JPWO2006038416A1 - ゲノム上の転写活性領域(非メチル化領域)の網羅的解析法 - Google Patents

ゲノム上の転写活性領域(非メチル化領域)の網羅的解析法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、二種類以上の細胞のゲノム上の非メチル化領域を同時に多数検出し、網羅的に比較し解析することができる方法を提供することである。本発明は、第一の制限酵素X及び第二の制限酵素Yの少なくともいずれか一方はメチル化センシティブな酵素を使用して、非メチル化領域に由来するDNA 断片のみから構成された集団を調製し、次いで、HiCEPの原理を用いてゲノム上の非メチル化領域を検出する方法、及び、該方法によって、二種類以上の細胞由来のゲノム上の非メチル化領域を検出し、その結果(例えば、非メチル化領域の量に相当する各ピークの大きさの変化等)を比較することにより非メチル化領域の差異を解析するから成る、ゲノム上の転写活性領域の変化を解析する方法に関する。

Description

本発明は、ゲノム多様性解析を行なう方法、より具体的には、ゲノム上の転写活性領域(非メチル化領域)の網羅的検出法に関する。
ヒトやマウスなどのゲノム塩基配列が決定されたあるいはほぼ決定されつつある現在、ポストゲノム解析の焦点は、個体や疾患間のゲノム塩基配列の違いやその因果関係に移行している。すなわち、患者と健常者の間でゲノムの塩基配列の違いがあるか、その違いと疾患の関連があるか、などが研究され始めている。
例えば、多型マーカーとして、SNP(single nucleotide polymorphism:一塩基多型)による研究では、ゲノムの塩基配列中に存在するSNPを網羅的に同定し、それを個体間、疾患間(あるいは、健常者との間)などで比較し関連性を見出す方法、及び、マイクロサテライト(ゲノム中に点在する繰り返し配列であって、個体間で繰り返し単位の長さが異なる)を多型マーカーとして用いて比較する方法等が知られている。
こうした試みによって疾患と多型マーカーとの関連性が見出されつつあるが、これら多型マーカーはゲノム塩基配列の単に違いであって、この違いが直接的に疾患に関与しているかどうかは、今後の研究に委ねられている。ゲノム上の塩基配列の違いと疾患の関連性をもっと詳しく解析するためには、疾患関連遺伝子(その遺伝子そのものが異常になって疾患を引き起こす遺伝子群のみを指すのではなく、疾患に直接的又は間接的に関与している遺伝子群も含む。)が、どのように発現しているか、すなわち、網羅的な遺伝子発現頻度解析と関連づけて解析する必要がある。
一方で、この様なゲノムの塩基配列の違いのみならず、遺伝子の転写発現機構に関与している要因として、ゲノム上の塩基の修飾がある。現在最もよく知られているのが、塩基配列CGのシチジン塩基のメチル化制御である。即ち、メチル化を受けているシチジン塩基(Met-C)が、ゲノム上で遺伝子の転写制御配列や転写配列に関与する位置で起こっている場合、関与する遺伝子の転写が妨げられる、あるいは、制御されることが知られている(非特許文献1)。ゲノム上のCG配列の内、細胞の状態により、約60-90%がメチル化されていると言われており、このメチル化は遺伝子の転写調節の一端を担っている(非特許文献2)
これまでに、ゲノム上の特定部位のメチル化に関する解析方法として、メチル化感受性制限酵素及びメチル化非感受性制限酵素を用いてゲノムの特定部分を切断し、得られた切断断片を増幅して電気泳動等により解析する方法(非特許文献3)、及び、メチル化非感受性制限酵素で付着末端を生じるXmaI に特異的なアダプターを使用してメチル化部位を解析する方法(非特許文献4)が報告されている。
更に、特許文献1には、ゲノム中のメチル化部位を検出する方法、及び、それに用いられるバイオチップ等が記載されている。
木住野達也、新川詔夫, 実験医学増刊, vol.21, 1442-1447, 2003. Razin A, Riggs AD., Science. 1980 Nov 7;210(4470):604-10. Toshikazu U., et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA Vol.94, pp.2284-2289, March 1997 Minoru T., et al., Cancer Research 59, 2307-2312 (1999) 特開2003−38183
既に述べたように、疾患関連遺伝子を同定するためには、ゲノム塩基配列の違いを見出すのみならずゲノムの転写活性領域(非メチル化修飾領域)も把握して相関解析する必要がある。即ち、本発明の目的は、二種類以上の細胞のゲノム上の非メチル化領域を同時に多数検出し、網羅的に比較し解析することができる方法を提供することである。
即ち、本発明は第一の態様として、ゲノム上の非メチル化領域を検出する方法であって、
(a)ゲノムDNAを第一の制限酵素Xで切断する工程、
(b)工程(a)で切断されたDNA断片の第一の制限酵素Xによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びXプライマーに相補的な配列を含み、該切断部位の配列に相補的な配列末端とは反対側の末端にタグ物質が付加されたXアダプターを結合させて、Xアダプターが結合しているDNA断片を得る工程、
(c)工程(b)で得られたXアダプターが結合しているDNA断片を該Xプライマーに相補的な配列部分を切断しない第二の制限酵素Yで切断する工程、
(d)工程(c)で切断されたXアダプターが結合しているDNA断片を、Xアダプターに付加されたタグ物質高親和性を有する物質を用いて分離精製する工程、
(e)工程(d)で精製されたXアダプターが結合しているDNA断片の第二の制限酵素Yによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びYプライマーに相補的な配列を含むYアダプターを結合させて、両端にXアダプターとYアダプターが結合しているDNA断片を得る工程、
(g)該Xプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN(N及びNは同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むX1プライマーと、該Yプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN(N及びNは同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むY1プライマーとからなるプライマーセットを用いて、工程(e)で得られた二本鎖配列を鋳型としてPCR反応を行う工程、及び
(h)得られたPCR産物をその鎖長に基づき、分離して検出する工程、
から成り、第一の制限酵素X及び第二の制限酵素Yの少なくともいずれか一方はメチル化センシティブな酵素である、前記方法に係る。
本発明の第二の態様として、上記方法によって、二種類以上の細胞由来のゲノム上の非メチル化領域を検出し、その結果(例えば、非メチル化領域の量に相当する各ピークの大きさの変化等)を比較することにより非メチル化領域の差異を解析するから成る、ゲノム上の転写活性領域の変化を解析する方法に係る。ここで、ゲノムの由来に特に制限はなく、例えば、真核細胞、特にヒト及びマウスなどの哺乳類細胞由来のゲノムを挙げることができる。又、「二種類以上の細胞」とは、細胞の由来する生物種、臓器、組織、発生・分化段階、病態等のような、細胞の任意の性質が互いに異なる場合を広く意味する。
本発明のゲノム上の非メチル化領域を検出する方法では、第一の制限酵素X及び第二の制限酵素Yの少なくともいずれか一方に、メチル化修飾シチジンが存在する場合に切断できない制限酵素(メチル化センシティブ制限酵素)を利用することにより、ゲノム上のメチル化領域あるいは、非メチル化領域を含むゲノム領域を断片化(フラグメンテーション)し、このフラグメント集団(フラグメントライブラリー)を網羅的に、且つ、高感度で分離、検出することが出来る。
更に、例えば、疾患患者由来細胞と健常者由来細胞、又は、異なる発生・分化段階にある細胞間等のような、何らかの相違点を有する二種類以上の細胞について、本発明の検出方法を実施して得られた結果を比較することにより、ゲノム上の非メチル化領域、すなわち、転写活性領域の差異を容易に見出し、解析することができる。
工程(h)の結果で工程(g)のX-AAとY-AAの組合せの場合を図1に示す。 工程(h)の結果で工程(g)のX-CAとY-ACの組合せの場合を図2に示す。 工程(h)の結果で工程(g)のX-CAとY-ACの組合せの場合を図3に示す。
本発明の検出方法において、出発材料であるゲノムDNAの量が十分にないような場合でも、十分な検出感度が得られるように、更に、工程(e)で得られた両末端がXアダプターとYアダプターで囲まれているDNA断片を鋳型として、XプライマーとYプライマーとからなるプライマーセットを用いてPCRを行ないDNA断片を増幅することからなる工程(f)を、(e)工程と(g)工程の間に含むことが好ましい。その結果、XプライマーとYプライマーが付加された二本鎖DNA数を増大させることができる。当業者であれば、工程(f)においてPCRの条件を適当に設定することにより、例えば、PCRサイクル数を7〜10回とすることにより、DNA断片の数を128〜1024倍に増幅することが出来る。
本発明の検出方法において得られたPCR産物を分離及び検出した後に、更に、検出されたピークを同定する工程(i)を含むことが出来る。このような同定は当業者に公知の任意の方法で行うことが可能である。例えば、検出されたピークを回収し、適当なシーケンシング等の適当な実験的手法によって具体的にその塩基配列を決定することが出来る。或いは、コンピューター上でかかる配列を理論的に求めることも出来る。例えば、GenBank, EMBL 及びDDBJ 等の当業者に公知の任意のデータベースから得られるデータを利用し、本発明方法で使用した制限酵素による切断で得られることが予想されるDNA断片の理論的に求めることが出来る。従って、これを本発明の検出方法から得られた実測データと比較すれば、当該DNA断片がどの遺伝子(ゲノムDNA)に由来するものであるかを同定することが可能である。
本発明方法において、ゲノム上の非メチル化領域を検出するためには、第一の制限酵素X及び第二の制限酵素Yの少なくともいずれか一方はメチル化センシティブな酵素である必要がある。
具体的には、好適な態様として、例えば、第一の制限酵素Xがメチル化センシティブな酵素であり、且つ、第二の制限酵素Yがメチル化センシティブ又はメチル化アンセンシティブな酵素である場合、又は、第一の制限酵素Xがメチル化アンセンシティブな酵素であり、且つ、第二の制限酵素Yがメチル化センシティブな酵素である場合を挙げることが出来る。尚、第一の制限酵素X及び第二の制限酵素Yは、当業者に公知の任意の酵素を適宜使用することが出来る。
しかしながら、ゲノムの位置を特定しやすくするために、第一の制限酵素Xとしては、出現頻度が比較的少ない酵素が望ましく、例えば、6塩基認識で且つメチル化センシティブなSalI(タカラバイオ社製、認識配列GTCGAC)、BssHII(タカラバイオ社製、認識配列GCGCGC)、8塩基認識で且つメチル化センシティブなNotI(タカラバイオ社製、認識配列 GCGGCCGC)、AscI(New England BioLabs社製、GGCGCGCC)などを好適例として挙げることが出来る。
同様に、第一の制限酵素Xとして適している出現頻度が比較的少ないメチル化アンセンシティブ酵素の例として、XmaI(New England BioLabs社製、CCCGGG)、BssSI(New England BioLabs社製、CTCGTG)、BsoBI(New England BioLabs社製、CYCGRG)等を挙げることが出来る。
例えば、New England BioLabs社2002-3年版カタログ263頁(或いは、同社ホームページhttp://www.neb.com/nebecomm/tech_reference/restriction_enzymes/fragment_size_by_cleavage.asp)に記載されている報告では、マウスゲノム中に出現するSalIサイト確立は、平均48kbpに1回の割合であり、マウスゲノムを26.4億塩基対と仮定する(National Center for Biotechnology Information U.S. National Library of Medicine 2004年10月1日現在の記述。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/mapview/)と約55,000箇所、NotIは、平均120kbpで22,000箇所、AscIでは、平均280kbpで約9,400箇所存在する。
従って、SalIを第一の制限酵素として使用した場合、マウスゲノムでは、約55,000個のDNA断片が得られることになるが、SalIは、メチル化センシティブであるので、ゲノム上のCG配列中70%が、メチル化されていると仮定する(非特許文献1)と、SalIでも、55,000箇所の内、70%にあたる約38,500箇所は切断できないことになるので、切断できる個所は、30%にあたる約16,500個所と成り、16,500個のDNA断片が得られる。しかしながら、ここのDAN 断片の鎖長は、26.4億塩基対割る16,500になるので、平均160kbpと予想される。現実問題として、このような平均160kbpの長いDNA 断片を扱うのは、非常に困難である。
このDAN 断片に対して第二の制限酵素Yを作用させ、約160kbpを短く切り刻み、扱い易い断片サイズにする。従って、第二の制限酵素Yは、第一の制限酵素と違い、出現頻度が豊富な、4塩基認識制限酵素を使うのが望ましく、これにより、扱いやすいDNA断片サイズを得ることができる。その為には、第二の制限酵素Yは、メチル化アンセンシティブな酵素にすることが望ましいが、第二の制限酵素Yもメチル化センシティブな酵素にするとメチル化が起こっている広範囲な領域の特定に役立つので、解析対象によって使い分けることが可能である。
このような第二の制限酵素Yとして使用するのに適当な酵素の例として、メチル化アンセンシティブな酵素としては、MspI(タカラバイオ社、認識配列CCGG)、及びTaqI(New England BioLabs社製、TCGA)等を挙げることができ、又、メチル化センシティブな酵素としては、HpaII(New England BioLabs社製、CCGG)及びHhaI(New England BioLabs社製、GCGC)等を挙げることが出来る。
こうして作製された第一制限酵素X及び第二制限酵素Yで切断されたDNA 断片集団(DAN 断片ライブラリ)は、非メチル化領域に由来するDNA 断片のみから構成されたものとなる。
こうして得られたDNA
断片ライブラリから各要素であるDAN 断片をそれらの鎖長(分子サイズ)に基づき分離、検出する。その具体的な方法は当業者に公知であり、例えば、電気泳動、液体クロマトグラフ(HPLC)、飛行時間型質量分析装置(TOF/MS)を用いることが一般的である。例えば、電気泳動法を用いた場合では、PCR産物の電気泳動における移動距離及びピークに基づき、分離検出することができる。
具体的には、アクリルアミド系のゲルを用いたゲル電気泳動法では、通常20塩基から1000塩基の鎖長を持つDNA 断片が対象で、この範囲で分離能力が非常によく、1塩基の分解能がある。しかしながら、第一の制限酵素Xと第二の制限酵素Y組合せを、夫々SalIとMspI(タカラバイオ社、認識配列CCGG)とした場合、上述のようにメチル化の影響を70%と考えても、第一の制限酵素SalIによる切断約16,500種のDNA 断片が得えられ、これを第二の制限酵素MspIによる切断によって、両末端が、SalI-MspIで囲まれたDNA 断片が約16,500の倍の約33,000種類得られることになる。このような場合、電気泳動の分解能を1baseとしても、約33,000種類以上ものぼるDNA断片を鎖長だけで十分に分離することは困難である。
そこで、本発明方法においては、このような多種類のDNA 断片を場合分けする為に、国際公開WO02/48352号パンフレットに開示される高カバー率遺伝子発現プロファイル解析法(HiCEP:High coverage expression profiling analysis)に用いられている方法を利用する。これによって、第一制限酵素X及び第二制限酵素Yで切断されたDNA断片配列の制限酵素認識配列に隣接する2塩基の配列から成る計256通りの組合せでDNA 断片ライブラリを場合分けすることが出来、その結果、約33,000種のDNA断片は、2塩基一つの組合せあたり約129種に分類されることとなる。この約129種は電気泳動にて現実的に分離定量できる数である。又、この方法によれば、仮にCGメチル化率が60%であったとしても、2塩基一つの組合せあたり約172種類に留まり、十分に分離解析が可能である。
「アダプター」は、PCR反応においてプライマーを結合させるために使用され、使用する制限酵素及びプライマーの構造に種類等に応じて適宜設計することが出来る。安定したPCR反応を行わせるためには、通常プライマーの長さは30塩基程度である。
「Xプライマー」、「X1プライマー」、「Yプライマー」及び「Y1プライマー」は、対象RNA配列と出来るだけ一致させないために、16塩基以上の長さを有することが好ましい。更に、例えば、「バイオラッド実験イラストレイテッド(3)新版 本当にふえるPCR」中山広樹 著、秀潤社、2002年、第2版、第4刷に記載されているような、PCRプライマーとして一般的に要求される条件を満たしている必要がある。また、各プライマーは当業者に公知の一般的なプライマー合成方法(Letsinger et al., Nucleic Acids Research, 20, 1879-1882, 1992; 特開平11−08018号公報)に従い調製することができる。
更に、PCR反応後の検出を容易にするために、これらプライマーの少なくともいずれかの末端に、当業者に公知の任意の蛍光物質等の標識物質が結合していることが好ましい。例えば、適当な蛍光物質として、6−カルボキシフルオレッセイン(FAM)、4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロー6−カルボキシフルオレッセイン(HEX)、NED(アプライドシステムズジャパン社)及び6−カルボキシ−X−ローダミン(Rox)等を挙げることが出来る。
「タグ物質」及び「タグ物質に高親和性を有する物質」とは、互いに高親和性をもって特異的に結合することが可能な結合対を構成する一方の物質を意味する。互いに高親和性をもって特異的に結合するこが可能な結合対であれば使用することが可能である。本発明に使用可能なタグ物質とタグ物質に高親和性を有する物質との組合せの例には、ビオチンとストレプトアビジン、ビオチンとアビジン、FITCとFITC抗体、DIGとanti-DIG及びプロテインAとマウスIgG及びラテックス粒子等が含まれるが、これらに限られるものではない。タグ物質のDNA配列への付加は、当業者に公知の適当な条件により達成することが可能である。タグ物質が付加されている二本鎖cDNA断片を回収する場合には、該タグ物質に高い親和性を有する物質との特異的な反応を利用する。
更に、HiCEP法の実施に際してのPCR等のその他の条件及び使用する装置等は、当業者に公知の情報、例えば、国際公開WO02/48352号パンフレット中の記載を参照することが出来る。尚、得られた遺伝子発現プロファイルは、当業者に公知の解析ソフトウェア、例えば、GeneScan(登録商標:アプライドバイオシステムズジャパン社)を使用して解析することが出来る。
尚、本発明方法でプライマーのミスアニーリングに起因する偽ピークの発生を減少させるためには、Xプライマー又はX1プライマー、及びYプライマー又はY1プライマーのそれぞれXアダプター及びYアダプターへのアニーリングをプライマーのTmMAX+6℃〜TmMAX+14℃の温度で行うことが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の技術的範囲を何等限定するものではない。当業者であれば、本明細書の記載に基づき、本発明の技術的範囲を逸脱せずに、多くの変形及び修飾を実施することが可能である。
材料として、マウスES細胞とマウス胸腺細胞からゲノムDNAを抽出、精製した。それぞれ5μgを用いた。
(a)ゲノム DNAを認識配列中にCG配列を有し且つメチル化センシティブな第一の制限酵素Xで切断する工程:
Figure 2006038416
37℃ 3時間 反応させた。エタノール沈殿法でDNAを濃縮、精製した。乾燥後、20μlのTE溶液でDNAを溶解した。
(b)工程(a)で切断されたDNA断片の第一の制限酵素Xによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列、Xプライマーに相補的な配列を含み、該切断部位の配列に相補的な配列末端とは反対側の末端にタグ物質が付加されたXアダプターを結合させて、Xアダプターが結合しているDNA断片を得る工程:
Xアダプター
1.5’-
Biotin-AAGTATCGTCACGAGGCGTCCTACTGGC - 3’ (配列番号1)
2.5’- TCGAGCCAGTAGGACGCCTCGTGACGATACTT- 3’ (配列番号2)
1と2のオリゴマーをアニーリングし、
5’- Biotin-AAGTATCGTCACGAGGCGTCCTACTGGC -3’
3’- TTCATAGCAGTGCTCCGCAGGATGACCGAGCT -5’
の構造をとる、Xアダプター溶液100mMを作製した。
Figure 2006038416
16℃ 6時間 反応させた。エタノール沈殿法でDNAを濃縮、精製した。乾燥後、50μlのTE溶液でDNAを溶解した。
(c)工程(b)で得られたXアダプターが結合しているDNA断片を該Xプライマーに相補的な配列部分を切断しない第二の制限酵素Yで切断する工程:
Figure 2006038416
(d)工程(c)で切断されたXアダプターが結合しているDNA断片をXアダプターに付加されたタグ物質を利用して、分離精製する工程:
MspI切断DNA溶液に100μlのストレプトアビジンコート磁気ビーズ溶液(ダイナル社製)を加え懸濁し、Biotinタグ付きXアダプターDNA断片を吸着させた。マグネットを利用して、磁気ビーズを集め、上清を捨てた。1xB/W(磁気ビーズ洗浄溶液)500μlを加え、懸濁した。マグネットを利用して、磁気ビーズを集め、上清を捨てた。得られた磁気ビーズを20μlの蒸留水に懸濁させた。
(e)工程(d)で精製されたXアダプターが結合しているDNA
Fragmentの第二の制限酵素Yによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びYプライマーに相補的な配列を含むYアダプターを結合させて、両端にXアダプターとYアダプターが結合しているDNA断片を得る工程:
Yアダプター
5’-
AATGGCTACACGAACTCGGTTCATGACA - 3’ (配列番号3)
4.5’- CGTGTCATGAACCGAGTTCGTGTAGCCATT- 3’ (配列番号4)
3と4のオリゴマーをアニーリングし、
5’- AATGGCTACACGAACTCGGTTCATGACA -3’
3’- TTACCGATGTGCTTGAGCCAAGTACTGTGC -5’
の構造をとる、Yアダプター溶液、100μMを作製した。
Figure 2006038416
25℃ 6時間 反応させた。マグネットを利用して、磁気ビーズを集め、上清を捨てた。1x B/W(磁気ビーズ洗浄溶液)500μlを加え、懸濁させた。マグネットを利用して、磁気ビーズを集め、上清を捨てた。得られた磁気ビーズを40μlの蒸留水に懸濁させた。
(f)工程(e)で得られた両末端がXアダプターとYアダプターで囲まれているDNA断片を鋳型として、XプライマーとYプライマーとからなるプライマーセットを用いてPCRを行ないDNA断片を増幅する工程:
Xプライマー (Xアダプターに相補的な配列を含む)
5.5’- AAGTATCGTCACGAGGCGTCCTACTGGCTCGA -3’ (配列番号5)
Yプライマー (Yアダプターに相補的な配列を含む)
6.5’- AATGGCTACACGAACTCGGTTCATGACACGG -3’ (配列番号6)
これらXプライマーとYプライマーを各100pmol/μl溶液に調整した。
Figure 2006038416
Figure 2006038416
PCR溶液をPCR産物精製キットを用いて精製し、未反応Xプライマー及びYプライマーを除去した。回収した、DNA溶液を40μlの蒸留水で溶解した。
(g)該Xプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN(N及びNは同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むX1プライマーと、該Yプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN(N及びNは同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むY1プライマーとからなるプライマーセットを用いて、工程(e)で得られた二本鎖配列を鋳型としてPCR反応を行う工程:
Figure 2006038416
Figure 2006038416
以上の合計32本のオリゴマーを合成し、各プライマーを2μM濃度に調整した。各プライマー溶液を2μlずつX1プライマーとY1プライマーの組合せ表に従ってPCRチューブ256本へそれぞれ分注した。
Figure 2006038416
Figure 2006038416
次いで、PCR反応液を各チューブに16μlずつ分注し、PCR装置にセットし、PCRを行なった。
Figure 2006038416
(h)得られたPCR産物をその鎖長に基づき、分離して検出する工程:
工程(g)で得られたPCR産物をApplied Biosystems社製ABI PRISM(登録商標) 3100 Genetic Analyzerにて、そのマニュアルに従って、電気泳動と解析を行なった。得られた、各サンプルの各Lotの256チューブを全て解析した結果、全てのサンプルに置いて同じXプライマーとYプライマーの組合せに関して、電気泳動波形パターンが異なることを見出した。
本発明方法により、二種類以上の細胞のゲノム上の非メチル化領域を同時に多数検出し、網羅的に比較し解析することができる。

Claims (10)

  1. ゲノム上の非メチル化領域を検出する方法であって、
    (a)ゲノムDNAを第一の制限酵素Xで切断する工程、
    (b)工程(a)で切断されたDNA断片の第一の制限酵素Xによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びXプライマーに相補的な配列を含み、該切断部位の配列に相補的な配列末端とは反対側の末端にタグ物質が付加されたXアダプターを結合させて、Xアダプターが結合しているDNA断片を得る工程、
    (c)工程(b)で得られたXアダプターが結合しているDNA断片を該Xプライマーに相補的な配列部分を切断しない第二の制限酵素Yで切断する工程、
    (d)工程(c)で切断されたXアダプターが結合しているDNA断片を、Xアダプターに付加されたタグ物質高親和性を有する物質を用いて分離精製する工程、
    (e)工程(d)で精製されたXアダプターが結合しているDNA断片の第二の制限酵素Yによる切断部位へ、該切断部位の配列に相補的な配列及びYプライマーに相補的な配列を含むYアダプターを結合させて、両端にXアダプターとYアダプターが結合しているDNA断片を得る工程、
    (g)該Xプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN(N及びNは同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むX1プライマーと、該Yプライマーを基準として3’末端に2塩基配列であるN(N及びNは同一又は異なっていてもよい、アデニン、チミン、グアニン及びシトシンからなる群より選ばれる塩基である)を含むY1プライマーとからなるプライマーセットを用いて、工程(e)で得られた二本鎖配列を鋳型としてPCR反応を行う工程、及び
    (h)得られたPCR産物をその鎖長に基づき、分離して検出する工程、
    から成り、第一の制限酵素X及び第二の制限酵素Yの少なくともいずれか一方はメチル化センシティブな酵素である、前記方法。
  2. 更に、(f)工程(e)で得られた両末端がXアダプターとYアダプターで囲まれているDNA断片を鋳型として、XプライマーとYプライマーとからなるプライマーセットを用いてPCRを行ないDNA断片を増幅する工程を、(e)工程と(g)工程の間に含む、請求項1記載の方法。
  3. 工程(f)において、PCRサイクル数を7〜10回とすることにより、DNA断片の数を128〜1024倍に増幅する、請求項2記載の方法。
  4. 更に、(i)検出されたピークを同定する工程を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 第一の制限酵素Xがメチル化センシティブな酵素である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 第一の制限酵素Xが、6塩基又は8塩基を認識するメチル化センシティブな酵素である、請求項5に記載の方法。
  7. 第一の制限酵素Xがメチル化アンセンシティブな酵素であり、且つ、第二の制限酵素Yがメチル化センシティブな酵素である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第一の制限酵素Xが6塩基を認識するメチル化センシティブな酵素SalI であり、第二の制限酵素Yがメチル化アンセンシティブな酵素MspI である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. PCR産物の鎖長に基づく分離及び検出を、PCR産物の電気泳動における移動距離及びピークに基づき行う、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法によって、二種類以上の細胞由来のゲノム上の非メチル化領域を検出し、その結果を比較することにより非メチル化領域の差異を解析するから成る、ゲノム上の転写活性領域の変化を解析する方法。
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