JPWO2008023609A1 - 基地局および移動局並びにセル選択方法 - Google Patents

基地局および移動局並びにセル選択方法 Download PDF

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Abstract

基地局は、所定の帯域幅を有する複数のセルを運用し、各セルにおけるトラヒック状況に基づいて計算された移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を報知し、移動局は、前記選択情報に基づいて、自局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択する手段と、前記セル選択手段により選択された事前選択セルとの回線設定を行なう手段とを備えることにより達成される。

Description

本発明は、LTE(Long Term Evolution)システムに関し、特に基地局および移動局並びにセル選択方法に関する。
次世代の移動通信システムとして、100Mbpsでのデータ伝送が可能な移動通信システムであるLTE(Long Term Evolution)の研究開発が進められている。
このLTEシステムでは、図1に示すように、最初は少ないキャリア数で運用が開始される。例えば、バンドAでの運用が行われ、数年後周波数が足りなくなった場合に、新たなバンドBのライセンスをとるか、あるいは現在運用されている3Gシステムで使用されているバンドをLTEに変更することで、バンドAおよびBで運用される状況になってくると予想される。さらに、将来的には、バンドCおよびDでの運用も開始されると予想される。ここで、バンドとは、LTEシステムが運用される周波数帯域を示し、例えば800MHz帯、2GHz帯である。また、キャリアとは、各周波数帯域で運用されるシステムの帯域幅を示し、LTEでは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHzおよび20MHzのいずれかに対応できることが要求されている。
このような状況では、バンドAでの送受信能力を有する移動局(UE: Uesr Equipment)(以下、Band A capable UEとよぶ)しか存在していなかったのが、数年後には、バンドAおよびBでの送受信能力を有する移動局(以下、Band A+B capable UEとよぶ)が存在するようになる。Band A capable UEは、バンドBが導入されても、バンドBでの送受信はできない。
将来的には、バンドA、B、CおよびDでの送受信能力を有する移動局(以下、Band A+B+C+D capable UEとよぶ)が存在するようになる。すなわち、同じオペレータのネットワークであるが、複数のバンド、複数のキャリアで運用され、かつ異なる送受信能力を有する移動局が共存する状況となってくる。
このような状況となった場合に、異なる移動局の送受信能力に対応した負荷分散、すなわちロードバランシングが必要である。例えば、複数のバンドや、キャリアが存在した場合に、あるバンド、またあるキャリアに移動局が偏ってしまうと、他のバンド、キャリアに空きがあるのに集中したキャリアで送受信処理が実行され、その結果通信品質の劣化が生じる。
ロードバランシングには、アクティブであるユーザ、すなわち通信中のユーザを均等に分散させるトラヒックロードバランシング(Traffic load balancing)と、アイドルであるユーザ、すなわち待ち受け中のユーザを均等に分散させるキャンプロードバランシング(Camp load balancing)がある。
ロードバランシングに関して、UMTSのセル設計に関して、UMTS−GSM間のバランシングについて述べたものがある(例えば、非特許文献1参照)。
また、LTE−UMTS間のバランシングについて、特に複数のオペレータがネットワークを共用する場合について述べたものがある(例えば、非特許文献2参照)。
しかし、トラヒックロードバランシング、キャンプロードバランシングを区別した観点で議論したものはない。
J. Laiho, A. Wacker, and T. Novosad, "Radio Network Planning and Optimisation for UMTS", John Wiley & Sons, Chichester, 2002, p.229-231. T−Mobile, R2−060934, "Load sharing using cell reselection,", TSG−RAN WG2 #52, Athens, March 27−31, 2006
ロードバランシングでは、(1)運用(OAM: Operation and Management)の負荷を軽減すること、(2)遅延を短縮すること、例えばアイドル(IDLE)からアクティブ(ACTIVE)へ移行する時間を短縮すること、(3)移動局が待ち受け中に行なう周辺セルの測定の負荷を軽減すること、(4)待ち受け中のシグナリング量を低減することなどが要求されている。
そこで、本発明は、上述した問題点、すなわち要求事項の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、その目的は、特に複数キャリア運用時に報知情報やページングのオーバヘッドを削減でき、かつアイドルからアクティブへ移行する時間を短縮することができる基地局および移動局並びにセル選択方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の基地局は、
所定の帯域幅を有する複数のセルを運用し、
各セルにおけるトラヒック状況を測定する負荷測定手段;
前記トラヒック状況に基づいて、移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を計算する選択確率計算手段;
前記選択確率を報知する報知手段;
前記移動局がアクセスした前記事前選択セルとの回線接続を行なう制御プレーン制御手段;
を備えることを特徴の1つとする。
このように構成することにより、移動局に対して、待ち受けセルとは異なるセルにアクセスさせることができる。
本発明の移動局は、
基地局は、所定の帯域幅を有する複数のセルを運用し、各セルにおけるトラヒック状況に基づいて計算された移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を報知し、
前記選択情報に基づいて、自局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するセル選択手段;
前記セル選択手段により選択された事前選択セルとの回線設定を行なう制御プレーン制御手段;
を備えることを特徴の1つとする。
このように構成することにより、移動局は、基地局から報知された選択確率に基づいて、自局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスするセルを選択し、アクセスすることができる。
本発明のセル選択方法は、
基地局が、自局が運用する所定の帯域幅を有する複数のセルの各セルにおけるトラヒック状況を測定する負荷測定ステップ;
前記基地局が、前記トラヒック状況に基づいて、移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を計算する選択確率計算ステップ;
前記基地局が、前記選択確率を報知する報知ステップ;
移動局が、前記選択情報に基づいて、前記事前選択セルを選択するセル選択ステップ;
移動局が、前記事前選択セルにアクセスするステップ;
前記移動局と前記事前選択セルとが回線接続を行なう制御プレーン制御ステップ;
を有することを特徴の1つとする。
このように構成することにより、基地局は、移動局に対して、待ち受けセルとは異なるセルにアクセスさせることができ、移動局は、基地局から報知された選択確率に基づいて、自局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスするセルを選択し、アクセスすることができる。
本発明の実施例によれば、複数キャリア運用時に報知情報やページングのオーバヘッドを削減でき、かつアイドルからアクティブへ移行する時間を短縮することができる基地局および移動局並びにセル選択方法を実現できる。
LTEにおけるバンドの増加を示す説明図である。 セルのタイプを示す説明図である。 セル、セルセット、セルレイヤを示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる移動通信システムの動作を示すフロー図である。 本発明の一実施例にかかる事前選択セルの選択方法を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかるシステム情報の一例を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかるシステム情報の一例を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかるシステム情報の一例を示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる移動局におけるリセレクションを示す説明図である。 本発明の一実施例にかかる基地局を示す部分ブロック図である。 本発明の一実施例にかかる移動局を示す部分ブロック図である。
符号の説明
100 基地局
102 送受共用部
104 ドミナントセル処理部
106、114、122、202 RF回路
108、116、124、208 ユーザプレーン処理部
110、118、126 負荷測定部
109 ページングチャネル生成部
112 ブロードキャストチャネル生成部
130 選択確率計算部
132、206 制御プレーン処理部
134 ネットワーク インタフェース
200 移動局
204 ブロードキャストチャネル受信部
210 ユーザ インタフェース
212 受信品質測定部
214 待ち受けセル受信品質測定部
216 事前選択セル受信品質測定部
218 閾値判定部
220 制御部
222 セル選択部
224 移動局能力記憶部
226 選択セル記憶部
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例にかかる基地局および移動局が適用される移動通信システムについて、図2を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムは、基地局(eNB: eNode B)と移動局(UE: User Equipment)とを備える。
基地局では、1または複数のバンドで、複数のキャリア、例えば20MHzのキャリア、10MHzのキャリア、5MHzのキャリアなどがオペレータにより運用される。例えば、LTEにより、ライセンスを受けた周波数帯が運用される。ここで、上述したように、バンドとは、LTEシステムが運用される周波数帯域を示し、例えば800MHz帯、2GHz帯である。また、キャリアとは、各周波数帯域で運用されるシステムの帯域幅を示し、LTEでは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHzおよび20MHzのいずれかに対応できることが要求されている。すなわち、1キャリアの帯域幅として、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHzおよび20MHzのいずれかが選択される。
図2には、1つのバンド内で、複数のキャリアが運用される例を示している。この例では、1つのバンド内で、20MHz、10MHz、5MHzおよび20MHzのキャリアが運用されている。キャリアはセルとも呼ばれる。
1つのバンドで運用される複数のキャリアのうち、あるキャリア、例えば20MHzのキャリアでのみ報知情報を送信するブロードキャストチャネル(BCH)と、ページングを送信するページングチャネル(PCH)が送信される。残りのキャリアでは、ページングチャネルは送信されず、ブロードキャストチャネルの送信は行われるが、該ブロードキャストチャネルで送信される情報は、必要最小限の情報に限られる。必要最小限の情報には、例えばシステムフレームナンバー(system frame number)、ランダムアクセス規制情報(dynamic persistence level for random access control)およびブロードキャストチャネルおよびページングチャネルを送信しているキャリアの位置を示す情報( associated dominant cell carrier frequency code)が含まれる。
上述したように、ブロードキャストチャネルとページングチャネルとを送信するキャリア、およびページングチャネルは送信せずに、ブロードキャストチャネルで必要最小限の情報を送信するキャリアとが存在する。この2種類のキャリア(セル)をそれぞれドミナントセル(dominanto cell)、およびサブオーディネートセル(subordinate cell)と呼ぶ。すなわち、ドミナントセルは、移動局がアイドル中に待ち受けることも、アクティブ中に通信することもできるセルであり、同期チャネル、ブロードキャストチャネル、ページングチャネル、その他のチャネルを送信できる。サブオーディネートセルは、移動局がアイドル中の待ち受けはできないが、アクティブ中に通信することができるセルであり、同期チャネル、ブロードキャストチャネルを送信できる。
また、同じ基地局で運用される同一バンドに含まれるセルの組をセルセットと呼ぶ。セルセットは、少なくとも1つのドミナントセルを含む。また、セルセットには1以上のサブオーディネートセルが含まれるようにしてもよい。
例えば、図3に示すように、1基の基地局(eNB1)があり、その基地局ではバンド A(Band A)とバンド B(Band B)が運用されている。さらに、バンド Aは3つのキャリア(セル)、すなわち、fA1、fA2およびfA3が運用され、バンド Bは2つのキャリア、すなわち、fB1およびfB2が運用されている。たとえば、fA1、fA2、fA3、fB1およびfB2の帯域幅は10MHzである。また、fA1、fA2、fA3、fB1およびfB2の帯域幅は、5MHzであってもよいし、20MHzであってもよい。
図3において、例えばfA1およびfB1がドミナントセルであり、fA2、fA3およびfB2がサブオーディネートセルである。また、同一バンド Aに含まれるセル、すなわちfA1、fA2およびfA3の組、および同一バンド Bに含まれるセル、すなわちfB1およびfB2の組がセルセット(Cell set)である。
また、基地局eNB1とは異なる場所に設置された少なくとも1基の基地局、例えばeNB2においても同様の運用が行なわれ、ドミナントセル、サブオーディネートセル、セルセットが定義される場合、同じキャリアの組をセルレイヤ(Cell layer)と呼ぶ。すなわち、セルレイヤとは、中心周波数(center frequency)と帯域幅(bandwidth)とが等しいセル同士をいう。
図3では、eNB1で運用されている、fA1、fA2、fA3、fB1およびfB2と、eNB2で運用されている、fA1、fA2、fA3、fB1およびfB2とをそれぞれ組にしてセルレイヤと呼ぶ。
次に、本実施例にかかる移動通信システムの動作について、図4を参照して説明する。本実施例においては、基地局100が、1つのドミナントセルおよびサブオーディネートセルを運用する場合について説明するが、複数のドミナントセルおよびサブオーディネートセルが運用される場合においても適用できる。
また、本実施例においては、移動局200が待ち受けを行うドミナントセルを待ち受けセル、移動局200が後述する選択確率に基づいて予め選択し、ランダムアクセスチャネルを送信し、イニシャルアクセス(initial access)を行うドミナントセルまたはサブオーディネートセルを事前選択セル(Pre−selected cell)と呼ぶ。事前選択セルは、アクセシングセルとも呼ばれる。また、移動局200が選択確率に基づいて、待ち受けセルを事前選択セルとして選択する場合もあるが、本実施例においては、待ち受けセルと事前選択セルとが異なる場合について説明する。
基地局は、ドミナントセルおよびサブオーディネートセルの選択確率を報知する(ステップS402)。選択確率は、ドミナントセルのみで報知される。
移動局200は、待ち受けセルで、待ち受けを行なう。移動局200は、待ち受けセルから送信された報知情報を受信し、該報知情報に含まれる選択確率にしたがって、イニシャルアクセスを行なうセル、すなわち事前選択セルとして、ドミナントセルおよびサブオーディネートセルのなかから、1つのセルを選択する。すなわち、移動局200は、待ち受けセルから報知された報知情報を受信し、該報知情報に含まれる選択確率に基づいて、現在待ち受けを行なっているセルとは別に、イニシャルアクセスを行なうセル(事前選択セル)を事前に選択する。待ち受けを行なうセルはドミナントセル、イニシャルアクセスはドミナントセルまたはサブオーディネートセルから選択される。
着信時の動作について説明する。
コアネットワークから送信されたデータは、アクセスゲートウエイ(aGW: access Gateway)、すなわち上位局にバッファされる(ステップS406)。このアクセスゲートウエイは、論理ノードの場合には、MME/UPEと呼ばれ、MMEが制御プレーン(C−plane)の論理ノード、UPEがユーザプレーン(U−Plane)の論理ノードである。
MMEは、移動局200を呼び出す。MMEは、移動局が位置登録した情報を保持しているため、どの基地局にページングすればよいか分かっているため、その基地局にページングを送信する(ステップS408)。
基地局100では、MME/UPEから送信されたページングに基づいて、待ち受けセルから移動局に対してページングが送信される。例えば、待ち受けセルは、ページングインジケータチャネルを送信し(ステップS410)、次に、ページングチャネルを送信する(ステップS412)。ページングチャネルには、国際移動加入者識別ID/(或いは)移動加入者識別ID(IMSI/TMSI: international mobile subscriber identifier/temporary mobile subscriber identifier)と、通信種別を示すcause IDなどが含まれる。
ページングチャネルを受信した移動局200は、自局のグローバルID、すなわちIMSI/TMSIが該ページングチャネルに含まれているか否かを判断し、含まれている場合に、事前選択セルに、ランダムアクセルチャネル(RACH: Randum Access CHannel)によりアクセスする(ステップS414)。移動局200は、アイドル中に、事前にアクセスするセルを選択しているので、どのセルにアクセスすべきか分かっている。すなわち、待ち受けセルではなく事前選択セルにアクセスする。この場合、事前選択セルと待ち受けセルとが異なる場合には、待ち受けセルとは異なる周波数でアクセスを行う。
その後の回線設定は、移動局200と事前選択セルとの間で行われる。
具体的には、移動局200は、ランダムアクセルチャネルを事前選択セルに送信する(ステップS414)。RACHには、例えば署名(signature)、CQI(Channel Quality Indicator)、目的(purpose)の情報が含まれる。
次に、事前選択セルは、RACHに対する応答(RACH response)を、移動局200に送信する(ステップS416)。RACH responseには、例えば署名、タイミング アドバンス(TA: Timing Advance)、C−RNTI(cell specific−Radio Network Temorary ID)、UL grantの情報が含まれる。
RACHに対する応答に基づいて、コネクションリクエストが上りリンクで送信されるが、LTEでは、上りリンクにおいても共有チャネルを使ってスケジューリングが行われることが想定されている。基地局100は、UL grantとして、タイムフレームと周波数ブロックと情報量を指示する。周波数ブロックはリソースブロックと呼ばれることも、上りではリソースユニットと呼ばれることもある。上りリンクでは、SC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)方式が適用されるため、複数のサブキャリアのうちの所定のサブキャリアにより構成されるリソースユニットが用意され、これらのリソースユニットのうち、使用するリソースユニットが指示される。
C−RNTIは、移動局を識別するためのRANで使用されるIDである。
タイミング アドバンスについて説明する。UL grantにより、上り共有チャネルで送信する、タイムフレームと周波数ブロックとが指示されるが、移動局のセル内における位置により、伝搬遅延が異なってくるため、同じタイミングで送信すると基地局100で受信できるタイミングがずれ、時間軸上で、タイムフレームが前後でかぶってしまう虞がある。そこで、所定のタイムフレーム内に受信タイミングが収まるように、送信タイミングを調整する必要がある。その送信タイミングを調整するための情報をタイミング アドバンスとよぶ。タイミング アドバンスは、例えばGSMシステムでも用いられている。
次に、移動局200は、接続要求(Conn. requset: Connection requset)を、事前選択セルに送信する(ステップS418)。
次に、事前選択セルは、接続要求(Conn. requset: Connection requset)を、MME/UPEに送信する(ステップS420)。
MME/UPEは、接続要求に基づいて、回線設定を行う。MME/UPEは、接続セットアップ(Conn. setup: Connection setup)を事前選択セルに送信する(ステップS422)。
事前選択セルは、移動局200に、接続セットアップを送信する(ステップS424)。
移動局200は、接続のセットアップを行い、接続セットアップが完了したことを示す接続セットアップ完了(Conn. setup complete: Connection setup complete)を事前選択セルに送信する(ステップS426)。
上述した手順のうち、ステップS414からステップS426は一例であり、ページングを受けるセルとイニシャルアクセスを行うセルとが異なる場合がある点を除いて、適宜変更可能である。例えば、MME/UPEからの応答(ステップS422)を待たずに基地局から移動局へのステップS424を実施する場合もある。
次に、発信の場合について説明する。
この場合、上述したステップS414以降の処理が行われる。すなわち、移動局200に対して発信操作が行われると、移動局200はRACHを事前選択セルに送信する。
次に、待ち受けセルが報知する選択確率の設定方法について説明する。
将来的に、Band A capable UEと、Band A+B capable UEが混在してくる。例えばBand A capable UEと、Band A+B capable UEが半々の割合で存在した場合に、選択確率を用いずに選択する場合、Band A capable UEは、Band Aを選択し、Band A+B capable UEは、Band Aと、Band Bを50:50の割合で選択する。この場合トータルでみると、Band Aと、Band Bとは75:25で選択されることになり、Band Aに偏ってしまうため好ましくない。
したがって、Band Aと、Band Bに負荷分散させるために、市場に出ている移動局の割合などに基づいて、選択確率を求める。例えば、Band A capable UEと、Band A+B capable UEとの割合が40%:60%であり、均等にロードバランシングを行う場合、Band Aを選択する確率をPr、Band Bを選択する確率をPrとすると(Pr=1−Pr)、0.4+0.6Pr=0.6Prを計算することにより、Pr=17%、Pr=83%となる。
したがって、Band A+B capable UEに対しては、Band Aを選択する確率を17%、Band Bを選択する確率を83%と判断するように報知することにより、負荷分散を実現できる。
また、Band Aが2つの10MHzの帯域幅を有するセルA1およびA2を有し、Band Bが1つの10MHzの帯域幅を有するセルを有する場合、同様の計算を行うことにより、Pr=44%、Pr=56%となる。さらに、具体的には、PrA1=22%、PrA2=22%、Pr=56%となる。
この選択確率は、一旦決定されれば、同じパラメータで所定の期間使用できる。
また、基地局100は、各セルにおける負荷状況、例えばドミナントセル、サブオーディネートセルにおける負荷状況を計算し、該負荷状況に基づいて選択確率を計算するようにしてもよい。実際、負荷状況はセルによって異なるし、瞬時によっても異なる。そのダイナミックな負荷の変動に基づいて、選択確率を計算する。
例えば、Band Aが2つのセルA1およびA2を有し、Band Bが1つのセルを有し、残りの無線リソース量が、A1:A2:B=3:1:2である場合、PrA1=33%、PrA2=11%、Pr=56%となる。
また、図5に示すように、あるバンドで、A、BおよびCのキャリア(セル)が運用され、セルAの帯域幅が20MHz、セルBの帯域幅が10MHz、セルCの帯域幅が5MHzである場合について説明する。残りの無線リソースの比は、セルA:セルB:セルC=4:2.5:3であり、負荷状況はA>B>Cである。
この状況で、移動局200の選択するセルについて説明する。
LTEでは、移動局の最低の送受信能力が10MHzに設定される。LTEでは、上述したようにセルの帯域幅として、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHzおよび20MHzのバンド幅に適用できるシステムにすることが要求される。例えば、オペレータが20MHzのライセンスを取れれば、20MHzのバンド幅で運用する。
この場合、10MHz以下の周波数帯、すなわち1.25MHz、2.5MHzおよび5MHz、10MHzの帯域幅で運用されているセルであれば、10MHzの送受信能力を有する移動局は問題なく通信できる。しかし、20MHzの帯域幅で運用されているセルでは、該20MHzの帯域の一部分を使用して通信を行うことになる。
したがって、20MHzの送受信能力を有する移動局は、キャリアAを選択するのが一番よい。キャリアAは一番混んでいる、すなわち負荷状況が最も大きいが、残りの無線リソース量4を使用できる。したがって、キャリアAを使用することにより、スループットが一番出る。次に、残りの無線リソースが2番目に大きいのはキャリアCであるのでキャリアCを選択するのがよい。最後に、キャリアBが選択されるのがよい。
一方、10MHzの送受信能力しかない移動局は、キャリアAを選択すると、残りの無線リソース量は4であるが、20MHzの帯域幅で運用されているため、半分しか使用できず、実際2しか使用できない場合もある。したがって、この場合、キャリアAの残り無線リソースは2とみなす必要がある。したがって、この場合、残りの無線リソースが3であるキャリアCを選択するのが一番よい。次に、残りの無線リソースが2番目に大きいのはキャリアBであるのでキャリアBを選択するのがよい。最後に、キャリアAが選択されるのがよい。
上述したように、移動局の送受信能力が10MHzであるのか20MHzであるのかで、同じ負荷状況でも、選択するセルが変わってくる。
したがって、移動局の能力の比に加えて、各セルのサポートする帯域幅を報知するようにしてもよい。すなわち、この場合、セルA=20MHz、セルB=10MHzおよびセルC=5MHzであるという情報を通知する。
したがって、選択確率、負荷状況、各セルの帯域幅を報知することにより、移動局は、最適なセルを選択できる。
次に、基地局100のドミナントセル(待ち受けセル)が選択確率とともに送信する報知情報について説明する。
(1)各バンド内でドミナントセルが少なくとも1つ存在し、残りはサブオーディネートセルである場合
例えば、トラヒックロードバランシングを行うため、イニシャルアクセスを行う上り信号を送信するセルを事前に選択する場合に相当する。
この場合、図6に示すように、セルレイヤの数(Number of cell layer)、セルレイヤ周波数コード数(Cell layer frequency code number)、セルレイヤ帯域幅(cell layer bandwidth)、選択確率(Selection ( initial access) probability)が通知される。
ここで、セルレイヤ帯域幅は、全レイヤが同じ帯域幅の場合には通知する必要はない。また、選択確率の代わりに負荷レベルを通知するようにしてもよい。
(2)各バンドをまとめて1つのセルセットとする場合
この場合、図7に示すように、バンドの数(Number of bands)、
バンドインジケータ(Band indicator)、バンドの選択確率(Band selection probability)、セルレイヤの数(Number of cell layers)、セルレイヤ周波数コード数(Cell layer frequency code number)、セルレイヤ帯域幅(cell layer bandwidth)、選択確率(Selection ( initial access) probability)が通知される。
ここで、セルレイヤの数は、各バンドに含まれるセルレイヤの数である。
(3)キャンプロードバランシングとトラフィックロードバランシングの両方を行う場合
例えば、Band AにセルA1、A2およびA3が含まれ、Band BにセルB1およびB2が含まれ、ドミナントセルがセルA1およびB1であり、サブオーディネートセルがセルA2、A3およびB2である場合、セルA1とセルB1との間で、キャンプロードバランシングを行う必要があり、セルA1、A2、A3、B1およびB2の間でトラヒックロードバランシングを行う必要がある。
したがって、この場合、ドミナントセルの情報とサブオーディネートセルの情報とが通知される。
この場合、図8に示すように、バンドの数(Number of bands)、バンドインジケータ(Band indicator)、バンドの選択確率(Band selection probability)、ドミナントセルレイヤの数(Number of dominant cell layers)、セルレイヤ周波数コード番号(Cell layer frequency code number)、セルレイヤ帯域幅(Cell layer bandwidth)、待ち受けセルの選択確率(Selection (camping)probability)、事前選択セルの候補となるセルの選択確率(Selection (initial access)probability、サブオーディネートセルレイヤの数(Number of subordinate cell layers)、セルレイヤ周波数コード番号(Cell layer frequency code number)、セルレイヤ帯域幅(cell layer bandwidth)、選択確率(Selection ( initial access) probability)が通知される。
次に、待ち受けセルと事前選択セルとが選択された状態で、移動局が他の基地局がカバーするエリアに移動する場合について、図9を参照して説明する。
3Gシステムの場合、複数のセルがある場合に、移動局は待ち受けするセルを選択するが、自局の移動にともない、他のセルに待ち受けするセルを変更する。
上述したように、待ち受けセル(camped cell)とは、そのセルでページングチャネルを受信、すなわちページングを受けるセルをいう。また、移動局が待ち受けセルを選択する処理をセル選択(セルセレクション)、移動局が移動中に待ち受けセルを選択し直す処理をセル再選択(リセレクション)と呼ぶ。
伝搬状況は瞬時に変化するため、伝搬状況が最もよいセルで待ち受けするのが無線効率的に一番よいが、そのようにするとリセレクションが頻繁に生じて、余計なバッテリを消費してしまう。3Gシステムでは、S−criteriaという閾値を用い、待ち受けしているセルをカバーする基地局から送信されているパイロット信号の受信レベルが、S−criteriaを下回るまではリセレクトをしないようにすることができる。
図9に示すように、基地局(eNB1)100と基地局(eNB2)100とがあり、各基地局は3セルレイヤを有する。そのうちの1つがドミナントセルであり、残りの2つがサブオーディネートセルである。ところが、これら3つの周波数が異なるため、伝搬状態が異なる場合がある。
移動局200は、太い破線で示されるドミナントセルに待ち受けをしている。また、移動局200は、選択確率に基づいて、細い破線で示されるサブオーディネートセルを事前選択セルとして設定している(1)。
移動局200が移動し、事前選択セルの受信品質が、所定の閾値、例えばS−criteria以下となり、これ以上受信品質が悪くなると伝搬状態が悪くてイニシャルアクセスできなく状態となる(2)。この場合、事前選択セルのリセレクションを行う必要がある。この場合、サブオーディネートセルのうち事前選択セルに設定されていない他のサブオーディネートセルにリセレクションする。また、ドミナントセルにリセレクションするようにしてもよい。
移動局200がさらに移動し、待ち受けセルの受信品質が、所定の閾値、例えばS−criteria以下となる(3)。ここで、待ち受けセルの変更が必要であると判断される。ここで、移動局200は周辺セルの受信品質を測定し、受信品質が最もよいセルをカバーする基地局、例えば基地局(eNB2)100に遷移する。すなわち、待ち受けセルを基地局(eNB2)100のドミナントセルに変更する。
また、移動局200は、待ち受けセルの変更にともない、事前選択セルの変更を行う。例えば、基地局100からの報知情報に基づいて、事前選択セルを選択する。また、遷移先セルにおいても遷移元セルと同様のセルレイヤ構成である場合には、同じセルレイヤに切替えるようにしてもよい。すなわち、中心周波数と帯域幅が変わらない場合、同じセルレイヤに属するセルを事前選択セルとしてリセレクトする。この場合、選択確率は変わってもよい。このようにすることにより、事前選択セルを測定して再選択する処理、すなわち周波数をスキャンする処理を省略できる。
また、待ち受けセルの変更が行われた場合に、遷移先の基地局から送信される報知情報に含まれる選択確率に基づいて、リセレクトするようにしてもよい。このようにすることにより、事前選択セルが伝搬状態のよいドミナントセルまたはサブオーディネートセルに偏ってしまうことを防止できる。
3Gシステムでは、待ち受けセルに対してのみS−criteriaを満たす必要があったが、本実施例においては、待ち受けセルに加え、事前選択セルに対しても受信品質の閾値を満たす必要がある。
この場合、受信品質の閾値、例えばS−criteriaを、待ち受けセルと事前選択セルとで同じ値としてもよいし、異なる値としてもよい。また、異なる値とする場合にレイヤ固有の閾値を設定するようにしてもよい。また、待ち受けセルに対する閾値を設定し、事前選択セルに対しては、測定した伝搬状態に基づいて、オフセットを設定し、該閾値とオフセットにより求められる値に基づいて、判断するようにしてもよい。
次に、本実施例にかかる基地局100の具体的構成について、図10を参照して説明する。
本実施例では、一例として、基地局は、バンド Aで、セルfA1、fA2およびfA3を運用する場合について説明するが、基地局が複数のバンドを運用する場合、各バンドにおいて複数のセル(キャリア)を運用する場合に適用できる。ここでは、セルfA1をドミナントセル、セルfA2およびfA3をサブオーディネートセルと呼ぶ。
基地局100は、アンテナを備える送受共用部102と、ドミナントセル処理部104と、サブオーディネート処理部120および128と、選択確率計算部130と、制御プレーン処理部132と、ネットワークインターフェース134とを備える。ドミナントセル処理部104、サブオーディネート処理部120および128では、それぞれ、中心周波数がfA1、fA2およびfA3のキャリアが運用される。
ドミナントセル処理部104は、RF回路106と、ユーザプレーン処理部108と、負荷測定部110と、ページングチャネル生成部109と、ブロードバンドチャネル生成部112とを備える。
サブオーディネートセル処理部120および128は、RF回路114および122と、ユーザプレーン処理部116および124と、負荷測定部118および126とを備える。
ドミナントセル処理部104は、移動局200が待ち受けを行なう待ち受けセルに関する処理および選択確率に応じて移動局200により選択される事前選択セルに関する処理を行う。
サブオーディネートセル処理部120および128は、選択確率に応じて移動局200により選択される事前選択セルに関する処理を行なう。
ユーザプレーン処理部108、116および124は、所定の周期でそれぞれ負荷測定部110、118および126に対し、負荷測定を行うように指示する。
負荷測定部110、118および126は、ユーザプレーン処理部108、116および124の指示に応じて、負荷測定を行い、その結果(負荷状況)を選択確率計算部130に入力する。
選択確率計算部130は、負荷測定部110、118および126により入力された負荷状況に基づいて、上述した方法により選択確率を計算し、ブロードキャストチャネル生成部112に入力する。
ブロードキャストチャネル生成部112は、入力された選択確率を含む報知チャネルを生成し、RF回路106に入力する。
RF回路106は、入力された報知チャネルを、送受共用部102を介して送信する。
ページングチャネル生成部109は、ページングインジケータチャネルおよびページングチャネルを生成し、RF回路106に入力する。
RF回路106は、入力されたページングインジケータチャネルおよびページングチャネルを、送受共用部102を介して送信する。
移動局200から送信されたRACHは、事前選択セルとして選択されたセルに応じて、ドミナントセル処理部104のRF回路106、サブオーディネートセル処理部120のRF回路114またはサブオーディネートセル処理部128のRF回路122のいずれかを介して、制御プレーン処理部132に入力される。
制御プレーン制御部132は、RRC(Radio Resource Control)、MAC(Medium Access Control)処理を行なう。具体的には、図4を参照して説明したステップS416、ステップS420およびステップS424に関する処理、例えば、C−RNTIを移動局に割り当て、TAおよびUL grantを指定し、コネクションリクエストをMME/UPEに送信し、コネクションセットアップを移動局200に送信する処理を行う。
移動局200から送信されたデータは、コネクション設定が行なわれた事前選択セルに受信される。例えば、事前選択セルとしてキャリア周波数fA2が運用されているセルが選択された場合、移動局200から送信されたデータは送受共用部102を介して、RF回路114に受信され、ユーザプレーン処理部116に入力される。
ユーザプレーン処理部116は、ユーザデータに関する処理を行う。例えば、受信データを、ネットワークインターフェース134を介して、受信側の移動局(外部)に送信する。また、例えば、ユーザデータのバッファリング、セグメンテーション、リアセンブリ、符号化、復号化、再送処理、パケット破棄処理、フローコントロールなどを行う。
次に、本実施例にかかる移動局200の具体的構成について、図11を参照して説明する。
移動局200は、RF回路202と、ブロードキャストチャネル受信部204と、制御プレーン処理部206と、ユーザプレーン処理部208と、ユーザI/F210と、受信品質測定部212と、セル選択部222と、移動局能力記憶部224と、選択セル記憶部226と、閾値判定部218と、制御部220とを備える。受信品質測定部212は、待ち受けセル受信品質測定部214と、事前選択セル受信品質測定部216とを備える。
基地局100から送信された選択確率を含む報知チャネルは、RF回路202を介してブロードキャストチャネル受信部204に入力される。
ブロードキャストチャネル受信部204は、報知チャネルに含まれる選択確率を抽出し、セル選択部222に入力する。
セル選択部222は、選択確率に基づいて、事前選択セルを選択する。この場合、自局の能力が記憶された移動局能力記憶部224を参照して事前選択セルを選択するようにしてもよい。また、基地局100から送信される報知チャネルに、は各セルのサポートする帯域幅(バンド幅)が通知される場合には、上述したように各セルのサポートする帯域幅に基づいて選択するようにしてもよい。
また、セル選択部222は、サービスに基づいて事前選択セルを選択するようにしてもよい。例えば、MBMS(Multimedia Broadcast/Multicast Service)を受信している場合、MBMSが送信されているセル、或いは該セルが含まれるバンドに属する他のセルを、事前選択セルとして選択する。例えば、待ち受けセルはfA1で,MBMSはfB2でサービスが行われている場合、セル選択部222は、MBMSを受信し、かつユニキャストサービスを平行して受けたい場合には、fA2、fA3を選択した場合、MBMSをfB2で受けることは困難である。したがって、fB1を選択するか、fB2でMBMSのキャリアの中でユニキャストのサービスを受けるようにする。
また、例えば、VoIP(Voice over Internet Protocol)のユーザを同じバンド/キャリアに固めてしまうようにしてもよい。VoIPは、低遅延が要求され、伝送レートが低い特徴を有する。このようなユーザに対して同じバンド/キャリアを選択するようにすることにより、無線効率を上げることができる。
また、例えば、融通の利くサービス、すなわち多少遅延が生じてもサービスを維持できるサービス、例えばウエブブラウジング、ファイルダウンロードと、融通の利かないサービス、例えばVoIP,ストリーミングとを全キャリアでバランスさせるように割り当てるようにしてもよい。
また、プレミアムユーザに対してカバレッジのよいセルを選択させるようにしてもよい。例えば、2GHz帯で運用されているセルと、800MHz帯で運用されているセルとでは、800MHz帯で運用されているセルの方が、一般的に伝搬状態がよくなる。したがって、プレミアムユーザに対し、事前選択セルとして800MHz帯で運用されているセルを選択させるようにする。
また、セル選択部222は、トラヒックロードに基づいて事前選択セルを選択するようにしてもよい。例えば、上述したように残りのリソース量、送信電力に基づいて事前選択セルを選択する。また、例えば、上述したサービスのタイプ別のトラヒックロードに基づいて事前選択セルを選択する。
また、セル選択部222は、移動局200の移動速度に基づいて事前選択セルを選択するようにしてもよい。例えば、高速移動している移動局であればセル数が少なく、セル半径の大きくカバレッジが大きいセルを事前選択セルとする。一方、低速移動している移動局であれば、セル半径の小さく、セル数の多いレイヤを事前選択セルとする。
セル選択部222は、事前選択セルに関する情報、例えば、図6−図8を参照して説明した情報を選択セル記憶部226に記憶する。また、選択セル記憶部226には、待ち受けセルに関する情報も記憶されている。
制御部220は、選択セル記憶部226に記憶された情報に基づいて、周波数の設定などを行う。また、閾値判定部218の判定結果により待ち受けセル及び/或いは事前選択セルの再選択が必要となった場合は、受信品質測定部212に対して他セルサーチを実行させ、他セルを測定させるように制御する。更には、セル選択部222に再選択を実行させるよう、制御する。
一方、ブロードキャストチャネル受信部204は、選択確率以外の情報を制御プレーン制御部206に入力する。制御プレーン制御部206は、入力された情報に基づいて、ページングチャネルに対する応答、すなわちRACHを、RF回路202を介して、事前選択セルに送信する処理を行う。その後、上述したように、事前選択セルとの間で回線設定を行う。
ユーザプレーン制御部208は、制御プレーン制御部206にしたがった処理を行い、送信データを、RF回路202を介して送信する。また、RF回路202を介して受信データを受信する。
また、受信品質測定部212は、周期的にセルの受信品質の測定を行い、受信品質情報を閾値判定部218に入力する。具体的には、待ち受けセル受信品質測定部214により待ち受けセルの受信品質の測定が行われ、事前選択セル受信品質測定部216により事前選択セルの受信品質の測定が行われる。また、制御部220から指定された場合に他セルサーチを行い、他セルを測定する。測定結果をセル選択部222に渡してセル選択/再選択の材料を提供する。
閾値判定部218は、入力された受信品質を予め設定された閾値、例えばS−criteriaとを比較し、入力された受信品質が該閾値以下となったか否かを判断する。閾値判定部218は、入力された受信品質が該閾値以下となった場合、制御部220に通知する。制御部220は、受信品質が該閾値以下となったことが通知された場合、事前選択セルの受信品質が閾値以下となった場合には、他の受信品質のよいセルを新たな事前選択セルに指定する。また、待ち受けセルの受信品質が閾値以下となった場合には、他のドミナントセルのうち、受信品質のよいドミナントセルを新たな待ち受けセルに指定する。具体的には、RF回路202に対して周波数を変更するコマンドを入力し、周辺セルサーチを行う。
周波数を変更するコマンドにしたがって、RF回路202は、周波数の変更を行う。受信品質測定部212は、周辺セルの受信品質を測定し、セル選択部222に入力する。セル選択部222は、選択確率、受信品質に基づいて、待ち受けセルを選択し、その待ち受けセルに関する情報を選択セル記憶部226に入力する。制御部220は、選択セル記憶部226に記憶された待ち受けセルに関する情報にしたがって、RF回路202に対し周波数の設定を行い、また制御プレーン処理部206に対し、バンド幅の指定などを行う。
本実施例によれば、移動局は、基地局から通知された選択確率に基づいて、イニシャルアクセスを行う事前選択セルを選択できるため、複数キャリア運用時に待ち受けセルを限定しつつ、アイドルからアクティブへ移行する際の遅延を短縮することができる。待ち受けセルを限定できるため、報知情報、ページングのオーバヘッドを削減できる。
説明の便宜上、本発明を幾つかの実施例に分けて説明したが、各実施例の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例が必要に応じて使用されてよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明したが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
本国際出願は、2006年8月22日に出願した日本国特許出願2006−225920号に基づく優先権を主張するものであり、2006−225920号の全内容を本国際出願に援用する。
本発明にかかる基地局および移動局並びにセル選択方法は、無線通信システムに適用できる。

Claims (11)

  1. 所定の帯域幅を有する複数のセルを運用し、
    各セルにおけるトラヒック状況を測定する負荷測定手段;
    前記トラヒック状況に基づいて、移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を計算する選択確率計算手段;
    前記選択確率を報知する報知手段;
    前記移動局がアクセスした前記事前選択セルとの回線接続を行なう制御プレーン制御手段;
    を備えることを特徴とする基地局。
  2. 請求項1に記載の基地局において:
    前記選択確率計算手段は、移動局の対応できる周波数帯域および帯域幅のうち少なくとも一方を示す移動局能力情報に基づいて、前記選択確率を計算することを特徴とする基地局。
  3. 請求項1に記載の基地局において:
    前記選択確率計算手段は、各セルにおける残りの無線リソースに基づいて、前記選択確率を計算することを特徴とする基地局。
  4. 基地局は、所定の帯域幅を有する複数のセルを運用し、各セルにおけるトラヒック状況に基づいて計算された移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を報知し、
    前記選択情報に基づいて、自局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するセル選択手段;
    前記セル選択手段により選択された事前選択セルとの回線設定を行なう制御プレーン制御手段;
    を備えることを特徴とする移動局。
  5. 請求項4に記載の移動局において:
    前記複数のセルは、移動局がアイドル中の待ち受けおよびアクティブ中に通信ができるドミナントセルと、移動局がアクティブ中に通信ができるサブオーディネートセルにより構成され、
    前記セル選択手段は、前記ドミナントセルにより報知された選択確率に基づいて、ドミナントセルおよびサブオーディネートセルの中から、事前選択セルを選択することを特徴とする移動局。
  6. 請求項4に記載の移動局において:
    前記選択確率を報知する待ち受けセルと、前記事前選択セルにおける受信品質を測定する受信品質測定手段;
    前記待ち受けセルおよび前記事前選択セルにおける受信品質が所定の閾値を満たすか否かを判断する閾値判定手段;
    を備え、
    前記セル選択手段は、前記待ち受けセルにおける受信品質が所定の閾値を満たさない場合に、前記待ち受けセルおよび前記事前選択セルを再選択することを特徴とする移動局。
  7. 請求項6に記載の移動局において:
    前記セル選択手段は、選択確率に基づいて、待ち受けセルおよび事前選択セルを選択することを特徴とする移動局。
  8. 請求項6に記載の移動局において:
    前記セル選択手段は、前記事前選択セルにおける受信品質が所定の閾値を満たさない場合に、前記事前選択セルを再選択することを特徴とする移動局。
  9. 請求項6に記載の移動局において:
    前記待ち受けセルにおける受信品質に対する閾値と、前記事前選択セルにおける受信品質に対する閾値とは、異なる値であることを特徴とする移動局。
  10. 請求項6に記載の移動局において:
    前記事前選択セルにおける受信品質に対する閾値は、前記待ち受けセルにおける受信品質に対する閾値に所定のオフセットを加えた値であることを特徴とする移動局。
  11. 基地局が、自局が運用する所定の帯域幅を有する複数のセルの各セルにおけるトラヒック状況を測定する負荷測定ステップ;
    前記基地局が、前記トラヒック状況に基づいて、移動局がアイドルからアクティブに遷移する場合にアクセスする事前選択セルを選択するための選択確率を計算する選択確率計算ステップ;
    前記基地局が、前記選択確率を報知する報知ステップ;
    移動局が、前記選択情報に基づいて、前記事前選択セルを選択するセル選択ステップ;
    移動局が、前記事前選択セルにアクセスするステップ;
    前記移動局と前記事前選択セルとが回線接続を行なう制御プレーン制御ステップ;
    を有することを特徴とするセル選択方法。
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