JPWO2014016949A1 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

(A)は、車両などの移動体の到達可能範囲を示す地図情報である。地図情報は、複数の領域に分割されている。塗りつぶされている領域は、移動体の到達可能範囲を示す。(A)では、移動体の到達可能範囲を示す3個の連結領域群が存在する。(B)は、各連結領域群にラベル番号が付与された状態を示す。(C)は、自車位置を含む連結領域群以外の連結領域群から所定面積以下の連結領域群を削除した状態を示す。(D)は、非移動推奨地点をプロットした状態を示す。非移動推奨地点とは、移動体の移動を推奨しない地点であり、たとえば、フェリー航路の端点を示すノードや渋滞発生地点を示すノードである。(E)は、非移動推奨地点を含む連結領域群を削除した状態を示す。

Description

この発明は、移動体の残存エネルギー量に基づいて移動体の到達可能範囲を生成する画像処理装置および画像処理方法に関する。ただし、この発明の利用は、画像処理装置および画像処理方法に限らない。
従来、移動体の現在地点に基づいて、移動体の到達可能範囲を生成する処理装置が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。下記特許文献1では、移動体の現在地点を中心に地図上の全方位を放射状に分割し、分割領域ごとに移動体の現在地点から最も遠い到達可能な交差点を地図情報のノードとして取得する。そして、取得した複数のノードを結んで得られるベジュ曲線を移動体の到達可能範囲として表示している。
また、移動体のバッテリー残容量および電力消費量に基づいて、各道路における移動体の現在地点からの到達可能範囲を生成する処理装置が知られている(たとえば、下記特許文献2参照。)。下記特許文献2では、移動体の現在地点に接続する複数の道路において移動体の電力消費量を算出し、移動体のバッテリー残容量および電力消費量に基づいて各道路における移動体の走行可能距離を算出する。そして、移動体の現在地点と、当該現在地点から走行可能距離だけ離れた移動体の複数の到達可能地点とを地図情報のノードとして取得し、複数のノードを結んで得られる線分の集合体を移動体の到達可能範囲として表示している。
特開平11−016094号公報 特開平07−085397号公報
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、移動体の現在地点を中心に各方位における移動体から最も遠い到達地点のみを取得しているので、移動体の到達可能範囲の輪郭しか得られない。このため、移動体の現在地点と移動体から最も遠い到達地点との間に、海や湖など移動体が走行することのできない領域が含まれていたとしても、この移動体が走行することのできない領域を除外して移動体の到達可能範囲を取得することができないという問題点が一例として挙げられる。
また、上述した特許文献2の技術では、移動体の到達可能範囲として道路のみを取得しているので、道路以外の範囲を移動体の到達可能範囲に含めることができない。また、移動体の到達可能範囲が移動体の走行可能な道路に沿った線分の集合体で表示されるので、到達可能範囲の輪郭を取得することができない。このため、移動体の到達可能範囲を見やすく、かつ漏れなく表示することが困難であるという問題点が一例として挙げられる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる画像処理装置は、地図情報上において各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出手段と、前記複数の領域群のうち前記検出手段によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更手段と、前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項14の発明にかかる画像処理装置は、地図情報上において各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出手段と、前記複数の領域群のうち前記検出手段によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更手段と、前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を示す領域群を含む地図情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項15の発明にかかる画像処理方法は、地図情報上において各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出工程と、前記複数の領域群のうち前記検出工程によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更工程と、前記変更工程による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
図1は、実施の形態1にかかる画像処理例1を示す説明図である。 図2は、実施の形態1にかかる画像処理例2を示す説明図である。 図3は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図4は、実施の形態1にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図5は、探索部403による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その1)である。 図6は、探索部403による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その2)である。 図7は、探索部403による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その3)である。 図8は、探索部403による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その4)である。 図9は、探索部403による到達可能地点探索の一例について示す説明図である。 図10は、探索部403による到達可能地点探索の別の一例について示す説明図である。 図11は、分割部404による到達可能地点を経度−緯度で示す一例の説明図である。 図12は、分割部404による到達可能地点をメッシュで示す一例の説明図である。 図13は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を示す説明図である。 図14は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を模式的に示す説明図である。 図15は、ナビゲーション装置によるオープニング処理の一例を示す説明図である。 図16は、連結判定対象領域のパターンの条件1〜4を示す説明図である。 図17は、連結判定対象領域のパターンの条件5を示す説明図である。 図18は、連結判定対象領域のパターンの条件6を示す説明図である。 図19は、連結判定対象領域のパターンの条件7を示す説明図である。 図20は、連結判定対象領域のパターンの条件8を示す説明図である。 図21は、ラベル番号付与前後の地図情報を示す説明図である。 図22は、ルックアップテーブルの一例を示す説明図である。 図23は、ルックアップテーブルTの変化内容1を示す説明図である。 図24は、ルックアップテーブルTの変化内容2を示す説明図である。 図25は、ルックアップテーブルTの変化内容3を示す説明図である。 図26は、ルックアップテーブルTの変化内容4を示す説明図である。 図27は、ルックアップテーブルTの変化内容5を示す説明図である。 図28は、ルックアップテーブルTの変化内容6を示す説明図である。 図29は、ルックアップテーブルTの変化内容7を示す説明図である。 図30は、ルックアップテーブルTの変化内容8を示す説明図である。 図31は、表示制御部410による車両の到達可能範囲抽出の一例を模式的に示す説明図である。 図32は、表示制御部410による車両の到達可能範囲抽出後のメッシュの一例を模式的に示す説明図である。 図33は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出の別の一例について模式的に示す説明図である。 図34は、ナビゲーション装置による画像処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図35は、ナビゲーション装置300による推定消費電力量算出処理(ステップS3402)の手順の一例を示すフローチャートである。 図36は、ナビゲーション装置300による探索処理(ステップS3403)の手順を示すフローチャート(その1)である。 図37は、ナビゲーション装置300による探索処理(ステップS3403)の手順を示すフローチャート(その2)である。 図38は、ナビゲーション装置300によるリンク候補判断処理(ステップS3607)の手順の一例を示すフローチャートである。 図39は、ナビゲーション装置300によるメッシュ生成処理(ステップS3404)の手順の一例を示すフローチャートである。 図40は、ナビゲーション装置300による識別情報変更処理(ステップS3406)の手順の一例を示すフローチャートである。 図41は、ナビゲーション装置300による変更処理(ステップS3406)の手順の一例を示すフローチャートである。 図42は、連結領域群分類処理(ステップS4102)の詳細な処理手順例を示すフローチャート(その1)である。 図43は、連結領域群分類処理(ステップS4102)の詳細な処理手順例を示すフローチャート(その2)である。 図44は、図43に示したラベル番号取得処理(ステップS4302)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。 図45は、図42に示したルックアップテーブル作成処理(ステップS4204)の詳細な処理手順例を示すフローチャート(その1)である。 図46は、図42に示したルックアップテーブル作成処理(ステップS4204)の詳細な処理手順例を示すフローチャート(その2)である。 図47は、図42に示したルックアップテーブル作成処理(ステップS4204)の詳細な処理手順例を示すフローチャート(その3)である。 図48は、図42に示したルックアップテーブル作成処理(ステップS4204)の詳細な処理手順例を示すフローチャート(その4)である。 図49は、図41に示した領域選択処理(ステップS4103)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。 図50は、ナビゲーション装置300による到達可能範囲輪郭抽出処理の手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図51は、ナビゲーション装置300による到達可能範囲輪郭抽出処理の手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図52は、勾配がある道路を走行する車両にかかる加速度の一例を模式的に示した説明図である。 図53は、ナビゲーション装置300による到達可能地点探索処理後の表示例の一例について示す説明図である。 図54は、ナビゲーション装置300による識別情報付与処理後の表示例の一例について示す説明図である。 図55は、ナビゲーション装置300による第1識別情報変更処理後の表示例の一例について示す説明図である。 図56は、ナビゲーション装置300によるクロージング処理(膨張)後の表示例の一例について示す説明図である。 図57は、ナビゲーション装置300によるクロージング処理(縮小)後の表示例の一例について示す説明図である。 図58は、実施の形態2にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図59は、実施の形態3にかかる画像処理システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。 図60は、画像処理装置のシステム構成の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置および画像処理方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。複数の領域に分割された地図情報に関する画像処理において、道路沿いの領域を塗りつぶす処理を実行する場合、一つの連結領域にまとめることができない場合がある。たとえば、ノードと直前のノードの距離が長すぎるため、地図情報が実際の道路形状とかけ離れていると予想されることからノード同士を連結しない場合がある。また、ノードと直前のノードの間の道路種別がフェリー航路など、連結するのにふさわしくない場合がある。また、探索処理に起因する理由によって直前のノードが存在しない、あるいはエラーが発生したために直前のノードの情報がとれなかったために、一つの連結領域にまとめることができない場合がある。したがって、道路沿いの領域を塗りつぶす処理だけでは、適切な連結領域のみを表示することはできず、不要な領域が残ったままになる可能性がある。
このため、実施の形態1では、画像処理装置は、到達可能地点を地図情報にプロットして膨張収縮処理を行うことで到達可能範囲を作成するが、その際、表示するのに不要な領域を削除する。具体的には、画像処理装置は、オープニングで削除していた領域とは別に表示するためには必要な小領域を膨張収縮後の画像にすべてプロットしておき、(領域の大きさによらず全て表示する候補としておく)ラベリング処理を活用して後で不必要な領域を選別して削除する。膨張収縮処理やラベリング処理については後述する。
膨張収縮処理では、到達可能地点が地図情報を複数の領域に分割したメッシュにプロットされ、クロージングによって複数の連結領域とした後に、ノイズとなるような小さい領域や輪郭から突き出した非常に細い線はオープニング処理で除去される。このクロージングにおける膨張収縮回数によっては、依然小さい領域が多数残った状態であるため、特に地方や山間部などでは多数の連結領域が表示されることとなり、表示すると非常に煩雑な図形が生成される。
実施の形態1では、画像処理装置は、複数に分割されてしまう到達可能範囲から表示するには不必要な領域を選別・削除して、予め決められた個数・面積・周囲長・形状を持つ領域のみ表示する。特に、画像処理装置は、自車位置を考慮した特定の領域を選別する。これにより、GPS(Global Positioning System)の誤動作や、自車位置が道路上にないことが理由で、生成したどの到達可能な連結領域内にも自車位置が存在しない場合にも、自車位置を含むと判断される領域を選別し、表示するのに不要な領域を削除することができる。
<画像処理例>
図1は、実施の形態1にかかる画像処理例1を示す説明図である。(A)は、車両などの移動体の到達可能範囲を示す地図情報である。地図情報は、複数の領域に分割されている。各領域は、例えば、1以上の画素に対応する。(A)において、塗りつぶされている領域は、移動体の到達可能範囲を示す。塗りつぶされた領域が連結しあうことで形成される領域を、連結領域群と称す。(A)では、移動体の到達可能範囲を示す3個の連結領域群が存在する。
(B)は、(A)の次状態であり、各連結領域群にラベル番号が付与された状態を示す。ここで述べるラベル番号とは後述する真のラベル番号のことを指すが、ラベル番号の付与の詳細については後述する。連結領域群R1は、ラベル番号1が付与された移動体の到達可能範囲であり、連結領域群R2は、ラベル番号2が付与された移動体の到達可能範囲であり、連結領域群R3は、ラベル番号3が付与された移動体の到達可能範囲である。図1の画像処理例1では、連結領域群R3内に移動体の位置(自車位置)が存在する。
(C)は、(B)の次状態であり、自車位置を含む連結領域群以外の連結領域群から所定面積以下の連結領域群を削除した状態を示す。連結領域群R1〜R3の面積は、構成する領域数である。連結領域R1の面積S(R1)は、S(R1)=5であり、連結領域R2の面積S(R2)は、S(R2)=6であり、連結領域R3の面積S(R3)は、S(R3)=27である。自車位置を含む連結領域群は、連結領域群R3である。所定面積を5とすると、連結領域群R1,R2のうち、5以下の面積である連結領域群R1が削除される。削除とは、背景の領域と同一色に変更することである。
(D)は、(C)の次状態であり、非移動推奨地点をプロットした状態を示す。非移動推奨地点とは、移動体の移動を推奨しない地点であり、たとえば、フェリー航路の端点を示すノードや渋滞発生地点を示すノードである。フェリー航路の場合は、地図情報に存在するため、そのまま抽出可能である。また、渋滞発生地点については、既存の渋滞予測機能により抽出可能である。(D)では、連結領域群R2に非移動推奨地点が存在する。なお、領域の形状が線状の場合は、1本の道路の連結失敗パターンであるとみなし、非移動推奨地点としてもよい。また、「県外」など特定の領域内に存在する地点についても、非移動推奨地点としてもよい。
(E)は、(D)の次状態であり、非移動推奨地点を含む連結領域群を削除した状態を示す。(E)では、非移動推奨地点を含む連結領域群R2が削除され、連結領域群R3が最終的な到達可能範囲となる。
図2は、実施の形態1にかかる画像処理例2を示す説明図である。(A)は、車両などの移動体の到達可能範囲を示す地図情報である。(B)は、(A)の次状態であり、各連結領域群にラベル番号が付与された状態を示す。ここで述べるラベル番号とは後述する真のラベル番号のことを指すが、ラベル番号の付与の詳細については後述する。連結領域群R1は、ラベル番号1が付与された移動体の到達可能範囲であり、連結領域群R2は、ラベル番号2が付与された移動体の到達可能範囲であり、連結領域群R3は、ラベル番号3が付与された移動体の到達可能範囲であり、連結領域群R4は、ラベル番号4が付与された移動体の到達可能範囲である。図2の画像処理例2では、背景に移動体の位置(自車位置)が存在する。
(C)は、(B)の次状態を示し、自車位置に最も近い連結領域群を検出した状態を示す。(C)では、自車位置に最も近い連結領域群は、連結領域群R1である。(D)は、(C)の次状態であり、自車位置に最も近い連結領域群R1以外の連結領域群から所定面積以下の連結領域群を削除した状態を示す。連結領域群R1〜R3の面積は、構成する領域数である。連結領域R1の面積S(R1)は、S(R1)=5であり、連結領域R2の面積S(R2)は、S(R2)=6であり、連結領域R3の面積S(R3)は、S(R3)=1であり、連結領域R4の面積S(R4)は、S(R4)=27である。所定面積を5とすると、連結領域群R2〜R4のうち、5以下の面積である連結領域群R3が削除される。削除とは、背景の領域と同一色に変更することである。
(E)は、(D)の次状態であり、非移動推奨地点をプロットした状態を示す。非移動推奨地点とは、移動体の移動を推奨しない地点であり、たとえば、フェリー航路の端点を示すノードや渋滞発生地点を示すノードである。フェリー航路の場合は、地図情報に存在するため、そのまま抽出可能である。また、渋滞発生地点については、既存の渋滞予測機能により抽出可能である。(E)では、連結領域群R2に非移動推奨地点が存在する。
(F)は、(E)の次状態であり、非移動推奨地点を含む連結領域群を削除した状態を示す。(F)では、非移動推奨地点を含む連結領域群R2が削除され、連結領域群R1,R4が最終的な到達可能範囲となる。
このように、実施の形態1では、表示すると見た目が煩雑になる不要な小領域がなくなるため、表示内容が分かりやすくなる。また、フェリー経由地などの非移動推奨地点を含む領域群のみを削除することができる。また、領域群をラベリングにより分類することで自車位置を含む連結領域群の面積が非常に小さい場合でも、削除することなく抽出することができる。また、自車位置を含む領域を選別することができれば、自車位置がどの領域にも存在していない場合にも対応することもできる。また、連結領域群が存在する矩形領域内のみ走査するだけで不要な連結領域群を効率よく削除することができる。
<ハードウェア構成例>
図1および図2に示した画像処理を実行する画像処理装置は、車両に搭載されるナビゲーション装置300として利用される。以下、画像処理装置の一例であるナビゲーション装置のハードウェア構成例について説明する。
図3は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301、ROM302、RAM303、磁気ディスクドライブ304、磁気ディスク305、光ディスクドライブ306、光ディスク307、音声I/F(インターフェース)308、マイク309、スピーカ310、入力デバイス311、映像I/F312、ディスプレイ313、カメラ314、通信I/F315、GPSユニット316、各種センサ317を備えている。各構成部301〜317は、バス320によってそれぞれ接続されている。
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、推定エネルギー消費量算出プログラム、到達可能地点探索プログラム、識別情報付与プログラム、地図データ表示プログラムなどのプログラムを記録している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
推定エネルギー消費量算出プログラムでは、車両の推定エネルギー消費量を算出する消費エネルギー推定式に基づいて、一のノードと隣り合うノードとを結ぶリンクにおける推定エネルギー消費量を算出する。到達可能地点探索プログラムでは、推定プログラムにおいて算出された推定エネルギー消費量に基づいて、車両の現在地点での残存エネルギー量で到達可能な複数の地点(ノード)が探索される。識別情報付与プログラムでは、探索プログラムにおいて探索された複数の到達可能地点に基づいて、地図情報を分割した複数の領域に、車両が到達可能または到達不可能であることを識別する識別情報が付与される。地図データ表示プログラムでは、識別情報付与プログラムによって識別情報が付与された複数の領域に基づいて、車両の到達可能範囲をディスプレイ313に表示させる。
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データ、車両情報、道路情報、走行履歴などが挙げられる。地図データは、カーナビゲーションシステムにおいて車両の到達可能地点を探索するときや、車両の到達可能範囲を表示するときに用いられ、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データ、道路の形状をリンクやノードなどであらわす道路形状データなどを含むベクタデータである。
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のダッシュボード部などに設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ310からは、所定の音声信号を音声I/F308内でD/A変換した音声が出力される。
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
映像I/F312は、ディスプレイ313に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ313としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
カメラ314は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ314によって車両外部を撮影し、撮影した画像をCPU301において画像解析したり、映像I/F312を介して磁気ディスク305や光ディスク307などの記録媒体に出力したりする。
通信I/F315は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300およびCPU301のインターフェースとして機能する。ネットワークとして機能する通信網には、CANやLIN(Local Interconnect Network)などの車内通信網や、公衆回線網や携帯電話網、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、LAN、WANなどがある。通信I/F315は、たとえば、公衆回線用接続モジュールやETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)ユニット、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)/ビーコンレシーバなどである。
GPSユニット316は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット316の出力情報は、後述する各種センサ317の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば、緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
各種センサ317は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ317の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
<機能的構成例>
図4は、実施の形態1にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。実施の形態1にかかる画像処理装置400は、移動体の残存エネルギー量に基づいて探索された移動体の到達可能地点に基づいて移動体の到達可能範囲を生成し表示部411に表示させる。また、画像処理装置400は、取得部401、算出部402、探索部403、分割部404、付与部405、検出部406、変更部407、特定部408、更新部409、表示制御部410によって構成される。
ここで、エネルギーとは、たとえば、EV(Electric Vehicle)車などの場合、電気などに基づくエネルギーであり、HV(Hybrid Vehicle)車、PHV(Plug−in Hybrid Vehicle)車などの場合は電気などに基づくエネルギーおよび、たとえばガソリンや軽油、ガスなどに基づくエネルギーである。また、エネルギーとは、たとえば燃料電池車の場合、電気などに基づくエネルギーおよび、たとえば水素や水素原料になる化石燃料などである(以下、EV車、HV車、PHV車、燃料電池車は単に「EV車」という)。また、エネルギーとは、たとえば、ガソリン車、ディーゼル車など(以下、単に「ガソリン車」という)の場合、たとえば、ガソリンや軽油、ガスなどに基づくエネルギーである。たとえば残存エネルギーとは、たとえば、移動体の燃料タンクやバッテリー内、高圧タンクなどに残っているエネルギーであり、後の移動体の走行に用いることのできるエネルギーである。
取得部401は、画像処理装置400を搭載した移動体の現在地点に関する情報や、移動体の現在地点において当該移動体が保有するエネルギー量である初期保有エネルギー量に関する情報を取得する。具体的には、取得部401は、たとえば、GPS衛星から受信したGPS情報などを用いて、自装置の現在位置を算出することによって現在地点に関する情報(位置情報)を取得する。
また、取得部401は、たとえば、CAN(Controller Area Network)など通信プロトコルによって動作する車内通信網を介して、エレクトロニックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)によって管理されている移動体の残存エネルギー量を、初期保有エネルギー量として取得する。
取得部401は、移動体の速度に関する情報や、渋滞情報、移動体情報を取得してもよい。移動体の速度に関する情報とは、移動体の速度、加速度である。また、取得部401は、たとえば、記憶部(不図示)に記憶された地図情報から道路に関する情報を取得してもよいし、傾斜センサなどから道路勾配などを取得してもよい。道路に関する情報とは、たとえば、道路種別や、道路勾配、路面状況などにより移動体に生じる走行抵抗である。
算出部402は、移動体が所定区間を走行する際に消費するエネルギーである推定エネルギー消費量を算出する。所定区間とは、たとえば、道路上の一の所定地点(以下、「ノード」とする)と当該一のノードに隣り合う他のノードとを結ぶ区間(以下、「リンク」とする)である。ノードとは、たとえば、交差点やスタンドであってもよいし、所定の距離で区切られたリンク間の接続地点であってもよい。ノードおよびリンクは、記憶部に記憶された地図情報を構成する。地図情報は、たとえば、交差点(点)、道路(線や曲線)、領域(面)やこれらを表示する色などを数値化したベクタデータで構成される。
具体的には、算出部402は、第一情報と、第二情報と、第三情報と、からなる消費エネルギー推定式に基づいて、所定区間における推定エネルギー消費量を推定する。より具体的には、算出部402は、移動体の速度に関する情報や移動体情報に基づいて、所定区間における推定エネルギー消費量を推定する。移動体情報とは、移動体の重量(乗車人数や積載荷物による重量も含む)、回転体の重量など、移動体走行時に消費または回収されるエネルギー量を変化させる要因となる情報である。なお、道路勾配が明らかな場合、算出部402は、さらに第四情報を加えた消費エネルギー推定式に基づいて、所定区間における推定エネルギー消費量を推定してもよい。
消費エネルギー推定式とは、所定区間における移動体のエネルギー消費量を推定する推定式である。具体的には、消費エネルギー推定式は、エネルギー消費量を増減させる異なる要因である第一情報、第二情報および第三情報からなる多項式である。また、道路勾配が明らかな場合、消費エネルギー推定式には、さらに第四情報が加えられる。消費エネルギー推定式についての詳細な説明は後述する。
第一情報は、移動体に備えられた装備品により消費されるエネルギーに関する情報である。例えば、移動体に搭載された駆動源が稼動した状態における移動体の停止時に消費されるエネルギーに関する情報である。駆動源が稼動した状態における移動体の停止時とは、移動体のエンジンに負荷がかからない程度に、エンジンを低速で空回りさせた状態である。すなわち、駆動源が可動した状態における移動体の停止時とは、アイドリング時である。EV車の場合、駆動源が可動した状態における移動体の停止時とは、移動体の停止状態であり、アクセルを踏めば、駆動源であるモータが可動し始める状態である。
具体的には、第一情報は、たとえば、エンジンをかけたまま停車しているときや、信号などで停止しているときに消費されるエネルギー消費量である。すなわち、第一情報は、移動体の走行に関係しない要因で消費されるエネルギー消費量であり、移動体に備えられたエアコンやオーディオなどによるエネルギー消費量である。第一情報は、EV車の場合、ほぼゼロとしてもよい。
第二情報は、移動体の加減速時に消費および回収されるエネルギーに関する情報である。移動体の加減速時とは、移動体の速度が時間的に変化している走行状態である。具体的には、移動体の加減速時とは、所定時間内において、移動体の速度が変化する走行状態である。所定時間とは、一定間隔の時間の区切りであり、たとえば、単位時間あたりなどである。回収されるエネルギーとは、EV車の場合、たとえば、移動体の走行時にバッテリーに充電される電力である。また、回収されるエネルギーとは、ガソリン車の場合、たとえば、消費される燃料を低減(燃料カット)し節約することのできる燃料である。
第三情報は、移動体の走行時に生じる抵抗により消費されるエネルギーに関する情報である。移動体の走行時とは、所定時間内において、移動体の速度が一定、加速もしくは減速している走行状態である。移動体の走行時に生じる抵抗とは、移動体の走行時に移動体の走行状態を変化させる要因である。具体的には、移動体の走行時に生じる抵抗とは、気象状況、道路状況、車両状況などにより移動体に生じる各種抵抗である。
気象状況により移動体に生じる抵抗とは、たとえば、雨、風などの気象変化による空気抵抗である。道路状況により移動体に生じる抵抗とは、道路勾配、路面の舗装状態、路面上の水などによる路面抵抗である。車両状況により移動体に生じる抵抗とは、タイヤの空気圧、乗車人数、積載重量などにより移動体にかかる負荷抵抗である。
具体的には、第三情報は、空気抵抗や路面抵抗、負荷抵抗を受けた状態で、移動体を一定速度、加速もしくは減速で走行させたときのエネルギー消費量である。より具体的には、第三情報は、たとえば、向かい風により移動体に生じる空気抵抗や、舗装されていない道路から受ける路面抵抗などを、移動体が一定速度、加速もしくは減速で走行するときに消費されるエネルギー消費量である。
第四情報は、移動体が位置する高度の変化により消費および回収されるエネルギーに関する情報である。移動体が位置する高度の変化とは、移動体の位置する高度が時間的に変化している状態である。具体的には、移動体が位置する高度の変化とは、所定時間内において、移動体が勾配のある道路を走行することにより高度が変化する走行状態である。
また、第四情報は、所定区間内における道路勾配が明らかな場合に求めることができる付加的な情報であり、これによりエネルギー消費量の推定精度を向上することができる。なお、道路の傾斜が不明な場合、または計算を簡略化する場合、移動体が位置する高度の変化はないものとして、後述する消費エネルギー推定式における道路勾配θ=0としてエネルギー消費量を推定することができる。
探索部403は、記憶部に記憶された地図情報、取得部401によって取得された移動体の現在地点および初期保有エネルギー量、並びに算出部402によって算出された推定エネルギー消費量に基づいて、移動体が現在地点から到達可能な地点である複数の到達可能地点を探索する。
具体的には、探索部403は、移動体の現在地点から移動可能なすべての経路において、それぞれ、移動体の現在地点を始点とし、移動体からの経路上の所定地点どうしを結ぶ所定区間における推定エネルギー消費量の累計が最小となるように所定地点および所定区間を探索する。そして、探索部403は、移動体の現在地点から移動可能なすべての経路において、それぞれ、推定エネルギー消費量の累計が移動体の現時点での初期保有エネルギー量の範囲内にある所定地点を移動体の到達可能地点とする。
より具体的には、探索部403は、移動体の現在地点を始点として、移動体の現在地点から移動可能なすべてのリンク、これらのリンクにそれぞれ接続するノード、これらのノードから移動可能なすべてのリンクと、移動体の到達可能なすべてのノードおよびリンクを順に探索する。このとき、探索部403は、新たな一のリンクを探索するごとに、一のリンクが接続する経路の推定エネルギー消費量を累計し、推定エネルギー消費量の累計が最小となるように当該一のリンクに接続するノードおよびこのノードに接続する複数のリンクを探索する。
例えば、探索部403は、当該一のリンクおよび他のリンクが同一のノードに接続されている場合、このノードに接続する複数のリンクのうち、移動体の現在地点から当該ノードまでの推定エネルギー消費量の累計の少ないリンクの推定エネルギー消費量を使って当該ノードの推定エネルギー消費量の累計を算出する。そして、探索部403は、探索されたノードおよびリンクで構成される複数の経路において、それぞれ、推定エネルギー消費量の累計が移動体の初期保有エネルギー量の範囲内にあるすべてのノードを移動体の到達可能地点として探索する。このように推定エネルギー消費量の少ないリンクの推定エネルギー消費量を使うことにより、当該ノードの推定エネルギー消費量の正しい累計を算出することができる。
また、探索部403は、移動体の移動が禁止された所定区間を、移動体の到達可能地点を探索するための候補から除いて当該到達可能地点を探索してもよい。移動体の移動が禁止された所定区間とは、たとえば、一方通行の逆走となるリンク、時間規制や季節規制により通行禁止区間となるリンクである。時間規制とは、たとえば、通学路や行事などに設定されることにより、ある時間帯で通行が禁止されることである。季節規制とは、たとえば、大雨や大雪などにより通行が禁止されることである。
探索部403は、複数の所定区間のうち、一の所定区間の次に選択する他の所定区間の重要度が当該一の所定区間の重要度よりも低い場合、他の所定区間を、移動体の到達可能地点を探索するための候補から除いて当該到達可能地点を探索してもよい。所定区間の重要度とは、たとえば、道路種別などである。道路種別とは、法定速度や、道路の勾配、道路幅、信号の有無などの道路状態の違いにより区別することのできる道路の種類である。具体的には、道路種別とは、一般国道、高速道路、一般道路、市街地などを通る細街路などである。細街路とは、たとえば、市街地内にある幅員4メートル未満の建築基準法に規定された道路である。
さらに、探索部403は、一の橋または一のトンネルの入口および出口が移動体の到達可能地点となる場合、分割部404によって分割される地図情報の一の橋または一のトンネルを構成するすべての領域が移動体の到達可能範囲に含まれるように移動体の到達可能地点を探索するのが好ましい。具体的には、探索部403は、たとえば、一の橋または一のトンネルの入口が移動体の到達可能地点となる場合、一の橋または一のトンネルの入口から出口に向かって、一の橋または一のトンネル上に複数の到達可能地点が探索されるように当該到達可能地点を探索してもよい。一の橋または一のトンネルの入口とは、一の橋または一のトンネルの、移動体の現在地点に近い側の始点である。
分割部404は、地図情報を複数の領域に分割する。具体的には、分割部404は、探索部403によって探索された移動体の複数の到達可能地点のうち、移動体の現在地点から最も離れた到達可能地点に基づいて、地図情報を複数の矩形状の領域に分割し、たとえばm×mドットのメッシュに変換する。m×mドットのメッシュは、後述する付与部405によって識別情報が付与されたラスタデータ(画像データ)として扱われる。なお、m×mドットのそれぞれのmは同じ数値でも構わないし、異なる数値でも構わない。
より具体的には、分割部404は、最大経度、最小経度、最大緯度、最小緯度を抽出し移動体の現在地点からの距離を算出する。そして、分割部404は、たとえば、移動体の現在地点から最も遠い到達可能地点と移動体の現在地点とをn等分したときの一の領域の大きさを、地図情報を複数の領域に分割したときの一の領域の大きさとし、地図情報をm×mドットのメッシュに分割する。このとき、メッシュの周辺のたとえば4ドット分を空白にするために、n=(m/2)−4とする。
付与部405は、探索部403によって探索された複数の到達可能地点に基づいて、分割部404によって分割された複数の領域にそれぞれ移動体が到達可能であるか否かを識別する識別情報を付与する。具体的には、付与部405は、分割部404によって分割された一の領域に移動体の到達可能地点が含まれる場合、その一の領域に移動体が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報を付与する。その後、付与部405は、分割部404によって分割された一の領域に移動体の到達可能地点が含まれない場合、その一の領域に移動体が到達不可能であることを識別する到達不可能の識別情報を付与する。
より具体的には、付与部405は、m×mに分割されたメッシュの各領域に、到達可能の識別情報「1」または到達不可能の識別情報「0」を付与することで、m行m列の2次元行列データのメッシュに変換する。分割部404および付与部405は、このように地図情報を分割してm行m列の2次元行列データのメッシュに変換し、2値化されたラスタデータとして扱う。
付与部405は、分割部404によって分割された複数の領域に対して識別情報の変更処理をおこなう第1変更部451および第2変更部452を備える。具体的には、付与部405は、第1変更部451および第2変更部452によって、地図情報が分割されてなるメッシュを2値化されたラスタデータとして扱い、クロージング処理(膨張処理後に縮小処理をおこなう処理)をおこなう。また、付与部405は、第1変更部451および第2変更部452によって、オープニング処理(縮小処理後に膨張処理をおこなう処理)をおこなってもよい。
具体的には、第1変更部451は、識別情報が付与された一の領域に隣り合う他の領域に到達可能の識別情報が付与されている場合、当該一の領域の識別情報を到達可能の識別情報に変更する(膨張処理)。より具体的には、第1変更部451は、矩形状の一の領域の、左下、下、右下、右、右上、上、左上、左の8方向に隣り合う他の領域のうちのいずれかの領域に到達可能の識別情報である「1」が付与されている場合、当該一の領域の識別情報を「1」に変更する。
第2変更部452は、第1変更部451による識別情報の変更後、識別情報が付与された一の領域に隣り合う他の領域に到達不可能の識別情報が付与されている場合、当該一の領域の識別情報を到達不可能の識別情報に変更する(縮小処理)。より具体的には、第2変更部452は、矩形状の一の領域の、左下、下、右下、右、右上、上、左上、左の8方向に隣り合う他の領域のうちのいずれかの領域に到達不可能の識別情報である「0」が付与されている場合、当該一の領域の識別情報を「0」に変更する。第1変更部451による膨張処理と、第2変更部452による縮小処理は、同じ回数ずつおこなう。
このように、付与部405は、分割部404によって分割された複数の領域のうち、移動体が現在地点から到達可能な地点である到達可能地点を含む領域に、当該移動体が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報を付与して当該移動体の到達可能範囲とする。その後、付与部405は、到達可能の識別情報を付与した領域に隣り合う領域にも到達可能の識別情報を付与し、移動体の到達可能範囲に欠損点が生じないように各領域の識別情報を変更する。
また、付与部405は、地図情報の一の橋または一のトンネルの入口および出口に相当する分割された地図情報に、到達可能であることを識別する到達可能の識別情報が付与されている場合、当該一の橋または当該一のトンネルを構成するすべての領域に相当する分割された地図情報に、到達可能の識別手段を付与する。具体的には、付与部405は、たとえば、一の橋または一のトンネルの入口および出口に相当する各領域にそれぞれ到達可能の識別情報が付与されている場合、一の橋または一のトンネルの入口に相当する領域から出口に相当する領域に至るまでに移動体が移動可能な全領域に到達可能の識別情報を付与する。
より具体的には、付与部405は、たとえば、第1変更部451による膨張処理前に、一の橋または一のトンネルの入口および出口に相当する各領域にそれぞれ到達可能の識別情報である「1」が付与されている場合で、一の橋または一のトンネル上に欠損点が生じているときに、一の橋または一のトンネルの入口に相当する領域と出口に相当する領域とを結ぶ区間上に位置する全領域の識別情報を「1」に変更する。一の橋または一のトンネルの入口に相当する領域と出口に相当する領域とを結ぶ区間とは、複数のカーブを含む道路に相当する区間であってもよいし、一本の直線状の道路に相当する区間であってもよい。
検出部406は、地図情報上の各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する。具体的には、検出部406は、地図情報上の複数の連結領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の連結領域群を検出する。特定の連結領域群とは、たとえば、自車位置が含まれる連結領域群や、自車位置から最も近い連結領域群である。また、所定距離以内で自車位置から最も近い連結領域群を、特定の連結領域群としてもよい。これにより、所定距離よりも離れた連結領域群の削除を防止することができる。
変更部407は、複数の領域群のうち検出部406によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する。具体的には、変更部407は、複数の連結領域群のうち検出部406によって検出された特定の領域群を除いた残余の連結領域群のうち、所定面積以下の連結領域群を到達不可範囲に変更する。たとえば、図1の(C)に示したように、変更部407は、連結領域群R1を背景と同色に変更する。また、図2の(E)に示したように、変更部407は、連結領域群R3を背景と同色に変更する。
また、変更部407は、残余の領域群の中から、地図情報上の非移動推奨地点を含む領域群を到達不可範囲に変更する。具体的には、変更部407は、残余の連結領域群の中から、地図情報上の非移動推奨地点を含む連結領域群を到達不可領域に変更する。たとえば、図1および図2に示したように、変更部407は、フェリー航路の端点や渋滞予測された交差点などの非移動推奨地点を含む連結領域群R2を背景と同色に変更する。
特定部408は、領域ごとに移動体が到達可能か否かを示す識別情報が付与されている地図情報において、地図情報を走査したときの注目領域に移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている場合、注目領域の隣接領域群のうち移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている連結判定対象領域のパターンを特定する。
具体的には、たとえば、特定部408は、図1の(A)や図2の(A)に示したように、付与部405において識別情報が付与された膨張収縮処理後の地図情報を読み込む。そして、特定部408は、左上の領域から地図情報を走査する。注目領域とは現在走査中の領域である。
そして、特定部408は、注目領域に、移動体が到達可能であることを示す識別情報「1」が付与されている場合、注目領域の隣接領域群(たとえば、周囲8領域)のうち、識別情報「1」が付与されている隣接領域を特定する。特定された隣接領域を、連結判定対象領域と称す。また、特定された隣接領域の配置パターンを、連結判定対象領域のパターンと称す。
更新部409は、特定部408によって特定されたパターンに基づいて、注目領域が所属する領域群を指定する指定情報を、連結判定対象領域の指定情報に更新する。指定情報とは、注目領域が所属する連結領域群を指定する情報であり、たとえば、図1および図2に示したラベル番号である。より具体的には、後述するように、仮ラベル番号を格納した地図情報と、仮ラベル番号と真ラベル番号の対応などを保存したルックアップテーブルの組合わせを指す。すなわち、更新部409は、連結判定対象領域のパターンに応じて、注目領域のラベル番号を登録したり、登録済みのラベル番号を更新する。
また、更新部409は、指定情報が付与された領域群の面積に注目領域分の面積を加算することにより、指定情報が同一である領域群からなる領域群の面積を更新する。具体的には、たとえば、更新部409は、ラベル番号が付与された連結領域群の面積に、注目領域分の面積「1」を加算する。このように、同一ラベル番号について面積の値を加算し続けることにより、ラベル番号ごとの連結領域群の最終的な面積が得られる。変更部407は、このようにして得られたラベル番号ごとの連結領域群の面積を用いて、所定面積以下の連結領域群を到達不可範囲に変更する。
また、更新部409は、連結判定対象領域を含む矩形領域を、連結判定対象領域および注目領域を含む矩形領域に更新する。具体的には、たとえば、更新部409は、注目領域が、連結判定対象領域に外接する最小の矩形領域に隣接する場合、注目領域を含むように矩形領域を更新する。これにより、非移動推奨地点が含む連結領域群を、矩形領域単位で検索することができ、地図情報の全領域を検索するよりも検索処理速度の高速化を図ることができ、背景への変更の高速化を図ることができる。
表示制御部410は、付与部405によって識別情報が付与された領域の識別情報に基づいて、移動体の到達可能範囲を地図情報とともに表示部411に表示させる。具体的には、表示制御部410は、付与部405によって識別情報が付与された複数の画像データであるメッシュをベクタデータに変換し、記憶部に記憶された地図情報とともに表示部411に表示させる。
より具体的には、表示制御部410は、到達可能の識別情報が付与された一の領域と当該一の領域と隣り合う到達可能の識別情報が付与された他の領域との位置関係に基づいて移動体の到達可能範囲の輪郭を抽出し表示部411に表示させる。より具体的には、表示制御部410は、たとえば、フリーマンのチェインコードを用いて移動体の到達可能範囲の輪郭を抽出し、移動体の到達可能範囲を表示部411に表示させる。
また、表示制御部410は、到達可能の識別情報が付与された領域の経度緯度情報に基づいて移動体の到達可能範囲を抽出し、表示部411に表示させてもよい。具体的には、分割部404で算出した、最小経度、最小緯度(領域の左上座標)と最大経度、最大緯度(領域の右下座標)とを結ぶ線分を対角線とする矩形領域を移動体の到達可能範囲として表示する。
上述した取得部401、算出部402、探索部403、分割部404、付与部405、検出部406、変更部407、特定部408、更新部409、表示制御部410は、図3のROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
<推定エネルギー消費量算出例>
上述した算出部402は、自装置が搭載された車両の推定エネルギー消費量を算出する。具体的には、算出部402は、たとえば、速度、加速度、車両の勾配に基づいて、第一情報と、第二情報と、第三情報と、からなる消費エネルギー推定式のいずれか一つ以上の式を用いて、所定区間における車両の推定エネルギー消費量を算出する。所定区間とは、道路上の一のノード(たとえば交差点)と当該一のノードに隣り合う他のノードとを結ぶリンクである。
より具体的には、算出部402は、プローブで提供される渋滞情報や、サーバを介して取得した渋滞予測データ、記憶装置に記憶されたリンクの長さや道路種別などに基づいて、車両がリンクを走行し終わるのに要する旅行時間を算出する。そして、算出部402は、次の(1)式〜(4)式に示す消費エネルギー推定式のいずれかを用いて単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出し、車両がリンクを旅行時間で走行し終える際の推定エネルギー消費量を算出する。
Figure 2014016949
Figure 2014016949
上記(1)式に示す消費エネルギー推定式は、加速時および走行時における単位時間当たりの消費エネルギーを推定する理論式である。ここで、εは正味熱効率、ηは総伝達効率である。移動体の加速度αと道路勾配θから重力の加速度gとの合計を合成加速度|α|とすると、合成加速度|α|が負の場合の消費エネルギー推定式は、上記(2)式で表される。すなわち、上記(2)式に示す消費エネルギー推定式は、減速時における単位時間当たりの消費エネルギーを推定する理論式である。このように、加減速時および走行時における単位時間当たりの消費エネルギー推定式は、走行抵抗と走行距離と正味モータ効率と伝達効率との積であらわされる。
上記(1)式および(2)式において、右辺第1項は、アイドリング時のエネルギー消費量(第一情報)である。右辺第2項は、勾配成分によるエネルギー消費量(第四情報)および転がり抵抗成分によるエネルギー消費量(第三情報)である。右辺第3項は、空気抵抗成分によるエネルギー消費量(第三情報)である。また、(1)式の右辺第4項は、加速成分によるエネルギー消費量(第二情報)である。(2)式の右辺第4項は、減速成分によるエネルギー消費量(第二情報)である。
上記(1)式および(2)式では、モータ効率と駆動効率は一定と見なしている。しかし、実際には、モータ効率および駆動効率はモータ回転数やトルクの影響により変動する。そこで、次の(3)式および(4)式に単位時間当たりの消費エネルギーを推定する実証式を示す。
合成加速度|α+g・sinθ|が正の場合の推定エネルギー消費量を算出する実証式、すなわち、加速時および走行時における単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出する実証式は、次の(3)式であらわされる。また、合成加速度|α+g・sinθ|が負の場合の推定エネルギー消費量を算出する実証式、すなわち、減速時における単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出する実証式は、次の(4)式で表される。
Figure 2014016949
Figure 2014016949
上記(3)式および(4)式において、係数a1,a2は、車両状況などに応じて設定される常数である。係数k1,k2,k3は、加速時におけるエネルギー消費量に基づく変数である。また、速度Vとしており、その他の変数は、上記(1)式および(2)式と同様である。右辺第1項は、上記(1)式および(2)式の右辺第1項に相当する。
また、上記(3)式および(4)式において、右辺第2項は、上記(1)式および(2)式の、右辺第2項の勾配抵抗成分のエネルギーと、右辺第4項の加速度抵抗成分のエネルギーとに相当する。右辺第3項は、上記(1)式および(2)式の、右辺第2項の転がり抵抗成分のエネルギーと、右辺第3項の空気抵抗成分のエネルギーに相当する。(4)式の右辺第2項のβは、位置エネルギーと運動エネルギーの回収分(以下、「回収率」とする)である。
また、算出部402は、上述したように車両がリンクを走行するのに要する旅行時間を算出し、車両がリンクを走行するときの平均速度および平均加速度を算出する。そして、ナビゲーション装置300は、リンクにおける車両の平均速度および平均加速度を用いて、次の(5)式または(6)式に示す消費エネルギー推定式に基づいて、車両がリンクを旅行時間で走行し終える際の推定エネルギー消費量を算出してもよい。
Figure 2014016949
Figure 2014016949
上記(5)式に示す消費エネルギー推定式は、車両が走行するリンクの高度差Δhが正の場合の、リンクにおける推定エネルギー消費量を算出する理論式である。高度差Δhが正の場合とは、車両が上り坂を走行している場合である。上記(6)式に示す消費エネルギー推定式は、車両が走行するリンクの高度差Δhが負の場合の、リンクにおける推定エネルギー消費量を算出する理論式である。高度差Δhが負の場合とは、車両が下り坂を走行している場合である。高度差がない場合は、上記(5)式に示す消費エネルギー推定式を用いるのが好ましい。
上記(5)式および(6)式において、右辺第1項は、アイドリング時のエネルギー消費量(第一情報)である。右辺第2項は、加速抵抗によるエネルギー消費量(第二情報)である。右辺第3項は、位置エネルギーとして消費されるエネルギー消費量である(第四情報)。右辺第4項は、単位面積当たりに受ける空気抵抗および転がり抵抗(走行抵抗)によるエネルギー消費量(第三情報)である。
ナビゲーション装置300は、道路勾配が明らかでない場合、上記(1)式〜(6)式に示す消費エネルギー推定式の道路勾配θ=0として車両の推定エネルギー消費量を算出してもよい。
つぎに、上記(1)式〜(6)式で用いる回収率βについて説明する。上記(5)式において、右辺第2項をリンクにおける加速成分のエネルギー消費量Paccとすると、加速成分のエネルギー消費量Paccは、リンクにおける全エネルギー消費量(左辺)から、アイドリング時のエネルギー消費量(右辺第1項)と走行抵抗によるエネルギー消費量(右辺第4項)を減じたものであり、次の(7)式で表される。
Figure 2014016949
なお、上記(7)式では、車両は道路勾配θの影響を受けていないこととする(θ=0)。すなわち、上記(5)式の右辺第3項をゼロとする。そして、上記(7)式を上記(5)式に代入することで、次の(8)式に示す回収率βの算出式を得ることができる。
Figure 2014016949
回収率βは、EV車では0.7〜0.9程度であり、HV車では0.6〜0.8程度であり、ガソリン車では0.2〜0.3程度である。なお、ガソリン車の回収率とは、加速時に要するエネルギーと減速時に回収するエネルギーとの割合である。
<到達可能地点探索例>
上述した探索部403は、自装置が搭載された車両の現在地点から到達可能な複数のノードを車両の到達可能地点として探索する。具体的には、探索部403は、上記(1)〜(6)式に示す消費エネルギー推定式のいずれか1つ以上を用いてリンクにおける推定エネルギー消費量を算出する。そして、ナビゲーション装置300は、リンクにおける推定エネルギー消費量の累計が最小となるように車両の到達可能なノードを探索し到達可能地点とする。以下に、探索部403による到達可能地点探索の一例について説明する。
図5〜図8は、探索部403による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図である。図5〜図8では、地図データのノード(たとえば交差点)を丸印とし、隣り合うノードどうしを結ぶリンク(道路上の所定区間)を線分で示す(図9,図10についても同様にノードおよびリンクを図示)。
図5に示すように、探索部403は、まず、車両の現在地点500から最も近いリンクL1_1を探索する。そして、探索部403は、リンクL1_1に接続するノードN1_1を探索し、到達可能地点を探索するためのノード候補(以下、単に「ノード候補」という)に追加する。
つぎに、探索部403は、消費エネルギー推定式を用いて、車両の現在地点500とノード候補としたノードN1_1とを結ぶリンクL1_1における推定エネルギー消費量を算出する。そして、探索部403は、リンクL1_1における推定エネルギー消費量3whを、たとえばノードN1_1に関連付けて記憶装置(磁気ディスク305や光ディスク307)に書き出す。
つぎに、図6に示すように、探索部403は、ノードN1_1に接続するすべてのリンクL2_1,L2_2,L2_3を探索し、到達可能地点を探索するためのリンク候補(以下、単に「リンク候補」という)とする。つぎに、探索部403は、消費エネルギー推定式を用いて、リンクL2_1における推定エネルギー消費量を算出する。
そして、探索部403は、リンクL2_1における推定エネルギー消費量4whとリンクL1_1における推定エネルギー消費量3whとを累計した累計エネルギー量7whを、リンクL2_1に接続するノードN2_1に関連付けて記憶装置(磁気ディスク305や光ディスク307)に書き出す(以下、「累計エネルギー量をノードに設定」とする)。
さらに、探索部403は、リンクL2_1の場合と同様に、消費エネルギー推定式を用いて、リンクL2_2,L2_3における推定エネルギー消費量をそれぞれ算出する。そして、探索部403は、リンクL2_2における推定エネルギー消費量5whとリンクL1_1における推定エネルギー消費量3whとを累計した累計エネルギー量8whを、リンクL2_2に接続するノードN2_2に設定する。
また、探索部403は、リンクL2_3における推定エネルギー消費量3whとリンクL1_1における推定エネルギー消費量3whとを累計した累計エネルギー量6whを、リンクL2_3に接続するノードN2_3に設定する。このとき、探索部403は、累計エネルギー量を設定したノードがノード候補でない場合には、そのノードをノード候補に追加する。
つぎに、図7に示すように、探索部403は、ノードN2_1に接続するすべてのリンクL3_1,L3_2_1、ノードN2_2に接続するすべてのリンクL3_2_2,L3_3,L3_4、およびノードN2_3に接続するリンクL3_5を探索し、リンク候補とする。つぎに、探索部403は、消費エネルギー推定式を用いて、リンクL3_1〜リンクL3_5における推定エネルギー消費量を算出する。
そして、探索部403は、リンクL3_1における推定エネルギー消費量4whをノードN2_1に設定した累計エネルギー量7whに累計し、リンクL3_1に接続するノードN3_1に累計エネルギー量11whを設定する。また、探索部403は、リンクL3_3〜L3_5においてもリンクL3_1の場合と同様に、各リンクL3_3〜L3_5にそれぞれ接続するノードN3_3〜N3_5に累計エネルギー量13wh,12wh,10whを設定する。
具体的には、探索部403は、リンクL3_3における推定エネルギー消費量5whをノードN2_2に設定した累計エネルギー量8whに累計し、ノードN3_3に累計エネルギー量13whを設定する。探索部403は、リンクL3_4における推定エネルギー消費量4whをノードN2_2に設定した累計エネルギー量8whに累計し、ノードN3_4に累計エネルギー量12whを設定する。探索部403は、リンクL3_5における推定エネルギー消費量4whをノードN2_3に設定した累計エネルギー量6whに累計し、ノードN3_5に累計エネルギー量10whを設定する。
一方、探索部403は、ノードN3_2のように一のノードに複数のリンクL3_2_1,L3_2_2が接続する場合には、車両の現在地点500から一のノードN3_2までの複数の経路における累計エネルギー量のうち、最小の累計エネルギー量10whを当該一のノードN3_2に設定する。
具体的には、探索部403は、リンクL3_2_1における推定エネルギー消費量4whをノードN2_1に設定した累計エネルギー量7whに累計し(=累計エネルギー量11wh)、リンクL3_2_2における推定エネルギー消費量2whをノードN2_2に設定した累計エネルギー量8whに累計する(=累計エネルギー量10wh)。そして、探索部403は、車両の現在地点500からリンクL3_2_1までの経路の累計エネルギー量11whと、車両の現在地点500からリンクL3_2_2までの経路の累計エネルギー量10whとを比較し、最小の累計エネルギー量となるリンクL3_2_2側の経路の累計エネルギー量10whをノードN3_2に設定する。
探索部403は、上述したノードN2_1〜N2_3のように車両の現在地点500から同一階層のノードが複数存在する場合、たとえば、同一レベルのノードのうち、累計エネルギー量が少ないノードに接続するリンクから順に推定エネルギー消費量および累計エネルギー量を算出する。具体的には、探索部403は、ノードN2_3、ノードN2_1、ノードN2_2の順に、各ノードに接続するリンクにおける推定エネルギー消費量をそれぞれ算出し、各ノードにおける累計エネルギー量に累計する。このように、推定エネルギー消費量および累計エネルギー量を算出するノードの順番を特定することにより、残存エネルギー量で到達可能な範囲を効率的に算出することができる。
その後、探索部403は、ノードN3_1〜N3_5からさらに深い階層のノードへと、上述したような累計エネルギー量の累計を続けていく。そして、探索部403は、予め設定された指定エネルギー量以下の累計エネルギー量が設定されたすべてのノードを、車両の到達可能地点として抽出し、到達可能地点として抽出されたノードの経度緯度情報をそれぞれのノードに関連付けて記憶装置に書き出す。
具体的には、たとえば指定エネルギー量を10whとした場合、図8に斜線で塗りつぶされた丸印で示すように、探索部403は、10wh以下の累計エネルギー量が設定されたノードN1_1,N2_1,N2_2,N2_3,N3_2,N3_5を車両の到達可能地点として抽出する。予め設定された指定エネルギー量とは、たとえば、車両の現在地点500での残存エネルギー量(初期保有エネルギー量)である。
図8に示す車両の現在地点500と複数のノードおよびリンクとで構成された地図データ800は到達可能地点探索を説明するための一例であり、探索部403は、実際には図9に示すように図8に示す地図データ800よりも広い範囲でさらに多くのノードおよびリンクを探索する。
図9は、探索部403による到達可能地点探索の一例について示す説明図である。上述したようにすべての道路(細街路を除く)について累計エネルギー量を算出し続けていく場合、図9に示すように、各道路のすべてのノードにおける累計エネルギー量を漏れなく詳細に探索することができる。しかし、日本全国で約200万個のリンクにおける推定エネルギー消費量を算出し累計することとなり、探索部403の情報処理量が膨大となる。このため、探索部403は、たとえばリンクの重要度などに基づいて、移動体の到達可能地点を探索する道路を絞り込んでもよい。
図10は、探索部403による到達可能地点探索の別の一例について示す説明図である。具体的には、探索部403は、たとえば、車両の現在地点500周辺ではすべての道路(細街路を除く)において累計エネルギー量を算出し、ある一定距離以上離れた範囲では重要度の高い道路のみで累計エネルギー量を算出する。これにより、図10に示すように、探索部403によって探索されるノード数およびリンク数を減少させることができ、探索部403の情報処理量を低減させることができる。したがって、探索部403の処理速度を向上することができる。
<地図データ分割例>
本実施例の分割部404は、上述したように探索された到達可能地点に基づいて、記憶装置に記憶された地図データを分割する。具体的には、分割部404は、ベクタデータで構成される地図データを、たとえば64×64ドットのメッシュ(X,Y)に変換し、地図データをラスタデータ(画像データ)にする。
図11は、分割部404による到達可能地点を経度−緯度で示す一例の説明図である。また、図12は、分割部404による到達可能地点をメッシュで示す一例の説明図である。図11には、たとえば図9および図10に示すように探索された到達可能地点の経度緯度情報(x,y)を絶対座標で図示している。図12には、到達可能地点に基づいて識別情報が付与された64×64ドットのメッシュ(X,Y)をスクリーン座標で図示している。
図11に示すように、分割部404は、まず、複数の到達可能地点のそれぞれの経度x、緯度yに基づいて、絶対座標で点群1100を有する経度緯度情報(x,y)を生成する。経度緯度情報(x,y)の原点(0,0)は図11の左下である。そして、分割部404は、車両の現在地点500の経度ofxから経度x方向に最も離れた到達可能地点の最大経度x_max、最小経度x_minまで距離w1,w2を算出する。また、分割部404は、車両の現在地点500の緯度ofyから緯度y方向に最も離れた到達可能地点の最大緯度y_max、最小緯度y_minまで距離w3,w4を算出する。
つぎに、分割部404は、車両の現在地点500からの距離w1〜w4のうち、最も距離のある、車両の現在地点500から最小経度x_minまでの距離w2(以下、w5=max(w1,w2,w3,w4)とする)のn分の1の長さがメッシュ(X,Y)の矩形状の一要素の1辺の長さとなるように、複数の到達可能地点を含む地図データを、たとえばm×mドット(たとえば64×64ドット)のメッシュ(X,Y)に変換する。
具体的には、分割部404は、1メッシュと経度緯度の大きさとの比を倍率mag=w5/nとし、経度緯度情報(x,y)とメッシュ(X,Y)とが次の(9)式,(10)式を満たすように、経度緯度情報(x,y)をメッシュ(X,Y)に変換する。
X=(x−ofx)/mag ・・・(9)
Y=(y−ofy)/mag ・・・(10)
経度緯度情報(x,y)をメッシュ(X,Y)に変換することにより、図12に示すように、車両の現在地点500は、m×mドットのメッシュ(X,Y)で構成される矩形状の画像データの中心となり、車両の現在地点500のメッシュ(X,Y)はX軸方向、Y軸方向ともに等しく、X=Y=m/2=n+4となる。また、メッシュ(X,Y)の周辺のたとえば4ドット分を空白にするためにn=(m/2)−4とする。そして、分割部404は、経度緯度情報(x,y)をメッシュ(X,Y)に変換するときに、メッシュ(X,Y)の各領域にそれぞれ識別情報を付与し、m行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに変換する。
具体的には、分割部404は、メッシュ(X,Y)の一の領域に車両の到達可能地点が含まれる場合、当該一の領域に車両が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報として、たとえば「1」を付与する(図12では1ドットをたとえば黒色で描画)。一方、分割部404は、メッシュ(X,Y)の一の領域に車両の到達可能地点が含まれない場合、当該の一の領域に車両が到達不可能であることを識別する到達不可能の識別情報として、たとえば「0」を付与する(図12では1ドットをたとえば白色で描画)。
このように、分割部404は、地図データを分割した各領域にそれぞれ識別情報を付与したm行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに変換し、地図データを2値化されたラスタデータとして扱う。メッシュの各領域は、それぞれ一定範囲の矩形状の領域であらわされる。具体的には、図12に示すように、たとえば、複数の到達可能地点の点群1200が黒色で描画されたm×mドットのメッシュ(X,Y)が生成される。メッシュ(X,Y)の原点(0,0)は左上である。
<識別情報付与例・その1>
上述した付与部405は、上述したように分割されたm×mドットのメッシュ(X,Y)のそれぞれの領域に付与された識別情報を変更する。具体的には、付与部405は、m行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに対してクロージング処理(膨張処理後に縮小処理をおこなう処理)をおこなう。
図13は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を示す説明図である。図13(A)〜図13(C)は、各領域にそれぞれ識別情報が付与されたm行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュである。図13(A)には、地図データの分割処理後、はじめて識別情報が付与されたメッシュ1300を示す。すなわち、図13(A)に示すメッシュ1300は、図12に示すメッシュと同一である。
また、図13(B)には、図13(A)に示すメッシュ1300に対してクロージング処理(膨張)をおこなった後のメッシュ1310を示す。図13(C)には、図13(B)に示すメッシュ1310に対してクロージング処理(縮小)をおこなった後のメッシュ1320を示す。図13(A)〜(C)に示すメッシュ1300,1310,1320において、到達可能の識別情報が付与された複数の領域によって生成される車両の到達可能範囲1301,1311,1321を黒く塗りつぶした状態で示す。
図13(A)に示すように、識別情報付与後のメッシュ1300には、車両の到達可能範囲1301内に含まれる到達不可能な領域からなる欠損点1302(ハッチングされた到達可能範囲1301内の白地部分)が生じている。欠損点1302は、たとえば、図10に示すように付与部405による到達可能地点探索処理の負荷を低減させるためにノードおよびリンクを探索する道路を絞り込んだ場合に、到達可能地点となるノード数が少なくなることにより生じる。
つぎに、図13(B)に示すように、付与部405は、識別情報付与後のメッシュ1300に対してクロージングの膨張処理をおこなう。クロージングの膨張処理では、識別情報付与後のメッシュ1300の、到達可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達可能の識別情報に変更される。これにより、膨張処理前(識別情報付与後)の車両の到達可能範囲1301内に生じていた欠損部1302が消滅する。
また、膨張処理前の車両の到達可能範囲1301の最外周の領域に隣り合うすべての領域の識別情報が、到達可能な識別情報に変更される。このため、膨張処理後の車両の到達可能範囲1311の外周は、膨張処理をおこなうごとに、膨張処理前の車両の到達可能範囲1301の最外周の各領域の外周を囲むように1ドット分ずつ広がる。
その後、図13(C)に示すように、付与部405は、メッシュ1310に対してクロージングの縮小処理をおこなう。クロージングの縮小処理では、膨張処理後のメッシュ1310の、到達不可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達不可能の識別情報に変更される。
このため、膨張処理後の車両の到達可能範囲1311の最外周の各領域が、縮小処理がおこなわれるごとに1ドット分ずつ到達不可能な領域となり、膨張処理後の車両の到達可能範囲1311の外周が縮まる。これにより、縮小処理後の車両の到達可能範囲1321の外周は、膨張処理前の車両の到達可能範囲1301の外周とほぼ同様となる。
付与部405は、上述した膨張処理および縮小処理は同じ回数ずつおこなう。具体的には、膨張処理が2回おこなわれた場合、その後の縮小処理も2回おこなわれる。膨張処理と縮小処理との処理回数を等しくすることで、膨張処理によって到達可能の識別情報に変更された車両の到達可能範囲の外周部分のほぼすべての領域の識別情報を、縮小処理によって元の到達不可能の識別情報に変更することができる。このようにして、付与部405は、車両の到達可能範囲内の欠損点1302を除去し、かつ外周を明瞭に表示可能な車両の到達可能範囲1321を生成することができる。
より具体的には、付与部405は、次のようにクロージング処理をおこなう。図14は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を模式的に示す説明図である。図14(A)〜図14(C)には、各領域にそれぞれ識別情報が付与されたh行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュを一例として示す。
図14(A)は、識別情報付与後のメッシュ1400である。図14(B)は、図14(A)に対するクロージング処理(膨張)後のメッシュ1410である。図14(C)は、図14(B)に対するクロージング処理(縮小)後のメッシュ1420である。図14(A)〜図14(C)のメッシュ1400,1410,1420には、到達可能の識別情報が付与された領域1401,1402をそれぞれ異なるハッチングで図示する。
図14(A)に示すように、識別情報付与後のメッシュ1400には、c行f列、f行c列およびg行f列の領域1401に到達可能の識別情報が付与されている。図14(A)では、膨張処理後および縮小処理後における識別情報の変化が明確となるように、到達可能の識別情報が付与された各領域1401を離れた状態で配置している。
付与部405は、このような識別情報付与後のメッシュ1400に対して、クロージングの膨張処理をおこなう。具体的には、図14(B)に示すように、付与部405は、c行f列の領域1401の左下、下、右下、右、右上、上、左上、左に隣り合う8つの領域(b行e列〜b行g列、c行e列、c行g列およびd行e列〜d行g列)1402の識別情報を、到達不可能の識別情報から到達可能の識別情報に変更する。
また、付与部405は、c行f列の領域1401に対しておこなった処理と同様に、f行c列およびg行f列の領域1401においても隣り合う8つの領域1402の識別情報を到達可能の識別情報に変更する。このため、車両の到達可能範囲1411は、領域1402の識別情報が到達可能の識別情報に変更された分だけ、識別情報付与後のメッシュ1400における車両の到達可能範囲よりも広がる。
つぎに、付与部405は、膨張処理後のメッシュ1410に対して、クロージングの縮小処理をおこなう。具体的には、図14(C)に示すように、付与部405は、到達不可能の識別情報が付与された領域(膨張処理後のメッシュ1410の白地部分)に隣り合うb行e列〜b行g列、c行e列、c行g列およびd行e列〜d行g列の8つの領域1402の識別情報を到達不可能の識別情報に変更する。
また、付与部405は、b行e列〜b行g列、c行e列、c行g列およびd行e列〜d行g列の8個の領域1402に対しておこなった処理と同様に、到達不可能の識別情報が付与された領域に隣り合うe行b列〜e行d列、f行b列、f行d列〜f行g列、g行b列〜g行e列、g行g列、h行e列およびh行g列の15個の領域1402の識別情報を到達不可能の識別情報に変更する。
これにより、図14(C)に示すように、縮小処理後のメッシュ1420は、識別情報付与後のメッシュ1400と同様に、到達可能の識別情報が付与された3つの領域1401と、縮小処理後においても到達可能の識別情報が付与されたままの状態で残る1つの領域1402からなる車両の到達可能範囲1421が生成される。このように、膨張処理時に到達可能の識別情報が付与され、かつ縮小処理後に到達可能の識別情報が付与された状態で残る領域1402によって、識別情報付与後のメッシュ1400の到達可能範囲内に生じていた欠損点が消滅する。
<識別情報付与例・その2>
付与部405は、2次元行列データ(Y,X)のメッシュに対してオープニング処理(縮小処理後に膨張処理をおこなう処理)をおこない、外周を明瞭に表示可能な車両の到達可能範囲を生成してもよい。具体的には、付与部405は、次のようにオープニング処理をおこなう。
図15は、ナビゲーション装置によるオープニング処理の一例を示す説明図である。図15(A)〜図15(C)は、各領域にそれぞれ識別情報が付与されたm行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュである。図15(A)には、識別情報付与後のメッシュ1500を示す。図15(B)には、図15(A)に対するオープニング処理(縮小)後のメッシュ1510を示す。また、図15(C)には、図15(B)に対するオープニング処理(膨張)後のメッシュ1520を示す。図15(A)〜図15(C)に示すメッシュ1500,1510,1520において、到達可能の識別情報が付与された複数の領域によって生成される車両の到達可能範囲1501,1511,1521を黒く塗りつぶした状態で示す。
図15(A)に示すように、識別情報付与後のメッシュ1500における車両の到達可能範囲1501の外周に孤立点1502が多く生じている場合、識別情報付与後のメッシュ1500に対してオープニング処理をおこなうことで、孤立点1502を除去することができる。具体的には、図15(B)に示すように、付与部405は、識別情報付与後のメッシュ1500に対してオープニングの縮小処理をおこなう。
オープニングの縮小処理では、識別情報付与後のメッシュ1500の、到達不可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達不可能の識別情報に変更される。これにより、縮小処理前(識別情報付与後)の車両の到達可能範囲1501内に生じていた孤立点1502が除去される。
このため、識別情報付与後の車両の到達可能範囲1501の最外周の各領域が、縮小処理がおこなわれるごとに1ドット分ずつ到達不可能な領域となり、識別情報付与後の車両の到達可能範囲1501の外周が縮まる。また、識別情報付与後の車両の到達可能範囲1501に生じていた孤立点1502が除去される。
その後、図15(C)に示すように、付与部405は、メッシュ1510に対してオープニングの膨張処理をおこなう。オープニングの膨張処理では、縮小処理後のメッシュ1510の、到達不可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達可能の識別情報に変更される。このため、膨張処理後の車両の到達可能範囲1521の外周は、膨張処理をおこなうごとに、縮小処理後の車両の到達可能範囲1511の最外周の各領域の外周を囲むように1ドット分ずつ広がる。
付与部405は、オープニング処理においても、クロージング処理と同様に膨張処理および縮小処理は同じ回数ずつおこなう。このように膨張処理と縮小処理との処理回数を等しくすることで、縮小処理によって縮まった車両の到達可能範囲1511の外周を広げ、縮小処理後の車両の到達可能範囲1521の外周を縮小処理前の車両の到達可能範囲1501の外周に戻すことができる。このようにして、付与部405は、孤立点1502が生じず、かつ外周を明瞭に表示可能な車両の到達可能範囲1521を生成することができる。
<ラベル番号付与例>
つぎに、特定部408によるラベル番号の付与例について図16〜図30を用いて説明する。ラベル番号とは、連結領域群を分類するための各連結領域に固有な識別情報である。地図情報には、各々の画素とそれらに隣接する画素が連結しているかどうかを示す仮ラベル番号を付与し、同時に、各々の仮ラベル番号と固有の連結領域群を特定するためのラベル番号(真のラベル番号と呼ぶことにする)とを対応付けたルックアップテーブルを作成する。このような指定情報を作成することによって、地図情報の特定の画素から、地図情報に保存された仮ラベルを取得し、その仮ラベル番号をルックアップテーブルの内容と比較して真のラベル番号を取得することで、特定の画素がどの連結領域群に属しているかどうかを判定することができる。
図16〜図20は、連結判定対象領域のパターンを示す説明図である。図16〜図20において、3×3の領域群のうち中心領域(番号「0」)が注目領域である。中心領域の左領域は、条件番号「1」が付与された領域であり、中心領域の左上領域は、条件番号「2」が付与された領域であり、中心領域の上領域は、条件番号「3」が付与された領域であり、中心領域の右上領域は、条件番号「4」が付与された領域である。条件番号「1」〜「4」が付与された領域群が、連結判定対象領域となりうる領域であり、条件番号「1」〜「4」が付与された領域群の組み合わせが、連結判定対象領域のパターンとなる。領域群の領域数は4であるため、パターンは16通り存在する。具体的には、中心領域の隣接領域「1」−「4」の中で塗りつぶされていないと既に判定した領域以外の残りの領域のうち、中心領域と連結しているかどうかを判定対象にする領域を、連結判定対象領域と呼ぶことにする。また、中心領域と連結しているかどうかを問わない領域を連結判定非対象領域と呼ぶことにする。
図16は、連結判定対象領域のパターンの条件1〜4を示す説明図である。(A)は条件1を示す。条件1は、条件番号「1」〜「4」の領域のいずれの領域も塗りつぶされていない場合を示す。(B)は条件2を示す。条件2は、条件番号4のみが連結判定対象領域であり、残りの領域は全て塗りつぶされていない場合を示す。(C)は条件3を示す。条件3は、条件番号2のみが連結判定対象領域であり、残りの領域は全て塗りつぶされていない場合を示す。(D)は条件4を示す。条件4は、条件番号2,4ともに連結判定対象領域であり、残りの領域は全て塗りつぶされていない場合を示す。
図17は、連結判定対象領域のパターンの条件5を示す説明図である。条件5は、条件番号1が連結判定対象領域、条件番号2が連結判定非対象領域であり、残りの領域は全て塗りつぶされていない場合を示す。条件5では、右の(a),(b)の2パターンが判定される。
図18は、連結判定対象領域のパターンの条件6を示す説明図である。条件6は、条件番号3が連結判定対象領域、条件番号2と4が連結判定非対象領域であり、残りの領域は塗りつぶされていない場合を示す。条件6では、右の(c)〜(f)の4パターンが判定される。
図19は、連結判定対象領域のパターンの条件7を示す説明図である。条件7は、条件番号1と3が連結判定対象領域、条件番号2と4が連結判定非対象領域である場合を示す。条件7では、右の(g)〜(j)の4パターンが判定される。
図20は、連結判定対象領域のパターンの条件8を示す説明図である。条件8は、条件番号1と4が連結判定対象領域、条件番号2と3が連結判定非対象領域である場合を示す。条件8では、右の(k)〜(n)の4パターンが判定される。ただし、(m),(n)は、図19の(i),(j)と同一である。したがって、図16〜図20で、合計16通りのパターンが得られる。
つぎに、ルックアップテーブルの作成について説明する。ルックアップテーブルは、地図情報の各連結領域群に仮ラベル番号と、矩形領域と、連結領域群の面積を生成するテーブルである。ルックアップテーブルは、第1のルックアップテーブルと第2のルックアップテーブルとにより構成される。ルックアップテーブルは、仮ラベル番号付与前の地図情報を走査する際に作成され、これにより、仮ラベル番号が付与された地図情報が出力される。
図21は、仮ラベル番号付与前後の地図情報を示す説明図である。(A)は仮ラベル番号付与前の地図情報であり、(B)は仮ラベル番号付与後の地図情報である。(A),(B)において、塗りつぶされている箇所が到達可能範囲となる領域である。なお、(A),(B)において、塗りつぶされていない領域には、仮および真ラベル番号として「0」が付与される。
図22は、ルックアップテーブルの一例を示す説明図である。図22のルックアップテーブルTは、図21の(B)の地図情報に対応する。(A)は第1のルックアップテーブルT1を示す。上段の要素は、各連結領域群の仮ラベル番号であり、下段の要素は、上段の要素が示す連結領域群と連結する連結領域群の仮ラベル番号である。たとえば、仮ラベル番号5(上段)の連結領域群と連結する連結領域群の仮ラベル番号は4(下段)である。第1のルックアップテーブルT1は、注目領域が走査されると上段の要素と下段の要素が追加される。上段の要素と下段の要素との組み合わせが1レコードとなる。
(B)は第2のルックアップテーブルT2である。左端が仮ラベル番号であり第1のルックアップテーブルT1の上段の要素に対応する。真ん中が矩形領域を示す情報であり、左上の領域の座標と右下の領域の座標により矩形領域が表現される。右端が、左端の仮ラベル番号が付与された連結領域群の面積である。連結領域群の面積は領域数であらわされる。たとえば、左端が「4」のレコードは、仮ラベル番号4の連結領域群であり、仮ラベル番号4の連結領域群は、左上が(3,2)、右下が(8,5)の矩形領域内に含まれ、仮ラベル番号4の連結領域群の面積が「8」であることを示している。
第1のルックアップテーブルT1は、上段の要素の仮・真ラベル番号「0」から順に走査される。上段の要素の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが同一である場合、上段の要素が示す連結要素群のラベル番号は真のラベル番号となる。以下、図23〜図30を用いてルックアップテーブルTの変化内容について説明する。
図23は、ルックアップテーブルTの変化内容1を示す説明図である。変化内容1は、上下段の仮ラベル番号が(1,1)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが同一であるため、変更はおこなわれない。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号1の連結領域群は、真ラベル番号1の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図24は、ルックアップテーブルTの変化内容2を示す説明図である。変化内容2は、上下段の仮ラベル番号が(2,2)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが同一であるため、変更はおこなわれない。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号2の連結領域群は、真ラベル番号2の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図25は、ルックアップテーブルTの変化内容3を示す説明図である。変化内容3は、上下段の仮ラベル番号が(3,2)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが異なるため、第2のルックアップテーブルT2の仮ラベル番号3のレコードを仮ラベル番号2のレコードに加える。仮ラベル番号2の連結領域群を囲む矩形領域と仮ラベル番号3の連結領域群を囲む矩形領域の論理和をとることと等しい。これにより、仮ラベル番号2の矩形領域に、仮ラベル番号3の矩形領域が追加されることになる。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号3の連結領域群は、真ラベル番号2の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図26は、ルックアップテーブルTの変化内容4を示す説明図である。変化内容4は、上下段の仮ラベル番号が(4,2)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが異なるため、第2のルックアップテーブルT2の仮ラベル番号4のレコードを仮ラベル番号2のレコードに加える。これにより、仮ラベル番号2の連結領域群を囲む矩形領域と仮ラベル番号3の連結領域群を囲む矩形領域の論理和をとった矩形領域が、仮ラベル番号2のあらたな矩形領域となる。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号4の連結領域群は、真ラベル番号2の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図27は、ルックアップテーブルTの変化内容5を示す説明図である。変化内容5は、上下段の仮ラベル番号が(5,4)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが異なるため、第2のルックアップテーブルT2の仮ラベル番号5のレコードを仮ラベル番号4のレコードに加える。これにより、仮ラベル番号2の連結領域群を囲む矩形領域と仮ラベル番号5の連結領域群を囲む矩形領域の論理和をとった矩形領域が、仮ラベル番号2のあらたな矩形領域となる。そして、第1のルックアップテーブルT1の仮ラベル番号5である上段の要素に対応する下段の要素の仮ラベル番号が、仮ラベル番号「4」から真ラベル番号「2」に書き換えられる。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号5の連結領域群は、真ラベル番号2の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図28は、ルックアップテーブルTの変化内容6を示す説明図である。変化内容6は、上下段の仮ラベル番号が(6,6)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段の仮ラベル番号とが同一であるため、変更はおこなわれない。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号6の連結領域群は、真ラベル番号6の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図29は、ルックアップテーブルTの変化内容7を示す説明図である。変化内容7は、上下段の仮ラベル番号が(7,6)のレコードの変化内容を示す。上段の仮ラベル番号と下段のラベル番号とが異なるため、第2のルックアップテーブルT2の仮ラベル番号7のレコードを仮ラベル番号6のレコードに加える。これにより、仮ラベル番号6の連結領域群を囲む矩形領域と仮ラベル番号7の連結領域群を囲む矩形領域の論理和をとった矩形領域が、仮ラベル番号6のあらたな矩形領域となる。すなわち、第1のルックアップテーブルT1において、仮ラベル番号7の連結領域群は、真ラベル番号6の連結領域群を含む矩形領域に属することを示す。
図30は、ルックアップテーブルTの変化内容8を示す説明図である。変化内容8は、最終結果を示す。これにより、下段のラベル番号は、上段のラベル番号が付与された連結領域が属する矩形領域を識別する番号となる。この最終結果において、上段と下段のラベル番号が同一である場合、そのラベル番号を「真のラベル番号」と称す。
<到達可能範囲の輪郭抽出例・その1>
上述した表示制御部410は、m行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに付与された識別情報に基づいて、車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。具体的には、表示制御部410は、たとえば、フリーマンのチェインコードを用いて車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。より具体的には、表示制御部410は、次のように車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。
図31は、表示制御部410による車両の到達可能範囲抽出の一例を模式的に示す説明図である。また、図32は、表示制御部410による車両の到達可能範囲抽出後のメッシュの一例を模式的に示す説明図である。図31(A)には、領域3100に隣り合う領域3110〜3117の隣接方向を示す数字(以下、「方向指数(チェインコード)」という)と、方向指数に対応する8方向の矢印とを示す。図31(B)には、h行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュ3120を一例として示す。また、図31(B)には、到達可能の識別情報が付与された領域3121〜3134および当該領域3121〜3134に囲まれた到達可能の識別情報が付与された領域をハッチングで図示する。
方向指数は、単位長さの線分の向いている方向を示す。メッシュ(X,Y)において、方向指数に対応する座標は、(X+dx,Y+dy)となる。具体的には、図31(A)に示すように、領域3100から左下に隣り合う領域3110へ向かう方向の方向指数は「0」である。領域3100から下に隣り合う領域3111へ向かう方向の方向指数は「1」である。領域3100から右下に隣り合う領域3112へ向かう方向の方向指数は「2」である。
また、領域3100から右に隣り合う領域3113へ向かう方向の方向指数は「3」である。領域3100から右上に隣り合う領域3114へ向かう方向の方向指数は「4」である。領域3100から上に隣り合う領域3115へ向かう方向の方向指数は「5」である。領域3100から左上に隣り合う領域3116へ向かう方向の方向指数は「6」である。領域3100から左に隣り合う領域3117へ向かう方向の方向指数は「7」である。
表示制御部410は、領域3100に隣り合う到達可能の識別情報「1」が付与された領域を左回りに検索する。また、表示制御部410は、領域3100に隣り合う到達可能の識別情報が付与された領域の検索開始点を、前回の方向指数に基づいて決定する。具体的には、表示制御部410は、他の領域から領域3100へ向かう方向指数が「0」であった場合、領域3100の左に隣り合う領域、すなわち方向指数「7」の方向に隣り合う領域3117から検索を開始する。
同様に、表示制御部410は、他の領域から領域3100へ向かう方向指数が「1」〜「7」であった場合、領域3100の左下、下、右下、右、右上、上、左上に隣り合う領域、すなわちそれぞれ方向指数「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の方向に隣り合う領域3110〜3116から検索を開始する。そして、表示制御部410は、領域3100から各領域3110〜3117のいずれか一の領域から到達可能の識別情報「1」を検出した場合、到達可能の識別情報「1」を検出した領域3110〜3117に対応する方向指数「0」〜「7」を、領域3100に関連付けて記憶装置に書き込む。
具体的には、表示制御部410は、次のように車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。図31(B)に示すように、表示制御部410は、まず、h行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュ3120のa行a列の領域から行単位で到達可能の識別情報が付与された領域を検索する。
メッシュ3120のa行目のすべての領域には到達不可能の識別情報が付与されているので、つぎに、表示制御部410は、メッシュ3120のb行a列の領域からb行h列の領域に向かって到達可能の識別情報を検索する。そして、表示制御部410は、メッシュ3120のb行e列の領域3121において到達可能の識別情報を検出した後、メッシュ3120のb行e列の領域3121から左回りに、車両の到達可能範囲の輪郭となる到達可能の識別情報を有する領域を検索する。
具体的には、表示制御部410は、領域3121の左に隣り合うb行d列の領域はすでに検索済みのため、まず、領域3121の左下に隣り合う領域3122から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索する。そして、表示制御部410は、領域3122の到達可能の識別情報を検出し、領域3121から領域3122へ向かう方向の方向指数「0」を、領域3121に関連付けて記憶装置に記憶する。
つぎに、表示制御部410は、前回の方向指数「0」であるため、領域3122の左に隣り合うc行c列の領域から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索する。そして、表示制御部410は、領域3122の左下に隣り合う領域3123の到達可能の識別情報を検出し、領域3122から領域3123へ向かう方向の方向指数「0」を、前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。
以降、表示制御部410は、前回の方向指数に基づいて検索開始点を決定し、検索開始点から左回りに到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索する処理を、方向指数に対応する矢印が領域3121に戻ってくるまで繰り返しおこなう。具体的には、表示制御部410は、領域3122の左に隣り合う領域から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索し、領域3123の下に隣り合う領域3124の到達可能の識別情報を検出して、方向指数「1」を前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。
同様に、表示制御部410は、前回の方向指数に基づいて検索開始点を決定した後、検索開始点から左回りに到達可能の識別情報を有する領域を検索し、到達可能の識別情報を有する領域3124〜3134を順次検出する。そして、表示制御部410は、方向指数を取得するごとに前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。
その後、表示制御部410は、領域3134の右上に隣り合うb行f列の領域から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索し、領域3134の上に隣り合う領域3121の到達可能の識別情報を検出して、方向指数「5」を前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。これにより、記憶装置には、方向指数「0」→「0」→「1」→「0」→「2」→「3」→「4」→「3」→「2」→「5」→「5」→「6」→「6」→「5」がこの順で記憶される。
このように表示制御部410は、最初に検出した領域3121から、当該領域3121に隣り合う到達可能の識別情報を有する領域3122〜3134を左回りに順次検索し方向指数を取得する。そして、表示制御部410は、領域3121から方向指数に対応する方向の一の領域を塗りつぶすことで、図32に示すように、車両の到達可能範囲の輪郭3201および当該輪郭3201に囲まれた部分3202からなる車両の到達可能範囲3200を有するメッシュを生成する。
<到達可能範囲の輪郭抽出例・その2>
表示制御部410による車両の到達可能範囲抽出の別の一例について説明する。表示制御部410は、たとえば、到達可能の識別情報が付与された2次元行列データ(Y,X)のメッシュの経度緯度情報に基づいて、車両の到達可能範囲の輪郭を抽出してもよい。具体的には、表示制御部410は、次のように車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。
図33は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出の別の一例について模式的に示す説明図である。図33に示すようなd行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュ3300を例に説明する。表示制御部410は、メッシュ3300の、到達可能の識別情報「1」が付与された領域を検索する。具体的には、表示制御部410は、まず、a行a列の領域からa行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を検索する。
メッシュ3300のa行目のすべての領域には到達不可能の識別情報「0」が付与されているので、つぎに、表示制御部410は、b行a列の領域からb行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。そして、表示制御部410は、到達可能の識別情報「1」を有するb行c列の領域3301の最小経度px1、最小緯度py1(領域3301の左上座標)を取得する。
つぎに、表示制御部410は、b行d列の領域からb行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。そして、表示制御部410は、到達可能の識別情報「1」を有する領域と、到達不可の識別情報「0」を有する領域との境界を検索し、到達可能の識別情報「1」を有するb行f列の領域3302の最大経度px2、最大緯度py2(領域3302の右下座標)を取得する。
つぎに、表示制御部410は、b行c列の領域3301の左上座標(px1,py1)と、b行f列の領域3302の右下座標(px2,py2)とを対向する頂点とする矩形領域を塗りつぶす。
つぎに、表示制御部410は、メッシュ3300のb行g列からb行h列の領域へ、さらにc行a列からc行h列に向かって到達可能の識別情報「1」を検索する。そして、表示制御部410は、到達可能の識別情報「1」を有するc行d列の領域3303の最小経度px3、最小緯度py3(領域3303の左上座標)を取得する。
つぎに、表示制御部410は、c行e列の領域からc行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。そして、表示制御部410は、到達可能の識別情報「1」を有する領域と、到達不可の識別情報「0」を有する領域との境界を検索し、到達可能の識別情報「1」を有するc行f列の領域3304の最大経度px4、最大緯度py4(領域3304の右下座標)を取得する。
つぎに、表示制御部410は、c行d列の領域3303の左上座標(px3,py3)と、c行f列の領域3304の右下座標(px4,py4)とを対向する頂点とする矩形領域を塗りつぶす。
その後、表示制御部410は、c行g列の領域からc行h列の領域へ、さらにd行a列からd行h列に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。表示制御部410は、c行g列の領域からd行h列までのすべての領域には到達不可能の識別情報「0」が付与されているので、処理を終了する。
このように、2次元行列データ(Y,X)のメッシュ3300の各行ごとに、到達可能の識別情報「1」を有する領域を塗りつぶすことにより、車両の到達可能範囲および車両の到達可能範囲の輪郭を取得することができる。
<ナビゲーション装置300における画像処理>
上述のように、ナビゲーション装置300は、車両の残存エネルギー量に基づいて探索された移動体の到達可能なノードに基づいて移動体の到達可能範囲を生成しディスプレイ313に表示させる。以下、たとえば、ナビゲーション装置300がEV車に搭載されている場合を例に説明する。
図34は、ナビゲーション装置による画像処理の手順の一例を示すフローチャートである。図34のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、たとえば、通信I/F315を介して、自装置が搭載された車両の現在地点(ofx,ofy)を取得し(ステップS3401)、車両の現在地点(ofx,ofy)における車両の初期保有エネルギー量を取得する(ステップS3402)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、探索処理(ステップS3403)、メッシュ生成処理(ステップS3404)を実行し、到達可能範囲を抽出する(ステップS3405)。その後、ナビゲーション装置300は、変更処理(ステップS3406)をおこなう。つぎに、ナビゲーション装置300は、車両の到達可能範囲の輪郭抽出処理(ステップS3407)をおこない、その後、ナビゲーション装置300は、ディスプレイ313に車両の到達可能範囲を表示し(ステップS3408)、本フローチャートによる処理を終了する。
<ナビゲーション装置300における推定消費電力量算出処理>
つぎに、ナビゲーション装置300による推定消費電力量算出処理について説明する。図35は、ナビゲーション装置300による推定消費電力量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。図19に示すフローチャートでは、上述したステップS3403の到達可能ノード探索処理でおこなう処理である。
図35のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、通信I/F315を介して、プルーブデータなどの渋滞情報や渋滞予測データを取得する(ステップS3501)。つぎに、ナビゲーション装置300は、リンクの長さや、リンクの道路種別を取得する(ステップS3502)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3501,S3502で取得した情報に基づいて、リンクの旅行時間を算出する(ステップS3503)。リンクの旅行時間とは、車両がリンクを走行し終わるのに要する時間である。つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3501〜S3503で取得した情報に基づいて、リンクの平均速度を算出する(ステップS3504)。リンクの平均速度とは、車両がリンクを走行する際の平均速度である。
つぎに、ナビゲーション装置300は、リンクの標高データを取得する(ステップS3505)。つぎに、ナビゲーション装置300は、車両の設定情報を取得する(ステップS3506)。つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3501〜S3506で取得した情報に基づいて、上述した(1)式〜(6)式のいずれか1つ以上の消費エネルギー推定式を用いて、リンクにおける推定消費電力量を算出し(ステップS3507)、本フローチャートによる処理を終了する。
<ナビゲーション装置300における探索処理>
つぎに、ナビゲーション装置300による探索処理(ステップS3403)について説明する。図36および図37は、ナビゲーション装置300による探索処理(ステップS3403)の手順を示すフローチャートである。図36および図37のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、探索始点に最も近いリンクL(i)_jに接続するノードN(i)_jをノード候補に追加する(ステップS3601)。探索始点とは、上述したステップS3401で取得した車両の現在地点(ofx,ofy)である。
変数i,jは、任意の数値であり、たとえば、探索始点に最も近いリンクおよびノードをそれぞれリンクL(1)_jおよびノードN(1)_jとし、さらに、ノードN(1)_jに接続するリンクをリンクL(2)_j、リンクL(2)_jに接続するノードをノードN(2)_jとしていけばよい(j=1,2,・・・,j1)。変数j1は、任意の数値であり、同一の階層に複数のリンクまたはノードが存在することを意味する。
つぎに、ナビゲーション装置300は、ノード候補が1つ以上あるか否かを判断する(ステップS3602)。ノード候補が1つ以上ある場合(ステップS3602:Yes)、ナビゲーション装置300は、車両の現在地点からノード候補までの累計消費電力量が最小なノード候補を選択する(ステップS3603)。たとえば、ナビゲーション装置300がノード候補としてノードN(i)_jを選択したとして以降の処理を説明する。
つぎに、ナビゲーション装置300は、車両の現在地点からノードN(i)_jまでの累計消費電力量が指定エネルギー量より小さいか否かを判断する(ステップS3604)。指定エネルギー量とは、たとえば、車両の現在地点における車両の残存エネルギー量である。指定エネルギー量より小さい場合(ステップS3604:Yes)、ナビゲーション装置300は、ノードN(i)_jに接続するすべてのリンクL(i+1)_jを抽出する(ステップS3605)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3605において抽出したリンクL(i+1)_jのうち、一のリンクL(i+1)_jを選択する(ステップS3606)。つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3606において選択した一のリンクL(i+1)_jをリンク候補とするか否かを判断する候補判断処理をおこなう(ステップS3607,S3608)。
一のリンクL(i+1)_jをリンク候補とする場合(ステップS3608:Yes)、ナビゲーション装置300は、一のリンクL(i+1)_jでの消費電力量算出処理をおこなう(ステップS3609)。つぎに、ナビゲーション装置300は、一のリンクL(i+1)_jに接続するノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jを算出する(ステップS3610)。つぎに、ナビゲーション装置300は、ノードN(i+1)_jに接続する処理済みの他の経路があるか否かを判断する(ステップS3611)。
処理済みの他の経路がある場合(ステップS3611:Yes)、ナビゲーション装置300は、車両の現在地点からノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jが他の経路での累計消費電力量よりも小さいか否かを判断する(ステップS3612)。他の経路での累計消費電力量よりも小さい場合(ステップS3612:Yes)、ナビゲーション装置300は、ノードN(i+1)_jに車両の現在地点からノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jを設定する(ステップS3613)。
一方、処理済みの他の経路がない場合(ステップS3611:No)、ナビゲーション装置300は、ステップS3613に進む。つぎに、ナビゲーション装置300は、ノードN(i+1)_jがノード候補であるか否かを判断する(ステップS3614)。ノード候補でない場合(ステップS3614:No)、ナビゲーション装置300は、ノードN(i+1)_jをノード候補に追加する(ステップS3615)。
また、一のリンクL(i+1)_jをリンク候補としない場合(ステップS3608:No)、車両の現在地点からノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jが他の経路での累計消費電力量以上である場合(ステップS3612:No)、ノードN(i+1)_jがノード候補である場合(ステップS3614:Yes)、ナビゲーション装置300は、ステップS3616へ進む。
つぎに、ナビゲーション装置300は、すべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了したか否かを判断する(ステップS3616)。すべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了した場合(ステップS3616:Yes)、ノードN(i)_jをノード候補から外した後(ステップS3617)、ステップS3602へ戻る。そして、ナビゲーション装置300は、ノード候補が1つ以上ある場合(ステップS3602:Yes)、ノード候補の中から、車両の現在地点からの累計消費電力量が最小なノード候補を選択し(ステップS3603)、ステップS3603において選択したノード候補を次のノードN(i)_jとしてステップS3604以降の処理をおこなう。
一方、すべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了していない場合(ステップS3616:No)、ステップS3606へ戻る。そして、ナビゲーション装置300は、再度、ノードN(i)_jに接続する他のリンクL(i+1)_jを選択し、同一のノード候補に接続するすべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了するまで(ステップS3616:Yes)、ステップS3607からステップS3615までの処理を繰り返しおこなう。また、ノード候補が1つ以上ない場合(ステップS3602:No)、車両の現在地点からノードN(i)_jまでの累計消費電力量が指定エネルギー量以上である場合(ステップS3604:No)、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
<ナビゲーション装置300におけるリンク候補判断処理>
つぎに、ナビゲーション装置300によるリンク候補判断処理(ステップS3607)について説明する。図38は、ナビゲーション装置300によるリンク候補判断処理(ステップS3607)の手順の一例を示すフローチャートである。
図38のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、ステップS3606において選択した一のリンクL(i+1)_jが通行禁止であるか否かを判断する(ステップS3801)。通行禁止でない場合(ステップS3801:No)、ナビゲーション装置300は、一のリンクL(i+1)_jが一方通行の逆走であるか否かを判断する(ステップS3802)。一方通行の逆走でない場合(ステップS3802:No)、ナビゲーション装置300は、一のリンクL(i+1)_jが時間規制や季節規制されているか否かを判断する(ステップS3803)。
時間規制や季節規制されていない場合(ステップS3803:No)、ナビゲーション装置300は、一のリンクL(i+1)_jが一のリンクL(i+1)_jの車両の現在地点側のノードN(i+1)に接続するリンクL(i)_jよりも重要度が低いか否かを判断する(ステップS3804)。リンクL(i)_jよりも重要度が高い場合(ステップS3804:No)、ナビゲーション装置300は、一のリンクL(i+1)_jをリンク候補に決定し(ステップS3805)、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、通行禁止である場合(ステップS3801:Yes)、一方通行の逆走である場合(ステップS3802:Yes)、時間規制や季節規制されている場合(ステップS3803:Yes)、接続するリンクL(i)_jよりも重要度が低い場合(ステップS3804:Yes)ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
<ナビゲーション装置300におけるメッシュ生成処理>
つぎに、ナビゲーション装置300によるメッシュ生成処理(ステップS3404)について説明する。図39は、ナビゲーション装置300によるメッシュ生成処理(ステップS3404)の手順の一例を示すフローチャートである。
図39のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、到達可能なノード(探索可能地点)の経度緯度情報(x,y)を取得する(ステップS3901)。つぎに、ナビゲーション装置300は、最大経度x_max、最小経度x_min、最大緯度y_max、最小緯度y_minを取得する(ステップS3902)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3401で取得した車両の現在地点(ofx,ofy)から、最大経度x_maxまでの距離w1、最小経度x_minまでの距離w2、最大緯度y_maxまでの距離w3、最小緯度y_minまでの距離w4をそれぞれ算出する(ステップS3903)。つぎに、ナビゲーション装置300は、距離w1〜w4のうちの最も長い距離w5=max(w1,w2,w3,w4)を取得する(ステップS3904)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、記憶装置に記憶された地図データを絶対座標系からスクリーン座標系へ変換するための倍率mag=w5/nを算出する(ステップS3905)。つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3905において算出した倍率magを用いて地図データを絶対座標系からスクリーン座標系へ変換し、m×mドットのメッシュ(X,Y)を生成する(ステップS3906)。
ナビゲーション装置300は、ステップS3906において、到達可能なノードを含むメッシュ(X,Y)に到達可能の識別情報を付与し、到達可能なノードを含まないメッシュ(X,Y)に到達不可能の識別情報を付与する。そして、ナビゲーション装置300は、識別情報変更処理をおこなうことで、橋またはトンネルに相当するメッシュ(X,Y)の欠損点を除去する(ステップS3907)。
<ナビゲーション装置300における識別情報変更処理>
つぎに、ナビゲーション装置300による識別情報変更処理(ステップS3907)について説明する。図40は、ナビゲーション装置300による識別情報変更処理(ステップS3907)の手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、ナビゲーション装置300は、橋またはトンネルの入口および出口に相当する各領域の識別情報が到達可能の識別情報である場合に、橋またはトンネルに相当する領域に生じている欠損点を除去する。
図40のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、my行mx列の2次元行列データのメッシュを取得する(ステップS3911)。つぎに、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域の識別情報を検索するために、変数i,jに1を代入する(ステップS3912,S3913)。つぎに、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域が橋またはトンネルの出入り口であるか否かを判断する(ステップS3914)。
i行j列の領域が橋またはトンネルの出入り口である場合(ステップS3914:Yes)、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS3915)。i行j列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS3915:Yes)、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域に対応する、橋またはトンネルの他方の出入り口の領域の位置情報(i1,j1)を取得する(ステップS3916)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、メッシュのi1行j1列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS3917)。i1行j1列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS3917:Yes)、ナビゲーション装置300は、i行j列の領域とi1行j1列の領域とを結ぶ区間上にあるすべての領域の位置情報を取得する(ステップS3918)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS3918において取得した各領域の識別情報を「1」に変更する(ステップS3919)。これにより、i行j列の領域とi1行j1列の領域とを結ぶ橋またはトンネルに相当する領域に生じている欠損点が除去される。ナビゲーション装置300は、ステップS3918において取得した各領域の識別情報がすべて「1」であった場合に、ステップS3919の処理をおこなわずにステップS3920へ進んでもよい。
また、i行j列の領域が橋またはトンネルの出入り口でない場合(ステップS3914:No)、i行j列の領域の識別情報が「1」でない場合(ステップS3915:No)、および、i1行j1列の領域の識別情報が「1」でない場合(ステップS3917:No)、ナビゲーション装置300は、ステップS3920に進む。
つぎに、ナビゲーション装置300は、変数jに1を加算し(ステップS3920)、変数jがmx列を超えているか否かを判断する(ステップS3921)。変数jがmx列を超えていない場合(ステップS3921:No)、ナビゲーション装置300は、ステップS3914に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。一方、変数jがmx列を超えている場合(ステップS3921:Yes)、ナビゲーション装置300は、変数iに1を加算し(ステップS3922)、変数iがmy行を超えているか否かを判断する(ステップS3923)。
変数iがmy行を超えていない場合(ステップS3923:No)、ナビゲーション装置300は、ステップS3913に戻り、変数jに1を代入した後、以降の処理を繰り返しおこなう。一方、変数iがmy行を超えている場合(ステップS3923:Yes)、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。これにより、ナビゲーション装置300は、my行mx列の2次元行列データのメッシュに含まれる橋またはトンネル上のすべての欠損点を除去することができる。
また、ナビゲーション装置300は、ステップS3916において橋またはトンネルの他方の出入り口として取得されたi1行j1列の領域について、再度、橋またはトンネルの他方の出入り口であるか否かの判断(ステップS3914の処理)をおこなわなくてもよい。これにより、ナビゲーション装置300は、識別情報変更処理の処理量を低減させることができる。
<ナビゲーション装置300における変更処理>
つぎに、ナビゲーション装置300による変更処理(ステップS3406)について説明する。図41は、ナビゲーション装置300による変更処理(ステップS3406)の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ナビゲーション装置300は、移動体の自車位置を中心とした領域R0を描画する(ステップS4101)。領域R0が、描画対象となる地図情報である。つぎに、ナビゲーション装置300は、連結領域群分類処理(ステップS4102)、領域選択処理(ステップS4103)を実行する。そして、ナビゲーション装置300は、選択領域を除き、所定面積以下の連結領域群を背景色に変更する(ステップS4104)。
このあと、ナビゲーション装置300は、非移動推奨地点を含む領域を特定し、図21(B)仮ラベル番号付与後の地図情報を参照してその領域を含む連結領域群の仮ラベル番号と矩形領域のラベル番号とを特定する。そして、ナビゲーション装置300は、第1のルックアップテーブルT1を参照し、該当する真のラベル番号、該当する矩形領域から、該当する連結領域群を特定して、特定した連結領域群を背景色に変更する(ステップS4105)。これにより、全領域をサーチする必要がなくなり、変更処理の高速化を図ることができる。
図42および図43は、連結領域群分類処理(ステップS4102)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、ナビゲーション装置300は、ルックアップテーブルTを初期化し(ステップS4201)、注目領域を指定するx,y座標値をx=0,y=0に設定する(ステップS4202)。つぎに、ナビゲーション装置300は、注目領域x,yの仮ラベル番号が「0」か否かを判断する(ステップS4203)。
「0」である場合(ステップS4203:Yes)、ステップS4205へ移行する。一方、「0」でない場合(ステップS4203:No)、ナビゲーション装置300は、ルックアップテーブル作成処理を実行して(ステップS4204)、ステップ4205に移行する。ステップS4205では、ナビゲーション装置300は、x=xmaxであるか否かを判断する(ステップS4205)。xmaxは、xの最大値である。すなわち、x=xmaxである場合、注目領域は、地図情報の右端のいずれかの領域に位置することになる。
x=xmaxでない場合(ステップS4205:No)、xをインクリメントして(ステップS4206)、ステップS4203に戻る。一方、x=xmaxである場合(ステップS4205:Yes)、ナビゲーション装置300はx=0に設定する(ステップS4207)。そして、ナビゲーション装置300は、y=ymaxであるか否かを判断する(ステップS4208)。ymaxは、yの最大値である。すなわち、x=xmaxである場合、注目領域は、地図情報の下端のいずれかの領域に位置することになる。
y=ymaxでない場合(ステップS4208:No)、yをインクリメントして(ステップS4209)、ステップS4203に戻る。一方、y=ymaxである場合(ステップS4208:Yes)、図43のステップS4301に移行する。
図43において、ナビゲーション装置300は、ルックアップテーブルTの上段の要素i=0に設定し(ステップS4301)、真ラベル番号取得処理を実行する(ステップS4302)。真ラベル番号取得処理(ステップS4302)のあと、ナビゲーション装置300は、要素iが要素iの真のラベル番号Lと等しいか否かを判断する(ステップS4303)。等しい場合(ステップS4303:Yes)、ステップS4306に移行する。
一方、等しくない場合(ステップS4303:No)、ナビゲーション装置300は、要素iのラベル番号を真のラベル番号Lに書き換える(ステップS4304)。そして、ナビゲーション装置300は、矩形領域および面積を更新する(ステップS4305)。すなわち、ナビゲーション装置300は、第2のルックアップテーブルT2において、書き換え前のラベル番号の矩形領域および面積を、真のラベル番号の矩形領域および面積にマージする。そして、i=nであるか否かを判断し(ステップS4306)、i=nでない場合(ステップS4306:No)、iをインクリメントして(ステップS4307)、ステップS4302に移行する。一方、i=nである場合(ステップS4306:Yes)、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
図44は、図43に示した真ラベル番号取得処理(ステップS4302)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。ナビゲーション装置300は、要素iのラベル番号kを第1のルックアップテーブルT1から取得する(ステップS4401)。つぎに、ナビゲーション装置300は、i=kであるか否かを判断する(ステップS4402)。i=kでない場合(ステップS4402:No)、改めてiの値をkにして(ステップS4403)、ステップS4402に戻る。一方、i=kである場合(ステップS4402:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
図45〜図48は、図42に示したルックアップテーブル作成処理(ステップS4204)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。ナビゲーション装置300は、条件1から順に条件8まで、注目領域が各条件を満たすか否かを判断する。具体的には、ナビゲーション装置300は、注目領域が図16の(A)に示す条件1を満たす場合(ステップS4501:Yes)、図46のステップS4601に移行する。条件1を満たさない場合(ステップS4501:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件2を満たすか否かを判断する(ステップS4502)。
条件2を満たす場合(ステップS4502:Yes)、図47のステップS4701に移行する。一方、条件2を満たさない場合(ステップS4502:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件3を満たすか否かを判断する(ステップS4503)。
条件3を満たす場合(ステップS4503:Yes)、図47のステップS4701に移行する。一方、条件3を満たさない場合(ステップS4503:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件4を満たすか否かを判断する(ステップS4504)。
条件4を満たす場合(ステップS4504:Yes)、図48のステップS4801に移行する。一方、条件4を満たさない場合(ステップS4504:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件5を満たすか否かを判断する(ステップS4505)。
条件5を満たす場合(ステップS4505:Yes)、図47のステップS4701に移行する。一方、条件5を満たさない場合(ステップS4505:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件6を満たすか否かを判断する(ステップS4506)。
条件6を満たす場合(ステップS4506:Yes)、図47のステップS4701に移行する。一方、条件6を満たさない場合(ステップS4506:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件7を満たすか否かを判断する(ステップS4507)。
条件7を満たす場合(ステップS4507:Yes)、図48のステップS4801に移行する。一方、条件7を満たさない場合(ステップS4507:No)、ナビゲーション装置300は、注目領域が条件8を満たすか否かを判断する(ステップS4508)。
条件8を満たす場合(ステップS4508:Yes)、図48のステップS4801に移行する。一方、条件8を満たさない場合(ステップS4508:No)、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
また、注目領域が条件1を満たした場合(ステップS4501:Yes)、図46において、ナビゲーション装置300は、第1のルックアップテーブルT1の末尾番号に1加算した番号(nとする)を、新規仮ラベル番号として注目領域に付与する(ステップS4601)。そして、ナビゲーション装置300は、第2のルックアップテーブルT2において、要素nの矩形領域の中心画素を囲む領域で、面積を1で初期化して(ステップS4602)、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
また、注目領域が条件2,3,5,6を満たした場合(ステップS4502:Yes、ステップS4503:Yes、ステップS4505:Yes、ステップS4506:Yes)、ナビゲーション装置300は、第1のルックアップテーブルT1において、注目領域に対応する要素iの仮ラベル番号を連結判定対象領域の仮ラベル番号と同一仮ラベル番号に書き換える(ステップS4701)。そして、ナビゲーション装置300は、第2のルックアップテーブルT2において、要素iの矩形領域および面積を更新する(ステップS4702)。なお、ステップ4702では、ルックアップテーブルT2において、要素iの矩形領域および面積を更新する処理は以下のように行う。矩形領域については、連結判定対象領域の仮ラベル番号に対応する矩形領域の左上、右下頂点座標を、中心領域を含んだ矩形領域に更新する。また、連結判定対象領域の仮ラベル番号に対応する面積に中心領域の面積1を加える。これにより、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
また、注目領域が条件4,7,8を満たした場合(ステップS4504:Yes、ステップS4507:Yes、ステップS4508:Yes)、ナビゲーション装置300は、第1のルックアップテーブルT1において、注目領域に対応する要素iのラベル番号を連結判定対象領域のうち領域番号が若い方の領域と同一の仮ラベル番号に書き換える(ステップS4801)。
具体的には、たとえば、条件4の場合、図16の(D)に示したように、連結判定対象領域は、領域番号2,4の領域であるため、ナビゲーション装置300は、若い方の領域番号2の領域と同一の仮ラベル番号に書き換えることになる。
図48に戻り、ナビゲーション装置300は、ステップS4702で示したように、第2のルックアップテーブルT2において、要素iの矩形領域および面積を更新する(ステップS4802)。ステップS4802の詳細は、ステップS4702と同一処理であるため省略する。このあと、ナビゲーション装置300は、注目領域に対応する要素iの仮ラベル番号を連結判定対象領域のうち領域番号が古い方の領域について、図44に示した真ラベル番号取得処理を実行する(ステップS4803)。具体的には、たとえば、条件4の場合、図16の(D)に示したように、連結判定対象領域は、領域番号2,4の領域であるため、ナビゲーション装置300は、古い方の領域番号4の領域について、真ラベル番号取得処理(ステップS4803)を実行することになる。また、真ラベル番号取得処理(ステップS4803)の詳細は、図44と同一処理であるため省略する。
このあと、ナビゲーション装置300は、第1のルックアップテーブルT1のLlarge番目の要素のラベル番号LlargeをLsmallに書き換える(ステップS4804)。連結判定対象領域のうち古い方の領域の現時点での真ラベル番号と、注目領域の現時点での真のラベル番号とのうち、大きい方がLlargeであり、小さい方がLsmallである。そして、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。
図49は、図41に示した領域選択処理(ステップS4103)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、ナビゲーション装置300は、自車位置を含む連結領域群(RNとする)があるか否かを判断する(ステップS4901)。連結領域群RNがない場合(ステップS4901:No)、ステップS4903に移行する。一方、連結領域群RNがある場合(ステップS4901:Yes)、ナビゲーション装置300は、連結領域群RNの面積S(RN)が、表示するために必要な最低面積Sminよりも小さいか否かを判断する(ステップS4902)。小さくない場合(ステップS4902:No)、ステップS4905に移行する。一方、小さい場合(ステップS4902:Yes)、ナビゲーション装置300は、自車位置から最近傍の連結領域群(RNとする)を検索する(ステップS4903)。
そして、ナビゲーション装置300は、連結領域群RNが検索されたか否かを判断する(ステップS4904)。検索された場合(ステップS4904:Yes)、ステップS4905に移行する。ステップS4905では、ナビゲーション装置300は、連結領域群RNを確定させる(ステップS4905)。これにより、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。一方、ステップS4904において、連結領域群RNが検索されなかった場合(ステップS4904:No)、ナビゲーション装置300は、領域R0を連結領域群RNに決定して(ステップS4906)、本フローチャートによる処理を終了する。
<ナビゲーション装置300における到達可能範囲輪郭抽出処理>
つぎに、ナビゲーション装置300による識別情報付与処理について説明する。図50および図51は、ナビゲーション装置300による到達可能範囲輪郭抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。図50および図51のフローチャートは、上述したステップS3407でおこなう処理の一例であり、上述したナビゲーション装置300における到達可能範囲の輪郭抽出例・その2に示す到達可能範囲輪郭抽出処理である。
図50および図51のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、my行mx列の2次元行列データのメッシュを取得する(ステップS5001)。つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS5001で取得したメッシュの各領域の経度緯度情報を取得する(ステップS5002)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域の識別情報を検索するために、変数iを初期化し、変数iに1を加算する(ステップS5003,S5004)。つぎに、ナビゲーション装置300は、変数iがmy行を超えているか否かを判断する(ステップS5005)。
変数iがmy行を超えていない場合(ステップS5005:No)、ナビゲーション装置300は、変数jを初期化し、変数jに1を加算する(ステップS5006,S5007)。つぎに、ナビゲーション装置300は、変数jがmx列を超えているか否かを判断する(ステップS5008)。
変数jがmx列を超えていない場合(ステップS5008:No)、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS5009)。i行j列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS5009:Yes)、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域の左上座標(px1,py1)を取得する(ステップS5010)。i行j列の領域の左上座標(px1,py1)とは、i行j列の領域の最小経度px1、最小緯度py1である。
つぎに、ナビゲーション装置300は、変数jがmx列を超えていないか否かを判断する(ステップS5011)。変数jがmx列を超えている場合(ステップS5011:No)、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j列の領域の右下座標(px2,py2)を取得する(ステップS5012)。i行j列の領域の右下座標(px2,py2)とは、i行j列の領域の最大経度px2、最大緯度py2である。
つぎに、ナビゲーション装置300は、ステップS5010において取得した左上座標(px1,py1)と、ステップS5012において取得した右下座標(px2,py2)とを地図データに設定する(ステップS5016)。そして、ナビゲーション装置300は、左上座標(px1,py1)と、右下座標(px2,py2)とを対向する頂点とする矩形領域を塗りつぶし(ステップS5017)、ステップS5004に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
一方、変数jがmx列を超えていない場合(ステップS5011:Yes)、ナビゲーション装置300は、変数jに1を加算し(ステップS5013)、メッシュのi行j列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS5014)。i行j列の領域の識別情報が「1」でない場合(ステップS5014:No)、ナビゲーション装置300は、メッシュのi行j−1列の領域の右下座標(px2,py2)を取得し(ステップS5015)、ステップS5016以降の処理をおこなう。
また、i行j列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS5014:Yes)、ステップS5011に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。そして、変数iがmy行を超えている場合(ステップS5005:Yes)、ナビゲーション装置300は、本フローチャートによる処理を終了する。変数jがmx列を超えている場合(ステップS5008:Yes)、ステップS5004に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
<道路勾配について>
つぎに、上記(1)式〜(6)式の右辺に変数として用いられる道路勾配θについて説明する。図52は、勾配がある道路を走行する車両にかかる加速度の一例を模式的に示した説明図である。図52に示すように、道路勾配がθの坂道を走行する車両には、車両の走行に伴う加速度A(=dx/dt)と、重力加速度gの進行方向成分B(=g・sinθ)がかかる。たとえば、上記(1)式を例に説明すると、上記(1)式の右辺第2項は、この車両の走行に伴う加速度Aと、重力加速度gの進行方向成分Bの合成加速度Cを示している。また、車両が走行する区間の距離Dとし、走行時間Tとし、走行速度Vとする。
道路勾配θを考慮せずに電力消費量の推定を行った場合、道路勾配θが小さい領域では推定消費電力量と実際の消費電力量との誤差が小さいが、道路勾配θが大きい領域では推定した推定消費電力量と実際の消費電力量との誤差が大きくなってしまう。このため、ナビゲーション装置300では、道路勾配、すなわち第四情報を考慮して燃費の推定をおこなうことで推定精度が向上する。
車両が走行する道路の勾配は、たとえば、ナビゲーション装置300に搭載された傾斜計を用いて知ることができる。また、ナビゲーション装置300に傾斜計が搭載されていない場合は、たとえば、地図データに含まれる道路の勾配情報を用いることができる。
<走行抵抗について>
つぎに、車両に生じる走行抵抗について説明する。ナビゲーション装置300は、たとえば、次の(11)式により走行抵抗を算出する。一般的に、走行抵抗は、道路種別や、道路勾配、路面状況などにより、加速時や走行時に移動体に生じる。
Figure 2014016949
<ナビゲーション装置300によるクロージング処理後の表示例>
つぎに、ナビゲーション装置300によるクロージング処理後の表示例について説明する。図53は、ナビゲーション装置300による到達可能地点探索処理後の表示例の一例について示す説明図である。図54は、ナビゲーション装置300による識別情報付与処理後の表示例の一例について示す説明図である。図55は、ナビゲーション装置300による第1識別情報変更処理後の表示例の一例について示す説明図である。また、図56は、ナビゲーション装置300によるクロージング処理(膨張)後の表示例の一例について示す説明図である。図57は、ナビゲーション装置300によるクロージング処理(縮小)後の表示例の一例について示す説明図である。
図53に示すように、たとえば、ディスプレイ313には、地図データとともに、ナビゲーション装置300によって探索された複数の車両の到達可能地点が表示される。図53に示すディスプレイ313の状態は、ナビゲーション装置300によって到達可能地点探索処理がおこなわれたときの、ディスプレイに表示される情報の一例である。具体的には、図34のステップS3403の処理がおこなわれた状態である。
つぎに、ナビゲーション装置300によって地図データが複数の領域に分割され、到達可能地点に基づいて各領域に到達可能または到達不可能の識別情報が付与されることで、図54に示すように、ディスプレイ313には、到達可能の識別情報に基づく車両の到達可能範囲5400が表示される。この段階では、車両の到達可能範囲5400内に、到達不可能な領域からなる欠損点が生じている。
また、車両の到達可能範囲5400内には、たとえば、東京湾を横断する東京湾横断道路(東京湾アクアライン:登録商標)5410の両出入り口に相当する領域が含まれる。しかし、車両の到達可能範囲5400内には、東京湾横断道路5410上の全領域のうち、一の領域5411しか含まれていない。つぎに、ナビゲーション装置300によって第1識別情報変更処理がおこなわれることにより、図55に示すように東京湾横断道路上の欠損点が除去され、ディスプレイ313には、東京湾横断道路5410上の全領域5421が含まれた到達可能範囲5500が表示される。
つぎに、ナビゲーション装置300によってクロージングの膨張処理がおこなわれることにより、図56に示すように、欠損点の除去された車両の到達可能範囲5600が生成される。また、すでに、第1識別情報変更処理によって東京湾横断道路上の全領域5421が到達可能範囲5500に含まれているため、クロージングの膨張処理後においても、東京湾横断道路上の全領域5610は、車両の到達可能範囲5600となる。その後、ナビゲーション装置300によってクロージングの縮小処理がおこなわれることにより、図57に示すように、車両の到達可能範囲5700の外周は、クロージングがおこなわれる前の車両の到達可能範囲5400の外周とほぼ同様の大きさとなる。なお、図56の東京湾横断道路上の全領域5610の境界および図57の東京湾横断道路上の全領域5710の夫々の境界は、メッシュに依存した境界の表示となるが、ここでは分かりやすいように斜め線の境界で表示している。
そして、ナビゲーション装置300によって車両の到達可能範囲5700の輪郭5701を抽出することで、車両の到達可能範囲5700の輪郭をなめらかに表示することができる。また、クロージングによって欠損点を除去しているため、車両の到達可能範囲2400は、2次元のなめらかな面5702で表示される。また、クロージング縮小処理後においても、東京湾横断道路上の全領域5710は、車両の到達可能範囲5700またはその輪郭5701として表示される。
以上説明したように、ナビゲーション装置300によれば、地図情報を複数の領域に分割して各領域ごとに移動体が到達可能か否かを探索し、各領域にそれぞれ移動体が到達可能または到達不可能であることを識別する到達可能または到達不可能の識別情報を付与する。そして、ナビゲーション装置300は、到達可能の識別情報が付与された領域に基づいて、移動体の到達可能範囲を生成する。このため、ナビゲーション装置300は、海や湖、山脈など移動体の走行不可能な領域を除いた状態で移動体の到達可能範囲を生成することができる。したがって、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲を正確に表示することができる。
また、ナビゲーション装置300は、地図情報を分割した複数の領域を画像データに変換し、当該複数の領域にそれぞれ到達可能または到達不可能の識別情報を付与した後、クロージングの膨張処理をおこなう。このため、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能範囲内の欠損点を除去することができる。
また、ナビゲーション装置300は、地図情報を分割した複数の領域を画像データに変換し、当該複数の領域にそれぞれ到達可能または到達不可能の識別情報を付与した後、オープニングの縮小処理をおこなう。このため、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能範囲の孤立点を除去することができる。
このように、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能範囲の欠損点や孤立点を除去することができるので、移動体の走行可能範囲を2次元のなめらかな面でかつ見やすく表示することができる。また、ナビゲーション装置300は、地図情報を複数の領域に分割して生成したメッシュの輪郭を抽出する。このため、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能範囲の輪郭をなめらかに表示することができる。
また、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能地点を探索する道路を絞り込んで、移動体の到達可能地点を探索する。このため、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能地点を探索する際の処理量を低減することができる。移動体の到達可能地点を探索する道路を絞り込むことで、探索可能な到達可能地点が少なくなったとしても、上述したようにクロージングの膨張処理がおこなわれることにより、移動体の到達可能範囲内に生じる欠損点を除去することができる。したがって、ナビゲーション装置300は、移動体の到達可能範囲を検出するための処理量を低減することができる。また、ナビゲーション装置300は、移動体の走行可能範囲を2次元のなめらかな面で見やすく表示することができる。
(実施の形態2)
図58は、実施の形態2にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。実施の形態2にかかる画像処理システム5800の機能的構成について説明する。実施の形態2にかかる画像処理システム5800は、サーバ5810、端末5820によって構成される。実施の形態2にかかる画像処理システム5800は、実施の形態1の画像処理装置400の機能をサーバ5810および端末5820に備える。
サーバ5810は、移動体に搭載された端末5820によって表示部411に表示させる情報を生成する。具体的には、サーバ5810は、移動体の到達可能範囲に関する情報を検出し端末5820に送信する。端末5820は、移動体に搭載されても構わないし、携帯端末として移動体の中で利用されても構わないし、携帯端末として移動体の外で利用されても構わない。そして、端末5820は、サーバ5810から移動体の到達可能範囲に関する情報を受信する。
図58において、サーバ5810は、算出部402、探索部403、分割部404、付与部405、検出部406、変更部407、特定部408、更新部409、サーバ受信部5811、サーバ送信部5812によって構成される。端末5820は、取得部401、表示制御部410、端末受信部5821、端末送信部5822によって構成される。なお、図58に示す画像処理システム5800においては、図1に示した画像処理装置400と同一の構成部に同一の符号を付し、説明を省略する。
サーバ5810において、サーバ受信部5811は、端末5820から送信された情報を受信する。具体的には、たとえば、サーバ受信部5811は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末5820からの移動体に関する情報を受信する。移動体に関する情報とは、移動体の現在地点に関する情報、および、移動体の現在地点において移動体が保有するエネルギー量である初期保有エネルギー量に関する情報である。サーバ受信部5811によって受信された情報は、算出部402で参照される情報である。
サーバ送信部5812は、付与部405によって移動体が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報が付与された地図情報が分割されてなる複数の領域を移動体の到達可能範囲として、端末5820に送信する。具体的には、たとえば、サーバ送信部5812は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末5820に情報を送信する。
端末5820は、たとえば、携帯端末の情報通信網や自装置に備えられた通信部(不図示)を介して通信可能な状態で、サーバ5810と接続されている。
端末5820において、端末受信部5821は、サーバ5810からの情報を受信する。具体的には、端末受信部5821は、複数の領域に分割され、かつ当該領域のそれぞれに、移動体の到達可能地点に基づいて到達可能または到達不可能の識別情報が付与された地図情報を受信する。より具体的には、たとえば、端末受信部5821は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続されたサーバ5810から情報を受信する。
端末送信部5822は、取得部401によって取得された移動体に関する情報をサーバ5810に送信する。具体的には、たとえば、端末送信部5822は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続されたサーバ5810に移動体に関する情報を送信する。
つぎに、実施の形態2にかかる画像処理システム5800による画像処理について説明する。画像処理システム5800による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置400とほぼ同一である。画像処理システム5800による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置400による画像処理のうち、算出部402〜更新部409までの処理をサーバ5810がおこなう。具体的には、端末5820は、取得部401で取得した情報をサーバ5810に送信する。
つぎに、サーバ5810は、端末5820からの情報を受信する。つぎに、サーバ5810は、端末5820から受信した情報に基づいて算出部402〜更新部409までの処理をおこない、端末5820に送信する。つぎに、端末5820は、サーバ5810からの情報を受信する。そして、端末5820は、サーバ5810から受信した情報に基づいて表示制御部410による処理をおこない、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態2にかかる画像処理システム5800および画像処理方法は、実施の形態1にかかる画像処理装置400および画像処理方法と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図59は、実施の形態3にかかる画像処理システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。実施の形態3にかかる画像処理システム5900の機能的構成について説明する。実施の形態3にかかる画像処理システム5900は、第1サーバ5910、第2サーバ5920、第3サーバ5930、端末5940によって構成される。画像処理システム5900は、実施の形態1の画像処理装置400の算出部402の機能を第1サーバ5910が備え、実施の形態1の画像処理装置400の探索部403の機能を第2サーバ5920が備え、実施の形態1の画像処理装置400の分割部404、付与部405、検出部406、変更部407、特定部408、および更新部409の機能を第3サーバ5930が備え、実施の形態1の画像処理装置400の取得部401および表示制御部410の機能を端末5940が備える。
図59において、端末5940は、実施の形態2の端末5820と同様の構成を有する。具体的には、端末5940は、取得部401、表示制御部410、端末受信部5941、端末送信部5942によって構成される。端末受信部5941は、実施の形態2の端末受信部5821と同様の構成を有する。端末送信部5942は、実施の形態2の端末送信部5822と同様の構成を有する。第1サーバ5910は、算出部402、第1サーバ受信部5911、第1サーバ送信部5912、によって構成される。
第2サーバ5920は、探索部403、第2サーバ受信部5921、第2サーバ送信部5922、によって構成される。第3サーバ5930は、分割部404、付与部405、検出部406、変更部407、特定部408、更新部409、第3サーバ受信部5931、第3サーバ送信部5932、によって構成される。図59に示す画像処理システム5900においては、画像処理装置400および図58に示した画像処理システム5800と同一の構成部に同一の符号を付し、説明を省略する。
第1サーバ5910において、第1サーバ受信部5911は、端末5940から送信された情報を受信する。具体的には、たとえば、第1サーバ受信部5911は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末5940の端末送信部5942からの情報を受信する。第1サーバ受信部5911によって受信された情報は、算出部402で参照される情報である。
第1サーバ送信部5912は、算出部402によって算出された情報を第2サーバ受信部5921に送信する。具体的には、第1サーバ送信部5912は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第2サーバ受信部5921に情報を送信してもよいし、有線で接続された第2サーバ受信部5921に情報を送信してもよい。
第2サーバ5920において、第2サーバ受信部5921は、端末送信部5942および第1サーバ送信部5912によって送信された情報を受信する。具体的には、たとえば、第2サーバ受信部5921は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第1サーバ送信部5912および端末送信部5942からの情報を受信する。第2サーバ受信部5921は、有線で接続された第1サーバ送信部5912からの情報を受信してもよい。第2サーバ受信部5921によって受信された情報は、探索部403で参照される情報である。
第2サーバ送信部5922は、探索部403によって探索された情報を第3サーバ受信部5931に送信する。具体的には、たとえば、第2サーバ送信部5922は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第3サーバ受信部5931に情報を送信してもよいし、有線で接続された第3サーバ受信部5931に情報を送信してもよい。
第3サーバ5930において、第3サーバ受信部5931は、端末送信部5942および第2サーバ送信部5922によって送信された情報を受信する。具体的には、たとえば、第3サーバ受信部5931は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第2サーバ送信部5922および端末送信部5942からの情報を受信してもよい。第3サーバ受信部5931は、有線で接続された第2サーバ送信部5922からの情報を受信してもよい。第3サーバ受信部5931によって受信された情報は、分割部404で参照される情報である。
第3サーバ送信部5932は、付与部405によって生成された情報を端末受信部5941に送信する。具体的には、たとえば、第3サーバ送信部5932は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末受信部5941に情報を送信する。
つぎに、実施の形態3にかかる画像処理システム5900による画像処理について説明する。画像処理システム5900による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置400とほぼ同一である。
画像処理システム5900による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置400による画像処理のうち、算出部402による算出処理を第1サーバ5910がおこない、探索部403による探索処理を第2サーバ5920がおこない、分割部404〜更新部409の処理を第3サーバ5930がおこなう。端末5940は、取得部401で取得した情報を第1サーバ5910に送信する。
つぎに、第1サーバ5910は、端末5940からの情報を受信する。つぎに、第1サーバ5910は、端末5940から受信した情報に基づいて算出部402による処理をおこない、算出した情報を第2サーバ5920に送信する。つぎに、第2サーバ5920は、第1サーバ5910からの情報を受信する。つぎに、第2サーバ5920は、第1サーバ5910から受信した情報に基づいて探索部403による処理をおこない、探索した情報を第3サーバ5930に送信する。
つぎに、第3サーバ5930は、第2サーバ5920からの情報を受信する。つぎに、第3サーバ5930は、第2サーバ5920からの情報に基づいて、分割部404〜更新部409の処理をおこない、得られた情報を端末5940に送信する。つぎに、端末5940は、第3サーバ5930からの情報を受信する。そして、端末5940は、第3サーバ5930から受信した情報に基づいて表示制御部410による処理をおこなう。
以上説明したように、実施の形態3にかかる画像処理システム5900および画像処理方法は、実施の形態1にかかる画像処理装置400および画像処理方法と同様の効果を得ることができる。
図60は、画像処理装置のシステム構成の一例を示す説明図である。本実施例2では、車両に搭載されたナビゲーション装置6010を端末5820とし、サーバ6020をサーバ5810とする画像処理システム6000において、本発明を適用した場合の一例について説明する。画像処理システム6000は、車両6030に搭載されたナビゲーション装置6010、サーバ6020、ネットワーク6040によって構成される。
ナビゲーション装置6010は、車両6030に搭載されている。ナビゲーション装置6010は、サーバ6020に車両の現在地点の情報および初期保有エネルギー量に関する情報を送信する。また、ナビゲーション装置6010は、サーバ6020から受信した情報をディスプレイに表示してユーザに報知する。サーバ6020は、ナビゲーション装置6010から車両の現在地点の情報および初期保有エネルギー量に関する情報を受信する。サーバ6020は、受信した車両情報に基づいて、車両6030の到達可能範囲に関する情報を生成する。
サーバ6020およびナビゲーション装置6010のハードウェア構成は、実施例1のナビゲーション装置300のハードウェア構成と同一である。また、ナビゲーション装置6010は、車両情報をサーバ6020に送信する機能と、サーバ6020からの情報を受信してユーザに報知する機能に該当するハードウェア構成のみを備えていればよい。
また、画像処理システム6000は、車両に搭載されたナビゲーション装置6010を実施の形態3の端末5940とし、サーバ6020の機能構成を実施の形態3の第1〜3サーバ5910〜5930に分散させた構成してもよい。
以上説明したように、実施の形態にかかる画像処理装置400は、地図情報を複数の領域に分割して各領域ごとに移動体が到達可能か否かを探索し、各領域にそれぞれ移動体が到達可能または到達不可能であることを識別する到達可能または到達不可能の識別情報を付与する。そして、画像処理装置400は、到達可能の識別情報が付与された領域に基づいて移動体の到達可能範囲を生成する。このため、画像処理装置400は、海や湖、山脈など移動体の走行不可能な領域を除いた状態で移動体の到達可能範囲を生成することができる。したがって、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲を正確に表示することができる。また、画像処理装置400は、地図情報を分割した複数の領域を画像データに変換し、当該複数の領域にそれぞれ到達可能または到達不可能の識別情報を付与した後、クロージングの膨張処理をおこなう。このため、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲内の欠損点を除去することができる。
また、画像処理装置400は、地図情報を分割した複数の領域を画像データに変換し、当該複数の領域にそれぞれ到達可能または到達不可能の識別情報を付与した後、オープニングの縮小処理をおこなう。このため、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲の孤立点を除去することができる。
このように、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲の欠損点や孤立点を除去することができるので、移動体の走行可能範囲を2次元のなめらかな面でかつ見やすく表示することができる。また、画像処理装置400は、地図情報を複数の領域に分割して生成したメッシュの輪郭を抽出する。このため、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲の輪郭をなめらかに表示することができる。
また、画像処理装置400は、移動体の到達可能地点を探索する道路を絞り込んで、移動体の到達可能地点を探索する。このため、画像処理装置400は、移動体の到達可能地点を探索する際の処理量を低減することができる。移動体の到達可能地点を探索する道路を絞り込むことで、探索可能な到達可能地点が少なくなったとしても、上述したようにクロージングの膨張処理がおこなわれることにより、移動体の到達可能範囲内に生じる欠損点を除去することができる。したがって、画像処理装置400は、移動体の到達可能範囲を生成するための処理量を低減することができる。また、画像処理装置400は、移動体の走行可能範囲を2次元のなめらかな面で見やすく表示することができる。
また、本実施の形態によれば、表示すると見た目が煩雑になる不要な小領域がなくなるため、表示内容が分かりやすくなる。また、フェリー経由地などの非移動推奨地点を含む領域群のみを削除することができる。また、領域群をラベリングにより分類することで自車位置を含む連結領域群の面積が非常に小さい場合でも、削除することなく抽出することができる。また、自車位置を含む領域を選別することができれば、自車位置がどの領域にも存在していない場合にも対応することもできる。また、連結領域群が存在する矩形領域内のみ走査するだけで不要な連結領域群を効率よく削除することができる。
なお、本実施の形態で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
400 画像処理装置
401 取得部
402 算出部
403 探索部
404 分割部
405 付与部
406 検出部
407 変更部
408 特定部
409 更新部
410 表示制御部
411 表示部
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる画像処理装置は、地図情報上において移動体の到達可能範囲を示す複数の領域の中から、所定面積以下の領域を到達不可範囲に変更する変更手段と、前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項15の発明にかかる画像処理装置は、地図情報上において移動体の到達可能範囲を示す複数の領域の中から、所定面積以下の領域を到達不可範囲に変更する変更手段と、前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を示す領域を含む地図情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項16の発明にかかる画像処理方法は、地図情報上において移動体の到達可能範囲を示す複数の領域の中から、所定面積以下の領域を到達不可範囲に変更する変更工程と、前記変更工程による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる画像処理装置は、地図情報上において移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出手段と、前記複数の領域群のうち前記検出手段によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更手段と、前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項14の発明にかかる画像処理装置は、地図情報上において移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出手段と、前記複数の領域群のうち前記検出手段によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更手段と、前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を示す領域群を含む地図情報を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項15の発明にかかる画像処理方法は、地図情報上において移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出工程と、前記複数の領域群のうち前記検出工程によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更工程と、前記変更工程による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御工程と、を含むことを特徴とする。

Claims (15)

  1. 地図情報上において各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出手段と、
    前記複数の領域群のうち前記検出手段によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更手段と、
    前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記検出手段は、
    前記特定の領域群として、前記移動体の位置が含まれる領域群を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記検出手段は、
    前記特定の領域群として、前記複数の領域群の中のうち前記移動体の位置から最も近い領域群を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記検出手段は、
    前記特定の領域群として、前記複数の領域群の中のうち前記移動体の位置から所定距離以内でかつ最も近い領域群を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記変更手段は、
    さらに、前記残余の領域群の中から、前記地図情報上の非移動推奨地点を含む領域群を前記到達不可範囲に変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  6. 領域ごとに前記移動体が到達可能か否かを示す識別情報が付与されている前記地図情報において、前記地図情報を走査したときの注目領域に前記移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている場合、前記注目領域の隣接領域群のうち前記移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている連結判定対象領域のパターンを特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定されたパターンに基づいて、前記注目領域が所属する領域群を指定する指定情報を、前記連結判定対象領域の指定情報に更新するとともに、前記指定情報が付与された領域群の面積に前記注目領域分の面積を加算することにより、前記指定情報が同一である領域群からなる領域群の面積を更新する更新手段と、を備え、
    前記変更手段は、
    前記更新手段により得られた前記指定情報が同一である領域群からなる前記複数の領域群の各面積に基づいて、前記残余の領域群のうち、前記所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  7. 領域ごとに前記移動体が到達可能か否かを示す識別情報が付与されている前記地図情報において、前記地図情報を走査したときの注目領域に前記移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている場合、前記注目領域の隣接領域群のうち前記移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている連結判定対象領域のパターンを特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定されたパターンに基づいて、前記注目領域が所属する領域群を指定する指定情報を、前記連結判定対象領域の指定情報に更新するとともに、前記連結判定対象領域を含む矩形領域を、前記連結判定対象領域および前記注目領域を含む矩形領域に更新する更新手段と、を備え、
    前記変更手段は、
    前記更新手段により得られた矩形領域群の中から前記非移動推奨地点を含む矩形領域を選択し、選択された矩形領域の中から、前記非移動推奨地点が存在する領域に付与された指定情報と同一の指定情報の領域群により特定される領域群を、前記到達不可範囲に変更することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 移動体の現在地点に関する情報、および、前記移動体の現在地点において前記移動体が保有するエネルギー量である初期保有エネルギー量に関する情報、を取得する取得手段と、
    前記移動体が所定区間を走行する際に消費するエネルギーである推定エネルギー消費量を算出する算出手段と、
    地図情報、前記初期保有エネルギー量および前記推定エネルギー消費量に基づいて、前記移動体が現在地点から到達可能な地点である複数の到達可能地点を探索する探索手段と、
    前記地図情報を複数の領域に分割する分割手段と、
    前記探索手段によって探索された複数の到達可能地点に基づいて、前記分割手段によって分割された複数の領域にそれぞれ前記識別情報を付与する付与手段と、を備え、
    前記特定手段は、
    前記付与手段によって領域ごとに前記識別情報が付与された前記地図情報において、前記地図情報を走査したときの注目領域に前記移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている場合、前記注目領域の隣接領域群のうち前記移動体が到達可能であることを示す識別情報が付与されている連結判定対象領域のパターンを特定することを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置。
  9. 前記算出手段は、
    前記移動体に搭載された駆動源が稼動した状態における前記移動体の停止時に消費されるエネルギーに関する第一情報と、
    前記移動体の加減速時に消費および回収されるエネルギーに関する第二情報と、
    前記移動体の走行時に生じる抵抗により消費されるエネルギーに関する第三情報と、
    からなる消費エネルギー推定式に基づいて、前記移動体が前記所定区間を走行する際の前記推定エネルギー消費量を算出することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記付与手段は、
    前記識別情報が付与された一の領域に隣り合う他の領域に前記移動体が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報が付与されている場合、当該一の領域の識別情報を到達可能の識別情報に変更する第1変更手段と、
    前記第1変更手段による識別情報の変更後、前記識別情報が付与された一の領域に隣り合う他の領域に、前記移動体が到達不可能であることを識別する到達不可能の識別情報が付与されている場合、当該一の領域の識別情報を到達不可能の識別情報に変更する第2変更手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  11. 前記探索手段は、前記移動体の現在地点から移動可能なすべての経路において、それぞれ、当該経路上の所定地点どうしを結ぶ前記所定区間における前記推定エネルギー消費量の累計が最小となるように前記移動体の前記到達可能地点を探索することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  12. 前記探索手段は、複数の前記所定区間のうち、一の所定区間の次に選択する他の所定区間の重要度が当該一の所定区間の重要度よりも低い場合、当該他の所定区間を、前記移動体の到達可能地点を探索するための候補から除いて当該到達可能地点を探索することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  13. 前記付与手段は、前記地図情報の一の橋または一のトンネルの入口および出口に相当する分割された前記地図情報に、前記移動体が到達可能であることを識別する到達可能の識別手段が付与されている場合、当該一の橋または当該一のトンネルを構成するすべての領域に相当する分割された前記地図情報に、到達可能の識別手段を付与することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  14. 地図情報上において各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出手段と、
    前記複数の領域群のうち前記検出手段によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更手段と、
    前記変更手段による変更後における前記移動体の到達可能範囲を示す領域群を含む地図情報を送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  15. 地図情報上において各々移動体の到達可能範囲を示す複数の領域群の中から、移動体の位置に関連する特定の領域群を検出する検出工程と、
    前記複数の領域群のうち前記検出工程によって検出された特定の領域群を除いた残余の領域群のうち、所定面積以下の領域群を到達不可範囲に変更する変更工程と、
    前記変更工程による変更後における前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
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