JPWO2011096256A1 - 口腔用たばこ製品 - Google Patents
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Abstract
Description
この無煙たばこの1つに口腔用たばこ製品としてのスヌース(SNUS)が知られている。このスヌースは、たばこ原料を細かく裁断して得た刻を主成分として有し、このたばこ刻は多くの水分を含んでいる。
パウチタイプのスヌースの場合、ユーザはスヌースをその口腔内に直接入れて上唇と歯茎との間に挟み込み、たばこ刻の芳香を楽しむ一方、唾液中に抽出されたたばこ刻のたばこ成分を歯茎から体内に摂取する。
しかしながら、上述したようにたばこ刻の水分量が多い場合、スヌースの保管中、たばこ成分は水分とともにパウチの外面全域から染み出し易い。このようなたばこ成分の染み出しはパウチを形成する不織布を変色させ、スヌースの外観全体を汚く見せてしまう。この結果、このようなスヌースはユーザに不快感を与えてしまうばかりでなく、染み出したたばこ成分がスヌースの周辺を汚してしまうこともある。
一方、たばこ粒に含まれる水分が多くても、本発明の口腔用たばこ製品はパウチに形成された撥水領域を含んでいるので、口腔用たばこ製品の保管中、撥水領域はパウチ外へのたばこ成分を含む水分の染み出しを抑制可能となる。それ故、保管中、たばこ製品の見栄えが大きく損なわれる可能性は少なく、また、たばこ製品が互いに隣接して保管されていても、たばこ製品同士が汚し合うことも可能性も少ない。
好ましくは、撥水領域は、外面又は内面の全域の40〜50%を占める。具体的には、撥水領域は、フッ素系樹脂、パラフィン樹脂、シリコン系樹脂又はエポキシ系樹脂のいずれかの撥水材料を塗布して形成されている。
また、たばこ粒は、6.5〜9.5のpHを有することが望ましく、更に、たばこ粒は、15〜50%の水分量を有することが望ましい。
このようなたばこ製品1は、例えば、図2に示される収容ケース4に収容される。この収容ケース4は、ケースボディ6、マット8及び蓋10を含む。このケースボディ6は、扁平な円筒形状をなし、上面に開口部7を有する。この開口部7は、上向きに凸の円形状をなしており、蓋10により開閉可能である。
蓋10は円形をなし、ケースボディ6の外径と同一の外径を有する。蓋10の上面には略円形の段付き凹所16が形成されている。この段付きの凹所16は底17及びこの底17を囲む環状のレスト面15を有し、このレスト面15の深さは底17よりも浅い。レスト面15の外周部には切欠13が形成されており、この切欠13に円形のカバー20がヒンジ18を介して取り付けられている。このカバー20は、レスト面15の外径に略等しい外径を有する。それ故、カバー20が凹所16内に嵌め合わされたとき、カバー20はその外周部が凹所16のレスト面15に密着した状態で、凹所16を閉じる。一方、この閉状態から、カバー20がヒンジ18を中心に上方に向けて回動されたとき、カバー20は凹所16を開く。即ち、カバー20は凹所16を開閉することができる。なお、凹所16がカバー20により閉じられたとき、蓋10における上面の外周部とカバー20の上面とは面一となる。
また、蓋10の下面にも円形の凹所29が形成されており、この凹所29は、上述した開口部7の外径よりも若干大きな内径を有し、開口部7を受入れ可能である(図11参照)。更に、凹所29の天井面28はケースボディ6内のたばこ製品1を押さえ付ける押さえ面としても役立つ。
唾液中へのたばこ成分の抽出や、ユーザの体内に対するたばこ成分の摂取を促進させるためには、たばこ混合物、即ち、たばこ粒に含まれる水分量は多い方が望ましい。それ故、たばこ粒の水分量は15〜50重量%の範囲にある。また、たばこ粒はアルカリ性であるのが望ましく、たばこ粒は6.5〜9.5のpHを有する。
具体的には、図1から明らかなように、第1の実施態様のたばこ製品1は撥水領域30を含み、この撥水領域30は格子パターンを有する。なお、撥水領域30は格子パターンに代えて、斜線パターン又はドットパターンを有することも可能である。
図3に示すたばこ製品1の場合、パウチ2はその表面及び裏面を形成する不織布シートの部位の内面に複数の撥水領域31aをそれぞれ有する。詳しくは、パウチ2の片面に分布された撥水領域31aはパウチ2の長手方向に沿って延びるとともに、パウチ2の幅方向に間隔を存して配置されている。この間隔は撥水領域31aの幅の略半分の大きさを有する。この場合、撥水領域31aは、パウチ2の内面全域のうち、略60%の領域を占めている。
図5に示すたばこ製品1の場合、パウチ2はその内面全域に亘って分布された円形の撥水領域32aを有する。具体的には、パウチ2の表裏にはそれぞれ7個の完全な円形の撥水領域32aと4個の半円形の撥水領域32aとが割り当てられている。即ち、撥水領域32aは、パウチ2の内面全体に18個形成されている。この場合、撥水領域32aはパウチ2の内面全域のうち略20.3%の領域を占めている。
図7に示すたばこ製品1の場合、パウチ2はその表裏に2つの撥水領域33a、2つの撥水領域33b及び1つの撥水領域33cをそれぞれ有し、これら撥水領域はほぼ一様に分布されている。具体的には、撥水領域33aは星型の形状をなし、パウチ2の表及び裏をその長手軸線によって2つのセクションに分けてみたとき、一方のセクションに長手軸線に沿って配置されている。
図8に示すたばこ製品1の場合、パウチ2はその表裏のそれぞれに撥水領域33dを有する。これら撥水領域33dは、図7に示された撥水領域33a,33b,33c以外の領域に相当する。
図10に示すたばこ製品1の場合、たばこパウチ2はその表裏のそれぞれに撥水領域34cを有する。これら撥水領域34cは前述した撥水領域34a,34b以外の領域に相当する。この場合、撥水領域34c以外の部位、即ち、撥水領域34a,34bに対応する領域は、撥水領域34a,34bと同様な機能を発揮する。
また、収容ケース4内にクーポンが収容される場合、このクーポンの表面にも香料層37を形成することができる。なお、食品香料36が使用される場合、たばこ製品1はグリセリンやプロピレングリコール等の保湿剤を更に含んでいるのが望ましい。
また、溶媒としてはアルコールに限らず、水、グリセリン、プロピレングリコール等もまた使用可能である。
食品香料36がパウチ2に付着又は塗布される場合、前述したようにたばこ粒が6.5〜9.5のpHを有し、アルカリ性であることを考慮すれば、食品香料36もまた中性又はアルカリ性であるのが望ましい。
食品香料36はパウチ2の前述した撥水領域のみに付着又は塗布することができる。この場合、撥水剤及び食品香料36は混合され、この混合物が撥水領域を形成すべくパウチ2の内面又は外面に塗布又は付着される。なお、食品香料36は、撥水領域以外のパウチ2の部位に塗布又は付着させることもできる。
図12は、たばこ製品1の製造手順を示したブロック図である。
図12に示されるように、たばこ製品1は粉砕工程40、ブレンド工程50、包装工程60を経て製造される。
まず、粉砕工程40では、国産バーレー種のたばこのラミナ及び中骨が粉砕器によって別個に粉砕される。ここでの粉砕により、2mm以下のたばこ粒が得られる。これらたばこ粒は分級器に入れられ、所定のサイズに分級される。この後、ラミナから得られたたばこ粒及び中骨から得られたたばこ粒は、50重量%ずつの割合になるように計量され、ブレンド工程50に移送される。
具体的には、ブレンダ処理にて、たばこ粒には先ず水が加えられ、たばこ粒の水分量は25重量%になるように調整される。この後、たばこ粒は100℃で4時間の加熱処理、即ち、殺菌処理を受ける。殺菌処理の完了後、たばこ粒は循環冷却水により冷却され、この冷却過程にて、たばこ粒に添加物が加えられる。具体的には、添加物は、たばこ粒に対して炭酸カリウム10重量%、ビタミンC1重量%、香料5重量%、塩化ナトリウム等を含む。
次に、たばこ混合物は、ブレンド工程50から包装工程60に移送される。なお、たばこ混合物中のたばこ粒のpHは6.5〜9.5の範囲にあることが望ましい。
包装工程60はバッファサイロ2を含み、このバッファサイロ2内にてたばこ混合物は所定期間、保管される。
なお、パウチ2が食品香料36を含む場合、食品香料36としてのグリセリンが上述の分量だけパウチ2に付着又は塗布される。また、グリセリンに代えて、メンソール液がパウチ2にスプレーコーティングされていてもよい。
撥水剤の撥水効果を検証するため、撥水領域がそれぞれ異なる実施例1〜5のたばこ製品1と、撥水領域無しの比較例1のたばこ製品及びそのパウチ2の内面全域に撥水領域が形成された比較例2のたばこ製品とがそれぞれ準備された。具体的には、これらたばこ製品はそれぞれアルミニウム蒸着袋に収容された状態で1週間冷蔵保存され、この後、これらたばこ製品はアルミニウム蒸着袋から取り出され、互いに比較検討された。詳しくは、実施例1〜5のたばこ製品1はそのパウチ2の内面全域に対して20.3,40,50,60,79.7%を占める撥水領域をそれぞれ有する。
即ち、このようなたばこ製品1によれば、たばこ粒に含まれる水分がたとえ50重量%と多くても、たばこ製品1はユーザに上述の満足感を提供しつつ、パウチ2外にたばこ成分を含む水分の染み出しを撥水領域によって効果的に抑制することができる。それ故、たばこ製品1の見栄えが大きく損なわれることはない。また、収容ケース4に収容されたたばこ製品1同士が、互いに汚し合うこともない。
例えば、撥水領域は上述した例に限らず、たばこ成分及びこれに含まれる水分の染み出しが抑えられるものであればよく、また、白色に限られるものではない。
また、撥水領域の形態は上述の例に限られるものではない。
更に、撥水領域は、パウチ2を形成する不織布シートの両面にそれぞれ形成されていても良い。
2 パウチ
4 収容ケース
6 ケースボディ
7 開口部
8 マット
10 蓋
12 底
13 切欠
14 内壁面
15 レスト面
16 凹所
17 底
18 ヒンジ
20 カバー
22 タブ
24 爪
26 係合穴
27 窪み
28 天井面
29 凹所
30 撥水領域
31a、31b 撥水領域
32a、32b 撥水領域
33a、33b、33c、33d 撥水領域
34a、34b、34c 撥水領域
36 食品香料
37 香料層
40 粉砕工程
50 ブレンド工程
60 包装工程
Claims (6)
- たばこ原料からなるたばこ粒を主成分としたたばこ混合物と、
前記たばこ混合物を包み込む包材によって形成され、前記包材が水の透過を許容するパウチと、
前記パウチの外面及び内面の少なくとも一方に形成され、前記外面又は内面全域の20〜60%の領域を占め、水分の透過を阻止する撥水領域と
を備えたことを特徴とする口腔用たばこ製品。 - 前記撥水領域は、フッ素系樹脂、パラフィン樹脂、シリコン系樹脂又はエポキシ系樹脂のいずれかの撥水材料を塗布して形成されていることを特徴とする請求項1記載の口腔用たばこ製品。
- 前記撥水材料は、前記撥水領域を前記包材と同色にする添加剤を含んでいることを特徴とする請求項2記載の口腔用たばこ製品。
- 前記たばこ粒は、6.5〜9.5のpHを有することを特徴とする請求項1に記載の口腔用たばこ製品。
- 前記たばこ粒は、15〜50%の水分量を有することを特徴とする請求項1に記載の口腔用たばこ製品。
- 前記撥水領域は、前記外面又は内面の全域の40〜50%を占めることを特徴とする請求項1に記載の口腔用たばこ製品。
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