JPWO2007108143A1 - 電解質組成物、固体電解質膜および固体高分子型燃料電池 - Google Patents

電解質組成物、固体電解質膜および固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

本電解質組成物は、特定の構造を有するスルホン酸基含有ポリイミド−ポリピロロンを含有する。このようなポリイミドは、たとえば、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とテトラアミン化合物とを反応させて得ることができる。本発明により、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、耐水性に優れ、かつ低いメタノール透過係数を示すことができる固体電解質膜を得るための、新規な電解質組成物が得られる。

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池の固体電解質膜に関する。より具体的には、プロトン伝導特性を有するメタノール酸化還元燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell、以下DMFCとも言う。)または水素燃料電池の固体電解質膜に関する。
固体電解質膜は固体高分子型燃料電池、温度センサー、ガスセンサー、エレクトロクロミック素子などの電気化学素子に欠かせない重要な材料である。それらの用途中では、固体高分子型燃料電池が将来の新エネルギー技術の柱の一つとして期待されている。燃料電池に使用される場合、固体電解質膜は、プロトン伝導性の役割を有するため、プロトン伝導性膜と呼ばれる場合も多い。
固体高分子型燃料電池は、他の燃料電池と比べて出力密度が高く、低温での運転が可能である特徴を持つ。現時点では自動車用駆動源、家庭用発電設備、携帯機器用電源のような小型軽量化や負荷応答の迅速さが要求される用途を想定して研究が進められている。
その中でも携帯機器の長時間駆動に対する要求は、携帯用ノートパーソナルコンピュータや、デジタルカメラ、カメラ一体型VTR等で根強く、さらに携帯電話メーカーも燃料電池に期待するところが大きい。
固体高分子型燃料電池のなかでも、メタノールを使用する電池が注目されている。メタノール燃料電池は、改質器を用いてメタノールを水素主成分のガスに変換する改質型と、改質器を用いずにメタノールを直接使用するDMFCの二つのタイプに区分される。この中で、DMFCは、改質器が不要であるため、軽量化が可能で、電気・電子分野の携帯機器への適用でその実用化が期待されている。
一方、燃料電池の重要な要素である固体電解質膜としては、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基などを持つ有機高分子材料が使用されている。この有機高分子材料としては、従来、たとえば、Du Pont社のNafion(商標名)膜やDow Chemical社のDow膜に代表される、パーフルオロスルホン酸系高分子が知られている。
ところが、上記のパーフルオロスルホン酸系高分子は、プロトン伝導性に優れ、水素を燃料とした燃料電池用の膜としては充分機能するものの、DMFCの固体電解質膜として用いた場合には、水と親和性が高いメタノールがアノード側からカソード側へ透過(クロスオーバー)してしまう傾向が強いという問題を有している。
クロスオーバーが起こると、供給された燃料(メタノール)と酸化剤(カソード酸素)とが直接反応し、その分のメタノールについては、エネルギーを電力として出力することができない。このため、燃料極に充填するメタノール水溶液の濃度を充分高めることが困難であり、出力の向上に限界がある。燃料であるメタノールの濃度を高めることができれば、携帯機器の駆動時間を長くすることが可能となるため、耐メタノールクロスオーバーを実現しうる新規な電解質膜材料の開発が望まれている。
メタノールのクロスオーバーを遮断できる材料としては、耐熱性高分子やエンジニアリングプラスチックなどの化学的安定性、熱的安定性に優れた材料を利用した、スルホン化したポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリイミドなどが着目されている(たとえば特許文献1参照。)。
その中でもスルホン酸基含有ポリイミドは、耐溶媒性、強靭な薄膜形成能等の特徴を有する。このようなことからスルホン酸基含有ポリイミド膜を高分子固体電解質膜として使用することが提案されている(たとえば特許文献2,3、非特許文献1,2参照。)。
特開2002−201269号公報(特許請求の範囲、段落2〜4) 特開2003−64181号公報(特許請求の範囲) 特開2003−234014号公報(特許請求の範囲) 特開2002−105199号公報(特許請求の範囲) 特開平8−290046号公報(特許請求の範囲) ジエイ・ファン等(J.Fang et al.),「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」,第35巻,2002年,p.9022−9028 エックス・グオ等(X. Guo et al.),「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」,第35巻,2002年,p.6707−6713
従来提案されているこれらのスルホン酸基含有ポリイミド膜は、スルホン酸基濃度を高くすると、スルホン酸基含有ポリイミド膜が水を大量に吸収したときに、イミド基近傍に水が浸入しやすいため、酸性水に浸すとイミド環が開環して溶解する問題点があった。すなわち、従来のスルホン酸基含有ポリイミド膜は耐水性が不十分であった。
この欠点を克服するため、アミノ基を3つ以上含む多官能成分とテトラカルボン酸二無水物との重縮合により得られる繰り返し構造単位含有するポリイミド樹脂組成物をプロトン伝導性高分子膜として使用する技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。このポリイミド樹脂組成物は、多官能成分による分岐構造や架橋構造により、直鎖型のみで構成されるポリイミドと比較しているが、ポリイミド直鎖分子内架橋によるスルホン酸基含有ポリイミドについての記載はない。
また、特許文献5には、ポリイミダゾピロロンの気体分離膜について使用する技術が開示されている。このポリイミダゾピロロンについては、スルホン酸基を含有するプロトン伝導性高分子電解質膜に関する記述はない。
本発明は、高プロトン伝導性でメタノールクロスオーバーが低く、耐水性に優れた新規な固体電解質膜用電解質組成物、この電解質組成物よりなる固体電解質膜およびこの固体電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池を提供することを目的としている。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、スルホン酸基含有ポリイミドの耐水性に関する問題点を解決するために、イミド骨格よりももっと剛直であるラダー構造を有するポリピロロン構造を高分子骨格中に導入し、基本要求特性であるプロトン伝導度を保ち、低いメタノールクロスオーバーを維持しつつ、耐水性を向上させることができる、式(1)で示される構造単位と式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位とを有するスルホン酸基含有ポリイミドを含有する電解質組成物が提供される。
Figure 2007108143
Figure 2007108143
Figure 2007108143
{式(2)において、Arは、少なくとも1個のスルホン酸基を含有し、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を含んでなる2価の基であり、式(3)において、Arは、スルホン酸基を含有せず、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を有する4価の基である。}。
本発明態様により、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、かつ低いメタノール透過係数を有する固体電解質膜とすることができる、新規な耐水性に優れた電解質組成物を得ることができる。
この電解質組成物については、前記スルホン酸基含有ポリイミド中、式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位との合計に対する式(3)で示される構造単位の割合が5〜95mol%の範囲にあること、前記スルホン酸基含有ポリイミドが、ホモポリマーの混合物、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーまたはこれらの混合物であること、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物と、式(4)で表されるジアミン化合物と、式(5)で表されるテトラアミン化合物とを反応させて得られたものであること、
Figure 2007108143
Figure 2007108143
{式(4)において、Arは、少なくとも1個のスルホン酸基を含有し、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を含んでなる2価の基であり、式(5)において、Arは、スルホン酸基を含有せず、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を有する4価の基である。}、および、前記スルホン酸基含有ポリイミドの数平均分子量Mが5,000〜10,000,000の範囲にあること、が好ましい。
本発明の他の態様によれば、上記の電解質組成物からなる固体電解質膜およびこの固体電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、上記の電解質組成物が有機溶媒を含み、この有機溶媒を含む電解質組成物を基体上に塗布し、その後溶媒を除去する、固体電解質膜の製造方法および、この方法によって作製された固体電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が提供される。
これらの諸態様により、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、かつ低いメタノール透過係数を有する、耐水性に優れた固体電解質膜やこの固体電解質膜を用いた、DMFCや改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池等の固体高分子型燃料電池を得ることができる。
本発明により、新規な固体電解質膜が提供される。この固体電解質膜はDMFCや改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池等に使用できる。耐水性に優れ、強酸雰囲気下で劣化し難い固体電解質膜とすることができる。DMFCに使用した場合、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、耐水性に優れ、かつ低いメタノール透過係数を有する固体電解質膜とすることができる。さらに、本発明により、このような固体電解質膜を得るための電解質組成物が提供される。
本発明に係るスルホン酸基含有ポリイミドの合成経路の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図、表、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、表、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明に係る電解質組成物は、スルホン酸基を有するポリマー(本明細書においては、スルホン酸基含有ポリイミドともいう。なお、本発明で「スルホン酸基」を含有するあるいは含有しないと言う場合は、スルホン酸基の水素が他の元素で置換され、塩の形となっているものも含まれる。)を含有する。このスルホン酸基含有ポリイミドは、式(1)で示される構造単位と式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位とを有する。
Figure 2007108143
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{式(2)において、Arは、少なくとも1個のスルホン酸基を含有し、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を含んでなる2価の基であり、式(3)において、Arは、スルホン酸基を含有せず、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を有する4価の基である。}。
式(1)で示される構造単位と式(2)とがつながれば、式(6)で示される構造になり、式(3)で示される構造単位は、テトラカルボン酸またはテトラカルボン酸無水物とテトラアミンとの反応で得ることができる。なお、式(3)中、円形で囲んだ部分はピロロン構造と呼ばれる。
Figure 2007108143
本発明に係るスルホン酸基含有ポリイミドがポリピロロン構造を有することで耐水性を向上させることができる。このため、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、かつ低いメタノール透過係数を有する固体電解質膜とすることができる、耐水性に優れた新規な電解質組成物が得られる。
Arには、スルホン酸基が含まれない。このような構造は、ポリイミド直鎖分子内架橋により高分子骨格を剛直にする点および固体電解質膜の耐水性の向上を狙う点で有利である。
本発明により、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、かつ低いメタノール透過係数を有し、耐水性に優れた固体電解質膜が提供される。この固体電解質膜はDMFCや改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池等に使用できる、耐水性に優れ、強酸雰囲気下で劣化し難い固体電解質膜とすることができる。
スルホン酸基含有ポリイミド中の、式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位との合計に対する式(3)で示される構造単位の割合が5〜95mol%の範囲にあることが好ましい。5mol%より低いと、ピロロン構造による耐水性向上効果が期待し難くなる場合が多い。95mol%を超えるとイオン交換容量が低くなりすぎるため、所望のプロトン伝導度が得られ難くなる。
なお、本発明に係るスルホン酸基含有ポリイミドの数平均分子量Mは5,000〜10,000,000の範囲にあることが膜形成の性能上好ましい。本発明に係るスルホン酸基含有ポリイミドが混合物である場合は、混合物を一つのポリマーとして扱いMを定める。
このようなポリイミドは、テトラカルボン酸またはテトラカルボン酸無水物として1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を使用し、さらに、式(4)の構造のジアミン化合物と式(5)の構造のテトラアミンを使用して、公知の方法で作製することができる。この例を図1に示す。
Arが、少なくとも1個のスルホン酸基を含有し、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を含んでなる2価の基であれば、式(4)で表されるジアミン化合物には特に制限はなく、公知のジアミン化合物から適宜選択することができる。Ar中における芳香族環が複数個ある場合、それらは直結されていてもよく、その間に他の原子または結合を含んでいてもよい。その間に含まれる他の原子または結合としては、O、S、SO2、(CH2mまたは(CF2m(mは、それぞれ独立に1〜3の整数である。)2および/またはC=Oが好ましい。Arにおける芳香族環の置換基についても特に制限はない。置換基としてフッ素を含んでいてもよい。
本発明に係るジアミン化合物の具体例としては、2,2’−ベンジジンスルホン酸、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル−6,6’−ジスルホン酸、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸またはそのナトリウム塩が好ましい。
このようなジアミンは、二価フェノールやニトロ基を有する芳香族ハライドを出発原料とし、スルホン化等の反応を含む公知の方法により作製することができる。
Arが、スルホン酸基を含有せず、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を有する4価の基であれば、式(5)で表されるテトラアミン化合物には特に制限はなく、公知のテトラアミン化合物から適宜選択することができる。Ar中の芳香族環が複数個ある場合、それらは直結されていてもよく、その間に他の原子または結合を含んでいてもよい。その間に含まれる他の原子または結合としては、O、S、SO2、(CH2mまたは(CF2m(mは、それぞれ独立に1〜3の整数である。)2および/またはC=Oが好ましい。Arにおける芳香族環の置換基についても特に制限はない。置換基としてフッ素を含んでいてもよい。なお、式(5)中、Arの左右にある二つずつのアミノ基は、それぞれ、芳香族環上の隣接する炭素に結合している。
このようなテトラアミン化合物の具体例としては、たとえば、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニル、テトラアミノベンゼン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルイソプロピリデンなどを挙げることができる。
反応開始時の反応混合物中における、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物と式(4)の構造のジアミン化合物と式(5)の構造のテトラアミンとの割合は、上述したように、得られたスルホン酸基含有ポリイミド中の、式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位との合計に対する式(3)で示される構造単位の割合が5〜95mol%の範囲になるように選択することが好ましい。
本発明に係るスルホン酸基含有ポリイミドは、式(1)で示される構造単位と式(2)で示される構造単位とのホモポリマーと、式(1)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位とのホモポリマーとの混合物でも、式(1)で示される構造単位と式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位とを全て有するコポリマーであってもよい。このコポリマーは、式(6)の構造と式(3)の構造とがランダムに繋がるランダムコポリマーでも、式(6)の構造よりなるブロックと式(3)の構造よりなるブロックとが繋がるブロックコポリマーでもよい。これらの任意の混合物であってよい。
このようなポリマーは、どのような方法によって作成してもよいが、ダイメリゼーション、オリゴメリゼーション、(コ)ポリメリゼーション、ブレンド、再分配反応等を挙げることができる。たとえば、式(1)で示される構造単位と式(2)で示される構造単位とからなるポリマーおよび式(1)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位とからなるポリマーをブレンドし、さらに再分配反応に供することができる。
本発明により、新規な電解質組成物が得られる。この電解質組成物からは、DMFCや改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池等の固体高分子型燃料電池に使用できる、耐水性に優れ、強酸雰囲気下で劣化し難い固体電解質膜を得ることができる。DMFCに使用した場合、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、耐水性に優れ、かつ低いメタノール透過係数を有する固体電解質膜とすることができる。
なお、本発明に係る電解質組成物中には、上記したスルホン酸基含有ポリイミド以外に、他のポリマーや溶媒、触媒、添加剤を共存させることができる。他のポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリシロキサンを、溶媒としてはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、メタクレゾールを、触媒としては、安息香酸、トリエチルアミン、無水酢酸、ピリジンを挙げることができる。
このようにして得られる本発明の電解質組成物から固体電解質膜を作成することができる。本発明の電解質組成物が有機溶媒を含む場合には、この電解質組成物を基体上に塗布し、その後溶媒を除去することで容易に固体電解質膜を製造することができる。この基体としては、電解質組成物や溶媒に対し不活性で、電解質組成物の膜を形成できるものであればどのようなものでもよい。
このようにして得た固体電解質膜は、固体高分子型燃料電池、なかんずくDMFCや改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池等に使用できる。耐水性に優れた(すなわち、強酸雰囲気下で劣化し難い)固体電解質膜とすることができる。DMFCに使用した場合、イオン交換容量が大きく、高いプロトン伝導度を示し、低いメタノール透過係数を有し、かつ耐水性に優れた固体電解質膜とすることができる。
次に本発明の実施例および比較例を詳述する。なお、分析は以下の方法によった。
(イオン交換容量)
イオン交換容量は滴定法により測定した。約100mgのフィルムサンプルを50mLの飽和食塩水に2日間浸漬させた。フィルムサンプルから解離したプロトンイオンを0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液により、滴定しイオン交換容量を求めた。
(プロトン伝導度)
フィルムサンプルを直径30mmの切片に切り出した後、ポリテトラフルオロエチレンホルダー上に設置し、膜抵抗を測定した。測定は水中で行った。電圧端子間距離は3,4,5,6mmとした。温度変化は伝導度測定セルを入れた恒温浴槽内の温度を変えて行った。測定温度範囲は5〜70℃であった。
(メタノール透過係数)
室温にてイオン交換水と10体積%メタノール水溶液とを、直径30mmのフィルムサンプルを介して接触させ、イオン交換水側のメタノール濃度の時間変化を、1時間掛けてガスクロマトグラフィにて測定した。得られたメタノール濃度増加直線の傾きよりメタノール透過係数を計算した。
(耐水性試験)
フィルムサンプルを30mm×30mmに切り出した後,100mLのイオン交換水を注いだ200mLのサンプル瓶内に入れた。耐水性の評価は、80℃の恒温槽内に蓋を閉じたサンプル瓶を入れて、フィルムサンプルの形状が保持できなくなるまでの時間(単位:時間)とした。
[実施例1]
(スルホン酸基含有ポリイミドの合成)
1.72g(5mmol)の2,2’−ベンジジンスルホン酸{式(4)のジアミンに該当}と1.7mLのトリエチルアミンを、45mLのm−クレゾールに添加後、2,2’−ベンジジンスルホン酸が完全に溶解したのを確認してから、1.72g(5mmol)の3,3’−ジアミノベンジジン{式(5)のテトラアミンに該当}を加え、2.68g(10mmol)の1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物と安息香酸1.71gを添加し、80℃で4時間、180℃で10時間加熱撹拌した。
室温まで冷却後、この反応後のポリイミド溶液を、アセトン1Lを入れた2Lビーカー内に、アセトンを撹拌しながら注いだ。1時間撹拌後、繊維状の沈殿物を吸引ろ過した。この沈殿物を、アセトン1Lを入れた2Lビーカー内に、アセトンを撹拌しながら注いだ。1時間撹拌後、沈殿物を吸引ろ過した。取り出した生成物を80℃で10時間真空乾燥した。
得られた生成物をm−クレゾールに溶解し、ガラス板上に流延し、130℃で3時間乾燥させることにより、フィルムを得た。このフィルムを室温のメタノール溶液に24時間浸漬させた後、真空中、250℃で20時間熱処理した。その後、0.5Nの硫酸水溶液に24時間浸漬しプロトン交換した。このフィルムを十分水洗した後、150℃で10時間真空熱処理した。
生成したフィルムが式(1)、(2)、(3)の構造を有していることは、赤外吸収スペクトルにおいて、加熱処理によって1760cm-1〜1790cm-1の吸収域にイミド環の特性吸収ピークが生じ、1620cm-1付近の吸収域にイミダゾール環の特性吸収ピークが生じることで、前駆物質からのポリベンゾイミダゾピロロン化が進行していることにより確認した。
[比較例1]
3,3’−ジアミノベンジジンの代わりに、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホンを2.16g(5mmol)用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドを合成し、ポリイミドフィルムを得た後、実施例1と同様にプロトン交換処理した。
[比較例2]
3,3’−ジアミノベンジジンの代わりに、4,4’−オキシジアニリンを1.00g(5mmol)用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミドを合成し、ポリイミドフィルムを得た後、実施例1と同様にプロトン交換処理した。
表1に実施例および比較例で得られたサンプル(本発明に係る固体電解質膜に相当)の物性を示す。この結果から、本発明に係るサンプルは、耐水性に優れ(従って強酸雰囲気下で劣化し難く)、メタノール透過係数が低く、イオン交換容量が大きく、プロトン伝導度が高いことが理解される。
Figure 2007108143

Claims (9)

  1. 式(1)で示される構造単位と式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位とを有するスルホン酸基含有ポリイミドを含有する電解質組成物。
    Figure 2007108143
    Figure 2007108143
    Figure 2007108143
    {式(2)において、Arは、少なくとも1個のスルホン酸基を含有し、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を含んでなる2価の基であり、式(3)において、Arは、スルホン酸基を含有せず、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を有する4価の基である。}。
  2. 前記スルホン酸基含有ポリイミド中、式(2)で示される構造単位と式(3)で示される構造単位との合計に対する式(3)で示される構造単位の割合が5〜95mol%の範囲にある、請求項1に記載の電解質組成物。
  3. 前記スルホン酸基含有ポリイミドが、ホモポリマーの混合物、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーまたはこれらの混合物である、請求項1または2に記載の電解質組成物。
  4. 1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物と、式(4)で表されるジアミン化合物と、式(5)で表されるテトラアミン化合物とを反応させて得られたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の電解質組成物。
    Figure 2007108143
    Figure 2007108143
    {式(4)において、Arは、少なくとも1個のスルホン酸基を含有し、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を含んでなる2価の基であり、式(5)において、Arは、スルホン酸基を含有せず、置換基を有していてもよく、複素環であってもよい芳香族環を有する4価の基である。}。
  5. 前記スルホン酸基含有ポリイミドの数平均分子量Mが5,000〜10,000,000の範囲にある、請求項1〜4のいずれかに記載の電解質組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電解質組成物からなる固体電解質膜。
  7. 請求項6に記載の固体電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の電解質組成物が有機溶媒を含み、当該有機溶媒を含む電解質組成物を基体上に塗布し、その後溶媒を除去する、固体電解質膜の製造方法。
  9. 請求項8の方法によって作製された固体電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池。
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