本発明は、Zadoff−Chu系列(以下、「ZC系列」という)などのCAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列又はCAZAC系列に準ずる系列を選択、送信する系列送信方法に関する。
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)において、上り回線で用いられる参照信号(RS:Reference Signal)としてZC系列が採択されている。ZC系列がRSとして採択された理由は、周波数特性が均一であること、また、自己相関特性及び相互相関特性が良好であることなどである。ZC系列は、CAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列の一種であり、以下の式(1)あるいは式(2)で表される。
式(1)及び式(2)において、Nは系列長であり、uはZC系列番号であり、Nとuとは互いに素の関係にある。また、qは任意の整数である。
一般に、系列長Nが素数であるZC系列から、相互相関特性が良好なN−1個の準直交系列を生成することができる。この場合、生成されるN−1個の準直交系列間の相互相関は√Nで一定となる。
上り回線で用いられるRSの中で、データの復調に用いられるチャネル推定用参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)は、データ送信帯域幅と同じ帯域で送信される。すなわち、データ送信帯域幅が狭帯域であれば、DM−RSも狭帯域で送信され、データ送信帯域幅が広帯域であれば、DM−RSも広帯域で送信されることになる。例えば、データ送信帯域幅が1RB(Resource Block)であれば、DM−RS送信帯域幅も1RBとなり、データ送信帯域幅が2RBであればDM−RS送信帯域幅も2RBとなる。
なお、3GPP LTEにおいて、1RBは12サブキャリアから構成されるため、送信帯域幅を構成するサブキャリア数は12の整数倍となる。また、3GPP LTEでは、ZC系列は3RB以上の送信帯域幅で用いることが決まっている。このことから、3RBで送信されるDM−RSとしては系列長Nが31のZC系列を用い、4RBで送信されるDM−RSとしては系列長Nが47のZC系列を用いる。ここで、系列長Nが31のZC系列と、系列長Nが47のZC系列はそれぞれ巡回拡張(系列の前方データをコピーして後方に付加)し、36サブキャリア、48サブキャリアのDM−RSを生成する。
ZC系列の割当方法としては、各RBにおいては、隣接するセルに異なる系列番号のZC系列をDM−RSとして割り当て、異なるセルに用いられるDM−RS間の干渉、すなわち、DM−RSのセル間干渉の低減を図る。データ送信帯域幅は、各セルのスケジューリングによって決まるため、セル間では送信帯域幅が異なるDM−RSが多重される。送信帯域幅が異なる、すなわち、系列長が異なるZC系列が多重される場合、ある特定のZC系列番号の組合せにおいて相互相関が大きくなる。
図1は、異なる系列番号の組合せにおけるZC系列間の相互相関特性を示す図である。具体的には、系列長N=31で系列番号u=1のZC系列と、系列長N=59で系列番号u=1〜6の各ZC系列との相互相関特性を示す。図1において、横軸はシンボル数を用いて遅延時間を示し、縦軸は正規化相互相関値(相互相関値を信号エネルギーで除算した値)を示す。図1に示すように、N=31、u=1のZC系列と、N=59、u=2のZC系列との組合せにおいて相互相関の最大値が極めて増大し、同一送信帯域幅での相互相関値1/√N、すなわち1/√31の約5倍となる。
図2は、相互相関が大きくなる特定のZC系列の組合せが、隣接するセルに割り当てられた場合のDM−RSのセル間干渉を示す図である。具体的には、N=31、u=aのZC系列及びN=59、u=bのZC系列がセル#Aに割り当てられ、N=59、u=cのZC系列及びN=31、u=dのZC系列がセル#Bに割り当てられた場合を示している。このような場合、セル#Aに割り当てられたN=31、u=aのZC系列と、セル#Bに割り当てられたN=59、u=cのZC系列との組合せ、あるいは、セル#Aに割り当てられたN=59、u=bのZC系列と、セル#Bに割り当てられたN=31、u=dのZC系列との組合せにより、DM−RSのセル間干渉が大きくなり、チャネル推定精度が劣化し、データ復調性能が著しく劣化してしまう。
そこで、セルラ無線通信システムにおいては、非特許文献1に開示されたZC系列の割当方法が用いられる。非特許文献1では、セル間干渉を低減するため、ZC系列の相互相関が大きく、系列長が異なるZC系列の組合せを同一セルに割り当てることが提案されている。
図3は、非特許文献1及び非特許文献2に開示されたZC系列の割当方法を説明するための図である。図3は、図2に示した例を流用して示す。図3に示すように、相互相関が大きいZC系列の一方の組合せ、すなわち、N=31、u=aのZC系列と、N=59、u=cのZC系列との組合せを同一セル(ここではセル#A)に割り当てる。また、相互相関が大きくなるZC系列の他方の組合せ、すなわち、N=31、u=dのZC系列と、N=59、u=bのZC系列との組合せを同一セル(ここではセル#B)に割り当てる。同一セル内では、1つの基地局によって送信帯域がスケジューリングされるため、同一セルに割り当てた相互相関が大きいZC系列同士が多重されることはない。よって、セル間干渉が低減される。
また、非特許文献2では、各RBで用いるZC系列番号の組(以下、「系列グループ」という)の求め方が提案されている。ZC系列は、u/Nの差が小さい系列ほど、相互相関が高くなるという特徴がある。そこで、あるRB(例えば3RB)の系列を基準に、u/Nの差が所定の閾値以下となるZC系列を各RBのZC系列から求め、求められた複数のZC系列を1つの系列グループとしてセルに割り当てる。
非特許文献2に開示されている系列グループの生成方法よれば、まず、基準とする系列長Nbと系列番号ubとを設定する。以下、基準系列長Nb、基準系列番号ubを有するZC系列を基準系列と称する。例えば、Nb=31(3RBに対応する系列長)、ub=1(1〜Nb−1から任意に選択される)とすると、ub/Nb=1/31となる。続いて、基準のub/Nbとの差が所定の閾値以下となるu/NのZC系列を各RBのZC系列から求めて系列グループを生成する。また、基準とする系列番号を変えて、同様の手順で他の系列グループを生成する。このように、基準となる系列番号の数分、すなわち、Nb−1組の異なる系列グループを生成することができる。
ここで、ub/Nbとの差が所定の閾値以下となるZC系列が隣接する系列グループ間で重複する場合、同じZC系列が複数の系列グループに含まれてしまい、セル間で系列番号が衝突してしまう。そこで、隣接する系列グループにおけるZC系列が重複することを防止するために、上記の所定の閾値は、例えば、1/(2Nb)より小さい値に設定する。
図4は、非特許文献2に開示されている系列グループ生成方法により生成された系列グループを示す図である。ここで、系列長Nは、送信帯域幅で送信可能なサイズより小さく、かつ、このサイズに最も近い素数に設定しており、RB数から一意に求まる。図4は、基準系列長Nb=31とし、基準系列番号ub=1〜30とする場合において、下記の式(3)を満たすZC系列からなる系列グループを示している。式(3)において、閾値Xthは、同じ系列が複数の系列グループに含まれないように、例えば、Xth=1/(2Nb)=1/62とする。
|ub/Nb−u/N|≦Xth …(3)
また、非特許文献3には、図5に示すような、ZC系列のu/Nの差とそれらのZC系列の相互相関値との関係が開示されている。図5より、u/Nの差が0に近いときにそれらの系列の相互相関が最も大きくなり、u/Nの差が0.5に近いときに相互相関が2番目に大きくなることが分かる。
Huawei, R1-070367, "Sequence Allocation Method for E-UTRA Uplink Reference Signal", 3GPP TSG RAN WG1Meeting #47bis, Sorrento, Italy 15-19 January, 2007
LG Electronics, R1-071542, "Binding method for UL RS sequence with different lengths", 3GPP TSG RAN WG1Meeting #48bis, St. Julians Malta, March 26-30, 2007
Panasonic, R1-074397, "Further consideration on uplink RS hopping and grouping", 3GPP TSG RAN WG1 Meeting #50bis, Shanghai, China, October 8-12, 2007
このような非特許文献1〜3に記載された技術をさらに進歩させると、相互相関が大きくなるu/Nの差が0と0.5に近い系列を選択して系列グループを生成する生成方法が考えられる。図6は、非特許文献1〜3に記載された技術をさらに進歩させた系列グループ生成方法により生成された系列グループの例を示す図である。系列グループ番号=1(グループ#1)を例にとると、基準系列長をNb=31とし、基準系列番号をub=1とする。そして、ub/Nbとの差が0に近い系列、すなわち、RB#4(N=47)ではu=2、RB#20(N=239)ではu=5〜11を1つのグループ(グループ#1)に含める。さらに、ub/Nbとの差が0.5に近い系列、すなわち、RB#3(N=31)ではu=16、RB#4(N=47)ではu=25、RB#20(N=239)ではu=125〜131を1つのグループ(グループ#1)に含める。これにより、u/Nの差が0と0.5に近い系列組の隣接セルへの割り当てを防止し、大きな相互相関の発生を防止することができる。
しかしながら、図4と図6とを比較すると分かるように、このような系列グループ生成方法では、1つの系列を複数の系列グループに重複させることはできないため、全帯域幅でu/Nの差が0と0.5に近い系列を同じ系列グループに含めることで生成できる系列グループ数が半減してしまう。u/Nの差が0と0.5に最も近くなる系列を選択しても、小さいRBでは、ZC系列数が少ないので生成できるグループ数が減少してしまう。グループ数が減少すると、同一の系列グループを使うセル間の距離が小さくなり、他セル干渉が増加することになる。
本発明の目的は、系列グループ数を維持しながら、異なる系列グループ間の相互相関を低減する系列送信方法を提供することである。
本発明の系列送信方法は、基準となるZadoff−Chu系列の(系列番号)/(系列長)との差が0に近い(系列番号)/(系列長)となるZadoff−Chu系列と、基準となるZadoff−Chu系列の(系列番号)/(系列長)との差が0.5に近い(系列番号)/(系列長)となるZadoff−Chu系列との双方を含むグループからZadoff−Chu系列を選択する系列選択ステップと、選択されたZadoff−Chu系列を送信する系列送信ステップと、を含むようにした。
本発明によれば、系列グループ数を維持しながら、異なる系列グループ間の相互相関を低減することができる。
異なる系列番号の組合せにおけるZC系列間の相互相関特性を示す図
特定のZC系列の組合せが隣接セル間に割り当てられた場合のセル間干渉を示す図
非特許文献1及び非特許文献2に開示されたZC系列の割当方法を説明するための図
非特許文献2に開示されている系列グループ生成方法により生成された系列グループを示す図
ZC系列のu/Nの差と相互相関値との関係を示す図
非特許文献1〜3をさらに進歩させた系列グループ生成方法により生成された系列グループの例を示す図
本発明の実施の形態1に係る系列割当方法の手順を示すフロー図
図7に示したST105の詳細な手順を示すフロー図
図7に示したST106の詳細な手順を示すフロー図
本発明の実施の形態1に係る系列グループを示す図
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
図11に示したZC系列設定部の内部の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
異なる系列グループ間の相互相関が大きくなる様子を示す模式図
本発明の実施の形態2に係る系列グループを示す図
異なる系列グループ間の相互相関が大きくなる系列が減少する様子を示す図
u/Nの差が0.5に近い系列間の相互相関特性を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図7は、本発明の実施の形態1に係る系列割当方法の手順を示すフロー図である。図7において、ステップ(以下、「ST」と省略する)101では、基準となる系列長Nbと基準となる系列番号ubを選択する。基準系列番号ubは、1〜Nb−1まであり、系列グループ番号に相当する。
ST102では、RB数mを1に初期化し、ST103では、RB数mに対応するZC系列長Nを設定する。RB数mと系列長Nとは一意に対応するものとし、例えば、Nは、RB数mで送信可能なサブキャリア数より小さく、かつ、このサブキャリア数に最も近い素数とする。
ST104では、RB数mが第1の帯域幅に属するか否かを判定する。ここでは、予め第1の帯域幅と第2の帯域幅とを分ける閾値を設定しておき、この閾値よりもRB数mが小さければ第1の帯域幅に属すると判定する。また、この閾値よりもRB数が大きければ第2の帯域幅に属すると判定する。つまり、式(4)の関係となる。
第1の帯域幅<第2の帯域幅 …(4)
ST104において、第1の帯域幅に属する(YES)と判定した場合には、ST105に移行し、第2の帯域幅に属する(NO)と判定した場合には、ST106に移行する。
ST105では、ub/Nbとの差が0に最も近い系列を選択し、系列グループに含める。なお、ST105の詳細な手順については後述する。
ST106では、ub/Nbとの差が0と0.5に近い系列を複数選択し、系列グループに含める。なお、ST106の詳細な手順については後述する。
ST107では、m<Mであるか否かを判定する。ここで、Mは系列グループubにおけるRB数の最大値であり、送信帯域幅の最大値と対応する。m<M(YES)と判定した場合には、ST108に移行し、m<Mではない(NO)と判定した場合には、系列グループ番号ubの系列グループ生成を終了する。
ST108では、m=m+1のようにRB数mを1インクリメントし、ST103に戻る。
次に、上述したST105の詳細な手順について、図8を用いて説明する。図8において、ST105−1では、RB数mに対応する閾値Xth(m)を設定する。なお、閾値Xth(m)の設定方法については後述する。
ST105−2では、系列番号uを1に初期化し、ST105−3では、u、Nが次の式(5)を満たすか否かを判定する。
|u/N−ub/Nb|≦Xth(m) …(5)
閾値Xth(m)は、式(5)において、ub/Nbとの差が0に最も近い系列を1つだけ選択できる値を設定する。例えば、式(6)のように設定する。ただし、min(A,B)は、AとBの小さい方の値を意味する。
Xth(m)=min(1/(2Nb),1/(2N)) …(6)
ここで、式(5)から下記の式(7)が得られる。すなわち、式(5)及び式(7)は等価であるため、ST105−3においては、u、Nが式(7)を満たすか否かを判定してもよい。
(ub/Nb−Xth(m))×N≦u≦(ub/Nb+Xth(m))×N …(7)
ST105−3において、u、Nが式(5)を満たす(YES)と判定した場合には、ST105−4に移行し、u、Nが式(5)を満たさない(NO)と判定した場合には、ST105−5に移行する。
ST105−4では、uを系列番号とするZC系列をRB数mで用いるZC系列として系列グループubに含め、ST105−5では、u<N−1であるか否かを判定する。ST105−5において、u<N−1である(YES)と判定した場合には、ST105−6に移行し、u<N−1ではない(NO)と判定した場合には、ST105の処理を終了し、ST107に移行する。
ST105−6では、u=u+1のように系列番号uを1インクリメントし、ST105−3に戻る。
次に、上述したST106の詳細な手順について、図9を用いて説明する。図9において、ST106−1では、RB数mに対応する閾値Xth(m)を設定する。なお、閾値Xth(m)の設定方法については後述する。
ST106−2では、系列番号uを1に初期化し、ST106−3では、u、Nが式(5)を満たすか否かを判定する。
閾値Xth(m)は、式(5)において、ub/Nbとの差が0に近い系列を1つ以上選択できる値を設定する。例えば、式(8)のように設定する。
Xth(m)=1/(4Nb) …(8)
ST106−3において、u、Nが式(5)を満たす(YES)と判定した場合には、ST106−4に移行し、u、Nが式(5)を満たさない(NO)と判定した場合には、ST106−5に移行する。
ST106−4では、uを系列番号とするZC系列をRB数mで用いるZC系列として系列グループubに含め、ST106−5では、u、Nが式(9)を満たすか否かを判定する。
||u/N−ub/Nb|−0.5|≦Xth(m) …(9)
閾値Xth(m)は、式(9)において、ub/Nbとの差が0.5に近い系列を1つ以上選択できる値を設定する。例えば、式(8)のように設定する。
ST106−5において、u、Nが式(9)を満たす(YES)と判定した場合には、ST106−6に移行し、u、Nが式(9)を満たさない(NO)と判定した場合には、ST106−7に移行する。
ST106−6では、uを系列番号とするZC系列をRB数mで用いるZC系列として系列グループubに含め、ST106−7では、u<N−1であるか否かを判定する。ST106−7において、u<N−1である(YES)と判定した場合には、ST106−8に移行し、u<N−1ではない(NO)と判定した場合には、ST106の処理を終了し、ST107に移行する。
ST106−8では、u=u+1のように系列番号uを1インクリメントし、ST106−3に戻る。
このようにして求めた系列グループを図10に示す。具体的には、図10に示している系列グループは下記の条件及び手順により得られるものである。例えば、系列グループ番号=1(グループ#1)を生成するために、ST101において、Nb=31、ub=1を設定する。ここで、Nb=31は、RB数m=3に対応する系列長であり、系列番号ub=1は、系列グループ番号に相当する。系列数が少ない3RB〜5RBまでを第1の帯域幅とし、6RB以上のRBは第2の帯域幅として設定する。そして、ST105において、上記の式(5)を用いて、ub/Nbとの差が0に最も近い系列を選択し、ST106において、ub/Nbとの差が0と0.5に近い系列を選択する。
系列グループ番号=2(グループ#2)を生成する条件及び手順は、ST101において、基準となる系列番号ubを2に設定する点がグループ#1の場合と異なる。系列グループ番号=3〜30(グループ#3〜#30)も同様に、ST101で設定する系列番号ubの値がそれぞれ異なる。
図10に示したグループ#1を例にとると、基準系列長をNb=31とし、基準系列番号をub=1とする。第1の帯域幅(3RB〜5RB)では、ub/Nbとの差が0に最も近い1つの系列のみ、すなわち、RB#4(N=47)ではu=2、RB#5(N=59)ではu=2を1つのグループに含める。第2の帯域幅(6RB〜20RB)では、ub/Nbとの差が0と0.5に近い複数の系列、すなわち、RB#6(N=71)ではu=2,38を、RB#8(N=89)ではu=3,47,48を1つのグループに含める。
ここで、第1の帯域幅と第2の帯域幅は、系列グループ数(=基準とするRBで生成できる系列数)を減らさないようにその境界を決める。具体的には、各RBで生成できる系列数を系列グループ数で除算した商が1となるRBは第1の帯域幅とし、商が2以上となるRBは第2の帯域幅と設定する。図10に示す系列グループの場合、系列グループ数が30、RB#5で生成できる系列数は58なので、系列グループ数で除算した商は1となる。また、RB#6で生成できる系列数は70で、系列グループ数で除算した商が2となるので、RB#5とRB#6の間を境界とし、RB#5以下のRBが第1の帯域幅、RB#6以上のRBを第2の帯域幅として設定する。
このように、RB数が小さい第1の帯域幅では、1つの系列のみ選択することにより、系列グループ数を維持することができる。また、第1の帯域幅では、u/Nの差が0に最も近い系列を、第2の帯域幅ではu/Nの差が0と0.5に近い系列を1つのグループに含め、各グループを1つのセルに割り当てるため、隣接セル間で大きい相互相関の発生を低減することができる。
次に、上述した系列割当方法に従って生成された系列グループが割り当てられたセルに存在する無線基地局装置(以下、単に「基地局」という)について説明する。図11は、本発明の実施の形態1に係る基地局200の構成を示すブロック図である。
符号化部201は、基地局200と同一セル内に存在する無線通信端末装置(以下、単に「端末」という)300への送信データ及び制御信号を符号化し、符号化データを変調部202に出力する。ここで、制御信号は、系列グループ番号に相当する基準系列番号ubを含み、例えば、報知チャネルを介して端末300に送信される。また、制御信号は、例えば、端末300に割り当てる送信用RB数、または系列長Nなど送信帯域幅を示すスケジューリング情報を含み、このスケジューリング情報を含む制御信号は、例えば、制御チャネルを介して端末300に送信される。
変調部202は、符号化部201から出力された符号化データを変調し、変調信号を送信RF(Radio Frequency)部203に出力する。
送信RF部203は、変調部202から出力された変調信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ204を介して送信する。このように、基地局200は、基準系列番号ub及びRB数mを端末300へシグナリングする。
受信RF部205は、アンテナ204を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を分離部206に出力する。
分離部206は、受信RF部205から出力された信号を参照信号、データ信号及び制御信号にそれぞれ分離し、参照信号をDFT(Discrete Fourier Transform)部207に出力し、データ信号及び制御信号をDFT部215に出力する。
DFT部207は、分離部206から出力された参照信号にDFT処理を施して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換した参照信号を伝搬路推定部208のデマッピング部209に出力する。
伝搬路推定部208は、デマッピング部209、ZC系列設定部210、除算部211、IFFT部212、マスク処理部213、DFT部214を備え、DFT部207から出力された参照信号に基づいて伝搬路推定を行う。
デマッピング部209は、DFT部207から出力された周波数領域の参照信号から各端末300の送信帯域に対応するZC系列を抽出し、抽出した各ZC系列を除算部211に出力する。
ZC系列設定部210は、入力された制御信号に含まれている基準系列番号ub、及び、各端末300に割り当てるRB数mに基づいて、各端末300において用いられるZC系列を算出する。算出されたZC系列は除算部211に出力される。なお、ZC系列設定部210の詳細については後述する。
除算部211は、ZC系列設定部210から出力された各端末300に対応するZC系列を、デマッピング部209から出力された各端末300において実際に用いられたZC系列で除算し、除算結果をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部212に出力する。
IFFT部212は、除算部211から出力された除算結果にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号をマスク処理部213に出力する。
マスク処理部213は、IFFT部212から出力された信号にマスク処理を施すことにより、所望の巡回シフト系列の相関値が存在する区間、すなわち、検出ウィンドウ部分の相関値を抽出し、抽出した相関値をDFT部214に出力する。
DFT部214は、マスク処理部213から出力された相関値にDFT処理を施し、DFT処理を施した相関値を周波数領域等化部217に出力する。ここで、DFT部214から出力される信号は伝搬路の周波数応答を表す。
DFT部215は、分離部206から出力された時間領域のデータ信号及び制御信号にDFT処理を施し、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換したデータ信号及び制御信号をデマッピング部216に出力する。
デマッピング部216は、DFT部215から出力された信号から各端末300の送信帯域に対応するデータ信号及び制御信号を抽出し、抽出した各信号を周波数領域等化部217に出力する。
周波数領域等化部217は、伝搬路推定部208のDFT部214から出力された伝搬路の周波数応答を表す信号を用いて、デマッピング部216から出力されたデータ信号及び制御信号に等化処理を施し、等化処理を施した信号をIFFT部218に出力する。
IFFT部218は、周波数領域等化部217から出力されたデータ信号及び制御信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号を復調部219に出力する。
復調部219は、IFFT部218から出力された信号に復調処理を施し、復号部220は、復調部219から出力された信号に復号処理を施し、受信データを抽出する。
図12は、図11に示したZC系列設定部210の内部の構成を示すブロック図である。図12において、閾値算出部221は、入力された制御信号に含まれているRB数mが第1の帯域幅ならば式(6)を用い、RB数mが第2の帯域幅ならば式(8)を用いて、閾値Xth(m)を算出し、系列番号算出部222に出力する。
系列番号算出部222は、入力された制御信号に含まれているRB数mに基づいて、参照信号として使用可能なZC系列の系列長Nを求め、ZC系列生成部224に出力する。また、系列番号算出部222は、算出した系列長Nと、入力された制御情報に含まれている基準系列番号ubと、予め定義されている基準系列長Nbと、閾値算出部221から出力された閾値Xth(m)とに基づいて、参照信号として使用可能なZC系列の系列番号uを算出し、パラメータ決定部223に出力する。このとき、第1の帯域幅ならば式(5)に、第2の帯域幅ならば式(5)と式(9)に従って、系列番号uを算出する。
パラメータ決定部223は、系列番号算出部222から出力された使用可能な系列番号uの中から1つを選択して、ZC系列生成部224に出力する。例えば、パラメータ決定部223は、フレーム番号又はスロット番号を使用可能なuの数で割った余り、すなわち、フレーム番号又はスロット番号を使用可能なuの数でモジュロ演算した結果に対応するuを選択する。具体的には、系列番号算出部222からu=a、b、c、dという使用可能なuが4つ出力された場合、パラメータ決定部223は、フレーム番号又はスロット番号を4でモジュロ演算した結果が0であればu=aを、1であればu=bを、2であればu=cを、3であればu=dを選択する。これにより、系列ホッピングを実現することができる。
ZC系列生成部224は、パラメータ決定部223から出力された系列番号uと、系列番号算出部222から出力された系列長Nとを用いて、式(1)又は式(2)に従いZC系列を生成し、除算部211に出力する。
次に、基地局200からシグナリングされた基準系列番号ub及びRB数mを用いて、参照信号として用いるZC系列を生成する端末300について説明する。図13は、本発明の実施の形態1に係る端末300の構成を示すブロック図である。なお、図13では、端末300の受信系統を省略し、送信系統のみを示す。
図13において、ZC系列設定部210は、基地局200が備えるZC系列設定部210と同様であって、基地局200から送信された制御情報に含まれている基準系列番号ub、RB数m及び予め定義された基準系列長Nbに基づいてZC系列を算出し、マッピング部301に出力する。
マッピング部301は、ZC系列設定部210から出力されたZC系列を端末300の送信帯域にマッピングし、マッピングしたZC系列をIFFT部302に出力する。
IFFT部302は、マッピング部301から出力されたZC系列にIFFT処理を施し、IFFT処理を施したZC系列を送信RF部303に出力する。
送信RF部303は、IFFT部302から出力されたZC系列にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ304を介して送信する。
このように実施の形態1によれば、第1の帯域幅では、1つの系列のみ選択することにより、系列グループ数を維持することができ、また、第1の帯域幅では、u/Nの差が0に最も近い系列を、第2の帯域幅では、u/Nの差が0と0.5の系列を1つの系列グループに含め、セル毎に異なる系列グループを割り当てることにより、隣接セル間で大きい相互相関の発生を低減することができる。
なお、本実施の形態では、系列番号算出部222は、基準系列番号ub、基準系列長Nb及びRB数mを用いて使用可能な系列番号uを算出する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、基地局200及び端末300が図10に示した系列グループをテーブルとして保持する場合、系列番号算出部222は、テーブルから使用可能な系列番号uを求めてもよい。このテーブルを用いた系列番号uの決定方法を以下に説明する。例えば、基準系列長Nbが固定である前提において、系列長N、基準系列番号ubの2つのパラメータに対し、それぞれテーブルが用意され、選択できるuが記述されている。この例において、端末300は、基地局200からシグナリングされた系列長N、基準系列番号ubを受信し、これに対応するテーブルを参照し、記述されているuの取り得る値から一つを選択することにより、参照信号として使用すべきZC系列を決定する。
また、本実施の形態では、パラメータ決定部223は、フレーム番号又はスロット番号に基づいて、使用可能な系列番号uの中から1つを選択する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、パラメータ決定部223は、使用可能な系列番号uの中から予め決められたルール、例えば、最小又は最大の系列番号を1つ選択するようにしてもよい。
また、第1の帯域幅と第2の帯域幅を分けずに、全ての帯域幅においてu/Nの差が0と0.5の系列を1つの系列グループに含め、セル毎に異なる系列グループを割り当てることにより、隣接セル間で大きい相互相関の発生の低減を図ることも可能である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、第2の帯域幅において、式(8)の閾値を用いて基準系列のub/Nbとu/Nとの差が0と0.5に近い系列を選択したが、このように、閾値を全帯域幅で固定とすると、異なる系列グループ間の相互相関が大きくなり、他セル干渉が大きくなるという問題が生じる。具体的には、図14に示すように、u/Nを横軸にとり、この横軸に対して6RB以降の各系列を並べた場合、異なる系列グループ間の境界付近にu/Nの差が0に近い系列が位置し、このような系列が隣接する系列グループに入ってしまう。特に、大きい帯域幅(RB)では、u/Nの間隔が小さくなり、多くの系列が存在するので、影響が大きい。
そこで、本発明の実施の形態2では、第2の帯域幅において、帯域幅(RB)が大きくなるほど、所定の基準に対するu/Nの差が、より0と0.5に近くなる系列を選択する場合について説明する。
本発明の実施の形態2に係る系列割当方法の手順は、実施の形態1の図7〜9に示した手順と同様であり、一部その詳細な手順が異なるのみなので、図7〜9を援用して異なる点について説明する。
図9において、ST106−1では、次のように2つの閾値Xth1(m)、Xth2(m)を設定する。閾値Xth1(m)は、式(5)において、ub/Nbとの差が0に近い系列をM1個選択できる値を設定する。例えば、式(10)のように設定する。
Xth1(m)=min(1/(2Nb),M1/(2N)) …(10)
閾値Xth2(m)は、式(9)において、ub/Nbとの差が0.5に近い系列をM2個選択できる値を設定する。例えば、式(11)のように設定する。
Xth2(m)=min(1/(2Nb),M2/(2N)) …(11)
ST106−3では、式(10)で求めたXth1(m)を用いて、式(12)のように、ub/Nbとの差が0に近い系列をM1個選択する。
|u/N−ub/Nb|≦Xth1(m) …(12)
ST106−5では、式(11)で求めたXth2(m)を用いて、式(13)のように、ub/Nbとの差が0.5に近い系列をM2個選択する。
||u/N−ub/Nb|−0.5|≦Xth2(m) …(13)
なお、M1、M2は、異なる系列グループで重複しないように、設定する必要がある。具体的には、M1とM2の合計値が、各RBに存在するZC系列数を系列グループ数で除算した値より超えなければよい。例えば、RB#6では、ZC系列数はN−1=70系列が存在する。系列グループ数が30の場合、70/30≒2.3となるので、M1とM2の合計値は2以下に設定する必要がある。
このようにして求めた系列グループを図15に示す。具体的には、図15に示している系列グループは下記の条件及び手順により得られるものである。例えば、系列グループ番号=1(グループ#1)を生成するために、ST101において、Nb=31、ub=1を設定する。ここで、Nb=31は、RB数m=3に対応する系列長であり、系列番号ub=1は、系列グループ番号に相当する。系列数が少ない3RB〜5RBまでを第1の帯域幅とし、6RB以上のRBは第2の帯域幅として設定する。そして、ST106−1の手順において、上記の式(10)、式(11)を用いて、ub/Nbとの差が0と0.5に近い系列を選択する。第2の帯域幅において、RB#6〜10は、M1=M2=1、RB#12以上のRBでは、M1=M2=2を設定する。
以上説明したことから、図16に示すように、第2の帯域幅において、異なる系列グループ間で相互相関が大きくなる系列を減らすことができる。
このように実施の形態2によれば、第2の帯域幅において、帯域幅(RB)が大きくなるほど、基準系列のub/Nbとu/Nとの差がより0と0.5に近くなる系列を選択することにより、異なる系列グループ間で相互相関が大きくなる系列を減らすことができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、第2の帯域幅において、基準系列のub/Nbとu/Nとの差が0に近い系列を0.5に近い系列よりも多く選択する場合について説明する。
本発明の実施の形態3に係る系列割当方法は、実施の形態2における式(10)と式(11)で用いたM1とM2の設定値が異なる。具体的には、ub/Nbとの差が0に近い系列の選択数であるM1と、ub/Nbとの差が0.5に近い系列の選択数であるM2とは、式(14)の関係を持たせる。例えば、図15において、RB#12以上では、M1=3、M2=1とする。
M1≧M2 …(14)
このように実施の形態3によれば、相互相関が最も大きくなるu/Nの差が0に近い系列をより多く同一の系列グループに含めることにより、系列グループ数を維持しながら、相互相関の最大値を低減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、第2の帯域幅において、基準系列のub/Nbとu/Nとの差が0.5に近い系列を0に近い系列よりも多く選択する場合について説明する。
本発明の実施の形態4に係る系列割当方法は、実施の形態2における式(10)と式(11)で用いたM1とM2の設定値が異なる。具体的には、ub/Nbとの差が0に近い系列の選択数であるM1と、ub/Nbとの差が0.5に近い系列の選択数であるM2とは、式(15)の関係を持たせる。例えば、図15において、RB#12以上では、M1=1、M2=3とする。
M1≦M2 …(15)
ここで、u/Nの差が0.5に近い系列の相互相関は、その最大値はu/Nの差が0に近い系列に比べて小さいものの、複数の相関ピークが生じる。図17は、u/Nの差が0.5に近い系列間の相互相関特性を示す図である。具体的には、系列長N=31で系列番号u=4のZC系列と、系列長N=283で系列番号u=178のZC系列との相互相関特性を示す。図17において、横軸はシンボル数を用いて遅延時間を示し、縦軸は正規化相互相関値(相互相関値を信号エネルギーで除算した値)を示す。図17に示すように、u/Nの差が0.5に近い系列間の相互相関特性は、複数の大きな相関ピークが生じることが分かる。
ZC系列を所定時間長分、巡回シフトして生成したCyclic−shifted ZC(CS−ZC)系列を異なる端末が用いる場合、複数の相互相関ピークが複数端末に影響を与えてしまう。そこで、式(15)のように閾値を設定し、u/Nの差が0.5に近い系列をより多く同一の系列グループに含めることにより、複数の大きな相関ピークの発生を低減することができる。
このように実施の形態4によれば、相互相関が最も大きくなるu/Nの差が0.5に近い系列をより多く同一の系列グループに含めることにより、相互相関ピークの影響を受ける端末数を低減することができる。
なお、上記各実施の形態は、適宜組み合わせて実施してもよい。
また、上記各実施の形態では、周波数領域のZC系列を用いて系列グループを生成する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、時間領域のZC系列を用いて系列グループを生成してもよい。ただし、時間領域のZC系列と周波数領域のZC系列とは、下記の式(16)に示すような関係を満たす。
(u×r)mod(N)=N−1 …(16)
ただし、式(16)において、NはZC系列長を示し、rは時間領域のZC系列の系列番号を示し、uは周波数領域のZC系列の系列番号を示す。従って、時間領域のZC系列を用いて系列グループを生成する場合、基準系列とのu/Nの差が所定の閾値より小さいZC系列を求める。時間領域のZC系列と周波数領域のZC系列とは性質は同様であるため、同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、ZC系列をチャネル推定用参照信号として用いる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、CQI推定用参照信号(Sounding RS)、同期チャネル(Synchronization Channel)、ランダムアクセスのプリアンブル信号、CQI信号、またはACK/NACK信号等としてZC系列を用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、端末から基地局に送信する参照信号としてZC系列を用いる場合について説明したが、本発明は、基地局から移動局に送信する参照信号としてZC系列を用いる場合でも同様に適用できる。
また、上記各実施の形態では、ZC系列を用いる例を挙げたが、ZC系列を含んだ系列であればよい。例えば、式(17)に示すGCL(Generalized Chirp-Like)系列(c(k))を用いてもよい。
ただし、系列長NはN=sm
2(s、mは整数)あるいはN=tm(t、mは整数)を満たし、a(k)は式(1)又は式(2)が示すZC系列であり、b(k)は式(18)に示すDFT系列である。
また、上記実施の形態2〜4において説明したM1(ub/Nbとの差が0に近い系列を選択する数)、M2(ub/Nbとの差が0.5に近い系列を選択する数)は、どちらかを0に設定してもよい。
また、M1、M2の設定値をRBによって変えてもよい。例えば、所定のRBまではM1=M2として、u/Nの差が0と0.5の系列を均等に同一の系列グループに含め、所定のRBより大きいRBでは、実施の形態3に示したように、M1≧M2として、u/Nの差が0に近い系列をより多く同一の系列グループに含めるようにしてもよい。
なお、図15に示したように、u/Nの差が0.333(=1/3)に近い系列組は、差が0、差が0.5の次に、相互相関が大きくなる。よって、実施の形態2の方法と同様に、第2の帯域幅では、差が0、差が0.5に加えて、差が0.333に近い系列も同一の系列グループに含めてもよい。ただし、この場合、1つの系列が複数の系列グループに重複しないように、系列グループによって、差が0、差が0.5、差が0.333となる系列を選択する数を変える必要がある。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年11月30日出願の特願2007−311650の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる系列送信方法は、系列グループ数を維持しながら、異なる系列グループ間の相互相関を低減することができ、例えば、移動通信システム等に適用できる。
本発明は、Zadoff−Chu系列(以下、「ZC系列」という)などのCAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列又はCAZAC系列に準ずる系列を選択、送信する系列送信方法に関する。
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)において、上り回線で用いられる参照信号(RS:Reference Signal)としてZC系列が採択されている。ZC系列がRSとして採択された理由は、周波数特性が均一であること、また、自己相関特性及び相互相関特性が良好であることなどである。ZC系列は、CAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列の一種であり、以下の式(1)あるいは式(2)で表される。
式(1)及び式(2)において、Nは系列長であり、uはZC系列番号であり、Nとuとは互いに素の関係にある。また、qは任意の整数である。
一般に、系列長Nが素数であるZC系列から、相互相関特性が良好なN−1個の準直交系列を生成することができる。この場合、生成されるN−1個の準直交系列間の相互相関は√Nで一定となる。
上り回線で用いられるRSの中で、データの復調に用いられるチャネル推定用参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)は、データ送信帯域幅と同じ帯域で送信される。すなわち、データ送信帯域幅が狭帯域であれば、DM−RSも狭帯域で送信され、データ送信帯域幅が広帯域であれば、DM−RSも広帯域で送信されることになる。例えば、データ送信帯域幅が1RB(Resource Block)であれば、DM−RS送信帯域幅も1RBとなり、データ送信帯域幅が2RBであればDM−RS送信帯域幅も2RBとなる。
なお、3GPP LTEにおいて、1RBは12サブキャリアから構成されるため、送信帯域幅を構成するサブキャリア数は12の整数倍となる。また、3GPP LTEでは、ZC系列は3RB以上の送信帯域幅で用いることが決まっている。このことから、3RBで送信されるDM−RSとしては系列長Nが31のZC系列を用い、4RBで送信されるDM−RSとしては系列長Nが47のZC系列を用いる。ここで、系列長Nが31のZC系列と、系列長Nが47のZC系列はそれぞれ巡回拡張(系列の前方データをコピーして後方に付加)し、36サブキャリア、48サブキャリアのDM−RSを生成する。
ZC系列の割当方法としては、各RBにおいては、隣接するセルに異なる系列番号のZC系列をDM−RSとして割り当て、異なるセルに用いられるDM−RS間の干渉、すなわち、DM−RSのセル間干渉の低減を図る。データ送信帯域幅は、各セルのスケジューリングによって決まるため、セル間では送信帯域幅が異なるDM−RSが多重される。送信帯域幅が異なる、すなわち、系列長が異なるZC系列が多重される場合、ある特定のZC系列番号の組合せにおいて相互相関が大きくなる。
図1は、異なる系列番号の組合せにおけるZC系列間の相互相関特性を示す図である。具体的には、系列長N=31で系列番号u=1のZC系列と、系列長N=59で系列番号u=1〜6の各ZC系列との相互相関特性を示す。図1において、横軸はシンボル数を用いて遅延時間を示し、縦軸は正規化相互相関値(相互相関値を信号エネルギーで除算した値)を示す。図1に示すように、N=31、u=1のZC系列と、N=59、u=2のZC系列との組合せにおいて相互相関の最大値が極めて増大し、同一送信帯域幅での相互相関値1/√N、すなわち1/√31の約5倍となる。
図2は、相互相関が大きくなる特定のZC系列の組合せが、隣接するセルに割り当てられた場合のDM−RSのセル間干渉を示す図である。具体的には、N=31、u=aのZC系列及びN=59、u=bのZC系列がセル#Aに割り当てられ、N=59、u=cのZC系列及びN=31、u=dのZC系列がセル#Bに割り当てられた場合を示している。このような場合、セル#Aに割り当てられたN=31、u=aのZC系列と、セル#Bに割り当てられたN=59、u=cのZC系列との組合せ、あるいは、セル#Aに割り当てられたN=59、u=bのZC系列と、セル#Bに割り当てられたN=31、u=dのZC系列との組合せにより、DM−RSのセル間干渉が大きくなり、チャネル推定精度が劣化し、データ復調性能が著しく劣化してしまう。
そこで、セルラ無線通信システムにおいては、非特許文献1に開示されたZC系列の割当方法が用いられる。非特許文献1では、セル間干渉を低減するため、ZC系列の相互相関が大きく、系列長が異なるZC系列の組合せを同一セルに割り当てることが提案されている。
図3は、非特許文献1及び非特許文献2に開示されたZC系列の割当方法を説明するための図である。図3は、図2に示した例を流用して示す。図3に示すように、相互相関が大きいZC系列の一方の組合せ、すなわち、N=31、u=aのZC系列と、N=59、u=cのZC系列との組合せを同一セル(ここではセル#A)に割り当てる。また、相互相関が大きくなるZC系列の他方の組合せ、すなわち、N=31、u=dのZC系列と、N=59、u=bのZC系列との組合せを同一セル(ここではセル#B)に割り当てる。同一セル内では、1つの基地局によって送信帯域がスケジューリングされるため、同一セルに割り当てた相互相関が大きいZC系列同士が多重されることはない。よって、セル間干渉が低減される。
また、非特許文献2では、各RBで用いるZC系列番号の組(以下、「系列グループ」という)の求め方が提案されている。ZC系列は、u/Nの差が小さい系列ほど、相互相関が高くなるという特徴がある。そこで、あるRB(例えば3RB)の系列を基準に、u/Nの差が所定の閾値以下となるZC系列を各RBのZC系列から求め、求められた複数のZC系列を1つの系列グループとしてセルに割り当てる。
非特許文献2に開示されている系列グループの生成方法よれば、まず、基準とする系列長Nbと系列番号ubとを設定する。以下、基準系列長Nb、基準系列番号ubを有するZC系列を基準系列と称する。例えば、Nb=31(3RBに対応する系列長)、ub=1(1〜Nb−1から任意に選択される)とすると、ub/Nb=1/31となる。続い
て、基準のub/Nbとの差が所定の閾値以下となるu/NのZC系列を各RBのZC系列から求めて系列グループを生成する。また、基準とする系列番号を変えて、同様の手順で他の系列グループを生成する。このように、基準となる系列番号の数分、すなわち、Nb−1組の異なる系列グループを生成することができる。
ここで、ub/Nbとの差が所定の閾値以下となるZC系列が隣接する系列グループ間で重複する場合、同じZC系列が複数の系列グループに含まれてしまい、セル間で系列番号が衝突してしまう。そこで、隣接する系列グループにおけるZC系列が重複することを防止するために、上記の所定の閾値は、例えば、1/(2Nb)より小さい値に設定する。
図4は、非特許文献2に開示されている系列グループ生成方法により生成された系列グループを示す図である。ここで、系列長Nは、送信帯域幅で送信可能なサイズより小さく、かつ、このサイズに最も近い素数に設定しており、RB数から一意に求まる。図4は、基準系列長Nb=31とし、基準系列番号ub=1〜30とする場合において、下記の式(3)を満たすZC系列からなる系列グループを示している。式(3)において、閾値Xthは、同じ系列が複数の系列グループに含まれないように、例えば、Xth=1/(2Nb)=1/62とする。
|ub/Nb−u/N|≦Xth …(3)
また、非特許文献3には、図5に示すような、ZC系列のu/Nの差とそれらのZC系列の相互相関値との関係が開示されている。図5より、u/Nの差が0に近いときにそれらの系列の相互相関が最も大きくなり、u/Nの差が0.5に近いときに相互相関が2番目に大きくなることが分かる。
Huawei, R1-070367, "Sequence Allocation Method for E-UTRA Uplink Reference Signal", 3GPP TSG RAN WG1Meeting #47bis, Sorrento, Italy 15-19 January, 2007
LG Electronics, R1-071542, "Binding method for UL RS sequence with different lengths", 3GPP TSG RAN WG1Meeting #48bis, St. Julians Malta, March 26-30, 2007
Panasonic, R1-074397, "Further consideration on uplink RS hopping and grouping", 3GPP TSG RAN WG1 Meeting #50bis, Shanghai, China, October 8-12, 2007
このような非特許文献1〜3に記載された技術をさらに進歩させると、相互相関が大きくなるu/Nの差が0と0.5に近い系列を選択して系列グループを生成する生成方法が考えられる。図6は、非特許文献1〜3に記載された技術をさらに進歩させた系列グループ生成方法により生成された系列グループの例を示す図である。系列グループ番号=1(グループ#1)を例にとると、基準系列長をNb=31とし、基準系列番号をub=1とする。そして、ub/Nbとの差が0に近い系列、すなわち、RB#4(N=47)ではu=2、RB#20(N=239)ではu=5〜11を1つのグループ(グループ#1)に含める。さらに、ub/Nbとの差が0.5に近い系列、すなわち、RB#3(N=31)ではu=16、RB#4(N=47)ではu=25、RB#20(N=239)ではu=125〜131を1つのグループ(グループ#1)に含める。これにより、u/Nの差が0と0.5に近い系列組の隣接セルへの割り当てを防止し、大きな相互相関の発生を防止することができる。
しかしながら、図4と図6とを比較すると分かるように、このような系列グループ生成
方法では、1つの系列を複数の系列グループに重複させることはできないため、全帯域幅でu/Nの差が0と0.5に近い系列を同じ系列グループに含めることで生成できる系列グループ数が半減してしまう。u/Nの差が0と0.5に最も近くなる系列を選択しても、小さいRBでは、ZC系列数が少ないので生成できるグループ数が減少してしまう。グループ数が減少すると、同一の系列グループを使うセル間の距離が小さくなり、他セル干渉が増加することになる。
本発明の目的は、系列グループ数を維持しながら、異なる系列グループ間の相互相関を低減する系列送信方法を提供することである。
本発明の系列送信方法は、基準となるZadoff−Chu系列の(系列番号)/(系列長)との差が0に近い(系列番号)/(系列長)となるZadoff−Chu系列と、基準となるZadoff−Chu系列の(系列番号)/(系列長)との差が0.5に近い(系列番号)/(系列長)となるZadoff−Chu系列との双方を含むグループからZadoff−Chu系列を選択する系列選択ステップと、選択されたZadoff−Chu系列を送信する系列送信ステップと、を含むようにした。
本発明によれば、系列グループ数を維持しながら、異なる系列グループ間の相互相関を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図7は、本発明の実施の形態1に係る系列割当方法の手順を示すフロー図である。図7
において、ステップ(以下、「ST」と省略する)101では、基準となる系列長Nbと基準となる系列番号ubを選択する。基準系列番号ubは、1〜Nb−1まであり、系列グループ番号に相当する。
ST102では、RB数mを1に初期化し、ST103では、RB数mに対応するZC系列長Nを設定する。RB数mと系列長Nとは一意に対応するものとし、例えば、Nは、RB数mで送信可能なサブキャリア数より小さく、かつ、このサブキャリア数に最も近い素数とする。
ST104では、RB数mが第1の帯域幅に属するか否かを判定する。ここでは、予め第1の帯域幅と第2の帯域幅とを分ける閾値を設定しておき、この閾値よりもRB数mが小さければ第1の帯域幅に属すると判定する。また、この閾値よりもRB数が大きければ第2の帯域幅に属すると判定する。つまり、式(4)の関係となる。
第1の帯域幅<第2の帯域幅 …(4)
ST104において、第1の帯域幅に属する(YES)と判定した場合には、ST105に移行し、第2の帯域幅に属する(NO)と判定した場合には、ST106に移行する。
ST105では、ub/Nbとの差が0に最も近い系列を選択し、系列グループに含める。なお、ST105の詳細な手順については後述する。
ST106では、ub/Nbとの差が0と0.5に近い系列を複数選択し、系列グループに含める。なお、ST106の詳細な手順については後述する。
ST107では、m<Mであるか否かを判定する。ここで、Mは系列グループubにおけるRB数の最大値であり、送信帯域幅の最大値と対応する。m<M(YES)と判定した場合には、ST108に移行し、m<Mではない(NO)と判定した場合には、系列グループ番号ubの系列グループ生成を終了する。
ST108では、m=m+1のようにRB数mを1インクリメントし、ST103に戻る。
次に、上述したST105の詳細な手順について、図8を用いて説明する。図8において、ST105−1では、RB数mに対応する閾値Xth(m)を設定する。なお、閾値Xth(m)の設定方法については後述する。
ST105−2では、系列番号uを1に初期化し、ST105−3では、u、Nが次の式(5)を満たすか否かを判定する。
|u/N−ub/Nb|≦Xth(m) …(5)
閾値Xth(m)は、式(5)において、ub/Nbとの差が0に最も近い系列を1つだけ選択できる値を設定する。例えば、式(6)のように設定する。ただし、min(A,B)は、AとBの小さい方の値を意味する。
Xth(m)=min(1/(2Nb),1/(2N)) …(6)
ここで、式(5)から下記の式(7)が得られる。すなわち、式(5)及び式(7)は等価であるため、ST105−3においては、u、Nが式(7)を満たすか否かを判定してもよい。
(ub/Nb−Xth(m))×N≦u≦(ub/Nb+Xth(m))×N
…(7)
ST105−3において、u、Nが式(5)を満たす(YES)と判定した場合には、ST105−4に移行し、u、Nが式(5)を満たさない(NO)と判定した場合には、ST105−5に移行する。
ST105−4では、uを系列番号とするZC系列をRB数mで用いるZC系列として系列グループubに含め、ST105−5では、u<N−1であるか否かを判定する。ST105−5において、u<N−1である(YES)と判定した場合には、ST105−6に移行し、u<N−1ではない(NO)と判定した場合には、ST105の処理を終了し、ST107に移行する。
ST105−6では、u=u+1のように系列番号uを1インクリメントし、ST105−3に戻る。
次に、上述したST106の詳細な手順について、図9を用いて説明する。図9において、ST106−1では、RB数mに対応する閾値Xth(m)を設定する。なお、閾値Xth(m)の設定方法については後述する。
ST106−2では、系列番号uを1に初期化し、ST106−3では、u、Nが式(5)を満たすか否かを判定する。
閾値Xth(m)は、式(5)において、ub/Nbとの差が0に近い系列を1つ以上選択できる値を設定する。例えば、式(8)のように設定する。
Xth(m)=1/(4Nb) …(8)
ST106−3において、u、Nが式(5)を満たす(YES)と判定した場合には、ST106−4に移行し、u、Nが式(5)を満たさない(NO)と判定した場合には、ST106−5に移行する。
ST106−4では、uを系列番号とするZC系列をRB数mで用いるZC系列として系列グループubに含め、ST106−5では、u、Nが式(9)を満たすか否かを判定する。
||u/N−ub/Nb|−0.5|≦Xth(m) …(9)
閾値Xth(m)は、式(9)において、ub/Nbとの差が0.5に近い系列を1つ以上選択できる値を設定する。例えば、式(8)のように設定する。
ST106−5において、u、Nが式(9)を満たす(YES)と判定した場合には、ST106−6に移行し、u、Nが式(9)を満たさない(NO)と判定した場合には、ST106−7に移行する。
ST106−6では、uを系列番号とするZC系列をRB数mで用いるZC系列として系列グループubに含め、ST106−7では、u<N−1であるか否かを判定する。ST106−7において、u<N−1である(YES)と判定した場合には、ST106−8に移行し、u<N−1ではない(NO)と判定した場合には、ST106の処理を終了し、ST107に移行する。
ST106−8では、u=u+1のように系列番号uを1インクリメントし、ST106−3に戻る。
このようにして求めた系列グループを図10に示す。具体的には、図10に示している系列グループは下記の条件及び手順により得られるものである。例えば、系列グループ番号=1(グループ#1)を生成するために、ST101において、Nb=31、ub=1を設定する。ここで、Nb=31は、RB数m=3に対応する系列長であり、系列番号ub=1は、系列グループ番号に相当する。系列数が少ない3RB〜5RBまでを第1の帯域幅とし、6RB以上のRBは第2の帯域幅として設定する。そして、ST105において、上記の式(5)を用いて、ub/Nbとの差が0に最も近い系列を選択し、ST106において、ub/Nbとの差が0と0.5に近い系列を選択する。
系列グループ番号=2(グループ#2)を生成する条件及び手順は、ST101において、基準となる系列番号ubを2に設定する点がグループ#1の場合と異なる。系列グループ番号=3〜30(グループ#3〜#30)も同様に、ST101で設定する系列番号ubの値がそれぞれ異なる。
図10に示したグループ#1を例にとると、基準系列長をNb=31とし、基準系列番号をub=1とする。第1の帯域幅(3RB〜5RB)では、ub/Nbとの差が0に最も近い1つの系列のみ、すなわち、RB#4(N=47)ではu=2、RB#5(N=59)ではu=2を1つのグループに含める。第2の帯域幅(6RB〜20RB)では、ub/Nbとの差が0と0.5に近い複数の系列、すなわち、RB#6(N=71)ではu=2,38を、RB#8(N=89)ではu=3,47,48を1つのグループに含める。
ここで、第1の帯域幅と第2の帯域幅は、系列グループ数(=基準とするRBで生成できる系列数)を減らさないようにその境界を決める。具体的には、各RBで生成できる系列数を系列グループ数で除算した商が1となるRBは第1の帯域幅とし、商が2以上となるRBは第2の帯域幅と設定する。図10に示す系列グループの場合、系列グループ数が30、RB#5で生成できる系列数は58なので、系列グループ数で除算した商は1となる。また、RB#6で生成できる系列数は70で、系列グループ数で除算した商が2となるので、RB#5とRB#6の間を境界とし、RB#5以下のRBが第1の帯域幅、RB#6以上のRBを第2の帯域幅として設定する。
このように、RB数が小さい第1の帯域幅では、1つの系列のみ選択することにより、系列グループ数を維持することができる。また、第1の帯域幅では、u/Nの差が0に最も近い系列を、第2の帯域幅ではu/Nの差が0と0.5に近い系列を1つのグループに含め、各グループを1つのセルに割り当てるため、隣接セル間で大きい相互相関の発生を低減することができる。
次に、上述した系列割当方法に従って生成された系列グループが割り当てられたセルに存在する無線基地局装置(以下、単に「基地局」という)について説明する。図11は、本発明の実施の形態1に係る基地局200の構成を示すブロック図である。
符号化部201は、基地局200と同一セル内に存在する無線通信端末装置(以下、単に「端末」という)300への送信データ及び制御信号を符号化し、符号化データを変調部202に出力する。ここで、制御信号は、系列グループ番号に相当する基準系列番号ubを含み、例えば、報知チャネルを介して端末300に送信される。また、制御信号は、例えば、端末300に割り当てる送信用RB数、または系列長Nなど送信帯域幅を示すスケジューリング情報を含み、このスケジューリング情報を含む制御信号は、例えば、制御チャネルを介して端末300に送信される。
変調部202は、符号化部201から出力された符号化データを変調し、変調信号を送信RF(Radio Frequency)部203に出力する。
送信RF部203は、変調部202から出力された変調信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ204を介して送信する。このように、基地局200は、基準系列番号ub及びRB数mを端末300へシグナリングする。
受信RF部205は、アンテナ204を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を分離部206に出力する。
分離部206は、受信RF部205から出力された信号を参照信号、データ信号及び制御信号にそれぞれ分離し、参照信号をDFT(Discrete Fourier Transform)部207に出力し、データ信号及び制御信号をDFT部215に出力する。
DFT部207は、分離部206から出力された参照信号にDFT処理を施して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換した参照信号を伝搬路推定部208のデマッピング部209に出力する。
伝搬路推定部208は、デマッピング部209、ZC系列設定部210、除算部211、IFFT部212、マスク処理部213、DFT部214を備え、DFT部207から出力された参照信号に基づいて伝搬路推定を行う。
デマッピング部209は、DFT部207から出力された周波数領域の参照信号から各端末300の送信帯域に対応するZC系列を抽出し、抽出した各ZC系列を除算部211に出力する。
ZC系列設定部210は、入力された制御信号に含まれている基準系列番号ub、及び、各端末300に割り当てるRB数mに基づいて、各端末300において用いられるZC系列を算出する。算出されたZC系列は除算部211に出力される。なお、ZC系列設定部210の詳細については後述する。
除算部211は、ZC系列設定部210から出力された各端末300に対応するZC系列を、デマッピング部209から出力された各端末300において実際に用いられたZC系列で除算し、除算結果をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部212に出力する。
IFFT部212は、除算部211から出力された除算結果にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号をマスク処理部213に出力する。
マスク処理部213は、IFFT部212から出力された信号にマスク処理を施すことにより、所望の巡回シフト系列の相関値が存在する区間、すなわち、検出ウィンドウ部分の相関値を抽出し、抽出した相関値をDFT部214に出力する。
DFT部214は、マスク処理部213から出力された相関値にDFT処理を施し、DFT処理を施した相関値を周波数領域等化部217に出力する。ここで、DFT部214から出力される信号は伝搬路の周波数応答を表す。
DFT部215は、分離部206から出力された時間領域のデータ信号及び制御信号にDFT処理を施し、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換し
たデータ信号及び制御信号をデマッピング部216に出力する。
デマッピング部216は、DFT部215から出力された信号から各端末300の送信帯域に対応するデータ信号及び制御信号を抽出し、抽出した各信号を周波数領域等化部217に出力する。
周波数領域等化部217は、伝搬路推定部208のDFT部214から出力された伝搬路の周波数応答を表す信号を用いて、デマッピング部216から出力されたデータ信号及び制御信号に等化処理を施し、等化処理を施した信号をIFFT部218に出力する。
IFFT部218は、周波数領域等化部217から出力されたデータ信号及び制御信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号を復調部219に出力する。
復調部219は、IFFT部218から出力された信号に復調処理を施し、復号部220は、復調部219から出力された信号に復号処理を施し、受信データを抽出する。
図12は、図11に示したZC系列設定部210の内部の構成を示すブロック図である。図12において、閾値算出部221は、入力された制御信号に含まれているRB数mが第1の帯域幅ならば式(6)を用い、RB数mが第2の帯域幅ならば式(8)を用いて、閾値Xth(m)を算出し、系列番号算出部222に出力する。
系列番号算出部222は、入力された制御信号に含まれているRB数mに基づいて、参照信号として使用可能なZC系列の系列長Nを求め、ZC系列生成部224に出力する。また、系列番号算出部222は、算出した系列長Nと、入力された制御情報に含まれている基準系列番号ubと、予め定義されている基準系列長Nbと、閾値算出部221から出力された閾値Xth(m)とに基づいて、参照信号として使用可能なZC系列の系列番号uを算出し、パラメータ決定部223に出力する。このとき、第1の帯域幅ならば式(5)に、第2の帯域幅ならば式(5)と式(9)に従って、系列番号uを算出する。
パラメータ決定部223は、系列番号算出部222から出力された使用可能な系列番号uの中から1つを選択して、ZC系列生成部224に出力する。例えば、パラメータ決定部223は、フレーム番号又はスロット番号を使用可能なuの数で割った余り、すなわち、フレーム番号又はスロット番号を使用可能なuの数でモジュロ演算した結果に対応するuを選択する。具体的には、系列番号算出部222からu=a、b、c、dという使用可能なuが4つ出力された場合、パラメータ決定部223は、フレーム番号又はスロット番号を4でモジュロ演算した結果が0であればu=aを、1であればu=bを、2であればu=cを、3であればu=dを選択する。これにより、系列ホッピングを実現することができる。
ZC系列生成部224は、パラメータ決定部223から出力された系列番号uと、系列番号算出部222から出力された系列長Nとを用いて、式(1)又は式(2)に従いZC系列を生成し、除算部211に出力する。
次に、基地局200からシグナリングされた基準系列番号ub及びRB数mを用いて、参照信号として用いるZC系列を生成する端末300について説明する。図13は、本発明の実施の形態1に係る端末300の構成を示すブロック図である。なお、図13では、端末300の受信系統を省略し、送信系統のみを示す。
図13において、ZC系列設定部210は、基地局200が備えるZC系列設定部210と同様であって、基地局200から送信された制御情報に含まれている基準系列番号u
b、RB数m及び予め定義された基準系列長Nbに基づいてZC系列を算出し、マッピング部301に出力する。
マッピング部301は、ZC系列設定部210から出力されたZC系列を端末300の送信帯域にマッピングし、マッピングしたZC系列をIFFT部302に出力する。
IFFT部302は、マッピング部301から出力されたZC系列にIFFT処理を施し、IFFT処理を施したZC系列を送信RF部303に出力する。
送信RF部303は、IFFT部302から出力されたZC系列にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ304を介して送信する。
このように実施の形態1によれば、第1の帯域幅では、1つの系列のみ選択することにより、系列グループ数を維持することができ、また、第1の帯域幅では、u/Nの差が0に最も近い系列を、第2の帯域幅では、u/Nの差が0と0.5の系列を1つの系列グループに含め、セル毎に異なる系列グループを割り当てることにより、隣接セル間で大きい相互相関の発生を低減することができる。
なお、本実施の形態では、系列番号算出部222は、基準系列番号ub、基準系列長Nb及びRB数mを用いて使用可能な系列番号uを算出する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、基地局200及び端末300が図10に示した系列グループをテーブルとして保持する場合、系列番号算出部222は、テーブルから使用可能な系列番号uを求めてもよい。このテーブルを用いた系列番号uの決定方法を以下に説明する。例えば、基準系列長Nbが固定である前提において、系列長N、基準系列番号ubの2つのパラメータに対し、それぞれテーブルが用意され、選択できるuが記述されている。この例において、端末300は、基地局200からシグナリングされた系列長N、基準系列番号ubを受信し、これに対応するテーブルを参照し、記述されているuの取り得る値から一つを選択することにより、参照信号として使用すべきZC系列を決定する。
また、本実施の形態では、パラメータ決定部223は、フレーム番号又はスロット番号に基づいて、使用可能な系列番号uの中から1つを選択する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、パラメータ決定部223は、使用可能な系列番号uの中から予め決められたルール、例えば、最小又は最大の系列番号を1つ選択するようにしてもよい。
また、第1の帯域幅と第2の帯域幅を分けずに、全ての帯域幅においてu/Nの差が0と0.5の系列を1つの系列グループに含め、セル毎に異なる系列グループを割り当てることにより、隣接セル間で大きい相互相関の発生の低減を図ることも可能である。
(実施の形態2)
実施の形態1では、第2の帯域幅において、式(8)の閾値を用いて基準系列のub/Nbとu/Nとの差が0と0.5に近い系列を選択したが、このように、閾値を全帯域幅で固定とすると、異なる系列グループ間の相互相関が大きくなり、他セル干渉が大きくなるという問題が生じる。具体的には、図14に示すように、u/Nを横軸にとり、この横軸に対して6RB以降の各系列を並べた場合、異なる系列グループ間の境界付近にu/Nの差が0に近い系列が位置し、このような系列が隣接する系列グループに入ってしまう。特に、大きい帯域幅(RB)では、u/Nの間隔が小さくなり、多くの系列が存在するので、影響が大きい。
そこで、本発明の実施の形態2では、第2の帯域幅において、帯域幅(RB)が大きく
なるほど、所定の基準に対するu/Nの差が、より0と0.5に近くなる系列を選択する場合について説明する。
本発明の実施の形態2に係る系列割当方法の手順は、実施の形態1の図7〜9に示した手順と同様であり、一部その詳細な手順が異なるのみなので、図7〜9を援用して異なる点について説明する。
図9において、ST106−1では、次のように2つの閾値Xth1(m)、Xth2(m)を設定する。閾値Xth1(m)は、式(5)において、ub/Nbとの差が0に近い系列をM1個選択できる値を設定する。例えば、式(10)のように設定する。
Xth1(m)=min(1/(2Nb),M1/(2N)) …(10)
閾値Xth2(m)は、式(9)において、ub/Nbとの差が0.5に近い系列をM2個選択できる値を設定する。例えば、式(11)のように設定する。
Xth2(m)=min(1/(2Nb),M2/(2N)) …(11)
ST106−3では、式(10)で求めたXth1(m)を用いて、式(12)のように、ub/Nbとの差が0に近い系列をM1個選択する。
|u/N−ub/Nb|≦Xth1(m) …(12)
ST106−5では、式(11)で求めたXth2(m)を用いて、式(13)のように、ub/Nbとの差が0.5に近い系列をM2個選択する。
||u/N−ub/Nb|−0.5|≦Xth2(m) …(13)
なお、M1、M2は、異なる系列グループで重複しないように、設定する必要がある。具体的には、M1とM2の合計値が、各RBに存在するZC系列数を系列グループ数で除算した値より超えなければよい。例えば、RB#6では、ZC系列数はN−1=70系列が存在する。系列グループ数が30の場合、70/30≒2.3となるので、M1とM2の合計値は2以下に設定する必要がある。
このようにして求めた系列グループを図15に示す。具体的には、図15に示している系列グループは下記の条件及び手順により得られるものである。例えば、系列グループ番号=1(グループ#1)を生成するために、ST101において、Nb=31、ub=1を設定する。ここで、Nb=31は、RB数m=3に対応する系列長であり、系列番号ub=1は、系列グループ番号に相当する。系列数が少ない3RB〜5RBまでを第1の帯域幅とし、6RB以上のRBは第2の帯域幅として設定する。そして、ST106−1の手順において、上記の式(10)、式(11)を用いて、ub/Nbとの差が0と0.5に近い系列を選択する。第2の帯域幅において、RB#6〜10は、M1=M2=1、RB#12以上のRBでは、M1=M2=2を設定する。
以上説明したことから、図16に示すように、第2の帯域幅において、異なる系列グループ間で相互相関が大きくなる系列を減らすことができる。
このように実施の形態2によれば、第2の帯域幅において、帯域幅(RB)が大きくなるほど、基準系列のub/Nbとu/Nとの差がより0と0.5に近くなる系列を選択することにより、異なる系列グループ間で相互相関が大きくなる系列を減らすことができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、第2の帯域幅において、基準系列のub/Nbとu/Nと
の差が0に近い系列を0.5に近い系列よりも多く選択する場合について説明する。
本発明の実施の形態3に係る系列割当方法は、実施の形態2における式(10)と式(11)で用いたM1とM2の設定値が異なる。具体的には、ub/Nbとの差が0に近い系列の選択数であるM1と、ub/Nbとの差が0.5に近い系列の選択数であるM2とは、式(14)の関係を持たせる。例えば、図15において、RB#12以上では、M1=3、M2=1とする。
M1≧M2 …(14)
このように実施の形態3によれば、相互相関が最も大きくなるu/Nの差が0に近い系列をより多く同一の系列グループに含めることにより、系列グループ数を維持しながら、相互相関の最大値を低減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、第2の帯域幅において、基準系列のub/Nbとu/Nとの差が0.5に近い系列を0に近い系列よりも多く選択する場合について説明する。
本発明の実施の形態4に係る系列割当方法は、実施の形態2における式(10)と式(11)で用いたM1とM2の設定値が異なる。具体的には、ub/Nbとの差が0に近い系列の選択数であるM1と、ub/Nbとの差が0.5に近い系列の選択数であるM2とは、式(15)の関係を持たせる。例えば、図15において、RB#12以上では、M1=1、M2=3とする。
M1≦M2 …(15)
ここで、u/Nの差が0.5に近い系列の相互相関は、その最大値はu/Nの差が0に近い系列に比べて小さいものの、複数の相関ピークが生じる。図17は、u/Nの差が0.5に近い系列間の相互相関特性を示す図である。具体的には、系列長N=31で系列番号u=4のZC系列と、系列長N=283で系列番号u=178のZC系列との相互相関特性を示す。図17において、横軸はシンボル数を用いて遅延時間を示し、縦軸は正規化相互相関値(相互相関値を信号エネルギーで除算した値)を示す。図17に示すように、u/Nの差が0.5に近い系列間の相互相関特性は、複数の大きな相関ピークが生じることが分かる。
ZC系列を所定時間長分、巡回シフトして生成したCyclic−shifted ZC(CS−ZC)系列を異なる端末が用いる場合、複数の相互相関ピークが複数端末に影響を与えてしまう。そこで、式(15)のように閾値を設定し、u/Nの差が0.5に近い系列をより多く同一の系列グループに含めることにより、複数の大きな相関ピークの発生を低減することができる。
このように実施の形態4によれば、相互相関が最も大きくなるu/Nの差が0.5に近い系列をより多く同一の系列グループに含めることにより、相互相関ピークの影響を受ける端末数を低減することができる。
なお、上記各実施の形態は、適宜組み合わせて実施してもよい。
また、上記各実施の形態では、周波数領域のZC系列を用いて系列グループを生成する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、時間領域のZC系列を用いて系列グループを生成してもよい。ただし、時間領域のZC系列と周波数領域のZC系列とは、下記の式(16)に示すような関係を満たす。
(u×r)mod(N)=N−1 …(16)
ただし、式(16)において、NはZC系列長を示し、rは時間領域のZC系列の系列番号を示し、uは周波数領域のZC系列の系列番号を示す。従って、時間領域のZC系列を用いて系列グループを生成する場合、基準系列とのu/Nの差が所定の閾値より小さいZC系列を求める。時間領域のZC系列と周波数領域のZC系列とは性質は同様であるため、同様の効果が得られる。
また、上記各実施の形態では、ZC系列をチャネル推定用参照信号として用いる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、CQI推定用参照信号(Sounding
RS)、同期チャネル(Synchronization Channel)、ランダムアクセスのプリアンブル信号、CQI信号、またはACK/NACK信号等としてZC系列を用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、端末から基地局に送信する参照信号としてZC系列を用いる場合について説明したが、本発明は、基地局から移動局に送信する参照信号としてZC系列を用いる場合でも同様に適用できる。
また、上記各実施の形態では、ZC系列を用いる例を挙げたが、ZC系列を含んだ系列であればよい。例えば、式(17)に示すGCL(Generalized Chirp-Like)系列(c(k))を用いてもよい。
ただし、系列長NはN=sm
2(s、mは整数)あるいはN=tm(t、mは整数)を満たし、a(k)は式(1)又は式(2)が示すZC系列であり、b(k)は式(18)に示すDFT系列である。
また、上記実施の形態2〜4において説明したM1(ub/Nbとの差が0に近い系列を選択する数)、M2(ub/Nbとの差が0.5に近い系列を選択する数)は、どちらかを0に設定してもよい。
また、M1、M2の設定値をRBによって変えてもよい。例えば、所定のRBまではM1=M2として、u/Nの差が0と0.5の系列を均等に同一の系列グループに含め、所定のRBより大きいRBでは、実施の形態3に示したように、M1≧M2として、u/Nの差が0に近い系列をより多く同一の系列グループに含めるようにしてもよい。
なお、図15に示したように、u/Nの差が0.333(=1/3)に近い系列組は、差が0、差が0.5の次に、相互相関が大きくなる。よって、実施の形態2の方法と同様に、第2の帯域幅では、差が0、差が0.5に加えて、差が0.333に近い系列も同一の系列グループに含めてもよい。ただし、この場合、1つの系列が複数の系列グループに重複しないように、系列グループによって、差が0、差が0.5、差が0.333となる系列を選択する数を変える必要がある。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含
むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年11月30日出願の特願2007−311650の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる系列送信方法は、系列グループ数を維持しながら、異なる系列グループ間の相互相関を低減することができ、例えば、移動通信システム等に適用できる。
異なる系列番号の組合せにおけるZC系列間の相互相関特性を示す図
特定のZC系列の組合せが隣接セル間に割り当てられた場合のセル間干渉を示す図
非特許文献1及び非特許文献2に開示されたZC系列の割当方法を説明するための図
非特許文献2に開示されている系列グループ生成方法により生成された系列グループを示す図
ZC系列のu/Nの差と相互相関値との関係を示す図
非特許文献1〜3をさらに進歩させた系列グループ生成方法により生成された系列グループの例を示す図
本発明の実施の形態1に係る系列割当方法の手順を示すフロー図
図7に示したST105の詳細な手順を示すフロー図
図7に示したST106の詳細な手順を示すフロー図
本発明の実施の形態1に係る系列グループを示す図
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
図11に示したZC系列設定部の内部の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
異なる系列グループ間の相互相関が大きくなる様子を示す模式図
本発明の実施の形態2に係る系列グループを示す図
異なる系列グループ間の相互相関が大きくなる系列が減少する様子を示す図
u/Nの差が0.5に近い系列間の相互相関特性を示す図