JPWO2009022407A1 - 検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明に係る検査方法は、ネットワークに混入する雑音、遅延など音質劣化要因を、通話に影響を与えずにネットワーク運用中であっても検出可能とすることを目的とする。【解決手段】 本発明に係る検査方法は、デジタル信号を伝送する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、該デジタル信号の特徴量に基づき、音声信号か非音声信号かを判別する分析手順と、判別した該非音声信号の一部を特定信号に置換する置換手順と、該非音声信号に該特定信号があるか否かを判別する検査手順とからなることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明はパケット交換網における音質劣化の検査に関する。
ネットワークは従来の回線交換網からパケット交換網への移行が進んでおり、次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)に代表される計画が進んでいる。この次世代ネットワークは従来の回線交換網と同等の通話品質などを確保しながら、ネットワークを用いた音声通信を実現するというものである。
そのため、NGNに代表される次世代ネットワーク網において通話品質の把握が益々重要となり、ネットワークの途中経路や端末における通話品質を評価できる計測技術が求められている。つまり伝送中のデータから通話品質を推定できる音声品質劣化の検査技術が必要である。とくに運用中にデータの分析を行う技術、いわゆるアクティブ計測技術が求められている。
音声品質の推定を行う技術として以下の特許文献がある。
特開2000−332758号公報 特開平7−250107号公報
本発明に係る検査方法は、ネットワークに混入する雑音など音質劣化要因を、通話に影響を与えずにネットワーク運用中であっても検出可能とすることを目的とする。
本実施例に係る検査方法は、デジタル信号を伝送する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、該デジタル信号の特徴量に基づき、音声信号か非音声信号かを判別する分析手順と、判別した該非音声信号の一部を特定信号に置換する置換手順と、該非音声信号に該特定信号があるか否かを判別する検査手順とからなることを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該分析手順が時系列順に取得する該デジタル信号を一定のフレーム単位ごとに取得し、該フレームが音声フレームか非音声フレームであるかを判別することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該置換手順が該非音声フレームの一部を該特定信号の組み合わせからなる特定パターンに置換することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該検査手順が該特定パターンを検出することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該検査手順における該特定パターンの検出結果に基づいて、該デジタル信号で構成される音声信号の劣化を特定する検知手順をさらに有することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該分析手順が該非音声フレームにおける背景雑音の振幅レベルを算出することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該置換手順が該背景雑音の振幅レベルを参照して、該非音声フレームの一部を該特定パターンに置換することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、該置換手順が該非音声フレームにおける該背景雑音の振幅レベル以下の範囲に属する一部を該特定パターンに置換することを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、データを送受信する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、受信したデータの特徴量に基づき、非音声信号を判別する分析手順と、該非音声信号の一部が特定信号であるか否かを判別する検査手順とからなることを特徴とする。
また本実施例に係る検査方法は、データを送受信する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、受信したデータの特徴量に基づき、非音声信号を判別する分析手順と、該非音声信号の一部を特定信号に置換する置換手順と、置換した非音声信号を送信する送信手順とからなることを特徴とする。
本発明に係る検査方法は、背景ノイズ以下の非音声コードを特定のコードに置換し、各ノードでこのコード変化を検査することによって、音質劣化要因を通話に影響を与えずにネットワーク運用中であっても検出することができる。
本実施例に係る音質劣化検査を行うネットワークシステム100である。 本実施例に係るアナログ信号200の概略図である。 本実施例に係るコード300の概略図である。 本実施例に係るパターン置換部101の構成図である。 本実施例に係るパターン検査部102の構成図である。 本実施例に係るパターン置換部101が行う処理のフローチャートである。 本実施例に係るパターン検査部102が行う処理のフローチャートである。 本実施例に係るパターン置換部800の構成図である。 本実施例に係る検査部900の構成図である。 本実施例に係るパターン検査部900が行う処理のフローチャートである。
符号の説明
100…ネットワークシステム
101…パターン置換部
102…パターン検査部
103…パターン検査部
104…検知判定部
105…端末
106…TA
107…CE
108…GW
109…GW
110…TA
111…端末
112…端末
401…音声分析部
402…対象フレーム選択部
403…特定パターン置換部
404…検出用パターン格納部
501…音声分析部
502…対象フレーム選択部
503…パターン検出部
504…検出用パターン格納部
800…パターン置換部
801…音声分析部
802…対象フレーム選択部
803…特定パターン置換部
804…検出用パターン格納部
805…パターン位置決定部
900…パターン検査部
901…音声分析部
902…対象フレーム選択部
903…パターン検出部
904…検出用パターン格納部
905…レベル推定部
図1は本実施例に係る音質劣化検査を行うネットワークシステム100である。本実施例ではネットワークシステム100における音質劣化要因の検査について説明する。本実施例における検査方法は、ネットワークを実運用しながら、ネットワークシステム100の品質管理対象領域115で混入するノイズなど、ネットワークシステム100で伝送されるデータ自体が変化する音質劣化要因を検出することができる。なおパターン置換部101、パターン検査部102、103の詳細な動作については図4、図5において説明する。
[ネットワークシステム100の構成]
ネットワークシステム100は、パターン置換部101、パターン検査部102、103、検知判定部104、ターミナルアダプタ(TA)106、コアエッジ(CE)107、ゲートウェイ108、109、ターミナルアダプタ(TA)110、端末111、112から構成される。本実施例では端末105が宅内網112、アクセス網113、コア網114、公衆網116を介して端末111、112と音声通信を行う。具体的にネットワークシステム100は、端末105がインタフェースとして受取る音声信号を符号化して、IPパケットなどの形態で端末111、112へリアルタイム伝送するネットワークシステム(VoIP:Voice over Internet Protocol)である。
ネットワークシステム100は、パターン置換部101とパターン検査部102、103を用いて品質理管理対象領域115(アクセス網113、コア網114)の障害を検知するネットワークシステムである。本実施例におけるネットワークシステム100は、ネットワーク内の品質管理対象領域115で混入するノイズによる音質劣化を検出することができる。さらに本実施例におけるネットワークシステム100は、ネットワーク内の品質管理対象領域115でデータの圧縮フォーマットを変換する符号変換による音質劣化も検出することができる。
パターン置換部101が品質管理対象領域115に送出する非音声コードの一部を特定パターンに置換する。そしてパターン検査部102、103が品質管理対象領域115内で特定パターンの検出を行う。検知判定部104が特定パターン検出の有無から音質劣化要因の混入を検知する。本実施例における特定パターンは、パターン置換部101とパターン検査部102、103が互いに保持する符号パターンであって、予め定めた符号パターンである。また特定パターンは、複数の符号系列の同じ重みを持つ符号列である。
これによりネットワークの実運用中でも、ネットワークシステム100はネットワークシステム100内の品質管理対象領域115を流れるデータの音質劣化要因を検査することができる。本実施における検査方法は、従来のデータの遅延、パケット損失に加えて、データ自体そのものが変化するノイズ混入による音質劣化も検出できる。
パターン置換部101は、品質管理対象領域115(アクセス網113とコア網114)の入り口にあたるポイントであるCE107に設置される。パターン置換部101は、非音声コードの一部を障害検知するための特定パターンに置換する。ここで非音声コードとは、端末105がインタフェースとして受取る音声信号を符号化したコードのうち、背景ノイズに該当するコードのことである。本実施例におけるコーデック技術は例えばITU−Tで勧告されたG.711である。したがって端末105が受取るアナログの音声信号は、G.711に基づいて符号化される。アナログの音声信号の符号化・復号化(コーデック)は、TA106が行う。また端末105、111、112がアナログの音声信号をデジタルの音声信号に符号化・復号化する構成でもよい。ITU−Tで勧告されたG.711に基づく符号化技術は、PCM(パルス符号変調)方式によって電話線上で64kbpsの伝送速度を実現する方式である。具体的にはアナログ信号を8kHzでサンプリング(標本化)し、各サンプル(標本)を8ビットで表すものである。
パターン置換部101は、ネットワークシステム100が伝送するコード300を20msec、160サンプルを1フレームとしてCE107を介して取り込む。そしてパターン置換部101はコード300の音声特徴量を分析し、非音声フレームを検出する。音声特徴量は、コード300をフレームごとに音声フレーム、非音声フレームに分類する情報である。具体的には音声特徴量は零交差数と振幅レベルである。零交差数は一定時間内で音声波形がゼロレベルと交差する回数である。振幅レベルは各データ310〜318における一定時間内の振幅平均値のことである。パターン置換部101は、一定時間内において、データの振幅レベルが所定値以上で、かつ零交差数が所定数以下になったフレームを音声フレームと判別する。そしてパターン置換部101はそれ以外のフレームを非音声フレームと判別する。
またパターン置換部101は非音声フレームと判定したフレームの特徴量分析を行う。パターン置換部101は、該特徴量分析より背景ノイズレベルを検出する。そしてパターン置換部101は、検出した非音声フレームにおける背景ノイズレベル以下又は背景ノイズレベル程度のレベル範囲の一部を特定パターンに置換する。ここでレベルとは、アナログ信号をG.711により1サンプルを8ビットのデータを符号化したときの振幅値のことである。8ビットデータの下位の桁ほど振幅値の小さい部分を示し、上位桁になるに従い振幅値の大きい部分を示す。
パターン置換部101は無音フレームに対して、特定パターンの置換処理は行わない。無音フレームとは、フレームデータがオール0もしくはこれに準ずる所定の閾値以下の有音を示すビットしか含まれていないフレームである。これは無音フレームの一部を特定パターンと置換すると、主観音質に大きな影響を及ぼすからである。そのため無音フレームの一部を特定パターンに置換しないことにより、マスキング効果(Wegel, R.L, and Lane, C.E :Phys. Rev., 23, pp. 266−285(1924)参照)を用いたノイズの混入を防ぐことができる。
本実施例に係る検査方法では、パターン置換部101が非音声コードの一部を特定パターンに置換する。そのためネットワークシステム100を流れるデータ量は増えない。したがって本実施例における検査方法では、音質劣化の検査を行うことによるネットワークのトラフィック増加を除去することができる。つまり本実施例における検査方法はネットワークのトラフィックの増加やそれによる輻輳などの悪影響を起こすことなく音質劣化を検査することができる。
パターン検査部102、103はGW108、109に設置される。パターン検査部102、103はそれぞれ、ネットワークシステム100が伝送するコード300を20msec、160サンプルを1フレームとしてGW108、109を介して取り込む。パターン検査部102、103は、非音声フレームを検査対象フレームとして選択する。これはパターン置換部101が、非音声フレームに対して、特定パターンの置換処理をするからである。パターン検査部102、103は、非音声フレームと判定したフレームの特徴量分析より背景ノイズレベルを検出する。パターン検査部102、103は、背景ノイズレベルを参照し、背景ノイズレベル以下又は背景ノイズレベル程度の対象フレームの中に特定パターンがあるか否か検査する。これによりパターン検査部102、103は、効率的に特定パターンの検出を行うことができる。つまり特定パターンの置換位置は、対象フレームの背景ノイズレベル以下のところのためである。
そしてパターン検査部102、103は、特定パターンの有無を示す有無情報を検知判定部104に送信する。検知判定部104は、有無情報から障害の検知、障害発生箇所の推定を行う。具体的には検知判定部104は、パターン置換部101が置換処理をした非音声フレームに特定パターンがある場合には、音質劣化がないと判定する。一方、検知判定部104は、パターン置換部101が置換処理をした非音声フレームに特定パターンがない場合には、音質劣化があると判定する。これは検知判定部104が、あらかじめ保持する置換処理した非音声フレームの情報と有無情報を比較することによって、判定することができる。つまり特定パターンがあるべき非音声フレームの有無情報が「特定パターン無し」の場合は、検知判定部104は音質劣化があったと判定する。これより検知判定部104はパターン検査部102、103から特定パターン319の有無情報を取得し、ネットワークシステム100内の品質管理対象領域115を流れるデータの音質劣化の有無を検査できる。さらにパターン検査部102、103の設置箇所の情報に基づく分析により、音質劣化の発生箇所の推定を行うこともできる。
[アナログ信号200、コード300]
図2は本実施例に係るアナログ信号200の概略図である。端末105はアナログ信号200をデジタル化したコード300を端末111、112へ送信する。アナログ信号200をデジタル化したコード300が音質劣化の検査を行う対象である。
本実施例における図1のTA106は、アナログ信号200をコード300に符号化する。本実施例においてTA106は、アナログ信号200を所望の周波数で標本化(サンプリング)する。具体的にTA106は、アナログ信号200を21〜38としてサンプリングする。そしてTA106は、21〜38の振幅値を量子化することでそれぞれデータ301〜318に符号化する。そして本実施例では、本符号を160サンプル単位のフレームとしてネットワークに送信する。つまり送信する1フレームは160サンプルである。
図3は、アナログ信号200に対応するコード300の概略図である。コード300はデータ301〜318から構成される。上述したように1フレーム160サンプルであるが、図3には代表して1フレーム9サンプルずつ図示している(データ301〜309とデータ310〜318)。データ301は標本値21の振幅値を量子化してデジタル符号化したものである。また、データ302は22を符号化したものである。以下同様にしてデータ(300+n)は(20+n)を符号化したデータである(nは1〜18の自然数である)。本実施例における符号化技術はG.711である。G.711はITU―Tにより勧告されたアナログ音声情報の波形符号化方式である。サンプリングレート(標本化速度)は8kHzである。各データ301〜318は8ビットである。例えばサンプリング21におけるデータ301は「10101111」である。サンプリング22におけるデータ302は「00110001」である。サンプリング23におけるデータ303は「10111000」である。以下他のデータ304〜318も8ビットのデータである。データ301〜318は8ビットのデータである。データ304〜318の1ビット目はサンプリング21〜38における振幅の大きい部分を表し、2ビット、3ビット目となるに従い、振幅が小さい部分を示すデータである。データ301〜309の160個のデータ(サンプル)が1フレームである。本実施例におけるネットワークシステム100は、このフレーム(160サンプル)ごとにデータを伝送する。
また量子化の方法は、μ―Law、A―Lawの二種類が規定されている。μ―Law、A―Lawはそれぞれ、PCM(パルス符号変調)でアナログ信号をデジタル信号に変換する符号化法則の一つである。またG.711はPCM(パルス符号変調)と呼ばれる波形符号化の最も簡単な方法の一つである。8kHzの周波数で標本化した各サンプルの振幅値を256(8ビット)レベルの離散値で量子化する。その際、音声信号の振幅分布は指数分布を示すので、対数変換することにより各量子化ビットの出現頻度が等しくなり、歪を最小化することができる。すなわち、振幅の小さい値に対しては細かいステップ幅で、振幅の大きい値に対しては粗いステップ幅で量子化が行われる。G.711では対数変換規則として、μ−law,A−lawの2種類の式が採用されている。G.711はいずれかの変換規則(たとえば、μ―Law)を用いてコード300を生成する。
本実施例では、パターン置換部101は、コード300の中で、非音声信号202に相当する領域(データ310〜318を含むフレーム)の一部を特定パターン319に置換する。図3に示すように、特定パターン319は「010110・・・011」である。パターン置換部101が特定パターン319を置換する位置を、背景ノイズレベルによって決めることができる。例えばパターン置換部101は背景ノイズレベルに相当するビット重み320以下のところとすることができる。
そしてパターン検査部102、103は、パターン置換部101で置換された特定パターン319を検出する。検知判定部104は、パターン検査部102、103から特定パターン319を取得し、コード300における音質劣化の有無を判別する。
[パターン置換部101の構成]
図4は本実施例に係る図1のパターン置換部101の構成図である。以下、図4を用いて、パターン置換部101の動作を詳細に説明する。
パターン置換部101は音声分析部401、対象フレーム選択部402、特定パターン置換部403、検出用パターン格納部404から構成されている。
音声分析部401は、図3に示すコード300を20msec、160サンプルのフレーム単位で図1のCE107より取り込む。そして音声分析部401は、取り込んだコード300の音声特徴量を分析する。音声特徴量は、コード300をフレームごとに音声フレーム、非音声フレームに分類する情報である。具体的には音声特徴量は零交差数と振幅レベルである。零交差数は一定時間内で音声波形がゼロレベルと交差する回数である。振幅レベルは各データ310〜318における一定時間内の振幅平均値のことである。音声分析部401は、一定時間内において、データの振幅レベルが所定値以上で、かつ零交差数が所定数以下になったフレームを音声フレームと判別する。音声分析部401は、音声フレームの区間の先頭や末尾において音声の立ち上がりや立ち下がりに相当する振幅の小さい部分が切れてしまうことを防ぐため、音声フレーム区間の開始時点をより前に、音声フレーム区間の終了時点をより後ろに,それぞれマージンを持たせて音声フレーム、非音声フレームを判別する。
対象フレーム選択部402は、音声分析部401が検出した非音声フレームを特定パターン319の置換対象のフレームとして選択する。対象フレーム選択部402が音声フレームを特定パターン319の置換対象のフレームとしないのは、特定パターン319がノイズ原因になることを防ぐためである。一方、非音声フレームは一般的に背景ノイズのデータである。そのため非音声フレームの一部を変化しても、音声品質の劣化として知覚されにくい。
特定パターン置換部403は、対象フレーム選択部402が選択した非音声フレームの一部を特定パターン319に置換する。本実施例において、特定パターン置換部403は、非音声フレームの7ビット目を特定パターン319に置換する(図3参照)。非音声フレームの7ビット目というのは、図3に示す非音声フレームのG.711符号(データ310〜318)のMSB(Most
Significant Bit)から7番目の行にあたる符号系列の意味である。つまり図3のコード319は、時系列にデータ310〜318が順に並んでいる。そして特定パターン置換部403は非音声信号202の振幅の小さい部分に相当する第7行を特定パターン319に置換する。
また音声分析部401は、非音声フレームと判別したフレームにおける振幅分析を行い、背景ノイズレベル320を決定する。振幅分析とは音声分析部401が所定の時間長で非音声フレームの振幅値を平均化し、その平均値を背景ノイズレベルとする処理のことである。検出用パターン格納部404は特定パターン319を格納している。特定パターン置換部403は検出用パターン格納部404から特定パターン319を読み出す。そして特定パターン置換部403は、背景ノイズレベル320を参照して非音声フレームの一部を特定パターン319に置換する。つまり特定パターン置換部403は非音声フレームの第7行を特定パターン319(「010110・・・011」)に置換する。特定パターン319の置換位置は、背景レベル以下とするため、特定パターン置換部403は背景レベル320を参照する。また特定パターン置換部403は、人間が知覚できる音量以下の非音声フレームには特定パターン319の置換処理を行わない。
[パターン置換部101の処理手順]
図6は本実施例に係るパターン置換部101が行う処理のフローチャートである。またパターン置換部101の構成は図4に示している。以下図4に示すパターン置換部101の構成を参照しながら、図6に示す処理フローチャートを説明する。
音声分析部401は、図3のコード300を1フレーム(160サンプル)ごとに取り込む(ステップS601)。
音声分析部401は、取り込んだコード300の音声特徴量から、コード300を音声分析処理する(ステップS602)。
音声分析部401は、音声分析処理の結果から取り込んだフレームが音声フレームであるか非音声フレームであるかの判別を順次行う(ステップS603)。音声分析部401は、一定時間内において、コード300を構成するデータの振幅レベルが所定値以上で、かつ零交差数が所定数以下になったフレームを音声フレームと判別し、それ以外のフレームを非音声フレームと判別する。
音声分析部401が取り込んだフレームが非音声フレームであると判別した場合(ステップS603 YES)、特定パターン置換部403は非音声フレームにおける特定パターン319と置換する位置(特定パターン置換位置)を決定する(ステップS604)。特定パターン置換部403は、背景ノイズレベル320を参照して、該特定パターン置換位置を決定する。ここで音声分析部401が背景ノイズレベル320を決定する。特定パターン置換部403は背景ノイズレベル以下のレベル範囲にある符号パターンを特定パターンに置換する対象とする。符号パターンとは、複数のサンプルで形成するフレームにおいて、同じ振幅レベルを示す各サンプルのビットの組み合わせである。換言すれば、符号パターンは、複数のサンプルで形成するフレームにおける同じビット重みを持つ符号の系列である。置換対象の符号パターン部分は、背景ノイズレベル以下のレベル範囲の符号を組み合わせて形成するものであり、振幅レベルを基準にして形成することは一実施例である。
音声分析部401が非音声フレームの振幅値を所定時間長で平均値算出して、その平均値を背景ノイズレベルとする。また音声分析部401は過去の非音声フレームの振幅値の平均値を算出して、その平均値を背景ノイズレベルとする構成でもよい。過去の非音声フレームとは、特定パターン319を置換処理する非音声フレームよりも時系列で前に存在する非音声フレームを意味する。さらに換言すれば、過去の非音声フレームとは、音声分析部401が受信する非音声フレームであって、一部を特定パターン319に置換する非音声フレームよりも前に音声分析部401が受信した非音声フレームのことである。また特定パターン置換部403が特定パターン319と置換する非音声フレームの位置(特定パターン置換位置)は、背景ノイズレベル以下に属するコードの位置である。特定パターン置換部403は、対象フレーム選択部402が選択した非音声フレームの一部であって、背景ノイズレベル以下のレベル範囲の符号パターンを特定パターン319に置換する。(ステップS605)。
また音声分析部401が取り込んだフレームが非音声フレームでないと判別した場合(ステップS603 NO)、パターン置換部101は置換処理を終了する。
[パターン検査部102、103の構成]
図5は本実施例に係るパターン検査部102の構成図である。パターン検査部102は音声分析部501、対象フレーム選択部502、パターン検出部503、検出用パターン格納部504より構成されている。以下、図5を用いて、パターン検査部102の動作を詳細に説明する。なおパターン検査部103もパターン検査部102と同様の構成であり、同様の動作処理を行う。
音声分析部501は、図3に示すコード300を20msec、160サンプルのフレーム単位で図1に示すGW108より取り込む。そして音声分析部502は、取り込んだフレームが音声フレームであるか非音声フレームであるかの判別を順次行う。具体的には音声分析部502は、コード300の音声特徴量を分析し、フレームごとに音声フレーム、非音声フレームを分類する。音声分析部502も音声フレームの区間の先頭や末尾において音声の立ち上がりや立ち下がりに相当する振幅の小さい部分が切れてしまうことを防ぐため、音声フレーム区間の開始時点をより前に、音声フレーム区間の終了時点をより後ろに、それぞれマージンを持たせて音声フレーム、非音声フレームを判別する。
対象フレーム選択部502は、音声分析部501で判別した非音声フレームを特定パターン319の検出対象として選択する。つまりパターン検出部503が検査する対象は非音声フレームである。パターン検出部503は音声フレームの検査は行わない。
パターン検出部503は、対象フレーム選択部502が選択した非音声フレームに特定パターン300が存在するか否かの判別を行う。検出用パターン格納部504は、パターン検出部503が検出するべき特定パターンを格納している。パターン検出部503は検出用パターン格納部504に格納された特定パターンを読み出し、参照しながら非音声フレームに特定パターンが存在するか否かを判別する。ここで音声分析部501は、非音声フレームを振幅値分析し、背景ノイズレベルを決定する。パターン検出部503は、非音声フレームにおいて背景ノイズレベルを参照して特定パターンの有無を判別する。つまりパターン検出部503は、背景ノイズレベル以下のレベル範囲に特定パターンが存在するか否かを判別する。これによりパターン検出部503は背景ノイズレベルより大きいレベル範囲に特定パターンが含まるか否か検索しないため、特定パターン検出の効率をさらに上げることができる。
パターン検出部503は、検査した非音声フレームに特定パターンが存在するか否かを示すパターン置換有無情報を検知判定部104に出力する。
[パターン検査部102の処理手順]
図7は本実施例に係るパターン検査部102が行う処理のフローチャートである。パターン検査部102は非音声フレームにおける特定パターン319の検出を行う。なおパターン検査部103もパターン検査部102と同様の処理を行う。またパターン検査部102の構成は図5に示している。以下図5に示すパターン検査部102の構成を参照しながら、図7に示す処理フローチャートを説明する。
音声分析部501は、コード300を20msec、160サンプルのフレーム単位でGW108より取り込む(ステップS701)。
音声分析部501は、取り込んだコード300の音声特徴量から、コード300を音声分析処理する(ステップS702)。
音声分析部501は、音声分析処理の結果から取り込んだフレームが音声フレームであるか非音声フレームであるかの判別を順次行う(ステップS703)。
音声分析部501が、取り込んだフレームが非音声フレームであると判別した場合(ステップS703 YES)、対象フレーム選択部502は特定パターンの検査対象として非音声フレームを選択する。そしてパターン検出部503は音声分析部501から背景ノイズレベルを取得し、その背景ノイズレベルを参照して、非音声フレームにおける特定パターンを検査するレベル範囲を決定する(ステップS704)。ここで特定パターンを検査するレベル範囲とは、具体的には非音声フレームの中でレベルが背景ノイズレベル以下の符号パターンの部分を意味する。レベルとは、アナログ信号をG.711により1サンプルを8ビットのデータを符号化したときの振幅値のことである。8ビットデータの下位の桁ほど振幅値の小さい部分を示し、上位桁になるに従い振幅値の大きい部分を示す。
パターン検出部503は、対象フレーム選択部502が選択した非音声フレームにおいて背景ノイズレベル以下のレベル範囲に特定パターン300が存在するか否かの判別を行う(ステップS705)。ここで検出用パターン格納部504は、パターン検出部503が検出するべき特定パターンを格納している。パターン検出部503は検出用パターン格納部504に格納された特定パターンを読み出し、この特定パターンを参照しながら非音声フレームにおいて背景ノイズレベル以下のレベル範囲に特定パターンが存在するか否かを判別する。
パターン検出部503は、非音声フレームに特定パターンが存在すると判別した場合(ステップS705 YES)、パターン検出部503は特定パターンが非音声フレーム内に存在することを示すパターン置換有情報を検知判定部104に送信する。以上のことは、パターン置換部101が非音声フレームの一部と置換した特定パターンが変化せず、品質管理対象領域115を流れたこと意味し、コード300の音質が劣化しなかったことを示す。
パターン検出部503は、非音声フレームに特定パターンが存在しないと判別した場合(ステップS705 NO)、パターン検出部503は特定パターンが有音フレーム内に存在しないことを示すパターン置換無情報を検知判定部104に送信する。以上のことは、パターン置換部101が非音声フレームの一部と置換した特定パターンが変化し、品質管理対象領域115を流れこと意味し、コード300の音質劣化などの変化が起こったことを示す。
パターン検出部503は、検査した非音声フレームに特定パターンが存在するか否かを示すパターン置換有/無情報(パターン置換有情報とパターン置換無情報を指す)を検知判定部104に出力する。
またステップ703において、音声分析部501が、取り込んだフレームが音声フレームであると判別した場合(ステップS703 NO)、パターン検査部101は特定パターン319の置換処理は行わない。
[パターン置換部800の構成]
図8は本実施例に係るパターン置換部800の構成図である。パターン置換部800は、非音声フレームと判定された一連の置換対象フレームに対し、所定の規則に従って、それぞれの非音声フレームの特定パターンと置換する位置を変える。本実施例ではパターン置換部800は、一連の非音声フレームに対し、振幅レベルが周期的に異なる位置を特定パターン置換位置とする。
パターン置換部800は音声分析部801、対象フレーム選択部802、特定パターン置換部803、検出用パターン格納部804から構成されている。そして特定パターン置換部803はパターン位置決定部805を備えている。パターン位置決定部805は、一連の非音声フレームの特定パターン置換位置を所定の規則に従って決定する機能を有している。
音声分析部801は、コード300を20msec、160サンプルのフレーム単位で取り込む。音声分析部801がフレームを取り込む場所は図1に記載のCE107(CE:コアエッジ)などである。もちろんコアエッジ以外のネットワーク機器であっても構わない。
そして音声分析部801は取り込んだコードの音声特徴量を分析する。音声特徴量は、コードにおける音声フレーム、非音声フレームを特定する情報である。具体的には音声特徴量は零交差数と振幅レベルである。零交差数は一定時間内で音声波形がゼロレベルと交差する回数である。振幅レベルは各データ310〜318における一定時間内の振幅平均値のことである。音声分析部801は、一定時間内において、データの振幅レベルが所定値以上で、一定時間内における零交差数が所定数以下になったフレームを音声フレームと判別する。また音声分析部801は、データの音声特徴量である振幅レベル、零交差数から背景ノイズを判別する。
音声分析部801は、音声フレームの区間の先頭や末尾において音声の立ち上がりや立ち下がりに相当する振幅の小さい部分が切れてしまうことを防ぐため、音声フレーム区間の開始時点をより前に、音声フレーム区間の終了時点をより後ろに,それぞれマージンを持たせて音声フレーム、非音声フレームを判別する。
音声分析部801は、音声特徴量の分析から取り込んだフレームが音声フレームであるか非音声フレームであるかの判別を順次行う。音声特徴量は、コード300における音声フレーム、非音声フレームを特定する情報である。具体的には音声特徴量は零交差数と振幅レベルである。零交差数は零交差波の音声波形がゼロレベルと交差する回数である。零交差波の音声波形とは振幅成分を持たない信号波形である。振幅レベルは各データ310〜318における振幅値のことである。音声分析部401は、一定時間内において、データの振幅レベルが所定値以上で、かつ零交差数が所定数以上になったときから一定時間内における零交差数が所定数以下になったときまでのフレームを音声フレームと判別する。音声分析部401は、音声フレームの区間の先頭や末尾において音声の立ち上がりや立ち下がりに相当する振幅の小さい部分が切れてしまうことを防ぐため、音声フレーム区間の開始時点をより前に、音声フレーム区間の終了時点をより後ろに,それぞれマージンを持たせて音声フレーム、非音声フレームを判別する。
対象フレーム選択部802は、音声分析部801が検出した非音声フレームを特定パターン319の置換対象のフレームとして選択する。音声フレームを特定パターン319の置換対象のフレームとしない理由は、特定パターンがノイズ原因になることを防ぐためである。非音声フレームは一般的に背景ノイズのデータである。そのため非音声フレームの一部を変化しても、新たに音声品質劣化として知覚されにくい。
<パターン位置決定部805>
特定パターン置換部803は、対象フレーム選択部802が選択した非音声フレームの一部を特定パターン319に置換する。パターン位置決定部805が特定パターンに置換する非音声フレームの位置を決定する。つまりパターン位置決定部805は、所定の規則をもって、複数の非音声フレームにおける特定パターンの置換位置を決定する。ここでいう所定の規則は、例えば特定パターン置換位置の振幅レベルが置換対象の一連の非音声フレームにおいて周期的に異なることものである。つまりそれぞれの非音声フレームの特定パターン置換位置は周期的な相関を有している。
ここでパターン位置決定部805が複数の非音声フレームにおける特定パターンの置換位置を決定する処理について説明する。パターン位置決定部805が処理する機能は、パターン置換部101と比してパターン置換部800が有する新たな機能である。パターン位置決定部805は背景ノイズレベルを音声分析部801より取得する。ここで音声分析部801は非音声フレームと判別したフレームにおける振幅分析を行い、背景ノイズレベル320を決定する。振幅分析とは音声分析部801が非音声フレームの振幅値を所定の時間長で平均化し、その平均値を背景ノイズレベルとする処理である。パターン位置決定部805は、背景ノイズレベル以下のレベル範囲にある符号パターンを特定パターンに置換する対象とする。符号パターンとは、複数のサンプルで形成するフレームにおいて、同じ振幅レベルを示す各サンプルのビットの組み合わせである。置換対象となる符号パターン部分は、背景ノイズレベル以下のレベル範囲の符号を組み合わせて形成するものであり、振幅レベルを基準にして形成することは一実施例である。例えば図3に記載コード300を例にすれば、パターン位置決定部805は、特定パターン319「010110・・・011」の置換位置を決定する。本実施例において、特定パターン319の置換位置は、背景ノイズレベル以下のレベル範囲であって、該レベル範囲の平均値に最も近いレベルの符号パターン位置である。
そしてパターン位置決定部805は、特定パターン置換部803が時系列に取得する複数の非音声フレームに対して、所定の規則をもって、特定パターンに置換する位置(特定パターン置換位置)を決定する。つまりパターン位置決定部805は、過去の非音声フレームの特定パターン置換位置を参照しながら、非音声フレームの特定パターン置換位置を決定する。
検出用パターン格納部804は特定パターンを格納している。特定パターン置換部803は検出用パターン格納部804から特定パターンを読み出す。そして特定パターン置換部803は、パターン位置決定部805が決定した符号パターンの位置を特定パターンに置換する。また特定パターン置換部803は、人間が知覚できる音量以下の無音フレームへは特定パターンの置換処理は行わない。無音フレームとは、フレームデータがオール0もしくはこれに準ずる所定の閾値以下の有音を示すビットしか含まれていないフレームである。
[パターン検査部900の構成]
図9は本実施例に係るパターン検査部900の構成図である。
パターン検査部900は、混入するノイズのレベルを検出することができる。パターン検査部900は、パターン置換部800が置換した特定パターンの検出を行う。そしてパターン検査部900は順次検査する非音声フレームにおける各特定パターンの検出位置から、混入するノイズレベルの振幅情報を算出することができる。
パターン検査部900は、音声分析部901、対象フレーム選択部902、パターン検出部903、検出用パターン格納部904より構成されている。パターン検出部903は、レベル推定部905を備えている。レベル推定部905は、時系列に取得する複数の非音声フレームの特定パターンの検出有無の情報からネットワークに混入するノイズの振幅情報を推定する。
音声部分析部901は、コード300を20msec、160サンプルのフレーム単位で取り込む。そして音声分析部902は、取り込んだフレームが音声フレームであるか非音声フレームであるかの判別を順次行う。
対象フレーム選択部902は、音声分析部901で判別した非音声フレームを特定パターンの検出対象として選択する。
音声分析部501は、非音声フレームの振幅値分析し、背景ノイズレベルを決定する。
パターン検出部903は音声分析部901から背景ノイズレベルを取得し、その背景ノイズレベルを参照して、非音声フレームにおける特定パターンを検査するレベル範囲を決定する。また検出用パターン格納部904は、パターン検出部903が検出するべき特定パターンを格納している。
これよりパターン検出部903は、検出用パターン格納部904に格納された特定パターンを読み出し、背景ノイズレベル、読み出した特定パターンを参照しながら非音声フレームに特定パターンが存在するか否かを判別する。
<レベル推定部905>
そしてレベル推定部905は、順次取得する非音声フレームにおける特定パターン検出位置の規則性を判別して、ネットワークシステムに混入するノイズの振幅情報を推定する。パターン置換部800のパターン位置決定部805は、特定パターン置換部803が一連の非音声フレームに対して、所定の規則をもって、特定パターンに置換する位置を決定する。そのためレベル推定部905は、時系列で取得する複数の非音声フレームにおける特定パターンの検出位置がこの所定の規則に従っているかを判別する。そしてさらにレベル推定部905は、特定パターン検出位置がこの所定の規則に従っていないと判別した場合には、所定の規則に従っていない特定パターン検出位置から混入するノイズの振幅情報を推定する。
例えばパターン位置決定部805が、一連の非音声フレームに対して、周期的に振幅レベルが異なる特定パターン置換位置を決定する。レベル推定部905が一連非音声フレームにおける特定パターン検出位置の振幅レベルが所定の規則に則っていないと判別した場合、レベル推定部905は振幅レベルの周期性の乱れ具合、つまり検出されるべきであった特定パターンの振幅レベル(ノイズが原因でパターン検出部903が検出しなかった特定パターンの振幅レベル)の平均値から、混入ノイズの振幅情報を推定する。
パターン検出部903が非音声フレームに特定パターンが存在すると判別した場合、パターン検出部903は特定パターンが対象の非音声フレーム内に存在することを示すパターン置換有情報を検知判定部に送信する。パターン検出部903が非音声フレームに特定パターンが存在しないと判別した場合、パターン検出部503は特定パターンが対象の非音声フレーム内に存在しないことを示すパターン置換無情報を検知判定部に送信する。またパターン検出903はレベル推定部905が算出した混入ノイズの振幅推定情報も検知判定部に送信する。混入ノイズがなければ、混入ノイズの振幅情報は「無」を示し、例えば「0」である。
図10は本実施例に係るパターン検査部900が行う処理のフローチャートである。
音声分析部901は、コード300を20msec、160サンプルのフレーム単位で取り込み、フレームの切り出しを行う(ステップS1001)。音声分析部901は、取り込んだフレームの音声特徴量を分析する(ステップS1002)。
音声分析部901は、音声特徴量の分析から取り込んだフレームが音声フレームであるか非音声フレームであるかの判別を順次行う(ステップS1003)。
音声分析部901が、取り込んだフレームが非音声フレームであると判別した場合(ステップS1003 YES)、対象フレーム選択部1002は特定パターンの検査対象として非音声フレームを選択する。そしてパターン検出部903は音声分析部901から背景ノイズレベルを取得し、その背景ノイズレベルを参照して、非音声フレームにおける特定パターンを検査するレベル範囲を決定する(ステップS1004)。特定パターンを検査するレベル範囲は、非音声フレームの中でレベルが背景ノイズレベルを参照して所定の規則で決定された符号パターンの部分である。符号パターンは背景ノイズレベル以下のレベル範囲の符号を組み合わせたデータである。例えば音声符号列は、複数のサンプルで形成するフレームにおいて、同じ振幅レベルを示す各サンプルのビットにより形成するデータである。
検出用パターン格納部904は、パターン検出部903が検出するべき特定パターンを格納している。パターン検出部903は、検出用パターン格納部904から特定パターンを読み出し、この特定パターンを参照しながら、非音声フレームにおいて背景ノイズレベル以下のレベル範囲に特定パターンが存在するか否かの判別を行う(ステップS1005)。
パターン検出部903は、非音声フレームに特定パターンが存在すると判別した場合(ステップS1005 YES)、パターン検出部903は特定パターンが非音声フレーム内に存在することを示すパターン置換有情報を検知判定部に送信する。
パターン検出部903は、非音声フレームに特定パターンが存在しないと判別した場合(ステップS1005 NO)、レベル推定部905は混入するノイズの振幅情報(ノイズレベル)を算出する(ステップS1006)。レベル推定部905は、順次取得する非音声フレームにおける特定パターン検出位置の規則性を判別して、ネットワークシステムに混入するノイズの振幅情報(ノイズレベル)を推定する。換言すればレベル推定部905は、一連の非音声フレームにおける特定パターンの検出位置がこの所定の規則に従っているかを判別する。レベル推定部905は、特定パターン検出位置がこの所定の規則に従っていないと判別した場合には、所定の規則に従っていない特定パターン検出位置から混入するノイズの振幅情報(ノイズレベル)を推定する。パターン検出部803は特定パターンが有音フレーム内に存在しないことを示すパターン置換無情報、及び混入するノイズの振幅情報を検知判定部に送信する。
また音声分析部901が、取り込んだフレームが音声フレームであると判別した場合(ステップS1003 NO)、パターン検査部800は特定パターン320の検査処理は行わない。
パターン置換部800がネットワークシステムを流れる非音声フレームに特定パターンの置換処理を行い、パターン検査部900がその特定パターンの検出処理を行うことによって、ネットワークシステムに混入するノイズを検出でき、さらにそのノイズの振幅レベル特定することができる。
本実施例におけるネットワークシステムは、ネットワーク内の品質管理対象領域115で混入するノイズによる音質劣化を検出することができる。さらに本実施例におけるネットワークシステムは、ネットワーク内の品質管理対象領域115でデータの圧縮フォーマットを変換する符号変換による音質劣化も検出することができる。また本実施例に係る検査方法では、パターン置換部800が非音声フレームの一部を特定パターンに置換する。そのためネットワークシステムを流れるデータ量は増えない。したがって本実施例における検査方法では、音質劣化の検査を行うことによるネットワークのトラフィックの増加を除去することができる。つまり本実施例における検査方法はネットワークのトラフィックの増加やそれによる輻輳などの悪影響を起こすことなく音質劣化を検査することができる
また検査システムは、パターン置換部101、パターン検査部102、103、検知判定部104を含む構成となっている。検査システムは、パターン置換部101の替わりにパターン置換部800、パターン検査部102、103の替わりにパターン検査部900を含む構成でも構わない。またデジタル信号はアナログの音声信号を符号化した信号に対応するものである。また特定信号は特定パターンを構成する符号に対応するものである。
本発明による検査方法は、パケット交換網における音質劣化の検査するものである。したがって本発明による検査方法は、ネットワークに混入する音質劣化要因を、通話に影響を与えずにネットワーク運用中であっても検出することを実現するうえで極めて有用である。

Claims (12)

  1. デジタル信号を伝送する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、
    該デジタル信号の特徴量に基づき、音声信号か非音声信号かを判別する分析手順と、
    判別した該非音声信号の一部を特定信号に置換する置換手順と、
    該非音声信号に該特定信号があるか否かを判別する検査手順と、
    からなることを特徴とする検査方法。
  2. 請求項1に記載の検査方法において、
    該分析手順は、時系列順に取得する該デジタル信号を一定のフレーム単位ごとに取得し、該フレームが音声フレームか非音声フレームであるかを判別することを特徴とする検査方法。
  3. 請求項2に記載の検査方法において、
    該置換手順は、該非音声フレームの一部を該特定信号の組み合わせからなる特定パターンに置換することを特徴とする検査方法。
  4. 請求項3に記載の検査方法において、
    該検査手順は、該特定パターンを検出することを特徴とする検査方法。
  5. 請求項4に記載の検査方法において、
    該検査手順における該特定パターンの検出結果に基づいて、該デジタル信号で構成される音声信号の劣化を特定する検知手順をさらに有することを特徴とする検査方法。
  6. 請求項4に記載の検査方法において、
    該分析手順は、該非音声フレームにおける背景雑音の振幅レベルを算出することを特徴とする検査方法。
  7. 請求項6に記載の検査方法において、
    該置換手順は、該背景雑音の振幅レベルを参照して、該非音声フレームの一部を該特定パターンに置換することを特徴とする検査方法。
  8. 請求項7に記載の検査方法において、
    該置換手順は、該非音声フレームにおける該背景雑音の振幅レベル以下の範囲に属する一部を該特定パターンに置換することを特徴とする検査方法。
  9. 請求項8に記載の検査方法において、
    該検査手順は、該非音声フレームにおける該背景雑音の振幅レベル以下の範囲に該特定パターンがあるか否かを判別することを特徴とする検査方法。
  10. 請求項9に記載の検査方法において、
    該置換手順は、該非音声フレームよりも過去に該検査システムが取得した他の非音声フレームにおける該特定パターンの置換位置と関連付けて、該非音声フレームの一部を該特定パターンに置換することを特徴とする検査方法。
  11. データを送受信する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、
    受信したデータの特徴量に基づき、非音声信号を判別する分析手順と、
    該非音声信号の一部が特定信号であるか否かを判別する検査手順と、
    からなることを特徴とする検査方法。
  12. データを送受信する音声通信システムの通話品質を検査する検査装置の検査方法において、
    受信したデータの特徴量に基づき、非音声信号を判別する分析手順と、
    該非音声信号の一部を特定信号に置換する置換手順と、
    置換した非音声信号を送信する送信手順と、
    からなることを特徴とする検査方法。
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