JPWO2007119844A1 - 歯牙根管挿入ノズル、及びこの歯牙根管挿入ノズルを備える歯牙根管処理用装置 - Google Patents

歯牙根管挿入ノズル、及びこの歯牙根管挿入ノズルを備える歯牙根管処理用装置 Download PDF

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Abstract

歯牙根管の深部まで挿入でき且つ充分量の流体を単位時間当たりに流通でき、容易に作製できる歯牙根管挿入ノズル、及びこの歯牙根管挿入ノズルを備える歯牙根管処理用装置を提供する。治療用装置1は、注入装置10と、排出装置20と、を備える。注入装置10は、処置液収容槽14と、この処置液収容槽14に供給管13を介して連通する供給ノズル11と、を有する。排出装置20は、一端側から歯牙根管610に挿入される吸引ノズル21と、この吸引ノズル21の他端に接続された排出管22と、この排出管22の途中に設けられた排出ポンプ23と、この排出ポンプ23を介して吸引ノズル21に連通する廃液収容槽24と、を有する。吸引ノズル21は、所定寸法の略円筒状の本体部と、この本体部の先端から延出し本体部よりも外径が小さく所定寸法の略円筒状の延出部と、を備える。

Description

本発明は、歯牙根管挿入ノズル、及びこの歯牙根管挿入ノズルを備える歯牙根管処理用装置に関する。
歯牙の根管内疾患の治療は、次のような治療方法によって行われる。
つまり、この治療方法は、対象の歯牙根管を拡大することで、細菌等の汚染物質を物理的に除去する手順と、;根管内を処置液で洗浄した後、この処置液、切削粉、血液等を根管内から除去する手順と、;この根管内に充填材を充填する手順と、;を備える。
この治療方法によれば、まず、汚染物質を物理的に除去し、処置液によって根管内を洗浄することによって、根管内疾患の原因となる細菌を除去し、死滅させる。更に、処置液等を除去した後、根管内を充填することによって、根管内を外界から遮断し、無菌状態を保持する。よって、歯牙の根管内疾患を治療できる。
このような根管内疾患の治療に使用される従来の治療用装置は、例えば以下のような構成を備える(特許文献1参照)。
図16は、従来例に係る治療用装置500の概略構成図である。
治療用装置500は、処置液を歯牙根管610に注入する注入装置510と、歯牙根管610から処置液を排出する排出装置520と、を備える。
注入装置510は、処置液を収容する処置液収容槽514と、この処置液収容槽514に収容された処置液を供給管512に押し出す供給ポンプ513と、処置液収容槽514に供給管512を介して連通し且つ処置液を歯牙根管610に供給する供給ノズル511と、を有する。
また、排出装置520は、一端側から歯牙根管610に挿入される吸引ノズル521と、この吸引ノズル521の他端に接続された排出管522と、この排出管522を介して連通し且つ歯牙根管610に注入された処置液を吸引する排出ポンプ523と、排出管522を介して吸引ノズル521に連通し且つ吸引された処置液を収容する廃液収容槽524と、を有する。
治療用装置500によれば、以下のような手順で歯牙の根管内疾患の治療の一部(処置液による根管内の洗浄)が行われる。
まず、吸引ノズル521を一端側から歯牙根管610に挿入する。吸引ノズル521は、外径が歯牙根管610の径に略一致する位置まで侵入する。この状態で供給ポンプ513及び排出ポンプ523を稼動すると、処置液収容槽514から供給管512を介して供給ノズル511へと供給された処置液は、供給ノズル511の先端から歯牙根管610に注入され、注入された処置液は吸引ノズル521の先端から吸引ノズル521内へと吸引される。吸引ノズル521内に吸引された処置液は、排出管522を介して、廃液収容槽524へと搬送され、廃液収容槽524に収容される。処置液の流れる方向は、図16の矢印に示される通りである。
続いて、適宜の時点において、供給ポンプ513及び排出ポンプ523を停止すると、処置液の注入及び吸引が終了する。そして、吸引ノズル521を歯牙根管610から抜き出すことで、処置液による根管内の洗浄が完了する。
また、根管内疾患の治療に使用される従来の治療用装置として、以下のような構成を備える治療用装置が挙げられる(特許文献2参照)。
図17は、従来例に係る治療用装置800の全体斜視図である。
治療用装置800は、図示しない充填剤の内部供給源を有する筒状のシリンダ810と、このシリンダ810の一端に配置されたハンドル820と、シリンダ810の他端に突設された筒状の充填ノズル900と、を備える。
シリンダ810の内部には、図示しないピストンが摺動可能に係合され、このピストンがシリンダ810の他端側へ摺動することにより、充填剤が押し出される。ピストンには、シリンダ810の内部を摺動可能なロッド840が延設され、このロッド840には、側面に設けられたねじ部を介して、係止ナット850及び操作パッド860が順次螺合されている。
また、充填ノズル900の内部は、シリンダ810の内部と連通する。
治療用装置800によれば、以下のような手順で歯牙の根管内疾患の治療の一部(充填材による歯牙根管内の充填)が行われる。
まず、ハンドル820を掴んで操作パッド860を後方へ引くことにより、ピストンをシリンダ810から引き抜く。続いて、充填材をシリンダ810の内部に補充した後、ピストンをシリンダ810に装着する。
次に、充填ノズル900の先端を歯牙根管に挿入した後、操作パッド860を前方へと押し進めると、充填材が充填ノズル900に供給され、充填ノズル900の先端から歯牙根管に注入される。
その後、適宜の時点において、充填ノズル900を歯牙根管から抜き出すことで、歯牙根管内の充填が完了する。
特開2004−313659号公報 特公平1−40621号公報
しかしながら、歯牙根管610が深部(図16中、下方向)に向かうにつれて漸次細くなる形状であることから、前述した治療用装置500には、次のような問題があった。
吸引ノズル521の外径を大きくすると、先端が歯牙根管610の浅部で係止される。歯牙根管610に注入された処置液は、浅部に係止された吸引ノズル521の先端から吸引されるため、歯牙根管610の深部には行き届かない。このため、歯牙根管610の深部に細菌等が残存し、再繁殖することによって、歯牙の根管内疾患が再発する場合があった。
一方、吸引ノズル521の外径を小さくすると、吸引ノズル521の内径も必然的に小さくなるため、吸引される処置液の流路が狭くなる。これにより、単位時間当たりの処置液の吸引量が低下するため、治療の迅速性が損なわれるとともに、吸引しきれない処置液が歯牙根管610の開口や根尖から口腔内に溢出する場合がある。
また、吸引ノズル521の内径が小さいと、吸引された処置液に混在する汚物が吸引ノズル521内に詰まりやすくなる。
同様に、前述した治療用装置800には、次のような問題があった。
充填ノズル900の外径を大きくすると、先端が歯牙根管の浅部で係止される。このため、歯牙根管に注入された充填材は、歯牙根管の深部には行き届かず、歯牙根管の深部が充分には充填されない場合があった。
一方、充填ノズル900の外径を小さくすると、充填ノズル900の内径も必然的に小さくなるため、供給される充填材の流路が狭くなる。これにより、単位時間当たりの充填材の供給量が低下するため、治療の迅速性が損なわれる。これにより、充填材が充填ノズル900の内部で冷却されて固化し、充填ノズル内に詰まりやすくなる。
以上のような問題点を解決するために、吸引ノズル521や充填ノズル900を外径及び内径が漸次縮小する形状(例えばテーパ状)とすることが考えられる。しかし、吸引ノズル521及び充填ノズル900の寸法が大変小さいため、内径を漸次縮小させる加工は技術的に困難である。
本発明は、以上の相反する課題に鑑みてなされたものであり、歯牙根管の深部まで挿入でき且つ充分量の流体を単位時間当たりに流通でき、容易に作製できる歯牙根管挿入ノズル、及びこの歯牙根管挿入ノズルを備える歯牙根管処理用装置を提供することを目的とする。
本発明は、具体的には、以下のようなものを提供する。
(1) 一端側から歯牙根管に挿入され、流体を歯牙根管に注入又は歯牙根管から吸引するために用いられる歯牙根管挿入ノズルであって、
筒状の本体部と、この本体部の先端から延出し前記本体部よりも外径及び内径の各々が小さい筒状の延出部と、を備える歯牙根管挿入ノズル。
筒状体は、外径及び内径が漸次縮小する形状(例えばテーパ状)と異なり、寸法が小さくても容易に作製できる。
(1)の発明によれば、作製容易な筒状の本体部の先端に、同様に作製容易な筒状の延出部を延設すれば歯牙根管挿入ノズルを作製できるので、作製を容易に行うことができる。
また、本体部及びこの本体部よりも外径が小さい延出部を含んで歯牙根管挿入ノズルを構成したので、本体部は歯牙根管の浅部に係止されるために深部に挿入できないが、延出部は歯牙根管の深部へと侵入する。このため、流体を、歯牙根管の深部に注入でき、又は、歯牙根管の深部から吸引できる。
更に、本体部の内径を延出部の内径よりも大きくしたので、延出部を設けたことによる流体の単位時間当たり注入量又は吸引量の低下を抑えられるから、充分量の流体を単位時間当たりに注入又は吸引できる。
従って、歯牙根管の深部まで挿入でき且つ充分量の流体を単位時間当たりに流通でき、容易に作製できる。
なお、「歯牙根管挿入ノズル」としては、吸引ノズル、流体としての充填剤を歯牙根管に充填するために用いられる充填ノズルが挙げられる。
(2) (1)記載の歯牙根管挿入ノズルと、この歯牙根管挿入ノズルの他端に接続された流体流路を介して前記歯牙根管挿入ノズルとの間で流体を交換する流体交換手段と、を備える歯牙根管処理用装置。
(2)の発明によれば、(1)の発明と同様の効果が得られる。
(3) 一端側から歯牙根管に挿入され、前記歯牙根管に注入された処置液を吸引し他端側に接続される排出路へと排出するために用いられる吸引ノズルであって、
筒状の本体部と、この本体部の先端から延出し前記本体部よりも外径が小さい筒状の延出部と、を備え、
前記延出部は、内径が0.15mm以上、外径が0.50mm以下、長さが7mm以下であり、
前記本体部は、内径が前記延出部の内径よりも大きく、外径が1.1mm以下であることを特徴とする吸引ノズル。
筒状体は、外径及び内径が漸次縮小する形状(例えばテーパ状)と異なり、寸法が小さくても容易に作製できる。
(3)の発明によれば、作製容易な筒状の本体部の先端に、同様に作製容易な筒状の延出部を延設すれば吸引ノズルを作製できるので、作製を容易に行うことができる。
また、本体部及びこの本体部よりも外径が小さい延出部を含んで吸引ノズルを構成したので、この吸引ノズルを用いて、歯牙根管に注入された処置液を吸引し排出する手順は、以下のようになる。
まず、吸引ノズルを一端側から歯牙根管に挿入する。すると、本体部は歯牙根管の浅部に係止されるために深部に挿入できないが、延出部は歯牙根管の深部へと侵入する。この状態で処置液を吸引すると、処置液は、歯牙根管の深部にまで行き届いた後、延出部内へと吸引される。延出部内に吸引された処置液は、本体部内を経て、吸引ノズルの他端側に接続された排出路へと排出される。
歯牙の根管内疾患の再発を防止するには、処置液を歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mm以下の位置まで行き届かせることが重要である。歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mmの位置における、歯牙根管の径は、通常少なくとも約0.5mm以上であることが知られている。
(3)の発明によれば、延出部の外径を0.50mm以下としたので、通常、延出部は歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mm以下の位置まで挿入できる。このため、歯牙根管に注入された処置液は、根尖孔から開口側へ2mm以下の位置まで行き届いた後、延出部内へと吸引されるから、歯牙の根管内疾患の再発を抑制できる。
しかし、外径を小さくすると、内径も小さくなる結果、処置液の単位時間当たり吸引量が不充分となる場合がある。
(3)の発明によれば、延出部の内径を0.15mm以上とし且つ長さを7mm以下とし、本体部の内径を延出部の内径よりも大きくしたので、延出部を設けたことによる処置液の単位時間当たり吸引量の低下を抑えられるから、充分量の処置液を単位時間当たりに吸引できる。
しかも、本体部の外径を1.1mm以下としたので、通常、本体部は歯牙根管の根尖孔から開口側へ9mm以下の位置まで挿入できる。このため、延出部の長さが7mm以下であっても、本体部の外径を調節することによって、歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mm以下の位置に延出部を挿入できる。
従って、歯牙の根管内疾患の再発を抑制でき、充分量の処置液を単位時間当たりに吸引でき、且つ容易に作製できる。
なお、延出部の内径、外径、長さ、及び、本体部の内径、外径は、対象となる歯牙根管の形状や寸法等に応じて、本発明の範囲内で適宜設定されてよい。
例えば、延出部の長さは、処置液の単位時間当たり吸引量を向上できる点で6mm以下であることが好ましく、延出部の孔に汚物が詰まることを抑制できる点で5mm以下(例えば、3mm以下)であることがより好ましい。また、延出部の長さが5mm以下である場合、本体部の外径は1.0mm以下であることが好ましい。これにより、歯牙根管の根尖孔から開口側へ7mm以下の位置まで挿入され、延出部を歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mm以下の位置に挿入できる。
(4) (3)記載の吸引ノズルにおいて、
前記本体部及び/又は延出部は、外周部に設けられ前記延出部の先端に向かって延びる溝を備えることを特徴とする吸引ノズル。
吸引ノズルを歯牙根管に挿入したとき、本体部及び/又は延出部の外周部が歯牙根管に接すると、歯牙根管内の処置液の流路が閉塞されて、処置液が歯牙根管の深部まで行き届かない、あるいは行き届いても単位時間当たり吸引量が不充分となる場合がある。このような場合、処置液の流路を確保するために、本体部及び/又は延出部を、外周部が歯牙根管に接しないよう、歯牙根管の開口側へと浮かせた状態を維持しつつ、処置液の吸引を行う必要がある。このため、延出部の先端が、歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mm以下の位置に到達しない場合があるのみならず、操作が煩雑である。
(4)の発明によれば、本体部及び/又は延出部の外周部に、延出部の先端に向かって延びる溝を設けた。このため、本体部及び/又は延出部の外周部が歯牙根管に接しても、歯牙根管内の処置液を、溝を介して、歯牙根管の深部へと行き届かせることができる。
従って、歯牙根管の根尖孔から開口側へ2mm以下の位置に、延出部の先端をより確実に挿入できるとともに、操作性を向上できる。
また、溝が形成されていない部分は肉厚が維持されているため、(4)記載の本体部及び/又は延出部は、肉厚を周全体に亘って薄くした本体部及び/又は延出部よりも高い強度を保持できる。
なお、溝は、本体部及び/又は延出部の全体に亘って設ける必要は必ずしもなく、吸引ノズルを歯牙根管に挿入した際に、歯牙根管に接する部分に設ければよい。従って、溝は、通常、吸引ノズルの先端から5mm程度の範囲に設ければよい。
(5) (4)記載の吸引ノズルにおいて、
前記溝は、螺旋状に形成されていることを特徴とする吸引ノズル。
(5)の発明によれば、溝を螺旋状に形成したので、溝が形成され肉厚が薄い部分と、溝が形成されず肉厚が厚い部分との間の強度の差を利用して、この溝に沿って本体部及び/又は延出部を折り曲げるのが容易となる。
従って、対象となる歯牙根管の形状や寸法等に応じて、吸引ノズルの形状を容易に加工できる。
(6) (3)から(5)いずれか記載の吸引ノズルにおいて、
前記本体部及び/又は延出部は、テーパ状の外周部を有することを特徴とする吸引ノズル。
(6)の発明によれば、本体部及び/又は延出部の外周部をテーパ状としたので、外径が先端に向かうにつれて縮径するため、本体部及び/又は延出部が歯牙根管の浅部に係止されて深部に挿入できないといった事態の発生を、より高い確率で回避できる。
ここで「テーパ状」とは、延出部の先端に向かうにつれて縮径する形状をいう。
(7) 処置液を歯牙根管に注入する注入手段と、前記歯牙根管から処置液を排出する排出手段と、を備え、
前記注入手段は、処置液を収容する処置液収容手段と、この処置液収容手段に供給路を介して連通し且つ処置液を前記歯牙根管に供給する供給ノズルと、を有し、
前記排出手段は、一端側から歯牙根管に挿入される吸引ノズルと、この吸引ノズルの他端に接続された排出路と、この排出路の途中に設けられ歯牙根管に注入された処置液を吸引する吸引手段と、前記排出路を介して前記吸引ノズルに連通し且つ吸引された処置液を収容する廃液収容手段と、を有する歯牙の根管内疾患の治療用装置であって、
前記吸引ノズルは、(3)から(6)いずれか記載の吸引ノズルであることを特徴とする治療用装置。
(7)の発明によれば、(3)から(6)の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、作製容易な筒状の本体部の先端に、同様に作製容易な筒状の延出部を延設すれば歯牙根管挿入ノズルを作製できるので、作製を容易に行うことができる。
また、本体部及びこの本体部よりも外径が小さい延出部を含んで歯牙根管挿入ノズルを構成したので、本体部は歯牙根管の浅部に係止されるために深部に挿入できないが、延出部は歯牙根管の深部へと侵入する。このため、流体を、歯牙根管の深部に注入でき、又は、歯牙根管の深部から吸引できる。
更に、本体部の内径を延出部の内径よりも大きくしたので、延出部を設けたことによる流体の単位時間当たり注入量又は吸引量の低下を抑えられるから、充分量の流体を単位時間当たりに注入又は吸引できる。
従って、充分量の流体を単位時間当たりに、歯牙根管の深部に注入でき、又は、歯牙根管の深部から吸引でき、且つ作製を容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る治療用装置の概略構成図である。 前記実施形態に係る治療用装置の部分切欠斜視図である。 前記実施形態に係る吸引ノズルの全体斜視図である。 図3の半断面図である。 図3の正面図である。 前記実施形態に係る吸引ノズルの使用状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る吸引ノズルの全体斜視図である。 図7の半断面図である。 図7の正面図である。 前記実施形態に係る吸引ノズルの使用状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る吸引ノズルの半断面図である。 本発明の第4実施形態に係る吸引ノズルの半断面図である。 本発明の第5実施形態に係る治療用装置の全体斜視図である。 前記実施形態に係る治療用装置の分解状態を示す断面図である。 図14の要部を拡大した半断面図である。 従来例に係る治療用装置の概略構成図である。 別の従来例に係る治療用装置の全体斜視図である。
符号の説明
1、8 治療用装置
10 注入装置(注入手段)
11 供給ノズル
12 供給管(供給路)
13 供給ポンプ(流体交換手段)
14 処置液収容槽(処置液収容手段、流体交換手段)
20 排出装置(排出手段)
21、21A、21B、21C 吸引ノズル(歯牙根管挿入ノズル)
22 排出管(排出路、流体流路)
23 排出ポンプ(吸引手段)
24 廃液収容槽(廃液収容手段)
81 シリンダ(流体交換手段)
83 ピストン(流体交換手段)
90 充填ノズル(歯牙根管挿入ノズル)
91、211、211A、211B、211C 本体部
92、212、212A、212B 延出部
214 本体溝(溝)
215 延出溝(溝)
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態以外の各実施形態の説明において、第1実施形態と共通するものについては、同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る治療用装置1の概略構成図である。
治療用装置1は、処置液を歯牙根管に注入する注入装置10と、歯牙根管から処置液を排出する排出装置20と、これら注入装置10及び排出装置20の一部を格納する把持部30と、歯牙根管の長さを測定する根管長測定装置40と、を備える。
注入装置10は、処置液収容手段としての処置液収容槽14と、この処置液収容槽14に供給路としての供給管12を介して連通する供給ノズル11と、供給管12の途中に設けられた供給ポンプ13と、を有する。
処置液収容槽14には、次亜塩素酸ナトリウム、生理食塩水、過酸化水素水、EDTA溶液、蒸留水、他の薬液等、治療目的に応じた処置液(流体)が収容されている。
供給ポンプ13は、後述する制御装置60に接続されており、この制御装置60によってオン/オフの制御が行われる。
供給管12は、特に限定されないが、処置液に対する耐腐食性を有する軟弾性のチューブ状である。
供給ノズル11は、先端が歯牙600の開口の上部に配置されている。このため、供給ポンプ13が稼動することによって処置液収容槽14から供給管12を介して供給された処置液は、歯牙根管610に注入される。また、供給ノズル11は、ステンレススチール、プラスチック、ニッケルチタン等で形成されている。
排出装置20は、吸引ノズル21と、この吸引ノズル21に接続された排出路又は流体流路としての排出管22と、この排出管22の途中に設けられ歯牙根管610に注入された処置液を吸引する吸引手段としての排出ポンプ23と、排出管22を介して吸引ノズル21に連通する廃液収容手段としての廃液収容槽24と、を有する。これら排出ポンプ23及び廃液収容槽24は流体交換手段を構成する。
吸引ノズル21は、先端が歯牙根管610に挿入されている。吸引ノズル21の詳細な構造については後述する。
排出管22は、特に限定されないが、処置液に対する耐腐食性を有する軟弾性のチューブ状である。
また、吸引ノズル21及び排出管22は、後述する口腔電極43に電気的に接続されるよう、導電性部材で形成される。
排出ポンプ23は、後述する制御装置60に接続されており、この制御装置60によってオン/オフの制御が行われる。
排出ポンプ23が稼動することによって、歯牙根管610に注入された処置液は吸引ノズル21内へと吸引され、吸引された処置液は、排出管22を介して廃液収容槽24へと搬送され、廃液収容槽24に収容される。
把持部30は、把持部本体31と、この把持部本体31に導入されるホース32と、を有する。ホース32は、後述する筐体50の側面から導出され、供給管12及び排出管22を束ねる。また、把持部本体31から、排出管22及び供給管12が導出され、排出管22は連結部213に連結されている。
根管長測定装置40は、根管長測定器41と、この根管長測定器41に接続された測定電極用端子42及び口腔電極43と、を有する。
測定電極用端子42は、導電性部材で構成された排出管22に接続され、この排出管22を介して、吸引ノズル21の先端に電気的に接続されている。一方、口腔電極43は、口唇等の軟組織に取り付けられる。
根管長測定器41は、電気的根管長測定器であり、この根管長測定器41の表示部には、歯牙根管610に挿入される吸引ノズル21の先端と、口唇等の軟組織に取り付けられる口腔電極43との間の抵抗値が表示される。使用者は、この抵抗値に基づいて、吸引ノズル21の先端の位置を把握できる。
図2は、前記実施形態に係る治療用装置1の部分切欠斜視図である。
治療用装置1は、筐体50と、制御装置60と、この制御装置60に接続されたフットコントローラ70と、を更に備える。
筐体50の内部には、処置液収容槽14及び廃液収容槽24、供給ポンプ13及び排出ポンプ23、供給管12及び排出管22の一部、根管長測定装置40及び測定電極用端子42、制御装置60が格納されている。筐体50の側面には開閉扉51が設けられており、この開閉扉51を介して、処置液収容槽14及び廃液収容槽24が出し入れ可能となっている。また、開閉扉51は透明又は半透明に構成され、開閉扉51を通して処置液収容槽14及び廃液収容槽24の収容状態(例えば、収容量)が監視可能となっている。
制御装置60は、使用者によるフットコントローラ70の足踏み操作の有無或いは程度等に応じて、供給ポンプ13及び排出ポンプ23を駆動制御し、オン/オフ或いは処置液の流速を調節する。
図3は、前記実施形態に係る吸引ノズル21の全体斜視図である。図4は、図3の半断面図である。図5は、図3の正面図である。
吸引ノズル21は、一端が排出管22に連結される略円筒状の連結部213と、この連結部213の他端から延出する略円筒状の本体部211と、この本体部211の先端から延出する略円筒状の延出部212と、を備える。これら連結部213、本体部211、延出部212の内部に設けられた孔は互いに連通している。
連結部213は、吸引ノズル21に連結可能な構造であれば、特に限定されない。また、連結部213は、通常、プラスチックで形成される。
延出部212は、内径(r)が0.15mm以上(好ましくは0.26mm以上)、外径(r)が0.50mm以下(好ましくは0.42mm以下)、長さ(h)が7mm以下(好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下(例えば3mm以下))である。
本体部211は、内径(r)が延出部212の内径(r)よりも大きく、外径(r)が1.1mm以下(hが5mm以下の場合、好ましくは1.0mm以下)である。
これら本体部211及び延出部212は、ステンレススチール、プラスチック、ニッケルチタン等で形成され、本体部211及び延出部212の長さの合計(h)は、通常、31mm以上である。
本体部211及び延出部212は、本体部211からの延出部212の脱落発生を抑制できる点で、互いの接合部位をヤグレーザ等の溶接手段によって溶接されることが好ましい。
図6は、吸引ノズル21の使用状態を示す図である。なお、図6において、説明を簡明にするため、歯牙根管610の内部は透視している。
治療用装置1の使用方法は、以下の通りとなる。
まず、測定電極用端子42を根管長測定器41に接続し、口腔電極43を口唇等の軟組織に取り付ける。次に、把持部本体31を掴み、吸引ノズル21を一端側から歯牙根管610に挿入する。根管長測定器41に表示される抵抗値に基づいて、歯牙根管610の長さを測定する。
続いて、この測定値を踏まえ、リーマやファイル等の専用切削具(図示せず)を用いて根管拡大を行う。これにより、歯牙根管610内の汚染物質が除去されるとともに、歯牙根管610は容易に充填できる形状となる。なお、処置液として次亜塩素酸ナトリウム等の薬効性の強い液体を採用すれば、歯牙根管610内に注入された処置液が歯牙根管610を溶解するため、歯牙根管610が拡大される。このため、専用切削具を用いた根管拡大手順を経る必要は必ずしもない。
次に、把持部本体31を掴み、吸引ノズル21を一端側から歯牙根管610に再挿入する。すると、本体部211は歯牙根管610の浅部に係止されるために深部に挿入できないが、延出部212は歯牙根管610の深部へと侵入する。具体的には、延出部212の先端は、根尖孔611から上方に2mm以下の位置に到達する。一方、供給ノズル11の先端は歯牙根管610の上方に配置される。
続いて、この状態でフットコントローラ70を足踏みすると、制御装置60によって供給ポンプ13及び排出ポンプ23が稼動する。すると、処置液収容槽14から供給管12を介して供給ノズル11へと供給された処置液は、供給ノズル11の先端から歯牙根管610に注入され、注入された処置液は根尖孔611から上方に2mm以下の位置まで行き届いた後、延出部212内へと吸引される。延出部212内に吸引された処置液は、本体部211、排出管22を介して、廃液収容槽24へと搬送され、廃液収容槽24に収容される。処置液の流れる方向は、図1の矢印に示される通りである。
なお、本体部211及び/又は延出部212の外周部が歯牙根管610に接した際、処置液が歯牙根管610の深部まで行き届かない、あるいは行き届いても単位時間当たり吸引量が不充分となる場合には、本体部211及び/又は延出部212を、歯牙根管610の開口側へと浮かせた状態を維持しつつ、処置液の吸引を行えばよい。
更に、適宜の時点において、フットコントローラ70の足踏みを解除すると、制御装置60によって供給ポンプ13及び排出ポンプ23が停止する。すると、処置液の注入及び吸引が終了する。そして、把持部本体31を掴み、吸引ノズル21を歯牙根管610から抜き出すことで、歯牙根管内疾患の治療の一部が完了する。
本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(A)作製容易な筒状の本体部211の先端に、同様に作製容易な筒状の延出部212を延設すれば吸引ノズル21を作製できるので、作製を容易に行うことができる。
また、延出部212の外径rを0.50mm以下としたので、通常、延出部212は根尖孔611から開口側へ2mm以下の位置まで挿入できる。このため、歯牙根管610に注入された処置液は、根尖孔611から開口側へ2mm以下の位置まで行き届いた後、延出部212内へと吸引されるから、歯牙600の根管内疾患の再発を抑制できる。
更に、延出部212の内径rを0.15mm以上とし且つ長さhを7mm以下とし、本体部211の内径rを延出部212の内径rよりも大きくしたので、延出部212を設けたことによる処置液の単位時間当たり吸引量の低下を抑えられるから、充分量の処置液を単位時間当たりに吸引できる。
しかも、本体部211の外径rを1.1mm以下としたので、通常、本体部211は根尖孔611から開口側へ9mm以下の位置まで挿入できる。このため、延出部212の長さhが7mm以下であっても、本体部211の外径rを調節することによって、根尖孔611から開口側へ2mm以下の位置に延出部212を挿入できる。
従って、歯牙600の根管内疾患の再発を抑制でき、充分量の処置液を単位時間当たりに吸引でき、且つ容易に作製できる。
<第2実施形態>
図7は、本発明の第2実施形態に係る吸引ノズル21Aの全体斜視図である。図8は、図7の半断面図である。図9は、図7の正面図である。
本実施形態では、本体部211A及び延出部212Aの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、本体部211A及び延出部212Aは、それぞれ、外周部に設けられ延出部212Aの先端に向かって延びる本体溝214及び延出溝215を備える。これら本体溝214及び延出溝215の各々は、螺旋状に形成されている。
本体溝214及び延出溝215の深さは、処置液の流路を確保する点で0.01mm以上であることが好ましく、本体部211A及び延出部212Aの強度を保持する点で0.04mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.02mm以上0.03mm以下である。
なお、本体溝214及び延出溝215の形成方法としては、特に限定されないが、たとえば、ワイヤーカット放電加工、レーザー加工等を応用すればよい。
図10は、吸引ノズル21Aの使用状態を示す図である。なお、図10において、説明を簡明にするため、歯牙根管610の内部は透視し、本体溝214及び延出溝215の幅は実際より大きく描かれている。
本実施形態に係る治療用装置の使用方法は、以下の点で、第1実施形態と異なる。
即ち、根管拡大を行った後、吸引ノズル21Aを一端側から歯牙根管610に挿入すると、本体部211A及び延出部212Aが歯牙根管610に接し、本体部211A及び延出部212Aの端部と歯牙根管610との隙間は閉塞される。
この状態でフットコントローラ70を足踏みすると、制御装置60によって供給ポンプ13及び排出ポンプ23が稼動する。すると、処置液収容槽14から供給管12を介して供給ノズル11へと供給された処置液は、供給ノズル11の先端から歯牙根管610に注入され、注入された処置液は、本体溝214及び延出溝215を通って、根尖孔611から上方に2mm以下の位置まで行き届いた後、延出部212内へと吸引される。延出部212内に吸引された処置液は、本体部211、排出管22を介して、廃液収容槽24へと搬送され、廃液収容槽24に収容される。処置液の流れる方向は、図10の矢印に示される通りである。
本実施形態によれば、前述した第1実施形態による作用効果に加えて、以下のような作用効果が得られる。
(C)本体部211A及び延出部212Aの外周部に、延出部212Aの先端に向かって延びる本体溝214及び延出溝215を設けた。このため、本体部211A及び延出部212Aの外周部が歯牙根管610に接しても、歯牙根管610内の処置液を、本体溝214及び延出溝215を通して、歯牙根管610の深部へと行き届かせることができる。従って、根尖孔611から開口側へ2mm以下の位置に、延出部212Aの先端をより確実に挿入できるとともに、操作性を向上できる。
(D)本体溝214及び延出溝215が形成されていない部分は肉厚が維持されているため、高い強度を保持できる。
(E)本体溝214及び延出溝215を螺旋状に形成したので、これら本体溝214及び延出溝215に沿って本体部211A及び延出部212Aを折り曲げるのが容易となる。従って、対象となる歯牙根管610の形状や寸法等に応じて、吸引ノズル21Aの形状を容易に加工できる。
<第3実施形態>
図11は、本発明の第3実施形態に係る吸引ノズル21Bの半断面図である。
本実施形態では、本体部211B及び延出部212Bの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、本体部211B及び延出部212Bの先端部216、217の各々は、テーパ状の外周部を有する。
本実施形態によれば、前述した第1実施形態による作用効果に加えて、以下のような作用効果が得られる。
(F)本体部211B及び延出部212Bの先端部216、217を、テーパ状の外周部を有する構成としたので、本体部211B及び延出部212Bが歯牙根管610の浅部に係止されて深部に挿入できないといった事態の発生を、より高い確率で回避できる。
<第4実施形態>
図12は、本発明の第4実施形態に係る吸引ノズル21Cの半断面図である。
本実施形態では、本体部211Cの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、本体部211Cは、連結部213の端部から延出する略円筒状の大本体部218と、この大本体部218の先端から延出し且つ大本体部218よりも外径が小さい略円筒状の小本体部219と、を備える。この小本体部219の先端は、延出部212の端部に接続される。
小本体部219は、内径が延出部212の内径よりも大きく、外径が0.65mm以下、長さ(h)が8.0mm以下である。
大本体部218は、内径が小本体部219の内径よりも大きく、外径が0.9mm以下(例えば0.8mm以下)である。
本実施形態によれば、前述した第1実施形態による作用効果に加えて、以下のような作用効果が得られる。
(G)作製容易な筒状の大本体部218の先端に、同様に作製容易な筒状の小本体部219を延設すれば本体部211Cを作製できるので、吸引ノズル21Cを容易に作製できる。
また、本体部211Cを大本体部218及び小本体部219で構成し、この小本体部219の内径を延出部212の内径よりも大きくし、更に大本体部218の内径を小本体部219の内径よりも大きくしたので、処置液の単位時間当たり吸引量を向上できる。
更に、大本体部218の外径を0.9mm以下としたので、通常、大本体部218は根尖孔611から開口側へ17mm以下の位置まで挿入できる(通常、根尖孔611から開口側へ17mmにおける歯牙根管610の径は1.2mmである)。このため、延出部212の長さhが7mm以下であっても、小本体部219の長さhや外径を調節することによって、根尖孔611から開口側へ2mm以下の位置に延出部212を挿入できる。
従って、歯牙600の根管内疾患の再発を抑制でき、充分量の処置液を単位時間当たりに吸引でき、且つ容易に作製できる。
<第5実施形態>
図13は、本発明の第5実施形態に係る治療用装置8の全体斜視図である。図14は、治療用装置8の分解状態を示す断面図である。
治療用装置8は、図示しない充填剤の内部供給源を有する筒状のシリンダ81と、この81の一端に配置されたハンドル82と、シリンダ81の他端に突設された筒状の充填ノズル90と、を備える。
シリンダ81の内部には、ピストン83が摺動可能に係合され、このピストン83がシリンダ81の他端側へ摺動することにより、充填剤が押し出される。ピストン83には、81の内部を摺動可能なロッド84が延設され、このロッド84には、側面に設けられたねじ部を介して、係止ナット85及び操作パッド86が順次螺合されている。
シリンダ81の先端側には、筒状の加熱機構87が設けられている。この加熱機構87は、熱絶縁性のスリーブ81aの内部には、加熱導線88が螺旋状に設置されている。この加熱導線88には図示しない電源に接続され、この電源から電力が供給されると、加熱導線88から熱が放出される。
シリンダ81の内部は流体流路を構成し、シリンダ81及びピストン83は流体交換手段を構成する。
図15は、図14の要部を拡大した半断面図である。
シリンダ81の他端にはハブ89が設けられている。
充填ノズル90は、一端がハブ89を介してシリンダ81に連結される略円筒状の連結部93と、この連結部93の他端から延出する略円筒状の本体部91と、この本体部91の先端から延出する略円筒状の延出部92と、を備える。これら連結部93、本体部91、延出部92の内部に設けられた孔は互いに連通している。また、連結部93、本体部91、延出部92は、高熱伝導率を有する素材で形成されることが好ましく、例えば、ステンレススチールやニッケルチタンで形成されてよい。
延出部92は、本体部91よりも外径及び内径の各々が小さい。具体的には、延出部92は、内径が0.15mm以上(好ましくは0.30mm以上)、外径が0.50mm以下(好ましくは0.40mm以下)、長さが7mm以下(好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下(例えば、3mm以下))であり、本体部91は、外径が1.1mm以下(延出部92の長さが5mm以下である場合、好ましくは1.0mm以下)である。また、本体部211及び延出部212の長さの合計(h)は、通常、31mm以上である。
連結部93は、シリンダ81に連結可能な構造であれば、特に限定されない。
治療用装置8の使用方法は、以下の通りとなる。
まず、ハンドル82を掴んで操作パッド86を後方へ引くことにより、ピストン83をシリンダ81から引き抜く。続いて、流体としての充填材(例えば、ガッタパーチャ、レジン)をシリンダ81の内部に補充した後、ピストン83をシリンダ81に装着する。充填材の装着後、電源から加熱導線88に電力を供給すると、加熱導線88から熱が放出され、加熱(例えば、約110℃)された充填材が流動化する。
次に、充填ノズル90を一端側から歯牙根管に挿入する。すると、本体部91は歯牙根管の浅部に係止されるために深部に挿入できないが、延出部92は歯牙根管の深部へと侵入する。具体的には、延出部92の先端は、根尖孔から上方に2mm以下の位置に到達する。
この状態で、操作パッド860を前方へと押し進めると、流動化した充填材が充填ノズル900に供給され、本体部91、延出部92を通じて、充填ノズル900の先端から歯牙根管に注入される。
その後、適宜の時点において、充填ノズル900を歯牙根管から抜き出すことで、歯牙根管内の充填が完了する。
本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(H)作製容易な円筒状の本体部91の先端に、同様に作製容易な円筒状の延出部92を延設すれば充填ノズル90を作製できるので、作製を容易に行うことができる。
また、本体部91及びこの本体部91よりも外径が小さい延出部92を含んで充填ノズル90を構成したので、本体部91は歯牙根管の浅部に係止されるために深部に挿入できないが、延出部92は歯牙根管の深部へと侵入する。このため、充填材を歯牙根管の深部まで注入し、歯牙根管を深部まで充填できる。
更に、本体部91の内径を延出部92の内径よりも大きくしたので、延出部92を設けたことによる充填材の単位時間当たり注入量の低下を抑えられるから、充分量の充填材を単位時間当たりに注入できる。これにより、充填材が充填ノズル90の内部で冷却されて固化し、充填ノズル90内に詰まるといった事態の発生を抑制できる。
従って、歯牙根管の深部まで挿入でき且つ充分量の流体を単位時間当たりに流通でき、容易に作製できる。
<実施例1〜3、比較例1〜2>
実施例1〜3、比較例1〜2において、表1に示される各寸法を備えるステンレススチール製の吸引ノズルを作製した。
Figure 2007119844
[単位時間当たり吸引量の評価]
実施例1〜3、及び比較例1〜2で作製した吸引ノズルを、第1実施形態において説明した治療用装置において使用した。各治療用装置の吸引ノズルの先端をビーカーに湛えられた水中に挿入した際の単位時間当たり吸引量を、吸引圧20kPaの条件下で測定した。この結果を表2に示す。
Figure 2007119844
表1及び表2に示されるように、実施例1〜3の吸引ノズルは、比較例1の吸引ノズルと比較して、先端の外径は略等しいにもかかわらず、単位時間当たりの吸引量が大きかった。
一方、比較例2の吸引ノズルは、実施例1〜3の吸引ノズルに比べて、単位時間当たりの吸引量が大きかったものの、外径が大きすぎるために、歯牙根管の深部(例えば、穿孔から開口方向へ2mmの部位)まで挿入できない。
<実施例4〜8>
実施例4〜8において、延出部の長さを変更した点を除き、共通する寸法でステンレススチール製の吸引ノズルを作製した。つまり、本体部の寸法を内径0.439mm、外径0.649mmとし、延出部の寸法を内径0.261mm、外径0.42mmとし、更に吸引ノズルの全長を31mmとした。
Figure 2007119844
[単位時間当たり吸引量の評価]
実施例4〜8で作製した吸引ノズルを、第1実施形態において説明した治療用装置において使用した。各治療用装置の吸引ノズルの先端をビーカーに湛えられた水中に挿入した際の単位時間当たり吸引量を、吸引圧20kPaの条件下で測定した。この結果を表4に示す。
Figure 2007119844
表3及び表4に示されるように、実施例4〜8の吸引ノズルは、いずれも、比較例1に比べて、多量の水を単位時間当たりに吸引した。これにより、上記寸法の吸引ノズルにおける延出部は、長さが7mm以下であれば、優れた単位時間当たり吸引量を示すことが確認され、特に長さが6mm以下であれば、更に優れた単位時間当たり吸引量を示すことも確認された。
<変形例>
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
吸引ノズル21、充填ノズル90を構成する各部材(例えば、本体部211、延出部212)は、前記各実施形態では一体的に形成されているが、これに限らず、別体に形成されていてもよい。例えば、延出部212の一端が本体部211の内部に挿入されて連結されている構成でもよい。
また、吸引ノズル21を構成する本体部211及び延出部212、充填ノズルを構成する本体部91及び延出部92は、それぞれ、前記各実施形態では略円筒状に形成されているが、これに限らず、例えば楕円形状に形成されていてもよい。
吸引ノズル21は、図2のように直線形状のまま使用してもよいが、これに限らず、適宜の部位で屈曲させて使用してもよい。これにより、種々の位置、形状、角度の歯牙の根管に対して有利に挿入できる。
本体部211B及び延出部212Bは、その先端部216、217のみがテーパ状の形状であるが、これに限らず、より長い範囲に亘ってテーパ状としてもよい。即ち、テーパ状とする範囲は、その吸引ノズルが使用される条件に応じて適宜設定されてよい。

Claims (7)

  1. 一端側から歯牙根管に挿入され、流体を歯牙根管に注入又は歯牙根管から吸引するために用いられる歯牙根管挿入ノズルであって、
    筒状の本体部と、この本体部の先端から延出し前記本体部よりも外径及び内径の各々が小さい筒状の延出部と、を備える歯牙根管挿入ノズル。
  2. 請求項1記載の歯牙根管挿入ノズルと、この歯牙根管挿入ノズルの他端に接続された流体流路を介して前記歯牙根管挿入ノズルとの間で流体を交換する流体交換手段と、を備える歯牙根管処理用装置。
  3. 一端側から歯牙根管に挿入され、前記歯牙根管に注入された処置液を吸引し他端側に接続される排出路へと排出するために用いられる吸引ノズルであって、
    筒状の本体部と、この本体部の先端から延出し前記本体部よりも外径が小さい筒状の延出部と、を備え、
    前記延出部は、内径が0.15mm以上、外径が0.50mm以下、長さが7mm以下であり、
    前記本体部は、内径が前記延出部の内径よりも大きく、外径が1.1mm以下であることを特徴とする吸引ノズル。
  4. 請求項3記載の吸引ノズルにおいて、
    前記本体部及び/又は延出部は、外周部に設けられ前記延出部の先端に向かって延びる溝を備えることを特徴とする吸引ノズル。
  5. 請求項4記載の吸引ノズルにおいて、
    前記溝は、螺旋状に形成されていることを特徴とする吸引ノズル。
  6. 請求項3から5いずれか記載の吸引ノズルにおいて、
    前記本体部及び/又は延出部は、テーパ状の外周部を有することを特徴とする吸引ノズル。
  7. 処置液を歯牙根管に注入する注入手段と、前記歯牙根管から処置液を排出する排出手段と、を備え、
    前記注入手段は、処置液を収容する処置液収容手段と、この処置液収容手段に供給路を介して連通し且つ処置液を前記歯牙根管に供給する供給ノズルと、を有し、
    前記排出手段は、一端側から歯牙根管に挿入される吸引ノズルと、この吸引ノズルの他端に接続された排出路と、この排出路の途中に設けられ歯牙根管に注入された処置液を吸引する吸引手段と、前記排出路を介して前記吸引ノズルに連通し且つ吸引された処置液を収容する廃液収容手段と、を有する歯牙の根管内疾患の治療用装置であって、
    前記吸引ノズルは、請求項3から6いずれか記載の吸引ノズルであることを特徴とする治療用装置。
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