JPWO2013111596A1 - 動画像符号化方法および動画像符号化装置 - Google Patents

動画像符号化方法および動画像符号化装置 Download PDF

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Abstract

メモリバンド幅を抑制しながら符号化効率を向上することができる画像符号化方法は、マージに用いることが可能な複数のブロックをマージ候補として決定する候補決定ステップ(S11)と、複数のマージ候補の中から、符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定ステップ(S12)と、決定されたブロックを特定するためのマージインデックスをビットストリームに付加する付加ステップ(S14)とを含み、ブロック決定ステップ(S12)では、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、マージ候補が双予測によって符号化されている場合には、そのマージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、片予測分の符号化情報を符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。

Description

本発明は、画像符号化方法および画像復号方法に関する。
動画像符号化処理では、一般に、動画像が有する空間方向および時間方向の冗長性を利用して情報量の圧縮が行われる。ここで一般に、空間方向の冗長性を利用する方法としては、周波数領域への変換が用いられる。また、時間方向の冗長性を利用する方法としては、ピクチャ間予測(以降、「インター予測」と呼ぶ)符号化処理が用いられる。インター予測符号化処理では、あるピクチャを符号化する際に、符号化対象ピクチャに対して表示時間順で前方または後方にある符号化済みのピクチャが、参照ピクチャとして用いられる。そして、その参照ピクチャに対する符号化対象ピクチャの動き検出により、動きベクトルが導出される。そして、導出された動きベクトルに基づいて動き補償を行って得られた予測画像データと符号化対象ピクチャの画像データとの差分を取ることにより、時間方向の冗長性が取り除かれる(例えば、非特許文献1参照)。ここで、動き検出では、符号化ピクチャ内の符号化対象ブロックと、参照ピクチャ内のブロックとの差分値を算出し、最も差分値の小さい参照ピクチャ内のブロックが参照ブロックとして決定される。そして、符号化対象ブロックと、参照ブロックとを用いて、動きベクトルが検出される。
ITU−T Recommendation H.264「Advanced video coding for generic audiovisual services」、2010年3月
しかし、近年、高精細画像(4K×2K)のコンテンツの放送または配信が検討されており、既に標準化されている画像符号化方式よりも、更に符号化効率を向上させる必要がある。
そこで、本発明の目的は、符号化効率を向上させることができる画像符号化方法および画像復号方法を提供することである。
本発明の一態様に係る画像符号化方法は、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化方法であって、前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、前記マージ候補ごとに、前記マージ候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する符号化ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックを特定するためのマージインデックスを前記ビットストリームに付加する付加ステップとを含み、前記ブロック決定ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明の一態様によれば、符号化効率を向上させることが可能となる。
図1Aは、Bピクチャにおける参照ピクチャリストの一例を説明するための図である。 図1Bは、Bピクチャにおける予測方向0の参照ピクチャリストの一例を示す図である。 図1Cは、Bピクチャにおける予測方向1の参照ピクチャリストの一例を示す図である。 図2は、時間予測動きベクトルモードにおける動きベクトルを説明するための図である。 図3は、マージモードにおいて用いられる隣接ブロックの動きベクトルの一例を示す図である。 図4は、マージブロック候補リストの一例を説明するための図である。 図5は、マージブロック候補サイズとマージブロックインデックスに割り当てられるビット列との関係を示す図である。 図6は、マージモードを用いる場合の符号化処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、マージモードを用いて画像を符号化する画像符号化装置の構成の一例を示す図である。 図8は、マージモードを用いる場合の復号処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、マージモードを用いて符号化された画像を復号する画像復号装置の構成の一例を示す図である。 図10は、マージブロックインデックスをビットストリームに付加する際のシンタックスを表す図である。 図11は、実施の形態1に係る画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 図12は、実施の形態1に係る画像符号化装置の処理動作を示すフローチャートである。 図13は、実施の形態1におけるマージブロック候補リストの一例を示す図である。 図14は、実施の形態1に係る双方向予測禁止サイズ決定部による具体的な処理を示すフローチャートである。 図15は、実施の形態1に係る図12のステップS102の詳細な処理を示すフローチャートである。 図16は、実施の形態1に係る図15のステップS121の詳細な処理を示すフローチャートである。 図17は、実施の形態1に係る図15のステップS124の詳細な処理を示すフローチャートである。 図18は、実施の形態1に係る図12のステップS103の詳細な処理を示すフローチャートである。 図19は、実施の形態1に係る図18のステップS153の詳細な処理を示すフローチャートである。 図20は、実施の形態1に係る図18のステップS153の詳細な他の処理を示すフローチャートである。 図21は、実施の形態2に係る画像復号装置の構成を示すブロック図である。 図22は、実施の形態2に係る画像復号装置の処理動作を示すフローチャートである。 図23は、実施の形態2に係る図22のステップS203の詳細な処理を示すフローチャートである。 図24は、実施の形態2に係る図22のステップS205の詳細な処理を示すフローチャートである。 図25は、実施の形態2に係る図22のS206の詳細な処理を示すフローチャートである。 図26は、実施の形態2に係る、マージブロックインデックスをビットストリームに付加する際のシンタックスの一例を表す図である。 図27は、実施の形態2に係る、マージブロック候補リストサイズをマージブロック候補数の最大値に固定した場合のシンタックスの一例を示す図である。 図28は、実施の形態3に係る画像符号化方法を用いた画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 図29は、実施の形態3に係る画像符号化装置の処理動作を示すフローチャートである。 図30は、実施の形態3に係る図29のステップS172の詳細な処理を示すフローチャートである。 図31は、実施の形態3に係る図30のS182の詳細な処理を示すフローチャートである。 図32は、実施の形態3に係る図30のS182の詳細な他の処理を示すフローチャートである。 図33は、実施の形態4に係る画像復号装置の構成を示すブロック図である。 図34は、実施の形態4に係る画像復号装置の処理動作を示すフローチャートである。 図35Aは、本発明の一態様である画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 図35Bは、本発明の一態様である画像符号化装置による処理を示すフローチャートである。 図36Aは、本発明の一態様である画像復号装置の構成を示すブロック図である。 図36Bは、本発明の一態様である画像復号装置による処理を示すフローチャートである。 図37は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成図である。 図38は、デジタル放送用システムの全体構成図である。 図39は、テレビの構成例を示すブロック図である。 図40は、光ディスクである記録メディアに情報の読み書きを行う情報再生/記録部の構成例を示すブロック図である。 図41は、光ディスクである記録メディアの構造例を示す図である。 図42Aは、携帯電話の一例を示す図である。 図42Bは、携帯電話の構成例を示すブロック図である。 図43は、多重化データの構成を示す図である。 図44は、各ストリームが多重化データにおいてどのように多重化されているかを模式的に示す図である。 図45は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかを更に詳しく示した図である。 図46は、多重化データにおけるTSパケットとソースパケットの構造を示す図である。 図47は、PMTのデータ構成を示す図である。 図48は、多重化データ情報の内部構成を示す図である。 図49は、ストリーム属性情報の内部構成を示す図である。 図50は、映像データを識別するステップを示す図である。 図51は、各実施の形態の動画像符号化方法および動画像復号化方法を実現する集積回路の構成例を示すブロック図である。 図52は、駆動周波数を切り替える構成を示す図である。 図53は、映像データを識別し、駆動周波数を切り替えるステップを示す図である。 図54は、映像データの規格と駆動周波数を対応づけたルックアップテーブルの一例を示す図である。 図55Aは、信号処理部のモジュールを共有化する構成の一例を示す図である。 図55Bは、信号処理部のモジュールを共有化する構成の他の一例を示す図である。
(本発明の基礎となった知見)
既に標準化されている、H.264と呼ばれる動画像符号化方式では、情報量の圧縮のために、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャという3種類のピクチャタイプが用いられている。
Iピクチャは、インター予測符号化処理で符号化されない。すなわち、Iピクチャは、ピクチャ内予測(以降、「イントラ予測」と呼ぶ)符号化処理で符号化される。Pピクチャは、表示時間順で、符号化対象ピクチャの前方または後方にある既に符号化済みの1つのピクチャを参照してインター予測符号化される。Bピクチャは、表示時間順で、符号化対象ピクチャの前方または後方にある既に符号化済みの2つのピクチャを参照してインター予測符号化される。
インター予測符号化においては、参照ピクチャを特定するための参照ピクチャリストが生成される。参照ピクチャリストは、インター予測で参照する符号化済みの参照ピクチャに参照ピクチャインデックスを割り当てたリストである。例えば、Bピクチャでは、2つのピクチャを参照して符号化を行えるため、2つの参照ピクチャリスト(L0、L1)が生成される。
図1Aは、Bピクチャにおける参照ピクチャリストの一例を説明するための図である。図1Bは、双方向予測における予測方向0の参照ピクチャリスト0(L0)の一例を示す。ここでは、参照ピクチャリスト0において、参照ピクチャインデックス0の値0は、表示順2の参照ピクチャ0に割り当てられている。また、参照ピクチャインデックス0の値1は、表示順1の参照ピクチャ1に割り当てられている。また、参照ピクチャインデックス0の値2は、表示順0の参照ピクチャ2に割り当てられている。つまり、符号化対象ピクチャに対して表示順で時間的に近い参照ピクチャほど、小さい値を有する参照ピクチャインデックスが割り当てられている。
一方、図1Cは、双方向予測における予測方向1の参照ピクチャリスト1(L1)の一例を示す。ここでは、参照ピクチャリスト1において、参照ピクチャインデックス1の値0は、表示順1の参照ピクチャ1に割り当てられている。また、参照ピクチャインデックス1の値1は、表示順2の参照ピクチャ0に割り当てられている。また、参照ピクチャインデックス2の値2は、表示順0の参照ピクチャ2に割り当てられている。
このように、各参照ピクチャに対して、予測方向毎に異なる参照ピクチャインデックスの値を割り当てること(図1Aの参照ピクチャ0、1)、あるいは同じ参照ピクチャインデックスの値を割り当てることが可能である(図1Aの参照ピクチャ2)。
また、H.264と呼ばれる動画像符号化方式(非特許文献1)では、Bピクチャにおける各符号化対象ブロックのインター予測の符号化モードとして、動きベクトル検出モードが用いられる。動きベクトル検出モードでは、予測画像データおよび符号化対象ブロックの画像データの差分値と、予測画像データ生成に用いた動きベクトルとが符号化される。また、動きベクトル検出モードでは、予測方向として、双方向予測と片方向予測とを選択することができる。双方向予測は、2方向予測、2枚参照予測、双予測または双方予測とも呼ばれる予測であり、この双方向予測では、符号化対象ピクチャの前方または後方にある既に符号化済みの2つのピクチャを参照して予測画像が生成される。つまり、双方向予測は、2枚のピクチャの参照を伴う予測である。または、双方向予測は、2つの動きベクトルを用いて動き補償を行なうことによって符号化対象または復号対象のブロックの予測画像を生成することである。一方、片方向予測は、1方向予測、1枚参照予測、片予測または片方予測などと呼ばれる予測であり、この片方向予測では、前方または後方にある既に符号化済みの1つのピクチャを参照して予測画像が生成される。つまり、片方向予測は、1枚のピクチャの参照を伴う予測である。または、片方向予測は、1つの動きベクトルを用いて動き補償を行なうことによって符号化対象または復号対象のブロックの予測画像を生成することである。
また、H.264と呼ばれる動画像符号化方式では、Bピクチャの符号化において、動きベクトルを導出する際に、時間予測動きベクトルモードと呼ばれる符号化モードを選択することができる。時間予測動きベクトルモードにおけるインター予測符号化方法を、図2を用いて説明する。
図2は、時間予測動きベクトルモードにおける動きベクトルを説明するための図である。具体的には、図2は、ピクチャB2のブロックaを時間予測動きベクトルモードで符号化する場合を示している。
ここでは、ピクチャB2の後方にある参照ピクチャであるピクチャP3内の、ブロックaと同じ位置にあるブロックb(以下、「co−locatedブロック」と呼ぶ)の符号化に用いられた動きベクトルvbが利用されている。動きベクトルvbは、ブロックbがピクチャP1を参照して符号化された際に用いられた動きベクトルである。
動きベクトルvbに平行な動きベクトルを用いて、前方向参照ピクチャであるピクチャP1と、後方参照ピクチャであるピクチャP3とから、ブロックaのための2つの参照ブロックが取得される。そして、取得された2つの参照ブロックに基づいて2方向予測を行うことにより、ブロックaが符号化される。すなわち、ブロックaを符号化する際に用いられる動きベクトルは、ピクチャP1に対しては動きベクトルva1であり、ピクチャP3に対しては動きベクトルva2である。
また、BピクチャあるいはPピクチャにおける各符号化対象ブロックのインター予測モードとして、マージモードが検討されている。マージモードでは、符号化対象ブロックの隣接ブロックの符号化に用いられた予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスをコピーして、符号化対象ブロックの符号化が行われる。この際に、コピーに用いられた隣接ブロックのインデックス等がビットストリームに付加される。これにより、符号化に用いられた動き方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを復号側で選択できるようになる。具体例を、図3を参照して説明する。
図3は、マージモードにおいて用いられる隣接ブロックの動きベクトルの一例を示す図である。図3において、隣接ブロックAは、符号化対象ブロックの左隣接の符号化済みブロックである。隣接ブロックBは、符号化対象ブロックの上隣接の符号化済みブロックである。隣接ブロックCは、符号化対象ブロックの右上隣接の符号化済みブロックである。隣接ブロックDは、符号化対象ブロックの左下隣接の符号化済みブロックである。
また、隣接ブロックAは、予測方向0の片方向予測で符号化されたブロックである。隣接ブロックAは、予測方向0の参照ピクチャインデックスRefL0_Aが示す参照ピクチャに対する動きベクトルとして、予測方向0の動きベクトルMvL0_Aを持つ。ここで、MvL0とは、参照ピクチャリスト0(L0)により特定される参照ピクチャを参照する動きベクトルを示す。また、MvL1とは、参照ピクチャリスト1(L1)により特定される参照ピクチャを参照する動きベクトルを示す。
また、隣接ブロックBは、予測方向1の片方向予測で符号化されたブロックである。隣接ブロックBは、予測方向1の参照ピクチャインデックスRefL1_Bが示す参照ピクチャに対する動きベクトルとして、予測方向1の動きベクトルMvL1_Bを持つ。
また、隣接ブロックCは、イントラ予測で符号化されたブロックである。
また、隣接ブロックDは、予測方向0の片方向予測で符号化されたブロックである。隣接ブロックDは、予測方向0の参照ピクチャインデックスRefL0_Dが示す参照ピクチャに対する動きベクトルとして、予測方向0の動きベクトルMvL0_Dを持つ。
このような場合では、例えば、隣接ブロックA〜Dの予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックス、および、co−locatedブロックを用いて求めた時間予測動きベクトルモードによる予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスの中から、符号化対象ブロックの予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスとして、最も符号化効率の良いものが選択される。そして、選択された予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスのブロックを表すマージブロックインデックスがビットストリームに付加される。
例えば、隣接ブロックAが選択された場合、符号化対象ブロックは、予測方向0の動きベクトルMvL0_Aおよび参照ピクチャインデックスRefL0_Aを用いて符号化される。そして、図4に示すような隣接ブロックAを用いたことを表すマージブロックインデックスの値0のみがビットストリームに付加される。これにより、予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスの情報量を削減できる。
また、図4の(a)および(b)に示すように、マージモードでは、符号化に用いることが不可能な候補(以下、「マージ不可能候補」と呼ぶ)、あるいは、予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスの組合せが互いに一致する候補(以下、「重複候補」と呼ぶ)が、マージブロック候補から削除される。
このように、マージブロック候補数を削減することで、マージブロックインデックスに割り当てる符号量が削減される。ここで、マージが不可能であるということは、マージブロック候補が、(1)イントラ予測で符号化されたブロックであること、(2)符号化対象ブロックを含むスライスあるいはピクチャ境界外のブロックであること、または、(3)まだ符号化されていないブロックであること等を表している。
図4の例では、隣接ブロックCがイントラ予測で符号化されている。そのため、マージブロックインデックス3のマージブロック候補は、マージ不可能候補であり、マージブロック候補リストから削除される。また、隣接ブロックDは、隣接ブロックAと、予測方向、動きベクトル、および、参照ピクチャインデックスが一致している。そのため、マージブロックインデックス4のマージブロック候補は、マージブロック候補リストから削除される。その結果、最終的に、マージブロック候補数は3となり、マージブロック候補リストのリストサイズは3に設定される。
マージブロックインデックスは、マージブロック候補リストサイズの大きさに応じて、図5に示すように、ビット列が割り当てられ、可変長符号化される。このように、マージモードでは、マージモードインデックスに割り当てるビット列を、マージブロック候補リストサイズの大きさによって変化させることにより、符号量を削減している。
図6は、マージモードを用いる場合の符号化処理の一例を示すフローチャートである。ステップS1001では、隣接ブロックおよびco−locatedブロックから、マージブロック候補の動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向が取得される。ステップS1002では、マージブロック候補から重複候補およびマージ不可能候補が削除される。ステップS1003では、削除処理後のマージブロック候補数が、マージブロック候補リストサイズに設定される。ステップS1004では、符号化対象ブロックの符号化に用いるマージブロックインデックスが決定される。ステップS1005において、決定されたマージブロックインデックスが、マージブロック候補リストサイズによって決められたビット列を用いて可変長符号化される。
図7は、マージモードを用いて画像を符号化する画像符号化装置1000の構成の一例を示す。画像符号化装置1000は、減算部1001と、直交変換部1002と、量子化部1003と、逆量子化部1004と、逆直交変換部1005と、加算部1006、ブロックメモリ1007と、フレームメモリ1008と、イントラ予測部1009と、インター予測部1010と、インター予測制御部1011と、ピクチャタイプ決定部1012と、スイッチ1013と、マージブロック候補算出部1014と、colPicメモリ1015と、可変長符号化部1016とを備える。
図7において、マージブロック候補算出部1014は、マージブロック候補を算出する。そして、マージブロック候補算出部1014は、算出されたマージブロック候補数を可変長符号化部1016に送信する。可変長符号化部1016は、マージブロック候補数を符号化パラメータであるマージブロック候補リストサイズに設定する。そして、可変長符号化部1016は、符号化に用いられるマージブロックインデックスに、マージブロック候補リストサイズに応じたビット列を割り当てて、割り当てられたビット列に対して可変長符号化を行う。
図8は、マージモードを用いる場合の復号処理の一例を示すフローチャートである。ステップS2001では、隣接ブロックおよびco−locatedブロックから、マージブロック候補の動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向が取得される。ステップS2002では、マージブロック候補から重複候補およびマージ不可能候補が削除される。ステップS2003では、削除処理後のマージブロック候補数が、マージブロック候補リストサイズに設定される。ステップS2004では、ビットストリームから、復号対象ブロックの復号に用いるマージブロックインデックスが、マージブロック候補リストサイズを用いて復号される。ステップS2005において、復号されたマージブロックインデックが示すマージブロック候補を用いて、予測画像が生成され、復号処理が行われる。
図9は、マージモードを用いて符号化された画像を復号する画像復号装置2000の構成の一例を示す。画像復号装置2000は、可変長復号部2001と、逆量子化部2002と、逆直交変換部2003と、加算部2004と、ブロックメモリ2005と、フレームメモリ2006と、イントラ予測部2007と、インター予測部2008と、インター予測制御部2009と、スイッチ2010と、マージブロック候補算出部2011と、colPicメモリ2012とを備える。
図9において、マージブロック候補算出部2011は、マージブロック候補を算出する。そして、マージブロック候補算出部2011は、算出されたマージブロック候補の数(マージブロック候補数)を可変長復号部2001に送信する。可変長復号部2001は、マージブロック候補数を復号パラメータであるマージブロック候補リストサイズに設定する。そして、可変長復号部2001は、ビットストリームに含まれるマージブロックインデックスを、マージブロック候補リストサイズを用いて復号する。
図10は、マージブロックインデックスをビットストリームに付加する際のシンタックスを表す。図10において、merge_idxは、マージブロックインデックスを表す。merge_flagは、マージフラグを表す。NumMergeCandは、マージブロック候補リストサイズを表す。このNumMergeCandには、マージブロック候補から、マージ不可能候補および重複候補を削除した後のマージブロック候補数が設定されている。
以上のように、マージモードを用いて画像が符号化あるいは復号される。
しかしながら、符号化効率の向上を図るために従来のマージモードを採用すると、大きなメモリバンド幅を要するという問題がある。つまり、画像符号化装置では、符号化効率を向上するためにマージモードを用いる場合には、マージブロック候補ごとに、そのマージブロック候補の予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて符号化対象ブロックの予測画像を生成する必要がある。ここで、マージブロック候補が片方向予測で符号化されている場合に、その予測画像を生成するときには、1枚の参照ピクチャのうちの1つの動きベクトルによって特定される領域の画像のみがフレームメモリから読み出される。一方、マージブロック候補が双方向予測で符号化されている場合には、その予測画像を生成するときに、2枚の参照ピクチャのそれぞれに含まれる、その参照ピクチャに対応する動きベクトルによって特定される領域の画像を、フレームメモリから読み出す必要がある。したがって、マージブロック候補が双方向予測で符号化されている場合には、大きなメモリバンド幅を要する。また、マージブロック候補の双方向予測によるメモリバンド幅への影響は、符号化対象ブロックが小さいほど大きくなる。
また、例えば、メモリバンド幅を抑制したい場合などには、ある一定サイズ以下、例えば、8x4画素、4x8画素、4x4画素などの動き補償サイズの符号化対象ブロックに対して双方向予測を禁止してもよい。しかし、従来のマージモードでは、符号化対象ブロックの予測方向として、いずれかのマージブロック候補の予測方向がそのまま用いられる。したがって、従来のマージモードでは、隣接ブロック等のすべてのマージブロック候補が双方向予測で符号化されている場合には、符号化対象ブロックに対して双方向予測を禁止することができない。その結果、メモリバンド幅の抑制が必要な場合には、マージモードを選択することができず、符号化効率が低下してしまう。
そこで、本発明の一態様に係る画像符号化方法は、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化方法であって、前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、前記マージ候補ごとに、前記マージ候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する符号化ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックを特定するためのマージインデックスを前記ビットストリームに付加する付加ステップとを含み、前記ブロック決定ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
これにより、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズ(双方向予測禁止サイズ)であり、且つ、マージ候補(マージブロック候補)が双予測(双方向予測)によって符号化されている場合には、そのマージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、片予測分(片方向予測分)の符号化情報が、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる。例えば、符号化対象ブロックの動き補償サイズが最小サイズである場合に、マージ候補の双予測分の符号化情報のうち、予測方向0(参照ピクチャリストL0)の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスのみが、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる。つまり、マージ候補の双予測分の符号化情報のうち、予測方向1(参照ピクチャリストL1)の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスは、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられない。したがって、メモリバンド幅を抑制することができるとともに、マージモードによって符号化効率を向上することができる。
また、前記候補決定ステップでは、決定された少なくとも1つの前記マージ候補のそれぞれの符号化情報を示すリストを作成し、前記ブロック決定ステップでは、決定された少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、片予測のマージ候補である場合には、前記リストに示される、前記マージ候補の片予測分の符号化情報を用いて、前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、決定された少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、双予測のマージ候補である場合には、前記リストに示される、前記マージ候補の双予測分の符号化情報を、片予測分の符号化情報に変換し、前記片予測分の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成してもよい。
これにより、マージ候補の符号化に用いられた動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスをリスト(マージブロック候補リスト)上で正しく管理することができる。
また、前記候補決定ステップでは、決定された少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、双予測のマージ候補である場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報を、片予測分の符号化情報に変換することによって、前記双予測分の符号化情報がリストに含まれないように、少なくとも1つの前記マージ候補のそれぞれの符号化情報を示す前記リストを作成し、前記ブロック決定ステップでは、前記マージ候補ごとに、前記リストに示される、当該マージ候補の符号化情報を用いて、前記符号化対象ブロックの予測画像を生成してもよい。
これにより、リストには、双予測分の符号化情報のうち、片予測分の符号化情報のみが示されているため、リストのデータ量を抑えることができる。
また、前記片予測の種類として、予め定められた条件にしたがって区別される第1の片予測と第2の片予測とがある場合、前記マージ候補の双予測分の符号化情報は、前記第1の片予測分の符号化情報と前記第2の片予測分の符号化情報とからなり、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの複数のマージ候補がそれぞれ双予測によって符号化されている場合には、前記候補決定ステップまたは前記ブロック決定ステップでは、前記複数のマージ候補のそれぞれの双予測分の符号化情報のうち、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる符号化情報を、前記第1または第2の片予測分の符号化情報に統一してもよい。
これにより、第1の片予測分(予測方向0の片方向予測分)の符号化情報と、第2の片予測分(予測方向1の片方向予測分)の符号化情報とが混在することがないため、その符号化情報を用いた処理を簡略化することができるとともに、符号化効率をさらに向上することができる。
また、前記画像符号化方法は、さらに、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が双予測によって符号化されているか否かを判定する判定ステップを含み、前記判定ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが予め定められたサイズ以下である場合に、前記動き補償サイズが前記双予測禁止サイズであると判定してもよい。
これにより、予め定められたサイズ以下の各サイズが包括的に双予測禁止サイズとして扱われるため、双予測が禁止される符号化対象ブロックの動き補償サイズに幅を持たせることができ、メモリバンド幅をさらに抑制することができる。
また、前記判定ステップでは、前記符号化対象ブロックの幅と高さの和が予め定められた値と等しい場合に、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが前記双予測禁止サイズであると判定してもよい。例えば、前記判定ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが、4×8画素または8×4画素である場合に、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが前記双予測禁止サイズであると判定する。
これにより、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであるか否かの判定を簡単に且つ適切に行なうことができる。
また、本発明の一態様に係る画像復号方法は、ビットストリームに含まれる複数のブロックのうち、復号対象ブロック以外の既に復号された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記復号対象ブロックの符号化情報にマージして、前記復号対象ブロックを復号する画像復号方法であって、前記ビットストリームからマージインデックスを抽出する抽出ステップと、前記復号対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、決定された少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記抽出ステップで抽出されたマージインデックスによって特定されるブロックを決定するブロック決定ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記復号対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像を用いて前記復号対象ブロックを復号することによって、復号されたブロックを含む復号画像を生成する復号ステップとを含み、前記復号ステップでは、前記復号対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックが、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって復号されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記復号対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
これにより、メモリバンド幅を抑制しながら符号化効率を向上するように生成されたビットストリームを適切に復号することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の一態様に係る画像符号化装置および画像復号装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図11は、実施の形態1に係る画像符号化装置100の構成を示すブロック図である。画像符号化装置100は、画像をブロック毎に符号化することでビットストリームを生成する。
画像符号化装置100は、図11に示すように、減算部101と、直交変換部102と、量子化部103と、逆量子化部104と、逆直交変換部105と、加算部106、ブロックメモリ107と、フレームメモリ108と、イントラ予測部109と、インター予測部110と、インター予測制御部111と、ピクチャタイプ決定部112と、スイッチ113と、マージブロック候補算出部114と、colPicメモリ115と、可変長符号化部116と、双方向予測禁止サイズ決定部117とを備える。
減算部101は、ブロック毎に、入力画像列に含まれる入力画像データから予測画像データを減算することにより予測誤差データを生成する。
直交変換部102は、生成された予測誤差データに対し、画像領域から周波数領域への変換を行う。
量子化部103は、周波数領域に変換された予測誤差データに対し、量子化処理を行う。
逆量子化部104は、量子化部103によって量子化処理された予測誤差データに対し、逆量子化処理を行う。
逆直交変換部105は、逆量子化処理された予測誤差データに対し、周波数領域から画像領域への変換を行う。
加算部106は、ブロック毎に、予測画像データと、逆直交変換部105によって逆量子化処理された予測誤差データとを加算することにより、再構成画像データを生成する。
ブロックメモリ107には、再構成画像データがブロック単位で保存される。
フレームメモリ108には、再構成画像データがフレーム単位で保存される。
ピクチャタイプ決定部112は、Iピクチャ、Bピクチャ、およびPピクチャのいずれのピクチャタイプで入力画像データを符号化するかを決定する。そして、ピクチャタイプ決定部112は、決定されたピクチャタイプを示すピクチャタイプ情報を生成する。
イントラ予測部109は、ブロックメモリ107に保存されているブロック単位の再構成画像データを用いてイントラ予測を行うことにより、符号化対象ブロックのイントラ予測画像データを生成する。
インター予測部110は、フレームメモリ108に保存されているフレーム単位の再構成画像データと、動き検出等により導出した動きベクトルとを用いてインター予測を行うことにより、符号化対象ブロックのインター予測画像データ(予測画像)を生成する。
スイッチ113は、符号化対象ブロックがイントラ予測符号化される場合に、イントラ予測部109によって生成されたイントラ予測画像データを、符号化対象ブロックの予測画像データとして減算部101および加算部106に出力する。一方、スイッチ113は、符号化対象ブロックがインター予測符号化される場合に、インター予測部110によって生成されたインター予測画像データを、符号化対象ブロックの予測画像データとして減算部101および加算部106に出力する。
双方向予測禁止サイズ決定部117は、後述する方法で、双方向予測が禁止される符号化対象ブロックの動き補償サイズを決定し、決定したサイズを双方向予測禁止サイズとして、インター予測制御部111および可変長符号化部116に出力する。
マージブロック候補算出部114は、符号化対象ブロックの隣接ブロックの動きベクトル等、および、colPicメモリ115に格納されているco−locatedブロックの動きベクトル等(colPic情報)を用いて、マージモードのマージブロック候補を導出する。そして、マージブロック候補算出部114は、後述する方法で、マージ可能候補数を算出する。
また、マージブロック候補算出部114は、導出したマージブロック候補に対して、マージブロックインデックスの値を割り当てる。そして、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補と、マージブロックインデックスとを、インター予測制御部111に送信する。また、マージブロック候補算出部114は、算出したマージ可能候補数を可変長符号化部116に送信する。
インター予測制御部111は、動き検出により導出された動きベクトルを用いる予測モード(動き検出モード)と、マージブロック候補から双方向予測禁止サイズに応じて導出された動きベクトルを用いる予測モード(マージモード)とのうち、最も小さい予測誤差が得られる予測モードを選択する。また、インター予測制御部111は、予測モードがマージモードかどうかを表すマージフラグを可変長符号化部116に送信する。また、インター予測制御部111は、予測モードとしてマージモードが選択された場合に、決定されたマージブロック候補に対応するマージブロックインデックスを、可変長符号化部116に送信する。さらに、インター予測制御部111は、符号化対象ブロックの動きベクトル等を含むcolPic情報をcolPicメモリ115に転送する。
可変長符号化部116は、量子化処理された予測誤差データと、双方向予測禁止サイズと、マージフラグおよびピクチャタイプ情報とに対し、可変長符号化処理を行うことで、ビットストリームを生成する。また、可変長符号化部116は、マージ可能候補数をマージブロック候補リストサイズに設定する。そして、可変長符号化部116は、符号化に用いるマージブロックインデックスに、マージブロック候補リストサイズに応じたビット列を割り当てて、割り当てられたビット列に対して可変長符号化を行う。
図12は、実施の形態1に係る画像符号化装置100の処理動作を示すフローチャートである。
ステップS101では、双方向予測禁止サイズ決定部117は、後述する方法で、双方向予測を禁止する動き補償サイズを決定する。
ステップS102では、マージブロック候補算出部114は、符号化対象ブロックの隣接ブロックおよびco−locatedブロックからマージブロック候補を導出する。また、マージブロック候補算出部114は、後述する方法で、マージブロック候補リストサイズを算出する。
例えば、図3のような場合では、マージブロック候補算出部114は、隣接ブロックA〜Dをマージブロック候補として選択する。さらに、マージブロック候補算出部114は、co−locatedブロックの動きベクトルから時間予測モードによって算出した動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を有するco−locatedマージブロックをマージブロック候補として算出する。
マージブロック候補算出部114は、図13の(a)のように、各マージブロック候補に対してマージブロックインデックスを割り当てる。そして、マージブロック候補算出部114は、後述する方法で、マージ不可能候補および重複候補の削除、および新規候補追加を行うことにより、図13の(b)のようなマージブロック候補リスト、および、マージブロック候補リストサイズを算出する。
マージブロックインデックスは、値が小さいほど短い符号が割り振られる。すなわち、マージブロックインデックスの値が小さい場合にマージブロックインデックスに必要な情報量が少なくなる。
一方、マージブロックインデックスの値が大きくなると、マージブロックインデックスに必要な情報量が大きくなる。したがって、より精度が高い動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを有する可能性が高いマージブロック候補に対して、値の小さいマージブロックインデックスが割り当てられると、符号化効率が高くなる。
そこで、マージブロック候補算出部114は、例えば、マージブロックとして選ばれた回数をマージブロック候補毎に計測し、その回数が多いブロックに対し、値の小さいマージブロックインデックスを割り当ててもよい。具体的には、隣接ブロックにおいて選択されたマージブロックを特定しておき、対象ブロックの符号化の際に、特定したマージブロックに対するマージブロックインデックスの値を小さくすることが考えられる。
なお、マージブロック候補が、動きベクトル等の情報を有しない場合(イントラ予測で符号化されたブロックである場合、ピクチャやスライスの境界外などに位置するブロックである場合、あるいは、まだ符号化されていないブロックである場合など)には、符号化に利用できない。
本実施の形態では、符号化に利用できないマージブロック候補をマージ不可能候補と呼ぶ。また、符号化に利用できるマージブロック候補をマージ可能候補と呼ぶ。また、複数のマージブロック候補において、他のいずれかのマージブロック候補と、動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および、予測方向のすべてが一致している候補を重複候補と呼ぶ。
図3の場合では、隣接ブロックCは、イントラ予測で符号化されたブロックであるので、マージ不可能候補とする。また、隣接ブロックDは、隣接ブロックAと動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および、予測方向のすべてが一致しているので、重複候補とする。
ステップS103では、インター予測制御部111は、動き検出により導出された動きベクトルを用いて生成した予測画像の予測誤差と、マージブロック候補から双方向予測禁止サイズに応じて得られた動きベクトルを用いて生成した予測画像の予測誤差とを、後述する方法で比較し、予測モードを選択する。ここで、選択された予測モードがマージモードであれば、インター予測制御部111は、マージフラグを1にセットし、そうでなければ、マージフラグを0にセットする。
ステップS104では、マージフラグが1であるか否か(すなわち、予測モードがマージモードかどうか)が判定される。
ここで、ステップS104の判定結果が真ならば(S104のYes)、ステップS105において、可変長符号化部116は、マージフラグをビットストリームに付加する。さらに、ステップS107において、可変長符号化部116は、符号化に用いるマージブロック候補のマージブロックインデックスに図5に示すようなマージブロック候補リストサイズに応じたビット列を割り当てる。そして、可変長符号化部116は、割り当てられたビット列に対して可変長符号化を行う。
一方、ステップS104の判定結果が偽ならば(S104のNo)、ステップS106において、可変長符号化部116は、マージフラグおよび動き検出ベクトルモードの情報をビットストリームに付加する。
ステップS108では、可変長符号化部116は、双方向予測禁止サイズを可変長符号化してビットストリームに付加する。なお、双方向予測禁止サイズは、サイズを示す情報としてビットストームのSPS、PPS、スライスヘッダ等に付加される。このとき、その双方向予測禁止サイズは、双方向予測が禁止される動き補償サイズがわかれば、どのような形で付加されても構わない。
本実施の形態では、図13の(a)のように、隣接ブロックAに対応するマージブロックインデックスの値として「0」が割り当てられる。また、隣接ブロックBに対応するマージブロックインデックスの値として「1」が割り当てられる。また、co−locatedマージブロックに対応するマージブロックインデックスの値として「2」が割り当てられる。また、隣接ブロックCに対応するマージブロックインデックスの値として「3」が割り当てられる。また、隣接ブロックDに対応するマージブロックインデックスの値として「4」割り当てられる。
なお、必ずしも、マージブロックインデックスの値の割り当て方は、この例に限らない。例えば、可変長符号化部116は、後述する方法を用いて新規候補が追加された場合などには、元々のマージブロック候補には小さい値を割り当て、新規候補には大きい値を割り当ててもよい。つまり、可変長符号化部116は、元々のマージブロック候補に優先して小さな値のマージブロックインデックスを割り当てても構わない。
また、必ずしも、マージブロック候補は、隣接ブロックA〜Dの位置に限定されない。例えば、左下隣接ブロックDの上に位置する隣接ブロック等がマージブロック候補として用いられても構わない。また、必ずしもすべての隣接ブロックがマージブロック候補として使用される必要はない。例えば、隣接ブロックA、Bのみがマージブロック候補として用いられてもよい。
また、本実施の形態では、図12のステップS107において、可変長符号化部116は、マージブロックインデックスをビットストリームに付加したが、必ずしもマージブロックインデックスをビットストリームに付加する必要はない。例えば、可変長符号化部116は、マージブロック候補リストサイズが「1」の場合には、マージブロックインデックスをビットストリームに付加しなくてもよい。これにより、マージブロックインデックスの情報量を削減できる。
図14は、双方向予測禁止サイズ決定部117による具体的な処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートは図12のステップS101の具体的な処理を示す。
まず、ステップS111では、双方向予測禁止サイズ決定部117は、メモリバンド幅抑制モードかどうかを判定する。例えば、1920x1080画素以上の画像を符号化するような場合には、メモリバンド幅が増大する課題が顕著となる。このため、メモリバンド幅抑制モード等を設け、メモリバンド幅抑制モードがオンの場合は、ある一定の動き補償サイズ以下の符号化対象ブロックに対する双方向予測を禁止することにより、メモリバンド幅を抑制する。
一般的に双方向予測を行うためには、参照ピクチャの画像を2枚分、フレームメモリからリードする必要があるため、ある一定サイズ以下の符号化対象ブロックに対する双方向予測を禁止することによって、メモリバンド幅を大きく抑制することができる。
なお、本実施の形態では、メモリバンド幅抑制モードを設ける例を示したが、必ずしもこれには限らず、例えば、プロファイルやレベルに応じて、ステップS111の判定を行うようにしても構わない。例えば、画像符号化装置100は、1920x1080画素以上を有する画像の符号化をサポートするようなプロファイルやレベルにしたがった符号化を行なう場合には、ある一定サイズ以下の符号化対象ブロックに対する双方向予測を禁止してもよい。
ここで、双方向予測禁止サイズ決定部117は、ステップS111の判定結果が真ならば(S111のYes)、ステップS112において、双方向予測禁止サイズとして、例えば、8x4画素、4x8画素または4x4画素を設定する。これにより、双方向予測禁止サイズが決定される。一般的に、小さい動き補償サイズの双方向予測を禁止することによって、メモリバンド幅を大きく抑制することができる。
一方、双方向予測禁止サイズ決定部117は、ステップS111の判定結果が偽ならば(S111のNo)、ステップS113において双方向予測禁止サイズを設定しない。
図15は、図12のステップS102の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図15は、マージブロック候補、および、マージブロック候補リストサイズを算出する方法を表す。以下、図15について説明する。
ステップS121では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]がマージ可能候補であるかどうかを後述する方法で判定する。そして、マージブロック候補算出部114は、判定結果に従って、マージ可能候補数を更新する。
ここで、Nは各マージブロック候補を表すためのインデックス値である。本実施の形態では、Nは0から4までの値をとる。具体的には、マージブロック候補[0]には、図3の隣接ブロックAが割り振られる。また、マージブロック候補[1]には、図3の隣接ブロックBが割り振られる。また、マージブロック候補[2]には、co−locatedマージブロックが割り振られる。また、マージブロック候補[3]には、図3の隣接ブロックCが割り振られる。また、マージブロック候補[4]には、図3の隣接ブロックDが割り振られる。
ステップS122では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および予測方向を取得して、マージブロック候補リストに追加する。
ステップS123では、マージブロック候補算出部114は、図13に示すように、マージブロック候補リストからマージ不可能候補および重複候補を探索し、削除する。
ステップS124では、マージブロック候補算出部114は、後述する方法で、マージブロック候補リストに新規候補を追加する。ここで、新規候補を追加する際には、マージブロック候補算出部114は、元々あるマージブロック候補に優先して小さい値のマージブロックインデックスが割り当たるように、マージブロックインデックスの値の再割り当てを行ってもよい。つまり、マージブロック候補算出部114は、新規候補には値が大きいマージブロックインデックスが割り当たるように、マージブロックインデックスの値の再割り当てを行ってもよい。これにより、マージブロックインデックスの符号量を削減できる。
ステップS125では、マージブロック候補算出部114は、ステップS121で算出されたマージ可能候補数をマージブロック候補リストサイズに設定する。図13の例では、後述する方法により、マージ可能候補数は「4」と算出され、マージブロック候補リストサイズには「4」が設定される。
なお、ステップS124における新規候補とは、後述する方法で、マージブロック候補数がマージ可能候補数に達していない場合に、マージブロック候補に新たに追加される候補である。例えば、新規候補は、図3における左下隣接ブロックDの上に位置する隣接ブロックであってもよい。また、新規候補は、例えば、co−locatedブロックの隣接ブロックA〜Dに対応するブロックであってもよい。また、新規候補は、例えば、参照ピクチャの画面全体または一定の領域における動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向の統計値などを持つブロックであってもよい。このように、マージブロック候補数がマージ可能候補数に達していない場合には、マージブロック候補算出部114は、新たな動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を持つ新規候補を追加することによって、符号化効率を向上できる。
図16は、図15のステップS121の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図16は、マージブロック候補[N]がマージ可能候補かどうかを判定し、マージ可能候補数を更新する方法を表す。以下、図16について説明する。
ステップS131では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]が、(1)イントラ予測で符号化されたブロック、または、(2)符号化対象ブロックを含むスライスまたはピクチャ境界外に位置するブロック、または、(3)まだ符号化されていないブロックであるかどうかを判定する。
ここで、ステップS131の判定結果が真ならば(S131のYes)、ステップS132において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]をマージ不可能候補に設定する。一方、ステップS131の判定結果が偽ならば(S131のNo)、ステップS133において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]をマージ可能候補に設定する。
ステップS134では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]がマージ可能候補、または、co−locatedマージブロック候補であるかどうかを判定する。ここで、ステップS134の判定結果が真ならば(S134のYes)、ステップS135において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補数に1を加算して、マージブロック候補数を更新する。一方、ステップS134の判定結果が偽ならば(S134のNo)、マージブロック候補算出部114は、マージ可能候補数を更新しない。
このように、マージブロック候補がco−locatedマージブロックの場合は、マージブロック候補算出部114は、co−locatedブロックがマージ可能候補かマージ不可能候補かに関らず、マージ可能候補数に1を加算する。これにより、パケットロス等でco−locatedマージブロックの情報がロスされた場合でも、画像符号化装置と画像復号装置とでマージ可能候補数に不一致が発生しない。
このマージ可能候補数は、図15のステップS125において、マージブロック候補リストサイズに設定される。さらに、図12のステップS107において、マージブロック候補リストサイズは、マージブロックインデックスの可変長符号化に用いられる。これによって、co−locatedブロック等を含む参照ピクチャ情報をロスした場合でも、画像符号化装置100は、マージブロックインデックスを正常に復号できるビットストリームを生成することが可能になる。
図17は、図15のステップS124の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図17は、新規候補を追加する方法を表す。以下、図17について説明する。
ステップS141では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補数がマージ可能候補数より小さいか否かを判定する。つまり、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補数がマージ可能候補数に達していないかどうかを判定する。
ここで、ステップS141の判定結果が真ならば(S141のYes)、ステップS142において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補としてマージブロック候補リストに追加可能な新規候補が存在するかどうかを判定する。ここで、ステップS142の判定結果が真ならば(S142のYes)、ステップS143において、マージブロック候補算出部114は、新規候補にマージブロックインデックスの値を割り当て、マージブロック候補リストに新規候補を追加する。さらに、ステップS144において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補数に1を加算する。
一方、ステップS141またはステップS142の判定結果が偽ならば(S141またはS142のNo)、新規候補追加処理を終了する。つまり、マージブロック候補数がマージ可能候補数に達している場合、または、新規候補が存在しない場合は、新規候補追加処理を終了する。
図18は、図12のステップS103の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図18は、マージブロック候補の選択に関する処理を示す。以下、図18について説明する。
ステップS151では、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスに0をセットし、最小予測誤差に、動きベクトル検出モードの予測誤差(コスト)をセットし、マージフラグに0をセットする。ここで、コストは、例えば、R−D最適化モデルの以下の式で算出される。
(式1)
Cost=D+λR
式1において、Dは、符号化歪を表す。例えば、ある動きベクトルで生成した予測画像を用いて符号化対象ブロックを符号化および復号して得られた画素値と、符号化対象ブロックの元の画素値との差分絶対値和などがDとして用いられる。また、Rは、発生符号量を表す。予測画像生成に用いた動きベクトルを符号化するために必要な符号量などがRとして用いられる。また、λは、ラグランジュの未定乗数である。
ステップS152では、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスの値が、符号化対象ブロックのマージブロック候補数よりも小さいかどうかを判定する。つまり、インター予測制御部111は、まだ以下のステップS153〜ステップS155の処理が行われていないマージブロック候補が存在するかどうかを判定する。
ここで、ステップS152の判定結果が真ならば(S152のYes)、ステップS153において、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスが割り振られたマージブロック候補のコストを、双方向予測禁止サイズに応じて、後述する方法で算出する。そして、ステップS154では、インター予測制御部111は、算出したマージブロック候補のコストが、最小予測誤差よりも小さいかどうかを判定する。
ここで、ステップS154の判定結果が真ならば(S154のYes)、ステップS155において、インター予測制御部111は、最小予測誤差、マージブロックインデックス、およびマージフラグの値を更新する。一方、ステップS154の判定結果が偽ならば(S154のNo)、インター予測制御部111は、最小予測誤差、マージブロックインデックス、およびマージフラグの値を更新しない。
ステップS156では、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスの値に1を加算し、ステップS152からステップS156を繰り返し行う。
一方、ステップS152の判定結果が偽ならば(S152のNo)、すなわち、未処理のマージブロック候補がなくなれば、ステップS157において、インター予測制御部111は、最終的に設定されているマージフラグおよびマージブロックインデックスの値を確定する。
図19は、図18のステップS153の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図19は、マージブロック候補に対応するコストを算出する方法を表す。以下、図19について説明する。
ステップS161では、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスmerge_idxが割り振られたマージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であるか否かを判定する。なお、マージブロック候補が双方向予測によって符号化されているときには、そのマージブロック候補の予測方向は双方向予測であると判定される。
ここで、ステップS161の判定結果が真であれば(S161のYes)、ステップS162において、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスmerge_idxが割り振られたマージブロック候補の片方向予測分(例えば、予測方向0の予測分)の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いてインター予測部110に予測画像を生成させ、そのマージブロック候補に対応するコストを算出する。なお、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとして、予測方向0の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックの代わりに、予測方向1の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックを用いるようにしても構わない。
一方、ステップS161の判定結果が偽であれば(S161のNo)、ステップS163において、インター予測制御部111は、マージブロック候補インデックスmerge_idxが割り振られたマージブロック候補の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを用いて、インター予測部110に予測画像を生成させ、そのマージブロック候補に対応するコストを算出する。
つまり、インター予測制御部111は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であれば、双方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを用いて予測画像をインター予測部110に生成させる。または、インター予測制御部111は、マージブロック候補の予測方向が片方向予測であれば、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを用いて予測画像をインター予測部110に生成させる。そして、インター予測制御部111は、その生成された予測画像に対応するコストを上述のR−D最適化モデルによって算出する。
このように、本実施の形態における画像符号化装置100は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であっても、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて予測画像を生成する。これによって、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上することが可能となる。
また、このように、双方向予測分ではなく片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて生成された予測画像に基づいて符号化されたブロックは、次の符号化対象ブロックのために、隣接ブロックとして用いられることがある。この場合、画像符号化装置100は、その隣接ブロックに対して、双方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを保持し続けることによって、より符号化効率を向上することが可能となる。
なお、画像符号化装置100は、上述のように双方向予測分ではなく片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて符号化されたブロックが、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを持っているものとみなして、その後に発生する他の処理を行ってもよい。
例えば、画像符号化装置100は、デブロック処理においてデブロックのフィルタ強度を求める際には、上述の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いて符号化されたブロックが、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを持っているとみなす。その結果、画像符号化装置100は、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとに基づいてフィルタ強度を算出する。
なお、本実施の形態では、図19において、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いて予測画像を生成するようにしたが、必ずしもこれには限らない。
図20は、図18のステップS153の詳細な他の処理を示すフローチャートである。具体的には、図19は、マージブロック候補に対応するコストを算出する他の方法を表す。以下、図20について説明する。
ステップS251では、インター予測制御部111は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であるか否かを判定する。
ここで、ステップS251の判定結果が真であれば(S251のYes)、ステップS252において、インター予測制御部111は、そのマージブロック候補を用いた双方向予測の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から生成できないかどうかを判定する。ここで、ステップS252の判定結果が真であれば(S252のYes)、インター予測制御部111は、S253において、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いてインター予測部110に予測画像を生成させる。
一方、ステップS251またはステップS252の判定結果が偽であれば(S251のNoまたはS252のNo)、インター予測制御部111は、マージブロック候補の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いてインター予測部110に予測画像を生成させても構わない。
一般に、双方向予測の各予測方向の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から動き補償フィルタによって生成できる場合には、片方向予測分の参照ピクチャだけをメモリからリードすればよい。したがって、そのような場合は、必ずしも双方向予測を禁止せずに、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上することができる。
なお、本実施の形態では、co−locatedマージブロックがマージ可能候補かどうかに関らず、マージブロック候補がco−locatedマージブロックであれば常に1を加算するようにしてマージ可能候補数が算出される。そして、このように算出されたマージ可能候補数を用いてマージブロックインデックスに割当てるビット列が決定される。しかし、例えば、図16のS134において、co−locatedマージブロック以外のマージブロック候補に対しても、必ず常に1を加算するようにしてマージ可能候補数を算出してもよい。これによって、常にマージ可能候補数をマージブロック候補数の最大値Nに固定して、マージブロックインデックスにビット列を割当てるようにしても構わない。
つまり、全てのマージブロック候補をマージ可能候補とみなし、マージブロック候補リストサイズを、マージ候補ブロック候補数の最大値Nに固定して、マージブロックインデックスを符号化するようにしても構わない。
例えば、本実施の形態では、マージブロック候補数の最大値Nは5であるため(隣接ブロックA、隣接ブロックB、co−locatedマージブロック、隣接ブロックC、隣接ブロックD)、常にマージブロック候補リストサイズに5を設定して、マージブロックインデックスを符号化するようにしても構わない。
また、例えば、マージブロック候補数の最大値Nが4(隣接ブロックA、隣接ブロックB、隣接ブロックC、隣接ブロックD)の場合には、常にマージブロック候補リストサイズに4を設定して、マージブロックインデックスを符号化するようにしても構わない。
このように、マージブロック候補数の最大値に応じて、マージブロック候補リストサイズを決定しても構わない。
これにより、画像復号装置の可変長復号部が、ビットストリーム中のマージブロックインデックスを、隣接ブロックやco−locatedブロックの情報を参照せずに復号することができるビットストリームを生成することが可能となり、可変長復号部の処理量を削減することができる。
また、予測動きベクトル候補数の最大値Nを、SPS(Sequence Parameter Set)、PPS(Picture Parameter Set)、または、スライスヘッダ等に埋め込むようにしても構わない。
これにより、符号化対象ピクチャに応じて、予測動きベクトル候補数の最大値Nを切り替えることができ、処理量および符号化効率を向上できる。
例えば、co−locatedブロックを参照しないようなピクチャ(Iピクチャを参照するBピクチャやPピクチャ)の場合には、予測動きベクトル候補数の最大値を4(隣接ブロックA、隣接ブロックB、隣接ブロックC、隣接ブロックD)に設定し、co−locatedブロックを参照するようなピクチャの場合には、予測動きベクトル候補数の最大値を5(隣接ブロックA、隣接ブロックB、co−locatedブロック、隣接ブロックC、隣接ブロックD)に設定する。そして、SPS(Sequence Parameter Set)、PPS(Picture Parameter Set)、または、スライスヘッダ等にその最大値を埋め込むことなどが考えられる。
なお、本実施の形態では、マージモードにおいて常にマージフラグがビットストリームに付加される例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、符号化対象ブロックのインター予測に用いるブロック形状等に応じて、強制的にマージモードが選択されるようにしてもよい。その場合には、マージフラグをビットストリームに付加しないことで情報量を削減しても構わない。
なお、本実施の形態では、符号化対象ブロックの隣接ブロックから予測方向、動きベクトル、および参照ピクチャインデックスをコピーして、符号化対象ブロックの符号化を行うマージモードを用いた例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、スキップマージモードが用いられてもよい。スキップマージモードでは、図13の(b)のように作成されたマージブロック候補リストを用いて、マージモードと同様に符号化対象ブロックの隣接ブロックから予測方向、動きベクトル、および参照ピクチャインデックスをコピーして、符号化対象ブロックの符号化を行う。その結果、符号化対象ブロックのすべての予測誤差データが0であれば、スキップフラグを1にセットし、スキップフラグおよびマージブロックインデックスをビットストリームに付加する。また、予測誤差データが0でなければ、スキップフラグを0にセットして、スキップフラグ、マージフラグ、マージブロックインデックス、および予測誤差データをビットストリームに付加する。
なお、本実施の形態では、符号化対象ブロックの隣接ブロックから予測方向、動きベクトル、参照ピクチャインデックスをコピーして、符号化対象ブロックの符号化を行うマージモードを用いた例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、図13の(b)のように作成したマージブロック候補リストを用いて、動きベクトル検出モードの動きベクトルを符号化しても構わない。つまり、動きベクトル検出モードの動きベクトルから、マージブロックインデックスで指定したマージブロック候補の動きベクトルを減ずることにより差分を求める。そして、求められた差分およびマージブロックインデックスをビットストリームに付加しても構わない。
また、動き検出モードの参照ピクチャインデックスRefIdx_MEと、マージブロック候補の参照ピクチャインデックスRefIdx_Mergeとを用いて、マージブロック候補の動きベクトルMV_Mergeをスケーリングし、動き検出モードの動きベクトルからスケーリング後のマージブロック候補の動きベクトルscaledMV_Mergeを減ずることにより差分を求めてもよい。そして、求められた差分およびマージブロックインデックスをビットストリームに付加しても構わない。スケーリングの式の例を以下に示す。
(式2)
scaledMV_Merge=
MV_Merge×(POC(RefIdx_ME)-curPOC)/(POC(RefIdx_Merge)-curPOC)
ここで、POC(RefIdx_ME)は、参照ピクチャインデックスRefIdx_MEが示す参照ピクチャの表示順を示す。POC(RefIdx_Merge)は、参照ピクチャインデックスRefIdx_Mergeが示す参照ピクチャの表示順を示す。curPOCは、符号化対象ピクチャの表示順を示す。
(実施の形態2)
図21は、実施の形態2に係る画像復号装置200の構成を示すブロック図である。この画像復号装置200は、実施の形態1に係る画像符号化装置100に対応する装置である。画像復号装置200は、例えば、実施の形態1に係る画像符号化装置100によって生成されたビットストリームに含まれる符号化画像をブロック毎に復号する。
画像復号装置200は、図21に示すように、可変長復号部201と、逆量子化部202と、逆直交変換部203と、加算部204と、ブロックメモリ205と、フレームメモリ206と、イントラ予測部207と、インター予測部208と、インター予測制御部209と、スイッチ210と、マージブロック候補算出部211と、colPicメモリ212とを備える。
可変長復号部201は、入力されたビットストリームに対し、可変長復号処理を行い、ピクチャタイプ情報、マージフラグ、量子化係数、および双方向予測禁止サイズを生成する。また、可変長復号部201は、後述するマージ可能候補数を用いて、マージブロックインデックスの可変長復号処理を行う。
逆量子化部202は、可変長復号処理によって得られた量子化係数に対し、逆量子化処理を行う。
逆直交変換部203は、逆量子化処理によって得られた直交変換係数を、周波数領域から画像領域へ変換することにより、予測誤差データを生成する。
ブロックメモリ205には、予測誤差データと予測画像データとが加算されて生成された復号画像データが、ブロック単位で保存される。
フレームメモリ206には、復号画像データがフレーム単位で保存される。
イントラ予測部207は、ブロックメモリ205に保存されているブロック単位の復号画像データを用いてイントラ予測することにより、復号対象ブロックの予測画像データを生成する。
インター予測部208は、フレームメモリ206に保存されているフレーム単位の復号画像データを用いてインター予測することにより、復号対象ブロックのインター予測画像データ(予測画像)を生成する。
スイッチ210は、復号対象ブロックがイントラ予測復号される場合に、イントラ予測部207によって生成されたイントラ予測画像データを、復号対象ブロックの予測画像データとして加算部204に出力する。一方、スイッチ210は、復号対象ブロックがインター予測復号される場合に、インター予測部208によって生成されたインター予測画像データを、復号対象ブロックの予測画像データとして加算部204に出力する。
マージブロック候補算出部211は、復号対象ブロックの隣接ブロックの動きベクトル等、および、colPicメモリ212に格納されているco−locatedブロックの動きベクトル等(colPic情報)を用いて、マージモードのマージブロック候補を後述する方法で導出する。また、マージブロック候補算出部211は、導出した各マージブロック候補に対し、マージブロックインデックスの値を割り当てる。そして、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補と、マージブロックインデックスとを、インター予測制御部209に送信する。
インター予測制御部209は、復号されたマージフラグが「0」ならば、動きベクトル検出モードの情報を用いて、インター予測部208にインター予測画像を生成させる。一方、マージフラグが「1」ならば、インター予測制御部209は、複数のマージブロック候補から、復号されたマージブロックインデックスに基づいて、インター予測に用いる動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を決定する。そして、インター予測制御部209は、決定された動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を用いて、双方向予測禁止サイズに応じた後述する方法で、インター予測部208にインター予測画像を生成させる。また、インター予測制御部209は、復号対象ブロックの動きベクトル等を含むcolPic情報をcolPicメモリ212に転送する。
最後に、加算部204は、予測画像データと予測誤差データとを加算することにより、復号画像データを生成する。
図22は、実施の形態2に係る画像復号装置200の処理動作を示すフローチャートである。
ステップS201では、可変長復号部201は、双方向予測禁止サイズおよびマージフラグを復号する。
ステップS202において、マージフラグが「1」ならば(S202のYes)、ステップS203において、マージブロック候補算出部211は、後述する方法で、マージ可能候補数を算出する。そして、マージブロック候補算出部211は、算出されたマージ可能候補数をマージブロック候補リストサイズに設定する。
ステップS204では、可変長復号部201は、マージブロック候補リストサイズを用いて、ビットストリーム中のマージブロックインデックスを可変長復号する。
ステップS205では、マージブロック候補算出部211は、後述する方法で、復号対象ブロックの隣接ブロックおよびco−locatedブロックからマージブロック候補を生成する。
ステップS206では、インター予測制御部209は、復号された双方向予測禁止サイズと、マージブロックインデックスが示すマージブロック候補の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および、予測方向とを用いて、後述する方法でインター予測画像をインター予測部208に生成させる。
ステップS202において、マージフラグが「0」ならば(S202のNo)、ステップS207において、インター予測部208は、可変長復号部201によって復号された動きベクトル検出モードの情報を用いて、インター予測画像を生成する。
なお、ステップS203で算出されたマージブロック候補リストサイズが「1」の場合は、マージブロックインデックスは、復号されずに、「0」と推定されても構わない。
図23は、図22のステップS203の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図23は、マージブロック候補[N]がマージ可能候補かどうかを判定し、マージ可能候補数を算出する方法を表す。以下、図23について説明する。
ステップS211では、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補[N]が、(1)イントラ予測で復号されたブロック、または、(2)復号対象ブロックを含むスライスまたはピクチャ境界外に位置するブロック、または、(3)まだ復号されていないブロックであるかどうかを判定する。
ここで、ステップS211の判定結果が真ならば(S211のYes)、ステップS212において、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補[N]をマージ不可能候補に設定する。一方、ステップS211の判定結果が偽ならば(S211のNo)、ステップS213において、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補[N]をマージ可能候補に設定する。
ステップS214では、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補[N]がマージ可能候補、または、co−locatedマージブロック候補であるかどうかを判定する。ここで、ステップS214の判定結果が真ならば(S214のYes)、ステップS215において、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補数に1を加算して、マージブロック候補数を更新する。一方、ステップS214が偽ならば(S214のNo)、マージブロック候補算出部211は、マージ可能候補数を更新しない。
このように、マージブロック候補がco−locatedマージブロックの場合は、マージブロック候補算出部211は、co−locatedブロックがマージ可能候補かマージ不可能候補かに関らず、マージ可能候補数に1を加算する。これにより、パケットロス等でco−locatedマージブロックの情報がロスされた場合でも、画像符号化装置と画像復号装置とでマージ可能候補数に不一致が発生しない。
このマージ可能候補数は、図22のステップS203において、マージブロック候補リストサイズに設定される。さらに、図22のステップS204において、マージブロック候補リストサイズは、マージブロックインデックスの可変長復号に用いられる。これによって、co−locatedブロック等を含む参照ピクチャ情報をロスした場合でも、画像復号装置200は、マージブロックインデックスを正常に復号することが可能になる。
図24は、図22のステップS205の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図24は、マージブロック候補を算出する方法を表す。以下、図24について説明する。
ステップS221では、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補[N]の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および予測方向を取得して、マージブロック候補リストに追加する。
ステップS222では、マージブロック候補算出部211は、図13に示すように、マージブロック候補リストからマージ不可能候補および重複候補を探索し、削除する。
ステップS223では、マージブロック候補算出部211は、図17と同様の方法で、マージブロック候補リストに新規候補を追加する。
図25は、図22のS206の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図25は、双方向予測禁止サイズに応じて予測画像を生成する方法を表す。以下、図25について説明する。
ステップS231では、インター予測制御部209は、マージブロック候補インデックスmerge_idxが割り振られたマージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であるか否かを判定する。
ここで、ステップS231の判定結果が真であれば(S231のYes)、ステップS232において、インター予測制御部209は、マージブロック候補インデックスmerge_idxが割り振られたマージブロック候補の片方向予測分(例えば、予測方向0の予測分)の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いてインター予測部208に予測画像を生成させる。なお、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとして、予測方向0の動きベクトルと参照ピクチャインデックスの代わりに、予測方向1の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックを用いるようにしても構わない。
一方、ステップS231の判定結果が偽であれば(S231のNo)、ステップS233において、インター予測制御部209は、マージブロック候補インデックスmerge_idxが割り振られたマージブロック候補の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとを用いて、インター予測部208に予測画像を生成させる。つまり、インター予測制御部209は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であれば、双方向予測を用いて予測画像をインター予測部208に生成させる。また、インター予測制御部209は、マージブロック候補の予測方向が片方向予測であれば、つまり、マージブロック候補が片方向予測によって符号化されている場合には、片方向予測を用いて予測画像をインター予測部110に生成させる。
図26は、マージブロックインデックスをビットストリームに付加する際のシンタックスの一例を表す図である。図26において、merge_idxはマージブロックインデックス、merge_flagはマージフラグを表す。NumMergeCandはマージブロック候補リストサイズを表し、本実施の形態では図23の処理フローで算出されたマージ可能候補数が設定される。
このように、本実施の形態では、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であっても、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて予測画像が生成される。これによって、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上したビットストリームを適切に復号することが可能になる。
また、このように、双方向予測分ではなく片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて生成された予測画像に基づいて復号されたブロックは、次の復号対象ブロックのために、隣接ブロックとして用いられることがある。この場合、画像復号装置200は、その隣接ブロックに対して、双方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを保持し続けることによって、より符号化効率を向上したビットストリームを適切に復号することが可能となる。
なお、画像復号装置200は、上述のように双方向予測ではなく片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いて復号されたブロックが、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを持っているものとみなして、その後に発生する他の処理を行ってもよい。
例えば、画像復号装置200は、デブロック処理においてデブロックのフィルタ強度を求める際には、上述の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いて復号されたブロックが、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを持っているとみなす。その結果、画像復号装置200は、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとに基づいてフィルタ強度を算出する。
なお、本実施の形態では、図25において、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いて予測画像を生成するようにしたが、必ずしもこれには限らない。
例えば、実施の形態1で説明した図20と同様に、インター予測制御部209は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、そのマージブロック候補を用いた双方向予測の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から生成できないかどうかを判定してもよい。そして、その判定結果が真ならば、インター予測制御部209は、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いてインター予測部208に予測画像を生成させる。一方、その判定結果が偽ならば、インター予測制御部209は、マージブロック候補の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを用いてインター予測部208に予測画像を生成させても構わない。
一般に、双方向予測の各予測方向の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から動き補償フィルタによって生成できる場合には、片方向予測分の参照ピクチャだけをメモリからリードすればよい。したがって、そのような場合は、必ずしも双方向予測を禁止せずに、メモリバンド幅を抑制しながら符号化効率を向上したビットストリームを適切に復号することが可能になる。
なお、本実施の形態では、co−locatedマージブロックがマージ可能候補かどうかに関らず、マージブロック候補がco−locatedマージブロックであれば常に1を加算するようにしてマージ可能候補数が算出される。そして、このように算出されたマージ可能候補数を用いてマージブロックインデックスに割当てるビット列が決定される。しかし、例えば、図23のステップS214において、co−locatedマージブロック以外のマージブロック候補に対しても、必ず常に1を加算するようにしてマージ可能候補数を算出してもよい。これによって、常にマージ可能候補数をマージブロック候補数の最大値Nに固定して、マージブロックインデックスにビット列を割当てるようにしても構わない。
つまり、全てのマージブロック候補をマージ可能候補とみなし、マージブロック候補リストサイズを、マージブロック候補数の最大値Nに固定して、マージブロックインデックスを復号するようにしても構わない。
例えば、本実施の形態では、マージブロック候補数の最大値Nは5であるため(隣接ブロックA、隣接ブロックB、co−locatedマージブロック、隣接ブロックC、隣接ブロックD)、常にマージブロック候補リストサイズに5を設定して、マージブロックインデックスを復号するようにしても構わない。
これにより、可変長復号部201は、ビットストリーム中のマージブロックインデックスを、隣接ブロックやco−locatedブロックの情報を参照せずに復号することが可能になる。例えば、図23のステップS214およびS215の処理を省略するなど、可変長復号部201の処理量を削減できる。
図27は、マージブロック候補リストサイズをマージブロック候補数の最大値に固定した場合のシンタックスの一例を示す図である。
図27に示すように、マージブロック候補リストサイズをマージブロック候補数の最大値に固定する場合は、NumMergeCandをシンタックスから削除できる。
また、画像復号装置200は、SPS(Sequence Parameter Set)、PPS(Picture Parameter Set)、または、スライスヘッダ等に埋め込まれた値を用いて、予測動きベクトル候補数の最大値Nを特定してもよい。
これにより、符号化対象ピクチャに応じて、予測動きベクトル候補数の最大値Nを切り替えることで、処理量を削減するとともに符号化効率を向上したビットストリームを正しく復号することができる。
例えば、co−locatedブロックを参照しないようなピクチャ(Iピクチャを参照するBピクチャやPピクチャ)の場合には、予測動きベクトル候補数の最大値が4(隣接ブロックA、隣接ブロックB、隣接ブロックC、隣接ブロックD)に設定される。また、co−locatedブロックを参照するようなピクチャの場合には、予測動きベクトル候補数の最大値が5(隣接ブロックA、隣接ブロックB、co−locatedブロック、隣接ブロックC、隣接ブロックD)に設定される。そして、その値がSPS(Sequence Parameter Set)、PPS(Picture Parameter Set)、または、スライスヘッダ等に埋め込まれる。画像復号装置200は、このような値が埋め込まれたビットストリームを復号する場合には、予測動きベクトル候補数の最大値NをSPS(Sequence Parameter Set)、PPS(Picture Parameter Set)、または、スライスヘッダ等から復号し、その値を用いて予測動きベクトルインデックスを復号する。
(実施の形態3)
図28は、実施の形態3に係る画像符号化方法を用いた画像符号化装置300の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3は、双方向予測禁止サイズに応じて、マージブロック候補を算出する点(双方向予測禁止サイズに応じてマージブロック候補リストを作成する点)のみ、実施の形態1と異なり、その他の点は同様のため詳細な説明を省略する。
画像符号化装置300は、図28に示すように、減算部101と、直交変換部102と、量子化部103と、逆量子化部104と、逆直交変換部105と、加算部106、ブロックメモリ107と、フレームメモリ108と、イントラ予測部109と、インター予測部110と、インター予測制御部111と、ピクチャタイプ決定部112と、スイッチ113と、マージブロック候補算出部114と、colPicメモリ115と、可変長符号化部116と、双方向予測禁止サイズ決定部117とを備える。
双方向予測禁止サイズ決定部117は、図14と同様の方法で、双方向予測を禁止する動き補償のサイズを決定し、決定した双方向予測禁止サイズを、マージブロック候補算出部114および可変長符号化部116に出力する。
マージブロック候補算出部114は、符号化対象ブロックの隣接ブロック、および、colPicメモリに格納されているco−locatedブロックの動きベクトル等のcolPic情報を用いて、双方向予測禁止サイズに応じた後述する方法で、マージモードのマージブロック候補を導出する。さらに、マージブロック候補算出部114は、図15と同様の方法で、マージ可能候補数を算出する。また、マージブロック候補算出部114は、導出したマージブロック候補に対して、マージブロックインデックスの値を割り当てる。そして、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補とマージブロックインデックスをインター予測制御部111に送る。また、マージブロック候補算出部114は、算出したマージ可能候補数を可変長符号化部116に送信する。
インター予測制御部111は、動き検出により導出された動きベクトルを用いて生成したインター予測画像と、マージモードにより導出された動きベクトルを用いて生成したインター予測画像のうち、予測誤差が最も小さい予測画像(予測モード)を用いて、インター予測符号化を行う。また、インター予測制御部111は、予測モードがマージモードかどうかを表すマージフラグを可変長符号化部116に送る。さらに、インター予測制御部111は、予測モードとしてマージモードが選択された場合は、決定されたマージブロック候補に対応するマージブロックインデックスを可変長符号化部116に送る。さらに、インター予測制御部111は、符号化対象ブロックの動きベクトル等を含むcolPic情報をcolPicメモリ115に転送する。
図29は、実施の形態3に係る画像符号化装置300の処理動作を示すフローチャートである。
ステップS171では、双方向予測禁止サイズ決定部117は、図12のステップS101と同様の方法で、双方向予測を禁止する動き補償サイズを決定する。
ステップS172では、マージブロック候補算出部114は、双方向予測禁止サイズに応じた後述する方法で、符号化対象ブロックの隣接ブロックおよびco−locatedブロックからマージブロック候補を導出する。また、マージブロック候補算出部114はマージブロック候補リストサイズを算出する。
例えば、図3のような場合では、マージブロック候補算出部114は、隣接ブロックA〜Dをマージブロック候補として選択する。さらに、マージブロック候補算出部114は、co−locatedブロックの動きベクトルから時間予測モードによって算出した動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を有するco−locatedマージブロックをマージブロック候補として算出する。
マージブロック候補算出部114は、図13の(a)のように、各マージブロック候補に対してマージブロックインデックスを割り当てる。そして、マージブロック候補算出部114は、マージ不可能候補および重複候補の削除、および新規候補追加を行うことにより、図13の(b)のようなマージブロック候補リスト、および、マージブロック候補リストサイズを算出する。
マージブロックインデックスは、値が小さいほど短い符号が割り振られる。すなわち、マージブロックインデックスの値が小さい場合にマージブロックインデックスに必要な情報量が少なくなる。
一方、マージブロックインデックスの値が大きくなると、マージブロックインデックスに必要な情報量が大きくなる。したがって、より精度が高い動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを有する可能性が高いマージブロック候補に対して、値の小さいマージブロックインデックスが割り当てられると、符号化効率が高くなる。
そこで、マージブロック候補算出部114は、例えば、マージブロックとして選ばれた回数をマージブロック候補毎に計測し、その回数が多いブロックに対し、値の小さいマージブロックインデックスを割り当ててもよい。具体的には、隣接ブロックにおいて選択されたマージブロックを特定しておき、対象ブロックの符号化の際に、特定したマージブロックに対するマージブロックインデックスの値を小さくすることが考えられる。
なお、マージブロック候補が、動きベクトル等の情報を有しない場合(イントラ予測で符号化されたブロックである場合、ピクチャやスライスの境界外などに位置するブロックである場合、あるいは、まだ符号化されていないブロックである場合など)には、符号化に利用できない。
本実施の形態では、符号化に利用できないマージブロック候補をマージ不可能候補と呼ぶ。また、符号化に利用できるマージブロック候補をマージ可能候補と呼ぶ。また、複数のマージブロック候補において、他のいずれかのマージブロック候補と、動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および、予測方向のすべてが一致している候補を重複候補と呼ぶ。
図3の場合では、隣接ブロックCは、イントラ予測で符号化されたブロックであるので、マージ不可能候補とする。また、隣接ブロックDは、隣接ブロックAと動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および、予測方向のすべてが一致しているので、重複候補とする。
ステップS173では、インター予測制御部111は、動き検出により導出された動きベクトルを用いて生成した予測画像の予測誤差と、マージブロック候補から得られた動きベクトルを用いて生成した予測画像の予測誤差とを比較し、予測モードを選択する。ここで、選択された予測モードがマージモードであれば、インター予測制御部111は、マージフラグを1にセットし、そうでなければ、マージフラグを0にセットする。
ステップS174では、マージフラグが1であるか否か(すなわち、予測モードがマージモードかどうか)が判定される。
ここで、ステップS174の判定結果が真ならば(S174のYes)、ステップS175において、可変長符号化部116は、マージフラグをビットストリームに付加する。さらに、ステップS177において、可変長符号化部116は、符号化に用いるマージブロック候補のマージブロックインデックスに図5に示すようなマージブロック候補リストサイズに応じたビット列を割り当てる。そして、可変長符号化部116は、割り当てられたビット列に対して可変長符号化を行う。
一方、ステップS174の判定結果が偽ならば(S174のNo)、ステップS176において、可変長符号化部116は、マージフラグおよび動き検出ベクトルモードの情報をビットストリームに付加する。
ステップS178では、可変長符号化部116は、双方向予測禁止サイズを可変長符号化してビットストリームに付加する。なお、双方向予測禁止サイズは、サイズを示す情報としてビットストームのSPS、PPS、スライスヘッダ等に付加される。このとき、その双方向予測禁止サイズは、双方向予測が禁止される動き補償サイズがわかれば、どのような形で付加されても構わない。
本実施の形態では、図13の(a)のように、隣接ブロックAに対応するマージブロックインデックスの値として「0」が割り当てられる。また、隣接ブロックBに対応するマージブロックインデックスの値として「1」が割り当てられる。また、co−locatedマージブロックに対応するマージブロックインデックスの値として「2」が割り当てられる。また、隣接ブロックCに対応するマージブロックインデックスの値として「3」が割り当てられる。また、隣接ブロックDに対応するマージブロックインデックスの値として「4」割り当てられる。
なお、必ずしも、マージブロックインデックスの値の割り当て方は、この例に限らない。例えば、可変長符号化部116は、新規候補が追加された場合などには、元々のマージブロック候補には小さい値を割り当て、新規候補には大きい値を割り当ててもよい。つまり、可変長符号化部116は、元々のマージブロック候補に優先して小さな値のマージブロックインデックスを割り当てても構わない。
また、必ずしも、マージブロック候補は、隣接ブロックA〜Dの位置に限定されない。例えば、左下隣接ブロックDの上に位置する隣接ブロック等がマージブロック候補として用いられても構わない。また、必ずしもすべての隣接ブロックがマージブロック候補として使用される必要はない。例えば、隣接ブロックA、Bのみがマージブロック候補として用いられてもよい。
また、本実施の形態では、図29のステップS177において、可変長符号化部116は、マージブロックインデックスをビットストリームに付加したが、必ずしもマージブロックインデックスをビットストリームに付加する必要はない。例えば、可変長符号化部116は、マージブロック候補リストサイズが「1」の場合には、マージブロックインデックスをビットストリームに付加しなくてもよい。これにより、マージブロックインデックスの情報量を削減できる。
図30は、図29のステップS172の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図30は、マージブロック候補、および、マージブロック候補リストサイズを算出する方法を表す。以下、図30について説明する。
ステップS181では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]がマージ可能候補であるかどうかを判定する。そして、マージブロック候補算出部114は、判定結果に従って、マージ可能候補数を更新する。
ここで、Nは各マージブロック候補を表すためのインデックス値である。本実施の形態では、Nは0から4までの値をとる。具体的には、マージブロック候補[0]には、図3の隣接ブロックAが割り振られる。また、マージブロック候補[1]には、図3の隣接ブロックBが割り振られる。また、マージブロック候補[2]には、co−locatedマージブロックが割り振られる。また、マージブロック候補[3]には、図3の隣接ブロックCが割り振られる。また、マージブロック候補[4]には、図3の隣接ブロックDが割り振られる。
ステップS182では、マージブロック候補算出部114は、双方向予測禁止サイズに応じた後述する方法で、マージブロック候補[N]の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および予測方向を取得して、マージブロック候補リストに追加する。
ステップS183では、マージブロック候補算出部114は、図13に示すように、マージブロック候補リストからマージ不可能候補および重複候補を探索し、削除する。
ステップS184では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補リストに新規候補を追加する。ここで、新規候補を追加する際には、マージブロック候補算出部114は、元々あるマージブロック候補に優先して小さい値のマージブロックインデックスが割り当たるように、マージブロックインデックスの値の再割り当てを行ってもよい。つまり、マージブロック候補算出部114は、新規候補には値が大きいマージブロックインデックスが割り当たるように、マージブロックインデックスの値の再割り当てを行ってもよい。これにより、マージブロックインデックスの符号量を削減できる。
ステップS185では、マージブロック候補算出部114は、ステップS181で算出されたマージ可能候補数をマージブロック候補リストサイズに設定する。図13の例では、マージ可能候補数は「4」と算出され、マージブロック候補リストサイズには「4」が設定される。
なお、ステップS184における新規候補とは、マージブロック候補数がマージ可能候補数に達していない場合に、マージブロック候補に新たに追加される候補である。例えば、新規候補は、図3における左下隣接ブロックDの上に位置する隣接ブロックであってもよい。また、新規候補は、例えば、co−locatedブロックの隣接ブロックA〜Dに対応するブロックであってもよい。また、新規候補は、例えば、参照ピクチャの画面全体または一定の領域における動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向の統計値などを持つブロックであってもよい。このように、マージブロック候補数がマージ可能候補数に達していない場合には、マージブロック候補算出部114は、新たな動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を持つ新規候補を追加することによって、符号化効率を向上できる。
図31は、図30のS182の詳細な処理を示すフローチャートである。具体的には、図31は、双方向予測禁止サイズに応じて、マージブロック候補[N]の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および予測方向を取得する方法を表す。以下、図31について説明する。
ステップS191では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であるかを判定する。
ステップS191の判定結果が真であれば(S191のYes)、ステップS192において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]の片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックス(例えば、予測方向0の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックス)を取得して、マージブロック候補リストに追加する。なお、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスとして、予測方向0の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスの代わりに、マージブロック候補算出部114は、予測方向1の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックを用いるようにしても構わない。また、予測方向0と予測方向1の動きベクトル、および、参照ピクチャインデックスから、例えば平均値ベクトル等を算出して、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを生成するなど、どのような方法を用いて双方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスから、片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを生成するようにしても構わない。
ステップS191の判定結果が偽であれば(S191のNo)、ステップS193において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得して、マージブロック候補リストに追加する。つまり、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であれば、双方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスをマージブロック候補リストに追加し、マージブロック候補の予測方向が片方向予測であれば、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスをマージブロック候補リストに追加する。
このように、本実施の形態における画像符号化装置300は、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であっても、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いてマージブロック候補リストを生成する。これにより、すべてのマージブロック候補が片方向予測であるマージブロック候補リストから、符号化対象ブロックの符号化に用いるマージブロック候補が選択されるため、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上することが可能となる。
なお、本実施の形態では、図30のステップS182において、双方向予測禁止サイズに応じて、マージブロック候補[N]から、予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを取得した。しかし、本発明は必ずしもこれに限らず、例えば、図30のステップS185の後に、マージブロック候補算出部114は、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下かどうかを判定し、真ならば、マージブロック候補リストに含まれるマージブロック候補のうち、双方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスに変換しても構わない。例えば、双方向予測を予測方向0の片方向予測に変換し、予測方向1の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスに無効の値を設定するようにしても構わない。あるいは、双方向予測を予測方向1の片方向予測に変換し、予測方向0の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスに無効の値を設定するようにしても構わない。
なお、本実施の形態では、図31において、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得してマージブロック候補リストに追加するようにしたが、必ずしもこれには限らない。
図32は、図30のS182の詳細な他の処理を示すフローチャートである。具体的には、図32は、双方向予測禁止サイズに応じて、マージブロック候補[N]の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および予測方向を取得する他の方法を表す。
例えば、図32に示すように、ステップS261では、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補[N]の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であるかを判定する。
ステップS261の判定結果が真であれば(ステップS261のYes)、ステップS262において、マージブロック候補算出部114は、さらに、そのマージブロック候補を用いた双方向予測の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から生成できないかどうかを判定する。ここで、ステップS262の判定結果が真ならば(ステップS262のYes)、ステップS263において、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得してマージブロック候補リストに追加する。一方、ステップS261またはステップS262の判定結果が偽ならば(S261またはS262のNo)、マージブロック候補算出部114は、マージブロック候補の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得して、マージブロック候補リストに追加する。
一般に、双方向予測の各予測方向の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から動き補償フィルタによって生成できる場合には、片方向予測分の参照ピクチャだけをメモリからリードすればよい。したがって、そのような場合は、必ずしも双方向予測を禁止せずに、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上することができる。
(実施の形態4)
図33は、実施の形態3に対応した画像復号方法を用いた画像復号装置400の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態4は、双方向予測禁止サイズに応じて、マージブロック候補を算出する点(双方向予測禁止サイズに応じてマージブロック候補リストを作成する点)のみ、実施の形態2と異なり、その他の点は同様のため詳細な説明を省略する。
画像復号装置400は、図33に示すように、可変長復号部201と、逆量子化部202と、逆直交変換部203と、加算部204と、ブロックメモリ205と、フレームメモリ206と、イントラ予測部207と、インター予測部208と、インター予測制御部209と、スイッチ210と、マージブロック候補算出部211と、colPicメモリ212とを備える。
可変長復号部201は、入力されたビットストリームに対し、可変長復号処理を行い、ピクチャタイプ情報、マージフラグ、量子化係数、および双方向予測禁止サイズを生成する。また、可変長復号部201は、図23と同様の方法でマージ可能候補数を算出し、マージブロックインデックスの可変長復号処理を行う。
マージブロック候補算出部211は、復号対象ブロックの隣接ブロックの動きベクトル等、および、colPicメモリ212に格納されているco−locatedブロックの動きベクトル等(colPic情報)を用いて、双方向予測禁止サイズに応じてマージモードのマージブロック候補を後述する方法で導出する。また、マージブロック候補算出部211は、導出した各マージブロック候補に対し、マージブロックインデックスの値を割当て、マージブロック候補とマージブロックインデックスとを、インター予測制御部209に送る。
インター予測制御部209は、復号されたマージフラグが「0」ならば、動きベクトル検出モードの情報を用いて、インター予測部208にインター予測画像を生成させる。一方、マージフラグが「1」ならば、インター予測制御部209は、複数のマージブロック候補から、復号されたマージブロックインデックスに基づいて、インター予測に用いる動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を決定する。そして、インター予測制御部209は、決定された動きベクトル、参照ピクチャインデックスおよび予測方向を用いて、インター予測部208にインター予測画像を生成させる。また、インター予測制御部209は、復号対象ブロックの動きベクトル等を含むcolPic情報をcolPicメモリ212に転送する。
最後に、加算部204は、予測画像データと予測誤差データとを加算することにより、復号画像データを生成する。
図34は、実施の形態4に係る画像復号装置400の処理動作を示すフローチャートである。
ステップS241では、可変長復号部201は、双方向予測禁止サイズおよびマージフラグを復号する。
ステップS242において、マージフラグが「1」ならば(S242のYes)、ステップS243において、マージブロック候補算出部211は、図23と同様の方法で、マージ可能候補数を算出する。そして、マージブロック候補算出部211は、算出されたマージ可能候補数をマージブロック候補リストサイズに設定する。
ステップS244では、可変長復号部201は、マージブロック候補リストサイズを用いて、ビットストリーム中のマージブロックインデックスを可変長復号する。
ステップS245では、マージブロック候補算出部211は、双方向予測禁止サイズに応じて、図30と同様の方法で、復号対象ブロックの隣接ブロックおよびco−locatedブロックからマージブロック候補を生成する。
ステップS246では、インター予測制御部209は、復号したマージブロックインデックスの示すマージブロック候補の動きベクトル、参照ピクチャインデックス、および、予測方向を用いて、インター予測画像をインター予測部208に生成させる。
ステップS242において、マージフラグが「0」ならば(S242のNo)、ステップS247において、インター予測部208は、可変長復号部201によって復号された動きベクトル検出モードの情報を用いて、インター予測画像を生成する。
なお、ステップS243で算出されたマージブロック候補リストサイズが「1」の場合は、マージブロックインデックスは、復号されずに、「0」と推定されても構わない。
このように、本実施の形態では、マージブロック候補の予測方向が双方向予測であっても、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを用いてマージブロック候補リストが生成される。これにより、すべてのマージブロック候補が片方向予測であるマージブロック候補リストから、復号対象ブロックの復号に用いるマージブロック候補が選択されるため、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上したビットストリームを適切に復号することが可能になる。
なお、本実施の形態では、双方向予測禁止サイズに応じて、マージブロック候補[N]から、予測方向、動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを取得したが、必ずしもこれに限らない。例えば、図30のステップS185の後に行なわれる判定のように、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補リストが作成された後に、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下かどうかを判定する。その判定結果が真ならば、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補リストに含まれるマージブロック候補のうち、双方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを、片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスに変換する。例えば、マージブロック候補算出部211は、双方向予測を予測方向0の片方向予測に変換し、予測方向1の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスに無効の値を設定するようにしても構わない。あるいは、マージブロック候補算出部211は、双方向予測を予測方向1の片方向予測に変換し、予測方向0の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスに無効の値を設定するようにしても構わない。
なお、本実施の形態では、図31に示す処理と同様に、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得してマージブロック候補リストに追加するが、必ずしもこれには限らない。例えば、実施の形態3で説明した図32と同様に、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、復号対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であれば、マージブロック候補算出部211は、そのマージブロック候補を用いた双方向予測の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から生成できないかどうかを判定する。この判定結果が真ならば、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補の片方向予測分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得してマージブロック候補リストに追加する。一方、上述の判定結果が偽ならば、マージブロック候補算出部211は、マージブロック候補の予測方向分の動きベクトルと参照ピクチャインデックスを取得して、マージブロック候補リストに追加するようにしても構わない。一般に、双方向予測の各予測方向の予測画像が、同一ピクチャの同一整数位置の画素値から動き補償フィルタによって生成できる場合には、片方向予測分の参照ピクチャをメモリからリードすればよい。したがって、そのような場合は、必ずしも双方向予測を禁止せずに、メモリバンド幅を抑制しながら、符号化効率を向上したビットストリームを適切に復号することが可能になる。
以上、本発明の1つまたは複数の態様に係る画像符号化装置および画像復号装置について、実施の形態1〜4に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
図35Aは、本発明の一態様である画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
この画像符号化装置10は、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロック動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、符号化対象ブロックを符号化する画像符号化装置であって、候補決定部11と、ブロック決定部12と、符号化部13と、付加部14とを備える。
ここで、候補決定部11は、上記実施の形態1または3のマージブロック候補算出部114に相当し、ブロック決定部12は、上記実施の形態1または3のインター予測部110およびインター予測制御部111に相当する。また、符号化部13は、実施の形態1または3のインター予測部110および減算部101などに相当する。さらに、付加部14は、実施の形態1または3の可変長符号化部116に相当する。
図35Bは、画像符号化装置10による処理を示すフローチャートである。
まず、候補決定部11は、符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する(S11)。次に、ブロック決定部12は、マージ候補ごとに、そのマージ候補の符号化情報を用いて符号化対象ブロックの予測画像を生成し、予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つのマージ候補の中から、符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定する(S12)。次に、符号化部13は、ブロック決定部12によって決定されたブロックの符号化情報を用いて符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する(S13)。そして、付加部14は、ブロック決定部12によって決定されたブロックを特定するためのマージインデックスをビットストリームに付加する(S14)。
ここで、ブロック決定部12は、ステップS12において、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つのマージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、そのマージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
なお、上述のマージ候補、双予測禁止サイズおよびマージインデックスは、上記実施の形態1〜4のマージブロック候補、双方向予測禁止サイズおよびマージブロックインデックスである。
これにより、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、マージ候補が双予測によって符号化されている場合には、そのマージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、片予測分の符号化情報が、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる。例えば、符号化対象ブロックの動き補償サイズが最小サイズである場合に、マージ候補の双予測分の符号化情報のうち、予測方向0の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスのみが、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる。つまり、マージ候補の双予測分の符号化情報のうち、予測方向1の動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスは、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられない。したがって、メモリバンド幅を抑制することができるとともに、マージモードによって符号化効率を向上することができる。
また、上記実施の形態1および3では、双方向予測禁止サイズを決定したが、双方向予測禁止サイズを決定することなく、画像復号化装置と共通の常に一定のサイズにしておいてもよい。これにより、実施の形態1および3の双方向予測禁止サイズ決定部117を省くことができ、画像符号化装置100,300の構成を簡単にすることができる。
また、上述のブロック決定部12は、ステップS12において、マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、片予測分の符号化情報を符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いるが、その片予測分の符号化情報は、予測画像の生成前であれば、どのようなタイミングで生成されてもよい。
つまり、実施の形態1のように、マージブロック候補リストが作成された後に、そのマージブロック候補リストに示される双方向予測分の符号化情報を、片方向予測分の符号化情報に変換してもよい。この場合、ステップS11では、決定された少なくとも1つのマージ候補のそれぞれの符号化情報を示すリスト(マージブロック候補リスト)が作成される。そして、ステップS12では、決定された少なくとも1つのマージ候補のうちの何れかのマージ候補が、片予測のマージ候補である場合には、そのリストに示される、マージ候補の片予測分の符号化情報を用いて、符号化対象ブロックの予測画像が生成される。一方、決定された少なくとも1つのマージ候補のうちの何れかのマージ候補が、双予測のマージ候補である場合には、そのリストに示される、マージ候補の双予測分の符号化情報が、片予測分の符号化情報に変換され、その片予測分の符号化情報を用いて符号化対象ブロックの予測画像が生成される。
また、実施の形態2のように、双方向予測分の符号化情報を片方向予測分の符号化情報に予め変換しておいた後に、その符号化情報を含むマージブロック候補リストを作成してもよい。この場合、ステップS11では、決定された少なくとも1つのマージ候補のうちの何れかのマージ候補が、双予測のマージ候補である場合には、マージ候補の双予測分の符号化情報が、片予測分の符号化情報に変換される。これによって、双予測分の符号化情報がリストに含まれないように、少なくとも1つのマージ候補のそれぞれの符号化情報を示すリスト(マージブロック候補リスト)が作成される。そして、ステップS12では、マージ候補ごとに、そのリストに示される、そのマージ候補の符号化情報を用いて、符号化対象ブロックの予測画像が生成される。
ここで、双予測分の符号化情報が片予測分の符号化情報に変換されるときには、上記実施の形態1および3のように、予測方向0の符号化情報(動きベクトルおよび参照ピクチャインデックス)に変換してもよく、予測方向1の符号化情報(動きベクトルおよび参照ピクチャインデックス)に変換してもよい。また、変換後の片予測分の符号化情報を、予測方向0または予測方向2の符号化情報に統一してもよい。
つまり、片予測の種類として、予め定められた条件にしたがって区別される第1の片予測(予測方向0の予測)と第2の片予測(予測方向1の予測)とがある場合、マージ候補の双予測分の符号化情報は、第1の片予測分の符号化情報と第2の片予測分の符号化情報とからなる。そして、少なくとも1つのマージ候補のうちの複数のマージ候補がそれぞれ双予測によって符号化されている場合には、ステップS11またはステップS12では、複数のマージ候補のそれぞれの双予測分の符号化情報のうち、符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる符号化情報が、第1または第2の片予測分の符号化情報に統一される。
また、上記実施の形態1および3では、マージブロック候補の予測方向が双方向予測でかつ、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双方向予測禁止サイズ以下であるか否かを判定した。つまり、上述の画像符号化装置10による画像符号化方法は、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つのマージ候補のうちの何れかのマージ候補が双予測によって符号化されているか否かを判定する判定ステップを含む。そして、この判定ステップでは、上記実施の形態1〜4のように、符号化対象ブロックの動き補償サイズが予め定められたサイズ以下である場合に、動き補償サイズが双予測禁止サイズであると判定される。ここで、その判定ステップでは、符号化対象ブロックの幅と高さの和が予め定められた値(例えば12)と等しい場合に、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであると判定される。また、その判定ステップでは、符号化対象ブロックの動き補償サイズが、4×8画素または8×4画素である場合に、符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであると判定される。また、その判定ステップでは、符号化対象ブロックの動き補償サイズが、予め定められた複数種の動き補償サイズのうちの最小サイズまたは所定のサイズである場合に、その符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであると判定してもよい。
図36Aは、本発明の一態様である画像復号装置の構成を示すブロック図である。
この画像復号装置20は、ビットストリームに含まれる複数のブロックのうち、復号対象ブロック以外の既に復号された他のブロック動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、復号対象ブロックの符号化情報にマージして、復号対象ブロックを復号する画像復号装置であって、抽出部21と、候補決定部23と、ブロック決定部22と、復号部24とを備える。
なお、抽出部21は、上記実施の形態2または4の可変長復号部201に相当し、復号部24は、上記実施の形態2または4のインター予測部208および加算部204などに相当する。さらに、候補決定部23は、上記実施の形態2または4のマージブロック候補算出部211に相当し、ブロック決定部22は、上記実施の形態2または4のインター予測部208およびインター予測制御部209に相当する。
図36Bは、画像復号装置20による処理を示すフローチャートである。
まず、抽出部21は、ビットストリームからマージインデックスを抽出する(S21)。次に、候補決定部23は、復号対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する(S22)。次に、ブロック決定部22は、決定された少なくとも1つのマージ候補の中から、抽出部21によって抽出されたマージインデックスによって特定されるブロックを決定する(S23)。そして、復号部24は、ブロック決定部22によって決定されたブロックの符号化情報を用いて復号対象ブロックの予測画像を生成し、その予測画像を用いて復号対象ブロックを復号することによって、復号されたブロックを含む復号画像を生成する(S24)。
ここで、ステップS24では、復号部24は、復号対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、ブロック決定部22によって決定されたブロックが、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって復号されている場合には、そのマージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、復号対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
これにより、メモリバンド幅を抑制しながら符号化効率を向上するように画像符号化装置10によって生成されたビットストリームを適切に復号することができる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の画像符号化装置または画像復号装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化方法を実行させる。この画像符号化方法は、前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、前記マージ候補ごとに、前記マージ候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する符号化ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックを特定するためのマージインデックスを前記ビットストリームに付加する付加ステップとを含み、前記ブロック決定ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
あるいは、このプログラムは、コンピュータに、ビットストリームに含まれる複数のブロックのうち、復号対象ブロック以外の既に復号された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記復号対象ブロックの符号化情報にマージして、前記復号対象ブロックを復号する画像復号方法を実行させる。この画像復号方法は、前記ビットストリームからマージインデックスを抽出する抽出ステップと、前記復号対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、決定された少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記抽出ステップで抽出されたマージインデックスによって特定されるブロックを決定するブロック決定ステップと、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記復号対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像を用いて前記復号対象ブロックを復号することによって、復号されたブロックを含む復号画像を生成する復号ステップとを含み、前記復号ステップでは、前記復号対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックが、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって復号されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記復号対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
(実施の形態5)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)または動画像復号化方法(画像復号方法)の構成を実現するためのプログラムを記憶メディアに記録することにより、上記各実施の形態で示した処理を独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。記憶メディアは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、半導体メモリ等、プログラムを記録できるものであればよい。
さらにここで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)や動画像復号化方法(画像復号方法)の応用例とそれを用いたシステムを説明する。当該システムは、画像符号化方法を用いた画像符号化装置、及び画像復号方法を用いた画像復号装置からなる画像符号化復号装置を有することを特徴とする。システムにおける他の構成について、場合に応じて適切に変更することができる。
図37は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示す図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex106、ex107、ex108、ex109、ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex106からex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115などの各機器が接続される。
しかし、コンテンツ供給システムex100は図37のような構成に限定されず、いずれかの要素を組合せて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex106からex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。また、各機器が近距離無線等を介して直接相互に接続されていてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器であり、カメラex116はデジタルカメラ等の静止画撮影、動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話ex114は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはLTE(Long Term Evolution)方式、HSPA(High Speed Packet Access)の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
コンテンツ供給システムex100では、カメラex113等が基地局ex109、電話網ex104を通じてストリーミングサーバex103に接続されることで、ライブ配信等が可能になる。ライブ配信では、ユーザがカメラex113を用いて撮影するコンテンツ(例えば、音楽ライブの映像等)に対して上記各実施の形態で説明したように符号化処理を行い(即ち、本発明の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、ストリーミングサーバex103に送信する。一方、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して送信されたコンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115等がある。配信されたデータを受信した各機器では、受信したデータを復号化処理して再生する(即ち、本発明の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
なお、撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。同様に配信されたデータの復号化処理はクライアントで行っても、ストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。また、カメラex113に限らず、カメラex116で撮影した静止画像および/または動画像データを、コンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信してもよい。この場合の符号化処理はカメラex116、コンピュータex111、ストリーミングサーバex103のいずれで行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。
また、これら符号化・復号化処理は、一般的にコンピュータex111や各機器が有するLSIex500において処理する。LSIex500は、ワンチップであっても複数チップからなる構成であってもよい。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な何らかの記録メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込み、そのソフトウェアを用いて符号化・復号化処理を行ってもよい。さらに、携帯電話ex114がカメラ付きである場合には、そのカメラで取得した動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex114が有するLSIex500で符号化処理されたデータである。
また、ストリーミングサーバex103は複数のサーバや複数のコンピュータであって、データを分散して処理したり記録したり配信するものであってもよい。
以上のようにして、コンテンツ供給システムex100では、符号化されたデータをクライアントが受信して再生することができる。このようにコンテンツ供給システムex100では、ユーザが送信した情報をリアルタイムでクライアントが受信して復号化し、再生することができ、特別な権利や設備を有さないユーザでも個人放送を実現できる。
なお、コンテンツ供給システムex100の例に限らず、図38に示すように、デジタル放送用システムex200にも、上記各実施の形態の少なくとも動画像符号化装置(画像符号化装置)または動画像復号化装置(画像復号装置)のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex201では映像データに音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星ex202に伝送される。この映像データは上記各実施の形態で説明した動画像符号化方法により符号化されたデータである(即ち、本発明の一態様に係る画像符号化装置によって符号化されたデータである)。これを受けた放送衛星ex202は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナex204が受信する。受信した多重化データを、テレビ(受信機)ex300またはセットトップボックス(STB)ex217等の装置が復号化して再生する(即ち、本発明の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
また、DVD、BD等の記録メディアex215に記録した多重化データを読み取り復号化する、または記録メディアex215に映像信号を符号化し、さらに場合によっては音楽信号と多重化して書き込むリーダ/レコーダex218にも上記各実施の形態で示した動画像復号化装置または動画像符号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex219に表示され、多重化データが記録された記録メディアex215により他の装置やシステムにおいて映像信号を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブルex203または衛星/地上波放送のアンテナex204に接続されたセットトップボックスex217内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex219で表示してもよい。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に動画像復号化装置を組み込んでもよい。
図39は、上記各実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いたテレビ(受信機)ex300を示す図である。テレビex300は、上記放送を受信するアンテナex204またはケーブルex203等を介して映像データに音声データが多重化された多重化データを取得、または出力するチューナex301と、受信した多重化データを復調する、または外部に送信する多重化データに変調する変調/復調部ex302と、復調した多重化データを映像データと、音声データとに分離する、または信号処理部ex306で符号化された映像データ、音声データを多重化する多重/分離部ex303を備える。
また、テレビex300は、音声データ、映像データそれぞれを復号化する、またはそれぞれの情報を符号化する音声信号処理部ex304、映像信号処理部ex305(本発明の一態様に係る画像符号化装置または画像復号装置として機能する)を有する信号処理部ex306と、復号化した音声信号を出力するスピーカex307、復号化した映像信号を表示するディスプレイ等の表示部ex308を有する出力部ex309とを有する。さらに、テレビex300は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部ex312等を有するインタフェース部ex317を有する。さらに、テレビex300は、各部を統括的に制御する制御部ex310、各部に電力を供給する電源回路部ex311を有する。インタフェース部ex317は、操作入力部ex312以外に、リーダ/レコーダex218等の外部機器と接続されるブリッジex313、SDカード等の記録メディアex216を装着可能とするためのスロット部ex314、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバex315、電話網と接続するモデムex316等を有していてもよい。なお記録メディアex216は、格納する不揮発性/揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。テレビex300の各部は同期バスを介して互いに接続されている。
まず、テレビex300がアンテナex204等により外部から取得した多重化データを復号化し、再生する構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、CPU等を有する制御部ex310の制御に基づいて、変調/復調部ex302で復調した多重化データを多重/分離部ex303で分離する。さらにテレビex300は、分離した音声データを音声信号処理部ex304で復号化し、分離した映像データを映像信号処理部ex305で上記各実施の形態で説明した復号化方法を用いて復号化する。復号化した音声信号、映像信号は、それぞれ出力部ex309から外部に向けて出力される。出力する際には、音声信号と映像信号が同期して再生するよう、バッファex318、ex319等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。また、テレビex300は、放送等からではなく、磁気/光ディスク、SDカード等の記録メディアex215、ex216から多重化データを読み出してもよい。次に、テレビex300が音声信号や映像信号を符号化し、外部に送信または記録メディア等に書き込む構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、制御部ex310の制御に基づいて、音声信号処理部ex304で音声信号を符号化し、映像信号処理部ex305で映像信号を上記各実施の形態で説明した符号化方法を用いて符号化する。符号化した音声信号、映像信号は多重/分離部ex303で多重化され外部に出力される。多重化する際には、音声信号と映像信号が同期するように、バッファex320、ex321等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。なお、バッファex318、ex319、ex320、ex321は図示しているように複数備えていてもよいし、1つ以上のバッファを共有する構成であってもよい。さらに、図示している以外に、例えば変調/復調部ex302や多重/分離部ex303の間等でもシステムのオーバフロー、アンダーフローを避ける緩衝材としてバッファにデータを蓄積することとしてもよい。
また、テレビex300は、放送等や記録メディア等から音声データ、映像データを取得する以外に、マイクやカメラのAV入力を受け付ける構成を備え、それらから取得したデータに対して符号化処理を行ってもよい。なお、ここではテレビex300は上記の符号化処理、多重化、および外部出力ができる構成として説明したが、これらの処理を行うことはできず、上記受信、復号化処理、外部出力のみが可能な構成であってもよい。
また、リーダ/レコーダex218で記録メディアから多重化データを読み出す、または書き込む場合には、上記復号化処理または符号化処理はテレビex300、リーダ/レコーダex218のいずれで行ってもよいし、テレビex300とリーダ/レコーダex218が互いに分担して行ってもよい。
一例として、光ディスクからデータの読み込みまたは書き込みをする場合の情報再生/記録部ex400の構成を図40に示す。情報再生/記録部ex400は、以下に説明する要素ex401、ex402、ex403、ex404、ex405、ex406、ex407を備える。光ヘッドex401は、光ディスクである記録メディアex215の記録面にレーザスポットを照射して情報を書き込み、記録メディアex215の記録面からの反射光を検出して情報を読み込む。変調記録部ex402は、光ヘッドex401に内蔵された半導体レーザを電気的に駆動し記録データに応じてレーザ光の変調を行う。再生復調部ex403は、光ヘッドex401に内蔵されたフォトディテクタにより記録面からの反射光を電気的に検出した再生信号を増幅し、記録メディアex215に記録された信号成分を分離して復調し、必要な情報を再生する。バッファex404は、記録メディアex215に記録するための情報および記録メディアex215から再生した情報を一時的に保持する。ディスクモータex405は記録メディアex215を回転させる。サーボ制御部ex406は、ディスクモータex405の回転駆動を制御しながら光ヘッドex401を所定の情報トラックに移動させ、レーザスポットの追従処理を行う。システム制御部ex407は、情報再生/記録部ex400全体の制御を行う。上記の読み出しや書き込みの処理はシステム制御部ex407が、バッファex404に保持された各種情報を利用し、また必要に応じて新たな情報の生成・追加を行うと共に、変調記録部ex402、再生復調部ex403、サーボ制御部ex406を協調動作させながら、光ヘッドex401を通して、情報の記録再生を行うことにより実現される。システム制御部ex407は例えばマイクロプロセッサで構成され、読み出し書き込みのプログラムを実行することでそれらの処理を実行する。
以上では、光ヘッドex401はレーザスポットを照射するとして説明したが、近接場光を用いてより高密度な記録を行う構成であってもよい。
図41に光ディスクである記録メディアex215の模式図を示す。記録メディアex215の記録面には案内溝(グルーブ)がスパイラル状に形成され、情報トラックex230には、予めグルーブの形状の変化によってディスク上の絶対位置を示す番地情報が記録されている。この番地情報はデータを記録する単位である記録ブロックex231の位置を特定するための情報を含み、記録や再生を行う装置において情報トラックex230を再生し番地情報を読み取ることで記録ブロックを特定することができる。また、記録メディアex215は、データ記録領域ex233、内周領域ex232、外周領域ex234を含んでいる。ユーザデータを記録するために用いる領域がデータ記録領域ex233であり、データ記録領域ex233より内周または外周に配置されている内周領域ex232と外周領域ex234は、ユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。情報再生/記録部ex400は、このような記録メディアex215のデータ記録領域ex233に対して、符号化された音声データ、映像データまたはそれらのデータを多重化した多重化データの読み書きを行う。
以上では、1層のDVD、BD等の光ディスクを例に挙げ説明したが、これらに限ったものではなく、多層構造であって表面以外にも記録可能な光ディスクであってもよい。また、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長の色の光を用いて情報を記録したり、さまざまな角度から異なる情報の層を記録したりなど、多次元的な記録/再生を行う構造の光ディスクであってもよい。
また、デジタル放送用システムex200において、アンテナex205を有する車ex210で衛星ex202等からデータを受信し、車ex210が有するカーナビゲーションex211等の表示装置に動画を再生することも可能である。なお、カーナビゲーションex211の構成は例えば図39に示す構成のうち、GPS受信部を加えた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111や携帯電話ex114等でも考えられる。
図42Aは、上記実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いた携帯電話ex114を示す図である。携帯電話ex114は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex350、映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex365、カメラ部ex365で撮像した映像、アンテナex350で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex358を備える。携帯電話ex114は、さらに、操作キー部ex366を有する本体部、音声を出力するためのスピーカ等である音声出力部ex357、音声を入力するためのマイク等である音声入力部ex356、撮影した映像、静止画、録音した音声、または受信した映像、静止画、メール等の符号化されたデータもしくは復号化されたデータを保存するメモリ部ex367、又は同様にデータを保存する記録メディアとのインタフェース部であるスロット部ex364を備える。
さらに、携帯電話ex114の構成例について、図42Bを用いて説明する。携帯電話ex114は、表示部ex358及び操作キー部ex366を備えた本体部の各部を統括的に制御する主制御部ex360に対して、電源回路部ex361、操作入力制御部ex362、映像信号処理部ex355、カメラインタフェース部ex363、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex359、変調/復調部ex352、多重/分離部ex353、音声信号処理部ex354、スロット部ex364、メモリ部ex367がバスex370を介して互いに接続されている。
電源回路部ex361は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話ex114を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex114は、CPU、ROM、RAM等を有する主制御部ex360の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex356で収音した音声信号を音声信号処理部ex354でデジタル音声信号に変換し、これを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理し、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。また携帯電話ex114は、音声通話モード時にアンテナex350を介して受信した受信データを増幅して周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理を施し、変調/復調部ex352でスペクトラム逆拡散処理し、音声信号処理部ex354でアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex357から出力する。
さらにデータ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キー部ex366等の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex362を介して主制御部ex360に送出される。主制御部ex360は、テキストデータを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して基地局ex110へ送信する。電子メールを受信する場合は、受信したデータに対してこのほぼ逆の処理が行われ、表示部ex358に出力される。
データ通信モード時に映像、静止画、または映像と音声を送信する場合、映像信号処理部ex355は、カメラ部ex365から供給された映像信号を上記各実施の形態で示した動画像符号化方法によって圧縮符号化し(即ち、本発明の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、符号化された映像データを多重/分離部ex353に送出する。また、音声信号処理部ex354は、映像、静止画等をカメラ部ex365で撮像中に音声入力部ex356で収音した音声信号を符号化し、符号化された音声データを多重/分離部ex353に送出する。
多重/分離部ex353は、映像信号処理部ex355から供給された符号化された映像データと音声信号処理部ex354から供給された符号化された音声データを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変調/復調部(変調/復調回路部)ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、または映像およびもしくは音声が添付された電子メールを受信する場合、アンテナex350を介して受信された多重化データを復号化するために、多重/分離部ex353は、多重化データを分離することにより映像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex370を介して符号化された映像データを映像信号処理部ex355に供給するとともに、符号化された音声データを音声信号処理部ex354に供給する。映像信号処理部ex355は、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法に対応した動画像復号化方法によって復号化することにより映像信号を復号し(即ち、本発明の一態様に係る画像復号装置として機能する)、LCD制御部ex359を介して表示部ex358から、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる映像、静止画が表示される。また音声信号処理部ex354は、音声信号を復号し、音声出力部ex357から音声が出力される。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、テレビex300と同様に、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末という3通りの実装形式が考えられる。さらに、デジタル放送用システムex200において、映像データに音楽データなどが多重化された多重化データを受信、送信するとして説明したが、音声データ以外に映像に関連する文字データなどが多重化されたデータであってもよいし、多重化データではなく映像データ自体であってもよい。
このように、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法あるいは動画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
また、本発明はかかる上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
(実施の形態6)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置と、MPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1など異なる規格に準拠した動画像符号化方法または装置とを、必要に応じて適宜切替えることにより、映像データを生成することも可能である。
ここで、それぞれ異なる規格に準拠する複数の映像データを生成した場合、復号する際に、それぞれの規格に対応した復号方法を選択する必要がある。しかしながら、復号する映像データが、どの規格に準拠するものであるか識別できないため、適切な復号方法を選択することができないという課題を生じる。
この課題を解決するために、映像データに音声データなどを多重化した多重化データは、映像データがどの規格に準拠するものであるかを示す識別情報を含む構成とする。上記各実施の形態で示す動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを含む多重化データの具体的な構成を以下説明する。多重化データは、MPEG−2トランスポートストリーム形式のデジタルストリームである。
図43は、多重化データの構成を示す図である。図43に示すように多重化データは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラフィックスストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の主映像および副映像を、オーディオストリーム(IG)は映画の主音声部分とその主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。ビデオストリームは、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠した動画像符号化方法または装置によって符号化されている。オーディオストリームは、ドルビーAC−3、Dolby Digital Plus、MLP、DTS、DTS−HD、または、リニアPCMのなどの方式で符号化されている。
多重化データに含まれる各ストリームはPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図44は、多重化データがどのように多重化されるかを模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリームex235、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームex238を、それぞれPESパケット列ex236およびex239に変換し、TSパケットex237およびex240に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリームex241およびインタラクティブグラフィックスex244のデータをそれぞれPESパケット列ex242およびex245に変換し、さらにTSパケットex243およびex246に変換する。多重化データex247はこれらのTSパケットを1本のストリームに多重化することで構成される。
図45は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図45における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図45の矢印yy1,yy2,yy3,yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャ毎に分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図46は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図46下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、映像・音声・字幕などの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自身のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図47はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
多重化データ情報ファイルは、図48に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図48に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
ストリーム属性情報は図49に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PID毎に登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリーム毎に異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
また、本実施の形態における動画像復号化方法のステップを図50に示す。ステップexS100において、多重化データからPMTに含まれるストリームタイプ、または、多重化データ情報に含まれるビデオストリーム属性情報を取得する。次に、ステップexS101において、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された多重化データであることを示しているか否かを判断する。そして、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものであると判断された場合には、ステップexS102において、上記各実施の形態で示した動画像復号方法により候補から参照ピクチャや動きベクトルを選択して復号を行う。また、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠するものであることを示している場合には、ステップexS103において、従来の規格に準拠した動画像復号方法により復号を行う。これは、例えば属性情報がMPEG4−AVC規格に準拠するものであることを示している場合であれば、複数候補から選択するのではなく、同位置ブロックの動きベクトルを用いてダイレクトモードの復号を行う。
このように、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に新たな固有値を設定することにより、復号する際に、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法または装置で復号可能であるかを判断することができる。従って、異なる規格に準拠する多重化データが入力された場合であっても、適切な復号化方法または装置を選択することができるため、エラーを生じることなく復号することが可能となる。また、本実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、または、動画像復号方法または装置を、上述したいずれの機器・システムに用いることも可能である。
(実施の形態7)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法および装置、動画像復号化方法および装置は、典型的には集積回路であるLSIで実現される。一例として、図51に1チップ化されたLSIex500の構成を示す。LSIex500は、以下に説明する要素ex501、ex502、ex503、ex504、ex505、ex506、ex507、ex508、ex509を備え、各要素はバスex510を介して接続している。電源回路部ex505は電源がオン状態の場合に各部に対して電力を供給することで動作可能な状態に起動する。
例えば符号化処理を行う場合には、LSIex500は、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有する制御部ex501の制御に基づいて、AV I/Oex509によりマイクex117やカメラex113等からAV信号を入力する。入力されたAV信号は、一旦SDRAM等の外部のメモリex511に蓄積される。制御部ex501の制御に基づいて、蓄積したデータは処理量や処理速度に応じて適宜複数回に分けるなどされ信号処理部ex507に送られ、信号処理部ex507において音声信号の符号化および/または映像信号の符号化が行われる。ここで映像信号の符号化処理は上記各実施の形態で説明した符号化処理である。信号処理部ex507ではさらに、場合により符号化された音声データと符号化された映像データを多重化するなどの処理を行い、ストリームI/Oex506から外部に出力する。この出力された多重化データは、基地局ex107に向けて送信されたり、または記録メディアex215に書き込まれたりする。なお、多重化する際には同期するよう、一旦バッファex508にデータを蓄積するとよい。
なお、上記では、メモリex511がLSIex500の外部の構成として説明したが、LSIex500の内部に含まれる構成であってもよい。バッファex508も1つに限ったものではなく、複数のバッファを備えていてもよい。また、LSIex500は1チップ化されてもよいし、複数チップ化されてもよい。
また、上記では、制御部ex501が、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有するとしているが、制御部ex501の構成は、この構成に限らない。例えば、信号処理部ex507がさらにCPUを備える構成であってもよい。信号処理部ex507の内部にもCPUを設けることにより、処理速度をより向上させることが可能になる。また、他の例として、CPUex502が信号処理部ex507、または信号処理部ex507の一部である例えば音声信号処理部を備える構成であってもよい。このような場合には、制御部ex501は、信号処理部ex507、またはその一部を有するCPUex502を備える構成となる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態8)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを復号する場合、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データを復号する場合に比べ、処理量が増加することが考えられる。そのため、LSIex500において、従来の規格に準拠する映像データを復号する際のCPUex502の駆動周波数よりも高い駆動周波数に設定する必要がある。しかし、駆動周波数を高くすると、消費電力が高くなるという課題が生じる。
この課題を解決するために、テレビex300、LSIex500などの動画像復号化装置は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別し、規格に応じて駆動周波数を切替える構成とする。図52は、本実施の形態における構成ex800を示している。駆動周波数切替え部ex803は、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、駆動周波数を高く設定する。そして、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801に対し、映像データを復号するよう指示する。一方、映像データが、従来の規格に準拠する映像データである場合には、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、駆動周波数を低く設定する。そして、従来の規格に準拠する復号処理部ex802に対し、映像データを復号するよう指示する。
より具体的には、駆動周波数切替え部ex803は、図51のCPUex502と駆動周波数制御部ex512から構成される。また、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801、および、従来の規格に準拠する復号処理部ex802は、図51の信号処理部ex507に該当する。CPUex502は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別する。そして、CPUex502からの信号に基づいて、駆動周波数制御部ex512は、駆動周波数を設定する。また、CPUex502からの信号に基づいて、信号処理部ex507は、映像データの復号を行う。ここで、映像データの識別には、例えば、実施の形態6で記載した識別情報を利用することが考えられる。識別情報に関しては、実施の形態6で記載したものに限られず、映像データがどの規格に準拠するか識別できる情報であればよい。例えば、映像データがテレビに利用されるものであるか、ディスクに利用されるものであるかなどを識別する外部信号に基づいて、映像データがどの規格に準拠するものであるか識別可能である場合には、このような外部信号に基づいて識別してもよい。また、CPUex502における駆動周波数の選択は、例えば、図54のような映像データの規格と、駆動周波数とを対応付けたルックアップテーブルに基づいて行うことが考えられる。ルックアップテーブルを、バッファex508や、LSIの内部メモリに格納しておき、CPUex502がこのルックアップテーブルを参照することにより、駆動周波数を選択することが可能である。
図53は、本実施の形態の方法を実施するステップを示している。まず、ステップexS200では、信号処理部ex507において、多重化データから識別情報を取得する。次に、ステップexS201では、CPUex502において、識別情報に基づいて映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものであるか否かを識別する。映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、ステップexS202において、駆動周波数を高く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、高い駆動周波数に設定される。一方、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、ステップexS203において、駆動周波数を低く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、低い駆動周波数に設定される。
さらに、駆動周波数の切替えに連動して、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を変更することにより、省電力効果をより高めることが可能である。例えば、駆動周波数を低く設定する場合には、これに伴い、駆動周波数を高く設定している場合に比べ、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することが考えられる。
また、駆動周波数の設定方法は、復号する際の処理量が大きい場合に、駆動周波数を高く設定し、復号する際の処理量が小さい場合に、駆動周波数を低く設定すればよく、上述した設定方法に限らない。例えば、MPEG4−AVC規格に準拠する映像データを復号する処理量の方が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置により生成された映像データを復号する処理量よりも大きい場合には、駆動周波数の設定を上述した場合の逆にすることが考えられる。
さらに、駆動周波数の設定方法は、駆動周波数を低くする構成に限らない。例えば、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を高く設定し、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することも考えられる。また、他の例としては、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、CPUex502の駆動を停止させることなく、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、処理に余裕があるため、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合であっても、処理に余裕があれば、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。この場合は、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合に比べて、停止時間を短く設定することが考えられる。
このように、映像データが準拠する規格に応じて、駆動周波数を切替えることにより、省電力化を図ることが可能になる。また、電池を用いてLSIex500またはLSIex500を含む装置を駆動している場合には、省電力化に伴い、電池の寿命を長くすることが可能である。
(実施の形態9)
テレビや、携帯電話など、上述した機器・システムには、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力される場合がある。このように、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力された場合にも復号できるようにするために、LSIex500の信号処理部ex507が複数の規格に対応している必要がある。しかし、それぞれの規格に対応する信号処理部ex507を個別に用いると、LSIex500の回路規模が大きくなり、また、コストが増加するという課題が生じる。
この課題を解決するために、上記各実施の形態で示した動画像復号方法を実行するための復号処理部と、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する復号処理部とを一部共有化する構成とする。この構成例を図55Aのex900に示す。例えば、上記各実施の形態で示した動画像復号方法と、MPEG4−AVC規格に準拠する動画像復号方法とは、エントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償などの処理において処理内容が一部共通する。共通する処理内容については、MPEG4−AVC規格に対応する復号処理部ex902を共有し、MPEG4−AVC規格に対応しない、本発明の一態様に特有の他の処理内容については、専用の復号処理部ex901を用いるという構成が考えられる。特に、本発明の一態様は、逆量子化に特徴を有していることから、例えば、逆量子化については専用の復号処理部ex901を用い、それ以外のエントロピー復号、デブロッキング・フィルタ、動き補償のいずれか、または、全ての処理については、復号処理部を共有することが考えられる。復号処理部の共有化に関しては、共通する処理内容については、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行するための復号処理部を共有し、MPEG4−AVC規格に特有の処理内容については、専用の復号処理部を用いる構成であってもよい。
また、処理を一部共有化する他の例を図55Bのex1000に示す。この例では、本発明の一態様に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1001と、他の従来規格に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1002と、本発明の一態様に係る動画像復号方法と他の従来規格の動画像復号方法とに共通する処理内容に対応した共用の復号処理部ex1003とを用いる構成としている。ここで、専用の復号処理部ex1001、ex1002は、必ずしも本発明の一態様、または、他の従来規格に特有の処理内容に特化したものではなく、他の汎用処理を実行できるものであってもよい。また、本実施の形態の構成を、LSIex500で実装することも可能である。
このように、本発明の一態様に係る動画像復号方法と、従来の規格の動画像復号方法とで共通する処理内容について、復号処理部を共有することにより、LSIの回路規模を小さくし、かつ、コストを低減することが可能である。
本発明の一態様に係る画像符号化方法及び画像復号方法は、動画像の符号化方法及び復号方法に有利に利用される。
10、100、300 画像符号化装置
11、23 候補決定部
12、22 ブロック決定部
13 符号化部
14 付加部
20、200、400 画像復号装置
21 抽出部
24 復号部
101 減算部
102 直交変換部
103 量子化部
104、202 逆量子化部
105、203 逆直交変換部
106、204 加算部
107、205 ブロックメモリ
108、206 フレームメモリ
109、207 イントラ予測部
110、208 インター予測部
111、209 インター予測制御部
112 ピクチャタイプ決定部
113、210 スイッチ
114、211 マージブロック候補算出部
115、212 colPicメモリ
116 可変長符号化部
117 双方向予測禁止サイズ決定部
本発明の一態様に係る画像符号化方法は、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された参照ブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を参照して、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化方法であって、前記動画像における前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記参照に用いることが可能なブロックを参照候補として少なくとも1つ決定し、決定された少なくとも1つの前記参照候補の符号化情報を含む候補リストを作成する候補決定ステップと、前記候リストから1つの前記参照候補の符号化情報を選択し、選択された前記符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成す予測画像生成ステップと、前記予測画像と選択された1つの前記参照候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックをビットストリームに符号化する符号化ステップとを含み、前記予測画像生成ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記選択された符号化情報が、2枚のピクチャの参照を伴う双予測を示す場合には、前記選択された符号化情報、1枚のピクチャの参照を伴う片予測を示すように変換し変換した前記符号化情報を前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。
本発明の一態様に係る動画像符号化方法は、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された参照ブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を参照して、前記符号化対象ブロックを符号化する動画像符号化方法であって、前記動画像における前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記参照に用いることが可能なブロックを参照候補として1以上決定し、決定された1以上の前記参照候補の符号化情報を含む候補リストを作成する候補決定ステップと、前記候補リストに含まれる前記1以上の参照候補のうち、1つの参照候補の符号化情報を選択し、選択された前記符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを第1予測モードと第2予測モードのいずれか一方で符号化する符号化ステップとを含み、前記第1予測モードは、前記選択された符号化情報に含まれる動きベクトルを用いて前記符号化対象ブロックを予測し、差分を符号化するモードであり、前記第2予測モードは、前記選択された符号化情報に含まれる動きベクトルを前記符号化対象ブロックの動きベクトルとして用いることを示すインデックスを符号化するモードであり、前記符号化ステップでは、前記第2予測モードで符号化する場合にのみ、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記選択された符号化情報が、2枚のピクチャの参照を伴う双予測を示す場合には、前記選択された符号化情報を、1枚のピクチャの参照を伴う片予測を示すように変換する変換ステップをさらに含み、変換後の前記符号化情報を用いて、前記符号化対象ブロックを符号化し、前記変換後の符号化情報を用いて符号化された前記符号化対象ブロックが、前記動画像に含まれる他のブロックから参照される場合には、前記符号化対象ブロックの符号化情報として前記変換後の符号化情報が用いられる。
また、本発明の一態様に係る動画像符号化方法は、動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された参照ブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を参照して、前記符号化対象ブロックを符号化する動画像符号化方法であって、前記動画像における前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記参照に用いることが可能なブロックを参照候補として少なくとも1つ決定し、決定された少なくとも1つの前記参照候補の符号化情報を含む候補リストを作成する候補決定ステップと、前記候補リストから1つの前記参照候補の符号化情報を選択し、選択された前記符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と選択された1つの前記参照候補の符号化情報を用いて、前記符号化対象ブロックをビットストリームに符号化する符号化ステップとを含み、前記予測画像生成ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記選択された符号化情報が、2枚のピクチャの参照を伴う双予測を示す場合には、前記選択された符号化情報を、1枚のピクチャの参照を伴う片予測を示すように変換し、変換した前記符号化情報を前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる。

Claims (11)

  1. 動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化方法であって、
    前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、
    前記マージ候補ごとに、前記マージ候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定ステップと、
    前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する符号化ステップと、
    前記ブロック決定ステップで決定されたブロックを特定するためのマージインデックスを前記ビットストリームに付加する付加ステップとを含み、
    前記ブロック決定ステップでは、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる
    画像符号化方法。
  2. 前記候補決定ステップでは、
    決定された少なくとも1つの前記マージ候補のそれぞれの符号化情報を示すリストを作成し、
    前記ブロック決定ステップでは、
    決定された少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、片予測のマージ候補である場合には、前記リストに示される、前記マージ候補の片予測分の符号化情報を用いて、前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、
    決定された少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、双予測のマージ候補である場合には、前記リストに示される、前記マージ候補の双予測分の符号化情報を、片予測分の符号化情報に変換し、前記片予測分の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成する
    請求項1に記載の画像符号化方法。
  3. 前記候補決定ステップでは、
    決定された少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、双予測のマージ候補である場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報を、片予測分の符号化情報に変換することによって、前記双予測分の符号化情報がリストに含まれないように、少なくとも1つの前記マージ候補のそれぞれの符号化情報を示す前記リストを作成し、
    前記ブロック決定ステップでは、
    前記マージ候補ごとに、前記リストに示される、当該マージ候補の符号化情報を用いて、前記符号化対象ブロックの予測画像を生成する
    請求項1に記載の画像符号化方法。
  4. 前記片予測の種類として、予め定められた条件にしたがって区別される第1の片予測と第2の片予測とがある場合、前記マージ候補の双予測分の符号化情報は、前記第1の片予測分の符号化情報と前記第2の片予測分の符号化情報とからなり、
    少なくとも1つの前記マージ候補のうちの複数のマージ候補がそれぞれ双予測によって符号化されている場合には、
    前記候補決定ステップまたは前記ブロック決定ステップでは、
    前記複数のマージ候補のそれぞれの双予測分の符号化情報のうち、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いられる符号化情報を、前記第1または第2の片予測分の符号化情報に統一する
    請求項1〜3の何れか1項に記載の画像符号化方法。
  5. 前記画像符号化方法は、さらに、
    前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が双予測によって符号化されているか否かを判定する判定ステップを含み、
    前記判定ステップでは、
    前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが予め定められたサイズ以下である場合に、前記動き補償サイズが前記双予測禁止サイズであると判定する
    請求項1〜4の何れか1項に記載の画像符号化方法。
  6. 前記判定ステップでは、
    前記符号化対象ブロックの幅と高さの和が予め定められた値と等しい場合に、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが前記双予測禁止サイズであると判定する
    請求項5に記載の画像符号化方法。
  7. 前記判定ステップでは、
    前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが、4×8画素または8×4画素である場合に、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが前記双予測禁止サイズであると判定する
    請求項6に記載の画像符号化方法。
  8. ビットストリームに含まれる複数のブロックのうち、復号対象ブロック以外の既に復号された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記復号対象ブロックの符号化情報にマージして、前記復号対象ブロックを復号する画像復号方法であって、
    前記ビットストリームからマージインデックスを抽出する抽出ステップと、
    前記復号対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定ステップと、
    決定された少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記抽出ステップで抽出されたマージインデックスによって特定されるブロックを決定するブロック決定ステップと、
    前記ブロック決定ステップで決定されたブロックの符号化情報を用いて前記復号対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像を用いて前記復号対象ブロックを復号することによって、復号されたブロックを含む復号画像を生成する復号ステップとを含み、
    前記復号ステップでは、前記復号対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記ブロック決定ステップで決定されたブロックが、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって復号されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記復号対象ブロックの予測画像の生成に用いる
    画像復号方法。
  9. 動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化装置であって、
    前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定部と、
    前記マージ候補ごとに、前記マージ候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定部と、
    前記ブロック決定部によって決定されたブロックの符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する符号化部と、
    前記ブロック決定部によって決定されたブロックを特定するためのマージインデックスを前記ビットストリームに付加する付加部とを備え、
    前記ブロック決定部は、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる
    画像符号化装置。
  10. ビットストリームに含まれる複数のブロックのうち、復号対象ブロック以外の既に復号された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記復号対象ブロックの符号化情報にマージして、前記復号対象ブロックを復号する画像復号装置であって、
    前記ビットストリームからマージインデックスを抽出する抽出部と、
    前記復号対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定部と、
    決定された少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記抽出部によって抽出されたマージインデックスによって特定されるブロックを決定するブロック決定部と、
    前記ブロック決定部によって決定されたブロックの符号化情報を用いて前記復号対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像を用いて前記復号対象ブロックを復号することによって、復号されたブロックを含む復号画像を生成する復号部とを備え、
    前記復号部は、前記復号対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、前記ブロック決定部によって決定されたブロックが、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって復号されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記復号対象ブロックの予測画像の生成に用いる
    画像復号装置。
  11. 動画像に含まれる複数のブロックのうち、符号化対象ブロック以外の既に符号化された他のブロックの動きベクトルおよび参照ピクチャインデックスを含む符号化情報を、前記符号化対象ブロックの符号化情報にマージして、前記符号化対象ブロックを符号化する画像符号化装置と、前記画像符号化装置によって符号化された動画像を復号する請求項10に記載の画像復号装置とを有する画像符号化復号装置であって、
    画像符号化装置は、
    前記符号化対象ブロックの空間的または時間的な位置に基づいて、前記マージに用いることが可能なブロックをマージ候補として少なくとも1つ決定する候補決定部と、
    前記マージ候補ごとに、前記マージ候補の符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックの予測画像を生成し、前記予測画像のそれぞれのコストを互いに比較することによって、少なくとも1つの前記マージ候補の中から、前記符号化対象ブロックの符号化に用いられるブロックを決定するブロック決定部と、
    前記ブロック決定部によって決定されたブロックの符号化情報を用いて前記符号化対象ブロックを符号化することによって、符号化されたブロックを含むビットストリームを生成する符号化部と、
    前記ブロック決定部によって決定されたブロックを特定するためのマージインデックスを前記ビットストリームに付加する付加部とを備え、
    前記ブロック決定部は、前記符号化対象ブロックの動き補償サイズが双予測禁止サイズであり、且つ、少なくとも1つの前記マージ候補のうちの何れかのマージ候補が、2枚のピクチャの参照を伴う予測である双予測によって符号化されている場合には、前記マージ候補の双予測分の符号化情報の代わりに、1枚のピクチャの参照を伴う予測である片予測分の符号化情報を、前記符号化対象ブロックの予測画像の生成に用いる
    画像符号化復号装置。

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