JPWO2013099031A1 - エンジニアリングツール - Google Patents

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Abstract

【課題】モーション制御関連部分の設計から調整までを一般的な機械技術者が単独で行うことを可能にする。
【解決手段】エンジニアリングツールは、モータ駆動装置6,7を介してモータ91,92のモーション制御を行うモーションコントローラ5に対し、モーション制御に関する各種の設定操作を、ユーザからの選択操作と幾何的な図形の入力操作によって行える機能を有している。ユーザから時系列的かつ幾何的に記述されるモーション用動作線図の入力により、モータ駆動装置6,7に対するモータ駆動指令を時系列的に出力できるようモーションコントローラ5が参照可能なモーション&シーケンス用タイムチャートを生成する。モーション&シーケンス用タイムチャートは、モータ駆動装置6,7に対するモータ駆動指令を構成する指令データ列を付加して構成される。

Description

開示の実施形態は、エンジニアリングツールに関する。
特許文献1には、生産工場に設置されるファクトリーオートメーションで複数のモータの制御装置としてPLC、モーションコントローラ、及びモータ駆動装置で構成される多軸制御システムが記載されている。
特開2005−293569号公報
特許文献1に記載されているような多軸制御システムを備えたファクトリーオートメーションとしての生産機械の製作においては、従来よりその設計、組立、試運転、及び調整などの各作業を機械系技術者と電気系技術者が共同又は分担して行っていた。これは、生産機械の本体である機械部分の製作は機械系技術者のみが行うものの、その制御系であるPLC、モーションコントローラ、及びモータ駆動装置に関係する作業については電気系及びコンピュータ関連の技術スキルが必要であるため、これらの作業を行うにはほとんどの場合電気系技術者の手を借りなければならないためである。特にモータのモーション制御に関しては、PLCと同様のラダープログラムで記述されたシーケンス用プログラムやモーション用プログラムをモーションコントローラに実行させる必要があったため、多くの場合そのような各種プログラミング技術を習得していない機械系技術者が単独でモーション制御の設定を行うことはとても困難とされていた。このように、生産機械の駆動源であるモータのモーション制御に関する作業を機械系技術者と電気系技術者の2者で共同で行う場合には作業効率が著しく低く、特に調整作業においては機械部分と制御系のどちらに不具合があるのかを2者で交代して繰り返し検証する必要があったため作業が非常に煩雑となっていた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、モーション制御関連部分の設計から調整までを一般的な機械技術者が単独で行うことが可能なエンジニアリングツールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、モータ駆動装置を介してモータのモーション制御を行うモーションコントローラに対し、モーション制御に関する各種の設定操作を、ユーザからの選択操作と幾何的な図形の入力操作によって行える機能を有したエンジニアリングツールが適用される。
本発明によれば、モーション制御関連部分の設計から調整までを一般的な機械技術者が単独で行うことが可能となる。
一実施形態に係るモータ制御システムを備えた生産機械のシステム構成を模式的に表したブロック図である。 従来比較例でのモーション系プログラムの生成工程を表す図である。 シーケンス用ラダープログラムとモーション用プログラムを説明する図である。 モーション制御に関して従来行われていたモータ制御システムのハードウエアセットアップの比較例を表す図である。 従来比較例でのモーション制御に関係する作業工程を、機械系技術者と電気系技術者との分担で区別して時系列的にまとめた図である。 本実施形態によるモーション系プログラムの生成工程を表す図である。 本実施形態によりモーション制御に関して行われるモータ制御システムのハードウエアセットアップを表す図である。 本実施形態によるモーション制御に関係する作業工程を、機械系技術者と電気系技術者との分担で区別して時系列的にまとめた図である。 動作線図変換ツールを実行した際の編集ウィンドウの表示例を表した図である。 複数のモーション&シーケンス用動作線図を管理、一覧するウィンドウの表示例を表した図である。 実行順リスト編集ウィンドウの表示例を表した図である。 モータ容量選定ツールを実行した際の編集ウィンドウの表示例を表した図である。 ETHERNET(登録商標)接続設定ツールを実行した際の操作ウィンドウの表示例を表した図である。 モータ駆動装置の調整画面の表示例を表した図である。 モータ駆動装置の動作状態モニタ画面の表示例を表した図である。
以下、一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
<本実施形態のシステム構成>
図1は、モータ制御システムを備えた生産機械のシステム構成を模式的に表したブロック図である。この図1に示す例において、生産機械1は汎用パーソナルコンピュータ2(以下、汎用PC2と略記)、PLC3(Programable Logic Controller)、タッチパネルディスプレイ4、モーションコントローラ5、モータ駆動装置6、モータ駆動装置7、リモートI/O8、及び機械部分9を備えている。
汎用PC2は、一般的な汎用OS上でアプリケーションプログラムを起動し、所定の処理を行わせるパーソナルコンピュータである。なお、本実施形態においてこの汎用PC2は、生産機械1のモータ制御システムに対する各種の設定、試運転、及び調整を行うためのアプリケーション群であるエンジニアリングツールがあらかじめインストールされている。この汎用PC2は、当該エンジニアリングツールを利用してモータ制御システムの設定、試運転、及び調整を行うためのものであり、生産機械1の実運転時には撤去される。
PLC3は、後述するシーケンス用プログラムの処理によって当該生産機械1全体のシーケンス制御を行う制御機器である。なお、特に図示しないが、このPLC3は内部にCPU及びメモリ等の記憶部を備えており、後述するシーケンス用プログラムを記憶して実行する生産機械1のシーケンス制御に特化したコンピュータである。
タッチパネルディスプレイ4は、PLC3から出力される各種情報の表示や、ユーザからの操作情報の入力を行う操作部であり、当該生産機械1の実運転時に上記汎用PC2に代わってユーザに対するヒューマンインターフェースとして機能する。
モーションコントローラ5は、後述するモーション・シーケンス用タイムチャートに基づいて、リモートI/O8での2値入出力制御と連携しモータ駆動装置6やモータ駆動装置7を介したモータのモーション制御を行う制御機器である。図示する本実施形態の例では、このモーションコントローラ5は、CPU51、デバイスメモリ52、共有メモリ53、上位ネットワークI/F54、及びモーションネットワークI/F55を備えている。デバイスメモリ52は当該モーションコントローラ5独自のプログラムやデータを保持記憶するメモリであり、共有メモリ53は上記PLC3が備える共有メモリ(特に図示せず)と一部の記憶内容を共有するメモリである。なお本実施形態の例では、上位ネットワークI/F54とモーションネットワークI/F55はそれぞれ後述するETHERNET(登録商標)準拠のネットワークENWとMECHATROLINK(登録商標)準拠のネットワークMNWに対応して情報の送受を制御するインターフェースである。なお、モーションネットワークとしては、MECHATROLINK(登録商標)の他にたとえばEtherCAT(登録商標)などを用いても良い。
モータ駆動装置6及びモータ駆動装置7は、上記モーションコントローラ5から受信したモータ駆動指令に基づいて機械部分9に備えられる各モータに駆動電力を供給しその駆動を制御する制御機器である。
リモートI/O8は、機械部分9に備えられる入力機器や出力機器に対し2値入出力制御を行う制御機器である。つまり、このリモートI/O8は、上記の上位ネットワークENW及び/又はモーションネットワークMNWを介して、上記PLC3及び上記モーションコントローラ5に対し、機械部分9に備えられるセンサやスイッチのON又はOFFの2値入力情報を出力する。またリモートI/O8は、同様にネットワークENW、MNWを介して、上記PLC3及び上記モーションコントローラ5からの指令に応じ、機械部分9に備えられるランプやバルブ開閉用などのソレノイドに対しそのON又はOFFの2値出力状態を切り替える。
機械部分9は、当該生産機械1の本体である機械部分9であり、その駆動源である各種モータ(図中の回転型モータ91、リニアモータ92など)やその検出器(図中のリニアスケール93など)、2値入力機器94(図中のセンサ、スイッチなど)、及び2値出力機器95(図中のランプ、ソレノイドなど)を備えている。この機械部分9は、ワークやツール(特に図示せず)を動かす複数の駆動軸を組み合わせて構成し、各軸のモーション動作が重要である。各軸は、回転モータとギアによる回転ユニットや、回転モータとボールネジの組み合わせ又はリニアモータによる直動ユニットで構成される。
図示する本実施形態の例では、汎用PC2、PLC3、タッチパネルディスプレイ4、及びモーションコントローラ5がETHERNET(登録商標)規格に準拠する上位ネットワークENWを介して情報を送受可能に接続されている。また本実施形態の例では、モーションコントローラ5、モータ駆動装置6、モータ駆動装置7、及びリモートI/O8がMECHATROLINK(登録商標)規格に準拠するモーションネットワークMNWを介して情報を送受可能に接続されている。なお、本実施形態の例では、上位ネットワークENWの具体的な規格としてETHERNET(登録商標)を、モーションネットワークMNWの具体的な規格としてMECHATROLINK(登録商標)をそれぞれ用いているが、これら例示したもの以外の規格で各ネットワークENW、MNWを構成してもよい。また、モーションコントローラ5はその電源を確保するためだけに汎用PC2などとUSB接続してもよい。
本実施形態において、シーケンス制御とは、生産機械1における多数の2値入力情報と2値出力状態の連携を予め設定した連携関係で統括制御することであり、扱う情報の形態は、ほぼ全てONとOFFの2値情報である。
またモーション制御とは、主に複数のモータ91,92のそれぞれに対する量的な動作を並行に連携して行わせることで、いわゆる軌跡制御や補間制御を行わせる制御である。なお、このモーション制御においてもその一部に上記シーケンス制御との連携も含めるため、扱う情報の形態は上述した2値情報とともに、回転や直線移動についての位置、速度、又はトルク・推力といた量的な情報を扱う。
また、モータ制御システムSは、モーションコントローラ5と、モータ駆動装置6及びモータ駆動装置7と、各モータ91,92で構成される。
<モーション制御関連部分の従来比較例>
ここで、モーション制御に関連する部分の製作に関して、従来行われていた比較例について説明する。まず、図2はこの従来比較例でのモーション系プログラムの生成工程を表す図である。
この図2に示す従来比較例においては、まず最初にモーション用動作線図を図面として紙上に手書き、又は汎用PC2上の描画ソフトなどで作図する。このモーション動作用線図は、例えば上述の図9に示すようにそれぞれ軸番号が設定された複数のモータ91,92(モータ駆動装置6)の動作を時系列的かつ幾何的に記述した図面であり、さらにリモートI/O8における2値入出力制御との連携関係をも記述する。
このモーション動作用線図は、当該生産機械1の機械部分9を設計し、各軸のモーション動作を構想した機械系技術者のみが作成できる。機械系技術者は、機械部分9におけるワークやツールなどの各可動部の連携動作を実現するために、各軸で並行して行われる量的な連携駆動と、センサ、リミットスイッチ、ランプ、及びソレノイドなどの2値入出力制御との連携関係をモーション動作用線図で設定、定義する。
そしてこのモーション動作用線図の記述内容に基づいて、電気系技術者がモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムを作成する。ここではモーションコントローラ5が行うモーション制御に限定して説明しているが、複雑なモーションは軸動作のモーションの他にシーケンス動作も必要なため、結局、モーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムの2つが必要となる。
シーケンス用ラダープログラムは、従来のモーションコントローラ5に記憶させて実行させるシーケンス制御の手順内容を記述するプログラムである。従来よりシーケンス制御においては、ラダープログラムに基づいて行われることが慣習としてあった。ラダープログラムは、CPUを用いたコンピュータ制御が開発、利用される以前から行われていたリレー制御の手法を踏襲した形式のプログラムである。例えば図3(a)に示すように、接続と遮断を切り替えるリレーなどで表現された1つ以上の2値入力と、1つの2値出力との連携関係を幾何的に記述したプログラム行を複数行並列に記述してそれら全てを一括実行する方式のプログラムである。
また一方、モーション用プログラムは、従来のモーションコントローラ5に記憶させて実行させるモーション制御の手順内容を記述するプログラムである。従来のモーション用プログラムは、例えば図3(b)に示すように、各軸の移動量を文字列で記述したプログラム行を実行順に列記して、その列記順に逐次実行する方式のプログラムである。
これらモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムの作成にあたっては、コンピュータに関連したプログラミング技術(いわゆるコーディング技術)が必要である。そのため従来では、一般的にプログラミング技術を習得していない機械系技術者ではプログラムの作成を行えず、主に電気系技術者のみが上記モーション動作用線図の内容を変換してモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムを作成していた。この2つのプログラムの作成は、紙上に手書きで記述する以外にも、汎用PC2上で動作する編集アプリケーションで入力することにより行われる。
そして、上記図2に示したように、これらモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムを汎用PC2上で動作する所定の変換アプリケーションに入力することで、モーションコントローラ5が実行可能な中間言語データの形態のモーション用プログラムとシーケンス用プログラムが生成される。
なお上述したように、上記のモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムでは、それぞれ実行形式が異なる。詳しくは、シーケンス用ラダープログラムは、全てのプログラム行を1制御スキャン内で一括実行するスキャン実行型といえる。また、モーション用プログラムは、1プログラム行を複数回のスキャンに渡って実行する逐次実行型ということができ、1プログラム行の実行中には他の処理ができない。モーション制御だけでも、このように性質が正反対の2種類のプログラムを記述しないと生産機械1の複雑なモーション動作が実現できない。このように性質の異なる2種類のプログラムを使いこなすのは電気系技術者でさえも容易ではなく、それだけに機械系技術者で2種類のプログラムを習得しているケースは非常にまれである。
図4は、同じくモーション制御に関して従来行われていたモータ制御システムSのハードウエアセットアップの比較例を表す図である。なお、ハードウエア構成については、上記図1と同じものを利用した場合を想定しており、図4中ではモーション系のセットアップに関係のない部分は適宜図示を省略している。
この図4において、モータ制御システムSのハードウエアセットアップとしては、まず生産機械1の機械部分9がすでに組み立てられ、各駆動軸とそれらに対応するモータ駆動装置61が設置されていることが前提となる。そして汎用PC2とモーションコントローラ5とがETHERNET(登録商標)規格に準拠した上位ネットワークENWで接続され、情報を送受可能に適宜ネットワークの設定が行われる。また、モーションコントローラ5と上記モータ駆動装置61及びリモートI/O8とがMECHATROLINK規格に準拠したモーションネットワークMNWで接続され、情報を送受可能に適宜ネットワークの設定が行われる。また、モータ駆動装置61と対応する各モータ91,92との間の配線と接続、及びリモートI/O8と2値入力機器や2値出力機器との間の配線と接続が行われる。
次に汎用PC2で動作するアプリケーションの形態のエンジニアリングツール(図4中では図示を省略)を用いて、ユーザがモータ駆動装置61の各種パラメータの設定やリモートI/O8のI/Oポートの割り当てなどの設定を行う。この後に、モータ駆動装置61及び機械部分9に備えられた各モータ91,92の試運転が可能となる。なおこの時点での試運転は、単に各モータ91,92が動くかどうかの動作確認だけが行われる。
そして、汎用PC2で生成された上記のモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムを、ETHERNET(登録商標)を介してモーションコントローラ5のデバイスメモリ52にダウンロードする。モーションコントローラ5にそれらモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムを実行させることで、モーション制御に関係する部分の試運転が可能となる。ここで多くの場合は、モーション制御が適切かつ高精度に行われるよう各プログラムや各種パラメータの調整を繰り返す。以上の工程を経てモータ制御システムSのハードウエアがセットアップされる。
このような従来比較例のモータ制御システムSでは、そのハードウエアセットアップにおいて機械部分9における組立、配線、試運転、及び調整(機構的な部分での試運転、調整)の作業だけが機械系技術者単独で行える。しかしその他の作業は、電気系及びコンピュータに関連する知識やスキルが必要とされていたため電気系技術者の分担とされており、そのうちのモータ駆動装置61のパラメータ設定や調整の作業に関しては機械系技術者と電気系技術者が共同で行う必要があった。
以上の従来比較例でのモーション制御に関係する作業工程を、機械系技術者と電気系技術者との分担で区別して時系列的にまとめると、図5に示すようになる。まず機械系技術者の作業分担としては、ハードウエア面に関して初めに生産機械1全体の構想設計を行ってから、各部の詳細設計を行い、必要な部品の発注を行う。ここまでの作業は主に汎用PC2上で動作するCADなどの従来型ツールアプリケーションのみで実行していた。その後に揃った部品でモータ制御システムSを含めた生産機械1全体の組立を行い、各種パラメータの設定を含めた各部の動作調整と試運転を行う。また、機械系技術者はモータ制御システムSのソフトウエア面に関して、上述したモーション動作用線図を手書きなどで作成してモーション制御及びシーケンス制御の設計を行う。これは、ハードウエアの詳細設計や部品発注と並行するタイミングで行われる。
一方、電気系技術者の作業分担としては、ハードウエア面に関し、機械系技術者による構想設計に合わせて必要となる電気回路図の設計を行い、それからモータ制御システムSの各部の盤配線を行う。そして生産機械1の組立と同時に各部どうしを接続する機内配線を行う。またソフトウエア面に関して、機械系技術者が作成したモーション動作用線図に基づいてモーション用プログラム及びシーケンス用ラダープログラムを含めた各種制御プログラムを設計し、汎用PC2の変換アプリケーションで中間言語データの形態のプログラムを生成する。生産機械1の動作調整及び試運転の際には、各制御プログラムをモーションコントローラ5などをダウンロードしてモーション制御の動作調整及び試運転を行う。
このようにモーション制御に関係する範囲だけでも従来比較例の場合における生産機械1の製作工程では、機械系技術者と電気系技術者の作業分担が複雑に入り組んでいる。特に、モーション制御に関する調整作業においては、各軸の調整を個別に完了させてからさらに各軸を複雑に連携させたモーション制御での調整が必要となる。また、機械部分9のモーションが想定通り作動しない場合のデバッグ作業においては、機械部分9のデバッグは機械系技術者のみで行われる一方、各制御プログラムのデバッグは電気系技術者のみで行われ、お互い不慣れな部分が残る共同作業となるため長い作業時間を要する原因となっていた。また、電気系技術者はモーション制御の他にも、PLC3が行う生産機械1全体のシーケンス制御の設計やタッチパネルディスプレイ4でのインターフェース画面の設計などといった電気系の主たる作業があるため、モーション制御のデバッグに時間をかけられない制約がある。以上のような理由から、従来比較例のモータ制御システムSを備えた生産機械1の開発期間がどうしても短縮できなかった
この問題を根本的に解決するには、モーションコントローラ5の在り方を見直す必要がある。すなわち、モータ制御システムSのハードウエア面及びソフトウエア面の両方でモーション関連部分の設計から調整、デバッグまでを一般的な機械系技術者が単独で実行可能にする必要があった。
<本実施形態によるモーション制御関連部分>
そこで本実施形態では、モーション制御に関連する部分の製作に関して、以下に説明するように行う。まず、図6は本実施形態によるモーション系プログラムの生成工程を表す図であり、上記従来比較例における図2に対応する図である。
この図6に示す本実施形態の例では、まず最初に機械系技術者が汎用PC2上で動作する動作線図変換ツールを直接操作してモーション&シーケンス用動作線図を入力、作図する。この動作線図変換ツールは、本実施形態においてモータ制御システムSのモーション制御用に用意したエンジニアリングツールが備えるアプリケーションの1つである。動作線図変換ツールは、入力、作図されたモーション動作用線図に基づいてモーション&シーケンス用タイムチャートを直接自動的に生成する(後述の図9参照)。上記従来比較例でモーション用プログラム及びシーケンス用プログラムが中間言語データの形態で生成されるのとは異なり、このモーション&シーケンス用タイムチャートはモータ駆動装置6の位置決め機能を利用した位置決め指令に位置データ列を付加して構成される。また、モーションコントローラ5は、このモーション&シーケンス用タイムチャートを実行するだけで、モーション制御とそれに関係するシーケンス制御を含めて実現可能となる。
図7は、本実施形態によりモーション制御に関して行われるモータ制御システムSのハードウエアセットアップを表す図であり、上記従来比較例における図4に対応する図である。この図7において、機械系技術者は汎用PC2上のエンジニアリングツールに備えられた各アプリケーションで所定の選択操作と幾何的な図形の入力操作を行うだけで、ETHERNET(登録商標)規格準拠の上位ネットワークENW及びMECHATROLINK規格準拠のモーションネットワークのそれぞれのネットワーク設定と、モータ駆動装置61に対するパラメータ設定、試運転、及び調整と、リモートI/O8のI/Oポート割り当て設定と、機械部分9に備えられた各モータ91,92の試運転及び調整とを行える。また付加的に各種パラメータの数値入力も行えるようにし、精度の高い調整を行えるようにしてもよい。
そして、上述したモーション&シーケンス用タイムチャートをモーションコントローラ5のデバイスメモリ52にダウンロードし、実行させることで、機械部分9での各軸の連携によるモーション制御の試運転及び調整を行える。すなわち本実施形態によれば、モータ制御システムSのハードウエア面及びソフトウエア面の両方でモーション関連部分の設計から調整までを一般的な機械系技術者が単独で実行可能となる。特に、制御プログラムのデバッグにおいても、機械系技術者が上記の動作線図変換ツールを用いてモーション&シーケンス用動作線図を適宜編集し、モーション&シーケンス用タイムチャートを再生成してモーションコントローラ5に再度ダウンロードするだけでよいため簡易に行える。
また、本実施形態におけるモーションコントローラ5は、そのモーション制御中においてモーション&シーケンス用タイムチャートに含まれる位置データ列を位置決め指令として各モータ駆動装置6に対し単純に繰り返し出力するだけでよい。これにより、上記位置データを繰り返し受信するモータ駆動装置6は、その位置決め機能により所定のモーション動作を維持できる。このため、上記従来比較例では異なる種類のモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムをそれぞれ中間言語データの形態から翻訳して処理していたことと比較して、本実施形態のモーションコントローラ5はCPUの処理負担が大幅に軽減される。
以上の本実施形態でのモーション制御に関係する作業工程を、機械系技術者と電気系技術者との分担で区別して時系列的にまとめると、上記図5に対応する図8に示すようになる。すなわち、モーション制御に関連する範囲においては、ハードウエア面及びソフトウエア面の両方で設計から調整までを一般的な機械系技術者が単独で実行可能となる。また、モーション制御に関連する範囲において電気系技術者は、関係する電気回路の設計と配線のみ行ってソフトウエア面での作業を行う必要がなくなり、その分PLC3におけるシーケンス制御やタッチパネルディスプレイ4でのインターフェースの設定作業に注力することができる。
<エンジニアリングツールの実施例>
以下において、上述したエンジニアリングツールが備える各アプリケーションの機能について、その実行画面の表示例を参照しつつ説明する。なお、以下に示す各実行画面は、いわゆるマルチウィンドウ形式のGUI(Graphic User Interface)を利用した形態で示す。
図9は、上記動作線図変換ツールを実行した際の編集ウィンドウの表示例を表した図である。この図9が示す例においては、Servo#01、#02の2つのモータ駆動装置6の速度変化と、4つの2値出力信号と、4つの2値入力信号との連携関係を時系列的かつ幾何的に設定している。この例では、モータ駆動装置速度において、各モータ駆動装置6に対応するモータ91の回転速度を0%、100%、−100%の3段階で離散的に設定でき、それぞれ任意のタイミングで各段階に切り替えることができる。画面上では各モータ駆動装置6に対応して時間軸方向(図中の水平右方向)に沿った直線上の任意の位置にカーソルCを移動させ、所定の操作を行うことで当該直線を上方もしくは下方に向けた略台形形状に変形させることができる。当該直線は初期的にサーボ速度0%に対応する高さに位置しており、上述した上方、下方の略台形形状に変形させることで上方に対応する100%、下方に対応する−100%のサーボ速度に切り替えるタイミングを指定できる。また、それぞれの略台形形状は時間軸方向の長さも変形できる。なお、モータ駆動装置6の設定については、対応するモータ91の回転速度以外にも、回転量(回転位置)やトルクで設定できるようにしてもよいし、その変化についても上記の0%、100%、−100%の3段階以外に例えば0%、50%、100%、−50、−100%などのように任意に設定した段階で離散的に変化するよう設定してもよいし、他にも逐次任意の量で連続的に変化させるよう設定してもよい。
本実施形態において、上記時間軸は動作スケジュール時間として設定されている。動作スケジュール時間とは、実際の生産機械1においてモーション制御の開始時からの経過時間であり、当該動作線図変換ツールによって時系列的に進行が管理される。上記のサーボ速度、2値出力信号、及び2値入力信号の切り替えスケジュールは同一の動作スケジュールに同期するよう管理されている。もし、モーション制御中に何らかの不具合でこの動作スケジュールを停止した場合には、サーボ速度、2値出力信号、及び2値入力信号のそれぞれの切り替えスケジュールも動作スケジュール時間に合わせて進行を停止する。
また、2値出力信号及び2値入力信号においては、同じ時間軸方向に沿った直線を任意の位置でH(ON)、L(OFF)の2値に対応する高さに離散的に切り替えるよう変形させることができる。また、この2値の切り替えタイミングとサーボ速度の切り替えタイミングとを連携させることができる。つまり、どちらか一方の切り替えタイミングを他方の切り替えタイミングのトリガーに設定できる。
以上のようにしてサーボ速度、2値出力信号、及び2値入力信号の切り替えスケジュールを幾何的に入力することで、ユーザはモーション&シーケンス用動作線図を動作線図変換ツールに簡易に入力することができる。そして動作線図変換ツールは、このモーション&シーケンス動作用線図に対応するモーション&シーケンス用タイムチャートを生成する。
また、本実施形態における動作線図変換ツールは、図10に示すように複数のモーション&シーケンス用動作線図を管理、一覧できる。この図10に示す例では、Chart#01〜#07の7つのモーション&シーケンス用動作線図がすでに入力されて記憶しており、そのうちのChart#05のモーション&シーケンス動作用線図だけをタブ操作により表示させている。なお、このChartの表示形態では、動作用線図の細部が簡略化されて表示されている。
さらに、本実施形態における動作線図変換ツールは、図11に示すように、Chart単位で実行順と繰り返し回数と条件分岐を編集できる。図11に示す例では、「実行順リスト−01」の名称で1つの実行順リストが編集されている状態を表示している。この実行順リスト−01の例では、実行番号[01]〜[02]の昇順に対応してChart#01〜#07がその#番号順に実行され([08]のENDは終了)、そのうち実行番号[02]のChart#02と実行番号[07]のChart#07がそれぞれ10回と5回繰り返し実行される。また、実行番号[05]のChart#05の実行後においては、IN01に対応する2値入力信号がON状態である場合に実行番号[07]のChart#07に実行を移す。また、IN01に対応する2値入力信号がOFF状態である場合には、実行番号[06]のChart#06を実行した後に実行番号[01]のChart#01の実行に戻る。動作線図変換ツールは、この実行順リストに対応してモーション&シーケンス用タイムチャートを生成する。
また本実施形態のエンジニアリングツールは、各モータ91,92の容量を選定するためのアプリケーションも備えている。図12は、モータ容量選定ツールを実行した際の編集ウィンドウの表示例を表した図である。このモータ容量選定ツールでは、あらかじめ選定対象のモータ91,92が駆動する機構でそれを構成する各要素ごとに慣性モーメント(慣性質量)や減速比が解析されている。図12が示す例においては、選定対象のモータ91,92に仮想的に実行させる運転速度パターンを時系列で示しており、図中右下の適用ボタンBaを押下することで上記駆動機構を図示する運転速度パターンで運転する場合に必要とされるモータ容量が算出される。そして算出されたモータ容量に適合する具体的なモータ91,92の型式などをデータベースから選定し、選定結果として表示する。なお、上記の運転速度パターンは予め設定された定型のパターンを用いてもよいし、図12に示す画面上でユーザが任意の幾何形状(もしくはパラメータ値の入力)に変形させたものを用いてもよい。また、図示する運転パターンを用いた容量選定はあくまで概略的な選定としておき、また別に上記のモーション&シーケンス用動作線図で記述したサーボ速度の変化パターンを用いて最終的な容量選定を行ってもよい。
また本実施形態のエンジニアリングツールは、簡易にネットワーク設定を行うためのアプリケーションも備えている。図13は、ETHERNET(登録商標)接続設定ツールを実行した際の操作ウィンドウの表示例を表した図である。このETHERNET(登録商標)接続設定ツールでは、あらかじめ接続対象のモーションコントローラ5が備えるディップスイッチの切り替え設定を指定しておき、それに対応してユーザがディップスイッチを切り替えた状態のモーションコントローラ5と汎用PC2とを接続してから設定操作を行うようにする。図示する例では、画面上に推奨設定(図中の「おすすめの設定」)で接続する場合のボタンBrと、元の設定に戻す場合のボタンBbが表示されている。推奨設定ボタンBrを押下する選択操作を行った場合には、ディップスイッチの切り替え状態に対応した2つのプライベートIPアドレスが自動生成されて汎用PC2とモーションコントローラ5にそれぞれ割り当てることで、相互にこの例のETHERNET(登録商標)規格準拠の上位ネットワークENW上でのデータ送受が可能となる。また、元の設定に戻すボタンBbを押下する選択操作を行った場合には、汎用PC2が通常接続する構内LANでのプライベートIPアドレスに再設定されることで、元の構内LANへの再接続が可能となる。このようにETHERNET(登録商標)接続設定ツールを利用することで、この例のETHERNET(登録商標)規格準拠のネットワークの知識を持ち合わせていない一般的な機械系技術者でも簡易に汎用PC2のネットワーク設定が可能となる。
また本実施形態のエンジニアリングツールは、簡易にモータ駆動装置6やモータ駆動装置7(以降これらを総称して「モータ駆動装置6,7」と記述する)のパラメータ設定やゲイン調整を行うためのアプリケーションも備えている。
例えば、図14はモータ駆動装置の調整画面の一例を示している。例えば、調整機能を有効にすると最初に図14(a)の画面となる。この画面では、上下ボタンを押すことでモータ駆動装置6,7の応答レベルが変えられる。レベルの数値が高いほうがモータ駆動装置6,7の応答が速くできる。モータ駆動装置6,7のゲインを機械に応じて調整したい場合は、図14(a)図内の「もっと調整する」ボタンを押すことで、図14(b)の画面に推移させる。図14(b)の画面では慣性モーメント比を推定動作するボタンを押すことでモータ駆動装置6,7が推定動作を行い慣性モーメントのパラメータがモータ駆動装置6,7に自動で設定される。次に、モータ駆動装置6,7への指令が外部指令(上位からの指令があり)か内部指令(上位からの指令なし)かをラジオボタンにて選択する。例えば、動作線図でモータ駆動装置6,7の動作チャートを作成していない場合はモータ駆動装置6,7の内部指令を選べばよく、モータ駆動装置6,7の動作パターンが準備できている場合は、外部指令を選ぶことで、動作パターンがモータ駆動装置6,7に自動的にロードされる。次に「自動調整」のボタンをおすことで、モータ駆動装置6,7のゲインの自動調整が始まり、モータ駆動装置6,7での自動調整(オートチューニング)動作が完了するとモータ駆動装置6,7内部のパラメータが自動で設定される。
現在のモータ駆動装置製品は、モータ駆動装置6,7の各ゲイン(速度ゲイン、位置ゲイン、慣性モーメント比など)を個別に設定しなくても、オートチューニングによって、動作が可能な機能を備えている。モーションネットワークにてモーションコントローラ5とモータ駆動装置6,7を接続する場合は、モーションコントローラ5経由でモータ駆動装置6,7のデータをモーションコントローラ5に接続した汎用PC2に取り込むことができるため、図14(a)や図14(b)の画面でモータ駆動装置6,7の機能を制御することが可能である。
また後述するように、モータ駆動装置6,7とモーションコントローラ5を速度指令やトルク指令などのアナログ信号で接続する形態では、モーションコントローラ5内部で、速度制御や位置制御を構成するため、モータ駆動装置6,7の機能をモーションコントローラ5内部に構成しておくことで、上述の説明と同等なことが可能性である。
また、モータ駆動装置6,7とモーションコントローラ5をパルス列で接続し、モータ駆動装置6,7のUSBやシリアルI/Fでパソコンと接続してサーボ調整などを行う場合には、前記汎用PC2とモータ駆動装置6,7を直接接続して、汎用PC2内のエンジニアリングツールで直接モータ駆動装置6,7を認識することで、前述の図14で説明した調整動作が同じように実現できる。
また、モータ駆動装置6,7の動作状態をモニタするモータ駆動装置6,7のモニター機能も適当なボタンを定義して、図15に示すような表示画面に推移することで、簡便に表示することができる。同様に、モータ駆動装置6,7に設定する他のパラメータも同様な設定画面を作成し、適当なボタンで推移することで簡単に設定動作が実現できる。
このため、従来は個別にモータ駆動装置6,7の調整マニュアルを読み込んで調整したり、サーボ専用のエンジニアリングツールを使う必要があったが、本発明によると図1の汎用PC2にインストールしているモーションコントローラのエンジニアリングツールを起動するだけで、モータ駆動装置6,7の設定・調整も済ませることができ、また上記で説明したように直感的に操作できる画面を個別に作成することで、機械系技術者のみで調整・設定ができる効果がある。
以上において、生産機械1の機械部分9に備えられる各モータ91,92が各請求項記載のモータに相当し、モーション&シーケンス用動作線図が各請求項記載のモーション用動作線図及びシーケンス用動作線図に相当し、モーション&シーケンス用タイムチャートが各請求項記載のモーション用タイムチャート及びシーケンス用タイムチャートに相当し、位置決め指令が各請求項記載のモータ駆動指令に相当し、位置データ列が各請求項記載の指令データ列に相当する。
以上説明したように、本実施形態のエンジニアリングツールによれば、モータ駆動装置6,7を介してモータ91,92のモーション制御を行うモーションコントローラ5に対し、モーション制御に関する各種の設定操作を、ユーザからの選択操作と幾何的な図形の入力操作によって行えるようにした。これにより、電気系とコンピュータ関連の知識やスキル、及びプログラミング技術がなくとも、本実施形態の例における機械部分9に備えられた各モータ91,92の試運転及び調整と、モーション制御ユニット61に対するパラメータ設定、試運転、及び調整と、リモートI/O8のI/Oポート割り当て設定と、上位ネットワークENW及びモーションネットワークMNWのネットワーク設定と、を簡易に行える。つまり、機械系技術者のみで機械各軸単独での動作テストや機械調整、機械精度測定、及び各軸が複雑に連携して動作するプログラム運転の記述や動作確認まで完了できる。この結果、モーション制御関連部分の設計から調整までを一般的な機械技術者が単独で行うことが可能となる。
なお、上述したようにPLC3は生産機械1全体のシーケンス制御を行うものであり、モーションコントローラ5が行うモーション制御自体もPLC3のシーケンス制御の一部として組み込まれる場合が多い。つまり、モーション制御自体の開始タイミングがPLC3からの2値出力によって制御(いわゆるI/O制御)される場合が多い。また多くの場合、省配線とするためにPLC3とモーションコントローラ5とをETHERNET(登録商標)などのシリアル通信で接続するが、PLC3からは指令コマンドでの起動ではなく上記の2値出力でモーションコントローラ5にモーション制御の開始を指令させることで、生産機械1全体の制御構成をわかりやすく単純化できる。またスイッチの操作だけでモーション制御を開始させることもできるようになる。
このような構成の生産機械1では、本実施形態のエンジニアリングツールを用いることで、生産機械1の各軸別の制御の動作確認や複数軸が複雑に連携動作するモーション制御の動作確認をその機械調整も含めて事前に機械系技術者単独で行えるため、その後には電機系技術者のみで生産機械1全体の仕上げ運転動作をPLC3のシーケンス制御で設定できる。比較従来例のように各軸制御及びモーション制御のデバッグ作業を機械系技術者と電気系技術者が共同で行う必要がなくなり、電気系技術者は本来の担当作業である生産機械1の仕上げ動作やタッチパネルディスプレイ4などのヒューマンインターフェースの設定や生産機械1の電気プロセスなどの作業に集中できるため、結果として生産機械1の開発リードタイムを大幅に短縮できる。つまり、従来の生産機械1の開発手順とは異なり、機械系技術者の作業範囲と電気系技術者の作業範囲とを明確に区別でき、両者間の単純な引き継ぎにより生産機械1を仕上げることができるため、生産機械1の開発期間を短縮できる。
また、本実施形態によれば、ユーザから時系列的かつ幾何的に記述されるモーション&シーケンス用動作線図の入力により、モータ駆動装置6,7に対する動作指令を時系列的に出力できるようモーションコントローラ5が参照可能なモーション&シーケンス用タイムチャートを生成する動作線図変換ツールを、エンジニアリングツールが備えている。これにより、想定したモーション制御を行わせるためのモータ91,92の動作(上記図9中のサーボ速度)を記述したモーション用動作線図そのものが、モーション制御時にモーションコントローラ5に実行させる制御プログラム言語として機能する。しかし制御プログラム言語として機能しながら、このモーション用動作線図は時系列的かつ幾何的に表現される図形で記述されるため、それを作成する際には従来のシーケンス用ラダープログラムやモーション用プログラムの場合のプログラミング作業とは異なり直感的かつ簡易に作成できる。つまり、ユーザにとって従来のようなプログラミングするという行為を意識させることなく詳細なモーション制御の定義、設定が行える。
また、本実施形態によれば、モーション&シーケンス用タイムチャートは、モータ駆動装置6,7の位置決め機能を利用した位置決め指令に位置データ列を付加して構成される。これにより、モーションコントローラ5は、そのモーション制御中においてモーション&シーケンス用タイムチャートに含まれる位置データ列を位置決め指令として各モータ駆動装置6,7に対し単純に繰り返し出力(例えばパルス列で出力)するだけでよい。このため、モーションコントローラ5は、上記従来比較例では異なる種類のモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムをそれぞれ中間言語データの形態から翻訳して処理していたことと比較して、CPU51の処理負担が大幅に軽減される。これにより、比較的簡易なCPU51を用いて構成できるため、モーションコントローラ5の低コスト化が可能となる。
なお、モーションコントローラ5とモータ駆動装置6,7の仕様によっては、例えばモーションコントローラ5で位置決め制御を行いモータ駆動装置6,7で速度制御、トルク制御だけを行う場合もある。このような場合には、モーションコントローラ5がモータ駆動装置6,7に対してアナログ信号などで指令を出力する場合がある。このような仕様に合わせて、上記のモーション&シーケンス用タイムチャートが上記指令に対応するデータ列を付加して構成することで、モーションコントローラ5はモータ駆動装置6,7に所定のモーション動作を維持させることができる。
また、本実施形態によれば、ユーザから時系列的かつ幾何的に記述されるモーション&シーケンス用動作線図の入力により、モータ91,92のモーション制御に関係する所定の2値入出力信号と当該モータ91,92のモーション制御との連携関係を記述したシーケンス用タイムチャートをモーション&シーケンス用タイムチャートに含めて生成する。これにより、モーションコントローラ5はリモートI/O8に接続される各2値入出力機器との連携を行わせるシーケンス制御も合わせて可能となる。また、生産機械1の規模や仕様によっては、このモーション&シーケンス用タイムチャートだけで生産機械1全体のシーケンス制御を行うことも可能であり、その場合には生産機械1にPLC3を不要とすることもできる。
また、本実施形態によれば、モーション&シーケンス用タイムチャートは、複数のモータ駆動装置6,7にそれぞれ対応し、時系列的に進行が管理される同一の動作スケジュール時間に同期して生成される。これにより、従来比較例で用いられていたスキャン実行型のシーケンス用ラダープログラムや逐次実行型のモーション用プログラムでは実現できなかった時間概念に基づいてのモーション制御の設定が可能となり、複数軸について時間軸上におけるそれらの連携動作の所用時間や休止時間の関係についても詳細かつ統合的に定義、設定できる。
また、本実施形態によれば、動作スケジュール時間は所定の条件で進行を停止できるよう操作可能である。上述したようにモーション&シーケンス用タイムチャートの制御対象である各軸と各2値入出力信号は同一の動作スケジュール時間の進行に同期して動作するため、当該動作スケジュール時間の進行を停止させることで制御対象の各軸、各2値入出力信号の時間変化も一斉に停止させることができる。これにより、ラダープログラムでは可能であった誤動作防止用のインターロック機能を、モーション&シーケンス用タイムチャートでも実現できる。
また、本実施形態によれば、個別の動作スケジュール時間ごとに生成された複数のモーション&シーケンス用タイムチャートに対し、モーションコントローラ5における実行順と繰り返し回数と条件分岐を設定可能な実行順リストの機能を有している。これにより、モーションコントローラ5に行わせるモーション制御全体を特徴部分ごとに細分化してそれぞれをモーション&シーケンス用タイムチャートで詳細に設定でき、また元のモーション制御全体をモーション&シーケンス用タイムチャートの単位で機能的に編集し構築できる。
また、本実施形態によれば、ユーザからの選択操作により、汎用PC2とモーションコントローラ5との間のネットワーク接続の設定を切り替えるETHERNET(登録商標)接続設定ツールを、エンジニアリングツールが備えている。これにより、ネットワークの知識を持ち合わせていない一般的な機械系技術者でも、汎用PC2に対して、ETHERNET(登録商標)規格準拠の上位ネットワークENWを介したモーションコントローラ5との接続と、ETHERNET(登録商標)規格準拠の他の構内LAN等への接続とを簡易に切り替えることができる。
なお、特に図示しないが、ユーザからの選択操作により、モーションコントローラ5とモータ駆動装置6,7を介してモータ91,92をリアルタイムに駆動できるツールもエンジニアリングツールに備えられていてもよい。このツールを利用することにより、機械系技術者は各モータ91,92の動作確認と不具合の調整を単独で行える。
また、特に図示しないが、ユーザからの選択操作により、モータ91,92のモーション制御に関係する所定の2値入力力信号の入出力先を仮想的に設定するツールもエンジニアリングツールに備えられていてもよい。このツールを利用することにより、生産機械1に備えられる具体的なリモートI/O8の型式や仕様を知らない機械系技術者でも、暫定的にモーションコントローラ5にモーション制御の試運転させることができる。この場合には、当該ツールが、モーションコントローラ5の共有メモリ53とPLC3の共有メモリ(図示せず)に同じI/O設定を記憶させることなどにより実現できる。
なお、上記実施形態では、動作線図変換ツールがモーション&シーケンス用タイムチャートを生成していたが、本発明はこれに限られない。例えば、動作線図変換ツールは、入力されたモーション&シーケンス用動作線図に基づいて、その内容に対応するモーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムを生成してもよい。この場合には、モーション用プログラムとシーケンス用ラダープログラムの中間言語データを翻訳して実行する仕様のモーションコントローラ5に対しても、同様にプログラミング技術を習得していない機械系技術者が単独でモーション制御の設定、試運転、及び調整を行うことができる。
また上記実施形態において、モーション制御とは、モータに対する量的な動作を行わせる制御としていたが、本発明はこれに限られない。この他にも、モータと同様にアクチュエータとして機能するソレノイドバルブ制御の空圧(油圧)シリンダ(特に図示せず)の動作を制御することも広義のモーション制御に含め、これに本発明を適用しても同様の効果が得られる。この空圧シリンダは、一般的にソレノイドバルブに対するONとOFFの2値制御で動作するが、この場合でも上記図9に示した2値出力信号の動作線図で空圧シリンダのモーション制御を設定、入力し、当該動作線図に基づいて生成されたモーション&シーケンス用タイムチャートを参照してモーションコントローラが空圧シリンダのモーション制御を行える。
例えば、図1において、モータ駆動装置6,7は使わずに、モーションネットワークMNWを通してモーションコントローラ5からリモートI/O8に対して2値出力信号を出力したり、モーションコントローラ5がリモートI/O8から2値入力信号を入力したりする。リモートI/O8は機械部分9に取り付けたランプやソレノイド、センサ、スイッチと配線接続する。たとえば、空気圧で動作するエアシリンダでワークを移動する機構の場合、エアを切り替える電磁弁でエアシリンダを駆動するエアをON/OFFできる。前記電磁弁に含まれるソレノイドをリモートI/O8と配線し、リモートI/O8で電磁弁を駆動することで、エアシリンダの動作を制御できる。
前述している実施形態と同様に、図9に示す動作線図において、例えば、2値出力信号のチャートでソレノイド#01をリモートI/O8を経由してエアシリンダに割り付けている場合、図中で信号レベルがLからHに変化すると、電磁弁が作動して圧縮エアがエアシリンダに入り、エアシリンダが動作する。例えば、直動エアシリンダが動作(伸びた)した場合、移動端を検出するセンサの検出信号をリモートI/O8経由でセンサ#02に割付ておく。また、センサ#02の信号変化でソレノイド#01がHからLに変化するように動作線図上で状態設定(ソレノイドのトリガ条件設定)をしておく。センサ#02エアシリンダの動作を検出して、センサの信号がLからHに変化するとソレノイド#01がHからLに変化して電磁弁が作動して圧縮エアを遮断しエアシリンダの動作が停止し、センサ#02の取り付け位置であらかじめさだまった位置にエアシリンダのロッドを位置決めできる。同様にソレノイド#02を他の電磁弁と接続し、エアシリンダが逆方向移動するようにエア回路を構成することで、前記動作と同様にエアシリンダをもとの位置にもどすことができる。
以上説明したように、モータを駆動するのと同じように動作線図を用いることで、ラダープログラムを使うことなく、エアシリンダを駆動することができる。なお、従来は、ラダープログラムを書くことで、PLC3やモーションコントローラ5に動作シーケンスを設定して初めてエアシリンダを動作していたので、前述までのモータによるモーション制御と同様に、機械系技術者だけで機械の試運転や動作デバックなどができなかった。本発明によると機械系技術者のみでエアシリンダを動作させることが可能になる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 生産機械
2 汎用パーソナルコンピュータ
3 PLC
4 タッチパネルディスプレイ
5 モーションコントローラ
6,7 モータ駆動装置
8 リモートI/O
9 機械部分
51 CPU
52 デバイスメモリ
53 共有メモリ
54 上位ネットワークI/F
55 モーションネットワークI/F
91 回転型モータ
92 リニアモータ
ENW 上位ネットワーク
MNW モーションネットワーク
S モータ制御システム

Claims (10)

  1. モータ駆動装置を介してモータのモーション制御を行うモーションコントローラに対し、モーション制御に関する各種の設定操作を、ユーザからの選択操作と幾何的な図形の入力操作によって行える機能を有したことを特徴とするエンジニアリングツール。
  2. ユーザから時系列的かつ幾何的に記述されるモーション用動作線図の入力により、前記モータ駆動装置に対するモータ駆動指令を時系列的に出力できるよう前記モーションコントローラが参照可能なモーション用タイムチャートを生成することを特徴とする請求項1記載のエンジニアリングツール。
  3. 前記モーション用タイムチャートは、前記モータ駆動装置に対する前記モータ駆動指令を構成する指令データ列を付加して構成されることを特徴とする請求項2記載のエンジニアリングツール。
  4. ユーザから時系列的かつ幾何的に記述されるシーケンス用動作線図の入力により、前記モータのモーション制御に関係する所定の2値入出力信号と当該モータのモーション制御との連携関係を記述したシーケンス用タイムチャートを前記モーション用タイムチャートに含めて生成することを特徴とする請求項2又は3記載のエンジニアリングツール。
  5. 前記モーション用タイムチャートは、複数の前記モータ駆動装置にそれぞれ対応し、時系列的に進行が管理される同一の動作スケジュール時間に同期して生成されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のエンジニアリングツール。
  6. 前記動作スケジュール時間は所定の条件で進行を停止できるよう操作可能であることを特徴とする請求項5記載のエンジニアリングツール。
  7. 個別の前記動作スケジュール時間ごとに生成された複数の前記モーション用タイムチャートに対し、前記モーションコントローラにおける実行順と繰り返し回数と条件分岐を設定可能であることを特徴とする請求項5又は6記載のエンジニアリングツール。
  8. ユーザからの選択操作により、前記モーションコントローラと前記モータ駆動装置を介して前記モータをリアルタイムに駆動できることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエンジニアリングツール。
  9. ユーザからの選択操作により、前記モータの前記モーション制御に関係する所定の2値入出力信号の入出力先を仮想的に設定することを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載のエンジニアリングツール。
  10. ユーザからの選択操作により、前記エンジニアリングツールが実行される設定機器と前記モーションコントローラとの間のネットワーク接続の設定を切り替えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のエンジニアリングツール。
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