本発明の各実施形態に関わる技術について以下に簡単に説明する。
[物理チャネル/物理シグナル]
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される主な物理チャネル、物理シグナルについて説明を行なう。チャネルとは信号の送受信に用いられる媒体を意味し、物理チャネルとは信号の送受信に用いられる物理的な媒体を意味する。本発明において、物理チャネルは、信号と同義的に使用され得る。物理チャネルは、EUTRA、およびAdvanced EUTRAにおいて、今後追加、または、その構造やフォーマット形式が変更または追加される可能性があるが、変更または追加された場合でも本発明の各実施形態の説明には影響しない。
EUTRAおよびAdvanced EUTRAでは、物理チャネルまたは物理シグナルのスケジューリングについて無線フレームを用いて管理している。1無線フレームは10msであり、1無線フレームは10サブフレームで構成される。さらに、1サブフレームは2スロットで構成される(すなわち、1サブフレームは1ms、1スロットは0.5msである)。また、物理チャネルが配置されるスケジューリングの最小単位としてリソースブロックを用いて管理している。リソースブロックとは、周波数軸を複数サブキャリア(例えば12サブキャリア)の集合で構成される一定の周波数領域と、一定の送信時間間隔(1スロット)で構成される領域で定義される。
同期シグナル(Synchronization Signals)は、3種類のプライマリ同期シグナルと、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリ同期シグナルとで構成され、プライマリ同期シグナルとセカンダリ同期シグナルの信号の組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(物理セルID(Physical Cell Identity; PCI))と、無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期シグナルの物理セルIDを特定する。
物理報知情報チャネル(PBCH; Physical Broadcast Channel)は、セル内の端末装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報(システム情報);System information)を通知(設定)する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで報知情報が送信される無線リソースがセル内の端末装置に対して通知され、通知された無線リソースにおいて、物理下りリンク共用チャネルによって報知情報を通知するレイヤ3メッセージ(システムインフォメーション)が送信される。
報知情報として、セル個別の識別子を示すセルグローバル識別子(CGI; Cell Global Identifier)、ページングによる待ち受けエリアを管理するトラッキングエリア識別子(TAI; Tracking Area Identifier)、ランダムアクセス設定情報、送信タイミング調整情報、当該セルにおける共通無線リソース設定情報、周辺セル情報、上りリンクアクセス制限情報などが通知される。
下りリンクリファレンスシグナルは、その用途によって複数のタイプに分類される。例えば、セル固有RS(Cell-specific reference signals)は、セル毎に所定の電力で送信されるパイロットシグナルであり、所定の規則に基づいて周波数領域および時間領域で周期的に繰り返される下りリンクリファレンスシグナルである。端末装置は、セル固有RSを受信することでセル毎の受信品質を測定する。また、端末装置は、セル固有RSと同時に送信される物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルの復調のための参照用の信号としてもセル固有RSを使用する。セル固有RSに使用される系列は、セル毎に識別可能な系列が用いられる。
また、下りリンクリファレンスシグナルは下りリンクの伝搬路変動の推定にも用いられる。伝搬路変動の推定に用いられる下りリンクリファレンスシグナルのことをチャネル状態情報リファレンスシグナル(Channel State Information Reference Signals;CSI−RS)と称する。また、端末装置に対して個別に設定される下りリンクリファレンスシグナルは、UE specific Reference Signals(URS)、Demodulation Reference Signal(DMRS)またはDedicated RS(DRS)と称され、物理下りリンク制御チャネル、拡張物理下りリンク制御チャネル、または物理下りリンク共用チャネルを復調するときのチャネルの伝搬路補償処理のために参照される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)は、各サブフレームの先頭からいくつかのOFDMシンボル(例えば1〜4OFDMシンボル)で送信される。拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH; Enhanced Physical Downlink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルPDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される物理下りリンク制御チャネルである。PDCCHまたはEPDCCHは、端末装置に対して基地局装置のスケジューリングに従った無線リソース割り当て情報や、送信電力の増減の調整量を指示する情報を通知する目的で使用される。以降、単に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と記載した場合、特に明記がなければ、PDCCHとEPDCCHの両方の物理チャネルを意味する。
端末装置は、下りリンクデータや下りリンク制御データであるレイヤ2メッセージおよびレイヤ3メッセージ(ページング、ハンドオーバーコマンドなど)を送受信する前に自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを監視(モニタ)し、自装置宛の物理下りリンク制御チャネルを受信することで、送信時には上りリンクグラント、受信時には下りリンクグラント(下りリンクアサインメント)と呼ばれる無線リソース割り当て情報を物理下りリンク制御チャネルから取得する必要がある。なお、物理下りリンク制御チャネルは、上述したOFDMシンボルで送信される以外に、基地局装置から端末装置に対して個別(dedicated)に割り当てられるリソースブロックの領域で送信されるように構成することも可能である。
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH; Physical Uplink Control Channel)は、物理下りリンク共用チャネルで送信された下りリンクデータの受信確認応答(ACK/NACK;Acknowledgement/Negative Acknowledgement)や下りリンクの伝搬路(チャネル状態)情報(CSI;Channel State Information)、上りリンクの無線リソース割り当て要求(無線リソース要求、スケジューリングリクエスト(SR;Scheduling Request))を行なうために使用される。
CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記されてもよい。
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH; Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータの他、ページングや物理報知情報チャネルで通知されない報知情報(システムインフォメーション)をレイヤ3メッセージとして端末装置に通知するためにも使用される。物理下りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。物理下りリンク共用チャネルは物理下りリンク制御チャネルが送信されるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに配置されて送信される。すなわち、物理下りリンク共用チャネルと物理下りリンク制御チャネルは1サブフレーム内で時分割多重されている。
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH; Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータと上りリンク制御データを送信し、CSIやACK/NACKなどの制御データを含めることも可能である。また、上りリンクデータの他、上りリンク制御情報をレイヤ2メッセージおよびレイヤ3メッセージとして端末装置から基地局装置に通知するためにも使用される。また、下りリンクと同様に物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
上りリンクリファレンスシグナル(上りリンク参照信号;Uplink Reference Signal(上りリンクパイロット信号、上りリンクパイロットチャネルとも呼称する))は、基地局装置が、物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび/または物理上りリンク共用チャネルPUSCHを復調するために使用する復調参照信号(DMRS;Demodulation Reference Signal)と、基地局装置が、主に、上りリンクのチャネル状態を推定するために使用するサウンディング参照信号(SRS;Sounding Reference Signal)が含まれる。また、サウンディング参照信号には、周期的に送信される周期的サウンディング参照信号(Periodic SRS)と、基地局装置から指示されたときに送信される非周期的サウンディング参照信号(Aperiodic SRS)とがある。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH; Physical Random Access Channel)は、プリアンブル系列を通知(設定)するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを有する。プリアンブル系列は、複数のシーケンスによって基地局装置へ情報を通知するように構成される。例えば、64種類のシーケンスが用意されている場合、6ビットの情報を基地局装置へ示すことができる。物理ランダムアクセスチャネルは、端末装置の基地局装置へのアクセス手段として用いられる。
端末装置は、物理上りリンク制御チャネル未設定時の上りリンクの無線リソース要求のため、または、上りリンク送信タイミングを基地局装置の受信タイミングウィンドウに合わせるために必要な送信タイミング調整情報(タイミングアドバンス(Timing Advance;TA)とも呼ばれる)を基地局装置に要求するためなどに物理ランダムアクセスチャネルを用いる。また、基地局装置は、端末装置に対して物理下りリンク制御チャネルを用いてランダムアクセス手順の開始を要求することもできる。
レイヤ3メッセージは、端末装置と基地局装置のRRC(無線リソース制御)層でやり取りされる制御平面(CP(Control−plane、C−Plane))のプロトコルで取り扱われるメッセージであり、RRCシグナリングまたはRRCメッセージと同義的に使用され得る。なお、制御平面に対し、ユーザデータを取り扱うプロトコルのことをユーザ平面(UP(User−plane、U−Plane))と称する。
なお、それ以外の物理チャネルまたは物理シグナルは、本発明の各実施形態に関わらないため詳細な説明は省略する。説明を省略した物理チャネルまたは物理シグナルとして、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical control format indicator channel)、物理HARQ指示チャネル(PHICH:Physical hybrid ARQ indicator channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical multicast channel)などがある。
[無線ネットワーク]
基地局装置によって制御される各周波数の通信可能範囲(通信エリア)はセルとしてみなされる。このとき、基地局装置がカバーする通信エリアは周波数毎にそれぞれ異なる広さ、異なる形状であってもよい。また、カバーするエリアが周波数毎に異なっていてもよい。基地局装置の種別やセル半径の大きさが異なるセルが、同一の周波数または異なる周波数のエリアに混在して一つの通信システムを形成している無線ネットワークのことを、ヘテロジニアスネットワークと称する。
端末装置は、かかるセルの中を通信エリアとみなして動作する。端末装置が、在圏しているセルから別のセルへ移動するときは、非無線接続時(非通信中)はセル再選択手順、無線接続時(通信中)はハンドオーバー手順によって別の適切なセルへ移動する。適切なセルとは、一般的に端末装置のアクセスが基地局装置から指定される情報に基づいて禁止されていないと判断したセルであって、かつ、下りリンクの受信品質が所定の条件を満足するセルのことを示す。
基地局装置は端末装置が通信可能なエリアであるセルを周波数毎に管理する。1つの基地局装置が複数のセルを管理していてもよい。セルは、端末装置と通信可能なエリアの大きさ(セルサイズ)に応じて複数の種別に分類される。例えば、セルは、マクロセルとスモールセルに分類される。スモールセルは、一般的に半径数メートルから数十メートルまでをカバーするセルである。また、スモールセルは、そのエリアの大きさに応じて、フェムトセル、ピコセル、ナノセルなどに分類されることもある。
端末装置がある基地局装置と通信可能であるとき、その基地局装置のセルのうち、端末装置とのキャンプ並びに通信に使用されるように設定されているセルは在圏セル(Serving cell)であり、その他の通信に使用されないセルは周辺セル(Neighboring cell)と称される。
[プライマリセル、セカンダリセル]
また、端末装置と基地局装置は、キャリア・アグリゲーションによって複数の異なる周波数バンド(周波数帯)の周波数(コンポーネントキャリア、または周波数帯域)を集約(アグリゲート、aggregate)して一つの周波数(周波数帯域)のように扱う技術を適用してもよい。キャリア・アグリゲーションにおいて、コンポーネントキャリアとして、上りリンクに対応する上りリンクコンポーネントキャリアと、下りリンクに対応する下りリンクコンポーネントキャリアとがある。本明細書において、周波数と周波数帯域は同義的に使用され得る。
例えば、キャリア・アグリゲーションによって周波数帯域幅が20MHzのコンポーネントキャリアを5つ集約した場合、キャリア・アグリゲーションを可能な能力を持つ端末装置はこれらを100MHzの周波数帯域幅とみなして送受信を行う。なお、集約するコンポーネントキャリアは連続した周波数であっても、全てまたは一部が不連続となる周波数であってもよい。例えば、使用可能な周波数バンドが800MHz帯、2GHz帯、3.5GHz帯である場合、あるコンポーネントキャリアが800MHz帯、別のコンポーネントキャリアが2GHz帯、さらに別のコンポーネントキャリアが3.5GHz帯で送信されていてもよい。
また、端末装置と基地局装置は、同一周波数帯の連続または不連続の複数のコンポーネントキャリアを集約することも可能である。各コンポーネントキャリアの周波数帯域幅は端末装置の受信可能周波数帯域幅(例えば20MHz)よりも狭い周波数帯域幅(例えば5MHzや10MHz)であってもよく、集約する周波数帯域幅が各々異なっていてもよい。周波数帯域幅は、後方互換性を考慮して従来のセルの周波数帯域幅のいずれかと等しいことが望ましいが、従来のセルの周波数帯域と異なる周波数帯域幅を用いてもよい。
キャリア・アグリゲーションによって、後方互換性のないコンポーネントキャリア(キャリアタイプ)を集約してもよい。この後方互換性のないコンポーネントキャリアのことを、ニューキャリアタイプ(NCT)とも称する。なお、基地局装置が端末装置に割り当てる(設定する、追加する)上りリンクコンポーネントキャリアの数は、下りリンクコンポーネントキャリアの数と同じか少ないことが望ましい。
端末装置と基地局装置は、ある上りリンクコンポーネントキャリアと、かかる上りリンクコンポーネントキャリアとセル固有接続される下りリンクコンポーネントキャリアから構成されるセルを、プライマリセル(PCell:Primary cell)として管理する。また、端末装置と基地局装置は、プライマリセル以外のコンポーネントキャリアから構成されるセルを、セカンダリセル(SCell:Secondary cell)として管理する。
端末装置は、プライマリセルにおいて、ページングメッセージの受信、報知情報の更新の検出、初期アクセス手順、セキュリティ情報の設定などを行う一方、セカンダリセルではこれらを行わないでもよい。プライマリセルとセカンダリセルとを合わせてサービングセル(在圏セル)と称する。
プライマリセルは活性化(アクティベーション(Activation))および不活性化(ディアクティベーション(Deactivation))の制御の対象外であるが(つまり、プライマリセルは必ず活性化しているとみなされる)、セカンダリセルは活性化と不活性化というアクティビティに応じたセルの状態(state)を持つ。セルの状態に関し、活性化されている状態をActivated state、不活性化されている状態をDeactivated stateとも称する。セル(セカンダリセル)の状態は、基地局装置から明示的に状態の変更が指定(通知、指示)される場合もあるし、コンポーネントキャリア(セカンダリセル)毎に端末装置が計時するタイマー情報(セカンダリセル不活性化タイマー;ディアクティベーションタイマー)に基づいて状態が変更される場合もある。
セカンダリセルの活性化および/または不活性化に関する制御について説明する。基地局装置は、端末装置に対し、セカンダリセルの活性化および/または不活性化を示すコマンドを通知する。かかるコマンドは、MAC層でデコード(エンコード)されるMAC PDU(Protocol data unit、データユニット)に含まれるMAC制御要素(MAC−CE:MAC control element)として端末装置に送信される。
端末装置は、セカンダリセルの活性化および/または不活性化を示すMAC制御要素(Activation/Deactivation MAC control element)として、図11のフォーマット(ビット構造(構成))によって通知される1オクテットのビット列(8ビット)を受信する。図中の「R」フィールドはリザーブビットであり、0(ゼロ)である。なお、図11は、端末装置が活性化および/または不活性化した後のセカンダリセルの状態を示すコマンドであると解釈されてもよい。
また、「C(i)」フィールドは、セカンダリセルの状態をそれぞれ活性化および/または不活性化に変更する指示情報を表すビットマップ情報である。i(i=1〜7)はセカンダリセルの識別子(セルインデックス)を示す番号であり、基地局装置からセカンダリセルを設定する(割り当てる)際に端末装置に通知される。「C(i)」フィールドが「1」である場合、端末装置は、インデックスiに対応するセカンダリセルを活性化の状態にする。一方、「C(i)」フィールドが「0(ゼロ)」である場合、端末装置は、インデックスiに対応するセカンダリセルを不活性化の状態にする。インデックスiに対応するセカンダリセルが端末装置に設定されていない場合、端末装置は、インデックスiの値を無視する。
C(i)フィールドにおいて、活性化しているセカンダリセルに対して活性化(すなわち、1)が設定された場合、および、不活性化しているセカンダリセルに対して不活性化(すなわち、0(ゼロ))が設定された場合、端末装置は該当するセルの状態は変更しない(状態を維持する)。
なお、キャリア・アグリゲーションは、複数のコンポーネントキャリア(周波数帯域)を用いた複数のセルによる通信であり、セル・アグリゲーションとも称される。なお、端末装置は、周波数毎にリレー局装置(またはリピーター)を介して基地局装置と無線接続されてもよい。すなわち、本発明の各実施形態の基地局装置は、リレー局装置に置き換えることも出来る。
[デュアルコネクティビティ]
図12を用いてデュアルコネクティビティの基本構造(アーキテクチャー)について説明する。図12は、端末装置1が、複数の基地局装置2(図中では基地局装置2−1、基地局装置2−2で示す)と同時に接続していることを示している。基地局装置2−1はマクロセルを構成する基地局装置であり、基地局装置2−2はスモールセルを構成する基地局装置であるとする。
このように、端末装置1が、複数の基地局装置2に属する複数のセルを用いて同時に接続することをデュアルコネクティビティと称し、デュアルコネクティビティを実現するための技術を用いて端末装置1と複数の基地局装置2とが接続することを、「デュアルコネクティビティを用いる」、「デュアルコネクティビティによる接続」、またはこれらと同義の表現を用いて説明する。各基地局装置2に属するセルは同じ周波数で運用されていてもよいし、異なる周波数で運用されていてもよい。
なお、キャリア・アグリゲーションは、複数のセルを一つの基地局装置2が管理し、各セルの周波数が異なるという点、および、複数のセル間が遅延の影響を考慮する必要がない高速なバックボーン回線である点がデュアルコネクティビティによる接続と異なる。換言すると、キャリア・アグリゲーションは、一つの端末装置1と一つの基地局装置2とを、周波数が異なる複数のセルを介して接続させる技術であるのに対し、デュアルコネクティビティは、一つの端末装置1と複数の基地局装置2とを、周波数が同じまたは異なる複数のセルを介して接続させる技術である。
端末装置1と基地局装置2は、キャリア・アグリゲーションに適用される技術を、デュアルコネクティビティに対して適用することができる。例えば、端末装置1と基地局装置2は、プライマリセルおよびセカンダリセルの管理(追加、削除、変更など)、キャリア・アグリゲーションに対応した測定方法および測定イベント設定、活性化/不活性化などの技術をデュアルコネクティビティにより接続されるセルに対して適用してもよい。
図12において、基地局装置2−1または基地局装置2−2は、MME(Mobility Management Entity)とSGW(Serving Gateway)とバックボーン回線で接続されている。MMEはコアネットワークにおける制御局装置の一つであり、端末装置1の移動性管理や認証制御(セキュリティ制御)および基地局装置2に対するユーザデータの経路を設定する役割などを持つ。SGWはコアネットワークにおける制御局装置の一つであり、MMEによって設定された端末装置1へのユーザデータの経路に従ってユーザデータを伝送する役割などを持つ。
また、図12において、基地局装置2−1または基地局装置2−2とSGW接続経路は、S1−Uインターフェースと称される。基地局装置2−1とMMEの接続経路はS1−MMEインターフェースと称される。基地局装置2−1と基地局装置2−2の接続経路(基地局インターフェースN10)は、EUTRAにおいてX2インターフェースとも称される。デュアルコネクティビティにおいて、基地局装置2−2を経由したMMEと端末装置1との接続経路は設定されない。
MMEと接続される第1の基地局装置(基地局装置2−1)をマスター基地局装置(Master eNB)とも称し、マスター基地局装置ではない第2の基地局装置(基地局装置2−2)をセカンダリ基地局装置(Secondary eNB)とも称する。端末装置1とマスター基地局装置との接続に用いるセルのグループをマスターセルグループ(Master Cell Group、MCG)とも称し、端末装置1とセカンダリ基地局装置との接続に用いるセルのグループをセカンダリセルグループ(Secondary Cell Group、SCG)とも称する。
また、MCGに属するセルのことをMCGセルとも称し、SCGに属するセルをSCGセルとも称する。また、SCGセルのうち、物理上りリンク制御チャネルPUCCHが設定され、プライマリセルに近い役割を果たすSCGセルの中でも特別なSCGセルのことをプライマリセカンダリセル(Primary SCell(PSCell)、またはスペシャルセル)とも称する。例えば、プライマリセカンダリセルは、プライマリセルと同様に非活性化されず、物理上りリンク制御チャネルの設定がなされたり、コンテンションベースのランダムアクセス手順が実行されたりするセルである。
本技術はデュアルコネクティビティという名称で呼ばれるが、端末装置1と接続される基地局装置2の数が2つまでに限定されるというわけではなく、3つ以上の基地局装置2と接続することも可能である。
[パワーヘッドルーム]
パワーヘッドルーム(Power Headroom、PH)とは、現在のサブフレームで物理上りリンク共用チャネル、または物理上りリンク共用チャネルと物理上りリンク制御チャネルを送信する場合に、かかるサブフレームにおける実際の送信(Real Transmission)に基づいて計算された電力値、または、リファレンスフォーマットを用いた仮想的な送信(Virtual Transmission)に基づいて計算された(推定)電力値と、端末装置の最大送信電力との差をセル毎に量子化した情報を用いて示すものであり、パワーヘッドルームが大きいほど端末装置のセル毎の上りリンクの送信に余裕がある(送信電力に余力がある)ことを意味する。
パワーヘッドルームは、端末装置においてRRC層から設定されたパラメータに基づいて物理層(レイヤ1)で計算され、MAC層で管理される。また、物理層は、計算した各コンポーネントキャリアのパワーヘッドルームの値をMAC層に対して通知する。
端末装置は、パワーヘッドルームを基地局装置へ報告することによって、サブフレームあたりどれだけの送信電力を使用しているかを通知することができる。換言すれば、端末装置は、基地局装置に対して上りリンク送信電力にどれだけ余裕があるかを通知することができる。基地局装置は、端末装置からの報告されるパワーヘッドルームを用いることによって、適切なスケジューリングを行うことができる。例えば、基地局装置は、上りリンクのリソース割り当てや送信電力制御に関し、端末装置の最大送信電力を超えないように制御を行うことができる。
端末装置のMAC層は、以下のいずれかのトリガ条件が満たされた場合に、パワーヘッドルームの報告タイミングであると判断し、送信データの制御ヘッダー部分に含まれるMAC制御要素を用いてパワーヘッドルームを基地局装置に送信する。トリガ条件は、(1)PH報告禁止タイマー(Prohibit PHR timer)が停止しているときであって、在圏セルのパスロス値が前回PHを報告したときよりも所定の値以上劣化したとき、(2)PH周期タイマー(Periodic PHR timer)が満了したとき、(3)パワーヘッドルームの設定が変更されたとき、(4)セカンダリセルが活性化されたとき、である。
Advanced ETURAでは、パワーヘッドルームとして2種類の報告形式が規定されている。第1の報告形式(タイプ1PH)は、端末装置があるサブフレームにおいて物理上りリンク共用チャネルPUSCHのみを送信可能な場合に適用される報告形式である。タイプ1PHは、PUSCHを送信しているサブフレームとPUSCHを送信していないサブフレームとで異なるPHの計算方法を使用する。
第2の報告形式(タイプ2PH)は、端末装置があるサブフレームにおいて物理上りリンク制御チャネルPUCCHと物理上りリンク共用チャネルPUSCHを同時に送信可能な場合に適用される報告形式である。タイプ2PHは、PUCCHとPUSCHを同時に送信しているサブフレーム、PUSCHのみを送信しているサブフレーム、PUCCHのみを送信しているサブフレームとでそれぞれ異なるパワーヘッドルームの計算方法を使用する。
端末装置は、単一のセルを用いた通信を行っている場合、かかるセルのパワーヘッドルームを計算し、基地局装置に対して第1の報告形式を用いてパワーヘッドルームを報告(通知、送信)する。端末装置は、複数のセルを用いた通信を行っている場合、設定されているセル毎にパワーヘッドルームを計算し、基地局装置に対して第2の報告形式を用いてパワーヘッドルームを報告(通知、送信)する。端末装置からパワーヘッドルームの報告が必要なセルは、プライマリセルおよび活性化されているセカンダリセルである。
図13は、パワーヘッドルームがトリガされたときの、タイプ2PHの報告に用いられる報告形式を示した図である。図13における1行はそれぞれ1オクテット長(8ビット)に対応している。パワーヘッドルームがトリガされた場合、端末装置は、報告するセカンダリセルのセルインデックス(C(i)、i=1、2、・・・、7)を含むビットマップ情報のフィールド、プライマリセルのタイプ2PHのフィールド、プライマリセルのタイプ1PHのフィールド、および、セカンダリセルのタイプ1PHのフィールドをそれぞれMAC制御要素に含めて報告する。端末装置は、それぞれのセルのPHの報告と共にかかるセルのNominal電力(Pcmaxと称する)を報告してもよい。
セカンダリセルのタイプ1PHのフィールドには、セルインデックスに対応するセカンダリセルのタイプ1PHが昇順に設定される。例えば、セルインデックス#1と、セルインデックス#3が設定されたセカンダリセルのPHを報告する場合、1オクテット目のビットマップ情報のフィールドには、C(1)とC(3)のビットには「1」が設定され、C(2)、C(4)〜C(7)のビットにはそれぞれ「0」が設定される。また、セカンダリセルのタイプ1PHのフィールドには、先にセカンダリセル#1(C(1)に対応)のタイプPH、次にセカンダリセル#3(C(3)に対応)のタイプ1PHが含まれる。
基地局装置は、端末装置から通知された端末装置能力(UE Capability)に基づいて、タイプ1とタイプ2のPHの報告形式のどちらを用いるかについて、レイヤ3メッセージを用いて端末装置毎に設定する。
以上の事項を考慮しつつ、以下、添付図面を参照しながら本発明の適切な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明において、本発明の実施形態に関連した公知の機能や構成についての具体的な説明が、本発明の実施形態の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による端末装置1の一例を示すブロック図である。本端末装置1は、受信部101、復調部102、復号部103、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、符号部107、変調部108、送信部109、無線リソース制御部110から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなど用語によっても表現される、端末装置1の機能および各手順を実現する要素である。
無線リソース制御部110は、端末装置1の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部104と送信データ制御部106は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、端末装置1は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデュアルコネクティビティによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルの同一サブフレーム内での受信処理をサポートするために受信系のブロック(受信部101、復調部102、復号部103)、および複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)またはセルにおける同一サブフレーム内での送信処理をサポートするために送信系のブロック(符号部107、変調部108、送信部109)を複数備える構成であってもよい。
また、端末装置1は、受信データ制御部104、物理レイヤ制御部105、送信データ制御部106、無線リソース制御部110を対応する基地局装置毎に複数備えることが可能な構成であってもよい。すなわち、端末装置1は、プライマリ基地局装置に対応する物理層、MAC層、RLC層、PDCP層と、セカンダリ基地局装置に対応する物理層、MAC層、RLC層、PDCP層とをそれぞれ備える構成でもよい。ただし、この場合でも端末装置1が備えるRRC層は一つであることが望ましい。
端末装置1の受信処理に関し、無線リソース制御部110より受信データ制御部104へ受信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される端末装置1の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。
物理レイヤ制御情報は、基地局装置2から端末装置1に対して個別(dedicated)に送信される無線接続リソース設定、セル固有の報知情報、またはシステムパラメータなどによって設定され、無線リソース制御部110が必要に応じて物理レイヤ制御部105へ入力する。物理レイヤ制御部105は、受信に関する制御情報である受信制御情報を、受信部101、復調部102、復号部103へ適切に入力する。
受信制御情報は、下りリンクスケジューリング情報として、受信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する受信タイミング、多重方法、無線リソース制御情報などの情報が含まれている。また、受信データ制御情報は、セカンダリセル不活性化タイマー情報、DRX制御情報、マルチキャストデータ受信情報、下りリンク再送制御情報などを含む下りリンクの制御情報であり、MAC層、RLC層、PDCP層におけるそれぞれの下りリンクに関する制御情報が含まれている。
受信信号は、受信部101において受信される。受信部101は、受信制御情報で通知された周波数と周波数帯域に従って基地局装置2からの信号を受信する。受信された信号は復調部102へと入力される。復調部102は信号の復調を行う。復調部102は、復号部103へと復調後の信号を入力する。復号部103は、入力された信号を復号し、復号された各データ(下りリンクデータと下りリンク制御データ、下りリンクトランスポートブロックとも称す)を受信データ制御部104へと入力する。また、各データと共に基地局装置2から送信されたMAC制御要素も復号部103で復号され、関係するデータは受信データ制御部104へと入力される。
受信データ制御部104は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部105の制御(例えば、セルの活性化/不活性化、DRX制御、送信タイミング調整など)や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部104へ入力された各データは、関係するデータは無線リソース制御部110へと入力(転送)される。
また、端末装置1の送信処理に関し、無線リソース制御部110より送信データ制御部106へ送信データ制御情報が入力され、物理レイヤ制御部105には各ブロックを制御するための制御パラメータである物理レイヤ制御情報が入力される。物理レイヤ制御部105は、送信に関する制御情報である送信制御情報を、符号部107、変調部108、送信部109へ適切に入力する。送信制御情報は、上りリンクスケジューリング情報として、符号化情報、変調情報、送信周波数帯域の情報、物理チャネルと物理シグナルに関する送信タイミング、多重方法、無線リソース配置情報などの情報が含まれている。
また、送信データ制御情報は、DTX制御情報、ランダムアクセス設定情報、上りリンク共用チャネル情報、論理チャネルプライオリティ情報、リソース要求設定情報、セルグループ情報、上りリンク再送制御情報、パワーヘッドルーム報告情報などを含む上りリンクの制御情報である。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のランダムアクセス設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
また、無線リソース制御部110は、上りリンク送信タイミングの調整に用いる送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーを管理し、セル毎(またはセルグループ毎、TAグループ毎)に上りリンク送信タイミングの状態(送信タイミング調整状態または送信タイミング非調整状態)を管理する。送信タイミング調整情報と送信タイミングタイマーは、送信データ制御情報に含まれる。
なお、複数の上りリンク送信タイミングの状態を管理する必要がある場合、送信データ制御部106は、複数のそれぞれのセル(またはセルグループ、TAグループ)の上りリンク送信タイミングに対応する送信タイミング調整情報を管理する。リソース要求設定情報には、少なくとも最大送信カウンタ設定情報と無線リソース要求禁止タイマー情報とが含まれている。無線リソース制御部110は、複数のセルにそれぞれ対応した複数のリソース要求設定情報を送信データ制御部106に設定してもよい。
端末装置1で生起した送信データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ、上りリンクトランスポートブロックとも称す)は、無線リソース制御部110より任意のタイミングで送信データ制御部106に入力される。このとき、送信データ制御部106は、入力された送信データの量(上りリンクバッファ量)を計算する。また、送信データ制御部106は、入力された送信データが制御平面に属するデータなのか、ユーザ平面に属するデータなのかを判別する機能を有する。
また、送信データ制御部106は、送信データが入力されたときに、送信データ制御部106内(図示せず)の上りリンクバッファに送信データを格納する。そして、送信データ制御部106は、入力された送信データの送信に必要な無線リソースが端末装置1に対して割り当てられているかを判断する。送信データ制御部106は、無線リソース割り当てに基づいて、物理上りリンク共用チャネルPUSCH、物理上りリンク制御チャネル(SR−PUCCH)を用いた無線リソース要求、または物理ランダムアクセスチャネルを用いた無線リソース要求のいずれか一つを選択し、選択したチャネルを送信するための制御処理を物理レイヤ制御部105に対して要求する。
また、送信データ制御部106は、パワーヘッドルームの報告に関するトリガ条件が満たされたかどうかを判断し、パワーヘッドルームの報告がトリガされた場合に、物理層から通知されるセル(コンポーネントキャリア)毎のパワーヘッドルームの計算結果に基づいてパワーヘッドルーム報告に用いられるMAC制御要素を生成する。また、符号部107は、送信制御情報に従って各データを適切に符号化し、変調部108へと入力する。
変調部108は、符号化された各データを送信するチャネル構造に基づいて適切な変調処理を行う。送信部109は、変調処理された各データを周波数領域にマッピングすると共に、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行う。送信部109は、また、無線リソース制御部110より入力されたセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)の送信タイミング調整情報に従って上りリンク送信タイミングを調整する。上りリンク制御データが配置される物理上りリンク共用チャネルは、ユーザデータの他に、例えばレイヤ3メッセージ(無線リソース制御メッセージ;RRCメッセージ)を含めることも可能である。
図1において、その他の端末装置1の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、端末装置1として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部110の上位には、コアネットワークとの制御を執り行うNASレイヤ部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
図2は、本発明の第1の実施形態による基地局装置2の一例を示すブロック図である。本基地局装置は、受信部201、復調部202、復号部203、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、符号部207、変調部208、送信部209、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211から少なくとも構成される。図中の「部」とは、セクション、回路、構成装置、デバイス、ユニットなどの用語によっても表現される、基地局装置2の機能および各手順を実行する要素である。
無線リソース制御部210は、基地局装置2の無線リソース制御を執り行うRRC(Radio Resource Control)層の各機能を実行するブロックである。また、受信データ制御部204と送信データ制御部206は、データリンク層を管理するMAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層における各機能を実行するブロックである。
なお、基地局装置2は、キャリア・アグリゲーション、および/またはデュアルコネクティビティによる複数の周波数(周波数帯、周波数帯域幅)をサポートするために受信系のブロック(受信部201、復調部202、復号部203)、および送信系のブロック(符号部207、変調部208、送信部209)を複数備える構成であってもよい。また、受信データ制御部204、物理レイヤ制御部205、送信データ制御部206、無線リソース制御部210、ネットワーク信号送受信部211を複数備える構成であってもよい。
無線リソース制御部210は、下りリンクデータと下りリンク制御データを送信データ制御部206へと入力する。送信データ制御部206は、端末装置1へ送信するMAC制御要素が存在する場合、MAC制御要素と各データ(下りリンクデータまたは下りリンク制御データ)を符号部207へと入力する。符号部207は、入力されたMAC制御要素と各データを符号化し、変調部208へと入力する。変調部208は、符号化された信号の変調を行なう。
また、変調部208で変調された信号は送信部209に入力される。送信部209は、入力された信号を周波数領域にマッピングした後、周波数領域の信号を時間領域の信号へ変換し、既定の周波数の搬送波にのせて電力増幅を行い送信する。下りリンク制御データが配置される物理下りリンク共用チャネルは、典型的にはレイヤ3メッセージ(RRCメッセージ)を構成する。
また、受信部201は、端末装置1から受信した信号をベースバンドのデジタル信号に変換する。端末装置1に対して異なる複数の送信タイミングのセルを設定している場合、受信部201はセル毎(またセルグループ毎、TAグループ毎)に異なるタイミングで信号を受信する。受信部201で変換されたデジタル信号は、復調部202へ入力されて復調される。復調部202で復調された信号は続いて復号部203へと入力される。復号部203は、入力された信号を復号し、復号された各データ(上りリンクデータと上りリンク制御データ)を受信データ制御部204へと入力する。また、各データと共に端末装置1から送信されたMAC制御要素も復号部203で復号され、関係するデータは受信データ制御部204へと入力される。
受信データ制御部204は、受信したMAC制御要素に基づく物理レイヤ制御部205の制御(例えば、パワーヘッドルーム報告に関する制御、バッファステータス報告に関する制御など)や、復号された各データをバッファリングし、再送されたデータの誤り訂正制御(HARQ)を行う。受信データ制御部204へ入力された各データは、関係するデータは無線リソース制御部210へと入力(転送)される。
これら各ブロックの制御に必要な物理レイヤ制御情報は、受信制御情報と送信制御情報によって構成される基地局装置2の無線通信制御に必要なパラメータ設定を含む情報である。物理レイヤ制御情報は、上位のネットワーク装置(MMEやゲートウェイ装置(SGW)、OAMなど)やシステムパラメータにより設定され、無線リソース制御部210が必要に応じて制御部204へ入力する。
物理レイヤ制御部205は、送信に関連する物理レイヤ制御情報を送信制御情報として符号部207、変調部208、送信部209の各ブロックに入力し、受信に関連する物理レイヤ制御情報を受信制御情報として受信部201、復調部202、復号部203の各ブロックに適切に入力する。
受信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の上りリンクに関する制御情報が含まれている。また、送信データ制御情報は、基地局装置2のMAC層、RLC層、PDCP層のそれぞれに対する端末装置1の下りリンクに関する制御情報が含まれている。すなわち、受信データ制御情報と送信データ制御情報は、端末装置1毎に設定されている。
ネットワーク信号送受信部211は、基地局装置2間あるいは上位のネットワーク装置(MME、SGW)と基地局装置2との間の制御メッセージ、またはユーザデータの送信(転送)または受信を行なう。図2において、その他の基地局装置2の構成要素や、構成要素間のデータ(制御情報)の伝送経路については省略してあるが、基地局装置2として動作するために必要なその他の機能を有する複数のブロックを構成要素として持つことは明らかである。例えば、無線リソース制御部210の上位には、無線リソース管理(Radio Resource Management)部や、アプリケーションレイヤ部が存在している。
図3は、本発明の第1の実施形態におけるセカンダリセルの割り当て手順に関するシーケンスチャート図の一例を示したものである。
図3において、端末装置1と基地局装置2は複数のセルを用いて接続されている状態である。また、基地局装置2は、基地局装置2−1と基地局装置2−2を含む。典型的には、基地局装置2−1はマクロセルを構成し、基地局装置2−2はスモールセルを構成する基地局装置2であるが、対応するセルの構成が限定されるわけではない。
まず、マスター基地局装置である基地局装置2−1は、デュアルコネクティビティによる通信の開始を決定する。そして、セカンダリ基地局である基地局装置2−2のセル(セカンダリセルグループセル)を端末装置1に追加することを決定し、セカンダリセルグループ追加メッセージを生成して基地局装置2−2に送信する(ステップS100)。
基地局装置2−1は、セカンダリセルグループ追加メッセージに端末装置1の能力情報や追加の対象となるセル情報を含めて送信する。基地局装置2−1は、測定イベント報告またはCSI報告、セルの負荷状況などの情報のうち、一つまたは複数の組み合わせに基づいて追加対象となるセルを決定することができる。また、基地局装置2−1は、これ以外の情報を用いて追加対象となるセルを決定することもできる。
このとき、基地局装置2−1は、端末装置1に設定しているセカンダリセルの識別子情報(セルインデックス情報、セルインデックス番号)を基地局装置2−2に通知してもよい。セカンダリセルのセルインデックス情報が通知されることによって、基地局装置2−2は、基地局装置2−1のセルのセルインデックスと異なるセルインデックス番号を割り当てることができる。
または、基地局装置2−1は、端末装置1に対して予約しているセカンダリセルのセルインデックス情報(セルインデックス番号)の範囲を基地局装置2−2に通知してもよい。例えば、基地局装置2−1においてセルインデックス#1〜#4が使用可能(割り当て可能)であり、基地局装置2−2においてセルインデックス#5〜#7が使用可能であることを通知してもよい。また、例えば、基地局装置2−1においてセルインデックス#1、#2、#4使用可能であり、基地局装置2−2においてセルインデックス#3、#5〜#7が使用可能であることを通知してもよい。セカンダリセルのセルインデックス情報の範囲が通知されることによって、基地局装置2−2は、基地局装置2−1のセルのセルインデックスと異なるセルインデックス番号を割り当てることができる。
基地局装置2−2は、セカンダリセルグループ追加メッセージを受信し、指定されたセルを端末装置1に対して設定(追加)可能であれば、セカンダリセルグループ追加許可メッセージを生成して基地局装置2−1に送信する(ステップS101)。このとき、基地局装置2−2は、セカンダリセルグループ追加許可メッセージに対し、少なくとも追加するセカンダリセルグループのセルに関する無線リソース設定(例えば、かかるセカンダリセルグループの報知情報、無線リソース共通設定、ランダムアクセス設定、物理上りリンク制御チャネル設定情報など)を含めて送信する。
基地局装置2−1は、セカンダリセルグループ追加許可メッセージに含まれる無線リソース設定をRRC接続再設定メッセージに含めて端末装置1に送信する(ステップS102)。RRC接続再設定メッセージには、追加するセカンダリセルグループのセルの設定が少なくとも一つ含まれている。RRC接続再設定メッセージは、レイヤ3メッセージであり、例えばRRCConnectionReconfigurationメッセージである。
図4は、第1の実施形態における、基地局装置2から端末装置1に通知されるセルインデックス(セルインデックス番号)の割り当ての一例を示す図である。上述したように、基地局装置2−1と基地局装置2−2との間で事前にセルインデックス情報をやり取りしているため、端末装置1に設定するセルインデックスは互いのセルグループ間で調整(コーディネート)されている。換言すると、端末装置1に設定されるMCGとSCGのセルのそれぞれに対し、異なるセルインデックスが割り当てられていることが保証されている。
例えば、端末装置1に対し、MCGのセルとして、プライマリセルとセカンダリセル#1とセカンダリセル#2が設定され、SCGのセルとして、セカンダリセル#3とセカンダリセル#4が設定されている。なお、セカンダリセル#3はプライマリセカンダリセルである。
このとき、端末装置1に対し、セルインデックス番号として、プライマリセルにはセルインデックス#0、セカンダリセル#1にはセルインデックス#1、セカンダリセル#2にはセルインデックス#2、セカンダリセル#3にはセルインデックス#3、セカンダリセル#4にはセルインデックス#4が設定されている。なお、プライマリセルのセルインデックスは、静的(static、fixed)にセルインデックス#0が割り当てられる。
また、基地局装置2は、プライマリセカンダリセルのセルインデックスを、端末装置1毎に個別に割り当てるのではなく、静的にセルインデックス#1を割り当ててもよい。すなわち、デュアルコネクティビティにおいて、セルインデックス#0とセルインデックス#1は、それぞれプライマリセルとプライマリセカンダリセルに対して事前に予約されているとみなすことができる。
この場合、基地局装置2は、端末装置1に対し、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号を明示的に通知しないでもよい。端末装置1は、セルインデックス#1が割り当てられたSCGセルをプライマリセカンダリセルとみなして制御を行ってもよい。
このように、事前にマスター基地局装置とセカンダリ基地局装置との間で端末装置1に設定するセルインデックス番号の割り当てを調整した場合における、セルインデックス番号を用いたそれぞれの制御方法について、以下に詳細な説明を行う。
<PH報告>
図13で示したように、端末装置1は、セカンダリセルに関するPHを報告する場合、1オクテット目にセルインデックス番号を含める必要がある。ここで、セルインデックス番号がMCGとSCGで重複して割り当てられないことが保証されることにより、端末装置1は、従来の報告形式(フォーマット)を可能な限り利用することができるため、報告時のオーバーヘッドを減らすことができる。
図5は、パワーヘッドルームの報告手順を示すシーケンスチャート図の一例である。図5のステップS201のRRC接続再設定メッセージは、図3のステップS102におけるセカンダリセルグループのセルの追加を指示するRRC接続再設定メッセージである。
端末装置1は、RRC接続再設定メッセージを受信し、RRC接続再設定メッセージに含まれるセカンダリセルグループの設定情報に従って基地局装置2−2のセル(セカンダリセルグループ)を追加する(ステップS202)。このとき、基地局装置2−2に対応するMAC層とRLC層、PDCP層も設定(確立)される。追加されるセルは少なくともプライマリセカンダリセルが含まれる。
プライマリセカンダリセルを追加した端末装置1は、パワーヘッドルーム報告をトリガする(ステップS203)。換言すれば、パワーヘッドルーム報告は、セカンダリ基地局装置(基地局装置2−2)に対応するMAC層が端末装置1において新規に確立(establishment)されたときにトリガされる。そして、端末装置1は、報告するパワーヘッドルームとして、セカンダリセルグループのセルを追加する前のMCGのプライマリセルと、設定されていればMCGの活性化しているセカンダリセルと、プライマリセカンダリセルとを、少なくともMAC制御要素に含める。
また、端末装置1は、RRC接続再設定メッセージによる処理が終了した場合、RRC接続再設定完了メッセージを基地局装置2−1へ送信する。RRC接続再設定完了メッセージは、レイヤ3メッセージであり、例えばRRCConnectionReconfigurationCompleteメッセージである。端末装置1は、ステップS203でトリガされたパワーヘッドルームについて、かかるRRC接続再設定完了メッセージに含まれて送信されてもよいし、以降の上りリンクリソース割り当て(上りリンクグラント)に基づいて送信される物理上りリンク共用データチャネルによって基地局装置2−1へ報告されてもよい。
また、端末装置1は、ステップS203でトリガされたパワーヘッドルームについて、プライマリセカンダリセルにおけるランダムアクセス手順で送信される、物理上りリンク共用データチャネル(メッセージ3)によって基地局装置2−2へ送信されてもよいし、以降の上りリンクリソース割り当て(上りリンクグラント)に基づいて送信される物理上りリンク共用データチャネルによって基地局装置2−2へ報告されてもよい。
図6は、端末装置1から基地局装置2(基地局装置2−1、基地局装置2−2)に送信されるSCGセルのパワーヘッドルームの報告形式について説明するための図である。
図6における1行はそれぞれ1オクテット長(8ビット)に対応している。パワーヘッドルームがトリガされた場合、端末装置1は、報告するプライマリセカンダリセルとSCGのセカンダリセルのセルインデックス(C(i)、i=1、2、・・・、7)を含むビットマップ情報のフィールド、プライマリセルのタイプ2PHのフィールド、プライマリセルのタイプ1PHのフィールド、プライマリセカンダリセルのタイプ2PHのフィールド、プライマリセカンダリセルのタイプ1PHのフィールド、および、活性化しているセカンダリセルのタイプ1PHのフィールドを、それぞれ図6に示した順に配置して(含めて)MAC制御要素を生成し、生成したMAC制御要素を基地局装置2へ送信することで、パワーヘッドルームを報告する。端末装置1は、それぞれのセルのパワーヘッドルームの報告と共にかかるセルのNominal電力(Pcmaxと称する)を報告してもよい。
なお、端末装置1は、図6におけるプライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスのビットマップ情報のフィールド(C(i))にビットを設定しなくてもよい。すなわち、パワーヘッドルームを報告するセカンダリセルのセルインデックスを「1」に設定する場合、かかるプライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスのビットマップ情報のフィールド(C(i))を「0」に設定してもよい。例えば、プライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスにセルインデックス#3が設定されていた場合であっても、C(3)を「0」に設定してもよい。
または、端末装置1は、図6におけるプライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスのビットマップ情報のフィールド(C(i))のビットをリザーブビット(R)であるとみなしてもよい。
端末装置1は、デュアルコネクティビティによる通信において、パワーヘッドルームがトリガされた場合、従来のパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素(図13)に代えて、セカンダリプライマリセルのタイプ2PHを含むパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素(図6)を生成し、MAC PDU内に配置して(含めて)送信する。
また、基地局装置2は、デュアルコネクティビティによる通信において、端末装置1から送信されたMAC PDUを受信し、かかるMAC PDU内にセカンダリプライマリセルのタイプ2PHを含むMAC制御要素が配置されているとみなして受信する。
<アクティベーション/ディアクティベーション>
図7は、セルの活性化/不活性化の手順を示すシーケンスチャート図の一例である。図7は、デュアルコネクティビティによって、端末装置1に対して基地局装置2−1のMCGセルと基地局装置2−2のSCGセルとが設定されている状態から開始される。
基地局装置2−1は、端末装置1に設定されているMCGセルのうち、セカンダリセルの活性化および/または不活性化を制御する。同様に、基地局装置2−2は、端末装置1に設定されているSCGセルのうち、セカンダリセルの活性化および/または不活性化を通知する。すなわち、MCGセルを管理する基地局装置2−1は、SCGセルを管理する基地局装置2−2のセカンダリセルの活性化および/または不活性化を制御しない。また、SCGセルを管理する基地局装置2−2は、MCGセルを管理する基地局装置2−1のセカンダリセルの活性化および/または不活性化を制御しない。
端末装置1は、受信したセルが属するセルグループのセカンダリセル(プライマリセカンダリセルを含む)についてのみセルの状態を制御する。換言すれば、活性化/不活性化を示すMAC制御要素に含まれるセルインデックスのうち、かかるセルグループに対応するセルインデックスのビットのみを考慮すればよい。
図7の例では、基地局装置2−1は、ステップS300において、MCGセルの中から活性化および/または不活性化の対象となるセルを決定する。このとき、基地局装置2−1は、基地局装置2−2におけるSCGセルの状態については考慮しないでよい。
基地局装置2−1は、活性化/不活性化を示すMAC制御要素(Activation/Deactivation MAC−CE)を生成し、端末装置1に対して送信する(ステップS301)。基地局装置2−1は、活性化/不活性化を示すMAC制御要素として、図13に示したフォーマットを用いることができる。
基地局装置2−1から活性化/不活性化を示すMAC制御要素を受信した場合、端末装置1は、MCGに属するセカンダリセルのみを、活性化/不活性化の対象となるセルとみなして制御(処理)を行う(ステップS302)。すなわち、端末装置1は、基地局装置2−1から受信した活性化/不活性化を示すMAC制御要素内のセルインデックス情報フィールドのうち、端末装置1に対してMCGセルとして設定されているセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールドに従って活性化/不活性化の制御を行う。
また、端末装置1は、MCGセルとして設定されているセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールド以外のセルインデックス情報フィールドを無視してもよいし、リザーブビットとみなしてもよい。
または、端末装置1は、SCGセルとして設定されているセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールドを無視してもよいし、リザーブビットとみなしてもよい。
例えば、図4に示すセルインデックスが端末装置1に割り当てられているときに、セカンダリセル#1を活性化し、また、セカンダリセル#2を不活性化の状態に変更するような場合、基地局装置2−1は、C(i)フィールドに対して、C(1)には「1(活性化)」、C(2)には「0(不活性化)」を設定して送信する。C(3)〜C(7)は端末装置1で考慮されない(または、無視される)ため、「0」または「1」のどちらが設定されてもよいが、デバッグなどの目的のために「0」または「1」のどちらか一方に統一して設定されることが望ましい。
また、基地局装置2−2は、ステップS303において、SCGセルの中から活性化および/または不活性化の対象となるセルを決定する。基地局装置2−2は、基地局装置2−1におけるMCGセルの状態については考慮しないでよい。
基地局装置2−2は、活性化/不活性化を示すMAC制御要素を生成し、端末装置1に対して送信する(ステップS304)。基地局装置2−2は、活性化/不活性化を示すMAC制御要素として、図11に示したフォーマットを用いることができる。
基地局装置2−2から活性化/不活性化を示すMAC制御要素を受信した場合、端末装置1は、SCGに属するセカンダリセルののみを、活性化/不活性化の対象となるセルとみなして制御(処理)を行う(ステップS305)。すなわち、端末装置1は、基地局装置2−2から受信した活性化/不活性化を示すMAC制御要素内のセルインデックス情報フィールドのうち、端末装置1に対してSCGセルとして設定されているセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールドに従って活性化/不活性化の制御を行う。
また、端末装置1は、SCGセルとして設定されているセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールド以外のセルインデックス情報フィールドを無視してもよいし、リザーブビットとみなしてもよい。
または、端末装置1は、MCGセルとして設定されているセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールドを無視してもよいし、リザーブビットとみなしてもよい。
例えば、図4に示すセルインデックスが端末装置1に割り当てられているときに、セカンダリセル#4を活性化の状態に変更するような場合、基地局装置2−2は、C(i)フィールドに対して、C(4)には「1(活性化)」を設定して送信する。C(1)〜C(2)、C(5)〜C(7)は端末装置1で考慮されない(または、無視される)ため、「0」または「1」のどちらが設定されてもよいが、デバッグなどの目的のために「0」または「1」のどちらか一方に統一して送信されることが望ましい。
なお、また、プライマリセカンダリセルに対応するセルインデックス(図4の例ではセルインデックス#3(C(3)))は常に「1」が設定されてもよいし、プライマリセカンダリセルが常に活性化されることを考慮し、端末装置1において、プライマリセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールドを考慮せずに無視してもよいし、リザーブビットとみなしてもよい。端末装置1がプライマリセカンダリセルに対応するセルインデックス情報フィールドを考慮しない場合、基地局装置2−2は、プライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスに「0」を設定してもよい。
図7におけるステップS300〜ステップS302の手順と、ステップS303〜ステップS305の手順とは、それぞれ独立に実施されてよい。例えば、ステップS300〜ステップS302の手順よりも先、または途中にステップS303〜ステップS305の手順が開始されてもよい。
<SCGセル無線リソース設定>
基地局装置2は、SCGセルを追加する場合、追加するSCGセルに対応するセルインデックス番号をSCGセルの設定(コンフィギュレーション)に含めて端末装置1に通知する。なお、上述したように、基地局装置2は、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号を明示的に通知しないことによって、暗黙的に指定のセルインデックス番号(例えばセルインデックス#1など)を割り当てることも可能である。
基地局装置2は、明示的、または暗黙的にSCGセルのセルインデックス番号を指定することによって、SCGセルの設定の変更、および/またはSCGセルの設定の削除(リリース)の対象となるSCGセルについて端末装置1へ通知することができる。端末装置1に対するSCGセルの設定の追加、変更、削除の指示は、RRCメッセージを用いて通知される。
基地局装置2は、端末装置1のプライマリセカンダリセルをリリースする場合に、端末装置1に対してプライマリセカンダリセル以外のSCGセルがセカンダリセルとして設定されている場合、端末装置1のプライマリセカンダリセルのセルインデックス番号と、プライマリセカンダリセル以外のSCGセルのセルインデックス番号を全て含めてリリースを通知してもよいし、端末装置1のプライマリセカンダリセルのセルインデックス番号のみを含めてリリースを通知してもよい。
端末装置1は、基地局装置2から一つまたは複数のリリース対象のSCGセルを示すセルインデックス情報(セルインデックスリスト)を設定した情報を受信した場合、対応する端末装置1のSCGセルの設定をリリースする。また、端末装置1は、リリース対象となるSCGセルを示すセルインデックス情報がプライマリセカンダリセルに対応するものである場合、プライマリセカンダリセル以外のSCGセルが設定されていたとしても、全てのSCGセルについてリリースが通知されたとみなしてもよい。
このように構成することによって、端末装置1と基地局装置2は、基地局装置2−1と基地局装置2−2との間でセカンダリセルに関するセルインデックス情報をやり取り(交換、共有)することが可能となるため、端末装置1に割り当てられるセカンダリセルのセルインデックス番号が調整され、同じセルインデックス番号が同一の端末装置に割り当てられてしまうという問題を回避できる。
本実施形態の端末装置1は、デュアルコネクティビティ中におけるMCGセルとSCGセルに関し、通知されたセルインデックス番号を用いたパワーヘッドルーム報告を行うことができる。また、本実施形態の基地局装置2は、デュアルコネクティビティ中におけるMCGセルとSCGセルに関し、設定したセルインデックス番号を用いた活性化/不活性化の制御を行うことができる。
第1の実施形態によれば、端末装置1は、セカンダリセルの活性化および/または不活性化を指示するMAC制御要素に従って、受信したセルグループのセルの状態を適切に変更する制御手段を備えるため、効率的にセルの状態を制御できる。また、端末装置1は、通知されたセルインデックス番号に対応するそれぞれのセルについて、一つのMAC制御要素を用いてタイプ1またはタイプ2のパワーヘッドルームを報告する制御手段を備えるため、効率的にセルの状態を報告できる。また、端末装置1は、通知されたセルインデックス番号に対応するそれぞれのセルの無線リソース設定について、セルインデックスを用いて設定する制御手段を備えるため、効率的にSCGセルの無線リソース設定を管理できる。
また、基地局装置2は、セルインデックス情報について基地局装置2間でやり取り(調整)することによって、基地局装置2間においてセルインデックスの重複を回避する制御手段を備えるため、効率的にセルの状態を制御できる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
第1の実施形態において、基地局装置2間でセカンダリセルのセルインデックス情報のやり取り(調整)する必要があるのは、従来のパワーヘッドルームの報告形式、および、セカンダリセルの活性化/不活性化に関して、同じセルインデックスが設定されることを想定していないためである。そこで、第2の実施形態は、同じセルインデックス番号が端末装置1に設定された場合であっても、端末装置1においてそれぞれ適切に制御を行うことが可能な制御方法について示す。
第2の実施形態の端末装置1と基地局装置2の構成は第1の実施形態と同じ構成でよいため説明を省略する。
図8は、第2の実施形態における、基地局装置2から端末装置1に通知されるセルインデックス(セルインデックス番号)の割り当ての一例を示す図である。第1の実施の形態と異なり、基地局装置2−1と基地局装置2−2との間で事前にセルインデックス情報をやり取りする必要はなく、その結果、端末装置1に設定するセルインデックスが重複している場合がある。
例えば、端末装置1に対し、MCGのセルとして、プライマリセルとセカンダリセル#1とセカンダリセル#2が設定され、SCGのセルとして、セカンダリセル#3とセカンダリセル#4が設定されている。なお、セカンダリセル#3はプライマリセカンダリセルである。
このとき、端末装置1に対し、セルインデックス番号として、プライマリセルにはセルインデックス#0、セカンダリセル#1にはセルインデックス#1、セカンダリセル#2にはセルインデックス#2、セカンダリセル#3にはセルインデックス#1、セカンダリセル#4にはセルインデックス#2が設定されている。なお、プライマリセルのセルインデックスは、静的にセルインデックス#0が割り当てられる。
なお、基地局装置2は、プライマリセカンダリセルのセルインデックスを、端末装置1毎に個別に割り当てるのではなく、静的にセルインデックス番号を割り当ててもよく、その場合の制御方法は第1の実施形態と同じである。
このように、事前にマスター基地局装置とセカンダリ基地局装置との間で端末装置1に設定するセルインデックス番号の割り当ての調整を行わない場合における、セルインデックス番号を用いたそれぞれの制御方法について、以下に詳細な説明を行う。
<PH報告>
図9は、第2の実施形態における、端末装置1から基地局装置2(基地局装置2−1、基地局装置2−2)に送信されるSCGセルのパワーヘッドルームの報告形式について説明するための図である。端末装置1は、パワーヘッドルームがトリガされるタイミングとして、図5で説明した手順に従ってよい。
図9における1行はそれぞれ1オクテット長(8ビット)に対応している。パワーヘッドルームがトリガされた場合、端末装置1は、報告するプライマリセカンダリセルとSCGのセカンダリセルのセルインデックス(C(i)、i=1、2、・・・、7)を含むビットマップ情報のフィールド、プライマリセカンダリセルのタイプ2PHのフィールド、プライマリセカンダリセルのタイプ1PHのフィールド、および、活性化しているSCGのセカンダリセルのタイプ1PHのフィールドを、それぞれ図9に示した順に配置して(含めて)MAC制御要素を生成し、生成したMAC制御要素を基地局装置2へ送信することで、パワーヘッドルームを報告する。端末装置1は、それぞれのセルのパワーヘッドルームの報告と共にかかるセルのNominal電力(Pcmaxと称する)を報告してもよい。
なお、プライマリセカンダリセルのパワーヘッドルームの報告が常に含まれることを考慮して、端末装置1は、図9におけるプライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスのビットマップ情報のフィールド(C(i))にビットを設定しなくてもよい。すなわち、かかるプライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスのビットマップ情報のフィールド(C(i))を「0」に設定してもよい。例えば、プライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスにセルインデックス#3が設定されていた場合であっても、C(3)に「0」を設定してもよい。
または、端末装置1は、プライマリセカンダリセルに対応するセルインデックスのビットマップ情報のフィールド(C(i))にビットを含め、更に、プライマリセカンダリセルのタイプ1PHの報告値を、プライマリセカンダリセルのタイプ1PHのフィールドと、活性化しているセカンダリセルのタイプ1PHのフィールド内にそれぞれ含めて報告する。
例えば、パワーヘッドルームの報告がトリガされた場合に、セカンダリセル#3(プライマリセカンダリセル、セルインデックス#1)と、セカンダリセル#4(セルインデックス#2)が活性化されている場合、端末装置1は、図9におけるセルインデックスのビットマップ情報のフィールドに対して、C(1)とC(2)のビットには「1」を設定し、C(3)〜C(7)のビットには「0」を設定する。また、プライマリセカンダリセルのタイプ2PHのフィールドに対してセルインデックス#1のタイプ2PHの値を含め、プライマリセカンダリセルのタイプ1PHのフィールドに対してセルインデックス#1のタイプ1PHの値を含める。
そして、また、活性化しているセカンダリセルのタイプ1PHのフィールドに対して、セルインデックス#1のタイプ1PHの値とセルインデックス#2のタイプ1PHの値を順に含める。すなわち、この場合、プライマリセカンダリセルのタイプ1PHは同一のMAC制御要素内の異なる2つのフィールドに含まれて報告される。
端末装置1は、図9に示すSCGセルのパワーヘッドルームの報告形式と、図13に示したMCGセルのパワーヘッドルームの報告形式とをセットにして基地局装置2へ報告する。すなわち、端末装置1は、デュアルコネクティビティによる通信において、パワーヘッドルームがトリガされた場合、MCGセルのパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素と、SCGセルのパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素とそれぞれ生成し、これら2つのMAC制御要素をそれぞれMAC PDU内に配置して送信する。なお、それぞれのMAC制御要素は連続してMAC PDU内に配置されることが望ましい。
また、基地局装置2は、デュアルコネクティビティによる通信において、端末装置1から送信されたMAC PDUを受信し、かかるMAC PDU内にパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素が2つ配置されていた場合、MCGセルのパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素と、SCGセルのパワーヘッドルーム報告のMAC制御要素がそれぞれ配置されているとみなし(判断し)、それぞれのパワーヘッドルームを受信する。
各セルグループのMAC制御要素をそれぞれ配置する場合、従来の報告形式を再利用することができるため、例えばMAC層における変更は最小限となるが、MAC制御要素に対応するMACヘッダーがMAC PDUに2つ含まれることになるため、MACヘッダー分のオーバーヘッドが発生する。そこで、端末装置1は、MCGセルのパワーヘッドルーム報告とSCGセルのパワーヘッドルーム報告とを一つのMAC制御要素に含めて報告してもよい。
図10は、端末装置1は、MCGセルのパワーヘッドルーム報告とSCGセルのパワーヘッドルーム報告とを一つのMAC制御要素に含めた場合の報告形式について説明するための図である。
図10の前半のフィールドにはMCGセルに関するパワーヘッドルーム報告が含まれ、後半のフィールドにはSCGセルに関するパワーヘッドルーム報告が含まれる。それぞれのフィールドに含まれる詳細な情報は、図9、図13に示した説明に従うため、ここでは説明を省略する。
<アクティベーション/ディアクティベーション>
第1の実施形態と異なる制御方法についてのみ説明する。
本実施形態において、基地局装置2−1と基地局装置2−2は、基地局装置2間で調整せずにセルインデックスを端末装置1に設定することが可能であるが、端末装置1における活性化/不活性化の制御方法の変更を少なくするために、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号を静的に割り当ててもよい。
具体的には、基地局装置2は、端末装置1に対し、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号として、静的にセルインデックス#0を割り当ててもよい。すなわち、デュアルコネクティビティにおいて、セルインデックス#0は、プライマリセルとプライマリセカンダリセルに対して事前に予約されているとみなすことができる。
この場合、基地局装置2は、端末装置1に対し、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号を明示的に通知しないでもよい。端末装置1は、セルインデックス#0が割り当てられたMCGセルをプライマリセルとみなして制御を行ってもよい。また、端末装置1は、セルインデックス#0が割り当てられたSCGセルをプライマリセカンダリセルとみなして制御を行ってもよい。
そして、端末装置1は、受信したセルが属するセルグループのセカンダリセルについてのみセルの状態を制御する。換言すれば、活性化/不活性化を示すMAC制御要素に含まれるセルインデックスのうち、かかるセルグループに対応するセルインデックスのビットのみを考慮すればよい。
端末装置1と基地局装置2は、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号として静的な番号(#0)を設定することによって、活性化/不活性化を示すMAC制御要素に含まれるセルインデックスのC(i)フィールドによるプライマリセカンダリセルの活性化/不活性化を考慮する必要がなくなるため、制御が簡単になる。
<SCGセル無線リソース設定>
第1の実施形態と異なる制御方法についてのみ説明する。
本実施形態において、基地局装置2−1と基地局装置2−2は、基地局装置2間で調整せずにセルインデックスを端末装置1に設定することが可能であるが、端末装置1における無線リソース設定の制御方法の変更を少なくするために、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号を静的に割り当ててもよい。
具体的には、基地局装置2は、端末装置1に対し、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号として、静的にセルインデックス#0を割り当ててもよい。すなわち、デュアルコネクティビティにおいて、セルインデックス#0は、プライマリセルとプライマリセカンダリセルに対して事前に予約されているとみなすことができる。
この場合、基地局装置2は、端末装置1に対し、プライマリセカンダリセルのセルインデックス番号を明示的に通知しないでもよい。端末装置1は、セルインデックス#0が割り当てられたMCGセルをプライマリセルとみなして制御を行ってもよい。また、端末装置1は、セルインデックス#0が割り当てられたSCGセルをプライマリセカンダリセルとみなして制御を行ってもよい。
このように構成することによって、端末装置1と基地局装置2は、同じセルインデックス番号が同一の端末装置に割り当てられている場合であっても、端末装置1からのセルインデックスを用いたパワーヘッドルーム報告、および、端末装置1に対するセルインデックスを用いたセルの活性化/不活性化の制御を適切に行うことが可能となる。
本実施形態の端末装置1は、デュアルコネクティビティ中におけるMCGセルとSCGセルに関し、通知されたセルインデックス番号を用いたパワーヘッドルーム報告を行うことができる。また、本実施形態の基地局装置2は、デュアルコネクティビティ中におけるMCGセルとSCGセルに関し、設定したセルインデックス番号を用いた活性化/不活性化の制御を行うことができる。
第2の実施形態によれば、端末装置1は、セカンダリセルの活性化および/または不活性化を指示するMAC制御要素に従って、受信したセルグループのセルの状態を適切に変更する制御手段を備えるため、効率的にセルの状態を制御できる。また、端末装置1は、通知されたセルインデックス番号に対応するそれぞれのセルについて、セルグループ毎のMAC制御要素を用いてタイプ1またはタイプ2のパワーヘッドルームを報告する制御手段を備えるため、効率的にセルの状態を報告できる。また、端末装置1は、通知されたセルインデックス番号に対応するそれぞれのセルの無線リソース設定について、セルインデックスを用いて設定する制御手段を備えるため、効率的にSCGセルの無線リソース設定を管理できる。
また、基地局装置2は、セルインデックス情報について基地局装置2間で事前にやり取り(調整)する必要が無くなるため、効率的にセルの状態を制御できる。
なお、以上説明した実施形態は単なる例示に過ぎず、様々な変形例、置換例を用いて実現することができる。例えば、上りリンク送信方式は、FDD(周波数分割復信)方式とTDD(時分割復信)方式のどちらの通信システムに対しても適用可能である。また、実施形態で示される各パラメータの名称は、説明の便宜上呼称しているものであって、実際に適用されるパラメータ名称と本発明の実施形態のパラメータ名称とが異なっていても、本発明の実施形態において主張する発明の趣旨に影響するものではない。
また、各実施形態で用いた「接続」とは、ある装置と別のある装置とを、物理的な回線を用いて直接接続される構成にだけ限定されるわけではなく、論理的に接続される構成や、無線技術を用いて無線接続される構成を含む。
また、端末装置1とは、可搬型あるいは可動型の移動局装置のみならず、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、携帯電話、パーソナルコンピューター、タブレット型端末、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器や測定機器、車載装置、さらに身に着けることが可能なウェアラブル機器やヘルスケア機器などの通信機能を搭載したもの全てを含む。また、端末装置1は、人対人または人対機器の通信だけではなく、機器対機器の通信(Machine Type Communication、マシンタイプ通信)や、デバイス対デバイスの通信(Device to Device Communication;D2D)にも用いられる。
端末装置1は、ユーザ端末、移動局装置、通信端末、移動機、端末、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)とも称される。基地局装置2は、無線基地局装置、基地局、無線基地局、固定局、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、BTS(Base Transceiver Station)、BS(Base Station)とも称される。
なお、基地局装置2は、3GPPが規定するUMTSにおいてNBと称され、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおいてeNBと称される。なお、3GPPが規定するUMTS、EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおける端末装置1はUEと称される。
また、説明の便宜上、実施形態の端末装置1および基地局装置2を機能的なブロック図を用いて、端末装置1および基地局装置2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するための方法、手段、またはアルゴリズムのステップについて説明したが、これらは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。
もしハードウェアによって実装されるのであれば、端末装置1および基地局装置2は説明したブロック図の構成以外に端末装置1および基地局装置2へ電力を供給する給電装置やバッテリー、液晶などのディスプレイ装置及びディスプレイ駆動装置、メモリ、入出力インターフェース及び入出力端子、スピーカー、その他の周辺装置によって構成されてもよい。
もしソフトウェアによって実装されるのであれば、その機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。
そして、一つ以上の命令またはコードをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された一つ以上の命令またはコードをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより端末装置1や基地局装置2の制御を行なってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
本発明の各実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明の各実施形態に関わる端末装置1および基地局装置2で動作するプログラムは、本発明の各実施形態に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、プログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の各実施形態の機能が実現される場合もある。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、半導体媒体(例えば、RAM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるディスクユニット等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上記各実施形態に用いた端末装置1および基地局装置2の各機能ブロック、または諸特徴は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向けあるいは一般用途向けの集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。
汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または上述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよいし、デジタル回路とアナログ回路を組み合わせて構成されていてもよい。
また、プロセッサはコンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されてもよい。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
以上、この発明の実施形態について具体例に基づいて詳述してきたが、本発明の各実施形態の趣旨ならびに特許請求の範囲は、これらの具体例に限定されないことは明らかであり、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。すなわち、本明細書の記載は例示説明を目的としたものであり、本発明の各実施形態に対して何ら制限を加えるものではない。
また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も本発明の技術的範囲に含まれる。