JPWO2008015787A1 - 文書処理装置及び文書処理方法 - Google Patents

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Abstract

文書処理装置100は、文書中のデータを処理して所定の機能を発現するための汎用的な部品として利用可能な処理モジュールであるテーブル表示用AVCコンポーネント3010、チャート表示用AVCコンポーネント3020、UIパーツ表示用AVCコンポーネント3030、ツリー表示用AVCコンポーネント3040を備える。AVCコンポーネント切替部3050は、同一のデータに対して異なる複数のAVCコンポーネントを切り替えて適用可能とする。

Description

本発明は、文書処理技術に関し、特に、マークアップ言語により記述された文書を処理する文書処理装置及び方法に関する。
XMLは、ネットワークなどを介して他者とデータを共有するのに適した形式として注目されており、XML文書を作成、表示、編集するためのアプリケーションが開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−290804号公報
ボキャブラリは、任意に定義することが許されており、理論上、無限に多くのボキャブラリが存在しうる。これらのボキャブラリの全てに対応して専用の表示・編集環境を提供するのは現実的ではない。従来、専用の編集環境が用意されていないボキャブラリにより記述された文書を編集する場合、テキストデータにより構成された文書のソースを直接テキストエディタなどで編集していたが、本出願人は、任意のボキャブラリで記述されたXML文書を編集可能な環境の開発に成功した。そして、更に利便性の高いXML文書の処理技術の開発を目指している。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、マークアップ言語により記述された文書を処理する際の、ユーザの利便性を向上させる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、文書処理装置に関する。この文書処理装置は、文書中のデータを処理して所定の機能を発現するための汎用的な部品として利用可能な複数の処理モジュールと、同一の前記データに対して異なる複数の前記処理モジュールを切り替えて適用可能とする切替部と、を備えることを特徴とする。
前記文書は、マークアップ言語により記述され、前記処理モジュールが処理可能なタグセットの構成要素を含んでもよく、前記構成要素を処理するために、その構成要素が属するタグセットを処理可能な前記処理モジュールが起動されてもよい。
前記切替部は、前記処理モジュールを切り替えるときに、前記構成要素を、切替元の処理モジュールが処理可能なタグセットの構成要素から、切替先の処理モジュールが処理可能なタグセットの構成要素に書き換えてもよい。
文書処理装置は、前記処理モジュールの動作に必要なパラメータの設定を受け付けるプロパティ設定部を更に備えてもよく、前記プロパティ設定部は、受け付けた前記パラメータを、前記構成要素又はその子孫の構成要素の要素値又は属性値として前記文書に記述してもよい。
前記プロパティ設定部は、前記処理モジュールを切り替えるときに、切替元の処理モジュールと切替先の処理モジュールとの間で共通に使用されるパラメータの設定を、切替元の処理モジュールから切替先の処理モジュールへ継承させて自動的に設定してもよい。
前記プロパティ設定部は、前記処理モジュールが処理する前記文書中のデータの型の設定を受け付けてもよい。前記プロパティ設定部は、前記処理モジュールが前記文書中のデータを画面に表示する際に、そのデータのラベルとして表示するテキストデータの設定を受け付け、前記データのラベルとして表示するテキストデータがユーザから設定されない場合は、そのデータの要素名をラベルとして設定してもよい。
本発明の別の態様は、文書処理方法に関する。この文書処理方法は、文書中のデータを処理して所定の機能を発現するための汎用的な部品として利用可能な複数の処理モジュールのうちいずれかを前記文書中のデータに適用するステップと、別の前記処理モジュールを、同一の前記文書中のデータに対して切り替えて適用するステップと、を含むことを特徴とする。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、マークアップ言語により構造化されたデータを適切に処理する技術を提供することができる。
前提技術に係る文書処理装置の構成を示す図である。 文書処理装置により編集されるXML文書の例を示す図である。 図2に示したXML文書をHTMLで記述された表にマッピングする例を示す図である。 図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す図である。 図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す図である。 図2に示したXML文書を、図3に示した対応によりHTMLにマッピングして表示した画面の例を示す図である。 ユーザが定義ファイルを生成するために、定義ファイル生成部がユーザに提示するグラフィカルユーザインターフェースの例を示す図である。 定義ファイル生成部により生成された画面レイアウトの他の例を示す図である。 文書処理装置によるXML文書の編集画面の一例を示す図である。 文書処理装置により編集されるXML文書の他の例を示す図である。 図9に示した文書を表示した画面の例を示す図である。 文書処理システムの基本構成を示す図である。 文書処理システム全体のブロック図を示す図である。 文書処理システム全体のブロック図を示す図である。 文書管理部の詳細を示す図である。 ボキャブラリコネクションサブシステムの詳細を示す図である。 プログラム起動部と他の構成の関係の詳細を示す図である。 プログラム起動部によりロードされたアプリケーションサービスの構造の詳細を示す図である。 コアコンポーネントの詳細を示す図である。 文書管理部の詳細を示す図である。 アンドゥフレームワークとアンドゥコマンドの詳細を示す図である。 文書処理システムにおいて文書がロードされる様子を示す図である。 文書とその表現の例を示す図である。 モデルとコントローラの関係を示す図である。 プラグインサブシステム、ボキャブラリコネクション、及びコネクタの詳細を示す図である。 VCDファイルの例を示す図である。 文書処理システムにおいて複合文書をロードする手順を示す図である。 文書処理システムにおいて複合文書をロードする手順を示す図である。 文書処理システムにおいて複合文書をロードする手順を示す図である。 文書処理システムにおいて複合文書をロードする手順を示す図である。 文書処理システムにおいて複合文書をロードする手順を示す図である。 コマンドの流れを示す図である。 図30(a)(b)(c)は、処理対象となるXML文書のデータ構造の例を示す図である。 図31(a)(b)は、ポインタ情報の例を示す図である。 図32(a)(b)は、DOMの変更を通知する仕組みを説明するための図である。 第1の実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す図である。 文書の編集画面の例を示す図である。 スケジュール用のビューテンプレートが起動された状態の編集画面を示す図である。 第2の実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す図である。 AVCコンポーネントのプロパティが挿入されたXML文書の例を示す図である。 第2の実施の形態に係る文書処理方法の手順を示す図である。 AVCコンポーネントにより表示された画面の例を示す図である。 第3の実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す図である。 第3の実施の形態に係る文書処理方法の手順を示す図である。 第4の実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す図である。 テーブル表示用AVCコンポーネントのAVCプロパティが挿入された文書の例を示す図である。 図43に示した文書に記述されたAVCプロパティの内容を示す図である。 図43に示した文書に記述されたAVCプロパティの内容を示す図である。 図43に示した文書を表示した画面の例を示す図である。 AVCコンポーネントにより生成されたビューの領域でマウスを右クリックしたときに表示されるメニューを示す図である。 AVCコンポーネント切替部により表示されたダイアログ画面の例を示す図である。 AVCプロパティ設定部により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す図である。 AVCプロパティ設定部により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す図である。 AVCプロパティ設定部により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す図である。 AVCプロパティ設定部により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す図である。 AVCプロパティ設定部により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す図である。 チャート表示用AVCコンポーネントに切り替えたときの表示画面の例を示す図である。 図43に示した文書が、AVCコンポーネントを切り替えることにより変更された様子を示す図である。 図55に示した文書に記述されたAVCプロパティの内容を示す図である。 図55に示した文書に記述されたAVCプロパティの内容を示す図である。 図55に示した文書に記述されたAVCプロパティの内容を示す図である。 図55に示した文書に記述されたAVCプロパティの内容を示す図である。 図49に示した散布図のデータを設定するための画面において、Y軸のデータを変更したときの画面を示す図である。 Y軸のデータのデータ型を変更したときの画面を示す図である。
符号の説明
20 文書処理装置、22 主制御ユニット、24 編集ユニット、27 概念解決エンジン、28 通知部、30 DOMユニット、32 DOM提供部、34 DOM生成部、36 出力部、40 CSSユニット、42 CSS解析部、44 CSS提供部、46 レンダリング部、50 HTMLユニット、52,62 制御部、54,64 編集部、56,66 表示部、60 SVGユニット、70 ビューテンプレート制御ユニット、71 取得部、72 提示部、74 受付部、76 編集部、78 ビューテンプレート、80 VCユニット、82 マッピング部、84 定義ファイル取得部、86 定義ファイル生成部、100 文書処理装置、3000 AVC制御ユニット、3002 AVCプロパティ設定部、3004 AVCプロパティ生成部、3006 定義ファイル生成部、3010 テーブル表示用AVCコンポーネント、3020 チャート表示用AVCコンポーネント、3030 UIパーツ表示用AVCコンポーネント、3040 ツリー表示用AVCコンポーネント、3050 AVCコンポーネント切替部。
(前提技術)
図1は、前提技術に係る文書処理装置20の構成を示す。文書処理装置20は、文書内のデータが階層構造を有する複数の構成要素に分類された構造化文書を処理するが、本前提技術では構造化文書の一例としてXML文書を処理する例について説明する。文書処理装置20は、主制御ユニット22、編集ユニット24、DOMユニット30、CSSユニット40、HTMLユニット50、SVGユニット60、及び変換部の一例であるVCユニット80を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
主制御ユニット22は、プラグインのロードや、コマンド実行のフレームワークを提供する。編集ユニット24は、XML文書を編集するためのフレームワークを提供する。文書処理装置20における文書の表示及び編集機能は、プラグインにより実現されており、文書の種別に応じて必要なプラグインが主制御ユニット22又は編集ユニット24によりロードされる。主制御ユニット22又は編集ユニット24は、処理対象となるXML文書の名前空間を参照して、XML文書がいずれのボキャブラリにより記述されているかを判別し、そのボキャブラリに対応した表示又は編集用のプラグインをロードして表示や編集を実行させる。例えば、文書処理装置20には、HTML文書の表示及び編集を行うHTMLユニット50、SVG文書の表示及び編集を行うSVGユニット60など、ボキャブラリ(タグセット)ごとに表示系及び編集系がプラグインとして実装されており、HTML文書を編集するときはHTMLユニット50が、SVG文書を編集するときはSVGユニット60が、それぞれロードされる。後述するように、HTMLとSVGの双方の構成要素を含む複合文書が処理対象となっている場合は、HTMLユニット50とSVGユニット60の双方がロードされる。
このような構成によれば、ユーザは、必要な機能のみを選択してインストールし、後から適宜機能を追加又は削除することができるので、プログラムを格納するハードディスクなどの記録媒体の記憶領域を有効に活用することができ、また、プログラム実行時にも、メモリの浪費を防ぐことができる。また、機能拡張性に優れており、開発主体としても、プラグインの形で新たなボキャブラリに対応することが可能なので開発が容易となり、ユーザとしても、プラグインの追加により容易かつ低コストにて機能を追加することができる。
編集ユニット24は、ユーザインターフェースを介してユーザから編集指示のイベントを受け付け、そのイベントを適切なプラグインなどに通知するともに、イベントの再実行(リドゥ)又は実行の取消(アンドゥ)などの処理を制御する。
DOMユニット30は、DOM提供部32、DOM生成部34、及び出力部36を含み、XML文書をデータとして扱うときのアクセス方法を提供するために定められた文書オブジェクトモデル(Document Object Model:DOM)に準拠した機能を実現する。DOM提供部32は、編集ユニット24に定義されているインタフェースを満たすDOMの実装である。DOM生成部34は、XML文書からDOMツリーを生成する。後述するように、処理対象となるXML文書が、VCユニット80により他のボキャブラリにマッピングされる場合は、マッピング元のXML文書に対応するソースツリーと、マッピング先のXML文書に対応するデスティネーションツリーが生成される。出力部36は、例えば編集終了時に、DOMツリーをXML文書として出力する。
CSSユニット40は、CSS解析部42、CSS提供部44、及びレンダリング部46を含み、CSSに準拠した表示機能を提供する。CSS解析部42は、CSSの構文を解析するパーサの機能を有する。CSS提供部44は、CSSオブジェクトの実装であり、DOMツリーに対してCSSのカスケード処理を行う。レンダリング部46は、CSSのレンダリングエンジンであり、CSSを用いてレイアウトされるHTMLなどのボキャブラリで記述された文書の表示に用いられる。
HTMLユニット50は、HTMLにより記述された文書を表示又は編集する。SVGユニット60は、SVGにより記述された文書を表示又は編集する。これらの表示/編集系は、プラグインの形で実現されており、それぞれ、文書を表示する表示部(Canvas)56、66、編集指示を含むイベントを送受信する制御部(Editlet)52、62、編集コマンドを受けてDOMに対して編集を行う編集部(Zone)54、64を備える。制御部52又は62が外部からDOMツリーの編集コマンドを受け付けると、編集部54又は64がDOMツリーを変更し、表示部56又は66が表示を更新する。これらは、MVC(Model-View-Controller)と呼ばれるフレームワークに類似する構成をとっており、概ね、表示部56及び66が「View」に、制御部52及び62が「Controller」に、編集部54及び64とDOMの実体が「Model」に、それぞれ対応する。本前提技術の文書処理装置20では、XML文書をツリー表示形式で編集するだけでなく、それぞれのボキャブラリに応じた編集を可能とする。例えば、HTMLユニット50は、HTML文書をワードプロセッサに類似した方式で編集するためのユーザインターフェースを提供し、SVGユニット60は、SVG文書を画像描画ツールに類似した方式で編集するためのユーザインターフェースを提供する。
VCユニット80は、マッピング部82、定義ファイル取得部84、及び定義ファイル生成部86を含み、あるボキャブラリにより記述された文書を、他のボキャブラリにマッピングすることにより、マッピング先のボキャブラリに対応した表示編集用プラグインで文書を表示又は編集するためのフレームワークを提供する。本前提技術では、この機能を、ボキャブラリコネクション(Vocabulary Connection:VC)と呼ぶ。定義ファイル取得部84は、マッピングの定義を記述したスクリプトファイルを取得する。この定義ファイルは、ノードごとに、ノード間の対応(コネクション)を記述する。このとき、各ノードの要素値や属性値の編集の可否を指定してもよい。また、ノードの要素値や属性値を用いた演算式を記述してもよい。これらの機能については、後で詳述する。マッピング部82は、定義ファイル取得部84が取得したスクリプトファイルを参照して、DOM生成部34にデスティネーションツリーを生成させ、ソースツリーとデスティネーションツリーの対応関係を管理する。定義ファイル生成部86は、ユーザが定義ファイルを生成するためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。
VCユニット80は、ソースツリーとデスティネーションツリーの間のコネクションを監視し、表示を担当するプラグインにより提供されるユーザインタフェースを介してユーザから編集指示を受け付けると、まずソースツリーの該当するノードを変更する。DOMユニット30が、ソースツリーが変更された旨のミューテーションイベントを発行すると、VCユニット80は、そのミューテーションイベントを受けて、ソースツリーの変更にデスティネーションツリーを同期させるべく、変更されたノードに対応するデスティネーションツリーのノードを変更する。デスティネーションツリーを表示/編集するプラグイン、例えばHTMLユニット50は、デスティネーションツリーが変更された旨のミューテーションイベントを受けて、変更されたデスティネーションツリーを参照して表示を更新する。このような構成により、少数のユーザにより利用されるローカルなボキャブラリにより記述された文書であっても、他のメジャーなボキャブラリに変換することで、文書を表示することができるとともに、編集環境が提供される。
文書処理装置20により文書を表示又は編集する動作について説明する。文書処理装置20が処理対象となる文書を読み込むと、DOM生成部34が、そのXML文書からDOMツリーを生成する。また、主制御ユニット22又は編集ユニット24は、名前空間を参照して文書を記述しているボキャブラリを判別する。そのボキャブラリに対応したプラグインが文書処理装置20にインストールされている場合は、そのプラグインをロードして、文書を表示/編集させる。プラグインがインストールされていない場合は、マッピングの定義ファイルが存在するか否かを確認する。定義ファイルが存在する場合、定義ファイル取得部84が定義ファイルを取得し、その定義に従って、デスティネーションツリーが生成され、マッピング先のボキャブラリに対応するプラグインにより文書が表示/編集される。複数のボキャブラリを含む複合文書である場合は、後述するように、それぞれのボキャブラリに対応したプラグインにより、文書の該当箇所がそれぞれ表示/編集される。定義ファイルが存在しない場合は、文書のソース又はツリー構造を表示し、その表示画面において編集が行われる。
図2は、処理対象となるXML文書の例を示す。このXML文書は、生徒の成績データを管理するために用いられる。XML文書のトップノードである構成要素「成績」は、配下に、生徒ごとに設けられた構成要素「生徒」を複数有する。構成要素「生徒」は、属性値「名前」と、子要素「国語」、「数学」、「理科」、「社会」を有する。属性値「名前」は、生徒の名前を格納する。構成要素「国語」、「数学」、「理科」、「社会」は、それぞれ、国語、数学、理科、社会の成績を格納する。例えば、名前が「A」である生徒の国語の成績は「90」、数学の成績は「50」、理科の成績は「75」、社会の成績は「60」である。以下、この文書で使用されているボキャブラリ(タグセット)を、「成績管理ボキャブラリ」と呼ぶ。
本前提技術の文書処理装置20は、成績管理ボキャブラリの表示/編集に対応したプラグインを有しないので、この文書をソース表示、ツリー表示以外の方法で表示するためには、前述したVC機能が用いられる。すなわち、成績管理ボキャブラリを、プラグインが用意された別のボキャブラリ、例えば、HTMLやSVGなどにマッピングするための定義ファイルを用意する必要がある。ユーザ自身が定義ファイルを作成するためのユーザインターフェースについては後述することにして、ここでは、既に定義ファイルが用意されているとして説明を進める。
図3は、図2に示したXML文書をHTMLで記述された表にマッピングする例を示す。図3の例では、成績管理ボキャブラリの「生徒」ノードを、HTMLにおける表(「TABLE」ノード)の行(「TR」ノード)に対応づけ、各行の第1列には属性値「名前」を、第2列には「国語」ノードの要素値を、第3列には「数学」ノードの要素値を、第4列には「理科」ノードの要素値を、第5列には「社会」ノードの要素値を、それぞれ対応付ける。これにより、図2に示したXML文書を、HTMLの表形式で表示することができる。また、これらの属性値及び要素値は、編集可能であることが指定されており、ユーザがHTMLによる表示画面上で、HTMLユニット50の編集機能により、これらの値を編集することができる。第6列には、国語、数学、理科、社会の成績の加重平均を算出する演算式が指定されており、生徒の成績の平均点が表示される。このように、定義ファイルに演算式を指定可能とすることにより、より柔軟な表示が可能となり、編集時のユーザの利便性を向上させることができる。なお、第6列は、編集不可であることが指定されており、平均点のみを個別に編集することができないようにしている。このように、マッピング定義において、編集の可否を指定可能とすることにより、ユーザの誤操作を防ぐことができる。
図4(a)及び図4(b)は、図2に示したXML文書を図3に示した表にマッピングするための定義ファイルの例を示す。この定義ファイルは、定義ファイル用に定義されたスクリプト言語により記述される。定義ファイルには、コマンドの定義と、表示のテンプレートが記述されている。図4(a)(b)の例では、コマンドとして、「生徒の追加」と「生徒の削除」が定義されており、それぞれ、ソースツリーにノード「生徒」を挿入する操作と、ソースツリーからノード「生徒」を削除する操作が対応付けられている。また、テンプレートとして、表の第1行に「名前」、「国語」などの見出しが表示され、第2行以降に、ノード「生徒」の内容が表示されることが記述されている。ノード「生徒」の内容を表示するテンプレート中、「text-of」と記述された項は「編集可能」であることを意味し、「value-of」と記述された項は「編集不可能」であることを意味する。また、ノード「生徒」の内容を表示する行のうち、第6列には、「(src:国語 + src:数学 + src:理科 + src:社会) div 4」という計算式が記述されており、生徒の成績の平均が表示されることを意味する。
図5は、図2に示した成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を、図3に示した対応によりHTMLにマッピングして表示した画面の例を示す。表90の各行には、左から、各生徒の名前、国語の成績、数学の成績、理科の成績、社会の成績、及び平均点が表示されている。ユーザは、この画面上で、XML文書を編集することができる。たとえば、第2行第3列の値を「70」に変更すると、このノードに対応するソースツリーの要素値、すなわち、生徒「B」の数学の成績が「70」に変更される。このとき、VCユニット80は、デスティネーションツリーをソースツリーに追従させるべく、デスティネーションツリーの該当箇所を変更し、HTMLユニット50が、変更されたデスティネーションツリーに基づいて表示を更新する。したがって、画面上の表においても、生徒「B」の数学の成績が「70」に変更され、更に、平均点が「55」に変更される。
図5に示した画面には、図4(a)(b)に示した定義ファイルに定義されたように、「生徒の追加」及び「生徒の削除」のコマンドがメニューに表示される。ユーザがこれらのコマンドを選択すると、ソースツリーにおいて、ノード「生徒」が追加又は削除される。このように、本前提技術の文書処理装置20では、階層構造の末端の構成要素の要素値を編集するのみではなく、階層構造を編集することも可能である。このようなツリー構造の編集機能は、コマンドの形でユーザに提供されてもよい。また、例えば、表の行を追加又は削除するコマンドが、ノード「生徒」を追加又は削除する操作に対応づけられてもよい。また、他のボキャブラリを埋め込むコマンドがユーザに提供されてもよい。この表を入力用テンプレートとして、穴埋め形式で新たな生徒の成績データを追加することもできる。以上のように、VC機能により、HTMLユニット50の表示/編集機能を利用しつつ、成績管理ボキャブラリで記述された文書を編集することが可能となる。
図6は、ユーザが定義ファイルを生成するために、定義ファイル生成部86がユーザに提示するグラフィカルユーザインタフェースの例を示す。画面左側の領域91には、マッピング元のXML文書がツリー表示されている。画面右側の領域92には、マッピング先のXML文書の画面レイアウトが示されている。この画面レイアウトは、HTMLユニット50により編集可能となっており、ユーザは、画面右側の領域92において、文書を表示するための画面レイアウトを作成する。そして、例えば、マウスなどのポインティングデバイスにより、画面左側の領域91に表示されたマッピング元のXML文書のノードを、画面右側の領域92に表示されたHTMLによる画面レイアウト中へドラッグ&ドロップ操作を行うことにより、マッピング元のノードと、マッピング先のノードとのコネクションが指定される。例えば、要素「生徒」の子要素である「数学」を、HTML画面の表90の第1行第3列にドロップすると、「数学」ノードと、3列目の「TD」ノードの間にコネクションが張られる。各ノードには、編集の可否が指定できるようになっている。また、表示画面中には、演算式を埋め込むこともできる。画面の編集が終わると、定義ファイル生成部86は、画面レイアウトとノード間のコネクションを記述した定義ファイルを生成する。
XHTML、MathML、SVGなどの主要なボキャブラリに対応したビューワやエディタは既に開発されているが、図2に示した文書のようなオリジナルなボキャブラリで記述された文書に対応したビューワやエディタを開発するのは現実的でない。しかし、上記のように、他のボキャブラリにマッピングするための定義ファイルを作成すれば、ビューワやエディタを開発しなくても、VC機能を利用して、オリジナルなボキャブラリで記述された文書を表示・編集することができる。
図7は、定義ファイル生成部86により生成された画面レイアウトの他の例を示す。図7の例では、成績管理ボキャブラリで記述されたXML文書を表示するための画面に、表90と、円グラフ93が作成されている。この円グラフ93は、SVGにより記述される。後述するように、本前提技術の文書処理装置20は、一つのXML文書内に複数のボキャブラリを含む複合文書を処理することができるので、この例のように、HTMLで記述された表90と、SVGで記述された円グラフ93とを、一つの画面上に表示することができる。
図8は、文書処理装置20によるXML文書の編集画面の一例を示す。図8の例では、一つの画面が複数に分割されており、それぞれの領域において、処理対象となるXML文書を異なる複数の表示形式により表示している。領域94には、文書のソースが表示されており、領域95には、文書のツリー構造が表示されており、領域96には、図5に示したHTMLにより記述された表が表示されている。これらのいずれの画面上においても、文書の編集が可能であり、いずれかの画面上でユーザが編集を行うと、ソースツリーが変更され、それぞれの画面の表示を担当するプラグインが、ソースツリーの変更を反映すべく画面を更新する。具体的には、ソースツリーの変更を通知するミューテーションイベントのリスナーとして、それぞれの編集画面の表示を担当するプラグインの表示部を登録しておき、いずれかのプラグイン又はVCユニット80によりソースツリーが変更されたときに、編集画面を表示中の全ての表示部が、発行されたミューテーションイベントを受け取って画面を更新する。このとき、プラグインがVC機能により表示を行っている場合は、VCユニット80がソースツリーの変更に追従してデスティネーションツリーを変更した後、変更されたデスティネーションツリーを参照してプラグインの表示部が画面を更新する。
例えば、ソース表示及びツリー表示を、専用のプラグインにより実現している場合は、ソース表示用プラグインとツリー表示用プラグインは、デスティネーションツリーを用いず、直接ソースツリーを参照して表示を行う。この場合、いずれかの画面において編集が行われると、ソース表示用プラグインとツリー表示用プラグインは、変更されたソースツリーを参照して画面を更新し、領域96の画面を担当しているHTMLユニット50は、ソースツリーの変更に追従して変更されたデスティネーションツリーを参照して画面を更新する。
ソース表示及びツリー表示は、VC機能を利用して実現することもできる。すなわち、ソース、ツリー構造をHTMLによりレイアウトし、そのHTMLにXML文書をマッピングして、HTMLユニット50により表示してもよい。この場合、ソース形式、ツリー形式、表形式の3つのデスティネーションツリーが生成されることになる。いずれかの画面において編集が行われると、VCユニット80は、ソースツリーを変更した後、ソース形式、ツリー形式、表形式の3つのデスティネーションツリーをそれぞれ変更し、HTMLユニット50は、それらのデスティネーションツリーを参照して、3つの画面を更新する。
このように、一つの画面上に複数の表示形式で文書を表示することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザは、ソース表示又はツリー表示により文書の階層構造を把握しつつ、表90などを用いて視覚的に分かりやすい形式で文書を表示し、編集することができる。上記の例では、一つの画面を分割して複数の表示形式による画面を同時に表示したが、一つの画面に一つの表示形式による画面を表示し、表示形式をユーザの指示により切り替え可能としてもよい。この場合、主制御ユニット22が、ユーザから表示形式の切り替え要求を受け付け、各プラグインに指示して表示を切り替える。
図9は、文書処理装置20により編集されるXML文書の他の例を示す。図9に示したXML文書では、SVG文書の「foreignObject」タグの中にXHTML文書が埋め込まれており、さらに、XHTML文書の中にMathMLで記述された数式が入っている。このような場合、編集ユニット24が、名前空間を参照して、適切な表示系に描画作業を振り分ける。図9の例では、編集ユニット24は、まず、SVGユニット60に四角形を描画させ、つづいて、HTMLユニット50にXHTML文書を描画させる。さらに、図示しないMathMLユニットに、数式を描画させる。こうして、複数のボキャブラリを包含する複合文書が適切に表示される。表示結果を図10に示す。
文書編集中、カーソル(キャリッジ)の位置に応じて、表示されるメニューを切り替えてもよい。すなわち、カーソルが、SVG文書が表示された領域内に存在するときは、SVGユニット60が提供するメニュー、又はSVG文書をマッピングするための定義ファイルに定義されたコマンドを表示し、カーソルが、XHTML文書が表示された領域内に存在するときは、HTMLユニット50が提供するメニュー、又はXHTML文書をマッピングするための定義ファイルに定義されたコマンドを表示する。これにより、編集位置に応じて適切なユーザインターフェースを提供することができる。
複合文書において、あるボキャブラリに対応する適切なプラグイン又はマッピング定義ファイルがなかった場合は、そのボキャブラリにより記述された部分は、ソース表示又はツリー表示されてもよい。従来、ある文書に他の文書を埋め込んだ複合文書を開くとき、埋め込まれた文書を表示するアプリケーションがインストールされていないと、その内容を表示することができなかったが、本前提技術では、表示用のアプリケーションが存在しなくても、テキストデータにより構成されたXML文書をソース表示又はツリー表示することにより内容を把握することができる。これは、テキストベースであるXMLなどの文書ならではの特徴といえる。
データがテキストベースで記述されることの他の利点として、例えば、複合文書中の、あるボキャブラリにより記述される部分において、同一文書内の他のボキャブラリで記述された部分のデータを参照してもよい。また、文書内で検索を実行する時に、SVGなどの図に埋め込まれた文字列も検索対象とすることができる。
あるボキャブラリにより記述された文書内に、他のボキャブラリのタグを用いてもよい。このXML文書は、妥当(valid)ではないが、整形式(well-formed)であれば、有効なXML文書として処理可能である。この場合、挿入された他のボキャブラリのタグは、定義ファイルによりマッピングされてもよい。例えば、XHTML文書中に、「重要」、「最重要」などのタグを使用し、これらのタグで囲まれた部分を強調表示してもよいし、重要度の順にソートして表示してもよい。
図10に示した編集画面において、ユーザにより文書が編集されると、編集された部分を担当するプラグイン又はVCユニット80がソースツリーを変更する。ソースツリーには、ノードごとにミューテーションイベントのリスナーを登録できるようになっており、通常は、各ノードが属するボキャブラリに対応したプラグインの表示部又はVCユニット80がリスナーとして登録される。DOM提供部32は、ソースツリーが変更されると、変更されたノードから上位の階層へたどって、登録されたリスナーがあれば、そのリスナーへミューテーションイベントを発行する。例えば、図9に示した文書において、<html>ノードの下位のノードが変更された場合、<html>ノードにリスナーとして登録されたHTMLユニット50にミューテーションイベントが通知されるとともに、その上位の<svg>ノードにリスナーとして登録されたSVGユニット60にもミューテーションイベントが通知される。このとき、HTMLユニット50は、変更されたソースツリーを参照して表示を更新する。SVGユニット60は、自身のボキャブラリに属するノードが変更されていないので、ミューテーションイベントを無視してもよい。
編集の内容によっては、HTMLユニット50による表示の更新に伴って、全体のレイアウトが変わる可能性がある。この場合は、画面のレイアウトを管理する構成、例えば最上位のノードの表示を担当するプラグインにより、プラグインごとの表示領域のレイアウトが更新される。例えば、HTMLユニット50による表示領域が以前より大きくなった場合、HTMLユニット50は、まず自身の担当する部分を描画して、表示領域の大きさを決定する。そして、画面のレイアウトを管理する構成に、変更後の表示領域の大きさを通知し、レイアウトの更新を依頼する。画面のレイアウトを管理する構成は、通知を受けて、プラグインごとの表示領域を再レイアウトする。こうして、編集された部分の表示が適切に更新されるとともに、画面全体のレイアウトが更新される。
つづいて、前提技術の文書処理装置20を実現する機能構成について更に詳細に説明する。以下の説明では、クラス名などを記載する際には、英字をそのまま用いて記載することにする。
A.概要
インターネットの出現により、ユーザによって処理され管理される文書の数が、ほぼ指数関数的に増加してきた。インターネットの核を形成するウェブ(World Wide Web)は、そのような文書データの大きな受け皿となっている。ウェブは、文書に加えて、このような文書の情報検索システムを提供する。これらの文書は、通常、マークアップ言語により記述される。マークアップ言語のシンプルかつポピュラーな例の一つにHTML(HyperText Markup Language)がある。このような文書は、ウェブの他の位置に格納されている他の文書へのリンクをさらに含む。XML(eXtensible Markup Language)は、さらに高度でポピュラーなマークアップ言語である。ウェブ文書にアクセスし、閲覧するためのシンプルなブラウザが、Java(登録商標)のようなオブジェクト指向のプログラミング言語で開発されている。
マークアップ言語により記述された文書は、通常、ブラウザや他のアプリケーションの中では、ツリーデータ構造の形で表現される。この構造は、文書を構文解析した結果のツリーに相当する。DOM(Document Object Model)は、文書を表現し、操作するために使用される、よく知られたツリーベースのデータ構造モデルである。DOMは、HTMLやXML文書などを含む文書を表現するための標準的なオブジェクトのセットを提供する。DOMは、文書内のコンポーネントを表現するオブジェクトがどのようにつながっているかという標準モデルと、それらのオブジェクトにアクセスしたり操作したりするための標準インタフェイスという、2つの基本的なコンポーネントを含む。
アプリケーション開発者は、独自のデータ構造やAPI(Application Program Interface)へのインタフェイスとしてDOMをサポートすることができる。他方、文書を作成するアプリケーション開発者は、彼らのAPIの独自インタフェイスではなく、DOMの標準インタフェイスを使用することができる。したがって、標準を提供するというその能力により、DOMは、様々な環境、特にウェブにおいて、文書の相互利用を促進させるために有効である。DOMのいくつかのバージョンが定義されており、異なるプログラミング環境及びアプリケーションによって使用されている。
DOMツリーは、対応するDOMの内容に基づいた文書の階層的表現である。DOMツリーは「根(ルート)」、及びルートから発生する1つ以上の「節(ノード)」を含む。ルートが文書全体を表す場合もある。中間のノードは、例えば、テーブル及びそのテーブル中の行及び列のような要素を表すことができる。DOMツリーの「葉」は、通常、それ以上分解できないテキストや画像のようなデータを表す。DOMツリーの各ノードは、フォント、サイズ、色、インデントなど、ノードによって表される要素のパラメータを記述する属性に関連付けられてもよい。
HTMLは、文書を作成するために一般に用いられる言語であるが、フォーマット及びレイアウト用の言語であり、データ記述のための言語ではない。HTMLドキュメントを表現するDOMツリーのノードは、HTMLのフォーマッティングタグとして予め定義されたエレメントであって、通常、HTMLは、データの詳述や、データのタギング/ラベリングのための機能を提供しないので、HTMLドキュメント中のデータに対するクエリを定式化することは多くの場合困難である。
ネットワーク設計者たちの目指すものは、ウェブ上の文書がソフトウェアアプリケーションによってクエリされたり処理されたりできるようにすることである。表示方法とは無関係で、階層的に構造化された言語であれば、そのようにクエリされ処理されることができる。XML(eXtensible Markup Language)のようなマークアップ言語は、これらの特徴を提供することができる。
HTMLとは逆に、XMLのよく知られた利点は、文書の設計者が自由に定義可能な「タグ」を使用して、データ要素にラベルを付けることが可能である点である。このようなデータ要素は、階層的に構造化することができる。さらに、XML文書は、文書内で用いられるタグ及びそれらの相互関係の「文法」を記述した文書型定義を含むことができる。構造化されたXML文書の表示方法を定義するために、CSS(Cascading Style Sheet)又はXSL(XML Style Language)が使用される。DOM、HTML、XML、CSS、XSL及び関連する言語の特徴に関する付加的な情報は、ウェブからも得ることができる。(例えば、http://www.w3.org/TR/)
Xpathは、XML文書の部分の位置を指定するために共通のシンタックス及びセマンティクスを提供する。機能性の例として、XML文書に対応するDOMツリーのトラバース(移動)がある。それは、XML文書の様々な表現に関連した文字列、数、及びブーリアン文字の操作のための基本的な機能を提供する。Xpathは、XML文書の見た目のシンタックス、例えば、テキストとしてみたときに何行目であるとか何文字目であるとかといった文法ではなく、DOMツリーなどの抽象的・論理的な構造において動作する。Xpathを使用することにより、例えばXML文書のDOMツリー内の階層的構造を通じて場所を指定することができる。アドレシングのための使用の他に、Xpathは、DOMツリー中のノードがパターンにマッチするか否かをテストするために使用されるようにも設計されている。XPathに関する更なる詳細は、http://www.w3.org/TR/xpathで得ることができる。
XMLの既知の利点及び特徴により、マークアップ言語(例えばXML)で記述された文書を扱うことができ、文書を作成及び修正するためのユーザフレンドリーなインタフェイスを提供することができる、効果的な文書処理システムが求められる。
ここで説明されるシステムの構成のうちのいくつかは、MVC(Model-View-Controller)と呼ばれる、よく知られたGUI(Graphical User Interface)パラダイムを用いて説明される。MVCパラダイムは、アプリケーション又はアプリケーションのインタフェイスの一部を、3つの部分、すなわち、モデル、ビュー、コントローラに分割する。MVCは、元は、GUIの世界に、従来の入力、処理、出力の役割を割り当てるために開発された。
[入力] → [処理] → [出力]
[コントローラ]→ [モデル] → [ビュー]
MVCパラダイムによれば、外界のモデリング、ユーザへの視覚的なフィードバック、及びユーザの入力は、モデル(M)、ビュー(V)、及びコントローラ(C)オブジェクトにより分離されて扱われる。コントローラは、ユーザからのマウスとキーボード入力のような入力を解釈し、これらのユーザアクションを、適切な変更をもたらすためにモデル及び/又はビューに送られるコマンドにマップするように作用する。モデルは、1以上のデータ要素を管理するように作用し、その状態に関するクエリに応答し、状態を変更する指示に応答する。ビューは、ディスプレイの長方形の領域を管理するように作用し、グラフィクスとテキストの組合せによりユーザにデータを提示する機能を有する。
B.文書処理システムの全体構成
文書処理システムの実施例は、図11−29に関連して明らかにされる。
図11(a)は、後述するタイプの文書処理システムの基礎として機能する要素の従来の構成例を示す。構成10は、通信経路13によりメモリ12に接続されたCPU又はマイクロプロセッサ11などの形式のプロセッサを含む。メモリ12は、現在又は将来に利用可能な任意のROM及び/又はRAMの形式であってもよい。通信経路13は、典型的にはバスとして設けられる。マウス、キーボード、音声認識システムなどのユーザ入力装置14及び表示装置15(又は他のユーザインタフェイス)に対する入出力インタフェイス16も、プロセッサ11とメモリ12の通信のためのバスに接続される。この構成は、スタンドアロンであってもよいし、複数の端末及び1以上のサーバが接続されてネットワーク化された形式であってもよいし、既知のいかなる方式により構成されてもよい。本発明は、これらのコンポーネントの配置、集中又は分散されたアーキテクチャー、あるいは様々なコンポーネントの通信方法により制限されない。
さらに、本システム及びここで議論される実施例は、様々な機能性を提供するいくつかのコンポーネント及びサブコンポーネントを含むものとして議論される。これらのコンポーネント及びサブコンポーネントは、注目された機能性を提供するために、ハードウェアとソフトウェアの組合せだけでなく、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみによっても実現されうる。さらに、ハードウェア、ソフトウェア、及びそれらの組合せは、汎用の計算装置、専用のハードウェア、又はそれらの組合せにより実現されうる。したがって、コンポーネント又はサブコンポーネントの構成は、コンポーネント又はサブコンポーネントの機能性を提供するための特定のソフトウェアを実行する汎用/専用の計算装置を含む。
図11(b)は、文書処理システムの一例の全体のブロック図を示す。このような文書処理システムにおいて文書が生成され編集される。これらの文書は、例えばXMLなど、マークアップ言語の特徴を有する任意の言語により記述されてもよい。また、便宜上、特定のコンポーネント及びサブコンポーネントの用語及び表題を創造した。しかしながら、これらは、この開示の一般的な教示の範囲を制限するために解釈されるべきではない。
文書処理システムは、2つの基本的な構成を有するものととらえることができる。第1の構成は、文書処理システムが動作する環境である「実行環境」101である。例えば、実行環境は、文書の処理中及び管理中に、ユーザだけでなくシステムも支援する、基本的なユーティリティ及び機能を提供する。第2の構成は、実行環境において走るアプリケーションから構成される「アプリケーション」102である。これらのアプリケーションは、文書自身及び文書の様々な表現を含む。
1.実行環境
実行環境101のキーとなるコンポーネントはProgramInvoker(プログラムインボーカ:プログラム起動部)103である。ProgramInvoker103は、文書処理システムを起動するためにアクセスされる基本的なプログラムである。例えば、ユーザが文書処理システムにログオンして開始するとき、ProgramInvoker103が実行される。ProgramInvoker103は、例えば、文書処理システムにプラグインとして加えられた機能を読み出して実行させたり、アプリケーションを開始して実行させたり、文書に関連するプロパティを読み出すことができる。ProgramInvoker103の機能はこれらに限定されない。ユーザが実行環境内で実行されるように意図されたアプリケーションを起動したいとき、ProgramInvoker103は、そのアプリケーションを見つけ、それを起動して、アプリケーションを実行する。
ProgramInvoker103には、プラグインサブシステム104、コマンドサブシステム105、及びResource(リソース)モジュール109などのいくつかのコンポーネントがアタッチされている。これらの構成については、以下に詳述する。
a)プラグインサブシステム
プラグインサブシステム104は、文書処理システムに機能を追加するための高度に柔軟で効率的な構成として使用される。プラグインサブシステム104は、また、文書処理システムに存在する機能を修正又は削除するために使用することができる。さらに、種々様々の機能をプラグインサブシステムを使用して追加又は修正することができる。例えば、画面上への文書の描画を支援するように作用するEditlet(エディットレット:編集部)機能を追加することもできる。Editletプラグインは、システムに追加されるボキャブラリの編集も支援する。
プラグインサブシステム104は、ServiceBroker(サービスブローカ:サービス仲介部)1041を含む。ServiceBroker1041は、文書処理システムに加えられるプラグインを管理することにより、文書処理システムに加えられるサービスを仲介する。
所望の機能性を実現する個々の機能は、Service(サービス)1042の形でシステムに追加される。利用可能なService1042のタイプは、Application(アプリケーション)サービス、ZoneFactory(ゾーンファクトリ:ゾーン生成部)Service、Editlet(エディットレット:編集部)Service、CommandFactory(コマンドファクトリ:コマンド生成部)Service、ConnectXPath(コネクトXPath:XPath管理部)Service、CSSComputation(CSSコンピューテーション:CSS計算部)Serviceなどを含むが、これらに限定されない。これらのService、及びシステムの他の構成とそれらとの関係は、文書処理システムについてのよりよい理解のために、以下に詳述される。
プラグインとServiceの関係は以下の通りである。プラグインは、1以上のServiceProvider(サービスプロバイダ:サービス提供部)を含むことができるユニットである。それぞれのServiceProviderは、それに関連したServiceの1以上のクラスを有する。例えば、適切なソフトウェアアプリケーションを有する単一のプラグインを使用することにより、1以上のServiceをシステムに追加することができ、これにより、対応する機能をシステムに追加することができる。
b)コマンドサブシステム
コマンドサブシステム105は、文書の処理に関連したコマンドの形式の命令を実行するために使用される。ユーザは、一連の命令を実行することにより、文書に対する操作を実行することができる。例えば、ユーザは、コマンドの形で命令を発行することにより、文書処理システム中のXML文書に対応するXMLのDOMツリーを編集し、XML文書を処理する。これらのコマンドは、キーストローク、マウスクリック、又は他の有効なユーザインタフェイスアクションを使用して入力されてもよい。1つのコマンドにより1以上の命令が実行されることもある。この場合、これらの命令が1つのコマンドにラップ(包含)され、連続して実行される。例えば、ユーザが、誤った単語を正しい単語に置換したいとする。この場合、第1の命令は、文書中の誤った単語を発見することであり、第2の命令は、誤った単語を削除することであり、第3の命令は、正しい単語を挿入することであってもよい。これらの3つの命令が1つのコマンドにラップされてもよい。
コマンドは、関連した機能、例えば、後で詳述する「アンドゥ」機能を有してもよい。これらの機能は、オブジェクトを生成するために使用されるいくつかの基本クラスにも割り当てられてもよい。
コマンドサブシステム105のキーとなるコンポーネントは、選択的にコマンドを与え、実行するように作用するCommandInvoker(コマンドインボーカ:コマンド起動部)1051である。図11(b)には、1つのCommandInvokerのみが示されているが、1以上のCommandInvokerが使用されてもよく、1以上のコマンドが同時に実行されてもよい。CommandInvoker1051は、コマンドを実行するために必要な機能及びクラスを保持する。動作において、実行されるべきCommand(コマンド:命令)1052は、Queue(キュー)1053に積まれる。CommandInvokerは、連続的に実行するコマンドスレッドを生成する。CommandInvoker内で既に実行中のCommandがなければ、CommandInvoker1051により実行されるように意図されたCommand1052が実行される。CommandInvokerが既にコマンドを実行している場合、新しいCommandは、Queue1053の最後に積まれる。しかしながら、それぞれのCommandInvoker1051では、一度に1つのCommandのみが実行される。指定されたCommandの実行に失敗した場合、CommandInvoker1051は例外処理を実行する。
CommandInvoker1051により実行されるCommandの型は、UndoableCommand(取消可能コマンド)1054、AsynchronousCommand(非同期コマンド)1055、及びVCCommand(VCコマンド)1056を含むが、これらに限定されない。UndoableCommand1054は、ユーザが望めば、そのCommandの結果を取り消すことが可能なCommandである。UndoableCommandの例として、切り取り、コピー、テキストの挿入、などがある。動作において、ユーザが文書の一部を選択し、その部分に切り取りコマンドを適用するとき、UndoableCommandを用いることにより、切り取られた部分は、必要であれば、「切り取られていない」ようにすることができる。
VCCommand1056は、ボキャブラリコネクション記述子(Vocabulary Connection Descriptor:VCD)スクリプトファイルに格納される。これらは、プログラマにより定義されうるユーザ指定のCommandである。Commandは、例えば、XMLフラグメントを追加したり、XMLフラグメントを削除したり、属性を設定したりするための、より抽象的なCommandの組合せであってもよい。これらのCommandは、特に、文書の編集に焦点を合わせている。
AsynchronousCommand1055は、文書のロードや保存など、システムよりのCommandであり、UndoableCommandやVCCommandとは別に、非同期的に実行される。AsynchronousCommandは、UndoableCommandではないので、取り消すことはできない。
c)リソース
Resource109は、様々なクラスに、いくつかの機能を提供するオブジェクトである。例えば、ストリングリソース、アイコン、及びデフォルトキーバインドは、システムで使用されるResourceの例である。
2.アプリケーションコンポーネント
文書処理システムの第2の主要な特徴であるアプリケーションコンポーネント102は、実行環境101において実行される。アプリケーションコンポーネント102は、実際の文書と、システム内における文書の様々な論理的、物理的な表現を含む。さらに、アプリケーションコンポーネント102は、文書を管理するために使用されるシステムの構成を含む。アプリケーションコンポーネント102は、さらに、UserApplication(ユーザアプリケーション)106、アプリケーションコア108、ユーザインタフェイス107、及びCoreComponent(コアコンポーネント)110を含む。
a)ユーザアプリケーション
UserApplication106は、ProgramInvoker103と共にシステム上にロードされる。UserApplication106は、文書と、文書の様々な表現と、文書と対話するために必要なユーザインタフェイスとをつなぐ接着剤となる。例えば、ユーザが、プロジェクトの一部である文書のセットを生成したいとする。これらの文書がロードされると、文書の適切な表現が生成される。ユーザインタフェイス機能は、UserApplication106の一部として追加される。言いかえれば、UserApplication106は、ユーザがプロジェクトの一部を形成する文書と対話することを可能とする文書の表現と、文書の様々な態様とを、共に保持する。一旦UserApplication106が生成されると、ユーザがプロジェクトの一部を形成する文書との対話を望むたびに、ユーザは簡単に実行環境上にUserApplication106をロードすることができる。
b)コアコンポーネント
CoreComponent110は、複数のPane(ペイン)の間で文書を共有する方法を提供する。後で詳述するように、Paneは、DOMツリーを表示し、画面の物理的なレイアウトを扱う。例えば、物理的な画面は、個々の情報の断片を描写する画面内の複数のPaneからなる。ユーザから画面上に見える文書は、1又はそれ以上のPaneに出現しうる。また、2つの異なる文書が画面上で2つの異なるPaneに現れてもよい。
図11(c)に示されるように、画面の物理的なレイアウトもツリーの形式になっている。Paneは、RootPane(ルートペイン)1084にもなり得るし、SubPane(サブペイン)1085にもなり得る。RootPane1084は、Paneのツリーの根に当たるPaneであり、SubPane1085は、RootPane1084以外の任意のPaneである。
CoreComponent110は、さらに、フォントを提供し、ツールキットなど、文書のための複数の機能的な操作のソースの役割を果たす。CoreComponent110により実行されるタスクの一例に、複数のPane間におけるマウスカーソルの移動がある。実行されるタスクの他の例として、あるPane中の文書の一部をマークし、それを異なる文書を含む別のPane上にコピーする。
c)アプリケーションコア
上述したように、アプリケーションコンポーネント102は、システムにより処理され管理される文書から構成される。これは、システム内における文書の様々な論理的及び物理的な表現を含む。アプリケーションコア108は、アプリケーションコンポーネント102の構成である。その機能は、実際の文書を、それに含まれる全てのデータとともに保持することである。アプリケーションコア108は、DocumentManager(ドキュメントマネージャ:文書管理部)1081及びDocument(ドキュメント:文書)1082自身を含む。
DocumentManager1081の様々な態様を以下に詳述する。DocumentManager1081は、Document1082を管理する。DocumentManager1081は、RootPane1084、SubPane1085、ClipBoard(クリップボード)ユーティリティ1087、及びSnapShot(スナップショット)ユーティリティ1088にも接続される。ClipBoardユーティリティ1087は、ユーザがクリップボードに加えることを決定した文書の部分を保持する方法を提供する。例えば、ユーザが、文書の一部を切り取り、後で再考するために新規文書にそれを保存することを望んだとする。このような場合、切り取られた部分がClipBoardに追加される。
つづいて、SnapShotユーティリティ1088についても説明する。SnapShotユーティリティ1088は、アプリケーションがある状態から別の状態まで移行するときに、アプリケーションの現在の状態を記憶することを可能とする。
d)ユーザインタフェイス
アプリケーションコンポーネント102の別の構成は、ユーザがシステムと物理的に対話する手段を提供するユーザインタフェイス107である。例えば、ユーザインタフェイスは、ユーザが文書をアップロードしたり、削除したり、編集したり、管理したりするために使用される。ユーザインタフェイスは、Frame(フレーム)1071、MenuBar(メニューバー)1072、StatusBar(ステータスバー)1073、及びURLBar(URLバー)1074を含む。
Frame1071は、一般に知られているように、物理的な画面のアクティブな領域であるとみなされる。MenuBar1072は、ユーザに選択を提供するメニューを含む画面領域である。StatusBar1073は、アプリケーションの実行状態を表示する画面領域である。URLBar1074は、インターネットをナビゲートするためにURLアドレスを入力する領域を提供する。
C.文書管理及び関連するデータ構造
図12は、DocumentManager1081の詳細を示す。これは、文書処理システム内で文書を表現するために用いられるデータ構造及び構成を含む。分かりやすくするために、このサブセクションで説明される構成は、MVCパラダイムを用いて説明される。
DocumentManager1081は、文書処理システム内にある全ての文書を保持しホストするDocumentContainer(ドキュメントコンテナ:文書コンテナ)203を含む。DocumentManager1081にアタッチされたツールキット201は、DocumentManager1081により使用される様々なツールを提供する。例えば、DomService(DOMサービス)は、文書に対応するDOMを生成し、保持し、管理するために必要とされる全ての機能を提供するために、ツールキット201により提供されるツールである。ツールキット201により提供される別のツールであるIOManager(入出力管理部)は、システムへの入力及びシステムからの出力を管理する。同様に、StreamHandler(ストリームハンドラ)は、ビットストリームによる文書のアップロードを扱うツールである。これらのツールは、図中に特に示さず、参照番号を割り当てないが、ツールキット201のコンポーネントを形成する。
MVCパラダイムの表現によれば、モデル(M)は、文書のDOMツリーモデル202を含む。前述したように、全ての文書は、文書処理システムにおいてDOMツリーとして表現される。文書は、また、DocumentContainer203の一部を形成する。
1.DOMモデル及びゾーン
文書を表現するDOMツリーは、Node(ノード)2021を有するツリーである。DOMツリーの部分集合であるZone(ゾーン)209は、DOMツリー内の1以上のNodeの関連領域を含む。例えば、画面上で文書の一部のみを表示し得るが、この可視化された文書の一部はZone209を用いて表示される。Zoneは、ZoneFactory(ゾーンファクトリ:ゾーン生成部)205と呼ばれるプラグインを用いて、生成され、取り扱われ、処理される。ZoneはDOMの一部を表現するが、1以上の「名前空間」を使用してもよい。よく知られているように、名前空間は、名前空間内でユニークな名前の集合である。換言すれば、名前空間内に同じ名前は存在しない。
2.Facet及びFacetとZoneとの関係
Facet(ファセット)2022は、MVCパラダイムのモデル(M)部分内の別の構成である。Facetは、ZoneにおいてNodeを編集するために使用される。Facet2022は、Zone自身の内容に影響を与えずに実行することができる手続(プロシージャ)を使用して、DOMへのアクセスを編成する。次に説明するように、これらの手続は、Nodeに関連した重要で有用な操作を実行する。
各Nodeは、対応するFacetを有する。DOMの中のNodeを直接操作する代わりに、操作を実行するためにFacetを使用することによって、DOMの保全性は保護される。操作がNode上で直接実行される場合、いくつかのプラグインがDOMを同時に変更することができ、その結果矛盾を引き起こす。
W3Cが策定したDOMの標準規格は、Nodeを操作するための標準的なインタフェイスを定義するが、実際には、ボキャブラリごと又はNodeごとに特有の操作があるので、これらの操作をAPIとして用意しておくのが好都合である。文書処理システムでは、このような各Nodeに特有のAPIをFacetとして用意し、各Nodeにアタッチする。これにより、DOMの標準規格に準拠しつつ、有用なAPIを付加することができる。また、ボキャブラリごとに特有のDOMを実装するのではなく、標準的なDOMの実装に、後から特有のAPIを付加するようにすることで、多様なボキャブラリを統一的に処理することができるともに、複数のボキャブラリが任意の組合せで混在した文書を適切に処理することができる。
ボキャブラリは、名前空間に属するタグ(例えばXMLのタグ)のセットである。上述したように、名前空間は、ユニークな名前(ここではタグ)のセットを有する。ボキャブラリは、XML文書を表現するDOMツリーのサブツリーとして現れる。このサブツリーはZoneを含む。特定の例においては、タグセットの境界はZoneによって定義される。Zone209は、ZoneFactory205と呼ばれるServiceを利用して生成される。上述したように、Zone209は、文書を表現するDOMツリーの一部の内部表現である。このような文書の一部へのアクセスを提供するために、論理的な表現が要求される。この論理的表現は、文書が画面上で論理的にどのように表現されるかについてコンピュータに通知する。Canvas(キャンバス)210は、Zoneに対応する論理的なレイアウトを提供するように作用するServiceである。
他方、Pane211は、Canvas210により提供される論理的なレイアウトに対応する物理的な画面レイアウトである。実際、ユーザは表示画面上で文字や画像によって文書のレンダリングのみを見る。したがって、文書は、画面上に文字や画像を描画するプロセスにより、画面上に描写されなければならない。文書は、Pane211により提供される物理的なレイアウトに基づいて、Canvas210により画面上に描写される。
Zone209に対応するCanvas210は、Editlet206を使用して生成される。文書のDOMは、Editlet206及びCanvas210を使用して編集される。元の文書の完全性を維持するために、Editlet206及びCanvas210は、Zone209における1以上のNodeに対応するFacetを使用する。これらのServiceは、Zone及びDOM内のNodeを直接操作しない。Facetは、Command207を利用して操作される。
ユーザは、一般に、画面上のカーソルを移動させたり、コマンドをタイプしたりすることによって、画面と対話する。画面上の論理的なレイアウトを提供するCanvas210は、このカーソル操作を受け付ける。Canvas210は、対応するアクションをFacetに実行させることができる。この関係により、カーソルサブシステム204は、DocumentManager1081に対して、MVCパラダイムのコントローラ(C)として機能する。Canvas210は、イベントを扱うタスクも有する。例えば、Canvas210は、マウスクリック、フォーカス移動、及びユーザにより起こされた同様のアクションなどのイベントを扱う。
3.Zone、Facet、Canvas及びPaneの間の関係の概要
文書処理システム内の文書は、少なくとも4つの観点から見ることができる。すなわち、1)文書処理システムにおいて文書の内容及び構造を保持するために用いられるデータ構造、2)文書の保全性に影響を与えずに文書の内容を編集する手段、3)文書の画面上の論理的なレイアウト、4)文書の画面上の物理的なレイアウト、である。Zone、Facet、Canvas及びPaneは、前述の4つの観点に相当する、文書処理システムのコンポーネントをそれぞれ表す。
4.アンドゥサブシステム
上述したように、文書に対するいかなる変更(例えば編集)も取消可能であることが望ましい。例えば、ユーザが編集操作を実行し、次に、その変更の取消を決定したとする。図12に関連して、アンドゥサブシステム212は、文書管理部の取消可能なコンポーネントを実現する。UndoManager(アンドゥマネージャ:アンドゥ管理部)2121は、ユーザによって取り消される可能性のある全ての文書に対する操作を保持する。
例えば、ユーザが、文書中の単語を別の単語に置換するコマンドを実行したとする。その後、ユーザは考え直し、元の単語に戻すことを決定したとする。アンドゥサブシステム212は、このような操作を支援する。UndoManager2121は、このようなUndoableEdit(アンドゥアブルエディット:取消可能な編集)2122の操作を保持する。
5.カーソルサブシステム
前述したように、MVCのコントローラ部分は、カーソルサブシステム204を備えてもよい。カーソルサブシステム204は、ユーザから入力を受け付ける。これらの入力は、一般にコマンド及び/又は編集操作の性格を有している。したがって、カーソルサブシステム204は、DocumentManager1081に関連したMVCパラダイムのコントローラ(C)部分であると考えることができる。
6.ビュー
前述したように、Canvas210は、画面上に提示されるべき文書の論理的なレイアウトを表す。XHTML文書の例では、Canvas210は、文書が画面上でいかに見えるかを論理的に表現したボックスツリー208を含んでもよい。このボックスツリー208は、DocumentManager1081に関連したMVCパラダイムのビュー(V)部分に含まれよう。
D.ボキャブラリコネクション
文書処理システムの重要な特徴は、XML文書を、他の表現にマップして取り扱うことが可能で、かつ、マップした先の表現を編集すると、その編集が元のXML文書に整合性を保ちつつ反映される環境を提供することにある。
マークアップ言語により記述された文書、例えばXML文書は、文書型定義により定義されたボキャブラリに基づいて作成されている。ボキャブラリは、タグのセットである。ボキャブラリは、任意に定義されてもよいため、無限に多くのボキャブラリが存在しうる。しかしながら、多数の可能なボキャブラリのそれぞれに対して専用の処理/管理環境を提供するのは現実的ではない。ボキャブラリコネクションは、この問題を解決する方法を提供する。
例えば、文書は2以上のマークアップ言語により記述されてもよい。文書は、例えば、XHTML(eXtensible HyperText Markup Language)、SVG(Scalable Vector Graphics)、MathML(Mathematical Markup Language)、その他のマークアップ言語により記述されてもよい。換言すれば、マークアップ言語は、XMLにおけるボキャブラリやタグセットと同様に見なされてもよい。
ボキャブラリは、ボキャブラリプラグインを用いて処理される。文書処理システムにおいてプラグインが利用不可能であるボキャブラリにより記述された文書は、プラグインが利用可能である別のボキャブラリの文書にマッピングすることにより表示される。この特徴により、プラグインが用意されていないボキャブラリの文書も適切に表示することができる。
ボキャブラリコネクションは、定義ファイルを取得し、取得した定義ファイルに基づいて2つの異なるボキャブラリの間でマッピングする能力を含む。あるボキャブラリで記述された文書は、別のボキャブラリにマッピングすることができる。このように、ボキャブラリコネクションは、文書がマッピングされるボキャブラリに対応した表示/編集プラグインにより文書を表示し編集することを可能にする。
上述したように、各文書は、一般に複数のノードを有するDOMツリーとして文書処理システムにおいて記述される。「定義ファイル」は、それぞれのノードについて、そのノードと他のノードとの対応を記述する。各ノードの要素値及び属性値が編集可能か否かが指定される。ノードの要素値又は属性値を用いた演算式が記述されてもよい。
マッピングという特徴を利用して、定義ファイルを適用したデスティネーションDOMツリーが生成される。このように、ソースDOMツリーとデスティネーションDOMツリーの関係が構築され保持される。ボキャブラリコネクションは、ソースDOMツリーとデスティネーションDOMツリーの対応を監視する。ユーザから編集指示を受けると、ボキャブラリコネクションは、ソースDOMツリーの関連したノードを変更する。ソースDOMツリーが変更されたことを示す「ミューテーションイベント」が発行され、デスティネーションDOMツリーがそれに応じて変更される。
ボキャブラリコネクションの使用により、少数のユーザのみに知られていた比較的マイナーなボキャブラリを、別のメジャーなボキャブラリに変換することができる。したがって、少数のユーザによって利用されるマイナーなボキャブラリであっても、文書を適切に表示し、望ましい編集環境を提供することができる。
このように、文書処理システムの一部であるボキャブラリコネクションサブシステムは、文書の複数の表現を可能にする機能を提供する。
図13は、ボキャブラリコネクション(VC:Vocabulary Connection)サブシステム300を示す。VCサブシステム300は、同一の文書の2つの代替表現の整合性を維持する方法を提供する。例えば、2つの表現は、同一文書の、2つの異なるボキャブラリによる表現であってもよい。前述したように、一方はソースDOMツリーであってもよく、他方はデスティネーションDOMツリーであってもよい。
1.ボキャブラリコネクションサブシステム
ボキャブラリコネクションサブシステム300の機能は、VocabularyConnection301と呼ばれるプラグインを使用して、文書処理システムにおいて実現される。文書が表現されるVocabulary305ごとに、対応するプラグインが要求される。例えば、文書の一部がHTMLで記述され、残りがSVGで記述されている場合、HTMLとSVGに対応するボキャブラリプラグインが要求される。
VocabularyConnectionプラグイン301は、適切なVocabulary305の文書に対応した、Zone209又はPane211のための適切なVCCanvas(ボキャブラリコネクションキャンバス)310を生成する。VocabularyConnection301を用いて、ソースDOMツリー内のZone209に対する変更は、変換ルールにより、別のDOMツリー306の対応するZoneに伝達される。変換ルールは、ボキャブラリコネクション記述子(Vocabulary Connection Descriptor:VCD)の形式で記述される。このようなソースDOMとデスティネーションDOMの間の変換に対応するそれぞれのVCDファイルについて、対応するVCManager(ボキャブラリコネクションマネージャ)302が生成される。
2.Connector
Connector304は、ソースDOMツリーのソースノードと、デスティネーションDOMツリーのデスティネーションノードとを接続する。Connector304は、ソースDOMツリー中のソースノード、及びソースノードに対応するソース文書に対する修正(変更)を見るために作用する。そして、対応するデスティネーションDOMツリーのノードを修正する。Connector304は、デスティネーションDOMツリーを修正することができる唯一のオブジェクトである。例えば、ユーザは、ソース文書、及び対応するソースDOMツリーに対してのみ修正を行うことができる。その後、Connector304がデスティネーションDOMツリーに、対応する修正を行う。
Connector304は、ツリー構造を形成するために、論理的にリンクされる。Connector304により形成されたツリーは、ConnectorTree(コネクタツリー)と呼ばれる。Connector304は、ConnectorFactory(コネクタファクトリ:コネクタ生成部)303と呼ばれるServiceを用いて生成される。ConnectorFactory303は、ソース文書からConnector304を生成し、それらをリンクしてConnectorTreeを形成する。VocabularyConnectionManager302は、ConnectorFactory303を保持する。
前述したように、ボキャブラリは名前空間におけるタグのセットである。図示されるように、Vocabulary305は、VocabularyConnection301によって文書に対して生成される。これは、文書ファイルを解析し、ソースDOMとデスティネーションDOMの間の写像のための適切なVocabularyConnectionManager302を生成することにより行われる。さらに、Connectorを生成するConnectorFactory303と、Zone209を生成するZoneFactory205と、Zone内のノードに対応するCanvasを生成するEditlet206との間の適切な関係が作られる。ユーザがシステムから文書を処分又は削除するとき、対応するVocabularyConnectionManager302が削除される。
Vocabulary305は、VCCanvas310を生成する。さらに、Connector304及びデスティネーションDOMツリー306が対応して生成される。
ソースDOM及びCanvasは、それぞれ、モデル(M)及びビュー(V)に対応する。しかしながら、このような表現は、ターゲットのボキャブラリが画面上に描写可能である場合に限って意味がある。描写は、ボキャブラリプラグインにより行われる。ボキャブラリプラグインは、主要なボキャブラリ、例えば、XHTML、SVG、MathMLについて提供される。ボキャブラリプラグインは、ターゲットのボキャブラリに関連して使用される。これらは、ボキャブラリコネクション記述子を用いてボキャブラリ間でマッピングする方法を提供する。
このようなマッピングは、ターゲットのボキャブラリが、マッピング可能で、画面上に描写される方法が予め定義されたものである場合にのみ意味がある。このようなレンダリング方法は、例えばXHTMLなどのように、W3Cなどの組織により定義された標準規格となっている。
ボキャブラリコネクションが必要であるとき、VCCanvasが使用される。この場合、ソースのビューを直接生成することができないので、ソースのCanvasは生成されない。この場合、VCCanvasが、ConnectorTreeを使用して生成される。このVCCanvasは、イベントの変換のみを扱い、画面上の文書の描写を援助しない。
3.DestinationZone、Pane、及びCanvas
上述したように、ボキャブラリコネクションサブシステムの目的は、同一の文書の2つの表現を同時に生成し保持することである。第2の表現も、DOMツリーの形式であり、これはデスティネーションDOMツリーとして既に説明した。第2の表現における文書を見るために、DestinationZone、Canvas及びPaneが必要である。
VCCanvasが作成されると、対応するDestinationPane307が生成される。さらに、関連するDestinationCanvas308と、対応するBoxTree309が生成される。同様に、VCCanvas310も、ソース文書に対するPane211及びZone209に関連づけられる。
DestinationCanvas308は、第2の表現における文書の論理的なレイアウトを提供する。特に、DestinationCanvas308は、デスティネーション表現における文書を描写するために、カーソルや選択のようなユーザインタフェイス機能を提供する。DestinationCanvas308に生じたイベントは、Connectorに供給される。DestinationCanvas308は、マウスイベント、キーボードイベント、ドラッグアンドドロップイベント、及び文書のデスティネーション(第2)表現のボキャブラリに特有なイベントを、Connector304に通知する。
4.ボキャブラリコネクションコマンドサブシステム
ボキャブラリコネクション(VC)サブシステム300の要素として、ボキャブラリコネクション(VC)コマンドサブシステム313がある。ボキャブラリコネクションコマンドサブシステム313は、ボキャブラリコネクションサブシステム300に関連した命令の実行のために使用されるVCCommand(ボキャブラリコネクションコマンド)315を生成する。VCCommandは、内蔵のCommandTemplate(コマンドテンプレート)318を使用して、及び/又は、スクリプトサブシステム314においてスクリプト言語を使用してスクラッチからコマンドを生成することにより、生成することができる。
コマンドテンプレートには、例えば、「If」コマンドテンプレート、「When」コマンドテンプレート、「挿入(Insert)」コマンドテンプレートなどがある。これらのテンプレートは、VCCommandを作成するために使用される。
5.XPathサブシステム
XPathサブシステム316は、文書処理システムの重要な構成であり、ボキャブラリコネクションの実現を支援する。Connector304は、一般にxpath情報を含む。上述したように、ボキャブラリコネクションのタスクの1つは、ソースDOMツリーの変化をデスティネーションDOMツリーに反映させることである。xpath情報は、変更/修正を監視されるべきソースDOMツリーのサブセットを決定するために用いられる1以上のxpath表現を含む。
6.ソースDOMツリー、デスティネーションDOMツリー、及びConnectorTreeの概要
ソースDOMツリーは、別のボキャブラリに変換される前のボキャブラリで文書を表現したDOMツリー又はZoneである。ソースDOMツリーのノードは、ソースノードと呼ばれる。
それに対して、デスティネーションDOMツリーは、ボキャブラリコネクションに関連して前述したように、同一の文書を、マッピングにより変換された後の異なるボキャブラリで表現したDOMツリー又はZoneである。デスティネーションDOMツリーのノードは、デスティネーションノードと呼ばれる。
ConnectorTreeは、ソースノードとデスティネーションノードの対応を表すConnectorに基づく階層的表現である。Connectorは、ソースノードと、ソース文書になされた修正を監視し、デスティネーションDOMツリーを修正する。Connectorは、デスティネーションDOMツリーを修正することを許された唯一のオブジェクトである。
E.文書処理システムにおけるイベントフロー
実用のためには、プログラムはユーザからのコマンドに応答しなければならない。イベントは、プログラム上で実行されたユーザアクションを記述し実行する方法である。多くの高級言語、例えばJava(登録商標)は、ユーザアクションを記述するイベントに頼っている。従来、プログラムは、ユーザアクションを理解し、それを自身で実行するために、積極的に情報を集める必要があった。これは、例えば、プログラムが自身を初期化した後、ユーザが画面、キーボード、マウスなどでアクションを起こしたときに適切な処理を講じるために、ユーザのアクションを繰り返し確認するループに入ることを意味する。しかしながら、このプロセスは扱いにくい。さらに、それは、ユーザが何かをするのを待つ間、CPUサイクルを消費してループするプログラムを必要とする。
多くの言語が、異なるパラダイムを採用することにより、これらの問題を解決している。そのうちの一つは、現代の全てのウィンドウシステムの基礎となっている、イベントドリブンプログラミングである。このパラダイムでは、全てのユーザアクションは、「イベント」と呼ばれる抽象的な事象の集合に属する。イベントは、十分詳細に、特定のユーザアクションを記述する。プログラムがユーザにより生成されたイベントを積極的に収集するのではなく、監視すべきイベントが生じたときに、システムがプログラムに通知する。この方法によりユーザとの対話を扱うプログラムは「イベントドリブン」であると言われる。
これは、多くの場合、全てのユーザにより生成されたイベントの基本特性を獲得する「Event(イベント)」クラスを使用して扱われる。
文書処理システムは、自身のイベント、及びこれらのイベントを扱う方法を定義して使用する。いくつかの型のイベントが使用される。例えば、マウスイベントは、ユーザのマウスアクションから起こるイベントである。マウスを含むユーザアクションは、Canvas210によって、マウスイベントに渡される。このように、Canvasは、システムのユーザによる相互作用の最前部にあると言える。必要であれば、最前部にあるCanvasは、そのイベントに関連した内容を子へ渡す。
それに対して、キーストロークイベントは、Canvas210から流れる。キーストロークイベントは、即時的なフォーカスを有する。すなわち、それは、いかなる瞬間でも作業に関連する。Canvas210上に入力されたキーストロークイベントは、その親に渡される。キー入力は、文字列挿入を扱うことが可能な、異なるイベントによって処理される。文字列の挿入を扱うイベントは、キーボードを使用して文字が挿入されたときに発生する。他の「イベント」は、例えば、ドラッグイベント、ドロップイベント、マウスイベントと同様に扱われる他のイベントを含む。
1.ボキャブラリコネクション外のイベントの取り扱い
イベントは、イベントスレッドを用いて渡される。Canvas210は、イベントを受け取ると、その状態を変更する。必要であれば、Command1052がCanvas210によりCommandQueue1053にポストされる。
2.ボキャブラリコネクション内のイベントの取り扱い
VocabularyConnectionプラグイン301を用いて、DestinationCanvasの一例であるXHTMLCanvas1106は、発生したイベント、例えば、マウスイベント、キーボードイベント、ドラッグアンドドロップイベント、及びボキャブラリに特有のイベントなどを受け取る。これらのイベントは、コネクタ304に通知される。より詳細には、図21(b)に図示されるように、VocabularyConnectionプラグイン301内のイベントフローは、SourcePane1103、VCCanvas1104、DestinationPane1105、DestinationCanvasの一例であるDestinationCanvas1106、デスティネーションDOMツリー及びConnectorTreeを通過する。
F.ProgramInvoker及びProgramInvokerと他の構成との関係
ProgramInvoker103及びそれと他の構成との関係は、図14(a)に更に詳細に示される。ProgramInvoker103は、文書処理システムを開始するために実行される実行環境中の基本的なプログラムである。図11(b)及び図11(c)に図示されるように、UserApplication106、ServiceBroker1041、CommandInvoker1051、及びResource109は、全てProgramInvoker103に接続される。前述したように、アプリケーション102は、実行環境中で実行されるコンポーネントである。同様に、ServiceBroker1041は、システムに様々な機能を加えるプラグインを管理する。他方、CommandInvoker1051は、ユーザにより提供される命令を実行して、コマンドを実行するために使用されるクラス及びファンクションを保持する。
1.プラグイン及びサービス
ServiceBroker1041について、図14(b)を参照して更に詳細に説明する。前述したように、ServiceBroker1041は、システムに様々な機能を追加するプラグイン(及び関連するサービス)を管理する。Service1042は、文書処理システムに特徴を追加又は変更可能な最も下の層である。「Service」は、ServiceCategory401とServiceProvider402の2つの部分からなる。図14(c)に図示されるように、1つのServiceCategory401は、複数の関連するServiceProvider402を持ちうる。それぞれのServiceProviderは、特定のServiceCategoryの一部または全部を実行するように作用する。ServiceCategory401は、他方では、Serviceの型を定義する。
Serviceは、1)文書処理システムに特定の特色を提供する「特色サービス」、2)文書処理システムにより実行されるアプリケーションである「アプリケーションサービス」、3)文書処理システムの全体にわたって必要な特色を提供する「環境サービス」、の3つの型に分類することができる。
Serviceの例は、図14(d)に示される。アプリケーションServiceのCategoryにおいては、システムユーティリティが対応するServiceProviderの例である。同様に、Editlet206はCategoryであり、HTMLEditlet及びSVGEditletは対応するServiceProviderである。ZoneFactory205は、Serviceの別のCategoryであり、対応するServiceProvider(図示せず)を有する。
プラグインは、文書処理システムに機能性を加えると既に説明したが、いくつかのServiceProvider402及びそれらに関連するクラスからなるユニットと見なされてもよい。各プラグインは、宣言ファイルに記述された依存性及びServiceCategory401を有する。
2.ProgramInvokerとアプリケーションとの関係
図14(e)は、ProgramInvoker103とUserApplication106との関係についての更なる詳細を示す。必要な文書やデータなどは、ストレージからロードされる。必要なプラグインは、全てServiceBroker1041上にロードされる。ServiceBroker1041は、全てのプラグインを保持し管理する。プラグインは、システムに物理的に追加することができ、又、その機能はストレージからロードすることができる。プラグインの内容がロードされると、ServiceBroker1041は、対応するプラグインを定義する。つづいて、対応するUserApplication106が生成され、実行環境101にロードされ、ProgramInvoker103にアタッチされる。
G.アプリケーションサービスと環境との関係
図15(a)は、ProgramInvoker103上にロードしたアプリケーションサービスの構成についての更なる詳細を示す。コマンドサブシステム105のコンポーネントであるCommandInvoker1051は、ProgramInvoker103内のCommand1052を起動又は実行する。Command1052は、文書処理システムにおいて、XMLなどの文書を処理し、対応するXMLDOMツリーを編集するために用いられる命令である。CommandInvoker1051は、Command1052を実行するために必要なクラス及びファンクションを保持する。
ServiceBroker1041も、ProgramInvoker103内で実行される。UserApplication106は、ユーザインタフェイス107及びCoreComponent110に接続される。CoreComponent110は、全てのPaneの間で文書を共有する方法を提供する。CoreComponent110は、さらにフォントを提供し、Paneのためのツールキットの役割を果たす。
図15(b)は、Frame1071、MenuBar1072、及びStatusBar1073の関係を示す。
H.アプリケーションコア
図16(a)は、全ての文書、及び文書の一部及び文書に属するデータを保持するアプリケーションコア108についての更なる説明を提供する。CoreComponent110は、文書1082を管理するDocumentManager1081にアタッチされる。DocumentManager1081は、文書処理システムに関連づけられたメモリに格納される全ての文書1082の所有者である。
画面上の文書の表示を容易にするために、DocumentManager1081はRootPane1084にも接続される。ClipBoard1087、SnapShot1088、Drag&Drop601、及びOverlay602の機能も、CoreComponent110にアタッチされる。
SnapShot1088は、アプリケーションの状態を元に戻すために使用される。ユーザがSnapShot1088を起動したとき、アプリケーションの現状が検知され、格納される。その後、アプリケーションの状態が別の状態に変わるとき、格納された状態の内容は保存される。SnapShot1088は、図16(b)に図示される。動作において、アプリケーションがあるURLから他へ移動するときに、前に戻る動作及び先に進む動作をシームレスに実行可能とするために、SnapShot1088は以前の状態を記憶する。
I.DocumentManager内における文書の構成
図17(a)は、DocumentManager1081の更なる説明と、DocumentManagerにおいて文書が構成され保持される様子を示す。図11(b)に示したように、DocumentManager1081は、文書1082を管理する。図17(a)に示される例において、複数の文書のうちの1つはRootDocument(ルート文書)701であり、残りの文書はSubDocument(サブ文書)702である。DocumentManager1081は、RootDocument701に接続され、RootDocument701は、全てのSubDocument702に接続される。
図12及び図17(a)に示すように、DocumentManager1081は、全ての文書1082を管理するオブジェクトであるDocumentContainer203に結合される。DOMService703及びIOManager704を含むツールキット201(例えばXMLツールキット)の一部を形成するツールも、DocumentManager1081に供給される。再び図17(a)を参照して、DOMService703は、DocumentManager1081により管理される文書に基づいたDOMツリーを生成する。各Document705は、それがRootDocument701であってもSubDocument702であっても、対応するDocumentContainer203によって管理される。
図17(b)は、文書A−Eが階層的に配置される様子を示す。文書AはRootDocumentである。文書B−Dは、文書AのSubDocumentである。文書Eは、文書DのSubDocumentである。図17(b)の左側は、これと同じ文書の階層が画面上に表示された例を示す。RootDocumentである文書Aは、基本フレームとして表示される。文書AのSubDocumentである文書B−Dは、基本フレームAの中のサブフレームとして表示される。文書DのSubDocumentである文書Eは、サブフレームDのサブフレームとして画面に表示される。
再び図17(a)を参照して、UndoManager(アンドゥマネージャ:アンドゥ管理部)706及びUndoWrapper(アンドゥラッパー)707は、それぞれのDocumentContainer203に対して生成される。UndoManager706及びUndoWrapper707は、取消可能なコマンドを実行するために使用される。この特徴を使用することにより、編集操作を使用して文書に対して実行された変更を取り消すことができる。SubDocumentの変更は、RootDocumentとも密接な関係を有する。アンドゥ操作は、階層内の他の文書に影響する変更を考慮に入れて、例えば、図17(b)に示されるような連鎖状の階層における全ての文書の間で整合性が維持されることを保証する。
UndoWrapper707は、DocumentContainer203内のSubDocumentに関連するアンドゥオブジェクトをラップし、それらをRootDocumentに関連するアンドゥオブジェクトに結合させる。UndoWrapper707は、UndoableEditAcceptor(アンドゥアブルエディットアクセプタ:アンドゥ可能編集受付部)709に利用可能なアンドゥオブジェクトの収集を実行する。
UndoManager706及びUndoWrapper707は、UndoableEditAcceptor709及びUndoableEditSource(アンドゥアブルエディットソース)708に接続される。当業者には理解されるように、Document705がUndoableEditSource708であってもよく、取消可能な編集オブジェクトのソースであってもよい。
J.アンドゥコマンド及びアンドゥフレームワーク
図18(a)及び図18(b)は、アンドゥフレームワーク及びアンドゥコマンドについて更なる詳細を提供する。図18(a)に示されるように、UndoCommand801、RedoCommand802、及びUndoableEditCommand803は、図11(b)に示したようにCommandInvoker1051に積むことができるコマンドであり、順に実行される。UndoableEditCommand803は、UndoableEditSource708及びUndoableEditAcceptor709に更にアタッチされる。「foo」EditCommand804及び「bar」EditCommand805は、UndoableEditCommandの例である。
1.UndoableEditCommandの実行
図18(b)は、UndoableEditCommandの実行を示す。まず、ユーザが編集コマンドを使用してDocument705を編集すると仮定する。第1ステップS1では、UndoableEditAcceptor709が、Document705のDOMツリーであるUndoableEditSource708にアタッチされる。第2ステップS2では、ユーザにより発行されたコマンドに基づいて、Document705がDOMのAPIを用いて編集される。第3ステップS3では、ミューテーションイベントのリスナーが、変更がなされたことを通知される。すなわち、このステップでは、DOMツリーの全ての変更を監視するリスナーが編集操作を検知する。第4ステップS4では、UndoableEditがUndoManager706のオブジェクトとして格納される。第5ステップS5では、UndoableEditAcceptor709がUndoableEditSource708からデタッチされる。UndoableEditSource708は、Document705自身であってもよい。
K.システムへの文書のロードに関する手順
上記のサブセクションでは、システムの様々なコンポーネント及びサブコンポーネントについて説明した。以下、これらのコンポーネントの使用に関する方法論について説明する。図19(a)は、文書処理システムに文書がロードされる様子の概要を示す。それぞれのステップは、図24−28において、特定の例に関連して詳述される。
簡単には、文書処理システムは、文書に含まれるデータからなるバイナリデータストリームからDOMを生成する。ApexNode(エイペックスノード:頂点ノード)が、注目対象でありZoneに属する文書の一部のために生成される。つづいて、対応するPaneが同定される。同定されたPaneは、ApexNode及び物理的な画面表面からZone及びCanvasを生成する。Zoneは、次に、それぞれのノードにFacetを生成し、それらに必要とされる情報を提供する。Canvasは、DOMツリーから、ノードをレンダリングするためのデータ構造を生成する。
より詳細には、文書はストレージ901からロードされる。文書のDOMツリー902が生成される。文書を保持するための、対応するDocumentContainer903が生成される。DocumentContainer903は、DocumentManager904にアタッチされる。DOMツリーは、ルートノードと、ときには複数のセカンダリノードを含む。
一般に、このような文書は、テキスト及びグラフィクスの双方を含む。したがって、DOMツリーは、例えば、XHTMLサブツリーだけでなくSVGサブツリーを有してもよい。XHTMLサブツリーは、XHTMLのApexNode905を有する。同様に、SVGサブツリーは、SVGのApexNode906を有する。
ステップ1では、ApexNode906が、画面の論理的なレイアウトであるPane907にアタッチされる。ステップ2では、Pane907は、PaneOwner(ペインオーナー:ペインの所有者)908であるCoreComponentに、ApexNode906のためのZoneFactoryを要求する。ステップ3では、PaneOwner908は、ZoneFactoryと、ApexNode906のためのCanvasFactoryであるEditletとを返す。
ステップ4では、Pane907がZone909を生成する。Zone909はPane907にアタッチされる。ステップ5では、Zone909がそれぞれのノードに対してFacetを生成し、対応するノードにアタッチする。ステップ6では、Pane907がCanvas910を生成する。Canvas910はPane907にアタッチされる。Canvas910には様々なCommandが含まれる。ステップ7では、Canvas910が文書を画面にレンダリングするためのデータ構造を構築する。XHTMLの場合、これはボックスツリー構造を含む。
1.ZoneのMVC
図19(b)は、MVCパラダイムを用いてZoneの構成の概要を示す。この場合、Zone及びFacetは文書に関連した入力であるから、モデル(M)はZone及びFacetを含む。Canvasと、文書を画面にレンダリングするためのデータ構造体は、ユーザが画面上に見る出力であるから、ビュー(V)はCanvas及びデータ構造体に対応する。Commandは、文書とその様々な関係に対して制御操作を実行するので、コントロール(C)はCanvasに含まれるCommandを含む。
L.文書の表現
図20を用いて、文書及びその様々な表現の例について以下に説明する。この例で使用される文書は、テキストと画像の双方を含む。テキストは、XHTMLを用いて表され、画像は、SVGを用いて表される。図20は、文書のコンポーネント及び対応するオブジェクトの関係のMVC表現を詳細に示す。この例において、Document1001は、Document1001を保持するDocumentContainer1002にアタッチされる。文書はDOMツリー1003により表現される。DOMツリーは、ApexNode1004を含む。
ApexNodeは、黒丸で表される。頂点でないノードは、白丸で表される。ノードを編集するために用いられるFacetは、三角形で表され、対応するノードにアタッチされる。文書がテキストと画像を有するので、この文書のDOMツリーは、XHTML部分とSVG部分を含む。ApexNode1004は、XHTMLサブツリーの最上のノードである。これは、文書のXHTML部分の物理的な表現のための最上PaneであるXHTMLPane1005にアタッチされる。ApexNode1004は、文書のDOMツリーの一部であるXHTMLZone1006にもアタッチされる。
Node1004に対応するFacetも、XHTMLZone1006にアタッチされる。XHTMLZone1006は、XHTMLPane1005にアタッチされる。XHTMLEditletは、文書の論理的な表現であるXHTMLCanvas1007を生成する。XHTMLCanvas1007は、XHTMLPane1005にアタッチされる。XHTMLCanvas1007は、Document1001のXHTMLコンポーネントのためのBoxTree1009を生成する。文書のXHTML部分を保持し描画するために必要な様々なCommand1008も、XHTMLCanvas1007に追加される。
同様に、文書のSVGサブツリーのApexNode1010は、文書のSVGコンポーネントを表現するDocument1001のDOMツリーの一部であるSVGZone1011にアタッチされる。ApexNode1010は、文書のSVG部分の物理的な表現の最上のPaneであるSVGPane1013にアタッチされる。文書のSVG部分の論理的な表現を表すSVGCanvas1012は、SVGEditletにより生成され、SVGPane1013にアタッチされる。画面上に文書のSVG部分をレンダリングするためのデータ構造及びコマンドは、SVGCanvasにアタッチされる。例えば、このデータ構造は、図示されるように、円、線、長方形などを含んでもよい。
図20に関連して説明された文書例の表現の一部について、図21(a)に関連して、前述したMVCパラダイムを用いて更に説明する。図21(a)は、文書1001のXHTMLコンポーネントにおけるMVの関係を簡略化して示す。モデルは、Document1001のXHTMLコンポーネントのためのXHTMLZone1101である。XHTMLZoneのツリーには、いくつかのNode及びそれらに対応するFacetが含まれる。対応するXHTMLZone及びPaneは、MVCパラダイムのモデル(M)部分の一部である。MVCパラダイムのビュー(V)部分は、Document1001のXHTMLコンポーネントの、対応するXHTMLCanvas1102及びBoxTreeである。文書のXHTML部分は、Canvasと、それに含まれるCommandを使用して画面に描写される。キーボードやマウス入力などのイベントは、図示されるように、逆方向へ進む。
SourcePaneは、更なる機能、すなわち、DOMの保有者としての役割を有する。図21(b)は、図21(a)に示したDocument1001のコンポーネントに対するボキャブラリコネクションを提供する。DOMホルダーとして機能するSourcePane1103は、文書のソースDOMツリーを含む。ConnectorTreeは、ConnectorFactoryにより生成され、デスティネーションDOMの保有者としても機能するDestinationPane1105を生成する。DestinationPane1105は、XHTMLDestinationCanvas1106としてボックスツリーの形式でレイアウトされる。
M.プラグインサブシステム、ボキャブラリコネクション、及びコネクタの関係
図22(a)−(c)は、それぞれ、プラグインサブシステム、ボキャブラリコネクション、及びConnectorに関連する更なる詳細を示す。プラグインサブシステムは、文書処理システムに機能を追加又は交換するために用いられる。プラグインサブシステムは、ServiceBroker1041を含む。ServiceBroker1041にアタッチされるZoneFactoryService1201は、文書の一部に対するZoneを生成する。EditletService1202も、ServiceBroker1041にアタッチされる。EditletService1202は、Zone中のNodeに対応するCanvasを生成する。
ZoneFactoryの例は、XHTMLZone及びSVGZoneをそれぞれ生成するXHTMLZoneFactory1211及びSVGZoneFactory1212である。文書例に関連して前述したように、文書のテキストコンポーネントは、XHTMLZoneを生成することにより表現されてもよいし、画像はSVGZoneを用いて表現されてもよい。EditletServiceの例は、XHTMLEditlet1221及びSVGEditlet1222を含む。
図22(b)は、ボキャブラリコネクションに関連する更なる詳細を示す。ボキャブラリコネクションは、前述したように、文書処理システムの重要な特徴であり、2つの異なる方法で文書の整合のとれた表現及び表示を可能とする。ConnectorFactory303を保持するVCManager302は、ボキャブラリコネクションサブシステムの一部である。ConnectorFactory303は、文書のConnector304を生成する。前述したように、Connectorは、ソースDOM中のノードを監視し、2つの表現の間の整合性を維持するために、デスティネーションDOM中のノードを修正する。
Template317は、いくつかのノードの変換ルールを表す。ボキャブラリコネクション記述子(VCD)ファイルは、特定のパス又はルールを満たす要素又は要素の集合を他の要素に変換するいくつかのルールを表すTemplateのリストである。Template317及びCommandTemplate318は、全てVCManager302にアタッチされる。VCManagerは、VCDファイル中の全てのセクションを管理するオブジェクトである。1つのVCDファイルに対して、1つのVCManagerオブジェクトが生成される。
図22(c)は、Connectorに関連する更なる詳細を提供する。ConnectorFactory303は、ソース文書からConnectorを生成する。ConnectorFactory303は、Vocabulary、Template、及びElementTemplateにアタッチされ、それぞれ、VocabularyConnector、TemplateConnector、ElementConnectorを生成ずる。
VCManager302は、ConnectorFactory303を保持する。Vocabularyを生成するために、対応するVCDファイルが読み込まれる。こうして、ConnectorFactory303が生成される。このConnectorFactory303は、Zoneを生成するZoneFactory及びCanvasを生成するEditletに関連する。
つづいて、ターゲットボキャブラリのEditletServiceが、VCCanvasを生成する。VCCanvasも、ソースDOMツリー又はZoneにおけるApexNodeのConnectorを生成する。必要に応じて、子のConnectorが再帰的に生成される。ConnectorTreeは、VCDファイル中のテンプレートの集合により生成される。
テンプレートは、マークアップ言語の要素を他の要素に変換するためのルールの集合である。例えば、各テンプレートは、ソースDOMツリー又はZoneにマッチされる。適切にマッチした場合には、頂点Connectorが生成される。例えば、テンプレート「A/*/D」は、間にどんなノードがあるかに関係なく、ノードAで始まりノードDで終わる全ての枝に合致する。同様に、「//B」は、ルートからの全ての「B」ノードに一致する。
N.ConnectorTreeに関係するVCDファイルの例
特定の文書と関係する処理を説明する例を続ける。ドキュメントタイトルのある「MySampleXML」というタイトルの文書が文書処理システムにロードされる。図23は、「MySampleXML」ファイルのための、VCManager及びConnectorFactoryTreeを用いたVCDスクリプトの例を示す。スクリプトファイル中のボキャブラリセクション、テンプレートセクションと、VCManagerにおける対応するコンポーネントが示される。タグ「vcd:vocabulary」において、属性「match」は「sample:root」、「label」は「MySampleXML」、「call-template」は「sample template」となっている。
この例では、Vocabularyは、「MySampleXML」のVCManagerにおいて「sample:root」として頂点要素を含む。対応するUIラベルは、「MySampleXML」である。テンプレートセクションにおいて、タグは「vcd:template」であり、名前は「sample:template」である。
O.ファイルがシステムにロードされる方法の詳細な例
図24−28は、文書「MySampleXML」のロードについての詳細な記述を示す。図24(a)に示されるステップ1では、文書がストレージ1405からロードされる。DOMServiceは、DOMツリー及びDocumentManager1406と対応するDocumentContainer1401を生成する。DocumentContainer1401は、DocumentManager1406にアタッチされる。文書は、XHTML及びMySampleXMLのサブツリーを含む。XHTMLのApexNode1403は、タグ「xhtml:html」が付されたXHTMLの最上のノードである。「MySampleXML」のApexNode1404は、タグ「sample:root」が付された「MySampleXML」の最上ノードである。
図24(b)に示されるステップ2では、RootPaneが文書のXHTMLZone、Facet、及びCanvasを生成する。Pane1407、XHTMLZone1408、XHTMLCanvas1409、及びBoxTree1410が、ApexNode1403に対応して生成される。
図24(c)に示されるステップ3では、XHTMLZoneが知らないタグ「sample:root」を発見し、XHTMLCanvasの領域からSubPaneを生成する。
図25に示されるステップ4では、SubPaneが「sample:root」を扱うことができ、適切なZoneを生成可能なZoneFactoryを得る。このZoneFactoryは、ZoneFactoryを実行可能なVocabulary内にある。それは、「MySampleXML」のVocabularySectionの内容を含む。
図26に示されるステップ5では、「MySampleXML」に対応するVocabularyがDefaultZone1601を生成する。対応するEditletが生成され、対応するCanvasを生成するためにSubPane1501が提供される。Editletは、VCCanvasを生成する。そして、それはTemplateSectionを呼ぶ。ConnectorFactoryTreeも含まれている。ConnectorFactoryTreeは、ConnectorTreeとなる全てのConnectorを生成する。
図27に示されるステップ6では、各ConnectorがデスティネーションDOMオブジェクトを生成する。コネクタのうちのいくつかはxpath情報を含んでいる。xpath情報は、変更/修正を監視する必要のあるソースDOMツリーの部分集合を決定するために使用される1以上のxpath表現を含む。
図28に示されるステップ7では、ボキャブラリは、ソースDOMのペインからデスティネーションDOMツリーのDestinationPaneを作成する。これは、SourcePaneに基づいてなされる。デスティネーションツリーのApexNodeは、DestinationPane及び対応するZoneにアタッチされる。DestinationPaneは、DestinationCanvasを生成し、文書をデスティネーションのフォーマットでレンダリングするためのデータ構造及びコマンドを構築する、自身のEditletを提供される。
図29(a)は、対応するソースノードを持たず、デスティネーションツリーにのみ存在するノード上でイベントが発生したときのフローを示す。マウスイベント、キーボードイベントなど、Canvasが取得したイベントは、デスティネーションツリーを通過して、ElementTemplateConnectorに伝達される。ElementTemplateConnectorは対応するソースノードを持たないので、伝達されたイベントはソースノードに対する編集操作ではない。ElementTemplateConnectorは、伝達されたイベントがCommandTemplateに記述されたコマンドに合致すれば、それに対応するActionを実行する。合致するコマンドがなければ、ElementTemplateConnectorは、伝達されたイベントを無視する。
図29(b)は、TextOfConnectorによりソースノードに対応づけられているデスティネーションツリーのノード上でイベントが発生したときのフローを示す。TextOfConnectorは、ソースDOMツリーのXPathで指定されたノードからテキストノードを取得して、デスティネーションDOMツリーのノードにマッピングする。マウスイベント、キーボードイベントなど、Canvasが取得したイベントは、デスティネーションツリーを通過して、TextOfConnectorに伝達される。TextOfConnectorは、伝達されたイベントを、対応するソースノードの編集コマンドにマッピングし、Queue1053に積む。編集コマンドは、Facetを介して実行されるDOMのAPIコールの集合である。キューに積まれたコマンドが実行されると、ソースノードが編集される。ソースノードが編集されると、ミューテーションイベントが発行され、リスナーとして登録されたTextOfConnectorにソースノードの変更が通知される。TextOfConnectorは、ソースノードの変更を、対応するデスティネーションノードに反映させるように、デスティネーションツリーを再構築する。このとき、TextOfConnectorを含むテンプレートに、「for each」や「for loop」などの制御文が含まれている場合、ConnectorFactoryがこの制御文を再評価し、TextOfConnectorを再構築した後、デスティネーションツリーが再構築される。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、新たなXMLの利用技術を提案する。さらに、新たなプログラミングパラダイムを提案する。
前述したように、ウェブページの作成者は、VBスクリプトを用いてActiveXコントロールを制御し、さまざまな機能を有するウェブページを作成することができるようになっている。しかし、ActiveXコントロール自体は内部がブラックボックス化されており、ActiveXコントロールの機能を自由にカスタマイズしたり、複数のActiveXコントロール同士を直接連携して動作させたりすることはできない。
本発明者は、前提技術で説明したXMLの処理技術が、このような課題を解決するのに適した技術であることに気づいた。従来の一般的なアプリケーションは、自身の動作に必要なデータを独自に定めたバイナリフォーマットで保持しているため、外部からの参照を可能とするAPIが特別に用意されていない限り、内部のデータを外部から参照して利用することはできなかった。しかし、アプリケーションが利用するデータをXMLの形式で保持することにより、前提技術で説明した技術を利用して、他のアプリケーションからも容易にデータを参照することが可能となる。すなわち、前提技術の文書処理装置20はXML文書をDOMの形式で保持するので、DOMが標準的に提供するAPIを用いて外部から自由にデータにアクセスすることができる。このような「ホワイトボックス」とも言うべき技術を利用して、より柔軟性の高いプログラミングパラダイムを構築できる。本発明者は、前提技術で説明したXMLの処理技術を更に進め、後述するような新たなXMLの利用技術を想到した。
ここで、XML文書のデータ構造と、そのXML文書の処理技術の関係について説明する。図30(a)(b)(c)は、処理対象となるXML文書のデータ構造の例を示す。最も単純な例としては、図30(a)に示すように、単一のボキャブラリで記述されたXML文書がある。このXML文書の処理系は、例えば、XHTMLで記述されたウェブページを表示するブラウザのように、特定のボキャブラリで記述されたXML文書を処理できればよい。
これに対し、本出願人は、前提技術で説明したように、図30(b)に示すような、あるボキャブラリの構成要素(図中、白丸で示す)と、別のボキャブラリの構成要素(図中、黒丸で示す)とが混在したXML文書を適切に処理可能な文書処理装置を開発した。前提技術の文書処理装置20では、さまざまなXMLボキャブラリを組み合わせたXML複合文書に対し、起動部の一例である主制御ユニット22により各フラグメントごとに適切な処理系が呼び出され、処理を分担してビューを構築し、ユーザの編集操作にあわせてXML複合文書を編集することができる。これらの処理系は、Java(登録商標)などにより開発されたハードコードプラグイン(例えば、HTMLユニット50やSVGユニット60)の場合もあるし、定義ファイルに記述されVCユニット80により実行されるスクリプトベースの場合もある。XHTMLなどのメジャーボキャブラリならばハードコードプラグインが用意されているし、ユーザのプライベートボキャブラリなら定義ファイルで記述することになるだろう。このような技術により、例えば図30(b)に示す例において、XHTML(白丸の構成要素)で記述された文書に、グラフ表示用のボキャブラリ(黒丸の構成要素)で記述された部分文書を挿入し、XHTML文書の画面にグラフを配置することが可能である。
ここで、XMLフラグメントと処理系の関係に着目してみる。処理系はXMLフラグメントに呼び出され、XMLの内容をもとにビューを構築する。そして、ユーザのおこすUIイベントを取得して、XMLを編集する。これは、見方を変えれば、特定のボキャブラリに対する表示と編集を担当する処理系を、そのボキャブラリのXMLフラグメントを引数にして呼び出していると捉えることができる。
本発明者は、このようなフレームワークを利用して、もっと自由で柔軟な処理系の実行環境を提供できることに気づいた。すなわち、処理系は、あるXMLを表示・編集するだけにとどまらず、もっと自由に、さまざまな処理を行ってもよい。例えば、XMLフラグメント中のデータをもとに、Web Service APIを通じてサーバにアクセスしてもよいし、要約や翻訳などの自然言語処理を行ってもよい。XMLフラグメントは処理系を起動するときの引数でもあるが、同時に動作中に利用するヒープメモリの役割も果たすことになる。このように考えると、前提技術の文書処理装置20は、XML文書中にプロシージャ(処理系)を起動するための「タグ」をおき、引数をアトリビュート(属性)として指示したり、タグで囲まれたテキスト部分を操作対象としてプロシージャが実行されるという、ユニークなプログラムの実行環境であることがわかる。
本実施の形態では、新たなXML文書のデータ構造として、図30(c)に示すようなデータ構造を提案する。図30(c)において、斜線を付した構成要素25は、文書中の他のデータ26へのポインタ情報を有している。この構成要素25が属するボキャブラリを担当する処理系は、ポインタ情報により指し示されたデータ26を参照して動作する。例えば、前述したように、XHTML文書中にグラフを挿入するときに、図30(b)のようにグラフのデータの実体をグラフ表示用ボキャブラリで記述するのではなく、XHTML文書中に記述された他のデータを参照してグラフを生成する。このようなデータ構造とすることにより、文書中の他のデータ、又は、他文書のデータを参照して動作するアプリケーションを構築することができる。
文書処理装置は、文書に含まれる構成要素の名前空間を参照して、適切な処理系を起動する。したがって、図30(c)の例では、斜線を示した構成要素25は、グラフ表示用の処理系を起動する機能を有している。そして、起動された処理系は、その構成要素25の配下に存在する構成要素を処理するのではなく、その構成要素25が有するポインタ情報により指し示されたデータ26を参照して動作する。この構成要素25は、文書におけるグラフの配置位置を示す「アンカー」の機能も有している。構成要素25が有するポインタ情報は、構成要素25の属性として指定されてもよいし、構成要素25自身又はその配下の構成要素の要素値として指定されてもよい。構成要素25を含むXMLフラグメントに、処理系の動作に必要なパラメータ情報などを記述しておいてもよい。
このような技術により、処理系は、自分の担当するフラグメントの外側のデータについても、自分自身の動作を調節する引数にしたり、ヒープ領域として利用することが可能になる。つまり、フラグメント部分にはxpath式などで参照位置だけを記入し、実際の値はそのxpath式の先にあるというモデルである。これは、例えて言うならば関数の引数にポインタを渡していると言うことと等価である。
上述した技術を、プログラミングパラダイムの観点から考察すると、文書中の任意の場所のデータを参照して動作することが可能なアプリケーションランタイム環境が提供されることになる。さらに、上述したように、文書中のデータはDOMのAPIを利用して任意のアプリケーションから参照可能であるので、DOMとして保持された文書中のデータを共有メモリとして利用可能な新しいプログラミング環境が提供される。文書には、アプリケーションを起動するための構成要素25が記述され、その構成要素25を契機として起動されたアプリケーションが、その構成要素25が有するポインタ情報を参照して、文書の他のデータ26を共有メモリとして利用する。このように、文書とアプリケーションが協働してシームレスに動作するような、新しいプログラミングパラダイムが実現される。
文書処理装置20は、DOMが変更されたときに、ミューテーションイベントにより変更を通知する機能を有しているので、グラフ表示用の処理系が参照しているデータ26が、他の処理系により変更されたとしても、グラフ表示用の処理系に変更を通知することにより、適切に変更を反映させることができる。このように、複数のアプリケーションが同一のデータを参照して動作している場合であっても、適切にデータの連携が図られるので、容易に複数のアプリケーションを連携して動作させることができる。複数の処理系が同じポインタを参照して動作することは、言ってみれば、XML文書をシェアードメモリとした処理系の連携である。
従来のスプレッドシートアプリケーションでは、セルの中に計算式を記入することで計算プロシージャを起動することができた。また、グラフを埋め込む場合には、参照するセルの範囲を指定し、そのセル内のデータを使ってグラフを生成するのが一般的である。本実施の形態の技術は、このモデルをXML複合文書に持ち込み、XMLならではの特徴を盛り込んだものといえる。
スプレッドシートアプリケーションを使い、集計機能やグラフによる表示機能を持たせた「機能的な」文書を作れば、ユーザはこの文書を利用してデータを入力したり、再計算をしたり、結果をシミュレートしながらオペレーションをこなすことができる。本実施の形態の文書処理装置でも同様に、上述した技術を利用してさまざまなプロシージャ(処理系)を連携させ、さまざまな目的に特化した「機能的な」XML複合文書を作ることができる。しかも、スプレッドシートアプリケーションとは違い、透過的で拡張性に富む、オープンなXML技術に基づいたプラットフォームを実現することができる。ユーザは、これらの機能的なXML文書を使っていろいろなオペレーションをこなすことができる。
図31(a)(b)は、ポインタ情報の例を示す。図31(a)は、ポインタ情報がxpath式で記述される場合の例を示す。この例では、処理系が参照すべきデータ26の位置を示すポインタ情報は、xpath式で記述されている。処理系は、このxpath式により、自身が参照すべきデータ26の位置を知ることができる。
図31(b)は、ポインタ情報が概念情報で与えられる場合の例を示す。構成要素25は、要素値又は属性値として、処理系が参照すべきデータ26の位置を概念的に示す、明確に規格化された概念情報を含んでいる。「明確に規定化された概念情報」は、例えば、オントロジー技術に基づいた概念情報であってもよい。この場合、この概念情報を解釈して現実のデータを特定するために、概念解決エンジン27が設けられる。概念解決エンジン27は、概念情報を取得して、その概念情報を例えばタグ名に変換する。概念情報として「重要データ」が指定されている場合は、概念解決エンジン27は、例えば、<重要>、<important>、<社外秘>などのタグ名を返す。これにより、処理系は、文書中の<重要>などのタグが付されたデータを参照すべきことが分かる。概念解決エンジン27に解決を依頼するときに、どのような情報が必要かを指定してもよい。例えば、「重要データ」という概念が指定されているときに、英語のタグ名に変換するよう依頼すると、概念解決エンジン27は、<important>、<secret>などのタグ名を返してもよい。
構成要素25を含むXMLフラグメントに、処理系の動作に必要なパラメータ情報を記述しておく場合に、パラメータ情報の一つとして、ポインタ情報が指し示す先のデータについての、明確に規定化された意味的な型情報を記述してもよい。「明確に規定化された意味的な型情報」は、例えば、オントロジー技術に基づいた意味的な型情報であってもよい。例えば、ポインタ情報として「重要」という概念が指定されていた場合、意味的な型情報として「経営的に」「営業的に」などの情報が指定されてもよい。また、ポインタ情報として「金額」という概念が指定されていた場合、意味的な型情報として「売上金」「希望小売価格」「借入金」などの情報が指定されてもよい。これにより、処理系は、セマンティックな型の整合性をチェックすることができる。
従来のプログラミング言語では、型にセマンティックな意味を持たせることはできない。例えば、数値型である「int」型の場合、代入される数値が整数であるか否かという整合性のチェックは可能であるが、代入される数値の意味的な整合性をチェックすることはできない。このため、例えば人月計算をする処理において、誤って人と月を加算したり、人と人を乗算してしまったりしても、プログラミング言語としては意味的な間違いを認識することはできない。これに対して、本実施の形態の技術によれば、同じ金額であっても「売上金」なのか「借入金」なのか、あるいは「1円単位」なのか「千ドル単位」なのか、「人数」なのか「年月」なのか、などのセマンティックな整合性の確認が可能となる。処理系が意味的な型の整合性を確認するときには、例えば、概念解決エンジン27を利用して、参照するデータのタグ名が、指定された意味的な型情報に整合しているか否かをチェックするようにしてもよい。
オントロジー技術を利用してデータに意味的な型情報を与える技術は、新しいプログラミング技術として汎用的に利用可能である。このように、セマンティックな技術思想を含むプログラミング技術を、従来のプログラミング技術と対比して、「セマンティックプログラミング」と呼ぶ。
ここで、セマンティックプログラミング技術の一例として、前提技術で説明したDOMユニット30によるミューテーションイベントの拡張について説明する。DOMが変更されたとき、そのDOMに「明確に規格化された意味的な型情報」が含まれていれば、その型情報を参照している処理系にミューテーションイベントが発行される。逆の表現をすると、処理系は自分が変更を監視したいDOMを直接指定するだけでなく、「明確に規格化された意味的な型情報」でも間接的に指定することができる。
図32(a)(b)は、DOMの変更を通知する仕組みを説明するための図である。図32(a)は、前提技術の文書処理装置20におけるミューテーションイベントの仕組みを示す。処理系29は、変更を監視すべきノードをxpath式などで指定し、ミューテーションイベントのリスナーとして登録する。DOMユニット30は、DOMが変更されると、登録されたリスナーに対してミューテーションイベントを発行する。
図32(b)は、本実施の形態で新たに提案するミューテーションイベントの仕組みを示す。文書処理装置20に、ミューテーションイベントの通知を仲介する通知部28を新たに設ける。通知部28は、処理系29から監視すべきノードの指定を受け付ける。DOMユニット30は、DOMが変更されると、通知部28にその旨を通知する。通知部28は、DOMユニット30からDOMの変更を通知されると、変更されたノードを監視している処理系29に対してミューテーションイベントを発行する。
通知部28は、処理系29が監視すべきノードをxpath式により受け付けてもよいが、より柔軟で汎用性の高いプログラミング環境を提供するために、明確に規格化された概念情報による指定を受け付けてもよい。この場合、通知部28は、DOMユニット30からDOMの変更を通知されると、そのノードのタグ名などを概念解決エンジン27に送り、概念解決エンジン27から、そのタグ名に対応する概念情報を取得する。通知部28は、取得した概念情報を登録している処理系29に対してミューテーションイベントを発行する。これにより、処理系29は、例えば「重要な情報」が変更されたときに通知するよう通知部28に依頼することができる。通知部28は、DOMユニット30からミューテーションイベントを受けたときに、変更されたノードが「重要な情報」に該当するか否かを概念解決エンジン27を用いて判定し、該当していれば処理系29にDOMの変更を通知する。
このようなセマンティックプログラミング技術により、より柔軟で汎用性の高いプログラムを容易に開発することができる。
つづいて、図30(c)に示したデータ構造を利用して、様々な機能を有する文書を編集する技術について説明する。
構成要素25が属する名前空間のボキャブラリの処理系、すなわち、構成要素25により起動される処理系は、カスタマイズ可能なアプリケーションの部品として提供されてもよい。以下、この処理系を、文書のビューを構成する部品の意味で、「ビューテンプレート」と呼ぶ。ビューテンプレートは、スクリプトベースの定義ファイルとして提供されてもよいし、ハードコードプラグインとして提供されてもよい。ビューテンプレートの機能を利用するためには、文書中にビューテンプレートのアンカーとなる構成要素25を記述し、その構成要素25に、処理系が参照すべきデータを指し示すポインタ情報を記述するとともに、その他、処理系が必要とする情報を記述しておけばよい。ビューテンプレートを汎用的に利用可能とするために、ポインタ情報を、明確に規格化された概念情報として指定可能な環境が提供されるのが好ましい。また、算術演算、論理演算、自然言語処理、その他の任意の演算を組み合わせた条件式などを用いて、参照すべきデータを指定可能としてもよい。
図33は、実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す。本実施の形態の文書処理装置100は、図1に示した前提技術の文書処理装置20の構成に加えて、ビューテンプレート制御ユニット70、取得部71、及びビューテンプレート78を備える。ビューテンプレート制御ユニット70は、提示部72、受付部74、及び編集部76を含む。
取得部71は、処理対象となる文書を取得する。ビューテンプレート78は、前述したように、文書に含まれるデータを利用して所定の機能を発現する処理系であり、文書の編集画面の構成部品である。
提示部72は、文書処理装置100において利用可能なビューテンプレート78をユーザに提示する。提示部72は、文書処理装置100にインストールされているビューテンプレート78の一覧を表示画面に提示してもよいし、編集中の文書の内容に応じて、利用可能なビューテンプレート78を選択して提示してもよい。例えば、SVG文書を編集中の場合は、SVG文書の中に挿入可能なビューテンプレート78を選択して提示してもよい。
受付部74は、ユーザから、文書にビューテンプレート78を付加する指示を受け付ける。受付部74は、提示部72が提示したビューテンプレート78の一覧画面に表示されたビューテンプレート78のアイコンをユーザが編集中の文書の表示画面上にドラッグ&ドロップしたときに、その位置にビューテンプレート78を挿入する指示を受け付けてもよい。
編集部76は、受付部74がビューテンプレート78の挿入指示を受け付けたときに、文書中の挿入を指示された位置に、そのビューテンプレート78を起動するための構成要素(タグ)を挿入する。このとき、編集部76は、ビューテンプレート78が動作に利用するデータの範囲を受け付けるための画面を提示して、ユーザからデータの指定を受け付けてもよい。また、編集部76は、ビューテンプレート78が動作に利用するデータの範囲を自動的に判定してもよい。編集部76は、ビューテンプレート78が動作に利用するデータのポインタ情報を文書中に記述する。編集部76は、さらに、ビューテンプレート78の動作に必要なパラメータなどを、ユーザから受け付けて、または自動的に判定して、文書に記述してもよい。
編集部76がビューテンプレート78を起動するための構成要素を文書中に追加すると、主制御ユニット22により、その構成要素を処理する処理系、すなわちビューテンプレート78が起動され、ビューテンプレート78が提供するビューが文書の編集画面上に表示される。以降、ビューテンプレート78が提供する機能が文書の編集画面において利用可能となる。
図34は、文書の編集画面の例を示す。文書の編集画面97には、提示部72によりビューテンプレートパレット98が表示されている。編集中の文書には、個人のスケジュール、ToDo、電子メールなどの情報が格納されているが、図34に示した編集画面97では、それらの情報にビューが与えられていないので、表示されていない。
ここで、ユーザが、ビューテンプレートパレット98の中から、スケジュールを表示するためのビューテンプレート78を選択して、編集画面上にドラッグ&ドロップすると、受付部74によりこの要求が受け付けられ、編集部76により文書の所定位置にスケジュール表示用のビューテンプレート78を起動するための構成要素が挿入される。このとき、編集部76は、この構成要素の属性値として、文書中のスケジュール情報が格納された部分のポインタ情報を記述する。
図35は、スケジュール用のビューテンプレート78が起動された状態の編集画面を示す。編集部76により、スケジュール用のビューテンプレート78を起動するための構成要素が文書に挿入されると、起動部の一例である主制御ユニット22により、その構成要素を処理するビューテンプレート78、すなわちスケジュール用のビューテンプレート78が起動され、ポインタ情報で指し示された部分に記述されているスケジュール情報99が表形式で表示される。
このように、本実施の形態の技術によれば、汎用的に用意された様々な機能を有するビューテンプレート78を文書に付加することができ、機能的な文書を容易に構築することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態で説明した、汎用的に用意された文書処理機能を提供する技術について更に説明する。第1の実施の形態において「ビューテンプレート」と呼んでいた機能を、本実施の形態では、汎用的なVC機能を提供する処理系(コンポーネント)という意味で、AVC(Adaptive Vocabulary Component)と呼ぶ。
図36は、本実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す。本実施の形態の文書処理装置100は、図33に示した第1の実施の形態の文書処理装置100のビューテンプレート制御ユニット70及びビューテンプレート78に代えて、AVC制御ユニット3000を備える。AVC制御ユニット3000は、AVC機能を提供する処理系であるテーブル表示用AVCコンポーネント3010、チャート表示用AVCコンポーネント3020、UIパーツ表示用AVCコンポーネント3030、ツリー表示用AVCコンポーネント3040と、それらのAVCコンポーネントの動作に必要なプロパティ情報を設定するAVCプロパティ設定部3002とを含む。
図37は、AVCコンポーネントのプロパティが挿入されたXML文書の例を示す。このXML文書は、単語帳のデータを記述するためのボキャブラリ「doc」で記述されている。ルート要素「doc」の子要素である要素「page」は、単語帳のページを示しており、ページ数に応じて複数設けられる。それぞれの要素「page」は、英語表記を格納する要素「english」と、日本語表記を格納する要素「japanese」とを含む。
図37の例では、この単語帳をテーブル形式で表示するために、テーブル表示用AVCコンポーネント3010の動作に必要なプロパティ情報を記述したAVCプロパティ3012が挿入されている。AVCプロパティ3012は、テーブル表示用AVCコンポーネント3010が処理可能な、テーブル表示用のボキャブラリ「tbl」で記述されている。AVCプロパティ3012には、「tbl」ボキャブラリと、「doc」ボキャブラリとの対応が、AVCプロパティを記述するためのボキャブラリ「avc」を用いて記述されている。以下、元のXML文書を記述しているボキャブラリ、ここでは「doc」を「ホストボキャブラリ」といい、挿入されたAVCプロパティを記述するボキャブラリ、ここでは「tbl」を「ゲストボキャブラリ」又は「AVCボキャブラリ」という。
図37の例では、テーブルの各列のデータを格納する要素「column」は、2つの「property」要素を子要素に持つ。1つ目の要素「property」には、「label-transfer1」というパラメータが、ホストボキャブラリの要素「english」を参照するというプロパティ情報が記録されている。2つ目の要素「property」には、「label-transfer2」というパラメータが、ホストボキャブラリの要素「japanese」を参照するというプロパティ情報が記録されている。テーブル表示用AVCコンポーネント3010は、このプロパティ情報を参照して、テーブルの各列に、ホストボキャブラリの要素「english」と「japanese」の値を代入して表示する。このようにして、任意の文書のデータを、テーブル表示用AVCコンポーネント3010などの汎用的な機能を有する処理系に渡して処理させることが可能となる。
図38は、本実施の形態に係る文書処理方法の手順を示す。ユーザが、AVCコンポーネントにより提供されるビューの挿入を指示すると(S10)、ホストボキャブラリの処理系は、挿入を指示されたAVCコンポーネントのAVCプロパティのテンプレートをソースDOMの指示された位置に挿入する(S12)。この機能は、文書処理装置20の主制御ユニット22が担当してもよいし、AVC制御ユニット3000が担当してもよい。メニューやコマンドなどが選択されたことによりAVCコンポーネントの挿入指示を受け付けてもよいし、AVCコンポーネントを示すアイコンなどが文書の表示画面の挿入位置にドロップされたことによりAVCコンポーネントの挿入指示を受け付けてもよい。ホストボキャブラリのスキーマを参照して、指示された位置にAVCプロパティを挿入可能か否かを判断し、スキーマに反する場合は挿入を受け付けないようにしてもよい。
ソースDOMが変更されると、DOMユニット30によりミューテーションイベントが発行され(S14)、ミューテーションイベントを受けたホストボキャブラリの処理系は、文書を再表示する(S16)。このとき、挿入されたAVCプロパティは、ホストボキャブラリの処理系が処理できないボキャブラリで記述されているので、ホストボキャブラリの処理系は主制御ユニット22に処理の委譲を依頼し、主制御ユニット22は、AVCプロパティを処理可能な処理系として、AVCコンポーネントを選択して処理を指示する(S18)。図37に示した例では、AVCプロパティ3012は、AVCボキャブラリ「tbl」で記述されているので、テーブル表示用AVCコンポーネント3010が選択される。処理を委譲されたAVCコンポーネントは、AVCプロパティを処理して表示するが、ここでは、テンプレートが挿入されているだけで、プロパティ値の実体が設定されていないので、AVCコンポーネントは、AVCプロパティを設定するために、AVCプロパティ設定部3002を呼び出す(S20)。
AVCプロパティ設定部3002は、AVCコンポーネントに、AVCプロパティの設定を受け付けるためのダイアログ画面を提示するよう要求する(S22)。このダイアログ画面は、AVCコンポーネントが共通に利用可能なライブラリとして用意されており、AVCコンポーネントは、設定を要するプロパティ情報を表示したダイアログ画面を生成してユーザに提示する(S24)。このダイアログ画面には、例えば、設定すべきプロパティ情報の一覧と、表示される画面のプレビューと、AVCコンポーネントが参照可能なデータ、すなわち、文書に含まれる要素や属性の一覧とが提示されてもよい。ユーザが、文書に含まれる要素の一覧の中から、例えばテーブルの列、行、ラベルなどに設定する要素を選択して、プロパティ情報の一覧画面にドラッグ&ドロップすることにより、対応を設定できるようにしてもよい。
ユーザがダイアログ画面を利用してプロパティ情報を設定すると(S26)、AVCコンポーネントは、プロパティの設定情報を受け付け、ソースDOM中に挿入されているAVCプロパティの対応するノードに、設定されたプロパティ値を書き込む(S28)。ソースDOMが変更されると、DOMユニット30によりミューテーションイベントが発行され(S30)、AVCプロパティの処理系であるAVCコンポーネント自身がミューテーションイベントを受けてAVCプロパティを処理する(S32)。こうして、AVCプロパティに設定された情報を利用して、AVCコンポーネントの機能が発現され、ユーザの所望の表示がなされる(S34)。表示される画面の例を図39に示す。
AVCプロパティが挿入されたXML文書を開いたときも同様に、下記のような手順により図39に示した画面が表示される。まず、主制御ユニット22により、ルート要素に対して処理系がディスパッチされ、ホストボキャブラリが処理される。ホストボキャブラリの処理系は、挿入されているAVCボキャブラリを処理できないので、AVCボキャブラリで記述された部分に対してペインを割り当てて、その処理を他の処理系に委譲する。主制御ユニット22は、AVCボキャブラリの処理系としてAVCコンポーネントを選択し、選択されたAVCコンポーネントが、AVCプロパティを参照してビューを生成する。こうして、図39に示した表示画面が得られる。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では、XML文書にAVCプロパティを挿入し、AVCプロパティの処理系としてAVCコンポーネントを起動させてAVC機能を発現させた。本実施の形態では、XML文書にAVCプロパティを挿入することなく、AVC機能を発現させる技術を説明する。
図40は、本実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す。本実施の形態の文書処理装置100は、図36に示した第2の実施の形態の文書処理装置100の構成に加えて、AVCプロパティ設定部3002が、AVCプロパティ生成部3004及び定義ファイル生成部3006を更に含む。その他の構成及び動作は、第2の実施の形態と同様である。
AVCプロパティ設定部3002がAVCコンポーネントの動作に必要なプロパティ情報の設定をユーザから受け付けると、AVCプロパティ生成部3004は、図37に示したようにソース文書にAVCプロパティ3012を挿入するのではなく、ソース文書とは別のファイルとして、AVCプロパティ3012を格納したAVCプロパティファイルを生成する。定義ファイル生成部3006は、AVCプロパティファイルを読み込むためのモジュールを生成する。ここでは、VC機能を利用したスクリプトベースの定義ファイルを生成する。
図41は、本実施の形態に係る文書処理方法の手順を示す。ユーザが、文書全体又はあるゾーンの処理系を、そのゾーンの構成要素が属するタグセットを処理する第1の処理系から、第2の処理系の一例であるAVCコンポーネントに切り替えるよう指示すると(S50)、AVCプロパティ設定部3002は、文書処理装置100に登録され利用可能となっているAVCコンポーネントのリストを取得してユーザに提示し、ユーザが利用するAVCコンポーネントの選択を受け付ける(S52)。AVCプロパティ設定部3002が、利用するAVCコンポーネントの選択を受け付けると(S54)、そのAVCコンポーネントの動作に必要なパラメータの設定を受け付けるために、AVCプロパティ生成部3004は、選択されたAVCコンポーネントのAVCプロパティをインスタンス化し(S56)、設定ダイアログ画面を提示するようAVCコンポーネントに要求する(S58)。要求されたAVCコンポーネントは、共通ライブラリを利用して設定ダイアログを生成し、ユーザに提示する(S60)。
ユーザがダイアログ画面を利用してプロパティ情報を設定すると(S62)、AVCプロパティ生成部3004によりAVCプロパティファイルが生成される。ここで、AVCコンポーネントは、定義ファイルの登録ダイアログ画面を提示するよう定義ファイル生成部3006に依頼する(S64)。定義ファイル生成部3006は、定義ファイルの登録名をユーザに問い合わせ(S66)、ユーザから定義ファイルの名称を受け付けると(S68)、ソース文書又は指定されたゾーンのApex要素の処理系として呼び出される定義ファイルを生成して、文書処理装置100が利用可能に登録する(S70)。この定義ファイルは、AVCプロパティファイルを読み込む命令を含むともに、読み込んだAVCプロパティの処理を他の適切な処理系、すなわち、AVCコンポーネントに委譲する命令を含む。
AVCプロパティ設定部3002は、AVCプロパティファイルの生成と、定義ファイルの生成が終了すると、生成した定義ファイルへ処理系を切り替える(S72)。この定義ファイルにより、AVCプロパティファイルが読み込まれ、AVCコンポーネントに処理が委譲される。処理を委譲されたAVCコンポーネントは、利用するデータを特定するための情報を格納したAVCプロパティファイルを参照して、文書に含まれるデータの中からAVCコンポーネントが利用するデータを特定し、特定されたデータを利用して所定の機能を発現し、ビューを生成して表示する(S74)。こうして、AVCプロパティに設定された情報を利用して、AVCコンポーネントの機能が発現され、ユーザの所望の表示がなされる。
このような技術により、ソース文書にプロパティ情報などを挿入することなく、AVC機能を実現することができる。したがって、ソース文書を記述するボキャブラリによらず、ソース文書のバリデーションを保ちつつ、AVC機能を利用して新たなビューを追加することができる。また、生成した定義ファイルを保存して別の文書に適用することで、定義ファイルを再利用し、複数の文書に対してAVC機能を利用することができる。
ソース文書に、適用すべき処理系を指定する命令をPIとして記述するようにしてもよい。これにより、文書のバリデーションに影響を与えずに、処理系を指定することができる。処理系が切り替わるゾーンごとに、処理系を指定するPIを記述してもよい。主制御ユニット22は、Apex要素に対して処理系を割り当てる際に、処理系を指定するPIが記述されている場合は、その処理系を優先的に割り当てる。この機能を利用すれば、AVC機能を呼び出すために生成された定義ファイルをPIとして指定しておくことにより、AVCコンポーネントを優先的に割り当て、AVC機能を発現させることができる。
(第4の実施の形態)
図42は、本実施の形態に係る文書処理装置の構成を示す。本実施の形態の文書処理装置100は、図36に示した第2の実施の形態の文書処理装置100の構成に加えて、AVCコンポーネント切替部3050を更に含む。AVCコンポーネント切替部3050は、文書に適用するAVCコンポーネントを、複数のAVCコンポーネント3010〜3040のいずれに切り替えるかをユーザから受け付け、選択されたAVCコンポーネントを文書に適用させる。これにより、ユーザは、同一の文書に対して複数のAVCコンポーネントを切り替えて適用させ、様々な機能を有するAVCコンポーネントにより多角的に文書を処理させることができる。その他の構成及び動作は、第2の実施の形態と同様である。
図43は、テーブル表示用AVCコンポーネント3010のAVCプロパティが挿入された文書の例を示す。このXML文書は、XHTML文書の「body」要素の下位に、コンピュータのスペックを記述するためのボキャブラリ「ns1」で記述されたデータと、テーブル表示用AVCコンポーネント3010を起動させるためのアンカーとなる要素3025と、ボキャブラリ「ns1」で記述されたデータをテーブル表示用AVCコンポーネント3010で処理させるために必要なパラメータを含むAVCプロパティ3012を含む。ボキャブラリ「ns1」のルート要素「root」の子要素「pc」は、複数繰り返して設けられ、それぞれ、コンピュータに搭載されたCPUのクロック周波数を格納する要素「cpu」と、メモリの容量を格納する要素「memory」と、ハードディスクドライブ(HDD)の容量を格納する要素「hdd」と、値段を格納する要素「price」とを含む。要素3025は、テーブル表示用AVCコンポーネント3010を起動させるためにテーブル表示用AVCコンポーネント3010が処理を担当するボキャブラリである「avc-datagrid」で記述される。このボキャブラリのルート要素「datagrid」は、属性として、AVCコンポーネントの名称、バージョン番号、起動時にダイアログを開くか否かを示す情報を有する。AVCプロパティ3012は、図43では省略しており、図44及び図45に詳細を示す。
図44は、図43に示した文書に記述されたAVCプロパティ3012の内容を示す。AVCプロパティ3012には、テーブル表示用AVCコンポーネントが参照するプロパティ情報として、繰り返し要素が「/html/body/p/root/pc」であること、見出し行の表示/非表示、行番号列の表示/非表示、表示領域の幅、表示領域の高さ、集計行の表示/非表示、集計行の表示形式、集計行の桁区切り、集計行の小数部表示桁数、集計列の表示/非表示、集計列の表示形式、集計列の桁区切り、集計列の小数部表示桁数、集計列の幅が記述される。
図45は、図43に示した文書に記述されたAVCプロパティ3012の内容を示す。ボキャブラリ「avc-datagrid」の要素「column」は、テーブルの列に関するプロパティ情報として、列ノードが繰り返し要素として指定されている「/html/body/p/root/pc」の下位の要素「cpu」のテキストノードであること、列の見出し、データ型、データ型が「文字列」である場合の最大文字数、データ型が「数値」である場合の表示形式、桁区切り、小数部表示桁数、データ型が「日時」である場合の日時形式、列の幅、型不一致の表示/非表示を記述した要素を含む。他の列についても同様にプロパティ情報が記述される。
図46は、図43に示した文書を表示した画面の例を示す。図43に示した文書に記述された要素3025の処理モジュールとして起動されたテーブル表示用AVCコンポーネント3010は、AVCプロパティ3012を参照して、文書に記述されたコンピュータのスペックに関するデータをテーブル表示する。なお、図45において、列の見出しを格納するプロパティ情報は、<avc:property name="title" type="title" checked="false" inheritable="true" />と記述されており、見出しが設定されておらず、空要素となっている。このとき、テーブル表示用AVCコンポーネント3010は、この列のデータとして指定された要素の要素名を見出しとして表示する。したがって、図46では、テーブルの第2列の見出しとして、その列のデータとして指定された要素の要素名「cpu」が表示されている。
図47は、AVCコンポーネントにより生成されたビューの領域でマウスを右クリックしたときに表示されるメニューを示す。ここで、ユーザが「設定」を選択すると、AVCプロパティ設定部3002が、テーブル表示用AVCコンポーネント3010が参照するAVCプロパティ3012を設定するためのダイアログ画面を表示する。「切替」を選択すると、AVCコンポーネント切替部3050が、AVCコンポーネントを切り替えるためのダイアログ画面を表示する。
図48は、AVCコンポーネント切替部3050により表示されたダイアログ画面の例を示す。AVCコンポーネント切替部3050は、文書処理装置100が利用可能なAVCコンポーネントの一覧を取得して表示し、ユーザから切替先のAVCコンポーネントの選択を受け付ける。文書処理装置100にAVCコンポーネントを新たにインストールすると、切替先のAVCコンポーネントを増やすことができる。ここでは、散布図形式で表示するチャート表示用AVCコンポーネント3020が選択されたものとする。
AVCコンポーネント切替部3050は、切替先のAVCコンポーネントを受け付けると、後述するように、ソースDOM中のAVCコンポーネントを起動するためのアンカーとなる要素3025を、元のAVCコンポーネントが処理可能なボキャブラリの要素から、切替先のAVCコンポーネントが処理可能なボキャブラリの要素に書き換える。ソースDOMを書き換えると、ミューテーションイベントにより変更が処理系に通知されるが、このとき、新たに書き換えられた要素3025の処理系として、切替先のAVCコンポーネント、ここではチャート表示用AVCコンポーネント3020が起動される。起動されたチャート表示用AVCコンポーネント3020は、AVCプロパティの設定を受け付けるために、AVCプロパティ設定部3002を呼び出す。
図49は、AVCプロパティ設定部3002により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す。図49は、散布図のデータを設定するための画面を示す。散布図においては、X軸、Y軸の他に、系列、要素ラベルを指定できるようになっている。ここで、1点のみを散布図に表示してもあまり意味がないので、繰り返し要素を指定し、その要素に含まれるデータをX軸、Y軸、系列、要素ラベルに指定可能とする。
このとき、繰り返し要素は、切り替える前のAVCコンポーネントであるテーブル表示用AVCコンポーネント3010において、「/html/body/p/root/pc」と指定されていたので、デフォルトではこの設定を継承し、自動的に同じ要素を繰り返し要素に設定する。また、テーブル表示用AVCコンポーネント3010においては、列のデータとして指定されていた、「cpu」、「memory」、「hdd」、「price」のテキストノードを、デフォルトでは自動的にX軸、Y軸、系列、要素ラベルのデータとして自動的に設定する。これにより、AVCコンポーネントを切り替えても、同様のプロパティ情報を自動的に継承することにより、ユーザによる設定の手間を軽減することができる。データの指定を変更する場合は、左側に表示されている文書の要素のツリー構造の中からデータを選択し、「設定」をクリックするか、ドラッグアンドドロップすればよい。右下に、表示画面のプレビューが表示される。
図50は、AVCプロパティ設定部3002により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す。図50は、X軸として指定されたデータのオプションを設定するための画面を示し、X軸として指定されたデータの見出し、データ型、表示項目、データ型が「文字列」である場合の最大文字数、不正なデータの表示/非表示が設定できるようになっている。Y軸に関しても同様である。データ型として、デフォルトでは「文字列」が選択されているが、データが数値である場合には、「数値」や「日時」を指定することも可能である。データ型が「文字列」の場合は、同じ文字列ごとにグループ化されて散布図上にアイコンが表示される。データ型が「数値」又は「日時」である場合は、その軸を数直線として散布図が表示される。ここでは、X軸に要素「cpu」が文字列として、Y軸に要素「memory」が文字列として指定されているので、X軸には要素「cpu」のテキストノードが「2.2 ghz」、「2.8 ghz」、「3.0 ghz」の3種類、Y軸には要素「memory」のテキストノードが「512 mb」、「1 gb」の2種類に分類されてアイコンが表示される。
図51は、AVCプロパティ設定部3002により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す。図51は、系列として指定されたデータのオプションを設定するための画面を示し、系列として指定されたデータのデータ型、表示項目、データ型が「文字列」である場合の最大文字数、凡例の表示/非表示が設定できるようになっている。散布図上において、同じ文字列、数値、又は日時ごとに異なるアイコンが表示される。ここでは、系列に要素「hdd」が文字列として指定されているので、要素「hdd」のテキストノードの文字列ごとに3種類のアイコンが表示される。
図52は、AVCプロパティ設定部3002により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す。図52は、要素ラベルとして指定されたデータのオプションを設定するための画面を示し、要素ラベルとして指定されたデータの最大文字数が設定できるようになっている。散布図上において、指定されたデータがアイコンの近傍にラベルとして表示される。ここでは、要素ラベルとして要素「price」のテキストノードが指定されているので、要素「pc」に対応する各アイコンの近傍に、その要素「pc」に含まれる要素「price」のテキストノードの文字列がラベルとして表示される。
図53は、AVCプロパティ設定部3002により表示されたAVCプロパティの設定画面の例を示す。図53は、散布図の表示領域のプロパティ情報を設定するための画面を示し、表示領域の幅、高さが設定できるようになっている。
図54は、チャート表示用AVCコンポーネント3020に切り替えたときの表示画面の例を示す。図46においては、テーブル表示用AVCコンポーネント3010が適用されて文書中のデータがテーブル表示されていたが、チャート表示用AVCコンポーネント3020に切り替えることにより、同じデータが散布図として表示されている。このように、同じ文書に対して複数のAVCコンポーネントを切り替えて適用することを可能とすることにより、汎用的に用意された様々な機能を利用して文書を多角的に処理することができる。
図55は、図43に示した文書が、AVCコンポーネントを切り替えることにより変更された様子を示す。前述したように、AVCコンポーネント切替部3050がAVCコンポーネントを切り替えるときに、AVCコンポーネントを起動するためのアンカーとなる要素3025を、テーブル表示用AVCコンポーネント3010が処理可能なボキャブラリである「avc-datagrid」の要素から、チャート表示用AVCコンポーネント3020が処理可能なボキャブラリである「avc-xychart」の要素に書き換える。
図56は、図55に示した文書に記述されたAVCプロパティ3012の内容を示す。AVCプロパティ3012には、チャート表示用AVCコンポーネント3020が参照するプロパティ情報として、繰り返し要素が「/html/body/p/root/pc」であること、表示領域の幅、表示領域の高さが記述される。これらのプロパティ情報は、図44に示したテーブル表示用AVCコンポーネント3010のAVCプロパティ3012にも記述されていたものであり、AVCプロパティを記述するためのボキャブラリを用いて同じデータ構造で記述される。このように、共通のスキーマを用いてAVCプロパティ3012を記述することで、ある文書に対して、一度いずれかのAVCコンポーネントを適用させてAVCプロパティ3012を設定しておけば、AVCコンポーネントを切り替えるときにAVCコンポーネント間で設定を引き継ぐことができ、ユーザの設定の手間を軽減させることができる。また、半自動的にAVCコンポーネントを適用させたビューを生成することができる。AVCコンポーネントを新たに開発する際には、共通のスキーマを用いたAVCプロパティ3012を参照して動作するようにし、他のAVCコンポーネントと共通の設定は継承できるようにすることが望ましい。
図57は、図55に示した文書に記述されたAVCプロパティ3012の内容を示す。ボキャブラリ「avc-xychart」の要素「axis」は、X軸に関するプロパティ情報として、軸のデータが繰り返し要素として指定されている「/html/body/p/root/pc」の下位の要素「cpu」のテキストノードであること、軸の見出し、データ型、データ型が「数値」である場合の最小値、最大値、主目盛幅、副目盛幅、データ型が「日時」である場合の最小値、最大値、主目盛幅、副目盛幅、日付のみのデータの扱い方、データ型が「文字列」である場合の表示項目、最大文字数、不正なデータの表示/非表示を記述した要素を含む。Y軸についても同様にプロパティ情報が記述される。
図58は、図55に示した文書に記述されたAVCプロパティ3012の内容を示す。ボキャブラリ「avc-xychart」の要素「series」は、系列に関するプロパティ情報として、系列のデータが繰り返し要素として指定されている「/html/body/p/root/pc」の下位の要素「hdd」のテキストノードであること、データ型、データ型が「数値」である場合の最小値、最大値、目盛幅、データ型が「日時」である場合の最小値、最大値、目盛幅、日付のみのデータの扱い方、データ型が「文字列」である場合の表示項目、最大文字数、凡例の表示/非表示を記述した要素を含む。
図59は、図55に示した文書に記述されたAVCプロパティ3012の内容を示す。ボキャブラリ「avc-xychart」の要素「objectlabel」は、要素ラベルに関するプロパティ情報として、要素ラベルのデータが繰り返し要素として指定されている「/html/body/p/root/pc」の下位の要素「price」のテキストノードであること、最大文字数を記述した要素を含む。
図60は、図49に示した散布図のデータを設定するための画面において、Y軸のデータを変更したときの画面を示す。要素「price」のテキストノードをY軸のデータ領域にドラッグアンドドロップすると、要素「price」のテキストノードが新たにY軸のデータに指定される。画面右下には、Y軸が「price」に変更された散布図のプレビューが表示されている。このように、チャート表示用AVCコンポーネント3020は、文書中に繰り返し存在する任意の要素のデータを軸に設定し、散布図を作成することができる。
図61は、Y軸のデータのデータ型を変更したときの画面を示す。要素「price」のテキストノードには、コンピュータの値段が数値として格納されているので、「文字列」意外に「数値」のデータ型が許される。そこで、Y軸のデータ型を「数値」に変更し、最小値を「0」に設定すると、画面右下に表示されているように、Y軸が0を始点とする数直線に変わり、数直線上に各コンピュータの値段がプロットされる。
このように、ユーザがデータの型を指定できるようにすることで、同じ文書に異なるビューを与えることができる。例えば、テーブル表示用AVCコンポーネント3010においても、チャート表示用AVCコンポーネント3020においても、データを文字列として扱うのか数値として扱うのかによって、ソートしたりマッピングしたりした結果が変わる。ユーザ自身がデータの型を指定可能とすることで、柔軟で汎用性の高い機能を提供することができる。また、自身が作成したボキャブラリではないボキャブラリで記述されたデータに対しても、ユーザが独自にデータ型を与えることができる。そのボキャブラリにDTDやXML Schemaなどのスキーマが存在していたとしても、AVCコンポーネント上では別のデータ型を与えることができ、データを柔軟に処理させることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、XML文書を処理する例について説明したが、本実施の形態の文書処理装置100は、他のマークアップ言語、例えば、SGML、HTMLなどで記述された文書も同様に処理可能である。
本発明は、マークアップ言語により構造化されたデータを処理する文書処理装置に利用可能である。

Claims (9)

  1. 文書中のデータを処理して所定の機能を発現するための汎用的な部品として利用可能な複数の処理モジュールと、
    同一の前記データに対して異なる複数の前記処理モジュールを切り替えて適用可能とする切替部と、
    を備えることを特徴とする文書処理装置。
  2. 前記文書は、マークアップ言語により記述され、前記処理モジュールが処理可能なタグセットの構成要素を含み、
    前記構成要素を処理するために、その構成要素が属するタグセットを処理可能な前記処理モジュールが起動されることを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
  3. 前記切替部は、前記処理モジュールを切り替えるときに、前記構成要素を、切替元の処理モジュールが処理可能なタグセットの構成要素から、切替先の処理モジュールが処理可能なタグセットの構成要素に書き換えることを特徴とする請求項2に記載の文書処理装置。
  4. 前記処理モジュールの動作に必要なパラメータの設定を受け付けるプロパティ設定部を更に備え、
    前記プロパティ設定部は、受け付けた前記パラメータを、前記構成要素又はその子孫の構成要素の要素値又は属性値として前記文書に記述することを特徴とする請求項2又は3に記載の文書処理装置。
  5. 前記プロパティ設定部は、前記処理モジュールを切り替えるときに、切替元の処理モジュールと切替先の処理モジュールとの間で共通に使用されるパラメータの設定を、切替元の処理モジュールから切替先の処理モジュールへ継承させて自動的に設定することを特徴とする請求項4に記載の文書処理装置。
  6. 前記プロパティ設定部は、前記処理モジュールが処理する前記文書中のデータの型の設定を受け付けることを特徴とする請求項4又は5に記載の文書処理装置。
  7. 前記プロパティ設定部は、前記処理モジュールが前記文書中のデータを画面に表示する際に、そのデータのラベルとして表示するテキストデータの設定を受け付け、前記データのラベルとして表示するテキストデータがユーザから設定されない場合は、そのデータの要素名をラベルとして設定することを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の文書処理装置。
  8. 文書中のデータを処理して所定の機能を発現するための汎用的な部品として利用可能な複数の処理モジュールのうちいずれかを前記文書中のデータに適用するステップと、
    別の前記処理モジュールを、同一の前記文書中のデータに対して切り替えて適用するステップと、
    を含むことを特徴とする文書処理装方法。
  9. 文書中のデータを処理して所定の機能を発現するための汎用的な部品として利用可能な複数の処理モジュールと、
    同一の前記データに対して異なる複数の前記処理モジュールを切り替えて適用可能とする機能と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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