JPWO2008123154A1 - 流体式動力装置及び流体式発電装置 - Google Patents

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Abstract

流体中に存在する物体の影響を受けることなく低速流体から効果的に動力を取り出すことができる流体式動力装置及びこれを備えた流体式発電装置を提供する。流体式動力装置2は、水流Wに対して略直角な方向に延在する揺動軸11を中心に揺動自在な揺動部材10と、揺動軸11と平行な回動軸21を介して揺動部材10の上流側及び下流側に各々回動自在に取り付けられ水流W及び揺動軸11に対して略直角な方向における力を発生させる一対の翼20と、水流Wに対する翼20の迎え角を変化させ上流側及び下流側の翼20に相互に反対方向の力を発生させて翼20の往復運動を実現させる迎角可変手段と、翼20の往復運動を出力軸30の回転運動に変換する動力変換手段と、を備える。流体式発電装置1は、流体式動力装置2と、出力軸30の回転運動により電力を発生させる発電機3と、を備える。

Description

本発明は、流体式動力装置及び流体式発電装置に関する。
近年における環境保護意識の高まりに伴い、水力や風力等の自然エネルギを用いて発電を行う技術の開発が進められている。例えば、比較的浅い河川に小型のプロペラ水車を設置し、このプロペラ水車を用いて、河川の低速水流のエネルギを電気エネルギに変化する技術が提案されている(例えば、特開2007−32338号公報参照)。このような小型のプロペラ水車は、多様な立地条件に対応することが可能であるという利点を有している。
ところで、河川の低速水流を用いて大きな電力を発生させるためには、水流を大きな面積で受け止める必要がある。しかしながら、特開2007−32338号公報に記載したような小型のプロペラ水車は、比較的浅い河川に設置されるものであるため、ロータの直径が水深以下に設定されており、得られる電力量はきわめて小さいものであった。
また、プロペラ水車を採用すると、河川に存在する草やビニール袋等の種々の漂流物がプロペラに付着し易い。このような不都合を解消するためには、漂流物を取り除くためのフェンスを水車の前に設ける必要があり、また、フェンスに付着したゴミを頻繁に除去する必要があった。さらに、プロペラ水車を採用すると、河川に生息する魚等の生物が回転するプロペラに接触して傷つけられる可能性が少なからず存在する。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、流体中に存在する物体の影響を受けることなく低速流体から効果的に動力を取り出すことができる流体式動力装置及びこれを備えた流体式発電装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る第一の流体式動力装置は、流体の所定方向の流れに対して略直角な方向に延在する所定の揺動軸を中心に揺動自在とされ、揺動軸から前記流れの上流側及び下流側へと延在する腕部を有する揺動部材と、揺動軸と平行な方向に延在する回動軸を介して揺動部材の上流側及び下流側の腕部に各々回動自在に取り付けられ、前記流れ及び揺動軸に対して略直角な方向における力を発生させる少なくとも一対の翼と、前記流れに対する翼の迎え角を変化させ、上流側及び下流側の翼において相互に反対方向の力を発生させることにより翼の連続的な往復運動を実現させる迎角可変手段と、所定方向に延在する回転自在な出力軸と、翼の往復運動を出力軸の回転運動に変換する動力変換手段と、を備えるものである。
かかる構成を採用すると、流体の所定方向の流れに対する翼の迎え角を変化させ、前記流れに対して略直角な相互に反対方向の力を上流側及び下流側の翼に発生させることにより、翼の連続的な往復運動を実現させ、この翼の往復運動を出力軸の回転運動に変換することができる。翼は、流体中で揺動軸を中心に揺動自在とされる揺動部材の上流側及び下流側の腕部に取り付けられているため、僅かな力で動かすことができる。従って、大型の翼を採用することができるため、例えば河川の低速水流や微風のような比較的小さな空気流によっても翼で大きな揚力(流れに対して略直角な力)を発生させることができ、この翼の動きを回転運動に変換して大きな力を得ることが可能となる。また、翼は、迎え角を変えながら前記流れに対して略直角な方向(例えば上下方向)において往復運動をする。このため、河川や空中に漂う種々の物体(草やビニール袋等)が翼に付着し難く、付着した場合においても除去され易いという利点を有するとともに、河川や空中に存在する生物(魚や鳥等)を傷つける可能性が低く、環境に優しいという利点を有する。
また、本発明に係る第二の流体式動力装置は、流体の所定方向の流れに対して略直角な方向に延在する所定の揺動軸を中心に揺動自在とされ、揺動軸から前記流れの上流側へと延在する上流側揺動部材と、この上流側揺動部材とは非連動的に揺動軸を中心に揺動自在とされ、揺動軸から前記流れの下流側へと延在する下流側揺動部材と、揺動軸と平行な方向に延在する回動軸を介して上流側揺動部材及び下流側揺動部材に各々回動自在に取り付けられ、前記流れ及び揺動軸に対して略直角な方向における力を発生させる少なくとも一対の翼と、前記流れに対する翼の迎え角を変化させることにより翼の連続的な往復運動を実現させる迎角可変手段と、所定方向に延在する回転自在な出力軸と、翼の往復運動を出力軸の回転運動に変換する動力変換手段と、を備えるものである。
かかる構成を採用すると、流体の所定方向の流れに対する翼の迎え角を変化させ、前記流れに対して略直角な方向における力を翼に発生させることにより、翼の連続的な往復運動を実現させ、この翼の往復運動を出力軸の回転運動に変換することができる。翼は、流体中で揺動軸を中心に揺動自在とされる上流側揺動部材及び下流側揺動部材に取り付けられ、上流側揺動部材と下流側揺動部材とは非連動的に(相互に独立して)揺動するように構成されているため、上流側の翼の往復運動によるエネルギと、下流側の翼の往復運動によるエネルギと、の双方を別々に出力軸に与えることができる。従って、全体の出力トルク(出力軸の回転エネルギ)を増大させることができる。また、上流側の翼と下流側の翼とを相互に独立して動かすことができるので、上流側の翼の迎え角と下流側の翼の迎え角との双方が零(翼が流れと平行)となり翼の往復運動が停止してしまうような状況を回避することができる。従って、出力軸の回転運動を持続させることが可能となる。また、翼は、迎え角を変えながら前記流れに対して略直角な方向において往復運動をする。このため、河川や空中に漂う種々の物体が翼に付着し難く、付着した場合においても除去され易いという利点を有するとともに、河川や空中に存在する生物を傷つける可能性が低く、環境に優しいという利点を有する。
前記流体式動力装置において、揺動軸に対して平行な方向に延在する出力軸を採用することができる。かかる場合において、出力軸から上流側及び下流側に所定距離離隔した位置に配置され出力軸と平行な方向に延在する所定の回転軸を中心に回転する少なくとも一対の回転部材と、この回転部材の回転力を出力軸に伝達する回転力伝達部材と、翼の一部と回転部材の一部とを連結し翼の往復運動を回転部材の回転運動に変換する連結部材と、を有する動力変換手段を採用することができる。
また、前記流体式動力装置において、一端が回転軸に固定され回転軸を中心に回転して他端が円軌道を描く所定長さの回転柱状部材を有する回転部材を採用するとともに、 一端が翼の一部に固定され他端が回転軸と平行な方向に延在する回動軸を介して回転柱状部材の他端に回動自在に取り付けられる所定長さの連結柱状部材を有する連結部材を採用することができる。かかる場合、翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達した直後に、翼が往復運動を続行するための力を発生させるように翼の迎え角を設定する連結柱状部材及び回転柱状部材を迎角可変手段として採用することができる。
かかる構成を採用すると、翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達した直後に、翼が往復運動を続行するための力を発生させることができるので、翼の往復運動及びこれに伴う出力軸の回転運動を円滑に継続させることが可能となる。
また、前記流体式動力装置において、翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達したときに、翼の迎え角を略零に設定する一方、翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達した直後に、翼の往復運動に起因した回転柱状部材の回転運動の慣性力により連結柱状部材が作動して、翼が往復運動を続行するための力を発生させるように翼の迎え角を設定する迎角可変手段を採用することができる。
かかる構成を採用すると、翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達したときに、翼の迎え角を略零に設定するので、翼が流体から受ける抵抗を低減させることができる。また、翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達した直後に、翼の往復運動に起因した回転柱状部材の回転運動の慣性力により連結柱状部材が作動して、翼が往復運動を続行するための力を発生させることができる。従って、翼の往復運動及びこれに伴う出力軸の回転運動を円滑に継続させることが可能となる。
また、前記流体式動力装置を、所定の河川の水流を受ける位置に設置することができる。かかる場合、河川の水深方向上方及び下方における力を発生させる翼を採用するとともに、翼が往復運動の最下点に到達した直後に翼が水深方向上方への力を発生させるように翼の迎え角を設定する一方、翼が往復運動の最上点に到達した直後に翼が水深方向下方への力を発生させるように翼の迎え角を設定する迎角可変手段を採用することができる。
また、前記流体式動力装置を、風(空気流)を受ける位置に設置することができる。かかる場合、鉛直方向上方及び下方における力を発生させる翼を採用するとともに、翼が往復運動の最下点に到達した直後に翼が鉛直方向上方への力を発生させるように翼の迎え角を設定する一方、翼が往復運動の最上点に到達した直後に翼が鉛直方向下方への力を発生させるように翼の迎え角を設定する迎角可変手段を採用することができる。
また、本発明に係る流体式発電装置は、前記した流体式動力装置と、この流体式動力装置の出力軸の回転運動により電力を発生させる発電機と、を備えるものである。
かかる構成を採用すると、河川や空中に存在する物体の影響を受けることなく低速の流れのエネルギを利用して効果的に電力を発生させることができる。
前記流体式発電装置において、翼及び揺動部材を所定の河川の水中に配置し、出力軸及び発電機を翼及び揺動部材の上方であって河川の水面よりも上方に配置することができる。
このようにすると、本発明に係る流体式発電装置を、水力発電装置として使用することができる。
また、前記流体式発電装置において、出力軸及び発電機を、翼及び揺動部材の下方に配置することもできる。
このようにすると、比較的強い風が吹く高い位置に翼及び揺動部材を配置することができ、本発明に係る流体式発電装置を、風力発電装置として使用することができる。
本発明によれば、流体中に存在する物体の影響を受けることなく低速流体から効果的に動力を取り出すことができる流体式動力装置及びこれを備えた流体式発電装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
最初に、図1〜図6を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態においては、本発明に係る流体式発電装置を、比較的浅い河川に設置される水力発電装置に適用した例について説明することとする。
まず、図1〜図3を用いて、本実施形態に係る水力発電装置1の構成について説明する。
水力発電装置1は、図1〜図3に示すように、比較的浅い河川Rに設置され、河川Rの水流エネルギ(略水平方向(図1及び図3における前後方向)に流れる水流Wのエネルギ)を回転エネルギに変換して電力を発生させるものである。水力発電装置1は、水流Wのエネルギを所定の出力軸30の回転エネルギに変換する流体式動力装置2と、流体式動力装置2の出力軸30の回転エネルギにより電力を発生させる発電機3と、を備えている。
流体式動力装置2は、水流Wに対して略直角な方向(図2及び図3における左右方向)に延在する揺動軸11を中心に揺動自在とされる揺動部材10と、揺動部材10の上流側及び下流側に各々取り付けられる翼20(20U・20D)と、揺動軸11に対して平行な方向(図2及び図3における左右方向)に延在する出力軸30と、を備えている。流体式動力装置2は、水流Wに対する翼20の迎え角を連続的に変化させることにより、翼20の上下方向の往復運動を実現させ、この往復運動を出力軸30の回転運動に変換するものである。
揺動部材10は、揺動軸11から水流Wの上流側及び下流側へと延在する上流側腕部12及び下流側腕部13を有しており、全体として長尺柱状に構成されている。揺動部材10の上流側腕部12及び下流側腕部13の先端には、揺動軸11と平行な方向(左右方向)に延在する回動軸21を介して、各々、翼20U・20Dが回動自在に取り付けられている。揺動部材10(上流側腕部12及び下流側腕部13)42は、図2及び図3に示すように、左右に2本平行に並べられた状態で河川Rの内部(水中)に配置されており、水流Wの勢いにより下流側に流されないように、河川Rの川底に固定された左右一対の土台4に揺動軸11を介して取り付けられている。
翼20は、河川Rの内部(水中)に配置されており、水流Wにより上下方向における力(揚力)を発生させることが可能な翼型断面形状を有している。翼20は、水流Wに対する迎え角が位置に応じて変化するように構成されており、このような迎え角の変化により、上流側の翼20U及び下流側の翼20Dにおいて相互に反対方向の力(上下方向における力)が発生して、上下方向の往復運動を行う。
翼20の翼幅(図2及び図3における左右方向における長さ)、翼弦長及び翼厚は、河川Rの幅(図2及び図3における左右方向における長さ)、河川の深さ、水流Wの速度、水力発電装置1の規模等を勘案して適宜設定することができる。例えば、翼20の翼幅を河川Rの幅と略同一の長さに設定することが可能である。本実施形態においては、揺動軸11から上流側の翼20Uの回動軸21までの距離と、揺動軸11から下流側の翼20Dの回動軸21までの距離と、を同一に設定するとともに、翼20の翼幅方向中央部に回動軸21を介して揺動部材10を取り付けている。また、図2及び図3に示すように、翼20Uの後縁部及び翼20Dの前縁部に、揺動部材10(上流側腕部12及び下流側腕部13)との干渉を阻止するための凹部20Ua・20Daを設けている。また、本実施形態においては、水中における翼20の上下運動を容易にするため、翼20の比重を略1に設定している。翼20の材料としては、外皮部にステンレス等の金属材料を採用し、内部に発泡スチロール等の軽量の樹脂材料を採用することができる。
出力軸30は、図示されていない支持部材を介して土台4の上部に回転自在に取り付けられている。出力軸30の上方には発電機3が配置されており、出力軸30の回転エネルギが動力伝達部材5を介して発電機3に伝達されることにより、電力が発生するようになっている。本実施形態においては、出力軸30及び発電機3を、翼20及び揺動部材10の上方であって河川Rの水面よりも上方に配置することとしている。
出力軸30から上流側及び下流側に所定距離離隔した位置には、出力軸30と平行な方向(図2及び図3における左右方向)に延在する所定の回転軸41を中心に所定方向(図1のR方向)に回転する回転部材40が配置されている。回転部材40は、一端が回転軸41に固定され回転軸41を中心にR方向に回転して他端が円軌道を描く所定長さの回転柱状部材42と、回転柱状部材42と一体的に回転軸41を中心にR方向に回転する円板状部材43と、を有している。回転部材40を構成する回転柱状部材42は、図2及び図3に示すように、上流側下流側ともに左右に2本平行に配置された状態で回転軸41の両端部に固定され、回転軸41を中心に同時に回転する。図1には、回転柱状部材42の先端部の軌道を一点鎖線で示している。回転部材40の回転力は、円板状部材43に取り付けられた回転力伝達部材50を介して出力軸30に伝達される。また、回転部材40は、連結柱状部材60を介して翼20に連結されている。なお、図2においては、回転力伝達部材50の図示を省略している。
連結柱状部材60は、翼20の上下方向における往復運動を回転部材40の回転運動に変換する所定長さの柱状部材であり、本発明における連結部材の一実施形態に相当する。連結柱状部材60の一端は、翼20の凹部20Ua・20Da付近の部分に固定されている。この際、連結柱状部材60と翼20の翼弦とのなす角度が略直角になるように設定されている。連結柱状部材60の他端は、回転部材40の回転軸41と平行な方向(図2及び図3における左右方向)に延在する回動軸61を介して回動自在に回転柱状部材42の他端に取り付けられている。回動軸61は、図2及び図3に示すように、上流側下流側ともに左右に2個配置されている。また、連結柱状部材60は、上流側下流側ともに左右に2本平行に配置された状態で、回動軸61を介して回転柱状部材42に取り付けられるとともに、翼20に固定されている。なお、上流側に配置された連結柱状部材60は、一端(翼20側の端部)から他端(回転部材40側の端部)までの距離を変更することができるように伸縮自在に構成されている。
連結柱状部材60及び回転柱状部材42は、翼20が往復運動の最上点に到達した直後に翼20に下方への力が作用して翼20が下降するように翼20の迎え角を設定する一方、翼20が往復運動の最下点に到達した直後に翼20に上方への力が作用して翼20が上昇するように翼20の迎え角を設定する。具体的には、翼20が往復運動の最上点に到達した直後に、回転柱状部材42の回転運動の慣性力で連結柱状部材60を若干前傾させて翼20の迎え角をわずかに負に設定する一方、翼20が往復運動の最下点に到達した直後に、回転柱状部材42の回転運動の慣性力で連結柱状部材60を若干後傾させて翼20の迎え角をわずかに正に設定する。
すなわち、連結柱状部材60及び回転柱状部材42は、水流Wに対する翼20の迎え角を変化させて、上流側及び下流側の翼20U・20Dにおいて相互に反対方向の力を発生させることにより翼20の連続的な往復運動及び揺動部材10の連続的な揺動運動を実現させるものであり、本発明における迎角可変手段の一実施形態を構成する。翼20の迎え角の大きさ(絶対値)は、連結柱状部材60の長さ、回転柱状部材42の長さ、連結柱状部材60の翼20に対する固定位置等を変更することにより、適宜変更することができる。また、これら連結柱状部材60及び回転柱状部材42(迎角可変手段)は、翼20が往復運動の最上点及び最下点(往復運動の中心から最も離隔した位置)に到達したときに、翼20の迎え角を略零に設定する。
また、翼20の上下方向における往復運動が連結柱状部材60により回転部材40のR方向の回転運動に変換され、回転部材40の回転運動が回転力伝達部材50を介して出力軸30に伝達されることにより、出力軸30は所定方向(図1のR方向)の回転運動を行う。すなわち、連結柱状部材60、回転部材40及び回転力伝達部材50は、翼20の上下方向における往復運動を出力軸30の回転運動に変換するものであり、本発明における動力変換手段の一実施形態を構成する。
次に、図1及び図4〜図6を用いて、本実施形態に係る水力発電装置1の動作について説明する。
以下の説明においては、図1に示した状態を初期状態として水力発電装置1を稼働させるものとする。初期状態においては、上流側の連結柱状部材60は、鉛直方向に対してわずかに前傾した状態で上方に位置しており、回転部材40の回転柱状部材42も上方に位置している。これに伴って、上流側の翼20Uは往復運動の最上点に近い位置に配置され、その迎え角はわずかに負となっている。一方、下流側の連結柱状部材60は、鉛直方向に対してわずかに後傾した状態で下方に位置しており、回転部材40の回転柱状部材42も下方に位置している。これに伴って、下流側の翼20Dは往復運動の最下点に近い位置に配置され、その迎え角はわずかに正となっている。
かかる初期状態においては、水流Wにより、迎え角が負となっている上流側の翼20Uに下向きの力が作用する一方、迎え角が正となっている下流側の翼20Dに上向きの力が作用する。この結果、図4に示すように、上流側の翼20Uが下降する一方、下流側の翼20Dが上昇する。また、上流側の翼20Uに作用する下向きの力Fにより、揺動部材10の上流側の腕部12が下方へと押し下げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により下流側の腕部13が上方へと押し上げられる。すなわち、上流側の翼20Uに作用する下向きの力Fは、下流側の翼20Dの上昇動作をアシストする。一方、下流側の翼20Dに作用する上向きの力Fにより、揺動部材10の下流側の腕部13が上方へと押し上げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により上流側の腕部12が下方へと押し下げられる。すなわち、下流側の翼20Dに作用する上向きの力Fは、上流側の翼20Uの下降動作をアシストする。
また、上流側の翼20Uの下降に伴い、上流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに上流側の連結柱状部材60が初期状態からさらに前傾するため、上流側の翼20Uの負の迎え角は大きくなる。これにより、上流側の翼20Uに作用する下向きの力Fも大きくなるため、上流側の翼20Uの下降速度は増大することとなる。一方、下流側の翼20Dの上昇に伴い、下流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに下流側の連結柱状部材60が初期状態からさらに後傾するため、下流側の翼20Dの正の迎え角は大きくなる。これにより、下流側の翼20Dに作用する上向きの力Fも大きくなるため、下流側の翼20Dの上昇速度は増大することとなる。
この後、図5に示すように、上流側の翼20Uが往復運動の最下点近傍まで下降すると、上流側の連結柱状部材60の前傾状態が徐々に解除されるため、上流側の翼20Uの迎え角は零に近づき、上流側の翼20Uが最下点に到達した瞬間に上流側の翼20Uの迎え角は零となる。この瞬間においては上流側の翼20Uに上向きの力は作用しないが、上流側の翼20Uの下降に起因した上流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により上流側の連結柱状部材60が前傾状態から後傾状態に即座に移行する。このため、上流側の翼20Uが最下点に到達した直後に、上流側の翼20Uの迎え角は正となり、上流側の翼20Uには上向きの力が作用するようになる。
一方、図5に示すように、下流側の翼20Dが往復運動の最上点近傍まで上昇すると、下流側の連結柱状部材60の後傾状態が徐々に解除されるため、下流側の翼20Dの迎え角は零に近づき、下流側の翼20Dが最上点に到達した瞬間に下流側の翼20Dの迎え角は零となる。この瞬間においては下流側の翼20Dに下向きの力は作用しないが、下流側の翼20Dの上昇に起因した下流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により下流側の連結柱状部材60が後傾状態から前傾状態に即座に移行する。このため、下流側の翼20Dが最上点に到達した直後に、下流側の翼20Dの迎え角は負となり、下流側の翼20Dには下向きの力が作用するようになる。
その後、図6に示すように、上向きの力Fが作用した上流側の翼20Uは上昇し、下向きの力Fが作用した下流側の翼20Dは下降する。また、上流側の翼20Uに作用する上向きの力Fにより、揺動部材10の上流側の腕部12が上方へと押し上げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により下流側の腕部13が下方へと押し下げられる(上流側の翼20Uによる下流側の翼20Dの下降動作アシスト)。一方、下流側の翼20Dに作用する下向きの力Fにより、揺動部材10の下流側の腕部13が下方へと押し下げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により上流側の腕部12が上方へと押し上げられる(下流側の翼20Dによる上流側の翼20Uの上昇動作アシスト)。
また、上流側の翼20Uの上昇に伴い、上流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに上流側の連結柱状部材60がさらに後傾するため、上流側の翼20Uの正の迎え角は大きくなる。これにより、上流側の翼20Uに作用する上向きの力Fも大きくなるため、上流側の翼20Uの上昇速度は増大することとなる。一方、下流側の翼20Dの下降に伴い、下流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに下流側の連結柱状部材60がさらに前傾するため、下流側の翼20Dの負の迎え角は大きくなる。これにより、下流側の翼20Dに作用する下向きの力も大きくなるため、下流側の翼20Dの下降速度は増大することとなる。
この後、上流側の翼20Uが往復運動の最上点近傍まで上昇すると、上流側の連結柱状部材60の後傾状態が徐々に解除されるため、上流側の翼20Uの迎え角は零に近づく。そして、上流側の翼20Uが最上点に到達した直後に、上流側の翼20Uの上昇に起因した上流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により上流側の連結柱状部材60が後傾状態から前傾状態に即座に移行して、図1の初期状態に戻る。一方、下流側の翼20Dが往復運動の最下点近傍まで下降すると、下流側の連結柱状部材60の前傾状態が徐々に解除されるため、下流側の翼20Dの迎え角は零に近づく。そして、下流側の翼20Dが最下点に到達した直後に、下流側の翼20Dの下降に起因した下流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により下流側の連結柱状部材60が前傾状態から後傾状態に即座に移行して、図1の初期状態に戻る。
水力発電装置1は、以上の動作を順次繰り返すことにより、翼20の連続的な上下方向の往復運動(及び揺動部材10の連続的な揺動運動)を実現させ、翼20の往復運動のエネルギを回転部材40等を介して出力軸30に伝達し、発電機3で電力を発生させることができる。
以上説明した実施形態に係る流体式動力装置2においては、水流Wに対する翼20の迎え角を変化させ、相互に反対方向の力(上下方向の力)を上流側の翼20U及び下流側の翼20Dに発生させることにより、翼20の連続的な往復運動を実現させ、この翼20の往復運動を出力軸30の回転運動に変換することができる。翼20は、水中で揺動軸11を中心に揺動自在とされる揺動部材10の上流側及び下流側の腕部12・13に取り付けられているため、僅かな力で動かすことができる(上昇・下降動作の相互アシスト)。従って、大型の翼20を採用することができるため、河川Rの低速水流によっても翼20で大きな揚力を発生させることができ、この翼20の動きを回転運動に変換して大きな力を得ることが可能となる。また、翼20は、迎え角を変えながら水流Wに対して略直角な方向(上下方向)において往復運動をする。このため、河川Rに存在する草やビニール袋等の漂流物が翼20に付着し難く、付着した場合においても除去され易いという利点を有するとともに、河川Rに存在する魚等の生物を傷つける可能性が低く、環境に優しいという利点を有する。
また、以上説明した実施形態に係る流体式動力装置2においては、回転軸41を中心に回転する回転柱状部材42と、一端が翼20に固定され他端が回転柱状部材42に回動自在に取り付けられた連結柱状部材60と、からなる迎角可変手段により、翼20が往復運動の最上点及び最下点に到達した直後に、翼20が往復運動を続行するための力を発生させるように翼20の迎え角を設定することができる。また、翼20が往復運動の最上点及び最下点に到達した瞬間に、翼20の迎え角を略零に設定することができ、翼20が水流Wから受ける抵抗を低減させることができる。
また、以上説明した実施形態に係る水力発電装置1においては、前記したような特殊な構造を有する流体式動力装置2と、流体式動力装置2の出力軸30の回転運動により電力を発生させる発電機3と、を備えるため、河川Rに存在する物体の影響を受けることなく低速の流れのエネルギを利用して効果的に電力を発生させることができる。
<第2実施形態>
続いて、図7〜図10を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、本発明に係る流体式発電装置を、地上に設置される風力発電装置に適用した例について説明することとする。
まず、図7を用いて、本実施形態に係る風力発電装置1Aの構成について説明する。
風力発電装置1Aは、比較的強い風が吹く丘陵や海岸沿いの地点等に設置され、風のエネルギ(略水平方向(図7における前後方向)に流れる空気流Aのエネルギ)を回転エネルギに変換して電力を発生させるものである。風力発電装置1Aは、図7に示すように、空気流Aのエネルギを所定の出力軸30の回転エネルギに変換する流体式動力装置2と、流体式動力装置2の出力軸30の回転エネルギにより電力を発生させる発電機3と、を備えている。
流体式動力装置2は、図7に示すように、空気流Aに対して略直角な方向(左右方向)に延在する揺動軸11を中心に揺動自在とされる揺動部材10と、揺動部材10の上流側及び下流側に各々取り付けられる翼20(20U・20D)と、揺動軸11に対して平行な方向(左右方向)に延在する出力軸30と、を備えている。流体式動力装置2は、空気流Aに対する翼20の迎え角を連続的に変化させることにより、翼20の上下方向の往復運動を実現させ、この往復運動を出力軸30の回転運動に変換するものである。
流体式動力装置2の構成は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。本実施形態においては、第1実施形態における流体式動力装置2を180°回転させて上下逆にし、出力軸30を翼20及び揺動部材10の下方に配置している。また、本実施形態においては、図示されていない固定具を用いて地面から若干離隔した位置に支持部材4Aを固定し、支持部材4Aの上部に流体式動力装置2の揺動部材10を取り付けている。また、本実施形態においては、流体式動力装置2の出力軸30を支持部4Aの下部に回転自在に取り付けるとともに、出力軸30の下方に発電機3を配置している。この際、地面から若干離隔した位置に発電機3を配置してもよく、地中に発電機3を埋設してもよい。
次に、図7〜図10を用いて、本実施形態に係る風力発電装置1Aの動作について説明する。
以下の説明においては、図7に示した状態を初期状態として風力発電装置1Aを稼働させるものとする。初期状態においては、上流側の連結柱状部材60は、鉛直方向に対してわずかに後傾した状態で下方に位置しており、回転部材40の回転柱状部材42も下方に位置している。これに伴って、上流側の翼20Uは往復運動の最下点に近い位置に配置され、その迎え角はわずかに正となっている。一方、下流側の連結柱状部材60は、鉛直方向に対してわずかに前傾した状態で上方に位置しており、回転部材40の回転柱状部材42も上方に位置している。これに伴って、下流側の翼20Dは往復運動の最上点に近い位置に配置され、その迎え角はわずかに負となっている。
かかる初期状態においては、空気流Aにより、迎え角が正となっている上流側の翼20Uに上向きの力が作用する一方、迎え角が負となっている下流側の翼20Dに下向きの力が作用する。この結果、図8に示すように、上流側の翼20Uが上昇する一方、下流側の翼20Dが下降する。また、上流側の翼20Uに作用する上向きの力Fにより、揺動部材10の上流側の腕部12が上方へと押し上げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により下流側の腕部13が下方へと押し下げられる。すなわち、上流側の翼20Uに作用する上向きの力Fは、下流側の翼20Dの下降動作をアシストする。一方、下流側の翼20Dに作用する下向きの力Fにより、揺動部材10の下流側の腕部13が下方へと押し下げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により上流側の腕部12が上方へと押し上げられる。すなわち、下流側の翼20Dに作用する下向きの力Fは、上流側の翼20Uの上昇動作をアシストする。
また、上流側の翼20Uの上昇に伴い、上流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに上流側の連結柱状部材60が初期状態からさらに後傾するため、上流側の翼20Uの正の迎え角は大きくなる。これにより、上流側の翼20Uに作用する上向きの力Fも大きくなるため、上流側の翼20Uの上昇速度は増大することとなる。一方、下流側の翼20Dの下降に伴い、下流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに下流側の連結柱状部材60が初期状態からさらに前傾するため、下流側の翼20Dの負の迎え角は大きくなる。これにより、下流側の翼20Dに作用する下向きの力Fも大きくなるため、下流側の翼20Dの下降速度は増大することとなる。
この後、図9に示すように、上流側の翼20Uが往復運動の最上点近傍まで上昇すると、上流側の連結柱状部材60の後傾状態が徐々に解除されるため、上流側の翼20Uの迎え角は零に近づき、上流側の翼20Uが最上点に到達した瞬間に上流側の翼20Uの迎え角は零となる。この瞬間においては上流側の翼20Uに下向きの力は作用しないが、上流側の翼20Uの上昇に起因した上流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により上流側の連結柱状部材60が後傾状態から前傾状態に即座に移行する。このため、上流側の翼20Uが最上点に到達した直後に、上流側の翼20Uの迎え角は負となり、上流側の翼20Uには下向きの力が作用するようになる。
一方、図9に示すように、下流側の翼20Dが往復運動の最下点近傍まで下降すると、下流側の連結柱状部材60の前傾状態が徐々に解除されるため、下流側の翼20Dの迎え角は零に近づき、下流側の翼20Dが最下点に到達した瞬間に下流側の翼20Dの迎え角は零となる。この瞬間においては下流側の翼20Dに上向きの力は作用しないが、下流側の翼20Dの下降に起因した下流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により下流側の連結柱状部材60が前傾状態から後傾状態に即座に移行する。このため、下流側の翼20Dが最下点に到達した直後に、下流側の翼20Dの迎え角は正となり、下流側の翼20Dには上向きの力が作用するようになる。
その後、図10に示すように、下向きの力Fが作用した上流側の翼20Uは下降し、上向きの力Fが作用した下流側の翼20Dは上昇する。また、上流側の翼20Uに作用する下向きの力Fにより、揺動部材10の上流側の腕部12が下方へと押し下げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により下流側の腕部13が上方へと押し上げられる(上流側の翼20Uによる下流側の翼20Dの上昇動作アシスト)。一方、下流側の翼20Dに作用する上向きの力Fにより、揺動部材10の下流側の腕部13が上方へと押し上げられる一方、揺動部材10の揺動軸11を中心とした回動により上流側の腕部12が下方へと押し下げられる(下流側の翼20Dによる上流側の翼20Uの下降動作アシスト)。
また、上流側の翼20Uの下降に伴い、上流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに上流側の連結柱状部材60がさらに前傾するため、上流側の翼20Uの負の迎え角は大きくなる。これにより、上流側の翼20Uに作用する下向きの力Fも大きくなるため、上流側の翼20Uの下降速度は増大することとなる。一方、下流側の翼20Dの上昇に伴い、下流側の回転柱状部材42がR方向に回転するとともに下流側の連結柱状部材60がさらに後傾するため、下流側の翼20Dの正の迎え角は大きくなる。これにより、下流側の翼20Dに作用する上向きの力も大きくなるため、下流側の翼20Dの上昇速度は増大することとなる。
この後、上流側の翼20Uが往復運動の最下点近傍まで下降すると、上流側の連結柱状部材60の前傾状態が徐々に解除されるため、上流側の翼20Uの迎え角は零に近づく。そして、上流側の翼20Uが最下点に到達した直後に、上流側の翼20Uの下降に起因した上流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により上流側の連結柱状部材60が前傾状態から後傾状態に即座に移行して、図7の初期状態に戻る。一方、下流側の翼20Dが往復運動の最上点近傍まで上昇すると、下流側の連結柱状部材60の後傾状態が徐々に解除されるため、下流側の翼20Dの迎え角は零に近づく。そして、下流側の翼20Dが最上点に到達した直後に、下流側の翼20Dの上昇に起因した下流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により下流側の連結柱状部材60が後傾状態から前傾状態に即座に移行して、図7の初期状態に戻る。
風力発電装置1Aは、以上の動作を順次繰り返すことにより、翼20の連続的な上下方向の往復運動(及び揺動部材10の連続的な揺動運動)を実現させ、翼20の往復運動のエネルギを回転部材40等を介して出力軸30に伝達し、発電機3で電力を発生させることができる。なお、本実施形態においては、風力発電装置1Aの向きを固定した例を示したが、風力発電装置1Aが常時風上側を向くような構成を採用することもできる。
以上説明した実施形態に係る流体式動力装置2においては、空気流Aに対する翼20の迎え角を変化させ、相互に反対方向の力(上下方向の力)を上流側の翼20U及び下流側の翼20Dに発生させることにより、翼20の連続的な往復運動を実現させ、この翼20の往復運動を出力軸30の回転運動に変換することができる。翼20は、空中で揺動軸11を中心に揺動自在とされる揺動部材10の上流側及び下流側の腕部12・13に取り付けられているため、僅かな力で動かすことができる(上昇・下降動作の相互アシスト)。従って、大型の翼20を採用することができるため、比較的弱い風(低速空気流)によっても翼20で大きな揚力を発生させることができ、この翼20の動きを回転運動に変換して大きな力を得ることが可能となる。また、翼20は、迎え角を変えながら空気流Aに対して略直角な方向(上下方向)において往復運動をする。このため、空中に存在する物体が翼20に付着し難く、付着した場合においても除去され易いという利点を有するとともに、空中に存在する鳥等の生物を傷つける可能性が低く、環境に優しいという利点を有する。
また、以上説明した実施形態に係る流体式動力装置2においては、回転軸41を中心に回転する回転柱状部材42と、一端が翼20に固定され他端が回転柱状部材42に回動自在に取り付けられた連結柱状部材60と、からなる迎角可変手段により、翼20が往復運動の最上点及び最下点に到達した直後に、翼20が往復運動を続行するための力を発生させるように翼20の迎え角を設定することができる。また、翼20が往復運動の最上点及び最下点に到達した瞬間に、翼20の迎え角を略零に設定することができ、翼20が空気流Aから受ける抵抗を低減させることができる。
また、以上説明した実施形態に係る風力発電装置1Aにおいては、前記したような特殊な構造を有する流体式動力装置2と、流体式動力装置2の出力軸30の回転運動により電力を発生させる発電機3と、を備えるため、空中に存在する物体の影響を受けることなく低速の流れのエネルギを利用して効果的に電力を発生させることができる。
<第3実施形態>
続いて、図11〜図14を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態においては、第1実施形態と同様に、本発明に係る流体式発電装置を水力発電装置に適用した例について説明することとする。
まず、図11を用いて、本実施形態に係る水力発電装置1Bの構成について説明する。なお、本実施形態に係る水力発電装置1Bは、第1実施形態に係る水力発電装置1の揺動部材10を「上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13B」に変更したものであり、その他の構成については第1実施形態と実質的に同一である。このため、異なる構成を中心に説明することとし、重複する構成については第1実施形態と同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
水力発電装置1Bは、図11に示すように、比較的浅い河川Rに設置され、河川Rの水流エネルギを回転エネルギに変換して電力を発生させるものである。水力発電装置1Bは、水流Wのエネルギを所定の出力軸30の回転エネルギに変換する流体式動力装置2Bと、流体式動力装置2Bの出力軸30の回転エネルギにより電力を発生させる発電機3と、を備えている。
流体式動力装置2Bは、水流Wに対して略直角な方向(左右方向)に延在する揺動軸11から水流Wの上流側へと延在する上流側揺動部材12Bと、揺動軸11から水流Wの下流側へと延在する下流側揺動部材13Bと、これら上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13Bに各々取り付けられる翼20(20U・20D)と、揺動軸11に対して平行な方向(左右方向)に延在する出力軸30と、を備えている。流体式動力装置2Bは、水流Wに対する翼20の迎え角を連続的に変化させることにより、翼20の上下方向の往復運動を実現させ、この往復運動を出力軸30の回転運動に変換するものである。
上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13Bは、いずれも長尺柱状に構成されており、相互に独立して(非連動的に)揺動軸11を中心に揺動することができるようになっている。上流側揺動部材12Bの先端及び下流側揺動部材13Bの先端には、揺動軸11と平行な方向(左右方向)に延在する回動軸21を介して、各々、翼20U・20Dが回動自在に取り付けられている。上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13Bは、河川Rの内部(水中)に配置されており、水流Wの勢いにより下流側に流されないように、河川Rの川底に固定された土台4に揺動軸11を介して取り付けられている。
上流側揺動部材12Bは、揺動軸11から翼20Uと反対方向(水流Wの下流側)へと若干延在する下流延在部分12Baを有しており、下流側揺動部材13Bは、揺動軸11から翼20Dと反対方向(水流Wの上流側)へと延在する上流延在部分13Baを有している。流体式動力装置2Bを水中に配置していないときに、上流側揺動部材12Bの下流延在部分12Baに、上流側の翼20U等からなる部材群の重量と同程度の重量の錘を取り付けることにより、翼20Uを地面から適当な高さまで上げておくことができる。また、同様に、下流側揺動部材13Bの上流延在部分13Baに、下流側の翼20D等からなる部材群の重量と同程度の重量の錘を取り付けることにより、翼20Dを地面から適当な高さまで上げておくことができる。そして、流体式動力装置2Bを水中に配置したときには、下流延在部分12Ba及び上流延在部分13Baから錘を取り除いた状態で使用に供することができる。
発電機3、土台4、動力伝達部材5、揺動軸11、翼20、回動軸21、出力軸30、回転部材40(回転軸41、回転柱状部材42、円板状部材43)、回転力伝達部材50、連結柱状部材60、回動軸61等の構成は、第1実施形態と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。
第1実施形態においては、1本の揺動部材10に2つの翼20U・20Dが取り付けられるため、上流側の翼20Uと下流側の翼20Dとが連動し、下流側の翼20Dの位置や動きにより上流側の翼20Uの位置や動きがある程度拘束される。このため、第1実施形態においては、上流側に配置された連結柱状部材60を伸縮自在とすることにより、下流側の翼20Dの上流側の翼20Uへの影響を抑制していた。これに対し、本実施形態においては、上流側揺動部材12Bと下流側揺動部材13Bとが相互に独立して揺動するように構成されているため、下流側の翼20Dの位置や動きによって上流側の翼20Uの位置や動きが拘束されない。このため、本実施形態においては、上流側及び下流側の双方に、長さが一定の連結柱状部材60を採用することができる。
なお、上流側の翼20Uと下流側の翼20Dとは完全に独立しているわけではなく、回転力伝達部材50を介して影響し合っている。すなわち、上流側の翼20Uの上下方向の往復運動により上流側の回転部材40が回転すると、上流側の回転部材40の回転力が上流側の回転力伝達部材50を介して出力軸30に伝達されるが、この際、上流側の回転力は、出力軸30に取り付けられた下流側の回転力伝達部材50にも伝達される。この結果、下流側の回転部材40を介して下流側の翼20Dの上下方向の往復運動が間接的にアシストされる。一方、下流側の翼20Dの上下方向の往復運動により下流側の回転部材40が回転すると、下流側の回転部材40の回転力が下流側の回転力伝達部材50を介して出力軸30に伝達されるが、この際、下流側の回転力は、出力軸30に取り付けられた上流側の回転力伝達部材50にも伝達される。この結果、上流側の回転部材40を介して上流側の翼20Uの上下方向の往復運動が間接的にアシストされることとなる。
次に、図11〜図14を用いて、本実施形態に係る水力発電装置1Bの動作について説明する。
以下の説明においては、図11に示した状態を初期状態として水力発電装置1Bを稼働させるものとする。本実施形態においては、上流側の回転部材40の回転柱状部材42を第1実施形態の初期状態(図1)から約45°R方向に回転させた状態を初期状態としている。かかる初期状態においては、連結柱状部材60及び翼20Uが第1実施形態の初期状態の位置よりも下方に配置され、翼20Uの負の迎え角が第1実施形態の初期状態の負の迎え角よりも大きくなっている。一方、下流側の翼20D、回転部材40及び連結柱状部材60の初期状態は、第1実施形態の初期状態(図1)と同様に設定されている。このように、本実施形態においては、第1実施形態のように上流側の翼20Uと下流側の翼20Dとを揺動軸11を挟んで対称の位置に配置するのではなく、意図的に非対称の位置に配置することにより、双方の翼20U・20Dの迎え角が同時に零となることを回避するようにしている。
かかる初期状態においては、図11に示すように、水流Wにより、迎え角が負となっている上流側の翼20Uに下向きの力Fが作用する一方、迎え角が正となっている下流側の翼20Dに上向きの力Fが作用する。この結果、図12に示すように、上流側の翼20Uが下降する一方、下流側の翼20Dが上昇する。
この後、上流側の翼20Uが往復運動の最下点近傍まで下降すると、上流側の連結柱状部材60の前傾状態が徐々に解除されるため、上流側の翼20Uの迎え角は零に近づき、上流側の翼20Uが最下点に到達した瞬間に上流側の翼20Uの迎え角は零となる。この瞬間においては上流側の翼20Uに上向きの力は作用しないが、上流側の翼20Uの下降に起因した上流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により上流側の連結柱状部材60が前傾状態から後傾状態に即座に移行する。このため、上流側の翼20Uが最下点に到達した直後に、図13に示すように上流側の翼20Uの迎え角は正となり、上流側の翼20Uには上向きの力が作用するようになる。
一方、上流側の翼20Uが最下点に到達し迎え角が零となった瞬間においても、下流側の翼20Dは最上点に到達しておらず、依然として迎え角が正のままとなっており、下流側の翼20Dには上向きの力が作用している。このため、下流側の翼20Dの運動エネルギが、下流側の回転部材40、下流側の回転力伝達部材50、出力軸30、上流側の回転力伝達部材50及び上流側の回転部材40を介して、上流側の翼20Uに伝達され、最下点に到達した上流側の翼20Uに上向きの力が与えられる。この結果、上流側の翼20Uは、最下点に到達して迎え角が零となっても、下流側の翼20Dの間接的なアシストにより速やかに上昇することができる。
また、図13に示すように、下流側の翼20Dが往復運動の最上点近傍まで上昇すると、下流側の連結柱状部材60の後傾状態が徐々に解除されるため、下流側の翼20Dの迎え角は零に近づき、下流側の翼20Dが最上点に到達した瞬間に下流側の翼20Dの迎え角は零となる。この瞬間においては下流側の翼20Dに下向きの力は作用しないが、下流側の翼20Dの上昇に起因した下流側の回転柱状部材42の回転運動の慣性力により下流側の連結柱状部材60が後傾状態から前傾状態に即座に移行する。このため、下流側の翼20Dが最上点に到達した直後に、下流側の翼20Dの迎え角は負となり、下流側の翼20Dには下向きの力が作用するようになる。
一方、下流側の翼20Dが最上点に到達し迎え角が零となった瞬間においても、上流側の翼20Uは最上点に到達しておらず、依然として迎え角が正のままとなっており、上流側の翼20Uには上向きの力が作用している。このため、上流側の翼20Uの運動エネルギが、上流側の回転部材40、上流側の回転力伝達部材50、出力軸30、下流側の回転力伝達部材50及び下流側の回転部材40を介して、下流側の翼20Dに伝達され、最上点に到達した下流側の翼20Dに下向きの力が与えられる。この結果、下流側の翼20Dは、最上点に到達して迎え角が零となっても、上流側の翼20Uの間接的なアシストにより速やかに下降することができる。
その後、図14に示すように、上向きの力Fが作用した上流側の翼20Uは上昇し、下向きの力Fが作用した下流側の翼20Dは下降する。
水力発電装置1Bは、以上の動作を順次繰り返すことにより、翼20の連続的な上下方向の往復運動(上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13Bの連続的な揺動運動)を実現させ、翼20の往復運動のエネルギを回転部材40等を介して出力軸30に伝達し、発電機3で電力を発生させることができる。
以上説明した実施形態に係る流体式動力装置2Bにおいては、水流Wに対する翼20の迎え角を変化させ、上下方向の力を翼20に発生させることにより、翼20の連続的な往復運動を実現させ、翼20の往復運動を出力軸30の回転運動に変換することができる。翼20は、流体中で揺動軸11を中心に揺動自在とされる上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13Bに取り付けられ、上流側揺動部材12Bと下流側揺動部材13Bとは非連動的に(相互に独立して)揺動するように構成されているため、上流側の翼20Uの往復運動によるエネルギと、下流側の翼20Dの往復運動によるエネルギと、の双方を別々に出力軸30に与えることができる。従って、全体の出力トルク(出力軸30の回転エネルギ)を増大させることができる。また、上流側の翼20Uと下流側の翼20Dとを相互に独立して動かすことができるので、上流側の翼20Uの迎え角と下流側の翼20Dの迎え角との双方が零(翼20が流れと平行)となり翼20の往復運動が停止してしまうような状況を回避することができる。従って、出力軸30の回転運動を持続させることが可能となる。また、翼20は、迎え角を変えながら水流Wに対して略直角な方向(上下方向)において往復運動をする。このため、河川Rに存在する草やビニール袋等の漂流物が翼20に付着し難く、付着した場合においても除去され易いという利点を有するとともに、河川Rに存在する魚等の生物を傷つける可能性が低く、環境に優しいという利点を有する。
なお、以上の各実施形態においては、左右方向(図2及び図3参照)に延在する揺動軸11を採用した例を示したが、揺動軸は、流体の所定方向の流れに対して略直角な方向に延在するものであればよく、例えば、図1や図7における上下方向(略水平方向に流れる水流Wや空気流Aに対して直角な方向)に延在する揺動軸を採用することができる。このように上下方向に延在する揺動軸を採用した場合には、翼を左右方向(流れ及び揺動軸に対して略直角な方向)に往復運動させることができる。従って、本発明に係る流体式動力装置は、設置する空間の形状や大きさに応じてその向きを適宜変更して配置することができる。また、向きの異なる流体式動力装置を複数台配置することも可能となる。
また、以上の各実施形態においては、1台の流体式動力装置(及び発電装置)を設置した例を示したが、複数の流体式動力装置(及び発電装置)を同じ向きで配置することもできる。例えば、図2及び図3における左右方向(水流Wに対して直角な方向)に、複数の流体式動力装置2を、揺動軸11を共通にして同じ向きで並設することができる。この際、各流体式動力装置2の揺動部材10を揺動軸11に対して各々異なる角度で取り付けることにより、各流体式動力装置2の翼20の往復運動の位相をずらすことができる。このようにすると、一の流体式動力装置2の翼20(一の翼)が往復運動の最上点又は最下点に到達した場合においても、他の流体式動力装置2の翼20(他の翼)が運動状態となるため、他の翼の運動エネルギを揺動軸11を介して一の翼に伝達して、一の翼の往復運動を強制的に続行させることができる。
また、以上の各実施形態においては、翼20Uの後縁部及び翼20Dの前縁部に、揺動部材10(上流側揺動部材12B及び下流側揺動部材13B)との干渉を阻止するための凹部20Ua・20Da(図2及び図3参照)を設けた例を示したが、翼と揺動部材との干渉を阻止するための構造はこれに限られるものではない。例えば、図15及び図16に示すように、棒状部材を屈曲させた略L次状の上流側揺動部材(上流側腕部)12C及び下流側揺動部材(下流側腕部)13Cを採用し、これら上流側揺動部材12C及び下流側揺動部材13Cの屈曲した部分の先端に、翼20U・20Dの内部に配置した回動軸21を取り付けることもできる。
このような構成を採用すると、翼20U・20Dの下面に部材挿通用の比較的小さな孔を開けるだけで、翼20Uと上流側揺動部材12Cとの干渉及び翼20Dと下流側揺動部材13Cとの干渉を回避することができ、翼20Uの後縁部及び翼20Dの前縁部に大掛かりな凹部を設ける必要がなくなる。また、翼20U・20Dの下面に回動軸21を配置し、この回動軸21に上流側揺動部材12C及び下流側揺動部材13Cを取り付けることもできる。このようにすると、翼20U・20Dの下面に部材挿通用の孔を開ける必要もなくなる。
また、以上の各実施形態においては、回転柱状部材42及び連結柱状部材60から構成される迎角可変手段を採用した例を示したが、本発明における迎角可変手段の構成はこれに限られるものではない。すなわち、流体の所定方向の流れ(水流Wや空気流A)に対する翼の迎え角を変化させ、上流側及び下流側の翼において相互に反対方向の力を発生させることにより翼の連続的な往復運動を実現させることができるような構成であれば、いかなる構成を採用してもよい。
また、以上の各実施形態においては、回転部材40と、回転力伝達部材50と、連結柱状部材60と、から構成される動力変換手段を採用した例を示したが、動力変換手段の構成は、これに限られるものではない。すなわち、翼の往復運動を出力軸の回転運動に変換することができるような構成であれば、いかなる構成を採用してもよい。
本発明の第1実施形態に係る流体式発電装置(水力発電装置)の側面図である。 図1に示した流体式発電装置(水力発電装置)の正面図である。 図1に示した流体式発電装置(水力発電装置)の平面図である。 図1に示した水力発電装置の動作を説明するための側面図である。 同上。 同上。 本発明の第2実施形態に係る流体式発電装置(風力発電装置)の側面図である。 図7に示した風力発電装置の動作を説明するための側面図である。 同上。 同上。 本発明の第3実施形態に係る流体式発電装置(水力発電装置)の側面図である。 図11に示した水力発電装置の動作を説明するための側面図である。 同上。 同上。 本発明の各実施形態に係る流体式発電装置の翼に取り付けられる揺動部材の変形例を示す説明図である。 同上。
符号の説明
1・1B…水力発電装置(流体式発電装置)、1A…風力発電装置(流体式発電装置)、2・2B…流体式動力装置、3…発電機、10…揺動部材、11…揺動軸、12・13…腕部、12B…上流側揺動部材、13B…下流側揺動部材、20・20U・20D…翼、21…回動軸、30…出力軸、40…回転部材(動力変換手段)、41…回転軸、42…回転柱状部材(迎角可変手段)、50…回転力伝達部材(動力変換手段)、60…連結柱状部材(連結部材、動力変換手段、迎角可変手段)、61…回動軸、A…水流(流体の所定方向の流れ)、R…河川、W…空気流(流体の所定方向の流れ)。

Claims (10)

  1. 流体の所定方向の流れに対して略直角な方向に延在する所定の揺動軸を中心に揺動自在とされ、前記揺動軸から前記流れの上流側及び下流側へと延在する腕部を有する揺動部材と、
    前記揺動軸と平行な方向に延在する回動軸を介して前記揺動部材の上流側及び下流側の前記腕部に各々回動自在に取り付けられ、前記流れ及び前記揺動軸に対して略直角な方向における力を発生させる少なくとも一対の翼と、
    前記流れに対する前記翼の迎え角を変化させ、上流側及び下流側の前記翼において相互に反対方向の力を発生させることにより前記翼の連続的な往復運動を実現させる迎角可変手段と、
    所定方向に延在する回転自在な出力軸と、
    前記翼の往復運動を前記出力軸の回転運動に変換する動力変換手段と、
    を備える、
    流体式動力装置。
  2. 流体の所定方向の流れに対して略直角な方向に延在する所定の揺動軸を中心に揺動自在とされ、前記揺動軸から前記流れの上流側へと延在する上流側揺動部材と、
    前記上流側揺動部材とは非連動的に前記揺動軸を中心に揺動自在とされ、前記揺動軸から前記流れの下流側へと延在する下流側揺動部材と、
    前記揺動軸と平行な方向に延在する回動軸を介して前記上流側揺動部材及び前記下流側揺動部材に各々回動自在に取り付けられ、前記流れ及び前記揺動軸に対して略直角な方向における力を発生させる少なくとも一対の翼と、
    前記流れに対する前記翼の迎え角を変化させることにより前記翼の連続的な往復運動を実現させる迎角可変手段と、
    所定方向に延在する回転自在な出力軸と、
    前記翼の往復運動を前記出力軸の回転運動に変換する動力変換手段と、
    を備える、
    流体式動力装置。
  3. 前記出力軸は、
    前記揺動軸に対して平行な方向に延在するものであり、
    前記動力変換手段は、
    前記出力軸から上流側及び下流側に所定距離離隔した位置に配置され前記出力軸と平行な方向に延在する所定の回転軸を中心に回転する少なくとも一対の回転部材と、
    前記回転部材の回転力を前記出力軸に伝達する回転力伝達部材と、
    前記翼の一部と前記回転部材の一部とを連結し前記翼の往復運動を前記回転部材の回転運動に変換する連結部材と、
    を有するものである、
    請求項1又は2に記載の流体式動力装置。
  4. 前記回転部材は、
    一端が前記回転軸に固定され、前記回転軸を中心に回転して他端が円軌道を描く所定長さの回転柱状部材を有し、
    前記連結部材は、
    一端が前記翼の一部に固定され、他端が前記回転軸と平行な方向に延在する回動軸を介して前記回転柱状部材の前記他端に回動自在に取り付けられる所定長さの連結柱状部材を有し、
    前記連結柱状部材及び前記回転柱状部材は、
    前記翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達した直後に、前記翼が往復運動を続行するための力を発生させるように前記翼の迎え角を設定する前記迎角可変手段である、
    請求項3に記載の流体式動力装置。
  5. 前記迎角可変手段は、
    前記翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達したときに、前記翼の迎え角を略零に設定する一方、前記翼が往復運動の中心から最も離隔した位置に到達した直後に、前記翼の往復運動に起因した前記回転柱状部材の回転運動の慣性力により前記連結柱状部材が作動して、前記翼が往復運動を続行するための力を発生させるように前記翼の迎え角を設定するものである、
    請求項4に記載の流体式動力装置。
  6. 前記流れは、
    所定の河川の水流であり、
    前記翼は、
    前記河川の水深方向上方及び下方における力を発生させるものであり、
    前記迎角可変手段は、
    前記翼が往復運動の最下点に到達した直後に前記翼が水深方向上方への力を発生させるように前記翼の迎え角を設定する一方、前記翼が往復運動の最上点に到達した直後に前記翼が水深方向下方への力を発生させるように前記翼の迎え角を設定するものである、
    請求項1から5の何れか一項に記載の流体式動力装置。
  7. 前記流れは、
    空気流であり、
    前記翼は、
    鉛直方向上方及び下方における力を発生させるものであり、
    前記迎角可変手段は、
    前記翼が往復運動の最下点に到達した直後に前記翼が鉛直方向上方への力を発生させるように前記翼の迎え角を設定する一方、前記翼が往復運動の最上点に到達した直後に前記翼が鉛直方向下方への力を発生させるように前記翼の迎え角を設定するものである、
    請求項1から5の何れか一項に記載の流体式動力装置。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の流体式動力装置と、
    前記流体式動力装置の前記出力軸の回転運動により電力を発生させる発電機と、
    を備える、
    流体式発電装置。
  9. 前記翼及び前記揺動部材は、
    所定の河川の水中に配置されるものであり、
    前記出力軸及び前記発電機は、
    前記翼及び前記揺動部材の上方であって前記河川の水面よりも上方に配置されるものである、
    請求項8に記載の流体式発電装置。
  10. 前記出力軸及び前記発電機は、
    前記翼及び前記揺動部材の下方に配置されるものである、
    請求項8に記載の流体式発電装置。
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