JPWO2015087724A1 - 磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置 - Google Patents

磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置 Download PDF

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Abstract

【目的】この発明は、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、磁力波信号を用いて数cmから数km程度までの近距離間から中距離間で、狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅の磁力波通信を可能とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置を安価に提供することを目的とする。【解決手段】この発明に係わる磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置は、少なくとも、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用い、前記誘導経路中で、かつ近距離間から中距離間で、前記変位電流の放射もしくは再放射によって生じる磁力波アンテナの著しいミスマッチを抑制し、広帯域の磁力波通信を実現するためのものである。【選択図】 図1

Description

この発明は、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中あるいは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、誘導磁界信号(Magnetic Field Induction Signal)(以後磁力波信号と称する)を用いて数cmの近距離間から数kmの中距離間での誘導磁界通信(Magnetic Field Induction Communication)(以後磁力波通信と称する)を行うための誘導磁界アンテナ(Magnetic Field Induction Antenna)(以後磁力波アンテナと称する)および誘導磁界通信装置(Magnetic Field Induction Equipment)(以後磁力波通信装置と称する)に関するものである。
なお、従来の誘導磁界通信をNear Field Communication(NFC)と称し、電磁波通信をFar Field Communication(FFC)と称するのに対して、本発明の磁力波通信はこれらの中間的なものであり、Middle Field Communication(MFC)と称する。
従来から、誘導磁界を利用して通信するためのシステムあるいはループアンテナを利用する技術が提案されている。(例えば、特許文献1〜4)
WOA12011145515号 特開平10−215105号 特表平11−505395号 特開2004−96182号
図12は、特許文献1に記載されている従来の「磁力波アンテナおよび磁力波通信装置」に用いられる磁力波アンテナの実施例である。図12において、前記磁力波アンテナを短ループアンテナ600a、600b、電界シールド601a、601b、インピーダンス変換トランス603a、603b、およびインピーダンス整合コンデンサ604a、604bを中心として構成することで、誘導磁界を外部へ向けて効率よく放射し、かつ外部の誘導磁界を効率よく起電力に変換するとされている。しかしながら、これらの構成では、短ループアンテナから放射される変位電流を十分に抑制できず、周辺に存在するNa+イオンやCL−イオンに変位電流が流れてオーミックロスを生じ、前記変位電流に変動磁界が作用して渦電流が生じ、更に、短ループアンテナの外周に設けられた電界シールドによっても渦電流が生じ、磁力波アンテナと称しながら、必要とする磁力波信号の放射を減衰させ、誘導結合損を増大させるなどの問題点がある。
一方、特許文献2に記載されている「地中・水中アンテナ」によれば、「地中や水中などに電磁波を効率的に送信し、あるいは地中や水中などからの電磁波を効率的に受信できるアンテナを提供する。」とされている。
また、特許文献3に記載されている「近距離磁気通信システム」によれば、「携帯ユニットと、通信システムとの間で信号をやりとりするシステムおよび方法である。携帯装置は、電磁結合を用いて基礎ユニットと通信する。基礎ユニットは、電話ネットワークのようなより広域の通信システムにさらに接続されている。基礎ユニットでは、より完全な磁界を実現し、相互リアクタンスが0である部分を防止するために、多数の、互いに直交して配置されたトランスデューサが用いられる。そうしなければ、相互リアクタンスが0である部分が磁界に存在するからである。近距離電磁結合を用いることにより、電力要件を最小化し、他のソースへの妨害を制限することができる。また、電磁結合は、携帯装置内のバッテリを再充電するのに用いることもできる。」とされている。
また、特許文献4に記載されている「水中又は地下通信装置」によれば、「低周波磁界を信号の伝送媒体として用いる磁気信号伝送方式が一般的に用いられる傾向になりつつある。低周波磁界というのは、周波数範囲が1kHz〜10kHz程度の周波数による磁界のことである。」とされており、更に、段落(0043)には、「ソレノイドコイル2 2 及びこれと直列共振回路を形成するコンデンサC 1 が接続されている。」とされている。
しかしながら、前記特許文献2に記載されている「地中・水中アンテナ」では、電磁波信号を取扱っているために、海水中では電磁波信号の減衰が激しい問題点からは逃れられず、前記特許文献3に記載されている「近距離磁気通信システム」あるいは「誘導磁界送受信アンテナ」では、誘導磁界を利用して通信を行なうためのシステムあるいは送受信アンテナであるが、近距離での無線通信を目的としているものであり、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中で、近距離から中距離間で、狭帯域から広帯域までの任意の帯域の無線通信を実現することを目的とするものではなく、実現するための構成あるいは構造でもない。
また、前記特許文献4では、ソレノイドコイル22とコンデンサC1が直列に接続され共振状態であるために、外部へ変位電流を放射しており、そのために高い周波数で磁界の減衰が急激であり、周波数範囲が1kHz〜10kHz程度に制限されている。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中を、数cmの近距離間から数kmの中距離間であり、数Hz以下から20MHzを超える任意の周波数領域であり、狭帯域〜広帯域の任意の帯域幅である、あるいはこれらの組合せによる磁力波通信を可能とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置を安価に提供することを目的とする。
この発明に係わる磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置は、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中を、変動磁界によって誘導結合される磁力波信号を用い、近距離から中距離間であり、数Hz以下の低周波領域から20MHzを超える任意の周波数領域で、狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅である磁力波通信を行うためのものであり、少なくとも、帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域のベースバンド信号を、送信し、受信し、あるいはこれらを交互に行うことを可能とするものである。
なお、前記誘導経路中にNa+イオンやCL−イオンその他の導電物質が存在する場合、前記対向する磁力波アンテナ相互間で交差する磁力線の経路によっては渦電流損が増加し、あるいは地磁気と津波あるいは早い海流の流れなどとの相互作用によって渦電流損が増加し、あるいはこれらの組合せによって、大気中での誘導結合損に比較して誘導結合損が増加するため、誘導結合損の変動に対応し、前記磁力波信号の周波数、信号方式、信号速度、変復調方式、交差する磁力線の経路、通信ルート、前記磁力波アンテナの種別、設置角、指向性、あるいはこれらの組合せをアダプティブに変更しあるいは切替えることが要求される。
また、前記磁力波アンテナは、少なくとも、前記磁力波信号を外部へ効率よく放射するための閉ループアンテナと、前記閉ループアンテナに磁力波信号を駆動し、磁力波信号によって誘起する起電力を受信し、あるいはこれらを交互に行うための磁力波信号送受信手段とから構成され、前記閉ループアンテナが、少なくとも、電磁波信号もしくは変位電流を送信時に外部へ放射しあるいは受信時に外部へ再放射するのを抑制し、かつ磁力波信号を効率よく外部へ放射しあるいは起電力を受信するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有するものとする。
また、前記磁力波信号送受信手段が、少なくとも、位相調整手段、寄生振動抑制手段、送受切替手段、磁力波信号駈動手段、誘起起電力受信手段、あるいはこれらの組合せを有し、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと、前記位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記電磁波信号もしくは変位電流を放射しあるいは再放射するのを抑制し、前記磁力波アンテナのVSWRが海水中において増加してミスマッチとなるのを抑制し、前記磁力波アンテナの広帯域特性化を可能とし、かつ等価帯域幅が数Hz以下である狭帯域から、帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域までの任意の帯域幅のベースバンド信号を磁力波信号としてアダプティブに送信し、受信し、あるいはこれらを交互に行うことによって、狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅の磁力波通信を可能とするものである。
また、前記磁力波アンテナの構成において、閉ループアンテナの材質、導電率、断面積、長さ、構成、あるいはこれらの組合せを選択して、前記閉ループアンテナから放射される磁力波信号の放射効率を改善し、前記磁力波信号送受信手段の構成、回路、部品、材料、あるいはこれらの組合せを選択することで、前記電磁波信号もしくは変位電流を外部へ放射しあるいは再放射するのを抑制し、前記磁力波アンテナのVSWRが海水中において増加してミスマッチとなるのを抑制し、磁力波信号の放射効率を改善し、磁力波信号の受信効率を高め、広帯域化を可能とし、少なくとも、任意の周波数領域であり、任意の帯域幅の磁力波信号による磁力波通信を可能にすることで、前記磁力波アンテナを用いた磁力波通信の広範囲の用途を開拓することが可能となる。
従来、海水中での通信にはもっぱら音波あるいは超音波が用いられ、近距離での誘導磁界が用いられ、100kHz以下の極めて低い周波数帯の電磁波信号を用いることが定説であり、しかも、前記のような100kHz以下の極めて低い周波数帯の電磁波信号でも海水中からは外部へ放射出来ないと言うのが定説だった。
本発明の磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置では、大気中、真水中、海水中、あるいはこれらの組合せによる誘導経路中で、かつ数Hz以下の低周波領域から20MHzを超える任意の周波領域で、磁力波アンテナ間の変動磁界による誘導結合によって、数cmの近距離間から数kmの中距離間で、狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅のベースバンド信号による磁力波通信が可能となり、従来の音波もしくは超音波、近距離での誘導磁界、あるいは電磁波信号に代わり、海水中からの放射が可能であり、等価帯域幅が数Hz以下である狭帯域から帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域までの任意の帯域幅の通信手段を安価に実現できる利点がある。
本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号送受信手段の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号駈動手段の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号駈動手段の他の構成図 本発明の第1の実施形態における誘起起電力受信手段の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図 本発明の第1の実施形態における閉ループアンテナの誘導性リアクタンスの特性例 本発明の第1の実施形態における磁力波信号の海水中での誘導結合損の特性例 従来の実施例による磁力波アンテナの構成図
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの構成図であり、605は電磁界シールド(断面図および側面図を示す)、700は閉ループアンテナ、708は磁力波信号送受信手段、709はベースバンド信号送受信手段、718は離調抑制手段(断面図および側面図を示す)である。
図1において、前記閉ループアンテナ700から送信時に外部へ放射されあるいは受信時に外部へ再放射される電磁波信号を抑制するとともに、磁力波信号を効率よく外部へ放射し、あるいは受信した磁力波信号から効率よく誘起起電力を誘起する。
一方、前記磁力波信号送受信手段708によって、前記ベースバンド信号送受信手段709によって生成されたベースバンド信号を直接増幅しあるいは搬送波を変調して増幅し、前記閉ループアンテナ700を駆動し、あるいは前記閉ループアンテナ700に誘起した誘起起電力を直接増幅しあるいは検波・復調して増幅し、ベースバンド信号として前記ベースバンド信号送受信手段に入力する。
また、前記閉ループアンテナが、周辺部に存在する海水などに直接接触して離調するのを抑制するために、離調抑制手段718の内部に収納され、前記磁力波信号送受信手段708が、電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制するために、電磁シールドに収納されている。
なお、前記ベースバンド信号送受信手段709から出力されるベースバンド信号は、等価帯域幅が数Hz以下の狭帯域から、帯域内の最低の周波数と最高の周波数との周波数比が10倍以上の広帯域までの任意の帯域幅の信号であり、例えば、0.3kHz〜3kHzの広帯域のアナログ音声信号であり、パルス幅変調(PWM)されたデジタル音声信号であり、帯域圧縮されあるいは符号化された広帯域のデジタル音声信号であり、スペクトル拡散符号であり、帯域圧縮された画像信号であり、ベースバンド信号そのままであり、搬送波あるいは副搬送波により変調されたベースバンド信号であり、あるいはこれらの組合せを含む任意の帯域幅の信号が送信され、受信され、あるいはこれらが交互に行われる。
また、図1に示す閉ループアンテナでは、単一の閉ループアンテナを用いる場合について記載しているが、代わりに、複数の閉ループアンテナが、相互間が絶縁され、間隔をおいて隔離され、メッシュ状に配置され、個別の長さであり、個別の形状であり、個別の角度であり、個別の間隔であり、お互いが縒り合され、同軸ケーブルを形成し、比較的に低い導電性リアクタンスであり、比較的に低いインピーダンスであり、直列に接続され、並列に接続され、あるいはこれらの組合せであり、前記複数本の閉ループアンテナが並列に接続される場合には、前記閉ループアンテナの1組分のインピーダンスのn分の1となり、誘導性リアクタンスがn分の1となり、巻き数が変わらずに誘導性駈動電流がn倍となるので、前記閉ループアンテナから放射される磁力波信号がn倍となるメリットが得られる。
また、前記閉ループアンテナから放射される磁力波信号の周辺あるいは前記誘導経路中に存在し、かつ、金属材料であり、導線性の材料であり、磁性材料であり、渦電流が生じる材料であり、あるいはこれらの組合せによる、船体構造であり、板状物体であり、面状物体であり、あるいはこれらの組合せで有る場合には、前記閉ループアンテナから放出される磁力線の方向を、前記組合せの平面部分とは、垂直方向でなく、水平方向もしくは並行方向に近づける必要がある。
図2に本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図を示し、605は電磁界シールド(断面図を示す)、700は閉ループアンテナ、707は磁性体、708は磁力波信号送受信手段、709はベースバンド信号送受信手段、718は離調抑制手段である。
ここで、閉ループアンテナ700が磁力波信号を効率よく外部へ放射できる形状の磁性体707の外周など、前記磁性体に近接して設けられ、電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制できる構成・構造・特性であり、前記磁力波信号送受信手段708内の位相調整手段とは、浮遊容量を含め、非同調あるいは非共振で接続されているものとする。
また、前記閉ループアンテナが磁性体に近接して設けられた単巻あるいは複数巻のソレノイドコイルであり、変位電流の放射もしくは再放射を抑制する構造であり、構成であり、特性であり、変動磁界を効率よく放射する構造であり、構成であり、特性であり、あるいはこれらの組合せである。
また、前記磁性体が、少なくとも、棒状であり、多角形であり、複数本で構成され、前記複数本がクロスして配置され、メッシュ状に配置され、前記ソレノイドコイルが、少なくとも、単層巻であり、多層巻であり、ポリファイラ巻であり、あるいはこれらの組合せである。
また、前記閉ループアンテナが複数組設けられ、前記複数組が、間隔を置いて配置され、メッシュ状に配置され、直列に接続され、並列に接続され、同相で駈動され、あるいはこれらの組合せであり、磁力波信号の放射効率の良い閉ループアンテナが実現できる。
また、前記閉ループアンテナは、移動端末、携帯端末、あるいは小型のRFIDタグに用いられ、離調抑制手段718の内部に収納され、特に小型の場合には外周部が絶縁物によりコーティングされる。
図3は、本発明の第1の実施形態における磁力波信号送受信手段の構成図であり、605は電磁界シールド(断面図を示す)、704は位相調整手段、705は寄生振動抑制手段、706は送受切替手段、708は磁力波信号送受信手段、710は磁力波信号駈動手段、711は誘起起電力受信手段、712a、712bは閉ループアンテナ接続端子、713aはベースバンド信号送信機接続端子、713bはベースバンド信号受信機接続端子である。
前記閉ループアンテナ接続端子712a、712bに、前記閉ループアンテナ700が接続されと、寄生振動抑制手段705が前記閉ループアンテナと並列に接続されて前記閉ループアンテナをダンピングし、不要な寄生振動を抑制する。
次に、位相調整手段704が前記閉ループアンテナと直列に接続され、送信しあるいは受信した磁力波信号の位相を調整し、磁力波信号の放射効率を改善し、あるいは誘起起電力を増大させるなどが可能となるが、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスと、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスとを共振状態としあるいは同調状態とすると、前記閉ループアンテナから、変位電流が放射もしくは再放射され、海水中でオーミックロスや渦電流が生じ、誘導結合損の増加とミスマッチの原因となるので、前記両者を非共振状態としあるいは非同調状態とすることが必須となる。
ここで、前記閉ループアンテナ700は周波数の広い範囲で誘導性負荷であり、図10に例示するように、前記閉ループアンテナ700の全長が50cmの場合、周波数が1MHz〜15MHzの範囲で、直列抵抗が1Ω以下(図示せず)であるのに対して、誘導性リアクタンスは3Ω〜32Ωの範囲で変化するので、既存の通信機の送信出力端子を前記閉ループアンテナに直接接続すると、前記閉ループアンテナに十分な誘導電流を駈動することが難しく、しかも送信出力段を破損するなどの問題が生じる。
従来の設計理論によれば、前記閉ループアンテナに通信装置を接続する場合には、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと共振するコンデンサを直列あるいは並列に接続して共振させ、インピーダンス変換トランスなどを介して前記閉ループアンテナの直列抵抗と通信装置の出力抵抗とをマッチングさせ、前記通信装置の出力電力を最少の損失で前記閉ループアンテナに供給するように構成されており、前記閉ループアンテナに供給される電力のほとんどが電磁波信号もしくは変位電流として外部へ放射されあるいは再放射されることになる。
前記のように、閉ループアンテナの誘導性リアクタンスとコンデンサの容量性リアクタンスとを共振あるいは同調させた状態とし、前記閉ループアンテナを海水中に潜らせると、放射された電磁波信号が海水中のNa+イオンやCL−イオンなどに変位電流を流し、オーミックロスを生じて減衰し、前記変位電流によって生じる渦電流損によって減衰し、更に前記オーミックロスと渦電流損とのために、前記閉ループアンテナの放射インピーダンスが大きく変化してミスマッチ状態となって減衰し、100kHz以上の電磁波信号はもちろん、100kHz以下の電磁波信号でも海水中から送信できない理由であり本発明の基盤となっている。
そこで、海水中において、電磁波信号が減衰する原因が、主に変位電流の放射もしくは再放射によるものであることを確認するために、外径が1mmφの絶縁銅線10本を撚り合わせて束ね、全長が50cm程度である閉ループアンテナを送信側用と受信側用に1対向を試作し、(1)双方ともに同調回路およびマッチング回路を設けて同調状態とし、(2)双方ともに同調回路およびマッチング回路を介さずに非共振、非同調の状態とし、送信側ではアンテナ、送信機、および電池を含めて防水ケースに収納し、受信側ではアンテナ出力をボルテージフォロアによって低インピーダンスに変換した後同軸ケーブルで引き出して別の防水ケースに収納し、塩分濃度が5%の食塩水を満たした小型のプールの中て、送信側と受信側の閉ループアンテナ間の誘導結合損の測定を実施した。
前記誘導結合損の測定において、送信側では、送信周波数が3.5MHzであり、駈動電圧が1V(rms)の送信出力で前記閉ループアンテナを駈動し、受信側では、前記同軸ケーブルにスペクトルアナライザを接続し、送信側と受信側のアンテナ間の間隔を40cm程度とし、(1)双方ともに同調状態とした場合には、大気中では電磁波信号の伝搬損失に相当して緩やかに増加するのに対し、双方の防水ケースが塩水中に有るときには伝搬損失が急激に増大し、完全に不感状態となったのに対し、(2)双方とも非共振、非同調状態とした場合には、双方の防水ケースが大気中に有るときも、双方の防水ケースが塩水中に潜ったときにも、大気中の誘導結合損と変化がなく、特に前記送信側におけるミスマッチも生じないことが確認できた。
上記の結果から、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを非共振あるいは非同調とし、後者の絶対値を前者の絶対値の0%〜95%程度に設定して離調させることで、変位電流が外部へ放射されあるいは再放射されるのを抑制でき、前記閉ループアンテナのVSWRが海水中において著しく増加するのを抑制でき、磁力波信号の放射効率を改善できることになる。
そこで、前記送信側と受信側の磁力波アンテナが空心であり、前記送信側と受信側との両方の位相調整手段の容量性リアクタンスを限りなく0Ωとし、前記送信側と受信側の磁力波アンテナを非共振あるいは非同調状態とした時、一例として、前記送信側磁力波アンテナと垂直方向に対向する受信側磁力波アンテナから出力される受信入力を以下の手順で算出する。
送信側の磁力波アンテナが非共振あるいは非同調状態のままで、EtSinωtの交流電圧を駈動すると、磁力波アンテナに流れる電流(It)は、直列抵抗を無視すると、It=(Et/ωL)Sin(ωt-π/2)となる。
前記磁力波アンテナが平行四辺形の場合、距離R(m)離れた地点での磁界の変動dH/dtは、相対する辺の長さが無限長であると仮定すると、アンペールの法則より、
(dH/dt)=[{1/(2π(R-D/2))}-{1/(2π(R+D/2))}](N1*dIt/dt)=[D/(2πR^2)](N1*Et/L)Cos(ωt-π/2) −−(1)
となる。ここで、D=平行四辺形の磁力波アンテナの相対する辺の間隔、N1=送信側磁力波アンテナの巻き数、R=対向する磁力波アンテナ間の距離、ω=2πfは磁力波信号の角周波数、L=送信側磁力波アンテナのインダクタンス、Et=駈動電圧、R>>Dとする
一方、対向する受信側の磁力波アンテナに誘起する起電力(Er)は、ファラデーの電磁誘導の法則より、
Er=[μ(Et/L)(N1*N2*D*S2/2πR^2)] Cos(ωt-π/2) −−(2)
となる。ここで、N2=受信側の磁力波アンテナの巻数、S2=受信側の磁力波アンテナの面積とする。
上記の(2)式に、L=A*N1^2*D^2を代入し、前記起電力を利得が(Gr)のボルテージフォロアによってインピーダンス変換すると、
GrEr= [GrμEt(N1*N2*D*S2/A*N1^2D1^2)/2πR^2] Cos(ωt-π/2) −−(3)
がボルテージフォロアから出力される。ここで、A=1.94*10^-6、μ=4π*10^-7とする。
前記ボルテージフォロアの出力インピーダンスを受信機の入力インピーダンス50Ωに比較して十分小さく設定し、前記ボルテージフォロアからの出力電圧を、入力インピーダンスが50Ωの受信機で受信すると、受信入力(Pr)は、
Pr={[GrμEt(N2*S2/A*N1*D)/2πR^2]^2/50} −−(4)
となる。
上記の式(4)から、受信入力(Pr)は、垂直方向に対向する磁力波アンテナ間の距離の四乗に反比例して12dB/octの割合で減少するが、磁力波信号の周波数に関係なく一定の値となり、広帯域の磁力波通信が可能であり、狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅のベースバンド信号を含む磁力波信号として、直接放射しあるいは搬送波を変調して放射することが可能であることを示し、試作セットを用いた通信実験でも確認している。
例えば、磁力波信号の周波数が1kHzであり、送信側と受信側の閉ループアンテナの双方がともに、1辺が1mの正方形であり、50回巻であり、空心であり、誘導性リアクタンスが約30Ωであり、インダクタンスが約5mHであり、送信側駈動電圧が100Vrmsであり、Gr≒1の場合、送信側と受信側の閉ループアンテナの距離が10mとすると、前記(4)式から受信入力(Pr)を求めると、 Pr≒-36dBW=-6dBm となり、R=10mでは-6dBm、R=100mでは-46dBm、R=1000mでは-86dBmとなり、半径1000mの範囲で相互間の通信が可能となる。
しかし、送受アンテナがお互いに垂直方向に対向している場合、送受アンテナ相互間で交差する磁力線の経路長が、距離の増加とともに急激に長くなり、渦電流による誘導結合損が急激に増加するため、受信入力が急激に低下する問題点があり、かつ前記誘導結合損の増加は磁力波信号の周波数が高くなる程顕著であり、磁力波信号の周波数を高くするには限界があることになる。
また、前記磁力波アンテナ磁性体の周辺に形成され、その誘導性リアクタンスと浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとが非共振あるいは非同調状態とした時、垂直方向に対向する受信側の受信入力(Pr)は、
Pr={[GrμEt(μe2*N2*S2/A*μe1*N1*S1)/2πR^2]^2/(50)} −−(5)
のとおりとなる。ここで、S1=送信側磁力波アンテナの面積とする。
一方、前記送信側磁力波アンテナと受信側磁力波アンテナとを水平方向に対向させる場合には、受信入力(Pr)は、
Pr={[GrμEt(μe2*S2*N2/A*μe1*N1*S1)/2πR^3)]^2/(50)} −−(6)
の通りとなる。
上記の式(6)より、受信入力(Pr)は、水平方向に対向する磁力波アンテナ間の距離の六乗に反比例して18dB/octの割合で減少するが、相互間で交差する磁力線の経路長が磁力波アンテナ間の距離と同じであり、渦電流の発生が抑制されるため、距離の増加によって誘導結合損が急激に増加しなくなるメリットが得られることから、水平方向に対向させる方が長距離での通信に有利である。
また、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の磁性体の実効透磁率が送信時もしくは送信側の磁性体の実効透磁率より大きく、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の巻数が送信時もしくは送信側の巻数より多く、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の面積が送信時もしくは送信側の面積より広く、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の対向する2辺の間隔が送信時もしくは送信側の対向する2辺の間隔より長く、あるいはこれらの組合せによって、通信可能なエリアを拡大できるメリットが得られる。
また、単一の送信側磁力波アンテナに対して複数の受信側磁力波アンテナが対向している場合、前記複数の受信側磁力波アンテナの一部が前記単一の送信側磁力波アンテナと垂直方向に対向し、前記複数の受信側磁力波アンテナの残りが前記単一の送信側磁力波アンテナと水平方向に対向することによって、通信可能なエリアを拡大できるメリットが得られる。
また、単一の受信側磁力波アンテナに対して複数の送信側磁力波アンテナが対向している場合にも、前記複数の送信側磁力波アンテナの一部が前記単一の受信側磁力波アンテナと垂直方向に対向し、前記複数の送信側磁力波アンテナの残りが前記単一の受信側磁力波アンテナと水平方向に対向することによって、通信可能なエリアを拡大できるメリットが得られる。
また、前記磁力波アンテナが相手側磁力波アンテナと対向している場合、対向している方向の反対側に、アルミ板などの非磁性体の金属板を反射板として配置することで、渦電流が生じ、前記磁力波アンテナから反対方向に放射される磁力線を反射させることで、指向性アンテナを実現できる。
図4は、本発明の第1の実施形態における磁力波信号駈動手段の構成図であり、710は磁力波信号駈動手段、714bは送受切替接続端子、715a(緩衝増幅)、715b(位相反転増幅)は電力増幅手段、713aはベースバンド信号接続端子であり、全体で、少なくとも、プッシュプル型増幅器、ハーフブリッジ型増幅回路、あるいはフルブリッジ型増幅回路などを構成している。
ここで、前記電力増幅手段にはMOSFET型トランジスタが用いられ、平衡型であり、比較的に歪が少なく、低い出力インピーダンスであり、あるいは電源電圧を高圧にすることで、前記閉ループアンテナに大きな誘導電流を破損することなく駆動することができる。
また、前記電力増幅手段には、入力されたベースバンド信号によって、搬送波を変調し、符号化し、スペクトル拡散し、あるいはこれらの組合せを行う機能が含まれるものとする。
なお、商用電源を直接駆動する場合には、前記電力増幅手段を省略できるので安価となり、経済化が図れる。
図5は、本発明の第1の実施形態における磁力波信号駈動手段の他の構成図であり、710は磁力波信号駈動手段、714bは送受切替接続端子、715a、715bは電力増幅手段、716a、716bは伝送線路トランスあるいは伝送線路的トランス、713aはベースバンド信号接続端子であり、全体でプッシュプル型増幅器、ハーフブリッジ型増幅回路、あるいはフルブリッジ型増幅回路などを構成している。
ここで、前記電力増幅手段にはMOSFET型トランジスタを用い、平衡型とし、低歪であり、低出力インピーダンスとし、出力側の伝送線路トランスあるいは伝送線路的トランス716bを昇圧トランスとし、電源電圧を高圧とし、大容量のMOSFETトランジスタを用い、あるいはこれらの組合せによって、前記閉ループアンテナにより大きな誘導電流、伝導電流、あるいは磁力波信号を破損することなく駆動することが可能となり、前記(4)式の受信入力Prを増大できる。
あるいは、伝送線路トランス716bの出力側巻線を閉ループアンテナに置換えることにより、大きな磁力波電流を直接駈動することができる。
また、前記電力増幅手段には、入力されたベースバンド信号を直接増幅し、あるいは搬送波を変調し、符号化し、スペクトル拡散し、あるいはこれらの組合せを行った後増幅する機能が含まれるものとする。
なお、商用電源を直接駆動する場合には、前記電力増幅手段を省略できるので安価となり、経済化が図られる。
図6は、本発明の第1の実施形態における誘起起電力受信手段の構成図であり、711は誘起起電力受信手段、713bはベースバンド信号接続端子、714cは送受切替接続端子、716cは伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス、717はボルテージフォロアなどのインピーダンス変換手段を含む低雑音増幅手段である。
前記磁力波アンテナからの誘起起電力が誘起起電力受信手段側に切替えられると、伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス716cによって昇圧され、ボルテージフォロアによってインピーダンス変換され、低雑音増幅手段によって増幅され、検波・復調され、復号化され、あるいはこれらの組合せが行われ、所要のレベルにまで増幅し、ベースバンド信号として次段のベースバンド信号送受信手段に送られる。
ここで、前記磁力波アンテナによって寄生振動が生じ、前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスによって寄生振動が生じ、前記低雑音増幅手段によって寄生振動が生じ、あるいはこれらの組合せによる寄生振動が生じる場合には、前記閉ループアンテナ、前記トランス、前記低雑音増幅手段、あるいはこれらの組合せに寄生振動抑制手段を追加する必要がある。
また、前記磁力波アンテナから生じる熱雑音は、直列抵抗によるものであり、誘導性リアクタンスからは生じないことから、前記ボルテージフォロアによりインピーダンス変換を行うことで、前記ボルテージフォロアから出力される熱雑音は、前記直列抵抗により生じるものとなる。
また、前記ボルテージフォロアから出力される熱雑音には前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスによる熱雑音が付加されるとともに、内部の浮遊容量が付加されて共振状態が生ずるため、少なくとも、実効透磁率が高いトロイダルコアを用い、前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスの巻数を減らし、前記熱雑音と浮遊容量とを軽減するための対策が必要となる。
また、前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスを用いる代わりに、受信時もしくは受信側の磁力波アンテナの、巻数を増やし、磁性体の実効比透磁率を大きくし、面積を広くし、あるいはこれらを組み合わせることによって同様な効果が得られる。
また、磁力波信号の周波数が1MHzを超える場合には、前記磁力波アンテナを含む、電子・機構部品、電子回路、構成、構造、あるいはこれらの組合せについて、前記熱雑音と浮遊容量とを軽減するための対策が必要である。
また、図1〜図6、および請求項1に示すように、変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用い、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中を、近距離間から中距離間での無線通信を可能にする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置において、前記磁力波アンテナが、少なくとも、閉ループアンテナと、磁力波信号送受信手段とから構成され、
前記閉ループアンテナが、少なくとも、電磁波信号を送信時に外部へ放射しあるいは受信時に外部へ再放射するのを抑制し、かつ磁力波信号を効率よく外部へ放射しあるいは外部から受信するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有し、
前記磁力波信号送受信手段が、少なくとも、位相調整手段、寄生振動抑制手段、送受切替手段、磁力波信号駈動手段、誘起起電力受信手段、あるいはこれらの組合せを有し、
前記位相調整手段が、自己の容量性リアクタンスの他に、浮遊容量による容量性リアクタンスを含み、
前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制し、かつ前記磁力波アンテナの広帯域化を可能とし、帯域幅が数Hz以下である狭帯域から、帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域までの、任意の帯域幅のベースバンド信号を含む磁力波信号として送信し、受信し、あるいはこれらを交互に行うことによって、近距離間から中距離間での磁力波通信を可能にする。
また、図1〜図6、および請求項2に示すように、前記磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置が、少なくとも、閉ループアンテナと、磁力波信号送信手段とから構成され、前記閉ループアンテナが、少なくとも、磁力波信号を効率よく外部へ放射するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有し、かつ前記磁力波信号送信手段が、少なくとも、位相調整手段、寄生振動抑制手段、磁力波信号駈動手段、あるいはこれらの組合せを有し、前記位相調整手段が、自己の容量性リアクタンスの他に、浮遊容量による容量性リアクタンスを含み、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記閉ループアンテナから放射される変位電流を抑制し、前記閉ループアンテナの周辺で前記変位電流によって生じるオーミックロスと渦電流損とに基づく前記閉ループアンテナのミスマッチとを抑制することによって、前記誘導経路中において、数Hz以下から20MHzを超える任意の周波数領域で、前記磁力波信号を効率よく外部へ放射できる。
また、図1〜図6、および請求項3に示すように、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスの絶対値を、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスの絶対値の0%〜95%の範囲内に設定することによって、海水中において生じる前記閉ループアンテナの著しいミスマッチを抑制し、前記磁力波アンテナの利得と帯域特性とを調整する。
また、図1〜図6、および請求項4に示すように、前記ベースバンド信号が、0.3kHz〜3kHzのアナログ音声信号であり、パルス幅変調(PWM)されたデジタル音声信号であり、分析合成符号化アルゴリズムにより0.6kbps〜4.8kbpsに帯域圧縮されたデジタル音声信号であり、その他の符号化アルゴリズムによるデジタル音声信号であり、あるいはこれらの組合せであり、かつ、前記磁力波信号駈動手段により直接増幅し、搬送波を変調して増幅し、あるいはこれらの組合せで増幅し、前記閉ループアンテナを駆動する。
また、図1〜図6、および請求項5に示すように、前記磁力波信号駈動手段が、少なくとも、位相調整手段、伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス、プッシュプル増幅手段、ハーフブリッジ型電力増幅手段、フルブリッジ型電力増幅手段、DC−AC変換手段、AC−AC変換手段、アナログ信号増幅手段、低出力インピーダンス増幅手段、無効電流駈動手段、変調手段、符号化手段、あるいはこれらの組合せを含む。
また、図1〜図6、および請求項6に示すように、前記磁力波信号増幅手段の出力側トランスを前記閉ループアンテナに置換えることによって、磁力波信号を直接駈動する。
また、図1〜図6、および請求項7に示すように、前記誘起起電力受信手段が、少なくとも、位相調整手段、伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス、インピーダンス変換手段、低雑音増幅手段、中間周波増幅手段、検波・復調手段、復号化手段、位相等価手段、あるいはこれらの組合せを含む。
また、図1〜図6、および請求項8に示すように、前記インピーダンス変換手段の入力インピーダンスが前記閉ループアンテナの出力インピーダンスより大きく、前記インピーダンス変換手段の入力インピーダンスが前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスの出力インピーダンスより大きく、前記インピーダンス変換手段の出力インピーダンスが受信機の入力インピーダンスより小さく、前記低雑音増幅器の出力インピーダンスが受信機の入力インピーダンスより小さく、あるいはこれらの組合せである。
また、図1〜図6、および請求項9に示すように、前記組合せによる誘導経路中において、前記閉ループアンテナの、直列抵抗が変化し、誘導性リアクタンスが変化し、電気特性が変化し、VSWRが変化し、放射効率が変化し、あるいはこれらの組合せが変化するのを抑制するために、前記閉ループアンテナを、離調抑制手段の内部に収納し、マグネチックループアンテナとし、シールドループアンテナとし、特に小型の場合には絶縁物によりコーティングし、あるいはこれらを組合せる。
また、図1〜図6、および請求項10に示すように、前記寄生振動抑制手段を、前記閉ループアンテナと、前記位相調整手段と、前記磁力波信号駈動手段の出力端子と、前記誘起起電力受信手段の入力接続端子と、前記インピーダンス変換手段の入力接続端子と、前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスと、あるいはこれらの組合せと、並列あるいは直列に接続することによって、不要な寄生振動を抑制する。
また、図1〜図6、および請求項11に示すように、前記磁力波信号送受信手段、ベースバンド信号送受信手段、あるいはこれらの両方が、少なくとも、前記磁力波信号が前記誘導経路中において誘導結合する際に生じる誘導結合損の増加を、予測し、検知し、抑制し、あるいはこれらの組合せを行うための誘導結合損検知手段を有する。
また、図1〜図6、および請求項12に示すように、前記誘導結合損検知手段が、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスの変化を検知し、前記閉ループアンテナの周辺の海水の導電度を検知し、前記閉ループアンテナの周辺の海水のイオン濃度を検知し、前記誘導経路中の通信品質を検知し、あるいはこれらの組合せを検知することによって、前記誘導結合損の変化を検知する。
また、図1〜図6、および請求項13に示すように、前記閉ループアンテナが複数組設けられ、少なくとも、相互間で絶縁され、相互間で撚り合され、個別の長さであり、個別の形状であり、個別の角度であり、個別の間隔であり、あるいはこれらの組合せであり、かつ前記複数組の閉ループアンテナが、並列に接続され、直列に接続され、伝送線路的に接続され、あるいはこれらの組合せで接続される。
また、図1〜図6、および請求項14に示すように、前記複数組の閉ループアンテナの各組ごとに磁力波信号送受信手段を接続して複数組の入出力端子とし、少なくとも、前記複数組の入出力端子を、並列に接続し、同相に駈動するよう接続し、逆相に駆動するよう接続し、電力合成・分配手段を介して接続し、減衰・増幅手段を介して接続し、移相手段を介して接続し、あるいはこれらを組合せて接続することによって、要求される低インピーダンス特性、要求される指向性、要求される指向性ビーム幅、要求される周波数領域、要求される帯域幅、要求される利得、あるいはこれらの組合せを実現する。
また、図1〜図6、および請求項15に示すように、前記誘導経路中あるいは誘導経路の周辺に存在し、かつ、導電物質であり、磁性体であり、渦電流が生じる物質であり、あるいはこれらの組合せによる物質であり、前記物質が面状あるいは板状の場合には前記閉ループアンテナから前記物質に向けて水平方向もしくは並行する方向に磁力線を放出し、前記物質が液状の場合には前記閉ループアンテナから対向する閉ループアンテナに向けて可能な限り最短距離で磁力線が交差するよう放出し、あるいはこれらの組合せによって磁力線を放出する。
また、図1〜図6、および請求項16に示すように、前記閉ループアンテナが磁性体に近接して設けられた単巻あるいは複数巻のソレノイドコイルであり、かつ、変位電流の放射もしくは再放射を抑制する構造であり、構成であり、特性であり、あるいはこれらの組合せであり、かつ、変動磁界を効率よく放射する構造であり、構成であり、特性であり、あるいはこれらの組合せである。
また、図1〜図6、および請求項17に示すように、前記磁性体が、少なくとも、棒状であり、多角形であり、内部に空洞があり、複数本で構成され、前記複数本がクロスして配置され、あるいはこれらの組合せであり、かつ、前記ソレノイドコイルが、少なくとも、単層巻であり、多層巻であり、ポリファイラ巻であり、リッツ線であり、あるいはこれらの組合せである。
また、図1〜図6、および請求項18に示すように、前記磁力波信号送受信手段の一部あるいは全部が前記磁性体の内部の空洞部分に収納され、前記閉ループアンテナが前記磁性体の外部あるいは外周部に近接して設けられる。
図7は本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図を示し、605は電磁界シールド(断面図を示す)、610は移相手段、607は入出力コネクタ、700a〜700dは閉ループアンテナ、701は離調抑制手段を含むレドームである。
ここで、前記複数組の閉ループアンテナ700a〜700dを各組個別の角度(図中ではお互いに直交する)で配置し、各組ごとに前記移相手段610を介し、前記入出力コネクタ607に接続して、回転磁力波アンテナを構成する。
また、前記離調抑制手段を含むレドーム701は、少なくとも、閉ループアンテナ700a〜700dから垂直方向に放射される磁力波信号を減衰させず、効率よく透過させるための材質および構造を有するものとする。
また、閉ループアンテナ700a〜700dをレドーム701と垂直に設置しているが、水平あるいは任意の角度で設置しても同様な効果が得られる。
なお、前記磁力波アンテナが右回転しあるいは左回転する磁力波信号を放射することによって、前記誘導経路中に存在するNa+イオンやCL−イオン、微量な金属イオン、自由電子、あるいはこれらの組合せによって引き起こされる誘導結合損の増加を軽減し、かつ前記磁力波信号によって渦電流損を生じる導電物体を確実に検知することが期待される。
また、図7、および請求項19に示すように、前記複数組の閉ループアンテナが、各組毎に、前記移相手段に接続され、少なくとも、前記複数組の閉ループアンテナを蔽うレドームを通して、回転磁力波信号を効率よく外部へ放射する。
また、図7、および請求項20に示すように、前記複数組の閉ループアンテナを、レドームに対して垂直方向に配置し、レドームに対して水平方向に配置し、レドームに対して円錐状あるいは逆円錐状に配置し、あるいはこれらの組合せにより配置し、かつ、前記複数組の閉ループアンテナの、指向性ビーム幅を制御し、指向性ビームの方向を制御し、指向性ビームの放射角を制御し、あるいはこれらの組合わせをアダプテイブに制御する回転磁力波アンテナを実現する。
また、図7、および請求項21に示すように、前記閉ループアンテナから放射された回転磁力波信号が、前記誘導経路中に存在する導電物体によって渦電流を生じて反射され、前記反射された逆回転する回転磁力波信号を受信することで、誘導経路中に存在する導電物体を探知する。
また、図7、および請求項22に示すように、前記回転磁力波信号を放射するための複数組の閉ループアンテナと、前記逆回転する磁力波信号を受信するための複数組の閉ループアンテナとを、間隔を置いて同一方向に向けて設置する。
図8は本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図を示し、700a〜700fは閉ループアンテナ、701は離調抑制手段を含むレドーム、708a〜708fは磁力波信号送受信手段(図示せず)である。
ここで、前記複数組の閉ループアンテナ700a〜700fをお互いに絶縁してアレイ状に配置し、各組毎に、少なくとも、前記磁力波信号送受信手708a〜708fを接続し、電力合成・分配手段を接続し、減衰・増幅手段を接続し、移相手段を接続し、あるいはこれらの組み合わせを接続してアダプテイブアレイアンテナを構成し、要求される指向性、要求される指向性ビーム幅、要求される周波数領域、要求される帯域幅、要求されるアンテナ利得、あるいはこれらの組合せを実現する。
また、閉ループアンテナ700a〜700fをレドーム701と水平に設置しているが、垂直あるいは任意の角度で設置しても同様な効果が得られる。
また、図8、および請求項23に示すように、、前記複数組の閉ループアンテナがレドームに対して垂直方向、水平方向、あるいはこれらの組合せで配置され、各組ごとに、少なくとも、磁力波信号送受信手段を接続し、電力合成・分配手段を接続し、減衰・増幅手段を接続し、移相手段を接続し、あるいはこれらの組み合わせを接続し、かつ、前記複数組の閉ループアンテナの、指向性ビーム幅を制御し、指向性ビームの方向を制御し、指向性ビームの放射角を制御し、あるいはこれらの組合わせをアダプテイブに制御する磁力波アダプテイブアレイアンテナを実現する。
また、図8、および請求項24に示すように、前記複数組の閉ループアンテナが、海上を航行しあるいは海水中を潜航する移動体の形状に合わせてアレイ状に設置される。
図9は本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの他の構成図を示し、700a〜700cは閉ループアンテナ、708a〜708cは磁力波送受信手段(図示せず)、709a〜709cはバースバンド信号送受信手段(図示せず9、605a〜605cはで電磁界シールド(図示せず)、718a〜718cは離調抑制手段である。
ここで、前記閉ループアンテナ700aと、前記閉ループアンテナ700bおよび700cとはお互いに水平方向に対向しており、両者間の距離が変化すると、磁力波送受信手段700a〜700cへの受信入力は12dB/octの割合で変化する。
一方、前記閉ループアンテナ700bと、前記閉ループアンテナ700cとはお互いに垂直方向に対向しており、両者間の距離が変化すると、磁力波送受信手段700b〜700cへの受信入力は18dB/octの割合で変化する。

例えば、閉ループアンテナ700aが海洋上の移動局に搭載され、閉ループアンテナ700bおよび700cが海水中の複数の移動局として携帯されあるいは搭載されていると、海洋上の移動局と海水中の複数の移動局との距離は数kmまで延長されるが、海水中の複数の移動局間では、閉ループアンテナが垂直方向に対向するため、相互間で誘導結合する磁力線の経路長が、距離の増加とともに急激に増加し、渦電流損が増加するためであり、通信可能な距離が数100mに制限されることになるので、システム構築の際には注意を要する。
図10は本発明の第1の実施形態における閉ループアンテナの誘導性リアクタンスの特性例を示す。
ここで、外径が1mmφの絶縁銅線10本を束ね、全長が50cmの閉ループアンテナを用い、周波数を変化させて測定した誘導性リアクタンスの値であり、前記誘導性リアクタンスが周波数の増加とともにほぼ比例して増加していることが分かる。
従来の設計理論によれば、前記閉ループアンテナから電磁波信号を効率よく放射させるために、同調用コンデンサを用いた共振回路を設け、前記誘導性リアクタンスと共振させ、マッチング回路を設けて通信機と接続する方法が採られていた。
従来の方法を採用すると、前記閉ループアンテナに変位電流が流れ、変位電流が外部へ放射され、あるいは外部へ再放射されるため、海水中のNa+イオンやCL−イオンによって、オーミックロスが発生し、渦電流損が発生し、前記オーミックロスと渦電流損のために、アンテナ間の電磁波信号の伝搬損が増加し、アンテナの同調とマッチングが崩れ、VSWRが大きくなり、大きなマッチング損が生じる問題点がある。
本発明では、上記の問題点を解決するための方法として、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと位相調整手段の容量性リアクタンスとを共振させず非共振のままとし、前記閉ループアンテナに誘導性負荷電流を直接駆動し、前記閉ループアンテナから放射されあるいは再放射される変位電流を許容値以下に抑制する方法を採用する。
図11は本発明の第1の実施形態における磁力波信号の誘導結合損の特性例を示す。ここで、大気中における電磁波信号の伝搬損と、大気中あるいは海水中における磁力波信号の誘導結合損とを比較すると、大気中の電磁波信号の伝搬損が距離の二乗に比例して6dB/octで増加するのに対して、磁力波信号の誘導結合損が、前記送信側磁力波アンテナと受信側磁力波アンテナとが垂直方向に対向している場合には距離の四乗に比例して12dB/octで増加し、あるいは前記送信側磁力波アンテナと受信側磁力波アンテナとが水平方向に対向している場合には距離の六乗に比例して18dB/octで増加するので、この点では電磁波信号の伝搬損の増加の方が緩やかであり、遠距離間通信には有利であることが分かる。
一方、海水中での電磁波信号の伝搬損と、大気中あるいは海水中での磁力波信号の誘導結合損とを比較すると、電磁波信号の伝搬損が1MHz帯において約100dB/mと急激であるのに比較して、磁力波信号の誘導結合損が12dB/octあるいは18dB/octと緩やかに減衰するので、海水中においては、変動磁界の誘導結合を用いる磁力波信号の方が俄然有利となり、近距離間から中距離間の無線通信が可能となる。
更に、前記磁力波信号を用いると、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅の磁力波通信を可能にする。
しかしながら、天然の海水中(特に港湾内等金属イオン濃度の濃いエリア、あるいは周辺に金属物体が存在するエリア)では、誘導結合損が変動し、あるいはより大きな誘導結合損を生じる場合があることから、適応型閉ループアンテナを設け、適応型磁力波信号送受信手段を設け、適応型ベースバンド信号送受信手段を設け、あるいはこれらの組合せを設け、自局、相手局、あるいは両局において、少なくとも、前記閉ループアンテナのパラメータ、前記磁力波信号のパラメータ、前記磁力波通信のパラメータ、あるいはこれらの組合せをアダプティブに制御し、変更し、あるいは切替える必要がある。なお、前記アダプティブ制御には、ダイバーシテイ制御を含むものとする。
また、前述のように、前記閉ループアンテナから放射されあるいは再放射される変位電流によって生じるオーミックロスと渦電流損によるミスマッチのために、前記閉ループアンテナに著しいミスマッチが起こり、従来から電磁波信号でも通信が可能とされていた100kHz以下の周波数領域において、海水中で電磁波信号を送信することが不可能であるのに対して、本発明の磁力波アンテナでは、数Hz以下の低周波の領域から20MHzを超える任意の周波数領域で、しかも海水中において、効率よく磁力波信号を外部へ放射(送信)することが可能となり、広範囲の実用性が期待できる。
以上の説明では、主に、前記閉ループアンテナの周辺にNa+イオンやCL−イオンなどが存在する場合の影響と対策とについて述べたが、請求項25に示すように、前記閉ループアンテナが、少なくとも、磁力波信号送信手段を介してベースバンド信号送信手段に接続され、磁力波信号受信手段を介してベースバンド信号受信手段に接続され、磁力波信号送受信手段を介してベースバンド信号送受信手段に接続され、あるいはこれらの組合せで接続され、かつ、固定局、中継局、移動端末、携帯端末、小型のRFIDタグ、あるいはこれらの組合せを構成し、かつ、真水中、海水中、大気中、地中、あるいはこれらの組合せによる誘導経路中おいて、単方向通信、双方向通信、固体識別、個体管理、地点情報管理、地殻変動調査、導電体物質探査、海洋資源探査、あるいはこれらの組合せのために用いられる。
また、請求項26に示すように、前記磁力波通信が、少なくとも、スペクトル拡散通信であり、秘匿通信であり、海水中での通信であり、等価帯域幅が数Hz以下の狭帯域通信であり、帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域通信であり、近距離間から中距離間の通信であり、あるいはこれらの組合せによる通信である。
また、請求項27に示すように、前記磁力波信号が自然界には存在しにくいベースバンド信号で構成され、受信側において受信した前記ベースバンド信号の伝搬特性の変化を測定することによって、前記誘導経路中で生じる、地震、海底火山の噴火、津波、物体の移動、生物の移動、あるいはこれらの組合せを検知する。
また、請求項28に示すように、前記磁力波アンテナが、ワイヤレス給電装置の送信側アンテナとして用いられ、ワイヤレス給電装置の受信側アンテナとして用いられ、磁力波通信手段が付加されて用いられ、あるいはこれらの組合せで用いられる。
また、請求項29に示すように、前記送信側の磁力波アンテナでは、少なくとも、商用電源から直接駈動し、商用電源からトランスを介して駈動し、複数の閉ループアンテナをメッシュ状に配置して駈動し、位相調整手段を接続して駈動し、実効比透磁率が10以上の磁性体に近接して駈動し、前記受信側の磁力波アンテナでは、少なくとも、巻き数を送信側の巻数より多くし、実効比透磁率を送信側の実効比透磁率より大きくし、対向する面積を送信側が対向する面積より狭くし、あるいはこれらを組合せる。
また、請求項30に示すように、前記誘導経路中において生じる誘導結合損の増加を軽減するために、適応型閉ループアンテナを設け、適応型磁力波信号送受信手段を設け、適応型ベースバンド信号送受信手段を設け、あるいはこれらの組合せを設け、自局、相手局、あるいは両局において、少なくとも、前記閉ループアンテナのパラメータ、前記磁力波信号のパラメータ、前記磁力波通信のパラメータ、前記磁力波通信装置のパラメータ、あるいはこれらの組合せをアダプティブに制御し、変更し、あるいは切替えることで、信頼性の高い磁力波通信を可能とする。
また、請求項31に示すように、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の磁性体の実効透磁率が送信時もしくは送信側の磁性体の実効透磁率より大きく、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の巻数が送信時もしくは送信側の巻数より多く、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の面積が送信時もしくは送信側の面積より広いく、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の対向する2辺の間隔が送信時もしくは送信側の対向する2辺の間隔より広く、あるいはこれらの組合せである。
また、請求項32に示すように、複数の送信側磁力波アンテナの一部あるいは全部と複数の受信側磁力波アンテナの一部あるいは全部とが垂直方向に対向し、前記複数の送信側磁力波アンテナの一部あるいは全部と前記複数の受信側磁力波アンテナの一部あるいは全部とが水平方向に対向し、あるいはこれらの組合せにより対向することでエリア拡大のメリットが得られる。
また、図9および請求項33に示すように、前記磁力波アンテナが、海洋上の船舶やブイなどの移動体と、海水中の潜航船やダイバーなどの複数の移動体とに搭載され、前記海洋上の移動体に搭載された磁力波アンテナと、前記海水中の複数の移動体に搭載された磁力波アンテナとが相互間で水平方向に対向し、前記複数の移動体に搭載された磁力波アンテナが相互間で垂直方向に対向することで、海洋上の移動体において全ての通信がモニタされ、移動体相互間の通話が円滑に行われる。
また、請求項34に示すように、前記磁力波アンテナが相手側磁力波アンテナと対向している場合、対向している方向の反対側に非磁性体の金属板を配置することで渦電流が生じ、前記磁力波アンテナから反対方向に放射される磁力線を反射させることで、指向性アンテナを実現する。
本発明は上記のように構成されているため、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中で、磁力波信号を利用することによって、近距離間から中距離間であり、数Hz以下から20MHzを超える任意の周波数領域であり、かつ狭帯域から広帯域までの任意の帯域幅の磁力波信号による磁力波通信装置が安価に実現できることから、実用的価値が高いものである。
また、本発明は、大気中、真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中において、近距離間から中距離間での通信システム、船舶の衝突防止システム、海洋資源探査システム、バイオテレメトリ、センシングネットワーク、ダイバーなどの相互間音声通信装置、RFIDタグ装置、潜航艇あるいは海中ロボットとの通信・遠隔制御装置、水難者あるいは遭難者の探索装置、測深機、魚群探知機、海底探査機、金属探知機、あるいはワイヤレス電力給電装置などの広範囲な適用が可能である。
600a〜600b 短ループアンテナ
601a、601b 電界シールド
603a、603b インピーダンス変換トランス
604a、604b インピーダンス整合コンデンサ
605a、605b 電磁界シールド
606a、606b 入出力コネクタ
607 入力コネクタ
610 移相手段
612 距離(R)
700、700a〜700f 閉ループアンテナ
701 レドーム
704 浮遊容量を含む位相調整手段(可変もしくは半固定を含む)
705 ダンピング手段
706 送受切替手段
707 磁性体
708、708a〜708f 磁力波信号送受信手段
709 ベースバンド信号送受信手段
710 磁力波信号駈動手段
711 誘起起電力受信手段
712、712a、712b 閉ループアンテナ接続端子
713、713a、713b ベースバンド信号接続端子
714 送受信切替接続端子
715、715a、715b 電力増幅手段
716、716a〜716c 伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス
717 インピーダンス変換手段を含む低雑音増幅手段
718 離調抑制手段

Claims (34)

  1. 変動磁界によって誘導結合する磁力波信号を用い、大気中、電磁波信号の伝搬損が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から5%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせによる誘導経路中を、近距離から中距離間での無線通信を可能にする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置において、
    前記磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置が、少なくとも、閉ループアンテナと、磁力波信号送受信手段とから構成され、
    前記閉ループアンテナが、少なくとも、電磁波信号を送信時に外部へ放射しあるいは受信時に外部へ再放射するのを抑制し、かつ磁力波信号を効率よく外部へ放射しあるいは外部から受信するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有し、
    前記磁力波信号送受信手段が、少なくとも、位相調整手段、寄生振動抑制手段、送受切替手段、磁力波信号駈動手段、誘起起電力受信手段、あるいはこれらの組合せを有し、
    前記位相調整手段が、自己の容量性リアクタンスの他に浮遊容量による容量性リアクタンスを含み、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記電磁波信号の放射もしくは再放射を抑制し、かつ前記磁力波アンテナの広帯域化を可能とし、
    帯域幅が数Hz以下である狭帯域から、帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域までの、任意の帯域幅のベースバンド信号を含む磁力波信号として送信し、受信し、あるいはこれらを交互に行うことによって、数cmの近距離間から数kmの中距離間での磁力波通信を可能にすることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  2. 前記請求項第1項において、前記磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置が、少なくとも、閉ループアンテナと、磁力波信号送信手段とから構成され、
    前記閉ループアンテナが、少なくとも、磁力波信号を効率よく外部へ放射するための構造、構成、形状、特性、あるいはこれらの組合せを有し、かつ前記磁力波信号送信手段が、少なくとも、位相調整手段、寄生振動抑制手段、磁力波信号駈動手段、あるいはこれらの組合せを有し、
    前記位相調整手段が、自己の容量性リアクタンスの他に、浮遊容量による容量性リアクタンスを含み、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスと、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスとを、非共振状態としあるいは非同調状態とすることによって、前記閉ループアンテナから放射される変位電流を抑制し、前記閉ループアンテナの周辺で前記変位電流によって生じるオーミックロスと渦電流損とに基づく前記閉ループアンテナのミスマッチを抑制することによって、前記誘導経路中において、数Hz以下から20MHzを超える任意の周波数領域で、前記磁力波信号を効率よく外部へ放射できることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  3. 前記請求項第1項から第2項のいずれかにおいて、前記浮遊容量を含む位相調整手段の容量性リアクタンスの絶対値を、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスの絶対値の0%〜95%の範囲内に設定することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  4. 前記請求項第1項から第3項のいずれかにおいて、前記ベースバンド信号が、0.3kHz〜3kHzのアナログ音声信号であり、パルス幅変調されたデジタル音声信号であり、分析合成符号化アルゴリズムにより0.6kbps〜4.8kbpsに帯域圧縮したデジタル音声信号であり、その他の符号化アルゴリズムによるデジタル音声信号であり、あるいはこれらの組合せであり、かつ、前記磁力波信号駈動手段により直接増幅し、搬送波を変調して増幅し、あるいはこれらの組合せで増幅し、前記閉ループアンテナを駆動することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  5. 前記請求項第1項から第4項のいずれかにおいて、前記磁力波信号駈動手段が、少なくとも、位相調整手段、伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス、プッシュプル増幅手段、ハーフブリッジ型電力増幅手段、フルブリッジ型電力増幅手段、DC−AC変換手段、AC−AC変換手段、アナログ信号増幅手段、低出力インピーダンス増幅手段、無効電流駈動手段、変調手段、符号化手段、あるいはこれらの組合せを含むことを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  6. 前記請求項第5項において、前記磁力波信号増幅手段の出力側トランスを前記閉ループアンテナに置換えることによって、磁力波信号を直接駈動することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  7. 前記請求項第1項において、前記誘起起電力受信手段が、少なくとも、位相調整手段、伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランス、インピーダンス変換手段、低雑音増幅手段、中間周波増幅手段、検波・復調手段、復号化手段、位相等価手段、あるいはこれらの組合せを含むことを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  8. 前記請求項第7項において、前記インピーダンス変換手段の入力インピーダンスが前記閉ループアンテナの出力インピーダンスより大きく、前記インピーダンス変換手段の入力インピーダンスが前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスの出力インピーダンスより大きく、前記インピーダンス変換手段の出力インピーダンスが受信機の入力インピーダンスより小さく、前記低雑音増幅器の出力インピーダンスが受信機の入力インピーダンスより小さく、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  9. 前記請求項第1項から第8項までの何れかにおいて、前記組合せによる誘導経路中において、前記閉ループアンテナの、直列抵抗が変化し、誘導性リアクタンスが変化し、電気特性が変化し、VSWRが変化し、放射効率が変化し、あるいはこれらの組合せが変化するのを抑制するために、前記閉ループアンテナを、離調抑制手段の内部に収納し、マグネチックループアンテナとし、シールドループアンテナとし、特に小型の場合には絶縁物によりコーティングし、あるいはこれらを組合せることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  10. 前記請求項第1項から第9項までの何れかにおいて、前記寄生振動抑制手段を、前記閉ループアンテナと、前記浮遊容量を含む位相調整手段と、前記磁力波信号駈動手段の出力端子と、前記誘起起電力受信手段の入力接続端子と、前記インピーダンス変換手段の入力接続端子と、前記伝送線路トランスもしくは伝送線路的トランスと、あるいはこれらの組合せと、並列あるいは直列に接続することによって、不要な寄生振動を抑制することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  11. 前記請求項第1項において、前記磁力波信号送受信手段、ベースバンド信号送受信手段、あるいはこれらの両方が、少なくとも、前記磁力波信号が前記誘導経路中において誘導結合する際に生じる誘導結合損の増加を、予測し、検知し、抑制し、あるいはこれらの組合せを行うための誘導結合損検知手段を有することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  12. 前記請求第11項において、前記誘導結合損検知手段が、前記閉ループアンテナの誘導性リアクタンスの変化を検知し、前記閉ループアンテナの周辺の海水の導電度を検知し、前記閉ループアンテナの周辺の海水のイオン濃度を検知し、前記誘導経路中の通信品質を検知し、あるいはこれらの組合せを検知することによって、前記誘導結合損の変化を検知することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  13. 前記請求項第1項から第12項までの何れかにおいて、前記閉ループアンテナが複数組設けられ、少なくとも、相互間で絶縁され、相互間で撚り合され、個別の長さであり、個別の形状であり、個別の角度であり、個別の間隔であり、あるいはこれらの組合せであり、かつ前記複数組の閉ループアンテナが、並列に接続され、直列に接続され、伝送線路的に接続され、あるいはこれらの組合せで接続されることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  14. 前記請求項第1項から第13項までの何れかにおいて、前記複数組の閉ループアンテナの各組ごとに磁力波信号送受信手段を接続して複数組の入出力端子とし、少なくとも、前記複数組の入出力端子を、並列に接続し、同相に駈動するよう接続し、逆相に駆動するよう接続し、電力合成・分配手段を介して接続し、減衰・増幅手段を介して接続し、移相手段を介して接続し、あるいはこれらを組合せて接続することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  15. 前記請求項第1項から第14項までの何れかにおいて、前記誘導経路中あるいは誘導経路の周辺に存在し、かつ、導電物質であり、磁性体であり、渦電流が生じる物質であり、あるいはこれらの組合せによる物質であり、前記物質が面状あるいは板状の場合には前記閉ループアンテナから前記物質に向けて水平方向もしくは並行する方向に磁力線を放出し、前記物質が液状の場合には前記閉ループアンテナから対向する閉ループアンテナに向けて可能な限り最短距離で磁力線が交差するよう放出し、あるいはこれらの組合せによって磁力線を放出することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  16. 前記請求項第1項から第15項までの何れかにおいて、前記閉ループアンテナが磁性体に近接して設けられた単巻あるいは複数巻のソレノイドコイルであり、かつ、変位電流の放射もしくは再放射を抑制する構造であり、構成であり、特性であり、あるいはこれらの組合せであり、かつ、変動磁界を効率よく放射する構造であり、構成であり、特性であり、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  17. 前記請求項第16項において、前記磁性体が、少なくとも、棒状であり、多角形であり、内部に空洞があり、複数本で構成され、前記複数本がクロスして配置され、あるいはこれらの組合せであり、かつ、前記ソレノイドコイルが、少なくとも、単層巻であり、多層巻であり、ポリファイラ巻であり、リッツ線であり、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  18. 前記請求項第16項から第17項の何れかにおいて、前記磁力波信号送受信手段の一部あるいは全部が前記磁性体の内部の空洞部分に収納され、前記閉ループアンテナが前記磁性体の外部あるいは外周部に設けられることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  19. 前記請求項第1項から第18項の何れかにおいて、前記複数組の閉ループアンテナが、各組毎に、前記移相手段に接続され、少なくとも、前記複数組の閉ループアンテナを蔽うレドームを通して、回転磁力波信号を効率よく外部へ放射することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  20. 前記請求項第15項あるいは第19項の何れかにおいて、前記複数組の閉ループアンテナを、レドームに対して垂直方向に配置し、レドームに対して水平方向に配置し、レドームに対して円錐状あるいは逆円錐状に配置し、あるいはこれらの組合せにより配置し、かつ、前記複数組の閉ループアンテナの、指向性ビーム幅を制御し、指向性ビームの方向を制御し、指向性ビームの放射角を制御し、あるいはこれらの組合わせをアダプテイブに制御する回転磁力波アンテナを実現することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  21. 前記請求項第19項から第20項の何れかにおいて、前記閉ループアンテナから放射された回転磁力波信号が、前記誘導経路中に存在する導電物体によって渦電流を生じて反射され、前記反射された逆回転する回転磁力波信号を受信することで、誘導経路中に存在する導電物体を探知することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  22. 前記請求項第19項から第21項までの何れかにおいて、前記回転磁力波信号を放射するための複数組の閉ループアンテナと、前記逆回転する回転磁力波信号を受信するための複数組の閉ループアンテナとを間隔を置いて設置することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  23. 前記請求項第1項から第22項までの何れかにおいて、前記複数組の閉ループアンテナがレドームに対して垂直方向、水平方向、あるいはこれらの組合せで配置され、各組ごとに、少なくとも、磁力波信号送受信手段を接続し、電力合成・分配手段を接続し、減衰・増幅手段を接続し、移相手段を接続し、あるいはこれらの組み合わせを接続し、かつ、前記複数組の閉ループアンテナの、指向性ビーム幅を制御し、指向性ビームの方向を制御し、指向性ビームの放射角を制御し、あるいはこれらの組合わせをアダプテイブに制御する磁力波アダプテイブアレイアンテナを実現することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  24. 前記請求項第23項において、前記複数組の閉ループアンテナが、海上を航行しあるいは海水中を潜航する移動体の形状に合わせて設置されることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  25. 前記請求項第1項から第24項の何れかにおいて、前記閉ループアンテナが、少なくとも、磁力波信号送信手段を介してベースバンド信号送信手段に接続され、磁力波信号受信手段を介してベースバンド信号受信手段に接続され、磁力波信号送受信手段を介してベースバンド信号送受信手段に接続され、あるいはこれらの組合せで接続され、かつ、固定局、中継局、移動端末、携帯端末、小型のRFIDタグ、あるいはこれらの組合せを構成し、かつ、真水中、海水中、大気中、地中、あるいはこれらの組合せによる誘導経路中おいて、単方向通信、双方向通信、固体識別、個体管理、地点情報管理、地殻変動調査、導電体物質探査、海洋資源探査、あるいはこれらの組合せのために用いられることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  26. 前記請求項第1項から第25項の何れかにおいて、前記磁力波通信が、少なくとも、スペクトル拡散通信であり、秘匿通信であり、海水中での通信であり、等価帯域幅が数Hz以下の狭帯域通信であり、帯域幅の下限と上限との周波数比が10倍以上の広帯域通信であり、近距離間から中距離間の通信であり、あるいはこれらの組合せによる通信であることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  27. 前記請求項第1項から第26項の何れかにおいて、前記磁力波信号が自然界には存在しにくいベースバンド信号で構成され、受信側において受信した前記ベースバンド信号の伝搬特性の変化を測定することによって、前記誘導経路中で生じる、地震、海底火山の噴火、津波、物体の移動、生物の移動、あるいはこれらの組合せを検知することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  28. 前記請求項第1項から第27項の何れかにおいて、前記磁力波アンテナが、ワイヤレス給電装置の送信側アンテナとして用いられ、ワイヤレス給電装置の受信側アンテナとして用いられ、磁力波通信手段が付加されて用いられ、あるいはこれらの組合せで用いられることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  29. 前記請求項第28項において、前記送信側の磁力波アンテナでは、少なくとも、商用電源から直接駈動し、商用電源からトランスを介して駈動し、複数の閉ループアンテナをメッシュ状に配置して駈動し、位相調整手段を接続して駈動し、実効比透磁率が10以上の磁性体に近接して駈動し、前記受信側の磁力波アンテナでは、少なくとも、巻き数を送信側の巻数より多くし、実効比透磁率を送信側の実効比透磁率より大きくし、対向する面積を送信側が対向する面積より狭くし、あるいはこれらを組合せることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  30. 前記請求項第1項から第29項の何れかにおいて、前記誘導経路中において生じる誘導結合損の増加を軽減するために、適応型閉ループアンテナを設け、適応型磁力波信号送受信手段を設け、適応型ベースバンド信号送受信手段を設け、あるいはこれらの組合せを設け、自局、相手局、あるいは両局において、少なくとも、前記閉ループアンテナのパラメータ、前記磁力波信号のパラメータ、前記磁力波通信のパラメータ、前記磁力波通信装置のパラメータ、あるいはこれらの組合せをアダプティブに制御し、変更し、あるいは切替えることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  31. 前記請求項第1項から第30項の何れかにおいて、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の磁性体の実効透磁率が送信時もしくは送信側の磁性体の実効透磁率より大きく、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の巻数が送信時もしくは送信側の巻数より多く、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の面積が送信時もしくは送信側の面積より広く、前記閉ループアンテナの受信時もしくは受信側の対向する2辺の間隔が送信時もしくは送信側の対向する2辺の間隔より広く、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  32. 前記請求項第1項から第31項の何れかにおいて、複数の送信側磁力波アンテナの一部あるいは全部と複数の受信側磁力波アンテナの一部あるいは全部とが垂直方向に対向し、前記複数の送信側磁力波アンテナの一部あるいは全部と前記複数の受信側磁力波アンテナの一部あるいは全部とが水平方向に対向し、あるいはこれらの組合せにより対向することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  33. 前記請求項第1項から第32項の何れかにおいて、前記磁力波アンテナが海洋上の移動体と海水中の複数の移動体とに搭載され、前記海洋上の移動体に搭載された磁力波アンテナと前記海水中の複数の移動体に搭載された磁力波アンテナとが相互間で水平方向に対向し、前記複数の移動体に搭載された磁力波アンテナが相互間で垂直方向に対向することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
  34. 前記請求項第1項から第33項の何れかにおいて、前記磁力波アンテナが相手側磁力波アンテナと対向している場合、対向している方向の反対側に非磁性体の金属板を配置することで渦電流が生じ、前記磁力波アンテナから反対方向に放射される磁力線を反射させることで、指向性アンテナを実現することを特徴とする磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置。
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