JPWO2009031319A1 - 眼科手術用排液器 - Google Patents

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Abstract

吸引器等を用いることなく簡易な構成で継続して高い排液能力を確保できる眼科手術用排液器を提供する。排液器1は、本体2と垂下部3と本体2の裏面に設けられた脚部材4と瞼裂内に突出する突出部5とから構成される。本体2及び垂下部3は、表面が濡れ性を有し内部に水を染み込ませない紙により一体に形成され、全体形状が略台形状である。本体2の側縁23,24は目尻E4近傍の眼瞼縁E3に沿うように形成される。本体2と滅菌シールSとの間には間隔Gが形成される。垂下部3は眼瞼縁E3から内部に延びている。瞼裂E5内に液体L2が溜まり、垂下部3の下端部に当接すると、液体L2は垂下部3の濡れ性(或いは液体L2の付着力)により垂下部3と眼瞼縁E3および本体2の裏面との間隔に引き出され、本体2と滅菌シールSとの間隔Gを下流側に流れる。よって、吸引器等を必要とすることなく液体L2を瞼裂E5内から外部に排出できる。

Description

本発明は、眼科手術において仰向けの患者の瞼裂内(眼瞼皮膚内の凹部)に滞留する液体を排出する排液器に関するものである。
眼科における顕微鏡下手術は、患者を仰向けに寝かせた状態で、手術を行う眼球および眼瞼皮膚のみが露出するように清潔な不織布で覆うことが行われる。さらに多くの場合、眼瞼縁及び睫毛を包み込む滅菌シールで眼球以外をすべて覆うことも行われている。また、開瞼器を掛けて瞬きを抑制することも行われている。眼科手術、例えば白内障の手術においては、眼球組織の保護並びに術野の清明性確保のために、生理食塩液等を絶えず眼球上に点眼しながら手術が行われる。このため、瞼裂内の角膜(或いは結膜)周辺部には生理食塩液等が滞留することになる。
また、眼球の内部を手術する眼内手術の場合、眼内圧を維持するために、粘性の高い液体を眼内に注入したり、眼内灌流液を絶えず眼内に補充することが行われている。このような眼内手術の際には、手術器具の眼内への挿入時や、引き出し時、および眼内操作中の切開創の歪みにより眼内液は眼外に大量に漏出し、瞼裂内に滞留する。
上記瞼裂内に滞留した点眼液および眼内灌流液等の液体は、親水性の高い角膜から結膜を潤したのち最低部に当たる目尻(外眼角部)から重力により外下方へ自然落下で零れ落ちようとする。
しかしながら、図16(a)に示すように、患者の眼球Eの目尻部は眼瞼縁E3が盛り上がっており、また、上記のように目尻部の周囲が滅菌シール(図示省略)で覆われている場合が多い。これらの眼瞼縁E3及び滅菌シールは、結膜E2に較べて親水性が低いために液体が堰き止められて溜まり、当該液体Lの表面張力で液面が隆起し、その液面が術野まで及んで術野の清明性を乱し、施術を困難にすることがある。特に、開瞼幅が狭い目、俗に小さいと言われる目ほど、術野を確保するための開瞼器を設置すると、目尻部の眼瞼縁E3および皮膚が壁のように立ち上がる。このため、上記液面隆起による液面の上昇は術野である角膜E1にまで達することがあり、術野の清明性を乱し、施術の大きな妨げとなる。
上記瞼裂内の貯留液の液面上昇は、その表面張力により最高到達面に達した後、それ以上の貯留液を抱えきれなくなって零れ落ちることになる。しかしながら、零れ落ちが終了した後も瞼裂内に滞留する液体の表面張力による液面の隆起が残存する。このような残存する液面の隆起は、図16(b)に示すように、上述の最高到達面よりは低いものの、術野の清明性を乱し、施術を困難にすることがある。
一方、瞼裂内に連続して液体が供給される場合、供給された液体は目尻部から連続して流れ出すことになるが、図16(c)に示すように、このような流れの目尻部における液面の高さも前記最高到達面よりは低いものの術野の清明性を乱す原因となる。また、このように液体が連続して流れ出ているときは、特に眼上の貯留液が波打って乱反射を起こすために施術の大きな妨げとなる。また、この連続流出の終了後においても、図16(b)の場合と同様に、瞼裂内に滞留する液体により術野の清明性が乱されることとなる。
上記のような術野の清明性を乱す眼上の液体貯留状態を解消するために採られてきた貯留液体を眼外へ排出する方法としては、次のようなものが挙げられる。まず、吸水性のある材質、例えばガーゼやスポンジ素材等を目尻部の眼瞼縁に設置して目尻から下方(耳のある方向)に垂らし、親水性の低い目尻部の眼瞼縁や滅菌シールによって生じる液面上昇を低下させることが考えられる。例えば、特開平8−317939号公報(特許文献1)には、瞼裂内の液体を吸収する繊維状(ガーゼ等)やスポンジ状の接触吸収部と、液体を貯留する吸収体本部と、これらを接続する液誘導部とを備えた手術用液吸収具が開示されている。
しかし、上記特許文献1に開示された手法のように、ガーゼ等に液体を染み込ませて貯留液体を眼外へ排出するような方法では、液体が大量に漏出した場合、ガーゼ等の表面にも液体が流れるため、液体の隆起液面を十分に低く抑えることはできない。また、スポンジ素材等では、液体がスポンジ素材等に染み込む速度が遅いため、迅速な排液(排水)ができないという不都合もある。
また、白内障手術等では、眼球形状を維持させる目的で、粘度の高い透明な液体を眼内に注入して手術を遂行するが、この粘性の高い液体は術中に眼外に溢れ出るため、ガーゼやスポンジ素材等は目詰まりしてしまい、排液効果が激減してしまう。また、この際、粘性の高い液体を除去しようとしても、ガーゼやスポンジ素材の内部に吸収された状態となっているため、簡易な洗浄では落とすことができず、排液効果の復元は困難であった。また、手術時には瞼裂内の液体に血液が混入することがあるが、スポンジ素材等では血液が凝固してしまい、吸収能力が低下するとともに、凝固した血液を洗い流すことが困難となる。
さらに、特許文献1記載の吸収具では、開瞼器を患者にセットした後に吸収具を設置する場合、開瞼器の下方を通す必要があり、作業が煩雑となり、吸収具の設置時に誤って開瞼器に触れてしまった場合は、患者に不快感を与えるおそれもある。
次に、小さい目の症例に対し、目尻部の眼瞼縁に錘を引っ掛け垂らして眼瞼縁および皮膚の壁を引き下げる機器がある(図示省略)。しかし、このような機器では、目尻部の眼瞼縁および皮膚の壁を完全に解消することはできないために、瞼裂内に滞留する液体の量を減らすことはできるものの、なお液体が残留するため効果は不十分である。さらに、このような機器では、皮膚の伸展性は限られているために、患者に皮膚伸展に伴う副作用として痛みを生じさせるなどの欠点がある。
また、開瞼器を中空構造とし、瞼裂内に配置される箇所に複数の小さな穴を開け、当該開瞼器の基端部に吸引器を接続し、前記穴を介して瞼裂内の液体を吸い上げることができる開瞼器が提案されている(図示省略)。しかしながら、このような開瞼器は、電動の吸引器が必要である等、簡便性に欠け、排液器の洗浄や滅菌が必要になるため、使用も煩雑となる。また、当該開瞼器は、使用時に前記穴が結膜等に接触し、吸引されて前記穴を塞ぐことが多く、排液能力は充分ではない。また、このような機器は、組織の損傷の原因になる欠点があった。
また、特開2000−60895号公報(特許文献2)には、眼球の形状に合わせて湾曲させた扁平な筒状部材と、この筒状部材内から外部に湾曲して延出される管とを備えた排液器が開示されている。前記公報においては、前記排液器の筒状部材を目尻の眼瞼と結膜との間に差し込み、管の出口に電動の吸引器を接続し、筒状部材内に滞留した液体を管から吸引するようにしている。
しかしながら、このような方法においても、電動の吸引器が必要である等、簡便性に欠け、排液器の洗浄や滅菌が必要になるため、使用も煩雑となる。また、筒状部材を目尻の眼瞼皮膚と結膜との間に差し込むものであるため、結膜等に損傷を与えるおそれがあると共に、眼球を圧迫して眼球の内圧に変化を及ぼし、手術自体に支障がでるおそれがある。
そこで、本発明は、前記不都合を解消するために、眼科手術用の排液器の改良を目的とする。さらに詳しくは、吸引器等を用いることなく簡易な構成で継続して高い排液能力を確保できる眼科手術用排液器を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の眼科手術用排液器は、眼科手術時に仰向けの患者の瞼裂内から液体を外部に排出する排液器であって、目尻近傍の眼瞼皮膚上の載置面と所定の間隔を持って載置される板状の本体を備え、前記本体は防水性素材により形成されると共に裏面は濡れ性を有し、前記本体には瞼裂の縁部から内側に突出する突出部が設けられ、前記本体を前記載置面に載置した際に、前記突出部の裏面に瞼裂内の液体を付着させて前記本体と前記載置面との間隔内に前記液体を引き出し、前記引き出された液体を前記間隔を通過させて前記本体の外部に排出可能としたことを特徴とする。
本発明の眼科手術用排液器によれば、眼科手術時に瞼裂内に液体が溜まった状態で、その液体が前記本体の突出部の裏面に触れると、液体が前記本体裏面に付着し、濡れ(或いは付着力)によって液体が前記本体の裏面と前記載置面との間隙に引き出される。すると、液体は前記本体と前記載置面との間隙を、主に液体の付着力と本体の長さ方向の高低差により下流側に進行し、前記本体の端部まで運ばれる。このとき、液体の進行には付加的に毛管現象も作用しているものと考えられる。そして、液体は前記本体端部に水玉状に溜まった後、前記突出部から引き出される液体に押し出されると共に重力により下方に流れ落ちる。
このように、本発明の眼科手術用排液器によれば、前記本体が板状であるため、従来の排液器のように筒状部材やパイプ等を必要とせず、吸引器等も必要としない。従って、簡易な構成で瞼裂内に滞留する液体を外部に排出することができる。
また、液体は前記本体の裏面と載置面との間を流れるので、眼瞼縁から流れ出る液体の液面の高さを低くすることができる。また、液体は前記本体の裏面と載置面との間を流れるため、従来のようなガーゼやスポンジ等に染み込ませて排液する場合に比べて液体の流動抵抗が極めて小さい。従って、本発明の排液器では排液速度が速いため、瞼裂内に連続して液体が注入される場合であっても、確実に素早くその液体を外部に排出することができる。また、前記本体は防水性素材により形成されているため、ガーゼやスポンジ等と異なり、粘性の高い液体が付着したり、血液が表面で凝固した場合であっても、前記本体内には血液等が染み込みにくいため、洗浄が容易である。従って、手術中であっても、術者や助手等が適宜本発明の排液器を洗浄すれば、常に高い排液性を保つことができる。
また、本発明の排液器は、板状の部材を眼瞼皮膚上に載置するだけでよいため、眼球を圧迫することがない。なお、前記本体裏面の濡れ性は、本体自体に濡れ性のある素材を用いてもよく、濡れ性のない本体に濡れ性を持たせる加工を施してもよい。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記突出部に、目尻近傍の結膜に向けて垂下される垂下部が設けられていることが好ましい。このように、前記垂下部を設けることにより、前記垂下部を瞼裂内の底部を含む下方の液体に接触させることができる。このため、前記垂下部により瞼裂内の底部近傍の液体まで引き出すことができる。また、前記垂下部は、目尻近傍の結膜に向けて垂下するものであるため、前記垂下部を瞼裂の縁部に係止させることができる。従って、前記垂下部により、前記本体を載置面に載置する際の位置決めが容易となる。また、前記垂下部により、前記本体が載置面から下流側(患者の耳の方向)にずれるのを防止できるため、瞼裂内から流れ出る液体で前記本体が下流側に流され難くなる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の一部又は全部が、液体が流れる方向から見たときに前記載置面に対して傾斜していることが好ましい。このように、前記本体が傾斜していることにより、この傾斜部分では、前記本体の裏面と前記載置面との間隔に狭いところと広いところができる。例えば、瞼裂内から引き出される液体の量が少ないときは、液体は前記間隔の狭いところを流れる。従って、瞼裂内から引き出される液体の量が少ない場合であっても、液体の流れが途切れないため、瞼裂内からの液体の引き出しを継続することが容易となる。一方、瞼裂内から引き出される液体の量が多いときは、液体は前記間隔の狭いところから広いところまで広がって流れる。従って、瞼裂内から引き出される液体の量が多い場合であっても、円滑に液体を流すことができる。この傾斜面は、平板状であってもよく、湾曲していてもよく、或いは階段状に傾斜するものであってもよい。
また、本発明の眼科手術用排液器において、前記本体を傾斜させる態様としては、前記本体が流体が流れる方向から見たときに山状に隆起していてもよく、前記本体が流体が流れる方向から見たときにV字状に形成されていてもよい。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体に、流体の流れる方向に対して交差する方向に複数のスリットが設けられていることが好ましい。このように、前記本体に前記スリットを設けたときは、載置面に起伏がある場合であっても、前記スリットにより短冊状となった本体を曲げることにより前記起伏に合わせて前記本体を変形させることができる。従って、載置面の起伏により前記本体と載置面との間隔が広く空きすぎるということがないため、確実に液体を瞼裂内から排水することができる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の裏面側に、所定の高さを有する脚部材が設けられていることが好ましい。前記脚部材により、前記本体と載置面との間隔を保つことができる。また、前記脚部材によって前記本体を傾斜させることができる。
また、本発明の眼科手術用排液器において、前記本体は、前記突出部の縁の形状を、前記眼瞼縁に沿って湾曲させるようにしてもよい。当該構成により、瞼裂内の液面が上昇した際に、液体の引き出される箇所が前記縁に沿って広がって行き、前記縁の全体で瞼裂内から流出する液体の液面の上昇を抑えることができる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の裏面側に、液体の流れる方向に向けて他の面と比べて濡れ性がよい親水性膜が設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、前記本体の裏面に接触した液体は前記親水性膜を基点として前記本体と前記載置面との間を下流側に流れるため、液体が円滑に前記本体の下流側に流れるようになる。また、瞼裂内の液体が一時的に少なくなったとき等は、前記本体から外部に流れ落ちる液体はある程度勢いがついているため、或いは、経時的な蒸発のために、前記本体の裏面と載置面との間にある液体が途切れることがある。このような場合は、再度瞼裂内の液体が増えても、前記本体裏面に接触した液体が前記本体と載置面との間を通過するには、液体の途切れと液体の表面張力によって生じた界面を押し破る必要がある。このとき、前記本体に前記親水性膜が設けられている場合は、瞼裂内の液体の減少による前記本体と載置面との液の途切れが生じにくい。さらに、液の途切れが生じた場合であっても、前記親水性膜により前記界面を押し破る際の抵抗が減少するので、液体の迅速な排出を行うことができる。
このため、前記親水性膜は、前記傾斜部分における前記間隔の狭い箇所に設けることがより好ましい。瞼裂内から引き出される液体が少ないときは、液体は前記間隔の狭いところを通るため、前記親水性膜を前記間隔の狭い箇所に設けることにより、瞼裂内から引き出される液体が少ない場合であっても液体の流れを円滑にすることができる。また、前記間隔内において、液体の流れが停止した状態での液体の保持能力が高くなる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の裏面側に、液体の流れる方向に向けて吸水部材が設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、前記親水性膜を設けた場合と同様の作用効果を得ることができる。また、前記吸水部材内に吸収された液体は蒸発しにくいので、前記親水性膜に比べて、より長い時間前記本体と載置面との間に液体を保持しておくことができる。このため、前記液体の途切れが生じにくいので、瞼裂内の液体が減少し、再度増加した場合に、液体の増加に追従して迅速に排液量を増やすことができる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体に、眼瞼縁近傍に突出して眼瞼皮膚上に固定される固定部が設けられていることが好ましい。また、前記本体に、瞼裂内に突出して眼瞼縁に係止される係止部を設けてもよい。このような固定部或いは係止部を設けることにより、本発明の排液器を患者の眼球近傍に確実に固定することができるので、眼科手術時に瞼裂内から液体を確実に外部に排出することができる。また、本発明の眼科手術用排液器においては、本発明の排液器を患者の眼球近傍に確実に固定するために、前記本体の裏面側に、前記載置面に貼着される粘着部を設けてもよい。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体が、前記載置面に固定される載置部と、前記載置部から斜め上方に傾斜して設けられる傾斜部とから形成してもよい。即ち、載置面に前記載置部を固定し、この載置部と傾斜部との間の間隔を通過させて本体の外部に液体を排出してもよい。このような構成とすることにより、載置面に凹凸があった場合であっても、前記載置部と前記傾斜部との境界部分の連続性が確保されるため、確実に瞼裂内の液体を外部に排出することができる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記垂下部は、前記本体が前記載置面に載置された際に眼瞼縁に対向する箇所が前記眼瞼縁に向けて傾斜するよう形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、前記垂下部によって眼瞼縁に前記本体を係止しやすくなるため、本発明の排液器を患者の眼球近傍に確実に固定することができる。また、前記垂下部の傾斜により、前記垂下部と眼瞼縁との間に確実に隙間を生じさせることができるため、前記垂下部における液体の付着力による毛管現象を発生させやすくすることができる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記垂下部が複数並設され、複数の垂下部がそれぞれ互いに毛管現象を起こすような間隔を有して並設されていることが好ましい。このような構成としたときは、前記複数の垂下部同士の間における液体の付着面積が増大し、毛管現象も発現し易いので、瞼裂内に滞留する液体を迅速に外部に排出することができる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、液体の流れる方向を長さ方向としたときに、前記垂下部は、前記本体の長さ方向の中心位置を境界として上流側と下流側とで対称に形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、例えば、患者の右目に使用するときは一方の側の垂下部を使用すればよく、患者の左目に使用するときは他方の側の垂下部を使用すればよい。また、術者の利き手によっても排液器を載置する位置が異なる場合がある。このような場合であっても、1つの形状の排液器で術者の使い勝手がよい位置に載置することが可能となる。
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体が、C字状の支持部を有する開瞼器の前記支持部内に載置可能な大きさに形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、本発明の排液器を載置面に載置する際に、従来のように開瞼器の下方を通す必要がない。このため、開瞼器を患者に装着した後であっても、開瞼器の下方を通すような作業が不要となるため、本発明の排液器を容易に載置面に載置することができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は本願発明の第1の実施形態の排液器を示す説明図、図2乃至図4は第1の実施形態の排液器の使用状態図、図5は第2の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図、図6は第3の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図、図7は第4の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図、図8は第5の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図、図9は第6の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図、図10は第7の実施形態の排液器の説明図、図11は第8の実施形態の排液器の説明図、図12は第9の実施形態の排液器の説明図、図13は第10の実施形態の排液器の説明図、図14は第11の実施形態の排液器の説明図、図15は垂下部の各種変形例を示す説明図である。
本発明の第1の実施形態の排液器1は、図1に示すように、本体2と、垂下部3と、本体2の裏面に設けられた脚部材4とから構成されている。本体2及び垂下部3は、紙を素材として一体に形成され、全体形状が略台形状となっている。この素材として用いられている紙は、人間の皮膚や滅菌シールよりも濡れ性がよく、且つ液体が染み込まないような処理がなされている。この本体2の素材としては、例えば、デュポン社の「タイベック」(登録商標)等を用いることができる。ここで、図1(a)における左右方向は液体の流れる方向であり、本願ではこの方向を長さ方向として説明する。また、本願では、図1(a)における上下方向を幅方向として説明する。
本体2の長さ方向の両側辺は、図1(a)における上辺21が下辺22よりも長く形成されている。また、図1(a)における幅方向の側縁23,24は、上辺から下辺に向けて内側に湾曲するように形成されている。この幅方向の側辺の湾曲形状は、患者の目尻E4近傍の眼瞼縁E3に沿うように形成されている(図2参照)。また、本体2には、瞼裂E5内に向けて突出する突出部5が設けられている。
また、本体2は、図1(b)に示すように、脚部材4によって載置面に対して傾斜して固定されると共に、予め表面側に緩く突出するように湾曲形成されている。このように形成された排液器1は、図1(b)において直線状の一点鎖線で示す眼瞼皮膚又は滅菌シールSに載置された際に、その載置面との間に間隔Gが形成されるようになっている。この間隔Gは、液体の流れる方向から見て略三角形状となっている。
垂下部3は、本体2の突出部5に設けられており、本体2と一体に形成されている。また、本実施形態では、垂下部3は本体2の下辺の左右両側から斜め内側に向けて延出している。また、垂下部3は、図1(a)に示すように、平面視で略三角形となるように形成されている。また、この垂下部3は、排液器1の使用時にどちらか一方が折り曲げられて使用される。ところで、手術の際に治療する眼球は右目か左目のどちらかであり、或いは眼球に対する術者の立ち位置によって、排液器1の載置する位置を変更する必要がある。そこで、本実施形態では、垂下部3を左右2箇所に設けることにより、各種使用状態に対応可能としている。
脚部材4は、可撓性を有する発泡樹脂により形成され、本体2の上辺21近傍の裏面に接着剤により固着されている。また、脚部材4の載置面には、粘着層41が設けられ、粘着層41の表面には剥離紙42が設けられている。
また、本実施形態の排液器1は、表面が患者の皮膚の色に近い色に彩色されている。これは、施術時に術者に違和感を生じさせないようにするためである。また、排液器1の裏面側は、施術時の照明の反射光が眼瞼内に入り難いように、つや消しの黒色となるように彩色されている。
本実施形態における排液器1においては、本体2は、その裏面側および突出部5に濡れ性を持たせることが必要である。また、本体2には、使用時に液体L2の付着力によって載置面側へ引っ張られる力が働くため、本体2が載置面にへばり付き間隔Gが失われることがないように、液体が染み込まないような処理と、ある程度の剛性が必要である。また、使用時に排液器1が使用者の意に反して移動しないように、載置面における設置安定性が求められる。本実施形態の排液器1では、本体2の原料となる紙の素材及び厚さと、本体2の表面側に突出する湾曲形状と、脚部材4の粘着層41により上記条件を満たしている。
次に、第1の実施形態の排液器1の使用方法について図2を参照して説明する。患者の眼球Eは、眼瞼縁及び睫毛を包み込む滅菌シールSで眼球以外をすべて覆っており、その周囲は不織布6も覆った状態となっている。また、図2に示すように、形状が略C字状の支持部71を有する開瞼器7によって瞼裂E5を広げるようにして固定し、患者の瞬きを抑制している。これにより、眼球Eの角膜E1及び結膜E2が露出した状態となる。
排液器1は、患者の目尻E4近傍の滅菌シールSの表面に載置されて固定されている。図2においては、排液器1は患者の眼球の中心から頭側(図2における上側)に載置されている。このとき、図2における左側の垂下部3は瞼裂E5の内側(下方)に折り込まれている。また、脚部材4は、表面の剥離紙42が剥がされ、粘着層41を滅菌シールSの表面に貼着することにより固定されている。また、図3及び図4に示すように、垂下部3は眼瞼縁E3から内部に延びており、眼瞼縁E3に対向する垂下部3の縁は、眼瞼縁E3に係止された状態となっている。
上記状態の患者に、例えば白内障の手術が行われるときは、眼球Eの上方から点眼液L1が断続的に滴下される。すると、瞼裂E5内の結膜E2上に点眼液L1を含む液体L2が溜まっていく。そして、液体L2の表面が垂下部3に当接すると、垂下部3の表面は濡れ性があるため(或いは液体L2の付着力によって)、液体L2の液面が垂下部3の表面に沿って上昇する。また、垂下部3は図1(a)に示すように本体2から斜め内側に向けて延出しているため、眼瞼縁E3との間には間隔が形成されている。
このため、液体L2の付着力にくわえて、毛管現象も発生し易いことにより液体L2の液面が垂下部3と眼瞼縁E3との間隔に沿って上昇し、液体L2が本体2の裏面に接触する。すると、本体2の裏面も濡れ性があるため、液体L2は本体2の裏面と滅菌シールSの表面との間隔Gの間に進入し、本体2と滅菌シールSとの間隔Gを下流側に流れる。この現象は、液体の付着力と、本体の長さ方向の高低差と、毛管現象と、さらに液体L2自体の界面と本体の長さ方向の高低差によって生じるサイフォン効果が関係しているものと考えられる。そして、本体2の下流端部に達した液体L2は、図4に示すように、本体2の下流端部において水玉状になった後、重力により本体2の外方且つ下方(患者の耳側)に向けて落下する。
このように、瞼裂E5内の点眼液L1や眼内からの流出液を含む液体L2が、一度排液器1を介して外部に排出されることで、瞼裂E5内から排液器1の外部への液体L2の流れが発生する。すると、瞼裂E5内に点眼液L1が連続して投入された場合であっても、瞼裂E5内から排液器1の外部へ連続して液体L2が流れ出る。このとき、瞼裂E5内の液体L2の液面は、本体2の高さ以上になることはない。また、突出部5の裏面では、当該裏面の濡れ性により液体L2の引き上げが起きているため、瞼裂E5内の液体L2の液面を低く抑えることができる。
ここで、瞼裂E5内に投入される点眼液L1や眼内からの流出液が多くなり、瞼裂E5内の液体L2が多くなったときは、液体L2の流れは、例えば図1(b)において二点鎖線で示すLLの状態からLHの状態まで移行する。すると、本体2は、図1(b)に示すように載置面に対して傾斜しているため、本体2の裏面を流せる液体の量が増加する。一方、瞼裂E5内に投入される点眼液L1が少なくなり、瞼裂E5内の液体L2が少なくなったときは、図中の液体L2の流れは、例えば図1(b)におけるLLの状態となる。このように、本体2の裏面を流れる液体L2の量が少なくなっても、本体2の裏面と載置面との距離が近い部分が設けられているので、液体L2はとぎれることなく本体2と載置面との間を流れることができる。
また、排出すべき液体L2がひとたび無くなり、流れが停止した状態になっても、本体2の裏面と載置面との距離が近い部分は液体L2を保持し易い。即ち、本体2は、液体L2のとぎれを起こし難い構造となっている。また、この液体L2の保持性能の向上は、前述した垂下部3が本体2から斜め内側に向けて延出し、眼瞼縁E3との間の間隔が狭くなっている部分があることも要因となっている。
また、仮に点眼液L1の滴下量や眼内からの流出液が増加して瞼裂E5内の液体L2の液面が上昇したときは、本体2の突出部5が眼瞼縁E3から瞼裂E5内に突出しているため、液体L2は突出部5の裏面に接触する。このため、液体L2は直接本体2によって瞼裂E5内から引き出され、瞼裂E5の外部に排出される。特に、第1の実施形態の排液器1においては、本体2の側縁23が、患者の目尻E4近傍の眼瞼縁E3に沿うように湾曲している。従って、仮に点眼液L1の滴下量や眼内からの流出液が増加して瞼裂E5内の液体L2の液面が上昇したときは、突出部5から側縁23に沿って本体2の裏面側に接触することになるため、液体L2の引き出し箇所が側縁23に沿って広がる。これにより、瞼裂E5内の液体L2の液面が上昇した場合であっても、本体2による排液量を円滑に増加させることができる。このため、仮に点眼量が増加した場合であっても、液体L2の液面は本体2よりも上昇することがほとんどないので、手術時に術野の良好な視界が確保される。
以上のように、本発明の排液器1によれば、瞼裂E5内の液体L2の本体2の突出部5又は垂下部3に対する濡れを利用して外部に排出するものであるため、従来のように吸引器等を用いることなく、紙のような板状の部材により形成された簡易な構成で、連続して排液することができる。また、液体L2は、本体2の裏面と載置面との間を流れるものであるため、従来のガーゼやスポンジを用いた場合に比べて液体L2が流れる際の抵抗が少ないため、排液の速さも速い。手術時には、患者から出る油分が液体L2に混入して術野
を乱すことがあるが、本発明の排液器1によれば、排液の速さが速いため、当該油分による液体L2上の油層を効率よく排出することができる。また、突出部5が眼瞼縁E3から瞼裂E5内に傾きを持って突出しているため、瞼裂E5内に連続して点眼液L1等が投入される場合であっても、瞼裂E5内の液体L2の液面を低く抑えた状態で連続して液体を排出することができる。
さらに、手術中に粘性の高い液体を使用した際に、高粘性液体が本体2の裏面に付着して排液能力が減少した場合であっても、例えば助手が手術時に本体2の裏面をふき取ることにより、容易に排液能力を元に戻すことができる。
なお、上記実施形態においては、本体2が紙により形成されているため、例えば、使用しない側の垂下部3の近傍をハサミ等で切り落として使用する等、微調整が可能である。また、上記実施形態では、脚部材4は、液体が流れる方向に沿って不連続に形成されているが、これを連続させるようにしてもよい。また、排液器1の色彩は、表面を施術時に使用する不織布と同様の緑色としてもよく、術者に違和感を与えない色であれば他の彩色を施してもよい。また、排液器1の裏面は、照明の反射光が術野に及ばないような色であれば、他の色を用いてもよい。
次に、第2の実施形態である排液器1Aについて図5を参照して説明する。第2の実施形態の排液器1Aは、図5(a)に示すように、本体2Aと垂下部3Aと脚部材4Aとがシリコーンゴムにより一体成形されている。この第2の実施形態においては、垂下部3Aを含む幅方向の側辺23Aの近傍が、瞼裂E5内に突出する突出部5Aとなっている。また、排液器1Aの垂下部3Aは、図5(a)及び(b)に示すように、本体2Aの裏面から柱状に下方に延びている。また、その下端部は、液体L2の流れる下流側に向けてヘラ状に突出する形状となっている。また、本体2Aの裏面と垂下部3Aの外周面には、シリコーンゴムの表面に濡れ性を付加する表面処理がなされている。具体策の一例としては、本体2Aの裏面と垂下部3Aの外周面に、表面の粗さを粗くした粗面部を設けたり、本体2Aの裏面と垂下部3Aの外周面に、手術時に眼内圧を維持するために用いられる粘性の高い液体を塗布することが挙げられる。
この第2の実施形態の排液器1Aの使用例を図5(c)に示す。この排液器1Aを載置面に載置する際には、垂下部3Aを目尻E4近傍の眼瞼縁E3に当てて、乃至は、眼瞼と眼球の間に挟み込むようにして載置する。この状態で瞼裂E5内に液体L2が溜まると、前記第1の実施形態と同様の作用で液体L2が垂下部3Aに接触し、液面が垂下部3Aに沿って上昇する。そして、液体L2が本体2Aの裏面に接触した後、本体2Aと滅菌シールSの表面との間隔Gを下流側に流れる。
第2の実施形態の排液器1Aにおいては、本体2Aと垂下部3Aと脚部材4Aとがシリコーンゴムにより形成されているため、ある程度の重さがある。また、滅菌シールSの表面と接触する脚部材4Aと本体2Aの長さ方向の側辺22Aもシリコーンゴム製のため、載置面の形状に沿って変形するため馴染みが良く、載置面との摩擦力も高い。このため、排液器1A自身の重さと、排液器1Aと滅菌シールSの表面との接触面の摩擦力によって、排液器1Aは滅菌シールSの表面に安定して載置される。さらに、排液器1Aは垂下部3Aが眼瞼縁E3に係止されている。従って、瞼裂E5内から多量に液体L2が流れ出た場合であっても、排液器1Aが液体L2によって下流側に流されるおそれが少ない。なお、第2の実施形態において、脚部材4Aを長さ方向に連続するように形成しているが、これに限らず、複数の突起で脚部材4Aを形成してもよい。また、本体2Aの裏面に、脚部材4Aとは別に本体2Aを支える支柱のようなものを設けてもよい。また、材質はシリコーンゴムに限られず、広くその他のゴムやエラストマー、合成樹脂、或いは金属等を用いてもよい。
次に、第3の実施形態である排液器1Bについて図6を参照して説明する。第3の実施
形態の排液器1Bは、本体2Bと、本体2Bの円弧状の側縁23Bの下方端部に設けられた垂下部3Bと、側縁23Bの上端部に設けられた係止部25とを備えている。また、本体2Bは、図6(a)に示すように液体L2の流れる方向に沿って設けられた2本の山折り線26Bを備えている。この2本の山折り線26Bにより、本体2Bが眼瞼皮膚或いは滅菌シールSの表面に載置された際に、液体L2の流れる方向から見て台形状に盛り上がり、傾斜部を有する間隔Gが形成される。
また、第3の実施形態においては、垂下部3B及び係止部25が、側方に向けて突出しており、折目線によって側面視でカギ状(角C字状)に折り曲げることが可能となっている。また、本体2Bの側縁23Bが眼瞼縁E3に沿った円弧状に形成されており、他方の縁24Bは直線状となっている。この第3の実施形態では、垂下部3Bを含む側縁23Bの近傍が突出部5Bとなっている。
この第3の実施形態の排液器1Bの使用例を図6(b)に示す。この排液器1Bでは、垂下部3Bと係止部25を側面視でカギ状に折り曲げ、眼瞼縁E3に係止する。このように、第3の実施形態の排液器1Bでは、本体2Bが係止部25と垂下部3Bにより眼瞼縁E3に係止される。このため、上記実施形態のように、粘着層41等を用いる必要がないので、その構成をより簡易なものとすることができる。
次に、本発明の排液器の第4の実施形態について図7を参照して説明する。第4の実施形態の排液器1Cは、本体2Cと、本体2Cの円弧状の側縁23Cの一方の端部に設けられた垂下部3Cと、他方の端部に設けられた固定部27とを備えている。また、本体2Cは、図7(b)に示すように、液体L2の流れる方向に沿って設けられた1本の山折り線26Cを備えている。この1本の山折り線26Cにより、本体2Cが眼瞼皮膚或いは滅菌シールSの表面に載置された際に、液体L2の流れる方向から見て三角形状に盛り上がり、間隔Gが形成される。また、第4の実施形態における垂下部3Cは、眼瞼縁E3から遠ざかる方向に湾曲して切り欠かれた形状となっている。また、第4の実施形態における固定部27は、本体2Cの円弧状の側縁23Cから略円弧状に湾曲しながら延設されている。この第4の実施形態では、垂下部3Cを含む側縁23Cの近傍が突出部5Cとなっている。
この第4の実施形態の排液器1Cの使用例を図7(b)に示す。この排液器1Cでは、固定部27を開瞼器7と眼瞼皮膚との間に挟み込むことにより、本体2Cの載置位置の安定を図っている。また、第4の実施形態では、垂下部3Cの眼瞼縁E3側の側辺が円弧状となっており、垂下部3Cも眼瞼縁E3に係止されるため、本体2Cの載置位置の安定が図られる。従って、この第4の実施形態においても、粘着層41等を用いる必要がないため、その構成をより簡易なものとすることができる。
また、垂下部3Cは眼瞼縁E3に向けて傾斜するよう形成されており、垂下部3Cと眼瞼縁E3との間に確実に隙間を生じさせる形状となっている。さらに、前記垂下部3Cの円弧形状も垂下部3Cと眼瞼縁E3との間に間隔を形成する。当該構成により、垂下部3Cと眼瞼縁E3との間に液体L2の付着力による毛管現象が発生しやすくなるので、液体L2の引き出し効率を向上させることができる。
次に、本発明の排液器の第5の実施形態について図8を参照して説明する。第5の実施形態の排液器1Dは、本体2Dと、本体2Dの円弧状の側縁23Dの一方の端部に設けられた垂下部3Dとを備えている。この垂下部3Dは図7に示す第4の実施形態における垂下部3Cと同様の形状及び作用を有している。また、本体2Dには、上縁21Dの両角部に三角形状に折り曲げるための山折り線26Dが設けられている。この山折り線26Dにより、本体2Dが眼瞼皮膚上或いは滅菌シールSの表面に載置された際に、液体L2の流
れる方向から見て三角形状に盛り上がり、間隔Gが形成される。この第5の実施形態では、垂下部3Dを含む側縁23Dの近傍が突出部5Dとなっている。
この第5の実施形態の排液器1Dの使用例を図8(b)に示す。この排液器1Dでは、垂下部3Dを眼瞼縁E3に係止し、本体2Dの垂下部3D側の縁を手術等で用いられる汎用の粘着テープTでしっかり固定している。このように、本体2Dに固定部がない場合であっても、本体2Dは軽量の板状部材であるため、汎用の粘着テープ等により、容易に使用箇所に固定することができる。さらに、本体2Dの上縁21Dの両角部が三角形状に折り曲げられており、その先端部が載置面に載置されているため、当該先端部が載置面に係止される。従って、粘着テープ等がない場合であっても、本体2Dが載置面にある程度安定して載置される。
次に、本発明の排液器の第6の実施形態について図9を参照して説明する。第6の実施形態の排液器1Eは、図9(a)に示すように、本体2Eと、本体2Eの側縁23Eの中央部に設けられた一対の垂下部3Eとを備えている。また、本体2Eには、液体L2の流れる方向に沿って中央部に設けられた谷折り線28Eと、上下縁の端部に合計4個の山折り線26Eが設けられている。また、中央の谷折り線28Eの裏面には、谷折り線28Eに沿って粘着テープが設けられている(図示省略)。この第6の実施形態では、垂下部3Cを含む側縁23Eの近傍が突出部5Eとなっている。
この第6の実施形態の排液器1Eは、第5の実施形態の排液器1Dを2個つなぎ合わせたような形状となっている。従って、第6の実施形態の排液器1Eを図9(b)のように載置固定することにより、第5の実施形態の排液器1Dの約2倍の液体L2を外部に排出することができるので、大量の点眼液L1を使用する手術や眼内液の流出が多い場合に用いると好適である。また、垂下部3Eは、図6に示す第3の実施形態における垂下部3Bを2個列べた形状となっている。従って、この第6の実施形態においては、垂下部3Eにより排液器1Eが眼瞼縁E3に係止されるので、粘着テープなしでの使用も可能である。
次に、本発明の排液器の第7の実施形態について図10を参照して説明する。この第7の実施形態の排液器1Fは、本体2Fの下縁22Fの近傍の裏面及び垂下部3Fの裏面に、本体2Fの裏面の他の箇所よりも濡れ性がよい親水性膜29が設けられている。この親水性膜29は、本体2F及び垂下部3Fの裏面に、親水性の高い塗料を塗布することにより形成されている。
この第7の実施形態の排液器1Fによれば、瞼裂E5内の液体L2が最初に垂下部3Fに引き出される際、親水性膜29により垂下部3Fの裏面の親水性が高められているので、初期の液体L2の流れ出しが円滑に行われる。また、垂下部3Fにより引き出された液体L2が本体2Fの下流側に流れる際にも、親水性膜29によって円滑に液体L2が本体2Fの下流側に移動する。さらに、瞼裂E5内の液体L2が減少しても、本体2Fと載置面との間の液体L2はとぎれ難い。仮に、液体がとぎれた場合であっても、再度瞼裂E5内の液体L2が増えた際に親水性膜29によって円滑に瞼裂E5内から液体L2が外部に排出される。
なお、この第7の実施形態において、垂下部3F及び本体2Fの裏面に親水性の高い塗料を塗ることにより親水性膜29を形成しているが、これに限らず、親水性の高いフィルムを垂下部3F及び本体2Fの裏面に貼付してもよい。また、親水性膜29を設けている箇所を本体2Fとは別の部材で形成し、本体2Fに固着するようにしてもよい。
また、親水性膜29の代わりに、薄いスポンジや不織布等の吸水部材(図示省略)を設けてもよい。このような吸水部材によっても、上記親水性膜29と同様に、瞼裂E5内の
液体L2の初期の流れ出しを容易にできる。また、一度本体2Fと載置面との間の液体L2がとぎれた場合であっても、再度瞼裂E5内の液体L2が増えた際に吸水部材によって円滑に瞼裂E5内から液体L2が外部に排出される。また、垂下部3Fや本体2Fの裏面の一部に吸水部材を設けたときは、吸水部材が設けられていない本体2Fの裏面と載置面との間にも液体を流すことができるため、従来のガーゼやスポンジのみを用いて液体を排出しようとする場合に比べて液体の排出速度を速くすることができる。
また、仮に上記吸収部材に施術中に用いる高粘性の液体が染み込んだ場合であっても、液体は本体2Fの他の部分から外部に流れるため、従来のガーゼやスポンジのみを用いた場合のように排液能力が極端に落ちるということはなく、かえって液体L2の付着力を向上させる効果も生じる。従って、吸水部材にあらかじめ高粘性の液体を塗布しておくことにより、吸水部材の親水性を高めた上で、本発明の排液器を設置してもよい。
次に、本発明の排液器の第8の実施形態について図11を参照して説明する。この第8の実施形態の排液器1Gは、第1の実施形態1の変形例である。本体2Gの下縁22Gには、上方に向かって延びる複数のスリット30Gが設けられている。本体2Gの上辺21Gは、本実施形態では、本体2Gを載置面に載置する場合や撤去する場合にピンセット等でつまみやすい形状としている。また、脚部材4Gは、可撓性を有する発泡樹脂により形成され、本体2Gの上辺21G近傍の裏面に接着剤により固着されている。また、本実施形態においては、垂下部3Gにもスリットが設けられ、垂下部3Gの柔軟性も高められている。
この第8の実施形態の排液器1Gによれば、載置面に凹凸等があった場合であっても、スリット30Gによって本体2Gが複数に分割されているため、本体2Gの柔軟性が向上するので、本体2Gを載置面に沿って変形させることが容易となる。これにより、本体2Gと載置面との間の液体L2はとぎれ難くなり、確実に液体L2の排出を行うことができる。また、垂下部3Gも柔軟性があるため、患者の瞼裂E5の形状に合わせて垂下部3Gの形状も容易に変形させることができる。また、垂下部3Gを直接患者の結膜E2に接触させた場合、垂下部3Gが結膜E2に付着することにより、本体2Gを安定して保持することも可能となる。
次に、本発明の排液器の第9の実施形態について図12を参照して説明する。この第9の実施形態の排液器1Hは、図12(a)に示すように、本体2Hと、本体2Hの側縁23Hの上下両端に設けられた一対の垂下部3Hとを備えている。また、本体2Hには、液体L2の流れる方向に沿って中央部に山折り線28Hが設けられている。さらに、本体2Hの上下縁21H,22Hには、液体L2の流れる方向と交差する方向に複数のスリット30Hが設けられている。
この第9の実施形態の排液器1Hによれば、載置面に凹凸等があった場合であっても、スリット30Hによって本体2Hの上下縁21H,22Hが複数に分割されているため、本体2Hの柔軟性が向上するので、本体2Hを載置面に沿って変形させることが容易となる。これにより、本体2Hと載置面との間の液体L2はとぎれ難くなり、円滑に液体L2の排出を行うことができる。
また、第9の実施形態の排液器1Hは、図12(b)に示すように、患者の瞼裂E5に垂下部3Hを係止する位置をずらすことにより、術者の作業スペースを確保することができる。また、排液器1Hは、図12(b)に示すように、突出部5Hが2箇所となるため、瞼裂E5内の液体L2の量が多い場合でも、迅速に液体L2を外部に排出することができる。また、瞼裂E5内の液体L2の量がさほど多くないときは、図12(b)における下縁22H側の本体2Hが主に排液作用を担っており、液体L2の量が多くなれば、下縁22H側の本体2Hにおいても排液が行われる。
次に、本発明の排液器の第10の実施形態について図13を参照して説明する。この第10の実施形態の排液器1Jは、図13(a)に示すように、本体2Jが上下方向に延びるスリット30Jによって複数に分割されており、それぞれ中央に設けられた連結部2Jaによって連結されている。このスリット30Jで分割された本体2Jは、液体L2が流れる方向に向けて、中央に谷折り線28Jが設けられており、液体L2が流れる方向から見ると略V字状に形成されている。また、本体2Jの側縁23Jの上下方向中央部に、垂下部3Jが設けられている。これらの部材の素材には、可撓性を有する合成樹脂を用いている。
この第10の実施形態の排液器1Jによれば、本体2Jが複数の連結部2Jaによって連結されており、この連結部2Jaの箇所で折り曲げ自在に形成されている。このため、図13(b)に示すように、載置面に凹凸等があった場合であっても、本体2Jを載置面の凹凸に合わせて変形させることが容易となる。また、本体2Jが谷折り線28Jを支点としてどちらに傾いても、載置面と本体2Jとの間には少なくともどちらか一方に間隔Gができるため、確実に排液機能を保つことができる。なお、排液器1Jの素材としては、合成樹脂のみならず、防水加工された紙や金属等を用いてもよい。
次に、本発明の排液器の第11の実施形態について図14を参照して説明する。この第11の実施形態の排液器1Kは、図14(a)に示すように、本体2Kが、載置面から傾斜する傾斜部2Kaと、載置面に載置される載置部2Kbとから構成され、合成樹脂により一体に形成されている。この排液器1Kの底面図を図14(b)に示す。傾斜部2Kaは、図14(b)に示すように、瞼裂E5の縁部から内側に突出する突出部5Kが載置部2Kbよりも傾斜して眼瞼内に突出するように形成されている。また、載置部2Kaの裏面側には載置面に貼着される粘着面が形成されている。また、本実施形態の垂下部3Kは、本体2Kの載置部2Kbの裏面側の端部位置に、本体2Kと一体に形成されている。この垂下部3Kは、目尻E4に係止されやすいように、目尻E4に対向する面の形状を略半円状に形成している。また、瞼裂E5内から液体L2を引き出しやすいように、略三角形状の切欠3Kaが設けられている。なお、本体2Kの載置部2Kbと傾斜部2Kaとは、必ずしも一体に形成しなくてもよい。例えば、両者を別個に形成し、載置部2Kbの端縁近傍にスリットを設け、傾斜部2Kaの端縁を前記スリットに差し込むことにより両者を固定することも可能である。
この第11の実施形態の排液器1Kによれば、本体2Kの載置部2Kbが載置面に貼着されているため、載置面に凹凸があった場合であっても、確実に本体2Kを載置面に密着させて固定することができる。また、垂下部3Kの形状が目尻E4の形状に合わせて形成されているので、本体2Kを目尻E4の近傍に確実に固定することができる。この排液器1Kが目尻E4の近傍の載置面に載置されたときは、瞼裂E5内の液体L2は垂下部3Kの切欠3Kaから引き出され、本体2Kの載置部2Kbと傾斜部2Kaとの間隔を通って外部に流れ出す。本実施形態の排液器1Kは、載置部2Kbと傾斜部2Kaとは一体に形成されており、傾斜部2Kbと傾斜部2Kaとの結合部分は両者の間隔が狭く、結合部分から離れるに従って両者の間隔が広くなっている。従って、瞼裂E5内の液体L2は、量が少ないときは傾斜部2Kbと傾斜部2Kaとの結合部分を流れ、量が多いときは両者の結合部分から離れた位置まで広がって流れるので、液体L2の量の多少に関わらず、円滑に液体L2を瞼裂E5から外部に排出することができる。
次に、本発明の排液器における垂下部の変形例について説明する。まず、図15(a)に示す垂下部31は、本体2の左下端部に設けられた1本の山折り線31Aにより形成された三角形状を有する垂下部である。垂下部31は、このような簡易な構成であっても、その先端部が瞼裂E5内に延出するものであるため、垂下部31の裏面の濡れにより瞼裂E5内に滞留する液体L2を引き出すことが可能となる。
次に、図15(b)に示す垂下部32は、2本の部材32A及び32Bが所定の間隔を有して平行して本体2から延出される構成となっている。垂下部32をこのような構成としたときは、各部材間の付着力と毛管作用を増加させることができるので、より確実に瞼裂E5内に滞留する液体L2を外部に引き出すことができる。当該垂下部32Aのそれぞれの単体の構成と作用は、本発明の第4の実施形態における垂下部3Cとほぼ同様である。
次に、図15(c)に示す垂下部33は、本体2が合成樹脂製であり、その本体2と一体成形された3本の部材から形成される。このように、複数本の部材を所定の間隔を存して平行に設けることにより、各部材間の付着力と毛管作用を増加させることができるので、より確実に瞼裂E5内に滞留する液体L2を外部に引き出すことができる。なお、この複数の部材による垂下部33の下面は、互いに連結されていてもよい。
次に、図15(d)に示す垂下部34は、本体2に設けられた1本の切断線34Aと、4本の山折り線34B及び1本の谷折り線34Cとから形成される。この垂下部34は、これらの折目線により、三角形状の山形状の部材が2個並列に列んだ状態となっている。垂下部34をこのような形状とすることによっても、この垂下部34と眼瞼縁E3との間に生じる間隔によって、瞼裂E5内に滞留する液体L2の付着力と毛管現象を増加させ、液体L2の引き出し効率を向上させることが可能となる。
次に、図15(e)に示す垂下部35は、本体2と共にシリコーンゴムにより形成さている。この垂下部35は、角柱状に垂下する柱部35Aと、柱部35Aの下端部に設けられた係止片35Bとからなる。また、垂下部35の表面は濡れ性を確保するための表面処理がなされている。このような垂下部35を瞼裂E5内に入れたり、或いは眼瞼と眼球の間に挟み込み、柱部35A及び係止片35Bにより眼瞼縁E3に係止することにより、本体2を安定して載置面に載置することができる。また、柱部35A及び係止片35Bの表面の濡れ性により、瞼裂E5内の液体L2を外部に排出することができる。
以上のように、上記各実施形態及び各変形例の排液器は、略C字状の支持部71を有する開瞼器7の支持部71内に収められるような大きさに形成されている。このため、本発明の排液器を使用する際に、開瞼器7を患者にセットした後に排液器を設置できるので、設置が容易である。
なお、上記各実施形態及び各変形例において、本体2や垂下部3を紙を利用して形成しているものについても、硬性或いは軟性の合成樹脂、又は金属を用いて形成してもよい。また、各排液器は、単体で用いてもよく、複数重ねて使用してもよい。また、開瞼器7については、従来より広く用いられている略C字状の支持部71を有する開瞼器7を例にして説明したが、これに限らず、他の形状の開瞼器で瞼の保持が行われている場合であっても本発明の排液器を用いることができる。例えば、目の形状に合わせて形成された筒状の可撓性の開瞼器であって、瞼裂E5内に入り込む部分と、目の回りの皮膚を覆う部分とを有する開瞼器のようなものが開発された場合であっても、その目の回りの皮膚を覆う部分に本発明の排液器を載置することにより、瞼裂E5内の液体L2を外部に排出することができる。
本願発明の第1の実施形態の排液器を示す説明図。 第1の実施形態の排液器の使用状態図。 第1の実施形態の排液器の使用状態図。 第1の実施形態の排液器の使用状態図。 第2の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図。 第3の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図。 第4の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図。 第5の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図。 第6の実施形態の排液器の説明図とその使用状態図。 第7の実施形態の排液器の説明図。 第8の実施形態の排液器の説明図。 第9の実施形態の排液器の説明図。 第10の実施形態の排液器の説明図。 第11の実施形態の排液器の説明図。 垂下部の各種変形例を示す説明図。 患者の瞼裂内に液体が滞留している状態を示す説明図。
符号の説明
1(1A乃至1F)…排液器、2(2A乃至2F)…本体、3(3A乃至3F)…垂下部、E…眼球、E4…目尻、E5…瞼裂、G…間隔、L2…液体。
【0007】
よく、前記本体が流体が流れる方向から見たときにV字状に形成されていてもよい。
[0025]
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の縁に、流体の流れる方向に対して交差する方向に複数のスリットが設けられ、前記本体の縁が短冊状に形成されていることが好ましい。このように、前記本体に前記スリットを設けたときは、載置面に起伏がある場合であっても、前記スリットにより短冊状となった本体を曲げることにより前記起伏に合わせて前記本体を変形させることができる。従って、載置面の起伏により前記本体と載置面との間隔が広く空きすぎるということがないため、確実に液体を瞼裂内から排水することができる。
[0026]
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の裏面側に、所定の高さを有する脚部材が設けられていることが好ましい。前記脚部材により、前記本体と載置面との間隔を保つことができる。また、前記脚部材によって前記本体を傾斜させることができる。
[0027]
また、本発明の眼科手術用排液器において、前記本体は、前記突出部の縁の形状を、前記眼瞼縁に沿って湾曲させるようにしてもよい。当該構成により、瞼裂内の液面が上昇した際に、液体の引き出される箇所が前記縁に沿って広がって行き、前記縁の全体で瞼裂内から流出する液体の液面の上昇を抑えることができる。
[0028]
また、本発明の眼科手術用排液器においては、前記本体の裏面側に、液体の流れる方向に向けて他の面と比べて濡れ性がよい親水性膜が設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、前記本体の裏面に接触した液体は前記親水性膜を基点として前記本体と前記載置面との間を下流側に流れるため、液体が円滑に前記本体の下流側に流れるようになる。また、瞼裂内の液体が一時的に少なくなったとき等は、前記本体から外部に流れ落ちる液体はある程度勢いがついているため、或いは、経時的な蒸発のために、前記本体の裏面と載置面との間にある液体が途切れることがある。このような場合は、再度瞼裂内の液体が増えても、前記本体裏面に接触した液体が前記本体と載置面との間を通過するには、液体の途切れと液体の表面張力

Claims (18)

  1. 眼科手術時に仰向けの患者の瞼裂内から液体を外部に排出する排液器であって、
    目尻近傍の眼瞼皮膚上の載置面と所定の間隔を持って載置される板状の本体を備え、
    前記本体は防水性素材により形成されると共に裏面は濡れ性を有し、前記本体には瞼裂の縁部から内側に突出する突出部が設けられ、
    前記本体を前記載置面に載置した際に、前記突出部の裏面に瞼裂内の液体を付着させて前記本体と前記載置面との間隔内に前記液体を引き出し、前記引き出された液体を前記間隔を通過させて前記本体の外部に排出可能としたことを特徴とする眼科手術用排液器。
  2. 前記突出部に、目尻近傍の結膜に向けて垂下される垂下部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の眼科手術用排液器。
  3. 前記本体の一部又は全部が、液体が流れる方向から見たときに前記載置面に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科手術用排液器。
  4. 前記本体が、流体が流れる方向から見たときに山状に隆起していることを特徴とする請求項3に記載の眼科手術用排液器。
  5. 前記本体が、流体が流れる方向から見たときにV字状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の眼科手術用排液器。
  6. 前記本体に、流体の流れる方向に対して交差する方向に複数のスリットが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  7. 前記本体の裏面側に、所定の高さを有する脚部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  8. 前記本体は、前記突出部の縁の形状を、眼瞼縁に沿って湾曲させたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の眼科手術用排水器。
  9. 前記本体の裏面側に、液体の流れる方向に向けて他の面と比べて濡れ性がよい親水性膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  10. 前記本体の裏面側に、液体の流れる方向に向けて吸水部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  11. 前記本体に、眼瞼縁近傍に突出して眼瞼皮膚上に固定される固定部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  12. 前記本体に、瞼裂内に突出して眼瞼縁に係止される係止部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  13. 前記本体に、前記載置面に貼着される粘着部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  14. 前記本体が、前記載置面に固定される載置部と、前記載置部から斜め上方に傾斜して設けられる傾斜部とから形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  15. 前記垂下部は、前記本体が前記載置面に載置された際に眼瞼縁に対向する箇所が前記眼瞼縁に向けて傾斜するよう形成されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  16. 前記垂下部が複数並設され、複数の垂下部がそれぞれ互いに毛管現象を起こすような間隔を有して並設されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  17. 液体の流れる方向を長さ方向としたときに、前記垂下部は、前記本体の長さ方向の中心位置を境界として上流側と下流側とで対称に形成されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の眼科手術用排液器。
  18. 前記本体が、C字状の支持部を有する開瞼器の前記支持部内に載置可能な大きさに形成されていることを特徴とする請求項1乃至17に記載の眼科手術用排液器。

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