JP5020075B2 - 文書処理装置 - Google Patents
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Description
この装置は、所定のタグセットで記述された構造化文書ファイルを取得する文書取得部と、構造化文書ファイルに含まれる構成要素間の関係を定義した関係情報を取得する関係情報取得部と、構造化文書ファイルを関係情報に応じて図示するための規則を示す表示規則情報を保持する表示規則保持部と、構造化文書ファイルについての関係情報と表示規則情報を参照して、構造化文書ファイルの表示スタイルを決定する表示スタイル決定部と、決定された表示スタイルに応じて、構造化文書ファイルに含まれる各構成要素を図形オブジェクトにより画面表示させる画面表示部と、を備える。
関係情報には、構造化文書ファイルのタグ構造とは異なる構成要素間の関係を定義可能である。
文書取得部は、第1のタグセットで記述された構造化文書ファイルを取得し、表示規則保持部は、構造化文書ファイルに含まれる構成要素間の関係を画像表示するための規則として表示規則情報を保持し、表示スタイル決定部は、定義データを参照して、第1のタグセットで記述された構造化文書ファイルから第2のタグセットで記述された構造化文書ファイルを生成するとともに、関係情報と表示規則情報を参照して、第2のタグセットで記述された構造化文書ファイルについての表示スタイルを決定してもよい。
図1は、前提技術に係る文書処理装置20の構成を示す。文書処理装置20は、文書内のデータが階層構造を有する複数の構成要素に分類された構造化文書を処理するが、本前提技術では構造化文書の一例としてXML文書を処理する例について説明する。文書処理装置20は、主制御ユニット22、編集ユニット24、DOMユニット30、CSSユニット40、HTMLユニット50、SVGユニット60、及び変換部の一例であるVCユニット80を備える。これらの構成は、ハードウェアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
インターネットの出現により、ユーザによって処理され管理される文書の数が、ほぼ指数関数的に増加してきた。インターネットの核を形成するウェブ(World Wide Web)は、そのような文書データの大きな受け皿となっている。ウェブは、文書に加えて、このような文書の情報検索システムを提供する。これらの文書は、通常、マークアップ言語により記述される。マークアップ言語のシンプルかつポピュラーな例の一つにHTML(HyperText Markup Language)がある。このような文書は、ウェブの他の位置に格納されている他の文書へのリンクをさらに含む。XML(eXtensible Markup Language)は、さらに高度でポピュラーなマークアップ言語である。ウェブ文書にアクセスし、閲覧するためのシンプルなブラウザが、Java(登録商標)のようなオブジェクト指向のプログラミング言語で開発されている。
[入力] → [処理] → [出力]
[コントローラ]→ [モデル] → [ビュー]
文書処理システムの実施例は、図11−29に関連して明らかにされる。
実行環境101のキーとなるコンポーネントはProgramInvoker(プログラムインボーカ:プログラム起動部)103である。ProgramInvoker103は、文書処理システムを起動するためにアクセスされる基本的なプログラムである。例えば、ユーザが文書処理システムにログオンして開始するとき、ProgramInvoker103が実行される。ProgramInvoker103は、例えば、文書処理システムにプラグインとして加えられた機能を読み出して実行させたり、アプリケーションを開始して実行させたり、文書に関連するプロパティを読み出すことができる。ProgramInvoker103の機能はこれらに限定されない。ユーザが実行環境内で実行されるように意図されたアプリケーションを起動したいとき、ProgramInvoker103は、そのアプリケーションを見つけ、それを起動して、アプリケーションを実行する。
プラグインサブシステム104は、文書処理システムに機能を追加するための高度に柔軟で効率的な構成として使用される。プラグインサブシステム104は、また、文書処理システムに存在する機能を修正又は削除するために使用することができる。さらに、種々様々の機能をプラグインサブシステムを使用して追加又は修正することができる。例えば、画面上への文書の描画を支援するように作用するEditlet(エディットレット:編集部)機能を追加することもできる。Editletプラグインは、システムに追加されるボキャブラリの編集も支援する。
コマンドサブシステム105は、文書の処理に関連したコマンドの形式の命令を実行するために使用される。ユーザは、一連の命令を実行することにより、文書に対する操作を実行することができる。例えば、ユーザは、コマンドの形で命令を発行することにより、文書処理システム中のXML文書に対応するXMLのDOMツリーを編集し、XML文書を処理する。これらのコマンドは、キーストローク、マウスクリック、又は他の有効なユーザインタフェイスアクションを使用して入力されてもよい。1つのコマンドにより1以上の命令が実行されることもある。この場合、これらの命令が1つのコマンドにラップ(包含)され、連続して実行される。例えば、ユーザが、誤った単語を正しい単語に置換したいとする。この場合、第1の命令は、文書中の誤った単語を発見することであり、第2の命令は、誤った単語を削除することであり、第3の命令は、正しい単語を挿入することであってもよい。これらの3つの命令が1つのコマンドにラップされてもよい。
Resource109は、様々なクラスに、いくつかの機能を提供するオブジェクトである。例えば、ストリングリソース、アイコン、及びデフォルトキーバインドは、システムで使用されるResourceの例である。
文書処理システムの第2の主要な特徴であるアプリケーションコンポーネント102は、実行環境101において実行される。アプリケーションコンポーネント102は、実際の文書と、システム内における文書の様々な論理的、物理的な表現を含む。さらに、アプリケーションコンポーネント102は、文書を管理するために使用されるシステムの構成を含む。アプリケーションコンポーネント102は、さらに、UserApplication(ユーザアプリケーション)106、アプリケーションコア108、ユーザインタフェイス107、及びCoreComponent(コアコンポーネント)110を含む。
UserApplication106は、ProgramInvoker103と共にシステム上にロードされる。UserApplication106は、文書と、文書の様々な表現と、文書と対話するために必要なユーザインタフェイスとをつなぐ接着剤となる。例えば、ユーザが、プロジェクトの一部である文書のセットを生成したいとする。これらの文書がロードされると、文書の適切な表現が生成される。ユーザインタフェイス機能は、UserApplication106の一部として追加される。言いかえれば、UserApplication106は、ユーザがプロジェクトの一部を形成する文書と対話することを可能とする文書の表現と、文書の様々な態様とを、共に保持する。一旦UserApplication106が生成されると、ユーザがプロジェクトの一部を形成する文書との対話を望むたびに、ユーザは簡単に実行環境上にUserApplication106をロードすることができる。
CoreComponent110は、複数のPane(ペイン)の間で文書を共有する方法を提供する。後で詳述するように、Paneは、DOMツリーを表示し、画面の物理的なレイアウトを扱う。例えば、物理的な画面は、個々の情報の断片を描写する画面内の複数のPaneからなる。ユーザから画面上に見える文書は、1又はそれ以上のPaneに出現しうる。また、2つの異なる文書が画面上で2つの異なるPaneに現れてもよい。
上述したように、アプリケーションコンポーネント102は、システムにより処理され管理される文書から構成される。これは、システム内における文書の様々な論理的及び物理的な表現を含む。アプリケーションコア108は、アプリケーションコンポーネント102の構成である。その機能は、実際の文書を、それに含まれる全てのデータとともに保持することである。アプリケーションコア108は、DocumentManager(ドキュメントマネージャ:文書管理部)1081及びDocument(ドキュメント:文書)1082自身を含む。
アプリケーションコンポーネント102の別の構成は、ユーザがシステムと物理的に対話する手段を提供するユーザインタフェイス107である。例えば、ユーザインタフェイスは、ユーザが文書をアップロードしたり、削除したり、編集したり、管理したりするために使用される。ユーザインタフェイスは、Frame(フレーム)1071、MenuBar(メニューバー)1072、StatusBar(ステータスバー)1073、及びURLBar(URLバー)1074を含む。
図12は、DocumentManager1081の詳細を示す。これは、文書処理システム内で文書を表現するために用いられるデータ構造及び構成を含む。分かりやすくするために、このサブセクションで説明される構成は、MVCパラダイムを用いて説明される。
文書を表現するDOMツリーは、Node(ノード)2021を有するツリーである。DOMツリーの部分集合であるZone(ゾーン)209は、DOMツリー内の1以上のNodeの関連領域を含む。例えば、画面上で文書の一部のみを表示し得るが、この可視化された文書の一部はZone209を用いて表示される。Zoneは、ZoneFactory(ゾーンファクトリ:ゾーン生成部)205と呼ばれるプラグインを用いて、生成され、取り扱われ、処理される。ZoneはDOMの一部を表現するが、1以上の「名前空間」を使用してもよい。よく知られているように、名前空間は、名前空間内でユニークな名前の集合である。換言すれば、名前空間内に同じ名前は存在しない。
Facet(ファセット)2022は、MVCパラダイムのモデル(M)部分内の別の構成である。Facetは、ZoneにおいてNodeを編集するために使用される。Facet2022は、Zone自身の内容に影響を与えずに実行することができる手続(プロシージャ)を使用して、DOMへのアクセスを編成する。次に説明するように、これらの手続は、Nodeに関連した重要で有用な操作を実行する。
文書処理システム内の文書は、少なくとも4つの観点から見ることができる。すなわち、1)文書処理システムにおいて文書の内容及び構造を保持するために用いられるデータ構造、2)文書の保全性に影響を与えずに文書の内容を編集する手段、3)文書の画面上の論理的なレイアウト、4)文書の画面上の物理的なレイアウト、である。Zone、Facet、Canvas及びPaneは、前述の4つの観点に相当する、文書処理システムのコンポーネントをそれぞれ表す。
上述したように、文書に対するいかなる変更(例えば編集)も取消可能であることが望ましい。例えば、ユーザが編集操作を実行し、次に、その変更の取消を決定したとする。図12に関連して、アンドゥサブシステム212は、文書管理部の取消可能なコンポーネントを実現する。UndoManager(アンドゥマネージャ:アンドゥ管理部)2121は、ユーザによって取り消される可能性のある全ての文書に対する操作を保持する。
前述したように、MVCのコントローラ部分は、カーソルサブシステム204を備えてもよい。カーソルサブシステム204は、ユーザから入力を受け付ける。これらの入力は、一般にコマンド及び/又は編集操作の性格を有している。したがって、カーソルサブシステム204は、DocumentManager1081に関連したMVCパラダイムのコントローラ(C)部分であると考えることができる。
前述したように、Canvas210は、画面上に提示されるべき文書の論理的なレイアウトを表す。XHTML文書の例では、Canvas210は、文書が画面上でいかに見えるかを論理的に表現したボックスツリー208を含んでもよい。このボックスツリー208は、DocumentManager1081に関連したMVCパラダイムのビュー(V)部分に含まれよう。
文書処理システムの重要な特徴は、XML文書を、他の表現にマップして取り扱うことが可能で、かつ、マップした先の表現を編集すると、その編集が元のXML文書に整合性を保ちつつ反映される環境を提供することにある。
ボキャブラリコネクションサブシステム300の機能は、VocabularyConnection301と呼ばれるプラグインを使用して、文書処理システムにおいて実現される。文書が表現されるVocabulary305ごとに、対応するプラグインが要求される。例えば、文書の一部がHTMLで記述され、残りがSVGで記述されている場合、HTMLとSVGに対応するボキャブラリプラグインが要求される。
Connector304は、ソースDOMツリーのソースノードと、デスティネーションDOMツリーのデスティネーションノードとを接続する。Connector304は、ソースDOMツリー中のソースノード、及びソースノードに対応するソース文書に対する修正(変更)を見るために作用する。そして、対応するデスティネーションDOMツリーのノードを修正する。Connector304は、デスティネーションDOMツリーを修正することができる唯一のオブジェクトである。例えば、ユーザは、ソース文書、及び対応するソースDOMツリーに対してのみ修正を行うことができる。その後、Connector304がデスティネーションDOMツリーに、対応する修正を行う。
上述したように、ボキャブラリコネクションサブシステムの目的は、同一の文書の2つの表現を同時に生成し保持することである。第2の表現も、DOMツリーの形式であり、これはデスティネーションDOMツリーとして既に説明した。第2の表現における文書を見るために、DestinationZone、Canvas及びPaneが必要である。
ボキャブラリコネクション(VC)サブシステム300の要素として、ボキャブラリコネクション(VC)コマンドサブシステム313がある。ボキャブラリコネクションコマンドサブシステム313は、ボキャブラリコネクションサブシステム300に関連した命令の実行のために使用されるVCCommand(ボキャブラリコネクションコマンド)315を生成する。VCCommandは、内蔵のCommandTemplate(コマンドテンプレート)318を使用して、及び/又は、スクリプトサブシステム314においてスクリプト言語を使用してスクラッチからコマンドを生成することにより、生成することができる。
XPathサブシステム316は、文書処理システムの重要な構成であり、ボキャブラリコネクションの実現を支援する。Connector304は、一般にxpath情報を含む。上述したように、ボキャブラリコネクションのタスクの1つは、ソースDOMツリーの変化をデスティネーションDOMツリーに反映させることである。xpath情報は、変更/修正を監視されるべきソースDOMツリーのサブセットを決定するために用いられる1以上のxpath表現を含む。
ソースDOMツリーは、別のボキャブラリに変換される前のボキャブラリで文書を表現したDOMツリー又はZoneである。ソースDOMツリーのノードは、ソースノードと呼ばれる。
実用のためには、プログラムはユーザからのコマンドに応答しなければならない。イベントは、プログラム上で実行されたユーザアクションを記述し実行する方法である。多くの高級言語、例えばJava(登録商標)は、ユーザアクションを記述するイベントに頼っている。従来、プログラムは、ユーザアクションを理解し、それを自身で実行するために、積極的に情報を集める必要があった。これは、例えば、プログラムが自身を初期化した後、ユーザが画面、キーボード、マウスなどでアクションを起こしたときに適切な処理を講じるために、ユーザのアクションを繰り返し確認するループに入ることを意味する。しかしながら、このプロセスは扱いにくい。さらに、それは、ユーザが何かをするのを待つ間、CPUサイクルを消費してループするプログラムを必要とする。
イベントは、イベントスレッドを用いて渡される。Canvas210は、イベントを受け取ると、その状態を変更する。必要であれば、Command1052がCanvas210によりCommandQueue1053にポストされる。
VocabularyConnectionプラグイン301を用いて、DestinationCanvasの一例であるXHTMLCanvas1106は、発生したイベント、例えば、マウスイベント、キーボードイベント、ドラッグアンドドロップイベント、及びボキャブラリに特有のイベントなどを受け取る。これらのイベントは、コネクタ304に通知される。より詳細には、図21(b)に図示されるように、VocabularyConnectionプラグイン301内のイベントフローは、SourcePane1103、VCCanvas1104、DestinationPane1105、DestinationCanvasの一例であるDestinationCanvas1106、デスティネーションDOMツリー及びConnectorTreeを通過する。
ProgramInvoker103及びそれと他の構成との関係は、図14(a)に更に詳細に示される。ProgramInvoker103は、文書処理システムを開始するために実行される実行環境中の基本的なプログラムである。図11(b)及び図11(c)に図示されるように、UserApplication106、ServiceBroker1041、CommandInvoker1051、及びResource109は、全てProgramInvoker103に接続される。前述したように、アプリケーション102は、実行環境中で実行されるコンポーネントである。同様に、ServiceBroker1041は、システムに様々な機能を加えるプラグインを管理する。他方、CommandInvoker1051は、ユーザにより提供される命令を実行して、コマンドを実行するために使用されるクラス及びファンクションを保持する。
ServiceBroker1041について、図14(b)を参照して更に詳細に説明する。前述したように、ServiceBroker1041は、システムに様々な機能を追加するプラグイン(及び関連するサービス)を管理する。Service1042は、文書処理システムに特徴を追加又は変更可能な最も下の層である。「Service」は、ServiceCategory401とServiceProvider402の2つの部分からなる。図14(c)に図示されるように、1つのServiceCategory401は、複数の関連するServiceProvider402を持ちうる。それぞれのServiceProviderは、特定のServiceCategoryの一部または全部を実行するように作用する。ServiceCategory401は、他方では、Serviceの型を定義する。
図14(e)は、ProgramInvoker103とUserApplication106との関係についての更なる詳細を示す。必要な文書やデータなどは、ストレージからロードされる。必要なプラグインは、全てServiceBroker1041上にロードされる。ServiceBroker1041は、全てのプラグインを保持し管理する。プラグインは、システムに物理的に追加することができ、又、その機能はストレージからロードすることができる。プラグインの内容がロードされると、ServiceBroker1041は、対応するプラグインを定義する。つづいて、対応するUserApplication106が生成され、実行環境101にロードされ、ProgramInvoker103にアタッチされる。
図15(a)は、ProgramInvoker103上にロードしたアプリケーションサービスの構成についての更なる詳細を示す。コマンドサブシステム105のコンポーネントであるCommandInvoker1051は、ProgramInvoker103内のCommand1052を起動又は実行する。Command1052は、文書処理システムにおいて、XMLなどの文書を処理し、対応するXMLDOMツリーを編集するために用いられる命令である。CommandInvoker1051は、Command1052を実行するために必要なクラス及びファンクションを保持する。
図16(a)は、全ての文書、及び文書の一部及び文書に属するデータを保持するアプリケーションコア108についての更なる説明を提供する。CoreComponent110は、文書1082を管理するDocumentManager1081にアタッチされる。DocumentManager1081は、文書処理システムに関連づけられたメモリに格納される全ての文書1082の所有者である。
図17(a)は、DocumentManager1081の更なる説明と、DocumentManagerにおいて文書が構成され保持される様子を示す。図11(b)に示したように、DocumentManager1081は、文書1082を管理する。図17(a)に示される例において、複数の文書のうちの1つはRootDocument(ルート文書)701であり、残りの文書はSubDocument(サブ文書)702である。DocumentManager1081は、RootDocument701に接続され、RootDocument701は、全てのSubDocument702に接続される。
図18(a)及び図18(b)は、アンドゥフレームワーク及びアンドゥコマンドについて更なる詳細を提供する。図18(a)に示されるように、UndoCommand801、RedoCommand802、及びUndoableEditCommand803は、図11(b)に示したようにCommandInvoker1051に積むことができるコマンドであり、順に実行される。UndoableEditCommand803は、UndoableEditSource708及びUndoableEditAcceptor709に更にアタッチされる。「foo」EditCommand804及び「bar」EditCommand805は、UndoableEditCommandの例である。
図18(b)は、UndoableEditCommandの実行を示す。まず、ユーザが編集コマンドを使用してDocument705を編集すると仮定する。第1ステップS1では、UndoableEditAcceptor709が、Document705のDOMツリーであるUndoableEditSource708にアタッチされる。第2ステップS2では、ユーザにより発行されたコマンドに基づいて、Document705がDOMのAPIを用いて編集される。第3ステップS3では、ミューテーションイベントのリスナーが、変更がなされたことを通知される。すなわち、このステップでは、DOMツリーの全ての変更を監視するリスナーが編集操作を検知する。第4ステップS4では、UndoableEditがUndoManager706のオブジェクトとして格納される。第5ステップS5では、UndoableEditAcceptor709がUndoableEditSource708からデタッチされる。UndoableEditSource708は、Document705自身であってもよい。
上記のサブセクションでは、システムの様々なコンポーネント及びサブコンポーネントについて説明した。以下、これらのコンポーネントの使用に関する方法論について説明する。図19(a)は、文書処理システムに文書がロードされる様子の概要を示す。それぞれのステップは、図24−28において、特定の例に関連して詳述される。
図19(b)は、MVCパラダイムを用いてZoneの構成の概要を示す。この場合、Zone及びFacetは文書に関連した入力であるから、モデル(M)はZone及びFacetを含む。Canvasと、文書を画面にレンダリングするためのデータ構造体は、ユーザが画面上に見る出力であるから、ビュー(V)はCanvas及びデータ構造体に対応する。Commandは、文書とその様々な関係に対して制御操作を実行するので、コントロール(C)はCanvasに含まれるCommandを含む。
図20を用いて、文書及びその様々な表現の例について以下に説明する。この例で使用される文書は、テキストと画像の双方を含む。テキストは、XHTMLを用いて表され、画像は、SVGを用いて表される。図20は、文書のコンポーネント及び対応するオブジェクトの関係のMVC表現を詳細に示す。この例において、Document1001は、Document1001を保持するDocumentContainer1002にアタッチされる。文書はDOMツリー1003により表現される。DOMツリーは、ApexNode1004を含む。
図22(a)−(c)は、それぞれ、プラグインサブシステム、ボキャブラリコネクション、及びConnectorに関連する更なる詳細を示す。プラグインサブシステムは、文書処理システムに機能を追加又は交換するために用いられる。プラグインサブシステムは、ServiceBroker1041を含む。ServiceBroker1041にアタッチされるZoneFactoryService1201は、文書の一部に対するZoneを生成する。EditletService1202も、ServiceBroker1041にアタッチされる。EditletService1202は、Zone中のNodeに対応するCanvasを生成する。
特定の文書と関係する処理を説明する例を続ける。ドキュメントタイトルのある「MySampleXML」というタイトルの文書が文書処理システムにロードされる。図23は、「MySampleXML」ファイルのための、VCManager及びConnectorFactoryTreeを用いたVCDスクリプトの例を示す。スクリプトファイル中のボキャブラリセクション、テンプレートセクションと、VCManagerにおける対応するコンポーネントが示される。タグ「vcd:vocabulary」において、属性「match」は「sample:root」、「label」は「MySampleXML」、「call-template」は「sample template」となっている。
図24−28は、文書「MySampleXML」のロードについての詳細な記述を示す。図24(a)に示されるステップ1では、文書がストレージ1405からロードされる。DOMServiceは、DOMツリー及びDocumentManager1406と対応するDocumentContainer1401を生成する。DocumentContainer1401は、DocumentManager1406にアタッチされる。文書は、XHTML及びMySampleXMLのサブツリーを含む。XHTMLのApexNode1403は、タグ「xhtml:html」が付されたXHTMLの最上のノードである。「MySampleXML」のApexNode1404は、タグ「sample:root」が付された「MySampleXML」の最上ノードである。
図30は、本実施例における文書処理過程を示す概念図である。
XML文書に含まれるタグはソースツリー構造を形成する。本実施例に示す文書処理装置3000は、XML文書に含まれるタグ間の関係について、本来のツリー構造とは異なる構造である「意味構造」を導入する。まず、「意味表現」に対してその意味の構造を指定するための「意味構造アノテーション」が設定される。ワークフロー用ボキャブラリやUML(Unified Modeling Language)などさまざまなボキャブラリで記述された構造化文書ファイルについてのソースツリーが「意味表現」に相当する。「意味構造アノテーション」には、ソースツリーに含まれる構成要素の意味や関係を定義した関係情報ファイルが相当する。たとえば、図2に示したXML文書の場合、構成要素「成績」は、配下に、生徒ごとに設けられた構成要素「生徒」を複数有する。しかし、これらの「生徒」達は、図2に示されたタグ構造では示されていない関係をもっているかもしれない。たとえば、生徒Aと生徒Bは兄弟かもしれない。すなわち、「意味表現」としての図2のXML文書には、生徒Aと生徒Bの個人的な関係を表現するための情報が含まれていない。生徒Aと生徒Bが実は兄弟の関係にあるという新たな意味構造は、「意味構造アノテーション」としての関係情報ファイルに記述されている。関係情報ファイルは、ソースツリー構造に規定されることなく、構成要素の意味上の関係を定義するためのファイルである。
なお、ここでは文書処理装置3000の各機能ブロックの機能について説明するにとどめ、その具体的な作用については図32以降において詳述する。
本実施例の文書処理装置3000は、図1に示した前提技術の文書処理装置20の構成に加えて、チャートユニット3110がプラグインとしてインストールされている。このチャートユニット3110は、チャート用ボキャブラリで記述されたデスティネーションツリーを図形オブジェクトによってグラフィックス表示する機能を備えたプラグインである。ソースツリーから、チャート用ボキャブラリによるデスティネーションツリーが定義ファイルにしたがって生成され、チャートユニット3110で表示される。具体的な表示例については後の図34にて示す。
制御部3112は、操作検出部3114、移動量計算部3116および関係変更判定部3118を含む。操作検出部3114は、表示部3122により表示された図形オブジェクトに対するユーザの操作を検出する。移動量計算部3116は、ユーザの操作によって図形オブジェクトが移動させられるときに、その移動量を計算して保持する。移動量は、表示画面上における絶対座標値や初期設定位置からの相対座標値として計算される。関係変更判定部3118は、図形オブジェクトの移動操作によって、関係情報ファイルにおいて規定された構成要素間の関係が変化したか、いいかえれば、デスティネーションツリーの構造と、表示構造に乖離を生じたかを判定する。詳しくは後述する。
文書取得部3130は、ソースツリーを取得する。関係情報取得部3132は、このソースツリーの構成要素についての意味構造を定義した関係情報ファイルを取得する。表示規則保持部3134は、関係情報に対する表示規則を定めた表示規則情報ファイルを保持する。関係情報更新部3136は、関係変更判定部3118によって構成要素間の関係が変化したと判定されたときに、関係情報ファイルの内容を更新する。関係情報ファイルの更新については図34に関連して後に詳述する。
本実施例において、表示スタイル決定部3124は、関係情報ファイルと表示規則情報ファイルおよび前提技術で先述した定義ファイルを参照して、ソースツリーから、中間ツリー、ひいてはデスティネーションツリーを生成するための一連の処理を制御する。
ここでは、「J社」の組織構成を示すソースファイルを例として説明する。トップノードである構成要素「J社」は、配下に、「東京」、「大阪」、「徳島」、「特許部」、「開発部」および「営業部」という6つの構成要素を有する。このうち、構成要素「東京」、「大阪」および「徳島」という3つの構成要素は、社屋の所在を示している。なお、構成要素「徳島」は子要素「D」を含む。構成要素「特許部」は、「A」、「B」および「C」の3つの子要素を有し、構成要素「開発部」や「営業部」はその配下に子要素を有しない。「特許部」等は、J社の部署を示す。「A」、「B」、「C」、「D」は、社員名を示す。
J社については、徳島に本社があり東京にあるのは支社である。構成要素「東京」は「東京支社」、構成要素「徳島」は「徳島本社」というように構成要素の名前そのものも再定義されてもよい。なお、アノテーションは、必ずしもソースツリーのタグごとに設定される必要はなく、複数のタグについて一つのアノテーションが設定されもよい。
表示スタイル決定部3124は、ソースツリーから中間ツリーを生成する。この中間ツリーにおいては、関係情報ファイルの定義にしたがって、各構成要素の関係が再構造化されている。トップノードである構成要素「J社」は、配下に、「東京支社」、「大阪支社」および「徳島本社」の3つの構成要素を有する。中間ツリーの構成要素「東京支社」は、ソースファイルの構成要素「東京」に定義ファイルにおいて対応づけられている。他の構成要素につていも同様である。
表示スタイル決定部3124は、中間ツリーから表示規則情報にしたがってデスティネーションツリーを生成する。チャートユニット3110の表示部3122は、このデスティネーションツリーを同図に示す態様にて画面表示される。ここでは、ソースツリーにおける各構成要素が図形オブジェクトにて表示される。また、中間ツリー構造が各図形オブジェクトの配置に反映されている。構成要素「A」、「B」および「C」のように「社員」属性をアノテートされた構成要素は、丸い図形オブジェクトにて表示される。また、構成要素「B」は、「社員」としての属性のほかに「部長」としての属性もアノテートされているため、表示規則情報にしたがって他よりも大きな図形オブジェクトにて表示されている。
図15においては、ソースツリーから中間ツリーを生成して、デスティネーションツリーが生成されるとして説明した。これに対し、構成系は、関係情報ファイルと表示規則情報ファイルを参照して、ソースツリーから表示系における処理対象となるボキャブラリでデスティネーションツリーをダイレクトに、すなわち、中間ツリーを介することなく生成してもよい。
Claims (4)
- 所定のタグセットで記述された構造化文書ファイルを取得する文書取得部と、
前記構造化文書ファイルに含まれる構成要素間の関係を定義した関係情報を取得する関係情報取得部と、
構造化文書ファイルを関係情報に応じて図示するための規則を示す表示規則情報を保持する表示規則保持部と、
前記構造化文書ファイルについての関係情報と前記表示規則情報を参照して、前記構造化文書ファイルの表示スタイルを決定する表示スタイル決定部と、
前記決定された表示スタイルに応じて、前記構造化文書ファイルに含まれる各構成要素を図形オブジェクトにより画面表示させる画面表示部と、を備え、
前記関係情報には、前記構造化文書ファイルのタグ構造とは異なる構成要素間の関係を定義可能であることを特徴とする文書処理装置。 - 前記構造化文書ファイルに含まれる構成要素を示す図形オブジェクトを画面上において移動させるためのユーザによる移動操作を検出する操作検出部と、
前記図形オブジェクトの移動量を記憶する移動量記憶部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。 - 前記構造化文書ファイルに含まれる構成要素を示す図形オブジェクトを画面上において移動させるためのユーザによる移動操作を検出する操作検出部と、
前記移動操作によって、図形オブジェクトにより示される構成要素間の関係が前記関係情報において定義された構成要素間の関係とは異なる状態に変化したかを判定する関係変更判定部と、
前記関係変更判定部により異なる状態に変化したと判定されたときには、図形オブジェクトにより示される構成要素間の関係にしたがって前記関係情報を更新する関係情報更新部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。 - 第1のタグセットで記述された構造化文書ファイルから前記画像表示部が処理可能な第2のタグセットで記述された構造化文書ファイルを生成するとともに、第1のタグセットで記述された構造化文書ファイルの構成要素と第2のタグセットで記述された構造化文書ファイルの構成要素を対応づけるための定義データを取得する定義データ取得部を更に備え、
前記文書取得部は、第1のタグセットで記述された構造化文書ファイルを取得し、
前記表示規則保持部は、構造化文書ファイルに含まれる構成要素間の関係を画像表示するための規則として前記表示規則情報を保持し、
前記表示スタイル決定部は、前記定義データを参照して、前記第1のタグセットで記述された構造化文書ファイルから第2のタグセットで記述された構造化文書ファイルを生成するとともに、前記関係情報と前記表示規則情報を参照して、前記第2のタグセットで記述された構造化文書ファイルについての表示スタイルを決定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の文書処理装置。
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