JPWO2008102658A1 - 分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法 - Google Patents

分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法 Download PDF

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Abstract

疾患と密接に関わる分子間相互作用を推定することにより、膨大な経路の中から生物学的意味のある経路を効率的に得る。分子ネットワーク分析支援装置では、探索結果(1110)として、探索経路(の経路ID)ごとに、開始ノードの標準分子表記および分子タイプ、終了ノード(生体内現象が発生するノード)の標準分子表記および分子タイプ、探索経路、探索経路の関連強度(S3)を得ることができる。全探索経路について指定生体内現象との関連強度(S3)を算出し、結果をソートすることにより、ソート結果(1800)が得られ、指定生体内現象に密接に関わる探索経路を優先的に選択することができる。これにより、ユーザの観点に適合した疾患経路を抽出することができる。したがって、創薬研究の加速化を実現することができる。

Description

この発明は、生体内現象の分析を支援する分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法に関する。
生物の体内、いわゆる生体内では、遺伝子やタンパク質、脂質や酸など、多くの化学物質が存在する。これらの化学物質は分子単位で存在し、互いに影響を及ぼしあっている。この分子間相互の影響を、分子間相互作用と呼ぶ。
生体内には無数の分子が存在するので、当然のことながら、多くの分子間相互作用が存在する。また、分子間相互作用は単一で存在せず、多くは分子間相互作用どうしの連なりを形成する。例として、「分子Aが分子Bに影響を与え、その結果、分子Bが分子Cを形成する。」などがある。つまり、分子間相互作用は、分子Aから分子B、そして分子Cという数珠繋ぎを形成する。このように数珠状に連なった分子間相互作用群を、「パスウェイ」という。
図30は、パスウェイを示す説明図である。パスウェイは、生命活動を理解するうえで有用である。例として、「分子Aと分子Bの相互作用により、分子Cは変形する。その結果、分子Cの変形が原因となって特定の疾患が誘発される。」や「分子Aと分子Bの相互作用により、分子Cが特定の形状を保つ。その結果、正常な臓器の活動が継続される。」などがある。
これらの例のように、分子間相互作用の連なりであるパスウェイの結果として、正常・疾患にかかわらず、生命活動のあらましが理解可能となる。よって、パスウェイを構築することは、医療・薬剤開発などの生命科学の分野にとって重要である。パスウェイの構築方法は、いくつか存在する。
そのひとつとして、キュレーションが存在する。キュレーションとは、キュレーターと呼ばれる専門家が文献を読み、文献内の記述中から分子間相互作用を抽出し、分子間相互作用を組み合わせてパスウェイを構築する方法である。
キュレーションは、キュレーターという人的資源を基盤にした構築法であるので、読む対象となる文献数が作業負荷に直結する。文献群を格納したデータベースを公開しているウェブサイトに、PubMed(非特許文献1を参照。)が存在する。
参考として、キュレーションにより構築されたパスウェイを格納したデータベースを公開しているウェブサイトにKEGG(非特許文献2を参照。)やBioCarta(非特許文献3を参照。)などが存在する。
もう一つのパスウェイ構築例として、機械処理によるデータマイニングおよびテキストマイニングが存在する。データマイニングとは、種々の統計解析手法を用いて大量のデータを分析し、隠れた関係性や意味を見つけ出す知識発見手法の総称である。特に、テキストデータ(通常の自然文)を単語などに分割し、その出現頻度や相関関係などを解析することで、一定の知見や発想を得ることをテキストマイニングという。
バイオテクノロジーに特化したテキストマイニングでは、文献中における、分子間相互作用を起こす「分子」と、その分子が起こす「動作」などに対して、機械的構文解析をおこなうことで、相互作用を抽出してパスウェイを構築する方法などがとられている。これらテキストマイニングとデータマイニングを組み合わせることで、「大腸がんと関連があるパスウェイ」といった、生命科学的に意味のあるパスウェイが、計算機により構築可能となる。
生物学的なデータマイニングに使用される生物医学用語としてMeSHターム(非特許文献4を参照)が存在する。MeSHはMedical Subject Headingsの略語であり、生物・医学的な用語群を指す。MeSHは文献に付与されており、MeSHタームの統計量を算出することで、特定の文献群が、生物・医学的にどのような意味を持つのかを解析可能である。
また、パスウェイの構成要素である分子に、生物・医学的な意味づけをおこない、データベース化し、公開しているウェブサイトも存在する。OMIM(非特許文献5を参照。)、H‐invDB(非特許文献6を参照。)が、それに相当する。ともに遺伝子に関する意味づけがおこなわれたデータベースである。これらのデータベースのデータもまた、データマイニングに使用することで、遺伝子という分子に対する生物・医学的な意味を見出すことが可能である。
また、生物・医学に特化したテキストマイニングに関する参考文献として非特許文献7があり、また研究団体としてBioCreAtIvE(非特許文献8を参照。)が存在する。また、相互作用情報をあらかじめ格納したデータベースを公開しているウェブサイトに、HPRD(非特許文献9を参照。)やBIND(非特許文献10を参照。)が存在する。これらのウェブサイトでは、「結合」など、タンパク質間の直接的な相互作用が登録されている。また、登録されている分子間相互作用の情報は一括で入手でき、データマイニングなどへの利用が可能である。
分子間相互作用と分子間相互作用を起こす分子に、その「種類」や「機能」が意味づけられた商用データベースとして、ARIADNE GENOMICS社のResNetが存在する。このようなデータベースを購入し、データマイニングをおこなうことも可能である。
テキストマイニングとデータマイニングを機能に盛り込んだソフトウェアとして、セレスター・レキシコ・サイエンシズ社のMedTAKが存在する。このソフトウェアは、文献群中に記載されている「分子群」「MeSHターム」などに対して、その出現頻度などを統計解析し、生物・医学的意味の抽出を支援する。ただし、本ソフトウェアのテキストマイニング技術は、分子間相互作用の抽出機能を有していない。
また、パスウェイにより分子ネットワークを構築した場合、「生物・医学的に意味のある経路の選択法」が必要となる。この「生物・医学的に意味」を見出す点により、パスウェイにおける経路選択は、ネットワークにおける通常の経路選択と状況が異なる。パスウェイにおける既存の経路選択手法は、いくつか存在する。
たとえば、下記特許文献1では、疾患などの「生物・医学的」情報を、分子間相互作用に付与する従来技術が紹介されている。しかし、分子間の経路選択に関しては、本手法では常に最短経路が選択される。
また、下記特許文献2では、疾患への関連度を考慮した経路選択のアプローチとして、サブネットと呼ばれる二つ以上の分子間の経路集合を用いた手法を紹介している。疾患などに関係するサブネットをあらかじめ構築しておき、経路探索時に、疾患と関係するサブネットがヒットした場合、疾患と関係する経路選択が可能になる。
また、下記特許文献3では、遺伝子に関係する化合物、疾患名、タンパク質などの用語ネットワークを構築するための画面表示方法が開示されている。本手法は、用語群1と用語群2をユーザが指定し、用語間の関係性を示唆する文献情報を、ネットワークとして描画するための手法である。
Pubmed、[online]、[平成18年12月25日検索]、インターネット<URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi> KEGG:Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes、[online]、[平成18年12月25日検索]、インターネット<URL:http://www.genome.jp/kegg/pathway.html> BioCarta:[online]、[平成18年12月25日検索]、インターネット<URL:http://www.biocarta.com/> MeSH、[online]、[平成18年12月25日検索]、インターネット<URL:http://www.nlm.nih.gov/mesh/meshhome.html> OMIM、[online]、[平成18年12月26日検索]、インターネット<URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=OMIM> H−inv DB[online]、[平成18年12月26日検索]、インターネット<URL:http://www.jbic.or.jp/activity/i_db_pj/h−inv_db.html> BMC Bioinformatics. 2005;6 Suppl 1 S4.Epub 2005 May 24. BioCreAtIvE、[online]、[平成18年12月25日検索]、インターネット<URL:http://biocreative.sourceforge.net/> Human Protein Reference Database、[online]、[平成19年1月16日検索]、インターネット<URL:http://www.hprd.org/> BIND、[online]、[平成19年1月16日検索]、インターネット<URL:http://www.blueprint.org/> 特開2006−146380号公報 国際公開2003/077159号パンフレット 特開2005−122231号公報
しかしながら、パスウェイには、そのネットワーク形状の特性から、「経路選択」に対する課題が存在する。すなわち、PubMed(非特許文献1)に登録されている文献が膨大であるがゆえに、抽出される分子間相互作用数も膨大なものとなる。パスウェイの構成要素である分子間相互作用数が膨大であるので、当然、パスウェイの形状は、より広範かつ複雑なネットワークを形成し、経路選択が困難になるという問題がある。広範かつ経路選択が困難なネットワークを図29に示す。
キュレーションにより、分子間相互作用数を減じてパスウェイを構築することも可能であるが、PubMedにおける文献数は、2006年11月時点で1600万件以上存在しており、一ヶ月あたり5〜6万件のペースで増加している。したがって、読む対象である文献は現時点でも膨大であり、構築に膨大な時間がかかるという問題がある。
また、文献数の増加も継続することから、更新情報による「新説への対応」などに対して限界があるという問題がある。また、キュレーションには、キュレーターの主観により、偏ったパスウェイが構築される場合があるという問題がある。
また、上述した特許文献1では、経路が複数存在し、かつ、経路長が長い経路の方が生物・医学的に意味があった場合、考察不可能であり、疾患などのメカニズムの解明のためには不十分である。経路が複数あることは、パスウェイでは頻繁であり、また、経路長の短さと生物・医学的意味の相関も確認されていない。
また、生体内分子のメカニズムに関する研究は、常に現在進行形であるため、あらかじめ構築されたサブネットでは、生物・医学的な新規情報に関する漏れが生じる。しかしながら、上述した特許文献2では代替手段は提示されていない。また計算機等を用いた常時更新可能な疾患に関係するサブネットの構築手法に関しては述べられておらず不十分である。
また、上述した特許文献3でも、各分子や分子間の連なりに対して、特定疾患という生物・医学的意味との関係性を表示する手法は提示されておらず、不十分である。また、OMIM(非特許文献5)やH‐invDB(非特許文献6)など、遺伝子ごとに医学・生物学的な意味を付与しているデータベースや、相互作用情報を格納したHPRD(非特許文献9)、BIND(非特許文献10)などは、データマイニングの材料としては有効であるものの、それ自体は、パスウェイを構築する機能を有していない。よって、パスウェイの結果である生体内での現象を考察できず、当然、その経路選択に寄与しない。
また、セレスター・レキシコ・サイエンシズ社のソフトウェアであるMedTAKにおいては、データマイニング技術により、文献群から医学・生物学的意味を抽出しているものの、分子間相互作用を抽出していない。よって、本ソフトウェアも、パスウェイの構築がかなわず、経路選択に寄与しない。
このように、上述した特許文献1〜3および各データベース(OMIM、H‐invDB、HPRD、BIND)やソフトウェア(MedTAK)のいずれにおいても、パスウェイにおける「生物・医学的に意味のある経路の選択法」に関して不十分であるという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、疾患などの生体内現象と密接に関わる分子間相互作用を推定することにより、膨大な経路の中から生物学的意味のある経路を効率的に得ることができる分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、第1の発明にかかる分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法は、任意の生体内現象の指定を受け付け、分子ネットワークの中から任意の相互作用を抽出し、指定された生体内現象と抽出された相互作用との関連強度を算出することを特徴とする。
この発明によれば、分析対象となる分子ネットワーク(パスウェイまたはパスウェイから抽出された分子ネットワーク)を構成する相互作用に対して、医学・生物学的な意味をもつ数値を、関連強度として付与することができる。
また、上記発明において、前記生体内現象と前記相互作用を特定する分子との関連強度を算出するとともに、当該関連強度に基づいて、前記生体内現象と前記相互作用との関連強度を算出することとしてもよい。
この発明によれば、指定生体内現象に対する分子の関与を強調することができる。
また、上記発明において、表示画面を制御して、算出された前記生体内現象と前記相互作用との関連強度を前記相互作用に関連付けて前記分子ネットワークを表示することとしてもよい。
この発明によれば、指定生体内現象に対する相互作用や分子の関与を直感的かつわかりやすく出力することができる。
また、上記発明において、前記分子ネットワークの中から開始ノードの選択を受け付け、選択された開始ノードから既知生体内現象が発生するノードまでの経路を前記分子ネットワークの中から探索し、前記表示画面を制御して、探索された経路を表示することとしてもよい。
この発明によれば、特定の生体内現象と関連性の深い探索経路を機械的に選択することができる。
また、上記発明において、前記経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出し、検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワークを生成し、前記方向が反転された相互作用を通過する前記開始ノードから前記既知生体内現象が発生するノードまでの方向反転後の経路を方向反転後の分子ネットワークの中から探索し、前記表示画面を制御して、探索された方向反転後の経路を表示することとしてもよい。
この発明によれば、不安定な相互作用を検出してその方向を反転させることで、想定外の新規的な分子ペアや探索経路を提供することができる。
前記生体内現象と前記相互作用との関連強度に基づいて、前記生体内現象と探索された経路との関連強度を算出し、前記表示画面を制御して、算出された前記生体内現象と前記経路との関連強度に基づいて、前記経路を表示することとしてもよい。
この発明によれば、指定生体内現象に対する分子の関与を強調することができる。
また、第2の発明にかかる分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法は、分子ネットワークの中から開始ノードの選択を受け付け、選択された開始ノードから既知生体内現象が発生するノードまでの経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出し、検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワークを生成し、前記方向が反転された相互作用を通過する前記開始ノードから前記既知生体内現象が発生するノードまでの方向反転後の経路を方向反転後の分子ネットワークの中から探索し、表示画面を制御して、探索された方向反転後の経路を表示することを特徴とする。
この発明によれば、不安定な相互作用を検出してその方向を反転させることで、想定外の新規的な分子ペアや探索経路を提供することができる。
本発明にかかる分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法によれば、疾患と密接に関わる分子間相互作用を推定することにより、膨大な経路の中から生物学的意味のある経路を効率的に得ることができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる医学文献DBの記憶内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる相互作用DBの記憶内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる薬理DBの記憶内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100の機能的構成を示すブロック図である。 図5に示した分子ネットワーク生成処理部501の機能的構成を示すブロック図である。 検索条件の検索画面を示す説明図である。 指定ボタン730のクリック後の検索画面700を示す説明図である。 取得部603によって取得された相互作用の集合を示す説明図である。 非冗長相互作用の集合とその連結結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100の分子ネットワーク生成処理手順を示すフローチャートである。 図5に示した関連強度算出/経路探索処理部502の機能的構成を示すブロック図である。 分子ネットワーク510の表示画面500を示す説明図である。 分子ペアごとの相互作用(非冗長相互作用)と指定生体内現象との関連強度S1を示す説明図である。 関連強度S1のマッピング画面を示す説明図である。 相互作用(非冗長相互作用)を特定する分子と指定生体内現象との関連強度S2を示す説明図である。 関連強度算出/表示処理手順を示すフローチャートである。 開始ノードとなる分子の選択受け付け後のマッピング画面1400を示す説明図である。 探索部1106による探索結果1110を示す説明図である。 探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その1)である。 探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その2)である。 探索部1106による探索結果1110をソートしたソート結果2100を示す説明図である。 探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その3)である。 探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その4)である。 開始ノード選択/経路探索処理手順を示すフローチャートである。 経路探索処理(ステップS2403)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 相互作用の方向反転後の分子ネットワーク510を示す説明図である。 経路追加処理を有する経路探索処理手順を示すフローチャートである。 経路追加処理(ステップS2700)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 広範かつ経路選択が困難なネットワークの説明図である。 パスウェイを示す説明図である。
符号の説明
100 分子ネットワーク分析支援装置
500 表示画面
501 分子ネットワーク生成処理部
502 関連強度算出/経路探索処理部
510 分子ネットワーク
601 入力部
602 検索部
603 取得部
604 生成部
1101 指定部
1102 抽出部
1103 算出部
1104 表示制御部
1105 選択部
1106 探索部
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる分子ネットワーク分析支援プログラム、該プログラムを記録した記録媒体、分子ネットワーク分析支援装置、および分子ネットワーク分析支援方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書において、分子間相互作用を構成する「分子」とは、生体内に存在する化学物質を構成する分子のほか、遺伝子やタンパク質、化合物も「分子」として扱う。
(分子ネットワーク分析支援装置のハードウェア構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置のハードウェア構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1において、分子ネットワーク分析支援装置100は、コンピュータ本体110と、入力装置120と、出力装置130と、から構成されており、不図示のルータやモデムを介してLAN,WANやインターネットなどのネットワーク140に接続可能である。
コンピュータ本体110は、CPU,メモリ,インターフェースを有する。CPUは、分子ネットワーク分析支援装置100の全体の制御を司る。メモリは、ROM,RAM,HD,光ディスク111,フラッシュメモリから構成される。メモリはCPUのワークエリアとして使用される。
また、メモリには各種プログラムが格納されており、CPUからの命令に応じてロードされる。HDおよび光ディスク111はディスクドライブによりデータのリード/ライトが制御される。また、光ディスク111およびフラッシュメモリはコンピュータ本体110に対し着脱自在である。インターフェースは、入力装置120からの入力、出力装置130への出力、ネットワーク140に対する送受信の制御をおこなう。
また、入力装置120としては、キーボード121、マウス122、スキャナ123などがある。キーボード121は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式であってもよい。マウス122は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。スキャナ123は、画像を光学的に読み取る。読み取られた画像は画像データとして取り込まれ、コンピュータ本体110内のメモリに格納される。なお、スキャナ123にOCR機能を持たせてもよい。
また、出力装置130としては、ディスプレイ131、プリンタ132、スピーカ133などがある。ディスプレイ131は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。また、プリンタ132は、画像データや文書データを印刷する。またスピーカ133は、効果音や読み上げ音などの音声を出力する。
(医学文献DBの記憶内容)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる医学文献DBの記憶内容について説明する。図2は、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる医学文献DBの記憶内容を示す説明図である。
図2において、医学文献DB200は一般に公開されているデータベースであり、医学文献を特定する文献IDごとに、医学文献のタイトル、アブストラクト(要約)、著者、出版年月日、MeSHタームが記憶されている。MeSHタームは、文献検索に使用される生物医学用語である。医学文献に付与されたMeSHタームの統計量を算出することで、特定の医学文献群が、生物・医学的にどのような意味を持つのかを解析することができる。
医学文献DB200は、HDや半導体メモリなどの記録媒体によってその機能を実現する。また、医学文献DB200は、分子ネットワーク分析支援装置100に備えられていてもよく、また、外部のサーバからネットワーク140を介して分子ネットワーク分析支援装置100とアクセス可能としてもよい。
(相互作用DBの記憶内容)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる相互作用DBの記憶内容について説明する。図3は、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる相互作用DBの記憶内容を示す説明図である。
図3において、相互作用DB300は、分子Aの標準分子表記および分子タイプ、分子Bの標準分子表記および分子タイプ、文献ID、相互作用タイプ、相互作用の方向を記憶することで、レコードごとに、分子間相互作用(以下、単に「相互作用」という)を特定する。
ここで、分子Aとは、相互作用を構成する一端の分子であり、分子Bとは他端の分子である。また、標準分子表記とは、相互作用を構成する分子の標準的な表記である。分子タイプとは、相互作用を構成する分子の種別(タンパク質、化合物など)をあらわす。
文献IDとは、相互作用を特定する分子が記述された医学文献の文献IDであり、この文献IDにより医学文献DB200と関連付けられる。相互作用タイプとは、両分子(分子Aおよび分子B)間の相互作用の種別(阻害、結合、活性化など)をあらわす。相互作用の方向とは、相互作用を特定する分子が影響先か影響元かを特定する情報である。たとえば、「→」となっている場合、その相互作用では分子Aが分子Bに影響を与えていることを示す。
相互作用は、分子Aの標準分子表記および分子タイプ、分子Bの標準分子表記および分子タイプ、文献ID、相互作用タイプ、および相互作用の方向により、レコードごとに特定される。相互作用は、キュレーションや自然言語処理による構文解析(例えば非特許文献4)により抽出された情報により構築される。
相互作用DB300は、HDや半導体メモリなどの記録媒体によってその機能を実現する。また、相互作用DB300は、分子ネットワーク分析支援装置100に備えられていてもよく、また、外部のサーバからネットワークを介して分子ネットワーク分析支援装置100とアクセス可能としてもよい。
(薬理DBの記憶内容)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる薬理DBの記憶内容について説明する。図4は、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100に用いられる薬理DBの記憶内容を示す説明図である。
図4において、薬理DB400は、以下の例1および例2で示すように、特定タンパクの変異、ノックアウト、ノックダウン、過剰発現など実験の結果が疾患に関与したという事実に関する情報を記憶するデータベースである。
例1)二型糖尿病で遺伝子Xが過剰発現した。
例2)RNAi実験で遺伝子Yをノックダウンすると、肝硬変が誘発された。
薬理DB400には、データベースID、対象とするタンパク質の標準分子表記、関連する生体内現象名、その関連記述が記憶されている。データベースIDとは、キュレーションされたデータベースを特定するIDであり、関連記述とは、実験の種類や関連有りとされた疾患が記述されたテキストデータである。なお、本実施の形態の分子ネットワーク分析支援装置100により発見した新規薬理情報や、実験などで発見した情報も追加登録することとしてもよい。これにより、薬理DB400の網羅性を向上させることもできる。
薬理DB400は、HDや半導体メモリなどの記録媒体によってその機能を実現する。また、薬理DB400は、分子ネットワーク分析支援装置100に備えられていてもよく、また、外部のサーバからネットワーク140を介して分子ネットワーク分析支援装置100とアクセス可能としてもよい。
(分子ネットワーク分析支援装置100の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100の機能的構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100の機能的構成を示すブロック図である。図5において、分子ネットワーク分析支援装置100は、分子ネットワーク生成処理部501と、関連強度算出/経路探索処理部502とを備えている。これら各機能501,502は、メモリに格納された当該機能に関するプログラムをCPUに実行させることにより、または、入出力I/Fにより、当該機能を実現することができる。
また、各機能501,502からの出力データはメモリに保持される。また、図5中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データをメモリから読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPUに実行させる。
まず、分子ネットワーク生成処理部501は、医学文献DB200および相互作用DB300を参照することにより、パスウェイの中からユーザが分析したい分子ネットワーク510を生成する機能を有する。生成された分子ネットワーク510は表示画面500に表示される。なお、分子ネットワーク生成処理部501の詳細は図6において説明する。
また、関連強度算出/経路探索処理部502は、薬理DB400を参照することにより、分子ネットワーク510の各相互作用の関連強度を算出したり、分子ネットワーク510に含まれている膨大な経路の中から生物学的意味のある経路を探索する。また、探索された経路の関連強度を算出することもできる。
算出された関連強度は、分子ネットワーク510中の該当する相互作用にその関連強度に応じた色を施したり、数値情報を相互作用の近傍に位置するようにして、表示画面500に表示される。また、探索された経路をあらわす線画も分子ネットワーク510中の相互作用に沿うようにして表示画面500に表示される。なお、関連強度算出/経路探索処理部502の詳細は図11において説明する。
(分子ネットワーク生成処理部501の機能的構成)
つぎに、図5に示した分子ネットワーク生成処理部501の機能的構成について説明する。図6は、図5に示した分子ネットワーク生成処理部501の機能的構成を示すブロック図である。図6において、分子ネットワーク生成処理部501は、入力部601と、検索部602と、取得部603と、生成部604と、を備えている。
まず、入力部601は、分子または相互作用に関する検索条件の入力を受け付ける機能を有する。ここで、分子または相互作用に関する検索条件とは、ユーザが分析したい分子ネットワーク510に含まれている分子や相互作用の識別情報であり、たとえば、図3に示した分子Aの標準分子表記および分子タイプ、分子Bの標準分子表記および分子タイプ、文献ID、相互作用タイプ、相互作用の方向などが挙げられる。また、MeSHタームなどのフリーキーワードを検索条件として入力することとしてもよい。
ここで、検索条件の入力例について説明する。図7−1は、検索条件の検索画面を示す説明図である。図7において、検索画面700には、医学文献の文献単位で検索条件を入力する文献単位領域710と、ユーザが分析したい相互作用単位で検索条件を入力する相互作用単位領域720と、が表示されている。
文献単位の検索条件で検索を実行する場合には、文献単位領域710において、「使用」をあらわすチェックボックス711にチェック入力し、文献単位の検索条件で検索を実行しない場合には、「不使用」をあらわすチェックボックス712にチェック入力する。図7では、チェックボックス711にチェック入力されている。
また、キーワード入力欄713には、ユーザが自由にキーワードを入力する。図7では、キーワードとして「Diabetes Mellitus」が入力されている。また、出版年月入力欄714,715に出版年月を入力することにより、検索対象となる医学文献を絞り込むこともできる。
また、相互作用単位の検索条件で検索を実行する場合には、相互作用単位領域720において、「使用」をあらわすチェックボックス716にチェック入力し、相互作用単位の検索条件で検索を実行しない場合には、「不使用」をあらわすチェックボックス717にチェック入力する。図7では、チェックボックス716にチェック入力されている。したがって、図7の入力例では、文献単位で、かつ相互作用単位により検索を実行することとなる。
また、分子Aの入力領域721−1は、分子Aの分子タイプおよび標準分子名を検索条件として入力することができ、分子Bの入力領域722−1は、分子Bの分子タイプおよび標準分子名を検索条件として入力することができ、相互作用の入力領域723−1は、相互作用タイプおよび相互作用の方向を検索条件として入力することができる。また、指定ボタン730をクリックすると、あらたに相互作用の検索条件を入力することができる。
図7−2は、指定ボタン730のクリック後の検索画面700を示す説明図である。図7−2においては、あらたな入力領域721−2,722−2,723−3が出現する。このように、指定ボタン730をクリックする度に、入力領域{721−1,722−1,723−1},{721−2,722−2,723−2},・・・が出現して、あらたな検索条件を入力することができる。
検索条件を入力した後、描画ボタン740をクリックすると、医学文献の検索処理、相互作用の特定情報の取得処理、分子ネットワーク510の生成処理を実行する。そして、生成された分子ネットワーク510が表示画面500に表示される。
また、図6において、検索部602は、医学文献DB200の中から入力部601によって入力された検索条件に一致または関連する医学文献を検索する機能を有する。具体的には、たとえば、図7−1や図7−2に示した文献単位領域710のチェックボックス711にチェック入力されている場合には、文献単位領域710に入力された検索条件と一致または関連する医学文献を医学文献DB200から検索する。検索結果は、医学文献の文献IDの集合となる。
より具体的には、キーワード入力欄713に入力されたキーワード(入力キーワード)と一致するキーワードが含まれている医学文献や、入力キーワードと一部一致する医学文献を検索する。また、入力欄714,715により出版年月の期間が指定されている場合には、当該期間を出版年月とする医学文献に絞り込むことができる。
また、図7−1や図7−2に示した相互作用単位領域720のチェックボックス716にチェック入力されている場合には、相互作用単位領域720に入力された検索条件と一致または関連する医学文献を医学文献DB200から検索する。より具体的には、入力領域721−1により分子Aが特定されている場合には、分子Aの分子タイプまたは標準分子名が記述された医学文献の文献IDが検索される。
また、入力領域722−1により分子Bが特定されている場合には、分子Bの分子タイプまたは標準分子名が記述された医学文献が検索される。また、入力領域723−1により相互作用が特定されている場合には、相互作用のタイプおよび方向が記述された医学文献の文献IDが検索される。
なお、図7−1の入力例では、分子Aの分子タイプが「化合物」、標準分子名が「Drug1」であり、かつ、分子Bの分子タイプが「タンパク質」であり、かつ、相互作用方向が「⇒」(分子Aが⇒の左端、分子Bが⇒の右端)とする分子A,B間の相互作用が記述されている医学文献の文献IDが検索される。
なお、医学文献DB200のMeSHタームは階層構造をとる構成であるため、下位階層のMeSHタームを含めて検索することとしてもよい。具体的には、たとえば、「Diabetes Mellitus, Type 2」(2型糖尿病)というMeSHタームがあるが、異なる階層に「Diabetes Mellitus, Lipoatrophic」が存在するため、この属性を持つ医学文献も合わせて検索することにより、より広範な相互作用を抽出することができる。
また、図6において、取得部603は、相互作用DB300の中から、検索部602によって検索された医学文献に関連付けられている相互作用の集合を取得する機能を有する。具体的には、たとえば、検索された医学文献の文献IDをキーとして、当該文献IDを有するレコードを相互作用として相互作用DB300から抽出する。
図8は、取得部603によって取得された相互作用の集合を示す説明図である。相互作用の集合800では、検索された文献IDの医学文献から特定される相互作用がすべて網羅されることとなるが、ここでは、簡単に説明するため、タンパク質P1が分子A、タンパク質P2が分子Bである場合の取得結果のみを示している。
また、図6において、生成部604は、取得部603によって取得された相互作用の集合800により特定される分子ペアを連結することにより、検索条件に応じた分子ネットワーク510を生成する機能を有する。具体的には、たとえば、分子Aと分子Bの組み合わせが同一であっても、相互作用タイプや相互作用の方向が医学文献により異なっているため、取得部603によって取得された相互作用の集合800を集約する。
その集約方法を図8の相互作用の集合800を用いて説明する。符号810は相互作用の集合800の集約結果である。集約結果810を「非冗長相互作用」と称す。相互作用の集合800は、分子Aがタンパク質P1であり分子Bがタンパク質P2に関する相互作用の集合である。
この分子Aと分子Bの組み合わせにおいて、相互作用タイプおよび相互作用の方向の組み合わせごとに文献ID数の多数決を取り、最多となった組み合わせを分子Aおよび分子B間の非冗長相互作用に決定する。図8の例では、相互作用タイプ「活性化」でかつ相互作用の方向「→」の文献ID数(=4個)が最多となる。
そして、図8に示した集約処理を、相互作用を特定する分子ペア(分子Aおよび分子B)ごとにおこない、各非冗長相互作用を共通する分子どうしで連結することにより、分子ネットワーク510を生成する。
図9は、非冗長相互作用810の集合とその連結結果を示す説明図である。図9において、連結結果910は分子ネットワーク510となる。なお、分子ネットワーク510において、分子タイプは図形であらわし、標準分子表記はその図形内の文字列であらわし、相互作用の方向は矢印であらわし、相互作用タイプは矢印の種別によって表現している。
また、分子ネットワーク510は単純な有向グラフではなく、ノード自体に種類(タンパク質、化合物、DNAなど)や、相互作用について属性(活性化、阻害、転写活性など)と、直接結合が実験によって確認されているか否かの情報が盛り込まれている。
(分子ネットワーク生成処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100の分子ネットワーク生成処理手順について説明する。図10は、この発明の実施の形態にかかる分子ネットワーク分析支援装置100の分子ネットワーク生成処理手順を示すフローチャートである。
図10において、まず、入力部601により検索条件を入力する(ステップS1001)。具体的には、たとえば、図7−1や図7−2に示した検索画面700にユーザ操作により各種検索条件を入力する。そして、描画ボタン740のクリックが検出されるまで待ち受ける(ステップS1002:No)。
そして、描画ボタン740のクリックが検出された場合(ステップS1002:Yes)、検索部602により、検索条件に一致または関連する医学文献の文献IDを検索する(ステップS1003)。そして、取得部603により、相互作用DB300から分子ペアごとに相互作用の集合を取得する(ステップS1004)。
つぎに、生成部604により、分子ペアごとに相互作用の集合を集約する(ステップS1005)。これにより、分子ペアごとの非冗長相互作用を得ることができる。そして、非冗長相互作用を共通する分子どうしで連結する(ステップS1006)。これにより、分子ネットワーク510を生成することができる。そして、このあと、表示画面500に分子ネットワーク510を表示する(ステップS1007)。
このように、上述した生成部604によれば、膨大な相互作用が数珠状に連なったパスウェイの中から、ユーザが分析したい分子ネットワーク510のみを抽出することができる。
(関連強度算出/経路探索処理部502の機能的構成)
つぎに、図5に示した関連強度算出/経路探索処理部502の機能的構成について説明する。図11は、図5に示した関連強度算出/経路探索処理部502の機能的構成を示すブロック図である。図11において、関連強度算出/経路探索処理部502は、指定部1101と、抽出部1102と、算出部1103と、表示制御部1104と、選択部1105と、探索部1106と、から構成されている。
まず、指定部1101は、任意の生体内現象の指定を受け付ける機能を有する。生体内現象とは、疾患、病気など生体内で発生する現象である。具体的には、たとえば、ユーザ操作により生体内現象の名称となるMeSHタームを入力することにより、生体内現象の指定が受け付けられる。このような生体内現象を指定生体内現象と称す。
図12は、分子ネットワーク510の表示画面を示す説明図である。図12の表示画面1200は、図7−1または図7−2に示した描画ボタン740をクリックすることで表示される画面である。入力欄1201は生体内現象名を入力する入力欄である。ここでは、「Diabetes Mellitus,Type 2」(二型糖尿病)が入力されている。そして、適用ボタン1202をクリックすることで、生体内現象の指定が受け付けられる。
また、図11において、抽出部1102は、生体内現象が指定された場合、分子ネットワーク510の中から任意の相互作用を抽出する機能を有する。分子ネットワーク510は非冗長相互作用を連結したネットワークであるため、抽出される相互作用は、非冗長相互作用となる。具体的には、たとえば、図9に示した非冗長相互作用810の集合の中から非冗長相互作用を抽出する。
また、算出部1103は、指定生体内現象と抽出部1102によって抽出された相互作用(非冗長相互作用)との関連強度を算出する機能を有する。ここで、生体内現象と相互作用との関連強度は、生体内現象と相互作用との結びつきの強さをあらわす情報である。この情報を数値であらわす場合、数値が高いほど関連強度が強いこととなる。なお、関連強度の算出対象となる相互作用を特定する分子ペアを「対象分子ペア」と称す。
この関連強度S1は、たとえば、下記式(1)〜(3)のスコアにより算出することができる。
S1=Log(X/Y)・・・(1)
X=X2/X1・・・(2)
Y=Y2/Y1・・・(3)
X1は、MEDLINEにおける医学文献集合全体のうち、対象分子ペアが出現した医学文献集合の文献数である。また、X2は、指定生体内現象(MeSHターム)が出現した医学文献集合のうち、対象分子ペアにより特定される相互作用が出現した医学文献集合の文献数である。
Y1は、MEDLINEにおける医学文献集合全体から抽出された全分子ペアにより特定される相互作用が出現した医学文献集合の文献数である。また、Y2は、指定生体内現象(MeSHターム)が出現した医学文献集合のうち、全分子ペアにより特定される相互作用が出現した医学文献集合の文献数である。
図13は、分子ペアごとの相互作用(非冗長相互作用)と指定生体内現象との関連強度S1を示す説明図である。図13において、関連強度S1の大きさに応じて対応色が決定される。対応色は、分子ネットワーク510の相互作用をあらわすエッジ(矢印)に施される着色である。
なお、算出部1103において、同一の相互作用タイプや、方向性の有無、同一分子ペアの種別などの条件を限定することにより、関連強度S1を算出することとしてもよい。また、MeSHタームの構造を利用することにより、関連強度S1を算出することとしてもよい。これにより、指定生体内現象に特異的な分子ペアを推定することができ、疾患メカニズムの解明に役立たせることができる。また、関連強度S1は、2値でなく連続値で算出されるため、この関連強度S1をキーにして相互作用群をソートすることにより着目すべき相互作用を段階的に把握することができる。
図14は、関連強度S1のマッピング画面を示す説明図である。このマッピング画面1400は、図12に示した適用ボタン1202をクリックすることにより表示される。
また、算出部1103は、指定生体内現象と相互作用を特定する対象分子ペアの各分子との関連強度S2を算出する。この関連強度S2は、たとえば、式(3)〜(5)のスコアにより算出することができる。
S2=Log(x/Y)・・・(4)
x=x2/x1・・・(5)
x1は、MEDLINEにおける医学文献集合全体のうち、対象分子ペアの分子が出現した医学文献集合の文献数である。また、x2は、指定生体内現象(MeSHターム)が出現した医学文献集合のうち、対象分子ペアの分子により特定される相互作用が出現した医学文献集合の文献数である。
図15は、相互作用(非冗長相互作用)を特定する分子と指定生体内現象との関連強度S2を示す説明図である。図15において、関連強度S2の大きさに応じて対応色が決定される。対応色は、分子ネットワーク510の相互作用をあらわすエッジ(矢印)に施される着色である。
また、相互作用との関連強度S1が低く特異性が現れないが、分子単位の関連強度S2が高くなって特異性が現れる場合がある。このような場合には、関連強度S2を用いて関連強度S1を補正することにより、指定生体内現象に対する分子の関与を強調することができる。この補正は、たとえば、下記式(6),(7)によりあらわされる。
S1’=S1×w1+S2av×w2・・・(6)
S2av=(S2A+S2B)/2・・・・(7)
ここで、S1’は関連強度S1の補正後の関連強度であり、w1は関連強度S1に対する重みであり、w2は、関連強度S2avに対する重みである。w1,w2はあらかじめ設定されている。
また、S2Aは対象分子ペアの分子Aと指定生体内現象との関連強度であり、S2Bは対象分子ペアの分子Bと指定生体内現象との関連強度であり、S2avは、関連強度S2Aと関連強度S2Bとの平均値である。
たとえば、図13に示した分子A(タンパク質P5)と分子B(タンパク質P2)との分子ペアの関連強度S1は「1.33」と低い値である一方、図15に示した分子A(タンパク質P5)の関連強度S2は「9.14」、分子B(タンパク質P2)の関連強度S2は「28.35」となっており、関連強度S1よりも高い値となっている。
ここで、重みw1をw1=0.8、w2をw2=0.2として、上記式(6)、(7)に代入すると、補正後の関連強度S1’はS1’=4.813となり、補正前よりも高い値に補正することができる。したがって、後述する探索処理においてその分子への経路も疾患に関与すると見て探索のプライオリティを上昇させることができる。
また、図11において、表示制御部1104は、図12に示したように、表示画面500を制御することにより分子ネットワーク510を表示する機能を有する。また、図14に示したように、相互作用をあらわすエッジや分子をあらわすノードに関連強度S1,S2に対応する対応色を施すことにより、分子ネットワーク510を表示することもできる。
また、指定生体内現象との共起回数(たとえば、図13に示した文献IDの数)に応じて強調表示することとしてもよい。これにより、各対象分子ペアが指定生体内現象で確認がとれているか否かを一目で把握することができる。図14に示した分子ネットワーク510では、「Drug1」が指定生体内現象において有意に変動している部分を段階的に強調表示している。
たとえば、関連強度S1が10ポイント以上でかつ共起カウントが5カウント以上を赤、関連強度S1が5ポイント以上でピンク、関連強度S1が3ポイント以上で青、共起カウントが1カウントでも存在するものを灰色、関連強度S2が2ポイント未満を黒色としてエッジコネクションに着色する。これらの条件はグラフィカルユーザインタフェースで変更可能にすることにより、関連強度S1などが似通った値になった場合にスコア指標を変化させることで、ユーザが着目すべき関係性を示すこともできる。
なお、選択部1105および探索部1106について説明する前に、ここで、関連強度算出/表示処理手順について説明する。図16は、関連強度算出/表示処理手順を示すフローチャートである。図16において、まず、指定部1101により、図12に示したように入力欄1201に生体内現象名をユーザ操作により入力することで、生体内現象の指定を受け付ける(ステップS1601)。
つぎに、適用ボタン1202のクリックが検出されるまで待ち受け(ステップS1602:No)、検出された場合(ステップS1602:Yes)、抽出部1102により、分子ネットワーク510の中から関連強度S1が算出されていない未処理の(非冗長)相互作用があるか否かを判断する(ステップS1603)。
未処理の相互作用がある場合(ステップS1603:Yes)、その相互作用を抽出する(ステップS1604)。そして、算出部1103により、指定生体内現象と抽出された相互作用との関連強度S1を算出して(ステップS1605)、ステップS1603に戻る。
また、ステップS1603において、未処理の相互作用がない場合(ステップS1603:No)、相互作用ごとに算出された関連強度に応じて分子ネットワーク510のエッジを強調表示する(ステップS1606)。
このように、相互作用との関連強度S1に応じてそのエッジを強調表示することにより、各相互作用が指定生体内現象で確認がとれているか否かを一目で把握できる。また、相互作用との関連強度S1は、報告されている医学文献数に依存するため、ポピュラーな関係であれば可視化することができるという利点があるが、統計的手法であるがために、本来のメカニズムを可視化できない場合もある。
このようなケースをカバーするために、分子との関連強度S2を用いて相互作用との関連強度S1を補正することにより、その分子への経路も疾患に関与すると見て探索のプライオリティを上昇させることができる。これにより実験データなしで、ユーザが実験の仮説を構築するための手がかりを増やすことができる。
つぎに、図11に示した選択部1105および探索部1106について説明する。選択部1105は、分子ネットワーク510を構成するノードの中から開始ノードとなる分子の選択を受け付ける機能を有する。具体的には、たとえば、図14に示したマッピング画面1400における開始分子の入力欄1401に、ユーザ操作により開始ノードとなる分子の標準分子表記が入力されることで、開始分子の選択を受け付ける。
図17は、開始ノードとなる分子の選択受け付け後のマッピング画面1400を示す説明図である。図17(図14も同様)において、米印は既知生体内現象をあらわしている。既知生体内現象は、指定生体内現象との因果関係が確認されている遺伝子やタンパク質のIDをキーとして薬理DB400にアクセスすることにより、既知生体内現象が発生するか否かを判断することができる。
たとえば、薬理DB400に「二型糖尿病で遺伝子(DNA1)が過剰発現した。」という情報が保存されている場合、分子ネットワーク510中、標準分子表記「DNA1」のノードに既知生体内現象が発生することが判明する。したがって、当該ノード近傍に米印を表示しておく。
また、探索部1106は、開始ノードから既知生体内現象を発生するノードまでの経路を探索し、探索結果1110を出力する機能を有する。探索部1106は、相互作用をあらわすエッジ(矢印)の方向にしたがって探索する。また、2以上のエッジに分岐する場合には、関連強度S1の値が高いエッジを優先的に選択する。
またこの場合、算出部1103により、探索経路についても関連強度S3を算出する。生体内現象と探索経路との関連強度S3は、探索中の各相互作用との関連強度S1の調和平均、相加平均、相乗平均により算出することができる。このうち、調和平均を用いることにより、突出した関連強度S3を持つ相互作用に引きずられにくくなるため、各相互作用ペアをリスペクトでき、この問題に合致する。
関連強度S3は、下記式(8)により算出することができる。
Figure 2008102658
式(8)中、f(a)は、相互作用と指定生体内現象との関連強度S2に基づく関数であり、常用対数を取ってもよいし、閾値を設定して足きりしてもよい。Nは探索経路における相互作用数である。すなわち、探索経路のノード数から1引いた値となる。
また、g(a)は直接結合の有無をあらわす関数であり、0<g(a)≦1の値を取る。たとえば、直接結合する場合はg(a)=1とし、直接結合が確認されていない場合、ドメイン単位では確認されている場合はg(a)=0.7とする。また、直接結合の報告がされていない場合はg(a)=0.5、直接結合しないことが分かっている場合はg(a)=0.3とする。
図18は、探索部1106による探索結果1110を示す説明図である。図18において、探索結果1110として、探索経路(の経路ID)ごとに、開始ノードの標準分子表記および分子タイプ、終了ノード(生体内現象が発生するノード)の標準分子表記および分子タイプ、探索経路、探索経路の関連強度S3を得ることができる。
また、図18に示したように、全探索経路について指定生体内現象との関連強度S3を算出し、結果をソートすることにより、ソート結果1800が得られ、指定生体内現象に密接に関わる探索経路を優先的に選択することができる。これにより、ユーザの観点に適合した疾患経路を抽出することができる。したがって、創薬研究の加速化を実現することができる。
また表示制御部1104により、関連強度S3の高い順にエッジを強調表示したり、ユーザのボタンクリックにより、関連強度S3の高い探索経路を表示することもできる。図19は、探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その1)である。探索経路R1は、図18に示したランク1位の探索経路(経路ID:003)である。
また、Nextボタン1701をクリックすると、次点(ランク2位)の探索経路が表示される。図20は、探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その2)である。探索経路R2は、図18に示したランク2位の探索経路(経路ID:006)である。また、Nextボタン1701をクリックすると、次点(ランク3位)の探索経路が表示される。一方、Prevボタン2001をクリックすると1ランク上の探索経路が表示される。
また、算出部1103では、上記式(8)により、相互作用との関連強度S1を用いて探索経路の関連強度S3を算出することとしたが、下記式(9)のように、各ノードとの関連強度S2を重みとして補助的に利用した算出式を用いてもよい。
Figure 2008102658
式(9)中、h(a)は、対象分子との関連強度S2の相加平均、相乗平均または調和平均などを用いて算出する。常用対数をとった結果をh(a)としてもよい。この場合、相互作用との関連強度S1が高くなくても、分子との関連強度S2が高ければ、この対象分子ペアの探索経路が選択される確率が増大する。
図21は、探索部1106による探索結果1110をソートしたソート結果2100を示す説明図である。図21では、上記式(9)によって算出された関連強度S3により探索結果1110がソートされている。
図22は、探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その3)である。探索経路R1は、図21に示したランク1位の探索経路(経路ID:006)である。図23は、探索経路を表示したマッピング画面1400を示す説明図(その4)である。探索経路R2は、図21に示したランク2位の探索経路(経路ID:003)である。
つぎに、開始ノード選択/経路探索処理手順について説明する。図24は、開始ノード選択/経路探索処理手順を示すフローチャートである。図24において、まず、選択部1105により、図12に示したように入力欄1201に開始ノードとなる分子名をユーザ操作により入力することで、開始ノードとなる分子の選択を受け付ける(ステップS2401)。
つぎに、Nextボタン1701のクリックが検出されるまで待ち受け(ステップS2402:No)、検出された場合(ステップS2402:Yes)、探索部1106による経路探索処理を実行する(ステップS2403)。
このあと、図19、図20、図22、図23に示したように、表示制御部1104により、探索経路を分子ネットワーク510とともに表示画面500に表示する(ステップS2404)。ステップS2404では、最初に、関連強度が最高ポイントの探索経路を表示し、その後は、Nextボタン1701やPrevボタン2001のクリックに応じて探索経路を表示する。
つぎに、ステップS2403で示した経路探索処理の詳細な処理手順について説明する。図25は、経路探索処理(ステップS2403)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図25において、開始ノードおよび終了ノードが設定された状態で、すべての経路を網羅するように探索する(ステップS2501)。探索経路には、経路ID:i(i=1,2,・・・,n)が割り振られる。
そして、探索経路数をnとすると、経路ID:i=1とし(ステップS2502)、i>nであるか否かを判断する(ステップS2503)。i>nでない場合(ステップS2503:No)、算出部1103により、経路ID:iの関連強度S3を算出する(ステップS2504)。そして、iを1つインクリメントして(ステップS2505)、ステップS2503に戻る。
一方、ステップS2503において、i>nである場合(ステップS2503:Yes)、図18に示したように、関連強度S3が降順となるように探索結果1110をソートする(ステップS2506)。このあと、ステップS2404に移行する。
このように、すべての探索経路に指定生体内現象との関連強度S3を算出し、探索結果1110をソートすることにより、指定生体内現象に密接に関わる探索経路を優先的に選択することができ、分子ネットワーク510からユーザの観点に適合した疾患経路を抽出することができ、創薬研究を加速することができる。
(経路探索の他の例)
つぎに、経路探索の他の例について説明する。上述した探索部1106による経路探索処理は、指定生体内現象である場合のポピュラーな経路を把握するために有用であるが、ここでは、ユーザによってはあまり研究されていない新規的な分子ペアや探索経路を創出する。
具体的には、たとえば、探索経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出する検出機能と、検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワーク510を生成する生成機能を追加する。これにより、ユーザによってはあまり研究されていない新規的な分子ペアや探索経路を創出することができる。
ここで、不安定な相互作用とは、相互作用集合において非冗長相互作用が僅差で決定された場合、その非冗長相互作用は、「不安定な相互作用」となる。たとえば、相互作用の方向が一方の方向として記述されている文献ID数と相互作用の方向が他方の方向として記述されている文献ID数との差が所定値以内である場合、不安定な相互作用となる。したがって、多数決で決定された方向を反転して、あらたな分子ネットワーク510を生成する。
図26は、相互作用の方向反転後の分子ネットワーク510を示す説明図である。図26において、分子ペアP5,P3間の相互作用の方向が反転した分子ネットワーク2600が生成され、マッピング画面1400に表示されている。探索経路Qは、この方向反転によりあらたに探索された探索経路である。これにより、方向反転後の相互作用(エッジe)とその探索経路Qとを創出することができる。
つぎに、この場合の経路探索処理について説明する。図27は、経路追加処理を有する経路探索処理手順を示すフローチャートである。なお、図25に示した処理ステップと同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明を省略する。図27において、ステップS2503:YesとステップS2506との間において経路追加処理を実行する(ステップS2700)。
図28は、経路追加処理(ステップS2700)の詳細な処理手順を示すフローチャートである。まず、分子ネットワーク510を構成する相互作用の中から不安定な相互作用が検出されたか否かを判断する(ステップS2801)。すなわち、不安定な相互作用の数をm個とした場合、m>0であるか否かを判断する。m>0でない場合(ステップS2801:No)、不安定な相互作用がないため、ステップS2506に移行する。
一方、m>0である場合(ステップS2801:Yes)、M(M=2m−1)通りの分子ネットワーク510を生成する(ステップS2802)。あらたに生成されたM通りの分子ネットワーク510には、ネットワークID:j(j=1,2,・・・,M)が割り振られる。
つぎに、ネットワークID:j=1として(ステップS2803)、j>Mであるか否かを判断する(ステップS2804)。j>Mでない場合(ステップS2804:No)、ネットワークID:jの分子ネットワーク510を経路探索する(ステップS2805)。探索経路には経路ID:i(i=1,2,・・・,nj)が割り振られる。
つぎに、経路ID:i=1として(ステップS2806)、i>njであるか否かを判断する(ステップS2807)。i>njでない場合(ステップS2807:No)、算出部1103により、経路ID:iの関連強度S3を算出する(ステップS2808)。このあと、経路ID:iを1つインクリメントして(ステップS2809)、ステップS2807に戻る。
一方、ステップS2807において、i>njである場合(ステップS2807:Yes)、ネットワークID:jを1つインクリメントして(ステップS2810)、ステップS2804に戻る。また、ステップS2804において、j>Mである場合(ステップS2804:Yes)、すべての分子ネットワーク510の経路探索が終了したので、ステップS2506に移行する。
このように、不安定な相互作用を検出してその方向を反転させることで、ユーザによってはあまり研究されていない新規的な分子ペアや探索経路を創出することができる。
上述した実施の形態における、相互作用と生体内現象での、関連強度の算出方法は、遺伝子の連鎖解析にも用いられている。しかし本実施の形態では、遺伝子の連鎖解析とは異なり、計算対象に「医学文献に付与されたMeSHターム群」と「相互作用」を設定する。これにより、「相互作用」にMeSHタームの持つ、医学・生物学的意味を、数値的に付与することができる。したがって、分子ネットワーク510において今までできなかった個々の相互作用と指定生体内現象との結びつきを可視的に表現することができる。
また、相互作用に対して、医学・生物学的な意味をもつ数値が、関連強度として付与されたため、特定の生体内現象と関連性の深い探索経路をパスウェイから機械的に選択することができる。
また、パスウェイ中の相互作用に医学・生物学的な意味との関連強度を付与しているため、従来手法では、得られなかった経路探索が可能となり、あらたな生体内現象を考察することができる。
また、複雑多岐に発散したパスウェイを経路探索により簡略化することができるため、そのパスウェイの構成要素である相互作用を記述した文献数もまた減少する。よって、選択された経路の医学・生物学的な意味に関して、その詳細を確認する際に、読まなければならない文献数を減らすことができる。
また、パスウェイに対する機械的な経路選択は、膨大な医学文献群に記述された、医学・生物学的に意味のある用語、いわゆるMeSHタームを、データマイニングによって統計的に処理し、その統計量をパスウェイに付与することで可能になる。このような、膨大な医学文献群に対する機械的処理は、背景技術の欄で述べた人間の手によるキュレーションでは不可能である。よって、本実施の形態により得られる医学・生物学的な意味は、人間の経験などから来る固定観念の範疇を超えた、非常に新規性の高い発見につなげることができる。
また、キュレーションと異なり、パスウェイ中の相互作用や分子に対して、機械的に医学・生物学的意味をもつ関連強度をスコア化して付与する。したがって、算出に用いられるPubMedなどの医学文献に関するデータの増加・更新があった場合でも、機械的かつ即座に対応することができる。そうすることにより、研究者らが投稿する医学文献の更新状況を、即座にパスウェイに反映させ、パスウェイの持つ生物・医学的意味の固定化を避け、研究状況に応じたパスウェイ更新を容易にすることができる。
また、既存の医学文献から得られる相互作用を基に、パスウェイの描画と経路選択を可能にしているので、ユーザ(研究者)は自ら実験することなく、医学・生物学的に意味のある現象を考察し、あらたな研究対象を見出す、すなわち仮説を構築することができる。
以上のことから、上述した実施の形態によれば、疾患と密接に関わる分子間相互作用を推定することにより、膨大な経路の中から生物学的意味のある経路を効率的に得ることができる。したがって、生体内のメカニズムに対する仮説構築と考察を、効率的におこなうことができ、製薬企業や学術機関において、生命科学に取り組む研究者に対する負荷を軽減することができる。
また、負荷の軽減だけでなく、研究者に対して新発見を促すこともできる。また、常にあらたな知識を反映させたパスウェイを研究者に提供することで、研究の進歩や時代的変遷による、知見の陳腐化を回避することができる。
なお、本実施の形態で説明した分子ネットワーク分析支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上のように、本発明にかかる分子ネットワーク分析支援装置、分子ネットワーク分析支援方法、および分子ネットワーク分析支援プログラムは、パスウェイなどの分子ネットワークの分析支援に有用である。

Claims (11)

  1. コンピュータを、
    任意の生体内現象の指定を受け付ける指定手段、
    分子ネットワークの中から任意の相互作用を抽出する抽出手段、
    前記指定手段によって指定された生体内現象と前記抽出手段によって抽出された相互作用との関連強度を算出する算出手段、
    として機能させることを特徴とする分子ネットワーク分析支援プログラム。
  2. 前記算出手段は、
    前記生体内現象と前記相互作用を特定する分子との関連強度を算出するとともに、当該関連強度に基づいて、前記生体内現象と前記相互作用との関連強度を算出することを特徴とする請求項1に記載の分子ネットワーク分析支援プログラム。
  3. 前記コンピュータを、
    表示画面を制御して、前記算出手段によって算出された前記生体内現象と前記相互作用との関連強度を前記相互作用に関連付けて前記分子ネットワークを表示する表示制御手段として機能させることを特徴とする請求項1または2に記載の分子ネットワーク分析支援プログラム。
  4. 前記コンピュータを、
    前記分子ネットワークの中から開始ノードの選択を受け付ける選択手段、
    前記選択手段によって選択された開始ノードから既知生体内現象が発生するノードまでの経路を前記分子ネットワークの中から探索する探索手段として機能させ、
    前記表示制御手段は、
    前記表示画面を制御して、前記探索手段によって探索された経路を表示することを特徴とする請求項3に記載の分子ネットワーク分析支援プログラム。
  5. 前記コンピュータを、
    前記経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出する検出手段、
    前記検出手段によって検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワークを生成する生成手段として機能させ、
    前記探索手段は、
    前記方向が反転された相互作用を通過する前記開始ノードから前記既知生体内現象が発生するノードまでの方向反転後の経路を前記生成手段によって生成された方向反転後の分子ネットワークの中から探索し、
    前記表示制御手段は、
    前記表示画面を制御して、前記探索手段によって探索された方向反転後の経路を表示することを特徴とする請求項4に記載の分子ネットワーク分析支援プログラム。
  6. 前記算出手段は、
    前記生体内現象と前記相互作用との関連強度に基づいて、前記生体内現象と前記探索手段によって探索された経路との関連強度を算出し、
    前記表示制御手段は、
    前記表示画面を制御して、前記算出手段によって算出された前記生体内現象と前記経路との関連強度に基づいて、前記経路を表示することを特徴とする請求項4または5に記載の分子ネットワーク分析支援プログラム。
  7. コンピュータを、
    分子ネットワークの中から開始ノードの選択を受け付ける選択手段、
    前記選択手段によって選択された開始ノードから既知生体内現象が発生するノードまでの経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出する検出手段、
    前記検出手段によって検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワークを生成する生成手段、
    前記方向が反転された相互作用を通過する前記開始ノードから前記既知生体内現象が発生するノードまでの方向反転後の経路を前記生成手段によって生成された方向反転後の分子ネットワークの中から探索する探索手段、
    表示画面を制御して、前記探索手段によって探索された方向反転後の経路を表示する表示制御手段、
    として機能させることを特徴とする分子ネットワーク分析支援プログラム。
  8. 任意の生体内現象の指定を受け付ける指定手段と、
    分子ネットワークの中から任意の相互作用を抽出する抽出手段と、
    前記指定手段によって指定された生体内現象と前記抽出手段によって抽出された相互作用との関連強度を算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とする分子ネットワーク分析支援装置。
  9. 分子ネットワークの中から開始ノードの選択を受け付ける選択手段と、
    前記選択手段によって選択された開始ノードから既知生体内現象が発生するノードまでの経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワークを生成する生成手段と、
    前記方向が反転された相互作用を通過する前記開始ノードから前記既知生体内現象が発生するノードまでの方向反転後の経路を前記生成手段によって生成された方向反転後の分子ネットワークの中から探索する探索手段と、
    表示画面を制御して、前記探索手段によって探索された方向反転後の経路を表示する表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする分子ネットワーク分析支援装置。
  10. 任意の生体内現象の指定を受け付ける指定工程と、
    分子ネットワークの中から任意の相互作用を抽出する抽出工程と、
    前記指定工程によって指定された生体内現象と前記抽出工程によって抽出された相互作用との関連強度を算出する算出工程と、
    を含んだことを特徴とする分子ネットワーク分析支援方法。
  11. 分子ネットワークの中から開始ノードの選択を受け付ける選択工程と、
    前記選択工程によって選択された開始ノードから既知生体内現象が発生するノードまでの経路を構成する相互作用の中から不安定な相互作用を検出する検出工程と、
    前記検出工程によって検出された不安定な相互作用の方向を反転させた方向反転後の分子ネットワークを生成する生成工程と、
    前記方向が反転された相互作用を通過する前記開始ノードから前記既知生体内現象が発生するノードまでの方向反転後の経路を前記生成工程によって生成された方向反転後の分子ネットワークの中から探索する探索工程と、
    前記探索工程によって探索された方向反転後の経路を表示画面に表示する表示工程と、
    を含んだことを特徴とする分子ネットワーク分析支援方法。
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