JPWO2010073620A1 - ハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント - Google Patents

ハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010073620A1
JPWO2010073620A1 JP2010543855A JP2010543855A JPWO2010073620A1 JP WO2010073620 A1 JPWO2010073620 A1 JP WO2010073620A1 JP 2010543855 A JP2010543855 A JP 2010543855A JP 2010543855 A JP2010543855 A JP 2010543855A JP WO2010073620 A1 JPWO2010073620 A1 JP WO2010073620A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
address
mobile terminal
handover
message
assigned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010543855A
Other languages
English (en)
Inventor
池田 新吉
新吉 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2010073620A1 publication Critical patent/JPWO2010073620A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0011Control or signalling for completing the hand-off for data sessions of end-to-end connection
    • H04W36/0016Hand-off preparation specially adapted for end-to-end data sessions
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W80/00Wireless network protocols or protocol adaptations to wireless operation
    • H04W80/04Network layer protocols, e.g. mobile IP [Internet Protocol]
    • H04W80/045Network layer protocols, e.g. mobile IP [Internet Protocol] involving different protocol versions, e.g. MIPv4 and MIPv6

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

ハンドオーバ先のネットワークがホームリンクであることを早期に検出し、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減し通信効率を向上させるなどできるハンドオーバ方法などを提供する技術が開示され、その技術によれば移動端末107が、現在接続しているハンドオーバ前のアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、移動端末に割り当てられるハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージをハンドオーバ先のアクセスルータへ送信するステップと、移動端末のホームエージェント106が、アドレス取得要求メッセージによりハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又はホームエージェントによって割り当てられた移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージをハンドオーバ前のアクセスルータを介して移動端末へ送信するステップとを備える。

Description

本発明は、異なるIPバージョンに対応したネットワーク間を移動しながら通信を行う通信システムにおけるハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント(位置管理サーバ)に関する。
従来の移動通信システムでは、インターネットプロトコル通信(IP通信)を行う移動端末の移動管理プロトコルとして、Mobile IPv4(MIPv4)あるいはMobile IPv6(MIPv6)があった。これら技術の詳細はそれぞれ下記の非特許文献1、非特許文献2に開示されている。また、従来、IPv6をサポートするアクセスネットワークでしか動作しなかったMIPv6をIPv4のみサポートするアクセスネットワークでも動作するように拡張したDual Stack Mobile IP(DSMIP)があり、技術の詳細が非特許文献3に開示されている。
非特許文献2に基づくMIPv6プロトコルでは、移動端末がホームエージェント(位置管理サーバ)にIPv6ホームアドレス(HoAv6)とIPv6気付けアドレス(CoAv6)を登録し、ホームエージェントにてそれらアドレスの関係性(バインディング)を管理するが、すべてのメッセージはIPv6プロトコルに基づくものであり、IPv6をサポートするアクセスネットワークからしか利用することができなかった。DSMIPはMIPv6を拡張したものであり、移動端末がIPv4のみサポートするアクセスネットワークに接続したときに、アクセスネットワークから取得したIPv4気付けアドレス(CoAv4)をHoAv6とバインドさせてIPv4のみサポートするアクセスネットワークからもHoAv6を用いた通信を可能とさせるものである。
また、DSMIPは、ホームエージェントがIPv4アドレスを有することを前提に、CoAv4とホームエージェントのIPv4アドレスをアドレスフィールドに記載したIPv4ヘッダでカプセリングすることでMIPv6に基づくバインディング制御メッセージ(Binding Update(BU)あるいはBinding Acknowledge(BA)など)を交換可能としたり、IPv4ホームアドレス(HoAv4)を移動端末に割り当ててIPv4アドレスのみ有する通信相手(Correspondent Node:CN)と通信を可能としたりするものである。
なお、IPv4のみサポートするアクセスネットワークに接続した移動端末に対するMIPv6に基づくバインディング管理を可能とする方法は下記の特許文献1にも開示されている。携帯電話による移動通信システムにおいても、同様の技術を用いたハンドオーバ方法が検討されている。下記の非特許文献4では、DSMIPを用いて3GPPアクセスネットワーク(LTEなど)から非3GPPアクセスネットワーク(無線LANネットワークシステム、WiMAXネットワークシステム、3GPP2ネットワークシステムなど)へのハンドオーバ方法が開示されている。
上記従来技術において、移動端末はホームアドレスHoAv6が属するIPv6ホームプレフィクスを対象にしたホームリンク検出しか行ってこなかった。つまり、IPv4アドレスを用いたホームリンク検出は行わず、アクセスネットワークから取得したIPv4アドレス(CoAv4に相当)のサブネットとHoAv4のサブネットが同じであっても、アクセスネットワークから取得したIPv6プレフィクスとIPv6ホームプレフィクスが同じでない限り、そのアクセスネットワークはホームリンクとはみなさなかった。
したがって、実際にはIPv4サブネットの観点でホームリンクとなり得る場合であっても、移動端末がHoAv4を用いる場合はすべてのパケット(バインディング制御メッセージ、ユーザデータ)にIPv4トンネルヘッダを余計に付加する必要があった。これにより、ヘッダオーバヘッドが増加して、特に限られた通信帯域を複数の移動端末によって共有する無線通信システムにおいては通信効率が低下するという問題があった。
ここで、図1、13を用いて従来の移動通信システムにおける課題について詳しく説明する。図1はDSMIPを用いた移動通信システムの一例の構成図であり、IPv6をサポートするアクセスネットワーク101、IPv4のみサポートするアクセスネットワーク102、それらアクセスネットワーク経由で接続可能なコアネットワーク103が配置されている。各々のアクセスネットワークには、アクセスルータAR104、AR105が配備され、アクセスネットワークシステムのオペレーションによってIPv6ルータであったり、IPv4ルータであったりする。
コアネットワーク103には、DSMIPに基づくホームエージェントHA106が配備される。移動端末UE107はアクセスネットワーク101経由でHA106と接続してIPv6ホームアドレス(HoAv6)を取得した後、アクセスネットワーク102に移動し、ハンドオーバ処理を実施する。
図13は従来のハンドオーバ処理手順の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末UE107がアクセスネットワーク102へのハンドオーバ処理の開始を検出する(ステップS1301)と、アタッチ処理を開始する(ステップS1302)。アタッチ処理は認証サーバHSS/AAA1301による接続認証処理(ステップS1303)を含み、接続が許可されるとアタッチ処理が完了する。続いてUE107はDHCPプロトコルを用いるなどしてIPv4アドレスを取得し(IPv4アドレス取得要求、IPv4アドレス割り当て:ステップS1304、S1305)、これを気付けアドレス(CoAv4)として先に取得してあるHoAv4とともにHAに登録するためのバインディング要求メッセージ(Binding Update:BU)を送信する(ステップS1306)。
このとき、UE107はBUを用いて、DSMIPプロトコルに基づくIPv4ホームアドレス(HoAv4)割り当て要求を実施する。HA106はHoAv4割り当て要求付きのBUを受信すると、HoAv6とCoAv4の組をバインディングキャッシュに登録し、HoAv4を割り当てるためバインディング応答メッセージ(Binding Acknowledge:BA)を用いてUE107に通知する(ステップS1307)とともに、HoAv4とCoAv4の組をバインディングキャッシュに登録する。
ここで、UE107は、取得したHoAv4とCoAv4のサブネット部を比較することにより、従来実施していなかったIPv4サブネットの観点でホームリンク検出を行う(ステップS1308)ことができる。その結果、HoAv4とCoAv4のサブネット部が一致する場合は、そのアクセスネットワーク102をIPv4観点でのホームリンクとみなすことができ、HA106と交換するパケットに冗長なIPv4トンネルヘッダを付与する必要がなくなる。
もし、サブネット部が一致しなかった場合は、アクセスネットワーク102はホームリンクではないので、HA106と交換するすべてのパケットにIPv4トンネルヘッダを付与する必要がある。なお、従来はIPv4観点のホームリンク検出を行っていなかったので、HA106と交換するすべてのパケットにIPv4トンネルヘッダを付与していた。
ここで、好ましくはすべての場合においてIPv4トンネルヘッダを付与させることなく、ヘッダオーバヘッドを削減することである。多くの無線通信システムにおいては、移動端末とAR間のリンクはポイントツーポイントリンクで構成されるので、1つのARが複数の移動端末を収容する場合であっても、それぞれの移動端末に異なるサブネットに属するIPv4アドレスを配布することが可能となる。
また、移動端末は、CoAv4を取得してからBU送信するまでにHAとの間で図13に示すような鍵更新処理を行うことがある。例えば、動的鍵更新をサポートしていない移動端末は、気付けアドレスが変更される都度、鍵更新をしなければならない。鍵更新は移動端末、HA双方において暗号計算を伴う長時間の処理が必要とされるため、移動端末がIPv4観点のホームリンク検出を完了して実際にパケットを送受信できるまで相当の時間を要することになる。
特許文献2では、上記問題を解決するために、移動端末がPMIPプロトコルをサポートするアクセスネットワークに接続するときに、アタッチポイントであるMAG(AR105に相当)が、移動端末から端末能力情報を取得する。さらにMAGは、取得した端末能力情報をもとに、ネットワークが移動端末に提供するモビリティプロトコル(DSMIP、PMIP、MIPv4など)を決定し、決定したプロトコルに基づくIP設定情報を移動端末に通知する。移動端末は、通知されたIP設定情報などをもとに決定されたモビリティプロトコルを知ることができる。決定されたモビリティプロトコルがPMIPである場合は、併せて取得したIPアドレスがホームアドレスであると認識することができる。
特開2005−73271号公報(要約) 国際公開2008−99802号公報(要約)
C.Perkins "IP Mobility Support for IPv4", IETF RFC3344 August 2002 D.Johnson, C.Perkins, J.Arkko "Mobility Support in IPv6", IETF RFC3775 June 2004 Hesham soliman "Mobile IPv6 Support for Dual Stack Hosts and Routers", draft-ietf-mext-nemo-v4traversal-05.txt July 2008 "Architecture enhancements for non-3GPP accesses (Release8)", 3GPP TS23.402 v.8.2.0 p.136-139 June 2008
しかしながら、上記従来技術においてはホームアドレスを取得したことを知るきっかけとなる通知は、接続処理中あるいは接続したばかりのハンドオーバ先アクセスネットワーク(上記特許文献2ではMAG)から直接取得するものである。ここで、移動端末のハンドオーバ先アクセスネットワークは、様々なアクセスタイプやネットワークシステムに相当し、管理運用するオペレータも一様ではないことが想定される。つまり、移動端末は、これから接続しようとするすべてのアクセスネットワークにおいて、上記の通知を取得できると期待することは、特にシステムの導入初期においては旧来システムの総入れ替えが発生することから現実的に不可能といえる。移動端末は様々なアクセスネットワークに接続しながらも、共通の手順により所望のコアネットワークリソースをあまねく享受できるという次世代ネットワークの目指す姿を実現するためには、移動端末が多種多様な管理運用ポリシを制約とすることなく、平等にサービスを受けられる環境を提供しなくてはならない。
このように、WiMAXやWLAN、3GPP、3GPP2など、世界中のすべてのアクセスネットワークで上記のような通知機能がサポートされていることを期待するのは、多様な管理運用ポリシの観点から、ほぼ不可能と考えてもよく、そうした場合にも、移動端末がIPv4観点のホームリンク検出を早期に完了できる方法が必要となる。
本発明は、上記の問題点に鑑み、DSMIPを用いた移動通信システムにおいて、IPv6ホームアドレスのみ有する移動端末がIPv4のみサポートするアクセスネットワークにハンドオーバする際に、ハンドオーバ先のネットワークで移動端末に割り当てられたIPアドレスの種別(ホームアドレス又はケアオブアフドレス)を、ホームエージェントがハンドオーバ元のネットワーク経由で移動端末に通知し、移動端末は通知取得タイミングに応じてホームリンク検出を行う。これにより、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェント間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができるハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間を移動する前記移動端末のハンドオーバ方法であって、前記移動端末が、現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージを前記ハンドオーバ先のアクセスルータへ送信するステップと、前記移動端末のホームエージェントが、前記アドレス取得要求メッセージにより前記ハンドオーバ先のアクセスルータ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して前記移動端末へ送信するステップとを、備えるハンドオーバ方法が提供される。この構成により、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。
また、本発明によれば、移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間をハンドオーバする前記移動端末であって、前記移動端末が、現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記アドレス取得要求メッセージを前記ハンドオーバ先のアクセスルータへ送信する送信手段と、前記アドレス取得要求メッセージにより前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを、前記移動端末のホームエージェントから前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して受信する受信手段とを、備える移動端末が提供される。この構成により、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。
また、本発明によれば、移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間をハンドオーバする前記移動端末のホームエージェントであって、前記移動端末が現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージに基づき、前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記通知メッセージを前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して前記移動端末へ送信する送信手段とを、備えるホームエージェントが提供される。この構成により、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。
本発明のハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントは、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。また、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で既に確立されたDSMIPコネクションを利用することにより、ハンドオーバ先アクセスネットワークが移動端末に直接通知する機能を有していない場合でも、所望の動作を実施させることができる。
本発明の実施の形態における通信システムの構成の一例を示す構成図 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するための他のシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するための他のシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するための他のシーケンスチャート 本発明の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を示す構成図 本発明の実施の形態に係る移動端末における処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る移動端末における他の処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る移動端末における他の処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係るホームエージェントの構成の一例を示す構成図 本発明の実施の形態に係るホームエージェントにおける処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係るホームエージェントにおける他の処理フローの一例を示すフローチャート 従来技術を説明するための図
本発明の実施の形態の詳細な動作について説明する。図1は本発明によるシステム構成を説明するための図であり、少なくともIPv6をサポートするアクセスネットワーク101、IPv4のみサポートするアクセスネットワーク102、それらアクセスネットワーク経由で接続可能なコアネットワーク103が配置される。各々のアクセスネットワークには、アクセスルータAR104、AR105が配備され、アクセスネットワークシステムのオペレーションによってIPv6ルータであったり、IPv4ルータであったり、またその双方であったりする。また、コアネットワーク103には、移動端末107の接続要求に応じて、システム全体のQoS(Quality of Service)などに関する制御を実施するPCRF(Policy Control and Charging Rules Function)サーバ108が配備される。
さらに詳細には、アクセスネットワークが採用する規格に応じて、アクセスルータは、アクセスゲートウェイ(Access Gateway:AGW)、モビリティアンカーゲートウェイ(Mobility Anchor Gateway:MAG)、パケットデータゲートウェイ(Packet Data Gateway:PDG、enhanced Packet Data Gateway:ePDG)、サービングゲートウェイ(Serving Gateway:SGW)、サービングGPRSサービングノード(Serving GPRS Serving Node:SGSN)などと称されることもある。また、コアネットワーク103には、DSMIPに基づくホームエージェント(HA)106が配備され、コアネットワーク103が採用する規格に応じて、このHA106はパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway:PDN GW)、ゲートウェイGPRSサービングノード(Gateway GPRS Serving Node:GGSN)などと称されることもある。
図1において、移動端末UE107はアクセスネットワーク101経由でHA106と接続してIPv6ホームアドレス(HoAv6)を取得した後、アクセスネットワーク102に移動し、ハンドオーバ処理を実施する。
図2は、本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末UE107がアクセスネットワーク102へのハンドオーバ処理開始を検出する(ステップS201)と、UE107はアクセスネットワーク102のアタッチポイント(ここではAR105)に対してアタッチ処理を開始する(ステップS202)。AR105は、アタッチ処理の過程で、UE107に対する接続認証処理をHSS/AAA1301に依頼する(ステップS203)。接続認証処理が成功すると、AR105は付随する処理を実施してアタッチ処理を完了する。
アタッチ処理を通じてIPアドレスが割り当てられなかった場合やネットワークから指示された場合、UE107はDHCPなどのプロトコルを用いてIPv4アドレスを取得する。すなわち、UE107はIPv4アドレス取得要求メッセージをAR105に送信する(ステップS204)。ここで、要求されたIPアドレスをコアネットワーク103が割り当てる場合、すなわちAR105においてDHCP Relay(リレー)機能が有効に設定されている場合、IPv4アドレス取得要求メッセージはAR105からHA106に転送される。HA106は要求を受けてホームアドレスを割り当て(ステップS205)、IPv4アドレス割り当てメッセージを用いてUE107に通知する(ステップS206)。
また、AR105がMAGの機能を有しており、PMIPプロトコルによってHA106との間のモビリティ機能を実現している場合は、UE107からのIPv4アドレス取得要求メッセージを受けてAR105(MAG)がPBU(Proxy Binding Update)メッセージをHA106に発行することがある。この場合も、HA106は同様にホームアドレスを割り当て、PBUへの応答であるPBA(Proxy Binding Ack)メッセージを用いてAR105に通知し、AR105がIPv4アドレス割り当てメッセージを用いて割り当てられたホームアドレスをUE107に通知する。
ここで、HA106は受信したアドレス取得要求メッセージがUE107からのものであることを次のようにして認識する。AR105はアタッチ処理時に取得したUE107の識別子(例えば、Network Access Identifier:NAI)を、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ(例えば3GアクセスシステムではベアラIDが割り当てられるように)と関連付けて保存する。UE107が送信するアドレス取得要求メッセージは、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ上で転送されるので、AR105は受信したアドレス取得要求メッセージがUE107から送信されたものであることを識別し、先に保存しておいたUE107の識別子(例えばNAI)を取得する。
AR105は、アドレス取得要求メッセージあるいはPBUにUE107の識別子(NAI)を記載した上でHA106に転送あるいは送信する。DHCPメッセージには、NAIを記載するための“client field”が用意されており、PBUにも同様にNAIを記載するためのオプションが用意されている。HA106はUE107の識別子(NAI)が記載されたメッセージを取得して、UE107から送信されたものであることを認識することができる。あるいはUE107がメッセージに自信の識別子を含めて送信することにより、AR105で識別を行う必要がなくなる。
HA106は、割り当てたIPアドレスをUE107に通知するのと同時に、既に接続を確立済みのUE107に対するDSMIPバインディング情報(バインディングキャッシュに蓄積されたホームアドレスとケアオブアドレスをはじめとする情報)を用いて、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージを送信し(ステップS207)、割り当てたIPアドレスがホームアドレスであることを通知する。割り当てアドレス種別通知メッセージは、例えばBinding Revocation RequestやBinding Refresh Request、Binding Ackなどを用いてもよいし、独自のメッセージを用いてもよい。
また、割り当てアドレス種別通知メッセージに割り当てたホームアドレスの値を記載してもよいが、単にホームアドレスかケアオブアドレスかのフラグ(少なくとも1ビット)を添付するようにしてもよい。フラグのみ送信することにより、アドレスの値を送る場合に比べて、少ないビット数で所望の情報をUE107に通知することができ、通信リソースを有効活用することができる。
割り当てアドレス種別通知メッセージを取得したUE107は、ハンドオーバ先アクセスネットワークで取得したIPアドレスがホームアドレスである、すなわちハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであると認識する。すなわち、本来続けて行われるバインディング処理(BU/BA交換)の中で取得するホームアドレスと先に取得したアドレスのサブネットの一致検査、すなわちホームリンク検出を省略することができ、特にバインディング処理の前に鍵更新処理を実施する必要がある場合は、鍵交換処理を省略あるいは遅延させることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。なぜなら、鍵更新処理はBU/BA交換を行う前に実施する必要がある(BU/BAを保護するためのIPsec鍵を更新するのが目的であるため)が、BU/BA交換を省略できるようになるので鍵更新処理をハンドオーバ処理完了後、任意のタイミングで実施できるようになるためである。
なお、AR105がMAGの機能を有しており、HA106との間のモビリティ機能がPMIPプロトコルによって実現されており、アタッチ処理の過程でHA106とMAGの間でPBU/PBAが既に交換されている場合がある。さらにこのとき、割り当てられたIPアドレスがアタッチ処理の過程でUE107に通知されている場合と、割り当てられたIPアドレスはMAGが保有した状態でアタッチ処理の過程でUE107に通知されていない場合とがある。後者の場合、続けて実施されるDHCPなどを用いたアドレス取得処理によって、割り当てアドレスがUE107に通知される。
これらのケースでは、いずれもHA106によるホームアドレス割り当てはアタッチ処理の過程で実施されている。したがって、HA106はアタッチ処理の過程で実施されるホームアドレス割り当ての完了と同時に割り当てアドレス種別通知メッセージを送信することが可能となり、UE107においてもアタッチ処理を行っている最中あるいはアタッチ処理の完了とほぼ同じタイミングでアドレス種別通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で取得することができる。なお、UE107は、アドレス種別通知メッセージを通じて割り当てアドレスの値を教えてもらうこともでき、アタッチ処理の過程でアドレスが通知されなかった場合にDHCPなどを用いたアドレス取得処理が不要となる。
次に、ハンドオーバ先アクセスネットワークにおいてケアオブアドレスが割り当てられる場合の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末UE107がアクセスネットワーク102へのハンドオーバ処理開始を検出する(ステップS301)と、UE107はアクセスネットワーク102のアタッチポイント(ここではAR105)に対してアタッチ処理を開始する(ステップS302)。AR105は、アタッチ処理の過程で、UE107に対する接続認証処理をHSS/AAA1301に依頼する(ステップS303)。接続認証処理が成功すると、AR105は付随する処理を実施してアタッチ処理を完了する。
ここでは、割り当てるアドレスがホームアドレス(HoA:Home Address)ではなくケアオブアドレス(CoA:Care-of Address)、すなわちアクセスネットワーク102が独自にアドレスを割り当てることができるため、UE107が送信するIPアドレス取得要求メッセージ(ステップS304)は、アクセスネットワーク102内のサーバ(例えばDHCPサーバ:AR105内に併設されることもあり、以下ではそのケースについて説明する)で処理される。すなわち、UE107にケアオブアドレスが割り当てられる(ステップS305)。UE107にケアオブアドレスが割り当てられると、後にUE107がバインディングを行ったときのQoSポリシ適用に備えて(ひいてはコアネットワークリソースを用いた通信を可能とするために)、割り当てられたケアオブアドレスをAR105がPCRFサーバ108に通知する(ステップS306:CoA通知メッセージ)。CoA通知メッセージは、Gateway Control Session Establishment、Gateway Control and QoS Rules Request、Gateway Control and QoS Rules Provisionなどともよぶ。また、AR105がローミングネットワークに配置される場合、すなわちUE107がローミングネットワークにアタッチした場合、CoA通知メッセージはローミングネットワークに配置されたプロキシPCRFサーバに配送され、コアネットワーク103のPCRFサーバ108に転送される。
CoA通知メッセージを受信したPCRFサーバ108は、HA106が割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信できるよう、受信したCoA通知メッセージをHA106に転送、あるいは単にUE107にケアオブアドレスが割り当てられたことをHA106に通知する(ステップS307:CoA通知)。すなわち、ハンドオーバ先のAR105によってUE107のケアオブアドレスが割り当てられた場合、HA106が、ハンドオーバ先のAR105によって割り当てられたアドレスの種別を示す情報をPCRF108から受信する。これを受けて、HA106はハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で、UE107に割り当てアドレス種別通知メッセージを送信し(ステップS308)、ケアオブアドレスが割り当てられたことを通知する。
ここで、PCRFサーバ108及びHA106は、受信したアドレス取得要求メッセージがUE107からのものであることを次のようにして認識する。AR105はアタッチ処理時に取得したUE107の識別子(例えば、Network Access Identifier:NAI)を、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ(3GアクセスシステムではベアラIDが割り当てられる)と関連付けて保存する。UE107が送信するアドレス取得要求メッセージは、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ上で転送されるので、AR105は受信したアドレス取得要求メッセージがUE107から送信されたものであることを識別し、先に保存しておいたUE107の識別子(例えばNAI)を取得する。
AR105は、アドレス取得要求メッセージあるいはPBUにUE107の識別子(NAI)を記載した上でHA106に転送あるいは送信する。DHCPメッセージには、NAIを記載するための“client field”が用意されており、PBUでも同様にNAIを記載するためのオプションが用意されている。PCRFサーバ108及びHA106はUE107の識別子(NAI)が記載されたメッセージを取得して、UE107から送信されたものであることを認識することができる。あるいは、UE107がメッセージに自身の識別子を含めて送信することにより、AR105で識別を行う必要がなくなる。
ケアオブアドレスが割り当てられたことを認識したUE107は、取得したケアオブアドレスをHA106に登録して、外部リンクにおける通信を開始する。このとき、IPv4ホームアドレスを取得していない場合は、HA106とのバインディング処理(BU/BA交換:ステップS309、S310)の過程で新規に取得する必要があるが、先に取得した割り当てアドレス種別通知メッセージを利用してIPv4ホームアドレスをHA106から通知してもらうことも可能である。その際、UE107はバインディング手順などを通じて(すなわちBinding Updateメッセージを用いるなどして)HA106にあらかじめ通知を要求しておいてもよい。
また、UE107がハンドオーバ先アクセスネットワークへのアタッチ処理と同時に、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で要求メッセージ(例えばIPv4ホームアドレスを要求するフラグを付加したBUメッセージ)をHA106に送っておき、HA106はその応答として割り当てアドレス種別通知メッセージ(例えばIPv4ホームアドレスを記載したBAメッセージ)をUE107に送信するものであってもよい。これによって、アタッチ処理ないしアドレス取得処理と併行してホームアドレスを取得して、その後のバインディング処理を不要とすることができ、ハンドオーバ全体時間の削減を図ることができる。
なお、ここでもアタッチ処理時にケアオブアドレスがUE107に通知されることがある。この場合、AR105からPCRFサーバ108へのCoA通知メッセージの送信はアタッチ処理の過程で実施されている。したがって、HA106はアタッチ処理の過程でPCRFサーバ108から転送あるいは通知された内容(UE107にCoAが割り当てられたこと)を受けて、割り当てアドレス種別通知メッセージを送信することが可能となる。これにより、UE107においても、アタッチ処理を行っている最中あるいはアタッチ処理の完了とほぼ同じタイミングで、アドレス種別通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で取得することができる。なお、UE107は既にIPアドレスを取得済みであるので、DHCPなどを用いたIPアドレス取得要求を送信する必要はない。
ここで、上記説明では、AR105がCoA通知メッセージを送信する宛先ノードをPCRFサーバ108としたが、例えばHSS/AAAサーバ1301などのその他のノードであってもよいし、HA106に直接CoA通知メッセージあるいは相当の情報を含むメッセージを送信するものであってもよい。
以上、HA106はUE107に割り当てられたアドレス種別(ホームアドレスあるいはケアオブアドレス)を、既に確立された通信コネクション(すなわちハンドオーバ元アクセスネットワークのDSMIPバインディングコネクション)を利用してUE107に通知することで、アクセスネットワークがUE107に直接通知する手段を実装していない場合でも、迅速なホームリンク検出を可能とさせることができる。
さて、HA106は割り当てアドレスの種別に関する情報を、それぞれ異なるルートから取得する。つまり、ホームアドレスを割り当てたことは自分自身から、ケアオブアドレスを割り当てたことはPCRFサーバ108などのサーバを介してハンドオーバ先アクセスネットワークに位置するAR105から取得する。
CoA割り当て通知は、実際にアドレスが割り当てられてからPCRFサーバ108を経由してHA106に配送されるため、ホームアドレス(HoA)割り当て通知に比べて、UE107が通知を取得するまでに多くの配送時間を要することが想定される。すなわち、IPアドレス取得にDHCPを用いる場合、HoA割り当て通知(割り当てアドレス種別通知メッセージ(HoA))はDHCP処理完了直後に配送され得るのに対して、CoA割り当て通知(割り当てアドレス種別通知メッセージ(CoA))は、DHCP処理完了してからしばらく後にUE107に到着するものと想定される。
UE107はこの特性を利用して、割り当て通知の到着タイミングを以て、HoA/CoAいずれのアドレスが割り当てられたかを判定することもできる。つまり、UE107の例えばホームリンク判定制御部607は、DHCP処理完了直後に割り当てアドレス種別通知メッセージを受信できた場合はHoAが、通知を受信できなかった場合はCoAが割り当てられたものと判断することができ、特にCoA割り当て時のメッセージ待ち時間を削減して、ハンドオーバ処理のさらなる高速化を図ることができる。この際、後述するように、HA106がHoA割り当て通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で送信したことをUE107に通知するようにしてもよい。すなわち、HA106が、割り当てアドレス種別通知メッセージの他に、UE107に割り当てられたアドレスの種別が何かを示す情報を含むメッセージをUE107に送信し、UE107が受信するようにしてもよい。
しかしながら、上記の方法、すなわちHA106からの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミングによってHoAとCoAのいずれかが割り当てられたかを判定するためには、UE107においてDHCP処理完了時点を起点とする割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミングを検出するためのタイマを新規に設置する必要がある。そこで、本発明ではHA106におけるHoA割り当て通知の送信タイミングを最適化することにより、UE107が通知メッセージを受信したタイミングから通知内容を確実に判定可能な方法を開示する。
図4は本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。本発明では、DHCPによるIPアドレス割り当て処理が2往復分のシーケンスによって構成されていることに着目する。すなわち、従来のDHCPシーケンスは、DHCPディスカバリー(UE→HA:ステップS401)、DHCPオファー(HA→UE:ステップS402)、DHCPリクエスト(UE→HA:ステップS403)、DHCPアック(HA→UE:ステップS404)の順に実施されるものである。3GPPなどのセルラシステムにおいては、UE107にアドレスを割り当てるDHCPサーバ(ここではHA106と同等)はUE107に対して一つに決まるという特徴がある。したがって、HA106ではDHCPオファー送信時点でUE107に割り当てるホームアドレスが既に決定しているので、DHCPオファー送信と同時にHoA割り当て通知を送信することが可能である。すなわち、HA106が、DHCPによるDHCPディスカバリーに対する応答メッセージであるDHCPオファーと同時に、HoA割り当て通知のメッセージをUE107に送信することが可能である。
これにより、HA106が送信するHoA割り当て通知は、DHCP処理中にUE107に配送される(割り当てアドレス種別通知メッセージ:ステップS405)。したがって、割り当てアドレス種別通知メッセージをDHCP処理完了までに受信できなかった場合は、CoAが割り当てられたと判断することができる。すなわち、UE107に新たなタイマを設けることなく、早期(DHCP処理が完了するまで)にHoAあるいはCoAのいずれかが割り当てられたかを検出できるようになり、ハンドオーバ時間の更なる短縮を図ることができる。
しかしながら、上記の最適化方法においては、ハンドオーバ元アクセスネットワークの混雑状況などにより、HoA割り当て通知が遅れてUE107に配送されることが考えられる。その場合、UE107はCoAが割り当てられたものと誤認し、ハンドオーバ先アクセスネットワーク経由で鍵交換処理やBU/BA交換を開始してしまう。こうした問題を解決するために、以下の2通りの方法が考えられる。
1つ目の方法は以下のようなものである。ハンドオーバ先アクセスネットワーク経由の鍵交換処理あるいはBU/BA交換時に、HA106がHoA割り当て通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で送信したことをUE107に通知する。しかし、鍵交換処理やBU/BA交換処理時にHoA割り当て通知を送信したことを伝えるためのプロトコルを、ハンドオーバ先アクセスネットワークにおいてサポートしている必要がある。また、割り当てアドレスが実際にはHoAであった場合に、UE107は最悪の場合、数秒にものぼる鍵交換処理の完了や一往復分のBU/BA交換の完了を待つ必要がある。
2つ目の方法は以下のようなものである。DHCP処理完了後、HA106からのHoA割り当て通知を受けるかもしれないので、UE107はタイマを起動して所定時間待つ。しかし、UE107は新規にタイマを実装する必要があり、使用リソースを増加させることになる(バッテリ消費量の増大などが懸念される)。
そこで、本発明ではハンドオーバ元アクセスネットワークが配送遅延を伴う場合であっても、HoA割り当て通知をDHCP処理完了と同程度のタイミングでUE107に配送させる方法を更に開示する。
すなわち、先に説明した図4において、UE107はDHCPオファーの受信後、所定の遅延時間をおいてDHCPリクエストを送信することにより、DHCP処理完了以前にハンドオーバ元アクセスネットワーク経由でHoA割り当て通知を確実に受け取ることができるようになる。すなわち、UE107が、DHCPオファーのメッセージを受信後、所定の時間経過後にDHCPオファーのメッセージに対するメッセージであるDHCPリクエストを送信することにより、HoA割り当て通知を確実に受け取ることができる。ここで、所定の遅延時間とは、例えば、HoA割り当て通知が配送されるハンドオーバ元アクセスネットワークにおけるUE107−HA106間の伝送遅延など、あらかじめ測定しておいた値を設定することができる。あるいは、通信のたびに伝送遅延を測定しておき、ダイナミックに設定してもよい。
DHCPプロトコルでは、DHCPオファー受信からDHCPリクエスト送信までの間に所定の遅延を設けることができるよう、プロトコルとしてタイマが規定されており、上記方法を用いることにより、新規タイマを追加することなく、既存リソース(プロトコルタイマ)を活用しながら、UE107にHoA割り当て通知が配送されるタイミング調整を実施させることができる。また、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で既に確立されたDSMIPコネクションを利用するので、ハンドオーバ先アクセスネットワークがUE107に直接通知する機能を有していない場合でも、所望の動作を実施させることができる。さらには、所定の遅延は片方向の配送遅延相当であるので、鍵交換処理やBU/BA交換に要する時間に対して短いものである。
以上の方法は、特に3GPPや3GPP2のようなセルラシステムに特有のシステム条件を利用したものである。つまり、DHCPサーバ(ここではHA106に相当)がネットワーク接続時に一つに決定されるため、割り当てアドレスはDHCPオファーに記載されたものとなることが決まっており、すなわちDHCPオファー送信時点でUE107に割り当てられるIPアドレスは既に決定している。
したがって、UE107は本方式の実施に先立ち、接続先ネットワークあるいはコアネットワークが3GPPなどのセルラシステム、または上記条件を満たすような、すなわちUE107が問い合わせるDHCPサーバが論理的/物理的に一台に決まりうるようなシステムによって提供されるものであることを確認あるいは推定してもよい。その結果、DHCPサーバが複数存在するようなシステムに接続しようとしている場合、UE107は本方式を実施しない。すなわち、UE107が、ハンドオーバ先のネットワークAR105又はハンドオーバ先ネットワークを含む通信ネットワーク103が所定の条件を満たすネットワークであるか否かを確認し、条件を満たす場合に本方式を実施する。すなわち、UE107は割り当てアドレス種別通知メッセージの取得を待ったり、DHCPオファーを受信してからDHCPリクエスト送信までのタイミング調整を行ったりする。3GPPネットワークへの接続であることの確認は、アタッチ時にUE107が通知する接続先ネットワークの識別子(APN:Access Pont Name)のネットワーク識別部に3GPPやそれと同等の情報(オペレータ名など)が含まれることによって判定できる。
なお、CoAを割り当てる場合もAR105(ここではDHCPサーバと同等)において同様に、DHCPオファー送信(ステップS501)と同じタイミングでPCRFサーバ108にCoA割り当て通知(ステップS502)を送信してもよい(図5を参照)。すなわち、ハンドオーバ先のAR105によってCoAが割り当てられた場合、ハンドオーバ先のAR105が、HA106に代わってDHCPオファーのメッセージを送信すると同時に、割り当てられたアドレスの種別を示す情報をPCRF108に通知し、HA106が、割り当てられたアドレスの種別を示す情報をPCRF108から受信し、それに基づいて割り当てアドレス種別通知メッセージを送信する。
これによって、CoA割り当て通知がUE107に配送されるまでの遅延を短縮することができ、特にUE107が単に受信した割り当て通知種別通知メッセージに記載された内容からHoA/CoA割り当てを判定する場合に、ハンドオーバ全体時間の削減を図ることができる。しかし、コアネットワーク103に配備される場合と異なり、アクセスネットワークには配備されるDHCPサーバが複数存在することが考えられる。したがって、すべてのAR(DHCPサーバ)において本方式がサポートされるとは限らないことに注意しなければならない。すなわち、すべてのアクセスネットワークにおいて本方式がサポートされていることを期待すべきではない。
なお、本発明による方法では、UE107が双方のアクセスネットワーク101、102に同時に接続できることが要件となる。したがって、UE107は、自身がデュアルインタフェース対応であることを事前にBUメッセージや認証処理メッセージを通じてHA106や他のネットワークノードに知らせておき、HA106がUE107のデュアル対応状況に応じて(すなわちデュアル対応時のみ)本処理を実施するようにしてもよい。これは、TDD対応のシングルI/Fであることの通知であってもよい。また、HA106はHoA通知とともに、ネットワーク側で実施しているモビリティプロトコル(GTPやPMIPなど)をUE107に通知してもよい。
また、ハンドオーバ元アクセスネットワークが3GPPアクセスの場合、DSMIPシグナリングではなく、3GPPシグナリング(NASメッセージなど)で割り当てアドレスの種別(HoAまたはCoA)を通知するようにしてもよい。3GPP標準を実装することにより普及を促進できるとともに、サポートエリアを広範に確保することができる。また、上記実施例は、IPv6アクセスネットワークからIPv4のみ対応するアクセスネットワークへのハンドオーバを想定したものだが、原理としては他の例(IPv4からIPv6へのハンドオーバ)や一般化したケースでも同様に適用可能である。すなわち、ハンドオーバ先で割り当てたアドレスがHoA/CoAのいずれであるかを通知する機構があってもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る移動端末(UE)の動作の一例について、図6から図9を用いて説明する。図6は本発明の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を説明するための構成図である。送受信部601、602はそれぞれアクセスネットワーク101、102と接続するための通信インタフェースに相当し、IPレイヤより下位の通信プロトコル処理並びにモデム処理を実施する。IP処理部603はIPレイヤ処理を実施し、MIP処理部604はDSMIPに基づくMobile IPプロトコル処理を実施する。
DHCP処理部605はDHCPプロトコル処理(クライアント機能)を実施する。ハンドオーバ制御部606は送受信部601、602から得た通信状況などからハンドオーバの実施可能性や実施タイミングを判断あるいは検出し、MIP処理部604や送受信部601、602、DHCP処理部605などにハンドオーバ実施のための指示を送出し、ハンドオーバ処理を制御する。ホームリンク判定制御部607は、本発明において特徴的なものであり、その動作の一例について図7から図9を用いて周辺の動作を交えながら説明する。
図7は、UE107がHA106から受信した割り当てアドレス種別通知メッセージの内容に基づいて、HoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合の処理フローの一例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御部606がハンドオーバを開始するか否かを判断する(ステップS701)。ハンドオーバすると判断した場合、ハンドオーバ制御部606が送受信部602にハンドオーバ先ネットワーク(アクセスネットワーク102)へのアタッチ処理開始を指示する(ステップS702)。アタッチ処理時にはIPアドレスが割り当てられず、アタッチ処理完了後にDHCPなどのプロトコルを用いてIPアドレスを取得する場合、送受信部602からアタッチ処理が完了したことの通知を受けてハンドオーバ制御部606がDHCP処理部605にIPアドレス取得を開始するよう指示する。
DHCP処理部605はDHCPディスカバリーメッセージをIP処理部603、送受信部602を介してアクセスネットワーク102に送出し、その応答として割り当てられたIPv4アドレスを含むDHCPオファーメッセージを送受信部602、IP処理部603経由で取得する。さらに、応答を受けたサーバからのアドレス割り当てを受け入れるために、DHCPリクエストメッセージを同様に送出し、その応答としてDHCPアックメッセージを同様に取得する(IPアドレス取得処理:ステップS703)。以上の手続きによりIPアドレス取得処理を完了し、取得したIPアドレスはIP処理部603に設定される。
このとき、ハンドオーバ元アクセスネットワーク(アクセスネットワーク101)経由で、HAが送信した割り当てアドレス種別通知メッセージ(例えば、Binding Revocation RequestやBinding Refresh Request、Binding Ackや、専用フィールドや専用フラグを設けるように改造したメッセージ)がUE107によって取得される(ステップS704)。アドレス種別通知メッセージは、送受信部601、IP処理部603を介して受信され、MIP処理部604に転送される。MIP処理部604では、割り当てアドレス種別通知メッセージの内容をホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知する。
ホームリンク判定制御部607では、割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を評価して、ハンドオーバ先アクセスネットワーク(アクセスネットワーク102)経由で取得したIPアドレスがHoAとCoAのいずれであるかを検出する(通知内容がHoAか:ステップS705)。割り当てられたアドレスがHoAであった場合は、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであると判断し、鍵交換処理やバインディング処理(BU/BA交換)を行うことなく通信を開始する(ステップS706)。割り当てられたアドレスがCoAであった場合は、ハンドオーバ先アクセスネットワークが外部リンクであると判断し、必要に応じて鍵交換処理やバインディング処理(BU/BA交換)を実施する(ステップS707)。
最後にハンドオーバ制御部606は送受信部601にハンドオーバ元ネットワーク(アクセスネットワーク101)からのデタッチ処理の開始を指示し(ステップS708)、デタッチ処理の完了をもってハンドオーバ処理を完了する。デタッチ処理は省略されたり、ネットワークからの指示を受けて実施されたりすることもある。
ここで、アタッチ処理の過程で、アクセスネットワーク102からIPアドレスが割り当てられた場合について説明する。この場合、UE107はDHCPによるIPアドレス取得を行う必要がなく、アタッチ処理完了と同程度のタイミングでハンドオーバ元アクセスネットワークから割り当てアドレス種別通知メッセージを取得する(送受信部601、IP処理部603、MIP処理部604を経て、メッセージの内容がホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知される)。以降の処理は上述したのと同じであるので、ここでは省略する。
次に、UEがHAからの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミング内容に基づいてHoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合の処理フローの一例について図8を用いて説明する。UE107がハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージを受信して、メッセージの内容がホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知されるところまでは上述したものと同じ処理なので、ここでは説明を省略する。上述したように、HoA割り当て時とCoA割り当て時で、割り当てアドレス種別通知メッセージがUE107に配送されるタイミングが異なるため、UE107はこの特性を活用してホームリンク判定を実施する(割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミングの違いについては図2から図5を参照)。
すなわち、割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を取得したホームリンク判定制御部607は、DHCP処理実施中であるか判断し(ステップS805)、DHCP処理が実施中である場合(YESの場合)はHoAが割り当てられたものと判断し(ハンドオーバ先ネットワークをホームリンクと判断:ステップS806)、それ以外の場合(NOの場合)はCoAが割り当てられたものと判断する(ハンドオーバ先ネットワークを外部リンクと判断:ステップS807)。さらには、ホームリンク判定制御部607がDHCP処理完了までに割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を既に取得できている場合は、その内容を確認した上でHoAが割り当てられたことを確実に判定することができる。また、DHCP処理完了までに割り当てアドレス種別通知メッセージを受信できたが、取得した割り当てアドレス種別通知メッセージがCoAを割り当てた旨の内容を示すものであった場合、メッセージの内容に従うものとする。
最後にハンドオーバ制御部606は送受信部601にハンドオーバ元ネットワーク(アクセスネットワーク101)からのデタッチ処理の開始を指示し(ステップS808)、デタッチ処理の完了をもってハンドオーバ処理を完了する。デタッチ処理は省略されたり、ネットワークからの指示を受けて実施されたりすることもある。
さらに、UEがHAからの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミング内容に基づいてHoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合に、ハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延の影響を排除するための最適化処理の一例について図9を用いて説明する。UE107がハンドオーバ先アクセスネットワークにアタッチするところまでは上述したものと同じ処理なので、ここでは説明を省略する。アタッチ処理時にはIPアドレスが割り当てられず、アタッチ処理完了後にDHCPなどのプロトコルを用いてIPアドレスを取得する場合、送受信部602からアタッチ処理が完了したことの通知を受けてハンドオーバ制御部606がDHCP処理部605にIPアドレス取得を開始するよう指示する。
DHCP処理部605はDHCPディスカバリーメッセージをIP処理部603、送受信部602を介してアクセスネットワーク102に送出し、その応答として割り当てられたIPv4アドレスを含むDHCPオファーメッセージを送受信部602、IP処理部603経由で取得する(IPアドレス取得処理1:ステップS903)。
ここで、ハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延のゆらぎが原因となり、本来CoA割り当て通知よりも先行して配送されるはずのHoA割り当てが、遅延して配送されることが考えられる。こうした影響を排除するため、DHCP処理部605はタイマを起動して(ステップS904)、DHCPリクエストメッセージ送信までに所定の遅延を設ける。タイマに設定される時間値は、例えばハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延値をUE107が測定した結果(平均値や最悪値)を用いてもよいし、あらかじめ定めた固定値であってもよい。また、DHCP処理部605にあらかじめ設定しておいてもよいし、DHCP処理の度に設定(変更)するものであってもよい。後者の場合、動的に変化するネットワークの状況に応じた遅延値を設定することができ、ひいてはハンドオーバ処理の効率化を図ることができる。
所定の遅延時間が経過してから、応答を受けたサーバからのアドレス割り当てを受け入れるために、DHCPリクエストメッセージを同様に送出し、その応答としてDHCPアックメッセージを同様に取得する(IPアドレス取得処理2:ステップS905)。以上の手続きによりIPアドレス取得処理を完了し、取得したIPアドレスはIP処理部603に設定される。このとき、ハンドオーバ元アクセスネットワーク(アクセスネットワーク101)経由で、HA106が送信した割り当てアドレス種別通知メッセージがUE107によって取得され、上述の順序でホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知される。
割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を取得したホームリンク判定制御部607は、DHCP処理が実施中であるか又は完了した直後であるか(例えば、DHCP処理完了時点を境に判定を行うことが可能であり、またDHCP処理完了からの経過時間が所定の閾値内であるなどにより判定が可能である)をDHCP処理部605の動作状況をもとに検出し(ステップS906)、条件に合致する場合はHoAが割り当てられたものと判断し(ハンドオーバ先ネットワークをホームリンクと判断:ステップS907)、合致しない場合はCoAが割り当てられたものと判断する(ハンドオーバ先ネットワークを外部リンクと判断:ステップS908)。条件に合致した場合、すなわちホームリンク判定制御が割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を既に取得している場合は、その内容をもってHoAが割り当てられたことを確実なものとすることができる。また、条件に合致したが、取得した割り当てアドレス種別通知メッセージがCoAを割り当てた旨の内容を示すものであった場合、メッセージの内容に従うものとする。
最後にハンドオーバ制御部606は送受信部601にハンドオーバ元ネットワーク(アクセスネットワーク101)からのデタッチ処理の開始を指示し(ステップS909)、デタッチ処理の完了をもってハンドオーバ処理を完了する。デタッチ処理は省略されたり、ネットワークからの指示を受けて実施されたりすることもある。
次に、本発明の実施の形態に係るホームエージェント(HA)の動作の一例について図10から図12を用いて説明する。図10は本発明の実施の形態に係るHAの構成の一例を説明するための構成図である。送受信部1001はコアネットワーク103内のノードと通信を行うための通信インタフェースに相当し、IPレイヤより下位の通信プロトコル処理並びにモデム処理を実施する。IP処理部1002はIPレイヤ処理を実施し、MIP処理部1003はDSMIPに基づくMobile IPプロトコル処理を実施する。PMIP処理部1004はPMIPプロトコル処理を実施する。DHCP処理部1005はDHCPプロトコル処理(サーバ機能)を実施する。ホームアドレス割り当て部1006は、本発明において特徴的なものであり、その動作の一例について周辺の動作を交えながら図11と図12を用いて説明する。
図11は、UEがHAから受信した割り当てアドレス種別通知メッセージの内容に基づいて、HoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合のHAの処理フローの一例を示すフローチャートである。AR105から転送されたUE107からのIPアドレス取得要求メッセージ(あるいはPBUメッセージ)が送受信部1001、IP処理部1002を介してDHCP処理部1005に転送されたか否かを判断し(IPアドレス取得要求あるいはPBU受信か:ステップS1101)、受信したと判断された場合、DHCP処理部1005は割り当てるIPアドレスをホームアドレス割り当て部1006から取得し(HoA割り当て:ステップS1102)、IPアドレス割り当てメッセージに含めてIP処理部1002、送受信部1001を介して送信し(ステップS1103)、DHCPリレーとして動作しているAR105経由でUE107に転送される。そして、ホームアドレス割り当て部1006は、割り当てアドレス種別通知メッセージをAR104経由で送信する(ステップS1104)。
ここで、受信したIPアドレス取得要求メッセージには、UE107の識別子(例えば、Network Access Identifier:NAI)を含み、HA106はUE107からのDHCP要求であることを判別できる。また、AR105がUE107からのIPアドレス取得要求メッセージを受信したことを受けてProxy MIPのPBU(Proxy BU)をHA106に送信する場合は、送受信部1001とIP処理部1002を介してPMIP処理部1004がPBUメッセージを受信し、ホームアドレスをホームアドレス割り当て部1006から取得し、PBAメッセージに記載して送信する。なお、この場合もPBUにはUE107の識別子(例えばNAI)が含まれているので、HA106はUE107に対するアドレス割り当てであることを判別できる。
ホームアドレス割り当て部1006は、上記DHCPプロトコルあるいはPMIPプロトコルにもとづいてホームアドレスをUE107に払いだすと同時に、UE107が生成したDSMIPのバインディング情報(MIP処理部1003が保持している)をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する。メッセージにはHoAを割り当てた旨の情報が記載されている。アドレス種別通知メッセージは、例えば、MIP処理部1003が処理可能なBinding Revocation RequestやBinding Refresh Request、Binding Ackであったり、それらに専用フィールドや専用フラグを設けるように改造したものであったり、独自のメッセージを規定してもよい。
また、PCRFサーバ108が送信したCoA割り当て通知メッセージが、送受信部1001、IP処理部1002を介してホームアドレス割り当て部1006に転送あるいは到着が通知されたか否かを判断し(CoA割り当て通知取得か:ステップS1105)、通知されたと判断されると、ホームアドレス割り当て部1006は、同様にUE107のDSMIPのバインディング情報をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する(ステップS1106)。メッセージにはCoAを割り当てた旨の情報が記載されている。
次に、UEがHAからの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミング内容に基づいてHoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合に、ハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延の影響を排除するための最適化処理を行う場合のHA処理フローの一例について図12を用いて説明する。AR105から転送されたUE107からのDHCPディスカバリーメッセージが送受信部1001、IP処理部1002を介してDHCP処理部1005に転送されたか否かを判断し(DHCPディスカバリー受信か:ステップS1201)、転送されたと判断された場合、DHCP処理部1005は割り当てるIPアドレスをホームアドレス割り当て部1006から取得し(HoA割り当て:ステップS1202)、DHCPオファーメッセージに含めてIP処理部1002、送受信部1001を介して送信する(DHCPオファー送信:ステップS1203)。
これを受けてホームアドレス割り当て部1006は、UE107が生成したDSMIPのバインディング情報(MIP処理部1003が保持している)をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する(ステップS1204)。メッセージにはHoAを割り当てた旨の情報が記載されている。これに続いて、DHCP処理部1005がUE107からのDHCPリクエストメッセージを受信する(DHCPリクエスト受信:ステップS1205)と、DHCPアックメッセージを送信する(DHCPアック送信:ステップS1206)。ここで、いち早くUE107に割り当て通知メッセージを到着させるために、ステップS1203より先にステップS1204を実施してもよい。
また、PCRFサーバ108が送信したCoA割り当て通知メッセージが、送受信部1001、IP処理部1002を介してホームアドレス割り当て部1006に転送あるいは到着が通知されたか否かを判断し(CoA割り当て通知取得か:ステップS1207)、通知されたと判断されると、ホームアドレス割り当て部1006は、同様にUE107のDSMIPのバインディング情報をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する(ステップS1208)。メッセージにはCoAを割り当てた旨の情報が記載されている。
なお、上記では、移動端末がIPアドレスを取得するためにIPアドレス取得要求メッセージとIPアドレス割り当てメッセージを用いることを説明した。ここで、IPアドレス取得要求メッセージとはIPアドレス取得処理を開始するメッセージであり、DHCPプロトコルでいうところのDHCPディスカバリーメッセージ、あるいは既にDHCPサーバが明らかな場合や、DHCPディスカバリーメッセージの送信を省略する場合はDHCPリクエストメッセージに相当する。また、IPアドレス割り当てメッセージとはIP取得処理において移動端末へのIPアドレス割り当てを完了するためのメッセージであり、DHCPプロトコルでいうところのDHCPアックメッセージに相当する。
なお、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えばバイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明のハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントは、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができ、またハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で既に確立されたDSMIPコネクションを利用することにより、ハンドオーバ先アクセスネットワークが移動端末に直接通知する機能を有していない場合でも、所望の動作を実施させることができるため、異なるIPバージョンに対応したネットワーク間を移動しながら通信を行う通信システムにおけるハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントなどに有用である。
本発明は、異なるIPバージョンに対応したネットワーク間を移動しながら通信を行う通信システムにおけるハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント(位置管理サーバ)に関する。
従来の移動通信システムでは、インターネットプロトコル通信(IP通信)を行う移動端末の移動管理プロトコルとして、Mobile IPv4(MIPv4)あるいはMobile IPv6(MIPv6)があった。これら技術の詳細はそれぞれ下記の非特許文献1、非特許文献2に開示されている。また、従来、IPv6をサポートするアクセスネットワークでしか動作しなかったMIPv6をIPv4のみサポートするアクセスネットワークでも動作するように拡張したDual Stack Mobile IP(DSMIP)があり、技術の詳細が非特許文献3に開示されている。
非特許文献2に基づくMIPv6プロトコルでは、移動端末がホームエージェント(位置管理サーバ)にIPv6ホームアドレス(HoAv6)とIPv6気付けアドレス(CoAv6)を登録し、ホームエージェントにてそれらアドレスの関係性(バインディング)を管理するが、すべてのメッセージはIPv6プロトコルに基づくものであり、IPv6をサポートするアクセスネットワークからしか利用することができなかった。DSMIPはMIPv6を拡張したものであり、移動端末がIPv4のみサポートするアクセスネットワークに接続したときに、アクセスネットワークから取得したIPv4気付けアドレス(CoAv4)をHoAv6とバインドさせてIPv4のみサポートするアクセスネットワークからもHoAv6を用いた通信を可能とさせるものである。
また、DSMIPは、ホームエージェントがIPv4アドレスを有することを前提に、CoAv4とホームエージェントのIPv4アドレスをアドレスフィールドに記載したIPv4ヘッダでカプセリングすることでMIPv6に基づくバインディング制御メッセージ(Binding Update(BU)あるいはBinding Acknowledge(BA)など)を交換可能としたり、IPv4ホームアドレス(HoAv4)を移動端末に割り当ててIPv4アドレスのみ有する通信相手(Correspondent Node:CN)と通信を可能としたりするものである。
なお、IPv4のみサポートするアクセスネットワークに接続した移動端末に対するMIPv6に基づくバインディング管理を可能とする方法は下記の特許文献1にも開示されている。携帯電話による移動通信システムにおいても、同様の技術を用いたハンドオーバ方法が検討されている。下記の非特許文献4では、DSMIPを用いて3GPPアクセスネットワーク(LTEなど)から非3GPPアクセスネットワーク(無線LANネットワークシステム、WiMAXネットワークシステム、3GPP2ネットワークシステムなど)へのハンドオーバ方法が開示されている。
上記従来技術において、移動端末はホームアドレスHoAv6が属するIPv6ホームプレフィクスを対象にしたホームリンク検出しか行ってこなかった。つまり、IPv4アドレスを用いたホームリンク検出は行わず、アクセスネットワークから取得したIPv4アドレス(CoAv4に相当)のサブネットとHoAv4のサブネットが同じであっても、アクセスネットワークから取得したIPv6プレフィクスとIPv6ホームプレフィクスが同じでない限り、そのアクセスネットワークはホームリンクとはみなさなかった。
したがって、実際にはIPv4サブネットの観点でホームリンクとなり得る場合であっても、移動端末がHoAv4を用いる場合はすべてのパケット(バインディング制御メッセージ、ユーザデータ)にIPv4トンネルヘッダを余計に付加する必要があった。これにより、ヘッダオーバヘッドが増加して、特に限られた通信帯域を複数の移動端末によって共有する無線通信システムにおいては通信効率が低下するという問題があった。
ここで、図1、13を用いて従来の移動通信システムにおける課題について詳しく説明する。図1はDSMIPを用いた移動通信システムの一例の構成図であり、IPv6をサポートするアクセスネットワーク101、IPv4のみサポートするアクセスネットワーク102、それらアクセスネットワーク経由で接続可能なコアネットワーク103が配置されている。各々のアクセスネットワークには、アクセスルータAR104、AR105が配備され、アクセスネットワークシステムのオペレーションによってIPv6ルータであったり、IPv4ルータであったりする。
コアネットワーク103には、DSMIPに基づくホームエージェントHA106が配備される。移動端末UE107はアクセスネットワーク101経由でHA106と接続してIPv6ホームアドレス(HoAv6)を取得した後、アクセスネットワーク102に移動し、ハンドオーバ処理を実施する。
図13は従来のハンドオーバ処理手順の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末UE107がアクセスネットワーク102へのハンドオーバ処理の開始を検出する(ステップS1301)と、アタッチ処理を開始する(ステップS1302)。アタッチ処理は認証サーバHSS/AAA1301による接続認証処理(ステップS1303)を含み、接続が許可されるとアタッチ処理が完了する。続いてUE107はDHCPプロトコルを用いるなどしてIPv4アドレスを取得し(IPv4アドレス取得要求、IPv4アドレス割り当て:ステップS1304、S1305)、これを気付けアドレス(CoAv4)として先に取得してあるHoAvとともにHAに登録するためのバインディング要求メッセージ(Binding Update:BU)を送信する(ステップS1306)。
このとき、UE107はBUを用いて、DSMIPプロトコルに基づくIPv4ホームアドレス(HoAv4)割り当て要求を実施する。HA106はHoAv4割り当て要求付きのBUを受信すると、HoAv6とCoAv4の組をバインディングキャッシュに登録し、HoAv4を割り当てるためバインディング応答メッセージ(Binding Acknowledge:BA)を用いてUE107に通知する(ステップS1307)とともに、HoAv4とCoAv4の組をバインディングキャッシュに登録する。
ここで、UE107は、取得したHoAv4とCoAv4のサブネット部を比較することにより、従来実施していなかったIPv4サブネットの観点でホームリンク検出を行う(ステップS1308)ことができる。その結果、HoAv4とCoAv4のサブネット部が一致する場合は、そのアクセスネットワーク102をIPv4観点でのホームリンクとみなすことができ、HA106と交換するパケットに冗長なIPv4トンネルヘッダを付与する必要がなくなる。
もし、サブネット部が一致しなかった場合は、アクセスネットワーク102はホームリンクではないので、HA106と交換するすべてのパケットにIPv4トンネルヘッダを付与する必要がある。なお、従来はIPv4観点のホームリンク検出を行っていなかったので、HA106と交換するすべてのパケットにIPv4トンネルヘッダを付与していた。
ここで、好ましくはすべての場合においてIPv4トンネルヘッダを付与させることなく、ヘッダオーバヘッドを削減することである。多くの無線通信システムにおいては、移動端末とAR間のリンクはポイントツーポイントリンクで構成されるので、1つのARが複数の移動端末を収容する場合であっても、それぞれの移動端末に異なるサブネットに属するIPv4アドレスを配布することが可能となる。
また、移動端末は、CoAv4を取得してからBU送信するまでにHAとの間で図13に示すような鍵更新処理を行うことがある。例えば、動的鍵更新をサポートしていない移動端末は、気付けアドレスが変更される都度、鍵更新をしなければならない。鍵更新は移動端末、HA双方において暗号計算を伴う長時間の処理が必要とされるため、移動端末がIPv4観点のホームリンク検出を完了して実際にパケットを送受信できるまで相当の時間を要することになる。
特許文献2では、上記問題を解決するために、移動端末がPMIPプロトコルをサポートするアクセスネットワークに接続するときに、アタッチポイントであるMAG(AR105に相当)が、移動端末から端末能力情報を取得する。さらにMAGは、取得した端末能力情報をもとに、ネットワークが移動端末に提供するモビリティプロトコル(DSMIP、PMIP、MIPv4など)を決定し、決定したプロトコルに基づくIP設定情報を移動端末に通知する。移動端末は、通知されたIP設定情報などをもとに決定されたモビリティプロトコルを知ることができる。決定されたモビリティプロトコルがPMIPである場合は、併せて取得したIPアドレスがホームアドレスであると認識することができる。
特開2005−73271号公報(要約) 国際公開2008−99802号公報(要約)
C.Perkins "IP Mobility Support for IPv4", IETF RFC3344 August 2002 D.Johnson, C.Perkins, J.Arkko "Mobility Support in IPv6", IETF RFC3775 June 2004 Hesham soliman "Mobile IPv6 Support for Dual Stack Hosts and Routers", draft-ietf-mext-nemo-v4traversal-05.txt July 2008 "Architecture enhancements for non-3GPP accesses (Release8)", 3GPP TS23.402 v.8.2.0 p.136-139 June 2008
しかしながら、上記従来技術においてはホームアドレスを取得したことを知るきっかけとなる通知は、接続処理中あるいは接続したばかりのハンドオーバ先アクセスネットワーク(上記特許文献2ではMAG)から直接取得するものである。ここで、移動端末のハンドオーバ先アクセスネットワークは、様々なアクセスタイプやネットワークシステムに相当し、管理運用するオペレータも一様ではないことが想定される。つまり、移動端末は、これから接続しようとするすべてのアクセスネットワークにおいて、上記の通知を取得できると期待することは、特にシステムの導入初期においては旧来システムの総入れ替えが発生することから現実的に不可能といえる。移動端末は様々なアクセスネットワークに接続しながらも、共通の手順により所望のコアネットワークリソースをあまねく享受できるという次世代ネットワークの目指す姿を実現するためには、移動端末が多種多様な管理運用ポリシを制約とすることなく、平等にサービスを受けられる環境を提供しなくてはならない。
このように、WiMAXやWLAN、3GPP、3GPP2など、世界中のすべてのアクセスネットワークで上記のような通知機能がサポートされていることを期待するのは、多様な管理運用ポリシの観点から、ほぼ不可能と考えてもよく、そうした場合にも、移動端末がIPv4観点のホームリンク検出を早期に完了できる方法が必要となる。
本発明は、上記の問題点に鑑み、DSMIPを用いた移動通信システムにおいて、IPv6ホームアドレスのみ有する移動端末がIPv4のみサポートするアクセスネットワークにハンドオーバする際に、ハンドオーバ先のネットワークで移動端末に割り当てられたIPアドレスの種別(ホームアドレス又はケアオブアフドレス)を、ホームエージェントがハンドオーバ元のネットワーク経由で移動端末に通知し、移動端末は通知取得タイミングに応じてホームリンク検出を行う。これにより、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェント間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができるハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間を移動する前記移動端末のハンドオーバ方法であって、前記移動端末が、現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージを前記ハンドオーバ先のアクセスルータへ送信するステップと、前記移動端末のホームエージェントが、前記アドレス取得要求メッセージにより前記ハンドオーバ先のアクセスルータ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して前記移動端末へ送信するステップとを、備えるハンドオーバ方法が提供される。この構成により、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。
また、本発明によれば、移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間をハンドオーバする前記移動端末であって、前記移動端末が、現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記アドレス取得要求メッセージを前記ハンドオーバ先のアクセスルータへ送信する送信手段と、前記アドレス取得要求メッセージにより前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを、前記移動端末のホームエージェントから前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して受信する受信手段とを、備える移動端末が提供される。この構成により、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。
また、本発明によれば、移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間をハンドオーバする前記移動端末のホームエージェントであって、前記移動端末が現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージに基づき、前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記通知メッセージを前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して前記移動端末へ送信する送信手段とを、備えるホームエージェントが提供される。この構成により、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。
本発明のハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントは、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。また、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で既に確立されたDSMIPコネクションを利用することにより、ハンドオーバ先アクセスネットワークが移動端末に直接通知する機能を有していない場合でも、所望の動作を実施させることができる。
本発明の実施の形態における通信システムの構成の一例を示す構成図 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するための他のシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するための他のシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するための他のシーケンスチャート 本発明の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を示す構成図 本発明の実施の形態に係る移動端末における処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る移動端末における他の処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る移動端末における他の処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係るホームエージェントの構成の一例を示す構成図 本発明の実施の形態に係るホームエージェントにおける処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係るホームエージェントにおける他の処理フローの一例を示すフローチャート 従来技術を説明するための図
本発明の実施の形態の詳細な動作について説明する。図1は本発明によるシステム構成を説明するための図であり、少なくともIPv6をサポートするアクセスネットワーク101、IPv4のみサポートするアクセスネットワーク102、それらアクセスネットワーク経由で接続可能なコアネットワーク103が配置される。各々のアクセスネットワークには、アクセスルータAR104、AR105が配備され、アクセスネットワークシステムのオペレーションによってIPv6ルータであったり、IPv4ルータであったり、またその双方であったりする。また、コアネットワーク103には、移動端末107の接続要求に応じて、システム全体のQoS(Quality of Service)などに関する制御を実施するPCRF(Policy Control and Charging Rules Function)サーバ108が配備される。
さらに詳細には、アクセスネットワークが採用する規格に応じて、アクセスルータは、アクセスゲートウェイ(Access Gateway:AGW)、モビリティアンカーゲートウェイ(Mobility Anchor Gateway:MAG)、パケットデータゲートウェイ(Packet Data Gateway:PDG、enhanced Packet Data Gateway:ePDG)、サービングゲートウェイ(Serving Gateway:SGW)、サービングGPRSサービングノード(Serving GPRS Serving Node:SGSN)などと称されることもある。また、コアネットワーク103には、DSMIPに基づくホームエージェント(HA)106が配備され、コアネットワーク103が採用する規格に応じて、このHA106はパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway:PDN GW)、ゲートウェイGPRSサービングノード(Gateway GPRS Serving Node:GGSN)などと称されることもある。
図1において、移動端末UE107はアクセスネットワーク101経由でHA106と接続してIPv6ホームアドレス(HoAv6)を取得した後、アクセスネットワーク102に移動し、ハンドオーバ処理を実施する。
図2は、本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末UE107がアクセスネットワーク102へのハンドオーバ処理開始を検出する(ステップS201)と、UE107はアクセスネットワーク102のアタッチポイント(ここではAR105)に対してアタッチ処理を開始する(ステップS202)。AR105は、アタッチ処理の過程で、UE107に対する接続認証処理をHSS/AAA1301に依頼する(ステップS203)。接続認証処理が成功すると、AR105は付随する処理を実施してアタッチ処理を完了する。
アタッチ処理を通じてIPアドレスが割り当てられなかった場合やネットワークから指示された場合、UE107はDHCPなどのプロトコルを用いてIPv4アドレスを取得する。すなわち、UE107はIPv4アドレス取得要求メッセージをAR105に送信する(ステップS204)。ここで、要求されたIPアドレスをコアネットワーク103が割り当てる場合、すなわちAR105においてDHCP Relay(リレー)機能が有効に設定されている場合、IPv4アドレス取得要求メッセージはAR105からHA106に転送される。HA106は要求を受けてホームアドレスを割り当て(ステップS205)、IPv4アドレス割り当てメッセージを用いてUE107に通知する(ステップS206)。
また、AR105がMAGの機能を有しており、PMIPプロトコルによってHA106との間のモビリティ機能を実現している場合は、UE107からのIPv4アドレス取得要求メッセージを受けてAR105(MAG)がPBU(Proxy Binding Update)メッセージをHA106に発行することがある。この場合も、HA106は同様にホームアドレスを割り当て、PBUへの応答であるPBA(Proxy Binding Ack)メッセージを用いてAR105に通知し、AR105がIPv4アドレス割り当てメッセージを用いて割り当てられたホームアドレスをUE107に通知する。
ここで、HA106は受信したアドレス取得要求メッセージがUE107からのものであることを次のようにして認識する。AR105はアタッチ処理時に取得したUE107の識別子(例えば、Network Access Identifier:NAI)を、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ(例えば3GアクセスシステムではベアラIDが割り当てられるように)と関連付けて保存する。UE107が送信するアドレス取得要求メッセージは、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ上で転送されるので、AR105は受信したアドレス取得要求メッセージがUE107から送信されたものであることを識別し、先に保存しておいたUE107の識別子(例えばNAI)を取得する。
AR105は、アドレス取得要求メッセージあるいはPBUにUE107の識別子(NAI)を記載した上でHA106に転送あるいは送信する。DHCPメッセージには、NAIを記載するための“client field”が用意されており、PBUにも同様にNAIを記載するためのオプションが用意されている。HA106はUE107の識別子(NAI)が記載されたメッセージを取得して、UE107から送信されたものであることを認識することができる。あるいはUE107がメッセージに自信の識別子を含めて送信することにより、AR105で識別を行う必要がなくなる。
HA106は、割り当てたIPアドレスをUE107に通知するのと同時に、既に接続を確立済みのUE107に対するDSMIPバインディング情報(バインディングキャッシュに蓄積されたホームアドレスとケアオブアドレスをはじめとする情報)を用いて、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージを送信し(ステップS207)、割り当てたIPアドレスがホームアドレスであることを通知する。割り当てアドレス種別通知メッセージは、例えばBinding Revocation RequestやBinding Refresh Request、Binding Ackなどを用いてもよいし、独自のメッセージを用いてもよい。
また、割り当てアドレス種別通知メッセージに割り当てたホームアドレスの値を記載してもよいが、単にホームアドレスかケアオブアドレスかのフラグ(少なくとも1ビット)を添付するようにしてもよい。フラグのみ送信することにより、アドレスの値を送る場合に比べて、少ないビット数で所望の情報をUE107に通知することができ、通信リソースを有効活用することができる。
割り当てアドレス種別通知メッセージを取得したUE107は、ハンドオーバ先アクセスネットワークで取得したIPアドレスがホームアドレスである、すなわちハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであると認識する。すなわち、本来続けて行われるバインディング処理(BU/BA交換)の中で取得するホームアドレスと先に取得したアドレスのサブネットの一致検査、すなわちホームリンク検出を省略することができ、特にバインディング処理の前に鍵更新処理を実施する必要がある場合は、鍵交換処理を省略あるいは遅延させることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができる。なぜなら、鍵更新処理はBU/BA交換を行う前に実施する必要がある(BU/BAを保護するためのIPsec鍵を更新するのが目的であるため)が、BU/BA交換を省略できるようになるので鍵更新処理をハンドオーバ処理完了後、任意のタイミングで実施できるようになるためである。
なお、AR105がMAGの機能を有しており、HA106との間のモビリティ機能がPMIPプロトコルによって実現されており、アタッチ処理の過程でHA106とMAGの間でPBU/PBAが既に交換されている場合がある。さらにこのとき、割り当てられたIPアドレスがアタッチ処理の過程でUE107に通知されている場合と、割り当てられたIPアドレスはMAGが保有した状態でアタッチ処理の過程でUE107に通知されていない場合とがある。後者の場合、続けて実施されるDHCPなどを用いたアドレス取得処理によって、割り当てアドレスがUE107に通知される。
これらのケースでは、いずれもHA106によるホームアドレス割り当てはアタッチ処理の過程で実施されている。したがって、HA106はアタッチ処理の過程で実施されるホームアドレス割り当ての完了と同時に割り当てアドレス種別通知メッセージを送信することが可能となり、UE107においてもアタッチ処理を行っている最中あるいはアタッチ処理の完了とほぼ同じタイミングでアドレス種別通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で取得することができる。なお、UE107は、アドレス種別通知メッセージを通じて割り当てアドレスの値を教えてもらうこともでき、アタッチ処理の過程でアドレスが通知されなかった場合にDHCPなどを用いたアドレス取得処理が不要となる。
次に、ハンドオーバ先アクセスネットワークにおいてケアオブアドレスが割り当てられる場合の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末UE107がアクセスネットワーク102へのハンドオーバ処理開始を検出する(ステップS301)と、UE107はアクセスネットワーク102のアタッチポイント(ここではAR105)に対してアタッチ処理を開始する(ステップS302)。AR105は、アタッチ処理の過程で、UE107に対する接続認証処理をHSS/AAA1301に依頼する(ステップS303)。接続認証処理が成功すると、AR105は付随する処理を実施してアタッチ処理を完了する。
ここでは、割り当てるアドレスがホームアドレス(HoA:Home Address)ではなくケアオブアドレス(CoA:Care-of Address)、すなわちアクセスネットワーク102が独自にアドレスを割り当てることができるため、UE107が送信するIPアドレス取得要求メッセージ(ステップS304)は、アクセスネットワーク102内のサーバ(例えばDHCPサーバ:AR105内に併設されることもあり、以下ではそのケースについて説明する)で処理される。すなわち、UE107にケアオブアドレスが割り当てられる(ステップS305)。UE107にケアオブアドレスが割り当てられると、後にUE107がバインディングを行ったときのQoSポリシ適用に備えて(ひいてはコアネットワークリソースを用いた通信を可能とするために)、割り当てられたケアオブアドレスをAR105がPCRFサーバ108に通知する(ステップS306:CoA通知メッセージ)。CoA通知メッセージは、Gateway Control Session Establishment、Gateway Control and QoS Rules Request、Gateway Control and QoS Rules Provisionなどともよぶ。また、AR105がローミングネットワークに配置される場合、すなわちUE107がローミングネットワークにアタッチした場合、CoA通知メッセージはローミングネットワークに配置されたプロキシPCRFサーバに配送され、コアネットワーク103のPCRFサーバ108に転送される。
CoA通知メッセージを受信したPCRFサーバ108は、HA106が割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信できるよう、受信したCoA通知メッセージをHA106に転送、あるいは単にUE107にケアオブアドレスが割り当てられたことをHA106に通知する(ステップS307:CoA通知)。すなわち、ハンドオーバ先のAR105によってUE107のケアオブアドレスが割り当てられた場合、HA106が、ハンドオーバ先のAR105によって割り当てられたアドレスの種別を示す情報をPCRFサーバ108から受信する。これを受けて、HA106はハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で、UE107に割り当てアドレス種別通知メッセージを送信し(ステップS308)、ケアオブアドレスが割り当てられたことを通知する。
ここで、PCRFサーバ108及びHA106は、受信したアドレス取得要求メッセージがUE107からのものであることを次のようにして認識する。AR105はアタッチ処理時に取得したUE107の識別子(例えば、Network Access Identifier:NAI)を、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ(3GアクセスシステムではベアラIDが割り当てられる)と関連付けて保存する。UE107が送信するアドレス取得要求メッセージは、アタッチ処理によって確立された通信ベアラ上で転送されるので、AR105は受信したアドレス取得要求メッセージがUE107から送信されたものであることを識別し、先に保存しておいたUE107の識別子(例えばNAI)を取得する。
AR105は、アドレス取得要求メッセージあるいはPBUにUE107の識別子(NAI)を記載した上でHA106に転送あるいは送信する。DHCPメッセージには、NAIを記載するための“client field”が用意されており、PBUでも同様にNAIを記載するためのオプションが用意されている。PCRFサーバ108及びHA106はUE107の識別子(NAI)が記載されたメッセージを取得して、UE107から送信されたものであることを認識することができる。あるいは、UE107がメッセージに自身の識別子を含めて送信することにより、AR105で識別を行う必要がなくなる。
ケアオブアドレスが割り当てられたことを認識したUE107は、取得したケアオブアドレスをHA106に登録して、外部リンクにおける通信を開始する。このとき、IPv4ホームアドレスを取得していない場合は、HA106とのバインディング処理(BU/BA交換:ステップS309、S310)の過程で新規に取得する必要があるが、先に取得した割り当てアドレス種別通知メッセージを利用してIPv4ホームアドレスをHA106から通知してもらうことも可能である。その際、UE107はバインディング手順などを通じて(すなわちBinding Updateメッセージを用いるなどして)HA106にあらかじめ通知を要求しておいてもよい。
また、UE107がハンドオーバ先アクセスネットワークへのアタッチ処理と同時に、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で要求メッセージ(例えばIPv4ホームアドレスを要求するフラグを付加したBUメッセージ)をHA106に送っておき、HA106はその応答として割り当てアドレス種別通知メッセージ(例えばIPv4ホームアドレスを記載したBAメッセージ)をUE107に送信するものであってもよい。これによって、アタッチ処理ないしアドレス取得処理と併行してホームアドレスを取得して、その後のバインディング処理を不要とすることができ、ハンドオーバ全体時間の削減を図ることができる。
なお、ここでもアタッチ処理時にケアオブアドレスがUE107に通知されることがある。この場合、AR105からPCRFサーバ108へのCoA通知メッセージの送信はアタッチ処理の過程で実施されている。したがって、HA106はアタッチ処理の過程でPCRFサーバ108から転送あるいは通知された内容(UE107にCoAが割り当てられたこと)を受けて、割り当てアドレス種別通知メッセージを送信することが可能となる。これにより、UE107においても、アタッチ処理を行っている最中あるいはアタッチ処理の完了とほぼ同じタイミングで、アドレス種別通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で取得することができる。なお、UE107は既にIPアドレスを取得済みであるので、DHCPなどを用いたIPアドレス取得要求を送信する必要はない。
ここで、上記説明では、AR105がCoA通知メッセージを送信する宛先ノードをPCRFサーバ108としたが、例えばHSS/AAAサーバ1301などのその他のノードであってもよいし、HA106に直接CoA通知メッセージあるいは相当の情報を含むメッセージを送信するものであってもよい。
以上、HA106はUE107に割り当てられたアドレス種別(ホームアドレスあるいはケアオブアドレス)を、既に確立された通信コネクション(すなわちハンドオーバ元アクセスネットワークのDSMIPバインディングコネクション)を利用してUE107に通知することで、アクセスネットワークがUE107に直接通知する手段を実装していない場合でも、迅速なホームリンク検出を可能とさせることができる。
さて、HA106は割り当てアドレスの種別に関する情報を、それぞれ異なるルートから取得する。つまり、ホームアドレスを割り当てたことは自分自身から、ケアオブアドレスを割り当てたことはPCRFサーバ108などのサーバを介してハンドオーバ先アクセスネットワークに位置するAR105から取得する。
CoA割り当て通知は、実際にアドレスが割り当てられてからPCRFサーバ108を経由してHA106に配送されるため、ホームアドレス(HoA)割り当て通知に比べて、UE107が通知を取得するまでに多くの配送時間を要することが想定される。すなわち、IPアドレス取得にDHCPを用いる場合、HoA割り当て通知(割り当てアドレス種別通知メッセージ(HoA))はDHCP処理完了直後に配送され得るのに対して、CoA割り当て通知(割り当てアドレス種別通知メッセージ(CoA))は、DHCP処理完了してからしばらく後にUE107に到着するものと想定される。
UE107はこの特性を利用して、割り当て通知の到着タイミングを以て、HoA/CoAいずれのアドレスが割り当てられたかを判定することもできる。つまり、UE107の例えばホームリンク判定制御部607は、DHCP処理完了直後に割り当てアドレス種別通知メッセージを受信できた場合はHoAが、通知を受信できなかった場合はCoAが割り当てられたものと判断することができ、特にCoA割り当て時のメッセージ待ち時間を削減して、ハンドオーバ処理のさらなる高速化を図ることができる。この際、後述するように、HA106がHoA割り当て通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で送信したことをUE107に通知するようにしてもよい。すなわち、HA106が、割り当てアドレス種別通知メッセージの他に、UE107に割り当てられたアドレスの種別が何かを示す情報を含むメッセージをUE107に送信し、UE107が受信するようにしてもよい。
しかしながら、上記の方法、すなわちHA106からの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミングによってHoAとCoAのいずれかが割り当てられたかを判定するためには、UE107においてDHCP処理完了時点を起点とする割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミングを検出するためのタイマを新規に設置する必要がある。そこで、本発明ではHA106におけるHoA割り当て通知の送信タイミングを最適化することにより、UE107が通知メッセージを受信したタイミングから通知内容を確実に判定可能な方法を開示する。
図4は本発明の実施の形態におけるハンドオーバ方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。本発明では、DHCPによるIPアドレス割り当て処理が2往復分のシーケンスによって構成されていることに着目する。すなわち、従来のDHCPシーケンスは、DHCPディスカバリー(UE→HA:ステップS401)、DHCPオファー(HA→UE:ステップS402)、DHCPリクエスト(UE→HA:ステップS403)、DHCPアック(HA→UE:ステップS404)の順に実施されるものである。3GPPなどのセルラシステムにおいては、UE107にアドレスを割り当てるDHCPサーバ(ここではHA106と同等)はUE107に対して一つに決まるという特徴がある。したがって、HA106ではDHCPオファー送信時点でUE107に割り当てるホームアドレスが既に決定しているので、DHCPオファー送信と同時にHoA割り当て通知を送信することが可能である。すなわち、HA106が、DHCPによるDHCPディスカバリーに対する応答メッセージであるDHCPオファーと同時に、HoA割り当て通知のメッセージをUE107に送信することが可能である。
これにより、HA106が送信するHoA割り当て通知は、DHCP処理中にUE107に配送される(割り当てアドレス種別通知メッセージ:ステップS405)。したがって、割り当てアドレス種別通知メッセージをDHCP処理完了までに受信できなかった場合は、CoAが割り当てられたと判断することができる。すなわち、UE107に新たなタイマを設けることなく、早期(DHCP処理が完了するまで)にHoAあるいはCoAのいずれかが割り当てられたかを検出できるようになり、ハンドオーバ時間の更なる短縮を図ることができる。
しかしながら、上記の最適化方法においては、ハンドオーバ元アクセスネットワークの混雑状況などにより、HoA割り当て通知が遅れてUE107に配送されることが考えられる。その場合、UE107はCoAが割り当てられたものと誤認し、ハンドオーバ先アクセスネットワーク経由で鍵交換処理やBU/BA交換を開始してしまう。こうした問題を解決するために、以下の2通りの方法が考えられる。
1つ目の方法は以下のようなものである。ハンドオーバ先アクセスネットワーク経由の鍵交換処理あるいはBU/BA交換時に、HA106がHoA割り当て通知をハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で送信したことをUE107に通知する。しかし、鍵交換処理やBU/BA交換処理時にHoA割り当て通知を送信したことを伝えるためのプロトコルを、ハンドオーバ先アクセスネットワークにおいてサポートしている必要がある。また、割り当てアドレスが実際にはHoAであった場合に、UE107は最悪の場合、数秒にものぼる鍵交換処理の完了や一往復分のBU/BA交換の完了を待つ必要がある。
2つ目の方法は以下のようなものである。DHCP処理完了後、HA106からのHoA割り当て通知を受けるかもしれないので、UE107はタイマを起動して所定時間待つ。しかし、UE107は新規にタイマを実装する必要があり、使用リソースを増加させることになる(バッテリ消費量の増大などが懸念される)。
そこで、本発明ではハンドオーバ元アクセスネットワークが配送遅延を伴う場合であっても、HoA割り当て通知をDHCP処理完了と同程度のタイミングでUE107に配送させる方法を更に開示する。
すなわち、先に説明した図4において、UE107はDHCPオファーの受信後、所定の遅延時間をおいてDHCPリクエストを送信することにより、DHCP処理完了以前にハンドオーバ元アクセスネットワーク経由でHoA割り当て通知を確実に受け取ることができるようになる。すなわち、UE107が、DHCPオファーのメッセージを受信後、所定の時間経過後にDHCPオファーのメッセージに対するメッセージであるDHCPリクエストを送信することにより、HoA割り当て通知を確実に受け取ることができる。ここで、所定の遅延時間とは、例えば、HoA割り当て通知が配送されるハンドオーバ元アクセスネットワークにおけるUE107−HA106間の伝送遅延など、あらかじめ測定しておいた値を設定することができる。あるいは、通信のたびに伝送遅延を測定しておき、ダイナミックに設定してもよい。
DHCPプロトコルでは、DHCPオファー受信からDHCPリクエスト送信までの間に所定の遅延を設けることができるよう、プロトコルとしてタイマが規定されており、上記方法を用いることにより、新規タイマを追加することなく、既存リソース(プロトコルタイマ)を活用しながら、UE107にHoA割り当て通知が配送されるタイミング調整を実施させることができる。また、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で既に確立されたDSMIPコネクションを利用するので、ハンドオーバ先アクセスネットワークがUE107に直接通知する機能を有していない場合でも、所望の動作を実施させることができる。さらには、所定の遅延は片方向の配送遅延相当であるので、鍵交換処理やBU/BA交換に要する時間に対して短いものである。
以上の方法は、特に3GPPや3GPP2のようなセルラシステムに特有のシステム条件を利用したものである。つまり、DHCPサーバ(ここではHA106に相当)がネットワーク接続時に一つに決定されるため、割り当てアドレスはDHCPオファーに記載されたものとなることが決まっており、すなわちDHCPオファー送信時点でUE107に割り当てられるIPアドレスは既に決定している。
したがって、UE107は本方式の実施に先立ち、接続先ネットワークあるいはコアネットワークが3GPPなどのセルラシステム、または上記条件を満たすような、すなわちUE107が問い合わせるDHCPサーバが論理的/物理的に一台に決まりうるようなシステムによって提供されるものであることを確認あるいは推定してもよい。その結果、DHCPサーバが複数存在するようなシステムに接続しようとしている場合、UE107は本方式を実施しない。すなわち、UE107が、ハンドオーバ先のネットワークAR105又はハンドオーバ先ネットワークを含む通信ネットワーク103が所定の条件を満たすネットワークであるか否かを確認し、条件を満たす場合に本方式を実施する。すなわち、UE107は割り当てアドレス種別通知メッセージの取得を待ったり、DHCPオファーを受信してからDHCPリクエスト送信までのタイミング調整を行ったりする。3GPPネットワークへの接続であることの確認は、アタッチ時にUE107が通知する接続先ネットワークの識別子(APN:Access Pont Name)のネットワーク識別部に3GPPやそれと同等の情報(オペレータ名など)が含まれることによって判定できる。
なお、CoAを割り当てる場合もAR105(ここではDHCPサーバと同等)において同様に、DHCPオファー送信(ステップS501)と同じタイミングでPCRFサーバ108にCoA割り当て通知(ステップS502)を送信してもよい(図5を参照)。すなわち、ハンドオーバ先のAR105によってCoAが割り当てられた場合、ハンドオーバ先のAR105が、HA106に代わってDHCPオファーのメッセージを送信すると同時に、割り当てられたアドレスの種別を示す情報をPCRFサーバ108に通知し、HA106が、割り当てられたアドレスの種別を示す情報をPCRFサーバ108から受信し、それに基づいて割り当てアドレス種別通知メッセージを送信する。
これによって、CoA割り当て通知がUE107に配送されるまでの遅延を短縮することができ、特にUE107が単に受信した割り当てアドレス種別通知メッセージに記載された内容からHoA/CoA割り当てを判定する場合に、ハンドオーバ全体時間の削減を図ることができる。しかし、コアネットワーク103に配備される場合と異なり、アクセスネットワークには配備されるDHCPサーバが複数存在することが考えられる。したがって、すべてのAR(DHCPサーバ)において本方式がサポートされるとは限らないことに注意しなければならない。すなわち、すべてのアクセスネットワークにおいて本方式がサポートされていることを期待すべきではない。
なお、本発明による方法では、UE107が双方のアクセスネットワーク101、102に同時に接続できることが要件となる。したがって、UE107は、自身がデュアルインタフェース対応であることを事前にBUメッセージや認証処理メッセージを通じてHA106や他のネットワークノードに知らせておき、HA106がUE107のデュアル対応状況に応じて(すなわちデュアル対応時のみ)本処理を実施するようにしてもよい。これは、TDD対応のシングルI/Fであることの通知であってもよい。また、HA106はHoA通知とともに、ネットワーク側で実施しているモビリティプロトコル(GTPやPMIPなど)をUE107に通知してもよい。
また、ハンドオーバ元アクセスネットワークが3GPPアクセスの場合、DSMIPシグナリングではなく、3GPPシグナリング(NASメッセージなど)で割り当てアドレスの種別(HoAまたはCoA)を通知するようにしてもよい。3GPP標準を実装することにより普及を促進できるとともに、サポートエリアを広範に確保することができる。また、上記実施例は、IPv6アクセスネットワークからIPv4のみ対応するアクセスネットワークへのハンドオーバを想定したものだが、原理としては他の例(IPv4からIPv6へのハンドオーバ)や一般化したケースでも同様に適用可能である。すなわち、ハンドオーバ先で割り当てたアドレスがHoA/CoAのいずれであるかを通知する機構があってもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る移動端末(UE)の動作の一例について、図6から図9を用いて説明する。図6は本発明の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を説明するための構成図である。送受信部601、602はそれぞれアクセスネットワーク101、102と接続するための通信インタフェースに相当し、IPレイヤより下位の通信プロトコル処理並びにモデム処理を実施する。IP処理部603はIPレイヤ処理を実施し、MIP処理部604はDSMIPに基づくMobile IPプロトコル処理を実施する。
DHCP処理部605はDHCPプロトコル処理(クライアント機能)を実施する。ハンドオーバ制御部606は送受信部601、602から得た通信状況などからハンドオーバの実施可能性や実施タイミングを判断あるいは検出し、MIP処理部604や送受信部601、602、DHCP処理部605などにハンドオーバ実施のための指示を送出し、ハンドオーバ処理を制御する。ホームリンク判定制御部607は、本発明において特徴的なものであり、その動作の一例について図7から図9を用いて周辺の動作を交えながら説明する。
図7は、UE107がHA106から受信した割り当てアドレス種別通知メッセージの内容に基づいて、HoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合の処理フローの一例を示すフローチャートである。ハンドオーバ制御部606がハンドオーバを開始するか否かを判断する(ステップS701)。ハンドオーバすると判断した場合、ハンドオーバ制御部606が送受信部602にハンドオーバ先ネットワーク(アクセスネットワーク102)へのアタッチ処理開始を指示する(ステップS702)。アタッチ処理時にはIPアドレスが割り当てられず、アタッチ処理完了後にDHCPなどのプロトコルを用いてIPアドレスを取得する場合、送受信部602からアタッチ処理が完了したことの通知を受けてハンドオーバ制御部606がDHCP処理部605にIPアドレス取得を開始するよう指示する。
DHCP処理部605はDHCPディスカバリーメッセージをIP処理部603、送受信部602を介してアクセスネットワーク102に送出し、その応答として割り当てられたIPv4アドレスを含むDHCPオファーメッセージを送受信部602、IP処理部603経由で取得する。さらに、応答を受けたサーバからのアドレス割り当てを受け入れるために、DHCPリクエストメッセージを同様に送出し、その応答としてDHCPアックメッセージを同様に取得する(IPアドレス取得処理:ステップS703)。以上の手続きによりIPアドレス取得処理を完了し、取得したIPアドレスはIP処理部603に設定される。
このとき、ハンドオーバ元アクセスネットワーク(アクセスネットワーク101)経由で、HAが送信した割り当てアドレス種別通知メッセージ(例えば、Binding Revocation RequestやBinding Refresh Request、Binding Ackや、専用フィールドや専用フラグを設けるように改造したメッセージ)がUE107によって取得される(ステップS704)。アドレス種別通知メッセージは、送受信部601、IP処理部603を介して受信され、MIP処理部604に転送される。MIP処理部604では、割り当てアドレス種別通知メッセージの内容をホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知する。
ホームリンク判定制御部607では、割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を評価して、ハンドオーバ先アクセスネットワーク(アクセスネットワーク102)経由で取得したIPアドレスがHoAとCoAのいずれであるかを検出する(通知内容がHoAか:ステップS705)。割り当てられたアドレスがHoAであった場合は、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであると判断し、鍵交換処理やバインディング処理(BU/BA交換)を行うことなく通信を開始する(ステップS706)。割り当てられたアドレスがCoAであった場合は、ハンドオーバ先アクセスネットワークが外部リンクであると判断し、必要に応じて鍵交換処理やバインディング処理(BU/BA交換)を実施する(ステップS707)。
最後にハンドオーバ制御部606は送受信部601にハンドオーバ元ネットワーク(アクセスネットワーク101)からのデタッチ処理の開始を指示し(ステップS708)、デタッチ処理の完了をもってハンドオーバ処理を完了する。デタッチ処理は省略されたり、ネットワークからの指示を受けて実施されたりすることもある。
ここで、アタッチ処理の過程で、アクセスネットワーク102からIPアドレスが割り当てられた場合について説明する。この場合、UE107はDHCPによるIPアドレス取得を行う必要がなく、アタッチ処理完了と同程度のタイミングでハンドオーバ元アクセスネットワークから割り当てアドレス種別通知メッセージを取得する(送受信部601、IP処理部603、MIP処理部604を経て、メッセージの内容がホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知される)。以降の処理は上述したのと同じであるので、ここでは省略する。
次に、UEがHAからの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミング内容に基づいてHoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合の処理フローの一例について図8を用いて説明する。UE107がハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージを受信して、メッセージの内容がホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知されるところまでは上述したものと同じ処理なので、ここでは説明を省略する。上述したように、HoA割り当て時とCoA割り当て時で、割り当てアドレス種別通知メッセージがUE107に配送されるタイミングが異なるため、UE107はこの特性を活用してホームリンク判定を実施する(割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミングの違いについては図2から図5を参照)。
すなわち、割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を取得したホームリンク判定制御部607は、DHCP処理実施中であるか判断し(ステップS805)、DHCP処理が実施中である場合(YESの場合)はHoAが割り当てられたものと判断し(ハンドオーバ先ネットワークをホームリンクと判断:ステップS806)、それ以外の場合(NOの場合)はCoAが割り当てられたものと判断する(ハンドオーバ先ネットワークを外部リンクと判断:ステップS807)。さらには、ホームリンク判定制御部607がDHCP処理完了までに割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を既に取得できている場合は、その内容を確認した上でHoAが割り当てられたことを確実に判定することができる。また、DHCP処理完了までに割り当てアドレス種別通知メッセージを受信できたが、取得した割り当てアドレス種別通知メッセージがCoAを割り当てた旨の内容を示すものであった場合、メッセージの内容に従うものとする。
最後にハンドオーバ制御部606は送受信部601にハンドオーバ元ネットワーク(アクセスネットワーク101)からのデタッチ処理の開始を指示し(ステップS808)、デタッチ処理の完了をもってハンドオーバ処理を完了する。デタッチ処理は省略されたり、ネットワークからの指示を受けて実施されたりすることもある。
さらに、UEがHAからの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミング内容に基づいてHoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合に、ハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延の影響を排除するための最適化処理の一例について図9を用いて説明する。UE107がハンドオーバ先アクセスネットワークにアタッチするところまでは上述したものと同じ処理なので、ここでは説明を省略する。アタッチ処理時にはIPアドレスが割り当てられず、アタッチ処理完了後にDHCPなどのプロトコルを用いてIPアドレスを取得する場合、送受信部602からアタッチ処理が完了したことの通知を受けてハンドオーバ制御部606がDHCP処理部605にIPアドレス取得を開始するよう指示する。
DHCP処理部605はDHCPディスカバリーメッセージをIP処理部603、送受信部602を介してアクセスネットワーク102に送出し、その応答として割り当てられたIPv4アドレスを含むDHCPオファーメッセージを送受信部602、IP処理部603経由で取得する(IPアドレス取得処理1:ステップS903)。
ここで、ハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延のゆらぎが原因となり、本来CoA割り当て通知よりも先行して配送されるはずのHoA割り当てが、遅延して配送されることが考えられる。こうした影響を排除するため、DHCP処理部605はタイマを起動して(ステップS904)、DHCPリクエストメッセージ送信までに所定の遅延を設ける。タイマに設定される時間値は、例えばハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延値をUE107が測定した結果(平均値や最悪値)を用いてもよいし、あらかじめ定めた固定値であってもよい。また、DHCP処理部605にあらかじめ設定しておいてもよいし、DHCP処理の度に設定(変更)するものであってもよい。後者の場合、動的に変化するネットワークの状況に応じた遅延値を設定することができ、ひいてはハンドオーバ処理の効率化を図ることができる。
所定の遅延時間が経過してから、応答を受けたサーバからのアドレス割り当てを受け入れるために、DHCPリクエストメッセージを同様に送出し、その応答としてDHCPアックメッセージを同様に取得する(IPアドレス取得処理2:ステップS905)。以上の手続きによりIPアドレス取得処理を完了し、取得したIPアドレスはIP処理部603に設定される。このとき、ハンドオーバ元アクセスネットワーク(アクセスネットワーク101)経由で、HA106が送信した割り当てアドレス種別通知メッセージがUE107によって取得され、上述の順序でホームリンク判定制御部607に転送あるいは通知される。
割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を取得したホームリンク判定制御部607は、DHCP処理が実施中であるか又は完了した直後であるか(例えば、DHCP処理完了時点を境に判定を行うことが可能であり、またDHCP処理完了からの経過時間が所定の閾値内であるなどにより判定が可能である)をDHCP処理部605の動作状況をもとに検出し(ステップS906)、条件に合致する場合はHoAが割り当てられたものと判断し(ハンドオーバ先ネットワークをホームリンクと判断:ステップS907)、合致しない場合はCoAが割り当てられたものと判断する(ハンドオーバ先ネットワークを外部リンクと判断:ステップS908)。条件に合致した場合、すなわちホームリンク判定制御部607が割り当てアドレス種別通知メッセージの内容を既に取得している場合は、その内容をもってHoAが割り当てられたことを確実なものとすることができる。また、条件に合致したが、取得した割り当てアドレス種別通知メッセージがCoAを割り当てた旨の内容を示すものであった場合、メッセージの内容に従うものとする。
最後にハンドオーバ制御部606は送受信部601にハンドオーバ元ネットワーク(アクセスネットワーク101)からのデタッチ処理の開始を指示し(ステップS909)、デタッチ処理の完了をもってハンドオーバ処理を完了する。デタッチ処理は省略されたり、ネットワークからの指示を受けて実施されたりすることもある。
次に、本発明の実施の形態に係るホームエージェント(HA)の動作の一例について図10から図12を用いて説明する。図10は本発明の実施の形態に係るHAの構成の一例を説明するための構成図である。送受信部1001はコアネットワーク103内のノードと通信を行うための通信インタフェースに相当し、IPレイヤより下位の通信プロトコル処理並びにモデム処理を実施する。IP処理部1002はIPレイヤ処理を実施し、MIP処理部1003はDSMIPに基づくMobile IPプロトコル処理を実施する。PMIP処理部1004はPMIPプロトコル処理を実施する。DHCP処理部1005はDHCPプロトコル処理(サーバ機能)を実施する。ホームアドレス割り当て部1006は、本発明において特徴的なものであり、その動作の一例について周辺の動作を交えながら図11と図12を用いて説明する。
図11は、UEがHAから受信した割り当てアドレス種別通知メッセージの内容に基づいて、HoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合のHAの処理フローの一例を示すフローチャートである。AR105から転送されたUE107からのIPアドレス取得要求メッセージ(あるいはPBUメッセージ)が送受信部1001、IP処理部1002を介してDHCP処理部1005に転送されたか否かを判断し(IPアドレス取得要求あるいはPBU受信か:ステップS1101)、受信したと判断された場合、DHCP処理部1005は割り当てるIPアドレスをホームアドレス割り当て部1006から取得し(HoA割り当て:ステップS1102)、IPアドレス割り当てメッセージに含めてIP処理部1002、送受信部1001を介して送信し(ステップS1103)、DHCPリレーとして動作しているAR105経由でUE107に転送される。そして、ホームアドレス割り当て部1006は、割り当てアドレス種別通知メッセージをAR104経由で送信する(ステップS1104)。
ここで、受信したIPアドレス取得要求メッセージには、UE107の識別子(例えば、Network Access Identifier:NAI)を含み、HA106はUE107からのDHCP要求であることを判別できる。また、AR105がUE107からのIPアドレス取得要求メッセージを受信したことを受けてProxy MIPのPBU(Proxy BU)をHA106に送信する場合は、送受信部1001とIP処理部1002を介してPMIP処理部1004がPBUメッセージを受信し、ホームアドレスをホームアドレス割り当て部1006から取得し、PBAメッセージに記載して送信する。なお、この場合もPBUにはUE107の識別子(例えばNAI)が含まれているので、HA106はUE107に対するアドレス割り当てであることを判別できる。
ホームアドレス割り当て部1006は、上記DHCPプロトコルあるいはPMIPプロトコルにもとづいてホームアドレスをUE107に払いだすと同時に、UE107が生成したDSMIPのバインディング情報(MIP処理部1003が保持している)をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する。メッセージにはHoAを割り当てた旨の情報が記載されている。アドレス種別通知メッセージは、例えば、MIP処理部1003が処理可能なBinding Revocation RequestやBinding Refresh Request、Binding Ackであったり、それらに専用フィールドや専用フラグを設けるように改造したものであったり、独自のメッセージを規定してもよい。
また、PCRFサーバ108が送信したCoA割り当て通知メッセージが、送受信部1001、IP処理部1002を介してホームアドレス割り当て部1006に転送あるいは到着が通知されたか否かを判断し(CoA割り当て通知取得か:ステップS1105)、通知されたと判断されると、ホームアドレス割り当て部1006は、同様にUE107のDSMIPのバインディング情報をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する(ステップS1106)。メッセージにはCoAを割り当てた旨の情報が記載されている。
次に、UEがHAからの割り当てアドレス種別通知メッセージの受信タイミング内容に基づいてHoAとCoAのいずれが割り当てられたかを判断する場合に、ハンドオーバ元アクセスネットワークにおける伝送遅延の影響を排除するための最適化処理を行う場合のHA処理フローの一例について図12を用いて説明する。AR105から転送されたUE107からのDHCPディスカバリーメッセージが送受信部1001、IP処理部1002を介してDHCP処理部1005に転送されたか否かを判断し(DHCPディスカバリー受信か:ステップS1201)、転送されたと判断された場合、DHCP処理部1005は割り当てるIPアドレスをホームアドレス割り当て部1006から取得し(HoA割り当て:ステップS1202)、DHCPオファーメッセージに含めてIP処理部1002、送受信部1001を介して送信する(DHCPオファー送信:ステップS1203)。
これを受けてホームアドレス割り当て部1006は、UE107が生成したDSMIPのバインディング情報(MIP処理部1003が保持している)をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する(ステップS1204)。メッセージにはHoAを割り当てた旨の情報が記載されている。これに続いて、DHCP処理部1005がUE107からのDHCPリクエストメッセージを受信する(DHCPリクエスト受信:ステップS1205)と、DHCPアックメッセージを送信する(DHCPアック送信:ステップS1206)。ここで、いち早くUE107に割り当て通知メッセージを到着させるために、ステップS1203より先にステップS1204を実施してもよい。
また、PCRFサーバ108が送信したCoA割り当て通知メッセージが、送受信部1001、IP処理部1002を介してホームアドレス割り当て部1006に転送あるいは到着が通知されたか否かを判断し(CoA割り当て通知取得か:ステップS1207)、通知されたと判断されると、ホームアドレス割り当て部1006は、同様にUE107のDSMIPのバインディング情報をもとに、ハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で割り当てアドレス種別通知メッセージをUE107に送信する(ステップS1208)。メッセージにはCoAを割り当てた旨の情報が記載されている。
なお、上記では、移動端末がIPアドレスを取得するためにIPアドレス取得要求メッセージとIPアドレス割り当てメッセージを用いることを説明した。ここで、IPアドレス取得要求メッセージとはIPアドレス取得処理を開始するメッセージであり、DHCPプロトコルでいうところのDHCPディスカバリーメッセージ、あるいは既にDHCPサーバが明らかな場合や、DHCPディスカバリーメッセージの送信を省略する場合はDHCPリクエストメッセージに相当する。また、IPアドレス割り当てメッセージとはIP取得処理において移動端末へのIPアドレス割り当てを完了するためのメッセージであり、DHCPプロトコルでいうところのDHCPアックメッセージに相当する。
なお、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えばバイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明のハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントは、ハンドオーバ先アクセスネットワークがホームリンクであることを早期に検出して、移動端末とホームエージェントとの間のトンネルオーバヘッドを削減して通信効率を向上させるとともに、移動端末が鍵更新処理を行う場合であっても、鍵更新処理の前にホームリンク検出を実施することができ、時間を要する鍵更新処理の完了を待たずにパケットの送受信を可能とすることができ、ハンドオーバ時間の削減を図ることができ、またハンドオーバ元アクセスネットワーク経由で既に確立されたDSMIPコネクションを利用することにより、ハンドオーバ先アクセスネットワークが移動端末に直接通知する機能を有していない場合でも、所望の動作を実施させることができるため、異なるIPバージョンに対応したネットワーク間を移動しながら通信を行う通信システムにおけるハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェントなどに有用である。

Claims (20)

  1. 移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間を移動する前記移動端末のハンドオーバ方法であって、
    前記移動端末が、現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージを前記ハンドオーバ先のアクセスルータへ送信するステップと、
    前記移動端末のホームエージェントが、前記アドレス取得要求メッセージにより前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して前記移動端末へ送信するステップとを、
    備えるハンドオーバ方法。
  2. 前記アドレス取得要求メッセージは、アドレス付与を求めるための所定のプロトコルで用いられるメッセージである請求項1に記載のハンドオーバ方法。
  3. 前記移動端末が、前記アドレス取得要求メッセージに基づいて割り当てられたアドレスの受信完了の直後若しくは前記受信完了前に前記通知メッセージを受信した場合、所定のアドレスが割り当てられたと判断する請求項2に記載のハンドオーバ方法。
  4. 前記ホームエージェントは、前記通知メッセージの他に、前記移動端末に割り当てられたアドレスの種別が何かを示す情報を含む、前記アドレス取得要求メッセージに対する応答メッセージを前記移動端末に送信する請求項3に記載のハンドオーバ方法。
  5. 前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバによって前記移動端末のアドレスが割り当てられた場合、
    前記ホームエージェントは、前記割り当てられたアドレスの種別を示す情報を所定のサーバから受信する請求項1から3のいずれか1つに記載のハンドオーバ方法。
  6. 前記ホームエージェントは、前記アドレス取得要求メッセージに対する応答メッセージを送信すると同時に、前記通知メッセージを送信する請求項2に記載のハンドオーバ方法。
  7. 前記移動端末は、前記応答メッセージを受信後、所定の時間経過後に前記応答メッセージに対するメッセージを送信する請求項6に記載のハンドオーバ方法。
  8. 前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバは、前記ホームエージェントに代わって応答メッセージを送信すると同時に、前記割り当てられたアドレスの種別を示す情報を前記所定のサーバに通知し、
    前記ホームエージェントは、前記割り当てられたアドレスの種別を示す情報に基づいて前記通知メッセージを送信する請求項5に記載のハンドオーバ方法。
  9. 前記移動端末は、前記ハンドオーバ先ネットワーク又は前記ハンドオーバ先ネットワークを含む通信ネットワークが所定の条件を満たすネットワークである場合に、前記アドレス取得要求メッセージを送信する請求項6又は7に記載のハンドオーバ方法。
  10. 移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間をハンドオーバする前記移動端末であって、
    前記移動端末が、現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、
    前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージを生成するメッセージ生成手段と、
    生成された前記アドレス取得要求メッセージを前記ハンドオーバ先のアクセスルータへ送信する送信手段と、
    前記アドレス取得要求メッセージにより前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを、前記移動端末のホームエージェントから前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して受信する受信手段とを、
    備える移動端末。
  11. 前記アドレス取得要求メッセージは、アドレス付与を求めるための所定のプロトコルで用いられるメッセージである請求項10に記載の移動端末。
  12. 前記受信手段が、前記アドレス取得要求メッセージに基づいて割り当てられたアドレスの受信完了の直後若しくは前記受信完了前に前記通知メッセージを受信した場合、
    所定のアドレスが割り当てられたと判断する判断手段を更に備える請求項11に記載の移動端末。
  13. 前記受信手段は、前記ホームエージェントによって送信される前記通知メッセージの他に、前記移動端末に割り当てられたアドレスの種別が何かを示す情報を含む、前記アドレス取得要求メッセージに対する応答メッセージを受信する請求項12に記載の移動端末。
  14. 前記受信手段は、前記アドレス取得要求メッセージに対する応答メッセージと、前記ホームエージェントから送信された前記通知メッセージを受信する請求項11に記載の移動端末。
  15. 前記メッセージ生成手段は、前記応答メッセージを受信後、所定の時間経過後に前記応答メッセージに対するメッセージを生成し、
    前記送信手段は、生成された前記応答メッセージに対するメッセージを送信する請求項14に記載の移動端末。
  16. 前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバによって前記移動端末のアドレスが割り当てられた場合、
    前記応答メッセージは、前記ホームエージェントに代わって前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバによって送信される請求項14又は15に記載の移動端末。
  17. 前記ハンドオーバ先ネットワーク又は前記ハンドオーバ先ネットワークを含む通信ネットワークが所定の条件を満たすネットワークであるか否かを確認する確認手段を更に備え、
    前記送信手段は、前記所定の条件を満たすネットワークであると確認された場合に、前記アドレス取得要求メッセージを送信する請求項14又は15に記載の移動端末。
  18. 移動端末の通信規約である固有の異なるIPバージョンにそれぞれ対応する少なくとも2つのネットワーク間をハンドオーバする前記移動端末のホームエージェントであって、
    前記移動端末が現在接続しているハンドオーバ前のネットワークのアクセスルータからハンドオーバ先の他のネットワークのアクセスルータへハンドオーバする際、
    前記移動端末に割り当てられる前記ハンドオーバ先のネットワークにおけるアドレスを取得するためのアドレス取得要求メッセージに基づき、前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバ又は前記ホームエージェントによって割り当てられた前記移動端末のアドレスの種別を示す情報を含む通知メッセージを生成するメッセージ生成手段と、
    生成された前記通知メッセージを前記ハンドオーバ前のアクセスルータを介して前記移動端末へ送信する送信手段とを、
    備えるホームエージェント。
  19. 前記アドレス取得要求メッセージが、アドレス付与を求めるための所定のプロトコルで用いられるメッセージである場合、
    前記メッセージ生成手段は、前記アドレス取得要求メッセージに対する応答メッセージを生成し、
    前記送信手段は、前記応答メッセージと同時に、前記通知メッセージを送信する請求項18に記載のホームエージェント。
  20. 前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバによって前記移動端末のアドレスが割り当てられた場合、
    前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバによって割り当てられたアドレスの種別を示す情報を、前記ハンドオーバ先のアドレス割り当てサーバによって通知された所定のサーバから受信する受信手段を更に備え、
    前記メッセージ生成手段は、前記割り当てられたアドレスの種別を示す情報に基づいて前記通知メッセージを生成し、
    前記送信手段は、生成された前記通知メッセージを送信する請求項18に記載のホームエージェント。
JP2010543855A 2008-12-22 2009-12-22 ハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント Withdrawn JPWO2010073620A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325606 2008-12-22
JP2008325606 2008-12-22
PCT/JP2009/007117 WO2010073620A1 (ja) 2008-12-22 2009-12-22 ハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010073620A1 true JPWO2010073620A1 (ja) 2012-06-07

Family

ID=42287267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010543855A Withdrawn JPWO2010073620A1 (ja) 2008-12-22 2009-12-22 ハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20110255511A1 (ja)
JP (1) JPWO2010073620A1 (ja)
WO (1) WO2010073620A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101622662B1 (ko) * 2008-08-14 2016-05-20 삼성전자주식회사 동적 호스트 구성 프로토콜 IPv4 어드레스 해제 요청을 처리하기 위한 방법 및 시스템
KR101707543B1 (ko) * 2010-06-24 2017-02-16 주식회사 케이티 Pmip 기반의 서비스에 따른 핸드오버 수행 방법 및 그 시스템
JP5769008B2 (ja) 2011-06-07 2015-08-26 日本電気株式会社 通信処理システム、位置登録方法、移動中継局およびその制御方法と制御プログラム
US20130097326A1 (en) * 2011-10-18 2013-04-18 Alcatel-Lucent Canada Inc. Visited pcrf s9 session id generation
EP2926534A2 (en) * 2012-11-30 2015-10-07 Interdigital Patent Holdings, Inc. Distributed mobility management technology in a network environment
US8743758B1 (en) 2013-11-27 2014-06-03 M87, Inc. Concurrent uses of non-cellular interfaces for participating in hybrid cellular and non-cellular networks
ES2776375T3 (es) 2013-12-13 2020-07-30 M87 Inc Procedimientos y sistemas de conexiones seguras para unir redes híbridas celulares y no celulares

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20080008935A (ko) * 2006-07-18 2008-01-24 엘지전자 주식회사 이동 통신 시스템에서 ip 주소 선 설정 방법
WO2008089781A1 (en) * 2006-12-14 2008-07-31 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Network-based handover control mechanism

Also Published As

Publication number Publication date
US20110255511A1 (en) 2011-10-20
WO2010073620A1 (ja) 2010-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8781474B2 (en) Non-3GPP to 3GPP network handover optimizations
EP2304981B1 (en) Anchoring services of a mobile station attached to a first service domain at a home agent in a second service domain
US20120063428A1 (en) Interface Switching System, Mobile Node, Proxy Node, and Mobile Management Node
US8780800B2 (en) Optimized home link detection
US20110103260A1 (en) Binding cache creating method, binding cache creating system, home agent, and mobile node
JP2013509760A (ja) Ueを3gppアクセス・ネットワークに接続するための接続手続の拡張
WO2009116246A1 (ja) 通信方法、通信システム、モバイルノード及びアクセスルータ
JPWO2011001628A1 (ja) コネクション管理方法、コネクション管理システム、移動端末、パケットデータゲートウェイ並びに移動管理ゲートウェイ
JPWO2009044539A1 (ja) 通信制御方法及びネットワークノード並びに移動端末
US20110255510A1 (en) GRE User-Plane
JPWO2010073620A1 (ja) ハンドオーバ方法、その方法で用いられる移動端末及びホームエージェント
WO2009111960A1 (zh) 本地移动锚点注册的方法、系统及设备
WO2009028885A2 (en) Method and system for managing mobility in a mobile communication system using proxy mobile internet protocol
KR101384697B1 (ko) 통신 접속을 제공하기 위한 방법 및 통신 엔티티
US9148826B2 (en) Handover method and mobile terminal and home agent used in the method
US8761119B2 (en) Handover method, and mobile terminal and home agent used in the method
KR101373354B1 (ko) 프락시 모바일 아이피 및 모바일 아이피 정보 전달 방법을이용하는 이동 통신 시스템의 이동성 관리 방법 및 시스템
WO2010146815A1 (ja) 移動管理プロトコル選択方法、移動管理プロトコル選択システム、モバイルノード、ホームエージェント及び代理ノード
KR101357511B1 (ko) 이동통신 시스템에서 프록시 모바일 아이피를 이용한 이동성 관리 방법 및 이를 위한 장치
Andersson et al. Rethinking IP mobility management
KR101527611B1 (ko) 이종망 접속 방법
Li et al. Network Working Group Y. Cui Internet-Draft Tsinghua University Intended status: Standards Track X. Xu Expires: April 5, 2013 WD. Wang

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130305