JPWO2007105679A1 - ホログラム装置及び光偏向素子 - Google Patents

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Abstract

ホログラム装置は、可干渉性光から、参照光と、記録情報に応じて可干渉性光を変調した信号光と、を生成する光生成手段と、参照光及び信号光の光路を互いに空間的に分離して、いずれか一方の光路に、他方の光路を交差させ、参照光及び信号光を干渉させる干渉手段と、参照光及び信号光の光路の交差点にホログラム記録担体を着脱自在に支持する支持部と、参照光がホログラム記録担体に照射された際にホログラム記録担体の回折格子から回折した光を受光する像検出手段と、を含む。ホログラム装置は、参照光の光束から部分光束を抽出して参照光の光束の横断面積よりも小なる面積範囲内に部分光束を選択的に偏向せしめる光偏向素子とこれに対して情報の記録又は再生の際に部分光束を選択する制御をなす光偏向駆動回路と、を含み。光偏向素子は、各々が電圧印加の状態に応じて部分光束の透過及び非透過を制御される複数の窓が並設されたマスク部と、各々が窓を透過する部分光束の光路に配置されかつ部分光束を偏向する複数の透明体のプリズムが並設された光偏向部と、からなる。

Description

本発明は光ディスク、光カードなどの光束の照射により情報の記録又は再生可能なホログラム記録担体のためのホログラム装置に関し、さらに角度多重方式のホログラム装置などに用いられる光偏向素子に関する。
高密度情報記録のために、画像などの2次元データを高密度記録できるホログラムが注目されている。このホログラムの特徴は、記録情報を担持する信号光の波面を、参照光との光学干渉パターンを回折格子として、ホログラム記録担体へ記録することにある。すなわち、参照光及び信号光の光路を互いに空間的に分離して、両者をホログラム記録担体内で交差させ、干渉させ情報を記録する。
また、ホログラム記録担体に光学干渉パターンを多重記録を行うことによって記録容量を飛躍的に増大させることができる。例えば、角度多重方式では、記録時のホログラム記録担体内において、信号光に対する参照光の角度を僅かずつ変更することによって、同一エリアに角度ごとに異なる記録情報を多重記録できる。
一般に、角度多重方式のホログラム装置では、ホログラム記録担体へ照射する参照光の角度を変更する機構として、いわゆる4f光学系及びガルバノミラーが用いられ、図1に示すように、4f光学系光路に複数の4fレンズfcの焦点FPが一致するように並べられ、参照光RBが入射される一方端のレンズ焦点FPにガルバノミラーGMの回転軸が配置され他方端のレンズ焦点FPにホログラム記録担体2が配置されている(特許文献1、参照)。
特開2006-023445号公報
4f光学系及びガルバノミラーの技術では機械的にガルバノミラーを回動することでホログラム記録担体内の信号光に対する参照光の角度(交差角度ともいう)を変えているので、機械的な駆動部品の部品点数が多くなり、装置全体の小型化に困難な点があった。また、変化される交差角度はすべてガルバノミラー回転軸に垂直な平面内に存在するので、角度多重記録の度合が当該平面内に制限されている。
そこで、本発明の解決しようとする課題には、小型化を可能にするホログラム装置及び光偏向素子を提供することが一例として挙げられる。
本発明のホログラム装置は、参照光及び信号光の光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録担体へ情報を記録又は再生するホログラム装置であって、
可干渉性光から、参照光と、記録情報に応じて前記可干渉性光を変調した信号光と、を生成する光生成手段と、
前記参照光及び前記信号光の光路を互いに空間的に分離して、いずれか一方の光路に、他方の光路を交差させ、前記参照光及び信号光を干渉させる干渉手段と、
前記参照光及び信号光の光路の交差点にホログラム記録担体を着脱自在に支持する支持部と、
前記参照光が前記ホログラム記録担体に照射された際に前記ホログラム記録担体の回折格子から回折した光を受光する像検出手段と、を含み、
前記参照光の光束から部分光束を抽出して前記参照光の光束の横断面積よりも小なる面積範囲内に前記部分光束を選択的に偏向せしめる光偏向素子と、
前記光偏向素子に対して情報の記録又は再生の際に前記部分光束を選択する制御をなす光偏向駆動回路と、を含み、
前記光偏向素子は、各々が互いに並設されかつ前記部分光束に対する透過及び非透過が電気的に制御される複数の窓を有するマスク部と、各々が前記窓を透過する前記部分光束の光路に配置されかつ前記部分光束を偏向する複数の透明体のプリズムが並設された光偏向部と、からなることを特徴とする。
本発明の光偏向素子は、入力された光束から部分光束を抽出して前記入力された光束の横断面積よりも小なる面積範囲内に前記部分光束を選択的に偏向せしめる光偏向素子であって、
各々が互いに並設されかつ前記部分光束に対する透過及び非透過が電気的に制御される複数の窓を有するマスク部と、
各々が前記窓を透過する前記部分光束の光路に配置されかつ前記部分光束を偏向する複数の透明体のプリズムが並設された光偏向部と、からなることを特徴とする。
上記構成によれば、よって、参照光と信号光の交差角度を変更することでホログラム記録担体の同一箇所に複数のホログラムを多重記録する角度多重方式ホログラム装置において、装置全体の小型化が可能となり、参照光及び信号光による角度多重記録の度合が拡大する。さらに、上記光偏向素子において機械的な駆動部品が極めて少ないことにより信頼性が向上し、ホログラム記録又は再生時に透過及び非透過を電気的に制御される窓例えば液晶の透明電極を任意に選択することによって任意のホログラムを読み出すことができる。
従来の光の角度を変更する機構を説明する概略部分斜視図である。 本発明による実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による実施形態のホログラム装置の光偏向素子を示す概略斜視図である。 本発明による実施形態の光偏向素子を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の光偏向素子のマスク部(液晶パネル)を示す光軸から見た正面図である。 本発明による実施形態の光偏向素子の光偏向部を示す光軸から見た正面図である。 図4の線AAの断面図である。 本発明による実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態の光偏向素子を示す概略断面図である。 本発明による他の実施形態の光偏向素子を示す概略断面図である。 本発明による他の実施形態の光偏向素子のマスク部(液晶パネル)を示す光軸から見た正面図である。 本本発明による実施形態の光偏向素子のマスク部(液晶パネル)を示す光軸から見た正面図である。 本発明による実施形態の光偏向素子のマスク部(液晶パネル)を示す光軸から見た正面図である。 本発明による他の実施形態の光偏向素子の動作を説明する概略断面図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。 本発明による他の実施形態のホログラム装置の概略を示す構成図である。
符号の説明
2…ホログラム記録担体
LCP…液晶パネル
1/4λ…1/4波長板
CL…コリメータレンズ
IS…像センサ
LD…レーザ光源
OB…対物レンズ
PBS…偏光ビームスプリッタ
RB…参照光
SB…信号光
SLM…空間光変調器
発明を実施するための形態
以下に本発明の第1の実施形態としてホログラム装置の一例を図面を参照しつつ説明する。
<ホログラム装置>
図2は、ホログラム記録担体2の記録又は再生用の光偏向素子10を用いたホログラム装置の概略構成を示す。ホログラム記録担体2には、例えば、フォトポリマや、光異方性材料や、フォトリフラクティブ材料や、ホールバーニング材料、フォトクロミック材料など光学干渉パターンを保存できる透光性の光感応材料が用いられる。
ホログラム装置は、ホログラムの記録及び再生用のレーザ光源LD、コリメータレンズCL、ハーフミラープリズムHPを有する。レーザ光源LDの波長は、ホログラム記録担体2の光学干渉パターンを保存できる透光性の光感応材料が反応する波長である。コリメータレンズCLはレーザ光源LDからの発散する可干渉光を平行光に変換する。ハーフミラープリズムHPは平行光からに方向に分離して、参照光及び信号光用の光束を生成する(光生成手段、干渉手段)。
ホログラム装置は、信号光用光学系として、ミラーMR、反射型の空間光変調器SLM、第1対物レンズOBAを有する(光生成手段、干渉手段)。反射型の空間光変調器の例として複数の画素ミラーのマトリクスを有するDMD(Digital Micromirror Device)(登録商標)を用いることもでき、DMDは画素ミラー毎に入射光の一部を平行に偏向する空間変調機能を有し、電気的制御により必要な空間変調された信号光のみ第1対物レンズOBAへ供給する。すなわち、この反射型空間光変調器SLMはその駆動回路(図示せず)に接続され、これからの記録すべきページデータ(平面上の明暗ドットパターンなどの2次元データの情報パターン)に基づいた分布を有するように平行光束を変調かつ反射して、信号光を生成する。
ホログラム装置は、参照光用光学系として、波面強度均一化素子21(例えばアポダイゼーションフィルタ、ビームシェイパー(ニューポート製))、光偏向素子10を有する(光生成手段、干渉手段)。波面強度均一化素子21は参照光の光束における波面強度分布を均一化する。なお、参照光用光学系に第2の空間光変調器(図示せず)を挿入し、位相変調パターン表示をして参照光として、位相変調参照光を生成してもよい。光偏向素子10は後述する。
ホログラム装置は、再生用光学系として、第1対物レンズOBAと共軸にして焦点が一致した第2対物レンズOBB及び像センサISを有する(像検出手段)。ミラーMR及び反射型の空間光変調器SLMを用いることによって、信号光用光学系及び再生用光学系はレーザ光源LDからの光束の光軸上に4f光学系として配置されている。さらに、ホログラム装置は、参照光及び信号光の光路の交差点(第1及び第2対物レンズ間)にホログラム記録担体2を着脱自在に支持する支持部(図示せず)を備えている。像センサISは、参照光がホログラム記録層に照射された際にホログラム記録担体2から第2対物レンズOBBを介して通過する再生光を受光する像検出手段として機能する。像センサISはCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体装置)などのアレイからなる光電変換素子である。
<光偏向素子>
図3は光偏向素子10を示す。光偏向素子10は、波面強度均一化素子から入力された平面波光束PWLBから部分光束を抽出してその横断面積よりも小なる面積範囲内に平面波の部分光束PLBを選択的に偏向せしめる。すなわち光偏向素子10は部分光束の参照光RBをホログラム記録担体2(入力された平面波光束の光軸AXに配置されている)の信号光透過部分へ照射する。光偏向素子10は、光の部分的な透過及び非透過を選択的に電気制御するマスク部MSと透過光の光偏向部RFSとからなる。
図4に示すように、マスク部MSは、一対のガラス基板12の内面の対向する複数の透明電極13に配向膜14を介して挟まれたTN液晶11からなる透過型の液晶パネルLCPと、これに積層された1/2波長板などの偏光フィルタPFとからなる。液晶パネルLCPは、光偏向駆動回路LCPDに接続され、交差角度をホログラム記録又は再生時にて切り替えるように、同回路により制御される。
図5に示すように、マスク部MS(液晶パネルLCP)の光軸に垂直な平面(直交XY方向)において均一な大きさで円形又は矩形の透明電極の複数が2次元的電極パターンとして並設されている。その各々の透明電極13には独立して電圧を印加される。液晶パネルLCPは、配向膜によりTN(Twisted Nematic)配向された液晶11と偏光フィルタPFと組み合わせて、電圧印加の状態に応じて電気的に部分光束の透過及び非透過を制御選択するマスク窓OPWを構成する。
また、図6に示すように、ガラス基板の出力側に形成されている光偏向部RFSは電極パターンの透明電極(窓)の各々とそれぞれが一致する複数のプリズムPM(透明体)からなる。各プリズムPMは、入力された光束の光軸から傾いた部分光束を屈折する屈折面を有し、各プリズムPMを透過する光束がホログラム記録担体2中で信号光SBと一点で交差するように光偏向部RFSは設定されている。すなわち、光偏向部RFSには、各々が窓を透過する部分光束の光路に配置されかつ部分光束を偏向する複数の透明体のプリズムPMがプリズム配列として並設されている。
なお、空間光変調器に偏光性のもの(信号光において有意の成分のみの偏光方向を他の成分と角度たとえば90度回転させた偏波を出力するもの)を用いる場合には、偏光フィルタを用いないで偏光特性のみを切り替えて記録することもできる。その場合は偏光フィルタが不要となる。
図7により光偏向素子10の動作を説明する。液晶パネルLCPは、透明な液晶11が2枚のガラス基板12a、12b間に挟持され、該基板周りが封止された構造を有している。両ガラス基板12a、12bの内面には、インジウムスズ酸化物などからなる液晶に電圧を印加する透明電極13aa、13a、13bと、近接する液晶分子の軸の向き(配向)を規定する配向膜14a、14bと、が順に積層されている。透明電極13bは共通電極であるが、対向する側ではそれぞれ別個の透明電極13a、13aaが配置され、それらは光偏向駆動回路LCPDにより独立して電圧が印加される。
たとえば、液晶を挟む対向透明電極13aa、13b間に電圧を印加すると、液晶分子は配向膜に沿った方向からその分子軸が垂直方向に変化し電界に沿って並ぶ。液晶分子が配向膜から直立して液晶分子の配向が変化し、例えば直線偏光の透過光の偏光面(紙面垂直(中黒丸で示す))が回転せずにそのまま無偏光で透過(オン状態)するので、偏光フィルタPFを透過した参照光は光偏向部RFSのプリズム屈折面により偏向してホログラム記録担体へ向かう。一方、無電圧印加の対向透明電極13a、13b間(オフ状態)では直線偏光の透過光の偏光面(紙面垂直)が回転し(紙面平行(短い双方向矢印で示す))、偏光フィルタPFで遮光される。
以上の動作により、角度多重方式ホログラム記録はホログラム記録担体2中において信号光SBの角度と参照光RBの角度の相対的交差角度を変化せしめることで同一領域に複数のホログラムを多重して記録する。
液晶パネルと光偏向部とからなる光偏向素子10は、独立電圧印加される電極パターンの透明電極毎の参照光束のみを偏向し、それらをある一点で交差させる電気選択式窓を備えている。
図2及び図8によりホログラム装置の動作を説明する。
記録工程において、図2に示すように、ホログラム記録再生用レーザ光源LDから放射された可干渉性光束はコリメータレンズCLで平行光となりハーフミラープリズムHPで参照光及び信号光用に分離される。信号光用光束はハーフミラープリズムHP透過後、空間光変調器SLMに入射し空間的に変調され信号光となる。信号光SBは第1対物レンズOBAにより集光されホログラム記録担体2に入射する。
参照光用光束は波面強度均一化素子21を透過し波面強度分布を均一化され、光偏向素子10に入射する。光偏向素子10で選択的に偏向された参照光RBは、第1対物レンズOBAにより集光された信号光SBとホログラム記録担体2内のある一点で交差する。この操作によりホログラム記録担体2内に干渉を生じホログラムが記録される。
再生時には、図8に示すように、空間光変調器SLMを全てOFF(全黒)とし信号光がホログラム記録担体2に入射しないようにする。参照光RBは記録時同様に光偏向素子10に入射し任意の透明電極をONすることで任意の偏向角度を選択しホログラム記録担体2に入射させる。参照光RBにより参照光RBの入射角度に対応したホログラムのみが再生される。再生されたホログラムからの再生信号光ReSBは、第2対物レンズOBBにより像センサIS上に結像する。この再生像を読み取ることで記録した信号が再生される。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、図9に示すように選択的に偏向された参照光RBが光軸から変移するように光偏向部RFSのプリズムPM形状を変更した以外は、第1の実施形態に同じである。第1の実施形態では同心円形状にプリズムを並設した光偏向部RFS(図3に示す光軸周りに回転対称)であったが、第2の実施形態は各参照光RB光束の交差点が素子光軸上に無い場合である。また、他のプリズムPM形状として、図10に示すように光偏向素子10のプリズム配列は多面体で屈折面が構成されたレンズ形状のものでもよい。光偏向部RFSの作用に関しては多面体プリズム配列でも第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、液晶パネルLCPの透明電極を、直交XY方向において均一に並設するのではなく、図11〜図13に示すように透明電極を間引いて並設した以外は、第1の実施形態に同じである。液晶パネルの電極パターンが直交XY方向で均一配置でないが、光偏向部RFSは第1の実施形態同様に電極パターンの透明電極毎に透過する光束がある一点で交差するようにプリズムを並設して構成してある。
第1の例は、図11に示すように液晶パネルLCPのXY方向のいずれかマスク部分M を設けて透明電極(窓)13を間引いて並べることによって、角度多重度が光束の透過領域で異なるようにできる。
ホログラム記録担体2に角度多重記録する場合に参照光RBと信号光SBのホログラム記録担体2の相対交差角度によっては多重間隔(角度)が異なる場合がある。その場合には図11のように直交XY方向で異なる電極間隔とすることで信号光SBとの交差角度を光偏向素子10の領域によって変更できる。
第2の例は、図12に示すように液晶パネルLCPのXY方向のいずれかマスク部分M を設けて透明電極(窓)13を間引いて並べ、さらに、透明電極の面積を非均一とすることによって、参照光RBの光束の断面面積をホログラム記録担体の透過領域で異なるように、すなわち、参照光RBの大きさを光偏向素子10の領域によって変更することができる。これによって光偏向素子10に入射する光束周辺部の光強度が低い場合(図12に示す四隅)などに周辺部の参照光RBの光量を大きくすることができる。
第3の例は、図13に示すように液晶パネルLCPのXY方向のいずれかマスク部分M を設けて透明電極(窓)13を間引いて並べ、さらに、透明電極の面積を順次変化させることによって、干渉領域の大きさを光束の透過領域で異なるように、すなわち、参照光RBの大きさを光偏向素子10の領域によって変更することができる。
図13及び図14に示すようにホログラム記録担体2中のホログラム記録領域を一定に保つためにはホログラム記録担体2への参照光RBの入射角度によって参照光RBの光束径を変更する必要がある。そのために液晶パネルの電極パターンの大きさを、垂直に近いほど大きい窓(図中の参照光a径Da)で、参照光RBのホログラム記録担体2となす角度が浅ければ浅いほど小さな窓(図中の参照光b径Db)となるように電極パターンを設定する。すなわち、図14に示すように部分光束の参照光RBがホログラム記録担体内の信号光SBで照射される範囲を包含するような大きさの面積を有するように、光偏向素子10の電極パターンを設定する。このように、光偏向素子10の窓の大きさを設定することにより、参照光の様態を角度ごとに変更することが可能となり、参照光の光量を一定に保ち、参照光のホログラム記録担体内での大きさをコントロールできる。なお、図14では信号光軸SBaxisの周りの範囲であるが説明のためであり、信号光の集光点が変化すればこの信号光照射範囲は変化する。
<第4の実施形態>
第4の実施形態のホログラム装置を図15に示す。第4の実施形態は、第1の実施形態の図2に示す構成において信号光SBの反射ミラーMRを省略し、ホログラム記録担体2が支持部SPPに可動自在に保持された以外は、動作も含め第1の実施形態に同一である。
<第5の実施形態>
第5の実施形態のホログラム装置を図16に示す。第5の実施形態は、第1の実施形態の図2に示す構成において、参照光用光学系を共役光学系とし、第1及び第2対物レンズに代えて単一の対物レンズOBを用いて対物レンズOB側に像センサISを設けた以外は、第1の実施形態に同じである。
図16及び図17によりホログラム装置の動作を説明する。
記録工程において、図16に示すように、ホログラム記録再生用レーザ光源LDから放射された可干渉性光束はコリメータレンズCLにより平行光となりハーフミラープリズムHPにより参照光及び信号光用光束に分離される。信号光用光束はハーフミラープリズムHP透過後、透過型の空間光変調器SLMに入射し空間的に変調され信号光となる。その後、信号光SBは偏光ビームスプリッタPBS、4fレンズfc及びミラーMRを経た後、対物レンズOBにより集光されホログラム記録担体2に入射する。透過型の空間光変調器は、マトリクス状に分割された複数の画素電極を有する検光子付きの液晶パネルなどで入射光の一部を画素毎に電気的に遮光する機能、又はすべて透過して無変調状態とする機能を有する。
参照光用光束は波面強度均一化素子21を透過し波面強度分布を均一化され、光偏向素子10に入射する。光偏向素子10に関しては第1の実施形態と同様である。光偏向素子10で選択的に偏向された参照光RBは、集光された信号光SBとホログラム記録担体2内のある一点で交差する。この操作によりホログラム記録担体2内に干渉を生じホログラムが記録される。
ホログラム記録担体2を透過した参照光RBは光偏向素子10と同じ第2光偏向部RFS2(光偏向素子10のものと同じ)を透過し1/4波長板1/4λを透過し、ミラーMRで反射され、再び1/4波長板1/4λ、第2光偏向部RFS2を透過する。この場合、入射した光束の偏光方向(図では紙面平行)から90度異なる(紙面垂直)偏光方向に変換され再びホログラム記録担体2に入射する。ホログラム記録担体2内では信号光SBと反射して来た参照光RBは偏光方向が異なるためホログラムは記録されず入射参照光RBと信号光SBのみでホログラムが記録される。
再生工程において、図17に示すように、空間光変調器SLMを全てOFF(遮光)とし信号光SBがホログラム記録担体2に入射しないようにする。参照光RBは、記録時同様に光偏向素子10に入射した光束から任意の液晶パネル電極をONすることで任意の偏向角度を選択して生成され、ホログラム記録担体2に入射させる。参照光RBにより参照光RBの入射角度に対応したホログラムのみが再生される。この参照光RBで再生される再生光はホログラム記録担体2の反対側(対物レンズOBの無い側)に発生する。一方、記録時同様に偏光方向を変更された参照光RBは再びホログラム記録担体2に入射する。この参照光RBにより再生される再生信号光SBは、いわゆる位相共役再生信号で対物レンズOB側に再生され4fレンズfc及びミラーMRを経て偏光ビームスプリッタPBSにいたる。この再生信号は紙面に垂直な偏光方向を有する参照光RBで再生されているので偏光方向は紙面垂直となり、偏光ビームスプリッタPBSにより反射され像センサIS側に偏向され、像センサIS上に結像する。この像を読み取ることで記録した信号が再生される。
<第6の実施形態>
第6の実施形態のホログラム装置を図18に示す。第6の実施形態は、第5の実施形態の構成における単一の対物レンズOBに代えて第1の実施形態の第1及び第2対物レンズを用いて第1対物レンズOBA側に像センサISを設け信号光用光学系を共役光学系とした以外は、第5の実施形態に同じである。
図18及び図19によりホログラム装置の動作を説明する。
記録工程において、図18に示すように、ホログラム記録再生用レーザ光源LDから放射された可干渉性光束はコリメータレンズCLにより平行光となりハーフミラープリズムHPにより参照光及び信号光用光束に分離される。信号光用光束はハーフミラープリズムHP透過後、透過型の空間光変調器SLMに入射し空間的に変調され信号光となる。その後、信号光SBは偏光ビームスプリッタPBS、4fレンズfc及びミラーMRを経た後、第1対物レンズOBAにより集光されホログラム記録担体2に入射する。
ホログラム記録担体2をはさんで共役の位置に第2対物レンズOBBが配置されており、その第2対物レンズOBBで再び平行光に変換された信号光SBは1/4波長板1/4λ、反射ミラーMRにより入射時の偏光方向から90°異なった方向に変換されて反射され再びホログラム記録担体2に照射される。
参照光用光束は波面強度均一化素子21を透過し波面強度分布を均一化され、光偏向素子10に入射する。光偏向素子10に関しては第1の実施形態と同様である。光偏向素子10で選択的に偏向された参照光RBは、集光された信号光SBとホログラム記録担体2内のある一点で交差する。この操作によりホログラム記録担体2内に干渉を生じホログラムが記録される。ホログラム記録担体2内では参照光RBと反射して来た信号光SBは偏光方向が異なるためホログラムは記録されず入射信号光SBと参照光RBのみでホログラムが記録される。
再生工程において、図19に示すように、空間光変調器SLMを全てOFF(遮光)とし信号光SBがホログラム記録担体2に入射しないようにする。参照光RBは、記録時同様に光偏向素子10に入射した光束から任意の液晶パネル電極をONすることで任意の偏向角度を選択して生成され、ホログラム記録担体2に入射させる。
参照光RBにより参照光RBの入射角度に対応したホログラムのみが再生される。この参照光RBで再生されるホログラムはホログラム記録担体2の反対側(第2対物レンズOBB側)に再生光が発生し第2対物レンズOBBに入射後、偏光方向が紙面水平から紙面垂直に変換され再びホログラム記録担体2に集光する。そして第1対物レンズOBAに入射し、ミラーMR及び4fレンズfcを経て偏光ビームスプリッタPBSにいたる。この再生信号は紙面に垂直な偏光に変換されているので偏光ビームスプリッタPBSにより反射され像センサIS側に偏向され、像センサIS上に結像する。この像を読み取ることで記録した信号が再生される。
参照光RBまたは信号光SBの光路に1/4波長板と反射ミラーMRを用いることで再生信号の偏光方向を記録信号光SBと異ならしめることができるため偏光ビームスプリッタPBSを用いた光束の分離ができる。
<第7の実施形態>
第7の実施形態のホログラム装置を図20に示す。第7の実施形態は、第6の実施形態の構成におけるハーフミラープリズムHPにより参照光及び信号光用光束に分離せずに、透過型の空間光変調器により光軸が一致するが光路が異なり参照光RBと信号光SBが空間的に分離される構成とした以外は、第6の実施形態に同じである。
図20に示す透過型の空間光変調器SLMは光軸を含む領域に空間光変調器がありその周りは透明板又は開口となるように構成されている。よって、空間光変調器SLMは入力された可干渉光光束を、光軸を含む光束とそれを取り囲む環状断面光束とに分割して、光軸を含む光束を信号光SBと環状断面光束を参照光用光束として生成する。
図20に示すように、光軸上の第1対物レンズOBAを取り囲む環状形状に光偏向素子10が配置されている。そして、参照光RB及び信号光SBはそれぞれ同軸で互いに空間的に離れた状態で第1対物レンズOBA及び環状光偏向素子10に導かれる。
図20及び図21によりホログラム装置の動作を説明する。
記録工程において、図20に示すように、ホログラム記録再生用レーザ光源LDから放射された可干渉性光束はコリメータレンズCLにより平行光となり透過型の空間光変調器SLMにより信号光と参照光用光束に分離される。その後、光は偏光ビームスプリッタPBSを経た後、第1対物レンズOBAにより集光されホログラム記録担体2に入射する。
ホログラム記録担体2をはさんで共役の位置に第2対物レンズOBBが配置されており、その第2対物レンズOBBで再び平行光に変換された信号光SBは1/4波長板1/4λ、反射ミラーMRにより入射時の偏光方向から90°異なった方向に変換されて反射され再びホログラム記録担体2に照射される。
参照光用光束は第1対物レンズOBA周囲の環状光偏向素子10に入射する。光偏向素子10に関しては第1の実施形態と同様である。光偏向素子10で選択的に偏向された参照光RBは、集光された信号光SBとホログラム記録担体2内のある一点で交差する。この操作によりホログラム記録担体2内に干渉を生じホログラムが記録される。ホログラム記録担体2内では参照光RBと反射して来た信号光SBは偏光方向が異なるためホログラムは記録されず入射信号光SBと参照光RBのみでホログラムが記録される。
再生工程において、図21に示すように、空間光変調器SLMを全てOFF(遮光)とし信号光SBがホログラム記録担体2に入射しないようにする。参照光RBは、記録時同様に光偏向素子10に入射した光束から任意の液晶パネル電極をONすることで任意の偏向角度を選択して生成され、ホログラム記録担体2に入射させる。
参照光RBにより参照光RBの入射角度に対応したホログラムのみが再生される。この参照光RBで再生されるホログラムはホログラム記録担体2の反対側(第2対物レンズOBB側)に再生光が発生し第2対物レンズOBBに入射後、偏光方向が紙面水平から紙面垂直に変換され再びホログラム記録担体2に集光する。そして第1対物レンズOBAに入射し偏光ビームスプリッタPBSにいたる。この再生信号は紙面に垂直な偏光に変換されているので偏光ビームスプリッタPBSにより反射され像センサIS側に偏向され、像センサIS上に結像する。この像を読み取ることで記録した信号が再生される。
<変形例>
変形例としては、光軸を含む光束を信号光とし環状断面光束を参照光用光束とするのではなく、逆に参照光を光軸で信号光をその周囲で生成する構成も可能である。この場合、空間光変調器SLM全体を透過型マトリクス液晶表示装置として、その制御回路により、記録すべきページデータの所定パターンを表示する環状領域とし、これに囲まれる中央領域を無変調の光透過領域となるように表示する。なお、空間光変調器SLMの無変調の光透過領域を貫通開口や透明材料から形成できる。また、光偏向素子10は参照光が供給されるように光軸に配置する。さらに、第1及び第2対物レンズOBA、OBBの光軸にも貫通開口や平行平板部を設け、そこから参照光を通過させるように構成すればよい。
以上の参照光及び信号光の光軸を共軸とする実施形態及び変形例によれば、ホログラム記録時には、干渉する信号光及び参照光が制限されるため余分なホログラムが記録再生されることがない。また、参照光と信号光が互いに対向する方向に伝搬する球面波であるので、それらの交差角度を比較的大きくとれるため、シフト多重が可能となり、多重間隔を小さくすることができる。

Claims (11)

  1. 参照光及び信号光の光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録担体へ情報を記録又は再生するホログラム装置であって、
    可干渉性光から、参照光と、記録情報に応じて前記可干渉性光を変調した信号光と、を生成する光生成手段と、
    前記参照光及び前記信号光の光路を互いに空間的に分離して、いずれか一方の光路に、他方の光路を交差させ、前記参照光及び信号光を干渉させる干渉手段と、
    前記参照光及び信号光の光路の交差点にホログラム記録担体を着脱自在に支持する支持部と、
    前記参照光が前記ホログラム記録担体に照射された際に前記ホログラム記録担体の回折格子から回折した光を受光する像検出手段と、を含み、
    前記参照光の光束から部分光束を抽出して前記参照光の光束の横断面積よりも小なる面積範囲内に前記部分光束を選択的に偏向せしめる光偏向素子と、
    前記光偏向素子に対して情報の記録又は再生の際に前記部分光束を選択する制御をなす光偏向駆動回路と、を含み、
    前記光偏向素子は、各々が互いに並設されかつ前記部分光束に対する透過及び非透過が電気的に制御される複数の窓を有するマスク部と、各々が前記窓を透過する前記部分光束の光路に配置されかつ前記部分光束を偏向する複数の透明体のプリズムが並設された光偏向部と、からなることを特徴とするホログラム装置。
  2. 前記プリズムは前記窓とそれぞれ一致するように分割配置されていることを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  3. 前記部分光束が前記交差点の一箇所を透過することを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
  4. 前記窓は、前記部分光束が前記ホログラム記録担体内の前記信号光で照射される範囲を包含するような大きさの面積を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラム装置。
  5. 前記マスク部は、前記窓に対応して互いに対向する透明電極間に設けられかつ前記透明電極への電圧の印加により透過する光に対して位相変化を生じせしめる液晶を含む液晶パネルを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のホログラム装置。
  6. 前記光偏向部のプリズムは、前記入力された光束の光軸から傾いた前記部分光束を屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のホログラム装置。
  7. 前記干渉手段及び前記光生成手段は、前記参照光及び前記信号光のいずれか一方を光軸上に、他方を前記一方の周囲に環状に、互いに空間的に分離して同軸に同一方向に伝搬させる分離手段と、前記参照光及び前記信号光を互いに同一光軸上の異なる点に集光させ、前記参照光及び信号光を干渉させる対物レンズ光学系と、を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のホログラム装置。
  8. 入力された光束から部分光束を抽出して前記入力された光束の横断面積よりも小なる面積範囲内に前記部分光束を選択的に偏向せしめる光偏向素子であって、
    各々が互いに並設されかつ前記部分光束に対する透過及び非透過が電気的に制御される複数の窓を有するマスク部と、
    各々が前記窓を透過する前記部分光束の光路に配置されかつ前記部分光束を偏向する複数の透明体のプリズムが並設された光偏向部と、からなることを特徴とする光偏向素子。
  9. 前記部分光束が一箇所を透過することを特徴とする請求項8記載の光偏向素子。
  10. 前記マスク部は、前記窓に対応して互いに対向する透明電極間に設けられ前記透明電極への電圧の印加により透過する光に対して位相変化を生じせしめる液晶を含む液晶パネルを有することを特徴とする請求項8又は9記載の光偏向素子。
  11. 前記光偏向部のプリズムは、前記入力された光束の光軸から傾いた前記部分光束を屈折する屈折面を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の光偏向素子。
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