JPWO2009054470A1 - 免疫誘導剤及びその用途 - Google Patents

免疫誘導剤及びその用途 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009054470A1
JPWO2009054470A1 JP2008550573A JP2008550573A JPWO2009054470A1 JP WO2009054470 A1 JPWO2009054470 A1 JP WO2009054470A1 JP 2008550573 A JP2008550573 A JP 2008550573A JP 2008550573 A JP2008550573 A JP 2008550573A JP WO2009054470 A1 JPWO2009054470 A1 JP WO2009054470A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
immunity
amino acid
cells
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008550573A
Other languages
English (en)
Inventor
文義 岡野
文義 岡野
あすか 吉澤
あすか 吉澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JPWO2009054470A1 publication Critical patent/JPWO2009054470A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • A61K39/00119Melanoma antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/46Cellular immunotherapy
    • A61K39/461Cellular immunotherapy characterised by the cell type used
    • A61K39/4611T-cells, e.g. tumor infiltrating lymphocytes [TIL], lymphokine-activated killer cells [LAK] or regulatory T cells [Treg]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/46Cellular immunotherapy
    • A61K39/461Cellular immunotherapy characterised by the cell type used
    • A61K39/4615Dendritic cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/46Cellular immunotherapy
    • A61K39/462Cellular immunotherapy characterized by the effect or the function of the cells
    • A61K39/4622Antigen presenting cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/46Cellular immunotherapy
    • A61K39/464Cellular immunotherapy characterised by the antigen targeted or presented
    • A61K39/4643Vertebrate antigens
    • A61K39/4644Cancer antigens
    • A61K39/46449Melanoma antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2239/00Indexing codes associated with cellular immunotherapy of group A61K39/46
    • A61K2239/46Indexing codes associated with cellular immunotherapy of group A61K39/46 characterised by the cancer treated
    • A61K2239/47Brain; Nervous system

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

要約特定のペプチドを有効成分として含有する免疫誘導剤が開示されている。該ペプチドは、ヒト悪性脳腫瘍に過剰に発現しているGPNMB中の特定の領域に存在する部分ペプチドであり、抗原提示細胞により提示されて、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞を活性化及び増殖させる能力(免疫誘導活性)を有する。さらに、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞は、GPNMBを発現する癌細胞を障害する能力を有する。このため、該ペプチドは、癌の治療及び/又は予防剤並びに抗原提示細胞の処理剤として利用可能な免疫誘導剤の調製に有用である。

Description

本発明は、ヒトの癌に特異的なタンパク質又はその部分ペプチドを含む免疫誘導剤に関する。さらに本発明は、上記ペプチドによって刺激され誘導された活性化T細胞、該ペプチドとHLA分子の複合体を含む抗原提示細胞、及び上記活性化T細胞又は上記抗原提示細胞を有効成分として含む医薬に関する。
癌は全死亡原因の第一位を占める疾患であり、現在行われている治療は手術療法を主体に放射線療法と化学療法を組み合わせたものである。近年の新しい手術法の開発や新たな抗癌剤の発見にも関わらず、一部の癌を除いて、癌の治療成績はあまり向上していないのが現状である。
近年、分子生物学や癌免疫学の進歩で癌に反応する細胞障害性T細胞により認識される癌抗原や癌抗原をコードする遺伝子が同定されてき、抗原特異性免疫療法への期待が高まっている(非特許文献1を参照)。1991年、ベルギーLudwig研究所のBoonらは自己癌細胞株と癌反応性T細胞を用いたcDNA発現クローニング法によりCD8陽性T細胞が認識するヒトメラノーマ抗原MAGE1を単離した(非特許文献2を参照)。Boonの報告後CD8陽性T細胞の認識する抗原としてtyrosinase(非特許文献3を参照)、MART1/MelanA(非特許文献4を参照)、gp100(非特許文献5を参照)などの単離が行われた。
免疫療法においては、副作用を軽減するため、その抗原として認識されるタンパク質は、正常細胞には少なく、癌細胞に過剰に存在していることが望ましい。また抗原タンパク中に、抗原を発現した腫瘍を直接障害する抗原特異的細胞障害性T細胞を誘導できるペプチド部分に加えて、細胞障害性T細胞の活性を補助する抗原特異的ヘルパーT細胞を誘導できるペプチド部分も含まれていることが望ましい。
最近、Glycoprotein nonmetastatic melanoma protein B(以下GPNMBと略記する)が、大部分のヒト悪性脳腫瘍に過剰に発現していることが報告された。一方、本タンパク質は正常脳組織にはほとんど発現していない(非特許文献6を参照)。
秋吉毅,「癌と化学療法」、1997年、第24巻、p551-519 Bruggen P. et al., Science, 254:1643-1647(1991) Robbins P.F. et al., Cancer Res., 54:3124-3126(1994) Kawakami Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91(9):3515-3519(1994) Kawakami Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91:6458-6462(1994) Kuan C.T. et al.,Clin.Cancer Res., 12(7):1970-1982(2006)
本発明の目的は、癌の治療及び/又は予防剤として有用なペプチドを見出し、該ペプチドの免疫誘導剤としての用途を提供することである。また、本発明の目的は、該ペプチドの癌の治療及び/又は予防剤としての用途並びに抗原提示細胞を処理する処理剤としての用途を提供することである。さらに本発明の目的は、該ペプチドとHLA分子の複合体を含む、単離抗原提示細胞、及びペプチドとHLA分子の複合体を選択的に結合する単離T細胞並びにそれらの癌の治療及び/又は予防剤の用途を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する上記GPNMB中の特定の領域に存在する部分ペプチドが、抗原提示細胞により提示されて、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞を活性化及び増殖させる能力(免疫誘導活性)を有すること、さらに、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞がGPNMBを発現する癌細胞を障害する能力を有することを見出し、このため、該ペプチドが癌の治療及び/又は予防に有用であること、また、該ペプチドと接触した抗原提示細胞や、該抗原提示細胞と接触したT細胞が癌の治療及び/又は予防に有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド、(b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド、並びに(c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチドのいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチド又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターを有効成分として含有する免疫誘導剤を提供する。また、本発明は、上記(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチドとHLA分子の複合体を含む、単離抗原提示細胞を提供する。さらに、本発明は、上記(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチドとHLA分子の複合体を選択的に結合する、単離T細胞を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の単離抗原提示細胞又は上記本発明の単離T細胞を有効成分として含有する医薬を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の単離抗原提示細胞又は上記本発明の単離T細胞を有効成分として含有する癌の治療及び/又は予防剤を提供する。さらに、本発明は、上記(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチド又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターの有効量を個体に投与することを含む、免疫誘導方法を提供する。さらに、本発明は、上記(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチドと抗原提示細胞とを接触させることを含む、抗原提示細胞の処理方法を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の単離抗原提示細胞又は上記本発明の単離T細胞の有効量を個体に投与することを含む、癌の治療及び/又は予防方法を提供する。さらに、本発明は、上記(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチド又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターの、免疫誘導剤製造のための使用を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の単離抗原提示細胞又は上記本発明の単離T細胞の、医薬の製造のための使用を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の単離抗原提示細胞又は上記本発明の単離T細胞の、癌の治療及び/又は予防剤製造のための使用を提供する。
本発明により、癌の治療及び/又は予防や、そのための抗原提示細胞やT細胞の誘導に有用なペプチドが新規に同定され、医学分野における該ペプチドの各種用途が提供された。下記実施例において具体的に示されるように、上記ペプチドにより活性化されたCD8陽性T細胞は、GPNMBを発現する癌細胞に対して優れた細胞障害活性を示す。従って、本発明で用いられる上記ペプチドは、これをヒトに投与することにより、又はこれを用いてインビトロで活性化T細胞をヒトに投与することにより、癌の治療及び/又は予防に有効である。
配列番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドに特異的なCD8陽性T細胞が、該ペプチドとHLA−A0201との複合体を認識してIFN−γを産生することを示す図である。 配列番号4ないし7に示すアミノ酸配列を有する各ペプチドに特異的なCD8陽性T細胞が、該ペプチドとHLA−A0201との複合体を認識してIFN−γを産生することを示す図である。 配列番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドに特異的なCD8陽性T細胞の、癌細胞に対する障害活性を示した図である。 配列番号4ないし7に示すアミノ酸配列を有する各ペプチドに特異的なCD8陽性T細胞の、癌細胞に対する障害活性を示した図である。 配列番号3ないし7に示すアミノ酸配列を有する各ペプチドに特異的なCD8陽性T細胞の、癌細胞に対する障害活性を示した図である。
本発明の免疫誘導剤に有効成分として含まれるペプチドは、以下に挙げるペプチドであって、免疫誘導活性を有するものである。
(a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
(b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
(c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
なお、「aa」は、アミノ酸配列のN末端(すなわち配列表に示すアミノ酸配列の第1番アミノ酸)から数えて何番目のアミノ酸残基かを示す。例えば「aa408」は、N末端から数えて408番目のアミノ酸残基であることを示し、「aa408-416の領域」は、N末端から数えて408番目のアミノ酸残基から416番目のアミノ酸残基までの9個のアミノ酸残基から成る領域を示す。
ここで、「免疫誘導活性」とは、GPNMBを発現する癌細胞に反応するT細胞を活性化および増殖させる能力を意味し、具体的には、下記実施例に詳述する方法により測定される、ペプチドで刺激されたT細胞のIFN-γ産生能力及び/又はGPNMB発現癌細胞に対する細胞障害活性が、ペプチドで刺激していない対照のT細胞よりも高く、かつ、ペプチドで刺激されたT細胞が、ペプチドで刺激していない対照のT細胞よりもよく増殖することを意味する。増殖は、目視観察、フローサイトメトリー、培地中のトリチウムチミジンの細胞内への取り込み量等により確認することができる。なお、下記実施例で採用したIFN-γ産生能力の測定は、例えばJ.Immunol.,154,p2257,1995に記載されており、また、細胞障害活性の測定は、Int.J.Cancer,58:p317,1994に記載された51Crリリースアッセイと呼ばれる公知の方法に準拠している。
上記(a)のペプチドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列(GPNMBのアミノ酸配列)中の、aa265-274、aa303-311、aa408-416及びaa495-504の領域のうちのいずれかの領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成り、かつ、免疫誘導活性を有するペプチド(以下、便宜的に「免疫誘導性部分ペプチド」と言うことがある)である。このようなペプチドの好ましい例としては、配列番号3から配列番号7に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを挙げることができる。これらのペプチドの配列表中の配列番号、そのアミノ酸配列、及び配列番号2中の位置を下記表1に示す。なお、この分野において、抗原提示細胞上に提示される抗原ペプチドのサイズは、通常、7〜30アミノ酸残基程度であり、最低でも7個のアミノ酸残基から成るペプチドであれば抗原性を発揮することが知られている。なお、本発明において、「アミノ酸配列を有する」とは、アミノ酸残基がそのような順序で配列しているという意味である。従って、例えば、「配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するペプチド」とは、Ser Leu Ile Asp Phe Val Val Thr Cysのアミノ酸配列を持つ9アミノ酸残基のサイズのペプチドを意味する。また、例えば、「配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するペプチド」を「配列番号3のペプチド」と略記することがある。
Figure 2009054470
上記(b)のペプチドは、(a)のペプチドのうちの少数のアミノ酸残基が置換し、欠失し及び/又は挿入され、元の配列と80%以上、好ましくは85%以上の相同性を有し、かつ、免疫誘導活性を有する、7個以上のアミノ酸から成るペプチド(以下、便宜的に「免疫誘導性修飾ペプチド」と言うことがある)である。一般に、タンパク質抗原において、該タンパク質のアミノ酸配列のうち少数のアミノ酸残基が置換され、欠失され又は挿入された場合であっても、元のタンパク質とほぼ同じ抗原性を有している場合があることは当業者において広く知られている。従って、上記(b)のペプチドも免疫誘導活性を発揮し得るので、本発明の免疫誘導剤等の調製に用いることができる。また、上記(b)のペプチドは、(a)のペプチドのうち、1個のアミノ酸残基が置換し、欠失し又は挿入されたペプチドであることも好ましく、もとの(a)のペプチドが10個のアミノ酸残基から成る場合には、そのうちの2個のアミノ酸残基がそれぞれ置換し、欠失し又は挿入されたペプチドも好ましい。具体的には、(b)のペプチドの好ましい例としては、例えば、配列番号3ないし7に示すアミノ酸配列のうち1個のアミノ酸が置換し、欠失し又は挿入されたアミノ酸配列を有するペプチドや、配列番号6に示すアミノ酸配列のうち2個のアミノ酸がそれぞれ置換し、欠失し又は挿入されたアミノ酸配列を有するペプチド等が挙げられる。
ここで、アミノ酸配列の「相同性」とは、比較すべき2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基ができるだけ多く一致するように両アミノ酸配列を整列させ、一致したアミノ酸残基数を全アミノ酸残基数で除したものを百分率で表したものである。上記整列の際には、必要に応じ、比較する2つの配列の一方又は双方に適宜ギャップを挿入する。このような配列の整列化は、例えばBLAST、FASTA、CLUSTAL W等の周知のプログラムを用いて行なうことができる。ギャップが挿入される場合、上記全アミノ酸残基数は、1つのギャップを1つのアミノ酸残基として数えた残基数となる。このようにして数えた全アミノ酸残基数が、比較する2つの配列間で異なる場合には、相同性(%)は、長い方の配列の全アミノ酸残基数で、一致したアミノ酸残基数を除して算出される。なお、天然のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸は、低極性側鎖を有する中性アミノ酸(Gly, Ile, Val, Leu, Ala, Met, Pro)、親水性側鎖を有する中性アミノ酸(Asn, Gln, Thr, Ser, Tyr, Cys)、酸性アミノ酸(Asp, Glu)、塩基性アミノ酸(Arg, Lys, His)、芳香族アミノ酸(Phe, Tyr, Trp)のように類似の性質を有するものにグループ分けでき、これらの間での置換であればペプチドの性質が変化しないことが多いことが知られている。従って、上記(a)のペプチド中のアミノ酸残基を置換する場合には、これらの各グループの間で置換することにより、免疫誘導活性を維持できる可能性が高くなる。
上記(c)のペプチドは、(a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であって、免疫誘導活性を有するペプチドである。すなわち、(a)又は(b)のペプチドの一端又は両端に他のアミノ酸又はペプチドが付加されたものであって、アミノ酸残基数が8〜30であり、免疫誘導活性を有するペプチド(以下、便宜的に「免疫誘導性付加ペプチド」と言うことがある)である。これらのペプチドも、本発明の免疫誘導剤等の調製に用いることができる。このような免疫誘導性付加ペプチドの具体例としては、例えば、Hisタグ等を付加した形態にあるペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いられる上記ペプチドは、例えば市販のペプチド合成機を用いて常法により容易に調製することができる。また、公知の遺伝子工学的手法を用いて、上記ペプチドをコードするポリヌクレオチドを調製し、該ポリヌクレオチドを発現ベクターに組み込んで宿主細胞に導入し、該宿主細胞中でペプチドを生産させることにより、目的とするペプチドを得ることができる。上記ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、例えば、GPNMB遺伝子を発現する組織から抽出したRNAから、GPNMB遺伝子のcDNAをRT−PCRにより調製して得ることができる。また、市販の核酸合成機を用いて常法により容易に調製することができる。GPNMBのアミノ酸配列は配列番号2に示す通りであり、また、それをコードするcDNAの塩基配列は配列番号1に示す通りであるから、該塩基配列を参照すれば、配列番号2の一部から成る上記した免疫誘導性部分ペプチドを容易に調製することができる。配列番号1中の部分配列と同一の塩基配列の他、その保存的置換塩基配列(コードするアミノ酸配列が同じで塩基配列が異なるもの)を用いることもできる。なお、各アミノ酸をコードするコドンは公知であるから、特定のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列は容易に特定することができる。従って、上記した免疫誘導性修飾ペプチド及び免疫誘導性付加ペプチドをコードするポリヌクレオチドも、塩基配列を容易に特定することができ、調製は容易である。RNAの抽出、RT−PCR、ベクターへのcDNAの組み込み、ベクターの宿主細胞への導入は周知の方法により行なうことができる。また、用いるベクターや宿主細胞も周知であり、種々のものが市販されている。
下記実施例に具体的に記載されるように、上記ペプチドは、免疫誘導活性を示す。すなわち、該ペプチドで刺激したT細胞は、GPNMBを発現する癌細胞に対して細胞障害活性を示し、増殖する。従って、該ペプチドを有効成分として含む免疫誘導剤を癌患者に投与すれば、患者の癌を治療することができる。また、該免疫誘導剤を癌の発症前に生体に投与すれば、該生体にあらかじめ該ペプチドに対する免疫を誘導することができるので、癌を予防することができる。すなわち、本発明の免疫誘導剤は、癌の治療にも予防にも有用である。
本発明の免疫誘導剤を癌の治療及び/又は予防剤として用いる場合、対象となる癌としては、GPNMBを発現している癌を挙げることができ、脳腫瘍、メラノーマ、頭、首、肺、子宮又は食道の扁平上皮癌、肺または子宮の腺癌、腎癌等を挙げることができる。また、投与対象は、哺乳動物であり、特にヒトが好ましい。
本発明の免疫誘導剤の生体への投与経路は、経口投与でも非経口投与でもよいが、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与、動脈内投与等の非経口投与が好ましい。また、投与量は、免疫誘導するのに有効な量、すなわち、GPNMBを発現する癌細胞に反応するT細胞を活性化および増殖させるのに有効な量であればよく、例えば癌の治療及び/又は予防に用いるのであれば、癌の治療及び/又は予防に有効な量であればよい。投与量は、症状、使用目的等に応じて適宜選択されるが、通常、有効成分量で0.0001mg〜1000mg、好ましくは0.001mg〜100mgであり、これを数日ないし数月に1回投与するのが好ましい。
本発明の免疫誘導剤は、ペプチドのみから成っていてもよいし、また、各投与形態に適した、薬理学的に許容される担体及び/又は希釈剤を用いて製剤することもできる。製剤方法及びそのための各種担体は、医薬製剤の分野において周知である。薬理学的に許容される担体又は希釈剤は、例えば、生理緩衝液のような緩衝液や、賦形剤(砂糖、乳糖、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン等)であってよく、結合剤(シロップ、ゼラチン、アラビアゴム、ソルビトール、ポリビニルクロリド、トラガント等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、タルク、シリカ等)等が適宜混合されていてもよい。投与形態としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などによる経口剤、吸入剤、注射剤、座剤、液剤などによる非経口剤などを挙げることができる。これらの製剤は一般的に知られている製法によって作ることができる。
本発明の免疫誘導剤は、生体内での免疫学的応答を強化することができるアジュバントや各種サイトカイン等の因子と組み合わせて用いることができる。これにより、免疫誘導剤の免疫誘導活性を高めることができるので、例えば癌の治療及び/又は予防剤として用いる場合には、癌の治療及び/又は予防効果を高めることができる。
アジュバントは、抗原の貯蔵所(細胞外またはマクロファージ内)を提供し、マクロファージを活性化し、かつ特定組のリンパ球を刺激することにより、免疫学的応答を強化し得るので、抗癌作用を高めることができる。従って、特に、本発明の免疫誘導剤を癌の治療及び/又は予防に用いる場合、免疫誘導剤は、有効成分たる上記ペプチドに加えてさらにアジュバントを含むことが好ましい。多数の種類のアジュバントが当業界で周知であり、いずれのアジュバントでも用いることができる。アジュバントの具体例としては、MPL(SmithKline Beecham)、サルモネラ属のSalmonella minnesota Re 595リポ多糖類の精製および酸加水分解後に得られる同類物;QS21(SmithKline Beecham)、Quillja saponaria抽出物から精製される純QA−21サポニン;PCT出願WO96/33739(SmithKline Beecham)に記載されたDQS21;QS−7、QS−17、QS−18およびQS−L1(ソ(So)、外10名、「モレキュルズ・アンド・セル(Molecules and cells)」、1997年、第7巻、p.178−186);フロイントの不完全アジュバント;フロイントの完全アジュバント;ビタミンE;モンタニド;ミョウバン;CpGオリゴヌクレオチド(例えば、クレイグ(Kreig)、外7名、「ネイチャー(Nature)」、第374巻、p.546−549)を参照);ポリIC;ポリICLCならびにスクアレンおよび/またはトコフェロールのような生分解性油から調製される種々の油中水エマルションが挙げられる。好ましくは、ペプチドは、フロイントの不完全アジュバントもしくはモンタニドと混合されて投与される。上記アジュバントとペプチドの混合比は、典型的には約1:10〜10:1,好ましくは約1:5〜5:1、さらに好ましくは約1:1である。ただし、アジュバントはこれらに限定されず、当業界で既知のその他のアジュバントも本発明に用いられ得る(例えば、ゴッディング(Goding)著,「モノクローナル・アンチボディーズ:プリンシプル・アンド・プラクティス(Monoclonal Antibodies:Principles and Practice)」、第2版、1986年を参照)。ペプチドおよびアジュバントの混合物またはエマルションの調製方法は、予防接種の当業者には周知である。
対象の免疫応答を刺激するその他の因子も、対象に投与され得る。例えばその他のサイトカインも、リンパ球刺激特性の結果として、予防接種プロトコルに有用である。このような目的のために有用な多数のサイトカインは当業者に既知であり、その例としては、ワクチンの防御作用を強化することが示されているインターロイキン−12(IL−12)、GM−CSF、IL−18、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンω、インターフェロンγおよびFlt3リガンドが挙げられるが、これらに限定されない。このような因子も、本発明の免疫誘導剤に含ませて、又は別個の組成物として、本発明の免疫誘導剤と併用して患者に投与することができる。
下記実施例において具体的に記載されるように、本発明で用いられる上記ペプチドと、抗原提示細胞をインビトロで接触させることにより、該ペプチドを抗原提示細胞に提示させることができる。すなわち、本発明の免疫誘導剤は、抗原提示細胞の処理剤として用いることができる。ここで、抗原提示細胞としては、HLAクラスI又はHLAクラスII分子を保有する樹状細胞又はB細胞を好ましく用いることができる。種々のHLAクラスI及びHLAクラスII分子が同定されており、周知である。HLAクラスI分子としては、HLA-A、HLA-B、HLA-Cを挙げることができ、より具体的には、HLA-A1, HLA-A0201, HLA-A0204, HLA-A0205, HLA-A0206, HLA-A0207, HLA-A11, HLA-A24, HLA-A31, HLA-A6801, HLA-B7, HLA-B8, HLA-B2705, HLA-B37, HLA-Cw0401, HLA-Cw0602などを挙げることができる。HLAクラスII分子としては、HLA-DR、HLA-DQ、HLA-DPを挙げることができる。
HLAクラスI又はHLAクラスII分子を保有する樹状細胞又はB細胞は、周知の方法により末梢血から調製することができる。例えば、骨髄、臍帯血あるいは患者末梢血から、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)とIL-3(あるいはIL-4)を用いて樹状細胞を誘導し、その培養系に腫瘍関連ペプチドを加えることにより、腫瘍特異的な樹状細胞を誘導することができる。この樹状細胞を有効量投与することで、癌の治療に望ましい応答を誘導できる。用いる細胞は、健康人から提供された骨髄や臍帯血、患者本人の骨髄や末梢血等を用いることができるが、患者本来の自家細胞を使う場合は、安全性が高く、重篤な副作用を回避することも期待できる。末梢血または骨髄は新鮮試料、低温保存試料及び凍結保存試料のいずれでもよい。末梢血は、全血を培養してもよいし、白血球成分だけを分離して培養してもよいが、後者の方が効率的で好ましい。さらに白血球成分の中でも単核球を分離してもよい。また、骨髄や臍帯血を起源とする場合には、骨髄を構成する細胞全体を培養してもよいし、これから単核球を分離して培養してもよい。末梢血やその白血球成分、骨髄細胞には、樹状細胞の起源となる単核球、造血幹細胞又は未成熟樹状細胞やCD4陽性細胞等が含まれている。用いられるサイトカインは、安全性と生理活性が確認された特性のものであれば、天然型、あるいは遺伝子組み換え型等、その生産手法については問わないが、好ましくは医療用に用いられる品質が確保された標品が必要最低量で用いられる。添加するサイトカインの濃度は、樹状細胞が誘導される濃度であれば特に限定されず、通常サイトカインの合計濃度で10〜1000ng/mL程度が好ましく、さらに好ましくは20〜500ng/mL程度である。培養は、白血球の培養に通常用いられている周知の培地を用いて行うことができる。培養温度は白血球の増殖が可能であれば特に限定されないが、ヒトの体温である37℃程度が最も好ましい。また、培養中の気体環境は白血球の増殖が可能であれば特に限定されないが、5%COを通気することが好ましい。さらに培養期間は、必要数の細胞が誘導される期間であれば特に限定されないが、通常3日〜8週間の間で行われる。細胞の分離や培養に供される機器は、適宜適当なものを用いることができるが、医療用に安全性が確認され、かつ操作が安定して簡便であることが好ましい。特に細胞培養装置については、シャーレ、フラスコ、ボトル等の一般的容器に拘わらず、積層型容器や多段式容器、ローラーボトル、スピナー式ボトル、バッグ式培養器、中空糸カラム等も用いることができる。
本発明で用いられる上記ペプチドと抗原提示細胞をインビトロで接触させる方法自体は周知の方法により行なうことができ、下記実施例にも具体的に記載されている。すなわち、抗原提示細胞を、上記ペプチドを含む培養液中で培養することにより行なうことができる。培地中のペプチド濃度は、特に限定されないが、通常、1μg/mlないし100μg/ml程度、好ましくは5μg/mlないし20μg/ml程度である。培養時の細胞密度は特に限定されないが、通常、103細胞/mlから107細胞/ml程度、好ましくは5x10細胞/mlから5x106細胞/ml程度である。培養は、常法に従い、37℃、5%CO2雰囲気中で行なうことが好ましい。
上記したペプチドの共存下において抗原提示細胞を培養することにより、ペプチドが抗原提示細胞のHLA分子に取り込まれ、抗原提示細胞の表面に提示される。本発明は、このような、上記ペプチドとHLA分子の複合体を含む、単離抗原提示細胞をも提供する。このような抗原提示細胞は、生体内又はインビトロにおいて、T細胞に対して該ペプチドを提示し、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞を誘導し、増殖させる。
上記のようにして調製される、上記ペプチドとHLA分子の複合体を含む、抗原提示細胞をT細胞をインビトロで接触させることにより、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞を誘導し、増殖させることができる。これは、上記抗原提示細胞とT細胞とを液体培地中で共存培養することにより行なうことができる。例えば、抗原提示細胞を液体培地に懸濁して、マイクロプレートのウェル等の容器に入れ、これにT細胞を添加して培養することにより行なうことができる。共存培養時の抗原提示細胞とT細胞の混合比率は、特に限定されないが、通常、細胞数の比率で1:1〜1:100程度、好ましくは1:5〜1:20程度である。また、液体培地中に懸濁する抗原提示細胞の密度は、特に限定されないが、通常、100〜1000万細胞/ml程度、好ましくは10000〜100万細胞/ml程度である。共存培養は、常法に従い、37℃、5%CO2雰囲気中で行なうことが好ましい。培養時間は、特に限定されないが、通常、2日〜3週間、好ましくは4日〜2週間程度である。また、共存培養は、IL-2、IL-6、IL-7及びIL-12のようなインターロイキンの1種又は複数の存在下で行なうことが好ましい。この場合、IL-2及びIL-7の濃度は、通常、5U/mlから20U/ml程度、IL-6の濃度は通常、500U/mlから2000U/ml程度、IL-12の濃度は通常、5ng/mlから20ng/ml程度であるが、これらに限定されるものではない。上記の共存培養は、新鮮な抗原提示細胞を追加して1回ないし数回繰り返してもよい。例えば、共存培養後の培養上清を捨て、新鮮な抗原提示細胞の懸濁液を添加してさらに共存培養を行なうという操作を、1回ないし数回繰り返してもよい。各共存培養の条件は、上記と同様でよい。なお、本明細書において、上記のように、ペプチドを抗原提示細胞の表面に提示させるためにペプチドを抗原提示細胞の培養液に加えることを、「ペプチドで細胞をパルスする」と呼ぶことがある。また、上記ペプチドを提示する抗原提示細胞とT細胞を接触させることを、「ペプチドでT細胞を刺激する」と呼ぶことがある。
上記の共存培養により、該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞が誘導され、増殖される。本発明は、このような、上記ペプチドとHLA分子の複合体を選択的に結合する、単離T細胞をも提供する。
上記ペプチドを提示する上記抗原提示細胞は、生体内においても該ペプチドに特異的な細胞障害性T細胞を誘導し、増殖させることができるので、これを生体に投与することにより癌の治療及び/又は予防を行なうことができる。また、上記ペプチドとHLA分子の複合体を選択的に結合する、T細胞は、GPNMBを発現する癌細胞に対して細胞障害活性を示すので、該T細胞を生体に投与することによっても癌の治療及び/又は予防を行なうことができる。従って、本発明は、上記本発明の抗原提示細胞を有効成分として含有する医薬、並びに癌の治療及び/又は予防剤、並びに上記本発明のT細胞を有効成分として含有する医薬、並びに癌の治療及び/又は予防剤をも提供する。治療対象となる癌の例としては、当然ながら、本発明のペプチドを有効成分として含有する癌の治療及び/又は予防剤の対象として上記した癌を挙げることができる。
生体に投与する抗原提示細胞又はT細胞は、これらの細胞を異物として攻撃する生体内での免疫応答を回避するために、治療を受ける患者から採取した抗原提示細胞又はT細胞を、上記のように本発明で用いられる上記(a)ないし(c)のペプチドを用いて調製したものであることが好ましい。
抗原提示細胞又はT細胞を有効成分として含む医薬、特に癌の治療及び/又は予防剤の投与経路は、静脈内投与や動脈内投与のような非経口投与が好ましい。また、投与量は、症状や投与目的等に応じて適宜選択されるが、通常1個〜10兆個、好ましくは100万個〜10億個であり、これを数日ないし数月に1回投与するのが好ましい。製剤は、例えば、細胞を生理緩衝食塩水に懸濁したもの等であってよく、他の抗癌剤やサイトカイン等と併用することもできる。また、製剤分野において周知の1又は2以上の添加剤を添加することもできる。
また、上記(a)ないし(c)のペプチドをコードするポリヌクレオチドを対象動物の体内で発現させることによっても、該生体内で抗体生産や細胞障害性T細胞を誘導することができ、ペプチドを投与するのと同等の効果が得られる。すなわち、本発明の免疫誘導剤は、上記した(a)ないし(c)のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターを有効成分として含むものであってもよい。このような、生体内で抗原ペプチドを発現可能な組換えベクターは、遺伝子ワクチンとも呼ばれる。
遺伝子ワクチンを製造するために用いるベクターは、対象動物細胞内(好ましくは哺乳動物細胞内)で発現可能なベクターであれば特に限定されず、プラスミドベクターでもウイルスベクターでもよく、遺伝子ワクチンの分野で公知のいかなるベクターを用いてもよい。そのようなベクターは種々のものが市販されており、市販品を好ましく用いることができる。例えば、市販のベクターのマルチクローニング部位に、上記(a)ないし(c)のペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入することにより、上記組換えベクターを得ることができる。なお、上記ペプチドをコードするDNAやRNA等のポリヌクレオチドは、上述した通り、常法により容易に調製することができる。また、ベクターへの該ポリヌクレオチドの組み込みは、当業者に周知の方法を用いて行なうことができる。
遺伝子ワクチンの投与経路は、好ましくは筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与、動脈内投与等の非経口投与経路であり、投与量は、抗原の種類等に応じて適宜選択することができるが、通常、体重1kg当たり、遺伝子ワクチンの重量で0.1μg〜100mg程度、好ましくは1μg〜10mg程度である。
ウイルスベクターによる方法としては、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス等のRNAウイルスまたはDNAウイルスに上記ペプチドをコードするポリヌクレオチドを組み込んで導入する方法が挙げられる。この中で、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシニアウイルス等を用いた方法が特に好ましい。
その他の方法としては、発現プラスミドを直接筋肉内に投与する方法(DNAワクチン法)、リポソーム法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙げられ、特にDNAワクチン法、リポソーム法が好ましい。
本発明で用いられる上記ペプチドをコードする遺伝子を実際に医薬として作用させるには、遺伝子を直接体内に導入するin vivo方法、およびヒトからある種の細胞を採取し体外で遺伝子を該細胞に導入しその細胞を体内に戻すex vivo方法がある(日経サイエンス,1994年4月,p20−45、月刊薬事,1994年,第36巻,第1号,p.23−48、実験医学増刊,1994年,第12巻,第15号、およびこれらの引用文献等)。in vivo方法がより好ましい。
in vivo方法により投与する場合は、治療目的の疾患、症状等に応じた適当な投与経路により投与され得る。例えば、静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投与することが出来る。in vivo方法により投与する場合は、例えば、液剤等の製剤形態をとりうるが、一般的には有効成分である上記ペプチドをコードするDNAを含有する注射剤等とされ、必要に応じて、慣用の担体を加えてもよい。また、該DNAを含有するリポソームまたは膜融合リポソーム(センダイウイルス(HVJ)−リポソーム等)においては、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍結剤等のリポソーム製剤の形態とすることができる。
一方、大腸菌や酵母菌などの微生物用のベクターも周知であり、種々のものが市販されている。微生物用のベクターに上記ポリヌクレオチドを組み込んだ組換えベクターは、本発明で用いられる上記ペプチドを遺伝子工学的に大量生産するために用いることができる。微生物への組換えベクターの組み込みは周知の方法により行なうことができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。
実施例1:GPNMB由来ペプチドエピトープ反応性CD8陽性T細胞の誘導
(1)ヒトGPNMBタンパク質のアミノ酸配列の情報をGenBankから得た。HLA-A0201結合モチーフ予測のため、公知のBIMASソフト(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/で利用可能)を用いたコンピューター予測プログラムを用いてヒトGPNMBタンパク質のアミノ酸配列を解析し、HLAクラスI分子に結合可能と予想されるペプチドを選択した。これらのペプチドは、市販のペプチド合成機を用いて常法により調製した。
(2)HLA-A0201陽性の健常人から末梢血を分離し、Lymphocyte separation medium(OrganonpTeknika, Durham, NC)に重層して1,500rpmで室温で20分間遠心分離した。末梢血単核球(PBMC)を含有する画分を回収し、冷リン酸塩緩衝液中で3回(またはそれ以上)洗浄し、PBMCを得た。得られたPBMCをAIM-V培地(Life Technololgies, Inc., Grand Island, NY)20mlに懸濁し、培養フラスコ(Falcon)中に37℃、5%COの条件下で2時間付着させた。非付着細胞はT細胞調製に用い、付着細胞は樹状細胞を調製するために用いた。
一方、付着細胞をAIM-V培地中でIL-4(1000U/ml)およびGM-CSF(1000U/ml)の存在下で培養した。6日後にIL-4(1000U/ml)、GM-CSF(1000U/ml)、IL-6(1000U/ml、Genzyme, Cambridge, MA)、IL-1β(10ng/ml、Genzyme, Cambridge, MA)およびTNF-α(10ng/ml、Genzyme, Cambridge, MA)を添加したAIM-V培地に交換してさらに2日間培養した後得られた非付着細胞集団を樹状細胞として用いた。
(3)調製した樹状細胞をAIM-V培地中に1×10細胞/mlの細胞密度で懸濁し、選択したペプチドを10μg/mlの濃度で添加し、96穴プレートを用いて37℃、5%COの条件下で4時間培養した。培養後、X線照射(3000rad)し、AIM-V培地で洗浄し、10%ヒトAB血清(Nabi, Miami, FL)、IL-6(1000U/ml)およびIL-12(10ng/ml、Genzyme, Cambridge, MA)を含有するAIM-V培地で懸濁し、24穴プレート1穴当りにそれぞれ1×10細胞づつ添加した。さらに調製したT細胞集団を1穴当りそれぞれ1×10細胞添加し、37℃、5%COの条件下で培養した。7日後、それぞれの培養上清を捨て、上記と同様にして得た各ペプチドで処理後X線照射した樹状細胞を10%ヒトAB血清(Nabi, Miami, FL)、IL-7(10U/ml、Genzyme, Cambridge, MA)およびIL-2(10U/ml、Genzyme, Cambridge, MA)を含有するAIM-V培地で懸濁し(細胞密度:1×10細胞/ml)、24穴プレート1穴当りにそれぞれ1×10細胞づつ添加し、さらに培養した。同様の操作を7日間おきに4〜6回繰返した後刺激されたT細胞を回収し,フローサイトメトリーによりCD8陽性T細胞の誘導を確認した。
実施例2:HLA-A0201陽性CD8陽性T細胞を刺激するGPNMB由来細胞障害性T細胞抗原エピトープの決定
(1)上記で誘導した各穴のT細胞の内、本発明の範囲内のペプチドである配列番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドで刺激されたT細胞が増殖していることが顕微鏡下における細胞数計測により確認された。本T細胞の配列番号3のペプチドに対する特異性を調べるために、ペプチドでパルスされた、HLA-A0201分子を発現するT2細胞(文献及び入手先:Salter RD et al.,Immunogenetics, 21:235-246(1985)、ATCCより購入)(10μg/mlの濃度でAIM−V培地中各ペプチドを添加し、37℃、5%COの条件下で4時間培養)5×10個に対して、10個のT細胞を添加し、10%ヒトAB血清を含むAIM−V培地中で96穴プレートにて24時間培養した。培養後の上清を取って、IFN−γの産生量をELISA法により測定した。その結果、ペプチドをパルスしていないT2細胞を用いた穴の培養上清に比べて、配列番号3のペプチドをパルスしたT2細胞を用いた穴の培養上清において顕著なIFN−γ産生が確認された(図1)。従って、配列番号3のペプチドは特異的にHLA-A0201陽性CD8陽性T細胞を増殖刺激させ、IFN−γ産生を誘導する能力を有するT細胞エピトープペプチドであることが判明した。同様にして、特異的にHLA-A0201陽性CD8陽性T細胞を増殖刺激させ、IFN−γ産生を誘導する能力を有する配列番号4から配列番号7に記載の4種のペプチドを同定した(図2)。
なお、図1中、縦軸の参照番号1は、配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するペプチドについての結果を示す。参照番号2はGPNMB由来ペプチドの1つであるが本発明の範囲外のペプチドAYMREHNQL(配列番号8)についての結果を示す(比較例1)。参照番号3はペプチドを添加せずに上記処理を行なった場合についての結果を示す(比較例2)。また、図2中、横軸の参照番号4から7は、それぞれ、配列番号4から配列番号7に示されるアミノ酸配列を有するペプチドについての結果を示す。さらに、横軸の参照番号8はGPNMB由来ペプチドの1つであるが本発明の範囲外のペプチドである配列番号8のペプチドについての結果(比較例3)、横軸の参照番号9はペプチドを添加せずに上記処理を行なった場合についての結果を示す(比較例4)。
(2)次に、本発明の範囲内のペプチドの1つである配列番号3のペプチドが、HLA-A0201陽性でGPNMBを発現する腫瘍細胞上のHLA-A0201分子上に提示されるものであるか、また本ペプチドで刺激されたCD8陽性T細胞がHLA-A0201陽性でGPNMBを発現する腫瘍細胞を障害することができるかを検討した。GPNMBの発現が確認されている悪性脳腫瘍細胞株、U251(ピッツバーグ大学岡田博士からの供与)を10個50ml容の遠心チューブに集め、100μCiのクロミウム51を加え37℃で2時間インキュベートした。その後10%ヒトAB血清を含むAIM−V培地で3回洗浄し、96穴V底プレート1穴あたり10個づつ添加し、さらにこれに後10%ヒトAB血清を含むAIM−V培地で懸濁された5x10、2.5x10、1.25x10および6.25x10個の配列番号3のペプチドで刺激されたHLA-A0201陽性のCD8陽性T細胞をそれぞれ添加して、37℃、5%COの条件下で4時間培養した。また同時に、上記と同じ条件で調製した各細胞に、配列番号3のペプチドでパルスされた、HLA-A0201分子を発現するT2細胞(10μg/mlの濃度でAIM−V培地中、配列番号3のペプチドを添加し、37℃、5%COの条件下で4時間培養)10個を添加し、37℃、5%COの条件下で4時間培養した。培養後、障害を受けた腫瘍細胞から放出される培養上清中のクロミウム51の量を測定することによって、配列番号3のペプチドで刺激されたCD8陽性T細胞の細胞障害活性を算出した。その結果、本ペプチドで刺激されたHLA-A0201陽性のCD8陽性T細胞がU251に対する細胞障害活性を有することが判明した(図3中●で示す)。従って、本発明のペプチドの1つである配列番号3のペプチドは、HLA-A0201陽性でGPNMBを発現する腫瘍細胞上のHLA-A0201分子上に提示されるものであり、さらに本ペプチドは、このような腫瘍細胞を障害することができるCD8陽性細胞障害性T細胞を誘導する能力があることが明らかになった。なお、本ペプチドでパルスされたT2細胞を加えた穴の培養上清は、放出されるクロミウム51の量が少なく、U251に対する細胞障害活性は検出されなかった(図3中○で示す)。これは、クロミウム51を細胞内に取り込んでいない本ペプチドでパルスされたT2細胞(U251の10倍量の細胞を添加)によって、本ペプチド特異的にU251に対する細胞障害活性の競合阻害が起こったためである。この結果により、U251に対する細胞障害活性が、本ペプチド特異的に起こっていることが証明された。同様にして、配列番号4から配列番号7に記載の4種のペプチド各々で刺激されたHLA-A0201陽性のCD8陽性T細胞はU251に対して細胞障害活性を示した(図4)。さらに、配列番号3から配列番号7に記載の5種のペプチド各々で刺激されたHLA-A0201陽性のCD8陽性T細胞は、GPNMBの発現が確認されている別の悪性脳腫瘍細胞株、T98G(Stein GH et al.,J. Cell Physiol., 99:43-54(1979)、ATCCより購入)に対して細胞障害活性を示した(図5)。
なお、細胞障害活性は、上記のように、本発明の範囲内の各ペプチドで刺激誘導されたCD8陽性T細胞5x10個とクロミウム51を取り込ませた10個の悪性脳腫瘍細胞株T98GおよびU251とを混合して4時間培養し、培養後培地に放出されたクロミウム51の量を測定して、以下計算式により算出したCD8陽性T細胞のU251およびT98Gに対する細胞障害活性を示した結果である。式:細胞障害活性(%)=CD8陽性T細胞を加えた際のU251およびT98Gからのクロミウム51遊離量÷1N塩酸を加えた標的細胞からのクロミウム51遊離量×100
なお、図4中、横軸の参照番号10〜13は、それぞれ、配列番号4から配列番号7のペプチドについての結果を示す。さらに、横軸の参照番号14はGPNMB由来ペプチドの1つであるが本発明の範囲外のペプチドである配列番号8のペプチドについての結果(比較例5)、横軸の参照番号15はペプチドを添加せずに上記処理を行なった場合についての結果を示す(比較例6)。また、図5中、横軸の参照番号16〜20は、それぞれ、配列番号3から配列番号7のペプチドについての結果を示す。さらに、横軸の参照番号21はGPNMB由来ペプチドの1つであるが本発明の範囲外のペプチドである配列番号8のペプチドについての結果(比較例7)、横軸の参照番号22はペプチドを添加せずに上記処理を行なった場合についての結果を示す(比較例8)。
本発明で用いられるペプチドは、癌の治療及び/又は予防剤の有効成分として有用であり、また、癌の治療及び/又は予防剤として利用できる抗原提示細胞やT細胞の誘導に有用である。

Claims (18)

  1. 以下の(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチド又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターを有効成分として含有する免疫誘導剤。
    (a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
  2. 前記(b)のペプチドが前記(a)のペプチドと85%以上の相同性を有する請求項1記載の免疫誘導剤。
  3. 前記免疫誘導活性を有するペプチドが、配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416若しくはaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド又は前記ペプチドを部分配列として含みアミノ酸残基数が8〜30であるペプチドである請求項1記載の免疫誘導剤。
  4. 前記免疫誘導活性を有するペプチドが、配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチドである請求項3記載の免疫誘導剤。
  5. 前記免疫誘導活性を有するペプチドが、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6又は配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する請求項4記載の免疫誘導剤。
  6. ペプチドを有効成分として含有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の免疫誘導剤。
  7. 癌の治療及び/又は予防剤である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の免疫誘導剤。
  8. 抗原提示細胞の処理剤である請求項6記載の免疫誘導剤。
  9. 以下の(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチドとHLA分子の複合体を含む、単離抗原提示細胞。
    (a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
  10. 以下の(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチドとHLA分子の複合体を選択的に結合する、単離T細胞。
    (a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
  11. 請求項9記載の単離抗原提示細胞又は請求項10記載の単離T細胞を有効成分として含有する医薬。
  12. 請求項9記載の単離抗原提示細胞又は請求項10記載の単離T細胞を有効成分として含有する癌の治療及び/又は予防剤。
  13. 以下の(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチド又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターの有効量を個体に投与することを含む、免疫誘導方法。
    (a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
  14. 以下の(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチドと抗原提示細胞とを接触させることを含む、抗原提示細胞の処理方法。
    (a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
  15. 請求項9記載の単離抗原提示細胞又は請求項10記載の単離T細胞の有効量を個体に投与することを含む、癌の治療及び/又は予防方法。
  16. 以下の(a)ないし(c)のいずれかのペプチドであって免疫誘導活性を有するペプチド又は該ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み生体内で該ペプチドを発現可能な組換えベクターの、免疫誘導剤の製造のための使用。
    (a) 配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列中のaa265-274、aa303-311、aa408-416又はaa495-504の領域内の連続する7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (b) (a)のペプチドと80%以上の相同性を有し、7個以上のアミノ酸から成るペプチド。
    (c) (a)又は(b)のペプチドを部分配列として含み、アミノ酸残基数が8〜30であるペプチド。
  17. 請求項9記載の単離抗原提示細胞又は請求項10記載の単離T細胞の、医薬の製造のための使用。
  18. 請求項9記載の単離抗原提示細胞又は請求項10記載の単離T細胞の、癌の治療及び/又は予防剤の製造のための使用。
JP2008550573A 2007-10-25 2008-10-23 免疫誘導剤及びその用途 Pending JPWO2009054470A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007277287 2007-10-25
JP2007277287 2007-10-25
PCT/JP2008/069265 WO2009054470A1 (ja) 2007-10-25 2008-10-23 免疫誘導剤及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2009054470A1 true JPWO2009054470A1 (ja) 2011-03-10

Family

ID=40579572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008550573A Pending JPWO2009054470A1 (ja) 2007-10-25 2008-10-23 免疫誘導剤及びその用途

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2009054470A1 (ja)
WO (1) WO2009054470A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220267374A1 (en) * 2019-07-29 2022-08-25 Juntendo Educational Foundation Immunity inducer and pharmaceutical composition for preventing or treating aging-related diseases

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004026135A1 (de) * 2004-05-25 2006-01-05 Immatics Biotechnologies Gmbh An MHC-Moleküle bindende Tumor-assoziierte Peptide
JP4748639B2 (ja) * 2004-11-01 2011-08-17 宮崎県 肝臓疾患治療剤

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009054470A1 (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5087925B2 (ja) 新規癌抗原ペプチド及びその用途
WO2010016525A1 (ja) 免疫誘導剤
JP5954174B2 (ja) 免疫誘導剤
JP5954175B2 (ja) 免疫誘導剤
JPWO2009054470A1 (ja) 免疫誘導剤及びその用途
JP7181676B2 (ja) 免疫誘導剤
JP5572937B2 (ja) 免疫誘導剤
JP5217502B2 (ja) 癌の治療及び/又は予防剤
JP7160462B2 (ja) 免疫誘導剤
JP7087387B2 (ja) 免疫誘導剤
JP7147168B2 (ja) 免疫誘導剤
JP5673641B2 (ja) 免疫誘導剤及びその用途
JP5572938B2 (ja) 免疫誘導剤
JP5504607B2 (ja) 免疫誘導剤
JP5151349B2 (ja) 免疫誘導剤及びその用途
WO2017170365A1 (ja) 免疫誘導剤
JP5589274B2 (ja) 免疫誘導剤
JP2008247891A (ja) 癌の治療及び/又は予防剤