JPWO2013057999A1 - 超音波撮像装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
超音波撮像において、生体組織近傍の血流速度として、物理的に整合性のある値を測定する。
超音波撮像装置は、超音波を照射した検査対象から反射するエコー信号を用いて、生体組織の形状データを認識する形状抽出部と、エコー信号から組織近傍の血流速度を検出する流速分布取得部と、検者が所望する速度情報(目的の速度情報)を抽出する速度決定部とを備える。速度決定部は、目的とする血流のモデルを設定し、そのモデルから推定される速度分布と整合する速度分布実測値の速度を決定する。
超音波撮像装置は、超音波を照射した検査対象から反射するエコー信号を用いて、生体組織の形状データを認識する形状抽出部と、エコー信号から組織近傍の血流速度を検出する流速分布取得部と、検者が所望する速度情報(目的の速度情報)を抽出する速度決定部とを備える。速度決定部は、目的とする血流のモデルを設定し、そのモデルから推定される速度分布と整合する速度分布実測値の速度を決定する。
Description
本発明は、医療用の超音波撮像装置及び方法に関し、特に、検者が所望する血流速度を精度良く計測する超音波撮像装置に関する。
血液を体内に循環させる循環器系において、血液循環の効率や形態は循環器疾患と密接な関わりをもっている。たとえば、効率の悪い循環器系は心臓に負担がかかり、心不全へのリスクが高まる。この血流動態を調べるためには、心臓内における血流速度を正確に求める必要がある。特に診断にとって重要な情報である生体内の二点間の圧較差は、弁逆流速度を用いて求められるため、弁逆流中心の正確な流速情報が要求される。
超音波を用いた血流速度を求める方法にドプラ効果を用いたドプラ計測法がある。ドプラ計測法では超音波を照射したすべての領域における血流速度が検出されるため、得られる速度情報(血流速度分布や血流速度)は幅を持つことになる。従って、得られた分布の中から、検者が適切だと考えられる速度情報を抽出する必要があるが、速度の抽出に曖昧さが残る。この曖昧さは診断の曖昧さへと繋がる。
特許文献1や特許文献2には、ドプラ波形に基いて速度を決定する際に、ドプラ波形のトレースラインにノイズや信号折り返しに起因する誤差が入るのを防止する技術が開示されている。また特許文献3には、ドプラ波形のトレースの基準として、最大輝度レベルに対し所定量低い複数の輝度レベルをトレースレベルとしてオートトレースする技術が開示されている。
これら技術では、速度決定の再現性は改善されるが、速度を決定するトレースラインのトレースレベルは任意に決めているため、速度として算出された値が物理的に適切である保証はない。このため、血流速度を用いて求められる圧較差などの高次の諸量はより不確定なものとなる。
そこで、本発明の目的はドプラ計測によって得られた速度分布情報の持つ曖昧さを排除し、検者の所望する流速値を精度良く決定することである。
上記課題を解決する本発明の超音波撮像装置は、検者が所望する速度情報の対象である血流について、速度を含む物理的現象を記述するモデルを推定し、実測された計測領域の速度分布情報から、推定した血流のモデルと整合する速度情報を決定する。
即ち、本発明の超音波撮像装置は、検査対象に超音波を送信するとともに前記検査対象から反射するエコー信号を受信する超音波探触子と、前記超音波探触子によって受信されたエコー信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部による処理結果を表示する表示部とを備え、前記信号処理部は、前記エコー信号から前記検査対象に含まれる流体の速度分布を取得する速度分布取得部と、前記速度分布取得部で取得した速度分布から速度情報を決定する速度決定部とを備え、前記速度決定部は、前記速度情報のモデルを設定し、前記モデルと前記速度分布取得部が取得した速度分布とが整合するように前記速度情報を決定する。
本発明の超音波撮像装置において、例えば、前記速度決定部は、前記モデルとして、流体の速度の空間分布を推定し、推定された速度の空間分布を、前記速度分布取得部が取得した速度分布と整合するように決定し、決定された速度の空間分布から前記速度情報を算出する。或いは、前記速度決定部は、流体の速度情報のモデルとして、ステップ関数とデルタ関数との和で表わされるモデルを設定し、前記速度分布取得部が取得した速度分布の特異点の値を用いて、前記速度情報を算出する。
また、本発明の超音波撮像方法は、超音波を照射した検査対象から反射するエコー信号を用いて、前記検査対象の診断情報を取得する超音波撮像方法であって、エコー信号を用いて前記検査対象に含まれる流体の速度分布を取得するステップと、前記流体の速度分布から速度情報を決定するステップとを備え、前記速度情報決定ステップは、前記速度情報のモデルを設定するステップと、前記流体の速度分布から、前記モデルと整合する速度を検索し、決定するステップと、決定した速度及び/又は当該速度から算出される診断情報を表示するステップとを含む。
本発明の超音波撮像方法において、前記速度から算出される診断情報は、例えば、圧較差、絶対圧、圧の時間微分値、時定数、及び圧−容積関係図のいずれかを含む。
本発明によると、ドプラ計測の精度が向上し、それに付随し、これまで精度がよくなかった圧力に関する算出精度が向上する。
本発明の超音波撮像装置は、検査対象に超音波を送信するとともに検査対象から反射するエコー信号を受信する超音波探触子と、超音波探触子によって受信されたエコー信号を処理する信号処理部と、信号処理部による処理結果を表示する表示部とを備える。信号処理部は、エコー信号から検査対象に含まれる流体の速度分布を取得する速度分布取得部と、速度分布取得部で取得した速度分布から速度情報を決定する速度決定部とを備える。速度決定部は、速度情報のモデルを設定し、モデルと前記速度分布取得部が取得した速度分布とが整合するように速度情報を決定する。
具体的には、速度決定部は、モデルとして、流体の速度の空間分布を推定し、推定された速度の空間分布を、速度分布取得部が取得した速度分布と整合するように決定し、決定された速度の空間分布から速度情報を算出する。或いは、速度決定部は、流体の速度情報のモデルとして、ステップ関数とデルタ関数との和で表わされるモデルを設定し、流体速度分布取得部が取得した速度分布の特異点の値を用いて、速度情報を算出する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による超音波撮像装置の装置構成例を示すブロック図であり、図1(a)は装置全体を示す図、(b)は信号処理部の一部である診断情報算出部の詳細を示す図である。図1(a)に示すように、本実施形態の超音波撮像装置は、装置本体1と超音波探触子2を有している。
図1は、本発明による超音波撮像装置の装置構成例を示すブロック図であり、図1(a)は装置全体を示す図、(b)は信号処理部の一部である診断情報算出部の詳細を示す図である。図1(a)に示すように、本実施形態の超音波撮像装置は、装置本体1と超音波探触子2を有している。
装置本体1は超音波探触子2を制御しながら、超音波画像の生成に使用するものであり、入力部10、制御部11、超音波信号発生器12、超音波受信回路13、表示部14及び信号処理部15を備えている。
超音波探触子2は生体(被検者)3に接し、照射領域30に対し、超音波信号発生器12で生成された信号に従い超音波を照射すると共に、照射領域30の反射波エコー信号を受信する。超音波探触子2は、スキャン方式に応じて連続波或いはパルス波を発生する。
装置本体1の各構成要素を説明する。入力部10は、超音波撮像装置を操作する検者が制御部11に対し超音波撮像装置の動作条件を設定するキーボードやポインティングデバイスを備えると共に、心電図を使用する場合、心電図信号入力部としても機能する。
制御部11は、入力部10によって設定された超音波撮像装置の動作条件に基づき超音波信号発生器12、超音波受信回路13、表示部14及び信号処理部15を制御するもので、例えばコンピュータシステムのCPUである。
超音波信号発生器12は、所定の周波数の信号を発生する発振器を備え、超音波探触子2に駆動信号を送る。超音波受信回路13は、超音波探触子2によって受信された反射エコー信号を増幅や整相など信号処理を行う。超音波受信回路13は、受信回路、包絡線検波手段、Log圧縮を行う手段を含む。表示部14は信号処理部15で得られた情報を出力する。信号処理部15は、超音波探触子2からの反射エコー信号から超音波画像を生成する機能を有する。その詳細は後述する。
また図示していないが、装置本体1は、スキャンコンバータやA/Dコンバータを備えている。スキャンコンバータは超音波受信回路13に含んでもよいし、信号処理部15の後段に備えていてもよい。超音波受信回路13がスキャンコンバータを含む場合は、信号処理部15で取り扱うデータ量が減るというメリットがある。また、スキャンコンバータを超音波受信回路13に含めない場合には、信号処理部15で多くのデータを取り扱うことができ、精度のよい計測装置が実現できる。A/Dコンバータは信号処理部15の前段に備えられる。そのサンプリングの周波数は通常20MHzから50MHzの間とする。
次に、信号処理部15の詳細な構成要素を説明する。信号処理部15は、本発明に関わる主要な要素として、形状抽出部151、流速分布取得部152、速度情報の算出を行う診断情報算出部153、メモリ154、加算部155を有する。診断情報算出部153は、図1(b)に示すように、速度決定を行う速度決定部156と、診断情報算出部153の処理結果の精度を算出する精度算出部157、速度をもとに圧較差、絶対圧、圧−容積曲線などの各種診断情報を算出する算出部158〜160を備えている。
形状抽出部151は、超音波受信回路13から出力される反射エコー信号から、例えばBモード像、すなわち超音波照射対象の平面的撮像法を用いた2次元的な組織形状画像あるいは立体的撮像法を用いた3次元的な組織形状画像を形成する。また、形状抽出部151は組織形状画像より、組織位置情報を抽出する。流速分布取得部152は組織形状情報から得た、所定の位置の血流情報を抽出する。速度決定部156は前記血流情報から、検者が所望する速度情報を決定する。メモリ154は、反射エコー信号、及び、形状抽出部151、流速分布取得部152、診断情報算出部153で保持する情報を記憶する。
また本実施形態の超音波撮像装置は、検査対象の心周期情報(心電図や心音図)を取得する周期情報取得部(入力部10)を備え、速度分布取得部152は、周期情報取得部が取得した心周期情報に基き、心周期毎に速度分布を取得する。加算部155は、速度分布取得部152が心周期毎に取得した速度分布を加算する。速度決定部156は、加算された速度分布を用いて、速度情報を決定することができる。
精度算出部157は、速度決定部156が算出した速度情報及び/又は当該速度情報から算出した診断情報の精度を算出する。精度算出部157は、例えば、速度分布取得部が取得した速度分布の極大値と極小値との差を用いて精度(指標)を算出する。圧較差算出部158は、速度決定部156が決定した弁逆流の速度情報を用いて、弁内外の圧較差を算出する。絶対圧算出部159は、圧較差算出部158が算出した前記圧較差と予め設定又は外部入力された基準圧から、絶対圧を算出する。容積算出部160は、例えば、形状画像形成部151の形成した形状画像から複数の時刻において所望臓器例えば左心室の容積を算出する。信号処理部15は、さらに、絶対圧算出部159が算出した左心室の絶対圧から、時間的な微分値(dP/dt)及び/又は左心室の弛緩状態を指数関数で近似した際の時定数τを算出する手段を備えていてもよい。
以上説明した装置の構成を踏まえ、超音波撮像装置の動作の実施形態を説明する。以下の実施形態では、速度情報が心臓の弁逆流の速度情報であり、速度決定部は、速度情報のモデルとして噴流モデルを用いる。速度決定部は、この噴流モデルを、噴流の発達領域のモデルと噴流の未発達領域のモデルとの畳み込み演算によって作成する。
本実施の形態の処理フローを図2に示す。図2では、具体的な例として、大動脈弁と左心室を含む部位を図1中の照射領域30にする場合を説明するが、照射領域30は検者が所望する血管や他の心腔でもよい。
<第一実施形態>
<ステップS1>
まず、照射領域の形態情報(Bモード画像)を得るために撮像を行う。Bモード像の超音波周波数は、撮像が可能な1MHzから20MHzの範囲とする。また、心拍によって変動する組織撮像する際のフレームレートは心臓の動きを捉えることができる範囲である、20Hz以上とする。形状抽出部151は、超音波受信回路13から出力される反射エコーより、例えばBモード像、すなわち超音波照射対象の平面的撮像法を用いた2次元的な超音波生体画像あるいは立体的撮像法を用いた3次元的な超音波生体画像を形成する。このとき、超音波生体画像用のデータは時系列で取得される。
<ステップS1>
まず、照射領域の形態情報(Bモード画像)を得るために撮像を行う。Bモード像の超音波周波数は、撮像が可能な1MHzから20MHzの範囲とする。また、心拍によって変動する組織撮像する際のフレームレートは心臓の動きを捉えることができる範囲である、20Hz以上とする。形状抽出部151は、超音波受信回路13から出力される反射エコーより、例えばBモード像、すなわち超音波照射対象の平面的撮像法を用いた2次元的な超音波生体画像あるいは立体的撮像法を用いた3次元的な超音波生体画像を形成する。このとき、超音波生体画像用のデータは時系列で取得される。
ステップS1によって得られる形状情報の一例を図3に示す。図3は2次元のBモードによって撮像された心臓の左心室31、左心房32、右心室33、僧房弁34、左室後壁35、心尖部36、大動脈弁37を示している。
<ステップS2>
形状抽出部151において、ステップS1で形成した超音波生体画像より組織位置情報を取得する。組織位置の決定は、組織内壁を画像処理によって検出してもよいし、検者が入力部10を介して組織内壁を指定することで位置情報を取得してもよい。具体的には超音波画像では組織は高輝度値として認識されるため、高輝度値部を心臓組織とし、2次元、あるいは3次元的な心臓組織位置を取得する。あるいは、検者が入力部10に備えてあるポインティングデバイスを介し、血液と組織との境界面である組織内壁を指定することで、位置を与えてもよい。
形状抽出部151において、ステップS1で形成した超音波生体画像より組織位置情報を取得する。組織位置の決定は、組織内壁を画像処理によって検出してもよいし、検者が入力部10を介して組織内壁を指定することで位置情報を取得してもよい。具体的には超音波画像では組織は高輝度値として認識されるため、高輝度値部を心臓組織とし、2次元、あるいは3次元的な心臓組織位置を取得する。あるいは、検者が入力部10に備えてあるポインティングデバイスを介し、血液と組織との境界面である組織内壁を指定することで、位置を与えてもよい。
<ステップS3>
次に、流速分布取得部152が、形状抽出部151で取得した超音波生体画像のなかの血流部に注目し、血流部位(超音波照射部内の全部あるいは一部)の速度分布情報(ドプラ波形)を取得する。
次に、流速分布取得部152が、形状抽出部151で取得した超音波生体画像のなかの血流部に注目し、血流部位(超音波照射部内の全部あるいは一部)の速度分布情報(ドプラ波形)を取得する。
血流部は血管の流れる部位であればよく、診断の目的に応じて、選択される。血流部として、たとえば左心室を経由する経路では、肺静脈から左房へ流入する血流、左房から左室への流入血流、あるいは僧帽弁における逆流、左室から大動脈への駆出流、また大動脈弁逆流などが挙げられ、同様に右心室を経由する経路では、大静脈から右房への流入、右房から右室への流入、三尖弁逆流、右室から肺動脈への駆出流、肺動脈弁逆流などが挙げられる。本実施形態では、血流部として、血流情報が顕著である大動脈弁逆流を選択する。血流部の位置は、ステップS2で得られた組織画像をもとに、画像処理により検出することができ、上記所望の血流部位を設定する。
部位を設定した後、設定された計測対象部位について、連続ドプラ法或いはパルスドプラ法による計測を行う。計測には、連続ドプラ及びパルスドプラのいずれも採用することができるが、本実施形態では僧帽弁を対象としているため、速度レンジの広い連続ドプラ法を採用している。図4(a)に示すように、連続波ドプラ法の計測領域41はビーム全域となり、図4(b)に示すパルスドプラ法の計測領域42は、より小さな領域となる。
いずれの場合も、計測領域41、42内を流れる血流は一様ではなく、様々な流速を持っているため、超音波探触子2が照射した超音波は血流速度に応じて超音波周波数が変化し、超音探触子2が検出する超音波の周波数は、計測領域内の血流速度に応じて様々な変調が混ざったものとなる。流速分布取得部152は、超音探触子2が検出した超音波周波数の変化量をもとに血流速度を算出する。血流速度算出の概要を図5に示す。図5(a)は計測領域41に血流が均一な速度で流れている場合を示している。この場合、超音波探触子2が受信する変調信号50に対し、フーリエ変換等の周波数解析を行うことで速度が求まる。図5(b)は、計測領域41に様々な速度の血流が存在する場合であり、超音波探触子2が受信する変調信号50は個々の血中散乱体速度を反映した変調信号51の総和となる。変調信号50に対し周波数解析を行うと、速度と信号強度の関係を表す速度分布53が取得される。ここで信号強度は同一の速度を有する散乱体の量に対応している。
流速分布取得部152で生成された実際の速度分布情報の例を図6に示す。図6(a)は、連続波ドプラで取得した弁逆流波形(ドプラ波形)であり、食用豚の大動脈弁を実際にモーターで駆動させて開閉を行った際に取得した実験結果である。縦軸は弁逆流の速度、横軸は時相を示している。図6(b)は、ドプラ波形61の所定の時刻Tにおける速度と輝度値との関係を示すグラフ(輝度値速度分布)62を示す図で、縦軸は輝度値で横軸は速度に対応している。このグラフ62は、図5(b)に示す速度の信号強度分布53の実データに相当する。図6(c)は、大動脈弁37の弁流を対象とする超音波照射領域41を示している。
<ステップS4>
流速分布取得部152は、速度分布情報を取得するに際し、ドプラ波形の平均加算を行うことが好ましい。これにより、精度の向上を行うことができる。平均加算は、入力部10より心電図や心音図のタイミングを入力してもよいし、画像処理によってドプラ波形に対して相互相関を行ってもよい。心時相の検出には、図7に示すような種々の物理量を用いることができる。図7は、上から順に、心電図信号波形71、僧房弁流入速度波形72、肺動脈弁逆流波形73、心壁速度波形74、心壁運動波形75の変化を示している。心電図信号を用いた場合は、入力部10から取り込んだ心電図信号波形71による心拍時相が認識できる。その他の波形72〜75については、ドップラー計測や経時的に計測したMモード画像から得ることができ、波形の極大値、極小値、最大値、最小値、傾き、ゼロクロスなどを用いることで、特定の時相76を検出することができる。
流速分布取得部152は、速度分布情報を取得するに際し、ドプラ波形の平均加算を行うことが好ましい。これにより、精度の向上を行うことができる。平均加算は、入力部10より心電図や心音図のタイミングを入力してもよいし、画像処理によってドプラ波形に対して相互相関を行ってもよい。心時相の検出には、図7に示すような種々の物理量を用いることができる。図7は、上から順に、心電図信号波形71、僧房弁流入速度波形72、肺動脈弁逆流波形73、心壁速度波形74、心壁運動波形75の変化を示している。心電図信号を用いた場合は、入力部10から取り込んだ心電図信号波形71による心拍時相が認識できる。その他の波形72〜75については、ドップラー計測や経時的に計測したMモード画像から得ることができ、波形の極大値、極小値、最大値、最小値、傾き、ゼロクロスなどを用いることで、特定の時相76を検出することができる。
<ステップS5>
速度決定部156は、ステップS2で形状抽出部151が取得した組織位置情報と、ステップS3で流速分布取得部152が取得した速度分布情報をもとに、検者が所望する血流速度を物理的な整合性を考慮して決定する(S5)。
速度決定部156は、ステップS2で形状抽出部151が取得した組織位置情報と、ステップS3で流速分布取得部152が取得した速度分布情報をもとに、検者が所望する血流速度を物理的な整合性を考慮して決定する(S5)。
具体的には、図6(b)に示す輝度値と速度分布の関係は、ある速度を持つ血液が計測領域にどれだけ存在するかを示していることから、まず、弁逆流について速度の空間分布モデルを想定し、その速度空間分布から、ある速度uを持つ流速の体積を推定し、速度uとその体積V(u)の関係、速度体積関係を推定する。次に、信号強度は体積と相関することを利用して、速度体積関係から輝度値速度関係を推定する。最後に、実測の輝度値速度関係と推定の輝度値速度関係を整合させて、実際に所望の速度Uを求める。
以下、ステップS5の詳細を図8に示すフローを参照して説明する。
<<ステップS501>>
まず、目的とする血流について、速度の空間分布のモデルから、ある速度uを持つ流速の体積を推定し、速度uとその体積V(u)との関係を推定する。ここでは大動脈弁逆流を対象としているので、大動脈弁逆流を噴流であるとみなし、速度分布を予測する。大動脈弁噴流の速度分布は、図9に示すように、大動脈弁37の近傍では、中心部分(コア)の速度が突出し、その周辺との境界で不連続な変化があるが、大動脈弁37から離れたところでは、コアの周囲が滑らかになり周辺に連続的に連なるようになる。コア領域(平らな部分)が滑らかになった領域を噴流が発達した領域という。本実施形態では、コアが発達した領域と未発達な領域とを分けて、それぞれ、別のモデル式を立てて、それらを積算する。
<<ステップS501>>
まず、目的とする血流について、速度の空間分布のモデルから、ある速度uを持つ流速の体積を推定し、速度uとその体積V(u)との関係を推定する。ここでは大動脈弁逆流を対象としているので、大動脈弁逆流を噴流であるとみなし、速度分布を予測する。大動脈弁噴流の速度分布は、図9に示すように、大動脈弁37の近傍では、中心部分(コア)の速度が突出し、その周辺との境界で不連続な変化があるが、大動脈弁37から離れたところでは、コアの周囲が滑らかになり周辺に連続的に連なるようになる。コア領域(平らな部分)が滑らかになった領域を噴流が発達した領域という。本実施形態では、コアが発達した領域と未発達な領域とを分けて、それぞれ、別のモデル式を立てて、それらを積算する。
噴流の発達領域は、例えば、Goretlerの式として知られている次式(1)で表わすことができる(非特許文献1)。
式中、uは速度、Kは噴流の運動量に関係する噴流種類に依存した定数、εはKの関数である。xは噴流仮想原点からの噴流方向への距離、yは噴流中心から噴流垂直方向への距離である。
社河内、噴流工学(2004)森北出版
社河内、噴流工学(2004)森北出版
式(1)の代わりに、Schilichtingの式やTollmienの式(いずれも、非特許文献1記載)を用いてもよい。
上記式(1)等が有効なのは、噴流が発達した場合に限られるので、噴流の未発達領域では、式(2)で表わされるモデルを用いる。
式中、Uは噴流中心の速度で、これが本実施形態で求めるべき速度である。特に、大動脈と左室間の圧較差を算出する際には、理想的には大動脈弁逆流の中心付近の速度が必要となる。Bはコア領域の滑らかさを表す定数である。
式(2)の代わりに、指数関数、ステップ関数、エラー関数、デルタ関数のいずれか、或いはこれらの組合せを用いてもよい。
上記式(1)と式(2)とを用いて、体積の関係式を求めると、体積の分布は式(3)のように記述できる。
式中、Rはコア領域の半径、CRはコア領域の広さを示す指標であり、Cは10から15の間の定数である。Dは演算により自動的に導かれる定数で40〜70までの値を取る。
<<ステップS502>>
ステップS501で算出した速度と体積との関係式をもとに、速度と輝度値との関係を求める。この計算は、式(3)の体積について、対数をとり、ガンマ関数などの調整を加えることにより実現できる。式(3)を用いて再現した速度分布(速度と輝度値との関係)を図10(a)に示す。この結果は、図10(b)に再度示す実測値(輝度値速度分布)62の点線部と比較して、良好な再現といえる。上記式(3)において、A、n、R、σ、Uは未知数であり、次のステップで実測値からフィッティングを行うことにより算出する。
ステップS501で算出した速度と体積との関係式をもとに、速度と輝度値との関係を求める。この計算は、式(3)の体積について、対数をとり、ガンマ関数などの調整を加えることにより実現できる。式(3)を用いて再現した速度分布(速度と輝度値との関係)を図10(a)に示す。この結果は、図10(b)に再度示す実測値(輝度値速度分布)62の点線部と比較して、良好な再現といえる。上記式(3)において、A、n、R、σ、Uは未知数であり、次のステップで実測値からフィッティングを行うことにより算出する。
<<ステップS503>>
ステップS502で求めた速度分布の式(式(3))と実測値62(図6(b))とをフィッティングし、式(3)の未知数を求め、所望の速度であるUを算出する。フィッティング方法は、最小二乗法、差分絶対値最小法、相互相関によるパターンマッチング等の公知の手法を用いることができる。なおフィッティングは、式(3)に対して畳み込み積分を行ったあとに行ってもよいし、畳み込み積分効果を考慮しないフィッティングの場合は、式(5)で畳み込み効果を補正しても良い。
ステップS502で求めた速度分布の式(式(3))と実測値62(図6(b))とをフィッティングし、式(3)の未知数を求め、所望の速度であるUを算出する。フィッティング方法は、最小二乗法、差分絶対値最小法、相互相関によるパターンマッチング等の公知の手法を用いることができる。なおフィッティングは、式(3)に対して畳み込み積分を行ったあとに行ってもよいし、畳み込み積分効果を考慮しないフィッティングの場合は、式(5)で畳み込み効果を補正しても良い。
<<ステップS504>>
一般に、ドプラ波形を生成する際は、どんなに均一な速度分布を計測したとしても、図5に示す速度分布53のように、装置に依存した幅を持つ。本ステップでは、装置に依存した速度分布の幅を補正する。具体的には、例えば、幅の特性関数Gが式(4)に示すガウシアン分布であり、その分散値がSである場合、補正後の速度は、式(5)で表わすことができる。
式中、Ucは補正後の速度である。
一般に、ドプラ波形を生成する際は、どんなに均一な速度分布を計測したとしても、図5に示す速度分布53のように、装置に依存した幅を持つ。本ステップでは、装置に依存した速度分布の幅を補正する。具体的には、例えば、幅の特性関数Gが式(4)に示すガウシアン分布であり、その分散値がSである場合、補正後の速度は、式(5)で表わすことができる。
上記ステップS504は、本実施形態において必須ではないが、ステップS504の処理によって、速度決定の精度を高めることができる。
以上説明したステップS501〜S504は速度決定部156により処理されるステップである。これらステップにより、所望の速度U(補正後はUc)が決定される。
以上説明したステップS501〜S504は速度決定部156により処理されるステップである。これらステップにより、所望の速度U(補正後はUc)が決定される。
診断情報算出部153は、上述のように速度決定部156が算出した速度Uを用いて、以下のステップS6〜S9(図2)を行い、速度以外の診断情報を算出することができる。これらステップは、検者が必要に応じて選択して行うようにしてもよい。
<ステップS6>
算出された大動脈弁逆流の中心速度Uを基に、式(6)に示す簡易ベルヌーイ式から圧力較差dPを求める(圧較差算出部158の処理)。圧力較差を時相毎に求めることで、その時間変化の情報を得ることができる。
算出された大動脈弁逆流の中心速度Uを基に、式(6)に示す簡易ベルヌーイ式から圧力較差dPを求める(圧較差算出部158の処理)。圧力較差を時相毎に求めることで、その時間変化の情報を得ることができる。
上記圧較差は圧力の差分であって絶対圧ではないので、さらに基準圧をもとに絶対圧を計算する(絶対圧算出部159の処理)。基準圧は、入力部10から入力された基準圧Pをもとに、左室絶対圧PLVに換算してもよい。また、基準圧の基準点に大動脈を選択し、基準圧に大動脈圧PAOを選択してもよい。この場合、大動脈圧PAOは大動脈血圧計で取得した値を用いることができ、左室絶対圧PLVは次式(7)で表わされる。
<ステップS7>
容積算出部160は、形状画像形成部151の形成した形状画像から複数の時刻において左心室の容積を算出する。左心室容積の算出には、左心室を回転楕円体と仮定し、二次元の撮像画像から得られた左心室の内径より求めるPombo法やTeichholz法などを用いることができる。あるいは、心臓の形状を3次元的に撮像することで、直接的に計測することも可能である。算出した複数の時刻における左心室容積Vと、ステップS5で算出した複数の時刻における絶対圧Pとの関係を表す圧−容積関係図を作成する。圧−容積関係図の一例を図11に示す。図中、複数のループ状の曲線は、検査対象について異なる身体的条件で測定した場合の圧−容積関係曲線CPVであり、1心拍で一つのループを示している。異なる身体的条件とは、例えば、下肢に負荷を与える前後、薬物の投与前後などである。これら圧−容積関係曲線CPVをもとに、収縮期末期における圧−容積関係の傾きEmaxや拡張末期圧と容積の関係を示す拡張末期圧−容積関係曲線CPV EDを表示してもよい。
容積算出部160は、形状画像形成部151の形成した形状画像から複数の時刻において左心室の容積を算出する。左心室容積の算出には、左心室を回転楕円体と仮定し、二次元の撮像画像から得られた左心室の内径より求めるPombo法やTeichholz法などを用いることができる。あるいは、心臓の形状を3次元的に撮像することで、直接的に計測することも可能である。算出した複数の時刻における左心室容積Vと、ステップS5で算出した複数の時刻における絶対圧Pとの関係を表す圧−容積関係図を作成する。圧−容積関係図の一例を図11に示す。図中、複数のループ状の曲線は、検査対象について異なる身体的条件で測定した場合の圧−容積関係曲線CPVであり、1心拍で一つのループを示している。異なる身体的条件とは、例えば、下肢に負荷を与える前後、薬物の投与前後などである。これら圧−容積関係曲線CPVをもとに、収縮期末期における圧−容積関係の傾きEmaxや拡張末期圧と容積の関係を示す拡張末期圧−容積関係曲線CPV EDを表示してもよい。
なお、拡張末期圧PLV EDは、次式(8)により算出することができる。
式中、PAOは拡張末期から大動脈弁開放時における大動脈圧である。拡張末期から大動脈弁開放時の間、大動脈圧の変化は小さいので、PAOは拡張末期から大動脈弁開放時における大動脈圧の任意の値あるいは平均の値をとってもよい。また、dPOpは大動脈弁開放時の左心室―左心房の圧較差である。
<ステップS8>
診断情報算出部153は、ステップS6で算出した絶対圧から、時間的な微分値を示す物理量であるdP/dt及び/又は左心室の弛緩状態を指数関数で近似した際の時定数τを算出することもできる。ステップS6〜S8で得られる値は、検査対象の心臓の状態を示す重要な診断指標となる。
診断情報算出部153は、ステップS6で算出した絶対圧から、時間的な微分値を示す物理量であるdP/dt及び/又は左心室の弛緩状態を指数関数で近似した際の時定数τを算出することもできる。ステップS6〜S8で得られる値は、検査対象の心臓の状態を示す重要な診断指標となる。
<ステップS9>
精度算出部157は、上記各ステップで算出された診断情報、特に速度決定部156で決定された速度について、その精度を算出してもよい。精度の指標は、例えば、図6(b)のグラフ62の輝度値極値Pmax(Pp1)の値I1と輝度下部極値Pmin(Pp2)の値I2を用いて、次式(9)による算出することができる。
この数値がある閾値よりも小さいときは、ステップS503或いはS504で決定した速度、およびそれに基きステップS6〜S8で算出された諸情報の精度が低いことを示す。算出された指標aは、表示部14に表示させることができ、それにより検者は再計測の要否等を判断することができる。
精度算出部157は、上記各ステップで算出された診断情報、特に速度決定部156で決定された速度について、その精度を算出してもよい。精度の指標は、例えば、図6(b)のグラフ62の輝度値極値Pmax(Pp1)の値I1と輝度下部極値Pmin(Pp2)の値I2を用いて、次式(9)による算出することができる。
なお、上述した各ステップS501〜S504及びステップS6〜S9の計算式(アルゴリズム)は、予めメモリ部154に格納されており、速度決定部156等の診断情報演算部153が上記数値の計算の際に読出し、計算を行う。
<ステップS10>
上記診断情報演算部153で算出された診断情報は、表示部14に表示される。表示の詳細は後述する。
上記診断情報演算部153で算出された診断情報は、表示部14に表示される。表示の詳細は後述する。
以上、説明したように、本実施形態の超音波診断装置では、大動脈弁逆流の発達部分と未発達部分とについて、それぞれモデル式を立てて、その畳み込み演算後の結果である速度―輝度値関係式と実測値とをフィッティングする。これにより、物理的に整合性のある速度を正確に決定することができる。
なお本実施形態では、所望の血流部として大動脈弁逆流を対象とする場合を説明したが、本実施形態は、大動脈弁逆流のみならず、噴流モデルが当てはまる血流部であれば同様に適用することができる。
<第二実施形態>
本実施形態においても、装置の構成(図1)は第一実施形態と同様であり、また、まずBモード像を取得し、計測対象領域を設定すること、設定した計測対象領域についてドプラ計測を行うことは、第一実施形態のステップS1〜S4と同じである。また本実施形態でも、速度決定部156は、形状抽出部151が取得した組織位置情報と、流速分布取得部152が取得した速度分布情報をもとに、検者が所望する血流速度を物理的な整合性を考慮して決定する。但し、本実施形態では、速度決定部156は、複数の異なる速度の血流が存在する系の輝度値速度分布グラフにおいて、所望の速度の位置を推定する式を立てて、この式を実測した輝度値速度分布に当てはめて、所望の速度を求める。
本実施形態においても、装置の構成(図1)は第一実施形態と同様であり、また、まずBモード像を取得し、計測対象領域を設定すること、設定した計測対象領域についてドプラ計測を行うことは、第一実施形態のステップS1〜S4と同じである。また本実施形態でも、速度決定部156は、形状抽出部151が取得した組織位置情報と、流速分布取得部152が取得した速度分布情報をもとに、検者が所望する血流速度を物理的な整合性を考慮して決定する。但し、本実施形態では、速度決定部156は、複数の異なる速度の血流が存在する系の輝度値速度分布グラフにおいて、所望の速度の位置を推定する式を立てて、この式を実測した輝度値速度分布に当てはめて、所望の速度を求める。
例えば、本実施形態では、速度決定部は、速度情報のモデルとして、ステップ関数とデルタ関数との和で表わされるモデルを設定し、速度分布取得部が取得した速度分布の特異点の値を用いて、速度情報を算出する。速度決定部が用いる特異点は、速度分布取得部が取得した速度分布の極小値、極大値、変曲点のいずれかを含む。
以下、第一実施形態とは異なるステップを中心に第二実施形態の動作を説明する。図12は、第二実施形態の速度決定部156の処理フローを示す図で、ステップS1〜S4及びステップS6〜S10は、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。本実施形態の特徴であるステップS5の詳細を以下説明する。
<<ステップS511>>
速度決定部156は、流速分布取得部152が取得した速度分布情報(図6(b)に示す輝度値速度分布62)の特異点を検出する。特異点は、具体的には、輝度値減少変曲点P1、輝度値増加変曲点P2、輝度値極値Pp(Pp1、Pp2)、輝度下端部P3などである。これらの特異点は、グラフから、またその微分を取ることで、検出することができる。グラフから特異点の速度を求め、次ステップS512に進み、速度を計算する。その際、輝度値極値Ppが顕著に現れない場合は、噴流の信号強度が低下している可能性が高く、ステップS513に進む。
速度決定部156は、流速分布取得部152が取得した速度分布情報(図6(b)に示す輝度値速度分布62)の特異点を検出する。特異点は、具体的には、輝度値減少変曲点P1、輝度値増加変曲点P2、輝度値極値Pp(Pp1、Pp2)、輝度下端部P3などである。これらの特異点は、グラフから、またその微分を取ることで、検出することができる。グラフから特異点の速度を求め、次ステップS512に進み、速度を計算する。その際、輝度値極値Ppが顕著に現れない場合は、噴流の信号強度が低下している可能性が高く、ステップS513に進む。
<<ステップS512>>
輝度値速度分布グラフには、ステップS511で検出した、輝度下端部P3、輝度値減少変曲点P1、輝度値極値Pp、輝度値増加変曲点P2など、幾つかの特徴点が存在するが弁逆流の速度の真値は不明である。そこで本ステップでは、輝度値速度分布がステップ関数とデルタ関数の和で表わされると仮定し、ピーク位置の速度の真値が得られる位置を推定する。
輝度値速度分布グラフには、ステップS511で検出した、輝度下端部P3、輝度値減少変曲点P1、輝度値極値Pp、輝度値増加変曲点P2など、幾つかの特徴点が存在するが弁逆流の速度の真値は不明である。そこで本ステップでは、輝度値速度分布がステップ関数とデルタ関数の和で表わされると仮定し、ピーク位置の速度の真値が得られる位置を推定する。
速度−輝度値グラフにおける速度位置の推定の概念を、図13を用いて説明する。図中、(a)は複数の速度が存在する場合、(b)は速度が一定の場合であり、ともに、横軸は速度で縦軸は輝度値である。図13(b)に示すように、計測領域の血流速度が一定の場合は、輝度値速度分布101は計測速度内の速度Uで大きな値を示すが、装置の特性関数Gによってなめされる。しかし、なめされた輝度値速度分布102においても、輝度値のピークが速度Uにあることに変わりはない。一方、噴流の中心付近はある程度一定の速度を示しているが、それと逆方向の成分も含む他の速度成分が介在している場合は、図13(a)に示すような輝度値速度分布103となる。さらに装置の特性関数Gによってなめされるとなめされた輝度値速度分布104が得られる。この輝度値速度分布104は、輝度値のピークがあるという意味において、輝度値速度分布102と定性的に一致するが、そのピークの位置104pは領域内の最大速度Uよりも低速側にシフトしている。これは、周囲速度によって引っ張られてしまったためである。このことから、輝度値のピークは必ずしも噴流中心速度を示しているとは限らないことがいえる。
ここで、輝度値速度分布103がステップ関数とデルタ関数の和で表わされる場合、ピーク位置の速度の真値Uは次式(10)で表わすことができる。
式中、U1は輝度値減少変曲点P1の速度、U2は輝度値増加変曲点P2の速度、Upは輝度値極値Ppの速度の値である。
式(11)で記載される式は、大動脈弁逆流にとどまらず、速度分布がステップ関数等で仮定できるものであればすべてに応用できる。例えば、理想的な血管内の流れは、式(12)で記述され、その確率密度関数は一種のステップ関数となる。
一般的な血管の流れにおいても、血管の流れが精度よく計測される場合には、同様のステップ関数で記述することができ、式(11)を適用することができる。
なお、上述した式(10)、(11)は、輝度値速度分布103がステップ関数とデルタ関数の和で表わされる場合を想定した簡便な方法であるが、ステップ関数とデルタ関数の代わりに、式(1)、式(2)を用いてもよい。この場合には、前記ステップS503で記載した実施例を用いることができる。
本実施形態においても、速度決定に関する演算情報(式(10)、(11))はメモリ部154に格納されており、速度決定部156が速度決定時に呼び出す。
本実施形態においても、速度決定に関する演算情報(式(10)、(11))はメモリ部154に格納されており、速度決定部156が速度決定時に呼び出す。
<<ステップS514>>
精度算出部157は、第一実施形態で説明したステップS9と同様に、輝度値極値Ppの情報を用いて、上記ステップS512、S513で決定された速度の精度を算出してもよい。算出された精度は、表示部14に表示させることができ、それにより検者は再計測の要否等を判断することができる。また決定された速度を用いてステップS6〜S10で種々の診断情報を算出してもよいことは、第一実施形態と同様である。
精度算出部157は、第一実施形態で説明したステップS9と同様に、輝度値極値Ppの情報を用いて、上記ステップS512、S513で決定された速度の精度を算出してもよい。算出された精度は、表示部14に表示させることができ、それにより検者は再計測の要否等を判断することができる。また決定された速度を用いてステップS6〜S10で種々の診断情報を算出してもよいことは、第一実施形態と同様である。
本実施形態によれば、フィッティングによる所望速度を算出する第一実施形態に比べ、簡単な手法で真の所望速度を決定することができる。また本実施形態は、血流の流れをステップ関数で表わすことが可能な全ての対象について適用することができる。さらに本実施形態では、求めた結果の精度を算出する機能を備えたことにより、検者が決定結果の精度を確認することができる。
<表示の実施形態>
上述した実施形態では、主として、所望速度の決定と求められた速度を用いた圧力情報の計算について説明したが、以下では、これら実施形態に共通する表示の実施形態を説明する。
上述した実施形態では、主として、所望速度の決定と求められた速度を用いた圧力情報の計算について説明したが、以下では、これら実施形態に共通する表示の実施形態を説明する。
図14に表示部14に表示されるグラフの例を示す。
図14(a)は、流速分布取得部152が作成したドプラ波形を表示する画面140に、検者の所望する時相Tの速度Uを表示した例を示す図で、図示する例では、速度Uはブロック141内に数値として表示される。また同ドプラ波形上に、全時相あるいは一部の時相における輝度値減少変曲点P1、輝度値増加変曲点P2、輝度値極値Pp、算出された速度Uのうち一つあるいは複数を時系列的に繋げてライン142として、あるいは点143としてドプラ波形に重ねて表示してもよい。またブロック141には、速度検索結果の精度aを表示してもよいし、精度aに閾値を設定し、aが閾値以下の場合は、計測精度が低い旨を表示してもよい。
図14(a)は、流速分布取得部152が作成したドプラ波形を表示する画面140に、検者の所望する時相Tの速度Uを表示した例を示す図で、図示する例では、速度Uはブロック141内に数値として表示される。また同ドプラ波形上に、全時相あるいは一部の時相における輝度値減少変曲点P1、輝度値増加変曲点P2、輝度値極値Pp、算出された速度Uのうち一つあるいは複数を時系列的に繋げてライン142として、あるいは点143としてドプラ波形に重ねて表示してもよい。またブロック141には、速度検索結果の精度aを表示してもよいし、精度aに閾値を設定し、aが閾値以下の場合は、計測精度が低い旨を表示してもよい。
図14(b)は、ステップS6で求めた圧較差dPの時相の一部あるいは全部を表示した例である。圧較差の時間的な変化を示すグラフ144とともに、1ないし複数の時刻の圧較差をブロック145に表示してもよい。
図14(c)は、ステップS7で求めた各部位の絶対圧の時間的な変化を示しており、図示する例では、実線は左心室、点線は大動脈、二点鎖線は左心房の絶対圧を示す。また、速度決定部156が、絶対圧を時間で微分した値であるdP/dt及び/又は左心室の弛緩状態を指数関数で近似した際の時定数τを算出した場合には、ブロック146、147に、一心拍全部あるいは一部の時刻におけるdP/dt、τのいずれか又は両方を表示してもよい。さらにボックス148に、各ステップなど処理の進行状況を表示するようにしてもよい。
図14(d)は、ステップS8で求めた圧−容積関係図を表示したものである。圧−容積関係図には、圧容積関係曲線CPVに加えて、収縮期末期における圧−容積関係の傾きであるEmax、拡張末期圧と容積の関係を示す拡張末期圧−容積関係曲線CPV EDを表示してもよい。
図14は、表示例を示すものであって、図14の表示例に限らず、種々の変更が可能である。例えば、絶対圧に関する情報は、形状抽出部151で形成した画像をもとに、組織画像と重ね合わせてもよい。
豚の大動脈弁を模した装置を用いて逆流速度計測を行い、本発明の第二実施形態の手法により圧較差を算出した。その結果と圧力センサを用いた圧較差結果とを比較した結果を図15に示す。図中、グラフの実線は圧力センサを用いて計測した結果であり、○が第二実施形態の手法で算出した圧力である。図15からもわかるように、本発明による手法を用いた結果は圧力センサによる測定結果とよく一致し、本手法により数mmHg以内の精度を達成することができた。
本発明によれば、超音波撮像において、検者が所望する血流速度を精度よく計測することができ、この速度を用いて、圧較差や絶対圧など診断に有用な情報を精度のよい情報として提供することができる。
1・・・装置本体、2・・・超音波探触子、10・・・入力部、11・・・制御部、12・・・超音波信号発生器、13・・・超音波受信回路、14・・・表示部、15・・・信号処理部、151・・・形状抽出部、152・・・速度分布取得部、153・・・診断情報算出部、155・・・加算部、156・・・速度決定部、157・・・精度算出部、158・・・圧較差算出部、159・・・絶対圧算出部、160・・・容積算出部。
精度算出部157は、速度決定部156が算出した速度情報及び/又は当該速度情報から算出した診断情報の精度を算出する。精度算出部157は、例えば、速度分布取得部が取得した速度分布の極大値と極小値との差を用いて精度(指標)を算出する。圧較差算出部158は、速度決定部156が決定した弁逆流の速度情報を用いて、弁内外の圧較差を算出する。絶対圧算出部159は、圧較差算出部158が算出した前記圧較差と予め設定又は外部入力された基準圧から、絶対圧を算出する。容積算出部160は、例えば、形状抽出部151の形成した形状画像から複数の時刻において所望臓器例えば左心室の容積を算出する。信号処理部15は、さらに、絶対圧算出部159が算出した左心室の絶対圧から、時間的な微分値(dP/dt)及び/又は左心室の弛緩状態を指数関数で近似した際の時定数τを算出する手段を備えていてもよい。
部位を設定した後、設定された計測対象部位について、連続波ドプラ法或いはパルスドプラ法による計測を行う。計測には、連続波ドプラ及びパルスドプラのいずれも採用することができるが、本実施形態では僧帽弁を対象としているため、速度レンジの広い連続波ドプラ法を採用している。図4(a)に示すように、連続波ドプラ法の計測領域41はビーム全域となり、図4(b)に示すパルスドプラ法の計測領域42は、より小さな領域となる。
噴流の発達領域は、例えば、Goertlerの式として知られている次式(1)で表わすことができる(非特許文献1)。
式中、uは速度、Kは噴流の運動量に関係する噴流種類に依存した定数、εはKの関数である。xは噴流仮想原点からの噴流方向への距離、yは噴流中心から噴流垂直方向への距離である。
社河内、噴流工学(2004)森北出版
社河内、噴流工学(2004)森北出版
式(1)の代わりに、Schlichtingの式やTollmienの式(いずれも、非特許文献1記載)を用いてもよい。
<ステップS7>
容積算出部160は、形状抽出部151の形成した形状画像から複数の時刻において左心室の容積を算出する。左心室容積の算出には、左心室を回転楕円体と仮定し、二次元の撮像画像から得られた左心室の内径より求めるPombo法やTeichholz法などを用いることができる。あるいは、心臓の形状を3次元的に撮像することで、直接的に計測することも可能である。算出した複数の時刻における左心室容積Vと、ステップS5で算出した複数の時刻における絶対圧Pとの関係を表す圧−容積関係図を作成する。圧−容積関係図の一例を図11に示す。図中、複数のループ状の曲線は、検査対象について異なる身体的条件で測定した場合の圧−容積関係曲線CPVであり、1心拍で一つのループを示している。異なる身体的条件とは、例えば、下肢に負荷を与える前後、薬物の投与前後などである。これら圧−容積関係曲線CPVをもとに、収縮期末期における圧−容積関係の傾きEmaxや拡張末期圧と容積の関係を示す拡張末期圧−容積関係曲線CPV EDを表示してもよい。
容積算出部160は、形状抽出部151の形成した形状画像から複数の時刻において左心室の容積を算出する。左心室容積の算出には、左心室を回転楕円体と仮定し、二次元の撮像画像から得られた左心室の内径より求めるPombo法やTeichholz法などを用いることができる。あるいは、心臓の形状を3次元的に撮像することで、直接的に計測することも可能である。算出した複数の時刻における左心室容積Vと、ステップS5で算出した複数の時刻における絶対圧Pとの関係を表す圧−容積関係図を作成する。圧−容積関係図の一例を図11に示す。図中、複数のループ状の曲線は、検査対象について異なる身体的条件で測定した場合の圧−容積関係曲線CPVであり、1心拍で一つのループを示している。異なる身体的条件とは、例えば、下肢に負荷を与える前後、薬物の投与前後などである。これら圧−容積関係曲線CPVをもとに、収縮期末期における圧−容積関係の傾きEmaxや拡張末期圧と容積の関係を示す拡張末期圧−容積関係曲線CPV EDを表示してもよい。
Claims (18)
- 検査対象に超音波を送信するとともに前記検査対象から反射するエコー信号を受信する超音波探触子と、前記超音波探触子によって受信されたエコー信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部による処理結果を表示する表示部とを備えた超音波撮像装置であって、
前記信号処理部は、前記エコー信号から前記検査対象に含まれる流体の速度分布を取得する速度分布取得部と、前記速度分布取得部で取得した速度分布から速度情報を決定する速度決定部とを備え、
前記速度決定部は、前記速度情報のモデルを設定し、前記モデルと前記速度分布取得部が取得した速度分布とが整合するように前記速度情報を決定することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項1に記載の超音波撮像装置において、前記速度決定部は、前記モデルとして、流体の速度の空間分布を推定し、推定された速度の空間分布を、前記速度分布取得部が取得した速度分布と整合するように決定し、決定された速度の空間分布から前記速度情報を算出することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、前記速度情報が心臓の弁逆流の速度情報であり、前記速度決定部は、前記モデルとして噴流モデルを用いることを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項3に記載の超音波撮像装置であって、前記速度決定部は、前記噴流モデルを、噴流の発達領域のモデルと噴流の未発達領域のモデルとの畳み込み演算によって作成することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項4に記載の超音波撮像装置であって、前記速度決定部は、前記噴流の発達領域のモデルとして、Goretlerの式、Schilichtingの式、Tollmienの式のいずれかを用いることを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項4に記載の超音波撮像装置であって、前記速度決定部は、前記噴流の未発達領域のモデルとして、指数関数、ステップ関数、エラー関数、デルタ関数のいずれか、或いはそれらを組み合わせた関数を用いることを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項1に記載の超音波撮像装置において、前記速度決定部は、前記速度情報のモデルとして、ステップ関数とデルタ関数との和で表わされるモデルを設定し、前記速度分布取得部が取得した速度分布の特異点の値を用いて、前記速度情報を算出することを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項7に記載の超音波撮像装置であって、前記速度決定部が用いる前記特異点は、前記速度分布取得部が取得した速度分布の極小値、極大値、変曲点のいずれかを含むことを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、
前記検査対象の心周期情報を取得する周期情報取得部を備え、
前記速度分布取得部は、前記周期情報取得部が取得した心周期情報に基き、心周期毎に前記速度分布を取得することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項9に記載の超音波撮像装置であって、
前記信号処理部は、前記速度分布取得部が心周期毎に取得した速度分布を加算する加算部を備え、
前記速度決定部は、前記加算された速度分布を用いて、前記速度情報を決定することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項3に記載の超音波撮像装置において、
前記信号処理部は、前記速度決定部が決定した弁逆流の速度情報を用いて、弁内外の圧較差を算出する圧較差算出部を備えたことを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項11に記載の超音波撮像装置において、
前記信号処理部は、前記圧較差算出部が算出した前記圧較差と予め設定又は外部入力された基準圧から、絶対圧を算出する絶対圧算出部を備えたことを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項12に記載の超音波撮像装置において、
前記信号処理部は、前記絶対圧算出部が算出した左心室の絶対圧から、時間的な微分値(dP/dt)及び/又は左心室の弛緩状態を指数関数で近似した際の時定数τを算出する手段を備えたことを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項1に記載の超音波撮像装置において、前記信号処理部は、前記速度決定部が算出した速度情報及び/又は当該速度情報から算出した診断情報の精度を算出する精度算出部を備えたことを特徴とする超音波撮像装置。
- 請求項14に記載の超音波撮像装置において、
前記精度算出部は、前記速度分布取得部が取得した速度分布の極大値と極小値との差を用いて前記精度を算出することを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項12に記載の超音波撮像装置において、
前記信号処理部は、前記形状抽出部が抽出した左心室形状から当該左心室の容積を算出する容積算出部を備え、前記容積算出部が算出した左心室容積と、前記絶対圧算出部が算出した前記左心室の絶対圧とを用いて、圧−容積関係図を作成し、前記表示部に表示させることを特徴とする超音波撮像装置。 - 請求項16に記載の超音波撮像装置において、
前記容積算出部は、複数の異なる条件における前記圧―容積関係図を作成し、前記複数の圧―容積関係図を用いて、収縮期末期における圧―容積関係図の傾きEmax及び/又は拡張末期圧―容積変化曲線を作成し、前記表示部に表示させることを特徴とする超音波撮像装置。 - 超音波を照射した検査対象から反射するエコー信号を用いて、前記検査対象の診断情報を取得する超音波撮像方法であって、
エコー信号を用いて前記検査対象に含まれる流体の速度分布を取得するステップと、
前記流体の速度分布から目的とする速度情報を決定するステップとを備え、
前記速度情報決定ステップは、
前記目的とする速度情報のモデルを設定するステップと、
前記流体の速度分布から、前記モデルと整合する速度を検索し、決定するステップと、
決定した速度及び/又は当該速度から算出される診断情報を表示するステップと、
を含むことを特徴とする超音波撮像方法。
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