JPWO2014020801A1 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

原画像の輝度にしきい値b1、b2、b3、b4を設定する。最下層の画像84aは輝度がb1以上、その上の画像84bは輝度がb2以上、その上の画像84cは輝度がb3以上、最上層の画像84dは輝度がb4以上、の領域を残し、それ以外の領域のアルファ値を0とし、原画像の色情報と統合して最終的なスライス画像を生成する。生成したスライス画像を最下層から順に所定の間隔で積層させ、視点に応じて描画することにより表示画像を生成する。

Description

本発明は画像データに基づき画像表示を行う画像処理装置、当該装置で用いる画像処理方法、および画像ファイルのデータ構造に関する。
三次元コンピュータグラフィックスの技術は、ゲーム、映像、アニメーション、デザインなど様々な分野において、幅広く利用されている。例えば、ゲームプログラムを実行するだけでなく、動画を再生できる家庭用エンタテインメントシステムが提案されている。この家庭用エンタテインメントシステムでは、GPUがポリゴンを用いた三次元画像を生成する(例えば特許文献1参照)。表示目的によらず、見る者により臨場感を与えるために、三次元画像表示の高精度化、高精細化が進んでいる。また、情報処理装置や携帯端末を用いて各種情報や画像、文章などのコンテンツを表示させることは、三次元画像によらず日常的に行われるようになってきた。
米国特許第6563999号公報
三次元モデルを描画するためには、表示対象に対し様々なデータを準備する必要があるる。そのため三次元コンピュータグラフィックスを含むコンテンツを作成しようとすると、その作業は複雑となり作成者の負担になりやすい。またユーザによる視点の移動を許容する場合などは特に、多くのデータを瞬時に処理する必要があるため、画像処理や表示を行う装置における処理の負荷も大きい。
またウェブページなど文字や図形が多数含まれる画像の場合、携帯端末など表示するディスプレイが小さい場合は特に、小さい文字や図を表示することで文字がちらついたりかすんだりして読みづらいことがある。したがってユーザのニーズに合った、より見やすい画像表示をデータサイズや処理の負荷を増大させずに実現させることが求められている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、臨場感のある画像を容易に作成、表示できる画像処理技術を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、ユーザのニーズに合った見やすい画像を容易に表示できる画像処理技術を提供することにある。
本発明のある態様は画像処理装置に関する。この画像処理装置は、入力された2次元の原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化させる情報を生成する透明化情報生成部と、3次元空間において原画像上に、透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させたスライス画像を対応するスライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示する画像描画部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の別の態様も画像処理装置に関する。この画像処理装置は、2次元の原画像のデータと、当該原画像において、表されている対象物の画像平面からの高さに対し設定されたスライス平面に到達している領域以外の領域を透明化したスライス画像のデータと、からなる画像データを記憶した記憶部と、記憶部から原画像のデータおよびスライス画像のデータを読み出し、3次元空間において原画像上に、スライス画像を対応するスライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示する画像描画部と、を備えたことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様も画像処理装置に関する。この画像処理装置は、2次元の原画像を取得する画像データ取得部と、原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化したスライス画像であり、3次元空間において原画像上に、対応するスライス平面の高さに応じて積層させ、視点の位置に応じて描画することにより原画像に立体感を与えた画像を表示するためのスライス画像を生成するスライス画像生成部と、を備えたことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は画像処理方法に関する。この画像処理方法は、画像処理装置が、2次元の原画像のデータを記憶装置から読み出し、当該原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化させる情報を生成するステップと、3次元空間において原画像上に、透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させたスライス画像を対応するスライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示装置に表示するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は画像ファイルのデータ構造に関する。この画像ファイルのデータ構造は、2次元の画像のデータと、当該画像に表されている対象物の画像平面からの高さに対し設定されたスライス平面に到達している領域以外の領域を透明化したスライス画像と、を対応づけ、画像処理装置において読み出され、3次元空間において原画像上に、スライス画像を対応するスライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトが視点の位置に応じて描画されることにより、原画像に立体感を与えた画像が表示されることを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は画像処理装置に関する。この画像処理装置は、原画像のデータを取得し、所定の条件により抽出した画素で構成される対象領域以外の領域を透明化させる情報を生成する透明化情報生成部と、原画像上に、透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させた重畳画像を、所定のずらし量だけずらした位置に重ねて描画することにより、対象領域を拡張した表示画像のデータを生成し表示装置に表示させる画像描画部と、を備えたことを特徴とする。
本発明のさらに別の態様は画像処理方法に関する。この画像処理方法は、画像処理装置が、原画像のデータを記憶装置から読み出し、所定の条件により抽出した対象領域以外の領域を透明化させる情報を生成するステップと、原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させた重畳画像を、所定のずらし量だけずらした位置に重ねて描画することにより、対象領域を拡張した表示画像のデータを生成し表示装置に表示させるステップと、を含むことを特徴とする
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によると、平面的な画像のデータから立体感のある画像を容易に表示することができる。また、ユーザの要求に合わせて表示画像を見やすくすることができる。
実施の形態1によって表示できる画像の例を示す図である。 実施の形態1において2次元画像に立体感を与える原理を説明するための図である。 実施の形態1において2次元画像に立体感を与える原理を説明するための図である。 実施の形態1においてスライス画像を生成する別の手法を示す図である。 実施の形態1の画像処理装置の構成を詳細に示す図である。 実施の形態1における画像データ生成部がスライス画像のデータを生成する処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1において原画像からスライス画像を生成する様子を示す図である。 実施の形態1において輝度によって間接的にスライス平面を設定する原理を説明するための図である。 実施の形態1において輝度を利用して生成したスライス画像の例を示す図である。 実施の形態1において領域の境界でアルファ値を補間した場合の、スライス画像のアルファ値の分布を模式的に示す図である。 実施の形態1においてしきい値の間隔を変化させて表示を効率化する手法を説明するための図である。 実施の形態1において実際の原画像によって表示される画像の例を示す図である。 実施の形態1においてスライス画像生成部が輝度に基づきスライス画像を生成する処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1において画像描画部がスライス画像を用いて立体感のある画像を描画する様子を模式的に示す図である。 実施の形態1においてスクリーン上の点におけるRGBの値を求める処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1においてポリゴンメッシュを導入する態様を説明するための図である。 実施の形態1においてスライス画像の導入、ポリゴンメッシュの導入による効果を表示画像の比較によって示す図である。 実施の形態1において領域ごとに輝度のしきい値を変化させる手法を説明するための図である。 実施の形態1における画像処理装置の別の構成例を示す図である。 実施の形態1においてスライス画像を生成するための輝度のしきい値と実際の各画素の輝度との差によってアルファ値を補間する手法を説明するための図である。 実施の形態1において最大アルファ値を1で固定した場合とスライス画像ごとに変化させた場合の、スライス画像のアルファ値の分布を模式的に示す図である。 図21で比較した最大アルファ値の2種類の設定規則によって実際に得られる表示画像を比較する図である。 実施の形態2における画像処理装置の構成を示す図である。 実施の形態2の表示処理部により生成される画像の変遷例を示す図である。 実施の形態2における重畳画像のずらし幅について説明するための図である。 実施の形態2の表示部に表示される画面例を示す図である。 実施の形態2における画像処理装置が行う画像表示の処理手順を示すフローチャートである。
実施の形態1
図1は本実施の形態によって表示できる画像の例を示している。同図上側は航空写真など、ある土地の鳥瞰図52である。本実施の形態ではこのような2次元平面に表された画像に立体感を与え、真上以外の視点からでも自然な表示がなされるような表示画像54を生成する。このために、元の2次元画像において高さがあると見込まれる対象物に、見かけ上の側面、上面を生成することにより立体感を演出する。
図2、3は本実施の形態において2次元画像に立体感を与える原理を説明するための図である。図2の左に示すように、台58の上におよそ円錐形の対象物56が載せられた状態を俯瞰した2次元画像60には、台58の上面を背景に、対象物56が円形62として表される。一方、対象物56の側面および上面を再現するには、原理的には対象物の水平面での輪郭を高さ方向(Z方向)に積分していけばよい。例えば水平面A、B、Cにおける対象物56の輪郭は、当該水平面における切断面の画像64、66、68を取得すれば得られることになる。
本実施の形態では、元の2次元画像60から切断面の画像64、66、68などを擬似的に生成し、それを積層していくことにより見かけ上の側面および上面を作成する。具体的には、元の2次元画像60のうち、対象物56が水平面Cまで到達していると考えられる領域を残し、その他の領域を透明化する。これにより擬似的な切断面の画像68が得られる。水平面BやAに対する画像66、64も同様である。以後、このように生成した擬似的な切断面の画像を「スライス画像」と呼ぶ。
図3は元の2次元画像60を最下層に、スライス画像68、66、64を積層させた状態を表している。同図において3次元空間を構成するX軸、Y軸、Z軸は、図2において元の画像平面を構成するX軸Y軸と、高さ方向のZ軸に対応する。図示するように、元の画像60とスライス画像68、66、64を、Z軸上の対応する水平面(以後、スライス平面と呼ぶ)の位置に配置していくことにより、対象物の側面および上面をおよそ再現することができる。スライス画像の数が多いほど、より緻密な立体を表現できる。
スライス画像の積層間隔は、視点の可変範囲や生成するスライス画像の数などによって調整する。例えば直上からの視点の可変角度を小さく抑える場合は、スライス画像の隙間が視認されにくいため、間隔を広げることで、よりダイナミックに立体感を演出できる。一方、真横に近い視点まで許容するときは間隔を狭めることによりスライス画像間の隙間を目立たなくさせる。
図4はスライス画像を生成する別の手法を示している。この例では、スライス画像を生成する水平面の高さに所定の範囲Δhを設定し、その範囲内に存在すると考えられる領域を残し、その他の領域を透明化する。なお図4では水平面Cにのみ範囲Δhを示しているが、その他の水平面も同様とする。その結果、各水平面の範囲より高い位置の領域も透明化されるため、図2と比較し、図4のスライス画像166、168における対象物は中空で表される。このようにしても、スライス画像を積層させることにより対象物の側面を表すことができるため、同様に立体感のある画像を表示できる。この際、中空部分が目立たなくなるように積層間隔を調整する。
図5は本実施の形態の画像処理装置の構成を詳細に示している。図5および後述する図19、23において、様々な処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Porcessing Unit)、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、画像処理を行うプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
画像処理装置10は、元の2次元画像からスライス画像のセットを生成する画像データ生成部20、およびスライス画像を利用して立体感のある画像を描画する表示処理部30、ユーザから画像データの生成指示、画像の表示指示を取得する入力受付部12、画像を表示する表示部14を含む。なお画像データ生成部20が行う処理と表示処理部30が行う処理は独立して実施可能であるため、同じ装置内に双方を設けず、それぞれの機能を有する個別の装置としてもよい。また画像処理装置10には、以後説明する画像表示技術を組み入れたゲーム、コンテンツ表示、各種情報処理の機能を含めてよいが、一般的な技術を適用できるためその説明を省略する。
入力受付部12は、画像データ生成処理の開始、処理対象の画像選択、条件設定などの指示入力をユーザより受け付け、画像データ生成部20へ通知する。さらに画像表示の開始、終了、視点の移動などの指示入力をユーザより受け付け、表示処理部30に通知する。入力受付部12はマウス、キーボード、コントローラ、ジョイスティックなど一般的な入力装置のいずれかでよく、表示部14の画面に搭載したタッチパネルなどでもよい。表示部14は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなど単体で画像を表示する表示装置でもよいし、画像を投影するプロジェクターとスクリーンとの組み合わせなどでもよい。
画像データ生成部20は、処理対象の原画像のデータを取得する画像データ取得部24、原画像のデータからスライス画像を生成するスライス画像生成部26、原画像のデータを記憶した原画像データ記憶部22、生成したスライス画像のデータを格納するスライス画像データ記憶部28を含む。原画像データ記憶部22には、図1の画像52のような元の2次元画像のデータが記憶される。この画像は、2次元平面に配列した画素がそれぞれ色情報を有する一般的が画像のデータでよい。ここで色情報の表色系はRGB、YCbCrなど、特に限定されない。
原画像データ記憶部22にはさらに、原画像に対応する高度情報のデータを格納してもよい。ここで高度情報とは、原画像の画像平面における位置に対応づけてその画像で表現している対象物の高さを表した情報である。例えば航空写真を原画像とする場合、その土地の地形的な高度情報を別に取得して格納しておく。あるいは、対象物を撮影した写真を原画像とし、当該対象物をレーザー照射などにより計測した結果得られた高度情報と対応づけて格納してもよい。その他、高度情報の取得手段は特に限定されない。また高度のデータを保持する位置の間隔や、高度のスケールも限定されない。ただし後述するように、本実施の形態では高度情報は必須ではない。
画像データ取得部24は、入力受付部12が受け付けたユーザからの指示に従い、原画像データ記憶部22から原画像のデータを取得する。それに対応づけられた高度情報のデータが原画像データ記憶部22に記憶されている場合はそれも読み出す。画像データ取得部24は、原画像のデータ、高度情報のデータのいずれかまたは双方を、ネットワークを介して接続したサーバ、またはカメラなどの画像入力装置(いずれも図示せず)から取得してもよい。
スライス画像生成部26は、画像データ取得部24が取得したデータに基づきスライス画像を生成する。スライス画像の生成原理は上述したとおりであるが、具体例を後に詳述する。生成したスライス画像のデータは、スライス平面の識別情報に対応づけてスライス画像データ記憶部28に格納する。なお一つの原画像から生成する複数のスライス画像は、アルファチャンネル以外の色情報が原画像と同一である。そこでスライス画像データ記憶部28に格納するデータは、色情報を有する原画像のデータと、各スライス画像のアルファ値のみを画素値として保持する複数のアルファ画像のデータのセットとしてもよい。あるいは、原画像のデータと対応づけたうえでアルファ画像のデータのセットのみを格納してもよい。どちらの場合も、表示段階で原画像とアルファ画像のデータを読み出し、色情報とアルファ値とを組み合わせて個々のスライス画像を完成させたうえ、積層させていけばよい。
表示処理部30は、描画に必要な画像のデータを逐次格納する描画用メモリ32、スライス画像のデータを用いて立体感のある画像を描画する画像描画部34を含む。画像描画部34は、入力受付部12が受け付けた、表示の開始、視点の移動などの指示入力を取得し、表示に用いるスライス画像のデータを、スライス画像データ記憶部28から描画用メモリ32に読み出す。なお画像データ生成部20が生成したスライス画像から即時に画像を表示する場合は、スライス画像データ記憶部28が描画用メモリ32を兼ねていてもよい。
そして画像描画部34は、描画用メモリ32に読み出したスライス画像のデータをスライス平面の順序かあるいは、視点から遠い順にスクリーン座標へ投影していくことにより重ね合わせて表示画像を描画する。スライス画像は上述のとおり、対象物のない部分を透明とするため、画素値にはアルファチャンネルを含む。そのため画像描画部34は、スライス画像をアルファブレンディング処理により重ねていく。各視点に対しこの重ね合わせ処理を行うことにより、視点の移動に応じて立体感を伴った画像表示を実現できる。なお画像描画部34は、複数の視点について同様のオブジェクト描画処理を行うことにより立体視を実現してもよい。この場合の視点の相対位置などは導入する立体視の方式に応じて適宜決定できる。
次に、上記のような構成によって実現できる画像処理装置10の動作について説明する。図6は画像データ生成部20がスライス画像のデータを生成する処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、ユーザが原画像を指定してスライス画像の生成処理を開始する指示入力を行ったときに開始される。まず画像データ取得部24は、原画像データ記憶部22から、指定された原画像のデータを読み出す(S10)。このとき、原画像データに対応づけられた高度情報のデータがあればそれも読み出す。上述のとおりサーバにアクセスして各種データを取得してもよい。
次にスライス画像生成部26は、画像データ取得部24が取得した原画像のデータ、あるいは高度情報に基づき、スライス平面を決定する。まずスライス平面の数、密度、間隔などを、上述の視点の可変範囲や、対象物の特性、高さの分布などに基づき決定したうえ、具体的なスライス平面の位置を決定していく。高度情報を利用する場合は、スライス平面の高度を直接設定できる。これは例えば図2において水平面A、B、Cの位置を直接設定することに対応する。
一方、高度情報を利用しない場合、スライス画像生成部26は、高度との対応関係が想定される原画像内のパラメータを利用して間接的にスライス平面を決定する。例えば原画像の輝度、周波数、所定の色の階調などを利用することが考えられる。高度の変化に応じて変化する傾向が見られるパラメータを、画像の内容などに応じて臨機応変に選択してよい。そして当該パラメータにしきい値を設定することにより、間接的にスライス平面の高度を決定する。
そしてスライス画像生成部26は、決定したスライス平面に対しスライス画像を生成する(S14)。具体的には上述のとおり、S12において決定したスライス平面の高度、または輝度など高度の代替パラメータに設定したしきい値に到達している領域の色情報をそのまま残し、それ以外の領域を透明化する。生成したスライス画像はスライス画像データ記憶部28に格納する(S16)。
次に、高度情報が得られる場合に、決定したスライス平面に対しスライス画像を生成する手法を説明する。図7は、図2の原画像60から、水平面A、B、Cをスライス平面としてスライス画像を生成する様子を示している。高度情報が得られる場合、水平面A、B、Cの高度に対応する等高線70a、70b、70cを、図示するように原画像60に描くことができる。
原画像60において水平面Cに到達するのは等高線70cの内部の領域であるため、当該領域のアルファ値を1とし、それ以外の領域のアルファ値を0とした画像を、水平面Cをスライス平面としたスライス画像とする。同様に、水平面Bをスライス平面としたスライス画像は、等高線70bの内部の領域のアルファ値を1、それ以外の領域のアルファ値を0とした画像である。水平面Aをスライス平面としたスライス画像は、等高線70aの内部の領域のアルファ値を1、それ以外の領域のアルファ値を0とした画像である。これらのスライス画像は、図2の画像68、66、64に他ならない。同図の例で等高線は閉曲線であったが、画像端に至る開曲線であっても処理は同様である。
図8は輝度によって間接的にスライス平面を設定する原理を説明するための図である。なお周波数や所定の色の階調などでも処理は同様である。同図上の画像は原画像80であり、輝度の高い領域が左右に2つ存在する。原画像80を横断する線AA’における輝度は、曲線82のように変化する。一般的に凹凸のある対象物を俯瞰した場合、突出した部分は光が当たり、くぼんだ部分は光が届きにくい。この一般的な傾向を利用すると、俯瞰画像である原画像80において輝度の高い領域は高度が高く、輝度の低い部分は高度が低いと推定できる。
そのため高度の代替パラメータとして輝度にしきい値を設けることにより、間接的にスライス平面を設定し、スライス画像を生成する。図9は図8の原画像80から、輝度を利用して生成したスライス画像の例を示している。ここで画像84a、84b、84c、84dは、スライス画像のアルファ値のみを示している。スライス画像で元の色情報を残す領域はアルファ値が1のため、画像84a、84b、84c、84dにおいては白、それ以外の領域、すなわち透明化する領域はアルファ値が0のため黒で表されている。
同図左上に示すように、輝度にしきい値b1、b2、b3、b4(b1<b2<b3<b4)を設定する。ここでb1は原画像内で最低の輝度とする。そして最下層の画像84aは輝度がb1以上、その上の画像84bは輝度がb2以上、その上の画像84cは輝度がb3以上、最上層の画像84dは輝度がb4以上、の領域を残し、それ以外の領域のアルファ値を0とする。ここでb1を原画像内で最低の輝度とすることにより、最下層の画像84aの全ての画素のアルファ値が1となり、ベースとなる原画像80を抜けなく表示できる。
このように各画素の輝度のしきい値判定により、各しきい値に対応するスライス画像のアルファチャンネルを決定する。そして原画像の色情報と統合して最終的なスライス画像を生成する。生成した複数のスライス画像を最下層から順に所定の間隔で積層させると、輝度が高さに反映された3次元オブジェクト86を生成できる。なお画像84b、84c、84dに示すように、アルファ値は1または0の2値とせず、色情報を残す領域と透明化する領域とが滑らかにつながるように、領域の境界でアルファ値を補間してもよい。このとき、しきい値と輝度との差に応じて補間するアルファ値を決定してもよい。
図10は領域の境界でアルファ値を補間した場合の、スライス画像のアルファ値の分布を模式的に示している。同図では、上段に示すように図2のスライス画像64、66、68のうち対象物の像をそれぞれ通る直線AA’、BB’、CC’上のアルファ値の分布を下段に示している。スライス画像64、66、68のアルファ値の分布が、分布250、252、254である。分布250を例にとると、輝度がしきい値以上である対象物の像の領域は基本的にアルファ値が1、それ以外の領域はアルファ値が0であるが、その境界領域である幅wの領域で0から1に変化するようにアルファ値を補間している。境界領域は、輝度がしきい値以上の領域の外側に設けてもよいし、内側に設けてもよい。あるいは境界領域の中心軸が境界線と重なるようにしてもよい。
境界領域の幅wの設定規則やアルファ値の補間手法はあらかじめ定めておく。このとき、あるスライス画像における境界領域の外周の画像平面上の位置が、その1つ下層のスライス画像における境界領域の内周の位置と一致するように境界領域を設定すると、1つの対象物に対する境界領域がスライス画像間で連続し、側面の傾斜をより滑らかに表現できる。図10の例では、スライス画像64の分布250における境界領域の外周の位置a2が、その下のスライス画像66の分布252における境界領域の内周の位置b1と一致し、当該分布252における境界領域の外周の位置b2が、その下のスライス画像68の分布254における境界領域の内周の位置c1と一致している。
図9の例では、輝度に対し等間隔でしきい値を設定した。この場合、例えば原画像内で輝度の最小値と最大値を求め、それを均等分割したときの境界値をしきい値とすればよい。一方、しきい値を等間隔としなくてもよい。図11はしきい値の間隔を変化させて表示を効率化する手法を説明するための図である。同図のグラフはどちらも、ある原画像において各画素が有する輝度を集計した結果得られた、輝度に対する画素数の変化を表している。そして2通りのしきい値設定手法90、94によって設定したしきい値(例えばしきい値92、96)を輝度の軸上に表した縦線でそれぞれ表している。
まずしきい値設定手法90では、上述のとおり、輝度の最大値と最小値の間の領域を均等に分割し、その境界値をしきい値92としている。この場合、しきい値設定に対する処理の負荷が軽くなる一方、輝度値の変化に対して画素数がそれほど変化しない低輝度領域や高輝度領域(例えば領域98)では、複数のしきい値92に対し、同じようなスライス画像が生成されてしまうことになり効率が悪い場合がある。しきい値設定手法94ではこの点を考慮し、輝度に対する統計処理によりしきい値を設定する。
具体的には輝度の標準偏差σを求め、平均値±2σの間の領域を均等に分割したときの境界値をしきい値とする。このようにすると原画像ごとの輝度特性を考慮し、主要な輝度帯域を細かく分解してしきい値を設定できる。結果として、しきい値設定手法90と同じ数のスライス画像でも、より多くの情報を含めることができる。なお±2σはあくまで例示であり、±σや±3σなどとしてもよいし、それらの帯域に含まれない輝度にも低い密度でしきい値を設定してもよい。
また均等分割でなく、輝度の変化に対する画素数の変化の大きい領域に、より大きな密度でしきい値を設定してもよい。さらに、輝度の変化が高度の変化に対応する、という想定を拠り所としていることに鑑み、あらかじめ輝度と高度を線形または非線形に対応づけておき、高度を均等分割したときの境界値に対応する輝度をしきい値として設定するなどでもよい。
図12は実際の原画像によって表示される画像の例を示している。同図左上に示した原画像100は、ぬいぐるみの表面を撮影したものであり、起毛による細かい凹凸が2次元平面に表されている。これに対し上述のいずれかの手法で輝度値にしきい値を設定して生成したスライス画像のアルファ値の画像の例が画像102a、102b、102c、102dである。図9で示したのと同様、上層のスライス画像ほど、色情報として残す領域が小さくなる。
このようなアルファ値を原画像の色情報と組み合わせて生成したスライス画像を積層させて、斜めの視点から見た画像を描画すると、表示画像104のような立体的な画像を表示できる。なお表示画像104は積層間隔を広めにすることにより立体感を強調しているが、実際にはより自然な立体感が得られるように積層間隔を調整する。スライス画像によって色情報を残す領域は、1画素を最小単位として決定できるため、毛のような鋭い先端を有する物であっても輝度のコントラストなど原画像に含まれる情報によって、その一本一本を突出させて表現することが可能となる。これにより、ポリゴンメッシュを用いて領域ごとに凹凸を表現する技術と比較しても、より高精細な立体感を表示画像に与えることができる。
図13は、図6のS14において、スライス画像生成部26が、輝度に基づきスライス画像を生成する処理手順を示すフローチャートである。まず各画素の輝度を求めるため、処理対象の原画像をグレースケールに変換する(S20)。そして図6のS12で設定した複数の輝度のしきい値と各画素値との比較により、各しきい値に対応するスライス画像の透明度情報を生成する(S22)。具体的には、各しきい値以上の画素値を有する画素のアルファ値を1、しきい値未満の画素値を有する画素のアルファ値を0として、図12の画像102a、102b、102c、102dのようなアルファ値の画像を生成する。
次にガウシアンフィルタなど一般的な平滑化フィルタを用いてアルファ値の画像を平滑化する(S24)。あるいはしきい値との差に応じて画素ごとにアルファ値を補間しても同様のフィルタ効果が得られる。これにより透明化する領域とそれ以外の領域との境界を滑らかにつなぎ、スライス画像を積層させたときに透明/不透明の境界線、すなわち対象物の側面が不自然な形状とならないようにする。そのようにして生成した、各スライス画像のアルファ値の画像を、原画像の画素が有していた色情報と統合することにより、アルファチャンネルを有する複数のスライス画像が生成される(S26)。
図14は画像描画部34がスライス画像を用いて立体感のある画像を描画する様子を模式的に示している。視点114から遠い方から、背景118、スライス画像110a、110b、110c、110d、スクリーン116が位置する。なおスライス画像110aは原画像と同じである。このときスクリーン116のある点115に投影される像は、視点114と点115を通る視線119と、背景118、スライス画像110a、110b、110c、110dとの交点117、112a、112b、112c、112dの像を視点114から遠い方から重ね合わせたものとなる。
図15は、図14で示したスクリーン上の点115におけるRGBの値を求める処理手順を示すフローチャートである。まず変数R、G、B(iは−1以上の整数)を準備し、R−1、G−1、B−1に、背景118の交点117におけるRGB値、Rb、Gb、Bbをそれぞれ代入する(S50)。視点から最も遠いスライス画像110a上の交点112aのRGB値およびアルファ値を(R,G,B,A)とすると、背景118の交点117とスライス画像110a上の交点112aとを重ね合わせたときRGB値は以下のようになる(S52、S54、S56、S58)。
R=A×R+(1−A)×R−1
G=A×G+(1−A)×G−1
B=A×B+(1−A)×B−1
・・・(式1)
上式のR、G、Bを新たなR、G、Bとしてiをインクリメントしながら最後のスライス画像(i=nslice−1)の交点まで、視点に近づく方向に上記計算を繰り返すことにより(S60のY、S62、S54、S56、S58)、nslice枚のスライス画像の交点を全て重ね合わせたRGB値が得られる(S60のN)。
以上述べた手法によれば、スライス画像を生成することにより画素単位での立体化が可能であるため、細かい凹凸を有する対象物を表した画像の表示には特に有効である。さらにポリゴンメッシュを利用すれば、より大きな単位での凹凸表現との組み合わせが可能である。図16は画像データに対応づけて取得された高度情報を利用してポリゴンメッシュを導入する態様を説明するための図である。同図左側の画像120は、原画像の各位置における高度の分布を輝度分布として表した画像である。
なお高度は画素単位で得られている必要はなく、少なくとも形成するポリゴンメッシュごとに得られていればよい。そして画像平面を所定のメッシュに分解し、高度に応じた凹凸を与えることによりポリゴンメッシュ122を生成する。このポリゴンメッシュをスライス画像の数だけ生成し、各ポリゴンメッシュに画像102a〜102dをアルファ値とするスライス画像を貼り付けたうえ、積層させて表示画像を描画する。同図では理解を容易にするため積層させるポリゴンメッシュ同士の間隔を離して示しているが、実際にはポリゴンメッシュを導入しない場合と同様に近接させる。
このように、ポリゴンメッシュによりスライス画像自体に凹凸を形成することにより、例えば航空写真において建物や樹木などによる細かい凹凸はスライス画像の積層化によって、山や谷など大面積の凹凸はスライス画像自体の凹凸によって表現できる。輝度によってスライス平面を設定する場合、山地など全体的に輝度が低い領域は高層のスライス画像にその領域が残りにくく、結果として表示画像において低く表現されてしまう可能性がある。ポリゴンメッシュを導入することにより、このように立体的に表現されるべき領域が不自然に平らになるのを防ぐことができる。
なおこの態様においては、スライス画像生成部26がポリゴンメッシュにスライス画像を貼り付けたものを最終的なスライス画像としてスライス画像データ記憶部28に格納する。あるいはスライス画像データ記憶部28には平らなスライス画像のデータとともにポリゴンメッシュの形状に係る情報のみを格納しておき、画像描画部34が描画段階で貼り付けるようにしてもよい。
図17は、図12の原画像100を用いて視点を変化させる画像表示を行ったときの、スライス画像の導入、ポリゴンメッシュの導入による効果を表示画像の比較によって示している。表示画像124は原画像100のみをポリゴンメッシュを導入せずに描画した場合、表示画像125はスライス画像を積層させてポリゴンメッシュを導入せずに描画した場合、表示画像126は原画像100のみをポリゴンメッシュを導入して描画した場合、表示画像128はスライス画像を積層させてポリゴンメッシュを導入して描画した場合、の表示画像である。なお表示画像125は図12で示した表示画像104の積層間隔を調整した画像である。
スライス画像もポリゴンメッシュも導入しない表示画像124と比較し、表示画像125は、スライス画像を導入することにより表面の起毛の風合いをより表現できている。さらにポリゴンメッシュを導入した表示画像128は、起毛の細かい凹凸と同時に、全体的なうねりとを同時に表現できている。スライス画像を導入せずにポリゴンメッシュのみを導入した表示画像126と比較しても、表面の質感がより立体的に表現されていることがわかる。
上述のように航空写真などでは特に、山や市街地など特性の異なる対象が混在することによって、1つの画像内でも輝度が全体的に大きい領域、小さい領域など、領域によって輝度特性にばらつきが生じる場合がある。このとき画像内で輝度のしきい値を共通とすると、輝度の小さい領域は、明らかに高度が大きい場合でも平たく表現されてしまいやすい。逆に輝度が大きい領域は高度が小さくも立体的に表現されてしまいやすい。この問題を克服するもう一つの手法として、しきい値を領域ごとに変化させることが考えられる。
図18は領域ごとに輝度のしきい値を変化させる手法を説明するための図である。同図に示すように原画像130をブロック分割し、ブロックごとに輝度を集計することにより得られた輝度分布帯域132を、ブロックA、B、C、D、E、Fについて太線で表している。このような輝度分布帯域132のそれぞれに対し、個別にしきい値134を設定する。このようにすると、領域によって輝度の絶対値に偏りがあっても、その偏りによって高度が表現されてしまうのを防ぐことができる。また輝度の変化の大きい領域の存在によって輝度の小さい領域の輝度変化が吸収され、スライス画像に反映されなくなったり、輝度の大きい領域の高さが不自然に増大したりするのを防ぐことができる。
図18の例では、各ブロックの輝度の帯域を均等に分割してそれぞれのしきい値134を設定しているが、それに限定する主旨ではない。例えばブロックごとに輝度の標準偏差を算出し、図11で説明したように、輝度の平均値の近傍に集中的にしきい値を設定してもよい。また原画像のブロック分割は均等でなくてもよい。
このようにブロックごとにしきい値を設定したら、ブロック内の各画素の輝度をしきい値判定し、色情報を残す領域と透明化する領域を決定する。そして最も下のしきい値による各ブロックの画像、その上のしきい値による各ブロックの画像、・・・・をそれぞれつなげて、しきい値の順番ごとにスライス画像を完成させる。なおつなげた結果生成されたスライス画像においてブロックの境界が視認されないように、ブロック間でしきい値を補間して滑らかに変化させるようにしてもよい。例えばブロックの中央におけるしきい値を、当該ブロックで輝度を集計した結果定めたしきい値とし、それを補間して点線136で示すような、位置に対して連続的に変化するしきい値を設定する。この場合の補間は、実際には画像平面の2次元空間に対して行う。
しきい値を位置によって変化させるのと同時に、スライス画像の積層間隔も位置によって変化させてもよい。例えば山など輝度の変化が乏しいが高度が大きい領域と、市街地など輝度の変化が大きいが高度が山ほど大きくない領域とが混在している場合、輝度の分散が小さい領域ほど積層させる間隔を大きくすると、市街地と山の起伏の大きさの差を演出できる。図18にはそのような設定をした場合のスライス画像の間隔の位置に対する変化138を、輝度分布に対応させて示している。あるいは逆に、輝度の分散が大きい領域ほど積層させる際の間隔を大きくするようにしてもよい。
上述のような輝度と高度の対応関係を画像から定性的に取得し、それに応じた規則で、積層間隔を輝度分布の分散などと連動させて調整することにより、最終的に表示する画像の精度を高めることができる。なお位置によって輝度に対するしきい値の設定を変化させる手法と、ポリゴンメッシュによってスライス画像自体に凹凸を与える手法とは独立に導入可能であるが、それらを組み合わせて適用してもよい。スライス画像の間隔を位置によって変化させる手法をさらに組み合わせてもよい。
またスライス画像の積層間隔は、輝度の分散以外の情報に基づいて調整してもよい。例えば航空写真に対応づけて道路や海岸など場所の種類を特定できる地図などの情報が得られる場合、当該道路や海岸などベースとなる地面からの高度差が小さいことが明らかな領域についてはスライス画像の積層間隔を小さくする。逆に山など高度が大きいことが明かな領域については積層間隔を大きくする。一旦設定した積層間隔で表示を行い、それを見ながらユーザが調整できるようにしてもよい。
また原画像およびスライス画像のデータセットと、積層間隔を画像平面における位置と対応づけたデータとをまとめて画像データとし、図5の表示処理部30の機能のみを有する装置で表示するようにしてもよい。あるいは原画像のデータと、それからスライス画像を生成、表示するのに必要な条件、すなわちスライス画像の枚数、積層間隔、具体的なしきい値、ポリゴンメッシュの形状、ブロック分割する際のブロックサイズ、分散と積層間隔との対応関係、などの少なくともいずれかを示したデータとをまとめて画像データとし、画像処理装置10で表示するようにしてもよい。
図19は本実施の形態における画像処理装置の別の構成例を示している。図5に示す画像処理装置10では、スライス画像のセットを生成する画像データ生成部20と、スライス画像を利用して立体感のある画像を描画する表示処理部30からなる構成としていたが、図19の画像処理装置210は、立体感のある画像を描画する際にスライス画像のセットを生成する。画像処理装置210は、ユーザから画像データの生成指示、画像の表示指示を取得する入力受付部212、画像を表示する表示部214、処理対象の原画像のデータを取得する画像データ取得部224、原画像のデータを記憶した原画像データ記憶部222、描画に必要な画像のデータを逐次格納する描画用メモリ232、スライス画像のデータを用いて立体感のある画像を描画する画像描画部234を含む。
入力受付部212、表示部214、原画像データ記憶部222は、図5における入力受付部12、表示部14、原画像データ記憶部22と同様の機能を有する。画像データ取得部224は、入力受付部212が受け付けたユーザからの指示に従い、原画像データ記憶部222から原画像のデータや高度情報のデータを取得する。カメラなどの画像入力装置やサーバから直接、データを取得してもよい。そして画像データ取得部224は、取得したデータを描画用メモリ232に直接、供給する。
画像描画部234は内部にスライス画像生成部226を含む。そして入力受付部212が受け付けた、表示の開始、視点の移動などの指示入力を取得すると、描画用メモリ232から表示対象の原画像のデータや高度情報のデータを読み出し、スライス画像生成部226においてスライス画像を生成する。実際の処理は図5のスライス画像生成部26が行う処理と同じである。画像描画部234は、内部のスライス画像生成部226が生成したスライス画像を視点から遠い順にスクリーン座標へ投影していくことにより重ね合わせて表示画像を描画する。
例えばカメラから入力した画像をリアルタイムで立体的に表示するといった場合、このようにスライス画像(アルファ値の画像)の生成処理と描画処理を一体化させて並行に実施することにより、より応答性のよい表示を実現させることができる。このような場合、図13のS24においてアルファ値の画像を平滑化する際にガウシアンフィルタを用いると、アルファ値の画像を一旦、メモリ上に展開する時間が必要となる。そこで上述のように、スライス画像を生成するための輝度のしきい値と実際の各画素の輝度との差によってアルファ値を補間するようにすると、画素ごとにアルファ値を決定することができるため、描画との並行処理効率が上がり、応答性に対し有効である。
図20はスライス画像を生成するための輝度のしきい値と実際の各画素の輝度との差によってアルファ値を補間する手法を説明するための図である。同図において横軸は画素の輝度、縦軸は決定するアルファ値を示している。あるスライス画像を生成するために設定された輝度のしきい値をTh(x)、その一つ下のしきい値をTh(x−1)とする。このとき同図に示すように、しきい値Th(x)以上の輝度を有する画素のアルファ値を1とする。そして1つ下のしきい値Th(x−1)以下の輝度を有する画素のアルファ値を0とする。Th(x−1)からTh(x)までの輝度を有する画素については、図のように輝度の大きさに応じて0から1まで変化するようにアルファ値を決定する。なお同図では輝度に対しアルファ値が直線で変化するように補間しているが、それに限る主旨ではなく、既存の補間手法のいずれを適用してもよい。
なおこの例では輝度に応じてアルファ値、およびその補間値を画素ごとに定めたが、対象物の高度情報が得られている場合は、輝度に替えて対象物の高度に応じてアルファ値を定めてもよい。つまりあるスライス画像に対し設定された高度のしきい値以上の高度を有する領域のアルファ値を1とし、その1つ下のしきい値以下の高度を有する領域のアルファ値を0とする。そしてその間の高度を有する領域については、高度の大きさに応じて0から1まで変化するようにアルファ値を決定する。
図20に示すようなアルファ値の補間を行うか否かに関わらず、これまで述べた態様では、スライス画像ごとに設定したしきい値以上の輝度を有する画素のアルファ値を1なる固定値としたが、それ以外の値としてもよい。つまり最大のアルファ値を、全てのスライス画像で1より小さい値としてもよいし、スライス画像ごとに変化させてもよい。図21は最大アルファ値を1で固定した場合とスライス画像ごとに変化させた場合の、スライス画像のアルファ値の分布を模式的に示している。
図の示し方は図10と同様であり、下段左側は図10と同様、しきい値以上の輝度を有する画素のアルファ値、すなわちアルファ値の最大値を1.0とした場合を示している。スライス画像64、66、68のアルファ値の分布が、分布250a、252a、254aである。これに対し下段右側は、アルファ値の最大値を、上層のスライス画像ほど小さくさせた場合を示しており、スライス画像64、66、68のアルファ値の分布が、分布250b、252b、254bである。
この例では、最下層のスライス画像68の最大アルファ値を1.0、2番目のスライス画像66の最大アルファ値を0.5、最上層のスライス画像64の最大アルファ値を0.3、としている。このように上層のスライス画像ほどアルファ値の最大値を小さくすると、対象物の上部ほど下層のスライス画像と融合した状態の画像となり、元の画像によっては、積層させた画像を描画したときに不自然な突出や不連続部分が表れにくくなる。結果として曲面の輪郭部分の画質を改善できる。
図22は図21で比較した最大アルファ値の2種類の設定規則によって実際に得られる表示画像を比較している。画像260a、262aは、犬のぬいぐるみの原画像から生成したスライス画像を用いて表示される画像であり、画像260aはアルファ値の最大値を全てのスライス画像で1.0とした場合、画像262aは上層のスライス画像ほどアルファ値の最大値を小さくした場合である。また各画像の一部の拡大画像260b、262bも示している。アルファ値の最大値を全て1.0とした画像260a、260bでは、ぬいぐるみ表面の毛羽立ちが顕著に表れ、特に輪郭部分ではギザギザした形状となっている。一方、アルファ値の最大値を変化させた画像262a、262bでは、表面の柔らかい質感が表現され、輪郭部分についてもリアルな印象を与える画像が得られている。
なおスライス画像ごとに最大アルファ値を変化させる場合、図21で示した数値はあくまで例示であり、スライス画像の位置に対し最大アルファ値が変化するようにあらかじめ規則を決定しておけば、具体的な数値や変化の仕方は限定されない。例えば図21のように上層になるほど最大アルファ値を小さくする場合のほか、上層になるほど最大アルファ値を大きくしてもよいし、中間の所定の位置で極大値、あるいは極小値が得られるように最大アルファ値を変化させてもよい。このような規則は、原画像の性質などに応じて適応的に変化させてもよい。
以上述べた本実施の形態によれば、2次元平面に表現された原画像に凹凸を想定したときのスライス平面を直接的、または間接的に設定し、当該スライス平面に残る領域を特定してその他の領域を透明化したスライス画像を生成する。そしてスライス画像を原画像の上に所定の間隔で積層させてなる3次元オブジェクトを視点に応じて描画することにより、2次元画像に立体感を与えた画像を表示する。このようにすることで、直上以外に視点を移動させても、自然な変化で立体的な表示が実現できる。
スライス平面の設定には、原画像に対応づけられた高度情報が存在すればそれを利用する。一方、輝度など原画像自体が保持する情報を高度の代替パラメータとして利用し、それに対してしきい値を設定することにより、間接的にスライス平面を設定してもよい。これにより、2次元の原画像のみから立体的な画像を生成でき、3次元モデルの描画に必要な各種データを準備する必要がなくなる。また写真や手書きの絵など、既存の各種画像にも容易に適用できる。さらに複数のスライス画像の重ね合わせによって表示できるため、表示処理の負荷も抑えられる。
輝度に対ししきい値を設定する際は、画像全体、あるいは画像を分割してなるブロックごとに取得した輝度の分散に基づき、しきい値の分布を決定する。これにより、個々の画像や画像内の領域ごとの特性を考慮してスライス画像を最適化できる。結果として、各スライス画像に多くの情報を与えることができ、情報の保持効率がよい。輝度によってスライス画像を生成する場合は特に、画素単位で高さの変化を表現できるため、毛など繊細な凹凸をより臨場感をもって表現できる。さらにポリゴンメッシュでスライス画像自体に凹凸を与えると、全体的な起伏をも表現することができ、凹凸のスケールによらず立体表現が可能となる。またスライス画像の積層間隔を画像内の位置に応じて変化させることにより、立体的にすべき領域と平面的にすべき領域を調整することが可能となり、表示精度をさらに向上させることができる。
実施の形態2
実施の形態1では、原画像からスライス画像を生成し、それを3次元空間で積層させた状態をスクリーンに投影することによって、対象物に立体感を与えた。本実施の形態では、類似の手法で生成した画像を2次元平面上でずらして描画することにより、原画像中の図形や文字を加工する。具体的には、加工対象となる図形や文字の部分のアルファ値を1、その他の領域のアルファ値を0とすることで、当該図形や文字以外の領域が透明化された画像を生成する。
そして原画像上に、生成した画像を所定の微少量、ずらした位置で重ねて描画することにより、文字や線の幅を太くしたり図形の面積を広げたりする。すなわち文字、線、図形を構成する画素の領域を拡張する。以後、この処理を総称して「太線化」と呼ぶが、単に線幅を太くするのみならず、図形の面積を広げる場合も含まれるものとする。また、上記のようにアルファ値を設定した画像を「重畳画像」としてスライス画像と区別する。
図23は本実施の形態における画像処理装置の構成を示している。画像処理装置310は、ユーザからの画像表示に係る指示入力を受け付ける入力受付部312、画像を表示する表示部314、原画像のデータを記憶した原画像データ記憶部322、表示対象の原画像のデータを取得する画像データ取得部324、表示画像の生成に必要な画像のデータを格納する描画用メモリ332、表示画像を生成する表示処理部330を含む。なお実施の形態1と同様、画像処理装置10には、ゲーム、コンテンツ表示、各種情報処理の機能などをさらに含めてよい。
入力受付部312は、表示の開始、表示対象の画像や情報の指定、表示条件の指定などの指示入力をユーザより受け付け、画像データ取得部324、表示処理部330へ通知する。ここで表示条件の指定とは、画面スクロールやページめくりなど一般的な情報処理装置で表示画像に対しなされる操作と、太線化の実施指示、太線化の対象とする領域や図形、文字などの指定を含む。入力受付部12はマウス、キーボード、コントローラ、ジョイスティックなど一般的な入力装置のいずれかでよく、表示部14の画面に搭載したタッチパネルなどでもよい。表示部14は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなど単体で画像を表示する表示装置でもよいし、画像を投影するプロジェクターとスクリーンとの組み合わせなどでもよい。
原画像データ記憶部322には、原画像のデータが記憶される。ただし実施の形態1と同様、原画像のデータは、ネットワークを介して接続したサーバや、カメラなどの画像入力装置(いずれも図示せず)など、外部の機器から取得してもよい。画像データ取得部324は、入力受付部312が受け付けたユーザからの指示に従い、表示対象の原画像のデータを、原画像データ記憶部322、カメラなどの画像入力装置、サーバなどから取得し、描画用メモリ332に格納する。
表示処理部330は、表示部314に表示させる表示画像を描画する画像描画部334と、原画像のデータから重畳画像を生成する重畳画像生成部326とを含む。画像描画部334は基本的に、一般的な情報処理装置においてなされるのと同様に表示画像を生成する。例えば描画用メモリ332に格納された圧縮符号化された画像データを復号する。あるいはウェブページなどマークアップ言語で記述されたデータを解釈してベクトル画像を生成し、ラスタライズする。また図示しない機能ブロックが行ったゲームや各種情報処理の結果を表す画像のデータを、当該機能ブロックからの要求に従って生成してもよい。以後、このようにして生成した一般的な画像を「ベース画像」と呼ぶ。なお元の画像のデータ形式によらず、ベース画像はラスタ画像として生成する。
生成したベース画像のデータは描画用メモリ332に展開しておく。そして表示処理部330はさらに、当該ベース画像上に、重畳画像生成部326が生成した重畳画像を所定の微少量、位置をずらして重ねて描画する。このとき1回のみ描画してもよいし、ずらし量や位置を変化させながら複数回、描画してもよい。
重畳画像生成部326は、画像描画部334が生成したベース画像を用いて重畳画像を生成する。重畳画像は上述の通り、太線化対象の図形や文字以外の領域を透明化した画像である。ただし重畳画像生成部326は、重畳画像のうちアルファ成分のみを有するアルファ画像のデータを生成してもよい。この場合、画像描画部334が、重畳画像をベース画像上に描画する段階で、当該アルファ画像が表す各画素のアルファ値をベース画像のRGB値に組み合わせることにより、実質的に重畳画像を完成させてもよい。重畳画像生成部326が生成した画像のデータも、描画用メモリ332に格納することにより、画像描画部334が利用できるようにする。
図24は、表示処理部330により生成される画像の変遷例を示している。まず画像350は、画像描画部334が生成するベース画像である。この例では、白い背景に黒い文字「A」が表されている。このような画像において文字「A」を太線化対象とした場合を考える。このとき重畳画像生成部326は、ベース画像350に基づき重畳画像のアルファ値を画素ごとに決定する(S70)。同図では決定したアルファ値を画像として表したアルファ画像352を示している。この例では文字の部分のアルファ値を1、文字以外の領域、すなわち白い背景の領域のアルファ値を0とするため、アルファ画像352は、図示するように文字の部分が白、背景が黒となる。
このようなアルファ画像を生成するためには、例えばベース画像のi番目の画素の輝度をY(0≦Y≦1)としたとき、次のような式によりアルファ値αを画素ごとに求めることができる。
α=1.0−Y(式1)
つまり白い背景内の画素であればY=1.0であるためα=0、黒い文字内の画素であればY=0であるためα=1となる。各画素の輝度Yはベース画像350から求める。
ベース画像350がRGB画像であれば、各画素値の正規化した要素をR(0≦R≦1)、G(0≦G≦1)、B(0≦B≦1)として、次の式により輝度Yを求める。
i=(R+G+B)/3 (式2)
式2において各要素に重み付けを行ってもよい。ただし文字など太線化対象の輪郭をはっきりさせるためには、アルファ値は基本的には太線化対象の部分を1.0、それ以外を0、の2値とすることが望ましい。そこでYにしきい値を設けたうえ、輝度Yが0<Y<1の値をとる画素についてはしきい値判定を行い、Yが0に近い画素のアルファ値を1.0、それ以外の画素のアルファ値を0としてもよい。
画像描画部334は、アルファ画像352をベース画像350のアルファ成分とした重畳画像を、ベース画像350上に重ねて描画する(S72a、S72b)。このとき、ベース画像から所定の微少量Δだけずらして描画することにより、画像354のように、文字「A」の線幅が太くなった画像が得られる。すなわち文字以外の領域を透明とした重畳画像により、重ねて描画しても、ずらし幅Δの分だけベース画像の文字が残って見えるため、結果として文字の線幅が太くなる。なお同図においてベース画像350の端は点線、重畳画像の端は実線で表している。
画像描画部334は、画像354上にさらに重畳画像を重ねて描画してもよい(S74a、S74b)。このとき、前回、重畳画像を描画した位置からさらに微少量Δだけずらして描画することにより、文字「A」の線幅がさらに太くなった画像356が得られる。同図においてベース画像350と、1つ前に描画した重畳画像の端を点線、最後に描画した重畳画像の端を実線で表している。
図24の例では、図の横方向のみに画像をずらすことにより、文字の線の横幅のみが太くなったが、ずらす方向はこれに限らない。例えば全方位に均等にずらすことにより、全ての方向で幅を太くすることもできる。縦方向のみにずらして縦の幅のみを太くしてもよい。このようなずらし方向や、重ねて描画する回数、1回の描画におけるずらし幅Δは、太線化対象の図形や文字の大きさ、種類、元の線幅、装置の処理能力、ディスプレイの解像度等に鑑み、適宜最適値を決定する。あらかじめそれらのパラメータの対応関係を設定しておき、表示段階で適宜選択するようにしてもよい。
図25は、重畳画像のずらし幅について説明するための図である。同図では、網掛けされた角の丸い四角形360を太線化対象とし、それに重畳画像を複数回、重ねて描画することにより、縦幅、横幅とも太くすることを想定している。同図では元の四角形360と区別するために、複数回の描画で描かれる、各重畳画像中の四角形362については輪郭線のみを細線で表している。実際はその内部の領域を、元の四角形360と同じ色とすることにより、描画終了時は、四角形全体を太く(大きく)することができる。
画像描画部334にはあらかじめ、横方向(X方向)、縦方向(Y方向)に、元の図形に対する最大ずらし幅(Xmax,Ymax)を設定しておく。最大ずらし幅は図形や文字によらず一定としてもよいし、それらの属性、例えば文字のフォント、線や図形の種類などによって変化させてもよい。例えば文字に含まれる横線が縦線より細い特徴を有するフォントの場合、縦方向の最大ずらし幅を横方向の最大ずらし幅より大きく設定することにより、横線をより太くすることができる。いずれかの方向の最大ずらし幅を0とすれば、図24の例のように一方向のみで線幅を太くすることもできる。
また文字の場合は特に、線で囲まれた中空部分が塗りつぶされて判読しにくくなることがないように最大ずらし幅を設定することが望ましい。そこで、元の文字のサイズに対する最大ずらし幅の割合を設定しておき、実際の文字のサイズに応じて最大ずらし幅の絶対値を決定してもよい。図形であっても同様である。このように最大ずらし幅を決定したら、重畳画像の描画ごとのずらし幅(W,W)を、0<|W|≦Xmax、0<|W|≦Ymaxの範囲内で決定する。例えばその範囲内の乱数を描画回数分、発生させて決定する。あるいは各ずらし幅を等間隔としたり、ずらし幅が小さいほど、あるいは大きいほど、描画回数が多くなるようにするなど、所定の規則に従って決定してもよい。このような規則も、図形や文字の属性などによって切り替えてもよい。
図26は、表示部314に表示される画面例を示している。図の左側は重畳画像を描画していないベース画像370であり、駅の時刻表や電車の運行情報を示すウェブページを表している。図の右側は、重畳画像を重ねて描画した後の表示画像372であり、ベース画像370と比較すると、重畳画像を描画することにより、時刻表の本体である数字の線が太くなっていることがわかる。またこの例では、当該数字以外の文字には変化がない。このように、一つの画像内で加工する領域と加工しない領域を混在させてもよい。
例えばユーザが範囲を指定した領域のみを太線化してもよいし、表示する記事の項目ごとなどであらかじめ画像の領域を区切っておき、ユーザが選択した項目を太線化対象としてもよい。この場合、画像の区画情報を画像データに付加しておく。そして重畳画像生成部326は、ベース画像からユーザが選択した領域のみを切り出したうえで重畳画像を生成し、ベース画像上の切り出し元の領域から微少量ずらした位置に重畳画像を描画する。図26の場合、ベース画像370のうち時刻表本体を表す領域374のみが選択された結果、表示画像372において領域376内の数字のみが太線化されている。
また図形や文字の色によって太線化対象を決定することもできる。例えば赤い文字のみを太線化対象とする場合、画素値のRGB成分のうち、R成分が大きくその他の成分が0に近い画素のアルファ値を1とし、それ以外の画素のアルファ値を0とする重畳画像を生成すればよい。アルファ値を1とする画素、すなわち太線化対象の図形や文字を表す画素を色によって抽出する手法は様々考えられる。例えば画素値のRGB成分のそれぞれにしきい値を設けてもよいし、色空間に抽出条件とする領域を設定してもよい。
また、ウェブページや電子書籍など、背景と、その上に記載された文字や図形とを主たる構成要素とするコンテンツの場合は、色に基づき背景を構成する画素を抽出し、それ以外の画素は太線化対象の文字や図形を構成していると推定してもよい。例えば画像内の色分布を表すカラーヒストグラムを作成し、最も画素数の多い色を背景色として特定する。そして背景色を有する画素のアルファ値を0、それ以外の画素のアルファ値を1として重畳画像を生成する。このようにすることで色を限定することなく、図形や文字のみを太線化することができる。背景や文字の色情報を画像データに付加しておくことにより、各色によってアルファ値を決定してもよい。ウェブページなど元の情報がマークアップ言語で記述されている場合は、そこから背景や文字の色情報を読み出してもよい。
次に、これまで述べた構成によって実現される動作を説明する。図27は本実施形態で画像処理装置が行う画像表示の処理手順を示すフローチャートである。まずユーザによる画像データの指定などに従い、画像データ取得部324は、表示対象の原画像のデータを原画像データ記憶部322などから取得する(S80)。この処理には、ユーザが指定したURLに対応するウェブページのデータをネットワークを介して取得する処理、文書作成などのアプリケーションに対しユーザが行った入力を反映させた文書の基礎データを作成する処理など、一般的な情報処理のうち表示画像の生成に必要な情報を取得、生成する処理を適宜含んでよい。取得したデータは描画用メモリ332に格納する。
次に表示処理部330の画像描画部334は、描画用メモリ332に格納されたデータを用いてベース画像を描画する(S82)。上述のように、この処理は一般的な画像描画処理と同様でよい。ユーザが指示したときのみ太線化を行う場合は、まずこのベース画像を表示部314に表示させる(S84のN、S90)。最初から太線化を行う設定となっている場合、あるいは、ユーザが表示画像を見たうえで太線化を指示したり、その領域を指定したりして太線化の必要が生じた場合(S84のY)、重畳画像生成部326は、まず太線化対象の領域や、色などの属性を特定する(S84)。
太線化対象の領域や属性は上述のように、ユーザが指定してもよいし、画像データの付加データとしてあらかじめ設定しておいてもよい。そして重畳画像生成部326は、必要に応じてベース画像から、特定した領域を切り出したうえ、重畳画像、あるいはそのアルファ成分のみを表すアルファ画像を生成する(S86)。続いて画像描画部334は、重畳画像生成部326の生成データを取得し、ベース画像上に重畳画像をずらしながら重ねて描画する処理を、設定された回数だけ繰り返す(S88)。ずらし幅は上述のように、描画する都度変化させる。
最終の描画が完了したら、画像描画部334が描画後の画像データを表示部314に出力することにより、太線化された表示画像が表示される(S90)。ユーザからの新たな画像表示指示が入力される都度、S80からS90の処理を繰り返すことにより、必要に応じて必要な部分が太く表示される画像を表示できる。
以上述べた本実施の形態によれば、表示対象の画像のうち太く、あるいは大きくしたい図形や文字の部分のアルファ値を1、それ以外の領域のアルファ値を0とする重畳画像を生成し、元の画像上に微少量ずらしながら重ねて描画し表示する。これにより、少ない処理の負荷で所望の図形や文字を容易に太く、あるいは大きくすることができる。
元のデータがウェブページなどのベクトル画像であった場合、ユーザの操作に応じて、ベクトル画像の段階で文字のフォントを変化させたり太文字化させたりするのが一般的である。しかしこのようにすると、元々一行を構成していた文字が画面の1行分の幅に収まりきらなくなり、装置の自動調整により途中で改行、改ページがなされたりすることが考えられる。例えば図26の時刻表の場合、フォントの変更などにより、各時間帯の時刻を表す数列が囲み線の幅に収まらず改行されてしまうと、個々の文字は見やすくなっても、時刻表の情報として把握しづらくなってしまう。また本来のページデザインが損なわれてしまうことも考えられる。特に電子書籍などページ内での文章の配分にも意味があるようなコンテンツを表示する場合は、フォントの変更による改行、改ページは望ましくない。
本実施の形態では、文字の割り付けを変化させることなく、線自体を太くすることが可能であるため、上記のような不具合が生じない。また文字の種類によらず、また文字ばかりでなく線や図形も太くすることができる。さらに重畳画像において、太線化対象の図形や文字の部分はそのまま残し、その他の領域は透明化するため、当該図形や文字の輪郭線がはっきりしている。したがってそれをベース画像に重ねて描画しても、描画回数によらず、輪郭線は常にはっきりした状態となり、表示画像における図形や文字が見やすくなる。また斜めの線で問題となりやすいシャギーの凹みを重畳画像によって埋めることができるため、アンチエイリアシングの効果も得られる。なおアンチエイリアシングを目的とする場合は、重畳画像のアルファ値を1または0に限定せず中間値を使用しより滑らかな輪郭が得られるようにしてもよい。
さらに最大ずらし量や描画回数を調整することにより、太さや輪郭の滑らかさを調整できる。また領域や属性を限定して所望の対象のみを太線化できる。結果として、ユーザや、画像作成者の要望を反映した臨機応変な加工が可能である。また重ねて描画する処理は、一般的な情報処理装置に搭載されるGPUにおけるレンダリング機能を利用して実現可能であるため、CPUなどその他のモジュールの負荷が増大することがない。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 画像処理装置、 12 入力受付部、 14 表示部、 20 画像データ生成部、 22 原画像データ記憶部、 24 画像データ取得部、 26 スライス画像生成部、 28 スライス画像データ記憶部、 30 表示処理部、 32 描画用メモリ、 34 画像描画部、 210 画像処理装置、 212 入力受付部、 214 表示部、 222 原画像データ記憶部、 224 画像データ取得部、 226 スライス画像生成部、 232 描画用メモリ、 234 画像描画部、 310 画像処理装置、 312 入力受付部、 314 表示部、 322 原画像データ記憶部、 324 画像データ取得部、 326 重畳画像生成部、 330 表示処理部、 334 画像描画部。
以上のように本発明はコンピュータ、画像処理装置、画像表示装置、情報端末、ゲーム機などの情報処理装置に利用可能である。

Claims (24)

  1. 入力された2次元の原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化させる情報を生成する透明化情報生成部と、
    3次元空間において前記原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させたスライス画像を、対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示する画像描画部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記透明化情報生成部は、原画像から画素単位で得られる所定のパラメータにしきい値を設定することにより、間接的に前記スライス平面を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記透明化情報生成部は、原画像の画素ごとの輝度にしきい値を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記透明化情報生成部は、前記所定のパラメータを集計し、統計処理した結果に対応させて、前記しきい値の分布を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記透明化情報生成部は、原画像を複数のブロックに分割したうえで、当該ブロックごとに前記所定のパラメータを集計して統計処理し、その結果に対応するように、設定する前記しきい値を画像平面における位置によって変化させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記画像描画部は、前記統計処理した結果に対応するように、前記スライス画像を積層させる間隔を画像平面における位置によって変化させることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像描画部は、原画像に対応づけて得られた高度分布の情報に基づき凹凸を設けて生成したポリゴンメッシュに前記スライス画像を展開したうえで積層させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記透明化情報生成部は前記透明化させる情報において、前記高さに対し設定したスライス平面に到達している領域と、それ以外の領域との境界に境界領域を設け、当該境界領域において透明度が補間されるように変化させる情報を含めることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記透明化情報生成部は、前記高さに対し設定したスライス平面に到達している領域の透明度を、当該高さに応じて変化させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 2次元の原画像のデータと、当該原画像において、表されている対象物の画像平面からの高さに対し設定されたスライス平面に到達している領域以外の領域を透明化したスライス画像のデータと、からなる画像データを記憶した記憶部と、
    前記記憶部から前記原画像のデータおよび前記スライス画像のデータを読み出し、3次元空間において前記原画像上に、前記スライス画像を対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示する画像描画部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  11. 2次元の原画像を取得する画像データ取得部と、
    前記原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化したスライス画像であり、3次元空間において前記原画像上に、対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させ、視点の位置に応じて描画することにより原画像に立体感を与えた画像を表示するためのスライス画像を生成するスライス画像生成部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  12. 画像処理装置が、2次元の原画像のデータを記憶装置から読み出し、当該原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化させる情報を生成するステップと、
    3次元空間において前記原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させたスライス画像を対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示装置に表示するステップと、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  13. 入力された2次元の原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化させる情報を生成する機能と、
    3次元空間において前記原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させたスライス画像を対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示する機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  14. 入力された2次元の原画像で表されている対象物に画像平面からの高さを想定し、当該高さに対し設定したスライス平面に到達している領域を特定して、当該領域以外の領域を透明化させる情報を生成する機能と、
    3次元空間において前記原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させたスライス画像を対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトを視点の位置に応じて描画することにより、原画像に立体感を与えた画像を表示する機能と、
    をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを記録した、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体。
  15. 2次元の原画像のデータと、
    当該原画像に表されている対象物の画像平面からの高さに対し設定されたスライス平面に到達している領域以外の領域を透明化したスライス画像と、を対応づけ、
    画像処理装置において読み出され、3次元空間において前記原画像上に、前記スライス画像を対応する前記スライス平面の高さに応じて積層させてなる3次元オブジェクトが視点の位置に応じて描画されることにより、原画像に立体感を与えた画像が表示されることを特徴とする画像ファイルのデータ構造。
  16. 原画像のデータを取得し、所定の条件により抽出した画素で構成される対象領域以外の領域を透明化させる情報を生成する透明化情報生成部と、
    原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させた重畳画像を、所定のずらし量だけずらした位置に重ねて描画することにより、前記対象領域を拡張した表示画像のデータを生成し表示装置に表示させる画像描画部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  17. 前記画像描画部は、前記ずらし量を変化させながら前記重畳画像を複数回重ねて描画することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記透明化情報生成部は、原画像のうちユーザが指定した区画に対し前記透明化させる情報を生成し、
    前記画像描画部は、原画像のうちの前記区画上に、当該区画に対して生成した前記重畳画像をずらして描画することにより、当該区画内の前記対象領域を拡張した表示画像のデータを生成することを特徴とする請求項16または17に記載の画像処理装置。
  19. 前記透明化情報生成部は、各画素の画素値と、当該画素値に設定されたしきい値との大きさの比較によって画素を抽出することを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の画像処理装置。
  20. 前記透明化情報生成部は、原画像のカラーヒストグラムにおいて最も画素数の多い色以外の色を有する画素を抽出することを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の画像処理装置。
  21. 前記画像描画部は、前記重畳画像の最大ずらし量を、原画像における前記対象領域の大きさに所定の比率を乗算した値とすることを特徴とする請求項16から20のいずれかに記載の画像処理装置。
  22. 画像処理装置が、原画像のデータを記憶装置から読み出し、所定の条件により抽出した対象領域以外の領域を透明化させる情報を生成するステップと、
    原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させた重畳画像を、所定のずらし量だけずらした位置に重ねて描画することにより、前記対象領域を拡張した表示画像のデータを生成し表示装置に表示させるステップと、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  23. 原画像のデータを取得し、所定の条件により抽出した対象領域以外の領域を透明化させる情報を生成する機能と、
    原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させた重畳画像を、所定のずらし量だけずらした位置に重ねて描画することにより、前記対象領域を拡張した表示画像のデータを生成し表示装置に表示させる機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  24. 原画像のデータを取得し、所定の条件により抽出した対象領域以外の領域を透明化させる情報を生成する機能と、
    原画像上に、前記透明化させる情報を用いて原画像の一部を透明化させた重畳画像を、所定のずらし量だけずらした位置に重ねて描画することにより、前記対象領域を拡張した表示画像のデータを生成し表示装置に表示させる機能と、
    をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを記録した、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体。
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