本発明は、高解像度化画像を高フレームレートで撮影する装置、撮影する方法、撮影記録再生する装置、撮影記録再生する方法、および撮影記録するプログラムに関するものである。
近年、撮像素子の高密度化が進み、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラの高精細化が著しい。画像の解像度が高いほど、目の前のシーンを詳細に記録できるため、高解像度撮影のニーズは一般的に高い。
解像度は、空間解像度と時間解像度の2つに分類される。前者は、1枚の画像を構成する画素数に対応する。同じ大きさの撮像センサで画素数の多い方が空間解像度の高い撮像センサとなり、被写体の細部まで精細に記録できるため、臨場感の高い高画質の静止画が撮影できる。一方、後者は、単位時間あたりに撮像される画像の枚数に相当する。例えば1秒間に撮影される画像の枚数が多い撮像センサの方が時間解像度の高い撮像センサとなり、被写体の早い動きも細かく撮影できるため、動きの滑らかな動画像が撮影できる。
目の前のシーンをありのままに撮影したい場合、空間解像度と時間解像度をともに高く設定することが多く、従って、データ量が膨大になる。例えば、DV方式のビデオカメラの場合、画像サイズは720画素×480ラインであり、フレームレートを秒30枚とすると、24ビットRGBカラー信号のデータ転送レートは249Mbps(bit per second)(= 720画素×480ライン×24bit×30枚)となる。ハイビジョン方式では、画像サイズが1920画素×1080ラインとなり、データ転送レートは6倍の1.5Gbps(= 1920画素×1080ライン×24bit×30枚)となる。更に時間解像度を2倍にし、フレームレートを秒60枚とすると、3Gbpsとなる。このようなデータ転送レートで、カメラの撮像センサの出力から記録メディアへの書き込みまで、あるいはディスプレイの走査までを行う必要がある。一般に、民生用ビデオ機器では、これらのデータ転送レートは負荷が大き過ぎるため、データの冗長性を使用してデータを圧縮し、機器の小型化、低消費電力化、コストダウンなどを図っている。また業務用ビデオ機器でも、データ圧縮によるデータ量の削減は頻繁に使われており、オリジナルのデータ転送レートのまま動作する機器は編集向けの高価なシステムだけである。
このように、空間解像度と時間解像度がともに高い高画質画像を、できるだけ低いデータ転送レートでやりとりするには、必要なデータのみを取得し、冗長性を低くすることが肝心である。そこで、画像取得の段階で必要なデータのみを取得する方式は有効である。例えば、特許文献1は、図28(a)に示すように、高空間解像度・低時間解像度の画像データ1と低空間解像度・高時間解像度の画像データ2を取得し、画像処理で図28(b)の高空間解像度・高時間解像度の画像データ3を生成する技術を開示している。
例えば、図28の撮影時間が1秒で、画像データ1の画像サイズを1920画素×1080ライン、画像データ2の画像サイズを640画素×360ラインとした場合、図28(a)の8ビット輝度信号のデータ転送レートは、54Mbps(= 1920画素×1080ライン×8bit×2枚 + 640画素×320ライン×8bit×13枚)となる。一方、図28(b)は、1920画素×1080ラインが8枚であり、8ビット輝度信号のデータ転送レートは、133Mbps(= 1920画素×1080ライン×8bit×8枚)となる。図28(b)のデータ転送レートは、図28(a)の約2.4倍に拡大されている。
図29は、画像データ3を生成するフローチャートであり、画像データ2の低空間解像度画像で動きベクトルを推定し、その結果から画像データ1の高空間解像度画像の動き補償を行い、動き補償された高空間解像度画像のDCT(Discrete Cosine Transform)スペクトルを、それに対応する時間の低空間解像度画像のDCTスペクトルと合成し、逆DCT変換で目的の高空間解像度・高時間解像度の画像を得る。
図30は、画像データ1と画像データ2を取得するための複合センサカメラ4の構成例である。複合センサカメラ4は、同一視野を有する2種類の画像データを取り込むためのカメラであり、プリズムやハーフミラー等の分光素子5と、2枚のレンズ6と、高空間解像度・低時間解像度カメラ7と、低空間解像度・高時間解像度カメラ8とを備える。分光素子5は、入射光9の一部を反射する。2枚のレンズ6は分光素子5で反射した光および透過した光をそれぞれ集光する。高空間解像度・低時間解像度カメラ7は、一方のレンズ6で集光された光を高空間解像度・低時間解像度で撮像し、画像データ1を出力する。低空間解像度・高時間解像度カメラ8は、他方のレンズ6で集光された光を低空間解像度・高時間解像度で撮像し、画像データ2を出力する。
特開2005−318548号公報(図2、図3、図5)
しかしながら、前記従来の技術では、撮像センサの感度とRGBカラー撮影の点で以下のような課題を有していた。すなわち、複合センサカメラ4は、分光素子5によって、入射光9を高空間解像度・低時間解像度カメラ7と、低空間解像度・高時間解像度カメラ8に分配するため、それぞれのカメラに入射する光量が1/2に減少する。入射光量の減少は、撮像画像のSN比(Signal to Noise Ratio)を低下させ、画質を劣化させる可能性が高まる。一方、SN比の低下を防ぐために、露出時間を長くすると、ブラーが発生する可能性が高くなり、画質劣化を引き起こす可能性が高くなる。
また、RGBカラー画像を撮影するには、図31に示すように、複合センサカメラ4を3つ用意することになり(それぞれ、複合センサカメラ41、複合センサカメラ42、複合センサカメラ43とする)、入射光9を3つの複合センサカメラ41〜43に分配するために、2つの色分解フィルタ(色分解フィルタ10、11)が必要になる。色分解フィルタ10は、例えば、長波長域(概ね600nm〜780nm)を反射し、残りの波長域を透過する。反射光12は、複合センサカメラ41へ入射し、長波長域の撮像が行われ、R画像が得られる。一方、色分解フィルタ10の透過光13は、色分解フィルタ11に入射し、例えば、短波長域(概ね380nm〜500nm)が反射され、残りの波長域を透過する。反射光14は、複合センサカメラ42へ入射し、短波長域の撮像が行われ、B画像が得られる。色分解フィルタ11の透過光15は、色分解フィルタ10の反射光12と色分解フィルタ11の反射光以外の光であり、残った中波長域(概ね500nm〜600nm)が透過する。透過光15は複合センサカメラ43に入射し、中波長域の撮像が行われ、G画像が得られる。以上のように、複合センサカメラへの色分解フィルタ10、11の追加は、カメラのサイズを大きくし、カメラの操作性や可搬性を低下させる。
一方、カメラのサイズが大きくならないように、図32の構成例のように、高空間解像度・低時間解像度カメラ7と、低空間解像度・高時間解像度カメラ8の前に、例えば図33に示すような色フィルタ16を配置して、RGBに色分解する方式も考えられる。すなわち、色フィルタ16の中で、画素20に位置する色フィルタは中波長域のGのみを透過し、それ以外の長波長域Rと短波長域Bを吸収してG画像を生成する。同様に、画素21に位置する色フィルタは長波長域のRのみを透過し、それ以外の中波長域Gと短波長域Bを吸収してR画像を生成する。画素22に位置する色フィルタは短波長域のBのみを透過し、それ以外の長波長域Rと中波長域Gを吸収してB画像を生成する。このように、色フィルタ16は、不要な波長域の光を吸収して色分解するため、光の利用効率はモノクロカメラより低くなる。RGB3色に分解されるため、概ね、1/3がカメラに入射し、2/3が色フィルタ16に吸収される計算になる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、カメラ構成は従来のカラーカメラと同様で、かつ光の利用効率を低下させることなく、高空間解像度・高時間解像度の画像データを取得できる装置、方法、プログラムおよび撮影記録再生システムを提供することを目的とする。
本発明の画像データ生成装置は、入射光を複数の波長域に分光する分光部と、各々が入射光に応じたアナログ信号を出力する複数の光電変換素子単位が配列された複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、それぞれ、前記分光部によって分光された波長域が異なる光を受けて撮像を行い、前記アナログ信号を各波長域ごとに出力する撮像装置と、複数の光電変換素子単位から出力された前記アナログ信号を加算する機能を備え、前記光電変換素子単位から出力されたアナログ信号、または、前記加算されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記デジタル信号の周波数スペクトル分布データを生成する空間周波数算出部と、前記周波数スペクトル分布データを参照して、前記AD変換部において前記アナログ信号が加算される前記光電変化素子単位の個数を、波長域ごとに指定できる帯域分配算出部と、前記AD変換部から出力された前記デジタル信号の周波数スペクトル分布データにおける高周波成分を増加させる超解像部とを備えている。
好ましい実施形態において、前記超解像部は、前記AD変換部における前記アナログ信号の加算によって失われた前記周波数スペクトル分布データにおける高周波成分の少なくとも一部を復元する。
好ましい実施形態において、前記分光部は、前記被写体からの光を、赤色光、緑色光および青色光に分光し、前記撮像素子部は、前記赤色光、緑色光および青色光を受光して、R画像、G画像、B画像を出力し、前記AD変換部は、R画像のデータ転送レートと、G画像のデータ転送レートと、B画像のデータ転送レートの合計が、所定の値になるように前記撮像素子部の出力するアナログ信号を加算し、前記帯域分配算出部は、R画像、G画像、B画像に対して、所定の周波数帯域で周波数スペクトルのエネルギーを算出し、前記R画像、G画像、B画像の各々における周波数スペクトルのエネルギーの比を前記AD変換のアナログ信号の加算個数の逆数の比とする。
好ましい実施形態において、前記帯域分配算出部は、前記AD変換部におけるアナログ信号の加算方法を前記超解像部に入力し、低解像度化処理に用いる。
好ましい実施形態において、前記超解像部は、前記帯域分配算出部が指定した波長域に応じてAD変換部が生成した低空間解像度・高時間解像度画像と高空間解像度・低時間解像度画像を取得し、低空間解像度画像と高空間解像度画像の対応関係に基づいて、高空間解像度・低時間解像度画像の時間解像度を低空間解像度・高時間解像度画像の時間解像度へ変換して、高空間解像度・高時間解像度を生成する。
好ましい実施形態において、前記撮像素子部は、前記分光された光の光量を計測する露出計測部を有し、前記AD変換部は、前記計測された光量が所定の値に達するようにアナログ信号を加算する。
本発明の画像データ生成方法は、被写体からの光を分光するステップと、前記分光された光を受光してアナログ信号を出力するステップと、前記アナログ信号を複数個加算する機能を備え、前記加算機能を施したアナログ信号、あるいは、前記加算機能を施こさないアナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号の周波数スペクトルのエネルギーの大きさに従って、前記アナログ信号の加算個数を波長域ごとに指定するステップと、前記アナログ信号の加算によって消失した周波数成分の少なくとも一部を復元するステップとを備える。
本発明のプログラムは、撮像部を備える画像データ生成装置に、画像データを生成する処理を実行させるプログラムであって、前記画像データを生成する処理は、被写体からの分光された光を前記撮像部で受光して前記撮像部でアナログ信号を出力するステップと、前記アナログ信号を複数個加算したアナログ信号、あるいは、前記加算しないアナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号の周波数スペクトルのエネルギーの大きさに従って、前記アナログ信号の加算個数を波長域ごとに指定するステップと、前記アナログ信号の加算によって消失した周波数成分の少なくとも一部を復元するステップとを前記画像データ生成装置に実行させる。
本発明の撮像装置は、入射光を複数の波長域に分光する分光部と、各々が入射光に応じたアナログ信号を出力する複数の光電変換素子単位が配列された複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、それぞれ、前記分光部によって分光された波長域が異なる光を受けて撮像を行い、前記アナログ信号を各波長域ごとに出力する撮像素子と、複数の光電変換素子単位から出力された前記アナログ信号を加算する機能を備え、前記光電変換素子単位から出力されたアナログ信号、または、前記加算されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記デジタル信号の周波数スペクトル分布データを生成する空間周波数算出部と、前記周波数スペクトル分布データを参照して、前記AD変換部において前記アナログ信号が加算される前記光電変化素子単位の個数を、波長域ごとに指定できる帯域分配算出部とを備える。
本発明の画像処理装置は、上記の撮像装置によって生成された前記デジタル信号および前記AD変換部において前記アナログ信号が加算された前記光電変化素子単位の個数を示すビニング処理情報を受け取る入力部と、前記超解像部は、前記AD変換部における前記アナログ信号の加算によって失われた前記周波数スペクトル分布データにおける高周波成分の少なくとも一部を復元する。
好ましい実施形態において、前記入力部は、前記デジタル信号および前記ビニング処理情報が記録されている記憶媒体を受容する構造を有している。
本発明によれば、撮像センサのデータ転送レートを超える大容量の高空間解像度且つ高時間解像度の画像データを従来の3板式カラーカメラと同様の構成で取得できる。そのため、可搬性や経済性などを損ねることなく、より解像度の高い高画質画像を得ることができる。
本発明の実施形態1に係る画像データ生成装置の構成を示すブロック図である。
R撮像センサ部105を例として、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107がともに有するビニング機能を説明する図である。
R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の空間解像度と時間解像度の関係を模式的に表わした図である。
ウェーブレット変換の例を示す図である。
ハール型のマザーウェーブレットを説明する図である。
所定の周波数以上のスペクトルを示す図である。
画像データ生成装置700の動作タイミングを説明する図である。
本発明の実施形態2に係る画像データ生成装置100の構成を示すブロック図である。
空間解像度アップコンバータ部112がR画像117とB画像119の空間解像度を高解像度化する概念を模式的に表わした図である。
時間解像度アップコンバータ部113がG画像118の時間解像度を高解像度化する概念を模式的に表わした図である。
時間解像度アップコンバータ部113がG画像122を生成する原理を説明する図である。
画像特徴ベクトルをウェーブレット変換の係数を要素とする多次元ベクトルで表現する方法を説明する図である。
スケールレベルn=2のときの画像特徴量を画素ごとに算出する方法を説明する図である。
空間解像度アップコンバータ部112の構成を示すブロック図である。
時間解像度アップコンバータ部113の構成を示すブロック図である。
画像データ生成装置100の動作フローを説明する図である。
本発明の実施形態3に係る画像データ生成装置200の構成を示すブロック図である。
時間解像度アップコンバータ部245の構成を示すブロック図である。
空間解像度アップコンバータ部244の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態4に係る画像データ生成装置800の構成を示すブロック図である。
画像データ生成装置800の動作タイミングを説明する図である。
本発明の実施形態5に係る画像データ生成装置300の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態6に係る画像データ生成装置400の構成を示すブロック図である。
RB高域調整部402の構成を示すブロック図である。
局所的な領域内の例を示す図である。
RとBの局所的な相関ρと重みWの関係の例を示す図である。
本発明の実施形態7に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態7に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
高空間解像度・低時間解像度の画像データ1と低空間解像度・高時間解像度の画像データ2を取得し、高空間解像度・高時間解像度の画像データ3を生成する概念を説明する図である。
画像データ3を生成するフローチャートを示す図である。
画像データ1と画像データ2を取得するための複合センサカメラの構成例を示す図である。
RGBカラー撮影の構成を説明する図である。
RGBカラー撮影のための複合センサカメラの構成例を示す図である。
色フィルタ16の詳細を説明する図である。
符号の説明
100、200、300、400 画像データ生成装置
101 入射光
102 高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)
103 撮影部
104 色分解部
105 R撮像センサ部
106 G撮像センサ部
107 B撮像センサ部
108 撮影画像記録部
109 撮影画像書き込み部
110 メモリ部
111 撮影画像読み出し部
112 空間解像度アップコンバータ部
113 時間解像度アップコンバータ部
114 出力部
185 系統識別信号発生部
186 空間周波数算出部
187 色チャネル帯域分配算出部
188 色チャネル帯域分配情報書き込み部
500 撮像装置
600 画像処理装置
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書および図面では、簡単のため、記号R、G、Bにより、それぞれ赤色、緑色、青色を示すものとする。R画像とは光の赤色成分に対応した画像を指し、G画像とは光の緑色成分に対応した画像を指し、B画像とは光の青色成分に対応した画像を指している。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による画像データ生成装置700を示すブロック図である。
画像データ生成装置700は、入射光101を受光して撮影画像を記録し、撮影画像を再生する際に高解像度化処理を施して、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を出力する。画像データ生成装置700は、波長域ごとに空間周波数スペクトルを算出する。本実施形態では、「波長域」が、R、G、Bの3つに区分されている。以下、本明細書では、波長域の各々を「色チャネル」と称することとする。画像データ生成装置700は、色チャネルごとに空間周波数スペクトルを算出した後、最も高い空間周波数成分を有する色チャネルでHL画像を取得し、その他の色チャネルでLH画像を取得する。更に、この画像データ生成装置700は、低空間解像度画像と高空間解像度画像の対応関係に基づいて、HL画像の時間解像度をLH画像の時間解像度へ変換して、HH画像を生成する。
画像データ生成装置700は、図1に示すように、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、超解像部240、出力部114を備えている。
撮影部103は、入射光101を受光し、カラー画像R1G1B1を出力する。色分解部104は、入射光101を長波長域R、中波長域G、短波長域Bに分光する分光部であり、R撮像センサ部105でR1画像、G撮像センサ部106でG1画像、B撮像センサ部107でB1画像が撮影できるように色分解を行う。面115は、図31の色分解フィルタ10に相当し、長波長域Rの光を反射し、残りの波長域の光を透過する。面116は、図31の色分解フィルタ11に相当し、短波長域Bの光を反射し、残りの波長域の光を透過する。
図2は、R撮像センサ部105を例として、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107が有するビニング(画素加算または画素混合)機能を説明する図である。
通常、撮像部の撮像面において撮像のための光電変換を行う物理的な最小単位は、「画素」と呼ばれている。しかし、本発明を正確に説明するためには、画像を構成する単位である「画素」と、撮像部の撮像面において撮像のための光電変換を行う物理的な最小単位とを区別する必要がある。このため、本明細書では、撮像部の撮像面において光電変換を行う物理的な最小単位を「光電変換素子単位」と称することとする。光電変換素子単位は、光電変換素子に入射した光の強度(光量)に応じた大きさの電気信号(アナログ信号)を出力する。なお、撮像センサ部の構成および動作を説明する際、簡単のため、「光電変換素子単位」の個数を「画素数」と称する場合がある。
本実施形態のR撮像センサ部105は、図2(a)に示すように、多数の光電変換素子単位が二次元的に配列された撮像面を有している。また、R撮像センサ部105は、AD変換部220を有し、光電変換素子単位のアナログ信号をデジタル信号に変換する。図2(b)は、2画素×2ラインの例として、ビニング部221を説明する図である。
図2(b)に示される光電変換素子単位222、223、224、225から出力され4つのアナログ信号は、加算器226において加算され、AD変換部220へ入力される。4つのアナログ信号の加算によって、データ量は1/4に縮小し、AD変換部220のデータ転送レートは、光電変換素子単位の数(画素数)に対して、1/4に低下する。仮に、R撮像センサ部105の画素数とライン数がハイビジョンサイズとして1920画素×1080ラインの場合、2画素×2ラインのビニング処理を施すと、960画素×540ラインのR1画像がデジタル信号で得られる。
なお、後述するように、ビニング部221は、図2(b)に示す色チャネル帯域分配算出部187が出力した色チャネル帯域分配信号230に従って、ビニングする画素数とライン数を決定する。本実施形態では、説明の都合上、G撮像センサ部106の画素数とライン数をハイビジョンサイズとして、1920画素×1080ラインとする。R撮像センサ部105およびB撮像センサ部107における画素数およびライン数は、それぞれ、G撮像センサ部106における画素数およびライン数の1/4であり、480画素×270ラインとする。一方、G撮像センサ部106と他の撮像センサ部との間にある時間解像度の関係は、空間解像度の逆になる。すなわち、G撮像センサ部106の時間解像度は2fps(frame per second)、R撮像センサ部105およびB撮像センサ部107の時間解像度は15fpsである。このように、本実施形態におけるG撮像センサ部106は低時間解像度、R撮像センサ部105とB撮像センサ部107は高時間解像度を有する。
また、ビニング部221におけるビニング処理内容は、各色チャネルで任意に設定でき、ビニングする画素数とライン数を、例えばR撮像センサ部105とB撮像センサ部107で同一にする必然性はない。
図3は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の空間解像度と時間解像度の関係を模式的に表した図である。G撮像センサ部106が撮影するG画像118は、時間t1と時間t15の2枚撮影され、R撮像センサ部105が撮影するR画像117とB撮像センサ部107が撮影するB画像119は、時間t1から時間t15の15枚撮影される。
ここで、RGBの各画像の空間解像度と時間解像度の高低をXS,Tという表記法で表す。XはR、あるいはG、あるいはB、SはH(高空間解像度)、あるいはL(低空間解像度)、TはH(高時間解像度)、あるいはL(低時間解像度)である。
すなわち、Xは、RGB画像の種類を表し、Sは空間解像度の高低、Tは時間解像度の高低を表す。解像度の高低は相対的に決まり、本実施例では、各解像度は以下の通りである。
高空間解像度:1920画素×1080ライン
低空間解像度:480画素×270ライン
高時間解像度:15fps
低時間解像度:2fps
図3に示すように、G撮像センサ部106の出力であるG画像は、高空間解像度・低時間解像度であるため、GH,Lと表記する。一方、R撮像センサ部105の出力であるR画像とB撮像センサ部107の出力であるB画像は、低空間解像度・高時間解像度であるため、それぞれRL,H、BL,Hと表記する。
再び図1を参照する。
空間周波数算出部186は、R1画像、G1画像、B1画像の空間周波数分布を算出する。空間周波数の算出方法は任意であるが、例えば、フーリエ変換やウェーブレット変換などを利用する。図4は、ウェーブレット変換の例を示す図であり、スケールnの多重解像度表現である。スケール1では、隣接画素との輝度差が算出され、スケール2へ降りる際に複数画素での平滑化が施される。スケール2での隣接画素との輝度差が算出されるが、スケール2の各画素は、スケール1の複数画素が平滑化されたものであり、スケール2の方が低い周波数成分となる。従って、スケール1からスケールnまで計算を進めることで、高周波成分から徐々に周波数の低い他成分へシフトし、ウェーブレット係数V,H,Dが空間周波数スペクトルを形成する。
ハール型のマザーウェーブレットを用いた場合、図5(a)に示すように、Vは処理対象の画素60の右隣接画素61との差分値、Hは処理対象の画素60の下隣接画素62との差分値、Dは斜下隣接画素63との差分値、Lは処理対象の画素60を含む右、下、斜下の4つの画素の平均値である。図5(a)はスケール1に相当し、図5(b)はスケール2に相当する。スケール2では、スケール1における4画素の平均値である出力Lが差分値の計算対象になり、スケール2における出力Vはブロック64とブロック65の差分値、スケール2における出力Hはブロック64とブロック66の差分値、スケール2における出力Dはブロック64とブロック67の差分値となる。また、スケール2における出力Lはブロック64からブロック67の平均値となる。
図1の色チャネル帯域分配算出部187は、R1画像、G1画像、B1画像の空間周波数スペクトルに従って、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のそれぞれのビニングのブロックサイズを決定する。高い空間周波数を有する色チャネルの撮影画像については、高域の情報を取得するために、ビニング処理を行わないようにする。ビニング処理を行うと、空間周波数の高い情報(高域情報)が失われる。一方、高い空間周波数成分を持たない色チャネルの撮影画像については、高域の情報を取得する必要がないため、ビニング処理を行うことによって帯域を制限し、データ転送レートを低くする。
例えば、図6に示すように、所定の周波数以上のスペクトルのエネルギーEを式(1)で算出し、この大きさの比率で、式(2)に従って、R、G、Bの各色チャネルの帯域を分配することができる。
ここで、fは空間周波数、n
iは空間周波数f
iの頻度、w
R、w
G、w
BはRGB各撮像センサに対する帯域分配の比率を表わす。各撮像センサのAD変換部220の最大データ転送レートがpであるとすると、R撮像センサ部105のデータ転送レートp
Rは、以下の(式3)で表される。
同様に、G撮像センサ部106のデータ転送レートp
Gは、以下の(式4)で表される。
B撮像センサ部107のデータ転送レートp
Bは、以下の(式5)で表される。
このようにして決定されたR撮像センサ部105のデータ転送レートpR、G撮像センサ部106のデータ転送レートpG、B撮像センサ部107のデータ転送レートpBは、図1に示す色チャネル帯域分配信号230として、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のビニング部221に供給され、色チャネルごとにデータ転送レートが制御される。
なお、R、G、Bの各波長域における空間周波数のスペクトル分布は、被写体の種類に依存するため、被写体の種類を特定することにより、その空間周波数スペクトルのパターンを推定し、色チャネルの帯域分配比率を決定することや、帯域分配比率の計算を簡単にすることが可能である。例えば、青い色が一様に広がる背景が撮像範囲の大部分を占める場合、一般にB画像の空間周波数は低くなる傾向がある。そのような場合、B撮像センサ部107のデータ転送レートpBを最も低く設定するようにすることが可能である。このように被写体の種類(撮影モード)に応じて単純にデータ転送レートの配分を決定すれば、色チャネル帯域分配算出部187による処理を単純化できる。
超解像部240は、R1画像、G1画像、B1画像の高解像度化を行い、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のビニング処理で失われた空間周波数成分を復元して、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を出力する。
ビニング処理は、超解像処理からみると空間解像度を落とす低解像度化処理に相当する。一般に、超解像処理は、低解像化処理の逆問題として扱われる。すなわち、解像度を低下させる処理の逆の処理を施せば、解像度を高めることができる。従って、超解像処理を設計するにあたっては、低解像度化処理のモデル化が重要なタスクとなる。逆の言い方をすれば、低解像度化モデルが不明のまま、高解像度化処理を設計することは、通常、非常に困難である。画像データ生成装置700におけるビニング処理は、低解像度化処理そのものであり、モデル生成を行う必要もないため、高い品質で超解像処理が実行できる。以上のような背景から、色チャネル帯域分配算出部187は、ビニング処理の内訳の詳細を、ビニング処理詳細信号701として、超解像部240に伝える。
以上のように、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のビニング処理と超解像部240の超解像処理は、互いに関係し合い、この2つの関係を色チャネル帯域分配算出部187が結び付けている。すなわち、色チャネル帯域分配算出部187は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限を踏まえながら、できるだけ高い空間周波数成分を残すようにビニング処理を制御する。同時に、色チャネル帯域分配算出部187は、ビニング処理詳細信号701を超解像部240に与えることで、空間解像度の低解像度化モデルを既知とし、ビニング処理で失われた空間周波数成分の推定精度を高めることができ、結果的に、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限を超えることが可能となる。
出力部114は、超解像部240からの出力である高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を画像データ生成装置700の外部へ出力する。
図7は、画像データ生成装置700の動作タイミングを説明する図である。
時間t1において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第1番目の画素データが読み出される。ただし、現段階では、空間周波数分析は成されていないため、色チャネルごとに個別のビニング処理を施すことができない。そこで、たとえば、各色チャネルに2×2のビニング処理を施して、全色チャネルで同一レートのデータ転送を行う。
時間t2において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第2番目の画素データが読み出される。また、周波数解析711が動作し、空間周波数算出部186で第1番目の画素データの空間周波数が算出される。現段階では、画素データが1つしかないため、空間周波数は直流成分を出力することになるが、時間が進むに従って、複数の画素データが蓄積されてきて、近傍画素との輝度変化を反映した空間周波数が算出できる。なお、実装上は、後述するように、複数の画素データを一旦メモリに蓄積し、これを読み出して処理をする形式になる。ただし、ここでは、動作タイミングの説明のために、メモリへのアクセスや複数画素データの取り扱いに関しては説明を割愛し、実装上の説明は後に詳述する。
時間t3において、読み出し710と周波数解析711が動作するとともに、新たに帯域分配712と超解像処理714が同時に動作を開始する。帯域分配712は、色チャネル帯域分配算出部187の動作で、時間t3では第1番目の画素に対して各色チャネルへの帯域分配が成される。超解像処理714は、超解像部240の動作で、時間t3では第1番目の画素に対して超解像処理が成される。第1番目のビニング処理が、たとえば2×2のビニング処理であった場合、超解像部240は、縦横ともに画素数を2倍に拡大する処理を実行する。なお、実装上は、後述するように、複数の画素データを一旦メモリに蓄積し、これを読み出して処理をする形式になる。ただし、ここでは、動作タイミングの説明のために、メモリへのアクセスや複数画素データの取り扱いに関しては説明を割愛し、実装上の説明は後に詳述する。
時間t4において、読み出し710、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714が動作するとともに、新たにビニング処理713と画像出力715が同時に動作を開始する。画像出力715は、出力部114の動作であり、第1番目の画素が出力される。ビニング処理713は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の動作で、色チャネル帯域分配算出部187が出力した色チャネル帯域分配信号230に従って設定された条件で、第1番目の画素に対してビニング処理が成される。これ以降、ビニング処理が有効となるため、実質的には、時間t5以降からビニング処理が動作する形になる。時間t5で読み出し710を受けた画素データ716は、時間tが進むごとに、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714、画像出力715を経て、時間t8で画像データ生成装置700から出力される。
以上より、図7の動作タイミングにおける時間軸をパイプライン処理の動作クロックとするならば、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から画素データが読み出され、これらの空間周波数分布からビニング処理へ反映されるまでに4クロック分のタイムラグは存在することになる。また、画像データ生成装置700が起動してから最初の画素データが出力されるまでに3クロック分のタイムラグがあり、引き続く4クロック分は各色チャネルで同一の処理が成され、5クロック目以降に、色チャネル個別の処理が成されることになる。従って、色チャネル個別のビニング処理と超解像処理は、8クロック目で初めて有効となり、以降はクロック単位ですべての処理が実行される。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2による画像データ生成装置100の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す画像データ生成装置700と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
画像データ生成装置100は、図8に示すように、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188、メモリ部110、撮影情報読み出し部111、超解像部240、出力部114、系統識別信号発生部185を備えている。
撮影画像記録部108は、撮影部102が出力したR1画像、G1画像、B1画像を記録・再生する。
撮影画像記録部108に含まれる撮影画像書き込み部109は、R1画像、G1画像、B1画像をメモリ部110に書き込み、撮影画像を記録する。
撮像画像記録部108内の色チャネル帯域分配情報書き込み部188は、R撮像センサ部105のデータ転送レートpR、G撮像センサ部106のデータ転送レートpG、B撮像センサ部107のデータ転送レートpBをメモリ部110に書き込む。ただし、撮影画像書き込む部109がメモリ部110に記録したR画像、G画像、B画像のヘッダ部にデータ転送レートを書き込み、画像データとデータ転送レートの関係を結び付ける。
撮像画像記録部108内の撮影情報読み出し部111は、メモリ部110からR画像、G画像、B画像をA系統50とB系統51の2系統で読み出す。A系統50は、後述するように、時間解像度アップコンバータ部113で低空間解像度の画像と高空間解像度の関係を学習するために、R画像、G画像、B画像をメモリ部110から読み出す。B系統51は、撮影画像を再生し、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を出力するために、R画像、G画像、B画像をメモリ部110から読み出す。
撮影画像書き込み部109が、図3に示した空間解像度と時間解像度の24ビットRGB画像をメモリ部110に記録する場合、データ転送レートは、49Mbps(= (1920画素×1080ライン×8bit×2枚)+(480画素×270ライン×8bit×15枚)×2チャンネル)となる。撮影情報読み出し部111も同じデータ転送レートで動作する。なお、R画像、G画像、B画像のデータ転送レートは、各画像のヘッダ部から読み出す。メモリ部110は、磁性体を利用したハードディスクや半導体メモリなど、任意の記録メディアが利用可能である。記録メディアを画像データ生成装置100から取り外せるリムーバブル型にすれば、画像データ生成装置100で記録した撮影画像を他の機器との間で移動、あるいはコピーが可能である。
超解像部240は、撮影画像記録部108から読み出したR画像、G画像、B画像の高解像度化を行い、空間解像度アップコンバータ部112と時間解像度アップコンバータ部113からなる。
空間解像度アップコンバータ部112は、図9に示すように、R画像117とB画像119の空間解像度を高解像度化し、R画像とB画像の画素数とライン数をG画像118と同じ1920画素×1080ラインへ変換して、R画像120とB画像121を出力する。空間解像度が高解像度化されたことを表記上に反映させるために、SとTの添字を追加する。すなわち、空間解像度が高解像度化されたR画像120は、RLH,Hと表記する。また、B画像121は、BLH,Hと表記する。
時間解像度アップコンバータ部113は、図10に示すように、G画像118の時間解像度を高解像度化し、G画像の枚数がR画像117とB画像119と同じ15ftpであるG画像122を出力する。時間解像度が高解像度化されたG画像122は、GH,LHと表記する。
図8に示す画像データ生成装置100の各構成要素、例えば、撮影画像記録部108、空間解像度アップコンバータ部112、時間解像度アップコンバータ部113等は、半導体集積回路等の回路素子により実現され得る。これらの構成要素は1チップ上に集積されて形成されてもよいし、別々の部品として形成されてもよい。また、CPU(中央演算処理装置)とそのCPUを動作させるプログラムを格納した記憶媒体等により実現されてもよい。
図11は、時間解像度アップコンバータ部113がG画像122(図10)を生成する原理を説明する図である。図11(a)は、低空間解像度の画像と高空間解像度の画像の関係を学習する原理を示し、図11(b)は前記学習した空間解像度の関係を参照して、G画像122を生成する原理を示す。
図11(a)において、ベース画像組130は、図10における時刻t1、あるいは時刻t15の同じタイミングで取得されたR画像117とG画像118とB画像119の組を表す。「時間t1から時間t15に渡るR画像117」と「時刻t1、あるいは時刻t15のR画像117」を区別するために、後者をRベース画像131とする。同様に、「時間t1から時間t15に渡るG画像118」と「時刻t1、あるいは時刻t15のG画像118」を区別するために、後者をGベース画像132とする。「時間t1から時間t15に渡るB画像119」と「時刻t1、あるいは時刻t15のB画像119」を区別するために、後者をBベース画像133とする。ベース画像組130の中のGベース画像132を元手に、時刻t2から時刻t14の欠落するG画像を生成することから、Gベース画像132がG画像生成用のリソースに位置付けられる。欠落するG画像の生成は、時刻t2から時刻t14で常に撮影されているR画像とB画像を頼りに、Gベース画像132の中から適切なG画像生成用リソースを見つけ出す問題になる。そこで、RGB画像がすべて揃っているベース画像組130を用いて、Rベース画像131とBベース画像133の低空間解像度とGベース画像132の高空間解像度の関係を構築し、G画像生成用データベース部140に格納する。
Rベース画像131とBベース画像133は、G画像との対応関係を取るために、例えば補間拡大で空間解像度を高解像度化し、画素数とライン数をG画像に一致させる。補間によるアップサンプリングは、既存の情報を内挿して画素数とライン数を増やすため、高周波成分の生成には限界があり、一般にボケ感を伴った拡大画像が生成される。すなわち、補間拡大で復元できる波形周波数の上限は、内挿点の前後2点の重み付けをsinc関数に基づいて決定したCubic convolutionを用いれば、サンプリング周波数の1/2となる。しかし、R画像とB画像は、空間高解像度化のリソースをG画像から見つけ出すために参照される情報であり、高空間解像度の画像を持つ高周波成分まで完全に復元する必要はない。内挿によって既存の情報から中間的な値が算出されれば、空間高解像度化のリソースをG画像から見つけ出すことは可能である。
補間拡大されたR画像134とB画像135、そしてGベース画像132は周波数解析手段を用いて、画像特徴量に変換される。図11において、画像特徴量の表記にはfを用い、例えばGH,Lが画像特徴量に変換されたものは、fGH,Lと表記する。画像特徴量の次元数がq次元の場合、fGH,LはGH,Lと同じ画像サイズの画像をq枚有する状態になる。
本発明において、画像特徴量の定義は任意であるが、例えば、図12に示すように、ウェーブレット変換の係数を要素とする多次元ベクトルで表現する。すなわち、n個のスケールそれぞれにおいてウェーブレット変換の出力V、H、D、Lを求め、これらを階層ごとに束ねることによって、(3n+1)次元ベクトルを得る。スケールレベルnが3の場合、画像特徴量は、10次元の画像特徴ベクトル(w1, w2, …, w10)になる。ウェーブレット変換の出力V、H、D、Lは、ハール型のマザーウェーブレットを用いた場合に得られる係数であり、図5(a)と図5(b)を用いて説明した方法で算出される。
図13は、スケールレベルn=2を例にとって、画像特徴量を画素ごとに算出する方法を説明する図である。図13(a)は、画素70の画像特徴量(w1, w2, …, w7)1,1を算出する方法を示している。ブロック71内の16画素がウェーブレット変換で参照されて、7次元の画像特徴量が算出される。同様に、図13(b)は、画素72の画像特徴量(w1, w2, …, w7)1,2を算出する方法を示している。ブロック73内の16画素がウェーブレット変換で参照されて、7次元の画像特徴量が算出される。図13(c)は、画素74の画像特徴量(w1, w2, …, w7)1,3を算出する方法を示している。ブロック75内の16画素がウェーブレット変換で参照されて、7次元の画像特徴量が算出される。以上のように、ウェーブレット変換で参照されるブロックが、1画素ごとに移動することで、画素ごとに画像特徴量が算出される。
低空間解像度の画像にはR画像とB画像の2つがある。このため、図11に示すq次元の画像特徴ベクトルR画像136とq次元の画像特徴ベクトルB画像137とを組み合わせて、2q次元の画像特徴ベクトルRB画像138を得る。Gベース画像132も同様に画像特徴量に変換され、q次元の画像特徴ベクトルG画像139を生成する。
G画像生成用データベース部140は、同じ画素位置にある画像特徴ベクトルRB画像138の画像特徴量と画像特徴ベクトルG画像139の画像特徴ベクトルを対応付け、低空間解像度の画像特徴ベクトルを高空間解像度の画像特徴ベクトルに置換する辞書として機能する。本実施形態では、G画像は1920画素×1080ラインであり、およそ207万組の画像特徴ベクトルの置換情報がG画像生成用データベース部140に格納される。また、G画像は時間t1と時間t15で2枚取得できるため、空間高解像度化で参照できる画像特徴ベクトル置換情報は、およそ414万組になる。時間t2から時間t14で欠落するG画像を、およそ414万組のG画像の画像特徴ベクトルから選び出して作り出すことになる。
図11(b)において、画像組150は、時間t2から時間t14におけるR画像151とB画像152の組を表す。R画像151とB画像152は、図11(a)と同じ補間拡大方法によって、G画像と同じ画素数とライン数に変換されて、R画像153とB画像154が生成される。R画像153とB画像154は、図11(a)と同じ方法で画像特徴量に変換され、q次元の画像特徴ベクトルR画像155とq次元の画像特徴ベクトルB画像156が生成される。q次元の画像特徴ベクトルR画像155とq次元の画像特徴ベクトルB画像156は組み合わせて、2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157とする。2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157は、画素ごとに、G画像生成用データベース部140の2q次元の画像特徴ベクトルRB画像138と画像特徴ベクトルの類似度が比較され、類似RB画像特徴ベクトル158が選び出される。画像特徴ベクトルG画像139から類似RB画像特徴ベクトル158と同じ画素位置にある画像特徴ベクトルを引き出し、これを類似G画像特徴ベクトル159とする。
類似RB画像特徴ベクトル158を選び出す具体的な方法は任意である。例えば、2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157との距離が最も短い画像特徴量ベクトルをG画像生成用データベース部140から選び出してもよい。あるいは、2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157との距離が所定の基準距離より短い候補画像特徴量ベクトルを複数抽出し、前記複数抽出された候補画像特徴量ベクトルと同じ画素位置にある画像特徴ベクトルを画像特徴ベクトルG画像139から引き出し、これらを平均して、類似G画像特徴ベクトル159としてもよい。
更に、2q次元の画像特徴ベクトルRB画像157との距離が短い方から順に、例えば3つ、候補画像特徴量ベクトルとして選び出し、同じ画素位置にある画像特徴ベクトルを画像特徴ベクトルG画像139から引き出して、これらを平均し、類似G画像特徴ベクトル159とする方法などもある。
前記類似G画像特徴ベクトル159は高空間解像度の画像特徴量であり、類似RB画像特徴ベクトル158が類似G画像特徴ベクトル159に置換されたことで空間解像度が高められる。画像特徴ベクトルRB画像157の全画素でG画像生成用データベース部140を参照して類似G画像特徴ベクトル159への置換が成され、置換画像特徴ベクトルG画像160が生成される。置換画像特徴ベクトルG画像160は画像特徴量変換の逆変換が施されて、輝度画像に戻り、置換高解像度化G画像161が生成される。置換高解像度化G画像161を時間t2から時間t14で算出すれば、図10におけるG画像122が生成され、時間解像度が高解像度化される。
なお、図11において、R画像131の画像サイズは、R撮像センサ部105に対するビニング設定で決まる。同様に、B画像133の画像サイズは、B撮像センサ部107に対するビニング設定で決まる。従って、R画像131とB画像133の画像サイズが異なる場合もあるが、各画像サイズは補間拡大によって、高解像度画像であるG画像の画像サイズに統一されるため、R画像134とB画像135の画像サイズは一致する。
図14は、空間解像度アップコンバータ部112の構成を示すブロック図である。A系統50からの入力とB系統51からの入力は、系統識別信号176に従って、B用セレクタ182、R用セレクタ183、G用セレクタ184で切り替えられる。B用補間拡大部170は、低空間解像度・高時間解像度のB画像151の空間解像度を補間拡大で高解像度化し、高空間解像度・高時間解像度のB画像153を出力する。R用補間拡大部171は、低空間解像度・高時間解像度のR画像152の空間解像度を補間拡大で高解像度化し、高空間解像度・高時間解像度のR画像154を出力する。図11(a)のベース画像130に含まれる高空間解像度・低時間解像度のG画像132は、撮影画像の再生時には、高解像度化処理が不要である。そのため、高空間解像度・低時間解像度のG画像132は、空間解像度アップコンバータ部112ではスルーで出力される。なお、B用補間拡大部170とR用補間拡大部171を1つにまとめ、時分割で、例えば最初にB画像を補間拡大、次にR画像を補間拡大という構成であっても構わない。
図15は、時間解像度アップコンバータ部113の構成を示すブロック図である。
A系統50は、G画像生成用データベース部140のデータベースを生成するために、図8のメモリ部110から読み出した撮影画像を、B用画像特徴量変換部172、R用画像特徴量変換部173、およびG用画像特徴量変換部174に供給する。B用画像特徴量変換部172およびR用画像特徴量変換部173は、後述するように、撮影画像再生時のB系統51からも撮影画像の供給を受ける。このため、A系統50からの撮影画像と、B系統51からの撮影画像は、B用セレクタ174とR用セレクタ175で切り替えられる。セレクタの入力切り替えには、系統識別信号176を用い、A系統50とB系統51のどちらかをB用画像特徴量変換部172とR用画像特徴量変換部173に供給する。
図8のメモリ部110から読み出され撮影画像は、B用画像特徴量変換部172とR用画像特徴量変換部173で画像特徴ベクトルに変換された後は、B用セレクタ177とR用セレクタ178を経て、G画像生成用データベース部140の入力側に設定される。これは、図11(a)における画像特徴ベクトルRB画像138の画像特徴量に相当する。一方、G用画像特徴量変換部174の出力は、G画像生成用データベース部140の出力側に設定される。これは、図11(a)における画像特徴ベクトルG画像139の画像特徴ベクトルに相当する。
以上の動作により、図11(a)に示した低空間解像度の画像と高空間解像度の画像の対応関係の学習が完了する。G画像生成用データベース部140には、磁性体を利用したハードディスクや半導体メモリなど、任意の記録メディアが利用可能である。記録メディアを撮影記録再生装置100から取り外せるリムーバブル型にすれば、G画像生成用データベース部140のデータを他の機器との間で移動、あるいはコピーが可能である。また、リムーバブル型の記録メディアの代わりに、ネットワークとの通信機能を持つインターフェイスを用いることも可能である。
B系統51は、撮影画像の再生時にメモリ部110から読み出した撮影画像を時間解像度アップコンバータ部113に供給する。図3の時間t1と時間t15では、高空間解像度のG画像118が撮像されているため、時間解像度アップコンバータ部113でG画像を生成する必要はない。そこで、図3の時間t1や時間t15のように、高空間解像度のG画像118が存在する場合は、そのままスルーで出力する。一方、図3の時間t2から時間t14のように、G画像118が欠落している部分は、図10のG画像122のように、高空間解像度のG画像122を生成する。この切り替えを行うために、G用セレクタ179を使い、G画像118の有無をG画像識別信号179aで与える。
B系統51から供給されたR画像とB画像は、空間解像度アップコンバータ部112で一旦、空間解像度が高解像度化された画像であり、図11のR画像153とB画像154に相当する。これらは、そのまま出力画像となって、出力B画像190と出力R画像191として、時間解像度アップコンバータ部113から出力される。同時に、図11の置換高解像度化G画像161を生成するために、B用セレクタ174とR用セレクタ175を介して、それぞれB用画像特徴量変換部172とR用画像特徴量変換部173に供給される。B用画像特徴量変換部172は、図11(b)の画像特徴ベクトルB画像156を出力し、R用画像特徴量変換部173は、図11(b)の画像特徴ベクトルR画像155を出力する。画像特徴ベクトルR画像155および画像特徴ベクトルB画像156は、類似画像特徴量検出部180で組み合わされ、画像特徴ベクトルRB画像157となる。
引き続き、G画像生成用データベース部140の入力側に系統A50から書き込まれた画像特徴ベクトルRB画像138と距離を比較して類似RB画像特徴ベクトル158を検出し、G画像生成用データベース部140の出力側に格納されたG画像特徴ベクトルを類似G画像特徴ベクトル159として出力する。類似G画像特徴ベクトル159は、G用画像特徴量逆変換部181で輝度画像に戻り、出力G画像192を得る。
系統識別信号発生部185は、系統識別信号176を発生し、撮影画像記録部108、空間解像度アップコンバータ部112、時間解像度アップコンバータ部113に入力する。撮影画像記録部108では、撮影画像読み出し部111において、系統識別信号176により、A系統50からの読み出しか、B系統51からの読み出しかを切り替える。空間解像度アップコンバータ部112と時間解像度アップコンバータ部113では、A系統50からの入力か、B系統51からの入力かを切り替える。系統識別信号176がA系統50を指定した場合、撮影画像読み出し部111は、メモリ部110から、図5(a)に示すベース画像組130のみを読出し、空間解像度アップコンバータ部112でR画像とB画像の空間解像度を補間拡大でG画像と一致させ、時間解像度アップコンバータ部113でG画像生成用データベース部140に画像特徴ベクトルRB画像138と画像特徴ベクトルG画像139が格納される。一方、系統識別信号176がB系統51を指定した場合、撮影画像読み出し部111は、メモリ部110から、撮影画像を順次読出し、空間解像度アップコンバータ部112でR画像とB画像の空間解像度を補間拡大でG画像と一致させ、時間解像度アップコンバータ部113でG画像生成用データベース部140を参照して置換高解像度化G画像161が生成される。
なお、図11を参照して行った説明では、ベース画像組130は、時刻t1、あるいは時刻t15に取得されたとしたが、時刻t1と時刻t15の両方のタイミンクで取得された情報をベース画像組130に組み込んでも構わない。ベース画像組130に組み込む画像の数は任意であり、本発明はこれらに制限を設けない。
また、ベース画像組組み込まれる複数枚の画像の時間間隔は任意であり、本発明はこれらに制限を設けない。
また、G画像生成用データベース部140が持つ画像特徴量が互いに類似していて、冗長性が高い場合、類似データを1つの代表データに集約するクラスタリング処理でG画像生成用データベース部140の規模を小さくしても構わない。例えば、720画素×480ラインのベース画像を3枚用いた場合、図6におけるスケールを3段階とするならば、10次元の画像特徴量ベクトルが、約100万組( = 720画素×480ライン×3枚)算出される。そこで、乱数発生などを利用して、例えば、1万本の画像特徴量ベクトルを初期クラスタ中心として設定し、各クラスタ中心の画像特徴量ベクトルに最も近い画像特徴量ベクトルを前記100万本の画像特徴量ベクトルから検出する。検出された画像特徴量ベクトルは、クラスタ中心の画像特徴量ベクトルとの平均が算出され、新たなクラスタ中心として更新される。前記100万本の画像特徴量ベクトルすべてが、クラスタ中心の画像特徴量ベクトルと平均されるまでクラスタ中心の更新を繰り返して、最終的に、1万本の画像特徴量ベクトルに集約する。クラスタリング以外に、主成分分析を用いることも可能であり、上記100万本の画像特徴量ベクトルから成る分布の広がりを、複数の基底ベクトルの線形結合で表現して、冗長性を削減する。
図16は、画像データ生成装置100の動作フローを説明する図である。図16(a)は、撮影記録時の動作フローであり、図16(b)は、撮影画像の再生時の動作フローである。図16(a)において、撮影が開始される(ステップS01)と、撮影部103は入射光101を受光して、高空間解像度・低時間解像度のG画像118、低空間解像度・高時間解像度のR画像117とB画像119を出力する(ステップS02)。撮影画像記録部108は、撮影画像書き込み部109によって、R画像117、G画像118、B画像119をメモリ部110に記録する(ステップS03)。図16(b)において、撮影画像の再生が開始される(ステップS04)と、系統識別信号発生部185が系統識別信号176を発生し、A系統50を指定する(ステップS05)。撮影画像記録部108は、撮影画像読み出し部111によって、メモリ部110からベース画像組130を読み出す(ステップS06)。ベース画像組130は、空間解像度アップコンバータ部112でR画像131とB画像132の空間解像度を補間拡大され(ステップS07)、時間解像度アップコンバータ部113のG画像生成用データベース部140に画像特徴ベクトルRB画像138と画像特徴ベクトルG画像139を格納する(ステップS08)。
前記ステップS08終了後、系統識別信号発生部185は、系統識別信号176をB系統51に切り替える(ステップS09)。撮影画像記録部108は、撮影画像読み出し部111によって、メモリ部110から順次、撮影画像を読み出す(ステップS10)。前記撮影画像は、空間解像度アップコンバータ部112でR画像151とB画像152の空間解像度が補間拡大され(ステップS11)、時間解像度アップコンバータ部113のG画像生成用データベース部140を参照して置換高解像度化G画像161を算出し(ステップS12)、補間拡大されたR画像153とB画像154ともに出力部114から外部に出力される(ステップS13)。
なお、G画像生成用データベース部140に登録された画像特徴ベクトルは、再生動作が終了しても保持されるようにしておけば、次の再生時には、ステップS05からステップS08を省略でき、ステップS09からスタートできる。特に、同じシーンを撮影している場合は、G画像生成用データベース部140の画像特徴ベクトルを再利用できる可能性が高いため、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102の画質を落とさずに、素早く再生画像を生成できる。メモリ部110から新たなベース画像組130が読み出された際には、A系統50に切り替え、ステップS05からステップS08によって、G画像生成用データベース部140の画像特徴ベクトルを更新する。
以上のような画像データ生成装置100を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。例えば、720画素×480ラインの標準テレビ用のカメラで、1920画素×1080ラインのハイビジョン映像を撮影できる。標準テレビ用カメラの光電変換素子単位は、ハイビジョンカメラよりも大きく、高感度撮影ができ、より手軽に高画質の撮影が可能になる。
(実施形態3)
次に、本発明による画像データ生成装置の第3の実施形態を説明する。
本実施形態の画像データ生成装置では、実施形態1、2と異なり、撮影画像の空間周波数を色チャネルの帯域分配に利用するだけでなく、ビニングによって消失した空間周波数成分を復元する超解像処理にも利用する。
図17は、本実施形態に係る画像データ生成装置200の構成を示すブロック図である。なお、図8に示す画像データ生成装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像データ生成装置200は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、空間周波数算出部241、色チャネル帯域分配算出部242、超解像部243、出力部114、系統識別信号発生部185を備えている。
空間周波数算出部241は、図8の空間周波数算出部186と同様に、R1画像、G1画像、B1画像の空間周波数分布を算出する。ただし、この算出結果が、色チャネル帯域分配算出部242を介して光電変換素子単位のビニング処理に使われるだけでなく、超解像部243にも入力され、高解像度化にも用いられる。すなわち、図15を参照して説明した時間解像度アップコンバータ部113は、本実施形態でも、画像特徴量を用いて高解像度化を行うが、本実施形態では、画像特徴量となる空間周波数の算出を空間周波数算出部241が担当する。このため、時間解像度アップコンバータ部245内に画像特徴量変換部を持つ必要がなくなる。図18は、時間解像度アップコンバータ245のブロック図を示す。図15の時間解像度アップコンバータ部113と比べて、画像特徴量算出がなくなり、構造がシンプルになる。ただし、出力B画像190と出力R画像191は、高解像度化処理を掛けず、そのまま出力されるため、画像特徴量を輝度信号に変換するために、輝度信号変換部246が必要になる。
なお、図17は、本実施形態の撮影機能を説明するための図面であるため、図8と比較すると、記録機能を実行する構成要素が明示されていない。図8の撮影画像記録部108が有する超解像の学習用の画像を出力するA系統と超解像の対象画像を流すB系統を選択する機能は、図17に示す構成例では、空間周波数算出部241に組み込まれる。
色チャネル帯域分配算出部242は、ビニング設定用に、各色チャネルの帯域分配の情報を撮影部103だけでなく、空間解像度アップコンバータ部244と時間解像度アップコンバータ部245にも各色チャネルの帯域分配の情報を与え、低解像度画像の超解像処理に利用する。
空間解像度アップコンバータ部244は、図14で説明した空間解像度アップコンバータ部112と同様、R画像、G画像、B画像の画像サイズを高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102の画像サイズに変換する。ただし、図19に示したように、空間解像度アップコンバータ部244への入力は、空間周波数スペクトルとなっているため、輝度信号変換部246で輝度値に戻し、B用補間拡大部170とB用補間拡大部171に供給する。
なお、画像データ生成装置200の基本的機能は図17の構成で完結するが、撮影画像の記録・再生機能を追加しても構わない。
以上のような画像データ生成装置200を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。特に、色チャネルの帯域分配と超解像処理の両方に必要とされる空間周波数スペクトルの算出を共有化するため、機器の小型化や軽量化、コストダウンなどのメリットを実現する。
(実施形態4)
本実施形態では、色チャネルの帯域分配を算出する際に、入射光量の不足によって発生したノイズを除去するビニング処理を考慮できる画像データ生成装置について説明する。
図20は、本発明の実施形態4に係る画像データ生成装置800の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す画像データ生成装置700と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像データ生成装置800は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、超解像部240、出力部114、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252を備えている。
R用露出計250は、R撮像センサ部105の周辺部に取り付けられ、入射光の周辺光を捉えて、R撮像センサ部105の露光量を計測する。露光量が不足する場合は、ノイズが発生し、画質劣化につながる。そこで、R用露出計250が計測した露光量を色チャネル帯域分配部187へ入力し、所定の露光基準量に満たない場合、色チャネル帯域分配信号230によって、R撮像センサ部105のAD変換部にビニングの指示を出し、ビニングによる平滑化でノイズを除去する。G用露出計251とB用露出計252も同様である。
ところで、ビニング処理は、空間解像度という観点から見れば、解像度を低くする処理にあたる。従って、画像データ生成装置800は、自分自身で低解像度の詳細、すなわち、低解像度化モデルを有することになる。一般に、超解像処理は、低解像化モデルの逆問題として扱われる。すなわち、解像度を低下させる処理の逆の処理を施せば、解像度を高めることができる。従って、超解像処理を設計するにあたっては、低解像度化モデルの把握が重要になる。逆の言い方をすれば、低解像度化モデルが不明のまま、高解像度化処理を設計することは、通常、非常に困難である。低解像度化モデルが不明の場合は、経験的に汎用性の高いモデルを仮に設定することが多く、例えば、ガウス分布による平滑化などが用いられる。また、ビニング処理と同一である複数画素の平均化も、経験的に選択される場合もある。ただし、本実施形態の特徴は、時々刻々と変化する露光量に応じてビニング処理の内容も更新され、時々刻々と変化する低解像度化モデルに追従して、高解像度化処理を柔軟に変更できるところにある。
また、露光計は、色チャネルごとに設けられているため、ビニング設定は、各色チャネルで個別の内容となる。すなわち、低解像度化モデルが色チャネルごとに異なり、経験的な対応がより困難であることが容易に理解できる。
以上のように、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252を用いることで、光量不足によるノイズ発生の度合いを評価することができ、これに応じて、ビニング処理でノイズ除去の対策を打つことができる。加えて、ビニング処理で失った空間周波数成分を超解像処理で復元することができ、これらすべての処理を色チャネル帯域分配算出部187が結び付けている。すなわち、色チャネル帯域分配算出部187は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限と光量不足に起因するノイズ発生を踏まえながら、できるだけ高い空間周波数成分を残すようにビニング処理を制御する。同時に、色チャネル帯域分配算出部187は、ビニング処理詳細信号701を超解像部240に与えることで、空間解像度の低解像度化モデルを既知とし、ビニング処理で失われた空間周波数成分の推定精度を高めることができ、結果的に、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限を超えることが可能となる。
図21は、画像データ生成装置800の動作タイミングを説明する図である。
時間t1において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第1番目の画素データが読み出される。ただし、現段階では、空間周波数分析は成されていないため、色チャネルごとに個別のビニング処理を施すことができない。そこで、たとえば、各色チャネルに2×2のビニング処理を施して、全色チャネルで同一レートのデータ転送を行う。
時間t2において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第2番目の画素データが読み出される。また、露光量検出801が動作し、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252で第1番目の画素データの露光量が計測される。
時間t3において、読み出し710と露光量検出801が動作するとともに、周波数解析711が動作し、空間周波数算出部186で第1番目の画素データの空間周波数が算出される。
時間t4において、読み出し710、露光量検出801、周波数解析711が動作するとともに、新たに帯域分配712と超解像処理714が同時に動作を開始する。帯域分配712は、色チャネル帯域分配算出部187の動作で、時間t4では第1番目の画素に対して各色チャネルへの帯域分配が成される。超解像処理714は、超解像部240の動作で、時間t4では第1番目の画素に対して超解像処理が成される。
時間t5において、読み出し710、露光量検出801、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714が動作するとともに、新たにビニング処理713と画像出力715が同時に動作を開始する。画像出力715は、出力部114の動作であり、第1番目の画素が出力される。ビニング処理713は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の動作で、色チャネル帯域分配算出部187が出力した色チャネル帯域分配信号230に従って設定された条件で、第1番目の画素に対してビニング処理が成される。これ以降、ビニング処理が有効となるため、実質的には、時間t6以降からビニング処理が動作する形になる。時間t6で読み出し710を受けた画素データ802は、時間tが進むごとに、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714、画像出力715を経て、時間t10で画像データ生成装置800から出力される。
以上より、図21の動作タイミングにおける時間軸をパイプライン処理の動作クロックとするならば、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から画素データが読み出され、これらの空間周波数分布からビニング処理へ反映されるまでに5クロック分のタイムラグは存在することになる。また、画像データ生成装置800が起動してから最初の画素データが出力されるまでに4クロック分のタイムラグがあり、引き続く5クロック分は各色チャネルで同一の処理が成され、6クロック目以降に、色チャネル個別の処理が成されることになる。従って、色チャネル個別のビニング処理と超解像処理は、10クロック目で初めて有効となり、以降はクロック単位ですべての処理が実行される。
(実施形態5)
図22は、本発明の実施形態5に係る画像データ生成装置300の構成を示すブロック図である。なお、図20に示す画像データ生成装置800と図8に示す画像データ生成装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像データ生成装置300は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188、メモリ部110、撮影情報読み出し部111、超解像部240、出力部114、系統識別信号発生部185、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252を備えている。
色チャネル帯域分配情報書き込み部188は、色チャネル帯域分配算出部187で時々刻々と変化するビニング処理の詳細をメモリ部110に逐次記録する。撮影情報読み出し部111は、撮影画像とともに色チャネル帯域分配情報を読み出し、超解像部240に入力し、G画像生成用データベース部140の画像特徴量が逐次更新される。
本実施形態では、ビニング処理が低解像度処理そのものであり、低解像度化処理の逆問題である超解像処理をより良い状態で解けることを意味する。一般的には、低解像度化モデルが不明の場合が多く、経験的に汎用性の高いモデルを仮に設定する。例えば、ガウス分布による平滑化などが用いられる。また、ビニング処理と同一である複数画素の平均化も、経験的に選択される場合もあるが、本実施形態の特徴は、時々刻々と変化する露光量に応じて色チャネル帯域分配算出部187がビニング処理の内容を更新し、時々刻々と変化する低解像度化モデルに追従して、高解像度化処理を柔軟に変更できるところにある。
また、露光計は、色チャネルごとに設けられているため、ビニング設定は、各色チャネルで個別の内容となる。すなわち、低解像度化モデルが色チャネルごとに異なり、経験的な対応がより困難であることが容易に理解できる。
以上のような画像データ生成装置300を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。特に、ビニング処理を露光不足に起因するノイズの除去に利用でき、かつ、ビニングによって空いた帯域分を高空間解像度画像のデータ転送読み出しに振り分けられる。
(実施形態6)
本実施形態では、低空間解像度・高時間解像度画像の空間解像度を高解像度化できる画像データ生成装置について説明する。
図23は、本発明の実施形態6に係る画像データ生成装置400の構成を示すブロック図である。なお、図8に示す画像データ生成装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
画像データ生成装置300は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188、メモリ部110、撮影情報読み出し部111、超解像部240、出力部114、系統識別信号発生部185、RB高域調整部402を備えている。
RB高域調整部402は、R画像とB画像の相関に応じて、Gの高域成分を補間拡大したRとBに重畳することにより、R画像とB画像を高解像度化する。図24は、RB高域調整部402の構成例を示している。図24のRB高域調整部402は、低解像度化部403、局所相関演算部404、重み生成部405、カウンタ406、画像メモリ407、重み正規化部408を備えている。
RB高域調整部402における処理は、フレーム単位で行われる。まず、各フレーム処理の初めに、カウンタ406の内容と画像メモリ407の内容を0クリアする。
低解像度化部403は、時間解像度アップコンバータ部113によって高解像度化されたG成分、GHLHを空間的に低解像化しGH,LH,Lを出力する。上述したように、本発明における画像データ生成装置は、ビニング設定という低解像度化モデルを、装置自身で有しているため、正確な低解像度化処理が保証される特徴を持っている。ビニング処理が時々刻々と変化する場合は、低解像度化手段403を逐次更新することで、RB高域調整部402はダイナミックに動作可能となる。
RLH,HとBLH,Hは、空間解像度アップコンバータ部112で補間拡大されたR画像とB画像であり、時間解像度アップコンバータ部113で生成されたGHLHと同じ画素数、ライン数を有する。
局所相関演算手段404は、例えば、図25に示す2×2画素程度の局所的な領域内でR
LH,HとB
LH,Hの相関値を、(式6)によって計算する。
なお、局所的なRとBの相関は、必ずしも2×2画素の領域について求める必要はなく、3×3画素、4×4画素、5×5画素等のより広い範囲の矩形領域について求めてもよく、また、円形や4角形以上の多角形等の領域について求めたり、ガウス関数等により着目画素位置近傍を重視するような重みをつけて計算してもよい。
重み生成部405は、局所相関演算部404が計算した相関値に応じた重みを生成する。相関値と重みの関係は、例えば、図26を用い、正の相関が高いほど、重みWを大きくして、GHHとGLHの差(すなわちGの高域成分)の重畳を強める。負の相関がある場合は、GHHとGLHの差(すなわちGの高域成分)の重畳を行わず、重みWは0とする。重みWを乗算したGHHとGLHの差(すなわちGの高域成分)は、画像メモリ407の画素位置に応じたアドレスに加算してゆく。この時、画像メモリ407に書き込みを行う範囲は、1画素でもよく、また、局所的な相関値を計算した範囲でもよい。ただし、後者のように複数画素について高域成分を重畳する場合、局所相関を計算する領域の設定の仕方(すなわち画像内でのインクリメントの仕方)によっては、同一画素に複数回、高域波形を重畳することになる。ここでは、そのような場合を考え、高域波形を重畳した回数を、カウンタ406において、各画素について記憶する。
正規化部408では、複数回重畳した高域波形をカウンタ406に1画素ごとに記憶されている書き込み回数値で除算する。正規化された高域信号は、RLH,HとBLH,Hに重畳され、ROUT、BOUTとして出力される。
以上のような撮影記録再生装置400を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。特に、R,Bを高解像度化することにより、局所的な色バランスを保った状態でRとBを高解像度化することができ、その結果、偽色の発生を抑えた高解像度化を行うことができる。
(実施形態7)
図27Aは、本発明による撮像装置の実施形態を示すブロック図であり、図27Bは、本発明による画像処理装置の実施形態を示すブロック図である。
図27Aに示す撮像装置500は、図8に示す画像データ生成装置100と同様に、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188を備えている。
しかし、撮像装置500は、超解像部240などは備えておらず、また、撮影画像記録部108も、メモリ部110Aと、このメモリ部110Aから読み出したデータを外部に出力するための撮影情報読み出し出力部2300とを備えている点で、実施形態2における画像テータ生成装置100(図8)と異なっている。
撮影画像のデータがメモリ部110Aに記録されるまでの働きは、実施形態1と同様であるため、ここでは説明を繰り返さないこととする。
本実施形態では、撮影情報読み出し出力部2300が、不図示の通信ラインまたは電話回線などを介して、メモリ部110Aに記録されたデータを図27Bに示すような画像処理装置に送出することができる。このとき、ビニングによって消失した空間周波数成分を復元するために必要な情報として、ビニング処理の設定に関する情報(例えば色チャネルごとのデータ転送レートを示す情報など)を画像処理装置に送信する必要がある。
図27Bの画像処理装置600は、実施形態2の画像データ生成装置100(図8)から撮像部103および撮影画像書き込み部109などを取り除いた構成を備えている。この画像処理装置600は、図27Aに示される撮像装置500から送られてきたデータを受け取る入力部2310を備えており、この入力部2310はメモリ部110Bに上記データを記録することができる。メモリ部110Bに記録されたデータは、撮影情報読み出し部111Bによって読み出される。撮影情報読み出し部111Bによって読み出されるデータの処理は、実施形態2の画像データ生成装置100について説明した動作と同様である。
図27Aに示す撮像装置500と図27Bに示す画像処理装置600との間では、有線または無線を介してデータの転送が行われるが、このようなデータの転送は、リムーバルメモリを介して行ってよい。例えば、図27Aに示すメモリ部110Aの一部または全部がリムーバブルメモリ(例えばメモリカード)によって実現される場合、そのリムーバブルメモリを、図27Bのメモリ部110Bまたはその一部として画像処理装置600に装着すれば、撮影情報を撮像装置500から画像処理装置600に転送することが可能である。なお、リムーバブルメモリには、ビニングによって消失した空間周波数成分を復元するために必要な情報として、ビニング処理の設定に関する情報も記録される。
このように本実施形態では、撮像処理を行う部分(カメラ)と超解像処理を行う部分とが一体化されておらず、別々の装置として必要な処理動作を実行することができる。このため、撮像装置を小型軽量化することが可能である。また、画像処理装置600は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータに所望のアルゴリズムを実行するプログラムをインストールすることによっても実現され得る。更に、本実施形態の画像処理装置600は、HDD(ハードディスクドライブ)や光ディスクに画像を記録することのできるレコーダや、薄型テレビなどの画像表示装置に好適に内蔵され得る。
なお、上述した本発明の各実施形態における「空間周波数」は、周波数を算出するドメインを空間から時間に変えることで、「時間周波数」に置き換えることができる。空間周波数を算出するには、複数の画素データをメモリに蓄え、空間的に隣接する、あるいは近傍にある画素との輝度差を取り扱う。一方、時間周波数を算出するには、複数フレームの画素データをメモリに蓄え、時間的に隣接する、あるいは近傍にある画素との輝度差を取り扱う。
なお、上述した本発明の各実施形態各構成要素は、ハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアにより実現されてもよい。例えば、上述した画像データ生成処理の少なくとも一部が、コンピュータにより実行可能なプログラムまたはコンピュータによって実現されてもよい。
以上のように本発明は、ビデオムービーカメラ、テレビ、動画撮影機能が付いたデジタルスチルカメラなどビデオ機器全般において有用である。また、広く普及しているパーソナルコンピュータおいても有用である。
本発明は、高解像度化画像を高フレームレートで撮影する装置、撮影する方法、撮影記録再生する装置、撮影記録再生する方法、および撮影記録するプログラムに関するものである。
近年、撮像素子の高密度化が進み、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラの高精細化が著しい。画像の解像度が高いほど、目の前のシーンを詳細に記録できるため、高解像度撮影のニーズは一般的に高い。
解像度は、空間解像度と時間解像度の2つに分類される。前者は、1枚の画像を構成する画素数に対応する。同じ大きさの撮像センサで画素数の多い方が空間解像度の高い撮像センサとなり、被写体の細部まで精細に記録できるため、臨場感の高い高画質の静止画が撮影できる。一方、後者は、単位時間あたりに撮像される画像の枚数に相当する。例えば1秒間に撮影される画像の枚数が多い撮像センサの方が時間解像度の高い撮像センサとなり、被写体の早い動きも細かく撮影できるため、動きの滑らかな動画像が撮影できる。
目の前のシーンをありのままに撮影したい場合、空間解像度と時間解像度をともに高く設定することが多く、従って、データ量が膨大になる。例えば、DV方式のビデオカメラの場合、画像サイズは720画素×480ラインであり、フレームレートを秒30枚とすると、24ビットRGBカラー信号のデータ転送レートは249Mbps(bit per second)(= 720画素×480ライン×24bit×30枚)となる。ハイビジョン方式では、画像サイズが1920画素×1080ラインとなり、データ転送レートは6倍の1.5Gbps(= 1920画素×1080ライン×24bit×30枚)となる。更に時間解像度を2倍にし、フレームレートを秒60枚とすると、3Gbpsとなる。このようなデータ転送レートで、カメラの撮像センサの出力から記録メディアへの書き込みまで、あるいはディスプレイの走査までを行う必要がある。一般に、民生用ビデオ機器では、これらのデータ転送レートは負荷が大き過ぎるため、データの冗長性を使用してデータを圧縮し、機器の小型化、低消費電力化、コストダウンなどを図っている。また業務用ビデオ機器でも、データ圧縮によるデータ量の削減は頻繁に使われており、オリジナルのデータ転送レートのまま動作する機器は編集向けの高価なシステムだけである。
このように、空間解像度と時間解像度がともに高い高画質画像を、できるだけ低いデータ転送レートでやりとりするには、必要なデータのみを取得し、冗長性を低くすることが肝心である。そこで、画像取得の段階で必要なデータのみを取得する方式は有効である。例えば、特許文献1は、図28(a)に示すように、高空間解像度・低時間解像度の画像データ1と低空間解像度・高時間解像度の画像データ2を取得し、画像処理で図28(b)の高空間解像度・高時間解像度の画像データ3を生成する技術を開示している。
例えば、図28の撮影時間が1秒で、画像データ1の画像サイズを1920画素×1080ライン、画像データ2の画像サイズを640画素×360ラインとした場合、図28(a)の8ビット輝度信号のデータ転送レートは、54Mbps(= 1920画素×1080ライン×8bit×2枚 + 640画素×320ライン×8bit×13枚)となる。一方、図28(b)は、1920画素×1080ラインが8枚であり、8ビット輝度信号のデータ転送レートは、133Mbps(= 1920画素×1080ライン×8bit×8枚)となる。図28(b)のデータ転送レートは、図28(a)の約2.4倍に拡大されている。
図29は、画像データ3を生成するフローチャートであり、画像データ2の低空間解像度画像で動きベクトルを推定し、その結果から画像データ1の高空間解像度画像の動き補償を行い、動き補償された高空間解像度画像のDCT(Discrete Cosine Transform)スペクトルを、それに対応する時間の低空間解像度画像のDCTスペクトルと合成し、逆DCT変換で目的の高空間解像度・高時間解像度の画像を得る。
図30は、画像データ1と画像データ2を取得するための複合センサカメラ4の構成例である。複合センサカメラ4は、同一視野を有する2種類の画像データを取り込むためのカメラであり、プリズムやハーフミラー等の分光素子5と、2枚のレンズ6と、高空間解像度・低時間解像度カメラ7と、低空間解像度・高時間解像度カメラ8とを備える。分光素子5は、入射光9の一部を反射する。2枚のレンズ6は分光素子5で反射した光および透過した光をそれぞれ集光する。高空間解像度・低時間解像度カメラ7は、一方のレンズ6で集光された光を高空間解像度・低時間解像度で撮像し、画像データ1を出力する。低空間解像度・高時間解像度カメラ8は、他方のレンズ6で集光された光を低空間解像度・高時間解像度で撮像し、画像データ2を出力する。
特開2005−318548号公報(図2、図3、図5)
しかしながら、前記従来の技術では、撮像センサの感度とRGBカラー撮影の点で以下のような課題を有していた。すなわち、複合センサカメラ4は、分光素子5によって、入射光9を高空間解像度・低時間解像度カメラ7と、低空間解像度・高時間解像度カメラ8に分配するため、それぞれのカメラに入射する光量が1/2に減少する。入射光量の減少は、撮像画像のSN比(Signal to Noise Ratio)を低下させ、画質を劣化させる可能性が高まる。一方、SN比の低下を防ぐために、露出時間を長くすると、ブラーが発生する可能性が高くなり、画質劣化を引き起こす可能性が高くなる。
また、RGBカラー画像を撮影するには、図31に示すように、複合センサカメラ4を3つ用意することになり(それぞれ、複合センサカメラ41、複合センサカメラ42、複合センサカメラ43とする)、入射光9を3つの複合センサカメラ41〜43に分配するために、2つの色分解フィルタ(色分解フィルタ10、11)が必要になる。色分解フィルタ10は、例えば、長波長域(概ね600nm〜780nm)を反射し、残りの波長域を透過する。反射光12は、複合センサカメラ41へ入射し、長波長域の撮像が行われ、R画像が得られる。一方、色分解フィルタ10の透過光13は、色分解フィルタ11に入射し、例えば、短波長域(概ね380nm〜500nm)が反射され、残りの波長域を透過する。反射光14は、複合センサカメラ42へ入射し、短波長域の撮像が行われ、B画像が得られる。色分解フィルタ11の透過光15は、色分解フィルタ10の反射光12と色分解フィルタ11の反射光以外の光であり、残った中波長域(概ね500nm〜600nm)が透過する。透過光15は複合センサカメラ43に入射し、中波長域の撮像が行われ、G画像が得られる。以上のように、複合センサカメラへの色分解フィルタ10、11の追加は、カメラのサイズを大きくし、カメラの操作性や可搬性を低下させる。
一方、カメラのサイズが大きくならないように、図32の構成例のように、高空間解像度・低時間解像度カメラ7と、低空間解像度・高時間解像度カメラ8の前に、例えば図33に示すような色フィルタ16を配置して、RGBに色分解する方式も考えられる。すなわち、色フィルタ16の中で、画素20に位置する色フィルタは中波長域のGのみを透過し、それ以外の長波長域Rと短波長域Bを吸収してG画像を生成する。同様に、画素21に位置する色フィルタは長波長域のRのみを透過し、それ以外の中波長域Gと短波長域Bを吸収してR画像を生成する。画素22に位置する色フィルタは短波長域のBのみを透過し、それ以外の長波長域Rと中波長域Gを吸収してB画像を生成する。このように、色フィルタ16は、不要な波長域の光を吸収して色分解するため、光の利用効率はモノクロカメラより低くなる。RGB3色に分解されるため、概ね、1/3がカメラに入射し、2/3が色フィルタ16に吸収される計算になる。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、カメラ構成は従来のカラーカメラと同様で、かつ光の利用効率を低下させることなく、高空間解像度・高時間解像度の画像データを取得できる装置、方法、プログラムおよび撮影記録再生システムを提供することを目的とする。
本発明の画像データ生成装置は、入射光を複数の波長域に分光する分光部と、各々が入射光に応じたアナログ信号を出力する複数の光電変換素子単位が配列された複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、それぞれ、前記分光部によって分光された波長域が異なる光を受けて撮像を行い、前記アナログ信号を各波長域ごとに出力する撮像装置と、複数の光電変換素子単位から出力された前記アナログ信号を加算する機能を備え、前記光電変換素子単位から出力されたアナログ信号、または、前記加算されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記デジタル信号の周波数スペクトル分布データを生成する空間周波数算出部と、前記周波数スペクトル分布データを参照して、前記AD変換部において前記アナログ信号が加算される前記光電変化素子単位の個数を、波長域ごとに指定できる帯域分配算出部と、前記AD変換部から出力された前記デジタル信号の周波数スペクトル分布データにおける高周波成分を増加させる超解像部とを備えている。
好ましい実施形態において、前記超解像部は、前記AD変換部における前記アナログ信号の加算によって失われた前記周波数スペクトル分布データにおける高周波成分の少なくとも一部を復元する。
好ましい実施形態において、前記分光部は、前記被写体からの光を、赤色光、緑色光および青色光に分光し、前記撮像素子部は、前記赤色光、緑色光および青色光を受光して、R画像、G画像、B画像を出力し、前記AD変換部は、R画像のデータ転送レートと、G画像のデータ転送レートと、B画像のデータ転送レートの合計が、所定の値になるように前記撮像素子部の出力するアナログ信号を加算し、前記帯域分配算出部は、R画像、G画像、B画像に対して、所定の周波数帯域で周波数スペクトルのエネルギーを算出し、前記R画像、G画像、B画像の各々における周波数スペクトルのエネルギーの比を前記AD変換のアナログ信号の加算個数の逆数の比とする。
好ましい実施形態において、前記帯域分配算出部は、前記AD変換部におけるアナログ信号の加算方法を前記超解像部に入力し、低解像度化処理に用いる。
好ましい実施形態において、前記超解像部は、前記帯域分配算出部が指定した波長域に応じてAD変換部が生成した低空間解像度・高時間解像度画像と高空間解像度・低時間解像度画像を取得し、低空間解像度画像と高空間解像度画像の対応関係に基づいて、高空間解像度・低時間解像度画像の時間解像度を低空間解像度・高時間解像度画像の時間解像度へ変換して、高空間解像度・高時間解像度を生成する。
好ましい実施形態において、前記撮像素子部は、前記分光された光の光量を計測する露出計測部を有し、前記AD変換部は、前記計測された光量が所定の値に達するようにアナログ信号を加算する。
本発明の画像データ生成方法は、被写体からの光を分光するステップと、前記分光された光を受光してアナログ信号を出力するステップと、前記アナログ信号を複数個加算する機能を備え、前記加算機能を施したアナログ信号、あるいは、前記加算機能を施こさないアナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号の周波数スペクトルのエネルギーの大きさに従って、前記アナログ信号の加算個数を波長域ごとに指定するステップと、前記アナログ信号の加算によって消失した周波数成分の少なくとも一部を復元するステップとを備える。
本発明のプログラムは、撮像部を備える画像データ生成装置に、画像データを生成する処理を実行させるプログラムであって、前記画像データを生成する処理は、被写体からの分光された光を前記撮像部で受光して前記撮像部でアナログ信号を出力するステップと、前記アナログ信号を複数個加算したアナログ信号、あるいは、前記加算しないアナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、前記デジタル信号の周波数スペクトルのエネルギーの大きさに従って、前記アナログ信号の加算個数を波長域ごとに指定するステップと、前記アナログ信号の加算によって消失した周波数成分の少なくとも一部を復元するステップとを前記画像データ生成装置に実行させる。
本発明の撮像装置は、入射光を複数の波長域に分光する分光部と、各々が入射光に応じたアナログ信号を出力する複数の光電変換素子単位が配列された複数の撮像部を備え、前記複数の撮像部が、それぞれ、前記分光部によって分光された波長域が異なる光を受けて撮像を行い、前記アナログ信号を各波長域ごとに出力する撮像素子と、複数の光電変換素子単位から出力された前記アナログ信号を加算する機能を備え、前記光電変換素子単位から出力されたアナログ信号、または、前記加算されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記デジタル信号の周波数スペクトル分布データを生成する空間周波数算出部と、前記周波数スペクトル分布データを参照して、前記AD変換部において前記アナログ信号が加算される前記光電変化素子単位の個数を、波長域ごとに指定できる帯域分配算出部とを備える。
本発明の画像処理装置は、上記の撮像装置によって生成された前記デジタル信号および前記AD変換部において前記アナログ信号が加算された前記光電変化素子単位の個数を示すビニング処理情報を受け取る入力部と、前記超解像部は、前記AD変換部における前記アナログ信号の加算によって失われた前記周波数スペクトル分布データにおける高周波成分の少なくとも一部を復元する。
好ましい実施形態において、前記入力部は、前記デジタル信号および前記ビニング処理情報が記録されている記憶媒体を受容する構造を有している。
本発明によれば、撮像センサのデータ転送レートを超える大容量の高空間解像度且つ高時間解像度の画像データを従来の3板式カラーカメラと同様の構成で取得できる。そのため、可搬性や経済性などを損ねることなく、より解像度の高い高画質画像を得ることができる。
本発明の実施形態1に係る画像データ生成装置の構成を示すブロック図である。
R撮像センサ部105を例として、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107がともに有するビニング機能を説明する図である。
R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の空間解像度と時間解像度の関係を模式的に表わした図である。
ウェーブレット変換の例を示す図である。
ハール型のマザーウェーブレットを説明する図である。
所定の周波数以上のスペクトルを示す図である。
画像データ生成装置700の動作タイミングを説明する図である。
本発明の実施形態2に係る画像データ生成装置100の構成を示すブロック図である。
空間解像度アップコンバータ部112がR画像117とB画像119の空間解像度を高解像度化する概念を模式的に表わした図である。
時間解像度アップコンバータ部113がG画像118の時間解像度を高解像度化する概念を模式的に表わした図である。
時間解像度アップコンバータ部113がG画像122を生成する原理を説明する図である。
画像特徴ベクトルをウェーブレット変換の係数を要素とする多次元ベクトルで表現する方法を説明する図である。
スケールレベルn=2のときの画像特徴量を画素ごとに算出する方法を説明する図である。
空間解像度アップコンバータ部112の構成を示すブロック図である。
時間解像度アップコンバータ部113の構成を示すブロック図である。
画像データ生成装置100の動作フローを説明する図である。
本発明の実施形態3に係る画像データ生成装置200の構成を示すブロック図である。
時間解像度アップコンバータ部245の構成を示すブロック図である。
空間解像度アップコンバータ部244の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態4に係る画像データ生成装置800の構成を示すブロック図である。
画像データ生成装置800の動作タイミングを説明する図である。
本発明の実施形態5に係る画像データ生成装置300の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態6に係る画像データ生成装置400の構成を示すブロック図である。
RB高域調整部402の構成を示すブロック図である。
局所的な領域内の例を示す図である。
RとBの局所的な相関ρと重みWの関係の例を示す図である。
本発明の実施形態7に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態7に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
高空間解像度・低時間解像度の画像データ1と低空間解像度・高時間解像度の画像データ2を取得し、高空間解像度・高時間解像度の画像データ3を生成する概念を説明する図である。
画像データ3を生成するフローチャートを示す図である。
画像データ1と画像データ2を取得するための複合センサカメラの構成例を示す図である。
RGBカラー撮影の構成を説明する図である。
RGBカラー撮影のための複合センサカメラの構成例を示す図である。
色フィルタ16の詳細を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書および図面では、簡単のため、記号R、G、Bにより、それぞれ赤色、緑色、青色を示すものとする。R画像とは光の赤色成分に対応した画像を指し、G画像とは光の緑色成分に対応した画像を指し、B画像とは光の青色成分に対応した画像を指している。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による画像データ生成装置700を示すブロック図である。
画像データ生成装置700は、入射光101を受光して撮影画像を記録し、撮影画像を再生する際に高解像度化処理を施して、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を出力する。画像データ生成装置700は、波長域ごとに空間周波数スペクトルを算出する。本実施形態では、「波長域」が、R、G、Bの3つに区分されている。以下、本明細書では、波長域の各々を「色チャネル」と称することとする。画像データ生成装置700は、色チャネルごとに空間周波数スペクトルを算出した後、最も高い空間周波数成分を有する色チャネルでHL画像を取得し、その他の色チャネルでLH画像を取得する。更に、この画像データ生成装置700は、低空間解像度画像と高空間解像度画像の対応関係に基づいて、HL画像の時間解像度をLH画像の時間解像度へ変換して、HH画像を生成する。
画像データ生成装置700は、図1に示すように、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、超解像部240、出力部114を備えている。
撮影部103は、入射光101を受光し、カラー画像R1G1B1を出力する。色分解部104は、入射光101を長波長域R、中波長域G、短波長域Bに分光する分光部であり、R撮像センサ部105でR1画像、G撮像センサ部106でG1画像、B撮像センサ部107でB1画像が撮影できるように色分解を行う。面115は、図31の色分解フィルタ10に相当し、長波長域Rの光を反射し、残りの波長域の光を透過する。面116は、図31の色分解フィルタ11に相当し、短波長域Bの光を反射し、残りの波長域の光を透過する。
図2は、R撮像センサ部105を例として、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107が有するビニング(画素加算または画素混合)機能を説明する図である。
通常、撮像部の撮像面において撮像のための光電変換を行う物理的な最小単位は、「画素」と呼ばれている。しかし、本発明を正確に説明するためには、画像を構成する単位である「画素」と、撮像部の撮像面において撮像のための光電変換を行う物理的な最小単位とを区別する必要がある。このため、本明細書では、撮像部の撮像面において光電変換を行う物理的な最小単位を「光電変換素子単位」と称することとする。光電変換素子単位は、光電変換素子に入射した光の強度(光量)に応じた大きさの電気信号(アナログ信号)を出力する。なお、撮像センサ部の構成および動作を説明する際、簡単のため、「光電変換素子単位」の個数を「画素数」と称する場合がある。
本実施形態のR撮像センサ部105は、図2(a)に示すように、多数の光電変換素子単位が二次元的に配列された撮像面を有している。また、R撮像センサ部105は、AD変換部220を有し、光電変換素子単位のアナログ信号をデジタル信号に変換する。図2(b)は、2画素×2ラインの例として、ビニング部221を説明する図である。
図2(b)に示される光電変換素子単位222、223、224、225から出力され4つのアナログ信号は、加算器226において加算され、AD変換部220へ入力される。4つのアナログ信号の加算によって、データ量は1/4に縮小し、AD変換部220のデータ転送レートは、光電変換素子単位の数(画素数)に対して、1/4に低下する。仮に、R撮像センサ部105の画素数とライン数がハイビジョンサイズとして1920画素×1080ラインの場合、2画素×2ラインのビニング処理を施すと、960画素×540ラインのR1画像がデジタル信号で得られる。
なお、後述するように、ビニング部221は、図2(b)に示す色チャネル帯域分配算出部187が出力した色チャネル帯域分配信号230に従って、ビニングする画素数とライン数を決定する。本実施形態では、説明の都合上、G撮像センサ部106の画素数とライン数をハイビジョンサイズとして、1920画素×1080ラインとする。R撮像センサ部105およびB撮像センサ部107における画素数およびライン数は、それぞれ、G撮像センサ部106における画素数およびライン数の1/4であり、480画素×270ラインとする。一方、G撮像センサ部106と他の撮像センサ部との間にある時間解像度の関係は、空間解像度の逆になる。すなわち、G撮像センサ部106の時間解像度は2fps(frame per second)、R撮像センサ部105およびB撮像センサ部107の時間解像度は15fpsである。このように、本実施形態におけるG撮像センサ部106は低時間解像度、R撮像センサ部105とB撮像センサ部107は高時間解像度を有する。
また、ビニング部221におけるビニング処理内容は、各色チャネルで任意に設定でき、ビニングする画素数とライン数を、例えばR撮像センサ部105とB撮像センサ部107で同一にする必然性はない。
図3は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の空間解像度と時間解像度の関係を模式的に表した図である。G撮像センサ部106が撮影するG画像118は、時間t1と時間t15の2枚撮影され、R撮像センサ部105が撮影するR画像117とB撮像センサ部107が撮影するB画像119は、時間t1から時間t15の15枚撮影される。
ここで、RGBの各画像の空間解像度と時間解像度の高低をXS,Tという表記法で表す。XはR、あるいはG、あるいはB、SはH(高空間解像度)、あるいはL(低空間解像度)、TはH(高時間解像度)、あるいはL(低時間解像度)である。
すなわち、Xは、RGB画像の種類を表し、Sは空間解像度の高低、Tは時間解像度の高低を表す。解像度の高低は相対的に決まり、本実施例では、各解像度は以下の通りである。
高空間解像度:1920画素×1080ライン
低空間解像度:480画素×270ライン
高時間解像度:15fps
低時間解像度:2fps
図3に示すように、G撮像センサ部106の出力であるG画像は、高空間解像度・低時間解像度であるため、GH,Lと表記する。一方、R撮像センサ部105の出力であるR画像とB撮像センサ部107の出力であるB画像は、低空間解像度・高時間解像度であるため、それぞれRL,H、BL,Hと表記する。
再び図1を参照する。
空間周波数算出部186は、R1画像、G1画像、B1画像の空間周波数分布を算出する。空間周波数の算出方法は任意であるが、例えば、フーリエ変換やウェーブレット変換などを利用する。図4は、ウェーブレット変換の例を示す図であり、スケールnの多重解像度表現である。スケール1では、隣接画素との輝度差が算出され、スケール2へ降りる際に複数画素での平滑化が施される。スケール2での隣接画素との輝度差が算出されるが、スケール2の各画素は、スケール1の複数画素が平滑化されたものであり、スケール2の方が低い周波数成分となる。従って、スケール1からスケールnまで計算を進めることで、高周波成分から徐々に周波数の低い他成分へシフトし、ウェーブレット係数V,H,Dが空間周波数スペクトルを形成する。
ハール型のマザーウェーブレットを用いた場合、図5(a)に示すように、Vは処理対象の画素60の右隣接画素61との差分値、Hは処理対象の画素60の下隣接画素62との差分値、Dは斜下隣接画素63との差分値、Lは処理対象の画素60を含む右、下、斜下の4つの画素の平均値である。図5(a)はスケール1に相当し、図5(b)はスケール2に相当する。スケール2では、スケール1における4画素の平均値である出力Lが差分値の計算対象になり、スケール2における出力Vはブロック64とブロック65の差分値、スケール2における出力Hはブロック64とブロック66の差分値、スケール2における出力Dはブロック64とブロック67の差分値となる。また、スケール2における出力Lはブロック64からブロック67の平均値となる。
図1の色チャネル帯域分配算出部187は、R1画像、G1画像、B1画像の空間周波数スペクトルに従って、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のそれぞれのビニングのブロックサイズを決定する。高い空間周波数を有する色チャネルの撮影画像については、高域の情報を取得するために、ビニング処理を行わないようにする。ビニング処理を行うと、空間周波数の高い情報(高域情報)が失われる。一方、高い空間周波数成分を持たない色チャネルの撮影画像については、高域の情報を取得する必要がないため、ビニング処理を行うことによって帯域を制限し、データ転送レートを低くする。
例えば、図6に示すように、所定の周波数以上のスペクトルのエネルギーEを式(1)で算出し、この大きさの比率で、式(2)に従って、R、G、Bの各色チャネルの帯域を分配することができる。
ここで、fは空間周波数、n
iは空間周波数f
iの頻度、w
R、w
G、w
BはRGB各撮像センサに対する帯域分配の比率を表わす。各撮像センサのAD変換部220の最大データ転送レートがpであるとすると、R撮像センサ部105のデータ転送レートp
Rは、以下の(式3)で表される。
同様に、G撮像センサ部106のデータ転送レートp
Gは、以下の(式4)で表される。
B撮像センサ部107のデータ転送レートp
Bは、以下の(式5)で表される。
このようにして決定されたR撮像センサ部105のデータ転送レートpR、G撮像センサ部106のデータ転送レートpG、B撮像センサ部107のデータ転送レートpBは、図1に示す色チャネル帯域分配信号230として、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のビニング部221に供給され、色チャネルごとにデータ転送レートが制御される。
なお、R、G、Bの各波長域における空間周波数のスペクトル分布は、被写体の種類に依存するため、被写体の種類を特定することにより、その空間周波数スペクトルのパターンを推定し、色チャネルの帯域分配比率を決定することや、帯域分配比率の計算を簡単にすることが可能である。例えば、青い色が一様に広がる背景が撮像範囲の大部分を占める場合、一般にB画像の空間周波数は低くなる傾向がある。そのような場合、B撮像センサ部107のデータ転送レートpBを最も低く設定するようにすることが可能である。このように被写体の種類(撮影モード)に応じて単純にデータ転送レートの配分を決定すれば、色チャネル帯域分配算出部187による処理を単純化できる。
超解像部240は、R1画像、G1画像、B1画像の高解像度化を行い、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のビニング処理で失われた空間周波数成分を復元して、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を出力する。
ビニング処理は、超解像処理からみると空間解像度を落とす低解像度化処理に相当する。一般に、超解像処理は、低解像化処理の逆問題として扱われる。すなわち、解像度を低下させる処理の逆の処理を施せば、解像度を高めることができる。従って、超解像処理を設計するにあたっては、低解像度化処理のモデル化が重要なタスクとなる。逆の言い方をすれば、低解像度化モデルが不明のまま、高解像度化処理を設計することは、通常、非常に困難である。画像データ生成装置700におけるビニング処理は、低解像度化処理そのものであり、モデル生成を行う必要もないため、高い品質で超解像処理が実行できる。以上のような背景から、色チャネル帯域分配算出部187は、ビニング処理の内訳の詳細を、ビニング処理詳細信号701として、超解像部240に伝える。
以上のように、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107のビニング処理と超解像部240の超解像処理は、互いに関係し合い、この2つの関係を色チャネル帯域分配算出部187が結び付けている。すなわち、色チャネル帯域分配算出部187は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限を踏まえながら、できるだけ高い空間周波数成分を残すようにビニング処理を制御する。同時に、色チャネル帯域分配算出部187は、ビニング処理詳細信号701を超解像部240に与えることで、空間解像度の低解像度化モデルを既知とし、ビニング処理で失われた空間周波数成分の推定精度を高めることができ、結果的に、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限を超えることが可能となる。
出力部114は、超解像部240からの出力である高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を画像データ生成装置700の外部へ出力する。
図7は、画像データ生成装置700の動作タイミングを説明する図である。
時間t1において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第1番目の画素データが読み出される。ただし、現段階では、空間周波数分析は成されていないため、色チャネルごとに個別のビニング処理を施すことができない。そこで、たとえば、各色チャネルに2×2のビニング処理を施して、全色チャネルで同一レートのデータ転送を行う。
時間t2において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第2番目の画素データが読み出される。また、周波数解析711が動作し、空間周波数算出部186で第1番目の画素データの空間周波数が算出される。現段階では、画素データが1つしかないため、空間周波数は直流成分を出力することになるが、時間が進むに従って、複数の画素データが蓄積されてきて、近傍画素との輝度変化を反映した空間周波数が算出できる。なお、実装上は、後述するように、複数の画素データを一旦メモリに蓄積し、これを読み出して処理をする形式になる。ただし、ここでは、動作タイミングの説明のために、メモリへのアクセスや複数画素データの取り扱いに関しては説明を割愛し、実装上の説明は後に詳述する。
時間t3において、読み出し710と周波数解析711が動作するとともに、新たに帯域分配712と超解像処理714が同時に動作を開始する。帯域分配712は、色チャネル帯域分配算出部187の動作で、時間t3では第1番目の画素に対して各色チャネルへの帯域分配が成される。超解像処理714は、超解像部240の動作で、時間t3では第1番目の画素に対して超解像処理が成される。第1番目のビニング処理が、たとえば2×2のビニング処理であった場合、超解像部240は、縦横ともに画素数を2倍に拡大する処理を実行する。なお、実装上は、後述するように、複数の画素データを一旦メモリに蓄積し、これを読み出して処理をする形式になる。ただし、ここでは、動作タイミングの説明のために、メモリへのアクセスや複数画素データの取り扱いに関しては説明を割愛し、実装上の説明は後に詳述する。
時間t4において、読み出し710、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714が動作するとともに、新たにビニング処理713と画像出力715が同時に動作を開始する。画像出力715は、出力部114の動作であり、第1番目の画素が出力される。ビニング処理713は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の動作で、色チャネル帯域分配算出部187が出力した色チャネル帯域分配信号230に従って設定された条件で、第1番目の画素に対してビニング処理が成される。これ以降、ビニング処理が有効となるため、実質的には、時間t5以降からビニング処理が動作する形になる。時間t5で読み出し710を受けた画素データ716は、時間tが進むごとに、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714、画像出力715を経て、時間t8で画像データ生成装置700から出力される。
以上より、図7の動作タイミングにおける時間軸をパイプライン処理の動作クロックとするならば、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から画素データが読み出され、これらの空間周波数分布からビニング処理へ反映されるまでに4クロック分のタイムラグは存在することになる。また、画像データ生成装置700が起動してから最初の画素データが出力されるまでに3クロック分のタイムラグがあり、引き続く4クロック分は各色チャネルで同一の処理が成され、5クロック目以降に、色チャネル個別の処理が成されることになる。従って、色チャネル個別のビニング処理と超解像処理は、8クロック目で初めて有効となり、以降はクロック単位ですべての処理が実行される。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2による画像データ生成装置100の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す画像データ生成装置700と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
画像データ生成装置100は、図8に示すように、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188、メモリ部110、撮影情報読み出し部111、超解像部240、出力部114、系統識別信号発生部185を備えている。
撮影画像記録部108は、撮影部102が出力したR1画像、G1画像、B1画像を記録・再生する。
撮影画像記録部108に含まれる撮影画像書き込み部109は、R1画像、G1画像、B1画像をメモリ部110に書き込み、撮影画像を記録する。
撮像画像記録部108内の色チャネル帯域分配情報書き込み部188は、R撮像センサ部105のデータ転送レートpR、G撮像センサ部106のデータ転送レートpG、B撮像センサ部107のデータ転送レートpBをメモリ部110に書き込む。ただし、撮影画像書き込む部109がメモリ部110に記録したR画像、G画像、B画像のヘッダ部にデータ転送レートを書き込み、画像データとデータ転送レートの関係を結び付ける。
撮像画像記録部108内の撮影情報読み出し部111は、メモリ部110からR画像、G画像、B画像をA系統50とB系統51の2系統で読み出す。A系統50は、後述するように、時間解像度アップコンバータ部113で低空間解像度の画像と高空間解像度の関係を学習するために、R画像、G画像、B画像をメモリ部110から読み出す。B系統51は、撮影画像を再生し、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102を出力するために、R画像、G画像、B画像をメモリ部110から読み出す。
撮影画像書き込み部109が、図3に示した空間解像度と時間解像度の24ビットRGB画像をメモリ部110に記録する場合、データ転送レートは、49Mbps(= (1920画素×1080ライン×8bit×2枚)+(480画素×270ライン×8bit×15枚)×2チャンネル)となる。撮影情報読み出し部111も同じデータ転送レートで動作する。なお、R画像、G画像、B画像のデータ転送レートは、各画像のヘッダ部から読み出す。メモリ部110は、磁性体を利用したハードディスクや半導体メモリなど、任意の記録メディアが利用可能である。記録メディアを画像データ生成装置100から取り外せるリムーバブル型にすれば、画像データ生成装置100で記録した撮影画像を他の機器との間で移動、あるいはコピーが可能である。
超解像部240は、撮影画像記録部108から読み出したR画像、G画像、B画像の高解像度化を行い、空間解像度アップコンバータ部112と時間解像度アップコンバータ部113からなる。
空間解像度アップコンバータ部112は、図9に示すように、R画像117とB画像119の空間解像度を高解像度化し、R画像とB画像の画素数とライン数をG画像118と同じ1920画素×1080ラインへ変換して、R画像120とB画像121を出力する。空間解像度が高解像度化されたことを表記上に反映させるために、SとTの添字を追加する。すなわち、空間解像度が高解像度化されたR画像120は、RLH,Hと表記する。また、B画像121は、BLH,Hと表記する。
時間解像度アップコンバータ部113は、図10に示すように、G画像118の時間解像度を高解像度化し、G画像の枚数がR画像117とB画像119と同じ15ftpであるG画像122を出力する。時間解像度が高解像度化されたG画像122は、GH,LHと表記する。
図8に示す画像データ生成装置100の各構成要素、例えば、撮影画像記録部108、空間解像度アップコンバータ部112、時間解像度アップコンバータ部113等は、半導体集積回路等の回路素子により実現され得る。これらの構成要素は1チップ上に集積されて形成されてもよいし、別々の部品として形成されてもよい。また、CPU(中央演算処理装置)とそのCPUを動作させるプログラムを格納した記憶媒体等により実現されてもよい。
図11は、時間解像度アップコンバータ部113がG画像122(図10)を生成する原理を説明する図である。図11(a)は、低空間解像度の画像と高空間解像度の画像の関係を学習する原理を示し、図11(b)は前記学習した空間解像度の関係を参照して、G画像122を生成する原理を示す。
図11(a)において、ベース画像組130は、図10における時刻t1、あるいは時刻t15の同じタイミングで取得されたR画像117とG画像118とB画像119の組を表す。「時間t1から時間t15に渡るR画像117」と「時刻t1、あるいは時刻t15のR画像117」を区別するために、後者をRベース画像131とする。同様に、「時間t1から時間t15に渡るG画像118」と「時刻t1、あるいは時刻t15のG画像118」を区別するために、後者をGベース画像132とする。「時間t1から時間t15に渡るB画像119」と「時刻t1、あるいは時刻t15のB画像119」を区別するために、後者をBベース画像133とする。ベース画像組130の中のGベース画像132を元手に、時刻t2から時刻t14の欠落するG画像を生成することから、Gベース画像132がG画像生成用のリソースに位置付けられる。欠落するG画像の生成は、時刻t2から時刻t14で常に撮影されているR画像とB画像を頼りに、Gベース画像132の中から適切なG画像生成用リソースを見つけ出す問題になる。そこで、RGB画像がすべて揃っているベース画像組130を用いて、Rベース画像131とBベース画像133の低空間解像度とGベース画像132の高空間解像度の関係を構築し、G画像生成用データベース部140に格納する。
Rベース画像131とBベース画像133は、G画像との対応関係を取るために、例えば補間拡大で空間解像度を高解像度化し、画素数とライン数をG画像に一致させる。補間によるアップサンプリングは、既存の情報を内挿して画素数とライン数を増やすため、高周波成分の生成には限界があり、一般にボケ感を伴った拡大画像が生成される。すなわち、補間拡大で復元できる波形周波数の上限は、内挿点の前後2点の重み付けをsinc関数に基づいて決定したCubic convolutionを用いれば、サンプリング周波数の1/2となる。しかし、R画像とB画像は、空間高解像度化のリソースをG画像から見つけ出すために参照される情報であり、高空間解像度の画像を持つ高周波成分まで完全に復元する必要はない。内挿によって既存の情報から中間的な値が算出されれば、空間高解像度化のリソースをG画像から見つけ出すことは可能である。
補間拡大されたR画像134とB画像135、そしてGベース画像132は周波数解析手段を用いて、画像特徴量に変換される。図11において、画像特徴量の表記にはfを用い、例えばGH,Lが画像特徴量に変換されたものは、fGH,Lと表記する。画像特徴量の次元数がq次元の場合、fGH,LはGH,Lと同じ画像サイズの画像をq枚有する状態になる。
本発明において、画像特徴量の定義は任意であるが、例えば、図12に示すように、ウェーブレット変換の係数を要素とする多次元ベクトルで表現する。すなわち、n個のスケールそれぞれにおいてウェーブレット変換の出力V、H、D、Lを求め、これらを階層ごとに束ねることによって、(3n+1)次元ベクトルを得る。スケールレベルnが3の場合、画像特徴量は、10次元の画像特徴ベクトル(w1, w2, …, w10)になる。ウェーブレット変換の出力V、H、D、Lは、ハール型のマザーウェーブレットを用いた場合に得られる係数であり、図5(a)と図5(b)を用いて説明した方法で算出される。
図13は、スケールレベルn=2を例にとって、画像特徴量を画素ごとに算出する方法を説明する図である。図13(a)は、画素70の画像特徴量(w1, w2, …, w7)1,1を算出する方法を示している。ブロック71内の16画素がウェーブレット変換で参照されて、7次元の画像特徴量が算出される。同様に、図13(b)は、画素72の画像特徴量(w1, w2, …, w7)1,2を算出する方法を示している。ブロック73内の16画素がウェーブレット変換で参照されて、7次元の画像特徴量が算出される。図13(c)は、画素74の画像特徴量(w1, w2, …, w7)1,3を算出する方法を示している。ブロック75内の16画素がウェーブレット変換で参照されて、7次元の画像特徴量が算出される。以上のように、ウェーブレット変換で参照されるブロックが、1画素ごとに移動することで、画素ごとに画像特徴量が算出される。
低空間解像度の画像にはR画像とB画像の2つがある。このため、図11に示すq次元の画像特徴ベクトルR画像136とq次元の画像特徴ベクトルB画像137とを組み合わせて、2q次元の画像特徴ベクトルRB画像138を得る。Gベース画像132も同様に画像特徴量に変換され、q次元の画像特徴ベクトルG画像139を生成する。
G画像生成用データベース部140は、同じ画素位置にある画像特徴ベクトルRB画像138の画像特徴量と画像特徴ベクトルG画像139の画像特徴ベクトルを対応付け、低空間解像度の画像特徴ベクトルを高空間解像度の画像特徴ベクトルに置換する辞書として機能する。本実施形態では、G画像は1920画素×1080ラインであり、およそ207万組の画像特徴ベクトルの置換情報がG画像生成用データベース部140に格納される。また、G画像は時間t1と時間t15で2枚取得できるため、空間高解像度化で参照できる画像特徴ベクトル置換情報は、およそ414万組になる。時間t2から時間t14で欠落するG画像を、およそ414万組のG画像の画像特徴ベクトルから選び出して作り出すことになる。
図11(b)において、画像組150は、時間t2から時間t14におけるR画像151とB画像152の組を表す。R画像151とB画像152は、図11(a)と同じ補間拡大方法によって、G画像と同じ画素数とライン数に変換されて、R画像153とB画像154が生成される。R画像153とB画像154は、図11(a)と同じ方法で画像特徴量に変換され、q次元の画像特徴ベクトルR画像155とq次元の画像特徴ベクトルB画像156が生成される。q次元の画像特徴ベクトルR画像155とq次元の画像特徴ベクトルB画像156は組み合わせて、2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157とする。2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157は、画素ごとに、G画像生成用データベース部140の2q次元の画像特徴ベクトルRB画像138と画像特徴ベクトルの類似度が比較され、類似RB画像特徴ベクトル158が選び出される。画像特徴ベクトルG画像139から類似RB画像特徴ベクトル158と同じ画素位置にある画像特徴ベクトルを引き出し、これを類似G画像特徴ベクトル159とする。
類似RB画像特徴ベクトル158を選び出す具体的な方法は任意である。例えば、2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157との距離が最も短い画像特徴量ベクトルをG画像生成用データベース部140から選び出してもよい。あるいは、2p次元の画像特徴ベクトルRB画像157との距離が所定の基準距離より短い候補画像特徴量ベクトルを複数抽出し、前記複数抽出された候補画像特徴量ベクトルと同じ画素位置にある画像特徴ベクトルを画像特徴ベクトルG画像139から引き出し、これらを平均して、類似G画像特徴ベクトル159としてもよい。
更に、2q次元の画像特徴ベクトルRB画像157との距離が短い方から順に、例えば3つ、候補画像特徴量ベクトルとして選び出し、同じ画素位置にある画像特徴ベクトルを画像特徴ベクトルG画像139から引き出して、これらを平均し、類似G画像特徴ベクトル159とする方法などもある。
前記類似G画像特徴ベクトル159は高空間解像度の画像特徴量であり、類似RB画像特徴ベクトル158が類似G画像特徴ベクトル159に置換されたことで空間解像度が高められる。画像特徴ベクトルRB画像157の全画素でG画像生成用データベース部140を参照して類似G画像特徴ベクトル159への置換が成され、置換画像特徴ベクトルG画像160が生成される。置換画像特徴ベクトルG画像160は画像特徴量変換の逆変換が施されて、輝度画像に戻り、置換高解像度化G画像161が生成される。置換高解像度化G画像161を時間t2から時間t14で算出すれば、図10におけるG画像122が生成され、時間解像度が高解像度化される。
なお、図11において、R画像131の画像サイズは、R撮像センサ部105に対するビニング設定で決まる。同様に、B画像133の画像サイズは、B撮像センサ部107に対するビニング設定で決まる。従って、R画像131とB画像133の画像サイズが異なる場合もあるが、各画像サイズは補間拡大によって、高解像度画像であるG画像の画像サイズに統一されるため、R画像134とB画像135の画像サイズは一致する。
図14は、空間解像度アップコンバータ部112の構成を示すブロック図である。A系統50からの入力とB系統51からの入力は、系統識別信号176に従って、B用セレクタ182、R用セレクタ183、G用セレクタ184で切り替えられる。B用補間拡大部170は、低空間解像度・高時間解像度のB画像151の空間解像度を補間拡大で高解像度化し、高空間解像度・高時間解像度のB画像153を出力する。R用補間拡大部171は、低空間解像度・高時間解像度のR画像152の空間解像度を補間拡大で高解像度化し、高空間解像度・高時間解像度のR画像154を出力する。図11(a)のベース画像130に含まれる高空間解像度・低時間解像度のG画像132は、撮影画像の再生時には、高解像度化処理が不要である。そのため、高空間解像度・低時間解像度のG画像132は、空間解像度アップコンバータ部112ではスルーで出力される。なお、B用補間拡大部170とR用補間拡大部171を1つにまとめ、時分割で、例えば最初にB画像を補間拡大、次にR画像を補間拡大という構成であっても構わない。
図15は、時間解像度アップコンバータ部113の構成を示すブロック図である。
A系統50は、G画像生成用データベース部140のデータベースを生成するために、図8のメモリ部110から読み出した撮影画像を、B用画像特徴量変換部172、R用画像特徴量変換部173、およびG用画像特徴量変換部174に供給する。B用画像特徴量変換部172およびR用画像特徴量変換部173は、後述するように、撮影画像再生時のB系統51からも撮影画像の供給を受ける。このため、A系統50からの撮影画像と、B系統51からの撮影画像は、B用セレクタ174とR用セレクタ175で切り替えられる。セレクタの入力切り替えには、系統識別信号176を用い、A系統50とB系統51のどちらかをB用画像特徴量変換部172とR用画像特徴量変換部173に供給する。
図8のメモリ部110から読み出され撮影画像は、B用画像特徴量変換部172とR用画像特徴量変換部173で画像特徴ベクトルに変換された後は、B用セレクタ177とR用セレクタ178を経て、G画像生成用データベース部140の入力側に設定される。これは、図11(a)における画像特徴ベクトルRB画像138の画像特徴量に相当する。一方、G用画像特徴量変換部174の出力は、G画像生成用データベース部140の出力側に設定される。これは、図11(a)における画像特徴ベクトルG画像139の画像特徴ベクトルに相当する。
以上の動作により、図11(a)に示した低空間解像度の画像と高空間解像度の画像の対応関係の学習が完了する。G画像生成用データベース部140には、磁性体を利用したハードディスクや半導体メモリなど、任意の記録メディアが利用可能である。記録メディアを撮影記録再生装置100から取り外せるリムーバブル型にすれば、G画像生成用データベース部140のデータを他の機器との間で移動、あるいはコピーが可能である。また、リムーバブル型の記録メディアの代わりに、ネットワークとの通信機能を持つインターフェイスを用いることも可能である。
B系統51は、撮影画像の再生時にメモリ部110から読み出した撮影画像を時間解像度アップコンバータ部113に供給する。図3の時間t1と時間t15では、高空間解像度のG画像118が撮像されているため、時間解像度アップコンバータ部113でG画像を生成する必要はない。そこで、図3の時間t1や時間t15のように、高空間解像度のG画像118が存在する場合は、そのままスルーで出力する。一方、図3の時間t2から時間t14のように、G画像118が欠落している部分は、図10のG画像122のように、高空間解像度のG画像122を生成する。この切り替えを行うために、G用セレクタ179を使い、G画像118の有無をG画像識別信号179aで与える。
B系統51から供給されたR画像とB画像は、空間解像度アップコンバータ部112で一旦、空間解像度が高解像度化された画像であり、図11のR画像153とB画像154に相当する。これらは、そのまま出力画像となって、出力B画像190と出力R画像191として、時間解像度アップコンバータ部113から出力される。同時に、図11の置換高解像度化G画像161を生成するために、B用セレクタ174とR用セレクタ175を介して、それぞれB用画像特徴量変換部172とR用画像特徴量変換部173に供給される。B用画像特徴量変換部172は、図11(b)の画像特徴ベクトルB画像156を出力し、R用画像特徴量変換部173は、図11(b)の画像特徴ベクトルR画像155を出力する。画像特徴ベクトルR画像155および画像特徴ベクトルB画像156は、類似画像特徴量検出部180で組み合わされ、画像特徴ベクトルRB画像157となる。
引き続き、G画像生成用データベース部140の入力側に系統A50から書き込まれた画像特徴ベクトルRB画像138と距離を比較して類似RB画像特徴ベクトル158を検出し、G画像生成用データベース部140の出力側に格納されたG画像特徴ベクトルを類似G画像特徴ベクトル159として出力する。類似G画像特徴ベクトル159は、G用画像特徴量逆変換部181で輝度画像に戻り、出力G画像192を得る。
系統識別信号発生部185は、系統識別信号176を発生し、撮影画像記録部108、空間解像度アップコンバータ部112、時間解像度アップコンバータ部113に入力する。撮影画像記録部108では、撮影画像読み出し部111において、系統識別信号176により、A系統50からの読み出しか、B系統51からの読み出しかを切り替える。空間解像度アップコンバータ部112と時間解像度アップコンバータ部113では、A系統50からの入力か、B系統51からの入力かを切り替える。系統識別信号176がA系統50を指定した場合、撮影画像読み出し部111は、メモリ部110から、図5(a)に示すベース画像組130のみを読出し、空間解像度アップコンバータ部112でR画像とB画像の空間解像度を補間拡大でG画像と一致させ、時間解像度アップコンバータ部113でG画像生成用データベース部140に画像特徴ベクトルRB画像138と画像特徴ベクトルG画像139が格納される。一方、系統識別信号176がB系統51を指定した場合、撮影画像読み出し部111は、メモリ部110から、撮影画像を順次読出し、空間解像度アップコンバータ部112でR画像とB画像の空間解像度を補間拡大でG画像と一致させ、時間解像度アップコンバータ部113でG画像生成用データベース部140を参照して置換高解像度化G画像161が生成される。
なお、図11を参照して行った説明では、ベース画像組130は、時刻t1、あるいは時刻t15に取得されたとしたが、時刻t1と時刻t15の両方のタイミンクで取得された情報をベース画像組130に組み込んでも構わない。ベース画像組130に組み込む画像の数は任意であり、本発明はこれらに制限を設けない。
また、ベース画像組組み込まれる複数枚の画像の時間間隔は任意であり、本発明はこれらに制限を設けない。
また、G画像生成用データベース部140が持つ画像特徴量が互いに類似していて、冗長性が高い場合、類似データを1つの代表データに集約するクラスタリング処理でG画像生成用データベース部140の規模を小さくしても構わない。例えば、720画素×480ラインのベース画像を3枚用いた場合、図6におけるスケールを3段階とするならば、10次元の画像特徴量ベクトルが、約100万組( = 720画素×480ライン×3枚)算出される。そこで、乱数発生などを利用して、例えば、1万本の画像特徴量ベクトルを初期クラスタ中心として設定し、各クラスタ中心の画像特徴量ベクトルに最も近い画像特徴量ベクトルを前記100万本の画像特徴量ベクトルから検出する。検出された画像特徴量ベクトルは、クラスタ中心の画像特徴量ベクトルとの平均が算出され、新たなクラスタ中心として更新される。前記100万本の画像特徴量ベクトルすべてが、クラスタ中心の画像特徴量ベクトルと平均されるまでクラスタ中心の更新を繰り返して、最終的に、1万本の画像特徴量ベクトルに集約する。クラスタリング以外に、主成分分析を用いることも可能であり、上記100万本の画像特徴量ベクトルから成る分布の広がりを、複数の基底ベクトルの線形結合で表現して、冗長性を削減する。
図16は、画像データ生成装置100の動作フローを説明する図である。図16(a)は、撮影記録時の動作フローであり、図16(b)は、撮影画像の再生時の動作フローである。図16(a)において、撮影が開始される(ステップS01)と、撮影部103は入射光101を受光して、高空間解像度・低時間解像度のG画像118、低空間解像度・高時間解像度のR画像117とB画像119を出力する(ステップS02)。撮影画像記録部108は、撮影画像書き込み部109によって、R画像117、G画像118、B画像119をメモリ部110に記録する(ステップS03)。図16(b)において、撮影画像の再生が開始される(ステップS04)と、系統識別信号発生部185が系統識別信号176を発生し、A系統50を指定する(ステップS05)。撮影画像記録部108は、撮影画像読み出し部111によって、メモリ部110からベース画像組130を読み出す(ステップS06)。ベース画像組130は、空間解像度アップコンバータ部112でR画像131とB画像132の空間解像度を補間拡大され(ステップS07)、時間解像度アップコンバータ部113のG画像生成用データベース部140に画像特徴ベクトルRB画像138と画像特徴ベクトルG画像139を格納する(ステップS08)。
前記ステップS08終了後、系統識別信号発生部185は、系統識別信号176をB系統51に切り替える(ステップS09)。撮影画像記録部108は、撮影画像読み出し部111によって、メモリ部110から順次、撮影画像を読み出す(ステップS10)。前記撮影画像は、空間解像度アップコンバータ部112でR画像151とB画像152の空間解像度が補間拡大され(ステップS11)、時間解像度アップコンバータ部113のG画像生成用データベース部140を参照して置換高解像度化G画像161を算出し(ステップS12)、補間拡大されたR画像153とB画像154ともに出力部114から外部に出力される(ステップS13)。
なお、G画像生成用データベース部140に登録された画像特徴ベクトルは、再生動作が終了しても保持されるようにしておけば、次の再生時には、ステップS05からステップS08を省略でき、ステップS09からスタートできる。特に、同じシーンを撮影している場合は、G画像生成用データベース部140の画像特徴ベクトルを再利用できる可能性が高いため、高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102の画質を落とさずに、素早く再生画像を生成できる。メモリ部110から新たなベース画像組130が読み出された際には、A系統50に切り替え、ステップS05からステップS08によって、G画像生成用データベース部140の画像特徴ベクトルを更新する。
以上のような画像データ生成装置100を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。例えば、720画素×480ラインの標準テレビ用のカメラで、1920画素×1080ラインのハイビジョン映像を撮影できる。標準テレビ用カメラの光電変換素子単位は、ハイビジョンカメラよりも大きく、高感度撮影ができ、より手軽に高画質の撮影が可能になる。
(実施形態3)
次に、本発明による画像データ生成装置の第3の実施形態を説明する。
本実施形態の画像データ生成装置では、実施形態1、2と異なり、撮影画像の空間周波数を色チャネルの帯域分配に利用するだけでなく、ビニングによって消失した空間周波数成分を復元する超解像処理にも利用する。
図17は、本実施形態に係る画像データ生成装置200の構成を示すブロック図である。なお、図8に示す画像データ生成装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像データ生成装置200は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、空間周波数算出部241、色チャネル帯域分配算出部242、超解像部243、出力部114、系統識別信号発生部185を備えている。
空間周波数算出部241は、図8の空間周波数算出部186と同様に、R1画像、G1画像、B1画像の空間周波数分布を算出する。ただし、この算出結果が、色チャネル帯域分配算出部242を介して光電変換素子単位のビニング処理に使われるだけでなく、超解像部243にも入力され、高解像度化にも用いられる。すなわち、図15を参照して説明した時間解像度アップコンバータ部113は、本実施形態でも、画像特徴量を用いて高解像度化を行うが、本実施形態では、画像特徴量となる空間周波数の算出を空間周波数算出部241が担当する。このため、時間解像度アップコンバータ部245内に画像特徴量変換部を持つ必要がなくなる。図18は、時間解像度アップコンバータ245のブロック図を示す。図15の時間解像度アップコンバータ部113と比べて、画像特徴量算出がなくなり、構造がシンプルになる。ただし、出力B画像190と出力R画像191は、高解像度化処理を掛けず、そのまま出力されるため、画像特徴量を輝度信号に変換するために、輝度信号変換部246が必要になる。
なお、図17は、本実施形態の撮影機能を説明するための図面であるため、図8と比較すると、記録機能を実行する構成要素が明示されていない。図8の撮影画像記録部108が有する超解像の学習用の画像を出力するA系統と超解像の対象画像を流すB系統を選択する機能は、図17に示す構成例では、空間周波数算出部241に組み込まれる。
色チャネル帯域分配算出部242は、ビニング設定用に、各色チャネルの帯域分配の情報を撮影部103だけでなく、空間解像度アップコンバータ部244と時間解像度アップコンバータ部245にも各色チャネルの帯域分配の情報を与え、低解像度画像の超解像処理に利用する。
空間解像度アップコンバータ部244は、図14で説明した空間解像度アップコンバータ部112と同様、R画像、G画像、B画像の画像サイズを高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)102の画像サイズに変換する。ただし、図19に示したように、空間解像度アップコンバータ部244への入力は、空間周波数スペクトルとなっているため、輝度信号変換部246で輝度値に戻し、B用補間拡大部170とB用補間拡大部171に供給する。
なお、画像データ生成装置200の基本的機能は図17の構成で完結するが、撮影画像の記録・再生機能を追加しても構わない。
以上のような画像データ生成装置200を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。特に、色チャネルの帯域分配と超解像処理の両方に必要とされる空間周波数スペクトルの算出を共有化するため、機器の小型化や軽量化、コストダウンなどのメリットを実現する。
(実施形態4)
本実施形態では、色チャネルの帯域分配を算出する際に、入射光量の不足によって発生したノイズを除去するビニング処理を考慮できる画像データ生成装置について説明する。
図20は、本発明の実施形態4に係る画像データ生成装置800の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す画像データ生成装置700と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像データ生成装置800は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、超解像部240、出力部114、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252を備えている。
R用露出計250は、R撮像センサ部105の周辺部に取り付けられ、入射光の周辺光を捉えて、R撮像センサ部105の露光量を計測する。露光量が不足する場合は、ノイズが発生し、画質劣化につながる。そこで、R用露出計250が計測した露光量を色チャネル帯域分配部187へ入力し、所定の露光基準量に満たない場合、色チャネル帯域分配信号230によって、R撮像センサ部105のAD変換部にビニングの指示を出し、ビニングによる平滑化でノイズを除去する。G用露出計251とB用露出計252も同様である。
ところで、ビニング処理は、空間解像度という観点から見れば、解像度を低くする処理にあたる。従って、画像データ生成装置800は、自分自身で低解像度の詳細、すなわち、低解像度化モデルを有することになる。一般に、超解像処理は、低解像化モデルの逆問題として扱われる。すなわち、解像度を低下させる処理の逆の処理を施せば、解像度を高めることができる。従って、超解像処理を設計するにあたっては、低解像度化モデルの把握が重要になる。逆の言い方をすれば、低解像度化モデルが不明のまま、高解像度化処理を設計することは、通常、非常に困難である。低解像度化モデルが不明の場合は、経験的に汎用性の高いモデルを仮に設定することが多く、例えば、ガウス分布による平滑化などが用いられる。また、ビニング処理と同一である複数画素の平均化も、経験的に選択される場合もある。ただし、本実施形態の特徴は、時々刻々と変化する露光量に応じてビニング処理の内容も更新され、時々刻々と変化する低解像度化モデルに追従して、高解像度化処理を柔軟に変更できるところにある。
また、露光計は、色チャネルごとに設けられているため、ビニング設定は、各色チャネルで個別の内容となる。すなわち、低解像度化モデルが色チャネルごとに異なり、経験的な対応がより困難であることが容易に理解できる。
以上のように、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252を用いることで、光量不足によるノイズ発生の度合いを評価することができ、これに応じて、ビニング処理でノイズ除去の対策を打つことができる。加えて、ビニング処理で失った空間周波数成分を超解像処理で復元することができ、これらすべての処理を色チャネル帯域分配算出部187が結び付けている。すなわち、色チャネル帯域分配算出部187は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限と光量不足に起因するノイズ発生を踏まえながら、できるだけ高い空間周波数成分を残すようにビニング処理を制御する。同時に、色チャネル帯域分配算出部187は、ビニング処理詳細信号701を超解像部240に与えることで、空間解像度の低解像度化モデルを既知とし、ビニング処理で失われた空間周波数成分の推定精度を高めることができ、結果的に、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107からのデータ転送レートの上限を超えることが可能となる。
図21は、画像データ生成装置800の動作タイミングを説明する図である。
時間t1において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第1番目の画素データが読み出される。ただし、現段階では、空間周波数分析は成されていないため、色チャネルごとに個別のビニング処理を施すことができない。そこで、たとえば、各色チャネルに2×2のビニング処理を施して、全色チャネルで同一レートのデータ転送を行う。
時間t2において、読み出し710が動作し、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から第2番目の画素データが読み出される。また、露光量検出801が動作し、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252で第1番目の画素データの露光量が計測される。
時間t3において、読み出し710と露光量検出801が動作するとともに、周波数解析711が動作し、空間周波数算出部186で第1番目の画素データの空間周波数が算出される。
時間t4において、読み出し710、露光量検出801、周波数解析711が動作するとともに、新たに帯域分配712と超解像処理714が同時に動作を開始する。帯域分配712は、色チャネル帯域分配算出部187の動作で、時間t4では第1番目の画素に対して各色チャネルへの帯域分配が成される。超解像処理714は、超解像部240の動作で、時間t4では第1番目の画素に対して超解像処理が成される。
時間t5において、読み出し710、露光量検出801、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714が動作するとともに、新たにビニング処理713と画像出力715が同時に動作を開始する。画像出力715は、出力部114の動作であり、第1番目の画素が出力される。ビニング処理713は、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107の動作で、色チャネル帯域分配算出部187が出力した色チャネル帯域分配信号230に従って設定された条件で、第1番目の画素に対してビニング処理が成される。これ以降、ビニング処理が有効となるため、実質的には、時間t6以降からビニング処理が動作する形になる。時間t6で読み出し710を受けた画素データ802は、時間tが進むごとに、周波数解析711、帯域分配712、超解像処理714、画像出力715を経て、時間t10で画像データ生成装置800から出力される。
以上より、図21の動作タイミングにおける時間軸をパイプライン処理の動作クロックとするならば、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107から画素データが読み出され、これらの空間周波数分布からビニング処理へ反映されるまでに5クロック分のタイムラグは存在することになる。また、画像データ生成装置800が起動してから最初の画素データが出力されるまでに4クロック分のタイムラグがあり、引き続く5クロック分は各色チャネルで同一の処理が成され、6クロック目以降に、色チャネル個別の処理が成されることになる。従って、色チャネル個別のビニング処理と超解像処理は、10クロック目で初めて有効となり、以降はクロック単位ですべての処理が実行される。
(実施形態5)
図22は、本発明の実施形態5に係る画像データ生成装置300の構成を示すブロック図である。なお、図20に示す画像データ生成装置800と図8に示す画像データ生成装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。画像データ生成装置300は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188、メモリ部110、撮影情報読み出し部111、超解像部240、出力部114、系統識別信号発生部185、R用露出計250、G用露出計251、B用露出計252を備えている。
色チャネル帯域分配情報書き込み部188は、色チャネル帯域分配算出部187で時々刻々と変化するビニング処理の詳細をメモリ部110に逐次記録する。撮影情報読み出し部111は、撮影画像とともに色チャネル帯域分配情報を読み出し、超解像部240に入力し、G画像生成用データベース部140の画像特徴量が逐次更新される。
本実施形態では、ビニング処理が低解像度処理そのものであり、低解像度化処理の逆問題である超解像処理をより良い状態で解けることを意味する。一般的には、低解像度化モデルが不明の場合が多く、経験的に汎用性の高いモデルを仮に設定する。例えば、ガウス分布による平滑化などが用いられる。また、ビニング処理と同一である複数画素の平均化も、経験的に選択される場合もあるが、本実施形態の特徴は、時々刻々と変化する露光量に応じて色チャネル帯域分配算出部187がビニング処理の内容を更新し、時々刻々と変化する低解像度化モデルに追従して、高解像度化処理を柔軟に変更できるところにある。
また、露光計は、色チャネルごとに設けられているため、ビニング設定は、各色チャネルで個別の内容となる。すなわち、低解像度化モデルが色チャネルごとに異なり、経験的な対応がより困難であることが容易に理解できる。
以上のような画像データ生成装置300を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。特に、ビニング処理を露光不足に起因するノイズの除去に利用でき、かつ、ビニングによって空いた帯域分を高空間解像度画像のデータ転送読み出しに振り分けられる。
(実施形態6)
本実施形態では、低空間解像度・高時間解像度画像の空間解像度を高解像度化できる画像データ生成装置について説明する。
図23は、本発明の実施形態6に係る画像データ生成装置400の構成を示すブロック図である。なお、図8に示す画像データ生成装置100と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
画像データ生成装置300は、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188、メモリ部110、撮影情報読み出し部111、超解像部240、出力部114、系統識別信号発生部185、RB高域調整部402を備えている。
RB高域調整部402は、R画像とB画像の相関に応じて、Gの高域成分を補間拡大したRとBに重畳することにより、R画像とB画像を高解像度化する。図24は、RB高域調整部402の構成例を示している。図24のRB高域調整部402は、低解像度化部403、局所相関演算部404、重み生成部405、カウンタ406、画像メモリ407、重み正規化部408を備えている。
RB高域調整部402における処理は、フレーム単位で行われる。まず、各フレーム処理の初めに、カウンタ406の内容と画像メモリ407の内容を0クリアする。
低解像度化部403は、時間解像度アップコンバータ部113によって高解像度化されたG成分、GHLHを空間的に低解像化しGH,LH,Lを出力する。上述したように、本発明における画像データ生成装置は、ビニング設定という低解像度化モデルを、装置自身で有しているため、正確な低解像度化処理が保証される特徴を持っている。ビニング処理が時々刻々と変化する場合は、低解像度化手段403を逐次更新することで、RB高域調整部402はダイナミックに動作可能となる。
RLH,HとBLH,Hは、空間解像度アップコンバータ部112で補間拡大されたR画像とB画像であり、時間解像度アップコンバータ部113で生成されたGHLHと同じ画素数、ライン数を有する。
局所相関演算手段404は、例えば、図25に示す2×2画素程度の局所的な領域内でR
LH,HとB
LH,Hの相関値を、(式6)によって計算する。
なお、局所的なRとBの相関は、必ずしも2×2画素の領域について求める必要はなく、3×3画素、4×4画素、5×5画素等のより広い範囲の矩形領域について求めてもよく、また、円形や4角形以上の多角形等の領域について求めたり、ガウス関数等により着目画素位置近傍を重視するような重みをつけて計算してもよい。
重み生成部405は、局所相関演算部404が計算した相関値に応じた重みを生成する。相関値と重みの関係は、例えば、図26を用い、正の相関が高いほど、重みWを大きくして、GHHとGLHの差(すなわちGの高域成分)の重畳を強める。負の相関がある場合は、GHHとGLHの差(すなわちGの高域成分)の重畳を行わず、重みWは0とする。重みWを乗算したGHHとGLHの差(すなわちGの高域成分)は、画像メモリ407の画素位置に応じたアドレスに加算してゆく。この時、画像メモリ407に書き込みを行う範囲は、1画素でもよく、また、局所的な相関値を計算した範囲でもよい。ただし、後者のように複数画素について高域成分を重畳する場合、局所相関を計算する領域の設定の仕方(すなわち画像内でのインクリメントの仕方)によっては、同一画素に複数回、高域波形を重畳することになる。ここでは、そのような場合を考え、高域波形を重畳した回数を、カウンタ406において、各画素について記憶する。
正規化部408では、複数回重畳した高域波形をカウンタ406に1画素ごとに記憶されている書き込み回数値で除算する。正規化された高域信号は、RLH,HとBLH,Hに重畳され、ROUT、BOUTとして出力される。
以上のような撮影記録再生装置400を用いれば、現行の3板式カメラの構成をそのまま利用して、高空間解像度・高時間解像度の画質の高い画像が撮影、記録、再生できる。特に、R,Bを高解像度化することにより、局所的な色バランスを保った状態でRとBを高解像度化することができ、その結果、偽色の発生を抑えた高解像度化を行うことができる。
(実施形態7)
図27Aは、本発明による撮像装置の実施形態を示すブロック図であり、図27Bは、本発明による画像処理装置の実施形態を示すブロック図である。
図27Aに示す撮像装置500は、図8に示す画像データ生成装置100と同様に、撮影部103、色分解部104、R撮像センサ部105、G撮像センサ部106、B撮像センサ部107、撮影画像記録部108、撮影画像書き込み部109、空間周波数算出部186、色チャネル帯域分配算出部187、色チャネル帯域分配情報書き込み部188を備えている。
しかし、撮像装置500は、超解像部240などは備えておらず、また、撮影画像記録部108も、メモリ部110Aと、このメモリ部110Aから読み出したデータを外部に出力するための撮影情報読み出し出力部2300とを備えている点で、実施形態2における画像テータ生成装置100(図8)と異なっている。
撮影画像のデータがメモリ部110Aに記録されるまでの働きは、実施形態1と同様であるため、ここでは説明を繰り返さないこととする。
本実施形態では、撮影情報読み出し出力部2300が、不図示の通信ラインまたは電話回線などを介して、メモリ部110Aに記録されたデータを図27Bに示すような画像処理装置に送出することができる。このとき、ビニングによって消失した空間周波数成分を復元するために必要な情報として、ビニング処理の設定に関する情報(例えば色チャネルごとのデータ転送レートを示す情報など)を画像処理装置に送信する必要がある。
図27Bの画像処理装置600は、実施形態2の画像データ生成装置100(図8)から撮像部103および撮影画像書き込み部109などを取り除いた構成を備えている。この画像処理装置600は、図27Aに示される撮像装置500から送られてきたデータを受け取る入力部2310を備えており、この入力部2310はメモリ部110Bに上記データを記録することができる。メモリ部110Bに記録されたデータは、撮影情報読み出し部111Bによって読み出される。撮影情報読み出し部111Bによって読み出されるデータの処理は、実施形態2の画像データ生成装置100について説明した動作と同様である。
図27Aに示す撮像装置500と図27Bに示す画像処理装置600との間では、有線または無線を介してデータの転送が行われるが、このようなデータの転送は、リムーバルメモリを介して行ってよい。例えば、図27Aに示すメモリ部110Aの一部または全部がリムーバブルメモリ(例えばメモリカード)によって実現される場合、そのリムーバブルメモリを、図27Bのメモリ部110Bまたはその一部として画像処理装置600に装着すれば、撮影情報を撮像装置500から画像処理装置600に転送することが可能である。なお、リムーバブルメモリには、ビニングによって消失した空間周波数成分を復元するために必要な情報として、ビニング処理の設定に関する情報も記録される。
このように本実施形態では、撮像処理を行う部分(カメラ)と超解像処理を行う部分とが一体化されておらず、別々の装置として必要な処理動作を実行することができる。このため、撮像装置を小型軽量化することが可能である。また、画像処理装置600は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータに所望のアルゴリズムを実行するプログラムをインストールすることによっても実現され得る。更に、本実施形態の画像処理装置600は、HDD(ハードディスクドライブ)や光ディスクに画像を記録することのできるレコーダや、薄型テレビなどの画像表示装置に好適に内蔵され得る。
なお、上述した本発明の各実施形態における「空間周波数」は、周波数を算出するドメインを空間から時間に変えることで、「時間周波数」に置き換えることができる。空間周波数を算出するには、複数の画素データをメモリに蓄え、空間的に隣接する、あるいは近傍にある画素との輝度差を取り扱う。一方、時間周波数を算出するには、複数フレームの画素データをメモリに蓄え、時間的に隣接する、あるいは近傍にある画素との輝度差を取り扱う。
なお、上述した本発明の各実施形態各構成要素は、ハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアにより実現されてもよい。例えば、上述した画像データ生成処理の少なくとも一部が、コンピュータにより実行可能なプログラムまたはコンピュータによって実現されてもよい。
以上のように本発明は、ビデオムービーカメラ、テレビ、動画撮影機能が付いたデジタルスチルカメラなどビデオ機器全般において有用である。また、広く普及しているパーソナルコンピュータおいても有用である。
100、200、300、400 画像データ生成装置
101 入射光
102 高空間解像度・高時間解像度のRGB画像(ROUT GOUT BOUT)
103 撮影部
104 色分解部
105 R撮像センサ部
106 G撮像センサ部
107 B撮像センサ部
108 撮影画像記録部
109 撮影画像書き込み部
110 メモリ部
111 撮影画像読み出し部
112 空間解像度アップコンバータ部
113 時間解像度アップコンバータ部
114 出力部
185 系統識別信号発生部
186 空間周波数算出部
187 色チャネル帯域分配算出部
188 色チャネル帯域分配情報書き込み部
500 撮像装置
600 画像処理装置