JPWO2006095402A1 - 信号バイパス装置 - Google Patents

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Abstract

電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種に依らずバイパスすることができ、かつ設置作業の容易性を有する信号バイパス装置を得ること。2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに配置した分割型コアと、前記通信障害機器の両端側における前記分割型コア同士をトランスとして機能するように前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通って配線されるケーブルと、前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを前記ケーブルが通過する個所近傍において、当該ケーブルに介在させた直列キャパシタと当該ケーブルの線間に存在させる並列キャパシタとの少なくとも一方のキャパシタとを備える。

Description

この発明は、電線上の通信信号を途中に存在する通信障害機器をバイパスして伝送する信号バイパス装置に関するものである。
電線上の通信信号を途中に存在する通信障害機器をバイパスして伝送する信号バイパス伝送方法として、従来では、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信において、配電トランスが通信障害を与えることから、高圧配電線上の通信信号を高圧配電線から配電トランスをバイパスして低圧配電線に伝送する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
すなわち、特許文献1では、高圧配電線に高周波の通信信号を重畳し、高圧配電線の相間に第1コンデンサとこのコンデンサに直列に接続された抵抗とを形成し、抵抗の両端を低圧配電線に接続することで、高圧配電線から配電トランスをバイパスして低圧配電線に高周波の通信信号を伝送する電力線を用いた信号伝送方法(つまり、信号バイパス伝送方法)が開示されている。
また、特許文献2では、信号線を変圧器の2次側のブレーカの手前の2本の電力線及び需要家の電力量計を通過した2本の電力線にそれぞれ磁気結合することにより、ブレーカ及び電力量計を信号線によりバイパスする方法が開示されている。
また、特許文献3では、2個のトランスT1,T2の巻線によるインダクタンス成分を利用してコンデンサC1と共にLCローパスフィルタを形成し、トランスT1,T2間にバンドパスフィルタを挿入する方法が開示されている。
特開2002−217796号公報 特開2004−282397号公報 特開2003−174349号公報
しかしながら、従来技術による信号バイパス伝送方法では、バイパス対象の配電機器の影響を受けるという問題がある。例えば、バイパス対象の配線機器が分電盤のような分岐のある機器であるときは、分岐端からの信号反射の影響を受けるので、バイパスさせる信号の伝送特性が悪くなる。
また、従来の信号バイパス伝送方法は、コンデンサの形成方法として、導電性テープまたはシートを高圧(低圧)配電線の絶縁被覆上に巻き付ける方法、または導電性円筒部材の分割片で高圧(低圧)配電線の絶縁被覆を挟み込む方法などを採っており、伝送特性確保のために電線1mに渡ってコンデンサを形成することが例として挙げられている。このように、コンデンサ形成のための作業が容易でないという問題もある。
一方、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、例えば電線がスイッチを介して繋がっているが、そのスイッチが開路状態にある場合には当該スイッチは通信障害機器になるので、そのスイッチをバイパスして両端の電線を接続することができれば、任意の電線を用いた高周波信号の伝送ができるので、通信サービスの向上が図れる。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種に依らずバイパスすることができ、かつ設置作業の容易性を有する信号バイパス装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに配置した分割型コアと、前記通信障害機器の両端側における前記分割型コア同士をトランスとして機能するように前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通って配線されるケーブルと、前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを前記ケーブルが通過する個所近傍において、当該ケーブルに介在させた直列キャパシタと当該ケーブルの線間に存在させる並列キャパシタとの少なくとも一方のキャパシタとを備えることを特徴とする。また、通信障害機器の各端部側における電線接続端間を接続するキャパシタを備えることを特徴とする。
この発明によれば、通信障害機器の各端部側における電線接続端間を接続するキャパシタによる容量成分や、各電線に配置した分割型コアによるインダクタンス成分によって、当該通信障害機器の特性の影響を受けないようになるので、バイパス対象機器の機種に依らずバイパスすることができ、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送することができる。このとき、直列キャパシタや並列キャパシタは、分割型コアが機能するトランスのインダクタンス成分と組合わさってハイパスフィルタやローパスフィルタを形成するので、所望の周波数帯域での損失特性を低減することができる。また、分割型コアは電線を挟み込んで配置できるので、該電線が電力線などの電源線である場合に活線状態での取付工事が行える。
この発明によれば、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種に依らずバイパスすることができ、かつ設置作業の容易性を有する信号バイパス装置が得られるという効果を奏する。
図1は、この発明の実施の形態1による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図2は、図1に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図3−1は、図2に示す等価回路から導出できる等価回路図(その1)である。 図3−2は、図2に示す等価回路から導出できる等価回路図(その2)である。 図4は、図1に示す信号バイパス装置の損失特性の一例を示す特性図(その1)である。 図5は、図1に示す信号バイパス装置の損失特性の一例を示す特性図(その2)である。 図6は、図1に示す信号バイパス装置の損失特性の一例を示す特性図(その3)である。 図7は、この発明の実施の形態2である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図8は、図7に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図9は、この発明の実施の形態3である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図10は、図9に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図11は、この発明の実施の形態4である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図12は、図11に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図13は、この発明の実施の形態5である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図14は、図13に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図15は、この発明の実施の形態6である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図16は、図15に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図17は、この発明の実施の形態7である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図18は、図17に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図19は、この発明の実施の形態8である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図20は、図19に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図21は、この発明の実施の形態9である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図22は、図21に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。 図23は、この発明の実施の形態10である信号バイパス装置の機器配置を示す図である。 図24は、図23に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。
符号の説明
1〜4,21〜24,25〜28 配電線
5 配電機器
6a,6b,7a,7b 分割型のコア
9a,9b,15,16,17,17a,17b,18,18a,18b,27a,27b,27c,27d,28a,28b,28c,28d キャパシタ
10,20,31,32,41,42,51,52,61,62,70,80,91,92,101,102,111,112 ケーブル
10a,10b,20a,20b,31a,31b,32a,32,41a,41b,42a,42b,51a,51b,52a,52b,61a,61b,62a,62b,70a,70b,80a,80b,91a,91b,92a,92b,101a,101b,102a,102b,111a,111b,112a,112b 通信線
29a,29b トランス部
A1,A2,B1,B2 接続点
TL10,TL20,TL31,TL32,TL41,TL42,TL51,TL52,TL61,TL62,TL70,TL80,TL91,TL92,TL101,TL102,TL111,TL112 伝送線路
Cs15,Cs16,Cs17,Cs18,C1,C2,Cs17a,Cs17b,Cs18a,Cs18b,Cs27a,Cs27b,Cs27c,Cs27d,Cs28a,Cs28b,Cs28c,Cs28d キャパシタ
T1〜T4 トランス
以下に図面を参照して、この発明にかかる信号バイパス装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図2は、図1に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、この実施の形態1および以降に示す各実施の形態では、この発明の理解を容易にするため、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信を例に挙げて説明する。
図1において、配電線1,2と配電線3,4との間には、通信障害となる配電機器5が設置されている。配電機器5は、分電盤、柱上変圧器やキャパシタバンクなどである。図1に示す信号バイパス装置は、この配電機器5をバイパスして一端側の配電線1,2と他端側の配電線3,4とを高周波的に接続し高周波信号の通信路を形成するように構成されている。
すなわち、配電機器5の一端側の配電線1,2それぞれに分割型のコア6a,6bを挟み込んで設置し、また配電機器5の他端側の配電線3,4それぞれに分割方のコア7a,7bを挟み込んで設置し、コア6a,6bとコア7a,7bとをそれぞれのコアに通したケーブル10によって接続する。これによって、コア6a,6b,7a,7bは、それぞれトランスとして機能する。また、配電機器5と配電線1,2との接続端間にキャパシタ9aを設置し、配電機器5と配電線3,4との接続端間にキャパシタ9bを設置する。
さらに、ケーブル10の一端側における2本の通信線の一方をその先端を飛び出させた状態でコア6aに挟み込み、他方をその先端を飛び出させた状態でコア6bに挟み込み、コア6a,6bの入側部分において2本の通信線間にキャパシタ15を接続し、またコア6a,6bから飛び出した2本の通信線の先端間をキャパシタ17を介して接続する。
同様に、ケーブル10の他端側における2本の通信線の一方をその先端を飛び出させた状態でコア7aに挟み込み、他方をその先端を飛び出させた状態でコア7bに挟み込み、コア7a,7bの入側部分において2本の通信線間にキャパシタ16を接続し、またコア7a,7bから飛び出した2本の通信線の先端間をキャパシタ18を介して接続する。
したがって、図1に示す信号バイパス装置の回路構成は、図2に示すようになる。図2において、配電機器5の一端側では、外部に一端が接続される配電線21の他端はコア6aが形成するトランスT1の一方の入出力側巻線を介して配電線23の一端に接続され、配電線23の他端は配電機器5の一端側の接続点A1に接続される。以上が図1に示す配電線1とコア6aとの関係である。
また、外部に一端が接続される配電線22の他端はコア6bが形成するトランスT2の一方の入出力側巻線を介して配電線24の一端に接続され、配電線24の他端は配電機器5の一端側の接続点A2に接続される。以上が図1に示す配電線2とコア6bとの関係である。
同様に、配電機器5の他端側では、外部に一端が接続される配電線27の他端はコア7aが形成するトランスT3の一方の入出力側巻線を介して配電線25の一端に接続され、配電線25の他端は配電機器5の他端の接続点B1に接続される。以上が図1に示す配電線3とコア7aとの関係である。
また、外部に一端が接続される配電線28の他端はコア7bが形成するトランスT4の一方の入出力側巻線を介して配電線26の一端に接続され、配電線26の他端は配電機器5の他端側の接続点B2に接続される。以上が図1に示す配電線4とコア7bの関係である。
そして、トランスT1およびトランスT2では、他方の入出力巻線の一端間がキャパシタ17であるキャパシタCs17を介して接続され、他端間がキャパシタ15であるキャパシタCs15を介して接続されている。また、トランスT3およびトランスT4では、他方の入出力巻線の一端間がキャパシタ18であるキャパシタCs18を介して接続され、他端間がキャパシタ16であるキャパシタCs16を介して接続されている。
図1に示すケーブル10は、トランスT1およびトランスT3の各他方の入出力側巻線の他端間を接続する通信線10aと、トランスT2およびトランスT4の各他方の入出力側巻線の他端間を接続する通信線10bとで構成されるとしている。なお、通信線10a,10bが構成する伝送線路TL10の特性は、特性インピーダンスZ010と、単位長さ当たりの伝送遅延τ10と、線路長l10とで決められる。
また、トランスT1は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL11を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL12を有し、結合係数k1を有するとしている。同様に、トランスT2は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL21を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL22を有し、結合係数k2を有するとしている。
また、トランスT3は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL31を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL32を有し、結合係数k3k4を有するとしている。同様に、トランスT4は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL41を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL42を有し、結合係数k4を有するとしている。
以上が図1に示すコア6a,6b、ケーブル10、コア7a,7b、キャパシタ17、キャパシタ15、キャパシタ18、キャパシタ16の関係である。そして、図1に示すキャパシタ9aであるキャパシタC1が、配電機器5の一端側の接続点A1と接続点A2との間に接続される。また、図1に示すキャパシタ9bであるキャパシタC2が、配電機器5の他端側の接続点B1と接続点B2との間に接続される構成となる。
次に、図2を参照して以上のように構成される実施の形態1による信号バイパス装置の動作について説明する。まず、電力線通信の高周波信号が配電線21,22の一端側に注入されていて、トランスT1,T2からその高周波信号を取り出し、それを通信線10a,10bを経由してトランスT3,T4に注入する信号バイパス方法について説明する。
配電線21,22の一端側には、商用周波数の電力の他、高周波信号である電力線通信信号が重畳されている。その高周波信号のみがトランスT1,T2によって通信線10a,10b側に取り出される。取り出された高周波信号は通信線10a,10bによってトランスT3,T4の一方の入出力巻線に伝達され、トランスT3,T4の他方の入出力巻線から配電線27,28に注入される。このとき、配電機器5の接続点A1と接続点A2との間に設置されているキャパシタC1は、次の2つの機能を有している。
すなわち、第1の機能は、接続点A1と接続点A2との間の高周波インピーダンスを低くすることにより、高周波信号の使用する高周波帯域において配電機器5の損失特性の影響を、高周波信号を取り出す地点において、見えなくすることである。ここで、配電機器5には分電盤、柱上変圧器、キャパシタバンクなどがある。それらはそれぞれ特有の損失特性を有している。この場合、キャパシタC1を配電機器5の接続点A1と接続点A2との間に設置することにより、接続点A1と接続点A2との間は高周波ショート状態となるので、高周波の取り出し地点において、配電機器5の損失特性は見えなくなる。つまり、トランスT1,T2では、配電機器5の特性の影響を受けないで、配電線21,22から高周波信号を取り出し通信線10a,10bに送り出すことができる。
また、第2の機能は、トランスT1,T2による高周波信号の取り出し効率を上げることである。トランスT1は、配電線21と配電線23との間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。同様に、トランスT2配電線22と配電線24の間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。この場合、配電線21と配電線22とから来た高周波信号の電圧値は、トランスT1に発生する電位差と、トランスT2に発生する電位差と、配電機器5の接続点A1と接続点A2との間の電位差との割合に応じてそれぞれに分配される。トランスT1,T2にそれぞれ発生する電位差が最小となるとき、すなわち接続点A1と接続点A2との間のインピーダンスがゼロとなるときである。
したがって、接続点A1と接続点A2との間にキャパシタC1を接続して高周波をショート状態にすることにより、トランスT1,T2にそれぞれ発生する電位差を最も大きくすることができ、トランスT1,T2が配電線21,22から高周波信号を取り出す効率を上げることができる。
同様に、配電機器5の接続点B1と接続点B2との間に設置されているキャパシタC2は、次の2つの機能を有している。すなわち、第1の機能は、接続点B1と接続点B2との間の高周波インピーダンスを低くすることにより、高周波信号の使用する高周波帯域において配電機器5の損失特性の影響を、高周波信号を注入する地点において、見えなくすることである。ここで、配電機器5には分電盤、柱上変圧器、キャパシタバンクなどがある。それらはそれぞれ特有の損失特性を有している。この場合、キャパシタC2を配電機器の接続点B1と接続点B2との間に設置することにより、接続点B1と接続点B2との間は高周波ショート状態となるので、高周波の注入点において、配電機器5の損失特性は見えなくなる。つまり、トランスT3,T4では、配電機器5の特性の影響を受けないで、通信線10a,10bから高周波信号を取り出して配電線25,27に注入することができる。
また、第2の機能は、トランスT3,T4から高周波信号を配電線25,27に注入する効率を上げることである。トランスT3は、配電線25と配電線27との間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。同様に、トランスT4配電線26と配電線27の間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。この場合、トランスT3に発生する電位差と、トランスT4に発生する電位差は、配電機器5の接続点B1と接続点B2との間の電位差と、配電線27,28に接続される受信側機器の終端抵抗による電位差との割合に応じてそれぞれに分配される。受信側機器の終端抵抗による電位差が最も大きくなるのは、配電機器の接続点B1と接続点B2との間の電位差が最小となるとき、すなわち、接続点B1と接続点B2との間のインピーダンスがゼロとなるときである。したがって、接続点B1と接続点B2との間にキャパシタC2を接続して高周波をショート状態にすることにより、トランスT3,T4から高周波信号を配電線25,27に注入する効率を上げることができる。
なお、配電機器5の接続点A1と接続点A2との間に設置されているキャパシタC1は、トランスT1,T2と共にLCローパスフィルタを構成している。商用周波数の電力に影響を与えないようにするため、このLCローパスフィルタのカットオフ周波数が商用周波数よりも高くかつ高周波信号の周波数よりも低くなるように、トランスT1,T2のインダクタンス値とキャパシタC1の容量値を適切に設定する必要がある。
同様に、配電機器5の接続点B1と接続点B2との間に設置されているキャパシタC2は、トランスT3,T4とともにLCローパスフィルタを構成している。商用周波数の電力に影響を与えないようにするため、このLCローパスフィルタのカットオフ周波数が商用周波数よりも高くかつ高周波信号の周波数よりも低くなるように、トランスT3,T4のインダクタンス値とキャパシタC2の容量値を適切に設定する必要がある。
図3−1と図3−2を参照して、キャパシタCp15,Cp16,Cs17,Cs18の効果について説明する。なお、図3−1は、図2に示す等価回路から導出できる等価回路(その1)である。図3−2は、図2に示す等価回路から導出できる等価回路(その2)である。
図3−1に示す等価回路は、図2に示す等価回路に次の条件を適用したものである。すなわち、トランスT1,T2,T3,T4において、L11=L12=L21=L22=L31=L32=L41=L42=Lとし、k1=k2=k3=k4=kとし、Cs17=Cs18=Csとし、Cp15=Cp16=Cpとし、伝送線路TL10において、Z010=Z0,τ10=τ,l10=lとしたものである。
図3−1に示す等価回路において、トランスT1,T2をひとまとめにして表すと、トランス部29aとして示すように、相互インダクタンスk*2Lが1素子、漏れインダクタンス(1−k)*2Lが2素子とからなるT字型回路となる。同様に、トランスT3,T4をひとまとめにして表すと、トランス部29bとして示すように、相互インダクタンスk*2Lが1素子、漏れインダクタンス(1−k)*2Lが2素子とからなるT字型回路となる。これらを回路で示したのが図3−2である。
これによって、配電機器5を挟んだ左側部分においては、相互インダクタンスk*2LとキャパシタCsとによるハイパスフィルタ(HPF)が構成される。また、漏れインダクタンス(1−k)*2Lの2素子とキャパシタCpとによるローパスフィルタ(LPF)が構成される。配電機器5を挟んだ右側部分においても同様に、相互インダクタンスk*2LとキャパシタCsによるハイパスフィルタ(HPF)が構成される。また、漏れインダクタンス(1−k)*2Lの2素子とキャパシタCpによるローパスフィルタ(LPF)が構成される。
図4は図1に示す信号バイパス装置の損失特性の一例を示す特性図(その1)である。図4では、キャパシタCpが存在しない場合でのキャパシタCsの効果が示されている。したがって、図4では、横軸は周波数であるが、縦軸はキャパシタCpが存在しない場合でのキャパシタCs有無での損失である。
図4において、破線で示す曲線(a)は、キャパシタCsが存在しない場合、すなわちキャパシタCs17,Cs18が存在しないで、入出力巻線の対応する端部が直接接続された場合での損失特性を示している。この場合は、キャパシタCpも存在していない状態である。損失特性(a)の低周波側は、主に相互インダクタンスk*2Lのリアクタンス不足によって損失が大きくなっている。
一方、実線で示す曲線(b)(c)(d)は、それぞれ、加入するキャパシタCsの値を変化させた場合での損失特性を示している。そのうち、損失特性(b)はキャパシタCs値が大きい場合の特性であり、損失特性(c)はキャパシタCs値が適値である場合の特性であり、損失特性(d)はキャパシタCs値が小さい場合の特性である。
図4に示すように、キャパシタCsが存在する場合は、特に低周波側の損失特性が、キャパシタCsが存在しない場合と比べて、キャパシタCs値に応じて変化する。このキャパシタCsと相互インダクタンスk*2Lの1素子とでハイパスフィルタ(HPF)が形成されているので、キャパシタCsの値に応じてハイパスフィルタのカットオフ周波数、通過帯域の端部での持ち上がりの急峻さ、および損失帯域の急峻さが変化する。したがって、所望の周波数帯域の中で最も損失を低減する適切なキャパシタCsの値を選択することになる。
また、図5は、図1に示す信号バイパス装置の損失特性の一例を示す特性図(その2)である。図5では、キャパシタCsが存在しない場合でのキャパシタCpの効果が示されている。したがって、図5では、横軸は周波数であるが、縦軸はキャパシタCsが存在しない場合でのキャパシタCp有無での損失である。
図5において、破線で示す曲線(e)は、キャパシタCpが存在しない場合、すなわちキャパシタCp15,Cp16が存在しない場合での損失特性を示している。この場合は、キャパシタCsも存在していない状態である。損失特性(e)の中周波帯域〜高周波帯域では主に漏れインダクタンスのリアクタンス増大と、ケーブル10の特性インピーダンス、単位長さ当りの伝送遅延、長さから生じる定在波によって損失が生じている。
一方、実線で示す曲線(f)(g)(h)は、それぞれ、加入するキャパシタCpの値を変化させた場合での損失特性を示している。そのうち、損失特性(f)はキャパシタCp値が大きい場合の特性であり、損失特性(g)はキャパシタCp値が適値である場合の特性であり、損失特性(h)はキャパシタCp値が小さい場合の特性である。
キャパシタCpに関しては、キャパシタCpと漏れインダクタンス(1−k)*2Lの2素子とでローパスフィルタ(LPF)が形成されているので、キャパシタCpの値に応じてローパスフィルタのカットオフ周波数、通過帯域の端部での持ち上がりの急峻さ、および損失帯域の急峻さが変化する。したがって、所望の周波数帯域の中で最も損失を低減する適切なキャパシタCpの値を選択することになる。
次に、図6は、図1に示す信号バイパス装置の損失特性の一例を示す特性図(その3)である。図6では、キャパシタCsもキャパシタCpも共に存在する場合の効果が示されている。したがって、図6では、横軸は周波数であるが、縦軸はキャパシタCs,Cpが共に存在する場合と共に存在しない場合とでの損失である。
図6において、破線で示す曲線(i)は、キャパシタCs,Cpが共に存在しない場合での損失特性である。一方、実線で示す曲線(j)は、図4と図5に示した最適値に調整したキャパシタCs,Cpを追加した場合での損失特性である。図6に示すように、所望の周波数帯域において、最適値に調整したキャパシタCs,Cpを追加した場合は、キャパシタCs,Cpが共に存在しない場合よりも損失を低減できることが理解できる。
このように、配電線21,22に注入され伝送されてきた電力線通信の高周波信号をトランスT1,T2によって取り出し、通信線10a,10bを経由してトランスT3,T4によって配電線27,28に注入することができる。逆方向、すなわち配電線27,28に注入され伝送されてきた電力線通信の高周波信号をトランスT3,T4によって取り出し、通信線10a,10bを経由してトランスT1,T2によって配電線21,22に注入することも、配電機器5を中心に対称の構成になっているので、上記と同様に行うことができる。
以上のように、実施の形態1によれば、高周波信号の配電線からの取り出しと配電線への注入の手段として、トランスとして機能する分割型のコアを配電機器の両側における2本の配電線にそれぞれ設置してケーブル接続するとともに、配電機器と配電線との接続端間にキャパシタを設置しているので、高周波信号の周波数帯域におい配電機器の損失特性の影響を受けないで、高周波信号のバイパスが可能である。このとき、配電機器と配電線との接続端間に設置したキャパシタによって、トランスとして機能するコアによる高周波信号の取り出し効率と注入効率とを大きくすることができる。
また、トランスとして機能するコアにおけるケーブル側に適切な値に調整されたキャパシタを直列および並列に設置するようにしたので、所望の周波数帯域における損失特性を低減させることができる。このようなキャパシタを使用することで、次のような有益な効果が得られる。
すなわち、同じ材質、同じ大きさ、同じギャップ長のコアを用いて、当キャパシタを使用した場合と使用しない場合とを比較した場合、当キャパシタを使用した場合は、使用しない場合に比べて所望の周波数帯域における損失特性が低減する。逆に、当キャパシタを使用した場合は、所望の周波数帯域における損失特性が当キャパシタを使用しない場合とほぼ同等となるコアのサイズは、小さくて済む。すなわち、所望の周波数帯域における損失特性がほぼ同等のまま、コアの小型化を可能とし、コアの設置性が向上する。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図8は、図7に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図7と図8では、実施の形態1(図1と図2)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図7に示すように、この実施の形態2による信号バイパス装置では、図1(実施の形態1)に示した構成におけるキャパシタ17を削除してコア6a,6bを通ったケーブル10の2本の通信線の出側端を直接接続し、代わりに、コア6a,6bに入るケーブル10の入側端における2本の信号線に、キャパシタ17aおよび17bをそれそれ介在させてある。同様に、図1(実施の形態1)に示した構成におけるキャパシタ18を削除してコア7a,7bを通ったケーブル10の2本の通信線の出側端を直接接続し、代わりに、コア7a,7bに入るケーブル10の入側端における2本の信号線に、キャパシタ18aおよび18bをそれそれ介在させてある。
したがって、図7に示す信号バイパス装置の回路構成は、図8に示すようになる。すなわち、図8において、トランスT1およびトランスT2では、他方の入出力巻線の一端間が直接接続され、各他端がキャパシタ17a,17bに対応するキャパシタCs17a,Cs17bを介して通信線10a,10bに接続されている。また、トランスT3およびトランスT4では、他方の入出力巻線の一端間が直接接続され、各他端がキャパシタ18a,18bに対応するキャパシタCs18a,Cs18bを介して通信線10a,10bに接続されている。
次に、図8を参照して、以上のように構成される実施の形態2による信号バイパス装置の動作について説明する。この実施の形態2では、実施の形態1におけるキャパシタCs17,Cs18の配置位置をトランスT1,T2及びトランスT3,T4の他方の入出力巻線に対して反対側に変更したものに相当するので、ここでは、キャパシタCs17a,Cs17bおよびキャパシタCs18a,Cs18bの選定方法について説明する。
すなわち、実施の形態1にて説明した図3−1を導出した条件では、キャパシタCs17,Cs18の値を、Cs17=Cs18=Csとなるように選択したが、実施の形態2によるキャパシタCs17a,Cs17b,Cs18a,Cs18bの値は、Cs17a=Cs17b=Cs18a=Cs18b=2*Csとなるように選択する。
このようにして得られる図8に示す回路についても、図3−2に示した回路と等価になる。したがって、図7および図8で示したこの実施の形態2による信号バイパス装置での損失特性は、図1および図2で示した実施の形態1による信号バイパス装置と同等であるので、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図10は、図9に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図9と図10では、実施の形態2(図7と図8)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
図9に示すように、この実施の形態3による信号バイパス装置では、図7(実施の形態2)に示した構成におけるケーブル10に代えて、ケーブル20と、ケーブル20の一端側に並列に接続されるケーブル31およびケーブル32と、ケーブル20の他端側に並列に接続されるケーブル41およびケーブル42とが設けられている。
そして、図7(実施の形態2)に示した構成におけるキャパシタ17a,17bおよびキャパシタ15に代えて、ケーブル31に対するキャパシタ27a,27bおよびキャパシタ25aと、ケーブル32に対するキャパシタ27c,27dおよびキャパシタ25bとが設けられている。具体的には、キャパシタ25aはケーブル31を構成する2本の通信線がコア6aに入る手前で線間に接続されている。このケーブル31を構成する2本の通信線の先端部は、キャパシタ27a,27bを介して接続されてループ状になりコア6aに挿通されている。また、キャパシタ25bはケーブル32を構成する2本の通信線がコア6bに入る手前で線間に接続されている。このケーブル32を構成する2本の通信線の先端部は、キャパシタ27c,27dを介して接続されてループ状になりコア6bに挿通されている。
同様に、図7(実施の形態2)に示した構成におけるキャパシタ18a,18bおよびキャパシタ16に代えて、ケーブル41に対するキャパシタ28a,28bおよびキャパシタ26aと、ケーブル42に対するキャパシタ28c,28dおよびキャパシタ26bとが設けられている。具体的には、キャパシタ26aはケーブル41を構成する2本の通信線がコア7aに入る手前で線間に接続されている。このケーブル41を構成する2本の通信線の先端部は、キャパシタ28a,28bを介して接続されてループ状になりコア7aに挿通されている。また、キャパシタ26bはケーブル42を構成する2本の通信線がコア7bに入る手前で線間に接続されている。このケーブル42を構成する2本の通信線の先端部は、キャパシタ28c,28dを介して接続されてループ状になりコア7bに挿通されている。
したがって、図9に示す信号バイパス装置の回路構成は、図10に示すようになる。図10において、図9に示すケーブル20は、通信線20aと通信線20bとで構成されるとしている。なお、通信線20a,20bが構成する伝送線路TL20の特性は、特性インピーダンスZ020と、単位長さ当たりの伝送遅延τ20と、線路長l20とで決められる。
図9に示すケーブル31は、通信線31a,31bとで構成されるとしている。なお、通信線31a,31bが構成する伝送線路TL31の特性は、特性インピーダンスZ031と、単位長さ当たりの伝送遅延τ31と、線路長l31とで決められる。また、図9に示すケーブル32は、通信線32aと通信線32bで構成されるとしている。なお、通信線32a,32bが構成する伝送線路TL32の特性は、特性インピーダンスZ032と、単位長さ当たりの伝送遅延τ32と、線路長l32とで決められる。
同様に、図9に示すケーブル41は、通信線41aと通信線41bとで構成されるとしている。なお、通信線41a,41bが構成する伝送線路TL41の特性は、特性インピーダンスZ041と、単位長さ当たりの伝送遅延τ41と、線路長l41とで決められる。また、図9に示すケーブル42は、通信線42aと通信線42bとで構成されるとしている。なお、通信線42a,42bが構成する伝送線路TL42の特性は、特性インピーダンスZ042と、単位長さ当たりの伝送遅延τ42と、線路長l42とで決められる。
伝送線路TL20の一端側は、2分岐して伝送線路TL31,TL32となる。伝送線路TL31では、線間にキャパシタ25aであるキャパシタCp25aが配置され、各線路がキャパシタ27a,27bであるキャパシタCs27a,Cs27bを介してトランスT1の他方の入出力巻線の対応する端部に接続される。また、伝送線路TL32では、線間にキャパシタ25bであるキャパシタCp25bが配置され、各線路がキャパシタ27c,27dであるキャパシタCs27c,Cs27dを介してトランスT2の他方の入出力巻線の対応する端部に接続される。
同様に伝送線路TL20の他端側は、2分岐して伝送線路TL41,TL42となる。伝送線路TL41では、線間にキャパシタ26aであるキャパシタCp26aが配置され、各線路がキャパシタ28a,28bであるキャパシタCs28a,Cs28bを介してトランスT3の他方の入出力巻線の対応する端部に接続される。また、伝送線路TL42では、線間にキャパシタ26bであるキャパシタCp26bが配置され、各線路がキャパシタ28c,28dであるキャパシタCs28c,Cs28dを介してトランスT4の他方の入出力巻線の対応する端部に接続される。
次に、図10を参照して、以上のように構成される実施の形態3による信号バイパス装置の動作について説明する。この実施の形態3では、実施の形態1や実施の形態2におけるケーブル10が形成する伝送線路の両端をそれぞれ2分岐してトランスT1,T2,T3,T4毎に伝送線路を設け、実施の形態2におけるキャパシタCs17a,Cs17bおよびキャパシタCp15をトランスT1,T2毎に配置し、またキャパシタCs18a,Cs18bおよびキャパシタCp16をトランスT3,T4毎に配置したものに相当する。
したがって、ここでは、キャパシタCs27a,Cs27bおよびキャパシタCs25aと、キャパシタCs27c,Cs27dおよびキャパシタCs25bと、キャパシタCs28a,Cs28bおよびキャパシタCs26aと、キャパシタCs28c,Cs28dおよびキャパシタCs26bとの選定方法について説明する。また、中央の伝送線路TL20と、その一端側の分岐伝送線路TL31,TL32と、その他端側の分岐伝送線路TL41,TL42との各特性値について説明する。
すなわち、実施の形態2では、Cs17a=Cs17b=Cs18a=Cs18b=2*Csとなるように値を選択した。これに対して、この実施の形態3では、Cs27a=Cs27b=Cs27c=Cs27d=Cs28a=Cs28b=Cs28c=Cs28d=4*Csとなるように値を選択する。
また、実施の形態1や実施の形態2では、キャパシタCp15,Cp16の値をCp15=Cp16=Cpとなるように選択した。これに対して、この実施の形態3では、Cp25a=Cp25b=Cp26a=Cp26b=2*Cpとなるように値を選択する。
また、伝送線路に関しては、実施の形態1や実施の形態2では、伝送線路TL10における特性インピーダンスZ010、単位長さ当りの伝送遅延τ10、長さl10の値が、Z010=Z0、τ10=τ、l10=lであった。これに対して、この実施の形態3では、中央の伝送線路TL20と、その一端側の分岐伝送線路TL31,TL32と、その他端側の分岐伝送線路TL41,TL42との各特性値を以下のように設定する。
すなわち、中央の伝送線路TL20では、特性インピーダンスZ020=Z0、単位長さ当りの伝送遅延τ20=τ、長さl20=laと設定する。そして、分岐伝送線路TL31,TL32,TL41,TL42では、特性インピーダンスZ031=Z032=Z041=Z042=Z0/2、単位長さ当りの伝送遅延τ31=τ32=τ41=τ42=τと設定する。長さについては、la+lb+lc=lとなるように、分岐伝送線路TL31,TL32ではl31=l32=lbと設定し、分岐伝送線路TL41,TL42ではl41=l42=lcと設定する。
このようにして得られる図10に示す回路についても、図3−2に示した回路と等価になる。したがって、図9および図10で示したこの実施の形態3による信号バイパス装置の損失特性は、図1および図2で示した実施の形態1による信号バイパス装置と同等であるので、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図12は、図11に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図11と図12では、実施の形態3(図9と図10)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
図11に示すように、この実施の形態4による信号バイパス装置では、図9(実施の形態3)に示した構成におけるケーブル20、ケーブル31、ケーブル32、ケーブル41およびケーブル42に代えて、ケーブル51およびケーブル52が設けられている。ケーブル51は、図9(実施の形態3)に示したケーブル31、ケーブル20およびケーブル41を接続したものに対応し、ケーブル52は、図9(実施の形態3)に示したケーブル32、ケーブル20およびケーブル42を接続したものに対応している。
したがって、図11に示す信号バイパス装置の回路構成は、図12に示すようになる。図12において、図11に示すケーブル51は、通信線51aと通信線51bとで構成されるとしている。通信線51a,51bが構成する伝送線路TL51の特性は、特性インピーダンスZ051と、単位長さ当たりの伝送遅延τ51と、線路長l51とで決められる。また、図11に示すケーブル52は、通信線52aと通信線52bとで構成されるとしている。通信線52a,52bが構成する伝送線路TL52の特性は、特性インピーダンスZ052と、単位長さ当たりの伝送遅延τ52と、線路長l52とで決められる。
次に、図12を参照して、以上のように構成される実施の形態4による信号バイパス装置の動作について説明する。この実施の形態4では、実施の形態3において、通信障害機器である配電機器5をバイパスする伝送線路を、通信障害機器を挟んで対向するトランス対毎に独立化したものに相当するので、ここでは、独立化した各伝送線路の特性値について説明する。
図12において、伝送線路TL51は、図10(実施の形態3)に示した伝送線路TL31、伝送線路TL20および伝送線路TL41を接続したものに相当し、伝送線路TL52は、図10(実施の形態3)に示した伝送線路TL32、伝送線路TL20および伝送線路TL42を接続したものに相当している。
実施の形態3では、中央の伝送線路TL20と、その一端側の分岐伝送線路TL31,TL32と、その他端側の分岐伝送線路TL41,TL42との各特性値を以下のように設定した。すなわち、中央の伝送線路TL20では、特性インピーダンスZ020=Z0、単位長さ当りの伝送遅延τ20=τ、長さl20=laと設定した。そして、分岐伝送線路TL31,TL32,TL41,TL42では、特性インピーダンスZ031=Z032=Z041=Z042=Z0/2、単位長さ当りの伝送遅延τ31=τ32=τ41=τ42=τと設定した。長さについては、la+lb+lc=lとなるように、分岐伝送線路TL31,TL32ではl31=l32=lbと設定し、分岐伝送線路TL41,TL42ではl41=l42=lcと設定した。
これに対して、この実施の形態4では、伝送線路TL51と伝送線路TL52は、同じ特使値に設定する。すなわち、特性インピーダンスZ051,Z052は、Z051=Z052=Z0/2と設定し、単位長さ当りの伝送遅延τ51,τ52は、τ51=τ52=τと設定し、長さl51,l52は、l51=l52=lと設定する。
このようにして得られる図12に示す回路についても、図3−2に示した回路と等価になる。したがって、図11および図12で示したこの実施の形態4による信号バイパス装置の損失特性は、図1および図2で示した実施の形態1による信号バイパス装置と同等であるので、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図14は、図13に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図13と図14では、実施の形態2(図7と図8)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態5に関わる部分を中心に説明する。
図13に示すように、この実施の形態5による信号バイパス装置では、図7(実施の形態2)に示した構成におけるキャパシタ15,16を削除するとともに、ケーブル10の一端側とキャパシタ17a,17bとの間にケーブル70が挿入され、またケーブル10の他端側とキャパシタ18a,18bとの間にケーブル80が挿入されている。
したがって、図13に示す信号バイパス装置の回路構成は、図14に示すようになる。図14において、図13に示すケーブル70は、通信線70aと通信線70bとで構成されるとしている。通信線70a,70bが構成する伝送線路TL70の特性は、特性インピーダンスZ070と、単位長さ当たりの伝送遅延τ70と、線路長l70とで決められる。また、図13に示すケーブル80は、通信線80aと通信線80bとで構成されるとしている。通信線80a,80bが構成する伝送線路TL80の特性は、特性インピーダンスZ080と、単位長さ当たりの伝送遅延τ80と、線路長l80とで決められる。
次に、図14を参照して、以上のように構成される実施の形態5による信号バイパス装置の動作について説明する。この実施の形態5では、実施の形態2において、伝送線路の両端に、各線間のキャパシタに代わる伝送線路を設けたものに相当するので、ここでは、各線間のキャパシタに代わる各伝送線路の特性値について説明する。
実施の形態2では、伝送線路TL10の両端の各線間に設けるキャパシタCp15,Cp16の値はCp15=Cp16=Cpとなるように選択した。この実施の形態5では、このキャパシタCp15を伝送線路TL70で実現し、キャパシタCp16を伝送線路TL80で実現する。
ここで、信号波長に対して伝送線路TL70,TL80の長さが短い場合には、伝送線路TL70,LT80で実現するキャパシタCp70,Cp80の値は、
Cp70=l70*τ70/Z070 …(1)
Cp80=l80*τ80/Z080 …(2)
なる式で与えられる。
そして、Cp15=Cp70=Cp、Cp16=Cp80=Cpとすると、
Cp=l70*τ70/Z070 …(3)
Cp=l80*τ80/Z080 …(4)
なる式が得られる。つまり、式(3)(4)において、できる限りCpに近い値となるように、伝送線路TL70の定数(l70、τ70、Z070)および伝送線路TL80の定数(l80、τ80、Z080)の各値を調整すればよい。
このようにして得られた図14に示す回路では、伝送線路TL70と伝送線路TL80はキャパシタンスだけでなくインダクタンスも発生するので、図13および図14で示したこの実施の形態5による信号バイパス装置の損失特性は、図1および図2で示した実施の形態1による信号バイパス装置と同じにはならないが、近い損失特性を得ることができる。したがって、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図16は、図15に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図15と図16では、実施の形態3(図9と図10)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態6に関わる部分を中心に説明する。
図15に示すように、この実施の形態6による信号バイパス装置では、図9(実施の形態3)に示した構成におけるキャパシタ25a,25bを削除するとともに、ケーブル31,32に代えてケーブル101,102が設けられ、また、キャパシタ26a,26bを削除するとともに、ケーブル41,42に代えてケーブル111,112が設けられている。
したがって、図15に示す信号バイパス装置の回路構成は、図16に示すようになる。図16において、図15に示すケーブル101は、通信線101aと通信線101bとで構成されるとしている。通信線101a,101bが構成する伝送線路TL101の特性は、特性インピーダンスZ0101と、単位長さ当たりの伝送遅延τ101と、線路長l101とで決められる。また、図15に示すケーブル102は、通信線102aと通信線102bとで構成されるとしている。通信線102a,102bが構成する伝送線路TL102の特性は、特性インピーダンスZ0102と、単位長さ当たりの伝送遅延τ102と、線路長l102とで決められる。
同様に、図15に示すケーブル111は、通信線111aと通信線111bとで構成されるとしている。通信線111a,111bが構成する伝送線路TL111の特性は、特性インピーダンスZ0111と、単位長さ当たりの伝送遅延τ111と、線路長l111とで決められる。また、図15に示すケーブル112は、通信線112aと通信線112bとで構成されるとしている。通信線112a,112bが構成する伝送線路TL112の特性は、特性インピーダンスZ0112と、単位長さ当たりの伝送遅延τ112と、線路長l112とで決められる。
次に、図16を参照して、以上のように構成される実施の形態6による信号バイパス装置の動作について説明する。この実施の形態6では、実施の形態3において、中央の伝送線路の両端における各分岐伝送線路を、線間に設けるキャパシタに代わるものとして構成したものに相当するので、ここでは、各線間のキャパシタに代わる各分岐伝送線路の特性値について説明する。
実施の形態3では、分岐伝送線路TL31,TL32,TL41,TL42の各線間に設けるキャパシタCp25a,Cp25b,Cp26a,Cp26bの値は、Cp25a=Cp25b=Cp26a=Cp26b=2*Cpであった。
この実施の形態6では、キャパシタCp25aを伝送線路TL101で実現し、キャパシタCp25bを伝送線路TL102で実現する。また、キャパシタCp26aを伝送線路TL111で実現し、キャパシタCp26bを伝送線路TL112で実現する。伝送線路TL101,TL102,TL111,TL112で実現するキャパシタCp101,Cp102,Cp111,Cp112の値は、信号波長に対してそれらの伝送線路の長さが短い場合には、
Cp101=l101*τ101/Z0101 …(5)
Cp102=l102*τ102/Z0102 …(6)
Cp111=l111*τ111/Z0111 …(7)
Cp112=l112*τ112/Z0112 …(8)
なる式で与えられる。
そして、Cp25a=Cp101=2*Cp、Cp25b=Cp102=2*Cp、Cp26a=Cp111=2*Cp、Cp26b=Cp112=2*Cpとすると、
2*Cp=l101*τ101/Z0101 …(9)
2*Cp=l102*τ102/Z0102 …(10)
2*Cp=l111*τ111/Z0111 …(11)
2*Cp=l112*τ112/Z0112 …(12)
なる式が得られる。
つまり、式(9)〜式(12)において、できる限り2*Cpに近い値となるように、伝送線路TL101の定数(l101、τ101、Z0101)、伝送線路TL102の定数(l102、τ102、Z0102)および伝送線路TL111の定数(l111、τ111、Z0111)、伝送線路TL112の定数(l112、τ112、Z0112)の各値を調整すればよい。
このようにして得られた図16に示す回路では、伝送線路TL101,TL102および伝送線路TL111,TL112は、キャパシタンスだけでなくインダクタンスも発生するので、図15および図16で示したこの実施の形態6による信号バイパス装置の損失特性は、図1および図2で示した実施の形態1による信号バイパス装置と同じにはならないが、近い損失特性を得ることができる。したがって、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態7.
図17は、この発明の実施の形態7による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図18は、図17に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図17と図18では、実施の形態4(図11と図12)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態7に関わる部分を中心に説明する。
図17に示すように、この実施の形態7による信号バイパス装置では、図11(実施の形態4)に示した構成におけるキャパシタ25a,26aを削除するとともに、ケーブル51の一端側とキャパシタ27a,27bとの間にケーブル61が挿入され、またケーブル51の他端側とキャパシタ28a,28bとの間にケーブル91が挿入されている。
同様に、図11(実施の形態4)に示した構成におけるキャパシタ25b,26bを削除するとともに、ケーブル52の一端側とキャパシタ27c,27dとの間にケーブル62が挿入され、またケーブル52の他端側とキャパシタ28c,28dとの間にケーブル92が挿入されている。
したがって、図17に示す信号バイパス装置の回路構成は、図18に示すようになる。図18において、図17に示すケーブル61は、通信線61aと通信線61bとで構成されるとしている。通信線61a,61bが構成する伝送線路TL61の特性は、特性インピーダンスZ061と、単位長さ当たりの伝送遅延τ61と、線路長l61とで決められる。また、図13に示すケーブル91は、通信線91aと通信線91bとで構成されるとしている。通信線91a,91bが構成する伝送線路TL91の特性は、特性インピーダンスZ091と、単位長さ当たりの伝送遅延τ91と、線路長l91とで決められる。
同様に、図17に示すケーブル62は、通信線62aと通信線62bとで構成されるとしている。通信線62a,62bが構成する伝送線路TL62の特性は、特性インピーダンスZ062と、単位長さ当たりの伝送遅延τ62と、線路長l62とで決められる。また、図13に示すケーブル92は、通信線92aと通信線92bとで構成されるとしている。通信線92a,92bが構成する伝送線路TL92の特性は、特性インピーダンスZ092と、単位長さ当たりの伝送遅延τ92と、線路長l92とで決められる。
次に、図18を参照して、以上のように構成される実施の形態7による信号バイパス装置の動作について説明する。この実施の形態7では、実施の形態4において、各独立伝送線路の両端に、各線間のキャパシタに代わる伝送線路をそれぞれ設けたものに相当するので、ここでは、各線間のキャパシタに代わる各挿入独立伝送線路の特性値について説明する。
実施の形態3では、Cp25a=Cp25b=Cp26a=Cp26b=2*Cpとなるように値を選択した。この実施の形態7では、キャパシタCp25aを伝送線路TL61で実現し、キャパシタCp26aを伝送線路TL91で実現する。また、キャパシタCp25bを伝送線路TL62で実現し、キャパシタCp26bを伝送線路TL92で実現する。
ここで、信号波長に対して伝送線路TL61,TL62,TL91,TL92の長さが短い場合には、伝送線路TL61,TL62,TL91,TL92で実現するキャパシタCp61,Cp6,Cp91,Cp92の値は、
Cp61=l61*τ61/Z061 …(13)
Cp62=l62*τ62/Z062 …(14)
Cp91=l91*τ91/Z091 …(15)
Cp92=l92*τ92/Z092 …(16)
なる式で与えられる。
そして、Cp25a=Cp61=2*Cp、Cp25b=Cp62=2*Cp、Cp26a=Cp91=2*Cp、Cp26b=Cp92=2*Cpとすると、
2*Cp=l61*τ61/Z061 …(17)
2*Cp=l62*τ62/Z062 …(18)
2*Cp=l91*τ91/Z091 …(19)
2*Cp=l92*τ92/Z092 …(20)
なる式が得られる。つまり、式(17)〜式(20)において、できる限りCpに近い値となるように、伝送線路TL61の定数(l61、τ61、Z061)、伝送線路TL62の定数(l62、τ62、Z062)、伝送線路TL91の定数(l91、τ91、Z091)、伝送線路TL92の定数(l92、τ92、Z092)の各値を調整すればよい。
このようにして得られた図18に示す回路では、伝送線路TL61,TL62,TL91,TL92はキャパシタンスだけでなくインダクタンスも発生するので、図17および図18で示したこの実施の形態7による信号バイパス装置の損失特性は、図1および図2で示した実施の形態1による信号バイパス装置と同じにはならないが、近い損失特性を得ることができる。したがって、実施の形態1と同様の効果が得られる。
実施の形態8.
図19は、この発明の実施の形態8による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図20は、図19に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図19と図20では、実施の形態4(図11と図12)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態7に関わる部分を中心に説明する。
図19に示すように、この実施の形態8による信号バイパス装置では、図11(実施の形態4)に示した構成における配電線2に設置されていたコア6b、配電線4に設置されていたコア7b、ケーブル52、キャパシタ25b,26b,27c,27d,28cおよび28dが削除されている。
したがって、図19に示す信号バイパス装置の回路構成は、図20に示すように、配電機器5を挟んで対向するトランスT1,T3と、トランスT1,T3の他方の入出力巻線間に配置される、キャパシタCs27a,Cs27b,Cp25a,電送線路TL51,キャパシタCp26a,Cs28a,Cs28bとで構成されることになる。このような構成においても、配電線1と配電線2との間での通信信号の配電機器5をバイパスした授受は可能である。
実施の形態9.
図21は、この発明の実施の形態9による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図22は、図21に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、図21と図22では、実施の形態7(図17と図18)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態9に関わる部分を中心に説明する。
図21に示すように、この実施の形態9による信号バイパス装置では、図17(実施の形態7)に示した構成における配電線2に設置されていたコア6b、配電線4に設置されていたコア7b、ケーブル52、ケーブル62、ケーブル92、キャパシタ27c,27d,28cおよび28dが削除されている。
したがって、図21に示す信号バイパス装置の回路構成は、図20に示すように、配電機器5を挟んで対向するトランスT1,T3と、トランスT1,T3の他方の入出力巻線間に配置される、キャパシタCs27a,Cs27b,電送線路TL61,電送線路TL51,電送線路TL91,キャパシタCs28a,Cs28bとで構成されることになる。このような構成においても、配電線1と配電線2との間での通信信号の配電機器5をバイパスした授受は可能である。
実施の形態10.
図23は、この発明の実施の形態10による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図24は、図23に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお図23と図24では、実施の形態1(図1と図2)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態10に関わる部分を中心に説明する。
図23に示すように、この実施の形態10による信号バイパス装置では、図1(実施の形態1)に示した構成におけるキャパシタ9a,9bが削除されている。したがって、図23に示す信号バイパス装置の回路構成は、図24に示すように、図2で示す接続点A1,A2間のキャパシタC1と接続点B1,b2間のキャパシタC2とが存在しない構成となる。
キャパシタ9a(C1)とキャパシタ9b(C2)キャパシタ9aと9bの効果は、実施の形態1にて説明した。しかし、配電機器5に含まれる容量成分や、コア6a,6bから配電機器5までの間の線路、またはコア7a,7bから配電機器5までの間の線路の間の容量成分によって、キャパシタ9a,9bがなくても信号のバイパスは可能となる場合がある。もちろん、キャパシタ9a,9bは設置したほうが、信号バイパス装置の損失特性は低減される効果は大きく、かつ配電機器5の特性の影響を受けにくくする効果も大きい。
なお、実施の形態10では、実施の形態1への適用例を示したが、これに限らず、実施の形態2から実施の形態9までの全ての実施の形態においても同様に適用が可能であることは言うまでもない。
また、実施の形態1から実施の形態10では、ハイパスフィルタを形成して主に低域側の損失特性を低減する効果のためのキャパシタをケーブルに設置し、ローパスフィルタを形成して主に中域側〜高域側の損失特性を低減する効果のためのキャパシタをケーブルに設置する場合を説明した。しかし、さらに高次数のフィルタを追加して損失特性を低減する方法も考えられる。この場合はインダクタとキャパシタのどちらも次数に応じて追加するとよい。
また、実施の形態1から実施の形態10では、ハイパスフィルタを形成して主に低域側の損失特性を低減する効果のためのキャパシタと、ローパスフィルタを形成して主に中域側〜高域側の損失特性を低減する効果のためのキャパシタとを共にケーブルに設置する場合を説明した。しかし、両キャパシタは、必ずしも同時に使う必要はなく、どちらか一方のみを使用するようにしてもよい。
また、実施の形態1から実施の形態10では、通信装置が電力線通信装置で、その通信路としての配電線およびバイパス対象として配電機器に適用する場合を例に挙げて説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。すなわち、この発明では、通信装置は電力線通信装置以外の装置でもよく、通信路は配電線以外のメタル線であるいわゆる電線でもよく、またバイパス対象として配電機器以外のものでもよい。
以上のように、この発明にかかる信号バイパス装置は、電線上の通信信号を途中に存在する通信障害機器をその機種に依らずバイパスして伝送することができるので、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送するのに有用である。

Claims (14)

  1. 2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、
    前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに配置した分割型コアと、
    前記通信障害機器の両端側における前記分割型コア同士をトランスとして機能するように前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通って配線されるケーブルと、
    前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通過する個所近傍に設けられるキャパタであって、前記ケーブルに介在させた直列キャパシタと前記ケーブルの線間に配置した並列キャパシタとの少なくとも一方のキャパシタと、
    を備えることを特徴とする信号バイパス装置。
  2. 前記ケーブルは、前記通信障害機器の各端部側における2つの前記分割型コアを通って配線される1本のケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の信号バイパス装置。
  3. 前記ケーブルは、前記通信障害機器の各端部側における各前記分割型コアを通って配線される2本のケーブルである特徴とする請求項1に記載の信号バイパス装置。
  4. 前記並列キャパシタは、前記分割型コアを通過する前記ケーブルの線間に接続されるキャパシタである、または、前記ケーブルに線路定数を調整して付加した別のケーブルによって実現されるキャパシタであることを特徴とする請求項1に記載の信号バイパス装置。
  5. 前記通信障害機器の各端部側における電線接続端間を接続するキャパシタを備えることを特徴とする請求項1に記載の信号バイパス装置。
  6. 前記ケーブルが前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通過する個所近傍に、インダクタとキャパシタとで構成される高次フィルタを備えることを特徴とする請求項1に記載の信号バイパス装置。
  7. 2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、
    前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに配置した分割型コアと、
    前記通信障害機器の両端側における前記分割型コア同士をトランスとして機能するように接続するケーブルであって、主ケーブルと、前記主ケーブルの特性インピーダンスの半分を有して前記主ケーブルの各端部に並列に接続される2本の副ケーブルの2組とで構成され、前記通信障害機器の各端部側において、対応する前記2本の副ケーブルが個別に2つの前記分割型コアを通って配線されるケーブルと、
    前記通信障害機器の各端部側において、対応する前記2本の副ケーブルが個別に2つの前記分割型コアを通過する個所近傍に設けられるキャパタであって、前記2本の副ケーブルのそれぞれに介在させた直列キャパシタと前記2本の副ケーブルそれぞれの線間に配置した並列キャパシタとの少なくとも一方のキャパシタと、
    を備えることを特徴とする信号バイパス装置。
  8. 前記並列キャパシタは、2つの前記分割型コアを個別に通過する前記2本の副ケーブルそれぞれの線間に接続されるキャパシタである、または、前記2本の副ケーブルそれぞれの線路定数を調整して実現されるキャパシタであることを特徴とする請求項7に記載の信号バイパス装置。
  9. 前記通信障害機器の各端部側における電線接続端間を接続するキャパシタを備えることを特徴とする請求項7に記載の信号バイパス装置。
  10. 前記通信障害機器の各端部側に対応する前記2本の副ケーブルのそれぞれが前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通過する個所近傍に、インダクタとキャパシタとで構成される高次フィルタを備えることを特徴とする請求項7に記載の信号バイパス装置。
  11. 2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、
    前記通信障害機器の両端側における1本の電線に配置した分割型コアと、
    前記通信障害機器の両端側における前記分割型コア同士をトランスとして機能するように前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通って配線されるケーブルと、
    前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通過する個所近傍に設けられるキャパタであって、前記ケーブルに介在させた直列キャパシタと前記ケーブルの線間に配置した並列キャパシタとの少なくとも一方のキャパシタと、
    を備えることを特徴とする信号バイパス装置。
  12. 前記並列キャパシタは、前記分割型コアを通過する前記ケーブルの線間に接続されるキャパシタである、または、前記ケーブルに線路定数を調整して付加された別のケーブルによって実現されるキャパシタであることを特徴とする請求項11に記載の信号バイパス装置。
  13. 前記通信障害機器の各端部側における電線接続端間を接続するキャパシタを備えることを特徴とする請求項11に記載の信号バイパス装置。
  14. 前記ケーブルが前記通信障害機器の各端部側における前記分割型コアを通過する個所近傍に、インダクタとキャパシタとで構成される高次フィルタを備えることを特徴とする請求項11に記載の信号バイパス装置。
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