以下、本発明の実施形態を説明する。各実施形態は例示であり、本発明は各実施形態に限定されるものではない。
1.第1実施形態
1.1)システム
以下、本実施形態による通信システムとして、LTE(Long Term Evolution)の通信システムの例を示す。ただし、本発明が適用される通信システムはLTEに限定されない。例えば、本発明は、GPRS(General Packet Radio Service)やUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)にも適用可能である。
図1において、本実施形態による通信システムは、携帯電話、PC(Personal Computer)、モバイルルータ等の端末(Mobile Terminal)1、基地局(eNB)2、ゲートウェイ3を含む。基地局2は、端末1に対して、無線アクセス機能を提供する。ゲートウェイ3は、例えば、S−GW(Serving Gateway)やP−GW(Packet Data Network Gateway)等のネットワークノードである。なお、ゲートウェイ3は、SGSN(Serving GPRS Support Node)やGGSN(Gateway GPRS Support Node)でもよい。ゲートウェイ3は、例えば、ネットワークに設定される通信パス(例えば、ベアラ)を終端する機能や、外部ネットワーク(例えばインターネット)との接続点としての機能を提供する。
図2に示すように、端末1は、端末1とゲートウェイ3との間に構築された通信パス(例えばベアラ)を介して、データを送受信する。通信パスは、例えば、端末1と基地局との間に構築される無線チャネルや、ゲートウェイ3を終端(エンドポイント)とするGTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネルで構成される。
図1に示す本実施形態による通信システムでは、例えば、基地局2とゲートウェイ3との間や、S−GWとP−GWとの間に、通信パスの経路を切り替えることが可能な通信装置4が配置される。通信装置4は、例えば、通信パスに対応するゲートウェイ3を切り替える場合、当該通信パスに属するパケットが切り替え後のゲートウェイ3を経由するようにパケットの転送経路を切り替え可能である。通信装置4が通信パスの経路上でパケットの転送経路を切り替えることにより、ゲートウェイの切り替えを端末1に対して隠蔽することが可能となる。従って、通信パスに対応するゲートウェイ3が切り替えられたとしても、通信システムは、通信パスの再確立手順の実行を回避できる。
1.2)通信装置
本実施形態による通信装置4は複数のゲートウェイを切り替えることができるが、以下説明の複雑化を回避するために、3つのゲートウェイが切り替えられる場合を一例として説明する。
図3に例示するように、通信装置4は、通信パス識別部40および切替部41を含み、通信パスに応じてゲートウェイ3(a)、3(b)および3(c)を切り替え可能であるとする。
通信パス識別部40は、受信パケットが属する通信パスを識別する。例えば、通信パス識別部40は、TEID(Tunnel Endpoint Identifier)や、GRE(Generic Routing Encapsulation)key等の通信パス識別子に基づいて、受信パケットが属する通信パスを識別する。
切替部41は、通信パス識別子により識別された通信パスに対応するゲートウェイ3に、受信パケットを転送する。切替部41は、例えば、通信パスとゲートウェイ3の対応関係を管理する機能を有し、その対応関係に基づいて、受信パケットを対応するゲートウェイ3に転送する。図3の例では、切替部41は、受信パケット(A)をゲートウェイ3(a)に、受信パケット(B)をゲートウェイ3(b)に、受信パケット(C)をゲートウェイ(c)に、それぞれ転送する。
図4に例示するように、サーバ33上に仮想マシン(VM:Virtual Machine)等のソフトウェアによりゲートウェイ3A(仮想ゲートウェイ)を構成し、通信装置4が受信パケットをゲートウェイ3Aに転送することも可能である。サーバ33は、例えば、通信システムの負荷等に応じて、複数の仮想ゲートウェイ3Aを構築することが可能である。切替部41は、例えば、通信パスと仮想ゲートウェイとの対応関係に基づいて、受信パケットを対応する仮想ゲートウェイに転送する。
図5に例示するように、通信装置4が有する上述した機能をサーバ33上に構築された仮想スイッチ4Aにより実現することも可能である。つまり、図5の例では、サーバ33は、通信装置4として動作可能である。すなわち、サーバ33の制御部(図示せず)上に仮想スイッチ4Aと仮想ゲートウェイ(ゲートウェイ3A)とをVM等のソフトウェアにより構成することも可能である。仮想スイッチ4Aの通信パス識別部40は、受信したパケットが属する通信パスを識別し、仮想スイッチ4Aの切替部41は、識別された通信パスに対応する仮想ゲートウェイ3Aに受信パケットを転送する。
なお、図3〜図5では、1つの通信装置4(仮想スイッチ4A)しか記載されていないが、複数個使用しても良い。また、通信装置4と仮想スイッチ4Aとを組み合わせて用いても良い。
1.3)通信パス制御
図6において、通信装置4は、パケットを受信すると(動作S1)、通信パス識別部40が受信パケットの属する通信パスを識別する(動作S2)。例えば、通信パス識別部40は、TEIDやGRE Key等の通信パス識別子に基づいて、受信パケットが属する通信パスを識別する。
通信装置4の切替部41は、識別された通信パスに対応するゲートウェイ3に、受信パケットを転送する(動作S3)。
1.4)効果
以上の動作により、通信装置4が通信パスの経路上でパケットの転送経路を切り替えることにより、通信システムは、通信パスに対応するゲートウェイ3の切り替えを端末1に対して隠蔽することが可能となる。従って、通信パスに対応するゲートウェイ3が切り替えられたとしても、通信システムは、通信パスの再確立手順の実行を回避できる。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態は、図1に例示された通信システムに適用可能である。
第2実施形態による通信システムにおける通信装置4は、制御装置5から通知された指示に従って、上述した第1実施形態と同様に、通信パスの経路切替を実行することが可能である。制御装置5が通信装置4の動作を集中制御できるので、システムの運用効率が向上する。
図7に示すように、制御装置5は、経路情報DB(データベース)50、制御部51および通信インターフェース52を含む。
通信インターフェース52は、通信装置4と通信する機能を有する。通信インターフェース52は、例えば、OpenFlow、ForCES(Forwarding and Control Element Separation)、I2RS(Interface to Routing System)等のプロトコルを用いて、通信装置4と通信することが可能である。
経路情報DB50は、通信パスとゲートウェイ3との対応関係を管理するためのデータベースである。制御部51は、経路情報DB50に格納する情報を生成する機能や、経路情報DB50に記憶された情報に基づいて通信インターフェース52を介して通信装置4を制御する機能を有する。
図8に例示されるように、経路情報DB50は、各通信パスとそれに対応するゲートウェイとの対応情報を記憶する。通信パスを識別するための情報として、TEIDやGRE Key等の通信パス識別子を用いることができ、各通信パス識別子に基づいて、対応するゲートウェイ3を管理することができる。
制御部51は、経路情報DB50で管理される情報に基づいて、通信装置4を制御する。例えば、制御部51は、経路情報DB50に基づいて、通信装置4の切替部41に通信パスとゲートウェイ3との対応関係を通知する。
図9の例示するように、通信装置4に経路情報DB42を設け、制御装置5から通知された経路情報を記憶してもよい。この場合、通信装置4の通信パス識別部40および切替部41は、経路情報DB42を参照し、パケットが属する通信パスに対応するゲートウェイ3に対して、当該パケットを転送する。
制御装置5の制御部51は、例えば、通信パスに対応するゲートウェイ3の変更が生じると、その変更された対応関係の情報を通信装置4に通知する。通信装置4は、通知された情報を経路情報DB42に記憶する。
制御装置5の制御部51は、図5に例示したサーバ33上に仮想ゲートウェイであるゲートウェイ3A(図5に例示)を、例えば起動指示により稼働させることも可能である。すなわち、制御部51からの起動指示に応じて、サーバ33は、仮想マシン上に、ゲートウェイ3に対応する機能を有するアプリケーションを起動する。
制御装置5は、例えば、LTE通信システムのPCRF(Policy and Charging Rule Function)やMME(Mobility Management Entity)等、またNMS(Network Management System)等を用いて構成されうる。MMEは、ベアラの確立や削除を制御する機能、端末1のハンドオーバー等の移動制御や端末1のユーザ認証等の機能を有する。PCRFは、QoSなどのポリシ制御やデータ転送に対する課金制御等の機能を有する。ゲートウェイは、PCRFからの通知情報に基づいて、ポリシ制御を実行する。NMSは、ネットワークトラフィックの監視や、ネットワーク機器の死活監視等の機能を有する。
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態は、上述の第1実施形態もしくは第2実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。第3実施形態では、ゲートウェイ3の機能がVM等のソフトウェアにより仮想的に構成される。
現在の通信システムは、様々なネットワーク機能を実行するため、ハードウェア機器である専用アプライアンスを用いている。通信システムの構築には、このような専用アプライアンスが必要となるため、ネットワークサービスを新たに立ち上げる場合、ネットワークオペレータは、新たな専用アプライアンスの導入を強いられる。すなわち、専用アプライアンスを導入するために、ネットワークオペレータは、専用アプライアンスの購入費用や設置スペース等の多大なコストを払う。
また、通信システムは、通常、ピーク負荷に耐える性能を有するように通設計される。よって、通信システムを構成する専用アプライアンス(例えば、ゲートウェイ装置等)は、非ピーク時の通信量に対して余剰となる可能性がある。この問題の一つの解決策は、ゲートウェイ装置等の専用アプライアンスの機能を仮想マシン等のソフトウェアにより構成することである。例えば、通信システムの通信量に応じて、専用アプライアンスの機能を有する仮想マシンを増設することで、通信システムの状況に応じたシステム構築が可能となる。
本発明の第3実施形態では、ゲートウェイ3の機能が動的にスケールアウトされた場合に、通信パスに対応するゲートウェイ3を切り替えることが可能である。通信装置4が通信パスの経路上でパケットの転送経路を切り替えることにより、通信装置4は、通信パスに対応するゲートウェイ3の切り替えを端末1に対して隠蔽することが可能となる。従って、通信パスに対応するゲートウェイ3が切り替えられたとしても、通信システムは、通信パスの再確立手順の実行を回避できる。以下、図10〜図20の例を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。
3.1)ゲートウェイ構成
図10の左側に示すように、ゲートウェイ3は、制御プレーン(C−Plane)とユーザプレーン(U−Plane)を有する。C−Planeは、通信システムで伝送される制御信号を処理する機能を有する。U−Planeは、通信システムで伝送されるデータを処理する機能を有する。C−PlaneとU−Planeは、それぞれ異なるインターフェース32を介して通信することも可能である。ゲートウェイ3では、例えば、IPアドレスが、それぞれのインターフェースに割り当てられる。
端末1がインターネット等の外部網と通信するため、ゲートウェイ3と端末1との間に通信パス(例えば、ベアラ)が確立される。通信パスにおいて、ゲートウェイ3は、例えば、インターフェース32に割り当てられたIPアドレスを用いて通信する。ゲートウェイ3は、通信パスを確立するためのトンネル(例えば、GTPトンネルやGREトンネル)を構築する。
図10の右側に示すように、上述のゲートウェイ3は、VM等のソフトウェアにより仮想ゲートウェイ3Aとして構成される。仮想ゲートウェイ3Aは、例えば、サーバ33上に構築される。仮想ゲートウェイ3Aにおいて、C−PlaneやU−Planeは、VM等のソフトウェアにより構成される。図10において、C−PlaneやU−Planeに対応する機能は、それぞれ、”仮想C−plane30”、”仮想U−plane31”と標記される。仮想C−plane30と仮想U−plane31は、内部インターフェースにより相互通信が可能である。通信システムのオペレータは、例えば、通信システムの負荷等に応じて、仮想C−plane30や仮想U−plane31を増設することができる。仮想C−plane30や仮想U−plane31はソフトウェアにより構成されるので、オペレータは、ハードウェア装置のゲートウェイ3を増設する場合よりも、容易かつ低コストで、ゲートウェイを増設可能である。
仮想C−Plane30、仮想U−Plane31は、それぞれ、通信パスを終端する機能や、外部ネットワークとの接続点となる機能を提供するネットワークノードとして動作する。
本発明が解決しようする課題の項で述べたように、仮想ゲートウェイ3Aにおいて、ゲートウェイ3のようにインターフェース32毎にIPアドレスが割り当てられると、仮想C−planeや仮想U−planeが増設された場合に、通信パスの再構築が発生することが想定される。例えば、仮想U−plane31が増設された場合、増設された仮想U−plane31のインターフェース32に新たなIPアドレスが割り当てられる。既存の仮想U−plane31に設定されている通信パスを、増設された仮想U−plane31に切り替える場合、通信パスに対応するIPアドレスが増設された仮想U−plane31に割り当てられたIPアドレスに変更されるため、通信パスの再構築が発生する。通信パスの再構築を行うためには、eNB、SGW、PGW等の通信システムを構成する各機能が、通信パスの再構築手順を実行する。よって、仮想C−plane30や仮想U−plane31を増設する度に通信パスの再構築が発生し、通信システムの性能等に対する影響が大きくなることが想定される。
そこで、本発明の第3実施形態では、仮想C−plane30や仮想U−plane31の各々のインターフェース32にIPアドレスを割り当てるのではなく、例えば、仮想U−planeや仮想C−planeに対して共通のIPアドレスを割り当てる。つまり、複数の仮想C−planeや複数の仮想U−planeに対して、共通のIPアドレスが割り当てられる。よって、例えば、U−planeを構成する仮想U−plane31が増設されたとしても、各仮想U−plane31に対して共通のIPアドレスが割り当てられるため、通信パスを仮想U−plane31間で切り替えたとしても、通信パスの再構築の発生を回避できる。なお、複数の仮想C−Planeや複数の仮想U−Planeに対して共通に割り当てられるアドレスは、IPアドレスに限定されず、例えば、MACアドレスであってもよい。
3.2)システム
図11において、本発明の第3実施形態による通信システムの第1例は、仮想ゲートウェイ3A、通信装置4および制御装置5を含む。
仮想ゲートウェイ3Aは、VM等のソフトウェアにより仮想C−plane30、仮想U−plane31を構成可能である。例えば、仮想C−Plane30や仮想U−Plane31は、VM等のソフトウェアによりサーバ上に構成される。
制御装置5は、通信パスと仮想ゲートウェイ3Aとの対応関係を管理する。例えば、制御装置5は、通信パスと仮想U−plane31との対応関係を管理する機能を有する。また、例えば、制御装置5は、通信パスと仮想C−Plane30との対応関係を管理する機能を有する。
制御装置5は、通信装置4の動作を制御する機能を有する。既に述べたように、制御装置5は、受信パケットが属する通信パスを識別し、識別された通信パスに対応する仮想U−Plane31に受信パケットを転送することを通信装置4に指示する。
制御装置5は、仮想ゲートウェイ3A(もしくは、仮想C−Plane30や仮想U−Plane31)をサーバ33上に稼働させることも可能である。例えば、制御装置5は、サーバ33に、仮想ゲートウェイ3Aの起動を指示することが可能である。サーバ33は、制御装置5からの起動指示に応じて、仮想マシン上にゲートウェイ3に対応する機能を有するアプリケーションを起動する。
制御装置5は、仮想U−Plane31を通信装置4と並行して制御することも可能である。例えば、制御装置5は、通信パスに対応する仮想U−Plane31の切り替えを実施するために、通信装置4を制御して通信パスの経路上でパケットの転送経路を切り替えると共に、切り替え先の仮想U−Plane31で該当の通信パスを終端するための制御を行う。例えば、制御装置5の制御部51は、仮想U−Plane31に対して、経路切り替えにより仮想U−Plane31が新たに終端する通信パスに関する情報(例えば、通信パス識別子)を通知する。
図12に示すように、は、第3実施形態による通信システムの第2例では、通信装置4の機能が、VM等のソフトウェアによりサーバ33上に構成される。つまり、図12の例では、サーバ33は、通信装置4として動作可能である。サーバ33は、例えば、仮想ゲートウェイ3Aをサーバ33上に起動可能な制御部(図12には図示せず)を備える。仮想ゲートウェイ3Aでは、仮想C−Plane30、仮想U−Plane31および仮想スイッチ4Aがサーバ33上に構築され、通信装置4の機能が仮想スイッチ4Aとして、サーバ33上に構築される。
図13に示すように、第3実施形態による通信システムの第3例では、図12の例と同様に、サーバ33が通信装置4として動作可能な仮想スイッチ4Aを含むが、さらに、制御装置5の機能がVM等のソフトウェアによりサーバ33上に構成される。図13の例では、制御装置5の機能は、仮想コントローラ5Aとして、サーバ33上に構築される。サーバ33は、例えば、仮想スイッチ4A、仮想ゲートウェイ3Aもしくは仮想コントローラ5Aの少なくとも1つをサーバ33上に起動可能な制御部(図13には図示せず)を備える。図13の例では、仮想ゲートウェイ3Aは、仮想C−Plane30、仮想U−Plane31、仮想スイッチ4Aおよび仮想コントローラ5Aで構成される。図13の例では、サーバ33は、仮想スイッチ4Aもしくは仮想ゲートウェイ3Aの少なくとも一つの機能を有する制御装置5として動作可能である。
以下の第3実施形態の説明は、図11に例示されたシステム構成に基づいて行われるが、本実施形態は図11のシステム構成に限定されるものではなく、図12や図13およびこれらのシステム構成の変形・置換・調整による形態をも含む。
3.3)制御装置の管理情報(第1例)
図14に例示するように、制御装置5の経路情報DB50に格納される管理情報は、ここでは、P−GWとして機能する仮想ゲートウェイ3A用に制御装置5が管理する情報である。
制御装置5は、例えば、通信パス情報と、通信パス情報により識別される通信パスに対応する仮想U−Plane31に関する情報(図14の“仮想U−Plane”)を管理する。通信パス情報は、例えば、仮想U−planeに割り当てられたIPアドレス(図14の“GW IP addr”)と、通信パス識別子(図14のTEID)である。なお、図14の“GW IP addr”は、それぞれの仮想U−Plane31に共通に割り当てられたIPアドレスである。
制御装置5は、上り(Uplink)通信(端末1からインターネット等の外部網へ向けられた通信)用の通信パス情報として、上述のGW IP addrとTEIDを管理する。通信パス情報は、通信パスに対応する仮想U−Plane31に関する情報(例えば、仮想U−planeの識別情報。図14で“仮想U−Plane”として示された情報)を含んでもよい。図14では、例えば、“GW IP addr”がGW−Uであり、“TEID”がTEID#Aである通信パスは、仮想U−Plane#1に対応することを示す。
制御装置5は、下り(Downlink)通信(外部網から端末1へ向けられた通信)用の通信パス情報として、例えば、端末1のIPアドレス(図14の”UE IP addr”)を含む情報を管理する。制御装置5は、例えば、通信パス情報を、仮想C−plane30から取得する。
図14に例示されるように、それぞれの仮想U−plane31にIPアドレスが割り当てられるのではなく、各仮想U−planeに共通のIPアドレス(“GW IP addr”)が割り当てられる。“このような割り当て方法だけでなく、仮想U−planeに対して複数のIPアドレス(例えば、”GW−U#1”や”GW−U#2”)が割り当てられてもよい。例えば、仮想U−Plane#1−#nに “GW−U#1”が割り当てられ、仮想U−Plane#m−#xに “GW−U#2”が割り当てられる、という割り当て方法を採用することもできる。
3.4)通信装置の制御情報(第1例)
図15に例示するように、制御装置5は制御情報を通信装置4に設定することができる。
制御装置5は、例えば、Uplink通信を処理する通信装置4に、受信パケットを処理するための指示を、制御情報として通知する。通信装置4は、通知された制御情報に従って、受信パケットを処理する。制御装置5が通知する制御情報は、例えば、仮想U−planeに割り当てられたIPアドレス(“GW IP addr”)とTEIDとに基づいて受信パケットが属するベアラを識別し、識別されたベアラに対応する仮想U−plane31に受信パケットを転送することを、通信装置4に指示する。
図15において、Uplink通信用の通信装置4に通知される制御情報は、例えば、”Matching Key”(識別条件)と”Instruction”(指示)を含む。”Matching Key”は、パケットの宛先アドレスであるU−plane用IPアドレス(“GW IP addr”)とTEIDに基づいてパケットを識別するための条件を示す。また、”Instruction”は、”Matching Key”の条件にマッチするパケットの処理方法を示す。例えば、宛先アドレス(Dst Addr)が”GW−U”であり、かつ、TEIDが”#A”であるパケットが識別されると、当該パケットは”仮想U−plane#1”へ転送指示される。
制御装置5は、例えば、Downlink通信を処理する通信装置4に、受信パケットを処理するための指示を、制御情報として通知する。通信装置4は、通知された制御情報に従って、受信パケットを処理する。制御装置5が通知する制御情報は、例えば、パケットの宛先である端末1のIPアドレス(“UE IP addr”)に基づいて受信パケットが属するベアラを識別し、識別されたベアラに対応する仮想U−plane31に受信パケットを転送することを指示する。
図15において、Downlink通信用の通信装置4に通知される制御情報は、例えば、”Matching Key”と”Instruction”を含む。”Matching Key”は、パケットの宛先アドレスである端末1のIPアドレス(“UE IP addr”)に基づいてパケットを識別するための条件を示す。また、”Instruction”は、”Matching Key”の条件にマッチするパケットの処理方法を示す。例えば、宛先アドレス(Dst Addr)が”UE#A’”であるパケットが識別されると、当該パケットは”仮想U−plane#1”へ転送指示される。
3.5)通信パス制御動作(第1例)
図16において、通信装置4は、図15に例示された制御情報に従って、受信パケットを仮想U−plane31に転送する。より詳しくは、通信装置4は、受信パケットに対応する”Matching Key”を検索し、マッチするする”Matching Key”が検索された場合、その”Matching Key”に対応する”Instruction”に従って、受信パケットを仮想U−plane31に転送する。
たとえば、Uplink側の通信装置4において、仮想ゲートウェイ3宛のパケット(Dst Addrが”GW−U”のパケット)は、TEIDに応じて仮想U−plane31に転送される。図16の例では、TEIDが”#A”のパケットは仮想U−plane#1に、TEIDが”#B”のパケットは仮想U−plane#2に、TEIDが”#C”のパケットは仮想U−plane#3に、それぞれ転送される。
また、Downlink側の通信装置4において、受信パケットは、宛先IPアドレスに応じて仮想U−plane31に転送される。図16の例では、宛先IPアドレスが”UE#A’”のパケットは仮想U−plane#1に、宛先IPアドレスが”UE#B’”のパケットは仮想U−plane#2に、宛先IPアドレスが”UE#C’”のパケットは仮想U−plane#3に、それぞれ転送される。
3.6)制御装置の管理情報(第2例)
図17に例示するように、制御装置5の経路情報DB50に格納される管理情報は、S−GWとして機能する仮想ゲートウェイ3A用に、制御装置5が管理する情報である。
制御装置5は、例えば、通信パス情報と、通信パス情報により識別される通信パスに対応する仮想U−Plane31に関する情報を管理する。通信パス情報は、例えば、仮想U−planeに割り当てられたIPアドレス(図17の”GW IP addr”)と、通信パス識別子(図17のTEID)である。制御装置5は、Uplink通信用の通信パス情報として、例えば、上述のGW IP addrとTEIDを管理する。通信パス情報は、通信パスに対応する仮想U−Plane31に関する情報(例えば、仮想U−planeの識別情報。図17で“仮想U−Plane”として示された情報)を含んでもよい。
制御装置5は、Downlink通信用の通信パス情報として、例えば、上述のGW IP addrとTEIDを管理する。通信パス情報は、通信パスに対応する仮想U−Plane31に関する情報(例えば、仮想U−planeの識別情報。図17で“仮想U−Plane”として示された情報)を含んでもよい。制御装置5は、例えば、通信パス情報を、仮想C−plane30から取得する。
図17に例示されるように、それぞれの仮想U−plane31にIPアドレスが割り当てられるのではなく、仮想U−planeに対して共通のIPアドレス(“GW IP addr”)が割り当てられる。図17の例では、仮想U−planeに対して、Uplink用IPアドレス”GW−U”とDownlink用IPアドレス”GW−U’”がそれぞれ割り当てられている。なお、仮想U−planeに対して複数のIPアドレス(例えば、”GW−U#1”や”GW−U#2”、”GW−U’#1”や”GW−U’#2”)が割り当てられてもよい。例えば、仮想U−Plane#1−#nには“GW−U#1”と”GW−U’#1”が割り当てられ、仮想U−Plane#m−#xには“GW−U#2”と”GW−U’#2”が割り当てられる。
3.7)通信装置の制御情報(第2例)
図18に例示するように、制御装置5は制御情報を通信装置4に設定することができる。
制御装置5は、例えば、Uplink通信を処理する通信装置4に、受信パケットを処理するための指示を、制御情報として通知する。通信装置4は、通知された制御情報に従って、受信パケットを処理する。制御装置5が通知する制御情報は、例えば、仮想U−planeに割り当てられたIPアドレス(“GW IP addr”)とTEIDとに基づいて受信パケットが属する通信パスを識別し、識別された通信パスに対応する仮想U−plane31に受信パケットを転送することを、通信装置4に指示する。
図18において、Uplink通信用の通信装置4に通知される制御情報は、例えば、”Matching Key”と”Instruction”を含む。”Matching Key”は、パケットの宛先アドレスであるU−plane用IPアドレス(“GW IP addr”)とTEIDに基づいてパケットを識別するための条件を示す。また、”Instruction”は、”Matching Key”の条件にマッチするパケットの処理方法を示す。例えば、宛先アドレスが”GW−U”であり、かつ、TEIDが”#A”であるパケットが識別されると、当該パケットは、”仮想U−plane#1”に転送指示される。
制御装置5は、例えば、Downlink通信を処理する通信装置4に、受信パケットを処理するための指示を、制御情報として通知する。通信装置4は、通知された制御情報に従って、受信パケットを処理する。制御装置5が通知する制御情報は、例えば、U−planeに割り当てられたIPアドレス(“GW IP addr”)とTEIDとに基づいて受信パケットが属する通信パスを識別し、識別された通信パスに対応する仮想U−plane31に受信パケットを転送することを、通信装置4に指示する。
図18において、Downlink通信用の通信装置4に通知される制御情報は、例えば、”Matching Key”と”Instruction”を含む。”Matching Key”は、パケットの宛先アドレスであるU−plane用IPアドレス(“GW IP addr”)とTEIDに基づいてパケットを識別するための条件を示す。また、”Instruction”は、”Matching Key”の条件にマッチするパケットの処理方法を示す。例えば、宛先アドレスが”GW−U’”であり、かつ、TEIDが”#A’”であるパケットが識別されると、当該パケットは、”仮想U−plane#1”に転送指示される。
3.8)通信パス制御動作(第2例)
図19において、通信装置4は、図18に例示された制御情報に従って、受信パケットを仮想U−plane31に転送する。より詳しくは、通信装置4は、受信パケットに対応する”Matching Key”を検索し、マッチする”Matching Key”が検索された場合、その”Matching Key”に対応する”Instruction”に従って、受信パケットを仮想U−planes31に転送する。
Uplink側の通信装置4において、ゲートウェイ3宛のパケット(Dst Addrが”GW−U”のパケット)は、TEIDに応じて仮想U−plane31に転送される。図19の例では、TEIDが”#A”のパケットは仮想U−plane#1に、TEIDが”#B”のパケットは仮想U−plane#2に、TEIDが”#C”のパケットは仮想U−plane#3に、それぞれ転送される。
Downlink側の通信装置4において、ゲートウェイ3宛のパケット(Dst Addrが”GW−U’”のパケット)は、TEIDに応じて仮想U−plane31に転送される。図19の例では、TEIDが”#A’”のパケットは仮想U−plane#1に、TEIDが”#B’”のパケットは仮想U−plane#2に、TEIDが”#C’”のパケットは仮想U−plane#3に、それぞれ転送される。
なお、上述した図14−図19の例では、仮想U−planeの例を示したが、本発明は、仮想C−planeにも適用可能である。
また、第3実施形態では、仮想U−planeに向かう方向のパケット制御について説明したが、制御装置5は仮想U−planeを通過したパケットの制御も行っても良い。仮想U−planeを通過したパケットの制御は、例えば、宛先IPアドレスに基づいた制御などが考えられる。
また、第3の実施形態では、仮想C−Planeや仮想U−Planeに対して通信パスが割り当てられる例を示したが、仮想ゲートウェイ3Aに対して通信パスが割り当てられても良い。
また、第3実施形態では、P−GW、S−GWが単独で動作する例を示したが、1台の仮想U−plane上でP−GW、S−GW両方の機能が共存していても良い。
3.9)通信パス制御動作(第3例)
上述の例では、仮想ゲートウェイ3Aを構成するそれぞれの仮想U−Planeに共通のIPアドレスが割り当てられる例が示されたが、本発明はこれらの例に限定されない。例えば、本発明は、図20に例示されるように、NAT(Network Address Translation)を利用する例でも実施可能である。
図20において、仮想ゲートウェイ3Aに対してIPアドレス“vGW”が割り当てられ、それぞれの仮想U−Planeに対して異なるIPアドレス(例えば、“IP#1”)が割り当てられるものとする。
通信装置4は、宛先アドレスが“vGW”のパケットを受信すると、パケットのTEIDに応じて宛先アドレスを変換する。例えば、TEIDが“#A”の場合、通信装置4は、宛先アドレス“vGW”を、TEID“#A”に対応する仮想U−Plane#1のIPアドレス“IP#1”に変換する。
通信装置4は、送信元アドレスが仮想U−PlaneのIPアドレスであるパケットを受信すると、送信元アドレスを、仮想ゲートウェイ3AのIPアドレス“vGW”に変換する。
なお、NATを行う際に、IPアドレスと共に、MACアドレスの変換を行っても良い。この場合、仮想ゲートウェイ3Aに対してMACアドレス“vGW_MAC”が割り当てられ、それぞれの仮想U−Planeに対して異なるMACアドレス(例えば、“MAC#1”)が割り当てられる。
図20の例のように、通信装置4がNATにより、仮想U−PlaneのIPアドレスを隠蔽することにより、通信パスに対応する仮想U−Planeが変更されたとしても、通信パスの再構築手順の発生を回避できる。
3.10)効果
本発明の第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、仮想U−planeや仮想C−planeに対して共通のIPアドレスを割り当てるので、例えば、U−planeを構成する仮想U−plane31が増設されたとしても、通信パスに対応するゲートウェイ3の切り替えを端末1に対して隠蔽することが可能となり、通信パスの再構築の発生を回避できる。
4.第4実施形態
本発明の第4実施形態によれば、通信装置4若しくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシがアップデートされる。本実施形態は、上述の第1、第2もしくは第3実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。以下、通信装置4若しくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする様々な例を示す。
4.1)転送ポリシ更新(第1例)
図21に例示する転送ポリシ更新シーケンスは、LTEに関する標準仕様書(3GPP TS23.401 V12.1.0)に開示されたシーケンス(アタッチ手順“Attach Procedure”)において、パケット転送ポリシをアップデートするための手順である。“Attach Procedure”は、上記標準仕様書の5.3.2章に開示されている。図21におけるアタッチ手順は、上記標準仕様書に記載されたシーケンスのうち、本実施形態に関連する部分が示されており、その他のシーケンスの詳細は省略される。なお、アタッチ手順が完了することにより、端末1が通信するための通信パスが設定される。
図21において、制御装置5は、LTEシステムのMMEとして動作する。あるいは、LTEシステムのMMEに、上述の実施形態で例示された制御装置5の機能が追加される。以下、このような制御装置5の機能を追加したMMEを「MME5」と記す。
MME5が、eNB(基地局2)を介して端末1からアタッチ要求(Attach Request)を受信すると(動作S10)、システムにおいてアタッチ手順が実行される。MME5は、例えば、アタッチ手順が開始されたことに応じて、アタッチ手順により設定される通信パスに割り当てる仮想U−Planeを選択する(動作S11)。
MME5は、ゲートウェイ3(S−GW)に対して、“Create Session Request”メッセージを送信する(動作S12)。“Create Session Request”は、MME5がS−GWに対して通信パス設定を要求するためのメッセージである。この例の場合、MME5は、S−GWおよびP−GWを選択し、端末1の通信パスに対応するID(例えば、EPSベアラID)を割り当て、ゲートウェイ情報や通信パスに割り当てたID、通信パスに対応するQoSに関する情報(QCI等)を“Create Session Request”メッセージによりS−GWに通知する。
S−GWは、ゲートウェイ3(P−GW)に対して、通信パスIDや当該通信パスに対応するQoSに関する情報(QCI等)などを“Create Session Request”メッセージにより通知する(動作S13)。“Create Session Request”メッセージを受信したP−GWは、“Create Session Response”メッセージをS−GWへ返信する(動作S14)。
S−GWは、P−GWから受信した“Create Session Response”メッセージに応じて、MME5に対して“Create Session Response”メッセージを送信する(動作S15)。この“Create Session Response”メッセージにより、たとえば、S1−Uインターフェース用のS−GW TEIDと、S5/S8インターフェース用のS−GW TEIDとがMME5へ通知され、また、通信パスで使用するS−GWのアドレスがMME5に通知される。通信パスで使用するS−GWのアドレスは、例えば、S−GWを構成するそれぞれの仮想U−Planeに共通のIPアドレスである。
MME5は、S−GWにより通知されたS−GWのTEIDとS−GWのアドレスとに基づいて、通信装置4のパケット転送ポリシ(図21の“Routing Policy”)を設定し、通信装置4へ送信する(動作S16)。なお、パケット転送ポリシは、例えば、上述した第3実施形態で例示された制御情報(即ち、制御装置5が通信装置4に設定する制御情報)である。MME5は、例えば、S−GWから通知された情報に基づいて、図18に例示されたパケット転送ポリシを通信装置4に設定する。例えば、Uplink側の通信装置4に対しては、S1−Uインターフェース用のTEIDに基づくパケット転送ポリシが設定され、Downlink側の通信装置4に対してはS5/S8インターフェース用のTEIDに基づくパケット転送ポリシが設定される。
図21の例では、ゲートウェイ3と通信装置4とが異なる装置として例示されたが、これに限定されず、例えば図5の例のように、仮想スイッチ4Aと仮想ゲートウェイ3Aとを含む通信装置4が、制御装置5から通知されたパケット転送ポリシに従って動作することも可能である。
4.2)転送ポリシ更新(第2例)
図22に例示する転送ポリシ更新シーケンスでは、S−GWがS5/S8インターフェース用のS−GW TEIDをMME5に通知する動作(S13a)が図21に例示するシーケンス動作(S13)と異なる。
図22において、S−GWは、P−GWに対して“Create Session Request”メッセージを通知すると共に、MME5に対して、S5/S8インターフェース用のS−GW TEIDを通知する(動作S13a)。他の方法として、S−GWから受信した“Create Session Request”メッセージに応じて、P−GWは、MME5に対して、S5/S8インターフェース用のS−GW TEIDを通知してもよい。
図22の例では、ゲートウェイ3と通信装置4とは異なる装置として例示されたが、これに限定されず、例えば図5の例のように、仮想スイッチ4Aと仮想ゲートウェイ3Aとを含む通信装置4が制御装置5から通知されたパケット転送ポリシに従って動作することも可能である。
4.3)転送ポリシ更新(第3例)
図23に例示する転送ポリシ更新シーケンスでは、仮想ゲートウェイ3Aの仮想U−Plane31の構成変更に応じて、通信装置4のパケット転送ポリシがアップデートされる。仮想U−Plane31の構成変更とは、例えば、VMを新たに起動することによる仮想U−Plane31のインストールや、VMを停止することによる仮想U−Plane31のアンインストールを意味する。
MME5は、仮想U−Plane31の構成変更を検知すると(動作S20)、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係を変更する(動作S21)。例えば、MME5は、仮想ゲートウェイ3Aに新たにインストールされた仮想U−Plane31に割り当てる通信パスを決定する。また、例えば、MME5は、仮想ゲートウェイ3Aからアンインストールされる仮想U−Plane31に割り当てられていた通信パスを、他の仮想U−Plane31に割り当てる。
通信装置4若しくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする要因としては、仮想ゲートウェイ3Aの仮想U−Plane31の構成変更ではなく、例えば、仮想ゲートウェイ3Aを構成する仮想U−Plane31の負荷状況を用いることもできる。たとえば、負荷の高い仮想U−Plane31から負荷の低い仮想U−Plane31へ通信パスの切り替える制御が挙げられる。MME5は、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係の変更に基づいて、通信装置4のパケット転送ポリシをアップデートする(動作S22)。
4.4)転送ポリシ更新(第4例)
図24に例示するパケット転送ポリシ更新シーケンスでは、MME5が、パケット転送ポリシをアップデートするために、ゲートウェイ3(S−GW)から情報を取得する。
図24において、MME5は、S−GWに対して、例えば、上述の標準仕様書(TS23.401)のアタッチ手順で確立された通信パスのTEIDを要求する(動作S30)。
TEID要求に応じて、S−GWは、MME5に対して、TEIDをTEID応答により通知する(動作S31)。例えば、S1−Uインターフェース用のS−GW TEIDと、S5/S8インターフェース用のS−GW TEIDとがMME5へ通知される。その際、S−GWは、例えば、上述の標準仕様書(TS23.401)のアタッチ手順で確立された通信パスのTEIDを通知する。
MME5は、S−GWから通知されたTEIDに割り当てる仮想U−Plane31を決定し、通信装置4へ通知することで通信装置4のパケット転送ポリシをアップデートする(動作S32)。すなわち、MME5は、S−GWから通知されたTEIDに対応するパケットが、当該TEIDに割り当てられた仮想U−Plane31に転送されるように、通信装置4のパケット転送ポリシをアップデートする。
図24の例では、ゲートウェイ3と通信装置4とが異なる装置として例示されたが、これに限定されず、例えば図5の例のように、仮想スイッチ4Aと仮想ゲートウェイ3Aとを含む通信装置4が、制御装置5から通知されたパケット転送ポリシに従って動作することも可能である。
4.5)転送ポリシ更新(第5例)
図25に例示する転送ポリシ更新シーケンスは、仮想ゲートウェイ3Aが通信装置4および制御装置5の機能を有する場合(例えば、図13に例示された構成)におけるパケット転送ポリシのアップデート手順である。すなわち、図25に示すゲートウェイ3(S−GW)は、仮想スイッチ4Aと仮想コントローラ5Aとを含んでいる。
図25において、S−GWの仮想コントローラ5Aは、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係を変更する(動作S40)。例えば、通信パス#Aの経路が仮想U−Plane31(#1)から仮想U−Plane31(#2)に切り替えられる。
仮想コントローラ5Aは、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係の変更に応じて、仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする(動作S41)。例えば、仮想コントローラ5Aは、仮想U−Plane31(#1)に対応する通信パス#Aの経路を、仮想U−Plane31(#2)を経由する経路に切り替えることを仮想スイッチ4Aに指示する。
4.6)転送ポリシ更新(第6例)
図26は、LTEに関する標準仕様書(3GPP TS23.401 V12.1.0)に開示されたシーケンス(“Attach Procedure”)において、パケット転送ポリシをアップデートするための手順を示す。“Attach Procedure”は、上記標準仕様書の5.3.2章に開示されている。
図26に例示する制御装置5は、LTEシステムのPCRFとして動作する。つまり、LTEシステムのPCRFに、上述の実施形態で例示された制御装置5の機能が追加される。すなわち、端末1のアタッチ手順(TS23.401に開示された手順)において、制御装置5(PCRF)が通信装置4に対して、パケット転送ポリシを設定する。以下、制御装置5の機能が追加されたPCRFを「PCRF5」と記す。
PCRF5とゲートウェイ3(P−GW)は、アタッチ手順において、必要に応じて、“IP-CAN(IP Connectivity)Session Establishment/Modification”を実行する(動作S51)。“IP-CAN(IP Connectivity)Session Establishment/Modification”は、外部ネットワーク(例えば、IMS(IP Multimedia Subsystem))とIP接続の確立等を実行するための手順である。
PCRF5は、例えば、“IP-CAN(IP Connectivity)Session Establishment/Modification”手順において、アタッチ手順で確立される通信パスに割り当てる仮想U−Plane31を選択する(動作S52)。
PCRF5は、アタッチ手順で確立される通信パスに属するパケットが、当該通信パスに割り当てられた仮想U−Plane31に転送されるように、通信装置4にパケット転送ポリシを設定する(動作S53)。なお、PCRF5は、P−GWに関するTEIDを取得しているものとする。
図26の例では、ゲートウェイ3と通信装置4とが異なる装置として例示したが、これに限定されず、例えば図5の例のように、仮想スイッチ4Aと仮想ゲートウェイ3Aとを含む通信装置4が、制御装置5から通知されたパケット転送ポリシに従って動作することも可能である。
4.7)転送ポリシ更新(第7例)
図27におけるゲートウェイ3は、サーバ上に仮想ゲートウェイ3Aとして構成されているものとする。また、図27においても、図26の例と同様に、LTEシステムのPCRFに、上述の実施形態で例示された制御装置5の機能が追加されるので、以下、このようなPCRFを「PCRF5」と記す。
図27において、仮想ゲートウェイ3Aの仮想U−Plane31の構成変更に応じて、通信装置4若しくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシがアップデートされる。仮想U−Plane31の構成変更とは、例えば、VMを新たに起動することによる仮想U−Plane31のインストールや、VMを停止することによる仮想U−Plane31のアンインストールを意味する。
通信装置4若しくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする要因としては、仮想ゲートウェイ3Aの仮想U−Plane31の構成変更だけでなく、例えば、仮想ゲートウェイ3Aを構成する仮想U−Plane31の負荷状況を用いることもできる。この場合、負荷の高い仮想U−Plane31から負荷の低い仮想U−Plane31へ通信パスの切り替えが行われる。
PCRF5は、仮想U−Plane31の構成変更を検知すると(動作S60)、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係を変更する(動作S61)。例えば、PCRF5は、仮想ゲートウェイ3Aに仮想U−Plane31が新たにインストールされた場合、当該仮想U−Plane31に割り当てる通信パスを決定する。また、例えば、PCRFは、仮想ゲートウェイ3Aから仮想U−Plane31がアンインストールされる場合、当該仮想U−Plane31に割り当てられていた通信パスを、他の仮想U−Plane31に割り当てる。PCRF5は、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係の変更に基づいて、通信装置4もしくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする(動作S62)。
4.8)転送ポリシ更新(第8例)
図28に示す例では、PCRF5が、パケット転送ポリシをアップデートするためにゲートウェイ3(P−GW)から情報を取得する。
まず、PCRF5は、P−GWに対して、通信パスのTEIDを要求する(動作S70)。例えば、上述の標準仕様書(TS23.401)のアタッチ手順で確立された通信パスのTEIDが要求される。
通信パスのTEID要求を受信したP−GWは、PCRF5に対して、通信パスのTEIDをTEID応答により通知する(動作S71)。例えば、P−GWは、PCRFに対して、上述の標準仕様書(TS23.401)のアタッチ手順で確立された通信パスのP−GW TEIDを通知する。
PCRF5は、P−GWから通知されたTEIDに割り当てる仮想U−Plane31を決定し、通信装置4もしくは仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする(動作S72)。このパケット転送ポリシは、例えば、P−GWから通知されたTEIDに対応するパケットが当該TEIDに割り当てられた仮想U−Plane31に転送されるようにアップデートされる。
図28の例では、ゲートウェイ3と通信装置4とが異なる装置として例示されたが、これに限定されず、例えば図5の例のように、仮想スイッチ4Aと仮想ゲートウェイ3Aとを含む通信装置4が、制御装置5から通知されたパケット転送ポリシに従って動作することも可能である。
4.9)転送ポリシ更新(第9例)
図29は、ゲートウェイ3が通信装置4もしくは仮想スイッチ4Aと制御装置5との機能を有する場合(例えば、図13に例示された仮想ゲートウェイ3Aの構成)におけるパケット転送ポリシのアップデート手順の例を示す。図29の例では、ゲートウェイ3(P−GW)は、仮想スイッチ4Aと仮想コントローラ5Aを有する。
P−GWの仮想コントローラ5Aは、例えば、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係を変更する(動作S80)。例えば、仮想コントローラ5Aは、通信パス#Aの経路を、仮想U−Plane31(#1)から仮想U−Plane31(#2)に切り替える。
仮想コントローラ5Aは、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係の変更に応じて、仮想スイッチ4Aのパケット転送ポリシをアップデートする(動作S81)。例えば、仮想コントローラ5Aは、仮想U−Plane31(#1)に対応する通信パス#Aの経路を、仮想U−Plane31(#2)を経由する経路に切り替えることを仮想スイッチ4Aに指示する。
4.10)効果
本発明の第4実施形態によれば、仮想U−planeの構成変更があっても、通信装置あるいは仮想スイッチの経路ポリシを更新することで対応することができる。その際、第1実施形態と同様に、仮想U−planeや仮想C−planeに対して共通のIPアドレスを割り当てるので、通信パスに対応するゲートウェイ3の切り替えを端末1に対して隠蔽することができ、通信パスの再構築の発生を回避できる。
また、第4実施形態では、仮想U−planeに関するパケット転送ポリシのアップデート手順の例を示したが、本発明は、仮想C−planeに関するパケット転送ポリシのアップデート手順にも適用可能である。
また、第4実施形態では、仮想C−Planeや仮想U−Planeに対して通信パスが割り当てられる例が示されたが、仮想ゲートウェイ3Aに対して通信パスが割り当てられても良い。
5.第5実施形態
本発明の第5実施形態によれば、制御装置がOpenFlowという制御プロトコルに従って通信装置を制御する。第5実施形態は、上述の第1−第4実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。
OpenFlowは、通信をエンドツーエンドのフローとして認識し、フロー単位で経路制御等を実行できる。よって、OpenFlowを本発明に利用することにより、通信パスの制御をより柔軟に実行できる。ここで、フローとは、パケットに含まれる情報(パケットの宛先アドレスや送信元アドレス等の情報)に基づいて識別される所定の属性を有する一連の通信パケット群をいう。
5.1)システム
図30にはOpenFlow技術を利用した本発明の第5実施形態によるシステムが例示されている。通信装置4BはOpenFlow技術を採用したネットワークスイッチであり、制御装置5Aにより集中制御される。
通信装置4Bと制御装置5Aとの間には制御チャネルが設定され、、制御装置5Aは、制御チャネルを介して、通信装置4Bの動作を制御する。この制御チャネルは、通信の盗聴や改ざん等を防止するための処置がなされた通信経路である。
制御装置5Aは、通信装置4Bのフローテーブルに処理規則(フローエントリ)を設定することで、通信装置4Bの動作を制御する。フローエントリは、通信装置4Bが受信したパケットのヘッダに含まれる情報(例えば、宛先IPアドレスやVLAN ID等)と照合するためのマッチングルールと、マッチングルールにマッチするパケットの処理ルールを規定する指示(Instruction)と、を含む。
<制御装置>
図31において、制御装置5Aは、通信インターフェース52、制御部51およびフローエントリDB53を含む。通信インターフェース52は、OpenFlowプロトコルにより、通信装置4Bと通信するためのインターフェースである。制御部51は、フローエントリDB53に格納する情報を生成する機能や、フローエントリDB53に記憶された情報に基づいて通信装置4Bを制御する機能を有する。制御装置5Aは、マッチングルールとして、通信パス識別子(例えば、TEIDやGRE Key)を通信装置4Bに設定可能である。OpenFlowプロトコルでは、通信パス識別子がマッチングルールとして識別可能な情報として定義されていないが、本発明の第5実施形態では、制御装置5Aがマッチングルールとして通信パス識別子を設定可能である。
図32に例示されたフローエントリDB53は、第3実施形態で例示されたように、複数の仮想U−Plane31に共通に割り当てられたIPアドレスと通信パス識別子とに基づくマッチングルール(Matching Rule)と指示(Instruction)とで構成されるものとする。
<通信装置>
図33に例示されるように、通信装置4Bは、制御部43およびフローエントリDB46(すなわちフローテーブル)を含む。制御部43は、検索部44および処理部45を含む。フローエントリDB46は、制御装置5Aから通知されたフローエントリを記憶する。
検索部44は、パケットを受信すると、受信パケットに対応するフローエントリをフローエントリDB46から検索する。通信装置4Bの検索部44は、OpenFlowプロトコルを拡張し、受信パケットに含まれる通信パス識別子をキーとしてフローテーブルを検索することが可能である。したがって、検索部44は受信パケットの通信パス識別子に対応するフローエントリを検索する。すなわち、受信パケットの通信パス識別子に対応する識別子がマッチングルールとして規定されたエントリが検索される。
LTE等の通信システムでは、パケットに通信パス識別子等の情報を付与するために、パケットがカプセル化され、それによりアウターヘッダが付与される。したがって、検索部44は、受信パケットのアウターヘッダに含まれる情報に基づいて、フローエントリDB46から受信パケットに対応するフローエントリを検索可能である。もし受信パケットに対応するフローエントリがエントリDB46に未設定であれば、検索部44は、制御装置5Aに、受信パケットに対応するフローエントリを問い合わせることが可能である。
処理部45は、検索部44が検索したフローエントリの“Instruction”に従って、受信パケットを処理する。図32に示すように、ここでは、“Instruction”に従って、通信パス識別子に対応する仮想U−Planeにパケットを転送する。なお、処理部45は、例えば、図20の例のように、処理規則に従って宛先アドレスをNATすることも可能である。
6.第6実施形態
本発明の第6実施形態によれば、制御装置5は、通信パスをグループ化し、複数の通信パスで構成されるグループを仮想U−Plane31に割り当てる。第6の実施形態は、上述の第1−第5の実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。
6.1)システム概要
以下、図34を参照して第6実施形態の概要について説明する。図34に例示するシステムにおいて、制御装置5は、通信パスをグループ単位で異なる仮想U−planeに割り当てるものとする。たとえば、通信パスグループ(1)は仮想U−plane(#1)に割り当てられる。
制御装置5では通信パスをグループ単位で管理するので、仮想U−Plane31と通信パスとの対応関係の管理が容易となる。制御装置5は、例えば、経路情報DB50において、通信パスに対応する仮想U−Plane31を、通信パスのグループ単位で管理可能である。なお、制御装置5は、第1および第2実施形態に例示された仮想U−Plane31をグループ単位で管理することも可能である。
6.2)通信パスのグループ化
制御装置5は、例えば、各通信パスに対応する端末1の属性に応じて、通信パスをグループ化する。端末1の属性の例を以下に示す。
・端末1の滞在エリア(E−UTRAN Cell ID等)
・端末1に関する課金特性(通常課金、プリペイド課金、フラットレート等)
・端末1の通信状態(一定期間に一定量以上の通信をしたか否か)
・オペレータID(端末1が接続しているコアネットワークのオペレータのID)
・端末1が接続しているPacket Data Network(PDN)
・通信パスを抜けた後に、チェイニングが必要なサービス種類
・QoS特性
・端末1の状態(IDLE状態、CONNECTED状態): IDLE状態は、例えば、端末1がコアネットワークとの間でセッション管理およびモビリティ管理のための制御信号の継続的な交換を行っていない状態や、基地局との無線接続が解放(Release)された状態を意味する。CONNECTED状態は、例えば、端末1がコアネットワークとの間でセッション管理およびモビリティ管理のための制御信号の継続的な交換を行っている状態や、基地局と無線接続している状態を意味する。
なお、上記の端末1の属性は例示であり、制御装置5は、他の属性により通信パスをグループ化することも可能である。例えば、制御装置5は、標準仕様書(3GPP TS23.401)の5.7章に開示されている“EPS Bearer Context”のうち、UE(User Equipment)に関する情報に基づいて通信パスをグループ化することが可能である。
また、制御装置5は、端末1の利用者と通信事業者との契約内容に応じて、通信パスをグループ化することも可能である。例えば、制御装置5は、他の利用者よりも高額の契約を通信事業者と締結した利用者(たとえば“Premium Subscriber”)に関する通信パスをグループ化すること、および/または通常契約の利用者に関する通信パスをグループ化することが可能である。
また、制御装置5は、端末1の位置に関する情報(たとえばGSP情報、端末1がアタッチしている基地局情報)に基づいて通信パスをグループ化することも可能である。例えば、位置に関する情報から互いに近接する端末の通信パスをグループ化することが可能である。
さらに、制御装置5は、通信パスのQoS(Quality of Service)情報に応じて、通信パスをグループ化することも可能である。例えば、制御装置5は、各通信パスに対応するQCI(Quality Class Indicator)に応じて、通信パスをグループ化することができる。例えば、優先度が所定値よりも低いQCIに対応する通信パスをグループ化し、仮想U−plane31が新たにインストールされた場合に、そのグループに属する通信パスを当該新たな仮想U−plane31に割り当てる。この場合、経路切替えにより、通信パスに関する通信に遅延等が発生し、ユーザのQoE(Quality of Experience)が低下することが想定されるが、低優先の通信パスをグループ化して新たな仮想U−planeに割り当てることで、QoEが低下する通信パスを優先度が低い通信パスに止めることができる。
各通信パスのTEIDは、グループに属する複数の通信パスの各々のTEIDを一括して識別できるように割り当てられてもよい。例えば、TEIDは、グループに属する複数の通信パスの各々に対して、32bitの情報で構成されるTEIDの上位24bitが同一となるように割り当てられる。このようにTEIDを割り当てることにより、制御装置5は、TEIDの上位24bitの情報により、グループに属する複数の通信パスを一括して識別できる。
また、仮想U−Plane31がP−GWである場合、端末1のIPアドレスは、グループに属する複数の端末1の各々に対して、各端末1のIPアドレスを一括して識別できるように割り当てられてもよい。例えば、端末1のIPアドレスは、グループに属する複数の端末1に対して、32bitの情報で構成されるIPアドレスの上位24bitが同一となるように割り当てられる。このように端末1のIPアドレスを割り当てることにより、制御装置5は、端末1のIPアドレスの上位24bitの情報により、グループに属する複数の通信パスに関するトラフィックを一括して識別できる。
6.3)グループ化された経路情報
図35に例示するように、通信装置4の経路情報DB42において、通信パスのグループは、グループIDにより識別され、各IDに対して、対応する仮想U−Plane31が割り当てられている。なお、制御装置5の経路情報DB50も、図35の例と同様の構成である。
通信装置4は、受信パケットの通信パス識別子をキーとして経路情報DB42を検索し、受信パケットの通信パス識別子に対応する仮想U−Plane31に対して受信パケットを転送する。
図36に例示するように、制御装置5は、通信パスのグループ毎に、対応ゲートウェイを切り替えることが可能である。例えば、制御装置5は、通信パス識別子(A)−(C)の通信パスが属するグループに対応するゲートウェイを、ゲートウェイ(a)からゲートウェイ(e)に切り替えることが可能である。
制御装置5は、通信パスのグループ毎に対応ゲートウェイを切り替えることで、通信装置4に対する制御信号の情報量を大幅に削減できる。図36に示すように、制御装置5は、通信装置4に対して、グループIDをキーとして、対応ゲートウェイの切替指示を送信することが可能である。
仮に通信装置4の経路情報DB42が図8のような構成であったとする。この場合、制御装置5が図36のようにグループ(1)の対応ゲートウェイを、ゲートウェイ(a)から(e)に切り替えると、制御装置5は、通信装置4に対して、通信パス識別子(A)−(C)のそれぞれについて、対応ゲートウェイを変更するための制御信号を送信する必要がある。しかし、第6実施形態のように、制御装置5がグループIDをキーとして制御信号を送信すれば、図36の例では制御信号が3分の1になる。つまり、第6実施形態によれば、制御装置5は、グループ化する通信パスの数が多くなるほど、制御信号の削減量が多くなるという利点を有し、通信パスのゲートウェイ切替の高速化を達成することが可能となる。
図37は、経路情報DB42の他の構成例を示す。なお、制御装置5の経路情報DB50は、図37の例と同様の構成である。
図37の例では、通信パス識別子は、グループに属する通信パスの各々の識別子を一括で識別できるように設定されている。例えば、同一グループに属する通信パスの識別子の一部が共通となるように、通信パス識別子が設定される。図37の例では、同一グループに属する通信パスの識別子は、上位24ビットの値が共通となるように設定され、通信パス識別子(A)−(B)の上位24ビットに共通の値(図37の例では“X”)が設定される。
このように同一グループに属する通信パスの識別子の上位所定ビットを共通に設定することで、経路情報DB42のエントリ数が削減される。比較例として、図8を参照すると、通信パス識別子毎に経路情報DB42のエントリが設定される。これに対して、図37の例では、同一グループに属する通信パスに関するエントリを一つのエントリに集約することができ、経路情報DB42のエントリ数が削減される。
また、図37の例では、通信パスに対応する仮想U−Plane31を変更する場合に、制御装置5から通信装置4に送信される制御信号を削減することもできる。すなわち、制御装置5は、通信パス識別子の上位24ビットをキーとして、対応ゲートウェイの切り替えを指示することができる。例えば、図37の例では、通信パス識別子(A)−(C)に対応するゲートウェイが切り替えられる場合、制御装置5は、通信パス識別子の上位24ビットの値“X”に対応するゲートウェイの切り替えを指示する。つまり、制御装置5は、通信パス識別子(A)−(C)それぞれに対してゲートウェイの切り替えを指示しなくてもよい。よって、ゲートウェイを切り替える場合、制御装置5から通信装置4に送信される制御信号が削減される。制御信号の削減により、ゲートウェイ切り替えが高速化される。
図38は、第6実施形態において、OpenFlowのフローテーブルを利用した場合の通信装置4のフローエントリDB46の例を示す。なお、制御装置5の経路情報DB50は、図38の例と同様の構成である。
OpenFlowは、複数のパケット処理を一つのグループとみなす機能を有する。グループ化されたパケット処理は、グループテーブルで扱われる。図38の例では、通信装置4は、通常のフローテーブルとして機能するフローエントリDB46と、フローエントリDB46のグループテーブル46aとを有する。
図38の例では、通信パス識別子(A)−(C)は、同一の通信パスグループに属する。マッチングルールが通信パス識別子(A)−(C)である各フローエントリに対応する“Instruction”には、同一の処理グループIDが設定される。グループテーブル46aには、処理グループID毎に、グループ化されたパケット処理を規定した“Instruction”が設定される。制御装置5は、通信装置4に対して、図38の例のフローエントリDB46およびグループテーブル46aを設定する。
通信装置4は、受信パケットの通信パス識別子をキーとして、フローエントリDB46を検索する。図38の例では、通信装置4は、通信パス識別子(A)のパケットを受信した場合、“Instruction”として“処理グループID(1)”が設定されたエントリを検索する。続いて、処理グループIDをキーとしてグループテーブル46aを検索する。図38の例では、通信装置4は、通信パス識別子(A)のパケットを受信した場合、“処理グループID(1)”をキーとしてグループテーブル46aを検索し、“処理グループID(1)”に対応する“Instruction”に従って、受信パケットをゲートウェイ(a)に転送する。
制御装置5は、通信パスのグループに対応する仮想U−Plane31を切り替える場合、処理グループIDに基づいてグループテーブルのエントリを変更する制御信号を、通信装置4に送信する。例えば、図38の例では、通信パス識別子(A)−(C)に対応するゲートウェイを(a)から(e)に変更する場合、制御装置5は、グループテーブル46aにおいて、識別子(A)−(C)に対応する“処理グループID(1)”のエントリの“Instruction”を変更する。つまり、制御装置5は、グループテーブルのエントリを変更すればよく、通常のフローテーブルのエントリを変更する必要はない。図38の例では、制御装置5は、識別子(A)−(C)に対応するそれぞれのエントリを変更する必要はなく、グループテーブル46aにおいて、“処理グループID(1)”に対応するエントリを変更すればよい。よって、ゲートウェイを切り替える場合、制御装置5から通信装置4に送信される制御信号が削減される。制御信号の削減により、ゲートウェイ切り替えが高速化される。
図39は、第6実施形態において、OpenFlowのフローテーブルを利用した場合のフローエントリDB46の他の例を示す。なお、制御装置5の経路情報DB50は、図39と同様の構成である。
OpenFlowスイッチは、複数のフローテーブルを持つことが可能である。図39の例では、通信装置4は、複数のフローエントリDB46(フローテーブル46−1とフローテーブル46−2)を有する。通信装置4は、例えば、パケットを受信すると、複数のフローテーブルを所定の順序で検索する。例えば、図39の例では、通信装置4は、フローテーブル46−1を検索し、次いで、フローテーブル46−2を検索する。
図39の例では、通信パス識別子(A)−(C)は、同一の通信パスグループに属する。フローテーブル46−1において、マッチングルールが通信パス識別子(A)−(C)である各フローエントリに対応する“Instruction”には、パケットのヘッダに“ID(1)”を付与するパケット処理が設定される。パケットに付与されるIDは、通信パスのグループ毎に設定される。
フローテーブル46−2において、パケットに付与されたID毎に、グループ化された通信パスに対応するパケット処理を規定した“Instruction”が設定される。図39の例では、“ID(1)”に対応する“Instruction”として、パケットのヘッダから“ID(1)”を削除し、ゲートウェイ(a)に転送することを示すパケット処理が設定される。
制御装置5は、通信装置4に対して、図39の例のフローエントリDB46を設定したものとする。この場合、通信装置4は、受信パケットの通信パス識別子をキーとして、フローエントリDB46(フローテーブル46−1)を検索する。具体的には、通信装置4は、通信パス識別子(A)のパケットを受信した場合、パケットのヘッダに“ID(1)”を付与することを示す“Instruction”が設定されたエントリを検索する。次に、通信装置4は、パケットに付与された“ID(1)”をキーとして、フローエントリDB46(フローテーブル46−2)を検索し、“ID(1)”に対応する“Instruction”に従って、ヘッダからIDを削除し、受信パケットをゲートウェイ(a)に転送する。
制御装置5は、通信パスのグループに対応する仮想U−Plane31を切り替える場合、通信パスのグループに対応するIDに基づいてエントリを変更する制御信号を、通信装置4に送信する。例えば、通信パス識別子(A)−(C)に対応するゲートウェイを(a)から(e)に変更する場合、制御装置5は、フローエントリDB46(フローテーブル46−2)において、識別子(A)−(C)に対応する“ID(1)”のエントリの“Instruction”を変更する。つまり、制御装置5は、通信パスのグループのIDに対応するエントリを変更すればよく、通信パス識別子のそれぞれに対応するエントリを変更する必要はない。図39の例では、制御装置5は、識別子(A)−(C)に対応するそれぞれのエントリを変更する必要はなく、フローエントリDB46(フローテーブル46−2)において、“ID(1)”に対応するエントリを変更すればよい。よって、ゲートウェイを切り替える場合、制御装置5から通信装置4に送信される制御信号が削減される。制御信号の削減により、ゲートウェイ切り替えが高速化される。
上述した図35−図39の例では、通信装置4が、通信パス識別子に基づいて、通信パスのグループを識別する例が示されたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、制御装置5は、他の情報(例えば、IPアドレスや、PDN)に基づいて通信パスをグループ化することが可能であり、また、通信装置4は、他の情報(例えば、IPアドレスや、PDN)に基づいて、通信パスのグループを識別することが可能である。
7.第7実施形態
次に、図40〜図46の例を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。第7実施形態は、上述の第1−第6の実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。
7.1)システム(第1例)
図40に例示されるように、制御装置5は、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択するためのポリシに従って、通信パスに割り当てる仮想U−Plane31を選択する。たとえば、仮想U−Plane31のインストール/アンインストールに応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を、ポリシに従って動的に選択することが可能である。また、制御装置5は、ポリシに関する条件の変動に応じて、通信パスに割り当てる仮想U−Plane31を動的に変更することが可能である。なお、第7実施形態では、仮想U−Plane31を選択するためのポリシの例を示すが、このポリシは、第1、第2の実施形態に例示されたゲートウェイ3を選択するために用いることも可能である。
図41において、制御装置5は、図7に例示された制御装置5の構成例に加え、ポリシDB54を有する。制御部51は、ポリシDB54を参照し、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択することが可能である。ポリシDB54に格納されたポリシは、例えば、通信パスに関する通信の品質要求に応じた仮想U−Plane31が選択されるように構成される。ポリシDB54に格納されたポリシは、例えば、通信パスに関する通信の品質要求に応じて、通信パスのグループ毎に仮想U−Plane31が選択されるように構成されてもよい。制御部51は、例えば、仮想U−Plane31が増設されたことに応じて、ポリシDB54を参照し、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択する。制御部51は、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択し、経路情報DB50にエントリを追加する。制御部51は、経路情報DB50に基づいて、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係を、通信装置4に通知する。
図42に例示するポリシDB54では、制御装置5は、通信パスに対応するQCIに関するポリシに基づいて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定する。制御装置5は、例えば、通信パスのQCIをMMEから取得することが可能である。
図42の例では、QCIの値に応じて、各QCIに対応する通信パスに優先度が設定されている。制御装置5は、仮想U−Plane31を選択するための条件である優先度に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択する。制御装置5は、例えば、仮想U−Plane31が通信システムに新たにインストールされた場合、優先度が“Low”に設定されたQCIに対応する通信パスから順に、新たにインストールされた仮想U−Plane31に関連付ける。つまり、制御装置5は、QCIの優先度順に、新たにインストールされた仮想U−Plane31と通信パスとの対応関係を決定する。通信パスに対応する仮想U−Plane31を切り替えることで、切り替えに伴う通信遅延等が発生する可能性があるが、QCIの優先度が低い通信パスから順に、当該通信パスに関連付けられる仮想U−Plane31を切り替えることで、QCIの優先度が高い通信パスの通信品質の低下が抑止される。これにより、制御装置5は、QCIに対応する品質要求に応じた仮想U−Plane31を選択することができる。
図42の例では、QCIに対する優先度は、“High”、“Mid”、“Low”であるが、優先度の付与方法は、図42の例に限定されない。例えば、各QCIに対して優先度を示す値が付与されてもよい。制御装置5は、各QCIの優先度に応じて、通信パスに関連付けるゲートウェイを決定できる。例えば、制御装置5は、優先度が所定値以上のQCIに対応する通信パスを、通信帯域が保障可能な仮想U−Plane31に関連付けることが可能である。また、例えば、制御装置5は、優先度が所定値以上のQCIに対応する通信パスを、動作負荷が所定値以下の仮想U−Plane31に関連付けることが可能である。
制御装置5は、QCI毎に、通信パスに関連付けるゲートウェイを決定することが可能である。例えば、制御装置5は、あるゲートウェイに関連付ける通信パスを、QCIに応じて決定する。この場合、あるゲートウェイに割り当てられる複数の通信パスのQCIは同一となる。
7.2)システム(第2例)
図43に例示するように、制御装置5は、通信パスによる通信量や通信時間に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定することも可能である。制御装置5は、仮想U−Plane31をモニタし、通信パスによる通信量や通信時間を取得することが可能である。
図44に例示するポリシDB54には、通信パス識別子に応じて、通信量や通信時間に関する閾値が設定されている。なお、図44のポリシDB54には、第6実施形態のように、通信パスのグループ毎に閾値が設定されてもよい。制御装置5は、仮想U−Plane31を選択するための条件である通信量や通信時間に関する閾値に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択する。ここでは、通信パスによる通信量や通信時間に関するポリシに基づいて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31が決定される。
端末1の利用者は、例えば、通信事業者とプリペイド課金の契約を締結した場合、プリペイド料金に対応する通信量(即ち、通信量の閾値)まで通信が可能である。制御装置5には、端末1の利用者と通信事業者との間の契約に関する情報が設定されている。制御装置5は、仮想U−Plane31のインストールやアンインストールに応じて通信パスを切り替える場合、通信量がポリシDB54に設定された閾値に対して余裕がある通信パスを優先して切り替える。図44の例では、ポリシDB54には、通信パス識別子“A”の通信パスの閾値として、通信量(“X” Byte)が設定されている。制御装置5は、例えば、P−GWとして機能する仮想U−Plane31から識別子“A”の通信パスの通信量をモニタし、その通信量と閾値(“X” Byte)の差が所定値以下である場合には、当該通信パスを切り替え対象から除外する。
上記のように通信パスを切り替えることで、通信パスの切り替え中に、通信量が閾値を超過してしまい、課金管理にミスが生じる可能性を抑止され、制御装置5は、通信サービスの品質要求に応じた仮想U−Plane31を選択することができる。
端末1の利用者は、例えば、通信事業者と2段階課金の契約を締結した場合、通信量が特定の閾値を超えるまでは通信量に応じて通信料金を支払い、前記閾値を超過すると、通信量に拠らず定額(Flat)の通信料金となる。前記閾値を超えてしまえば、正確な通信量の監視が不要であるため、制御装置5は、仮想U−Plane31のインストールやアンインストールに応じて通信パスを切り替える場合、通信量が前記閾値を超えた通信パスを優先して切り替える。
図44の例では、通信パス識別子 “D”の通信パスに対応する端末1は、通信事業者と2段階課金の契約を締結しているものとする。制御装置5には、端末1の利用者と通信事業者との間の契約に関する情報が設定されている。制御装置5は、仮想U−Plane31のインストールやアンインストールに応じて通信パスを切り替える場合、通信量がポリシDB54に設定された閾値を超過した通信パスを優先して切り替える。例えば、図44の例では、ポリシDB54には、通信パス識別子 “D”の通信パスの閾値として、通信量(“Y” Byte)が設定されている。制御装置5は、例えば、P−GWとして機能する仮想U−Plane31から識別子 “D”の通信パスの通信量をモニタし、その通信量が閾値(“Y” Byte)を超過している場合には、当該通信パスを切り替える。
上記のように、課金に関する通信量の管理が不要となった通信パスを切り替えることで、通信パスの切り替え中に課金管理にミスが生じる可能性を抑止され、制御装置5は、通信サービスの品質要求に応じた仮想U−Plane31を選択できる。
端末1の利用者は、例えば、通信事業者と時間制限のある通信契約を締結する場合、契約で定められた期限内(例えば24時間以内)で通信可能である。制御装置5は、仮想U−Plane31のインストールやアンインストールに応じて通信パスを切り替える場合、契約で定められた期限に対して余裕のあるベアラ(例えば、期限に対して1時間以上余裕があるベアラ)を優先して切り替える。このようにベアラを切り替えることで、ベアラ切り替えの実行中に、期限を超過してしまい、契約上の期限を越えた通信が発生する可能性を抑止できる。
図44の例では、通信パス識別子 “B”の通信パスに対応する端末1は、通信事業者と24時間制限の契約(24時間を超過すると通信不可)を締結しているものとする。制御装置5には、端末1の利用者と通信事業者との間の契約に関する情報が設定されている。制御装置5は、仮想U−Plane31のインストールやアンインストールに応じて通信パスを切り替える場合、通信時間がポリシDB54に設定された閾値を超過した通信パスを、切り替え対象から除外する。図44の例では、ポリシDB54には、通信パス識別子“B”の通信パスの閾値として、通信時間(“23H”)が設定されている。制御装置5は、例えば、P−GWとして機能する仮想U−Plane31から識別子“B”通信パスの通信時間をモニタし、その通信時間が閾値(“23H”)を超過している場合には、当該通信パスを切り替え対象から除外する。
上記のように通信パスを切り替えることで、通信パスの切り替え中に、通信時間が契約上の制限時間を超過してしまい、課金管理にミスが生じる可能性を抑止できる。
7.3)システム(第3例)
制御装置5は、仮想U−Plane31を活性化する頻度に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択することが可能である。
図45に例示するように、制御装置5は、仮想U−Plane31のインストールやアンインストールの頻度(もしくは、アクティベーションやディアクティベーションの頻度)に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択することが可能である。制御装置5は、仮想U−Plane31を選択するための条件であるインストール/アンインストール頻度に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択する。制御装置5は、仮想U−Plane31をモニタし、インストール/アンインストールの頻度を取得することが可能である。
図46に例示するポリシDB54には、通信パス識別子毎の優先度が設定されている。なお、図46のポリシDB54には、第6実施形態のように、通信パスのグループ毎に優先度が設定されてもよい。制御装置5は、仮想U−Plane31を選択するための条件である優先度に関する閾値に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択する。図46の例では、制御装置5は、通信パス識別子の優先度に関するポリシに基づいて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定する。
制御装置5は、例えば、仮想U−plane31のインストール/アンインストールの頻度を監視する。制御装置5は、例えば、優先度が低い通信パス(例えば、ポリシDB54で優先度が“Low”の通信パス)を、高い頻度でインストール/アンインストールされる仮想U−plane31に関連付ける。高頻度でインストール/アンインストールが発生する仮想U−plane31に割り当てられた通信パスは、高頻度で仮想U−plane31との接続が切り替えられ、通信品質が劣化する可能性が高い。よって、優先度が低い通信パスを高頻度でインストール/アンインストールが発生する仮想U−plane31に関連付けることで、制御装置5は、優先度が高い通信パスの通信品質の劣化を抑止することができる。
制御装置5は、通信パスに関するサービスに要求されるSLA(Service Level Agreement)に基づくポリシを用いて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定することも可能である。例えば、制御装置5は、ポリシに基づいてSLAで要求される通信帯域を確認し、SLAに対応する通信帯域を確保可能な仮想U−Plane31を選択する。制御装置5は、例えば、それぞれの仮想U−Plane31で使用されている通信帯域と、それぞれの仮想U−Plane31で確保可能な最大通信帯域とを管理可能であり、各仮想U−Plane31の空き帯域がSLAの要求を満たすゲートウェイを選択可能である。また、制御装置5は、SLAが所定値以上の通信パスを、動作負荷が所定値以下の仮想U−Plane31に関連付けることが可能である。
第7実施形態において、ポリシDB54は、複数種類のポリシを記憶することが可能である。例えば、ポリシDB54は、図42に例示されたポリシと、図44に例示されたポリシとを記憶することが可能である。制御装置5は、ポリシDB54に記憶された複数種類のポリシに基づいて、仮想U−Plane31を選択することが可能である。
8.第8実施形態
次に、図47〜図50の例を参照して、本発明の第8実施形態について説明する。第8実施形態は、上述の第1−第7の実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。
第8実施形態による通信システムには管理装置6が設けられ、制御装置が通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択するために用いられる制御情報を生成する。通信システムのオペレータは、管理装置6を介して、制御装置を管理する。通信システムの規模によっては、複数の制御装置が、通信システムに分散して配置されることが想定される。このような場合、管理装置6を介して制御装置を管理することにより、通信システムのオペレータは、通信システムを効率的に管理することが可能となる。また、管理装置6により制御装置5に制御情報を通知することにより、制御装置5は、仮想U−Plane31が動的に増設されたことに応じて、制御情報を参照して増設された仮想U−Plane31に対応する通信パスを決定することができる。
なお、第8実施形態では、通信パスと仮想U−Plane31の対応関係を制御するための管理装置6の例を示すが、管理装置6は、第1、第2の実施形態に例示されたゲートウェイ3と通信パスとの対応関係を制御するために用いることも可能である。
8.1)管理装置(第1例)
図47において、管理装置6は、ポリシ生成部60およびインターフェース61を含み、インターフェース61を介して、制御装置5(若しくは制御装置5A)と通信する。
ポリシ生成部60は、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を制御装置5が選択するための制御情報を生成可能である。ポリシ生成部60は、例えば、通信パスに関する通信の品質要求に応じた仮想U−Plane31が選択されるように、制御情報を生成する。例えば、制御情報として、第7実施形態で例示されたポリシDB54に格納するポリシが生成される。さらに、ポリシ生成部60は、通信システムのオペレータの操作に応じて、ポリシDB54に格納する情報(例えば図42、図44、図46に例示された情報)を生成することができる。また、ポリシ生成部60は、複数種類のポリシを生成することが可能である。ポリシ生成部60は、生成した情報を、インターフェース61を介して、制御装置5に通知する。制御装置5は、管理装置6から通知されたポリシをポリシDB54に記憶し、当該ポリシDB54に基づいて通信装置4を制御する。
ポリシ生成部60は、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を、通信パスのグループ毎に制御装置5が選択するための制御情報を生成することも可能である。例えば、ポリシ生成部60は、図42、図44、図46に例示された情報を、通信パスのグループ毎に生成可能である。ポリシ生成部60は、例えば、QCIに応じた優先度により構成されたポリシ(図42に例示されたポリシ)を、通信パスのグループ毎に生成することが可能である。ポリシ生成部60は、例えば、通信パスのグループ毎に、図44に例示された閾値を生成することが可能である。ポリシ生成部60は、例えば、通信パスのグループ毎に、図46に例示された優先度を生成することが可能である。
ポリシ生成部60は、第4の実施形態で開示されたアタッチ手順により新たに構築される通信パスを仮想U−Plane31に関連付けるためのポリシを生成してもよい。アタッチ手順により新たに構築される通信パスを仮想U−Plane31に関連付けるためのポリシの例を以下に示す。
(1)ラウンドロビン: ポリシ生成部60は、通信システムにおいて起動している仮想U−Plane31から、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31をラウンドロビンで決定するためのポリシを生成する。ポリシ生成部60は、例えば、各仮想U−Plane31の負荷に応じて、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31をラウンドロビンで決定するためのポリシを生成する。
(2)端末1の位置: ポリシ生成部60は、E−UTRAN Cell ID等の端末1が滞在する位置に関する情報に基づいて、ポリシを生成する。ポリシ生成部60は、例えば、以下に例示された条件の少なくとも一つに基づいて通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定するためのポリシを生成する。
・所定のCell IDに対応する通信パス
・複数のCell IDのいずれかに対応する通信パス(例えば、隣接する複数のセルのいずれかに対応する通信パス)
・所定の基地局に対応する通信パス
・複数の基地局のいずれかに対応する通信パス(例えば、隣接する複数の基地局のいずれかに対応する通信パス)
例えば、ポリシ生成部60は、Cell ID“a”に対応する通信パスを、仮想ゲートウェイ“A”に関連付けることを示すポリシを生成する。また、例えば、ポリシ生成部60は、Cell IDが“b”または“c”に対応する通信パスを、仮想ゲートウェイ“B”に関連付けることを示すポリシを生成する。また、例えば、ポリシ生成部60は、Cell ID“d”に対応する通信パスを、仮想ゲートウェイ“C”、“D”、“E”からラウンドロビンで選択されたゲートウェイに関連付けることを示すポリシを生成する。
(3)通信パスのQoS特性: ポリシ生成部60は、通信パスのQoS特性に関する情報に基づいて、ポリシを生成する。ポリシ生成部60は、例えば、以下に例示された条件の少なくとも一つに基づいて通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定するためのポリシを生成する。
・所定のQCI値に対応する通信パス
・複数のQCI値のいずれかに対応する通信パス
例えば、ポリシ生成部60は、QCI値が“5”の通信パスを、仮想ゲートウェイ“A”に関連付けることを示すポリシを生成する。また、例えば、ポリシ生成部60は、QCI値が“1”または“3”に対応する通信パスを、仮想ゲートウェイ“B”に関連付けることを示すポリシを生成する。また、例えば、ポリシ生成部60は、QCI値が“4”に対応する通信パスを、仮想ゲートウェイ“C”、“D”、“E”からラウンドロビンで選択されたゲートウェイに関連付けることを示すポリシを生成する。
(4)端末1の位置と、通信パスのQoS特性の組合せ: ポリシ生成部60は、上記(2)と(3)を組み合わせた条件(例えば、以下に例示された条件)に基づいて通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を決定するためのポリシを生成してもよい。
・所定のQCI値、及び、所定のCell ID(若しくは所定の基地局)に対応する通信パス
・所定のQCI値、及び、複数のCell IDのいずれか(若しくは複数の基地局のいずれか)に対応する通信パス
・複数のQCI値のいずれかに対応し、かつ、所定のCell ID(若しくは所定の基地局)に対応する通信パス
・複数のQCI値のいずれかに対応し、かつ、複数のCell IDのいずれか(若しくは複数の基地局のいずれか)
(5)通信パスグループ: ポリシ生成部60は、第6の実施形態で例示した通信パスグループの属性に基づいて通信パスグループに関連付ける仮想U−Plane31を決定するためのポリシを生成してもよい。通信パスグループの属性の例を以下に示す。
・端末1の滞在エリア(E−UTRAN Cell ID等)によるグループ
・端末1に関する課金特性(通常課金、プリペイド課金、フラットレート等)によるグループ
・端末1の通信状態(一定期間に一定量以上の通信をしたか否か)
・オペレータID(端末1が接続しているコアネットワークのオペレータのID)によるグループ
・端末1が接続しているPacket Data Network(PDN)
・通信パスを抜けた後に、チェイニングが必要なサービス種類
・QoS特性
・端末1の状態(IDLE状態、CONNECTED状態)
ポリシ生成部60は、例えば、通信パスが、プリペイド課金の課金特性のグループに属する場合、当該通信パスを仮想ゲートウェイ“A”に関連付けることを示すポリシを生成する。
上述のように、管理装置6は、ポリシを生成して制御装置5に通知し、ポリシに従って制御装置5を動作させることが可能である。また、管理装置6は、以下に述べるように、制御装置5の経路情報DB50を操作することも可能である。
8.2)管理装置(第2例)
図48に例示する管理装置6は、図47の構成に加え、UI(User Interface)表示部62、制御部63およびディスプレイ64を含む。
UI表示部62は、ディスプレイ64に、図49の例のようなユーザインターフェースを表示する。通信システムのオペレータは、図49に例示されたユーザインターフェースを操作し、通信パスと仮想ゲートウェイの対応関係を操作することが可能である。
制御部63は、オペレータの操作に応じて決定された、通信パスと仮想ゲートウェイとの対応関係に基づいて、制御装置5の経路情報DB50を操作する。例えば、オペレータが、通信パス識別子 “A”の通信パスに対応する仮想ゲートウェイを、仮想ゲートウェイ(a)から(e)に変更したものと想定する。この場合、制御部63は、経路情報DB50を操作し、通信パス識別子“A”に対応する仮想ゲートウェイを、仮想ゲートウェイ(a)から(e)に変更する。
図49は、UI表示部62がディスプレイ64に表示するGUI(Graphical User Interface)700の例を示す。GUI700は、ネットワーク表示ウィンドウ701、オペレーションウィンドウ702を含む。ネットワーク表示ウィンドウ701は、通信システムのネットワーク構成の概略を表示する。
図49において、オペレータが、ネットワーク表示ウィンドウ701に表示されたネットワークのエンティティ(例えば、S−GW)をクリックすると、オペレーションウィンドウ702に、クリックされたエンティティを構成する仮想U−Plane31に関する情報が表示される。
オペレーションウィンドウ702は、例えば、通信パス、ゲートウェイを構成する仮想U−Plane31、各仮想U−Plane31に対応するサーバ33を含むネットワークオブジェクトを表示可能である。
オペレーションウィンドウ702は、通信パス、仮想U−Plane31を含むネットワークオブジェクトの属性(Property)に関する情報を表示可能である。オペレータは、例えば、ネットワークオブジェクトの属性に関する情報を参照し、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を選択可能である。オペレーションウィンドウ702は、例えば、仮想U−Plane31およびサーバ33のID、仮想U−Plane31およびサーバ33の負荷を表示可能であり、更に、例えば、仮想U−Plane31に関連付けられている通信パス数、仮想U−Plane31のスループット、仮想U−Plane31の空き通信帯域等を、ネットワークオブジェクトの属性として表示可能である。また、オペレーションウィンドウ702は、例えば、通信パスに関するQCI、通信パスに関するサービスのSLA等を、ネットワークオブジェクトの属性として表示可能である。オペレーションウィンドウ702は、複数の属性を表示することも可能である。また、オペレーションウィンドウ702は、各仮想U−Plane31に設定された通信パスを表示することが可能である。
オペレータは、ウィンドウ702に表示された通信パスを、Drag&Drop操作により、他の仮想U−Plane31に切り替えることが可能である。例えば、オペレータは、ウィンドウ702に表示された仮想U−Plane31やサーバ33の負荷を参照し、負荷が低い仮想U−Plane31に通信パスを切り替えることが可能である。
オペレータの操作に応じて、制御部63は、制御装置5の経路情報DB50を操作し、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係を変更可能である。例えば、制御部63は、ネットワークオブジェクトの組み合わせにより、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係に関する制御情報を生成し、生成した制御情報を制御装置5に通知することで、経路情報DB50を変更可能である。制御装置5は、例えば、経路情報DB50が変更されたことに応じて、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係の変更を、通信装置4に通知する。
8.3)管理装置(第3例)
図50に例示された管理装置6は、ポリシDB54に格納する情報を生成することなく、制御装置5の経路情報DB50を直接制御することが可能である。管理装置6は、経路情報生成部65およびインターフェース61を含む。
経路情報生成部65は、通信パスに関連付ける仮想U−Plane31を制御装置5が選択するための制御情報を生成可能である。経路情報生成部65は、例えば、通信パスに関する通信の品質要求に応じた仮想U−Plane31が選択されるように、制御情報を生成する。経路情報生成部65は、例えば、仮想U−Plane31が増設されたことに応じて、制御情報を生成する。制御情報として、制御装置5の経路情報DB50に格納する情報が生成される。経路情報生成部65は、通信パスとゲートウェイとの対応関係を決定する。経路情報生成部65は、インターフェース61を介して、制御装置5の経路情報DB50に、通信パスとゲートウェイとの対応関係を設定する。
経路情報生成部65は、通信パスに対応するゲートウェイを、通信パスのグループ単位で管理するための制御情報(例えば、第6実施形態に例示された構造のデータベース)を生成することも可能である。
経路情報生成部65は、例えば、第7実施形態に例示されたポリシに基づいて、経路情報DB50に設定する情報を生成することが可能である。例えば、経路情報生成部65は、図42、図44、図46に例示されたポリシに基づいて、経路情報DB50に設定する情報を生成可能である。経路情報生成部65は、例えば、経路情報DB50に設定する情報を生成するために必要な情報(例えば、通信パスの通信量や通信時間、仮想ゲートウェイの増設頻度等)を、制御装置5を介して収集することが可能である。また、経路情報生成部65は、例えば、第8実施形態で例示されたポリシ(上述のポリシ(1)−(5))に基づいて、経路情報DB50に設定する情報を生成可能である。
9.第9実施形態
以下、図51〜図56の例を参照して本発明の第9実施形態について説明する。第9実施形態は、上述の第1−第8実施形態で開示されたいずれの技術にも適用可能である。
第9実施形態では、オペレータが、管理装置6により、通信パスをグループ化して管理する。通信パスをグループ化することにより、オペレータは、通信パスと仮想U−Plane31との対応関係の管理等を効率的に実行できる。また、管理装置6が、第6実施形態で制御装置5が行った制御のためのグループ化とは別に、通信パスをグループ化して可視化することで、オペレータは、通信パスと仮想U−Plane31を効率的に管理できる。
なお、第9実施形態では、通信パスと仮想U−Plane31の対応関係を制御するための管理装置6の例を示すが、第1、第2の実施形態に例示されたゲートウェイ3と通信パスとの対応関係を制御するために用いることも可能である。
図51に例示するGUI700において、オペレータは、管理装置6により表示されたGUI700を用いて、通信パスをグループ化することが可能である。
図51に例示されたオペレーションウィンドウ702は、仮想ゲートウェイ3に構築された通信パスを集約(グループ化)するための集約ポリシ703を表示する。集約ポリシは、例えば、通信パスの属性に基づいて設定される。集約ポリシ703の例を以下に示す。
・端末1の滞在エリア(E−UTRAN Cell ID等)
・端末1に関する課金特性(通常課金、プリペイド課金、フラットレート等)
・オペレータID(端末1が接続しているコアネットワークのオペレータのID)
・端末1の状態(IDLE状態、CONNECTED状態):
・QoS特性
・端末1が接続しているPacket Data Network(PDN)
・通信パスを抜けた後に、チェイニングが必要なサービス種類
管理装置6は、上記の集約ポリシ703の例に基づいて、通信パスを集約することが可能である。なお、集約ポリシ703は、例えば、第6実施形態において通信パスをグループ化するための条件として開示されたポリシを用いることも可能である。
管理装置6の制御部63は、例えば、集約ポリシ703に表示されたいずれかのポリシをオペレータがクリックしたことに応じて、クリックされたポリシに基づいて通信パスを集約する。制御部63は、例えば、集約ポリシの属性が同一の通信パスを集約する。例えば、集約ポリシとして“QoS特性”が選択されると、図51に例示されるように、制御部63は、同一のQCI値の通信パスを集約する。
制御部63は、例えば、集約ポリシ703に表示された“集約解除”がクリックされたことに応じて、通信パスの集約を解除し、それぞれの通信パスを個別に表示する。
集約ポリシに基づいて通信パスを集約することで、オペレータの管理コストが大幅に削減される。例えば、図51の例のように、QCIに基づいて通信パスを集約することで、GUI700で管理される通信パスの数は、仮想ゲートウェイ3毎に最大で9種類(3GPP等の標準仕様で定義されているQCIは9種類)に集約される。集約ポリシに基づいて通信パスを集約することで、オペレータが管理する通信パスの数を擬似的に削減することが可能となり、オペレータの管理コストが大幅に削減される。
制御部63は、オペレータが集約ポリシに応じて通信パスを集約したことに応じて、制御装置5の経路情報DB50を変更することが可能である。
図52は、QCIに基づいて通信パスを集約した場合の経路情報DB50の例を示す。制御部63は、集約ポリシの属性(図52の例ではQCI)に基づいて通信パスを集約し、集約した通信パスの各々と集約ポリシの属性(図52のグループID)とを対応付ける。図52の例では、制御部63は、QCIに基づいて集約された通信パスとQCI値(グループID)とが対応付けられるように、経路情報DB50を変更する。管理装置6が、上述のように経路情報DB50を変更することで、制御装置5は、第6の実施形態で例示された方法で通信装置4を制御することが可能となる。
管理装置6の制御部63もしくは制御装置5の制御部51は、例えば、通信パスの状態が集約ポリシの属性から変更された場合に、通信パス再構築を実行することが可能である。通信パスの再構築とは、通信パスの解放後、再度通信パスの構築をすることを意味する。例えば、制御部63もしくは制御部51は、通信パスの状態が集約ポリシの属性から変更された場合に、該当の通信パスの再構築を行うことが可能である。例えば、制御部63もしくは制御部51は、単位期間あたりの端末1の通信量が一定の値を超過した場合に、該当の通信パスの再構築を促す。また、必要に応じて、経路情報DB50を変更しても良い。通信パスの再構築を行うことで、通信パスは現在の状態に合ったグループに所属することができる。このように、制御装置5や管理装置6は、現在の状態に合ったグループに通信パスを所属させることにより、仮想U−plane31の増減設時の通信パスの仮想U−plane31への再割り当て処理負荷が過剰に高くなることを抑制することができる。なぜなら、現在の状態に合ったグループに所属していない通信パスが存在すると、グループ化して制御とは別に、その通信パスを個別に制御する必要があるためである。
図53は、オペレータが集約された通信パスを管理する例を示す。オペレータは、例えば、集約された通信パスを選択し、選択した通信パスを他の仮想ゲートウェイ3にDrag&Dropすることで、集約された通信パスと仮想ゲートウェイ3との対応関係を切り替える。集約された通信パスと仮想ゲートウェイ3との対応関係が切り替えられたことに応じて、制御部63は、制御装置5の経路情報DB50を変更する。
図54は、制御部63が経路情報DB50を変更する例を示す。制御部63は、グループID(図54の例ではQCI値に対応するID)をキーとして、グループに対応するゲートウェイを変更する。図53および図54の例では、制御部63は、QCI値が“3”の集約通信パスに対応する仮想ゲートウェイ3を、IDが“X”のゲートウェイからIDが“XX”のゲートウェイに切り替える。制御装置5は、経路情報DB50が変更されたことに応じて、例えば第6実施形態で例示された方法で、通信装置4の経路情報DB42を変更する。
上述のように、制御部63は、グループIDをキーとして、集約された通信パスに対応するゲートウェイを一括で変更できる。よって、制御部63は、経路情報DB50のそれぞれのエントリに対応するゲートウェイを変更する場合と比較して、制御信号の量やゲートウェイの切り替え時間を大幅に削減できる。
図55は、管理装置6が、複数の集約ポリシにより通信パスを集約する例を示す。図55の例では、通信パスは、通信パスのQCIと、端末1の状態とに基づいて集約される。
図55において、オペレータは、QCI値で集約された通信パスを選択( “1.Click”)し、他の集約ポリシを選択( “2.Click”)する。オペレータの操作により、管理装置6は、QCI値が“3”の集約通信パスを、端末1の状態(IDLE状態 or CONNECTED状態)に応じて分割して表示する。
制御部63は、通信パスが複数の集約ポリシに基づいて集約されたことに応じて、制御装置5の経路情報DB50を変更する。図56は、複数の集約ポリシに基づく経路情報DB50の例を示す。制御部63は、図55の例のように、QCI値が“3”の集約通信パスに、端末1の状態に関する集約ポリシが更に追加されたことに応じて、図56の例のように、経路情報DB50を変更する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記したそれぞれの実施形態に限定されるものではない。本発明は、各実施形態の変形・置換・調整に基づいて実施できる。また、本発明は、各実施形態を任意に組み合わせて実施することもできる。即ち、本発明は、本明細書の全ての開示内容、技術的思想に従って実現できる各種変形、修正を含む。また、本発明は、SDN(Software−Defined Network)の技術分野にも適用可能である。