JPWO2013089073A1 - 情報解析装置、電子聴診器、情報解析方法、測定システム、制御プログラム、および、記録媒体 - Google Patents

情報解析装置、電子聴診器、情報解析方法、測定システム、制御プログラム、および、記録媒体 Download PDF

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Abstract

本発明の情報解析装置(100)は、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定部(30)と、波形特徴判定部(30)によって特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定部(40)とを備えており、これにより、生体音情報を客観的に精度良く解析し、解析結果を利用者が効率よく利用できるように提示することができる。

Description

本発明は、聴診器によって採取された生体音情報を解析する情報解析装置、情報解析方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
従来、生体(患者、被験者)から生体音(呼吸器系音、心音など)を採取し、その採取した生体音をデジタル信号(生体音情報)として記録可能な電子聴診器が普及している。電子聴診器によって生体音情報が電子的に記録されることにより、医師が患者に対して聴診器を使ってその場で診断を行うといった従来の診断形態とは異なる、多様な診断形態を実現することが可能になっている。例えば、患者および電子聴診器の操作者とは離れた場所にいる医師が、採取された生体音情報を受信して、遠隔地から診断を行うことが可能である。また、採取され記録された生体音情報を後日聞き直すことができるので、医師は、採取日の異なる生体音情報を聞き比べることが可能である。
つまり、聴診器により採取された生体音は、医師がその場で聴いて消えてしまう情報ではなく、電子カルテなどに生体音情報として記録し残しておくことが可能な、患者の重要な情報の1つとなった。こうした生体音情報は、医師によって、再生され聴取するのに利用されるだけでなく、装置による解析処理の対象にもなる。
例えば、特許文献1には、呼吸音データを解析する呼吸音データ処理装置が開示されている。呼吸音データ処理装置は、サンプル用データと、実際に取得された呼吸音データとに基づいて、副雑音の有無を検出する。
また、特許文献2には、肺音を収集して肺音の異常の有無を診断する肺音診断装置が開示されている。肺音診断装置は、病名が既知の基準データとの比較によって、肺音の異常の有無を判定する。
日本国公開特許公報「特開2005−066044号公報(2005年3月17日公開)」 日本国公開特許公報「特開2007−190082号公報(2007年8月2日公開)」 日本国公開特許公報「特開2005−40178号公報」(2005年2月17日公開)
従来の診療方法によれば、その場で聴いて消えてしまう情報であった生体音は、以下のように利用されていた。すなわち、医師はその場で生体音を聴診し、自身が有する知識と経験に基づいて生体音から患者の状態を判断し、適切な治療を提供するというものである。つまり、専門の知識と経験を持つ医師の耳に頼る診療方法では、生体音は、その場で採取および聴取されるだけで十分であった。
しかし、上述したとおり、生体音情報が患者の情報の1つとして記録され、いつでも利用できるようになった近年では、その場で患者を診察(聴診)した医師以外のユーザによって、あらゆる診療シーンで生体音情報が利用されることが想定される。ユーザとは、医師以外にも、例えば、当該患者に関わる専門医師以外の医療従事者、また場合によっては、医学的な技能を持たない患者の関係者など、その生体音情報を利用するあらゆる人々を含む。
したがって、従来の医師の耳に頼る診療方法では、利用者は、生体音情報から必要な情報を得て、それを正しく理解することができないという問題がある。あるいは、医学的な知識を有する利用者であっても、生体音情報を聴取して必要な情報を得るには、正しい判断を行うために相応の時間をかけなければならないという問題がある。
特許文献1および2に記載された従来技術は、生体音情報を解析し、利用者を支援するものである。しかしながら、これら従来技術は、診断対象の音データを、予め蓄えられた見本の音データ(正常/異常学習データ、サンプル用データ、類似した基準データなど)と比較することによって、異常音または複雑音などの有無を判定する構成である。
よって、判定の精度は、予め見本のデータを蓄えてあるデータベースの情報量に左右されるため、判定の精度が安定しないという問題があった。
医師の耳に頼って行っていた従来の診療について、生体音情報を客観的に精度良く解析することによって利用者を支援し、生体音情報が利用者にとって意味のある情報として容易かつ効率的に利用されるように、情報を記録または供給できる解析装置が求められる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、聴診器によって採取された生体音情報を客観的に精度良く解析し、その解析結果を利用者が効率よく利用できるように提示する情報解析装置、情報解析方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
本発明に係る情報解析装置は、上記課題を解決するために、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定手段と、上記波形特徴判定手段によって特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定手段とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る情報解析方法は、上記課題を解決するために、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定ステップと、上記波形特徴判定ステップにて特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定ステップとを含むことを特徴としている。
本発明に係る情報解析装置は、上記課題を解決するために、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定手段と、上記波形特徴判定手段によって特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定手段とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る情報解析方法は、上記課題を解決するために、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定ステップと、上記波形特徴判定ステップにて特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定ステップとを含むことを特徴としている。
したがって、聴診器によって採取された生体音情報を客観的に精度良く解析し、その解析結果を利用者が効率よく利用できるように提示する情報解析装置を実現できるという効果を奏する。
本発明の一実施形態における情報解析装置の要部構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における聴診システムの概要を示す図である。 情報解析装置の生体音取得部によって取得される生体音情報の一具体例を示す図であり、とりわけ、健常者の呼吸音を示す図である。 情報解析装置の生体音取得部によって取得される生体音情報の一具体例を示す図であり、とりわけ、肺炎患者の呼吸音を示す図である。 (a)および(b)は、情報解析装置の自己相関解析部が出力する自己相関関数の一具体例を示す図であり、とりわけ、(a)は、図3に示す呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部が導出した自己相関関数を示す図であり、(b)は、他の呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部が導出した自己相関関数の他の例を示す図である。 情報解析装置の自己相関解析部が出力する自己相関関数の一具体例を示す図であり、とりわけ、図4に示す呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部が導出した自己相関関数を示す図である。 情報解析装置の周期性判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、周期性判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置のフーリエ変換部が出力するスペクトルの一具体例を示す図であり、とりわけ、図3に示す健常者の呼吸音をフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。 情報解析装置の生体音取得部によって取得される生体音情報の他の具体例を示す図であり、とりわけ、喘息患者の呼吸音を示す図である。 情報解析装置のフーリエ変換部が出力するスペクトルの一具体例を示す図であり、とりわけ、図8に示す喘息患者の呼吸音をフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。 情報解析装置のスペクトラム判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、スペクトラム判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 健常者の呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 呼吸音減弱が発生している呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 連続性雑音が発生している呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 断続性雑音が発生している呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 情報解析装置のスペクトログラム判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、スペクトログラム判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の包絡線検波部が出力する、生体音波形の包絡線の一具体例を示す図である。 情報解析装置の包絡線判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、包絡線判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 (a)は、連続性の高い包絡線の一具体例を示す図であり、(b)は、連続性の低い包絡線の一具体例を示す図である。 情報解析装置のインパルスノイズ検出部が出力する、生体音波形においてインパルスノイズが特定されたインパルスノイズ検出結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置のインパルスノイズ判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、インパルスノイズ判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の正常呼吸音判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の呼吸音減弱判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の連続性雑音判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の断続性雑音判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の減弱レベル判定部が参照する減弱レベル判定基準の一例と、減弱レベル判定部が出力する減弱レベル判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の連続性レベル判定部が参照する連続性レベル判定基準の一例と、連続性レベル判定部が出力する連続性レベル判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の断続性レベル判定部が参照する断続性レベル判定基準の一例と、断続性レベル判定部が出力する断続性レベル判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の結果出力部によって出力された、解析結果およびレベル判定結果を表示するための表示画面の具体例を示す図である。 本発明の一実施形態における情報解析装置による情報解析処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態における情報解析装置の要部構成を示す機能ブロック図である。 上記他の実施形態における情報解析装置の総合判定部が、患者から取得された呼吸器系音を所定の音種別に分類する際の種別体系を示す図である。 上記他の実施形態における情報解析装置による情報解析処理の流れを示すフローチャートである。 上記他の実施形態における情報解析装置による情報解析処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の減弱レベル判定部が実行する減弱レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の連続性レベル判定部が実行する連続性レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の断続性レベル判定部が実行する断続性レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の結果出力部によって出力された、解析結果およびレベル判定結果を表示するための表示画面の他の具体例を示す図である。 測定システムの概要、および、測定システムを構成する画像撮像装置の要部構成を示すブロック図である。 生体の肺の概要を示す図である。
≪実施形態1≫
本発明の情報解析装置に関する実施形態について、図1〜図30に基づいて説明すると以下の通りである。
以下で説明する実施形態では、一例として、本発明の情報解析装置を、聴診システムに導入した場合について説明する。聴診システムとは、ここでは、被験者の生体音を電子聴診器にて取得し、取得された電子データすなわち生体音情報を本発明の情報解析装置によって解析して、被験者の診療に利用することを可能にするシステムである。ここでは、電子聴診器によって診察を受ける被験者を患者と称する。本実施形態では被験者(患者)はヒトを想定しているが、ヒト以外のあらゆる生体を被験者(患者)とする聴診システムも本発明の範疇に入る。
なお、以下の説明では、本発明に係る情報解析装置が、一例として、患者の呼吸器系音(生体音)情報を解析して、肺疾患に係る患者の状態を判定するケースを例に挙げる。しかし、本発明の情報解析装置は、上述の例に限定されず、その他の生体音(心音、腹腔音、腸音、血流音、胎児心音など)情報を解析して、それぞれの部位に係る患者の状態を判定してもよい。
また、本発明の情報解析装置は、上述の例に限定されず、診療以外の目的で生体から生体音情報を取得し、利用することが可能な他のあらゆるシステムに導入し得るものである。
〔聴診システムの概要〕
図2は、本発明の実施形態における聴診システムの概要を示す図である。図2に示すとおり、聴診システム200は、少なくとも、操作者Uが患者Pの生体音を採取する(すなわち聴診する)ための電子聴診器3と、操作者Uが聴診時に使用する情報解析装置100とを含んで構築される。
操作者Uは、患者Pを診療する診療現場1に居合わせて、電子聴診器3をはじめとする各種機器を利用して、診療現場1にて患者Pの診療を行う。各種機器には、例えば、酸素飽和度計、心電計、血圧計、体温計、動脈硬化度計、血管健康度計などが含まれていてもよい。
情報解析装置100と電子聴診器3とは、無線または有線にて、互いに通信可能に接続されている。操作者Uは、情報解析装置100を操作して、患者Pの診療の際に必要となる情報、例えば、患者Pに関する情報(電子カルテなど)などを読み出し、参照することができる。また、操作者Uは、電子聴診器3から採取した生体音情報を情報解析装置100に保存することができる。
情報解析装置100は、操作者Uが保有している携帯性にすぐれた情報処理端末装置、または、診療現場1に設置されるデスクトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)などによって実現される。図2に示す例では、一例として、本発明の情報解析装置100は、スマートフォンなどの多機能携帯通信端末によって実現されている。
操作者Uが、医師として専門的な知識、技能、および、権限を有している場合には、操作者Uは、電子聴診器3および情報解析装置100を用いて患者Pを診察して、病状について最終的な診断を下して治療にあたってもよい。このように、電子聴診器3と、情報解析装置100とを含む聴診システム200も本発明の範疇に入る。
あるいは、図2に示すとおり、聴診システム200は、診療現場1において、電子聴診器3および情報解析装置100を含み、遠隔地のサポートセンター2において、管理サーバ4を含んで構築されてもよい。この場合、情報解析装置100と管理サーバ4とは、インターネットなどの通信網5を介して互いに通信可能に接続されている。
具体的には、以下のとおりである。操作者Uは、医師ほどの高度な知識、技能および権限を有してはいないが、あるいは、専門外の診療であるが、専門の医師の指導の下に、電子聴診器3および情報解析装置100を操作して、診療現場1にて即時に、簡便な診察および治療を行う技能を持ち合わせている場合が考えられる。この場合、聴診システム200の診療現場1において、高度看護師(NP;Nurse Practitioner)またはその他の医療従事者である操作者Uによって操作される電子聴診器3および情報解析装置100が設けられる。そして、診療現場1から離れた場所にあるサポートセンター2において、当該聴診システム200において管理する各患者の電子カルテを管理する管理サーバ4が設けられる。サポートセンター2では、専門的な知識および技能を有する医師Dが駐在しており、図示しない情報処理端末装置または電話などの通信機器を用いて、操作者Uに対し指導を行い、操作者Uの診療を支援することができる。また、操作者Uが電子聴診器3を用いて患者Pから直接採取した生体音情報は、情報解析装置100を介して管理サーバ4に格納される。医師Dは、管理サーバ4にアクセスして、遠隔地にいる患者Pの生体音情報を取得し、診察および治療の指南を行うことができる。操作者Uは、医師Dの指導の下、簡便な処置を行ったり、診療現場1にて対応できない場合には、対応可能なその他の連携病院を紹介したりすることができる。
本実施形態では、スマートフォンで実現された情報解析装置100は、電子聴診器3から採取された生体音情報を解析し、その解析結果を自装置または管理サーバ4に出力する機能を有する。なお、生体音情報を解析する機能を有する本発明の情報解析装置100は、遠隔地にある管理サーバ4として実現されてもよい。
次に、この情報解析装置100の構成および動作について詳細に説明する。
〔情報解析装置のハードウェア構成〕
図1は、本実施形態における情報解析装置100の要部構成を示す機能ブロック図である。
情報解析装置100は、少なくとも、ハードウェア構成として、制御部10、入力部11、表示部12、記憶部13、および、通信部14を備えている。さらに、情報解析装置100は、スマートフォンとして本来備わっている機能を実現するために、図示しない、音声入力部、外部インターフェース、音声出力部、通話処理部、放送受像部(チューナ・復調部など)、GPSおよびセンサ(加速度センサ、傾きセンサなど)、撮像部など、スマートフォンが標準的に備えている各種部品を備えていてもよい。
なお、本実施形態では、情報解析装置100はスマートフォンであるので、ここでは、入力部11および表示部12は、一体に形成されタッチパネルを構成している。情報解析装置100が、PCなどで実現されている場合には、表示部12は、液晶表示モニタで、また、入力部11がキーボードおよびマウスなどで実現されていればよい。
入力部11は、ユーザが情報解析装置100を操作するための指示信号を、タッチパネルを介して入力するためのものである。入力部11は、指示体(指またはペンなど)の接触を受け付けるタッチ面と、指示体とタッチ面との間の接触/非接触(接近/非接近)、および、その接触(接近)位置を検知するためのタッチセンサとで構成されている。タッチセンサは、指示体とタッチ面との接触/非接触を検知できればどのようなセンサで実現されていてもかまわない。例えば、圧力センサ、静電容量センサ、光センサなどで実現される。
表示部12は、情報解析装置100が生体音情報を処理した結果を表示したり、ユーザが情報解析装置100を操作するための操作画面をGUI(Graphical User Interface)画面として表示したりするものである。表示部12は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。
また、情報解析装置100は、入力部11の他に、ユーザが情報解析装置100に指示信号を直接入力するためのもの図示しない操作部を備えていてもよい。例えば、操作部は、ボタン、スイッチ、キー、ジョグダイアルなどの適宜の入力機構で実現される。操作部は、情報解析装置100の電源のオン/オフを行うスイッチなどである。
通信部14は、外部の装置(電子聴診器3、管理サーバ4など)と通信を行うものである。本実施形態では、通信部14は、まず、電子聴診器3と近距離通信するための近距離通信部を含む。近距離通信部は、電子聴診器3と無線通信を行って、電子聴診器3が採取した生体音がデジタル信号化された生体音情報を電子聴診器3から受信する。近距離通信部は、特に限定されないが、IrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、WiFi通信、非接触型ICカードのいずれかの無線通信手段を実現するものであってもよいし、これらの手段を複数実現するものであってもよい。
なお、通信部14は、通信網5(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)など)を介して遠隔地にある装置(管理サーバ4など)とデータ通信を行う遠隔地通信部を含んでいてもよい。遠隔地通信部は、例えば、情報解析装置100が行った生体音情報の解析の結果を通信網5を介して管理サーバ4に送信することができる。
情報解析装置100が、スマートフォンなどの携帯電話である場合には、通信部14は、携帯電話回線網を介して、音声通話データ、電子メールデータなどを、他の装置との間で送受信する機能を有していてもよい。
記憶部13は、(1)情報解析装置100の制御部10が実行する制御プログラム、(2)制御部10が実行するOSプログラム、(3)制御部10が、情報解析装置100が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。あるいは、(5)制御部10が各種機能を実行する過程で演算に使用するデータおよび演算結果等を記憶するものである。例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、上記の(5)のデータは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶される。どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、情報解析装置100の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。例えば、採取された、患者Pの生体音情報は、一旦、RAMに記憶され、情報解析装置100の制御部10によって読み出される。制御部10による、生体音情報の解析の結果(および、必要に応じて、生体音情報)は、ROMなどの不揮発性記憶装置にて実現された記憶部13に保存される。
制御部10は、情報解析装置100が備える各部を統括制御するものである。制御部10は、例えば、CPU(central processing unit)などで実現され、情報解析装置100が備える機能は、制御部10としてのCPUが、ROMなどに記憶されているプログラムを、RAMなどに読み出して実行することで実現される。制御部10が実現する各種機能(特に、情報解析機能)については、別図を参照しながら、以下に詳述する。
〔情報解析装置の機能構成〕
図1に示すとおり、情報解析装置100の制御部10は、機能ブロックとして、生体音取得部20、生体音処理部21、生体音解析部22、および、結果出力部23を備えている構成である。
生体音取得部20は、通信部14が電子聴診器3から受信した患者Pの生体音情報を取得するものである。生体音取得部20は、受信された生体音情報を記憶部13に一旦記憶し、必要に応じて生体音情報を読み出して、下流の各部(生体音処理部21など)に供給する。
生体音処理部21は、生体音取得部20によって取得された生体音情報が示す音波形を処理して、音波形が有する波形特徴情報を抽出するものである。波形特徴情報とは、上記生体音情報に含まれる音波形を、当該音波形または音波形を構成する各音成分が有する様々な情報を指標にして、2次元またはそれ以上の次元のグラフにプロットしたものを示す。音成分が有する様々な情報とは、周波数、振幅値、発生時間などがあるが、これに限定されない。このように、生体音処理部21が生成した波形特徴情報によって、音波形の特徴を、様々な指標に基づいて、あらゆる観点から数値化して特徴量とし簡単に捉えることが可能になる。抽出された波形特徴情報および波形特徴情報から算出される特徴量は、生体音解析部22によって音波形を解析するのに利用される。
本実施形態では、生体音処理部21は、例えば、これには限定されないが、自己相関解析部211、フーリエ変換部212、時間周波数解析部213、包絡線検波部214、および、インパルスノイズ検出部215の少なくともいずれか1つで実現される。これらの生体音処理部21の各部が、それぞれの波形特徴情報を導出する。各部の詳細は後述する。
生体音解析部22は、生体音処理部21によって抽出された波形特徴情報に基づいて、その生体音を出した患者の状態を判定するものである。より具体的には、本実施形態では、生体音解析部22は、少なくとも、波形特徴判定部30および音種別判定部40を有する。生体音解析部22は、さらに、異常レベル判定部50を有することが好ましい。
波形特徴判定部30は、抽出された波形特徴情報が、波形特徴判定基準に合致するか否かを判定するものであり、この判定によって、上記波形特徴情報を有する音波形の特徴を区分し特定するものである。波形特徴判定部30は、1つの波形特徴情報について、複数の基準のそれぞれについて合致するか否かを判定してもよい。波形特徴判定部30は、1つの音波形から抽出された複数の波形特徴情報について、それぞれ、基準に合致するか否かを判定してもよい。波形特徴判定基準は、予め定義されて記憶部13に記憶されている。波形特徴判定部30は、記憶部13に記憶されている波形特徴判定基準を読み出して、抽出された波形特徴情報が基準を満たすのか否かを判定する。これにより、その波形特徴情報を有する音波形が、どのような特徴を有しているのかを明確に区分することができる。このようにして波形特徴判定部30によって特徴が区分された音波形の情報は、波形特徴判定結果として、音種別判定部40に対して出力される。波形特徴判定結果は、音種別判定部40によって、音波形の音の種別を判定するのに利用される。
本実施形態では、波形特徴判定部30は、例えば、これには限定されないが、周期性判定部31、スペクトラム判定部32、スペクトログラム判定部33、包絡線判定部34、および、インパルスノイズ判定部35の少なくともいずれか1つで実現される。各部の詳細は後述する。
音種別判定部40は、波形特徴判定部30が出力する波形特徴判定結果に応じて、当該音波形を有する生体音情報の、音の種別を判定するものである。音の種別とは、本実施形態では、患者から採取された生体音情報に含まれている音を医学的特徴に基づいて分類したものである。つまり、音種別判定部40は、採取された生体音情報の音の種別を決定することによって、生体音情報に含まれる音を医学的特徴に基づいて分類する手段である。
このように、波形特徴判定部30および音種別判定部40によって、患者の呼吸器系音がどのような音であるのかが、医学的特徴に基づいて分類される。したがって、生体音解析部22は、その種類の呼吸器系音を出している患者について、その患者の状態(病状)を判定することが可能となる。
特に、本実施形態では、情報解析装置100は、生体音として呼吸器系音を解析する装置である。したがって、音種別判定部40は、一例として、呼吸器系音を、医学的特徴に基づいて、以下の音種別に分類することができる。
例えば、音種別判定部40は、採取した生体音を「呼吸音(呼気に伴う音および吸気に伴う音)」と、「雑音(疾患に伴い発生する、呼気吸気以外の音)」とに分類してもよい。あるいは、音種別判定部40は、「呼吸音」を、さらに、「正常呼吸音」と「異常呼吸音」とに分類してもよい。また、音種別判定部40は、「異常呼吸音」を、さらに、「呼吸音減弱(消失)」、「呼吸音増強」、「呼気延長」、「気管支呼吸音化」および「気管狭窄音」に分類してもよい。また、音種別判定部40は、「雑音」を、さらに、「連続性雑音」、「断続性雑音」、「胸膜摩擦音」および「肺血管性雑音」に分類してもよい。さらに、音種別判定部40は、「連続性雑音」を「高音性連続性雑音」と、「低音性連続性雑音」とに分類してもよい。あるいは、音種別判定部40は、「断続性雑音」を「細かい断続性雑音」と、「荒い断続性雑音」とに分類してもよい。
もしくは、音種別判定部40は、「呼吸音」について、「正常呼吸音」であるのか、「正常呼吸音でない可能性がある」のかいずれであるのかを判定する、というように、ある音の種別にあてはまるか、あてはまらないかを2値で返す構成であってもよい。
なお、「呼吸音減弱」の発生機序は以下のとおりである。例えば、肺と胸壁との間に胸水などの障害物が貯留している場合が考えられる。肺で正常に発生した呼吸音が聴診器に届くまでの間に、障害物が存在すると、この障害物がいわばローパスフィルターの役目を果たして高周波成分をカットしてしまう。肺と胸壁との間に障害物があるケースは、胸水貯留、気胸、無気肺、肺気腫などの患者に多く見られる。したがって、本発明の情報解析装置100が、生体音を「呼吸音減弱」に分類することができれば、患者が罹っている疾患が胸水貯留、気胸、無気肺、肺気腫などであると、操作者Uおよび医師Dが判断するのに役立つ。
なお、「連続性雑音」の発生機序は以下のとおりである。気管の中で分泌物が貯留するせいで、呼気および吸気の気管を流れるときの気流が乱れる。そのために雑音が鳴る。そして、この雑音は、呼気および吸気が流れている間、ずっと鳴り続けることになる。この分泌物の貯留は、喘息、閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)、ならびに、気管・気管支狭窄などの患者に多く見られる。したがって、本発明の情報解析装置100が、生体音を「連続性雑音」に分類することができれば、患者が罹っている疾患が喘息、閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)、ならびに、気管・気管支狭窄などの疾患であると、操作者Uおよび医師Dが判断するのに役立つ。
また、気道が細い(気管の径が小さい)ところ、すなわち、肺の下部(または、気管の分岐が進んでいる深い箇所)で鳴る音の周波数は高くなる。この音を「高音性連続性雑音」に分類することができる。また、気道が太い(気管の径が大きい)ところ、すなわち、肺の上部(または、気管の分岐が進んでいない浅い箇所)で鳴る音の周波数は低くなる。この音を「低音性連続性雑音」に分類することができる。したがって、本発明の情報解析装置100が、生体音を「高音性連続性雑音」または「低音性連続性雑音」に分類することができれば、連続性雑音の異常が発生している肺の部位(上部か下部か)を操作者Uおよび医師Dが判断するのに役立つ。
なお、「断続性雑音」の発生機序は以下のとおりである。気管の中の液体分泌物が、気管に薄い液体の膜を張って、気道を閉鎖することがある。このような状態の気管内に呼気吸気が流れると、膜が破裂する音が鳴る。膜は、気管の所々に発生、その膜が破れるときにだけ瞬間的に破裂音が鳴る。この点で、「連続性雑音」とは明らかに種類の違う音が鳴る。上記液体分泌物の貯留は、肺炎患者に多く見られる。したがって、本発明の情報解析装置100が、生体音を「断続性雑音」に分類することができれば、患者が罹っている疾患が肺炎であると、操作者Uおよび医師Dが判断するのに役立つ。
なお、気道が細いところでは、径の小さい膜が張っており、このような膜はすぐに破れる。したがって、音が鳴る期間が比較的短い。このときに鳴る音を、「細かい断続性雑音」に分類することができる。また、気道が太いところでは、径の大きい膜が張っており、このような膜は、小さい膜に比べて破れるのに多少時間がかかる。したがって、音が鳴る期間が比較的長い。このときに鳴る音を、「荒い断続性雑音」に分類することができる。したがって、本発明の情報解析装置100が、生体音を「細かい断続性雑音」または「荒い断続性雑音」に分類することができれば、断続性雑音の異常が発生している肺の部位(上部か下部か)を操作者Uおよび医師Dが判断するのに役立つ。
本実施形態では、音種別判定部40は、例えば、これには限定されないが、正常呼吸音判定部41、呼吸音減弱判定部42、連続性雑音判定部43、および、断続性雑音判定部44の少なくともいずれか1つで実現される。各部の詳細は後述する。
音種別判定部40による音種別判定結果は、結果出力部23に供給されたり、記憶部13に記憶されたりする。
異常レベル判定部50は、特定の種別に分類された音波形について、その種別の程度の大きさ(レベル)を、抽出された波形特徴情報に基づいて、判定するものである。特に、異常レベル判定部50は、異常音の種別の異常の程度(重症度、進行度など)を判定する。
本実施形態では、異常レベル判定部50は、抽出された波形特徴情報が、基準に合致するか否かを判定することにより、レベル判定を行う。すなわち、異常レベル判定部50は、閾値が段階的に異なるレベル判定基準のそれぞれと抽出された波形特徴情報とを比較して、波形特徴情報がいずれのレベル判定基準に合致するのかに応じて、生体音の異常レベルを判定する。レベル判定基準は、予め定義されて記憶部13に記憶されている。
例えば、異常レベル判定部50は、異常の程度が比較的高い(重症の)生体音について、異常レベルを「高」と判定し、異常の程度が比較的低い(軽症の)生体音について、異常レベルを「低」と判定してもよい。さらに、異常レベル判定部50は、その間の程度であれば、生体音の異常レベルを「中」と判定してもよい。
本実施形態では、異常レベル判定部50は、例えば、これには限定されないが、減弱レベル判定部51、連続性レベル判定部52および断続性レベル判定部53の少なくともいずれか1つで実現される。各部の詳細は後述する。
異常レベル判定部50によるレベル判定結果は、結果出力部23に供給されたり、記憶部13に記憶されたりする。
結果出力部23は、音種別判定部40によって出力された音種別判定結果を、生体音情報を解析した解析結果として出力するものである。なお、制御部10が、異常レベル判定部50を含んで構成される場合には、結果出力部23は、異常レベル判定部50によって出力されたレベル判定結果を上記解析結果に含めて出力する。結果出力部23が出力した解析結果は、映像信号として表示部12に供給され、結果として、解析結果は、操作者Uが視認できるように表示部12に表示される。
上記構成によれば、生体音処理部21が、生体音情報を処理して音波形から波形特徴情報を抽出し、波形特徴判定部30が、その波形特徴情報がどのような判定基準に合致するのか(あるいは、合致しないのか)を判定する。音種別判定部40は、その波形特徴判定結果に応じて、音の種別を判定することができる。音種別判定部40が行った音種別判定結果は、解析結果として、表示部12に表示される。
上記判定基準において、音種別に関わりの深い医学的特徴に基づいて、閾値があらかじめ定義されている。したがって、抽出された波形特徴情報が、上記判定基準に合致するか否かによって、元の生体音情報がどの音種別と相関が高いのかを音種別判定部40が判断することができる。
これにより、モデルの音波形との直接的な比較を行わずとも、生体音情報の種別を特定することが可能となる。したがって、モデルの音波形データベースの完成度に左右されることなく、客観的な解析を精度良くかつ効率的に行い、解析結果を利用者に提示する情報解析装置を実現することができる。
上述した制御部10の各機能ブロックは、CPU(central processing unit)等が、ROM(read only memory)、NVRAM(non-Volatile random access memory)等で実現された記憶装置(記憶部13)に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。
〔情報解析装置の機能構成−詳細〕
まず、生体音処理部21および波形特徴判定部30の各部について詳細に説明する。
(周期性判定機能)
図3および図4は、生体音取得部20によって取得される生体音情報の一具体例を示す図である。
図5の(a)および(b)、ならびに、図6は、自己相関解析部211が出力する自己相関関数の一具体例を示す図である。
生体音処理部21の自己相関解析部211は、生体音取得部20が取得した生体音情報に含まれる音波形を解析して、自己相関関数を導出するものである。
波形特徴判定部30の周期性判定部31は、自己相関解析部211によって出力された自己相関関数について、波形特徴判定基準を適用し、該自己相関関数を有する音波形の特徴(特に、周期性)を判定するものである。
健康な患者から測定された正常な生体音(呼吸音)の場合、呼吸が安定して行われるために、音波形を、吸気と呼気とを1周期とする周期信号と考えることができる。自己相関解析部211は、上記周期信号を解析する手段である。自己相関とは、ある信号v(t)とその信号自体を時間シフトした信号v(t+τ)との相関度を評価する指標であり、時間シフトτを変数とする関数R(τ)として、次式で表すことが可能である。
自己相関解析部211は、導出した自己相関関数を波形特徴情報として、周期性判定部31に供給する。
図3は、健常者の呼吸音を示す図である。図5の(a)は、図3に示す呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部211が導出した自己相関関数を示す図である。図5の(b)は、他の呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部211が導出した自己相関関数の他の例を示す図である。なお、図5の(a)および(b)に示す例では、縦軸の自己相関は、最大振幅で規格化されている。
周期性判定部31は、図5の(a)に示す自己相関関数(波形特徴情報)が供給されると、当該自己相関関数が波形特徴判定基準に合致するか否かを判定する。
最初に、周期性判定部31は、自己相関関数に基づいて、音波形の周期性の強弱と、周期がある場合には、1周期の長さ(特徴量)とを判定する。
具体的には、周期性判定部31は、図5の(a)に示す自己相関関数から、約3秒間隔のピークを検出して、1周期が約3秒間の周期性を見出す。あるいは、周期性判定部31は、図5の(b)に示す自己相関関数から、約2秒間隔のピークを検出して、1周期が約2秒間の周期性を見出す。
ここで、周期性判定部31は、自己相関のピークとピーク以外の自己相関の比に応じて周期性の強さの度合いも判定してもよい(周期性が強いほど、ピークとそれ以外の比が大きくなる)。例えば、周期性判定部31は、自己相関関数における、包絡線のピーク振幅値の1/4における、当該ピーク幅(期間)が、呼吸周期の何%になるのかを判定してもよい。この値(特徴量)が小さいほど、周期性が強いことを意味する。
一方、図4は、肺炎患者の呼吸音を示す図である。図6は、図4に示す呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部211が導出した自己相関関数を示す図である。なお、図6に示す例では、縦軸の自己相関は、最大振幅で規格化されている。
図6に示す例では、吸気音と呼気音とは別に雑音が発生しているために自己相関性が低く、音波形に強い周期性が見出せない。よって、周期性判定部31は、このような自己相関関数が入力された場合には、その音波形の周期性が弱いと判定することができる。
以上のとおり、自己相関解析部211が出力した自己相関関数を用いることにより、周期性判定部31は、診断対象となっている生体音の音波形について、周期性の強弱、および、さらに詳細には、どの程度強いのか(弱いのか)を評価することが可能である。
次に、周期性判定部31は、記憶部13に記憶されている、波形特徴判定基準を読み出して、上記自己相関関数に適用する。そして、自己相関関数の特徴(ここでは、周期性の強弱、および、周期の長さ)が上記波形特徴判定基準に合致するのか否かを判定する。これにより、周期性判定部31は、当該自己相関関数を有する音波形の周期性に係る特徴を特定することが可能となる。
図7は、周期性判定部31が参照する波形特徴判定基準の一例と、周期性判定部31が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。
本実施形態では、周期性判定部31は、図7に示す波形特徴判定基準にしたがって、「判定項目1」または「判定項目1’」を実行し、波形特徴判定結果を出力することができる。そして、周期性判定部31は、それぞれの判定項目について、波形特徴判定結果として、真または偽の2値を出力する。
しかし、図7に示す内容は、周期性判定部31の機能を説明するための一例であって、周期性判定部31の構成を限定する意図はない。また、図7に示す、波形特徴判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、周期性判定部31は、波形特徴判定結果を真偽の2値ではなく、より詳細な内容を伴って出力することもできる。
(判定項目1:周期性が強いか否かを判定する)
周期性判定部31は、図7に示す「判定項目1」を実行することにより、生体音波形の周期性強弱を判定することができる。「判定項目1」では、周期性判定部31は、“周期性が強い”を真、“周期性が弱い”を偽で返す。
本実施形態では、まず、周期性判定部31は、「判定項目1」における「判定項目1−1」を実行する。すなわち、自己相関関数の波形が、2〜5秒の間隔でピークを持つか否かを判定する。周期性判定部31は、2〜5秒ごとにピークが検出されれば真、ピークが検出されなければ偽を返す。
次に、周期性判定部31は、「判定項目1−2」を実行する。すなわち、自己相関関数の包絡線における、ピーク振幅値(縦軸)の1/4の振幅値にて、当該ピークの幅(横軸;時間)が呼吸周期の10%以下であるか否かを判定する。周期性判定部31は、ピーク幅が10%以下である場合(周期性が強い場合)に真、ピーク幅が10%より大きい場合(周期性が弱い場合)に偽を返す。
例えば、自己相関関数の周期が5秒であり、自己相関関数の包絡線にみられる、複数のピーク振幅値が平均0.8であるとする。この場合、周期性判定部31は、振幅値0.2における各包絡線ピークの幅が平均して0.5秒以下であれば、「判定項目1−2」を真と判定する。
最後に、周期性判定部31は、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の結果を統合して、「判定項目1」の波形特徴判定結果を出力する。図7に示す例では、周期性判定部31は、「判定項目1−1」が真、かつ、「判定項目1−2」が真のとき、「判定項目1」を「真(すなわち、周期性が強い)」と判定する。一方、それ以外、つまり、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の少なくとも一方が偽のとき、「判定項目1」を「偽(すなわち、周期性が弱い)」と判定する。
(判定項目1’:周期性が弱いか否かを判定する)
周期性判定部31は、「判定項目1’」を実行するときも、上述の「判定項目1」と同様に、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」を実行する。ただし、「判定項目1’」では、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の結果を統合する方法が「判定項目1」と異なる。
図7に示す例では、周期性判定部31は、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の少なくとも一方が偽のとき、「判定項目1’」を「真(すなわち、周期性が弱い)」と判定する。一方、それ以外、つまり、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の両方が真のとき、「偽(周期性が強い)」と判定する。
周期性判定部31は、「判定項目1」または「判定項目1’」の真または偽の値を、波形特徴判定結果として、音種別判定部40に出力する。
(周波数成分分布に基づく特徴判定機能)
図9は、生体音取得部20によって取得される生体音情報の他の具体例を示す図である。
図8および図10は、フーリエ変換部212が出力するスペクトルの一具体例を示す図である。
生体音処理部21のフーリエ変換部212は、生体音取得部20が取得した生体音情報に含まれる音波形を解析して、スペクトルを導出するものである。
波形特徴判定部30のスペクトラム判定部32は、フーリエ変換部212によって出力されたスペクトルについて、波形特徴判定基準を適用し、該スペクトルの特徴(特に、周波数成分に関する特徴)を判定するものである。より具体的には、スペクトラム判定部32は、上記スペクトルに見られる周波数成分分布が、正常の傾向を示しているか否か、または、異常(雑音あり)の傾向を示しているか否かを判定する。
生体音は、直流(0Hz)に近い成分から1000Hz超の成分まで様々な周波数からなっている。そして、疾患の有無・疾患種別・疾患程度などによって、その周波数成分の情報は異なる。この周波数成分情報を扱うために、本実施形態では、フーリエ変換部212がフーリエ解析を行う。フーリエ変換部212は、音波形から導出したスペクトルを波形特徴情報として、スペクトラム判定部32に供給する。
図8は、図3に示す健常者の呼吸音をフーリエ変換部212がフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。
図9は、喘息患者の呼吸音を示す図である。
図10は、図8に示す喘息患者の呼吸音をフーリエ変換部212がフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。なお、図8および図10に示す例では、所定秒(例えば、20秒)間採取された生体音波形の音成分がフーリエ変換されたものである。
図8に示すとおり、例えば、健常者の呼吸音の場合、ほとんど(約80%以上)の信号成分は200Hz以下にあることが分かる。これに対し、喘息患者の呼吸音の場合、図10に示すとおり、300〜400Hzの帯域に多くの信号成分があることが分かる。これは、気道内にある狭窄部が気流を乱した結果、気道が高周波で振動している結果現れる症状である。以上のように、フーリエ変換部212によるフーリエ解析を用いることで、スペクトラム判定部32は、疾患(例えば、喘息の疑い)の有無を判定したり、雑音発生有無を判定したりすることが可能となる。
本実施形態では、スペクトラム判定部32は、記憶部13に記憶されている波形特徴判定基準を読み出して、上記スペクトラムに適用する。そして、当該スペクトラムが上記波形特徴判定基準に合致するのか否かを判定する。例えば、具体的には、スペクトラムから200Hz以下にある信号成分量が全信号成分量に対して占める割合などを特徴量として算出し、この特徴量を上記波形特徴判定基準に含まれた閾値と比較する。
これにより、スペクトラム判定部32は、当該スペクトラムを有する音波形の周波数成分に係る特徴を区分して特定することが可能となる。
図11は、スペクトラム判定部32が参照する波形特徴判定基準の一例と、スペクトラム判定部32が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。
本実施形態では、スペクトラム判定部32は、図11に示す波形特徴判定基準にしたがって、「判定項目2−A」または「判定項目2−B」のいずれかの判定を実行し、波形特徴判定結果を出力することができる。そして、スペクトラム判定部32は、それぞれの判定項目について、波形特徴判定結果として、真または偽の2値を出力する。
しかし、図11に示す内容は、スペクトラム判定部32の機能を説明するための一例であって、スペクトラム判定部32の構成を限定する意図はない。また、図11に示す、波形特徴判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、スペクトラム判定部32は、波形特徴判定結果を真偽の2値ではなく、より詳細な内容を伴って出力することもできる。
(判定項目2−A:周波数成分分布が正常傾向か否かを判定する)
スペクトラム判定部32は、図11に示す「判定項目2−A」を実行する。「判定項目2−A」では、スペクトラム判定部32は、スペクトラムにおいて、200Hz以下の周波数成分の和が、全成分の80%以上を占めるか否かを判定する。図8に示すとおり、200Hz以下の周波数成分の和が、全成分の80%以上を占める場合、スペクトラムは正常に近いと推定できる。「判定項目2−A」では、スペクトラム判定部32は、スペクトラムの200Hz以下の周波数成分の和が、全成分の80%以上を占める場合に真(正常に近い)、80%未満の場合に偽(正常ではない可能性がある)を、波形特徴判定結果として音種別判定部40に出力する。
(判定項目2−B:周波数成分分布が異常傾向か否かを判定する)
スペクトラム判定部32は、図11に示す「判定項目2−B」を実行する。「判定項目2−B」では、スペクトラム判定部32は、スペクトラムにおいて、200Hz以上の周波数成分の和が、全成分の30%以上を占めるか否かを判定する。図10に示すとおり、200Hz以上の周波数成分が多いと、それを異常の兆候と認めることができる。「判定項目2−B」では、スペクトラム判定部32は、スペクトラムの200Hz以上の周波数成分の和が、全成分の30%以上を占める場合に真(異常兆候あり)、30%未満の場合に偽(異常兆候なし)を、波形特徴判定結果として音種別判定部40に出力する。
(時間周波数成分に基づく特徴判定機能)
図12〜図15は、時間周波数解析部213が出力するスペクトログラムの一具体例を示す図である。
生体音処理部21の時間周波数解析部213は、生体音取得部20が取得した生体音情報に含まれる音波形を所定時間単位で解析して、スペクトログラムを導出するものである。
波形特徴判定部30のスペクトログラム判定部33は、時間周波数解析部213によって出力されたスペクトログラムについて、波形特徴判定基準を適用し、該スペクトログラムの特徴を判定するものである。具体的には、スペクトログラム判定部33は、周期性が認められる(あるいは認められない)周波数を特徴量として特定したり、周波数帯域別に周期性の強弱を判定したりするものである。
フーリエ変換部212が出力するスペクトラムは、縦軸に周波数成分量(強度)、横軸に周波数をとった2次元グラフである。スペクトラムからは、時間情報が欠けているため、周波数帯域ごとの周波数成分量について時間経過に伴う変化を観察することはできない。
これに対し、時間周波数解析部213が出力するスペクトログラムは、時間情報を加味した3次元グラフである。例えば、縦軸に周波数、横軸に時間をとった2次元のグラフに、周波数成分量を色で表現したものをプロットしてスペクトログラムが作成されてもよい。例えば、図12〜図15に示す例では、赤方向(凡例の最上段の色の方向)に色が近く、濃い点(領域)ほど成分量が多いことを表し、青方向(凡例の最下段の色の方向)に色が近く、濃い点(領域)ほど成分量が少ないことを表している。
時間周波数解析部213は、例えば、20秒間の音波形を所定秒(例えば、0.5秒)ごとに区切り、区切った0.5秒区間ごとにフーリエ変換をかけて、スペクトログラムを導出する。時間周波数解析部213は、音波形から導出したスペクトログラムを波形特徴情報として、スペクトログラム判定部33に供給する。
このようなスペクトログラムに基づけば、スペクトログラム判定部33は、時間の経過に伴う、周波数帯域ごとの成分量の変化を解析することができる。つまり、スペクトログラム判定部33は、周波数帯域ごとに周期性の有無(あるいは強弱)を判定することができる。
図12は、健常者の呼吸音を時間周波数解析部213が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。
図13は、呼吸音減弱が発生している呼吸音を時間周波数解析部213が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。
図14は、連続性雑音が発生している呼吸音を時間周波数解析部213が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。
図15は、断続性雑音が発生している呼吸音を時間周波数解析部213が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。
スペクトログラム判定部33は、図12のスペクトログラムを解析し、400Hz以上の帯域においても強い周期性が認められると認識する。つまり、スペクトログラム判定部33は、400Hz以上の帯域において、一定量以上の信号成分が発生しているタイミング(比較的色の濃い部分)が約3秒間隔で見られることを検知する。これにより、スペクトログラム判定部33は、図12のスペクトログラムが、「400Hz以上の帯域においても周期性が認められる」と判定することができる。
図13のスペクトログラムによれば、スペクトログラム判定部33は、該スペクトログラムが、「(400Hzでは周期性が認められない)200Hz以上300Hz未満の帯域においてようやく周期性が認められる(強まる)」と判定することができる。図12の正常呼吸音のスペクトログラムと比較して、図13に示す呼吸音減弱の異常兆候が見られるスペクトログラムにおいては、高周波域の信号成分が十分に観察されない。呼吸音減弱の異常兆候は、肺と胸壁との間に胸水が貯留している場合によく見られる。なぜなら、肺で正常に発生した呼吸音が聴診器に届くまでの間に、胸水が存在し、この胸水がいわばローパスフィルターの役目を果たして高周波成分をカットしてしまうからである。
なお、図14および図15のスペクトログラムによれば、いずれの周波数帯域においてもそもそも周期性が弱いあるいは認められない。スペクトログラム判定部33は、上記スペクトログラムを有する音波形の周期性に係る特徴を「周期性が弱い」と判定してもよい。ただし、周期性判定部31が、自己相関関数から周期性強弱を判断することが可能である。そのため、波形特徴判定部30が周期性判定部31を含む場合には、スペクトログラム判定部33は、必ずしも周期性強弱を判断しない。
本実施形態では、スペクトログラム判定部33は、記憶部13に記憶されている波形特徴判定基準を読み出して、上記スペクトログラムに適用する。そして、当該スペクトログラムが上記波形特徴判定基準に合致するのか否かを判定する。これにより、スペクトログラム判定部33は、当該スペクトログラムを有する音波形の時間周波数成分に係る特徴を特定することが可能となる。
図16は、スペクトログラム判定部33が参照する波形特徴判定基準の一例と、スペクトログラム判定部33が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。
本実施形態では、スペクトログラム判定部33は、図16に示す波形特徴判定基準にしたがって、「判定項目3−A」または「判定項目3−B」のいずれかの判定を実行し、波形特徴判定結果を出力することができる。そして、スペクトログラム判定部33は、それぞれの判定項目について、波形特徴判定結果として、真または偽の2値を出力する。
しかし、図16に示す内容は、スペクトログラム判定部33の機能を説明するための一例であって、スペクトログラム判定部33の構成を限定する意図はない。また、図16に示す、波形特徴判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、スペクトログラム判定部33は、波形特徴判定結果を真偽の2値ではなく、より詳細な内容を伴って出力することもできる。
(判定項目3−A:高周波数帯域において周期性が認められるか否かを判定する)
スペクトログラム判定部33は、図16に示す「判定項目3−A」を実行する。「判定項目3−A」では、スペクトログラム判定部33は、スペクトログラムの周波数400Hz(もしくはそれ以上)において、一定量以上の周波数成分(濃い部分)の周期性が認められるか否かを判定する。スペクトログラム判定部33は、400Hz以上の帯域で周期性が認められる場合に、「判定項目3−A」を真と判定し、周期性が認められない場合に偽を、波形特徴判定結果をとして音種別判定部40に出力する。
音種別判定部40は、波形特徴判定結果に基づいて、図12に示すとおり、400Hz以上の帯域で強い周期性が見られた(真の)場合には、正常に近いと判定することができる。一方、図13〜15に示すとおり、400Hz以上の帯域で周期性が弱いまたは認められない(偽の)場合には、異常(特に、呼吸音減弱、雑音など)の可能性があると判定することができる。
(判定項目3−B:低周波数帯域において認められた周期性が高周波数帯域において弱まるか否かを判定する)
スペクトログラム判定部33は、図16に示す「判定項目3−B」を実行する。「判定項目3−B」では、スペクトログラム判定部33は、スペクトログラムを、高周波帯域(スキャン開始点は、500〜400Hzくらいでよい)から低周波帯域へと移行するようにスキャンして、周期性が認められなくなった(または、弱まった)ときの周波数を特定する。そして、スペクトログラム判定部33は、周期性が認められるときの周波数が400Hz未満であれば、「判定項目3−B」を真、400Hz以上であれば偽と判定する。
ここで、偽、すなわち、400Hz以上で強い周期性が見られるということは、高周波数帯域において周期性が認められるということである。そのため、音種別判定部40は、「判定項目3−B」について偽の判定結果が出力された場合、生体音波形が呼吸音減弱である可能性は低いと判定することができる。一方、真、すなわち、強い周期性が見られるようになったときの周波数が400Hz未満であれば、低周波数帯域において見られた強い周期性が高周波数帯域において弱まる(あるいは認められなくなる)ということである。そのため、音種別判定部40は、「判定項目3−B」について真の判定結果が出力された場合、生体音波形が呼吸音減弱である可能性は高いと判定することができる。
なお、スペクトログラム判定部33は、スペクトログラムを低周波帯域(0Hz)から高周波帯域へと移行するようにスキャンする場合には、周期性が弱まって見られなくなったときの周波数を特定すればよい。そして、スペクトログラム判定部33は、周期性が弱まって見られなくなったときの周波数が400Hz未満であれば、「判定項目3−B」を真、400Hz以上であれば偽と判定する。
音種別判定部40は、波形特徴判定結果に基づいて、図13に示すとおり、周期性が弱まって見られなくなるのが400Hz未満であれば(「判定項目3−B」が真であれば)、周期性は強いが、減弱である可能性が高いと判定することができる。一方、図12に示すとおり、周期性が弱まって見られなくなるのが400Hz以上(例えば、900Hzなど)であれば、つまり、「判定項目3−B」が偽であれば、減弱である可能性は低く、正常と判定することができる。
なお、上述の例では、時間周波数解析部213は、固定の時間解像度、つまり、固定の秒数(0.5秒など)の区間ごとにフーリエ変換を行う構成であったが、時間周波数解析部213の構成はこれに限定されない。時間周波数解析部213は、ウェーブレット変換を行って、時間周波数成分分布を導出してもよい。ウェーブレット変換では、低周波に対する時間解像度と、高周波に対する時間解像度とを異ならせることができ、より詳細な時間周波数成分分布を得ることが可能である。
(包絡線に基づく特徴判定機能)
図17は、包絡線検波部214が出力する、生体音波形の包絡線の一具体例を示す図である。なお、図17に示す生体音波形は、図9に示す生体音情報の音波形の一部を拡大したものである。
生体音処理部21の包絡線検波部214は、生体音取得部20が取得した生体音情報に含まれる音波形の包絡線を検波して、出力するものである。
波形特徴判定部30の包絡線判定部34は、包絡線検波部214によって出力された音波形の包絡線を分析して、波形特徴判定基準を適用し、該包絡線に基づく音波形の特徴を判定するものである。
生体音情報に、生体音波形に200ms以上の連続的な雑音が存在すれば、喘息である可能性が高いと判断できる。なお、「連続性雑音」の発生機序について、先に説明したとおり、「連続性雑音」に相関する疾患には、喘息に限らず、閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)、ならびに、気管・気管支狭窄などの疾患も含まれる。以下では、説明を簡略化するために、一例として、喘息のみを記載していることを理解されたい。
これは、連続的な雑音が、喘息によって分泌物が貯留している気道を気流が通過するときに、乱流が連続的に生じることに起因して発生すると考えられているからである。
ここで、生体音波形を図17に示すとおり、6.6秒〜7秒の間で拡大して観察すると、通信技術におけるAM変調またはFM変調と同じように、生体音情報は、高周波信号として採取されることが分かる。このような場合には、200ms以上の連続的な雑音が存在するか否かを判断するためには、包絡線検波と呼ばれる技術を活用することが望ましい。包絡線検波部214が実行する包絡線検波とは、AM変調された信号の復調に使われている技術であり、高周波信号の包絡線を取り出す技術である。包絡線検波部214は、高周波信号である生体音波形から包絡線を検波して、これを包絡線判定部34に出力する。
包絡線判定部34は、包絡線検波部214によって検波された包絡線の波形を解析して、包絡線に基づいて音波形の特徴(例えば、連続する雑音の長さなど)を特徴量として特定することが可能となる。
図18は、包絡線判定部34が参照する波形特徴判定基準の一例と、包絡線判定部34が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。
図19の(a)は、連続性の高い包絡線の一具体例を示す図であり、図19の(b)は、連続性の低い包絡線の一具体例を示す図である。
本実施形態では、包絡線判定部34は、図18に示す波形特徴判定基準にしたがって、「判定項目4」を実行し、波形特徴判定結果を出力することができる。そして、包絡線判定部34は、上記判定項目について、波形特徴判定結果として、真または偽の2値を出力する。
しかし、図18に示す内容は、包絡線判定部34の機能を説明するための一例であって、包絡線判定部34の構成を限定する意図はない。また、図18に示す、波形特徴判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、包絡線判定部34は、波形特徴判定結果を真偽の2値ではなく、より詳細な内容を伴って出力することもできる。
(判定項目4:雑音の連続性が認められるか否か判定する)
包絡線判定部34は、図18に示す「判定項目4」を実行する。「判定項目4」では、包絡線判定部34は、音波形の包絡線について、音の連続性が認められるか否か判定する。
包絡線判定部34は、まず、「判定項目4−1」を実行する。「判定項目4−1」では、包絡線判定部34は、音波形の包絡線の振幅平均値を超える、連続する時間が200ms以上あるか否かを判定する。
例えば、図19の(a)に示す包絡線を例に挙げて説明する。上記包絡線の振幅平均値が、一点鎖線Avr1で示されている。この場合、包絡線判定部34は、振幅平均値Avr1を超える区間をZ1と特定する。区間Z1は、200ms以上続いている。よって、図19の(a)に示す包絡線について「判定項目4−1」を実行すると、包絡線判定部34は、「真(200ms以上ある)」を波形特徴判定結果として出力する。
次に、図19の(b)に示す包絡線を例に挙げて説明する。上記包絡線の振幅平均値が、一点鎖線Avr2で示されている。この場合、包絡線判定部34は、振幅平均値Avr2を超える区間をZ2、Z3およびZ4と特定する。区間Z2、Z3およびZ4は、いずれも200ms以上続かない。よって、図19の(b)に示す包絡線について「判定項目4」を実行すると、包絡線判定部34は、「偽(200ms以上ない)」を波形特徴判定結果として出力する。
次に、包絡線判定部34は、「判定項目4−2」を実行する。「判定項目4−2」では、包絡線判定部34は、呼吸1周期分(約2〜5秒間)の音波形において、該音波形の包絡線の振幅平均値を超える時間の合計が200ms以上であるか否かを判定する。例えば、包絡線判定部34は、呼吸1周期分の包絡線のうち、振幅平均値Avr2を超える区間の時間を合計する。図19の(b)に示す例では、包絡線判定部34は、区間Z2、Z3、Z4、および、次の区間・・・の時間を合計する。包絡線判定部34は、「判定項目4−2」にしたがえば、この合計時間が200ms以上であれば、「判定項目4−1」とは異なり、「真」を返す。
そして、包絡線判定部34は、「判定項目4−2」の波形特徴判定結果として、「真(200ms以上)」または「偽(200ms未満)」を出力する。
最後に、包絡線判定部34は、「判定項目4−1」および「判定項目4−2」の両方を総合して、「判定項目4」についての波形特徴判定結果を出力する。例えば、包絡線判定部34は、「判定項目4−1」および「判定項目4−2」の少なくともいずれか一方が「真」の場合に、包絡線に基づく「判定項目4」の波形特徴判定結果を「真;音の連続性が認められる」と出力してもよい。また、包絡線判定部34は、「判定項目4−1」および「判定項目4−2」の両方が「偽」の場合に、包絡線に基づく「判定項目4」の波形特徴判定結果を「偽;音の連続性が認められない」と出力してもよい。
音種別判定部40は、波形特徴判定結果に基づいて、「判定項目4」が「真」の場合には、雑音の連続性が高い、すなわち、連続性雑音である可能性がある、と判定することができる。一方、「偽」の場合には、雑音の連続性が低い、すなわち、連続性雑音でない可能性があると判定することができる。このように、包絡線判定部34が、「判定項目4−1」および「判定項目4−2」を両方統合して波形特徴判定結果を出力することにより、音種別判定部40は、より精度良く、音の連続性について種別の判定を実行することができる。
(インパルスノイズに基づく特徴判定機能)
図20は、インパルスノイズ検出部215が出力する、生体音波形においてインパルスノイズが特定されたインパルスノイズ検出結果の一具体例を示す図である。
生体音処理部21のインパルスノイズ検出部215は、生体音取得部20が取得した生体音情報の音波形に含まれるインパルスノイズを検出するものである。インパルスノイズ検出部215は、インパルスノイズを検出した結果を示すインパルスノイズ検出結果を、インパルスノイズ判定部35に供給する。
波形特徴判定部30のインパルスノイズ判定部35は、インパルスノイズ検出部215から供給されたインパルスノイズ検出結果に対して波形特徴判定基準を適用し、インパルスノイズの個数(特徴量)に基づく音波形の特徴を判定するものである。
上記インパルスノイズ検出結果は、図20に示すとおり、生体音波形におけるインパルスノイズが強調されてインパルスノイズ判定部35が認識できるようなデータ構造であってもよいし、単に、生体音波形に何個のインパルスノイズが検出されたのかを示す情報であってもよい。
インパルスノイズとは、瞬間的に発生する破裂音のことである。この破裂音は、液体膜が気道を閉鎖している場合に、気流が通過するとき、液体膜が破裂することに起因して発生する。よって、インパルスノイズが多数検出されるような呼吸音を発する患者は、液体膜によって気道が閉鎖される疾患(肺炎、喀痰貯留など)に罹っていると考えられる。
図21は、インパルスノイズ判定部35が参照する波形特徴判定基準の一例と、インパルスノイズ判定部35が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。
本実施形態では、インパルスノイズ判定部35は、図21に示す波形特徴判定基準にしたがって、「判定項目5」を実行し、波形特徴判定結果を出力することができる。そして、インパルスノイズ判定部35は、上記判定項目について、波形特徴判定結果として、真または偽の2値を出力する。
しかし、図21に示す内容は、インパルスノイズ判定部35の機能を説明するための一例であって、インパルスノイズ判定部35の構成を限定する意図はない。また、図21に示す、波形特徴判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、インパルスノイズ判定部35は、波形特徴判定結果を真偽の2値ではなく、より詳細な内容を伴って出力することもできる。
(判定項目5:雑音の断続性が認められるか否か判定する)
インパルスノイズ判定部35は、図21に示す「判定項目5」を実行する。「判定項目5」では、インパルスノイズ判定部35は、音波形に含まれるインパルスノイズの数が、1周期あたりに10個以上存在したか否かを判定する。
なお、インパルスノイズ判定部35は、生体音波形の全秒数あたりのインパルスノイズ数に基づいて、5秒間のインパルスノイズ数を1周期あたりのインパルスノイズ数として算出してもよい。上記構成によれば、周期性が弱い音波形についても1周期あたりのインパルスノイズ数を特定することができる。例えば、20秒間の生体音波形において強い周期性が見出されなかった場合、インパルスノイズ判定部35は、インパルスノイズ検出部215から、上記生体音波形に含まれた全インパルスノイズ数を取得する。例えば、全インパルスノイズ数が32個である場合、インパルスノイズ判定部35は、32個÷(20秒÷5秒)=8個を、1周期あたりのインパルスノイズ数として特定してもよい。
インパルスノイズ判定部35は、1周期あたりのインパルスノイズ数が10個以上ある場合に真、10個未満である場合に偽を、波形特徴判定結果として、音種別判定部40に対して出力する。
音種別判定部40は、波形特徴判定結果に基づいて、「判定項目5」が「真」の場合には、雑音の断続性が高いと判定することができる。一方、「偽」の場合には、雑音の断続性が低いと判定することができる。
次に、音種別判定部40の各部について詳細に説明する。
(正常呼吸音判定機能)
図22は、波形特徴判定部30によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部40の正常呼吸音判定部41が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。
音種別判定部40の正常呼吸音判定部41は、生体音取得部20によって取得された生体音情報に含まれる生体音が、「正常呼吸音」に分類されるのか否かを判定するものである。より詳細には、本実施形態では、正常呼吸音判定部41は、生体音が「真:正常呼吸音である可能性がある」または「偽:正常呼吸音でない可能性がある」を表す2値の情報を音種別判定結果として出力する。出力された音種別判定結果は、結果出力部23に供給される。
図22に示すとおり、正常呼吸音判定部41は、真偽を判定するために、「判定項目1」、「判定項目2−A」および「判定項目3−A」の波形特徴判定結果を波形特徴判定部30から取得する。
より詳細には、正常呼吸音判定部41は、周期性の強弱を表す「判定項目1」の波形特徴判定結果を周期性判定部31から取得する。正常呼吸音判定部41は、周波数成分分布の正常性を表す「判定項目2−A」の波形特徴判定結果をスペクトラム判定部32から取得する。さらに、正常呼吸音判定部41は、高周波数帯域における周期性の有無(または強弱)を表す「判定項目3−A」の波形特徴判定結果をスペクトログラム判定部33から取得する。
以上の3つの判定項目について真偽を取得すると、真偽のパターンは、図22に示すとおり、パターン(ア)〜(ク)の8通りとなる。正常呼吸音判定部41は、8つのパターンごとに、正常呼吸音についての真偽を判定する。
本実施形態では、正常呼吸音判定部41は、図22に示すとおり、すべての判定項目が真である、パターン(ア)の場合のみ、「真:正常呼吸音である可能性がある」と判定する。3つの判定項目のうちの1つでも偽があれば、「偽:正常呼吸音でない可能性がある」と判定する。
すでに説明したとおり、「判定項目1」が「真」の生体音(呼吸器系音)は、“周期性が強い”と考えられ、「判定項目2−A」が「真」の生体音は、“周波数成分分布が正常に近い”と考えられ、「判定項目3−A」が「真」の生体音は、“高周波数帯域において周期性が認められる(または強い)”と考えられる。よって、本実施形態では、正常呼吸音判定部41は、これらがすべて真である生体音は、「真:正常呼吸音である可能性がある」と結論付ける。反対に、「判定項目1」が「偽」の生体音は、“周期性が弱い”と考えられ、「判定項目2−A」が「偽」の生体音は、“周波数成分分布が正常ではない”と考えられ、「判定項目3−A」が「偽」の生体音は、“高周波数帯域において周期性が認められない(または弱い)”と考えられる。よって、本実施形態では、正常呼吸音判定部41は、これらの判定項目のいずれか一つでも偽である生体音は、何らかの異常が認められる可能性があるので、「偽:正常呼吸音でない可能性がある」と結論付ける。
正常呼吸音判定部41が出力した音種別判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29に示すとおり、正常呼吸音判定部41が、真を出力した場合には、結果出力部23は、「正常呼吸音である可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。一方、正常呼吸音判定部41が、偽を出力した場合には、結果出力部23は、「正常呼吸音でない可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。
(呼吸音減弱判定機能)
図23は、波形特徴判定部30によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部40の呼吸音減弱判定部42が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。
音種別判定部40の呼吸音減弱判定部42は、生体音取得部20によって取得された生体音情報に含まれる生体音が、「呼吸音減弱」に分類されるのか否かを判定するものである。より詳細には、本実施形態では、呼吸音減弱判定部42は、生体音が「真:呼吸音減弱である可能性がある」または「偽:呼吸音減弱でない可能性がある」を表す2値の情報を音種別判定結果として出力する。出力された音種別判定結果は、結果出力部23に供給される。
図23に示すとおり、呼吸音減弱判定部42は、真偽を判定するために、「判定項目1」、「判定項目2−A」および「判定項目3−B」の波形特徴判定結果を波形特徴判定部30から取得する。
より詳細には、呼吸音減弱判定部42は、周期性の強弱を表す「判定項目1」の波形特徴判定結果を周期性判定部31から取得する。呼吸音減弱判定部42は、周波数成分分布の正常性を表す「判定項目2−A」の波形特徴判定結果をスペクトラム判定部32から取得する。さらに、呼吸音減弱判定部42は、低周波数帯域において見られた強い周期性が高周波数帯域において弱まるか否かを表す「判定項目3−B」の波形特徴判定結果をスペクトログラム判定部33から取得する。
以上の3つの判定項目について真偽を取得すると、真偽のパターンは、図23に示すとおり、パターン(ア)〜(ク)の8通りとなる。呼吸音減弱判定部42は、8つのパターンごとに、呼吸音減弱についての真偽を判定する。
本実施形態では、呼吸音減弱判定部42は、図23に示すとおり、すべての判定項目が真である、パターン(ア)の場合のみ、「真:呼吸音減弱である可能性がある」と判定する。3つの判定項目のうちの1つでも偽があれば、「偽:呼吸音減弱でない可能性がある」と判定する。ここで、“呼吸音減弱でない”とは、呼吸音が正常であることを示唆する場合もあるし、呼吸音減弱以外の異常があることを示唆する場合もある。
すでに説明したとおり、「判定項目1」が「真」の生体音(呼吸器系音)は、“周期性が強い”と考えられ、「判定項目2−A」が「真」の生体音は、“周波数成分分布が正常に近い”と考えられ、「判定項目3−B」が「真」の生体音は、“低周波数帯域においては周期性が認められるのに、高周波数帯域において周期性が見られなくなっている(弱くなっている)”と考えられる。低周波数帯域においては周期性が認められるのに、高周波数帯域において周期性が認められなくなる(弱くなる)という特徴は、呼吸音減弱の典型的な兆候である。よって、本実施形態では、呼吸音減弱判定部42は、これらがすべて真である生体音は、「真:呼吸音減弱である可能性がある」と結論付ける。
反対に、「判定項目1」が「偽」の生体音は、“周期性が弱い”と考えられ、「判定項目2−A」が「偽」の生体音は、“周波数成分分布が正常ではない”と考えられ、「判定項目3−B」が「偽」の生体音は、“高周波数帯域においても周期性が見られる(強い)”と考えられる。よって、本実施形態では、呼吸音減弱判定部42は、これらの判定項目のいずれか一つでも偽である生体音は、呼吸音減弱の兆候とは異なる特徴が認められるので、「偽:呼吸音減弱でない可能性がある」と結論付ける。なお、呼吸音減弱の兆候とは異なる特徴が認められる原因は、呼吸音がそもそも正常であるか、呼吸音減弱以外の異常があるかのいずれかと考えられる。
呼吸音減弱判定部42が出力した音種別判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29に示すとおり、呼吸音減弱判定部42が、真を出力した場合には、結果出力部23は、「呼吸音減弱である可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。一方、呼吸音減弱判定部42が、偽を出力した場合には、結果出力部23は、「呼吸音減弱でない可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。
(連続性雑音判定機能)
図24は、波形特徴判定部30によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部40の連続性雑音判定部43が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。
音種別判定部40の連続性雑音判定部43は、生体音取得部20によって取得された生体音情報に含まれる生体音が、「連続性雑音」に分類されるのか否かを判定するものである。より詳細には、本実施形態では、連続性雑音判定部43は、生体音が「真:連続性雑音である可能性がある」または「偽:連続性雑音でない可能性がある」を表す2値の情報を音種別判定結果として出力する。出力された音種別判定結果は、結果出力部23に供給される。
図24に示すとおり、連続性雑音判定部43は、真偽を判定するために、「判定項目1’」、「判定項目2−B」および「判定項目4」の波形特徴判定結果を波形特徴判定部30から取得する。
より詳細には、連続性雑音判定部43は、周期性が弱いか否かを表す「判定項目1’」の波形特徴判定結果を周期性判定部31から取得する。連続性雑音判定部43は、周波数成分分布の異常性を表す「判定項目2−B」の波形特徴判定結果をスペクトラム判定部32から取得する。さらに、連続性雑音判定部43は、雑音の連続性が認められるか否かを表す「判定項目4」の波形特徴判定結果を包絡線判定部34から取得する。
以上の3つの判定項目について真偽を取得すると、真偽のパターンは、図24に示すとおり、パターン(ア)〜(ク)の8通りとなる。連続性雑音判定部43は、8つのパターンごとに、連続性雑音についての真偽を判定する。
本実施形態では、連続性雑音判定部43は、図24に示すとおり、すべての判定項目が真である、パターン(ア)の場合のみ、「真:連続性雑音である可能性がある」と判定する。3つの判定項目のうちの1つでも偽があれば、「偽:連続性雑音でない可能性がある」と判定する。ここで、“連続性雑音でない”とは、呼吸音が正常であることを示唆する場合もあるし、連続性雑音以外の異常があることを示唆する場合もある。
すでに説明したとおり、「判定項目1’」が「真」の生体音(呼吸器系音)は、“周期性が弱い”と考えられ、「判定項目2−B」が「真」の生体音は、“周波数成分分布が異常に近い”と考えられ、「判定項目4」が「真」の生体音は、“雑音に連続性がある”と考えられる。雑音に連続性があるという特徴は、連続性雑音の典型的な兆候である。よって、本実施形態では、連続性雑音判定部43は、これらがすべて真である生体音は、「真:連続性雑音である可能性がある」と結論付ける。
反対に、「判定項目1’」が「偽」の生体音は、“周期性が強い”と考えられ、「判定項目2−B」が「偽」の生体音は、“周波数成分分布が異常ではない”と考えられ、「判定項目4」が「偽」の生体音は、“雑音に連続性が認められない”と考えられる。よって、本実施形態では、連続性雑音判定部43は、これらの判定項目のいずれか一つでも偽である生体音は、連続性雑音の兆候とは異なる特徴が認められるので、「偽:連続性雑音でない可能性がある」と結論付ける。なお、連続性雑音の兆候とは異なる特徴が認められる原因は、呼吸音がそもそも正常であるか、連続性雑音以外の異常があるかのいずれかと考えられる。
連続性雑音判定部43が出力した音種別判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29に示すとおり、連続性雑音判定部43が、真を出力した場合には、結果出力部23は、「連続性雑音である可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。一方、連続性雑音判定部43が、偽を出力した場合には、結果出力部23は、「連続性雑音でない可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。
(断続性雑音判定機能)
図25は、波形特徴判定部30によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部40の断続性雑音判定部44が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。
音種別判定部40の断続性雑音判定部44は、生体音取得部20によって取得された生体音情報に含まれる生体音が、「断続性雑音」に分類されるのか否かを判定するものである。より詳細には、本実施形態では、断続性雑音判定部44は、生体音が「真:断続性雑音である可能性がある」または「偽:断続性雑音でない可能性がある」を表す2値の情報を音種別判定結果として出力する。出力された音種別判定結果は、結果出力部23に供給される。
図25に示すとおり、断続性雑音判定部44は、真偽を判定するために、「判定項目1’」、「判定項目2−B」および「判定項目5」の波形特徴判定結果を波形特徴判定部30から取得する。
より詳細には、断続性雑音判定部44は、周期性が弱いか否かを表す「判定項目1’」の波形特徴判定結果を周期性判定部31から取得する。断続性雑音判定部44は、周波数成分分布の異常性を表す「判定項目2−B」の波形特徴判定結果をスペクトラム判定部32から取得する。さらに、断続性雑音判定部44は、断続的な雑音が認められるか否かを表す「判定項目5」の波形特徴判定結果をインパルスノイズ判定部35から取得する。
以上の3つの判定項目について真偽を取得すると、真偽のパターンは、図25に示すとおり、パターン(ア)〜(ク)の8通りとなる。断続性雑音判定部44は、8つのパターンごとに、断続性雑音についての真偽を判定する。
本実施形態では、断続性雑音判定部44は、図25に示すとおり、すべての判定項目が真である、パターン(ア)の場合のみ、「真:断続性雑音である可能性がある」と判定する。3つの判定項目のうちの1つでも偽があれば、「偽:断続性雑音でない可能性がある」と判定する。ここで、“断続性雑音でない”とは、呼吸音が正常であることを示唆する場合もあるし、断続性雑音以外の異常があることを示唆する場合もある。
すでに説明したとおり、「判定項目1’」が「真」の生体音(呼吸器系音)は、“周期性が弱い”と考えられ、「判定項目2−B」が「真」の生体音は、“周波数成分分布が異常に近い”と考えられ、「判定項目5」が「真」の生体音は、“断続的な雑音が多く認められる”と考えられる。断続的な雑音(インパルスノイズ)が多く認められるという特徴は、断続性雑音の典型的な兆候である。よって、本実施形態では、断続性雑音判定部44は、これらがすべて真である生体音は、「真:断続性雑音である可能性がある」と結論付ける。
反対に、「判定項目1’」が「偽」の生体音は、“周期性が強い”と考えられ、「判定項目2−B」が「偽」の生体音は、“周波数成分分布が異常ではない”と考えられ、「判定項目5」が「偽」の生体音は、“インパルスノイズが多数認められない”と考えられる。よって、本実施形態では、断続性雑音判定部44は、これらの判定項目のいずれか一つでも偽である生体音は、断続性雑音の兆候とは異なる特徴が認められるので、「偽:断続性雑音でない可能性がある」と結論付ける。なお、断続性雑音の兆候とは異なる特徴が認められる原因は、呼吸音がそもそも正常であるか、断続性雑音以外の異常があるかのいずれかと考えられる。
断続性雑音判定部44が出力した音種別判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29に示すとおり、断続性雑音判定部44が、真を出力した場合には、結果出力部23は、「断続性雑音である可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。一方、断続性雑音判定部44が、偽を出力した場合には、結果出力部23は、「断続性雑音でない可能性があります。」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。
本実施形態では、図29では、結果出力部23が、音種別判定部40の各部の音種別判定結果をすべて表示する場合を例に挙げて説明したが、本発明の情報解析装置100の構成はこれに限定されない。例えば、正常呼吸音判定部41によって呼吸音が正常であると分類された場合であって、結果出力部23は、その他の異常音の判定結果がすべて偽(異常音でない)場合には、残りの音種別判定部40の各部の音種別判定結果を割愛して解析結果を表示してもよい。
反対に、正常呼吸音判定部41以外の、複数の異常音判定部(呼吸音減弱判定部42、連続性雑音判定部43、および、断続性雑音判定部44)が、呼吸音を異常と判定する場合が想定される。この場合には、結果出力部23は、正常呼吸音判定部41が呼吸音を正常と判定したか否かに拘らず、それぞれの異常音のときのメッセージ「○○音である可能性があります。」に加えて、「複数の疾患を併発している可能性があります。」という複数の異常用のメッセージを別途表示してもよい。例えば、「呼吸音減弱」であって、かつ、「連続性雑音」である場合には、結果出力部23は、「呼吸音減弱である可能性があります。」というメッセージと、「連続性雑音である可能性があります。」というメッセージとの両方を同時に表示するとともに、さらに、「複数の疾患を併発している可能性があります。」というメッセージを表示することができる。
(異常出現回数判定機能)
また、図29に示すとおり、音種別判定部40の各部は、生体音情報に含まれるすべての音波形の中から、その種別の異常が認められた頻度をカウントして、結果出力部23に出力する構成であってもよい。例えば、連続性雑音判定部43は、40秒間(呼吸の約10周期分)の生体音波形を解析し、図24に示す、判定パターン(ア)に合致する波形がいくつ検出されたのかをカウントすることができる。そして、連続性雑音判定部43は、10周期のうち、連続性雑音が検出された回数を、音種別判定結果とともに、結果出力部23に供給することができる。
次に、異常レベル判定部50の各部について詳細に説明する。本発明の情報解析装置100は、異常レベル判定部50を必ずしも備えていない。しかし、音種別判定部40が生体音を異常な音種別に分類した場合には、その異常の程度(レベル)を判定するための異常レベル判定部50を備えていることが好ましい。
(減弱レベル判定機能)
減弱レベル判定部51は、呼吸音減弱判定部42によって、生体音が「真:呼吸音減弱である可能性がある」と判定された場合に、当該生体音の音波形の減弱のレベルを判定するものである。
図26は、減弱レベル判定部51が参照する減弱レベル判定基準の一例と、減弱レベル判定部51が出力する減弱レベル判定結果の一例とを示す図である。
呼吸音減弱判定部42が「生体音は呼吸音減弱である可能性がある」と判定した場合に、減弱レベル判定部51は、減弱レベル判定を実行する。具体的には、減弱レベル判定部51は、記憶部13に記憶されている、図26に示す減弱レベル判定基準を読み出す。そして、読み出した基準を、時間周波数解析部213から出力された上記生体音のスペクトログラムに適用する。そして、上記音波形が、どの基準に合致するのかに応じて、上記生体音の減弱のレベルを判定する。本実施形態では、一例として、減弱レベル判定部51は、減弱レベル判定結果を、「低」、「中」および「高」の3段階で出力する。
「低」は、減弱の程度が比較的軽い生体音であることを意味し、「高」は、減弱の程度が比較的重い生体音であることを意味し、「中」はその間であることを意味する。高周波帯域の成分がより広い範囲でカットされているほど、減弱の程度は重いと考えることができる。
なお、図26に示す内容は、減弱レベル判定部51の機能を説明するための一例であって、減弱レベル判定部51の構成を限定する意図はない。また、図26に示す、減弱レベル判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、減弱レベル判定部51は、レベル判定結果を、低、中、高の3値ではなく、より詳細に多段階の数値を伴って出力することもできるし、単純に、低(軽症)、高(重症)の2値を出力することもできる。
図26に示すとおり、減弱レベル判定部51は、まず、スペクトログラムにおいて、周期性が認められる(強い)周波数帯域と、周期性が認められない(弱い)周波数帯域との境界の周波数を特定する。減弱レベル判定部51は、スペクトログラム判定部33と同様に、スペクトログラムをスキャンして上記境界を検出してもよいし、スペクトログラム判定部33がすでに上記境界を特定している場合には、その境界の周波数の値をスペクトログラム判定部33から取得してもよい。例えば、図13に示す例では、減弱レベル判定部51は、境界の周波数を、約330Hzであると特定する。
次に、減弱レベル判定部51は、図26に示す減弱レベル判定基準を読み出し、上記境界を持つスペクトログラムがいずれの基準に合致するのかを判定する。図13および図26に示す例にしたがえば、減弱レベル判定部51は、境界(強い周期性が認められた状態から、見られなくなった(周期性が弱まった)ときの周波数)は、300Hz以上400Hz以下の帯域であると判定する。
最後に、減弱レベル判定部51は、その判定結果に該当する減弱レベル「低」を減弱レベル判定結果として、結果出力部23に出力する。
減弱レベル判定部51が出力した減弱レベル判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29のレベル判定結果を表示する領域に、「・減弱レベル: 低」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。すなわち、生体音が正常な音か、異常な音かの結果を提示するだけでなく、異常な音である場合には、その異常の程度(異常レベル)を利用者に分かりやすく提示することが可能となる。
(連続性レベル判定機能)
連続性レベル判定部52は、連続性雑音判定部43によって、生体音が「真:連続性雑音である可能性がある」と判定された場合に、当該生体音の音波形の連続性のレベルを判定するものである。
図27は、連続性レベル判定部52が参照する連続性レベル判定基準の一例と、連続性レベル判定部52が出力する連続性レベル判定結果の一例とを示す図である。
連続性雑音判定部43が「生体音は連続性雑音である可能性がある」と判定した場合に、連続性レベル判定部52は、連続性レベル判定を実行する。具体的には、連続性レベル判定部52は、記憶部13に記憶されている、図27に示す連続性レベル判定基準を読み出す。そして、読み出した基準を、包絡線検波部214から出力された上記生体音の包絡線に適用する。そして、上記音波形が、どの基準に合致するのかに応じて、上記生体音の連続性のレベルを判定する。本実施形態では、一例として、連続性レベル判定部52は、連続性レベル判定結果を、「低」、「中」および「高」の3段階で出力する。
「低」は、連続性の程度が比較的軽い生体音であることを意味し、「高」は、連続性の程度が比較的重い生体音であることを意味し、「中」はその間であることを意味する。包絡線において振幅値が大きい波形が長く継続しているほど、連続性の程度は重いと考えることができる。
なお、図27に示す内容は、連続性レベル判定部52の機能を説明するための一例であって、連続性レベル判定部52の構成を限定する意図はない。また、図27に示す、連続性レベル判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、連続性レベル判定部52は、レベル判定結果を、低、中、高の3値ではなく、より詳細に多段階の数値を伴って出力することもできるし、単純に、低(軽症)、高(重症)の2値を出力することもできる。
図27に示すとおり、連続性レベル判定部52は、まず、検波された包絡線において、振幅平均値を超える、連続する区間(時間)が、どのくらいの長さかを特定する。連続性レベル判定部52は、包絡線判定部34と同様に、包絡線の振幅平均値を超える区間Zを特定するとともに、その区間Zの時間の長さを特定してもよい。あるいは、包絡線判定部34がすでに上記区間の時間の長さを特定している場合には、それを包絡線判定部34から取得してもよい。例えば、図19の(a)に示す例では、区間Z1の時間の長さを250msと特定する。また、例えば、図19の(b)に示す例のように、振幅平均値Avrを超える区間が、複数ある場合には、連続性レベル判定部52は、各区間2〜4の平均の時間の長さを1つ特定してもよい。あるいは、各区間2〜4の中で一番長い時間を1つ特定してもよい。
次に、連続性レベル判定部52は、図27に示す連続性レベル判定基準を読み出し、特定した上記時間の長さがいずれの基準に合致するのかを判定する。図19の(a)および図27に示す例にしたがえば、連続性レベル判定部52は、先ほど特定した時間の長さは、250msであるので、200ms以上600ms未満に該当すると判定する。
最後に、連続性レベル判定部52は、その判定結果に該当する連続性レベル「低」を連続性レベル判定結果として、結果出力部23に出力する。
連続性レベル判定部52が出力した連続性レベル判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29に示すとおり、レベル判定結果を表示する領域に、「・連続性レベル: 低」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。すなわち、生体音が正常な音か、異常な音かの結果を提示するだけでなく、異常な音である場合には、その異常の程度(異常レベル)を利用者に分かりやすく提示することが可能となる。
(断続性レベル判定機能)
断続性レベル判定部53は、断続性雑音判定部44によって、生体音が「真:断続性雑音である可能性がある」と判定された場合に、当該生体音の音波形の断続性のレベルを判定するものである。
図28は、断続性レベル判定部53が参照する断続性レベル判定基準の一例と、断続性レベル判定部53が出力する断続性レベル判定結果の一例とを示す図である。
断続性雑音判定部44が「生体音は断続性雑音である可能性がある」と判定した場合に、断続性レベル判定部53は、断続性レベル判定を実行する。具体的には、断続性レベル判定部53は、記憶部13に記憶されている、図28に示す断続性レベル判定基準を読み出す。そして、読み出した基準を、インパルスノイズ検出部215から出力された、上記生体音のインパルスノイズ検出結果に適用する。そして、上記音波形が、どの基準に合致するのかに応じて、上記生体音の断続性のレベルを判定する。本実施形態では、一例として、断続性レベル判定部53は、断続性レベル判定結果を、「低」、「中」および「高」の3段階で出力する。
「低」は、断続性の程度が比較的軽い生体音であることを意味し、「高」は、断続性の程度が比較的重い生体音であることを意味し、「中」はその間であることを意味する。インパルスノイズ検出結果において、インパルスノイズが多く検出されるほど、断続性の程度は重いと考えることができる。
なお、図28に示す内容は、断続性レベル判定部53の機能を説明するための一例であって、断続性レベル判定部53の構成を限定する意図はない。また、図28に示す、断続性レベル判定基準において定義された閾値(“**_”および“_**”ではさまれた値)は、情報解析装置100の利用者(操作者Uなど)が任意に変更し、設定できる構成であってもよい。また、断続性レベル判定部53は、レベル判定結果を、低、中、高の3値ではなく、より詳細に多段階の数値を伴って出力することもできるし、単純に、低(軽症)、高(重症)の2値を出力することもできる。
断続性レベル判定部53は、まず、インパルスノイズ検出結果において、インパルスノイズが1周期あたりに何個検出されたのかを特定する。断続性レベル判定部53は、インパルスノイズ判定部35と同様に、インパルスノイズ検出結果から、1周期あたりのインパルスノイズ数を特定してもよい。あるいは、インパルスノイズ判定部35がすでに1周期あたりのインパルスノイズ数を特定している場合には、それをインパルスノイズ判定部35から取得してもよい。
例えば、図20に示す例では、7.5秒〜8秒の0.5秒間にインパルスノイズが5個含まれており、1周期(約5秒とする)に換算すれば、50個のインパルスノイズが検出されることになる。そこで、断続性レベル判定部53は、この生体音の1周期あたりのインパルスノイズ数を50個と特定してもよい。
次に、断続性レベル判定部53は、図28に示す断続性レベル判定基準を読み出し、特定した上記インパルスノイズ数がいずれの基準に合致するのかを判定する。図20および図28に示す例にしたがえば、断続性レベル判定部53は、先ほど特定したインパルスノイズ数は、50個であるので、30個以上に該当すると判定する。
最後に、断続性レベル判定部53は、その判定結果に該当する断続性レベル「高」を断続性レベル判定結果として、結果出力部23に出力する。
断続性レベル判定部53が出力した断続性レベル判定結果は、結果出力部23によって、表示部12に表示される。例えば、図29のレベル判定結果を表示する領域に、「・断続性レベル: 高」などのメッセージを表示部12に表示すればよい。
これにより、聴診器によって採取された生体音情報に対して解析を行った結果(解析結果)を利用者に分かりやすく提示することが可能になる。すなわち、生体音が正常な音か、異常な音かの結果を提示するだけでなく、異常な音である場合には、その異常の程度(異常レベル)を利用者に分かりやすく提示することが可能となる。
〔情報解析処理のフロー〕
図30は、本実施形態における情報解析装置100の情報解析処理の流れを示すフローチャートである。
まず、生体音取得部20は、情報解析処理の対象となる生体音情報を、通信部14を介して電子聴診器3から取得する(S1)。
次に、生体音処理部21は、生体音取得部20によって取得された生体音情報に含まれる音波形を処理して、波形特徴情報を生成する(S2)。
S2において、生体音処理部21が波形特徴情報を生成することには、
自己相関解析部211が、音波形から自己相関関数(波形特徴情報)を導出すること、
フーリエ変換部212が、音波形からスペクトラム(波形特徴情報)を導出すること、
時間周波数解析部213が、音波形からペクトログラム(波形特徴情報)を導出すること、
包絡線検波部214が、音波形の包絡線(波形特徴情報)を検波すること、および、
インパルスノイズ検出部215が、音波形のインパルスノイズを特定して、インパルスノイズ検出結果(波形特徴情報)を出力すること、
などが含まれるが、これに限定されない。また、生体音処理部21は、上述のすべての波形特徴情報を生成する構成であってもよいし、一部を生成する構成であってもよい。
続いて、波形特徴判定部30は、生体音処理部21によって生成された波形特徴情報を解析して、音波形の特徴を判定し、その判定結果を反映した波形特徴判定結果を生成する(S3)。
S3において、波形特徴判定部30が波形特徴判定結果を生成することには、
周期性判定部31が、「判定項目1」または「判定項目1’」を実行して、生体音の周期性に係る特徴を判定すること、
スペクトラム判定部32が、「判定項目2−A」または「判定項目2−B」を実行して、生体音の周波数成分分布に係る特徴を判定すること、
スペクトログラム判定部33が、「判定項目3−A」または「判定項目3−B」を実行して、生体音の時間周波数成分分布における周期性に係る特徴を判定すること、
包絡線判定部34が、「判定項目4」を実行して、生体音に含まれる雑音の連続性に係る特徴を判定すること、および、
インパルスノイズ判定部35が、「判定項目5」を実行して、生体音に含まれる雑音の断続性に係る特徴を判定すること、
などが含まれるが、これに限定されない。また、波形特徴判定部30は、上述のすべての判定項目を実施してもよいし、一部の判定項目を実施してもよい。
例えば、包絡線判定部34によって実行される「判定項目4」の波形特徴判定結果が「真」であるという事実は、連続性雑音判定部43が、対象の呼吸音について「連続性雑音である可能性がある」と判定するに足る十分な根拠となる。
そこで、波形特徴判定部30の包絡線判定部34が、「判定項目4」を実行し、音種別判定部40の連続性雑音判定部43が、「判定項目4」の波形特徴判定結果だけを用いて、連続性雑音である可能性の有無を判定する構成も、本願発明の範疇に入る。
あるいは、例えば、インパルスノイズ判定部35によって実行される「判定項目5」の波形特徴判定結果が「真」であるという事実は、断続性雑音判定部44が、対象の呼吸音について「断続性雑音である可能性がある」と判定するに足る十分な根拠となる。
そこで、波形特徴判定部30のインパルスノイズ判定部35が、「判定項目5」を実行し、音種別判定部40の断続性雑音判定部44が、「判定項目5」の波形特徴判定結果だけを用いて、断続性雑音である可能性の有無を判定する構成も、本願発明の範疇に入る。
続いて、音種別判定部40は、波形特徴判定部30によって生成された波形特徴判定結果に基づいて、音波形の音の種別を判定し、その判定結果を反映した音種別判定結果を生成する(S4)。
S4において、音種別判定部40が音種別判定結果を生成することには、
正常呼吸音判定部41が、上記生体音が「正常呼吸音」である可能性があるか否かを判定すること、
呼吸音減弱判定部42が、上記生体音が「呼吸音減弱」である可能性があるか否かを判定すること、
連続性雑音判定部43が、上記生体音が「連続性雑音」である可能性があるか否かを判定すること、および、
断続性雑音判定部44が、上記生体音が「断続性雑音」である可能性があるか否かを判定すること、
などが含まれるが、これに限定されない。また、音種別判定部40は、上述のすべての音種別に係る判定を実施してもよいし、一部の種別についてのみ判定を実施してもよい。
ここで、生体音解析部22が異常レベル判定部50を備えていない場合、あるいは、音種別判定部40が、生体音の音種別を異常音に分類しなかった場合には(S5において1)、S6が実行され、情報解析装置100が一連の情報解析処理を終了する。すなわち、結果出力部23は、音種別判定部40から出力された音種別判定結果を表示部12に表示する(S6)。
例えば、S6において、結果出力部23は、図29に示すとおり、解析結果を表示するための領域に、音種別判定部40の各部が出力した音種別判定結果を表示する。
なお、音種別判定部40は、異常音(ここでは、呼吸音減弱、連続性雑音、および、断続性雑音)である可能性ありと判定した場合には、その異常音が、上記生体音に出現する頻度をカウントする構成であってもよい。そこで、結果出力部23は、解析結果を表示するための領域に、判定された異常音の出現頻度をさらに表示してもよい。
一方、さらに、生体音解析部22が異常レベル判定部50を備えている場合に、音種別判定部40が、生体音の音種別を異常音に分類した場合には(S5において2)、異常レベル判定部50は、異常レベル判定を実行する。異常レベル判定部50は、当該分類された音種別の異常の程度を判定し、異常レベル判定結果を生成する(S7)。
S7において、異常レベル判定部50が異常レベル判定結果を生成することには、
減弱レベル判定部51が、スペクトログラムに対して減弱レベル判定を行って、減弱レベル判定結果を生成すること、
連続性レベル判定部52が、包絡線に対して連続性レベル判定を行って、連続性レベル判定結果を生成すること、および、
断続性レベル判定部53が、インパルスノイズ検出結果に対して断続性レベル判定を行って、断続性レベル判定結果を生成すること、
などが含まれるが、これに限定されない。また、異常レベル判定部50は、上述のすべての異常音の音種別に係るレベル判定を実施してもよいし、一部の異常音種別についてのみレベル判定を実施してもよい。
最後に、結果出力部23は、音種別判定部40から出力された音種別判定結果、および、異常レベル判定部50から出力された異常レベル判定結果を表示部12に表示する(S8)。例えば、図29に示すとおり、異常音の種別ごとに、異常のレベルを表す「低」、「中」、「高」などの値を、異常レベル判定結果を表示するための領域に表示する。
なお、本実施形態では、正常呼吸音判定部41は、図22に示すとおり、波形特徴判定部30の各部が出力する「判定項目1」、「判定項目2−A」および「判定項目3−A」の波形特徴判定結果に基づいて呼吸音が正常であるか否かを判定する構成について説明した。しかし、本発明の正常呼吸音判定部41の構成はこれに限定されない。
例えば、音種別判定部40の呼吸音減弱判定部42、連続性雑音判定部43および断続性雑音判定部44のそれぞれが、
「呼吸音減弱」である可能性があるか否かを判定すること、
「連続性雑音」である可能性があるか否かを判定すること、および、
「断続性雑音」である可能性があるか否かを判定すること、
を実行し、対象の呼吸音が、いずれの異常音でもないと判定された場合に、正常呼吸音判定部41が、当該呼吸音を正常(の可能性がある)と判定してもよい。
≪実施形態2≫
本発明の情報解析装置に関する他の実施形態について、図31〜図37に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上述の実施形態1では、音種別判定部40は、分類したい音種別について、その音種別であるか否かを判定するための判定部をそれぞれ備える構成であった。
しかし、本発明の情報解析装置100の構成は、上記に限定されない。
音種別判定部40は、音種別ごとに判定部を備える代わりに、生体音のあらゆる特徴に基づいて、生体音が最終的に1つの音種別に分類されるように、総合的な判定を実行する総合判定部45を備えていてもよい。
複数の音種別ごとに判定部が設けられる構成では、複数の判定結果間で矛盾が生じる可能性がある。しかしながら、上記構成によれば、生体音は、必ず、1つの音種別に分類される。そのため、より理解しやすい判定結果を利用者に提示することが可能となる。
〔情報解析装置の機能構成〕
図31は、本実施形態における情報解析装置100の要部構成を示す機能ブロック図である。
図31に示す情報解析装置100において、図1に示す情報解析装置100と異なる点は、音種別判定部40が、正常呼吸音判定部41、呼吸音減弱判定部42、連続性雑音判定部43、および、断続性雑音判定部44を備えていない代わりに、総合判定部45を備えている点である。
総合判定部45は、波形特徴判定部30の各部が出力する波形特徴判定結果を総合的に用いて、対象となっている生体音の音種別を特定するものである。
上述した制御部10の各機能ブロック、特に、総合判定部45は、CPU(central processing unit)等が、ROM(read only memory)、NVRAM(non-Volatile randomaccess memory)等で実現された記憶装置(記憶部13)に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。
(総合判定機能)
図32は、本実施形態における総合判定部45が、患者Pから取得された呼吸器系音を所定の音種別に分類する際の種別体系を示す図である。図32に示すとおり、総合判定部45は、本実施形態では、「呼吸器系音」を、『正常呼吸音』、『呼吸音減弱』、『その他の異常音』、『高音性連続性雑音』、『低音性連続性雑音』、『細かい断続性雑音』、『荒い断続性雑音』、および、『その他の雑音』のいずれかの音種別に分類する。そして、特定した音種別を、総合判定結果として結果出力部23に出力する。
総合判定部45は、まず、患者Pから採取された「呼吸器系音」を、「呼吸音」と「雑音」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、周期性判定部31によって出力された、図7の「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
総合判定部45は、「呼吸音」を、「呼吸音(正常または減弱)」と「その他の異常音」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、スペクトラム判定部32によって出力された、図11の「判定項目2−A」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
総合判定部45は、「呼吸音(正常または減弱)」を、「正常呼吸音」と「呼吸音減弱」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、スペクトログラム判定部33によって出力された、図16の「判定項目3−A」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
総合判定部45は、「雑音」を、「連続性雑音」と「連続性雑音以外の雑音」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、包絡線判定部34によって出力された、図18の「判定項目4」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
総合判定部45は、「連続性雑音」を、「高音性連続性雑音」と「低音性連続性雑音」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、スペクトラム判定部32によって出力された、図11の「判定項目2−B」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
総合判定部45は、「連続性雑音以外の雑音」を、「断続性雑音」と「その他の雑音」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、インパルスノイズ判定部35によって出力された、図21の「判定項目5」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
総合判定部45は、「断続性雑音」を、「細かい断続性雑音」と「荒い断続性雑音」とに分類する。総合判定部45は、この分類を、スペクトラム判定部32によって出力された、図11の「判定項目2−B」の波形特徴判定結果に基づいて実施する。
〔情報解析処理のフロー〕
図33Aおよび図33Bは、本実施形態における情報解析装置100の情報解析処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態では、図30に示すS1およびS2は、図33AのS101に先行して実行済みであるものとする。
生体音処理部21による生体音の処理が完了すると、周期性判定部31は、「判定項目1−1」を実行する(S101)。すなわち、自己相関関数の波形が、2〜5秒の周期でピークを持つか否かを判定する。また、周期性判定部31は、「判定項目1−2」を実行する(S102)。すなわち、自己相関関数における、包絡線のピーク振幅値の1/4における、当該ピークの幅(期間)が呼吸周期の10%以下であるか否かを判定する。なお、周期性判定部31は、S101およびS102のいずれを先に実行してもよい。
「判定項目1−1」かつ「判定項目1−2」が真、すなわち、生体音の周期性が強ければ(S103においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を「呼吸音(雑音なし)」に分類する(S104)。反対に、「判定項目1−1」および「判定項目1−2」の少なくともいずれか一方が偽、すなわち、生体音の周期性が弱ければ(S103においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を「雑音(あり)」に分類する(S105)。
続いて、スペクトラム判定部32は、「呼吸音」に分類された上記生体音に対して、「判定項目2−A」を実行する(S106)。すなわち、200Hz以下の周波数成分の和が全体の80%以上を占めるか否かを判定する。
「判定項目2−A」が真、すなわち、生体音の周波数成分分布が正常に近ければ(S107においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を「正常呼吸音および呼吸音減弱のいずれか」に分類する(S108)。反対に、「判定項目2−A」が偽、すなわち、生体音の周波数成分分布に異常の兆候があれば(S107においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を『その他の異常音』に分類する(S109)。
続いて、スペクトログラム判定部33は、「正常呼吸音および呼吸音減弱のいずれか」に分類された上記生体音に対して、「判定項目3−A」を実行する(S110)。すなわち、400Hz(以上)で、周波数成分の周期性が認められるか否かを判定する。
「判定項目3−A」が真、すなわち、生体音において高周波帯域に呼吸音の周波数成分が認められる場合には(S111においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を『正常呼吸音』に分類する(S112)。反対に、「判定項目3−A」が偽、すなわち、生体音の高周波帯域において呼吸音の周波数成分が認められない場合には(S111においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を『呼吸音減弱』に分類する(S113)。さらに、生体音解析部22が減弱レベル判定部51を備えている場合には、減弱レベル判定部51が、上記生体音の減弱レベルを判定する(S114)。
一方、総合判定部45が、上記生体音を「雑音(あり)」に分類した場合、図33Bに示すとおり、包絡線判定部34は、「雑音」に分類された上記生体音に対して、「判定項目4」を実行する(S115)。すなわち、包絡線(雑音)に連続性が認められるか否かを判定する。
「判定項目4」が真、すなわち、生体音において雑音に連続性が認められる場合には(S116においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を「連続性雑音」に分類する(S117)。
続いて、スペクトラム判定部32は、「連続性雑音」に分類された上記生体音に対して、「判定項目2−B」を実行する(S118)。すなわち、200Hz以上の周波数成分の和が、全体の30%以上を占めるか否かを判定する。
「判定項目2−B」が真、すなわち、高周波帯域の周波数成分が比較的多く認められる場合には(S119においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を『高音性連続性雑音』に分類する(S120)。反対に、「判定項目2−B」が偽、すなわち、高周波帯域の周波数成分が多く認められない場合には(S119においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を『低音性連続性雑音』に分類する(S121)。さらに、生体音解析部22が連続性レベル判定部52を備えている場合には、連続性レベル判定部52が、上記生体音の連続性レベルを判定する(S122)。
S116において、反対に、「判定項目4」が偽、すなわち、生体音において雑音に連続性が認められない場合には(S116においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を「連続性雑音以外の雑音」に分類する(S123)。
続いて、インパルスノイズ判定部35は、「連続性雑音以外の雑音」に分類された上記生体音に対して、「判定項目5」を実行する(S124)。すなわち、インパルスノイズが、1周期の間に、10個以上あるか否かを判定する。
「判定項目5」が真、すなわち、生体音において雑音に断続性が認められる場合には(S125においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を「断続性雑音」に分類する(S126)。反対に、「判定項目5」が偽、すなわち、生体音において雑音に断続性が認められない場合には(S125においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を『その他の雑音』に分類する(S127)。
続いて、スペクトラム判定部32は、「断続性雑音」に分類された上記生体音に対して、「判定項目2−B」を実行する(S128)。すなわち、200Hz以上の周波数成分の和が、全体の30%以上を占めるか否かを判定する。
「判定項目2−B」が真、すなわち、高周波帯域の周波数成分が比較的多く認められる場合には(S129においてYES)、総合判定部45は、上記生体音を『細かい断続性雑音』に分類する(S130)。反対に、「判定項目2−B」が偽、すなわち、高周波帯域の周波数成分が多く認められない場合には(S129においてNO)、総合判定部45は、上記生体音を『荒い断続性雑音』に分類する(S131)。さらに、生体音解析部22が断続性レベル判定部53を備えている場合には、断続性レベル判定部53が、上記生体音の断続性レベルを判定する(S132)。
最後に、結果出力部23は、図33Aに示すとおり、総合判定部45が出力した、上記生体音を上述のいずれかの音種別に分類した総合判定結果を表示部12に表示する(S133)。さらに、異常レベル判定部50が異常レベル判定結果を出力した場合には、当該異常レベル判定結果を併せて表示部12に表示する。
〔レベル判定処理のフロー〕
次に、図34〜図36を参照しながら、異常レベル判定部50の各部が実行する異常レベル判定処理の流れを説明する。なお、図34〜図36に示す異常レベル判定部50の各部の処理の流れは、実施形態1および実施形態2に共通するものである。
図34は、減弱レベル判定部51が実行する減弱レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。
図30のS7または図33AのS114において、減弱レベル判定処理が開始されると、まず、減弱レベル判定部51は、処理対象となっている生体音のスペクトログラムをスキャンして、周期性が強い(認められる)周波数帯域と周期性が弱い(認められない)周波数帯域との境界の周波数を特定する(S201)。そして、例えば、減弱レベル判定部51は、図26に示す減弱レベル判定基準を記憶部13から参照する。
ここで、上記境界の周波数が、300Hz以上400Hz以下に該当する場合には(S202においてYES)、減弱レベル判定部51は、減弱レベルを「低」と判定する(S203)。
一方、上記境界の周波数が、300Hz以上400Hz以下に該当しない場合には(S202においてNO)、減弱レベル判定部51は、さらに、上記境界の周波数が、200Hz以上300Hz未満に該当するか否かを判定する(S204)。そして、上記境界の周波数が、200Hz以上300Hz未満に該当する場合には(S204においてYES)、減弱レベル判定部51は、減弱レベルを「中」と判定する(S205)。
一方、上記境界の周波数が、200Hz以上300Hz未満に該当しない場合には(S204においてNO)、上記境界の周波数は、200Hz未満に該当することになる。この場合、減弱レベル判定部51は、減弱レベルを「高」と判定する(S206)。
減弱レベル判定部51が出力した減弱レベル判定結果は、結果出力部23に出力される。
図35は、連続性レベル判定部52が実行する連続性レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。
図30のS7または図33BのS122において、連続性レベル判定処理が開始されると、まず、連続性レベル判定部52は、処理対象となっている生体音波形の包絡線における、振幅平均値を超える連続する時間を特定する(S301)。そして、例えば、連続性レベル判定部52は、図27に示す連続性レベル判定基準を記憶部13から参照する。
ここで、上記連続する時間が、200ms以上600ms未満に該当する場合には(S302においてYES)、連続性レベル判定部52は、連続性レベルを「低」と判定する(S303)。
一方、上記連続する時間が、200ms以上600ms未満に該当しない場合には(S302においてNO)、連続性レベル判定部52は、さらに、上記連続する時間が、600ms以上1000ms未満に該当するか否かを判定する(S304)。そして、上記連続する時間が、600ms以上1000ms未満に該当する場合には(S304においてYES)、連続性レベル判定部52は、連続性レベルを「中」と判定する(S305)。
一方、上記連続する時間が、600ms以上1000ms未満に該当しない場合には(S304においてNO)、上記連続する時間は、1000ms以上に該当することになる。この場合、連続性レベル判定部52は、連続性レベルを「高」と判定する(S306)。
連続性レベル判定部52が出力した連続性レベル判定結果は、結果出力部23に出力される。
なお、図35に示す例では、振幅平均値を超える連続する時間を指標にして、連続性レベルを求める構成について説明したが、連続性レベル判定部52の構成はこれに限定されない。例えば、連続性レベル判定部52は、1周期分あたりの包絡線の振幅平均値を超える合計時間を指標にして、連続性レベルを求める構成であってもよい。
図36は、断続性レベル判定部53が実行する断続性レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。
図30のS7または図33BのS132において、断続性レベル判定処理が開始されると、まず、断続性レベル判定部53は、処理対象となっている生体音波形における、1周期あたりのインパルスノイズ数を特定する(S401)。そして、例えば、断続性レベル判定部53は、図28に示す断続性レベル判定基準を記憶部13から参照する。
ここで、上記インパルスノイズ数が、10個以上20個未満に該当する場合には(S402においてYES)、断続性レベル判定部53は、断続性レベルを「低」と判定する(S403)。
一方、上記インパルスノイズ数が、10個以上20個未満に該当しない場合には(S402においてNO)、断続性レベル判定部53は、さらに、上記インパルスノイズ数が、20個以上30個未満に該当するか否かを判定する(S404)。そして、上記インパルスノイズ数が、20個以上30個未満に該当する場合には(S404においてYES)、断続性レベル判定部53は、断続性レベルを「中」と判定する(S405)。
一方、上記インパルスノイズ数が、20個以上30個未満に該当しない場合には(S404においてNO)、上記インパルスノイズ数は、30個以上に該当することになる。この場合、断続性レベル判定部53は、断続性レベルを「高」と判定する(S406)。
断続性レベル判定部53が出力した断続性レベル判定結果は、結果出力部23に出力される。
〔結果出力機能〕
上述したとおり、結果出力部23は、総合判定部45が出力した、上記生体音を上述のいずれかの音種別に分類した総合判定結果を表示部12に表示する。例えば、図37に示すとおり、解析結果を表示する領域に、上記総合判定結果を表示する。図37には、総合判定部45が、生体音を『高音性連続性雑音』に分類したときの総合判定結果の例を示している。さらに、総合判定部45が、上記生体音の波形における異常の出現頻度をカウントしている場合には、結果出力部23は、総合判定部45から取得した出現頻度を併せて表示部12に表示してもよい。
さらに、異常レベル判定部50が異常レベル判定結果を出力した場合には、結果出力部23は、当該異常レベル判定結果を併せて表示部12に表示してもよい。図37に示す例では、生体音は、『高音性連続性雑音』に分類されている。したがって、結果出力部23は、連続性レベル判定部52が判定した連続性レベル判定結果を、レベル判定結果を表示する領域に表示する。
さらに、結果出力部23は、図29および図37に示すとおり「音を再生」ボタンを表示して、解析処理にかけた生体音を再生するための操作者Uからの指示を受け付けてもよい。
例えば、「音を再生」ボタンが操作者Uによってシングルタップされると、結果出力部23は、生体音取得部20が取得した生体音情報を再生し、音声信号を、図示しない音声出力部に出力してもよい。また、例えば、結果出力部23は、「音を再生」ボタンがダブルタップされた場合には、生体音の中の異常が出現する箇所から音が再生されるように上記音声出力部を制御してもよい。
さらに、結果出力部23は、「音と結果を保存」ボタンが操作者Uによってタップされると、上記生体音情報と、上記各判定結果と、必要な患者情報とを紐付けて、記憶部13に格納する。
さらに、結果出力部23は、「音と結果を保存」ボタンがタップされると、判定結果を紐づけた上記生体音情報を、外部装置の図示しないデータベースに保存してもよい。具体的には、結果出力部23は、通信部14を介して、生体音解析部22から受け取った諸々の判定結果を、採取された生体音情報ともに、外部の装置に送信してもよい。例えば、情報解析装置100の通信部14は、通信網5を介して、各判定結果および生体音情報を管理サーバ4に送信することができる。
これにより、管理サーバ4は、自装置の表示部に、図29または図37に示す判定結果を表示して、遠隔地にいる医師Dに、患者Pの生体音の判定結果を提示することが可能となる。また、管理サーバ4は、医師Dの操作にしたがって、医師Dが所望する生体音情報を再生し、医師Dに聞かせることが可能となる。
上記構成および方法によれば、生体音処理部21が、生体音情報を処理して音波形から波形特徴情報を抽出し、波形特徴判定部30が、その波形特徴情報がどのような判定基準に合致するのか(あるいは、合致しないのか)を判定する。総合判定部45は、その波形特徴判定結果に応じて、上記生体音の種別を特定することができる。具体的には、音の医学的特徴に基づいて予め定義された複数種類の種別の中から、可能性の高い1つの種類に上記生体音を分類することができる。
総合判定部45が行った総合判定結果は、解析結果として、表示部12に表示される。
上記判定基準においては、音種別に関わりの深い医学的特徴に基づいて、閾値があらかじめ定義されている。したがって、抽出された波形特徴情報が、上記判定基準に合致するか否かによって、元の生体音情報がどの音種別と相関が高いのか(あるいは、低いのか)を総合判定部45が判断することができる。
これにより、モデルの音波形との直接的な比較を行わずとも、生体音情報の種別を特定することが可能となる。したがって、モデルの音波形データベースの完成度に左右されることなく、客観的な解析を精度良くかつ効率的に行い、解析結果を利用者に提示する情報解析装置を実現することができる。
≪変形例≫
上述の実施形態1および2では、本発明の聴診システム200において、呼吸音などの情報を解析する機能を、操作者Uが操作する端末装置としての情報解析装置100によって実現する場合について説明した。そして、上述の実施形態1および2では、聴診システム200において、情報解析装置100が、電子聴診器3とサポートセンター2の管理サーバ4と通信する構成であった。
しかし、本発明の聴診システム200の構成は、これに限定されない。聴診システム200において、本発明の情報解析装置100が行う呼吸音などの情報を解析する機能は、電子聴診器3、および/または、サポートセンター2の管理サーバ4に搭載されてもよい。この場合、電子聴診器3、および/または、管理サーバ4が、本発明の情報解析装置として機能する。
≪実施形態3≫
本発明の他の実施形態について、図38に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の実施形態1および2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
〔背景技術と課題〕
特許文献3には、医用画像を作成する際に、生体の所定部位が撮影された画像データを取得した後、撮影された部位に対して生体音測定を行い、それらの結果を関連付けて、当該医用画像を表示する医用画像表示システムが記載されている。
しかしながら、上記従来の構成では、画像撮影は、生体音測定結果を活用することなく実施されているために、異常のある特定部位に着目した画像撮影を行うことができないという問題がある。また、生体音測定で特に問題が無い場合、結果的に生体にとって不必要な画像撮影が実施されてしまうという問題がある。
そこで、本実施形態では、生体音測定を実施して得られた生体音測定結果を加味して、医用画像撮影を実施するための測定システムについて説明する。
〔測定システムの概要〕
図38は、実施形態3に係る測定システム3600の概要、および、測定システム3600を構成する画像撮像装置3006の要部構成を示すブロック図である。
測定システム3600は、少なくとも、電子聴診器3と、画像撮像装置3006とを含む。さらに、測定システム3600は、必要に応じて、上述の聴診システム200(図2)を含んでいてもよい。すなわち、実施形態3における電子聴診器3および画像撮像装置3006は、必要に応じて、上述の実施形態1および2における、聴診システム200内の各種装置と通信可能に接続し、連携して動作することが可能である。
電子聴診器3は、患者Pの生体音情報を採取するものである。本実施形態では、電子聴診器3は、図2に示す聴診システム200の一部として機能する電子聴診器3である。
画像撮像装置3006は、適宜の撮像部を用いて患者Pを撮像し、画像データを取得するものである。画像撮像装置3006によって取得された画像データは、操作者U、または、医師Dによって、医用画像として利用される。
本実施形態では、画像撮像装置3006は、図2に示す聴診システム200と連携している。画像撮像装置3006は、聴診システム200によって導出された患者Pの聴診結果を加味して、当該患者Pにとって最適な画像撮像処理を取捨選択し実行することができる。
〔画像撮像装置の構成〕
画像撮像装置3006は、図38に示すとおり、聴診システム200の各装置との間で情報の送受信を行う通信部3011、画像撮像装置3006が処理する各種情報を記憶するための記憶部3012、患者の撮影を実施する撮像部3013、および、画像撮像装置3006の各部を統括して制御する制御部3010を含む構成となっている。
通信部3011は、聴診システム200の各装置と通信し、聴診システム200によって導出された患者Pの聴診結果を受信するものである。
記憶部3012は、例えば、撮像部3013によって撮像された画像データを記憶したり、通信部3011によって取得された解析結果情報d1および部位情報d2を記憶したりする。
撮像部3013は、これには限定されないが、例えば、X線、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、磁気計測、生体電気信号、超音波または光などの適宜の手段を用いて生体を撮像する。撮像部3013は、患者Pの所望の部位を撮像するために、画像センサ部を適切な部位に配置する位置決め機構を含んでいてもよい。
制御部3010は、機能ブロックとして、聴診結果取得部3020、撮像部位特定部3021、および、撮像制御部3022を含む。
聴診結果取得部3020は、通信部3011を制御して、情報解析装置100から聴診結果を取得するものである。聴診結果取得部3020が取得する聴診結果は、少なくとも2つの情報を含む。1つ目は、電子聴診器3によって採取された生体音情報の解析結果を示す解析結果情報d1である。2つ目は、上記生体音情報が採取された部位を示す部位情報d2である。具体的には、情報解析装置100が患者Pの生体音情報に基づいて判定した異常の有無と、上記生体音情報が採取された部位とを少なくとも含む聴診結果を取得する。
より具体的には、本実施形態では、画像撮像装置3006は、実施形態1または実施形態2における情報解析装置100と通信可能に接続されている。通信部3011を介して、聴診結果取得部3020は、実施形態1の情報解析装置100から、音種別判定部40によって判定された音種別判定結果を、さらに場合によっては、異常レベル判定部50によって判定されたレベル判定結果を、解析結果情報d1として取得する。あるいは、聴診結果取得部3020は、実施形態2の情報解析装置100から、総合判定部45によって判定された総合判定結果を、さらに場合によっては、異常レベル判定部50によって判定されたレベル判定結果を、解析結果情報d1として受信する。
また、本実施形態では、聴診システム200において生体音情報が情報解析装置100または管理サーバ4によって保存、管理されるときに、生体音情報に対して当該生体音情報が採取された部位を示す部位情報が関連付けられているものとする。情報解析装置100は、例えば、操作者Uが電子聴診器3を用いて患者Pから生体音情報を採取する直前に、部位情報の入力を受け付ければよい。操作者Uは、大まかに「肺」と入力してもよいし、さらに詳細に、「右肺」または「左肺」と入力してもよいし、あるいは、さらに詳細に、「右上葉」、「右中葉」、「右下葉」、「左上葉」、または、「左下葉」などと入力してもよい。あるいは、肺を気管の径に基づいて、図39に示すようにいくつかの部分に分割して定義し、気管(気道)の分岐が進んでいない浅い箇所Aを示す「浅分岐箇所」、または、気道が比較的細い(気管の径が小さい)ところ、すなわち、気管(気道)の分岐が進んでいる深い箇所Bを示す「深分岐箇所」など入力してもよい。このようにして、操作者Uによって指定された部位が、情報解析装置100において生体音情報に関連付けられて記憶される。例えば、情報解析装置100の図示しない部位紐付部が、入力部11より入力された部位情報を、生体音解析部22から出力された解析結果に紐付ける。情報解析装置100の結果出力部23は、生体音情報に関連付けられた部位を、部位情報d2として、当該生体音情報の解析結果情報d1とともに画像撮像装置3006に送信する。
聴診結果取得部3020は、上述のようにして送信された聴診結果、すなわち、解析結果情報d1および部位情報d2を取得する。聴診結果取得部3020によって取得された聴診結果は、撮像部位特定部3021が撮像部位を特定するために利用される。
撮像部位特定部3021は、撮像部3013が撮像すべき生体の部位を特定するものである。撮像部位特定部3021は、解析結果情報d1によって異常または異常の可能性があると示唆された生体音情報が採取された位置を、撮像すべき部位として特定する。撮像部位特定部3021は、撮像すべき部位を、解析結果情報d1とともに取得された部位情報d2によって特定することができる。
例えば、実施形態1の情報解析装置100から取得された解析結果情報d1が、「正常呼吸音でない可能性がある」、「呼吸音減弱である可能性がある」、「連続性雑音である可能性がある」、および、「断続性雑音である可能性がある」の少なくともいずれか1つの音種別判定結果を含むとする。この場合、撮像部位特定部3021は、上記解析結果情報d1とともに取得された部位情報d2を参照して、撮像対象となる部位を特定する。例えば、部位情報d2が「左下葉」である場合には、撮像部位特定部3021は、「左下葉」に異常の兆候が認められるので、撮像対象部位を「左下葉」と特定する。あるいは、実施形態2の情報解析装置100から取得された解析結果情報d1が、「正常呼吸音である可能性が高い」以外の何らかの異常音に関する総合判定結果を含むとする。この場合も、撮像部位特定部3021は、上記解析結果情報d1とともに取得された部位情報d2を参照して、撮像対象となる部位を特定する。
なお、撮像部位特定部3021は、撮像の要否を選択するだけではなく、より解像度の高い精密な撮像を実施すべき部位を絞り込むために機能してもよい。例えば、撮像部位特定部3021は、異常の兆候が認められた「左下葉」だけを他の部位の撮像方法とは異なる設定で(例えば、高解像度で)撮像するように決定してもよい。
撮像制御部3022は、撮像部位特定部3021が特定した部位に基づいて、撮像部3013に対して諸設定を行った上で、撮像部3013を制御して生体を撮像するものである。すなわち、撮像制御部3022は、撮像部位特定部3021によって特定された部位と、それ以外の部位とに対して、それぞれ異なる設定で(撮像の仕方で)画像撮像処理を実行するものである。
例えば、撮像部位特定部3021によって特定された部位が「左下葉」である場合には、患者Pの左下葉が適正に撮影されるように、撮像部3013の位置決め機構を制御して撮影を行う。あるいは、撮像制御部3022は、左下葉を撮像するときだけ、高解像度になるように撮像部3013に対して設定を行って、他の部位も含めて一通り撮影を行ってもよい。
撮像制御部3022の制御にしたがって撮像部3013が取得した画像データは、記憶部3012に記憶される。ここで、撮像制御部3022は、取得された画像データに、対応する解析結果情報d1および部位情報d2を関連付けて格納することが好ましい。例えば、撮像制御部3022は、撮像部3013が左下葉を撮像して得た画像データに、「連続性雑音である可能性がある」を示す解析結果情報d1と、「左下葉」を示す部位情報d2とを関連付けて記憶部3012に格納する。
なお、生体音情報を解析して疾患の判別まで行う機能を有する装置が聴診システム200に含まれている場合には、解析結果情報d1は、必要に応じて、疾患名の情報を含んでいても構わない。疾患名が画像撮像装置3006に伝達されることによって、撮像制御部3022は、取得された画像データに疑いのある疾患名を関連付けて、当該画像データを記憶部3012に記憶しておくことができる。このような画像データを、疾患名、音種別判定結果とともに図示しない表示部に表示すれば、より詳細な情報を医師Dに提供することが可能となる。
一方、解析結果情報d1として疾患名を画像撮像装置3006に供給するよりも、異常の程度(レベル)を供給する方がむしろ好ましい場合がある。本発明の画像撮像装置3006によれば、患者Pに対して画像撮像処理にかける部位を必要最小限に限定することが可能である。その際に、患者Pの異常のレベル(上述のレベル判定結果)が解析結果情報d1として画像撮像装置3006に供給されれば、撮像部位特定部3021は、異常のレベルに応じて、撮像部位をさらに詳細に特定することができるからである。具体的には、撮像部位特定部3021は、異常のレベルに応じて、撮像対象エリアサイズを指定することができる。不必要に大きなサイズで、医用画像を撮影することは避けたいものの、患者Pを診断するのに医師Dにとって情報量が十分ではない画像サイズでは意味がない。したがって、聴診結果として、異常の部位情報d2を供給することに加えて、異常のレベルを含む解析結果情報d1を画像撮像装置3006に対して出力することが望ましい。そして、画像撮像装置3006の撮像部位特定部3021は、異常のレベルに応じて、撮像対象エリアサイズを指定することが好ましい。
撮像制御部3022は、撮像部位特定部3021が指定するサイズにしたがって、撮像部3013を制御して、適正な部位について、適正なサイズの医用画像を取得する。
従来、医用画像を撮影する際には、画像撮像装置3006の操作者U(または医師D)が、被測定者(患者P)に対して測定する部位を決め、その部位の測定ができるように画像撮像装置3006を操作する必要があった。本発明の測定システム3600によれば、撮像部位特定部3021によって特定された撮像対象部位と、決定された撮像対象エリアサイズとに基づいて、撮像制御部3022が、撮像部3013を被測定者に対して適切な場所に配置し、医用画像を撮影することができる。さらに、取得された画像データは、部位情報d2、および、解析結果情報d1(異常の内容、異常のレベル)が関連付けられて、記憶部3012に記憶され、医師Dによる診断のために医用画像として活用される。さらに、画像データに関連付けられた上述の付属の情報が管理されていることにより、初回の診断以後に再度、同一の被測定者の撮影が必要になった場合に、参考情報として活用することが可能である。これにより、以後の画像撮像処理における、測定精度を上げることも可能である。例えば、初回に測定した医用画像が医師Dの期待する情報を有しない(解像度が低い、撮像エリアが狭い、異常部位がずれて撮影されているなどの)場合がある。その場合に、撮像部位特定部3021は、前回特定した、測定部位、解像度、撮像対象エリアサイズを変更し、医師Dが要求する情報が含まれた画像データが撮像されるように補正するといった活用方法である。
以上のように、本発明の測定システム3600によれば、画像撮像装置3006は、聴診システム200によって出力された聴診結果を加味して、患者Pに対して画像撮像処理にかける部位を必要最小限絞ることが可能である。すなわち、医師Dが診断できる程度に適切であって、かつ、患者Pの負担を最小限に抑えることが可能な画像撮像装置3006および画像撮像方法が実現される。具体的には、撮像部位特定部3021が、聴診結果に基づいて、異常(またはその可能性)が認められた部位に限定して、撮影することを決定したり、その部位だけを高解像度で撮影することを決定したりすることができる。例えば、撮像部3013がX線によって撮影を行う機構である場合には、患者Pが受ける放射線量を低減することが可能である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上述の各実施形態では、本発明の情報解析装置100をスマートフォンに適用した例について説明したが、本発明の情報解析装置100は、種々の情報処理装置にて実現することが可能である。例えば、これには限定されないが、本発明の情報解析装置100は、パーソナルコンピュータ(PC)、デジタルテレビなどのAV機器、ノートパソコン、タブレットPC、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などに適用可能である。あるいは、情報解析装置100は、電子聴診器3に搭載されてもよい。
≪ソフトウェアによる実現例≫
最後に、情報解析装置100の各ブロック、特に、生体音取得部20、生体音処理部21、生体音解析部22および結果出力部23、ならびに、生体音処理部21の各ブロックおよび生体音解析部22の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
また、画像撮像装置3006の各ブロック、特に、聴診結果取得部3020、撮像部位特定部3021、および、撮像制御部3022は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、情報解析装置100および画像撮像装置3006は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである情報解析装置100および画像撮像装置3006のそれぞれの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記情報解析装置100および画像撮像装置3006のそれぞれに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、情報解析装置100および画像撮像装置3006のそれぞれを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(High Data Rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
≪まとめ≫
本発明に係る情報解析装置は、上記課題を解決するために、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定手段と、上記波形特徴判定手段によって特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定手段とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、生体音情報に含まれる音波形に対して、波形特徴判定手段が、当該音波形に波形特徴判定基準を適用し、上記音波形の特徴を特定することができる。上記波形特徴判定基準は、音波形の特徴を区分するための基準を有しているので、波形特徴判定手段は、当該波形特徴判定基準にしたがうことによって、どのような音波形に対しても、常に、客観的な特徴の区分を実施することができる。
音種別判定手段は、波形特徴判定手段による判定結果、すなわち、特定された特徴の区分に応じて、上記生体音情報に含まれる音の種別を判定することができる。音種別判定手段は、波形特徴判定基準にしたがった客観的な区分にしたがって、元の生体音情報がどの音種別と相関が高いのかを精度よく判断することができる。
これにより、モデルの音波形との直接的な比較を行わずとも、波形特徴判定基準にしたがって生体音情報の音波形そのものを解析することにより、生体音情報の種別を特定することが可能となる。したがって、モデルの音波形データベースの完成度に左右されることなく、客観的な解析を精度良くかつ効率的に行い、解析結果を利用者に提示する情報解析装置を実現することができる。
上記情報解析装置において、さらに、波形特徴判定が参照する上記波形特徴判定基準は、上記音波形より導出された特徴量と比較する閾値と、該閾値によって定められた条件とを含み、上記波形特徴判定手段は、上記音波形の特徴量が上記条件に合致するか否かを判定することにより、上記音波形の特徴を特定することが好ましい。
上記波形特徴判定基準には、上記音の種別に関わりの深い特徴に基づいて、閾値(定量的な値)があらかじめ定義されている。波形特徴判定手段は、音波形から抽出された特徴量が、上記閾値によって定義された条件に合致するか否かを判定し、その判定結果を音種別判定手段に供給することができる。これにより、音種別判定手段は、上記判定結果に基づいて、上記音波形を含む生体音情報がどの種別と相関が高いのかを精度よく判断することができる。
これにより、モデルの音波形との直接的な比較を行わずとも、生体音情報から抽出された特徴量と閾値とを比較するだけで、効率よく安定した精度で種別の判定を行うことが可能となる。したがって、モデルの音波形データベースの完成度に左右されることなく、客観的な解析を精度良くかつ効率的に行い、解析結果を利用者に提示する情報解析装置を実現することができる。
上記情報解析装置において、上記音種別判定手段が判定する音の種別は、生体が発する呼吸音が正常であることを示す「正常呼吸音」、生体が発する呼吸音が聴診器によって採取されるまでに減衰していることを示す「呼吸音減弱」、生体が発する呼吸音に連続する雑音が含まれていることを示す「連続性雑音」、および、生体が発する呼吸音に断続する雑音が含まれていることを示す「断続性雑音」の少なくともいずれか1つであってもよい。
これにより、情報解析装置は、聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)が、「正常呼吸音」に属するのか否かを、利用者に対して明らかにすることができる。あるいは、情報解析装置は、聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)が、「呼吸音減弱」に属するのか否かを、利用者に対して明らかにすることができる。あるいは、情報解析装置は、聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)が、「連続性雑音」に属するのか否かを、利用者に対して明らかにすることができる。あるいは、情報解析装置は、聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)が、「断続性雑音」に属するのか否かを、利用者に対して明らかにすることができる。
さらに、上記波形特徴判定手段は、包絡線に係る波形特徴判定基準にしたがって、音波形の包絡線が、一定以上の振幅値で一定期間以上連続するか否かを判定し、上記音種別判定手段は、上記包絡線が連続すると判定された場合に、上記生体音情報が「連続性雑音」に属する可能性があると判定することができる。
聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)の音波形の包絡線が、一定以上の振幅値で一定期間以上連続する場合には、呼気と吸気以外にも続けて雑音が鳴っていると考えられる。そのため、音種別判定手段は、上記音波形の包絡線の連続性に係る特徴に基づいて、包絡線が一定以上の振幅値で一定期間以上連続する場合には、そのような包絡線を持つ生体音情報を、「連続性雑音」に分類することができる。
これにより、情報解析装置は、包絡線に基づいて、周期性が弱い(雑音が含まれる種別)と判断された生体音情報について、さらに、それが「連続性雑音」に該当するか否かについて、利用者に対して明らかにすることができる。
さらに、上記波形特徴判定手段は、インパルスノイズ数に係る波形特徴判定基準にしたがって、音波形が一定数以上のインパルスノイズを含むか否かを判定し、上記音種別判定手段は、上記音波形が一定数以上のインパルスノイズを含むと判定された場合に、上記生体音情報が「断続性雑音」に属する可能性があると判定することができる。
聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)の音波形に含まれるインパルスノイズ数が、一定数以上である場合には、呼気と吸気以外に、瞬間的な雑音(破裂音)が多数鳴っていると考えられる。そのため、音種別判定手段は、破裂音の多発性(インパルスノイズ数)に係る特徴に基づいて、インパルスノイズ数が一定数以上含まれる生体音情報を、「断続性雑音」に分類することができる。
これにより、情報解析装置は、インパルスノイズ数に基づいて、周期性が弱い(雑音が含まれる種別)と判断された生体音情報について、さらに、それが「断続性雑音」に該当するか否かについて、利用者に対して明らかにすることができる。
さらに、上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、包絡線の振幅平均値を超える連続する時間が200ms以上ある場合に、上記包絡線が連続すると判定してもよい。
あるいは、上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、所定期間内の包絡線において振幅平均値を超える時間の合計が200ms以上ある場合に、上記包絡線が連続すると判定してもよい。
さらに、上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形が、インパルスノイズを1周期あたりに10個以上含む場合に、上記音波形が一定数以上のインパルスノイズを含むと判定してもよい。
さらに、上記波形特徴判定手段は、周波数成分分布に係る波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の周波数成分分布が、正常の傾向を示すか否か、または、異常の傾向を示すか否かを判定し、上記音種別判定手段は、上記音波形の周波数成分分布が正常の傾向を示すと判定された場合に、上記生体音情報が、「正常呼吸音」および「呼吸音減弱」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定し、上記音波形の周波数成分分布が異常の傾向を示すと判定された場合に、上記生体音情報が、「連続性雑音」および「断続性雑音」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定することができる。
聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)の周波数成分分布が、正常の場合の分布と類似していれば、すなわち、正常の傾向を示せば、呼気と吸気以外の余計な雑音が含まれていないと考えられる。そのため、音種別判定手段は、上記音波形の周波数成分分布に係る特徴に基づいて、生体音情報の種別を、まずは、雑音が含まれない種別(「正常呼吸音」および「呼吸音減弱」など)に分類することができる。一方、生体音情報(呼吸音)の周波数成分分布が、異常の場合の分布と類似していれば、すなわち、異常の傾向を示せば、呼気と吸気以外の余計な雑音が含まれていると考えられる。そのため、音種別判定手段は、上記音波形の周波数成分分布に係る特徴に基づいて、生体音情報の種別を、まずは、雑音が含まれる種別(「連続性雑音」および「断続性雑音」など)に分類することができる。
さらに、上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の周波数成分分布において、200Hz以下の周波数成分の和が全体の80%以上を占める場合に、当該周波数成分分布が、正常の傾向を示すと判定し、上記音波形の周波数成分分布において、200Hz以上の周波数成分の和が全体の30%以上を占める場合に、当該周波数成分分布が、異常の傾向を示すと判定してもよい。
さらに、上記波形特徴判定手段は、音波形における周期性が強いか否かを区分するための波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の周期性が強いか否かを判定し、上記音種別判定手段は、上記音波形の周期性が強いと判定された場合に、上記生体音情報が、「正常呼吸音」および「呼吸音減弱」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定し、上記音波形の周期性が弱いと判定された場合に、上記生体音情報が、「連続性雑音」および「断続性雑音」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定することができる。
聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)に、強い周期性が見られるということは、呼気と吸気のサイクルが明確であり、呼気と吸気との間に余計な雑音が含まれていないと考えられる。そのため、音種別判定手段は、上記音波形の周期性に係る特徴に基づいて、生体音情報の種別を、まずは、雑音が含まれない種別(「正常呼吸音」および「呼吸音減弱」など)と、雑音が含まれる種別(「連続性雑音」および「断続性雑音」など)とに大別することができる。
さらに、上記波形特徴判定手段は、時間周波数解析に基づく周波数成分分布に係る波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の、周波数帯域別の周期性の有無を判定し、上記音種別判定手段は、上記時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、高周波数帯域において周期性が有ると判定された場合に、上記生体音情報が「正常呼吸音」に属する可能性があると判定し、上記時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、低周波数帯域において周期性が有って、高周波数帯域において周期性が無いと判定された場合に、上記生体音情報が「呼吸音減弱」に属する可能性があると判定することができる。
聴診器によって採取された生体音情報(呼吸音)の時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、高周波数帯域において周期性が認められた場合には、音が発生した肺の部位から聴診器に届くまでの間に音(特に高周波数帯域の音)を遮る障害がなかったものと考えられる。そのため、音種別判定手段は、上記音波形の時間周波数解析に基づく周波数成分分布に係る特徴に基づいて、周期性が強い(雑音が含まれない種別)と判断された生体音情報について、さらに、それを「正常呼吸音」に分類することができる。
一方、低周波数帯域において認められた周期性が高周波数帯域において弱まるなどして認められなくなってしまった場合、音が発生した肺の部位から聴診器に届くまでの間に音(特に高周波数帯域の音)を遮る障害(胸水など)があったものと考えられる。そのため、音種別判定手段は、上記音波形の時間周波数解析に基づく周波数成分分布に係る特徴に基づいて、周期性が強い(雑音が含まれない種別)と判断された生体音情報について、今度は、それを「呼吸音減弱」に分類することができる。
以上のことから、時間周波数解析に基づく周波数成分分布に基づいて、同じ周期性が強い(雑音が含まれない種別)に分類された生体音情報について、情報解析装置は、さらに、「正常呼吸音」に該当するか「呼吸音減弱」に該当するかを、利用者に対して明らかにすることができる。
さらに、上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の自己相関関数が2〜5秒間隔でピークを持つ場合、かつ、上記自己相関関数の包絡線における、所定振幅値における、包絡線ピークの期間が呼吸周期の10%以下である場合に、上記音波形の周期性が強いと判定してもよい。
さらに、上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、400Hz以上の帯域において周期性が認められるときに、高周波数帯域において周期性が有ると判定し、上記音波形の時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、周期性が認められるのが400Hz未満の帯域のときに、低周波数帯域において周期性が有って、高周波数帯域において周期性が無いと判定してもよい。
さらに、上記音種別判定手段が、上記生体音情報が異常音に属する可能性があると判定した場合に、上記異常音の異常の程度を、上記波形特徴判定手段によって特定された上記音波形の特徴に基づいて判定する異常レベル判定手段を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、情報解析装置は、生体音情報の音の種別を利用者に対して明らかにするだけでなく、生体音情報が異常音であった場合に、その異常の程度(異常レベル)について、利用者に対して明らかにすることが可能となる。
上記音種別判定手段は、予め定義された音の種別ごとに、上記生体音情報が当該音の種別に該当するか否かを判定してもよい。
例えば、これには限定されないが、予め定義された音の種別が、上述の、「正常呼吸音」、「呼吸音減弱」、「連続性雑音」および「断続性雑音」である場合には、情報解析装置は、上記生体音情報が、「正常呼吸音」に該当するか否か、「呼吸音減弱」に該当するか否か、「連続性雑音」に該当するか否か、および、「断続性雑音」に該当するか否かを、それぞれ、利用者に対して明らかにすることが可能となる。
あるいは、上記音種別判定手段は、上記生体音情報が、予め定義された複数の音の種別のいずれに該当するかを特定してもよい。
例えば、これには限定されないが、予め定義された音の種別が、上述の、「正常呼吸音」、「呼吸音減弱」、「連続性雑音」および「断続性雑音」である場合には、情報解析装置は、上記生体音情報が、「正常呼吸音」、「呼吸音減弱」、「連続性雑音」および「断続性雑音」のいずれに該当するのかを、利用者に対して明らかにすることが可能となる。
さらに、上記音種別判定手段によって生成された、上記生体音情報が属する音の種別を示した音種別判定結果を、表示部に出力する結果出力手段を備えていることが好ましい。
さらに、上記結果出力手段は、上記音種別判定結果を上記生体音情報に関連付けて記憶部に記憶することが好ましい。
なお、上述の本発明の情報解析装置は、電子聴診器に搭載されてもよい。この場合、電子聴診器が、本発明の情報解析装置として機能する。
本発明に係る情報解析方法は、上記課題を解決するために、聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定ステップと、上記波形特徴判定ステップにて特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定ステップとを含むことを特徴としている。
本発明の一態様に係る測定システムは、上記課題を解決するために、被測定者に対して聴診を実施するための電子聴診器と、上記電子聴診器によって採取された生体音情報を解析する上述のいずれかの情報解析装置と、上記情報解析装置によって出力された、上記電子聴診器を用いて実施された聴診の結果を示す聴診結果に基づいて、上記被測定者に対して画像撮像処理を実施する画像撮像装置とを含み、上記画像撮像装置は、上記情報解析装置が上記生体音情報に基づいて判定した異常の有無と、上記生体音情報が採取された部位とを少なくとも含む聴診結果を取得する聴診結果取得手段と、上記聴診結果取得手段によって取得された聴診結果に基づいて、異常が有ると判定された部位を特定する部位特定手段と、上記部位特定手段によって特定された部位に対して、それ以外の部位に対する撮像とは異なる仕方で撮像を行い、上記被測定者の画像データを取得する撮像制御手段とを備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、画像撮像装置は、情報解析装置によって出力された聴診結果を活用して、画像撮像処理を実施することができる。すなわち、聴診音に係る測定と、画像撮像に測定との連携が実現される。例えば、生体音情報に異常が認められる特定の部位に着目した画像撮影を行うことができる。あるいは、例えば、聴診で特に問題が無い場合、その部位に対して、不必要な画像撮影が実施されてしまうという不都合が解消される。
なお、上記情報解析装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報解析装置をコンピュータにて実現させる情報解析装置の制御プログラム、および、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の情報解析装置は、聴診器によって測定され、採取された生体音情報を情報処理して、音の特徴に基づいて、生体音の音種別を判定することができる。よって、生体音情報を利用して、その生体音を発する生体の状態を把握するためのシステムにおいて幅広く用いることが可能である。特に、採取された生体音情報を利用して、患者の状態を把握し、診療を行う聴診システムに好適に用いられる。
1 診療現場
2 サポートセンター(遠隔地)
3 電子聴診器(聴診器)
4 管理サーバ
5 通信網
10 制御部
11 入力部
12 表示部
13 記憶部
14 通信部
20 生体音取得部(生体音取得手段)
21 生体音処理部(生体音処理手段)
22 生体音解析部(生体音解析手段)
23 結果出力部(結果出力手段)
30 波形特徴判定部(波形特徴判定手段)
31 周期性判定部(波形特徴判定手段/周期性判定手段)
32 スペクトラム判定部(波形特徴判定手段/周波数成分分布判定手段)
33 スペクトログラム判定部(波形特徴判定手段/周波数帯域別周期性判定手段)
34 包絡線判定部(波形特徴判定手段/包絡線判定手段)
35 インパルスノイズ判定部(波形特徴判定手段/インパルスノイズ判定手段)
40 音種別判定部(音種別判定手段)
41 正常呼吸音判定部(音種別判定手段/正常呼吸音判定手段)
42 呼吸音減弱判定部(音種別判定手段/呼吸音減弱判定手段)
43 連続性雑音判定部(音種別判定手段/連続性雑音判定手段)
44 断続性雑音判定部(音種別判定手段/断続性雑音判定手段)
45 総合判定部(音種別判定手段/総合判定手段)
50 異常レベル判定部(異常レベル判定手段)
51 減弱レベル判定部(異常レベル判定手段/減弱レベル判定手段)
52 連続性レベル判定部(異常レベル判定手段/連続性レベル判定手段)
53 断続性レベル判定部(異常レベル判定手段/断続性レベル判定手段)
100 情報解析装置
200 聴診システム
211 自己相関解析部(生体音処理手段)
212 フーリエ変換部(生体音処理手段)
213 時間周波数解析部(生体音処理手段)
214 包絡線検波部(生体音処理手段)
215 インパルスノイズ検出部(生体音処理手段)
3006 画像撮像装置
3010 制御部
3011 通信部
3012 記憶部
3013 撮像部
3020 聴診結果取得部(聴診結果取手段)
3021 撮像部位特定部(部位特定手段)
3022 撮像制御部(撮像制御手段)
3600 測定システム
本発明の一実施形態における情報解析装置の要部構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における聴診システムの概要を示す図である。 情報解析装置の生体音取得部によって取得される生体音情報の一具体例を示す図であり、とりわけ、健常者の呼吸音を示す図である。 情報解析装置の生体音取得部によって取得される生体音情報の一具体例を示す図であり、とりわけ、肺炎患者の呼吸音を示す図である。 (a)および(b)は、情報解析装置の自己相関解析部が出力する自己相関関数の一具体例を示す図であり、とりわけ、(a)は、図3に示す呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部が導出した自己相関関数を示す図であり、(b)は、他の呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部が導出した自己相関関数の他の例を示す図である。 情報解析装置の自己相関解析部が出力する自己相関関数の一具体例を示す図であり、とりわけ、図4に示す呼吸音の波形を入力として、自己相関解析部が導出した自己相関関数を示す図である。 情報解析装置の周期性判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、周期性判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置のフーリエ変換部が出力するスペクトルの一具体例を示す図であり、とりわけ、図3に示す健常者の呼吸音をフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。 情報解析装置の生体音取得部によって取得される生体音情報の他の具体例を示す図であり、とりわけ、喘息患者の呼吸音を示す図である。 情報解析装置のフーリエ変換部が出力するスペクトルの一具体例を示す図であり、とりわけ、図に示す喘息患者の呼吸音をフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。 情報解析装置のスペクトラム判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、スペクトラム判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 健常者の呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 呼吸音減弱が発生している呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 連続性雑音が発生している呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 断続性雑音が発生している呼吸音を、情報解析装置の時間周波数解析部が短時間周波数解析を行って導出したスペクトログラムを示す図である。 情報解析装置のスペクトログラム判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、スペクトログラム判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の包絡線検波部が出力する、生体音波形の包絡線の一具体例を示す図である。 情報解析装置の包絡線判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、包絡線判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 (a)は、連続性の高い包絡線の一具体例を示す図であり、(b)は、連続性の低い包絡線の一具体例を示す図である。 情報解析装置のインパルスノイズ検出部が出力する、生体音波形においてインパルスノイズが特定されたインパルスノイズ検出結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置のインパルスノイズ判定部が参照する波形特徴判定基準の一例と、インパルスノイズ判定部が出力する波形特徴判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の正常呼吸音判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の呼吸音減弱判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の連続性雑音判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の波形特徴判定部によって出力された波形特徴判定結果を入力として、音種別判定部の断続性雑音判定部が出力する音種別判定結果の一具体例を示す図である。 情報解析装置の減弱レベル判定部が参照する減弱レベル判定基準の一例と、減弱レベル判定部が出力する減弱レベル判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の連続性レベル判定部が参照する連続性レベル判定基準の一例と、連続性レベル判定部が出力する連続性レベル判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の断続性レベル判定部が参照する断続性レベル判定基準の一例と、断続性レベル判定部が出力する断続性レベル判定結果の一例とを示す図である。 情報解析装置の結果出力部によって出力された、解析結果およびレベル判定結果を表示するための表示画面の具体例を示す図である。 本発明の一実施形態における情報解析装置による情報解析処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態における情報解析装置の要部構成を示す機能ブロック図である。 上記他の実施形態における情報解析装置の総合判定部が、患者から取得された呼吸器系音を所定の音種別に分類する際の種別体系を示す図である。 上記他の実施形態における情報解析装置による情報解析処理の流れを示すフローチャートである。 上記他の実施形態における情報解析装置による情報解析処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の減弱レベル判定部が実行する減弱レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の連続性レベル判定部が実行する連続性レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の断続性レベル判定部が実行する断続性レベル判定処理の流れを示すフローチャートである。 情報解析装置の結果出力部によって出力された、解析結果およびレベル判定結果を表示するための表示画面の他の具体例を示す図である。 測定システムの概要、および、測定システムを構成する画像撮像装置の要部構成を示すブロック図である。 生体の肺の概要を示す図である。
図10は、図に示す喘息患者の呼吸音をフーリエ変換部212がフーリエ変換して導出したスペクトルを示す図である。なお、図8および図10に示す例では、所定秒(例えば、20秒)間採取された生体音波形の音成分がフーリエ変換されたものである。
次に、図19の(b)に示す包絡線を例に挙げて説明する。上記包絡線の振幅平均値が、一点鎖線Avr2で示されている。この場合、包絡線判定部34は、振幅平均値Avr2を超える区間をZ2、Z3およびZ4と特定する。区間Z2、Z3およびZ4は、いずれも200ms以上続かない。よって、図19の(b)に示す包絡線について「判定項目4−1」を実行すると、包絡線判定部34は、「偽(200ms以上ない)」を波形特徴判定結果として出力する。

Claims (24)

  1. 聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定手段と、
    上記波形特徴判定手段によって特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定手段とを備えていることを特徴とする情報解析装置。
  2. 上記波形特徴判定基準は、上記音波形より導出された特徴量と比較する閾値と、該閾値によって定められた条件とを含み、
    上記波形特徴判定手段は、上記音波形の特徴量が上記条件に合致するか否かを判定することにより、上記音波形の特徴を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報解析装置。
  3. 上記音種別判定手段が判定する音の種別は、
    生体が発する呼吸音が正常であることを示す「正常呼吸音」
    生体が発する呼吸音が聴診器によって採取されるまでに減衰していることを示す「呼吸音減弱」
    生体が発する呼吸音に連続する雑音が含まれていることを示す「連続性雑音」、および、
    生体が発する呼吸音に断続する雑音が含まれていることを示す「断続性雑音」、
    の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報解析装置。
  4. 上記波形特徴判定手段は、
    包絡線に係る波形特徴判定基準にしたがって、音波形の包絡線が、一定以上の振幅値で連続するか否かを判定し、
    上記音種別判定手段は、
    上記包絡線が連続すると判定された場合に、上記生体音情報が「連続性雑音」に属する可能性があると判定することを特徴とする請求項3に記載の情報解析装置。
  5. 上記波形特徴判定手段は、
    インパルスノイズ数に係る波形特徴判定基準にしたがって、音波形が一定数以上のインパルスノイズを含むか否かを判定し、
    上記音種別判定手段は、
    上記音波形が一定数以上のインパルスノイズを含むと判定された場合に、上記生体音情報が「断続性雑音」に属する可能性があると判定することを特徴とする請求項3または4に記載の情報解析装置。
  6. 上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、
    包絡線の振幅平均値を超える連続する時間が200ms以上ある場合に、上記包絡線が連続すると判定することを特徴とする請求項4に記載の情報解析装置。
  7. 上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、
    所定期間内の包絡線において振幅平均値を超える時間の合計が200ms以上ある場合に、上記包絡線が連続すると判定することを特徴とする請求項4または6に記載の情報解析装置。
  8. 上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、
    上記音波形が、インパルスノイズを1周期あたりに10個以上含む場合に、上記音波形が一定数以上のインパルスノイズを含むと判定することを特徴とする請求項5に記載の情報解析装置。
  9. 上記波形特徴判定手段は、
    周波数成分分布に係る波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の周波数成分分布が、正常の傾向を示すか否か、または、異常の傾向を示すか否かを判定し、
    上記音種別判定手段は、
    上記音波形の周波数成分分布が正常の傾向を示すと判定された場合に、上記生体音情報が、「正常呼吸音」および「呼吸音減弱」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定し、
    上記音波形の周波数成分分布が異常の傾向を示すと判定された場合に、上記生体音情報が、「連続性雑音」および「断続性雑音」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定することを特徴とする請求項3から8までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  10. 上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、
    上記音波形の周波数成分分布において、200Hz以下の周波数成分の和が全体の80%以上を占める場合に、当該周波数成分分布が、正常の傾向を示すと判定し、
    上記音波形の周波数成分分布において、200Hz以上の周波数成分の和が全体の30%以上を占める場合に、当該周波数成分分布が、異常の傾向を示すと判定することを特徴とする請求項9に記載の情報解析装置。
  11. 上記波形特徴判定手段は、
    音波形における周期性が強いか否かを区分するための波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の周期性が強いか否かを判定し、
    上記音種別判定手段は、
    上記音波形の周期性が強いと判定された場合に、上記生体音情報が、「正常呼吸音」および「呼吸音減弱」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定し、
    上記音波形の周期性が弱いと判定された場合に、上記生体音情報が、「連続性雑音」および「断続性雑音」の少なくともいずれか一方に属する可能性があると判定することを特徴とする請求項3から10までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  12. 上記波形特徴判定手段は、
    時間周波数解析に基づく周波数成分分布に係る波形特徴判定基準にしたがって、上記音波形の、周波数帯域別の周期性の有無を判定し、
    上記音種別判定手段は、
    上記時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、高周波数帯域において周期性が有ると判定された場合に、上記生体音情報が「正常呼吸音」に属する可能性があると判定し、
    上記時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、低周波数帯域において周期性が有って、高周波数帯域において周期性が無いと判定された場合に、上記生体音情報が「呼吸音減弱」に属する可能性があると判定することを特徴とする請求項3から11までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  13. 上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、
    上記音波形の自己相関関数が2〜5秒間隔でピークを持つ場合、かつ、
    上記自己相関関数の包絡線における、所定振幅値における、包絡線ピークの期間が呼吸周期の10%以下である場合に、上記音波形の周期性が強いと判定することを特徴とする請求項11に記載の情報解析装置。
  14. 上記波形特徴判定手段は、上記波形特徴判定基準にしたがって、
    上記音波形の時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、400Hz以上の帯域において周期性が認められるときに、高周波数帯域において周期性が有ると判定し、
    上記音波形の時間周波数解析に基づく周波数成分分布において、周期性が認められるのが400Hz未満の帯域のときに、低周波数帯域において周期性が有って、高周波数帯域において周期性が無いと判定することを特徴とする請求項12に記載の情報解析装置。
  15. 上記音種別判定手段が、上記生体音情報が異常音に属する可能性があると判定した場合に、上記異常音の異常の程度を、上記波形特徴判定手段によって特定された上記音波形の特徴に基づいて判定する異常レベル判定手段を備えていることを特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  16. 上記音種別判定手段は、
    予め定義された音の種別ごとに、上記生体音情報が当該音の種別に該当するか否かを判定することを特徴とする請求項1から15までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  17. 上記音種別判定手段は、
    上記生体音情報が、予め定義された複数の音の種別のいずれに該当するかを特定することを特徴とする請求項1から15までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  18. 上記音種別判定手段によって生成された、上記生体音情報が属する音の種別を示した音種別判定結果を、表示部に出力する結果出力手段を備えていることを特徴とする請求項1から17までのいずれか1項に記載の情報解析装置。
  19. 上記結果出力手段は、
    上記音種別判定結果を上記生体音情報に関連付けて記憶部に記憶することを特徴とする請求項18に記載の情報解析装置。
  20. 請求項1から19までのいずれか1項に記載の情報解析装置を備えていることを特徴とする電子聴診器。
  21. 聴診器によって採取された生体音情報に含まれる音波形に対して、音波形の特徴を区分するための基準を示した波形特徴判定基準を適用して、上記音波形の特徴を特定する波形特徴判定ステップと、
    上記波形特徴判定ステップにて特定された、上記音波形の特徴に基づいて、上記生体音情報が属する音の種別を判定する音種別判定ステップとを含むことを特徴とする情報解析方法。
  22. 被測定者に対して聴診を実施するための電子聴診器と、
    上記電子聴診器によって採取された生体音情報を解析する請求項1から19までのいずれか1項に記載の情報解析装置と、
    上記情報解析装置によって出力された、上記電子聴診器を用いて実施された聴診の結果を示す聴診結果に基づいて、上記被測定者に対して画像撮像処理を実施する画像撮像装置とを含み、
    上記画像撮像装置は、
    上記情報解析装置が上記生体音情報に基づいて判定した異常の有無と、上記生体音情報が採取された部位とを少なくとも含む聴診結果を取得する聴診結果取得手段と、
    上記聴診結果取得手段によって取得された聴診結果に基づいて、異常が有ると判定された部位を特定する部位特定手段と、
    上記部位特定手段によって特定された部位に対して、それ以外の部位に対する撮像とは異なる仕方で撮像を行い、上記被測定者の画像データを取得する撮像制御手段とを備えていることを特徴とする、測定システム。
  23. コンピュータを、請求項1から19までのいずれか1項に記載の情報解析装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
  24. 請求項23に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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