JPWO2013046872A1 - 光学素子、光源装置及び投射型表示装置 - Google Patents

光学素子、光源装置及び投射型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013046872A1
JPWO2013046872A1 JP2013536010A JP2013536010A JPWO2013046872A1 JP WO2013046872 A1 JPWO2013046872 A1 JP WO2013046872A1 JP 2013536010 A JP2013536010 A JP 2013536010A JP 2013536010 A JP2013536010 A JP 2013536010A JP WO2013046872 A1 JPWO2013046872 A1 JP WO2013046872A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
dielectric constant
light
plasmon excitation
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2013536010A
Other languages
English (en)
Inventor
昌尚 棗田
昌尚 棗田
雅雄 今井
雅雄 今井
慎 冨永
慎 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2013536010A priority Critical patent/JPWO2013046872A1/ja
Publication of JPWO2013046872A1 publication Critical patent/JPWO2013046872A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/008Surface plasmon devices
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/0001Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems
    • G02B6/0011Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings specially adapted for lighting devices or systems the light guides being planar or of plate-like form
    • G02B6/0033Means for improving the coupling-out of light from the light guide
    • G02B6/005Means for improving the coupling-out of light from the light guide provided by one optical element, or plurality thereof, placed on the light output side of the light guide
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B21/00Projectors or projection-type viewers; Accessories therefor
    • G03B21/14Details
    • G03B21/20Lamp housings
    • G03B21/2006Lamp housings characterised by the light source
    • G03B21/2033LED or laser light sources
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/0006Arrays
    • G02B3/0012Arrays characterised by the manufacturing method
    • G02B3/0031Replication or moulding, e.g. hot embossing, UV-casting, injection moulding

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Abstract

本発明は、光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減するもので、光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、キャリア生成層の上に積層され、キャリア生成層を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、プラズモン励起層の上に積層され、プラズモン励起層によって生じる表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して出射する出射層と、プラズモン励起層からキャリア生成層へ向かう入射側に1つ以上設けられた光学異方性を有する異方性誘電体層と、を備える。

Description

本発明は、光を出射するために表面プラズモンを利用した光学素子、光源装置及び投射型表示装置に関する。
光源装置が有する発光素子として発光ダイオード(LED)が用いられるLEDプロジェクタが提案されている。この種のLEDプロジェクタでは、LEDを有する光源装置と、光源装置からの光が入射する照明光学系と、照明光学系からの光が入射する液晶表示板を有するライトバルブと、ライトバルブからの光を投射面上に投射するための投射光学系と、を備えて構成されている。
LEDプロジェクタでは、投射映像の輝度を高めるために、光源装置からライトバルブまでの光路において光損失が可能な限り生じないようにすることが求められている。
また、非特許文献1に記載されているように、光源装置の面積と放射角との積で決まるエテンデュー(Etendue)による制約がある。つまり、光源装置の発光面積と放射角との積の値を、ライトバルブの入射面の面積と、投射レンズのFナンバーで決まる取り込み角(立体角)との積の値以下にしなければ、光源装置からの光が投射光として利用されない。
そのため、LEDと、LEDからの光が入射する光学素子とを有する光源装置では、光学素子からの出射光のエテンデューの低減を図ることによって、上述の光損失の低減を図ることが懸案となっている。
そして、LEDプロジェクタが備える光源装置では、単一のLEDの光量の不足を補うために複数のLEDを用いることによって、数千ルーメン程度の投射光束を実現することが必要不可欠になっている。
このように複数のLEDを用いた光源装置の一例として、特許文献1には、図1に示すように、LED204a〜204fを有する複数の単色光源装置203a〜203fと、これら単色光源装置203a〜203fからの出射光の光軸を一致させる光軸合わせ部材202a〜202dと、これら光軸合わせ部材202a〜202dから光が入射する光源セット201a,201bと、この光源セット201a,201bからの光が入射する導光装置200と、を備える光源ユニットが開示されている。この光源ユニットでは、複数の単色光源装置203a〜203fからの光が合成されて、光源セット201a,201bによって放射角が狭められた光が、導光装置200に入射されている。この構成では、導光装置200に入射する光の放射角が、光源セット201a,201bによって狭められることで、光損失の低減が図られている。
また、複数のLEDを用いた光源装置の他の例として、特許文献2には、図2に示すように、複数のLED300が平面上に配列された光源基板301を備える光源装置が開示されている。この光源装置は、一方の面にプリズム列が形成されプリズム列を交差させて配置された2つのプリズムシート304,305と、これらプリズムシート304,305を支持する枠体303とからなる光学素子を備えている。この光源装置では、複数のLED300からの光が、2つのプリズムシート304,305によって合成されている。
特開2008−145510号公報 特開2009−87695号公報
PhlatLightTM Photonic Lattice LEDs for RPTV Light Engines Christian Hoepfner, SID Symposium Digest 37, 1808 (2006)
しかしながら、上述した特許文献1に記載の構成では、光軸合わせ部材202a〜202dのダイクロイック反射面での発光面積が、LED204a〜204fの発光面積よりも大きくなってしまう。このため、導光装置200に入射する光のエテンデューと、LED204a〜204fからの光のエテンデューとを比べた場合には、結果としてエテンデューが変化していない。 したがって、特許文献1に記載の構成では、導光装置200からの出射光のエテンデューが、LED204a〜204fのエテンデューに依存しており、導光装置200からの出射光のエテンデューを低減することができなかった。
また、特許文献2に記載の構成では、複数のLED300が平面上に配列されることによって、光源全体の発光面積が大きくなってしまうので、光源自体のエテンデューが増加してしまう問題があった。
すなわち、上述した特許文献1,2に開示された構成では、光源ユニット及び光源装置からの出射光のエテンデューが、LEDからの光のエテンデューに依存しており、光学素子からの出射光のエテンデューを低減することができなかった。
本発明の目的は、上記関連する技術の問題を解決し、発光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減できる光学素子、これを備える光源装置及び投射型表示装置を提供することである。
上述した目的を達成するため、本発明に係る光学素子は、
光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、
キャリア生成層の上に積層され、キャリア生成層を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、
プラズモン励起層の上に積層され、プラズモン励起層によって生じる表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して出射する出射層と、
プラズモン励起層からキャリア生成層へ向かう入射側に1つ以上設けられた光学異方性を有する異方性誘電体層と、を備える。
また、本発明に係る光源装置は、本発明の光学素子と、導光体と、該導光体の外周部に配置された発光素子と、を備える。
また、本発明に係る投射型表示装置は、本発明の光源装置と、光源装置からの出射光を変調する表示素子と、表示素子からの出射光によって投射映像を投射する投射光学系と、を備える。
また、本発明に係る光学素子は、光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、キャリア生成層の上に配置され、キャリア生成層を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、プラズモン励起層からキャリア生成層へ向かう入射側に1つ以上設けられた光学異方性を有する異方性誘電体層と、を備える。
本発明によれば、発光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減することができる。
特許文献1の構成を説明するための模式図である。 特許文献2の構成を説明するための分解斜視図である。 本発明による光源装置を模式的に示す斜視図である。 本発明による光源装置における光の振る舞いを説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第2の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 異方性誘電体層の有無による放射光の配光分布を示す図である。 図5Aに示した異方性高誘電率層22を用いたときのプラズモン結合効率を示す図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置において、フォトニック結晶の形成工程の他の例を説明するための断面図である。 第3の実施形態の光源装置を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態の光源装置における、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態の光源装置における、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。 第4の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第5の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第6の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第7の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第8の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第9の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第10の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第11の実施形態において、指向性制御層の表面にマイクロレンズアレイが設けられた構成を示す斜視図である。 第11の実施形態の光源装置において、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。 第11の実施形態の光源装置において、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。 第12の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第13の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第14の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第15の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第16の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第17の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第18の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 実施形態の光源装置が適用されるLEDプロジェクタを示す模式図である。 実施形態の光源装置が適用されるLEDプロジェクタに用いられる光源の波長と蛍光体の励起波長及び発光波長を説明するための図である。 プラズモン励起層と異方性誘電体層との間に誘電体層を設けた構成を示す断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図3に、本発明による光源装置の模式的な構成の斜視図を示す。図4に、本発明に係る光源装置における光の振る舞いを説明するための断面図を示す。なお、光源装置において、実際の個々の層の厚さが非常に薄く、またそれぞれ層の厚さの違いが大きいので、各層を正確なスケール、比率で図を描くことが困難である。このため、図面では各層が実際の比率通りに描かれておらず、各層を模式的に示している。
図3及び図4に示すように、本実施形態の光源装置2は、複数の発光素子11(11a〜11n)と、これら発光素子11から出射された光が入射する光学素子1とを備えている。光学素子1は、発光素子11から出射された光が入射する導光体12と、この導光体12からの光によって出射光を出射する指向性制御層13と、を有している。
指向性制御層13は、光源装置2からの出射光の指向性を高めるための層であり、例えば図5Aに示す第1の実施形態のように、導光体12上に設けられ、導光体12から入射する光の一部によってキャリアが生成されるキャリア生成層16と、このキャリア生成層16上に積層された異方性高誘電率層22と、キャリア生成層16を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層17と、このプラズモン励起層17上に積層され、プラズモン励起層17によって生じる表面プラズモンの波数ベクトルを変換して所定の出射角の光を出射する出射層としての波数ベクトル変換層18と、を備えている。
本実施形態における導光体12は、キャリア生成層16において発光素子11から出射した光を実用上十分に吸収できる場合、発光素子11から出射した光が指向性制御層13を損傷させない場合、発光素子11の発光面上における光強度の均一性が課題とならない場合は不要である。
本実施形態における異方性高誘電率層22は、指向性制御層13の構成要素の積層方向に垂直な面内、言い換えれば各層の界面に並行な面内での方向によって、誘電率が異なる光学異方性を有する。つまり、異方性高誘電率層22は指向性制御層13の構成要素の積層方向に垂直な面内において、ある方向とそれに直交する方向で、誘電率の大小関係がある。ここで、この誘電率の大きな方向を面内高誘電率方向、小さな方向を面内低誘電率方向と定義する。
本実施形態におけるキャリア生成層16は、プラズモン励起層17の直下に配置されているが、キャリア生成層16とプラズモン励起層17との間に、厚さが後述の式4で表わされる表面プラズモンの有効相互作用距離deffよりも薄い誘電体層を備えて構成されてもよい。
本実施形態における波数ベクトル変換層18は、プラズモン励起層17の直上に配置されているが、波数ベクトル変換層18とプラズモン励起層17との間に、厚さが後述の式4で表わされる表面プラズモンの有効相互作用距離deffよりも薄い誘電体層を備えて構成されてもよい。
また、プラズモン励起層17は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。本実施形態では、これら2つの層が、キャリア生成層16と波数ベクトル変換層18に対応している。そして、本実施形態における光学素子1は、プラズモン励起層17の導光体12側に積層された構造全体と導光体12に接する周囲雰囲気媒質(以下、単に媒質と称する)とを含む入射側部分(以下、単に入射側部分と称する)の実効誘電率が、プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側に積層された構造全体と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分(以下、単に出射側部分と称する)の実効誘電率よりも高くなるように構成されている。
なお、プラズモン励起層17の導光体12側に積層された構造全体には、異方性高誘電率層22、キャリア生成層16と導光体12が含まれる。プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側に積層された構造全体には、波数ベクトル変換層18が含まれる。
つまり、第1の実施形態では、プラズモン励起層17に対する、導光体12、キャリア生成層16、異方性高誘電率層22及び媒質とを含む入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層17に対する、波数ベクトル変換層18と媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高くなっている。
詳細には、プラズモン励起層17の入射側部分(発光素子11側)の複素実効誘電率の実部が、プラズモン励起層17の出射側部分(波数ベクトル変換層18側)の複素実効誘電率の実部よりも高く設定されている。
ここで、複素実効誘電率εeffは、プラズモン励起層17の界面に平行な方向をx軸、y軸、プラズモン励起層17の界面に垂直な方向(プラズモン励起層17に凹凸がある場合は、その平均面に垂直な方向)をz軸とし、キャリア生成層16から出射する光の角周波数をω、プラズモン励起層17に対する入射側部分及び出射側部分における誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、表面プラズモンの波数のz成分をkspp,z、虚数単位をjとすれば、
入射側部分または出射側部分の誘電率分布と、プラズモン励起層17の界面に垂直な方向に対する表面プラズモンの分布に基づいて決定され、
Figure 2013046872
で表される。ここで積分範囲Dは、プラズモン励起層17に対する入射側部分または出射側部分の三次元座標の範囲である。言い換えれば、この積分範囲Dにおけるx軸及びy軸方向の範囲は、入射側部分が含む構造体の外周面または出射側部分が含む構造体の外周面までの媒質を含まない範囲であり、プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側の面に平行な面内の外縁までの範囲である。また、積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲は、入射側部分または出射側部分(媒質を含む)の範囲である。なお、積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲に関しては、プラズモン励起層17と、プラズモン励起層17に隣接する、誘電性を有する層との界面を、z=0となる位置とし、この界面から、プラズモン励起層17の、上記隣接する層側の無限遠までの範囲であり、この界面から遠ざかる方向を、式(1)における(+)z方向とする。もし、プラズモン励起層17の表面に粗面が形成されている場合は、プラズモン励起層17の粗面に沿ってz座標の原点を移動させれば、式(1)を用いて実効誘電率が求められる。もし、実効誘電率の計算範囲において、光学異方性を持つ材料があれば、ε(ω,x,y,z)はベクトルとなり、z軸に垂直な動径方向ごとに異なった値を持つ。つまり、z軸に垂直な動径方向ごとに、入射側部分および出射側部分の実効誘電率が存在する。このとき、ε(ω,x,y,z)の値は、z軸に垂直な動径方向に平行な方向に対する誘電率とする。よって、後述のkspp,z、kspp、deffなど、実効誘電率の関係する全ての現象は、z軸に垂直な動径方向ごとに、異なった値を持つ。
実効誘電率εeffは、以下の式を用いて計算してもよい。ただし、式(1)を用いる方が特に望ましい。
Figure 2013046872
表面プラズモンの波数のz成分kspp,z、表面プラズモンの波数のx、y成分ksppは、プラズモン励起層17の誘電率の実部をεmetal、真空中での光の波数をk0とすれば、
Figure 2013046872
Figure 2013046872
で表される。
ここで、Re[]は、[]内の実部を取ることを表す。
したがって、式(1)、式(2)、式(3)を用い、ε(ω,x,y,z)として、プラズモン励起層17の入射側部分の誘電率分布εin(ω,x,y,z)、プラズモン励起層17の出射側部分の誘電率分布εout(ω,x,y,z)をそれぞれ代入して、計算することで、プラズモン励起層17に対する入射側部分の複素実効誘電率層εeffin、及び出射側部分の複素実効誘電率εeffoutがそれぞれ求まる。実際には、複素実効誘電率εeffとして適当な初期値を与え、式(1)、式(2)、式(3)を繰り返し計算することで、複素実効誘電率εeffを容易に求められる。なお、プラズモン励起層17に接する層の誘電率の実部が非常に大きい場合には、その界面における表面プラズモンの波数のz成分kspp,zが実数となる。これは、その界面において表面プラズモンが発生しないことに相当する。そのため、プラズモン励起層17に接する層の誘電率が、この場合の実効誘電率に相当する。他の実施形態における実効誘電率も、式(1)と同様に定義される。
ここで、表面プラズモンの有効相互作用距離を、表面プラズモンの強度がe-2となる距離とすれば、表面プラズモンの有効相互作用距離deffは、
Figure 2013046872
で表わされる。
異方性誘電体層22を設けることにより、指向性制御層13の構成要素の積層方向に垂直な面内において、ある方向とそれ直交する方向では、入射側部分の実効誘電率が異なる。このとき、入射側部分の実効誘電率を、ある方向でプラズモン結合が発生しないほど高く、それと直交する方向ではプラズモン結合が発生する程度低く設定すれば、光源装置2から特定の方向のみに、特定の偏光成分だけを持った放射光が得られるようになる。
図5Cに、異方性誘電体層の有無による放射光の配光分布を示す。
図5C(a)は、図5Aに示した実施形態から異方性高誘電率層22を除いた構成の放射光の配光分布を示し、図5C(b)は図5Aに示した実施形態の放射光の配光分布を示している。
図5C(a)に示したように、本実施形態から異方性高誘電率層22を除いた構成では、様々な方向にプラズモン結合が行われることから、様々な方向に偏光方向を持った放射光が出射される。放射光の出射方向が様々であるため、放射光をその指向性を維持したまま効率よく、波数ベクトル変換層18により光源装置2外部へ取り出すことが困難である。さらに、プロジェクタの照明光として利用されるのは特定の偏光成分のみなので、光源装置2外部へ取り出された放射光の内、ごく一部だけが照明光として利用される。
一方、図5C(b)に示される本実施形態のものでは、光源装置2から特定の方向に特定の偏光成分のみを有する放射光が出射されるため、光源装置2外部へ取り出された放射光のすべてをプロジェクタの照明光として利用することができる。
図5Dに異方性高誘電率層22を用いたときのプラズモン結合効率を示す。この計算では、プラズモン励起層17をAg、Agの誘電率を−6.57+0.7366j、キャリア生成層16単独の発光波長を460nm、キャリア生成層の量子収率を100%、異方性高誘電率層22側の面内高誘電率方向の実効誘電率を6.76、面内低誘電率方向の実効誘電率を6.25とした。
金属と励起子との間の距離が適当な値のときには、キャリア生成層16で生成されたキャリアが表面プラズモンへ結合する効率がほぼ1.0となり、ほとんどのエネルギーが表面プラズモンに変換される。また、キャリア生成層16で生成されたキャリアが表面プラズモンへ結合する効率は、異方性高誘電率層22側の実効誘電率とプラズモン励起層17の誘電率の和が0となる条件である。この計算では、プラズモン励起層17の誘電率と異方性高誘電率層22側の実効誘電率の和が−0.32あれば、表面プラズモンへ結合する効率がほぼ1.0となり、0.19あれば、表面プラズモンへ結合する効率が0となることを示している。理論的には、プラズモン励起層17の誘電率と異方性高誘電率層22側の実効誘電率の和が負または0のとき、キャリア生成層16で生成されたキャリアがプラズモン励起層17に表面プラズモンを励起し、正のとき、表面プラズモンを励起しない。つまり、前述のプラズモン結合が発生しない程度高い実効誘電率とは、プラズモン励起層17の誘電率と異方性高誘電率層22側の実効誘電率の和が正となるような誘電率であり、プラズモン結合が発生する程度低い実効誘電率とは、プラズモン励起層17の誘電率と異方性高誘電率層22側の実効誘電率の和が負または0となるような誘電率である。したがって、プラズモン励起層17の誘電率と異方性高誘電率層22側の実効誘電率の最低値の和が0となる条件が、方位角に対する指向性を高める点では最も好ましい。ただし前記の条件では、方位角に対する指向性を高めすぎたことによる、プラズモン励起層17を透過する発光の減少やそれに伴うプラズモン励起層17での発熱が懸念されるため、実用上、方位角の指向性を高めすぎない方がよい。具体的にはプラズモン励起層17の誘電率と異方性高誘電率層22側の実効誘電率の中間値の和が0となる条件では、方位角315度〜45度、135度〜225度の範囲に高指向性放射が得られるため、方位角に対する指向性の向上と発光減少の抑制が可能である。
異方性誘電体層として、本実施形態では異方性高誘電率層22を設けるものとしたが、プラズモン励起層17の入射側に位置する少なくとも一つ以上の層が光学異方性を有することとすればよく、異方性誘電体層側の面内高誘電率方向の実効誘電率は、表面プラズモンとの結合が発生しない程度に高く、面内低誘電率方向の実効誘電率は表面プラズモンとの結合が発生する程度に低いものであればよい。具体的な異方性高誘電率層22の構成材料としては、異方性結晶であるTiO2、YVO4、Ta25や誘電体の斜め蒸着膜、斜めスパッタ膜が挙げられる。表面プラズモンに変換されたエネルギーは、波数ベクトル変換層18で光として光源装置2外部へ取り出される。このとき、表面プラズモンのエネルギーは、図5C(b)の配光分布通りに分配される。一方、本実施形態から異方性高誘電率層22を除いた構成では、図5C(a)の配光分布通りに分配される。つまり、本実施形態では、プロジェクタの照明光として利用される光にしか表面プラズモンのエネルギーが分配されないが、本実施形態から異方性高誘電率層22を除いた構成では、プロジェクタの照明光として利用されない光にも表面プラズモンのエネルギーが分配されてしまう。よって、本実施形態の方が、本実施形態から異方性高誘電率層22を除いた構成よりも、光源装置2におけるエネルギー効率が高い。
本実施形態の場合には、キャリア生成層16を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数において、導光体12を含めたいずれの層や、波数ベクトル変換層18に接する媒質においても、複素誘電率の虚部は可能な限り低い方が好ましい。複素誘電率の虚部を可能な限り低くすることで、プラズモン結合を生じさせ易くし、光損失を低減することができる。
光源装置2の周囲の媒質、つまり導光体12や波数ベクトル変換層18に接する媒質は、固体、液体、気体のいずれであってもよく、導光体12側と波数ベクトル変換層18側とがそれぞれ異なる媒質であってもよい。
本実施形態では、複数の発光素子11a〜11nが、平板状の導光体12の4つの側面に、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。ここで、発光素子11a〜11nが側面と接続されている面を光入射面14とする。発光素子11としては、例えば、キャリア生成層16、2006が吸収できる波長の光を出射する発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオード等が用いられる。発光素子11は、導光体12の光入射面14から離されて配置されてもよく、例えばライトパイプのような導光部材によって導光体12と光学的に接続される構成が採られてもよい。
本実施形態では、導光体12が平板状に形成されているが、導光体12の形状は直方体に限定されるものではない。導光体12の内部には、マイクロプリズムのような配光特性を制御する構造体が設けられていてもよい。また、導光体12は、光出射部15と光入射面14を除く外周面の全面、又は外周面の一部に反射膜が設けられていてもよい。同様に、光源装置2は、光出射部15と光入射面14を除く外周面の全面、又は一部に反射膜(不図示)が設けられていてもよい。反射膜としては、例えば銀、アルミニウム等の金属材や、誘電体多層膜が用いられる。
キャリア生成層16としては、例えば、ローダミン(Rhodamine 6G)やスルホローダミン(sulforhodamine 101)等の有機蛍光体や、CdSeやCdSe/ZnS量子ドット等の量子ドット蛍光体等の蛍光体や、GaN、GaAs等の無機材料(半導体)、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、Alq3等の有機材料(半導体材料)が用いられる。また、蛍光体を用いる場合、キャリア生成層16内には、発光波長が同一、又は異なる複数の波長を蛍光する材料が混在されていてもよい。また、キャリア生成層16の厚さは1μm以下が望ましい。
プラズモン励起層17は、キャリア生成層16単体を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数(発光周波数)よりも高いプラズマ周波数を有する材料によって形成された微粒子層または薄膜層である。言い換えれば、プラズモン励起層17の誘電率は、キャリア生成層16単体を発光素子11の光で励起したときに発生する発光周波数において、誘電率の実部が負である。
プラズモン励起層17の材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム、アルミニウム、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、プラズモン励起層17の材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム及びこれらを主成分とする合金が好ましく、金、銀、アルミニウム及びそれらを主成分とする合金が特に好ましい。また、プラズモン励起層17の厚さは、200nm以下に形成されるのが好ましく、10nm〜100nm程度に形成されるのが特に好ましい。波数ベクトル変換層18は、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面に励起された表面プラズモンを、その表面プラズモンの波数ベクトルを変換することで、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面から光として取り出し、光学素子1から光を出射させるための出射層である。
波数ベクトル変換層18としては、例えば、表面レリーフ格子、フォトニック結晶に代表される周期構造、準周期構造、又は準結晶構造、光学素子1からの光の波長よりも大きなテクスチャー構造、例えば粗面が形成された表面構造、ホログラム、マイクロレンズアレイ等を用いたものが挙げられる。なお、準周期構造とは、例えば周期構造の一部が欠けている不完全な周期構造を指している。これらの中でも、フォトニック結晶に代表される周期構造、準周期構造、準結晶構造、マイクロレンズアレイを用いるのが好ましい。これは、光の取り出し効率を高められるだけでなく、指向性を制御できるためである。また、フォトニック結晶を用いる場合には、結晶構造が三角格子構造を採ることが望ましい。また、波数ベクトル変換層18は、平板状の基部の上に凸部が設けられた構造や、平板状の基部の上に凹部が設けられた構造であってもよい。なお、後述する実施形態では、波数ベクトル変換層18がフォトニック結晶からなる構成のみを示すが、上述の他の構造でもよい。
以上のように構成された光源装置2において、発光素子11から指向性制御層13に入射した光が、指向性制御層13の光出射部15から出射される動作を説明する。
図4に示すように、複数の発光素子11のうち、例えば発光素子11fから出射された光は、導光体12の光入射面14を透過し、導光体12内を全反射しながら伝播する。このとき、導光体12と指向性制御層13との界面に入射した光の一部は、指向性制御層13によって後述する式(5)に示す方向、波長に変換され、光出射部15から出射される。発光素子11fから出射した光のうち指向性制御層13で利用されなかった光は導光体12に戻され、再度、導光体12と指向性制御層13との界面に入射した光の一部が、指向性制御層13の特性に応じた方向、波長に変換され、光出射部15から出射される。これらの繰り返しによって、導光体12に入射した光の大半が光出射部15から出射される。また、複数の発光素子11のうち、導光体12を間に挟んで発光素子11fに対向する位置に配置された発光素子11mから出射し、光入射面14を透過した光についても同様に、方向および波長が変換され光出射部15から出射される。光出射部15から出射される光の方向、波長は、指向性制御層13の特性にのみ依存し、発光素子11の位置、導光体12と指向性制御層13との界面への入射角には無依存である。以降特にことわらない限り、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層18を備える構成について説明する。
次に指向性制御層13の特性について示す。導光体12内を伝播している発光素子11から光によって、キャリア生成層16中にキャリアを生成する。生成されたキャリアは、プラズモン励起層17中の自由電子とプラズモン結合を起こす。このプラズモン結合を介して、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面に表面プラズモンが励起される。励起された表面プラズモンは、波数ベクトル変換層18で回折されて、光源装置2の外に出射される。
プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面の誘電率が空間的に均一、つまり平坦な面である場合には、この界面に生じた表面プラズモンを取り出すことはできない。このため、本発明では、波数ベクトル変換層18を設けることで、表面プラズモンを回折させ、光として取り出している。波数ベクトル変換層18の一点から出射される光は、伝播するにつれて同心円状に広がる円環状の強度分布を有している。後述する式(5)が0となる条件では、z軸に沿った方向に最も光強度の強いシングルピークの強度分布を有する。
最も強度が高い出射角を中心出射角としたとき、波数ベクトル変換層18から出射する光の中心出射角θradは、波数ベクトル変換層18の周期構造のピッチをΛとし、波数ベクトル変換層の光取り出し側(すなわち、波数ベクトル変換層に接する媒質)の屈折率をnradとすると、
Figure 2013046872
で表わされる。ここで、i は正または負の整数である。プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面には、式(3)によって求まる波数近傍の表面プラズモンしか存在しないので、式(5)より求まる出射光の角度分布も狭くなる。
図6A〜図6Gに、光源装置2が備える光学素子1の製造工程を示す。これはあくまで一例であって、この作製方法に限定されるものではない。まず、図6A及び図6Bに示すように、導光体12の上にキャリア生成層16をスピンコート法で塗布する。続いて、例えば物理蒸着、電子線ビーム蒸着やスパッタ等によって、図6Cに示すように、キャリア生成層16の上に、異方性高誘電率層22、プラズモン励起層17を形成する。
次に、図6Dに示すように、キャリア生成層16の上に、フォトニック結晶によって波数ベクトル変換層18を形成する。続いて、図6Eに示すように、波数ベクトル変換層18の上にレジスト膜21をスピンコート法で塗布し、図6Fに示すように、ナノインプリントでレジスト膜21にフォトニック結晶のネガパターンを転写する。図6Gに示すように、ドライエッチングによって、所望の深さまで波数ベクトル変換層18をエッチングし、その後、レジスト膜21を波数ベクトル変換層18から剥離する。最後に、導光体12の外周部に複数の発光素子11を配置することで、光源装置2が完成する。
上述したように本実施形態の光源装置2は、導光体12に指向性制御層13が設けられる比較的簡素な構成であるので、光源装置2全体の小型化を図ることができる。また、本実施形態による光源装置2では、波数ベクトル変換層18に入射する光の入射角が、プラズモン励起層17の複素誘電率と、プラズモン励起層17を挟んでいる入射側部分の実効誘電率と、出射側部分の実効誘電率と、光源装置2内で発生する光の発光スペクトルとによって決定される。このため、光学素子1からの出射光の指向性が、発光素子11の指向性に制限されることがなくなる。また、各実施形態による光源装置2は、放射過程においてプラズモン結合を応用することによって、光学素子1からの出射光の放射角を狭めて出射光の指向性を高めることができる。すなわち、本実施形態によれば、発光素子11のエテンデューに依存することなく、光源装置2からの出射光のエテンデューを低減することができる。また、光源装置2からの出射光のエテンデューが、発光素子11のエテンデューによって制限されないので、光源装置2からの出射光のエテンデューを小さく保ったままで、複数の発光素子11からの入射光を合成することができる。
加えて、上述した特許文献1に開示された構成では、光軸合わせ部材202a〜202dや光源セット201a,201bを備えることで光源ユニット全体が大型化してしまう問題があった。しかし、本実施形態における光学素子1によれば、光学素子1全体の小型化を図ることができる。
また、上述した特許文献2に開示された構成では、複数のLED300からの光が、交差させて配置されたプリズムシート304,305で様々な方向に曲げられて光の損失を招く問題があった。しかし、各実施形態による光学素子1によれば、複数の発光素子11からの光の利用効率を向上することができる。
(第2の実施形態)
図5Bは、本発明の第2の実施形態の要部構成を示す図である。本実施形態は第1の実施形態の指向性制御層13の構成のみを異ならせたものであるため、図5Bには指向性制御層13’のみを示す。指向性制御層13’は、導光体12上に設けられ、導光体12から入射する光の一部によってキャリアが生成されるキャリア生成層2006と、このキャリア生成層2006上に積層され、キャリア生成層2006を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層2008と、このプラズモン励起層2008上に積層され、入射する光の波数ベクトルを変換して出射する出射層としての波数ベクトル変換層2010と、を備えている。
また、プラズモン励起層2008は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。誘電性を有する2つの層として、本構成例による指向性制御層13’は、プラズモン励起層2008と波数ベクトル変換層2010との間に挟まれて設けられた高誘電率層2009と、キャリア生成層2006とプラズモン励起層2008との間に挟まれて設けられ、高誘電率層2009よりも誘電率が低い異方性低誘電率層2007と、を備えている。高誘電率層2009を含まなくとも、後述する入射側部分の実効誘電率が、出射側部分の実効誘電率よりも低い場合、高誘電率層2009は本実施形態の動作において、必須の構成要素ではない。
そして、本構成例における光学素子11は、プラズモン励起層2008の導光体12側に積層された構造全体を含む入射側部分(以下、単に入射側部分と称する)の実効誘電率が、プラズモン励起層2008の波数ベクトル変換層2010側に積層された構造全体と、波数ベクトル変換層10に接する媒質とを含む出射側部分(以下、単に出射側部分と称する)の実効誘電率よりも低くなるように構成されている。なお、プラズモン励起層2008の導光体12側に積層された構造全体には、導光体12が含まれる。プラズモン励起層2008の波数ベクトル変換層2010側に積層された構造全体には、波数ベクトル変換層2010が含まれる。
つまり、本構成例では、プラズモン励起層2008に対する、導光体12及びキャリア生成層2006を含む入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層2008に対する、波数ベクトル変換層2010と媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも低くなっている。
詳細には、プラズモン励起層2008の入射側部分(発光素子11側)の複素実効誘電率の実部が、プラズモン励起層2008の出射側部分(波数ベクトル変換層2010側)の複素実効誘電率の実部よりも低く設定されている。
本実施形態の場合には、キャリア生成層16を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数において、導光体12を含めたいずれの層や、波数ベクトル変換層2010に接する媒質においても、複素誘電率の虚部は可能な限り低い方が好ましい。複素誘電率の虚部を可能な限り低くすることで、プラズモン結合を生じさせ易くし、光損失を低減することができる。
光源装置50の周囲の媒質、つまり導光体12や波数ベクトル変換層2010に接する媒質は、固体、液体、気体のいずれであってもよく、導光体12側と波数ベクトル変換層2010側とがそれぞれ異なる媒質であってもよい。
第2の実施形態の場合、異方性低誘電率層2007は第1の実施形態における異方性高誘電率層21と同様に光学異方性を有するものであり、異方性低誘電率層2007とすることによりプラズモン結合による放射光の出射方向を制限し、さらに偏光方向を一方向に揃えられる。
異方性誘電体層として、本実施形態では異方性低誘電率層2007を設けるものとしたが、プラズモン励起層2008の入射側に位置する少なくとも1以上の層が光学異方性を有することとすればよい。異方性誘電体層の高誘電率方向の実効誘電率は、表面プラズモンとの結合が発生しない程度に高く、低誘電率方向の実効誘電率は表面プラズモンとの結合が発生する程度に低いものであればよい。具体的な構成例としては、TiO2、YVO4、Ta25、斜め蒸着膜が挙げられる。
高誘電率層2009としては、例えば、ダイヤモンド、TiO2、CeO2、Ta25、ZrO2、Sb23、HfO2、La23、NdO3、Y23、ZnO、Nb25等の高誘電率材料を用いるのが好ましい。
プラズモン励起層2008は、キャリア生成層2006単体を発光素子1の光で励起したときに発生する光の周波数(発光周波数)よりも高いプラズマ周波数を有する材料によって形成された微粒子層または薄膜層である。言い換えれば、プラズモン励起層2008は、キャリア生成層2006単体を発光素子1の光で励起したときに発生する発光周波数において負の誘電率を有している。
波数ベクトル変換層2010は、この波数ベクトル変換層2010に入射する入射光の波数ベクトルを変換することで、高誘電率層2009から光を取り出し、光学素子1から光を出射すための出射層である。言い換えれば、波数ベクトル変換層2010は、表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して光学素子1から出射する。つまり、波数ベクトル変換層2010は、プラズモン励起層2008と波数ベクトル変換層2010との界面にほぼ直交するように、光学素子1から出射光を出射させる機能を奏している。
導光体12と反対側の、高誘電率層2009の表面は、波数ベクトル変換層2010としてフォトニック結晶が用いられる代わりに、マイクロレンズアレイが配置される構成や、粗い表面が形成される構成であってもよい。
以上のように構成された光源装置2において、発光素子11から指向性制御層13’に入射した光が、指向性制御層13’の光出射部15から出射される動作を説明する。
本実施形態の動作について図4を参照して説明する。図4に示すように、複数の発光素子11のうち、例えば発光素子11fから出射された光は、導光体12の光入射面14を透過し、導光体12内を全反射しながら伝播する。このとき、導光体12と指向性制御層13’との界面に入射した光の一部は、指向性制御層13’における後述する式(6)の方向、波長に変換され、波数ベクトル変換層2010出射される。発光素子11fから出射した光のうち指向性制御層13’で利用されなかった光は導光体12に戻され、再度、導光体12と指向性制御層13’との界面に入射した光の一部が、指向性制御層13’の特性に応じた方向、波長に変換され、光出射部15から出射される。これらの繰り返しによって、導光体12に入射した光の大半が光出射部15から出射される。また、複数の発光素子11のうち、導光体12を間に挟んで発光素子11fに対向する位置に配置された発光素子11mから出射し、光入射面14を透過した光についても同様に、方向および波長が変換され光出射部15から出射される。光出射部15から出射される光の方向、波長は、指向性制御層13’の特性にのみ依存し、発光素子11の位置、導光体12と指向性制御層13’との界面への入射角には無依存である。以降特にことわらない限り、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層2010を備える構成について図5Bを参照して説明する。
次に指向性制御層13’の特性について示す。導光体12内を伝播している発光素子11から光によって、キャリア生成層2006中にキャリアを生成する。生成されたキャリアは、プラズモン励起層2008中の自由電子とプラズモン結合を起こす。このプラズモン結合を介して、プラズモン励起層2008と波数ベクトル変換層2010との界面から光が放射される。この光は、波数ベクトル変換層2010で回折されて、光源装置2の外方に出射される。
波数ベクトル変換層2010がない場合には、この界面から出射した光は、光源装置2と空気の界面において全反射角以上の光であるため取り出すことはできない。このため、本発明では、波数ベクトル変換層2010を設けることで、この光を回折させ、取り出している。
最も強度が高い出射角を中心出射角としたとき、波数ベクトル変換層2010へ入射する光の中心出射角θoutは、高誘電率層2009の屈折率をnoutとすれば、
Figure 2013046872
で表わされる。プラズモン励起層2008と異方性低誘電率層2007との界面には、式(3)によって求まる波数近傍の表面プラズモンしか存在しないので、式(6)より求まる出射光の角度分布も狭くなる。
図7A〜図7Eに、第2の実施形態による光学素子1の製造工程を示す。これはあくまで一例であって、この作製方法に限定されるものではない。まず、図7A及び図7Bに示すように、導光体12の上にキャリア生成層2006をスピンコート法で塗布する。続いて、例えば物理蒸着、電子線ビーム蒸着やスパッタ等によって、図7C〜図7Eに示すように、キャリア生成層2006の上に、異方性低誘電率層2007、プラズモン励起層2008、高誘電率層2009の順にそれぞれ積層する。
フォトニック結晶によって波数ベクトル変換層10を形成する製造工程を、図8A〜図8Dに示す。図8Aに示すように高誘電率層2009上に波数ベクトル変換層2010を形成し、この波数ベクトル変換層2010の上にレジスト膜2011をスピンコート法で塗布し、図8Bに示すようにナノインプリントでレジスト膜2011にフォトニック結晶のネガパターンを転写する。図8Cに示すようにドライエッチングによって、所望の深さまで波数ベクトル変換層2010をエッチングし、その後、図8Dに示すようにレジスト膜2011を剥離する。最後に、導光体12の外周部に複数の発光素子1を配置することで、光源装置2が完成する。
図9A〜図9Hに、光源装置2の高誘電率層2009の表面上に、フォトニック結晶によって波数ベクトル変換層2010を形成する、もう1つの製造工程を示す。これは、あくまで一例であってこの作製方法に限定されるものではない。
まず、図9Aに示すように、基板12上にレジスト膜2011をスピンコート法で塗布し、図9Bに示すように、ナノインプリントでレジスト膜2011にフォトニック結晶のネガパターンを転写する。続いて、図9C〜図9Eに示すように、物理蒸着、電子線ビーム蒸着やスパッタによって、高誘電率層2009、プラズモン励起層2008、異方性低誘電率層2007の順に積層する。図9Fに示すように、低誘電率層2007の上にキャリア生成層2006をスピンコート法で塗布し、図9Gに示すように、キャリア生成層2006に導光体12を圧着し、乾燥させる。最後に、図9Hに示すように、レジスト膜2011を基板2012から剥離した後、導光体12の外周部に複数の発光素子1を配置することで、光源装置2が完成する。
上述したように本実施形態の光源装置2は、導光体12に指向性制御層13’が設けられる比較的簡素な構成であるので、光源装置2全体の小型化を図ることができる。また、本実施形態による光源装置2では、波数ベクトル変換層18に入射する光の入射角が、プラズモン励起層17の複素誘電率と、プラズモン励起層17を挟んでいる入射側部分の実効誘電率と、出射側部分の実効誘電率と、光源装置2内で発生する光の発光スペクトルとによって決定される。このため、光学素子1からの出射光の指向性が、発光素子11の指向性に制限されることがなくなる。また、各実施形態による光源装置2は、放射過程においてプラズモン結合を応用することによって、光学素子1からの出射光の放射角を狭めて出射光の指向性を高めることができる。すなわち、本実施形態によれば、発光素子11のエテンデューに依存することなく、光源装置2からの出射光のエテンデューを低減することができる。また、光源装置2からの出射光のエテンデューが、発光素子11のエテンデューによって制限されないので、光源装置2からの出射光のエテンデューを小さく保ったままで、複数の発光素子11からの入射光を合成することができる。
加えて、上述した特許文献1に開示された構成では、光軸合わせ部材202a〜202dや光源セット201a,201bを備えることで光源ユニット全体が大型化してしまう問題があった。しかし、本実施形態における光学素子1によれば、光学素子1全体の小型化を図ることができる。
また、上述した特許文献2に開示された構成では、複数のLED300からの光が、交差させて配置されたプリズムシート304,305で様々な方向に曲げられて光の損失を招く問題があった。しかし、各実施形態による光学素子1によれば、複数の発光素子11からの光の利用効率を向上することができる。
(第3の実施形態)
以下、他の実施形態の光源装置を説明する。他の実施形態の光源装置は、第1の実施形態の光源装置2と比べて指向性制御層13の構成のみが異なるので、指向性制御層についてのみ説明する。なお、以下の各実施形態の指向性制御層において、第1の実施形態における指向性制御層13と同一の層には、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、図5Aに示した第1の実施形態における波数ベクトル変換層18の構成を異ならせたものである。波数ベクトル変換層18としては、フォトニック結晶の代わりに、マイクロレンズアレイが配置される構成や、粗い表面が形成された層が用いられる構成としてもよい。図10に、第3の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の模式的な斜視図を示す。
図10に示すように、指向性制御層23は、プラズモン励起層17の表面に、マイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28が設けられている。指向性制御層23は、マイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28を備える構成であっても、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層18を備える構成と同様の効果が得られる。
プラズモン励起層17の上にマイクロレンズアレイが積層された構成の製造工程について説明するための断面図を、図11A及び図11Bに示す。マイクロレンズアレイを備える構成においても、図6A〜図6Gに示した製造方法と同様に、導光体12に、キャリア生成層16、異方性高誘電率層22、及びプラズモン励起層17を積層するので、これらの製造工程の説明を省略する。
図11A及び図11Bに示すように、図6A〜図6Gに示した製造方法を用いて、導光体12に、キャリア生成層16、異方性高誘電率層22及びプラズモン励起層17を積層した後、プラズモン励起層17の表面に、マイクロレンズアレイによって波数ベクトル変換層28を形成する。この作製方法はあくまで一例であって、これに限定されるものではない。図11Aに示すように、プラズモン励起層17の表面に、UV硬化樹脂31をスピンコート法等によって塗布した後、ナノインプリントを用いて、UV硬化樹脂31に所望のレンズアレイパターンを成形し、UV硬化樹脂31に光を照射して硬化させることで、マイクロレンズアレイが形成される。
以上のように構成された第2の実施形態における指向性制御層23においても、マイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28を備えることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、後述する実施形態では、波数ベクトル変換層18がフォトニック結晶からなる構成も示すが、上述のように、波数ベクトル変換層18をマイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28に置き換えても良く、各実施形態と同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
図12に、第4の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図12に示すように、第4の実施形態における指向性制御層33は、導光体12の上に、キャリア生成層16、異方性高誘電率層22、プラズモン励起層17、誘電率層19、波数ベクトル変換層18の順に積層されて構成されている。
したがって、第4の実施形態では、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との間に、誘電率層19を独立して備えている点が第1の実施形態と異なっている。この誘電率層19は、後述する第5の実施形態における誘電率層20(高誘電率層20)よりも誘電率が低く設定されているので、以降、低誘電率層19と称する。低誘電率層19の誘電率としては、プラズモン励起層17に対する入射側部分の実効誘電率よりも出射側部分の実効誘電率が低く保たれる範囲が許容される。つまり、低誘電率層19の誘電率が、プラズモン励起層17に対する入射側部分の実効誘電率よりも小さい必要はない。
低誘電率層19は、波数ベクトル変換層18と異なる材料によって形成されてもよい。このため、本実施形態は、波数ベクトル変換層18の材料選択の自由度を高めることができる。
低誘電率層19としては、例えば、SiO2、AlF3、MgF2、Na3AlF6、NaF、LiF、CaF2、BaF2、低誘電率プラスチック等からなる薄膜又は多孔質膜を用いるのが好ましい。また、低誘電率層19の厚さは、可能な限り薄い方が望ましい。なお、この厚さの許容最大値は、式(4)を用いて算出される低誘電率層19の厚さ方向に生じる表面プラズモンのしみだし長に相当する。低誘電率層19の厚さが式(4)より算出される値を超えた場合には、表面プラズモンを光として取り出すことが困難になる。
第4の実施形態における指向性制御層33においても、プラズモン励起層17でプラズモン結合を生じさせるために、導光体12及びキャリア生成層16を含む入射側部分の実効誘電率は、波数ベクトル変換層18及び低誘電率層19と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第4の実施形態における指向性制御層33によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、独立した低誘電率層19を備えることで、プラズモン励起層17の出射側部分の実効誘電率の調整を容易にすることが可能になる。
(第5の実施形態)
図13に、第5の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図13に示すように、第5の実施形態における指向性制御層43は、導光体12の上に、キャリア生成層16、異方性高誘電率層22、誘電率層20、プラズモン励起層17、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層18の順に積層されて構成されている。
したがって、第5の実施形態では、プラズモン励起層17とキャリア生成層16との間に、誘電率層20を独立して備えている点が第1の実施形態と異なっている。この誘電率層20は、上述の第4の実施形態における低誘電率層19よりも誘電率が高く設定されているので、以降、高誘電率層20と称する。高誘電率層20の誘電率は、プラズモン励起層17に対する入射側部分の実効誘電率よりも出射側部分の実効誘電率が低く保たれる範囲が許容される。つまり、高誘電率層20の誘電率が、プラズモン励起層17に対する出射側部分の実効誘電率よりも大きい必要はない。
高誘電率層20は、キャリア生成層16と異なる材料によって形成されてもよい。このため、本実施形態は、キャリア生成層16の材料選択の自由度を高めることができる。
高誘電率層20としては、例えば、ダイヤモンド、TiO2、CeO2、Ta25、ZrO2、Sb23、HfO2、La23、NdO3、Y23、ZnO、Nb25等の高誘電率材料からなる薄膜又は多孔質膜を用いるのが好ましい。高誘電率層20は、導電性を有する材料で形成されるのが好ましい。高誘電率層20の厚さは、可能な限り薄い方が望ましい。なお、この厚さの許容最大値は、キャリア生成層16とプラズモン励起層17との間でプラズモン結合が生じる距離に相当し、式(4)より算出される。
第5の実施形態における指向性制御層43においても、プラズモン励起層17でプラズモン結合を生じさせるために、導光体12、キャリア生成層16及び高誘電率層20を含む入射側部分の実効誘電率は、波数ベクトル変換層18と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第5の実施形態における指向性制御層43によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、独立した高誘電率層20を備えることで、プラズモン励起層17の入射側部分の実効誘電率の調整を容易にすることが可能になる。さらには、キャリア生成層16で生成されたキャリアがプラズモン励起層17中で熱損失される割合を低減させることができるため、第1の実施形態よりも高い効率で高指向性化された光を取り出すことが可能である。
(第6の実施形態)
図14に、第6の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図14に示すように、指向性制御層53は、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との間に挟まれて設けられた低誘電率層19と、異方性高誘電率層22とプラズモン励起層17との間に挟まれて設けられ、低誘電率層19よりも誘電率が高い高誘電率層20と、を備えている。
第6の実施形態における指向性制御層53においても、プラズモン励起層17でプラズモン結合を生じさせるために、導光体12、キャリア生成層16及び高誘電率層20を含む入射側部分の実効誘電率は、波数ベクトル変換層18及び低誘電率層19と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第6の実施形態における指向性制御層53によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、独立した低誘電率層19及び高誘電率層20を備えることで、プラズモン励起層17の出射側部分の実効誘電率、及びプラズモン励起層17の入射側部分の実効誘電率のそれぞれの調整を容易にすることが可能になる。また、第6の実施形態における指向性制御層53も、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらには、キャリア生成層16で生成されたキャリアがプラズモン励起層17中で熱損失される割合を低減させることができるため、第1の実施形態よりも高い効率で高指向性化された光を取り出すことが可能である。
なお、第6の実施形態では、プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側に低誘電率層19が配置され、プラズモン励起層17のキャリア生成層16側に高誘電率層20が配置されたが、この構成に限定されるものではない。プラズモン励起層17の入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層17の出射側部分の実効誘電率よりも高くなる範囲であれば、低誘電率層19及び高誘電率層20はどのような誘電率のものを用いてもよい。つまり、低誘電率層19よりも高誘電率層20以外の層の誘電率によっては、低誘電率層19よりも高誘電率層20の誘電率が低い場合もありうる。
(第7の実施形態)
図15に、第7の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図15に示すように、第7の実施形態における指向性制御層63は、第6の実施形態における指向性制御層53と同様の構成であり、第6の実施形態における低誘電率層19及び高誘電率層20が、複数の誘電体層をそれぞれ積層して構成されている点が異なっている。
つまり、第7の実施形態における指向性制御層63は、複数の誘電体層29a〜29cが積層されてなる低誘電率層群29と、複数の誘電体層30a〜30cが積層されてなる高誘電率層群30と、を備えている。
低誘電率層群29では、プラズモン励起層17に近い方から波数ベクトル変換層18側に向って誘電率が単調に低くなるように、複数の誘電体層29a〜29cが配置されている。同様に、高誘電率層群30では、キャリア生成層16に近い方からプラズモン励起層17に向かって誘電率が単調に高くなるように、複数の誘電体層30a〜30cが配置されている。
低誘電率層群29の全体の厚さは、指向性制御層が低誘電率層を独立して備える実施形態における低誘電率層と等しい厚さに形成されている。同様に、高誘電率層群30の全体の厚さは、指向性制御層が高誘電率層を独立して備える実施形態における高誘電率層と同じ厚さに形成されている。なお、低誘電率層群29及び高誘電率層群30は、それぞれ3層構造で示したが、例えば2〜5層程度の層構造で構成することができる。また、必要に応じて、低誘電率層群及び高誘電率層群をそれぞれ構成する誘電体層の数が異なる構成や、低誘電率層及び高誘電率層の一方のみが複数の誘電率層からなる構成としてもよい。
このように高誘電率層及び低誘電率層が複数の誘電体層から構成されることで、プラズモン励起層17の界面に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層16、波数ベクトル変換層18又は波数ベクトル変換層18に接する外部の空気等の媒質と、これらにそれぞれ隣り合う誘電体層との屈折率のマッチングをとることが可能になる。つまり、高誘電率層群30は、波数ベクトル変換層18又は空気等の媒質との界面での屈折率差を小さくし、低誘電率層群29は、キャリア生成層16との界面での屈折率差を小さくすることが可能になる。
以上のように構成された第6の実施形態の指向性制御層63によれば、プラズモン励起層17に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層16及び波数ベクトル変換層18との界面での屈折率差を小さく設定することが可能になる。このため、光損失を更に低減し、発光素子11からの光の利用効率を更に高めることができる。
なお、低誘電率層群29及び高誘電率層群30の代わりに、内部で誘電率が単調に変化する単層膜が用いてもよい。この構成の場合、高誘電率層は、誘電率がキャリア生成層16側からプラズモン励起層17側に向かって次第に高くなる分布を有する。また同様に、低誘電率層は、誘電率がプラズモン励起層17側から波数ベクトル変換層18側に向かって次第に低くなる分布を有する。
(第8の実施形態)
図16に、第8の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図16に示すように、第8の実施形態における指向性制御層73では、第1の実施形態における指向性制御層13と同様の構成であり、プラズモン励起層群37が、積層された複数の金属層37a,37bによって構成されている点が異なっている。
第8の実施形態における指向性制御層73のプラズモン励起層群37では、金属層37a、37bがそれぞれ異なる金属材料によってそれぞれ形成されて積層されている。これによって、プラズモン励起層群37は、プラズマ周波数を調整することが可能になっている。
プラズモン励起層群37におけるプラズマ周波数が高くなるように調整する場合には、例えば、金属層37a,37bをそれぞれAg及びAlによって形成する。また、プラズモン励起層群37におけるプラズマ周波数が低くなるように調整する場合には、例えば、異なる金属層37a,37bをそれぞれAg及びAuによって形成する。
なお、プラズモン励起層群37は、一例として2層構造を示したが、必要に応じて3層以上の金属層によって構成されてもよいことは勿論である。また、プラズモン励起層群37の厚さは、200nm以下に形成されるのが好ましく、10nm〜100nm程度に形成されるのが特に好ましい。
以上のように構成された第8の実施形態の指向性制御層73によれば、プラズモン励起層群37が複数の金属層37a,37bによって構成されることによって、プラズモン励起層群37における実効的なプラズマ周波数を、キャリア生成層16からプラズモン励起層群37に入射する光の周波数に近づけるように調整することが可能になる。このため、発光素子11から光学素子1に入射する光の利用効率を更に高めることができる。
(第9の実施形態)
図17に、第9の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図17に示すように、第8の実施形態における指向性制御層83では、第1の実施形態におけるプラズモン励起層17に加えて、別のプラズモン励起層としてのプラズモン励起層27が更に配置されている。
第9の実施形態における指向性制御層83では、キャリア生成層16と導光体12との間に、プラズモン励起層27が配置されている。指向性制御層83では、導光体12から入射した光によってプラズモン励起層27でプラズモンが励起され、その励起されたプラズモンによって、キャリア生成層16でキャリアの生成が行われる。
このとき、プラズモン励起層27でプラズモン共鳴を生じさせるために、キャリア生成層16の誘電率を、導光体12の誘電率よりも低くしている。また、キャリア生成層16の材料選択の幅を広げるために、プラズモン励起層27とキャリア生成層16との間に、複素誘電率の実部が導光体12よりも低い誘電率層を挟んで設けてもよい。
なお、プラズモン励起層27は、キャリア生成層16を単体で、発光素子11の光で励起したときに発生する発光周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、プラズモン励起層27は、発光素子11の発光周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、異なる複数の発光周波数を有するキャリア生成層16が用いられる場合、プラズモン励起層27は、キャリア生成層16を単体で、発光素子11の光で励起したときに発生する光の異なる周波数のいずれよりも高いプラズマ周波数を有している。同様に、発光周波数が異なる複数種類の発光素子が用いられる場合、プラズモン励起層27は、発光素子の異なる発光周波数のいずれよりもが高いプラズマ周波数を有している。
このような構成では、キャリア生成層16にてプラズモンによってキャリアが生成されるので、プラズモンによる蛍光増強効果を利用できる。
以上のように構成された第9の実施形態によれば、プラズモンによる蛍光増強効果によりキャリア生成層16でキャリアが効率的に生成され、キャリアを増やすことができるので、発光素子11からの光の利用効率を更に高めることができる。
また、プラズモン励起層27は、上述した第8の実施形態におけるプラズモン励起層群37と同様に、複数の金属層が積層されて構成されてもよい。
(第10の実施形態)
図18に、第10の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。
図18に示すように、第10の実施形態における指向性制御層93は、第1の実施形態における指向性制御層13と同様の構成であり、キャリア生成層16と導光体12との間に、上述した実施形態における低誘電率層19と異なる作用を奏する低誘電率層39を設ける点が異なっている。
第10の実施形態における指向性制御層93には、キャリア生成層16の直下に低誘電率層39が配置されている。低誘電率層39の誘電率は、導光体12の誘電率よりも低く設定している。発光素子11からの入射光は、導光体12と低誘電率層39との界面で全反射を起こすように、導光体12の光入射面14に対する入射角が所定の角度に設定されている。
発光素子11から導光体12に入射した入射光は、導光体12と低誘電率層39との界面で全反射を起こし、この全反射に伴ってエヴァネッセント波が生成される。このエヴァネッセント波がキャリア生成層16に作用することで、キャリア生成層16にキャリアが生成される。
ところで、上述した第1、第3〜第9の実施形態の光源装置では、発光素子11から出射した光の一部が各層を透過して出射する。そのため、発光素子11の発光波長とキャリア生成層16の発光波長に対応し、波長が30nm〜300nm程度異なる2種類の光がそれぞれ出射している。しかし、本実施形態のように、エヴァネッセント波のみでキャリアを生成することによって、光源装置からの出射光のうち、発光素子11の発光波長に対応する光を低減し、キャリア生成層16の発光波長に対応する光を増加することが可能になる。したがって、第9の実施形態によれば、発光素子11からの光の利用効率を更に高めることができる。
(第11の実施形態)
以下の各実施形態の指向性制御層において、第2の実施形態における指向制御層13’と同一の層には、第2の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における指向性制御層は、図5Bに示した第2の実施形態における高誘電率層2009の表面に、マイクロレンズアレイを設けたものである。図19に示すように、指向性制御層2014は、マイクロレンズアレイ2013を備える構成であっても、波数ベクトル変換層2010としてフォトニック結晶を用いた場合と同様の効果が得られる。
図20A及び図20Bに、高誘電率層2009の上にマイクロレンズアレイ2013が積層された構成の製造工程について説明するための断面図を示す。マイクロレンズアレイ2013を備える構成においても、図7A〜図7Eに示した製造方法と同様に、導光体12に、キャリア生成層2006から高誘電率層2009までの各層を積層するので、これらの製造工程の説明を省略する。
図20A及び図20Bに示すように、図7A〜図7Eに示した製造方法を用いて、導光体12に、キャリア生成層2006から高誘電率層2009までの各層を積層した後、高誘電率層2009の表面にマイクロレンズアレイ2013を形成する。これはあくまで一例であって、この作製方法に限定されるものではない。高誘電率層2009の表面に、UV硬化樹脂2015をスピンコート法等によって塗布した後、ナノインプリントを用いて、UV硬化樹脂2015に所望のレンズアレイパターンを成形し、UV硬化樹脂2015に光を照射して硬化させることで、マイクロレンズアレイ2013が形成される。
(第12の実施形態)
図21に、第12の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図21に示すように、第6の実施形態における指向性制御層2018では、導光体12の上に、キャリア生成層2016、プラズモン励起層2008、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層2017の順に積層されている。
第12の実施形態における指向性制御層2018では、波数ベクトル変換層2017が第2の実施形態における高誘電率層2009を兼ねており、キャリア生成層2016が第2の実施形態における異方性低誘電率層2007を兼ねている。したがって、プラズモン励起層2008でプラズモン結合を生じさせるために、プラズモン励起層2008の出射側界面に隣接して配置された層である波数ベクトル変換層2017の誘電率は、プラズモン励起層2008の入射側界面に隣接して配置された層であるキャリア生成層2016の誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第12の実施形態の光源装置によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られると共に、第2の実施形態に比べて更に小型化を図ることができる。
(第13の実施形態)
図22に、第13の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図22に示すように、第8の実施形態における指向性制御層2019では、導光体12の上に、キャリア生成層2006、異方性低誘電率層2007、プラズモン励起層2008、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層2017の順に積層されている。
第13の実施形態における指向性制御層2019では、波数ベクトル変換層2017が第2の実施形態における高誘電率層2009を兼ねている。したがって、プラズモン励起層2008でプラズモン結合を生じさせるために、波数ベクトル変換層2017の誘電率は、異方性低誘電率層2007の誘電率よりも高く設定されている。ただし、波数ベクトル変換層2017の誘電率の方が低誘電率層2007の誘電率よりも低い場合でも、プラズモン励起層2008の波数ベクトル変換層2017側の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層2008の異方性低誘電率層2007側の実効誘電率の実部よりも高ければ、指向性制御層2019は動作する。つまり、波数ベクトル変換層2017の誘電率には、プラズモン励起層2008の出射側部分の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層2008の入射側部分の実効誘電率の実部よりも高く保たれる範囲が許容される。
以上のように構成された第13の実施形態の光源装置によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られると共に、第2の実施形態に比べて更に小型化を図ることができる。
(第14の実施形態)
図23に、第14の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図23に示すように、第14の実施形態における指向性制御層2020では、導光体12の上に、キャリア生成層2016、プラズモン励起層2008、高誘電率層2009、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層2010の順に積層されている。
第14の実施形態における指向性制御層2020では、キャリア生成層2016が第2の実施形態における異方性低誘電率層2007を兼ねている。したがって、プラズモン励起層2008でプラズモン結合を生じさせるために、キャリア生成層2016の誘電率は、高誘電率層2009よりも低く設定されている。ただし、キャリア生成層2016の誘電率の方が高誘電率層2009の誘電率よりも高い場合でも、プラズモン励起層2008のキャリア生成層2016側の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層2008の高誘電率層2009側の実効誘電率の実部よりも低ければ、指向性制御層2020は動作する。つまり、キャリア生成層2016の誘電率には、プラズモン励起層2008の出射側部分の実効誘電率の実部が、プラズモン励起層2008の入射側部分の実効誘電率の実部より高く保たれる範囲が許容される。
以上のように構成された第14の実施形態の光源装置によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られると共に、第2の実施形態に比べて更に小型化を図ることができる。
(第15の実施形態)
図24に、第15の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図24に示すように、第15の実施形態における指向性制御層2037では、第2の実施形態におけるプラズモン励起層2008に加えて、別のプラズモン励起層としてのプラズモン励起層2036が更に配置されている。
第15の実施形態における指向性制御層2037では、キャリア生成層2006と導光体12との間に、プラズモン励起層2036が配置されている。指向性制御層2037では、導光体12から入射した光によってプラズモン励起層2036でプラズモンが励起され、その励起されたプラズモンによって、キャリア生成層2006でキャリアの生成が行われる。
このとき、プラズモン励起層2036でプラズモン共鳴を生じさせるために、キャリア生成層2006の誘電率を、導光体12の誘電率よりも低くしている。また、キャリア生成層2006の材料選択の幅を広げるために、プラズモン励起層2036とキャリア生成層2006との間に、複素誘電率の実部が導光体12よりも低い誘電率層を挟んで設けてもよい。ここで、プラズモン励起層2036の導光体12側の実効誘電率が、プラズモン励起層2036のキャリア生成層2006側の実効誘電率よりも高い必要がある。
なお、プラズモン励起層2008は、キャリア生成層2006を単体で、発光素子1の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、プラズモン励起層2036は、発光素子1の発光周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、異なる複数の発光周波数を有するキャリア生成層2006が用いられる場合、プラズモン励起層2008は、キャリア生成層2006を単体で、発光素子1の光で励起したときに発生する光の異なる周波数のいずれよりも高いプラズマ周波数を有している。同様に、発光周波数が異なる複数種類の発光素子が用いられる場合、プラズモン励起層2036は、発光素子の異なる発光周波数のいずれよりもが高いプラズマ周波数を有している。
ここで、発光素子1からの光がプラズモン励起層2036の界面においてプラズモンと結合するためには、発光素子1からプラズモン励起層2036へ入射させる光の入射角に条件がある。プラズモン励起層2036のキャリア生成層2006側における入射光の波数ベクトルのうち界面に平行な成分と、プラズモン励起層2036のキャリア生成層2006側における表面プラズモンの界面に平行な成分とが一致する入射角で光を入射させる必要がある。
このような構成によって、キャリア生成層2006においてプラズモンによりキャリアが生成されるので、プラズモンによる蛍光増強効果を利用できる。
以上のように構成された第5の実施形態によれば、プラズモンによる蛍光増強効果によりキャリア生成層2006でキャリアが効率的に生成され、キャリアを増やすことができるので、発光素子1からの光の利用効率を更に高めることができる。
(第16の実施形態)
図25に、第16の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図25に示すように、第16の実施形態における指向性制御層2040は、第2の実施形態における指向性制御層13’と同様の構成であり、第2の実施形態における異方性低誘電率層2007及び高誘電率層2009が、それぞれ積層された複数の誘電体層によって構成されている点が異なっている。
つまり、第16の実施形態における指向性制御層2040は、複数の誘電体層2038a〜2038cが積層されてなる低誘電率層群2038と、複数の誘電体層2039a〜2039cが積層されてなる高誘電率層群2039と、を備えている。
低誘電率層群2038では、キャリア生成層2006に近い方からプラズモン励起層2008に向かって誘電率が単調に低くなるように、複数の誘電体層2038a〜2038cが配置されている。同様に、高誘電率層群2039では、プラズモン励起層2008に近い方からフォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層2010側に向って誘電率が単調に低くなるように、複数の誘電体層2039a〜2039cが配置されている。
低誘電率層群2038の全体の厚さは、指向性制御層が低誘電率層を独立して備える実施形態における低誘電率層と等しい厚さとしている。同様に、高誘電率層群2039の全体の厚さは、指向性制御層が高誘電率層を独立して備える実施形態における高誘電率層と同じ厚さとしている。なお、低誘電率層群2038及び高誘電率層群2039は、それぞれ3層構造で示したが、例えば2〜5層程度の層構造で構成することができる。また、必要に応じて、低誘電率層群及び高誘電率層群をそれぞれ構成する誘電体層の数が異なる構成や、低誘電率層及び高誘電率層の一方のみが複数の誘電率層からなる構成としてもよい。
このように高誘電率層及び低誘電率層が複数の誘電体層から構成されることで、プラズモン励起層2008の界面に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層2006、波数ベクトル変換層2010又は外部の空気等の媒質と、これらにそれぞれ隣り合う誘電体層との屈折率のマッチングをとることが可能になる。つまり、高誘電体層群2039は、波数ベクトル変換層2010又は空気等の媒質との界面での屈折率差を小さくし、低誘電体層群2038は、キャリア生成層2006との界面での屈折率差を小さくすることが可能になる。
以上のように構成された第16の実施形態の指向性制御層2040によれば、プラズモン励起層2008に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層2006及び波数ベクトル変換層2010との界面での屈折率差を小さく設定することが可能になる。このため、光損失を更に低減し、発光素子1からの光の利用効率を更に高めることができる。
なお、低誘電率層群2038及び高誘電率層群2039の代わりに、内部で誘電率が単調に変化する単層膜が用いてもよい。この構成の場合、高誘電率層は、誘電率がプラズモン励起層2007側から波数ベクトル変換層2010側に向かって次第に低くなる分布を有する。また同様に、低誘電率層は、誘電率がキャリア生成層2006側からプラズモン励起層2007側に向かって次第に低くなる分布を有する。
(第17の実施形態)
図26に、第17の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図26に示すように、第7の実施形態における指向性制御層2042は、第2の実施形態における指向性制御層13’と同様の構成であり、キャリア生成層2006と導光体12との間に、別の低誘電率層2041を設ける点が異なっている。
第17の実施形態における指向性制御層2042では、キャリア生成層2006の直下に低誘電率層2041が配置されている。低誘電率層2041の誘電率は、導光体12の誘電率よりも低く設定している。発光素子1からの入射光は、導光体12と低誘電率層2041との界面で全反射を起こすように、導光体12の光入射面14に対する入射角を所定の角度に設定している。
発光素子1から導光体12に入射した入射光は、導光体12と低誘電率層2041との界面で全反射を起こし、この全反射に伴ってエヴァネッセント波が生成される。このエヴァネッセント波がキャリア生成層2006に作用することで、キャリア生成層2006にキャリアが生成される。
ところで、上述した第2、第11から第15の実施形態の光源装置では、発光素子1から出射した光の一部が各層を透過して出射する。そのため、発光素子1の発光波長とキャリア生成層2006の発光波長に対応し、波長が30nm〜300nm程度異なる2種類の光がそれぞれ出射している。しかし、本実施形態のように、エヴァネッセント波のみでキャリアを生成することによって、光源装置2からの出射光のうち、発光素子1の発光波長に対応する光を低減し、キャリア生成層2006の発光波長に対応する光を増加することが可能になる。したがって、第17の実施形態によれば、発光素子1からの光の利用効率を更に高めることができる。
(第18の実施形態)
図27に、第18の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図27に示すように、第8の実施形態における指向性制御層45では、第2の実施形態における指向性制御層13’と同様の構成であり、プラズモン励起層群2044が、積層された複数の金属層2044a,2044bによって構成されている点が異なっている。
第18の実施形態における指向性制御層2045のプラズモン励起層群2044では、金属層2044a、2044bがそれぞれ異なる金属材料によってそれぞれ形成されて積層されている。これによって、プラズモン励起層群2044は、プラズマ周波数を調整することが可能になっている。
プラズモン励起層2044におけるプラズマ周波数が高くなるように調整する場合には、例えば、金属層2044a,2044bをそれぞれAg及びAlによって形成する。また、プラズモン励起層2044におけるプラズマ周波数が低くなるように調整する場合には、例えば、異なる金属層2044a,2044bをそれぞれAg及びAuによって形成する。なお、プラズモン励起層2044は、一例として2層構造を示したが、必要に応じて3層以上の金属層によって構成されてもよいことは勿論である。
以上のように構成された第8の実施形態の指向性制御層2045によれば、プラズモン励起層2044が複数の金属層2044a,2044bによって構成されることによって、プラズモン励起層2044における実効的なプラズマ周波数を、キャリア生成層2006からプラズモン励起層2044に入射する光の周波数に近づけるように調整することが可能になる。このため、発光素子1から光学素子1に入射する光の利用効率を更に高めることができる。
なお、本実施形態の光源装置は、画像表示装置の光源装置として用いられるのに好適であり、投射型表示装置が備える光源装置や、液晶パネル(LCD)の直下型光源装置、いわゆるバックライトとして携帯型電話機、PDA(Personal Data Assistant)等の電子機器に用いられてもよい。
最後に、上述した実施形態の光源装置が適用される投射型表示装置としてのLEDプロジェクタについて簡単に説明する。図33に、実施形態の投射型表示装置の模式図を示す。
図28に示すように、実施形態のLEDプロジェクタは、上述した実施形態の光学素子2と、この光学素子2からの出射光が入射する液晶パネル252と、この液晶パネル252からの出射光をスクリーン等の投射面255上に投射する投射レンズを含む投射光学系253と、を備えている。
LEDプロジェクタが備える光源装置1は、指向性制御層が設けられた導光体12の一側面に、赤(R)光用LED257R、緑(G)光用LED257G、及び青(B)光用LED257Bがそれぞれ配置されている。光源装置2の指向性制御層が有するキャリア生成層は、赤(R)光用、緑(G)光用、及び青(B)光用の蛍光体を含んでいる。
図29に、実施形態のLEDプロジェクタに用いられる発光素子1の波長と、蛍光体の励起波長及び発光波長の強度との関係を示す。図29に示すように、R光用LED257R、G光用LED257G、B光用LED257Bの発光波長Rs、Gs、Bsと、蛍光体の励起波長Ra、Ga、Baはそれぞれほぼ等しく設定されている。また、これら発光波長Rs、Gs、Bs及び励起波長Ra、Ga、Baと、蛍光体の発光波長Rr、Gr、Grとは、それぞれ互いに重ならないように設定されている。また、それぞれのR光用LED257R、G光用LED257G、B光用LED257Bの発光スペクトルは、それぞれの蛍光体の励起スペクトルと一致するか、励起スペクトルの内側に収まるように設定されている。また、蛍光体の発光スペクトルは、蛍光体のいずれの励起スペクトルにもほとんど重ならないように設定されている。
LEDプロジェクタでは、時分割方式を採っており、図示しない制御回路部によって、R光用LED257R、G光用LED257G、B光用LED257Bのいずれか1つのみが発光するように切り換えられる。
本実施形態のLEDプロジェクタによれば、上述した実施形態の光源装置2を備えることで、投射映像の輝度を向上することができる。
なお、実施形態のLEDプロジェクタとして、単板型液晶プロジェクタの構成例を挙げたが、R、G、B毎に液晶パネルを備える3板型液晶プロジェクタに適用されてもよいことは勿論である。
また、各実施形態は導光体を備えるものを挙げて説明したが、導光体は必須の構成要素ではなく、導光体の代わりに発光素子の発光面をキャリア生成層に近接して配してもよい。さらに、発光素子が空間を隔てて配置され、発光素子からの光がキャリア生成層に照射される構成としてもよく、発光素子も必須の構成要素ではない。
また、光学素子、光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、キャリア生成層の上に積層され、キャリア生成層を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、プラズモン励起層からキャリア生成層へ向かう入射側に1つ以上設けられた光学異方性を有する異方性誘電体層と、を備える。
図30に示すように、プラズモン励起層3001と異方性誘電体層3003との間には誘電体層3002が配置されても良い。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は2011年9月27日に出願された日本出願特願2011−211614号、および、2012年1月6日に出願された日本出願特願2012−1324号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 光学素子
2 光源装置
11 発光素子
第2の実施形態の場合、異方性低誘電率層2007は第1の実施形態における異方性高誘電率層22と同様に光学異方性を有するものであり、異方性低誘電率層2007とすることによりプラズモン結合による放射光の出射方向を制限し、さらに偏光方向を一方向に揃えられる。

Claims (30)

  1. 光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、
    前記キャリア生成層の上に配置され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、
    前記プラズモン励起層の上に配置され、前記プラズモン励起層によって生じる表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して出射する出射層と、
    前記プラズモン励起層から前記キャリア生成層へ向かう入射側に1つ以上設けられた光学異方性を有する異方性誘電体層と、を備えた光学素子。
  2. 発光素子と、
    発光素子からの光が入射する導光体と、を備え、
    前記キャリア生成層は、前記導光体の上に設けられ、前記導光体からの光によってキャリアが生成される請求項1記載の光学素子。
  3. 前記プラズモン励起層の前記出射層側、及び前記プラズモン励起層の前記導光体側の少なくとも一方の側に隣接して設けられた誘電率層を備える、請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記導光体と前記キャリア生成層との間に設けられ、前記発光素子の周波数よりも高いプラズマ周波数を有する別のプラズモン励起層を更に備える、請求項2または3に記載の光学素子。
  5. 前記導光体の前記キャリア生成層側に隣接して設けられ、前記導光体よりも誘電率が低い低誘電率層を備え、
    前記キャリア生成層は、前記導光体からの光が前記キャリア生成層との界面で全反射したときに生じるエヴァネッセント波によってキャリアを生成する、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記出射層は、表面周期構造を有している、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 前記出射層は、フォトニック結晶からなる、請求項1ないし5のいずれか1に記載の光学素子。
  8. 前記プラズモン励起層は、異なる金属材料からなる複数の金属層が積層されて構成されている、請求項1、2、3、5ないし7のいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 前記プラズモン励起層は、Ag、Au、Cu、Pt、Alのうちのいずれか1つ、またはこれらのうちの少なくとも1つを含む合金からなる、請求項1、2、3、5ないし7のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 請求項2ないし9のいずれかに記載の光学素子において、
    前記プラズモン励起層は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれ、
    前記プラズモン励起層の前記導光体側に配置された構造全体を含む入射側部分の実効誘電率が、前記プラズモン励起層の前記出射層側に配置された構造全体と、前記出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高い、光学素子。
  11. 前記プラズモン励起層は、一対の前記誘電率層の間に挟まれ、
    前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接する前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接する前記誘電率層よりも誘電率が高い、請求項10に記載の光学素子。
  12. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かう順に誘電率が低くなるように配置されている、請求項10に記載の光学素子。
  13. 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かう順に誘電率が高くなるように配置されている、請求項10に記載の光学素子。
  14. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かって次第に低くなる分布を有している、請求項10に記載の光学素子。
  15. 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かって次第に高くなる分布を有する、請求項10に記載の光学素子。
  16. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、多孔質層である、請求項10ないし12、14のいずれか1項に記載の光学素子。
  17. 請求項2ないし9のいずれかに記載の光学素子において、
    前記プラズモン励起層は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれ、
    前記プラズモン励起層の前記導光体側に積層された構造全体を含む入射側部分の実効誘電率が、前記プラズモン励起層の前記出射層側に積層された構造全体と、前記出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも低い、光学素子。
  18. 前記プラズモン励起層は、一対の前記誘電率層の間に挟まれ、
    前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接する前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接する前記誘電率層よりも誘電率が低い、請求項17に記載の光学素子。
  19. 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接して設けられた前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接する層よりも誘電率が低い低誘電率層である、請求項17に記載の光学素子。
  20. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接する層よりも誘電率が高い高誘電率層である、請求項17に記載の光学素子。
  21. 前記低誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かう順に誘電率が低くなるように配置されている、請求項19に記載の光学素子。
  22. 前記高誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かう順に誘電率が低くなるように配置されている、請求項20に記載の光学素子。
  23. 前記低誘電率層は、誘電率が前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かって次第に低くなる分布を有している、請求項19に記載の光学素子。
  24. 前記高誘電率層は、誘電率が前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かって次第に低くなる分布を有する、請求項20に記載の光学素子。
  25. 前記低誘電率層は、多孔質層である、請求項19、21、23のいずれか1項に記載の光学素子。
  26. 前記実効誘電率が、
    前記入射側部分または前記出射側部分の誘電体の誘電率分布と、
    前記入射側部分または前記出射側部分での前記プラズモン励起層の界面に垂直な方向に対する表面プラズモンの分布と、に基づいて決定される請求項10ないし25のいずれかに記載の光学素子。
  27. 請求項10ないし26のいずれかに記載の光学素子において、
    前記実効誘電率は、複素実効誘電率εeffであって、該複素実効誘電率εeffが、前記プラズモン励起層の界面に平行な方向をx軸、y軸、前記プラズモン励起層の界面に垂直な方向をz軸、前記キャリア生成層から出射する光の角周波数をω、前記入射側部分または前記出射側部分の誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、積分範囲Dを前記入射側部分または前記出射側部分の三次元座標の範囲、表面プラズモンの波数のz成分をkspp,z、虚数単位をjとすれば、
    Figure 2013046872
    または、
    Figure 2013046872
    を満たし、
    かつ、表面プラズモンの波数のz成分kspp,z、表面プラズモンの波数のx、y成分ksppが、
    前記プラズモン励起層の誘電率をεmetal、真空中での光の波数をk0とすれば、
    Figure 2013046872
    Figure 2013046872
    を満たしている光学素子。
  28. 請求項2ないし27のいずれか1項に記載の光学素子と、
    前記導光体の外周部に配置された発光素子と、を備える光源装置。
  29. 請求項28に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの出射光を変調する表示素子と、
    前記表示素子の出射光によって投射映像を投射する投射光学系と、を備える投射型表示装置。
  30. 光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、
    前記キャリア生成層の上に配置され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、
    前記プラズモン励起層から前記キャリア生成層へ向かう入射側に1つ以上設けられた光学異方性を有する異方性誘電体層と、を備えた光学素子。
JP2013536010A 2011-09-27 2012-07-18 光学素子、光源装置及び投射型表示装置 Withdrawn JPWO2013046872A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013536010A JPWO2013046872A1 (ja) 2011-09-27 2012-07-18 光学素子、光源装置及び投射型表示装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011211614 2011-09-27
JP2011211614 2011-09-27
JP2012001324 2012-01-06
JP2012001324 2012-01-06
JP2013536010A JPWO2013046872A1 (ja) 2011-09-27 2012-07-18 光学素子、光源装置及び投射型表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2013046872A1 true JPWO2013046872A1 (ja) 2015-03-26

Family

ID=47994928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013536010A Withdrawn JPWO2013046872A1 (ja) 2011-09-27 2012-07-18 光学素子、光源装置及び投射型表示装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20140226196A1 (ja)
JP (1) JPWO2013046872A1 (ja)
WO (1) WO2013046872A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9086619B2 (en) * 2010-10-15 2015-07-21 Nec Corporation Optical device for projection display device having plasmons excited with fluorescence
JPWO2014020954A1 (ja) * 2012-07-31 2016-07-21 日本電気株式会社 光学素子、照明装置、画像表示装置、光学素子の作動方法
CN106959486A (zh) * 2016-01-08 2017-07-18 京东方科技集团股份有限公司 一种导光板、背光模组及液晶显示装置
JP7188690B2 (ja) * 2018-08-22 2022-12-13 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3895076B2 (ja) * 1999-09-01 2007-03-22 シャープ株式会社 光学装置
JP2002063722A (ja) * 2000-08-21 2002-02-28 Taiyo Yuden Co Ltd 光情報記録方法および光情報記録媒体
JP2003295183A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Citizen Watch Co Ltd 液晶表示装置の平面照明装置
JP2005005679A (ja) * 2003-04-15 2005-01-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子およびその製造方法
JP2006313667A (ja) * 2005-05-06 2006-11-16 Institute Of Physical & Chemical Research 有機el素子
KR100631133B1 (ko) * 2005-05-31 2006-10-02 삼성전기주식회사 수직구조 질화물계 반도체 발광 다이오드
US7719182B2 (en) * 2005-09-22 2010-05-18 Global Oled Technology Llc OLED device having improved light output
JP2007214260A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体発光素子およびその製造方法
JP2010123193A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Toshiba Corp 光で情報を記録する光記録システム
JP5605368B2 (ja) * 2009-09-30 2014-10-15 日本電気株式会社 光学素子、光源装置及び投射型表示装置
JP5527327B2 (ja) * 2009-10-30 2014-06-18 日本電気株式会社 発光素子、光源装置及び投射型表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20140226196A1 (en) 2014-08-14
WO2013046872A1 (ja) 2013-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5664657B2 (ja) 光学素子、光源および投射型表示装置
JP5605368B2 (ja) 光学素子、光源装置及び投射型表示装置
JP5605426B2 (ja) 光学素子、光源装置及び投射型表示装置
JP5527327B2 (ja) 発光素子、光源装置及び投射型表示装置
US9170351B2 (en) Optical element, light source apparatus, and projection-type display apparatus
US7535171B2 (en) System and method for total light extraction from flat-panel light-emitting devices
JP5776689B2 (ja) 表示素子、表示器及び投射型表示装置
US9041041B2 (en) Optical device, optical element, and image display device
JP5605427B2 (ja) 発光素子、光源装置及び投射型表示装置
WO2013046866A1 (ja) 光素子および該光素子を用いた投射型表示装置
WO2013046865A1 (ja) 光学素子、光源装置及び投射型表示装置
JPWO2013103039A1 (ja) 光学素子、光学装置、画像表示装置および励起光の吸収率向上方法
WO2013046872A1 (ja) 光学素子、光源装置及び投射型表示装置
US8723208B2 (en) Light-emitting device having a fine structure interposed between a light-emitting layer and a substrate
WO2013103038A1 (ja) 光学装置および画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150617

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20160530