械構造用合金鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、主軸10の第2ピポッド部10eを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
フレーム3の中央に設けられた主軸受4の内周とスリーブ12の外周とは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、スリーブ12の内周面12aと主軸10の第2ピポッド部10eとは、摺動関係にあり摺動部を構成している。すなわち、主軸受4の内側にスリーブ12が収容され、主軸受4の内周とスリーブ12の外周が潤滑油を介して密着して主軸受部を構成している。また、スリーブ12の内側には主軸10が挿入され、スリーブ12の内側の内周面12aと主軸10の第2ピポッド部10eとが潤滑油を介して密着している。第2ピポッド部10eは円筒面から概略円弧形状あるいは球形状で突出した形状を有している。
主軸受4の内周面には、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。スリーブ12は、焼結または合金工具鋼などの高硬度な鉄系金属で形成されている。しかしながら、スリーブ12の外周または内周面12aを含むスリーブ12の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。また、主軸10の第2ピポッド部10eは、主軸10と同材料の鋳鉄または機械構造用合金鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、主軸10の第2ピポッド部10eを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
次に、実施の形態1のスクロール圧縮機の動作について説明する。電動機ステータ9に電源が印加されると、電動機ロータ8によって主軸10が回転駆動される。すると、その回転力が偏芯スライダ軸10aを収容しているスライダ11を介して揺動軸受5に伝わり、そこから揺動スクロール2へ伝えられる。このとき、揺動スクロール2のオルダム溝2fとフレーム3のオルダム溝3f内で往復運動するオルダムリング7によって、揺動スクロール2の自転が抑制され揺動運動を行う。
主軸10の回転を支持する主軸受4を有するフレーム3と、ボールベアリング16の外輪を圧入固定している軸受収容部15aを中央に有するサブフレーム15とは、密閉容器20内に固定される。このときに、固定時の精度ばらつきまたは部品個々の精度ばらつきによって、主軸受4とボールベアリング16とに軸芯ずれが生じる。また、主軸10のたわみも加わり、主軸受4と主軸10、ボールベアリング16と主軸10は必ずしも平行にはならない。そこで、ここでは、主軸受4内の摺動面を平行にするために、主軸10と主軸受4との間にスリーブ12を収容している。主軸受4とボールベアリング16との軸芯ずれが生じた場合、主軸10は主軸受4に対し傾斜するが、第2ピポッド部10eがスリーブ12の内周面に接触し、傾きを第2ピポッド部10eが吸収することによって、スリーブ12の外周は常時平行に主軸受4と摺動することができる。
揺動スクロール2には遠心力が発生し、主軸10の偏芯スライダ軸10aは、スライダ11内のスライド面11aのスライド範囲内でスライドし、揺動スクロール2のラップ部2aと固定スクロール1のラップ部1aが接触して圧縮室23を構成する。揺動スクロール2の遠心力の荷重及び冷媒を圧縮するために発生する半径方向の荷重は、主軸10の偏芯スライダ軸10aに加わり、偏芯スライダ軸10aがたわむため、偏芯スライダ軸10aは、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面中央に設けられた揺動軸受5の内側に対して、必ずしも平行にはならなくなる。そこで、ここでは、揺動軸受5内の摺動面を平行にするために、主軸10の偏芯スライダ軸10aと揺動軸受5との間にスライダ11を収容している。偏芯スライダ軸10aがたわむことで、主軸10の偏芯スライダ軸10aは揺動軸受5に対して傾斜するが、第1ピポッド部10dがスライダ11のスライド面11aに接触し、傾きを第1ピポッド部10dが吸収することによって、スライダ11の外周は常時平行に揺動軸受5と摺動することができる。
主軸10の回転を支持する主軸受4を有するフレーム3と、ボールベアリング16の外輪を圧入固定している軸受収容部15aを中央に有するサブフレーム15とは、密閉容器20内に固定される。このときに、固定時の精度ばらつきまたは部品個々の精度ばらつきによって、主軸受4とボールベアリング16とに軸芯ずれが生じる。また、主軸10のたわみも加わり、主軸受4と主軸10、ボールベアリング16と主軸10は必ずしも平行にはならない。そこで、ここでは、主軸受4内の摺動面を平行にするために、主軸10と主軸受4との間にスリーブ12を収容している。主軸受4とボールベアリング16との軸芯ずれが生じた場合、主軸10は主軸受4に対し傾斜するが、第2ピポッド部10eがスリーブ12の内周面に接触し、傾きを第2ピポッド部10eが吸収することによって、スリーブ12の外周は常時平行に主軸受4と摺動することができる。
揺動スクロール2には遠心力が発生し、主軸10の偏芯スライダ軸10aは、スライダ11内のスライド面11aのスライド範囲内でスライドし、揺動スクロール2のラップ部2aと固定スクロール1のラップ部1aが接触して圧縮室23を構成する。揺動スクロール2の遠心力の荷重及び冷媒を圧縮するために発生する半径方向の荷重は、主軸10の偏芯スライダ軸10aに加わり、偏芯スライダ軸10aがたわむため、偏芯スライダ軸10aは、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面中央に設けられた揺動軸受5の内側に対して、必ずしも平行にはならなくなる。そこで、ここでは、揺動軸受5内の摺動面を平行にするために、主軸10の偏芯スライダ軸10aと揺動軸受5との間にスライダ11を収容している。偏芯スライダ軸10aがたわむことで、主軸10の偏芯スライダ軸10aは揺動軸受5に対して傾斜するが、第1ピポッド部10dがスライダ11のスライド面11aに接触し、傾きを第1ピポッド部10dが吸収することによって、スライダ11の外周は常時平行に揺動軸受5と摺動することができる。
このスクロール圧縮機で圧縮する冷媒は、「HFO−1123」を含む混合冷媒である。例えば、「HFO−1123」を含む混合冷媒は、「HFO−1123」と「R32」との混合冷媒、または、「HFO−1123」と「HFO−1234yf」との混合冷媒である。冷媒は、吸入管21から密閉容器20に吸入され、フレーム3の吸入ポート3aから揺動スクロール2のラップ部2aと固定スクロール1のラップ部1aとによって形成される圧縮室23に入る。圧縮室23は、揺動スクロール2の揺動運動によって、揺動スクロール2の中心へ移動し、さらに体積が縮小されることによって、冷媒が圧縮される。このとき、圧縮された冷媒によって、固定スクロール1と揺動スクロール2とが軸方向に離れようとする荷重が働くが、その荷重は、揺動スクロール2の鏡板2b背面のスラスト軸受部2hとスラストプレート6とによって構成された軸受にて支えられる。圧縮された冷媒は、固定スクロール1の吐出ポート1fを通り、吐出弁26を押し開けて密閉容器20内の高圧部を通り、吐出管22を介して密閉容器20から吐出される。
以上のような一連の動作の中で、以下のような要素同士が摺れ合っており、それらが摺動部を構成している。
(a)揺動スクロール2のスラスト軸受部2hと、スラストプレート6の摺動面6a
(b)揺動スクロール2のラップ部2aと、固定スクロール1のラップ部1a
(c)固定スクロール1のラップ部1aの先端面に配設されたシール24と、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2a側の歯底面2e
(d)揺動スクロール2のラップ部2aの先端面に配設されたシール25と、固定スクロール1の鏡板1bのラップ部1a側の歯底面1e
(e)揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面に設けたオルダム溝2fと、オルダムリング7のキーである上側凸部7a
(f)フレーム3の主軸受4の近傍に設けたオルダム溝3fと、オルダムリング7のキーである下側凸部7b
(g)揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面中央に設けられた揺動軸受5の内周と、スライダ11の外周
(h)主軸10の回転中心から偏芯して揺動軸を駆動するスライダ11を装着する偏芯スライダ軸10aの第1ピポッド部10dと、スライダ11のスライド面11a
(i)フレーム3の中央に設けられた主軸受4の内周と、主軸10の回転を支持するスリーブ12の外周
(j)スリーブ12の内周と、主軸10の第2ピポッド部10e。
なお、実施の形態1のスクロール圧縮機が有する摺動部を表1にまとめて示した。表1では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
これらの摺動部には、密閉容器20の下端の油溜め19の潤滑油が供給される。すなわち、主軸10の回転によってポンプ軸10bでオイルポンプ18が駆動され、油溜め19の潤滑油が、主軸10の下端から上端まで貫通する油穴10cを介して上記の摺動部に供給される。
(a)揺動スクロール2のスラスト軸受部2hと、スラストプレート6の摺動面6a
(b)揺動スクロール2のラップ部2aと、固定スクロール1のラップ部1a
(c)固定スクロール1のラップ部1aの先端面に配設されたシール24と、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2a側の歯底面2e
(d)揺動スクロール2のラップ部2aの先端面に配設されたシール25と、固定スクロール1の鏡板1bのラップ部1a側の歯底面1e
(e)揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面に設けたオルダム溝2fと、オルダムリング7のキーである上側凸部7a
(f)フレーム3の主軸受4の近傍に設けたオルダム溝3fと、オルダムリング7のキーである下側凸部7b
(g)揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の背面中央に設けられた揺動軸受5の内周と、スライダ11の外周
(h)主軸10の回転中心から偏芯して揺動軸を駆動するスライダ11を装着する偏芯スライダ軸10aの第1ピポッド部10dと、スライダ11のスライド面11a
(i)フレーム3の中央に設けられた主軸受4の内周と、主軸10の回転を支持するスリーブ12の外周
(j)スリーブ12の内周と、主軸10の第2ピポッド部10e。
なお、実施の形態1のスクロール圧縮機が有する摺動部を表1にまとめて示した。表1では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
上記のように、この実施の形態に係るスクロール圧縮機は、HFO−1123を含む混合冷媒を使用しているため、環境負荷が低減されている。
さらに、この実施の形態に係るスクロール圧縮機は、HFO−1123を含む混合冷媒を使用しているため、HFO−1123を単独で使用する場合と比較して、不均化反応が発生するおそれが抑制されている。
しかも、この実施の形態に係るスクロール圧縮機では、金属同士が摺動しないようになっており、且つ、摺動部は密閉容器20内に吸入された比較的に温度が低い冷媒で冷却されているため、摺動部での温度上昇が抑制されている。したがって、この実施の形態に係るスクロール圧縮機では、不均化反応が発生するおそれが抑制されている。
さらに、この実施の形態に係るスクロール圧縮機は、HFO−1123を含む混合冷媒を使用しているため、HFO−1123を単独で使用する場合と比較して、不均化反応が発生するおそれが抑制されている。
しかも、この実施の形態に係るスクロール圧縮機では、金属同士が摺動しないようになっており、且つ、摺動部は密閉容器20内に吸入された比較的に温度が低い冷媒で冷却されているため、摺動部での温度上昇が抑制されている。したがって、この実施の形態に係るスクロール圧縮機では、不均化反応が発生するおそれが抑制されている。
また、この実施の形態に係るスクロール圧縮機では、HFO−1123の化学反応を促進する金属触媒となり得る鉄系又はアルミ系金属が、高温になり易い摺動部の摺動面に、直接露出しないように構成されている。具体的には、摺動面の少なくとも一方の側に、コーティング、皮膜、若しくは、非金属材料への置換などの対策が施されている。その結果、冷媒の分解および重合が抑制されるため、スラッジの発生が抑制される。このため、この実施の形態では、圧縮機の故障および冷凍回路内の詰まりが抑制されており、圧縮機の長期にわたる信頼性を得ることができる。
なお、この実施の形態のスクロール圧縮機では、潤滑油として、従来から一般に用いられてきた、POE(ポリオールエステル)、PVE(ポリビニールエーテル)、PAG(ポリアルキレングルコール)、PAO(ポリアルファオレフィン)、AB(アルキルベンゼン)、MO(鉱油)などを使用する。それらの潤滑油の粘度は、潤滑が十分にでき、かつスクロール圧縮機の性能を低下させないように選定される必要がある。潤滑油の動粘度(40℃における)は、好適には、5〜300[cSt]程度である。
なお、この実施の形態のスクロール圧縮機では、潤滑油として、従来から一般に用いられてきた、POE(ポリオールエステル)、PVE(ポリビニールエーテル)、PAG(ポリアルキレングルコール)、PAO(ポリアルファオレフィン)、AB(アルキルベンゼン)、MO(鉱油)などを使用する。それらの潤滑油の粘度は、潤滑が十分にでき、かつスクロール圧縮機の性能を低下させないように選定される必要がある。潤滑油の動粘度(40℃における)は、好適には、5〜300[cSt]程度である。
実施の形態2.
実施の形態1では、図7に示すように、スライダ11の内側のスライド面11aを密着面とした。実施の形態2は、実施の形態1とは異なり、スライダ11の内側にスライダプレート27を配置して、第1ピポッド部10dとスライダプレート27とを潤滑油を介して密着させて摺動部を構成した。なお、以下の説明では、実施の形態1と重複する部分については、説明を省略する。
図8は、この発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機のスライダ11の中に入るスライダプレート27と主軸10との摺動部を説明するための斜視図である。図9は、図8に記載のスライダ11とスライダプレート27と主軸10とを組み立てた組立図である。スライダ11の内側にはスライダプレート27が備わり、スライダ11の内側に主軸10の偏芯スライダ軸10aが挿入されている。スライダプレート27と潤滑油を介して密着するのは、主軸10の偏芯スライダ軸10aの平面部のほぼ中央にある第1ピポッド部10dである。
スライダプレート27は、ステンレス鋼、合金工具鋼またはばね鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、スライダプレート27の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、第1ピポッド部10dは、主軸10と同材料の鋳鉄または機械構造用合金鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、主軸10の偏芯スライダ軸10aの平面部のほぼ中央にある第1ピポッド部10dを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
実施の形態1では、図7に示すように、スライダ11の内側のスライド面11aを密着面とした。実施の形態2は、実施の形態1とは異なり、スライダ11の内側にスライダプレート27を配置して、第1ピポッド部10dとスライダプレート27とを潤滑油を介して密着させて摺動部を構成した。なお、以下の説明では、実施の形態1と重複する部分については、説明を省略する。
図8は、この発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機のスライダ11の中に入るスライダプレート27と主軸10との摺動部を説明するための斜視図である。図9は、図8に記載のスライダ11とスライダプレート27と主軸10とを組み立てた組立図である。スライダ11の内側にはスライダプレート27が備わり、スライダ11の内側に主軸10の偏芯スライダ軸10aが挿入されている。スライダプレート27と潤滑油を介して密着するのは、主軸10の偏芯スライダ軸10aの平面部のほぼ中央にある第1ピポッド部10dである。
スライダプレート27は、ステンレス鋼、合金工具鋼またはばね鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、スライダプレート27の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、第1ピポッド部10dは、主軸10と同材料の鋳鉄または機械構造用合金鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、主軸10の偏芯スライダ軸10aの平面部のほぼ中央にある第1ピポッド部10dを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
なお、実施の形態2のスクロール圧縮機が有する摺動部を表2にまとめて示した。表2では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
実施の形態3.
図10は、この発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。図11は、図10に記載の揺動スクロール2とオルダムリング7、及び固定スクロール1とオルダムリング7で構成される摺動部を説明するための斜視図である。
実施の形態1または実施の形態2では、オルダムリング7が揺動スクロール2とフレーム3との間に配置されたスクロール圧縮機について説明した。これらと比較して、実施の形態3では、オルダムリング7が、揺動スクロール2と固定スクロール1との間に配置されており、且つ、揺動スクロール2のスラスト軸受部2hに、スラスト軸受部材2gを備えたスクロール圧縮機である。なお、以下の説明では、実施の形態1または実施の形態2と重複する部分については、説明を省略する。
揺動スクロール2は、その鏡板2bのラップ部2aを形成した側と同じ側に、オルダムリング7のキーである下側凸部7dを収容して摺動させるためのオルダム溝2fを備えている。また、固定スクロール1は、その鏡板2bのラップ部2aを形成した側と同じ側に、オルダムリング7のキーである上側凸部7cを収容して摺動させるオルダム溝1gを備えている。これによって、揺動スクロール2を、固定スクロール1と揺動運動をさせるようにしている。この場合、揺動スクロール2のオルダム溝2fと、オルダムリング7の下側凸部7dとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成する。また、固定スクロール1のオルダム溝1gと、オルダムリング7の上側凸部7cとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成する。
揺動スクロール2のオルダム溝2fは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2のオルダム溝2fを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
固定スクロール1のオルダム溝1gは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、固定スクロール1のオルダム溝1gを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
オルダムリング7の上下の凸部7c,7dは、オルダムリング7と同材料の焼結などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属の高剛性で、且つ、軽量な材料で形成されている。しかしながら、オルダムリング7の各凸部7c,7dを含むオルダムリング7の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
図10は、この発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。図11は、図10に記載の揺動スクロール2とオルダムリング7、及び固定スクロール1とオルダムリング7で構成される摺動部を説明するための斜視図である。
実施の形態1または実施の形態2では、オルダムリング7が揺動スクロール2とフレーム3との間に配置されたスクロール圧縮機について説明した。これらと比較して、実施の形態3では、オルダムリング7が、揺動スクロール2と固定スクロール1との間に配置されており、且つ、揺動スクロール2のスラスト軸受部2hに、スラスト軸受部材2gを備えたスクロール圧縮機である。なお、以下の説明では、実施の形態1または実施の形態2と重複する部分については、説明を省略する。
揺動スクロール2は、その鏡板2bのラップ部2aを形成した側と同じ側に、オルダムリング7のキーである下側凸部7dを収容して摺動させるためのオルダム溝2fを備えている。また、固定スクロール1は、その鏡板2bのラップ部2aを形成した側と同じ側に、オルダムリング7のキーである上側凸部7cを収容して摺動させるオルダム溝1gを備えている。これによって、揺動スクロール2を、固定スクロール1と揺動運動をさせるようにしている。この場合、揺動スクロール2のオルダム溝2fと、オルダムリング7の下側凸部7dとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成する。また、固定スクロール1のオルダム溝1gと、オルダムリング7の上側凸部7cとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成する。
揺動スクロール2のオルダム溝2fは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2のオルダム溝2fを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
固定スクロール1のオルダム溝1gは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、固定スクロール1のオルダム溝1gを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
オルダムリング7の上下の凸部7c,7dは、オルダムリング7と同材料の焼結などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属の高剛性で、且つ、軽量な材料で形成されている。しかしながら、オルダムリング7の各凸部7c,7dを含むオルダムリング7の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜のいずれかの皮膜処理が施されている。
図12は、図10に記載の揺動スクロール2に設けられたスラスト軸受部材2gとスラストプレート6で構成される摺動部を説明するための斜視図である。
揺動スクロール2に設けられたスラスト軸受部材2gとスラストプレート6とは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成する。実施の形態3では、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と同じ側に、オルダム溝2fが配置されているので、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の揺動スクロール2の背面に、大きなスラスト軸受部2hを形成することができる。スラスト軸受部2hは、スラスト軸受部材2gを備える。スラストプレート6の摺動面6aと潤滑油を介して密着するのは、スラスト軸受部材2gであり、スラストプレート6の摺動面6aと揺動スクロール2のスラスト軸受部材2gとでスラスト軸受を構成している。
揺動スクロール2は、鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。そこで、スラスト軸受部材2gには、PTFE、POM、カーボンなどを主成分としている非金属系の材料が使用されている。スラストプレート6は、ステンレス鋼、合金工具鋼またはばね鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、摺動面6aを含むスラストプレート6の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
揺動スクロール2に設けられたスラスト軸受部材2gとスラストプレート6とは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成する。実施の形態3では、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と同じ側に、オルダム溝2fが配置されているので、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の揺動スクロール2の背面に、大きなスラスト軸受部2hを形成することができる。スラスト軸受部2hは、スラスト軸受部材2gを備える。スラストプレート6の摺動面6aと潤滑油を介して密着するのは、スラスト軸受部材2gであり、スラストプレート6の摺動面6aと揺動スクロール2のスラスト軸受部材2gとでスラスト軸受を構成している。
揺動スクロール2は、鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。そこで、スラスト軸受部材2gには、PTFE、POM、カーボンなどを主成分としている非金属系の材料が使用されている。スラストプレート6は、ステンレス鋼、合金工具鋼またはばね鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、摺動面6aを含むスラストプレート6の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
なお、実施の形態3のスクロール圧縮機が有する摺動部を表3にまとめて示した。表3では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
この実施の形態では、揺動スクロール2を揺動運動させるときに、フレーム3を介さずに、固定スクロール1と揺動スクロール2を直接オルダムリング7にて位相決めをすることができる。このため、固定スクロール1と揺動スクロール2の揺動運動を行うときの位相を高精度に保つことができる。その結果、揺動スクロール2のラップ部2aと固定スクロール1のラップ部1aとによって形成される圧縮室23の漏れを少なくして、高性能なスクロール圧縮機を得ることができる。また、揺動スクロール2のスラスト軸受部2hを大きくし、そこにスラスト軸受部材2gが備えられているので、スラスト軸受の摺動特性が向上し、摺動損失が低減されている。したがって、スクロール圧縮機の高性能化および信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態4.
図13は、この発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。図14は、図13に記載の揺動スクロール2に設けたスラストプレート6とフレーム3に設けたスラスト軸受部材3gとで構成される摺動部を説明するための斜視図である。
実施の形態4のスクロール圧縮機は、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の揺動スクロール2の背面にスラストプレート6を配設し、フレーム3のスラスト支持部にスラスト軸受部材3gを備えたものである。なお、以下の説明では、実施の形態1〜3と重複する部分については、説明を省略する。
密閉容器20内に、ホルダ28を介して、固定スクロール1、揺動スクロール2、フレーム3等からなる圧縮機構部と、電動機ステータ9と電動機ロータ8とで構成される電動機と、を固定している。そして、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面にはスラストプレート6を配設してある。スラストプレート6と、フレーム3のスラスト支持部に設けたスラスト軸受部材3gとでスラスト軸受を構成している。このため、スラストプレート6とスラスト軸受部材3gは摺れ合う関係となり、摺動部を構成する。
なお、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面には、オルダムリング7のキーである上側凸部7aを収容するオルダム溝2fが形成されている。そのため、そのオルダム溝2fを避けるような形状のスラストプレート6を、接着あるいはボルトなどによって貼付けしている。また、スラスト軸受部材3gは、フレーム3の主軸受4近傍にあるスラスト支持部に配設されている。
スラストプレート6は、ステンレス鋼、合金工具鋼またはばね鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、スラストプレート6の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。また、フレーム3は、鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。スラスト軸受部材3gは、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。
図13は、この発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。図14は、図13に記載の揺動スクロール2に設けたスラストプレート6とフレーム3に設けたスラスト軸受部材3gとで構成される摺動部を説明するための斜視図である。
実施の形態4のスクロール圧縮機は、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側の揺動スクロール2の背面にスラストプレート6を配設し、フレーム3のスラスト支持部にスラスト軸受部材3gを備えたものである。なお、以下の説明では、実施の形態1〜3と重複する部分については、説明を省略する。
密閉容器20内に、ホルダ28を介して、固定スクロール1、揺動スクロール2、フレーム3等からなる圧縮機構部と、電動機ステータ9と電動機ロータ8とで構成される電動機と、を固定している。そして、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面にはスラストプレート6を配設してある。スラストプレート6と、フレーム3のスラスト支持部に設けたスラスト軸受部材3gとでスラスト軸受を構成している。このため、スラストプレート6とスラスト軸受部材3gは摺れ合う関係となり、摺動部を構成する。
なお、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面には、オルダムリング7のキーである上側凸部7aを収容するオルダム溝2fが形成されている。そのため、そのオルダム溝2fを避けるような形状のスラストプレート6を、接着あるいはボルトなどによって貼付けしている。また、スラスト軸受部材3gは、フレーム3の主軸受4近傍にあるスラスト支持部に配設されている。
スラストプレート6は、ステンレス鋼、合金工具鋼またはばね鋼などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、スラストプレート6の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。また、フレーム3は、鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。スラスト軸受部材3gは、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。
なお、実施の形態4のスクロール圧縮機が有する摺動部を表4にまとめて示した。表4では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
実施の形態4に係るスクロール圧縮機では、スラスト軸受部材3gをコンパクトに構成することができ、スラスト軸受の摺動特性を維持しながら、摺動損失の低減によって高性能化が実現されている。さらに、高価な軸受部材の使用量が低減されている。従って、低コスト、高信頼性および高性能を達成したスクロール圧縮機を得ることができる。
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。図16は、図15に記載の圧縮機構部の拡大図である。
実施の形態5のスクロール圧縮機は、実施の形態1〜4のフレーム3を、第1のフレーム(フレームAとも称する)29と第2のフレーム(フレームBとも称する)30とに分けることによって、主軸下部のサブフレーム15を省略した態様である。そして、密閉容器20内に、第2のフレーム30を介して、固定スクロール1、揺動スクロール2、第1のフレーム29を備えた圧縮機構部と、電動機ステータ9及び電動機ロータ8とで構成される電動機と、を固定している。また、揺動軸受5を主軸10の先端に偏芯させて配設してあり、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面の中央には、揺動軸ピポッド部2kを備えた構成としている。なお、以下の説明では、実施の形態1〜4と重複する部分については、説明を省略する。
図15は、この発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。図16は、図15に記載の圧縮機構部の拡大図である。
実施の形態5のスクロール圧縮機は、実施の形態1〜4のフレーム3を、第1のフレーム(フレームAとも称する)29と第2のフレーム(フレームBとも称する)30とに分けることによって、主軸下部のサブフレーム15を省略した態様である。そして、密閉容器20内に、第2のフレーム30を介して、固定スクロール1、揺動スクロール2、第1のフレーム29を備えた圧縮機構部と、電動機ステータ9及び電動機ロータ8とで構成される電動機と、を固定している。また、揺動軸受5を主軸10の先端に偏芯させて配設してあり、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面の中央には、揺動軸ピポッド部2kを備えた構成としている。なお、以下の説明では、実施の形態1〜4と重複する部分については、説明を省略する。
第1のフレーム29の中央に設けられたフレーム軸受4cの内側と、主軸10の上端部に位置する第1の外周部10gの外周とが潤滑油を介して密着して主軸受部Aを構成している。それらは摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、第2のフレーム30の中央に設けられたフレーム軸受4dの内側と、主軸10のほぼ中央部に位置する第2の外周部10hの外周とが潤滑油を介して密着して主軸受部Bを構成している。これらも摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。主軸10の自重を支えるのは、主軸10のスラスト軸面10fと第2のフレーム30の副スラスト軸受30gである。主軸10の上端部には、主軸10の回転中心から偏芯した位置に揺動軸受5が埋設されている。揺動軸受5には、スリーブ12が収容されており、スリーブ12の内側には、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面の中央に設けられた揺動軸ピポッド部2kが挿入されている。スリーブ12の内側の内周面と潤滑油を介して密着するのは、揺動軸ピポッド部2kである。揺動軸ピポッド部2kは、円筒面から概略円弧形状あるいは球形状で突出した部分である。
また、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面に、接着あるいはボルトなどによって貼付けされたスラストプレート6と、第1のフレーム29のフレーム軸受4cの近傍にあるスラスト支持部に配設されたスラスト軸受部材(スラストメタルとも称する)29gとは、スラスト軸受を構成している。従って、スラストプレート6とスラスト軸受部材29gとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。
ここで、フレーム軸受4c及びフレーム軸受4dの内径、副スラスト軸受30gの表面には、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。また、主軸10の第1の外周部10gと、第2の外周部10hと、スラスト軸面10fとは、主軸10と同材料の鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、外周部10gと、第2の外周部10hと、スラスト軸面10fとを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、スリーブ12の外周または内周面12aは、スリーブ12と同材料の焼結または合金工具鋼などの高硬度な鉄系金属で形成されている。しかしながら、スリーブ12の外周または内周面12aを含むスリーブ12の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
さらに、揺動軸ピポッド部2kは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動軸ピポッド部2kを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面に、接着あるいはボルトなどによって貼付けされたスラストプレート6と、第1のフレーム29のフレーム軸受4cの近傍にあるスラスト支持部に配設されたスラスト軸受部材(スラストメタルとも称する)29gとは、スラスト軸受を構成している。従って、スラストプレート6とスラスト軸受部材29gとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。
ここで、フレーム軸受4c及びフレーム軸受4dの内径、副スラスト軸受30gの表面には、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。また、主軸10の第1の外周部10gと、第2の外周部10hと、スラスト軸面10fとは、主軸10と同材料の鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、外周部10gと、第2の外周部10hと、スラスト軸面10fとを含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、スリーブ12の外周または内周面12aは、スリーブ12と同材料の焼結または合金工具鋼などの高硬度な鉄系金属で形成されている。しかしながら、スリーブ12の外周または内周面12aを含むスリーブ12の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
さらに、揺動軸ピポッド部2kは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動軸ピポッド部2kを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
なお、実施の形態5のスクロール圧縮機が有する摺動部を表5にまとめて示した。表5では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
この実施の形態では、揺動スクロール2の遠心力および荷重を受ける揺動軸受5と主軸10の回転を支持するフレーム軸受4cとを近づけて配置してあるので、主軸10のたわみを少なくすることができる。従って、この実施の形態では、加工が複雑である主軸10へのピポッド部加工が不要になり、低コスト、高信頼性および高性能を達成したスクロール圧縮機を得ることができる。
実施の形態6.
図17は、この発明の実施の形態6に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。なお、以下の説明では、実施の形態1〜5と重複する部分については、説明を省略する。固定スクロール1は、その外周部がガイドフレーム32にボルトによって締結されている。固定スクロール1の鏡板1bのラップ部1aと同じ側にはオルダム溝1gが形成され、オルダムリング7のキーである上側凸部7cを摺動自在に収容している。さらに、固定スクロール1の側面方向からは、吸入管21が、密閉容器20を貫通して圧入されている。固定スクロール1に対向する揺動スクロール2には、その鏡板2bのラップ部2aと同じ側にオルダム溝2fが形成され、オルダムリング7のキーである下側凸部(図示せず)を摺動自在に収容している。揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面のほぼ中央には揺動軸受5を備えられている。ラップ部2aと反対側の背面の外周はスラスト軸受部2hが、コンプライアントフレーム31のスラスト軸受部31aと摺動自在に構成されている。揺動スクロール2の鏡板2bには、ラップ部2a側とスラスト軸受部2h側とを連通する抽気孔2jが形成されており、揺動スクロール2の公転運動によって、抽気孔2jとコンプライアントフレーム31の開口部31bとが開口する。
コンプライアントフレーム31の中心には、電動機によって回転駆動される主軸10を半径方向に支持する主軸受31c及び補助主軸受31dが形成されている。また、コンプライアントフレーム31には、スラスト軸受部31aの面からフレーム空間31eに開口する開口部31bが設けられている。冷媒は、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2a側から抽気孔2jを通り、開口部31bを経由して圧力調整弁(図示せず)によって適正な圧力に調整されて、フレーム空間31eに取り入れられる。
ガイドフレーム32の外周は焼嵌めもしくは溶接などによって密閉容器20に固定されている。また、ガイドフレーム32の内側上方には上部摺動円筒面32aが形成されており、コンプライアントフレーム31の外周面の上方に形成された上部摺動円筒面31fと係合されている。ガイドフレーム32の内側下方には下部摺動円筒面32bが形成されており、コンプライアントフレーム31の外周面の下方に形成された下部摺動円筒面31gと係合されている。なお、ガイドフレーム32の内周面、上部摺動円筒面32a、下部摺動円筒面32b、コンプライアントフレーム31、上部摺動円筒面31f、及び下部摺動円筒面31gで区画された空間は、フレーム空間31eである。
主軸10の揺動スクロール2側上端部には、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面に、揺動軸受5と回転自在に係合する主軸偏芯部10iが形成されている。また、その下側には第1のバランサ13bが取り付けられている。さらにその下には、コンプライアントフレーム31の主軸受31c及び補助主軸受31dと回転自在に係合する主軸部10kが形成されている。
主軸10の下端には、サブフレーム15の副軸受15bと回転自在に係合する副軸部10jが形成されており、この副軸部10jと主軸部10kとの間に電動機ロータ8が取り付けられている。また、電動機ロータ8の上端面には第2のバランサ13aが、下端面には第3のバランサ14が締結されており、第1のバランサ13bを含めた3個のバランサによって静的バランス及び動的バランスがとられている。さらに、主軸10の下端には、オイルポンプ18が取り付けられており、密閉容器20の底部の油溜め19の潤滑油を吸い上げて、主軸10の油穴10cを通過させて、各摺動部へ潤滑油を供給している。また、主軸10の最下端には、主軸10の自重を支えるためのスラスト軸受15cがサブフレーム15に備えられている。
図17は、この発明の実施の形態6に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。なお、以下の説明では、実施の形態1〜5と重複する部分については、説明を省略する。固定スクロール1は、その外周部がガイドフレーム32にボルトによって締結されている。固定スクロール1の鏡板1bのラップ部1aと同じ側にはオルダム溝1gが形成され、オルダムリング7のキーである上側凸部7cを摺動自在に収容している。さらに、固定スクロール1の側面方向からは、吸入管21が、密閉容器20を貫通して圧入されている。固定スクロール1に対向する揺動スクロール2には、その鏡板2bのラップ部2aと同じ側にオルダム溝2fが形成され、オルダムリング7のキーである下側凸部(図示せず)を摺動自在に収容している。揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面のほぼ中央には揺動軸受5を備えられている。ラップ部2aと反対側の背面の外周はスラスト軸受部2hが、コンプライアントフレーム31のスラスト軸受部31aと摺動自在に構成されている。揺動スクロール2の鏡板2bには、ラップ部2a側とスラスト軸受部2h側とを連通する抽気孔2jが形成されており、揺動スクロール2の公転運動によって、抽気孔2jとコンプライアントフレーム31の開口部31bとが開口する。
コンプライアントフレーム31の中心には、電動機によって回転駆動される主軸10を半径方向に支持する主軸受31c及び補助主軸受31dが形成されている。また、コンプライアントフレーム31には、スラスト軸受部31aの面からフレーム空間31eに開口する開口部31bが設けられている。冷媒は、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2a側から抽気孔2jを通り、開口部31bを経由して圧力調整弁(図示せず)によって適正な圧力に調整されて、フレーム空間31eに取り入れられる。
ガイドフレーム32の外周は焼嵌めもしくは溶接などによって密閉容器20に固定されている。また、ガイドフレーム32の内側上方には上部摺動円筒面32aが形成されており、コンプライアントフレーム31の外周面の上方に形成された上部摺動円筒面31fと係合されている。ガイドフレーム32の内側下方には下部摺動円筒面32bが形成されており、コンプライアントフレーム31の外周面の下方に形成された下部摺動円筒面31gと係合されている。なお、ガイドフレーム32の内周面、上部摺動円筒面32a、下部摺動円筒面32b、コンプライアントフレーム31、上部摺動円筒面31f、及び下部摺動円筒面31gで区画された空間は、フレーム空間31eである。
主軸10の揺動スクロール2側上端部には、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aを形成した側と反対側背面に、揺動軸受5と回転自在に係合する主軸偏芯部10iが形成されている。また、その下側には第1のバランサ13bが取り付けられている。さらにその下には、コンプライアントフレーム31の主軸受31c及び補助主軸受31dと回転自在に係合する主軸部10kが形成されている。
主軸10の下端には、サブフレーム15の副軸受15bと回転自在に係合する副軸部10jが形成されており、この副軸部10jと主軸部10kとの間に電動機ロータ8が取り付けられている。また、電動機ロータ8の上端面には第2のバランサ13aが、下端面には第3のバランサ14が締結されており、第1のバランサ13bを含めた3個のバランサによって静的バランス及び動的バランスがとられている。さらに、主軸10の下端には、オイルポンプ18が取り付けられており、密閉容器20の底部の油溜め19の潤滑油を吸い上げて、主軸10の油穴10cを通過させて、各摺動部へ潤滑油を供給している。また、主軸10の最下端には、主軸10の自重を支えるためのスラスト軸受15cがサブフレーム15に備えられている。
次に、このスクロール圧縮機の動作について説明する。定常時の密閉容器20内は吐出ガス雰囲気の高圧となるので、密閉容器20内の油溜め19の潤滑油がオイルポンプ18、主軸10の油穴10cを経由して揺動軸受空間37aに導かれる。そして、高圧になっている潤滑油は揺動軸受5で減圧され、吸入圧よりも高く且つ吐出圧以下の中間圧となり、ボス部外側空間37bに流れる。他方、揺動スクロール2の鏡板2bに設けられた抽気孔2jは、コンプライアントフレーム31に設けられた開口部31bのスラスト軸受付近と常時もしくは間欠的に開口する。このため、固定スクロール1と揺動スクロール2とで形成される圧縮室23からの圧縮途中の吸入圧よりも高く、且つ吐出圧よりも低い中間圧の冷媒が、揺動スクロール2の抽気孔2j及びコンプライアントフレーム31の開口部31bを介してフレーム空間31eに導かれる。コンプライアントフレーム31には、ボス部外側空間37bの中間圧に起因する力及びスラスト軸受部31aを介しての揺動スクロール2からの押付け力の合計が下向きの力として作用するが、フレーム空間31eの中間圧に起因する力及び下端面の高圧雰囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力の合計が上向きの力として作用している。したがって、定常時には、前述の上向きの力が前述の下向きの力よりも大きくなるように設定されている。このため、コンプライアントフレーム31は、上部摺動円筒面31fがガイドフレーム32の上部摺動円筒面32aに案内され、下部摺動円筒面31gがガイドフレーム32の下部摺動円筒面32bに案内される。すなわち、コンプライアントフレーム31はガイドフレーム32と摺動自在になっており、固定スクロール1側に浮き上がっている。そして、スラスト軸受部31aを介してコンプライアントフレーム31に押付けられている揺動スクロール2も、同じく上方に浮き上がり、その結果、揺動スクロール2の歯先面と歯底面2eは、固定スクロール1の歯底面1eと歯先面にそれぞれ接触して摺動する。
コンプライアントフレーム31の中央に設けられたスラスト軸受部31aと、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面のスラスト軸受部2hとは、摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。また、コンプライアントフレーム31の上部摺動円筒面31f、下部摺動円筒面31gと、ガイドフレーム32の上部摺動円筒面32a、下部摺動円筒面32bとは、それぞれ上部同士、下部同士で摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。
コンプライアントフレーム31のスラスト軸受部31a、上部摺動円筒面31f、及び下部摺動円筒面31gは、コンプライアントフレーム31と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、スラスト軸受部31a、上部摺動円筒面31f、及び下部摺動円筒面31gを含むコンプライアントフレーム31の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、ガイドフレーム32の上部摺動円筒面32aと下部摺動円筒面32bは、ガイドフレーム32と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、ガイドフレーム32の上部摺動円筒面32aと下部摺動円筒面32bを含むガイドフレーム32の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面のスラスト軸受部2hは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、スラスト軸受部2hを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
さらに、揺動スクロール2の歯先面と固定スクロール1の歯底面1e、揺動スクロール2の歯底面2eと固定スクロール1の歯先面とが摺動部を構成している。揺動スクロール2の歯先面と歯底面2eは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2の歯先面と歯底面2eを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
固定スクロール1の歯先面と歯底面1eは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、固定スクロール1の歯先面と歯底面1eを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
コンプライアントフレーム31のスラスト軸受部31a、上部摺動円筒面31f、及び下部摺動円筒面31gは、コンプライアントフレーム31と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、スラスト軸受部31a、上部摺動円筒面31f、及び下部摺動円筒面31gを含むコンプライアントフレーム31の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、ガイドフレーム32の上部摺動円筒面32aと下部摺動円筒面32bは、ガイドフレーム32と同材料の鋳鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、ガイドフレーム32の上部摺動円筒面32aと下部摺動円筒面32bを含むガイドフレーム32の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、揺動スクロール2の鏡板2bのラップ部2aと反対側の背面のスラスト軸受部2hは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、スラスト軸受部2hを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
さらに、揺動スクロール2の歯先面と固定スクロール1の歯底面1e、揺動スクロール2の歯底面2eと固定スクロール1の歯先面とが摺動部を構成している。揺動スクロール2の歯先面と歯底面2eは、揺動スクロール2と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール2の歯先面と歯底面2eを含む揺動スクロール2の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
固定スクロール1の歯先面と歯底面1eは、固定スクロール1と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、固定スクロール1の歯先面と歯底面1eを含む固定スクロール1の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、コンプライアントフレーム31の中間部にある主軸受31c及び補助主軸受31dと主軸10、主軸10の下端の副軸部10jとサブフレーム15の副軸受15b、さらに、主軸10の最下端とサブフレーム15に備えてあるスラスト軸受15cとは、それぞれ摺れ合う関係にあり摺動部を構成している。これらの摺動部において、コンプライアントフレーム31の主軸受31c及び補助主軸受31dは、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。
主軸10の主軸部10kと副軸部10j、及び主軸10の最下端は、主軸10と同材料の鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、主軸10の主軸部10kと副軸部10j、及び主軸10の最下端を含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
サブフレーム15の副軸受15bには、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。また、サブフレーム15のスラスト軸受15cは、サブフレーム15と同材料の鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、サブフレーム15のスラスト軸受15cを含むサブフレーム15の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
主軸10の主軸部10kと副軸部10j、及び主軸10の最下端は、主軸10と同材料の鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、主軸10の主軸部10kと副軸部10j、及び主軸10の最下端を含む主軸10の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
サブフレーム15の副軸受15bには、PTFE、POM、カーボンなどを主成分とした非金属系の材料が使用されている。また、サブフレーム15のスラスト軸受15cは、サブフレーム15と同材料の鉄などの鉄系金属で形成されている。しかしながら、サブフレーム15のスラスト軸受15cを含むサブフレーム15の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
なお、実施の形態6のスクロール圧縮機が有する摺動部を表6にまとめて示した。表6では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
この実施の形態では、揺動スクロール2の歯先面と歯底面2eを、固定スクロール1のそれぞれ歯底面1eと歯先面に適度に接触させることで、シール材を使用することなくラップ部先端の漏れを低減することができる。また、ピポッド部を持たない構造としているため、ピポッド部加工が不要になる。その結果、この実施の形態では、低コスト、高信頼性および高性能を実現したスクロール圧縮機を得ることができる。
実施の形態7.
図18は、この発明の実施の形態7に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。なお、以下の説明では、実施の形態1〜6と重複する部分については、説明を省略する。
この実施の形態に係る圧縮機は、密閉容器20を有し、容器上部に電動機ステータ9及び電動機ロータ8からなる電動機が収容され、容器下部に冷媒を圧縮するための圧縮機構部を構成している機械部品が収容されている。密閉容器20の側壁上部の電動機よりも上方には、冷媒ガスを吸入するための吸入管21が側方に向けて突設されている。密閉容器20の側壁下部の機械部品に対応した位置には、圧縮された冷媒を外部に吐出するための吐出管22が突設されている。電動機の内、電動機ロータ8には、主軸10の上部が挿入されている。主軸10の中央部は機械部品を貫通して密閉容器20の下方まで伸びている。主軸10の最下端にはオイルポンプ18が備えられている。オイルポンプ18は、密閉容器20下部の油溜め19に封入されている潤滑油に浸漬されている。電動機ロータ8によって駆動された主軸10の回転によってオイルポンプ18が駆動され、オイルポンプ18によって汲み上げられた潤滑油を機械部品の各摺動部に供給するため、主軸10には油穴10cが貫通形成されている。
図18は、この発明の実施の形態7に係るスクロール圧縮機の縦断面を概略的に記載した概略図である。なお、以下の説明では、実施の形態1〜6と重複する部分については、説明を省略する。
この実施の形態に係る圧縮機は、密閉容器20を有し、容器上部に電動機ステータ9及び電動機ロータ8からなる電動機が収容され、容器下部に冷媒を圧縮するための圧縮機構部を構成している機械部品が収容されている。密閉容器20の側壁上部の電動機よりも上方には、冷媒ガスを吸入するための吸入管21が側方に向けて突設されている。密閉容器20の側壁下部の機械部品に対応した位置には、圧縮された冷媒を外部に吐出するための吐出管22が突設されている。電動機の内、電動機ロータ8には、主軸10の上部が挿入されている。主軸10の中央部は機械部品を貫通して密閉容器20の下方まで伸びている。主軸10の最下端にはオイルポンプ18が備えられている。オイルポンプ18は、密閉容器20下部の油溜め19に封入されている潤滑油に浸漬されている。電動機ロータ8によって駆動された主軸10の回転によってオイルポンプ18が駆動され、オイルポンプ18によって汲み上げられた潤滑油を機械部品の各摺動部に供給するため、主軸10には油穴10cが貫通形成されている。
圧縮機構部を構成する機械部品は、上下一対の固定スクロール33,34を備えている。各固定スクロール33,34は、密閉容器20の内壁面にホルダ28を介して固定される。上側の固定スクロール33の上には、ホルダ28を介して電動機ステータ9が固定されている。また、上側の固定スクロール33の鏡板33bの中央には、主軸10を通すための上部主軸受4aを有し、鏡板33bの下面には渦巻形状のラップ部33aが備わる。下側の固定スクロール34は上側の固定スクロール33と概略対称形状であり、下側の固定スクロール34の鏡板34bの中央には、主軸10を通し、スリーブ12を収容するための下部主軸受4bを有し、鏡板34bの上面には渦巻形状のラップ部34aが備わっている。そして、上下一対の固定スクロール33,34はそれぞれ渦巻側を向き合わせに配置し、これらの固定スクロール33,34の間に、揺動スクロール35が配置されている。揺動スクロール35は、円盤状の鏡板35bの上下両側に渦巻形状のラップ部35a,35cを備えており、鏡板35bの中央には、主軸10のほぼ中央にある偏芯スライダ軸10aを通し、スライダ11を収容する揺動軸受5を有している。
揺動スクロール35の鏡板35bの上面側では、揺動スクロール35の上面側ラップ部35aの表面が、上側の固定スクロール33のラップ部33aの表面の複数箇所でそれぞれ接触しており、これらの接触部の間で冷媒ガスを圧縮するための圧縮室23が形成される。また、揺動スクロール35の鏡板35bの下面側では、揺動スクロール35の下面側ラップ部35cと下側の固定スクロール34のラップ部34aとの間で、上面側と同様に、冷媒ガスを圧縮するための圧縮室23が形成される。
揺動スクロール35の鏡板35bの上面側では、揺動スクロール35の上面側ラップ部35aの歯先面にシール25を配設し、上側の固定スクロール33のラップ部33aの歯先面にシール24を配設してあり、シール25,24の背圧によって揺動スクロール35を下側固定スクロール34側へ軽く押付けている。これによって、揺動スクロール35の下側のラップ部35cの歯先面と下側の固定スクロール34の歯底面34eとを適度に接触させ、且つ揺動スクロール35の下側の歯底面35eと固定スクロール34のラップ部34aの歯先面とを適度に接触させることで、ラップ部の歯先面からの冷媒漏れを抑制している。
また、揺動スクロール35の中央部には主軸10の偏芯スライダ軸10aを挿入してスライダ11を収容するための揺動軸受5が形成されている。揺動軸受5の両端には、ラップ部35a,35cの高さとほぼ同じ高さの寸法を持ったボス部が形成され、さらにそれらの端部には、圧縮室23とスライダ11を収容する空間とを仕切るためのシールリング36が配設されている。シールリング36は、上下の固定スクロール33,34のシールリング摺動面33k,34kと摺動運動をする。また、主軸10の偏芯スライダ軸10aは、揺動スクロール35の上下面のラップ部35a,35cの表面と固定スクロール33,34のラップ部33a,34aの表面がちょうど接触するだけの長さだけ、主軸10の回転中心から偏芯されている。
上下固定スクロール33,34の外周側には、密閉容器20内から圧縮室23に冷媒が流れる吸入ポートが設けられている。上下の固定スクロール33,34と揺動スクロール35で形成される圧縮室23では、冷媒は渦巻形状の外側から内部方向に流れ、上側の固定スクロール33のラップ部33aと揺動スクロール35の上面のラップ部35aの間の圧縮室23で圧縮される。圧縮された冷媒は、揺動スクロール35のボス部近傍にある連通孔35dを通り、下側の固定スクロール34のラップ部34aと揺動スクロール35の下面のラップ部35cとの間の圧縮室23で圧縮された冷媒と合流する。合流した冷媒は、下側の固定スクロール34の下部主軸受4b近傍の吐出弁26を開いて、吐出管22を通り、密閉容器20外へ吐出される。
揺動スクロール35の鏡板35bの上面側では、揺動スクロール35の上面側ラップ部35aの歯先面にシール25を配設し、上側の固定スクロール33のラップ部33aの歯先面にシール24を配設してあり、シール25,24の背圧によって揺動スクロール35を下側固定スクロール34側へ軽く押付けている。これによって、揺動スクロール35の下側のラップ部35cの歯先面と下側の固定スクロール34の歯底面34eとを適度に接触させ、且つ揺動スクロール35の下側の歯底面35eと固定スクロール34のラップ部34aの歯先面とを適度に接触させることで、ラップ部の歯先面からの冷媒漏れを抑制している。
また、揺動スクロール35の中央部には主軸10の偏芯スライダ軸10aを挿入してスライダ11を収容するための揺動軸受5が形成されている。揺動軸受5の両端には、ラップ部35a,35cの高さとほぼ同じ高さの寸法を持ったボス部が形成され、さらにそれらの端部には、圧縮室23とスライダ11を収容する空間とを仕切るためのシールリング36が配設されている。シールリング36は、上下の固定スクロール33,34のシールリング摺動面33k,34kと摺動運動をする。また、主軸10の偏芯スライダ軸10aは、揺動スクロール35の上下面のラップ部35a,35cの表面と固定スクロール33,34のラップ部33a,34aの表面がちょうど接触するだけの長さだけ、主軸10の回転中心から偏芯されている。
上下固定スクロール33,34の外周側には、密閉容器20内から圧縮室23に冷媒が流れる吸入ポートが設けられている。上下の固定スクロール33,34と揺動スクロール35で形成される圧縮室23では、冷媒は渦巻形状の外側から内部方向に流れ、上側の固定スクロール33のラップ部33aと揺動スクロール35の上面のラップ部35aの間の圧縮室23で圧縮される。圧縮された冷媒は、揺動スクロール35のボス部近傍にある連通孔35dを通り、下側の固定スクロール34のラップ部34aと揺動スクロール35の下面のラップ部35cとの間の圧縮室23で圧縮された冷媒と合流する。合流した冷媒は、下側の固定スクロール34の下部主軸受4b近傍の吐出弁26を開いて、吐出管22を通り、密閉容器20外へ吐出される。
主軸10と各スクロール33,34,35との間には、既に説明しているように、上部主軸受4a、下部主軸受4b、揺動軸受5が配設されている。主軸10の偏芯スライダ軸10aと揺動スクロール35の揺動軸受5の内面との間にはスライダ11が嵌合され、偏芯スライダ軸10aに備わった第1ピポッド部とスライダ11の内側のスライド面が潤滑油を介して密接し摺動部を構成している。また、下部主軸受4bの内面と主軸10の第2ピポッド部との間にはスリーブ12が嵌合され潤滑油を介して密接し摺動部を構成している。これらの摺動部を潤滑する潤滑油は、主軸10の回転によってオイルポンプ18が駆動することによって、油穴10cを通り供給されるようになっている。
また、主軸10には上側の固定スクロール33の上側位置と下側の固定スクロール34の下側位置とに、それぞれ偏心回転運動する揺動スクロール35の静バランス及び動バランスをとるためのバランサ13,14がそれぞれ設けられている。主軸10の自重を含む鉛直方向の荷重を支えるのは、主軸10のスラスト軸面10fと上側の固定スクロール33のスラスト軸面33iである。また、上側の固定スクロール33のラップ部33aおよび揺動スクロール35の間のラップ部35aの外周側には、揺動スクロール35の自転を抑制し、揺動スクロール35に揺動運動を行わせるためのオルダムリング7が配置されている。
また、主軸10には上側の固定スクロール33の上側位置と下側の固定スクロール34の下側位置とに、それぞれ偏心回転運動する揺動スクロール35の静バランス及び動バランスをとるためのバランサ13,14がそれぞれ設けられている。主軸10の自重を含む鉛直方向の荷重を支えるのは、主軸10のスラスト軸面10fと上側の固定スクロール33のスラスト軸面33iである。また、上側の固定スクロール33のラップ部33aおよび揺動スクロール35の間のラップ部35aの外周側には、揺動スクロール35の自転を抑制し、揺動スクロール35に揺動運動を行わせるためのオルダムリング7が配置されている。
シール24,25及びシールリング36は、PTFE、PPS、LCP、セラミック材料などの非金属材料で形成されている。このシール25と摺動する上側の固定スクロール33の歯底面33eは、上側の固定スクロール33と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、上側の固定スクロール33の歯底面33eを含む上側の固定スクロール33の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
シール24と摺動する揺動スクロール35の鏡板35bの上側の歯底面35eは、揺動スクロール35と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール35の歯底面35eを含む揺動スクロール35の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、シールリング36と摺動する上側の固定スクロール33のシールリング摺動面33kは、上側の固定スクロール33と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、上側の固定スクロール33のシールリング摺動面33kを含む上側の固定スクロール33の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
もう一方のシールリング36と摺動する下側の固定スクロール34のシールリング摺動面34kは、下側の固定スクロール34と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、下側の固定スクロール34のシールリング摺動面34kを含む下側の固定スクロール34の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
シール24と摺動する揺動スクロール35の鏡板35bの上側の歯底面35eは、揺動スクロール35と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、揺動スクロール35の歯底面35eを含む揺動スクロール35の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
また、シールリング36と摺動する上側の固定スクロール33のシールリング摺動面33kは、上側の固定スクロール33と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、上側の固定スクロール33のシールリング摺動面33kを含む上側の固定スクロール33の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
もう一方のシールリング36と摺動する下側の固定スクロール34のシールリング摺動面34kは、下側の固定スクロール34と同材料の鋳鉄などの鉄系金属あるいはAl−Si系の合金属で形成されている。しかしながら、下側の固定スクロール34のシールリング摺動面34kを含む下側の固定スクロール34の表面には、DLC、DLC−Si、CrN、TiN、TiCN、WCC、VCなどのいずれかのコーティング、あるいは、リン酸マンガン皮膜、二硫化モリブデン皮膜などのいずれかの皮膜処理が施されている。
なお、実施の形態7のスクロール圧縮機が有する摺動部を表7にまとめて示した。表7では、摺動部を構成する2つの部品(第1部品、第2部品)の名称と、それらの部品の母材名とを記載した。また、摺動部を構成する2つの部品に、前述した表面処理(コーティングで代表表示)を施し、若しくはセラミック材または樹脂への置き換えを行うことを、*印によって明示した。
次に、このスクロール圧縮機の動作について説明する。電動機ステータ9に電圧が印加されて電動機ロータ8が駆動すると、主軸10が軸心を中心として回転する。この時、主軸10の偏芯スライダ軸10aは軸心(回転中心)に対し、公転運動を行う。この公転運動によって、偏芯スライダ軸10aが嵌合されている揺動スクロール35は、上下固定スクロール33,34と揺動運動する。揺動スクロール35の自転を抑制するオルダムリング7を備えるため、揺動スクロール35は自転することなく揺動運動する。そして、揺動スクロール35の鏡板35bの上下面では、それぞれのラップ部35a,33a、35c,34aのそれぞれの接触箇所が、中心に向かって移動し、それぞれの圧縮室23は中心に向かい容積を縮小しながら移動する。この動作によって、冷媒は、吸入管21から吸入ポートを通り、圧縮室23に流入して圧縮される。圧縮された冷媒は、ラップ部35a,33a、35c,34aの中心部に到達した後、吐出ポート34mを経て吐出管22から吐出される。
実施の形態7のスクロール圧縮機は、揺動スクロール35の円盤状の鏡板35bの上下両側に渦巻形状のラップ部35a,35cを備えている。このため、揺動スクロール35に発生するスラスト力を相殺でき、スラスト軸受構造を必要としない。また、揺動スクロール35の上側ラップ部の歯先面に配設したシール25の背圧によって、揺動スクロール35を下側固定スクロール34側へ軽く押付けている。その結果、揺動スクロール35の下側のラップ部35cの歯先面と下側の固定スクロール34の歯底面34eとが適度に接触し、且つ揺動スクロール35の下側の歯底面35eと固定スクロール34のラップ部34aの歯先面とが適度に接触する。このため、揺動スクロール35の下側ラップ部35cの歯先面にシールを使用することなく、ラップ部先端での漏れを低減することができる。したがって、低コスト、高信頼性および高性能が達成されたスクロール圧縮機を得ることができる。
実施の形態7のスクロール圧縮機は、揺動スクロール35の円盤状の鏡板35bの上下両側に渦巻形状のラップ部35a,35cを備えている。このため、揺動スクロール35に発生するスラスト力を相殺でき、スラスト軸受構造を必要としない。また、揺動スクロール35の上側ラップ部の歯先面に配設したシール25の背圧によって、揺動スクロール35を下側固定スクロール34側へ軽く押付けている。その結果、揺動スクロール35の下側のラップ部35cの歯先面と下側の固定スクロール34の歯底面34eとが適度に接触し、且つ揺動スクロール35の下側の歯底面35eと固定スクロール34のラップ部34aの歯先面とが適度に接触する。このため、揺動スクロール35の下側ラップ部35cの歯先面にシールを使用することなく、ラップ部先端での漏れを低減することができる。したがって、低コスト、高信頼性および高性能が達成されたスクロール圧縮機を得ることができる。
ところで、実施の形態1〜7において示した表1〜7の中において、用語「コーティング」は、各実施の形態で説明しているような材料にて摺動面にコーティング又は皮膜を施す意味を表す。用語「セラミック」は、少なくとも摺動面をシリコンカーバイド、二酸化ジルコニウム、窒化ケイ素などのセラミック材で構成する意味を表す。用語「PTFE」は、少なくとも摺動面をポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂若しくはカーボンなどの非金属材料で構成する意味を表す。
この発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々に改変することができる。すなわち、上記の実施の形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施の形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
たとえば、鉄系金属又はアルミ系金属を直接露出させない処置が、表1〜7に示した摺動部の全てにではなく、それらの一部に施されていても、この発明の作用効果を得ることができる。また、鉄系金属又はアルミ系金属を直接露出させない処置が、摺動部を構成している一方の部品の摺動面だけに施されていていても、この発明の作用効果を得ることができる。
1 固定スクロール、1a 固定スクロールラップ部、1b 固定スクロール鏡板、1d 固定スクロールラップ部側面、1e 固定スクロール歯底面、1f 吐出ポート、1g 固定スクロールオルダム溝、2 揺動スクロール、2a 揺動スクロールラップ部、2b 揺動スクロール鏡板、2d 揺動スクロールラップ部側面、2e 揺動スクロール歯底面、2f 揺動スクロールオルダム溝、3 フレーム、3a フレーム吸入ポート、3f フレームオルダム溝、4 主軸受、5 揺動軸受、6 スラストプレート、6a 摺動面、7 オルダムリング、7a,7b,7c,7d キー凸部、8 電動機ロータ、9 電動機ステータ、10 主軸、10a 偏芯スライダ軸、10b ポンプ軸、10c 油穴、10d 第1ピポッド部、10e 第2ピポッド部、11 スライダ、12 スリーブ、13,14 バランサ、15 サブフレーム、15a 軸受収納部、15b 副軸受、15c スラスト軸受、16 ボールベアリング、18 オイルポンプ、19 油溜め、20 密閉容器、20a 密閉容器胴部、20b 密閉容器下部、20c 密閉容器上部、21 吸入管、22 吐出管、23 圧縮室、24,25 シール、26 吐出弁、27 スライダプレート、29 第1のフレーム、30 第2のフレーム。
Claims (10)
- 密閉容器内に、電動機部と、前記電動機部に連結された圧縮機構部と、潤滑油の油溜めとを有し、前記圧縮機構部にて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、
前記冷媒は、少なくともHFO−1123を含む混合冷媒であり、
前記密閉容器内で摺れ合う関係の摺動部を構成している2つの部品のうち、少なくとも一方の部品の摺動面は、鉄系金属又はアルミ系金属が直接露出しない構成となっているスクロール圧縮機。 - 前記混合冷媒は、前記HFO−1123に、R32またはHFO−1234yfを混合した混合冷媒である請求項1記載のスクロール圧縮機。
- 前記摺動部を構成している2つの部品のうち、少なくとも一方の部品の摺動面に、鉄及びアルミを含まないコーティング処理又は皮膜処理がされた請求項1または請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記圧縮機構部は、
巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることによって圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロールと、
前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられた揺動軸受と、
前記揺動スクロールのスラスト軸受面をスラストプレートを介して支持するフレームと、
キーとなる上下の凸部が前記揺動スクロールと前記フレームとに収容され前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングと、
前記揺動スクロールに駆動力を伝達し、前記フレームの中心部に設けられた主軸受を貫通し、前記油溜めの潤滑油を前記摺動部に供給するオイルポンプに連結された主軸と、
前記揺動軸受に回転自在に収められたスライダと、
前記主軸受に回転自在に収められたスリーブと、を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記主軸と前記スライダの間にスライダプレートを備えたことを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮機。
- 前記圧縮機構部は、
巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることによって圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロールと、
キーとなる上下の凸部が前記固定スクロールと前記揺動スクロールとに収容され前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングと、
前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられた揺動軸受と、
前記揺動スクロールのスラスト面にスラスト軸受部材を配設し、前記スラスト軸受部材をスラストプレートを介して支持するフレームと、
前記揺動スクロールに駆動力を伝達し、前記フレームの中心部に設けられた主軸受を貫通し、前記油溜めの潤滑油を前記摺動部に供給するオイルポンプに連結された主軸と、
前記揺動軸受に回転自在に収められたスライダと、
前記主軸と前記スライダの間のスライダプレートと、
前記主軸受に回転自在に収められたスリーブと、を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記圧縮機構部は、
巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることによって圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロールと、
前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられた揺動軸受と、
前記揺動スクロールのスラスト面に配設されたスラストプレートと、
前記スラストプレートを支持する部位にスラスト軸受部材を配設したフレームと、
キーとなる上下の凸部が前記揺動スクロールと前記フレームとに収容され前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングと、
前記揺動スクロールに駆動力を伝達し、前記フレームの中心部に設けられた主軸受を貫通し、前記油溜めの潤滑油を各摺動部に供給するためのオイルポンプに連結された主軸と、
前記揺動軸受に回転自在に収められたスライダと、
前記主軸と前記スライダの間のスライダプレートと、
前記主軸受に回転自在に収められたスリーブと、を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記圧縮機構部は、
巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることによって圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロールと、
前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられた揺動軸ピポッド部と、
前記揺動スクロールのスラスト面に配設されたスラストプレートと、
前記スラストプレートを支持する部位にスラスト軸受部材が配設された第1のフレームと、
前記第1のフレームの下部に配置された第2のフレームと、
キーとなる上下の凸部が前記揺動スクロールと前記第1のフレームとに収容され前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングと、
前記揺動スクロールに駆動力を伝達し、前記第1のフレームの中心部に設けられた上部主軸受と前記第2のフレームの中心部に設けられた下部主軸受を貫通し、前記油溜めの潤滑油を前記摺動部に供給するためのオイルポンプに連結され、自重が前記第2のフレームの副スラスト軸受にて支持される主軸と、
前記揺動軸ピポッド部を収容するスリーブと、
前記主軸に前記スリーブを回転自在に収容する揺動軸受と、を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記圧縮機構部は、
巻方向が互いに逆の渦巻部を組み合わせることによって圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロールと、
キーとなる上下の凸部が前記固定スクロールと前記揺動スクロールとに収容されて前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングと、
前記揺動スクロールの反圧縮室側に設けられた揺動軸受と、
前記揺動スクロールのスラスト面を支持するコンプライアントフレームと、
前記コンプライアントフレームを摺動自在に収容するガイドフレームと、
前記揺動スクロールに駆動力を伝達し、前記コンプライアントフレームの中心部に設けられた主軸受と補助主軸受を貫通し、前記油溜めの潤滑油を前記摺動部に供給するためのオイルポンプに連結され、自重をサブフレームのスラスト軸受にて支持する主軸と、を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記圧縮機構部は、
渦巻部を対向して配置した一対の固定スクロールと、
前記一対の固定スクロールの間にあって前記一対の固定スクロールの各渦巻部にそれぞれ嵌合する渦巻部を軸方向の両側に有し、前記一対の固定スクロールとの間で圧縮室を形成する揺動スクロールと、
キーとなる上下の凸部の一方が前記固定スクロールの一方に、前記上下の凸部の他方が前記揺動スクロールに、それぞれ収容されて前記揺動スクロールの自転を防止するオルダムリングと、
前記揺動スクロールの中心部を貫通する揺動軸受と、
前記各固定スクロールの中心部に設けられた上部主軸受及び下部主軸受と、
前記揺動軸受、前記上部主軸受及び前記下部主軸受を貫通し、前記油溜めの潤滑油を前記摺動部に供給するためのオイルポンプに連結され、自重を一方の固定スクロールのスラスト軸面にて支持する主軸と、
前記揺動軸受に回転自在に収められたスライダと、
前記下部主軸受に回転自在に収められたスリーブと、を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。
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