JPWO2008156172A1 - 子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の予防乃至治療に好適な二本鎖核酸分子、癌細胞増殖抑制剤、並びに医薬 - Google Patents

子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の予防乃至治療に好適な二本鎖核酸分子、癌細胞増殖抑制剤、並びに医薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、エストロゲン応答遺伝子であるCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかを標的とし、これらの遺伝子の発現を抑制することにより、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の癌細胞の増殖を効果的に抑制することが可能なsiRNA等の二本鎖核酸分子、並びに癌細胞増殖抑制剤及び医薬を提供することを目的とする。即ち本発明は、(a)配列番号:1〜配列番号:38のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖とを含む、COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を抑制するための二本鎖核酸分子;前記二本鎖核酸分子を含む子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかに対する癌細胞増殖抑制剤;並びに、前記癌細胞増殖抑制剤を含む子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかに対する医薬に関する。

Description

本発明は、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の予防乃至治療に好適な、siRNA等の二本鎖核酸分子、前記二本鎖核酸分子を含む癌細胞増殖抑制剤、並びに、前記癌細胞増殖抑制剤を含む医薬に関する。
乳癌及び子宮癌はともにホルモン依存性癌として知られており、性ステロイドホルモンであるエストロゲンがその発癌・増殖に深く関与している。これらの癌に対する従来の治療方法としては、例えば、転写因子であるエストロゲン受容体(ER)と結合してその転写活性を抑制する薬剤である抗エストロゲン製剤(タモキシフェン)を用いた乳癌の内分泌療法などが行われているが、治療過程において耐性を獲得し、再発することが問題となっている。また、この薬剤は子宮癌発症のリスクを増加させることが明らかにされており、重篤な副作用の問題も有している。また、子宮癌に対しては、ホルモンのプロゲステロンに似た合成薬であるプロゲスチンを投与し、子宮に対するエストロゲンの作用を阻害する療法などが行われているが、気分が不安定になったり、体重が増加するなどの副作用の問題も有している。
このような従来の治療方法における諸問題を克服するため、乳癌及び子宮癌におけるエストロゲンの作用機序を解明し、その機構に根ざした、新たな分子標的の開発が望まれている。
また、膀胱は子宮などとともに泌尿生殖器系から分化する臓器であり、エストロゲン、アンドロゲンなどの性ホルモンによって制御されることが考えられる。また、エストロゲン欠乏による更年期障害では膀胱障害を発症しやすいことが知られている。膀胱癌と性ホルモンとの関与については今のところ明らかではないが、膀胱癌は一般的に男性に多く発症することが知られている。従来の膀胱癌の治療においては、外科的な膀胱全摘除術が多く行われているが、膀胱全摘除術を行うと尿路変更が必ず必要となり、ライフスタイルの変更が必要になることもあり、生活の質(QOL)の著しい低下が問題となっている。そのため、最近では症例を選択して膀胱温存療法が試みられるようになってきているが、抗癌剤、放射線療法などの治療法が奏効しない症例も多く存在している。
このような従来の治療方法における諸問題を克服するため、これまでと異なる作用機序に基づいた、副作用の少ない膀胱癌の治療の開発が望まれている。
一方で、近年、18〜29塩基程度の小分子RNA(siRNA:short interfering RNA)を細胞内に導入することにより、配列特異的に標的遺伝子の発現を抑制することのできるRNA干渉(RNAi:RNA interference)の技術を、癌治療に応用する試みが広く行われている。実際に、癌に関与する遺伝子を標的としたsiRNAを用いることにより、癌細胞の増殖を抑制できることも多く報告されている(例えば、特許文献1〜2)。しかしながら、このようなRNAiの技術を実際の医療に応用するためには、標的遺伝子に対する高い発現抑制効果と高い特異性を有する、優れたsiRNAを開発することが必要であり、更なる検討が望まれているのが現状である。
特表2006−500916号公報 特表2006−528618号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、エストロゲン応答遺伝子であるCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかを標的として、これらの遺伝子の発現を抑制することにより、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の癌細胞の増殖を効果的に抑制することが可能なsiRNA等の二本鎖核酸分子、前記二本鎖核酸分子を含む癌細胞増殖抑制剤、及び前記癌細胞増殖抑制剤を含む医薬を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、本発明者らが作製した特定の配列を有するsiRNA、及び、そのRNA配列の一部をDNAに変換したキメラsiRNAが、エストロゲン応答遺伝子であるCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子に対して顕著に優れた発現抑制効果を有しており、これらの遺伝子の発現抑制を介して、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の癌細胞の増殖を効果的に抑制することができるという知見である。また、このようなsiRNA、及び、キメラsiRNAを、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌を予防乃至治療するための医薬の有効成分として好適に利用できるという知見である。
COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子は、ともにエストロゲンによってその発現が誘導されるエストロゲン応答遺伝子であり、子宮癌及び乳癌において過剰発現していることが知られている。本発明者らは、今回、これらの遺伝子の発現を効率よく、かつ特異的に消失させるsiRNA、及び、キメラsiRNAを新たに見出した。また、本発明者らは、これらのsiRNA、及び、キメラsiRNAを、乳癌細胞株(MCF7)、子宮癌細胞株(Ishikawa)、又は膀胱癌細胞株(EJ)をヌードマウスに皮下移植した腫瘍増殖モデルにおいて形成された癌に投与することによって、それぞれの癌の増殖を著しく抑制することが可能となることを見出した(実施例参照、後述)。これらの結果は、COX7RP遺伝子、Efp遺伝子が、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌における癌の増殖に深く関与しており、これらの癌に対する新たな分子標的となり得ることを示すものである。なお、膀胱癌におけるCOX7RP遺伝子、Efp遺伝子の発現、並びにそれらの機能については現在まで明らかにされておらず、本発明は、膀胱癌細胞においてEfp遺伝子の発現を確認し、さらに膀胱癌の増殖に関わることをはじめて解明したものである。本発明は膀胱癌の治療における新しい治療薬としての二本鎖核酸分子の可能性を示すものであり、これまでと異なる作用機序に基づいた、副作用の少ない膀胱癌の治療に応用できると考えられる。
本発明者らが作製したsiRNA、及び、キメラsiRNAは、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌を予防乃至治療するための新たな医薬の有効成分として好適に利用可能であると考えられる。また、これらのsiRNA、及び、キメラsiRNAは、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌における癌細胞増殖のメカニズムを解き明かし、これらの病態の更なる解明に役立つことも期待される。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を抑制するための二本鎖核酸分子であって、
(a)配列番号:1〜配列番号:38のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、
(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖
とを含むことを特徴とする二本鎖核酸分子である。
<2> センス鎖が、配列番号:1〜配列番号:5、及び、配列番号:16〜配列番号:21のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である前記<1>に記載の二本鎖核酸分子である。
<3> センス鎖が、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、及び、配列番号:21のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である前記<2>に記載の二本鎖核酸分子である。
<4> センス鎖が、配列番号:1、配列番号:2、及び、配列番号:16のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である前記<3>に記載の二本鎖核酸分子である。
<5> センス鎖が、配列番号:2、及び、配列番号:16のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である前記<4>に記載の二本鎖核酸分子である。
<6> 二本鎖RNA及び二本鎖RNA−DNAキメラの少なくともいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の二本鎖核酸分子である。
<7> siRNA及びキメラsiRNAの少なくともいずれかである前記<6>に記載の二本鎖核酸分子である。
<8> キメラsiRNAが、3’側の8塩基がDNAであり、その他の塩基がRNAであるセンス鎖と、5’側の6塩基がDNAであり、その他の塩基がRNAであるアンチセンス鎖との組合せからなる前記<7>に記載の二本鎖核酸分子である。
<9> センス鎖及びアンチセンス鎖の3’末端が、それぞれ2〜6塩基突出した構造を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の二本鎖核酸分子である。
<10> 修飾を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の二本鎖核酸分子である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含むことを特徴とするDNAである。
<12> 前記<11>に記載のDNAを含むことを特徴とするベクターである。
<13> プラスミドベクター及びウイルスベクターのいずれかである前記<12>に記載のベクターである。
<14> タンデム型siRNA発現ベクターである前記<12>から<13>のいずれかに記載のベクターである。
<15> ヘアピン型siRNA発現ベクターである前記<12>から<13>のいずれかに記載のベクターである。
<16> 子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかの増殖を抑制するための癌細胞増殖抑制剤であって、前記<1>から<10>のいずれかに記載の二本鎖核酸分子、前記<11>に記載のDNA、及び、前記<12>から<15>のいずれかに記載のベクターの少なくともいずれかを含むことを特徴とする癌細胞増殖抑制剤である。
<17> 子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかの増殖を抑制するための方法であって、子宮癌細胞及び乳癌細胞の少なくともいずれかに、前記<1>から<10>のいずれかに記載の二本鎖核酸分子、前記<11>に記載のDNA、及び、前記<12>から<15>のいずれかに記載のベクターの少なくともいずれかを作用させることを特徴とする方法である。
<18> 子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを予防乃至治療するための医薬であって、前記<16>に記載の癌細胞増殖抑制剤を含むことを特徴とする医薬である。
<19> 子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを予防乃至治療するための方法であって、個体に、前記<16>に記載の癌細胞増殖抑制剤を投与することを特徴とする方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、エストロゲン応答遺伝子であるCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかを標的として、これらの遺伝子の発現を抑制することにより、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の癌細胞の増殖を効果的に抑制することが可能なsiRNA等の二本鎖核酸分子、前記二本鎖核酸分子を含む癌細胞増殖抑制剤、及び前記癌細胞増殖抑制剤を含む医薬を提供することができる。
図1Aは、Ishikawa細胞におけるCOX7RP蛋白質発現に対する、各siCOX7RPの発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図1Bは、HeLa細胞におけるCOX7RP蛋白質発現に対する、各siCOX7RPの発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図1Cは、Ishikawa細胞及びMCF7細胞におけるCOX7RP蛋白質発現に対する、siCOX7RP#2の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図2Aは、Ishikawa細胞及びMCF7細胞におけるEfp蛋白質発現に対する、各siEfpの発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図2Bは、HeLa細胞におけるEfp蛋白質発現に対する、各siEfpの発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図3は、EJ細胞におけるEfp蛋白質発現に対する、siEfp#1の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図4Aは、Ishikawa細胞におけるCOX7RP蛋白質発現に対する、キメラsiCOX7RP#2の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図4Bは、Ishikawa細胞におけるEfp蛋白質発現に対する、キメラsiEfp#1の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図5Aは、MCF7細胞におけるCOX7RP蛋白質発現に対する、キメラsiCOX7RP#2の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図5Bは、MCF7細胞におけるEfp蛋白質発現に対する、キメラsiEfp#1の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図6Aは、siCOX7RP#2の、Ishikawa細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図6Bは、siCOX7RP#2の、MCF7細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図7Aは、siEfp#1の、Ishikawa細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図7Bは、siEfp#1の、MCF7細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図8は、siEfp#1の、EJ細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図9Aは、キメラsiCOX7RP#2の、Ishikawa細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図9Bは、キメラsiCOX7RP#2の、MCF7細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図10Aは、キメラsiEfp#1の、Ishikawa細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図10Bは、キメラsiEfp#1の、MCF7細胞に対する増殖抑制効果を示したグラフである。 図11Aは、Ishikawa細胞を皮下に移植したマウスにおける腫瘍体積の増加に対する、各siRNAの増殖抑制効果を示したグラフである。 図11Bは、Ishikawa細胞の移植後7.5週の腫瘍におけるCOX7RP、Efp蛋白質発現に対する、各siRNAの発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図11Cは、Ishikawa細胞の移植後4週及び6.5週における、各siRNA投与群のマウスの写真である。 図12Aは、MCF7細胞を皮下に移植したマウスにおける腫瘍体積の増加に対する、各siRNAの増殖抑制効果を示したグラフである。 図12Bは、MCF7細胞の移植後7.5週の腫瘍におけるCOX7RP、Efp蛋白質発現に対する、各siRNAの発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図12Cは、MCF7細胞の移植後4週及び6.5週における、各siRNA投与群のマウスの写真である。 図13Aは、EJ細胞を皮下に移植したマウスにおける腫瘍体積の増加に対する、siEfp#1の増殖抑制効果を示したグラフである。 図13Bは、EJ細胞の移植後4.5週における、各siRNA投与群のマウスの写真である。 図14Aは、Ishikawa細胞を皮下に移植したマウスにおける腫瘍体積の増加に対する、キメラsiCOX7RP#2の増殖抑制効果を示したグラフである。 図14Bは、Ishikawa細胞の移植後5.5週の腫瘍におけるCOX7RP蛋白質発現に対する、キメラsiCOX7RP#2の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図14Cは、Ishikawa細胞の移植後4.5週における、各キメラsiRNA投与群のマウスの写真である。 図15Aは、Ishikawa細胞を皮下に移植したマウスにおける腫瘍体積の増加に対する、キメラsiEfp#1の増殖抑制効果を示したグラフである。 図15Bは、Ishikawa細胞の移植後5.5週の腫瘍におけるEfp蛋白質発現に対する、キメラsiEfp#1の発現抑制効果を示したウエスタンブロット像である。 図15Cは、Ishikawa細胞の移植後4.5週における、各キメラsiRNA投与群のマウスの写真である。
(二本鎖核酸分子)
本発明の二本鎖核酸分子は、COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を抑制するための二本鎖核酸分子であり、(a)配列番号:1〜配列番号:38のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖とを含むことを特徴とする。
なお、本発明において「二本鎖核酸分子」とは、所望のセンス鎖とアンチセンス鎖とがハイブリダイズしてなる二本鎖の核酸分子をいう。
<COX7RP遺伝子、Efp遺伝子>
前記COX7RP遺伝子、前記Efp遺伝子は、前記したように、ともにエストロゲンによってその発現が誘導されるエストロゲン応答遺伝子であり、子宮癌及び乳癌において過剰発現していることが知られている。なお、膀胱癌におけるCOX7RP遺伝子、Efp遺伝子の発現、並びにそれらの機能については、これまで明らかにされていない。
本発明において、前記COX7RP遺伝子、前記Efp遺伝子は、そのmRNA配列が前記二本鎖核酸分子の標的となり、前記二本鎖核酸分子によってその発現が抑制されることから、本明細書中において前記COX7RP遺伝子、前記Efp遺伝子を、前記二本鎖核酸分子の「標的遺伝子」と称することがある。
なお、参考として、ヒトの前記COX7RP遺伝子配列を配列番号:41に、ヒトの前記Efp遺伝子配列を配列番号:42に示す。
<センス鎖、アンチセンス鎖>
前記したように、本発明者らは、鋭意検討の結果、前記COX7RP遺伝子、前記Efp遺伝子のmRNA配列の中でも、ある特定の標的配列(配列番号:1〜配列番号:38)に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖を含む二本鎖核酸分子が、前記COX7RP遺伝子、前記Efp遺伝子に対して顕著に優れた発現抑制効果を有することを見出した。したがって、本発明の二本鎖核酸分子は、(a)配列番号:1〜配列番号:38のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、(b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖とを含むものである。
ここで、前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖は、RNA鎖であってもよいし、RNA−DNAキメラ鎖であってもよい。前記センス鎖と前記アンチセンス鎖とは、互いにハイブリダイズすることで前記二本鎖核酸分子を形成することができる。
なお、前記配列番号:1〜配列番号:38のうち、配列番号:1〜配列番号:15はヒトCOX7RP遺伝子配列(配列番号:41)の一部であり、配列番号:16〜配列番号:38はヒトEfp遺伝子配列(配列番号:42)の一部である。
中でも、前記二本鎖核酸分子としては、前記センス鎖が、配列番号:1〜配列番号:5、及び、配列番号:16〜配列番号:21のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するものであることが好ましく、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、及び、配列番号:21のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するものであることがより好ましく、配列番号:1、配列番号:2、及び、配列番号:16のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するものであることが更に好ましく、配列番号:2、及び、配列番号:16のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するものであることが特に好ましい。
前記センス鎖が、前記好ましいセンス鎖以外のセンス鎖であると、前記二本鎖核酸分子の前記標的遺伝子に対する発現抑制効果が弱くなる場合がある。一方で、前記センス鎖が、前記特に好ましいセンス鎖であると、前記二本鎖核酸分子の使用量が少量であっても、前記標的遺伝子に対する強い発現抑制効果が得られる点で、有利である。
<種類>
前記二本鎖核酸分子の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二本鎖RNA(double−stranded RNA:dsRNA)、二本鎖RNA−DNAキメラなどが挙げられる。
ここで、「二本鎖RNA」とは、センス鎖及びアンチセンス鎖のいずれもがRNA配列で構成されてなる二本鎖核酸分子をいい、「二本鎖RNA−DNAキメラ」とは、センス鎖及びアンチセンス鎖のいずれもがRNAとDNAとのキメラ配列で構成されてなる二本鎖核酸分子をいう。
前記二本鎖RNAは、siRNA(small interfering RNA)であることが特に好ましい。ここで、siRNAとは、18〜29塩基長の小分子二本鎖RNAであり、前記siRNAのアンチセンス鎖(ガイド鎖)と相補的な配列をもつ標的遺伝子のmRNAを切断し、標的遺伝子の発現を抑制する機能を有する。
前記siRNAは、前記したようなセンス鎖及びアンチセンス鎖を有し、かつ前記標的遺伝子の発現を抑制し得るものであれば、その末端構造に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記siRNAは、平滑末端を有するものであってもよいし、突出末端(オーバーハング)を有するものであってもよい。中でも、前記siRNAは、各鎖の3’末端が2〜6塩基突出した構造を有することが好ましく、各鎖の3’末端が2塩基突出した構造を有することがより好ましい。
また、前記二本鎖RNAは、shRNA(short hairpin RNA)であってもよい。ここで、shRNAとは、18〜29塩基程度のdsRNA領域と3〜9塩基程度のloop領域を含む一本鎖RNAであるが、shRNAは、生体内で発現されることにより、塩基対を形成してヘアピン状の二本鎖RNAとなる。その後、shRNAはDicer(RNase III酵素)により切断されてsiRNAとなり、標的遺伝子の発現抑制に機能することができる。
前記shRNAの末端構造としても、前記siRNA同様、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平滑末端を有するものであってもよいし、突出末端(オーバーハング)を有するものであってもよい。
また、前記二本鎖RNA−DNAキメラは、キメラsiRNAであることが特に好ましい。ここで、キメラsiRNAとは、siRNAのRNA配列の一部がDNAに変換された、18〜29塩基長の小分子二本鎖RNA−DNAキメラをいう。中でも、siRNAのセンス鎖の3’側の8塩基、及び、アンチセンス鎖の5’側の6塩基がDNAに変換された、21〜23塩基長の小分子二本鎖RNA−DNAキメラであることが好ましい。前記キメラsiRNAは、前記siRNAと同様に、標的遺伝子の発現を抑制する機能を有する。
前記キメラsiRNAの末端構造としても、前記siRNA同様、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平滑末端を有するものであってもよいし、突出末端(オーバーハング)を有するものであってもよい。
前記キメラsiRNA(二本鎖RNA−DNAキメラ)は、血中安定性が高い、免疫応答誘導性が低い、製造コストが低いなどの点で、有利である。
<修飾>
また、前記二本鎖核酸分子は、目的に応じて、適宜修飾を有していてもよい。例えば、核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)に対する耐性を付与し、培養液中や生体中における安定性を向上させる等の目的から、前記二本鎖核酸分子に、2’O−methyl化修飾や、ホスホロチオエート化(S化)修飾、LNA(Locked Nucleic Acid)修飾等を施すことができる。また、例えば、細胞への導入効率を高める等の目的から、前記二本鎖核酸分子のセンス鎖の5’端、或いは3’端に、ナノ粒子、コレステロール、細胞膜通過ペプチド等の修飾を施すこともできる。なお、前記二本鎖核酸分子にこのような修飾を施す方法としては、特に制限はなく、従来公知の手法を適宜利用することができる。
<入手方法>
前記二本鎖核酸分子の入手方法としては、特に制限はなく、それぞれ従来公知の手法に基づき作製することができる。
例えば、前記siRNAは、所望のセンス鎖とアンチセンス鎖とに相当する18〜29塩基長の一本鎖RNAを、それぞれ既存のDNA/RNA自動合成装置等を利用して化学的に合成し、それらをアニーリングすることにより作製することができる。また、アニーリング済の二本鎖siRNAの市販品を入手することもできるし、siRNA合成受託会社に合成を依頼することにより入手することもできる。また、後述する本発明のベクターのような、所望のsiRNA発現ベクターを構築し、前記発現ベクターを細胞内に導入することにより、細胞内の反応を利用してsiRNAを作製することもできる。
また、前記キメラsiRNAは、例えば、キメラ核酸分子であるセンス鎖とアンチセンス鎖とをそれぞれ化学合成し、それらをアニーリングすることにより、作製することができる(例えば、特許第3803318号参照)。
(DNA、ベクター)
本発明のDNAは、前記した本発明の二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含むDNAであり、また、本発明のベクターは、前記DNAを含むベクターである。
<DNA>
前記DNAとしては、前記した本発明の二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含むDNAであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、前記二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列の上流(5’側)に、前記二本鎖核酸分子の転写を制御するためのプロモーター配列が連結されていることが好ましい。前記プロモーター配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CMVプロモーター等のpol II系プロモーター、H1プロモーター、U6プロモーター等のpol III系プロモーターなどが挙げられる。また、更に、前記二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列の下流(3’側)に、前記二本鎖核酸分子の転写を終結させるためのターミネーター配列が連結されていることがより好ましい。前記ターミネーター配列としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記プロモーター配列、前記二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列、及び前記ターミネーター配列を含む転写ユニットは、前記DNAにおける好ましい一態様である。なお、前記転写ユニットは、従来公知の手法を用いて構築することができる。
<ベクター>
前記ベクターは、前記DNAを含むものであれば特に制限はなく、その種類としては、例えば、プラスミドベクター、ウイルスベクターなどが挙げられる。また、前記ベクターは、前記二本鎖核酸分子を発現可能な発現ベクターであることが好ましい。前記二本鎖核酸分子の発現様式としては、特に制限はなく、例えばsiRNAを発現させる方法として、短い一本鎖RNAを二本発現させる方法(タンデム型)や、shRNAとしての一本鎖RNAを発現させる方法(ヘアピン型)等を選択することができる。
前記タンデム型siRNA発現ベクターは、前記siRNAを構成するセンス鎖をコードするDNA配列と、アンチセンス鎖をコードするDNA配列とを含み、かつ、各鎖をコードするDNA配列の上流(5’側)にプロモーター配列がそれぞれ連結され、また、各鎖をコードするDNA配列の下流(3’側)にターミネーター配列がそれぞれ連結されたDNAを含む。
また、前記ヘアピン型siRNA発現ベクターは、前記siRNAを構成するセンス鎖をコードするDNA配列と、アンチセンス鎖をコードするDNA配列とが逆向きに配置され、前記センス鎖DNA配列とアンチセンス鎖DNA配列とがループ配列を介して接続されており、かつ、それらの上流(5’側)にプロモーター配列が、また、下流(3’側)にターミネーター配列が連結されたDNAを含む。
前記各ベクターは、従来公知の手法を用いて構築することができ、例えば、前記DNAを、予め制限酵素で切断したベクターの切断部位に連結(ライゲーション)することにより構築することができる。
前記DNA又は前記ベクターを細胞に導入(トランスフェクト)することにより、プロモーターが活性化され、前記二本鎖核酸分子を生成することができる。例えば、前記タンデム型ベクターにおいては、前記DNAが細胞内で転写されることにより、センス鎖及びアンチセンス鎖が生成され、それらがハイブリダイズすることによりsiRNAが生成される。前記ヘアピン型ベクターにおいては、前記DNAが細胞内で転写されることにより、まずヘアピン型RNA(shRNA)が生成され、次いで、ダイサーによるプロセシングにより、siRNAが生成される。
(癌細胞増殖抑制剤)
本発明の癌細胞増殖抑制剤は、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかの増殖を抑制するための癌細胞増殖抑制剤(腫瘍増殖抑制剤)であり、前記した本発明の二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
<二本鎖核酸分子、DNA、ベクター>
前記二本鎖核酸分子の詳細としては、前記した本発明の二本鎖核酸分子の項目に記載した通りである。前記二本鎖核酸分子は、標的とするCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を効果的に抑制することができるので、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかの増殖を抑制するための前記癌細胞増殖抑制剤の有効成分として好適である。また、前記DNA、ベクターの詳細としても、前記した本発明のDNA、ベクターの項目に記載した通りである。
前記癌細胞増殖抑制剤中の前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記癌細胞増殖抑制剤としては、前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかそのものであってもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを所望の濃度に希釈するための生理食塩水、培養液等の希釈用剤や、対象とする細胞内に前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを導入(トランスフェクト)するためのトランスフェクション試薬などが挙げられる。
前記癌細胞増殖抑制剤中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<子宮癌細胞、乳癌細胞、膀胱癌細胞>
前記癌細胞増殖抑制剤の適用対象となる細胞は、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかであり、これらの癌細胞は、体外で培養されている細胞であってもよいし、また、子宮癌、乳癌、膀胱癌を患う患者の体内に存在する細胞であってもよい。前記体外で培養されている子宮癌細胞、乳癌細胞、膀胱癌細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記子宮癌細胞としては、Ishikawa細胞(ヒト子宮内膜癌由来)、HeLa細胞(ヒト子宮頚癌由来)などが挙げられ、前記乳癌細胞としては、例えば、MCF細胞(ヒト乳癌由来)などが挙げられ、前記膀胱癌細胞としては、EJ細胞(ヒト膀胱癌由来)などが挙げられる。これらの細胞は、例えば、ATCC(American Type Culture Collection)や、JCRB細胞バンクより入手することができる。
<作用>
前記癌細胞増殖抑制剤は、例えば、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかに導入(トランスフェクト)することによって、前記細胞に作用させることができる。前記導入の方法としては、特に制限はなく、従来公知の手法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トランスフェクション試薬を用いる方法、エレクトロポレーションによる方法、磁気粒子を用いる方法、ウイルス感染を利用する方法などが挙げられる。
子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかに対して作用させる前記癌細胞増殖抑制剤の量としても、特に制限はなく、細胞の種類や所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、1x10個の細胞数に対し、有効成分(二本鎖核酸分子)の量として、0.1μg程度が好ましく、5μg程度がより好ましく、15μg程度が特に好ましい。
<癌細胞増殖抑制方法>
前記癌細胞増殖抑制剤は、前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを含むので、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかに作用させることにより、COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現抑制を介して、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の増殖を効果的に抑制することができる。したがって、本発明は、前記二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかに作用させることを特徴とする、癌細胞の増殖抑制方法(腫瘍増殖抑制方法)にも関する。
(医薬)
本発明の医薬は、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを予防乃至治療するための医薬であり、前記した本発明の癌細胞増殖抑制剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
<癌細胞増殖抑制剤>
前記癌細胞増殖抑制剤の詳細としては、前記した本発明の癌細胞増殖抑制剤の項目に記載した通りである。前記癌細胞増殖抑制剤は、前記した本発明の二本鎖核酸分子、DNA、及びベクターの少なくともいずれかを含むので、標的とするCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現抑制を介して、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかの増殖を効果的に抑制することができる。即ち、前記癌細胞増殖抑制剤は、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを予防乃至治療するための医薬として好適に利用可能である。
前記医薬中の前記癌細胞増殖抑制剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記医薬としては、前記癌細胞増殖抑制剤そのものであってもよい。
ここで、前記医薬の有効成分となる前記二本鎖核酸分子としては、非修飾の状態の二本鎖核酸分子そのものを用いてもよいが、適切に予防乃至治療効果が得られるよう、生体への投与に適した形態の二本鎖核酸分子を用いることが好ましい。
例えば、前記二本鎖核酸分子は、生体内における二本鎖核酸分子の安定性を高めることができる点で、修飾が施されていることが好ましい。前記二本鎖核酸分子に施し得る修飾の種類としては、特に制限はなく、例えば、2’O−methyl化修飾、ホスホロチオエート化(S化)修飾、LNA(Locked Nucleic Acid)修飾などが挙げられる。また、標的細胞への導入効率を高める等の目的から、例えば、前記二本鎖核酸分子のセンス鎖の5’端、或いは3’端に、ナノ粒子、コレステロール、細胞膜通過ペプチド等の修飾を施すこともまた好ましい。前記二本鎖核酸分子に前記修飾を施す方法としては、特に制限はなく、従来公知の手法を適宜利用することができる。
また、前記二本鎖核酸分子は、標的細胞への導入効率を高めることができる点で、リポソームや高分子マトリックス等と複合体を形成していることも好ましい。前記複合体を形成する方法としても、特に制限はなく、従来公知の手法を適宜利用することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬的に許容され得る担体などが挙げられる。前記担体としても、特に制限はなく、例えば、剤型等に応じて適宜選択することができる。また、前記医薬中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<剤型>
前記医薬の剤型としては、特に制限はなく、例えば、後述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散剤などが挙げられる。
前記経口固形剤としては、例えば、前記有効成分に、賦形剤、更には必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸などが挙げられる。前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖などが挙げられる。前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
前記経口液剤としては、例えば、前記有効成分に、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチンなどが挙げられる。
前記注射剤としては、例えば、前記有効成分に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下用、筋肉内用、静脈内用等の注射剤を製造することができる。
前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸などが挙げられる。前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。前記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカインなどが挙げられる。
前記軟膏剤としては、例えば、前記有効成分に、公知の基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等を配合し、常法により混合し、製造することができる。
前記基剤としては、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィンなどが挙げられる。前記保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどが挙げられる。
前記貼付剤としては、例えば、公知の支持体に前記軟膏剤としてのクリーム剤、ゲル剤、ペースト剤等を、常法により塗布し、製造することができる。前記支持体としては、例えば、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム、発泡体シートなどが挙げられる。
<投与>
前記医薬は、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかの予防乃至治療に好適である。なお、前記子宮癌とは、子宮内膜癌(子宮体癌、子宮体部癌)、及び、子宮頸癌(子宮頸部癌)のいずれをも含むものとする。したがって、前記医薬は、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかに罹患した患者に投与することにより好適に使用することができる。
前記医薬の投与対象動物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ブタ、サル、イヌ、ネコなどが挙げられるが、これらの中でも、ヒトが特に好ましい。
前記医薬の投与方法としては、特に制限はなく、例えば、前記医薬の剤型、疾患の種類、患者の状態等に応じて、局所投与、全身投与のいずれかを選択することができる。例えば、局所投与においては、前記医薬の有効成分(二本鎖核酸分子)を、所望の部位(例えば、腫瘍部位)に直接注入することにより投与することができる。前記注入には、注射等の従来公知の手法を適宜利用することができる。また、全身投与(例えば、経口投与、腹腔内投与、血液中への投与等)においては、前記医薬の有効成分(二本鎖核酸分子)が所望の部位(例えば、腫瘍部位)まで安定に、かつ効率良く送達されるよう、従来公知の薬剤送達技術を適宜応用することが好ましい。
前記医薬の投与量としては、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、成人への1日の投与あたり、有効成分(二本鎖核酸分子)の量として、1〜100mgが好ましい。
また、前記医薬の投与回数としても、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて、適宜選択することができる。
前記医薬の投与時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記疾患に対して、予防的に投与されてもよいし、治療的に投与されてもよい。中でも、前記医薬は、子宮癌細胞、乳癌細胞、膀胱癌細胞の増殖を阻害し、前記癌細胞の増殖による腫瘍の増大を防ぐ効果に優れることから、前記医薬は前記疾患の出来る限り早期の段階に投与されることが望ましいと考えられる。
<予防/治療方法>
前記医薬は、前記癌細胞増殖抑制剤を含むので、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを患う個体に投与することにより、COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現抑制を介して、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の増殖を効果的に抑制し、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを予防乃至治療することができる。したがって、本発明は、個体に前記癌細胞増殖抑制剤を投与することを特徴とする、子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかに対する予防乃至治療方法にも関する。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1:二本鎖核酸分子(siRNA)の作製)
COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を抑制するための本発明の二本鎖核酸分子(siRNA)を、以下のようにして準備した。
COX7RP遺伝子に対するsiRNA(siCOX7RP)#1〜4と、Efp遺伝子に対するsiRNA(siEfp)#1〜5は、それぞれのsiRNAのターゲットとする遺伝子配列(以下に記載)とその相補的な配列を、3’末端が2塩基オーバーハングするようなRNAの二本鎖として合成した(RNAi社)。siCOX7RP#5は、ターゲットとする遺伝子配列(以下に記載)とその相補的な配列を、3’末端が2塩基オーバーハングするように合成したRNAの二本鎖であるが、オーバーハングする2塩基をDNAで作製した(Dharmacon社)。siEfp#6は、ターゲットとする遺伝子配列(以下に記載)とその相補的な配列からなるRNAの二本鎖であり、3’末端にウラシル2塩基のオーバーハングを有するもので、Dharmacon社のsiGENOMETM SMARTpoolより入手した。
また、コントロールとして、Luciferase GL2 Duplex(siLUC)はDharmacon社が、siControlはRNAi社が作製したものを使用した。
それぞれのsiRNAのターゲットとする遺伝子配列、及び対応する配列番号を以下に示す。
siCOX7RP#1 5’−ctccgattccacagtgtatga−3’(配列番号:1)
siCOX7RP#2 5’−gtgggagggaccatctactgc−3’(配列番号:2)
siCOX7RP#3 5’−gctgaacacaggcttgttaat−3’(配列番号:3)
siCOX7RP#4 5’−gtggcttcacgcagaagttgg−3’(配列番号:4)
siCOX7RP#5 5’−ctgacctccgattccacagtg−3’(配列番号:5)
siEfp#1 5’−gggtgggcgtgcttctcaact−3’(配列番号:16)
siEfp#2 5’−gtccacctgatgtataagttc−3’(配列番号:17)
siEfp#3 5’−gggatgagttcgagtttctgg−3’(配列番号:18)
siEfp#4 5’−cggtgtcatctcctaacaagg−3’(配列番号:19)
siEfp#5 5’−gcccgattcctcttagagaaa−3’(配列番号:20)
siEfp#6 5’−gaccgcagctgcacaagaa−3’(配列番号:21)
siLUC 5’−cgtacgcggaatacttcga−3’(配列番号:39)
siControl 5’−guaccgcacgucauucguauc−3’(配列番号:40)
(実施例2:二本鎖核酸分子(キメラsiRNA)の作製)
COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を抑制するための本発明の二本鎖核酸分子(キメラsiRNA)を、以下のようにして準備した。
COX7RP遺伝子に対するキメラsiRNA(chimera siCOX7RP#2)とEfp遺伝子に対するキメラsiRNA(chimera siEfp#1)を、それぞれsiCOX7RP#2とsiEfp#1に同一の塩基配列で、一部をDNAに置換することにより作製した。具体的には、siRNAのセンス鎖の3’端より8塩基のRNAと、アンチセンス鎖の5’端より6塩基のRNAとをDNAに置換し、それぞれのキメラsiRNAを作製した。
また、chimera siCOX7RP#2に対するネガティブコントロールとしてのキメラsiRNA(chimera siControl−COX7RP)を、chimera siCOX7RP#2の配列をランダムに並び変えて一部をDNAに置換することにより作製した。chimera siEfp#1に対するネガティブコントロールとしてのキメラsiRNA(chimera siControl−Efp)を、chimera siEfp#1の配列をランダムに並び変えて一部をDNAに置換することにより作製した。
なお、これらのキメラsiRNAは、いずれもRNAi社が作製したものを使用した。
それぞれのキメラsiRNAのセンス鎖配列、及び対応する配列番号を以下に示す。
キメラsiCOX7RP#2 5’−rGUrGrGrGrArGrGrGrArCrCrATCTACTGC−3’(配列番号:43)
キメラsiEfp#1 5’−rGrGrGUrGrGrGrCrGUrGrCUTCTCAACT−3’(配列番号:44)
キメラsiControl−COX7RP 5’−CTTrGUrGrGrGrArGrGrGrArCrArCATCGC−3’(配列番号:45)
キメラsiControl−Efp 5’−CTArGrGrGUrGrGrGrCrGUUrCrGTACCT−3’(配列番号:46)
(U、及びrG、rC、rAはRNA塩基、T、G、C、AはDNA塩基を示す。)
(実施例3:siRNA及びキメラsiRNAのin vitroにおける標的遺伝子発現抑制効果の検討)
前記実施例1で得られた各siRNA、及び、前記実施例2で得られた各キメラsiRNAを、ヒト子宮癌、乳癌、膀胱癌由来の培養細胞(Ishikawa細胞、HeLa細胞、MCF7細胞、EJ細胞)にトランスフェクションし、48時間後に蛋白質サンプルを回収してウエスタンブロット解析を行うことにより、各siRNA及び各キメラsiRNAの、各培養細胞におけるCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子発現に対する抑制効果(ノックダウン効果)を検討した。実験方法の詳細は以下の通り。
[細胞培養]
ヒト子宮内膜癌由来Ishikawa細胞3H12 No.74は、国立霞ヶ浦病院 西田正人氏より供与いただいた。ヒト子宮頚癌由来HeLa細胞、及びヒト乳癌由来MCF7細胞は、American Type Culture Collectionより入手した。ヒト膀胱癌由来EJ細胞はJCRB細胞バンクより入手した。これらの細胞は10% fetal calf serum(Roche)、100units/ml penicillin(Invitrogen)、100μg/ml streptmysin(Invitrogen)を含むDulbaco’s modified Eagle’s medium(DMEM)(Sigma)で、5%CO、37℃にて培養した。
[トランスフェクション]
トランスフェクションの前日に、6穴プレートに5×10/wellの密度で各細胞をまいた。Opti−MEN(Gibco)250μl/wellとLipofectamine2000(Invitrogen)10μl/wellとを混合し、5分間、37℃でインキュベートした。これをOpti−MEN 250μl/wellとsiRNA(最終濃度150nM)又はキメラsiRNA(最終濃度150nM)との混合液に加え、さらに37℃で20分間インキュベートし、ウェルに添加した。なお、EJ細胞の場合にはsiEfp#2を最終濃度50nMで使用した。また、siRNAのみ除いたものを溶媒コントロール(Vehicle)とした。
siRNA又はキメラsiRNA添加48時間後に、4×Sample Buffer(100mM Tris−HCl pH6.5、20% Glycerol、4% SDS、4% 2−Mercaptoethanol)にて細胞を回収し、100℃で15分間ボイルした。得られたサンプルのOD280nmを測定し、BSAの検量線を用いて蛋白質濃度を算出した。
[ウエスタンブロット解析]
蛋白質サンプル1000μg分をSDS−PAGEゲルにて泳動後、Immobilon−P(Millipore)へブロッティングした。蛋白質の検出は、1次抗体として、Efp或いはCOX7RP抗体(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America.誌90巻23号 11117−11121ページ 1993年、及び、埼玉医科大学雑誌31巻4号 199−206ページ 2004年 参照)を、2次抗体として、horseradish peroxidase(HRP)−conjugated anti−rabbit IgG抗体(Amersham Biosciences)を用い、ECL detection system(Amersham Pharmacia Biotech)により行った。その後、Stripping Buffer(62.5mM Tris−HCl pH6.7、2% SDS、100mM 2−Mercaptoethanol)にて抗体を除去後、ローディングコントロールとして、一次抗体β−actin(SIGMA)、二次抗体HRP−conjugated anti−mouse IgG(Amersham Biosciences)を用いて検出した。
本実施例3の結果を、図1A〜1C、図2A〜2B、図3、図4A〜4B、及び、図5A〜5Bに示す。
COX7RPの蛋白質発現については、Ishikawa細胞では、配列#1、#2において特にノックダウン効果が高く、次いで#5の効果が高く、#3は比較的その効果に乏しかった(図1A)。HeLa細胞では、試験した#1〜#4の4種の配列全てにおいて高いノックダウン効果が認められた(図1B)。これらの中でも、配列#2は特にノックダウン効果が高く、MCF7細胞では、150nMにおいてのみCOX7RPの発現を示すバンドは完全に消失したが、Ishikawa細胞では、1nMでもバンドが完全に消失し、強力なノックダウン効果を認めた(図1C)。
Efpの蛋白質発現については、Ishikawa細胞、MCF7細胞において、配列#1、#5、#3、#2の順に高いノックダウン効果が認められた(図2A)。HeLa細胞においても、やはり配列#1のノックダウン効果が高く、#4、#6は、#2ほど効果は低くないものの、#1よりはやや劣っていた(図2B)。
また、siEfp#1は、膀胱癌細胞であるEJ細胞においても、Efpの蛋白質発現を効率良く抑制し、高いノックダウン効果を示した(図3)。
また、siRNAにおいて高いノックダウン効果を示したsiCOX7RP#2、siEfp#1に対応するキメラsiRNA(キメラsiCOX7RP#2、キメラsiEfp#1)についても、それぞれCOX7RPの蛋白質発現及びEfpの蛋白質発現を効果的に抑制することが、Ishikawa細胞とMCF7細胞の双方の細胞において示された(Ishikawa細胞:図4A〜4B、MCF7細胞:図5A〜5B)。
(実施例4:siRNA及びキメラsiRNAのin vitroにおける細胞増殖抑制効果の検討)
前記実施例1で得られた各siRNA、及び、前記実施例2で得られた各キメラsiRNAを、ヒト子宮癌、乳癌、膀胱癌由来の培養細胞(Ishikawa細胞、MCF7細胞、EJ細胞)にトランスフェクションし、各siRNA及び各キメラsiRNAの、各培養細胞に対する増殖抑制効果を検討した。実験方法の詳細は以下の通り。なお、細胞培養は前記実施例3と同様の手法により行った。
[トランスフェクション及び細胞数測定]
トランスフェクションの前日に、Ishikawa細胞、MCF7細胞、EJ細胞を24ウェルプレートにそれぞれ8,000個、8,000個、6,000個ずつまいた。Opti−MEN(Gibco)250μl/wellとLipofectamine2000(Invitrogen)10μl/wellを混合し、5分間、37℃でインキュベートした。それをOpti−MEN 250μl/wellとsiRNA(最終濃度50nM)との混合液に加え、さらに37℃で20分間インキュベートし、ウェルに添加した。なお、キメラsiRNAの場合には、最終濃度150nMとして用いた。siRNA又はキメラsiRNA添加1日後から7日後に、生細胞数測定試薬SF(Cell Count Reagent SF、ナカライテスク)を用いて呈色反応を行い、吸光度(450nm)を測定して細胞数を定量化した。
本実施例4の結果を、図6A〜6B、図7A〜7B、図8、図9A〜9B、及び、図10A〜10Bに示す。
Ishikawa細胞及びMCF7細胞にsiCOX7RP#2、siEfp#1、siControlをトランスフェクションし、その後の細胞増殖速度を解析したところ、Ishikawa細胞においては2日後からsiCOX7RP#2及びsiEfp#1投与によって有意に細胞増殖が抑制され、MCF7細胞においては1日後からsiCOX7RP#2及びsiEfp#1投与によって有意に細胞増殖が抑制された(siCOX7RP#2:図6A〜6B、siEfp#1:図7A〜7B)。
また、EJ細胞にsiEfp#1、siControlをトランスフェクションし、その後の細胞増殖速度を解析したところ、4日後にsiEfp#1投与によって有意に細胞増殖が抑制された(図8)。
また、Ishikawa細胞及びMCF7細胞に各キメラsiRNA(キメラsiCOX7RP#2、キメラsiEfp#1)をトランスフェクションし、その後の細胞増殖速度を解析したところ、キメラsiCOX7RP#2及びキメラsiEfp#1投与によって有意に細胞増殖が抑制された(キメラsiCOX7RP#2:図9A〜9B、キメラsiEfp#1:図10A〜10B)。
(実施例5:siRNA及びキメラsiRNAのin vivoにおける腫瘍増殖抑制効果の検討)
前記実施例1で得られた各siRNA、及び、前記実施例2で得られた各キメラsiRNAについて、ヌードマウスの皮下に移植した腫瘍細胞に対する増殖抑制効果を検討した。実験方法の詳細は以下の通り。なお、細胞培養やウエスタンブロット解析は、前記実施例3と同様の手法により行った。
[in vivoでの腫瘍増殖抑制実験(siRNA/Ishikawa細胞・MCF7細胞)]
4週齢、メスのヌードマウスBALB/cA Jcl−nu(日本クレア)を各群12匹ずつ用意し、皮下に腫瘍細胞を移植した。移植する細胞は、Ishikawa細胞(2×10cells/匹)若しくはMCF7細胞(1×10cells/匹)と、Matrigel(BD Biosciences)とを混合し、合計150μl/匹となるように調整した。腫瘍径を週2回計測し、腫瘍体積(tumor volume;3 r/4,r=長径×短径×短径/8)を算出した。
移植後1.5週目から週2回、siCOX7RP若しくはsiEfpを皮下の腫瘍に直接注入した。なお、ここで、siCOX7RP、siEfpとしては、前記実施例2でノックダウン効果が高かったsiCOX7RP#2、siEfp#1をそれぞれ使用した。注入するsiRNA 5μg/匹に、GeneSilencer Reagent(Gene Therapy Systems,Inc.)4μl/匹、及び、phenol red free DMEMを混合し、total 50μl/匹に調整した。
移植から7.5週後にヌードマウスを屠殺し、皮下の腫瘍をHomogenize Buffer(100nM Tris−Hcl pH7.4、250mM sucrose、1mM PMSF)にてホモジナイズした。さらに、4×Sample Bufferと混合した後、105℃で15分間ボイルし、蛋白質サンプル1000μg分をウエスタンブロット解析した。
[in vivoでの腫瘍増殖抑制実験(siRNA/EJ細胞)]
4週齢、オスのヌードマウスBALB/cA Jcl−nu(日本クレア)を各群10匹ずつ用意し、皮下にEJ細胞を移植した。移植する細胞は、EJ細胞(1×10cells/匹)とMatrigel(BD Biosciences)を混合し、合計150μl/匹となるように調整した。移植後1週目から週2回、siEfp#1、siControlを、前記と同様の処理にて調整し、皮下の腫瘍に直接注入した。腫瘍径を週2回計測し、腫瘍体積(tumor volume;3 r/4,r=長径×短径×短径/8)を算出した。
[in vivoでの腫瘍増殖抑制実験(キメラsiRNA/Ishikawa細胞)]
4週齢、メスのヌードマウスBALB/cA Jcl−nu(日本クレア)を各群10匹ずつ用意し、皮下に腫瘍細胞を移植した。移植する細胞は、Ishikawa細胞(4×10cells/匹)とMatrigel(BD Biosciences)を混合し、合計150μl/匹となるように調整した。移植後1週目から週2回、キメラsiCOX7RP#2、キメラsiEfp#1、キメラsiControl−COX7RP、キメラsiControl−Efpを、前記と同様の処理にて調整し、皮下の腫瘍に直接注入した。腫瘍径を週2回計測し、腫瘍体積(tumor volume;3 r/4,r=長径×短径×短径/8)を算出した。
移植から5.5週後にヌードマウスを屠殺し、皮下の腫瘍をHomogenize Buffer(100nM Tris−Hcl pH7.4、250mM sucrose、1mM PMSF)にてホモジナイズした。さらに4×Sample Bufferと混合した後、100℃で15分間ボイルし、蛋白質サンプル1000μg分をウエスタンブロット解析した。
本実施例5の結果を、図11A〜11C、図12A〜12C、図13A〜13B、図14A〜14C、図15A〜15Cに示す。
Ishikawa細胞においては、siControl群では腫瘍体積は指数関数的な増加を示したのに対し、siCOX7RP、siEfpの両群では、ともに移植後2.5週でいったん腫瘍は縮小した後、穏やかに増大し、最終的に移植後7.5週での腫瘍体積は、siControl群の体積のおよそ三分の一ほどにまで抑制された。siControl群に対するsiCOX7RP、siEfpの各群の腫瘍体積につきStudent’s t−testを行うと、移植後2.5週からp<0.05と有意差を認め、移植後3.5週以降ではp<0.01であった(図11A)。また、移植から7.5週後の皮下腫瘍におけるCOX7RP、Efpの蛋白質発現量をウエスタンブロットにて解析すると、siCOX7RP、siEfpの両群ともに発現量の低下を認めた(図11B、各群2サンプルずつ示した)。また、図11Cに、移植後4週と6.5週において撮影した実際のヌードマウスの写真を各群一匹ずつ掲載した。siCOX7RP、siEfpの両群では、siControl群に対して、明らかに腫瘍の増大が抑制されていることがわかる。
同様の解析をMCF7細胞においても行った。移植後2.5週でsiCOX7RP、siEfpの両群ともに腫瘍体積は縮小し、siCOX7RP群では、以後あまり増大を認めなかった。siEfp群でも、移植後7.5週時点での腫瘍体積は、移植後1.5週時点と大差なかった。Student’s t−testでは、siCOX7RP群では移植後2.5週から、siEfp群では移植後3.5週から、有意に(p<0.01)ノックダウン効果を認めた(図12A)。また、移植から7.5週後の皮下腫瘍におけるCOX7RP、Efpの蛋白質発現量は、siCOX7RP、siEfpによりそれぞれ低下していた(図12B)。図12Cに、移植後4.5週と7.5週において撮影した実際のヌードマウスの写真を各群一匹ずつ掲載した。siCOX7RP、siEfpの両群では、siControl群に対して、明らかに腫瘍の増大が抑制されていることがわかる。
同様の解析をEJ細胞についても行った。その結果、siEfp#1群では移植後2週から有意に(p<0.01)ノックダウン効果が認められ、siEfp#1は膀胱癌細胞であるEJ細胞を用いたヌードマウスにおける腫瘍増殖モデルにおいても、腫瘍の増大を効果的に抑制することが明らかになった(図13A)。図13Bに、移植後4.5週において撮影した実際のヌードマウスの写真を各群一匹ずつ掲載した。siEfp#1群では、siControl群に対して、明らかに腫瘍の増大が抑制されていることがわかる。
また、キメラsiRNAを用いて同様の解析を行ったところ、Ishikawa細胞において、キメラsiControl−COX7RP群では、腫瘍体積は指数関数的な増加を示したのに対し、キメラsiCOX7RP#2群では、有意に腫瘍体積の増加が抑制された(図14A)。また、移植から5.5週後の皮下腫瘍におけるCOX7RPの蛋白質発現量は、キメラsiCOX7RP#2投与により低下していることが認められた(図14B)。また、図14Cに、移植後4.5週において撮影した実際のヌードマウスの写真を各群一匹ずつ掲載した。キメラsiCOX7RP#2群では、キメラsiControl−COX7RP群に対して、明らかに腫瘍の増大が抑制されていることがわかる。
また、同様に、Ishikawa細胞において、キメラsiControl−Efp群では腫瘍体積は指数関数的な増加を示したのに対し、キメラsiEfp#1群では、有意に腫瘍体積の増加が抑制された(図15A)。また、移植から5.5週後の皮下腫瘍におけるEfpの蛋白質発現量は、キメラsiEfp#1投与により低下していることが認められた(図15B)。また、図15Cに、移植後4.5週において撮影した実際のヌードマウスの写真を各群一匹ずつ掲載した。キメラsiEfp#1群では、キメラsiControl−Efp群に対して、明らかに腫瘍の増大が抑制されていることがわかる。
以上の実施例1〜実施例5により、本発明の二本鎖核酸分子(siRNA)が、子宮癌、乳癌、膀胱癌細胞におけるCOX7RP遺伝子、Efp遺伝子の発現に対して高い抑制効果を有することが示された。更に、これらの二本鎖核酸分子は、in vivoにおいても高い腫瘍増殖抑制効果を有することが示されたことから、子宮癌、乳癌、膀胱癌を予防乃至治療するための医薬の有効成分として好適に利用可能であると考えられる。特に、siCOX7RP#2は、Ishikawa細胞において1nMという低い濃度でも十分なノックダウン効果が得られたことから(図1C)、子宮内膜癌をはじめとした、子宮癌への臨床応用が大いに期待される。
また、これらの実施例の結果から、siRNAの配列を基に設計したキメラsiCOX7RP、キメラsiEfpについても、共にknockdown効果の高いsiRNAとして機能することが明らかになった。in vivoにおける腫瘍増殖の抑制効果を確認した結果でも、腫瘍形成は、キメラsiCOX7RP及びキメラsiEfp投与群においてコントロール群より有意に小さかった。したがって、これらのキメラsiRNAについても、siRNA同様、子宮癌、乳癌、膀胱癌の治療に臨床応用できる可能性が示唆された。二本鎖RNA−DNAキメラであるこれらのキメラsiRNAは、血中安定性が高い、免疫応答誘導性が低い、製造コストが低いなどの観点から、臨床応用への実用化に有利であると考えられる。
本発明の二本鎖核酸分子は、エストロゲン応答遺伝子であるCOX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現抑制を介し、子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌の増殖を効果的に抑制することができるので、子宮癌や乳癌、膀胱癌に対する優れた医薬の有効成分として有用である。また、本発明の二本鎖核酸分子を有効成分とする医薬は、エストロゲン受容体に作用するタモキシフェン等の従来の薬剤と比較して、よりエストロゲン作用経路の下流において作用するため、より副作用の少ない医薬となり得ることが期待される。

Claims (11)

  1. COX7RP遺伝子及びEfp遺伝子の少なくともいずれかの発現を抑制するための二本鎖核酸分子であって、
    (a)配列番号:1〜配列番号:38のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、
    (b)前記(a)のセンス鎖に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖
    とを含むことを特徴とする二本鎖核酸分子。
  2. センス鎖が、配列番号:1〜配列番号:5、及び、配列番号:16〜配列番号:21のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である請求項1に記載の二本鎖核酸分子。
  3. センス鎖が、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、及び、配列番号:21のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である請求項2に記載の二本鎖核酸分子。
  4. センス鎖が、配列番号:1、配列番号:2、及び、配列番号:16のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である請求項3に記載の二本鎖核酸分子。
  5. センス鎖が、配列番号:2、及び、配列番号:16のいずれかの標的配列に対応するヌクレオチド配列を有するセンス鎖である請求項4に記載の二本鎖核酸分子。
  6. 二本鎖RNA及び二本鎖RNA−DNAキメラの少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の二本鎖核酸分子。
  7. siRNA及びキメラsiRNAの少なくともいずれかである請求項6に記載の二本鎖核酸分子。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の二本鎖核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含むことを特徴とするDNA。
  9. 請求項8に記載のDNAを含むことを特徴とするベクター。
  10. 子宮癌細胞、乳癌細胞、及び膀胱癌細胞の少なくともいずれかの増殖を抑制するための癌細胞増殖抑制剤であって、請求項1から7のいずれかに記載の二本鎖核酸分子、請求項8に記載のDNA、及び、請求項9に記載のベクターの少なくともいずれかを含むことを特徴とする癌細胞増殖抑制剤。
  11. 子宮癌、乳癌、及び膀胱癌の少なくともいずれかを予防乃至治療するための医薬であって、請求項10に記載の癌細胞増殖抑制剤を含むことを特徴とする医薬。
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