JPWO2013035372A1 - 長主鎖構造を有するポリヒドロキシアルカン酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有用なバイオプラスチック又は生体材料となるポリヒドロキシアルカン酸を提供することを目的とし、具体的には、少なくとも5-ヒドロキシバレレート単位を含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、ラルストニア(Ralstonia)属に属する微生物を、炭素源としてラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩を含有する培地において培養する工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法に関する。

Description

本発明は、長主鎖構造を有するポリヒドロキシアルカン酸(ポリヒドロキシアルカノエート:PHA)の製造方法及び当該方法により得られるポリマーに関する。
多くのバクテリアは、バイオマスである糖や植物油を原料とし、細胞内にエネルギー貯蔵物質としてポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を蓄積する(非特許文献1〜3)。PHAは、生分解性と熱可塑性を有するため、石油プラスチックの代替品としての応用が期待されている(非特許文献4及び5)。
また、PHAは、生分解性と生体適合性も有することから生体材料としての応用も期待されている(非特許文献6及び7)。in vivo及びin vitro試験によって、PHAが骨及び軟骨組織(非特許文献8)、血液(非特許文献9)及び様々な細胞系へ高い親和性を示すことが報告されており、PHAが医療分野で活躍することが期待される。
ところで、微生物細胞におけるPHAの細胞内合成は、炭素源を原料に代謝経路からモノマーであるヒドロキシアシル-CoAが供給され、供給された当該モノマーがPHA合成酵素により重合されることにより起こる。このように、PHAの細胞内合成は、モノマーの供給からポリマー合成まで全ての反応を微生物細胞内で行うことを特徴とする。本システムにおいて、PHAを構成するモノマーの種類や組成は、供給する炭素源の種類、代謝経路及びPHA合成酵素の基質特異性によって決定される。これらのファクターを調製するために、培養条件や炭素源を調整し、また遺伝子工学や代謝工学的な手法を組み合わせ、新規の代謝経路を構築することによって、これまでに100種類以上ものPHAファミリーが報告されている(非特許文献10)。報告されているPHAファミリーの大部分は、側鎖にバラエティを持つPHAである。主鎖にバラエティを持つPHAは、ラクテート(非特許文献11)、4-ヒドロキシブチレート(4HB)(非特許文献12)、4-ヒドロキシバレレート(4HV)(非特許文献13)、5-ヒドロキシバレレート(5HV)(非特許文献14)及び6-ヒドロキシヘキサノエート(6HH)とこれまでにわずかな報告しかない。
Doi, Y.; Kitamura, S.; Abe, H., Macromolecules 1995, 28, 4822-4828. Steinbuchel, A.; Fuchtenbusch, B., Trends in Biotechnology 1998, 16, 419-427. Rehm, B. H. A.; Steinbuchel, A., Int. J. Biol. Macromol. 1999, 25, 3-19. Chen, G. Q., Chemical Society Reviews 2009, 38, 2434-2446. Sudesh, K.; Abe, H.; Doi, Y., Progress in Polymer Science 2000, 25, 1503-1555. Chen, G. Q.; Wu, Q.; Wang, Y., Artificial Cells Blood Substitutes and Biotechnology 2009, 37, 1-12. Boccaccini, A. R.; Misra, S. K.; Valappil, S. P.; Roy, I., Biomacromolecules 2006, 7, 2249-2258. Gogolewski, S.; Jovanovic, M.; Perren, S. M.; Dillon, J. G.; Hughes, M. K., Journal of Biomedical Materials Research 1993, 27, 1135-1148. Deng, Y.; Lin, X. S.; Zheng, Z.; Deng, J. G.; Chen, J. C.; Ma, H.; Chen, G. Q., Biomaterials 2003, 24, 4273-4281. Steinbuchel, A.; Valentin, H. E., Fems Microbiology Letters 1995, 128, 219-228. Taguchi, S.; Yamada, M.; Matsumoto, K.; Tajima, K.; Satoh, Y.; Munekata, M.; Ohno, K.; Kohda, K.; Shimamura, T.; Kambe, H.; Obata, S., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2008, 105, 17323-7. Kunioka, M.; Nakamura, Y.; Doi, Y., Polymer Communications 1988, 29, 174-176. Gorenflo, V.; Schmack, G.; Vogel, R.; Steinbuchel, A., Biomacromolecules 2001, 2, 45-57. Doi, Y.; Tamaki, A.; Kunioka, M.; Soga, K., Makromol. Chem., Rapid Commun 1987, 8, 631-635.
多様なPHAの中で、長主鎖モノマーを有するPHAは生分解性が向上することが期待される。例えば、基本的なPHAのモノマー構造である3-ヒドロキシブチレート(3HB)と比較して、側鎖が存在せず、主鎖の炭素数が一つ多い4HB単位(ユニット)を持つP(3HB-co-4HB)コポリマーは、PHA分解酵素だけではなくリパーゼによる酵素分解性を示すことが知られている(Chen, G. Q.; Wu, Q.; Wang, Y., Artificial Cells Blood Substitutes and Biotechnology 2009, 37, 1-12及びSaito, Y.; Doi, Y., International Journal of Biological Macromolecules 1994, 16, 99-104.)。側鎖を持つP(3HB)ホモポリマーや他のPHAはリパーゼ分解性を示さないため、P(3HB-co-4HB)コポリマーのリパーゼによる酵素分解性は特別な性質である。
また、リパーゼは生体の細胞内に存在するため、リパーゼ分解性を有するPHAによれば細胞内における生分解性の向上が期待できる。よって、細胞内における生分解性の向上は、PHAを組織医療材料やドラックデリバリーとして利用する際に有用である。
4HBがリパーゼ分解性を示す理由の一つとして、4HBは側鎖構造を持たない直鎖構造を持つモノマーであるため、酵素がアタックしやすいということが考えられる。
以上の知見をもとに、より長主鎖のモノマー(5HV、6HH等)が導入されたPHAは、さらなるリパーゼ分解性の向上が期待される。しかしながら、これまでに5HV単位を含むPHAの効率的な合成及び酵素分解性の評価は行われていなかった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、有用なバイオプラスチック又は生体材料となるPHAを創製するために、5HV単位を含むPHAの効率的な製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ラルストニア(Ralstonia)属に属する微生物を、炭素源としてラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩を含有する培地において培養することで、5HV単位を含むPHAを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下を包含する。
(1)少なくとも5-ヒドロキシバレレート(5HV)単位を含むポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の製造方法であって、ラルストニア属に属する微生物を、炭素源として、環を構成する炭素数が12以上のラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩を含有する培地において培養する工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
(2)ラルストニア属に属する微生物が、ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子が導入されたラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)である、(1)記載の方法。
(3)ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子が、以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子である、(2)記載の方法。
(a)配列番号2、4及び6のいずれか1つに示されるアミノ酸配列から成るタンパク質
(b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つポリヒドロキシアルカン酸合成活性を有するタンパク質
(4)前記ラクトンがω-ペンタデカラクトンである、(1)〜(3)のいずれか1記載の方法。
(5)ヒドロキシ酸塩が5-ヒドロキシ吉草酸塩である、(1)〜(4)のいずれか1記載の方法。
(6)前記ポリヒドロキシアルカン酸が3-ヒドロキシブチレート(3HB)単位をさらに含む、(1)〜(5)のいずれか1記載の方法。
(7)前記ポリヒドロキシアルカン酸が10〜35 mol%の5-ヒドロキシバレレート単位を有するポリヒドロキシアルカン酸コポリマーである、(1)〜(6)のいずれか1記載の方法。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2011-193230号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
本発明によれば、バイオプラスチックのみならず生体適合性材料として有用な5HV単位を含むPHAを製造できる。
ラルストニア・ユートロファにおけるP(3HB-co-3HP-co-5HV)の合成経路を示す。5HV:5-ヒドロキシバレレート、5HVNa:5-ヒドロキシ吉草酸ナトリウム、ω-PDL:ω-ペンタデカラクトン、PhaA:β-ケトチオラーゼ、PhaB:NADPH依存性アセトアセチル-CoAレダクターゼ、PhaC:PHAシンターゼ。 発現ベクターpBBRMCS2CReを有する組換えラルストニア・ユートロファPHB-4において生産されたP(3HB-co-3HP-co-5HV)(表3におけるサンプル番号10)のNMRスペクトルを示す。(A)1H NMR、(B)13C NMR。 P(3HB)、P(3HP)、P(5HV)及びP(3HB-co-3HP-co-5HV)のDSC分析結果を示す。5% 3HP 1% 5HV:P(3HB-co-5 mol%3HP-co-1 mol% 5HV)、5% 3HP 10% 5HV:P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)、18% 3HP 5% 5HV:P(3HB-co-18 mol% 3HP-co-5 mol% 5HV)、及び23% 3HP 6% 5HV:P(3HB-co-23 mol% 3HP-co-6 mol% 5HV)のP(3HB-co-3HP-co-5HV)は、それぞれ表2及び3に示すサンプル番号1、14、10及び11であった。P(3HB)は、フルクトースからラルストニア・ユートロファH16により生産されたものである。P(3HP)及びP(5HV)は、化学合成されたものである(Abe, H.; Doi, Y.; Aoki, H.; Akehata, T.; Hori, Y.; Yamaguchi, A., Macromolecules 1995, 28, 7630-7637.)。矢印は、融解温度(Tm)のピークを示す。 37℃及びpH7.4下でのブタ膵臓由来のリパーゼ水溶液中でのPHAフィルム(初期重量:約4 mg)の酵素分解プロフィールを示す。エラーバーは、サンプル(n=2)の標準偏差を表す。図4(A)及び(B)において、5%3HP 1% 5HV:P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-1 mol% 5HV)、5% 3HP 10% 5HV:P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)、18% 3HP 5% 5HV:P(3HB-co-18 mol% 3HP-co-5 mol% 5HV)、及び23% 3HP 6% 5HV:P(3HB-co-23 mol% 3HP-co-6 mol% 5HV)のP(3HB-co-3HP-co-5HV)は、それぞれ表2及び3に示すサンプル番号1、14、10及び11であった。P(3HB)は、フルクトースからラルストニア・ユートロファH16により生産されたものである。P(3HP)及びP(5HV)は、化学合成されたものである(Abe, H.; Doi, Y.; Aoki, H.; Akehata, T.; Hori, Y.; Yamaguchi, A., Macromolecules 1995, 28, 7630-7637.)。図4(B)において、P(98 mol% 4HB-co-3HB)は、コマモナス・アシドボランス(Comamonas acidovorans)により1,4-ブタンジオールから生産されたものである。また、P(3HB-co-9 mol% 3HP-co-14 mol% 5HV)は、表6に示すサンプル番号30又は31であった。さらに、P(3HB-co-7 mol% 3HP-co-20 mol% 5HV)は、表5に示すサンプル番号22であった。 48時間のインキュベーション後の細胞培養物を用いて測定した490nmにおける吸光度から決定した、PHAフィルム上に播種したhMSCの細胞生存能を示す。細胞生存能100%を、陽性対照(細胞培養プレート上に播種した、48時間のインキュベーション後の細胞培養物)から算出した。エラーバーは、サンプル(n=3)の標準偏差を表す。5% 3HP 1% 5HV:P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-1 mol% 5HV)、5% 3HP 10% 5HV:P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)、18% 3HP 5% 5HV:P(3HB-co-18 mol% 3HP-co-5 mol% 5HV)、及び23% 3HP 6% 5HV:P(3HB-co-23 mol% 3HP-co-6 mol% 5HV)のP(3HB-co-3HP-co-5HV)は、それぞれ表2及び3に示すサンプル番号1、14、10及び11であった。P(3HB)は、フルクトースからラルストニア・ユートロファH16により生産されたものである。P(3HP)及びP(5HV)は、化学合成されたものである(Abe, H.; Doi, Y.; Aoki, H.; Akehata, T.; Hori, Y.; Yamaguchi, A., Macromolecules 1995, 28, 7630-7637.)。
以下、本発明を詳細に説明する。
以前の研究で、土肥ら(Doi, Y.; Tamaki, A.; Kunioka, M.; Soga, K., Makromol. Chem., Rapid Commun 1987, 8, 631-635.)は、ラルストニア・ユートロファH16を用いて5-クロロペンタン酸とペンタン酸からP(3HB-co-3HV-co-5HV)コポリマー(ここで、3HVは3-ヒドロキシバレレートである)を合成した。この結果は、ラルストニア・ユートロファは、5HV-CoAモノマー供給経路を有しているということを示している。しかしながら、5-クロロペンタン酸の毒性により、ポリマー蓄積量が非常に低かったため、合成したポリマーの解析を行うには不向きな系であった。一方、ラクトン環やアルカン酸塩は、細胞に対しての毒性が低いことが知られている(Doi, Y.; Tamaki, A.; Kunioka, M.; Soga, K., Makromol. Chem., Rapid Commun 1987, 8, 631-635.)。
そこで、ラルストニア・ユートロファ等のラルストニア属に属する微生物を利用し、ラクトン(例えば、ω-ペンタデカラクトン(ω-PDL))又はヒドロキシ酸塩(例えば、5-ヒドロキシ吉草酸ナトリウム(5HVNa))を炭素源として、5HVを含むPHA合成を行うことを試みたところ、ラルストニア属に属する微生物ではβ酸化経路から5HV-CoAを供給し、5HVを含むPHAを合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ラルストニア属に属する微生物を、炭素源としてラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩を含有する培地において培養し、少なくとも5-ヒドロキシバレレート(5HV)単位を含むポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を製造する方法である(以下、「本方法」と称する)。本方法では、5HV単位を含むPHAとして、5HV単位と共に3-ヒドロキシブチレート(3HB)単位及び/又は3-ヒドロキシプロピオネート(3HP)単位を含むPHAコポリマーを製造することができる。
本発明によれば、5HV単位の割合が高く、リパーゼ分解性を有し、且つ細胞毒性が低いPHAを製造することができる。製造されたPHAは、リパーゼ分解性を有することから、生分解性を有し、生体材料として有用である。
本方法で使用するラルストニア属に属する微生物としては、例えばラルストニア・ユートロファ(カプリアビダス・ネカトール(Cupriavidus necator)とも称される)、ラルストニア・マンニトリリティカ(Ralstonia mannitolilytica)、ラルストニア・メタリデュランス(Ralstonia metallidurans)、ラルストニア・オキサラティカ(Ralstonia oxalatica)、ラルストニア・パウクラ(Ralstonia paucula)、ラルストニア・ソラナセアラム(Ralstonia solanacearum)等の種が挙げられる。また、ラルストニア・ユートロファの菌株としては、例えばラルストニア・ユートロファH16株(ATCC No. 17699)(本明細書では、単に「ラルストニア・ユートロファH16」と称する場合がある;ATCC(American Type Culture Collection)から入手可能)が挙げられる。
また、本方法で使用するラルストニア属に属する微生物としては、ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素(PHAシンターゼ;PhaC)をコードする遺伝子が導入されたラルストニア属に属する微生物(例えば、組換えラルストニア・ユートロファ)が挙げられる。ラルストニア属に属する微生物に、5HV-CoA取り込み能力が高いPHAシンターゼを導入することで、5HV単位組成の多様なPHAコポリマー(例えば5HV単位の割合が高いPHAコポリマー)を製造することができる。
PHAシンターゼをコードする遺伝子が導入されるラルストニア属に属する微生物としては、例えばラルストニア・ユートロファH16のPHA合成酵素遺伝子欠損変異株であるラルストニア・ユートロファPHB-4株(DSM No. 541)(本明細書では、単に「ラルストニア・ユートロファPHB-4」と称する場合がある;DSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)から入手可能)が挙げられる。
また、導入されるPHAシンターゼをコードする遺伝子としては、例えば配列番号2、4及び6のいずれか1つに示されるアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。配列番号2(Accession No. AAW65074)に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質(塩基配列:配列番号1(Accession No. AY836680))は、ラルストニア・ユートロファ由来のPHAシンターゼ(PhaCRe)である。配列番号4(Accession No. BAA36200)に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質(塩基配列:配列番号3(Accession No. AB014758, Region: 543..2222))は、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)61-3株由来のPHAシンターゼ1(PhaC1Ps)である。配列番号6(Accession No. BAA21815)に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質(塩基配列:配列番号5(Accession No. D88825, Region: 2694..4478))は、エロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)由来のPHAシンターゼ(PhaCAc)である。また、これらタンパク質のアミノ酸配列において、1又は数個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つPHA合成活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は上述のタンパク質のアミノ酸配列に対して、例えば60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の同一性を有するアミノ酸配列から成り、且つPHA合成活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も導入されるPHAシンターゼをコードする遺伝子として使用することができる。アミノ酸配列の同一性(%)は、例えば周知の相同性検索プログラム(例えば、BLAST)を用いたアラインメントにより適宜決定することができる。
ここで、PHA合成活性とは、基質であるヒドロキシアシル-CoAと反応し、PHAポリマーを合成する活性をいう。PHA合成活性は、例えばPHAシンターゼを基質ヒドロキシアシル-CoA(例えば3HB-CoA、3HP-CoA、5HV-CoA)と接触させ、反応させることで、PHAポリマーが産生されるか否かにより評価することができる。
さらに、上述のタンパク質をコードするDNAと相補的な塩基配列から成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つPHA合成活性を有するタンパク質をコードするDNAも導入されるPHAシンターゼをコードする遺伝子として使用することができる。ここで、ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成される条件をいう。より具体的にストリンジェントな条件は、例えば、ナトリウム濃度が300〜2000mM、好ましくは600〜900mMであり、温度が40〜75℃、好ましくは55〜65℃での条件をいう。また、ストリンジェントな条件は、例えばSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第3版, Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001年)等の一般的なテキストを参照することにより適宜決定することができる。
PHAシンターゼをコードする遺伝子は、例えば各PHAシンターゼが由来する微生物のゲノムDNAを鋳型とし、特異的なプライマーセットを用いたPCRにより増幅し、単離することができる。
あるいは、一旦PHAシンターゼをコードする遺伝子の塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又はクローニングされたプローブを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることによって、PHAシンターゼをコードする遺伝子を得ることができる。さらに、部位特異的突然変異誘発法等によってPHAシンターゼをコードする遺伝子の変異型であって変異前の遺伝子によってコードされるPHAシンターゼと同等の機能を有するものをコードする遺伝子を合成することもできる。なお、PHAシンターゼをコードする遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)やMutant-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用いて変異の導入が行われる。
さらに、PHAシンターゼをコードする遺伝子をラルストニア属に属する微生物に導入すべく、PHAシンターゼをコードする遺伝子を含む発現ベクターを準備する。当該発現ベクターは、適当なベクターにPHAシンターゼをコードする遺伝子を挿入することにより得ることができる。使用するベクターとしては、例えばグラム陰性菌での複製可能なpBBRシリーズ等のベクターが挙げられる。また発現ベクターは、ラルストニア属に属する微生物で駆動する制御配列(例えばプロモーター、ターミネーター等)を適宜含むことができる。
ラルストニア属に属する微生物への発現ベクターの導入方法は、ラルストニア属に属する微生物にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
一方、本方法において、培地中の炭素源は、ラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩である。ラクトンとしては、例えば環を構成する炭素数が12以上(例えば12〜20、好ましくは14〜16)のラクトン、特にω-ペンタデカラクトン(ω-PDL;15-ペンタデカノラクトンとも称される;環を構成する炭素数:15)等が挙げられる。また、ヒドロキシ酸又はヒドロキシ酸塩としては、例えば5-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸塩(例えば5-ヒドロキシ吉草酸ナトリウム(5HVNa))等が挙げられる。培地中のラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩の濃度としては、製造されるPHA中の所望の5HV単位含量等に応じて適宜決定することができるが、例えば培地1Lに対して10〜100g、好ましくは10〜50gが挙げられる。
また、培養に使用される培地としては、例えば無機培地が挙げられる。無機培地の組成の例としては、蒸留水1L当たりKH2PO4 2.8g、Na2HPO4 3.32g、MgSO2・7H2O 0.25g及び微量元素溶液1mL(当該微量元素溶液は、(0.5N HCl 1L当たり)FeCl3・6H2O 20g、CaCl2・H2O 10g、CuSO4・6H2O 0.03g、MnCl2・4H2O 0.05g及びZnSO4・7H2O 0.1gを含有する)が挙げられる。また、培地のpHとしては、例えば6〜8、好ましくは7.0〜7.4が挙げられる。
本方法では、ラルストニア属に属する微生物を、炭素源としてラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩を含有する培地において培養する。培養温度は、例えば約20℃〜約40℃、好ましくは約25℃〜約35℃が挙げられる。さらに、培養時間としては、特に限定されるものではないが、例えば約5時間〜48時間又はそれ以上が挙げられる。
培養後、例えば菌体を凍結乾燥に供し、凍結乾燥した菌体をクロロホルム等の有機溶媒を用いた抽出に供し、次いで抽出液にヘキサン又はメタノール等のPHAが不溶性の有機溶媒を加えてポリマー沈殿させることで、PHAを回収することができる。
以上に説明した本方法によれば、5HV単位を含むPHA(例えば、3HB単位、3HP単位及び5HV単位を含むPHAコポリマー(本明細書では、「P(3HB-co-3HP-co-5HV)」と称する場合がある))をラルストニア属に属する微生物において製造することができる。本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)は、3HB単位、3HP単位及び5HV単位から成るものとすることができる。具体的に製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)は、以下の式(I)(3HB単位)、式(II)(3HP単位)及び式(III)(5HV)で示される構成単位を含む。
Figure 2013035372
Figure 2013035372
Figure 2013035372
本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)における上記式(I)の3HB単位は3位に不斉炭素を有し、その立体配置は全てR体である。また、P(3HB-co-3HP-co-5HV)における3HB単位、3HP単位及び5HV単位の順序(シークエンス)は、様々であり、3HB-3HB、3HP-3HP、5HV-5HV、3HB-3HP、3HB-5HV、3HP-5HV、3HP-3HB、5HV-3HB、5HV-3HPのいずれの順序も含む。さらに、本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)における5HV単位の割合は、例えば10〜35mol%、好ましくは10〜20mol%である。
また、本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)の重量平均分子量(Mw)としては、例えば40×103〜170×103が挙げられる。本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)の数平均分子量(Mn)としては、例えば10×103〜75×103が挙げられる。本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)の多分散性(Mw/Mn)としては、例えば1.5〜3.5が挙げられる。
さらに、本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)等の5HV単位を含むPHAの機械的特性によれば、本方法で製造されるPHAは、従来のPHAよりも柔軟であり、透明性の高いフィルムを形成する。
また、本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)等の5HV単位を含むPHAは、リパーゼ分解性を有する。本方法で製造される5HV単位を含むPHAのリパーゼ分解性の評価は、例えば5HV単位を含むPHAから成るフィルムをリパーゼと共にインキュベートし、フィルムの侵食を評価することにより行うことができる。リパーゼ分解性を有しないポリ(3HB)ホモポリマー(P(3HB))やポリ(3HP)ホモポリマー(P(3HP))から成るフィルムと比較して、有意に侵食された(すなわち、フィルムの重量が損失した)場合には、5HV単位を含むPHAのリパーゼ分解性は良好であると判断することができる。
さらに、本方法で製造されるP(3HB-co-3HP-co-5HV)等の5HV単位を含むPHAは細胞毒性が低い。本方法で製造される5HV単位を含むPHAの細胞毒性の評価は、例えば5HV単位を含むPHAをコーティングしたプレートにおいて細胞を培養し、細胞の生存能を評価することで行うことができる。一般的な細胞培養プレート上での細胞の生存能と比較して、有意に差がない場合には、5HV単位を含むPHAの細胞毒性は低いか、又はほとんどないと判断することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
1.材料及び方法
<細菌株及びプラスミド>
ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha又はR. eutropha)H16(ATCC 17699, 野生型)又はラルストニア・ユートロファPHB-4(DSM541)を、PHAの生産のために使用した。
発現ベクターpBBRMCS2CRe、pBBR1KmEX22(Taguchi, S.; Matsusaki, H.; Matsumoto, K.; Takase, K.; Taguchi, K.; Doi, Y., Polymer International 2002, 51, 899-906.)及びpBBREE32d13(Tsuge, T.; Saito, Y.; Kikkawa, Y.; Hiraishi, T.; Doi, Y., Macromolecular Bioscience 2004, 4, 238-242.)は、それぞれラルストニア・ユートロファ由来のPHAシンターゼ遺伝子(PhaCRe;塩基配列:配列番号1、アミノ酸配列:配列番号2)、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)61-3由来のPHAシンターゼ1遺伝子(PhaC1Ps;塩基配列:配列番号3、アミノ酸配列:配列番号4)及びエロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)由来のPHAシンターゼ遺伝子(PhaCAc;塩基配列:配列番号5、アミノ酸配列:配列番号6)を有した。各PHAシンターゼ遺伝子は、それぞれの天然のプロモーターとラルストニア・ユートロファ由来のターミネーターとの間に位置した。これらプラスミド(発現ベクター)は、ラルストニア・ユートロファPHB-4におけるPHAシンターゼの発現に使用した。
なお、発現ベクターpBBRMCS2CReは、pBBRMCS2CABRe(Taguchi, S.; Maehara, A.; Takase, K.; Nakahara, M.; Nakamura, H.; Doi, Y., Fems Microbiology Letters 2001, 198, 65-71.)を、Sse 8387I及びNde Iを用いた消化に供することで得られた平滑末端DNA断片の自己連結により構築した。
<培養条件>
先ず、ラルストニア・ユートロファH16又はPHAシンターゼ遺伝子を導入したラルストニア・ユートロファPHB-4を、肉エキス1.0g、ポリペプトン1.0g及び酵母エキス0.2gを含有する富栄養培地100mLを有する500mLフラスコで、30℃で14時間培養した。培養後、細胞を5000rpmで15分間遠心分離に供した。これらの培養条件下では、当該細胞中にポリマーの蓄積は観察されなかった。
次いで、ポリマー合成を促進するために、回収した細胞を、唯一の炭素源として様々な炭素基質を含有する栄養非含有無機培地(100mL)に再懸濁した。当該無機培地は、蒸留水1L当たりKH2PO4 2.8g、Na2HPO43.32g、MgSO2・7H2O 0.25g及び微量元素溶液1mLを含有した。また、当該微量元素溶液は、(0.5N HCl 1L当たり)FeCl3・6H2O 20g、CaCl2・H2O 10g、CuSO4・6H2O 0.03g、MnCl2・4H2O 0.05g及びZnSO4・7H2O 0.1gを含有した。
再懸濁した細胞を、窒素非含有培地(pH7.0)において30℃で所定の時間インキュベートし、インキュベーション後、遠心分離により回収し、凍結乾燥に供した。
<細胞からのポリマー抽出>
上記のように、回収した細胞を凍結乾燥に供した後、スクリューキャップを有するガラスチューブにおいて60℃で2日間、クロロホルムを用いて、ポリマーを抽出した。抽出液を、濾紙を通過させることによって細胞破片を除去した。
次いで、10倍容量のメタノールを抽出液に添加し、ポリマーを沈殿させた。当該沈殿物を、濾紙上で回収し、乾燥させることでポリマー重量を測定した。ポリマー含量は、乾燥細胞重量(DCW)に基づいて算出した。また、得られたポリマーを下記の更なる分析に供した。
<ポリマー分析>
上記で得られたコポリマーの組成及びシークエンス分布を、1H-NMRスペクトル及び13C-NMRスペクトル(Bruker-500 spectrometer)により決定した。400 MHz 1H-NMRスペクトルを、5msパルス幅、32000データポイント及び16集積でPHAのCDCl3溶液(10mg/mL)について27℃で記録した。また、100 MHz 13C-NMRスペクトルを、5msパルス幅(パルス角度45°)、0.7sパルス反復、23000Hzスペクトル幅、32000データポイント及び8000〜20000集積で、PHAのCDCl3溶液(20mg/mL)について27℃で記録した。テトラメチルシラン(Me4Si)を、内部化学シフト標準として使用した。
また、ポリマーの分子量を、40℃においてShodex 80Mカラムを備えたShimadzu 6Aゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを用いて得た。クロロホルムを、溶離液として0.8mL/分の流速で使用した。サンプル濃度は、5.0mg/mLであった。分子量は、ポリスチレン標準物を使用して評価した。
さらに、示差走査熱量測定(DSC)データを、クーリングアクセサリーを備えたPerkin-Elmer DSC 8500機器で、-90〜210℃の温度範囲において20mL/分の窒素流速下で記録した。溶融結晶化フィルム(10mg)を、アルミパンに封入し、-50℃から210℃まで20℃/分で加熱した。融解温度(Tm)を、吸熱ピークの位置から決定した。
また、ポリマーの機械的特性について、各ポリマーから作製された溶液キャストフィルム(10 × 2 × 0.15 mm3)の応力-歪み試験を、小型卓上試験機EZ test(島津製作所製)を用いて室温において10mm/分の歪み速度で行った。
<酵素分解>
PHAフィルムの酵素分解を、0.1 Mリン酸バッファー(pH7.4)において37℃で行った。PHAフィルム(初期重量、約4mg;初期寸法、10×10mm;初期の厚さ、0.05mm)を、バッファー1.0mLを含有するスクリューキャップを備えた試験管に配置した。反応を、リパーゼ(500μg;ブタ膵臓由来;Wako Chemical Co製)の添加により開始した。反応液を、振盪フラスコにおいて37℃でインキュベートした。
フィルムを定期的に取り出し、水で洗浄し、真空乾燥に供することで、分析前の一定重量に達した。なお、侵食したPHAフィルムの分子量は、侵食されていないPHAフィルムのものと異ならなかった。このことはPHAがフィルム表面からリパーゼにより侵食されることを示唆する。
<細胞培養及びin vitro細胞生存能>
ヒト間葉系幹細胞(hMSC)を、Lonza Walkersville Inc.(Walkerville, MD)から購入し、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン及び0.25μg/mLファンギゾンの存在下で10%ウシ胎児血清(FBS)、0.1 mM非必須アミノ酸及び1ng/mL塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を補足したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含む増殖培地で、5%CO2インキュベーターにおいて37℃で培養した。
一方、PHAを、最終濃度10wt%でクロロホルムに溶解した。当該溶液20μLを、96ウェルプレートに配置した。フィルム形成プロセス後、サンプルを、室温で2週間真空乾燥に供し、微量のクロロホルムを除去し、次いで更なる使用前に100%エタノール及びUVで滅菌した。
細胞生存能アッセイに関しては、hMSC(8000細胞/ウェル)を、PHAフィルムでコーティングした96ウェルプレートに播種し、培地(100μL)で48時間培養した。培養後、PHAフィルム上でのhMSCの細胞生存能を、標準3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム(MTS)アッセイ(Promega, Madison, WI)により製造業者の説明書に従って評価した(n=3)。
細胞生存能は、以下の式:
[細胞生存能%] = [PHAフィルム上でインキュベートした細胞培養物の490nmでの吸光度]/[96ウェル細胞培養プレート上でインキュベートした細胞培養物の490nmでの吸光度(陽性対照)]×100
により算出した。
2.結果及び考察
<5HV単位を有するポリマーの微生物生産>
5HVモノマー(5HV-CoA)の前駆体であると期待される長鎖長の様々なα-ヒドロキシアルカン酸ナトリウム及びラクトンを、ポリマー生産のための培地中の唯一の炭素源として検討した(表1)。
Figure 2013035372
20g/Lの5-ヒドロキシ吉草酸ナトリウム(5HVNa)及びω-ペンタデカラクトン(ω-PDL)を炭素源として用いた場合には、ラルストニア・ユートロファH16は、それぞれ5mol%の3HP及び1mol%の5HVを含むポリマー、並びに2mol%の3HP及び1mol%の5HVを含むポリマーを生産した(表2)。
Figure 2013035372
この結果は、5HV-CoAを、ラルストニア・ユートロファにおいて5HVNa及びω-PDLから代謝を介して供給できることを示した。しかしながら、ポリマー中の5HV画分は、非常に低かった。そこで、培地中の5HVNa及びω-PDLの濃度を増加させた(20、30及び50g/L)が、ポリマー中の5HV画分は変化しなかった。この結果は、5HV-CoA量が細胞中で増加しないのか、及び/又は5HV-CoAに対するPHAシンターゼの基質特異性が低いことを示していた。
そこで、先ず、PHAシンターゼの基質特異性に焦点を当てた。異なる基質特異性を有する3種類のPHAシンターゼ(ラルストニア・ユートロファ由来のPHAシンターゼ(PhaCRe)、シュードモナス・エスピー61-3由来のPHAシンターゼ(PhaC1Ps)及びエロモナス・キャビエ由来のPHAシンターゼ(PhaCAc))をそれぞれ導入したラルストニア・ユートロファPHB-4(PHA陰性突然変異体)を用いたPHA生産を検討した。
phaCRe遺伝子を有する組換えラルストニア・ユートロファPHB-4は、20g/Lの5HVNa及びω-PDLから最も多い量の3HP単位(18mol%及び5mol%)並びに5HV単位(6mol%及び8mol%)を有するコポリマーを生産した(表2)。PhaCReは、様々なモノマー組成を有するP(3HB-co-4HB)を産生できることが知られている。本結果は、PhaCReが4HBだけでなく5HVも認識できることを示し、PhaCReが様々な主鎖長のモノマーに対して幅広い基質特異性を有することを示している(Saito, Y.; Doi, Y., International Journal of Biological Macromolecules 1994, 16, 99-104.)。このように、PhaCReは、5HV-CoAの高い取り込み能を有する突然変異体の作製において良好なリード酵素である。
さらに、phaCRe遺伝子を有する組換えラルストニア・ユートロファPHB-4の培養において、MS培地中の炭素源濃度を、表3に示すように10〜100g/Lの範囲で変化させた。
Figure 2013035372
5HVNaを10〜50g/Lの濃度で炭素源として使用した場合には、ポリマー中の5HVが培地中の5HVNaと共に増加した(5〜32mol%)。しかしながら、ω-PDLの濃度と共にモノマー組成は有意に変化しなかった。ω-PDLは、培地に溶解させるのが困難であった。このように、様々な濃度のω-PDLによりPHA組成が変化しなかったことは、ω-PDLの低溶解性に起因すると考えられる。
生産されたポリマーは、3HP(C3)及び5HV(C5)単位等の奇数炭素原子のモノマー単位を有していた。これらの結果は、アシル-CoA単位が毎回のβ酸化サイクルにおいて2炭素原子短縮するので、3HP及び5HV-CoAが主としてラルストニア・ユートロファにおいて5HVNa(C5)及びω-PDL(C15)からβ酸化サイクルを介して供給されることを示していた(図1)。さらに、アセチル-CoA(C2)は、毎回のβ酸化サイクルにおいて付随して形成され、次いで3HB-CoAがアセチル-CoAからβ-ケトチオラーゼ及びNADPH依存性アセトアセチル-CoAレダクターゼにより合成される。3HB単位は本実施例で生産されるポリマーの主成分であり、β酸化経路はラルストニア・ユートロファにおいて活性であることを示唆する。従って、β酸化経路の阻害により、次のステップで5HV単位の含量が増加するであろう。
<生産されたポリマーのNMR分析>
図2Aは、CDCl3中でのポリマー(表3中のサンプル番号10)の典型的な1H-NMRスペクトルを示す。この結果から、当該ポリマーが3HB及び3HP単位の典型的なピークを有していることが明らかになった。他のピークは、P(3HB-co-3HV-co-5HV)コポリマーにおける5HV単位からのピークに割り当てられた(Doi, Y.; Tamaki, A.; Kunioka, M.; Soga, K., Makromol. Chem., Rapid Commun 1987, 8, 631-635.)。
表3中のサンプル番号10の13C-NMR分析は、3HB、3HP及び5HV単位の典型的なピークを示した(図2B)。168.5〜172.5 ppmのカルボニル共鳴は、3HB、3HP及び5HV単位から成る様々なダイアドシークエンスから生じる複雑なピークを示した。169.1 ppm、169.8 ppm及び169.6 ppmのピークは3HB*3HB、3HP*3HP及び3HB*3HP/3HP*3HBシークエンスからのカルボニル共鳴に一致し、これらはP(3HB-co-3HP)コポリマーにおいて既に観察されているピークである(Nakamura, S.; Kunioka, M.; Doi, Y., Journal of Macromolecular Science-Chemistry 1991, A28, 15-24.)。他のピークは、169.2 ppm、170.0 ppm、170.2 ppm及び172.3 ppmに出現し、3HB及び3HP単位が5HV単位に結合していることを示す。169.2 ppmのピークは、5mol%の3HP及び10mol%の5HVを有するポリマー(表3中のサンプル番号14)を測定した場合に増加するので、3HB*5HV/5HV*3HBシークエンスとして同定した。次に、170.0 ppm及び170.2 ppmのピークは、3HP*5HV/5HV*3HPシークエンスに由来するものであると推定された。最後に、5HV単位のα炭素からのピークが分割された(172.3 ppm)。低モル画分の5HV単位から成るコポリマーにおいては、多量のダイアドシークエンス5HV*3HBが存在するであろう。従って、5HV単位からの主なピークは、5HV*3HBシークエンスに割り当てられた。また、3HPは当該コポリマーの二次的な成分であるので、小さい方のピークは5HV*3HPシークエンスであると推定された。
13C-NMR分析は、コポリマーにおける5HV*3HB/3HB*5HV及び5HV*3HP/3HP*5HVダイアドシークエンスのピークを明確に示した。従って、本願において、PhaCReが5HV-CoAの逐次的な重合能を本質的に備えていることが初めて示された。
<P(3HB-co-3HP-co-5HV)コポリマーの分子量及び熱特性>
生産されたP(3HB-co-3HP-co-5HV)の分子量を、上記表3に要約する。3HP及び5HV画分が多くなるほど、ポリマーの分子量は小さくなる傾向にあった(41000〜168000)。この結果は、ポリマー鎖への3HP及び5HV単位の取り込みにより分子量が低減することを示唆した。
図3は、P(3HB)、P(3HP)、P(5HV)及びP(3HB-co-3HP-co-5HV)のDSCトレースを示す。P(3HB)、P(3HP)及びP(5HV)ホモポリマーの融解温度(Tm)は、それぞれ173℃、67℃及び55℃であった。P(3HB-co-3HP-co-5HV)コポリマーのTm値は、P(3HB)ホモポリマーと比較すると、3HP及び5HV単位の含量と共に低下した。さらに、生産されたP(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)を測定した場合には、3つの小さなピークが検出された。これらの結果は、当該コポリマーが様々な組成と共に幾つかのクリスタリットから構成されることを示す。
P(3HB-co-3HP-co-5HV)の融解(ΔHm)値のエンタルピーがホモポリマーのものと比較して低く、例えばP(94 mol% 3HB-co-5 mol% 3HP-co-1 mol% 5HV)及びP(85 mol% 3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)の融解(ΔHm)値がそれぞれ43J/g及び2J/gであり、一方、P(3HB)及びP(3HP)の融解(ΔHm)値がそれぞれ70J/g及び60J/gであった。このことは、当該コポリマーの結晶度が3HP及び5HV画分と共に低下することを示唆する。これらの結果は、P(3HB-co-3HP-co-5HV)コポリマーの結晶化が3HB、3HP及び5HV単位の共重合により阻害されることを示していた。
<P(3HB-co-3HP-co-5HV)コポリマーの機械的特性>
各P(3HB-co-3HP-co-5HV)コポリマーについての機械的特性の試験結果を表4に示す。表4における各機械的特性データの値は、3回の測定値の平均値と標準偏差である。
Figure 2013035372
表4において、P(3HB-co-18 mol% 3HP-co-5 mol% 5HV)及びP(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)は、それぞれ表3に示すサンプル番号10及び14であった。また、P(3HB-co-9 mol% 3HP-co-14 mol% 5HV)は表6に示すサンプル番号30又は31であった。
表4に示すように、5HV及び3HP組成の増加に伴い、柔軟な性質を示した。フィルムとしての機械的特性としては、P(3HB-co-18 mol% 3HP-co-5 mol% 5HV)が比較的強さと柔軟さを兼ね備えた材料であった。
<P(3HB-co-3HP-co-5HV)フィルムのin vitro酵素分解>
図4は、ブタ膵臓由来のリパーゼを用いた、P(3HB)、P(3HP)、P(5HV)及びP(3HB-co-3HP-co-5HV)フィルムの重量損失プロフィールを示す。
図4(A)に示すように、P(3HB)、P(3HP)及びP(3HB-co-5 mol%3HP-co-1 mol%5HV)がリパーゼによって侵食されなかったが、P(5HV)、P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)、P(3HB-co-18 mol% 3HP-co-5 mol% 5HV)及びP(3HB-co-23 mol% 3HP-co-6 mol% 5HV)が侵食されたことが興味深かった。また、P(3HB-co-3HP-co-5HV)フィルムの侵食率は、P(5HV)フィルムとほぼ同じであった。
図4(B)に示すように、リパーゼ分解性が知られているP(98mol%4HB-co-3HB)及びP(5HV)は優れた分解性を示した。本研究で合成したP(3HB-co-5 mol% 3HP-co-10 mol% 5HV)も同様に優れた分解性を示した。5HVを含む他の共重合体についても、リパーゼ分解性を示し、P(3HB)及びP(3HP)とは異なる性質を示した。
これらの結果は、5HV単位がリパーゼにより消化され、5HV単位がP(3HB-co-3HP)コポリマーのリバーゼ分解性改善のための有望なモノマーであることを示している。
様々な側鎖長単位を有するPHAは、PHAデポリメラーゼにより効率的に消化されるが、4HB単位を含むPHAを除いて、それらの多くはリパーゼにより消化することができない。従って、P(3HB-co-3HP-co-5HV)は、細胞内リパーゼによる分解に感受性の新規なPHA型である。P(3HB-co-3HP-co-5HV)のin vivo生分解性は、P(3HB)、P(3HP)及びP(5HV)と比較して増強されることが期待される。
<P(3HB-co-3HP-co-5HV)フィルム上での細胞増殖>
PHAフィルム上でのhMSCの細胞生存能を、MTSアッセイを用いて評価した(図5)。細胞生存能100%を、陽性対照として細胞培養プレート上に播種した細胞培養物(48時間インキュベーション後)から算出した。hMSCの細胞生存能は、P(3HB)、P(3HP)、P(5HV)及びP(3HB-co-3HP-co-5HV)フィルムを用いた場合に、ほぼ同じであった(約110%)。P(3HB-co-5 mol% 3HP-co-1 mol% 5HV)フィルムを用いた場合には、他のフィルムと比較してhMSCの細胞生存能がわずかに増加した(127%)。これらの結果は、生産されたP(3HB-co-3HP-co-5HV)が、医学的用途に十分な高い生体適合性を示すP(3HB)と同じか又はより高いレベルの生体適合性を有することを示している。
<ラルストニア・ユートロファ由来のPHAシンターゼ(PhaCRe)の突然変異体を有するラルストニア・ユートロファPHB-4によるω-PDLからのPHA生合成>
ラルストニア・ユートロファ由来のPHAシンターゼ(PhaCRe)の突然変異体を有するラルストニア・ユートロファPHB-4によるω-PDLからのPHA生合成の結果を表5及び6に示す。表5及び6は、同様の実験を行った結果である。
表5及び6において、各PhaCRe突然変異体は、以下の通りであった:
M-22(V470M):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の470番目のアミノ酸においてバリンからメチオニンへの置換を有する突然変異体;
E-11/S12-1(F420S):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の420番目のアミノ酸においてフェニルアラニンからセリンへの置換を有する突然変異体;
2-12(L358P):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の358番目のアミノ酸においてロイシンからプロリンへの置換を有する突然変異体;
1-14(S174P):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の174番目のアミノ酸においてセリンからプロリンへの置換を有する突然変異体;
E-11/S12(S80P/F420S):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の80番目のアミノ酸においてセリンからプロリン及び420番目のアミノ酸においてフェニルアラニンからセリンへの置換を有する突然変異体;
B-1(N519S):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の519番目のアミノ酸においてアスパラギンからセリンへの置換を有する突然変異体;
E-11(S80P):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の80番目のアミノ酸においてセリンからプロリンへの置換を有する突然変異体;
B-7(S35P):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の35番目のアミノ酸においてセリンからプロリンへの置換を有する突然変異体;並びに、
1-11(N426S):野生型(アミノ酸配列:配列番号2)の426番目のアミノ酸においてアスパラギンからセリンへの置換を有する突然変異体。
Figure 2013035372
Figure 2013035372
表5及び6に示すように、ラルストニア・ユートロファ由来のPHAシンターゼ(PhaCRe)の突然変異体を有するラルストニア・ユートロファPHB-4によるω-PDLからのPHA生合成により、20%以上の5HVユニットを有するPHAの合成に成功した。さらに、モノマーユニットとして5HVを有するにも関わらず、これまでに比べ高い生産性(ポリマー含量)を示した。
3.結論
本実施例は、野生型又は組換えラルストニア・ユートロファによる5HVNa又はω-PDLからの3HP及び5HV単位を含む新規のPHA型の生産に成功したことを示す。P(3HB-co-3HP-co-5HV)の組成は、培地中の炭素源濃度を調節することにより制御できた。
また、生産されたコポリマーは低い細胞毒性と高いリパーゼ分解性を示した。P(3HB-co-3HP-co-5HV)の酵素分解性の増加は、当該コポリマー中への5HV単位の導入並びにそれらの結晶度の低下に起因している可能性がある。
さらに、本実施例は、5HV単位を有するPHAの酵素分解性と細胞毒性を初めて検討したものである。また、本実施例によれば、長主鎖単位を有するPHAが生体材料に有用である可能性が示された。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (7)

  1. 少なくとも5-ヒドロキシバレレート単位を含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、ラルストニア(Ralstonia)属に属する微生物を、炭素源として、環を構成する炭素数が12以上のラクトン及び/又はヒドロキシ酸若しくはヒドロキシ酸塩を含有する培地において培養する工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
  2. ラルストニア属に属する微生物が、ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子が導入されたラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)である、請求項1記載の方法。
  3. ポリヒドロキシアルカン酸合成酵素をコードする遺伝子が、以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子である、請求項2記載の方法。
    (a)配列番号2、4及び6のいずれか1つに示されるアミノ酸配列から成るタンパク質
    (b)(a)のタンパク質のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つポリヒドロキシアルカン酸合成活性を有するタンパク質
  4. 前記ラクトンがω-ペンタデカラクトンである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. ヒドロキシ酸塩が5-ヒドロキシ吉草酸塩である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記ポリヒドロキシアルカン酸が3-ヒドロキシブチレート単位をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記ポリヒドロキシアルカン酸が10〜35 mol%の5-ヒドロキシバレレート単位を有するポリヒドロキシアルカン酸コポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
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