JPWO2012067120A1 - 移動通信システム、基地局、及び通信方法 - Google Patents

移動通信システム、基地局、及び通信方法 Download PDF

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Abstract

基地局間通信を用いて基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて、基地局eNB1と、基地局eNB1に隣接する基地局eNB2と、基地局eNB2に隣接する少なくとも1つの基地局eNB3と、を有し、基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報3を基地局eNB3から受信した後、基地局eNB3の負荷情報3を用いて重み付けした基地局eNB2の負荷情報2を、基地局eNB1に送信する。

Description

本発明は、SON技術が適用される移動通信システム、基地局、及び通信方法に関する。
移動通信システムの標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化されているLTE(Long Term Evolution)では、基地局に係るパラメータを、人手を介さずに基地局自身が自立的に調整するSON(Self Organizing Network)技術が適用される(例えば、非特許文献1参照)。
SON技術の一つとして、基地局間の負荷を平準化するために、隣接する基地局間で送受信される負荷情報に基づいて、カバレッジを定める基地局パラメータ(具体的には、ハンドオーバパラメータ)を調整する手法が提案されている。このような最適化の技術はMLB(Mobility Load Balancing)と称されており、無線端末に提供されるサービス品質を改善できる。なお、カバレッジとは、基地局の論理的或いは物理的な通信エリアの範囲を意味する。
具体的には、LTEでは、以下の4分類の負荷情報が定義されている(非特許文献2参照)。(a)時間周波数リソースの割り当て単位であるPRB(Physical Resource Block)の使用数、(b)基地局とコアネットワークとの間のバックホールの負荷、(c)基地局のハードウェア負荷、(d)基地局の相対的な通信容量を示す指標である容量クラスとその中で利用可能な通信容量の割合。
上述したMLBにおいては、基地局は、例えば、隣接基地局からの負荷情報に基づき当該隣接基地局の負荷が自局と比較して低いことを検知すると、当該隣接基地局に対して自局のカバレッジを縮小するようにパラメータを調整する。これにより、自局の負荷を減らしつつ当該隣接基地局の負荷を高めることができ、負荷の平準化を図ることができる。
また、基地局は、例えば、隣接基地局からの負荷情報に基づき当該隣接基地局の負荷が自局と比較して高いことを検知すると、当該隣接基地局に対して自局のカバレッジを拡大するようにパラメータを調整する。これにより、自局の負荷を高めつつ当該隣接基地局の負荷を減らすことができ、負荷の平準化を図ることができる。
上述したMLBには、以下のような問題がある。
具体的には、ある基地局の隣接基地局の負荷が低いケースであっても、当該隣接基地局に隣接する基地局(以下、適宜「次隣接基地局」と称する)のセル内の無線端末数が多いようなときには、当該次隣接基地局のセルから当該隣接基地局のセルへ無線端末が移動する可能性があるため、当該隣接基地局の負荷は将来的に大きくなる可能性がある。
このような状況下で、基地局が、隣接基地局の負荷が低いことを理由としてカバレッジを縮小してしまうと、当該隣接基地局の負荷が高くなった際に当該負荷を即座に吸収することができない。その結果、無線端末に提供されるサービス品質を十分に改善できない問題がある。
そこで、本発明は、隣接基地局だけでなく次隣接基地局の負荷も考慮した通信制御を実現可能とすることで、サービス品質を十分に改善できる移動通信システム、基地局、及び通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明に係る移動通信システムの特徴は、基地局間通信を用いて基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システム(移動通信システム1)であって、第1基地局(基地局eNB1)と、前記第1基地局に隣接する第2基地局(基地局eNB2)と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局(基地局eNB3)と、を有し、前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
このような特徴によれば、第2基地局は、第3基地局の負荷情報を当該第3基地局から受信した後、当該負荷情報を用いて重み付けした自局(第2基地局)の負荷情報を、第1基地局に送信する。
これにより、第1基地局は、次隣接基地局(第3基地局)の負荷、すなわち、隣接基地局(第2基地局)の潜在的な負荷の状態も考慮して、将来を予測した通信制御が可能になる。
従って、上記特徴によれば、隣接基地局だけでなく次隣接基地局の負荷も考慮したMLBを実現可能とすることで、サービス品質を十分に改善できる移動通信システムを提供できる。
本発明に係る移動通信システムの他の特徴は、上記特徴に係る移動通信システムにおいて、前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信する際、前記第2基地局の負荷情報が重み付けされていることを示す情報を、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る移動通信システムの他の特徴は、上記特徴に係る移動通信システムにおいて、前記第1基地局は、前記第2基地局の負荷情報の送信要求を前記第2基地局に送信し、前記第2基地局は、前記第1基地局からの送信要求を受信したことに応じて、前記第3基地局の負荷情報の送信要求を前記第3基地局に送信し、前記第3基地局は、前記第2基地局からの送信要求を受信したことに応じて、前記第3基地局の負荷情報を前記第2基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る移動通信システムの他の特徴は、上記特徴に係る移動通信システムにおいて、前記第1基地局は、重み付けの有無を指定した送信要求を送信し、前記第2基地局は、前記第1基地局からの送信要求が重み付け有りを指定する場合には、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信し、前記第1基地局からの送信要求が重み付け無しを指定する場合には、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けしていない前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る移動通信システムの特徴は、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムであって、第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第2基地局の負荷情報と、前記第3基地局の負荷情報とを、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
このような特徴によれば、第2基地局は、第3基地局の負荷情報を当該第3基地局から受信した後、第2基地局の負荷情報と、第3基地局の負荷情報とを、第1基地局に送信する。
これにより、第1基地局は、次隣接基地局(第3基地局)の負荷、すなわち、隣接基地局(第2基地局)の潜在的な負荷の状態も考慮して、将来を予測した通信制御が可能になる。
従って、上記特徴によれば、隣接基地局だけでなく次隣接基地局の負荷も考慮したMLBを実現可能とすることで、サービス品質を十分に改善できる移動通信システムを提供できる。
本発明に係る移動通信システムの他の特徴は、上記特徴に係る移動通信システムにおいて、前記第1基地局は、前記第2基地局の負荷情報と前記第3基地局の負荷情報とを前記第2基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて前記第2基地局の負荷情報を重み付けすることを要旨とする。
本発明に係る移動通信システムの他の特徴は、上記特徴に係る移動通信システムにおいて、前記第1基地局は、前記第3基地局の負荷情報の有無を指定した送信要求を送信し、前記第2基地局は、前記第1基地局からの送信要求が前記第3基地局の負荷情報有りを指定する場合には、前記第2基地局の負荷情報と前記第3基地局の負荷情報とを前記第1基地局に送信し、前記第1基地局からの送信要求が前記第3基地局の負荷情報無しを指定する場合には、前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る基地局の特徴は、第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて、前記第2基地局として動作する基地局であって、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした自局の負荷情報を、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る基地局の特徴は、第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて、前記第2基地局として動作する基地局であって、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、自局の負荷情報と、前記第3基地局の負荷情報とを、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る通信方法の特徴は、第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて用いられる通信方法であって、前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明に係る通信方法の特徴は、第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて用いられる通信方法であって、前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第2基地局の負荷情報と、前記第3基地局の負荷情報とを、前記第1基地局に送信することを要旨とする。
本発明によれば、隣接基地局だけでなく次隣接基地局の負荷も考慮した通信制御を実現可能とすることで、サービス品質を十分に改善できる移動通信システム、基地局、及び通信方法を提供できる。
第1実施形態及び第2実施形態に係る移動通信システムのネットワーク構成を示すネットワーク構成図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係る移動通信システムの通信環境の一例を示す図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る移動通信システムの動作パターン1を示すシーケンス図である。 第1実施形態に係る移動通信システムの動作パターン2を示すシーケンス図である。 第2実施形態に係る移動通信システムの動作パターン1を示すシーケンス図である。
図面を参照して、本発明の第1実施形態、第2実施形態、及びその他の実施形態を説明する。以下の各実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
以下の各実施形態においては、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で仕様が策定されているLTE(Long Term Evolution)規格に基づいて構成される移動通信システムを説明するが、他の規格に基づいて構成される移動通信システムに対して本発明を適用してもよい。
(1)第1実施形態
第1実施形態に係る移動通信システムは、基地局間通信を用いて基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムであって、第1基地局と、第1基地局に隣接する第2基地局と、第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局とを有する。第2基地局は、第3基地局の負荷情報を第3基地局から受信した後、第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした第2基地局の負荷情報を、第1基地局に送信する。
以下、第1実施形態について、(1.1)移動通信システムの概要、(1.2)基地局の構成、(1.3)移動通信システムの動作、(1.4)第1実施形態の効果の順に説明する。
(1.1)移動通信システムの概要
図1は、第1実施形態に係る移動通信システム1のネットワーク構成を示すネットワーク構成図である。移動通信システム1には、SON(Self Organizing Network)技術が適用される。
図1に示すように、移動通信システム1は、無線端末UE(User Equipment)、複数の基地局eNB(evolved Node-B)、及び複数の移動管理装置MME(Mobility Management Entity)/ゲートウェイ装置S−GW(Serving Gateway)を有する。
複数の基地局eNBは、E−UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access Network)を構成する。複数の基地局eNBのそれぞれは、無線端末UEにサービスを提供すべき通信エリアである1又は複数のセルを管理する。
互いに隣接する各基地局eNBは、基地局間通信を提供する論理的な通信路であるX2インターフェイスを介して互いに通信可能である。また、複数の基地局eNBのそれぞれは、S1インターフェイスを介して、EPC(Evolved Packet Core)、具体的には、MME/S−GWと通信可能である。
無線端末UEは、ユーザが所持する無線通信装置であり、ユーザ装置とも称される。無線端末UEは、通信中(コネクテッドモードと称される)において、サービング基地局(或いはサービングセル)の切り替え、すなわちハンドオーバを行うことができる。
無線端末UEは、基地局eNBから受信する参照信号に対する測定を行い、測定結果に係る報告(メジャメントレポート)をサービング基地局eNBに送信する。測定結果とは、例えば参照信号の受信電力(RSRP)である。メジャメントレポートは、基地局eNBが設定したイベントをトリガとして無線端末UEから基地局eNBに送信されてもよく、無線端末UEから基地局eNBに定期的に送信されてもよい。
基地局eNBは、無線端末UEから受信するメジャメントレポートに基づいてハンドオーバ制御を行う。無線端末UEが複数の基地局eNBからの参照信号を受信する場合、メジャメントレポートは、複数の基地局eNBに対応する複数のRSRPを含んでもよい。メジャメントレポートを受信した基地局eNBは、当該メジャメントレポートに基づいて、例えば複数の基地局eNBのうちRSRPが最も高いものをハンドオーバ先として決定する。
移動通信システム1は、上述したMLBをサポートする。隣接する各基地局eNBは、X2インターフェイスを介して送受信される負荷情報に基づいて、カバレッジを定める基地局パラメータとしてのハンドオーバパラメータを調整する。例えば、一の基地局eNBの負荷が隣接基地局eNBの負荷よりも高い場合に、ハンドオーバパラメータを調整することで、当該一の基地局eNBのカバレッジを縮小するとともに、当該隣接基地局eNBのカバレッジを拡大する。
このようなハンドオーバパラメータとしては、無線端末UEが測定したRSRPを補正するためのオフセット値が使用できる。例えば、一の無線端末UEが2つの基地局eNBのそれぞれから無線信号を受信可能な場合において、一方の基地局eNBに対応するRSRP1と、他方の基地局eNBに対応するRSRP2とを比較する前に、RSRP1を高く補正するためのオフセット値をRSRP1に加える。こうすることで、オフセット後のRSRP1がRSRP2を上回る可能性が高まる。よって、当該一方の基地局eNBが優先的にハンドオーバ先として選択されるようになり、当該一方の基地局eNBのカバレッジを拡大できる。なお、不要なハンドオーバを避けるために、オフセット値は、基地局eNBの対で1つの値を取り、対をなす各基地局eNBで共有する。
図2は、移動通信システム1の通信環境の一例を示す図である。図2における丸印は、通信中の無線端末UEを表している。
図2に示すように、本通信環境では、基地局eNB1と、基地局eNB1に隣接する基地局eNB2と、基地局eNB2に隣接する3つの基地局eNB3a,eNB3b,eNB3cとが設けられている。基地局eNB1は第1基地局に相当し、基地局eNB2は第2基地局に相当し、基地局eNB3a,eNB3b,eNB3cは第3基地局に相当する。また、本通信環境では、基地局eNB3a,eNB3b,eNB3cは、基地局eNB2に隣接しており、基地局eNB2には隣接していない。すなわち、基地局eNB2は基地局eNB1の隣接基地局であり、基地局eNB3は基地局eNB1の次隣接基地局である。なお、以下において、基地局eNB3a,eNB3b,eNB3cを特に区別しないときは単に基地局eNB3と称する。
基地局eNB1及び基地局eNB2のそれぞれは、負荷情報を互いに送受信することによって、負荷を平準化するように自局のカバレッジを調整する。本通信環境では、基地局eNB1のセル内にある無線端末UEの数は、基地局eNB2のセル内にある無線端末UEの数よりも多く、基地局eNB1の負荷は基地局eNB2の負荷よりも高い。このため、基地局eNB1は、基地局eNB2の負荷情報に基づいて、自局のカバレッジを縮小するようにハンドオーバパラメータを調整する。
しかしながら、基地局eNB3のセル内には多くの無線端末UEがあり、これらの無線端末UEは、基地局eNB2のセル内に移動して、基地局eNB3から基地局eNB2へのハンドオーバを行う可能性がある。その結果、基地局eNB2の負荷が高まることになるが、基地局eNB1はカバレッジを縮小するようにハンドオーバパラメータを調整しているため、当該負荷を即座に吸収することができない問題がある。
そこで、基地局eNB2から基地局eNB1に送信される負荷情報に、基地局eNB3の負荷を反映させることによって、当該負荷情報に基地局eNB2の潜在的な負荷を含ませることができるようになり、このような問題を解決することができる。具体的には、第1実施形態に係る基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報を基地局eNB3から受信した後、基地局eNB3の負荷情報を用いて重み付けした基地局eNB2の負荷情報を、基地局eNB1に送信する。
(1.2)基地局の構成
次に、第1実施形態に係る基地局eNB1及び基地局eNB2のそれぞれの構成を説明する。
(1.2.1)基地局eNB1の構成
図3(a)は、第1実施形態に係る基地局eNB1の構成を示すブロック図である。
図3(a)に示すように、基地局eNB1は、アンテナ101、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130、及び制御部140を有する。アンテナ101は、無線通信部110に接続され、無線通信部110、ネットワーク通信部120、及び記憶部130は、制御部140に接続される。
アンテナ101は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を用いて構成されてもよい。
無線通信部110は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成され、アンテナ101を介して無線通信を行うように構成される。送信については、無線通信部110は、制御部140から入力される送信信号の符号化及び変調を行った後、アップコンバート及び増幅を行ってアンテナ101に出力する。受信については、無線通信部110は、アンテナ101から入力される受信信号の増幅及びダウンコンバートを行った後、復調及び復号を行って制御部140に出力する。
無線通信部110は、参照信号を送信する。また、無線通信部110は、メジャメントレポートを無線端末UEから受信する。さらに、無線通信部110は、当該メジャメントレポートに基づいて当該無線端末UEにハンドオーバを行わせると決定された場合に、ハンドオーバコマンドを当該無線端末UEに送信する。
ネットワーク通信部120は、バックホールネットワークに接続され、バックホールネットワークを介して他のネットワーク装置、具体的には基地局eNB2やEPCとの通信を行う。
ネットワーク通信部120は、X2インターフェイスを介して負荷情報を基地局eNB2と送受信する。LTEでは、以下の4分類の負荷情報が定義されている(非特許文献2参照)。(a)時間周波数リソースの割り当て単位であるPRB(Physical Resource Block)の使用数、(b)基地局とコアネットワークとの間のバックホールの負荷、(c)基地局のハードウェア負荷、(d)基地局の相対的な通信容量を示す指標である容量クラスとその中で利用可能な通信容量の割合。
記憶部130は、例えばメモリを用いて構成され、基地局eNB1の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。制御部140は、例えばCPUを用いて構成され、基地局eNB1が備える各種の機能を制御する。
制御部140は、負荷情報処理部141及びハンドオーバ制御部142を含む。負荷情報処理部141及びハンドオーバ制御部142のそれぞれの機能は、例えば、制御部140としてのCPUが、記憶部130に記憶されているプログラムを実行することで実現される。
負荷情報処理部141は、負荷情報に係る各種の処理及び制御を行う。具体的には、負荷情報処理部141は、以下の処理及び制御を行う。
負荷情報処理部141は、自局の負荷を測定し、自局の負荷を閾値と比較する。負荷情報処理部141は、自局の負荷と閾値との比較結果に応じて、基地局eNB2の負荷情報を取得するための手順を実行する。当該手順は、負荷情報の送信開始を要求するための送信要求(Resource Status Requestメッセージと称される)を基地局eNB2に送信するようネットワーク通信部120を制御するステップと、ネットワーク通信部120がResource Status Requestメッセージに対する応答(Resource Status Responseメッセージと称される)を基地局eNB2から受信するステップと、ネットワーク通信部120が負荷情報を含むメッセージ(Resource Status Updateメッセージと称される)を基地局eNB2から受信するステップとを含む。
ここで、負荷情報処理部141は、Resource Status Requestメッセージを基地局eNB2に送信する際、重み付けの有無を指定したResource Status Requestメッセージを送信できる。具体的には、負荷情報処理部141は、重み付け有りを要求する情報をResource Status Requestメッセージに含める、又は、重み付け無しを示す情報をResource Status Requestメッセージに含めることによって、重み付けの有無を指定する。
負荷情報処理部141は、基地局eNB2の負荷情報を含むResource Status Updateメッセージをネットワーク通信部120が受信すると、基地局eNB2の負荷情報をハンドオーバ制御部142に通知する。また、負荷情報処理部141は、自局(基地局eNB1)の負荷情報をハンドオーバ制御部142に通知する。以下において、基地局eNB1の負荷情報を負荷情報1と称し、基地局eNB2の負荷情報を負荷情報2と称する。
ハンドオーバ制御部142は、ハンドオーバに係る各種の処理及び制御を行う。具体的には、ハンドオーバ制御部142は、以下の処理及び制御を行う。
ハンドオーバ制御部142は、負荷情報1が示す負荷と負荷情報2が示す負荷とを比較し、負荷情報1が示す負荷が、負荷情報2が示す負荷よりも低い場合には、自局のカバレッジを拡大するようハンドオーバパラメータを調整する。例えば、自局に対応するRSRPに加算されるオフセット値を大きくする、あるいは、基地局eNB2に対応するRSRPに加算されるオフセット値を小さくすることで、基地局eNB2に対する自局のカバレッジを拡大することができる。一方、負荷情報1が示す負荷が、負荷情報2が示す負荷よりも高い場合には、自局のカバレッジを縮小するようハンドオーバパラメータを調整する。例えば、自局に対応するRSRPに加算されるオフセット値を小さくする、あるいは、隣接基地局に対応するRSRPに加算されるオフセット値を大きくすることで、自局のカバレッジを論理的に縮小することができる。
このようなハンドオーバパラメータは、無線通信部110から無線端末UEに通知され、無線端末UEがRSRPを比較する際に使用される。あるいは、ハンドオーバパラメータは、ハンドオーバ制御部142がRSRPを比較する際に使用されてもよい。
ただし、ハンドオーバパラメータを調整するためには、基地局eNB2からの許可が得られていることが必要である。よって、ハンドオーバ制御部142は、調整後のハンドオーバパラメータを通知するためのメッセージ(Mobility Change Requestメッセージと称される)をネットワーク通信部120から基地局eNB2に送信し、当該調整後のハンドオーバパラメータが許容されることが確認できた場合にハンドオーバパラメータを調整する。
(1.2.2)基地局eNB2の構成
図3(b)は、第1実施形態に係る基地局eNB2の構成を示すブロック図である。
図3(b)に示すように、基地局eNB2は、アンテナ201、無線通信部210、ネットワーク通信部220、記憶部230、及び制御部240を有する。アンテナ201は、無線通信部210に接続され、無線通信部210、ネットワーク通信部220、及び記憶部230は、制御部240に接続される。
アンテナ201は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を用いて構成されてもよい。
無線通信部210は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成され、アンテナ201を介して無線通信を行うように構成される。送信については、無線通信部210は、制御部240から入力される送信信号の符号化及び変調を行った後、アップコンバート及び増幅を行ってアンテナ201に出力する。受信については、無線通信部210は、アンテナ201から入力される受信信号の増幅及びダウンコンバートを行った後、復調及び復号を行って制御部240に出力する。
無線通信部210は、参照信号を送信する。また、無線通信部210は、メジャメントレポートを無線端末UEから受信する。さらに、無線通信部210は、当該メジャメントレポートに基づいて当該無線端末UEにハンドオーバを行わせると決定された場合に、ハンドオーバコマンドを当該無線端末UEに送信する。
ネットワーク通信部220は、バックホールネットワークに接続され、バックホールネットワークを介して他のネットワーク装置、具体的には基地局eNB1やEPCとの通信を行う。ネットワーク通信部220は、X2インターフェイスを介して負荷情報を基地局eNB1と送受信する。
記憶部230は、例えばメモリを用いて構成され、基地局eNB2の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。制御部240は、例えばCPUを用いて構成され、基地局eNB2が備える各種の機能を制御する。
制御部240は、負荷情報処理部241及びハンドオーバ制御部242を含む。負荷情報処理部241及びハンドオーバ制御部242のそれぞれの機能は、例えば、制御部240としてのCPUが、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することで実現される。
負荷情報処理部241は、負荷情報に係る各種の処理及び制御を行う。具体的には、負荷情報処理部241は、以下の処理及び制御を行う。
負荷情報処理部241は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージをネットワーク通信部220が受信した場合に、自局(基地局eNB2)の負荷情報2を基地局eNB1に送信するための手順を実行する。当該手順は、Resource Status Requestメッセージに対する応答であるResource Status Responseメッセージを基地局eNB1に送信するようネットワーク通信部220を制御するステップと、自局の負荷を測定して負荷情報2を生成するステップと、当該負荷情報2を含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB1に送信するようネットワーク通信部220を制御するステップとを含む。
負荷情報処理部241は、ネットワーク通信部220が、重み付け有りを指定したResource Status Requestメッセージを基地局eNB1から受信した場合に、Resource Status Requestメッセージを基地局eNB3に送信するようネットワーク通信部220を制御する。そして、基地局eNB3からのResource Status Responseメッセージをネットワーク通信部220が受信した後、基地局eNB3からのResource Status Updateメッセージをネットワーク通信部220が受信すると、当該Resource Status Updateメッセージに含まれる、基地局eNB3の負荷情報(以下、負荷情報3と称する)を用いて、自局の負荷情報2を重み付けする。ここで、重み付けとは、例えば、自局の負荷情報2に所定の係数を乗じた結果と、基地局eNB3の負荷情報3に所定の係数を乗じた結果とを加算する処理である。あるいは、重み付けとは、自局の負荷情報2と基地局eNB3の負荷情報3との平均を求める処理であってもよい。負荷情報処理部241は、重み付け後の負荷情報2を含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB1に送信するようネットワーク通信部220を制御する。負荷情報処理部241は、基地局eNB3の負荷情報3を用いて重み付けした基地局eNB2の負荷情報2を基地局eNB1に送信する際、基地局eNB2の負荷情報2が重み付けされていることを示す情報をResource Status Updateメッセージに含める。
ハンドオーバ制御部242の機能は、基地局eNB1のハンドオーバ制御部142の機能と同様であるため、ハンドオーバ制御部242の説明は省略する。
(1.3)移動通信システムの動作
次に、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作パターン1及び動作パターン2を説明する。動作パターン1は、基地局eNB2において負荷情報2の重み付けを行う動作パターンであり、動作パターン2は、基地局eNB2において負荷情報2の重み付けを行わない動作パターンである。
(1.3.1)動作パターン1
図4は、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作パターン1を示すシーケンス図である。
ステップS101において、基地局eNB1は、重み付け有りを要求する情報を含むResource Status Requestメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Resource Status Requestメッセージを受信する。
ステップS102において、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージを許容する場合に、Resource Status Responseメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該Resource Status Responseメッセージを受信する。
ステップS103において、基地局eNB2は、重み付け有りを要求する情報を含むResource Status Requestメッセージを基地局eNB1から受信したことに応じて、Resource Status Requestメッセージを基地局eNB3に送信する。
ステップS104において、基地局eNB3は、基地局eNB2からのResource Status Requestメッセージを許容する場合に、Resource Status Responseメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Resource Status Responseメッセージを受信する。
ステップS105において、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージに従って、自局(基地局eNB2)の負荷を測定し、測定結果を示す負荷情報2を生成する。なお、ステップS105の処理は、ステップS103の前、又は、ステップS103とステップS104との間で行ってもよい。
ステップS106において、基地局eNB3は、基地局eNB2からのResource Status Requestメッセージに従って、自局(基地局eNB3)の負荷を測定し、測定結果を示す負荷情報3を生成する。具体的には、基地局eNB3aは負荷情報3aを、基地局eNB3bは負荷情報3bを、基地局eNB3cは負荷情報3cをそれぞれ生成する。
ステップS107において、基地局eNB3は、負荷情報3を含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Resource Status Updateメッセージを受信する。
ステップS108において、基地局eNB2は、ステップS107で受信した負荷情報3を用いて、ステップS105で生成した負荷情報2を重み付けする。重み付けとは、上述したように、負荷情報2に所定の係数を乗じた結果と、負荷情報3に所定の係数を乗じた結果とを加算する処理である。あるいは、重み付けとは、負荷情報2と負荷情報3との平均を求める処理であってもよい。
ステップS109において、基地局eNB2は、重み付け後の負荷情報2と、負荷情報2が重み付けされていることを示す情報とを含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該Resource Status Updateメッセージを受信する。
ステップS110において、基地局eNB1は、基地局eNB2からの重み付け後の負荷情報2を用いて、自局と基地局eNB2との間のハンドオーバパラメータを決定する。例えば、基地局eNB1は、自局の負荷を示す負荷情報1と、重み付け後の負荷情報2とが等しい場合に、ハンドオーバパラメータが最適化された状態であるとみなして、ハンドオーバパラメータを変更せずに維持する。一方、基地局eNB1は、負荷情報1が、重み付け後の負荷情報2よりも低い場合に、自局のカバレッジを拡大するようにハンドオーバパラメータを調整する。また、基地局eNB1は、負荷情報1が、重み付け後の負荷情報2よりも高い場合に、基地局eNB2に対する自局のカバレッジを縮小するようにハンドオーバパラメータを調整する。基地局eNB1が自局のハンドオーバパラメータを調整する場合には、以降の処理に進む。
ステップS111において、基地局eNB1は、調整後のハンドオーバパラメータを含むMobility Change Requestメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Mobility Change Requestメッセージを受信する。
ステップS112において、基地局eNB2は、Mobility Change Requestメッセージを許容する場合に、Mobility Change Acknowledgeメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該基地局eNB2は、当該Mobility Change Acknowledgeメッセージを受信する。
ステップS113及びS114において、基地局eNB1及び基地局eNB2は、調整後のハンドオーバパラメータを自局に設定する。
なお、ステップS105〜S109の処理は、基地局eNB1が負荷情報の送信停止を基地局eNB2に要求するまでは、繰り返し実行される。
(1.3.2)動作パターン2
図5は、第1実施形態に係る移動通信システム1の動作パターン2を示すシーケンス図である。
ステップS201において、基地局eNB1は、重み付け有りを要求する情報を含まないResource Status Requestメッセージ、又は、重み付け無しを要求する情報を含むResource Status Requestメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB1は、当該Resource Status Requestメッセージを受信する。
ステップS202において、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージを許容する場合に、Resource Status Responseメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該Resource Status Responseメッセージを受信する。
ステップS203において、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージに従って、自局(基地局eNB2)の負荷を測定し、測定結果を示す負荷情報2を生成する。
ステップS204において、基地局eNB2は、負荷情報2を含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB1に送信する。当該Resource Status Updateメッセージは、負荷情報2が重み付けされていないことを示す情報を含んでもよい。基地局eNB1は、当該Resource Status Updateメッセージを受信する。
ステップS205において、基地局eNB1は、基地局eNB2からの負荷情報2を用いて、自局のハンドオーバパラメータを決定する。例えば、基地局eNB1は、自局の負荷を示す負荷情報1と、負荷情報2とが等しい場合に、ハンドオーバパラメータが最適化された状態であるとみなして、ハンドオーバパラメータを変更せずに維持する。一方、基地局eNB1は、負荷情報1が負荷情報2よりも低い場合に、自局のカバレッジを拡大するようにハンドオーバパラメータを調整する。また、基地局eNB1は、負荷情報1が負荷情報2よりも高い場合に、自局のカバレッジを縮小するようにハンドオーバパラメータを調整する。基地局eNB1が自局のハンドオーバパラメータを調整する場合には、以降の処理に進む。以降の処理(ステップS206〜S209)は、動作パターン1と同様であるため、説明を省略する。
(1.4)第1実施形態の効果
以上説明したように、基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報3を当該基地局eNB3から受信した後、当該負荷情報3を用いて重み付けした自局の負荷情報2を、基地局eNB1に送信する。これにより、基地局eNB1は、次隣接基地局である基地局eNB3の負荷、すなわち、隣接基地局である基地局eNB2の潜在的な負荷の状態も考慮して、将来を予測した通信制御が可能になる。
また、第1実施形態では、基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報3を用いて重み付けした基地局eNB2の負荷情報2を基地局eNB1に送信する際、基地局eNB2の負荷情報2が重み付けされていることを示す情報を、基地局eNB1に送信する。これにより、基地局eNB1は、基地局eNB2からの負荷情報2が重み付けされたものであるか否かを把握することができ、適切な通信制御を行うことができる。
さらに、第1実施形態では、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージを受信したことに応じて、Resource Status Requestメッセージを基地局eNB3に送信する。基地局eNB3は、基地局eNB2からのResource Status Requestメッセージを受信したことに応じて、基地局eNB3の負荷情報3を含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB2に送信する。これにより、負荷情報3が必要な場合にのみ負荷情報3を取得できるようになるため、各基地局が負荷情報を常時送受信するケースと比較して、バックホールのトラフィックを削減できる。
第1実施形態では、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージが重み付け有りを指定する場合には、基地局eNB3の負荷情報3を用いて重み付けした基地局eNB2の負荷情報2を基地局eNB1に送信する。一方、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージが重み付け無しを指定する場合には、重み付けしていない基地局eNB2の負荷情報2を基地局eNB1に送信する。これにより、基地局eNB1は、潜在的な負荷も含めた基地局eNB2の負荷の状態を把握したい状況、及び、現時点での基地局eNB2の負荷の状態を把握したい状況の何れの状況にも対応できるため、より適切な通信制御を行うことができる。
(2)第2実施形態
第2実施形態に係る移動通信システムは、基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報3を基地局eNB3から受信した後、基地局eNB2の負荷情報2と、基地局eNB3の負荷情報3とを、基地局eNB1に送信する。また、基地局eNB1は、基地局eNB2の負荷情報2と基地局eNB3の負荷情報3とを基地局eNB2から受信した後、基地局eNB3の負荷情報3を用いて、基地局eNB2の負荷情報2を重み付けする。
以下、第2実施形態について、(2.1)移動通信システムの動作、(2.2)第2実施形態の効果の順に説明する。ただし、第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。
(2.1)移動通信システムの動作
図6は、第2実施形態に係る移動通信システム1の動作パターン1を示すシーケンス図である。なお、動作パターン2については第1実施形態と同様である。
ステップS301において、基地局eNB1は、基地局eNB3の負荷情報3有りを要求する情報(次隣接負荷要求情報)を含むResource Status Requestメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Resource Status Requestメッセージを受信する。
ステップS302において、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージを許容する場合に、Resource Status Responseメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該Resource Status Responseメッセージを受信する。
ステップS303において、基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報3有りを指定したResource Status Requestメッセージを基地局eNB1から受信したことに応じて、Resource Status Requestメッセージを基地局eNB3に送信する。
ステップS304において、基地局eNB3は、基地局eNB2からのResource Status Requestメッセージを許容する場合に、Resource Status Responseメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Resource Status Responseメッセージを受信する。
ステップS305において、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージに従って、自局(基地局eNB2)の負荷を測定し、測定結果を示す負荷情報2を生成する。なお、ステップS305の処理は、ステップS303の前、又は、ステップS303とステップS304との間で行ってもよい。
ステップS306において、基地局eNB3は、基地局eNB2からのResource Status Requestメッセージに従って、自局(基地局eNB3)の負荷を測定し、測定結果を示す負荷情報3を生成する。具体的には、基地局eNB3aは負荷情報3aを、基地局eNB3bは負荷情報3bを、基地局eNB3cは負荷情報3cをそれぞれ生成する。
ステップS307において、基地局eNB3は、負荷情報3を含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Resource Status Updateメッセージを受信する。
ステップS308において、基地局eNB2は、ステップS307で受信した負荷情報3と、ステップS305で生成した負荷情報2とを含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該Resource Status Updateメッセージを受信する。
ステップS309において、基地局eNB1は、Resource Status Updateメッセージに含まれる負荷情報3を用いて、Resource Status Updateメッセージに含まれる負荷情報2を重み付けする。重み付けとは、上述したように、負荷情報2に所定の係数を乗じた結果と、負荷情報3に所定の係数を乗じた結果とを加算する処理である。あるいは、重み付けとは、負荷情報2と負荷情報3との平均を求める処理であってもよい。
ステップS310において、基地局eNB1は、重み付け後の負荷情報2を用いて、自局と基地局eNB2との間のハンドオーバパラメータを決定する。例えば、基地局eNB1は、自局の負荷を示す負荷情報1と、重み付け後の負荷情報2とが等しい場合に、ハンドオーバパラメータが最適化された状態であるとみなして、ハンドオーバパラメータを変更せずに維持する。一方、基地局eNB1は、負荷情報1が、重み付け後の負荷情報2よりも低い場合に、自局のカバレッジを拡大するようにハンドオーバパラメータを調整する。また、基地局eNB1は、負荷情報1が、重み付け後の負荷情報2よりも高い場合に、基地局eNB2に対する自局のカバレッジを縮小するようにハンドオーバパラメータを調整する。基地局eNB1が自局のハンドオーバパラメータを調整する場合には、以降の処理に進む。
ステップS311において、基地局eNB1は、調整後のハンドオーバパラメータを含むMobility Change Requestメッセージを基地局eNB2に送信する。基地局eNB2は、当該Mobility Change Requestメッセージを受信する。
ステップS312において、基地局eNB2は、Mobility Change Requestメッセージを許容する場合に、Mobility Change Acknowledgeメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、当該基地局eNB2は、当該Mobility Change Acknowledgeメッセージを受信する。
ステップS313及びS314において、基地局eNB1及び基地局eNB2は、調整後のハンドオーバパラメータを自局に設定する。
なお、ステップS305〜S309の処理は、基地局eNB1が負荷情報の送信停止を基地局eNB2に要求するまでは、繰り返し実行される。
(2.2)第2実施形態の効果
以上説明したように、第2実施形態によれば、基地局eNB2は、基地局eNB3の負荷情報3を当該基地局eNB3から受信した後、基地局eNB2の負荷情報2と基地局eNB3の負荷情報3とを含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB1に送信する。基地局eNB1は、基地局eNB2の負荷情報2と基地局eNB3の負荷情報3とを含むResource Status Updateメッセージを基地局eNB2から受信した後、基地局eNB3の負荷情報3を用いて基地局eNB2の負荷情報2を重み付けする。これにより、基地局eNB1は、次隣接基地局である基地局eNB3の負荷、すなわち、隣接基地局である基地局eNB2の潜在的な負荷の状態も考慮して、将来を予測した通信制御が可能になる。
また、第2実施形態では、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージが基地局eNB3の負荷情報3有りを指定する場合には、基地局eNB2の負荷情報2に加えて基地局eNB3の負荷情報3を基地局eNB1に送信する。一方、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージが基地局eNB3の負荷情報3無しを指定する場合には、基地局eNB2の負荷情報2を基地局eNB1に送信する。これにより、基地局eNB1は、潜在的な負荷も含めた基地局eNB2の負荷の状態を把握したい状況、及び、現時点での基地局eNB2の負荷の状態を把握したい状況の何れの状況にも対応できるため、より適切な通信制御を行うことができる。
(3)その他の実施形態
上記のように、本発明は各実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した第1実施形態では、基地局eNB2は、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージを受信したことに応じて、Resource Status Requestメッセージを基地局eNB3に送信していた。しかしながら、基地局eNB2が、基地局eNB1からのResource Status Requestメッセージを受信する前にResource Status Requestメッセージを基地局eNB3に送信しているケースでは、Resource Status Requestメッセージを改めて基地局eNB3に送信する必要はない。
上述した各実施形態では、ハンドオーバパラメータとしてオフセット値を説明したが、オフセット値に限らず、RSRPと比較されるハンドオーバ閾値を調整してもよい。また、ハンドオーバパラメータを調整することに限らず、他の基地局パラメータ(例えば、アンテナチルト角や送信電力)を調整することによってカバレッジを物理的に拡大又は縮小してもよい。さらに、負荷情報に基づく通信制御としては、カバレッジの拡大又は縮小に限らず、他の通信制御であってもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
なお、日本国特許出願第2010−257702号(2010年11月18日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明に係る移動通信システム、基地局、及び通信方法によれば、隣接基地局だけでなく次隣接基地局の負荷も考慮した通信制御を実現可能とすることで、サービス品質を十分に改善できるため、無線通信分野において有用である。

Claims (11)

  1. 基地局間通信を用いて基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムであって、
    第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、
    前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする移動通信システム。
  2. 前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信する際、前記第2基地局の負荷情報が重み付けされていることを示す情報を、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  3. 前記第1基地局は、前記第2基地局の負荷情報の送信要求を前記第2基地局に送信し、
    前記第2基地局は、前記第1基地局からの送信要求を受信したことに応じて、前記第3基地局の負荷情報の送信要求を前記第3基地局に送信し、
    前記第3基地局は、前記第2基地局からの送信要求を受信したことに応じて、前記第3基地局の負荷情報を前記第2基地局に送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  4. 前記第1基地局は、重み付けの有無を指定した送信要求を送信し、
    前記第2基地局は、
    前記第1基地局からの送信要求が重み付け有りを指定する場合には、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信し、
    前記第1基地局からの送信要求が重み付け無しを指定する場合には、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けしていない前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
  5. 基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムであって、
    第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、
    前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第2基地局の負荷情報と、前記第3基地局の負荷情報とを、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする移動通信システム。
  6. 前記第1基地局は、前記第2基地局の負荷情報と前記第3基地局の負荷情報とを前記第2基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて前記第2基地局の負荷情報を重み付けする、
    ことを特徴とする請求項5に記載の移動通信システム。
  7. 前記第1基地局は、前記第3基地局の負荷情報の有無を指定した送信要求を送信し、
    前記第2基地局は、
    前記第1基地局からの送信要求が前記第3基地局の負荷情報有りを指定する場合には、前記第2基地局の負荷情報と前記第3基地局の負荷情報とを前記第1基地局に送信し、
    前記第1基地局からの送信要求が前記第3基地局の負荷情報無しを指定する場合には、前記第2基地局の負荷情報を前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の移動通信システム。
  8. 第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて、前記第2基地局として動作する基地局であって、
    前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした自局の負荷情報を、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする基地局。
  9. 第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて、前記第2基地局として動作する基地局であって、
    前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、自局の負荷情報と、前記第3基地局の負荷情報とを、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする基地局。
  10. 第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて用いられる通信方法であって、
    前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第3基地局の負荷情報を用いて重み付けした前記第2基地局の負荷情報を、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする通信方法。
  11. 第1基地局と、前記第1基地局に隣接する第2基地局と、前記第2基地局に隣接する少なくとも1つの第3基地局と、を有し、基地局間で送受信される負荷情報に基づいて通信制御が可能な移動通信システムにおいて用いられる通信方法であって、
    前記第2基地局は、前記第3基地局の負荷情報を前記第3基地局から受信した後、前記第2基地局の負荷情報と、前記第3基地局の負荷情報とを、前記第1基地局に送信する、
    ことを特徴とする通信方法。
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