JPWO2012086203A1 - 画像符号化装置、画像復号装置、画像符号化方法及び画像復号方法 - Google Patents

画像符号化装置、画像復号装置、画像符号化方法及び画像復号方法 Download PDF

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Abstract

エンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量をより減少させるため、本発明に係る画像符号化装置(100A)は、対象画像に対して第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成するダウンコンバータ(102A)と、ベース・レイヤー画像を符号化し、復号することにより再構築画像を生成する第1エンコーダ(111A)と、再構築画像に対して第2の値だけビット深度を大きくする処理を施し、当該処理が施された対象画像と再構築画像とに基づいて、ベース・レイヤー画像の画質を上げるためのエンハンスメント・レイヤー画像を生成する減算器(103A)と、エンハンスメント・レイヤー画像を符号化する第2エンコーダ(112A)と、符号化されたベース・レイヤー画像と符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像とを出力する出力部(115)とを備える。

Description

本発明は、画像符号化装置、及び、画像復号装置に関する。特に、ビット深度が所定の大きさよりも大きい画像を対象とした符号化装置及び復号装置に関する。
従来、ディスプレイ装置、撮像装置、画像符号化装置及び画像復号装置等の画像処理装置は、画像を画素と呼ばれる単位で処理する。そして、画素は、緑、赤及び青(RGB)のように、3つの独立した副画素を有する。ディスプレイ装置は、各副画素の強さを制御することにより、画素の色を混成する。各副画素の強さには、様々なレベルがある。レベルの多様性は、ビット深度に依存する。
ビット深度は、1画素あたりの情報容量を示し、より具体的には、1副画素あたりのビット数である。例えば、ビット深度が8ビットである場合、各副画素の強さは、256(2の8乗)のレベルで表現される。そして、ビット深度が10ビットである場合、各副画素の強さは、1024(2の10乗)のレベルで表現される。
また、ビット深度が8ビットである場合、1つの画素における3つの副画素のレベルの組み合わせの数は、256の3乗(16,777,216)である。そして、ビット深度が10ビットである場合、1つの画素における3つの副画素のレベルの組み合わせの数は、1024の3乗(1,073,741,824)である。つまり、ビット深度が10ビットである場合、再現可能な色の数は、ビット深度が8ビットである場合の64倍である。
近年、プロフェッショナル向けのディスプレイ装置は、12ビットまたは16ビットのビット深度で画像を表示できる。また、消費者向けのディスプレイ装置も、8ビットよりも大きいビット深度で画像を表示できる場合がある。
より多くの色を再現できるディスプレイ装置は、より滑らかな色の遷移、及び、より実物に近い色を表示できる。つまり、ビット深度がより大きくなることにより、より滑らかな色の遷移、及び、より実物に近い色が、実現できる。したがって、消費者は、画像が、8ビットのビット深度で表示されることよりも、より大きなビット深度で表示されることを望む。
なお、8ビットのビット深度で表示される画像は、8ビット画像と呼ばれる。同様に、10ビットのビット深度で表示される画像は、10ビット画像と呼ばれる。すなわち、一般に、nビットのビット深度で表示される画像は、nビット画像と呼ばれる。
ここで、より大きなビット深度の画像を出力するために、大量に入手可能な8ビットビデオプロセッサを複数使用して、より大きなビット深度の画像を出力することが考えられる。
ITU−T and ISO/IEC JTC 1, "Advanced video coding for generic audiovisual services," ITU−T Recommendation H.264 and ISO/IEC 14496−10 (MPEG−4 AVC), 2010.
しかしながら、従来技術には、符号化によってデータ量が増大するという課題がある。
例えば、1枚の10ビット画像を、2個の8ビットビデオプロセッサのそれぞれで処理する場合、本来伝送したい10ビット画像よりも多くのデータを伝送しなければならない。その結果、画像を記録媒体に記録する際に必要な記録容量が増加し、又は、ネットワークを通じて画像を伝送する際に必要な帯域が増加してしまう。
そこで、本発明は、ビット深度に制限を有するエンコーダを利用してエンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量を、より減少させる画像符号化装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像符号化装置の一態様は、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する画像符号化装置であって、前記対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が前記所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成するダウンコンバータと、前記ベース・レイヤー画像を符号化し、符号化した前記ベース・レイヤー画像を復号することにより再構築画像を生成する第1エンコーダと、前記再構築画像に対して、第2の値だけビット深度を大きくするシフト量調整処理を施し、前記シフト量調整処理が施された再構築画像と前記対象画像とに基づいて、前記ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、前記ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する減算器と、前記エンハンスメント・レイヤー画像を符号化する第2エンコーダと、符号化された前記ベース・レイヤー画像と、符号化された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを出力する出力部とを備える。
これによると、画像符号化装置は、対象画像が有するビット深度のうち、第2の値分のビットを、ベース・レイヤー画像とは別の画像であるエンハンスメント・レイヤー画像に含める。その結果、後の復号時には、エンハンスメント・レイヤー画像を用いてベース・レイヤー画像の画質を上げることができる。すなわち、画像符号化装置は、生成するエンハンスメント・レイヤー画像として伝送すべきビット量を、第2の値により調整することができる。したがって、エンハンスメント・レイヤー画像として伝送すべきビット量を、第2の値により最適化することにより、画像符号化装置は、ビット深度に制限を有するエンコーダを利用してエンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量を、より減少させることができる。
具体的には、前記減算器は、前記対象画像のビット深度を前記第1の値と前記第2の値との差分である第3の値だけ小さくした画像に含まれる複数の画素の各画素値から、前記シフト量調整処理が施された再構築画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引き、差し引いた結果を表すビット情報のうち、下位から前記所定の大きさの範囲に含まれるビット情報により、前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成するとしてもよい。
これによると、画像符号化装置が備える減算器は、第1の値〜第3の値として示される量だけ画素のビットをシフトさせることにより、エンハンスメント・レイヤー画像を生成することができる。
また、前記減算器は、前記ベース・レイヤー画像、前記対象画像、又は、前記再構築画像が有する特性に基づき、前記第2の値を決定するシフト量決定部を有し、前記出力部は、さらに、前記シフト量決定部により決定された前記第2の値に対応する値を出力するとしてもよい。
これによると、画像符号化装置は、符号化対象である画像信号の特性に応じて、適切に第2の値を決定することができる。その結果、画像のダウンコンバート時における画質とデータサイズとのトレードオフを解消し、画質の劣化を抑制しながらデータサイズを小さくすることができる。
具体的には、前記シフト量決定部は、前記対象画像若しくは前記ベース・レイヤー画像の空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的であるほど、より大きくなるように前記第2の値を決定するとしてもよい。
これによると、空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的な画像ほど、ダウンコンバートに起因する画質の劣化が目立ち易いという知見を利用することにより、適切な第2の値を決定することができる。
なお、さらに、前記出力部は、前記ベース・レイヤー画像が符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、前記エンハンスメント・レイヤー画像が符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化することにより、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームを生成するマルチプレクサとして構成され、前記第1エンコーダと、前記第2エンコーダと、前記マルチプレクサとは、MVCエンコーダとして構成され前記マルチプレクサは、複数の前記対象画像について決定された、前記第2の値に対応する値を、前記MVC方式のビットストリームに付加するとしてもよい。
これによると、既存のMVCエンコーダ及びMVCデコーダ、並びに、MVC構造を有するビットストリームを利用して、画像符号化装置を実施することができる。
なお、前記ダウンコンバータは、前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第1の値だけシフトダウンする前記ダウンコンバート処理により、前記ベース・レイヤー画像を生成し、前記減算器は、前記再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第2の値だけシフトアップし、前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第1の値と前記第2の値との差分だけシフトダウンし、シフトダウンされた前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、シフトアップされた前記再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分から前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成するとしてもよい。
また、前記ダウンコンバータは、前記対象画像のビット深度が前記第1の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算する前記ダウンコンバート処理により、前記ベース・レイヤー画像を生成し、前記減算器は、前記再構築画像のビット深度が前記第2の値だけ大きくなるように、当該再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算し、前記対象画像のビット深度が前記第1の値と前記第2の値との差分だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算し除算された前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、乗算された前記再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分から前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成するとしてもよい。
また、前記減算器は、ビット深度を前記第3の値だけ小さくした前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値から、前記シフト量調整処理が施された前記再構築画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引いた値に、前記エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値を正の値にするための所定の値を加算するとしてもよい。
これによると、ビット演算の結果、エンハンスメント・レイヤー向けの画素値が負の値として算出された場合であっても、画像符号化装置が、画素値として必ず正の値を出力することを保証できる。
本発明に係る画像復号装置の一態様は、ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する画像復号装置であって、前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるベース・レイヤー画像を復号する第1デコーダと、前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像を復号する第2デコーダと、前記ビットストリームから取得した第2の値に基づいて、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを加算することにより、前記対象画像を生成する加算器とを備える。
これによると、画像復号装置は、エンハンスメント・レイヤー画像として伝送すべきビット量として画像符号化装置により決定された第2の値をビットストリームから取得する。その後、画像復号装置は、画像ごとに取得した第2の値を用いて、復号したベース・レイヤー画像の画質を、エンハンスメント・レイヤー画像を用いて向上させることができる。
具体的には、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、前記第2の値だけ大きくするアップコンバート処理を施し、前記アップコンバート処理を施したベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを、互いの画像に含まれる対応する画素の画素値ごとにそれぞれ加算することにより合成し、合成して得られた画像のビット深度を、前記第1の値と前記第2の値との差分である第3の値だけ大きくすることにより、前記対象画像を生成するとしてもよい。
これによると、画像復号装置が備える加算器は、符号化時に各画素に対して行ったビット操作に対応するビット操作を、復号したベース・レイヤー画像及びエンハンスメント・レイヤー画像に対して施すことができる。
また、前記ビットストリームは、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームであり、さらに、復号された前記ベース・レイヤー画像と復号された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを多重化することにより、画像シーケンスを生成するマルチプレクサを備え、前記第1デコーダと、前記第2デコーダと、前記マルチプレクサとは、MVCデコーダとして構成され、前記加算器は、前記MVC方式のビットストリームから前記第2の値を取得するとしてもよい。
これによると、既存のMVCエンコーダ及びMVCデコーダ、並びに、MVC構造を有するビットストリームを利用して、画像復号装置を実施することができる。
なお、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、前記第2の値だけシフトアップし、前記合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、前記第3の値だけシフトアップすることにより、前記対象画像を生成するとしてもよい。
また、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像のビット深度が、前記第2の値だけ大きくなるように、当該ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算し、前記合成してえられた画像のビット深度が前記第3の値だけ大きくなるように、当該合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算することにより、前記対象画像を生成するとしてもよい。
また、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを合成する前に、前記エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値から、符号化時に加算された所定の値を減算するとしてもよい。
なお、本発明は、このような画像符号化装置及び画像復号装置として実現できるだけでなく、画像符号化装置及び画像復号装置に含まれる特徴的な手段をステップとする画像符号化方法及び画像復号方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのはいうまでもない。
さらに、本発明は、このような画像符号化装置及び画像復号装置の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現したり、このような画像符号化装置及び画像復号装置を含む映像システムとして実現したりできる。
本発明により、ビット深度に制限を有するエンコーダを利用してエンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量を、より減少させる画像符号化装置を提供できる。
図1は、本発明の関連技術に係るMVCエンコーダを示す構成図である。 図2は、本発明の関連技術に係るMVCデコーダを示す構成図である。 図3は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置を示す構成図である。 図4は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置の具体的な構成を示す図である。 図5は、本発明の関連技術に係る画像復号装置を示す構成図である。 図6は、本発明の関連技術に係る画像復号装置の具体的な構成を示す図である。 図7は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。 図8は、本発明の関連技術に係る画像復号装置の処理を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置の機能ブロックを示す図である。 図10は、減算器の機能ブロックを示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1に係る画像復号装置の機能ブロックを示す図である。 図12は、加算器の詳細な機能ブロックを示す図である。 図13は、シフト量決定部が、ベース・レイヤー画像の特性に応じて、bの値を決定した結果の一例を示す図である。 図14は、ビットストリームにbの値を含めることにより、画像符号化装置から画像復号装置へbの値を伝送する方法の一例を示す図である。 図15は、本発明の実施の形態2に係る画像符号化装置の機能ブロックを示す図である。 図16は、本発明の実施の形態2に係る画像復号装置の機能ブロックを示す図である。 図17は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成図である。 図18は、デジタル放送用システムの全体構成図である。 図19は、テレビの構成例を示すブロック図である。 図20は、光ディスクである記録メディアに情報の読み書きを行う情報再生/記録部の構成例を示すブロック図である。 図21は、光ディスクである記録メディアの構造例を示す図である。 図22Aは、携帯電話の一例を示す図である。 図22Bは、携帯電話の構成例を示すブロック図である。 図23は、多重化データの構成を示す図である。 図24は、各ストリームが多重化データにおいてどのように多重化されているかを模式的に示す図である。 図25は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかを更に詳しく示した図である。 図26は、多重化データにおけるTSパケットとソースパケットの構造を示す図である。 図27は、PMTのデータ構成を示す図である。 図28は、多重化データ情報の内部構成を示す図である。 図29は、ストリーム属性情報の内部構成を示す図である。 図30は、映像データを識別するステップを示す図である。 図31は、各実施の形態の動画像符号化方法及び動画像復号化方法を実現する集積回路の構成例を示すブロック図である。 図32は、駆動周波数を切り替える構成を示す図である。 図33は、映像データを識別し、駆動周波数を切り替えるステップを示す図である。 図34は、映像データの規格と駆動周波数を対応づけたルックアップテーブルの一例を示す図である。 図35Aは、信号処理部のモジュールを共有化する構成の一例を示す図である。 図35Bは、信号処理部のモジュールを共有化する構成の他の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
まず、本発明の意義を明確にするため、図1〜図8を参照して、本発明の関連技術である国際公開第2011/037933号の特許文献に示される画像符号化装置及び画像復号装置について具体的に説明する。
図1は、典型的なMVCエンコーダを示す構成図である。MVCエンコーダは、多視点映像符号化方法に基づいて、多視点映像を符号化するためのエンコーダである。
MVC(多視点映像符号化:Multiview Video Coding)技術においては、1つのビューは、ベース・ビューとして符号化される(非特許文献1を参照)。ここで、ベース・ビューは、第1ビューとも呼ばれる。そして、他のビューは、ノン・ベース・ビューとして符号化される。ノン・ベース・ビューは、依存ビューまたは第2ビューとも呼ばれる。
符号化されたベース・ビューのビットストリームは、独立して、復号可能である。例えば、ベース・ビューは、3D映像の2Dバージョンを示すために、用いられる。一方、符号化されたノン・ベース・ビューのビットストリームは、独立して、復号可能ではない。ノン・ベース・ビューは、ベース・ビューとともに復号される必要がある。
ノン・ベース・ビューは、ベース・ビューを強化するために用いられる。例えば、左眼の映像に対応したベース・ビューと、右眼の映像に対応したノン・ベース・ビューとを組み合わせることにより、立体的な3D映像の表示が可能になる。
図1に示されたMVCエンコーダ101は、第1エンコーダ111、第2エンコーダ112及びマルチプレクサ113を備える。
第1エンコーダ111は、ベース・ビューに対応する画像であるベース・レイヤー画像D11を受け取る。そして、第1エンコーダ111は、ベース・レイヤー画像D11を符号化することにより、符号化されたベース・レイヤー画像D11であるベース・ビュー・ビットストリームD14を生成する。また、第1エンコーダ111は、符号化されたベース・レイヤー画像D11を復号することにより、再構築画像D13を生成する。再構築画像D13は、ビュー間予測に用いられる。
第2エンコーダ112は、ノン・ベース・ビューに対応する画像であるノン・ベース・レイヤー画像D12を受け取る。そして、第2エンコーダ112は、ノン・ベース・レイヤー画像D12を符号化することにより、符号化されたノン・ベース・レイヤー画像D12であるノン・ベース・ビュー・ビットストリームD15を生成する。このとき、第2エンコーダ112は、再構築画像D13を参照し、ビュー間予測を用いて、ノン・ベース・レイヤー画像D12を符号化してもよい。これにより、符号化効率が向上する。
マルチプレクサ113は、ベース・ビュー・ビットストリームD14と、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD15とを多重化し、MVCビットストリームD16を生成する。典型的には、ベース・ビューを示す部分と、ノン・ベース・ビューを示す部分とが交互になるように、マルチプレクサ113は、MVCビットストリームD16を生成する。
このようにして、MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D11と、ノン・ベース・レイヤー画像D12とを受け取り、それらを符号化して、MVCビットストリームD16を生成する。例えば、MVCエンコーダ101は、3D画像のうち、左眼画像であるベース・レイヤー画像D11と、右眼画像であるノン・ベース・レイヤー画像D12とを符号化することにより、符号化された3D画像をMVCビットストリームD16として、出力できる。
なお、図1に示されたMVCエンコーダ101は、一例である。MVCエンコーダ101は、3つ以上のエンコーダを備えて、3つ以上のビューを符号化してもよい。また、1つのエンコーダが、複数のビューを符号化してもよい。また、MVCエンコーダ101は、ベース・ビュー・ビットストリームD14と、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD15とを多重化せずに、それぞれ別々に出力してもよい。この場合、MVCエンコーダ101は、マルチプレクサ113を備えなくてもよい。
図2は、典型的なMVCデコーダを示す構成図である。MVCデコーダは、多視点映像符号化方法に基づいて符号化された多視点映像を復号するためのデコーダである。図2に示されたMVCデコーダ201は、第1デコーダ211、第2デコーダ212及びマルチプレクサ213を備える。
第1デコーダ211は、ベース・ビュー・ビットストリームD21を受け取る。第1デコーダ211は、図1に示されたMVCビットストリームD16からベース・ビューの部分をベース・ビュー・ビットストリームD21として、読み取ってもよい。そして、第1デコーダ211は、ベース・ビュー・ビットストリームD21から、ベース・レイヤー画像D23を復号する。すなわち、ベース・レイヤー画像D23は、再構築画像D13と同じ画像となる。
第2デコーダ212は、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22を受け取る。第2デコーダ212は、図1に示されたMVCビットストリームD16からノン・ベース・ビューの部分をノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22として、読み取ってもよい。そして、第2デコーダ212は、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22から、ノン・ベース・レイヤー画像D24を復号する。このとき、第2デコーダ212は、ベース・レイヤー画像D23を参照し、ビュー間予測を用いて、ノン・ベース・レイヤー画像D24を復号してもよい。
マルチプレクサ213は、ベース・レイヤー画像D23と、ノン・ベース・レイヤー画像D24とを多重化し、画像シーケンスD25を生成する。典型的には、ベース・ビューを示す部分と、ノン・ベース・ビューを示す部分とが交互になるように、マルチプレクサ213は、画像シーケンスD25を生成する。
このようにして、MVCデコーダ201は、ベース・ビュー・ビットストリームD21と、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22とを受け取り、それらから、ベース・レイヤー画像D23と、ノン・ベース・レイヤー画像D24とを復号し、画像シーケンスD25を生成する。
例えば、MVCデコーダ201は、左眼に対応するベース・ビュー・ビットストリームD21、及び、右眼に対応するノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22から、左眼画像であるベース・レイヤー画像D23、及び、右眼画像であるノン・ベース・レイヤー画像D24を復号する。そして、MVCデコーダ201は、それらを組み合わせた画像シーケンスD25を3D画像として出力できる。
なお、図2に示されたMVCデコーダ201は、図1に示されたMVCエンコーダ101と同様に、一例である。MVCデコーダ201は、3つ以上のデコーダを備えて、3つ以上のビューを復号してもよい。また、1つのデコーダが、複数のビューを復号してもよい。また、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー画像D23と、ノン・ベース・レイヤー画像D24とを多重化せずに、それぞれ別々に出力してもよい。この場合、MVCデコーダ201は、マルチプレクサ213を備えなくてもよい。
また、MVCデコーダ201は、図1に示されたMVCビットストリームD16をベース・ビューの部分とノン・ベース・ビューの部分とに分離するデマルチプレクサを備えてもよい。
図1に示されたMVCエンコーダ101及び図2に示されたMVCデコーダ201は、典型的なMVCエンコーダ及びMVCデコーダである。そのため、MVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201は、8ビットを超えるビット深度の画像を符号化または復号することができない。そこで、本発明の関連技術に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、追加の構成要素を備える。
図3は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置の機能ブロックを示す。図3に示される画像符号化装置は、図1に示されたMVCエンコーダ101、ダウンコンバータ102及び減算器103を備える。
ダウンコンバータ102は、符号化の対象画像である10ビット画像D31をダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32を生成する。
MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32をベース・レイヤー画像として符号化する。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32を復号することにより、8ビット画像である再構築画像D33を生成する。
減算器103は、10ビット画像D31の特性と再構築画像D33の特性との差異から、ベース・レイヤー画像D32を10ビット画像に拡張するためのエンハンスメント・レイヤー画像D34を生成する。ここで用いられる各画像の特性は、例えば、画素値の大きさを示す情報である。
MVCエンコーダ101は、さらに、エンハンスメント・レイヤー画像D34をノン・ベース・レイヤー画像として符号化する。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32、及び、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像D34を、MVCビットストリームD35として、出力する。
図4は、図3に示された画像符号化装置をより具体的に示す図である。以下、図4を用いて、本発明の関連技術に係る画像符号化装置を具体的に説明する。
ダウンコンバータ102は、10ビット画像D31をダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32を生成する。より具体的には、ダウンコンバータ102は、式1に示される演算により、10ビット画像D31をダウンコンバートする。
B(x,y)=(S(x,y)+2)>>2; (式1)
ここで、(x,y)は、画素位置を示す。B(x,y)は、ベース・レイヤー画像D32の画素値を示す。S(x,y)は、10ビット画像D31の画素値を示す。記号「>>」は、右シフト演算を示す。
つまり、まず、ダウンコンバータ102は、10ビット画像D31の各画素値に2を足す。そして、ダウンコンバータ102は、各画素値を2ビット右にシフトする。これにより、各画素値の下位2ビットが四捨五入され、8ビットのベース・レイヤー画像D32が生成される。
MVCエンコーダ101の第1エンコーダ111は、ベース・レイヤー画像D32をベース・レイヤー画像として符号化することにより、ベース・レイヤー・ビットストリームD36を生成する。そして、第1エンコーダ111は、符号化されたベース・レイヤー画像D32を復号することにより再構築画像D33を生成する。
減算器103は、10ビット画像D31と再構築画像D33との差分から、エンハンスメント・レイヤー画像D34を生成する。より具体的には、減算器103は、式2に示される演算により、10ビット画像D31と再構築画像D33との差分を求める。
E(x,y)=S(x,y)−(Br(x,y)<<2)+128; (式2)
ここで、(x,y)は、画素位置を示す。E(x,y)は、エンハンスメント・レイヤー画像D34の画素値を示す。S(x,y)は、10ビット画像D31の画素値を示す。Br(x,y)は、再構築画像D33の画素値を示す。記号「<<」は、左シフト演算を示す。
つまり、まず、減算器103は、再構築画像D33の各画素値を2ビット左にシフトする。これにより、再構築画像D33のビット深度が10ビットに変換される。次に、減算器103は、10ビット画像D31の各画素値から、左にシフトされた各画素値を減算する。そして、減算器103は、減算した結果に128を足す。
ここで、減算器103は、減算した結果に128を足しているが、128に限られず、エンハンスメント・レイヤー画像D34のビット深度によって表現される最大画素値の半分を整数に丸めた値を加算してもよい。また、減算器103は、減算した結果に、エンハンスメント・レイヤー画像D34の各画素値を正の値にするための他の値を足してもよい。
さらに、減算器103は、8ビット画像の範囲[0,255]にE(x,y)をクリップしてもよい。つまり、減算器103は、0よりも小さい画素値を0に変換し、255よりも大きい画素値を255に変換してもよい。
例えば、再構築画像D33に量子化歪みが含まれる場合があるが、量子化歪みは、8ビット画像の画素値の範囲[0,255]に基づいて、大きくても[−32,31]の範囲内であると想定される。そして、この量子化歪みは、左シフト演算によって4倍になった場合でも、[−128,127]の範囲内であり、S(x,y)−(Br(x,y)<<2)によって示される値の範囲は、[−128,127]の範囲内であると想定される。
したがって、減算器103が、上記の差分に128を加えた後、8ビット画像の範囲[0,255]にE(x,y)をクリップしても、その影響は、異常値に限定される。よって、減算器103は、8ビット画像の範囲[0,255]にE(x,y)をクリップすることにより、致命的なエラーのみを除去または隠蔽することができる。
MVCエンコーダ101の第2エンコーダ112は、減算器103によって生成されたエンハンスメント・レイヤー画像D34をノン・ベース・レイヤー画像として符号化する。これにより、第2エンコーダ112は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD37を生成する。このとき、第2エンコーダ112は、再構築画像D33を参照し、ビュー間予測を用いて、エンハンスメント・レイヤー画像D34を符号化してもよい。
なお、再構築画像D33とエンハンスメント・レイヤー画像D34との間に相関関係は、ほとんどない可能性が高い。しかし、ビュー間予測の利用は制限されず、第2エンコーダ112は、ビュー間予測を用いて、エンハンスメント・レイヤー画像D34を符号化してもよい。
そして、MVCエンコーダ101のマルチプレクサ113は、ベース・レイヤー・ビットストリームD36、及び、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD37を多重化して、MVCビットストリームD35を生成する。
図5は、図2に示されたMVCデコーダ201を有する画像復号装置を示す構成図である。図5に示された画像復号装置は、MVCデコーダ201及び加算器202を備える。
MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像を復号する。また、MVCデコーダ201は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からエンハンスメント・レイヤー画像を復号する。そして、MVCデコーダ201は、画像シーケンスD53を生成する。
加算器202は、画像シーケンスD53に含まれるベース・レイヤー画像D54と、画像シーケンスD53に含まれるエンハンスメント・レイヤー画像D55とを合成することにより、復号の対象画像である10ビット画像D56を生成する。
図6は、図5に示された画像復号装置をより具体的に示す図である。以下、図6を用いて、本発明の関連技術に係る画像復号装置を具体的に説明する。
MVCデコーダ201の第1デコーダ211は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像D54を復号する。
MVCデコーダ201の第2デコーダ212は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からエンハンスメント・レイヤー画像D55を復号する。このとき、第2デコーダ212は、ベース・レイヤー画像D54を参照し、ビュー間予測を用いて、エンハンスメント・レイヤー画像D55を復号してもよい。
MVCデコーダ201のマルチプレクサ213は、ベース・レイヤー画像D54及びエンハンスメント・レイヤー画像D55から、画像シーケンスD53を生成する。
加算器202は、画像シーケンスD53に含まれるベース・レイヤー画像D54と、画像シーケンスD53に含まれるエンハンスメント・レイヤー画像D55とを合成することにより、10ビット画像D56を生成する。より具体的には、加算器202は、式3に示される演算により、ベース・レイヤー画像D54とエンハンスメント・レイヤー画像D55とを合成する。
V(x,y)=(Br(x,y)<<2)+(E(x,y)−128); (式3)
ここで、(x,y)は、画素位置を示す。V(x,y)は、10ビット画像D56の画素値を示す。Br(x,y)は、ベース・レイヤー画像D54の画素値を示す。E(x,y)は、エンハンスメント・レイヤー画像D55の画素値を示す。記号「<<」は、左シフト演算を示す。
つまり、まず、加算器202は、ベース・レイヤー画像D54の各画素値を2ビット左にシフトする。これにより、ベース・レイヤー画像D54のビット深度が10ビットに変換される。次に、加算器202は、エンハンスメント・レイヤー画像D55の各画素値から128を引く。次に、加算器202は、10ビットに変換されたベース・レイヤー画像D54の各画素値に、128が引かれたエンハンスメント・レイヤー画像D55の各画素値を加算する。
ここで、加算器202は、各画素値から128を引いているが、128に限られず、エンハンスメント・レイヤー画像D55のビット深度によって表現される最大画素値の半分を整数に丸めた値を引いてもよい。また、加算器202は、各画素値から符号化時に加算された値を引いてもよい。
さらに、加算器202は、10ビット画像として許容される範囲にV(x,y)をクリップする。例えば、加算器202は、式4及び式5に示される演算により、V(x,y)をクリップする。
V(x,y)=(V(x,y)>maxV10)?maxV10:V(x,y); (式4)
V(x,y)=(V(x,y)<minV10)?minV10:V(x,y); (式5)
ここで、V=A?B:C;は、条件Aを満たす場合にはVの値をBとし、それ以外の場合には、Vの値をCとすることを意味する。また、maxV10及びminV10は、それぞれ、10ビット画像として、許容される最大値及び最小値である。典型的には、maxV10は、1023であり、minV10は、0である。しかし、maxV10及びminV10に、その他の値が設定されてもよい。
加算器202は、上述の処理を実行することにより、10ビット画像D56を生成する。
図7は、図3に示された画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ダウンコンバータ102は、10ビット画像D31をダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32を生成する(S101)。
次に、MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32をベース・レイヤー画像として符号化する(S102)。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32を復号することにより再構築画像D33を生成する。
次に、減算器103は、10ビット画像D31から再構築画像D33を減算した差分から、エンハンスメント・レイヤー画像D34を生成する(S103)。
次に、MVCエンコーダ101は、エンハンスメント・レイヤー画像D34をノン・ベース・レイヤー画像として符号化する(S104)。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32、及び、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像D34を、MVCビットストリームD35として、出力する。
図8は、図5に示された画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像を復号する(S201)。
次に、MVCデコーダ201は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からエンハンスメント・レイヤー画像を復号する(S202)。そして、MVCデコーダ201は、画像シーケンスD53を生成する。
次に、加算器202は、画像シーケンスD53に含まれるベース・レイヤー画像D54と、画像シーケンスD53に含まれるエンハンスメント・レイヤー画像D55とを加算することにより、10ビット画像D56を生成する(S203)。
以上のように、本発明の関連技術に係る画像符号化装置は、10ビット画像をダウンコンバートすることにより、8ビット画像を生成する。そして、画像符号化装置は、8ビット画像をベース・レイヤー画像として符号化する。また、画像符号化装置は、10ビット画像と8ビット画像との差分値を8ビットのノン・ベース・レイヤー画像として符号化する。これにより、10ビット画像が、8ビット画像であるベース・レイヤー画像と、8ビット画像であるノン・ベース・レイヤー画像とに分割されて符号化される。
また、本発明の関連技術に係る画像復号装置は、8ビット画像であるベース・レイヤー画像と、8ビット画像であるノン・ベース・レイヤー画像とを復号する。そして、画像復号装置は、復号されたベース・レイヤー画像とノン・ベース・レイヤー画像とを合成することにより、10ビット画像を生成する。
なお、本発明の関連技術において、8ビット画像及び10ビット画像が、例として示されたが、ビット深度は、8ビットまたは10ビットに限られない。ビット深度が8ビット及び10ビットとは異なる組み合わせであっても、画像符号化装置及び画像復号装置は、MVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201が符号化または復号できるビット深度よりも大きいビット深度の画像を符号化または復号できる。
しかしながら、例えば、10ビット画像が、8ビット画像であるベース・レイヤー画像と、8ビット画像であるノン・ベース・レイヤー画像とに分割されて符号化される結果、本発明の関連技術によると、伝送すべきデータ量が増加してしまうという課題がある。本発明は、この課題を解決する。
以下、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置について、詳細に説明する。
(実施の形態1)
図9は、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置100の機能ブロックを示す。
図9に示される様に、本実施の形態に係る画像符号化装置100は、MVCエンコーダ101と、ダウンコンバータ102Aと、減算器103とを備える。なお、図4と同一の構成については、詳細な説明は省略する。
画像符号化装置100は、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する画像符号化装置である。以下、画像符号化装置100に入力される対象画像は12ビット画像であるとして説明する。すなわち、図9に示されるD31Aは、12ビット画像である。また、所定のビット深度を8ビットとする。
ダウンコンバータ102Aは、対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成する。具体的には、ダウンコンバータ102Aは、符号化対象の画像である12ビット画像D31Aのビット深度を4ビット分ダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32Aを生成する。
MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32Aを符号化し、符号化したベース・レイヤー画像を復号することにより再構築画像D33Aを生成する。MVCエンコーダ101は、また、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを符号化する。さらに、MVCエンコーダは、符号化されたベース・レイヤー画像と、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像と、その他の付加情報とを出力する出力部としても機能する。
より詳細には、再度図4を参照して、MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32Aを符号化、及び復号する第1エンコーダと、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを符号化する第2エンコーダと、マルチプレクサとを有している。マルチプレクサは、ベース・レイヤー画像D32Aが符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aが符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化することにより、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームであるMVCビットストリームD35Aを生成する。マルチプレクサは、生成したMVCビットストリームD35Aを出力する。
また、第1エンコーダと、第2エンコーダと、マルチプレクサとは、MVCエンコーダとして構成されている。
減算器103Aは、再構築画像に対して、当該対象画像のビット深度が第2の値(bともいう)だけ大きくなるようにビット深度を大きくするシフト量調整処理を施す。その後、シフト量調整処理が施された再構築画像と対象画像とに基づいて、ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する。なお、第2の値は、例えば、0以上かつ第1の値未満の値とすることが考えられる。
次に、図10を参照して、減算器103Aが行う処理について、より詳細に説明する。
図10は、減算器103Aの機能ブロックを示す。減算器103Aは、対象画像のビット深度を第1の値と第2の値との差分である第3の値だけ小さくした画像に含まれる複数の画素の各画素値から、シフト量調整処理が施された再構築画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引き、差し引いた結果を表すビット情報のうち、下位から所定の大きさの範囲に含まれるビット情報により、エンハンスメント・レイヤー画像を生成する。
具体的には、図10に示される様に、減算器103Aは、シフト量決定部151と、所定の値bビットだけビットをシフトアップするビットシフト器152と、4−bビットだけビットをシフトダウンするビットシフト器153と、2入力間で減算処理を行う演算器154と、事前に定められた値の加算処理を行う演算器155とを有する。
なお、第2の値であるbは、第1の値−b=第3の値という関係を満たす定数である。画像符号化装置100は、対象画像、ベース・レイヤー画像、又は、再構築画像に基づいて、例えば当該画像ごとにbの大きさを決定する。
なお、前述のように、減算器103Aはエンハンスメント・レイヤー画像を生成する構成要素であるため、減算器を生成部ともよぶ。
ビットシフト器153は、減算器103Aに入力された12ビット画像D31Aのビット深度を、第3の値である4−bビットだけシフトダウンする。具体的には、12ビット画像D31Aに含まれる複数の画素の各画素値を、4−bビットだけ右にビットシフトする。
また、ビットシフト器152は、減算器103Aに入力された再構築画像D33Aのビット深度を、b(すなわち、第1の値−第3の値)ビットだけシフトアップする。具体的には、再構築画像D33Aに含まれる複数の画素の各画素値を、bビットだけ左にビットシフトする。
その後、演算器154は、ビットシフト器153の出力から、ビットシフト器152の出力を、対応する画素ごとに差し引く。
ここで、ビット深度を第3の値だけ小さくした対象画像に含まれる複数の画素の各画素値から、シフト量調整処理が施された再構築画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引いた値に対して、演算器155が、エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値を正の値にするための所定の値を加算してもよい。図10においては、演算器155が、演算器154の出力に対し、画素ごとに128を加算している。この意味は、本発明の関連技術において説明したとおりである。
最後に、減算器103Aは、演算器155の出力から、画素ごとに下位8ビットを抽出し、8ビットのエンハンスメント・レイヤー画像D34Aを生成する。これは、本実施の形態においては、所定のビット深度を8ビットとするためである。
シフト量決定部151は、対象画像、ベース・レイヤー画像、又は、再構築画像が有する特性に基づいて、第2の値を決定する。また、シフト量決定部151により決定された第2の値(すなわち、bの値)に対応する値は、例えば、MVCエンコーダ101が有するマルチプレクサによって、MVC方式のビットストリームに付加されて出力される。
なお第2の値に対応する値とは、第2の値のほか、画像符号化装置100において第2の値に施した演算の逆演算を画像復号装置200において施すことにより、可逆的に第2の値を算出可能な値を含む。
一般に、ビット深度をダウンコンバート(例えば、ビット切り捨て)した場合において、当該画像を表示した際のアーチファクトは、画像内の比較的複雑でない(すなわち、空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的な)領域においてより顕著となる。これらの領域においては、バンディングのような目に見えるアーチファクトがダウンコンバート後の画像において目立つ。一方で、高密度で複雑な(すなわち、空間周波数成分における高域成分が視覚的により支配的な)領域においては、ビット深度のダウンコンバートによるアーチファクトは目立ちにくい。
シフト量決定部151は、この特性を利用して、アーチファクトの発生と符号化されたデータサイズとのトレードオフを解決できるようにbの値を決定する。具体的には、シフト量決定部151は、輝度変化が複雑な画像に対しては、bの値をより小さく決定する。また、輝度変化が単純な画像に対しては、bの値をより大きく決定する。
すなわち、シフト量決定部151は、ベース・レイヤー画像の空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的な場合ほど、より大きくなるように第2の値であるbを決定する。
その結果、画像符号化装置100Aは、12ビット画像D31Aに含まれる情報量のうち、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aとして伝送されるべき情報量を、視覚的に目立たない範囲で減少させることができる。
例えば、図10を参照して、b=4(すなわち、第3の値を0)とした場合、12ビット画像D31Aに含まれる画素ごとの下位4ビット分の情報を、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aは含む。一方、b=0(すなわち、第3の値を4)とした場合、12ビット画像D31Aに含まれる情報を、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aは含まない。
なお、正確には、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aは、12ビット画像D31Aに含まれる画像情報の一部に加え、符号化前の画像と符号化後の画像との差分である圧縮歪みを示す情報も含む。したがって、b=0の場合においても、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを生成することは、後述する画像復号装置へ圧縮歪みを示す情報を伝送する手段として有用である。
なお、ダウンコンバータ102A及び減算器103Aが、画像のビット深度を調整することにより、ベース・レイヤー画像D32A及びエンハンスメント・レイヤー画像D34Aをそれぞれ生成する方法には、任意の方法が使用できる。
例えば、図10の説明において述べたように、ダウンコンバータ102Aは、対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを第1の値だけシフトダウンするダウンコンバート処理により、ベース・レイヤー画像を生成してもよい。同様に、減算器103Aは、対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを第3の値だけシフトダウンし、再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを第2の値だけシフトアップしてもよい。この場合、減算器103Aは、ビットをシフトダウンされた対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、ビットをシフトアップされた再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分からエンハンスメント・レイヤー画像を生成してもよい。
又は、ダウンコンバータ102Aは、対象画像のビット深度が第1の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算するダウンコンバート処理により、ベース・レイヤー画像を生成してもよい。同様に、減算器103Aは、対象画像のビット深度が第3の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算し、再構築画像のビット深度が第2の値だけ大きくなるように、当該再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算してもよい。この場合、減算器103Aは、除算された対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、乗算された再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分からエンハンスメント・レイヤー画像を生成してもよい。
以上、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置100について説明した。
次に、図11及び図12を参照して、本発明の実施の形態1に係る画像復号装置200について説明する。
図11は、本発明の実施の形態1に係る画像復号装置200の機能ブロックを示す。画像復号装置200は、ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する画像復号装置である。
図11に示される様に、画像復号装置200は、MVCデコーダ201と、加算器202Aとを備える。なお、図6と同じ構成については、詳細な説明は省略する。
MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51Aから、ビット深度が所定の大きさであるベース・レイヤー画像D54Aを復号する。また、MVCデコーダ201は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aから、ビット深度が所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像D55Aを復号する。なお、ベース・レイヤー・ビットストリームD51A及びエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aは、例えば、MVCビットストリームD35Aから、それぞれ分離したものである。また、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー画像D54Aと、エンハンスメント・レイヤー画像D55Aとを、画像シーケンスD53Aとして出力してもよい。
より具体的には、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像D54を復号する第1デコーダと、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からからエンハンスメント・レイヤー画像D55を復号する第2デコーダと、マルチプレクサとを有する。ここで、マルチプレクサは、ベース・レイヤー画像D54と、エンハンスメント・レイヤー画像D55とを多重化することにより、画像シーケンスD53を生成する。また、第1デコーダと、第2デコーダと、マルチプレクサとは、MVCデコーダとして構成されている。
加算器202Aは、第2の値をビットストリームから取得し、取得した第2の値に基づいてベース・レイヤー画像D54Aと、エンハンスメント・レイヤー画像D55Aとを加算することにより、対象画像D56Aを生成する。
例えば、加算器202Aが、MVC方式のビットストリームを取得した場合には、加算器202Aは、当該MVC方式のビットストリームに付加されている第2の値を取得する。その後、第2の値に基づいてベース・レイヤー画像D54Aと、エンハンスメント・レイヤー画像D55Aとを加算する。
図12は、加算器202Aの詳細な機能ブロックを示す。
加算器202Aは、ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、bだけ大きくするアップコンバート処理を施す。言いかえれば、加算器202Aは、ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、第2の値だけ大きくするアップコンバート処理を施す。その後、アップコンバート処理を施したベース・レイヤー画像と、エンハンスメント・レイヤー画像とを、互いの画像に含まれる対応する画素の画素値ごとにそれぞれ加算することにより合成する。さらに、合成して得られた画像のビット深度を、第3の値だけ大きくすることにより、対象画像を生成する。
具体的には、図12に示される様に、加算器202Aは、シフト量取得部251と、所定の値bビットだけビットをシフトアップするビットシフト器252と、事前に定められた値の減算処理を行う演算器253と、2入力間で加算処理を行う加算器254と、4−bビットだけビットをシフトアップするビットシフト器255とを有する。
ビットシフト器252は、加算器202Aに入力された8ビットのベース・レイヤー画像D54Aのビット深度を、bビットだけシフトアップする。具体的には、ベース・レイヤー画像D54Aに含まれる複数の画素の各画素値を、bビットだけ左にビットシフトする。これが、前述のアップコンバート処理に対応する。
その後、加算器254は、ビットシフト器252の出力と、演算器253の出力とを、対応する画素ごとに加算する。
なお、加算器202Aが有する演算器253は、加算器254がベース・レイヤー画像とエンハンスメント・レイヤー画像とを合成する前に、エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値から、符号化時に加算された値(例えば128)を減算する。
最後に、ビットシフト器255は、加算器254によって加算された画像のビット深度を、4−b(すなわち、第3の値)だけシフトアップする。具体的には、合成された画像に含まれる複数の画素の各画素値を、4−bビットだけ左にビットシフトする。その結果、12ビットの対象画像D56Aが生成される。
シフト量取得部251は、例えばエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに付加されている、第2の値に対応する値を取得する。取得した第2の値に対応する値から、シフト量取得部251は、第3の値を取得することができる。例えば、第2の値に対応する値として、第2の値を取得した場合、シフト量取得部251は、第1の値−第2の値として、第3の値を取得することができる。
また、加算器202Aが有するビットシフト器252及びビットシフト器255が、画像のビット深度を調整する方法には、任意の方法が使用できる。
例えば、図12の説明において述べたように、加算器202Aは、ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、第2の値であるbだけシフトアップすることにより、当該ベース・レイヤー画像にアップコンバート処理を施す。また、加算器254により合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、第3の値だけシフトアップする。
又は、加算器202Aは、ベース・レイヤー画像のビット深度が、第2の値だけ大きくなるように、当該ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算することにより、当該ベース・レイヤー画像にアップコンバート処理を施してもよい。また、加算器254により合成してえられた画像のビット深度が第3の値だけ大きくなるように、当該合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算してもよい。
なお、上記の説明においては、8ビットのベース・レイヤー・ビットストリームと、8ビットのエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームから、12ビットの対象画像D56Aを生成することを想定して説明している。しかし、各画像のビット深度は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、図13を参照して、画像符号化装置100が備えるシフト量決定部151によるbの値の決定方法の一例について説明する。
図13は、シフト量決定部151が、ベース・レイヤー画像の特性に応じて、第2の値であるbを決定した結果の一例を示す。
図13においては、シーンごとにbの値が決定されている。なお、シーンとは画像符号化装置100に12ビットのソース映像として入力された連続する複数の画像である。ここでは、シーン1、シーン2、シーン3、及びシーン4に対して、それぞれ、b=0、b=4、b=2、及びb=0が設定されている。なお、後述するように、1つのシーンに含まれるより細かい単位ごとに、異なるbの値を設定してもよい。
図13に示される様に、シーン1及びシーン4においては、12ビットから8ビットにビットを丸めたことによるアーチファクトがベース・レイヤー画像に見られない。したがって、シフト量決定部151は、シーン1及びシーン4には、ベース・レイヤー画像の精度を上げる必要がないと判断し、bの値を0と決定する。
また、シーン3においては、アーチファクトがベース・レイヤー画像に多少見られる。したがって、シフト量決定部151は、シーン3においては、エンハンスメント・レイヤー画像を用いてベース・レイヤー画像の精度を上げる必要があると判断し、bの値を2と決定する。
また、シーン2においては、深刻なアーチファクトがベース・レイヤー画像に見られる。したがって、シフト量決定部151は、シーン3においては、エンハンスメント・レイヤー画像を用いてベース・レイヤー画像の精度を最大限上げる必要があると判断し、bの値を4と決定する。
こうしてシフト量決定部151によって決定されたbの値は、画像符号化装置100においてエンハンスメント・レイヤー画像の生成に使用される。また、復号のため、画像復号装置200に伝送される。
図14は、ビットストリームにbの値を含めることにより、画像符号化装置100から画像復号装置200へbの値を伝送する方法の一例を示す。ここでは、高ビット深度のビデオアプリケーション向け12ビット映像を配信するためのMVC構造(例えば、ステレオハイプロファイル)を使用する。
図14に示される様に、ベース・レイヤー・ビットストリーム(以下、BLストリームともいう)は、MVC構造におけるベース・ビューのビットストリームとして伝送される。また、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリーム(以下、ELストリームともいう)は、MVC構造におけるノン・ベース・ビューのビットストリームとして伝送される。さらに、ELストリームは、複数のユニット(図14においては、Unit1〜UnitU)に分割されている。ここで、ユニットへの分割方法は任意の方法が使用できる。例えば、GOP(Group Of Pictures)を単位として、ELストリームをユニットに分割してもよい。
ここで、画像符号化装置100は、各ユニットの先頭に、当該ユニットに含まれる複数の画像のビットストリームに対するビットシフト数(すなわち、bの値)をメタデータとして付加することにより、画像復号装置200へbの値を伝送する。例えば図14においては、Unit2に含まれる9つの画像のビットストリーム(EL pic0 ストリーム〜EL pic8 ストリーム)のそれぞれに対応するbの値(b0〜b8)を含むメタデータが、ユニット2の先頭(例えばピクチャヘッダ)に付加されている。
なお、メタデータ内において、bの値は互いに異なっていてもよい。また、メタデータに含まれるbの並び順は、図14に示される様に、対応するELユニットに含まれる画像のビットストリームの並び順と揃えてもよいが、これに限られない。例えば、アプリケーション特有の順番であっても、bの値と画像のビットストリームとの対応関係が示される方式であれば、bは任意の並び順で付加されてもよい。
より具体的には、画像符号化装置100が備えるMVCエンコーダ101がシフト量決定部151からbの値を取得し、MVCエンコーダ101が有するマルチプレクサによって、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームにbの値に対応する値を含めてもよい。
この場合、画像復号装置200が有するシフト量取得部251が、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームからbの値を取得し、加算器202Aにおいて、対象画像を生成する処理に使用することが考えられる。
以上述べたように、本実施の形態に係る画像符号化装置100及び画像復号装置200によれば、ビデオシーケンスにおける画像の信号特性に応じて可変なビットシフト数を使用してエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームを効率的に送信することができる。これによると、大量に入手可能な8ビットビデオプロセッサを用いて、高ビット深度ビデオを配信する際に伝送すべきデータ量を、より減少させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る画像符号化装置100及び画像復号装置200は、それぞれMVCエンコーダ及びMVCデコーダを備えていた。しかし、本発明は、MVC方式のビットストリーム以外のビットストリームに対しても適用できる。
図15は、本発明の実施の形態2に係る画像符号化装置100Aの機能ブロックを示す。なお、図9に示す画像符号化装置100と同じ構成要素については、詳細な説明を省略する。
図15に示される様に、画像符号化装置100Aは、MVCエンコーダ101に代わり、第1エンコーダ111Aと、第2エンコーダ112Aと、出力部115とを備える。ここで、第1エンコーダ111Aは、ベース・レイヤー画像D32Aを符号化、及び復号する。また、第2エンコーダ112Aは、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを符号化する。
出力部115は、符号化されたベース・レイヤー画像D32Aであるベース・レイヤー・ビットストリームと、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像D34Aであるエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを出力する。このとき、出力部115は、ベース・レイヤー・ビットストリームとエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化して、MVCビットストリームD35Aとして出力してもよい。さらに、出力部115は、シフト量決定部151が決定したbの値に対応する値を、ベース・レイヤー・ビットストリーム又はエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに含めて出力してもよい。
なお、本実施の形態に係る出力部115を、ベース・レイヤー画像が符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、エンハンスメント・レイヤー画像が符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームとして多重化して出力するマルチプレクサとして構成したものが、実施の形態1に係るMVCエンコーダ101が有するマルチプレクサである。
一方、図16は、本発明の実施の形態2に係る画像復号装置200Aの機能ブロックを示す。なお、図11に示す画像復号装置200と同じ構成要素については、詳細な説明は省略する。また、図16に示されるベース・レイヤー・ビットストリームD51A及びエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aは、多重化されたMVCビットストリームD35Aから事前に分離されたビットストリームである。
図16に示されるように、画像復号装置200Aは、MVCデコーダ201に代わり、第1デコーダ211Aと、第2デコーダ212Aとを備える。ここで、第1デコーダ211Aは、ベース・レイヤー・ビットストリームD51Aからベース・レイヤー画像D54Aを復号する。また、第2デコーダ212Aは、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からからエンハンスメント・レイヤー画像D55を復号する。
このように、MVCエンコーダ101を備えない画像符号化装置100A及び、MVCデコーダ201を備えない画像復号装置200Aによっても、本発明を実施することができる。
以上、本発明の実施の形態1及び2に係る画像符号化装置について説明したが、本発明に係る画像符号化装置の実施の形態は、これに限られない。
例えば、図10において、減算器103Aが、シフト量決定部151を備えるものとして説明したが、減算器103Aがシフト量決定部151を備えなくてもよい。画像符号化装置100が備える、シフト量決定部151以外の任意の構成要素がbの値を決定してもよい。または、画像符号化装置100は、画像符号化装置100の外にある外部装置から、事前に定められたbの値を取得してもよい。この場合にも、同様の発明の効果を奏する。
また、図12において、加算器202Aが、シフト量取得部251を備えるものとして説明したが、加算器202Aがシフト量取得部251を備えなくてもよい。例えば、画像復号装置200が備える、シフト量取得部251以外の任意の構成要素がbの値を取得してもよい。
また、上記実施の形態においては、MVCエンコーダ101又は出力部115がbの値をエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに付加すると説明した。しかし、MVCエンコーダ101又は出力部115以外の、画像符号化装置が備える構成要素がbの値をビットストリームに付加してもよい。また、bの値を含めるビットストリームは、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに限らない。例えば、ベース・レイヤー・ビットストリームにbの値を付加してもよい。
なお、上記実施の形態において、符号化する対象画像は12ビット画像D31Aとして説明した。しかし、例えば、10ビット又は8ビットなど、任意のビット深度を有する対象画像を画像符号化装置により符号化してもよい。この場合、符号化対象となる画像のビット深度を、一旦12ビットにシフトした後、画像符号化装置へ入力することで、画像符号化装置に変更を加えずに処理することができる。これにより、より歪みの少ないデータとして伝送することができる。
また、b=0である場合にも、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置は有用である。なぜなら、b=0とした場合にも、エンハンスメント・レイヤー画像には圧縮歪みの情報が含まれている。したがって、この圧縮歪みの情報を用いて、ベース・レイヤー画像に対してより歪みの少ない復号処理を施すことが可能となるためである。
具体的には、本発明に係る画像符号化装置は、12ビット画像と8ビット画像との差分の算出に、符号化されたベース・レイヤー画像の再構築画像を用いる。これにより、画像符号化装置は、12ビット画像の符号化において、8ビット画像の符号化における量子化歪みを吸収することができる。
また、本発明に係る画像復号装置は、ベース・レイヤー画像のみを復号することにより、8ビット画像を生成することもできる。これにより、8ビット画像のみを表示できるディスプレイ装置との互換性が維持される。この場合、例えばインターネット上のストレージに保存されたエンハンスメント・レイヤー画像を、ユーザが後からダウンロードできるような、配信サービスを含む映像システムとして、画像符号化装置及び画像復号装置を構成してもよい。これにより、画像復号装置は、記録媒体の形で配布されたベース・レイヤー画像と、ダウンロードして取得したエンハンスメント・レイヤー画像とを取得することにより、記録媒体に記録されている映像を、事後的により高品質の画像として再生することができる。
また、本発明の関連技術において示されたMVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201は、それぞれ単独で、12ビット画像を符号化または復号する能力を持つ必要がない。MVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201にそのような能力がない場合でも、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、12ビット画像を符号化または復号できる。したがって、より大きいビット深度の画像を処理する画像符号化装置または画像復号装置を開発するための費用及び期間が、抑制される。
また、本発明の関連技術において示されたMVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201は、当然、3D画像の符号化または復号に利用することもできる。
また、本発明の関連技術において示された各計算式は、一例であって、他の計算式が用いられてもよい。例えば、前述したように、右シフト演算は、所定の除数で除算することと同じである。また、左シフト演算は、所定の乗数で乗算することと同じである。
また、ダウンコンバータ102Aはダウンコンバートする時に画素値の下位ビットを四捨五入しても、画素値の下位ビットを切捨てても、切り上げてもよい。
(実施の形態3)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)または動画像復号化方法(画像復号方法)の構成を実現するためのプログラムを記憶メディアに記録することにより、上記各実施の形態で示した処理を独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。記憶メディアは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、半導体メモリ等、プログラムを記録できるものであればよい。
さらにここで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)や動画像復号化方法(画像復号方法)の応用例とそれを用いたシステムを説明する。当該システムは、画像符号化方法を用いた画像符号化装置、及び画像復号方法を用いた画像復号装置からなる画像符号化復号装置を有することを特徴とする。システムにおける他の構成について、場合に応じて適切に変更することができる。
図17は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示す図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex106、ex107、ex108、ex109、ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102及び電話網ex104、及び基地局ex106からex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115などの各機器が接続される。
しかし、コンテンツ供給システムex100は図17のような構成に限定されず、いずれかの要素を組合せて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex106からex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。また、各機器が近距離無線等を介して直接相互に接続されていてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器であり、カメラex116はデジタルカメラ等の静止画撮影、動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話ex114は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはLTE(Long Term Evolution)方式、HSPA(High Speed Packet Access)の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
コンテンツ供給システムex100では、カメラex113等が基地局ex109、電話網ex104を通じてストリーミングサーバex103に接続されることで、ライブ配信等が可能になる。ライブ配信では、ユーザがカメラex113を用いて撮影するコンテンツ(例えば、音楽ライブの映像等)に対して上記各実施の形態で説明したように符号化処理を行い(即ち、本発明の画像符号化装置として機能する)、ストリーミングサーバex103に送信する。一方、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して送信されたコンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115等がある。配信されたデータを受信した各機器では、受信したデータを復号化処理して再生する(即ち、本発明の画像復号装置として機能する)。
なお、撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。同様に配信されたデータの復号化処理はクライアントで行っても、ストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。また、カメラex113に限らず、カメラex116で撮影した静止画像及び/または動画像データを、コンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信してもよい。この場合の符号化処理はカメラex116、コンピュータex111、ストリーミングサーバex103のいずれで行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。
また、これら符号化・復号化処理は、一般的にコンピュータex111や各機器が有するLSIex500において処理する。LSIex500は、ワンチップであっても複数チップからなる構成であってもよい。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な何らかの記録メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込み、そのソフトウェアを用いて符号化・復号化処理を行ってもよい。さらに、携帯電話ex114がカメラ付きである場合には、そのカメラで取得した動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex114が有するLSIex500で符号化処理されたデータである。
また、ストリーミングサーバex103は複数のサーバや複数のコンピュータであって、データを分散して処理したり記録したり配信するものであってもよい。
以上のようにして、コンテンツ供給システムex100では、符号化されたデータをクライアントが受信して再生することができる。このようにコンテンツ供給システムex100では、ユーザが送信した情報をリアルタイムでクライアントが受信して復号化し、再生することができ、特別な権利や設備を有さないユーザでも個人放送を実現できる。
なお、コンテンツ供給システムex100の例に限らず、図18に示すように、デジタル放送用システムex200にも、上記各実施の形態の少なくとも動画像符号化装置(画像符号化装置)または動画像復号化装置(画像復号装置)のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex201では映像データに音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星ex202に伝送される。この映像データは上記各実施の形態で説明した動画像符号化方法により符号化されたデータである(即ち、本発明の画像符号化装置によって符号化されたデータである)。これを受けた放送衛星ex202は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナex204が受信する。受信した多重化データを、テレビ(受信機)ex300またはセットトップボックス(STB)ex217等の装置が復号化して再生する(即ち、本発明の画像復号装置として機能する)。
また、DVD、BD等の記録メディアex215に記録した多重化データを読み取り復号化する、または記録メディアex215に映像信号を符号化し、さらに場合によっては音楽信号と多重化して書き込むリーダ/レコーダex218にも上記各実施の形態で示した動画像復号化装置または動画像符号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex219に表示され、多重化データが記録された記録メディアex215により他の装置やシステムにおいて映像信号を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブルex203または衛星/地上波放送のアンテナex204に接続されたセットトップボックスex217内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex219で表示してもよい。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に動画像復号化装置を組み込んでもよい。
図19は、上記各実施の形態で説明した動画像復号化方法及び動画像符号化方法を用いたテレビ(受信機)ex300を示す図である。テレビex300は、上記放送を受信するアンテナex204またはケーブルex203等を介して映像データに音声データが多重化された多重化データを取得、または出力するチューナex301と、受信した多重化データを復調する、または外部に送信する多重化データに変調する変調/復調部ex302と、復調した多重化データを映像データと、音声データとに分離する、または信号処理部ex306で符号化された映像データ、音声データを多重化する多重/分離部ex303を備える。
また、テレビex300は、音声データ、映像データそれぞれを復号化する、またはそれぞれの情報を符号化する音声信号処理部ex304、映像信号処理部ex305(本発明の画像符号化装置または画像復号装置として機能する)を有する信号処理部ex306と、復号化した音声信号を出力するスピーカex307、復号化した映像信号を表示するディスプレイ等の表示部ex308を有する出力部ex309とを有する。さらに、テレビex300は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部ex312等を有するインタフェース部ex317を有する。さらに、テレビex300は、各部を統括的に制御する制御部ex310、各部に電力を供給する電源回路部ex311を有する。インタフェース部ex317は、操作入力部ex312以外に、リーダ/レコーダex218等の外部機器と接続されるブリッジex313、SDカード等の記録メディアex216を装着可能とするためのスロット部ex314、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバex315、電話網と接続するモデムex316等を有していてもよい。なお記録メディアex216は、格納する不揮発性/揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。テレビex300の各部は同期バスを介して互いに接続されている。
まず、テレビex300がアンテナex204等により外部から取得した多重化データを復号化し、再生する構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、CPU等を有する制御部ex310の制御に基づいて、変調/復調部ex302で復調した多重化データを多重/分離部ex303で分離する。さらにテレビex300は、分離した音声データを音声信号処理部ex304で復号化し、分離した映像データを映像信号処理部ex305で上記各実施の形態で説明した復号化方法を用いて復号化する。復号化した音声信号、映像信号は、それぞれ出力部ex309から外部に向けて出力される。出力する際には、音声信号と映像信号が同期して再生するよう、バッファex318、ex319等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。また、テレビex300は、放送等からではなく、磁気/光ディスク、SDカード等の記録メディアex215、ex216から多重化データを読み出してもよい。次に、テレビex300が音声信号や映像信号を符号化し、外部に送信または記録メディア等に書き込む構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、制御部ex310の制御に基づいて、音声信号処理部ex304で音声信号を符号化し、映像信号処理部ex305で映像信号を上記各実施の形態で説明した符号化方法を用いて符号化する。符号化した音声信号、映像信号は多重/分離部ex303で多重化され外部に出力される。多重化する際には、音声信号と映像信号が同期するように、バッファex320、ex321等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。なお、バッファex318、ex319、ex320、ex321は図示しているように複数備えていてもよいし、1つ以上のバッファを共有する構成であってもよい。さらに、図示している以外に、例えば変調/復調部ex302や多重/分離部ex303の間等でもシステムのオーバフロー、アンダーフローを避ける緩衝材としてバッファにデータを蓄積することとしてもよい。
また、テレビex300は、放送等や記録メディア等から音声データ、映像データを取得する以外に、マイクやカメラのAV入力を受け付ける構成を備え、それらから取得したデータに対して符号化処理を行ってもよい。なお、ここではテレビex300は上記の符号化処理、多重化、及び外部出力ができる構成として説明したが、これらの処理を行うことはできず、上記受信、復号化処理、外部出力のみが可能な構成であってもよい。
また、リーダ/レコーダex218で記録メディアから多重化データを読み出す、または書き込む場合には、上記復号化処理または符号化処理はテレビex300、リーダ/レコーダex218のいずれで行ってもよいし、テレビex300とリーダ/レコーダex218が互いに分担して行ってもよい。
一例として、光ディスクからデータの読み込みまたは書き込みをする場合の情報再生/記録部ex400の構成を図20に示す。情報再生/記録部ex400は、以下に説明する要素ex401、ex402、ex403、ex404、ex405、ex406、ex407を備える。光ヘッドex401は、光ディスクである記録メディアex215の記録面にレーザスポットを照射して情報を書き込み、記録メディアex215の記録面からの反射光を検出して情報を読み込む。変調記録部ex402は、光ヘッドex401に内蔵された半導体レーザを電気的に駆動し記録データに応じてレーザ光の変調を行う。再生復調部ex403は、光ヘッドex401に内蔵されたフォトディテクタにより記録面からの反射光を電気的に検出した再生信号を増幅し、記録メディアex215に記録された信号成分を分離して復調し、必要な情報を再生する。バッファex404は、記録メディアex215に記録するための情報及び記録メディアex215から再生した情報を一時的に保持する。ディスクモータex405は記録メディアex215を回転させる。サーボ制御部ex406は、ディスクモータex405の回転駆動を制御しながら光ヘッドex401を所定の情報トラックに移動させ、レーザスポットの追従処理を行う。システム制御部ex407は、情報再生/記録部ex400全体の制御を行う。上記の読み出しや書き込みの処理はシステム制御部ex407が、バッファex404に保持された各種情報を利用し、また必要に応じて新たな情報の生成・追加を行うと共に、変調記録部ex402、再生復調部ex403、サーボ制御部ex406を協調動作させながら、光ヘッドex401を通して、情報の記録再生を行うことにより実現される。システム制御部ex407は例えばマイクロプロセッサで構成され、読み出し書き込みのプログラムを実行することでそれらの処理を実行する。
以上では、光ヘッドex401はレーザスポットを照射するとして説明したが、近接場光を用いてより高密度な記録を行う構成であってもよい。
図21に光ディスクである記録メディアex215の模式図を示す。記録メディアex215の記録面には案内溝(グルーブ)がスパイラル状に形成され、情報トラックex230には、予めグルーブの形状の変化によってディスク上の絶対位置を示す番地情報が記録されている。この番地情報はデータを記録する単位である記録ブロックex231の位置を特定するための情報を含み、記録や再生を行う装置において情報トラックex230を再生し番地情報を読み取ることで記録ブロックを特定することができる。また、記録メディアex215は、データ記録領域ex233、内周領域ex232、外周領域ex234を含んでいる。ユーザデータを記録するために用いる領域がデータ記録領域ex233であり、データ記録領域ex233より内周または外周に配置されている内周領域ex232と外周領域ex234は、ユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。情報再生/記録部ex400は、このような記録メディアex215のデータ記録領域ex233に対して、符号化された音声データ、映像データまたはそれらのデータを多重化した多重化データの読み書きを行う。
以上では、1層のDVD、BD等の光ディスクを例に挙げ説明したが、これらに限ったものではなく、多層構造であって表面以外にも記録可能な光ディスクであってもよい。また、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長の色の光を用いて情報を記録したり、さまざまな角度から異なる情報の層を記録したりなど、多次元的な記録/再生を行う構造の光ディスクであってもよい。
また、デジタル放送用システムex200において、アンテナex205を有する車ex210で衛星ex202等からデータを受信し、車ex210が有するカーナビゲーションex211等の表示装置に動画を再生することも可能である。なお、カーナビゲーションex211の構成は例えば図19に示す構成のうち、GPS受信部を加えた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111や携帯電話ex114等でも考えられる。
図22Aは、上記実施の形態で説明した動画像復号化方法及び動画像符号化方法を用いた携帯電話ex114を示す図である。携帯電話ex114は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex350、映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex365、カメラ部ex365で撮像した映像、アンテナex350で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex358を備える。携帯電話ex114は、さらに、操作キー部ex366を有する本体部、音声を出力するためのスピーカ等である音声出力部ex357、音声を入力するためのマイク等である音声入力部ex356、撮影した映像、静止画、録音した音声、または受信した映像、静止画、メール等の符号化されたデータ若しくは復号化されたデータを保存するメモリ部ex367、又は同様にデータを保存する記録メディアとのインタフェース部であるスロット部ex364を備える。
さらに、携帯電話ex114の構成例について、図22Bを用いて説明する。携帯電話ex114は、表示部ex358及び操作キー部ex366を備えた本体部の各部を統括的に制御する主制御部ex360に対して、電源回路部ex361、操作入力制御部ex362、映像信号処理部ex355、カメラインタフェース部ex363、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex359、変調/復調部ex352、多重/分離部ex353、音声信号処理部ex354、スロット部ex364、メモリ部ex367がバスex370を介して互いに接続されている。
電源回路部ex361は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話ex114を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex114は、CPU、ROM、RAM等を有する主制御部ex360の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex356で収音した音声信号を音声信号処理部ex354でデジタル音声信号に変換し、これを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理し、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。また携帯電話ex114は、音声通話モード時にアンテナex350を介して受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログデジタル変換処理を施し、変調/復調部ex352でスペクトラム逆拡散処理し、音声信号処理部ex354でアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex357から出力する。
さらにデータ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キー部ex366等の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex362を介して主制御部ex360に送出される。主制御部ex360は、テキストデータを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して基地局ex110へ送信する。電子メールを受信する場合は、受信したデータに対してこのほぼ逆の処理が行われ、表示部ex358に出力される。
データ通信モード時に映像、静止画、または映像と音声を送信する場合、映像信号処理部ex355は、カメラ部ex365から供給された映像信号を上記各実施の形態で示した動画像符号化方法によって圧縮符号化し(即ち、本発明の画像符号化装置として機能する)、符号化された映像データを多重/分離部ex353に送出する。また、音声信号処理部ex354は、映像、静止画等をカメラ部ex365で撮像中に音声入力部ex356で収音した音声信号を符号化し、符号化された音声データを多重/分離部ex353に送出する。
多重/分離部ex353は、映像信号処理部ex355から供給された符号化された映像データと音声信号処理部ex354から供給された符号化された音声データを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変調/復調部(変調/復調回路部)ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、または映像及び若しくは音声が添付された電子メールを受信する場合、アンテナex350を介して受信された多重化データを復号化するために、多重/分離部ex353は、多重化データを分離することにより映像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex370を介して符号化された映像データを映像信号処理部ex355に供給するとともに、符号化された音声データを音声信号処理部ex354に供給する。映像信号処理部ex355は、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法に対応した動画像復号化方法によって復号化することにより映像信号を復号し(即ち、本発明の画像復号装置として機能する)、LCD制御部ex359を介して表示部ex358から、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる映像、静止画が表示される。また音声信号処理部ex354は、音声信号を復号し、音声出力部ex357から音声が出力される。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、テレビex300と同様に、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末という3通りの実装形式が考えられる。さらに、デジタル放送用システムex200において、映像データに音楽データなどが多重化された多重化データを受信、送信するとして説明したが、音声データ以外に映像に関連する文字データなどが多重化されたデータであってもよいし、多重化データではなく映像データ自体であってもよい。
このように、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法あるいは動画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
また、本発明はかかる上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
(実施の形態4)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置と、MPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1など異なる規格に準拠した動画像符号化方法または装置とを、必要に応じて適宜切替えることにより、映像データを生成することも可能である。
ここで、それぞれ異なる規格に準拠する複数の映像データを生成した場合、復号する際に、それぞれの規格に対応した復号方法を選択する必要がある。しかしながら、復号する映像データが、どの規格に準拠するものであるか識別できないため、適切な復号方法を選択することができないという課題を生じる。
この課題を解決するために、映像データに音声データなどを多重化した多重化データは、映像データがどの規格に準拠するものであるかを示す識別情報を含む構成とする。上記各実施の形態で示す動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを含む多重化データの具体的な構成を以下説明する。多重化データは、MPEG−2トランスポートストリーム形式のデジタルストリームである。
図23は、多重化データの構成を示す図である。図23に示すように多重化データは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラフィックスストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の主映像及び副映像を、オーディオストリーム(IG)は映画の主音声部分とその主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。ビデオストリームは、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠した動画像符号化方法または装置によって符号化されている。オーディオストリームは、ドルビーAC−3、Dolby Digital Plus、MLP、DTS、DTS−HD、または、リニアPCMのなどの方式で符号化されている。
多重化データに含まれる各ストリームはPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図24は、多重化データがどのように多重化されるかを模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリームex235、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームex238を、それぞれPESパケット列ex236及びex239に変換し、TSパケットex237及びex240に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリームex241及びインタラクティブグラフィックスex244のデータをそれぞれPESパケット列ex242及びex245に変換し、さらにTSパケットex243及びex246に変換する。多重化データex247はこれらのTSパケットを1本のストリームに多重化することで構成される。
図25は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図25における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図25の矢印yy1,yy2, yy3, yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャごとに分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図26は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図26下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、映像・音声・字幕などの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自身のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図27はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
多重化データ情報ファイルは、図28に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図28に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
ストリーム属性情報は図29に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PIDごとに登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリームごとに異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
また、本実施の形態における動画像復号化方法のステップを図30に示す。ステップexS100において、多重化データからPMTに含まれるストリームタイプ、または、多重化データ情報に含まれるビデオストリーム属性情報を取得する。次に、ステップexS101において、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された多重化データであることを示しているか否かを判断する。そして、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものであると判断された場合には、ステップexS102において、上記各実施の形態で示した動画像復号方法により復号を行う。また、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠するものであることを示している場合には、ステップexS103において、従来の規格に準拠した動画像復号方法により復号を行う。
このように、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に新たな固有値を設定することにより、復号する際に、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法または装置で復号可能であるかを判断することができる。従って、異なる規格に準拠する多重化データが入力された場合であっても、適切な復号化方法または装置を選択することができるため、エラーを生じることなく復号することが可能となる。また、本実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、または、動画像復号方法または装置を、上述したいずれの機器・システムに用いることも可能である。
(実施の形態5)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法及び装置、動画像復号化方法及び装置は、典型的には集積回路であるLSIで実現される。一例として、図31に1チップ化されたLSIex500の構成を示す。LSIex500は、以下に説明する要素ex501、ex502、ex503、ex504、ex505、ex506、ex507、ex508、ex509を備え、各要素はバスex510を介して接続している。電源回路部ex505は電源がオン状態の場合に各部に対して電力を供給することで動作可能な状態に起動する。
例えば符号化処理を行う場合には、LSIex500は、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有する制御部ex501の制御に基づいて、AV I/Oex509によりマイクex117やカメラex113等からAV信号を入力する。入力されたAV信号は、一旦SDRAM等の外部のメモリex511に蓄積される。制御部ex501の制御に基づいて、蓄積したデータは処理量や処理速度に応じて適宜複数回に分けるなどされ信号処理部ex507に送られ、信号処理部ex507において音声信号の符号化及び/または映像信号の符号化が行われる。ここで映像信号の符号化処理は上記各実施の形態で説明した符号化処理である。信号処理部ex507ではさらに、場合により符号化された音声データと符号化された映像データを多重化するなどの処理を行い、ストリームI/Oex506から外部に出力する。この出力された多重化データは、基地局ex107に向けて送信されたり、または記録メディアex215に書き込まれたりする。なお、多重化する際には同期するよう、一旦バッファex508にデータを蓄積するとよい。
なお、上記では、メモリex511がLSIex500の外部の構成として説明したが、LSIex500の内部に含まれる構成であってもよい。バッファex508も1つに限ったものではなく、複数のバッファを備えていてもよい。また、LSIex500は1チップ化されてもよいし、複数チップ化されてもよい。
また、上記では、制御部ex501が、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有するとしているが、制御部ex501の構成は、この構成に限らない。例えば、信号処理部ex507がさらにCPUを備える構成であってもよい。信号処理部ex507の内部にもCPUを設けることにより、処理速度をより向上させることが可能になる。また、他の例として、CPUex502が信号処理部ex507、または信号処理部ex507の一部である例えば音声信号処理部を備える構成であってもよい。このような場合には、制御部ex501は、信号処理部ex507、またはその一部を有するCPUex502を備える構成となる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態6)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを復号する場合、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データを復号する場合に比べ、処理量が増加することが考えられる。そのため、LSIex500において、従来の規格に準拠する映像データを復号する際のCPUex502の駆動周波数よりも高い駆動周波数に設定する必要がある。しかし、駆動周波数を高くすると、消費電力が高くなるという課題が生じる。
この課題を解決するために、テレビex300、LSIex500などの動画像復号化装置は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別し、規格に応じて駆動周波数を切替える構成とする。図32は、本実施の形態における構成ex800を示している。駆動周波数切替え部ex803は、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、駆動周波数を高く設定する。そして、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801に対し、映像データを復号するよう指示する。一方、映像データが、従来の規格に準拠する映像データである場合には、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、駆動周波数を低く設定する。そして、従来の規格に準拠する復号処理部ex802に対し、映像データを復号するよう指示する。
より具体的には、駆動周波数切替え部ex803は、図31のCPUex502と駆動周波数制御部ex512から構成される。また、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801、及び、従来の規格に準拠する復号処理部ex802は、図31の信号処理部ex507に該当する。CPUex502は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別する。そして、CPUex502からの信号に基づいて、駆動周波数制御部ex512は、駆動周波数を設定する。また、CPUex502からの信号に基づいて、信号処理部ex507は、映像データの復号を行う。ここで、映像データの識別には、例えば、実施の形態4で記載した識別情報を利用することが考えられる。識別情報に関しては、実施の形態4で記載したものに限られず、映像データがどの規格に準拠するか識別できる情報であればよい。例えば、映像データがテレビに利用されるものであるか、ディスクに利用されるものであるかなどを識別する外部信号に基づいて、映像データがどの規格に準拠するものであるか識別可能である場合には、このような外部信号に基づいて識別してもよい。また、CPUex502における駆動周波数の選択は、例えば、図34のような映像データの規格と、駆動周波数とを対応付けたルックアップテーブルに基づいて行うことが考えられる。ルックアップテーブルを、バッファex508や、LSIの内部メモリに格納しておき、CPUex502がこのルックアップテーブルを参照することにより、駆動周波数を選択することが可能である。
図33は、本実施の形態の方法を実施するステップを示している。まず、ステップexS200では、信号処理部ex507において、多重化データから識別情報を取得する。次に、ステップexS201では、CPUex502において、識別情報に基づいて映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものであるか否かを識別する。映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、ステップexS202において、駆動周波数を高く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、高い駆動周波数に設定される。一方、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、ステップexS203において、駆動周波数を低く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、低い駆動周波数に設定される。
さらに、駆動周波数の切替えに連動して、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を変更することにより、省電力効果をより高めることが可能である。例えば、駆動周波数を低く設定する場合には、これに伴い、駆動周波数を高く設定している場合に比べ、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することが考えられる。
また、駆動周波数の設定方法は、復号する際の処理量が大きい場合に、駆動周波数を高く設定し、復号する際の処理量が小さい場合に、駆動周波数を低く設定すればよく、上述した設定方法に限らない。例えば、MPEG4−AVC規格に準拠する映像データを復号する処理量の方が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置により生成された映像データを復号する処理量よりも大きい場合には、駆動周波数の設定を上述した場合の逆にすることが考えられる。
さらに、駆動周波数の設定方法は、駆動周波数を低くする構成に限らない。例えば、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を高く設定し、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することも考えられる。また、他の例としては、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、CPUex502の駆動を停止させることなく、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、処理に余裕があるため、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合であっても、処理に余裕があれば、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。この場合は、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合に比べて、停止時間を短く設定することが考えられる。
このように、映像データが準拠する規格に応じて、駆動周波数を切替えることにより、省電力化を図ることが可能になる。また、電池を用いてLSIex500またはLSIex500を含む装置を駆動している場合には、省電力化に伴い、電池の寿命を長くすることが可能である。
(実施の形態7)
テレビや、携帯電話など、上述した機器・システムには、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力される場合がある。このように、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力された場合にも復号できるようにするために、LSIex500の信号処理部ex507が複数の規格に対応している必要がある。しかし、それぞれの規格に対応する信号処理部ex507を個別に用いると、LSIex500の回路規模が大きくなり、また、コストが増加するという課題が生じる。
この課題を解決するために、上記各実施の形態で示した動画像復号方法を実行するための復号処理部と、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する復号処理部とを一部共有化する構成とする。この構成例を図35Aのex900に示す。例えば、上記各実施の形態で示した動画像復号方法と、MPEG4−AVC規格に準拠する動画像復号方法とは、エントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償などの処理において処理内容が一部共通する。共通する処理内容については、MPEG4−AVC規格に対応する復号処理部ex902を共有し、MPEG4−AVC規格に対応しない、本発明特有の他の処理内容については、専用の復号処理部ex901を用いるという構成が考えられる。復号処理部の共有化に関しては、共通する処理内容については、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行するための復号処理部を共有し、MPEG4−AVC規格に特有の処理内容については、専用の復号処理部を用いる構成であってもよい。
また、処理を一部共有化する他の例を図35Bのex1000に示す。この例では、本発明に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1001と、他の従来規格に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1002と、本発明の動画像復号方法と他の従来規格の動画像復号方法とに共通する処理内容に対応した共用の復号処理部ex1003とを用いる構成としている。ここで、専用の復号処理部ex1001、ex1002は、必ずしも本発明、または、他の従来規格に特有の処理内容に特化したものではなく、他の汎用処理を実行できるものであってもよい。また、本実施の形態の構成を、LSIex500で実装することも可能である。
このように、本発明の動画像復号方法と、従来の規格の動画像復号方法とで共通する処理内容について、復号処理部を共有することにより、LSIの回路規模を小さくし、かつ、コストを低減することが可能である。
本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、例えば、テレビ、デジタルビデオレコーダー、カーナビゲーション、携帯電話、デジタルカメラ、または、デジタルビデオカメラ等に利用可能である。
100、100A 画像符号化装置
101 MVCエンコーダ
102、102A ダウンコンバータ
103、103A 減算器
111、111A 第1エンコーダ
112、112A 第2エンコーダ
113 マルチプレクサ
115 出力部
151 シフト量決定部
152、153、252、255 ビットシフト器
154、155、253 演算器
200、200A 画像復号装置
201 MVCデコーダ
202、202A 加算器
211、211A 第1デコーダ
212、212A 第2デコーダ
213 マルチプレクサ
251 シフト量取得部
254 加算器
D11、D23、D32、D32A、D54、D54A ベース・レイヤー画像
D12、D24 ノン・ベース・レイヤー画像
D13、D33、D33A 再構築画像
D14、D21 ベース・ビュー・ビットストリーム
D15、D22 ノン・ベース・ビュー・ビットストリーム
D16、D35、D35A MVCビットストリーム
D25、D53、D53A 画像シーケンス
D31、D56 10ビット画像
D31A 12ビット画像
D34、D34A、D55、D55A エンハンスメント・レイヤー画像
D36、D51、D51A ベース・レイヤー・ビットストリーム
D37、D52、D52A エンハンスメント・レイヤー・ビットストリーム
D56A 対象画像
本発明は、画像符号化装置、及び、画像復号装置に関する。特に、ビット深度が所定の大きさよりも大きい画像を対象とした符号化装置及び復号装置に関する。
従来、ディスプレイ装置、撮像装置、画像符号化装置及び画像復号装置等の画像処理装置は、画像を画素と呼ばれる単位で処理する。そして、画素は、緑、赤及び青(RGB)のように、3つの独立した少数画素を有する。ディスプレイ装置は、各少数画素の強さを制御することにより、画素の色を混成する。各少数画素の強さには、様々なレベルがある。レベルの多様性は、ビット深度に依存する。
ビット深度は、1画素あたりの情報容量を示し、より具体的には、1少数画素あたりのビット数である。例えば、ビット深度が8ビットである場合、各少数画素の強さは、256(2の8乗)のレベルで表現される。そして、ビット深度が10ビットである場合、各少数画素の強さは、1024(2の10乗)のレベルで表現される。
また、ビット深度が8ビットである場合、1つの画素における3つの少数画素のレベルの組み合わせの数は、256の3乗(16,777,216)である。そして、ビット深度が10ビットである場合、1つの画素における3つの少数画素のレベルの組み合わせの数は、1024の3乗(1,073,741,824)である。つまり、ビット深度が10ビットである場合、再現可能な色の数は、ビット深度が8ビットである場合の64倍である。
近年、プロフェッショナル向けのディスプレイ装置は、12ビットまたは16ビットのビット深度で画像を表示できる。また、消費者向けのディスプレイ装置も、8ビットよりも大きいビット深度で画像を表示できる場合がある。
より多くの色を再現できるディスプレイ装置は、より滑らかな色の遷移、及び、より実物に近い色を表示できる。つまり、ビット深度がより大きくなることにより、より滑らかな色の遷移、及び、より実物に近い色が、実現できる。したがって、消費者は、画像が、8ビットのビット深度で表示されることよりも、より大きなビット深度で表示されることを望む。
なお、8ビットのビット深度で表示される画像は、8ビット画像と呼ばれる。同様に、10ビットのビット深度で表示される画像は、10ビット画像と呼ばれる。すなわち、一般に、nビットのビット深度で表示される画像は、nビット画像と呼ばれる。
ここで、より大きなビット深度の画像を出力するために、大量に入手可能な8ビットビデオプロセッサを複数使用して、より大きなビット深度の画像を出力することが考えられる。
ITU−T and ISO/IEC JTC 1, "Advanced video coding for generic audiovisual services," ITU−T Recommendation H.264 and ISO/IEC 14496−10 (MPEG−4 AVC), 2010.
しかしながら、従来技術には、符号化によってデータ量が増大するという課題がある。
例えば、1枚の10ビット画像を、2個の8ビットビデオプロセッサのそれぞれで処理する場合、本来伝送したい10ビット画像よりも多くのデータを伝送しなければならない。その結果、画像を記録媒体に記録する際に必要な記録容量が増加し、又は、ネットワークを通じて画像を伝送する際に必要な帯域が増加してしまう。
そこで、本発明は、ビット深度に制限を有するエンコーダを利用してエンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量を、より減少させる画像符号化装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像符号化装置の一態様は、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する画像符号化装置であって、前記対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が前記所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成するダウンコンバータと、前記ベース・レイヤー画像を符号化し、符号化した前記ベース・レイヤー画像を復号することにより再構成画像を生成する第1エンコーダと、前記再構成画像に対して、第2の値だけビット深度を大きくするシフト量調整処理を施し、前記シフト量調整処理が施された再構成画像と前記対象画像とに基づいて、前記ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、前記ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する減算器と、前記エンハンスメント・レイヤー画像を符号化する第2エンコーダと、符号化された前記ベース・レイヤー画像と、符号化された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを出力する出力部とを備える。
これによると、画像符号化装置は、対象画像が有するビット深度のうち、第2の値分のビットを、ベース・レイヤー画像とは別の画像であるエンハンスメント・レイヤー画像に含める。その結果、後の復号時には、エンハンスメント・レイヤー画像を用いてベース・レイヤー画像の画質を上げることができる。すなわち、画像符号化装置は、生成するエンハンスメント・レイヤー画像として伝送すべきビット量を、第2の値により調整することができる。したがって、エンハンスメント・レイヤー画像として伝送すべきビット量を、第2の値により最適化することにより、画像符号化装置は、ビット深度に制限を有するエンコーダを利用してエンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量を、より減少させることができる。
具体的には、前記減算器は、前記対象画像のビット深度を前記第1の値と前記第2の値との差分である第3の値だけ小さくした画像に含まれる複数の画素の各画素値から、前記シフト量調整処理が施された再構成画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引き、差し引いた結果を表すビット情報のうち、下位から前記所定の大きさの範囲に含まれるビット情報により、前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成するとしてもよい。
これによると、画像符号化装置が備える減算器は、第1の値〜第3の値として示される量だけ画素のビットをシフトさせることにより、エンハンスメント・レイヤー画像を生成することができる。
また、前記減算器は、前記ベース・レイヤー画像、前記対象画像、又は、前記再構成画像が有する特性に基づき、前記第2の値を決定するシフト量決定部を有し、前記出力部は、さらに、前記シフト量決定部により決定された前記第2の値に対応する値を出力するとしてもよい。
これによると、画像符号化装置は、符号化対象である画像信号の特性に応じて、適切に第2の値を決定することができる。その結果、画像のダウンコンバート時における画質とデータサイズとのトレードオフを解消し、画質の劣化を抑制しながらデータサイズを小さくすることができる。
具体的には、前記シフト量決定部は、前記対象画像若しくは前記ベース・レイヤー画像の空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的であるほど、より大きくなるように前記第2の値を決定するとしてもよい。
これによると、空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的な画像ほど、ダウンコンバートに起因する画質の劣化が目立ち易いという知見を利用することにより、適切な第2の値を決定することができる。
なお、さらに、前記出力部は、前記ベース・レイヤー画像が符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、前記エンハンスメント・レイヤー画像が符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化することにより、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームを生成するマルチプレクサとして構成され、前記第1エンコーダと、前記第2エンコーダと、前記マルチプレクサとは、MVCエンコーダとして構成され前記マルチプレクサは、複数の前記対象画像について決定された、前記第2の値に対応する値を、前記MVC方式のビットストリームに付加するとしてもよい。
これによると、既存のMVCエンコーダ及びMVCデコーダ、並びに、MVC構造を有するビットストリームを利用して、画像符号化装置を実施することができる。
なお、前記ダウンコンバータは、前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第1の値だけシフトダウンする前記ダウンコンバート処理により、前記ベース・レイヤー画像を生成し、前記減算器は、前記再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第2の値だけシフトアップし、前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第1の値と前記第2の値との差分だけシフトダウンし、シフトダウンされた前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、シフトアップされた前記再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分から前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成するとしてもよい。
また、前記ダウンコンバータは、前記対象画像のビット深度が前記第1の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算する前記ダウンコンバート処理により、前記ベース・レイヤー画像を生成し、前記減算器は、前記再構成画像のビット深度が前記第2の値だけ大きくなるように、当該再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算し、前記対象画像のビット深度が前記第1の値と前記第2の値との差分だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算し除算された前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、乗算された前記再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分から前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成するとしてもよい。
また、前記減算器は、ビット深度を前記第3の値だけ小さくした前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値から、前記シフト量調整処理が施された前記再構成画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引いた値に、前記エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値を正の値にするための所定の値を加算するとしてもよい。
これによると、ビット演算の結果、エンハンスメント・レイヤー向けの画素値が負の値として算出された場合であっても、画像符号化装置が、画素値として必ず正の値を出力することを保証できる。
本発明に係る画像復号装置の一態様は、ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する画像復号装置であって、前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるベース・レイヤー画像を復号する第1デコーダと、前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像を復号する第2デコーダと、前記ビットストリームから取得した第2の値に基づいて、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを加算することにより、前記対象画像を生成する加算器とを備える。
これによると、画像復号装置は、エンハンスメント・レイヤー画像として伝送すべきビット量として画像符号化装置により決定された第2の値をビットストリームから取得する。その後、画像復号装置は、画像ごとに取得した第2の値を用いて、復号したベース・レイヤー画像の画質を、エンハンスメント・レイヤー画像を用いて向上させることができる。
具体的には、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、前記第2の値だけ大きくするアップコンバート処理を施し、前記アップコンバート処理を施したベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを、互いの画像に含まれる対応する画素の画素値ごとにそれぞれ加算することにより合成し、合成して得られた画像のビット深度を、前記第1の値と前記第2の値との差分である第3の値だけ大きくすることにより、前記対象画像を生成するとしてもよい。
これによると、画像復号装置が備える加算器は、符号化時に各画素に対して行ったビット操作に対応するビット操作を、復号したベース・レイヤー画像及びエンハンスメント・レイヤー画像に対して施すことができる。
また、前記ビットストリームは、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームであり、さらに、復号された前記ベース・レイヤー画像と復号された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを多重化することにより、画像シーケンスを生成するマルチプレクサを備え、前記第1デコーダと、前記第2デコーダと、前記マルチプレクサとは、MVCデコーダとして構成され、前記加算器は、前記MVC方式のビットストリームから前記第2の値を取得するとしてもよい。
これによると、既存のMVCエンコーダ及びMVCデコーダ、並びに、MVC構造を有するビットストリームを利用して、画像復号装置を実施することができる。
なお、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、前記第2の値だけシフトアップし、前記合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、前記第3の値だけシフトアップすることにより、前記対象画像を生成するとしてもよい。
また、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像のビット深度が、前記第2の値だけ大きくなるように、当該ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算し、前記合成してえられた画像のビット深度が前記第3の値だけ大きくなるように、当該合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算することにより、前記対象画像を生成するとしてもよい。
また、前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを合成する前に、前記エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値から、符号化時に加算された所定の値を減算するとしてもよい。
なお、本発明は、このような画像符号化装置及び画像復号装置として実現できるだけでなく、画像符号化装置及び画像復号装置に含まれる特徴的な手段をステップとする画像符号化方法及び画像復号方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのはいうまでもない。
さらに、本発明は、このような画像符号化装置及び画像復号装置の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現したり、このような画像符号化装置及び画像復号装置を含む映像システムとして実現したりできる。
本発明により、ビット深度に制限を有するエンコーダを利用してエンコーダのビット深度よりも大きなビット深度の画像を符号化した際のデータ量を、より減少させる画像符号化装置を提供できる。
図1は、本発明の関連技術に係るMVCエンコーダを示す構成図である。 図2は、本発明の関連技術に係るMVCデコーダを示す構成図である。 図3は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置を示す構成図である。 図4は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置の具体的な構成を示す図である。 図5は、本発明の関連技術に係る画像復号装置を示す構成図である。 図6は、本発明の関連技術に係る画像復号装置の具体的な構成を示す図である。 図7は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。 図8は、本発明の関連技術に係る画像復号装置の処理を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置の機能ブロックを示す図である。 図10は、減算器の機能ブロックを示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1に係る画像復号装置の機能ブロックを示す図である。 図12は、加算器の詳細な機能ブロックを示す図である。 図13は、シフト量決定部が、ベース・レイヤー画像の特性に応じて、bの値を決定した結果の一例を示す図である。 図14は、ビットストリームにbの値を含めることにより、画像符号化装置から画像復号装置へbの値を伝送する方法の一例を示す図である。 図15は、本発明の実施の形態2に係る画像符号化装置の機能ブロックを示す図である。 図16は、本発明の実施の形態2に係る画像復号装置の機能ブロックを示す図である。 図17は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成図である。 図18は、デジタル放送用システムの全体構成図である。 図19は、テレビの構成例を示すブロック図である。 図20は、光ディスクである記録メディアに情報の読み書きを行う情報再生/記録部の構成例を示すブロック図である。 図21は、光ディスクである記録メディアの構造例を示す図である。 図22Aは、携帯電話の一例を示す図である。 図22Bは、携帯電話の構成例を示すブロック図である。 図23は、多重化データの構成を示す図である。 図24は、各ストリームが多重化データにおいてどのように多重化されているかを模式的に示す図である。 図25は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかを更に詳しく示した図である。 図26は、多重化データにおけるTSパケットとソースパケットの構造を示す図である。 図27は、PMTのデータ構成を示す図である。 図28は、多重化データ情報の内部構成を示す図である。 図29は、ストリーム属性情報の内部構成を示す図である。 図30は、映像データを識別するステップを示す図である。 図31は、各実施の形態の動画像符号化方法及び動画像復号化方法を実現する集積回路の構成例を示すブロック図である。 図32は、駆動周波数を切り替える構成を示す図である。 図33は、映像データを識別し、駆動周波数を切り替えるステップを示す図である。 図34は、映像データの規格と駆動周波数を対応づけたルックアップテーブルの一例を示す図である。 図35Aは、信号処理部のモジュールを共有化する構成の一例を示す図である。 図35Bは、信号処理部のモジュールを共有化する構成の他の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
まず、本発明の意義を明確にするため、図1〜図8を参照して、本発明の関連技術である国際公開第2011/037933号の特許文献に示される画像符号化装置及び画像復号装置について具体的に説明する。
図1は、典型的なMVCエンコーダを示す構成図である。MVCエンコーダは、多視点映像符号化方法に基づいて、多視点映像を符号化するためのエンコーダである。
MVC(多視点映像符号化:Multiview Video Coding)技術においては、1つのビューは、ベース・ビューとして符号化される(非特許文献1を参照)。ここで、ベース・ビューは、第1ビューとも呼ばれる。そして、他のビューは、ノン・ベース・ビューとして符号化される。ノン・ベース・ビューは、依存ビューまたは第2ビューとも呼ばれる。
符号化されたベース・ビューのビットストリームは、独立して、復号可能である。例えば、ベース・ビューは、3D映像の2Dバージョンを示すために、用いられる。一方、符号化されたノン・ベース・ビューのビットストリームは、独立して、復号可能ではない。ノン・ベース・ビューは、ベース・ビューとともに復号される必要がある。
ノン・ベース・ビューは、ベース・ビューを強化するために用いられる。例えば、左眼の映像に対応したベース・ビューと、右眼の映像に対応したノン・ベース・ビューとを組み合わせることにより、立体的な3D映像の表示が可能になる。
図1に示されたMVCエンコーダ101は、第1エンコーダ111、第2エンコーダ112及びマルチプレクサ113を備える。
第1エンコーダ111は、ベース・ビューに対応する画像であるベース・レイヤー画像D11を受け取る。そして、第1エンコーダ111は、ベース・レイヤー画像D11を符号化することにより、符号化されたベース・レイヤー画像D11であるベース・ビュー・ビットストリームD14を生成する。また、第1エンコーダ111は、符号化されたベース・レイヤー画像D11を復号することにより、再構成画像D13を生成する。再構成画像D13は、ビュー間予測に用いられる。
第2エンコーダ112は、ノン・ベース・ビューに対応する画像であるノン・ベース・レイヤー画像D12を受け取る。そして、第2エンコーダ112は、ノン・ベース・レイヤー画像D12を符号化することにより、符号化されたノン・ベース・レイヤー画像D12であるノン・ベース・ビュー・ビットストリームD15を生成する。このとき、第2エンコーダ112は、再構成画像D13を参照し、ビュー間予測を用いて、ノン・ベース・レイヤー画像D12を符号化してもよい。これにより、符号化効率が向上する。
マルチプレクサ113は、ベース・ビュー・ビットストリームD14と、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD15とを多重化し、MVCビットストリームD16を生成する。典型的には、ベース・ビューを示す部分と、ノン・ベース・ビューを示す部分とが交互になるように、マルチプレクサ113は、MVCビットストリームD16を生成する。
このようにして、MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D11と、ノン・ベース・レイヤー画像D12とを受け取り、それらを符号化して、MVCビットストリームD16を生成する。例えば、MVCエンコーダ101は、3D画像のうち、左眼画像であるベース・レイヤー画像D11と、右眼画像であるノン・ベース・レイヤー画像D12とを符号化することにより、符号化された3D画像をMVCビットストリームD16として、出力できる。
なお、図1に示されたMVCエンコーダ101は、一例である。MVCエンコーダ101は、3つ以上のエンコーダを備えて、3つ以上のビューを符号化してもよい。また、1つのエンコーダが、複数のビューを符号化してもよい。また、MVCエンコーダ101は、ベース・ビュー・ビットストリームD14と、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD15とを多重化せずに、それぞれ別々に出力してもよい。この場合、MVCエンコーダ101は、マルチプレクサ113を備えなくてもよい。
図2は、典型的なMVCデコーダを示す構成図である。MVCデコーダは、多視点映像符号化方法に基づいて符号化された多視点映像を復号するためのデコーダである。図2に示されたMVCデコーダ201は、第1デコーダ211、第2デコーダ212及びマルチプレクサ213を備える。
第1デコーダ211は、ベース・ビュー・ビットストリームD21を受け取る。第1デコーダ211は、図1に示されたMVCビットストリームD16からベース・ビューの部分をベース・ビュー・ビットストリームD21として、読み取ってもよい。そして、第1デコーダ211は、ベース・ビュー・ビットストリームD21から、ベース・レイヤー画像D23を復号する。すなわち、ベース・レイヤー画像D23は、再構成画像D13と同じ画像となる。
第2デコーダ212は、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22を受け取る。第2デコーダ212は、図1に示されたMVCビットストリームD16からノン・ベース・ビューの部分をノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22として、読み取ってもよい。そして、第2デコーダ212は、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22から、ノン・ベース・レイヤー画像D24を復号する。このとき、第2デコーダ212は、ベース・レイヤー画像D23を参照し、ビュー間予測を用いて、ノン・ベース・レイヤー画像D24を復号してもよい。
マルチプレクサ213は、ベース・レイヤー画像D23と、ノン・ベース・レイヤー画像D24とを多重化し、画像シーケンスD25を生成する。典型的には、ベース・ビューを示す部分と、ノン・ベース・ビューを示す部分とが交互になるように、マルチプレクサ213は、画像シーケンスD25を生成する。
このようにして、MVCデコーダ201は、ベース・ビュー・ビットストリームD21と、ノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22とを受け取り、それらから、ベース・レイヤー画像D23と、ノン・ベース・レイヤー画像D24とを復号し、画像シーケンスD25を生成する。
例えば、MVCデコーダ201は、左眼に対応するベース・ビュー・ビットストリームD21、及び、右眼に対応するノン・ベース・ビュー・ビットストリームD22から、左眼画像であるベース・レイヤー画像D23、及び、右眼画像であるノン・ベース・レイヤー画像D24を復号する。そして、MVCデコーダ201は、それらを組み合わせた画像シーケンスD25を3D画像として出力できる。
なお、図2に示されたMVCデコーダ201は、図1に示されたMVCエンコーダ101と同様に、一例である。MVCデコーダ201は、3つ以上のデコーダを備えて、3つ以上のビューを復号してもよい。また、1つのデコーダが、複数のビューを復号してもよい。また、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー画像D23と、ノン・ベース・レイヤー画像D24とを多重化せずに、それぞれ別々に出力してもよい。この場合、MVCデコーダ201は、マルチプレクサ213を備えなくてもよい。
また、MVCデコーダ201は、図1に示されたMVCビットストリームD16をベース・ビューの部分とノン・ベース・ビューの部分とに分離するデマルチプレクサを備えてもよい。
図1に示されたMVCエンコーダ101及び図2に示されたMVCデコーダ201は、典型的なMVCエンコーダ及びMVCデコーダである。そのため、MVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201は、8ビットを超えるビット深度の画像を符号化または復号することができない。そこで、本発明の関連技術に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、追加の構成要素を備える。
図3は、本発明の関連技術に係る画像符号化装置の機能ブロックを示す。図3に示される画像符号化装置は、図1に示されたMVCエンコーダ101、ダウンコンバータ102及び減算器103を備える。
ダウンコンバータ102は、符号化の対象画像である10ビット画像D31をダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32を生成する。
MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32をベース・レイヤー画像として符号化する。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32を復号することにより、8ビット画像である再構成画像D33を生成する。
減算器103は、10ビット画像D31の特性と再構成画像D33の特性との差異から、ベース・レイヤー画像D32を10ビット画像に拡張するためのエンハンスメント・レイヤー画像D34を生成する。ここで用いられる各画像の特性は、例えば、画素値の大きさを示す情報である。
MVCエンコーダ101は、さらに、エンハンスメント・レイヤー画像D34をノン・ベース・レイヤー画像として符号化する。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32、及び、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像D34を、MVCビットストリームD35として、出力する。
図4は、図3に示された画像符号化装置をより具体的に示す図である。以下、図4を用いて、本発明の関連技術に係る画像符号化装置を具体的に説明する。
ダウンコンバータ102は、10ビット画像D31をダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32を生成する。より具体的には、ダウンコンバータ102は、式1に示される演算により、10ビット画像D31をダウンコンバートする。
B(x,y)=(S(x,y)+2)>>2; (式1)
ここで、(x,y)は、画素位置を示す。B(x,y)は、ベース・レイヤー画像D32の画素値を示す。S(x,y)は、10ビット画像D31の画素値を示す。記号「>>」は、右シフト演算を示す。
つまり、まず、ダウンコンバータ102は、10ビット画像D31の各画素値に2を足す。そして、ダウンコンバータ102は、各画素値を2ビット右にシフトする。これにより、各画素値の下位2ビットが四捨五入され、8ビットのベース・レイヤー画像D32が生成される。
MVCエンコーダ101の第1エンコーダ111は、ベース・レイヤー画像D32をベース・レイヤー画像として符号化することにより、ベース・レイヤー・ビットストリームD36を生成する。そして、第1エンコーダ111は、符号化されたベース・レイヤー画像D32を復号することにより再構成画像D33を生成する。
減算器103は、10ビット画像D31と再構成画像D33との差分から、エンハンスメント・レイヤー画像D34を生成する。より具体的には、減算器103は、式2に示される演算により、10ビット画像D31と再構成画像D33との差分を求める。
E(x,y)=S(x,y)−(Br(x,y)<<2)+128; (式2)
ここで、(x,y)は、画素位置を示す。E(x,y)は、エンハンスメント・レイヤー画像D34の画素値を示す。S(x,y)は、10ビット画像D31の画素値を示す。Br(x,y)は、再構成画像D33の画素値を示す。記号「<<」は、左シフト演算を示す。
つまり、まず、減算器103は、再構成画像D33の各画素値を2ビット左にシフトする。これにより、再構成画像D33のビット深度が10ビットに変換される。次に、減算器103は、10ビット画像D31の各画素値から、左にシフトされた各画素値を減算する。そして、減算器103は、減算した結果に128を足す。
ここで、減算器103は、減算した結果に128を足しているが、128に限られず、エンハンスメント・レイヤー画像D34のビット深度によって表現される最大画素値の半分を整数に丸めた値を加算してもよい。また、減算器103は、減算した結果に、エンハンスメント・レイヤー画像D34の各画素値を正の値にするための他の値を足してもよい。
さらに、減算器103は、8ビット画像の範囲[0,255]にE(x,y)をクリップしてもよい。つまり、減算器103は、0よりも小さい画素値を0に変換し、255よりも大きい画素値を255に変換してもよい。
例えば、再構成画像D33に量子化歪みが含まれる場合があるが、量子化歪みは、8ビット画像の画素値の範囲[0,255]に基づいて、大きくても[−32,31]の範囲内であると想定される。そして、この量子化歪みは、左シフト演算によって4倍になった場合でも、[−128,127]の範囲内であり、S(x,y)−(Br(x,y)<<2)によって示される値の範囲は、[−128,127]の範囲内であると想定される。
したがって、減算器103が、上記の差分に128を加えた後、8ビット画像の範囲[0,255]にE(x,y)をクリップしても、その影響は、異常値に限定される。よって、減算器103は、8ビット画像の範囲[0,255]にE(x,y)をクリップすることにより、致命的なエラーのみを除去または隠蔽することができる。
MVCエンコーダ101の第2エンコーダ112は、減算器103によって生成されたエンハンスメント・レイヤー画像D34をノン・ベース・レイヤー画像として符号化する。これにより、第2エンコーダ112は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD37を生成する。このとき、第2エンコーダ112は、再構成画像D33を参照し、ビュー間予測を用いて、エンハンスメント・レイヤー画像D34を符号化してもよい。
なお、再構成画像D33とエンハンスメント・レイヤー画像D34との間に相関関係は、ほとんどない可能性が高い。しかし、ビュー間予測の利用は制限されず、第2エンコーダ112は、ビュー間予測を用いて、エンハンスメント・レイヤー画像D34を符号化してもよい。
そして、MVCエンコーダ101のマルチプレクサ113は、ベース・レイヤー・ビットストリームD36、及び、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD37を多重化して、MVCビットストリームD35を生成する。
図5は、図2に示されたMVCデコーダ201を有する画像復号装置を示す構成図である。図5に示された画像復号装置は、MVCデコーダ201及び加算器202を備える。
MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像を復号する。また、MVCデコーダ201は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からエンハンスメント・レイヤー画像を復号する。そして、MVCデコーダ201は、画像シーケンスD53を生成する。
加算器202は、画像シーケンスD53に含まれるベース・レイヤー画像D54と、画像シーケンスD53に含まれるエンハンスメント・レイヤー画像D55とを合成することにより、復号の対象画像である10ビット画像D56を生成する。
図6は、図5に示された画像復号装置をより具体的に示す図である。以下、図6を用いて、本発明の関連技術に係る画像復号装置を具体的に説明する。
MVCデコーダ201の第1デコーダ211は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像D54を復号する。
MVCデコーダ201の第2デコーダ212は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からエンハンスメント・レイヤー画像D55を復号する。このとき、第2デコーダ212は、ベース・レイヤー画像D54を参照し、ビュー間予測を用いて、エンハンスメント・レイヤー画像D55を復号してもよい。
MVCデコーダ201のマルチプレクサ213は、ベース・レイヤー画像D54及びエンハンスメント・レイヤー画像D55から、画像シーケンスD53を生成する。
加算器202は、画像シーケンスD53に含まれるベース・レイヤー画像D54と、画像シーケンスD53に含まれるエンハンスメント・レイヤー画像D55とを合成することにより、10ビット画像D56を生成する。より具体的には、加算器202は、式3に示される演算により、ベース・レイヤー画像D54とエンハンスメント・レイヤー画像D55とを合成する。
V(x,y)=(Br(x,y)<<2)+(E(x,y)−128); (式3)
ここで、(x,y)は、画素位置を示す。V(x,y)は、10ビット画像D56の画素値を示す。Br(x,y)は、ベース・レイヤー画像D54の画素値を示す。E(x,y)は、エンハンスメント・レイヤー画像D55の画素値を示す。記号「<<」は、左シフト演算を示す。
つまり、まず、加算器202は、ベース・レイヤー画像D54の各画素値を2ビット左にシフトする。これにより、ベース・レイヤー画像D54のビット深度が10ビットに変換される。次に、加算器202は、エンハンスメント・レイヤー画像D55の各画素値から128を引く。次に、加算器202は、10ビットに変換されたベース・レイヤー画像D54の各画素値に、128が引かれたエンハンスメント・レイヤー画像D55の各画素値を加算する。
ここで、加算器202は、各画素値から128を引いているが、128に限られず、エンハンスメント・レイヤー画像D55のビット深度によって表現される最大画素値の半分を整数に丸めた値を引いてもよい。また、加算器202は、各画素値から符号化時に加算された値を引いてもよい。
さらに、加算器202は、10ビット画像として許容される範囲にV(x,y)をクリップする。例えば、加算器202は、式4及び式5に示される演算により、V(x,y)をクリップする。
V(x,y)=(V(x,y)>maxV10)?maxV10:V(x,y); (式4)
V(x,y)=(V(x,y)<minV10)?minV10:V(x,y); (式5)
ここで、V=A?B:C;は、条件Aを満たす場合にはVの値をBとし、それ以外の場合には、Vの値をCとすることを意味する。また、maxV10及びminV10は、それぞれ、10ビット画像として、許容される最大値及び最小値である。典型的には、maxV10は、1023であり、minV10は、0である。しかし、maxV10及びminV10に、その他の値が設定されてもよい。
加算器202は、上述の処理を実行することにより、10ビット画像D56を生成する。
図7は、図3に示された画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ダウンコンバータ102は、10ビット画像D31をダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32を生成する(S101)。
次に、MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32をベース・レイヤー画像として符号化する(S102)。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32を復号することにより再構成画像D33を生成する。
次に、減算器103は、10ビット画像D31から再構成画像D33を減算した差分から、エンハンスメント・レイヤー画像D34を生成する(S103)。
次に、MVCエンコーダ101は、エンハンスメント・レイヤー画像D34をノン・ベース・レイヤー画像として符号化する(S104)。そして、MVCエンコーダ101は、符号化されたベース・レイヤー画像D32、及び、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像D34を、MVCビットストリームD35として、出力する。
図8は、図5に示された画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像を復号する(S201)。
次に、MVCデコーダ201は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からエンハンスメント・レイヤー画像を復号する(S202)。そして、MVCデコーダ201は、画像シーケンスD53を生成する。
次に、加算器202は、画像シーケンスD53に含まれるベース・レイヤー画像D54と、画像シーケンスD53に含まれるエンハンスメント・レイヤー画像D55とを加算することにより、10ビット画像D56を生成する(S203)。
以上のように、本発明の関連技術に係る画像符号化装置は、10ビット画像をダウンコンバートすることにより、8ビット画像を生成する。そして、画像符号化装置は、8ビット画像をベース・レイヤー画像として符号化する。また、画像符号化装置は、10ビット画像と8ビット画像との差分値を8ビットのノン・ベース・レイヤー画像として符号化する。これにより、10ビット画像が、8ビット画像であるベース・レイヤー画像と、8ビット画像であるノン・ベース・レイヤー画像とに分割されて符号化される。
また、本発明の関連技術に係る画像復号装置は、8ビット画像であるベース・レイヤー画像と、8ビット画像であるノン・ベース・レイヤー画像とを復号する。そして、画像復号装置は、復号されたベース・レイヤー画像とノン・ベース・レイヤー画像とを合成することにより、10ビット画像を生成する。
なお、本発明の関連技術において、8ビット画像及び10ビット画像が、例として示されたが、ビット深度は、8ビットまたは10ビットに限られない。ビット深度が8ビット及び10ビットとは異なる組み合わせであっても、画像符号化装置及び画像復号装置は、MVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201が符号化または復号できるビット深度よりも大きいビット深度の画像を符号化または復号できる。
しかしながら、例えば、10ビット画像が、8ビット画像であるベース・レイヤー画像と、8ビット画像であるノン・ベース・レイヤー画像とに分割されて符号化される結果、本発明の関連技術によると、伝送すべきデータ量が増加してしまうという課題がある。本発明は、この課題を解決する。
以下、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置について、詳細に説明する。
(実施の形態1)
図9は、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置100の機能ブロックを示す。
図9に示される様に、本実施の形態に係る画像符号化装置100は、MVCエンコーダ101と、ダウンコンバータ102Aと、減算器103Aとを備える。なお、図4と同一の構成については、詳細な説明は省略する。
画像符号化装置100は、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する画像符号化装置である。以下、画像符号化装置100に入力される対象画像は12ビット画像であるとして説明する。すなわち、図9に示されるD31Aは、12ビット画像である。また、所定のビット深度を8ビットとする。
ダウンコンバータ102Aは、対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成する。具体的には、ダウンコンバータ102Aは、符号化対象の画像である12ビット画像D31Aのビット深度を4ビット分ダウンコンバートすることにより、8ビット画像であるベース・レイヤー画像D32Aを生成する。
MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32Aを符号化し、符号化したベース・レイヤー画像を復号することにより再構成画像D33Aを生成する。MVCエンコーダ101は、また、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを符号化する。さらに、MVCエンコーダは、符号化されたベース・レイヤー画像と、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像と、その他の付加情報とを出力する出力部としても機能する。
より詳細には、再度図4を参照して、MVCエンコーダ101は、ベース・レイヤー画像D32Aを符号化、及び復号する第1エンコーダと、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを符号化する第2エンコーダと、マルチプレクサとを有している。マルチプレクサは、ベース・レイヤー画像D32Aが符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aが符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化することにより、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームであるMVCビットストリームD35Aを生成する。マルチプレクサは、生成したMVCビットストリームD35Aを出力する。
また、第1エンコーダと、第2エンコーダと、マルチプレクサとは、MVCエンコーダとして構成されている。
減算器103Aは、再構成画像に対して、当該再構成画像のビット深度が第2の値(bともいう)だけ大きくなるようにビット深度を大きくするシフト量調整処理を施す。その後、シフト量調整処理が施された再構成画像と対象画像とに基づいて、ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する。なお、第2の値は、例えば、0以上かつ第1の値未満の値とすることが考えられる。
次に、図10を参照して、減算器103Aが行う処理について、より詳細に説明する。
図10は、減算器103Aの機能ブロックを示す。減算器103Aは、対象画像のビット深度を第1の値と第2の値との差分である第3の値だけ小さくした画像に含まれる複数の画素の各画素値から、シフト量調整処理が施された再構成画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引き、差し引いた結果を表すビット情報のうち、下位から所定の大きさの範囲に含まれるビット情報により、エンハンスメント・レイヤー画像を生成する。
具体的には、図10に示される様に、減算器103Aは、シフト量決定部151と、所定の値bビットだけビットをシフトアップするビットシフト器152と、4−bビットだけビットをシフトダウンするビットシフト器153と、2入力間で減算処理を行う演算器154と、事前に定められた値の加算処理を行う演算器155とを有する。
なお、第2の値であるbは、第1の値−b=第3の値という関係を満たす定数である。画像符号化装置100は、対象画像、ベース・レイヤー画像、又は、再構成画像に基づいて、例えば当該画像ごとにbの大きさを決定する。
なお、前述のように、減算器103Aはエンハンスメント・レイヤー画像を生成する構成要素であるため、減算器を生成部ともよぶ。
ビットシフト器153は、減算器103Aに入力された12ビット画像D31Aのビット深度を、第3の値である4−bビットだけシフトダウンする。具体的には、12ビット画像D31Aに含まれる複数の画素の各画素値を、4−bビットだけ右にビットシフトする。
また、ビットシフト器152は、減算器103Aに入力された再構成画像D33Aのビット深度を、b(すなわち、第1の値−第3の値)ビットだけシフトアップする。具体的には、再構成画像D33Aに含まれる複数の画素の各画素値を、bビットだけ左にビットシフトする。
その後、演算器154は、ビットシフト器153の出力から、ビットシフト器152の出力を、対応する画素ごとに差し引く。
ここで、ビット深度を第3の値だけ小さくした対象画像に含まれる複数の画素の各画素値から、シフト量調整処理が施された再構成画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引いた値に対して、演算器155が、エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値を正の値にするための所定の値を加算してもよい。図10においては、演算器155が、演算器154の出力に対し、画素ごとに128を加算している。この意味は、本発明の関連技術において説明したとおりである。
最後に、減算器103Aは、演算器155の出力から、画素ごとに下位8ビットを抽出し、8ビットのエンハンスメント・レイヤー画像D34Aを生成する。これは、本実施の形態においては、所定のビット深度を8ビットとするためである。
シフト量決定部151は、対象画像、ベース・レイヤー画像、又は、再構成画像が有する特性に基づいて、第2の値を決定する。また、シフト量決定部151により決定された第2の値(すなわち、bの値)に対応する値は、例えば、MVCエンコーダ101が有するマルチプレクサによって、MVC方式のビットストリームに付加されて出力される。
なお第2の値に対応する値とは、第2の値のほか、画像符号化装置100において第2の値に施した演算の逆演算を画像復号装置200において施すことにより、可逆的に第2の値を算出可能な値を含む。
一般に、ビット深度をダウンコンバート(例えば、ビット切り捨て)した場合において、当該画像を表示した際のアーチファクトは、画像内の比較的複雑でない(すなわち、空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的な)領域においてより顕著となる。これらの領域においては、バンディングのような目に見えるアーチファクトがダウンコンバート後の画像において目立つ。一方で、高密度で複雑な(すなわち、空間周波数成分における高域成分が視覚的により支配的な)領域においては、ビット深度のダウンコンバートによるアーチファクトは目立ちにくい。
シフト量決定部151は、この特性を利用して、アーチファクトの発生と符号化されたデータサイズとのトレードオフを解決できるようにbの値を決定する。具体的には、シフト量決定部151は、輝度変化が複雑な画像に対しては、bの値をより小さく決定する。また、輝度変化が単純な画像に対しては、bの値をより大きく決定する。
すなわち、シフト量決定部151は、ベース・レイヤー画像の空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的な場合ほど、より大きくなるように第2の値であるbを決定する。
その結果、画像符号化装置100は、12ビット画像D31Aに含まれる情報量のうち、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aとして伝送されるべき情報量を、視覚的に目立たない範囲で減少させることができる。
例えば、図10を参照して、b=4(すなわち、第3の値を0)とした場合、12ビット画像D31Aに含まれる画素ごとの下位4ビット分の情報を、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aは含む。一方、b=0(すなわち、第3の値を4)とした場合、12ビット画像D31Aに含まれる情報を、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aは含まない。
なお、正確には、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aは、12ビット画像D31Aに含まれる画像情報の一部に加え、符号化前の画像と符号化後の画像との差分である圧縮歪みを示す情報も含む。したがって、b=0の場合においても、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを生成することは、後述する画像復号装置へ圧縮歪みを示す情報を伝送する手段として有用である。
なお、ダウンコンバータ102A及び減算器103Aが、画像のビット深度を調整することにより、ベース・レイヤー画像D32A及びエンハンスメント・レイヤー画像D34Aをそれぞれ生成する方法には、任意の方法が使用できる。
例えば、図10の説明において述べたように、ダウンコンバータ102Aは、対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを第1の値だけシフトダウンするダウンコンバート処理により、ベース・レイヤー画像を生成してもよい。同様に、減算器103Aは、対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを第3の値だけシフトダウンし、再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを第2の値だけシフトアップしてもよい。この場合、減算器103Aは、ビットをシフトダウンされた対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、ビットをシフトアップされた再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分からエンハンスメント・レイヤー画像を生成してもよい。
又は、ダウンコンバータ102Aは、対象画像のビット深度が第1の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算するダウンコンバート処理により、ベース・レイヤー画像を生成してもよい。同様に、減算器103Aは、対象画像のビット深度が第3の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算し、再構成画像のビット深度が第2の値だけ大きくなるように、当該再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算してもよい。この場合、減算器103Aは、除算された対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、乗算された再構成画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分からエンハンスメント・レイヤー画像を生成してもよい。
以上、本発明の実施の形態1に係る画像符号化装置100について説明した。
次に、図11及び図12を参照して、本発明の実施の形態1に係る画像復号装置200について説明する。
図11は、本発明の実施の形態1に係る画像復号装置200の機能ブロックを示す。画像復号装置200は、ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する画像復号装置である。
図11に示される様に、画像復号装置200は、MVCデコーダ201と、加算器202Aとを備える。なお、図6と同じ構成については、詳細な説明は省略する。
MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51Aから、ビット深度が所定の大きさであるベース・レイヤー画像D54Aを復号する。また、MVCデコーダ201は、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aから、ビット深度が所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像D55Aを復号する。なお、ベース・レイヤー・ビットストリームD51A及びエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aは、例えば、MVCビットストリームD35Aから、それぞれ分離したものである。また、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー画像D54Aと、エンハンスメント・レイヤー画像D55Aとを、画像シーケンスD53Aとして出力してもよい。
より具体的には、MVCデコーダ201は、ベース・レイヤー・ビットストリームD51からベース・レイヤー画像D54を復号する第1デコーダと、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52からからエンハンスメント・レイヤー画像D55を復号する第2デコーダと、マルチプレクサとを有する。ここで、マルチプレクサは、ベース・レイヤー画像D54と、エンハンスメント・レイヤー画像D55とを多重化することにより、画像シーケンスD53を生成する。また、第1デコーダと、第2デコーダと、マルチプレクサとは、MVCデコーダとして構成されている。
加算器202Aは、第2の値をビットストリームから取得し、取得した第2の値に基づいてベース・レイヤー画像D54Aと、エンハンスメント・レイヤー画像D55Aとを加算することにより、対象画像D56Aを生成する。
例えば、加算器202Aが、MVC方式のビットストリームを取得した場合には、加算器202Aは、当該MVC方式のビットストリームに付加されている第2の値を取得する。その後、第2の値に基づいてベース・レイヤー画像D54Aと、エンハンスメント・レイヤー画像D55Aとを加算する。
図12は、加算器202Aの詳細な機能ブロックを示す。
加算器202Aは、ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、bだけ大きくするアップコンバート処理を施す。言いかえれば、加算器202Aは、ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、第2の値だけ大きくするアップコンバート処理を施す。その後、アップコンバート処理を施したベース・レイヤー画像と、エンハンスメント・レイヤー画像とを、互いの画像に含まれる対応する画素の画素値ごとにそれぞれ加算することにより合成する。さらに、合成して得られた画像のビット深度を、第3の値だけ大きくすることにより、対象画像を生成する。
具体的には、図12に示される様に、加算器202Aは、シフト量取得部251と、所定の値bビットだけビットをシフトアップするビットシフト器252と、事前に定められた値の減算処理を行う演算器253と、2入力間で加算処理を行う加算器254と、4−bビットだけビットをシフトアップするビットシフト器255とを有する。
ビットシフト器252は、加算器202Aに入力された8ビットのベース・レイヤー画像D54Aのビット深度を、bビットだけシフトアップする。具体的には、ベース・レイヤー画像D54Aに含まれる複数の画素の各画素値を、bビットだけ左にビットシフトする。これが、前述のアップコンバート処理に対応する。
その後、加算器254は、ビットシフト器252の出力と、演算器253の出力とを、対応する画素ごとに加算する。
なお、加算器202Aが有する演算器253は、加算器254がベース・レイヤー画像とエンハンスメント・レイヤー画像とを合成する前に、エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値から、符号化時に加算された値(例えば128)を減算する。
最後に、ビットシフト器255は、加算器254によって加算された画像のビット深度を、4−b(すなわち、第3の値)だけシフトアップする。具体的には、合成された画像に含まれる複数の画素の各画素値を、4−bビットだけ左にビットシフトする。その結果、12ビットの対象画像D56Aが生成される。
シフト量取得部251は、例えばエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに付加されている、第2の値に対応する値を取得する。取得した第2の値に対応する値から、シフト量取得部251は、第3の値を取得することができる。例えば、第2の値に対応する値として、第2の値を取得した場合、シフト量取得部251は、第1の値−第2の値として、第3の値を取得することができる。
また、加算器202Aが有するビットシフト器252及びビットシフト器255が、画像のビット深度を調整する方法には、任意の方法が使用できる。
例えば、図12の説明において述べたように、加算器202Aは、ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、第2の値であるbだけシフトアップすることにより、当該ベース・レイヤー画像にアップコンバート処理を施す。また、加算器254により合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、第3の値だけシフトアップする。
又は、加算器202Aは、ベース・レイヤー画像のビット深度が、第2の値だけ大きくなるように、当該ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算することにより、当該ベース・レイヤー画像にアップコンバート処理を施してもよい。また、加算器254により合成してえられた画像のビット深度が第3の値だけ大きくなるように、当該合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算してもよい。
なお、上記の説明においては、8ビットのベース・レイヤー・ビットストリームと、8ビットのエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームから、12ビットの対象画像D56Aを生成することを想定して説明している。しかし、各画像のビット深度は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、図13を参照して、画像符号化装置100が備えるシフト量決定部151によるbの値の決定方法の一例について説明する。
図13は、シフト量決定部151が、ベース・レイヤー画像の特性に応じて、第2の値であるbを決定した結果の一例を示す。
図13においては、シーンごとにbの値が決定されている。なお、シーンとは画像符号化装置100に12ビットのソース映像として入力された連続する複数の画像である。ここでは、シーン1、シーン2、シーン3、及びシーン4に対して、それぞれ、b=0、b=4、b=2、及びb=0が設定されている。なお、後述するように、1つのシーンに含まれるより細かい単位ごとに、異なるbの値を設定してもよい。
図13に示される様に、シーン1及びシーン4においては、12ビットから8ビットにビットを丸めたことによるアーチファクトがベース・レイヤー画像に見られない。したがって、シフト量決定部151は、シーン1及びシーン4には、ベース・レイヤー画像の精度を上げる必要がないと判断し、bの値を0と決定する。
また、シーン3においては、アーチファクトがベース・レイヤー画像に多少見られる。したがって、シフト量決定部151は、シーン3においては、エンハンスメント・レイヤー画像を用いてベース・レイヤー画像の精度を上げる必要があると判断し、bの値を2と決定する。
また、シーン2においては、深刻なアーチファクトがベース・レイヤー画像に見られる。したがって、シフト量決定部151は、シーンにおいては、エンハンスメント・レイヤー画像を用いてベース・レイヤー画像の精度を最大限上げる必要があると判断し、bの値を4と決定する。
こうしてシフト量決定部151によって決定されたbの値は、画像符号化装置100においてエンハンスメント・レイヤー画像の生成に使用される。また、復号のため、画像復号装置200に伝送される。
図14は、ビットストリームにbの値を含めることにより、画像符号化装置100から画像復号装置200へbの値を伝送する方法の一例を示す。ここでは、高ビット深度のビデオアプリケーション向け12ビット映像を配信するためのMVC構造(例えば、ステレオハイプロファイル)を使用する。
図14に示される様に、ベース・レイヤー・ビットストリーム(以下、BLストリームともいう)は、MVC構造におけるベース・ビューのビットストリームとして伝送される。また、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリーム(以下、ELストリームともいう)は、MVC構造におけるノン・ベース・ビューのビットストリームとして伝送される。さらに、ELストリームは、複数のユニット(図14においては、Unit1〜UnitU)に分割されている。ここで、ユニットへの分割方法は任意の方法が使用できる。例えば、GOP(Group Of Pictures)を単位として、ELストリームをユニットに分割してもよい。
ここで、画像符号化装置100は、各ユニットの先頭に、当該ユニットに含まれる複数の画像のビットストリームに対するビットシフト数(すなわち、bの値)をメタデータとして付加することにより、画像復号装置200へbの値を伝送する。例えば図14においては、Unit2に含まれる9つの画像のビットストリーム(EL pic0 ストリーム〜EL pic8 ストリーム)のそれぞれに対応するbの値(b0〜b8)を含むメタデータが、ユニット2の先頭(例えばピクチャヘッダ)に付加されている。
なお、メタデータ内において、bの値は互いに異なっていてもよい。また、メタデータに含まれるbの並び順は、図14に示される様に、対応するELユニットに含まれる画像のビットストリームの並び順と揃えてもよいが、これに限られない。例えば、アプリケーション特有の順番であっても、bの値と画像のビットストリームとの対応関係が示される方式であれば、bは任意の並び順で付加されてもよい。
より具体的には、画像符号化装置100が備えるMVCエンコーダ101がシフト量決定部151からbの値を取得し、MVCエンコーダ101が有するマルチプレクサによって、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームにbの値に対応する値を含めてもよい。
この場合、画像復号装置200が有するシフト量取得部251が、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームからbの値を取得し、加算器202Aにおいて、対象画像を生成する処理に使用することが考えられる。
以上述べたように、本実施の形態に係る画像符号化装置100及び画像復号装置200によれば、ビデオシーケンスにおける画像の信号特性に応じて可変なビットシフト数を使用してエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームを効率的に送信することができる。これによると、大量に入手可能な8ビットビデオプロセッサを用いて、高ビット深度ビデオを配信する際に伝送すべきデータ量を、より減少させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る画像符号化装置100及び画像復号装置200は、それぞれMVCエンコーダ及びMVCデコーダを備えていた。しかし、本発明は、MVC方式のビットストリーム以外のビットストリームに対しても適用できる。
図15は、本発明の実施の形態2に係る画像符号化装置100Aの機能ブロックを示す。なお、図9に示す画像符号化装置100と同じ構成要素については、詳細な説明を省略する。
図15に示される様に、画像符号化装置100Aは、MVCエンコーダ101に代わり、第1エンコーダ111Aと、第2エンコーダ112Aと、出力部115とを備える。ここで、第1エンコーダ111Aは、ベース・レイヤー画像D32Aを符号化、及び復号する。また、第2エンコーダ112Aは、エンハンスメント・レイヤー画像D34Aを符号化する。
出力部115は、符号化されたベース・レイヤー画像D32Aであるベース・レイヤー・ビットストリームと、符号化されたエンハンスメント・レイヤー画像D34Aであるエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを出力する。このとき、出力部115は、ベース・レイヤー・ビットストリームとエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化して、MVCビットストリームD35Aとして出力してもよい。さらに、出力部115は、シフト量決定部151が決定したbの値に対応する値を、ベース・レイヤー・ビットストリーム又はエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに含めて出力してもよい。
なお、本実施の形態に係る出力部115を、ベース・レイヤー画像が符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、エンハンスメント・レイヤー画像が符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームとして多重化して出力するマルチプレクサとして構成したものが、実施の形態1に係るMVCエンコーダ101が有するマルチプレクサである。
一方、図16は、本発明の実施の形態2に係る画像復号装置200Aの機能ブロックを示す。なお、図11に示す画像復号装置200と同じ構成要素については、詳細な説明は省略する。また、図16に示されるベース・レイヤー・ビットストリームD51A及びエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aは、多重化されたMVCビットストリームD35Aから事前に分離されたビットストリームである。
図16に示されるように、画像復号装置200Aは、MVCデコーダ201に代わり、第1デコーダ211Aと、第2デコーダ212Aとを備える。ここで、第1デコーダ211Aは、ベース・レイヤー・ビットストリームD51Aからベース・レイヤー画像D54Aを復号する。また、第2デコーダ212Aは、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームD52Aからからエンハンスメント・レイヤー画像D55Aを復号する。
このように、MVCエンコーダ101を備えない画像符号化装置100A及び、MVCデコーダ201を備えない画像復号装置200Aによっても、本発明を実施することができる。
以上、本発明の実施の形態1及び2に係る画像符号化装置について説明したが、本発明に係る画像符号化装置の実施の形態は、これに限られない。
例えば、図10において、減算器103Aが、シフト量決定部151を備えるものとして説明したが、減算器103Aがシフト量決定部151を備えなくてもよい。画像符号化装置100が備える、シフト量決定部151以外の任意の構成要素がbの値を決定してもよい。または、画像符号化装置100は、画像符号化装置100の外にある外部装置から、事前に定められたbの値を取得してもよい。この場合にも、同様の発明の効果を奏する。
また、図12において、加算器202Aが、シフト量取得部251を備えるものとして説明したが、加算器202Aがシフト量取得部251を備えなくてもよい。例えば、画像復号装置200が備える、シフト量取得部251以外の任意の構成要素がbの値を取得してもよい。
また、上記実施の形態においては、MVCエンコーダ101又は出力部115がbの値をエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに付加すると説明した。しかし、MVCエンコーダ101又は出力部115以外の、画像符号化装置が備える構成要素がbの値をビットストリームに付加してもよい。また、bの値を含めるビットストリームは、エンハンスメント・レイヤー・ビットストリームに限らない。例えば、ベース・レイヤー・ビットストリームにbの値を付加してもよい。
なお、上記実施の形態において、符号化する対象画像は12ビット画像D31Aとして説明した。しかし、例えば、10ビット又は8ビットなど、任意のビット深度を有する対象画像を画像符号化装置により符号化してもよい。この場合、符号化対象となる画像のビット深度を、一旦12ビットにシフトした後、画像符号化装置へ入力することで、画像符号化装置に変更を加えずに処理することができる。これにより、より歪みの少ないデータとして伝送することができる。
また、b=0である場合にも、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置は有用である。なぜなら、b=0とした場合にも、エンハンスメント・レイヤー画像には圧縮歪みの情報が含まれている。したがって、この圧縮歪みの情報を用いて、ベース・レイヤー画像に対してより歪みの少ない復号処理を施すことが可能となるためである。
具体的には、本発明に係る画像符号化装置は、12ビット画像と8ビット画像との差分の算出に、符号化されたベース・レイヤー画像の再構成画像を用いる。これにより、画像符号化装置は、12ビット画像の符号化において、8ビット画像の符号化における量子化歪みを吸収することができる。
また、本発明に係る画像復号装置は、ベース・レイヤー画像のみを復号することにより、8ビット画像を生成することもできる。これにより、8ビット画像のみを表示できるディスプレイ装置との互換性が維持される。この場合、例えばインターネット上のストレージに保存されたエンハンスメント・レイヤー画像を、ユーザが後からダウンロードできるような、配信サービスを含む映像システムとして、画像符号化装置及び画像復号装置を構成してもよい。これにより、画像復号装置は、記録媒体の形で配布されたベース・レイヤー画像と、ダウンロードして取得したエンハンスメント・レイヤー画像とを取得することにより、記録媒体に記録されている映像を、事後的により高品質の画像として再生することができる。
また、本発明の関連技術において示されたMVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201は、それぞれ単独で、12ビット画像を符号化または復号する能力を持つ必要がない。MVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201にそのような能力がない場合でも、本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、12ビット画像を符号化または復号できる。したがって、より大きいビット深度の画像を処理する画像符号化装置または画像復号装置を開発するための費用及び期間が、抑制される。
また、本発明の関連技術において示されたMVCエンコーダ101及びMVCデコーダ201は、当然、3D画像の符号化または復号に利用することもできる。
また、本発明の関連技術において示された各計算式は、一例であって、他の計算式が用いられてもよい。例えば、前述したように、右シフト演算は、所定の除数で除算することと同じである。また、左シフト演算は、所定の乗数で乗算することと同じである。
また、ダウンコンバータ102Aはダウンコンバートする時に画素値の下位ビットを四捨五入しても、画素値の下位ビットを切捨てても、切り上げてもよい。
(実施の形態3)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)または動画像復号化方法(画像復号方法)の構成を実現するためのプログラムを記憶メディアに記録することにより、上記各実施の形態で示した処理を独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。記憶メディアは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、半導体メモリ等、プログラムを記録できるものであればよい。
さらにここで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)や動画像復号化方法(画像復号方法)の応用例とそれを用いたシステムを説明する。当該システムは、画像符号化方法を用いた画像符号化装置、及び画像復号方法を用いた画像復号装置からなる画像符号化復号装置を有することを特徴とする。システムにおける他の構成について、場合に応じて適切に変更することができる。
図17は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示す図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex106、ex107、ex108、ex109、ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102及び電話網ex104、及び基地局ex106からex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115などの各機器が接続される。
しかし、コンテンツ供給システムex100は図17のような構成に限定されず、いずれかの要素を組合せて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex106からex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。また、各機器が近距離無線等を介して直接相互に接続されていてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器であり、カメラex116はデジタルカメラ等の静止画撮影、動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話ex114は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはLTE(Long Term Evolution)方式、HSPA(High Speed Packet Access)の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
コンテンツ供給システムex100では、カメラex113等が基地局ex109、電話網ex104を通じてストリーミングサーバex103に接続されることで、ライブ配信等が可能になる。ライブ配信では、ユーザがカメラex113を用いて撮影するコンテンツ(例えば、音楽ライブの映像等)に対して上記各実施の形態で説明したように符号化処理を行い(即ち、本発明の画像符号化装置として機能する)、ストリーミングサーバex103に送信する。一方、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して送信されたコンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115等がある。配信されたデータを受信した各機器では、受信したデータを復号化処理して再生する(即ち、本発明の画像復号装置として機能する)。
なお、撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。同様に配信されたデータの復号化処理はクライアントで行っても、ストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。また、カメラex113に限らず、カメラex116で撮影した静止画像及び/または動画像データを、コンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信してもよい。この場合の符号化処理はカメラex116、コンピュータex111、ストリーミングサーバex103のいずれで行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。
また、これら符号化・復号化処理は、一般的にコンピュータex111や各機器が有するLSIex500において処理する。LSIex500は、ワンチップであっても複数チップからなる構成であってもよい。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な何らかの記録メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込み、そのソフトウェアを用いて符号化・復号化処理を行ってもよい。さらに、携帯電話ex114がカメラ付きである場合には、そのカメラで取得した動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex114が有するLSIex500で符号化処理されたデータである。
また、ストリーミングサーバex103は複数のサーバや複数のコンピュータであって、データを分散して処理したり記録したり配信するものであってもよい。
以上のようにして、コンテンツ供給システムex100では、符号化されたデータをクライアントが受信して再生することができる。このようにコンテンツ供給システムex100では、ユーザが送信した情報をリアルタイムでクライアントが受信して復号化し、再生することができ、特別な権利や設備を有さないユーザでも個人放送を実現できる。
なお、コンテンツ供給システムex100の例に限らず、図18に示すように、デジタル放送用システムex200にも、上記各実施の形態の少なくとも動画像符号化装置(画像符号化装置)または動画像復号化装置(画像復号装置)のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex201では映像データに音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星ex202に伝送される。この映像データは上記各実施の形態で説明した動画像符号化方法により符号化されたデータである(即ち、本発明の画像符号化装置によって符号化されたデータである)。これを受けた放送衛星ex202は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナex204が受信する。受信した多重化データを、テレビ(受信機)ex300またはセットトップボックス(STB)ex217等の装置が復号化して再生する(即ち、本発明の画像復号装置として機能する)。
また、DVD、BD等の記録メディアex215に記録した多重化データを読み取り復号化する、または記録メディアex215に映像信号を符号化し、さらに場合によっては音楽信号と多重化して書き込むリーダ/レコーダex218にも上記各実施の形態で示した動画像復号化装置または動画像符号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex219に表示され、多重化データが記録された記録メディアex215により他の装置やシステムにおいて映像信号を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブルex203または衛星/地上波放送のアンテナex204に接続されたセットトップボックスex217内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex219で表示してもよい。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に動画像復号化装置を組み込んでもよい。
図19は、上記各実施の形態で説明した動画像復号化方法及び動画像符号化方法を用いたテレビ(受信機)ex300を示す図である。テレビex300は、上記放送を受信するアンテナex204またはケーブルex203等を介して映像データに音声データが多重化された多重化データを取得、または出力するチューナex301と、受信した多重化データを復調する、または外部に送信する多重化データに変調する変調/復調部ex302と、復調した多重化データを映像データと、音声データとに分離する、または信号処理部ex306で符号化された映像データ、音声データを多重化する多重/分離部ex303を備える。
また、テレビex300は、音声データ、映像データそれぞれを復号化する、またはそれぞれの情報を符号化する音声信号処理部ex304、映像信号処理部ex305(本発明の画像符号化装置または画像復号装置として機能する)を有する信号処理部ex306と、復号化した音声信号を出力するスピーカex307、復号化した映像信号を表示するディスプレイ等の表示部ex308を有する出力部ex309とを有する。さらに、テレビex300は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部ex312等を有するインタフェース部ex317を有する。さらに、テレビex300は、各部を統括的に制御する制御部ex310、各部に電力を供給する電源回路部ex311を有する。インタフェース部ex317は、操作入力部ex312以外に、リーダ/レコーダex218等の外部機器と接続されるブリッジex313、SDカード等の記録メディアex216を装着可能とするためのスロット部ex314、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバex315、電話網と接続するモデムex316等を有していてもよい。なお記録メディアex216は、格納する不揮発性/揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。テレビex300の各部は同期バスを介して互いに接続されている。
まず、テレビex300がアンテナex204等により外部から取得した多重化データを復号化し、再生する構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、CPU等を有する制御部ex310の制御に基づいて、変調/復調部ex302で復調した多重化データを多重/分離部ex303で分離する。さらにテレビex300は、分離した音声データを音声信号処理部ex304で復号化し、分離した映像データを映像信号処理部ex305で上記各実施の形態で説明した復号化方法を用いて復号化する。復号化した音声信号、映像信号は、それぞれ出力部ex309から外部に向けて出力される。出力する際には、音声信号と映像信号が同期して再生するよう、バッファex318、ex319等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。また、テレビex300は、放送等からではなく、磁気/光ディスク、SDカード等の記録メディアex215、ex216から多重化データを読み出してもよい。次に、テレビex300が音声信号や映像信号を符号化し、外部に送信または記録メディア等に書き込む構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、制御部ex310の制御に基づいて、音声信号処理部ex304で音声信号を符号化し、映像信号処理部ex305で映像信号を上記各実施の形態で説明した符号化方法を用いて符号化する。符号化した音声信号、映像信号は多重/分離部ex303で多重化され外部に出力される。多重化する際には、音声信号と映像信号が同期するように、バッファex320、ex321等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。なお、バッファex318、ex319、ex320、ex321は図示しているように複数備えていてもよいし、1つ以上のバッファを共有する構成であってもよい。さらに、図示している以外に、例えば変調/復調部ex302や多重/分離部ex303の間等でもシステムのオーバフロー、アンダーフローを避ける緩衝材としてバッファにデータを蓄積することとしてもよい。
また、テレビex300は、放送等や記録メディア等から音声データ、映像データを取得する以外に、マイクやカメラのAV入力を受け付ける構成を備え、それらから取得したデータに対して符号化処理を行ってもよい。なお、ここではテレビex300は上記の符号化処理、多重化、及び外部出力ができる構成として説明したが、これらの処理を行うことはできず、上記受信、復号化処理、外部出力のみが可能な構成であってもよい。
また、リーダ/レコーダex218で記録メディアから多重化データを読み出す、または書き込む場合には、上記復号化処理または符号化処理はテレビex300、リーダ/レコーダex218のいずれで行ってもよいし、テレビex300とリーダ/レコーダex218が互いに分担して行ってもよい。
一例として、光ディスクからデータの読み込みまたは書き込みをする場合の情報再生/記録部ex400の構成を図20に示す。情報再生/記録部ex400は、以下に説明する要素ex401、ex402、ex403、ex404、ex405、ex406、ex407を備える。光ヘッドex401は、光ディスクである記録メディアex215の記録面にレーザスポットを照射して情報を書き込み、記録メディアex215の記録面からの反射光を検出して情報を読み込む。変調記録部ex402は、光ヘッドex401に内蔵された半導体レーザを電気的に駆動し記録データに応じてレーザ光の変調を行う。再生復調部ex403は、光ヘッドex401に内蔵されたフォトディテクタにより記録面からの反射光を電気的に検出した再生信号を増幅し、記録メディアex215に記録された信号成分を分離して復調し、必要な情報を再生する。バッファex404は、記録メディアex215に記録するための情報及び記録メディアex215から再生した情報を一時的に保持する。ディスクモータex405は記録メディアex215を回転させる。サーボ制御部ex406は、ディスクモータex405の回転駆動を制御しながら光ヘッドex401を所定の情報トラックに移動させ、レーザスポットの追従処理を行う。システム制御部ex407は、情報再生/記録部ex400全体の制御を行う。上記の読み出しや書き込みの処理はシステム制御部ex407が、バッファex404に保持された各種情報を利用し、また必要に応じて新たな情報の生成・追加を行うと共に、変調記録部ex402、再生復調部ex403、サーボ制御部ex406を協調動作させながら、光ヘッドex401を通して、情報の記録再生を行うことにより実現される。システム制御部ex407は例えばマイクロプロセッサで構成され、読み出し書き込みのプログラムを実行することでそれらの処理を実行する。
以上では、光ヘッドex401はレーザスポットを照射するとして説明したが、近接場光を用いてより高密度な記録を行う構成であってもよい。
図21に光ディスクである記録メディアex215の模式図を示す。記録メディアex215の記録面には案内溝(グルーブ)がスパイラル状に形成され、情報トラックex230には、予めグルーブの形状の変化によってディスク上の絶対位置を示す番地情報が記録されている。この番地情報はデータを記録する単位である記録ブロックex231の位置を特定するための情報を含み、記録や再生を行う装置において情報トラックex230を再生し番地情報を読み取ることで記録ブロックを特定することができる。また、記録メディアex215は、データ記録領域ex233、内周領域ex232、外周領域ex234を含んでいる。ユーザデータを記録するために用いる領域がデータ記録領域ex233であり、データ記録領域ex233より内周または外周に配置されている内周領域ex232と外周領域ex234は、ユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。情報再生/記録部ex400は、このような記録メディアex215のデータ記録領域ex233に対して、符号化された音声データ、映像データまたはそれらのデータを多重化した多重化データの読み書きを行う。
以上では、1層のDVD、BD等の光ディスクを例に挙げ説明したが、これらに限ったものではなく、多層構造であって表面以外にも記録可能な光ディスクであってもよい。また、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長の色の光を用いて情報を記録したり、さまざまな角度から異なる情報の層を記録したりなど、多次元的な記録/再生を行う構造の光ディスクであってもよい。
また、デジタル放送用システムex200において、アンテナex205を有する車ex210で衛星ex202等からデータを受信し、車ex210が有するカーナビゲーションex211等の表示装置に動画を再生することも可能である。なお、カーナビゲーションex211の構成は例えば図19に示す構成のうち、GPS受信部を加えた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111や携帯電話ex114等でも考えられる。
図22Aは、上記実施の形態で説明した動画像復号化方法及び動画像符号化方法を用いた携帯電話ex114を示す図である。携帯電話ex114は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex350、映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex365、カメラ部ex365で撮像した映像、アンテナex350で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex358を備える。携帯電話ex114は、さらに、操作キー部ex366を有する本体部、音声を出力するためのスピーカ等である音声出力部ex357、音声を入力するためのマイク等である音声入力部ex356、撮影した映像、静止画、録音した音声、または受信した映像、静止画、メール等の符号化されたデータ若しくは復号化されたデータを保存するメモリ部ex367、又は同様にデータを保存する記録メディアとのインタフェース部であるスロット部ex364を備える。
さらに、携帯電話ex114の構成例について、図22Bを用いて説明する。携帯電話ex114は、表示部ex358及び操作キー部ex366を備えた本体部の各部を統括的に制御する主制御部ex360に対して、電源回路部ex361、操作入力制御部ex362、映像信号処理部ex355、カメラインタフェース部ex363、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex359、変調/復調部ex352、多重/分離部ex353、音声信号処理部ex354、スロット部ex364、メモリ部ex367がバスex370を介して互いに接続されている。
電源回路部ex361は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話ex114を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex114は、CPU、ROM、RAM等を有する主制御部ex360の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex356で収音した音声信号を音声信号処理部ex354でデジタル音声信号に変換し、これを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理し、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。また携帯電話ex114は、音声通話モード時にアンテナex350を介して受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログデジタル変換処理を施し、変調/復調部ex352でスペクトラム逆拡散処理し、音声信号処理部ex354でアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex357から出力する。
さらにデータ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キー部ex366等の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex362を介して主制御部ex360に送出される。主制御部ex360は、テキストデータを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して基地局ex110へ送信する。電子メールを受信する場合は、受信したデータに対してこのほぼ逆の処理が行われ、表示部ex358に出力される。
データ通信モード時に映像、静止画、または映像と音声を送信する場合、映像信号処理部ex355は、カメラ部ex365から供給された映像信号を上記各実施の形態で示した動画像符号化方法によって圧縮符号化し(即ち、本発明の画像符号化装置として機能する)、符号化された映像データを多重/分離部ex353に送出する。また、音声信号処理部ex354は、映像、静止画等をカメラ部ex365で撮像中に音声入力部ex356で収音した音声信号を符号化し、符号化された音声データを多重/分離部ex353に送出する。
多重/分離部ex353は、映像信号処理部ex355から供給された符号化された映像データと音声信号処理部ex354から供給された符号化された音声データを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変調/復調部(変調/復調回路部)ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、または映像及び若しくは音声が添付された電子メールを受信する場合、アンテナex350を介して受信された多重化データを復号化するために、多重/分離部ex353は、多重化データを分離することにより映像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex370を介して符号化された映像データを映像信号処理部ex355に供給するとともに、符号化された音声データを音声信号処理部ex354に供給する。映像信号処理部ex355は、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法に対応した動画像復号化方法によって復号化することにより映像信号を復号し(即ち、本発明の画像復号装置として機能する)、LCD制御部ex359を介して表示部ex358から、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる映像、静止画が表示される。また音声信号処理部ex354は、音声信号を復号し、音声出力部ex357から音声が出力される。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、テレビex300と同様に、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末という3通りの実装形式が考えられる。さらに、デジタル放送用システムex200において、映像データに音楽データなどが多重化された多重化データを受信、送信するとして説明したが、音声データ以外に映像に関連する文字データなどが多重化されたデータであってもよいし、多重化データではなく映像データ自体であってもよい。
このように、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法あるいは動画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
また、本発明はかかる上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
(実施の形態4)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置と、MPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1など異なる規格に準拠した動画像符号化方法または装置とを、必要に応じて適宜切替えることにより、映像データを生成することも可能である。
ここで、それぞれ異なる規格に準拠する複数の映像データを生成した場合、復号する際に、それぞれの規格に対応した復号方法を選択する必要がある。しかしながら、復号する映像データが、どの規格に準拠するものであるか識別できないため、適切な復号方法を選択することができないという課題を生じる。
この課題を解決するために、映像データに音声データなどを多重化した多重化データは、映像データがどの規格に準拠するものであるかを示す識別情報を含む構成とする。上記各実施の形態で示す動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを含む多重化データの具体的な構成を以下説明する。多重化データは、MPEG−2トランスポートストリーム形式のデジタルストリームである。
図23は、多重化データの構成を示す図である。図23に示すように多重化データは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラフィックスストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の主映像及び副映像を、オーディオストリーム(IG)は映画の主音声部分とその主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。ビデオストリームは、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠した動画像符号化方法または装置によって符号化されている。オーディオストリームは、ドルビーAC−3、Dolby Digital Plus、MLP、DTS、DTS−HD、または、リニアPCMのなどの方式で符号化されている。
多重化データに含まれる各ストリームはPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図24は、多重化データがどのように多重化されるかを模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリームex235、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームex238を、それぞれPESパケット列ex236及びex239に変換し、TSパケットex237及びex240に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリームex241及びインタラクティブグラフィックスex244のデータをそれぞれPESパケット列ex242及びex245に変換し、さらにTSパケットex243及びex246に変換する。多重化データex247はこれらのTSパケットを1本のストリームに多重化することで構成される。
図25は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図25における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図25の矢印yy1,yy2, yy3, yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャごとに分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図26は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図26下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、映像・音声・字幕などの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自身のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図27はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
多重化データ情報ファイルは、図28に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図28に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
ストリーム属性情報は図29に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PIDごとに登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリームごとに異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
また、本実施の形態における動画像復号化方法のステップを図30に示す。ステップexS100において、多重化データからPMTに含まれるストリームタイプ、または、多重化データ情報に含まれるビデオストリーム属性情報を取得する。次に、ステップexS101において、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された多重化データであることを示しているか否かを判断する。そして、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものであると判断された場合には、ステップexS102において、上記各実施の形態で示した動画像復号方法により復号を行う。また、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠するものであることを示している場合には、ステップexS103において、従来の規格に準拠した動画像復号方法により復号を行う。
このように、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に新たな固有値を設定することにより、復号する際に、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法または装置で復号可能であるかを判断することができる。従って、異なる規格に準拠する多重化データが入力された場合であっても、適切な復号化方法または装置を選択することができるため、エラーを生じることなく復号することが可能となる。また、本実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、または、動画像復号方法または装置を、上述したいずれの機器・システムに用いることも可能である。
(実施の形態5)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法及び装置、動画像復号化方法及び装置は、典型的には集積回路であるLSIで実現される。一例として、図31に1チップ化されたLSIex500の構成を示す。LSIex500は、以下に説明する要素ex501、ex502、ex503、ex504、ex505、ex506、ex507、ex508、ex509を備え、各要素はバスex510を介して接続している。電源回路部ex505は電源がオン状態の場合に各部に対して電力を供給することで動作可能な状態に起動する。
例えば符号化処理を行う場合には、LSIex500は、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有する制御部ex501の制御に基づいて、AV I/Oex509によりマイクex117やカメラex113等からAV信号を入力する。入力されたAV信号は、一旦SDRAM等の外部のメモリex511に蓄積される。制御部ex501の制御に基づいて、蓄積したデータは処理量や処理速度に応じて適宜複数回に分けるなどされ信号処理部ex507に送られ、信号処理部ex507において音声信号の符号化及び/または映像信号の符号化が行われる。ここで映像信号の符号化処理は上記各実施の形態で説明した符号化処理である。信号処理部ex507ではさらに、場合により符号化された音声データと符号化された映像データを多重化するなどの処理を行い、ストリームI/Oex506から外部に出力する。この出力された多重化データは、基地局ex107に向けて送信されたり、または記録メディアex215に書き込まれたりする。なお、多重化する際には同期するよう、一旦バッファex508にデータを蓄積するとよい。
なお、上記では、メモリex511がLSIex500の外部の構成として説明したが、LSIex500の内部に含まれる構成であってもよい。バッファex508も1つに限ったものではなく、複数のバッファを備えていてもよい。また、LSIex500は1チップ化されてもよいし、複数チップ化されてもよい。
また、上記では、制御部ex501が、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有するとしているが、制御部ex501の構成は、この構成に限らない。例えば、信号処理部ex507がさらにCPUを備える構成であってもよい。信号処理部ex507の内部にもCPUを設けることにより、処理速度をより向上させることが可能になる。また、他の例として、CPUex502が信号処理部ex507、または信号処理部ex507の一部である例えば音声信号処理部を備える構成であってもよい。このような場合には、制御部ex501は、信号処理部ex507、またはその一部を有するCPUex502を備える構成となる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態6)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを復号する場合、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データを復号する場合に比べ、処理量が増加することが考えられる。そのため、LSIex500において、従来の規格に準拠する映像データを復号する際のCPUex502の駆動周波数よりも高い駆動周波数に設定する必要がある。しかし、駆動周波数を高くすると、消費電力が高くなるという課題が生じる。
この課題を解決するために、テレビex300、LSIex500などの動画像復号化装置は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別し、規格に応じて駆動周波数を切替える構成とする。図32は、本実施の形態における構成ex800を示している。駆動周波数切替え部ex803は、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、駆動周波数を高く設定する。そして、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801に対し、映像データを復号するよう指示する。一方、映像データが、従来の規格に準拠する映像データである場合には、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、駆動周波数を低く設定する。そして、従来の規格に準拠する復号処理部ex802に対し、映像データを復号するよう指示する。
より具体的には、駆動周波数切替え部ex803は、図31のCPUex502と駆動周波数制御部ex512から構成される。また、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801、及び、従来の規格に準拠する復号処理部ex802は、図31の信号処理部ex507に該当する。CPUex502は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別する。そして、CPUex502からの信号に基づいて、駆動周波数制御部ex512は、駆動周波数を設定する。また、CPUex502からの信号に基づいて、信号処理部ex507は、映像データの復号を行う。ここで、映像データの識別には、例えば、実施の形態4で記載した識別情報を利用することが考えられる。識別情報に関しては、実施の形態4で記載したものに限られず、映像データがどの規格に準拠するか識別できる情報であればよい。例えば、映像データがテレビに利用されるものであるか、ディスクに利用されるものであるかなどを識別する外部信号に基づいて、映像データがどの規格に準拠するものであるか識別可能である場合には、このような外部信号に基づいて識別してもよい。また、CPUex502における駆動周波数の選択は、例えば、図34のような映像データの規格と、駆動周波数とを対応付けたルックアップテーブルに基づいて行うことが考えられる。ルックアップテーブルを、バッファex508や、LSIの内部メモリに格納しておき、CPUex502がこのルックアップテーブルを参照することにより、駆動周波数を選択することが可能である。
図33は、本実施の形態の方法を実施するステップを示している。まず、ステップexS200では、信号処理部ex507において、多重化データから識別情報を取得する。次に、ステップexS201では、CPUex502において、識別情報に基づいて映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものであるか否かを識別する。映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、ステップexS202において、駆動周波数を高く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、高い駆動周波数に設定される。一方、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、ステップexS203において、駆動周波数を低く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、低い駆動周波数に設定される。
さらに、駆動周波数の切替えに連動して、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を変更することにより、省電力効果をより高めることが可能である。例えば、駆動周波数を低く設定する場合には、これに伴い、駆動周波数を高く設定している場合に比べ、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することが考えられる。
また、駆動周波数の設定方法は、復号する際の処理量が大きい場合に、駆動周波数を高く設定し、復号する際の処理量が小さい場合に、駆動周波数を低く設定すればよく、上述した設定方法に限らない。例えば、MPEG4−AVC規格に準拠する映像データを復号する処理量の方が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置により生成された映像データを復号する処理量よりも大きい場合には、駆動周波数の設定を上述した場合の逆にすることが考えられる。
さらに、駆動周波数の設定方法は、駆動周波数を低くする構成に限らない。例えば、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を高く設定し、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することも考えられる。また、他の例としては、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、CPUex502の駆動を停止させることなく、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、処理に余裕があるため、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合であっても、処理に余裕があれば、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。この場合は、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合に比べて、停止時間を短く設定することが考えられる。
このように、映像データが準拠する規格に応じて、駆動周波数を切替えることにより、省電力化を図ることが可能になる。また、電池を用いてLSIex500またはLSIex500を含む装置を駆動している場合には、省電力化に伴い、電池の寿命を長くすることが可能である。
(実施の形態7)
テレビや、携帯電話など、上述した機器・システムには、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力される場合がある。このように、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力された場合にも復号できるようにするために、LSIex500の信号処理部ex507が複数の規格に対応している必要がある。しかし、それぞれの規格に対応する信号処理部ex507を個別に用いると、LSIex500の回路規模が大きくなり、また、コストが増加するという課題が生じる。
この課題を解決するために、上記各実施の形態で示した動画像復号方法を実行するための復号処理部と、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する復号処理部とを一部共有化する構成とする。この構成例を図35Aのex900に示す。例えば、上記各実施の形態で示した動画像復号方法と、MPEG4−AVC規格に準拠する動画像復号方法とは、エントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償などの処理において処理内容が一部共通する。共通する処理内容については、MPEG4−AVC規格に対応する復号処理部ex902を共有し、MPEG4−AVC規格に対応しない、本発明特有の他の処理内容については、専用の復号処理部ex901を用いるという構成が考えられる。復号処理部の共有化に関しては、共通する処理内容については、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行するための復号処理部を共有し、MPEG4−AVC規格に特有の処理内容については、専用の復号処理部を用いる構成であってもよい。
また、処理を一部共有化する他の例を図35Bのex1000に示す。この例では、本発明に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1001と、他の従来規格に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1002と、本発明の動画像復号方法と他の従来規格の動画像復号方法とに共通する処理内容に対応した共用の復号処理部ex1003とを用いる構成としている。ここで、専用の復号処理部ex1001、ex1002は、必ずしも本発明、または、他の従来規格に特有の処理内容に特化したものではなく、他の汎用処理を実行できるものであってもよい。また、本実施の形態の構成を、LSIex500で実装することも可能である。
このように、本発明の動画像復号方法と、従来の規格の動画像復号方法とで共通する処理内容について、復号処理部を共有することにより、LSIの回路規模を小さくし、かつ、コストを低減することが可能である。
本発明に係る画像符号化装置及び画像復号装置は、例えば、テレビ、デジタルビデオレコーダー、カーナビゲーション、携帯電話、デジタルカメラ、または、デジタルビデオカメラ等に利用可能である。
100、100A 画像符号化装置
101 MVCエンコーダ
102、102A ダウンコンバータ
103、103A 減算器
111、111A 第1エンコーダ
112、112A 第2エンコーダ
113 マルチプレクサ
115 出力部
151 シフト量決定部
152、153、252、255 ビットシフト器
154、155、253 演算器
200、200A 画像復号装置
201 MVCデコーダ
202、202A 加算器
211、211A 第1デコーダ
212、212A 第2デコーダ
213 マルチプレクサ
251 シフト量取得部
254 加算器
D11、D23、D32、D32A、D54、D54A ベース・レイヤー画像
D12、D24 ノン・ベース・レイヤー画像
D13、D33、D33A 再構成画像
D14、D21 ベース・ビュー・ビットストリーム
D15、D22 ノン・ベース・ビュー・ビットストリーム
D16、D35、D35A MVCビットストリーム
D25、D53、D53A 画像シーケンス
D31、D56 10ビット画像
D31A 12ビット画像
D34、D34A、D55、D55A エンハンスメント・レイヤー画像
D36、D51、D51A ベース・レイヤー・ビットストリーム
D37、D52、D52A エンハンスメント・レイヤー・ビットストリーム
D56A 対象画像

Claims (20)

  1. 1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する画像符号化装置であって、
    前記対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が前記所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成するダウンコンバータと、
    前記ベース・レイヤー画像を符号化し、符号化した前記ベース・レイヤー画像を復号することにより再構築画像を生成する第1エンコーダと、
    前記再構築画像に対して、第2の値だけビット深度を大きくするシフト量調整処理を施し、前記シフト量調整処理が施された再構築画像と前記対象画像とに基づいて、前記ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、前記ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する減算器と、
    前記エンハンスメント・レイヤー画像を符号化する第2エンコーダと、
    符号化された前記ベース・レイヤー画像と、符号化された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを出力する出力部とを備える
    画像符号化装置。
  2. 前記減算器は、前記対象画像のビット深度を前記第1の値と前記第2の値との差分である第3の値だけ小さくした画像に含まれる複数の画素の各画素値から、前記シフト量調整処理が施された再構築画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引き、差し引いた結果を表すビット情報のうち、下位から前記所定の大きさの範囲に含まれるビット情報により、前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  3. 前記減算器は、前記ベース・レイヤー画像、前記対象画像、又は、前記再構築画像が有する特性に基づき、前記第2の値を決定するシフト量決定部を有し、
    前記出力部は、さらに、前記シフト量決定部により決定された前記第2の値に対応する値を出力する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  4. 前記シフト量決定部は、前記対象画像若しくは前記ベース・レイヤー画像の空間周波数成分における低域成分が視覚的により支配的であるほど、より大きくなるように前記第2の値を決定する
    請求項3に記載の画像符号化装置。
  5. さらに、前記出力部は、前記ベース・レイヤー画像が符号化されたベース・レイヤー・ビットストリームと、前記エンハンスメント・レイヤー画像が符号化されたエンハンスメント・レイヤー・ビットストリームとを多重化することにより、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームを生成するマルチプレクサとして構成され、
    前記第1エンコーダと、前記第2エンコーダと、前記マルチプレクサとは、MVCエンコーダとして構成され、
    前記マルチプレクサは、複数の前記対象画像について決定された、前記第2の値に対応する値を、前記MVC方式のビットストリームに付加する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  6. 前記ダウンコンバータは、前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第1の値だけシフトダウンする前記ダウンコンバート処理により、前記ベース・レイヤー画像を生成し、
    前記減算器は、
    前記再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第2の値だけシフトアップし、
    前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを前記第1の値と前記第2の値との差分だけシフトダウンし、
    シフトダウンされた前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、シフトアップされた前記再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分から前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  7. 前記ダウンコンバータは、前記対象画像のビット深度が前記第1の値だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算する前記ダウンコンバート処理により、前記ベース・レイヤー画像を生成し、
    前記減算器は、
    前記再構築画像のビット深度が前記第2の値だけ大きくなるように、当該再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算し、
    前記対象画像のビット深度が前記第1の値と前記第2の値との差分だけ小さくなるように、当該対象画像に含まれる複数の画素の各画素値を所定の除数で除算し、
    除算された前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値と、これに対応する、乗算された前記再構築画像に含まれる複数の画素の各画素値との差分から前記エンハンスメント・レイヤー画像を生成する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  8. 前記減算器は、ビット深度を前記第3の値だけ小さくした前記対象画像に含まれる複数の画素の各画素値から、前記シフト量調整処理が施された前記再構築画像に含まれる対応する画素の画素値を差し引いた値に、前記エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値を正の値にするための所定の値を加算する
    請求項2に記載の画像符号化装置。
  9. ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する画像復号装置であって、
    前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるベース・レイヤー画像を復号する第1デコーダと、
    前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像を復号する第2デコーダと、
    前記ビットストリームから取得した第2の値に基づいて、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを加算することにより、前記対象画像を生成する加算器とを備える
    画像復号装置。
  10. 前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像に対して、当該画像のビット深度を、前記第2の値だけ大きくするアップコンバート処理を施し、前記アップコンバート処理を施したベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを、互いの画像に含まれる対応する画素の画素値ごとにそれぞれ加算することにより合成し、合成して得られた画像のビット深度を、前記第1の値と前記第2の値との差分である第3の値だけ大きくすることにより、前記対象画像を生成する
    請求項9に記載の画像復号装置。
  11. 前記ビットストリームは、MVC(Multiview Video Coding)方式のビットストリームであり、
    さらに、復号された前記ベース・レイヤー画像と復号された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを多重化することにより、画像シーケンスを生成するマルチプレクサを備え、
    前記第1デコーダと、前記第2デコーダと、前記マルチプレクサとは、MVCデコーダとして構成され、
    前記加算器は、前記MVC方式のビットストリームから前記第2の値を取得する
    請求項9に記載の画像復号装置。
  12. 前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、前記第2の値だけシフトアップし、
    前記合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値のビットを、前記第3の値だけシフトアップすることにより、前記対象画像を生成する
    請求項10に記載の画像復号装置。
  13. 前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像のビット深度が、前記第2の値だけ大きくなるように、当該ベース・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算し、
    前記合成してえられた画像のビット深度が前記第3の値だけ大きくなるように、当該合成してえられた画像に含まれる複数の画素の各画素値に所定の乗数を乗算することにより、前記対象画像を生成する
    請求項10に記載の画像復号装置。
  14. 前記加算器は、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを合成する前に、前記エンハンスメント・レイヤー画像に含まれる複数の画素の各画素値から、符号化時に加算された所定の値を減算する
    請求項9に記載の画像復号装置。
  15. 1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する画像符号化方法であって、
    前記対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が前記所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成するダウンコンバーティングステップと、
    前記ベース・レイヤー画像を符号化し、符号化した前記ベース・レイヤー画像を復号することにより再構築画像を生成する第1エンコーディングステップと、
    前記再構築画像に対して、第2の値だけビット深度を大きくするシフト量調整処理を施し、前記シフト量調整処理が施された再構築画像と前記対象画像とに基づいて、前記ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、前記ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する減算ステップと、
    前記エンハンスメント・レイヤー画像を符号化する第2エンコーディングステップと、
    符号化された前記ベース・レイヤー画像と、符号化された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを出力する出力ステップとを含む
    画像符号化方法。
  16. 請求項15に記載の画像符号化方法をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  17. 1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも大きい対象画像を符号化する集積回路であって、
    前記対象画像に対して、当該対象画像のビット深度が前記所定の大きさとなるように第1の値だけビット深度を小さくするダウンコンバート処理を施すことにより、ベース・レイヤー画像を生成するダウンコンバータと、
    前記ベース・レイヤー画像を符号化し、符号化した前記ベース・レイヤー画像を復号することにより再構築画像を生成する第1エンコーダと、
    前記再構築画像に対して、第2の値だけビット深度を大きくするシフト量調整処理を施し、前記シフト量調整処理が施された再構築画像と前記対象築画像とに基づいて、前記ベース・レイヤー画像の画質を上げるための画像であって、前記ベース・レイヤー画像と同じビット深度を有する画像であるエンハンスメント・レイヤー画像を生成する減算器と、
    前記エンハンスメント・レイヤー画像を符号化する第2エンコーダと、
    符号化された前記ベース・レイヤー画像と、符号化された前記エンハンスメント・レイヤー画像とを出力する出力部とを備える
    集積回路。
  18. ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する画像復号方法であって、
    前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるベース・レイヤー画像を復号する第1デコーディングステップと、
    前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像を復号する第2デコーディングステップと、
    前記ビットストリームから取得した第2の値に基づいて、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを加算することにより、前記対象画像を生成する加算ステップとを含む
    画像復号方法。
  19. 請求項18に記載の画像復号方法をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  20. ビットストリームから、1画素あたりの情報容量を示すビット深度が所定の大きさよりも第1の値だけ大きい対象画像を復号する集積回路であって、
    前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるベース・レイヤー画像を復号する第1デコーダと、
    前記ビットストリームから、ビット深度が前記所定の大きさであるエンハンスメント・レイヤー画像を復号する第2デコーダと、
    前記ビットストリームから取得した第2の値に基づいて、前記ベース・レイヤー画像と、前記エンハンスメント・レイヤー画像とを加算することにより、前記対象画像を生成する加算器とを備える
    集積回路。
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