JPWO2013031315A1 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに性質の異なるパラメータを共通的なパラメータセットに含める場合に、パラメータの冗長な伝送を回避すること。【解決手段】画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得する取得部と、前記取得部により取得される前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号する復号部と、を備える画像処理装置を提供する。【選択図】図9

Description

本開示は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
画像符号化方式の標準仕様の1つであるH.264/AVCでは、画像の符号化及び復号のために用いられるパラメータを格納するためのシーケンスパラメータセット(SPS)及びピクチャパラメータセット(PPS)という2種類のパラメータセットが定義されている。SPSは主にシーケンスごとに変化し得るパラメータを格納するためのパラメータセットであり、PPSは主にピクチャごとに変化し得るパラメータを格納するためのパラメータセットである。しかし、実際には、PPSに格納されるパラメータのうち、複数のピクチャにわたって変化しないものも少なくない。
H.264/AVCに続く次世代の画像符号化方式であるHEVC(High Efficiency Video Coding)の標準化作業では、SPS及びPPSとは異なる新たなパラメータセットである適応パラメータセット(APS:Adaptation Parameter Set)を導入することが提案されている(下記非特許文献1参照)。APSは、主にピクチャごとに適応的に設定されるパラメータを格納するためのパラメータセットである。ピクチャごとに実際に変化する可能性が高くデータ量の多いパラメータをPPSではなくAPSに格納することで、更新されるパラメータのみをAPSを用いて符号化側から復号側へ適時に伝送し、更新されないパラメータについては冗長な伝送を回避することができる。下記非特許文献1によれば、適応ループフィルタ(ALF:Adaptive Loop Filter)及びサンプル適応オフセット(SAO:Sample Adaptive Offset)に関連するパラメータがAPSに格納される。
JCTVC-F747r3, "Adaptation Parameter Set (APS)", Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 6th Meeting: Torino, IT, 14-22 July, 2011
上述したALF及びSAOに関連するパラメータ以外にも、PPSよりもAPSに含めることが望ましいパラメータは存在する。量子化行列に関連するパラメータ及び適応補間フィルタ(AIF:Adaptive Interpolation Filter)に関連するパラメータは、その一例である。互いに性質の異なるパラメータを1つのパラメータセットに含めれば、その更新頻度の違いが符号化効率の最適化の妨げとなり得るものの、パラメータセットの種類を無制限に増やすことができる訳ではない。
従って、互いに性質の異なるパラメータを共通的なパラメータセットに含める場合にも、更新の必要性に応じてパラメータの冗長な伝送を回避することのできる仕組みが提供されることが望ましい。
本開示によれば、画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得する取得部と、前記取得部により取得される前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号する復号部と、を備える画像処理装置が提供される。
上記画像処理装置は、典型的には、画像を復号する画像復号装置として実現され得る。
また、本開示によれば、画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得することと、取得された前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号することと、を含む画像処理方法が提供される。
また、本開示によれば、画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを設定する設定部と、前記画像を符号化することにより生成される符号化ストリームのパラメータセット内に、前記設定部により設定される前記パラメータグループ及び前記補助識別子を挿入する符号化部と、を備える画像処理装置が提供される。
上記画像処理装置は、典型的には、画像を符号化する画像符号化装置として実現され得る。
また、本開示によれば、画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを設定することと、設定された前記パラメータグループ及び前記補助識別子を、前記画像を符号化することにより生成される符号化ストリームのパラメータセット内に挿入することと、を含む画像処理方法が提供される。
本開示によれば、互いに性質の異なるパラメータを共通的なパラメータセットに含める場合に、パラメータの冗長な伝送を回避することができる。
一実施形態に係る画像符号化装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1の手法に従って構成される符号化ストリームの一例を示す説明図である。 第1の手法に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示す説明図である。 第1の手法に従って定義されるスライスヘッダのシンタックスの一例を示す説明図である。 第1の手法の一変形例に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示す説明図である。 第2の手法に従って構成される符号化ストリームの一例を示す説明図である。 第2の手法に従って定義されるALF用APSのシンタックスの一例を示す説明図である。 第2の手法に従って定義されるSAO用APSのシンタックスの一例を示す説明図である。 第2の手法に従って定義されるQM用APSのシンタックスの一例を示す説明図である。 第2の手法に従って定義されるスライスヘッダのシンタックスの一例を示す説明図である。 第3の手法に従って構成される符号化ストリームの一例を示す説明図である。 第3の手法に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示す説明図である。 第3の手法に従って定義されるスライスヘッダのシンタックスの一例を示す説明図である。 代表的な符号化ツールごとのパラメータの特徴を一覧化した表である。 第3の手法の一変形例に従って構成される符号化ストリームの一例について説明するための説明図である。 図1に示したシンタックス符号化部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る符号化処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図15に示したAPS符号化処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図15に示したスライスヘッダ符号化処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 一実施形態に係る画像復号装置の構成の一例を示すブロック図である。 図18に示したシンタックス復号部の詳細な構成の一例を示すブロック図である。 一実施形態に係る復号処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図20に示したAPS復号処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 図20に示したスライスヘッダ復号処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。 マルチビューコーデックについて説明するための説明図である。 一実施形態に係る画像符号化処理のマルチビューコーデックへの適用について説明するための説明図である。 一実施形態に係る画像復号処理のマルチビューコーデックへの適用について説明するための説明図である。 スケーラブルコーデックについて説明するための説明図である。 一実施形態に係る画像符号化処理のスケーラブルコーデックへの適用について説明するための説明図である。 一実施形態に係る画像復号処理のスケーラブルコーデックへの適用について説明するための説明図である。 テレビジョン装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 携帯電話機の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 記録再生装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 撮像装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序で説明を行う。
1.一実施形態に係る画像符号化装置の構成例
1−1.全体的な構成例
1−2.パラメータセットの構成の概略
1−3.シンタックス符号化部の構成例
2.一実施形態に係る符号化時の処理の流れ
2−1.処理の概略
2−2.APS符号化処理
2−3.スライスヘッダ符号化処理
3.一実施形態に係る画像復号装置の構成例
3−1.全体的な構成例
3−2.シンタックス復号部の構成例
4.一実施形態に係る復号時の処理の流れ
4−1.処理の概略
4−2.APS復号処理
4−3.スライスヘッダ復号処理
5.様々なコーデックへの適用
5−1.マルチビューコーデック
5−2.スケーラブルコーデック
6.応用例
7.まとめ
<1.一実施形態に係る画像符号化装置の構成例>
[1−1.全体的な構成]
図1は、一実施形態に係る画像符号化装置10の構成の一例を示すブロック図である。図1を参照すると、画像符号化装置10は、A/D(Analogue to Digital)変換部11、並べ替えバッファ12、減算部13、直交変換部14、量子化部15、シンタックス符号化部16、蓄積バッファ17、レート制御部18、逆量子化部21、逆直交変換部22、加算部23、デブロックフィルタ(DF)24、適応オフセット部(SAO)25、適応ループフィルタ(ALF)26、フレームメモリ27、セレクタ28及び29、イントラ予測部30、並びに動き探索部40を備える。
A/D変換部11は、アナログ形式で入力される画像信号をデジタル形式の画像データに変換し、一連のデジタル画像データを並べ替えバッファ12へ出力する。
並べ替えバッファ12は、A/D変換部11から入力される一連の画像データに含まれる画像を並び替える。並べ替えバッファ12は、符号化処理に係るGOP(Group of Pictures)構造に応じて画像を並び替えた後、並び替え後の画像データを減算部13、イントラ予測部30及び動き探索部40へ出力する。
減算部13には、並べ替えバッファ12から入力される画像データ、及び後に説明するイントラ予測部30又は動き探索部40から入力される予測画像データが供給される。減算部13は、並べ替えバッファ12から入力される画像データと予測画像データとの差分である予測誤差データを算出し、算出した予測誤差データを直交変換部14へ出力する。
直交変換部14は、減算部13から入力される予測誤差データについて直交変換を行う。直交変換部14により実行される直交変換は、例えば、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform:DCT)又はカルーネン・レーベ変換などであってよい。直交変換部14は、直交変換処理により取得される変換係数データを量子化部15へ出力する。
量子化部15には、直交変換部14から入力される変換係数データ、及び後に説明するレート制御部18からのレート制御信号が供給される。量子化部15は、変換係数データを量子化し、量子化後の変換係数データ(以下、量子化データという)をシンタックス符号化部16及び逆量子化部21へ出力する。量子化部15による量子化処理(及び逆量子化部21による逆量子化処理)において用いられる量子化行列(QM)は、画像の内容に応じて切替えられ得る。量子化行列を定義するQM関連パラメータは、後述するシンタックス符号化部16により符号化ストリームのヘッダ領域に挿入される。量子化部15は、レート制御部18からのレート制御信号に基づいて量子化パラメータ(量子化スケール)を切り替えることにより、シンタックス符号化部16へ出力される量子化データのビットレートを変化させてもよい。
シンタックス符号化部16は、量子化部15から入力される量子化データについて可逆符号化処理を行うことにより、符号化ストリームを生成する。シンタックス符号化部16による可逆符号化は、例えば、可変長符号化又は算術符号化などであってよい。また、シンタックス符号化部16は、画像の復号の際に参照される様々なパラメータを設定し又は取得し、それらパラメータを符号化ストリームのヘッダ領域に挿入する。H.264/AVCでは、画像の符号化及び復号のために用いられるパラメータは、シーケンスパラメータセット(SPS)及びピクチャパラメータセット(PPS)という2種類のパラメータセット内で伝送される。これらSPS及びPPSに加えて、HEVCでは、主にピクチャごとに適応的に設定されるパラメータを伝送するための適応パラメータセット(APS)が導入される。シンタックス符号化部16により生成される符号化ストリームは、NAL(Network Abstraction Layer:ネットワーク抽象レイヤ)ユニットという単位でビットストリームへマッピングされる。SPS、PPS及びAPSは、非VCL NALユニットへマッピングされる。一方、各スライスの量子化データは、VCL(Video Coding Layer:ビデオ符号化レイヤ) NALユニットへマッピングされる。各スライスはスライスヘッダを有し、スライスヘッダ内で当該スライスを復号するためのパラメータが参照される。シンタックス符号化部16は、このように生成される符号化ストリームを蓄積バッファ17へ出力する。シンタックス符号化部16の詳細な構成について、後にさらに説明する。
蓄積バッファ17は、シンタックス符号化部16から入力される符号化ストリームを一時的に蓄積する。そして、蓄積バッファ17は、蓄積した符号化ストリームを、伝送路の帯域に応じたレートで、図示しない伝送部(例えば、通信インタフェース又は周辺機器との接続インタフェースなど)へ出力する。
レート制御部18は、蓄積バッファ17の空き容量を監視する。そして、レート制御部18は、蓄積バッファ17の空き容量に応じてレート制御信号を生成し、生成したレート制御信号を量子化部15へ出力する。例えば、レート制御部18は、蓄積バッファ17の空き容量が少ない時には、量子化データのビットレートを低下させるためのレート制御信号を生成する。また、例えば、レート制御部18は、蓄積バッファ17の空き容量が十分大きい時には、量子化データのビットレートを高めるためのレート制御信号を生成する。
逆量子化部21は、量子化部15から入力される量子化データについて逆量子化処理を行う。そして、逆量子化部21は、逆量子化処理により取得される変換係数データを、逆直交変換部22へ出力する。
逆直交変換部22は、逆量子化部21から入力される変換係数データについて逆直交変換処理を行うことにより、予測誤差データを復元する。そして、逆直交変換部22は、復元した予測誤差データを加算部23へ出力する。
加算部23は、逆直交変換部22から入力される復元された予測誤差データとイントラ予測部30又は動き探索部40から入力される予測画像データとを加算することにより、復号画像データを生成する。そして、加算部23は、生成した復号画像データをデブロックフィルタ24及びフレームメモリ27へ出力する。
デブロックフィルタ24は、画像の符号化時に生じるブロック歪みを減少させるためのフィルタリング処理を行う。デブロックフィルタ24は、加算部23から入力される復号画像データをフィルタリングすることによりブロック歪みを除去し、フィルタリング後の復号画像データを適応オフセット部25へ出力する。
適応オフセット部25は、DF後の復号画像の各画素値に適応的に決定されるオフセット値を加えることにより、復号画像の画質を向上させる。一般的なサンプル適応オフセット(SAO)処理では、オフセット値の設定パターン(以下、オフセットパターンという)として、2種類のバンドオフセット、6種類のエッジオフセット及びオフセットなし、という9種類のパターンが利用可能である。このようなオフセットパターン及びオフセット値は、画像の内容に応じて切替えられ得る。これらSAO関連パラメータは、上述したシンタックス符号化部16により符号化ストリームのヘッダ領域に挿入される。適応オフセット部25は、適応オフセット処理の結果として、オフセットされた画素値を有する復号画像データを適応ループフィルタ26へ出力する。
適応ループフィルタ26は、SAO後の復号画像をフィルタリングすることにより、復号画像と原画像との誤差を最小化する。適応ループフィルタ26は、典型的には、ウィーナフィルタ(Wiener Filter)を用いて実現される。適応ループフィルタ26による適応ループフィルタ(ALF)処理において用いられるウィーナフィルタのフィルタ係数は、画像の内容に応じて切替えられ得る。フィルタ係数及びフィルタのOn/Off切替え用のフラグを含むALF関連パラメータは、上述したシンタックス符号化部16により符号化ストリームのヘッダ領域に挿入される。適応ループフィルタ26は、適応ループフィルタ処理の結果として、原画像との差の最小化された復号画像データをフレームメモリ27へ出力する。
フレームメモリ27は、加算部23から入力される復号画像データ、及び適応ループフィルタ26から入力されるALF後の復号画像データを記憶媒体を用いて記憶する。
セレクタ28は、インター予測のために使用されるALF後の復号画像データをフレームメモリ27から読み出し、読み出した復号画像データを参照画像データとして動き探索部40に供給する。また、セレクタ28は、イントラ予測のために使用されるDF前の復号画像データをフレームメモリ27から読み出し、読み出した復号画像データを参照画像データとしてイントラ予測部30に供給する。
セレクタ29は、インター予測モードにおいて、動き探索部40から出力されるインター予測の結果としての予測画像データを減算部13へ出力すると共に、インター予測に関する情報をシンタックス符号化部16へ出力する。また、セレクタ29は、イントラ予測モードにおいて、イントラ予測部30から出力されるイントラ予測の結果としての予測画像データを減算部13へ出力すると共に、イントラ予測に関する情報をシンタックス符号化部16へ出力する。セレクタ29は、インター予測モードとイントラ予測モードとを、イントラ予測部30及び動き探索部40から出力されるコスト関数値の大きさに応じて切り替える。
イントラ予測部30は、並べ替えバッファ12から入力される符号化対象の画像データ(原画像データ)、及びフレームメモリ27から供給される参照画像データとしての復号画像データに基づいて、画像内に設定されるブロックごとにイントラ予測処理を行う。そして、イントラ予測部30は、最適な予測モードを示す予測モード情報を含むイントラ予測に関する情報、コスト関数値、及び予測画像データを、セレクタ29へ出力する。
動き探索部40は、並べ替えバッファ12から入力される原画像データ、及びセレクタ28を介して供給される復号画像データに基づいて、インター予測(フレーム間予測)のための動き探索処理を行う。そして、動き探索部40は、動きベクトル情報及び参照画像情報を含むインター予測に関する情報、コスト関数値、並びに予測画像データを、セレクタ29へ出力する。
[1−2.パラメータセットの構成の概略]
上述した画像符号化装置10によって扱われるパラメータのうち、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータは、ピクチャごとに適応的に更新され得る値を有し、かつ比較的データサイズも大きいという性質を有する。従って、これらパラメータは、他のパラメータと共にPPSに格納されるよりも、APSに格納される方が適切である。但し、これらパラメータをAPSに格納する手法として、いくつかの手法が考えられる。
(1)第1の手法
第1の手法は、1つのAPS内で対象の全てのパラメータを列挙し、当該APSを一意に識別する識別子であるAPS IDを用いて各パラメータを参照する、という手法である。図2は、第1の手法に従って構成される符号化ストリームの一例を示している。
図2を参照すると、シーケンスの先頭に位置するピクチャP0の冒頭に、SPS801、PPS802及びAPS803が挿入されている。PPS802は、PPS ID“P0”により識別される。APS803は、APS ID“A0”により識別される。APS803は、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータを含む。ピクチャP0内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ804は、参照PPS ID“P0”を含み、これは当該スライスデータを復号するためにPPS802内のパラメータが参照されることを意味する。同様に、スライスヘッダ804は、参照APS ID“A0”を含み、これは当該スライスデータを復号するためにAPS803内のパラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP0に続くピクチャP1には、APS805が挿入されている。APS805は、APS ID“A1”により識別される。APS805は、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータを含む。APS805に含まれるALF関連パラメータ及びSAO関連パラメータはAPS803から更新されているが、QM関連パラメータは更新されていない。ピクチャP1内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ806は、参照APS ID“A1”を含み、これは当該スライスデータを復号するためにAPS805内のパラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP1に続くピクチャP2には、APS807が挿入されている。APS807は、APS ID“A2”により識別される。APS807は、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータを含む。APS807に含まれるALF関連パラメータ及びQM関連パラメータはAPS805から更新されているが、SAO関連パラメータは更新されていない。ピクチャP2内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ808は、参照APS ID“A2”を含み、これは当該スライスデータを復号するためにAPS807内のパラメータが参照されることを意味する。
図3は、第1の手法に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示している。図3の第2行において、当該APSを一意に識別するためのAPS IDが特定される。第13行〜第17行では、ALF関連パラメータが特定される。第18行〜第23行では、SAO関連パラメータが特定される。第24行〜第28行では、QM関連パラメータが特定される。第24行の“aps_qmatrix_flag”は、当該APS内にQM関連パラメータが設定されているかを示す存在フラグである。当該APS内にQM関連パラメータが設定されていることを第24行の存在フラグが示している場合(aps_qmatrix_flag=1)に、当該APS内で関数qmatrix_param()を用いて量子化行列パラメータが設定され得る。なお、関数qmatrix_param()の具体的な内容は当業者にとって既知であるため、ここではその説明を省略する。
図4は、第1の手法に従って定義されるスライスヘッダのシンタックスの一例を示す説明図である。図4の第5行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちPPSに含まれるパラメータを参照するための参照PPS IDが特定される。第8行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちAPSに含まれるパラメータを参照するための参照APS IDが特定される。
第1の手法によれば、パラメータの種類によらず、APSに含まれる全てのパラメータを1つのAPS IDを用いて参照することができる。そのため、パラメータの符号化及び復号のためのロジックが極めて単純化され、装置の実装は容易となる。また、存在フラグを用いて、APSに包含可能な様々な符号化ツールに関連するパラメータのうち、量子化行列パラメータのみを部分的に更新し、又は量子化行列パラメータのみを部分的に更新しないことが可能となる。即ち、量子化行列の更新の必要性が生じたタイミングでのみAPSに量子化行列パラメータを含めることができるため、APS内で量子化行列パラメータを効率的に伝送することができる。
(2)第1の手法の変形例
APS内の量子化行列パラメータの符号量をより削減するために、以下に説明する変形例に係る手法が採用されてもよい。
図5は、第1の手法の一変形例に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示している。図5に示したシンタックスにおいて、第24行〜第31行では、QM関連パラメータが特定される。第24行の“aps_qmatrix_flag”は、当該APS内にQM関連パラメータが設定されているかを示す存在フラグである。第25行の“ref_aps_id_present_flag”は、当該APSのQM関連パラメータとして過去参照IDが使用されるかを示す過去参照ID存在フラグである。過去参照IDが使用されることを過去参照ID存在フラグが示している場合(ref_aps_id_present_flag=1)には、第27行において、過去参照ID“ref_aps_id”が設定される。過去参照IDは、当該APSよりも前に符号化され又は復号されるAPSのAPS IDを参照するための識別子である。過去参照IDが使用される場合には、参照元の(後の)APS内には量子化行列パラメータは設定されない。この場合、参照元のAPSに対応する量子化行列として、過去参照IDにより示される参照先のAPSの量子化行列パラメータに基づいて設定される量子化行列が、再利用される。なお、過去参照IDが参照元のAPSのAPS IDを参照すること(いわゆる自己参照)は、禁止されてもよい。その代わりに、自己参照が行われているAPSに対応する量子化行列として、既定の量子化行列が設定されてもよい。過去参照IDが使用されない場合(ref_aps_id_present_flag=0)には、第31行の関数“qmatrix_param()”を用いて、当該APS内に量子化行列パラメータが設定され得る。
このように、既に符号化され又は復号された量子化行列を過去参照IDを用いて再利用することで、同じ量子化行列パラメータが繰り返しAPS内に設定されることが回避される。それにより、APS内の量子化行列パラメータの符号量を削減することができる。なお、図5では、過去のAPSを参照するためにAPS IDが使用される例を示したが、過去のAPSを参照する手法はかかる例に限定されない。例えば、参照元のAPSと参照先のAPSとの間のAPSの数などの他のパラメータが、過去のAPSを参照するために用いられてもよい。また、過去参照ID存在フラグが使用される代わりに、過去参照IDが所定の値(例えばマイナス1)を示すか否かに応じて、過去のAPSの参照と新たな量子化行列パラメータの設定とが切り替えられてもよい。
(3)第2の手法
第2の手法は、パラメータの種類ごとに異なるAPS(異なるNALユニット)内にパラメータを格納し、各APSを一意に識別するAPS IDを用いて各パラメータを参照する、という手法である。図6は、第2の手法に従って構成される符号化ストリームの一例を示している。
図6を参照すると、シーケンスの先頭に位置するピクチャP0の冒頭に、SPS811、PPS812、APS813a、APS813b及びAPS813cが挿入されている。PPS812は、PPS ID“P0”により識別される。APS813aはALF関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A00”により識別される。APS813bはSAO関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A10”により識別される。APS813cはQM関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A20”により識別される。ピクチャP0内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ814は、参照PPS ID“P0”を含み、これは当該スライスデータを復号するためにPPS812内のパラメータが参照されることを意味する。同様に、スライスヘッダ814は、参照APS_ALF ID“A00”、参照APS_SAO ID“A10”及び参照APS_QM ID“A20”を含み、これらは当該スライスデータを復号するためにAPS813a、813b及び813c内のパラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP0に続くピクチャP1には、APS815a及びAPS815bが挿入されている。APS815aはALF関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A01”により識別される。APS815bはSAO関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A11”により識別される。ピクチャP0からQM関連パラメータは更新されないため、QM関連パラメータ用のAPSは挿入されていない。ピクチャP1内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ816は、参照APS_ALF ID“A01”、参照APS_SAO ID“A11”及び参照APS_QM ID“A20”を含む。これらは、当該スライスデータを復号するためにAPS815a、815b及び813c内のパラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP1に続くピクチャP2には、APS817a及びAPS817cが挿入されている。APS817aはALF関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A02”により識別される。APS817cはQM関連パラメータ用のAPSであり、APS ID“A21”により識別される。ピクチャP1からSAO関連パラメータは更新されないため、SAO関連パラメータ用のAPSは挿入されていない。ピクチャP2内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ818は、参照APS_ALF ID“A02”、参照APS_SAO ID“A11”及び参照APS_QM ID“A21”を含む。これらは、当該スライスデータを復号するためにAPS817a、815b及び817c内のパラメータが参照されることを意味する。
図7Aは、第2の手法に従って定義されるALF用APSのシンタックスの一例を示している。図7Aの第2行において、当該APSを一意に識別するためのAPS_ALF IDが特定される。第11行〜第15行では、ALF関連パラメータが特定される。図7Bは、第2の手法に従って定義されるSAO用APSのシンタックスの一例を示している。図7Bの第2行において、当該APSを一意に識別するためのAPS_SAO IDが特定される。第11行〜第16行では、SAO関連パラメータが特定される。図7Cは、第2の手法に従って定義されるQM用APSのシンタックスの一例を示している。図7Cの第2行において、当該APSを一意に識別するためのAPS_QM IDが特定される。第4行〜第8行では、QM関連パラメータが特定される。
図8は、第2の手法に従って定義されるスライスヘッダのシンタックスの一例を示す説明図である。図8の第5行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちPPSに含まれるパラメータを参照するための参照PPS IDが特定される。第8行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちALF用APSに含まれるパラメータを参照するための参照APS_ALF IDが特定される。第9行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちSAO用APSに含まれるパラメータを参照するための参照APS_SAO IDが特定される。第10行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちQM用APSに含まれるパラメータを参照するための参照APS_QM IDが特定される。
第2の手法によれば、パラメータの種類ごとに異なるAPSが用いられる。この場合にも、更新の必要性がないパラメータについて冗長的なパラメータの伝送が行われない。そのため、符号化効率は最適化され得る。しかし、第2の手法では、APSの対象とされるパラメータの種類が増加するほど、APSの種類を識別するための識別子であるNALユニットタイプ(nal_unit_type)の種類も増加する。HEVCの標準仕様において、拡張のために確保されているNALユニットタイプ(nal_unit_type)の数には制限がある。従って、APSのために多数のNALユニットタイプを消費するような第2の手法は、仕様の将来の拡張の柔軟性を損なう可能性がある。
(4)第3の手法
第3の手法は、APSに含まれるべきパラメータをAPS IDとは別に定義される識別子ごとにグループ化し、1つのAPS内に1つ以上のグループに属するパラメータを含める、という手法である。本明細書では、APS IDとは別に定義されグループごとに付与される当該識別子を、補助識別子(SUB ID)という。また、補助識別子により識別されるグループを、パラメータグループという。各パラメータは、スライスヘッダにおいて補助識別子を用いて参照される。図9は、第3の手法に従って構成される符号化ストリームの一例を示している。
図9を参照すると、シーケンスの先頭に位置するピクチャP0の冒頭に、SPS821、PPS822及びAPS823が挿入されている。PPS822は、PPS ID“P0”により識別される。APS823は、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータを含む。ALF関連パラメータは、1つのグループに属し、ALF用の補助識別子であるSUB_ALF ID“AA0”により識別される。SAO関連パラメータは、1つのグループに属し、SAO用の補助識別子であるSUB_SAO ID“AS0”により識別される。QM関連パラメータは、1つのグループに属し、QM用の補助識別子であるSUB_QM ID“AQ0”により識別される。ピクチャP0内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ824は、参照SUB_ALF ID“AA0”、参照SUB_SAO ID“AS0”及び参照SUB_QM ID“AQ0”を含む。これらは、当該スライスデータを復号するために、SUB_ALF ID“AA0”に属するALF関連パラメータ、SUB_SAO ID“AS0”に属するSAO関連パラメータ及びSUB_QM ID“AQ0”に属するQM関連パラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP0に続くピクチャP1には、APS825が挿入されている。APS825は、ALF関連パラメータ及びSAO関連パラメータを含む。ALF関連パラメータは、SUB_ALF ID“AA1”により識別される。SAO関連パラメータは、SUB_SAO ID“AS1”により識別される。ピクチャP0からQM関連パラメータは更新されないため、APS825にQM関連パラメータは含まれていない。ピクチャP1内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ826は、参照SUB_ALF ID“AA1”、参照SUB_SAO ID“AS1”及び参照SUB_QM ID“AQ0”を含む。これらは、当該スライスデータを復号するために、APS825内のSUB_ALF ID“AA1”に属するALF関連パラメータ及びSUB_SAO ID“AS1”に属するSAO関連パラメータ、並びにAPS823内のSUB_QM ID“AQ0”に属するQM関連パラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP1に続くピクチャP2には、APS827が挿入されている。APS827は、ALF関連パラメータ及びQM関連パラメータを含む。ALF関連パラメータは、SUB_ALF ID“AA2”により識別される。QM関連パラメータは、SUB_QM ID“AQ1”により識別される。ピクチャP1からSAO関連パラメータは更新されないため、APS827にSAO関連パラメータは含まれていない。ピクチャP2内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ828は、参照SUB_ALF ID“AA2”、参照SUB_SAO ID“AS1”及び参照SUB_QM ID“AQ1”を含む。これらは、当該スライスデータを復号するために、APS827内のSUB_ALF ID“AA2”に属するALF関連パラメータ及びSUB_QM ID“AQ1”に属するQM関連パラメータ、並びにAPS825内のSUB_SAO ID“AS1”に属するSAO関連パラメータが参照されることを意味する。
図10は、第3の手法に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示している。図3の第2行〜第4行において、3つのグループ存在フラグ“aps_adaptive_loop_filter_flag”、“aps_sample_adaptive_offset_flag”及び“aps_qmatrix_flag”が特定される。グループ存在フラグは、各グループに属するパラメータが当該APS内に含まれるか否かを示す。図10の例ではAPS IDはシンタックスから省略されているが、当該APSを識別するためのAPS IDがシンタックス内に追加されてもよい。第12行〜第17行では、ALF関連パラメータが特定される。第13行の“sub_alf_id”は、ALF用の補助識別子である。第18行〜第24行では、SAO関連パラメータが特定される。第19行の“sub_sao_id”は、SAO用の補助識別子である。第25行〜第30行では、QM関連パラメータが特定される。第26行の“sub_qmatrix_id”は、QM用の補助識別子である。
図11は、第3の手法に従って定義されるスライスヘッダのシンタックスの一例を示す説明図である。図11の第5行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちPPSに含まれるパラメータを参照するための参照PPS IDが特定される。第8行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちALF関連パラメータを参照するための参照SUB_ALF IDが特定される。第9行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちSAO関連パラメータを参照するための参照SUB_SAO IDが特定される。第10行では、当該スライスに設定すべきパラメータのうちQM関連パラメータを参照するための参照SUB_QM IDが特定される。
第3の手法によれば、補助識別子を用いてAPS内のパラメータがグループ化され、更新の必要性がないパラメータグループのパラメータについて冗長的なパラメータの伝送が行われない。そのため、符号化効率は最適化され得る。また、パラメータの種類が増加してもAPSの種類は増加しないため、上述した第2の手法のようにNALユニットタイプが数多く消費されることがない。従って、第3の手法は、将来の拡張の柔軟性を損なうこともない。
(5)パラメータのグループ化の基準
図9〜図11の例では、APSに含まれるパラメータが、ALF、SAO及びQMという関連する符号化ツールに応じてグループ化されている。しかしながら、これはパラメータのグループ化の一例に過ぎない。また、APSには、他の符号化ツールに関連するパラメータが含まれてもよい。例えば、適応補間フィルタ(AIF:Adaptive Interpolation Filter)のフィルタ係数などのAIF関連パラメータは、APSに含められ得るパラメータの一例である。以下、図12を参照しながら、APSに含まれるパラメータのグループ化の様々な基準について述べる。
図12に示された表は、代表的な符号化ツールごとのパラメータの特徴として、「パラメータの内容」、「更新頻度」及び「データサイズ」を一覧化している。
適応ループフィルタ(ALF)は、復号画像と原画像との誤差を最小化するように適応的に決定されるフィルタ係数で復号画像を2次元フィルタリングするフィルタ(典型的には、ウィーナフィルタ)である。ALF関連パラメータは、各ブロックに適用されるフィルタ係数とCU(Coding Unit)ごとのOn/Offフラグとを含む。ALFのフィルタ係数のデータサイズは、他の種類のパラメータと比較して非常に大きい。そのため、通常、符号量の多いIピクチャについてはALF関連パラメータは伝送されるが、符号量の小さいBピクチャについてはALF関連パラメータの伝送は省略され得る。これは、符号量の小さいピクチャについてデータサイズの大きいALF関連パラメータを伝送することが利得の観点から非効率的であるためである。ALFのフィルタ係数は、ほとんどの場合、ピクチャごとに変化する。フィルタ係数は画像の内容に依存するため、過去に設定されたフィルタ係数を再利用できる可能性は低い。
サンプル適応オフセット(SAO)は、復号画像の各画素値に適応的に決定されるオフセット値を加えることにより、復号画像の画質を向上させるツールである。SAO関連パラメータは、オフセットパターン及びオフセット値を含む。SAO関連パラメータのデータサイズは、ALF関連パラメータほどには大きくない。SAO関連パラメータもまた、原則としてピクチャごとに変化する。但し、SAO関連パラメータには、画像の内容がわずかに変化してもあまり変化しないという性質があるため、過去に設定されたパラメータ値を再利用できる可能性がある。
量子化行列(QM)は、直交変換によって画像データから変換される変換係数を量子化する際に用いられる量子化スケールを要素とする行列である。QM関連パラメータは、量子化行列を1次元化し及び予測符号化することにより生成されるパラメータである。QM関連パラメータのデータサイズは、SAO関連パラメータよりも大きい。量子化行列は、原則として全てのピクチャに必要とされるが、画像の内容が大きく変化しなければ必ずしもピクチャごとに更新されなくてよい。そのため、量子化行列は、同じ種別(I/P/Bピクチャなど)のピクチャについて、又はGOPごとに再利用され得る。
適応補間フィルタ(AIF)は、動き補償の際に用いられる補間フィルタのフィルタ係数をサブピクセル位置ごとに適応的に変化させるツールである。AIF関連パラメータは、サブピクセル位置ごとのフィルタ係数を含む。AIF関連パラメータのデータサイズは、上述した3種類のパラメータと比較すると小さい。AIF関連パラメータは、原則としてピクチャごとに変化する。但し、ピクチャの種別が同じであれば補間の特性が類似する傾向があることから、同じ種別(I/P/Bピクチャなど)のピクチャについてAIF関連パラメータを再利用することができる。
上述したようなパラメータの性質に基づいて、例えば、APSに含まれるパラメータをグループ化するための次の3通りの基準を採用することができる。
基準A)符号化ツールに応じたグループ化
基準B)更新頻度に応じたグループ化
基準C)パラメータの再利用の可能性に応じたグループ化
基準Aは、関連する符号化ツールに応じてパラメータをグループ化する、という基準である。図9〜図11に例示したパラメータセットの構成は、基準Aに基づいている。パラメータの性質は概して関連する符号化ツールに応じて決まるため、符号化ツールごとにパラメータをグループ化することで、パラメータの様々な性質に応じて適時かつ効率的にパラメータを更新することが可能となる。
基準Bは、更新頻度に応じてパラメータをグループ化する、という基準である。図12に示したように、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータおよびAIF関連パラメータは、いずれも原則として毎ピクチャ更新され得る。そこで、例えばこれらパラメータを1つのパラメータグループに、QM関連パラメータを他のパラメータグループにグループ化することができる。この場合には、基準Aと比較してパラメータグループの数が少なくなる。その結果、スライスヘッダで特定すべき補助識別子の数も少なくなるため、スライスヘッダの符号量を削減することができる。一方、同じパラメータグループに属するパラメータの更新頻度は互いに類似するため、更新されないパラメータが他のパラメータの更新のために冗長的に伝送される可能性も低く保たれる。
基準Cは、パラメータの再利用の可能性に応じてパラメータをグループ化する、という基準である。ALF関連パラメータについては再利用の可能性は低いが、SAO関連パラメータ及びAIF関連パラメータについてはある程度の再利用の可能性がある。QM関連パラメータについては、複数のピクチャにわたってパラメータが再利用される可能性が高い。従って、このような再利用の可能性に応じてパラメータをグループ化することで、再利用されるパラメータをAPS内で冗長的に伝送することを回避することができる。
(5)第3の手法の変形例
上述した第3の手法では、図11に例示したように、APS内のパラメータをグループ化するパラメータグループの数だけ参照SUB IDがスライスヘッダ内で特定されることになる。参照SUB IDのために要する符号量は、おおよそスライスヘッダの数とパラメータグループの数との積に比例する。このような符号量をより削減するために、以下に説明する変形例に係る手法が採用されてもよい。
第3の手法の変形例では、補助識別子の組合せに関連付けられる組合せIDが、APS又は他のパラメータセット内で定義される。そして、APS内に含まれるパラメータは、組合せIDを通じてスライスヘッダから参照され得る。図13は、第3の手法のこのような変形例に従って構成される符号化ストリームの一例を示している。
図13を参照すると、シーケンスの先頭に位置するピクチャP0の冒頭に、SPS831、PPS832及びAPS833が挿入されている。PPS832は、PPS ID“P0”により識別される。APS833は、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータを含む。ALF関連パラメータは、SUB_ALF ID“AA0”により識別される。SAO関連パラメータは、SUB_SAO ID“AS0”により識別される。QM関連パラメータは、SUB_QM ID“AQ0”により識別される。さらに、APS833は、組合せの定義として、組合せID“C00”={AA0,AS0,AQ0}を含む。ピクチャP0内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ834は、組合せID“C00”を含む。これは、当該スライスデータを復号するために、組合せID“C00”にそれぞれ関連付けられているSUB_ALF ID“AA0”に属するALF関連パラメータ、SUB_SAO ID“AS0”に属するSAO関連パラメータ及びSUB_QM ID“AQ0”に属するQM関連パラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP0に続くピクチャP1には、APS835が挿入されている。APS835は、ALF関連パラメータ及びSAO関連パラメータを含む。ALF関連パラメータは、SUB_ALF ID“AA1”により識別される。SAO関連パラメータは、SUB_SAO ID“AS1”により識別される。ピクチャP0からQM関連パラメータは更新されないため、APS835にQM関連パラメータは含まれていない。さらに、APS835は、組合せの定義として、組合せID“C01”={AA1,AS0,AQ0}、組合せID“C02”={AA0,AS1,AQ0}及び組合せID“C03”={AA1,AS1,AQ0}を含む。ピクチャP1内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ836は、組合せID“C03”を含む。これは、当該スライスデータを復号するために、組合せID“C03”にそれぞれ関連付けられているSUB_ALF ID“AA1”に属するALF関連パラメータ、SUB_SAO ID“AS1”に属するSAO関連パラメータ及びSUB_QM ID“AQ0”に属するQM関連パラメータが参照されることを意味する。
ピクチャP1に続くピクチャP2には、APS837が挿入されている。APS837は、ALF関連パラメータを含む。ALF関連パラメータは、SUB_ALF ID“AA2”により識別される。ピクチャP1からSAO関連パラメータ及びQM関連パラメータは更新されないため、APS837にSAO関連パラメータ及びQM関連パラメータは含まれていない。さらに、APS837は、組合せの定義として、組合せID“C04”={AA2,AS0,AQ0}及び組合せID“C05”={AA2,AS1,AQ0}を含む。ピクチャP2内のスライスデータに付加されているスライスヘッダ838は、組合せID“C05”を含む。これは、当該スライスデータを復号するために、組合せID“C05”にそれぞれ関連付けられているSUB_ALF ID“AA2”に属するALF関連パラメータ、SUB_SAO ID“AS1”に属するSAO関連パラメータ及びSUB_QM ID“AQ0”に属するQM関連パラメータが参照されることを意味する。
なお、本変形例において、補助識別子の全ての組合せについて組合せIDが定義されなくてよく、スライスヘッダにおいて実際に参照される補助識別子の組合せについてのみ組合せIDが定義されてよい。また、補助識別子の組合せは、対応するパラメータが格納されているAPSとは異なるAPS内で定義されてもよい。
このように、補助識別子の組合せに関連付けられる組合せIDを用いてAPS内のパラメータを参照することで、スライスヘッダから各パラメータを参照するために要する符号量を削減することができる。
[1−3.シンタックス符号化部の構成例]
図14は、図1に示したシンタックス符号化部16の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図14を参照すると、シンタックス符号化部16は、符号化制御部110、パラメータ取得部115及び符号化部120を有する。
(1)符号化制御部
符号化制御部110は、シンタックス符号化部16により行われる符号化処理を制御する。例えば、符号化制御部110は、画像ストリーム内のシーケンス、ピクチャ、スライス及びCUなどの処理単位を認識し、パラメータ取得部115により取得されるパラメータをパラメータの種類に応じてSPS、PPS、APS又はスライスヘッダなどのヘッダ領域に挿入する。例えば、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータは、これらパラメータが参照されるスライスよりも前に挿入されるAPS内で、符号化部120により符号化される。また、符号化制御部110は、いずれかのパラメータセット内で、図13に例示したような組合せIDを符号化部120に符号化させてもよい。
(2)パラメータ取得部
パラメータ取得部115は、ストリームのヘッダ領域に挿入される様々なパラメータを設定し又は取得する。例えば、パラメータ取得部115は、量子化部15から量子化行列を表すQM関連パラメータを取得する。また、パラメータ取得部115は、適応オフセット部25からSAO関連パラメータを、適応ループフィルタ26からALF関連パラメータを取得する。そして、パラメータ取得部115は、取得したパラメータを符号化部120へ出力する。
(3)符号化部
符号化部120は、量子化部15から入力される量子化データ及びパラメータ取得部115から入力されるパラメータを符号化し、符号化ストリームを生成する。本実施形態において、符号化部120により生成される符号化ストリームは、SPS、PPS及びAPSという3種類のパラメータセットを含む。APSには、主にピクチャごとに適応的に設定される、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータ(並びにAIF関連パラメータなどの他のパラメータ)が含まれ得る。符号化部120は、これらパラメータを、上述した第1〜第3の手法のいずれに従って符号化してもよい。例えば、符号化部120は、これらパラメータをAPS IDとは異なる補助識別子であるSUB IDごとにグループ化してパラメータグループを形成し、パラメータグループごとにパラメータをAPS内で符号化し得る。この場合、符号化部120は、図10に例示したように、補助識別子として、ALF関連パラメータにSUB_ALF IDを、SAO関連パラメータにSUB_SAO IDを、QM関連パラメータにSUB_QM IDをそれぞれ設定する。そして、符号化部120は、これらパラメータを共通的なAPS内で符号化する。また、符号化部120は、いずれかのパラメータセット内で、図13に例示したように設定される組合せIDを符号化し得る。
また、符号化部120により生成される符号化ストリームの各スライスには、スライスヘッダが付加される。符号化部120は、スライスヘッダ内で、当該スライスに設定されるべきパラメータを参照する際に用いられる、参照用パラメータを符号化する。参照用パラメータとは、図11に例示した参照SUB_ALF ID、参照SUB_SAO ID及び参照SUB_QM IDであってもよく、又は図13に例示した参照組合せIDであってもよい。
符号化部120によるパラメータの符号化は、例えば、VLC(可変長符号化:Variable Length Coding)方式で行われてもよく、CABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding)方式で行われてもよい。符号化部120により生成される符号化ストリームは、蓄積バッファ17へ出力される。
<2.一実施形態に係る符号化時の処理の流れ>
次に、図15〜図17を用いて、本実施形態に係る画像符号化装置10のシンタックス符号化部16による符号化処理の流れを説明する。
[2−1.処理の概略]
図15は、本実施形態に係るシンタックス符号化部16による符号化処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15を参照すると、まず、符号化制御部110により1つのピクチャが認識され(ステップS100)、当該ピクチャがシーケンスの先頭のピクチャであるかが判定される(ステップS102)。ここで、当該ピクチャがシーケンスの先頭のピクチャである場合には、符号化ストリームにSPSが挿入され、SPS内のパラメータが符号化部120により符号化される(ステップS104)。
次に、符号化制御部110は、シーケンスの先頭であるか又はPPS内のパラメータに更新が発生しているかを判定する(ステップS106)。ここで、シーケンスの先頭であり又はPPS内のパラメータに更新が発生している場合には、符号化ストリームにPPSが挿入され、PPS内のパラメータが符号化部120により符号化される(ステップS108)。
次に、符号化制御部110は、シーケンスの先頭であるか又はAPS内のパラメータに更新が発生しているかを判定する(ステップS110)。ここで、シーケンスの先頭であり又はAPS内のパラメータに更新が発生している場合には、符号化ストリームにAPSが挿入され、APS内のパラメータが符号化部120により符号化される(ステップS112)。
次に、符号化部120は、スライスヘッダの符号化(ステップS114)及びスライスデータの符号化(ステップS116)をピクチャ内の全てのスライスについて繰り返す(ステップS118)。そして、ピクチャ内の全てのスライスについてスライスヘッダ及びスライスデータの符号化が終了すると、処理はステップS120へ進む。そして、次のピクチャが存在する場合には、処理はステップS100へ戻る(ステップS120)。一方、次のピクチャが存在しない場合には、図15に示した符号化処理は終了する。
[2−2.APS符号化処理]
図16は、図15のステップS112に相当するAPS符号化処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、説明の簡明さのために、パラメータのグループ化に関連する主な処理ステップのみを示している。
図16を参照すると、まず、符号化部120は、APS内でグループ別存在フラグを符号化する(ステップS130)。グループ別存在フラグは、例えば図3に示した“aps_adaptive_loop_filter_flag”、“aps_sample_adaptive_offset_flag”及び“aps_qmatrix_flag”に相当し、パラメータをグループ化するグループごとに符号化され得る。
次に、符号化制御部110は、パラメータの符号化にCABAC方式を用いるかを判定する(ステップS132)。そして、CABAC方式が用いられる場合には、符号化部120は、CABAC関連パラメータを符号化する(ステップS134)。
次に、符号化制御部110は、パラメータ取得部115により取得されるALF関連パラメータが更新されるかを判定する(ステップS136)。そして、ALF関連パラメータが更新される場合には、符号化部120は、ALF関連パラメータに新たなSUB_ALF IDを付与し(ステップS138)、ALF関連パラメータを符号化する(ステップS140)。
次に、符号化制御部110は、パラメータ取得部115により取得されるSAO関連パラメータが更新されるかを判定する(ステップS142)。そして、SAO関連パラメータが更新される場合には、符号化部120は、SAO関連パラメータに新たなSUB_SAO IDを付与し(ステップS144)、SAO関連パラメータを符号化する(ステップS146)。
次に、符号化制御部110は、パラメータ取得部115により取得されるQM関連パラメータが更新されるかを判定する(ステップS148)。そして、QM関連パラメータが更新される場合には、符号化部120は、QM関連パラメータに新たなSUB_QM IDを付与し(ステップS150)、QM関連パラメータを符号化する(ステップS152)。
図16には示していないものの、符号化部120は、さらに、補助識別子の組合せと組合せIDとを関連付ける組合せ定義についてのパラメータをAPS内で符号化してもよい。
[2−3.スライスヘッダ符号化処理]
図17は、図15のステップS114に相当するスライスヘッダ符号化処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、説明の簡明さのために、グループ化されたパラメータの参照に関連する主な処理ステップのみを示している。
図17を参照すると、まず、符号化制御部110は、符号化ツールとしてALFが有効であるかを判定する(ステップS160)。符号化ツールが有効であるか否かは、例えば、符号化ツールごとにSPS内で特定される有効フラグ(ALFについては“adaptive_loop_filter_enabled_flag”など)の値から判定され得る。ALFが有効である場合には、符号化部120は、当該スライスについて参照すべきALF関連パラメータに付与されたSUB_ALF IDを識別する(ステップS162)。そして、符号化部120は、識別したSUB_ALF IDを参照SUB_ALF IDとしてスライスヘッダ内で符号化する(ステップS164)。
次に、符号化制御部110は、符号化ツールとしてSAOが有効であるかを判定する(ステップS166)。SAOが有効である場合には、符号化部120は、参照すべきSAO関連パラメータに付与されたSUB_SAO IDを識別する(ステップS168)。そして、符号化部120は、識別したSUB_SAO IDを参照SUB_SAO IDとしてスライスヘッダ内で符号化する(ステップS170)。
次に、符号化制御部110は、符号化ツールとして量子化行列の指定が有効であるかを判定する(ステップS172)。量子化行列の指定が有効である場合には、符号化部120は、参照すべきQM関連パラメータに付与されたSUB_QM IDを識別する(ステップS174)。そして、符号化部120は、識別したSUB_QM IDを参照SUB_QM IDとしてスライスヘッダ内で符号化する(ステップS176)。
<3.一実施形態に係る画像復号装置の構成例>
本節では、上述した画像符号化装置10により符号化される符号化ストリームから画像を復号する画像復号装置60の構成の一例について説明する。
[3−1.全体的な構成例]
図18は、本実施形態に係る画像復号装置60の構成の一例を示すブロック図である。図18を参照すると、画像復号装置60は、蓄積バッファ61、シンタックス復号部62、逆量子化部63、逆直交変換部64、加算部65、デブロックフィルタ(DF)66、適応オフセット部(SAO)67、適応ループフィルタ(ALF)68、並べ替えバッファ69、D/A(Digital to Analogue)変換部70、フレームメモリ71、セレクタ72及び73、イントラ予測部80、並びに動き補償部90を備える。
蓄積バッファ61は、伝送路を介して入力される符号化ストリームを一時的に蓄積する。
シンタックス復号部62は、蓄積バッファ61から入力される符号化ストリームを、符号化の際に使用された符号化方式に従って復号する。符号化ストリームに含まれる量子化データは、シンタックス復号部62により復号され、逆量子化部63へ出力される。また、シンタックス復号部62は、符号化ストリームのヘッダ領域に多重化されている様々なパラメータを復号する。ここで復号されるパラメータは、例えば、上述したALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ及びQM関連パラメータを含み得る。シンタックス復号部62により復号されるパラメータは、画像内の各スライスを復号する際に参照される。シンタックス復号部62の詳細な構成について、後にさらに説明する。
逆量子化部63は、シンタックス復号部62による復号後の量子化データを逆量子化する。本実施形態において、逆量子化部63による逆量子化処理は、シンタックス復号部62により復号されるQM関連パラメータを用いて行われる。逆量子化部63は、例えば、QM関連パラメータから再構築される量子化行列の要素により示される量子化ステップで量子化データに含まれる変換係数を逆量子化し、逆量子化された変換係数データを逆直交変換部64へ出力する。
逆直交変換部64は、符号化の際に使用された直交変換方式に従い、逆量子化部63から入力される変換係数データについて逆直交変換を行うことにより、予測誤差データを生成する。そして、逆直交変換部64は、生成した予測誤差データを加算部65へ出力する。
加算部65は、逆直交変換部64から入力される予測誤差データと、セレクタ73から入力される予測画像データとを加算することにより、復号画像データを生成する。そして、加算部65は、生成した復号画像データをデブロックフィルタ66及びフレームメモリ71へ出力する。
デブロックフィルタ66は、加算部65から入力される復号画像データをフィルタリングすることによりブロック歪みを除去し、フィルタリング後の復号画像データを適応オフセット部67へ出力する。
適応オフセット部67は、DF後の復号画像の各画素値に適応的に決定されるオフセット値を加えることにより、復号画像の画質を向上させる。本実施形態において、適応オフセット部67による適応オフセット処理は、シンタックス復号部62により復号されるSAO関連パラメータを用いて行われる。適応オフセット部67は、例えば、SAO関連パラメータにより示されるオフセットパターンに従って、各画素値をオフセットする。適応オフセット部67は、適応オフセット処理の結果として、オフセットされた画素値を有する復号画像データを適応ループフィルタ68へ出力する。
適応ループフィルタ68は、SAO後の復号画像をフィルタリングすることにより、復号画像と原画像との誤差を最小化する。本実施形態において、適応ループフィルタ68による適応ループフィルタ処理は、シンタックス復号部62により復号されるALF関連パラメータを用いて行われる。適応ループフィルタ68は、例えば、ALF関連パラメータにより示されるフィルタ係数を有するウィーナフィルタを、復号画像の各ブロックに適用する。適応ループフィルタ68は、適応ループフィルタ処理の結果として、フィルタリングされた復号画像データを並べ替えバッファ69及びフレームメモリ71へ出力する。
並べ替えバッファ69は、適応ループフィルタ68から入力される画像を並び替えることにより、時系列の一連の画像データを生成する。そして、並べ替えバッファ69は、生成した画像データをD/A変換部70へ出力する。
D/A変換部70は、並べ替えバッファ69から入力されるデジタル形式の画像データをアナログ形式の画像信号に変換する。そして、D/A変換部70は、例えば、画像復号装置60と接続されるディスプレイ(図示せず)にアナログ画像信号を出力することにより、画像を表示させる。
フレームメモリ71は、加算部65から入力されるDF前の復号画像データ、及び適応ループフィルタ68から入力されるALF後の復号画像データを記憶媒体を用いて記憶する。
セレクタ72は、シンタックス復号部62により取得されるモード情報に応じて、画像内のブロックごとに、フレームメモリ71からの画像データの出力先をイントラ予測部80と動き補償部90との間で切り替える。例えば、セレクタ72は、イントラ予測モードが指定された場合には、フレームメモリ71から供給されるDF前の復号画像データを参照画像データとしてイントラ予測部80へ出力する。また、セレクタ72は、インター予測モードが指定された場合には、フレームメモリ71から供給されるALF後の復号画像データを参照画像データとして動き補償部90へ出力する。
セレクタ73は、シンタックス復号部62により取得されるモード情報に応じて、加算部65へ供給すべき予測画像データの出力元をイントラ予測部80と動き補償部90との間で切り替える。例えば、セレクタ73は、イントラ予測モードが指定された場合には、イントラ予測部80から出力される予測画像データを加算部65へ供給する。また、セレクタ73は、インター予測モードが指定された場合には、動き補償部90から出力される予測画像データを加算部65へ供給する。
イントラ予測部80は、シンタックス復号部62から入力されるイントラ予測に関する情報とフレームメモリ71からの参照画像データとに基づいてイントラ予測処理を行い、予測画像データを生成する。そして、イントラ予測部80は、生成した予測画像データをセレクタ73へ出力する。
動き補償部90は、シンタックス復号部62から入力されるインター予測に関する情報とフレームメモリ71からの参照画像データとに基づいて動き補償処理を行い、予測画像データを生成する。そして、動き補償部90は、動き補償処理の結果として生成される予測画像データをセレクタ73へ出力する。
[3−2.シンタックス復号部の構成例]
図19は、図18に示したシンタックス復号部62の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図19を参照すると、シンタックス復号部62は、復号制御部160、復号部165及び設定部170を有する。
(1)復号制御部
復号制御部160は、シンタックス復号部62により行われる復号処理を制御する。例えば、復号制御部160は、各NALユニットのNALユニットタイプに基づいて、符号化ストリームに含まれるSPS、PPS、APS及びスライスを認識する。そして、復号制御部160は、SPS、PPS及びAPSに含まれるパラメータ、並びに各スライスのスライスヘッダに含まれるパラメータを復号部165に復号させる。また、復号制御部160は、各スライスのスライスデータを復号部165に復号させる。
(2)復号部
復号部165は、復号制御部160による制御の下、符号化ストリームに含まれるパラメータ及びデータを復号する。例えば、復号部165は、SPS、PPS及びAPSなどのパラメータセットを復号する。復号部165は、これらパラメータを、上述した第1〜第3の手法のいずれに従って復号してもよい。例えば、APSは、APS IDとは別に定義される補助識別子であるSUB IDごとにグループ化されるパラメータを含み得る。一例として、APSに含まれるパラメータは、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ、QM関連パラメータ及びAIF関連パラメータのうちの1つ以上を含み得る。これらパラメータは、上述した基準A、基準B若しくは基準Cのいずれか、又は他の基準に従ってAPS内でグループ化される。復号部165は、復号したこれらパラメータを補助識別子と関連付けて設定部170へ出力する。また、復号部165は、複数の補助識別子の組合せに関連付けられる組合せIDがAPS又は他のパラメータセット内で符号化されている場合には、当該組合せIDを復号し、復号した組合せIDを設定部170へ出力する。
また、復号部165は、スライスヘッダを復号する。スライスヘッダには、既に復号されたAPS内のパラメータを参照するために使用される参照用パラメータが含まれる。参照用パラメータとは、例えば、APS内でパラメータをグループ化するために使用された補助識別子(SUB ID)を指定する参照SUB IDであってもよい。その代わりに、参照用パラメータとは、複数の補助識別子の組合せに関連付けられる組合せIDを指定する参照組合せIDであってもよい。復号部165は、これら参照用パラメータをスライスヘッダから復号すると、復号した参照用パラメータを設定部170へ出力する。
さらに、復号部165は、スライスデータから各スライスの量子化データを復号し、復号した量子化データを逆量子化部63へ出力する。
(3)設定部
設定部170は、復号部165により復号されるパラメータを画像内の各スライスに設定する。本実施形態において、設定部170により設定されるパラメータは、ALF関連パラメータ、SAO関連パラメータ、QM関連パラメータ及びAIF関連パラメータのうちの1つ以上を含み得る。設定部170は、例えば、各スライスヘッダから復号される参照用パラメータが参照SUB IDである場合には、当該参照SUB IDに適合するSUB IDを用いて参照されるパラメータを当該スライスに設定してもよい。また、設定部170は、各スライスヘッダから復号される参照用パラメータが参照組合せIDである場合には、当該参照組合せIDと関連付けられているSUB IDを用いて参照されるパラメータを当該スライスに設定してもよい。例えば、設定部170により各スライスに設定されるALF関連パラメータは、適応ループフィルタ68における適応ループフィルタ処理の際に使用される。設定部170により各スライスに設定されるSAO関連パラメータは、適応オフセット部67における適応オフセット処理の際に使用される。設定部170により各スライスに設定されるQM関連パラメータは、逆量子化部63における逆量子化処理の際に使用される。
<4.一実施形態に係る復号時の処理の流れ>
次に、図20〜図22を用いて、本実施形態に係る画像復号装置60のシンタックス復号部62による復号処理の流れを説明する。
[4−1.処理の概略]
図20は、本実施形態に係るシンタックス復号部62による復号処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20の例において、復号制御部160により符号化ストリーム内のSPSが認識されると(ステップS200)、認識されたSPSに含まれるパラメータが復号部165により復号される(ステップS202)。また、復号制御部160によりPPSが認識されると(ステップS204)、認識されたPPSに含まれるパラメータが復号部165により復号される(ステップS206)。また、復号制御部160によりAPSが認識されると(ステップS208)、認識されたAPSに含まれるパラメータが復号部165により復号される(ステップS210)。また、復号制御部160によりスライスが認識されると(ステップS212)、復号部165により、認識されたスライスのスライスヘッダに含まれるパラメータが復号され(ステップS214)、さらに当該スライスのスライスデータが復号される(ステップS216)。
復号制御部160は、符号化ストリームの終了を監視し、符号化ストリームが終了するまでこのような復号処理を繰り返す(ステップS218)。次のピクチャが存在する場合には、処理はステップS200へ戻る。符号化ストリームの終了が検出された場合には、図20に示した復号処理は終了する。
[4−2.APS復号処理]
図21は、図20のステップS210に相当するAPS復号処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、説明の簡明さのために、パラメータのグループ化に関連する主な処理ステップのみを示している。
図21を参照すると、まず、復号部165は、APS内のグループ別存在フラグを復号する(ステップS230)。グループ別存在フラグは、例えば上述した“aps_adaptive_loop_filter_flag”、“aps_sample_adaptive_offset_flag”及び“aps_qmatrix_flag”に相当し、パラメータをグループ化するグループごとに復号され得る。
次に、復号制御部160は、パラメータの復号にCABAC方式を用いるかを判定する(ステップS232)。そして、CABAC方式が用いられる場合には、復号部165は、CABAC関連パラメータを復号する(ステップS234)。
次に、復号制御部160は、グループ別存在フラグの値に基づいて、当該APS内にALF関連パラメータが存在するかを判定する(ステップS236)。ここで、ALF関連パラメータが存在する場合には、復号部165は、ALF関連パラメータを復号し(ステップS238)、復号したALF関連パラメータをSUB_ALF IDと関連付ける(ステップS240)。
次に、復号制御部160は、グループ別存在フラグの値に基づいて、当該APS内にSAO関連パラメータが存在するかを判定する(ステップS242)。ここで、SAO関連パラメータが存在する場合には、復号部165は、SAO関連パラメータを復号し(ステップS244)、復号したSAO関連パラメータをSUB_SAO IDと関連付ける(ステップS246)。
次に、復号制御部160は、グループ別存在フラグの値に基づいて、当該APS内にQM関連パラメータが存在するかを判定する(ステップS248)。ここで、QM関連パラメータが存在する場合には、復号部165は、QM関連パラメータを復号し(ステップS250)、復号したQM関連パラメータをSUB_QM IDと関連付ける(ステップS252)。
図21には示していないものの、復号部165は、複数の補助識別子の組合せに関連付けられる組合せIDが当該APS内で符号化されている場合には、さらに当該組合せIDを復号してもよい。
[4−3.スライスヘッダ復号処理]
図22は、図20のステップS214に相当するスライスヘッダ復号処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、説明の簡明さのために、グループ化されたパラメータの参照に関連する主な処理ステップのみを示している。
図22を参照すると、まず、復号制御部160は、符号化ツールとしてALFが有効であるかを判定する(ステップS260)。復号ツールが有効であるか否かは、例えば、復号ツールごとにSPS内で特定される上述した有効フラグの値から判定され得る。ALFが有効である場合には、復号部165は、参照すべきALF関連パラメータに付与された補助識別子を示す参照SUB_ALF IDをスライスヘッダから復号する(ステップS262)。そして、設定部170は、復号された参照SUB_ALF IDに適合するSUB_ALF IDと関連付けられているALF関連パラメータを、当該スライスに設定する(ステップS264)。
次に、復号制御部160は、符号化ツールとしてSAOが有効であるかを判定する(ステップS266)。SAOが有効である場合には、復号部165は、参照すべきSAO関連パラメータに付与された補助識別子を示す参照SUB_SAO IDをスライスヘッダから復号する(ステップS268)。そして、設定部170は、復号された参照SUB_SAO IDに適合するSUB_SAO IDと関連付けられているSAO関連パラメータを、当該スライスに設定する(ステップS270)。
次に、復号制御部160は、符号化ツールとして量子化行列の指定が有効であるかを判定する(ステップS272)。量子化行列の指定が有効である場合には、復号部165は、参照すべきQM関連パラメータに付与された補助識別子を示す参照SUB_QM IDをスライスヘッダから復号する(ステップS274)。そして、設定部170は、復号された参照SUB_QM IDに適合するSUB_QM IDと関連付けられているQM関連パラメータを、当該スライスに設定する(ステップS276)。
<5.様々なコーデックへの適用>
本開示に係る技術は、画像の符号化及び復号に関連する様々なコーデックに適用可能である。本節では、本開示に係る技術がマルチビューコーデック及びスケーラブルコーデックにそれぞれ適用される例について説明する。
[5−1.マルチビューコーデック]
マルチビューコーデックは、いわゆる多視点映像を符号化し及び復号するための画像符号化方式である。図23は、マルチビューコーデックについて説明するための説明図である。図23を参照すると、3つの視点においてそれぞれ撮影される3つのビューのフレームのシーケンスが示されている。各ビューには、ビューID(view_id)が付与される。これら複数のビューのうちいずれか1つのビューが、ベースビュー(base view)に指定される。ベースビュー以外のビューは、ノンベースビューと呼ばれる。図23の例では、ビューIDが“0”であるビューがベースビューであり、ビューIDが“1”又は“2”である2つのビューがノンベースビューである。これらマルチビューの画像データを符号化する際、ベースビューのフレームについての符号化情報に基づいてノンベースビューのフレームを符号化することにより、全体としての符号化ストリームのデータサイズが圧縮され得る。
上述したマルチビューコーデックに従った符号化処理において、符号化ストリームのAPS内に、APS IDとは異なる補助識別子と、当該補助識別子により識別されるパラメータグループとが挿入される。マルチビューコーデックに従った復号処理において、当該補助識別子が符号化ストリームのAPSから取得され、上記パラメータグループ内のパラメータへの参照が、取得された補助識別子を用いて行われる。各ビューで利用される制御パラメータは、ビューごとに設定されてもよい。また、ベースビューにおいて設定された制御パラメータが、ノンベースビューにおいて再利用されてもよい。また、ビュー間で制御パラメータが再利用されるか否かを示すフラグが、追加的に指定されてもよい。
図24は、上述した画像符号化処理のマルチビューコーデックへの適用について説明するための説明図である。図24を参照すると、一例としてのマルチビュー符号化装置610の構成が示されている。マルチビュー符号化装置610は、第1符号化部620、第2符号化部630及び多重化部640を備える。
第1符号化部620は、ベースビュー画像を符号化し、ベースビューの符号化ストリームを生成する。第2符号化部630は、ノンベースビュー画像を符号化し、ノンベースビューの符号化ストリームを生成する。多重化部640は、第1符号化部620により生成されるベースビューの符号化ストリームと、第2符号化部630により生成される1つ以上のノンベースビューの符号化ストリームとを多重化し、マルチビューの多重化ストリームを生成する。
図24に例示した第1符号化部620及び第2符号化部630は、上述した実施形態に係る画像符号化装置10と同等の構成を有する。それにより、各ビューの符号化ストリームのAPS内で、パラメータをパラメータグループにグループ化することができる。
図25は、上述した画像復号処理のマルチビューコーデックへの適用について説明するための説明図である。図25を参照すると、一例としてのマルチビュー復号装置660の構成が示されている。マルチビュー復号装置660は、逆多重化部670、第1復号部680及び第2復号部690を備える。
逆多重化部670は、マルチビューの多重化ストリームをベースビューの符号化ストリーム及び1つ以上のノンベースビューの符号化ストリームに逆多重化する。第1復号部680は、ベースビューの符号化ストリームからベースビュー画像を復号する。第2復号部690は、ノンベースビューの符号化ストリームからノンベースビュー画像を復号する。
図25に例示した第1復号部680及び第2復号部690は、上述した実施形態に係る画像復号装置60と同等の構成を有する。それにより、各ビューの符号化ストリームのAPS内のパラメータにパラメータグループ単位でアクセスして、各ビューの画像を復号することができる。
[5−2.スケーラブルコーデック]
スケーラブルコーデックは、いわゆる階層符号化を実現するための画像符号化方式である。図26は、スケーラブルコーデックについて説明するための説明図である。図26を参照すると、空間解像度、時間解像度又は画質の異なる3つのレイヤのフレームのシーケンスが示されている。各レイヤには、レイヤID(layer_id)が付与される。これら複数のレイヤのうち、最も解像度(又は画質)の低いレイヤが、ベースレイヤ(base layer)である。ベースレイヤ以外のレイヤは、エンハンスメントレイヤと呼ばれる。図26の例では、レイヤIDが“0”であるレイヤがベースレイヤであり、レイヤIDが“1”又は“2”である2つのレイヤがエンハンスメントレイヤである。これらマルチレイヤの画像データを符号化する際、ベースレイヤのフレームについての符号化情報に基づいてエンハンスメントレイヤのフレームを符号化することにより、全体としての符号化ストリームのデータサイズが圧縮され得る。
上述したスケーラブルコーデックに従った符号化処理において、符号化ストリームのAPS内に、APS IDとは異なる補助識別子と、当該補助識別子により識別されるパラメータグループとが挿入される。スケーラブルコーデックに従った復号処理において、当該補助識別子が符号化ストリームのAPSから取得され、上記パラメータグループ内のパラメータへの参照が、取得された補助識別子を用いて行われる。各レイヤで利用される制御パラメータは、レイヤごとに設定されてもよい。また、ベースレイヤにおいて設定された制御パラメータが、エンハンスメントレイヤにおいて再利用されてもよい。また、レイヤ間で制御パラメータが再利用されるか否かを示すフラグが、追加的に指定されてもよい。
図27は、上述した画像符号化処理のスケーラブルコーデックへの適用について説明するための説明図である。図27を参照すると、一例としてのスケーラブル符号化装置710の構成が示されている。スケーラブル符号化装置710は、第1符号化部720、第2符号化部730及び多重化部740を備える。
第1符号化部720は、ベースレイヤ画像を符号化し、ベースレイヤの符号化ストリームを生成する。第2符号化部730は、エンハンスメントレイヤ画像を符号化し、エンハンスメントレイヤの符号化ストリームを生成する。多重化部740は、第1符号化部720により生成されるベースレイヤの符号化ストリームと、第2符号化部730により生成される1つ以上のエンハンスメントレイヤの符号化ストリームとを多重化し、マルチレイヤの多重化ストリームを生成する。
図27に例示した第1符号化部720及び第2符号化部730は、上述した実施形態に係る画像符号化装置10と同等の構成を有する。それにより、各レイヤの符号化ストリームのAPS内で、パラメータをパラメータグループにグループ化することができる。
図28は、上述した画像復号処理のスケーラブルコーデックへの適用について説明するための説明図である。図28を参照すると、一例としてのスケーラブル復号装置760の構成が示されている。スケーラブル復号装置760は、逆多重化部770、第1復号部780及び第2復号部790を備える。
逆多重化部770は、マルチレイヤの多重化ストリームをベースレイヤの符号化ストリーム及び1つ以上のエンハンスメントレイヤの符号化ストリームに逆多重化する。第1復号部780は、ベースレイヤの符号化ストリームからベースレイヤ画像を復号する。第2復号部790は、エンハンスメントレイヤの符号化ストリームからエンハンスメントレイヤ画像を復号する。
図28に例示した第1復号部780及び第2復号部790は、上述した実施形態に係る画像復号装置60と同等の構成を有する。それにより、各レイヤの符号化ストリームのAPS内のパラメータにパラメータグループ単位でアクセスして、各ビューの画像を復号することができる。
<6.応用例>
上述した実施形態に係る画像符号化装置10及び画像復号装置60は、衛星放送、ケーブルTVなどの有線放送、インターネット上での配信、及びセルラー通信による端末への配信などにおける送信機若しくは受信機、光ディスク、磁気ディスク及びフラッシュメモリなどの媒体に画像を記録する記録装置、又は、これら記憶媒体から画像を再生する再生装置などの様々な電子機器に応用され得る。以下、4つの応用例について説明する。
[6−1.第1の応用例]
図29は、上述した実施形態を適用したテレビジョン装置の概略的な構成の一例を示している。テレビジョン装置900は、アンテナ901、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、表示部906、音声信号処理部907、スピーカ908、外部インタフェース909、制御部910、ユーザインタフェース911、及びバス912を備える。
チューナ902は、アンテナ901を介して受信される放送信号から所望のチャンネルの信号を抽出し、抽出した信号を復調する。そして、チューナ902は、復調により得られた符号化ビットストリームをデマルチプレクサ903へ出力する。即ち、チューナ902は、画像が符号化されている符号化ストリームを受信する、テレビジョン装置900における伝送手段としての役割を有する。
デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームから視聴対象の番組の映像ストリーム及び音声ストリームを分離し、分離した各ストリームをデコーダ904へ出力する。また、デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームからEPG(Electronic Program Guide)などの補助的なデータを抽出し、抽出したデータを制御部910に供給する。なお、デマルチプレクサ903は、符号化ビットストリームがスクランブルされている場合には、デスクランブルを行ってもよい。
デコーダ904は、デマルチプレクサ903から入力される映像ストリーム及び音声ストリームを復号する。そして、デコーダ904は、復号処理により生成される映像データを映像信号処理部905へ出力する。また、デコーダ904は、復号処理により生成される音声データを音声信号処理部907へ出力する。
映像信号処理部905は、デコーダ904から入力される映像データを再生し、表示部906に映像を表示させる。また、映像信号処理部905は、ネットワークを介して供給されるアプリケーション画面を表示部906に表示させてもよい。また、映像信号処理部905は、映像データについて、設定に応じて、例えばノイズ除去などの追加的な処理を行ってもよい。さらに、映像信号処理部905は、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUI(Graphical User Interface)の画像を生成し、生成した画像を出力画像に重畳してもよい。
表示部906は、映像信号処理部905から供給される駆動信号により駆動され、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又はOLEDなど)の映像面上に映像又は画像を表示する。
音声信号処理部907は、デコーダ904から入力される音声データについてD/A変換及び増幅などの再生処理を行い、スピーカ908から音声を出力させる。また、音声信号処理部907は、音声データについてノイズ除去などの追加的な処理を行ってもよい。
外部インタフェース909は、テレビジョン装置900と外部機器又はネットワークとを接続するためのインタフェースである。例えば、外部インタフェース909を介して受信される映像ストリーム又は音声ストリームが、デコーダ904により復号されてもよい。即ち、外部インタフェース909もまた、画像が符号化されている符号化ストリームを受信する、テレビジョン装置900における伝送手段としての役割を有する。
制御部910は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、並びにRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、プログラムデータ、EPGデータ、及びネットワークを介して取得されるデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、テレビジョン装置900の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース911から入力される操作信号に応じて、テレビジョン装置900の動作を制御する。
ユーザインタフェース911は、制御部910と接続される。ユーザインタフェース911は、例えば、ユーザがテレビジョン装置900を操作するためのボタン及びスイッチ、並びに遠隔制御信号の受信部などを有する。ユーザインタフェース911は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部910へ出力する。
バス912は、チューナ902、デマルチプレクサ903、デコーダ904、映像信号処理部905、音声信号処理部907、外部インタフェース909及び制御部910を相互に接続する。
このように構成されたテレビジョン装置900において、デコーダ904は、上述した実施形態に係る画像復号装置60の機能を有する。従って、テレビジョン装置900での画像の復号に際して、パラメータの冗長な伝送を回避して符号化効率を向上することができる。
[6−2.第2の応用例]
図30は、上述した実施形態を適用した携帯電話機の概略的な構成の一例を示している。携帯電話機920は、アンテナ921、通信部922、音声コーデック923、スピーカ924、マイクロホン925、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、制御部931、操作部932、及びバス933を備える。
アンテナ921は、通信部922に接続される。スピーカ924及びマイクロホン925は、音声コーデック923に接続される。操作部932は、制御部931に接続される。バス933は、通信部922、音声コーデック923、カメラ部926、画像処理部927、多重分離部928、記録再生部929、表示部930、及び制御部931を相互に接続する。
携帯電話機920は、音声通話モード、データ通信モード、撮影モード及びテレビ電話モードを含む様々な動作モードで、音声信号の送受信、電子メール又は画像データの送受信、画像の撮像、及びデータの記録などの動作を行う。
音声通話モードにおいて、マイクロホン925により生成されるアナログ音声信号は、音声コーデック923に供給される。音声コーデック923は、アナログ音声信号を音声データへ変換し、変換された音声データをA/D変換し圧縮する。そして、音声コーデック923は、圧縮後の音声データを通信部922へ出力する。通信部922は、音声データを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号をアンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号して音声データを生成し、生成した音声データを音声コーデック923へ出力する。音声コーデック923は、音声データを伸張し及びD/A変換し、アナログ音声信号を生成する。そして、音声コーデック923は、生成した音声信号をスピーカ924に供給して音声を出力させる。
また、データ通信モードにおいて、例えば、制御部931は、操作部932を介するユーザによる操作に応じて、電子メールを構成する文字データを生成する。また、制御部931は、文字を表示部930に表示させる。また、制御部931は、操作部932を介するユーザからの送信指示に応じて電子メールデータを生成し、生成した電子メールデータを通信部922へ出力する。通信部922は、電子メールデータを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号をアンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号して電子メールデータを復元し、復元した電子メールデータを制御部931へ出力する。制御部931は、表示部930に電子メールの内容を表示させると共に、電子メールデータを記録再生部929の記憶媒体に記憶させる。
記録再生部929は、読み書き可能な任意の記憶媒体を有する。例えば、記憶媒体は、RAM又はフラッシュメモリなどの内蔵型の記憶媒体であってもよく、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、USBメモリ、又はメモリカードなどの外部装着型の記憶媒体であってもよい。
また、撮影モードにおいて、例えば、カメラ部926は、被写体を撮像して画像データを生成し、生成した画像データを画像処理部927へ出力する。画像処理部927は、カメラ部926から入力される画像データを符号化し、符号化ストリームを記録再生部929の記憶媒体に記憶させる。
また、テレビ電話モードにおいて、例えば、多重分離部928は、画像処理部927により符号化された映像ストリームと、音声コーデック923から入力される音声ストリームとを多重化し、多重化したストリームを通信部922へ出力する。通信部922は、ストリームを符号化及び変調し、送信信号を生成する。そして、通信部922は、生成した送信信号をアンテナ921を介して基地局(図示せず)へ送信する。また、通信部922は、アンテナ921を介して受信される無線信号を増幅し及び周波数変換し、受信信号を取得する。これら送信信号及び受信信号には、符号化ビットストリームが含まれ得る。そして、通信部922は、受信信号を復調及び復号してストリームを復元し、復元したストリームを多重分離部928へ出力する。多重分離部928は、入力されるストリームから映像ストリーム及び音声ストリームを分離し、映像ストリームを画像処理部927、音声ストリームを音声コーデック923へ出力する。画像処理部927は、映像ストリームを復号し、映像データを生成する。映像データは、表示部930に供給され、表示部930により一連の画像が表示される。音声コーデック923は、音声ストリームを伸張し及びD/A変換し、アナログ音声信号を生成する。そして、音声コーデック923は、生成した音声信号をスピーカ924に供給して音声を出力させる。
このように構成された携帯電話機920において、画像処理部927は、上述した実施形態に係る画像符号化装置10及び画像復号装置60の機能を有する。従って、携帯電話機920での画像の符号化及び復号に際して、パラメータの冗長な伝送を回避して符号化効率を向上することができる。
[6−3.第3の応用例]
図31は、上述した実施形態を適用した記録再生装置の概略的な構成の一例を示している。記録再生装置940は、例えば、受信した放送番組の音声データ及び映像データを符号化して記録媒体に記録する。また、記録再生装置940は、例えば、他の装置から取得される音声データ及び映像データを符号化して記録媒体に記録してもよい。また、記録再生装置940は、例えば、ユーザの指示に応じて、記録媒体に記録されているデータをモニタ及びスピーカ上で再生する。このとき、記録再生装置940は、音声データ及び映像データを復号する。
記録再生装置940は、チューナ941、外部インタフェース942、エンコーダ943、HDD(Hard Disk Drive)944、ディスクドライブ945、セレクタ946、デコーダ947、OSD(On-Screen Display)948、制御部949、及びユーザインタフェース950を備える。
チューナ941は、アンテナ(図示せず)を介して受信される放送信号から所望のチャンネルの信号を抽出し、抽出した信号を復調する。そして、チューナ941は、復調により得られた符号化ビットストリームをセレクタ946へ出力する。即ち、チューナ941は、記録再生装置940における伝送手段としての役割を有する。
外部インタフェース942は、記録再生装置940と外部機器又はネットワークとを接続するためのインタフェースである。外部インタフェース942は、例えば、IEEE1394インタフェース、ネットワークインタフェース、USBインタフェース、又はフラッシュメモリインタフェースなどであってよい。例えば、外部インタフェース942を介して受信される映像データ及び音声データは、エンコーダ943へ入力される。即ち、外部インタフェース942は、記録再生装置940における伝送手段としての役割を有する。
エンコーダ943は、外部インタフェース942から入力される映像データ及び音声データが符号化されていない場合に、映像データ及び音声データを符号化する。そして、エンコーダ943は、符号化ビットストリームをセレクタ946へ出力する。
HDD944は、映像及び音声などのコンテンツデータが圧縮された符号化ビットストリーム、各種プログラム及びその他のデータを内部のハードディスクに記録する。また、HDD944は、映像及び音声の再生時に、これらデータをハードディスクから読み出す。
ディスクドライブ945は、装着されている記録媒体へのデータの記録及び読み出しを行う。ディスクドライブ945に装着される記録媒体は、例えばDVDディスク(DVD−Video、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等)又はBlu−ray(登録商標)ディスクなどであってよい。
セレクタ946は、映像及び音声の記録時には、チューナ941又はエンコーダ943から入力される符号化ビットストリームを選択し、選択した符号化ビットストリームをHDD944又はディスクドライブ945へ出力する。また、セレクタ946は、映像及び音声の再生時には、HDD944又はディスクドライブ945から入力される符号化ビットストリームをデコーダ947へ出力する。
デコーダ947は、符号化ビットストリームを復号し、映像データ及び音声データを生成する。そして、デコーダ947は、生成した映像データをOSD948へ出力する。また、デコーダ904は、生成した音声データを外部のスピーカへ出力する。
OSD948は、デコーダ947から入力される映像データを再生し、映像を表示する。また、OSD948は、表示する映像に、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUIの画像を重畳してもよい。
制御部949は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、及びプログラムデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、記録再生装置940の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース950から入力される操作信号に応じて、記録再生装置940の動作を制御する。
ユーザインタフェース950は、制御部949と接続される。ユーザインタフェース950は、例えば、ユーザが記録再生装置940を操作するためのボタン及びスイッチ、並びに遠隔制御信号の受信部などを有する。ユーザインタフェース950は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部949へ出力する。
このように構成された記録再生装置940において、エンコーダ943は、上述した実施形態に係る画像符号化装置10の機能を有する。また、デコーダ947は、上述した実施形態に係る画像復号装置60の機能を有する。従って、記録再生装置940での画像の符号化及び復号に際して、パラメータの冗長な伝送を回避して符号化効率を向上することができる。
[6−4.第4の応用例]
図32は、上述した実施形態を適用した撮像装置の概略的な構成の一例を示している。撮像装置960は、被写体を撮像して画像を生成し、画像データを符号化して記録媒体に記録する。
撮像装置960は、光学ブロック961、撮像部962、信号処理部963、画像処理部964、表示部965、外部インタフェース966、メモリ967、メディアドライブ968、OSD969、制御部970、ユーザインタフェース971、及びバス972を備える。
光学ブロック961は、撮像部962に接続される。撮像部962は、信号処理部963に接続される。表示部965は、画像処理部964に接続される。ユーザインタフェース971は、制御部970に接続される。バス972は、画像処理部964、外部インタフェース966、メモリ967、メディアドライブ968、OSD969、及び制御部970を相互に接続する。
光学ブロック961は、フォーカスレンズ及び絞り機構などを有する。光学ブロック961は、被写体の光学像を撮像部962の撮像面に結像させる。撮像部962は、CCD又はCMOSなどのイメージセンサを有し、撮像面に結像した光学像を光電変換によって電気信号としての画像信号に変換する。そして、撮像部962は、画像信号を信号処理部963へ出力する。
信号処理部963は、撮像部962から入力される画像信号に対してニー補正、ガンマ補正、色補正などの種々のカメラ信号処理を行う。信号処理部963は、カメラ信号処理後の画像データを画像処理部964へ出力する。
画像処理部964は、信号処理部963から入力される画像データを符号化し、符号化データを生成する。そして、画像処理部964は、生成した符号化データを外部インタフェース966又はメディアドライブ968へ出力する。また、画像処理部964は、外部インタフェース966又はメディアドライブ968から入力される符号化データを復号し、画像データを生成する。そして、画像処理部964は、生成した画像データを表示部965へ出力する。また、画像処理部964は、信号処理部963から入力される画像データを表示部965へ出力して画像を表示させてもよい。また、画像処理部964は、OSD969から取得される表示用データを、表示部965へ出力する画像に重畳してもよい。
OSD969は、例えばメニュー、ボタン又はカーソルなどのGUIの画像を生成して、生成した画像を画像処理部964へ出力する。
外部インタフェース966は、例えばUSB入出力端子として構成される。外部インタフェース966は、例えば、画像の印刷時に、撮像装置960とプリンタとを接続する。また、外部インタフェース966には、必要に応じてドライブが接続される。ドライブには、例えば、磁気ディスク又は光ディスクなどのリムーバブルメディアが装着され、リムーバブルメディアから読み出されるプログラムが、撮像装置960にインストールされ得る。さらに、外部インタフェース966は、LAN又はインターネットなどのネットワークに接続されるネットワークインタフェースとして構成されてもよい。即ち、外部インタフェース966は、撮像装置960における伝送手段としての役割を有する。
メディアドライブ968に装着される記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、又は半導体メモリなどの、読み書き可能な任意のリムーバブルメディアであってよい。また、メディアドライブ968に記録媒体が固定的に装着され、例えば、内蔵型ハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)のような非可搬性の記憶部が構成されてもよい。
制御部970は、CPUなどのプロセッサ、並びにRAM及びROMなどのメモリを有する。メモリは、CPUにより実行されるプログラム、及びプログラムデータなどを記憶する。メモリにより記憶されるプログラムは、例えば、撮像装置960の起動時にCPUにより読み込まれ、実行される。CPUは、プログラムを実行することにより、例えばユーザインタフェース971から入力される操作信号に応じて、撮像装置960の動作を制御する。
ユーザインタフェース971は、制御部970と接続される。ユーザインタフェース971は、例えば、ユーザが撮像装置960を操作するためのボタン及びスイッチなどを有する。ユーザインタフェース971は、これら構成要素を介してユーザによる操作を検出して操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部970へ出力する。
このように構成された撮像装置960において、画像処理部964は、上述した実施形態に係る画像符号化装置10及び画像復号装置60の機能を有する。従って、撮像装置960での画像の符号化及び復号に際して、パラメータの冗長な伝送を回避して符号化効率を向上することができる。
<7.まとめ>
ここまで、図1〜図32を用いて、一実施形態に係る画像符号化装置10及び画像復号装置60について詳細に説明した。上述した実施形態によれば、互いに性質の異なるパラメータを共通的なパラメータセットに含める場合に、パラメータの冗長な伝送が回避される。例えば、あるパラメータセットに含められ得るパラメータが、何らかの基準でグループ化される。各パラメータグループに属するパラメータは、更新の必要性のあるタイミングでのみ、パラメータセット内でパラメータグループ単位で符号化される。各パラメータグループには、パラメータセット識別子とは別に設定される補助識別子が付与される。画像内の各スライスの復号の際には、補助識別子を用いてこれらパラメータが参照される。従って、パラメータセットの種類を増やすことなく、例えば仕様上でその数に制限のあるNALユニットタイプを増やすことなく、互いに性質の異なるパラメータを更新の必要性に応じて柔軟に1つのパラメータセット内で符号化し又は符号化しないことが可能となる。それにより、パラメータの冗長な伝送を回避し、符号化効率を向上することができる。
また、本実施形態では、パラメータをグループ化する基準として、パラメータの更新頻度と関係する基準が用いられ得る。パラメータの更新頻度と関係する基準とは、例えば、パラメータの更新頻度そのもの、関連する符号化ツールの種類又はパラメータの再利用の可能性に応じた基準であってよい。このように、パラメータの更新頻度と関係する基準を用いてパラメータをグループ化することにより、グループを過剰に細分化せずとも、パラメータの更新の必要性に応じた適時かつ効率的なグループ単位でのパラメータの符号化が可能となる。従って、各グループのパラメータを参照するための補助識別子の増加が符号化効率に悪影響を及ぼすことも防止される。
また、各グループのパラメータを参照するために、補助識別子の組合せに関連付けられる組合せIDが用いられる場合には、スライスヘッダの符号量を一層削減することができる。
なお、本明細書では、様々なパラメータが、符号化ストリームのヘッダに多重化されて、符号化側から復号側へ伝送される例について説明した。しかしながら、これらパラメータを伝送する手法はかかる例に限定されない。例えば、各パラメータは、符号化ビットストリームに多重化されることなく、符号化ビットストリームと関連付けられた別個のデータとして伝送され又は記録されてもよい。ここで、「関連付ける」という用語は、ビットストリームに含まれる画像(スライス若しくはブロックなど、画像の一部であってもよい)と当該画像に対応する情報とを復号時にリンクさせ得るようにすることを意味する。即ち、情報は、画像(又はビットストリーム)とは別の伝送路上で伝送されてもよい。また、情報は、画像(又はビットストリーム)とは別の記録媒体(又は同一の記録媒体の別の記録エリア)に記録されてもよい。さらに、情報と画像(又はビットストリーム)とは、例えば、複数フレーム、1フレーム、又はフレーム内の一部分などの任意の単位で互いに関連付けられてよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得する取得部と、
前記取得部により取得される前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号する復号部と、
を備える画像処理装置。
(2)
前記パラメータグループは、前記画像を復号する際の更新頻度に応じてパラメータをグループ化する、前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記パラメータグループは、前記画像を復号する際に使用される符号化ツールに応じてパラメータをグループ化する、前記(1)に記載の画像処理装置。
(4)
前記符号化ツールは、量子化行列、適応ループフィルタ、サンプル適応オフセット及び適応補間フィルタのうちの少なくとも2つを含む、前記(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記パラメータグループは、各パラメータの再利用の可能性に応じてパラメータをグループ化する、前記(1)に記載の画像処理装置。
(6)
前記復号部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内で指定される前記補助識別子を用いて、当該スライスに設定されるパラメータを参照する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(7)
前記取得部は、前記符号化ストリームから、複数の前記補助識別子の組合せに関連付けられる組合せ識別子を取得し、
前記復号部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内で指定される前記組合せ識別子に関連付けられる前記補助識別子を用いて、当該スライスに設定されるパラメータを参照する、
前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(8)
前記パラメータセットは、シーケンスパラメータセット及びピクチャパラメータセットとは異なるNAL(Network Abstraction Layer)ユニットであり、
前記補助識別子は、前記NALユニットを識別するパラメータセット識別子とは異なる識別子である、
前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(9)
前記パラメータセットは、APS(Adaptation Parameter Set)であり、
前記パラメータセット識別子は、APS_IDである、
前記(8)に記載の画像処理装置。
(10)
画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得することと、
取得された前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号することと、
を含む画像処理方法。
(11)
画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを設定する設定部と、
前記画像を符号化することにより生成される符号化ストリームのパラメータセット内に、前記設定部により設定される前記パラメータグループ及び前記補助識別子を挿入する符号化部と、
を備える画像処理装置。
(12)
前記パラメータグループは、前記画像を復号する際の更新頻度に応じてパラメータをグループ化する、前記(11)に記載の画像処理装置。
(13)
前記パラメータグループは、前記画像を復号する際に使用される符号化ツールに応じてパラメータをグループ化する、前記(11)に記載の画像処理装置。
(14)
前記符号化ツールは、量子化行列、適応ループフィルタ、サンプル適応オフセット及び適応補間フィルタのうちの少なくとも2つを含む、前記(13)に記載の画像処理装置。
(15)
前記パラメータグループは、各パラメータの再利用の可能性に応じてパラメータをグループ化する、前記(11)に記載の画像処理装置。
(16)
前記符号化部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内に、当該スライスに設定されるパラメータを参照するために使用される前記補助識別子を挿入する、前記(11)〜(15)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(17)
前記設定部は、複数の前記補助識別子の組合せに関連付けられる組合せ識別子を設定し、
前記符号化部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内に、当該スライスに設定されるパラメータを参照するために使用される前記補助識別子に関連付けられる前記組合せ識別子を挿入する、
前記(11)〜(15)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(18)
前記パラメータセットは、シーケンスパラメータセット及びピクチャパラメータセットとは異なるNAL(Network Abstraction Layer)ユニットであり、
前記補助識別子は、前記NALユニットを識別するパラメータセット識別子とは異なる識別子である、
前記(11)〜(17)のいずれか1項に記載の画像処理装置。
(19)
前記パラメータセットは、APS(Adaptation Parameter Set)であり、
前記パラメータセット識別子は、APS_IDである、
前記(18)に記載の画像処理装置。
(20)
画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを設定することと、
設定された前記パラメータグループ及び前記補助識別子を、前記画像を符号化することにより生成される符号化ストリームのパラメータセット内に挿入することと、
を含む画像処理方法。
10 画像処理装置(画像符号化装置)
60 画像処理装置(画像復号装置)
図10は、第3の手法に従って定義されるAPSのシンタックスの一例を示している。図10の第2行〜第4行において、3つのグループ存在フラグ“aps_adaptive_loop_filter_flag”、“aps_sample_adaptive_offset_flag”及び“aps_qmatrix_flag”が特定される。グループ存在フラグは、各グループに属するパラメータが当該APS内に含まれるか否かを示す。図10の例ではAPS IDはシンタックスから省略されているが、当該APSを識別するためのAPS IDがシンタックス内に追加されてもよい。第12行〜第17行では、ALF関連パラメータが特定される。第13行の“sub_alf_id”は、ALF用の補助識別子である。第18行〜第24行では、SAO関連パラメータが特定される。第19行の“sub_sao_id”は、SAO用の補助識別子である。第25行〜第30行では、QM関連パラメータが特定される。第26行の“sub_qmatrix_id”は、QM用の補助識別子である。
図28に例示した第1復号部780及び第2復号部790は、上述した実施形態に係る画像復号装置60と同等の構成を有する。それにより、各レイヤの符号化ストリームのAPS内のパラメータにパラメータグループ単位でアクセスして、各レイヤの画像を復号することができる。

Claims (20)

  1. 画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得する取得部と、
    前記取得部により取得される前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号する復号部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記パラメータグループは、前記画像を復号する際の更新頻度に応じてパラメータをグループ化する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記パラメータグループは、前記画像を復号する際に使用される符号化ツールに応じてパラメータをグループ化する、請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記符号化ツールは、量子化行列、適応ループフィルタ、サンプル適応オフセット及び適応補間フィルタのうちの少なくとも2つを含む、請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記パラメータグループは、各パラメータの再利用の可能性に応じてパラメータをグループ化する、請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記復号部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内で指定される前記補助識別子を用いて、当該スライスに設定されるパラメータを参照する、請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記取得部は、前記符号化ストリームから、複数の前記補助識別子の組合せに関連付けられる組合せ識別子を取得し、
    前記復号部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内で指定される前記組合せ識別子に関連付けられる前記補助識別子を用いて、当該スライスに設定されるパラメータを参照する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記パラメータセットは、シーケンスパラメータセット及びピクチャパラメータセットとは異なるNAL(Network Abstraction Layer)ユニットであり、
    前記補助識別子は、前記NALユニットを識別するパラメータセット識別子とは異なる識別子である、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記パラメータセットは、APS(Adaptation Parameter Set)であり、
    前記パラメータセット識別子は、APS_IDである、
    請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを、符号化ストリームのパラメータセットから取得することと、
    取得された前記補助識別子を用いて参照される前記パラメータグループ内のパラメータを用いて、前記画像を復号することと、
    を含む画像処理方法。
  11. 画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを設定する設定部と、
    前記画像を符号化することにより生成される符号化ストリームのパラメータセット内に、前記設定部により設定される前記パラメータグループ及び前記補助識別子を挿入する符号化部と、
    を備える画像処理装置。
  12. 前記パラメータグループは、前記画像を復号する際の更新頻度に応じてパラメータをグループ化する、請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記パラメータグループは、前記画像を復号する際に使用される符号化ツールに応じてパラメータをグループ化する、請求項11に記載の画像処理装置。
  14. 前記符号化ツールは、量子化行列、適応ループフィルタ、サンプル適応オフセット及び適応補間フィルタのうちの少なくとも2つを含む、請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記パラメータグループは、各パラメータの再利用の可能性に応じてパラメータをグループ化する、請求項11に記載の画像処理装置。
  16. 前記符号化部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内に、当該スライスに設定されるパラメータを参照するために使用される前記補助識別子を挿入する、請求項11に記載の画像処理装置。
  17. 前記設定部は、複数の前記補助識別子の組合せに関連付けられる組合せ識別子を設定し、
    前記符号化部は、前記符号化ストリームのスライスヘッダ内に、当該スライスに設定されるパラメータを参照するために使用される前記補助識別子に関連付けられる前記組合せ識別子を挿入する、
    請求項11に記載の画像処理装置。
  18. 前記パラメータセットは、シーケンスパラメータセット及びピクチャパラメータセットとは異なるNAL(Network Abstraction Layer)ユニットであり、
    前記補助識別子は、前記NALユニットを識別するパラメータセット識別子とは異なる識別子である、
    請求項11に記載の画像処理装置。
  19. 前記パラメータセットは、APS(Adaptation Parameter Set)であり、
    前記パラメータセット識別子は、APS_IDである、
    請求項18に記載の画像処理装置。
  20. 画像を符号化し又は復号する際に用いられる1つ以上のパラメータを含むパラメータグループと当該パラメータグループを識別する補助識別子とを設定することと、
    設定された前記パラメータグループ及び前記補助識別子を、前記画像を符号化することにより生成される符号化ストリームのパラメータセット内に挿入することと、
    を含む画像処理方法。
JP2013531132A 2011-08-30 2012-05-29 画像処理装置及び画像処理方法 Pending JPWO2013031315A1 (ja)

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