JPWO2010016241A1 - プレフィックス割り当て管理システム及び移動端末並びにプレフィックス割り当て管理装置 - Google Patents

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Abstract

複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくする技術が開示され、その技術によれば移動端末(MN100)が通信を行うために必要なプレフィックスがMNへ割り当てられるように管理し、モビリティ管理ドメイン110は、MNが通信を行うために必要なプレフィックスのみを維持する。例えば、MNはプレフィックス変更が必要となる状態を検出すると(ステップS120)、MNにとって必要なネットワークプレフィックスがMNへ割り当てられる状態を判断し、この状態を実現するためのプレフィックスプリファレンスをモビリティ管理ドメインへ通知する(ステップS150)。プレフィックスプリファレンスには、不要なプレフィックスの削減要求、別のインタフェースでの再利用要求、別のMNでの使用を示すリサイクル要求等が含まれる。

Description

本発明は、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に関する。本発明は、特に、通信相手ノードと通信を行う移動端末が複数のアドレスを有する場合と、ネットワークドメインがネットワークベースのローカルモビリティ管理を行っている場合におけるプレフィックス割り当て管理システム及び移動端末並びにプレフィックス割り当て管理装置に関する。
現在、多数のモバイル機器(UE:ユーザ機器、以下、モバイルノードも同義の用語とする)が、インターネットプロトコル(IP;Internet Protocol)を用いて相互に通信を行っている。モバイル機器のモビリティサポートを実現するため、IETF(Internet Engineering Task Force)では、モビリティサポートに関する技術(下記の非特許文献1を参照)が進展してきた。
非特許文献1に開示されているモバイルIPでは、各モバイルノードは不変のホームドメインを有している。モバイルノードがホームネットワークに接続されている場合には、ホームアドレス(HoA:Home Address)と呼ばれるプライマリグローバルアドレスがモバイルノードに割り当てられる。一方、モバイルノードがホームネットワークから離れている場合、すなわち、別の外部ネットワーク(foreign network)に接続されている場合には、通常、気付アドレス(CoA:Care-of Address)と呼ばれる一時的なグローバルアドレスがモバイルノードに割り当てられる。
モビリティサポートの考え方は、モバイルノードが別の外部ネットワークに接続されている場合であっても、ホームアドレスによってモバイルノードに到達可能となるようにすることである。これは、非特許文献1において、ホームネットワークへのホームエージェント(HA:Home Agent)と呼ばれるエンティティの導入によって実現される。モバイルノードは、バインディングアップデート(BU:Binding Update)と呼ばれるメッセージを用いて、自身の気付アドレスをホームエージェントへ登録する。これにより、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとの関連(バインディング)を作成することが可能となる。ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスあてのメッセージを受信(intercept)し、パケットカプセル化を利用してモバイルノードの気付アドレスへパケットを転送する機能を有する。なお、パケットカプセル化は、パケットを新たなパケットのペイロードに配置することであり、パケットトンネリングとも呼ばれる。
モバイルIPによってモビリティの問題は解決するが、別の問題が生じることになる。例えば、モバイルノードは、BUメッセージをホームエージェントへ送信する必要が生じ、モバイルノードが速い速度で移動している場合には接続ポイントの変更も頻繁に起こるため、生成及び送信されるBUメッセージの数がかなり多くなってしまう。また、モバイルノードからホームエージェントまでの距離が長くなってしまう可能性があり、その結果、モバイルノードから送信されたBUメッセージがホームエージェントに到達するまでに時間を要してしまう可能性がある。ホームエージェントが、BUメッセージによるモバイルノードの更新後の気付アドレスへのパケット転送を開始するまでに、モバイルノードは、その場所(BUメッセージによって更新される気付アドレス)から離れてしまうかもしれない。
このような理由から、下記の非特許文献2や下記の特許文献1、2に記載されているようなネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM:network based local mobility management)を利用する提案が行われている。このNetLMMでは、モバイルノードは、ローカルネットワークドメイン内で接続ポイントを変更する場合に同一のアドレスを使用し続けることが可能であり、BUメッセージをモバイルノードのホームエージェントへ頻繁に送信する必要がなくなる。
ここでは、ローカルモビリティアンカ(LMA:Local Mobility Anchor)、多数のモバイルアクセスゲートウェイ(MAG:Mobile Access Gateway)、AAA(Authentication, Authorization and Accounting:認証、認可及び課金処理)サーバがローカルネットワークドメインに配置されることで、ネットワークベースのローカルモビリティ管理が提供される。
MAGは、モバイルノードが接続するアクセスルータとして機能する。モバイルノードがMAGへ接続するたびに、MAGは、まずAAAサーバによって資格の検証を行い、モバイルノードがローカルモビリティドメインのサービスの利用に関して認可されているか否かを確認する。次に、AAAサーバは、モバイルノードが割り当てられるべきアドレス又はプレフィックス(ネットワークプレフィックス)に関する情報をMAGへ通知する。これにより、MAGは、ホームネットワークプレフィックス(HNP:Home Network prefix)と呼ばれるモバイルノード固有のプレフィックスをモバイルノードへ通知することが可能となる。
同時に、MAGは、ローカルモビリティアンカのアップデートを行うことで、モバイルノードへ割り当てられたプレフィックスあてのパケットが、モバイルノードが現在接続されている適切なMAGへトンネル可能となるようにする必要がある。これは、MAGがプロキシバインディングアップデート(PBU:Proxy Binding Update)メッセージをLMAへ送信することによって行われる。LMAは、このPBUメッセージに基づいて、モバイルノードが使用するアドレスとMAGのアドレスとの関連付けを行う。この方法は、MAGがモバイルノードのプロキシとしてBUメッセージの送信を行い、LMAがローカルネットワークドメインにおけるモバイルノードのホームエージェントとして機能することから、プロキシモバイルIPと呼ばれることもある。
このように、モバイルノードが現在どのMAGに接続されているかにかかわらず、モバイルノードは、常に同一のホームネットワークプレフィックスの通知を受けるため、アドレスを変更する必要がない。その結果、モバイルノードは、ローカルモビリティドメイン内に存在している限りは、BUメッセージをホームエージェントへ頻繁に送信する必要がなくなる。実際、モバイルノードが異なるネットワークドメイン間を移動する際にアドレスの到達可能性を維持しなくてもよい場合又は、同一のローカルネットワークドメイン内でのみ移動を行う場合(同一のローカルネットワークドメインから離れない場合)には、モバイルノードは、グローバルホームエージェントを有する必要もなく、また、BUメッセージを送信する必要もない。
また、ネットワークベースのローカルモビリティ管理と同様の考え方は、例えば、下記の特許文献3、4又は下記の非特許文献3に記載されている階層的モバイルIPv6(Hierarchical Mobile IPv6)のように、モバイルノードがローカルアンカポイントへバインディングアップデートを送信することによっても実現可能である。
一方、様々な無線技術が現在進展しており、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)セルラーインタフェース(cellular interface)、無線イーサネット(登録商標)802.11インタフェース、WiMax802.16インタフェース、ブルートゥース(登録商標)インタフェースなどの多数の様々なアクセスインタフェースを備えるモバイル機器が増加するであろう。こうした複数のインタフェースを有する機器をローカルモビリティ管理においてサポートするための方法として、例えば、下記の特許文献5に記載の技術のように、複数のアドレスや複数のプレフィックスを割り当てる方法が挙げられる。
また、一般的に、負荷バランスのために、NetLMNドメインのようなローカルモビリティ管理ドメインには複数のLMAが配置されることがある。例えば、配置された各LMAが、NetLMNドメインに接続されている1つ又は複数のパケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)を管理し、また、NetLMNドメインにはPMIPv6プロトコルが実装される場合が考えられる。これらのパケットデータネットワークによって、モバイルノードは、NetLMNドメインで異なるタイプのデータサービスを取得することが可能となる。また、モバイルノードは1つ又は複数のPDNからサービスを取得することができる。
このようなPDNサービスの使用は、静的に構成されてもよく、モバイルノードによって動的に交渉されてもよい。静的に構成された場合には、静的な構成に関連したサービス(デフォルトのサービス)に関して、モバイルノードが明示的に要求することなく、デフォルトのサービスに関するPDNの接続がシステムによって確立される。一方、非デフォルトのPDNサービス又は動的に取り決められた(追加の)サービスに関しては、モバイルノードは、特別なサービス又は接続時にPDNとの接続を要求する必要があるかもしれない。要求されたサービスは、モバイルノードに提供されることになる。
このようなタイプのPDN又はサービス要求モデルは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)などの標準化団体で使用されている。複数のLMA及び複数のPDNのシナリオでは、後述の2つの負荷バランスモデル(負荷バランスを考慮したネットワークの構成方法)が存在する。こうした負荷バランスモデルを使用することで、NetLMNドメイン内の負荷を複数のローカルモビリティアンカへ等しく(あるいは、意図的に不均等に)分散することができると考えられる。
上記の第1のモデルでは、1つ以上のPDNが単一のLMAによって管理され、LMAがNetLMNドメイン内に配置される。この負荷分散モデルは、システム内のモバイルノードが、ある時間内、又は、ある期間の任意の点において異なるサービスを使用しており、その結果、異なるLMAによって管理されることに基づいて負荷バランスが実現される。したがって、PDNサービスにアクセスする期間に異なるLMAを使用することによって、複数のLMAにおける負荷バランスが実現される。この負荷バランスモデルでは、ある種類のPDNサービスが、常に単一のLMAによって提供される。
一方、別の負荷バランスモデルは、1つ以上のPDNが1群のLMAによって管理されるものであり、NetLMNドメインには複数のLMA群が含まれている。このような複数のLMA群が含まれるモデル(群モデル:farm model)では、群内のすべてのLMAが、その郡内の任意のLMAに接続されているPDNの管理を行う。この群モデルと上述のモデルとの主な違いは、群モデルでは、モバイルノードの接続状態に変更がない場合であっても、モバイルノードに関連するバインディングキャッシュが郡内のLMA間で動的に渡されるという点である。基本的に、群モデルでは、モバイルノードに提供されるPDNサービス又はPDNサービスへアクセスするためのプレフィックスが、複数のLMAによって管理される。しかしながら、時間内の任意な点において、LMAは1つのみサービスを担当し、NetLMNドメイン内におけるモバイルノードの移動時間において郡内の様々なLMAへ制御が渡される。こうした群モデルによる動作が必要な場合には、LMAに関連するバインディングキャッシュは別のLMA及びモバイルノードのインタフェースが接続されているMAGへ渡されて、新たなLMAへ通知される必要がある。
非特許文献4に記載されている現在のPMIPv6プロトコルでは、モバイルノードへ割り当てられるホームネットワークプレフィックスが複数の異なるLMAによって管理され得る場合や、複数の異なるLMA間で転送され得る場合の動作は明示的にはサポートされていない。NetLMMドメインで取り扱われるプレフィックスが単一のトップレベルプレフィックスから得られるものであるならば、データルーティングに何ら影響を与えることなく、LMA間でプレフィックスの受け渡しが行われ得る。LMAに割り当てられるプレフィックスがトポロジ的に独立したプレフィックスグループであるならば、LMA間でのプレフィックスの受け渡しは、そのプレフィックス宛のパケットの効率的なルーティングにより実現される。
3GPPにおいては、モバイルノードのモビリティを管理する複数のLMAがNetLMMドメイン内に配置されることが検討されている。3GPPでの複数のLMAの配置に関する詳細及びユースケースは、非特許文献5及び非特許文献6で言及されている。非特許文献5では、3GPPアクセス経由及び非3GPPアクセス経由でのモバイルノードの接続が説明されており、非特許文献6では3GPP特有のアクセス経由でのモバイルノードの接続が説明されている。
この3GPP特有のアクセスは、LTE(ロングタームエヴォルーション;Long Term Evolution)アクセス、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access network)アクセス、GPRS(General Packet Radio Service)アクセス、CDMA(Code Division Multiple Access)2000アクセスなどである。また、上記の非3GPPアクセスは、WLANアクセスやWiMAXアクセスなどである。
3GPPサービスアーキテクチャのフレームワークにおいて、3GPPコアネットワークにおけるP−GW(PDN Gateway)と呼ばれるLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)が、PDNからのサービスをモバイルノードに提供するゲートウェイとして機能する。複数のLMAが配置される3GPPアーキテクチャにおいても、LMAの配置やそのシナリオは3GPPのみに限定されるものではなく、任意のネットワーク(複数LMA配置を使用し、PMIPv6と同様のローカルモビリティ管理メカニズムを使用するネットワーク)に適用可能である。また、現在、3GPPシステムに対して規定されるLMAの負荷バランスのアーキテクチャは多数存在する。
また、3GPPに関するアーキテクチャの一例として、例えば、単一のパケットデータネットワークが任意のLMAによって管理されてもよく、複数のLMAがNetLMMドメインに存在してもよい。また、複数のパケットデータネットワークが単一のLMAによって管理され、NetLMMドメインが複数のLMAによって構成されている別のアーキテクチャも存在する。3GPPで想定される別のアーキテクチャにおいては、複数のLMAの群が単一のパケットデータネットワークを管理することが可能であり、NetLMMドメインは複数のPDNを管理する複数のLMA群によって構成される。また、別のアーキテクチャとして、複数のLMA群がNetLMMドメインに存在しており、各LMA群が複数のPDNを管理する構成も存在する。
上述のすべてのアーキテクチャにおいて、NetLMMドメイン内の各MAGは、各LMAに対して確立されるトンネルを有しているか、あるいは、各LMAへのトンネルを動的に確立することが可能である。
複数インタフェースのモバイルノードがNetLMMドメインへ接続する場合、モバイルノードは、同一LMA又は異なるLMAへ複数インタフェースを介して接続されてもよい。これは、システム内で使用される負荷バランスモデル、モバイルノードが加入するサービス(又はPDN)、群ケースのシステムによるLMA割り当てポリシー、特定のアクセス技術タイプに関連するサービスタイプに対するモバイルノードのプリファレンスなどに依存する。
複数のLMAが存在する場合における同時接続動作を更に理解するため、図7Aにおいて、複数インタフェースを有するモバイルノードがNetLMMドメインへ接続しており、インタフェースに適切なプレフィックスが割り当てられている状態が図示されている。
図7Aに図示されているNetLMMドメインには、PMIPv6プロトコルが実装されている。図7Aに図示されているNetLMMドメイン702Aは、例えば、3GPP特有のPLMN(Public Land Mobile Network)である。NetLMMドメイン702Aが3GPP内のサブドメイン(すなわち、PLMN)の場合には、図7Aに図示されているMAG707Aは、3GPPアクセスのMAGとして機能するサービングゲートウェイ(S−GW:Serving Gateway)であってもよく、あるいは、WiMAXアクセスネットワークのMAGとして機能するアクセスゲートウェイであってもよく、非信頼WLAN(untrusted WLAN)アクセスのMAGとして機能するePDG(evolved Packet Data Gateway)であってもよい。
図7Aに示すMAG708Aは、MAG707Aが管理する無線アクセスネットワーク704Aとは異なるタイプの無線アクセスネットワーク703Aを管理する。NetLMMドメイン702Aが3Gに特化しているなら、MAG703Aは、例えばS−GW、ePDG、AGWなどのゲートウェイである。図7Aでは、MN709Aは2つのインタフェース(例えば、LTEインタフェースとWiMAXインタフェース)を有しており、NetLMMドメイン702Aに接続している。
MN709Aは、ポイントトゥーポイント又はトンネルにより、インタフェースの一方を介してMAG707Aへ直接接続する。また、MN709Aは、別のインタフェース(例えば、WiMAXインタフェース)によってMAG708Aへ接続し、さらに、MAG708Aに対して直接リンク、ポイントトゥーポイントリンク、又は、トンネルなどを保持し得る。なお、本明細書では、アクセスネットワーク704Aへ接続するインタフェースは、第1インタフェース(IF1)と記載し、アクセスネットワーク703Aへ接続するインタフェースは第2インタフェース(IF2)と記載することがある。
このNetLMMドメイン702Aでは、MN709Aは、複数のPDN(例えば、PDN700A及びPDN701A)からサービスを取得する申し込みを行っている。これらのPDN(すなわち、PDN700A及びPDN701A)によって提供されるサービスは、モバイルノードが必要とするデフォルトのサービスであると考えられる。しかしながら、当業者であれば、モバイルノードが明示的な方法でサービスを要求する場合であっても、ここで説明する動作が実現されてもよいことは明らかである。
また、PDN700Aは、LMA705Aによって管理されており、PDN701AはLMA706Aによって管理されていると考えられる。最初に、MN709AはIF1を通じてNetLMMドメイン702Aに接続し、MAG707に接続する。例えば拡張UTRAN(E−UTRAN又はLTE)におけるアクセス技術特有の動作によって接続処理がトリガされた場合には、認証に成功した後、MN709Aが加入しているサービスがモビリティマネジメントエンティティ(MME)からMAG707Aへ通知される。このMMEは、ホーム加入者サーバ(AAAサーバとして機能するHSS)へのインタフェースを有しており、加入者情報(例えば、サービス)及び認証成功を示す情報が、このインタフェース経由でホーム加入者サーバからMMEへ渡される。なお、MN709Aが、最初NetLMMドメイン702Aへ接続していると仮定すると、アクセス認証中に送信されるHSS情報には、MN709Aに関連するLMAのアドレスが必ずしも含まれているわけではない。
また、3GPPでは、サービス加入者情報又はサービス情報は、通常、アクセスポイントネーム(APN:Access Point Name)と呼ばれるパラメータによって表される。このAPN情報は、通常HSSに格納されており、認証に成功するとMME経由でMAGへ通知される。なお、NetLMMドメイン702AのPDNに関連するAPN値はデフォルトのAPNであり、モバイルノードは接続処理の間にこうしたAPN値を明示的に要求する必要はない。APN値の通知を受けると、MAGは、APNによって特定されるサービスに関連した正しいP−GWアドレスを特定するために、MAGに実装されている解析機能を用いてAPNを解析することが可能である。
図7Aにおいて、MN709Aは、両方のPDN(PDN700A及びPDN701A)からのサービスに加入しているので、MAG707Aには、両方のPDNに関連する両方のAPN値が通知される。ここで、PDN700AにはAPN1が対応しており、PDN701AにはAPN2が対応しているとする。MAG707Aは、これらのAPN値(APN1及びAPN2)を解析してLMAのアドレスを特定すると、これがインタフェースIF1経由による新たな接続であることを示す適切なプロキシバインディングアップデート(PBU)メッセージをLMAへ送信する。
図7Aに図示されている環境では、APN(すなわち、サービス)は単一のPDNにマッピングされており、さらに、PDNが単一のLMAにマッピングされている。あらかじめ実装されている機能を用いてAPNの解析を行うと、PDNは単一のLMA又はP−GWアドレスへマッピングされているので、APN1及びAPN2は、2つのLMAアドレス(例えば、LMA705Aのアドレス及びLMA706Aのアドレス)であると特定される。これにより、MAG707Aは、各LMAに対して1つずつ、2つのPBUを送信して、NetLMMドメイン702Aに関連するPDNからのサービスへアクセスするためのプレフィックスを取得する。
これらのPBUには、非特許文献4に開示されているようなハンドオフインディケータオプション(Handoff Indicator Option)が付加されており、その値がIF1経由の初期接続を示す“1”にセットされている。このPBUメッセージを送信した後、LMAからの応答又はプロキシバインディングアクノレッジメント(PBA)として、シグナリングメッセージ710A及び711Aを受信する。なお、この接続はIF1経由の初期接続であるため、通常は、PBUで送信されたホームネットワークプレフィックスオプションには、プレフィックス情報が埋め込まれていない。
LMAは、受信したPBUのハンドオフインディケータオプションを調べる。PBUのハンドオフインディケータオプションには初期接続を示す“1”の値がセットされているので、それぞれのPBAシグナリングによって、新たなプレフィックスが送信される。すなわち、LMA705Aは、PBAシグナリング711Aを送信し、新たなプレフィックスをプレフィックス情報オプションに埋め込んで割り当てる。また同様に、LMA706Aは、PBAシグナリング710Aを送信し、新たなプレフィックスをプレフィックス情報オプションに埋め込んで割り当てる。MAG707AからMN709Aへ送信されるルータアドバタイズメント(RA)メッセージ714Aには、PDN700AへアクセスするためにLMA705Aから取得されたHNP、及び、PDN701AへアクセスするためにLMA706Aから取得されたHNPが含まれる。
ここで、MN709AがIF2をMAG708Aへ接続すると仮定する。MAG708Aは、MN709Aの接続に関するアクセス認証を行う。一方、MAG708Aには、HSSから送信された認証シグナリングによって、適切なAPN(APN1及びAPN2)が通知される。これらのAPNから、LMA705及びLMA706Aのアドレスが解析され、MAG708Aは、図7Aに示す各LMAへPBUを送信する。
IF2が接続を行う際に、HSSが、IF1の接続完了処理によってMN709Aに関連するLMAのアドレスを既に持っている可能性があることが重要である。図7Aに示すLMAは、通常、MN709Aに関するバインディングキャッシュを作成した後に、HSSにそのアドレスを登録すると考えられる。しかしながら、IF2経由の接続が新たな接続であることから、MAG708Aは、アクセス認証及び認証処理中にHSSから返ってきたLMAのアドレスを、IF2に関する接続用のLMAアドレスの選択処理には考慮しない。垂直ハンドオフの場合には、MAGは、HSSから返ってきたこれらのアドレスを、セッション継続性を実現するために考慮する。
また、PMIPv6プロトコルアーキテクチャによって、異なるプレフィックスが異なるインタフェースに任意のLMAから割り当てられるので、MAG708Aは、PBA712A及びPBA713Aによって2つの異なるプレフィックスを受信する。MAG708Aから受信した2つのプレフィックスは、MAG707Aが取得したプレフィックスとは異なっている。
これらのプレフィックスを受信すると、MAG708AはRA715Aを送信する。RA715Aのプレフィックスオプションには、これらのプレフィックスが埋め込まれる。MN709Aは、RA714Aによって提供されたプレフィックス(例えばP1及びP3)、及び、RA715Aによって提供されたプレフィックス(例えばP2及びP4)を使用して、インタフェースIF1、IF2のアドレスを構成する。
図7Aに示されているようなシナリオでは、モバイルノードは複数のインタフェースを介してシステムへ接続し、複数のインタフェース経由で任意のPDNからサービスを取得しようとしている。例えば、モバイルモードは、両方のインタフェースを通じてPDNのフローの通信を行うことを望んでおり、複数のインタフェース経由で任意のPDNからサービスを取得しようとしているかもしれない。これにより、別のインタフェースを接続することによって、モバイルノードは、代替インタフェースを通じてPDNへのフローをセットアップすることが可能である。
次に、モバイルノードが、図7Aに示すような状態から図7Bに示す別の状態へ移動して、その結果、モバイルノードがIF2へ接続されているアクセスネットワークへのアクセスを失ってしまった状態となるシナリオを考える。図7Bに示すようにIF2経由の接続性を失った場合には、モバイルノードは、垂直ハンドオフのトリガを、既存のインタフェースIF1に接続されているMAGへ送信する。その結果、IF2に関連するフローのセッションの連続性が、IF1経由で得られるようになる。
さらにこのシナリオを理解するために、図7Bを参照しながら詳細に説明する。モバイルノードは、IF2を経由するアクセスネットワークへの接続性を失ってしまった場合には、そのインタフェースをシャットダウンすることが考えられる。図7Bには、MN709Bが最初IF1及びIF2経由でNetLMMドメイン702Bへ接続した状態で、PDN700B及びPDN701Bからサービスを取得するためにIF1経由で2つのプレフィックスを取得し、さらに、PDN700B及びPDN701Bからサービスを取得するためにIF2経由で2つのプレフィックスを取得して、アクセスネットワーク703Bへの接続性を失ったIF2をシャットダウンするシナリオが図示されている。この場合、MN709Bは、MAG707Bへ垂直ハンドオフのトリガを送信する。なお、図7Bでは、シグナリングの図示を単純にするために、この垂直ハンドオフのトリガは明示されていない。
MAG707Bは、MN709Bから垂直ハンドオフのトリガを取得すると、MN709BのIF1に関して、保持されているバインディングリストをチェックし、バインディングリストの検査によってLMA705Bのアドレス及びLMA706Bのアドレスを取得する。
LMAのアドレスを特定した後、MAG707Bは、ハンドオフインディケータオプションを“2”にセットして、特定された各LMAへ1つずつ、2つのPBUを送信する。LMA705Bは、垂直ハンドオフのトリガを有するPBUを受信すると、MN709BのIF2へ割り当てられているプレフィックスを、MN709BのIF1に関連するバインディングキャッシュエントリへ移動する。なお、同様の手続きが、LMA706Bによっても実行される。
シャットダウンされたインタフェースに関連するプレフィックスを、IF1に関連するモビリティセッションへ移動した後、LMA705Bは、PBAシグナリング710Bを送信する。また同様に、LMA706Bは、PBAシグナリング711Bを送信する。PBAシグナリング710Bは、垂直ハンドオフの処理によってIF1へ提供される2つのプレフィックスを有している。また同様に、PBAシグナリング711Bは、このシグナリングによって送信される2つのプレフィックスを有している。PBAシグナリングのそれぞれによって送信されたこの2つのプレフィックスは、IF1へ最初に割り当てられたプレフィックスと、垂直ハンドオフ処理によってIF2からIF1へ移されたプレフィックスである。
MAG707Bは、PBA710Bからの2つのプレフィックスとPBA711Bからの2つのプレフィックスを受信すると、4つのプレフィックスを埋め込んだRAシグナル712Bを送信する。MN709BからMAG707Bへ送信された上述の垂直ハンドオフのシグナリングには、PDN700B(APN1)及びPDN701B(APN2)に関連した2つのAPN値が含まれている。しかしながら、MN709Bが、IF2に関連するすべてのプレフィックスをIF1経由となるよう移す場合には、このAPN情報は垂直ハンドオフのトリガに必ずしも必要となるものではない。
図7Bに示すようにIF1へ垂直ハンドオフを実行した後、MN709Bが、IF1から新たに起動したインタフェース(すなわちIF2)へ任意のサブセットのプレフィックスの垂直ハンドオフを実行しようとした場合には、IF1において複数のプレフィックスが単一のAPNへ割り当てられているので、IF2へ接続されているMAGへAPN情報のみを提供するだけではIF2から移すべき正しいプレフィックスは特定できない。例えば、モバイルノードが図7Aの状態から図7Bの状態へ移動した場合に、このような単一のAPNに対して複数のプレフィックスが割り当てられる状態が起こる。基本的に、図7Bにおいて、IF1には、APN1(PDN700B)に関連して2つのプレフィックスが割り当てられており、APN2(PDN701B)に関連して2つのプレフィックスが割り当てられている。したがって、プレフィックスのサブセットがIF2経由で再利用される場合には、明示的なプレフィックス情報が垂直ハンドオフのトリガにおいて提供される必要がある。また、複数のLMAが存在するシナリオでは、プレフィックスのサブセットを提供することによって、垂直ハンドオフのトリガが、NetLMMドメイン内の適切なLMAに対して送信される必要がある。以上のことから、複数のLMAが存在するシナリオにおいては、プレフィックスのサブセットを新たなインタフェースへ移すために適切な手順が行われる必要がある。
また、下記の特許文献6には、米国特許2009/0040964には、DHCPのRS又は新たなメッセージを用いてモバイルノードからMAGへ送信されるアドレス割り当てのトリガとして、APN及び新たなモビリティ関連シグナリングを利用する方法が開示されている。このモビリティに関連するシグナリングは、すべてのモバイルノードのインタフェースに、同一のアドレスが構成される必要があることを示している。同一のアドレスを構成するための要求は、MAGからLMAへ送信される。特許文献6に記載の技術は、LMAがモバイルノードのインタフェースへアドレス割り当てを行うというPMIPv6モデルに密接に関係している。さらに、同一アドレス割り当ての要求によって、所定のHNPに関連するフローに対してマルチホームの効果が実現される。基本的に、特許文献6に記載の技術では、APNはサービスを特定するために使用され、複数のインタフェースで同一のアドレスを構成するための要求を通知するために追加のモビリティトリガが埋め込まれる。
また、下記の特許文献7にはPCT特許出願WO 2006/010382A1には、MIPv4又はMIPv6の動作を行おうとするモバイルノードが望ましいサービスを指定することによって、ホームエージェントの選択を行う方法が開示されている。この特許文献7に開示されている方法は、サービス識別子又はAPNを提供することによってP−GWの選択を可能とするものである。
国際公開公報WO2003/107600 国際公開公報WO2006/058206 国際公開公報WO2004/036786 国際公開公報WO2001/067798 米国特許公開2006/0227792 米国特許公開2009/0040964 国際公開公報WO2006/010382
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非特許文献2によれば、モバイルノードは各インタフェースにおいて様々なプレフィックスを検出し、モバイルノードが同一ネットワークドメイン内を移動する限り、プレフィックスは維持されることになる。
ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン内で異なるプレフィックスを配布するドメインへの出入りを繰り返すと、モビリティ管理ドメインに接続されている限りはネットワークプレフィックスを維持しなければならないため、モバイルノードは多数のプレフィックスを溜め込むことになる。これにより、ネットワークリソース(特にプレフィックス)が無駄に消費されることになる。
また、NetLMMドメインなどのネットワークベースのローカルモビリティ管理を行っているドメインにおいて、プレフィックスの管理を行うエンティティ(例えば、LMA)が複数存在する場合には、そのドメインから移動端末へ割り当てられるプレフィックスを管理する本来の管理エンティティがどのエンティティであるかが迅速かつ容易には判断できなくなってしまう場合がある。
また、特許文献6に記載の技術は、APNが複数のプレフィックスにマッピングされており、垂直ハンドオフのトリガに関連するプレフィックスのサブセットがNetLMMドメイン内のLMAのサブセットに属する複数のLMAが存在する環境において、プレフィックスのサブセットの垂直ハンドオフを実現するために使用することはできない。
また、特許文献7に記載の技術では、初期接続に関してP−GWの選択は可能となるが、垂直ハンドオフの際にプレフィックスのサブセットを再利用するためのP−GWを特定する処理は行われない。MIPv4、MIPv6又はPMIPv6を使用して初期接続のP−GWを選択する場合には、サービス情報又はAPN情報のみを利用すればよい。
本発明は、上述の問題を解決するため、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくし、プレフィックスが効率的に利用されるようにするためのプレフィックス割り当て管理システム及び移動端末並びにプレフィックス割り当て管理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内にプレフィックスの管理エンティティが複数存在している場合に、移動端末へ割り当てられるプレフィックスを管理する本来の管理エンティティがどのエンティティであるかを迅速かつ容易に判断できるようにすることで、例えば、あるインタフェースへ割り当てられているプレフィックスのサブセットを別のインタフェースで再利用できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のプレフィックス割り当て管理システムは、ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されている移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理するプレフィックス割り当て管理システムであって、
前記移動端末が通信を行うために不要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を維持しないように構成されている。
この構成により、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末にとって必要なプレフィックスが割り当てられるよう管理することで、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくすることが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されており、前記ローカルモビリティドメインから割り当てられるネットワークプレフィックスを用いて通信を行う移動端末であって、
前記移動端末が通信を行うために必要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を検出するプレフィックス使用最適化検出手段と、
前記ネットワークプレフィックス使用最適化検出手段で検出された、前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を、前記ローカルモビリティドメインへ通知するプレフィックスプリファレンス情報通知手段とを、
有する。
この構成により、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末にとって必要なプレフィックスが割り当てられるよう管理することで、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくすることが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のプレフィックス割り当て管理装置は、ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されている移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理するためのプレフィックス割り当て管理装置であって、
前記移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理し、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係を維持するプレフィックス対応維持手段と、
前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックスプリファレンス情報に基づいて、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係を変更するプレフィックス管理手段とを、
有する。
この構成により、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末にとって必要なプレフィックスが割り当てられるよう管理することで、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくすることが可能となる。
本発明は、上記の構成を有し、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくし、プレフィックスが効率的に利用されるようにするという効果を有する。
本発明の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるモバイルノードの好適な機能アーキテクチャの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードの動作例であり、ネットワークインタフェースのシャットダウンによって、余分なプレフィックスが発生した場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作例であり、1つのネットワークインタフェースに複数のプレフィックスが割り当てられており、別のネットワークインタフェースが起動する場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードの別の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるシステム構成の一例を示す図 図6Aにおける動作例を示すシーケンスチャート 従来の技術におけるネットワーク構成の一例を示す図 図7Aの状態からモバイルノードが移動して、IF2の接続が切断された状態を示す図 本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作の別の一例を示すシーケンスチャート 本発明に係る拡張プレフィックス再利用方法の動作に関連するネットワークエンティティを含むネットワーク構成の一例を示す図 本発明の実施の形態における拡張プレフィックス再利用モードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態における拡張プレフィックス再利用モードの動作の別の一例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態において、単一のLMAに複数のAPNが関連している場合のネットワーク構成の一例を示す図 本発明の実施の形態において、モバイルノードによる拡張プレフィックス再利用モードの動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるMAGの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態における拡張プレフィックス再利用モードの動作の更に別の一例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックスプリファレンスメッセージを含むメッセージ構造の一例を示す図
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、上述のように、モビリティ管理ドメインに接続されているモバイルノードに割り当てられるネットワークプレフィックスが維持され続け、その結果、ネットワークリソース(特に、プレフィックス)が無駄に消費されることになるという問題に対処するものである。このような問題は、例えば、下記のような構成及び動作が行われた場合に生じる。
例えば、UMTSインタフェースと802.11インタフェースとを有するモバイルノードが、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(例えば、NetLMMドメイン)内を移動している状態を考える。なお、本明細書では、NetLMMドメイン及びPMIPドメインを始めとするネットワークベースのモビリティ管理ドメインを、モビリティ管理ドメインと呼ぶことにする。モバイルノードは、最初、UMTSインタフェースに第1プレフィックスが与えられている。モバイルノードがWiFiホットスポットに入ると、モバイルノードは、その802.11インタフェースを起動し、802.11インタフェースには第2プレフィックスが割り当てられる。モバイルノードがモビリティ管理ドメインに接続されている限り、ネットワークプレフィックスは維持されなければならないので、モバイルノードがWiFiホットスポットを離れた場合には、第2プレフィックスは、例えばUMTSインタフェースへ移される。その結果、UMTSインタフェース上において両方のプレフィックス(第1及び第2プレフィックス)が検出される。
続いて、モバイルノードが別のWiFiホットスポットに入った場合には、802.11インタフェースに第3プレフィックスが与えられる。さらに、モバイルノードがそのホットスポットを離れると、第3プレフィックスがモバイルノードのUMTSインタフェースへ移される。その結果、UMTSインタフェースには3つのプレフィックスが存在することになる。この処理は、モバイルノードが別のホットスポットに入るたびに繰り返し行われ、モバイルノードは、UMTSインタフェース上に多数のプレフィックスを溜め込むことになる。
これにより、ネットワークリソース(特に、ネットワークプレフィックスのリソース)が無駄に使用されているかもしれないことは明らかである。第1に、モバイルノードは、これほどたくさんのプレフィックスを必要とせず、使用しないかもしれない。第2に、モバイルノードがモバイルIPv6ノードであれば、モバイルIPv6を使用してこれらの各プレフィックスから構成される気付アドレスをホームアドレス(ホームアドレスは、これらのプレフィックスのうちの1つから構成されてもよい)と関連付けようとするかもしれないが、モバイルノードがモビリティ管理ドメインに接続されている場合には、すべてのプレフィックスが維持される必要はないかもしれない。第3に、複数インタフェースを有するノードに対して、インタフェース数より多くの複数プレフィックスが与えられた場合には、モビリティ管理ドメインにおけるネットワークプレフィックスの利用可能リソースはすぐに使い果たされてしまい、モビリティ管理ドメインは更なるモバイルノードの接続を許容できなくなる可能性がある。
本発明では、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(モビリティ管理ドメイン)に接続されているモバイルノードに対して割り当てられるネットワークプレフィックスに関して、モバイルノードが通信を行うために必要なネットワークプレフィックスがモバイルノードへ割り当てられるように管理することで、モバイルノードが通信を行うために必要なネットワークプレフィックスのみを効率的にモバイルノードに割り当てるようにし、移動端末に対してできるだけ少ないプレフィックスを割り当て、かつ効率的に利用できるように維持する。なお、モバイルノードが通信を行うために必要なネットワークプレフィックスとは、モバイルノードが現在の通信に使用しているプレフィックスに加え、現在は使用されていないが予備などの目的として意図的に保持している冗長なプレフィックスも含まれる。一方、モバイルノードが通信を行うために不要なネットワークプレフィックスとは、上記以外のプレフィックスを指し、モバイルノードがどのような用途においても使用することのないプレフィックスを表している。また、本発明の方法は可能な限り、モバイルノードの通信を行うために必要最小限のネットワークプレフィックスを割り当てることを目指しているが、必要最小限であることの判断は必ずしもネットワークエンティティ単体、若しくはモバイルノード単体で(また、通信におけるある時点のみの判断で)正確に最小と判断できるものではないかもしれない(例えば、別のエンティティから見れば、又は、後になって見れば、最小ではないかもしれない)。したがって、本発明の方法では、確定的な判断だけではなく、判断に基づくプリファレンスの送受信を主に使用する。つまり、モバイルノード及びネットワークエンティティの判断の違いにより、モバイルノードの要求メッセージを否決したり、ネットワーク側の処理に対してモバイルノードが異なる要求メッセージを再送信したりすることなどが考えられる。しかしながら、このような動作は、通信におけるエラーケースの一般的なやり取りの範囲であるので、以下では説明を簡素にするため、このような動作の説明を省略する。
このようなネットワークプレフィックス割り当ての管理は、主にモビリティ管理ドメイン側の処理で実現することも可能であり、また、モバイルノードがモビリティ管理ドメインに対して通知を行うことによって実現することも可能である。
主にモビリティ管理ドメイン側で管理を行う場合には、例えば、モビリティ管理ドメイン内のネットワークノード(例えば、LMA)がモバイルノードに割り当てられた各プレフィックスのパケットフローを監視することによって、本発明を実現することが可能である。この方法では、LMAが、パケットに使用されているアドレスのプレフィックスを監視し、一定の時間が経過しても、あるプレフィックスに関して送受信されるパケットが存在しない場合には、そのプレフィックスは削除されてもよいと判断する。これにより、モバイルノードで使用されなくなったプレフィックスをモビリティ管理ドメイン側で判断し、モバイルノードにとって必要なプレフィックスを割り当てるように管理するとともに、モバイルノードにとって不要なネットワークプレフィックスがモバイルノードへ割り当てられる状態を維持しないようにすることが可能となる。
また、モビリティ管理ドメイン側におけるポリシーコントロール(Policy Control)によって、本発明を実現することが可能である。例えば、モバイルノードのネットワークインタフェースに対して割り当てられるプレフィックスの数を制限するポリシー(Policy)を設定することで、各ネットワークインタフェースに割り当てられるプレフィックス数に上限を設け、モバイルノードに対して過剰なプレフィックス割り当てが行われないように管理することが可能である。ただし、モビリティ管理ドメインは、モビリティ管理ドメイン内を移動するモバイルノードに関するプレフィックスの連続性を維持する必要があるため、モビリティ管理ドメイン内を移動するモバイルノードの通信状態によっては、上限を超えるプレフィックス数がモバイルノードに対して割り当てられる条件が発生してしまう場合も考えられる。この場合には、例えば、モバイルノードとモビリティ管理ドメインとの間で、プレフィックスの連続性を管理するために使用されるポリシーの取り決めを行ったり、そのときの状況に応じて、削除可能なプレフィックスの交渉を行ったりすることが望ましい。
一方、モバイルノードがモビリティ管理ドメインに対して通知を行うことによってネットワークプレフィックス割り当ての管理を行う場合には、モバイルノードが、通信を行うために必要なネットワークプレフィックスが割り当てられる状態(不要なネットワークプレフィックスが割り当てられていない状態)を検出し、この状態を実現するための情報(後述のプレフィックスプリファレンス情報)を、モビリティ管理ドメインへ通知する。
例えば、図1において、モバイルノード(MN)100はモビリティ管理ドメイン110内を移動している。MN100は、まずステップS120において、プレフィックスの割り当てが間もなく変更されること(すなわち、プレフィックス変更が必要となること)を検出し、ステップS150において、プレフィックス割り当てのプリファレンスをモビリティ管理ドメイン110へ通知するシグナル(プレフィックスプリファレンス)を送信する。このとき、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS180において、プレフィックスプリファレンスに従って、実際にプレフィックス割り当てることで応答を行ってもよい。
上述のステップS120において、MN100は、様々な方法を用いて、間もなくプレフィックスの割り当てが変更されることを検出することが可能である。例えば、プレフィックスの割り当て変更を検出する好適な方法として、MN100のネットワークインタフェースの起動のオン/オフを検出する方法が用いられてもよい。MN100の接続ネットワークインタフェース数が変わった場合には、MN100へ割り当てられるプレフィックスも変更される可能性がある。例えば、新たに接続されたネットワークインタフェース(動作がオンになるネットワークインタフェース)は新しいプレフィックスを受信する場合があり、また、動作がオフになるネットワークインタフェースに割り当てられていたプレフィックスは、MN100の別の接続インタフェースへ再割り当てされる場合がある。
また、ステップS150でMN100から送信されるプレフィックスプリファレンスを示すシグナルは、様々な形式を取ることが可能である。
例えば、プレフィックスプリファレンスの好適な形式として、MN100がそのネットワークインタフェースに割り当てられるプレフィックスを減らすように要求してもよい。この場合の動作に関しては、後述のプレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)として後述する。
また、例えば、プレフィックスプリファレンスの別の好適な形式として、MN100が、そのネットワークインタフェースのうちの1つに割り当てられているプレフィックスを別のネットワークインタフェースに再割り当てするよう要求してもよい。この場合の動作に関しては、後述のプレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)として後述する。
また、例えば、プレフィックスプリファレンスの更に別の好適な形式として、MN100が、モビリティ管理ドメイン110内の別のモバイルノードによってプレフィックスの再利用が行われるよう要求してもよい。この場合の動作に関しては、後述のプレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)として後述する。
次に、本発明を実現するための装置の機能アーキテクチャについて説明する。図2には、本発明の実施の形態におけるモバイルノードの好適な機能アーキテクチャの一例が図示されている。図2に図示されているMN100は、パケットの送受信を行うための1つ又は複数のネットワークインタフェース210、MN100内のプログラム(例えば、上位レイヤブロック230に含まれるプログラム)や適切なネットワークインタフェース210へのパケット転送に関する決定を行うルーティング部220、ネットワーク層より上位に位置するすべてのプロトコルやプログラムを包含する上位レイヤブロック230を有している。なお、以下では、ネットワークインタフェース210の表記によって1つ又は複数のネットワークインタフェース210を表し、ネットワークインタフェース210−nによって、複数のネットワークインタフェース210のうちの1つを表すことにする。
各ネットワークインタフェース210は、MN100が任意の通信媒体を介して別のノードと通信を行うために必要なすべてのハードウェア及びソフトウェアを包含する機能ブロックである。関連する技術で周知の用語を用いた場合、ネットワークインタフェース210は、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ、通信プロトコルを表している。なお、MN100は、1つ又は複数のネットワークインタフェース210を有していてもよい。
また、ルーティング部220は、上位レイヤブロック230の存在する適切なプログラムや、パケットを送信するための適切なネットワークインタフェース210へのパケット発送を決定する機能を有している。関連する技術分野で周知の用語を用いた場合、ルーティング部220は、IPv4やIPv6などのレイヤ3(ネットワーク層)プロトコルを実装していることを表している。
ルーティング部220は、シグナル/データパス292を介して、適切なネットワークインタフェース210との間でパケットの送受信を行うことが可能である。また同様に、ルーティング部220は、シグナル/データパス294を介して、上位レイヤブロック230の適切なプログラムとの間でパケットの送受信を行うことが可能である。
また、上位レイヤブロック230は、通信プロトコルスタックにおけるネットワーク層の上位に位置するすべてのプロトコル及びプログラムを包含する機能ブロックである。上位レイヤブロック230には、TCP(Transmission Control Protocol)、SCTP(Stream Control Transport Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)などの任意のトランスポートレイヤプロトコル又はセッションレイヤプロトコルや、他のノードとの通信に必要なプログラム及びソフトウェアが含まれている。上述のように、上位レイヤブロック230は、シグナル/データパス294を介して、ルーティング部220との間でパケットの送受信を行うことが可能である。
また、ルーティング部220には、ルーティングテーブル240、プレフィックス検出部250、プレフィックス管理部260が存在している。なお、プレフィックス検出部250及びプレフィックス管理部260は、本発明の主要な追加機能である。
ルーティングテーブル240にはルーティングエントリが含まれており、このルーティングエントリによって、パケットのパラメータ(例えば、パケットの送信元アドレス及びあて先アドレス)に基づくパケットの発送方法(例えば、どのネットワークインタフェース210からパケットを転送すべきか)がルーティング部220に示される。
また、プレフィックス検出部250は、MN100に対するプレフィックス割り当ての変更が行われることを検出する機能を有している。プレフィックス検出部250によるプレフィックス割り当ての変更の検出は、例えば、ネットワークインタフェース210の動作がオフになる場合、ネットワークインタフェース210が起動する場合、上位レイヤブロック230からプレフィックスが不要であることを示すシグナルが送信された場合などを検出することによって可能であるが、これらに限定されるものではなく、その他の任意のプレフィックス割り当ての変更を検出する方法を用いることが可能である。
また、プレフィックス管理部260は、各ネットワークインタフェース210に割り当てられるプレフィックスを管理するとともに、必要に応じてプレフィックスプリファレンスをモビリティ管理ドメイン110へ送信する機能を有している。なお、上述のように、プレフィックス管理部260からモビリティ管理ドメイン110へ通知されるMN100のプレフィックスプリファレンスは、複数の好適なモードのそれぞれに応じて異なる要求を含んでいる。
プレフィックス検出部250は、MN100が通信を行うために必要な最小限のネットワークプレフィックスがMN100へ割り当てられる状態を検出する(あるいは、MN100にとって不要なネットワークプレフィックスを検出する)ことが可能であり、プレフィックス管理部260は、MN100に対して必要な最小限のネットワークプレフィックスが割り当てられた状態(あるいは、MN100にとって不要なネットワークプレフィックスが削除された状態)を実現するためのプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ通知することが可能である。
例えば、後述のプレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)では、プレフィックス検出部250が、MN100の通信で不要となったプレフィックスを検出し(すなわち、不要なプレフィックスを削減することで、必要な最小限のネットワークプレフィックスが割り当てられた状態が実現されることを検出し)、プレフィックス管理部260が、その不要なネットワークプレフィックスをMN100に対するプレフィックス割り当てから削除するよう要求するプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
また、後述のプレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)では、プレフィックス検出部250が、MN100の複数のネットワークインタフェース210のうちの1つ(第1ネットワークインタフェース)に対して既に割り当てられているプレフィックスが別のネットワークインタフェース210(第2ネットワークインタフェース)で再利用可能であることを検出し(すなわち、別のネットワークインタフェース210でプレフィックスを再利用することで、必要な最小限のプレフィックスが割り当てられた状態が実現されることを検出し)、プレフィックス管理部260が、再利用可能なネットワークプレフィックスを別のネットワークインタフェース(第2ネットワークインタフェース)へ割り当てるよう要求するプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
また、後述のプレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)では、プレフィックス検出部250が、MN100に対して割り当てられるプレフィックスが一時的に利用されるものであることを検出し(すなわち、プレフィックスが一時的に割り当てられることによって、必要な最小限のプレフィックスが割り当てられた状態が実現されることを検出し)、プレフィックス管理部260が、MN100に対して割り当てられるプレフィックスを一時的に利用することを示すプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
なお、プレフィックス検出部250及びプレフィックス管理部260は、プレフィックス削減モード、プレフィックス再利用モード、プレフィックスリサイクルモードのうちの1つのモードのみ実行可能であってもよく、また、複数(あるいはすべて)のモードの実行が可能であってもよい。また、例えば、プレフィックス検出部250は、あるプレフィックスに関して、上記の各モードのうちのいずれのモードが適切かを判断するモード判断部を有し、各プレフィックスに対して各モードを使い分けてもよい。さらに、モード判断部は、上記の各モードのうちのいずれのモードも適用しないプレフィックスを選別し、このプレフィックスに関しては、通常のプレフィックス割り当て処理が行われるようにすることも可能である。
以下、これらの各モードに関する詳細について説明する。
<プレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)>
例えば、第1の好適なモードにおいて、MN100はネットワークインタフェース210に割り当てられているプレフィックスの数の減少を要求してもよい。なお、本明細書では、この第1の好適なモードをプレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)と呼ぶことにする。
図3Aには、本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードの動作例が図示されている。図3Aにおいて、MN100は、ステップS320で未使用のネットワークインタフェース210に余分なプレフィックス(使用していないプレフィックス)が割り当てられていることを検出し、ステップS350において、プレフィックス削減要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
図3AのステップS350で送信されるプレフィックス削減要求は、図1に示すプレフィックスプリファレンス(ステップS150で送信)の特定な形式であり、割り当てられている1つ以上のプレフィックスをリリース(解放)する要求を示すプレフィックスプリファレンスである。プレフィックス削減要求には、リリース対象となる特定のプレフィックスを示す情報が含まれていることが望ましい。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックス削減要求に同意すると、ステップS380において、プレフィックス削減要求に応じた新たなプレフィックス割り当てがプレフィックス割り当てメッセージによって通知される。具体的には、例えば、リリース対象となる特定のプレフィックスがリリースされることがプレフィックス割り当てメッセージによってMN100へ通知される。また、リリース対象のプレフィックスの有効期間(ライフタイム)が0に設定された状態でのプレフィックスの報知又は、リリース対象のプレフィックスを削除した状態での(残りの)プレフィックスの報知などによって、この通知が実現されてもよい。
なお、余分なプレフィックスが割り当てられていることをプレフィックス検出部250が検出するための条件は多数存在する。例えば、上位レイヤブロック230が、現在保持しているプレフィックスのうちの1つを使用しなくなった場合(例えば、あるプレフィックスを用いたセッションが終了した場合又は、モバイルIPにおいてMN100がバインディングアップデートをホームエージェントへ送信し、あるプレフィックスによって構成される気付アドレスがもはや使用されなくなった場合)を、余分なプレフィックスが発生した条件として用いてもよい。
また、例えば、モバイルノードが1つ以上のネットワークインタフェース210をシャットダウンした場合に、このネットワークインタフェース210に割り当てられているプレフィックスが余分なプレフィックスになったことを条件として用いてもよい。MN100の通信に係るどのセッションにおいても、あるプレフィックスから構成されているアドレスが使用されていない場合には、MN100はこの余分なプレフィックスの割り当ての削除を示すプレフィックス削減要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信してもよい。図3Bには、ネットワークインタフェース210のシャットダウンによって、余分なプレフィックスが発生した場合の一例が図示されている。
図3Bにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210−1(IF1)及びネットワークインタフェース210−2(IF2)を有している。ステップS310のRA(Router Advertisement:ルータ通知)メッセージに示されているように、プレフィックスP1は最初IF1に割り当てられており、ステップS312のRAメッセージに示されているように、プレフィックスP2は最初IF2に割り当てられている。
ステップS314において、MN100がIF2をシャットダウンすると、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS316のRAメッセージに示されているように、IF1に対してプレフィックスP2の再割り当てを行う。その結果、MN100のIF1には、2つのプレフィックスP1、P2が割り当てられることになる。なお、この動作は、MN100がモビリティ管理ドメイン110内を移動する場合にプレフィックスの連続性を維持するためのモビリティ管理ドメイン110の基本的な機能である。
ここで、MN100がプレフィックスP2から構成されたアドレスを実際には使用していなかった場合には、MN100のプレフィックス検出部250が、ステップS320bに示されているように、余分なプレフィックス(すなわち、プレフィックスP2)が割り当てられていることを検出する。その結果、MN100のプレフィックス管理部260は、ステップS350bにおいて、MN100に割り当てられているプレフィックスからプレフィックスP2を削除するよう要求するプレフィックス削減要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
ステップS350bで送信されたプレフィックス削減要求に同意できる場合には、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS380bにおいて、プレフィックスP2をIF1へ割り当てないことを示す新たなルータ通知メッセージをMN100へ通知する。その結果、プレフィックスP2は削除され、MN100のIF1にはプレフィックスP1のみが割り当てられることになる。
このように、MN100が余分なプレフィックスを必要としないことをモビリティ管理ドメイン110へ示すことで、モビリティ管理ドメイン110は、MN100に対するプレフィックスの割り当てから余分なプレフィックスを削除することが可能となり、ネットワークリソース(プレフィックスのリソース)が節約される。以上のように、上述の本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードによって、本発明の目的は達成される。
また、例えば、プレフィックス削減要求メッセージは、MN100が3GPPアクセスネットワークからWLANのような非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバするときに使用してもよい。3GPPアクセスネットワークの普及状況によっては、3GPPアクセスネットワーク(例えばLTEやUMTSなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合に、MN100は複数プレフィックスを保持することができる(各々のプレフィックスは対応するPDNコネクションに結びつけられる)が、非3GPPアクセスネットワーク(例えばWLANなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合、MN100は1つしかPDNコネクションを生成できない。プレフィックス検出部250は、こうした状況からプレフィックス削減の必要性を検出してもよい。この場合、3GPPアクセスネットワークから非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバ(垂直ハンドオーバ)に先立ち、MN100は3GPPアクセスネットワーク越しに取得したプレフィックスの数を1つに削減してもよく、残ったプレフィックスを非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバさせることができる。すなわち、ハンドオーバ対象のプレフィックス(PDNコネクションに相当)をネットワークシステムによって任意に選択されることなく、MN100が望んだプレフィックスを正しくハンドオーバさせることができ、ユーザの利便性向上を図ることができる。
<プレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)>
また、例えば、第2の好適なモードにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210の1つに割り当てられているプレフィックスをMN100の別のネットワークインタフェース210へ再割り当てするよう要求してもよい。なお、本明細書では、この第2の好適なモードをプレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)と呼ぶことにする。
図4Aには、本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作例が図示されている。図4Aにおいて、MN100は、ステップS420で1つ以上のプレフィックスが別のネットワークインタフェース210で再利用される可能性があることを検出し、ステップS450において、プレフィックス再利用要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
図4AのステップS450で送信されるプレフィックス再利用要求は、図1に示すプレフィックスプリファレンス(ステップS150で送信)の特定な形式であり、あるネットワークインタフェース210に割り当てられている1つ以上のプレフィックスを別のネットワークインタフェース210で再利用する要求を示すプレフィックスプリファレンスである。プレフィックス再利用要求には、再利用対象となる特定のプレフィックスを示す情報が含まれていることが望ましい。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックス再利用要求に同意すると、ステップS480において、プレフィックス再利用要求に応じた新たなプレフィックス割り当てがプレフィックス割り当てメッセージによってMN100へ通知される。具体的には、例えば、再利用対象となる特定のプレフィックスが別のネットワークインタフェース210で再利用されることがプレフィックス割り当てメッセージによって通知される。
なお、プレフィックスが再利用可能であることをプレフィックス検出部250が検出するための条件は多数存在する。例えば、複数のプレフィックスが1つのネットワークインタフェース210(例えば、ネットワークインタフェース210−x)に割り当てられており、別のネットワークインタフェース210(例えば、ネットワークインタフェース210−y)が起動しようとしている場合に、ネットワークインタフェース210−xに割り当てられている複数のプレフィックスのうちの1つがネットワークインタフェース210−yに移されてもよいことをプレフィックスが再利用可能であることの条件として用いることが可能である。図4Bには、このように、1つのネットワークインタフェース210−1に複数のプレフィックスが割り当てられており、別のネットワークインタフェース210−2が起動する場合の一例が図示されている。
図4Bにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210−1(IF1)及びネットワークインタフェース210−2(IF2)を有している。ステップS410のRAメッセージに示されているように、2つのプレフィックスP1、P2は最初IF1に割り当てられている。
ステップS412において、MN100がIF2を起動すると、MN100のプレフィックス検出部250は、IF2上でIF1のプレフィックスの再利用が可能であることを検出する。その結果、MN100のプレフィックス管理部260は、ステップS450bにおいて、IF1に割り当てられているプレフィックスP2をIF2上で再利用することを要求するプレフィックス再利用要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。なお、アクティブなネットワークインタフェース(IF1及びIF2)が2つ存在するので、ステップS450bで送信されるプレフィックス再利用要求は、IF1及びIF2のどちらから送信されてもよい。
ステップS450bで送信されたプレフィックス再利用要求に同意できる場合には、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスの再割り当てを行う。このプレフィックスの再割り当ては、例えば図4Bに図示されているように、ステップS480bで送信されるRAメッセージによってプレフィックスP1のみがIF1へ割り当てられるとともに、ステップS480cで送信されるRAメッセージによってプレフィックスP2がIF2へ割り当てられる。
このように、MN100は、以前に割り当てられたプレフィックスが別のネットワークインタフェース210で使用されてもよいことをモビリティ管理ドメイン110へ示すことで、モビリティ管理ドメイン110は、新たなプレフィックスのリソースを使用せずに新たなネットワークインタフェース210に対してプレフィックスを割り当てることが可能となる。以上のように、上述の本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードによって、本発明の目的は達成される。
また、例えば、プレフィックス再利用要求メッセージは、MN100が3GPPアクセスネットワークからWLANのような非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバするときに使用してもよい。3GPPアクセスネットワークの普及状況によっては、3GPPアクセスネットワーク(例えばLTEやUMTSなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合に、MN100は複数プレフィックスを保持することができる(各々のプレフィックスは対応するPDNコネクションに結びつけられる)が、非3GPPアクセスネットワーク(例えばWLANなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合、MN100は1つしかPDNコネクションを生成できない。プレフィックス検出部250は、こうした状況からプレフィックス再利用の必要性を検出してもよい。この場合、非3GPPアクセスネットワークに接続した時に、MN100はプレフィックス再利用メッセージを非3GPPアクセスネットワーク経由で送信してもよく、これによって3GPPアクセスネットワーク経由の接続時に保有していたプレフィックスのうち、どのプレフィックスを再利用するか(MN100がどのプレフィックスを再利用させたいのか)をネットワークに通知することができる。このようにして、MN100は所望のPDNコネクションを非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバさせることができ、ネットワークシステムが任意に(MN100が意図しない)ハンドオーバ対象のPDNコネクションを選択する事態を回避することができる。したがって、非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバ時に、例えばアプリケーションが必要とするPDNコネクション(プレフィックスに相当)を正しく選択することができるようになり、ユーザの利便性向上を図ることができる。
<プレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)>
また、例えば、第3の好適なモードにおいて、MN100に割り当てられているプレフィックスをモビリティ管理ドメイン110内の他のMN100で使用するよう合意できるようにしてもよい。なお、本明細書では、この第3の好適なモードをプレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)と呼ぶことにする。
図5Aには、本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードの動作例が図示されている。図5Aにおいて、MN100は、ステップS520でプレフィックスがプレフィックスリサイクルモードで割り当てられる必要性を検出し、ステップS550において、プレフィックスリサイクル要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
なお、プレフィックスがリサイクルモードで割り当てられる必要性とは、例えば、MN100がそのプレフィックスを一時的に使用するだけで、MN100においてそのプレフィックスが不要になった場合にはプレフィックスの連続性が維持される必要がなく(すなわち、MN100に対して割り当てられているプレフィックスであることをそのまま維持する必要がない)、別のMN100で使用されてもよいことを示している。したがって、このプレフィックスリサイクルモードで割り当てられたプレフィックスは、MN100に対するプレフィックスの連続性が維持されることなく、別のMN100へリサイクルされる。
図5AのステップS550で送信されるプレフィックスリサイクル要求は、図1に示すプレフィックスプリファレンス(ステップS150で送信)の特定な形式であり、1つ以上のプレフィックスをプレフィックスリサイクルモードで割り当てるよう要求することを示すプレフィックスプリファレンスである。
なお、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てるプレフィックスの種類によって、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てたプレフィックスを回収するタイミング(例えば、後述のステップS590において発生するイベント直後)を把握することが可能であるが、より確実にそのタイミングを把握できるようにするため、MN100がプレフィックスリサイクルモードで要求するプレフィックスの用途(あるいは、どのようなイベントの発生時にプレフィックスの返還が行われるかを示す情報)をプレフィックスリサイクル要求に含ませてもよい。また、後述の方法を用いて、最初にモビリティ管理ドメイン110からMN100に対してすべての割り当て可能なタイプ(用途)のプレフィックスを割り当て、MN100が必要なプレフィックスを選別してもよい。このようにして、MN100で使用されるプレフィックスの用途又は種類が特定されることで、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てたプレフィックスを回収するタイミングを確実に把握できるようになる。なお、MN100からモビリティ管理ドメイン110に対して、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てたプレフィックスの回収可能なタイミング(MN100でそのプレフィックスが不要になったタイミング)を通知してもよい。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックスリサイクル要求に同意すると、ステップS580において、プレフィックスリサイクル要求に応じた新たなプレフィックス割り当てがプレフィックス割り当てメッセージによってMN100へ通知される。具体的には、プレフィックスリサイクルモードによるプレフィックス割り当てが行われることがプレフィックス割り当てメッセージによって通知される。
プレフィックスリサイクルモードでプレフィックスがMN100へ割り当てられた場合には、ステップS590において何らかのイベントが発生したとき、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS595においてプレフィックス割り当てメッセージをMN100へ送信することによって、別のMN100で使用可能となるように(後に別のMN100に割り当て可能となるように)リサイクルされる対象のプレフィックスの割り当てを削除することが可能となる。ただし、リサイクルされる対象のプレフィックスの割り当てを削除する時点において確実に元のMN100とは異なる別のMN100で使用されることが確定していない場合もあり、最終的に、元のMN100が新たなプレフィックスを要求した際に、このプレフィックスが割り当てられることもあり得る(プレフィックス再利用モードを使用した場合とほぼ等価の結果となる)。
プレフィックスリサイクルモードによるプレフィックスの割り当ての一例としては、例えば、MN100がモバイルIPv6ノードである場合が挙げられる。この場合、MN100は、割り当てられているプレフィックス(第1プレフィックス)をホームプレフィックスとして使用し、さらに、別に割り当てられているプレフィックス(第2プレフィックス)から構成した気付アドレスを(若しくは第2プレフィックスそのものを)、MN100のホームアドレス(ホームプレフィックスから構成されているアドレス、若しくはホームプレフィックスそのもの)と関連付ける場合がある。この場合、第2プレフィックスは気付アドレスを構成するためにのみ使用されているので、第2プレフィックスの連続性は維持される必要はない。したがって、MN100は、第2プレフィックスがプレフィックスリサイクルモードで割り当てられるように要求することが可能である。
このとき、例えばモビリティ管理ドメイン110におけるプレフィックスのリソースが枯渇した場合に、MN100への第2プレフィックスの割り当てが削除されてもよく、また、MN100が第2プレフィックスを割り当てられたネットワークインタフェースをシャットダウンした場合には、第2プレフィックスがモビリティ管理ドメイン110へリリースされてもよい。なお、あらかじめリサイクルモードでプレフィックスの割り当てを受けた場合でも、何らかの理由で、そのアドレスを再利用したいような状況になるかもしれない。このような場合は、途中で(若しくはプレフィックス/ネットワークインタフェース変更時に)対応するプレフィックスについてプレフィックス再利用要求を送信してもよい。プレフィックス再利用モードでの使用が可能となった場合は、その後の動作はプレフィックス再利用モードの動作と同等となる。また、プレフィックス削減モードとの違いの1つに、対象となるプレフィックスをネットワーク側で維持しておく必要性がないことをMN100が明示することで、ネットワーク側の管理に要する処理を更に低減できるという効果がある。
また、図5Bには、本発明の実施の形態におけるリサイクルモードによるプレフィックス割り当ての別の動作例が図示されている。図5Bにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210−1(3GPPインタフェースIF1)及びネットワークインタフェース210−2(非3GPPインタフェースIF2)を有している。ステップS510のRAメッセージに示されているように、プレフィックスP1は最初IF1に割り当てられており、IF2は最初シャットダウンされている。
ここで、MN100が、3GPP特有のサービスへのアクセスを行うことを決定したとする。この場合、MN100には、3GPP特有のプレフィックス(例えば、3GPPオペレータから渡されるプレフィックス)が割り当てられる必要がある。この3GPP特有のプレフィックスは3GPP特有のサービスにアクセスするためだけに用いられるので、このとき、MN100のプレフィックス検出部250は、ステップS520bにおいて、プレフィックスリサイクルモードによるプレフィックス割り当ての必要性を検出する。その結果、MN100のプレフィックス管理部260は、ステップS550bにおいて、プレフィックスリサイクルモードでプレフィックスを割り当てるよう要求するプレフィックスリサイクル要求をMN100へ送信する。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックスリサイクル要求に同意すると、ステップS580bにおいて、IF1に最初から割り当てられているプレフィックスP1に加えて、3GPP特有のプレフィックスPsがRAメッセージによってMN100のIF1へ割り当てられる。
ここで、MN100は、ステップS590bにおいて、IF1からIF2へ垂直ハンドオフなどを行うとする(図5AのステップS590におけるイベント発生に対応)。IF2は非3GPPインタフェースであり、この垂直ハンドオフによって3GPP特有のサービスへのアクセスは行われなくなるとすると、3GPP特有のプレフィックスPsも不要となる。したがって、3GPP特有のプレフィックスPsはプレフィックスリサイクルモードでIF1へ割り当てられているので、垂直ハンドオフではその連続性は維持されない。その結果、ステップS595bにおいて、垂直ハンドオフ後には、プレフィックスP1のみがRAメッセージによってIF2に割り当てられる。
なお、図5A及び図5Bに図示されている例では、新たに割り当てられるプレフィックスに対してプレフィックスリサイクル要求が行われる場合が示されているが、既にMN100で保持されているプレフィックスに対してプレフィックスリサイクル要求が用いられてもよい。この場合には、プレフィックスリサイクル要求には、プレフィックスリサイクルモードの対象となる特定のプレフィックスを示す情報が含まれていることが望ましい。
このように、MN100が、割り当てられているプレフィックスを使用しなくなった場合に他のMN100で使用可能となるようにプレフィックスを削除してもよい(すなわち、他のMN100へリサイクルしてもよい)ことをモビリティ管理ドメイン110へ示すことで、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスを効率良くMN100へ割り当てることが可能となり、ネットワークリソース(プレフィックスのリソース)が節約される。以上のように、上述の本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードによって、本発明の目的は達成される。
また、トラフィックの一部あるいはすべてをMAGやアクセスネットワーク(すなわちMAGとは異なるノード)からPMIPドメインのLMA(すなわち3GPPコアネットワークや、オペレータのコアネットワークドメイン)を通過させることなく、宛先ノードにオフロードさせる選択的IPトラフィックオフローディング(Selective IP Traffic Offload)をMN100が適用していることを、プレフィックスリサイクルモードの実施条件としてもよい。特定のプレフィックスが、選択的IPトラフィックオフローディング用途で割り当てられる場合、ハンドオーバによってそのプレフィックスを用いたセッションの継続は困難となる。したがって、そのような場合、MN100は当該プレフィックスに対して単にリサイクルモードを要求するだけであってもよい。または、MN100がリサイクルモードにあるプレフィックスを要求してきたときに、ネットワークが選択的IPトラフィックオフローディング用のプレフィックスを割り当てるものであってもよい。
さらには、例えば、プレフィックスリサイクル要求メッセージは、MN100が3GPPアクセスネットワークからWLANのような非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバするときに使用してもよい。3GPPアクセスネットワークの普及状況によっては、3GPPアクセスネットワーク(例えばLTEやUMTSなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合に、MN100は複数プレフィックスを保持することができる(各々のプレフィックスは対応するPDNコネクションに結びつけられる)が、非3GPPアクセスネットワーク(例えばWLANなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合、MN100は1つしかPDNコネクションを生成できない。プレフィックス検出部250は、こうした状況からプレフィックスリサイクルの必要性を検出してもよい。
この場合、MN100はプレフィックスリサイクル要求メッセージを用いて、3GPPアクセスネットワークで取得したプレフィックスのうち、どのプレフィックスをリサイクルモードにするかをネットワークに通知することができる。上述したように、リサイクルモードのプレフィックスは、垂直ハンドオーバ処理の間はネットワークによって管理されないことがあるため、MN100が有するプレフィックスのうちリサイクルモードに指定していないプレフィックスが1つだけある場合、MN100は、そのプレフィックスが非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバされるものとして確信することができる。このようにして、MN100は所望のPDNコネクションを非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバさせることができ、ネットワークシステムが任意に(MN100が意図しない)ハンドオーバ対象のPDNコネクションを選択する事態を回避することができる。したがって、非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバ時に、例えばアプリケーションが必要とするPDNコネクション(プレフィックスに相当)を正しく選択することができるようになり、ユーザの利便性向上を図ることができる。
なお、上述の本発明の実施の形態では、プレフィックス削減要求(プレフィックス削減モード)、プレフィックス再利用要求(プレフィックス再利用モード)、プレフィックスリサイクル要求(プレフィックスリサイクルモード)などのプレフィックスプリファレンスの実際のメッセージ形式に関しては説明を行わなかったが、当業者であれば、このプレフィックスプリファレンスは、任意の形式によって伝送可能であることが分かるであろう。
例えば、プレフィックスプリファレンスは、モビリティ管理ドメイン110のアクセスルータへ送信されるICMP(Internet Control Message Protocol)の近隣探索(ND:Neighbor Discovery)メッセージ(例えば、近隣通知メッセージ(Neighbor Advertisement)又はルータ要請メッセージ(Router Solicitation message)など)に挿入される特別なオプションに基づいて実現されてもよい。
また、プレフィックスプリファレンスは、モビリティ管理ドメイン110内のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)中継装置又はDHCPサーバへ送信されるDHCPメッセージに挿入されてもよい。これは、例えば、モビリティ管理ドメイン110がDHCPを利用してモバイルノードへプレフィックスの割り当てを行う場合に有用である。
さらに、プレフィックスプリファレンスは、MN100とモビリティ管理ドメイン110との間で実行されるAAA(Authentication, Authorization and Accounting)シグナリングメッセージに挿入されてもよい。なお、例えば、DIAMETER又はRADIUSなどを始めとする任意の認証プロトコルを拡張して、プレフィックスプリファレンスがシグナリングメッセージへ挿入されてもよい。これは、例えば、ネットワークインタフェースが起動する際にプレフィックスプリファレンスを送信する場合に有用である。AAAシグナリングメッセージは、通常は、ネットワークインタフェースが起動した直後の最初の数メッセージにおいて送信されるので、AAAメッセージにプレフィックスプリファレンスを付加することで、不必要なオーバーヘッド(Overhead)及び処理遅延を減らすことが可能となる。
さらに、プレフィックスプリファレンスは、レイヤ2接続確立シグナリングのフレーム(例えば、MN100とeNodeB(evolved NodeB)との間の3GPPシグナリングメッセージや、MN100とePDG(evolved Packet Data Gateway)との間のPPP(ポイントトゥーポイントプロトコル)やEAP(拡張認証プロトコル)のセットアップメッセージなど)に挿入されてもよい。この場合も、ネットワークインタフェースの起動時又はシャットダウン時などのようなレイヤ2接続確立シグナリングが行われる際にプレフィックスプリファレンスを送信する場合に有用である。
また、図13には、本発明の実施の形態におけるプレフィックスプリファレンスメッセージ150のメッセージ構造の一例が図示されている。
図13には、ICMPv6ヘッダとして実現されるプレフィックスプリファレンスメッセージのパケット1308のメッセージ構造が図示されている。なお、プレフィックスプリファレンスメッセージは、ICMPv6の新たなタイプによって実現されてもよく、あるいは、新たなコード値を有する既存のタイプによって実現されてもよい。
パケット1308の最初のフィールドは、IPv6ヘッダ1309を示している。IPv6ヘッダ1309の送信元アドレスフィールドは、モバイルノードがプレフィックスプリファレンスメッセージを送信するインタフェースに関連付けられているIPv6アドレスであり、あて先アドレスフィールドはMAGのIPv6アドレスとなる。
また、続くICMPv6パケット1310には、タイプ情報(タイプ値)を含むフィールド1311が存在する。なお、新たなICMPv6メッセージが使用される場合には、新たなタイプ値が設定されてプレフィックスプリファレンス情報が送信されてもよい。タイプ情報を含むフィールド1311に使用されるタイプ値は、ICMPv6メッセージの構造を決定する。
続いて、コード値を含むフィールド1312が存在する。なお、タイプ値に既存の値が用いられ、コード値によってプレフィックスプリファレンスが含まれていることが示されてもよい。すなわち、コード値が、メッセージ情報の違いを示してもよい。例えば、プレフィックスプリファレンスメッセージが近隣探索シグナリングのRS(Router Solicitation)によって送信される場合、コード値を含むフィールド1312にプレフィックスプリファレンスメッセージを示す新たなコード値が用いられてもよい。
続いて、パケットのデータ改ざんを検出するためのチェックサムフィールド1313である。さらに、プレフィックスプリファレンスメッセージを含むパケット1308には、本発明に係るプレフィックスプリファレンスメッセージの必要な情報(例えば、再利用されるプレフィックス、削除されるプレフィックス、リサイクルされるプレフィックスなど)を挿入するためのプレフィックスプリファレンス値フィールド1314が含まれる。
なお、プレフィックスプリファレンスメッセージは、IKEv2開始(initiation)メッセージ(あるいは、その他のIKEv2メッセージ)によって実現されてもよい。一般に、IKEv2開始メッセージは、暗号化アルゴリズムの取り決め、ノンス値の交換、ピア(相手)とディフィー・へルマン鍵を交換するためなどに用いられ、通常、IKEv2ヘッダ部と、1つ以上のIKEv2ペイロード部とを有している。
IKEv2開始メッセージがプレフィックスプリファレンスメッセージの送信に使用される場合には、例えば、既存のペイロードを有する標準のIKEv2開始メッセージに加えて、プレフィックスプリファレンス情報を運ぶための新たなIKEv2ペイロードが付加される。さらに、プレフィックスプリファレンス情報の伝送に既存のIKEv2ペイロードタイプが使用される場合には、IKEv2ヘッダ部に、IKEv2開始メッセージに既存のタイプの追加ペイロードが埋め込まれていることを示す新たなフラグが用いられる。
なお、当業者にとって、IKEv2開始メッセージに新たなプレフィックスプリファレンスメッセージを埋め込む方法が多数存在することは明らかである。例えば、図13に図示されているパケット1315は、IKEv2開始メッセージを使用してプレフィックスプリファレンスメッセージを実現する好適な一例である。
パケット1315には、3つの主要部が存在する。第1の部分はIPv6ヘッダ1316である。IPv6ヘッダ1316には、IKEv2開始メッセージが正しく発送されるように送信元及びあて先の情報が含まれる。また、第2の部分はIKEv2パケットのIKEv2ヘッダ部1317であり、第3の部分はIKEv2ペイロード部1322である。
IKEv2ヘッダ部1317には、IKE_SAイニシエータSPIフィールド1318、IKE_SAレスポンだSPIフィールド1319、標準フィールド1320、メッセージIDフィールド1321が含まれる。これらの4つのフィールドは、IKEv2ヘッダに標準的なフィールドである。
IKE_SAイニシエータSPIフィールド1318には、固有のIKEセキュリティアソシエーション(SA:セキュリティアソシエーション)を識別するためのイニシエータの識別子が含まれ、IKE_SAレスポンダSPIフィールド1319には、固有のIKEセキュリティアソシエーションを識別するためのレスポンダの識別子が含まれる。
また、標準フィールド1320には、例えば、交換メッセージのタイプやフラグなどのようなIKEv2ヘッダで使用される多数の標準フィールドが含まれる。なお、標準フィールド1320には、プレフィックスプリファレンスメッセージの存在を示す新たなフラグタイプが埋め込まれる。また、メッセージIDフィールド1321はメッセージの識別子を含むメッセージ識別子フィールドである。
また、IKEv2ペイロード部1322には、複数のペイロードフィールドが含まれる。通常、IKEv2シグナリングには1つ以上のペイロードが用いられる。なお、図示を明瞭にするため、例えば、再利用されるプレフィックス、削除されるプレフィックス、リサイクルされるプレフィックスなどのような、本発明に係るプレフィックスプリファレンスメッセージの必要な情報を運ぶ新たなペイロードのみが図示されている。
さらには、IKEv2ペイロード部1322には、通知するプレフィックスと関連するAPN(Access Point Name)の情報が含まれることもある。APN情報がIKEv2ペイロード部1322に含まれる場合、メッセージを受信するエンティティは、APN情報からP−GW識別子(PDN Gateway ID)を取得するために用いる。
例えば、3GPPシステムにおいては、MN100が3GPPコアネットワークに配備された拡張パケットシステム(EPS:Evolved Packet System)に接続する際、インターネットブラウジング用のAPN情報としてインターネット接続のためのAPN値と対応するプレフィックスが通知される。MN100は、非信頼WLAN(untrusted WLAN)アクセスシステム経由でEPSに接続するために、WLANインタフェースを使用することを決定する。WLANアクセスシステムが非信頼WLANであることを検出すると(例えば、WLANシステムのアクセスポイントから受信したルータ広告メッセージを通じてWLANアクセスシステムが非信頼WLANであることが通知されたり、あるいは、信頼できるWLANアクセスシステムではないことが検出されたり、あらかじめMN100が該情報を保有していたり、WLANアクセスシステムに接続する際の返り値として通知されたりする、などの方法により)、MN100は、ePDG(enhanced Packet Data Gateway)経由でWLANアクセスシステムからEPSに接続する手続きを開始する。したがって、MN100は、インターネット接続用APNとプレフィックスを記載したIKEv2ペイロード部1322を含むIKEv2パケット1315を送信する。ePDGは、IKEv2ペイロード部1322から抽出したAPN情報をもとに、P−GW識別子をAAAサーバに問い合わせる。P−GW識別子は、P−GWのアドレスであってもよいし、P−GWのアドレスを導出するための情報(例えばP−GWのホスト名やURIなど)であってもよい。ePDGは、MN100に代わって、取得したアドレスのP−GWへの接続を実施する。
さらに、プレフィックスプリファレンスメッセージは、例えば、図13に図示されているレイヤ2フレーム1307のような、レイヤ2(L2)メカニズムあるいはレイヤ2メッセージを使用して実現されてもよい。
例えば、このプレフィックスプリファレンスメッセージは、MNがInterworking WLAN(I-WLAN)やWiMAX、 他セルラシステム(3GPP2で規定するcdma2000など)のようなtrusted非3GPPアクセスネットワーク経由で3GPPコアネットワークに接続する場合などに適用できる。
図13のレイヤ2フレーム1307の最初のフィールドはフレームの始めを示す第1フラグフィールド1300であり、続いて、メディアアクセスコントロール(MAC:Media Access Control)アドレスフィールド1301が含まれる。このMACアドレスフィールド1301には、フレームのソースアドレス及びあて先アドレスが含まれる。
また、続いて、特定のタイプのフレームが使用されていることを識別するための制御フィールド1302、プロトコルIDフィールド1303が含まれる。このプロトコルIDフィールド1303には、上位レイヤで送られたパケットに関する値が含まれる。例えば、プレフィックスプリファレンス情報がL2で発送された場合には、プロトコルIDフィールド1303はNULL(ヌル)となる。なお、プレフィックスプリファレンス情報がL2で発送可能であっても、このシグナリングやこのシグナリングに埋め込まれる関連パラメータを送信する決定は、レイヤ3(L3)から行われる必要がある。
続いて、情報フィールド1304が存在する。この情報フィールド1304は、例えば、再利用されるプレフィックス、削除されるプレフィックス、リサイクルされるプレフィックスなど、本発明に係るプレフィックスプリファレンスメッセージの必要な情報を伝送するために使用される。この情報フィールド1304の後に、フレームを改ざんされることなく伝送するため(エラー識別及び修正のため)のフレームチェックシーケンスフィールド1305が存在する。そして、最後に、フレームの区切り(終わり)に用いられる第2のフラグフィールド1306が存在する。
3GPPシステムにおいては、レイヤ2メカニズムの一例としてベアラリソース修正要求メッセージ(Request Bearer Resource Modification Message)が挙げられる。本メッセージは、移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)に送信された後、ベアラリソースコマンド(Bearer Resource Command)としてS-GW(Serving Gateway)に転送される。ここで、MN100は、プレフィックス・プリファレンス・メッセージ(プレフィックス削減要求や、プレフィックス再利用要求、プレフィックスリサイクル要求)を運ぶための情報要素(Information Element)あるいはプロトコル構成オプション(Protocol Configuration Option)を、ベアラリソース修正要求メッセージに追加してもよい。各ベアラにプレフィックスが一つずつ対応づけられる場合、ベアラリソース修正要求メッセージに含まれるプレフィックス・プリファレンス・メッセージで、削除/再利用/リサイクルを要求するプレフィックスを特に指定する必要はない。
他のレイヤ2メカニズムの例として、MN100からネットワークに送信される、PDPコンテキスト修正要求メッセージ(Modify PDP(Packet Data Protocol) Context Request Message)が挙げられる。ベアラリソース修正要求メッセージと同様、MN100は、プレフィックス・プリファレンス・メッセージ(プレフィックス削減要求や、プレフィックス再利用要求、プレフィックスリサイクル要求)を運ぶための情報要素あるいはプロトコル構成オプションを、PDPコンテキスト修正要求メッセージに追加することができる。
また、特に、プレフィックスプリファレンスメッセージは、プレフィックススコープのバインディングアップデートメッセージを用いて実現可能である。プレフィックススコープのバインディングアップデートメッセージは、現在、モバイルノードが3GPP内のモビリティアンカ(例えば、P−GW)へプレフィックス継続を要求するために用いられている。これを、プレフィックスの削減要求又はプレフィックスの再利用要求を運ぶために用いることも可能である。
例えば、バインディングアップデートメッセージのフラグに“R”ビットが存在する場合には、このメッセージの受信者に対して、モバイルノードがプレフィックススコープのバインディングアップデートメッセージに含まれるプレフィックスの使用継続を要求していることを示しているまた、Rビットを削除するか、バインディングアップデートメッセージ内のプレフィックスを省略することで、モバイルノードは、プレフィックスの削減要求をとして用いることも可能である。また同様に、第1インタフェースに割り当てられていたプレフィックスを、第2インタフェースに関連して送信されるバインディングアップデートメッセージに挿入することによって、第1インタフェースのプレフィックスを第2インタフェースで利用するためのプレフィックス再利用要求が実現される。
また、上述の本発明の実施の形態では、MN100によるプレフィックスプリファレンスの送信先をモビリティ管理ドメイン110(モビリティ管理ドメイン110内の任意のエンティティ)として説明を行ったが、プレフィックスプリファレンスの実際の送信先(物理的なノード)は、モビリティ管理ドメイン110のシステム構成に依存する。
例えば、モビリティ管理ドメイン110が十分に管理されたクローズな構成の場合、モビリティ管理ドメイン110のオペレータは、MN100に対して、モビリティ管理ドメイン110内のコアノードのアドレスを明らかにしたくないことがある。この場合、MN100にはMAGのアドレスのみが明らかにされるので、プレフィックスプリファレンスは常にMAGへ送信され、MAGが、プレフィックスプリファレンスを含むメッセージの処理や別のノード(例えば、DHCPサーバ若しくはAAAサーバ)への転送を行う。
また、モビリティ管理ドメイン110がDHCPを利用してMN110へプレフィックスの割り当てを行う場合には、プレフィックスプリファレンスは、DHCP要求メッセージのオプションやその他の形式によってDHCPサーバへ送信されてもよい。DHCPサーバは、MN100へのプレフィックス割り当て管理を行うノードであるため、これによって、シグナリングメッセージのオーバーヘッドは大幅に軽減される。
また、MN100は、プレフィックスプリファレンスをLMAへ送信してもよい。LMAはMN100へ割り当てられたプレフィックスに関する情報をバインディングキャッシュ内に保持する必要があり、この点から、プレフィックスプリファレンスをLMAへ送信することは有用であると言える。
さらに、モビリティ管理ドメイン110の構成上、LMAが、MN100へプレフィックスを割り当てる機能を有する場合がある。このような場合には、LMAがプレフィックスの管理を行っている可能性があり、LMAへのプレフィックスプリファレンスの送信は有用である。
さらに、MN100が、AAAシグナリングメッセージにオプションとしてプレフィックスプリファレンスを挿入して、AAAサーバへ送信することも可能である。ネットワークインタフェースが起動した際にプレフィックスプリファレンスが送信される場合には、同じくネットワークインタフェースが起動した際に送信されるAAAシグナリングメッセージにプレフィックスプリファレンスを挿入することは有用である。さらに、モビリティ管理ドメイン110の構成上、AAAサーバがプレフィックス割り当て及びプレフィックス管理の制御を行う場合もある。
なお、モビリティ管理ドメイン110内の任意のエンティティは、例えば、MN100へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理し、MN100に対して割り当てられたネットワークプレフィックスとMN100との対応関係を維持するプレフィックス対応維持部と、MN100にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報をMN100から受信した場合に、プレフィックスプリファレンス情報に基づいて、MN100に対して割り当てられたネットワークプレフィックスとMN100との対応関係を変更するプレフィックス管理部とを有している。また、プレフィックス管理部は、移動端末における上記の各モードに応じて、不要なプレフィックスの削減、別のインタフェースでの再利用、別のMNにおける使用を示すリサイクルなどが行われるように、MN100に対して割り当てられたネットワークプレフィックスとMN100との対応関係の変更を行う。
また、3GPPの構成では、プレフィックスプリファレンスメッセージが、S−GW(サービングゲートウェイ)、ePDG(拡張パケットデータゲートウェイ)、P−GW(パケットデータネットワークゲートウェイ)へ送信されてもよい。モバイルノードは、AAAサーバ(すなわち、3GPPのHSS)と直接通信することが許可されていないかもしれないが、プレフィックスプリファレンスメッセージがAAA交換メッセージに埋め込まれてHSSへ渡されてもよい。
また、モビリティ管理ドメイン110におけるプレフィックス割り当てに関する別の問題を解決するために本発明を適用することも可能である。以下、図6A及び図6Bを参照しながら、モビリティ管理ドメイン110におけるプレフィックス割り当てに関する別の問題を解決する本発明の適用例について説明する。
図6Aには、MN100がモビリティ管理ドメイン110内を移動する場合のシナリオが示されている。最初、MN100はアクティブなUMTS接続602のみを有しており、UMTSのeNodeBであるMAG620に接続している。HA/LMA615は、第1のプレフィックスP1をUMTSインタフェースへ割り当て、MN100は、このプレフィックスをホームプレフィックスとして使用する。
その後しばらくして、MN100は、WLANアクセスネットワーク618でWLANインタフェースを起動し、MAG625に対して新たな接続を行う。WLANアクセスネットワーク618が非信頼WLAN(untrusted WLAN)の場合には、WLAN接続604はPPP又はEAP接続となり、MAG625がePDGとなる。
ここで、このWLAN接続604に対して、どのような種類のプレフィックスがMN100へ割り当てられるべきか考慮される必要があり、以下の幾つかの例が考えられる。
第1に、MN100がこのプレフィックスを用いて気付アドレスを構成することができるようにするため、MAG625が、モビリティ管理ドメイン110の第2のプレフィックスP2(既に割り当てられているプレフィックスP1とは異なるプレフィックス)をMN100へ割り当てることが可能である。MN100がモビリティ管理ドメイン110へ接続している限り、モビリティ管理ドメイン110から割り当てられたプレフィックスは維持される。
第2に、MAG625は、モビリティ管理ドメイン110のプレフィックスとして維持されないローカルプレフィックスをMN100へ割り当てることが可能である。このプレフィックスは、一般に経路最適化に使用される(このプレフィックスに基づいて構成されたアドレスあてのパケットは、HA/LMA615へ転送される必要がないので)。
第3に、モビリティ管理ドメイン110が同一のMN100の複数のネットワークインタフェースに対して1つのプレフィックスを割り当てることをサポートしている場合には、同一のプレフィックスP1をMN100のWLANインタフェースへ割り当てることが可能である。この場合、MN100は、プレフィックスP1から構成されたホームアドレスに関連するデータフローに関して、UMTSインタフェース及びWLANインタフェースのどちらを用いてもよい。
しかしながら、いずれの場合においても、MN100が必要としている(あるいは望んでいる)プレフィックスの種類をモビリティ管理ドメイン110が把握する必要がある。このように、MN100が必要としている(あるいは望んでいる)プレフィックスの種類をモビリティ管理ドメイン110が把握できるようにするため、本発明に基づいて、MN100がその必要性(MN100が必要とするプレフィックスの種類)を通知することが可能である。
これを実現する好適な方法の1つは、MN100がMAG625に接続した際に、MAG625が最初にMN100に対してすべての割り当て可能なタイプのプレフィックスを割り当て、MN100にプレフィックス削減要求の送信を行わせて、不必要なすべてのプレフィックスをリリースさせるとともに、必要なプレフィックスのみ保持させることである。なお、この方法に関しては、後で図6Bを参照しながら説明する。
また、別の方法として、MN100がプレフィックスリサイクル要求を用いてローカルプレフィックスを取得し、プレフィックス再利用要求を用いてホームプレフィックスを取得し、通常の接続処理においてモビリティ管理ドメイン110の第2のプレフィックスP2を取得するなどのように、MN100が、モビリティ管理ドメイン110から割り当てられるプレフィックスに関して本発明に係る各モードのいずれが適切かを判断してモードを使い分けることも可能である。
以下、図6Bを参照しながら、最初にMN100に対してすべての割り当て可能なタイプのプレフィックスを割り当て、MN100に必要なプレフィックスを選別させる方法について説明する。
図6Bにおいて、MN100は、まずステップS630で、UMTSインタフェースにおいてプレフィックスP1をRAメッセージによって受信する。その後、MN100は、ステップS635において、WLANインタフェースを起動してMAG625へ接続する。このとき、モビリティ管理ドメイン110は、まずすべての異なるタイプのプレフィックスをMN100へ割り当てる。例えば、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS640において、プレフィックスP1、プレフィックスP2(例えば、ローカルプレフィックス)、プレフィックスP3(例えば、モビリティ管理ドメイン110から割り当てられる別のプレフィックス)を含むRAメッセージをMN100へ送信する。
MN100は、ステップS640ですべての異なるタイプのプレフィックスを受信すると、ステップS650において、MN100のプレフィックス検出部250が、余分なプレフィックスの検出処理を開始する。ここで、MN100はローカルプレフィックス(上記のプレフィックスP2)の使用を望んでいるとする。この場合、MN100は、ステップS660においてプレフィックス削減要求をWLANインタフェースからモビリティ管理ドメイン110へ送信し、プレフィックスP1及びプレフィックスP3をリリースする。この結果、MN100には、ステップS670のRAメッセージに示されているように、WLANインタフェースにプレフィックスP2が割り当てられ、ステップS680のRAメッセージに示されているように、UMTSインタフェースにプレフィックスP1が割り当てられる状態となる。
次に、複数のLMAが存在する環境でのプレフィックス再利用方法の動作について説明する。また、本発明に係るメカニズムは、複数のLMAが配置されているNetLMMドメインにおいても適用可能である。以下、図7Aに示すような構成の場合を考慮しながら説明する。
プレフィックス再利用メカニズムが用いられた場合には、例えば、図7Cに図示されているメッセージシーケンスの動作が行われる。図7Cでは、MN700Cは、2つのLMA(例えば、LMA703C及びLMA704C)を有するNetLMMドメインに接続されている。MN700CのIF1はMAG701Cに接続されており、MN700CのIF2は接続されていないと仮定する。さらに、LMA703C及びLMA704Cは、MN700Cに割り当てられたプレフィックスに関して、MAG701Cを経由するプレフィックスの経路を有していると考える。
MN700CはMAG701Cに接続されているので、MAG701Cは、LMA703CへPBU706Cを送信し、PBA707Cを受信する。図7Aに示す状態から図7Bに示す状態へ変化する際に生じるIF2の垂直ハンドオフ動作によれば、PBA707Cは2つのプレフィックス(プレフィックスP1及びP2)を有している。これらのプレフィックスは、LMA703Cに接続されているPDNからのサービスにアクセスするために使用される。
同様に、MAG701CはLMA704CへPBU708Cを送信し、その応答であるPBA709CによってLMA704Cからプレフィックスを受信する。これにより、2つのプレフィックス(プレフィックスP3及びP4)がPBA709Cによって受信される。このプレフィックス割り当ては従来のハンドオフの結果生じるものであってもよい。
例えば、プレフィックスP2は最初IF2に割り当てられ、LMA703Cで管理されていたとする。そして、垂直ハンドオフ動作によってIF1へハンドオフが行われたとする。また同様に、プレフィックスP4は最初IF2に割り当てられ、LMA704Cによって管理されていたとする。そして、垂直ハンドオフ動作によってIF1へハンドオフが行われたとする。さらに、プレフィックスP1は、LMA703CによってIF1に割り当てられており、プレフィックスP3は、LMA704CによってIF1へ割り当てられていたとする。その結果、RA710Cには、プレフィックスオプションによって送信されるプレフィックスP1、P2、P3、P4が含まれる。
ここで、IF2をアクセスネットワークへ接続した後、MN700CがプレフィックスP4に関連するフローをIF2へ移すよう決定したとする。例えば、MN700Cは、例えば負荷バランスのために(あるいは、例えば、プレフィックスP4に関連するフローが新たに探索されたアクセス技術のタイプ経由のほうが適しているなどの他の理由で)、IF2に適したアクセスネットワークを探索したなどの可能性がある。このとき、MN700Cは、IF2に接続するMAG702Cへプレフィックス再利用要求メッセージ711Cを送信する。
プレフィックス再利用要求メッセージ711Cは、例えば、アクセス技術固有の接続メッセージに埋め込まれてもよい。プレフィックス再利用要求メッセージ711Cには、プレフィックスP4が含まれている。
MAG702Cは、このプレフィックス再利用要求メッセージ711Cを受信すると、アクセス認証を開始し、HSS/AAAエンティティ705Cと認証シグナル交換を行う。
HSS705Cは、アクセス認可の成功を示す情報、LMA703C及びLMA704Cのアドレス、MN700Cに関連するサービス加入者情報を提供する。
ここで、MAG702Cは、LMA703Cを選んでプレフィックス再利用要求メッセージ713C(PBU−再利用要求)を送信すると仮定する。このメッセージ713Cには、HNP(Home Network Prefix)オプションにプレフィックスP4が埋め込まれているとともに、これがプレフィックスのサブセットの垂直ハンドオフであることを示す新たなハンドオフインディケータオプションが含まれている。LMA703Cは、このメッセージ713Cを受信した場合、バインディングキャッシュ内のプレフィックスP4を特定できず、プレフィックスP4がLMA703Cによってサポートされていないこと、又は、要求されたプレフィックスP4をMN700Cへ割り当てられないことを通知するエラー通知714CをMAG702Cへ送信する。
MAG702Cは、このメッセージ714Cを受信すると、LMA704CへPBUメッセージ715Cの送信を試みる。LMA704Cは、PBU715Cを受信すると、バインディングキャッシュを検索し、プレフィックスP4に関連するモビリティセッションを特定する。この場合、LMA704Cは、プレフィックス再利用の成功を示す適切なPBA716Cを送信する。プレフィックス再利用の確認メッセージであるPBA716CをMAG702Cへ送信する前に、LMA704Cは、IF1に関連して作成されているモビリティセッションに関連したP4を削除し、IF2に関する新たなモビリティセッションを作成するとともに、作成された新たなモビリティセッションにプレフィックスP4を割り当てる。
MAG702Cは、PBAメッセージ716Cを受信すると、MN700CのIF2へRAを送信し、MN700CがプレフィックスP4を使用してアドレスを構成できるようにする。これにより、使用されているプレフィックス再利用要求メッセージによって、あるインタフェースから別のインタフェースへプレフィックスを移すという目的が実現される。しかしながら、MAG702Cが、最初に誤ったLMAを選択してしまうと、シグナリングの遅延(例えば、エラー通知)が発生する。以下、図7Cにおいて、MN700CがプレフィックスP1及びP4の両方をIF2へ移すことを決定した場合について説明する。
上述のように、プレフィックスP1がLMA703Cに属し、プレフィックスP4がLMA704Cに属する場合を仮定する。上述のように、MAG702Cは、プレフィックス再利用要求メッセージ717Cを取得すると、認証処理において、LMA703C及びLMA704のアドレスをHSS/AAA705Cから取得する。しかしながら、MAG702Cは、どのLMAがプレフィックスP1及びP4を有しているのかを把握できない。MAG702Cは、PBUによってプレフィックスP4に関するプレフィックス再利用要求メッセージ718C(PBU−再利用要求)をLMA703Cへ送信した場合には、エラー通知719CをLMA703Cから受信する。また、MAG702Cは、プレフィックスP1を再利用するためのプレフィックス再利用要求メッセージ720C(PBU−再利用要求)をLMA704Cへ送信すると、エラー通知721CをLMA704Cから受信する。このようなエラー通知によって生じる遅延を削除するためにプレフィックス再利用要求メカニズムを拡張した場合について説明する。
次に、複数のLMAが配置されている場合に、各プレフィックスに関連するAPN情報をMNから提供することでプレフィックス再利用要求を実現することについて説明する。プレフィックス再利用要求を送信する場合に、モバイルノードが関連するAPNを提供する拡張を行うことが可能である。
別のインタフェースに移す必要があるプレフィックスに関連したAPNをモバイルノードから提供することで、MAGは、プレフィックスにマッピングされたAPNを解析し、各プレフィックスに関連するP−GW又はLMAのアドレスを特定することが可能である。MAGはAPNを解析すると、同一のAPN(すなわち、同一のLMA)に属するプレフィックスをグループ化する。その結果、MAGは、グループ化されたプレフィックスが関連するLMAへプレフィックス再利用要求のPBUを送信することが可能である。
この方法では、複数のLMAが存在する場合に、プレフィックス再利用要求メッセージによってプレフィックス及び関連するAPNが提供される。以下、この方法を拡張プレフィックス再利用要求方法と呼ぶことにし、図8A、8B、8Cを用いて説明する。
図8Aには、本発明に係る拡張プレフィックス再利用方法の動作に関連するネットワークエンティティを含むネットワーク構成の一例が図示されている。図8Aにおいて、MN809は、新たに起動したインタフェース又は既存のインタフェース経由でプレフィックス再利用要求を行うとする。
図8Aでは、MN809は、MAG807に接続されているインタフェースIF1を介してNetLMMドメイン802に接続されている。MAG807は、IF1に関するモビリティを管理し、2つのLMA(LMA805及びLMA806)にMN809のIF1に接続されているモビリティセッションに関するバインディングを設定する。また、LMA805は、PDN800に接続されており、LMA806は、PDN801に接続されているとする。
PDN800によって提供されるサービスは、APN1によって特定され、PDN801に関連するサービスはAPN2によって特定される。上述の図7A、7B、7Cに示す例の場合には、MAG807は、LMA805から取得された2つのプレフィックスP1及びP2、LMA806から取得された2つのプレフィックスP3及びP4を、RAメッセージによってMN809へ通知する。
MN809は、第2インタフェースIF2を使用し、無線スキャンメカニズムによって無線アクセスネットワーク803を探索する。そして、前述の例と同様に、MN809は、IF1から、新たに起動したIF2へプレフィックスのサブセットを移すことを決定したとする。本発明の好適な実施の形態によれば、MN809は、あるインタフェース(例えばIF1)に割り当てられたプレフィックスの一部のみをMAG808に接続している別のインタフェース(例えばIF2)に移すために、関連するAPN情報を含むプレフィックス再利用要求を送信することが可能である。
以下、図8Bに図示されているメッセージシーケンスチャートを参照しながら、拡張プレフィックス再利用要求方法の動作の一例について説明する。図8Bにおいて、MN809はMAG807に接続されており、例えば、RA811内に4つのプレフィックス(P1、P2、P3、P4)を確認したとする。割り当てられるプレフィックスは、例えば、LMA805及びLMA806などの異なるLMAに対する2つのPBU/PBA動作によって取得される。
ここで、MN809は、プレフィックスP1を新たに起動したインタフェースへ移そうとしているとする。プレフィックスP1は、LMA805に接続されたPDNからのサービスへアクセスできるように割り当てられているので、MN809は、関連するAPN情報が付加されたプレフィックス再利用要求メッセージ812(一部のプレフィックスをハンドオフさせるトリガ)をMAG808へ送信する。すなわち、このメッセージ812には、APN1の情報が含まれているとともに、関連するプレフィックスP1の情報が埋め込まれている。
MAG808は、メッセージ交換813に示されているように、まず、HSS/AAA810との間で新たな接続のためのアクセス認証及び認可を実行する。認証に成功すると、MAG808は、メッセージ812内のAPN1の情報からLMA805を正しく特定し、プレフィックス再利用要求メッセージ814(PBU−再利用要求)をLMA805へ送信することが可能である。
なお、ここでは、MN809が1つのプレフィックスのみ(プレフィックスP1)を新たなインタフェース(IF2)へ移す場合がについて説明したが、MN809は、より多くのプレフィックス(例えば、プレフィックスP1及びP4)を移すことを決定した場合には、レイヤ2のトリガ816(一部のプレフィックスをハンドオフさせるトリガ)にプレフィックスP1及びP4に関連するAPN情報を含ませることが可能である。なお、上述のように、プレフィックスP1はLMA805を論理的な基点とし、プレフィックスP4はLMA806を論理的な基点とする。
MAG808は、APN1及びAPN2の情報を解析してLMAのアドレスを特定すると、2つのセットのプレフィックス再利用要求のPBUをLMA805及びLMA806へ送信する(PBU817をLMA805へ送信し、PBU819をLMA806へ送信)。なお、図8Bにおいて、各LMA805、806からの応答は、PBA818及びPBA820に示されている。
なお、この例では、APNの情報は単一のLMAに帰着される場合を考慮しており、LMA群(すなわち、APNの情報から複数のLMAが特定される場合)は考慮されていない。しかしながら、ここで説明した拡張プレフィックス再利用要求方法は、LMA群の場合においても利用可能である。この場合、MAG808は、APNを解析して単一のAPNに関連するLMA群のアドレスを特定し、さらにHSS情報を待機及び参照して、プレフィックスに関連する正しいLMAアドレスを特定する。このとき、認証/認可の交換813の間に、モバイルノードが使用していたLMAのアドレスがMAG808へ提供されてもよい。MAG808は個々のAPNを解析して、HSS/AAA810から提供される正しいLMAのアドレスと照合することが可能である。
例えば、APN1がLMA805A、805B、805Cに帰着され、HSS/AAA810が認証交換813の間にLMA805及びLMA806のアドレスを提供した場合、MAG808は、LMA805として正しいLMAのアドレスを特定でき、特定されたLMAに対してプレフィックスP1に関するプレフィックス再利用要求PBUを送信することが可能となる。
次に、複数のインタフェースが完全に接続された場合のAPN情報を用いた拡張プレフィックス再利用要求方法について説明する。複数のLMAが使用されている構成において、モバイルノードが複数の接続インタフェースを有している場合に、APN情報を含む拡張プレフィックス再利用要求方法を用いることができる。以下、図8Cを参照しながら説明する。
図8Cでは、MN809がすべてのインタフェースを同時に使用して、図8Aに示すNetLMMドメイン802へ接続する場合を考える。また、MN809は、PDN(例えば、LMA805に接続されているPDN800、LMA806に接続されているPDN801)からのサービスを取得しようとしているとする。さらに、MN809のIF1は、無線アクセスネットワーク804を通じてMAG807に接続されており、MN809のIF2は、無線アクセスネットワーク803を通じてMAG808に接続されている。
なお、この実施の形態では、MN809が複数のインタフェースを介して無線アクセスネットワークに接続されているが、当業者であれば、本明細書に記載されている方法は、アクセスネットワークのタイプに制限されるものではなく、さらには、モバイルノードが有線アクセスネットワークに直接接続される場合においても適用可能であることは明らかである。
この例では、MN809は、第1インタフェースIF1上で2つのプレフィックスP1及びP3をMAG807から受信し、PDN800及びPDN801のそれぞれからPDNサービスへアクセスすると仮定する。これらのプレフィックスは、PBU/PBAメッセージ821、822のそれぞれによって提供される。さらに、MN809は、第2インタフェースIF2上で2つのプレフィックスP2及びP4をMAG808から受信し、PDN800及びPDN801のそれぞれからPDNサービスへアクセスすると仮定する。これらのプレフィックスは、PBU/PBAメッセージ824、825のそれぞれによって提供される。これは、プレフィックスP1、P2がLMA805を論理的な基点にし、プレフィックスP3、P4がLMA806を論理的な基点とすることから明らかである。
MAG807は、LMA805、806からPBAを受信した後、プレフィックスP1、P2を通知するRA823を送信する。また同様に、MAG808は、LMA805及びLMA806からPBAを受信した後、プレフィックスP3、P4を通知するRA826を送信する。
ここで、接続インタフェースが完全に接続している場合においてプレフィックス再利用要求を実行する決定を行うことを説明する前に、複数インタフェースを同時に使用して異なるLMAによって管理されている複数のPDNからのサービスへアクセスするユースケースについて考察する。例えば、MN809は、図8Aに示される2つのPDN800、801に配置されている複数のピアノードとの間で複数のフローを開始しようとしているかもしれない。例えば、このようなフローとして、4つのフロー(2つはPDN800に接続されており、別の2つはPDN801に接続されている)を考える。
この場合、4つすべてのフローがあるインタフェースに割り当てられて特定のアクセス技術経由での負荷を増加させるより、MN809の複数のインタフェース間でこれらのフローの負荷バランスを行うほうが有益であると考えられる。フローに関する基本的な負荷バランスを実現した後、MN809が接続されているアクセスネットワークの条件が変化した場合には、MN809は、フロー性能又はフローに関連するQoSを改善するため、及び/又は、負荷バランスの動作を改善するために更なる最適化を望む可能性がある。このとき、MN809は、あるプレフィックスに関連するフローを、接続状態にある別のインタフェースへ移すことを望むかもしれない。これによって、ネットワーク輻輳によるフローの遅延やハンドオーバによる遅延を避けることができるかもしれない。
また、MN809のインタフェースにおける均一ではないアクセスネットワーク状態のために負荷バランスを行うものであってもよい。例えば、あるアクセスネットワークが別のアクセスネットワークより利用可能な帯域幅が大きい場合には、MN809は、あるプレフィックスに関連するフローをより余裕のある帯域幅を持ったアクセス技術へ移すことで、非均一な環境における負荷バランスの実現を望むかもしれない。なお、非均一な環境は、例えば、モバイルノードが特定のインタフェースを通じて接続されている任意のアクセス技術が、モバイルノードが別のインタフェースを通じて接続されている他のアクセス技術よりも輻輳している状態などである。
その結果、MN809は、元々はIF1へ割り当てられていたプレフィックスP1をIF2経由となるように移すことを決定すると、図8Cに示されているプレフィックス再利用要求メッセージ827を送信する。このメッセージ827には、プレフィックスP1とAPN1の情報とが含まれている。
MAG808は、このメッセージ827を受信すると、APN1を解析してLMA805のアドレスを特定する。MAG808は、プレフィックス再利用要求PBU828をLMA805へ送信し、プレフィックスP1を移すよう要求することが可能である。LMA805は、プレフィックスP1を移すことを承認すると、その応答であるPBA829をMAG808へ送信し、IF1からプレフィックスP1を取り除く取り消しメッセージ830(プレフィックスP1のみを部分的に取り消すためのメッセージ)をMAG807へ送信する。
この取り消しメッセージは、プレフィックスのサブセットの削除を示すフラグがセットされたPBAを利用して送信されてもよく、あるいは、非特許文献7に開示されているバインディング取り消しメッセージに、プレフィックスのサブセットの削除を示す新たなフラグを設けたものを利用して送信されてもよい。
なお、この場合には、ある接続インタフェースから別のインタフェースへ1つのプレフィックスを移す場合を示しているので、APN情報を使用することが有用である。このように、HSSに関連するシグナリングを行わずにプレフィックスを移す場合には、モバイルノードが送信するAPNとプレフィックスとのマッピングは、正しいLMAを特定するために非常に有用である。
次に、複数のPDNがAPNを共有する場合のAPNを用いた拡張再利用プレフィックス要求方法について説明する。本発明の好適な実施の形態において、APN情報を用いた拡張プレフィックス再利用要求方法は、単一のAPNに関連して複数のPDNが存在する環境においても利用可能である。このような環境は、非特許文献5に開示されているが、非特許文献5では、複数のPDNに単一のAPNが割り当てられている場合に、同一のAPNが割り当てられているPDNが同一のLMA又はP−GWによって管理される必要があると記載されている。
1つのシナリオ例は、MNが1つのAPNで指定されるPDNドメインに、複数のPDNコネクションを確立してサービスを享受するものである。こうした単一PDNへの複数PDNコネクションは、3GPPアクセス手段を持たない複数の端末がMNに関連付けられている場合に、MNによって確立されることがある(例えば、それらの端末はUSIM(Universal Subscriber Identity Module)のような契約情報などを含み端末認証を実施するための媒体を有していなかったりする場合など)。
他のシナリオ例は、それまで(例えば、ハンドオーバ前など)MNがIPv4アドレスと IPv6プレフィックスを含むPDNコネクションを有していたが、それぞれのアドレス/プレフィックスに基づくコネクションを、別々のPDNコネクションとして扱いたい場合が挙げられる。
以下、図9を参照しながら、単一のAPNに関連して複数のPDNが存在する場合に本発明を使用する場合について説明する。図9では、最初に、MN911がインタフェースの1つ(例えばIF1)を介してMAG909に接続されているとする。MN911は、PDN901、902、904、905からサービスを受信するようサービスに加入しているとする。
PDN901、902は同一のAPN群(APN cloud)900に属している。これは、PDN901、902に同一のAPN(例えば、APN1)が割り当てられていることを意味している。また、PDN904、905は同一のAPN群903に属している。これは、PDN904、905に同一のAPN(例えば、APN2)が割り当てられていることを意味している。
MN911は4つのPDN901、902、904、905からサービスを受信するようサービスに加入しているので、IF1を介してNetLMMドメイン(PMIPv6ドメイン)908に接続する際には、MAG909がLMA906及びLMA907のそれぞれに1つのPBUを送信する。LMA906は、PDN901、902からのサービスにアクセスするためのゲートウェイである。LMA907は、PDN904、905からのサービスにアクセスするためのゲートウェイである。
上述のように、最初の接続で、MAG909は、LMAの情報(例えば、LMA906及びLMA905のアドレス)を、HSSから提供されるAPN1情報及びAPN2情報から取得する。なお、図9では、図面を簡素化するため、このような最初の接続に係るPBUシグナリングの詳細については明示していない。
例えば、LMA906へ送信されたPBUにはAPN1情報が含まれており、LMA907へ送信されたPBUにはAPN2情報が含まれている。
さらに、上述のLMA906、907のいずれかがPBUを受信すると、そのLMA906、907は、PBUに挿入されているAPN(APN1、APN2)が複数のPDNに対応することを把握する。そして、LMA906、907は、必要なプレフィックス(すなわち、2つのプレフィックス)をPBAによって提供する。PBA914、915に正しいプレフィックスを割り当てる前に、LMA906は、例えば、PBUに挿入されているAPN1をPDN1、PDN2にマッピングし、同様に、LMA907はPBUに挿入されているAPN2をPDN4、PDN5にマッピングする。
MAG909から送信されるPBUは、通常の初期接続トリガ又は再登録トリガである。LMA906、907はPBUを受信した後、対応するPBA914、915をMAG909へ返信する。PBA914には、HNPオプションにプレフィックスP1、P2が含まれており、同様に、PBA915には、HNPオプションにプレフィックスP4、P5が含まれている。プレフィックスP1、P2、P4、P5は、それぞれPDN1、PDN2、PDN4、PDNからのサービスにアクセスするために使用される。MAG909は、これらのプレフィックスをPBA914、915によって受信すると、すべてのプレフィックス(プレフィックスP1、P2、P4、P5)を通知できるRA916を送信する。
ここで、MN911は、第2インタフェースIF2をMAG910に接続する際に、プレフィックス再利用要求を使用することを決定したとする。例えば、MN911は、プレフィックスP5及びAPN2を有するプレフィックス再利用要求メッセージ917を送信する。MAG910は、このメッセージ917を受信すると、プレフィックスP5に関連するLMA(LMA907)を特定することが可能である。すなわち、MAG910は、APN2を解析してLMA907のアドレスを取得する。この場合、MAG910は、プレフィックス再利用要求PBU918をLMA907へ送信し、これによって、1つのAPNが複数のPDNに割り当てられている場合においても、プレフィックス再利用要求が実現される。
次に、APN情報を用いた拡張プレフィックス再利用要求メカニズムの実行に必要なモバイルノードの機能アーキテクチャについて説明する。図2に示すルーティング部220は、例えば、ICMPv6やIKEv2プロトコルなど、様々なタイプ(プロトコル)のシグナリングに関するIPv6ルーティングサポートを提供する。これら様々なタイプのシグナリングをサポートすることによって、拡張プレフィックス再利用要求メッセージは、ICMPv6やIKEv2シグナリングメッセージなどを用いて送信可能となる。
また、図2に示すルーティングテーブル240を使用して、プレフィックス再利用要求メッセージが埋め込まれた上記シグナリングメッセージが発送される。ここでは、図2に示すプレフィックス検出モジュール250は、2つの追加機能を有している。第1の追加機能は、プレフィックス再利用要求メッセージを実現する際にAPN情報を必要とすることを決定するための決定機能である。第2の追加機能は、プレフィックス再利用要求メッセージを送信する際に、プレフィックス再利用要求メッセージ内に用いられるべきプレフィックスを特定し、APNとプレフィックスとをマッチングする機能である。
また、プレフィックス再利用要求メッセージを送信するプレフィックス管理部260は、L3シグナル又はL2シグナルを用いてメッセージを送信するかどうかを決定する機能を有している。さらに、プレフィックス管理部260は、プレフィックス及びAPNをグループ化し、ルーティング部220又は機能モジュール(ネットワークインタフェース210)に実装されているL2レイヤ220におけるルーティングメカニズムを用いて、関連するシグナリングを構築する追加機能を有している。
また、図2に示すシグナリングインタフェース292は、特にプレフィックス再利用要求メッセージをL2経由で送信する必要がある際にプレフィックス再利用要求メッセージを処理するシグナリングインタフェースである。例えば、適切かつセキュアなL3のモバイルノード−MAGインタフェースが存在しない場合には、接続シグナリング又は新たなL2シグナリングなどのL2シグナリングによってプレフィックス再利用要求メッセージを送信することが有用な場合もある。このような場合、プレフィックスとAPNとのマッピングは、シグナリングインタフェース292を通じて、プレフィックス管理部260からネットワークインタフェース210に実装されているL2機能へ直接送信される。なお、当業者であれば、上述したネットワークインタフェース210内の追加機能は、APNを有するプレフィックス再利用要求メッセージを実現する一例であることは明らかであり、その他の方法によって、本発明を実現することも可能である。
また、図10には、本発明の好適な実施の形態における拡張プレフィックス再利用要求メカニズムを実行するための好適なモバイルノードの動作の一例が図示されている。
モバイルノードは、最初のステップS1000において、プレフィックスのサブセットに関連するハンドオフに関して、プレフィックス再利用要求方法を実行する必要があるかどうかをモバイルノードが確認を行う。上述のように、モバイルノードは、プレフィックスのサブセットに関連するフローに関して、負荷バランスやより良いQoSを実現するためにプレフィックス再利用要求のハンドオフを実行してもよい。
このステップS1000においてプレフィックス再利用要求方法を実行する必要がないと判断された場合には、ステップS1001において、通常の垂直ハンドオフ処理が実行される。この通常の垂直ハンドオフ処理では、垂直ハンドオフにおいて、あるインタフェースから別のインタフェースへすべてのプレフィックスを移すことを示している。
一方、ステップS1000においてプレフィックス再利用要求方法を実行すると判断された場合には、ステップS1002における別の判断処理が行われる。すなわち、ステップS1002において、モバイルノードは、複数インタフェースのモバイルノードがプレフィックス再利用要求メッセージにAPN情報を付加すべきかどうかを判断する。なお、モバイルノードは、複数のLMAを使用してNetLMMドメインのサービスにアクセスすることが予測できる場合に、プレフィックス再利用要求メッセージにおいてAPNを提供するかどうかを判断してもよい。RA内のフラグによって複数のLMAが使用されるという情報がMAGから提供される場合や、モバイルノードが静的にあらかじめ構成された情報(モバイルノードに関連したサービスに関して複数のLMAの使用を特定するPLMNの識別子又はNetLMMドメインの識別子)を有している場合などに、モバイルノードは、複数のLMAの使用を予測することができる。また、複数のLMAを使用する環境において、MAGが異なるPBUからプレフィックスを取得することによって、MAGから送信されるRAが異なる時間にモバイルノードに届けられてもよい。
同一インタフェースに割り当てられたプレフィックスを運ぶRAが、時間をずらして到着によって、モバイルノードは、複数のLMAを使用してNetLMMドメイン内のサービスにアクセスすることを予測することが可能となる。なお、モバイルノードがこのNetLMMドメイン内のMIPv6モードを使用し、異なるホームエージェントを使用している場合には、モバイルノードは、このドメインで複数のサービスにアクセスするために複数のLMAが使用されていることを把握することが可能となる。この場合、LMAはHA機能も有しており、実際には、1つの物理的なエンティティにおいてLMA/HAのように機能が共設されている。このように、モバイルノードは、多数の種類の情報のいずれかに基づいて複数のLMAの使用を予測することが可能である。モバイルノードは、例えば、ネットワークから提供される情報、静的に構成された情報、あるいは、短時間のうちに同一インタフェースで受信した複数のRA(あるいは、複数のプレフィックスのセットを運ぶRA)に基づいて、複数のLMAが使用されていることを決定することが可能である。こうした予測機能によって、モバイルノードはステップS1002の処理を実行することが可能である。
ステップS1002で、複数のLMAが使用されておらず、プレフィックス再利用要求メッセージにAPN情報を付加する必要はないと判断された場合には、モバイルノードは、ステップS1003において、あるプレフィックスのサブセットをメッセージ(トリガメッセージ)に埋め込んでプレフィックス再利用要求を実行する。一方、ステップS1002で、複数のLMAが使用されており、プレフィックス再利用要求メッセージにAPN情報を付加すべきと判断された場合には、ステップS1004において、どのプレフィックスがどのAPNに関連しているかを分類し、ステップS1005において、プレフィックスとAPNとのマッピングを有するシグナリングメッセージ(トリガメッセージ)を構成して送出する。
なお、このトリガメッセージは、拡張プレフィックス再利用要求メッセージが送信されるアクセスネットワークに依存し、L2メッセージであってもよく、L3メッセージであってもよい。また、アクセス技術においてL3セキュリティがサポートされている場合には、プレフィックス再利用要求メッセージと共に、ICMPv6タイプのL3メッセージが送信されてもよい。また、アクセス技術がIKEv2に関連する場合には、IKEv2シグナリングを使用してプレフィックス再利用要求メッセージが伝送されてもよい。また、アクセスネットワーク内でL3メッセージが利用できない場合には、L2メッセージの送信が行われる必要がある。
次に、本発明の好適な実施の形態において、APN情報を有するプレフィックス再利用要求メッセージを処理するためのMAGのアーキテクチャの一例について説明する。この機能アーキテクチャは、例えば、図11に示される機能モジュールによって実現される。
図11に図示されているMAG1100は、APN情報を有するプレフィックス再利用要求メッセージを処理するためのMAG機能を実現するすべてのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアを示している。図11では、MAG1100は、2つのサブモジュール(下位レイヤプロトコル部1102及びレイヤ3プロトコル部1101)によって実現され得るとする。下位レイヤプロトコル部1102は、複数の下位レイヤプロトコル部1102によって構成されている。各下位レイヤプロトコル部1102は、MAG1100が接続する任意のアクセスネットワークに関連している。この下位レイヤプロトコル部1102は主にデータリンクレイヤ及び物理レイヤに関連するモジュールである。
一方、レイヤ3プロトコル部1101は、図11に図示されているように、4つのサブモジュールによって構成される。これらのサブモジュールは、IPv6ルーティング部1103、サブセットプレフィックストリガ処理部1104、バインディングリスト部1105、PMIPv6シグナリング処理部1106である。これらのレイヤ3プロトコル部1101のサブモジュールは、図11に示すように、各サブモジュール間で、シグナリングメッセージを渡すための適切なシグナリングインタフェースを有している。
IPv6ルーティング部1103は、近隣探索、アドレス構成などを始めとして、基本的なIPv6ルーティングメカニズムの機能を有している。このIPv6ルーティング部1103では、標準のIPv6ヘッダがメッセージに付加され、メッセージから削除され、あるいは検出される。
また、サブプレフィックストリガ処理部1104は、プレフィックス再利用要求メッセージに埋め込まれているプレフィックス及び関連するAPNを抽出、収集する機能を有している。サブプレフィックストリガ処理部1104は、プレフィックス再利用要求メッセージ内のプレフィックス及び関連するAPNを抽出すると、すべてのAPNを解析し、各プレフィックスに関して正しく対応したLMAのアドレスを特定することが可能である。このサブプレフィックストリガ処理部1104は、例えば、LMAのアドレスや関連するプレフィックスなどのようなAPNから解析された情報をPMIPv6シグナリング処理部1106へ渡し、適切なLMAに対して適切なPBUを作成することが可能である。
PMIPv6シグナリング処理部1106は、PBUに関する新たなハンドオフインディケータオプション値を準備し、さらに、プレフィックス再利用のハンドオフ処理を完了する機能や、LMAから送信された取り消しメッセージのサブセットを処理する機能を有している。この取り消しメッセージは上述の実施の形態で説明したものである。取り消しメッセージの主な機能は、任意のモバイルノードに関してMAGで処理されたプレフィックスのサブセットがもはや妥当ではなくLMAによって取り消された旨をMAGに通知することである。
プレフィックス再利用要求メッセージのためのすべての準備オプションがPMIPv6シグナリング処理部1106で形成されると、このPMIPv6シグナリング処理部1106は、適切なハンドオフインディケータオプション値を有する通常のPBUを構築する。プレフィックス再利用要求メッセージが接続インタフェースを通じて送信される場合、PBUには、基本的に新たなタイプのハンドオフインディケータオプションが存在する。このオプションは、その前に接続していたインタフェースからプレフィックスを削除し、接続インタフェースに関連するバインディングキャッシュエントリにそのプレフィックスを追加することを示している。
また、プレフィックス再利用要求メッセージが新たに起動したインタフェースを通じて送信される際には、PMIPv6シグナリング処理部1106は、別の新たなタイプのハンドオフインディケータオプション値をPBUへ追加し、新たに起動したインタフェースに関して作成されたバインディングキャッシュエントリへプレフィックスを割り当てるようLMAへ要求する。
PMIPv6シグナリング処理部1106は、バインディングリストモジュール1105との間で相互に通信を行う。バインディングリスト1105には、MAGに接続されているインタフェースに関して、モビリティに関連するダウンリンク及びアップリンクのデータパケットを発送するために必要な情報が含まれる。このバインディングリスト1105には、プレフィックス再利用要求メッセージの処理によって伝送されたプレフィックスとLMAとの関連が格納される。
また、下位レイヤプロトコル部1102は、L3プロトコル部1101へのシグナリングインタフェース1113を有している。通常、シグナリングインタフェース1113を介して、下位レイヤプロトコル部1102とL3レイヤプロトコル部1101との間ですべてのシグナリング情報が渡される。シグナリングインタフェース1113を介して渡されるシグナリングは、近隣探索メッセージなどのような帯域外シグナリングであってもよく、データペイロードに付加されるプロトコルヘッダのような帯域内シグナリングであってもよい。
シグナリングインタフェース1113は、さらに、L3プロトコルモジュール1101内の任意のシグナリングインタフェース(例えば、図11に示すシグナリングインタフェース1107、1110など)に接続されている。
インタフェース1107は、下位プロトコルレイヤ部1102においてICMPv6メッセージ又はIKEv2メッセージのいずれかを受信し、IPv6ルーティング部1103へそのメッセージを渡すために使用される。IPv6ルーティング部1103は、このシグナリングメッセージを受信すると、IPv6ヘッダを削除して、シグナリングインタフェース1109を介してサブセットプレフィックストリガ処理部1104へ渡す。また、シグナリングインタフェース1111は、プレフィックス及びLMAのアドレスのパラメータをPMIPv6シグナリング処理部1106へ渡す。また、シグナリングインタフェース1112は、PMIPv6シグナリング処理部1106がバインディングリスト部1105からPBUを構成するためのパラメータを取得するために使用される。
また、L2を通じてプレフィックス再利用要求メッセージを受信した場合に、インタフェース1110は、L2メッセージからプレフィックス再利用要求メッセージを受信するために使用される。また、シグナリングインタフェース1108は、PMIPv6シグナリング処理部1106がIPv6ルーティング部1103へPBUを渡すために使用され、これにより、プレフィックス再利用要求を伝送するPBUは、適切なIPv6ヘッダを用いて構成されるようになる。なお、当業者であれば、上述のMAG1100の機能アーキテクチャは、APNを有するプレフィックス再利用要求メッセージの処理を実行する一例に過ぎないことは明らかであり、その他の構成によって、本発明を実現することが可能である。
次に、さらに別の好適な実施の形態として、プレフィックス再利用要求メッセージに関連するLMAがHSSへ通知される派生例について説明する。以下、図12を参照しながら、この派生例に係る方法や適切なシナリオ、この派生例の利点などについて説明する。
図12において、MN1200が第1インタフェースIF1を介してMAG1201に接続されており、LMA1203へ接続されているPDN及びLMA1204へ接続されているPDNからサービスへアクセスするために、LMA1203及びLMA1204からプレフィックスを取得しているとする。また、LMA1203に接続されているPDNがAPN1によって特定され、LMA1204に接続されているPDNがAPN2によって特定されるとする。
MN1200は、両方のインタフェース(IF1及びIF2)を介してNetLMMドメインへ接続されており、IF2をシャットダウンした結果、すべてのプレフィックスがIF1に割り当てられる。すなわち、MAG1201からのRAメッセージ1210には、4つのプレフィックス(P1、P2、P3、P4)が含まれる。また、プレフィックスP1及びP2は論理的にLMA1203を基点とし、プレフィックスP3及びP4は論理的にLMA1204を基点とする。
ここで、MN1200は、第2インタフェースIF2を起動してMAG1202に接続し、IF2へプレフィックスP1のみを移すとする。この場合、MN1200は、プレフィックス再利用要求メッセージ1211をMAG1201へ送信することが可能である。メッセージ1211には、プレフィックスP1に関連付けられているLMAがプレフィックスP1を取り扱っていることをHSS/AAA1205へ通知するための新たなシグナリングが含まれている。なお、HSS/AAA125に対してLMAの情報を通知する目的は、MN1200が新たなMAGへ接続する際に、プレフィックスP1を取り扱っているLMAを新たなMAGへ通知することにある。
図12において、MAG1201は、メッセージ1211を受信すると、まず、プレフィックスP1に関連するLMA1203を特定する。なお、この情報は既にバインディングリストに存在している。LMA1203のアドレスを特定した後、MAG1201は、登録解除メッセージ(PBU)1212をLMA123へ送信する。登録解除メッセージ1212には、プレフィックスのサブセット(すなわち、プレフィックスP1)の登録解除を示す新たなハンドオフインディケータオプションが埋め込まれている。なお、通常の登録解除と同様に、登録解除メッセージ1212では、バインディングライフタイムがゼロにセットされる。また、登録解除メッセージ1212のモビリティヘッダには、LMA1203のアドレスをHSSに通知するなどの更なる処理を示すフラグが含まれていてもよい。
LMA1203は、登録解除メッセージ1212を受信すると、2つの主要な動作を実行する。第1の動作は、LMA1203がIF1に関連するバインディングキャッシュからプレフィックスP1を削除することである。また、第2の動作は、例えばメッセージ1213のような新たなメッセージをHSS1205へ送信することである。この新たなメッセージ1213は、例えばIF2に関するアクセス認証を送信する際にHSS/AAA1205へ通知され、プレフィックス再利用要求においてLMA1203が使用されることを明示するためのものである。
HSS1205は、このメッセージ1213を受信すると、応答のシグナリング(ACKメッセージ)1214を送信し、これに続いて、LMA1203からMAG1201へメッセージ1215が伝送される。なお、当業者であれば、PBAメッセージ1215は必ずしもACKメッセージ1214の後で送信される必要がないことは明らかである。MN1200は、IF1へ接続されていたMAGを使用して、IF1からプレフィックスP1の再利用を要求した後、IF2をMAG1202へ接続する。また、MN1200は、IF2を介して接続すると通常の垂直ハンドオフのトリガメッセージ1216を送信する。MAG1202は、メッセージ1216に埋め込まれた新たなプレフィックス再利用要求メッセージの処理を行う際、メッセージ1217に示されているような通常のアクセス認証処理を開始する。
HSS/AAA1205は、アクセス認証の成功を示す情報を返す際に、さらに、このプレフィックス再利用要求メッセージに関係していることを示す特別なマークを付加してLMA1203のアドレスを通知する(例えば、メッセージ1217によって)。MAG1202は、この新たなトリガをHSS/AAA1205から受信すると、MAG1202がPBUを送信する必要があるLMAを把握する。そして、MAG1202は、通常の垂直ハンドオフのトリガメッセージ1218をLMA1203へ送信する。このメッセージ1218をMN1200から受信すると、LMA1203はプレフィックスP1をIF2へ移すか、あるいは、IF2に関して作成されたモビリティセッションへ割り当て、さらに、MAG1202経由のプレフィックスP1に関するプレフィックス経路を作成するためにPBAメッセージ1219を送信する。MAG1202は、PBAメッセージ1219を受信すると、RA1220を送信してIF2経由でプレフィックスP1を通知する。
この派生例は、プレフィックスP1に関して登録削除が行われるので、プレフィックスP1の垂直ハンドオフの間に、MAG1201への不要なパケットの伝送を防ぐことが可能となるという第1の利点を有する。インタフェースをシャットダウンするとともに別のインタフェースを起動することによってプレフィックス再利用方法を使用する場合には、選択的にプレフィックスの登録削除を行うことが有用である。
この派生例のようなシナリオをサポートするユースケースは、例えば、PMIPv6モビリティ管理メカニズムによるプレフィックスのセッション連続性が別のインタフェースで必要とされないことをモバイルノードが発見する場合である。これは、1つ又は複数のプレフィックスが最早使用されなくなる場合や、1つ又は複数のプレフィックスのセッション連続性が必要とされない場合(例えば、ウェブ閲覧の場合のみ)などである。例えば、プレフィックスP1に向けて送信されるパケットが、アクセスネットワークでの大きな輻輳の影響によってMAG1201で破棄され手しまうかもしれないが、この派生例によれば、こうした望ましくない状況を避けることができる。
また、無線媒体を介してLMA情報又はAPN情報が提供されないので、無線媒体を介するシグナリング量を少なくすることができるという第2の利点がある。また、LMA1203のアドレスがHSS/AAA1205から通知されるので、複数のLMAがPDNを処理し、APNから1つのLMAが解析できないLMA群のケースに対して適切に処理が行われるという第3の利点がある。また、LMA群のケースにおいて、正しいLMAを特定するためにMAGがAPNを解析してHSS情報とのマッチングを実行する必要がないので、MAGで必要とされる処理負荷が少なくなるという第4の利点がある。
次に、モバイルノードが以前のMAGからLMAを取得する派生例について説明する。本発明の好適な実施の形態において、モバイルノードが、プレフィックス再利用要求メッセージ内のプレフィックスに関するLMAのアドレスを、その前にプレフィックスが割り当てられていたインタフェースが接続していたMAG(以前のMAG)から取得し、新たなMAG又はターゲットのMAGへ渡すことが可能である。
新たなMAG又はターゲットのMAGは、移されるプレフィックス又はプレフィックスのサブセットが見出される必要があるインタフェースに接続されている。また、以前のMAGは、プレフィックスのサブセットが削除されるインタフェース(プレフィックスが移される元のインタフェース)に接続されている。なお、モバイルノードが、あるインタフェースから別のインタフェースへプレフィックスのサブセットを移すことを決定してもよい。
このような場合に、モバイルノードは、以前のMAGへ問い合わせ、プレフィックスのサブセットに関連するLMAのアドレスを取得してもよい。このプレフィックスのサブセットは、まもなく以前のMAGへ接続されているインタフェースから削除され、別のインタフェースへ移される。
モバイルノードは、以前のMAGによって提供される応答からプレフィックスのサブセットに関するLMAのアドレスを取得した後、プレフィックスのサブセットが新たに設定される必要があるインタフェースに接続されている新たなMAGへプレフィックス再利用要求メッセージを送信する。
このとき、モバイルノードは、プレフィックス及び関連するLMAのアドレス情報をターゲットのMAGへ提供する。例えば、ターゲットのMAGへ送信されるプレフィックス再利用要求メッセージに関連付けるプレフィックスが2つ存在する場合には、モバイルノードは、2つのLMAアドレス(各プレフィックスに付加されているアドレス)を提供する。その結果、ターゲットのMAGは、どのプレフィックス再利用PBUがどのLMAへ送信される必要があるかを把握する。
ターゲットのMAGへ提供されるプレフィックス再利用要求メッセージに、例えば[P1、LMA1]及び[P2、LMA2]のような情報が含まれている場合には、ターゲットのMAGは、HNPオプション及びプレフィックス再利用要求を示すための新たなHI(Handover Initiation)オプションにプレフィックスP1を挿入したプレフィックス再利用要求PBUをLMA1へ送信する。また同様に、ターゲットのMAGは、HNPオプション及びプレフィックス再利用要求を示すための新たなHIオプションにプレフィックスP2を挿入したプレフィックス再利用要求PBUをLMA2へ送信する。
この方法では、アクセス認証に関連するHSS/AAAが必要ではない。したがって、あるインタフェースから別のインタフェースへプレフィックスを移す場合に、コアネットワークでのシグナリングが低減され、有用である。また、モバイルノードは、CMIPv6の動作が可能であり、LMAのアドレス(すなわち、HAのアドレス)を把握している場合には、LMAのアドレスを取得するための追加のシグナリングは必要ない。また、正しいLMAアドレスを特定するためにAPNが解析される必要はないので、ターゲットのMAGにおける処理負荷も低減される。
なお、LMA群のケースでは、ターゲットのMAGはHSS/AAAから情報を取得して、正しいLMAのアドレスを特定する必要があるが、LMAのアドレスがモバイルノードから通知される場合には、ターゲットMAGにおいて追加の処理は必要なくなる。また、モバイルノードは、コンテキストトランスファーメカニズムを利用して新たなMAGへプレフィックス再利用要求メッセージを伝送させる際に、以前のMAGがLMAのアドレスを通知するようにしてもよい。
なお、上記の本発明の実施の形態において、プレフィックスの種類を3つ挙げて説明したが、他にも様々な特性のプレフィックスを扱うことが考えられ、このような様々な特性のプレフィックスに対して本発明は適用可能である。例えば、ローカルブレイクアウト用プレフィックスは、MN100が来訪ドメイン(visited domain)に接続している際にホームドメイン経由ではなく、直接、来訪ドメインの管理するプレフィックスを得ることで、ネットワーク接続を行うためのものである、一般に、ローカルブレイクアウト用プレフィックスは維持されないローカルプレフィックスに類似しているが、ローミング関係の構成によってはプレフィックスの維持が可能なものがあるかもしれない。ローカルブレイクアウト用プレフィックスに関しては、詳細な扱い方の差異も含め、アドレスの要求ができるようにすることが望ましい。
また、同一モビリティ管理ドメインでの複数プレフィックス利用に関わるプレフィックスが存在する。それぞれのプレフィックスは主に異なるPDN(Packet Data Network)から、異なるサービス用途(音声、映像、データ、アップロード、ダウンロードなどの各用途)で提供される。これらのサービスと、プレフィックスの維持の必要性、サービス(セッション)のネットワークインタフェースをまたぐハンドオーバー(同一プレフィックスの割り当て)などの利用方法によって、使い分けが可能である。さらには、MN100のネットワークインタフェースがネットワークに接続して初めて割り当てられるプレフィックス(デフォルトのプレフィックス)のほかに、あらかじめ必要と思われるプレフィックスの割り当て(準デフォルトのプレフィックス)及び、使用予定のないプレフィックスの削除においても、本発明を適用することが可能である。
なお、ここでは、本発明は、最も実用的かつ好適であると考えられる実施の形態で開示及び説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱しない程度において、設計事項やパラメータの詳細に関して様々な変更が加えられてもよいことが分かることは明白である。
例えば、本明細書では、MN100のネットワークインタフェースが複数であることを前提に説明を行っている部分があるが、本発明を実施する際の論理的なインタフェースが複数あればよい。例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のネットワークインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、ここでは、図示されているような簡単なネットワーク構成に基づいて本発明の説明を行ったが、モビリティ管理ドメインの構成は、複数オペレータ間のローミング関係も含めて多岐に亘ることが考えられる。例えば、MAGがMN100の直接的なアクセスルータである構成又は、MAGが異なるアクセスネットワーク(ローミングを含む)との境界ルータであり、MN100はいったんその異なるアクセスネットワークに接続した後、そのアクセスネットワークを介して境界ルータであるMAGに接続するという構成が考えられる。しかしながら、いずれの構成又は条件の場合においても、様々なパラメータ又はMN100からMAGへの到達手順、MNの通信手順などの設計部分が異なるものの、本発明の動作に関しては同様に適用可能であることは明白である。
MN100は、複数の通信デバイスから構成されるものであってもよく、例えばパーソナルコンピュータなどの電子計算機に外挿型あるいは組み込み型の3GPP通信用デバイスモジュール又は非3GPP通信デバイスモジュールを装着する場合などがあり、こうした多様なMN100においても本発明は同等の効果を有するものである。また、上記の本発明の実施の形態では、MN100が送受信部を介して基地局と無線通信を行うことを前提に説明を行っているが、MN100が基地局相当のアクセスポイントと有線通信を行うものであってもよく、アクセスポイント間の切り替えにおいて同等の効果を有するものである。
また、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくし、プレフィックスが効率的に利用されるようにするという効果を有し、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に適用可能であり、特に、通信相手ノードと通信を行う移動端末が複数のアドレスを有する場合における通信技術や、ネットワークドメインがネットワークベースのローカルモビリティ管理を行っている場合における通信技術に適用可能である。
本発明は、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に関する。本発明は、特に、通信相手ノードと通信を行う移動端末が複数のアドレスを有する場合と、ネットワークドメインがネットワークベースのローカルモビリティ管理を行っている場合におけるプレフィックス割り当て管理システム及び移動端末並びにプレフィックス割り当て管理装置に関する。
現在、多数のモバイル機器(UE:ユーザ機器、以下、モバイルノードも同義の用語とする)が、インターネットプロトコル(IP;Internet Protocol)を用いて相互に通信を行っている。モバイル機器のモビリティサポートを実現するため、IETF(Internet Engineering Task Force)では、モビリティサポートに関する技術(下記の非特許文献1を参照)が進展してきた。
非特許文献1に開示されているモバイルIPでは、各モバイルノードは不変のホームドメインを有している。モバイルノードがホームネットワークに接続されている場合には、ホームアドレス(HoA:Home Address)と呼ばれるプライマリグローバルアドレスがモバイルノードに割り当てられる。一方、モバイルノードがホームネットワークから離れている場合、すなわち、別の外部ネットワーク(foreign network)に接続されている場合には、通常、気付アドレス(CoA:Care-of Address)と呼ばれる一時的なグローバルアドレスがモバイルノードに割り当てられる。
モビリティサポートの考え方は、モバイルノードが別の外部ネットワークに接続されている場合であっても、ホームアドレスによってモバイルノードに到達可能となるようにすることである。これは、非特許文献1において、ホームネットワークへのホームエージェント(HA:Home Agent)と呼ばれるエンティティの導入によって実現される。モバイルノードは、バインディングアップデート(BU:Binding Update)と呼ばれるメッセージを用いて、自身の気付アドレスをホームエージェントへ登録する。これにより、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとの関連(バインディング)を作成することが可能となる。ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスあてのメッセージを受信(intercept)し、パケットカプセル化を利用してモバイルノードの気付アドレスへパケットを転送する機能を有する。なお、パケットカプセル化は、パケットを新たなパケットのペイロードに配置することであり、パケットトンネリングとも呼ばれる。
モバイルIPによってモビリティの問題は解決するが、別の問題が生じることになる。例えば、モバイルノードは、BUメッセージをホームエージェントへ送信する必要が生じ、モバイルノードが速い速度で移動している場合には接続ポイントの変更も頻繁に起こるため、生成及び送信されるBUメッセージの数がかなり多くなってしまう。また、モバイルノードからホームエージェントまでの距離が長くなってしまう可能性があり、その結果、モバイルノードから送信されたBUメッセージがホームエージェントに到達するまでに時間を要してしまう可能性がある。ホームエージェントが、BUメッセージによるモバイルノードの更新後の気付アドレスへのパケット転送を開始するまでに、モバイルノードは、その場所(BUメッセージによって更新される気付アドレス)から離れてしまうかもしれない。
このような理由から、下記の非特許文献2や下記の特許文献1、2に記載されているようなネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM:network based local mobility management)を利用する提案が行われている。このNetLMMでは、モバイルノードは、ローカルネットワークドメイン内で接続ポイントを変更する場合に同一のアドレスを使用し続けることが可能であり、BUメッセージをモバイルノードのホームエージェントへ頻繁に送信する必要がなくなる。
ここでは、ローカルモビリティアンカ(LMA:Local Mobility Anchor)、多数のモバイルアクセスゲートウェイ(MAG:Mobile Access Gateway)、AAA(Authentication, Authorization and Accounting:認証、認可及び課金処理)サーバがローカルネットワークドメインに配置されることで、ネットワークベースのローカルモビリティ管理が提供される。
MAGは、モバイルノードが接続するアクセスルータとして機能する。モバイルノードがMAGへ接続するたびに、MAGは、まずAAAサーバによって資格の検証を行い、モバイルノードがローカルモビリティドメインのサービスの利用に関して認可されているか否かを確認する。次に、AAAサーバは、モバイルノードが割り当てられるべきアドレス又はプレフィックス(ネットワークプレフィックス)に関する情報をMAGへ通知する。これにより、MAGは、ホームネットワークプレフィックス(HNP:Home Network prefix)と呼ばれるモバイルノード固有のプレフィックスをモバイルノードへ通知することが可能となる。
同時に、MAGは、ローカルモビリティアンカのアップデートを行うことで、モバイルノードへ割り当てられたプレフィックスあてのパケットが、モバイルノードが現在接続されている適切なMAGへトンネル可能となるようにする必要がある。これは、MAGがプロキシバインディングアップデート(PBU:Proxy Binding Update)メッセージをLMAへ送信することによって行われる。LMAは、このPBUメッセージに基づいて、モバイルノードが使用するアドレスとMAGのアドレスとの関連付けを行う。この方法は、MAGがモバイルノードのプロキシとしてBUメッセージの送信を行い、LMAがローカルネットワークドメインにおけるモバイルノードのホームエージェントとして機能することから、プロキシモバイルIPと呼ばれることもある。
このように、モバイルノードが現在どのMAGに接続されているかにかかわらず、モバイルノードは、常に同一のホームネットワークプレフィックスの通知を受けるため、アドレスを変更する必要がない。その結果、モバイルノードは、ローカルモビリティドメイン内に存在している限りは、BUメッセージをホームエージェントへ頻繁に送信する必要がなくなる。実際、モバイルノードが異なるネットワークドメイン間を移動する際にアドレスの到達可能性を維持しなくてもよい場合又は、同一のローカルネットワークドメイン内でのみ移動を行う場合(同一のローカルネットワークドメインから離れない場合)には、モバイルノードは、グローバルホームエージェントを有する必要もなく、また、BUメッセージを送信する必要もない。
また、ネットワークベースのローカルモビリティ管理と同様の考え方は、例えば、下記の特許文献3、4又は下記の非特許文献3に記載されている階層的モバイルIPv6(Hierarchical Mobile IPv6)のように、モバイルノードがローカルアンカポイントへバインディングアップデートを送信することによっても実現可能である。
一方、様々な無線技術が現在進展しており、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)セルラーインタフェース(cellular interface)、無線イーサネット(登録商標)802.11インタフェース、WiMax802.16インタフェース、ブルートゥース(登録商標)インタフェースなどの多数の様々なアクセスインタフェースを備えるモバイル機器が増加するであろう。こうした複数のインタフェースを有する機器をローカルモビリティ管理においてサポートするための方法として、例えば、下記の特許文献5に記載の技術のように、複数のアドレスや複数のプレフィックスを割り当てる方法が挙げられる。
また、一般的に、負荷バランスのために、NetLMNドメインのようなローカルモビリティ管理ドメインには複数のLMAが配置されることがある。例えば、配置された各LMAが、NetLMNドメインに接続されている1つ又は複数のパケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)を管理し、また、NetLMNドメインにはPMIPv6プロトコルが実装される場合が考えられる。これらのパケットデータネットワークによって、モバイルノードは、NetLMNドメインで異なるタイプのデータサービスを取得することが可能となる。また、モバイルノードは1つ又は複数のPDNからサービスを取得することができる。
このようなPDNサービスの使用は、静的に構成されてもよく、モバイルノードによって動的に交渉されてもよい。静的に構成された場合には、静的な構成に関連したサービス(デフォルトのサービス)に関して、モバイルノードが明示的に要求することなく、デフォルトのサービスに関するPDNの接続がシステムによって確立される。一方、非デフォルトのPDNサービス又は動的に取り決められた(追加の)サービスに関しては、モバイルノードは、特別なサービス又は接続時にPDNとの接続を要求する必要があるかもしれない。要求されたサービスは、モバイルノードに提供されることになる。
このようなタイプのPDN又はサービス要求モデルは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)などの標準化団体で使用されている。複数のLMA及び複数のPDNのシナリオでは、後述の2つの負荷バランスモデル(負荷バランスを考慮したネットワークの構成方法)が存在する。こうした負荷バランスモデルを使用することで、NetLMNドメイン内の負荷を複数のローカルモビリティアンカへ等しく(あるいは、意図的に不均等に)分散することができると考えられる。
上記の第1のモデルでは、1つ以上のPDNが単一のLMAによって管理され、LMAがNetLMNドメイン内に配置される。この負荷分散モデルは、システム内のモバイルノードが、ある時間内、又は、ある期間の任意の点において異なるサービスを使用しており、その結果、異なるLMAによって管理されることに基づいて負荷バランスが実現される。したがって、PDNサービスにアクセスする期間に異なるLMAを使用することによって、複数のLMAにおける負荷バランスが実現される。この負荷バランスモデルでは、ある種類のPDNサービスが、常に単一のLMAによって提供される。
一方、別の負荷バランスモデルは、1つ以上のPDNが1群のLMAによって管理されるものであり、NetLMNドメインには複数のLMA群が含まれている。このような複数のLMA群が含まれるモデル(群モデル:farm model)では、群内のすべてのLMAが、その郡内の任意のLMAに接続されているPDNの管理を行う。この群モデルと上述のモデルとの主な違いは、群モデルでは、モバイルノードの接続状態に変更がない場合であっても、モバイルノードに関連するバインディングキャッシュが郡内のLMA間で動的に渡されるという点である。基本的に、群モデルでは、モバイルノードに提供されるPDNサービス又はPDNサービスへアクセスするためのプレフィックスが、複数のLMAによって管理される。しかしながら、時間内の任意な点において、LMAは1つのみサービスを担当し、NetLMNドメイン内におけるモバイルノードの移動時間において郡内の様々なLMAへ制御が渡される。こうした群モデルによる動作が必要な場合には、LMAに関連するバインディングキャッシュは別のLMA及びモバイルノードのインタフェースが接続されているMAGへ渡されて、新たなLMAへ通知される必要がある。
非特許文献4に記載されている現在のPMIPv6プロトコルでは、モバイルノードへ割り当てられるホームネットワークプレフィックスが複数の異なるLMAによって管理され得る場合や、複数の異なるLMA間で転送され得る場合の動作は明示的にはサポートされていない。NetLMMドメインで取り扱われるプレフィックスが単一のトップレベルプレフィックスから得られるものであるならば、データルーティングに何ら影響を与えることなく、LMA間でプレフィックスの受け渡しが行われ得る。LMAに割り当てられるプレフィックスがトポロジ的に独立したプレフィックスグループであるならば、LMA間でのプレフィックスの受け渡しは、そのプレフィックス宛のパケットの効率的なルーティングにより実現される。
3GPPにおいては、モバイルノードのモビリティを管理する複数のLMAがNetLMMドメイン内に配置されることが検討されている。3GPPでの複数のLMAの配置に関する詳細及びユースケースは、非特許文献5及び非特許文献6で言及されている。非特許文献5では、3GPPアクセス経由及び非3GPPアクセス経由でのモバイルノードの接続が説明されており、非特許文献6では3GPP特有のアクセス経由でのモバイルノードの接続が説明されている。
この3GPP特有のアクセスは、LTE(ロングタームエヴォルーション;Long Term Evolution)アクセス、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access network)アクセス、GPRS(General Packet Radio Service)アクセス、CDMA(Code Division Multiple Access)2000アクセスなどである。また、上記の非3GPPアクセスは、WLANアクセスやWiMAXアクセスなどである。
3GPPサービスアーキテクチャのフレームワークにおいて、3GPPコアネットワークにおけるP−GW(PDN Gateway)と呼ばれるLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)が、PDNからのサービスをモバイルノードに提供するゲートウェイとして機能する。複数のLMAが配置される3GPPアーキテクチャにおいても、LMAの配置やそのシナリオは3GPPのみに限定されるものではなく、任意のネットワーク(複数LMA配置を使用し、PMIPv6と同様のローカルモビリティ管理メカニズムを使用するネットワーク)に適用可能である。また、現在、3GPPシステムに対して規定されるLMAの負荷バランスのアーキテクチャは多数存在する。
また、3GPPに関するアーキテクチャの一例として、例えば、単一のパケットデータネットワークが任意のLMAによって管理されてもよく、複数のLMAがNetLMMドメインに存在してもよい。また、複数のパケットデータネットワークが単一のLMAによって管理され、NetLMMドメインが複数のLMAによって構成されている別のアーキテクチャも存在する。3GPPで想定される別のアーキテクチャにおいては、複数のLMAの群が単一のパケットデータネットワークを管理することが可能であり、NetLMMドメインは複数のPDNを管理する複数のLMA群によって構成される。また、別のアーキテクチャとして、複数のLMA群がNetLMMドメインに存在しており、各LMA群が複数のPDNを管理する構成も存在する。
上述のすべてのアーキテクチャにおいて、NetLMMドメイン内の各MAGは、各LMAに対して確立されるトンネルを有しているか、あるいは、各LMAへのトンネルを動的に確立することが可能である。
複数インタフェースのモバイルノードがNetLMMドメインへ接続する場合、モバイルノードは、同一LMA又は異なるLMAへ複数インタフェースを介して接続されてもよい。これは、システム内で使用される負荷バランスモデル、モバイルノードが加入するサービス(又はPDN)、群ケースのシステムによるLMA割り当てポリシー、特定のアクセス技術タイプに関連するサービスタイプに対するモバイルノードのプリファレンスなどに依存する。
複数のLMAが存在する場合における同時接続動作を更に理解するため、図7Aにおいて、複数インタフェースを有するモバイルノードがNetLMMドメインへ接続しており、インタフェースに適切なプレフィックスが割り当てられている状態が図示されている。
図7Aに図示されているNetLMMドメインには、PMIPv6プロトコルが実装されている。図7Aに図示されているNetLMMドメイン702Aは、例えば、3GPP特有のPLMN(Public Land Mobile Network)である。NetLMMドメイン702Aが3GPP内のサブドメイン(すなわち、PLMN)の場合には、図7Aに図示されているMAG707Aは、3GPPアクセスのMAGとして機能するサービングゲートウェイ(S−GW:Serving Gateway)であってもよく、あるいは、WiMAXアクセスネットワークのMAGとして機能するアクセスゲートウェイであってもよく、非信頼WLAN(untrusted WLAN)アクセスのMAGとして機能するePDG(evolved Packet Data Gateway)であってもよい。
図7Aに示すMAG708Aは、MAG707Aが管理する無線アクセスネットワーク704Aとは異なるタイプの無線アクセスネットワーク703Aを管理する。NetLMMドメイン702Aが3Gに特化しているなら、MAG703Aは、例えばS−GW、ePDG、AGWなどのゲートウェイである。図7Aでは、MN709Aは2つのインタフェース(例えば、LTEインタフェースとWiMAXインタフェース)を有しており、NetLMMドメイン702Aに接続している。
MN709Aは、ポイントトゥーポイント又はトンネルにより、インタフェースの一方を介してMAG707Aへ直接接続する。また、MN709Aは、別のインタフェース(例えば、WiMAXインタフェース)によってMAG708Aへ接続し、さらに、MAG708Aに対して直接リンク、ポイントトゥーポイントリンク、又は、トンネルなどを保持し得る。なお、本明細書では、アクセスネットワーク704Aへ接続するインタフェースは、第1インタフェース(IF1)と記載し、アクセスネットワーク703Aへ接続するインタフェースは第2インタフェース(IF2)と記載することがある。
このNetLMMドメイン702Aでは、MN709Aは、複数のPDN(例えば、PDN700A及びPDN701A)からサービスを取得する申し込みを行っている。これらのPDN(すなわち、PDN700A及びPDN701A)によって提供されるサービスは、モバイルノードが必要とするデフォルトのサービスであると考えられる。しかしながら、当業者であれば、モバイルノードが明示的な方法でサービスを要求する場合であっても、ここで説明する動作が実現されてもよいことは明らかである。
また、PDN700Aは、LMA705Aによって管理されており、PDN701AはLMA706Aによって管理されていると考えられる。最初に、MN709AはIF1を通じてNetLMMドメイン702Aに接続し、MAG707に接続する。例えば拡張UTRAN(E−UTRAN又はLTE)におけるアクセス技術特有の動作によって接続処理がトリガされた場合には、認証に成功した後、MN709Aが加入しているサービスがモビリティマネジメントエンティティ(MME)からMAG707Aへ通知される。このMMEは、ホーム加入者サーバ(AAAサーバとして機能するHSS)へのインタフェースを有しており、加入者情報(例えば、サービス)及び認証成功を示す情報が、このインタフェース経由でホーム加入者サーバからMMEへ渡される。なお、MN709Aが、最初NetLMMドメイン702Aへ接続していると仮定すると、アクセス認証中に送信されるHSS情報には、MN709Aに関連するLMAのアドレスが必ずしも含まれているわけではない。
また、3GPPでは、サービス加入者情報又はサービス情報は、通常、アクセスポイントネーム(APN:Access Point Name)と呼ばれるパラメータによって表される。このAPN情報は、通常HSSに格納されており、認証に成功するとMME経由でMAGへ通知される。なお、NetLMMドメイン702AのPDNに関連するAPN値はデフォルトのAPNであり、モバイルノードは接続処理の間にこうしたAPN値を明示的に要求する必要はない。APN値の通知を受けると、MAGは、APNによって特定されるサービスに関連した正しいP−GWアドレスを特定するために、MAGに実装されている解析機能を用いてAPNを解析することが可能である。
図7Aにおいて、MN709Aは、両方のPDN(PDN700A及びPDN701A)からのサービスに加入しているので、MAG707Aには、両方のPDNに関連する両方のAPN値が通知される。ここで、PDN700AにはAPN1が対応しており、PDN701AにはAPN2が対応しているとする。MAG707Aは、これらのAPN値(APN1及びAPN2)を解析してLMAのアドレスを特定すると、これがインタフェースIF1経由による新たな接続であることを示す適切なプロキシバインディングアップデート(PBU)メッセージをLMAへ送信する。
図7Aに図示されている環境では、APN(すなわち、サービス)は単一のPDNにマッピングされており、さらに、PDNが単一のLMAにマッピングされている。あらかじめ実装されている機能を用いてAPNの解析を行うと、PDNは単一のLMA又はP−GWアドレスへマッピングされているので、APN1及びAPN2は、2つのLMAアドレス(例えば、LMA705Aのアドレス及びLMA706Aのアドレス)であると特定される。これにより、MAG707Aは、各LMAに対して1つずつ、2つのPBUを送信して、NetLMMドメイン702Aに関連するPDNからのサービスへアクセスするためのプレフィックスを取得する。
これらのPBUには、非特許文献4に開示されているようなハンドオフインディケータオプション(Handoff Indicator Option)が付加されており、その値がIF1経由の初期接続を示す“1”にセットされている。このPBUメッセージを送信した後、LMAからの応答又はプロキシバインディングアクノレッジメント(PBA)として、シグナリングメッセージ710A及び711Aを受信する。なお、この接続はIF1経由の初期接続であるため、通常は、PBUで送信されたホームネットワークプレフィックスオプションには、プレフィックス情報が埋め込まれていない。
LMAは、受信したPBUのハンドオフインディケータオプションを調べる。PBUのハンドオフインディケータオプションには初期接続を示す“1”の値がセットされているので、それぞれのPBAシグナリングによって、新たなプレフィックスが送信される。すなわち、LMA705Aは、PBAシグナリング711Aを送信し、新たなプレフィックスをプレフィックス情報オプションに埋め込んで割り当てる。また同様に、LMA706Aは、PBAシグナリング710Aを送信し、新たなプレフィックスをプレフィックス情報オプションに埋め込んで割り当てる。MAG707AからMN709Aへ送信されるルータアドバタイズメント(RA)メッセージ714Aには、PDN700AへアクセスするためにLMA705Aから取得されたHNP、及び、PDN701AへアクセスするためにLMA706Aから取得されたHNPが含まれる。
ここで、MN709AがIF2をMAG708Aへ接続すると仮定する。MAG708Aは、MN709Aの接続に関するアクセス認証を行う。一方、MAG708Aには、HSSから送信された認証シグナリングによって、適切なAPN(APN1及びAPN2)が通知される。これらのAPNから、LMA705及びLMA706Aのアドレスが解析され、MAG708Aは、図7Aに示す各LMAへPBUを送信する。
IF2が接続を行う際に、HSSが、IF1の接続完了処理によってMN709Aに関連するLMAのアドレスを既に持っている可能性があることが重要である。図7Aに示すLMAは、通常、MN709Aに関するバインディングキャッシュを作成した後に、HSSにそのアドレスを登録すると考えられる。しかしながら、IF2経由の接続が新たな接続であることから、MAG708Aは、アクセス認証及び認証処理中にHSSから返ってきたLMAのアドレスを、IF2に関する接続用のLMAアドレスの選択処理には考慮しない。垂直ハンドオフの場合には、MAGは、HSSから返ってきたこれらのアドレスを、セッション継続性を実現するために考慮する。
また、PMIPv6プロトコルアーキテクチャによって、異なるプレフィックスが異なるインタフェースに任意のLMAから割り当てられるので、MAG708Aは、PBA712A及びPBA713Aによって2つの異なるプレフィックスを受信する。MAG708Aから受信した2つのプレフィックスは、MAG707Aが取得したプレフィックスとは異なっている。
これらのプレフィックスを受信すると、MAG708AはRA715Aを送信する。RA715Aのプレフィックスオプションには、これらのプレフィックスが埋め込まれる。MN709Aは、RA714Aによって提供されたプレフィックス(例えばP1及びP3)、及び、RA715Aによって提供されたプレフィックス(例えばP2及びP4)を使用して、インタフェースIF1、IF2のアドレスを構成する。
図7Aに示されているようなシナリオでは、モバイルノードは複数のインタフェースを介してシステムへ接続し、複数のインタフェース経由で任意のPDNからサービスを取得しようとしている。例えば、モバイルモードは、両方のインタフェースを通じてPDNのフローの通信を行うことを望んでおり、複数のインタフェース経由で任意のPDNからサービスを取得しようとしているかもしれない。これにより、別のインタフェースを接続することによって、モバイルノードは、代替インタフェースを通じてPDNへのフローをセットアップすることが可能である。
次に、モバイルノードが、図7Aに示すような状態から図7Bに示す別の状態へ移動して、その結果、モバイルノードがIF2へ接続されているアクセスネットワークへのアクセスを失ってしまった状態となるシナリオを考える。図7Bに示すようにIF2経由の接続性を失った場合には、モバイルノードは、垂直ハンドオフのトリガを、既存のインタフェースIF1に接続されているMAGへ送信する。その結果、IF2に関連するフローのセッションの連続性が、IF1経由で得られるようになる。
さらにこのシナリオを理解するために、図7Bを参照しながら詳細に説明する。モバイルノードは、IF2を経由するアクセスネットワークへの接続性を失ってしまった場合には、そのインタフェースをシャットダウンすることが考えられる。図7Bには、MN709Bが最初IF1及びIF2経由でNetLMMドメイン702Bへ接続した状態で、PDN700B及びPDN701Bからサービスを取得するためにIF1経由で2つのプレフィックスを取得し、さらに、PDN700B及びPDN701Bからサービスを取得するためにIF2経由で2つのプレフィックスを取得して、アクセスネットワーク703Bへの接続性を失ったIF2をシャットダウンするシナリオが図示されている。この場合、MN709Bは、MAG707Bへ垂直ハンドオフのトリガを送信する。なお、図7Bでは、シグナリングの図示を単純にするために、この垂直ハンドオフのトリガは明示されていない。
MAG707Bは、MN709Bから垂直ハンドオフのトリガを取得すると、MN709BのIF1に関して、保持されているバインディングリストをチェックし、バインディングリストの検査によってLMA705Bのアドレス及びLMA706Bのアドレスを取得する。
LMAのアドレスを特定した後、MAG707Bは、ハンドオフインディケータオプションを“2”にセットして、特定された各LMAへ1つずつ、2つのPBUを送信する。LMA705Bは、垂直ハンドオフのトリガを有するPBUを受信すると、MN709BのIF2へ割り当てられているプレフィックスを、MN709BのIF1に関連するバインディングキャッシュエントリへ移動する。なお、同様の手続きが、LMA706Bによっても実行される。
シャットダウンされたインタフェースに関連するプレフィックスを、IF1に関連するモビリティセッションへ移動した後、LMA705Bは、PBAシグナリング710Bを送信する。また同様に、LMA706Bは、PBAシグナリング711Bを送信する。PBAシグナリング710Bは、垂直ハンドオフの処理によってIF1へ提供される2つのプレフィックスを有している。また同様に、PBAシグナリング711Bは、このシグナリングによって送信される2つのプレフィックスを有している。PBAシグナリングのそれぞれによって送信されたこの2つのプレフィックスは、IF1へ最初に割り当てられたプレフィックスと、垂直ハンドオフ処理によってIF2からIF1へ移されたプレフィックスである。
MAG707Bは、PBA710Bからの2つのプレフィックスとPBA711Bからの2つのプレフィックスを受信すると、4つのプレフィックスを埋め込んだRAシグナル712Bを送信する。MN709BからMAG707Bへ送信された上述の垂直ハンドオフのシグナリングには、PDN700B(APN1)及びPDN701B(APN2)に関連した2つのAPN値が含まれている。しかしながら、MN709Bが、IF2に関連するすべてのプレフィックスをIF1経由となるよう移す場合には、このAPN情報は垂直ハンドオフのトリガに必ずしも必要となるものではない。
図7Bに示すようにIF1へ垂直ハンドオフを実行した後、MN709Bが、IF1から新たに起動したインタフェース(すなわちIF2)へ任意のサブセットのプレフィックスの垂直ハンドオフを実行しようとした場合には、IF1において複数のプレフィックスが単一のAPNへ割り当てられているので、IF2へ接続されているMAGへAPN情報のみを提供するだけではIF2から移すべき正しいプレフィックスは特定できない。例えば、モバイルノードが図7Aの状態から図7Bの状態へ移動した場合に、このような単一のAPNに対して複数のプレフィックスが割り当てられる状態が起こる。基本的に、図7Bにおいて、IF1には、APN1(PDN700B)に関連して2つのプレフィックスが割り当てられており、APN2(PDN701B)に関連して2つのプレフィックスが割り当てられている。したがって、プレフィックスのサブセットがIF2経由で再利用される場合には、明示的なプレフィックス情報が垂直ハンドオフのトリガにおいて提供される必要がある。また、複数のLMAが存在するシナリオでは、プレフィックスのサブセットを提供することによって、垂直ハンドオフのトリガが、NetLMMドメイン内の適切なLMAに対して送信される必要がある。以上のことから、複数のLMAが存在するシナリオにおいては、プレフィックスのサブセットを新たなインタフェースへ移すために適切な手順が行われる必要がある。
また、下記の特許文献6には、米国特許2009/0040964には、DHCPのRS又は新たなメッセージを用いてモバイルノードからMAGへ送信されるアドレス割り当てのトリガとして、APN及び新たなモビリティ関連シグナリングを利用する方法が開示されている。このモビリティに関連するシグナリングは、すべてのモバイルノードのインタフェースに、同一のアドレスが構成される必要があることを示している。同一のアドレスを構成するための要求は、MAGからLMAへ送信される。特許文献6に記載の技術は、LMAがモバイルノードのインタフェースへアドレス割り当てを行うというPMIPv6モデルに密接に関係している。さらに、同一アドレス割り当ての要求によって、所定のHNPに関連するフローに対してマルチホームの効果が実現される。基本的に、特許文献6に記載の技術では、APNはサービスを特定するために使用され、複数のインタフェースで同一のアドレスを構成するための要求を通知するために追加のモビリティトリガが埋め込まれる。
また、下記の特許文献7にはPCT特許出願WO 2006/010382A1には、MIPv4又はMIPv6の動作を行おうとするモバイルノードが望ましいサービスを指定することによって、ホームエージェントの選択を行う方法が開示されている。この特許文献7に開示されている方法は、サービス識別子又はAPNを提供することによってP−GWの選択を可能とするものである。
国際公開公報WO2003/107600 国際公開公報WO2006/058206 国際公開公報WO2004/036786 国際公開公報WO2001/067798 米国特許公開2006/0227792 米国特許公開2009/0040964 国際公開公報WO2006/010382
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非特許文献2によれば、モバイルノードは各インタフェースにおいて様々なプレフィックスを検出し、モバイルノードが同一ネットワークドメイン内を移動する限り、プレフィックスは維持されることになる。
ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン内で異なるプレフィックスを配布するドメインへの出入りを繰り返すと、モビリティ管理ドメインに接続されている限りはネットワークプレフィックスを維持しなければならないため、モバイルノードは多数のプレフィックスを溜め込むことになる。これにより、ネットワークリソース(特にプレフィックス)が無駄に消費されることになる。
また、NetLMMドメインなどのネットワークベースのローカルモビリティ管理を行っているドメインにおいて、プレフィックスの管理を行うエンティティ(例えば、LMA)が複数存在する場合には、そのドメインから移動端末へ割り当てられるプレフィックスを管理する本来の管理エンティティがどのエンティティであるかが迅速かつ容易には判断できなくなってしまう場合がある。
また、特許文献6に記載の技術は、APNが複数のプレフィックスにマッピングされており、垂直ハンドオフのトリガに関連するプレフィックスのサブセットがNetLMMドメイン内のLMAのサブセットに属する複数のLMAが存在する環境において、プレフィックスのサブセットの垂直ハンドオフを実現するために使用することはできない。
また、特許文献7に記載の技術では、初期接続に関してP−GWの選択は可能となるが、垂直ハンドオフの際にプレフィックスのサブセットを再利用するためのP−GWを特定する処理は行われない。MIPv4、MIPv6又はPMIPv6を使用して初期接続のP−GWを選択する場合には、サービス情報又はAPN情報のみを利用すればよい。
本発明は、上述の問題を解決するため、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくし、プレフィックスが効率的に利用されるようにするためのプレフィックス割り当て管理システム及び移動端末並びにプレフィックス割り当て管理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内にプレフィックスの管理エンティティが複数存在している場合に、移動端末へ割り当てられるプレフィックスを管理する本来の管理エンティティがどのエンティティであるかを迅速かつ容易に判断できるようにすることで、例えば、あるインタフェースへ割り当てられているプレフィックスのサブセットを別のインタフェースで再利用できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のプレフィックス割り当て管理システムは、ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されている移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理するプレフィックス割り当て管理システムであって、
前記移動端末が通信を行うために不要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を維持しないように構成されている。
この構成により、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末にとって必要なプレフィックスが割り当てられるよう管理することで、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくすることが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されており、前記ローカルモビリティドメインから割り当てられるネットワークプレフィックスを用いて通信を行う移動端末であって、
前記移動端末が通信を行うために必要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を検出するプレフィックス使用最適化検出手段と、
前記ネットワークプレフィックス使用最適化検出手段で検出された、前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を、前記ローカルモビリティドメインへ通知するプレフィックスプリファレンス情報通知手段とを、
有する。
この構成により、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末にとって必要なプレフィックスが割り当てられるよう管理することで、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくすることが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のプレフィックス割り当て管理装置は、ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されている移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理するためのプレフィックス割り当て管理装置であって、
前記移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理し、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係を維持するプレフィックス対応維持手段と、 前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックスプリファレンス情報に基づいて、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係を変更するプレフィックス管理手段とを、
有する。
この構成により、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末にとって必要なプレフィックスが割り当てられるよう管理することで、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくすることが可能となる。
本発明は、上記の構成を有し、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくし、プレフィックスが効率的に利用されるようにするという効果を有する。
本発明の実施の形態における動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるモバイルノードの好適な機能アーキテクチャの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードの動作例であり、ネットワークインタフェースのシャットダウンによって、余分なプレフィックスが発生した場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作例であり、1つのネットワークインタフェースに複数のプレフィックスが割り当てられており、別のネットワークインタフェースが起動する場合の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードの別の動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるシステム構成の一例を示す図 図6Aにおける動作例を示すシーケンスチャート 従来の技術におけるネットワーク構成の一例を示す図 図7Aの状態からモバイルノードが移動して、IF2の接続が切断された状態を示す図 本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作の別の一例を示すシーケンスチャート 本発明に係る拡張プレフィックス再利用方法の動作に関連するネットワークエンティティを含むネットワーク構成の一例を示す図 本発明の実施の形態における拡張プレフィックス再利用モードの動作例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態における拡張プレフィックス再利用モードの動作の別の一例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態において、単一のLMAに複数のAPNが関連している場合のネットワーク構成の一例を示す図 本発明の実施の形態において、モバイルノードによる拡張プレフィックス再利用モードの動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるMAGの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態における拡張プレフィックス再利用モードの動作の更に別の一例を示すシーケンスチャート 本発明の実施の形態におけるプレフィックスプリファレンスメッセージを含むメッセージ構造の一例を示す図発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、上述のように、モビリティ管理ドメインに接続されているモバイルノードに割り当てられるネットワークプレフィックスが維持され続け、その結果、ネットワークリソース(特に、プレフィックス)が無駄に消費されることになるという問題に対処するものである。このような問題は、例えば、下記のような構成及び動作が行われた場合に生じる。
例えば、UMTSインタフェースと802.11インタフェースとを有するモバイルノードが、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(例えば、NetLMMドメイン)内を移動している状態を考える。なお、本明細書では、NetLMMドメイン及びPMIPドメインを始めとするネットワークベースのモビリティ管理ドメインを、モビリティ管理ドメインと呼ぶことにする。モバイルノードは、最初、UMTSインタフェースに第1プレフィックスが与えられている。モバイルノードがWiFiホットスポットに入ると、モバイルノードは、その802.11インタフェースを起動し、802.11インタフェースには第2プレフィックスが割り当てられる。モバイルノードがモビリティ管理ドメインに接続されている限り、ネットワークプレフィックスは維持されなければならないので、モバイルノードがWiFiホットスポットを離れた場合には、第2プレフィックスは、例えばUMTSインタフェースへ移される。その結果、UMTSインタフェース上において両方のプレフィックス(第1及び第2プレフィックス)が検出される。
続いて、モバイルノードが別のWiFiホットスポットに入った場合には、802.11インタフェースに第3プレフィックスが与えられる。さらに、モバイルノードがそのホットスポットを離れると、第3プレフィックスがモバイルノードのUMTSインタフェースへ移される。その結果、UMTSインタフェースには3つのプレフィックスが存在することになる。この処理は、モバイルノードが別のホットスポットに入るたびに繰り返し行われ、モバイルノードは、UMTSインタフェース上に多数のプレフィックスを溜め込むことになる。
これにより、ネットワークリソース(特に、ネットワークプレフィックスのリソース)が無駄に使用されているかもしれないことは明らかである。第1に、モバイルノードは、これほどたくさんのプレフィックスを必要とせず、使用しないかもしれない。第2に、モバイルノードがモバイルIPv6ノードであれば、モバイルIPv6を使用してこれらの各プレフィックスから構成される気付アドレスをホームアドレス(ホームアドレスは、これらのプレフィックスのうちの1つから構成されてもよい)と関連付けようとするかもしれないが、モバイルノードがモビリティ管理ドメインに接続されている場合には、すべてのプレフィックスが維持される必要はないかもしれない。第3に、複数インタフェースを有するノードに対して、インタフェース数より多くの複数プレフィックスが与えられた場合には、モビリティ管理ドメインにおけるネットワークプレフィックスの利用可能リソースはすぐに使い果たされてしまい、モビリティ管理ドメインは更なるモバイルノードの接続を許容できなくなる可能性がある。
本発明では、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(モビリティ管理ドメイン)に接続されているモバイルノードに対して割り当てられるネットワークプレフィックスに関して、モバイルノードが通信を行うために必要なネットワークプレフィックスがモバイルノードへ割り当てられるように管理することで、モバイルノードが通信を行うために必要なネットワークプレフィックスのみを効率的にモバイルノードに割り当てるようにし、移動端末に対してできるだけ少ないプレフィックスを割り当て、かつ効率的に利用できるように維持する。なお、モバイルノードが通信を行うために必要なネットワークプレフィックスとは、モバイルノードが現在の通信に使用しているプレフィックスに加え、現在は使用されていないが予備などの目的として意図的に保持している冗長なプレフィックスも含まれる。一方、モバイルノードが通信を行うために不要なネットワークプレフィックスとは、上記以外のプレフィックスを指し、モバイルノードがどのような用途においても使用することのないプレフィックスを表している。また、本発明の方法は可能な限り、モバイルノードの通信を行うために必要最小限のネットワークプレフィックスを割り当てることを目指しているが、必要最小限であることの判断は必ずしもネットワークエンティティ単体、若しくはモバイルノード単体で(また、通信におけるある時点のみの判断で)正確に最小と判断できるものではないかもしれない(例えば、別のエンティティから見れば、又は、後になって見れば、最小ではないかもしれない)。したがって、本発明の方法では、確定的な判断だけではなく、判断に基づくプリファレンスの送受信を主に使用する。つまり、モバイルノード及びネットワークエンティティの判断の違いにより、モバイルノードの要求メッセージを否決したり、ネットワーク側の処理に対してモバイルノードが異なる要求メッセージを再送信したりすることなどが考えられる。しかしながら、このような動作は、通信におけるエラーケースの一般的なやり取りの範囲であるので、以下では説明を簡素にするため、このような動作の説明を省略する。
このようなネットワークプレフィックス割り当ての管理は、主にモビリティ管理ドメイン側の処理で実現することも可能であり、また、モバイルノードがモビリティ管理ドメインに対して通知を行うことによって実現することも可能である。
主にモビリティ管理ドメイン側で管理を行う場合には、例えば、モビリティ管理ドメイン内のネットワークノード(例えば、LMA)がモバイルノードに割り当てられた各プレフィックスのパケットフローを監視することによって、本発明を実現することが可能である。この方法では、LMAが、パケットに使用されているアドレスのプレフィックスを監視し、一定の時間が経過しても、あるプレフィックスに関して送受信されるパケットが存在しない場合には、そのプレフィックスは削除されてもよいと判断する。これにより、モバイルノードで使用されなくなったプレフィックスをモビリティ管理ドメイン側で判断し、モバイルノードにとって必要なプレフィックスを割り当てるように管理するとともに、モバイルノードにとって不要なネットワークプレフィックスがモバイルノードへ割り当てられる状態を維持しないようにすることが可能となる。
また、モビリティ管理ドメイン側におけるポリシーコントロール(Policy Control)によって、本発明を実現することが可能である。例えば、モバイルノードのネットワークインタフェースに対して割り当てられるプレフィックスの数を制限するポリシー(Policy)を設定することで、各ネットワークインタフェースに割り当てられるプレフィックス数に上限を設け、モバイルノードに対して過剰なプレフィックス割り当てが行われないように管理することが可能である。ただし、モビリティ管理ドメインは、モビリティ管理ドメイン内を移動するモバイルノードに関するプレフィックスの連続性を維持する必要があるため、モビリティ管理ドメイン内を移動するモバイルノードの通信状態によっては、上限を超えるプレフィックス数がモバイルノードに対して割り当てられる条件が発生してしまう場合も考えられる。この場合には、例えば、モバイルノードとモビリティ管理ドメインとの間で、プレフィックスの連続性を管理するために使用されるポリシーの取り決めを行ったり、そのときの状況に応じて、削除可能なプレフィックスの交渉を行ったりすることが望ましい。
一方、モバイルノードがモビリティ管理ドメインに対して通知を行うことによってネットワークプレフィックス割り当ての管理を行う場合には、モバイルノードが、通信を行うために必要なネットワークプレフィックスが割り当てられる状態(不要なネットワークプレフィックスが割り当てられていない状態)を検出し、この状態を実現するための情報(後述のプレフィックスプリファレンス情報)を、モビリティ管理ドメインへ通知する。
例えば、図1において、モバイルノード(MN)100はモビリティ管理ドメイン110内を移動している。MN100は、まずステップS120において、プレフィックスの割り当てが間もなく変更されること(すなわち、プレフィックス変更が必要となること)を検出し、ステップS150において、プレフィックス割り当てのプリファレンスをモビリティ管理ドメイン110へ通知するシグナル(プレフィックスプリファレンス)を送信する。このとき、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS180において、プレフィックスプリファレンスに従って、実際にプレフィックス割り当てることで応答を行ってもよい。
上述のステップS120において、MN100は、様々な方法を用いて、間もなくプレフィックスの割り当てが変更されることを検出することが可能である。例えば、プレフィックスの割り当て変更を検出する好適な方法として、MN100のネットワークインタフェースの起動のオン/オフを検出する方法が用いられてもよい。MN100の接続ネットワークインタフェース数が変わった場合には、MN100へ割り当てられるプレフィックスも変更される可能性がある。例えば、新たに接続されたネットワークインタフェース(動作がオンになるネットワークインタフェース)は新しいプレフィックスを受信する場合があり、また、動作がオフになるネットワークインタフェースに割り当てられていたプレフィックスは、MN100の別の接続インタフェースへ再割り当てされる場合がある。
また、ステップS150でMN100から送信されるプレフィックスプリファレンスを示すシグナルは、様々な形式を取ることが可能である。
例えば、プレフィックスプリファレンスの好適な形式として、MN100がそのネットワークインタフェースに割り当てられるプレフィックスを減らすように要求してもよい。この場合の動作に関しては、後述のプレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)として後述する。
また、例えば、プレフィックスプリファレンスの別の好適な形式として、MN100が、そのネットワークインタフェースのうちの1つに割り当てられているプレフィックスを別のネットワークインタフェースに再割り当てするよう要求してもよい。この場合の動作に関しては、後述のプレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)として後述する。
また、例えば、プレフィックスプリファレンスの更に別の好適な形式として、MN100が、モビリティ管理ドメイン110内の別のモバイルノードによってプレフィックスの再利用が行われるよう要求してもよい。この場合の動作に関しては、後述のプレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)として後述する。
次に、本発明を実現するための装置の機能アーキテクチャについて説明する。図2には、本発明の実施の形態におけるモバイルノードの好適な機能アーキテクチャの一例が図示されている。図2に図示されているMN100は、パケットの送受信を行うための1つ又は複数のネットワークインタフェース210、MN100内のプログラム(例えば、上位レイヤブロック230に含まれるプログラム)や適切なネットワークインタフェース210へのパケット転送に関する決定を行うルーティング部220、ネットワーク層より上位に位置するすべてのプロトコルやプログラムを包含する上位レイヤブロック230を有している。なお、以下では、ネットワークインタフェース210の表記によって1つ又は複数のネットワークインタフェース210を表し、ネットワークインタフェース210−nによって、複数のネットワークインタフェース210のうちの1つを表すことにする。
各ネットワークインタフェース210は、MN100が任意の通信媒体を介して別のノードと通信を行うために必要なすべてのハードウェア及びソフトウェアを包含する機能ブロックである。関連する技術で周知の用語を用いた場合、ネットワークインタフェース210は、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ、通信プロトコルを表している。なお、MN100は、1つ又は複数のネットワークインタフェース210を有していてもよい。
また、ルーティング部220は、上位レイヤブロック230の存在する適切なプログラムや、パケットを送信するための適切なネットワークインタフェース210へのパケット発送を決定する機能を有している。関連する技術分野で周知の用語を用いた場合、ルーティング部220は、IPv4やIPv6などのレイヤ3(ネットワーク層)プロトコルを実装していることを表している。
ルーティング部220は、シグナル/データパス292を介して、適切なネットワークインタフェース210との間でパケットの送受信を行うことが可能である。また同様に、ルーティング部220は、シグナル/データパス294を介して、上位レイヤブロック230の適切なプログラムとの間でパケットの送受信を行うことが可能である。
また、上位レイヤブロック230は、通信プロトコルスタックにおけるネットワーク層の上位に位置するすべてのプロトコル及びプログラムを包含する機能ブロックである。上位レイヤブロック230には、TCP(Transmission Control Protocol)、SCTP(Stream Control Transport Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)などの任意のトランスポートレイヤプロトコル又はセッションレイヤプロトコルや、他のノードとの通信に必要なプログラム及びソフトウェアが含まれている。上述のように、上位レイヤブロック230は、シグナル/データパス294を介して、ルーティング部220との間でパケットの送受信を行うことが可能である。
また、ルーティング部220には、ルーティングテーブル240、プレフィックス検出部250、プレフィックス管理部260が存在している。なお、プレフィックス検出部250及びプレフィックス管理部260は、本発明の主要な追加機能である。
ルーティングテーブル240にはルーティングエントリが含まれており、このルーティングエントリによって、パケットのパラメータ(例えば、パケットの送信元アドレス及びあて先アドレス)に基づくパケットの発送方法(例えば、どのネットワークインタフェース210からパケットを転送すべきか)がルーティング部220に示される。
また、プレフィックス検出部250は、MN100に対するプレフィックス割り当ての変更が行われることを検出する機能を有している。プレフィックス検出部250によるプレフィックス割り当ての変更の検出は、例えば、ネットワークインタフェース210の動作がオフになる場合、ネットワークインタフェース210が起動する場合、上位レイヤブロック230からプレフィックスが不要であることを示すシグナルが送信された場合などを検出することによって可能であるが、これらに限定されるものではなく、その他の任意のプレフィックス割り当ての変更を検出する方法を用いることが可能である。
また、プレフィックス管理部260は、各ネットワークインタフェース210に割り当てられるプレフィックスを管理するとともに、必要に応じてプレフィックスプリファレンスをモビリティ管理ドメイン110へ送信する機能を有している。なお、上述のように、プレフィックス管理部260からモビリティ管理ドメイン110へ通知されるMN100のプレフィックスプリファレンスは、複数の好適なモードのそれぞれに応じて異なる要求を含んでいる。
プレフィックス検出部250は、MN100が通信を行うために必要な最小限のネットワークプレフィックスがMN100へ割り当てられる状態を検出する(あるいは、MN100にとって不要なネットワークプレフィックスを検出する)ことが可能であり、プレフィックス管理部260は、MN100に対して必要な最小限のネットワークプレフィックスが割り当てられた状態(あるいは、MN100にとって不要なネットワークプレフィックスが削除された状態)を実現するためのプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ通知することが可能である。
例えば、後述のプレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)では、プレフィックス検出部250が、MN100の通信で不要となったプレフィックスを検出し(すなわち、不要なプレフィックスを削減することで、必要な最小限のネットワークプレフィックスが割り当てられた状態が実現されることを検出し)、プレフィックス管理部260が、その不要なネットワークプレフィックスをMN100に対するプレフィックス割り当てから削除するよう要求するプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
また、後述のプレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)では、プレフィックス検出部250が、MN100の複数のネットワークインタフェース210のうちの1つ(第1ネットワークインタフェース)に対して既に割り当てられているプレフィックスが別のネットワークインタフェース210(第2ネットワークインタフェース)で再利用可能であることを検出し(すなわち、別のネットワークインタフェース210でプレフィックスを再利用することで、必要な最小限のプレフィックスが割り当てられた状態が実現されることを検出し)、プレフィックス管理部260が、再利用可能なネットワークプレフィックスを別のネットワークインタフェース(第2ネットワークインタフェース)へ割り当てるよう要求するプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
また、後述のプレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)では、プレフィックス検出部250が、MN100に対して割り当てられるプレフィックスが一時的に利用されるものであることを検出し(すなわち、プレフィックスが一時的に割り当てられることによって、必要な最小限のプレフィックスが割り当てられた状態が実現されることを検出し)、プレフィックス管理部260が、MN100に対して割り当てられるプレフィックスを一時的に利用することを示すプレフィックスプリファレンス情報をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
なお、プレフィックス検出部250及びプレフィックス管理部260は、プレフィックス削減モード、プレフィックス再利用モード、プレフィックスリサイクルモードのうちの1つのモードのみ実行可能であってもよく、また、複数(あるいはすべて)のモードの実行が可能であってもよい。また、例えば、プレフィックス検出部250は、あるプレフィックスに関して、上記の各モードのうちのいずれのモードが適切かを判断するモード判断部を有し、各プレフィックスに対して各モードを使い分けてもよい。さらに、モード判断部は、上記の各モードのうちのいずれのモードも適用しないプレフィックスを選別し、このプレフィックスに関しては、通常のプレフィックス割り当て処理が行われるようにすることも可能である。
以下、これらの各モードに関する詳細について説明する。
<プレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)>
例えば、第1の好適なモードにおいて、MN100はネットワークインタフェース210に割り当てられているプレフィックスの数の減少を要求してもよい。なお、本明細書では、この第1の好適なモードをプレフィックス削減モード(Reduce Prefix Mode)と呼ぶことにする。
図3Aには、本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードの動作例が図示されている。図3Aにおいて、MN100は、ステップS320で未使用のネットワークインタフェース210に余分なプレフィックス(使用していないプレフィックス)が割り当てられていることを検出し、ステップS350において、プレフィックス削減要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
図3AのステップS350で送信されるプレフィックス削減要求は、図1に示すプレフィックスプリファレンス(ステップS150で送信)の特定な形式であり、割り当てられている1つ以上のプレフィックスをリリース(解放)する要求を示すプレフィックスプリファレンスである。プレフィックス削減要求には、リリース対象となる特定のプレフィックスを示す情報が含まれていることが望ましい。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックス削減要求に同意すると、ステップS380において、プレフィックス削減要求に応じた新たなプレフィックス割り当てがプレフィックス割り当てメッセージによって通知される。具体的には、例えば、リリース対象となる特定のプレフィックスがリリースされることがプレフィックス割り当てメッセージによってMN100へ通知される。また、リリース対象のプレフィックスの有効期間(ライフタイム)が0に設定された状態でのプレフィックスの報知又は、リリース対象のプレフィックスを削除した状態での(残りの)プレフィックスの報知などによって、この通知が実現されてもよい。
なお、余分なプレフィックスが割り当てられていることをプレフィックス検出部250が検出するための条件は多数存在する。例えば、上位レイヤブロック230が、現在保持しているプレフィックスのうちの1つを使用しなくなった場合(例えば、あるプレフィックスを用いたセッションが終了した場合又は、モバイルIPにおいてMN100がバインディングアップデートをホームエージェントへ送信し、あるプレフィックスによって構成される気付アドレスがもはや使用されなくなった場合)を、余分なプレフィックスが発生した条件として用いてもよい。
また、例えば、モバイルノードが1つ以上のネットワークインタフェース210をシャットダウンした場合に、このネットワークインタフェース210に割り当てられているプレフィックスが余分なプレフィックスになったことを条件として用いてもよい。MN100の通信に係るどのセッションにおいても、あるプレフィックスから構成されているアドレスが使用されていない場合には、MN100はこの余分なプレフィックスの割り当ての削除を示すプレフィックス削減要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信してもよい。図3Bには、ネットワークインタフェース210のシャットダウンによって、余分なプレフィックスが発生した場合の一例が図示されている。
図3Bにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210−1(IF1)及びネットワークインタフェース210−2(IF2)を有している。ステップS310のRA(Router Advertisement:ルータ通知)メッセージに示されているように、プレフィックスP1は最初IF1に割り当てられており、ステップS312のRAメッセージに示されているように、プレフィックスP2は最初IF2に割り当てられている。
ステップS314において、MN100がIF2をシャットダウンすると、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS316のRAメッセージに示されているように、IF1に対してプレフィックスP2の再割り当てを行う。その結果、MN100のIF1には、2つのプレフィックスP1、P2が割り当てられることになる。なお、この動作は、MN100がモビリティ管理ドメイン110内を移動する場合にプレフィックスの連続性を維持するためのモビリティ管理ドメイン110の基本的な機能である。
ここで、MN100がプレフィックスP2から構成されたアドレスを実際には使用していなかった場合には、MN100のプレフィックス検出部250が、ステップS320bに示されているように、余分なプレフィックス(すなわち、プレフィックスP2)が割り当てられていることを検出する。その結果、MN100のプレフィックス管理部260は、ステップS350bにおいて、MN100に割り当てられているプレフィックスからプレフィックスP2を削除するよう要求するプレフィックス削減要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
ステップS350bで送信されたプレフィックス削減要求に同意できる場合には、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS380bにおいて、プレフィックスP2をIF1へ割り当てないことを示す新たなルータ通知メッセージをMN100へ通知する。その結果、プレフィックスP2は削除され、MN100のIF1にはプレフィックスP1のみが割り当てられることになる。
このように、MN100が余分なプレフィックスを必要としないことをモビリティ管理ドメイン110へ示すことで、モビリティ管理ドメイン110は、MN100に対するプレフィックスの割り当てから余分なプレフィックスを削除することが可能となり、ネットワークリソース(プレフィックスのリソース)が節約される。以上のように、上述の本発明の実施の形態におけるプレフィックス削減モードによって、本発明の目的は達成される。
また、例えば、プレフィックス削減要求メッセージは、MN100が3GPPアクセスネットワークからWLANのような非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバするときに使用してもよい。3GPPアクセスネットワークの普及状況によっては、3GPPアクセスネットワーク(例えばLTEやUMTSなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合に、MN100は複数プレフィックスを保持することができる(各々のプレフィックスは対応するPDNコネクションに結びつけられる)が、非3GPPアクセスネットワーク(例えばWLANなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合、MN100は1つしかPDNコネクションを生成できない。プレフィックス検出部250は、こうした状況からプレフィックス削減の必要性を検出してもよい。この場合、3GPPアクセスネットワークから非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバ(垂直ハンドオーバ)に先立ち、MN100は3GPPアクセスネットワーク越しに取得したプレフィックスの数を1つに削減してもよく、残ったプレフィックスを非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバさせることができる。すなわち、ハンドオーバ対象のプレフィックス(PDNコネクションに相当)をネットワークシステムによって任意に選択されることなく、MN100が望んだプレフィックスを正しくハンドオーバさせることができ、ユーザの利便性向上を図ることができる。
<プレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)>
また、例えば、第2の好適なモードにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210の1つに割り当てられているプレフィックスをMN100の別のネットワークインタフェース210へ再割り当てするよう要求してもよい。なお、本明細書では、この第2の好適なモードをプレフィックス再利用モード(Reuse Prefix Mode)と呼ぶことにする。
図4Aには、本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードの動作例が図示されている。図4Aにおいて、MN100は、ステップS420で1つ以上のプレフィックスが別のネットワークインタフェース210で再利用される可能性があることを検出し、ステップS450において、プレフィックス再利用要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
図4AのステップS450で送信されるプレフィックス再利用要求は、図1に示すプレフィックスプリファレンス(ステップS150で送信)の特定な形式であり、あるネットワークインタフェース210に割り当てられている1つ以上のプレフィックスを別のネットワークインタフェース210で再利用する要求を示すプレフィックスプリファレンスである。プレフィックス再利用要求には、再利用対象となる特定のプレフィックスを示す情報が含まれていることが望ましい。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックス再利用要求に同意すると、ステップS480において、プレフィックス再利用要求に応じた新たなプレフィックス割り当てがプレフィックス割り当てメッセージによってMN100へ通知される。具体的には、例えば、再利用対象となる特定のプレフィックスが別のネットワークインタフェース210で再利用されることがプレフィックス割り当てメッセージによって通知される。
なお、プレフィックスが再利用可能であることをプレフィックス検出部250が検出するための条件は多数存在する。例えば、複数のプレフィックスが1つのネットワークインタフェース210(例えば、ネットワークインタフェース210−x)に割り当てられており、別のネットワークインタフェース210(例えば、ネットワークインタフェース210−y)が起動しようとしている場合に、ネットワークインタフェース210−xに割り当てられている複数のプレフィックスのうちの1つがネットワークインタフェース210−yに移されてもよいことをプレフィックスが再利用可能であることの条件として用いることが可能である。図4Bには、このように、1つのネットワークインタフェース210−1に複数のプレフィックスが割り当てられており、別のネットワークインタフェース210−2が起動する場合の一例が図示されている。
図4Bにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210−1(IF1)及びネットワークインタフェース210−2(IF2)を有している。ステップS410のRAメッセージに示されているように、2つのプレフィックスP1、P2は最初IF1に割り当てられている。
ステップS412において、MN100がIF2を起動すると、MN100のプレフィックス検出部250は、IF2上でIF1のプレフィックスの再利用が可能であることを検出する。その結果、MN100のプレフィックス管理部260は、ステップS450bにおいて、IF1に割り当てられているプレフィックスP2をIF2上で再利用することを要求するプレフィックス再利用要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。なお、アクティブなネットワークインタフェース(IF1及びIF2)が2つ存在するので、ステップS450bで送信されるプレフィックス再利用要求は、IF1及びIF2のどちらから送信されてもよい。
ステップS450bで送信されたプレフィックス再利用要求に同意できる場合には、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスの再割り当てを行う。このプレフィックスの再割り当ては、例えば図4Bに図示されているように、ステップS480bで送信されるRAメッセージによってプレフィックスP1のみがIF1へ割り当てられるとともに、ステップS480cで送信されるRAメッセージによってプレフィックスP2がIF2へ割り当てられる。
このように、MN100は、以前に割り当てられたプレフィックスが別のネットワークインタフェース210で使用されてもよいことをモビリティ管理ドメイン110へ示すことで、モビリティ管理ドメイン110は、新たなプレフィックスのリソースを使用せずに新たなネットワークインタフェース210に対してプレフィックスを割り当てることが可能となる。以上のように、上述の本発明の実施の形態におけるプレフィックス再利用モードによって、本発明の目的は達成される。
また、例えば、プレフィックス再利用要求メッセージは、MN100が3GPPアクセスネットワークからWLANのような非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバするときに使用してもよい。3GPPアクセスネットワークの普及状況によっては、3GPPアクセスネットワーク(例えばLTEやUMTSなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合に、MN100は複数プレフィックスを保持することができる(各々のプレフィックスは対応するPDNコネクションに結びつけられる)が、非3GPPアクセスネットワーク(例えばWLANなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合、MN100は1つしかPDNコネクションを生成できない。プレフィックス検出部250は、こうした状況からプレフィックス再利用の必要性を検出してもよい。この場合、非3GPPアクセスネットワークに接続した時に、MN100はプレフィックス再利用メッセージを非3GPPアクセスネットワーク経由で送信してもよく、これによって3GPPアクセスネットワーク経由の接続時に保有していたプレフィックスのうち、どのプレフィックスを再利用するか(MN100がどのプレフィックスを再利用させたいのか)をネットワークに通知することができる。このようにして、MN100は所望のPDNコネクションを非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバさせることができ、ネットワークシステムが任意に(MN100が意図しない)ハンドオーバ対象のPDNコネクションを選択する事態を回避することができる。したがって、非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバ時に、例えばアプリケーションが必要とするPDNコネクション(プレフィックスに相当)を正しく選択することができるようになり、ユーザの利便性向上を図ることができる。
<プレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)>
また、例えば、第3の好適なモードにおいて、MN100に割り当てられているプレフィックスをモビリティ管理ドメイン110内の他のMN100で使用するよう合意できるようにしてもよい。なお、本明細書では、この第3の好適なモードをプレフィックスリサイクルモード(Recycle Prefix Mode)と呼ぶことにする。
図5Aには、本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードの動作例が図示されている。図5Aにおいて、MN100は、ステップS520でプレフィックスがプレフィックスリサイクルモードで割り当てられる必要性を検出し、ステップS550において、プレフィックスリサイクル要求をモビリティ管理ドメイン110へ送信する。
なお、プレフィックスがリサイクルモードで割り当てられる必要性とは、例えば、MN100がそのプレフィックスを一時的に使用するだけで、MN100においてそのプレフィックスが不要になった場合にはプレフィックスの連続性が維持される必要がなく(すなわち、MN100に対して割り当てられているプレフィックスであることをそのまま維持する必要がない)、別のMN100で使用されてもよいことを示している。したがって、このプレフィックスリサイクルモードで割り当てられたプレフィックスは、MN100に対するプレフィックスの連続性が維持されることなく、別のMN100へリサイクルされる。
図5AのステップS550で送信されるプレフィックスリサイクル要求は、図1に示すプレフィックスプリファレンス(ステップS150で送信)の特定な形式であり、1つ以上のプレフィックスをプレフィックスリサイクルモードで割り当てるよう要求することを示すプレフィックスプリファレンスである。
なお、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てるプレフィックスの種類によって、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てたプレフィックスを回収するタイミング(例えば、後述のステップS590において発生するイベント直後)を把握することが可能であるが、より確実にそのタイミングを把握できるようにするため、MN100がプレフィックスリサイクルモードで要求するプレフィックスの用途(あるいは、どのようなイベントの発生時にプレフィックスの返還が行われるかを示す情報)をプレフィックスリサイクル要求に含ませてもよい。また、後述の方法を用いて、最初にモビリティ管理ドメイン110からMN100に対してすべての割り当て可能なタイプ(用途)のプレフィックスを割り当て、MN100が必要なプレフィックスを選別してもよい。このようにして、MN100で使用されるプレフィックスの用途又は種類が特定されることで、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てたプレフィックスを回収するタイミングを確実に把握できるようになる。なお、MN100からモビリティ管理ドメイン110に対して、プレフィックスリサイクルモードでMN100へ割り当てたプレフィックスの回収可能なタイミング(MN100でそのプレフィックスが不要になったタイミング)を通知してもよい。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックスリサイクル要求に同意すると、ステップS580において、プレフィックスリサイクル要求に応じた新たなプレフィックス割り当てがプレフィックス割り当てメッセージによってMN100へ通知される。具体的には、プレフィックスリサイクルモードによるプレフィックス割り当てが行われることがプレフィックス割り当てメッセージによって通知される。
プレフィックスリサイクルモードでプレフィックスがMN100へ割り当てられた場合には、ステップS590において何らかのイベントが発生したとき、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS595においてプレフィックス割り当てメッセージをMN100へ送信することによって、別のMN100で使用可能となるように(後に別のMN100に割り当て可能となるように)リサイクルされる対象のプレフィックスの割り当てを削除することが可能となる。ただし、リサイクルされる対象のプレフィックスの割り当てを削除する時点において確実に元のMN100とは異なる別のMN100で使用されることが確定していない場合もあり、最終的に、元のMN100が新たなプレフィックスを要求した際に、このプレフィックスが割り当てられることもあり得る(プレフィックス再利用モードを使用した場合とほぼ等価の結果となる)。
プレフィックスリサイクルモードによるプレフィックスの割り当ての一例としては、例えば、MN100がモバイルIPv6ノードである場合が挙げられる。この場合、MN100は、割り当てられているプレフィックス(第1プレフィックス)をホームプレフィックスとして使用し、さらに、別に割り当てられているプレフィックス(第2プレフィックス)から構成した気付アドレスを(若しくは第2プレフィックスそのものを)、MN100のホームアドレス(ホームプレフィックスから構成されているアドレス、若しくはホームプレフィックスそのもの)と関連付ける場合がある。この場合、第2プレフィックスは気付アドレスを構成するためにのみ使用されているので、第2プレフィックスの連続性は維持される必要はない。したがって、MN100は、第2プレフィックスがプレフィックスリサイクルモードで割り当てられるように要求することが可能である。
このとき、例えばモビリティ管理ドメイン110におけるプレフィックスのリソースが枯渇した場合に、MN100への第2プレフィックスの割り当てが削除されてもよく、また、MN100が第2プレフィックスを割り当てられたネットワークインタフェースをシャットダウンした場合には、第2プレフィックスがモビリティ管理ドメイン110へリリースされてもよい。なお、あらかじめリサイクルモードでプレフィックスの割り当てを受けた場合でも、何らかの理由で、そのアドレスを再利用したいような状況になるかもしれない。このような場合は、途中で(若しくはプレフィックス/ネットワークインタフェース変更時に)対応するプレフィックスについてプレフィックス再利用要求を送信してもよい。プレフィックス再利用モードでの使用が可能となった場合は、その後の動作はプレフィックス再利用モードの動作と同等となる。また、プレフィックス削減モードとの違いの1つに、対象となるプレフィックスをネットワーク側で維持しておく必要性がないことをMN100が明示することで、ネットワーク側の管理に要する処理を更に低減できるという効果がある。
また、図5Bには、本発明の実施の形態におけるリサイクルモードによるプレフィックス割り当ての別の動作例が図示されている。図5Bにおいて、MN100は、ネットワークインタフェース210−1(3GPPインタフェースIF1)及びネットワークインタフェース210−2(非3GPPインタフェースIF2)を有している。ステップS510のRAメッセージに示されているように、プレフィックスP1は最初IF1に割り当てられており、IF2は最初シャットダウンされている。
ここで、MN100が、3GPP特有のサービスへのアクセスを行うことを決定したとする。この場合、MN100には、3GPP特有のプレフィックス(例えば、3GPPオペレータから渡されるプレフィックス)が割り当てられる必要がある。この3GPP特有のプレフィックスは3GPP特有のサービスにアクセスするためだけに用いられるので、このとき、MN100のプレフィックス検出部250は、ステップS520bにおいて、プレフィックスリサイクルモードによるプレフィックス割り当ての必要性を検出する。その結果、MN100のプレフィックス管理部260は、ステップS550bにおいて、プレフィックスリサイクルモードでプレフィックスを割り当てるよう要求するプレフィックスリサイクル要求をMN100へ送信する。
モビリティ管理ドメイン110がこのプレフィックスリサイクル要求に同意すると、ステップS580bにおいて、IF1に最初から割り当てられているプレフィックスP1に加えて、3GPP特有のプレフィックスPsがRAメッセージによってMN100のIF1へ割り当てられる。
ここで、MN100は、ステップS590bにおいて、IF1からIF2へ垂直ハンドオフなどを行うとする(図5AのステップS590におけるイベント発生に対応)。IF2は非3GPPインタフェースであり、この垂直ハンドオフによって3GPP特有のサービスへのアクセスは行われなくなるとすると、3GPP特有のプレフィックスPsも不要となる。したがって、3GPP特有のプレフィックスPsはプレフィックスリサイクルモードでIF1へ割り当てられているので、垂直ハンドオフではその連続性は維持されない。その結果、ステップS595bにおいて、垂直ハンドオフ後には、プレフィックスP1のみがRAメッセージによってIF2に割り当てられる。
なお、図5A及び図5Bに図示されている例では、新たに割り当てられるプレフィックスに対してプレフィックスリサイクル要求が行われる場合が示されているが、既にMN100で保持されているプレフィックスに対してプレフィックスリサイクル要求が用いられてもよい。この場合には、プレフィックスリサイクル要求には、プレフィックスリサイクルモードの対象となる特定のプレフィックスを示す情報が含まれていることが望ましい。
このように、MN100が、割り当てられているプレフィックスを使用しなくなった場合に他のMN100で使用可能となるようにプレフィックスを削除してもよい(すなわち、他のMN100へリサイクルしてもよい)ことをモビリティ管理ドメイン110へ示すことで、モビリティ管理ドメイン110は、プレフィックスを効率良くMN100へ割り当てることが可能となり、ネットワークリソース(プレフィックスのリソース)が節約される。以上のように、上述の本発明の実施の形態におけるプレフィックスリサイクルモードによって、本発明の目的は達成される。
また、トラフィックの一部あるいはすべてをMAGやアクセスネットワーク(すなわちMAGとは異なるノード)からPMIPドメインのLMA(すなわち3GPPコアネットワークや、オペレータのコアネットワークドメイン)を通過させることなく、宛先ノードにオフロードさせる選択的IPトラフィックオフローディング(Selective IP Traffic Offload)をMN100が適用していることを、プレフィックスリサイクルモードの実施条件としてもよい。特定のプレフィックスが、選択的IPトラフィックオフローディング用途で割り当てられる場合、ハンドオーバによってそのプレフィックスを用いたセッションの継続は困難となる。したがって、そのような場合、MN100は当該プレフィックスに対して単にリサイクルモードを要求するだけであってもよい。または、MN100がリサイクルモードにあるプレフィックスを要求してきたときに、ネットワークが選択的IPトラフィックオフローディング用のプレフィックスを割り当てるものであってもよい。
さらには、例えば、プレフィックスリサイクル要求メッセージは、MN100が3GPPアクセスネットワークからWLANのような非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバするときに使用してもよい。3GPPアクセスネットワークの普及状況によっては、3GPPアクセスネットワーク(例えばLTEやUMTSなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合に、MN100は複数プレフィックスを保持することができる(各々のプレフィックスは対応するPDNコネクションに結びつけられる)が、非3GPPアクセスネットワーク(例えばWLANなど)経由で3GPPコアネットワークに接続する場合、MN100は1つしかPDNコネクションを生成できない。プレフィックス検出部250は、こうした状況からプレフィックスリサイクルの必要性を検出してもよい。
この場合、MN100はプレフィックスリサイクル要求メッセージを用いて、3GPPアクセスネットワークで取得したプレフィックスのうち、どのプレフィックスをリサイクルモードにするかをネットワークに通知することができる。上述したように、リサイクルモードのプレフィックスは、垂直ハンドオーバ処理の間はネットワークによって管理されないことがあるため、MN100が有するプレフィックスのうちリサイクルモードに指定していないプレフィックスが1つだけある場合、MN100は、そのプレフィックスが非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバされるものとして確信することができる。このようにして、MN100は所望のPDNコネクションを非3GPPアクセスネットワークにハンドオーバさせることができ、ネットワークシステムが任意に(MN100が意図しない)ハンドオーバ対象のPDNコネクションを選択する事態を回避することができる。したがって、非3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバ時に、例えばアプリケーションが必要とするPDNコネクション(プレフィックスに相当)を正しく選択することができるようになり、ユーザの利便性向上を図ることができる。
なお、上述の本発明の実施の形態では、プレフィックス削減要求(プレフィックス削減モード)、プレフィックス再利用要求(プレフィックス再利用モード)、プレフィックスリサイクル要求(プレフィックスリサイクルモード)などのプレフィックスプリファレンスの実際のメッセージ形式に関しては説明を行わなかったが、当業者であれば、このプレフィックスプリファレンスは、任意の形式によって伝送可能であることが分かるであろう。
例えば、プレフィックスプリファレンスは、モビリティ管理ドメイン110のアクセスルータへ送信されるICMP(Internet Control Message Protocol)の近隣探索(ND:Neighbor Discovery)メッセージ(例えば、近隣通知メッセージ(Neighbor Advertisement)又はルータ要請メッセージ(Router Solicitation message)など)に挿入される特別なオプションに基づいて実現されてもよい。
また、プレフィックスプリファレンスは、モビリティ管理ドメイン110内のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)中継装置又はDHCPサーバへ送信されるDHCPメッセージに挿入されてもよい。これは、例えば、モビリティ管理ドメイン110がDHCPを利用してモバイルノードへプレフィックスの割り当てを行う場合に有用である。
さらに、プレフィックスプリファレンスは、MN100とモビリティ管理ドメイン110との間で実行されるAAA(Authentication, Authorization and Accounting)シグナリングメッセージに挿入されてもよい。なお、例えば、DIAMETER又はRADIUSなどを始めとする任意の認証プロトコルを拡張して、プレフィックスプリファレンスがシグナリングメッセージへ挿入されてもよい。これは、例えば、ネットワークインタフェースが起動する際にプレフィックスプリファレンスを送信する場合に有用である。AAAシグナリングメッセージは、通常は、ネットワークインタフェースが起動した直後の最初の数メッセージにおいて送信されるので、AAAメッセージにプレフィックスプリファレンスを付加することで、不必要なオーバーヘッド(Overhead)及び処理遅延を減らすことが可能となる。
さらに、プレフィックスプリファレンスは、レイヤ2接続確立シグナリングのフレーム(例えば、MN100とeNodeB(evolved NodeB)との間の3GPPシグナリングメッセージや、MN100とePDG(evolved Packet Data Gateway)との間のPPP(ポイントトゥーポイントプロトコル)やEAP(拡張認証プロトコル)のセットアップメッセージなど)に挿入されてもよい。この場合も、ネットワークインタフェースの起動時又はシャットダウン時などのようなレイヤ2接続確立シグナリングが行われる際にプレフィックスプリファレンスを送信する場合に有用である。
また、図13には、本発明の実施の形態におけるプレフィックスプリファレンスメッセージ150のメッセージ構造の一例が図示されている。
図13には、ICMPv6ヘッダとして実現されるプレフィックスプリファレンスメッセージのパケット1308のメッセージ構造が図示されている。なお、プレフィックスプリファレンスメッセージは、ICMPv6の新たなタイプによって実現されてもよく、あるいは、新たなコード値を有する既存のタイプによって実現されてもよい。
パケット1308の最初のフィールドは、IPv6ヘッダ1309を示している。IPv6ヘッダ1309の送信元アドレスフィールドは、モバイルノードがプレフィックスプリファレンスメッセージを送信するインタフェースに関連付けられているIPv6アドレスであり、あて先アドレスフィールドはMAGのIPv6アドレスとなる。
また、続くICMPv6パケット1310には、タイプ情報(タイプ値)を含むフィールド1311が存在する。なお、新たなICMPv6メッセージが使用される場合には、新たなタイプ値が設定されてプレフィックスプリファレンス情報が送信されてもよい。タイプ情報を含むフィールド1311に使用されるタイプ値は、ICMPv6メッセージの構造を決定する。
続いて、コード値を含むフィールド1312が存在する。なお、タイプ値に既存の値が用いられ、コード値によってプレフィックスプリファレンスが含まれていることが示されてもよい。すなわち、コード値が、メッセージ情報の違いを示してもよい。例えば、プレフィックスプリファレンスメッセージが近隣探索シグナリングのRS(Router Solicitation)によって送信される場合、コード値を含むフィールド1312にプレフィックスプリファレンスメッセージを示す新たなコード値が用いられてもよい。
続いて、パケットのデータ改ざんを検出するためのチェックサムフィールド1313である。さらに、プレフィックスプリファレンスメッセージを含むパケット1308には、本発明に係るプレフィックスプリファレンスメッセージの必要な情報(例えば、再利用されるプレフィックス、削除されるプレフィックス、リサイクルされるプレフィックスなど)を挿入するためのプレフィックスプリファレンス値フィールド1314が含まれる。
なお、プレフィックスプリファレンスメッセージは、IKEv2開始(initiation)メッセージ(あるいは、その他のIKEv2メッセージ)によって実現されてもよい。一般に、IKEv2開始メッセージは、暗号化アルゴリズムの取り決め、ノンス値の交換、ピア(相手)とディフィー・へルマン鍵を交換するためなどに用いられ、通常、IKEv2ヘッダ部と、1つ以上のIKEv2ペイロード部とを有している。
IKEv2開始メッセージがプレフィックスプリファレンスメッセージの送信に使用される場合には、例えば、既存のペイロードを有する標準のIKEv2開始メッセージに加えて、プレフィックスプリファレンス情報を運ぶための新たなIKEv2ペイロードが付加される。さらに、プレフィックスプリファレンス情報の伝送に既存のIKEv2ペイロードタイプが使用される場合には、IKEv2ヘッダ部に、IKEv2開始メッセージに既存のタイプの追加ペイロードが埋め込まれていることを示す新たなフラグが用いられる。
なお、当業者にとって、IKEv2開始メッセージに新たなプレフィックスプリファレンスメッセージを埋め込む方法が多数存在することは明らかである。例えば、図13に図示されているパケット1315は、IKEv2開始メッセージを使用してプレフィックスプリファレンスメッセージを実現する好適な一例である。
パケット1315には、3つの主要部が存在する。第1の部分はIPv6ヘッダ1316である。IPv6ヘッダ1316には、IKEv2開始メッセージが正しく発送されるように送信元及びあて先の情報が含まれる。また、第2の部分はIKEv2パケットのIKEv2ヘッダ部1317であり、第3の部分はIKEv2ペイロード部1322である。
IKEv2ヘッダ部1317には、IKE_SAイニシエータSPIフィールド1318、IKE_SAレスポンだSPIフィールド1319、標準フィールド1320、メッセージIDフィールド1321が含まれる。これらの4つのフィールドは、IKEv2ヘッダに標準的なフィールドである。
IKE_SAイニシエータSPIフィールド1318には、固有のIKEセキュリティアソシエーション(SA:セキュリティアソシエーション)を識別するためのイニシエータの識別子が含まれ、IKE_SAレスポンダSPIフィールド1319には、固有のIKEセキュリティアソシエーションを識別するためのレスポンダの識別子が含まれる。
また、標準フィールド1320には、例えば、交換メッセージのタイプやフラグなどのようなIKEv2ヘッダで使用される多数の標準フィールドが含まれる。なお、標準フィールド1320には、プレフィックスプリファレンスメッセージの存在を示す新たなフラグタイプが埋め込まれる。また、メッセージIDフィールド1321はメッセージの識別子を含むメッセージ識別子フィールドである。
また、IKEv2ペイロード部1322には、複数のペイロードフィールドが含まれる。通常、IKEv2シグナリングには1つ以上のペイロードが用いられる。なお、図示を明瞭にするため、例えば、再利用されるプレフィックス、削除されるプレフィックス、リサイクルされるプレフィックスなどのような、本発明に係るプレフィックスプリファレンスメッセージの必要な情報を運ぶ新たなペイロードのみが図示されている。
さらには、IKEv2ペイロード部1322には、通知するプレフィックスと関連するAPN(Access Point Name)の情報が含まれることもある。APN情報がIKEv2ペイロード部1322に含まれる場合、メッセージを受信するエンティティは、APN情報からP−GW識別子(PDN Gateway ID)を取得するために用いる。
例えば、3GPPシステムにおいては、MN100が3GPPコアネットワークに配備された拡張パケットシステム(EPS:Evolved Packet System)に接続する際、インターネットブラウジング用のAPN情報としてインターネット接続のためのAPN値と対応するプレフィックスが通知される。MN100は、非信頼WLAN(untrusted WLAN)アクセスシステム経由でEPSに接続するために、WLANインタフェースを使用することを決定する。WLANアクセスシステムが非信頼WLANであることを検出すると(例えば、WLANシステムのアクセスポイントから受信したルータ広告メッセージを通じてWLANアクセスシステムが非信頼WLANであることが通知されたり、あるいは、信頼できるWLANアクセスシステムではないことが検出されたり、あらかじめMN100が該情報を保有していたり、WLANアクセスシステムに接続する際の返り値として通知されたりする、などの方法により)、MN100は、ePDG(enhanced Packet Data Gateway)経由でWLANアクセスシステムからEPSに接続する手続きを開始する。したがって、MN100は、インターネット接続用APNとプレフィックスを記載したIKEv2ペイロード部1322を含むIKEv2パケット1315を送信する。ePDGは、IKEv2ペイロード部1322から抽出したAPN情報をもとに、P−GW識別子をAAAサーバに問い合わせる。P−GW識別子は、P−GWのアドレスであってもよいし、P−GWのアドレスを導出するための情報(例えばP−GWのホスト名やURIなど)であってもよい。ePDGは、MN100に代わって、取得したアドレスのP−GWへの接続を実施する。
さらに、プレフィックスプリファレンスメッセージは、例えば、図13に図示されているレイヤ2フレーム1307のような、レイヤ2(L2)メカニズムあるいはレイヤ2メッセージを使用して実現されてもよい。
例えば、このプレフィックスプリファレンスメッセージは、MNがInterworking WLAN(I-WLAN)やWiMAX、他セルラシステム(3GPP2で規定するcdma2000など)のようなtrusted非3GPPアクセスネットワーク経由で3GPPコアネットワークに接続する場合などに適用できる。
図13のレイヤ2フレーム1307の最初のフィールドはフレームの始めを示す第1フラグフィールド1300であり、続いて、メディアアクセスコントロール(MAC:Media Access Control)アドレスフィールド1301が含まれる。このMACアドレスフィールド1301には、フレームのソースアドレス及びあて先アドレスが含まれる。
また、続いて、特定のタイプのフレームが使用されていることを識別するための制御フィールド1302、プロトコルIDフィールド1303が含まれる。このプロトコルIDフィールド1303には、上位レイヤで送られたパケットに関する値が含まれる。例えば、プレフィックスプリファレンス情報がL2で発送された場合には、プロトコルIDフィールド1303はNULL(ヌル)となる。なお、プレフィックスプリファレンス情報がL2で発送可能であっても、このシグナリングやこのシグナリングに埋め込まれる関連パラメータを送信する決定は、レイヤ3(L3)から行われる必要がある。
続いて、情報フィールド1304が存在する。この情報フィールド1304は、例えば、再利用されるプレフィックス、削除されるプレフィックス、リサイクルされるプレフィックスなど、本発明に係るプレフィックスプリファレンスメッセージの必要な情報を伝送するために使用される。この情報フィールド1304の後に、フレームを改ざんされることなく伝送するため(エラー識別及び修正のため)のフレームチェックシーケンスフィールド1305が存在する。そして、最後に、フレームの区切り(終わり)に用いられる第2のフラグフィールド1306が存在する。
3GPPシステムにおいては、レイヤ2メカニズムの一例としてベアラリソース修正要求メッセージ(Request Bearer Resource Modification Message)が挙げられる。本メッセージは、移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)に送信された後、ベアラリソースコマンド(Bearer Resource Command)としてS-GW(Serving Gateway)に転送される。ここで、MN100は、プレフィックス・プリファレンス・メッセージ(プレフィックス削減要求や、プレフィックス再利用要求、プレフィックスリサイクル要求)を運ぶための情報要素(Information Element)あるいはプロトコル構成オプション(Protocol Configuration Option)を、ベアラリソース修正要求メッセージに追加してもよい。各ベアラにプレフィックスが一つずつ対応づけられる場合、ベアラリソース修正要求メッセージに含まれるプレフィックス・プリファレンス・メッセージで、削除/再利用/リサイクルを要求するプレフィックスを特に指定する必要はない。
他のレイヤ2メカニズムの例として、MN100からネットワークに送信される、PDPコンテキスト修正要求メッセージ(Modify PDP(Packet Data Protocol) Context Request Message)が挙げられる。ベアラリソース修正要求メッセージと同様、MN100は、プレフィックス・プリファレンス・メッセージ(プレフィックス削減要求や、プレフィックス再利用要求、プレフィックスリサイクル要求)を運ぶための情報要素あるいはプロトコル構成オプションを、PDPコンテキスト修正要求メッセージに追加することができる。
また、特に、プレフィックスプリファレンスメッセージは、プレフィックススコープのバインディングアップデートメッセージを用いて実現可能である。プレフィックススコープのバインディングアップデートメッセージは、現在、モバイルノードが3GPP内のモビリティアンカ(例えば、P−GW)へプレフィックス継続を要求するために用いられている。これを、プレフィックスの削減要求又はプレフィックスの再利用要求を運ぶために用いることも可能である。
例えば、バインディングアップデートメッセージのフラグに“R”ビットが存在する場合には、このメッセージの受信者に対して、モバイルノードがプレフィックススコープのバインディングアップデートメッセージに含まれるプレフィックスの使用継続を要求していることを示しているまた、Rビットを削除するか、バインディングアップデートメッセージ内のプレフィックスを省略することで、モバイルノードは、プレフィックスの削減要求をとして用いることも可能である。また同様に、第1インタフェースに割り当てられていたプレフィックスを、第2インタフェースに関連して送信されるバインディングアップデートメッセージに挿入することによって、第1インタフェースのプレフィックスを第2インタフェースで利用するためのプレフィックス再利用要求が実現される。
また、上述の本発明の実施の形態では、MN100によるプレフィックスプリファレンスの送信先をモビリティ管理ドメイン110(モビリティ管理ドメイン110内の任意のエンティティ)として説明を行ったが、プレフィックスプリファレンスの実際の送信先(物理的なノード)は、モビリティ管理ドメイン110のシステム構成に依存する。
例えば、モビリティ管理ドメイン110が十分に管理されたクローズな構成の場合、モビリティ管理ドメイン110のオペレータは、MN100に対して、モビリティ管理ドメイン110内のコアノードのアドレスを明らかにしたくないことがある。この場合、MN100にはMAGのアドレスのみが明らかにされるので、プレフィックスプリファレンスは常にMAGへ送信され、MAGが、プレフィックスプリファレンスを含むメッセージの処理や別のノード(例えば、DHCPサーバ若しくはAAAサーバ)への転送を行う。
また、モビリティ管理ドメイン110がDHCPを利用してMN110へプレフィックスの割り当てを行う場合には、プレフィックスプリファレンスは、DHCP要求メッセージのオプションやその他の形式によってDHCPサーバへ送信されてもよい。DHCPサーバは、MN100へのプレフィックス割り当て管理を行うノードであるため、これによって、シグナリングメッセージのオーバーヘッドは大幅に軽減される。
また、MN100は、プレフィックスプリファレンスをLMAへ送信してもよい。LMAはMN100へ割り当てられたプレフィックスに関する情報をバインディングキャッシュ内に保持する必要があり、この点から、プレフィックスプリファレンスをLMAへ送信することは有用であると言える。
さらに、モビリティ管理ドメイン110の構成上、LMAが、MN100へプレフィックスを割り当てる機能を有する場合がある。このような場合には、LMAがプレフィックスの管理を行っている可能性があり、LMAへのプレフィックスプリファレンスの送信は有用である。
さらに、MN100が、AAAシグナリングメッセージにオプションとしてプレフィックスプリファレンスを挿入して、AAAサーバへ送信することも可能である。ネットワークインタフェースが起動した際にプレフィックスプリファレンスが送信される場合には、同じくネットワークインタフェースが起動した際に送信されるAAAシグナリングメッセージにプレフィックスプリファレンスを挿入することは有用である。さらに、モビリティ管理ドメイン110の構成上、AAAサーバがプレフィックス割り当て及びプレフィックス管理の制御を行う場合もある。
なお、モビリティ管理ドメイン110内の任意のエンティティは、例えば、MN100へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理し、MN100に対して割り当てられたネットワークプレフィックスとMN100との対応関係を維持するプレフィックス対応維持部と、MN100にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報をMN100から受信した場合に、プレフィックスプリファレンス情報に基づいて、MN100に対して割り当てられたネットワークプレフィックスとMN100との対応関係を変更するプレフィックス管理部とを有している。また、プレフィックス管理部は、移動端末における上記の各モードに応じて、不要なプレフィックスの削減、別のインタフェースでの再利用、別のMNにおける使用を示すリサイクルなどが行われるように、MN100に対して割り当てられたネットワークプレフィックスとMN100との対応関係の変更を行う。
また、3GPPの構成では、プレフィックスプリファレンスメッセージが、S−GW(サービングゲートウェイ)、ePDG(拡張パケットデータゲートウェイ)、P−GW(パケットデータネットワークゲートウェイ)へ送信されてもよい。モバイルノードは、AAAサーバ(すなわち、3GPPのHSS)と直接通信することが許可されていないかもしれないが、プレフィックスプリファレンスメッセージがAAA交換メッセージに埋め込まれてHSSへ渡されてもよい。
また、モビリティ管理ドメイン110におけるプレフィックス割り当てに関する別の問題を解決するために本発明を適用することも可能である。以下、図6A及び図6Bを参照しながら、モビリティ管理ドメイン110におけるプレフィックス割り当てに関する別の問題を解決する本発明の適用例について説明する。
図6Aには、MN100がモビリティ管理ドメイン110内を移動する場合のシナリオが示されている。最初、MN100はアクティブなUMTS接続602のみを有しており、UMTSのeNodeBであるMAG620に接続している。HA/LMA615は、第1のプレフィックスP1をUMTSインタフェースへ割り当て、MN100は、このプレフィックスをホームプレフィックスとして使用する。
その後しばらくして、MN100は、WLANアクセスネットワーク618でWLANインタフェースを起動し、MAG625に対して新たな接続を行う。WLANアクセスネットワーク618が非信頼WLAN(untrusted WLAN)の場合には、WLAN接続604はPPP又はEAP接続となり、MAG625がePDGとなる。
ここで、このWLAN接続604に対して、どのような種類のプレフィックスがMN100へ割り当てられるべきか考慮される必要があり、以下の幾つかの例が考えられる。
第1に、MN100がこのプレフィックスを用いて気付アドレスを構成することができるようにするため、MAG625が、モビリティ管理ドメイン110の第2のプレフィックスP2(既に割り当てられているプレフィックスP1とは異なるプレフィックス)をMN100へ割り当てることが可能である。MN100がモビリティ管理ドメイン110へ接続している限り、モビリティ管理ドメイン110から割り当てられたプレフィックスは維持される。
第2に、MAG625は、モビリティ管理ドメイン110のプレフィックスとして維持されないローカルプレフィックスをMN100へ割り当てることが可能である。このプレフィックスは、一般に経路最適化に使用される(このプレフィックスに基づいて構成されたアドレスあてのパケットは、HA/LMA615へ転送される必要がないので)。
第3に、モビリティ管理ドメイン110が同一のMN100の複数のネットワークインタフェースに対して1つのプレフィックスを割り当てることをサポートしている場合には、同一のプレフィックスP1をMN100のWLANインタフェースへ割り当てることが可能である。この場合、MN100は、プレフィックスP1から構成されたホームアドレスに関連するデータフローに関して、UMTSインタフェース及びWLANインタフェースのどちらを用いてもよい。
しかしながら、いずれの場合においても、MN100が必要としている(あるいは望んでいる)プレフィックスの種類をモビリティ管理ドメイン110が把握する必要がある。このように、MN100が必要としている(あるいは望んでいる)プレフィックスの種類をモビリティ管理ドメイン110が把握できるようにするため、本発明に基づいて、MN100がその必要性(MN100が必要とするプレフィックスの種類)を通知することが可能である。
これを実現する好適な方法の1つは、MN100がMAG625に接続した際に、MAG625が最初にMN100に対してすべての割り当て可能なタイプのプレフィックスを割り当て、MN100にプレフィックス削減要求の送信を行わせて、不必要なすべてのプレフィックスをリリースさせるとともに、必要なプレフィックスのみ保持させることである。なお、この方法に関しては、後で図6Bを参照しながら説明する。
また、別の方法として、MN100がプレフィックスリサイクル要求を用いてローカルプレフィックスを取得し、プレフィックス再利用要求を用いてホームプレフィックスを取得し、通常の接続処理においてモビリティ管理ドメイン110の第2のプレフィックスP2を取得するなどのように、MN100が、モビリティ管理ドメイン110から割り当てられるプレフィックスに関して本発明に係る各モードのいずれが適切かを判断してモードを使い分けることも可能である。
以下、図6Bを参照しながら、最初にMN100に対してすべての割り当て可能なタイプのプレフィックスを割り当て、MN100に必要なプレフィックスを選別させる方法について説明する。
図6Bにおいて、MN100は、まずステップS630で、UMTSインタフェースにおいてプレフィックスP1をRAメッセージによって受信する。その後、MN100は、ステップS635において、WLANインタフェースを起動してMAG625へ接続する。このとき、モビリティ管理ドメイン110は、まずすべての異なるタイプのプレフィックスをMN100へ割り当てる。例えば、モビリティ管理ドメイン110は、ステップS640において、プレフィックスP1、プレフィックスP2(例えば、ローカルプレフィックス)、プレフィックスP3(例えば、モビリティ管理ドメイン110から割り当てられる別のプレフィックス)を含むRAメッセージをMN100へ送信する。
MN100は、ステップS640ですべての異なるタイプのプレフィックスを受信すると、ステップS650において、MN100のプレフィックス検出部250が、余分なプレフィックスの検出処理を開始する。ここで、MN100はローカルプレフィックス(上記のプレフィックスP2)の使用を望んでいるとする。この場合、MN100は、ステップS660においてプレフィックス削減要求をWLANインタフェースからモビリティ管理ドメイン110へ送信し、プレフィックスP1及びプレフィックスP3をリリースする。この結果、MN100には、ステップS670のRAメッセージに示されているように、WLANインタフェースにプレフィックスP2が割り当てられ、ステップS680のRAメッセージに示されているように、UMTSインタフェースにプレフィックスP1が割り当てられる状態となる。
次に、複数のLMAが存在する環境でのプレフィックス再利用方法の動作について説明する。また、本発明に係るメカニズムは、複数のLMAが配置されているNetLMMドメインにおいても適用可能である。以下、図7Aに示すような構成の場合を考慮しながら説明する。
プレフィックス再利用メカニズムが用いられた場合には、例えば、図7Cに図示されているメッセージシーケンスの動作が行われる。図7Cでは、MN700Cは、2つのLMA(例えば、LMA703C及びLMA704C)を有するNetLMMドメインに接続されている。MN700CのIF1はMAG701Cに接続されており、MN700CのIF2は接続されていないと仮定する。さらに、LMA703C及びLMA704Cは、MN700Cに割り当てられたプレフィックスに関して、MAG701Cを経由するプレフィックスの経路を有していると考える。
MN700CはMAG701Cに接続されているので、MAG701Cは、LMA703CへPBU706Cを送信し、PBA707Cを受信する。図7Aに示す状態から図7Bに示す状態へ変化する際に生じるIF2の垂直ハンドオフ動作によれば、PBA707Cは2つのプレフィックス(プレフィックスP1及びP2)を有している。これらのプレフィックスは、LMA703Cに接続されているPDNからのサービスにアクセスするために使用される。
同様に、MAG701CはLMA704CへPBU708Cを送信し、その応答であるPBA709CによってLMA704Cからプレフィックスを受信する。これにより、2つのプレフィックス(プレフィックスP3及びP4)がPBA709Cによって受信される。このプレフィックス割り当ては従来のハンドオフの結果生じるものであってもよい。
例えば、プレフィックスP2は最初IF2に割り当てられ、LMA703Cで管理されていたとする。そして、垂直ハンドオフ動作によってIF1へハンドオフが行われたとする。また同様に、プレフィックスP4は最初IF2に割り当てられ、LMA704Cによって管理されていたとする。そして、垂直ハンドオフ動作によってIF1へハンドオフが行われたとする。さらに、プレフィックスP1は、LMA703CによってIF1に割り当てられており、プレフィックスP3は、LMA704CによってIF1へ割り当てられていたとする。その結果、RA710Cには、プレフィックスオプションによって送信されるプレフィックスP1、P2、P3、P4が含まれる。
ここで、IF2をアクセスネットワークへ接続した後、MN700CがプレフィックスP4に関連するフローをIF2へ移すよう決定したとする。例えば、MN700Cは、例えば負荷バランスのために(あるいは、例えば、プレフィックスP4に関連するフローが新たに探索されたアクセス技術のタイプ経由のほうが適しているなどの他の理由で)、IF2に適したアクセスネットワークを探索したなどの可能性がある。このとき、MN700Cは、IF2に接続するMAG702Cへプレフィックス再利用要求メッセージ711Cを送信する。
プレフィックス再利用要求メッセージ711Cは、例えば、アクセス技術固有の接続メッセージに埋め込まれてもよい。プレフィックス再利用要求メッセージ711Cには、プレフィックスP4が含まれている。
MAG702Cは、このプレフィックス再利用要求メッセージ711Cを受信すると、アクセス認証を開始し、HSS/AAAエンティティ705Cと認証シグナル交換を行う。HSS705Cは、アクセス認可の成功を示す情報、LMA703C及びLMA704Cのアドレス、MN700Cに関連するサービス加入者情報を提供する。
ここで、MAG702Cは、LMA703Cを選んでプレフィックス再利用要求メッセージ713C(PBU−再利用要求)を送信すると仮定する。このメッセージ713Cには、HNP(Home Network Prefix)オプションにプレフィックスP4が埋め込まれているとともに、これがプレフィックスのサブセットの垂直ハンドオフであることを示す新たなハンドオフインディケータオプションが含まれている。LMA703Cは、このメッセージ713Cを受信した場合、バインディングキャッシュ内のプレフィックスP4を特定できず、プレフィックスP4がLMA703Cによってサポートされていないこと、又は、要求されたプレフィックスP4をMN700Cへ割り当てられないことを通知するエラー通知714CをMAG702Cへ送信する。
MAG702Cは、このメッセージ714Cを受信すると、LMA704CへPBUメッセージ715Cの送信を試みる。LMA704Cは、PBU715Cを受信すると、バインディングキャッシュを検索し、プレフィックスP4に関連するモビリティセッションを特定する。この場合、LMA704Cは、プレフィックス再利用の成功を示す適切なPBA716Cを送信する。プレフィックス再利用の確認メッセージであるPBA716CをMAG702Cへ送信する前に、LMA704Cは、IF1に関連して作成されているモビリティセッションに関連したP4を削除し、IF2に関する新たなモビリティセッションを作成するとともに、作成された新たなモビリティセッションにプレフィックスP4を割り当てる。
MAG702Cは、PBAメッセージ716Cを受信すると、MN700CのIF2へRAを送信し、MN700CがプレフィックスP4を使用してアドレスを構成できるようにする。これにより、使用されているプレフィックス再利用要求メッセージによって、あるインタフェースから別のインタフェースへプレフィックスを移すという目的が実現される。しかしながら、MAG702Cが、最初に誤ったLMAを選択してしまうと、シグナリングの遅延(例えば、エラー通知)が発生する。以下、図7Cにおいて、MN700CがプレフィックスP1及びP4の両方をIF2へ移すことを決定した場合について説明する。
上述のように、プレフィックスP1がLMA703Cに属し、プレフィックスP4がLMA704Cに属する場合を仮定する。上述のように、MAG702Cは、プレフィックス再利用要求メッセージ717Cを取得すると、認証処理において、LMA703C及びLMA704のアドレスをHSS/AAA705Cから取得する。しかしながら、MAG702Cは、どのLMAがプレフィックスP1及びP4を有しているのかを把握できない。MAG702Cは、PBUによってプレフィックスP4に関するプレフィックス再利用要求メッセージ718C(PBU−再利用要求)をLMA703Cへ送信した場合には、エラー通知719CをLMA703Cから受信する。また、MAG702Cは、プレフィックスP1を再利用するためのプレフィックス再利用要求メッセージ720C(PBU−再利用要求)をLMA704Cへ送信すると、エラー通知721CをLMA704Cから受信する。このようなエラー通知によって生じる遅延を削除するためにプレフィックス再利用要求メカニズムを拡張した場合について説明する。
次に、複数のLMAが配置されている場合に、各プレフィックスに関連するAPN情報をMNから提供することでプレフィックス再利用要求を実現することについて説明する。プレフィックス再利用要求を送信する場合に、モバイルノードが関連するAPNを提供する拡張を行うことが可能である。
別のインタフェースに移す必要があるプレフィックスに関連したAPNをモバイルノードから提供することで、MAGは、プレフィックスにマッピングされたAPNを解析し、各プレフィックスに関連するP−GW又はLMAのアドレスを特定することが可能である。MAGはAPNを解析すると、同一のAPN(すなわち、同一のLMA)に属するプレフィックスをグループ化する。その結果、MAGは、グループ化されたプレフィックスが関連するLMAへプレフィックス再利用要求のPBUを送信することが可能である。
この方法では、複数のLMAが存在する場合に、プレフィックス再利用要求メッセージによってプレフィックス及び関連するAPNが提供される。以下、この方法を拡張プレフィックス再利用要求方法と呼ぶことにし、図8A、8B、8Cを用いて説明する。
図8Aには、本発明に係る拡張プレフィックス再利用方法の動作に関連するネットワークエンティティを含むネットワーク構成の一例が図示されている。図8Aにおいて、MN809は、新たに起動したインタフェース又は既存のインタフェース経由でプレフィックス再利用要求を行うとする。
図8Aでは、MN809は、MAG807に接続されているインタフェースIF1を介してNetLMMドメイン802に接続されている。MAG807は、IF1に関するモビリティを管理し、2つのLMA(LMA805及びLMA806)にMN809のIF1に接続されているモビリティセッションに関するバインディングを設定する。また、LMA805は、PDN800に接続されており、LMA806は、PDN801に接続されているとする。
PDN800によって提供されるサービスは、APN1によって特定され、PDN801に関連するサービスはAPN2によって特定される。上述の図7A、7B、7Cに示す例の場合には、MAG807は、LMA805から取得された2つのプレフィックスP1及びP2、LMA806から取得された2つのプレフィックスP3及びP4を、RAメッセージによってMN809へ通知する。
MN809は、第2インタフェースIF2を使用し、無線スキャンメカニズムによって無線アクセスネットワーク803を探索する。そして、前述の例と同様に、MN809は、IF1から、新たに起動したIF2へプレフィックスのサブセットを移すことを決定したとする。本発明の好適な実施の形態によれば、MN809は、あるインタフェース(例えばIF1)に割り当てられたプレフィックスの一部のみをMAG808に接続している別のインタフェース(例えばIF2)に移すために、関連するAPN情報を含むプレフィックス再利用要求を送信することが可能である。
以下、図8Bに図示されているメッセージシーケンスチャートを参照しながら、拡張プレフィックス再利用要求方法の動作の一例について説明する。図8Bにおいて、MN809はMAG807に接続されており、例えば、RA811内に4つのプレフィックス(P1、P2、P3、P4)を確認したとする。割り当てられるプレフィックスは、例えば、LMA805及びLMA806などの異なるLMAに対する2つのPBU/PBA動作によって取得される。
ここで、MN809は、プレフィックスP1を新たに起動したインタフェースへ移そうとしているとする。プレフィックスP1は、LMA805に接続されたPDNからのサービスへアクセスできるように割り当てられているので、MN809は、関連するAPN情報が付加されたプレフィックス再利用要求メッセージ812(一部のプレフィックスをハンドオフさせるトリガ)をMAG808へ送信する。すなわち、このメッセージ812には、APN1の情報が含まれているとともに、関連するプレフィックスP1の情報が埋め込まれている。
MAG808は、メッセージ交換813に示されているように、まず、HSS/AAA810との間で新たな接続のためのアクセス認証及び認可を実行する。認証に成功すると、MAG808は、メッセージ812内のAPN1の情報からLMA805を正しく特定し、プレフィックス再利用要求メッセージ814(PBU−再利用要求)をLMA805へ送信することが可能である。
なお、ここでは、MN809が1つのプレフィックスのみ(プレフィックスP1)を新たなインタフェース(IF2)へ移す場合がについて説明したが、MN809は、より多くのプレフィックス(例えば、プレフィックスP1及びP4)を移すことを決定した場合には、レイヤ2のトリガ816(一部のプレフィックスをハンドオフさせるトリガ)にプレフィックスP1及びP4に関連するAPN情報を含ませることが可能である。なお、上述のように、プレフィックスP1はLMA805を論理的な基点とし、プレフィックスP4はLMA806を論理的な基点とする。
MAG808は、APN1及びAPN2の情報を解析してLMAのアドレスを特定すると、2つのセットのプレフィックス再利用要求のPBUをLMA805及びLMA806へ送信する(PBU817をLMA805へ送信し、PBU819をLMA806へ送信)。なお、図8Bにおいて、各LMA805、806からの応答は、PBA818及びPBA820に示されている。
なお、この例では、APNの情報は単一のLMAに帰着される場合を考慮しており、LMA群(すなわち、APNの情報から複数のLMAが特定される場合)は考慮されていない。しかしながら、ここで説明した拡張プレフィックス再利用要求方法は、LMA群の場合においても利用可能である。この場合、MAG808は、APNを解析して単一のAPNに関連するLMA群のアドレスを特定し、さらにHSS情報を待機及び参照して、プレフィックスに関連する正しいLMAアドレスを特定する。このとき、認証/認可の交換813の間に、モバイルノードが使用していたLMAのアドレスがMAG808へ提供されてもよい。MAG808は個々のAPNを解析して、HSS/AAA810から提供される正しいLMAのアドレスと照合することが可能である。
例えば、APN1がLMA805A、805B、805Cに帰着され、HSS/AAA810が認証交換813の間にLMA805及びLMA806のアドレスを提供した場合、MAG808は、LMA805として正しいLMAのアドレスを特定でき、特定されたLMAに対してプレフィックスP1に関するプレフィックス再利用要求PBUを送信することが可能となる。
次に、複数のインタフェースが完全に接続された場合のAPN情報を用いた拡張プレフィックス再利用要求方法について説明する。複数のLMAが使用されている構成において、モバイルノードが複数の接続インタフェースを有している場合に、APN情報を含む拡張プレフィックス再利用要求方法を用いることができる。以下、図8Cを参照しながら説明する。
図8Cでは、MN809がすべてのインタフェースを同時に使用して、図8Aに示すNetLMMドメイン802へ接続する場合を考える。また、MN809は、PDN(例えば、LMA805に接続されているPDN800、LMA806に接続されているPDN801)からのサービスを取得しようとしているとする。さらに、MN809のIF1は、無線アクセスネットワーク804を通じてMAG807に接続されており、MN809のIF2は、無線アクセスネットワーク803を通じてMAG808に接続されている。
なお、この実施の形態では、MN809が複数のインタフェースを介して無線アクセスネットワークに接続されているが、当業者であれば、本明細書に記載されている方法は、アクセスネットワークのタイプに制限されるものではなく、さらには、モバイルノードが有線アクセスネットワークに直接接続される場合においても適用可能であることは明らかである。
この例では、MN809は、第1インタフェースIF1上で2つのプレフィックスP1及びP3をMAG807から受信し、PDN800及びPDN801のそれぞれからPDNサービスへアクセスすると仮定する。これらのプレフィックスは、PBU/PBAメッセージ821、822のそれぞれによって提供される。さらに、MN809は、第2インタフェースIF2上で2つのプレフィックスP2及びP4をMAG808から受信し、PDN800及びPDN801のそれぞれからPDNサービスへアクセスすると仮定する。これらのプレフィックスは、PBU/PBAメッセージ824、825のそれぞれによって提供される。これは、プレフィックスP1、P2がLMA805を論理的な基点にし、プレフィックスP3、P4がLMA806を論理的な基点とすることから明らかである。
MAG807は、LMA805、806からPBAを受信した後、プレフィックスP1、P2を通知するRA823を送信する。また同様に、MAG808は、LMA805及びLMA806からPBAを受信した後、プレフィックスP3、P4を通知するRA826を送信する。
ここで、接続インタフェースが完全に接続している場合においてプレフィックス再利用要求を実行する決定を行うことを説明する前に、複数インタフェースを同時に使用して異なるLMAによって管理されている複数のPDNからのサービスへアクセスするユースケースについて考察する。例えば、MN809は、図8Aに示される2つのPDN800、801に配置されている複数のピアノードとの間で複数のフローを開始しようとしているかもしれない。例えば、このようなフローとして、4つのフロー(2つはPDN800に接続されており、別の2つはPDN801に接続されている)を考える。
この場合、4つすべてのフローがあるインタフェースに割り当てられて特定のアクセス技術経由での負荷を増加させるより、MN809の複数のインタフェース間でこれらのフローの負荷バランスを行うほうが有益であると考えられる。フローに関する基本的な負荷バランスを実現した後、MN809が接続されているアクセスネットワークの条件が変化した場合には、MN809は、フロー性能又はフローに関連するQoSを改善するため、及び/又は、負荷バランスの動作を改善するために更なる最適化を望む可能性がある。このとき、MN809は、あるプレフィックスに関連するフローを、接続状態にある別のインタフェースへ移すことを望むかもしれない。これによって、ネットワーク輻輳によるフローの遅延やハンドオーバによる遅延を避けることができるかもしれない。
また、MN809のインタフェースにおける均一ではないアクセスネットワーク状態のために負荷バランスを行うものであってもよい。例えば、あるアクセスネットワークが別のアクセスネットワークより利用可能な帯域幅が大きい場合には、MN809は、あるプレフィックスに関連するフローをより余裕のある帯域幅を持ったアクセス技術へ移すことで、非均一な環境における負荷バランスの実現を望むかもしれない。なお、非均一な環境は、例えば、モバイルノードが特定のインタフェースを通じて接続されている任意のアクセス技術が、モバイルノードが別のインタフェースを通じて接続されている他のアクセス技術よりも輻輳している状態などである。
その結果、MN809は、元々はIF1へ割り当てられていたプレフィックスP1をIF2経由となるように移すことを決定すると、図8Cに示されているプレフィックス再利用要求メッセージ827を送信する。このメッセージ827には、プレフィックスP1とAPN1の情報とが含まれている。
MAG808は、このメッセージ827を受信すると、APN1を解析してLMA805のアドレスを特定する。MAG808は、プレフィックス再利用要求PBU828をLMA805へ送信し、プレフィックスP1を移すよう要求することが可能である。LMA805は、プレフィックスP1を移すことを承認すると、その応答であるPBA829をMAG808へ送信し、IF1からプレフィックスP1を取り除く取り消しメッセージ830(プレフィックスP1のみを部分的に取り消すためのメッセージ)をMAG807へ送信する。
この取り消しメッセージは、プレフィックスのサブセットの削除を示すフラグがセットされたPBAを利用して送信されてもよく、あるいは、非特許文献7に開示されているバインディング取り消しメッセージに、プレフィックスのサブセットの削除を示す新たなフラグを設けたものを利用して送信されてもよい。
なお、この場合には、ある接続インタフェースから別のインタフェースへ1つのプレフィックスを移す場合を示しているので、APN情報を使用することが有用である。このように、HSSに関連するシグナリングを行わずにプレフィックスを移す場合には、モバイルノードが送信するAPNとプレフィックスとのマッピングは、正しいLMAを特定するために非常に有用である。
次に、複数のPDNがAPNを共有する場合のAPNを用いた拡張再利用プレフィックス要求方法について説明する。本発明の好適な実施の形態において、APN情報を用いた拡張プレフィックス再利用要求方法は、単一のAPNに関連して複数のPDNが存在する環境においても利用可能である。このような環境は、非特許文献5に開示されているが、非特許文献5では、複数のPDNに単一のAPNが割り当てられている場合に、同一のAPNが割り当てられているPDNが同一のLMA又はP−GWによって管理される必要があると記載されている。
1つのシナリオ例は、MNが1つのAPNで指定されるPDNドメインに、複数のPDNコネクションを確立してサービスを享受するものである。こうした単一PDNへの複数PDNコネクションは、3GPPアクセス手段を持たない複数の端末がMNに関連付けられている場合に、MNによって確立されることがある(例えば、それらの端末はUSIM(Universal Subscriber Identity Module)のような契約情報などを含み端末認証を実施するための媒体を有していなかったりする場合など)。
他のシナリオ例は、それまで(例えば、ハンドオーバ前など)MNがIPv4アドレスとIPv6プレフィックスを含むPDNコネクションを有していたが、それぞれのアドレス/プレフィックスに基づくコネクションを、別々のPDNコネクションとして扱いたい場合が挙げられる。
以下、図9を参照しながら、単一のAPNに関連して複数のPDNが存在する場合に本発明を使用する場合について説明する。図9では、最初に、MN911がインタフェースの1つ(例えばIF1)を介してMAG909に接続されているとする。MN911は、PDN901、902、904、905からサービスを受信するようサービスに加入しているとする。
PDN901、902は同一のAPN群(APN cloud)900に属している。これは、PDN901、902に同一のAPN(例えば、APN1)が割り当てられていることを意味している。また、PDN904、905は同一のAPN群903に属している。これは、PDN904、905に同一のAPN(例えば、APN2)が割り当てられていることを意味している。
MN911は4つのPDN901、902、904、905からサービスを受信するようサービスに加入しているので、IF1を介してNetLMMドメイン(PMIPv6ドメイン)908に接続する際には、MAG909がLMA906及びLMA907のそれぞれに1つのPBUを送信する。LMA906は、PDN901、902からのサービスにアクセスするためのゲートウェイである。LMA907は、PDN904、905からのサービスにアクセスするためのゲートウェイである。
上述のように、最初の接続で、MAG909は、LMAの情報(例えば、LMA906及びLMA905のアドレス)を、HSSから提供されるAPN1情報及びAPN2情報から取得する。なお、図9では、図面を簡素化するため、このような最初の接続に係るPBUシグナリングの詳細については明示していない。
例えば、LMA906へ送信されたPBUにはAPN1情報が含まれており、LMA907へ送信されたPBUにはAPN2情報が含まれている。さらに、上述のLMA906、907のいずれかがPBUを受信すると、そのLMA906、907は、PBUに挿入されているAPN(APN1、APN2)が複数のPDNに対応することを把握する。そして、LMA906、907は、必要なプレフィックス(すなわち、2つのプレフィックス)をPBAによって提供する。PBA914、915に正しいプレフィックスを割り当てる前に、LMA906は、例えば、PBUに挿入されているAPN1をPDN1、PDN2にマッピングし、同様に、LMA907はPBUに挿入されているAPN2をPDN4、PDN5にマッピングする。
MAG909から送信されるPBUは、通常の初期接続トリガ又は再登録トリガである。LMA906、907はPBUを受信した後、対応するPBA914、915をMAG909へ返信する。PBA914には、HNPオプションにプレフィックスP1、P2が含まれており、同様に、PBA915には、HNPオプションにプレフィックスP4、P5が含まれている。プレフィックスP1、P2、P4、P5は、それぞれPDN1、PDN2、PDN4、PDNからのサービスにアクセスするために使用される。MAG909は、これらのプレフィックスをPBA914、915によって受信すると、すべてのプレフィックス(プレフィックスP1、P2、P4、P5)を通知できるRA916を送信する。
ここで、MN911は、第2インタフェースIF2をMAG910に接続する際に、プレフィックス再利用要求を使用することを決定したとする。例えば、MN911は、プレフィックスP5及びAPN2を有するプレフィックス再利用要求メッセージ917を送信する。MAG910は、このメッセージ917を受信すると、プレフィックスP5に関連するLMA(LMA907)を特定することが可能である。すなわち、MAG910は、APN2を解析してLMA907のアドレスを取得する。この場合、MAG910は、プレフィックス再利用要求PBU918をLMA907へ送信し、これによって、1つのAPNが複数のPDNに割り当てられている場合においても、プレフィックス再利用要求が実現される。
次に、APN情報を用いた拡張プレフィックス再利用要求メカニズムの実行に必要なモバイルノードの機能アーキテクチャについて説明する。図2に示すルーティング部220は、例えば、ICMPv6やIKEv2プロトコルなど、様々なタイプ(プロトコル)のシグナリングに関するIPv6ルーティングサポートを提供する。これら様々なタイプのシグナリングをサポートすることによって、拡張プレフィックス再利用要求メッセージは、ICMPv6やIKEv2シグナリングメッセージなどを用いて送信可能となる。
また、図2に示すルーティングテーブル240を使用して、プレフィックス再利用要求メッセージが埋め込まれた上記シグナリングメッセージが発送される。ここでは、図2に示すプレフィックス検出モジュール250は、2つの追加機能を有している。第1の追加機能は、プレフィックス再利用要求メッセージを実現する際にAPN情報を必要とすることを決定するための決定機能である。第2の追加機能は、プレフィックス再利用要求メッセージを送信する際に、プレフィックス再利用要求メッセージ内に用いられるべきプレフィックスを特定し、APNとプレフィックスとをマッチングする機能である。
また、プレフィックス再利用要求メッセージを送信するプレフィックス管理部260は、L3シグナル又はL2シグナルを用いてメッセージを送信するかどうかを決定する機能を有している。さらに、プレフィックス管理部260は、プレフィックス及びAPNをグループ化し、ルーティング部220又は機能モジュール(ネットワークインタフェース210)に実装されているL2レイヤ220におけるルーティングメカニズムを用いて、関連するシグナリングを構築する追加機能を有している。
また、図2に示すシグナリングインタフェース292は、特にプレフィックス再利用要求メッセージをL2経由で送信する必要がある際にプレフィックス再利用要求メッセージを処理するシグナリングインタフェースである。例えば、適切かつセキュアなL3のモバイルノード−MAGインタフェースが存在しない場合には、接続シグナリング又は新たなL2シグナリングなどのL2シグナリングによってプレフィックス再利用要求メッセージを送信することが有用な場合もある。このような場合、プレフィックスとAPNとのマッピングは、シグナリングインタフェース292を通じて、プレフィックス管理部260からネットワークインタフェース210に実装されているL2機能へ直接送信される。なお、当業者であれば、上述したネットワークインタフェース210内の追加機能は、APNを有するプレフィックス再利用要求メッセージを実現する一例であることは明らかであり、その他の方法によって、本発明を実現することも可能である。
また、図10には、本発明の好適な実施の形態における拡張プレフィックス再利用要求メカニズムを実行するための好適なモバイルノードの動作の一例が図示されている。
モバイルノードは、最初のステップS1000において、プレフィックスのサブセットに関連するハンドオフに関して、プレフィックス再利用要求方法を実行する必要があるかどうかをモバイルノードが確認を行う。上述のように、モバイルノードは、プレフィックスのサブセットに関連するフローに関して、負荷バランスやより良いQoSを実現するためにプレフィックス再利用要求のハンドオフを実行してもよい。
このステップS1000においてプレフィックス再利用要求方法を実行する必要がないと判断された場合には、ステップS1001において、通常の垂直ハンドオフ処理が実行される。この通常の垂直ハンドオフ処理では、垂直ハンドオフにおいて、あるインタフェースから別のインタフェースへすべてのプレフィックスを移すことを示している。
一方、ステップS1000においてプレフィックス再利用要求方法を実行すると判断された場合には、ステップS1002における別の判断処理が行われる。すなわち、ステップS1002において、モバイルノードは、複数インタフェースのモバイルノードがプレフィックス再利用要求メッセージにAPN情報を付加すべきかどうかを判断する。なお、モバイルノードは、複数のLMAを使用してNetLMMドメインのサービスにアクセスすることが予測できる場合に、プレフィックス再利用要求メッセージにおいてAPNを提供するかどうかを判断してもよい。RA内のフラグによって複数のLMAが使用されるという情報がMAGから提供される場合や、モバイルノードが静的にあらかじめ構成された情報(モバイルノードに関連したサービスに関して複数のLMAの使用を特定するPLMNの識別子又はNetLMMドメインの識別子)を有している場合などに、モバイルノードは、複数のLMAの使用を予測することができる。また、複数のLMAを使用する環境において、MAGが異なるPBUからプレフィックスを取得することによって、MAGから送信されるRAが異なる時間にモバイルノードに届けられてもよい。
同一インタフェースに割り当てられたプレフィックスを運ぶRAが、時間をずらして到着によって、モバイルノードは、複数のLMAを使用してNetLMMドメイン内のサービスにアクセスすることを予測することが可能となる。なお、モバイルノードがこのNetLMMドメイン内のMIPv6モードを使用し、異なるホームエージェントを使用している場合には、モバイルノードは、このドメインで複数のサービスにアクセスするために複数のLMAが使用されていることを把握することが可能となる。この場合、LMAはHA機能も有しており、実際には、1つの物理的なエンティティにおいてLMA/HAのように機能が共設されている。このように、モバイルノードは、多数の種類の情報のいずれかに基づいて複数のLMAの使用を予測することが可能である。モバイルノードは、例えば、ネットワークから提供される情報、静的に構成された情報、あるいは、短時間のうちに同一インタフェースで受信した複数のRA(あるいは、複数のプレフィックスのセットを運ぶRA)に基づいて、複数のLMAが使用されていることを決定することが可能である。こうした予測機能によって、モバイルノードはステップS1002の処理を実行することが可能である。
ステップS1002で、複数のLMAが使用されておらず、プレフィックス再利用要求メッセージにAPN情報を付加する必要はないと判断された場合には、モバイルノードは、ステップS1003において、あるプレフィックスのサブセットをメッセージ(トリガメッセージ)に埋め込んでプレフィックス再利用要求を実行する。一方、ステップS1002で、複数のLMAが使用されており、プレフィックス再利用要求メッセージにAPN情報を付加すべきと判断された場合には、ステップS1004において、どのプレフィックスがどのAPNに関連しているかを分類し、ステップS1005において、プレフィックスとAPNとのマッピングを有するシグナリングメッセージ(トリガメッセージ)を構成して送出する。
なお、このトリガメッセージは、拡張プレフィックス再利用要求メッセージが送信されるアクセスネットワークに依存し、L2メッセージであってもよく、L3メッセージであってもよい。また、アクセス技術においてL3セキュリティがサポートされている場合には、プレフィックス再利用要求メッセージと共に、ICMPv6タイプのL3メッセージが送信されてもよい。また、アクセス技術がIKEv2に関連する場合には、IKEv2シグナリングを使用してプレフィックス再利用要求メッセージが伝送されてもよい。また、アクセスネットワーク内でL3メッセージが利用できない場合には、L2メッセージの送信が行われる必要がある。
次に、本発明の好適な実施の形態において、APN情報を有するプレフィックス再利用要求メッセージを処理するためのMAGのアーキテクチャの一例について説明する。この機能アーキテクチャは、例えば、図11に示される機能モジュールによって実現される。
図11に図示されているMAG1100は、APN情報を有するプレフィックス再利用要求メッセージを処理するためのMAG機能を実現するすべてのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアを示している。図11では、MAG1100は、2つのサブモジュール(下位レイヤプロトコル部1102及びレイヤ3プロトコル部1101)によって実現され得るとする。下位レイヤプロトコル部1102は、複数の下位レイヤプロトコル部1102によって構成されている。各下位レイヤプロトコル部1102は、MAG1100が接続する任意のアクセスネットワークに関連している。この下位レイヤプロトコル部1102は主にデータリンクレイヤ及び物理レイヤに関連するモジュールである。
一方、レイヤ3プロトコル部1101は、図11に図示されているように、4つのサブモジュールによって構成される。これらのサブモジュールは、IPv6ルーティング部1103、サブセットプレフィックストリガ処理部1104、バインディングリスト部1105、PMIPv6シグナリング処理部1106である。これらのレイヤ3プロトコル部1101のサブモジュールは、図11に示すように、各サブモジュール間で、シグナリングメッセージを渡すための適切なシグナリングインタフェースを有している。
IPv6ルーティング部1103は、近隣探索、アドレス構成などを始めとして、基本的なIPv6ルーティングメカニズムの機能を有している。このIPv6ルーティング部1103では、標準のIPv6ヘッダがメッセージに付加され、メッセージから削除され、あるいは検出される。
また、サブプレフィックストリガ処理部1104は、プレフィックス再利用要求メッセージに埋め込まれているプレフィックス及び関連するAPNを抽出、収集する機能を有している。サブプレフィックストリガ処理部1104は、プレフィックス再利用要求メッセージ内のプレフィックス及び関連するAPNを抽出すると、すべてのAPNを解析し、各プレフィックスに関して正しく対応したLMAのアドレスを特定することが可能である。このサブプレフィックストリガ処理部1104は、例えば、LMAのアドレスや関連するプレフィックスなどのようなAPNから解析された情報をPMIPv6シグナリング処理部1106へ渡し、適切なLMAに対して適切なPBUを作成することが可能である。
PMIPv6シグナリング処理部1106は、PBUに関する新たなハンドオフインディケータオプション値を準備し、さらに、プレフィックス再利用のハンドオフ処理を完了する機能や、LMAから送信された取り消しメッセージのサブセットを処理する機能を有している。この取り消しメッセージは上述の実施の形態で説明したものである。取り消しメッセージの主な機能は、任意のモバイルノードに関してMAGで処理されたプレフィックスのサブセットがもはや妥当ではなくLMAによって取り消された旨をMAGに通知することである。
プレフィックス再利用要求メッセージのためのすべての準備オプションがPMIPv6シグナリング処理部1106で形成されると、このPMIPv6シグナリング処理部1106は、適切なハンドオフインディケータオプション値を有する通常のPBUを構築する。プレフィックス再利用要求メッセージが接続インタフェースを通じて送信される場合、PBUには、基本的に新たなタイプのハンドオフインディケータオプションが存在する。このオプションは、その前に接続していたインタフェースからプレフィックスを削除し、接続インタフェースに関連するバインディングキャッシュエントリにそのプレフィックスを追加することを示している。
また、プレフィックス再利用要求メッセージが新たに起動したインタフェースを通じて送信される際には、PMIPv6シグナリング処理部1106は、別の新たなタイプのハンドオフインディケータオプション値をPBUへ追加し、新たに起動したインタフェースに関して作成されたバインディングキャッシュエントリへプレフィックスを割り当てるようLMAへ要求する。
PMIPv6シグナリング処理部1106は、バインディングリストモジュール1105との間で相互に通信を行う。バインディングリスト1105には、MAGに接続されているインタフェースに関して、モビリティに関連するダウンリンク及びアップリンクのデータパケットを発送するために必要な情報が含まれる。このバインディングリスト1105には、プレフィックス再利用要求メッセージの処理によって伝送されたプレフィックスとLMAとの関連が格納される。
また、下位レイヤプロトコル部1102は、L3プロトコル部1101へのシグナリングインタフェース1113を有している。通常、シグナリングインタフェース1113を介して、下位レイヤプロトコル部1102とL3レイヤプロトコル部1101との間ですべてのシグナリング情報が渡される。シグナリングインタフェース1113を介して渡されるシグナリングは、近隣探索メッセージなどのような帯域外シグナリングであってもよく、データペイロードに付加されるプロトコルヘッダのような帯域内シグナリングであってもよい。
シグナリングインタフェース1113は、さらに、L3プロトコルモジュール1101内の任意のシグナリングインタフェース(例えば、図11に示すシグナリングインタフェース1107、1110など)に接続されている。
インタフェース1107は、下位プロトコルレイヤ部1102においてICMPv6メッセージ又はIKEv2メッセージのいずれかを受信し、IPv6ルーティング部1103へそのメッセージを渡すために使用される。IPv6ルーティング部1103は、このシグナリングメッセージを受信すると、IPv6ヘッダを削除して、シグナリングインタフェース1109を介してサブセットプレフィックストリガ処理部1104へ渡す。また、シグナリングインタフェース1111は、プレフィックス及びLMAのアドレスのパラメータをPMIPv6シグナリング処理部1106へ渡す。また、シグナリングインタフェース1112は、PMIPv6シグナリング処理部1106がバインディングリスト部1105からPBUを構成するためのパラメータを取得するために使用される。
また、L2を通じてプレフィックス再利用要求メッセージを受信した場合に、インタフェース1110は、L2メッセージからプレフィックス再利用要求メッセージを受信するために使用される。また、シグナリングインタフェース1108は、PMIPv6シグナリング処理部1106がIPv6ルーティング部1103へPBUを渡すために使用され、これにより、プレフィックス再利用要求を伝送するPBUは、適切なIPv6ヘッダを用いて構成されるようになる。なお、当業者であれば、上述のMAG1100の機能アーキテクチャは、APNを有するプレフィックス再利用要求メッセージの処理を実行する一例に過ぎないことは明らかであり、その他の構成によって、本発明を実現することが可能である。
次に、さらに別の好適な実施の形態として、プレフィックス再利用要求メッセージに関連するLMAがHSSへ通知される派生例について説明する。以下、図12を参照しながら、この派生例に係る方法や適切なシナリオ、この派生例の利点などについて説明する。
図12において、MN1200が第1インタフェースIF1を介してMAG1201に接続されており、LMA1203へ接続されているPDN及びLMA1204へ接続されているPDNからサービスへアクセスするために、LMA1203及びLMA1204からプレフィックスを取得しているとする。また、LMA1203に接続されているPDNがAPN1によって特定され、LMA1204に接続されているPDNがAPN2によって特定されるとする。
MN1200は、両方のインタフェース(IF1及びIF2)を介してNetLMMドメインへ接続されており、IF2をシャットダウンした結果、すべてのプレフィックスがIF1に割り当てられる。すなわち、MAG1201からのRAメッセージ1210には、4つのプレフィックス(P1、P2、P3、P4)が含まれる。また、プレフィックスP1及びP2は論理的にLMA1203を基点とし、プレフィックスP3及びP4は論理的にLMA1204を基点とする。
ここで、MN1200は、第2インタフェースIF2を起動してMAG1202に接続し、IF2へプレフィックスP1のみを移すとする。この場合、MN1200は、プレフィックス再利用要求メッセージ1211をMAG1201へ送信することが可能である。メッセージ1211には、プレフィックスP1に関連付けられているLMAがプレフィックスP1を取り扱っていることをHSS/AAA1205へ通知するための新たなシグナリングが含まれている。なお、HSS/AAA125に対してLMAの情報を通知する目的は、MN1200が新たなMAGへ接続する際に、プレフィックスP1を取り扱っているLMAを新たなMAGへ通知することにある。
図12において、MAG1201は、メッセージ1211を受信すると、まず、プレフィックスP1に関連するLMA1203を特定する。なお、この情報は既にバインディングリストに存在している。LMA1203のアドレスを特定した後、MAG1201は、登録解除メッセージ(PBU)1212をLMA123へ送信する。登録解除メッセージ1212には、プレフィックスのサブセット(すなわち、プレフィックスP1)の登録解除を示す新たなハンドオフインディケータオプションが埋め込まれている。なお、通常の登録解除と同様に、登録解除メッセージ1212では、バインディングライフタイムがゼロにセットされる。また、登録解除メッセージ1212のモビリティヘッダには、LMA1203のアドレスをHSSに通知するなどの更なる処理を示すフラグが含まれていてもよい。
LMA1203は、登録解除メッセージ1212を受信すると、2つの主要な動作を実行する。第1の動作は、LMA1203がIF1に関連するバインディングキャッシュからプレフィックスP1を削除することである。また、第2の動作は、例えばメッセージ1213のような新たなメッセージをHSS1205へ送信することである。この新たなメッセージ1213は、例えばIF2に関するアクセス認証を送信する際にHSS/AAA1205へ通知され、プレフィックス再利用要求においてLMA1203が使用されることを明示するためのものである。
HSS1205は、このメッセージ1213を受信すると、応答のシグナリング(ACKメッセージ)1214を送信し、これに続いて、LMA1203からMAG1201へメッセージ1215が伝送される。なお、当業者であれば、PBAメッセージ1215は必ずしもACKメッセージ1214の後で送信される必要がないことは明らかである。MN1200は、IF1へ接続されていたMAGを使用して、IF1からプレフィックスP1の再利用を要求した後、IF2をMAG1202へ接続する。また、MN1200は、IF2を介して接続すると通常の垂直ハンドオフのトリガメッセージ1216を送信する。MAG1202は、メッセージ1216に埋め込まれた新たなプレフィックス再利用要求メッセージの処理を行う際、メッセージ1217に示されているような通常のアクセス認証処理を開始する。
HSS/AAA1205は、アクセス認証の成功を示す情報を返す際に、さらに、このプレフィックス再利用要求メッセージに関係していることを示す特別なマークを付加してLMA1203のアドレスを通知する(例えば、メッセージ1217によって)。MAG1202は、この新たなトリガをHSS/AAA1205から受信すると、MAG1202がPBUを送信する必要があるLMAを把握する。そして、MAG1202は、通常の垂直ハンドオフのトリガメッセージ1218をLMA1203へ送信する。このメッセージ1218をMN1200から受信すると、LMA1203はプレフィックスP1をIF2へ移すか、あるいは、IF2に関して作成されたモビリティセッションへ割り当て、さらに、MAG1202経由のプレフィックスP1に関するプレフィックス経路を作成するためにPBAメッセージ1219を送信する。MAG1202は、PBAメッセージ1219を受信すると、RA1220を送信してIF2経由でプレフィックスP1を通知する。
この派生例は、プレフィックスP1に関して登録削除が行われるので、プレフィックスP1の垂直ハンドオフの間に、MAG1201への不要なパケットの伝送を防ぐことが可能となるという第1の利点を有する。インタフェースをシャットダウンするとともに別のインタフェースを起動することによってプレフィックス再利用方法を使用する場合には、選択的にプレフィックスの登録削除を行うことが有用である。
この派生例のようなシナリオをサポートするユースケースは、例えば、PMIPv6モビリティ管理メカニズムによるプレフィックスのセッション連続性が別のインタフェースで必要とされないことをモバイルノードが発見する場合である。これは、1つ又は複数のプレフィックスが最早使用されなくなる場合や、1つ又は複数のプレフィックスのセッション連続性が必要とされない場合(例えば、ウェブ閲覧の場合のみ)などである。例えば、プレフィックスP1に向けて送信されるパケットが、アクセスネットワークでの大きな輻輳の影響によってMAG1201で破棄され手しまうかもしれないが、この派生例によれば、こうした望ましくない状況を避けることができる。
また、無線媒体を介してLMA情報又はAPN情報が提供されないので、無線媒体を介するシグナリング量を少なくすることができるという第2の利点がある。また、LMA1203のアドレスがHSS/AAA1205から通知されるので、複数のLMAがPDNを処理し、APNから1つのLMAが解析できないLMA群のケースに対して適切に処理が行われるという第3の利点がある。また、LMA群のケースにおいて、正しいLMAを特定するためにMAGがAPNを解析してHSS情報とのマッチングを実行する必要がないので、MAGで必要とされる処理負荷が少なくなるという第4の利点がある。
次に、モバイルノードが以前のMAGからLMAを取得する派生例について説明する。本発明の好適な実施の形態において、モバイルノードが、プレフィックス再利用要求メッセージ内のプレフィックスに関するLMAのアドレスを、その前にプレフィックスが割り当てられていたインタフェースが接続していたMAG(以前のMAG)から取得し、新たなMAG又はターゲットのMAGへ渡すことが可能である。
新たなMAG又はターゲットのMAGは、移されるプレフィックス又はプレフィックスのサブセットが見出される必要があるインタフェースに接続されている。また、以前のMAGは、プレフィックスのサブセットが削除されるインタフェース(プレフィックスが移される元のインタフェース)に接続されている。なお、モバイルノードが、あるインタフェースから別のインタフェースへプレフィックスのサブセットを移すことを決定してもよい。
このような場合に、モバイルノードは、以前のMAGへ問い合わせ、プレフィックスのサブセットに関連するLMAのアドレスを取得してもよい。このプレフィックスのサブセットは、まもなく以前のMAGへ接続されているインタフェースから削除され、別のインタフェースへ移される。
モバイルノードは、以前のMAGによって提供される応答からプレフィックスのサブセットに関するLMAのアドレスを取得した後、プレフィックスのサブセットが新たに設定される必要があるインタフェースに接続されている新たなMAGへプレフィックス再利用要求メッセージを送信する。
このとき、モバイルノードは、プレフィックス及び関連するLMAのアドレス情報をターゲットのMAGへ提供する。例えば、ターゲットのMAGへ送信されるプレフィックス再利用要求メッセージに関連付けるプレフィックスが2つ存在する場合には、モバイルノードは、2つのLMAアドレス(各プレフィックスに付加されているアドレス)を提供する。その結果、ターゲットのMAGは、どのプレフィックス再利用PBUがどのLMAへ送信される必要があるかを把握する。
ターゲットのMAGへ提供されるプレフィックス再利用要求メッセージに、例えば[P1、LMA1]及び[P2、LMA2]のような情報が含まれている場合には、ターゲットのMAGは、HNPオプション及びプレフィックス再利用要求を示すための新たなHI(Handover Initiation)オプションにプレフィックスP1を挿入したプレフィックス再利用要求PBUをLMA1へ送信する。また同様に、ターゲットのMAGは、HNPオプション及びプレフィックス再利用要求を示すための新たなHIオプションにプレフィックスP2を挿入したプレフィックス再利用要求PBUをLMA2へ送信する。
この方法では、アクセス認証に関連するHSS/AAAが必要ではない。したがって、あるインタフェースから別のインタフェースへプレフィックスを移す場合に、コアネットワークでのシグナリングが低減され、有用である。また、モバイルノードは、CMIPv6の動作が可能であり、LMAのアドレス(すなわち、HAのアドレス)を把握している場合には、LMAのアドレスを取得するための追加のシグナリングは必要ない。また、正しいLMAアドレスを特定するためにAPNが解析される必要はないので、ターゲットのMAGにおける処理負荷も低減される。
なお、LMA群のケースでは、ターゲットのMAGはHSS/AAAから情報を取得して、正しいLMAのアドレスを特定する必要があるが、LMAのアドレスがモバイルノードから通知される場合には、ターゲットMAGにおいて追加の処理は必要なくなる。また、モバイルノードは、コンテキストトランスファーメカニズムを利用して新たなMAGへプレフィックス再利用要求メッセージを伝送させる際に、以前のMAGがLMAのアドレスを通知するようにしてもよい。
なお、上記の本発明の実施の形態において、プレフィックスの種類を3つ挙げて説明したが、他にも様々な特性のプレフィックスを扱うことが考えられ、このような様々な特性のプレフィックスに対して本発明は適用可能である。例えば、ローカルブレイクアウト用プレフィックスは、MN100が来訪ドメイン(visited domain)に接続している際にホームドメイン経由ではなく、直接、来訪ドメインの管理するプレフィックスを得ることで、ネットワーク接続を行うためのものである、一般に、ローカルブレイクアウト用プレフィックスは維持されないローカルプレフィックスに類似しているが、ローミング関係の構成によってはプレフィックスの維持が可能なものがあるかもしれない。ローカルブレイクアウト用プレフィックスに関しては、詳細な扱い方の差異も含め、アドレスの要求ができるようにすることが望ましい。
また、同一モビリティ管理ドメインでの複数プレフィックス利用に関わるプレフィックスが存在する。それぞれのプレフィックスは主に異なるPDN(Packet Data Network)から、異なるサービス用途(音声、映像、データ、アップロード、ダウンロードなどの各用途)で提供される。これらのサービスと、プレフィックスの維持の必要性、サービス(セッション)のネットワークインタフェースをまたぐハンドオーバー(同一プレフィックスの割り当て)などの利用方法によって、使い分けが可能である。さらには、MN100のネットワークインタフェースがネットワークに接続して初めて割り当てられるプレフィックス(デフォルトのプレフィックス)のほかに、あらかじめ必要と思われるプレフィックスの割り当て(準デフォルトのプレフィックス)及び、使用予定のないプレフィックスの削除においても、本発明を適用することが可能である。
なお、ここでは、本発明は、最も実用的かつ好適であると考えられる実施の形態で開示及び説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱しない程度において、設計事項やパラメータの詳細に関して様々な変更が加えられてもよいことが分かることは明白である。
例えば、本明細書では、MN100のネットワークインタフェースが複数であることを前提に説明を行っている部分があるが、本発明を実施する際の論理的なインタフェースが複数あればよい。例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のネットワークインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、ここでは、図示されているような簡単なネットワーク構成に基づいて本発明の説明を行ったが、モビリティ管理ドメインの構成は、複数オペレータ間のローミング関係も含めて多岐に亘ることが考えられる。例えば、MAGがMN100の直接的なアクセスルータである構成又は、MAGが異なるアクセスネットワーク(ローミングを含む)との境界ルータであり、MN100はいったんその異なるアクセスネットワークに接続した後、そのアクセスネットワークを介して境界ルータであるMAGに接続するという構成が考えられる。しかしながら、いずれの構成又は条件の場合においても、様々なパラメータ又はMN100からMAGへの到達手順、MNの通信手順などの設計部分が異なるものの、本発明の動作に関しては同様に適用可能であることは明白である。
MN100は、複数の通信デバイスから構成されるものであってもよく、例えばパーソナルコンピュータなどの電子計算機に外挿型あるいは組み込み型の3GPP通信用デバイスモジュール又は非3GPP通信デバイスモジュールを装着する場合などがあり、こうした多様なMN100においても本発明は同等の効果を有するものである。また、上記の本発明の実施の形態では、MN100が送受信部を介して基地局と無線通信を行うことを前提に説明を行っているが、MN100が基地局相当のアクセスポイントと有線通信を行うものであってもよく、アクセスポイント間の切り替えにおいて同等の効果を有するものである。
また、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、複数のアクセス技術を有する移動端末がローカルネットワークのモビリティ管理ドメイン内を移動する場合に、移動端末に割り当てられるプレフィックス数をできるだけ少なくし、プレフィックスが効率的に利用されるようにするという効果を有し、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に適用可能であり、特に、通信相手ノードと通信を行う移動端末が複数のアドレスを有する場合における通信技術や、ネットワークドメインがネットワークベースのローカルモビリティ管理を行っている場合における通信技術に適用可能である。

Claims (35)

  1. ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されている移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理するプレフィックス割り当て管理システムであって、
    前記移動端末が通信を行うために不要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を維持しないように構成されているネットワークプレフィックス割り当て管理システム。
  2. 前記ローカルモビリティドメイン内のネットワークエンティティが、前記移動端末に対して既に割り当てられており前記移動端末の通信に不要となったネットワークプレフィックスを検出し、前記移動端末の通信に不要となったネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう構成されている請求項1に記載のネットワークプレフィックス割り当て管理システム。
  3. 前記移動端末が、前記移動端末が通信を行うために必要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を検出し、前記ネットワークプレフィックス使用最適化検出手段で検出された、前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を、前記ローカルモビリティドメインへ通知するよう構成されている請求項1に記載のネットワークプレフィックス割り当て管理システム。
  4. 前記移動端末が、前記移動端末に対して既に割り当てられており前記移動端末の通信で不要となったネットワークプレフィックスを検出し、前記移動端末の通信において不要なネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信することで、前記ローカルモビリティドメイン内のネットワークエンティティが、前記移動端末の通信で不要となったネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう構成されている請求項3に記載のネットワークプレフィックス割り当て管理システム。
  5. 複数のネットワークインタフェースによって前記ローカルモビリティドメインへ接続されている前記移動端末が、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの第1ネットワークインタフェースに対して既に割り当てられており、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの前記第1ネットワークインタフェースとは異なる第2ネットワークインタフェースで再利用可能なネットワークプレフィックスを検出し、前記再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信することで、前記ローカルモビリティドメイン内のネットワークエンティティが、前記移動端末の前記第1ネットワークインタフェースから前記第2ネットワークインタフェースへ前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当てを変更するよう構成されている請求項3に記載のネットワークプレフィックス割り当て管理システム。
  6. 前記移動端末へ割り当てる前記ネットワークプレフィックスの管理及び割り当てを行う複数のプレフィックス管理エンティティが前記ローカルネットワークドメインに存在する場合に、前記複数のプレフィックス管理エンティティのうちから、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当て変更を行えるプレフィックス管理エンティティが特定される請求項5に記載のネットワークプレフィックス割り当てシステム。
  7. 前記移動端末が、前記再利用可能なネットワークプレフィックスに関連するアクセスポイントネームを前記ローカルモビリティドメインへ送信することによって、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当て変更を行えるプレフィックス管理エンティティが特定される請求項6に記載のネットワークプレフィックス割り当てシステム。
  8. 前記移動端末が、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当てを行ったプレフィックス管理エンティティを特定し、前記再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう要求する際に、前記特定されたプレフィックス管理エンティティの情報を送信するよう構成されている請求項6に記載のネットワークプレフィックス割り当てシステム。
  9. 前記移動端末が、前記再利用可能なネットワークプレフィックスが割り当てられた際に接続していたネットワークノードに対して、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当てを行ったプレフィックス管理エンティティの特定を要求するよう構成されている請求項6に記載のネットワークプレフィックス割り当てシステム。
  10. 前記移動端末が、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスが一時的に利用されるものであることを検出し、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスを一時的に利用することを示す前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信することで、前記ネットワークプレフィックスの一時的な使用が終了した場合に、前記ローカルモビリティドメイン内のネットワークエンティティが、前記移動端末による一時的な使用が終了したネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう構成されている請求項3に記載のネットワークプレフィックス割り当て管理システム。
  11. ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されており、前記ローカルモビリティドメインから割り当てられるネットワークプレフィックスを用いて通信を行う移動端末であって、
    前記移動端末が通信を行うために必要なネットワークプレフィックスが前記移動端末へ割り当てられる状態を検出するプレフィックス使用最適化検出手段と、
    前記ネットワークプレフィックス使用最適化検出手段で検出された、前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を、前記ローカルモビリティドメインへ通知するプレフィックスプリファレンス情報通知手段とを、
    有する移動端末。
  12. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記移動端末に対して既に割り当てられており前記移動端末の通信で不要となったネットワークプレフィックスを検出し、
    前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、前記移動端末の通信において不要なネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信するよう構成されている請求項11に記載の移動端末。
  13. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記ネットワークインタフェースのシャットダウンを検出することで、前記シャットダウンするネットワークインタフェースに割り当てられているネットワークプレフィックスを、前記移動端末に対して既に割り当てられており前記移動端末の通信で不要となったネットワークプレフィックスとして検出するよう構成されている請求項12に記載の移動端末。
  14. 前記ローカルネットワークドメインから複数の異なる種類のプレフィックスが割り当てられ、前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記複数の異なる種類のプレフィックスの中から不要なネットワークプレフィックスを検出するよう構成されている請求項12に記載の移動端末。
  15. 前記移動端末が、複数のネットワークインタフェースによって前記ローカルモビリティドメインへ接続されており、
    前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの第1ネットワークインタフェースに対して既に割り当てられており、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの前記第1ネットワークインタフェースとは異なる第2ネットワークインタフェースで再利用可能なネットワークプレフィックスを検出し、
    前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、前記再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信するよう構成されている請求項11に記載の移動端末。
  16. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記第2ネットワークインタフェースの起動を検出した場合に、前記第1ネットワークインタフェースに対して既に割り当てられているネットワークプレフィックスが、前記第2ネットワークインタフェースで再利用可能か否かを判断するよう構成されている請求項15に記載の移動端末。
  17. 前記移動端末へ割り当てる前記ネットワークプレフィックスの管理及び割り当てを行う複数のプレフィックス管理エンティティが前記ローカルネットワークドメインに存在する場合に、前記複数のプレフィックス管理エンティティのうちから、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当て変更を行えるプレフィックス管理エンティティが特定される請求項16に記載の移動端末。
  18. 前記再利用可能なネットワークプレフィックスに関連するアクセスポイントネームを前記ローカルモビリティドメインへ送信することによって、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当て変更を行えるプレフィックス管理エンティティが特定される請求項17に記載の移動端末。
  19. 前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当てを行ったプレフィックス管理エンティティを特定し、前記再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう要求する際に、前記特定されたプレフィックス管理エンティティの情報を送信するよう構成されている請求項17に記載の移動端末。
  20. 前記再利用可能なネットワークプレフィックスが割り当てられた際に接続していたネットワークノードに対して、前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当てを行ったプレフィックス管理エンティティの特定を要求するよう構成されている請求項17に記載の移動端末。
  21. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスが一時的に利用されるものであることを検出し、
    前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスを一時的に利用することを示す前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信するよう構成されている請求項11に記載の移動端末。
  22. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記移動端末が通信を行うために維持される必要があるか否かを判断するよう構成されている請求項21に記載の移動端末。
  23. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスが特定の通信サービスのみで使用されるものであるか否かを判断するよう構成されている請求項21に記載の移動端末。
  24. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、これから前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスが一時的に利用されるものであるか否かを判断するよう構成されている請求項21に記載の移動端末。
  25. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、既に前記移動端末に対して割り当てられているネットワークプレフィックスが一時的に利用されるものであるか否かを判断するよう構成されている請求項21に記載の移動端末。
  26. 前記移動端末による前記ネットワークプレフィックスの一時的な利用が終了した場合に、前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、前記ネットワークプレフィックスの一時的な利用が終了したことを前記ローカルモビリティドメインへ通知するよう構成されている請求項11に記載の移動端末。
  27. 前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、近隣探索メッセージ、DHCPメッセージ、レイヤ2接続確立シグナリングメッセージ、AAAシグナリングメッセージのいずれかに前記プレフィックスプリファレンス情報を挿入して、前記ローカルモビリティドメインへ通知するよう構成されている請求項11に記載の移動端末。
  28. 前記プレフィックス使用最適化検出手段が、
    前記移動端末に対して既に割り当てられており前記移動端末の通信で不要となったネットワークプレフィックスを検出する第1の検出機能と、
    前記移動端末が、複数のネットワークインタフェースによって前記ローカルモビリティドメインへ接続されており、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの第1ネットワークインタフェースに対して既に割り当てられており、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの前記第1ネットワークインタフェースとは異なる第2ネットワークインタフェースで再利用可能なネットワークプレフィックスを検出する第2の検出機能と、
    前記プレフィックス使用最適化検出手段が、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスが一時的に利用されるものであることを検出する第3の検出機能とを、
    有し、
    前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、
    前記第1の検出機能で検出された前記移動端末の通信において不要なネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信する第1の通知機能と、
    前記第2の検出機能で検出された前記再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信する第2の通知機能と、
    前記第3の検出機能で検出された一時的に利用される前記ネットワークプレフィックスに関して、前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスを一時的に利用することを示す前記プレフィックスプリファレンス情報を前記ローカルモビリティドメインへ送信する第3の通知機能とを、
    有し、
    前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスに関して、前記第1の検出機能及び前記第1の通知機能、前記第2の検出機能及び前記第2の通知機能、前記第3の検出機能及び前記第3の通知機能のいずれを適用するかを選択するモード選択手段を更に有する請求項11に記載の移動端末。
  29. 前記モード選択手段が、ホームプレフィックスに関しては前記第2の検出機能及び前記第2の通知機能、ローカルプレフィックスに関しては前記第3の検出機能及び前記第3の通知機能の適用を選択するよう構成されている請求項28に記載の移動端末。
  30. ネットワークベースのローカルモビリティドメインに接続されている移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理するためのプレフィックス割り当て管理装置であって、
    前記移動端末へのネットワークプレフィックスの割り当てを管理し、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係を維持するプレフィックス対応維持手段と、
    前記移動端末にとって必要なネットワークプレフィックスが割り当てられた状態を実現するための情報を含むプレフィックスプリファレンス情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックスプリファレンス情報に基づいて、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係を変更するプレフィックス管理手段とを、
    有するプレフィックス割り当て管理装置。
  31. 前記移動端末の通信において不要なネットワークプレフィックスを前記移動端末に対するネットワークプレフィックス割り当てから削除するよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックス管理手段が、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係において、前記移動端末の通信において不要なネットワークプレフィックスの割り当てを削除するよう構成されている請求項30に記載のプレフィックス割り当て管理装置。
  32. 前記ローカルモビリティドメインへ接続されている前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの第1ネットワークインタフェースに対して既に割り当てられており、前記移動端末の複数のネットワークインタフェースのうちの前記第1ネットワークインタフェースとは異なる第2ネットワークインタフェースで再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう要求する前記プレフィックスプリファレンス情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックス管理手段が、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係において、前記第1ネットワークインタフェースへの前記再利用可能なネットワークプレフィックスの割り当てを削除するとともに、前記再利用可能なネットワークプレフィックスを前記第2ネットワークインタフェースへ割り当てるよう構成されている請求項30に記載のプレフィックス割り当て管理装置。
  33. 前記移動端末に対して割り当てられるネットワークプレフィックスが前記移動端末において一時的に利用されることを示す前記プレフィックスプリファレンス情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックス管理手段が、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係において、前記一時的に使用されるネットワークプレフィックスに対して、一時的に利用されることを示す情報を付加するよう構成されている請求項30に記載のプレフィックス割り当て管理装置。
  34. 前記プレフィックス管理手段が、前記一時的に使用されるネットワークプレフィックスの種類に応じて、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係において、前記一時的に使用されるネットワークプレフィックスの割り当てを削除するタイミングを決定するよう構成されている請求項33に記載のプレフィックス割り当て管理装置。
  35. 前記移動端末による前記ネットワークプレフィックスの一時的な利用が終了した場合に、前記プレフィックスプリファレンス情報通知手段が、前記移動端末による前記ネットワークプレフィックスの一時的な利用が終了したことを示す情報を前記移動端末から受信した場合に、前記プレフィックス管理手段が、前記移動端末に対して割り当てられたネットワークプレフィックスと前記移動端末との対応関係において、前記一時的に使用されるネットワークプレフィックスの割り当てを削除するよう構成されている請求項33に記載のプレフィックス割り当て管理装置。
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