JPWO2009139397A1 - 板状結晶粒子及びその製造方法、並びにリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

LiとMnを構成元素として含むスピネル構造のマンガン酸リチウムからなるとともに、アスペクト比が1.5〜20であり、かつ、厚みが1〜20μmであり、発達面として、ロットゲーリング法により測定される配向度が20%以上である結晶面(111)を有する板状結晶粒子を提供する。

Description

本発明は、リチウム二次電池用の正極活物質として有用な板状結晶粒子及びその製造方法、並びに出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池に関する。
近年、携帯電話、VTR、ノート型コンピュータ等の携帯型電子機器の小型軽量化が加速度的に進行しており、その電源用電池としては、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物を、負極活物質に炭素質材料を、電解液にLiイオン電解質を有機溶媒に溶解した有機電解液を用いた二次電池が用いられるようになってきている。
このような二次電池は、一般的にリチウム二次電池、或いはリチウムイオン電池と称せられており、エネルギー密度が大きく、単電池電圧も約4V程度と高いという特徴を有することから、携帯型電子機器のみならず、最近の環境問題を背景に、低公害車として積極的な一般への普及が図られている電気自動車(EV)或いはハイブリッド電気自動車(HEV)のモータ駆動電源としても注目を集めている。
このようなリチウム二次電池の電池特性は、用いる正極活物質の材料特性に依存するところが大きい。正極活物質に含有されるリチウム遷移元素複合酸化物の具体例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、及びマンガン酸リチウム(LiMn)等を挙げることができる。これらの正極活物質のなかでも、安価で安全性に優れたスピネル構造を有するマンガン酸リチウムが主に使用されつつあるが、高温特性の改善が課題となっている。
マンガン酸リチウムの高温特性が良好ではない要因として、高温時に、電解質から生成する遊離酸によってMnが溶出してマンガン酸リチウムの結晶性低下を招いたり、溶出したMnが黒鉛等の負極材料の表面に沈着して負極自体に悪影響を及ぼしたりすること等が考えられている。なお、Mn溶出抑制の方策としては、マンガン酸リチウム粒子の低比表面積化、大粒径化、高結晶化、及び一次粒子の略八面体形状化等が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2002−289191号公報 特開2006−252940号公報 特開2007−294119号公報
しかしながら、特許文献1〜3等で開示された方策等によっては、マンガン酸リチウムの高温特性を十分に改善することはできず、未だ改良の余地があった。従って、出力特性に優れ、高温サイクル経過に伴う出力低下及び容量低下が小さい(即ち、サイクル特性に優れた)リチウム二次電池、並びにこのようなリチウム二次電池を提供可能な正極かつ物質として有用なマンガン酸リチウムの結晶粒子は未だに見出されていないのが現状である。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供可能な、正極活物質として有用な板状結晶粒子、及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す板状結晶粒子、板状結晶粒子の製造方法、及びリチウム二次電池が提供される。
[1]LiとMnを構成元素として含むスピネル構造のマンガン酸リチウムからなるとともに、アスペクト比が1.5〜20であり、かつ、厚みが1〜20μmであり、発達面として、ロットゲーリング法により測定される配向度が20%以上である結晶面(111)を有する板状結晶粒子。
[2]単結晶の粒子である前記[1]に記載の板状結晶粒子。
[3]複数の単結晶粒子を含み、厚さ方向に実質的に存在する前記単結晶粒子の数が1個であり、複数の前記単結晶粒子が、前記結晶面(111)を揃えた状態で、前記単結晶粒子の粒界部どうしで結合されている前記[1]に記載の板状結晶粒子。
[4]前記マンガン酸リチウムが、下記一般式(1)で表される前記[1]〜[3]のいずれかに記載の板状結晶粒子。
LiMMn2−X (1)
(前記一般式(1)中、Mは、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Al、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選択される一種以上の元素、並びにTiを含む二種以上の置換元素を示し、Xは、前記置換元素Mの置換数を示す)
[5]前記マンガン酸リチウムに含まれるLiとMnのモル比が、Li/Mn>0.5の関係を満たす前記[1]〜[4]のいずれかに記載の板状結晶粒子。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の板状結晶粒子の製造方法であって、マンガン酸リチウム粒子を含む成形材料を成形して、厚み30μm以下の自立可能なシート状成形体を得る成形工程と、前記シート状成形体を、前記シート状成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させた状態、又は前記シート状成形体のままの状態で焼成する焼成工程と、焼成後の前記シート状成形体を解砕及び分級する粉砕工程と、を含む板状結晶粒子の製造方法。
[7]前記焼成工程における焼成温度が、650〜1250℃である前記[6]に記載の板状結晶粒子の製造方法。
[8]前記マンガン酸リチウム粒子のメディアン径が、前記シート状成形体の厚みの1〜60%である前記[6]又は[7]に記載の板状結晶粒子の製造方法。
[9]前記シート状成形体に含まれる特定成分の揮発を抑制し得る揮発抑制状態で、前記シート状成形体を焼成する前記[6]〜[8]のいずれかに記載の板状結晶粒子の製造方法。
[10]前記揮発抑制状態が、前記シート状成形体と別の、前記マンガン酸リチウム粒子を共存させた状態である前記[9]に記載の板状結晶粒子の製造方法。
[11]前記粉砕工程が、所定サイズの開口部を通過させることにより、焼成後の前記シート状成形体を解砕及び分級する工程である前記[6]〜[10]のいずれかに記載の板状結晶粒子の製造方法。
[12]前記開口部の平均開口径が、1.0mm以下である前記[11]に記載の板状結晶粒子の製造方法。
[13]焼成後の前記シート状成形体を押圧部材で押圧し、前記開口部を有するメッシュを通過させて焼成後の前記シート状成形体を解砕及び分級する前記[6]〜[12]のいずれかに記載の板状結晶粒子の製造方法。
[14]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の板状結晶粒子を正極活物質として用いてなるリチウム二次電池。
本発明の板状結晶粒子は、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供可能な、正極活物質として有用であるといった効果を奏するものである。
本発明の板状結晶粒子の製造方法によれば、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供可能な、正極活物質として有用な板状結晶粒子を製造することができる。
本発明のリチウム二次電池は、出力特性及び高温サイクル特性に優れているといった効果を奏するものである。
本発明の板状結晶粒子の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の板状結晶粒子の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の板状結晶粒子の更に他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の板状結晶粒子の更に他の実施形態を模式的に示す斜視図である。 焼成器の一例を示す側面図である。 図3AのA−A断面図である。 粉砕工程の一例を示す説明図である。 正極板の微構造の一例を模式的に示す断面図である。 実施例8で得たシート状成形体の表面の状態(モフォロジー)を示す電子顕微鏡写真である。 実施例8で得たシート状成形体の断面の状態(モフォロジー)を示す電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.板状結晶粒子:
図1は、本発明の板状結晶粒子の一実施形態を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の板状結晶粒子10は、LiとMnを構成元素として含むスピネル構造のマンガン酸リチウムからなる単結晶の粒子である。また、板状結晶粒子10は、発達面として結晶面(111)2を有するものである。このような構成を有する本実施形態の板状結晶粒子10を正極活物質として用いると、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。なお、本明細書にいう「発達面」とは、板状結晶粒子を構成する結晶面のうち、最も広い面積を有する面のことをいう。
本発明の板状結晶粒子を正極活物質として用いた場合に、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することが可能となる理由としては、一般的なマンガン酸リチウムの結晶粒子においては、リチウムイオン(Li)の脱挿入がどの結晶面でも起こり得る一方で、Mnの溶出速度が結晶面によって相違すること等が考えられる。即ち、本発明の板状結晶粒子は、リチウムイオン(Li)のスムーズな脱挿入が可能であるとともに、粒子の形状が板状であるために、その板厚方向のリチウムイオン(Li)の拡散距離が、同一体積の一般的な等方粒子に比して短くなっているので、出力特性に優れたリチウム二次電池を提供することができるものと推測される。また、本発明の板状結晶粒子は、Mnの溶出速度の遅い結晶面(111)を発達面として有する結晶粒子であるために、高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することができるものと推測される。
板状結晶粒子10(図1参照)の粒子最長長さYは、通常、50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。この粒子最長長さYは、目的に応じて適宜設定することが可能である。また、粒子厚みWに対する、粒子最長長さYの比で表される板状結晶粒子10のアスペクト比(Y/W)は、1.5〜20であり、1.5〜10であることが好ましく、1.5〜5であることが更に好ましい。アスペクト比を上記数値範囲とすると、出力特性及び高温サイクル特性により優れたリチウム二次電池を提供可能な正極活物質とすることができる。
板状結晶粒子10の粒子厚みWは、板状結晶粒子10の最も厚い部分の厚みである。板状結晶粒子10の粒子厚みWは、20μm以下であり、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。また、粒子厚みWは、1μm以上であり、5μm以上であることが好ましい。粒子厚みWが1μm以上であると、板状結晶粒子10の形状を平板状に維持し易い。また、粒子厚みWが20μm以下であると、結晶面(111)2の配向度をさらに高めることが可能となる。
図2Aは、本発明の板状結晶粒子の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、本実施形態の板状結晶粒子20は、複数の単結晶粒子12を含んでおり、これら複数の単結晶粒子12が、発達面である結晶面(111)2を揃えた状態で、単結晶粒子12の粒界部14どうしで結合されることによって構成されているものである。即ち、板状結晶粒子20は、発達面としての結晶面(111)2を揃えた複数の単結晶粒子12が略二次元的に連なった形状を有するものである。この「結晶面(111)2を揃えた状態」とは、複数の単結晶粒子12の結晶面(111)2が同一面上にある場合(図2A)の他、同一面上ではないが結晶面(111)2の向いている方向が同じ場合(図2B)、及び結晶面(111)2の向いている方向が異なるものがあってもおおよそ複数の単結晶粒子12の結晶面(111)2が同一面上にあるか、同一面上ではないが結晶面(111)2の向いている方向が同じ場合(図2C)等の状態をいう。なお、図2B及び図2C中、符号30及び40は板状結晶粒子を示す。
この板状結晶粒子20の厚さ方向に実質的に存在する単結晶粒子12の数は1個である。この「厚さ方向に実質的に存在する単結晶粒子12の数は1個」とは、一部で単結晶粒子12どうしが重なり合う部分があっても、他の大部分では単結晶粒子12どうしが重なり合わない状態をいう。なお、「厚さ方向に実質的に存在する単結晶粒子の数が1個」の概念には、厚さ方向に存在する単結晶粒子の数が、端部等の狭領域においては実質的に1個であるが、中心部等の広領域においては2個以上であるようなものは包含されない。
板状結晶粒子20(図2A参照)は、マンガン酸リチウム粒子を含む成形材料を成形したシート状成形体を焼成し、粒成長させた焼成成形体を解砕及び分級して得ることができるものである。即ち、焼成によって粒成長する際に厚さ方向に存在する材料が限られているため、厚さ方向に実質的に存在する単結晶粒子12の数が1個となり、厚さ方向に比して面方向への粒成長が促される。これにより、扁平な単結晶粒子12が面方向に配列するとともに、発達面である結晶面(111)が配向することになる。本発明の板状結晶粒子には、シート状成形体の厚さにまで粒成長しない単結晶粒子や、結晶面(111)の向く方向が異なる単結晶粒子が含まれる場合がある。このため、図2B及び図2Cに示すように、単結晶粒子12どうしが重なり合う部分や、結晶面(111)2の向いている方向が異なる部分が局所的に存在する場合があるが、複数の単結晶粒子12が、結晶面(111)2の方向を概ね揃えた状態で、粒界部14で結合されている。
板状結晶粒子20に含まれる、厚さ方向に存在する単結晶粒子12の数が1個のみの部分の割合が、板状結晶粒子20全体の面積に対して、70%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。この面積割合は、板状結晶粒子20を可能な限り分散させた状態で走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行い、撮影されたSEM写真に基づいて算出することができる。なお、この面積割合は、板状結晶粒子20の面方向の長さが、板状結晶粒子20の厚さ以上である場合に、板状結晶粒子20の総面積から予測することも可能である。この板状結晶粒子20は、単結晶粒子12が重なる部分は全体の一部分(例えば、面積割合で30%以下)のみである。このため、単結晶粒子12どうしが結合する粒界部14において比較的簡単に解砕することができる。
板状結晶粒子20(図2A参照)の粒子最長長さYは、通常、100μm以下、好ましくは70μm以下、更に好ましくは50μm以下である。この粒子最長長さYは、目的に応じて適宜設定することが可能である。また、粒子厚みWに対する、粒子最長長さYの比で表される板状結晶粒子20のアスペクト比(Y/W)は、1.5〜20であることが好ましく、2〜15であることが更に好ましく、2〜10であることが特に好ましい。アスペクト比を上記数値範囲とすると、出力特性及び高温サイクル特性により優れたリチウム二次電池を提供可能な正極活物質とすることができる。なお、アスペクト比が20超であると、レート特性が低下する場合がある。
板状結晶粒子20の粒子厚みWは、板状結晶粒子20の最も厚い部分の厚みである。板状結晶粒子20の粒子厚みWは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることが更に好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。また、粒子厚みWは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが更に好ましい。粒子厚みWが1μm以上であると、板状結晶粒子20の形状を平板状に維持し易い。また、粒子厚みWが20μm以下であると、結晶面(111)2の配向度を更に高めることが可能となるとともに、粒子内のイオン拡散距離が短くなり、出力特性劣化が起こり難くなるために好ましい。なお、粒子厚みWは、通常、単結晶粒子の厚みZと略同一である。
板状結晶粒子のアスペクト比は、以下のようにして算出する。先ず、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影したSEM写真に基づき、粒子厚み(W)を測定する。次に、アルコール等の溶媒に1〜10質量%となるように板状結晶粒子を入れ、超音波により分散させて得られた分散液を、ガラス基板の面上に、1000〜4000rpmの条件でスピンコートし、粒子ができるだけ重ならず、かつ、粒子の板面がガラス基板の面と平行に配置された状態の測定用試料を作製する。走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、作製した測定用試料における、板状結晶粒子が5〜30個程度含まれる視野中の粒子の板面を観察し、撮影したSEM写真から板状結晶粒子の最長長さ(Y)を測定する。このとき、重なっている板状結晶粒子については無視するものとする。その後、測定した最長長さ(Y)を板状結晶粒子の粒径と仮定し、この粒径(Y)を粒子厚み(W)で除してそれぞれの板状結晶粒子の「Y/W」を算出し、これを平均した値を「板状結晶粒子のアスペクト比」とする。
ロットゲーリング法により測定される結晶面(111)の配向度は20%以上であり、50%以上であることが好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましい。結晶面(111)の配向度が20%以上であると、Mn溶出抑制効果が顕著に現れるからである。
結晶面(111)の配向度の測定方法(ロットゲーリング法)について説明する。先ず、アルコール等の溶媒に1〜10質量%となるように板状結晶粒子を入れ、超音波により分散させて得られた分散液を、ガラス基板の面上に、1000〜4000rpmの条件でスピンコートし、粒子ができるだけ重ならず、かつ、粒子の板面がガラス基板の面と平行に配置された状態の測定用試料を作製する。次に、XRD回折装置を使用し、作製した測定用試料における板状結晶粒子の表面に対してX線を照射した際のXRD回折パターンを測定する。測定したXRD回折パターンにおける(111)面、(311)面、(400)面、及び(331)面のピークを用いて、下記式(2)から結晶面(111)の配向度を算出することができる。
前記式(2)中、ΣI(hkl)は、板状結晶粒子で測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和を示し、ΣI(hkl)は、板状結晶粒子と同一組成であり無配向のものについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和を示し、Σ’I(HKL)は、板状結晶粒子で測定された結晶学的に等価な特定の結晶面のX線回折強度の総和(この場合、(111)面のみ)を示し、Σ’I0(HKL)は、板状結晶粒子と同一組成であり無配向のものについて測定された結晶面(111)のX線回折強度の総和を示す。
板状結晶粒子20(図2A参照)に含まれる単結晶粒子12の厚み(単結晶粒子厚みZ)は、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることが更に好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。また、単結晶粒子厚みZは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが更に好ましい。単結晶粒子厚みZが1μm以上であると、板状結晶粒子20の形状を平板状に維持し易い。また、単結晶粒子厚みZが20μm以下であると、等方的かつ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子を含んでいても、厚さ方向への粒成長が限られており、板状結晶粒子20の面方向に単結晶粒子12の粒成長がより促されるため、結晶面(111)が板状結晶粒子10の面内に成長することにより、アスペクト比が大きく、結晶面(111)2の配向度の高いものとなる。
板状結晶粒子20(図2A参照)に含まれる単結晶粒子12の、単結晶粒子厚みZに対する、単結晶粒子最長長さXの比で表されるアスペクト比(X/Z)は、1以上であることが好ましく、2以上であることが更に好ましく、4以上であることが特に好ましい。アスペクト比が1以上であると、単結晶粒子12を配向させ易くなるため、板状結晶粒子20の配向度も高くなる。なお、アスペクト比は50以下であることが好ましい。アスペクト比が50以下であると、得られる板状結晶粒子20の大きさ(粒子サイズ)を調整し易い。なお、単結晶粒子12のアスペクト比は、前述の板状結晶粒子のアスペクト比を算出する方法と同様の方法により算出することができる。
板状結晶粒子20(図2A参照)に含まれる単結晶粒子12の最長長さ(単結晶粒子最長長さX)は、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることが更に好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。単結晶粒子最長長さXが50μm以下であると、得られる板状結晶粒子20の大きさ(粒子サイズ)を調整し易い。
また、単結晶粒子最長長さXに対する、粒子最長長さYの比で表されるY/Xの値は、3〜100であることが好ましい。Y/Xの値が3以上であると、粒子サイズを揃え易い。また、Y/Xの値が100以下であると、機械強度の弱い粒界部が少なくなり、割れ難くなる。
本発明の板状結晶粒子は、マンガン酸リチウムにより構成されている。マンガン酸リチウムの化学量論組成は、通常、LiMnで表されるが、本発明の板状結晶粒子を構成するマンガン酸リチウムは、このような化学量論組成のものに限定されない。具体的には、下記一般式(1)で表されるマンガン酸リチウムも、LiMnで表されるマンガン酸リチウムと同様に好適に用いることができる。
LiMMn2−X (1)
前記一般式(1)中、Mは、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Al、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選択される一種以上の元素、並びにTiを含む二種以上の置換元素を示し、Xは、置換元素Mの置換数を示す。Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+2価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、Snは+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、Wは+6価のイオンとなり、いずれの元素も、理論上はLiMn中に固溶するものである。なお、Co、Snについては+2価の場合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、Mnについては+3価、+4価の場合、Crについては+4価、+6価の場合もあり得る。従って、置換元素Mは混合原子価を有する状態で存在する場合がある。また、酸素の量については、必ずしも理論化学組成で表されるように4であることを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲内で欠損して、又は過剰に存在していても構わない。
MnをLiで置換した場合(Li過剰の場合)には、Li/Mn比(モル比)は、(1+X)/(2−X)となる。一方、MnをLi以外の置換元素Mで置換した場合には、1/(2−X)となる。従って、いずれの場合であってもLi/Mn比>0.5となる。本発明の板状結晶粒子を構成するマンガン酸リチウムに含まれるLiとMnのモル比(Li/Mn)は、0.5超であることが好ましい。Li/Mn>0.5の関係を満たすマンガン酸リチウムを用いると、化学量論組成(LiMn)のものを用いた場合に比して結晶構造が更に安定化されるため、より高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を得ることができる。
2.板状結晶粒子の製造方法:
次に、本発明の板状結晶粒子の製造方法の実施形態について説明する。本発明の板状結晶粒子の製造方法は、(1)マンガン酸リチウム粒子を含む成形材料を成形して、厚み30μm以下の自立可能なシート状成形体を得る成形工程、(2)シート状成形体を、シート状成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させた状態、又はシート状成形体のままの状態で焼成する焼成工程、及び(3)焼成後のシート状成形体を解砕及び分級する粉砕工程を含む方法である。以下、工程ごとに説明する。
(1)成形工程
成形原料に含まれるマンガン酸リチウム粒子は、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn)を構成する各種元素を含む原料化合物を所定比に混合したものを、酸化雰囲気中、650℃〜1250℃の範囲で、2時間〜50時間かけて仮焼成することで合成することができる。ここで、酸化雰囲気とは、一般に炉内試料が酸化反応を起こす酸素分圧を有する雰囲気を指し、具体的には、大気雰囲気、酸素雰囲気等が該当する。
なお、仮焼成後、得られたマンガン酸リチウム粒子を更に粉砕することが好ましい。この粉砕では、マンガン酸リチウム粒子の粒径を、シート状成形体の厚みに応じた粒径とすることが好ましい。具体的には、メディアン径(D50)を、シート状成形体の厚みの1〜60%とすることが好ましい。マンガン酸リチウム粒子のメディアン径を、シート状成形体厚みの1%以上にすると、粉砕処理が容易である。また、60%以下とすると、シート状成形体に含まれるマンガン酸リチウム粒子がより均一に分布するため、シート状成形体の厚さを調整し易くなる。なお、単結晶粒子の大きさをより大きくしようとする場合には、マンガン酸リチウム粒子のメディアン径(D50)を更に小さくすることが、粒成長を促す点からみて好ましい。マンガン酸リチウム粒子の粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を使用し、有機溶剤や水等の分散媒に分散させて測定することができる。マンガン酸リチウムは、例えば、ボールミル、ビーズミル、トロンメル、アトライター等を用いて湿式粉砕することが好ましい。
リチウムを含む原料化合物として、酸化物であるLiOは吸湿性が高く、取り扱い難いために好ましくない。従って、化学的に安定な炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物等を好適に採用することができ、これらの数種類を適当な組み合わせで用いればよい。他の元素を含む原料化合物としては、それぞれの元素(Mnの置換を行う場合には、置換元素Mを含む)の塩や酸化物を好適に用いることができる。各元素の塩は特に限定されるものではないが、原料として純度が高く、しかも安価なものを使用することが好ましい。具体的には、炭酸塩、水酸化物、有機酸塩を用いることが好ましいが、硝酸塩や塩酸塩、硫酸塩等を用いることもできる。なお、成形材料として、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn)を構成する各種元素を含む原料化合物を所定比に混合し、粉砕したものを、仮焼せずに用いてもよい。
得られた成形材料を成形して、厚み30μm以下の自立可能なシート状成形体(グリーンシート)を得る。「自立可能なシート状成形体」には、それ単体でシート形状を維持可能なものや、それ単体ではシート形状を維持不可能であっても、基板に貼り付ける或いは成膜する等によりシート形状を維持可能なものが含まれる。シート状成形体の成形方法としては、例えば、マンガン酸リチウム粒子を含む成形原料(スラリー)を用いたドクターブレード法や、無機粒子を含む坏土を用いた押出成形法等を挙げることができる。
ドクターブレード法によってシート状成形体を製造する場合には、先ず、可撓性を有する板(例えば、PETフィルム等の有機ポリマー板)にスラリーを塗布する。塗布したスラリーを乾燥固化して形成されたシート状成形体を板から剥がすことにより、シート状成形体を得ることができる。スラリーや坏土等の成形原料を調製する際には、マンガン酸リチウム粒子を適当な分散媒に分散させ、バインダーや可塑剤等を適宜加えてもよい。また、スラリーの粘度は、500〜8000mPa・sに調整することが好ましく、減圧化で脱泡することが好ましい。シート状成形体の厚みは、30μm以下、好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下とする。シート状成形体の厚みを30μm以下にすると、得られる板状結晶粒子の配向度を高めることができる。また、シート状成形体の厚みを15μm以下とすれば、得られる板状結晶粒子の配向度を更に高めることができる。なお、シート状成形体の厚みは、1μm以上とすることが好ましく、5μm以上とすることが更に好ましい。厚みを1μm以上とすれば、シート状成形体を自立可能とすることができる。
板状結晶粒子のサイズをより大きくするには、シート状成形体の厚みを15〜30μmとすることが好ましい。シート状成形体の厚みにより板状結晶粒子の厚みが規定されるので、板状結晶粒子の用途に合わせてシート状成形体の厚みを適宜設定すればよい。なお、シート状成形体のその他の成形方法としては、エアロゾルデポジション法をはじめとする高速吹き付け法、或いはスパッタ、CVD、PVD等の気相法により、樹脂、ガラス、セラミックス、又は金属等の基板へ膜付けし、基板から剥離させる方法がある。これらの成形方法の場合、得られるシート状成形体の密度を高くすることができるため、低温での粒成長、構成元素の揮発防止、得られる板状結晶粒子の高密度化等の利点がある。
(2)焼成工程
焼成工程では、シート状成形体を、シート状成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させた状態、又はシート状成形体のままの状態で焼成する。「シート状成形体と実質的に反応しない不活性層」の具体例としては、焼成済みのセラミックス板、Pt板、カーボン板、黒鉛板、モリブデン板、タングステン板、焼成時に燃焼する有機物シート等を挙げることができる。なお、アルミナ、ジルコニア、スピネル、カーボン、黒鉛、モリブデン、タングステン、白金等の、成形体の焼成温度では不活性な層の上に成形体を配置して焼成してもよい。なお、焼成時に燃焼する有機物シートとしては、パルプから合成される紙等、熱可塑性を有しないものを用いることができる。
なお、シート状成形体と不活性シートを重ねてロール状に巻いたものを焼成してもよいし、不活性層の上にシート状成形体を形成し、焼成後に不活性層から剥離させてもよい。或いは、不活性層の上にシート状成形体を成膜し、焼成後に不活性層を除去してもよい。黒鉛層を不活性層として用いる場合には、窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気中で焼成した後、酸化雰囲気中、焼成温度以下の温度で再度熱処理し、黒鉛層を燃焼させることで除去してもよい。シート状成形体の厚みは30μm以下であり、シート状成形体の厚み方向への粒成長は限定され、シート状成形体の面方向への粒成長が促進されるため、結晶面(111)がシート状成形体の面に沿って成長し、アスペクト比が大きく、配向度の高い結晶面(111)を有する板状結晶粒子を製造することができる。
なお、シート状成形体をくしゃくしゃに丸めた状態のものや、シート状成形体を帯状(リボン状)に切断したものを焼成してもよい。或いは、シート状成形体を帯状(リボン状)に切断したものを、所定の形状(例えば球状)となるようにランダムに絡ませた状態で焼成してもよい。これらの場合、特別な不活性層を用いることなく、シート状成形体の大部分が自立状態を保ちながら焼成されるため、配向度の高い結晶面(111)を有する板状結晶粒子を大量に製造することができる。更に、シート同士の癒着を防ぐ目的で、ロータリーキルン(回転炉)を使用して焼成することも好ましい。
焼成工程においては、シート状成形体に含まれるアルカリ元素等の特定成分の揮発を抑制する揮発抑制状態で、シート状成形体を焼成することが好ましい。アルカリ元素等の特定成分の揮発を抑制することにより、得られる板状結晶粒子の組成のズレを抑制することができる。なお、シート状成形体と別の、マンガン酸リチウム粒子を共存させた状態で焼成することも好ましい。即ち、共存させたマンガン酸リチウム粒子から特定成分を揮発させることにより、シート状成形体からの特定成分の揮発を比較的容易に抑制することができる。なお、シート状成形体を蓋付きの鞘等に入れ、シート状成形体と別のマンガン酸リチウム粒子を共存させた密閉状態で焼成することも好ましく、鞘内部の空間をできる限り小さくすることが好ましい。また、特定成分が揮発する分を見込んで、リチウムの含有割合が過剰な成形体を用いることも好ましい。
但し、鞘内部に共存させるシート状成形体と別のマンガン酸リチウム粒子の量を多くし過ぎると、シート状成形体の焼結及び粒成長が活発化し過ぎてしまい、シート状成形体にうねりが生じたり、板状結晶粒子のアスペクト比が小さくなったりする場合がある。従って、鞘内部の雰囲気が最適な状態となるように、鞘内部の容積、シート状成形体の量、共存させるマンガン酸リチウム粒子の量等を適当に設定すること重要である。なお、シート状成形体を焼成する際に、シート状成形体に含まれるマンガン酸リチウム粒子と同一組成のマンガン酸リチウム粒子を共存させることが好ましいが、シート状成形体に含まれるマンガン酸リチウム粒子に比して特定成分が揮発しやすいものを共存させることにより、揮発した特定成分を焼成後のシート状成形体に補充することもできる。
また、焼成工程においては、第一の雰囲気に制御した鞘内において第一の焼成温度で焼成し、室温に戻した後、第二の雰囲気に制御した鞘内において第一の焼成温度に比して高い第二の焼成温度で焼成してもよい。また、焼成雰囲気は大気中としてもよいが、構成元素の揮発抑制や不活性層との反応性等を考慮し、酸素雰囲気、窒素等の中性雰囲気、水素や炭化水素の共存下等の還元雰囲気、真空中等としてもよい。また、面内の粒成長を促進する観点から、ホットプレス等により加重焼成してもよい。
図3Aは、焼成器の一例を示す側面図であり、図3Bは、図3AのA−A断面図である。焼成器5は、焼成炉(図示せず)でシート状成形体15を焼成する際に用いるものであり、未焼成の成形体(シート状成形体15)を載置する焼成済みのセラミックス板であるセッター22と、マンガン酸リチウム粒子を含有する、シート状成形体15に比して厚い共存用未焼成成形体24と、共存用未焼成成形体24上に配置され、シート状成形体15の上方を覆う焼成済みのセラミックス板である角板26とにより構成されている。シート状成形体15の四方を共存用未焼成成形体24で囲み込むことにより、シート状成形体15から特定成分が揮発し、組成の変化を防止することができる。
図3A及び図3Bに示すセッター22の形状は平板状であるが、シート状成形体15が載置される面を粗くしたセッターや、シート状成形体15が載置される面に貫通孔を複数設けたハニカム状のセッター、ディンプル加工されたセッター等、シート状成形体15との接触面積を小さくして、シート状成形体15の溶着を防止するセッターを用いることが好ましい。また、セッター22の、シート状成形体15が載置される面に、シート状成形体15の焼成温度でも安定なアルミナ粉やジルコニア粉等を敷き、その上にシート状成形体15を載置して焼成することも好ましい。
なお、共存用未焼成成形体を用いることに代えて、鞘内部にマンガン酸リチウムの粉末を共存させる場合には、鞘内部におけるセッターの置き方、セッターのサイズ、段積みの方法、粉末を配置する箇所等を適宜調整することにより、鞘内部の雰囲気を均一に調整することができる。これにより、シート状成形体を複数枚同時に焼成する場合に、焼成後のシート状成形体の結晶粒子構造を均一にすることができる。
シート状成形体は、焼成により平衡形の結晶を得ることが可能な温度(例えば、バルクを焼成することにより緻密化、粒成長する温度)に比して、50〜200℃高い温度で焼成することが好ましい。このような温度で焼成することで、粒成長を十分に進めることができる。なお、シート状成形体に含まれる成形材料が分解しない程度に高い温度で焼成することが好ましい。特に、シート状成形体の厚みがより薄い場合には粒成長し難くなるため、焼成温度をより高くすることが好ましい。また、得られる板状結晶粒子の粒径をより大きくしようとする場合には、より高い温度で焼成することが好ましい。また、板状結晶粒子の粒成長を促進する目的で、Bi等の低融点酸化物を焼結助剤として添加してもよい。
(3)粉砕工程
粉砕工程では、焼成後のシート状成形体を、所定サイズの開口部を通過させることにより解砕及び分級する。この工程においては、例えば、目的とする板状結晶粒子の粒子サイズに合わせた開口径の開口部を有するメッシュ(ふるい)を使用する。使用するメッシュの平均開口径は、通常、1.0mm以下である。
図4は、粉砕工程の一例を示す説明図である。粉砕工程では、例えば、平均開口径が100μm、70μm、45μm、25μm、20μm、10μm、5μm等のメッシュ34を用いることができる。焼成後のシート状成形体32は脆く、比較的解砕し易い物である。このため、メッシュ34上に載置した焼成後のシート状成形体32を、へら状の押圧部材36で軽く押圧しながらメッシュ34を篩うことにより、焼成後のシート状成形体を解砕すると同時に分級することができ、板状結晶粒子15を得ることができる。また、粒径が大きく、アスペクト比の大きな板状結晶粒子を得ようとする場合には、開口径の大きい開口部を有するメッシュ34を使用すればよい。一方、粒径が小さく、アスペクト比の小さい板状結晶粒子を得ようとする場合には、開口径の小さい開口部を有するメッシュ34を使用すればよい。即ち、メッシュ34の開口部の開口径を変えるという簡単な選択により、得られる板状結晶粒子の特性を変化させることができる。
なお、800℃以上の高温で焼成を行った場合、酸素の欠損が生じて正極材としての性能が劣化する場合が想定される。従って、大気中又は酸素雰囲気中、600〜700℃程度で再度熱処理して酸素を供給することも好ましい。
3.リチウム二次電池:
次に、本発明のリチウム二次電池の実施形態について説明する。本発明のリチウム二次電池は、前述の板状結晶粒子を正極活物質として用いて製造されたものである。このため、本発明のリチウム二次電池は、出力特性及び高温サイクル特性に優れたものである。このような優れた出力特性及び高温サイクル特性は、大量の電極活物質を用いて製造された大容量の二次電池において特に顕著に現れることとなる。このため、本発明のリチウム二次電池は、例えば、EVやHEVのモータ駆動用の電源として好適である。但し、本発明のリチウム二次電池は、コイン電池等の小容量電池としても好適である。
本発明のリチウム二次電池を構成するための、正極活物質以外の部材(材料)としては、従来公知の種々の材料を用いることができる。例えば、負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料や、人造黒鉛、天然黒鉛等の高黒鉛化炭素材料を用いることができる。なかでも、リチウム容量の大きい高黒鉛化炭素材料を用いることが好ましい。
非水電解液に用いられる有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)等の炭酸エステル系溶媒の他、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の単独溶媒、又はこれらの混合溶媒が好適に用いられる。
電解質の具体例としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)やホウフッ化リチウム(LiBF)等のリチウム錯体フッ素化合物;過塩素酸リチウム(LiClO)等のリチウムハロゲン化物を挙げることができる。なお、通常、これらの電解質の一種以上を前述の有機溶媒に溶解して用いる。これらの電解質のなかでも、酸化分解が起こり難く、非水電解液の導電性の高いLiPFを用いることが好ましい。
電池構造の具体例としては、板状に成形された正極活物質と負極活物質の間にセパレータを配して電解液を充填させたコイン型の電池(コインセル)や、金属箔の表面に正極活物質を塗工してなる正極板と、金属箔の表面に負極活物質を塗工してなる負極板とを、セパレータを介して捲回又は積層してなる電極体を用いた円筒型又は箱型の各種電池を挙げることができる。
正極板を構成する正極活物質の充填率は、電池の容量を決める重要な因子であるため、充填性の高い粒子を正極活物質として採用することが望ましい。前述の板状結晶粒子(本発明の板状結晶粒子)を用いると、正極板を構成する正極活物質の充填率を上げ易くなる効果があるために好ましい。粒径の大きい結晶粒子を正極活物質として用いると、充填性は向上する。しかしながら、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムは、八面体の角張った粒子形状となり易いため、充填性が良好であるとはいえない。これに対して、本発明の板状結晶粒子は、平らな面の広がった板状を呈する結晶粒子であるため、特に、粒子の向きが揃うように配列させつつ充填させることで、容易に高い充填率とすることができる。
図5は、正極板の微構造の一例を模式的に示す断面図である。図5においては、本実施形態の板状結晶粒子60を正極活物質65として使用し、この板状結晶粒子60を含有する正極材料(ペースト)を集電板(アルミ箔)100上に塗工して得られた正極板110が示されている。このように、本実施形態の多数の板状結晶粒子60の向きを揃えて配列させることで、高い充填率で正極活物質65が充填された正極板110を得ることができる。なお、図5中の符号95は、アセチレンブラックやポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を含有する結着材部を示す。
なお、図5に示すように、本実施形態の板状結晶粒子60とともに、従来の等軸状結晶粒子85を正極活物質75として使用すること、即ち、板状結晶粒子60と従来の等軸状結晶粒子85を適当な比率で混合して使用して正極板110を製造することも可能である。また、板状結晶粒子60についても、同一の大きさ・形状からなるもののみを用いなくてもよく、異なる大きさ・形状からなるものを混合して使用することも可能である。本発明の板状結晶粒子は、従来の粒子合成法によって製造される正極活物質粒子に比して、粒径の均質性が高い。このため、本発明の板状結晶粒子を正極活物質として用いれば、多数の電池を製造した場合であっても、特性にバラツキが少なく、均質な電池を得ることができるために好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)無機粒子の合成
LiMnの組成比となるように、LiCO粉末(関東化学社製)、及びMnO粉末(高純度化学研究所社製)を秤量して樹脂製の円筒型広口瓶に入れ、ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを更に入れ、ボールミルで16時間、湿式混合及び粉砕を行ってスラリーを得た。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥した後、800℃、24時間の条件で仮焼成して仮焼粉末を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られた仮焼粉末をボールミルで5時間湿式粉砕した。エバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、LiMn粉体(無機粒子)を得た。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(型番「LA−750」、HORIBA社製)を使用し、水を分散媒として測定したLiMn粉体の平均粒径(メディアン径(D50))は、0.6μmであった。
(2)成形工程
トルエン及びイソプロパノールを等量混合して調製した分散媒100質量部、得られたLiMn粉体100質量部、バインダーとしてポリビニルブチラール(商品名「BM−2」、積水化学社製)10質量部、可塑剤(商品名「DOP」、黒金化成社製)4質量部、及び分散剤(商品名「SP−O30」、花王社製)2質量部を混合して、スラリー状成形原料を得た。得られたスラリー状成形原料を減圧下で撹拌して脱泡し、その粘度を500〜700mPa・sとした。なお、スラリー状成形原料の粘度は、LVT型粘度計(ブルックフィールド社製)を使用して測定した。ドクターブレード法により、粘度を調整したスラリー状成形原料をPETフィルムの上に成形してシート状成形体を得た。なお、乾燥後のシート状成形体の厚みは5μmであった。
(3)焼成工程
PETフィルムから剥離したシート状成形体をカッターで50mm角に切り、ジルコニア製のセッター(寸法:70mm×70mm×厚さ1mm)の中央に載置した。このセッターに、シート状成形体を得るのに用いたスラリー状成形原料と同一の成形原料からなる未焼成成形体(寸法:6mm×40mm、厚み100μm)をシート状成形体の四辺の外側に、シート状成形体を囲うように載置した。未焼成成形体の上にジルコニア製の角板(寸法:70mm×70mm、高さ5mm)を載置した。このように、シート状成形体が配置される空間をできるだけ小さくするとともに、同一の成形原料を共存させた状態とし、600℃で2時間脱脂後、900℃で24時間焼成し、焼成後のシート状成形体のセッターに溶着していない部分を取り出した。
(4)粉砕工程
焼成後のシート状成形体を、メッシュ平均開口径25μmのふるい上に載置するとともに、へらで軽くふるいに押し付けて解砕及び分級し、板状結晶粒子(実施例1)を得た。
(実施例2〜7)
乾燥後のシート状成形体を表1に示す厚みとしたこと、及び表1に示すメッシュ平均開口径のふるいを使用して焼成後のシート状成形体を解砕及び分級したこと以外は、前述の実施例1と同様にして板状結晶粒子(実施例2〜7)を得た。
(実施例8)
(1)無機粒子の合成
Li1.05Mn1.95の組成比となるように、LiCO粉末(関東化学社製)、及びMnO粉末(高純度化学研究所社製)を秤量して樹脂製の円筒型広口瓶に入れ、ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを更に入れ、ボールミルで16時間、湿式混合及び粉砕を行ってスラリーを得た。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥した後、800℃、24時間の条件で仮焼成して仮焼粉末を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られた仮焼粉末をボールミルで5時間湿式粉砕した。エバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、Li1.05Mn1.95粉体(無機粒子)を得た。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(型番「LA−750」、HORIBA社製)を使用し、水を分散媒として測定したLi1.05Mn1.95粉体の平均粒径(メディアン径(D50))は、1.0μmであった。
(2)成形工程
トルエン及びイソプロパノールを等量混合して調製した分散媒100質量部、得られたLi1.05Mn1.95粉体100質量部、バインダーとしてポリビニルブチラール(商品名「BM−2」、積水化学社製)10質量部、可塑剤(商品名「DOP」、黒金化成社製)4質量部、及び分散剤(商品名「SP−O30」、花王社製)2質量部を混合して、スラリー状成形原料を得た。得られたスラリー状成形原料を減圧下で撹拌して脱泡し、その粘度を4000mPa・sとした。なお、スラリー状成形原料の粘度は、LVT型粘度計(ブルックフィールド社製)を使用して測定した。ドクターブレード法により、粘度を調整したスラリー状成形原料をPETフィルムの上に成形してシート状成形体を得た。なお、乾燥後のシート状成形体の厚みは17μmであった。
(3)焼成工程
PETフィルムから剥離したシート状成形体をカッターで50mm角に切り、ジルコニア製のセッター(寸法:70mm×70mm×厚さ1mm)の中央に載置した。このセッターの四隅に高さ5mmのジルコニア製スペーサーを置き、同様にシート状成形体を載置したセッターを10段積み、アルミナ製の鞘(寸法:90mm×90mm×高さ60mm)に入れた。蓋を開けた状態で600℃で2時間脱脂し、更に蓋を閉めた状態で1100℃で3時間焼成し、焼成後のシート状成形体のセッターに溶着していない部分を取り出した。取り出したシート状成形体の表面の状態(モフォロジー)を示す電子顕微鏡写真を図6に示す。また、取り出したシート状成形体の断面の状態(モフォロジー)を示す電子顕微鏡写真を図7に示す。
(4)粉砕工程
焼成後のシート状成形体を、メッシュ平均開口径50μmのふるい上に載置するとともに、へらで軽くふるいに押し付けて解砕及び分級した。
(5)再熱処理工程
解砕及び分級して得られた粒子を、酸素雰囲気中、700℃で3時間熱処理し、板状結晶粒子(実施例8)を得た。
(比較例1〜3)
LiMnの組成比となるように、LiCO粉末(関東化学社製)、及びMnO粉末(高純度化学研究所社製)を秤量して樹脂製の円筒型広口瓶に入れ、ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを更に入れ、ボールミルで16時間、湿式混合及び粉砕を行ってスラリーを得た。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥した後、800℃、24時間の条件で仮焼成して仮焼粉末を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られた仮焼粉末をボールミルで5時間湿式粉砕した。エバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、LiMn粉体(無機粒子)を得た。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(型番「LA−750」、HORIBA社製)を使用し、水を分散媒として測定したLiMn粉体の平均粒径(メディアン径(D50))は、0.6μmであった。
得られたLiMn粉体をジルコニア製の鞘に入れ、900℃で24時間熱処理して粒成長したLiMn粉体を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られたLiMn粉体をボールミルで所望の粒径になるまで湿式粉砕した。エバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、平均粒径0.6μm(比較例1)、3μm(比較例2)、及び10μm(比較例3)のLiMnの不定形結晶粒子を得た。
(実施例9)
(1)無機粒子の合成・成形工程
Li1.1Mn1.9の組成比となるように、LiCO粉末(本荘ケミカル社製、ファイングレード、平均粒径:3μm)、及びMnO粉末(商品名「電解二酸化マンガン グレードFM」、東ソー社製、平均粒径:5μm)を秤量した秤量物を樹脂製の円筒型広口瓶に入れ、ジルコニアボール、並びに分散媒としてトルエン及びイソプロパノールを等量混合して調製した混合液を、先の秤量物100質量部に対して100質量部入れ、ボールミルで16時間、湿式混合及び粉砕を行った。得られたスラリーの一部を取り出し(サンプリングし)、乾燥させた粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)(型番「JSM−6390」、日本電子社製)を使用して観察したところ、粉末の粒径は1μm以下であった。更に、バインダーとしてポリビニルブチラール(商品名「BM−2」、積水化学社製)10質量部、可塑剤(商品名「DOP」、黒金化成社製)4質量部、及び分散剤(商品名「SP−O30」、花王社製)2質量部を混合して、スラリー状成形原料を得た。得られたスラリー状成形原料を減圧下で撹拌して脱泡し、その粘度を4000mPa・sとした。なお、スラリー状成形原料の粘度は、LVT型粘度計(ブルックフィールド社製)を使用して測定した。ドクターブレード法により、粘度を調整したスラリー状成形原料をPETフィルムの上に成形してシート状成形体を得た。なお、乾燥後のシート状成形体の厚みは17μmであった。
(2)焼成工程
PETフィルムから剥離したシート状成形体をカッターで300mm角に切り、アルミナ製の鞘(寸法:90mm×90mm×高さ60mm)に、くしゃくしゃに丸めた状態で入れた。蓋を開けた状態で600℃で2時間脱脂し、更に、蓋を閉めた状態で1050℃で3時間焼成した。
(3)粉砕工程
焼成後のシート状成形体を、メッシュ平均開口径50μmのふるい上に載置するとともに、へらで軽くふるいに押し付けて解砕及び分級した。
(4)再熱処理工程
解砕及び分級して得られた粒子を、大気中、650℃で3時間熱処理し、板状結晶粒子(実施例9)を得た。
(実施例10)
Li1.05Al0.1Mn1.85の組成比となるようにAl粉末(商品名「AKP−20」、住友化学社製:平均粒径:0.6μm)を更に秤量したこと、及び焼成温度を1100℃とした以外は、前述の実施例1と同様にして板状結晶粒子(実施例10)を得た。
(実施例11)
乾燥後のシート状成形体の厚みを4μmとしたこと、及びメッシュ平均開口径5μmのふるいを使用して焼成後のシート状成形体を解砕及び分級したこと以外は、前述の実施例1と同様にして板状結晶粒子(実施例11)を得た。
(実施例12)
焼成温度を1000℃としたこと、及びメッシュ平均開口径10μmのふるいを使用して焼成後のシート状成形体を解砕及び分級したこと以外は、前述の実施例11と同様にして板状結晶粒子(実施例12)を得た。
(比較例4)
Li1.05Mn1.95の組成比となるように、LiCO粉末(関東化学社製)、及びMnO粉末(高純度化学研究所社製)を秤量して樹脂製の円筒型広口瓶に入れ、ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを更に入れ、ボールミルで16時間、湿式混合及び粉砕を行ってスラリーを得た。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥した後、800℃、24時間の条件で仮焼成して仮焼粉末を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られた仮焼粉末をボールミルで5時間湿式粉砕した。エバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、Li1.05Mn1.95粉体(無機粒子)を得た。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(型番「LA−750」、HORIBA社製)を使用し、水を分散媒として測定したLiMn粉体の平均粒径(メディアン径(D50))は、0.6μmであった。
得られたLiMn粉体をジルコニア製の鞘に入れ、1100℃で24時間熱処理して粒成長したLi1.05Mn1.95粉体を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られたLi1.05Mn1.95粉体をボールミルで湿式粉砕し、更にエバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、平均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉末を、酸素雰囲気中、700℃で3時間熱処理し、Li1.05Mn1.95の不定形結晶粒子(比較例4)を得た。
(比較例5)
Li1.1Mn1.9の組成比となるように、LiCO粉末(本荘ケミカル社製、ファイングレード、平均粒径:3μm)、及びMnO粉末(商品名「電解二酸化マンガン グレードFM」、東ソー社製、平均粒径:5μm)を秤量した秤量物を樹脂製の円筒型広口瓶に入れ、ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを更に入れ、ボールミルで16時間、湿式混合及び粉砕を行ってスラリーを得た。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥した後、1100℃、24時間熱処理して粒成長したLi1.1Mn1.9粉体を得た。ジルコニアボール、及び分散媒としてエタノールを使用して、得られたLi1.1Mn1.9粉体をボールミルで湿式粉砕し、更に、エバポレータ及び乾燥機を用いて乾燥して、平均粒径10μmの粉体を得た。得られた粉体を、大気中、650℃で3時間熱処理し、Li1.1Mn1.9の不定形結晶粒子(比較例5)を得た。
[配向性]:エタノール2gに粒子0.1gを加えて超音波分散機(超音波洗浄機)で30分間分散させて分散液を調製した。25mm×50mmのガラス基板の面上に、2000rpmで分散液をスピンコートし、粒子ができるだけ重ならず、かつ、粒子の板面が、ガラス基板の面と平行に配置された状態の測定用試料を作製した。XRD回折装置(型番「RAD−IB」、リガク社製)を使用し、作製した測定用試料における粒子の表面に対してX線を照射した際のXRD回折パターンを測定した。測定したXRD回折パターンにおける(111)面、(311)面、(400)面、及び(331)面のピークを用いて、ロットゲーリング法により、(111)面の配向度を前述の式(2)から算出した。結果を表2に示す。
[粒子厚みの測定]:導電性テープ上に粒子をランダムに配置した状態で、走査型電子顕微鏡(SEM)(型番「JSM−6390」、日本電子社製)を使用して観察し、その板面が観察方向と平行に配置された粒子(即ち、垂直に立った状態の粒子)を選び、その粒子厚み(W)を測定した。測定結果を表2に示す。
[アスペクト比の算出]:エタノール2gに粒子0.1gを加えて超音波分散機(超音波洗浄機)で30分間分散させて分散液を調製した。25mm×50mmのガラス基板の面上に、2000rpmで分散液をスピンコートし、粒子ができるだけ重ならず、かつ、粒子の板面が、ガラス基板の面と平行に配置された状態の測定用試料を作製した。走査型電子顕微鏡(SEM)(型番「JSM−6390」、日本電子社製)を使用して、作製した測定用試料における、粒子が5〜30個程度含まれる視野中の粒子の板面を観察して、粒子の最長長さ(Y)を測定した。最長長さ(Y)を粒子の粒径と仮定し、この粒径(Y)を粒子厚み(W)で除してそれぞれの粒子の「Y/W」の値を算出し、これを平均した値を「板状結晶粒子のアスペクト比」とした。結果を表2に示す。また、板状結晶粒子に含まれる単結晶粒子のアスペクト比について、前記「Y」と同様の方法で「X」を算出し、更に、「Z=W」と仮定した上で「X/Z」値を算出した。算出した「X/Z」値を平均した値を、「単結晶粒子のアスペクト比」とした。結果を表2に示す。
[電池(コインセル)の作製]:実施例1〜12の板状結晶粒子及び比較例1〜5の不定形結晶粒子のそれぞれに、アセチレンブラック及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、質量比で50:2:3となるように添加及び混合して正極材料を調製した。調製した正極材料0.02gを300kg/cmの圧力で直径20mmφの円板状にプレス成形して正極を作製した。作製した正極と、エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DEC)を等体積比で混合した有機溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解して調製した電解液と、カーボン製の負極、並びにセパレータを用いてコインセルを作製した。
[容量維持率の測定]:作製した電池(コインセル)について、試験温度を45℃として、(1)1Cレートの定電流−定電圧で4.1Vまでの充電、及び(2)1Cレートの定電流で2.5Vまでの放電、を繰り返すサイクル充放電を行った。100回のサイクル充放電終了後の電池の放電容量を、初回の電池の放電容量で除した値を容量維持率(%)とした。結果を表2に示す。なお、容量維持率(%)の値が大きいほど、電池の放電容量の減少率が少なく、サイクル特性に優れた二次電池であると評価することができる。
本発明の板状結晶粒子は、正極活物質として有用なものであり、出力特性及び高温サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。また、本発明のリチウム二次電池は、出力特性及び高温サイクル特性に優れたものであり、ハイブリッド電気自動車、電気機器、通信機器等の駆動用電池として有効に用いられる。
2:結晶面(111)、5:焼成器、10,20,30,40,50,60:板状結晶粒子、12:単結晶粒子、14:粒界部、15:シート状成形体、22:セッター、24:共存用未焼成成形体、26:角板、32:焼成後のシート状成形体、34:メッシュ、36:押圧部材、65,75:正極活物質、85:等軸状結晶粒子、95:結着材部、100:集電板(アルミ箔)、110:正極板、W,W:粒子厚み、X:単結晶粒子最長長さ、Y,Y:粒子最長長さ、Z:単結晶粒子厚み

Claims (14)

  1. LiとMnを構成元素として含むスピネル構造のマンガン酸リチウムからなるとともに、アスペクト比が1.5〜20であり、かつ、厚みが1〜20μmであり、
    発達面として、ロットゲーリング法により測定される配向度が20%以上である結晶面(111)を有する板状結晶粒子。
  2. 単結晶の粒子である請求項1に記載の板状結晶粒子。
  3. 複数の単結晶粒子を含み、
    厚さ方向に実質的に存在する前記単結晶粒子の数が1個であり、
    複数の前記単結晶粒子が、前記結晶面(111)を揃えた状態で結合されている請求項1に記載の板状結晶粒子。
  4. 前記マンガン酸リチウムが、下記一般式(1)で表される請求項1〜3のいずれか一項に記載の板状結晶粒子。
    LiMMn2−X (1)
    (前記一般式(1)中、Mは、Li、Fe、Ni、Mg、Zn、Al、Co、Cr、Si、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、Mo、及びWからなる群より選択される一種以上の元素、並びにTiを含む二種以上の置換元素を示し、Xは、前記置換元素Mの置換数を示す)
  5. 前記マンガン酸リチウムに含まれるLiとMnのモル比が、Li/Mn>0.5の関係を満たす請求項1〜4のいずれか一項に記載の板状結晶粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の板状結晶粒子の製造方法であって、
    マンガン酸リチウム粒子を含む成形材料を成形して、厚み30μm以下の自立可能なシート状成形体を得る成形工程と、
    前記シート状成形体を、前記シート状成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させた状態、又は前記シート状成形体のままの状態で焼成する焼成工程と、
    焼成後の前記シート状成形体を解砕及び分級する粉砕工程と、
    を含む板状結晶粒子の製造方法。
  7. 前記焼成工程における焼成温度が、650〜1250℃である請求項6に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  8. 前記マンガン酸リチウム粒子のメディアン径が、前記シート状成形体の厚みの1〜60%である請求項6又は7に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  9. 前記シート状成形体に含まれる特定成分の揮発を抑制し得る揮発抑制状態で、前記シート状成形体を焼成する請求項6〜8のいずれか一項に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  10. 前記揮発抑制状態が、前記シート状成形体と別の、前記マンガン酸リチウム粒子を共存させた状態である請求項9に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  11. 前記粉砕工程が、所定サイズの開口部を通過させることにより、焼成後の前記シート状成形体を解砕及び分級する工程である請求項6〜10のいずれか一項に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  12. 前記開口部の平均開口径が、1.0mm以下である請求項11に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  13. 焼成後の前記シート状成形体を押圧部材で押圧し、前記開口部を有するメッシュを通過させて焼成後の前記シート状成形体を解砕及び分級する請求項6〜12のいずれか一項に記載の板状結晶粒子の製造方法。
  14. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の板状結晶粒子を正極活物質として用いてなるリチウム二次電池。
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