JP2001512700A - 公知の末端配列に厳密にハイブリダイズするサブ配列および未同定の配列にハイブリダイズするサブ配列を含むオリゴヌクレオチドの使用による核酸配列の検出および確認 - Google Patents

公知の末端配列に厳密にハイブリダイズするサブ配列および未同定の配列にハイブリダイズするサブ配列を含むオリゴヌクレオチドの使用による核酸配列の検出および確認

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、観察されたGeneCallingTMシグナルを生成することが推定された推定的に同定された配列を有する核酸が、実際に元々そのシグナルが由来したサンプル中に存在することを肯定的に確認することを提供することに関する方法論を開示する。そのサンプル中の推定的に同定された核酸フラグメントは、公知の末端サブ配列を有する3’末端および5’末端を有し、その方法は、上記サンプル中の上記核酸フラグメントを、増幅条件において(i)核酸ポリメラーゼ;(ii)上記の公知の末端サブ配列のハイブリダイズ可能な部分を含む配列を有する「レギュラー」プライマーオリゴヌクレオチド;ならびに(iii)「ポイゾニング」オリゴヌクレオチドプライマーであって、上記の公知の末端サブ配列の1つの配列の一部である第一のサブ配列および上記1つの公知の末端サブ配列に隣接する上記推定的に同定されていない配列の一部にハイブリダイズし得る第二のサブ配列を含む配列を有するポイゾニングプライマー、と接触させる工程であって、ここで上記ポイゾニングプライマーで増幅した核酸は、検出の際に、上記レギュラープライマーでのみ増幅した上記核酸で増幅した核酸とは識別し得る、工程;上記接触する工程の産物を分離する工程;ならびに上記ポイゾニングプライマーで増幅された上記核酸が検出された場合に、上記配列の検出が確認される工程、を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連する出願および助成金の支援) 本願は、米国特許仮出願番号第60/054,887号(原出願は1997年
8月7日)の優先権を主張し、この出願は、「METHOD AND APPA
RATUS FOR IDENTIFYING、QUANTIFYING、AN
D CONFIRMING DNA SEQUENCES IN A SAMP
LE WITHOUT SEQUENCING」という名称であり、そして本明
細書においてその全体が参考として援用される。
【0002】 本明細書において開示される本発明は、助成金番号7ONANB5H1O36
の下でNational Institute of Standards a
nd Technologyから得られた米国政府の支援を利用してなされた。
従って、米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】 (発明の分野) 本発明の分野は、DNA配列分類、同定または決定および定量であり;より詳
細には、本発明は、関連する配列決定を何ら行わないサンプル中の、好ましくは
全てのDNA配列または遺伝子の定量的分類、発現の比較、または同定である。
【0004】 (発明の背景) 分子生物学および遺伝学の研究が進展するにつれ、一過性かつ遅延性の遺伝子
発現が健康および疾患の両方において生じるプロセスにおいて重要な役割を果た
していることが徐々に明らかにされるようになってきた。さらに、生物学の分野
は、単一の遺伝子欠損が伝統的に認識されていた遺伝障害(例えば、サラセミア
)を生じる方法の理解から、より複雑な障害(例えば、新生物)の大部分の病因
学において種々の環境因子との関連で多重遺伝子欠損の相互作用の重要性の理解
へと進展した。
【0005】 例えば、新生物の場合では、最近の実験的証拠によって、それらの変化した発
現を生じる、いくつかの中心的な遺伝子における多重欠損のカギとなる原因とし
ての役割が実証されてきた。他の複合疾患は、類似の病因を有することが示され
ている。従って、遺伝子発現と疾患状態との間において確立され得る相関関係が
、より完全でかつ信頼性のあるにつれ、疾患は、よりよく認識、診断および処置
され得る。この重要な相関関係は、組織サンプルにおけるDNA発現の定量的決
定および分類によって確立され得る。
【0006】 ゲノムDNA(「gDNA」)配列は、細胞のゲノムを構成する、天然に生じ
るDNA配列である。任意の所定の時間におけるゲノムDNA(「gDNA」)
内の遺伝子発現の全体的な状態は、細胞メッセンジャーRNA(「mRNA」)
の組成によって表される。mRNAは、gDNAの調節された転写によって合成
される。相補性DNA(「cDNA」)配列は、ウイルス逆転写酵素の使用によ
ってmRNAの逆転写の過程によって合成され得る。細胞性mRNAに由来する
cDNAもまた、近似であるとはいえ、所定の時間での細胞内のgDNA発現を
表す。従って、特定のcDNAまたはgDNAサンプル内のすべてのDNA配列
の、迅速で、経済的で、かつ高度に定量的な検出を可能にする方法論が、非常に
所望される。
【0007】 これまでは、遺伝子特異的DNA分析方法論は、転写された細胞性mRNA集
団のすべてを表すDNAサンプル内の実質的にすべての遺伝子の決定または分類
に関してはこず、そして一般的にある程度の核酸配列決定を行うことが必要とさ
れていた。結果として、存在するcDNAおよびgDNA、分析技術は、一回に
1または2の公知または未知の遺伝子配列のみの決定および分析に関してきてい
た。これらの技術は、代表的に、1つの特定のDNA配列または遺伝子のみを特
異的に認識する(ハイブリダイゼーションプロセスによる)ように合成されてい
るプローブを利用してきた。例えば、Watson、J.1992.Rcomb
inant DNA、第7章(W.H.Freeman、New York)。
さらに、サンプル内のすべての配列の認識に対するこれらの方法の適用は、せい
ぜい、非常に労力がかかりかつ非経済的である。
【0008】 未知の遺伝子を検出、単離および配列決定するための1つの現存する方法は、
整列されたDNAライブラリーを利用する。特定の組織または検体から、mRN
Aを単離し、そして適切なベクターにクローニングし、これを、形質転換のプロ
セスを介して細菌(例えば、E.coli)に導入する。次いで、形質転換され
た細菌を、単一のcDNA配列のクローンを有する個々のベクターの子孫が、別
々に同定され得るようにプレートする。次いで、そのようなプレートのフィルタ
ー「レプリカ」は、プロービングされ(しばしば、目的の遺伝子を表すcDNA
とハイブリダイズするように選択された標識DNAオリゴマーを用いる)、そし
て目的のcDNAを有するこれらの細菌コロニーが同定および単離される。次い
で、cDNAを抽出し、そしてそこに含まれている挿入物を、ジデオキシヌクレ
オチドチェーン終結方法を含むがこれに限定されないプロトコルを介する配列決
定に供する。Sanger、F.ら、1977、DNA Sequencing
with Chain Terminating Inhibitors、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 74(12):5463−54
67を参照のこと。
【0009】 未知遺伝子についてのコロニー選択プロトコルにおいて利用されるオリゴヌク
レオチドプローブは、好ましくは、目的の遺伝子についてのcDNAとのみハイ
ブリダイズするように合成される。この特異性を達成する1つの方法は、目的の
遺伝子のタンパク質産物とともに開始することである。目的のタンパク質の活性
領域の部分配列(すなわち、5〜10アミノ酸残基を含むペプチドフラグメント
から)が決定され得、このペプチドフラグメントをコードする、対応する15〜
30ヌクレオチド(nt)の縮重オリゴヌクレオチドが合成され得る。従って、
縮重オリゴヌクレオチドの集合は、代表的に、対応する遺伝子を独自に同定する
のに充分である。同様に、15〜30ntのサブ配列に導く任意の情報も、単一
遺伝子プローブを作製するのに使用され得る。
【0010】 別の存在する方法は、組織サンプルから調製されたcDNAまたはgDNAに
おける公知の遺伝子について検索し、これはまた、既知の遺伝子配列の独特なサ
ブ配列に相補的である、単一遺伝子または単一配列オリゴヌクレオチドプローブ
を使用する。例えば、サンプルにおける特定のオンコジーンの発現は、組織由来
cDNAを、オンコジーンの発現配列タグのサブ配列に由来するプローブを用い
てプロービングすることによって決定され得る。稀なまたは培養するのが困難な
病原因子(例えば、TB bacillus)の存在もまた、その病原因子によ
って保有される遺伝子に特異的なハイブリダイゼーションプローブを用いてgD
NAをプロービングすることによって決定され得る。同様に、表現型が正常な個
体における変異体対立遺伝子のヘテロ接合型の存在、または胎児におけるそのホ
モ接合型の存在は、その変異体対立遺伝子にのみ相補的である対立遺伝子特異的
プローブの利用によって決定され得る。例えば、Guo、N.C.ら、1994
、Nucleic Acid Research 22:5456−5465を
参照のこと。
【0011】 現在のところ、存在する方法はすべて、単一遺伝子プローブを利用し、所定の
組織サンプル内に発現された遺伝子の全てを決定するに適用される場合、何千〜
何万という個体プローブを必要とする。単一のヒト細胞は代表的に、同時におよ
そ5,000〜15,000遺伝子を発現し、そしてほとんどの複合型の組織(
例えば、脳組織)は、ヒトゲノムに含まれる全ての遺伝子の半分までを発現し得
ると推定されている。Liangら、1992、Differential D
isplay of Eukaryotic Messenger RNA b
y Means of the Polymerase Chain Reac
tion、Science 257:967−971を参照のこと。このような
大量のプローブを必要とするスクリーニング方法論は明らかに、経済的であるた
めには、または実施可能であるためにでさえ、はるかに煩雑すぎることは明らか
である。
【0012】 対照的に、別のクラスの存在する方法(ハイブリダイゼーションによる配列決
定(「SBH」)として知られる)は、遺伝子特異的でない、コンビナトリアル
プローブを利用する。Drmanacら、1993、Science 260:
1649−1652;Drmanacらの米国特許第5,202,231号を参
照のこと。未知遺伝子の決定のためのSBHの実行例は、単一のcDNAクロー
ンが所定の長さのDNAオリゴマーすべて、例えば、すべての6ntオリゴマー
を用いてプロービングされることを必要とする。所定の長さのオリゴマーセット
は、選択の型を何ら伴うことなく合成され、そしてコンビナトリアルプローブラ
イブラリーと呼ばれる。cDNAクローンのDNAの部分配列は、所定のコンビ
ナトリアルライブラリーについてのハイブリダイゼーションの結果(すなわち、
6ntの長さを有する4096オリゴマープローブについてのハイブリダイゼー
ション結果)からアルゴリズム的操作により再構築され得る。しかし、完全なヌ
クレオチド配列は、決定可能ではない。なぜなら、反復サブ配列は、定量的な様
式では完全には確認され得ないからである。
【0013】 SBHは、公知遺伝子の同定に適用され、そしてオリゴマー配列シグネチャ(
「OSS」)を呼ばれる。例えば、Lennonら、1991 Trends
in Genetics 7(10):314−317を参照のこと。OSSは
、コンビナトリアルライブラリー全体、または重要なサブライブラリーに対する
プローブ「ヒット」(すなわち、ハイブリダイゼーション)のパターンに基づい
て単一のクローンを分類する。この方法論は、組織サンプルライブラリーがクロ
ーンに整列されることが必要であり、ここで各クローンは、そのライブラリーか
らの単一の配列のみを含む。この技術は、配列の混合物には適用され得ない。
【0014】 これらの以前の例示的方法論はすべて、クローンのアレイにおける1つの配列
を、所定の組織サンプルからの単一の配列を発現する各々のクローンを用いて、
見つけることに関する。従って、それらは、配列の混合物(例えば、特定のすべ
ての細胞cDNAまたはgDNAサンプル)におけるDNA配列すべての、迅速
で、経済的で、定量的でかつ正確な特徴付けには関せず、そしてこのような課題
に対するそれらの適用は、禁じられている。1つのクローンのDNAの配列決定
による決定は、数千ものゲノム配列のサンプルすべてよりも遥かに少なく、経済
的でかつ有用な診断のためには、充分迅速でも廉価でもない。上記に議論したよ
うに、遺伝子決定または分類の既存のプローブに基づく技術は、その遺伝子が既
知であれ、未知であれ、観察されるべき可能な1つの遺伝子に対して各々が特異
的であるプローブを数千ほど、またはコンビナトリアルライブラリーにおいて少
なくとも数千または数万ものプローブを必要とする。さらに、これらの上記の方
法はすべて、そのサンプルが、各々がそのサンプルの単一の遺伝子を発現するク
ローンへと整列されることを必要とする。
【0015】 先行する例示的な遺伝子決定および分類の技術とは対照的に、別の方法論(デ
ィフェレンシャル・ディスプレイとして知られる)は、プールされたcDNAラ
イブラリーにおいて見出されるとおりに、発現された遺伝子の混合物の「指紋付
け」を行う。しかし、この「指紋付け」は、2つのサンプルが同じであるかまた
は異なるかを確立することのみを検索する。特定の遺伝子の定量、または定性、
発現でさえも決定するような試みは行われていない。例えば、Liangら19
95、Curr.Opin.Immunol.7:274−280;Liang
ら、1992、Science 257:967−971;Welshら、19
92.Nuc.Acid.Res.20:4965−4970;McClell
andら、1993、Exs.67:103−115およびLisitsyn、
1993、Science 259:946−950を参照のこと。ディフェレ
ンシャルディスプレーは、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を使用して、種
々の長さのDNAサブ配列を増幅し、これは次いで、任意に選択されたプライマ
ーのアニール部位間にそれらが存在することによって規定される。ポリメラーゼ
連鎖反応の方法および装置は周知である。例えば、米国特許第4,683,20
2号;同第4,683,195号;同第4,965,188号;同第5,333
,675号を参照のこと(これらは各々が本明細書において参考として完全に援
用される)。理想的には、観察される長さのパターンは、ライブラリーがもとも
と調製された特定の組織について特徴的である。代表的には、ディフェレンシャ
ルディスプレーにおいて利用されるプライマーの一方は、オリゴ(dT)であり
、そして他方は、そのライブラリー内のcDNAの数百塩基対(bp)のホモポ
リマーポリdAテール内とハイブリダイズするように設計された1以上の任意の
オリゴヌクレオチドである。それにより、電気泳動による分離によって、数百塩
基対までの長さの増幅されたフラグメントは、そのサンプルについて特徴的であ
り、そして識別性を有するバンドを生成するはずである。さらに、組織内の遺伝
子発現の変化は、1以上のcDNAバンドの変化として観察され得る。
【0016】 ディフェレンシャル発現方法において、特徴的な電気泳動バンドパターンが開
発されているが、特定の遺伝子の発現に対してこれらのパターンを定量的に「関
連付ける」試みはなされていない。同様に、第二の任意のプライマーもまた、以
下の理由に起因して、特定の遺伝子について追跡され得ない。第一に、PCRプ
ロセスが理想的に特異的あるには満たない。1〜数個の塩基対ミスマッチに対す
るものが、より低くストリンジェントなアニーリング工程によって可能であり、
この工程は、代表的にこの方法論において利用され、そして一般に、充分寛容性
であり、その結果新たな鎖が、実際に、PCR反応においてしばしば用いられる
Taqポリメラーゼによって開始され得る、第二に、単一のサブ配列(またはそ
の非存在)の位置は、すべての発現された遺伝子を識別するのには不十分である
。第三に、得られたbp長の情報(すなわち、任意のプライマーからポリdAテ
ールまで)は、一般的には、以下に起因して、配列について特徴的であるとは見
い出されない:(i)遺伝子の3’非翻訳領域のプロセシングの変動、(ii)
ポリアデニル化プロセスの変動、および(iii)正確な点での反復配列のプラ
イミングにおける変動。従って、生成されたバンドでさえ、しばしば、多数で、
非特異的なバックグラウンド配列によってスメアになる。
【0017】 さらに、高G+C含有量および短い配列を含む核酸配列に対する公知のPCR
偏向はさらに、この方法論の特異性を制限する。従って、この技術は、類似性ま
たは相違点決定についてサンプルの「指紋付け」について制限されており、そし
て同定可能な遺伝子のディフェレンシャルな発現の定量的決定における使用から
は除外される。
【0018】 従って、結論として、遺伝子またはDNA配列分類および決定に利用される、
存在する方法論は、迅速で、経済的でかつ再現性よい様式で、組織サンプルから
調製されたcDNA混合物の成分の高度に特異的な定量的な決定を実施するそれ
らの能力に関して改良する必要がある。
【0019】 (発明の要旨) 本発明の好ましい実施態様は、観察されたGeneCallingTM(下記(
英文明細書の第9頁)を参照のこと)シグナルを生成することが推定される、推
定の同定された配列を有する、核酸フラグメントが、実際に、そのシグナルを生
成するサンプル内に存在するということの肯定的な確認を提供することに関する
方法論を開示する。この方法論は、本明細書で以降「オリゴポイゾニング」とし
て知られるが、核酸含有サンプル内にプロービング手段によって認識される目的
の「標的」サブ配列に隣接する、特定の規定された隣接核酸サブ配列の存在を確
認する。オリゴポイゾニングは、例えば、GeneCallingTM反応産物の
PCR増幅をまず行い、その結果GeneCallingTM反応物内に含まれる
核酸フラグメントが、推定の同定されたサブ配列を有するかまたは欠失するかの
いずれかを示す結果を生成する。好ましい実施態様において、これは、推定の同
定されたサブ配列を有するそれらの核酸フラグメントのみを増幅するように設計
された「ポイゾニング」プライマーのモル過剰を添加することによって達成され
る。「ポイゾニング」プライマーは、好ましくは、標識されないかもしれないが
、これは、標識され得、その結果、PCR増幅反応において利用された他の任意
の型の標識から識別されることを可能にする。次いで、PCR増幅の後、得られ
た反応産物を、電気泳動によって分離する。増幅を受けた推定の同定されたサブ
配列を含むそれらの核酸フラグメントは、好ましくは、標識されていないので、
それらは、検出可能なシグナルを生成しない。従って、このような核酸フラグメ
ントのすべての増幅産物は、標識されておらずそして検出可能ではない。
【0020】 重要なことに、オリゴポイゾニングはまた、任意のサンプルにおいて、特定の
包括的配列構造またはモチーフを有する核酸フラグメントの推定配列の同一性を
確認することに等価に適用可能である。この包括的構造は、PCRプライマーと
して作用し得る公知の終結サブ配列を有するフラグメントにのみ限定される。い
くつかの方法が、このような包括的構造を用いてサンプルを産生することについ
て、当該分野で公知である。
【0021】 本発明は、核酸のサンプル中の核酸フラグメントの推定同定された配列を確認
するための方法論を提供する。ここで、このサンプル内の各核酸フラグメントは
、公知の3’および5’終結サブ配列を有し、この方法論は、以下の工程:増幅
条件においてこのサンプル中でその核酸フラグメントを以下と接触させる工程:
(i)核酸ポリメラーゼ;(ii)上記公知の終結サブ配列のハイブリダイズ可
能な部分を含む配列を有する「レギュラー」プライマーオリゴヌクレオチド;お
よび(iii)「ポイゾニング」オリゴヌクレオチドプライマーであって、この
「ポイゾニング」プライマーは上記公知の終結サブ配列の1つの配列の一部であ
る第一のサブ配列、および上記1つの公知終結サブ配列に隣接する上記推定未同
定の配列のハイブリダイズ可能な部分である第二のサブ配列を含む配列を有し、
ここで、この「ポイゾニング」プライマーを用いて増幅された核酸は、そのレギ
ュラープライマーのみを用いて増幅された上記の核酸を用いて増幅された核酸か
らの検出に際して識別可能である;接触工程の産物を分離する工程;ならびに検
出する配列が、上記「ポイゾニング」プライマーを用いて増幅された核酸が検出
されたか否かを確認する工程、を包含する。
【0022】 本発明は、さらに、以下:(i)レギュラーPCRプライマーが標識されてお
り、好ましくは、その「ポイゾニング」プライマーは標識されていない;(ii
)そのレギュラーPCRプライマーは標識されており、そして「ポイゾニング」
プライマーは、検出可能に異なる様式において標識されて、その結果増幅反応に
おいて利用された任意の他の標識からその区別を可能にする;あるいは(iii
)レギュラーPCRプライマーは標識されておらず、そしてポイゾニングプライ
マーは標識されており、そして必要に応じて、上記分離された産物を検出する上
記工程は、推定同定された配列を有するその核酸フラグメントが検出されていな
い場合、上記推定同定された配列を確認する工程をさらに包含する。本発明の好
ましい実施態様において、レギュラーPCRプライマーは標識されており、そし
て好ましくは、上記「ポイゾニング」プライマーは標識されていない。
【0023】 本発明の目的は、そのDNAの配列決定を実際には行わずに、単一配列クロー
ンのアレイまたは配列の混合物(例えば、組織サンプルに由来し得る)のいずれ
かにおいて、DNA配列の、特に、ゲノムDNA(gDNA)または相補的DN
A(cDNA)配列の、迅速で、経済的で、定量的で、かつ高度に特異的な決定
または分類のための方法論を提供することである。それにより、背景技術におけ
る上記の欠陥はかなり緩和される。この目的は、分析されつつあるサンプルにお
いてDNA配列からの、複数の識別性でかつ検出可能なシグナルを生成すること
によって認識される。好ましくは、すべての得られたシグナルをまとめると、充
分な識別製および解像度を有し、その結果、あるサンプルに含まれる各特定のD
NA配列は、それが生成する特定のシグナル、および個々に決定されるサンプル
において可能な全てのDNA配列のデータベースを参照することによって個々に
分類され得る。特定のDNA配列の指標となるシグナルの強度は、好ましくは存
在するそのDNAの量に依存する。あるいは、シグナルはまとめて、ほぼ2〜4
を超えない個体の配列の複数のセットへとDNA配列の優勢画分を分類し得る。
【0024】 さらなる目的は、多数のシグナルが可能な限り少ない数、好ましくは、約5〜
400反応以下、そして最も好ましくは約20〜200反応以下の認識反応の結
果の測定から生成されることである。迅速いかつ経済的な決定は、複合体混合物
を含むサンプルにおける各DNA配列が独特のプローブとの別個の反応を要求す
る場合、達成されないことに注意するべきである。好ましくは、各認識反応は、
識別可能なシグナルの多数の識別性のパターンを生成し、そしてこれは、存在す
特定のDNA配列の量に定量的に比例する。さらに、このシグナルは、好ましく
は、最小限の観察を用いて検出および測定され、これは、好ましくは同時に実施
され得る。
【0025】 シグナルは、好ましくは、天然で光学的であり(例えば、蛍光色素原標識によ
り生成される)、そして好ましくは、自動化された光学的検出技術によって検出
される。これらの方法を用いて、多重に個々に標識された部分は、それらが、ハ
イブリダイゼーションメンブレンまたは電気泳動ゲルバンド上の同じ「スポット
」内に別個に位置する場合でさえ、識別され得る。従って、このレベルの区別は
、複合反応を可能にし、そしてシグナル検出を並行して行うことを可能にする。
あるいは、本発明は、他の標識系(例えば、ゲルの銀染)に容易に適合可能であ
る。特に、任意の単一分子検出系は、光学であれ、またはある他の技術(例えば
、スキャニングまたはトンネル効果顕微鏡)であれ、本発明に従う利用について
高度に有利である。なぜなら、それは、定量的特性をかなり改善するからである
【0026】 シグナル(これはまた、本明細書において「ヒット」とも称される)は、次に
分析されるサンプルの核酸配列内の、短いDNAサブ配列(本明細書以下、「標
的」サブ配列を呼ぶ)の存在または非存在を検出することによって生成される。
所定のサブ配列の存在または非存在は、サブ配列についての認識手段(すなわち
プローブ)の使用によって検出される。サブ配列は、種々の認識手段によって認
識される。これは、制限エンドヌクレアーゼ(「RE」)、DNAオリゴマー、
およびPNAオリゴマーを含むがこれらに限定されない。REは、その特異的な
サブ配列を、その切断によって認識し;DNAオリゴマーおよびPNAオリゴマ
ーは、その特異的なサブ配列をハイブリダイゼーション方法によって認識する。
好ましい実施態様は、サンプル配列中のヒットの対の存在を検出するのみならず
、隣接するヒットの間の塩基対の長さの表示を含む。この長さの表示は、長さ分
離および検出手段に固有の実験偏向および誤差の除去において、塩基対の真の物
理学的長さへと矯正され得る。別の実施態様は、クローンのアレイにおけるヒッ
トのパターンのみを検出し、各々は、単一の配列(「単一配列クローン」))を
含む。これは、各クローンの配列を知ることおよび/または認識された配列の長 さ(測定長または物理長)を決定することによって達成され得る。
【0027】 次いで、生成されたシグナルを、以下について、コンピュータ実行された実験
分析方法を利用して配列データベース内のDNA配列情報とともに分析する:(
i)個々の遺伝子を同定する;および(ii)そのサンプル内のそれらの定量的
な存在を確立する。標的サブ配列は、本発明のコンピュータ実行された実験設計
法によってさらに選択され、その結果、その存在または非存在、ならびに存在す
る場合にそれらの相対的距離は、分析されるDNA配列を分類または決定するた
めの情報の最大量を生じる。
【0028】 この方法論の使用により、存在する、分析されるDNA配列よりも数桁少ない
プローブを有させることが可能であり、そして本発明に使用されるプローブと同
じ長さのコンビナトリアルライブラリに存在するよりも遥かに少ないプローブを
有させることもさらに可能である。標的サブ配列は、配列中における好ましい発
生確率を有する(代表的に、5%と50%との間)。好ましい実施態様において
、分析されるDNA配列における1つのプローブの存在は、任意の他のプローブ
の存在には依存しないことが好ましい。好ましくは、標的サブ配列は、そのサン
プルを特徴付ける関連するDNA配列データベースにおける情報に基づいて選択
される。最低数の標的サブ配列は、組織サンプルのすべての遺伝子の発現を決定
するよう(本明細書以下「組織態様」)に選択され得る。あるいは、標的サブ配
列のより少ない数が、目的の遺伝子(例えば、オンコジーン、腫瘍サプレッサー
遺伝子、成長因子、細胞周期遺伝子、細胞骨格遺伝子など)の1または数個のみ
の配列を定量的に分類または決定するように選択され得る(本明細書以下「問い
合わせ態様」)。
【0029】 本検出方法論の好ましい実施態様である、定量発現分析(本明細書以下「Ge
neCallingTM」と呼ぶ)は、cDNA(またはgDNA)混合物上の認
識反応の結果の測定を介して、隣接する標的サブ配列の間の塩基対における、標
的サブ配列の存在およびその長さの表示の両方を含む、シグナルを生成する。G
eneCallingTM方法論の詳細な開示は、PCT/US96/17159
(WO97/15690として公開)(本明細書において参考として援用する)
に見出され得、これは、「METHOD AND APPARATUS FOR
IDENTIFYING、QUANTIFYING、AND CONFIRM
ING DNA SEQUENCES IN A SAMPLE WITHOU
T SEQUENCING.」という名称である。最も重要なことに、この方法
論は、ライブラリーにおいて個々のクローンを作製するためには、ベクターへの
cDNAの挿入を必要としない。関連する分野においては、これらのcDNAラ
イブラリーの作製が時間がかかり、費用がかかり、かつプロセスに偏向を導入す
ることは公知である。なぜなら、これは、そのベクター中のcDNAで細菌を形
質転換すること、クローン性コロニーとして整列された細菌を、そして最後には
個々の形質転換されたコロニーの増殖を必要とするからである。
【0030】 WO97/15690において開示されるように、以下の3つの例示的実験方
法論が、GeneCallingTMについて利用され得る:(i)好ましいポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく方法;(ii)RE/リガーゼ/増幅手順
、および(iii)所望されないDNAフラグメントの除去のために、除去手段
、好ましくはビオチンを利用する方法。しかし、好ましいPCRに基づく実験方
法論のみが本明細書に開示される。なぜなら、それが、混合物またはライブラリ
中のDNAから個々の遺伝子発現を決定するために、正確で、再現性良く、ノイ
ズがないシグネチャを生成するように作用し、そして自動化に独特に適用可能で
あるからであり、そしてこの方法論は、中間の抽出も緩衝液の交換も必要としな
いからである。コンピュータ実行させた遺伝子呼び出し工程は、どの遺伝子がサ
ンプル中に存在するか、およびその発現の相対レベルを決定するためにDNA配
列のデータベースとともに測定されたヒットおよび長さの情報を使用する。シグ
ナル強度は、そのサンプル中の配列の相対量を決定するのに使用されるが、コン
ピュータ実行された設計方法は、標的サブ配列の選択を最適化する。
【0031】 上記に記載したように、本明細書において開示されたPCRに基づくGene
CallingTM方法論は、好ましくは、正確で、再現性良く、かつノイズのな
い測定を生成する。GeneCallingTMにおける測定ノイズは、代表的に
、所望されないDNAフラグメントの生成または増幅によって作製され、そして
好ましくは特定の工程が,そのような所望されないフラグメントを回避するため
に取られる。本発明のこの実施態様は、多重認識手段が1つの反応において試験
されることを容易にすること、および認識手段の複数の識別可能な標識を利用し
、その結果シグナルが同時に検出および測定され得ることによって効率よい分析
を容易にする。好ましくは、GeneCallingTMについて、標識は、多重
蛍光色素部分の使用によって達成される。感度の増加および解像可能な蛍光標識
の数の増加は、蛍光、エネルギー転位、色素標識プライマーの使用によって達成
され得る。他の検出方法は、好ましくは、同定されつつある遺伝子を、その後に
配列決定または実験プローブとして使用するためにゲルから物理的に単離する場
合、銀染ゲルまたは放射性標識の使用を含む。これらの方法は、単一のレーンに
おいて多重のサンプルを泳動することを可能にしないので、それらは、高処理が
必要とされる場合はあまり好ましくない。
【0032】 オリゴポイゾニング方法論によるGeneCallingTMの確認は、組織ま
たは他のサンプルにおける、異なる遺伝子発現の、迅速かつ経済的な定量性の決
定および確認を達成するという事実に起因して、この方法論は、かなりの医療的
有用性および研究用有用性を有する。例えば、臨床医療において、より多くの疾
患がその病因と発症に対して重要な遺伝的成分を有することが認識されているの
で、組織サンプルの遺伝的構築および発現をアッセイし得ることはますます有用
になっている。より詳細には、特定の遺伝子もしくはそれらの特定の対立遺伝子
の存在または発現は、疾患(障害を含む)について予後的または危険因子である
。このような疾患のいくつかの例は、神経変性疾患(例えば、ハンチントン病お
よび毛細血管拡張性運動失調)の間に見出される。いくつかのガン(例えば、神
経芽腫)は今や、特定の遺伝子欠損に定量的に連鎖し得る。最後に、遺伝子発現
もまた、それらの外来病原因子の存在および分類を決定し得、これらは、インビ
トロでは培養することは困難または不可能であるが、それにもかかわらず、それ
ら固有の独特の遺伝子を発現する。
【0033】 同様に、疾患の進行は、罹患した組織の遺伝子発現の変化を反映する。例えば
、特定の腫瘍プロモーター遺伝子の発現および特定の腫瘍サプレッサー遺伝子の
発現の欠損は、今や、正常組織から、過形成にまで、インサイチュのガン、およ
び最後には転移性のガンにまでの、特定の腫瘍への進行と相関することが公知で
ある。細胞集団の遺伝子発現の「正常」パターンへの帰還(例えば、アンチセン
スオリゴヌクレオチド技術の使用を介する)は、腫瘍退行と相関し得る。遺伝子
発現のガン性組織における定量は、この疾患の段階付けおよび分類ならびに治療
を選択およびガイドする基礎を提供することを補佐し得る。遺伝子発現情報を用
いた正確な疾患の分類およびタグ化または階級付けは、特定の患者に発生する正
確な疾患の過程にいっそうより正確に調整されている初期治療を選択する際に補
助し得る。次いで、遺伝子発現情報は疾患の進行または退行を追跡し得、そして
このような情報は、成功のモニタリングまたは初期治療の経過を変更させる際の
補助となり得る。好ましい治療は、「正常」に向って、個体における遺伝子発現
の異常なパターンの退行をもたらすものであるが、遺伝子発現(すなわち、その
異常性の進行)にほとんど効果を有さない治療は、改変または中止され得る。遺
伝子発現のこのようなモニタリングは今や、ガンについて有用であり、そして糖
尿病および肥満のような、漸増する数の他の疾患について有用である。
【0034】 上記の疾患を伴う患者におけるこのようなディフェレンシャル遺伝子発現の定
量検出、確認およびモニタリングについての本発明の利用を容易にするために、
GeneCallingTM/オリゴポイゾニング方法論は、一体化された「キッ
ト」の形態へと組みこまれることが予想される。これは、研究者または保健産業
従事者が、可能な限り最も効率よい様式において、このようなディフェレンシャ
ル遺伝子発現を迅速かつ正確に評価することを可能にする。例えば、このキット
は、PCR増幅プローブおよび「プレキャスト」電気泳動ゲルの非放射性標識を
利用して、これらの方法論に内在する困難のいくつかを改善し得、従って、あま
り洗練されていない設定(すなわち、内科医の事務所)において、受け容れられ
ることについての可能性およびこのようなキットの広汎な使用を顕著に増加させ
得る。
【0035】 さらに、直接遺伝子治療の場合、発現分析は、処置の成功を直接モニタリング
する。生物学的研究において、組織または他のサンプル中の遺伝子発現について
の迅速かつ経済的なアッセイは、多数の適用を有する。このような適用は、例え
ば、疾患に対する組織特異的遺伝子応答の病因検査において、遺伝子発現におけ
る発生的変化を決定する発生学において、遺伝子発現に対する薬物の直接または
関節の効果を評価する薬理学におけるものを含むがこれらに限定されない。これ
らの適用において、本発明は、例えば、インビトロ細胞集団または細胞株に対し
て、疾患または他のプロセスのインビボ動物モデルに対して、ヒトサンプルに対
して、実際の野生型の発生からおそらく取られた、精製された細胞集団に対して
、および混合された細胞集団を含む組織サンプルに対して適用され得る。この細
胞または組織供給源は、有利には、植物、単一細胞の動物、多細胞の動物、細菌
、ウイルス、真菌、酵母などであり得る。動物は、有利には、研究において使用
される実験動物(例えば、特定のゲノムまたは疾患状態もしくは傾向を有するよ
うに操作または交配されたマウス)であり得る。インビトロ細胞集団または細胞
株は、種々の外因性因子に暴露されて、遺伝子発現に対するそのような因子の効
果を決定し得る。さらに、未知のシグナルパターンは、まだ未知の遺伝子の指標
であるので、本発明は、新たな遺伝子の発見のための重要な用途を有する。医療
的研究において、さらなる例として、本発明の方法を使用することにより、遺伝
子発現と、疾患の存在または進行とを相関付けることが可能になり、それにより
、新たな診断方法、および遺伝子発現を直接変更することを試みる治療の新たな
道筋を提供する。
【0036】 最後に、遺伝子発現分析はまた、薬物作用および効力の薬理遺伝学について利
用され得る。例えば、本発明を使用して、特定の薬物の生物学的活性の機構を定
量的に確認し得、そしてその薬物が推定されるように作用しないかもしれない理
由を確認し得る。この適用は、例えば、患者の集団を階層化するにおいて有用性
を有する。
【0037】 (発明の詳細な説明) 本明細書中に開示される本発明が、よりよく理解され、そして認識されるよう
に、以下の詳細な説明を示す。
【0038】 本明細書中に開示されるオリゴポイゾニング方法論は、「METHOD AN
D APPARATUS FOR IDENTIFYING,QUANTIFY
ING,AND CONFIRMING DNA SEQUENCES IN
A SAMPLE WITHOUT SEQUENCING」と題されたWO9
7/15690(これは、本明細書中においてその全体が参考として援用される
)において開示されるように、定量的発現分析(GeneCallingTM)に
おいて主に適用されるが、これに限定されない。しかし、当業者は、記載された
構造の適切な核酸サンプルを生成するための他のプロトコルに本方法論を適用す
る方法をすぐに理解する。オリゴポイゾニング方法論の詳細な説明を始める前に
、GeneCallingTM方法論の概説を示す。
【0039】 (1.定量的発現分析(GeneCallingTM)) 発現された全長または部分的なヌクレオチドまたは遺伝子配列、ならびにゲノ
ムDNA(gDNA)の多くの成分を独自に同定または分類するために、実際の
完全なヌクレオチド配列を決定することは必要ではない。なぜならば、これらの
完全なヌクレオチド配列は、本明細書中に開示される本発明による所定のヌクレ
オチド配列を単に分類または決定するために必要とされるよりかなり多くの情報
を提供するからである。さらに、発現されるヒト遺伝子の実際の数は、可能性の
あるDNA配列の総数のうち、非常に小さな画分(すなわち、10-1195)を示 す。従って、GeneCallingTMおよび本発明のオリゴポイゾニング方法
論の利用によって、サンプル内に存在する可能性のある配列のうちの配列を含む
核酸配列データベースを使用することによって、異種サンプル内のヌクレオチド
配列の直接的な決定(完全なヌクレオチド配列を確立する要件のない場合)が可
能になる。さらに、そのようなデータベースが利用可能ではないとしても、サン
プル内の配列は、個々に分類され得る。
【0040】 定量的発現分析(GeneCallingTM)は、各々が異なるヌクレオチド
配列を有する核酸種の多くを含むサンプル内の1つ以上の核酸配列を同定、分類
、または定量するための方法論を提供する。手短には、GeneCalling TM 方法論の好ましい実施態様における種々の工程(すなわち、制限エンドヌクレ
ア−ゼ消化/連結/増幅に基づくプロトコル)は、以下のように要約され得る: 工程1:相補的DNA(cDNA)合成。 工程2:好ましくは、まれな6〜8bp.の制限エンドヌクレア−ゼ(RE)認
識配列のみを認識する、2つの異なるREを利用して、得られたcDNAフラグ
メントを消化する。 工程3:消化されたcDNAフラグメントへの、オリゴヌクレオチド「アダプタ
ー」の連結。2つの異なるアダプターが利用され、各アダプターは、2つのRE
認識部位のうちの1つの配列に対して相補的である。 工程4:消化されたcDNAフラグメントへ連結された2つのアダプターに対し
て相補的である、標識されたプライマーを利用して、PCR増幅を行う。 工程5:次いで、PCR増幅の反応産物を電気泳動し、個々のフラグメントの電
気泳動移動度パターンを観察する。次いで、これらの移動度パターンを利用し,
電気泳動図を構築する。 工程6:電気泳動移動度および電気泳動図から、目的の個々のフラグメントのサ
イズを同定し、次いでコンピュータDNA配列データベースを検索して、上述の
これらのフラグメントについての推定遺伝子「識別子」のリストを作成する。
【0041】 このように、サンプルを1つ以上の標識したプローブとハイブリダイズさせる
ことによって、GeneCallingTM方法論を行う。ここで、各プローブは
、異なる「標的」ヌクレオチドサブ配列、または異なるセットの「標的」ヌクレ
オチドサブ配列を認識する。GeneCallingTM方法論において利用され
る標的サブ配列は、好ましくは、分析されるサンプルにおいて生じる可能性のあ
る配列を含むDNA配列データベースを考慮して、本発明のコンピュータ実行方
法によって最適に選択される。ヒトゲノムcDNAの分析、米国におけるヒトゲ
ノムプロジェクトの試み、海外での試み、およびヒトゲノム配列の配列決定にお
ける私企業の試みに関して、発現された配列および遺伝子配列の両方は、いくつ
かの利用可能なデータベース中に収集されている。
【0042】 得られるハイブリダイゼーションシグナルは、好ましくは、以下の表示から構
成される:(i)第1の標的サブ配列の存在;(ii)第2の標的サブ配列の存
在;および(iii)サンプル核酸配列における標的サブ配列間の長さ。標的サ
ブ配列の第1鎖が、サンプル中の単一の核酸において一度より多く生じる場合、
1つより多いシグナルが生成され、各シグナルは、標的サブ配列の隣接する存在
間の長さを含む。認識される標的サブ配列は、代表的には連続しているが、Ge
neCallingTM方法論は、不連続な標的サブ配列または不連続で有効な標
的サブ配列を認識することに適用可能である。例えば、不連続な標的サブ配列を
認識するオリゴヌクレオチドは、不連続な領域内に縮重ヌクレオチドを挿入する
ことによって構築され得る。さらに、フェイジング(phasing)プライマ
ー(これは、RE部位を越えてさらなるヌクレオチド配列を有する)はまた、配
列特異性を増大するために利用され得る。
【0043】 ハイブリダイゼーションおよび標的シグナル検出後、整合する配列、あるいは
生成されたハイブリダイゼーションシグナルに整合する任意の配列の非存在のい
ずれかを確認するために、サンプル内に存在し得る核酸の公知の配列から構成さ
れるヌクレオチド配列データベースの検索を実施する。データベース内に含まれ
る配列は、データベースからのヌクレオチド配列が、(i)生成されたハイブリ
ダイゼーションシグナルによって表されるものと同じ、標的サブ配列の存在間の
長さ、および(ii)生成されたシグナル、または生成されたシグナルによって
表される同じセットの標的サブ配列のメンバーである標的サブ配列によって表さ
れるのと同じ、標的サブ配列の両方を有する場合、生成されたハイブリダイゼー
ションシグナルに「整合する」(すなわち、相同である)と考えられる。
【0044】 GeneCallingTM方法論は、RNAの任意のインビボまたはインビト
ロ供給源から合成される相補的DNA(cDNA)サンプルの分析に適用され得
る。cDNAは、総細胞性RNA、ポリ(A)+メッセンジャーRNA(mRN A)、またはRNAの特定のサブプール(sub−pool)から合成され得る
。そのようなRNAサブプールは、RNA前精製によって生成され得る。例えば
、細胞質画分内に含まれるそのようなmRNAからの小胞体mRNA種の分離は
、細胞表面または細胞外タンパク質をコードするmRNA種の富化を促進する。
例えば、Celis,L.,ら、1994、Cell Biology(Aca
demic Press,New York,NY)を参照のこと。
【0045】 GeneCallingTM方法論は、cDNAの混合物から構成されるサンプ
ル内に含まれる配列を分類および決定するために好ましいが、GeneCall
ingTM方法論はまた、単一のcDNA部分を含むそれらのサンプルに適用可能
である。代表的には、標的サブ配列の十分な対は、十分な区別可能なシグナルを
生成し、サンプル混合物内に含まれる配列のうちの1つからすべての決定を可能
にするように選択され得る。例えば、第1の可能なシナリオにおいて、任意の対
の標的サブ配列は、分析される単一のDNA分子において1度より多く生じ、そ
れによって1つのDNA分子とは異なる長さを有するいくつかのシグナルを生成
し得る。第2のシナリオにおいて、標的サブ配列の1対が、分析される2つの異
なるDNA分子内に1度のみ生じるとしても、プローブハイブリダイゼーション
間の長さは異なり得、従って区別可能なハイブリダイゼーションシグナルが生成
され得る。
【0046】 好ましいPCR媒介GeneCallingTM方法論において、標的サブ配列
の適切な収集物が、コンピュータ実行方法およびPCRプライマー(好ましくは
、蛍光部分で標識される)を介して選択され、上述のこれらの標的サブ配列とハ
イブリダイズするように合成される。現在のところ、蛍光標識技術、光学、およ
び光学感知における進歩によって、複数に標識されたDNAフラグメントが空間
的に重複する(すなわち、ハイブリダイゼーション膜上の同じ「スポット」また
はゲル内のバンドを占める)としても、それらが区別されることが可能になる。
Ju,T.ら、1995、Proc. Natl. Acad. Sci. US A 92:4347−4351を参照のこと。従って、いくつかのGeneCa
llingTM反応の結果が、同じゲルレーンまたはフィルタースポット内に多重
化され得る。プライマーは、PCR増幅工程における高度な特異性を達成するが
、短いサブ配列を確実に認識するように設計される。これらのプライマーを利用
して、PCR増幅工程の最小数は、サンプル内のDNA配列に存在するプライム
化されたサブ配列間のフラグメントを増幅し、それによって標的サブ配列を認識
する。次いで、標識された増幅フラグメントは、ゲル電気泳動によって分離され
、そして検出される。
【0047】 GeneCallingTMは、「照会モード」または「組織モード」のいずれ
かにおいて実施され得る。照会モードにおいて、焦点は、限定された数の目的の
遺伝子および公知の配列(例えば、オンコジーン、サイトカインなどをコードす
るこれらの遺伝子)の発現の決定にある。限定された数の遺伝子の各々を、少な
くとも1つの固有のシグナルによってサンプル内に存在するような他のすべての
遺伝子から区別するという目的をもって、最少数の標的サブ配列が、シグナルを
生成するように選択される。逆に、組織モードにおいて、焦点は、発現に関する
任意の先行する知識を必要とすることなしに、組織または他のサンプルにおいて
発現される遺伝子のうちのできるだけ多くの発現の決定にある。組織モードにお
いて、標的サブ配列は、最大数のサンプルDNA配列を、1つ、または好ましく
は多くとも数個の配列を含むクラスに区別するように最適に選択される。理想的
には、コンピュータに基づく同定方法が、所定の組織内の遺伝子の大多数の発現
、またはより好ましくはほとんどの遺伝子の発現を固有に決定し得るように、十
分なハイブリダイゼーションシグナルが生成され、そして検出される。しかし、
両方のモードにおいて、特定の実験の閾値および感度によって決定されるように
、ハイブリダイゼーションシグナルが生成および検出されることに留意すべきで
ある。閾値および感度の重要な決定因子は、以下を含むが、それらに限定されな
い:(i)mRNA、従って利用されるcDNAの最初の量;(ii)実施され
るPCR媒介増幅の量;および(iii)利用される検出手段の全体の感度およ
び区別能力。
【0048】 a)好ましいPCR媒介GeneCallingTM方法論 GeneCallingTM方法論の好ましい実施態様は、選択され標識された
PCR増幅プライマーによって認識される目的の標的サブ配列間のcDNAフラ
グメントを選択および増幅するための、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、
または代替の増幅手段の利用に基づく。PCR増幅反応において利用される方法
論は、当業者に周知である。一般に、Innisら、1989、PCR Pro
tocols:A Guide to Methods and Applic
ations、(Academic Press;New York,NY);
Innisら、1995、PCR Strategies、(Academic
Press;New York,NY)を参照のこと。
【0049】 代表的なGeneCallingTM PCR増幅反応において、4塩基対〜3
8塩基対(bp)長の標的サブ配列は、より長いサブ配列と比較して、より大き
な存在の可能性、従って情報含量のために好ましい。しかし、この長さのオリゴ
ヌクレオチド配列は、PCRプライマーとして有効に使用されるそれらの相補的
サブ配列に確実かつ再現可能にハイブリダイズし得ない。ハイブリダイゼーショ
ン信頼性は、以下を含むがそれらに限定されないいくつかの変数に強く依存する
:プライマーの組成および長さ、ストリンジェンシー条件(例えば、アニーリン
グ温度および塩濃度)、およびcDNA混合複雑性。PCR媒介GeneCal
lingTM方法論において、基礎となるサンプル配列のみを示す十分に分離され
たバンドが生じるように、標的サブ配列認識が、できるだけ特異的かつ再現可能
であることが非常に好ましい。従って、プライマーとして選択される標的サブ配
列に相補的な単一の短いオリゴヌクレオチドを直接使用する代わりに、設計され
たプライマーを注意深く使用することが好ましい。
【0050】 図1において示されるモデルによる好ましいPCR増幅プライマーが構築され
る。この図に従って、以下を含む3つの個々の成分配列(5’から3’方向に列
挙される)のプライマー501が構築される:成分504、503、および50
2。成分503は任意であるが、PCR増幅間の第1の低いストリンジェンシー
アニーリング工程の特異性を改善し、それによって偽陽性増幅産物の生成を軽減
するために成分503が利用され得ることに留意すべきである。成分502は、
プライマー501が認識するように設計されたサブ配列に相補的な配列である。
成分502は、代表的には4〜8bp長である。成分504は、最終のプライマ
ーが、分析されるcDNAサンプルにおいて任意のネイティブな配列とハイブリ
ダイズしないように選択された10〜20bp配列である;すなわち、プライマ
ー501は、分析されるサンプルにおいて存在することが公知の任意の配列とア
ニーリングしない。成分504の配列はまた、最終のプライマーが50℃を越え
る、好ましくは68℃を越える融点(Tm)を有するように選択される。
【0051】 PCR増幅におけるプライマー501の使用は、第1のアニーリング工程を包
含し、それによって3’末端成分502が、ハイブリダイズし得ない成分504
の存在下でその標的サブ配列にアニーリングすることが可能になる。好ましくは
、このアニーリング工程は、得られるハイブリダイゼーションシグナルパターン
の再現性を最大化するように経験的に決定される温度(一般に、36℃〜44℃
)にて実施される。DNA濃度は、約10ng/50mlであり、そして再現性
を最大にするように同様に決定される。一旦アニーリングされると、3’末端は
、引き続く第1の伸長工程についてのプライマー伸長点として作用する。第1の
伸長工程は、好ましくは72℃にて1分間実施される。ストリンジェンシー条件
が、正確な相補性がプライマーアニーリングに必要とされないような条件である
場合、偽陽性シグナル(すなわち、標的サブ配列の不正確な認識から生じるシグ
ナル)が生成され得る。引き続くサイクルは、高い温度の、高ストリンジェンシ
ーなアニーリング工程を利用する。高ストリンジェンシーなアニーリング工程は
、目的のフラグメント配列への全プライマーのアニーリングを確実にする。好ま
しくは、これらのPCRサイクルは、65℃のアニーリング工程および95℃の
融解工程を交互にし、各工程は1分間続く。
【0052】 以前に議論されるように、任意の成分503は、第1の低ストリンジェンシー
なアニーリング工程の特異性を改善し、それによって偽陽性バンドの生成を最小
化するために利用され得る。成分503は、一般式−(N)j−を有し得;ここ で、Nは任意のヌクレオチドであり、そしてjは代表的には2〜4、好ましくは
2である。すべての可能な成分503の立体配置の使用は、実際上、標的サブ配
列のヌクレオチドより長さの長い「j」ヌクレオチドである3’末端サブ配列を
有するプライマーの縮重セットを生じる。これらの伸長した相補的末端配列は、
改良されたハイブリダイゼーション特異性を有する。あるいは、成分503は、
Nが「ユニバーサル(universal)」ヌクレオチドであり、jが代表的
には2〜4、好ましくは3または4であり得る。ユニバーサルヌクレオチド(例
えば、イノシン)は、任意の他の天然に存在するヌクレオチドとの塩基対を形成
し得るヌクレオチドである。この代わりに、単一のプライマー501は、標的よ
り実際にj塩基長い3’末端サブ配列を有し、従って改良されたハイブリダイゼ
ーション特異性を有する。
【0053】 次に好ましいプライマー設計は、特定かつ再生可能なハイブリダイゼーション
を達成するに十分な長さの縮重オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここで1セ
ットの各メンバーは、1つの選択された標的配列に相補的な共有されるサブ配列
を含む。縮重プライマーのこれらのセットは、不連続なサブ配列の認識を可能に
する。単一の反応において利用される各プライマーまたはプライマーセットは、
好ましくは検出のために示差的に標識される。電気泳動によるフラグメント分離
を使用する好ましい実施態様において、標識は、光学的な検出手段で同時に区別
され得るフルオロクロムによる。
【0054】 好適な実験を、以下に簡単に要約する。総細胞性mRNA、または細胞性mR
NAの精製されたサブプールを、cDNA合成に利用する。第1鎖cDNA合成
を、例えばオリゴ(dT)プライマーまたはフェイジングプライマーを使用して
実施する。あるいは、cDNAサンプルを、任意の供給源から調製し得るか、ま
たは直接入手し得る。次に、第1鎖cDNAサンプルを使用して、選択されたプ
ライマーセットのプライマーを、従来のPCR増幅プロトコルにおいて使用する
。好ましくは、過剰の高モルプライマーを使用して、標的cDNAサブ配列また
は遺伝子上で隣接するプライマー部位間のフラグメントのみが増幅することを確
認する。すべての利用可能なプライマー結合部位に見かけ上結合する過剰の高モ
ルプライマーを用いる場合、増幅されたフラグメントで、その「内部」配列内に
任意のプライマー認識部位を含むものはないはずである。同時の分離および検出
について標識され得るほど多くのプライマーが1反応において利用され得、そし
てそれは、十分に解明された長さ分布を生じることに留意すべきである。増幅後
、フラグメントを分離し、ゲル電気泳動のために再懸濁し、電気泳動によって分
離し、そして光学的に検出する。
【0055】 以下の本節は、GeneCallingTMのPCR実施態様についての好まし
いPCR増幅プロトコルを開示する。以前に議論されるように、本実施態様は、
PCRプライマーまたはPCRプライマーのセットによって認識される標的サブ
配列間のフラグメントのPCR増幅に基づく。それは、図1に関して記載される
好ましいプライマーについて設計される。他のプライマー(例えば、縮重オリゴ
ヌクレオチドのセット)が使用される場合、第1の低ストリンジェンシーなPC
Rサイクルが省略されることに留意すべきである。所定のプライマーのセットを
使用するPCR増幅を、以下のプロトコルに従って実施する: 工程1:1μlのRNaseでの、第1鎖混合物のRNase処理。37℃にて
30分間、Ambion,Inc.(Austin,TX)からのカクテル。 工程2:混合物を、2度フェノール/CHCl3抽出し、そして濾過液として水 を使用して、Centricon 100(Millipore Corpor
ation;Bedford,MA)で精製する。 工程3:cDNAの最終容量を、504にする(10ngのRNA/μlで開始
する)。 工程4:以下のPCR反応を設定する: (成分) (容量) cDNA(−10ng/μl) 1μl 10×PCR緩衝液 2.5μl 25mM MgCl2 1.5μl 10mM dNTP 0.5μl 20pM/μlプライマー1 2.5μl 20pM/μlプライマー2 2.5μl Taq.ポリ(5U/μl) 0.2μl 水 14.3μl。 工程5:このプロフィールでの1回の低ストリンジェンシーサイクル: 40℃にて3分間(アニーリング) 72℃にて1分間(伸長)。 工程6:以下のプロフィールを使用するサイクル: 95℃にて1分間(15〜30回): 95℃にて30秒間 50℃にて1分間 72℃にて1分間 72℃にて5分間。 工程7:4℃での保持。 工程8:サンプルを沈殿させ、変性ローディング緩衝液中に再懸濁させ、そして
電気泳動によって分析する(変性条件または非変性条件下のいずれか)。
【0056】 (2.オリゴポイゾニング方法論) オリゴポイゾニング方法論の以下の説明は、GeneCallingTMへの適
用を主に指向しているが、それに限定されない。しかし、当業者は、記載される
構造の適切な核酸サンプルを生成するための他のプロトコルへ本記載を適用する
方法をすぐに理解する。
【0057】 オリゴポイゾニングは、PCR増幅を受ける能力を有する任意のサイズの核酸
フラグメント(一般に30〜600bp長のサイズの範囲に及ぶGeneCal
lingTM反応産物内に代表的に存在する、それらの核酸フラグメントを含むが
、これらに限定されない)に適用可能である。代表的には、オリゴポイゾニング
方法論は、推定上の同定配列を有さない増幅産物についての検出可能な結果を生
じるように設計される増幅を利用する、GeneCallingTM反応産物のP
CR増幅を実施することによって進行する。好ましい実施態様において、この結
果は、推定上の同定配列を有するフラグメントのみを増幅するように設計された
、過剰モルの標識されていない「ポイゾニング」プライマーを添加することによ
って達成される。従って、そのようなフラグメントのすべての増幅手順は、標識
されず、そして検出可能ではない。しかし、オリゴポイゾニングはまた、上記で
議論される、所定の「一般的」構造またはモチーフを有する核酸フラグメントの
任意のサンプルにおける推定の配列同定を確認することに同様に適用可能である
ことに留意すべきである。唯一の課される限定は、これらの核酸フラグメントが
、PCRプライマーとして作用し得る公知の末端サブ配列を有さなければならな
いということである。そのような一般的な構造モチーフを有する核酸を生じるた
めのいくつかの方法論は、当業者に周知である。
【0058】 上述の一般的構造モチーフは、目的の中央サブ配列に隣接する、3’末端およ
び5’末端両方の上に公知の末端サブ配列を有する核酸種から構成される。中央
サブ配列は任意の長さであり得るが、約10bpという最小の長さが、本発明に
おいて好ましい。末端サブ配列は、異なり得、そしてストリンジェントな条件下
での引き続くPCR増幅についての確実かつ特異的なプライマーアニーリングを
可能にするような長さおよび塩基組成である。必要な程度の特異性を得るために
、公知の末端サブ配列の長さは、好ましくは少なくとも10bpであり、そして
20〜30bp長以上までであり得る。中央サブ配列は、特定の核酸種の「同一
性」を決定し、それによって推定によって同定された配列と比較される。従って
、フラグメントが、推定によって同定された配列の一部に(最小で)相同である
配列を有する中央サブ配列を有するサンプル内に存在する場合、確認が得られる
【0059】 この一般的構造モチーフを有する核酸は、好ましくは本発明のGeneCal
lingTM方法に従って生成される。上記の節2(a)において記載されるよう
に、オリゴポイゾニング方法論の好ましい実施態様は、核酸配列コンピュータデ
ータベースを使用して得られる特定の配列は、特定のGeneCallingTM シグナルを生じることが予測されており、実際にシグナルを生じることを確認す
る際に利用される。にもかかわらず、オリゴポイゾニング方法論の本実施態様は
、GeneCallingTM方法論の結果を確認することに限定されず、そして
以前に記載された一般的構造モチーフを有する核酸種を利用する任意他のプロト
コルから得られる結果の確認に同等に適用され得る。従って、当業者に明らかな
ように、オリゴポイゾニング確認方法論は、上述の一般的構造モチーフを有する
、すなわちPCR増幅についてのストリンジェントな条件下での確実かつ特異的
プライマーハイブリダイゼーションを可能にするに十分な長さの公知の末端サブ
配列を有する核酸フラグメントのサンプル内のフラグメントの推定配列同定を確
認するためにより一般に利用され得る。
【0060】 生物学的核酸サンプルからのそのような核酸種の生成についてのいくつかの方
法が当該分野において記載されているが、しかしそれによって、出願人は、後に
記載される本明細書中に含まれる任意の例が、本発明に対する先行技術であるこ
とを認めないことに留意すべきである。3つのそのような好適な方法論が、本明
細書中で簡単に記載される。第1の方法は、「Selective Restr
iction Fragment Amplification:A Gene
ral Method for DNA Fingerprinting」と題
された、欧州特許出願0 534 858 A1に開示され、これは本明細書中
にその全体が援用される。本方法に従って、cDNAのサンプルはまず、制限エ
ンドヌクレア−ゼ(「RE」)を使用してフラグメントに消化され、そしてこれ
らの消化されたフラグメントに相補的なオリゴヌクレオチドは、フラグメントに
ハイブリダイズされる。次いで、各アダプターのより長いプライマー鎖をフラグ
メントに連結する。次いで、これらの産物を、より長いプライマー鎖を含むPC
Rプライマーを使用してPCR増幅する。選択的増幅のために、これらのプライ
マーは、必要に応じてRE認識部位の任意の残りの部分を越えて1〜10の選択
されたヌクレオチドについて伸長し得る。増幅されていないサンプル、増幅され
たサンプル、および選択的に増幅されたサンプルにおけるフラグメントが、公知
のプライマー配列によってすべて終結されるので、本方法は、記載される一般的
構造の核酸サンプルを生じる。本方法に従って、これらのサンプル内の個々のフ
ラグメントの配列は、部分的配列決定または完全な配列決定によって推定によっ
て同定され得る。
【0061】 第2の方法は、「Method for Simultaneous Ide
ntification of Differentially Expres
sed mRNA and Measurement of Relative
Concentrations」と題された、米国特許第5,459,937
号に記載され、これは本明細書中でその全体が参考として援用される。本方法に
よって開示されるように、cDNAは、2つのフェイジングヌクレオチド、およ
びまれに切断するREについての認識部位を含む第1鎖オリゴ(dT)プライマ
ーを使用して合成される。次いで、得られるcDNAを、まれに切断するRE、
およびより頻繁に切断するREの両方によって消化する。消化したフラグメント
を、アンチセンス方向で、クローニングベクターに連結し、引き続いてこれを使
用して、相補的RNA(cRNA)を合成する。次に、各挿入物の3’末端に隣
接するクローニングベクターの部分に対応し、2つのフェイジングヌクレオチド
を含む配列を有する第1鎖プライマーを使用して、このcRNAからcDNAを
合成する。最終的に、得られる産物を、挿入物の両端のクローニングベクターの
隣接する部分を含むプライマーを使用してPCR増幅する(これらのプライマー
のうちの1つは、さらなるフェイジングヌクレオチドを有する)。最終サンプル
の複数の可能性のあるプールのすべてにおける核酸フラグメントは、公知のプラ
イマー配列によって終結されるので、この方法論は、以前に記載された一般的構
造モチーフの核酸種を生成する。本方法に従って、これらのサンプルにおける個
々のフラグメントの配列は、部分的配列決定または完全な配列決定によって推定
によって同定され得る。
【0062】 第3の方法は、Prasharら、1996、Analysis of Di
fferential Gene Expression by Displa
y of 3’−End Restriction Fragments of
cDNA、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:6 59−663に記載され、これは本明細書中でその全体が参考として援用される
。本方法によって開示されるように、3’末端に2つのフェイジングヌクレオチ
ド、そして5’末端に特別な「ヒール(heel)」サブ配列を有するオリゴ(
dT)第1鎖プライマーを使用して、cDNAを合成する。頻繁に切断するRE
での消化後、部分的に二本鎖の「Y」アダプターをアニーリングし、そしてcD
NAフラグメントのRE消化された末端に連結する。この「Y」アダプターは、
5’プライマー配列を含む非相補的領域を有する。最終的に、連結されたフラグ
メントのPCR増幅は、ヒールプライマー配列を有する第1のプライマーおよび
5’末端プライマー配列を有する第2のプライマーでプライミングされ、上述の
これらの配列によって終結されたフラグメントのプールを生成する。同様に、最
終的なフラグメントのプールは、公知のプライマー配列によって終結されるので
、本方法は、以前に記載された一般的構造モチーフの核酸種を生成する。本方法
に従って、これらのサンプルにおける個々のフラグメントの配列は、部分的また
は完全な配列決定によって推定によって同定され得る。
【0063】 以前に議論されるように、オリゴポイゾニング確認はまた、当該分野において
公知であるか、または将来に記載される上述の一般的な構造モチーフを有する核
酸フラグメントサンプルを利用する他の方法論に適用可能である。確証的オリゴ
ポイゾニング方法論は、好ましくはGeneCallingTM反応産物に適用さ
れるので、それらは、主にそのようなGeneCallingTM反応産物に関す
る以下の準節において記載される。しかし、当業者は、上述の方法などによって
生成される核酸種を含む、以前に記載された一般的構造モチーフを有する核酸サ
ンプルの任意のサンプルへのオリゴポイゾニング方法論の適用の方法を容易に理
解するので、本記載は限定を意味しない。
【0064】 ((a)オリゴポイゾニング方法論による、推定配列の確認) 本明細書中に開示されるオリゴポイゾニング方法論を利用して、以前に記載さ
れた一般的な構造モチーフを有する、核酸サンプル内の核酸フラグメントについ
て同定されている推定配列を確認し得る。オリゴポイゾニング方法論は、公知の
末端サブ配列に空間的に隣接して位置する目的の固有な中央核酸配列の一部のヌ
クレオチド配列に関する知識に依存し、それを確認するように作用する。フラグ
メントの一部の配列の(最小での)知識は、実際、推定の候補配列、または、少
数の推定候補配列のうちのどの1つが、実際に目的の核酸種の配列であるかを確
認するに十分であるということが確かめられている。
【0065】 例えば、GeneCallingTMの場合において、フラグメントは、好まし
くは、得られるGeneCallingTMシグナルに適用される、コンピュータ
に基づくGeneCallingTM分析方法によって推定によって同定される。
複雑なゲノム内においてさえ、コンピューターに基づく方法は、代表的には、特
定のGeneCallingTMシグナルについての1または2、通常5未満、そ
してほぼ常に10未満の、潜在的な「候補」配列を決定することが決定されてい
る。従って、配列のうちのいくつかのさらなるヌクレオチドのみに関する知識は
、推定の「候補」配列のうちのどの配列が、実際にGeneCallingTM
グナルを生成するフラグメントであるかを確認するに十分である。さらに、その
ような知識はまた、以前に特徴付けられていない核酸から、公知の候補配列を区
別するに十分である。
【0066】 さらに、さらなる4bp.(最小)、または好ましくは8bp.、またはより
好ましくは12以上の塩基対を示す情報と組み合わせて、GeneCallin
TMシグナルに由来する情報は、目的のGeneCallingTMシグナルを生
成する配列を固有に決定するにほとんど常に十分であるということが示されてい
る。従って、好ましいGeneCallingTMの適用において、オリゴポイゾ
ニング方法論は、特定のフラグメントが、フラグメントおよび核酸配列データベ
ースから決定されるような推定上の同定配列の両方に存在する、上述の長さのさ
らなるサブ配列の核酸配列同一性を「チェック」することによって、目的の特定
のシグナルを生じることを確認するように機能する。
【0067】 一般的に、オリゴポイゾニング方法論は、目的の特定のフラグメントが、推定
的に同定されたヌクレオチド配列を有する場合にのみ、弁別的に異なる様式で増
幅されるような反応条件下で、記載される一般的構造モチーフの核酸サンプル内
の核酸フラグメントの増幅によって進められる。より詳細には、オリゴポイゾニ
ングは、合理的に設計された「ポイゾニング」プライマーを利用する核酸サンプ
ルのPCR増幅を、PCR増幅を容易にする目的で、公知の末端サブ配列にアニ
ーリングし得る、代表的なPCR増幅プライマー(このようなプライマーは、「
レギュラープライマー」とよばれる)を同時に用いて行う工程を包含する。対照
的に、「ポイゾニング」プライマーは、推定的に同定された目的の配列を有する
PCR増幅された核酸フラグメントからのシグナルを抑制するか、または弁別的
に(すなわち、示差的に)標識するかのいずれかであるように構築される。シグ
ナルの抑制は、目的のフラグメントとともに競合的にハイブリダイズするか、ま
たは一旦ハイブリダイズされると、その伸長を妨げるかのいずれかによって行わ
れる。例えば、GeneCallingTMに関して、オリゴポイゾニング方法論
は、GeneCallingTMアダプタプライマー鎖の配列を有する「レギュラ
ー」PCR増幅プライマーに加えて、合理的に構築された「ポイゾニング」プラ
イマーを使用してGeneCallingTM反応産物のPCR増幅を行うことが
必要である。
【0068】 オリゴポイゾニング方法論を利用する、目的の核酸に関するGeneCall
ingTM配列同定の確認は、好ましくは、以下のようにして行われる。核酸サン
プルのアリコートを、100〜1000倍モル過剰の「ポイゾニング」プライマ
ーとともに、以前に記載されたレギュラープライマーを用いて増幅して、従って
、「ポイゾニング」PCR増幅反応産物を生成する。その核酸サンプルが、Ge
neCallingTM方法におけるように、以前にPCR増幅されていた場合、
このアリコートは、「ポイゾニング」プライマーを利用して引き続いての増幅を
行う前に希釈される。次いで、この増幅されたアリコートは、好ましくは、ゲル
電気泳動によって分離され、そして得られる分離されたバンドを適切な様式(す
なわち、電気泳動図の生成によって自動化された視覚的検出)で検出および分析
される。次いで、オリゴポイゾニング増幅反応の結果は、本来のGeneCal
lingTM増幅反応から得られた結果と比較され得る。この比較は、認められる
ように、核酸フラグメントの電気泳動的バンド形成パターンおよび/または電気
泳動的移動度における任意の差異、特に、目的のフラグメントを表すバンドにお
ける任意のこのような差異を可能にする。
【0069】 従って、目的の核酸フラグメントが、正しく同定された推定配列を有する場合
、核酸フラグメントを含むバンドが存在しないか、または変化した電気泳動度を
示すかのいずれかのみである。他のフラグメントを示すバンドもまた、本来の増
幅、電気泳動的分離、および「ポイゾニング」プライマーなしで行われる検出に
関して見出されるように、同程度に存在する。対照的に、目的のフラグメントが
、正しく同定されていない推定配列を有する場合、そのフラグメントを含むバン
ドはまた、電気泳動的分離および検出に際して、本来の増幅、電気泳動的分離、
および「ポイゾニング」プライマーなしで行われる検出に関して見出されるよう
に、同程度に存在する。従って、正しく同定されない場面において、「ポイゾニ
ング」プライマーの添加は、PCR増幅反応産物の電気泳動的分離によって得ら
れる核酸バンド形成パターンにおいて明らかな影響を有さない。
【0070】 簡潔には、PCR増幅媒介された、オリゴポイゾニング方法論は、GeneC
allingTM確認に適用されるときは、以下の工程から構成される: 工程1:PCR増幅されたGeneCallingTM反応が行われる。
【0071】 工程2:核酸配列データベースの利用から得られた、推定配列の「同一性」結
果と組み合わせて、GeneCallingTMPCR増幅反応産物の電気泳動か
ら得られた電気泳動移動度の結果を利用して、2つの「ポイゾニング」オリゴヌ
クレオチドプライマーのセットが設計され、ここで、「ポイゾニング」プライマ
ーの各々は、cDNAフラグメントを消化するために最初に利用される2つのR
Eのうちの1つに相補的である(第1節;工程2を参照のこと)。「ポイゾニン
グ」プライマーの設計は、以下を組み込む:(i)RE特異的アダプタ配列の5
’末端にて、その配列に相同な配列(第1節;工程3を参照のこと)および(i
i)目的の特有の中心サブ配列の3’末端にてその配列の10〜20bpに相同
な配列。
【0072】 工程3:第2のPCR増幅は、本来のGeneCallingTM反応において
行われる。PCR増幅反応は、工程2および「レギュラー」PCRプライマーに
おいて記載されるヌクレオチド配列を有する100〜1000倍モル過剰の、好
ましくは、未標識「ポイゾニング」プライマーの添加を伴ってなされる。高スト
リンジェンシーのプライマーアニーリング条件は、適切な特異性を確実にするた
めに利用される。
【0073】 工程4:次いで、オリゴポイゾニングされたPCR増幅の反応産物は電気泳動
されて、個々のフラグメントの電気泳動的移動度パターンが観察され、そして電
気泳動図が作成される。次いで、これらの結果を、ポイゾニングプライマーの添
加なしで行われた本来のGeneCallingTMPCR増幅反応結果と比較す
る。
【0074】 工程5:工程2〜4を、目的の配列を含む電気泳動的バンドに影響を及ぼす「
ポイゾニング」プライマーが同定されるまで繰り返す。従って、「ポイゾニング
」プライマーが、正しく設計される場合(すなわち、目的の配列に相補的な配列
を有する)、「ポイゾニング」プライマーを伴ってまたは伴わないPCR増幅反
応の電気泳動バンド形成パターンが変化する。具体的には、推定的に同定された
配列を含むバンドは、「ポイゾニング」プライマーを含むPCR増幅反応におい
て、存在しないか、または変更された電気泳動的移動度を有するかのいずれかで
ある。 さらに、前述のこれらの工程は、図2のフローチャートに示される。
【0075】 オリゴポイゾニング方法論はまた、有利には、以前に記載された一般的構造モ
チーフを有する核酸の2つ以上のサンプルにおいて、目的の核酸フラグメントに
適用され得る。このようなサンプルは、例えば、異なる生物学的「状態」にある
2つ以上の匹敵する組織サンプルから得られ得る。前述の場合、オリゴポイゾニ
ングは、サンプル間で発現の差異を有する(すなわち、示差的な発現を示す)フ
ラグメントの推定的な同定を確認するため、そして新規な核酸がこのような発現
の差異を生成しているか否かを決定するために使用され得る。
【0076】 例えば、2つの組織サンプルの各々において示差的に発現されたことが決定さ
れ(例えば、以前の電気泳動比較)、かつ2つ以上の推定候補配列をおそらく有
すると同定された、目的のフラグメントの場合、2つの「ポイゾニング」プライ
マー(2つの候補配列のうち、「ポイゾニング」配列に各々が構築される)を用
いるフラグメントの連続的な「ポイゾニング」は、各組織内の各候補配列の示差
的で相対的な存在を同定するために使用され得る。ある潜在的なシナリオにおい
て、両方の候補配列の発現は、同じ組織サンプル内で示差的に増加され得るため
、2つの組織間で目的のフラグメントのより多い示差的発現を導く。第2の潜在
的なシナリオにおいて、候補配列の発現は、異なる組織内で示差的に発現され得
、目的のフラグメントのより少ない示差的発現を導く。オリゴポイゾニング方法
論は、これらの潜在的なシナリオが正しいことを確認する能力を有する。
【0077】 ((b)オリゴポイゾニングを利用する好ましいPCR増幅方法論) オリゴポイゾニング方法論は、第1に「ポイゾニング」プライマーの構築に関
して、第2に「ポイゾニング」プライマーを使用するPCR増幅反応条件に関し
て以下に詳細に概説される。以下のガイドライン(図3Aおよび3Bに関して記
載される)は、「ポイゾニング」プライマーをの生成についての好ましい基準を
記載する。これらの図は、GeneCallingTM反応へのオリゴポイゾニン
グの好ましい適用を説明し、そして一般的適用に適切である任意の差異を、必要
に応じて記載する。図3Aは、アダプタ連結およびPCR増幅後にGeneCa
llingTM反応産物に存在する例示的なdsDNAフラグメント(「フラグメ
ント1801」)を示す。二重鎖フラグメント1801の各鎖は、以下を有する
:(i)公知の5’末端(従って、公知の相補的な3’末端)サブ配列および(
ii)オリゴポイゾニング方法論の利用によって確認される推定的に同定された
中心サブ配列(「サブ配列1806」)。
【0078】 公知の5’末端サブ配列は、(上側のDNA鎖において)連結されたサブ配列
、1802および1803から、そして(下側のDNA鎖において)連結された
サブ配列、1804および1805から構成される。サブ配列、1802および
1804は、サンプル核酸の末端上に連結されたアダプタプライマーの配列と同
じ配列を有するため、RE消化後にフラグメント1801を生成する。アダプタ
プライマーの連結に関して、2つの異なるシナリオが可能である。第1のシナリ
オ(ここで、G1801の末端は、異なるREによって消化されている)におい
て、異なるアダプタプライマーは、好ましくは連結され、そしてサブ配列180
2および1804は異なっている。第2のシナリオ(ここで、フラグメント18
01の末端は、同じREによって消化された)においてサブ配列、1802およ
び1804は同じである。
【0079】 さらなるサブ配列、1803および1805は、サブ配列、1802および1
804に隣接し、さらなるサブ配列、1803および1805は、本来のRE消
化後にも残っているRE認識部位の部分である。例えば、フラグメント1801
の左末端を消化するために使用されたREが6bpの認識部位を有し、かつ消化
後に4ヌクレオチドの「オーバーハング(overhang)」の生成を生じる
場合、サブ配列1803は、5ヌクレオチドの長さを有する。
【0080】 最終的なサブ配列(中心サブ配列1806)は、候補配列を有し、当該分野で
公知のコンピュータベースの分析方法またはフラグメントの核酸配列決定のいず
れかによって推定的に同定される。オリゴポイゾニング方法論は、推定的に同定
された配列を有する核酸フラグメントが以下のようであることを確認するために
利用されるべきである:(i)サンプル内に実際に存在し、そして(ii)目的
のGeneCallingTMシグナルを実際に生成する。
【0081】 以前に記載された一般的構造モチーフを有する核酸種の一般的な場合において
、サブ配列1802および1804は、公知の末端サブ配列をあらわす;その一
方で、サブ配列1803および1805は、使用される生成方法に依存し、また
は存在しないかもしれない。次いで、推定的に同定された配列がサンプル内のフ
ラグメントに実際に存在することが確認される。
【0082】 図2B(図2Aに示されるフラグメント1801の左末端を詳述する)は、「
ポイゾニング」プライマー1808を示し、これは、GeneCallingTM 適用に関する。「ポイゾニング」プライマーが構築され得、そしてフラグメント
1801のいずれかの末端に使用され得る。さらに、フラグメント1801の両
方の末端について構築された「ポイゾニング」プライマーは、単一のPCR増幅
において同時に用いられ得る。図3Bもまた以下を示す: (i)サブ配列1802(連結されたアダプタプライマーの配列を有する); (ii)サブ配列1803(RE認識部位が残っている部分の配列を有する)お
よび(iii)中心サブ配列1806の5’末端。サブ配列1807は、RE消
化によって形成されたオーバーハングの位置にある。「ポイゾニング」プライマ
ー1808は、5’末端サブ配列1809および3’末端サブ配列1810から
構成される。
【0083】 従って、より簡潔な用語において、5’末端サブ配列1809は、公知のサブ
配列1802の3’末端と連結された公知のサブ配列1803と同じ配列を有す
る。同様に、3’末端サブ配列1810は、中心サブ配列1806の5’末端の
隣接部分と同じ配列を有する。このために、部分的または完全な候補配列は、既
に推定的に同定されている。それゆえに、dsDNAフラグメント1801の記
載された構造に関して、「ポイゾニング」プライマーは、3’鎖1811にアニ
ーリングして、フラグメント1801のPCR増幅を容易にし得る。サブ配列1
810の長さは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で鎖181
1の相補的な部分と正確かつ特異的にアニーリングするように選択される。好ま
しい、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、前述に開示される。
【0084】 以前に記載された一般的構造モチーフを有する核酸種の一般的な場合において
、サブ配列1809は、対応する公知の末端サブ配列の3’末端のサブ配列であ
る。サブ配列1807は存在しないかもしれない。ポイゾニングプライマー18
08は、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で中心
サブ配列1806について推定的に同定された配列を正確かつ特異的に認識する
ように、以下の説明に従って構築される。このようなストリンジェントなハイブ
リダイゼーションに関して、サブ配列1810は、好ましくは、8〜16ヌクレ
オチド長であり、そして「ポイゾニング」プライマーの3’末端ヌクレオチド1
812が、GまたはCであるように十分長いものである。サブ配列1810の最
も好ましい長さは、約12ヌクレオチドである。信頼性が高く、特異的、かつス
トリンジェントなハイブリダイゼーションに関して、サブ配列1810のG+C
含量が少なくとも40%、またはより好ましくは、50〜60%またはそれを超
えることもまた好ましい。従って、「ポイゾニング」プライマーは、好ましくは
、最も大きな全体のG+C含量を含むフラグメントの末端にアニーリングするた
めに構築されそして利用される。さらに、サブ1809の長さは、「ポイゾニン
グ」プライマー1808の全長が、好ましくは、信頼性が高く、特異的、かつス
トリンジェントなプライマーアニーリングを容易にするために、18〜30ヌク
レオチドの間であり、そして最も好ましくは、19〜23ヌクレオチドの間であ
る。RE認識部位の残っている部位1803の長さは、5ヌクレオチドから構成
され、そして3’末端サブ配列1810の長さが14ヌクレオチドである場合、
5’末端サブ配列1809は、最も好ましくは、0〜4ヌクレオチド長のアダプ
タプライマー配列1802の3’末端と同じ長さを有する。
【0085】 以前に議論されたように、前述のこれらの説明に従って構築される「ポイゾニ
ング」プライマーは、有利には、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下でその相補的配列に特異的にアニーリングし得る。例えば、好ましくは、「
ポイゾニング」プライマーの融解点温度(Tm)は、5℃〜80℃の範囲にあり 、そしてより好ましくは、68℃を超える。このような好ましいTmは、当外分 野で周知であるように、適切なG+C含量または適切に長いヌクレオチド配列の
使用によって達成され得る。例えば、好ましいG+C含量は、40〜60%であ
る。従って、中心サブ配列1806の5’末端の組成がより高い割合のA+Tを
含む場合、サブ配列1810は、A+T割合がより低い場合、より長いように選
択されるべきである。さらに、「ポイゾニング」プライマーは、2次構造が存在
せず、そして分析されるサンプル内に存在するようである配列のいずれにも相補
的ではないように構築されることが好ましい。GeneCallingTMの適用
の場合において、これらの条件は、PCR増幅の温度プロフィールを制御して、
連結物(これは、RE/リガーゼ反応において使用されるプライマーに由来し、
そしてGeneCallingTM反応産物サンプルに残存する)が、新たなオリ
ゴヌクレオチドをハイブリダイズし得ず、そして新たなオリゴヌクレオチドを開
始し得ないようにすることを可能にする。
【0086】 「ポイゾニング」プライマー開始増幅から得られる産物から産生されたシグナ
ルが、検出可能ではないか、または、あるいは、弁別的に検出可能であるかのい
ずれかであることは重要である。好ましい実施態様において、「ポイゾニング」
プライマー1808が、実際に標識されないオリゴヌクレオチドであることに起
因して、このような産物のシグナルは検出可能ではない(すなわち、それらは、
「ポイゾニング」されている)。その一方で、レギュラーPCRプライマーは、
当該分野で公知の標準的方法によって標識される(例えば、蛍光標識)。この場
合において、PCR反応は、フラグメント1801の増幅を生じるが、増幅産物
は標識されず、従って、検出可能ではない。あるいは、「ポイゾニング」プライ
マー1808は、PCR反応においてフラグメント1801の増幅を妨げるよう
に構築され得る。例えば、3’末端ヌクレオチド1812は、DNAポリメラー
ゼによって伸長され得ないジデオキシヌクレオチドであり得るため、PCR増幅
の終結を生じる。当該分野で公知のDNAポリメラーゼ酵素活性を破壊する他の
方法もまた適用され得る。
【0087】 さらなる実施態様において、「ポイゾニング」プライマーは、PCR増幅反応
によって生成された他のすべての産物から区別され得るように別個に標識される
。例えば、「ポイゾニング」プライマーは、反応物に存在する他のPCRプライ
マーで使用される全ての他の色素または標識部分とを区別し得る蛍光色素で標識
され得る。さらなる追加の実施態様において、オリゴポイゾニング反応は、複数
の「ポイゾニング」プライマーが単一のPCR増幅反応において利用され得るよ
うに多重化され得る。この実施態様において、個々の「ポイゾニング」プライマ
ーは、示差的に標識される(例えば、異なる蛍光部分で標識される)ため、各プ
ライマーが、他の標識された「ポイゾニング」プライマーからの妨害を受けるこ
となく検出されることを可能にする。
【0088】 PCR増幅反応条件(本明細書中、「増幅条件」ともいわれる)は、好ましく
は、「ポイゾニング」プライマーから増幅されたフラグメントが、再現可能に、
信頼性が高く、かつ特異的に生成されるように選択される。特に、ストリンジェ
ントなアニーリング条件(高アニーリング温度を含む)は、誤ったハイブリダイ
ゼーション人為的産物(すなわち、「ノイズ」)を最小にするために好ましい。
好ましいアニーリング温度は、57℃以上である。また、サンプル中の核酸濃度
は、PCR増幅が飽和せず、そして投入されたサンプルに由来する残ったフラグ
メントが引き続く分離および検出を曖昧にしないようでなければならない。ある
いは、記載されるビオチンクリーンアップ手順は、投入されたサンプルから残っ
たフラグメントを取り除くために使用され得る。核酸フラグメントサンプルが、
GeneCallingTM方法におけるように以前に増幅された場合、そのサン
プルは、好ましくは、増幅されるフラグメントが、投入されたサンプルから残っ
た任意のフラグメントから明らかに区別され得るように、「ポイゾニング」プラ
イマーを用いてPCR増幅前に、希釈され得る。このような希釈は、約1%以下
のバックグラウンドレベルに残ったフラグメント濃度を減少させるために、好ま
しくは、少なくとも1:50(v/v)であり、より好ましくは、1:100(
v/v)である。そして特に曖昧な、または低濃度のフラグメントを解析させる
ために1:1000(v/v)以上であり得る。さらに、同定された候補配列を
用いた全てのフラグメントの増幅が、実質的に「ポイゾニング」プライマーに起
因するのみであり、かつアダプタプライマーに起因しないように、「ポイゾニン
グ」プライマーは、好ましくは、レギュラーアダプタプライマーに対してモル過
剰で存在する。このモル過剰は、好ましくは、少なくとも1:50、そしてより
好ましくは、バックグラウンドレベルの約1%以下に「ポイゾニング」された配
列を有するフラグメントの増幅を減少させるために1:100、そして特に曖昧
なまたは低濃度のフラグメントを解析させるために1:1000以上であり得る
【0089】 一般的に、PCR反応の他のパラメーターは、好ましくは、GeneCall
ingTMシグナルの生成において使用されたパラメーターに類似するかまたは同
一である。これは、GeneCallingTMにオリゴポイゾニングを適用する
場合、特に有利である。なぜなら、ポイゾニングされたシグナルは、最初のGe
neCallingTMシグナルと容易に比較され得るからである。このようなP
CRパラメーターはまた、オリゴポイゾニングを他の方法に従って産生された核
酸サンプルに適用する場合に有利である。オリゴポイゾニングはまた、当該分野
で公知の他の高ストリンジェンシーなPCRプロトコルに適合させ得る。好まし
く、例示的なPCRプロトコルの詳細は、続く節にて開示される。特に、「ホッ
トスタート」PCR方法が使用されることが好ましく、そしてこの好ましい「ホ
ットスタート」方法はまた、前述に記載のワックス重層技術の使用を包含するこ
とが好ましい。
【0090】 このワックス技術の適用において、PCR反応容器は、反応容器中のより下方
の部分にdNTPおよび水を入れ;このdNTP溶液の上部にワックスを重層し
;そしてワックス層の上部にPCR反応ミックスの残りを入れることによって設
定される。以前に記載されたように、使用されるワックスは、好ましくは、迅速
に72℃に近いがそれ未満の温度(PCR増幅の伸長期に好ましい温度)で融解
される。PCR増幅の間、最初のサーマルサイクルは、約96℃(これは、ワッ
クスが融解し、反応区画の混合を生じ、そして増幅を開始するために適切である
)の変性温度で始まる。PCRサーマルプロフィールは、以下の節で記載される
ように、少なくとも約57℃の好ましいストリンジェントなアニーリング温度で
行われる。また、PCR増幅に用いられるレギュラープライマーの対のうち一方
のプライマーは、ビオチン標識され得る。この場合、そのPCR反応産物は、次
いで、当該分野で公知のビオチンビーズクリーンアップ手順の1つに従って、投
入されたサンプルからフラグメントを除去するために処理され得る。
【0091】 オリゴポイゾニング確認の最終工程(PCR増幅産物の分離および検出)は、
当該分野で公知の任意の適切な方法によって行われ得る。例えば、PCR産物の
分離は、例えば、50〜1000bpの長さを有するGeneCallingTM の場合に、適切な長さのオリゴヌクレオチドを分離し得る、当該分野で公知の任
意の方法に従って行われ得、そして好ましくは、このような範囲の長さを有する
オリゴヌクレオチドの分離に適切なゲル濃度を有する変性ポリアクリルアミドゲ
ルにおける電気泳動によって行われる。分離されたオリゴヌクレオチドの検出は
、当該分野で公知の任意の方法によってであり得、そして好ましくは、プライマ
ーに結合体化された色素標識から、刺激された蛍光発光の検出によってである。
【0092】 本発明において用いられるPCR増幅プロトコルは、最大の特異性および再現
性を有するように設計される。第1に、PCR増幅は、リンカーが実質的に融解
されたままであり、DNA鎖を開始し得ない場合(例えば、リンカーのTm付近 またはそれを超える温度で全ての増幅工程を行うことによって)、より少ない所
望されない産物を生成する。第2に、増幅プライマーは、好ましくは、高いTm (好ましくは、50℃を超え、最も好ましくは、68℃を超える)を有すること
によって高い増幅特異性に関して、最小限のミスマッチで特異的なハイブリダイ
ゼーションを確実にするように設計される。さらに、増幅プライマーは、分析さ
れる任意のネイティブなcDNA種とハイブリダイズしないようにさらに選択さ
れる。(PCR増幅について代わりに用いられる)フェージングプライマーは、
同様の特性を有する。第3に、PCR温度プロフィールは、好ましくは、特異性
および再現性に関して設計される。
【0093】 高いアニーリング温度は、プライマーの誤ったハイブリダイゼーションを最小
にする。より長い伸長時間は、より小さなフラグメントに関するPCRの偏りを
減少させる。より長い融解時間は、高G+C含量に関するPCR増幅の偏りを減
少させる。好ましいPCR温度サイクルは、95℃で30秒、次いで57℃で1
分、次いで72℃で2分である。第4に、PCR反応混合物においてベタインを
含むことが好ましい。なぜならこれは、産物を増幅させることが困難な増幅を改
善することが見出されたからである。さらに偏りを減少させるために、大きな増
幅容量および最小数の増幅サイクル(代表的には、10〜30サイクルの間)が
好ましい。増幅の特異性、収量、または再現性を増加させるように設計された任
意の他の技術は、この増幅方法論に適用可能である。例えば、あるこのような技
術は、PCR反応において、dGTPの代わりに7−デアザ−2’dGTPを使
用することである。このヌクレオチドアナログは、G+Cリッチである標的に関
してPCR効率を高めることが示されてきた。例えば、Mutterら、199
5.Nuc.Acid Res.23:1411−1418を参照のこと。別の
このような技術は、反応混合物にテトラメチルアンモニウムクロリド(これは、
mを上げる効果を有する)を添加することである。例えば、Chevetら、 1995、Nuc.Acids Res.23:3343−3344を参照のこ
と。
【0094】 PCR温度プロフィールは、特定数のサイクルに関して好ましいプロトコルに
従って行われる。増幅工程の後に、長さの分離およびフラグメント検出の前の、
必要に応じたクリーンアップおよび分離工程は、特定の所望されないDNA鎖を
実質的に除去するために有利であり得、そしてそれによって、GeneCall
ingTMシグナルのシグナル対ノイズ比を改善し得るか、または種々の分類に反
応産物を実質的に分離し得る。そしてこのことによって、シグナルの曖昧さを除
去することにより検出されたフラグメントパターンの解釈を単純化し得る。例え
ば、使用されないプライマー鎖および線形的増幅によって生成された一本鎖は、
後の工程では所望されない。これらの工程は、結合体化された捕捉部分および放
出手段を含むプライマー増強の種々の型に基づく。
【0095】 使用される2つのプライマーのうち1つが捕捉部分と結合体化される、これら
の必要に応じたプライマー増強工程の1つの実施態様において、GeneCal
lingTM反応産物は、特定の分類に入る。(捕捉部分がビオチンである場合に
おいて、制限なく記載される)これらの分類としては、以下が挙げられる: (a)どちらの鎖もビオチン部分を有さないdsDNAフラグメント; (b)一方の鎖のみが結合体化されたビオチンを有するdsDNAフラグメント
; (c)両方の鎖に結合体化されたビオチンを有するdsDNAフラグメント; (d)結合体化されたビオチンを有し、および有さない、所望されない一本鎖D
NA(ssDNA)鎖。 方法のさらなる工程は、増幅されたフラグメントと、固体支持体に固定されたス
トレプトアビジン(好ましくは、ストレプトアビジン磁性ビーズ)とを接触させ
る工程、非変性洗浄緩衝液でビーズを洗浄して結合していないDNAを除去する
工程、次いで、変性ローディング緩衝液中にビーズを再懸濁し、そしてこの緩衝
液からビーズを分離する工程を包含する。次いで、変性された1本鎖は、分離お
よび検出工程に通される。
【0096】 これらの工程の結果として、ビオチンを含まない分類「b」の鎖のみが、分離
および検出のためにローディング緩衝液中に移される。これによって、いずれか
の末端において異なるREで切断され、そして一本鎖の夾雑物を含まないフラグ
メントのみが、最小にされたノイズとともに分離および検出される。分類「a」
の産物は、ビーズに結合されず、非変性洗浄緩衝液中に洗い流される。同様に、
ビオチン部分を含まない分類「d」の産物は、洗い流される。結合体化されたビ
オチンを有する全ての産物は、洗浄工程の後にストレプトアビジンビーズによっ
て保持される。変性ローディング緩衝液は、そのビーズに結合された分類「b」
および「c」の産物を変性させるが、分類「c」の産物の両方の鎖は、ビオチン
と結合体化され、かつそのビーズに保持されたままである。同様に、ビオチンに
結合体化された分類「d」の産物は、そのビーズに保持される。
【0097】 別の実施態様において、ビオチン化されたプライマーは、分類「c」のフラグ
メントを回収するために放出手段を包含する。変性緩衝液中に懸濁する工程の後
、放出手段(例えば、UDGまたはAscI)は、分離および検出のためにビオ
チン化鎖を放出するように適用され得る。以前に検出されたフラグメントに加え
て、次いで、この第2の分離工程において検出されたフラグメントは、分類「c
」の産物を表す。
【0098】 さらなる実施態様は、当業者に明らかである。例えば、2つ以上の型の捕捉部
分は、1回の反応において異なる分類の産物を分離するために使用され得る。捕
捉部分は、同様の分離を達成するために放出手段と組み合わされ得る。標識部分
は、分離を確認するか、または並行して反応が行われるように捕捉部分と組み合
わされ得る。
【0099】 本発明はまた、(あまり好ましくはないが)当該分野で公知の、1本鎖を分離
するためおよび産物の濃縮のための他の方法に適合され得る。例えば、1本鎖は
、1本鎖特異的エキソヌクレアーゼを使用して除去され得る。緑豆エキソヌクレ
アーゼであるExoIまたはSlヌクレアーゼが使用され、ExoIは、1本鎖
に対するその高い特異性のために好ましいが、一方でSlヌクレアーゼは、全く
好ましくない。所望されない鎖を除去するための他の方法は、ゲル濾過およびア
フィニティーカラム分離の親和性ベースの方法を含む。増幅産物は、エタノール
沈澱またはカラム分離によって濃縮され得る。
【0100】 GeneCallingTM方法論における次の工程は、増幅されたフラグメン
トの長さに従う分離、次いで、フラグメントの長さおよび(あれば)末端標識を
検出する工程である。cDNAサンプルから切断されたフラグメントの長さは、
代表的に数十塩基対〜おそらく1000bpの範囲にわたる。適切な長さの分解
能(好ましくは、少なくとも、1000bp配列において3bpごと)を有する
任意の分離方法が使用され得る。当該分野で公知の任意の適切な構成においてゲ
ル電気泳動を使用することが好ましい。ゲル電気泳動は、3bp以上異なる別個
のフラグメントを分離し得、平均フラグメント組成の知見および移動度の差異を
誘導した組成の矯正によって、1bpまでの長さの精度が達成され得る。分析の
ために好ましい電気泳動装置は、Gene Scanソフトウェア(Appli
ed Biosystems,Inc)を用いたABI377(Applied
Biosystems,Inc)自動化シークエンサーである。電気泳動は、
ローディング緩衝液中に反応産物を懸濁することによって行われ得る。これは、
非変性であり得、ここで、dsDNAは、ハイブリダイズされたままであり、そ
して両方のプライマーの(あれば)標識を有する。緩衝液は、変性性であり得、
ここで、dsDNAは、代表的には、ともに移動すると予測される(鎖の組成の
大きな平均の差異または重要な鎖の2次構造がないことにおいて)1本鎖に分離
される。
【0101】 長さの分布は、種々の検出手段を用いて検出される。標識が用いられなければ
、抗原(Ag)および抗体(Ab)染色のような手段および挿入色素(inte
rcalating dye)が使用され得る。ここで、以前に記載されたプロ
トコルに従って、各バンドが、その標的末端サブ配列については明らかに同定さ
れ得るために、反応産物を分類することが有利であり得る。蛍光色素標識の場合
、複数の蛍光色素標識が、代表的にはゲルにおける1本のバンドに分離され得る
ので、いくつかのREまたは他の認識手段の認識反応の産物またはいくつかの別
個の認識反応の産物は、1つのレーンにおいて分析され得る。しかし、1つのバ
ンドが、複数の蛍光色素標識に由来するシグナルが明らかになる場合、解釈は曖
昧であり得る:複数のREを用いて切断された1つのフラグメントまたは1つの
REによって各々切断された複数のフラグメントに起因して、このようなバンド
が存在する。この場合、反応産物を分類することもまた有利であり得る。
【0102】 検出後、得られた電気泳動バンド形成パターンおよび移動度は、電気泳動図を
生成するために利用される。電気泳動図は、個々の増幅された核酸フラグメント
各々の電気泳動的移動度のグラフ的スポットを提供する。
【0103】 (3.ヒトC1r遺伝子配列の配列確認のためのオリゴポイゾニング方法論
の利用) オリゴポイゾニング方法論を、ヒト補体成分1、副成分r(c1R)遺伝子に
由来するRE生成配列の分析への適用を、ここで議論する。
【0104】 ヒトc1Rポリ(A)+mRNAが、関連する分野で公知の標準的プロトコル によって相同なcDNAを生成するために利用された。図4は、2493 c1
R cDNAのヌクレオチド配列を示す。合成後に、c1R cDNAをREで
あるBspH1(認識配列−TCATA)およびEcoR1(認識配列−GAA
TTC)を用いて消化して、318bpのフラグメントを生成した。図4に関し
て、BspH1およびEcoR1の認識部位は、下線を付した配列によって示さ
れている;その一方で、c1R cDNAのEcoR1およびBspH1消化に
よって生成された、318bpのフラグメントのヌクレオチド配列(本明細書以
降、「c1Rフラグメント」といわれる)を太字の配列として示す。
【0105】 RE消化後、c1Rフラグメントを単離して、そして標準的なPCR増幅を標
準的(すなわち、ポイゾニングされていない)PCRプライマー(24ヌクレオ
チド長)を利用して、行った。このプライマーは、EcoR1およびBspH1
認識部位に相補的である。JプライマーおよびRプライマーと規定されたこの2
つの標準的プライマーは、以下の配列を有する: Jプライマー:5'-ACC GAC GTC GAC TAT CCA TG A AGA-3' Rプライマー:5'-AGC ACT CTC CAG CCT CTC AC C GAA-3' 次いで、JプライマーまたはRプライマーのいずれかを利用するc1Rフラグメ
ントのPCR増幅を、第1節に記載されるように行い、そしてその増幅産物を、
ゲル電気泳動によって分離した。次いで、JプライマーPCR反応およびRプラ
イマーPCR反応によって生成された増幅産物の電気泳動のバンド形成パターン
および移動度を使用して、電気泳動図を生成した。図5のパネルAおよびパネル
Bは、それぞれc1Rフラグメント増幅の「上方追跡(up trace)」お
よび「下方追跡(down trace)」の電気泳動図結果である。図5のパ
ネルAおよびBの試験によって確認され得るように、318.7bpの適切な長
さを有する核酸フラグメントが見出された。さらに、パネルA(上方追跡)とパ
ネルB(下方追跡)の電気泳動図を比較することによって、この前述された31
8.7bpのフラグメントのシグナル強度が顕著に減少していることが示される
。この減少は、c1R遺伝子(mRNA)の発現レベルにおける差異の指標であ
る。
【0106】 次いで、最初のPCR増幅反応(すなわち、GeneCallingTM)にお
いて得られた結果を利用して、本発明のオリゴポイゾニング方法論による配列確
認を行った。標準的なJおよびRプライマーの最後の6ヌクレオチドに対応する
配列を有する、2つの「ポイゾニング」プライマー(22ヌクレオチド長)を生
成した。配列の残りの16ヌクレオチドは、c1R cDNA配列に対応するよ
うに設計した。この「ポイゾニング」プライマーは、以下のヌクレオチド配列を
有する:5'- TGA AGA CAT GAC CTC AGG TTT G-3'(Jプラ
イマーに対応)5'- ACC GAA AAT TCT GGG CTC AGT C-3'(Rプラ
イマーに対応) 次いで、PCR増幅を第2(b)節に開示されるように行い、そして得られた
増幅産物をゲル電気泳動によって分離した。最初のGeneCallingTM
幅におけるように、電機泳動図を、2つの「ポイゾニング」プライマーを利用し
て増幅反応に関して生成した。図6のパネルAおよびパネルBは、それぞれ、J
プライマーに対応する「ポイゾニング」プライマーおよびRプライマーに対応す
る「ポイゾニング」プライマーについての電気泳動図を示す。図6のパネルAお
よびパネルBの比較によって、318.7ヌクレオチドのフラグメントに対応す
るシグナルにおいて約3倍の減少が示される。従って、核酸配列の同一性の確認
は、本来のGeneCallingTM方法論から得た。
【0107】 本発明は、本明細書中に開示された特定の実施態様によっては範囲を制限され
ない。事実、本明細書に記載の改変に加えて、本発明の種々の改変は、前述の詳
細な説明および添付の図面から関連技術の当業者には容易に明らかである。この
ような改変は、添付の請求の範囲内に入ることが意図される。さらに、本明細書
中に引用される種々の刊行物およびそれらの開示は、その全体が、本明細書中に
参考として援用される。
【0108】 (図面の簡単な説明) 本発明は、添付の図面を参照することにより、関連分野の当業者によって、よ
りよく理解され、そしてその利点が理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、GeneCallingTM方法論のPCR増幅を媒介する実施態様に
ついて使用されるDNAプライマー例示である。
【図2】 図2は、GeneCallingTMから得られた結果の確認のために適用され
る、本発明のオリゴポイゾニング方法論において利用された種々の工程のフロー
チャートである。
【図3】 図3、パネルAおよびBは、GeneCallingTMから得られた結果の確
認に適用される、本発明のオリゴポイゾニング方法論において利用される「ポイ
ゾニング」プライマーの好ましい構築を例示するスキーム図である。
【図4】 図4は、ヒト補体成分1、サブ成分r(C1r)遺伝子によってコードされる
mRNAから生成される、2493bpのcDNAのヌクレオチド配列を提供す
る。ボールドの配列は、C1r cDNAのRE BspH1およびEcoRI
を用いた消化によって生成された319bpのサブ配列を示す。このcDNAは
、本発明のオリゴポイゾニング確認方法論を用いて利用された。
【図5】 図5、パネルAおよびBは、C1r cDNAを用いるGeneCallin
TMPCR増幅反応によって生成された上方および下方の追跡の電気泳動図であ
る。これらの反応は、「J]プライマー(BspH1認識配列に対して相補的で
ある)または「R」プライマー(EcoRI認識配列に対して相補的である)の
いずれかを利用する。 パネルA:GeneCallingTM上方追跡の電気泳動図。 パネルB:GeneCallingTM下方追跡の電気泳動図。
【図6】 図6、パネルAおよびBは、「ポイゾニング」オリゴマープライマーを利用す
るC1r cDNAを用いたGeneCallingTM反応のPCR増幅によっ
て生成された上方追跡および下方追跡の電気泳動図である。 パネルA:オリゴポイゾンイングされたGeneCallingTM上方追跡の電
気泳動図。 パネルB:オリゴポイゾンイングされたGeneCallingTM下方追跡の電
気泳動図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ディーム, マイケル ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 90024, ロサンゼルス, オピア ドライブ 11136 (72)発明者 シンプソン, ジョン ダブリュー. アメリカ合衆国 コネチカット 06443, マディソン, ウッドランド ロード ビー4 23

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なるヌクレオチド配列を有する複数の核酸を含むサンプル
    中の1つ以上の核酸を同定、分類、または定量するための方法であって、該方法
    は、 (a)該サンプルを1つ以上の認識手段でプローブする工程であって、該認識
    手段のそれぞれが、異なる標的ヌクレオチド配列または異なるセットの標的ヌク
    レオチドサブ配列を認識する、工程; (b)標識したプライマーを使用して、該認識手段によってプローブされた該
    サンプルから1つ以上のシグナルを生成する工程であって、生成されたシグナル
    のそれぞれが、該サンプル中の核酸から生じ、そして(i)該核酸中での標的サ
    ブ配列の生起間の長さの表示、および(ii)該核酸における該標的サブ配列の
    同一性の表示を含む、工程; (c)ヌクレオチド配列データベースを検索して、該生成した1つ以上のシグ
    ナルに整合する配列を決定する工程であって、該データベースが、該サンプル中
    に存在し得る核酸の複数の公知のヌクレオチド配列を包含し、該データベースに
    由来する配列が、(i)該生成されたシグナルによって表示されたものと同一の
    標的サブ配列の生起間の長さ、および(ii)該生成されたシグナルによって表
    示されたものと同一の標的サブ配列または該生成されたシグナルによって表示さ
    れた同一セットの標的サブ配列のメンバーである標的サブ配列、のいずれをも有
    する場合に該生成されたシグナル配列と整合し、それによって推定整合配列を同
    定する、工程; (d)該プローブされたサンプルを該標識されたプライマーおよびポイゾニン
    グプライマーと増幅条件下で接触させて、該整合する配列に対応する再増幅シグ
    ナルを形成する工程であって、ここで該ポイゾニングプライマーが該決定された
    配列を有する核酸のみにハイブリダイズし得、そしてそれのみを増幅し得、該ポ
    イゾニングプライマーが標識されていないかまたは該標識プライマーとは差別さ
    れるように標識されており、かつ該連結鎖の1つの配列の一部である第一のサブ
    配列、および第二のサブ配列を含む配列を有する、工程;ならびに (e)該推定整合配列の該再増幅シグナルを工程(b)における該推定整合配
    列のシグナルと比較する工程であって、ここで該増幅したシグナルに対する該再
    増幅シグナルの減少が、該整合した配列の同一性を裏付ける、工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記生成したシグナルの1つが、前記配列データベース内の
    配列を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記確認する工程(d)が
    、以下の工程: 前記シグナルを生成する前記サンプル中の核酸のフラグメントを回収する工程
    ;該フラグメントを配列決定して、該フラグメントの少なくとも部分配列を決定
    する工程、および該サンプルが該決定された配列の少なくとも一部を含む配列を
    有する核酸を含むことを裏付ける工程、 をさらに含む、方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の核酸がDNAである、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法であって、前記プローブする工程が以
    下: 前記サンプルを1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化する工程であって、
    該制限エンドヌクレアーゼが該標的サブ配列である認識部位を有し、そして 該消化された末端上に1本鎖ヌクレオチドオーバーハングを残す、工程; 2本鎖アダプター核酸を該消化されたサンプルフラグメントとハイブリダイズ
    する工程であって、該アダプター核酸が該1本鎖オーバーハングの1つに相補的
    な末端を有する、工程;および 該アダプター核酸の相補的末端を該消化されたサンプルフラグメントの鎖の相
    補的5’末端に連結して、連結された核酸フラグメントを形成する工程、 を包含する、方法。
  6. 【請求項6】 前記ポイゾニングプライマーが標識されていない、請求項1
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 核酸フラグメントのサンプル中の核酸フラグメントの推定的
    に同定された配列を確認する方法であって、ここで該サンプル中の核酸フラグメ
    ントのそれぞれが、公知の末端サブ配列を有する末端を有し、該方法が、以下; (a)該推定的に同定された配列に関連する増幅されたシグナルを含む増幅さ
    れた核酸サンプルを提供する工程であって、該サンプル中の該核酸フラグメント
    を、増幅条件において、核酸ポリメラーゼおよび標識されたプライマーと接触さ
    せることによって生成された該増幅された核酸サンプルが、該公知の末端サブ配
    列のハイブリダイズ可能な部分を含む配列を有する、工程; (b)該増幅された核酸サンプルを、増幅条件において、核酸ポリメラーゼ、
    該標識されたプライマー、およびポイゾニングプライマーと接触させて、該推定
    的に同定された配列に関連する再増幅シグナルを生成する工程であって、該ポイ
    ゾニングプライマーが、該公知の末端サブ配列の1つの配列の一部である第一の
    サブ配列および該1つの公知の末端サブ配列に隣接する該推定的に同定された配
    列のハイブリダイズ可能な部分である第二のサブ配列を含む配列を有し、ここで
    、該ポイゾニングプライマーで増幅された核酸が、検出の際に、該レギュラープ
    ライマーでのみ増幅された核酸とは識別可能である、工程;ならびに (c)該再増幅シグナルを該増幅シグナルと比較する工程であって、該再増幅
    シグナルに対しての該増幅されたシグナルの減少が、該推定的に同定された配列
    の同一性を確認する、工程、 を包含する、方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法であって、前記ポイゾニングプライマ
    ーが、前記標識されたプライマーとは識別可能であるように標識されている、方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の方法であって、前記ポイゾニングプライマ
    ーが標識されていない、方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、前記工程(a)の前に、
    さらに以下の工程: 前記サンプル中の前記核酸フラグメントを、増幅条件において、核酸ポリメラ
    ーゼおよび前記標識されたプライマーと接触させて、前記増幅された核酸サンプ
    ルを形成する工程; 該増幅された核酸サンプルを分離する工程;ならびに 該分離された産物を検出する工程、 をさらに包含する、方法。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の方法であって、前記核酸のサンプルが、
    請求項1に記載のプローブする工程および生成する工程にしたがって産生される
    、方法。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の方法であって、前記核酸のサンプルが、
    請求項1に記載のプローブする工程および生成する工程にしたがって産生される
    、方法。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載の方法であって、前記核酸のサンプルが、
    以下の工程: mRNAを1つ以上の同調ヌクレオチドおよび第一の非相補的ヒールサブ配列
    を含む第一鎖プライマーと接触させる工程を包含する方法を使用して、cDNA
    を該mRNAから合成する工程、 該cDNAを制限エンドヌクレアーゼでフラグメントへと消化する工程; 該フラグメントに、第二の5’非相補的サブ配列を含む部分的に二本鎖の第二
    のプライマーを連結する工程;ならびに 該連結したフラグメントを、DNAポリメラーゼ、ならびに該第一の非相補的
    ヒールサブ配列の少なくとも一部を含む第一の増幅プライマーおよび該第二の5
    ’非相補的領域の少なくとも一部を含む第二の増幅プライマーに接触させること
    によって増幅する工程、 を包含する方法にしたがって産生される、方法。
  14. 【請求項14】 請求項7に記載の方法であって、前記核酸のサンプルが、
    以下: mRNAを、1つ以上の同調ヌクレオチドおよび希少切断制限エンドヌクレア
    ーゼの認識部位を含む第一の第一鎖プライマーと接触させる工程を包含する方法
    を使用してmRNAから第一のcDNAを合成する工程; 該第一のcDNAを該希少切断制限エンドヌクレアーゼおよび第二の制限エン
    ドヌクレアーゼで消化する工程; 該消化した第一のcDNAを、クローニングベクターにアンチセンスの向きに
    連結する工程; cRNAを該クローニングベクターから合成する工程; 該cRNAを、1つ以上の同調ヌクレオチドおよび該連結した第一のcDNA
    の3’末端に隣接する該クローニングベクターのサブ配列を含む第二の第一鎖プ
    ライマーと接触させる工程を包含する方法を使用して、第二のcDNAを該cR
    NAから合成する工程;ならびに 該第二のcDNAと、DNAポリメラーゼ、ならびに該連結した第一のcDN
    Aの3’末端に隣接する該クローニングベクターのサブ配列を含む第一の増幅プ
    ライマーおよび該連結した第一のcDNAの5’末端に隣接する該クローニング
    ベクターのサブ配列を含む第二の増幅プライマーとを接触させることによって、
    該第二のcDNAを増幅する工程、 を包含する方法にしたがって産生される、方法。
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