JPWO2007114277A1 - 液体燃料合成システム - Google Patents
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Abstract
この液体燃料合成システム1は、炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガス及び水素ガスを主成分とする合成ガスを生成する改質器12と、合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する気泡塔型反応器30と、液体炭化水素を精留して所定の炭素数以上の液体炭化水素を分離する精留塔70と、気泡塔型反応器30から排出される排ガス、または精留塔70から排出される排ガスのうちの少なくともいずれかひとつを冷却することにより液化する冷却装置80,82と;を備え、液化した排ガスに含まれる所定の炭素数以上の炭化水素ガスを回収する。
Description
本発明は、天然ガス等の炭化水素原料から液体燃料を合成する液体燃料合成システムに関する。
本願は、2006年3月30日に出願された日本国特許出願第2006−95917号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2006年3月30日に出願された日本国特許出願第2006−95917号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、天然ガスから液体燃料を合成するための方法の1つとして、天然ガスを改質して一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H2)とを主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により液体炭化水素を合成し、さらにこの液体炭化水素を水素化・精製することで、ナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油、ワックス等の液体燃料製品を製造するGTL(Gas To Liquid:液体燃料合成)技術が開発されている。
従来のGTL技術を用いた液体燃料合成システムでは、FT合成工程において気泡塔型反応器から排出される排ガス、及び、水素化精製工程においてナフサ・スタビライザー等の精留塔から排出される排ガスは、燃焼設備で燃焼処理された後に、大気中に放出されている。
しかしながら、上記排出ガス中には、炭素数が所定以上(例えばC5以上)の製品となり得る炭化水素ガスが、例えば製品換算で少なくとも2%以上含まれている。ところが、上記従来の液体燃料合成システムでは、これらの排出ガスを全て燃焼して廃棄しているので、そのうちの製品となりうる炭化水素留分が無駄になり製品収率が低いだけでなく、排ガス燃焼に伴うCO2排出量も増加する。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、上記排ガス中に含まれる所望の炭素数の炭化水素成分を回収して製品収率を向上でき、CO2排出量も削減することが可能な液体燃料合成システムを提供することを目的とする。
本発明の液体燃料合成システムは、炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガス及び水素ガスを主成分とする合成ガスを生成する改質器と;前記合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する反応器と;前記液体炭化水素を精留して所定の炭素数以上の液体炭化水素を分離する精留塔と;前記反応器から排出される排ガス、または前記精留塔から排出される排ガスのうちの少なくともいずれかひとつを冷却することにより液化する冷却装置と;を備え、液化した前記排ガスに含まれる前記所定の炭素数以上の炭化水素ガスを回収する。
このように構成したことにより、冷却装置において、反応器から排出される排ガスや、精留塔から排出される排ガスを、冷媒の冷熱で冷却することにより、当該排ガス中に含まれる所定の炭素数以上の炭化水素ガスを液化して好適に回収できる。このため、所定の炭素数以上の炭化水素ガスを製品化して、製品収率を向上できるとともに、排ガスの排出量を削減して排ガス燃焼に伴うCO2排出量も削減することができる。
本発明の液体燃料合成システムにおいては、前記冷却装置が、外部装置から供給される冷媒の冷熱を利用して前記排ガスを冷却するようにしてもよい。
例えば、上記炭化水素原料は天然ガスであり、上記外部装置は、液化天然ガスを気化し、気化した天然ガスを前記液体燃料合成システムに供給する天然ガス製造設備であり、上記冷媒は、天然ガス製造設備において液化天然ガスの気化時に生じた冷熱を含むようにしてもよい。これにより、天然ガス製造設備で生じる余剰冷熱を、上記液体燃料合成システムでの冷却装置による排ガスの冷却に有効利用できる。従って、天然ガス製造設備と液体燃料合成システムとを合わせた全体での熱効率を大幅に向上できる。
例えば、上記炭化水素原料は天然ガスであり、上記外部装置は、液化天然ガスを気化し、気化した天然ガスを前記液体燃料合成システムに供給する天然ガス製造設備であり、上記冷媒は、天然ガス製造設備において液化天然ガスの気化時に生じた冷熱を含むようにしてもよい。これにより、天然ガス製造設備で生じる余剰冷熱を、上記液体燃料合成システムでの冷却装置による排ガスの冷却に有効利用できる。従って、天然ガス製造設備と液体燃料合成システムとを合わせた全体での熱効率を大幅に向上できる。
また、上記炭化水素原料は天然ガスであり、上記外部装置は、ガス田から採取された天然ガスを液化する液化天然ガス製造設備であり、上記冷媒は、前記液化天然ガス製造設備において前記天然ガスの液化に用いられる冷媒であるようにしてもよい。これにより、液化天然ガス製造設備で使用される冷媒に含まれる余剰冷熱を、上記液体燃料合成システムでの冷却装置による排ガスの冷却に有効利用できる。従って、天然ガス製造設備と液体燃料合成システムとを合わせた全体での熱効率を大幅に向上できる。
以上説明したように本発明によれば、反応器から排出される排ガス、又は精留塔の塔頂から排出される排ガスを冷却することで、所定の炭素数以上の炭化水素成分を回収して製品収率を向上でき、排ガス燃焼に伴うCO2排出量も削減することができる。
1…液体燃料合成システム、3…合成ガス生成ユニット、5…FT合成ユニット、7…製品精製ユニット、10…脱硫反応器、12…改質器、14…排熱ボイラー、16,18…気液分離器、20…脱炭酸装置、22…吸収塔、24…再生塔、26…水素分離装置、30…気泡塔型反応器、32…伝熱管、34,38…気液分離器、36…分離器、39…排気経路、40…第1精留塔、50…WAX分水素化分解反応器、52…灯油・軽油留分水素化精製反応器、54…ナフサ留分水素化精製反応器、56,58,60…気液分離器、70…第2精留塔、72…ナフサ・スタビライザー、73…排気経路、80…第1冷却装置、82…第2冷却装置、83,84…配管、85…回収経路、90…液化天然ガス製造設備、91…ガス田、92…熱交換器、94…冷媒供給源、96…LNGタンク、100…天然ガス製造設備、102…LNGタンク、104…熱交換器、106…熱媒体供給源、110…燃焼設備
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態にかかるGTL(Gas To Liquid)プロセスを実行する液体燃料合成システム1の全体構成及び動作について説明する。図1は、本実施形態にかかる液体燃料合成システム1の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる液体燃料合成システム1は、天然ガス等の炭化水素原料を液体燃料に転換するGTLプロセスを実行するプラント設備である。この液体燃料合成システム1は、合成ガス生成ユニット3と、FT合成ユニット5と、製品精製ユニット7とから構成される。合成ガス生成ユニット3は、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを生成する。FT合成ユニット5は、生成された合成ガスからフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により液体炭化水素を生成する。製品精製ユニット7は、FT合成反応により生成された液体炭化水素を水素化・精製して液体燃料製品(ナフサ、灯油、軽油、ワックス等)を製造する。以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
まず、合成ガス生成ユニット3について説明する。合成ガス生成ユニット3は、例えば、脱硫反応器10と、改質器12と、排熱ボイラー14と、気液分離器16および18と、脱炭酸装置20と、水素分離装置26とを主に備える。脱硫反応器10は、水添脱硫装置等で構成され、原料である天然ガスから硫黄成分を除去する。改質器12は、脱硫反応器10から供給された天然ガスを改質して、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H2)とを主成分として含む合成ガスを生成する。排熱ボイラー14は、改質器12にて生成した合成ガスの排熱を回収して高圧スチームを発生する。気液分離器16は、排熱ボイラー14において合成ガスとの熱交換により加熱された水を気体(高圧スチーム)と液体とに分離する。気液分離器18は、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分を除去し気体分を脱炭酸装置20に供給する。脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを除去する吸収塔22と、当該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを放散させて再生する再生塔24とを有する。水素分離装置26は、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部を分離する。ただし、上記脱炭酸装置20は場合によっては設ける必要がないこともある。
このうち、改質器12は、例えば、下記の化学反応式(1)、(2)で表される水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。なお、この改質器12における改質法は、上記水蒸気・炭酸ガス改質法の例に限定されず、例えば、水蒸気改質法、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分酸化改質法と水蒸気改質法の組合せである自己熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用することもできる。
CH4+H2O→CO+3H2 ・・・(1)
CH4+CO2→2CO+2H2 ・・・(2)
CH4+CO2→2CO+2H2 ・・・(2)
また、水素分離装置26は、脱炭酸装置20又は気液分離器18と気泡塔型反応器30とを接続する主配管から分岐した分岐ラインに設けられる。この水素分離装置26は、例えば、圧力差を利用して水素の吸着と脱着を行う水素PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置などで構成できる。この水素PSA装置は、並列配置された複数の吸着塔(図示せず。)内に吸着剤(ゼオライト系吸着剤、活性炭、アルミナ、シリカゲル等)を有しており、各吸着塔で水素の加圧、吸着、脱着(減圧)、パージの各工程を順番に繰り返すことで、合成ガスから分離した純度の高い水素ガス(例えば99.999%程度)を、連続して反応器へ供給することができる。
なお、水素分離装置26における水素ガス分離方法としては、上記水素PSA装置のような圧力変動吸着法の例に限定されず、例えば、水素吸蔵合金吸着法、膜分離法、或いはこれらの組合せなどであってもよい。
次に、FT合成ユニット5について説明する。FT合成ユニット5は、例えば、気泡塔型反応器30と、気液分離器34と、分離器36と、気液分離器38と、第1精留塔40とを主に備える。気泡塔型反応器30は、上記合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガス、即ち、一酸化炭素ガスと水素ガスとをFT合成反応させて液体炭化水素を生成する。気液分離器34は、気泡塔型反応器30内に配設された伝熱管32内を流通して加熱された水を、水蒸気(中圧スチーム)と液体とに分離する。分離器36は、気泡塔型反応器30の中央部に接続され、触媒と液体炭化水素生成物を分離処理する。気液分離器38は、気泡塔型反応器30の上部に接続され、未反応合成ガス及び気体炭化水素生成物を冷却処理する。第1精留塔40は、気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素を蒸留し、沸点に応じて各製品留分に分離・精製する。
このうち、気泡塔型反応器30は、合成ガスを液体炭化水素に合成する反応器の一例であり、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を合成するFT合成用反応器として機能する。この気泡塔型反応器30は、例えば、塔型の容器内部に触媒と媒体油とからなるスラリーが貯留された気泡塔型スラリー床式反応器で構成される。この気泡塔型反応器30は、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素を生成する。詳細には、この気泡塔型反応器30では、原料ガスである合成ガスは、気泡塔型反応器30の底部の分散板から気泡となって供給され、触媒と媒体油からなるスラリー内を通過し、懸濁状態の中で下記化学反応式(3)に示すように水素ガスと一酸化炭素ガスとが合成反応を起こす。
2nH2+nCO→(−CH2−)n+nH2O ・・・(3)
このFT合成反応は発熱反応であるため、気泡塔型反応器30は内部に伝熱管32が配設された熱交換器型になっており、冷媒として例えば水(BFW:Boiler Feed Water)を供給し、上記FT合成反応の反応熱を、スラリーと水との熱交換により中圧スチームとして回収できるようになっている。
最後に、製品精製ユニット7について説明する。製品精製ユニット7は、例えば、WAX分水素化分解反応器50と、灯油・軽油留分水素化精製反応器52と、ナフサ留分水素化精製反応器54と、気液分離器56,58,60と、第2精留塔70と、ナフサ・スタビライザー72とを備える。WAX分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部に接続されている。灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されている。ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部に接続されている。気液分離器56,58,60は、これら水素化反応器50,52,54のそれぞれに対応して設けられている。第2精留塔70は、気液分離器56,58から供給された液体炭化水素を沸点に応じて分離・精製する。ナフサ・スタビライザー72は、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分の液体炭化水素を精留して、ブタンより軽い成分はフレアガス(排ガス)側へ排出し、炭素数がC5以上の成分は製品のナフサとして分離・回収する。このナフサ・スタビライザー72は、本実施形態にかかる液体炭化水素を精留して所定の炭素数以上の液体燃料を分離する精留塔(排ガス(炭素数がC5未満)を排出する精留塔)の一例として構成されているが、詳細は後述する。
次に、以上のような構成の液体燃料合成システム1により、天然ガスから液体燃料を合成する工程(GTLプロセス)について説明する。
液体燃料合成システム1には、天然ガス田又は天然ガスプラントなどの外部の天然ガス供給源(図示せず。)から、炭化水素原料としての天然ガス(主成分がCH4)が供給される。上記合成ガス生成ユニット3は、この天然ガスを改質して合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)を製造する。
具体的には、まず、上記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫反応器10に供給される。脱硫反応器10は、当該水素ガスを用いて天然ガスに含まれる硫黄分を例えばZnO触媒で水添脱硫する。このようにして天然ガスを予め脱硫しておくことにより、改質器12及び気泡塔型反応器30等で用いられる触媒の活性が硫黄により低下することを防止できる。
このようにして脱硫された天然ガス(二酸化炭素を含んでもよい。)は、二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給される二酸化炭素(CO2)ガスと、排熱ボイラー14で発生した水蒸気とが混合された後で、改質器12に供給される。改質器12は、例えば、上述した水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。このとき、改質器12には、例えば、改質器12が備えるバーナー用の燃料ガスと空気が供給されており、当該バーナーにおける燃料ガスの燃焼熱により、吸熱反応である上記水蒸気・CO2改質反応に必要な反応熱がまかなわれている。
このようにして改質器12で生成された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を流通する水との熱交換により冷却(例えば400℃)されて、排熱回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給され、この気液分離器16から気体分が高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)として改質器12または他の外部装置に供給され、液体分の水が排熱ボイラー14に戻される。
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮液分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又は気泡塔型反応器30に供給される。吸収塔22は、貯留している吸収液内に、合成ガスに含まれる炭酸ガスを吸収することで、当該合成ガスから炭酸ガスを分離する。この吸収塔22内の炭酸ガスを含む吸収液は、再生塔24に導入され、当該炭酸ガスを含む吸収液は例えばスチームで加熱されてストリッピング処理され、放散された炭酸ガスは、再生塔24から改質器12に送られて、上記改質反応に再利用される。
このようにして、合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガスは、上記FT合成ユニット5の気泡塔型反応器30に供給される。このとき、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H2:CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスは、脱炭酸装置20と気泡塔型反応器30とを接続する配管に設けられた圧縮機(図示せず。)により、FT合成反応に適切な圧力(例えば3.6MPaG)まで昇圧される。
また、上記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26は、上記のように圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスを分離する。当該分離された水素は、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料合成システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、WAX分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)に、連続して供給される。
次いで、上記FT合成ユニット5は、上記合成ガス生成ユニット3によって生成された合成ガスから、FT合成反応により、液体炭化水素を合成する。
具体的には、上記合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガスは、気泡塔型反応器30の底部から流入されて、気泡塔型反応器30内に貯留された触媒スラリー内を上昇する。この際、気泡塔型反応器30内では、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応して、炭化水素が生成される。さらに、この合成反応時には、気泡塔型反応器30の伝熱管32内に水を流通させることで、FT合成反応の反応熱を除去し、この熱交換により加熱された水が気化して水蒸気となる。この水蒸気は、気液分離器34で液化した水が伝熱管32に戻されて、気体分が中圧スチーム(例えば1.0〜2.5MPaG)として外部装置に供給される。
このようにして、気泡塔型反応器30で合成された液体炭化水素は、気泡塔型反応器30の中央部から取り出されて、分離器36に導入される。分離器36は、取り出されたスラリー中の触媒(固形分)と、液体炭化水素生成物を含んだ液体分とに分離する。分離された触媒は、その一部を気泡塔型反応器30に戻され、液体分は第1精留塔40に供給される。また、気泡塔型反応器30の塔頂からは、未反応の合成ガスと、合成された炭化水素のガス分とが気液分離器38に導入される。気液分離器38は、これらのガスを冷却して、一部の凝縮分の液体炭化水素を分離して第1精留塔40に導入する。一方、気液分離器38で分離されたガス分については、未反応の合成ガス(COとH2)は、気泡塔型反応器30の底部に再投入されてFT合成反応に再利用され、また、製品対象外である炭素数が少ない(C4以下)の炭化水素ガスを主成分とする排ガス(フレアガス)は、第1冷却装置80(詳細は後述する。)を介して、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
次いで、第1精留塔40は、上記のようにして気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素(炭素数は多様)を加熱して、沸点の違いを利用して分留し、ナフサ留分(沸点が約315℃未満)と、灯油・軽油留分(沸点が約315〜800℃)と、WAX分(沸点が約800℃より大)とに分離・精製する。この第1精留塔40の底部から取り出されるWAX分の液体炭化水素(主としてC21以上)は、WAX分水素化分解反応器50に移送され、第1精留塔40の中央部から取り出される灯油・軽油留分の液体炭化水素(主としてC11〜C20)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52に移送され、第1精留塔40の上部から取り出されるナフサ留分の液体炭化水素(主としてC5〜C10)は、ナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
WAX分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部から供給された炭素数の多いWAX分の液体炭化水素(概ねC21以上)を、上記水素分離装置26から供給された水素ガスを利用して水素化分解して、炭素数をC20以下に低減する。この水素化分解反応では、触媒と熱を利用して、炭素数の多い炭化水素のC−C結合を切断して、炭素数の少ない低分子量の炭化水素を生成する。このWAX分水素化分解反応器50により、水素化分解された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器56で気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部から供給された炭素数が中程度である灯油・軽油留分の液体炭化水素(概ねC11〜C20)を、水素分離装置26からWAX分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この水素化精製反応は、上記液体炭化水素の不飽和結合に水素を付加して飽和させ、直鎖状飽和炭化水素を生成する反応である。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器58で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部から供給された炭素数が少ないナフサ留分の液体炭化水素(概ねC10以下)を、水素分離装置26からWAX分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器60で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、ナフサ・スタビライザー72に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
次いで、第2精留塔70は、上記のようにしてWAX分水素化分解反応器50及び灯油・軽油留分水素化精製反応器52から供給された液体炭化水素を蒸留して、炭素数がC10以下の炭化水素(沸点が約315℃未満)と、灯油(沸点が約315〜450℃)と、軽油(沸点が約450〜800℃)とに分離・精製する。第2精留塔70の下部からは軽油が取り出され、中央部からは灯油が取り出される。一方、第2精留塔70の塔頂からは、炭素数がC10以下の炭化水素ガスが取り出されて、ナフサ・スタビライザー72に供給される。
さらに、ナフサ・スタビライザー72では、上記ナフサ留分水素化精製反応器54及び第2精留塔70から供給された炭素数がC10以下の炭化水素を蒸留して、製品としてのナフサ(C5〜C10)を分離・精製する。これにより、ナフサ・スタビライザー72の下部からは、高純度のナフサが取り出される。一方、ナフサ・スタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が所定数以下(C4以下)の炭化水素を主成分とする排ガス(フレアガス)が排出される。この排ガスは、第2冷却装置82(詳細は後述する。)を介して、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
以上、液体燃料合成システム1の工程(GTLプロセス)について説明した。かかるGTLプロセスにより、天然ガスを、高純度のナフサ(C5〜C10:粗ガソリン)、灯油(C11〜C15:ケロシン)及び軽油(C16〜C20:ガスオイル)等のクリーンな液体燃料に、容易且つ経済的に転換することができる。さらに、本実施形態では、改質器12において上記水蒸気・炭酸ガス改質法を採用しているので、原料となる天然ガスに含有されている二酸化炭素を有効に利用し、かつ、上記FT合成反応に適した合成ガスの組成比(例えば、H2:CO=2:1(モル比))を改質器12の1回の反応で効率的に生成することができ、水素濃度調整装置などが不要であるという利点がある。
ところで、上記液体燃料合成システム1において、気泡塔型反応器30の塔頂部から気液分離器38を介して排出される排ガスや、ナフサ・スタビライザー72の塔頂部から排出される排ガスは、その大半が炭素数C4以下の製品となり得ない炭化水素ガスであるが、そのうちにナフサ製品となりうる炭素数C5以上の炭化水素が、少なくとも製品換算で例えば2%以上含まれている。従来では、この製品となりうる炭化水素ガスをも、燃焼設備で燃焼して廃棄していたため、製品収率を低下させる要因となり、CO2排出量も増加していた。
そこで、本実施形態では、これらの排ガスに含有されている炭化水素のうち、製品となりうる炭素数以上(C5以上)の炭化水素を回収するために、図1に示すように、気泡塔型反応器30の塔頂からの排気経路39上、及びナフサ・スタビライザー72の塔頂からの排気経路73上に、当該排ガスを冷却する第1冷却装置80、第2冷却装置82がそれぞれ設けられている。
ここで、図2、図3を参照して、この第1冷却装置80及び第2冷却装置82(以下では、単に「冷却装置80,82」と総称する場合もある。)を用いた排ガスからの製品回収について詳述する。図2、図3は、それぞれ、本実施形態にかかる液化天然ガス製造設備90又は天然ガス製造設備100からの冷媒を利用して、液体燃料合成システム1における排ガスからの製品回収の概要を示すブロック図である。なお、図2、図3では、説明の便宜上、図1の液体燃料合成システム1の構成要素のうち主要なものを図示し、一部の構成要素については図示を省略してある。
図2に示す例では、上記液体燃料合成システム1(GTLプラント)は、例えば、ガス田91が存在する地域(中東等の天然ガス輸出国など)に設置される液化天然ガス製造設備90(液化天然ガス製造プラント)に隣接して設けられている。この図2の場合、液体燃料合成システム1には、ガス田91から採取された天然ガスが原料ガスとして供給される。
液化天然ガス製造設備90は、ガス田91から採取された天然ガスを冷却して液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)を製造する設備である。この液化天然ガス製造設備90は、天然ガスを液化させる熱交換器92と、熱交換器92に冷媒を供給する冷媒供給源94と、LNGを貯蔵するLNGタンク96とを備える。かかる液化天然ガス製造設備90では、ガス田からの天然ガスと、冷媒供給源94からの冷媒とが熱交換器92に供給され、熱交換器92は、この天然ガスと冷媒との間で熱交換を行うことにより、天然ガスを極低温(約−162℃以下)に冷却してLNGに液化する。この液化されたLNGは、LNGタンク96に貯蔵され、必要に応じて、他の地域(日本等の天然ガス輸入国など)にタンカー等で輸送される。
このように液化天然ガス製造設備90にて天然ガスを液化する際の冷媒としては、例えば、液体窒素、液化プロパン、液化メタン、液化エチレン等で天然ガスを臨界温度以下に冷却できるものならば使用できる。また、当該冷媒として、これらのいくつかを混合した冷媒も使用できる。これらの冷媒は、天然ガスを液化するために極低温のものが使用されるので、熱交換器92での熱交換により多少温度上昇した後であっても、十分な冷熱を有している。かかる天然ガスを液化するための冷媒は、排ガス冷却用の冷媒として、上記液体燃料合成システム1に供給される。
一方、図3の例では、上記液体燃料合成システム1(GTLプラント)は、例えば、天然ガスを消費する地域(日本等の天然ガス輸入国など)に設置される天然ガス製造設備100(天然ガス製造プラント)に隣接して設けられている。
この天然ガス製造設備100は、液化天然ガス(LNG)を貯蔵するLNGタンク102と、LNGを気化させる熱交換器104と、熱交換器104に熱媒体を供給する熱媒体供給源106とを備える。かかる天然ガス製造設備100では、上記液化天然ガス製造設備90等で製造されたLNGがタンカー等で輸送されて、LNGタンク102に貯蔵される。このLNGタンク102に貯蔵されている極低温(約−162℃以下)のLNGと、熱媒体供給源106からの熱媒体は、熱交換器104に供給される。熱交換器104は、このLNGと熱媒体との間で熱交換を行うことにより、LNGを加熱して天然ガスに気化させる。
このようにして天然ガス製造設備100にてLNGを気化して製造された天然ガスは、原料ガスとして液体燃料合成システム1に供給される。また、上記LNGを気化する際の熱媒体としては、例えば、海水、水、グリコールなどを使用できるが、これらの熱媒体は、極低温のLNGにより吸熱されて低温に冷却される。このようにLNGを気化する際に冷却された熱媒体も、排ガス冷却用の冷媒として、上記液体燃料合成システム1に供給される。なお、場合によっては、LNGタンク102に貯蔵されている極低温のLNG自体を、排ガス冷却用の冷媒として液体燃料合成システム1に供給することも可能である(図3の破線矢印108参照)。
次に、図2及び図3を参照して、液体燃料合成システム1において、上記液化天然ガス製造設備90又は天然ガス製造設備100から供給された冷媒を利用して、排ガスを冷却する方法について説明する。
図2及び図3に示すように、液体燃料合成システム1では、上記ガス田91若しくは上記天然ガス製造設備100から供給された天然ガスを、改質器12により改質して合成ガスを生成し、次いで、気泡塔型反応器30により当該合成ガスを液体炭化水素に合成し、さらに、第1精留塔40、水素化反応器50,52,54、第2精留塔70及びナフサ・スタビライザー72により、液体炭化水素を各液体燃料製品(ナフサ、灯油、軽油)に精製・分離する。
このようなGTLプロセスにおいて、気泡塔型反応器30の塔頂から排出される排ガスは、排気経路39を介して第1冷却装置80に供給され、ナフサ・スタビライザー72の塔頂から排出される排ガスは、排気経路73を介して第2冷却装置82に供給される。また、これらの冷却装置80,82には、上記液化天然ガス製造設備90又は天然ガス製造設備100から、配管83,84を介して、上記LNGの液化に使用された冷媒、又は上記LNGの気化時に生じた冷熱を有する低温の熱媒体が、排ガス冷却用の冷媒としてそれぞれ供給される。
冷却装置80,82は、例えば、熱交換器(図示せず。)を具備しており、上記のように供給された排ガスと冷媒との間で熱交換を行い、当該排ガスを所定温度以下に冷却する。この所定温度とは、例えば、GTLプロセスにおいて液体燃料製品となりうる所定の炭素数(例えばC5以上)以上の炭化水素ガスが、液化する温度(例えばペンタン(C5H12)の沸点である約36℃以下)である。これにより、排ガス中に含まれている炭化水素ガスのうち、製品となりうる所定の炭素数(例えばC5以上)以上の炭化水素ガスが液化し、それ未満の炭素数(例えばC4以下)の炭化水素ガスは液化しない。この冷却装置80,82による排ガス冷却時の温度条件は、例えば−10〜10℃とすることができ、この温度条件に合うような適切な種類の冷媒を選択することが可能である。
このようにして第1冷却装置80で液化された炭素数C5以上の炭化水素(ナフサ留分)は、第1冷却装置80から回収経路85を介して第1精留塔40に供給され、上記のようなプロセスを経てナフサ製品に精製される。また、第2冷却装置82で液化された炭素数C5以上の炭化水素は、第2冷却装置82からナフサ製品として外部に供給される。一方、上記冷却装置80,82において、液化されなかった炭素数が所定数以下(例えばC4以下)の炭化水素ガスは、毒性ガス及び可燃性ガス成分を含んでいるので、燃焼すべき排ガス(フレアガス)として、冷却装置80,82から燃焼設備110に導入されて燃焼処理され、大気に放出される。
以上のように、本実施形態にかかる液体燃料合成システム1では、気泡塔型反応器30からの排ガス(FT−TAILガス)、及びナフサ・スタビライザー72からの排ガスのうち、製品となりうる炭素数C5以上の炭化水素ガスを、冷却装置80,82により液化して回収することができる。このように、従来では廃棄されていた製品換算で少なくとも2%以上の量の炭化水素を、好適に回収して製品化できるので、製品収率を向上することができる。さらに、燃焼設備110で燃焼される排ガス量を削減して、液体燃料合成システム1からのCO2排出量を削減できるので、地球温暖化問題改善などの環境親和面で貢献できる。
さらに、冷却装置80,82では上記排ガスを冷却する際の冷熱源として、液体燃料合成システム1に隣接配置された液化天然ガス製造設備90において天然ガスの液化時に使用される冷媒に含まれる余剰冷熱、又は天然ガス製造設備100においてLNGの気化に用いられる熱媒体に含まれる余剰冷熱を利用する。このため、液化天然ガス製造設備90又は天然ガス製造設備100で生じる余剰冷熱を、液体燃料合成システム1での排ガス冷却に有効利用できるので、液化天然ガス製造設備90又は天然ガス製造設備100と、液体燃料合成システム1とを含むシステム全体での熱効率を大幅に向上できる。
さらに、例えば約−160℃という非常に低温の冷媒を利用して排ガスを冷却するので、排ガス中に含まれる少量の炭化水素(製品となりうる炭素数C5以上の炭化水素)を確実に回収できる。
また、上記回収機構を採用する際の初期投資は、冷却装置80,82としての熱交換器の設備コストだけで済み、この設備コストは、排ガスを燃焼させるガス燃料費(ランニングコスト)が節減されることで十分に回収可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、液体燃料合成システム1に供給される炭化水素原料として、天然ガスを用いたが、かかる例に限定されず、例えば、アスファルト、残油など、その他の炭化水素原料を用いてもよい。
また、上記実施形態では、気泡塔型反応器30における合成反応として、FT合成反応により液体炭化水素を合成したが、本発明はかかる例に限定されない。気泡塔型反応器における合成反応としては、例えば、オキソ合成(ヒドロホルミル化反応)「R・CH=CH2+CO+H2→R・CH2CH2CHO」、メタノール合成「CO+2H2→CH3OH」、ジメチルエーテル(DME)合成「3CO+3H2→CH3OCH3+CO2」などにも適用することができる。
また、上記実施形態では、液体燃料合成システム1での排ガス冷却の冷熱源として、液化天然ガス製造設備90又は天然ガス製造設備100での余剰冷熱を利用したが、本発明はかかる例に限定されず、冷熱源として、冷却工程で使用される冷媒を供給可能なその他のプラント設備などからの冷熱を利用してもよい。
また、上記実施形態では、液体炭化水素を蒸留して所定の炭素数以上の液体燃料を分離する精留塔の例として、ナフサを分離するナフサ・スタビライザー72の例を挙げたが、本発明は、かかる例に限定されず、例えば、灯油、軽油、アルコール、DME等の各種の液体燃料を分離するための蒸留塔などであってもよい。
また、上記実施形態では、合成ガスを液体炭化水素に合成する反応器として、気泡塔型スラリー床式反応器を用いたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、固定床式反応器などを用いてFT合成反応を行ってもよい。
本発明は、炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガス及び水素ガスを主成分とする合成ガスを生成する改質器と;前記合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する反応器と;前記液体炭化水素を精留して所定の炭素数以上の液体炭化水素を分離する精留塔と;前記反応器から排出される排ガス、または前記精留塔から排出される排ガスのうちの少なくともいずれかひとつを冷却することにより液化する冷却装置と;を備え、液化した前記排ガスに含まれる前記所定の炭素数以上の炭化水素ガスを回収する液体燃料合成システムに関する。
本発明の液体燃料合成システムによれば、排ガス中に含まれる所望の炭素数の炭化水素成分を回収して製品収率を向上でき、CO2排出量も削減することができる。
本発明の液体燃料合成システムによれば、排ガス中に含まれる所望の炭素数の炭化水素成分を回収して製品収率を向上でき、CO2排出量も削減することができる。
Claims (4)
- 炭化水素原料を改質して一酸化炭素ガス及び水素ガスを主成分とする合成ガスを生成する改質器と;
前記合成ガスに含まれる一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素を合成する反応器と;
前記液体炭化水素を精留して所定の炭素数以上の液体炭化水素を分離する精留塔と;
前記反応器から排出される排ガス、または前記精留塔から排出される排ガスのうちの少なくともいずれかひとつを冷却することにより液化する冷却装置と;を備え、
液化した前記排ガスに含まれる前記所定の炭素数以上の炭化水素ガスを回収する液体燃料合成システム。 - 前記冷却装置は、外部装置から供給される冷媒の冷熱を利用して前記排ガスを冷却する請求項1に記載の液体燃料合成システム。
- 前記炭化水素原料は天然ガスであり、
前記外部装置は、液化天然ガスを気化し、気化した天然ガスを前記液体燃料合成システムに供給する天然ガス製造設備であり、
前記冷媒は、前記天然ガス製造設備において前記液化天然ガスの気化時に生じた冷熱を含む請求項2に記載の液体燃料合成システム。 - 前記炭化水素原料は天然ガスであり、
前記外部装置は、ガス田から採取された天然ガスを液化する液化天然ガス製造設備であり、
前記冷媒は、前記液化天然ガス製造設備において前記天然ガスの液化に用いられる冷媒である請求項2に記載の液体燃料合成システム。
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